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1978/06/01 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会、地方行政委員会、農林水産委員会、物価等対策特別委員会連合審査会 第1号
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1978/06/01 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会、地方行政委員会、農林水産委員会、物価等対策特別委員会連合審査会 第1号

#1
第087回国会 大蔵委員会、地方行政委員会、農林水産委員会、物価等対策特別委員会連合審査会 第1号
昭和五十四年六月一日(金曜日)
   午後一時三十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
   大蔵委員会
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                梶木 又三君
                藤田 正明君
                和田 静夫君
                矢追 秀彦君
                中村 利次君
    委 員
                浅野  拡君
                糸山英太郎君
                嶋崎  均君
                戸塚 進也君
                藤井 裕久君
                降矢 敬義君
                真鍋 賢二君
                勝又 武一君
                竹田 四郎君
                福間 知之君
                吉田忠三郎君
                佐藤 昭夫君
                市川 房枝君
   地方行政委員会
    委員長         永野 嚴雄君
    理 事
                金丸 三郎君
                神谷信之助君
    委 員
                熊谷  弘君
                鈴木 正一君
                中村 太郎君
                夏目 忠雄君
                小山 一平君
                佐藤 三吾君
                阿部 憲一君
                上林繁次郎君
                藤井 恒男君
                前島英三郎君
   農林水産委員会
    委員長        久次米健太郎君
    理 事
                大島 友治君
                山内 一郎君
    委 員
                岩上 二郎君
                片山 正英君
                北  修二君
                小林 国司君
                園田 清充君
                野呂田芳成君
                初村滝一郎君
                坂倉 藤吾君
                村沢  牧君
                原田  立君
                下田 京子君
                三治 重信君
   物価等対策特別委員会
    委員長         夏目 忠雄君
    理 事
                斎藤栄三郎君
                鈴木 正一君
                高杉 廸忠君
                桑名 義治君
                木島 則夫君
    委 員
                世耕 政隆君
                藤井 裕久君
                真鍋 賢二君
                増田  盛君
                大森  昭君
                渋谷 邦彦君
                渡部 通子君
                下田 京子君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  金子 一平君
       農林水産大臣   渡辺美智雄君
       国 務 大 臣
       (経済企画庁長
       官)       小坂徳三郎君
   政府委員
       経済企画庁国民
       生活局長     井川  博君
       経済企画庁物価
       局長       藤井 直樹君
       大蔵大臣官房日
       本専売公社監理
       官        名本 公洲君
       大蔵省主計局次
       長        吉野 良彦君
       国税庁直税部長  藤仲 貞一君
       厚生省公衆衛生
       局長       田中 明夫君
       農林水産省経済
       局長       今村 宣夫君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        高池 忠和君
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
       常任委員会専門
       員        竹中  譲君
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       日本専売公社総
       裁        泉 美之松君
       日本専売公社総
       務理事      小幡 琢也君
       日本専売公社総
       務理事      永井 幸一君
       日本専売公社総
       務理事      石井 忠順君
       日本専売公社理
       事        立川 武雄君
       日本専売公社理
       事        後藤  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○日本専売公社法等の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
  〔大蔵委員長坂野重信君委員長席に着く〕
#2
○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会、地方行政委員会、農林水産委員会、物価等対策特別委員会連合審査会を開会いたします。
 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。
 日本専売公社法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案の趣旨説明は、お手元に配付しました資料により御承知のほどお願いいたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○村沢牧君 私は、ただいま議題となりました日本専売公社法等の一部を改正する法律案について、農林水産委員の立場から葉たばこ関係に関連をいたしまして、以下質問いたします。
 今回の提案された法案は、今後の専売制度、たばこの小売価格、あるいは物価に及ぼす影響が大きいことはもちろんでありますけれども、葉たばこを耕作する生産者にとっても大きな影響があるわけであります。
 まず、今日の葉たばこの需要停滞から見て、たばこの値上げをすることによって需要はより減少すると思わなければならないわけであります。一方、外国産のたばこは依然として高い水準をもって輸入を続けておるわけであります。そのことは、葉たばこ耕作者には、これから面積の減少だとかあるいは生産調整を余儀なくされることは従来の経過あるいは今日の現状から見て明白でありますけれども、たばこ産業をどのように展望しているのか、そしてそれが葉たばこ耕作者にどのような影響を与えるのか、お聞きをいたします。
#4
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。
 今回の製造たばこの定価の改定及び専売納付金制度の改正によりまして、私どもといたしましては、専売公社の経営責任が明確にされ経営の自主性ができ上がるものと思いまして、それによってたばこ産業全体の基盤強化につながるものと考えておるわけでございます。
 この法案が成立することによりましてたばこ耕作者に直接のメリットはないと存じますけれども、たばこ産業の経営基盤が強化されることによって耕作者の方が得るところは少なくなかろうかと存じます。
 ただ、先生がいまお話しなさいましたように、今回の定価改定によりまして若干需要が落ち込むことが考えられます。これは半年あるいは一年後には回復してくるものと期待しておりますし、またそのように私ども努力してまいりたいと思っておりますが、一時的に消費が減退することは避け得られないことでございます。したがって私どもは、そういう一時的な消費の減退によってたばこ耕作者にしわ寄せが起こらないように今後努力してまいりたいと思っておる次第でございます。
#5
○村沢牧君 今日たばこ産業を取り巻く情勢、それから耕作者に関係をする状況は、私は率直に言って厳しいものがあるというふうに思うのであります。
 いま総裁から答弁があったわけでありますけれども、重ねてお伺いいたしますけれども、納付金制度の法定化やあるいはたばこの値段が上がることによって生産者には具体的にどのようにはね返ってくるのか、何らのメリットもないのかどうか、その点について重ねて質問いたします。
#6
○説明員(後藤正君) お答え申し上げます。
 今回の制度改善は先生御案内のように、一つはいわゆる納付金率の法定、これは過去いろいろな審議会、調査会等で指摘されてきたところでございますし、また五十年定改の際にも、いまの専売納付金についての抜本的な検討ということが衆議院の附帯決議の中で指摘されております。
 いまの仕組みですと、いわゆる益金の範囲内で納めるという仕組みでございますんで、地方消費税の場合は従価税をとっておりますので毎年ある程度上がってまいりますが、コストアップとかいろんなものがすべていわゆる国庫への収入の減というような形になっております。したがって、いわゆる第二次公共企業体等関係閣僚協議会の基本問題会議におきましても、こういう仕組みでは一体何のための財政専売だというようなことが大変指摘されたわけでございます。したがいまして、私どもとしてはこの際、国、地方に対する財政貢献を安定的なものにするということが一つございます。
 それと同時に、海外から日本の輸入たばこの価格決定は恣意的ではないか、どうも仕組みがよくわからないということで恣意的な値づけをしているんではないかということがECあるいは日米間で問題になっておりまして、こういう面からもやはり内国消費税相当を明らかにし、同時に専売公社が輸入する場合の輸入たばこの関税率を明らかにするというようなことが基本的に諸情勢の中で仕組まれてまいったわけでございます。
 それで私どもといたしましては、こういう制度を仕組みますにつきましては、やはり関係団体でございますいわゆる耕作団体とか販売組合とか、私どもの全専売組合等々と十分いろんな討議を重ねてまいっておりまして、この制度を通じましていわゆる国に対する財政貢献を安定的なものにし、反面的に公社の経営責任と経営指標というものを明確にして、やはり国民の皆さん、消費者の皆さんに公企体としての経営責任をお示しをするということでございます。この対話の過程におきましていろいろ耕作団体の方からも疑問が出されましたが、いわゆる現在の収納価格等につきましては、たばこ専売法五条によりまして生産費、物価その他の経済事情を参酌して適正な収益を与えるものでなければならないというような、収納価格についてはそういう法律がございますし、また価格、面積の決定につきましても耕作審議会の議を経なければならないというような規定がございます。したがいまして、そういういわゆる現行制度につきましては、一切こういう制度を仕組みましても変えるつもりはございません。従来どおりこういう法の精神にのっとり耕作審議会に諮りまして私ども運営をしてまいりたいというように考えております。
 したがいまして、先ほど総裁が申し上げましたように、こういう制度を仕組むことによって、いままでいろんなとかくの批判がございましたものを、長期的に考えるならば、公社の自主性によってそれで経営基盤を強化してまいる。それが日本のたばこ産業全体として長期的に見ればいわゆる産業基盤の強化につながり、関係諸団体との調和と発展ということに資するもの、このように私どもは考えておる次第でございます。
#7
○村沢牧君 現在のたばこ価格は専売法五条によって適当に補償されているかどうかという問題については後ほど指摘をいたしますが、たばこといえども農産物の一種であります。
 米のように食管制度によって二重価格制がとられているものは別といたしまして、多くの農産物について見れば消費者価格が上がれば生産者価格も上がる。あるいはまた、生産者価格が上がれば消費者価格も上がってくる、これは自由経済の原則であるというふうに思うんであります。農林大臣いますけれども、たばこの小売価格は上がるけれども、農民のつくる葉たばこの値段は上がらない、このことについて、あなたは農業の発展を担当していく大臣としてどのように考えますか。
#8
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、葉たばこの値段が上がるか上がらないか決める立場にはございませんからわかりませんが、専売公社の体質が強化されるということは、私は生産者にとっても弱化するよりは有利ではないだろうかと、こう思っております。
#9
○村沢牧君 渡辺農林大臣、やっぱり農林大臣としては生産者の所得が補償されて、消費者価格が上がれば生産者価格も上がってくる、大臣はいつもそういうことを言っているわけですけれども、それが今回のようにたばこの値段は上がってくるけれども、それが即生産者のところにはね返ってこない。このことについて大臣としてはどのように考えているか聞いているんですよ。
#10
○国務大臣(渡辺美智雄君) この法案が通って葉たばこの価格が上がるのか上がらないのか私にはわかりませんので、ただ聞いておるところは、これによって公社が経営基盤がしっかりする、経営基盤がしっかりすれば葉たばこを買い上げる基盤がしっかりするわけですから、公社が赤字になることよりも公社が経営基盤がしっかりすれば、耕作農民にとっては私はマイナスになる点は余りないんじゃないかという気がしておるわけであります。
#11
○説明員(泉美之松君) 補足して御説明申し上げます。
 村沢委員御承知のように、現在の葉たばこの価格は、昭和四十年に決めました一定の算式がございまして、基準年次の価格を基礎にいたしまして、基準年次から適用年までの物価、労賃の変動率を乗じまして価格の決定をすることになっております。したがって、今回製造たばこの定価改定が行われましたからといって、すぐにそれが葉たばこの生産者価格に響くというものではございませんが、しかし、製造たばこの定価改定が行われずにそれが据え置かれておるときにおきましても、いま申し上げましたような計算方式で計算された結果、葉たばこの生産者価格といいますか、収納価格でございますけれども、これは上がることになるわけでございまして、したがって、普通の農産物でございますと生産者価格と消費者価格がストレートにつながっておる場合が多うございますけれども、たばこの場合には、葉たばこの収納価格と製造たばこの小売価格との間にストレートの関係はございません。ただ、専売法第五条の規定によって、耕作農民に「適正な収益」を得さしめるということに基づきまして、先ほど申し上げましたように、基準年次の価格に物価、労賃の変動率を乗じて計算した結果によって収納価格の引き上げが行われる、こういうことになっておるわけでございます。
#12
○村沢牧君 いま渡辺農林水産大臣は、この法律が仮に成立するとして、公社の経営がよくなればそれが葉たばこにも影響してくるであろうというような答弁があったわけですけれども、総裁の方は、葉たばこの収納価格はあくまで専売法五条によって決められており、さらにまた審議会の議を経て総裁が決めていくんだということになっていますから、公社の経営には関係がないというような趣旨の答弁でありますけれども、その辺は重ねて総裁にお伺いしますが、どうですか。
#13
○説明員(泉美之松君) 先ほどお答えいたしましたように、葉たばこの収納価格は一定の算式に基づいて決定され、たばこ耕作審議会に諮られるわけでございますが、その一定の方式で計算する場合、公社の経営基盤が確実、強固になっておりますと、その計算の結果引き上げる葉たばこの収納価格が何と申しますか、有利に適用し得る条件が備わるもの、これは渡辺農林水産大臣のおっしゃられたとおりでございまして、私はそのことを否定するものではございません。
#14
○村沢牧君 大蔵大臣にお伺いいたします。
 この法案の提案の理由を見ますると、この法案は専売納付金率を法定化し、財政収入の安定的確保と専売公社の自主性の向上、その経営の効率化を図る見地から所要の改正をするということをいっておるわけであります。
 中身は改めて申すまでもありませんけれども、売り上げの中からまず税金を先取りして、それで公社の経営を圧迫するようなときには定価法定制を緩和して国会審議抜きでもたばこの値上げができるようにする。これは全く大蔵省や専売公社にとっては結構ずくめの制度であります。
 ところが、後ほど同僚議員からも指摘をいたしますけれども、国民にとっては負担増になる、物価の値上がりにもつながってくる。いままで質問してまいりましたように、葉たばこを生産する耕作者にとっては直接のメリットはないんだと。だとするならば、この法案を提案した真のねらいは何であるか、そのことについて大臣の見解をと思うんであります。
#15
○国務大臣(金子一平君) いままでたばこ専売益金の制度につきましてはいろいろ議論がございました。先ほども話が出ておりましたように、たばこの定価に占める納付金部分が利益によって左右されるんで、定価の形成方式がきわめて不明確であるというような指摘が従来行われてまいりましたし、また、納付金が公社の利益処分になっておりまして公社の経営の効率性が評価しにくい、あるいは経営責任が不明確だというようないろんな問題が指摘されてまいっておりますので、この際、こういった問題を解決するために納付金率を法定いたしまして、これはまあ益金処分じゃなくて公社の損金に立てようと、たばこ地方消費税と同じでございますが。そうして、自余の部分の公社の益金部分がきわめて大きく落ち込むというような場合に、いまお話しのような法定制の緩和によって値上げをお認めいただきたいということでございますが、それはある意味において結局公社に経営の責任を持たして健全性を守っていこうということでございます。私どもはこの機会に、ぜひ両方の目的を持っているわけでございますんで御理解いただきたいと思うんでございますが、まあ法定制の緩和と申しましても御承知のとおり四つの大変むずかしい厳しい条件をつけておりまして、しかも専売事業審議会の議を経て決めなきゃいかぬ。
 この審議会には従来の審議委員のほかに消費者代表でございますとか、労組代表でございますとか、関係の委員をさらに加えて幅広い見地から、果たして公社の提案する引き上げが妥当かどうかを審議して結論を出してもらおうということでございまして、私は決して行政官庁の恣意によって値上げが頻繁に行われるようなことはあり得ないし、またそういう気持ちは毛頭持っていないことを申し上げておきたいと思うんでございます。
#16
○村沢牧君 今回のたばこの値上げについては、国家財政も大変に窮屈になって国債も四〇%も発行しておる、この際財政力を強めなければいけない。だからとれるところからうんととれというふうな、強いて言えばそんな気もするわけなんです。
 それには一つの理由もあるでしょうけれども、そこでもう一つの理由として公社のやっぱり経営の安定を図っていくんだということ、今日まで三年間たばこの値段を上げなかったからコストも大分上がってきたというお話なんです。コストが高くなったといわれますけれども、一体どのように高くなってきたのか、製造たばこの銘柄別にひとつコストを明らかにしてください。
#17
○説明員(後藤正君) お答え申し上げます。
 銘柄別はひとつ、いろんな大変たばこは国際商品でございますので、銘柄別の原価あるいは逆の意味の益金率ということについては御容赦願いたいわけでございますが、総体としましてお答え申し上げますと、昭和五十年の定改をお願いをいたしまして、それまで大体五十年では、まあ定改が実は五十年の十二月十八日に実施はお認め願ったわけでございますが、益金率として五四まで実は落ち込んだわけでございます。それがやはり最近五十年を起点にしまして、原価としまして現在当初実行見込みで私ども約三〇%、三割の原価上昇と予定しておりましたが、ことしの場合は幸い円高とかあるいは消費者物価が非常に鎮静化したというようなこともございまして、現在の見込み修正をしますと約一二六%、二割六分原価が上昇をいたしております。益金率が五十年定改が平年度化しました五十一年で大体六〇・五%まで回復をしたわけでございますが、このままほっときますと、国に対する来年の納付見込みも大体五千二百五十億円ぐらいでございますし、地方は一応六千百八十億円のたばこ地方消費税を納めますが、先生もいま御指摘のように、大変国家財政の厳しい折から、公社のいわゆる総原価の上がりも補い、同時に国に対しても定改をやりますと、定改のない場合に比較しまして、これは五月一日実施を前提にしておりますが、一応そういう計算では二千二百四十億ほど多く、約七千五百数十億円国庫納付金を納めることができるわけでございます。そういうことでこの定改をぜひお願い申し上げたいという次第でございます。
#18
○村沢牧君 たばこのコストを銘柄別に明らかにできないということは、たくさんの種類があるので短い時間には発表できないということか、それとも銘柄別にコストをつかんでおらないからできないということなのか、あるいは銘柄別にコストを発表すると他に及ぼす影響が大きいのでここで明らかにすることができないから御容赦願いたいというのか、その辺どうなんですか。
#19
○説明員(泉美之松君) 製造たばこの銘柄別の原価につきましては、昭和五十年の定改のときにも問題になったのでございますが、現在世界各国は製造たばこで非常に国際競争を激しくやっておりまして、どの企業もそれぞれの銘柄について原価を発表しておりません。全部秘匿しておるわけでございます。
