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1978/03/22 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会 第8号
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1978/03/22 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会 第8号

#1
第087回国会 大蔵委員会 第8号
昭和五十四年三月二十二日(木曜日)
   午後一時三十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     渡辺  武君     上田耕一郎君
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     上田耕一郎君     渡辺  武君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                梶木 又三君
                藤田 正明君
                和田 静夫君
                矢追 秀彦君
                中村 利次君
    委 員
                浅野  拡君
                岩動 道行君
                糸山英太郎君
                河本嘉久蔵君
                嶋崎  均君
                細川 護煕君
                勝又 武一君
                竹田 四郎君
                福間 知之君
                鈴木 一弘君
                多田 省吾君
                佐藤 昭夫君
                市川 房枝君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  金子 一平君
   政府委員
       経済企画庁物価
       局審議官     坂井 清志君
       大蔵政務次官   中村 太郎君
       大蔵省主計局次
       長        加藤 隆司君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省証券局長  渡辺 豊樹君
       大蔵省国際金融
       局長       宮崎 知雄君
       国税庁次長    米山 武政君
       国税庁間税部長  矢島錦一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        伊藤  保君
   説明員
       経済企画庁調査
       局内国調査課長  横溝 雅夫君
       国土庁土地局土
       地政策課長    佐藤 和男君
       厚生省保険局医
       療課長      竹中 浩治君
       厚生省保険局歯
       科医療管理官   山本  治君
       資源エネルギー
       庁石油部計画課
       長        箕輪  哲君
       建設省計画局宅
       地企画室長    木内 啓介君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、渡辺武君が委員を辞任され、その補欠として上田耕一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(坂野重信君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○竹田四郎君 大臣がお見えになりませんから、中村政務次官に大臣をひとつ代理していただいて御答弁をいただきたいというふうに思います。
 最近、税金が不公正であるとか不公平であるとかいうようなことが盛んに言われているわけでありますけれども、公正な税金というのは一体どういうふうに考えていらっしゃるんですか、御答弁いただきたいと思います。――政務次官に聞いているわけで、局長に聞いているわけじゃございません。
#5
○政府委員(中村太郎君) お答えをいたしたいと思います。
 いわゆる不公平税制というふうな場合におきましては、論者によってこれもいろいろ御意見があるようでございますけれども、税制調査会の中期答申などにおきましても、概念を明確にする必要があるとされておるところであります。
 税負担の公平確保に当たりましては、特定の政策目的のために公平その他の税制の基本原則が犠牲にされている特別措置のうち、政策税制として政策目的の薄れたもの、あるいは政策効果の期待できないもの等を対象といたしまして、その整理合理化を推進することが最も妥当であるという考え方が示されておるわけでございます。
 したがいまして、政策税制とは基本的に性格の異なるもの、たとえば配当軽課制度、法人の受取配当金益金不算入制度、法人税、所得税の負担を調整する仕組みとして設けられているものや、各種引当金等、所得計算の合理化に仕組みとして設けられているもの等につきましては、不公平税制の範囲に含めるのは適当でないというふうに考えられておるわけであります。
#6
○竹田四郎君 わかりました。
 中村政務次官は山梨県の御出身でございます。山梨県にも大変たくさんの中小企業がおありであろうというふうに思いますが、私が山梨県のあなたを支持する有権者というふうにいたしましょう、あなたは大蔵政務次官でございますので、ひとつ中村先生、私は有権者の立場でお聞きします。
 今度、何か産業転換設備等を取得した場合の法人税額の特別控除という法律ができるそうでありますけれども、実は私もこれを読んで――私は中小企業者ですよ、議員じゃございませんから、いま立場は。読んだんだけれども、よくわからないんですよ、中村先生、これ私にわかるようにひとつ読んでください。
 すみませんが、ここからここまでで結構ですから、私にわかるようにひとつ読んでください。――いや、だめだめ……。
#7
○政府委員(高橋元君) 朗読でございますから、私からやらさして……
#8
○竹田四郎君 だめだめ。それは中村さんに、ぼくは中村さんを指定しているんですから。あなたは国会議員じゃございませんから、山梨県の出身の参議院議員じゃございませんので、私はいま山梨県出身の参議院議員の大蔵政務次官にお尋ねしているわけでございまして、主税局長に尋ねているわけでございませんので、ひとつそこの文章を、何にも知らないで真っ黒けになって仕事をしております山梨県の竹田という中小企業のおやじにわかるように読んでください。
#9
○政府委員(中村太郎君) それではわかるようにゆっくりお読みをいたします。
 (産業転換等を取得した場合の法人税額の特別予算)
 第四十二条の四 青色申告表を提出する法人で次の各号に揚げるものが、昭和五十六年四月一日から昭和五十六年三月三十一日までの間にその製作もしくは建設の後事業の用に供されたことのない当該各号に揚げる減価償却資産(以下この条において「産業転換設備等」という。)を取得し、又は産業転換設備等を製作し、若しくは建設した日から一年以内に法人税法の施行地に当る当該法人の事業の用に供した場合(特定不況産業安定臨時措置法第二条第一項に揚げる業種(以下この項において「構造不況業種」という。)以外の業種に属する事業の用に供した場合に限る。)には、……。
#10
○竹田四郎君 もういいです。結構です。
 率直に言って私も税金のことは――もう今度はあなたの有権者じゃございませんので、普通の大蔵委員の竹田四郎で質問いたしますけれども、これ読んで、一回読んでわかりますか。これ政務次官にお聞きするんですが、私はわからぬですよ、一回読んでは。率直に言って、私はこれ色鉛筆でいろいろこう塗ったり、ここからの括弧はここまでだということでいろいろやって読んでもなかなかわからぬ。中には括弧をくくるところを間違えたりしまして、しまいの方へいきますと、何とか政令で定めるものと、こういうふうに書いてあって、具体的内容はわからぬ。
 そこで私去年ヨーロッパへ行きまして、ヨーロッパでも不公平な税金とかあるいは不公正な税金ということが、それを直すということが盛んに言われております。
  〔委員長退席、理事藤田正明君着席〕
で、西ドイツの国税の労働組合が不公平税制の是正ということを一番熱心にやっているということでそこへ行って聞きました。
 そこで、税金の公正とか公平というのは一体どういうことなのかと聞きましたらね、第一番に言ったことは、だれが読んでもわかる税法と、これがまず公正な税金の、税法の第一要件だ、こういうふうに言っておりました。これも率直に言っていまの、今度の産業転換設備等を取得した場合の法人税額の特別控除というのも、要するに余り税法を知らない人たちがこれの対象になっていることはもう御承知のとおりであります。
 ところが、これ読んで全然頭に入らぬですよ。これ頭に入るのは主税局長と税制一課長とか、まあそういう大蔵省のその方面の人たちだけだと私は思うんです。ほかの人というのはこれ一回読んだって全然わからぬし、何のことが書いてあるかさっぱりわからぬと思うんですよ。藤田理事はこれわかるでしょうけれども、大臣やった御経験あるからわかるでしょうけれども、ほかの人は私はわからぬと思うんですよ。やっぱりこういうあり方というのがこれ理解ができないし、まして、中小企業などという、そういう人たちには読んでわからぬと思うんです、だれかに、わかる人に説明を受けなければ。だから大蔵大臣、なぜこんなむずかしい税法をつくらにゃならぬですか。これは結局お役人が取りやすいような税金であって、国民に協力してもらおうというそういう姿勢はちっともこの中に入ってないように思う。大蔵大臣、その括弧の、この括弧はどこまで、この括弧はどこまで、この括弧はどこまでということわかりますか、この文章を読んで。わかればそれは大蔵大臣も大変な、主税局長おやりになった方でありますから、これはおわかりになるだろうと思うんですけれども、普通の人これでわかりますか、内容が。その自信ありますか。普通の中小企業のおやじなり一般国民がこの税法を読んでですよ、この税法はこうなっているということがわかりますか。わからない税法を幾らやったってこれは協力できるはずないですよ。特に租特はそれがひどいですよね。どうですか、これは。
#11
○国務大臣(金子一平君) 確かに、最近だんだんと税法が微に入り細にわたって細かい決め方をしておるものですから、私どもも法案を読んでもなかなかいま御指摘のとおり何を言っているのかよくわからないことが多くなりました。で、法三章で税法が片づけられるような性格のものですとこれは大変私も幸せだと思うんでございまするが、とにかく森羅万象あらゆる事態に当たっても対処できるような規定の仕方をしようと思うんですから、ずいぶんやはりわかりにくい書き方をしなきゃいかぬ場合が多いことは私も率直に認めざるを得ないと思うんでございます。まあそういったことを、いまお話のございましたような、町の中小企業の皆さんにもおわかりいただけるように説明するために第一線の職員もずいぶん苦労いたしておりまするし、また青色申告会や法人会というような関係の各種団体にもいろいろお願いをして税理士会その他も動員して納税者に対する説明には全力を挙げておるような次第でございますが、特殊、異例の場合を規定しないとなるとやはりこれが問題になるものですから、あらゆる場合を想定した書き方をするものですから、そういうむずかしい規定になることはひとつお許しをいただきたいと思うのでございます。
#12
○竹田四郎君 今度は主税局長に聞きますが、主税局長答えてくださいよ。
 括弧の中に括弧があるんですよね。こんな方法をとらなくても、たとえば一つの括弧なら大きなかぎ括弧、箱括弧にするとか、そういうことも私は一つの読みやすくするあり方だと思うんですよね。私ども昔算術のときにはいろんな、こんな括弧やこんな括弧や、まあいろんな括弧でくくることを勉強したものですよ。同じ括弧でくくるというのは税法だけなんですよ。だから、上の括弧が果たしてどこまでかかっているのか、どこがどの括弧の終わりかということが全然わからないんですよね。あなたなんかもうこれで飯食っているんだからわかるのが当然でありましょうけれども、ほかの人は私はわからぬと思うんですよ。これは内閣法制局にも関係あることだろうと思いますがね。
 しかし、税金というのはやらずぶったくりでしょう、極端な言葉で言えばやらずぶったくりですね。まあ租特の中には少しは恩恵を施して税金をまけてやるということも多いんですけれども、しかしやらずぶったくりのやつもあるわけです。それであるだけに、私は、大体だれが読んでも内容がつかめるという書き方ですね、これは工夫する必要があると思うんですよ。とにかく、取る方が都合がいいという、自分たちさえわかっていればおまえらはわからぬでもいいんだと、金さえ出せば、必要な金だけはおれが持っていってやるからというやり方では、今後の税金に対する国民の協力を得ようとしたって私はできないと思うんですよ。今度のこの税法も、後で内容に入りますけれども、非常に重要な法律、税法の一つだと思うんです。多くの国民に関連する法律だと思うんですよ。それが読んで頭が痛くなるような――私もおととい私のところへ来た中小企業者にこれを読ませました。半分読んだら頭が痛くなると言って投げ出しました。それじゃいけないんじゃないですか。あなたたちは当然税金を取るんですから、それは取る方の正確さも必要でありますけれども、取られる方の国民が税法を読んで大体、それは細かいところまではいろいろあるでしょう、大体はわかるというような税法にしてくれないと、括弧の中に括弧がまたあって、その中にまた括弧があると、これじゃ何が何だかわからぬじゃないですか、これはどうなんですか、これからもこういうやり方を続けるつもりですか。これは主税局長考えてください。
#13
○政府委員(高橋元君) 仰せのように、税法はいま現在申告納税をたてまえにしておりまして、納税者の方々が法律の条文に従いまして申告を適正にしていただくということが税務の根幹であります。ただいま御指摘のように、確かに措置法の条文は二重括弧等かなり用いております。私どもも、わかりよくいたしてまいりますために、法制局の法令審査の際にもいろいろ工夫をお願いしまして、たとえば表にできるものは表にしていただくというような形もやっておるわけでございますが、所得税法、法人税法のように二重括弧がないという配慮を極力いたしておるものに比べまして、措置法は、まあ内容が非常に込み入っておりますのと、他の法令に関連して税法の特例措置を設けているものがあります等、まあ非常に表現がわかりにくくなっておることは非常に恐縮に存じております。今後とも、申告納税のたてまえでございますから、できるだけ簡明な条文にいたしたいというふうに思います。
 もちろん、私的なさまざまの経済活動を税法の条文に当てはめていくわけでございますから、大臣からもお答えがありましたように、ややそこは厳格な書き方は必要ではございますけれども、法令形式の許す範囲でそういうことを工夫してまいりたいと、できるだけ納税者の方々にわかりいい表現にいたしたいというふうに存じます。
 なお、その改正税法が国会を御審議を経まして成立しました暁には、私ども国税庁を通じまして、改正税法のあらましいというかなり詳細なパンフレットをつくりまして、できる限り国税庁から広い範囲の納税者なり納税団体の方に御参考にお配りをいたしておりますが、それはそれといたしまして、法文そのものにつきましてもさらに工夫改善を加えていきたいというふうに思います。
#14
○竹田四郎君 大蔵大臣ね、それは主税局なり国税庁が、あるいは中小企業庁が解説書を出してやっていくことは、これは一つのサービスとして私は善意は信じますよ。信ずるけれども、税法読んだら大体わかる、それが私は基本だと思いますよ。それが、読んでもわからぬような税法をやって、それであとひとつ注釈をいろいろあっちこっちの役所から出すからいいんだという、そういう考え方は私は誤りだと思うんですよ。あくまで税法読んだら大体わかる。細かい部面についてはいろいろありますよ。ここでもたとえば政令で業種を定めるというのですが、その業種が一体どっちへ入るか、こっちへ入るかというのは、社会経済の発展で必ずしもその業種というのが一つの線でぴしっと割り切れないような場合もありますから、そういう点はいいにしても、とにかく頭の痛くなるような税法では、私はこれは国民が税金を納付するのに協力するということにはなりませんので、大蔵大臣、これはいま主税局長もそう言ったから、私は大体その御答弁は一応了としますが、同じ括弧にしたって、括弧のあり方を変えたっていいんじゃないですか、これ。辞書だって凡例にいろいろありますわ。法律にしてもそういうやっぱり一つの括弧の、こういう場合にはこういう括弧を使う、こういう場合にはこういう括弧を使うというあり方があるだろうと思いますね。そういうふうに変えたっていいわけですよね。いま世の中、色でさえいろいろなものを、交通機関なんかは、どこどこ行きは青い電車、どこどこ行きは緑の電車、どこどこ行きは赤い電車というふうに分けている時代なんですよ。だから法文を一々色で分けるわけにはいかぬでしょうけれども、形の上で括弧の形を変えるとか、
  〔理事藤田正明君退席、委員長着席〕
あるいは何か次に、本で言えば注というようなもののつけ方ですね、こういうものがあってもいいと思うんですよ。
 揮発油税法にしてもそうですよね。揮発油税法読んだって、ちっともいまの実際の揮発油税がキロリッター幾ら取られるかわからぬわけですよ。少し税金知っている人は、これが措置法にあるから、措置法の方を見ればわかるわけだ。私なんか初めのころはわからぬから、一生懸命揮発油税法読んだ。違うじゃないか、政府の言っているの、どこにあるんだということになるんですよ。これなんかもきわめて私は不親切なやり方だと思いますね。揮発油税法に、これは措置法の何条参照ということになれば、そこを見ればそれはわかるわけです。だから取る方のことばっかり考えて、取られる方の人の立場というのをもう少し考えた書き方あるいは税法全体のまとめ方、これをしないとうまくいかないんじゃないですか。これは早急に改めてもらいたいと私は思うんですがね、大蔵大臣に再度答弁を要求します。
#15
○国務大臣(金子一平君) 御指摘の点は私も全くそのとおりだと思います。素人でも理解し納得できるような法文の書き方にするのが本来でございまして、特に多数の納税者を相手の申告納税の制度で現在の税法できておりますから、いろんな関係で特に措置法の書き方が大変むずかしくなっている点は、これ大変残念に思うんでございますけれども、今後の法文を書く場合の姿勢として、竹田さんがいまおっしゃったような線で、わかりやすいことを中心にして書いてもらいたいと、こういうふうに私も今後やっていきたいと考えておる次第でございます。
#16
○竹田四郎君 その点はひとつ最大の努力を払っていただきたいと思います。
 それから、いままでの特別措置というのは、最近若干整理の方向に向かわれていたことについては敬意を表しますけれども、まだまだ特別措置法あるいは法人税法、これは私は高度経済成長のその当時の残骸といいますか、その当時の何といいますかあり方を残している、残滓を残しているというふうに言ってもよかろうと思います。そうした意味では、法人税及び租税特別措置法について再検討すべき時期に私は明らかに入っていると思うんですよ。
 縮減したとか何かということで幾らか出ておりますけれども、もっと大胆に私はこれは再検討をしていくべきだと思いますね。引当金にいたしましても同じですわね。退職給与引当金ですか、こういうものにいたしましても、あるいは貸し倒れの準備金にいたしましても、まさにこれは資本蓄積あるいは補助金的な要素、そういうようなものをやっているわけでしょう。あるいは特別償却にいたしましても、これは金利なしの自己金融を大きくしてやっているような、そういう金利負担を軽減さしてやっていますから、ある意味では補助金的な性格すらあるわけですね。こういうものをもっと大幅に私は整理すべきだと思うんですよ。それでなければ、ひずみのない公正な税制というものが維持されていかない、こういうふうに思うんですが、大蔵大臣、その辺はどんな計画で税制と経済の高度成長、これとの連関を考えていらっしゃるのか。
#17
○国務大臣(金子一平君) 特別措置に含まれておりますいろんな項目は、やはり国民経済的要請に基づいて一定の政策的なインセンティブを与えようということで今日までやってきたものが大部分でございます。しかしもうこういう時代になりますると、やはり相当思い切って見直しを必要とするものがあるわけでございまして、過去三年か四年にわたって私はずっと見直しをやってきたと思うんですが、ことしも三十項目について廃止、縮減をやっておるわけでございます。この姿勢は、今後もやっぱり経済の動き、それから法人経営の実態をよく見直してこれからも的確に改正を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 ただ、竹田さんも御承知のとおり、また私も繰り返して申し上げておるものでございますが、この住宅建設でございますとか、あるいは少額貯蓄の増強でございますとか、中小企業対策でございますとか、あるいはいまやかましい公害防止対策等のいろんな施策がこれに含まれておりまして、金額で言いますとそれが六割前後になっておりますものですから、こういうものにすぐ手をつけるつもりはないのでございますが、その他のものにつきましては、厳しい見直しをこれからもやっていく必要があると考えております。ただ、ときどき取り上げられておりますのは、法人個人の課税の調整ということで設けられておる益金不算入の制度等が、間々特別の措置ではないかという御指摘をいただいているんですが、これは法人個人の課税の基本に関する問題でございますので、各国ともこの扱いにつきましてはいろいろ工夫を重ね検討をしておるようでありますが、私どももこの問題は、さらにどう将来の法人税のあり方を持っていっていいか、考えてまいりたいと思うのでございます。
 それから、商法で認められておる引当金、これは必ずしも政策税制と一概に言うわけにはまいりませんけれども、こういった商法、会計原則で認めておるものにつきましても、たとえばいま御指摘のございました退職給与引当金のような制度につきましても前に見直しておりますけれども、これもだんだんと各社の企業の実際の状況等を的確に捕捉して、把握して見直しはやってまいるつもりでおります。
#18
○竹田四郎君 口ではいつも見直す見直すと言っているわけですよね。しかし実際上はほとんど余り変わりはない。私はもっと大胆に、やはり大蔵省はこれからの財政のあり方、こういう点から考えれば、もっと大胆にこういうものの整理の計画といいますか、そういうものをむしろ国民に示す必要があると思うんですよ。これからだってあれでしょう、政府の財政再建の立場から言えば、何らかの形で税金というものをもう少しもらわなければ、赤字国債の発行ということもこれは整理できないわけでしょう。それができない限りはやはり幾ら六十年に赤字国債ゼロにするということを言ったって国民は協力しないと思うんですよ。だからちびちびあちこちやっている点は認めますが、もっと国民にわかるような縮減計画なりあるいは法人税の改定の計画なりをもっと大胆に私は示すべきだと思うんですよ。どうですか、これ、大蔵大臣。
#19
○国務大臣(金子一平君) 政府の税制調査会にいろいろお願いをいたしまして、毎年毎年問題を取り上げて検討していただいておるんでございますが、たとえば明後年度、昭和五十五年からは利子・配当の総合につきましても手をつけるというようなことで、その際にまたどういう税の改正ができるか、そこら辺もあわせて御検討をお願いすることになるわけでございます。
 それから、ちょっぴりは直したがとおっしゃいましたけれども、今度の改正、特別措置の圧縮で、法人税の実効税率が実際上は一・二%ぐらい税率で上がることになるんです。相当の私どもは前進と考えておる次第でございます。漸を追って、ひとつ必要なものは――と申しますか、政策的役割りを果たしたもの、あるいは役割りが薄くなったものについては遠慮なくメスを入れてまいりたい、こういう基本姿勢については全然変わっておりません。ただ、いつどういう問題を取り上げるかというような年次計画につきましては、今日のような経済情勢の年でございますから、やはり経済の動き全般を見ながら最も妥当な線で落ちつけなきゃなりませんので、いますぐ来年はどれを、再来年はどれをというところまでは実はいってないわけでございます。その点は御了承を賜わりたいと思います。
#20
○竹田四郎君 それはやっぱり一国の経済でありますから、あるいは一国の財政でありますから、これは生きているものですよ。だから確かにその年その年での若干の色合いの差というものはこれは出していかにゃいかぬでしょう。しかし全体としてこういう方針でいくんだという、それが明記がないと、私は国民が、幾ら金子大蔵大臣が、私はこういう大企業に利益を与えないような税制にしますと言ったって、国民は納得しないですよ、現実に。これからもいろんな形で増税を考えていくという立場にあるわけですからね、大蔵省は。ぼくはその意味で大胆な大転換政策というものをやっぱり出すべきだと思うんですよ。そうすりゃ国民が批判して、ことしはこの辺で勘弁してくれと言ってもそれは勘弁してくれると思うんですよ。先は一体どうなるかということがさっぱりわからない。そういうことで、やれ一般消費税だ、やれ何だと言ったって、これは国民がそれに対して果たしてわかりました、一般消費税に協力しましょうということにはならぬと思うんです。あなた方だっても、一般消費税をやる前提として不公平税制はこれは是正しますということを約束さえしているんですよね。そっちの方はちっともせんで、不公平税制の是正の計画というのは少しも出ないで、やれ一般消費税を五十五年度からやる、やれどうするんだ、やれこうするんだと、取る方のことばかりが先になって不公平のことはちょっぴりしか出てこない。これではとても国民が納得して次の税金に対応して協力をしていくということは、私はむずかしくなると思うんですよ。
 しかも、申告制度というものを日本の税制が中心としているということになればなるほど、国民の納得というものが私は必要だと思うんですよ。そういうものはちっともわからないですわね、新年度の税制が出てきたときちょこちょこと出てくるだけで。
 利子・配当課税の問題だっても、確かに五十五年度が租税特別措置法による一つの期限だと。それから後は一体どうなるのだ。全然なくなっちゃうのか、どの辺までは認めるのか、どの辺まではどうするのかというものだってありはしないでしょう。五十五年度になればはっきり利子・配当の優遇措置というものは一切ゼロにするんですか、それはどうなんですか。なかなかその辺は、ゼロにしてあとはもう本法、本則に戻りますというわけにはいかぬでしょう。いくんですか、そのとおり。
#21
○政府委員(高橋元君) 利子・配当を基本的な方向として総合課税するということは、これはもう疑いがないわけでございます。
 いまお示しのありましたように、私どもも趣旨として五十五年末をもって現在の特別措置が終わるわけでございますから、その後総合課税にするという条文に改めたいのは、そのとおりでございます。
