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1949/01/27 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第6号
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1949/01/27 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第6号

#1
第007回国会 地方行政委員会 第6号
昭和二十五年一月二十七日(金曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異動
十一月二十四日 委員柏木庫治君辞任
につき、その補欠として小宮山常吉君
を議長において指名した。
十二月二十六日 委員小宮山常吉君辞
任につき、その補欠として柏木庫治君
を議長において指名した
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○派遣議員の報告
○地方自治庁長官就任挨拶
○住民税に関する五大都市代表者の陳
 情に関する件
○提出予定法案に関する件
○地方税制の改革、平衡交付金制度に
 関する件
  ―――――――――――――
   午後一時四十一分開会
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。
 今日の議題は先ず第一に過般地方行政財政税制の視察にお出で頂きました派遣議員の御報告をして頂きたいと思います。
#3
○吉川末次郎君 院議によりまして過般高知県及び徳島の両県における地方行政の実情につきまして調査に参りました結果を御報告申上げたいと存じます。私は一月十一日から十一日間高知、徳島両県下におきます地方行政に関する調査のため先程申しました通り出張いたしたのでございますが、私の外に鈴木順一委員が派遣されることに決定しておつたのでございますが、出発の直前になりまして鈴木委員は歩むを得ない支障のために参加ができなくなつた旨の申出がございましたので、遺憾ながら私と上原專門員とで出発いたしたような次第であります。途中四国の関門であります高松を通過いたしますので香川県庁にも立寄りまして県政上の諸問題につきまして増原知事その他の当局者から説明を聽取いたしました。今回の調査はシヤウプの勧告による地方行政の改革問題を中心といたしまして、地方税制の改正の影響とこれに伴う地方の輿論を把握するということに我々は重点を置いて進めたわけであります。
 以下簡單に視察の結果を御報告申上げたいと思うのであります。
 第一に地方行政の改革に関することについて御報告申上げます。シャウプの勧告は日本の中央地方を通じまして、財政特に税制につきまして、徹底的な改革を提案いたしたものといたしまして国民全体の注意を新たにいたしましたことは御承知の通りであります。それとの関連におきまして我が国の地方行政の在り方につきましても極めて暗示に富んだ改革の目標を示しております。勿論シヤウプ報告は地方財政の立場からいたしまして地方行政の改革を示唆いたしておりますが、私共は地方行政の再編成という見方から考えましてその目的とするところは極めて重大であり、本年度におけるところの地方行政上の最大の課題ではないかと考えておるものであります。昨年我々が審議いたしまして国会を通過いたしました地方行政調査委員会議設置法によりまして、政府部内に調査委員会議が成立発足したのを機会に地方公共団体がこれに対して如何なる関心を持ち如何なる対策を講じておるか、又中央の会議に対して如何なる事項を要望しておるか、これらの事項について地方の実情を知ることが地方行政委員会といたしまして必要なことであると考えるのでありますが、何分にも中央の委員会は発足早々のことであるのと、地方税制の改革案そのものさえも未だ政府部内でも確定案というものが出来ていないような状況でありますがために、地方行政の改革即府県市町村の併合問題や事務事業の配分調整というような問題につきましては、地方の関心は私達の見ましたところ、尚極めて低調でありまして、具体的には何らの対策も視察いたしましたところの地方自治団体におきましては講じておるというようには見受けられなかつたのであります。私は考えますのに、地方行政の改革ということは問題自体は非常に重要なことでありますけれども、税制改革のように社会各方面の直接的な経済的利害関係に結びついたところのものではありませんから、地方の輿論を刺戟するということが比較的少いというようなこともそれの原因ではないかと考えられるのであります。従つて国会におきましても地方行政委員会が中心となりまして広く学界学識経験者等と活発な意見を交換いたしまして、できるだけ広範囲に亘つて地方行政の実態を明らかにし、地方団体の再編成というこの大きな問題に向つて目標を定めて活動を開始しなければならないということを視察の結果痛感いたしたのであります。
 右のような見地から視察の結果二三感じましたことを御報告申上げたいと思うのであります。
 第一は国立大学の問題であります。四国の各県にはそれぞれ国立の新制大学を持つておるのでありますが、新制大学は将来府県連合組織の下に経営するということを考えて行くところの必要があるのではなかろうか、こういうふうなことについて私といたしましては感を新たにいたしたわけであります。
 第二の問題は、目下各府県において起つておりますところの総合開発計画についてでありますが、徳島県では那賀川の開発計画、高知県では西南高知地域の総合開発計画というようないろいろな計画が府県中心に行われておるのでありますが、これは我が国におきましてひとり地方行政上の問題のみならず一つの国内の問題としてしばしば言われておりますところの国土計画或いは地方計画に関するところの新たなる法律を制定して、そうしてこの府県地域を単位にしないでもつと広いところの範囲を範囲にしての計画を樹立し、これに伴うところの地方行政地域の再検討というものを、総合開発計画を中心とするシヤウプ勧告案と結びつけて考えて行くところの必要があるのではないというようなことを感じたのであります。
 第三番目は今回政府部内に新設されましたところの地方行政委員会議は国及び地方公共団体の問における事務の再配分を審議出することになつておるのでありますが、單に国の事務を地方に移す、或いは府県の仕事をば市町村に移すということだけでは地方行政の本当の改革はできないと思うのでありまして、先ず現在の地方公共団体の規模及び機構を再検討いたしまして、例えば道州制の問題をどうするか、或いは現在の市町村を適正な規模で総合して、かくして再編成されたところの地方公共団体に対してその事務の配分調整をどのようにして行なうかというようなこういうことの基本的なことの決定がなくして漫然とその事務の再配分を考えるということは、そこにいろいろなそれから結果するところの錯誤や危険かあるのではないか、というような意見も調査いたしました地方におきまして、たびたび開くところがあつたのであります。
 第四番目に特に御報告を申上げたいと思いますることは、徳島県では、徳島市内におけるところ戰災復興計画というものの基本でありますところの都市計画の一部としての区画整理事業というものをば、市が行わずして、徳島県かこれを執行いたしておるのであります。市内の区画整理事業のごときものを市が行わないで、県が執行するということは異例のことであります。シヤウプ勧告が示唆いたしておりますところの精神から申しましても、この戰災復興都市の都市計画の基本的な区画整理事業というもののごときものは、当然にその復興さるべき戰災都市、それ自身が行うということが私は正しいのではないかと考えるのであります。これは小さい事例でありますけれども、今日地方行政の実際面には尚これと同樣な事例が相当にありまして、これを改革するところの必要かあるのではないか、というようなことを感じたのであります。弱小町村の合併につきましては、高知県では人口二、三千人以下の町村は合併することが適当ではあるけれども、理想としては、一町村四、三千人が適当であると申しまするし、香川県では一町村八、九千入程度が適正規模であると考える等聞きました範囲内におきましては、いろいろな意見がありましたが、いずれにいたしましても弱小町村をば併合して、そうして強力な町村を作る必要があると、そうしてそれをするのには具体的な方法はどうであるかということでありますが、その実施につきましては個個の問題につきまして関係区域の住民投票を以て可否を決定するというところの現在の方法をば、もつと簡易に特別の立法措置を講じて現在の現行法のような手続によらないで、やることができるようにして貰いたいというような意見の開陳が、特に徳島県の日和佐町というところにおいて、隣村の赤河内村との合併のことにつきまして、そういう地方民の要求があつたということをまあ附言いたして御報告申上げて置きたいと思うのであります。