 わが専売公社も国際競争にさらされております関係上、銘柄別の原価を明らかにすることによって国際競争上いろいろ問題になる心配がございます。大変恐縮でございますけれども、銘柄別の原価はどうか御容赦をお願いしたいのでございます。
#20
○村沢牧君 総裁のそういう答弁でありますから、この問題については後日いずれかの機会にまた改めて質問してまいります。
 そこで私は、このたばこの製造に要する葉たばこ調達費、葉たばこ加工費、たばこ製造費の三つの経費について五十一年と五十二年度について当初予算と決算額を比べてみたんです。
 そうしますと、葉たばこ調達費は五十一年度に六百億円、五十二年度は七百六十億円、予算より決算額が少なくなっているんですね。また加工費は同様に七十億円、八十億円、たばこの製造費は二百九十億円、三百億円、いずれも減少しておるのです。つまり五十一年度はこの三つの経費で九百六十億円、五十二年度は千百四十億円、当初予算より実際の予算の使用が少なくて済んだ勘定になっているんですね。五十三年度の予算も五十一年、五十二年の水準以上に当初予算に計上されておりますから、決算の段階ではこれまた一千億近い使い残りというか、予算を余すということになるんではないかというふうに思うんです。
 そこで、五十四年度になりますと、こういう状態でありますから、この三つの経費はトータルで当初予算において前年度対比七百三十五億円減らして予算をつくっておるわけですね。
 このように、予算に計上しただけの経費が必要でなかった。したがって前年度予算よりも経費を減額をしておるにもかかわらず、たばこの小売価格をなぜ上げなければならないか、私にはわからないのですよ。たばこの経費がたくさんになったから上げるのだと言いますけれども、予算より決算の方が少ない。しかもことしの予算は前年度よりもかなり減額して経費を見込んでおるのです。にもかかわらずなぜ小売価格を上げなければならないのですか。
#21
○説明員(泉美之松君) お話しのように、私ども葉たばこ原料調達費あるいは加工費等につきまして予算を組んでおりますが、これは支出予算の権限を支出権を取得するために決まっておる数字でございまして、その際、たとえば葉たばこでございますと、これは御存じのように農作物でございますから豊作と凶作との差がかなりございます。したがって、そういう点を見込んで予算をつくっておるわけでございますが、場合によっては豊作になる場合もありますが、豊作でない場合もございます。したがって現実の支出額は予算額の範囲内にとどまることが多うございます。そこで決算額は予算額に達していないということになるわけでございます。
 昭和五十四年度におきまして葉たばこ調達費を減らしておりますのは、これは昨年の審議会の答申で耕作面積を千百ヘクタール減ずることになりました。したがって、耕作面積が減りますれば収穫予定数量も減りますので、それを見込んで葉たばこ調達費を減額しておるし、また在庫の関係もございまして輸入葉たばこも減らすということを考えておりますので、葉たばこ調達費が減っておるわけでございます。
 しかし御承知のように、葉たばこはそれを収納いたしましてから二年後に現実に製造たばこに巻くわけでございます。本年製造たばこを巻くのは二年前あるいはそれよりさらに一年前できておる葉たばこを使っていくわけでございます。それはもうすでにコストとして上がってきておるわけでございますので、本年の葉たばこの調達費いかんにかかわらず、すでに上がっておる単価に基づいて計算すると製造たばこの値段を上げざるを得ないということになるわけでございます。
#22
○村沢牧君 どうも私が聞いておってもあんまりわかりませんから、ましてや国民はわからないと思うんですがね。
 これは予算は一応目標として立てる、しかしその予算いっぱい使ったとしても公社の経営はやっていけたわけですね。ところが予算よりもはるかに決算は少ないのだからそれだけ必要がないんだ、それでなおかつ小売価格を上げていかなければいけない。納得できないのですが、この問題長くやっているとまた時間かかりますから次へ進みます。
 そこで、この法案が成立をしますと五六%の専売納付金を先取りをされて公社は厳しい経営努力を迫られてくると思うんです。また厳しくやらなければいけないというふうに思うんです。
 公社の経営が圧迫されてまいりますと、たとえば職員の給与であるとか、あるいは小売店の手数料、特に私は心配することは原材料のコストが製造原価の六〇%を占めるという葉たばこ、この耕作農民や葉たばこにしわ寄せがいくのではないか、先ほど来総裁は、葉たばこの収納価格は専売法五条によって決まっているからそういうしわ寄せはないというふうに言っておるわけですけれども、このしわ寄せという問題はただ単なる価格の問題だけではなくていろいろあると思うんですよ。
 すなわち、先ほどから言われております葉たばこの収納価格について、それから生産施設に対する補助金について、あるいはたばこの耕作面積、そのいずれに対してもたばこ耕作者に対しては不利にならない、そのように言い切ることができますか。
#23
○説明員(泉美之松君) 今回定価改定を行いますと、先ほど申し上げましたように一時的にたばこに対する需要が減退いたします。私どもはそのことによって生産者にしわ寄せが起こらないように努力するということを先ほども申し上げたのでございますが、基本的には現在製造たばこの需要がここ二、三年伸びておりませんので、葉たばこは本来二十四カ月分在庫があれば適正なのでございますが、現在のところ三十四カ月余りの在庫になっておりまして十カ月ほど過剰在庫になっておるわけでございます。そのために五十三年、五十四年と生産調整をお願いしてまいっております。この生産調整ということは、まあ廃作、減作をなさる方が年々ございますので、その廃作、減作の範囲内で生産調整をしていただくということで今日までまいっておりました。
 このことは今回の改正あるなしにかかわらず実行していただかなければならないことでございますが、それを別にいたしますと、先ほども申し上げましたように、葉たばこの価格は専売法第五条の規定に基づきましてたばこ耕作審議会に諮問して決めるわけでございまして、今回の制度改正がそれと全然関係がなく行われるわけです。
 ただ、先ほども申し上げましたように、今回の制度改正によって公社の経営基盤が強化されるということになりますれば、それはたばこ耕作者にとっても決してマイナスではないというふうに考えておるところでございます。
#24
○村沢牧君 たばこ耕作者にとってすべて不利にならないということではなくて、価格の問題は五条によって何とかしていくと、しかし生産調整に関連をする面積についてはやっぱり関係を持ってくるわけですよ。
 ただ、ここで一点だけ指摘をしておくのでありますけれども、価格の問題について専売法によって補償され、なおかつ審議会の意見を聞いて総裁が決めるということにはなっておりますけれども、現在そのたばこの価格に占める労働費のとり方について、あるいは家族の労働報酬について、他の農産物、米や果樹なんかと比べてみて決してたばこはよくない。ただ法律どおりにやっているということだけであって補償されておらない。このことを私は指摘をして次の生産調整の問題について聞いてまいります。
 まずたばこの耕作面積でありますけれども、昭和四十九年には五万五千七百三十二ヘクタールあったのが専売公社の生産奨励政策によってだんだんふえてまいりまして、五十二年には六万四千二百四十六ヘクタールになった。ここで生産過剰になって在庫が多くなってきたので五十三年からは減反、生産調整に踏み切ったんです。これでは公社の都合によってつくりなさい、奨励金を出しますということで盛んにつくらしておいて、今度は余ったから減反します、生産調整をしますということでは農民にとってはきわめて不安なんです。こんな減量政策の見通しの甘さ、これについては一体どのように反省をしておるのか。それから今後どのように生産調整をしていこうとするのか、その辺はどうですか。
#25
○説明員(永井幸一君) お答えを申し上げます。
 昭和四十年代の後半は先生も御高承のとおりでございまして、経済成長が大変高度に進んでいた時代でございます。その当時におきましては、農業全体一般と他産業との生産性の格差が大変広がってまいりまして、離農現象が起こったわけでございまして、そういったことを受けまして、たばこの耕作につきましても生産者の数も耕作の面積も大変減ってまいったわけでございまして、そういった中で何とかして国内の生産の規模を一定の限度で維持をしてまいりたいということから、昭和四十八年から五十三年まで六カ年の対策を立てまして、第一次生産対策という形で生産性の向上とたばこ耕作農家の経営の安定化というものを図ってまいったわけでございます。
 そういったことで、その効果もいろいろあらわれてまいりまして、国内産地の近代化は大変前進してまいったというふうにわれわれの方でも考えているわけでございます。ただそういう生産性が向上いたしました反面、品質の低下傾向なども見られまして大変いろんな問題が起こったわけでございますが、特に最近に至りましていろんな事情、景気の停滞とか健康と喫煙問題とか、そういった問題から大変たばこの売れ行きが停滞をしてまいっているわけでございまして、葉たばこは製造たばこの原料でございますので、今後の使用の数量がどの程度になるのかということと大変関係が深いわけでございます。そういった意味から、将来の売れ行き見込みというものが大変低下してまいりましたために、そういったことから在庫が大変過剰になってまいったという事実があるわけでございます。
 そういった問題点の解消に向かいまして、五十四年度から大蔵省の方にもお願いを申し上げまして、第二次生産対策というものを実施をいたしまして、今後品質の回復ということを主題に置きながらさらに生産の合理化に努めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#26
○村沢牧君 公社は、いままで進めてきたこの減量政策について反省の一かけらもないわけですね。見通しが全くなかったんです。だからつくりなさい、つくりなさいと言ってさんざんつくらしたけれども、今度在庫がたくさんになってきたから生産調整をしますと、こんなことではこれからいかにこの法案が成立をして公社の経営をよくすると言ったって、こんな生ぬるいことでは公社の経常はよくなりませんよ。
 そこで、これから生産調整をしていくということでありますが、これも公社の原料需給の見通しによると、五十三年度は六万三千六百十六ヘクタールある面積をだんだん減少さしていって五十八年には五万二千三十ヘクタールにする、つまり五年間に一万一千五百八十六ヘクタール、一八%の面積減を見込んでおるわけですね。これはどのようにして減少させるのか。先ほど生産農家には負担をかけない、迷惑はかけないというふうに言っておったんですけれども、迷惑をかけなくてこのことができるかどうか。
 さらに、公社の第二次の生産計画ですか、を発表になっておりますけれども、これを見ると、これからたばこの主産地形成をしていくんだということですね。いわゆる主産地を形成していく。そういうことにして減反、生産調整を図っていくということになれば、たばこというのは山村僻地に多いわけなんですよ。そうすると、生産性の低い地域やいままでたばこをつくっておった地域が切り捨てられるようなことになってくるんではないか、機械化をして大規模にしていくということも言っているわけですね。どういうふうにして減反を進めていくんですか。その辺について時間が余りありませんから、簡潔に答弁してください。
#27
○説明員(永井幸一君) たばこの耕作面積につきましては、毎年耕作審議会を開きまして翌年度の面積について御審議をいただくわけでございます。先ほど先生からお示しになりました資料は、本年度の耕作面積を決めるのに当たりまして、昨年度の耕作審議会に提出した資料だと思いますが、先々の耕作面積を決めるという趣旨ではございませんで、本年度の耕作面積を決めていただくに当たりましても、先々一体どういう傾向にあるのかということを御承知いただいた上で御判断を願いたいということで出しました資料でございまして、その数字自体が五年間の計画という数字ではございません。もし一定の条件で、たとえばことし御提案を申し上げておりますと同じような算式で将来耕作の面積をもし減らしていくということであればこういう数字に相なります、その結果、在庫はこうなりまして、こういうことでございますという、御参考までに出した資料でございまして、その数字自体、今後こういうことでやっていくということではございませんで、来年の耕作面積につきましては、この八月またさらに資料を出しまして来年の面積をどうするかということを御決定をいただくということでございます。
 したがいまして、その中で主産地形成ということ、このこと自体は進めてまいりたいとは思いますけれども、具体的に主産地形成をするに当たって個々に生ずる問題、そういった問題をこの際どうするということを決めたわけではございません。
#28
○村沢牧君 この出した数字は単なる参考的なものであって、必ずしもこのとおりならなくてもいいということですが、ならなくてもいいんですか。
 あなたたちはこの五年間に二〇%ぐらい生産調整しなきゃ在庫が減らないんじゃないですか、やるんでしょう。やらなくてもいいんですか。じゃあ耕作農民がこれいやだと言えば、そのままいいんですか。仮に一八%生産調整したとしても在庫数量は二十六カ月ですか、あなたたちの基準在庫は二十四カ月が一番いいと言っている。これだけ減らしてもまだ二十六カ月も在庫があるんですよ。いま言われたように、これは単なる参考だからあとはいいんだということなんですか。そんなずさんなもんですか。総裁答弁してください。
#29
○説明員(泉美之松君) 先ほど申し上げましたように、現在過剰在庫が相当ございますので、生産調整はここ当分続けざるを得ないと思います。ただ永井が申しましたように、昨年御提出した数字は一つの計画というものではない。一応の見通しからするとこういうふうになりますから、来年の耕作面積を決めるに当たってそういった点を御考慮の上決めてください、こういう資料としてお出ししたものでございまして、生産調整自体は私先ほど申し上げましたように、ここ当分続けざるを得ないと思います。
 ただその生産調整は、年々廃作あるいは減作をなさる方がいらっしゃいますので、その廃減作の範囲内で生産調整をやっていきたい。本当言えば一挙に生産調整を行いますと在庫を急激に減らすことができるわけでありますけれども、一挙に生産調整をすることには農家の方としても、たばこ耕作者の方が大変御迷惑を受けられるだろうと思いますので、廃減作の範囲内でやっていくというためにかなり時間がかかるということは確かでございます。
#30
○村沢牧君 総裁は見方によれば耕作農民にとっては非常に配慮した答弁があった。私どもたとえば地域に行って、専売公社からこういう減反の奨励を受けました、どうしてもやってくれということを専売公社は言っている。そういう相談受けたときに、いやその計画は単なる目標だからやらなくてもいいよ、そんなことは総裁も言っているんだから、それは皆さんの言うとおりにひとつやりなさいということでいいですね。強制しませんね。
#31
○説明員(泉美之松君) 各農家に対しまして耕作面積の許可をいたします場合には、先ほど申し上げましたように、たばこ耕作審議会にお諮りいたしまして、全国及び種類別の耕作面積の御決定を願った後、各農家に耕作面積の許可の申請をお出し願ってそれを許可するということにいたしておりますので、その際には、やはり耕作審議会で認められた面積の範囲内でございませんと許可することができないわけでございまして、そのときにはやはり従っていただかなければならないわけでありまして、先ほど申し上げましたように、たばこ耕作審議会で面積が決まるまでは、必ずしもその提出した資料のとおりではなくてもいいわけでありますけれども、面積が決まれば、それに従って全国的に耕作者の方はそれを守っていただかないと、各地で不都合が生じますと困りますので、その点は耕作審議会で決まった面積は守っていただきたいわけでございます。
#32
○村沢牧君 総裁、重ねて申し上げるけれども、現在、在庫が三十カ月ですね。これを減らして二十四カ月にしていくためには、どんな言い回しをしておっても、あなたたちは生産調整をしなきゃできないことなんですよ。減反しなきゃできないこと。それを、耕作農民の意思を尊重していくなんて言ったって、結果的には決まったことはやってもらわなきゃ困るということで、それは許可しませんということで押しつけることになるんですね。そういうことが絶体にあってはいけないし、ですから、この問題についても時間がありませんから、いずれ機会を見て私はこれを追及してまいりたいというふうに思うんです。
 次にもう一つ、たばこが非常に在庫が多いと言っておりますけれども、外国のたばこは依然として輸入が続いておるわけですね。なるほど、外国のたばこを入れるためには、国内のたばこは品質が悪いんだとか、ニコチンがどうだとか、コストがどうだとか、あるいは甘味がどうだとか、そのために必要だというふうに言っておるんですけれども、いま総裁が言われたように、生産を高めていく、そうしていけば外国たばこの輸入はだんだん減らしてまいりますか。
 いま、五十三年度で大体三六%輸入ですね。五十四年度は三四%。この計画で見ても、五十八年度計画で言うと、五十八年度でも国内の減反は一八%、二〇%もするけれども、外国たばこの輸入は依然として三三%という数字がでてくるわけですね。国内の生産を減らしても外国のたばこの方は依然として減ってこないじゃないですか。これはどういうことなんですか。
#33
○説明員(泉美之松君) たばこ耕作者の方には大変苦労して耕作をしていただいておるのでございますが、わが国の土壌と、それから気象の関係からいたしまして、アメリカの黄色種あるいはバーレー種のように香興味のあるたばこは、残念ながらわが国では生産することができません。それからまた、オリエント葉のような特殊の香味のある葉たばこもわが国ではつくることができません。それからさらに、わが国の場合には、やはり土壌と気象との関係からいたしまして、ニコチン、タールが高うございますので、東南アジアのような粗放農業でできたニコチン、タールの少ない葉たばこも輸入する必要があるわけでございまして、私どもは、国産葉をできるだけ使用するというたてまえからいたしまして、外国葉の輸入をできるだけ抑えるつもりでおりますけれども、先ほど申し上げましたようなものはどうしても国内でできませんので輸入せざるを得ないわけでございまして、いまお話しのように、昭和五十一年、五十二年に国産葉の品質が非常に劣化いたしまして、そのためにやむを得ず、輸入葉を三六%あるいは三四%使っておりますけれども、私どもとしましては、できるだけ輸入葉を少なくするということで、いまお話がありましたように、昭和五十八年度ごろには三三%程度にまで落としていきたい。それには、しかし国内の葉たばこの品質がよくなっていただく必要があります、こういうことを申し上げておるのでございます。
#34
○村沢牧君 私の持ち時間がぼつぼつなくなってまいりましたので、最後に農林大臣、さっきからいらっしゃいますので大臣に質問いたしますが、葉たばこは、耕作農家は約十二万戸、日本の畑作農作物の中でこの葉たばこの占める地位というものは非常に大きいと思うんですね。農業所得で見れば三%を占めており、農産物でも約七位くらいになっているわけですね。そうして同時に、たばこの耕作者は他の農業収入とも合わせて行っておりますから、専業農家や一種兼業農家、言うならば、大臣の言うような中核農家が非常に多いわけですね。したがって、たばこは大蔵省の所管であるから農林大臣は余り知らないよというような顔をしておるのじゃなくて、これはやっぱり農林水産省としても農政の発展という意味で力を入れるべきだと思う。特に米の生産調整と関連をして、地域においてはたばこをつくりたいという希望もたくさんある。ところが御承知のように、たばこはこれから減反をしていくんだ、生産調整をしていくんだというようなことになって、こういう現状なんですね。あるいは地域農業を推進をするということで、農林大臣としてはたばこに対してどういう考え方を持っているのか、農産物の一つとして。そのことが一つ。それから、専売公社の専売事業調査会というこういう資料があるんですけれども、これによると、専売公社の費用の中で農政的費用の負担という問題を提起しておるんです。これは、言わんとするところは、専売公社が公社としての企業としての責任を越えたいわゆる超過負担分については、これは農政的費用負担分として区別をして、何らかの方向でこれを処理する必要がある、こういうことを言っているわけですね。つまり、専売公社の経営から見れば、この農政的な分までは専売公社ではしょい切れない、ひとつ渡辺農林水産大臣もしょってくれということなんです。このたばこ産業の占める地位、それから農政としてどのような貢献をしていくのか、めんどうを見ていくのか。その二点について、渡辺農林大臣に質問して、私は時間が参りましたから以上で終わります。
#35
○国務大臣(渡辺美智雄君) 葉たばこの農政上における地位につきましては、何せ畑作物の中で二千四百三十億円という生産があるわけですから、バレイショの千二百億とかお茶の九百億とかから比べるとかなり大きなシェアを占めております。
 したがいまして、大体農業の粗生産額の作物別に見ると米の次が豚とか牛乳になって、だんだんいって七番目、単作物で七番目の生産高で、シェアは二・四%、こういうふうなことになっております。したがいまして農林省といたしましても、葉たばこの振興というためには生産性の合理化、こういうことについて農業近代化の資金制度で融資措置を講じておったり、あるいは土地改良事業、こういうようなことでその助成をして機械化体系ができるようにしたり、あるいは作業がしやすくしたり、また特産物の特産畑作振興対策事業、こういうような中にも組み入れておるし、構造改善の中でも助成をしておるわけであります。したがって農林省は農林省なりに、畑作物としての育成には努力をしておるつもりでございます。
 ただ、国内原料葉たばこの価格が専売法によっていろいろ値段が決められておるわけでございますが、これが国際的な部分、割り高な部分についてもそのものについて農政費で持てと言われましても、これは専売公社が専売公社の立場から適正な負担をしておるわけであって、それを農政費で農林省が持つというわけにはこれはいかないことであると、かように考えております。
#36
○高杉廸忠君 私は、いま議題になっております専売公社の改正法について、物価対策の立場、国民生活の影響、そしてたばこの値上げと制度改正、かつ喫煙と健康等々について、大蔵大臣を初め総裁、経済企画庁、厚生省、各省庁にお伺いをいたしたいと存じます。
 まず大蔵大臣にお尋ねをいたしたいと思いますが、最近のように卸売物価が年率にして二〇%、大変急上昇をしている。消費者物価への波及ということが心配されている今日でありますが、公共料金の引き上げは極力抑制して政府みずからがその範をたるべきだと、こういうふうに思うんです。
 本年度の値上げ予定の公共料金の中でも、特に消費者物価への寄与度の高いたばこでありますから、これが二一%も今回の改正によって上がるとすれば消費者にとっては大変な問題であると思うんです。先ほど村沢委員、同僚の委員からも指摘をされましたが、今回大幅な値上げをしなければならない基本的な理由というのは、大蔵大臣、いま申し上げましたいろいろな経済調整として、まず大臣からお答えをいただきたいと、こう思います。