 ただその場合に、従前から申し上げておることの繰り返しになって恐縮でございますけれども、利子なり配当の所得がだれに帰属しておるかということが明らかになっておりませんと、執行上非常な不公平がまた起こってまいるということは、これはどうしてもお認めがいただけると思いますし、私どもはそこを一番の問題にしておるわけでございます。したがって、利子・配当の帰属が確かに納税者の本人に帰属しておるということ、いわゆる本人確認の問題、それから各種の店舗に各種の貯蓄手段でその人その人の資産というのは預けられておるわけでございますから、利子・配当の名寄せということもまた必要であろう。それをやりませんと、結局総合課税といっても法文の上だけのことに終わってしまいまして、かえって問題を大きくしてしまうというおそれもないわけではございませんので、昨年の九月から、いまちょっと休んでおりますけれども、税制調査会で真剣に御検討いただいておりまして、これはそろそろ特別部会というような専門家のグループに移して御審議をいただくという予定でございます。国会が終わりまして、また税制調査会の御審議を急いでいただいて、できるだけ具体的で広範な課税の方法というものを考えてまいりたいと思いますし、その場合の理想が完全総合にあるということは申すまでもないと思います。どこまでそこに近づけられるかという形でいま御審議を仰いでいるところでございます。
#22
○竹田四郎君 いまの主税局長のお話を聞くと、ますます五十五年末でこの問題が終わるかどうか、またわからなくなってきましたな。
 大蔵大臣、これはどうなんですか。いまの話だと、また何か続けざるを得ないと。それでなければ税制の不公平がまたそこから発生するんで、それについては鋭意やっているんだけれども、という程度の話ですね。
 問題は大蔵大臣、目標を決めたらそれを実現をする、それへのあらゆる努力をほかで払うということでないと、五十五年末だと、話を聞いていると、何かいろいろなむずかしいことがあるから、またそれは二年ぐらい延期になりそうだ、そんなことしか感じられないですね。それじゃあますます不信を私は国民に植えつけるだけだと思うんですよ。何だ政府はかっこうのいいことばっかり言ってやりゃしないじゃないか。
 だから、計画を決めたらぴしっとその計画を立てて、じゃ五十五年でできなければ五十六年末でもいい。それまでにはすべてのほかのことをやって、ぴしっとそれに合わせる。もちろんそれは完全無欠ということはないでしょう。あちこちに若干の欠陥もあるでしょう。それは後で手直ししていけばいいことである。いつも計画は立てられるんだが、計画というのはいつの間にかぐらぐらしてしまう。これじゃあ国民への信頼関係を私は得ることはできないと思うんですよ、どうなんですか、それは。
#23
○政府委員(高橋元君) 五十五年末をもって現行の特別措置を終えてしまいたい。これが昨年来の税制調査会の審議の目標であります。ただいま竹田委員が御指摘になったとおりで、私どももそういうつもりでおるわけでございます。
 ただ、これをどういう手段でやっていくかというところにいま税制調査会の御審議が集中しておるわけでございまして、たとえば国税庁から提案になりました納税者番号制度というものの功罪、それからそれの実施の可能性、態様等についていま御審議中でありますから、そういうものとの絡みで、たとえば源泉選択の制度もございますし、少額貯蓄の制度もございますし、現在の利子所得の中に課税分に入っているものが正確に申告されているかという問題もございます。そういう問題を技術的な側面から十分掘り下げて、五十六年から新しい利子・配当の税制につくりかえていきたい。その場合の趣旨は、私が申し上げておりますように、総合課税ということを基本的な考え方ということにいたしたい。それでなお昨年の九月以来、税制調査会でそういう目標に向かって現在問題点を詰めていただいておる、こういうことに御承知いただきたいと思います、御理解を賜りたいと存ずる次第であります。
#24
○竹田四郎君 それじゃあ五十五年末に絶対これ切れますね。切れなかったときはどうしますか。切れなかったときは、あなたはそのときはもう主税局長じゃなかろうからね、もっとえらい人になっているだろうからね。これは政府としてこれについてどう約束してくれますか、国民に。
#25
○政府委員(高橋元君) 現在の規定について、そのまま延長するということには、これは税制調査会の御結論をまたないと私がこの席でそういうことを申し上げるのは大変早計であると存じます。そういうことのないように、ぜひ税制調査会の御審議を進めていただきたいというふうに考えておるわけであります。
#26
○竹田四郎君 残すということじゃないか。
#27
○国務大臣(金子一平君) 竹田さんね、五十五年度末で期限切れになるのを機会に総合課税に踏み出すという方針は、これは大方針は全然変わらないわけです。ただそれに合わせるために、資料の総合をどうするか、納税者とその預金者なら預金者との結びつきをどういうふうにチェックするかという、技術的な問題をいま政府税制調査会でいろいろやっていただいておりますので、このやり方は政府税調の検討の結果をまたぬとわかりませんけれども、とにかくやるという大方針だけはちっとも私ども後退さしておるつもりはございませんので、よろしく願います。
#28
○竹田四郎君 じゃあそっちの方が詰まらなければ、やっぱりある意味じゃ縮小してもやると、こういうことにもなりますわね。
#29
○国務大臣(金子一平君) 極力総合の実が上がるようにやらにゃ、これ意味ありませんから、それにはどういう方法が一番ベターであるかを検討してもらっているわけです。私どもといたしましては、これは税務署の人手が要ることはもちろんでございまするが、資料の総合、なるべく増員なんてことは避けていきたいと思います。
 また、片や各種金融機関、あるいは企業におきましても資料を余分につくるわけですから、その手間をできるだけ省かなきゃいけませんし、そこら辺をどういうふうに結びつけるかという執行上の問題が残っているわけでございます。これに大変いま苦慮してやってもらっておると、こういうことでございます。
#30
○竹田四郎君 どうもその辺がはっきりしない。またそのうち五十五年になるともやもやっとしてくる、こういう可能性が一つあるような気が私はしますよ。そんなような、もしそのとおりいかなかったらじゃ大臣どうしますか。いかなかったときは。そんなことぼくは、そんな仮定の話を本当は聞きたくはないんだけど、そうしなけりゃこの問題の最後の締めくくりにならぬから、もしそうならなかったら大臣どうしますか、あなたは。
#31
○国務大臣(金子一平君) 大蔵大臣としては全力を挙げていま申し上げましたことの実現に努力いたします。それはもう私どもとしましても前々から申し上げておることでございますから、方針に変更はないものと御承知いただいて結構でございます。
#32
○竹田四郎君 努力をする努力をするとよく政府は言うけどね、世界に約束した七%だってあれじゃないですか、努力をするで最後はだめじゃないですか。だから、ただ努力をする努力をするなら、これはだれだって言えることであって、それじゃ国民は、努力をするということはもう何回も政府言っていますからね、それは国民だって、まあまた努力をするで終わりかと、えっへっへということだよ。できなかった場合に一体どういう責任をとるのか、その点まではっきりやっぱりしてくれなけりゃ国民は信頼しませんよ。またずるずるいっちゃう。あのひとつということでごまかしてほかのことはほおかぶりだと、こういうことになる。だからその政治責任をはっきりしてくれなければ困る。
#33
○国務大臣(金子一平君) 大平内閣は、竹田さんも御承知のとおり、言行不一致は絶対にやらないと、言ったことは必ず実行する内閣であるということを総理もはっきり声明しておられますから、そういう線でわれわれはやっておるとお考えいただきたいと思います。
#34
○竹田四郎君 この議論ばかりしていてもしようがないんですが、結局政治責任はとるつもりはないということ、こういうふうにしか私には理解できない。
 ところで大蔵大臣、一般消費税はいつから導入するんですか。
#35
○国務大臣(金子一平君) これも前々から申し上げておりますとおり、五十五年度のなるべく早い機会にということでせっかく準備をしておる最中でございます。
#36
○竹田四郎君 じゃ法案はいつ提出されるんですか。
#37
○国務大臣(金子一平君) 法案は、目下主税局で検討をしておる最中でございますが、何分にも取引の森羅万象に適応しなきゃならぬような取り扱いを決めなきゃいかぬものですから、関係各省といま詰めをやっておる最中でございまして、物理的に提出がおくれておりまするけれども、なるべく早い機会にというつもりで私ども案文の作成に努力をしておる最中でございます。
#38
○竹田四郎君 法案が成立してから実施までの期間というのはどのくらいを最大限見ていますか、最小限。
#39
○国務大臣(金子一平君) 実は私ども、今度の国会の早い段階にでも法案ができればお示しして御議論をいただきたいというつもりでおったわけでございます。しかし、いまのようなやはり細かいいろんな場合に当てはめるには、これはどうなるんだという細かい規定を、取り扱いをやる必要があるものですからおくれておるわけでございますが、そういう取り扱いについて、政府部内はもちろんでございますけれども、関係業者団体にもやはりお示しして意見を求めなきゃいかぬと思いますので、まあなるべく早い機会に提出したいということを先ほど申し上げたわけでございますが、そういう内容が決まってから、まあ私は三カ月や半年ぐらいはいろいろ御議論を賜る機会を持つのが順序だと考えております。しかしいま、いつ出していつから、五十五年度の早々からというようなことはまだ申し上げる段階に至っておりません。
#40
○竹田四郎君 法案が国会で成立されて、年号法案とは違いますからね、国会で法案ができたからすぐこれが実施できるというものじゃないでしょう、この一般消費税というのは。相当な期間というものが必要なわけですよね。政府は手を組んでこれは見ていればいいんですよ。納める人は、納税義務者は企業者であるわけですよね。負担するものは一般国民なんですよね。だから納税義務者になる人なり、あるいは負担をする国民なりがこの問題をよくわからなければ私は大混乱が起きると思うんですよ。
 それをいまのあなたのお話では、三カ月なり半年なりこれを関係団体にと言うんですがね、私はそんなことにならぬと思うんですよ。あなただってヨーロッパへ行って実情を見てきていますから、知らないとは言えないですよね。そんな三カ月か半年でこれ実施に踏み込めますか。
#41
○国務大臣(金子一平君) 御指摘のとおり間接性課税には、日本は、特に一般的な消費税には日本はなじみのない国でございますので、納税者はもちろん、取り扱いの実務に当たる方に十分周知徹底する必要があります。その期間だけは私どもも十分見てなきゃいかぬと考えておる次第でございますが、いま準備が整い次第関係方面の意見も聞いて、どこをどう直した方がもっとスムーズにいくとか、積極的な御意見を承った上での案の提示になるわけでございますので、そういう期間も含めていま申しましたようなある程度の期間をおけば、これは心の準備をしていただけるんじゃなかろうかと、こんな気持ちでおるわけでございます。
 いずれにいたしましても、私どもは、中身の消化ができなくて法案さえ通せば税法すぐ執行できるなんということはゆめ考えていないわけでございます。十分このPRに努め、内容の周知徹底方に努める責任が私どももあると考えている次第でございます。
#42
○竹田四郎君 いま大臣が、三カ月ないし六カ月というのは法案の細部をつくるのにそういう人たちの意見を聞くというんですか、それとも法律ができてから、国会を法律が通ってからそういう人たちの意見を聞いてやるというんですかね、その辺がきわめてはっきりしてないですね。
#43
○国務大臣(金子一平君) もうすでにいろんな方面から御意見が出てまいっております。それを主税当局で謙虚に耳を傾けながら検討をいたしておりますし、各省からもいろんな意見を承っております。あと積極的にいろんな関係団体の御意見を聴取する機会を持ちたいと、こういうことで進めておるわけですから、法案ができるまでに相当関係方面等の意見を入れることができるんじゃないかと思っておるんでありまして、そういう問題も含めて、あと一般に周知徹底する期間を考えればいいんじゃなかろうかというふうに思っておる次第でございます。
#44
○竹田四郎君 一般に周知徹底させる期間を一体どのくらい予定しているかということを私は聞いているわけですよ、さっきから。法案が両院を通ってから、それで五十五年の早い時期に実施をしたいとおっしゃっているわけですよ。だから、たとえば五十五年の四月一日からやるとしたらあと約十二カ月しかないわけですよね、いまからでも。ところが法案は出ていませんね。出ているんですか、法案は。まだ国会提出してないでしょう。そうなってくると、この法案を審議をするとなれば、今国会は五月二十日までですよね。しかもその間には地方選挙がはさまってきているわけですよね。五月二十日までといいますともうあと二カ月しかないわけですね。それで、五月二十日に終わったところで十カ月しかないわけですよ、五十五年四月一日にやるとすれば。だから私はその間、国会を法律が通ってから実際その課税を始める、そこまでは一体期間はどれだけ置くんだと、これはある程度腹づもりはあるわけでしょう、あなただって税金の専門家であったわけですから、全然知らない大蔵大臣じゃないわけですからね。
#45
○国務大臣(金子一平君) まあ地方選挙を控えているものですから、なかなか、できたからすぐ国会へ提出するわけにはまいりませんかもしれませんけれども、要するに中身をさらけ出して、ある程度御意見を承りながら協力を求め御理解をいただく期間をどう見るかということでございまして、法案を出してから半年置かなきゃいかぬとか一年置かなきゃいかぬということじゃなくて、要するに、私のいま率直な考え方は、中身を皆さんにお示しして御理解をいただける度合いによって、あるいは半年のこともございましょうし、三カ月、四カ月で済むこともございましょうし、そこら辺は私は弾力的に考えておるわけでございますけれども、中身に対しての御理解がないのに強行するというようなことは、これはできることではないと考えておる次第でございます。
#46
○竹田四郎君 しかし、大変大蔵大臣考え方が甘いですね。ただ国民に知らせるたって、いままでこういう経験があればそれはもっと早いでしょう。経験ないんですよ。しかも、その事業年度の終わりに取るという考え方ですよね。そうなってまいりますと、よっぽど早く出していかないと、これはその間に十分なPRがないと私は相当な混乱というものが出てくると思うんですよ。その点を明確に、どのぐらい置くんだということを示さないと私はいかぬと思うんですよ。どうも税金を取ることになると、何もかもその辺がぼやぼやなんですね。法文はよくわかんない、税金の計画については何が何だかわからない、約束しても約束したようなしないような明確さを欠いている。新しい税金を取るについても、どのくらいの期間を置いて国民に納得を求めるか、これもない。これでは納めたくても納めようないじゃないですか。その辺をやっぱりもっと計画的に明確に国民に協力を求めるという姿勢がちっともないじゃないですか。こんなことで六十年度までに財政の赤をなくするなんてことできますか、私はできないと思う。
 これ大臣に伺いますが、五十四年度ベースの財政収支試算表というのを出しましたね。これで五十五年度に一兆二千六百億円の増収を考えてますね、増税を考えてますね。それから五十六年度には一兆五千億の増税を考えておりますが、これは一体何でやるんですか。これは何で増税をするんですか、それだけの分。はっきりしてください、何でそれだけ増税するのか。どういう税法を使って、どういうふうにしてこれだけの増税を、財政収支試算表に示されている増税をやるんですか。一般消費税はこれにも関係するんですよ。どうなんですか。
#47
○国務大臣(金子一平君) いまのお話しの数字は、昭和六十年度に国民の税負担を二六カ二分の一に引き上げることを目標とすると、各年度の税負担の割合は一定の平均伸び率で伸ばすとこういうことになるという数字を企画庁が出しておりますものですから、御参考に赤字国債の脱却を図るためにはこういう計算になりますよということを申し上げておる次第でございまして、目標値の二六カ二分の一というのが実は確定した数字――これは新七カ年経済計画で決めておる数字でございまするけれども、各年度別のは機械的に割り振った数字であると御承知おきいただきたいのでございます。したがって、これが、この数字を割り出しましたときには、まだ、いつの時点でたとえば消費税を導入してそれが幾らになるという計算はしてないわけでございまして、これから、明後年度はどうするかとか、その次の年はどうするかという具体的な税の組み合わせを考えなきゃいかぬ、こういうことになっておる次第でございます。
#48
○竹田四郎君 それじゃ、この一兆二千六百億というのはどうするのですか。これはまた、それだけ赤字をふやすのですか。自然増収がどれだけ出てくるか知りませんけれども、それだけ税金がどこからどういうふうにしてこれは入ってくるのですか。入ってこなければどうにもしようがないじゃないですか。
#49
○政府委員(高橋元君) ただいま大臣からお述べになりましたように、一兆二千六百億、次の年が一兆五千億、五十七年度一兆七千七百億、五十八年度二兆一千億、五十九年度二兆四千八百億、この五カ年間を通じまして九兆一千百億円というものが、現行の税制で一〇・三%の名目成長をいたしてまいります場合に、弾性値一・二として現行税制及び各年度にただいま申し上げた数字の増収が図られたという仮定をいたしました場合の、その年の前年度の税制をもって満たされる税収以外に必要となってまいる税収でございます。
#50
○竹田四郎君 で、それをどこから持ってくるかって聞いているんです。
#51
○政府委員(高橋元君) したがって、この内容をどうするかということは、ただいま大臣からお話のありましたように、五十五年度の早い時期に、これは財政当局としてはそう申し上げるわけでございますが、一般消費税を恐らく国、地方合わせたところで税率五%程度で導入をするということは政府の考え方でございますけれども、それから先どういう税制をもって具体的にこの金額に充てていくか、そのタイミングをいつにするかということは、経済社会七カ年計画に合わせて作成いたしておりますこの五十四年度の財政収支試算の段階ではまだ決められていないというのが率直なところでございます。
 しからば、その後どういう税制をもってこの所要増税額と申しますか、そういう金額に充てていくかということにつきましては、各年度のそれぞれの経済の情勢もございましょう。それぞれの年における所得の配分の状況もございましょう。それから、それぞれの年における新しい税制の負担の帰着という問題についての考え方ないし状況も変わってまいるでございましょう。そういうことを考えながら、できるだけ現実に合った税制をもって、この財政の危機を救うための増税という形で国民にお願いせざるを得ないということでございまして、経済社会七カ年計画の基本構想の中でも、どのような税目、たとえばあれは個人税、法人税、間接税と三つのたしか税関数を使っておるように承知をいたしておりますけれども、どの税制をもってこれに充てるかということについては明らかにされておらないということでございます。できるだけ、ただいまも委員から御指摘のありますように、これを具体的にこれから明らかにしていくべきだという御指摘、まことにごもっともと存ずるわけでございますし、私どももそういうふうに努力いたしたいと思いますが、何分にも税収というのはいわば経済の子でございますから、経済なり社会のニーズの推移に応じて適切なものをつくってまいらなければならない。長期にわたって、いつの年度にどういう税制を入れるかということをただいま現在において七カ年分決めるということにもまた問題があろうかというふうに存じておる次第でございますが、できるだけ適切な将来の税制を志向いたしたいというふうに考えておりますので、御理解を賜りたいと存ずるわけでございます。
#52
○竹田四郎君 だから、私はそんな七年後のことを言っているのじゃないんですよ。五十五年度どうするんだと言っているのですよ。これだって全然明らかじゃないのですよね。さっきの税法と同じようなものだ。何言っているのかさっぱりわからない。これで国民に協力を求めたって、求めようがないじゃないですか。大蔵大臣、本当に一般消費税やるつもりなんですか。新聞で見ると、もう今国会は出さないということで幹事長も大体了承しているし、大平さんも大体それで了承しているというのが一般の評判ですよね。出すなら出す日にちをはっきりしてくださいよ。われわれどうせここで審議しなくちゃならないでしょう、大蔵委員会で。われわれの都合もありますよ。今国会に出すのか出さないのかはっきりしてください。
#53
○国務大臣(金子一平君) 今国会に出す予定で詰めておりますけれども、先ほど来申しましたようなことで、もっと細目を詳細に各方面の意見も取り入れて皆さんに御審議をいただこうということで、少しおくれております。いまの時点でいつ御提案できるかどうか約束はできませんけれども、とにかくまとまり次第、十分御審議を尽くしていただくつもりでおることを申し上げておきます。
#54
○竹田四郎君 全く、租税特別措置法の審議というのは、聞いても何もかもわからぬということですね。わからない。何もかもわからない。読んでもわからなければ聞いてもわからない。これが租税特別措置法の特色のような気がするのですが、これじゃ困るのですよ。
 そんなことをいつまでもやっていたらあとの時間がなくなりますから、今度はガソリン税を上げるわけですが、通産省お見えだと思いますけれども、世界の石油の需給と価格の状況、これはどういうふうになっていくというふうにお見通しでございますか。
#55
○説明員(箕輪哲君) まず世界の石油需給の量的な面でございますが、これは御存じのとおり、昨年の秋以来表面化いたしましたイランの政治的あるいは社会的な混乱に応じまして、昨年の十二月末以来イランからの輸出は全部ゼロにストップした状態で続きました。
 従来、自由世界の原油の生産量が大体五千二百万バレル・パー・デーぐらいでございまして、イランは大体その一割前後をコンスタントに生産しておったわけでございます。イランから輸出されます原油の量と申しますのは大体各年度一六、七%のものが輸出されておったわけでございますが、これがゼロになるということは世界の需給に穴があくわけでございます。
 現状ではどうなっているかということでございますが、イランが輸出を再開いたしましてから最近時点では、イランの生産は大体二百万バレル・パー・デーないし二百五十万バレル・パー・デーの生産をしております。これがコンスタントな生産をするかどうか、あるいは将来どの程度の規模の生産をするかどうかということにつきましては、極端な言い方をいたしますと、イランの政治情勢の収斂の仕方あるいは社会情勢の収斂の仕方に依存していると思いますが、現在では、大体三百万バレルないし四百万バレルぐらいの生産をするだろうという観測が流れております。
 これが世界の需給にどういう影響を与えるかということでございますけれども、先般来行われましたIEAの会議で、各消費国が世界の原油の需給についての見方というのをそれぞれ述べました大体の最大公約数は、今年を通じまして二百万バレルばかり自由世界を通じてショートするだろうというのがほぼ一致した見方でございます。五千二百万バレルの生産の中で二百万バレルばかりショートするというのは、世界的に見ますれば吸収できない量ではない、したがって現状では危機的な状態にはないというのが各消費国の大体一致した見方でございます。ただ、これはマクロの話でございまして、実際の取引がマクロバランスどおりにいくということにはならないという面もあるわけでございます。
 それで、お尋ねの価格の面でございますけれども、価格につきましては、昨年の十二月末に行われましたOPECの総会で、四段階の値上げということが決定しております。これは一月一日に五%値上げ、それから四月一日に三・〇%ぐらいですか値上げすると、それで十月一日でもってトータルして一四・五%の値上げになるということでございますけれども、実は、今年になりましてから世界の需給がタイトになったおかげでスポット物の価格が非常に騰貴を始めまして、一番高いのが二十四ドル近くまで行ったという例もございます。これを受けまして産油国は、本来産油国に帰属すべき利益を一部ディーラーが、あるいはブローカーがもうけているのはけしからぬと、したがって、それはわれわれが値上げしてわれわれのふところに入れるんだという基本的な考え方から、各産油国おおむね追加値上げを実は一月から三月にかけてそれぞれ実施をしてきているわけでございます。
 一例を申し上げれば、サウジは増産分につきまして値上げをするということですが、ならしますと大体十七セントないし二十セントの値上げ、これはただし三月いっぱいまでということでございます。それから、アブダビ、カタールは大体一ドル前後の値上げを実施しております。これは十二月末段階の原油価格に比べると大体七%の増ということになります。したがって、それが五%のOPECの上昇に加えた追加分になるわけですから、一二%ぐらいの値上げということになっております。各国大体ほぼ同様な一ドル前後の値上げというのを実は実施しておりまして、これは、この期間も国によって全部ばらばらでございます。
 それから第二・四半期以降、これも御存じだと思いますが、たとえばアルジェリアあたりは五ドルの値上げということを公表しております。この辺の値上げというのが、十二月末に決定されました四段階の値上げに上乗せされるのかあるいは先取りになるのか、その辺の動きというのは実は全然現状ではわからないというのが現状でございます。
 したがいまして、今後原油の価格というのが、非常に最悪の場合ではかなり大幅に引き上げられる可能性もありますでしょうし、それから、それがOPEC全体でもって足並みをそろえない値上げになる可能性もあるわけでございます。具体的には、三月の二十六日にジュネーブで産油国の石油大臣会議――これは懇談会と称しておりますが、これが開かれますけれども、ここでどういうような空気になるのか、それから、そこで統一的な線が仮に出なかった場合には、六月にOPECの臨時総会がございます、そのときにどういう線が出るのかということをわれわれとしては注目せざるを得ないというのが現状でございます。
#56
○竹田四郎君 経済企画庁では大体どんなふうに今後の物価上昇というものを見ているんですか。まあ政府の見通しは四・九%ということですがね。私はその四・九%をつくった時期というものと現在の時期というものがやっぱり違うと思うんですよ。まだ予算が通らないから何とも口封じされて言えないだろうと思うんですけれどもね。現実には私は四・九%でおさまろうなどということは思わないんですがね。ことしの海外市況、国内のそういう点から見まして、数字は四・九%という数字にとらわれているでしょうからそれは言わなくていいですから、全体的にはどんなふうになりますか。
#57
○政府委員(坂井清志君) 五十四年度の消費者物価の見通しでございますが、いまおっしゃいましたように、四・九%上昇という見通しを私ども持っております。この四・九%をはじきます際、いま通産省の方から御紹介のありました昨年の十二月のOPEC総会で決められました原油の四段階値上げ、これは十分に織り込んでございます。そのほか公共料金等につきましても別途積み上げをいたしまして、さらにそのほかの一般商品につきまして、これは主としてマクロ的な手法を用いておりますけれども、海外から入ってくるものの物価の見通しであるとか、あるいは日本経済全体の動き、そういったものを十分織り込みまして四・九%という見通しを得たわけでございます。
