くにさくロゴ
1978/05/29 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 文教委員会 第9号
姉妹サイト
 
1978/05/29 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 文教委員会 第9号

#1
第087回国会 文教委員会 第9号
昭和五十四年五月二十九日(火曜日)
   午前十時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十八日
    辞任         補欠選任
     安永 英雄君     勝又 武一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         望月 邦夫君
    理 事
                後藤 正夫君
                世耕 政隆君
                粕谷 照美君
                小巻 敏雄君
    委 員
                山東 昭子君
                高橋 誉冨君
                吉田  実君
                勝又 武一君
                久保  亘君
                松前 達郎君
                宮之原貞光君
                柏原 ヤス君
                白木義一郎君
                田渕 哲也君
       発  議  者  粕谷 照美君
       発  議  者  久保  亘君
   国務大臣
       文 部 大 臣  内藤誉三郎君
   政府委員
       文部大臣官房長  宮地 貫一君
       文部省初等中等
       教育局長     諸澤 正道君
       文部省社会教育
       局長       望月哲太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        瀧  嘉衛君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○学校教育法の一部を改正する法律案(粕谷照美
 君外一名発議)
○女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保
 に関する法律の一部を改正する法律案(粕谷照
 美君外一名発議)
○オリンピック記念青少年総合センターの解散に
 関する法律案(第八十五回国会内閣提出、第八
 十七回国会衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(望月邦夫君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 昨二十八日、安永英雄君が委員を辞任され、その補欠として勝又武一君が選任されました。
#3
○委員長(望月邦夫君) 学校教育法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者から趣旨説明を聴取いたします。粕谷照美君。
#4
○粕谷照美君 ただいま議題となりました学校教育法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 学校には、校長、教頭、教諭のほか、養護教諭、学校事務職員、学校栄養職員、司書、給食調理員、用務員、警備員など各種の職員が配置されており、これらの職員が一体となって活動しなければ、学校教育の目的を十分に達成することはできません。これらの職種のうち、特に養護教諭及び事務職員につきましては、その職務の重要性にかんがみ、小中学校及び盲・聾・養護学校には原則として置くべきことを学校教育法において定めているのであります。
 しかるに、学校教育法制定以来、三分の一世紀を経過した今日においても、法制定時の事情から未設置の根拠となっている経過規定や、例外規定がいまだに撤廃されず、養護教諭及び事務職員の全校配置は実現を見ていないのであります。すなわち、昭和五十四年度における小中学校の平均配置率を見ますと、養護教諭が八二・七%(定数上七八・〇%)、事務職員が八六・一%(定数上七五・二%)となっております。
 養護教諭と事務職員の重要性、必要性につきましては、すでに当文教委員会においで何回も真剣に論議してきた問題でありますが、行政の理解不十分と努力不足はまことに遺憾であります。そこでもう一度両者の職務の重要性と全校配置の必要性につきまして御説明申し上げます。
 まず第一に養護教諭について申し上げます。
 御承知のように、養護教諭は児童、生徒の保健、安全に関する管理と指導というきわめて重要な職務を行っております。特に近年、社会、経済等の急激な変化に伴う生活環境の悪化と、入試準備教育の過熱を背景として、心臓、腎臓、胃などの疾患、う歯、近視、情緒障害の増加、さらには骨折の多発、肥満、背筋力の低下など子供の健康、体力について、きわめて憂うべき状況が生じております。その結果、父母や学校関係者から子供の生命と健康を守るために養護教諭の必置を求める声がますます高まってきております。この要請にこたえるため、各都道府県は標準定数法の定める定員を上回って養護教諭を配置せざるを得ないばかりか、相当数の養護教諭が複数校の勤務を強いられる事態を生じ、子供の健康管理を十分に行えないだけでなく、養護教諭自身の過労など、人権にかかわる問題まで生ずるに至っております。
 次に留意すべき問題は、学校教育法第二十八条十二項で、特別の事情あるときは、養護教諭にかえて養護助教諭を置くことができる旨の規定が置かれていることから生ずる問題であります。すなわち政府は、現在、養護教諭の増員計画を進めておりますが、その養成計画の不備等から有資格者が得られず、資格を持たない養護担当教諭が安易に配置される傾向が目立ち、教育現場に混乱と問題を起こしているのであります。子供の生命と健康に直接かかわる職種であり、また助教諭の場合と異なり、各学校に一人しか配置されておらず、他の養護教諭の指導等を受けることができないことを考えますと、専門職としての資格を持った養護教諭が配置されなければなりません。
 次に高等学校の養護教諭については、学校教育法上任意設置のたてまえとなっておりますが、すべての高校に養護教諭を配置する必要性のあることは、小中学校と同様であります。またこのことは、高校における養護教諭が全日制の課程と定時制の課程の兼務を余儀なくされて、労働過重になっている事態を解決するためにも必要な措置であります。
 第二に事務職員について申し上げます。
 学校事務職員の職務には、まず一般的な事務として文書、統計、給与、経理事務などがあり、また、直接子供にかかわる事務としては、教材教具、施設設備及び就学奨励などに関する事務、さらには地域の父母にかかわるPTAの諸活動への援助など、きわめて多方面にわたっております。さらにこれらの複雑多様な学校事務を適正に行うためには、学校教育の理念、教育内容、教育行政の仕組み及び子供の学習環境に関する知識など、一般行政事務とは別の意味での専門性が要請されており、学校事務は教員の教育活動と相まって、学校運営を有機的、一体的に進めるためにきわめて重要な役割りを果たしているのであります。