#37
○国務大臣(金子一平君) お話しのように、卸売物価は騰勢を大分強めてまいっております。しかし、消費者物価の方は幸いに昨年度末以来ずっと見込みの四%を下回って三・七%というようなことで推移しておりますが、ここ数カ月後にある程度消費者物価への卸売物価の影響も出てくると思います。
 こういう際でございますから公共料金は極力抑えたいということで政府全体として努力をしてまいったわけでございますが、御承知のとおり、公共料金を無理に抑えますと結局それは国民の税負担にはね返ることになるものですから、値上げ幅を抑えたり施行の時期をずらしたりしてある程度お認めをいただくことにしたわけでございます。私どもは、全体としての物価に及ぼす影響というものは、たばこについては〇・三七%、ことしは昨年の四%の物価上昇に対して四・九くらい見ておりますが、いまのところではとにかく消費者物価については世界の優等生でございまして、恐らく特段の異変がなければ大体四・九の中におさまるのではないか。ただ問題は六月のOPECの動きがどうなるか、これは全く不確定要素でございますから、いまから予断できないと思っておりますが、十分に物価には留意してまいるつもりでおります。
 そこで、こういう際ですからたばこの値上げは極力遠慮しろよという御意見もございますが、従来からたばこは財政物資ということで相当高率の負担をお願いいたしております。これは日本も明治三十八年からずっとでございますし、世界各国とも同じような状況になっておるのでございます。特にことしに入りまして財政事情が大変厳しくなりまして、国債も四割前後の国債依存をしなきゃいかぬというような状況になってまいります。
 たばこの先般の値上げは大体四年前、昭和五十年だったかと思うのでありますが、その後の物価の上昇、消費者物価の上昇の推移等を勘案いたしまして、ぜひひとつこの際二割程度の引き上げをお許しいただきたいと、こういうことでお願いをしておるような状況でございます。
 細かい二一%の根拠につきましては、政府委員から説明をいたさせます。
#38
○政府委員(名本公洲君) お答えいたします。
 五十年の十二月に前回の定価改定をお認め願いまして現在まで三年半ほどたっておるわけでございますが、この間に専売公社の製造たばこの製造原価が五十三年度におきましては二十数%、三〇%近く上がってまいりました。その結果、たばこの中で占めております専売納付金あるいは専売公社の利益として残ります内部留保の部分、その部分が低下をしてまいっております。それを今回の定価改定によりましてぜひ回復をさせていただきたいということでございます。
 原価の上昇部分が二十数%になっております。また、それを負担していただきます消費者の方々のたとえば雇用所得にいたしましても、この間にほぼ三割程度上昇いたしております。消費者物価全体としましてもほぼ三割方上昇しておるところでございますので、五十年定価改定以後の増加しました原価につきまして、その部分について回復をぜひお願いをいたしたいということでございます。
#39
○高杉廸忠君 大蔵大臣に重ねて伺いますが、先ほど村沢委員も指摘をいたしましたけれども、今回の改正の一つの重要な点は国会の審議にかける法定制を外そうと、いわゆる定価法定制の緩和、こういうことの指摘もありました。
 財政法三条の中で、特にたばこ、郵便、電信、電話、国鉄は国会審議から外さないように定めているわけであります。先般の国鉄に続いて今度たばこを外そうと、こういうようなことで国会審議の歯どめをなくしてしまうことは、財政民主主義や国民生活の現状から見て私は問題ではないかと、こういうふうに思うんですね。先ほど村沢委員から若干の指摘もありました。重ねて大蔵大臣の見解、所見を伺います。
#40
○国務大臣(金子一平君) 財政法第三条の関係、財政民主主義の立場から法定制緩和の考え方はどうかというお尋ねでございますが、財政法第三条で、専売物資につきましても国会の審議かあるいは法律の規定に基づいて値段を決めなきゃいかぬと規定されておることは十分承知しておりますが、租税法定主義の原則のようにきわめて厳格な制度をとっておるとは私ども考えていないのでありまして、法律の根拠規定が値段を決めるに当たって必要だということでございますから、今回の改正によって一定のかくかくしかじかの場合に行政権に価格を決定することをお任せいただくことは、必ずしも財政法第三条あるいは憲法の精神に反するものではないと、これは法律的には私どもそう考えておるわけでございます。
 ただ、財政民主主義の立場から、やはり私どもとしましては国会の御意向をこれは十分考えなきゃいけませんので、今回の改正に当たりましては法律で一定の歯どめをかけまして、四つの厳しい条件のもとに、こういう場合に限ってどの程度の範囲内で値上げをすることを認めるぞというふうにお決めいただくと、さらにまた専売事業審議会におきまして、大ぜいの消費者代表も入れた、あるいは労組代表も入れた委員の皆さんの御意見を聞いて、その結論によって大蔵大臣が決めると、こういうかっこうにいたしておりますので、決して行政権がひとり歩きをして手前勝手なことをやるということ、私どもはそういう気持ちは毛頭ありませんし、そこは慎重に厳正にやってまいるつもりでございますので、どうか御提案を申し上げておるのをお認めいただきたいと考える次第でございます。
#41
○高杉廸忠君 総裁にお尋ねをいたします。
 先ほど村沢委員の質問に総裁は、これからの展望について、需要が落ち込むし一時的に消費は減退すると、半年後ぐらいには回復をするだろうと、こういうような期待を込めたお答えもありました。私は、中長期的な今後の経営見通しを展望した場合に、嫌煙権運動なんかありますわね。引き続き需要というのは下がることも、停滞するのではないかとも思われます。他方、原材料だとか人件費の高騰によってまた大幅な値上げ、これをせざるを得ないことも予想されるわけです。したがって、安易に小売価格の引き上げ改定に、そこだけをしぼっていきますと、私は国鉄離れだとかこのようにたばこ離れ、こういう現象も起きると思うんですね。
 今回の平均で二一%値上げした場合に、それじゃこの改正について衆議院でたしか総裁は五十九年までは現状の推移といいますか、形で再度値上げをしなくても済むような御発言があったように思うんですが、それではいまの総裁の見通しではこれから五十九年までは大丈夫だと、こういうようなはっきりした将来展望の上に立っておられるのかどうか、その辺をまず総裁からお答えをいただきたいと思うんです。
#42
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。
 わが国の製造たばこの消費もだんだんと成熟期に達しまして、昭和三十年代、四十年代でございますと年々五、六%、多いときには七%も消費がふえたわけでございますが、五十年の定価改定以降その伸びが大変鈍化してまいっております。
 お話しのように、昨年春以来いわゆる嫌煙権運動というものが起きまして、五十三年度のたばこの販売の伸びはわずか〇、一%でしかなかったわけでございます。今回二一%程度のシガレットの値上げを行いますと、先ほど申し上げましたように、消費が一時的に停滞することはもう必至でございますが、これがどのように回復していくか。私どもは、成年人口の伸び率が落ちたとはいえ、年々一・一%程度の伸び率に達しておりますし、年々一%ないし二%台のたばこの販売の伸びは今後とも期待できるのではないか。昔のように五、六%はともかく、二%台の伸びは期待できるだろうと思っておるのでありまして、したがって、衆議院でお答えいたしましたように、昭和五十八年度中に専売公社の決算が赤字または赤字になることが確実と見込まれるような事態が起きるだろうと思います。その場合に、今回の法定制緩和に基づきまして大蔵大臣が暫定最高価格をお決めいただくならば、それに基づいて小売価格の改定を行いたいというふうに思うわけでございますが、私は、だから五十九年とは申し上げかねますが、五十八年までぐらいは維持して、もし改定を行うとしても五十八年の後半であろうかと、このように考えておる次第でございます。
#43
○高杉廸忠君 それじゃ、大蔵大臣にまたお尋ねをいたしますけれども、今回の改正案では、先ほど村沢委員も言われましたが、納付金率平均五五・五%法定しておりますが、これは主として財政収入の安定的確保の見地から決定されたとしか言いようがないんですね。この制度の導入は果たして国民、消費者にとってどういうような具体的なメリットが期待できるのか、これが一つであります。
 それから消費者の立場からすれば、この制度の導入によって今回の改定二一%の中に少なくとも五十三年度の総合納付金率と比べて一・八%分だけ余分に支払われる制度とこう言えますわね。納付金率を五五・五%平均と、高率ですね、決定した妥当性について大臣はどういうように御説明されるのか、二点についてお伺いをいたしたいと思います。
#44
○政府委員(名本公洲君) 二つの御質問でございますが、第一点の納付金率の法定制の問題でございます。
 この問題につきましては、かねがね国会でも御議論をちょうだいした問題でありますと同時に、各種審議会で導入につきまして議論があった問題でございます。
 一つは、この納付金率の法定を果たしますことによるメリットとしまして財政収入の安定的確保という問題がございますし、また第二番目といたしましては、それによりまして公社の自主性の確立ということがございます。それと同時に、第三番目の問題といたしまして、消費者サイドから見ました場合に、たばこの定価の中に占めておりますいわゆる税負担部分、地方消費税を一緒にいたしました税負担部分というものが、従来の納付金制度のもとにおきましては非常にあいまいであると、定価の中で何円部分がその税に相当する部分に当たるのかということが明らかになっていなかったわけでございます。これを今回定価に対する一定の率でもって地方及び国に対します財政への寄与の率を定めることといたしたわけでございまして、定価の中の税相当部分が幾らかということが消費者の方々に明らかになることに相なります。
 それと同時に、もう一つ申し上げられますことは、専売公社の自主性が高められるということに相なるわけでございまして、従来の納付金制度でございますと、専売公社の利益の中から国庫納付金をいたすという制度になっておりますために、専売公社がどの程度企業努力をいたしておるかということが必ずしもはっきりしなかったわけでございますが、これが自主性が高められることによりまして、消費者によります専売公社に対する監視といいますか、そういう部分に目が届きやすくなるというメリットがあろうかと思います。
 それから、第二番目の御質問でございます今回の定価改定によりまして、五十四年度の総合的な納付金の率といたしまして五五・六%程度になり、五十三年度の見込みに比べまして一・八%程度上昇するということに相なるわけでございますが、これは御指摘のとおりでございます。今回決めました五五・六%、五十四年度で言いますと五五・六程度になりますが、このものは五十三年度の国庫及び地方に対する財政の寄与率から見ますと確かに一・八%程度ふえております。しかし、四十年代以降の専売納付金及び地方たばこ消費税が定価に占めておりました割合というものを見てみますと、おおむね五五・六程度になっておるわけでございまして、五十三年度におきまして五三%台に落ち込んだということは、これはとりもなおさず、五十年定価改定以後現在までの原価上昇の結果、たばこが国、地方の財政に対しましてしょっております寄与率というものが下がってきたものでございまして、この下がったところを今回定価改定をお願いすることによりまして回復さしていただきたいということでございまして、一・八%程度ふえたということは、これは私どもの方の考え方としましては、低下したものを回復さしていただくものであると、かように考えておるところでございます。
#45
○高杉廸忠君 総裁の方に伺うんですが、たばこは嗜好品、とりわけ一部の、特に低所得者の人たちにとっては生活必需品であるといっても過言ではないと思うんですね。公社でも、こうした人を対象にして――現在ゴールデンバットか何かありますわね。安いたばこを販売しているとは言え、量的には非常にまだ十分ではないと思うんですね。今回の改正で、最低限でも四四・五%の納付金率――三級品ですね、が設定されると、現行価格の大幅上昇になるわけですね。そういう附則四項を適用をして、できるだけ長い期間現行価格に据え置くようなこと、そういう考えというのはないんだろうか、そういう点についての見解、総裁どういうふうに御見解持っておられるか。
#46
○説明員(泉美之松君) お答えいたします。
 わが国では、たばこの最低価格と最高価格との間に五倍の開きがございます。このような開きの多いのはわが国独特でございまして、アメリカなんかではほとんど、長さによって差があるとか、あるいは売るところがスーパーマーケットであるか、あるいはホテルで売るか、一般小売人が売るか、そういう差による値段の差はありますけれども、たばこの銘柄による差はほとんどないわけでございます。ただわが国では昔から、下級品といっては大変失礼でございますけれども、値段の安いたばこと値段の高いたばことの間にかなりの差を設けて、消費者にその選択の自由を与えておるわけでございます。
 お話しのように、三級品につきましては、今回四四・五%の納付金率をお定め願いましても、その納付金率を賄うことのできないような銘柄のものが若干ございまして、私どもとしましては、今後そういった銘柄のものにつきまして品質管理、銘柄管理を行いまして、それによってできるだけ附則四項の規定に基づきまして、大蔵大臣の御承認をいただいて、それは本来たばこの値段というものは地方消費税と専売納付金とを賄い、かつ、公社の能率的な経営ができるような価格でなければならないという規定の適用の除外をお認め願っていくわけであります。できるだけそういった銘柄につきましては、今後とも価格改定をしないで、次の価格改定のときにそれを考えるというふうに持っていきたいと思っておるところでございます。
 ただ、いまの予想では、そういう銘柄がいろいろございますが、中にはもう品質管理、個別管理をいろいろやりましてもとうてい見込みがないから、新しい銘柄を開発して販売することによって、その銘柄のものは廃止させていただくというようなこともあるいは起こるかと思いますけれども、それらの点につきましては消費者のことを考えまして、今後一層努力してまいりたい、このように考えておるところでございます。
#47
○高杉廸忠君 総裁、再三申しわけないんですけれども、いまの点から発展していきますと、定価法定制の緩和ということで、まあ私は、製造原価上昇分をそのまま定価値上げとなったのでは消費者にとっては余り好ましくないわけなんですね。
 今回の改正で私は公社の経営の効率性を期待してるんです。公社では今後ともそれ相当の企業努力をすると思います。先ほど村沢委員からも若干お話が出て、総裁もそういうふうな企業努力の点についてのお話がありましたが、これを企業努力の具体的な取り組み、これが一つあろうかと思います。
 その中の一つとしては、いまもちょっと若干触れましたが新製品の開発、あるいは私にすればニコチンやタール量の少ない商品ですね、それから価格の安いといいますか、商品、こういうような国民、消費者のニーズによる開発、こういうものが今後の企業努力の中にあるだろうと思うんですが、今後の商品計画についてはいま申し上げましたようなのを含めまして、どういうような具体的な御計画、その辺について生かされようとされるのか、この点を伺いたい。
#48
○説明員(泉美之松君) お話しのように、最近、消費者のニーズは大変多様化いたしております。と同時に、大変高級品志向という面も強くなっておるところでございまして、そういった消費者ニーズの動向を見ながら新商品の開発を行っていきたい、こう思っておるところでありますが、大体の傾向といたしましては、いま先生のお話しのように、ニコチン、タールの少ない、しかもたばことしてのうまみのある銘柄を開発していく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、そういうふうにしましても、わが国の葉たばこのコストが国際価格から比べましてかなり高目になっておりますので、外国とのコスト競争という点からいたしますと、わが公社は大変不利な立場になっております。したがって私ども企業として、加工技術によって何とか国産葉を使いこなしていく必要がありますが、同時に国産葉の品質をよくしていただくよう、耕作者の方にお願いしておるわけでありまして、そういった努力が両々相まつことによって国際競争にまあ何とかたえていきたい、このように考えておるところでございます。
#49
○高杉廸忠君 それじゃ総裁、お中元の時期でもありますから、ビール券や図書券のように贈答用のものがありますわね、それと同様にたばこにも贈答用の券を発行してはどうかというのは、一つのこれも企業努力の中に入るだろうと思うんですが、そういうような具体的な事柄も公社としてはお考えだろうと思いますが、いま申し上げた点ではどうなんですか。
#50
○説明員(立川武雄君) お答えいたします。
 たばこにつきましてもまあ贈答券と申しますか、ギフト券のようなものを考えたらどうかという御意見でございますが、これにつきましては、たばこ販売組合がございまして、その連合会がごく一部、大阪あたりが初めに券を発行いたしております。現在のところ、たばこ販売組合連合会の仕事として発行しておりますけれども、まだ全国的に行き渡っておりません。いまやっておりませんのは信越あるいは茨城、栃木、四国でございまして、あとのところは発行している状況でございます。
 ただこれにつきましては、なるべく早い機会に全国統一いたしまして消費者の利便あるいは販売促進につながるように検討してまいりたいと存じております。全国の団体でございます全国たばこ販売協会におきましてもいまそれを検討中でございます。
#51
○高杉廸忠君 また大蔵大臣にこの際お尋ねしますけれども、今回の改正で、先ほど村沢委員へのお答えにもありましたが、大蔵大臣は、法律で定める最高価格に一・三倍の範囲で等級別に暫定的な最高価格を定めると、その際の一・三倍というこの理論的な根拠は何があるんでしょうか。それから法律で定める最高価格の一・三倍を超える際は現行どおりの国会審議、こういうことになると思うんですね。先ほど総裁からは五十八年度中、言うなら五十九年の三月までと、こういうような大まかな見通し等も含めましてありましたし、大蔵省として、じゃ、そういう時期というのがどういうような見通しを持っておられるのか。
#52
○政府委員(名本公洲君) 御質問の第一点の引き上げを行い得る限度の一・三倍というものの根拠でございますが、これは先生第二番目の問題として御質問になりました、次に定価の改定をしなければならない、すなわち赤字になるのがいつかという御質問とも関連いたすわけでございますけれども、ただいま総裁からお答え申し上げましたように、これは物価情勢によりまして変動いたすわけでございますけれども、いろいろ推計をいたしてみますと五十八年、あるいは物価が非常に鎮静をいたすというようなことでございますと五十九年ぐらいになるかもわかりませんが、そのころに専売公社は赤字に転落するのではなかろうかと、こういうふうに考えられるわけでございます。そのような事態になりました場合におきます原価、その時点におきます原価の上昇率がどの程度になるかということを推計をいたしてみますと、二五%から三〇%程度に達するわけでございます。
 それで、今回私どもの方にお任せをちょうだいいたしたい範囲といたしましては、定価を改定いたします場合に原価が上昇いたしました幅まではそれを回復できる余地をちょうだいいたしたいということでございます。それで、赤字に転落いたしますであろう時点でほぼ原価が三割程度近く上がっておるということから三割増しという点に一つの枠を置かしていただいておるような次第でございます。
 次に、赤字になる時点は、総裁からお答え申し上げましたように、たとえば五%くらい原価が毎年上界いたすとしますと、五十八年中に赤字になることに相なろうかと思います。この定価法の二条の規定を発動さしていただきますのが五十八年かあるいは五十九年になるのではなかろうかと思いますけれども、その場合にどの程度の値上げを行うかというのが一つ問題になろうかと思いますが、その際に原価を償う、上昇部分を償う程度上げるというようなことができる市場情勢であるというふうに仮に仮定いたしました場合には、さらに次の値上げというのがやはり三年くらい先に相なるのではなかろうかと思います。
 したがいまして、国会で御審議いただくのはそういうような時点になるのではなかろうかと思いますが、これはいずれにいたしましても、物価情勢その他によりまして非常に変動が生ずる問題であろうかと思います。定価の法律で定めたものの三割超したときは必ず国会で御審議をちょうだいするということでございます。
#53
○高杉廸忠君 先ほど総裁は村沢委員の質問に答えられて、これからの審議会には国民、消費者の参加もされて運営するようなお話でありました。私は専売公社がもっと消費者の立場に立った経営ですね、民主化、こういう国民が参加した上の経営といいますか、そういう意味では経営委員会が公社にないというのは非常に私も不思議に思うんですが、他の公社ではありますね。こういうような形でもっと民主化、そして国民参加の上で十分な審議をしていくような、今後の経営についてそういうような方向でいくお考えというのはないんでしょうか。
#54
○説明員(泉美之松君) お話しのように、専売公社の場合には経営委員会がございません。私どもとしては消費者の意向を十分聞いた上で事業の運営をやっていくということの必要を考えまして、現在のところ総裁の諮問機関といたしましてたばこ専売事業調査会という制度を設けまして、これに学識経験者、消費者、労働組合の人たちに御参加を願って、その委員の方々の御意見を承りながらたばこ専売事業の経営について考慮しておるところでございます。
 同時にまた、消費者会議というのを設けまして、たばこに対する御注文を消費者の方からいろいろお聞きすると、それも東京だけでなしに全国各地に回りましていろいろお話を承っていくと、こういうふうなことで運営をいたしております。したがって、消費者の意向を十分尊重する体制にはなっておると思いますが、経営委員会を設けるかどうかは、これは監督官庁の御意向もあることでございますので、私の方からそれを決めるわけにはまいりません、監督官庁の方でお考え願うことと存じます。
#55
○高杉廸忠君 余り時間がありませんから、次に角度を変えましてたばこと健康等々についてちょっと伺いたいんですが、総裁、大変失礼でありますが、総裁おたばこは召し上がりますか。それが一つであります。
 それから、がん研の平山先生だとか学者の方々からは心臓、血圧病に非常に悪いようなデータ、こういうものもある。私も実はたばこを吸いますから非常に心配するんですが、公社ではこのたばこと健康の問題をどういうように考えておられるのか。
 それから委託研究費、これを見ますと一億三千万、非常に少ないことに、ちょっと私は命に関する調査委託等をやるならば、これはちょっと少ないんじゃないかなと、こういうような率直にそういう気がします。