 で、もちろんこれは、たとえばこのいまの原油につきましても、原油の値上げが一〇%を超えたらば途端にこの四・九%はがたがたになるというような、そういうきちきちの見通しをしているわけではございませんで、それなりの余地は見込んでおります。それぞれ一つ一つの物資についてどうということを申し上げることはできませんけれども、現在時点で私ども、いまのこのOPECのその後の追加値上げ等もある程度のみ込める余地はございます。直ちに四・九%が破綻をしたということではございません。
 しかし情勢は、おっしゃいますように、昨年の十二月時点に比較していまのこの原油値上げ一つとってみましても厳しくなっておる、これはもうおっしゃるとおりでございまして、私ども従来に増して一層の努力をし、また民間の各方面に対してもそういう御努力をお願いをしたいということを強く申し上げておきたいと思います。
#58
○竹田四郎君 それから、もう時間ありませんから私の結論を申し上げますとね、やはり私は大蔵大臣、ここでガソリン税の値上げを行うのは実にタイミングが悪いということですよ。私はね、ガソリン税というものに対して基本的に反対じゃないんですよ、反対ではありません。反対ではありませんけれども、ことしは何と言ってもタイミングが悪い。むしろ大蔵省みずからが、物価値上げを促進をする材料にこれ使われることは間違いないんですよ。
 経済企画庁が平場で計算するということになると恐らく〇・一%か二%ぐらいのごくわずかなものだと思いますよ、静態的に見ればね。しかし、動態的にことし全体の景気情勢を見るということになりますとぼくはこれはやめるべきだ、こういうように思うんですよ。次のタイミングというものをこれは考えるべきだと思うんですよ。これはあなたもさっき言っていたように、経済は生きたものでありますから、一つ決めたことだってそのときの情勢に合わなけりゃ変えていいはずですよ。いつまでも同じことをやっていくということでなくていいと思うんですよ。経済企画庁もこの四・九%を決めたときといまの情勢というのは必ずしも同じだとは言っていないんです。ぼくはこれはやめるべきだと思うんですよ。どうなんでしょうか。
#59
○国務大臣(金子一平君) 確かに一割何ぼの値上げというものは相当大きな負担になると思うんでございます。時期的にどうかという御指摘もごもっともだと思うんでございますが、御承知のように、第八次の道路整備五カ年計画の進行中でございまして、本年度におきましても相当多額の一般財源でこの五カ年計画を遂行せにゃいかぬような状況になっておりますので、この際ひとつガソリンの使用者にも御負担をお願いしたい。特に、道路と自動車とはやはり直接の結びつきがございますから、ほかのものに使うわけではございませんで、道路を整備し道路をよくするために使う税金ですから、ひとつ御協力をいただきたいという意味においての増税と御理解いただけば大変ありがたいと思います。
#60
○竹田四郎君 これは大蔵省ももともとガソリン税を道路の特定財源にするということについては一〇〇%賛成なわけじゃないんですよね。特定財源はやめろという議論というのは数年前だってずいぶんやっているんですよね。しかもこのガソリン税が何か道路財源だ道路財源だと、こう言われるんですがね。これだって地方自治体に行く分というのは少ないわけですよね。もしこれをうんと分けて、地方のその市町村道なり何なりを直すためにこの道路財源として使うんだということであれば、これはまだわかりますよ。そういう措置は一切やってない。いままでと同じ措置だ。そういう中でこれを物価の引き上げの引き金にするような、そういうものは私はことしはやるべきじゃないと思いますよ。もしどうしてもやるというのなら、それはもっといま一番困っている市町村、ここへ財源を配当するということであればね、そのすべてを――そうじゃないでしょう。そうでなければ、私はこれどうしたってやめるべきだと思いますよ。この議論しててもしょうがありませんからね、私はそういう趣旨だと。
 それから医師優遇税制のことを、余り時間がありませんので一つだけ聞いておきたいと思うんですが、一つは、厚生省の社会保険庁というのは、医師の経費率というのがこれだけ大変問題になっているのに、どうして保険庁ではみずからこれを調査しないんですか。私はむしろ保険庁自体が、あるいは厚生省自体がみずからこれを調査をして、そして厚生省みずからが経費率はこれくらいでございますよというのを発表すべきだと思うんですよ。それを会計検査院が調べて発表され、それから大蔵省は調べたか調べないか私どもわかりませんけれども、調べたような調べないようなことを言っていらっしゃるわけでありますけれども、なぜ厚生省みずからが、一番こういうことを検査をしやすい立場にあるのに、厚生省がそういうものを調べて発表しないのか、この事情を伺うんですが、私が伺った限りでは厚生省はそういうことをしてないと。中医協が何か三回あたりにわたっておやりになっているという話を聞いたわけでありますけれども、これも四十二年度の調査が発表になっててあとは発表になってないということですが、どうしてそういうものが発表にならないんですか。また、厚生省自体がなぜ調査をしないんですか。
#61
○説明員(竹中浩治君) ただいま先生のお話にございましたように、医療経済実態調査という調査がございますが、これは中央社会保険医療協議会が、特に診療報酬の改定の論議をいたします際の基礎資料とするというような目的で、中医協が実施をし、中医協が解析をするということでやっておりまして、先ほどお話のございましたように、四十二年、四十五年、それからまあ実は四十八年も実施予定はあったわけでございますが、いろいろの事情から四十八年は実施ができなくて、五十一年、過去三回実施がされておるわけでございます。
 この調査の結果につきましては、先ほどお話ございましたように、まあ中医協の方で発表するかしないかということをお決めになるわけでございます。大変いろいろ議論がございまして、いまお話のありましたように、現在のところ四十二年の調査の結果については発表されておりますというのが実情でございます。
#62
○竹田四郎君 なぜあとののは発表できないんですか。
#63
○説明員(竹中浩治君) 先ほど申しましたように、中央社会保険医療協議会でこの調査の扱い結果を、この扱いをどうするかということでいろいろ御議論があった末に、これは診療報酬の改定の資料として使用するということで、そのほかの部分については発表しない扱いにされているわけでございます。
#64
○竹田四郎君 厚生省はなぜ調査をしないんですか。
#65
○説明員(竹中浩治君) これも過去にいろいろと中医協中心に議論がございまして、その結果、まあ厚生省が実施するということではなしに、中央社会保険医療協議会が実施するということで進めた方がいいという結論になりまして、中医協がやっておるというのが実情でございます。
#66
○竹田四郎君 もう時間が来たようですから、あとの質問は割愛をしますけれども、私は大体厚生省がそういうものをみずからちゃんと調べないっていうことが、問題をこれまでに複雑にしかも混乱させてると思うんですよ。当然そういう問題っていうのは一番厚生省がやりやすいわけですからね。
 厚生省としては、会計検査院のその経費率についてはどういう御感想をお持ちなんですか。あなた方も中医協の資料というものの調査に全然タッチしていないわけじゃないと思うんです。実際は厚生省の職員が調査をやっているわけですわな。だから、中医協の恐らく数字というものも、発表はできないにしても、ある程度あなた方の頭に入っていると思います。そういう立場から、会計検査院なりあるいは大蔵省が言っている経費率、それぞれありますね、これについてはどういう御感想をお持ちになってるんですか。
#67
○説明員(竹中浩治君) 医療経済実態調査で調査されております支出というものとそれから税法上の経費、私も細かくは存じませんが、税法上の経費というものと必ずしも一致しない面があろうかと思います。つまり、医療経済実態調査で得られる収支について、これがまあ社会保険診療報酬の経費率そのものずばりというわけにはまいりませんし、そういう形の集計解析が過去には行われておらないわけでございます。それからまた、先ほど申し上げましたように、私ども手元に持っております数字が、昭和四十二年という現在から見まして十数年前の数字しかございませんので、会計検査院が実施をした……
#68
○竹田四郎君 そんなことないよ。
#69
○説明員(竹中浩治君) ごく最近の数字とはなかなか比較が……
#70
○竹田四郎君 発表になったのが四十二年で、いま集約中でしょう、五十一年を。そんなでたらめ言っちゃだめですよ。
#71
○説明員(竹中浩治君) 先ほど申しましたように、四十二年の数字が外へ出ておるわけでございますが、四十八年の調査は実際上行われていないというようなこともございまして、最近の……
#72
○竹田四郎君 五十一年のはやっているじゃないですか。
#73
○説明員(竹中浩治君) 状態につきましてはまだ把握をいたしておりませんので、会計検査院がお出しになられました数字について、これがどの程度であるかと、どうであるかというふうなことを申し上げられる材料を現在持っていないというのが実情でございます。
#74
○竹田四郎君 もうやめますから、これで。
 そういうことじゃ困ると思んですよ。あなたたちはそれは発表はできないにしても、調査にタッチしていることは、厚生省がタッチしていることは、だれが見たって当然じゃないですか。数字は発表できないにしたって感触は言えるわけじゃないですか。そういう何というか、ふまじめな立場でこの税制が決まっていく、あるいは厚生省がそういう点でぴしっと物を言えないというところに、厚生省と医師会とがべったりくっついてるということを言われるゆえんですよ。そういう不勉強では私は困ると思うんですよ。
 これは大蔵大臣の所管じゃないですからね、人の省のことまで文句は言えないでしょうけれども、政府として一番責任を持っている、医療行政に責任を持っている厚生省がそういう資料も全然持たない、こういうことじゃしようがないと思うんですよね。これは政府としても反省してもらわにゃいかぬと思うんですよ、その辺は。もう時間がありませんからね、大蔵大臣ですから、御答弁は要りませんからね。
 まああといろいろ質問しようと思って準備はしてきて、ほかの方で来ていただいた方もあると思いますけれども、時間が切れてその方々にはおわびを申し上げますけれども、それにしても大蔵大臣、もう少し租税特別措置法っていうのはわかりやすくしてくださいよ。あなたの説明にしたってわからない。この点を、本当にその点の決意をぼくは最後に聞かないと、どうも締めくくりにならないような気がする。
#75
○国務大臣(金子一平君) 竹田さんの御指摘の、法文をもう少しわかりやすく、納税者に納得できるような書き方をしろという御指摘、これ全く私もそのとおりだと思います。今後極力御趣旨に沿うように努力いたします。
#76
○竹田四郎君 法文だけじゃないですよ、ほかのこともはっきりしてくれなきゃ困るんです。
#77
○国務大臣(金子一平君) わかりました。
#78
○鈴木一弘君 最初に、租特に関連いたしまして、一連の航空機輸入問題の疑惑のことでちょっと伺いたいんですが、新聞報道によりますと、東京と大阪の両国税局の係官がアメリカへ派遣されている。東京国税局が三月一日、大阪が三月十五日にアメリカへ行っておりますが、事実かどうか、もし事実だとすればその目的は一体何なのか、ちょっと伺いたいんですが。
#79
○政府委員(米山武政君) 先生御指摘のように、東京国税局関係七名、これは三月の初めから二週間程度、それから大阪国税局関係の調査官が三月の半ばから約二週間の予定で現在アメリカに調査に参っております。
 この調査は、法人税法に基づきます一般の質問検査権に基づく調査でございまして、例年この調査は、支店もしくは一〇〇%子会社に対する定例の調査でございます。商社、メーカー数社を現在大阪国税局関係の調査官が調査中でございますが、これは特にダグラス、グラマン事件に関連して、その関係に限って調査するということではございません。もちろんその関係も当然頭に置いて調査しているものでございます。
#80
○鈴木一弘君 一般調査の例年の調査の中で行っているということですけれども、やはりこの特別国税調査官チームというのは、一つにはダグラス、グラマンも当然そこに含まれてくるというふうにいまの答弁からも考えられるんですけれども、そういう対日不正支払い事件の問題で疑惑が指摘されている商社の米国子会社の経理内容の確認、これもやりますね。
#81
○政府委員(米山武政君) 当然、現在そういうことが問題になっているということを念頭に置いて調査を行っているものと考えております。
#82
○鈴木一弘君 その経理内容の確認ということなんですけれども、具体的内容はどういうものになりますか。
#83
○政府委員(米山武政君) 具体的にどういう調査をしているかということは、個別の問題にもわたることでございますし、特にこの問題は現在検察当局が検討中で捜査中でございますので、ここで御答弁することは差し控えさしていただきたいと思います。
#84
○鈴木一弘君 本当の調査団を派遣された目的は、一つには海外のペーパーカンパニー、それを取引に介在させて架空のリベートなどを送金したという、いわゆる簿外資金を捻出していないかということ、それからいま一つは、海外業者と結んで過大な経費を請求させて、そうして国内で得た利益を経費名目で海外に送金していないか、そういう手口の解明にあると思うんですけれども、その辺はどうですか。
#85
○政府委員(米山武政君) 現在調査している大阪国税局関係、これは商社数社、それからメーカー等も含んでおりまして、その海外におけるいろいろ取引、非常に多様でございます。国内でいろいろ調査したその結果も頭に置きながら、向こうでそういう事実の確認等行っているわけでございまして、いま先生が御指摘になったことも当然その一つであろうと考えております。
#86
○鈴木一弘君 それで、じゃあ判明されたと思われるんですけれども、私がいま申し上げたようなことについての目的は、最初行った東京国税局、それからいま行っている大阪国税局、両方ありますけれども、所期の目的は大体達せられた、あるいは達せられそうなんですか。
#87
○政府委員(米山武政君) まず東京国税局の調査官、これは帰ってきておりますが、まだその報告は受けておりませんし、それから大阪国税局関係はまだ現在向こうで調査中でございます。したがいまして、どういうことになっているか、私どもまだその報告を受けておりませんが、一つ申し上げておきたいことは、御承知のように、やはり海外における調査というのは租税条約に基づきまして向こうの国といろいろ相談しましてその範囲内で調査するわけでございまして、非常に調査に制約がありまして、国内調査のように完全に把握することはなかなかむずかしいという問題があることだけちょっと念頭に置いておいていただきたいと思います。
#88
○鈴木一弘君 これに関連して、架空名義の預金口座の有無など、そういった内容はおわかりになりましたですか。
#89
○政府委員(米山武政君) 先ほど申し上げましたように、まだ私どもそこの報告を受けておりません。
#90
○鈴木一弘君 先日、日商岩井の幹部社員二人が、外為法違反、私文書偽造、同行使の容疑で逮捕されておりますけれども、この強制捜査に関連して国税当局も再調査を行うということでございますけれども、この二名の容疑内容をどの程度知っていて調査なさるんですか。
#91
○政府委員(米山武政君) お尋ねの事柄は、ただいま検察当局が捜査中でございますし、また、その内容は非常に具体的に及びますので、その内容がどうということはお答えを差し控えさしていただきたいと思いますが、私どももそういうものは一つの重要な資料としまして必要な見直しは行うつもりでございます。
#92
○鈴木一弘君 伝えられるところでは、外為法違反の容疑内容は、法定の理由がないのに、五十一年六月十六日ごろ日商岩井東京本社で、東京経理部海外経理課員らに命じて、日商岩井がアメリカのカリフォルニア・ファースト銀行ロス支店にキヨシ・ニシヤマ名義で当座預金をしていたいわゆる三十万ドルを、日商岩井アメリカン・ニューヨーク支店、米国日商岩井ですね、に引き出させて、そうして米国日商が受理したことによって生じた日商岩井本社の米国日商に対する三十万ドルの債権、それを日商本社と米国日商岩井間の交互計算勘定にボーイング社からの仲介あっせん手数料として借記、計上させていると、こういうのが外為法違反の容疑内容と私ども聞いております。
 また私文書偽造の方は、その三十万ドルに対して、その三十万ドルが日商岩井に支払われたように仮装するためにつくられた契約書偽造だとか、あるいはRF4E十四機を売ったときの手数料、これは事務所経費と両方合わせて二百三十八万七千六百三十四ドルですけれども、それを隠蔽しようとして、四十五万ドルをブリティッシュ・カレドニアン航空がブエノスアイレスのアウストラル航空に航空機を売った手数料として受け取るという、いわゆるにせの書類二通をつくったりした。で、これを使って日商岩井ロンドン支店との交互計算をしようとした。そういう二社間の契約書までつくったという。
 これを両方見ていきますと、この容疑両方からわかることは、日商岩井の裏金づくりは外為法に規定されている商社等の本支店間交互計算制度が隠れみのになっていると考えられる。
 外為法によると、交互計算制度というのは、商社などの海外支店、それから海外子会社から本社への送金は一件ごとに日銀に届け出て、そうして大蔵大臣の許可を受けることが必要ということになっているわけですね。だけども、そこに一定の条件があり、満たしてそれを証拠づける書類を日銀に提出すれば、海外支店のつもり子会社から本店への送金が帳簿操作だけでできると、こういうことが裏金づくりの隠れみのになっているというふうに言えると思うんですがね、その点はどうですか。
#93
○政府委員(宮崎知雄君) 交互計算は、御指摘のように、本店と海外の支店との間でいろいろ各種の手数料の支払いがございます。その立てかえ受け払いというものが膨大なものになりますので、通常はこれを一定期間貸記または借記しておきまして、期末にその残高を決済するといういわゆる制度でございますが、外為法上も業務の円滑な遂行を図るためには、一定の条件のもとにこの交互計算制度を包括的に許可をしております。
 しかし、許可をする場合には一定の条件を課しておりまして、たとえばその取引の対象をしぼるとか、あるいは貸記または借記できる項目というものも、たとえば一定以下の少額の貨物代金は別でございますが、通常は貨物代金は貸借記できないとか、あるいは手数料にいたしましても一定金額以上のものは貸借記できないというような制限が課してございます。
 それからまた、貸記または借記できるその時点といいますものも、大体債権債務が確定しましてから三カ月以内に貸借記をすると、それからまた、残高の早期決済につきましても、計算期間終了後三カ月にこれを行うというような条件がついております。また、そのほか報告を徴するとか、その各個々の取引につきまして証憑書類を整備しておかなきゃいけないとかいうような条件をつけて私ども許可をしている次第でございまして、取引の円滑な実施を図ると同時に、やはり外為法の適正な施行という両方の要請を加味して現在そのような条件をつけて執行しているところでございます。
#94
○鈴木一弘君 外為法のこの問題がいわゆる隠れみのになっているということから、その事件再発防止ということになれば、いわゆる一定の条件を満たしてそれを証拠づける書類があればそれは日銀に提出すればいいというような条文を除いていくというか、少し厳しくするというか、そういう必要が出てこないかということですね。この点はどうでしょうか。
#95
○政府委員(宮崎知雄君) 御承知のように、私どもいま外為法の全面的な見直しをしております。これは原則的には為替取引というものを自由にしていこうというような方面から検討を加えておるわけでございまして、その過程におきましてこの交互計算制度をどういうふうに取り扱っていくかということも一つの焦点になっております。
 私どもも、基本的には自由な方向で為替取引を、為替管理を緩めていくというふうに考えておりますが、この交互計算のように銀行を通じない取引、通常の取引でございますと、大体支払いとかあるいは支払いの受領がすべて銀行を通じると、外国為替公認銀行の窓口においてその適応性がチェックされるというのが現在の為替管理の仕組みになっております。私どもとしましては、こういう基本的な仕組みというものはやはり残していきたいと考えております。そういう観点からいきますと、確かにこの交互計算というものは例外的な取り扱いになるわけでございますので、こういう例外的なものにつきましては、今後ともひとつ規制の対象としていきたいというふうに考えております。
 ただ、具体的にどういうふうな規制の仕方にしていくかということにつきましては今後検討するわけでございますが、今回の事例なども一つ参考にして検討していきたいと、こういうふうに考えております。
#96
○鈴木一弘君 それで、いまの言葉から現在よりもきつくなるような感じがちょっとありますけど、あるいは最悪でも現状どおりということであるのかなあというふうに承りました。そうすると、為替の管理の原則自由化という前提に逆行するということにはなるけれども、これはしようがないんじゃないかというふうに思います。
 ちょっとそこで脇へそれますが、大蔵省の当初の予定は、外為法、外資法は三月中旬に出るというふうに聞いていたんですけどね、改正が。いまだに提出されてないんですけれども、いつごろになりそうなんですか。
#97
○政府委員(宮崎知雄君) 御承知のように、昨年の三月に経済対策閣僚会議におきまして、原則自由の新しい法体系を確立するために外為法、外資法の全面的な見直しをして今国会に法案を提出するという方針が決定されました。私ども、この決定に基づきまして鋭意作業を進めてまいってきております。
 一つには、外国為替貿易法制懇談会という大蔵大臣と通産大臣の私的な諮問機関をつくりまして、そこで各界の御意見を伺うということをやってきております。現在までのところ原則自由の方向につきましては御賛同をいただいているわけでございますが、法案の具体的な内容につきましては、各界、各省の間でいろいろ意見なり要望なりが出ておりまして、これの調整に若干時間がかかっているわけでございます。当初は、御指摘のとおり三月の中旬に提出ということでございましたが、調整に時間がかかっております。私どもとしましては、なるべく速やかにこの意見調整を終えて国会に提出したいというふうに考えております。
#98
○鈴木一弘君 これどうも各省間の調整にいま時間がかかっているということで、政府部内にどうも問題があるようですね。つまり、大蔵と通産の対立のようなことに原因があると。通産の方は、大蔵省は銀行を守っていると、こう批判するし、反対に大蔵省は、通産省は権限を温存しているというふうな、こんなふうなことになっていて、何か各省同士のなわ張り争いのためにおくれているように見えるんですけれども、それよりやはり国益というようなことを本当は優先しなきゃならない。サラ金規制みたいなふうに、何かお互いに引っ張り合いで遅くなってしまうような、こういうことじゃならないと思いますので、この点はどうでしょうかね。大臣はいかがお考えですか。両省にまたがっておりますので……。
#99
○政府委員(宮崎知雄君) まあ、各省間の意見の対立と申しますか、意見の調整に時間がかかっているわけでございますが、確かに一部にはその権限に関する部分もございますが、やっぱり主な違いは、実態面でどの程度自由化が進められるかと、それからその場合の仕組みをどうしたらいいかと。たとえばその外国為替公認銀行の制度というものをどうしたらいいのかというようなことが実は中心になっているわけでございまして、私どももちろん、それから通産省の方も単にそれぞれの役所の権限ということではなくて、もっと大きな国益全体の立場からこの問題を議論しているわけでございます。
#100
○鈴木一弘君 たとえば、大蔵省の方は外貨の売買、受け払いは原則として為銀を通すということを条文にはっきりしたいと、そういうことで為替市場の混乱を防ぎたいという意向がある。それに対して通産省、産業界では、それじゃ企業同士の外貨の売買とか交互計算の問題とか交互計算借記の問題、こういうものの自由化が遠のくということで反対するということで、どうも両省の間でいまのようなふうにはなかなかいってないような感じがするんですが、その点はどうですか。
#101
○政府委員(宮崎知雄君) 御指摘の点でございますが、大蔵省の立場から申しますと、外国為替公認銀行のそういう確認のシステムといいますか、そういうものはやはり為替管理の一番基本的な問題でございます。と申しますのは、為替取引が自由になりましても、やはり取引の実態というものは常に当局として把握しておく必要がございますし、それからまたもう一つは緊急事態、まあ有事といいますか、そういうときに規制を迅速的確にとり得るためには、やはり常時そういうふうな為銀制度というような仕組みを残しておかなきゃいけないという立場で為銀制度の存続というものを主張しているわけでございます。
 これに対しまして、御指摘のように、商社等の意向ではなるべくそういう規制を緩めてほしいと、こういう意見が一方ございます。その辺の一つの兼ね合いのこれ問題でございまして、いま両省の間でいろいろ具体的に詰めている段階でございます。
#102
○鈴木一弘君 だから、そういう金の出入りについて一々為替銀行の確認をとるという為替確認制、これいまの大蔵省の話からいうと、緊急の場合あるいは不正防止のためというようなことから続けるという方針、そういうように私は再確認されたような感じを受けたんですけれども、これはそうなりますと、もっとゆっくりしてほしいという交互計算勘定の自由化を望んでいる方とぶつかるわけですね。しかし今度の事件から見て、この交互計算勘定についてはある程度の規制はやむを得ないだろうというふうに思いますけれども、この点、この方針には変更ありませんか。
#103
○国務大臣(金子一平君) いまの問題に関連して申し上げますけれども、国際金融局長申し上げておりますように、何か事があったときに、異常な事態が起こったときにどこかでチェックするシステムを残しておきませんと、これやっぱり財政当局としては大変困った事態になりかねません。各国の立法例見ましても完全にノーズロにしますというか、自由化しておりまするところと、それから事があったらちゃんとチェックできるような体制をとっているところと二つの制度があるんでございますが、まあ私どもは後の方の法制だけは、仕組みだけは残しておいたらどうかと、こういう感じでございますので、為替銀行の制度だけは、為替公認銀行ですか、その存続をさしたいと考えておる次第でございます。
#104
○政府委員(宮崎知雄君) ちょっと補足さしていただきますが、私先ほど為替公認銀行の制度はやっぱり存続すると、これ基本でございますから当然そうでございますが、それですべての取引が全部為替銀行を通ずるように強制的にしていくというわけのものではないわけでございまして、もちろん例外的な取引、これが取引の必要上こういう例外的なものがあればそれはやはり認めていきたいと。しかし、その場合にはやはり一定の条件というものを課してそのルールに従うものだけを認めていきたいと、こういうふうに考えているという趣旨でございます。