 第二には、地方税制の改革に関することでありますが、第一にシヤウプの勧告は明年度の府県税收入の総額を七百億円即ち二十四年度と大体同額といたしたのでありますが、市町村の財政を強化するというところの見地から四百億に上るところの増税收入を全部市町村に與えるということといたしております。従つて府県財政は一応特別な影響はないようでありますが、併し実際におきましては、今回の税制改革によりまして減税となるところの府県が相当あるのでありまして、現に我々の視察いたしました香川県におきましては、二十四年度に比しまして約五千万円の税の減收入となりまするし、高知県におきましては、年間約八千七百万円の減收となり、徳島県では実に一億八千万円の減收を予定しておるのであります。即ち徳島県のごときはシヤウプ勧告によるところの二十五年度の県税收入は二億八千万円でありまして、二十四年度に比して一億八千万円、約四割の激減を見込まれているということは、減收の程度の最も著しい一つの事例ではないかと考えられるのであります。これは今回の府県税が附加価値税、入場税、遊興税を中心とするものでありますから、大都市近在の府県及び産業経済の活動の活発なる府県におきましては増收となるに反しまして、そうでないところの府県におきましては減收となるためであると考えられるのであります。加うるに農業に対しましては、全部附加価値税を課税しないこととなつておりますがために、煙草であるとか、砂糖或いは園芸作物等の多い県におきまするところの減收というものは、相当の額に達すると思うのであります。これらの減收の著しいところの県の財政か、平衡交付金制度の運用によつて調整の目的を十分達することができるかどうかということにつきましては、我々が十分考慮しなければならない問題ではないかと感じたのであります。
 二番目にはこれに反しまして、市町村の税收入はいずれも相当の増加をシヤウプ勧告の示唆によつてなることとなるのでありまして、徳島県下を通じまして市町村税收入の総額は本年度は四億九千万円のものが、二十三年度は九億九千万円となりまして約倍以上出億円の増額となります。又高知県では本年度は六億円のものが二十五年度は十億出千万円となりまして約四億五千万円の税收入が見込まれておるのであります。このような税收入の増額はもとより先程申しましたようにシヤウプの税制改革に基くところの市町村財政の強化というところの目的の下に増税によるところの財源の全部が市町村に與えられた当然の結果ではありまするけれども、この増税案の実施を中心といたしまして、市町村理事者、市議会、住民との間に市町村行政の運用が円滑に行われるかどうか、即ちその税收入の増加額部分が本当にシヤウプ勧告が目的としておるようなことによく使われる結果を来たすかどうかということは、我々が注目して行かなければならないことであるかと思うのであります。現に我々が視察いたしましたところの徳島県の阿波郡池田町というところにおきましては、明年度の町税の増收を見込みまして、町役場の建築、その建築費は六百万円程でありますが、これを決議いたしましたところが、町民の中から猛烈なる反対運動が起りまして、町長及び町議会のリコールにまで発展せんといたしておつたのであります。明年度はシヤウプ勧告によりまして、市町村税は四百億円の増税を実施することとなるのでありますけれども、この四百億円の増税か果して市町村住民の生活の安定と福利の増進のためにどのように使用さられるか、又増税と住民の負担能力をどのように調和して行くかということは、地方行政上最要な課題といたしまして、我々の委員会は最も先程申上げますように関心を拂わなければならないものではないかと、このように感じて帰つたのであります。
 第三番目に地方税制につきまして御報告いたしたいと思いますことは、住民税のことであります。住民税のこの度の改革によるところの増税に伴うところの、この零細な收入によつて生活をいたしておりまするところの貧困世帶の負担能力が、シヤウプの勧告によりまするというと、住民税は本年度二百四十億円から明年度は約六百億円に増加いたしまして、納税者の一戸当り本年度千四百五十円のものが、明年度は約三千大百円に増加されまして、約二倍半の増税となる見込みでありますが、視察いたしました各地の市町村の当局が最も苦慮しておりますのは、住民税の増税問題でありまして、高知県の観察いたしました室戸岬に近い室戸町におきましては、戸数二千百余戸でありまして、人口は一万人足らずであるのでありますが專ら漁業を中心といたしまするところの零細收入によるところの住民が多いのであります。こうした住民税の増額は資料によつて調ますところによりまするというと、中流とせられるところの世帶が二百五十戸、それから中流以下のものが五百戸、それから下流とみなされるところのものが七百五十戸、それから貧困世帶とみなされるものが六百戸、それから生活扶助を受けているところのものが九十五戸というように分別されるのであります。計二千百九十五戸のうちの世帶構成が收入別によつて階級分けをいたしますと、町役場の者はこのように分類いたしておるのでありますが、右の分類によりまするというと、全戸数の三割程度のものが貧困世帶、その貧困世帶は役場当局の説明によりまするというと、專ら水平社と目すべき人が多いのだそうでありますが、均等割年額百五十円のみをその人違は賦課される階級でありますが、それが実際におきましては、その年額百五十円の納税さえもこれらの全戸数の三割程度の世帶というものは納税が困難な実情にあるのでありまして、今回り税制改正によりまするというと、その均等割は一躍三倍近い増税になりますので、町民の生活状況を知つているところのその町の当局者からいたしまするというと、その増税の結果の影響というものが社会的にも、又深く考えるならば政治的にも極めて注目すべきものがある。もつと端的に申しまするならば、この住民税の極めて納税困難であるところの、これらの貧困世帶の人達に対して、ここに何らかの過激分子の煽動が行われるというようなことがあるならば、その結果は相当に憂うべきものがあるのではないかというようなことの話もあつたのであります。これは特に皆様達に御報告申上げたいことであると思うのであります。税制改革案に対しましては、專ら産業資本の見地からいろいろな批判が行われております。先般も日本工業倶楽部においてシヤウプ税制改革に対するところの実業家や或いは財政学者等の研究会がありまして、私も参つたのでありますが、会議が終つた後でありましたが、書類を貰つて帰つたのでありますが、專らそうして金持資本家の見地からの不平或いは批判というようなものが声高く言われておりまして、実際上シヤウプ税制改革に基くところの貧困世帶の実情と、それから起るところの憂慮さるべき社会的事態の将来の予測というようなことにつきましては、少しも考慮が拂われておらないように私は感ずるのであります。特にこの点につきましては皆様達の再考慮をお願い申上げたいというように、私自身としては感ずる次第であります。
 その外各地におけるところの地方行政及び税制改革の影響について調査のの詳細につきましては、別に当時我々が地方当局から受取つて帰りましたところの計数であるとか、或いはその外の要望事項等につきましては、ここに文書を用意いたしておりますので、余りに報告が長くなることを避けまして、委員会の承認を得られまするならば、私の報告に附加えて速記録に掲載するようにお許しを願いたいと思うのであります。右を以て私の報告を終る次第であります。
#4
○委員長(岡本愛祐君) 吉川議員の御報告外の詳細につきまして、速記録に載せることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(岡本愛祐君) そういうふうに決定いたします。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(岡本愛祐君) この度地方自治庁の長官が更迭されまして、木村氏が退任なされ、本多国務大臣が御就任になりました。御挨拶がございます。
#7