 同時にまた、せっかく調査研究されたら、これはやはり国民なりに公表すべきじゃないかと、こういうふうに思うんですね。そういう点について総裁としてのお考え、あるいは公社としてのお考え、総裁たばこ吸われていますから公社の考えで結構ですから、総裁に一服していただいて結構ですから、お答えいただきたい。
#56
○説明員(小幡琢也君) お答え申し上げます。
 喫煙と健康の問題でございますが、公社としましても昭和三十二年から専門の医学機関に委託いたしまして年々拡充してまいっております。
 御指摘のように、たばこは心臓、血管系に悪いというようなデータが出ているというお話でございますが、これにつきましては、確かに疫学的には重喫煙の方は心筋梗塞あるいは狭心症などにかかる危険があると、こういった事実が指摘されているわけでございますが、専門の学者の方々の御意見によりますと、ただ疫学的だけではなしに――といいますのは、疫学といいますのはその原因を推定する手がかりをつかむということでございまして、実際にその原因を究明いたしまして確定するというには、やはり病理学的あるいは臨床医学的な研究に待たねばならないと、こういう御見解でございまして、そこで年々委託研究拡充していろいろと取り組んでいるわけでございますが、現在のところでは、この健康問題といいますのはいろんな要因が複雑に絡み合っておりますし、特に外的要因といいますか、その方の生活環境なり職業あるいは大気汚染の関係、それともう一つは、その方の内的素因といいますか、体質であるとかお年であるとかあるいは遺伝あるいは既往病歴とかいろんなことが絡み合っておりますので、そう簡単に結論づけることはできないと、なお結論を得る段階には至ってないということでございますので、なお一層分野を広げまして、ほかの要因との関係を正確に評価するとか、あるいはさらには、人はなぜたばこを吸うかというような行動的側面をも含めましていろいろ研究を充実していきたいと考えているわけでございます。
 しかしながら、公社といたしましては、疫学的な事実もございますし、それから確かに喫煙は特定の疾患、たとえば心臓疾患の方あるいは慢性呼吸器疾患などを持たれる方に対しましてはどうも注意した方がいいと、問題もございますし、また健康な方でも吸い過ぎは注意した方がいいという問題もございますので、そういったことと絡めまして、まあできるだけ、安全と申すたばこというものはございませんけれども、できるだけニコチン、タールの低いたばこを開発できないかということで、現在いろいろな技術を駆使いたしまして取り組んでいるわけでございますが、それともう一つは、やはり未成年者の喫煙問題もございますので、直接の所管ではございませんけれども、その協力をするという問題、あるいは吸わない人がたばこを吸う人の煙によって影響を受けるという問題も、特定の方には、たとえば乳児とかアレルギー性疾患の方とか呼吸器疾患の方とか、いろいろあると思いますので、そういった面につきましても、吸わない人への配慮ということも考えるという喫煙マナーの運動ということもやっているわけでございまして、公社といたしましては、これを深刻に受けとめているわけでございます。
 それからもう一つ御質問の、公社が委託しております研究の成果をなぜ公表しないかという御質問でございますが、これにつきましては、公社が委託しております方から、毎年研究者の方から研究概要の報告はいただいております。それから委託研究者の方が御自身で論文を学会なり学術専門誌に発表しておられます。公社はどうかといいますと、公社もいろいろ委託研究者の方と御相談したわけでございますが、何分非常にこれは長い年月を要する研究でございまして、いま全部で四十一課題をやっておりますけれども、課題の多くはほとんどまだ研究の途上にあるわけでございます。途上の段階において切りまして中身を見ますと非常にこれは部分的であると。
 それからもう一つは、専門的、基礎的な研究結果があると、そういうわけでございまして、そういった研究の途上におきまして成果を評価するということは非常にむずかしいと、こういう御意見もございましたので、これを発表することによりましてかえって誤解を招くおそれもあるんじゃないかというようなこともございましたので、いままでは実は公社としては発表を差し控えていたわけでございます。
 しかしながら、御指摘のようにもう相当年月もたっておりますし、この辺で取りまとめまして、どういった研究状況にあるかということを一般の方々に理解していただく方がいいんではないかという御意見も出てまいりまして、実はそういったことで何とかまとめて何らかの形で発表できないものかということをいま委託研究者の方々の協力を得ながら検討したいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#57
○高杉廸忠君 長い間の研究成果でありますから、まあ言うならたばこを安心して吸える、そういう意味でも公表はぜひしていただきたいと、こう思うんです。
 それから、せっかく企画庁の長官おいででありますから、長官にちょっとお尋ねいたしますけれども、いま長官の方で御検討されておる製造物責任法というのを御検討されておりますけれども、この製造物という中にたばこも当然私は入ると思っているんですが、そういうことで長官、いまのその御検討中でありますが、この因果相当関係、まあ因果関係の複雑な挙証責任とかいろいろ問題が出てくるわけですから、製造者に課すべきものと、こういうような場合のその製造物責任法でいま検討される問題についてのたばこを含めましてどういうようなことをお考えになっているかお聞かせをいただきたいと、こう思うんです。
#58
○政府委員(井川博君) お答えをいたします。
 消費者が物品によりまして被害を受けました場合の被害者救済の制度の中で、特に製造物責任というのがだんだん大きい問題になってまいっております。しかし、これは実はその検討が基本的に緒についたという段階でございまして、いま先生もおっしゃいましたように、従来ですと民法に基づきまして不法行為責任、すなわち製造業者の故意または過失があるというふうなことを被害者である消費者が立証しなければならなかった。
 しかしながら、現段階でそれを消費者が立証するというのは非常に困難なような情勢になってきている。消費者救済のために、そうした立証はしなくて、むしろ製造業者の方がそういうふうな故意でなかった、あるいは重大な過失がなかったというのを立証する、こういう基本的な問題でございます。したがいましてこれは民法の特例をなすものである。
 で、大きい問題でございますから、一体わが国でこれを導入する場合にはどうしたらいいかということで基本的な研究をやっているところでございまして、民法の改正になるのか、あるいは製造物責任法という単独法になるのか、あるいは個々の商品についてそういうものがつくられるのか、これはまたいろんな方法があります。それ以前にわが国としてどうするかというのを各種基本的な調査をやっている。したがって、たばこについてどうするこうするというところまではとうていいっていないのが現状でございます。
#59
○高杉廸忠君 わかりました。
 時間が余りありませんから、順次簡潔にひとつ申し上げたいと思うんですが、表示のことで伺いますけれども、これはまた厚生省もお見えだろうと思いますから、関連をしますが、WHOのその警告表示せよということについて、どうしてこれアメリカ、ヨーロッパ並みに表示できないんでしょうか。これはより健康に悪い害を与えないような研究開発などを公社で一生懸命やっている。したがって、ニコチン、タールの含有量は諸外国と比べてどの程度の水準に日本のたばこがあるのか、こういうようなことも含めまして厚生省それから公社の方から、厚生省からWHOのこともお聞かせをいただきたい。
#60
○政府委員(田中明夫君) WHOの専門委員会におきまして、喫煙が健康にとって危険だという表示をたばこの箱や広告に記すよう要求するという勧告が一九七四年のWHOの専門委員会の報告中にあったわけでございまして、この問題につきまして、さらにその他のたばこに関するWHOの資料につきましても、専売公社とも十分連絡をとっておるわけでございます。
 ただ、たばこの包装への表示方法につきましては、私どもといたしましては、専売公社の方で徹底する問題であるというふうに考えております。
#61
○説明員(小幡琢也君) お答え申し上げます。
 包装に対する包装の注意表示の問題でございますが、WHOの勧告がございまして、あれはたしか二十三回の昭和四十五年の勧告を受けまして直後に内部で審議会も開きまして、いろいろ検討いたしました結果、四十七年から現在の「健康のため吸いすぎに注意しましょう」と、こういう注意表示をいたしたわけでございます。
 それでその後、諸外国の状況をいろいろ見てまいりますと、この表示文言さまざまでございまして、非常にまあ表現の強弱ございます。強い表現をとる国あるいは弱い国、いろいろございます。必ずしも全部が全部健康に害があると断定する表示とは限っておりません。害があるとする例といたしましては、アメリカのようにはっきり「イズ・デインジャラス・ツー・ユア・ヘルス」と言っているのもございます。スウェーデンも十六種類の例を挙げまして、害があると、こういう表示をしております。あとオーストラリアとかノルウェーがございます。その反面、害があるかもしれないとする国もございまして、たとえばイギリスは、これ、「キャン・シリアスリィ・ダメージ」と、「キャン」ですからかもしれないと、それからニュージーランドもやはり「メイ・ダメージ・ユア・ヘルス」と言っておりますし、ベルギーの方も健康を損うおそれがありますというような表現でございます。それから三番目が、日本のように、吸い過ぎ、吸い方に注意を促す国でございまして、日本、韓国、それからフランスは、非常に端的に吸い過ぎは危険というだけでございます。それからカナダの方はいろいろ量が多くなれば危険が増すと、深く吸い込まないようにと、こういうような表示をいたしております。それからまた全然表示していないのは西ドイツとかイタリアとか、スイス、ソ連、オーストリア、オランダ、デンマーク、こういうふうにいろいろお国柄によって違っております。
 それはまあ専売国かどうかという問題もございましょうし、また未成年者喫煙に対する取り組み方、日本は特に二十歳以下を禁止しております。そういういろんな問題もございまして、それぞれになっていると思います。
 そこで、この注意表示の文言を変えたらどうかということにつきましては、私どもは内部でいろいろ検討しているわけでございますけれども、非常に短い文章であの包装に表示する場合に、これは嗜好品でございますから、ややもすればたとえば健康に害がありますとはっきり書く場合に、日本におきましてはそういうふうに喫煙が一般の健康な人に対して直ちに害があると断定するというわけには科学的にはまだいかないというような事情もございますし、それからいまの注意表示、四十七年以来でございますが、相当喫煙者の念頭に定着していることも考えますと、結局いまの表示は妥当な表現でなかろうかと、いまの段階ではそういうふうに考えているわけでございますが、なおまあ、確かに御指摘もございますので、いろいろよりよい表現があるかどうかもあわせて検討していきたいと考えているわけでございます。
 それから二番目の御質問の、ニコチン、タールの含有量は、諸外国に比べてどの程度の水準かという問題でございます。これにつきましては、諸外国の例は、アメリカがございますが、アメリカが、数字で恐縮でございますが、よく売れております五大銘柄のニコチン、タール量の平均値で申し上げますと、ニコチンにつきましては、アメリカがいま一・二一でございます。それから西ドイツが〇・六七でございます。
#62
○高杉廸忠君 後で資料いただきますから、それだけちょっと、一例でいいです。
#63
○説明員(小幡琢也君) それから、それに対して日本が一・一六と、要するにドイツが低くてアメリカが高い、それからタールにつきましては、アメリカが一九・〇、西ドイツが一三・二、日本が一六・七と、アメリカとドイツの中間というようなことでございます。
 以上でございます。
#64
○委員長(坂野重信君) 時間が来ておりますので、質疑応答、簡潔に願います。
#65
○高杉廸忠君 大体時間でありますから、最後にお尋ねをして終わりたいと思いますが、製造年月日の問題の表示ですね。
 公社ですから、当然製造責任ということの立場に立って、私はたばこにも製造年月日の表示が必要ではないかと、こういうふうに思うのです。そこで工場から出荷をされて、長い年月たちますと変質もあるでしょう。そういうようなことで、若干の問題は残ると思います。ですから、少なくとも人体に影響を及ぼさない、こういうような安心してのめるんだと、こういうようなやっぱりPRもきちんとしていかなきゃならないだろうし、それから後へは、いま民間でもデメリット表示をしているんです。たとえば名前を挙げて恐縮でありますが、大丸デパートでもジャスコでも自己商品についての欠陥商品の公開をするような、民間でもかなりの努力をしているわけですね。ですからそういう積極的な時代でありますから、公社においてもそういうこともいち早く企業努力の中に入り、安心して吸っていただき、国民にもPRするし、そして売っているものは安心してのめるんですというような、いろんな需要喚起のことも含めて、公社の姿勢が私はどうも企業努力にしても消極的ではないかと、こういうように思うのです。したがって、いま申し上げました幾つかの提案もあります。
 私は、今回の改定で少なくとも消費者、国民に負担を強いるわけでありますから、そういうきちっとすべきことはやはり公社の責任でやるべきであるという意見を持っております。したがって、幾つか提案も申し上げ、指摘もいたしました。最後に総裁の、いま申し上げました点も含めまして、所見を伺いまして、私の質問を終わります。
#66
○説明員(泉美之松君) 先生からいろいろ御提言をいただきまして、私ども大変参考とさしていただくつもりでおります。
 最後に、御質問にございました製造年月日の表示でございますが、実は表には出ておらないのでございますけれども、裏のアルミ箔の方に、実はこれも記号で入っておるので、一般にはおわかりにくいのでございますけれども、これはたばこは製造工場から出まして何カ月間かは品質はいいのでありますけれども、ただその保管の状況によって、たとえば日の照るところでたばこ小売店が陳列をしておったとかいうような、いろんな事情によって品質に及ぼす程度が違いますし、したがって、製造年月日から何カ月以内だからもう大丈夫だというふうには必ずしも言えないものでございますので、私どもとしましては、公社自身において製造年月日から余り時間がかかって消費者に届くようなことのないように、配送につきまして非常に厳重に先入れ先出し法をとってやっていくという管理をするために設けておるのでございます。
 したがって、これを個々の個装に表示して、まだこれは製造してから三カ月だからこんなに品質が悪くなっているのはおかしいじゃないかと言われましても、それはそれまでにどういうたばこの保管をしてきたかということによる点が多うございますので、そこまでは、何カ月だから保証するというわけにはまいりかねます。そのために、いままでどおり公社が管理する必要な程度においてやっていって、消費者の方にはどういう事情にあろうとも品質が悪変しておると、そのことが買った人の責任に帰すべき事由でないという場合には、それをお取りかえすることによって消費者の方に報いていくべきではないか、このように考えておるところでございます。
#67
○原田立君 現在、専売公社法の一部改正の法律案が審議されておりますが、私はたばこ耕作農家サイドから政府の見解を伺いたいと思います。
 農林水産省としては、総合農政を推進していく立場から考えた場合、たばこ生産農家の位置づけとたばこ生産保護対策はどのように行っていくのか、お伺いしたい。
#68
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かにこの葉たばこは国内の畑作物の中では二・四%のシェアがあって約二千四百億の売り上げがあるわけでございますから、単作としては大体九番目ぐらいになるわけです。したがって、農林省としても非常に重要な農家の収入源と、こういうような考えを持って、いろいろと構造改善なりあるいは畑作振興なり基盤整備なりの面におきましては助成をしておるところでございます。
 ただ、この優良品種の問題とか栽培技術のこととか乾燥というようなことについては、これは専売公社が一貫をして特殊な専門技術を持って長い間やっておることでございますので、それは公社の方でやっていただいておるわけであって、われわれはその後押しをしておるということであります。
#69
○原田立君 今後の見通しとして、たばこ生産農家の保護育成に対しては現行の専売公社サイドで推進するのか、農水省サイドで施策を実施する方がベターなのか、その見解をお伺いしたいのでありますけれども、いまは、農水大臣のお話では、ある程度のところは農林水産省として応援しているんだというようなお話なんだけれども、どうなんですか、そこのところは。
#70
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは生産者団体も専売公社のところから離れたくはどうもないようございますし、私どもの方もいますぐそれは受け入れるといっても、それは技術関係を持っておるわけではありませんし、専売公社も離したくないようですから、大体いまのようなことがいいんじゃないかと、こう思います。
#71
○原田立君 非常に微妙なお話でありますけれども、専売公社の方は大体どんなふうに考えていますか。
#72
○説明員(泉美之松君) 葉たばこの耕作ということは、専売制度が、明治三十一年に葉たばこ専売が始まったわけでありますが、それ以来専売局及び専売公社がずっとお世話を申し上げて今日に参っておるところでございまして、専売公社としましては葉たばこの需要者といたしましてこういう品質の葉たばこをつくっていただきたいという強い願望を持っておるわけでございまして、そういう点からいたしますと、農産物であるから農林水産省で所管していただくというのも一つのお考えだろうとは思いますけれども、しかし、従来の経緯とそれから私どもの需要という点を考えますと、やはり専売公社が責任を持ってやるというのがいいのではないか。ただ、やはり農作物の一つでございますので、農林水産省で行われまする構造改善事業なんかにはいままでも取り入れていただいておりますし、畑作振興の対象にもしていただいておりますし、そういう点では農林水産省からいろいろ後押しをいただいておりますし、それを今後とも続けていただきたい、このように考える次第でございます。
#73
○原田立君 まあどちらもわしの方わしの方というようなお話でありますけれども、要するに生産農家の方々にプラスになるように両方とも御努力願いたいと思うのであります。
 今回の改正に伴い平均二一%の値上げが見込まれておりますが、この製品値上げに伴う消費減退を対前年比の二・二六%、本数にして七十億本の消費減を見込んでいるようでありますが、値上げに伴う消費減退が生産農家に及ぼす影響はきわめて大きいことと心配しているわけでありますけれども、見解はいかがですか。資料の面では、五十三年に三千九十億本、それから五十四年には三千二十億本と、こういうふうになっていて、七十億本がマイナスになる、こうなっているわけでありますが、これは公社の方から返事をもらうようになるんだろうと思いますが、あわせて農林大臣、こういうふうな減産は非常に大きな問題だろうと思うんですね、公社の方から返事があったらばその後また御返事願いたい。
#74
○説明員(泉美之松君) いま先生お話しの三千九十億本というのは五十三年度の予算で見込んだ数字でございますが、実は昨年森以降、いわゆる嫌煙権運動というものが宣伝されまして、喫煙場所であるとか禁煙タイムというようなものが設けられまして喫煙の機会が大分奪われまして、その結果五十三年度は結果的に三千十四億本しか売れなかった――国内普通品でございますが、三千十四億本しか売れなかったのでありまして、その三千九十億本からかなり減っておるところでございます。
 五十四年度におきましては、定価改定なかりせば三千百三十億本を売る見込みである、ただし定価改定を行いますとそれが三千二十億本に百二十億本減るというような計算で予算に組んでおるわけでございますが、これは五月一日値上げを前提とした計算でございますので、今日のようにだんだんと値上げ実施がおくれておりますとその数字も変わってこざるを得ないわけでございますが、いずれにいたしましても定価改定を行いますと一時的に消費が減退する、ただしその定価改定の前にはいわゆる買いだめが行われるというようなことになりますので、私どもといたしましては定価改定後需要が減退したのをできるだけ早く回復するという努力を講ずることによりまして葉たばこ生産者の方に御迷惑のかからないように持っていきたい、このように考えておるところでございます。
#75
○原田立君 葉たばこ生産者には迷惑をかけないようにしていきたいという総裁のお話ですけれども、じゃあ具体的にはどういうことなんですか。
#76
○説明員(泉美之松君) わが国の葉たばこにつきましては、先ほど他の方にお答えいたしましたように、現在十カ月ほどの過剰在庫を抱えております。その関係で、葉たばこ耕作につきましては当面生産調整をやっていかざるを得ない状況にあるわけでありまして、これは別に値上げとかなんとかということだけでなしに、現在の過剰在庫を減らしていくという必要上やむを得ない措置なのでございますが、それを別にいたしますと、今回の値上げによって需要が一時的に減少しましても、その減少をできるだけ早く回復することによって、その値上げによって生産者の方、葉たばこ生産者の方に大きな影響が出ないように私どもとして万全の措置を講じていくということでありまして、生産調整自体は、これはもう現在の過剰在庫の状況からいたしましてやむを得ない措置として御了承いただきたいのでございます。
#77
○原田立君 非常に抽象的な話でよく了解つかないんです。本当はこれ、農水大臣にお伺いしたいところなんです。だけれどまあ話を先へ進めますから、また後で具体的な問題出てきますから。
 二カ年間のストックということが、私聞いておったわけでありますが、いまは十カ月過剰在庫ということでありますけれども、私の聞いている範囲内では二カ年間のストックがあるということも聞いておるわけでありますが、それはさておいて、ストレートに単純計算はできない面もありますが、五十二年度耕作面積が約六万四千二百ヘクタール、そこで、今度七十億本の減産をすると、それはまあパーセントにすると二・二六%減と、こういう計算になるわけでありますけれども、そうなると、約千四百五十ヘクタールの生産調整が必要になると、こういうことになるわけでありますけれども、この数字はほぼ徳島県の全生産に当たることになり、生産農家に対する影響もかなり大きいと考えるわけであります。消費減退に伴う生産への対応策はどうするつもりでいるのか、この点については公社と農林水産省と両方で答弁をいただきたいと思うんであります。
#78