 事務職員の置かれていない学校では、教員が学校事務を分担させられ、これによって教育活動に手不足が生じ、また専門的な学校事務にも支障が起こり、その結果学校教育の正常な実施が阻害されているのであります。なお、各都道府県が標準定数法の定める定員を大幅に上回って学校事務職員を配置していることも、その必要性がよくあらわれております。
 以上述べました理由から、養護教諭及び学校事務職員の全校必置をこれ以上放置できないものと考え、本改正案を提出した次第であります。
 なお、養護教諭の必置制を実現するためには、養成機関の増設とその内容の充実、養護教諭の身分、処遇の改善等がきわめて重要であることを付言しておきたいと存じます。
 次に改正案の内容について申し上げます。
 第一は、高等学校に置かなければならない職員として、養護教諭を加えることとしております。
 第二に、小・中・高等学校等に養護教諭を置かないことができる期間を昭和五十八年三月三十一日までの間に改めております。
 第三に、昭和五十八年四月一日以降、養護教諭にかえて養護助教諭は置くことができないこととしております。
 第四に、事務職員の全校必置制は昭和五十八年四月一日から実施することとしております。
 第五に、政府は速やかに養護教諭の養成計画を樹立し、実施しなければならないこととしております。
 以上が本法律案の提案の理由と内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
#5
○委員長(望月邦夫君) 次に、女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、発議者から趣旨説明を聴取いたします。久保亘君。
#6
○久保亘君 ただいま議題となりました女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の概要を御説明申し上げます。
 学校教育がその目的を達成するためには、児童、生徒の教科、生活指導のほか、財務、会計、学習、生活環境の整備、子どもの安全と福祉などにかかわる活動が一体として機能しなければなりません。そのため学校には、いろいろな職種の教職員が配置され、その共同による有機的運営が期待されているのであります。
 しかし、従来から直接、児童、生徒の教育に従事する教育職員以外の職員の重要性、必要性に関する認識が必ずしも十分でありません。特に学校教育法上、必要なときに置くことができる職員として、その職名及び職務内容が明定されるに至っていない職員、すなわち学校図書館事務職員、養護職員、学校給食調理員、用務員、警備員等の職務内容の確立と地位、待遇の保障がきわめて不十分と言わなければなりません。申すまでもなく、これらの職員は、それぞれ学校図書館活動、学校保健、学校給食、環境の整備、保全など児童、生徒の生活に直接かかわる重要な職務に従事しており、また日々子どもたちと親しく接する存在であります。したがって、子どもたちに与える教育的影響も大きなものがあります。ちなみに、昭和五十二年度において国・公・私立の小・中・高等学校、盲・聾・養護学校及び幼稚園にこれらの職員が配置されている数は十四万三千余人であり、そのうち約九万三千人が女子職員であります。
 しかるに、昭和三十年に本法が制定されて以来、昭和三十九年には実習助手を、昨年は学校事務職員及び学校栄養職員をそれぞれ法の対象に加える改正が行われ、今日では上述の職員のみが本法の適用の対象外に置かれているのであります。
 その結果、他の教職員のように産休代替職員制度が認められず、出産したこれらの職員の多くが、労働基準法で保障されている産前、産後各六週間の休暇を十分にとることができず、無理な勤務を行わざるを得ない状況に追い込まれているのであります。このことは、これら職種の職員はほとんどの場合各学校に一名程度しか配置されていない実態からも不可避となっているばかりでなく、学校運営上さまざまな障害を生じているところであります。
 さらに、同一職場に勤務する他の職種の職員とのこのような不均衡、不平等は、学校の一体的運営を阻害するばかりでなく、人材の確保、積極的な職務態度等の障害ともなりかねないところであります。
 したがって、このような不合理な実情を改め、かつ母体及び生児の保護と正常な学校運営を確保するため、これらの職員を本法の適用の対象に加える改正案を提出した次第であります。
 次に改正案の内容としましては、女子教職員の出産に際しての補助教職員の臨時的任用制度の適用範囲を拡大するため、小・中・高等学校、盲・聾・養護学校及び幼稚園に常時勤務する女子教職員のうち、政令で定める職員を加え、すべての女子職員を適用の対象とすることを目指そうとするものであります。
 なお、この法律の実施については、その準備期間の必要性を考慮して、公布の日から起算して三月を経過した日から施行することにしております。
 以上が本法律案の提案の理由と内容の概略であります。
 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願いいたします。
#7
○委員長(望月邦夫君) ただいま趣旨説明を聴取いたしました両案を便宜一括して議題とし、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○勝又武一君 私は、本院の文教委員会で学校事務職員問題と産休代替法等につきまして、一昨年の十一月の一日、そしてまた養護教諭問題につきましては、昨年の五月二十五日にそれぞれにわたりまして質疑を行いました。
 特に、その中で両者の最低全校必置につきまして強調をいたしたところです。その後も職場を回りますと、正直言いましてこの未配置校というのは圧倒的に小規模校が多いのでありまして、その必要性はきわめて強く望まれております。
 なお、いまや全校各校一名必置という要望に加えまして、大規模校におきましては二名以上、複数にしてもらわなければ職場の実態からいって、非常に大変だという声も強いのでありました。あるいはまた、学校事務職員の定数配置等を見ますと、小・中学校と高校との格差もございまして、これらもなるべく早く埋めてほしいという要望も強いのであります。
 そういう意味合いで、本法案を提案をされておりますのは、全校配置することが、日常の教育活動にとりましてきわめて緊急を要している。こういう趣旨だというように理解をいたしてよろしいでしょうか。提案者にお聞きをいたします。
#9
○粕谷照美君 いま勝又委員が御質問になられました、そのとおりでございます。特に小規模校かからけががない、子供も病気が出ない、こういう問題ではありませんし、大規模校であればなおさらのことでありますから、一人しかいない養護教諭、あるいは事務職員の方々が、てんてこ舞いをしているというのが実情でありますので、その配置基準についてもこれを正していかなければなりません。