○國務大臣(本多市郎君) 去る二十三日に全く思い掛けなく木村国務大臣の担当の後を受けまして自治庁の長官を命ぜられたのでございます。私は今日まで行政管理庁の長官を担当いたしておつたのでございますが、これもそのまま担当することになりまして、兼務をいたして行くことになつた次第でございまして、この地方行政委員会の皆様にはこれからいろいろと御厄介になることになるのでございます。殊に今日の地方行政というものは、自治制確立の一大革命期ではないかと考えております。こうしたときにこの自治庁の仕事を受持つて行きますことは、誠に責任の重さを痛感いたしている次第でございますが、併し平和国家への国家態勢の切替の時期でありまして、このときに方策を誤まりましたならば、長く平和国家としての禍根を残すことになるのでございますので、是非皆様方の御支援を頂きまして、この仕事を大過なくやつて行きたいと考えている次第でざいます。又地方分権ということにつきましては、現内閣の一貫した方針で今日までも進んで参つたのでございますけれども、如何せん、まだ実質的な地方分権が行われておらないのでございまして、これが今回の地方行政調査委員会議等の調査と相俟つて、本当の地方分権が実質的に行われ、国の事務、府県の事務、市町村の事務等の分界が明確に定められることになりまして、初めて地方自治制の基礎も確立するものであろうと考えられるのでございます。この地方自治制の発達ということに全力を注ぐ熱意だけは持つている次第でございますので、何分よろしく今後御支援御協力を誠に不敏でございますが、切にお願い申上げます。
#8
○西郷吉之助君 今日のこの委員会の運営の順序を知りませんが、本多国務大臣の御挨拶がありましたから、若し委員会の運営に差支なければ、直ぐ大臣に質疑いたしたいと思います。
#9
○委員長(岡本愛祐君) どうぞ。
#10
○西郷吉之助君 只今本多国務大臣就任の御挨拶がありましたが、つきましては先般御就任の御挨拶が新聞に出ておりましたが、この際、新聞紙上に御就任の際いろいろ所見を発表しておられるのでありますが、内容につきましては、私はちよつと十分よく読んでおりませんでしたが、その題目の一つに道州制の問題についても、その他今後の地方行政、並びに地方財政の上に極めて注目されている問題の諸点に関しまして大臣は所見を述べておられるので、その点今日委員会の席上でそういう重大な問題について大臣のお考えを成るべく詳細に承つて置きたいと思います。
#11
○国務大臣(本多市郎君) 私が差任をいたしました際のいろいろ記者諸君との懇談の席上、或いは先日対馬の開発の問題について旅行いたしましたその際等におきまして、種々地方行政調査委員会議の今後の課題、或いは今後の自治制をシヤウプ勧告の線に沿うて進むべき方向についていろいろ質問を受けまして、その際にシヤウプ勧告の趣旨を実は私の知つております範囲において、話したに過ぎないのでございまして、あの際に出ておりました、例えば佐賀、長崎の統合とか、その他府県の統合、道州制というような問題、これらも長い懸案であつたものでありますが、シヤウプの勧告によりますと、行政区画として能率を上げるに適当な統合は政府もこれを推進すべきであるというような勧告がありますので、そうした問題も今後研究の課題となつて行くであろうということを申述べただけでありまして、道州制の採用をするとか、府県の統合を図るとかいうようなことを政府が今日方針として決めているわけではないのであります。
#12
○鈴木直人君 それに関連して、只今具体的に出ました佐賀、長崎県の統合については、新聞によりますと、これは私は九州にいたので、中央の新聞に出ておつたかどうか知りませんが、大体政府部内で決定しているようなごとき記事でありましたが、只今大臣がお話しになつたように検討すべきであろうというようなことでしようか。そうするとあの新聞は違つておるということになりますか。
#13
○国務大臣(本多市郎君) 府県の地域が旧来のままで行政区画として小さい、従つて弱体ではないかという観点から、シャラブ氏が統合すべきものは統合するように政府はそれを奨励すべきであるというようなことを述べられておるのであります。その点を敷衍いたしまして、体質、長崎が多年懸案であるが、これはどうなるかというような新聞記者諸君の質問に答えまして、佐賀、長崎のような懸案になつているところは、恐らく今後の研究の対象として取上げられて行くであろう、ということを言つたまででありまして、政府部内において末だ曾て道州制、或いは府県の統合ということを取上げて、どうこうという方針をまだ課題としたこともないのでございます。
#14
○西郷吉之助君 只今大臣はいろいろ答弁されましたが、要するに今まで大臣が中央地方において地方行政及び地方財政等の質問に答えていろいろ意見を述べられたということは、今までは地方自治庁の大臣ではなかつたから、まあ所感を述べられたのでしようが、図らずも地方自治庁の大臣に就任された今日は今まで述べられたそういう所見は所見として、今後地方自治庁の長官としては、そういう意見は極めて自分のプライベートな意見であつたから、長官としては白紙に返すのだと承つて置いてよろしいですか。
#15
○国務大臣(本多市郎君) それはもともと方針としては白紙でありまして、シヤウプ勧告の趣旨を説明したに過ぎないのでありまして、これが却つて研究の支障になるというような虞れもあるといたしますれば、今後はこうしたことは愼重にいたしたいと思います。
#16
○三木治朗君 会議の半ばでありますが、今五大都市の代表者諸君が陳情に見えておりますので、一応陳情の趣旨をこの際お聞きを願うようにいたしたいと考えます。お諮りを願いたいと思います。
#17
○委員長(岡本愛祐君) 只今三木委員から、五大都市の代表者が見えまして、住民税の源泉徴收につきましてこの委員会に陳情いたしたいというのでありますが、意見の開陳を許して御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
#18
○委員長(岡本愛祐君) それでは発言を許可いたします。大阪市会の財政総務委員長勝田君。
#19
○説明員(勝田眞人君) 本日私達大阪、京都、神戸、横浜、名古屋の財政総務委員長が請願並びに陳情に参りまして、貴重な委員会の時間をお割き下さいまして、陳情の趣旨を述べさして頂く時間をお與え下さいました当委員会の皆様方に厚く感謝し御礼を申上げます。
 今回のシヤウプ勧告に基きます地方税制改正法律案がすでに国会に提出されようといたしておりまして、その御審議をなさるような運びになつているのでありますが、この法律が地方財政の確立、地方自治強化の上に大きな役割を果します重要なものとなりますことを考えますときに、現下の国民、即ち地方住民の置かれております経済情勢からいたしまして、又大都市財政の諸事情並びに徴税技術上から申しましても、右の法律の御審議に当りましては次に申上げますことを是非とも御考慮を賜わりますように実はお願いに参つた次第でございます。
 市町村の財政的自主化を図りますためにも、市町村民税及び固定資産税を中心といたします独立税主義の税制体系を採用いたされまして飛躍的に税源の増加が行われることとなつたのでありますが、最も大衆税でありますところの市町村民税が著しく高率になりまして、従つて納税者の負担が急激に増加いたしますので、これが徴收確保につきましては現下の経済事情からいたしまして、非常な困難が予想されるのであります。従つて本税の徴收につきましては、納税を容易にいたしまする方法を第一義的に考えて頂きたいと思うのであります。これが方策といたしましては、当該年度の所得を標準にとりまして給與所得につきましては源泉徴收、その他の所得につきましては申告納税によることが、納税を容易にし、又財政確保の上から見ましても至当であると考えられるのであります。法案に示されておりまする本税は、前年所得を標準とするところの賦課徴税を採用しておられるようでありますが、一般勤労者の納付の困難、延いては滯納の激増によりまして給與所得者が過半数を占めておる私達五大都市の財政は、危殆に瀕することとなるのであります。地方自治の確立を目指します今回の改正の目的に副い難いものがあるのでないかとは思考されるのであります。
 右のような事情によりまして、本税の徴收につきましては、先に申上げました方策即ち当該年度の所得を標準にとつて、給與所得については源泉徴收、その他の所得につきましては申告納税による方法をとり得まするように、法案の御審議に当りましては是非とも御考慮を賜わりますよう、切にお願いを申上げたいのであります。
#20
○委員長(岡本愛祐君) 只今の意見開陳につきまして御質疑ございませんか。
#21
○鈴木直人君 只今の御趣旨は、私共が大阪府を今回視察いたした場合に、府庁におきましても、又市役所におきましても、又大阪市役所におきましてその他市長との会合におきましても、そういうようなお話が出、特に税務関係の方々から特にその点が強調されて、感銘を深くして帰つて来ておるのであります。調査報告書の中にもそれを申上げようと思つておつたのでありますが、私お聞きしたいと思いまするのは、例えば大阪のごときは仮に豊中に例をとつて見ますると、約八割の者は住居を豊中市の中に置いて夜は豊中市に帰つて来るが、晝は大阪市内の官衙、会社、銀行というようなところに勤めているというような情勢でありますが、その他の府下におけるところの市町村におきましても、そういう傾向が非常に多い。従つてこれを源泉徴收をいたす場合に源泉徴收をする職場は大阪市内にある、そうして納めるところの者は自分の居住地の市町村に納める、こういうことになるわけです。その際に市内にあるところの会社や銀行が源泉徴收をして、居住地の市町村にそれを渡す場合にどのような方法を以て渡そうとするか、この点について一つ御意見を承つて見たいと思います。