○説明員(永井幸一君) 葉たばこの在庫数量につきましては、先ほど来総裁からお話ございましたように、われわれといたしましては標準的には大体二十四カ月程度の在庫を持って運営してまいりたいと。それが製造たばこの品質の安定のためにもいいんだということで、これはわれわれだけでなしに、世界のたばこ企業大体そういう基準で仕事をしてまいっておるわけでございますが、先ほど来お話がございましたように、現存の在庫月、これ実在庫をこれから先の使用見込みで割り返して計算をいたしますので、これから先の使用見込みといいますか、販売見込みがどうなるかによって多少は逢ってまいりますが、概算で申し上げますと十カ月程度現在余分に持っているという状況でございます。
 そういったことからいたしますと、将来の在庫につきましても、現在のままの面積を維持してまいりますと、在庫量がさらに上回っていくということに相なるわけでございまして、そういうことから、先ほど総裁から申し上げましたように、生産調整はベースとしてはやはり続けていかなければならないんではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。ただ、生産調整のやり方につきましては、いろいろ現在のたばこ耕作が農家経営の中に占めている役割り、あるいは全体の地域農政の中に占めている比重、そういったものを考え合わせながら、すでに耕作していられる耕作者の方に減反を強いることのないようということで、廃作とか減作とか耕作者の側の御事情によってやめたい、あるいは減らしたいという方、毎年これは幾らかいらっしゃるわけでございまして、そういった範囲の中で過去二年間調整をさしていただいてまいったということでございます。
 その結果、先ほど先生からお話のございました六万四千二百町歩は五十二年度の面積でございますが、その後、五十三年、五十四年と減らしてまいりまして、五十四年は六万二千五百五十ヘクタールという状況でございます。今後もそういうことで、これは個々の耕作面積につきましては、毎年耕作審議会を開きまして耕作審議会の議を経ていろいろ決めてまいりたいということでございます。
#79
○原田立君 大臣どうですか。
#80
○政府委員(二瓶博君) 葉たばこの生産調整の関係について農林水産省としてはどう脅えるかということでございますが、ただいま専売公社の方からお答えがございましたように、十カ月の過剰在庫を抱えておるということでもございますので、生産調整というのもやむを得ないのではないかと、ただ、そのやり方につきましては、先ほど来話がございますように、廃減作の範囲内ということでやっておられるようでございます。地域農政という観点からも大事な作物ではございますが、農林省の方もその面につきましては連携をとりながらやっていきたい。さらに、生産性の向上なり品質改善というような面についても、農林水産省としては後押し的な角度で生産対策をやりたいということで、現有やっておられます生産調整についてはやむを得ないのではないかと、かように考えております。
#81
○原田立君 大臣、生産調整はやむを得ないと、それでまた公社の方では、まあ農家の方が自主的にやってもらいたいと、生産調整という言葉は余り使いたくはないような、そんなような説明があったわけなんですけれども、そうすると、私心配するのは、生産調整するということは減らしていく、減らしていけば当然減収になると、こういうふうにつながっていくわけなんですけれども、生産農家の減収に対しては、収入減ですね、収入のマイナスに対しては、これはやむを得ないというふうに理解なさるのか、それとも何らかのことを考えられるのか、その点はいかがですか。
#82
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は所管でないから詳しいことはわかりませんが、専売公社のお話だと、要するに、事情があってたばこをやめた人があると、やめた人の分は新規に耕作者をつくらないと、増反もしないというようなふうに聞いておりますから、それはやめれば別な収入を考えてやめるのかもしれないし、それ自体はその農家の補償というようなことはこれは考えないと私は思います。それはたばこでも米でも何でも同じでございますが、やっぱり一つの作物、産物でございまして、需要があって初めて値打ちがあるわけですから、過剰生産というものは困るので、それは適正な生産にするということはやむを得ない措置ではないかと思います。
#83
○原田立君 特別な事由によってやめると、それに対しては他の収入を得るようにしていくんだからそれはそのままでいいじゃないかと、これはまあそうかもしれません。だけれども、実際に土地があって、また実際これだけやりたいと、こういうふうに前々からもう計画があるのに、要するに生産調整しろというふうなことでこうぐっと言われてそして減収になったと、こうなった場合は、これはまあ自分が求めて減収になったんじゃなくて、言われてもう減収になっちゃったわけなんです。それは何らか考えてやるのが温情ではないでしょうか。その点はどうなんですか。
#84
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは何か勘違いじゃないんですかね。要するに、私なら私がいままでつくっておったけれども、たばこよりもほかの作物がいいからということでたばこをやめて別なものをつくるということですから、それは農民の意思によってそういうことをやるわけですから、そこを補てんをするといっても無理なことだろうと。私がやめた分を今度はこちらの人がつくらせろといっても、それは全体として本当は余っておって、全体的にある程度少なくしてもらいたいんだが、まあそうもできないので、とりあえず自然にやめる人を待っているというのは、人員を減らしたいんだが、なかなか生首切れないから、自然退職を待って人員の合理化を図っているという話と似たような話じゃないですか。
#85
○原田立君 だから、大臣そういうのならいいんですよ、そういうのなら。そうならば大臣の話もわかるんです。だけれども現にやりたい、土地もある、いままでの実績もある、それを生産調整しなければいけないというお上の仰せで生産を減らさなければならないというような状態に追い込まれた生産農家はそれは当然減収になるじゃないですか。そういう場合はどうするんですかと聞いているんですよ。
#86
○説明員(永井幸一君) お答え申し上げます。
 先ほど自然廃減作と申し上げましたのは、先ほど農林水産大臣からお話がございましたように、たとえば後継者がないとか、たとえば労働力がなくなったとか、たとえば乾燥室の規模に対して少し規模が大き過ぎたので、いい葉っぱをつくるためにはもう少し小さい規模でつくった方がいいとか、そういう耕作者の側の自発的な御意思によって廃作されあるいは減作をされた方がほとんど大部分でございます。毎年毎年そういうことで耕作者の数もだんだん減ってきております。
#87
○原田立君 何度も言うようだけれども、そんなことはわかっているんですよ。そうじゃなくて、実際に自分の反を持っている、生産もしてきた、それを生産調整ということで減らさなきゃいけない、そうなったら減収になるでしょうと言うんです。それはどうするんですかと聞いている。そればっかり聞いているんじゃないですか、さっきから。
#88
○説明員(永井幸一君) お答え申し上げます。
 生産調整を始めまして二年になりますが、過去二年間にはそういう事例はございません。
#89
○原田立君 それはないということは、じゃ、いまの説明のとおりに自然減というようなそういうふうなケースであったということなんですね。じゃそれは記録にとどめておいて、今後もしそういうふうなことがあったらば承知しませんよ。それだけは言っておきますから。うそをつくことになるから。
 次に、国内産葉たばこの標準在庫数量はどの程度であるのか、また現在の公社在庫数量はどれくらいあるのか、今後の在庫見通しについてはどのような数量になるのか、具体的に数量を挙げて御答弁願いたい。
#90
○説明員(永井幸一君) 国内産葉の在庫数量は五十三年期首で三十五万四千トンでございます。ただいま手持ちしておりますのは五十三年度期首だけでございますので、その他の数字につきましては後ほどお届けしたいと思います。
#91
○原田立君 今後の見通しは。
#92
○説明員(永井幸一君) 五十三年度期首で三十五万四千トンでございます。トータルでございます。
 今後は、在庫の現在の生産数量が使用量を若干上回っておりますので、毎年若干ずつ現在のもし面積どおりに生産を維持するということにいたしますと、若干ずつふえていくということになろうかと思います。
#93
○原田立君 在庫量の増加、消費量の減退にあわせて外国たばこの伸びなどを考えあわせると、国内たばこ生産農家の見通しは非常に暗いものを持っていると思うのであります。生産農家を苦しめるような生産調整はすべきではないと思うのでありますが、今後の対応策はいかがですか。
#94
○説明員(永井幸一君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在のもし面積を今後にわたって維持するといたしますと、もちろん葉たばこの生産でございまするので年によって豊凶の差はございますが、通常作でございますと生産数量が使用数量を上回るということになっておりますので、ベースとしては今後とも若干ずつの生産調整を進めさせていただかざるを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから外国葉の使用につきましては、先ほど総裁がお答え申し上げましたとおり、現在外国から買っております葉たばこは、どうしても国内では生産しにくい葉たばこが主体でございまして、そういったものを国内の産葉とまぜ合わせることによりまして日本のシガレットの喫味が維持できていくということでございまして、どうしても不可欠ではなかろうかというふうに考えております。
#95
○原田立君 耕作面積及び生産数量の推移を見るとだんだんと減少の傾向があらわれているわけでありますが、たばこ耕作組合の資料では、耕作面積の面では五十二年が六万四千五百五十六ヘクタール、五十三年が六万三千五百七十五ヘクタール、五十四年度の見込みとして六万二千五百五十五ヘクタールと先ほどお話があったとおりでありますが、生産数量でも五十一年が十七万六千トン、五十二年が十七万三千トン、五十三年が十七万二千トンとだんだんと減少傾向を示しているわけでありますが、これらの原因は一体どこにあるのですか。
#96
○説明員(永井幸一君) お答え申し上げます。
 面積につきましては先ほど申し上げましたような事情で五十三年度作から生産調整を始めさしていただいているわけでございまして、そういったことから五十三年度、五十四年度と二カ年間面積が減少をいたしているわけでございます。
 それから生産数量につきましては、もちろん面積が減りますので、それに伴いまして生産数量が減るということがございます。それに加えまして、五十年代の初めごろに十アールあたりの収穫数量が非常にふえまして、そういったことから品質の低下ということが起こってまいりまして、シガレットの原料として使います――使用適性とわれわれの方で称しておりますが、その使用適性が下がってまいったということがあるわけでございます。国内産葉につきましては、前々から申し上げておりますようにできるだけ使用適性を上げて、現在の国内産葉を主体にしてシガレットをつくっていくという立場をとってまいりたいわけでございますので、そういった面から使用適性を上げていくために、適性な製品による適性な数量の取得ということを指導いたしてまいっているわけでございます。
 と同時に、そういう形で適正な数量をとり、いい品質のたばこをつくっていただいた方には所得の面でもお報いできるように、等級間の価格差を広げてまいりまして、いいものを努力してつくっていただいた方には報いられるというような形をとってまいっておるわけでございまして、そういったことが相まちまして生産数量がだんだん減少しているということでございます。
#97
○原田立君 昭和五十年のたばこ農業センサスを見てみると、専業農家の割合は全農家が一二・四%に対して、たばこ耕作農家は二九・七%、第一種兼業農家について見ても、全農家が二九%に対して、たばこ耕作農家の場合は実に七〇・三%と非常に高い割合を示しているわけでありますが、その上たばこ生産の場合は葉たばこの乾燥室を初めとしてかなりの設備投資を行っていることからも、安易な生産調整は絶対に避けるべきだと、こう思うわけでありますけれども、いかがですか。
#98
○説明員(永井幸一君) ただいま先生から御指摘がございましたように、たばこ農家を収入別あるいは規模別に調べてまいりますと、専業比率も非常に高い。それから兼業農家の中でも第一種兼業農家が非常に多いわけでございまして、いわば農家らしい農家の方がたくさんたばこ耕作に従事しておられるという事実は仰せのとおりでございまして、そういった意味からも地域農政の中にたばこ耕作というものが組み込まれているという事情、あるいはたばこ作がその当該農家の経営の中でも非常に大きなウエートを占めているという事実もございますので、生産調整に当たりましてはいろいろ配慮をいたしまして、そういった方々に大きな影響を及ぼさないようという趣旨から、過去二年間廃減作の範囲内で調整をさしていただいているということでございます。
#99
○原田立君 そんな説明を聞いているんじゃないんですよ。安易な生産調整は絶対に避けるべきだと、これについてどうですかということを聞いているんです。大臣どうですか、農林大臣。
#100
○国務大臣(渡辺美智雄君) 安易な生産調整はやらないと言っているんですから、やらないと思います。
#101
○原田立君 やらないからやらないんだなんて、そんな子供だましなこと言わないで、じゃ、やらないんだったらどんなふうにして守ってやるんですか。
#102
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは直接私の方がやっておるわけじゃありませんから、公社は公社の方針で需給のバランスを見ながらやっておることだと思います。
#103
○原田立君 じゃ、総裁から返事をしていただきたい。
#104
○説明員(泉美之松君) 先ほど来申し上げておりまするように、葉たばこの在庫が三十四カ月分ございまして、標準在庫から十カ月分も多いわけでございますので、どうしても生産調整は行わざるを得ない。ただ、一挙に生産調整を行って在庫を減らそうとしますと、たばこ耕作を希望する農家にとりまして減反ということになりましてはお気の毒になりますので、過去におきましては廃減作の範囲内で生産調整をやってまいりました。今後もできるだけ廃減作の範囲内で生産調整を行いまして、たばこ耕作をしたいという希望が強い人が生産調整のために減反をせざるを得ないというような状況にはできるだけ持っていきたくない。先生のおっしゃるように安易な生産調整はやらない、こういうことで考えておるところでございます。
#105
○原田立君 最近、品質の点から外国産葉たばこの輸入が伸びているようでありますけれども、五十年以降の伸び率は一体どんなふうになっているのか。
 私の手元で調べたところ、四十五年では三万八千百六十二トン、五年たった五十年では九万五千九百八十九トンと約二・五倍の伸びを示しておりますが、五十一年、五十二年は若干下回ってはいるようではありますが、非常にだんだんと外国たばこの輸入がふえておりますが、こういうことはやはり国内産葉たばこの生産者の側にとって影響が多大であると思うのでありますが、この点についてのお考えはいかがですか。
#106
○説明員(泉美之松君) 先ほど申し上げましたように、外国葉たばこにつきましては、日本で生産することのできない好喫味のもの、あるいはオリエント葉のような特殊なもの、あるいは東南アジアの産葉のようにニコチン、タールのきわめて低いもの、こういうものに限定して輸入を行っているところでございます。
 お話しのように、昭和五十年度は九万五千九百八十九トンでございましたが、それから年々減らしておりまして、五十一年度は九万四千百九十三トン、五十二年度は八万五千九百八十トン、五十三年度は八万一千三百七十四トンというふうに減らしてまいっておるのでございます。
 もう一方、製造たばこの輸入はお話しのように昨年三十六億本になりまして、その前年の三十億本よりかなりふえておりますが、しかし、これは国内におけるシェアから言いますとまだ一・二%でございまして、全体の数量から見ますと、製造たばこの輸入がふえたから国産葉の生産に影響を及ぼすといった程度のものではございません。
 製造たばこの輸入数量は、私どもとしましてはボンド方式と申しまして、向こうのメーカーなり代理店の責任で保税地域に持ってきておりまして、国内で売れますればそれをそのまま発注して保税地域から引き取るという方法によっておる次第でございまして、今後わが国の消費者が外国たばこをどの程度吸うかによって輸入数量は決まってくることではありますが、大勢としてはある程度ふえていくのはやむを得ないかと思いますが、そのことが国内の葉たばこ耕作者に大きな影響を及ぼすような数字になるものとは考えておりません。
#107
○原田立君 一部の話では国内販売量の一〇%ぐらいにまで拡張、拡大せよというような、そういうような声があるというふうに聞いておるんですけれども、そんなことはございませんか。
#108
○説明員(泉美之松君) EC各国を見ますと、国内のたばこの消費量の六%ないし八%、多いところでは一四%ぐらい外国たばこが輸入されておるというふうに承知いたしておりますが、わが国の場合、いま一・二%でございまして、アメリカ及びEC各国はもっと自分たちの製造たばこを購入せよということを申しておりますけれども、私どもはわが国の消費者が需要する範囲内において購入することにいたしておりますので、一・二%のものが一挙にそんなにふえる可能性のあるものではございません。したがって、そういう御要求がありましてもそういう御要求に応ずることは簡単にはできない話でございます。
#109
○原田立君 じゃあ巷間伝えられているような一〇%などというような大幅なことはない、ある程度の伸びはあったにしても一〇%なんというようなことはないだろう、こういうふうに理解をさしてもらいたいと思います。
 それでは、大蔵大臣にお伺いするんですが、たばこ消費税等は地方財政の大事な財源としてあるものでありますが、もっと地方、特に市町村に多くの配分をすべきであると、こういうふうに思うんですが、いかがですか。
#110
○国務大臣(金子一平君) お答え申しますが、専売益金の本来の配分は国中心でやってまいりました。しかし、地方と国はまあ車の両輪のごときものですから、漸次地方消費税を伸ばして、現在半々というかっこうでございます。まあこれをさらに地方の方へもっとふやせとおっしゃるわけですが、地方の財政も苦しいことは十分承知しておりますけれども、国はこれ現在身動きがならぬような状況でございますので、目下のところ地方消費税をさらにふやす意向はございません。
#111
○原田立君 売上本数が減少しても地方たばこ消費税は確保されるのか、それともその本数によって配分額は減るのか、その点はどうですか。
#112
○政府委員(名本公洲君) たばこの値上げをいたしますと一時的に消費が減退いたします。地方たばこ消費税は、本数と一年前の定価の平均単価を掛け合わせたものを課税標準といたしております。したがいまして、一時的なたばこの売上本数の減少は、地方消費税にはマイナスの方向で働くわけでございますけれども、すでに成立いたしております地方税法の改正におきまして、この点は五十四年度につきまして調整いたすように手当てをいたしてございます。
#113
○原田立君 調整するってどういうことですか。
#114
○政府委員(名本公洲君) 予算の計画でまいりますと、約百十億本程度本数が減ります。したがいまして、それに見合う地方税収入がたばこ消費税でございますが、減少する予定でございますので、その減収本数部分につきまして地方税をふやすと、予算では百五十五億円となっておりますが、調整することにいたしております。
#115
○原田立君 最近の公共料金の値上げ状況を見ると、予定されているものを含め、ことしになってから、まず一月一日の国鉄通学定期に始まり、一月八日の私鉄運賃、二月一日の消費者米価、それから国立大学入学金、国鉄運賃、健保改正における初診料等の引き上げ、高速道路料金、公団家賃、タクシーの値上げも考えられておりますが、そのほか東京都の場合、公立高校の授業料、五月七日からは公衆浴場の入浴料も引き上げられると、まあこういうように探してみると、もう公共料金の値上げオンパレードなんですね、ざあっと。しかもそこで今回のようにたばこの値上げが行われると。
 これは経企庁の試算によると消費者物価に与える影響は〇・三七%であり、一連の公共料金の値上げの中で一番大きいわけでありますけれども、物価監督庁として経企庁は最近の公共料金の一連の値上げラッシュについてどうお考えになっておりますか。
#116
○国務大臣(小坂徳三郎君) 今年度の公共料金の中で、ただいまのたばこを含めまして、国鉄その他やむを得ない事由のために引き上げざるを得なかったわけでありますが、もちろん公共料金の引き上げというものは、全般的に物価に対していろいろな影響を与えることは当然でございます。しかし、今回決定をいたしております料金の査定につきましてはそれぞれ厳格な査定と、またさらに、今後の企業努力等を強く求めてその結果決定したものでございまして、これの総トータルといたしまして、今年度の予算措置等においてお願い申し上げているものによる引き上げによって結果するものが〇・八%程度消費者価格に影響があるというふうに考えております。
#117
○原田立君 今年度の経済見通しによると、消費者物価は四・九%の上昇、そのうち公共料金は予算関連、ただいまお話がありましたが〇・八%程度、内容は国鉄で〇・一%、たばこで〇・三七%、健保で〇・三%で約〇・七七くらいになるわけでありますが、そのほか円高差益還元による電気ガス料金の割引措置の終了や、民間ないし地方の公共料金等の引き上げもあって、総合して一・五%程度の消費者物価押し上げ要因になるだろうと言われておりましたが、最近の物価動向を見ると卸売は昨年十一月以来六カ月の連騰、四月は前月比一・七%、年率で二二・四%もの上昇があり、消費者物価も全国の四月は前月比一・四%で年率一五・四%もの上昇であり、政府見通し四・九%は年度当初から達成困難と思われるわけでありますが、国民の間には物価の先行きに対して非常な危機感があるわけですが、五十四年度の物価見通しについて、もう達成は不可能だと思うが、見直される気持ちはないのかどうか、その点をお伺いしたい。
#118
○国務大臣(小坂徳三郎君) 最近の卸売物価の動向はきわめて警戒すべき状態でありまして、この年間の上昇率のわれわれの予測で一・六%程度前年比上昇するであろうという予測を立てておりますが、なかなかこのラインを守るということはいま困難な事態になっておるというふうに思います。しかし、消費者物価の方は四・九%を目標にいたしておりますが、この四月時点におきまして、また五月の動向等を見ましてもきわめて上昇率は前年比まだ低いわけで、二%台でございますので、われわれといたしましては余力を挙げて卸売物価から消費者物価への影響を防ぐことや、同時にまた、卸売物価上昇をあらゆる意味で食いとめる努力をしつつ消費者物価の四・九%はぜひ維持してまいりたい、そのように努力をいたすつもりでございます。