#105
○鈴木一弘君 大臣、これは政治的御判断があると思いますので大臣に伺いたいんですが、外為法、外資法の改正案は今国会出ますか、どうですか。
#106
○国務大臣(金子一平君) ぜひ出したいということで鋭意精力的に詰めてもらっておる最中でございます。
#107
○鈴木一弘君 出したいということですね。
 ちょっと具体的に、これは国税当局に伺いたいと思いますが、一つは日商岩井がRF4Eのファントム型偵察機を十四機購入して防衛庁に売却したと。そのことについてダグラス社から受け取った事務所経費の二百三十八万ドルの件ですね。二百三十八万七千六百三十四ドル。
 新聞報道によると、これについては国税庁は四十八年から五十三年までの六年間に総額二百三十八万ドル云々が日商岩井に入っていることを確認していると。そしてこの金は各期ごとに申告されており、すでに課税をされているということでございますが、ではなぜ収入としてきちんと計上し、税金まで払っておる金について契約書類を偽造したんだろうかということ、他の名目につけかえようとしたのかということの疑問が出てくるわけです。そこで、各期ごとの申告はどのようになっているかちょっと伺いたい。
#108
○政府委員(米山武政君) いまのお尋ねの事実は、ちょうど現在検察当局が捜査中でございます。また、私どもの立場からしても具体的な内容についてはお答えを差し控えたいと思いますが、いま先生御指摘のように、私どもとしてはこれに該当するのではないかと思われるような資金は一応つかんでおります。ただ、なぜそれをどうしたかというのは、私どもこれは捜査当局の解明にまつ事柄であろうと考えております。
#109
○鈴木一弘君 じゃ別の角度から伺いますけれども、この二百三十八万ドルは大分未確認なことがある、ちょっと不明確なところがある。
 で、ちょっと確認したいんですが、当然いままで国税庁で押さえてきたからには必要経費は一体どのくらいなのか。この中で使途不明金はどのくらいあったのか。これから重加算税の対象になるのではないかと。重加算税の追徴する方針なんていうことがすでに新聞等にも出ておりますので伺いたいんですが、その諸点をひとつ明らかにしてくれませんか。
#110
○政府委員(米山武政君) いまの、幾ら入ってそれが幾ら損金になり、しかもその損金の内容の中に使途不明金があるかどうかというようなお尋ね、また、この使途不明金について重加算税を課す方針かどうかということでございますが、内容につきましては、いま申し上げましたように捜査当局の今度の捜索の容疑事実になっておりますので、私どもとしてはやはりお答えするわけにいかないわけでございます。
 それから、したがいましてこれについて重加算税を課すかどうか、これも現在私どもとしてはまだお答えできる段階にございません。
#111
○鈴木一弘君 調査をしていってはっきりしてくれば重加算税を課すということはあり得るわけですね。
#112
○政府委員(米山武政君) 調査の結果、それが仮装隠蔽等の事実に基づいて支出されているということになりますれば、当然重加算税の対象になると思います。
#113
○鈴木一弘君 こういう一連の事件から見て、何か重加算税を取られてもいいから使途不明金として裏工作の金に使った方が得だと、こういうふうに考えているんじゃないかということも考えられるわけです。重加算税の税率はペナルティーという意味が含まれているわけですから、昭和三十七年に国税通則法が改正されるまでは五〇%の税率でしたね、現在は三〇%になっている。現行税率はそういうような、もしも重加算税を取られてもいいからいわゆる裏金というものをつくっておいた方がいいというふうになっているとしたら事ですから、そういう点から見ると三〇%よりまたもとの五〇%に戻した方がいいんじゃないかという感じがするんですが、その点いかがですか。
#114
○政府委員(高橋元君) いまお話もございましたように、三十七年に税制調査会でいろいろ御審議を願って現行の国税通則法の規定の税率になったわけでございます。
 それでその節、五〇%という従前の加算税率につきましてはかえって厳正な執行が困難になるのではないか。税務署長の判定によることでございますから、重加算税を課すべき事実があるかないかということについての紛争もございましたし、それから、せっかくきれいにして税務調査の結果に従って納税をして以後立ち直ろうというときに、五〇%の重加算税がかえって桎梏になりまして、それでまあ立ち直れないという問題もあるというような指摘もございまして、また罰則との関係も考えて、現在の加算税率になっておるわけでございます。
 私どもは、現行の制度といたしますと、一応行政上の秩序を維持するための、税の秩序を維持していくということが一番基本的にいま委員からもお示しのありましたように重要なことと存じておりますが、現行の納税秩序を維持するための行政制裁として妥当な割合であるというふうに思っておるわけでございますが、昭和三十七年、その当時から、それ以前のいろいろな脱税事犯の何といいますか、原因と申しますか理由と申しますか、そういうものと、現在お話のありましたようないろいろな経済も落ちつき、それから所得も上がってまいった、こういう段階での脱税違反に対する制裁のあり方ということにつきましては、ただいまの御指摘も非常に理由のあるところだというふうに考えます。先ほど申し上げましたように、私どもは現行の制度としては三〇%の加算税率というものが、重加算税と申しますものは、広く数百万の納税者を対象とする制裁としてはこのような割合かというふうに考えておりますが、全体、国税通則法について引き続いて検討しておるわけでございます。その中でお示しの問題についてもこれから勉強してまいりたいというふうに考える次第であります。
#115
○鈴木一弘君 次に、これはアメリカのSECの使命が株主を守るということにありますけれども、日本の大蔵省の証券局の場合には、いままでどうも見たところでは株主を守るというよりも法人企業、金融機関のみをというようなふうに思われてならないんですけれども、そういう株主を守るシステムというのが日本にはないわけです。そういうふうに受け取られるんですけれども、この点はどういうふうにお考えでしょうか。
#116
○政府委員(渡辺豊樹君) 先生御存じのように、証券局は証券取引法に基づきまして証券行政を執行しているわけでございますが、証券取引法の目的は投資者保護でございます。その投資者保護に徹するよう証券行政を執行しているわけでございますが、間々ディスクロージャーの面で、たとえば粉飾決算のような事例が発生するケースがあるわけでございまして、これはまことに遺憾に考えている次第でございます。こういうことを絶滅を期するためには、まず何よりもその企業自身が株主――投資者保護の趣旨に徹してディスクロージャーを行うことが必要でございますし、かつまた、証券取引法に基づきまして公認会計士が企業の財務内容について監査をしているわけでございますが、専門家である公認会計士が企業会計の原則に従って適正に企業が会計処理をしているかどうかを時間をかけ、十分監査しているわけでございます。公認会計士が企業から独立して厳正な監査が行われるということが第二に必要なことだと思いますし、また、その方向で証券行政も執行してまいりたいと考えております。
#117
○鈴木一弘君 公認会計士が監査した場合、その監査をした企業から報酬を受け取るというようなことはありますね。
#118
○政府委員(渡辺豊樹君) 公認会計士は企業と監査契約を締結するわけでございますから、その監査に対する報酬を企業から受け取っているわけでございます。
#119
○鈴木一弘君 そういう制度自体に一つ根本的欠陥があるんじゃないか、公認会計士制度そのものが、そういう公認会計士の段階で企業の不正会計が確認できる、摘発できる、そういうように本当はすべきだと思うんですけれども、どうしてもお金をもらうということになると、ときたま不正が出ているのもいままでに何回もありました。そういうことが起きてくる心配があるんですけれども、そういうおそれのない公認会計士制度というものを確立する必要があるんじゃないかと思うんですが、どうですか。
#120
○政府委員(渡辺豊樹君) 先生御指摘のように、公認会計士が企業から独立して、独立性を保持して監査業務に徹しなければならないのは、もう当然のことでございます。よくアメリカの公認会計士と日本の公認会計士が比較されるわけでございますが、たとえば先生御指摘のように、公認会計士が企業から報酬を受け取って監査をするというところに問題があるのではないかという御意見が出ていることも承知しておりますが、アメリカにおきましても、公認会計士が企業と契約を締結して企業から報酬を受けて監査をしており、かつまた、厳正な監査が行われているわけでございます。
 ただ、アメリカの場合には公認会計士の制度そのものがもう長年の歴史を持っておりますし、かつまた、御存じのように非常に大規模な監査法人というのがございまして、多くの人間を抱え、厳密な監査をしているわけでございます。わが国の場合にも、現在、監査法人制度、アメリカのビッグエイトのような監査法人制度というのを設けているわけでございますが、これはまだ証取監査を受けている企業の全部を監査法人が監査をしているという実態までははいっておりません。私どもといたしましては、企業から独立性を保持し、かつ、組織的な監査を行っていくためには、監査法人による監査が望ましいと思いますし、かつ、個人の公認会計士が監査をいたします場合も、単独というよりは、何人かで共同して監査を行い、相互にチェックし合いながら厳密な監査をできるという方向に持っていきたいということで、昨年の九月に私の名前で公認会計士協会に通達も出し、かつ、公認会計士協会の中に監査の実施の委員会を設けまして、厳正な監査をできるようなシステム、その方法等をいま勉強しているところでございます。
#121
○鈴木一弘君 ロッキードの事件にしても今回のダグラス、グラマンの問題にしても、いずれにしましても、アメリカのSECから発端され、その報告書から発覚をされてきたということがございます。そういうことで、これは実際政府のいわゆる関係当局の面目は丸つぶれということです。本当はこちらでもってわかってこなきゃならないことが、向こうからの指摘でわかってくるということでは、やはり日本は株主は守られてないんじゃないかということを考えないわけにいきませんが、そういう反省はどの点まで考えておられますか。
#122
○政府委員(渡辺豊樹君) ロッキード事件にいたしましても今回の事件にいたしましても、アメリカの航空会社の海外に対する不正支払いというところから端を発しているわけでございますが、先生御存じのように、アメリカの場合には、「海外に対する不正支払いを防止する法律」というのができているわけでございます。こういう法律等の精神に基づきましてSECが調査をいたしまして、企業に対して開示を求めるために資料の提出あるいは証人の喚問等を行うわけでございますが、仮に企業がこれに応じなかった場合には、SECは裁判所に対して企業にそういう提出命令を出すことを求めることができるわけでございます。たしかロッキード事件の資料提出は、この裁判所の提出命令によって提出されたというふうに私は承知しております。かつまた、それに基づきまして、企業にSECが開示を求める――資料を提出するだけではなくて、ディスクロージャーを求める場合に、企業はこれに応じなかったというときには、SECはまた裁判所に対して、そういう開示をしないという行為をとめるような差しとめの請求をするわけでございます。企業は、その差しとめの請求が行われます場合には、御存じのようにアメリカの裁判所は衡平法の原理に基づきまして判決を下すという観点から、最終判決まで企業は争わず、法律違反を犯したことを認めるわけではないけれども、開示をすることに同意するという、いわゆる同意審決という形で開示をいたします。ロッキード事件の場合にもそういう形でございまして、SECは多くの人間を抱え、かつ、法律に基づく強い権限を持っておりますけれども、これをバックアップしていると申しますか、これが有効に機能的に動く背景には、ただいま申し上げましたように、アメリカの司法制度、裁判制度というものが私は大変大きな力になっているのではないかというふうに考えております。
#123
○鈴木一弘君 アメリカの制度のことを聞いているんじゃなくて、こちらとしてもできる限りのことはということを思うんですけれども、こういう事件の再発防止だけは本気になってやらなきゃならないということが一番大事だと思います。起きてしまった事件でありますから――しょうがないとは言えませんけれども、こういうことが二度とないようにということになりますと、現地法人が悪徳商法のいわゆるパイプ役を演ずるというようなことを許さないという制度というようなことの確立であるとか、そういうことが必要であろうと、実効のある措置が必要だろうと思うんですが、この点大蔵大臣はどうお考えでございましょうか。
#124
○国務大臣(金子一平君) 先般、ロッキード事件が起きました直後におきましても、再発防止のための幾つかの項目を取り上げまして閣議了解が行われたことは事実でございます。そのあるものはすでに実行に移され、またあるいは法律改正を要するものにつきましては、現在国会でも御審議いただいておりますように、刑法の改正その他の問題に広範に及んでおるわけでございますけれども、やっぱり私は、一つは、企業並びに関係者のモラルの問題、これはやはり今後も大いに強調しなきゃいかぬ問題であると思いますし、同時にやはり行政上、手の尽くせるところはしっかり今後も極力手を尽くしていくつもりでおるのでございますが、SECのようなものを日本に設けるかどうか、たびたび議論として取り上げられておるところでございますけれども、御承知のとおり、向こうは、いまも証券局長も言っておりますように海外不正支払いの防止法というようなものがあって、その番人というような立場で準検察的な機能を果たしておるわけでございますし、こういうものをいま直ちにすぐ日本に取り込むかどうかにつきましては立法上の大きな問題でもございますので、十分かつ慎重に検討さしていただきたいと考えておる次第でございます。
#125
○鈴木一弘君 航空機の取引については質問をこれで終わります。
 次は、財政収支試算の中で国民総生産、名目のその伸び率に対する税収の弾性値について、昭和六十年度のみ一・二で示しております。あとの年度についてはこのGNP伸び率に対する税収の弾性値は何にもこれないわけですね、これ読むと。それについてどうなってるんですか。
#126
○政府委員(高橋元君) 財政収支試算の考え方を、少し恐縮でございますが、この中の税収の見込みのやり方について御説明をしてからお答え申し上げたいと思うわけでございますが、この財政収支試算は、経済社会新七カ年計画の基本構想によりまして、六十年度に均衡のとれた経済社会の姿をつくってまいりますためには、六十年度における租税の国民所得に対する負担率が二六ポイント二分の一ということになることが適当であるという想定をいたしております。この二六ポイント二分の一というものを従来の傾向等も考えまして国税と地方税に分けて六十年度における税収を計算いたしますと、これが五十六兆一千五百億ということになるわけであります。その場合の国税としての負担率と地方税としての負担率とはほぼ二対一という割合で分かれるという想定を置きまして、五十九年度までに、いわば現行税制以外に新しい税制を導入して、増税によって税収の均衡、財政の均衡を図っていくということが達成されませんと、六十年度以降に予定されております特例公債の償還という問題もございますので、五十九年度と六十年度の間は、この一カ年間につきましては経済成長率一〇・三掛ける一・二という弾性値で、いまもお話のありましたように税収が伸びるものというふうに想定いたしまして、いま申し上げました五十六兆一千五百億円から逆に一二・五%で戻しましたものを五十九年の税収としたわけであります。
 五十九年度の税収と五十四年度の税収、これはGNPに対する負担率が一九・六ということでございますが、これとの間は等比で結びまして、したがいまして、各年の税収の伸び率は一八・二%、経常部門につきましてはそうなります。この一八・二%は制度改正による増を織り込んでのことでございますから、既存税制の伸びにつきましては五十四年から五十九年までの各年度につきまして、いずれも成長率一〇・三掛ける弾性値一・二という形で推計をいたしました。そのことは本表の後の方に計算方法が書いてございまして、その(3)の(イ)というところに実は書いてあるわけでございます。
 そういう計算方法をとりましたので、この五カ年間を通じて税制の持ちますところの名目GNPに対する弾性値は通じて一・二という想定を置いておるわけでございます。ただ、五十五から五十九の各年度につきましては自然増収以外に新規の税制が必要である。その累計額が九兆一千百億円であるということを(3)の(イ)というところに表示してあるわけであります。
 ちょっとお答えの中で間違っておりました。名目の平均成長率一〇・三と申し上げましたが、一〇・四の誤りでございますのでおわびいたします。
#127
○鈴木一弘君 いままでのGNPの伸び率に対する主要税目の税収の弾性値というのは、昭和四十七年度が一・三九、四十八年が一・九二、四十九年が〇・九一、五十年はマイナスでございますが〇・三五、五十一年が一・〇一、五十二年が一・〇八と、こうなっておりますけれども、五十三年度については大変後半税収の伸びが好調でございますから、この弾性値は一体どのぐらいになりそうですか。
#128
○政府委員(高橋元君) いまもお話のございますように、五十三年度につきましては、まだ四カ月分実は税収がわかりませんので、確定的なことは申しませんが、一月末まで把握しております税収の累計からいたしますと、補正後予算額を達成して若干それの上になるかもしれないという感じはいたしております。ただし、その若干がどの程度であるのか、これは源泉所得税なり、土地の譲渡を含みます申告所得税収なり、それから印紙税収なり、かなり悪い税目が多いわけでございますので、これからでないと金額はわかりません。したがいまして、いまの段階で五十三年度の税収額、それから経済成長率、両方とも未確定の要因を含んでおりますから、弾性値を申し上げるのは非常に大胆に過ぎるわけでありますが、一応名目成長率が経済見通しどおりであるというふうに考えまして、それに対応いたしまして税収予算が達成されたものというふうに考えますと、恐らく〇・六台、〇・六強ということになろうかと思います。そんなふうに計算されております。
#129
○鈴木一弘君 五十三年度の年度内の自然増収がいま答弁ができなかったようでございますけれども、どうも五千億程度になるんではないかというのが言われておるんですけれども、どうも大蔵省はそう見ているんじゃないですか、どうですか。
#130
○政府委員(高橋元君) これは全くいまの段階ではお答えできにくいわけでございます。御了承いただきたいと思いますが、弾性値が動いてまいるほど、一ポイント動く、ゼロ・ポイント一動くほどの大きな自然増収ということはとうていないんだというふうに考えます。幾らであるかということについて、これから未確定の要因も多いわけですし、それから二、三、四、五月分の税収のウエートも非常に多いわけでございます。いまお答えを申し上げることはお許しいただきたいと思います。
#131
○鈴木一弘君 この一・二以上になりませんか、弾性値が、五十三年。どうも大増収があるような感じがするのだけれども。
#132
○政府委員(高橋元君) 源泉の所得税が賃金と利子と両方の要因で見込みをかなり下回ることだと思います。今後の法人税収をどう見るかということにもっぱらかかってくるわけでございますのと、もう一つは、申し上げております土地の譲渡所得を含みます申告所得税のこれは納期が終わったわけでございますが、その実績いかんということが大きなファクターになってまいるわけであります。したがって、どのくらいのオーダーかということはわかりませんが、いまおっしゃいますように、弾性値が一を上回るというような形にはとうていならないというふうに思っております。
#133
○鈴木一弘君 五十一年、五十二年、この両方が一・〇一、一・〇八と上がってきていますよね。それなのにどうして五十三年がならないのだろうか、ぼくらその辺がちょっとようわからないんですね。本年度は本当は相当好ましい結果が出るんじゃないかと思っているのですよ。
#134
○政府委員(高橋元君) これは鈴木委員よく御案内のことでございますが、五十三年度の法人税の税額と申しますのは、実は五十二年度非常に景気の悪うございましたあの時期の景況を映しておる部分が多いわけであります。それは五十二年中に進行した事業年度の法人税が五十三年度に収納されてまいります関係で、五十三年が景気が五十二年に比べて立ち直ったからと申しまして直ちに五十三年度税収に結びつくわけではございませんので、したがいまして、五十二年の後半のように、非常に悪い時期の影響が非常に大きく出ておりますので、五十三年度税収につきまして五十一年、五十二年よりもなお弾性値が低くなるということはあり得るわけでございます。
#135
○鈴木一弘君 本会議でも私は質問したんですけれども、経済成長率とか租税の収入金額、それはその年度内の経済運営の結果で決まるわけでございます。したがって、経済動向が変化すれば成長率も税収も変わると、これは当然です。そういうことでございますが、高度経済成長時代から現在は安定成長時代、こうなっておりますが、景気循環のサイクルは確実に非常にゆっくりしたものであると思いますが、その点どういうふうに見ていますか。これは経済企画庁ですね。
#136
○説明員(横溝雅夫君) お答えいたします。
 御指摘のように、まあ石油危機の前、御承知のとおり、経済成長率一〇%成長をしておったわけでございますけれども、その後、昭和四十九年度経済成長率ゼロ%、五十年度三・二、五十一年度五・九、五十二年度五・六というふうに成長率かなり鈍化しております。これを御指摘の景気循環という視点で見るといたしますと、私ども経済企画庁で景気動向指数というのをつくっておりますが、これで景気の山、谷の転換点を決めております。
 それで、まあ最近時点で申しますと、昭和四十八年十一月が景気の山でございまして、それから景気は収縮局面に入りまして、五十年三月が谷でございます。したがって、五十年三月以降拡張局面といいますか、景気は拡大過程に入っておると景気循環論的には見ております。ただ、御指摘のように、この景気の回復のテンポと申しますのは、いままでの景気回復局面に比べまして非常に緩やかでありまして、たとえば過去の景気回復局面と比べてみますと、いわゆる昭和四十年不況のときは、景気の谷が四十年十月でございましたけれども、この四十年十月を含む四十暦年の成長率が五・一%、それが四十一暦年には九・八、四十二暦年には一二・九と非常に急速に拡大していったわけでございます。
 それから、四十六年不況の場合は、景気の谷が四十六年十二月でございまして、この十二月を含む四十六暦年の成長率が五・二%、それが四十七年には九・五、四十八年には一〇・〇と、まあ景気の谷を含む年から二年目にはいずれも一〇%近い、一〇%を超える拡大になっております。
 ところが今回は、景気の谷が五十年三月で、これを含む一年といいますと四十九年度になりますが、これが先ほど申しましたようにゼロ%、五十年度が三・二%、五十一年度が五・九と、二年目になっても六%をちょっと切る程度という緩やかなテンポという特徴がございます。
 で、まあその要因でございますが、やはり民需がなかなか出ないというのが今回の景気回復局面の特徴かと思います。それはやはり石油危機という非常に異常な事態があったために経済の成長率も鈍化いたしましたし、経済成長のパターンも変わったという中で、過剰在庫が非常に積み上がる、あるいは過剰設備が生じてしまうという環境の中で、在庫投資が出るとか設備投資が出るとかいう民需がなかなか出にくい状況が今回あった。そういうために景気の回復テンポが緩やかであったと。また財政がそれを支えるために、最近に至るまで支え続けざるを得なかったということかと思います。
 ただ、まあ最近の状況は、五十二年、五十三年と大変まあ財政も出たということの波及効果もございますし、それから民間企業の方も過剰在庫の整理なり減速経済の適応なりということが進んでまいりましたので、民需もようやく動意が出てまいりまして、なお財政に支えられてはおりますが、ようやく民需がかなり底がたく出るような局面になってきておるのではないかと思います。このような調子がいましばらく続くんではないかと考えております。
#137
○鈴木一弘君 いまの御答弁からわかるのは、四十九年のゼロ成長、それから五十年の三・二%というようなところ辺が底で、しかし、それはぼつぼつ上がってきていると、いまお話しの民需にようやく手がたいものが出てきたと、動意が出たということが言われましたが、そういう点から見ると、景気のサイクルとしてはかなり上向いてきているというふうにとれる。ただ一〇%まで回復することは不可能かもしれませんけれども、この調子でいくと五十三、五十四年というのはどういう―方向に行きそうな感じがしますか。
#138
○説明員(横溝雅夫君) 一方ではそのように民需がようやく動き出したという面がございますが、他方では、御承知のとおり昨年の秋までの急速な円高の影響で輸出が現在数量ベースで減り続けておりますし、輸入がかなりのテンポで増加しております。こういう海外面からのデフレ効果があらわれておりますので、この内需の面では比較的強くなってまいりましたが、海外面からのマイナス効果と両方相殺し合いまして、経済全体の拡大テンポはおっしゃるように、ちょっとかつての一〇%というようなテンポにはなかなか乗らなくて、一応政府の経済見通しとしては今年度六%、来年度六・三%という見通しになっておることは御承知のとおりでございます。
#139
○鈴木一弘君 私は、それがもう少し上回ってくるんじゃないかというように思っているわけです。というのは、景気循環のサイクルが以前とは大きく変わっているけれども、やはりサイクルはあるわけでございますから、そういう点でこれがどういうふうに、いわゆる民需そのほかが下支えとなって伸びていくか、これから見なければならないので断言はできないんですけれども、もっと上がるような感じがしてならないわけです。
 そこで、今度ちょっと方向を変えて伺いたいんですが、そういう景気循環のサイクルがある。それが財政に影響を与えている。循環の底のときにはどうしても租税収入も低くなるし、景気浮揚のための財政支出はふやさなければならない。つまり財政的には赤字が多くなるということはしようがない。逆の場合は、これは循環的な財政赤字だと思うのです。
 だから、税財政上これからを考えていくと、これからの計画を立てるにしても何にしても、この点を十分検討をして見なくちゃいけないんだろうと思うんですが、その点いかがでございますか。
#140
○政府委員(高橋元君) 仰せのありますように、財政が景気を補正してまいると申しますか、そういうような財政政策に対する要請というものがございまして、これについて、従前からお答えしておりますように、石油危機以後歳出の面、それから歳入の面を通じて全体としてそういう運営に努力してまいったわけであります。今後景気が循環として上向きの方向に入るといたしますれば、確かにお示しのように税収がふえてまいり、現行税制で弾性値が、自後的に申せば弾性値が高くなるという形をとることもあろうかというふうなことが予想されるわけであります。その局面では、また歳出面で抑制的な傾向というのもとられてしかるべきものというふうに存じまして、両者の差としての財政ギャップというものが好況と申しますか、好調に転ずるということはあろうかと存じますが、現在私どもが当面しております財政の赤字と申しますのは、循環的な局面での黒字傾向というものを打ち消して、なおかつ構造的に残るものであろうというふうに思うわけであります。