#22
○委員長(岡本愛祐君) それでは神戸の安岡さんから御説明を願います。
#23
○説明員(安岡正明君) 只今の御質問に対しまして潜越でございますが、私からお答えいたします。只今例にとられました豊中市の、問題でありますが、この豊中市から大阪市にお勤めになつておられる方の源泉徴收の問題は、私共大都市といたしましては、大都市以外に住居があつて、大都市に勤めておられるその方々の給與所得に対する市民税まで徴收しようとは考えておりませんのです。それでただ徴收の問題といたしましては、勤務場所におきまして市内の居住者の分も市外の居住者の分も一応徴收はいたしますが、その徴收いたしました税金をその会社のある所在の市へ一括納入して頂きまして、そうして市外に居住せられる方々の税額は、その市外の市に対してまあ大阪なり神戸から送つてやる、そういう方法を採りたいと考えております。でございますから、例えば豊中市に住んでおられる方々の住民税を大阪で全部取られてしまうというそういう心配は毛頭ないのでございます。一応市へ会社から納めて、その納めた分を居住者の市町村へ市から譲り返してやる、そういう方法でございますから、豊中市といたしましては徴收面でも最も助かるように私共は考えておるのであります。ただそこでまあ私共が聞いております豊中市の方で懸念をいたしております点は、まあたとえそういうような方法を採つても大阪市の方から正確に拂い込ん呉れないのでなかろうかという心配を持つておるようでございますけれども、苟くもこの大都市なりこに地方自治体関係で、よその市に住所のある者の税金を取込んで返さないということは、これは徳義上からもできません問題でありますし、毛頭私共はそういうよその住所の方々の税金を取込もうという肚は毛頭ございませんし、若しそういうことが懸念されますならば、豊中の方でも自分のところに住んでおられる方々で大阪市に勤務せられておられる方々が分ると思いますので、こういう方々の勤務場所なり、或いはどれだけ所得かあるかということを一応調査して頂いて大阪市いその書類を出して貰えば、大阪の方では、それに対する分は必ず間違いなく居住地の町村へ拂い込むということになりますので、この点は聊かも不都合をかけないというように考えておるのであります。
#24
○鈴木直人君 私申しましたのは、第一点は、大阪豊中市から八割大阪市に勤めておる、そうして源泉徴收をした場合に、その豊中市の八割の分を大附市が取つてしまうというようなことについては勿論それはそういうことはないので、住んでおるところの豊中市に納めることは間違いないのでありまするが、その際に、今の御説明によりまするというと、大阪市が責任を以て徴收して、そうしてその徴收した分を正確に豊中市の方に廻してやる、こういうような御説明で、その点ははつきり分りました。そこで更に御質問いたしたいのは、大阪府全体のことを考えて見ますというと、大阪府の七八割程度の人は、いわゆる豊中のことだけを先きに申しましたが、そうじやなくて他の十四の市その他沢山の町村が府下にあります。そういう府下にあるところのいわゆる市町村に住んでおる人達は、殆んど大部分大阪市に行つておるということになる。従つて大阪市から見ますというと、多数の市町村に住んでおる人の税を源泉で取つてお世話をして、そうして多数の市町村にそれを渡してやるという事務を大阪市が責任を持つことになる。これは神戸においても同じであります。どんな場合についても同じということになる。その際に可なり人を殖やしたり、相当いわゆる複雑厄介なところの事務が、大阪市外におけるところのいわゆる大阪府内の市町村住民のために大阪市がそういう複雑な事務を引受けるということになるわけです。そういう場合にこれを本当に引受けるだけの意思があるかどうか。今のような方法によつた場合には、あるかどうかということをお聞きして見たいわけです。仮に豊中市に行つて見ますと、豊中市の住民税を大阪市役所の人に取立つて貰つて送つて貰うということは非常にお気の毒であるという点とか、或いはそういうふうにして頂くというと、まあ大阪市には非常に思慮を蒙り過ぎて、精神的にも非常にきづらいような感じもするというような話もありました。従つてそれは全部大阪市自身の財政的負担において、大阪府下におけるところの多数の人の税を源泉で取つてそうしてそれを渡されるだけの方針が確立されているかどうかという点をお聽きしたい。それからもう一つは、大阪府で聞きますというと、それは大阪市にお願いするということは非常に困難であるし、不都合であるかも知れんし、お世話になり過ぎるかも知れんから、別途に府下におけるところの大阪市を除いた市町村等が連合して取立てをするような特別の機関をお互いに金を出し合つて作つて、そうして市内におけるところの源泉は各会社、銀行等と連絡して置いて、大阪市でなくて、その府下の市町村の連合して作つたところの徴税組織に報告して貰つて、そうしてその連合組織が各市町村に分けてやる、こういうようなことを考えているというようなお話を府乃至他の市の方からも聽いたりしておるわけです。そこで実は私は御質問したのです。いわゆる当該市が責任を持つて源泉を取つて、そうして他の住居地にやるか、或いは別途徴税機関のようなものを連合して市町村が作つて、金を出し合つてそういう機関を作つて源泉を取立てて、そうして所在地の市町村にそれを渡すようにするか。その二つのどつちがいいのかということを私は疑問に思つておるので、お聽きして見たいのであります。第一の点は、当該源泉所得税を取るところの大阪市や名古屋市において、他の市町村の分を自分の経費でもつて責任を以て取立ててやるというだけの御意思があるのかどうか。今の御説明によるというと、そうしてやつてよろしい、こういうことでありましたが、参考のために一つ伺つて置きます。
#25
○説明員(勝田眞人君) 只今の御質問にお答えいたしたいと思いますが、第一点は、五大都市はその府下の市町村の住民税を源泉でその都市の責任において取る自信があるかというお問いであつたように思うのでありますが、これは私共五大都市とも責任を以て徴收いたしまして市町村に送るという固い決意を持つております。
 それから第二点の、大阪府で現に考えられておるという連合的な組織を作つて、その機関でその配分をしたらという問題でありますが、これは私達は尚よく研究さして頂きたいと、かように考えております。
#26
○委員長(岡本愛祐君) 他に御質疑ございませんか。
 それでは他に派遣議員の御報告をお願いするごとになつておりますが、これは後日に譲ることにいたします。
  ―――――――――――――
#27
○委員長(岡本愛祐君) 次に議題といたしますのは、政府から、当委員会関係の法律案の提出見込を御説明願つて置きたいと思います。
#28
○政府委員(小野哲君) 只今委員長から、この国会に政府として提案の予定になつておる、特にこの委員会で御審議を願うことになつております各法律案の模様を話をするようにというお話でございますので、只今のところの状況を申上げて見たいと存じます。
 今回提案いたしたいと存じております法律案は、相当多数に上つておるのでございます。先ず地方自治法の一部改正法案、通商産業省及び運輸省の地方行政機関の整理に伴う臨時措置に関する法律案、このうちで地方自治法の一部改正法律案はすでに提案済みでございます。
 尚新たに提案いたしたいと存じておりますものに地方公務員法案がございます。又地方公務員法の施行に伴う関係法律の整理に関する法律案をも提案をいたしたいと存じまして、目下関係方面と折衝いたしておる次第でございます。
 尚又地方公務員法と関連をいたしております法律案といたしましては、公企業に従事しております職員の労働関係に関する法律案を提案いたしたい。この法律案につきましては、目下準備を進めておる次第でございます。
 尚又地方税制の改革に必要な地方税法を改正する法律案を提案いたしたいと存じまして、目下関係方面と極力折衝を進めまして、これを提案いたしたいと準備を進めておる次第でございます。
 更にシヤウプ税制報告書の勧告に基きまして、地方財政平衝交付金に関する法制を整備する必要がございますので、これに必要な法律案を提案いたしたい。なおこれに伴いまして、地方配付税法の廃止をしなければならないことは御承知の通りでございます。
 更に、これ又シヤウプの税制報告書の勧告に基いておるのでございますが、地方災害復旧費の全額国庫負担の問題がございまして、この点につきましても、これを法制化することが必要である。かように存じますので、必要な法律案を目下準備をいたしておるのでございます。