#10
○勝又武一君 それでは、以下具体的にお聞きをいたします。
 そこで、提案されました学校教育法の一部を改正する法律案で、養護教諭に関しましては百三条の「当分の間」という字句を「五十八年三月三十一日までの間」と期限をつけておりますし、また事務職員に関しましては、二十八条の一項のただし書きを削除されるという内容でございますが、いわゆる定数法との関連につきまして、どうお考えになって提案をされていらっしゃるのか。この点については両方にわたりましてお伺いをいたします。
#11
○粕谷照美君 提案理由でもきちんと書いて申し上げましたとおり、養護教員につきましては、百三条というのがありまして、学校教育法二十八条があるにもかかわらず、「当分の間、置かないことができる。」と、こうなっています。その「当分の間」というのがもう三十年を過ぎているわけですから、これをなくして、どこの学校にも置かなければならないというようにしなければならないと、こう考えているところですし、また事務職員につきましては、二十八条に「特別の事情のあるときは、」と、これに依拠いたしまして、「特別の事情」が特別ではなくて、あたりまえのような状況になっているのを、直していかなければならないという考え方に立ちまして、現場の先生方、それからお父さん、お母さんたちも、ぜひこの必置を望んでいるわけですから、その要求を大事に受けとめて提案をした、こうお考えいただきたいと思います。
 それから、定数の関係で言いますと、とにかく増員計画が樹立しない場合でも、五十八年の四月一日から養護教員、事務職員の全校配置をすると、こういう考え方に立って提案をしている次第です。
#12
○勝又武一君 文部省にお伺いをいたしますが、戦後の教育改革によりまして、教育基本法、学校教育法が制定をされ、日本の公教育は、平和、人権、民主主義の理念に基づきまして新しく出発し、民主的な制度の一環といたしまして、義務制の学校に初めて学校事務職員制度が誕生いたしました。御案内のとおりでありますけれど、この学校教育法第二十八条に、事務職員を学校に必要な職員として指定したときの趣旨はどういうものであったでしょうか、お伺いいたします。
#13
○政府委員(諸澤正道君) 学校教育法の制定によりまして、事務職員、それから養護教諭の設置ということが規定されたわけでありますが、養護教諭につきましては、ただいま御指摘がございましたように、本則において必置ということを明確にし、ただ「当分の間」、これは採用の問題や財政上の問題だろうと思いますが、「置かないことができる。」としてあるわけですけれども、事務職員につきましては、本則において「特別の事情」があれば「置かないことができる」と。ですから、その「特別の事情」とは何だということが問題になるわけでございますが、実は当時、法制定当時の国会の記録等で見ましても、必ずしもそこのところははっきり議論がないんでございます。ただ、当時関係した方々の、学校教育法の解説の図書などを見ますと、「特別の事情」というのは、僻地、小規模学校の場合や、適当な人材が得られない場合等を指すと、こういうことになっておりますので、私どもも今日までそういうふうに理解をしてきておるわけでございます。
#14
○勝又武一君 きょうはそこのところが本論でございませんので、文部省に対しまして十分な指摘を申し上げませんが、先ほども触れましたように、一昨年の十一月の一日に、私は本院の文教委員会で、特にこの学校事務職員の実態について申し上げ、文部省にお聞きをしたとおりです。ですから、その際にも申し上げましたが、特に小規模校ですね、この場合の学校事務職員がいない場合に、他の教育職員がその分を分担をしている。この大変さについて訴えたところです。あるいはまた、学校事務職員がいない場合の産休、そういう場合、他の教育職員がそれを代行する場合の大変さについても訴えたところです。
 そこで提案者にお伺いいたしますが、そういう実情の中で、学校事務職員の配置されていない学校、これはもう非常にやむを得ない、何とかしたい。そうするためには国からの正式のそういうこともないけれども、そしてまた反面、税外負担禁止という規定をした地財法の趣旨にも反するけれど、何とかPTAとかいろんな形で、私費でそういう事務職員を補っている例があるというように私も仄聞をいたしておりますけれど、そういう実態については提案者はどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#15
○粕谷照美君 いま御指摘のような事実はたくさんあるわけですね。大規模校において事務職員がいるところであっても、なおかつ足りませんから、私費、つまりPTAでもって事務職員を雇っているという実態があります。小規模校などにおきましてはもう全然おりませんから、そういう事実も非常にたくさんあるわけです。たとえば私が調べてきたのですけれども、山形市内の小学校六十一校、中学校二十六校、計八十七校のうち、小学校では三十五名、中学校では二十四名、合計五十九名もの私費の職員が雇用されているわけです。この法律が通ったからといって、すぐなくなるわけではありませんけれども、しかし、この法律が通れば、この数はぐっと少なくなっていくでしょう、こう考えまして、地財法違反のような実態を放置しておくことはできない、こういう考え方に立っているわけです。
#16
○勝又武一君 これは提案者の趣旨も全くそうだと思いますが、一番最初に御指摘いたしましたように、特に私は小・中学校と高校との間における総合された形での定数配置ですね、これで見ますと非常に大きな格差がある。そういう比較からいきますと、まさに義務教育諸学校の、特に一名も配置をされていないという小規模校については、きわめて緊急性が高い、こういうことをこれは重ねて御指摘を申し上げておきたいと思いますし、提案者の趣旨も全くそうだと思いますので、特にそういう意味で本法案の一日も早い成立を望む次第です。
 次に、養護教諭の問題に時間の関係で移りたいと思いますが、学校教育法五十条の二項にあります高校養護教諭との、この位置づけですね。これは現在どのようになっているんでしょうか。
#17
○粕谷照美君 現在、高等学校には七七・三%、実数で言いますと八三・六%が配置をされております。五十条の基本条項には置かれないで、二項の「置くことができる。」となっているために、自治体の財政状況では身分的にも非常に不安定でありますし、義務制と同じように、必置すべき教員として身分を確立すべきである、こう考えて提案をしている次第です。
#18
○勝又武一君 「養護教諭に代えて養護助教諭を置くことができる。」、これを削除すると改められた場合に、養護教諭の有資格者といいましょうか、いわゆる定員の充当、定員の確保、こういうことについて、現状の養護教諭の有資格者についての見通しといいましょうか、確保について、この点ひとつ提案者と、なおあわせて文部省にもこの点をお伺いをいたしたいと思います。
#19
○粕谷照美君 この「置くことができる。」というのを非常に有利に使っている。そして置かないでいるということについては、私どもは大変憤りに似たものを持っているのですが、先ほど文部省の方でも説明がありましたように、財政の問題だと、こう言いますけれども、やるということの漢意を固めれば財政は何とかくっついていくものかろうと、こう私どもは考えているんです。