#119
○原田立君 最近の公共料金の値上げラッシュを見ると、財政の理論というのか、財源の乏しいことを背景に国債は消化難を起こすほど増発し、増税できるものはガソリン税のように引き上げ、公共料金は受益者負担の原則を掲げ、膨大な赤字を抱えるところは国鉄のように際限もなく値上げを繰り返す、そうした傾向が田につくわけでありますが、ところが、たばこは国鉄や消費者米価、健保などと違って、赤字どころか五十三年度は専売納付金、これは見込みでありますが、五千五百三十九億円も納めると、赤字じゃないんですよね。黒字なんですよ。本来は何も値上げする必要などはない。ただ財政再建の折からいま以上に納付金を出さねばならないということから、平均二一%の値上げをすると、こういうことですか。
#120
○政府委員(名本公洲君) 先生御指摘のように、専売公社は五十三年度におきまして国庫納付金を含めまして六千億近い利益を生じておりますが、これは本来税と同じ性格を持っております専売納付金が、法律のたてまえによりまして利益処分というかっこうになっておる結果そのようなことになるわけでございまして、そこのところを今回お願いしております法律改正によりまして、国庫に納めるべき税に相当する部分は経費として今回の改正でお願いをいたしたいというふうにしておるわけでございますけれども、赤字に転落しないで黒字のままでいるということは、税に相当する部分が利益として計上されて、利益処分として国庫に納付されるという、そういう制度になっておる、そのことの結果であります。
#121
○原田立君 要するに、ただ財政再建の折から、いま以上に納付金を支出せねばならないということで三一%の値上げをするのかと聞いているんですよ。
#122
○説明員(泉美之松君) 今回の二一%の値上げは、五十年の十二月十八日に定価改定をいたしました後、公社の総原価が、先ほどお話がございましたように約二六%ほど上昇いたしております。それは五十三年度においてでございまして、五十四年度においてもやはり相当の原価の上昇が見込まれるわけでございますので、それらを合わせますと、総原価は五十年の定改後に比べまして三〇%以上上がっておるというふうに御承知いただきたいのでありまして、そのコストの上がった分につきましてカバーをしていただく。と同時に、先ほど来お話しのありますように、専売納付金を値上げをしない場合に比べまして二千二百四十四億円増収を図る。これはいまの財政事情からいたしまして、国庫財政にそれだけ欲しいということでございますので、その措置をとるために値上げをお願いいたしておるわけでございます。
 ただ、それは五月一日値上げという前提で計算した数字でございますので、もうすでに五月一日の値上げができない状況になっておりますので、二千二百四十四億という金額は恐らくかなり減るだろうというふうに予測されるわけでございます。
#123
○原田立君 経企庁長官、こういうふうに公共料金の値上げがどんどんどんどん行われる、これはあんまり望ましいことではないと、こういうふうに判断なさるんだろうと思うけれども、どうですか。
#124
○国務大臣(小坂徳三郎君) 確かに物価問題を考えたときには、なるべく公共料金は上がりましてもその幅がきわめて少ない方が望ましいということであります。
#125
○原田立君 大蔵大臣、いまも経企庁長官がそういうふうな話で、小幅ならばいいだろうというそこのところがどうも理解しにくいんだけれども、どうですか、こういうふうなことはやっぱりやるべきでない、こう思うんですが、どうですか。
#126
○国務大臣(金子一平君) 先ほども申し上げましたように、財政物資、酒、たばこ等につきましては、これは苦から、しかも各国とも相当の財政負担を消費者にお願いしております。これは嗜好品だから、生活に直接、響くといえば響きますけれども、米麦、みそ、しょうゆのたぐいとは違いますから、嗜好品という意味でそういうことが従来から認められてきており、納税者自身もある程度それは理解と納得を持って今日までしてきておるわけでございますから、そういう意味においての御負担を、こういう財政の苦しい際ですからお願いしよう、こういうことでございます。他の公共料金とは、私は本質的に相当違うというふうに理解をしておるわけでございます。
#127
○原田立君 非常に理解しにくいことであります。
 経企庁は、先行きの物価動向について警戒を要するとして、物価安定に政府一丸となって努力するため、去る二月二十六日物価担当官会議を開き、物価対策八項目を決定したわけでありますが、その中に、「公共料金の改定については、経営の徹底した合理化を前提とし、」「厳正に取り扱う。」べきであるということをうたっているわけですが、現在もその方針に変わりはございませんか。
#128
○国務大臣(小坂徳三郎君) その方針には全く変わりはございません。
#129
○原田立君 今回のたばこの値上げについても、ただいまの原則のように経営の徹底した合理化を前提として厳正に取り扱うと、こういう姿勢でやったんですか。
#130
○国務大臣(小坂徳三郎君) もちろんわれわれの基本的な方針のもとで、担当者間そしてまた各省問におきまして十分論議を尽くしたわけでございます。
#131
○原田立君 そうしますと、じゃ、経企庁長官としても物価の監督のお役目であるあなたも、今度の値上げについてはこの方針どおりやったんでやむを得ないと、こういうふうに言うんですか。
 そういうふうに言うんだと、物価監督の担当の大臣としてはどうも私は信用しがたいと、こういう気が起きるのですが、どうですか。
#132
○国務大臣(小坂徳三郎君) まことに残念でありますが、そのようなきわめて厳重な否定とまた話し合いと今後に対するある程度の保証等も取りつけて決定いたしたわけでございまして、真にやむを得ないというふうに判断をいたしております。
#133
○原田立君 じゃ、くどいようですが、もう一遍お伺いをしますが、たばこは今年度、公共料金の中でも消費者物価に与える影響は一番大きいわけでありますが、五月二十日に実施された国鉄料金値上げの三倍もの影響があるわけですから、当然経企庁としては物価対策八項目に掲げられた精神にのっとり、物価政策上細かな配慮なり工夫をなされたと、こう思うわけでありますが、どうもいままでのことをお伺いしているとそのように思えない。今回のたばこ値上げについての経企庁の姿勢なり物価対策八項目との関連での見解をもう一遍お伺いしたい。
#134
○国務大臣(小坂徳三郎君) 詳細にわたる交渉その他につきましては担当者から申し上げさせますが、基本的に申し上げますと、ただいままでわれわれが定めました方針の中で十分検討いたして、真にやむを得ないという結論のもとでこれを認めたわけでございます。御了承を賜りたいと思います。
#135
○原田立君 真にやむを得ないって、何も説明しないで納得しろという方が無理ですね、長官。
 突然風が吹いてきたので水をこぼしてしまいました。――天も値上げを怒っているのじゃないでしょうかね。
 専売納付金率の法定化に関して先ほどもお話がありましたが、法定化に関して国庫納付金と地方たばこ消費税を合わせた五五・五%が適切な数字なのかどうか。残りの四四・五%で製造原価、小売店マージン、公社の留保分を確保しなければならないわけでありますが、原材料費の六割程度を占める葉たばこ耕作者の賃金、あるいはたばこ公社職員の人件費も支払わなければならないわけでありますが、納付金が先取りされる形で法定化されればこれからは専売公社の経営努力ということで、これら葉たばこ耕作者の収入あるいは専売公社職員の人件費が抑えられることにはなりはしないか、こう思うのですが、どうですか。
#136
○説明員(後藤正君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、この制度を仕組みますと、大体関税込みで税金相当が五六%でございますので、定価代金を一〇〇にしますとあと四四%、その中で一〇%が小売人手数料でございますので、公社は三四ということになります。いまの見込みでは五十年、このたび御提案申し上げます提案では、大体四%ぐらいが公社の内部留保、資金手当てになります。三割がいわゆる原価ということで、先ほど来先生御指摘のように大変厳しいいまのたばこの市場環境とか、それからいわゆる外国品との競争関係というようなことを考えますと、われわれ関係のいろいろな集団、あるいは組合と協議を尽くしまして、今後は経営改善についてより一層取り組んでいかなければならないと思いますが、ただ私どももやはり関係集団とは調和のとれた発展、お互いの理解の上に立った発展というものがなければたばこ産業全体の発展はあり得ないと思っております。したがいまして、葉たばこ収納価格につきましても、現在のいわゆる収納価格の決定についての法律の趣旨を尊重し、それから耕作審議会の議にかけると。
 それから賃金の問題につきましても、自主交渉、自主解決ということで交渉を続けてまいっておりますが、実際問題はやはり公企体の賃金でございますんで、現在は当事者間で紛争は解決しませんで、公労委に持ち込んで調停、仲裁というような形で賃金決定が現在なされる実情でございまして、私ども今後ともできるだけ労使あるいは関係集団で努力はしてまいりますが、この取り扱いは変えるつもりはございません。
 ただ、ひとつ先生にお願いを申し上げたいのは、私どもそういうことで取り組んでまいりますが、いろいろこういう大きな制度、七十年も続いたこういう益金処分の制度を税金に変えたわけでございますので、やはり関係集団はそこでいまのいわゆる財政法に基づく製造たばこ定価法の法定最高価格制というたてまえを踏まえつつ、その許す範囲内において大変厳しい条件の中で何とか暫定最高価格を定められるようここで御提案申し上げているわけでございます。ぜひその点の御理解を賜わりたいと思う次第でございます。
#137
○原田立君 葉たばこ耕作者の収入の面についてのお話はいまなかったけれども、その点についてもお答えを願いたい。
#138
○説明員(後藤正君) 葉たばこの収納価格でございますが、これは「生産費及び物価その他の経済事情を参酌して、耕作者に適正な収益を得させることを旨として定めなければならない。」ということがたばこ専売法第五条に書かれておりまして、現在の算定法式、これは基準年をとりまして、その後の農業の経営パリティー指数と労賃の上がり方、いわゆる上昇分、これを掛け合わせたもので、相乗して収納価格を算定するルールというものを、これを四十年に耕作者側と公社側と学識経験者等入れましていまの算定法式を定めたわけでございまして、こういうことにつきましては今後ともこの耕作審議会、これは耕作者代表五名と学識経験者代表五名で構成されている審議会でございますが、その審議会に諮りながらやってまいるつもりでございますんで、従来と取り扱いを変えるつもりはございません。
#139
○原田立君 定価法定制の緩和に関して決算上赤字になったときか、赤字になりそうなときは三割を限度として物価変動率の範囲内で審議会の議を経た上大蔵大臣が定めることができることになっているわけでありますが、五十四年度の経済見通しが継続するとすれば、四%の内部留保を食いつなぎ五十九年度ごろまでは値上げせずに済むと説明されておりますが、人件費は落ちついていますが、物価変動率のもとをなす消費者物価、卸売物価が現状のように高騰している状態では、専売公社の説明は希望的観測にすぎるのではないかと、こう思うんですが、いかがですか。
#140
○説明員(泉美之松君) 私どもは政府の経済見通しを基礎にして考えますと、先ほど申し上げましたように今回定価改定をお認め願いますと、昭和五十八年または五十九年に赤字になるか、あるいは赤字になることが確実になるだろうというふうに予測しておるわけでございます。その物価あるいは労賃の変動率というものが大きく変わるような情勢になれば話はまた別だとは思いますけれども、確かに卸売物価の最近の上昇傾向には注目しなければならないと思いますけれども、卸売物価及び消費者物価が政府の見通しと大きく狂うようなことは、今後原油の価格がどうなるかまだわかりませんけれども、そう大きく狂うことはないのではなかろうかというふうに予測されますので、私が申し上げておりまする専売公社の赤字になるか、または赤字になることが確実と見込まれるのは昭和五十八年または五十九年程度と申し上げることは変わらないであろうというふうに存じます。
#141
○原田立君 専売事業審議会に関して、現在は学識経験者と専売公社の代表、たばこ耕作者の代表から構成され、九人の委員で審議されているようでありますが、法定緩和で値上げの審議がこの場でなされるとすれば、当然たばこ愛好者の代表というようなことで消費者代表も加え、広く一般の意見を反映させるという形に改めてはどうかと思うんですが、どうですか。
#142
○国務大臣(金子一平君) お説まことにごもっともでございまして、専売事業審議会では従来の委員のほかに、いま御指摘のありました消費者代表三名、それから労働者側の代表一名あるいは専売事業関係者と申しますか配送会社の代表一名というようなことで、とりあえず特別委員に任命して値上げの際の御審議をいただこうと、こういう気持ちでおります。
#143
○原田立君 終わります。
#144
○下田京子君 ただいま審議中の日本専売公社法等の一部を改正するこの法律の大きなねらいというものは、専売納付金の確保を図るためにと提案理由の中にも説明されております。そのために平均でもって小売価格を約二一%値上げする、それからさらには正価に占める中で税金の割合をはっきりと明示する。これらをやるために国会の審議を経ないでもやれるようにというふうなことが主な内容になっているかと思うんです。
 そこで、これはるる御審議尽くされておりますけれども、財政法の三条との関係で、私は思いますに、要するに国会の審議を経なくとも財政法上から見て抵触しないよと、そういう立場からの議論をやられているのではないだろうか、こう感じるんです。
 といいますのは、国鉄運賃法の改正の議論がされました昭和五十二年の十一月でしたか、当時の田村運輸大臣はこの議論がなされたときに、まず理由の第一に挙げられましたのは、国鉄というのは独占性が非常に薄くなってきたというのを挙げたと思うんです。次いで国鉄運賃等々のあれで別な法律で審議されているものであるからいいんだと、こういう大きくいって二つの意見を述べられました。
 今回は、その独占性であるという問題についてはこれははっきり専売ということで財政法三条に明記されている問題でありますが、そういう形で一つずつ法律緩和という、それを制定せんがための理由でもって組み立ててきているんではなかろうかと、どうもこう感じてならないわけなんですが、こういう点でどうお考えなのか、再度御質問したいと思います。
#145
○国務大臣(金子一平君) 財政法第三条の関係は先ほどもお答えいたしたいところでございますが、租税につきましては税率まで一々法律に書かなきゃいかぬことになっておることは御承知のとおりでございますけれども、専売益金と申しますか、そういった国の独占に関する事業に関する価格につきましては、法律に基づいてという規定の仕方をいたしております。つまり根拠を法律ではっきりさせなさいよと。それが財政民主主義の要求するところですよということでございますんで、われわれは行政権の恣意で価格をいつでも決められるようなことに持っていこうという気持ちは毛頭ございません。ちゃんとした法律の規定に基づいて、ある程度の範囲で法定制の緩和をやらしていただきたい。しかもそれは大変厳重な要件を要求されております。
 それはもう国会で、仮に今後値上げをお願いする場合におきましても、かくかくしかじかの状況になりましたから、ひとつ個上げを認めてくださいましという条件と同じことを書いておるわけでございます。しかもその幅も法定をしていただいておると、こういうことでございますから、決して国会の審議権を無視するというようなことにはならないというのが第一点でございます。
 それからいま一つは、五六%の納付金率、今度これを法定することにいたしました。これはまあ諸外国の例、過去の専売益金の納付の実績から見てこういう決め方をいたしたわけでございますが、最近の財政事情が特に厳しい際にもかかわりませず、だんだんと納付金率が落ちてきております。それを大体過去の水準まで上げたいということで御提案申し上げておるわけでございますが、それをやりますと今度は公社の益金の方がコストアップによってだんだんと減って大変経営が苦しくなってまいりますので、そういうような情勢に即応できるように、それは先ほども総裁が申しておりますように、四年なり五年なりでないと、そういう情勢には来ないと思うんですけれども、一定の幅の範囲内においてその際臨機の措置を講ぜられるように値上げをお認めいただきたいと、こういうことで御提案申し上げている次第でございます。
#146
○下田京子君 政府の趣旨はわかるわけですけれども、それがやはり国会軽視あるいはまた公共料金の値上げというものを、実際には財政法第三条ですね、ないがしろというところまで、極端に言えば、そういう懸念が大変感じられるわけなんです。これは大変議論の分かれるところですからきょうは差しおきますけれども、皆さんそういうことで心配されておるわけです。私たちもこれは、はいそうですかと言って認めるわけにはいかぬ大きな問題点があるということは指摘しておきたいと思うんです。
 それから同時に、いま財政問題が出されましたけれども、財政の中でのいわゆる財源といいますか、その大きなものはやっぱり税でございますけれども、こういう専売納付金という形でもって、私は現在の専売制度そのものを否定するという立場はとっておりませんけれども、税そのものはやはり間接税というんではなくて直接税、すなわち収入のあるところにそれに応じた形でやっていくというのがやっぱり国家財政の基本であるべきじゃないかと、こう思います。
 それから、同時に問題になっておりますのは、たばこといえどもやっぱり、これは五十三年度の「専売統計要覧」等も見まして、日本の男性の約七五・一%、五十二年度でそれだけたばこを吸われているわけです。一日平均にすれば実に二十四本ということなんですけれども、これをざっと一カ月にしたらば、三十日で計算するならば三十六箱分にもなると。いま一番売れているといわれる、私はたばこ吸いませんけれども、マイルドセブン、こういうのに直しますと、今度の値上げ幅でいけばざっと千八十円からの負担増になると。大変嗜好品といえども生活の中での必需品的な要素になってきているわけなんです。ですから、私はこういうことをよく頭に置かれてこの問題をお考えいただきたいと、こう思うわけであります。
#147
○国務大臣(金子一平君) 専売物資は従来から相当の税負担を、実質上の税負担をお願いしておるのは、日本はもちろんでありますが、各国の通例でございまして、消費自身がある程度それは御覚悟をいただいておると。それは先ほども申し上げたことでございますが、生活必需物資というよりも特殊の嗜好品だからでございます。
 そこで日本の場合申し上げますと、専売益金の実質上の税全体に占めるウエートというものは、従来一割を超える時代があったんでございますが、今日わずかに二%前後になってしまったと、そういう状況であることをひとつ御了解いただきたいと思うんです。
 それから、あなたと大変意見を異にして残念に思いますのは、累進課税の所得税体系だけが大変公平な税だと言われますけれども、それは高度成長時代のようなときにはそういうことが言えるかもしれませんが、やはりそれだけでは今日のような時代では課税の公平が期せられないと思いますが、実質上の担税力が捕捉できないような時代になってきております。やはり消費を通じて担税力を求めるというのが最近の世界各国の通例になっております。それは低成長ないし中成長時代が世界じゅう押し寄せてきまして、もういままでの直接税中心の税制では財政が賄えない。それだけではまた課税上の公正が期せられない。やっぱり余り税金は納めてないけれども相当の消費をするという人にはある程度の負担をしてもらってしかるべきだという議論が強くなってきているという点を、これは御参考までに申し上げておきたいと存じます。
#148
○下田京子君 財源理論、税制問題については大変意見が分かれているわけで、これは個人、法人を問わずいま本当にそれが確たる平等なものかというと、大変議論あるわけなんです。財源確保の道はほかにもあると。これは別の機会に譲りたいと思いますけれども、とにかくそういうことで、いま出されていることについて私どもはやっぱりこれはやめて他の方法を考えるべきではないかと。
 ところでこの大事な、いままで明治時代から、日露戦争当時から財源確保の一つとして言われてきたたばこ、葉たばこ生産なんですが、私は特に葉たばこ生産農民に対して大臣がどのような御認識にあるのかなということでもってお聞きしたいんですが、実は私が住んでおりますのは福島県なんです。たばこの中で育ってまいりました。私もかつては十二時ごろまでたばこの葉のしをやったことをいまも記憶にあるんですけれども、近代化されたといいながらもなおかつ、しかしいまもなお農家の人たちは、朝はもう四時起き、それでたばこ最盛期になれば葉かきをし、昼間暑いときにはたばこはさみをして、また夕方葉かきに出かけて、夜はやはり十一時、十二時まで葉をはさむというふうなことで大変な苦労をされております。しかもまた共同育苗であるとか、植えつけであるとか、そういう中で消毒、そしてひょう害になんてなったら大変なものでして、これはこれは大変な苦労をしているわけなんですね。そういう苦労と、それからもうやにで顔まで真っ黒になってやられてきた。その陰で、実に五十三年見込みですけれども、地方のたばこ消費税は六千六億円というふうな収入が見込まれるわけですし、それから専売納付金では五千五百三十九億円というふうなものを生み出されるわけですね。その陰にはこうした農民の苦労があるんだと、そこのところをどういうふうに御認識されているか、あえて大臣にお尋ねしたいと思うわけです。
#149
○国務大臣(金子一平君) 福島県が全国有数のたばこ生産地であることは私も承知しております。私の田舎もたばこの、そう大きな、福島みたいな大きなあれじゃございませんけれども生産地でございまして、今日のたばこ事業を支えている大きな柱は、私は何といっても耕作農民だと思っております。
  〔委員長退席、大蔵委員会理事梶木又三君着席〕
そういう意味で、今日まで専売公社もずいぶん細かい心遣いをやって耕作者の育成に努めてこられたと思います。最近はときどきもう悪い品質が多いし、価格も違うからもっと外国から買えよというような声があっても、断固としてこれは専売公社は受け入れません。私はそうあってしかるべきだと思うんです。やはりそういう点を今後も十分配慮しながら公社の運営をやってもらいたいという気持ちでおることを申し上げておきます。
#150
○下田京子君 大臣のところがたばこ地帯だということで苦労が身にしみて御理解いただけているのかと思いますし、外国からの輸入の圧力が多いけれども、断固として国内葉たばこ生産農民の保護育成という立場でやっているというお話がございましたが、いまお話の中にもございましたように、いま葉たばこ耕作農家の方々が一番やっぱり心配しているのは輸入葉たばこ問題なんですね。