 尚又これらの改正、若しくは新法律の制定と関連いたしまして、地方財政法の一部を改正する必要も考えられますのでこれに要する法律案も準備をいたしたい、かように考えております。
 最後にシヤウプ税制報告書によりますと、昭和二十五年度以降における地方財政平衡交付金の運用その他地方財政の問題を取扱う中央の機関といたしましては強力なものを設けるべきである、かように勧告を受けておりますので、この勧告の趣旨に副いまして、地方自治庁の改組をも考慮する必要がございますので、これに伴いまする中央機関の設置法案を提案をいたす所存でございます。
 現在におきましては、大体右のような状況にございますので、なおこれが具体的の進行模様につきましては、その都度御報申上げ、更に準備整い次第提案をいたす考えを持つておりますことを申上げて置きたいと存じます。
#29
○委員長(岡本愛祐君) 右の小野政務次官り説明につきまして、御質疑がございましたらどうぞ。
#30
○鈴木直人君 今、大体大きいものが八つと思いますが、そのうちで殆んどもう関係方面の了開を得て提出ができるというようなものはどれくらいありますか。それと、相当遅れるだろうと思われるものはどんなものですか。
#31
○政府委員(小野哲君) 只今御説明申しましたように多数の法律案がございますのと、その内容が相当複雑な関係を持つておるものもあるのであります。地方自治庁としては、できるだけ準備をしまして早い機会に御審議を仰ぐような段取りに持つて参りたいという心組みで目下努力をいたしております。
 地方公務員法につきましては、御承知のように年来の懸案になつておりますので、できるだけ早く結論を得て提案をいたしたい。これは近く提案の運びになるものと期待をいたしておるのであります。
 尚又地方税法の改正に関する法律でございますが、この点につきましては従前より地方自治庁原案によりまして関係方面と折角折衝を重ねておるのでございますが、なお多少折衝をすべき問題が残されておるのでありますが、これとてもできるだけ早い機会に出したいという心組みを以て目下進行中でございます。ただ、いつこれが提案できるかという期日につきまして、只今ここではつきりと申上げる段階には達しておりません。その他地方財政平衝交付金法案等につきましては、関係各省と目下語を進めつつあります。又地方災害復旧費全額国庫負担に関する法律案しつきましても同様折衝を続けておる次第であります。
 地方自治庁の改組に伴いまする中央機関の設置に関する法律案につきましては、なお種々政府部内並びに関係方面と交渉協議をいたさなければならないと存じておりますので、これも成可く早い機会に結論を得るように努めておるような次第でございます。
 只今のところどの法律案がいつ国会に提案されるかということの期日を明瞭に申上げるわけには参りませんけれども、目下のところ政府部内の手続並びに関係方面との折衝が相当具体的に進行いたしておりますことを申し添えて置きたいと存じます。
#32
○鈴木直人君 地方公務員法と、それから地方公共企業関係の職員労働関係法というものは、もうどの程度に進んでおりますか。
#33
○政府委員(小野哲君) この点につきましては行政部長が参つておりますので、立案に直接関係いたしておりますので、行政部長から御報告いたしたいと思います。
#34
○説明員(高辻正巳君) お答え申上げます。一つの法案でありまする地方公務員法につきましては、只今次官からお話がございました通りでございますが、問題点はもう殆んど部内としては解決しておりまして司令部とも殆んど済んでおります。従つてこの方は早早に提案の運びになることと存じております。もう一つの公企業職員法の方でございますが、これは内容が、公務員としての身分取扱に関する事項と、それから労働関係の方面と二つのことがございまして、この方はまだ多少問題が残つておりますので、この法案につきましては若干時日を要するものと存じております。
#35
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑ございませんか。それでは次の議題に移ります。
  ―――――――――――――
#36
○委員長(岡本愛祐君) 地方税制の改革、平衡交付金制度についてだんだん具体案が固まりつつあるようでありますが、それがどういうふうな現在状況になつているか、要綱は配付を受けましたが、それについて要点を説明して頂きたいと思います。
#37
○政府委員(荻田保君) 地方税法について申上げますが、これにつきましては全面的の改革が行われなければならないのでありまして、條文の数からいたしましても、いろいろ関係方面の示唆もありまして、五百條を超えるような條文になつております。
 内容につきましてでありますが、大体シヤウプ勧告の線に沿つておりますので、シヤウプ勧告にありますことはもうたびたび申上げましたので除きまして、それを政府の案として出します場合に、どの程度採り入れ、どの程度採り入れないかということが違つて参りますので、そういうことを申上げて置きます。
 要綱について申上げます。二頁の所に税目、道府県と市町村との割振りが出ております。このうち道府県税の附加価値税、入場税、遊興飲静税、それから市町村税の市町村民税、固定資産税、この五つはシヤウプ勧告でもかように決つておりますから、その通りになつておりますが、その外の税につきましては、道府県と市町村で適当に分けるということになつております。現在のところ一応このように考えておりますが、これに対しまして尚鉱産税、木材引取税、入場税、軌道税、電柱税というものは市町村税にし、電気ガス税を道府県税にした方がいいのじやないかということも考えております。それから市町村の目的税の中、国民健康保險税でありまするが、これは直接にはシヤウプ勧告では触れておりませんが、社会保障税というような精神も合めておりますので、現在は国民健康保險につきまして取つておりました保險料を目的税としまして、はつきり市町村税といたしたいと思いますが、この点につきましては最終的に決まつておりません。
 次に附加価値税でありまするが、附加価値税の対象につきまして各種の、従前の事業税、特別所得税、この対象は一応全部新らしい附加価値税の対象になるわけでございますが、シヤウプ勧告では農業は全部除くと書いてございますので、これは除きたいと思います。
 それから林業につきましては、地租との関係上相当考慮しなければならんとこう書いてあります。これは課税対象から除外することにいたしたいと思います。
 それから附加価値の計算の方法でありますが、これはシヤウプ勧告では、総收入金額から他の企業に支拂つたものを差引く、こういうふうに書いてありまするから……又一所には利子、地代、利潤、労賃、この四つを附加価値と見る、こういうこともありまするので、これにつきまして、そのどちらの方法によるかということが問題になつておりますが、やはりこれは総收入、総売上金額から他に支拂つたものを差引くというやり方にいたしたい。これにつきましては実際の納税者側から相当強い反対もあるようでありまするが、一応こういたしたいと思います。それから附加価値が簡單に計算できないというような理由からいたしまして、特別の計算方法を採るということを考えております。これは、ここに出ておりますような銀行、無盡、信託、保險、このような金融業につきまして大体実行いたしたいと、こう思いますが、これもある程度、いわゆる強制でなくて選択的なものになる、又昭和二十五年度だけの特例となるようにしたいと思います。
 それからなお運送業、倉庫業につきましても特例を設けたいということを考えております。
 それから課税標準でございますが、シヤウプ勧告では百分の四乃至六を取れば四百四十億の收入が上げられるというように書いてありますが、大体その最低の百分の四を以ちまして四百四十億を徴收し得ると考えますので、この程度にいたしたいと思いますが、何分にも新税でありまするから、なるべく、課率を安くした方がいいと考えますので、更にもう少し検討して、余地があれば三・五というような率に下げてはどうかということも考えております。なかなか百分の四でも目標額を確保するのがむずかしいのじやないかというふうに考えております。
 それからなお原始産業、自由業につきましては一%程度差等を設けたいという考えでございます。
 それから次に市町村民税でありまするが、これにつきましてはシヤウプ勧告では、市町村内に住所を有する個人、而も所得のある個人というものだけを課税対象にしておりまするが、やはり住民税的色彩を一部持たせるために、住所がなくても事務所、事業所、家屋敷を持つておるような個人とか、或いは法人につきましても一部負担さした方がよいと考えられまするので、均等割りのものだけはこういうものにつきましては課税したいと思つております。