 それで、免許の問題ですけれども、学校教育沖第二十八条にも「児童の養護をつかさどる。」と明記をされておりますので、養護教諭もやはり一定の資格はどうしても必要である、こう考えております。さらにまた、教育職員免許法でも養護教諭独自の免許状があるわけですから、やっぱり助教諭で置くということ自体が問題点だと、こう思います。車のドライバーは免許がなければ無免許でもって法的に取り締まられますけれども、教員の場合に免許がなくても仕事ができるということはやっぱり許せないことだと、こう考えております。
 それでは、どのようにして免許を取っていくのか、取らせていくのかということになりますと、やっぱり認定教育というものを、現職教育というものをずって充実をさせていきたい、そのことによって有利な条件をかち取らせて、教諭の免許仲が取れるようにいままでもやってきたわけですから、やれないことはないと思います。ぜひそのようにやっていきたいと思っています。
#20
○政府委員(諸澤正道君) ちょっと養護教諭につきまして詳しい資料を持ってまいりませんので、概略のところを御説明申し上げて御容赦をいただきたいと思うわけでございますが、現在養護教諭の養成制度というのは、大学で正規の養成をするというたてまえと、これは免許法制定当初からそれだけではとても足りないということで、保助看法による保健婦とか助産婦の免許状プラスアルファの現職教育――言ってみれば――によって免許を与えると、この二とおりの方法をとっておるわけでございますが、そこで現在の養護教諭の、小・中・高等学校段階における養護教諭と養護助教諭の割合を見ますと、養護助教諭というのは各学校段階を通じて五%から七%ぐらいではないかと思うのでございます。したがって、おっしゃるように、これらをすべて有資格の養護教諭にすると、さらに全校必置ということになりますと、ちょっといま正確な数字を持ってきておりませんので断定はできませんけれども、一般的に言えば、もう少し養成の定数を充実するという方向で検討しなければいけないのではないかというふうに考えるわけでございます。
#21
○勝又武一君 これは先ほども触れました、昨年の五月の二十五日、ここの文教委員会でやはり養護教諭の養成問題について、私もずいぶん議論をしたつもりなんです。ここに資料を持っていますけれども、きょうはいらっしゃいませんが、佐野大学局長の方からも、そういう国立養護教諭の養成制度については、養護教諭の資質、能力を一層向上させようという見地から、逐次四年制の養護教諭の養成課程に転換をしていくというようなことも含めまして、十分な努力をしていくという大学局長も答弁をしておりますし、その要望も申し上げた次第です。ここにもありますけれども、諸澤局長もその点で答えられておるのでありまして、引き続きこの点については文部省としてもこれは当然の努力を願いたいというように思います。
 そこで、重ねて提案者にいまの点でお聞きをしたいんですが、養護教諭の養成制度を文部省もそういう観点で進めてまいる、そういうことになりますと、今後の見通しとしまして、当然現在いる養護助教諭の方の身分保障、あるいは先ほども提案者の方も触れられましたが、今後の養成制度との関連におきまして、どのように御努力をされたらいいのか、特に身分保障という関係につきまして、提案者の御意見をひとつお聞かせをいただきたいと思うんです。
#22
○粕谷照美君 養護助教諭についてでございますか。
#23
○勝又武一君 そうです。
#24
○粕谷照美君 養護助教諭について先ほど申し上げましたけれども、資格を取るための認定講習などを充実をしまして、現職教育による単位を取得させて、経験年数などもこれも有利に計算の改善を図っていくということをやっていきたいと、こう考えているわけです。
 そのほかに先ほど申し上げたかったんですが、忘れましたけれども、五十三年度には受験者実は一万人もいるのですね。一万人もいる中で三千人しか採用されていない。そうすると七千人が不採用になっている。養護教諭が足りませんと言われますけれども、それは理屈にはならないと、こう思っているわけです。ですから、資格を有しながら就職をされないという、この矛盾点を何とか解決をしていくということも一つは必要であります。
 それからもう一つは、先ほども申し上げましたように、この配置基準ですね、百人の学校でも一人、千三百人の学校でも一人と、こういうような問題点なども直していきますと、もっともっと大ぜい採用しなければならないという条件が出てくるんだと、こう考えております。
#25
○勝又武一君 それでは次に、久保委員の提案をされておりますいわゆる現業職員関係、代替関係につきましてお伺いをいたします。
 まず、現業職員の数についてお伺いをいたしますが、公立の幼、小、中、高校、国立の幼、小、中高の数と、そのうちの特に女子の現業職員の数、これがどれほどでありますか、把握されていらっしゃる現状、あるいはそういう現状で十分だというように思われていらっしゃるのか、この辺についての御様子をお聞かせください。
#26
○久保亘君 お答えいたします。
 現業職員の数は、公立の幼稚園、小、中、高校で県費、市町村費の分を合わせまして、約十二万名と把握をいたしております。ちなみに五十三年十一月一日現在の文部省の調査で十一万九千十七名となっております。この数は学校の運営上なおかなり不足をしている数だと考えておりまして、十分な配置ということになれば、もっと配置をしなければならないものだと思います。なお国立の分だけで見ますと約一千五百名であります。そのうち女子の現業職員の数は小・中学校の場合に、給食調理員がその数の中には圧倒的に多いのでありますけれども、全体を通じまして約六割、七万二千名程度だと考えております。
 なお、この際つけ加えて御説明を申し上げますと、この法律を適用をしていただきますと、産代法の適用を受ける女子の職員ということになりますと、大体四十五歳未満を対象とすることになろうかと思いますが、女子職員のうちの約七五%程度でありまして、その数は五万四千名程度が該当することになろうかと思います。一年間の出産率は五・二%と見られておりますから、栄養職員と同じ比率で押さえますと、その数は約この法そのものを直接適用を受ける数は年間に二千八百名程度であろうかと存じます。
#27
○勝又武一君 よく実情はわかりましたが、それではそういう学校現業職員の方々の給与、これは現在どのような状況になっているんでしょうか。
#28
○久保亘君 給与は大体、全体的に見ますと、行政職(二)の給料表を適用している場合が多いのでありますから、平均いたしますと十六万円程度となろうかと思います。
#29
○勝又武一君 先ほども数をお伺いいたしましたが、私なりに少し調べますと、この学校現業職員の職種はたしか十三種ぐらいあるというように言われておりますし、中身を見ますといろいろ、給食調理員とか、用務員とか特に高校の場合の農夫とかいろいろあると思いますけれども、そういう十三職種のうち、いわゆる産代法の適用を受けている、こういうのはこの中のうちのどういう職種に該当しているんでしょうか。あるいはそれがそうだという、どうしてそういうような状態になっているのかですね、もしその職種が決まっている場合のそういうような状況についてお教えをいただきたいと思います。