 この輸入葉たばこの問題では、五十三年度で見れば国内産が約十七万一千九百六十五トンというのに対しまして輸入が八万一千三百七十四トンと、約三割が輸入されている、これは御承知のとおりだと思います。こういう輸入を今後どういうふうな形で解決されていくんだろうかということのときには、やっぱり相手がどんな立場に立っているのかというのもよく理解しなければならないと思うんです。
 そこでお尋ねしたいのですけれども、よく問題になっておりますが、米国歳入委員会の貿易小委員会のいわゆる日米貿易タスクフォースのジョーンズ報告と言われているその部分の問題なんですが、このジョーンズ報告で訳されたものがないかと、こう聞きましたら、外務省も、それからきのう見えました専売の方も、皆さん「東洋経済」を訳文として持ってきてくれました。それでこの「東洋経済」を引用させていただきますけれども、この三月十日付の「東洋経済」で、いわゆるジョーンズ報告の訳文によりますと、特に今後の問題として、いわゆる日本が輸出を拡大する問題の品目としてまずたばこが上がっているのです。このたばこの中で貿易障害として二つのものがあるんだと、二種類の貿易障害が存在しているというわけで、第一に外国銘柄に対しては広告、それから流通面で同等の扱いがなされていない。それから二つ目には政府が示すマークアップ率、いわゆる国産品よりも百円ほど高い。これが貿易の障害になっている、こういうふうに言っているわけなんです。
 私は、この議論でいきますと、たとえばアメリカから輸入している小麦でつくったパンを食べないで、それで国内産のお米を食べるようにというもし宣伝をしたとすれば、これもやはりアメリカから見れば貿易の障害になると、こういうふうに解されるのではないだろうかと、こう思うんですが、こういう見方をしているわけです。
 これは相手の政府ではなくて議会でありますけれども、議会の中で正式に報告されていることは大臣も御承知だと思うんですが、これに対してどのような御所見をお持ちなんでしょうか。
#151
○国務大臣(金子一平君) ジョーンズ報告ではいろいろなことをいっております。誤解に基づく点もあると思うんでございますが、一つは、いまお触れになりませんでしたけれども関税問題を取り上げております。三五五の税率が法文上残っておるものですから、これは実際には課税されていないんですけれども、専売公社が買うものにつきましては非常な差別関税を実施しておるじゃないかというわけです。これは今度九〇%に下げることにいたしました。それによっておのずからたばこの価格における関税率を明確にすることができると同時に、内国消費税相当分もはっきりいたしますから、これは相当向こうは好意をもって理解をしてくれております。
 それからいま一つは、あなたの御指摘になりました流通面におけるいろいろな問題でございます。大体今日日本では国内消費たばこの一・二%ぐらいが外国製たばこでございます。これは少な過ぎると、もっと買ってくれよと、しかも専売公社の売る値段が高過ぎるのじゃないか、日本産のたばこと同じぐらいにしろよというような議論がありますけれども、これは国内産のたばこを保護しなければいけませんから、そう簡単に日本製たばこと同率に扱うわけにいきません。これはあくまでも差等をつけなければいけないと思っているんですが、そのほかにいまの広告の問題がございます。
 専売公社自身が嫌煙権とか病気の問題があるものですから、衛生上の問題があるものですからたばこの広告を抑えておるような状況のところへもってきて、外国製たばこだけどんどん広告されては困りますから、しかしこれは一定の枠を決めて認めてやろうというようなことでいま事務的に話が進んでおる最中でございます。
 また小売店を開いてくれ、あるいは手数量をふやしてくれというような問題ございます。小売店ももっとどんどん売れる店があるんならこれは広げていいと思います。手数量は現在七彩ですけれども、それを一〇%に上げますとこれは小売価格にもろにはね返るものですから、そこのどころをどうするか、これまた事務的に折衝中であるということでございます。私どもは外国製の紙巻たばこにつきましては、ECでも同じような率でやっておりますから、大体同じようなことにして国内産たばこを保護しなければいかぬという気持ちでおります。
#152
○下田京子君 大臣、時間がないので簡単にお願いしたいのですけれども、まあもう一つ実はやはりその中でたばこの項のところに「七九年初めに日本政府がタバコ類の税率と価格とをどう調整するかは、貿易委員会の今後の進展、それに日米貿易不均衡解消への日本政府の誠意の試験台である。」、こういうことまで言っておるんです。これは御存じだと思うんです。
 これはそうしますとアメリカの委員会のそういう意を受けてやっているかというふうなことにも受け取れるのですが、この点はどうかと。
 それからもう一つは、いま宣伝のことを出されたのですけれども、事務的に話をしているということで外務省の方からいただきましたら、早速この問題については、外務省コメントによりますと「広告宣伝の点については、その機会を拡大するため、具体案について日米業者間で協議中。」である。それから「流通上の諸問題については、主として需要が少ないということから派生する問題。」である云々と、こうなっているんですけれども、私どもこれを見まして、もう早速相手の意を受けて協議なさっているのかしら、こう思ったわけなんですが、いかがなんでしょうか。簡単にお願いしたいと思います。
#153
○政府委員(名本公洲君) まず第一点の、ジョーンズレポートで今年度当初に制度を考えておるということでございますけれども、アメリカサイドでいっておりますのは、たばこの値段のつけ方が非常にあいまいであって差別的であるというのが根本にあるわけでございます。それを今回たばこの定価の決め方を御提案申し上げております法律によりましてはっきりしたものにいたすということにいたしておるわけでございまして、これは単に外国から言われただけでなくて、国内におきまして、国会におきましても種々御議論をいただいたものを実現いたすという方針でお願いをいたしておるところでございます。
  〔委員長代理梶木又三君退席、委員長着席〕
 また、その他の広告宣伝等につきましても、これは国内外につきまして差別的であってはならないというこれはガットの協定にございます。差別的であるようなものはこれを正していくという考え方で、公社におきまして種々議論を業界との間でやってもらっておるということでございます。
#154
○下田京子君 まあ相手国の議会から言われただけではなくて国内でも議論があったからだと、こういうことですが、裏を返して言えば向こうからのそういう意向もあったというふうにも受け取れます。
 いずれにいたしましても、そういうアメリカから大変日本に対して輸出圧力といいますかが出てきているその根底に何があるかと言えば、日本の自動車、鉄鋼、家電なんかのいわゆる輸出メーカーのその見返りとして、やはり農産物等々の輸入にはこたえるべきではないか、これが一体になっているんではないかと思うんです。
 その証拠に、これは日本の経営者団体の方々なんですが、五月十一日日本経営者団体連盟の第三十二回総会で松崎芳伸専務理事、この方が労働情勢報告ということを称しまして報告しているんですが、その第一の問題点なんですけれども、「たばこ製造工場に行ってみると、十数メートル先から良い香りのしてくるのは、アメリカ、バージニア産のものですが、この外国産たばこの値段は、国内産たばこの三分の一でしかない。われわれが米の値段を云々すると、食糧の安全保障面から反論がでるのですが、たばこは食糧の安全保障とは関係がないはずであり、もし香りのよい外国産たばこと同様の値段で国内産たばこも購入しえ、かつ、現行値段で専売公社がたばこを売るとすれば、専売益金はうんとふえ、それだけ国庫の増収となる、したがって増税の必要性もそれだけ減少するのではありますまいか。」、こういうことを言われているんですね。
 大臣、経済界の正式な総会で、情勢報告として日経連の専務理事さんがこういうことをお述べになっているわけなんですけれども、これは単に外圧のみならず、日本の経済界からもそういう動きが強くなっていると、こう私ども見るんですけれども、いかがでしょうか。
#155
○国務大臣(金子一平君) 私はその記事を見ておりませんし、どういう会合でそういう話が出たか知りませんけれども、日本はアメリカならアメリカへ自動車、テレビその他もろもろの品物を売り込んで大豆その他のものを買っておるわけでしょうけれども、黒字が日米両国間で余り日本にたまると、それを何とかもう少し適度なところで抑えてくれよと、それにはもう少しわが方のものも買ってくれたっていいじゃないかというのがそもそものこの問題のきっかけでございますので、それは必要なものは買わざるを得ないと思います。現に相当の製品輸入もやっておるわけでございますけれども、しかしそれはやはり国内産業の保護の問題がございますから、そこにおのずから限度があると私は考えます。どういう一部の人がそう言っているのか知りませんけれども、必ずしもその議論にはくみしません。
#156
○下田京子君 ちょっと最後の部分聞きとれなかったんですが。
#157
○国務大臣(金子一平君) そういう議論には賛成いたしません。
#158
○下田京子君 はっきりそういう意見に賛成できないというお話なんですが、その次ちょっと長くなって恐縮なんですが、まだあるんです。
 「専売公社当局、あるいは財政当局はそうしたがっているのだが、」、こう言っているんですね。結局アメリカから安いたばこを輸入したがっているんだがと、こう言っている。「たばこ農民の票を期待する選良諸公の圧力の前には抵抗できないのだという説をなす人もあるのですが、議会制民主主義の存在が、消費者物価の値上げを促進し、増税の必要性を加速しているというのであれば、問題といわねばなりますまい。」、こういうこともまた言われているんです。これまた同じでしょうか。
#159
○国務大臣(金子一平君) 先ほどもあなたから御指摘のありましたように、たばこ耕作者の生活をどうするか、この問題があることは御承知のとおり、これはいま牛肉屋でも、その他もろもろの農産物資についてと同じ問題でございまして、いかに日本の選良と言われる人がそういう方面に全力投球をやっておるかということの私はそれは証拠だろうと思います。私はそうあってしかるべきだと考えます。ただ、おのずから限度がございましょう。しかし、いまやっている方向は間違いなしと、こう考えます。
#160
○下田京子君 そこで、泉総裁にお尋ねしたいんですけれども、七九年三月六日付のエコノミストで、覚えていらっしゃると思うんですが、「この人と一時間」という対談をなさっております。総裁は非常に率直に意見をいろいろとお述べになられております。
 ただ気になりますのは、気になりますというよりも、私は大変これは問題ではないかと、こう思うんですけれども、民営論の部分のところでこういうことを言われているんです。「さっきの国産葉たばこの問題ですが、いまは仕方なしに使っているんですが、民営になったら恐らく国産葉たばこは買わないで、外国から輸入することになるでしょう。」、こう言われている。つまり国産葉を仕方なくいま使っているということを述べられているんですが、大変問題だと思います。どういう意味なんでしょうか。
#161
○説明員(泉美之松君) それは私の言葉が足らなかったかと存じますが、国産葉は葉たばこについて専売制度がとられておりまして全量買い上げ制度になっておりますので、国内で耕作されたたばこは品質が落ちましてもそれは全量買わざるを得ない、そういうたてまえになっておるということで、品質が悪化したけれども仕方なくそれを買って使っておると、こういうことを申し上げたのでありまして、値段の問題に関連して申し上げたのではございません。
#162
○下田京子君 言葉が足りなかったと最初に申し述べながらも、しかし品質等の点からいって仕方なく買っているということをいまもお述べになっております。
 そこで、ちょっとお尋ねしたいんですけれども、それではいま国内で葉たばこ生産やっている、それが三分の二あるわけですけれども、最も売れているマイルドセブンだとかセブンスター、これは国産葉がどのぐらいでしょうか、おおよその割合だけで結構です。
#163
○説明員(泉美之松君) 外葉の使用割合あるいは国内葉の使用割合はいわば企業秘密みたいになっておるので、銘柄別には申し上げないことにいたしておるのでございますが、マイルドセブンは現在御承知のように三四%輸入葉を使い、残りの六六%を国産葉で賄っておるわけでございます。その平均の数字に比べますと、マイルドセブンは輸入葉の使用割合は若干少ないことになっております。
#164
○下田京子君 私は専門筋の方に聞きましたら、一番いま売れていると言われる、軽いと言われるマイルドセブン、セブンスターが国産葉を一番使っていると、こう言われております。これが明確なんです。
 私はここで大臣、それから総裁も含めてやはり言葉が足りなかっただけで済むんじゃないんです。説明しながらも、なおかつ国産葉を仕方なし買っているという御認識なんです。これはだれが何と言おうと、皆さん読んでこのまま見ますと、総裁そういう認識なのかと、こういう形になりまして大変問題が多いと思うんです。私は訂正をここでいただきたいと思います。
#165
○説明員(泉美之松君) 私がその際申し上げましたのは、昭和五十一年、五十二年と品質が劣化してまいりまして大変困っておる。しかし葉たばこ専売制になっておるから品質が劣化しても買わざるを得ないのですということを申し上げたのでございまして、私は日本のたばこ耕作者の方が土壌条件及び気象条件で大変困難な中におきましてたばこ耕作をしてこられました、その努力に対しましては非常に敬服しておるところでございまして、その点につきまして私の真意があらわれていないといたしますれば、その発言は訂正さしていただきます。
#166
○下田京子君 やはりいま意が通じていなければ訂正という言葉がございましたが、誤解を招かないように、同時に、やっぱり逆に言えば、内々には国内の葉たばこが質が悪いという御認識があるようなんですが、ずっと過去の経緯を見まして、足りないからということで最初は輸入が始まったと思うんです。そして足りないときには量産ということでもって質より量だ、こういうことでもってどんどん施肥の指導なんかも変わっていって、量目生産がどんどんやられていったわけなんです。それが、今度は量全体が多くなって過剰になってきたということで、生産形態を変えてきているわけですね。そして窒素分を少なくせい、あるいはカルシウム、燐とか、こういう三肥料要素を、もうきちんと整合配分までなさって農家に指導なさっているわけなんです。そういう状況の中で、農家の人もいろいろ苦労されているわけです。もちろん嗜好品ですから、それはあるいは健康問題等もいろいろ議論されているときでありますから、ニコチンがあってもいいよということではないけれども、国産葉のたばこの活用、その振興というものを言葉だけではなく、あるいは国内の葉たばこ生産農民の苦労がよくわかるというその言葉だけではなく、具体的な施策としてそれが生きていかなければならないんではないかと思うんです。
 そこで大臣に、担当の方でもよろしいですが、伺いたいのは、開発輸入をいままでやってきたと思うんですが、この開発輸入を見ますと、昭和四十八年から始まっていて、現在はインド、インドネシア、ブラジルの三国であって、量的に言っても五十三年でおよそ千三百七十七トンということです。確かに量は少ないと思います。しかし逆に、これは種々論議になっておりますけれども、片や輸入のことが大変農家の人が心配もされている、片や面積をちょっとでもふやしたいと思っているという状況の中でこういうことが進められております。
 かつてたばこの国内産が足りないときにやられた施策であると言いながらも、今後、少なくとも増産という方向ではなくて、国内事情をよく説明して、相手国にも御運解いただける立場でこの開発輸入というものを抑えていただけるように御尽力いただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
#167
○説明員(永井幸一君) ただいま御質問がございましたように、四十八年度から三カ国で産地開発の関係の仕事をやらしていただいておるわけでございますが、産地開発と申しましても、公社が自前で全部費用を出して自分の責任で全部やるということではございませんで、現地のいろんな企業に対しまして、技術的な援助を主体としてやってまいっておるわけでございます。葉たばこの輸入に関しましては、先ほど来、話がございますように、日本ではどうしてもできない葉たばこ、香喫味原料を中心といたしまして輸入をいたしておるわけでございますが、産地の状況もいろいろ国によって区々でございまして、そういう選択購買だけで今後長く仕事を続けてまいるということにいたしますと、産地側の事情によりまして、向こうの方の公社側の必要な葉たばこがなかなか得にくいというような事情もあるわけでございまして、そういったことにも備えまして、かなり長い将来を見通しながら、一体どういう形で購買を進めていけばいいのかというようなことの検討材料にもいたしたいというようなことで、産地開発を進めているわけでございます。
 したがいまして、現在の事情がどうだということではなくて、もう少し長い目でお考えをいただきたいというふうに考えているわけでございます。
#168
○下田京子君 時間になりました。最後に一つだけ。これは私の方から指摘しておきたいと思うんです。
 いま長い目でとおっしゃいましたけれども、長い目でいくならば、本当に国産の葉たばこもどう自給を高めていくか、同時に、国産で本当に床、香り等をどういう形で研究を進めていくかという立場に立って、むしろ国策として進めるべきではないかという指摘が一点。
 それからもう一つは、その中で、輸入せざるを得ないものだけしているんだとおっしゃっておりますけれども、とすれば、一体その香りやあるいは味やそういうものでどのくらい必要なのか、はっきり必要枠を需要に応じて決めましてやるというのが私はたてまえではないかと思うんです。聞きますと、味つけと添加物にはチョコレートのエキスだとかあるいはココアだとかあるいは砂糖やグリセリンだとか、こういうものも入っている。しかし企業秘密でございましてというお話で、なかなか聞けないわけですけれども、やはりそういうことをはっきりさせて、今後、国産のたばこの増産というか、そういう方向でやるべきだろう、こう思います。大臣に一言だけ言ってもらって、終わりにしますから。
#169
○国務大臣(金子一平君) いま御指摘の点は、今後十分留意して、配意してまいりたいと存じます。
#170
○下田京子君 ごめんなさい。私は時間を間違えておりました。まだあったのです。
 それじゃもう一点お尋ねしたいのですけれども、たばこの専売事業ですね、これは民営化問題が出ております。民営化の問題について私いろいろ、これは公社内でも議論されているということなんですけれども、いま現在公社に働く職員が四万八千四十八名いらっしゃいますし、先ほどちょっと指摘しましたけれども、泉総裁がいみじくも言われたように、いろいろと、民営になっていった場合には、国産葉たばこの活用なんということがなかなか大変になるだろう、こういうことも言われております。そういう中でやはりこれはすべきではないと思うわけなんですけれども、公共企業体等基本問題会議で出されましたこのたばこ専売事業の経営形態、これは民営化にすべきでない、こういうことを私ども思うわけなんですけれども、その点についての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
#171
○国務大臣(金子一平君) 公企体の今後のあり方についての報告が出まして、公社を民営にしたらどうかという議論が提起されておるわけでございますが、いまあなたからもお話しのございましたような、たばこ耕作者をこれからどう持っていくか、それからたばこ小売店をどうやっていくか、ここら辺の問題が大変むずかしい問題でございます。専売事業に関します懇談会を設けましていろいろ議論をしてもらっておる、慎重にこの問題は扱っていきたい、こういう気持ちでおることを申し上げておきます。
#172
○三治重信君 今回のたばこの値上げについては、一つは、大きく公共企業体等基本問題会議というんですか、の答申によって、ことにいわゆる消費税的なものはきちんと法定すべきだというやつが今度はきちんとなっているようでございますが、そのほかの問題、ことに経営形態とか労使関係とかいう問題についての検討は、この日本専売公社法の一部を改正する法律案そのものには直接関係のない問題かもわかりませんけれども、この法律を改正する中でたばこの消費税的な率をきちんとやるというのは非常に改善進歩だと思っておりますが、そういうこととともに、今度、原価の一・三倍までのやつは価格改定は法律でないというふうにまで決めるということになりますと、経営形態の問題について、果たしてこの日本専売公社がいまの公社という形でいいのかどうか。これについて、この問題の、民営に移管したらどうか、こういう提案になっておりますか、それについての検討はどういうふうになっておりますか。
#173
○政府委員(名本公洲君) 昨年六月提出されました基本問題会議意見書におきまして、御指摘のとおり分割民営の意見が出されたわけでございますが、これにつきましては、先ほども大臣がお答え申し上げたところでございますけれども、専売事業に関します懇談会を設けまして種々議論をお願いいたしておるところでございますが、何分にも明治三十八年以来の長い歴史を持った産業でございまして、すでに一つの産業秩序というようなものができ上がっているものでございますので、それとの関連におきまして慎重に各方面の意見を聴しながら検討を進めていかなければならない問題であるというふうに考えておるところでございます。
#174
○三治重信君 いまの答弁だと、それは当初から全然前進も何もないわけなんで、基本問題会議の議論のこの検討、またそれの報告書を見てさらに検討するということからなっているわけなんですから、それが今日一年以上たっても、これまたこの法律改正の案を出されるについても、この問題は慎重に検討するというだけで、どういうふうに検討してどういう問題があるのか、一つは分割には反対だという問題があるんですが、そういうことの理由について、また民営的な経営について具体的にどういうふうな問題が、議論をされというんですか、中身が検討されないというのはおかしい。慎重に検討するというだけじゃおかしいじゃないかと。
#175
○政府委員(名本公洲君) 分割民営問題につきましては、すでに設置いたしております懇談会におきましても種々御議論をちょうだいいたしておるところでございますが、第一点としましては、現在十二万ほど……
#176
○三治重信君 分割問題はもうわかって、いいんだけれども、そのほかの民営的な経営の改善の問題。
#177
○政府委員(名本公洲君) 経営の改善問題につきましては、この意見書全体に流れております思想は、企業としての効率性の発揮を図ると、そのために民営が一番いいんだと、こういうような御意見でございます。