 財政収支試算は、循環的な局面を全く度外視いたしまして、さきに申し上げました名目の成長率が各年度一〇・四であると、いわば定率的に伸びていく景気循環のない想定を置いております。それと、現実に景気局面によって出てまいります税収、またはその政府が組みます歳出の水準というものはおのずから異にするようになってまいるわけであります。そういう各年度の経済情勢に応じて税制なりそれから歳出なりというものを最も適当な形で調理をしてまいるというのが、年々の財政運営について財政当局として一番苦心を重ねておるところでございます。今後も一層努力、工夫をしてまいりたいという考えであります。
#141
○鈴木一弘君 これで時間が来たので終わりますけれども、大蔵省は構造的財政赤字ということをずっと言ってこられた。その面がないというわけじゃありませんけれども、しかし、そういう点から現行税制での財源調達能力の限界、そういうことについて強調されている。しかしいま伺ったように、景気循環サイクルもあるということから見ると、五十年度から五十三年度までの財政赤字についても、これを構造的財政赤字と決めつけるわけにいかない、やっぱり循環的財政赤字の部分もあるというふうに見なければならない、こう思うわけです。そうすると、現行税制の財源調達能力の検証というのも、これじゃ、構造的財政赤字という方の観点だけから見ているということは検証は不十分である、十分でないと言わざるを得ないと思います。その点をどう思っていらっしゃるか。この点で最後に大蔵大臣から、今後どういうふうにこの構造的財政赤字というものと景気の循環的赤字というものを見比べていらっしゃるか、伺っておきたいと思います。
#142
○国務大臣(金子一平君) いまの御指摘の景気循環ですけれども、石油ショックの前まではこれは世界各国、大体時期の多少のずれはありましても景気不景気の循環の経済構造で動いておったのでございますが、石油ショック後、それがいろんな経済成長の要因に波及いたしまして、従来のようなパターンで動かなくなったというところに一番の問題があると思うのでございます。日本も財政的にはケインズ流の考え方で、思い切って財政面から刺激すれば、ある程度また景気が上がってきて税収もふえるじゃないかという考え方で、今日までいろいろの努力を積み重ねてまいりましたことは御承知のとおりでございますが、それは必ずしも従来のようなふうには動かなくなってきていると、今日の経済が。
 そこで実は、私どもも非常に困っているわけでございまして、ある程度従来通りの型では動かないぞということを前提にしながら、今日の累積しております財政赤字の解消に努めなきゃいかぬと。まあ、去年から非常に努力してまいりましたので、やっといま経済全般として明るい空気がやや出てまいりまして、三月期決算も少しずつ好収益に転じておるようでございますが、これは軽量経営と申しますか、の結果でございまして、果たしてこれがすぐ設備投資につながり個人の消費の増につながるか、そこら辺の見通しが私どもといたしましても、これは経企庁自体もそうだろうと思うんですが、むずかしいところだと考えておる次第でございます。
#143
○鈴木一弘君 終わります。
#144
○矢追秀彦君 初めに、住宅の税制について伺います。
 住宅の供給を少しでも行いやすいように方策を税制面でもとるべきだと思いますが、現在の新築住宅の場合、住宅取得控除、住宅ローン控除、また住宅貯蓄控除、こういった面の税制において優遇されておりますが、そのまず内容を説明していただきたいと思います。
#145
○政府委員(高橋元君) 住宅取得控除でございますが、これは新しく住宅を新築いたしました場合に、その住宅の大きさという問題はございますけれども、最高六万円まで面積に応じまして三年間税額控除を受けるという制度であります。
 住宅貯蓄控除につきましては税額控除でございまして、長期の財形の場合には最高五万円まで十年間、短期の財形の場合には最高四万円、一般住宅貯蓄の場合には最高三万円、七年間の税額控除をいたします。これは財産形成貯蓄、住宅貯蓄を伴うわけでございますから、新築、中古、いずれの場合にも適用になる。これは住宅貯蓄についての優遇ということであります。
#146
○矢追秀彦君 次に地方税でありますが、固定資産税、不動産取得税、これは新築についてはどうなっておりますか。また登録免許税、これについても伺いたいと思います。
#147
○政府委員(高橋元君) 国税の方の登録免許税でございますが、新築の住宅につきましての所有権の保存登記でございますが、これは本則千分の六を千分の二に軽減いたしております。新築の場合に所有権の移転登記を伴いますことは比較的少ないわけでございますが、ただ建て売りの場合とか、それからマンションの場合等にそういう事例が若干ございます。その場合の所有権の移転登記の登録免許税でございますが、本則千分の五十を千分の二に軽減をいたしております。
 それから不動産取得税でございますが、住宅を建設いたしました場合に、一戸につきまして、その価格から三百五十万円を控除するという形で軽減をいたしております。
 固定資産税につきましては、昭和五十六年一月一日までに新築されたものにつきまして、固定資産税を新たに課される年度から三年間、一定の規模、面積、構造を備えました建物につきまして、税額を二分の一に軽減いたすという制度が行われております。
#148
○矢追秀彦君 新築住宅の場合には、いま言われたようないろいろな優遇策がありまして、この税制だけで住宅建設が必ずしも進むとは思いませんが、税当局の政策志向としては、こういった新築住宅を推進させようという姿勢はよくわかるわけですが、ところが、新築住宅に比較をいたしまして割り安であり、しかも入手しやすい中古住宅については、新築に比べて大変不利な点が多いわけです。
 最近、大変中古住宅の人気が出てきておりまして、これは御承知と思いますが、大変売れてきておるわけです。どうしてこれが人気が出てきているかというと、もちろん中古を買って建てかえる人もいるでしょうけれども、やはり新築にこしたことはない。しかし値段が高いから手が出ない。そういった人たちは、むしろ中古に入って、そうして少しがまんしようと、こういうのがかなり多いために、この中古住宅の人気が出ておる、こう言えるかと思います。まあ、それがすべてではないと思いますけれども。そういった意味で、この中古住宅に対して、さき申し上げた新築とでは大変差が出てきているわけです。
 たとえば、これは一つの例ですが千六百万円のマンション、これは土地、建物とも固定資産評価額が四百万円、これを購入した場合、中古と新築では三十六万円も購入に伴う税の開きが出てきておるわけです。こういった点で、すべて新築並みとはいかなくとも、何らかのことを考える必要が出てきておるのではないかと、こう考えるわけですが、その前に、まず中古については、登録免許税は今回少し優遇されておるようです。新築と同じようになってきておりますが、そのほかは全然変わっていない。したがって、中古と新築については差があると、これはお認めになりますね。
#149
○政府委員(高橋元君) ただいまもお話ありましたように、新築住宅と中古住宅で税制上の優遇を異にしておるではないかという御指摘だと思います。
 それは、第三次の住宅建設五カ年計画の中でも、持ち家の建設を五カ年間に五百十万戸必要であるという想定を置いております。現在の住宅に関する政策の最も重要な目標は、住宅の新築であるということであろうというふうに思います。そういう事情を受けまして、住宅金融公庫の融資につきましても、中古住宅の取得という点につきましては限られた場合に融資の道を開くということにとどめておるわけであります。それが、住宅政策の中核は、持ち家につきましては住宅金融公庫の金融であろうというふうに存じますが、いわば従属的な政策として政策税制があるわけでございますけれども、住宅取得に関する税の控除につきましても新築の住宅に限って税額の控除をやるという制度にいたしておるわけであります。
#150
○矢追秀彦君 私、新築をやめてしまえという意味ではなくて、やはりいま住宅が大変国民にとっては一番深刻な問題でありますし、そういう意味で、新築をどんどん進めるという意味でいまの税の優遇措置ということがされたと思うんです。とすると、やっぱり新築が高いから買えないから中古を買うという人、これも同じような税の適用があっていいのではないか。たとえば銀行の場合、金融機関の場合は、ことしになりまして中古に対しても新築並みのローンになってきている、借りやすくなってきているわけです。そういう金融機関でも新築と中古の差別をなくしてきているわけです。したがって、税の面だけがまだ中古と新築とが違う、こういった点では素朴な国民の感情として納得できない。確かに、新築を推進させるということはわかるんですよ、これまで悪いと言っているわけじゃないわけでして、中古についてもその点は考慮すべきではなかろうかと、こう思うんですが、いかがですか。
#151
○政府委員(高橋元君) 先ほど、国の持ち家に対する政策の中核は住宅公庫の融資であるということを申し上げたわけでございますが、住宅公庫の融資制度をとりましても、その対象になりますものはいわゆる中古マンションでございまして、購入価格が千五百万円以下で、五十年三月三十一日以前に建てられておって、その後売り主が現在居住しておるか、五十二年四月一日以降住んでおるもの、それの2DK以上のものにつきまして六百六十万円という貸付限度を設けて融資をしておるわけでございまして、中古住宅の流通全体を政策金融の対象としておらないわけであります。そういうものについて公的な助成をするかしないかという問題につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、持ち家の新設戸数の増加ということ、そこに政策をしぼって志向をしていくという現在の政策体系全般の中で住宅取得に関する税制もいろいろな制度を設けておるということで、その点につきましては先ほど御説明したとおりでございますが、したがって、中古の住宅の流通に対して税の面で軽減を加えてそれにいくというところまで税制としては踏み切れないということでございます。
#152
○矢追秀彦君 いま踏み切れないというお話ですけれども、中古住宅の流通が進めば、これも結局建てかえ需要で新築住宅の建築促進にもなるわけです。だから、新築をしたときにやるとさっきも少し言われましたけれども、そういう意味で私は、いま中古まではいかないとおっしゃいますけれども、これもやることによって結局新築の促進にもなるんじゃないですか。実際中古、家を新しく建てて古い家を売っていかれるわけですから、古い家がどんどん売れるようになってくれば、やっぱりいまの家を売って新しいところへ入ろうと、需要が結構あるわけですから、それは進むんじゃないでしょうかね、その点はいかがですか。
#153
○政府委員(高橋元君) 今回御審議をお願いいたしております租税特別措置法の中で、中古住宅の取得に係る登記に対する登録免許税、これの軽減という条文を中に入れてお願いをいたしております。これはただいまお話のありましたような中古住宅の取得に対して、その居住水準が上昇してまいると、そういう点に着目をいたしまして登録免許税の軽減を図っておるわけであります。
 先ほどの冒頭の御説明の際にも触れたわけでございますが、住宅取得に対する登録免許税は千分の五十という税率でありますので、登録免許税が中古住宅の取得の場合の税負担としては実際上一番大きいのではないかというふうに私ども考えております。中古住宅が軽減したことによりまして新築住宅に対する価格が相対的に安くなっておるということを考えますと、この登録免許税の軽減ということを通じて居住水準の向上に資するということで、私どもは税負担の軽減という面では十分こたえることができるんではないかというふうに考えておる次第であります。
#154
○矢追秀彦君 そうすると、ローン控除、まああとのことはなかなかむずかしいとおっしゃいますけれども、そうしますと、じゃ住宅ローンの控除ぐらいは、いま言った銀行の方が新築も中古も同じような条件で貸し出しをするようになっている現在では、今年度はこれは無理かと思いますけれども、まず次に、いま登録免許税はいいとしても、その次は住宅ローン控除あたりはこれは対象になるんじゃないでしょうか。その点はいかがですか。
#155
○政府委員(高橋元君) 住宅取得控除を所得税法の特例として設けておりますのは、取得費用の軽減ということよりも、むしろそういう税額控除を通じて住宅建設を促進していくという政策的な意図であります。中古住宅を売却して新築住宅に入る人、その中古住宅を買って従前の居住水準よりもよりよい居住水準の方に移る人、それぞれあって、新築住宅の建設のために中古住宅の取得を容易にしてやればそれが全体を促進する作用を持つんではないかというお話で、そういう面も確かにあるわけでございますけれども、住宅取得、新築住宅の取得というところに政策の重点を志向して、そこで金融の措置も税制の措置も集中してやっておるということでございますから、したがいまして、これについて住宅取得の場合のいわゆる取得控除なりローン控除というものを及ぼすのは、現在の段階では相当というふうに考えておらないので御理解をいただきたいと思います。
#156
○矢追秀彦君 先ほどからも新築新築ばかりこだわっておられますけれども、要するに国民から見れば、新築であろうが中古であろうがとにかく住宅が手に入ることが大変大事なことであって、いまとにかく住宅に困っておるわけです、特に都会は。だから、いま住宅をつくるんだと、新築の方ばかり強調されて、それ以外は全然だめだというような非常にかたい主税当局の御答弁ですけれども、もう少し柔軟にお考えいただいてもいいんじゃないかと思うんですけれども、非常にしつこいようですけれども、これは大臣はどうお考えですか。
#157
○国務大臣(金子一平君) 最近の住宅不足を解消するために税制の面でも新築住宅を促進しようということでこの制度を設けたわけでございまして、制度創設に際しましても関係省との間におきましていろいろ議論ございました。特に矢追先生のおっしゃるような中古住宅についてもどうだというような議論もございましたけれども、やはり相当大きな控除を認めているものですから、一遍に中古までいくのは財政上いかがかということで、登録免許税をとりあえず手当てすることにいたしたような次第でございまして、矢追さんのおっしゃるような観点から言えば、それは一緒に扱っていいじゃないかということになるわけですけれども、何せ相当大きな特典を与えることになるものですから、一遍にそこまで手を開いたらとても税制としてもちませんよというのが大蔵当局の考え方であったと思います。この問題は、これからのこともありますから、十分また検討させていただきたいと存じます。
#158
○矢追秀彦君 最後の切り札はいつも金がないからということで逃げられてしまうんですけれども、そう言われたら、やっぱり財政難ということは私もよくわかっておりますので、ちょっと声が小さくなるわけですけれども、しかしいま庶民としては、いろんな問題ありますけれども、大体いま住宅、年金、教育、医療、災害、そこら辺あたりが一番国民の不安だと思うんですね。特に都会ではもう住宅。ほかの方はわりあい満ち足りてきていますから、やはりいまは住まいの方が一番問題になってきておる。だんだん質のいいものをということで、だから新築促進、これ結構なんですけれども、これだけ中古住宅が売れているという現状、これはやっぱり少しでも節約をして、少しでもしんぼうしてでもまたお金をためて、まあいずれは新しいのでも建てようかということで中古に入る。そうでなければどこか田舎の土地だけを買って住めばいいわけですけれども、そうもいかないので中古になっている。マンションだって、マンションはなかなかいま売れ行きも、いいところと悪いところとありましてこれはアンバランスありますけれども、特にいわゆる一戸建てというのはわりあい中古が売れているわけですから、そういう実情と、それから国民は大変住宅で悩んでいる、またローンで困っている、そういったことがありますので、ぜひ少しでも負担を軽減するという意味の上から、いままでのような固定概念をひとつ取っ払っていただいて、前向きの検討、これは要望したいと思います。
 次に、それに絡みまして土地税制ですが、今回の改定によりまして、実際宅地の供給がどれぐらいふえると計算をされておりますか。
#159
○説明員(木内啓介君) お答え申し上げます。
 今回の土地税制の改正の中で、宅地関係の税制改正と申しましては、一つは公的な宅地供給にかかわるもの。もう一つは千平米以上の宅地で、開発許可を受けた民間の宅地開発にかかわるもの。もう一つが五十戸以上の住宅、あるいは三十戸以上の一団のマンション、そういうふうなものに対する主として用地、素地と申しますか用地と申しますか、用地の取得にかかわるというところをねらいとしまして、比例税率の部分を四千万まで引き上げるということと、それ以上の場合の四分の三の総合税率を二分の一にするという軽減措置でございますけれども、このねらいとしますところは、主としてこういうふうなまとまりのある開発と申しますのは、その土地提供者の中にかなりの量の土地を提供する場合がございます。これは面積的にも、それから金額で申しますと五千万とか一億とか、そういうふうなまとまった土地の提供がないとそういったまとまった開発ができないというふうなのが実情でございまして、御承知のように、四十四年から五十年までの比例税率を五十一年からは四分の三総合課税になりました結果、そういったある程度まとまった土地を提供する方々は土地の売却を、非常に重課でございますのでちゅうちょするか、あるいは土地を細切れにして売るという傾向が出てまいっておるのではないかと考えておるわけでございます。そういうこともございまして、私たちはその土地税制も、宅地供給現在減少しておりますけれども、一つの原因ではないかというふうに見て、ここのところに焦点を当てていただきまして改正をお願いしているわけでございます。
 そういうふうなことでございますから、そういった改正がなされることによりまして相当の効果があるというふうに考えているわけでございますけれども、この効果を端的に数字でどのくらいということになりますと、当然のことでございますけれども、土地所有者の意識の問題、あるいは他の経済要因の問題、そういうものが絡んでまいりますし、また、施策としても総合的に講じていく施策でございますから、この施策だけでどうということは正確には非常にむずかしいことだと考えております。ただ、従来の税金、何回か変わっておりますときの税率と長期譲渡所得金額の動きの推移、あるいは土地の取引量の推移の問題、それと宅地供給量の推移等を勘案してみますと、相当程度効果が期待できるというふうに考えているわけでございます。
#160
○矢追秀彦君 まだ実際税制が通過していない、この法律が通過していないにもかかわらず、現状においては土地がどんどん上がってきておりますし、前回税制が変わって、その後は、ちょうど不景気と重なったためにか知りませんが、あれも大体は土地の値上がりを防ぐためにある程度つくられた税制改正だったと思うんですがね、しかし、それは安定をしたように見えていましたが、これは景気の関係であって、その後現在になりますと、いわゆる現状の中でも相当の値上がりをしてきている。
 それから、今回の税制改正で実際恩恵を受ける人というのは、恩恵を受けて、しかも土地をそのために手放そうという人は果たしてどれだけあるのかと考えますと、実際疑問に思うわけです。実際、いわゆる一般個人の持っている土地で対象になるのはほとんどないわけですよね。先祖代々持っている土地とか、ちょっと離れたところに土地があると、これはいずれ売りたいんだと、自分は住んでこれから仕事するところは違うと。そういうのは要するに売ったら損だと、半分税金で持っていかれると、そういうのもありますし、さっきちょっと言われた細切れに売ろうかと。しかしいま細切れでも、ミニ開発の時代になっていますので、かなりそれでも一応土地は足りないということで、私なんか大阪におりますけれども、土地なんというのは、もう去年の年末からことしになって一割以上実際現場では上がっておりますよね。
 そういうふうな状況ですので、果たしてこれが、先ほど言われたようにすべての解決にはなってないということはお認めになっておりますが、もう少し、やるなら厳しい面ならもっと厳しい面はきちんとやっていくと、それによって土地を放出させる。そのかわり今度はまた一面の優遇で、これも放出しやすいようにすると。ある程度あめとむち両方必要な面は私もわかるんですけれども、そういった点で、今回の税制というのは何かもう一つすっきりしない。結局、大手の建築業者と大手の不動産業者だけが得するんじゃないかなと。結局、それによって供給された宅地がふえたために、じゃ、地価が安定して庶民の人がそこに建てられた建て売り住宅を買う場合、果たして安く入るのかとなると、もういまそうでなくてもインフレぎみですから、ちょっとむずかしい状況なんですね。
 そういった意味で、私は、何かこの税制のタイミングというかやり方というものを、経済の動きと見合わせてもう少し適切にやるべきじゃないかと、こう思うんですが、これも大蔵大臣いかがですか。この問題余り私突っ込んでやりませんけれども、お伺いしたいと思います。
#161
○政府委員(高橋元君) 土地に関する税制は、それ単独で、先ほど建設省からもお答えのございましたように、土地の供給の促進を図るという力を持って、そういう期待は非常にあるわけでございますが、それだけの力を果たして持つものかどうかという点については、私どもは私どもなりにいろいろ工夫をしておるわけでございます。他の土地に関する政策と相まって初めて土地に関する税制の効果というものは上がってくるわけであろうと思います。そういう意味で、国土庁なり建設省が展開される土地政策というものと税制の方向というものが相一致していくということが大事なことであろう。税制はそれを補完するという位置づけを与えられることは大事であろうというふうに思います。
 そこで、土地の税制につきまして昨年いろいろと議論がありまして、検討してまいったわけでございますが、その際の基本的な眼目というのが、一つは、地価の抑制に対してマイナスにならないということ、一つは、優良な住宅地の供給にプラスの効果があるということでございます。二つの線で、現在土地税制が租税特別措置法でとっておりますところの四分の三総合課税ということ、それから短期譲渡の重課、法人の土地重課、そういった投機的な土地取引の抑制ないし土地に対する特別の国民感情にこたえまして、土地の長期譲渡につきましても四分の三総合という制度を敷く、そういう大枠に変更を加えずに、政策的に必要となっております公的な土地の取得なり、それから優良住宅地の供給ということにしぼりまして、御提案申し上げておるような措置法の改正という結論になったわけでございます。
 こういった土地税制を長期的にどう持っていくかということは、確かに全体としての経済情勢なり国民のニーズなりというものに、それをよくよく見抜いた上でやっていかなきゃならないと思いますけれども、土地税制を軽くすればそれによって供給が直ちにふえてくるというふうに単純に考えるのもまた非常な大きな問題かと。租税負担の公平ということもございますし、社会開発の利益をどういうふうに社会に還元するかということもあろうかと思います。全体を総合して土地税制の枠組みというものを考えてまいりたいというふうに思っておる次第であります。
#162
○矢追秀彦君 次に、医師税制の問題に移りますが、まず経費率の問題ですが、検査院の方から出たデータをもとにして、五二%が平均であるということをもとにして今回の医師税制の見直しということになったわけですが、国民の側から見ますと大変七二%はけしからぬと、サラリーマンなんかはもっと少ない必要経費しか控除されていないと、お医者さんは何だと言いますし、また医師会側から見れば、七二%でもまだ現実としてはこれはもうきついぐらいだと、もっと八割、九割も経費がかかる場合もあるんだと、こういうことで、そうでなくても現在お医者さんと国民の間には不信感があるわけです。
 確かに一部に悪徳医師、悪徳歯科医師のいることは事実です。これは私も認めます。だからといってこの五二%がどうなのか、これは私自身も実際はよくわかりません、いろんな人の話を聞くと全部違いますから。したがって、この五二%を出された根拠というものが科学的であって、お医者さんや歯医者さんも国民も納得できるものであれば、私はこれをもとにして結構だと思うんですが、その辺に大変まだ開きがありますし、現実の実態というのは果たしてどうなのか。これは今回の検査院の調査というものはかなり信憑性があるといいますか、科学的な根拠があると見ておられるのか、その点はまずいかがですか。
#163
○政府委員(高橋元君) 検査院の五十二年の検査報告にあります特例適用者の平均実際経費率は、年所得一千万以上の特例適用者についての検査の結果であろうと思います。そういうふうに承知いたしております。私どもは課税資料から、いろいろ実際の青色申告をしておられる方、白色でも実額の収支計算書の提出のある方、そういう方につきまして税務資料からいろいろ推計をしておるわけでございますが、そういった方々で特例の適用を受けておられる方、そういう方々の平均経費率は検査院の報告にあります実際経費率五二%とほぼ一致をいたしております。
 いま矢追委員からお話のありました、お医者さん全部聞くことみな違う、もっと低い、もっと経費率が高いんだという方もおありになるということは、一つはこういう平均と分散の問題であろうかという感じもいたしますし、規模によりまして――これは平均経費率五二%ではございますけれども、私どもの推計でも検査院の調査結果でもほぼそういうことが読みとれるわけでございますが、非常に社保収入の多い方、それから社保収入の少ない方、両端にいきますと平均よりも経費率が高くなるという傾向があるように思います。科によっても若干の相違はあろうと思います。
 そういうことから、それぞれ御自分の収支計算というものを頭に置いてお考えになると、五二というのはあるいは低い、あるいは高いという御意見になろうかと思いますけれども、特例適用者の方々について検査院はかなり、千何百人かをお調べになった上であり、私どもも税務資料からできるだけの推計をいたしてみますと、平均といたしますと特例適用の場合には五二%というのがほぼ妥当な経費率であるというふうに考えております。
#164
○矢追秀彦君 いまの五二%というのは現在の実態の中の一応平均であると、こう仮にしたといたしましても、現在の医療のあり方自身にいろいろまだ問題があるわけですから、一つは理想的ないわゆる医療を、きちんと治療をした、診療をしたと、大学で教えておる程度の治療はきちんとした場合ですね、私はこの実態とは違ってくると思うわけです。