 それから税率でありまするが、先ず均等割りにつきましては、この表に出ておりますように大体個人につきまして制限税率千円、七百五十円、五百円とシヤウプ勧告で決まつております。この場合大体八割程度を以ちまして標準税率といたしております。法人につきましてはこれの三倍を標準税率といたしております。制限税率につきましては四億くらいにしたいと思います。
 それから所得割の方の標準税率でありまするが、これは百分の十八としております。制限税率はシヤウプ勧告案の通り百分の二十にいたしたい。
 それからこの賦課方法につきまして今も陳情がありましたが、源泉申告として国税と同じようなとり方をするか、或いは、……その場合当該年度の所得を標準とすることになります。そうじやなくて、前年度の所得を標準にしまして賦課課税をするか、その二つの方法を研究したのでありまするが、その場合利害得失がありまするが、結局今のところでは前年度の所得を標準といたしまして、賦課課税をいたしたいと考えております。
 それから次に固定資産税でありますが、個定資産税の対象は土地、家屋その他減価銷却のできる財産、土地家屋は従来と同じであります。減価銷却をなし得る財産、これは法人税或いは所得税によりまして、その計算上減価銷却を認められるような資産、これはすべて入れることにいたします。ただ自動車税、自転車税、荷車税、この税が残りまするので、この場合対象になるものは入れないということにいたしたいと思います。これによりまして軌道税、電柱税というようなものがやはり残るのであります。さようなものを課税対象から外す方がいいのじやないかと思われまするが、今のところそのように行かないようであります。
 それから課税標準の調査でありまするが、これにつきましては、市町村に評価委員を置きまして、評価委員が評価するのでありまするが、この際愼重を期しますために、市町村、道府県及び国、この各段階にそれぞれ委員会を作りまして、異議の採決、或いは基準の設定というようなことを一応取扱わしたいと考えております。
 それから二十五年度の土地家屋に対する特例でありまするが、これはシヤウプ勧告の通り、一応宅地、農地以外の土地及び家屋につきましては、現在賃貸価格の千倍、農業地につきましては、公定価格の二十五以下において定める倍率、こういたしたいと思います。
 それから課率でありまするが、課率はシヤウプ勧告で、昭和二十五年度に限りまして百分の一・七五全国一定にするということでありまするので、これもやはりそういたしたいと思います。ただこれにつきまして問題でありまするのは、このような千倍の百分の一・七五といたしますと、相当高くなりまして、現在の土地家屋税の負担に比べましても三倍になるわけでありまするが、成るべく下げるということも、又シヤウプ勧告でもこれによりまして五百二十億の收入を得ればよいということになつておりまするが、これを得るのには千倍の百分の一・七五としてむしろ十分じやないかということを考えられますので、もう少しこれを引下げるように努力いたしたいと思います。
 それから入場税以下の項目は大体シヤウプ勧告の通りでありまするが、ただ遊興飲食税につきましてシヤウプ勧告では税率について触れておりませんけれども、これを少しく下げたいと思つております。併し徴收額は大体現在通りのものを確保したいと思つております。
 それからその外の各税につきましても一応標準税率というものを設けることにいたしております。
 それから廃止する税目でありまするが、この中使用人税と屠畜税、この二つはシヤウプ勧告では残すようになつておりますが、これは税額等から考えまして廃止することにいたした次第であります。なお余裕住宅税も廃止いたしたいと思います。それから自動車の所得に対して自動車税、これはシヤウプ勧告は残すことになつております。外の流通税がなくならないで残つておる。これもやはり廃止いたしたいと思います。
 それから施行の期日でありますが、これは二十五年度から適用になるわけでありますが、入場税に関する改正規定と不動産その他の所得税、これは三月三十一日から廃止いたしたいという考えでございます。大体そのようなものであります。
 それから地方一般平衡交付金につきましては、目下法案を立案しておりますが、これは大体シヤウプ勧告の線に沿いまして、それを具体的に書くという程度でございます。ただ具体的に書くと申しましても、何分にも全部数字のことでありますので、一々数字を挙げるわけにも参りません。従つてその挙げ方なり計算方法というようなことを、大体前の配付税法というものに相当するような規定を置くことになつております。
 それから地方財政法につきましては、これは国と地方の負担区分というようなことが相当大きく変ると思います。それで根本的に変えなければならんのでありますけれども、併し事務の国、道府県、市町村における分配、従つてそれの負担関係というようなことは、地方行政調査委員会の調査に俟つ部分が多いものでありますから、差当りこれに手をつけませず、適用を除外するというような簡單な程度に留めておきたいと思つております。
#38
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。
#39
○鈴木直人君 これは私ちよつとはつきりしていないのでありますが、附加価値税は全国的にどれだけの税を取るようになり、固定資産税は全国でどの税度の財源を見込んでおりましたか、固定資産税は五百二十億、附加価値税は。
#40
○政府委員(荻田保君) 四百四十億です。
#41
○鈴木直人君 これは後に質問すべきものだと思いますが、今度ずつと視察して、視察地方において各方面からお聞きしておることなんですが、要するに附加価値税においては四百四十億を取ればよろしいのだ。それから固定資産税については五百二十億挙げればよろしい。然るに従来の地方自治庁の計算によりますというと、あの程度の標準で、前は相当多かつた。今度は百分の四になりましたが、仮に百分の六というようなことになりますと、四百四十億が九百億ぐらいに実際はなつて来る。であるからして、ずつと半分にすれば百分の三程度でも目的とするところの四百四十億は取れる計算になるのである。こういうふうなことを各方面で聞いて来た。それからこの固定資産税についても説明がありましたが、五百二十億取るには、千倍の一・七五になりますと八百億程度になるかも知らん。従つて五百二十億さえ徴收すればいいのだから、七百倍が八百倍ぐらいにすれば五百二十億になるのだ。要するに目的は五百二十億と四百四十億取ればいいのだから、その範囲内において税率を引下げる可能性は十分あるという計算をしておる説が非常に多い。そういう点について相当御研究になつて現在できておるかどうか、それを一つお聽きしたい。
#42
○政府委員(荻田保君) 附加価値税につきましては先程も申上げましたように、百分の四で以て畠もうぎりぎり一杯である。なかなか初年度のことでありますから、四百四十億で、それでもむずかしいのじやないかという考えを持つておりますし、いろいろな人が沢山取れるというようなことを言いますが、それは大きな事業の関係なんかの人は現在殆んど事業税を收めてないというような人、この人がそういう業態だけにつきましては相当この附加価値税によつて收入が挙がりますれば、その倍数から行くと、全国それを取れば何千になるという、こういう議論になるのでありますが、全体的に見れば下る方が多いのでありますから、四百四十億取るのに余程百分の四ではぎりぎり一杯である。なかなか努力をしなければ取れない。固定資産につきましては百分の一・七五の土地所有家屋税の倍数を一千倍ということにすれば、計算上は五百二十億を上廻ると思いまするが、これも初年度であり、非常に税率も高くなつた際ではありますが、賦課ができても徴收ができない。或いは土地家屋以外の件は、資産につきましては、これの捕捉がむずかしいというようなことでありまするからうこれで五百二十億ということに今一応計算しておるのでありまするが、この点については確かに我々の考えでは相当ゆとりがありまするから、もう少し課率なり倍数なりを引下げる方に努力したいと考えております。
#43
○鈴木直人君 その資料を今後は十分処理されて説明願いたいと思います。そこが非常にポイントになつておると思いますから。
#44
○三木治朗君 この固定資産税の問題ですが、各地を歩いて廻つていろいろ意見を聽いて来たのでありますが、元来八幡のごとき非常に尨大な設備を持つておつて、その半分以上が遊んでおるというようなものは、これを全部評価されて課税することになるというと、事業が成り立たんというような結果になるのでありますが、そういう特殊の場合には何らかの方法が考慮されておるのでありましようか、どうでしようか。
#45