 そこで、分割民営そのものにつきましては、これは先ほどお答え申し上げましたように一朝一夕に結論が出る問題でもございません。しかし、現在のまま放置することは適当でないという考え方から、公社の自主性を高め、かつ経営責任というものを明確にしていくというそういうたてまえから、そのこともこの意見書で触れておるわけでございますが、今回納付金の率を法定していくと、また財政法三条で定める枠内ではございますけれども、公社が企業体としてある程度経営手腕も発揮できる余裕を残すために、定価の法定制につきましても若干の権限のお任せを願いたい、こういうことで今回の法改正の御提案を申し上げているようなわけでございます。
#178
○三治重信君 どうも中身がはっきりしませんが、それで、今度の改定の最高価格が一・三倍までは法律改正でなくて値上げをできるというのは、これはこの一・三倍までは何回でも、何回といっても三割ぐらいですからそう何回かということはないんでしょうが、一回を予想しているのか、二つに分けてやっているのか。
 それから、この一・三倍のやつは、ですから専売公社の今度の小売定価に、税金分の率はこの価格改正についてはそのときには変えるんですか、変えないんですか、同じ率か。そうすると、コストの三割値上げよりか以前にこの値上げを決めなければいかぬと、こういうことになるわけですが、その点はどういうふうに。
#179
○政府委員(名本公洲君) 法律で定めてありますものの一・三倍の間で何回ぐらいできるかと、法律の制度といたしましては複数回できるようにしてございますけれども、そのときそのときのたばこの消費動向、そういうものを見定めながらやることに相なると思いますので、そのときにならなければわからないと思いますが、仮に赤字になりました場合の原価の上昇幅を全部上げるといたしますと、これは一回で終わってしまうことに相なるのではなかろうかと、かように思います。
 それから、その一・三倍を超えなければならないような事態のときに法律改正をお願いいたしますけれども、その節には、現在のところ平均いたしまして五五・五程度になっております専売納付金は、これは一種の税率に相当するものでございますので、現在のところ改正をするつもりはございません。
#180
○三治重信君 それは一般の形式的な答弁はいいんですけれども、まあそういうことなんでしょうけれども、長官どうなんですか、この一・三倍というのは、そういうふうにちょっとでも赤字が出、またことしはどうも出そうだというなら一割上げるとか、そういうふうに運用するつもりなのか、その一・三倍まではきちんと何とかがまんして、そしてそういう価格変動のやつは値上げの回数はできるだけ少なくするんだと、そういうことでやるのか、どちらの考え方か、それは決意を聞かぬと、そのときどきにこれはおれの自分の勝手な値上げができるんだということでは、こういうことは非常に何というんですか、任す趣旨が合わぬと思うんですが。
#181
○説明員(泉美之松君) たばこの定価法定制の緩和をお願いいたしておりますが、これはその要件にありますように、専売公社の欠損になるかまたは欠損になることが確実と認められるときの措置でございまして、欠損になるかあるいは欠損になることが確実と認められるときまでは行わないわけでありまして、そのときに行うといたしますと、先刻来から申し上げておりますように、政府の経済見通しを基礎にいたしますと昭和五十八年または昭和五十九年に欠損または欠損になることが確実と認められるわけでありまして、そのとき一回行いますと、それまで恐らく卸売物価の上昇率、小売物価の上昇率あるいは賃金の上昇率からいたしまして二割ちょっとは超える程度になっておろうと思いますので、そのとき値上げを行いますともう三割近い数字で値上げが行われまして、一回限りになるというふうに考えられるわけであります。
 それを大変うまく事態がいきまして早く欠損が出て、一割五分で値上げをしてあとなお一割五分残るというような事態が起きますれば二回できないわけではございませんけれども、私どもはそのような事態になることは予想しにくい、まず一回限り、このように考えております。
#182
○三治重信君 もうそこです。だから経営者の態度として、これは物価の埴上げやその他の状況の変化によってというんだけれども、二回とか小刻みに安易に上げるんじゃなくて、しかしぎりぎりのところでそこでこうやると、それは五十八、九年だと予想していると、こういうふうにしないと非常に授権立法というものは安易な運営になるということをひとつ御注意をしておきたいと思います。
 それから、経営のやつに、日本の葉たばこの値段が非常に高いと、一つには政策価格になっていくというふうなことも書いてあるわけですが、しかし実際の、同僚議員の御質問からいけば、日本農家のたばこの買い上げにはもっと値を上げてもらわぬとコストが悪いと、コストが合わぬというようなことがずいぶん述べられているわけなんです。
 そこで結局私は、このたばこの品質改善なり、そういう専売公社としても農民の努力に報いるように、非常に外国産のたばこに劣らない品質改善なり、または生産のコストが下がるような方策をやらなくちゃいかぬと思うんですが、そういうことについてどういう現実の指導というんですか、経費というものをつぎ込んで生産農民との意思疎通ができるような体制ができているのか。
#183
○説明員(永井幸一君) 日本と海外との天候あるいは土地、いろんな事情が違いまして、いろんなハンディキャップがあるわけでございまして、そういったことを克服しながらできるだけわが国のたばこの品質を高めてまいりたい、生産性も上げてまいりたいということから、昭和四十八年度を初年度といたしまして、生産性の向上を中心としながら第一次の生産対策を実施いたしまして、補助金を交付してまいったわけでございます。
 それが五十三年度で終わりまして、五十四年度からはさらに第二次の生産対策事業といたしまして、品質の回復それから生産性の向上ということを二本の大きな柱にいたしまして、さらに五カ年間の計画を組みまして、補助事業を実施しているという状況でございます。
 こういったことから、乾燥室の補助あるいは肥料の問題、それから土地の診断、そういったことを中心とし、あるいは作業の受委託、そういったことを中心といたしまして、生産性が向上していくということを期待しているわけでございます。
 なお、それとともに公社の第一線の生産技術員に対しましても、たばこ耕作農家に対しまして品質の向上を中心としながらきめ細かい御指導を申し上げるということにいたしたいと思っております。
#184
○三治重信君 これはたばこの専売をやっていかれるときに、葉たばこの原料の値段が非常な大宗を占める、しかもこれには外国産が三分の一、国内産が三分の二の状況になっているようですけれども、そうすると国内産の三分の二というものが非常に大きなウエートを占めている。そうすると、この輸入の葉たばこの値段と国内産とのこの値段をどんどん米のように上げていく可能性があるのか。またはそれに対して、外国産の葉たばこの購入価格と国内産の買い入れ価格をそう拡大させぬでもその生産性の向上で埋めていく。これは農家の損失で埋めていくんじゃ何にもならぬわけですね。そこに、いまの私が質問した品質の改良なり、生産コストの低下のための対策というものが行われて初めて農民に一方的なしわ寄せでなくて、外国産たばことのコストの競争なり、シェアが広がらぬようにやる対策が目標だろうと思うんですが、その点はどうなんです。
#185
○説明員(永井幸一君) 国内の葉たばこの価格と外国産の葉たばこの価格と、昭和四十年の初めごろはそれほど大きな乖離はなかったわけでございますが、非常に大きく乖離を始めましたのは、四十年代の後半のオイルショックによりまして葉たばこの生産原価が非常に上がったということ、それからその後、円高が非常に続きまして、その結果、相対的に日本の葉たばこが高くなったと、この二つが大きな原因でございます。
 その後者の方の、円高の方はなかなかわれわれの方では吸収することが大変むずかしいわけでございますが、最初の、もともとの生産費自体の比較で非常に上がりました部分につきましては、先ほど申し上げましたように、近代化を進めて合理化を進めていくことによって生産費自体を下げていくという方向でいろいろ努力してまいりたい。そのために機械、まあ外国のように大きな機械はなかなか入らないとは思いますけれども、それにしましても高能率機械を導入していくとか、あるいは作業の受委託を促進していくとか、そういった形でできるだけ生産費を下げるという方向で、これ以上海外の葉たばこと国内の葉たばことの価格差が拡大しないように、できれば縮めていく方向でいろいろと努力をしているというところでございます。
#186
○三治重信君 その一番大きなやつは、これは農林政策全般との関連でないといかぬと思うんですが、私は農林水産委員会で農林大臣に、非常にこういう土地をよけい使う耕種については経営規模を拡大しなければコストが下げられないと、こういうふうな感じを言っていて農林大臣とは大体意見が合っているわけですが、そういう方向でひとつぜひ御努力を願いたいと思います。
 それからたばこの害、それから広告宣伝、こういうような問題についていろいろ言われておりますが、外国では、アメリカを初め二、三法律でそういう問題について規制しているやつが、今度の法律の中には、これはどうせ訓示規定だろうと思うけれども、なぜ入れなかったのか。そういう中へ、専売公社にきちんと健康の害の表示とかそういうものについて書けとか、それから宣伝をやるときには、飲み過ぎると健康に害がありますというようなことについてのやつはどうも行政措置だけになっているんですが、こういうような法律改正のときにこそ、そういうことについてやはり専売公社の努力目標なり、そういう注意について法律に規定すべきだと思うんですが、その点の配慮はどうしてやらなかったのか。
#187
○政府委員(名本公洲君) 諸外国におきまして広告宣伝を、たとえばテレビ電波を使う宣伝を禁止する法律等がございますけれども、わが国におきましては専売公社一社がすべての責任を負ってやっているわけでございますので、あえて法律をつくるまでもなく、私どもの方からの指示によりまして専売公社のそういう活動に制限なり何なりすることができるものでございますので、あえて法律に書くまでもないというふうに考えた次第でございます。
#188
○三治重信君 そこがやはり、一般の消費者について注意深い配慮をするということについて非常に欠けている。ここが一つだから自分だけでやればそれでいいんだと、こういう考え方ではないかと思うんですが、それは別に法律にしなくちゃならぬ問題でもないし、法律でないと専売公社が言うことを聞かぬという問題ではないわけなんですけれども、やはりせっかくこういうふうに改正の機会があれば、今後国民の幸せの中で健康管理というものが非常にやかましくなってくる。それから広告宣伝の過当広告、それから外国も、先ほども大臣が答弁されたように、外国のたばこが入ってくる。そのときの広告の規制の問題、いやうちの方は専売公社が一つでやるんだからいいんだと、やはりそういう広告なりそういう問題についてきちんとした一つの基準なり、そういうものを入れることが私は今後、もういままであなたの言う答弁だと、専売公社というのはおれのところの大蔵省の手のうちだと、何でも言うことを聞くんだと、だから問題はないんだと、こういうことになって、これから自由貿易になって外国のやつがいろいろ入ってくるんだから、そういうようなモノポリーの独占的なことがいかぬというのが、この前の一番初めに質問した初めから入っているわけなんで、ひとつぜひ今後の改正の場合にはこういう問題も――国際化する問題、たばこでも消費が国際化する。そうすると、国民にどういうふうにアッピールするかという問題。
 最後にひとつ、この改定をするとなると、小売マージンは変えないということですからいいですが、販売機が非常に多いですね、販売機で売られる。この販売機は値段を変えると機械をいじらなければならない。こういうような費用や、それからその他外国の輸入たばこの販売のマージンとかいうような問題について、いろいろ私は法律を改正しなければ、何と言いますか、小売業者や、そういう販売機の業者には何もいままでは相手にしなかったんだけれども、大体そういう、もしもできるということについて、事前にいろいろそういう第一線の業者に対して、やはりスムーズにいくような納得というんですか、了解、そういうコミュケーション、理解度を深める行動がとられなくちゃいかぬと思うんですが、そういうスケジュールはどういうふうにやっておられるんですか。その費用の負担と両方。
#189
○説明員(泉美之松君) 自動販売機は現在約二十二万台ほどございまして、これはすべてたばこ小売店の所有しておるところでございます。今回定価改定を行いますと、自動販売機の価格の表示のところを直さなくちゃなりません。これに若干の費用がかかりますが、これは五十年の定改のときの経験がございますので、今度直す費用はそう大した金額ではございません。たばこ小売店の方々は、今回の定価改定によりまして二百数十億円の手数料がふえることになるわけであります。したがって、その手数料の範囲内で自動販売機の改作と申しますか、直すことができるわけでありまして、二百何十億に比べますと、それに要する費用はごくわずかでございますので、そこで賄っていただけるものと思っておりまして、この点につきましては、すでにたばこ販売協会とも話し合いをいたしておりまして了承をいただいておるところでございます。
#190
○三治重信君 最後に一つ、大臣に御質問しますが、税の確保のために今度は改正されたのが主なわけなんですが、この専売公社法の問題の場合に、専売公社、専売体制、専売公社だけではないのですけれども、三公五現の経営形態の問題、労使関係の問題、こういう問題が非常に議論されて一応の結論といいますかが政府に課せられているわけですがね、これに対してやはり大蔵大臣もいままでの答弁だと全然こういうような自分のいいところだけやられるけれども、ほかはみんなほったらかしてある。これでは何ぼ政府が幾ら審議会やいい答申もらっても何にもならぬと思うのですがね、それについて大蔵大臣、ひとつ今後こういう意見書の問題についてどういうふうに対処していこうかということについて決心をお願いします。
#191
○国務大臣(金子一平君) 専売公社の民営なり分割の経営に当たってまず問題になるのは、先ほどもちょっと申し上げたことでございますけれども、全国のたばこ耕作者十二万のこれからの持っていき方をどうするかとか、小売店舗の配置規則をどういうふうに持っていくか、これなかなかやっかいな問題なんです。やはり現実の問題としてそういう問題をある程度見通しをつけて手をつけませんといけませんしね。正直言って専売公社は経営の努力につきましては模範生と言ってもいいぐらいやってもらっておると思います。今後やはりそういった点の扱いをどうするか、総合的にいま考えながら慎重に検討を進める。お役所式の答弁になりますけれども、いますぐあれをやりますよとかあるいはこれはもうやりませんとかいうところまで私は申し上げる実は自信がないんです。もう少し現実の政治家として扱いを検討させていただきたいと思います。
#192
○前島英三郎君 九分でございますから、はしょって御質問させていただきますが、実は私は昭和三十八年、九年にかけましてさるテレビ局で専売公社のコマーシャルをやったことがあります。それまでたばこを吸わなかったのでありますが、コマーシャルをやる以上はどうしても吸ってもらわにゃ困るということで、それからたばこが病みつきになりまして、いま大変後悔をしているところであります。
 たばこの値上げは消費者物価に与える影響も無視できませんし、公共料金の値上げにもなるわけでありますが、同時に、たばこの公害というべきものを減ずる意味で、あるいはまた国家財政に寄与する部分の大きさから考えて、私は一定の値上げもやむを得ない面もあるかもしれない、こう思うわけであります。この両面から考えましてその適否を判断すべきだと思うのですが、同時に、事業主体である日本専売公社がいろいろな面で社会的使命感を果たしているかということも見ておかなくてはならないと思うのですね。
 そういう観点から幾つかきょうは質問させていただきたいと思うのですけれども、身体障害者福祉法第二十四条に「専売品販売の許可」について規定をしております。それによりますと、身体障害者がたばこ小売人の指定を申請したときには日本専売公社は指定するよう努めなければならない、こういうぐあいになっているわけなんですね。障害者が自立していく一つの手段として大変これは意味のある規定だと思っております。評価をできると思うのですけれども、公社としていかなる努力をし、またその実績はいかがであるか、まず数字をお示しいただきたいと思います。
#193
○説明員(立川武雄君) 身体障害者福祉法の適用を受ける方とたばこ販売店の運用の実情について御説明申し上げます。
 たばこ専売法三十一条一項各号の規定に該当しない場合にはたばこ小売人に指定するよう努めなければならないという趣旨でございまして、それを受けまして、私どもたばこ小売人に指定する場合には標準距離ということと取扱予定高ということがございます。身体障害者福祉法の適用を受けられる方の申請がございますと、八割でございます、通常の基準から二割引きまして指定をしているというのが現状でございます。
 その実績でございますけれども、現在そういう身体障害者福祉法の適用を受ける方でたばこ販売店になっておられる方が約六千四百店ございます。
 以上でございます。
#194
○前島英三郎君 厚生省が五十二年度に初めて調査した実小売人の数というのが八千二百八十一人という数字になっているわけですけれども、五十二年度の許可件数というのは三百六十九件ありまして同年度の不許可というのが五百四十三件ございました。不許可の理由というのは、すでに許可されている小売店との距離という問題が一番大きいだろうというのですけれども、次いで、その取扱見込み高が非常に不足していると。一方では「健康のため吸いすぎに注意しましょう」ということでありますけれども、どうも売らんかなという部分で何か矛盾を感じないでもないわけです。特に身体障害者の場合は、いろいろなケースを聞いてみますと、一回の申請ではまずだめだと、二回、三回と申請してやっと許可されるケースというのが非常に多い。非常に門を狭めているのではないかというような声があるのですが、その辺はいかがでございますか。
#195
○説明員(立川武雄君) お答えいたします。
 たばこの販売店を指定いたします場合に距離標準、取扱標準を中心に指定しておるところでございますけれども、たばこの小売店が現在約二十四万五千ございます。私どもといたしましては、たばこの全体の販売店数としてはそういう店数で見る限りはもう充足されているのではないかという考えを持っております。
 一方、たばこの販売店を指定いたします場合に、公社といたしましては公社としましての健全にして能率的な運営といった点から販売店の配置等につきましてもある程度合理的な配置ということを念頭に置かなければならないわけでございまして、現在ございます二割という基準のところで今後も運用さしていただきたいという考え方でおります。
#196
○前島英三郎君 専売の販売を初めとして売店の開設とかあるいは障害者が製造した物品の購入等につきまして、専売公社や厚生省ばかりではなく、政府として積極的に考えていくべきだと思うんですけれども、その辺大蔵大臣はいかがお考えになりますでしょうか。
#197
○国務大臣(金子一平君) いま御指摘のございました官公需をできるだけ身体障害者に振り向けるような努力をしろということ、これは全く私も同感でございます。現に厚生省におきましては授産施設、福祉工場に対する官公需の発注の促進につきまして、従来から国立病院や療養所、国鉄等に極力発注するように要請しておりますほか、都道府県でも同じような方針で指導してもらっておるのでございまして、今後もその点につきましては私どももできるだけ努力してまいるつもりでございます。
#198
○前島英三郎君 小売店の許可を得た障害者が公社の建物に出向くこともわりあい多いと思うんですね。たとえば、臨時に仕入れる場合などは出向くだけではなく品物を運ぶわけなんですけれども、それが車いすであったり松葉づえであったり、あるいはいろんな意味のハンディキャップを持っている人たちも多いわけですけれども、しかし階段や段差が多くて非常に困っているというような声もあるんですけれども、その辺は十分な配慮を望みたいと思うんですが、いかがでございますか。
#199
○説明員(立川武雄君) 身体障害者の方がたばこ販売店をされておられます場合に、私どもとしては都会地では平均四回でございますが、地方に参りましても二回、三回たばこの配給をお店までしておるわけでございます。そういったこともございまして、まず公社においでいただくという場合は、仕入れの見込みが少なくて臨時に品物を仕入れるとか、あるいはいろんな会合、御相談にお見えになるということかと思いますけれども、そういう際には十分明地を指導いたしまして、なるべく臨時の仕入れのないようにいろいろ御援助申し上げる、あるいは集合等の場合には、私ども第一線の営業員はそれぞれ店を、担当している地区を持っておりますので、そういう営業員の人も御足労をいただかなくても済むように指導してまいりたいと、かように考えております。
#200
○前島英三郎君 あと少々しかありませんから、専売公社の身体障害者の雇用状況という、これも一つの社会的責任という面でお伺いをしたいわけでありますが、法定雇用率一・八%でございますが、当然達成していると思われますけれども、いかがでございますか。
#201
○説明員(石井忠順君) お答え申し上げます。
 毎年これを調べます時期が六月一日でございます。昨年の六月一日付で総職員が約四万五百名、身体陣雲者六級以上の方が実数で五百四十六名でございます。ただ、雇用比率を算定いたします際に、御案内のように除外職種でありますとかあるいは重度障害者を倍数にするということがございますので、計算上のルールでもございますので、それに従いまして計算をいたしますと法定一・八%に対しまして一・八一%という、いっぱいということでございます。
#202
○前島英三郎君 法定雇用率というのは上限がないわけですから、今後もできる限り重度の人に雇用の機会を与えていただけるよう、これは特にお願いをしたいところでございます。
 各省庁とか公社等にもお願いしていることなんですけれども、専売公社には特に要望しておきたいところでありますので、そうした意味では、たばこの小売店でも、ただ片手しか動かない重度な人もたばこなら売ることもできるし、またおつりも出すことができるというようなことを考えますと、自立という面では障害者にとって一番端的にもうやれる仕事というのは、まさにたばこの小売というのはうってつけの仕事だというふうに思いますし、それによってまた生きがいを持つ障害者も数多くいるということを総裁以下御念頭に入れていただきまして、ひとつ今後も身体障害者に御理解を賜りたいと思います。
 どうもありがとうございました。
#203
○委員長(坂野重信君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#204
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。
 これにて散会いたします。
   午後五時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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