#30
○久保亘君 現業職員の場合には、現在その適用を受けている人たちはいないのではないかと思います。
 なお、現業職員の場合には、先ほど申し忘れましたけれども、中途採用になっている方が多く、平均給与は先ほど申し上げたとおりでありますけれども、個々の実態について見ますと、教職員団体の調査等によりますと、標準世帯生計費を下回っている者が半分近くいる、中には生活保護基準を下回る給与の者も存在をするわけであります。
 なお、いま職種の問題についてお尋ねございましたけれども、学校用務員、給食調理従事員、養護職員、これは介助員とか添乗員などでありますが、そのほか農場職員、船舶職員、警備員等御指摘のように十三種類に及んでいるわけでありまして、これらの方々のうち、女子職員が主として勤務をしている部分ということになりますと、用務員、給食調理員、養護職員、こういった方々がこの中心となろうかと思います。
#31
○勝又武一君 私なりに非常にそういう意味で悩みますのは、学校事務職員の方々の産休代替、そしてまた養護教諭の方の産休代替、それからまた栄養士の方というような議論がずいぶん続きまして、そして実ってきた、そういうバランスの問題が非常によくわかるわけです。それなりにいまお聞きしたこの十三種の方々の場合に、どうしていままで適用を受けていないのか、しかも七五%も女子の方がいらっしゃる、こういうことについてはやっぱり私なりにそのバランス上の問題も思いますし、いままで放置をされていたということについての現状認識が非常に不十分だったという反省といいましょうか、やや憤りに似たものも感ずるわけでありますが、そういう意味で特に学校のこういう現業職員、特にこれは学校教育上きわめて必要な職員でありますからいるのでありまして、十三種に、幾ら多岐にわたろうが、こういう現実にいる、そしてまた教育活動を非常に底辺で支えていらっしゃるこの学校現業職員の方に提案をされています当法案が必要であるのか、この辺をひとつ提案者からわかりやすく御説明をいただきたいと思います。
#32
○久保亘君 先ほど提案理由で申し上げましたように、学校の教育というのは、携わっているいろいろな職種の人たちの総合的な協力、総合的な努力によって学校教育は円滑に運営され、その効果を上げていくものでありますから、この学校教育の職場にある者に対して、勤務の諸条件というのは、これは本来同じようになければならないと私どもは考えております。特に、今回現業職員ということで問題を提起いたしておりますその一つの例で申し上げますと、学校給食の調理に当たる職場というのは、これは大変な職場でありまして、私も何カ所も現場で実際に見聞をいたしておりますけれども、夏はもう物すごい温度の中で仕事をするところなんであります。こういうところで働かれる現業職員の方々の労働基準法が十分に守られるということはもちろんでありますけれども、少なくともいまの教員、教育職員、事務職員、それから共同調理場を含む栄養士、こういう方々に適用をされるようになりました産休代替の制度というのは、当然に同一の学校の職場にあるすべての職員に対して適用されることは必要なことだと考えております。これが今日まで部分的に改善をされてまいりましたけれども、いまなお現業職員の方々に適用されないままに放置されているということは、これは私は政府の責任であろうと思います。
#33
○勝又武一君 ちょうど最後の時間でありますので、これだけで終わりにいたします。
 大臣に最後にお聞きをしたいんでありますが、いまの両法案につきまして私も御質問を申し上げましたし、そしてまた提案者からも細かい御答弁もありました。なお私は冒頭申し上げましたように、私なりにこの学校事務職員問題、産休代替問題、あるいは養護教諭の問題について、一昨年、昨年と本文教委員会で私も大いに御要望申し上げ、御論議もしてまいりました。特に、また大臣もいままで長い間、いわゆる教員の定数問題については大変な御努力をされ、御実績を上げていらっしゃった、正直に言いまして本参議院の中でもきわめて高い実績をお持ちで、しかもきわめて専門的な立場であられるわけです。従来いらっしゃった文部大臣の方々、皆さんごりっぱな方々ばかりでありましたけれども、この問題についてはきわめて見識も高く、そしてまた実績もお持ちの大臣であります。私はこれ以上時間がありませんのでくどくは申し上げません。特にいま両法案についての御質疑お聞きのとおりでありまして、大臣も聞かれた中で、本法案についての特に私は緊急性の問題、そしてまた、大臣が昨年就任以来、この問題について示された並み並みならぬ御決意、こういうことも十分承知をいたしておりますので、この機会に最後に大臣に対しまして、ぜひこの両法案について緊急を要し、一日も早くこれらの法案が成立するように、大臣としても格段の御努力をお願いをいたしたい、こういう意味で最後にお願いを申し上げますが、大臣の御決意と御見解を最後にお聞きをしたいと思います。
#34
○国務大臣(内藤誉三郎君) 勝又委員の御趣旨よくわかりました。ただ、非常に大事な問題ですけれども、関連するところが非常に多いものですから、慎重に検討さしていただきます。
#35
○勝又武一君 終わります。
#36
○委員長(望月邦夫君) 両案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#37
○委員長(望月邦夫君) オリンピック記念青少年総合センターの解散に関する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。内藤文部大臣。
#38
○国務大臣(内藤誉三郎君) このたび政府から提出いたしましたオリンピック記念青少年総合センターの解散に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 オリンピック記念青少年総合センターは、昭和三十九年に開催されたオリンピック東京大会を記念し、この大会の選手村の施設を青少年のための宿泊研修施設として管理運営するために、オリンピック記念青少年総合センター法により、昭和四十年に特殊法人として設立され、自来、その施設を青少年の研修活動のために提供するほか、一般の利用にも供してまいりました。
 しかるに、近年の社会構造の急激な変化に伴い、青少年の学習要求は多様化、高度化し、これに対応してオリンピック記念青少年総合センターにおける青少年のための研修機能を一層充実強化することが必要とされるようになりました。
 また、わが国の青少年教育の一層の振興を図るため、全国的な観点から、青少年教育指導者に対する研修、青少年教育に関する施設及び団体の連携の促進、青少年教育に関する調査研究等を行う中核的な機関の設置が強く要請されております。