 というのは、いろんな考え方あると思いますが、ある程度こういった経費といいますか、きちんとした治療をすればするほど経費がかかる場合と、またいま薬づけということがやかましく言われてますので、逆にただ診断だけを下して、かぜの場合、薬も出さないで、あなたはきょう家へ帰って寝なさいと、その方がいいですよと言われたらこれは経費も何も要りませんわね、お医者さん一人が治療をして終わり、看護婦も何も要らない、薬も出さないと、こういうことで終わってしまうわけですから、どちらがいいのか私も本当の専門ではありませんのでちょっとよくわかりませんが、いわゆる国民が納得し得る、満足し得る、しかも現在の医療の水準に適当なといいますか、十分な――進歩していますから、昔だったら歯科の場合だったらレントゲンだって撮らなかった。しかし、レントゲンを撮ってそれをどういう状況なのか、そういうことをちゃんと見きわめた上で抜歯をしたり治療をしたりしておるわけですから、そういう時代と異なって、全然医療の進歩によって変わってきてます。内科なんかも相当進歩しておりますからどんどん変わってきて、ある程度の検査も私はやむを得ないと思いますし、薬も大変要るかと思いますけれども、そういったいわゆる理想的な治療をした場合にはどうなるかということは余りこの中には出てきていないように思うんです。
 要するに、いままでの実態の上からの五二%、それから高いか低いかはこれはどちらでもいいことなんです。これでもし実際低ければ低いでそれだけこれは税を取ればいいことですし、しかし実際国民が納得し、しかもいまの医療水準に適合した治療をした場合はもう少し経費が上がるとすれば、これは現在の税制のままではいかないとなるわけですが、その点はこれどうお考えになっておりますか。
  〔委員長退席、理事梶木又三君着席〕
#165
○政府委員(高橋元君) 私ども門外漢でございますのであれでございますが、社会保険の診療をお医者さんがやっていかれる場合に、その公共性ということを私どもいつも考えるわけでございますが、それを二つに分けて考えることができるとすれば、それは一つはお医者さんの持っておられる倫理の問題だと思います。もう一つは技術の問題だと思います。倫理の問題につきまして、今回の税制改正が医業の倫理を低める方向に働くんではないかというような御懸念もいまお話の中にあったわけでございますけれども、申し上げておりますように五二%の経費率というものが、現在大体青色申告のお医者さんの七割特例を適用しておられるようでございます。三割の方々は特例の適用がない。すなわち、七二%よりも経費がかかっておるということであります。そういう方々が比較的大規模のお医者さん、また科によって偏りがございますが、大規模のお医者さんに多いということであります。
 そういう方々が実際に現実にあり、また医療の技術水準が上がっていくとすると、だんだんだんだんそういう方に動くものであるということであるならば、だんだん実額の申告をなさる方がふえてくるであろうというふうに思いますけれども、ただ考えなければいけないのは、比較的中小規模のお医者さんの中で地域の診療に日常タッチしておられて、何人かの命と健康を預かっておられるということだと思いますが、そういう方々が実額申告をする余力がなくて、そういうことをやれば経費の計算なり収支の計算のために医療の本来の努力というものをやる時間がなくなってくると。それでは何と言いますか、地域の社会保険医療の公共性というものが十分達成されなくなると、そういうことで五千万以下の収入部分につきまして五七%、六二%、七二%と、いわば特例の特別控除を認めておるわけでございますから、そういうことの範囲の中でいま仰せのように倫理を傷つけるような税制の改正になるというふうには私どもは考えておらないわけであります。
 ただ、技術面につきましては日進月歩の医療機器の実情に即しまして、実額の申告をなさる医業の方々につきましては、青色申告者であれば今回医療機器の特別償却ということを導入いたしまして、機器の日進月歩の状況、それから非常に高度の、また高額の医療機器を取得しなければ診断の適実を期しがたいという場合に、それにこたえるための配慮を行っておるというふうに私どもは考えておるわけであります。
#166
○矢追秀彦君 いまの御答弁からもそうですし、また衆議院の大蔵委員会での主税局長の答弁を聞きましても青を大変推奨されておるわけです。これは私、決して反対するわけではございませんし、現実に青が多いところと白が多いところといろいろあるわけですが、仮に青色申告がどんどん今回の処置によってふえてきたと、そういたしますと、逆に、今回一千億ですか、増収を見込んでおられますが、そこまでいかなくなってしまう可能性もこれゼロじゃないわけです。そうすると、せっかくこれいじられたのがかえってマイナスになる。悪く考えますとね、この機会に全部青にしてしまえ。経費はうちは七二以上いっているんだ、全部八〇ぐらいだ。それは経費を落とそうと思えば、いろいろいま研究していますからね、皆さん。医師会でも歯科医師会でも、御承知のように青色申告会というのをつくりまして大変勉強されておりますし、また、経費の面ではいろいろやりようもありますし、何もごまかす意味じゃなくてですよ。そうしますと、これ一千億の増収は見込まれてこない。
 もう一つは、これも悪い考え方ですけれども、もう二千五百万までで保険の診療はやめてしまおう、あとは自由診療をやろう。特に歯科などは自由診療がやりやすいですから、こちらの方を先にどんどんふやせ、もう保険はこの辺でやめておこう、二千五百万以上は絶対もうからぬ、上がらぬ、保険の点数は締めてしまう、そういうふうな悪い方向というのも出ないでもない、こういうふうなことも考えられるわけですが、政府としては、大蔵省としてはそういうことを考えた上でもやはり青の方へ持っていった方がいいと、こういう考えですか。
#167
○政府委員(高橋元君) 先ほどの御答弁が十分正確でなかったかと思いますが、青色申告の方でも七二%の特例経費、今回改正をお願いいたしておりますが、改正後の特例経費というものを適用することはできるわけでございます。経費率がどんどん高くなってまいりますと、特例をいわば使わないで今度は実額の経費申告をするということになってくるかと思います。
 先ほども、たとえば経費の見方で、まだまだもっといままで申告してなかった経費があるんではないかということでありますが、それは青色申告、また実額による収支計算ということが税務申告の本来のたてまえでございますから、その経費の見方によってといいますか、実際ない経費をあるとするいうことではないんだと思いますから、御質問の趣旨は。経費の見方によって、特例適用よりも実額経費の方が有利であるということであれば、それは実額の収支計算におよりになるということは、税の立場としてはそれはしかるべきことであろうというふうに思います。
 医療の公共性に配意した今回の税制であるということを先ほど申し上げておりましたが、それは同時に、私どもといたしましては医の倫理に従って適正な内容の診療活動を各社会保険医の方々がなさる、そういう期待を前提といたしまして医療の公共性に対する特別な配慮としての五七%、六二%、七〇%、七二%という比較的低い社会保険収入についての経費率を見ておるわけでございますから、そこは二千五百万円でやめてしまうというようなことは起こり得ないというふうに私どもは期待しておるわけであります。
#168
○矢追秀彦君 私あんまりこれやりますと、おまえも歯科医師だからおまえ歯科医師会の味方と違うかなんて言われますので、マイナス面ばかり余り強調しますと誤解を受けますので、もう一つだけにいたしますけれども、たとえばこの特例が仮に成立をしたとした場合、七二%の段階以下の人はそれでいいとしても、それ以上の人になってくると、じゃこれから勉強するのもやめていこうかと、現在特に歯科、普通一般医もそうですが、歯科の場合はわりあいポストグラデュエートのいろんなレクチュアが大変はやっておりまして、開業医の先生方大変熱心に勉強されております。こういったことも数を減らしていこうかとか、そういうことになって、私が一番心配するのは、最終的には患者さんの方に悪い医療になってしまうことを大変恐れるわけです。だから、私はさっきから言いましたように、経費率というものももっと、各科によって違いますから、内科、歯科、小児科あるいは産婦人科、外科、こういったものの経費率、これを本当に科学的に実態をきちんと明らかにしていただく。また現在の青色申告の実態、白色の実態、これもなかなか出していただけないわけです。いわゆる青申が各科別によって何%ずつか、その中でいわゆる適用、特例を受けている人は何%か、なかなかまだデータとして出していただけないので、この辺もきちんとしていただく。
 それで、先ほど申し上げたように、いわゆる国民が本当に自分が保険料払っている、あるいは税金を払っているわけですから、それに見合った医療というものがきちんと施される、そのためにはこれだけの経費が要るんです。だからたとえ青色申告になったとしても、お医者さんについては公共性があるからこれだけの控除をしますと、こういうようなことぐらいはやはり国民にきちんと明らかにした上でなければ、私は今回のこの医師税制の改正については、片方においてはなまぬるいの、やれ骨抜きと言われ、片方においてはたまったものじゃない、そんならいい治療はできませんと、こう言われたのでは、結局ばかを見るのはだれかというと国民なんですよ。だから私は、まず実態をきちんと明らかにしてもらいたい。それがお医者さんに厳しくなるかならないか、これは出た上でないとわかりません。これは厳しくなったからといって、私は医師会や歯科医師会に何も文句言われる筋合いでも何でもありませんから、きちんとやっていただいて、いままでの七二%が間違っているならこれは是正すべきですし、五二%が正しければそれでぴしっとやっていただいたらそれで十分なわけですから、その点についていかがですか。
#169
○政府委員(高橋元君) 診療科目別に実際経費率にかなりばらつきがあるということは、会計検査院の昨年の決算報告の中でも明らかになっておるわけでございます。たびたび申し上げております税務資料によりましてもほぼ同様の傾向があるわけでございますが、科目ごとに法定の概算経費率を変えていく、そういうふうに芸を細かくしていくべきかどうかということにつきまして、四十九年度に税制調査会でいろいろ御審議をいただいた際にいろんな問題が提起されました。一つは、各科を併営、兼ねて経営しておられる、二つ以上の診療科を一人または二人のお医者さんがやっておられるという場合がかなりある。そういう場合に共通経費の割り掛けとか、いろんな問題があってなかなかお医者さんに概算経費率を、いろいろな収支計算の手間を省くという意味で、省いた手間でもって本来の診療活動をしていただくという意味で概算経費率を設けるわけでございますから、またその間で経費の割り掛け等でいろいろな複雑な計算をなさるのではかえって概算経費率を定める趣旨がないではないかということとか、概算経費率の性格からすれば各科を通じて平均で一本で設定した方がいいではないかという御議論の方が多数でありまして、いま申し上げておりますように、各科を通じて五二%という概算経費率が実態に近い経費率であるという形で、今回五千万円以上の社会保険診療収入部分について五二%という経費率をとったわけであります。
 いろいろ、会計検査院の資料でも税務資料でも詳細な内容がわかっておれば、それを公表して世の中に医師課税についていろいろな御意見があるわけでございますから、それを明らかにしていくことによって国民の納税者の皆さんの御納得を得るように努力すべきだという点はしかるべく承っておりますが、私どもがいままでやってまいりました税務資料からの推計と申しますのは、どうしても七二%という規定があるものでございますから、青色申告でやっておられる方、社会保険の診療報酬課税の特例、つまり七二%経費の特例を受けておられる方、そういう方々の資料に偏っておられるわけでございます。
 矢追委員から冒頭にもお話があったように記憶しておりますが、全体のお医者さんをあれいたしますと、三割または三分の一の方はこれは特例を適用しておられないわけでございます。したがって七二%よりもなお経費の高い方であります。全体をくるめて、全体を一本にしてのいろんな御意見というものもあるわけでございまして、私ども資料の制約の関係で、まあこれからもいろいろ勉強していきたいと思いますが、いまの段階でそれを公表申し上げるということはかえっていろんな弊害なり誤解のもとではないかという感じがいたしておるわけでございますが、なおこの点は今後とも検討をさしていただきたいというふうに思います。
#170
○矢追秀彦君 いま検査院の各科別のパーセンテージも私も知っておりますけれども、果たしてこれは実情に近いというのかどうかというのは私もちょっと――私どもは率直な感覚、データを持っておりませんのでこれは言えませんが、ちょっと違うのじゃないかなというような気もするわけで申し上げるわけですが。
 時間がありませんので次の問題に入ります。
 歯科の場合の差額の問題、大変議論されまして、この前から材料のみについての差額と、こういうふうに変わったわけですが、その点について簡単に説明してください。
#171
○説明員(山本治君) 現在、保険歯科医療において実施されております差額徴収制度につきましては、これは前歯部、前歯の鋳造歯冠修復、虫歯で穴のあいたところをもとどおりに治すときに、患者さんが金合金とか白金加金という貴金属の使用を希望された場合に、使用した貴金属の購入価格から保険給付の材料料を差し引いた金額を患者さんが直接医療機関に支払いまして、医療機関の方は控除しましたその保険給付の材料料と技術料とを保険者に請求するという取り扱いになっているわけでございます。
#172
○矢追秀彦君 税当局はこれに対する課税はどうされておりますか。
#173
○政府委員(高橋元君) その点は、現在の租税特別措置法二十六条の規定によりますと特例の適用外であろうかというふうに考えます。国税庁において執行の実態等をお答えをすべきであろうと思いますが、まあ七二%の特例の適用がない場合には実額という形で御申告を願っておるんだろうというふうに承知いたしております。
#174
○矢追秀彦君 これは大変議論のあるところでして、現在のシステムだとこれはもう材料代だけを患者さんが負担をされるということで、いわゆる歯科医師の方への収入としてはそれを入れることによるプラスはないわけですね。そういうことになっておるわけです。ところが、税の方はこれは別として課税をされてきているわけです。
 ということは、厚生省でせっかく決められたこの差額の大変厳しい範囲というか、これは守らなくちゃいけないわけです。それを税当局の方は何かこれを取っ払って、結局自由診療への道を開いてしまう、こういうふうなことになりかねないわけですから、これに関する課税というものは相当検討していただきたい。ただ、これを材料代以上に取っていればこれは問題ですよね。材料代以上にこれを取っていた、これは問題になるわけですけれども、そうでない場合はこれはやっぱり課税としてはちょっと検討の余地があるのではないかと思います。その点はいかがですか。
#175
○政府委員(高橋元君) これは執行面の問題が非常に大きいというふうに承知いたしますが、現在の租税特別措置法の二十六条の規定に照らしますと、これは健康保険なり各社会保険制度が書いてございまして、それによる診療報酬であるということになっております。それとの兼ね合いもございますが、実額経費のあり方について国税庁にもただいまのお話がありましたことを連絡いたしまして、よく勉強をしてもらいたいというふうに考えます。
#176
○矢追秀彦君 時間が大分参りましたので、私は今回この医師税制については国民から大変批判もありますから、私といたしましては将来何らかの形でこういった税制についてはメスを入れて、そうしてきちんとしたものにしなきゃならぬということはかねがね考えてもおりましたし、その点は、これについての検討することには異論はないわけですが、何かこの税制ができた経緯から考えまして、やはり医療制度をどうするか、医療のあり方はどうなのか、そして先ほど来いろいろ申し上げましたように、医療の公共性というものを考えた上でお医者さんの所得というのはどうあるべきなのか、また、それに伴う近代医学の発達による経費率というのはどうあるべきなのか、そういったことがまずきちんとした合意を得られた上で、国民も納得する、お医者さんも納得する、その上で科学的なデータに基づいて今回のこういったことが出てくれば問題はなかったと思うんですが、何か税の方だけ先に走りまして、そうして肝心の保険制度の抜本改正、これはもう三K赤字、この間予算委員会でも私ちょっと申し上げましたけれども、この三K赤字というのは日本の財政を大変狂わしておるわけですから、一番大事な保険の抜本的な改革は何ら手がつけられておりません。まあほとんどといって――手をつけられてないと思うんです。私たちは地域の保険も統合しなさい、最終的には保険は一本化すべきであるということをわれわれ公明党としては主張しておりますけれども、こういった保険制度のあり方も何ら詰められない、そのままにしておいて税だけいじる。だから、お医者さん側から言わせると、大蔵省は世論の非難が大変厳しいので、今回これを適当にいじくっておいて世論の非難を少しかわしておいて、そうして一般消費税を一日も早く導入させるためのいけにえにしたと、こんなことまで言うお医者さんも出てきておるわけでして、こういうふうなことになるとますます不信が不信を呼んでくるような形になって、私は大変遺憾に思うわけですけれども、要するに医療というのは、いま国民が大変関心もありますし、大変不信も高まっておりますので、これは大蔵大臣の管轄ではないかと思いますけれども、この税をつけると同時に、なぜそちらの方ができなかったのか、何か税だけ先行したと、こういう感じを受けるわけです。
 これで、じゃ国民が納得したらよろしいですよ。まだ国民不満なんですよ。それでもうお医者さんけしからぬと、まだもうけておると、ウイークデーゴルフ行っておるじゃないかと、外車乗り回しているのは医者やと、そんなことばっかり言うわけですよね。まあそういうことで、私は税金さえたくさん取れば国民は納得するものじゃないと思うんですね。もっと一番国民の願っているのは、安心してお医者さんにかかれる、いつでも病気になっても低額の医療費で病気が治ると、そうして健康で長生きできるということが私は一番国民が願っていると思うんです。そっちの方は余り手つけられないで、まあ非難が大変あるからちょっとこう適当にいじっておいて金取ってやれという、何かそんな感じしてならぬのですよ。その点はいかがですか、大蔵大臣。
#177
○国務大臣(金子一平君) いまお話のございました健康保険制度全体の改正の問題なり、あるいは診療にまつわる環境整備をもっと早くやるべきであるという御指摘は、私はまさにそのとおりであると思います。いま政府全体としてこの問題、特に厚生省が所管ということでいろいろ苦労をしていただいておりますけれども、なかなか御承知のような状況で進まないでおることを大変残念に思っておるんでございますが、それはそれとして、私どもとしましては、前々から課税問題だけが大きく取り上げられておりましたけれども、ただ、今回この程度の改正に踏み切りたいということで御提案申し上げておるわけでございますが、決してこの医師課税の制度全体が不公正だということで考えておるわけではございません。やはり課税の実際に当たっては、健康保険医の受け持たれる社会的な立場、公共的な立場を十分考慮しながら、その特殊性を課税にも反映したいということでやっておるわけでございます。今後、もとの方がだんだんと是正されまするならば、またそれとあわせて十分検討さしていただきたいと考えておる次第でございます。
#178
○矢追秀彦君 今後の問題としていろいろ言われております保険医一人でも法人化をするこれらの問題、あるいはまた、先ほど来申し上げておりましたような控除のあり方、要するに経費についてのきちんとした医療基礎控除というようなものをつくるというようなこと、いろんな要求等も出ておりますが、そういった基本的なものはこれからちゃんとやられるのかどうか、それをまずお答えください。
#179
○国務大臣(金子一平君) 医療法人に一人法人を認めるかどうか、これは医療法自体の問題でございまして、課税の面に当たってはそういう形態も認めるということであれば、当然私どもの方としてはその形式というか実態に即した課税をしていかざるを得ないと考えております。
#180
○矢追秀彦君 最後に、先ほどちょっと触れました三K赤字のことですが、この間も予算委員会で質問さしていただきましたが、昔は米、国鉄というのが大変大きくなっておりましたが、最近むしろ医療費の方が大変大きくなっておりまして、五十四年度でもたしか三兆三千億ぐらいあると思います。この問題ですが、今後の方向として、これはやはりやむを得ないという形でいくのか、要するに税金で補てんをするのか、もう一つは今度は患者さんに負担をさせる、保険料という形での負担でいくのか、この辺いろんな問題があると思うんですよね。財政はある程度カットしていかなければ、国債の大量発行という事態をこれから将来考えますと大変なことになるわけですから、やっぱりKという問題も出てくるかと思うんです。
  〔理事梶木又三君退席、委員長着席〕
だから私は、そういった点で保険の統合ということが理想的ではないかと思うんですが、なかなか現実問題としてはいろいろ各保険の団体等の言い分等がありましてうまくいかない、むずかしい点はあるかと思いますが、この三K赤字の一つである保険の赤字問題、それから保険料の負担の問題、それから医療の供給の問題、そして保険の財政ですね、今度の財政調整一つにしてもなかなかむずかしい、反対も強うございまして大変だとは思いますけれども、本当に本気になってこれやっていただかないと、ますますこのまま――これは前から言われているんでしょう、もう三K赤字叫ばれて久しいわけですから、こういった新しい時代を迎えて、もう二十一世紀までぼつぼつ近づいてきているんですから、早くやらないと大変なことになってしまう。結局、最後に泣くのはいつも国民なんですから、その点でひとつ大臣の所信を承って、質問を終わりたいと思います。
#181
○国務大臣(金子一平君) 前々からこの問題取り上げられてもう久しいことでございますけれども、問題がむずかしいだけになかなか厚生省としても結論を出すのが簡単にいかないような状況でございますけれども、私ども財政当局としましては、やはり患者負担の実態とそれから保険料負担の今日の実情の兼ね合いをどう見るか、正直言って保険料の負担が先進国に比べて安いことは事実でございますから、そこら辺をどう調整していくかということは今後のポイントであろうと思います。政府全体として、この問題の処理を一日も早く片づけられますように持っていきたいと考えておる次第でございます。
#182
○佐藤昭夫君 不公平税制の最たる問題として同僚委員からも発言がありましたが、少し角度を変えて、特に大企業優遇税制の問題について幾つかお尋ねをしたいと思います。
 いわゆる貸し倒れ引当金の繰入率の問題ですが、今回金融業以外の業種で現行の二割程度繰入率を引き下げるということとしていますが、こういう程度にとどめた理由はなんですか。
#183
○政府委員(高橋元君) 金融保険業につきましては、昭和三十九年に設けられました現行の貸し倒れ引当金への繰入率について、再々にわたって、四十七年、四十九年、五十年、五十二年と四回にわたって繰入率の引き下げをしてきたわけでございます。金融保険業以外の卸小売業、割賦販売業、製造業その他と、こういう事業につきまして三十九年来十五年間同じ繰入率になっておりました。それについて、実績との乖離が大きいというような問題もございまして、私どもも昨年でございますが、貸し倒れの繰入率を、貸し倒れ損の発生率というものについて実態の調査もいたしまして、貸し倒れの発生状況を勘案して、ただいまもお話しのありましたように二割程度に引き下げることにしたわけでございます。同時に、二割程度に引き下げました場合に、実績率の方があるいは繰入率よりも、貸し倒れ損の発生の多いところにつきましては、実績率を利用する方があるいはいいんではないかという企業もあろうかという問題もありましたので、実績率との選択適用ということを認める、そういう改正を行うわけであります。
#184
○佐藤昭夫君 実情に沿ったものにしたんだという御説明でありますが、依然実態とはかなり離れているんじゃないかというふうに私は思うのです。予算委員会に提出をされております貸し倒れ発生の状況の例の資料を見ましても、今回の是正措置があったとしても、なおかつ卸小売の関係では二・七倍、割賦販売業で三・四倍、製造業で六倍、金融業は引き下げなしで今回引き続き五倍、その他の関係で見ますと三・四倍という、こういう数字がその資料でも示されているわけですけれども、こういう状況では本当によく見直しをやったというふうに国民は納得できないと思うのですけれども、この点についてどうですか。
#185
○政府委員(高橋元君) 期末の貸し金残高に対する年度中の貸し倒れの発生額というものにつきまして、税務資料から取りまとめたものがいま佐藤委員のお持ちになっておられる資料の基礎になっておるわけであります。
 その数字は、いまお話のあったようなことでございますが、ただこれは総事業者に対する平均でございますから、したがって、仮に貸し倒れ損が発生したという業者だけを取り出しますと、それよりもかなり高い割合になるわけであります。
 それから、今回改正をしようといたしております法定繰入率の縮減を実施いたしました場合に、それではカバーできない貸し倒れ発生が生ずる、五十二年の貸し倒れ発生状況調査によって、貸し倒れ発生率が法定繰入率を上回ってしまうということになります企業が各業態を通じて一割ぐらいあるわけであります。平均の貸し倒れ損の発生率でもって繰入率を設定するかどうか、実績率によって平均値を求めて、それによって引当金の繰入率を直にそれによって決めるかどうかということでございますけれども、先ほど実績率の選択を認めるということにしたと申し上げましたけれども、繰入率を考えていく場合にはある程度のアローアンスというものが必要ではないかというふうに思いますので、直ちに実績値までさや寄せすることは必ずしも適当ではないのではないかという考え方をとっておるわけであります。
 なお、貸し倒れの引当金の繰入率を初めとして、こういう引当金への繰入率につきましては、今後とも見直しを実情に応じて行ってまいりたいというふうに考えております。
#186
○佐藤昭夫君 今後ともこの見直しはやっていくんだという御答弁でありますから、その御答弁はその限りで確認をいたしますけれども、しかし、実際に貸し倒れが発生をしておるここの部分だけを見て、こういう繰入率を全体で言うならば制度的にそれを適用していくというここの考え方について、私、依然として納得ができません。そうした点で、ぜひいま言われておりますように、今後実情に即して見直しをやっていくということで鋭意検討をしていただきたいというふうに思います。
 まあ蛇足になるかと思いますけれども、昭和四十六年八月の税制調査会の長期税制答申でも、その概算繰入率については常に実績をしんしゃくしつつ適正なものとすることが必要であるということをつとに指摘をしてきている問題でありますし、あるいは諸外国の実情を見ましても、昭和四十九年の税調の資料にも出されておりますが、アメリカでは合理的な範囲では認められる問題であるが、ただし、当該納税者の過去の経験値により証明される必要があるというふうに書かれていますし、イギリスやフランス、西ドイツ、こういうところでも個別の債権につき具体的に判定することが必要だというふうに書いているわけです。こうした点で、こういう諸外国の例もよく念頭に置いて、ぜひともこの貸し倒れ引当金の繰入率の問題については、実際に実情に即してやはり国民からの不信感が起こらないように十分な検討をやっていただきたいというふうに思います。
 退職給与引当金の関係ですけれども、これの縮減についてはどういう考え方ですか。
#187