○政府委員(荻田保君) その問題は、この国税の方の資産再評価の問題と非常に関係するわけでありますが、国税の方では今度、企業の自由な評価、つまりそれから未稼動なものがありますれば、それは適当に評価してよいという、最高を抑えるだけであります。ただこの地方税の固定資産税につきましては、時価によつてやりますから、然らば時価ということは何かということでありますが、これは大体再取得価格と、逆に申しますれば取得時の取得価格に対しまして、取得時から現在まで殖えました物価倍数をかけまして、それから減価償却を差引いて行く、こういうのが時価になつておる。未稼動、こういう資産につきましては、やはり企業としての価値があるのでありますから、これは必ずしも未稼動のものを現在フルに働くというような評価にはいたさない。そういう未稼動評価ということを考慮に入れたいと思います。
#46
○吉川末次郎君 国民健康保險税のことでありますが、目的税であつて、市町村がやる事業であり、又これに対するところの税金でありますが、先般報告されましたアメリカから来ました社会保障保節団の勧告には、こういうようなことを勧告しておるわけで、それと呼応してシヤウプ税制勧告の中には、今荻田君からお話がありましたような社会保障税というような文言が出ておるのでありますが、それに照応してこういう税目をお作りになつたんだろうと思うのでありますが、これは他に地方税の税制の見地からの問題ばかりでなくして、こういう新らしい税目を設けたという趣旨は、まあ厚生行政といいますか、衛生行政といいますか、そういう見地から、国民の全部が自己の居住しているところの市町村を単位として、実質上の従来の健康保險組合のようなものに、自治体がその主体になつて、そうして税金で以てこれを保険金を取立てて、そうしてやつて行くのでありますが、その結果は要するに誰でも、これが全国に行われまするならば、病気になつたときに普通の町医者にはかからないで、健康保險医の診療を受けて、そうして医者からか、薬局からか、要するに薬を受取るということになるのでありますが、このように、現在任意的な協同組合として行われておりまするところの国民健康保險が、一つの強制的な全国的な、或いは全国民的なものになつて行くということは、これは日本の医薬行政の上においての一つの革命的な変化でありまして、そういうような革命的変化か行われて、すべての人は税金を納めておるのでありますから、普通の従来の形で以て町医者にかかつて診療を受けない、又薬価も拂わない、こういうことになつて来るのでありますが、恐らくはそれに対しては医師会その他の医療業者の猛烈なる反対が捲起るであろうということは想像せられるのであります。又最近のアメリカ雑誌なとを見ますると、やはりトルーマンがそういう強制的な健康保險、コンパルソリー・メデイカル・インシユランスというようなものを教書の中に書いておりまして、そういう計画をしておるよりでありますが、医師会が非常な反対連動をやりかけておるということが大大的に報ぜられておるのでありますが、当然に起つて来るであろう。これは荻田君の仕事の範団には属しないと思うのでありまして、むしろ厚生大臣或いは内閣全体のそれに対するところの見解を、これを機会に承つておきたいと思うのでありますが、小野次官かつ、そういうことに対するところの政府の意思というものを一つ全面的にお話しを願いたい。小野次官の説明で十分意を盡し得ないということでありますれば、次の機会に厚生大臣或いはその他の方が来られても結構ですが、小野さんで一つ用が足りるならば、我々の意を満たすような御答弁が今願えれば結構ですし、なお十分我々が了解できるような資料等も一つ用意して話して頂きたい。
#47
○政府委員(小野哲君) 吉川さんから健康保險の税について御質問がございましたが、私から意を盡すだけの御答力は恐らくできないであろうと思いますので、この点については、追つて取調べの上御答弁申上げる方がよいのではないかと思います。ただ問題としては、国民健康保險に関する税を新たに設けるということにつきましては、只今吉川さんからお話がございましたように、根本的な問題があるであろう、私もかように考えるわけであります。従いまして税として強制的な一種の保險制度に相成ります関係上、地方住民医師との関係において、これを如何取扱うかというふうな問題も考えられるのではないかと思うのであります。併しながらこの本日の委員会におきましては、かくのごとき根本の問題について私が研究未熟の場合に触れますことは如何かと思いますので、追つて関係当局からお答えいたすことに御了解を願いたいと思います。
#48
○委員長(岡本愛祐君) 吉川委員並びに各委員に申上げますが、実は今日、国民健康保險のことについて説明を聽取いたしますために局長を呼んだんです。ところが司令部に行つておりまして、出て参りません。国民健康保險課長の山本厚生事務官が見えております。それに説明を聽くかどうか、或いは大臣並びに局長に出て貰つてから聽くか、それをお伺いいたしたい。
#49
○吉川末次郎君 やはり厚生大臣に来て貰つて、その次に……。
#50
○委員長(岡本愛祐君) 吉川委員から、事務官が見えているけれども、大きな問題であるから、厚生大臣の出席を求めて質したいということでございますが、さよう取計らつて差支ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(岡本愛祐君) そういうことに計らいます。
#52
○鈴木直人君 そのときには事務を執つている人も一緒に来て貰いたい。
#53
○委員長(岡本愛祐君) 承知しました。
#54
○濱田寅藏君 昨年の暮に委員会が開かれましたときに、福岡県の田川市長が、鉱産税を市町村に存置して貰いたいという陳情をいたしましたときに、小野次官から、国内的にさように意見の一致を見ているということをはつきりお答えがございました。只今これを拜見いたしますと、現に道府県税の中に入れられておりますが、やはり何ともいたし方なかつたようなことになつたのですかどうか、その辺ちよつと伺いたいと思います。
#55
○政府委員(小野哲君) 浜田さんの御質問にお答え申上げますが、先般関係市長諸君が当委員会に見えました際に陳情があり、これに対しまして御質問がありましたためにお答えいたしたのでありますが、当時の段階といたしましては、鉱産税のごときは市町村税とすることが妥当である、こういうことを私自身も考えておりましたし、地方自治委員会議等におきましても、審議の結果、さようにすることが妥当である、こういうことに相成つておりましたために、率直に当時の模様をお話し申上げた次第であります。その後関係方面とも折衝が進んで参りまするに連れまして、いろいろ有力な意見も出て参つておりますので、本日荻田次長から説明いたしました内容としては、一応鉱産税は道府県税の分類に入つているような次第でございますが、なおこの点については関係地方公共団体の非常な要望もあり、又先程御指摘になりましたように、私共の考え方としても、市町村税にすることが適当であろうという考を持つておりますので、更に政府としてこれに対する考え方を取纏めるような機会も作つて行つてはどうであろうか。なお関係方面に対しまする折衝につきましては、地方自治委員会議といたしましても、この趣旨を申入れをいたしているように伺つているような次第でございます。以上のような経過を辿つておりますことをお答えをいたしておきたいと思います。
#56
○鈴木直人君 なお私も尤もだと思つて聞いて来たことが一つありますので、申上げておきたいと思うのでありますが、私が岡山市に参りましたときに、商工会議所並びに商工業者の方々の意見でありまして、それは道府県及び市町村間の税の配分についてのことなんですが、今度の案によりまするというと、仮に岡山県について言いますれば、岡山県税というものはいわゆる附加価値税、いわゆる従来の事業税、いわゆる商工業者から取る税である、農業から取らないということで、これは商工業者が直接に納めるという税であり、又入場税も都市におけるところの商業者がこれは代つて納めるのでありましようが、結局商工業者が納める税である。又遊興飲食税も殆んど岡山市のごとき大都市において納める税である。即ち県税というものは、仮に岡山県にとつて見ますると、岡山市とか、倉敷市とかその他の大都市におけるところの商工業者が負担をしている、こういう実情である。農村は殆んど県税を納めるというようなことはない。ところが岡山県会議員の分野を見ますというと、農村の議員か殆んど大部分である。又県の仕事を見ますというと、必ずしも都市商工業者だけの施設をしているのではなくして、県全体の……大部分が農村である県においては農村のために施設をしているのが非常に多い。こういうような、納税をする所と、その税を実際に使う部面とにおいてちぐはぐな情勢になるのが今度の府県税の特徴である。市町村税は市町村民税があり、固定資産税がありまするから、これは市町村民全体に納税が及ぶ。従つて附加税的な税であり、すべての市町村民がとにかく税を納めるという形になるが、府県税においては納める者が少くて、納めないのがとても多い。とういう税になつて来ている。