 このような状況を勘案し、かつ特殊法人の整理合理化の要請にこたえるため、オリンピック記念青少年総合センターを解散し、新たに文部省の附属機関として国立オリンピック記念青少年総合センターを設置することとし、この法律案を提出いたした次第であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 第一に、特殊法人オリンピック記念青少年総合センターは、この法律の施行の時において解散するものとし、その資産及び債務は、その時において国が承継することといたしております。
 第二に、新たに設置する国立オリンピック記念青少年総合センターは、青少年及び青少年教育指導者その他の青少年教育関係者に対する研修を通じ、並びに青少年教育に関する施設及び団体との連絡及び協力並びに青少年教育に関する専門的な調査研究を行うことにより、健全な青少年の育成及び青少年教育の振興を図るための機関とすることといたしております。
 第三に、オリンピック記念青少年総合センターの解散に伴う所要の規定の整備を行うとともに、必要な経過措置を定めることといたしております。
 なお、衆議院におきまして、施行期日が改められるとともに、それに伴う所要の修正が行われましたので、念のため申し添えます。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますよう、心からお願い申し上げます。
#39
○委員長(望月邦夫君) これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#40
○高橋誉冨君 私は、ただいまのオリンピック記念青少年総合センターの解散に関する法律案について若干御質問をいたします。
 まず、大臣に私はお聞きをしたいのですが、日本の将来と青少年、こういう問題で、日本がいま非常に経済的に豊かですばらしいと、こう言われるけれども、将来については食糧問題、あるいはエネルギー問題、あるいはその他の、北方領土を初めとする国際問題、いつどういう問題が日本の将来に惹起するかわからない、そういう困難な時代を背負って立つ青少年、非常に私は大事であると思いますが、まず最初に、大臣、病後で申しわけありませんが、元気を出して、どういうイメージを持って青少年を育成するのか、どういう決意を持って育成に当たるのか、基本的な考え方をまずお伺いしたい。
#41
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御指摘のとおり、日本の将来は青少年が担うわけですから、その青少年が、いまのように塾が繁盛して、受験勉強に追われておったのでは、これはやっぱり将来だめだと私は思うんです。やっぱり国際的に信頼され、尊敬されるように、いまおっしゃったエネルギー問題ももちろん大事、経済問題も大事ですが、何が大事だと言って、私は人づくりほど大事なものはないと思う。そういう意味で、私は、この総合センターが今後やっぱり各青少年団体との連携協力をして、そしてこれが青少年教育の中枢であるようになってほしいと思います。それにはやっぱり、自然に親しみ、人間性豊かな、創造力たくましい青少年になってほしいというのが私の願いでございます。
#42
○高橋誉冨君 大変病後に似合わず元気のいい御答弁をいただきまして、ありがとうございました。私は確かにそのとおり、塾が繁盛したり、家庭が過保護であったり、学校がとにかくまるで予備校のような存在で、本当の人間を育成する何か片寄った面がある。こういう欠点を是正しているのが、私は家庭教育、学校教育、社会教育のうちで、社会教育がこの是正に非常に役立っている。事実、私は市の体協の会長やらいろんなのをやっていまして、青少年の行動に接するわけですよ。ずっと戦後こう見ていますと、初めは、学校では言うことを聞くけれども、そういう社会人だけの立場に立った場合、学校を離れた場合に、子供は無秩序で収拾がつかない、わがままな状態だったんです。ところが近年、だんだんだんだん秩序がしっかりして、指導者もしっかりして、駅伝競争やろうが、野球大会やろうが、もう整然たる団体行動ができ、秩序ある試合ができるようになった。これは原因は何かなあといろいろ考えさせられたんですが、私は、青少年指導員というのがありますね、あの人たちが、利害を考えない、本当にもう誇りを持って青少年を指導している。私は考えてみると、専門の学校の先生よりもよっぽど良心的な指導しているような実際を見ているんですよ。だから私は、大臣や局長、たまにはそういう現場も行ってみて、肩をたたいて、よくやったと、こういう末端のところにもひとつ行ってやられたらどうかと、そういう認識を持ってもらいたい。いまの問題ではこれをお願いします。
 それから、私はそういうような人たちが何を望んでいるかというと、私たちがたとえばある市ならある市でこういうことをやってきた、こういう指導をやってきたと、しかしそれには、自分たちでやる場合にはやっぱりある程度行き詰まりを感ずる場合があります。そういう行き詰まりの是正なり、また新しい方法なり、もっと視野の広い立場から指導する、こういうものを非常に要望しているんですよ。今度のオリンピック総合センターというものは、そういういわゆる要求にこたえられる設備であるのかどうか、施設であるのかどうか、お伺いしたい。
#43
○国務大臣(内藤誉三郎君) 御指摘のとおり、やっぱり教育というものは学校だけじゃだめなんで、家庭と社会と、これが一体とならないと教育の成果は私は上がらないと思うので、そういう意味で今度のオリンピック記念総合センターは、これが関係社会教育団体の中枢機関になって、そして御指摘のように、本当にりっぱな子供を育てるような、そういう中枢的な機関としての役割りを果たし得るために、こういう形にしたのでございます。
#44
○高橋誉冨君 私はよくわかりました。それで、今度いわゆる特殊法人から文部省直轄にしたと。その経緯と、何といいますか、ここが違うんだと、特殊法人と直轄とはこれが違うんだということをひとつはっきりとそこで明示してもらいたい。局長で結構です。
#45
○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 今回御提案申しております、特殊法人のオリンピック記念青少年総合センターを直轄の社会教育施設に切りかえるに至りました経緯について御説明申し上げます。