○政府委員(高橋元君) 退職給与引当金でございますが、これは各所得期間を通ずる経費ないし負債の配賦の問題であろうと思います。現在の退職給与引当金は所得計算の合理的な仕組みということで、企業会計の原則ないしそれに基づきます各種の企業会計のルールにも即して設けられておるわけでございますから、直ちに企業優遇税制とは言えないんじゃないかというふうにたびたび申し上げております。私どもはそういう考え方を持っております。負債性引当金でございますから、当期に発生の原因があって、その支出が確実に起こってまいって、しかもそれが合理的に見積もられる、その金額が見積もられるという場合には引当金として負債計上をして同時に損金に立てる、これが企業会計のルールの言っておるところでございます。
 しかしながら、将来支払うべき退職金債務相当額まで引き当てるということをとっておりませんで、たしか昭和三十一年であったかと思いますが、それ以来退職金債務につきましては、利子率をもって割り引いて、平均の在職期間、将来の退職金債務の支払い日というものを考えまして、大体退職金の当期末、期末退職金を原価に割り引いて二分の一を引当金に繰り入れるということを認めておるわけでございます。したがって、退職給与引当金への繰入額の費用性を認めると同時に、これを負債性引当金として負債に計上するということ、これは合理的な所得計算の方法であろうと思いますけれども、税法上の繰入限度額につきましては、それを基礎としてもう一歩利子率で割り引きまして二分の一の原価を充てさせるということにしておりますので、この引当率については十分見直しが行われた結果であるというふうに考えておる次第であります。
#188
○佐藤昭夫君 いろいろ申されましたけれども、しかしどうもいまの御説明というのは、結果として大企業優遇を合理化をする、そういう理屈をいろいろ並べられたという感を深くせざるを得ぬわけです。これも何ですが、三十五年十二月の税制調査会の答申でも、退職給与引当金については将来支出することの多い金額をあたかも今日支給するかのように評価して積み立てることは適当ではないという見解を述べておること、御承知のとおりだと思うのですけれども、こういう引当金制度を制度化することによって、いわば大企業が利益を留保をして利潤を費用化する、これによって結果としては税金逃れをするということになっておるのはもう明白だと思うんです。これも予算委員会に提出をされておる資料による数字でありますが、二十八業種、二十八社で五十三年末に積み増しした引当金の額は実に千三百五十三億円、そのうち目的取り崩しをされたのはその半分の六百三十八億円、期末残高が実に七千八百九十三億円という額に上っていると思うんです。
 会計原則やあるいは経理上の問題は別としても、こういう結果として利益隠しや課税逃れの結果となるこういう問題について、やはりいま国民的な疑問が大きく出てきているんじゃないか。ですからこの問題についても、ぜひ、最初触れました貸し倒れ引当金繰入率の今後とも実態に見合った検討の問題と同様の見地から、この問題についても検討をする必要があるんじゃないかというふうに強く思うんですけれども、その点どうですか。
#189
○政府委員(高橋元君) 比較的中小規模と申しますか、事業規模の小さい、また従業員数の少ない企業につきましては、退職金規程がつくられていないとか、退職給与の支払いがないという企業がかなりあるようでございます。そういうものを除きまして小さい企業というものを出してみますと、大体退職給与を支払うというのが全体の百人未満の企業の場合には二割ぐらいかというふうに考えられますが、その二割の中で外部拠出、つまり中退共の掛金なりそれから適格退職年金なり、そういう形で外部拠出をしておるという事例がかなりございます。そういう場合には費用性が見られるけれども、社内に退職給与引当金として、負債性の引当金として計上する場合には、これは費用性がないというふうに考えるのは、これはまたいかがなものかというふうに考えるわけであります。法人税法のたしか二十二条であろうかと思いますが、企業会計の慣行、適正な企業会計のルールに従って計算をした確定決算に基づいて法人税の申告をするというのが法人税制度の本来でありますから、退職給与引当金についてもいろいろ御批判はありますけれども、退職時にそれでは退職給与を支払った場合にはそれは損金に、その二分の一は引当金を取り崩しますから損金にならないということでございますから、したがって、退職給与を支払う債務が当期に発生した場合には、その分はたとえば配当原資からも除き、会社の純資産からも除き、固定負債として計上をするということに相応な理由があるというふうに思います。中小企業の場合に退職給与引当金の利用率が低いということは、先ほどの繰り返しになりますけれども、外部拠出、たとえば中退共の掛金制度を利用するとか、適格年金制度を利用するという形で退職給与の引き当てが行われておるわけでございますから、特に大企業だけが非常に高いということにはならないのではないかと思います。退職給与引当金の利用会社数は十万二千件でございますけれども、中退共に加入しておられる事業者は二十八万九千件でございますから、したがって三倍ぐらいの方が外部拠出を利用しておられるということであろうかというふうに考えております。
#190
○佐藤昭夫君 しかし、いまの御説明ですけれども、退職給与引当金を制度的に利用していく場合に、やはりそれに伴っての税制上の優遇が行われるわけですね。当局からいただいた資料ですけれども、会社数にしますと、十億円以上の企業は十億円未満の企業と対比をしてみて、十億円以上の資本金の企業というのが一・七四%、ですから会社数にして一・七四%の大企業がある。この退職給与引当金の残高面で言いますと、六八・三%残高面で比重を占めておるということで、いかにこれが大企業の税優遇の一つの根拠になるかということがこの数字からも歴然としていると思うんです。これ大臣どうですか。
 四十九年の税調の答申でこれも触れているわけですけれども、アメリカ、イギリス、カナダ、こういうところでは会計上はこの引当金というものを計上している、しかし税制上のそのことによって優遇はとらないという形になっていると思うんです。同じ私どもの主張も、何も資本主義体制、資本主義経済、資本主義経営、これを何も頭から否定しているわけではない。しかし、これだけ重税負担によって国民が強い生活苦を強いられておる状況のもとで、大企業優遇に片寄っている点については是正すべきではないかというのが今日国民の声であるし、私もその立場からずっと一貫して主張をしているわけですけれども、同じそういう資本主義国のアメリカ、イギリス、カナダ、ここの例と対比してわが国の場合、このやり方というのはもう一遍見直しをやってみる必要があるというふうにお考えになりませんか。
#191
○国務大臣(金子一平君) まあなかなか厄介な問題もあるようでございまするけれども、各国の立法例もいろいろあるようでございますから、私は次の機会に十分そこら辺を税制調査会で検討してもらうように努力いたします。
#192
○佐藤昭夫君 もう一つの問題は、いわゆるこの法人税の仕組みそのものに関する問題でありますけれども、実は先日の予算委員会でわが党の神谷議員が総括質問の際に、資料としてもあの席上提示をした問題でありますけれども、今日大企業に対するさまざまな特権的な減免税がやられておるということで、昭和五十二年度についていろいろ私ども専門家の協力を得て計算をしてみたわけですけれども、国税、地方税を合わせますと、トヨタ自工、この減免税が二百八十八億、三菱商事百七十八億、日立製作百五十七億、東京電力百五十四億、九州電力百二十六億等々、二十社だけをとりましても法人税で千四百四十九億円、地方税で四百九十九億円、合計千九百四十八億円の二十社だけで減免税が行われておるという、こういう実態をこのまま放置をしたままで一般消費税の導入ということを政府がどんなに強調されようとも、これは国民として納得ができない問題だろうと思うんです。
 そこで、実は五十二年十月の、よく税制調査会の答申を引き合いに出しますけれども、この五十二年の税制調査会の答申でも、法人税について負担の増加を求める余地があるというふうにあの答申に記述をしていると思います。このことはもうよく御承知のことと思いますけれども、ところがそれ以降、この税制調査会と同時に、これと表裏の関係での政府の税問題についての作業は、もっぱらもう一般消費税の導入の理屈づけ、このキャンペーン、ここにもう一切の力ががあっと傾斜してきたという形になっているんじゃないか。
 五十二年十月の税調答申でいま言ったようなそういう答申がなされながら、税制調査会としても政府としても、しからばこの法人税の負担増を求める方策を具体的にどういうふうにやっていくのかということが何ら力を込めて検討されたというふうにはどうしても思えない。こうした点で一体この問題についてどう考えておるのか、これからどうするのか、この点についてお尋ねしたいと思います。
#193
○政府委員(高橋元君) 中期答申の中で法人税の実効税率が諸外国と比べてほぼ同じ水準だけどもやや低い。したがって、適当な機会をとらえてその負担を引き上げていくべきであろうということを言っておるのは事実でございます。そのほかに各税目につきまして、こういう財政の状況のもとでございますから、既存の税制の見直しで歳入の強化を図るという方法がないかということをさまざま検討をした結果がただいまお話のありました中期答申であります。
 その後、一般消費税ばかり勉強しておってほかの問題はさっぱりやってないでないかということでございます。それはそうでございませんで、ここにあります各税目についての見直しの基本的な方向を受けて、各年度の税制改正について税制調査会でも御審議をいただき、政府といたしましてもそれに対して具体案をいろいろ出しておるわけでございまして、租税特別措置の縮減ということにつきましても、いろいろ御批判があるのは、まあそのとおりでございますけれども、本年度非常な努力を重ねた結果、法人税を平年度ベースで二千百八十億円、それから価格変動準備金が今後段階的に整理していくことによる増収があと二千百三十億円ございますから、五十四年度の税制改正で法人税について平年度ベースで四千三百億円という増収となっておるわけでございます。これは法人税率に直しますと約二・四%ぐらいに当たると思います。
 それは、租税特別措置の整理合理化ということが法人の企業の税負担としてあらわれてくる側面をとらえていま御説明を申し上げたわけでございますが、それ以外にも、たとえば引当金の繰入率につきまして本年度貸し倒れ引当金の繰入率を縮減する等のことをやっておるわけでございます。そういう意味で、企業に対する税負担の引き上げをなおざりにして国民一般に税負担の引き上げを迫る一般消費税の勉強ばかりしておると、こういう御批判は当を得ないのではないかと失礼ながら考えておるわけでございますので、御理解をぜひお願いをいたしたいと思います。
 それから、企業の、法人のたとえば受取配当の益金不算入でございますとか、配当を受け取った人の配当控除でございますとか、配当軽課税率でございますとか、こういうものはいろいろ組み合わさりまして法人税と所得税の、つまり法人企業形態をとりました場合の所得、個人企業形態をとりました場合のその所得、それに対する税負担の調整を図るための基本的な仕組みであるということはかねがね申しておるとおりでございまして、これにつきまして全部が大企業優遇の特権的な税制、特権的な免税というふうに考えられないと思います。引当金につきましても、企業規模のいかんを問わず、所得のあるなしを問わず、青白の区分を問わず、引当金の計上ということは可能なわけでございましょうし、商法なり企業会計の原則からいたしますと、むしろ引当金を計上する場合には引当金をとらなければならないというふうに解されるべき面、そういう解される面もございます。したがいまして、引当金も含めて、それからそういう法人、個人の二重課税の調整にかかる分も含めて大企業に対する特権的減免措置という仰せのありますのは私どもとしてはさようになかなか考えにくいわけでございますが、全体といたしまして国民に税負担の増加をお願いする状況下でありますから、各税を通じて既存の税制についての見直しという面では極力行ってまいりたいというふうに考えます。
#194
○佐藤昭夫君 いろいろ申されましたけれども、しかし、この五十四年度税制に向けて実際にやりましたというのは、みずからもいま言われたように、この租税特別措置の一部見直しとか、あるいはこの引当金の繰入率の見直しとか、この程度にとどまっておる。私も先ほども言っておる法人税の仕組みそのものの、これに対するメスを入れたという形にはどこを探したって出てないじゃないですか。しかも引当金については、これは中小企業にも役立っているんですと言うんですけれども、さっき一つの実例で挙げましたけれども、しかし額の面で圧倒的部分が大企業優遇、大企業の税制面での優遇にこれが役立っているということはもう数字的に歴然としておるわけだし、ぜひともこの問題、この一般消費税を口にされるのであれば、まずそれに先立ってこの問題について少なくとも直ちに一定の検討に入って、その問題とあわせて本当にこの税制の不公平を是正をするために努力をやりましたという姿が国民にわかる形で出てこなくちゃいかぬというふうに思うんですが、大臣どうですか。
#195
○国務大臣(金子一平君) 法人と個人の課税上の仕組みをどうするかという問題は古くて新しい問題でございまして、前々からいろいろ政府税調でも部内でも取り上げられて検討を続けてきておるわけでございまして、これはまあ各国でも同じようなことを議論しながらやっておるわけでございますけれども、やはり税制の根幹に関する問題でございますから、簡単にばっさりそれじゃもう受取配当益金不算入をやめろよとか言うわけにはいきません。この問題はさらに検討を続けなきゃいかぬ問題だと考えております。
 それから、その他のいろんな特別措置につきましては、先ほど主税局長からもるる御説明申し上げておりますように、何といっても長く続けてきた制度を一遍に白紙に戻すというのはよくよくの事情がなければできないことでありまして、まあ現実に即して漸を追って制度改正をやっておるわけでございまして、いま佐藤さんからお話のございました貸し倒れ引当金や価格変動準備金の整理にいたしましても、交際費課税の強化にいたしましても、もうこれだけで二千百八十億、法人の税の税率に直せば一・二%ぐらいになると。これは事実上もうこの方の整理でそれだけ税率が上がっておるわけでございまして、さらにこれに先ほど話の出ておりました価格変動準備金を……
#196
○佐藤昭夫君 それ以上になおもうけておるんです。
#197
○国務大臣(金子一平君) やりましたら、さらに〇・二%ぐらいということになっておって、ことしの特別措置の改正は、私は相当最近にはない思い切った前進であると考えておるのでございますが、なお一般消費税の導入というような問題もございますから、今後さらに全般的に見直し、検討すべきものは検討して改正案を御審議いただくように持っていきたいと、こう考えます。
#198
○佐藤昭夫君 今後とも検討するということでありますけれども、さっきまとめのときに大臣が言われた、ことしはようやりましたと思ってくださいというこの言い方というのは、これはもうどないにも納得できるものではありません。
 まあしかし、この問題だけやっておるわけにはまいりませんので、次に土地税制の問題についてお尋ねをいたします。
 今回の改正で、いわゆる優良な宅地の供給に限定をしているんだといううたい文句でありますが、しかし実際には、市街化調整区域のみならず、未線引きの区域にまで広くそれが対象になっていくということで、現行の四分の三総合課税方式を二分の一総合課税方式に緩和をすることになるわけです。で、土地というきわめて公共性の高い物件の譲渡所得について著しく税負担の不公平が再び起こるんじゃないかというふうに思うんであります。
 そこで、まず第一にお尋ねしたいのは、五十一年度に税制改正で二千万円以上が本則に重課されると、四分の三総合課税という方式になったわけですけれども、この四分の三の根拠は一体何だったですか。
#199
○政府委員(高橋元君) いろいろな面から長期の譲渡所得の課税について議論が行われておるわけであります。
 一般の譲渡所得というのは二分の一課税でございます。二分の一総合課税でございます、長期譲渡の場合ですね。それが土地の場合に二分の一のいわゆる所得税法本則の譲渡所得課税が適用しがたいというふうに考えました理由が幾つかございますが、その一番主なものは、四十五年から行われておりました現行の土地税制の前の土地税制というものが、土地の供給促進を土地譲渡益に対する軽課によって達成しようという方針をとってきたわけでございます。
 御承知でもございましょうが、一〇%、一五%、二〇%という単純比例税率にいたしましてすべて分離をいたしまして、二年ごとに税率を引き上げるという形で供給の促進を図ってまいりました。これは供給の促進といたしましては相当に効果は上げてきたわけでございます。
 その反面で土地成金が、これは税制のせいと申しまするよりは当時の土地ブームのせいであったかと思いますが、土地成金が続出して、その人たちの納める比例税率による土地譲渡所得の課税の税率が非常に安い。そこは税負担の公平を欠くんではないかという指摘が多うございました。
 また一面で考えてみますと、土地の譲渡所得というのは、長期に持っておりました財産を売りまして一時に実現してくる。かつ、それが相当大きなロットでございますからその額が大きい。そういう意味で通常の二分の二と申しますか、そのフルの総合課税を受けるのは適当でないという考え方もあります反面で、これは社会開発の利益というものを受けて土地の値段は上がるわけですから、土地の譲渡所得については全額、極端な場合には一〇〇%課税していいではないかという議論もあったわけでございます。
 そういうことを五十年の税制改正をいたします際にいろいろ広く議論をしていただきまして、結局二分の一の本則課税によるものにつきましては、土地というものについて国民が持っております特別の感情と申しますか、社会開発に対する利益の還元というような観点も入れての特別の感情でございますが、そういうものも考慮いたしまして、二千万円までは二〇%比例税率にし、それ以上は四分の三総合課税にするという考え方をとったわけであります。
 長期譲渡と申しますのは、土地の場合には昭和四十三年十二月三十一日以前から持っておりました土地でございますから、ただいまでございますればおおむね十年以上の少なくとも時間は経過しておるわけでございます。そういう長期間に実現してまいった所得の中には、確かに通常の財産の長期譲渡と同じような性質を持つ部分も全くないとは言えませんし、一方で土地というものの値上がりは、たとえば骨とう品とかそういう古い物、単純に昔から持っておる物の処分による利益というものと同一視もできない、そこが四分の三という総合税率を設定した理由でございます。
#200
○佐藤昭夫君 やはりただいまの説明でも、かつての税制改正四分の三総合課税を採用したこの根拠の重要な一つに地価の高騰、土地成金、こういうものに対する国民感情、これを考慮をしてこういう税制改正もやったんだという御説明をされたわけですけれども、その精神、その立場に立ってみて、今日、別に土地成金が以来ずいぶん適正化をされてぐっと激減をしてきているとか、あるいは地価高騰がおさまっているという状況でさらさらないと思うんです。さっきも同僚委員の発言の中にも出ておったと思うんですけれども。
 ところで、今回の改正によって一体大規模土地所有者の税負担がどれくらい変わるかということで、これは私も資料要求をしたわけでありますけれども、それを見ますと、課税所得が優良宅地の造成等のために譲渡した長期譲渡所得のみの場合という、こういう仮定計算でありますけれども、三千万円の層が現行七百四十六万円の税負担が五百八十万円、ですからいわゆる軽減率は二二・三%、四千万円の層でいきますと軽減率三二・六%、五千万円の層が三四・八%軽減率、一億円の層は軽減率三七・三%ということで、これは政府側の方で試算をしていただいた数字ですけれども、やっぱりこの数字からも歴然といたしますように、明らかに大規模土地所有者の土地譲渡所得に対する税負担が累進的に軽減をされるという形になっているということはもう歴然としている。そうした場合に、さっきも言明をされた国民の感情に立って、どうやってそういう不正常の姿を税制面でできる限りの措置をやるかという、この精神にまさに逆行する措置ではないかというふうに私思うんですけれども、その点はどうですか。
#201
○政府委員(高橋元君) 土地の長期譲渡というものがどういう位置づけを持っておるかということでございますが、先ほど御説明申し上げませんでしたが、昭和四十四年一月以降取得した土地を売却しました場合には、総合の場合の一一〇%という税率を設けています。それから法人の土地重価、やはり同じ四十四年以降に取得した土地につきましては、特定の場合を除きまして法人税のほかに二〇%の所得課税を行うという制度もございます。そういう短期重価、法人の土地重価という制度を残し、かつ四分の三という総合税率を原則として維持をする、そこの大もとは変えてないわけであります。
 で、昨年、一昨年、二年にわたって全国の土地の譲渡につきまして課税資料をとって私ども詳細に検討をいたしました。そういたしますと、土地の譲渡の中で二千万円までの比例税率部分――二〇%部分、そこで土地を売っておられる方が全体の九割ある。そういう状況は四十九年、五十年、五十一年、五十二年と変わっておりません。
 ということは、比例税率の範囲で、つまり二〇%の税率以上の四分の三総合の適用になるならば細切れにして土地を売ってしまうという傾向が出ているんではないかと。そういうことを考えますと、やはり政策的に供給の促進を図ることが必要な、一つは公的目的の土地取得、もう一つは土地の態様からいたしまして優良な住宅地になるべき土地の取得、そういうものに対しては、そういう取得のためになされる供給につきましては限定的に、投機的な取引を一切排除して、それについては重価するという基本的な枠は守り、かつ四分の三総合というのを一般的に残しまして、長期譲渡についてだけ一定の税負担の軽減をやるということが必要であり適当であるという考え方に立って、ただいまの御提案をいたしておるわけでございます。
 土地の税負担が、大規模になればなるほど下がっていくではないかということでございますが、これは五十一年でございますか、たしか東京都新財源構想研究会がグラフを出されまして、五十年分の所得税は二千四百万のところを頂点にして税負担率が下がっていく。これは累進を生命としておる所得税にとって非常におかしいんではないかという指摘がありました。それは、五十二年につきましては累進的な構造をそのまま保っております。今回の優良住宅地の供給をやって、そのために二分の一、四千万円まで二〇%という税負担が適用されたというふうに仮定いたしました場合でも、申告所得税の累進性というものは失われないということでございます。たとえば、八千万の方にとっては四二・八%という税負担率は保たれるということでございます。
#202
○佐藤昭夫君 私が言っていましたのは、税負担率が大規模所有者ほど、税負担率の軽減率が大規模土地所有者ほど一層大きな軽減率になっていくという形になっているんじゃないかということを指摘をしているわけですけれども、まあそれに対しての御説明としては、それが何がしかの宅地供給促進に役立つでありましょうということでありますが、これ、先ほどの矢追委員の質問に対する国土庁の方でしたか、答弁でも、いや、それはなかなか数字をもっては示しがたいんですという話なんですけれども、本当に宅地供給促進の問題であれば、私、もっと根本問題があるだろうと。今日、大手の不動産業者が保有をしておる膨大な土地、これをどうやって本当に国民の立場に立って有効に利用をしていくか、それを放出をさせるかということが何といったって先決だろうと思うんです。
 で、これ建設省からこういう印刷物が出ていますけれども、昨年の十一月に発表した「不動産業実態調査結果報告」というこの報告書が出ているわけですけれども、ここで不動産業者が保有をしておる販売用土地は全国で約十六万ヘクタール、三大都市圏だけで四万ヘクタールあると、しかもその中のかなりの部分が転売を目的として、未利用、未着手のまま放置されていることがこの報告書の中でも記載をされているわけです。
 一方、建設省の第三期住宅建設五カ年計画によりますと、五カ年間で今後全国で六万六千ヘクタール、三大都市圏で四万四千ヘクタールの宅地供給が必要だというふうになっているわけですけれども、こうなりますと、かなりの部分は今日未利用のまま不動産業者が抱え込んでいる土地を、これを有効に使うことによって相当の部分を供給することができるという数字の関係になると思うんです。
 ところで例の国土利用計画法、昭和四十九年に制定されましたけれども、この法律では、取得して三年たって本来の用途に充てられていない場合には、遊休土地の指定を行って適切な利用を勧告することができる、こういう法文上の規定が明確にあるわけですけれども、ところがこの四十九年、この計画法が施行後、そういう措置がとられたという例を私、耳にしたことがありません。こうした点で、政府みずからの調査によっても、先ほど申しましたような明らかな問題でありますし、まあいわばもっぱら転売の目的でということは明らかに、何が目指されているかということは明らかだと思いますけれども、そういう転売の目的で大量の土地を未利用のまま抱え込んでいる。この実態に対して、本当に宅地供給の促進のためにというのであれば、この問題をこそ、この計画法の規定も運用をして、法律に基づく勧告など適正な措置をしっかりとるということが今日必要じゃないか、このことこそ大事でないかというふうに思うんですけれども、どうですか。
#203
○説明員(佐藤和男君) お答えいたします。
 お尋ねの国土利用計画法のいわゆる遊休土地制度でございますか、先生いまほどおっしゃいましたように、この法律の二十八条以下において定めてございます。このいわゆる本則、遊休地の制度は現在では法律の第二十三条の規定によりまして届け出をされた土地に関して、したがって市街化区域でございますと二千平米以上という一定規模の土地でございます。この届け出された土地が取得後三年経過しても未利用の状態にある。したがいまして、法律の施行が四十九年十二月でございますので、実際上この規定が現実に動きましたのは五十年の初頭からでございます。かつ、そのような三年間の未利用な状態にあって、そういう土地に関して都道府県知事が特にこれは利用促進をしなければならないという土地に関してこの規定が動くわけでございます。
 もう一つ、国土利用計画法におきましては、その附則におきまして、法律の施行の際に昭和四十四年一月一日以降取得した土地に関してやや類地の遊休土地制度を設けてございまして、これは法律の施行後二年間に所要の措置をとるようにという規定でございましたので、私どもといたしましては、都道府県知事を督励いたしまして、五十一年の末に遊休土地制度の指定を全国で八百二十九ヘクタールに関して行ってございます。こちらの方は、その後法律の規定に基づいて利用計画等が出てまいりまして、一部については公共用地としての買い上げを行ってございます。
 したがいまして、お尋ねの国土利用計画法の本則の規定に関しましてはいまほど申したようなことでございますが、建設省の方の不動産業実態調査報告自体は、このいまほどおっしゃいました数値はその取得の時期が明らかにされてございます。したがって四十四年前か、ないしは国土法施行後のものかどうかというのはつまびらかではございませんが、私どもの方で企業の土地調査という形でやや類地の調査をしておりますことから推測しますと、四十九年以降の取得土地というのは余り多くございません。