こういうような場合に、いわゆる県政等において非常に将来困るであろう、できるならば府県民全体に或る程度の府県税を負担せしめるような税、これは従来あつたのでありますが、そういうような税が欲しいものであるというようなことであり、又若し府県の今後のやり方を見て商工業者に対するところの施策が非常に足りないというような場合においては、実際においてこれを徴收するという場合に非常に困難を来たすようになりやしないか、こういうような意見がありました。成る程これは尤もだと実は考えたのでありますが、併しながらこれと別の見解が、岡山県の農村の高陽村に参りましてこのことを申しましたところが、これは実は実際とは違う。例えば岡山市のごときものは岡山県という農村の上に立つているものである。従つて農村の中に入つている都市というものは、商工業者というものが結局農村を背景としてそれの上に立つているものである。ちようど金から見れば、人間の心臓のようなものであつて、それは岡山市とか、或いは倉敷市とかの商工業者はこれは心臓であるが、その心臓の血液というものは、金融的には農村の末端の、一部は米代とかまあいろいろのものとして金が農村の末端に頒布されている。そうして、それが実際においては又農村の購買力として吸收されて商工業者の中に入つているのでありて、それを商工業者が代つて県に納めるというのが、これが金融の実態である。従つて納める者は商工業者であろうが、実際は商工業者を通じて県下の農民がそれを実際納めているというのが金融の実態であるから、その点は決して商工業者だけに負担を掛けるのではない。こういう農村方面の意見を聞いたのでありましたが、何にしましても、今度の税の分け方が直接的には県民から均等割等において賦課することろのものは少い。殆んど間接税的なものであり、附加価値税においても事業を中心としてやるものですから、今のような問題が出て来ると思うのです。併し又それが根拠となりまして、大阪府におきましては、府庁においては、そういうふうな税の建前であるからして、農村の末端にまで一応賦課し得るような税が一つほしい。それは電気税である。だからして電気税のようなものは、これは一応は府県税として取上げれば府県民が均等に税を出すということも考えられるというようなことが大阪にもありましたけれども、この税の立て方においては、これは我々は止むを得ないと思うのですが、実際においては府県民税と市町村民税というものは、いわゆる附加税的にしてそうしてこれは取るのが本当はよいのではないかと思つておるのであります。例えば鉱産税のごときものは従来の通り六割、三割ということになればこれは税の配分においてもそう問題はないということになるので、これは附加税制度というものの妙味はそこにあると思うのであります。併しながら今度のシヤウプ勧告にはそれがありませんので、どつちか一方にこれをしなければならないというのが原則になつておる関係上、今のような税の配分において偏頗と思われるような配分が行われると思うのです。この点について県税等においては今の岡山の商工会議所等におけるところの見解に対して自治庁の方においてはどんなふうに考えておりましたか、それを一応お聽きしたいと思います。
#57
○政府委員(荻田保君) 非常にむずかしい問題でありまして、大体地方税の骨組を附加税、値価入場税、遊興、税それから市町村民税、固定資産税、まあこの五つに分けてしまいますと、どうもこれより手がないのではないかという感じがするわけで、殊に附加税制度で取れば別でありますが、税をそういうように分けますとこれより仕方がないのではないかと思います。附加価値税にいたしましても、入場税、遊興税は勿論のこと、いわゆる間接税的なものでありまするから、たとえ都市で納めましても、結局農村の人が入場……映画館に入るとか、遊興飲食するとか、或いは附加価値税にすれば物を買うとかいうようなことによつて税を拂つておることになるわけでありますから、消費税や逆に地方税にする以上は、どうしても市町村の段階よりも府県の段階でなければならないわけであります。これより止むを得むいのじやないかと思います。それでせめてものその欠陥を補うために電気税を道府県税にした方がよいのじやないかということは、これは我々一理あるのではないかと思います。併し電気税、ガス税にいたしましてもやはり間接税的なもので、額も極めて小さいものですから、電気税を納めたからといつて地方の県民が大いに県税を納めたというような意識になるかどうかということは別として、或る程度その欠陷が補われるのではないかと思いまして、先程申しましたような税の入れ掲えを考えた方がよいのじやないかと今折衝中でございます。
#58
○委員長(岡本愛祐君) 電気、ガス税に関しまして昨日全国知事会議、都道府県会議長会議から当委員会宛に要望、決議をいたしました、その陳情が参つております。伊能群馬県知事が総代で参りました。それを、その要望事項を朗読いたさせます。
#59
○調査員(法貴三郎君) 朗読いたします。
   電気ガス税に関する要望決議
 今般地方税法の改正に際し電気ガス税はその本質及び府県財政事情より見て是非これを府県税として存読せられるよう全国知事竝全国都道府県議会議長の合同会議の決議を以て茲に強く要望いたします切に特別の御配慮を賜わらんことを願います
   理 由
 一、昭和二十五年度における道村県税の收入を現行税制によるときは八百億に見込まれるのである然るにシヤウプ勧告では税收七百十億円と同額を見込んでいるがこの見込額の中には遊興飲食税、附加価値税、入場税等に相当收入見積過大なものがあると共に是等の種目は凡て経済情勢に支配せられ易い安定性、普遍性を欠くものが多く七百十億円の税收を確保することは実際に於て極めて国難てあると思われる
 特に遊與飲食税の如きほ徴收見込額百二十四億円に対し恐らく五、六割程度しか確保てきないのではないかと予想せらる
 而かも府県は義務教育費、市町村吏員恩給組合補助費、健康保險組合補助費等寧ろ国及び市町村に於て支出すべき性質のものや法令に
  基かないて支出を強要せしめられているものをも負担せしめられ府県財政は全く危殆に陷つておるのてあるから本税の如き有力財源を失う場合にはこれらの支出を負担する事が出来なくなる
 二、府県税の大宗たる入場税、遊興飲食税、附加価値税は納税者が県民のうちの特定の者によつて構成されて居り従つて之等の諸税のみにては地方自治の根本である負担分任の精神が充分に府県税の上に反映されていない然るに電気ガス税は住民の大部分が納める税金てありこれにより住民は府県の自治に参與することになりシヤウプ勧告の趣旨にも合致する
 三、府県の主要税源は何れも大部分市部方面に徴税せられるから将来県の事業施設の地域的分布について市部と郡部間に軋轢を生じ府県行政運営上困難が予想せられる依つて一般県民が負担する電気ガス税を従来通り府県税としてこの欠点を是正する事が是非必要てある
 四、電気ガス税は電気ガスの家庭に於ける使用のみならず会社工場に於ける大量使用をも対象とするから納税額は地域的に偏在しており財源とすることは適当てはなく比較的相互に均衡のとれている府県に與えらるべきである
 五、電気ガスの供齢区域と市町村の行政区域は相互に輻輳しているため税額算定に著しく困難が伴い特別徴收義務者が市町村別に分割納付することは事務的にも亦技術的にも極めて困難てあり且徴税費も亦多額に嵩むことになる
   昭和二十五年一月二十六日
     全 国 知 事 会 議
     全国都道府県議会議長会議
#60
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑ございませんか。それでは今日はこれで敷会いたします。
   午後三時三十分散会
  ――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           岡田喜久治君
   委員
           三木 治朗君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
           太田 敏兄君
           濱田 寅藏君
  国務大臣
   国 務 大 臣 本多 市郎君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次官 荻田  保君
   総務府事務官
   (財政部長)  鈴木 俊一君
   総理府事務官
   (連絡行政部長
   兼法務府事務官
   法制意見総務室
   主幹)     高辻 正巳君
  事務局側
   常任委員会調査
   員       法貴 三郎君
  説明員
   大阪市会財政総
   務委員長    勝田 眞人君
   神戸市役所税務
   課長      安岡 正明君
ソース: 国立国会図書館
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