 御承知のように、オリンピック記念青少年総合センターは、その設置する宿泊、研修施設を適切に運営して、青少年の心身の発達を図り、もって、健全な青少年の育成に寄与することを目的として、昭和四十年に設立された特殊法人でございます。このセンターを発足当初、特殊法人とすることにつきましては、どういう設置形態が一番適当かという、いろんな角度からの御議論もあったわけでございますが、センターがその施設として運営いたしますところのものは、オリンピック東京大会の選手村の施設を引き継ぐということでございましたので、やはり宿泊施設が主体となっておりますし、その施設管理を中心とした運営が予定されたということもございまして、特殊法人にすることに決定をされたわけでございます。しかしながら、その後、同センターでもスポーツ研修館等の研修施設を整備し、青少年の研修活動の場として、次第に研修の機能というものも充実しながら活用されてまいったところでございますけれども、最近、社会構造の急激な変化に伴いまして、青少年の学習要求は大変多様化し、また高度化をしてまいったわけでございまして、これに対応して、オリンピックセンターにおきますところの青少年のための研修機能を充実することが各方面から大変強く求められるようになってまいったわけでございます。単なる施設管理の形でなくて、もっと研修機能を持った施設として運用することが適当ではないかという御意見が出てまいったわけでございます。一方、国・公立の青少年教育施設の整備も大変進んでまいりまして、たとえば、青年の家にいたしましても、昭和四十一年には国立三、公立九十四でございましたが、現在では国立十三、公立五百九十四というふうな形になっております。そういう国・公立の青少年教育施設の整備は進んでまいっておりますので、先ほど先生からも御指摘がございましたように、やはりそういう施設がそれぞれ機能を発揮していくためには、やっぱりお互いに助け合い、知恵を出し合って、新しい運営の方式というものを常に考えていかなければならない。そうなりますと、そういう国・公立の青少年教育施設の連絡、協力という仕事が大変重要になってくると、これはやはり国立の施設でやることが適当ではないかというようなことも考えられるわけでございます。と同時に、青少年団体との連絡、協力、あるいは青少年教育に関しますところのいろいろな調査、研究、あるいは情報の収集、提供等、やはり今後の青少年教育のあり方を考えていくいろんな基礎的な作業というものがこれからますます必要になってくる、そういうこともやはり国立の施設の方がより適切であるということが考えられてまいったわけでございます。それで、たまたま行政改革の推進ということで、特殊法人の整理合理化という課題が出てまいりまして、このオリンピックセンターの取り扱いについて、いろいろ各方面で御議論もいただき、検討もされたわけでございますけれども、先ほど来申し上げたようないろんな経緯を踏まえまして、この際、同センターを特殊法人から文部省直轄の社会教育施設として発展的解消をして、ますます時代の進展に即応しながら、国の施設として実施することを、適切ないろんな機能を施設に付与することによりまして、青少年教育の振興に寄与してまいりたいと、このように考えて今回の法案を提案させていただいたわけでございます。
#46
○高橋誉冨君 よくわかりました。管理、運営、従来そっちが重点であったものが、機能というものを重視していくということでございますが、その機能として、具体的にどのような事業をやっていくのか、具体的に説明してもらいたい。
#47
○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。この法案の趣旨でございますけれども、一つは、青少年教育関係者に対する研修、それから青少年教育施設、あるいは青少年団体との連絡、協力、それから青少年教育に関する調査、研究と、大きな柱は三つになっております。その三つにつきまして、私どもが今後考えております事業、五十四年度の予算との関連も含めまして御説明申し上げたいと思います。
 まず第一番目の、青少年及び青少年教育指導者その他の青少年教育関係者に対する研修、これはその中に二つのものがございます。一つは、利用団体がみずからプログラムを持って行う自主研修でございます。これがまあ量的にはやはり主体になろうかと思いますけれども、自主研修の受け入れをいたします。これは従来センターでもやっております事業でございますが、さらに専門職員の増員、あるいはいろんな民間の各団体からの経験者の御協力をいただく、そういう面につきましての予算をきめ細かく配慮いたしまして、従来以上に施設としてのサービスができるようにいたしたいと思っております。
 それからその次は、センターがみずから行う主催事業でございますが、これは現在四種類の主催事業をやっておりますけれども、明年度は七種類の主催事業を考えておりまして、逐次この点につきましても充実を図りまして、やはりセンターとしていろいろみずから企画もし、発意もして、青少年教育関係者にできるだけのいろんな研修の機会を持っていただく、内容的にもしっかりしたものを用意いたしまして、そういうものを核にいたしまして、青少年教育がより質的に向上するような場といたしたいと思っております。
 それから次に、青少年教育に関する施設及び団体との連絡及び協力でございますが、先ほど申し上げましたように、大変ここ十年ぐらいの間に飛躍的に、全国に国・公立の青少年教育施設がふえております。そういう関係の方々にやはりお集まりをいただいて、いろいろと情報を交換していただきたいと、そういう機会をできるだけふやしていただきたい、そしてそれは私ども文部省が直接いたしますよりは、やはり実際に青少年を受け入れている施設が中心になってお世話をした方が、より話も内容的に具体的でございますし、お互いに気心も通い合わせたいということでございまして、今回センターにおきまして、そういう面での機能を大いに発揮してもらうようになることを私どもといたしても期待をしておるわけでございまして、昭和五十四年度におきましては、とりあえず全国幾つかのブロックでそういう青少年教育施設の関係者の連絡、協力のための会議を用意してまいりたいと思っております。
 それから青少年団体につきましても、かつては地域青年団というものが主体でございましたけれども、最近は先ほども申し上げましたように、青少年の関心その他が非常に多様化し、高度化をしておりますので、いろんなグループがたくさん育っております。こういうグループも私どもとしてはできるだけ巣立っていただきたい、相互の間の連絡もできるだけとっていただきたい、そういうふうなことから青少年団体の相互の連絡、協力のためのいろいろなお世話もセンターでいたしてまいりたい。
 それから最後に、青少年教育に関しますところの調査研究でございますが、これは机の上での調査研究もございますけれども、やはり具体的に非常に多数の青少年が出入りをいたしまして、そこで具体的に研修活動、あるいは日々の生活が展開されますところのそういう青少年教育施設で、具体の例に即しながら青少年教育の今後の問題について調査研究をし、あるいは資料を収集するということも大変大きな意味があるわけでございまして、私どもといたしましては、とりあえず来年度は青少年教育情報の刊行であるとか、外国人利用者向けの資料の作成であるとか、そういうふうなものも考えてまいりたいと思っておりますし、同時に青少年教育施設におきますところの研修プログラム、先ほど高橋先生もおっしゃったように、いろんな方がいろんな工夫をなさっていますけれども、なおどうしたらいいだろうかという問題をたくさん持っていらっしゃいます。そういう研修プログラムの開発のための調査研究にとりかかりたいと、このように考えておる次第でございます。
#48
○高橋誉冨君 そういういろんなことをやっていく上において、あれはもともとは昭和二十八年かにアメリカ将校の宿舎であったと、私の方で言うとこれをお下がりというんですがね、お下がりを使っているわけなんですね。そこで将来の日本を担うような青少年を指導するその中核として機能を果たす上において、新しい酒は新しい皮袋に盛れということがありますが、この際特殊法人から文部省直轄になったら、すぱっと施設を、雨漏りのするようなところでは、これは私は魅力も何もないと思うんですよ、人間が大事だけれども、建物自体もやっぱり魅力のある、生活できるような、そういう中核にふさわしい改装をする考えがあるかどうかお聞きしたい。