 それからもう一つ問題なのは、このような十六万ヘクタールと、こうおっしゃいました販売土地の所在の問題でございます。これはこの調査結果にも一部載っておりますように、市街化区域に布存するものは余り多くない。たとえばこの調査では二万七千ヘクタール、一七%というような……
#204
○佐藤昭夫君 それでどうするのですか。私の質問しておることに対しては。
#205
○説明員(佐藤和男君) そういう事情でございますので、私どもといたしましては国土利用計画法の届け出に当たった事案に関しましては、常時都道府県知事がその後の利用目的に従った調査をしているかどうかというのを調査してございまして、それによりますと、現在までのところ本法の規定に基づく遊休地の指定を行うべき事案には当たっていないというのが現在までの調査報告でございます。今後、国土法に関しましては当然のことながら、現在行っております実態調査は常時継続いたしまして、必要な場合に所要の適切な措置をとるということは十分今後とも努めてまいる所存でございます。
#206
○佐藤昭夫君 いろいろ長い答弁をされましたけれども、とても納得できません。
 第一、この実態調査についてその取得をされておる土地がどの年度から取得をされたのか、それもよくわかりません。しかし、そんなこと言ったって実際一つ一つ調べるときにはそのことはわかっているはずですよ。そんな論法が、こういう形で政府で責任を持った調査報告書がこれが報告として出されるこの中で、そんな言い逃れというのは許されないと思うんです。しかも前段では、いわば知事がしっかりせぬから悪いのだというような、そこに何か責任転嫁をするような言い方もされておる。私は納得できません。次回、二十九日に最終質問の機会もありますし、特にこの土地政策の問題は政府としてもかなり重要な問題だということをみずからも言ってきた。こういうことで、もう一回総理出席の場で、本当に今日膨大な土地が遊休土地として放置をされておる。見たらわかるんですよ、国民は、何やかやと理屈つけようとも、国民は現に目の前で見ているんですから。この問題を一体どうするのか、せっかく国土利用計画法という法律のある、ここを運用すればいろいろ有効な手が打てるじゃないかというのはみんな国民は思っている。このことについて一体政府はどうするのかということを二十九日もう一遍聞きますから、大蔵大臣も総理によく伝えてもらって、積極的な答弁がしてもらえるように相談をしておいてください。
 時間がありませんから次の問題へ進みます。
 医師税制の問題でありますが、まあ衆議院の大蔵委員会でも医師税制の合理的なあり方についていろいろな議論が行われ、衆議院論議の最終段階で大臣、総理としても今後も適宜必要な見直しをやってまいりますと、こういう答弁もなされましたし、今後の改善方向についての附帯決議も衆議院の委員会で行われたということになっておりますが、わが党としては、御存じと思いますけれども、さきに三月の二日に開業医税制の是正を含む医療制度全体の改革についての幾つかの提言的政策を発表してまいりましたけれども、その中で、いわゆる診療報酬の改善の問題とあわせて、問題の開業医税制については次の三つの観点が必要だろうということを提言をしております。
 一つは、必要経費の算定方法をいわゆる概算控除方式、こういうやり方ではなくて実額経費を控除するという方式に改めるべきだ。
 二番目には、医師個人の所得と医療経営の所得とを区分をして、個人の所得については一般の勤労者並みの課税方式、これと同様の課税をやっていく。
 三つ目には、医療経営に対する課税のやり方としては、一つはその医療の公共性を確保をしていく、同時に、今日開業医の人たちも含めて地域医療にもっと積極的、意欲的に取り組めるような、そういう立場から、医療経営の課税のやり方としては一定の軽減措置を行う必要があるだろうという、三つの立場で提言をしているわけでありますけれども、そうした点で幾つか御質問いたしたいと思います。
 で、さっきも必要経費率をどう見るのかということでの質問も出ておりましたけれども、今回政府提案の五段階案というのは、言ってみればお医者さんの収入がふえればふえるほどそれに相比例をして必要経費率は高くなっていくんですというのが今度の五段階方式の考え方になっていると思うんですけれども、果たして実際はそうなんだろうかどうか、これは保険医関係の団体の方々からも数字をもとにした意見が出されておるのはもう当局御存じだと思いますけれども、収入がふえますと、規模が大きくなりますと必要経費率は一たんは少なくなるけれども、しかし、大体五千万円以上になっていきますとまた逆カーブになって必要経費率はふえていく。というのは、大きな規模の病院になりますといろいろな人員の面でも設備の面でも、それにふさわしい体制をとらなくちゃならぬ、それがまたいわば医院としての社会的責務にもなってくるということから出されておる問題ですけれども、現にこの一億円以上の医療機関について見ますと、六三・五%が青色を採用している、四三・二%が二十六条方式を使ってないと、こういう点で、いわば現行の七二%、これでも実際の必要経費の実情に合うてないんだというのが、この数字にも一つの反映が出ていると思うんです。こうした点で、今度のこの五段階方式の考え方をめぐって、これが実態に合うているというふうに考えておられるのかどうか、この点まずお尋ねをしたい。
#207
○政府委員(高橋元君) 医業の、社会保険診療報酬の収入が多ければ多いほど規模の利益が働いて経費が逓減的になると、それをこういう今度の概算経費率の五段階の組み合わせで、それに即した概算経費率にしたのかという趣旨の御質問かと思いますが、私どもはそう思っておりません。先ほどもほかの委員にお答えを申し上げておったことでございますが、私どもは五二%の経費率というものが実績にきわめて近いものだというふうに思っておりますが、収入の少ない方、収入の多い方、両端では経費率がむしろ高くなるという傾向にある、そういうことをはっきり認識した上で御提案をしているわけであります。
 と申しますのは、五千万円以上の社会保険診療報酬の部分につきましては実額に近い五二%の概算経費率にいたしますと、これが今回の御提案の基本であります。ただし、地域の診療に、大都市といえ僻地といえ、それぞれ従事しておられる、そういった社会保険医の日夜を分かたない公共性に対する配慮として、四千万から五千万の部分については五七%、それから三千万から四千万の部分については六二%、二千五百万から三千万の部分については七〇%、二千五百万までは七二%と、いわば特例経費を認めるという組み合わせをしておるわけであります。こういう形で社会保険診療報酬の収入のある、つまり社会保険医として活動しておられるそういった医業の方々の公共性についての配慮と、実額に近い概算経費率の法定と、この二つの組み合わせをしたと、そういうふうに考えておりまして、決してその経費が累退していくと申しますか、収入の増加に応じて所得率が上がっていくという形を考えてこういう概算経費率を設けているわけではないのでございます。
#208
○佐藤昭夫君 わかりました。
 そうすると、今回の考え方というのは、そういう収入がふえればふえるほど経費率が低下をしていくという、そういう単純な考え方をとったのではないと、五二%をいわばこの経費率の最低として保障をして、収入が低いお医者さんについては公共性を保障するためにさらに特別措置を講ずると、こういう考え方なんだということでありますけれども、その根拠というのが、先ほど来言われておる会計検査院の五二%という、これがよりどころで出てきておるということなんですね。
 そうしますと、実はこの会計検査院の五二%というのは、私もいろいろ調べてみたんですけれども、収入一千万円以上のお医者さん五千三百七十二人、そのうちで経費が七二%未満の人三千八百十九人、この中で収支が明らかな者千六百九十六人、これを選び出して、ここの平均をとって五二%と、こういう算定がやられておるわけです。そうしますと、結局収入一千万円以上の人の七一%、このさらに四四%、ですから結局三割程度をもってこれが平均値だと、こういう実は会計検査院の計算のやり方になっている。こういう点で、これが本当に合理的科学的な検査院の数字のはじき方だというふうに私は決して言えぬと思うんです。
 問題は、お医者さんを、さっきからお話出ていますように、五段階とはいえ一定のゾーンを一律の数字でくくってしまうと、こういうやり方というのは、その中にはお医者さんの経営についてはさまざまあるわけですから、当然そのことに伴ってのいろんな不満がわんさと出てくる。同時に国民にとっても何かもう一つすっきりしない。こういう状況がいま今回のこの政府提案をめぐっていろいろ出ているという問題だと思うんです。お医者さんも不満があるし国民もすっきりしない。一番すっきりさせようと思えばこういうやり方じゃないですか。本当に実際に支出をせられた必要経費、これをもとにしてそれを控除をすると、このやり方で税を適用をしていくというこういうやり方がなぜとれないのか。
 そうなると、いろいろ税の計算実務が複雑になってお医者さんが御迷惑をされるだろうからということが次の答えとして出てくるかと思いますけれども、これはいろいろやり方の工夫はあると思うんですよ。必要経費の中の大きな部分を占める、たとえば人件費だとか薬剤費だとか検査料だとか、あるいは備品の関係の減価償却だとか、こういうものは実額計上をすると、あとのものについては概算計算で出すというやり方をやれば、ずいぶん簡便な方法で、しかしほぼ実際に支出をした実額に近い必要経費を割り出せると、これをもとにして税制を適用をしていくと、こういうやり方というのはやろうと思えばやれることじゃないか、ぜひともこの方向を検討すべきじゃないかというふうに思いますが、どうですか。
#209
○政府委員(高橋元君) 会計検査院の検査の対象になりましたのが所得一千万円以上の五千三百七十二人という方であることはそのとおりでございます。ただ、私どもが五二%の経費率を概算経費率として実態にきわめて近いものというふうに申し上げておりますのは、決して会計検査院の資料だけをよりどころにしておるわけじゃございませんで、先ほどもお答え申し上げておりましたように、税務資料から、いろいろの階層を通じて、各科を通じて、これは七二%の特例を適用しておられる医業の方々だけを取り出して推計をしてみますと、やはり五二というのが実態の概算経費率である、そういう考え方でやっておるわけでございます。
 で、社会保険の診療報酬の七二%の特例、今回改められまして五段階の特例ということになるわけでございますが、そういうものは、適用するかしないかはもちろん御本人の選択でございますから、先ほども委員からお話のございましたように、比較的収入が大きくて経営の規模の大きい方は、概して言えば七二%の特例適用をしておられない、青色申告の方でも三割の方は特例適用をしておられないわけでございます。そういう平均が五二であるから個々のお医者さんが全部五二であるということにはならないので、そこはやはり分散というものがございますけれども、その中をどう処理していくかということを考えました際に、私どもは社会保険医の公共性なり社会保険医の活動の確保という意味で、先ほどから申し上げております五段階の組み合わせという形で中小の規模の社会保険医の活動が十分その中で可能であるというふうに考えるわけであります。非常にすっきりしないではないかと仰せがありますけれども、私どもとしては、五二%の概算経費率を基本とするいまの制度に社会保険医の公共性に配意した特別控除を組み合わせる現在御提案申し上げておる新しい措置法の二十六条の規定というものは十分かなっているというふうに考えておる次第でございます。
#210
○佐藤昭夫君 どうもいまの説明ではまだ納得できません。
 で、そういう大蔵省、国税庁の当局でいろいろ調査を行った、それでも五二%がほぼ妥当だという根拠を得ていますということであれば、一遍ちょっとその根拠資料を、次回二十九日の質問とも関係がありますから、それをぜひ私のもとに提示をしていただきたいというふうに思いますが、よろしいですか。
#211
○政府委員(高橋元君) この調査と申しますか、課税資料からの推計は、いろいろな意味で制約があるわけでございます。一つは青色申告ないし白色申告で自主計算を出していただくという方……
#212
○佐藤昭夫君 いやいや、ちょっと資料を見せてもらえるかどうかだ。
#213
○政府委員(高橋元君) そういう方々を母体として推計しておるわけでございますから、全医療の方についてどうかということになりますと、これを公表した場合に、かえって先ほどからおっしゃるすっきりしないというような議論に対して、そういう御懸念に対して問題を起こすんではないかというふうに考えますので、現段階で資料を公表することには差し控えさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#214
○佐藤昭夫君 おかしいじゃないですか。会計検査院の報告が根拠かと聞けば、いやそうでありません、大蔵省、国税庁でもちゃんと独自の調査をやって、大体そういう根拠を得ています。であればそれを一遍判断の資料として見せてくださいと言ったら、いやそれはいろいろ限られたあれでということで見せるほどのものではありませんということで、そんなばかにした話ないじゃないですか。出してください。もう返事求めませんけれども、二十九日までに出してもらわぬことには、それが政府の提案の理由だと言うんだったら堂々と出しなさいよ。なぜ出せないんですか。ということで大臣、強く要求しておきます。二十九日に間に合うように出してくださいよ。
 もう一つの問題は、開業医の課税の対象とする所得を、お医者さん個人の、言うなら院長さん初めとする個人の所得とそれから医療経営の所得とを分離をして、それぞれにそれぞれの方式による課税をやっていくという、この形をとるというのが本当にすっきりして国民にわかりやすいんじゃないかと。いろんな疑惑を呼ぶ源がそれによって除かれるわけだし、同時にそうすることによって、どんぶり勘定じゃなくて医療経営の近代化、合理化にもそれが役立つんじゃないかというふうに考えているんですけれども、この点どうですか。
#215
○政府委員(高橋元君) 院長所得と申しますか、個人所得と医業の所得とを分けるということは、そのねらいはお医者さんの高度の専門性にふさわしい十分な労働報酬を給与所得として認めるということかと存じます。そういう制度としては、現在みなし法人制度というものが租税特別措置法の中にございまして、現に医療保健業の中でみなし法人課税を選択しておられる方が、大体私どもの一定の範囲で調べたところでも五%ぐらいおいでになるわけでございます。そういう形で、いわゆる普通の商売で申せば表と奥というものを分けて、お店と奥というものを分けて、それぞれの経営の実態を明らかにするという制度はすでに開かれておるというふうに私どもは考えております。
#216
○佐藤昭夫君 みなし法人制度を活用すればということでありますが、しかし、この制度自身がずいぶんいろんな弱点といいますか、制約があるわけですね。たとえば、事業主報酬については事前の届け出制だと。年間の中途で収入がふえた場合にはこれは決算の段階で重加算税が課せられるということとか、それから事業主所得と配当所得と別個に分離して別個の課税が行われると。こういうことで、果たしてこういう配当所得というようなのがお医者さんの経営になじむ制度なのかと、もちろん計算上のことではあるけれども。ということで、したがって大変評判が悪くて、このみなし法人制度というのは現在お医者さんの中で普及率は三、四%にすぎないという状況になっている。ですから、この制度を利用、活用しなさいということでは本当にすっきりした解決にならぬと思うんです。どうしてもそういうお医者さん個人の所得と経営所得と分離してそれぞれの方式で課税をやるというやり方が本当にすっきりした方向になっていくんじゃないかというふうに私としては思うんです。
 それから、もう一つの問題として、そういう分離した上での医療経営が、これが公共性が確保され、また地域医療にも積極的に取り組めるような、そういう体制をどうつくっていくかということで、特別控除制度を導入すべきじゃないかというふうに考えるんですが、これは現行、他の公益法人、これはいろいろと法人税率が普通法人よりもずいぶん軽減をされていますね。当然こういう医療経営についても、もちろんこれは一人法人、これも積極的に検討をしようというすでに総理の衆議院の段階での答弁も行われていますから、そのことも含めて、一人法人も認めていくということも含めてという話ですけれども、そういう上での個人の所得と経営所得とを分離した上で経営所得に対しての特別控除制度をつくるというこの問題について積極的に考えてもらう必要があるんじゃないかというふうに思うんですが、どうですか。
#217
○政府委員(高橋元君) 事業経営の部分とそれからそれに従事しておられる事業主本人の部分と分けまして課税をする方法としては、ずいぶん長い間の検討の結果、現在のみなし法人という制度以上のものは考えられないという結論になっておるわけでございます。
 いまの佐藤委員のお尋ねは、たとえば個人について、それは個人の家計であり、片一方はみなし留保である、そういう所得区分をつくったらどうかということかと思いますが、個人財産、結局はそれは課税後は財産ないし支出となるわけでございますが、みなし留保というようなものを個人の所得の中に設けるということになりますと、実態としてみなし留保なのかその事業主の所得なのか、そこを区分していくことはできなくなってしまう。そうなると、どうしても全部が配当として個人に帰属したものという想定をとりません限りは、所得についてのいわゆる経営と奥と申しますか、家計との分離ということはできないんであろうと思います。
 そこで、問題は法人の話になるわけでございますが、医療保健業を営む医業の方について法人をどこまで認めるべきかということは、これは先ほども大臣からもお答えのありましたように医療法の問題でございます。法人形態をとることについて、まあ医療行政上と申しますか、全般の厚生行政の立場からどうお考えになるかによるわけでございますが、私どもは、個人形態であれば所得税、法人形態であれば法人税ということでございますし、そこの中間としてのみなし法人課税というものにつきましては、現行の税制が長い間の検討の結果できたぎりぎりのものであるというふうに考えております。
 なお、公益法人課税をしたらどうかというお話もございました。医療が公益性を持っていることは申すまでもないわけでございますけれども、それが直ちに公益法人ということになるかどうかは、出資された財産の帰属がどうなるか、その経営についての配当の制限がどうなるか等々の事柄、それからその経営にどこまで個人的な関与ができるか、そういうことの組み合わせで判断さるべきことでございますから、医業の公共性即公益法人という形には私どもはならないというふうに考えております。
#218
○佐藤昭夫君 どうも局長は問題のとらえ方が、せっかく衆議院でも参議院でもこれだけの議論がやられてきているんですけれども、どうも考え方が積極的でないという感じがしてならぬわけですけれども。
 どうですか大臣、まあいろいろ申し上げました。時間の関係で、もう少しこの医師税制の関係でお尋ねしたい問題も幾つかあったんですが、たとえば医療法人の場合には他の法人に比べますと、さっきの引当金問題じゃないですけれども、準備金や引当金の制度についても非常に不備ですね。ほかの企業の場合にはいろんな準備金、引当金制度が認められている。ところが医療法人の場合にはほとんどないという問題とか、相続税問題についても農地や幼稚園を相続する場合には税の猶予措置があると、ところが医院を、お医者を相続してもそういう措置がないということで、もっと全般にわたって本当にお医者さんが医療の公共性を保障され、本当に国民の医療を守るために責務が果たせるような、その問題を税制面でももっと多面的にどう考えるかということを考えるべき時期へ来ていると思うんです。そうした点で、ぜひともそういう総合的見地に立って前向き方向で検討をやってもらいたいというふうに思うんですが、大臣どうでしょう。
#219
○国務大臣(金子一平君) お医者様の法人成りの問題につきましては、これは大蔵省だけで決められる問題じゃなくて、厚生省が医療法人として果たして一人法人を認めるかどうかという医療法の基本に関する問題でございますので、論評は差し控えさしていただきたいと思うんでありますが、一人でも法人認めよということだったら、私どもはその制度の上に乗っかって課税の方は考えていくということを先ほども申したばかりでございます。
 ただ、いま御指摘の相続税の問題、その他の、あなたの方の党からいろんな御提言をいただいておるんですが、結局これは一つはいろんな業態とのバランスの問題がある、公平をいかにして維持するかという問題に帰着するわけでございまして、たとえば床屋さんでもふろ屋さんでも、個人で営業している場合に、農家だけ特別に見ておいて、おれのところどうして認めないんだというような話をいま伺っておる最中でございます。お医者様だけというわけにいかないんで、その場合には、そういう一定の施設を持っている人、大きな施設がある人の場合の相続税をどうするかということで、難関に逢着しているわけでございます。
 農家についてああいう制度をとりました理由は御承知のことでございますから申し上げませんが、その他もろもろの点につきまして、広い立場から、一面においては各業種間の公平の確保という点を考えなきゃいけませんし、一面においてはその仕事の公共性ということも考えなければいけませんし、十分これからも研究していただきたいと思います。
#220
○佐藤昭夫君 それで、時間残り少なくなりましたけれども、最後の問題として税務行政の中の一つとしての国税職員の待遇、労働条件の改善の問題についてあとちょっとお尋ねをしておきたいと思います。
 この問題は、言うまでもありませんが、国民本位の税制をつくり上げていく上で、言うなら大企業に偏った不公平税制をどう是正をするかという問題と、それから税務職員が職場において自由濶達で、本当に団結協力をして仕事がやれるという体制をつくるかという問題は車の両輪の問題だというふうに思うんですが、ところが、現実には職場では全国税組合員に対するいろんな待遇面での不当な差別、圧迫がいまでも続いておるんじゃないかというふうに思うんです。例の特別昇給問題、それから昇格の問題、こうした問題についても、すでに国会でも何回か議論に上って、昭和五十年の二月に衆議院の大蔵委員会で、当時の国税庁次長をなさっていた磯邊さん、当時の磯邊さんの答弁として、そういう組合員であるかないか、所属組合がどの組合かというそのいかんを問わず、差別というのは好ましくないから、そういうのは是正したいと思いますという答弁、積極答弁が行われまして、それを受けて五十年の七月の定期異動に一定の手直しが行われたということも私どもは認めております。
 しかし、依然として問題が残っておるということで、実はもう時間がありませんから逐一触れられませんが、きのう政府の方にお聞きをしましたら十分な数の把握はできてないということでありますので、私の方で調べました、特別昇給の面で依然全国税組合員の人が差別を受けているんじゃないか、昇格の問題についても同様のことが起こっているんじゃないかということを数字をもとにした事実を提起をしております。
 それからもう一つは、職場での定員不足に伴う労働強化からいわゆる持ち帰り業務、職場を出てから自宅とかそういうところへ持ち帰り業務というのが年々ふえているんじゃないかということで、これは去年の当委員会で、例の国民金融公庫の業務の実態について、進学ローンの法案にかかわっていろんな議論になって、こういうのは本当に公共的な仕事をしていく上で好ましくないということで、これを正そうという方向が答弁でも出されましたし、委員会としても附帯決議をつくったということでありますが、こうした点で、特別昇給問題、昇格の問題、それから持ち帰り労働をなくすために定員増という措置も含めて事態の改善をやると、こういう問題についてどういう御見解か、お尋ねをいたしたいと思います。
#221
○政府委員(米山武政君) 第一の点でございますが、御承知のように、公務員法で組合の所属のいかんによって人事上の差別をするということは禁じられております。またそうでなくても、私どもこれはやはりどの組合に属そうが、これ一生懸命日常税務の職場で仕事をしていただいている職員でございますので、こういう問題について私どもは特別昇給もしくは昇格その他の人事上の処遇について差別を行う考えは全然持っておりません。五十年に国税庁の前の次長、その当時の次長がお答えになったその趣旨は、現在でもわれわれはそのつもりでやっているつもりでございます。
 それから、第二の持ち帰り仕事の問題でございますが、これ確かに定員不足、納税者の激増というようなことで税務の職場非常に忙しくなっております。ただその忙しさを税務職員の負担の増ということへ求めるのは適当でないと私どもは考えておりまして、いろいろの施策を講じているわけでございます。事務計画を策定する際にも、超過勤務とかを組み入れたりあるいは年次休暇を削るというようなことはいたしておりません。それから、もちろん持ち帰り仕事を命ずるようなことはございません。
 ただ、持ち帰り仕事というのを一切これは禁止しろというようなことでございますと、やはり個人で非常に向上心がある人が家で調べ物をしたいとか、あるいはたまたま何らかの事情で出張から帰って来て家で整理するというようなことも間々あると思いますが、しかし、私どもはそういうことはなるべく少なくするように、事務計画、それから日常の幹部の指導等を通じてできるだけそういうことはしないようにと、こういうふうに指導してまいりたいと、現在指導しておりますし、今後も指導してまいるつもりでございます。
#222
○佐藤昭夫君 もう一言だけ。
 前段の特別昇給昇格の問題で非常に積極的な答弁がされましたので了とするわけですけれども、ぜひこの場だけの答弁にならぬように念を押してお願いをするわけですけれども、ことしも早晩七月の定期異動期、これが一つの時期だと思いますけれども、この段階で、きのう数字をもって提示もしておりますから、あれをよく御検討願って、事態の改善のためにひとつ鋭意積極的な努力をやっていただくということを重ねてお願いをしておきたいと思いますし、それから持ち帰り業務の問題については、やっぱりこれは基本的には持ち帰り業務というのはあってはならぬと思うんです。というのは、特に国税職員の場合、当局、皆さん方もおっしゃるように守秘義務ということが――この守秘義務の内容の解釈については私ども少し見解があります。ありますけれども、当局も守秘義務ということをことごとに強調される。そうなった場合に、いろんな税務調査の関係の仕事の書類を自宅などに持って帰って仕事をやるということについては、これはいかがなものかという点で、やっぱり基本的にこれはなくす、そのために必要な定員増等の措置を積極的に図るという考え方でやってもらう必要があるということを最後に意見として申し上げておきます。
 終わります。
#223
○委員長(坂野重信君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
 次回は明二十三日午前十時開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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