#49
○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、現センターの施設は建物面積延べ六万四千六十三平方メートルという大変大きな規模でございまして、宿泊施設は収容定員二千五百人、そのほか研修施設六十七、四千人収容の機能を持っておりますし、その他体育施設、あるいは屋外体育施設等いろんな施設を持って、一応利用される方々にできるだけ御活用いただいておるわけでございますけれども、御指摘のように、米軍宿舎からオリンピックのときの選手村、さらにこう引き継いできたものでございますので、利用者の間からも、研修施設として最初からそういう目的で整備をされていないために、大変研修施設としては使いにくい面もある。それからさらに建物が大変古くなってきておる。できるだけ早い時期に、もっといまの青少年の学習意欲にマッチするようなものに衣がえをしてほしいという御要望はかねがねございました。私どもも今回特殊法人から直轄の社会教育施設に切りかわるに当たりまして、ぜひそれを契機といたしまして、この施設を抜本的に整備をし直すという方針を決めておりまして、予算的におきましては、昭和五十三年からこのセンターの施設整備のための調査研究会を設ける予算を確保いたしまして、五十三年、五十四年、引き続き各界の専門家の方々等の御意見を承りながら、できるだけ新しい時代の青少年の教育の場としてふさわしい施設を整備をいたしたいと、このように考えておる次第でございます。
#50
○高橋誉冨君 新しいものにすると、とかく新しくしたんだから、これだけかかったんだから、使用料金を高くというのが常識ですがね。私は社会教育というのは、本当から言えば国でこういうものをやった場合には、ほとんどただにふさわしい状況で開放する、こう考えていますがね。料金をもっと安く、しかもみんなが喜んで、申し込みがいっぱいと、こういうような利用状況であるような料金にしたらどうかと考えますが、どうですか。
#51
○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 できるだけ低廉に、青少年その他の方々にこの教育施設を活用していただきたいという気持ちは全く先生御指摘のとおり私どもも同じでございます。ただ、いろいろ従来の経緯等もございますので、私どもといたしましては、とりあえず五十四年度におきましては、従来青少年については宿泊六百五十円、そのほかに研修室を使えば研修室について幾ら、あるいはピアノであるとか、視聴覚教材であるとか、そういうものを使いますと、それについて幾らというふうな料金を徴収をいたしておりましたが、この際青少年につきましては六百五十円という従来の宿泊料一本にいたしまして、他の経費は全部徴収しないようにいたしまして、一歩前進を図ったわけでございます。
 それから、日帰りの青少年につきましても、従来の日帰りの研修施設の利用料金、あるいは先ほど申し上げましたようないろんな器材の貸し出しの料金等につきましてございましたけれども、この貸し出しの方は同様にそういうものは徴収しなくいたしますと同時に、施設の使用料につきましても、従来の六割に切り下げるということで、一般の方々につきましては、従来千百円の宿泊料を千二百円に切り上げましたが、これは先ほど申し上げましたように、研修室の使用料とか、いろんな使用料を今度はとらなくいたしますので、ほぼ従来と同じでございます。それから引き上げの方についても、一般の方は設備の貸し出し料等を徴収しないというところは変わってまいります。そういう意味におきまして、大変財政事情の厳しい折でございますけれども、私どもといたしましては、できるだけの努力をいたしまして、直轄に際しまして、少なくとも青少年につきましては従来よりも負担を軽減するという方向に一歩踏み出したわけでございます。
#52
○高橋誉冨君 大変丁寧な答弁でありがとうございました。
 最後に、私はお願いいたしますが、やっぱりどんなりっぱな、どんなすばらしい施設をしても、実績を上げるのは人間関係だと思うんです。だから私はそこに七十八名の人間が現在働いていると言われますが、この人達が温かい気持ちで誠心誠意来る人に接するのと、何か不満を持ちながら接するのでは大きな違いがあります。特に青少年の指導者、これは純真な気持ちで参りますから、私はその人たちと接する態度は清純で、清らかで、そして夢に燃える、日本の将来に燃えるような職員であってほしい。そのためには、私はかつて人確法というのがありまして、教員の待遇が上がりました。そればかりでなく、社会が不況になったせいかどうかしりませんが、いま教員は押すな押すなというほどたくさんの希望者があって、優秀な人材がどんどん学校教職員には採用されている現実ですよ。私はやっぱりこの七十八名の職員も、今度いわゆる特殊法人から文部省直轄になった、待遇が悪くなった、こういうことではまずいと思うんです。生活に不安があってはまずいと思うんですよ。だから、私は文部省は人事院とよく相談をしまして、そしてりっぱな待遇で、後顧の憂えなく、青少年の中核センターに働く人として、誇りを持って働けるような、そういう待遇をしっかりと確保してもらいたい。身分、待遇につきまして、そういうことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#53
○政府委員(望月哲太郎君) お答え申し上げます。
 ただいま高橋先生御指摘のように、私どもも今回のケースというのは、特殊法人から直轄の施設に切りかわるという特別な場合でございますので、機械的に公務員になりました場合に、給与法の適用をいたしますと、かなり大幅な給与ダウンということも出てまいるケースがございますので、私どもといたしましては、極力給与の低下を少なくするように、最大の努力をもっていたしたいと、このように考えておりますし、人事院ともかねがねいろいろと協議を進めておるわけでございますが、御趣旨の線を十分踏まえまして、今後一層努力をしてまいりたいと思っております。
#54
○国務大臣(内藤誉三郎君) 高橋先生のおっしゃるとおりでございまして、ここに働く人たちが本当に全国の青少年指導者のリーダーであるという誇りと自信と信念がなければいかぬと思うので、そのためには待遇の改善ということは、これはお説のとおりでありますので、いま局長が申しましたように人事院とも協議して、できるだけ改善に努力いたしまして、やっぱり全国青少年団体の中核であるという誇りを持って、私はこれから青少年教育の指導に当たっていただきたいと、こう願っております。
#55
○委員長(望月邦夫君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時三十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト