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1978/04/11 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 本会議 第12号
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1978/04/11 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 本会議 第12号

#1
第087回国会 本会議 第12号
昭和五十四年四月十一日(水曜日)
   午前十時三分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十二号
    ―――――――――――――
  昭和五十四年四月十一日
   午前十時 本会議
    ―――――――――――――
第一 放送大学学園法案(趣旨説明)
第二 国会議員互助年金法の一部を改正する法律
 案(衆議院提出)
第三 国会における各会派に対する立法事務費の
 交付に関する法律の一部を改正する法律案(衆
 議院提出)
第四 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する
 法律の一部を改正する法律案(衆議院提出)
第五 国会議員の秘書の給料等に関する法律の一
 部を改正する法律案(衆議院提出)
第六 議院に出頭する証人等の旅費及び日当に関
 する法律の一部を改正する法律案(衆議院提
 出)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 一、日程第一より第六まで
 一、参議院事務局職員の定員に関する件
     ―――――・―――――
#3
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 寺下岩蔵君から病気のため二十二日間請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#5
○議長(安井謙君) 日程第一 放送大学学園法案(趣旨説明)
 本案について、提出者の趣旨説明を求めます。内藤文部大臣。
   〔国務大臣内藤誉三郎君登壇、拍手〕
#6
○国務大臣(内藤誉三郎君) 放送大学学園法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 わが国の高等教育は、近年急速な発展を遂げ、国際的に見ても高い普及率を示すに至っておりますが、科学技術の進歩や経済の発展に伴い複雑、高度化してきている今日の社会において、国民の高等教育の機会に対する要請は一段と高まり、かつ、多様化しつつあるところであります。
 このような状況において、放送を効果的に活用する新しい教育形態の大学を設置し、大学教育のための放送を行うことにより、広く国民に大学教育の機会を提供することは、生涯にわたり、多様かつ広範な学習の機会を求める国民の要請にこたえるゆえんのものであると考えます。
 さらに、この大学が既存の大学等との緊密な連携を図ることにより、大学間の協力、交流の推進、放送教材活用の普及等の面で、わが国大学教育の充実、改善にも資することになることが期待されるものであります。
 この大学の設置形態につきましては、種々検討を重ねてきたところでありますが、新たに特殊法人を設立し、これが大学の設置主体となるとともに、放送局の開設主体ともなることが適切であると考え、特殊法人放送大学学園を設立するため、この法律案を提出いたしました次第であります。
 この法律案におきましては、特殊法人放送大学学園に関し、その目的、資本金へ組織、業務、大学の組織、財務、会計、監督等に関する規定を設けるとともに、学校教育法、放送法その他関係法律について所要の規定を整備することといたしておりますが、その内容の概要は、次のとおりであります。
 まず第一に、放送大学学園は、放送等により教育を行う大学を設置し、当該大学における教育に必要な放送を行うこと等により、大難教育の機会に対する広範な国民の要請にこたえるとともに、大学教育のための放送の普及発達を図ることを目的とするものであります。
 第二に、放送大学学園は、法人といたしますとともに、その設立当初の資本金は一億円とし、政府がその全額を出資することといたしております。
 第三に、放送大学学園の役員として、理事長一人、理事四人以内及び監事二人以内並びに非常勤の理事三人以内を置き、理事長及び監事は文部大臣が、理事は文部大臣の認可を受けて理事長が、それぞれ任命することとし、その任期はいずれも二年といたしております。
 なお、この学園の設置する大学の学長は、職務上理事となることといたしております。
 また、この学園には、その運営の適正を期するため、理事長の諮問機関として運営審議会を置くこととし、業務の運営に関する重要事項について審議することといたしております。
 第四に、放送大学学園の業務については、放送等により教育を行う大学を設置すること及びこの大学における教育に必要な放送を行うことを規定するとともに、この学園の施設、設備及び教材を他大学における教育または研究のための利用に供することもできることといたしました。
 なお、この法人は、これらの業務を行うほか、主務大臣の認可を受けて、その目的を達成するため必要なその他の業務を行うこともできることといたしております。
 第五に、放送大学学園の設置する大学の組織等についてでありますが、この大学が、特殊法人によって設置される大学であること、放送を利用して教育を行う大学であること等をも考慮し、大学の運営が適切に行われるよう所要の規定を設けることといたしております。
 まず、この大学に、学校教育法に規定する学長、副学長、教授その他の職員を置くこととし、学長は理事長の申し出に基づいて文部大臣が、副学長及び教員は学長の申し出に基づいて理事長が、それぞれ任命することといたしております。
 なお、学長及び教員の任命の申し出は、評議会の議に基づいて行われなければならないことといたしております。
 次に、学長、副学長及び教員の任免の基準、任期、停年その他人事の基準に関する事項は、評議会の議に基づいて学長が定めることといたしております。
 また、この大学に、学長の諮問機関として評議会を置き、大学の運営に関する重要事項について審議するとともに、この法律の規定によりその権限に属させられた事項を行うこととし、学長、副学長及び評議会が定めるところにより選出される教授で組織することといたしております。
 さらに、この大学においては、その教育及び研究の充実を図るため、他大学その他の教育研究機関と緊密に連携し、これらの機関の教員等の参加を積極的に求めるよう規定いたしております。
 第六に、放送大学学園の財務、会計及びこれに対する主務大臣の監督等については、この学園の業務の公共性にかんがみ、一般の特殊法人の例にならって所要の規定を設けておりますが、この法律における主務大臣は、文部大臣及び郵政大臣といたしております。
 第七に、放送大学学園の設立と関連する関係法律の一部改正についてでありますが、まず学校教育法につきましては、この学園が大学の設置者となり得ることを規定するとともに、通信により教育を行う学部の設置に関する規定を設ける等、所要の整備をいたすものであります。
 また、放送法につきましては、この学園の放送等について、放送番組の政治的公平の確保、広告放送の禁止等、所要の規定の整備をいたすものであります。
 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)
#7
○議長(安井謙君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。粕谷照美君。
   〔粕谷照美君登壇、拍手〕
#8
○粕谷照美君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明のありました放送大学学園法案に関して質問いたします。
 放送大学の構想は、放送を媒体として学問と教育を広く国民一般に公開するとともに、大学教育を希望する勤労者及び社会人に広く大学教育の機会を提供することを目的としたものであります。日本社会党は、このような放送大学の構想を、国民のために開かれた大学を目指すものとして、その意義については積極的に評価いたします。しかし、そのためには、学問、教育の自由と、これを保障するための大学の自治が確立されると同時に、国民が真に望んでいる高度で多様な教育の提供が必要であります。
 そこで、最初に総理に基本的なことをお尋ねいたします。
 第一は、マスメディアを効果的に活用する教育機関を学校教育法上の大学として今日設立しようとする理由とその意義は何でありますか。第二に、新しい形態の放送大学がどのような大学であるのか、いま一つ国民に大学としてのイメージがわいてこないのであります。したがって、大学としての実体を備えるためにどのような構想をお持ちでありますか。第三に、放送大学が国民の多様な要求に柔軟に対応するためにはどのような体制が望ましいのか。この三点について御説明を承ります。
 以下、本法案の具体的な問題について政府の見解を伺います。
 まず第一に、放送大学の管理運営に関してお伺いいたします。
 かつてコペルニクスは、天動説に対して地動説を主張したため、時の教会権力から迫害を受けたという史実がございます。これは、学問の自由が人類の発達にとってどんなに大切なものであるかを物語っていると思うのであります。特に、大学は社会において研究教育の中心機関であることから、大学における学問、教育の自由がことのほか強調されているのであります。また、学問の自由は大学の自治がない限りこれを保障することができないのであります。したがって、放送大学が大学であるかどうかの実質的な判断は、当大学に学問の自由、大学の自治が保障されているか否かで決めることができるのであります。文部大臣、大学の自治、学問の自由が放送大学に確保されているとお考えですか。事実を挙げて答弁願います。
 放送大学の設置主体は、国公立でも私立でもなく、日本の大学史上初めての特殊法人であります。本法人が大学設置を目的とする以上、その組織は他の特殊法人とは異なった組織、つまり大学の自治を保障する体制が採用されなければなりません。しかしながら、特殊法人の理事長及び監事は文部大臣の一方的任命であり、大学の学長は理事長の申し出に基づいて文部大臣が任命することになっています。このような人事管理体制で果たして大学の自治が守られるでしょうか。
 次に、大学の内部組織について申し上げます。
 大学には、学長及び副学長を置くほか、学長、副学長と十二名以内の教授から成る評議会が置かれ、これらの機関が教員の人事権、管理運営権を掌握することになっています。放送大学の完成時には、常勤、非常勤を合わせて四千名近い教員が配置され、年間経常費は約三百億円と見込まれております。このような大規模な放送大学の人事と大学運営を一握りの首脳陣の一存で行うことは、大学自治にもとるばかりでなく、放送大学の発展の障害になるのでないかと思いますが、文部大臣の見解を示されたいと思います。
 また、本法案には、教授会に関する規定がなく、評議会と教授会の関係、また、大学組織における教授会の位置づけが明確でありません。学校教育法に定める教授会は評議会の単なる下請機関となるのかどうか、文部大臣に明確な答弁を願います。
 翻って、本法案が意図する管理体制を図式化しますと、文部大臣−理事長−学長−副学長−評議会−教員と、上意下達の管理統制の仕組みが貫徹されております。その上、文部大臣には、大学に対して教育の調査等教育内容に関する報告書を提出させる権限が与えられております。まさに統制一色の支配体制と言われても弁明できないと思います。これでは、学問の自由、大学の自治は確保されず、放送大学は大学とは言えないものに陥る危険性が多いと言わざるを得ないのであります。総理大臣、このような管理体制を大学らしい組織に改めるために再検討されるおつもりはありませんか。
 次に、教員の身分保障について伺います。
 教員人員の問題は、大学自治の確保にとって重要な柱であります。教員の転任、降任及び免職につきましては、国公立大学の場合、評議会または教授会の審査の結果によるものでなければその意に反して処分されない旨、教員公務員特例法は定めております。しかし、本法案には、このような身分保障規定は設けられていません。特に、放送大学の学習コースが、「生活と福祉」とか「人間の発達と教育」など、既存の法律学、経済学等のように学問体系が確立していない分野であること、また、放送による講義が教室内の授業と異なって、不特定多数の公衆によって視聴されるので、講義に対する非難、批判、抗議は、他の大学に比べてかなり多いことが予想されます。それだけに、放送大学の教員につきましては、むしろ教育公務員以上の身分保障規定を設ける必要があると考えますが、文部大臣の所見を伺います。
 また、本法案は、教員の任期制を採用しており、これによって教員の身分は一層不安定なものとなっております。さきに述べましたように、教員の地位、身分の保障は、学問の自由、大学の自治確保の根幹をなすものであり、この点からも大学としてその体をなしているのか疑わしいものであります。なお、わが国の大学では任期制が採用されていない中で、ひとり本大学だけがこれを採用することは、すぐれた人材を誘致する上で大きな障害とならないか、大臣の見解をただします。
 第三に、現行の放送法制にかかわって伺います。
 わが国の放送法が、NHKと民間放送事業者のみを放送事業者として、国は放送局の免許主体者となり得ないとしています。これは、限りある電波によって不特定多数を対象とする国民への思想統制を抑止する配慮から、国営放送を禁ずる思想から出ているのであります。ところが、本法案による電波は、この大学の放送を通じて講義を受ける学生のみならず、不特定の国民だれもが受信し得る第三の新しい系列の電波です。しかも、より重要なことは、特殊法人という全額国庫負担による電波であり、準国営放送と言うべきものです。したがって、国営放送を禁ずる思想は、国の財政支出をも原則的に排除するものであって、今回の制度はこれに相反する性格を持つものと考えざるを得ません。このように、放送大学は、放送の面から見ると、現行の放送法制の抜本的変更を求めていると考えざるを得ません。郵政大臣の御所見を伺います。
 さらに、放送法の基本的な秩序にかかわる問題を本法の附則でもって処理が行われておりますが、この問題は、すでにありますNHKの教育放送、さらには通信教育などの分野と競合ないしは併存する機能が少なくなく、これらの問題を含め、十分なる検討が必要であります。政府の扱いは、この問題を軽視したものと言わざるを得ませんが、郵政大臣の御見解はいかがでありましようか。
 第三に、放送大学の教育研究水準の確保について伺います。
 本大学は、従来の大学と異なり、放送というマスメディアを大学教育に活用することに特色があります。ところが、その特色が次のような問題を提起しております。
 まず、放送法第四十四条第三項のいわゆる放送コードの準用が放送大学の教育研究の自由を制約し、大学らしい講義をできなくするのではないかという疑問であります。放送コードには、「政治的に公平であること。」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする」という規定があります。これを放送大学に準用すると、もろもろの学説を並列的に紹介するにとどまり、蒸留水のような講義にならないかという疑問であります。自己の研究成果に基づいて、異なった学説と争い、自己の学説の正しさを論証するような迫力ある講義が放送大学で期待できるのでしょうか。また、放送コードが教育内容に対する政治的攻撃の根拠になることを憂うるものであります。そもそも、学問とは現状を批判する面が強いものでありますが、文部大臣の見解を承りたいと存じます。
 次に、放送による教育の限界についてお尋ねします。
 大学における教育には、教員と学生とが学問内容について議論したり質疑応答を行ったりすることがきわめて重要なことであります。ところが、放送による授業では、現在のところ、学生が教員に質問することができず、教育効果には一定の限界があります。私は、昨年、訪英議員団の一員としてイギリスのオープンユニバーシティーを調査してまいりましたが、そこでは、学生に対する直接指導を非常に重視しておりました。すなわち、放送授業時間よりも直接授業時間の方が多く確保されており、合宿制による一週間のサマースクール等も実施しておりました。わが国の放送大学においても、スクーリングの充実は大学の教育水準を確保する上できわめて重要でありますが、文部大臣のお考えをお伺いします。
 また、大学に欠くことのできない研究機能を放送大学はどう確保するのか、さらに、昨年設立された放送教育開発センターは研究面でどのような役割りを果たすのか、御答弁を願います。
 第四に、私立大学の通信教育との関係についてお尋ねします。
 私立大学が行っている通信教育は、政府から大きな援助を受けることなく、困難な状況の中で三十有余年の伝統を築いてまいりました。今日まで六万人の卒業生を世に送り出しています。このような私大通信教育が放送大学の創設によって不当に圧迫されるようなことは、絶対にあってはならないのであります。むしろ、両者が相互に発展できるような関係をつくり出すことが大切であります。私大通信教育関係者から、放送大学に関連して、同大学の運営への参加、学習センターの共同利用、放送利用の機会の開放についての要望が出されていますが、これらをどのように生かされるのか、具体策を示してください。
 第五に、有給教育休暇等について伺います。
 放送大学を成功させる一つの条件として、学生の学習条件の確保の問題があります。私立大学の通信教育の例を見ますと、卒業する割合は一、二割程度にすぎず、卒業できない最大の理由は、スクーリングに出席するための休暇がとれないことにあります。また、スクーリングに出席している者でも、欠勤扱いを受けたり、中には休職や退職をする者まで出ているのが現状であります。放送大学にとりましても、有給教育休暇制度や週休二日制度の確立は不可欠と考えますが、総務長官、労働大臣及び文部大臣のお考えを承りたいと存じます。
 最後にお尋ねしたいことは、放送大学のみが電波を独占し、放送を利用した大学教育を行うことは、学問の公定化、思想画一化の誘導につながらないかという疑問、不安であります。私大の通信教育関係者から電波の利用の道を開いてほしいとの要望がありますが、複数の大学教育放送が実現できるよう他大学にも放送大学学園の電波を開放することについて、文部大臣の見解を述べていただきたいと存じます。
 以上、五点にわたって質問いたしましたが、放送大学を成功させるためには、学問の自由、大学の自治の確立はもとより、人材誘致、スクーリングの充実、教育休暇制度の確立等、学習条件の整備が実現されなければなりません。その他、放送大学が真に開かれた大学になるためには、国公私立大学から全面的な協力が得られるよう体制づくりを行うこと、国民の要求を把握し、これに柔軟に対処できる体制をつくることが必要であり、さらに財政の確立も必要と考えます。放送大学は新しい試みであるだけに、学問の自由の面からも、放送法制の面からも、問題が多面的に提起されておりますが、国民的な合意が得られるまで、安易に結論を急がず、さらに慎重な検討を行うことが必要であります。総理及び文相の御見解を伺い、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#9
○国務大臣(大平正芳君) 粕谷さんの第一の御質問は、放送大学を学校教育法上の大学として設立しようとする理由はどうかというお尋ねでございました。これは、申すまでもなく、マスメディアを活用いたしまして学習の機会をできるだけ広く提供せられたいという国民の要請にこたえようとするものでございます。
 それから第二の御質問は、この放送大学はいま一つイメージがはっきりしない、その実体の充実、整備、それから多様な要請をどのようにこなしていくかというようなことについてどういう構想を持って臨もうとするのかという意味の御質問でございました。これにつきましては、法律にもございますように、放送大学学園という法人を設立いたしまして、これに柔軟でかつ創造的に対応してやっていただこうとしておるものでございます。したがいまして、この特殊法人の人的構成、その運営は、その意味で非常に大事になってくると考えております。
 それから第三の、この管理体制は法案で見る限りにおいてどうも心配である、もう一度考え直して再検討を加える必要があるじゃないかということでございます。御質問の御趣旨は私もよく理解できますけれども、この問題は、放送大学学園の今後の運営の実態、推移を十分注意して、逐次その改善を加えることによって御要請にこたえるべきでないかと考えております。
 それから最後に、この放送大学を成功に導くために数点にわたっての強い要請がなされました。一々ごもっともでございまして、十分その意を体して対処いたしたいと存じます。
 自余の質問に対しましては関係大臣からお答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣内藤誉三郎君登壇、拍手〕
#10
○国務大臣(内藤誉三郎君) 粕谷さんの御質問にお答えいたします。
 まず第一に、放送大学の管理運営の問題について申し上げます。
 まず、放送大学における大学の自治の問題でありますが、放送大学が特殊法人の設置する大学であることに留意し、大学の自主性を尊重する見地から、教員人事に関し所要の規定を設け、監督命令については財務または会計に関する事項に限定するなどの点に配慮しているのでありまして、大学の自治、学問の自由は確保されているものと考えております。
 次に、放送大学の学長の任命についてでありますが、放送大学の学長については、理事長の申し出に基づいて文部大臣が任命することとしておりますが、理事長のその申し出は、評議会の議に基づいて学長が定める基準により、評議会の議に基づいて選任された候補者について上申することとしており、学長の人事に関する大学の自主性は損なわれていることはないと考えております。
 次に、評議会の制度についてでありますが、放送大学においては、教員組織の複雑性等に照らし、評議会を置くことといたしております。その構成については、放送大学の教員団の構成単位として想定される専攻から最低一人の教授が評議員として選出されることを予定し、各分野の意見が十分反映されるよう配慮しており、大学の自治にもとることは絶対ないと考えております。
 次に、放送大学における教授会の性格についてでありますが、放送大学の教授会も、学校教育法の定めるところにより、教育研究に関する重要な事項を審議するという基本的な性格において異なるものではないと考えております。
 次に、教員の身分保障についてでありますが、放送大学の教員については、人事の基準に関する事項については評議会の議に基づいて学長が定めることとし、免職、降任については評議会の議に基づいて行うこととするなど、教育公務員特例法に準じて所要の規定を設け、身分保障について配慮したところであります。
 次に、教員の任期制の問題でありますが、放送大学の特殊性にかんがみ、特定の教員が永続的に放送大学の教員の地位を占めることは適当ではなく、広く各方面のすぐれた人材が適宜参加する体制をとり得るよう、教員について任期制を採用することを予定したものであります。また、放送大学における教員の任期制が円滑に機能し、優秀な人材の協力、参加を得るためには、任期制の意義について関係各大学の理解が必要であるので、文部省においても、関係者の間に十分な理解と協力が得られるよう努力したいと考えております。
 第二に、放送大学の教育研究水準の確保の問題について申し上げます。
 まず、いわゆる放送コードによる教育研究の自由の制約の問題についてであります。この問題は、放送大学が放送を通じて教育を行うことによる当然の要請にかかるものであり、まず、政治的公平の問題につきましては、教育基本法第八条の規定によって、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない」こととされているところであって、放送大学の授業としての放送が政治的に公平でなければならないことは当然のことと考えております。
 また、意見が対立する問題はできるだけ多角的に論点を明らかにするという問題についても、大学の通常の講義においても多角的な考察によって問題点を明らかにすることが要求されるところであって、これによって放送による教育内容の水準を低下させるものではないと考えております。
 次に、スクーリングの充実問題でございますが、御指摘のとおり、放送の持つ教育的機能を補完する意味で、スクーリングは欠くことのできない大切なものと考えております。このため、放送大学においては、各都県に学習センターを置き、放送大学の教員によるほか、国公私立大学の教員の協力を得て、適切かつ充実した指導を行うことといたしているところであり、大学の教育水準を確保するに必要なスクーリングの実施は可能であると考えております。
 次に、教育研究の問題についてでありますが、放送大学においても、教育と並んで研究機能を持たなければならないことは言うまでもないところであり、これまでの検討においても、この点について配慮すべきことが指摘されているところであって、今後、放送大学の具体的計画を取りまとめるに当たって十分配慮してまいりたいと考えております。
 この点に関連して、昨年設立された放送教育開発センターは、放送教育の内容、方法等に関する研究開発を行うことを目的とするものであって、その面の研究開発については、放送大学と密接な連携協力のもとに、重要な役割りを果たすことを期待するものであります。
 第三に、私立大学通信教育関係者からの要望の問題について申し上げます。
 放送大学の運営への参加の問題については、放送大学学園法案においては、学園の運営に広く有識者の意見を反映させるために、理事長の諮問機関として運営審議会を置くこととしておりますので、私立大学通信教育の関係者を運営審議会の委員に任命することにより、その意見を反映させるよう配慮することといたしたいと考えております。
 また、放送大学の学習センターの共同利用及び放送大学学園の放送事業として私立大学通信教育のための放送を行うことについては、法案においてそのことを想定しての所要の規定を設けたところであり、具体の利用の問題については、今後放送大学学園及び放送大学側と協会側とで十分協議しながら適切に対処することになるものと考えております。
 第四に、有給教育休暇制度や週休二日制度を確立するという御提案についてでありますが、この問題は大変大事な問題でありますが、他省庁にもかかわる種々の問題等々もあり、今後の社会経済情勢等も見きわめながら、今後慎重に検討してまいりたいと考えております。
 第五に、他大学へ電波を開放することについてでありますが、放送大学の教育に支障のない範囲で、他大学、特に私立大学通信教育のための放送に開放できることが望ましいと考えているところであり、法案においてそのための所要の規定を設けたところであります。今後学園側と関係大学との間で具体の問題について協議の上、適切に対処されることを期待するものであります。
 最後に、放送大学については国民的合意が得られるまで慎重な検討を行うべきとの御提案についてでありますが、放送大学の構想については、各方面の御賛同を得ているところであり、その実現を図りたいと考えております。もとより、今後放送大学の構想を実施に移すに当たっては、具体の問題については各方面の意見を伺い、理解を得ながら進める必要があると考えておりますので、十分御理解をいただきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
   〔国務大臣白浪仁吉君登壇、拍手〕
#11
○国務大臣(白浜仁吉君) 粕谷議員の私に対する御質問にお答えいたします。
 放送大学学園の放送は準国営放送であり、放送法の精神になじまないのではないかとの御指摘でございますが、この法律案では、主務大臣は学園及びその設置する大学に対し財務、会計以外の監督命令は行うことができないなど、大学の自治の保障、放送番組編集の自由の保障等の見地から特に配意した措置を講じておりまして、国からの独立は十分確保されており、御指摘のような国営放送としての懸念はないものと考えます。また、学園の放送は大学教育のための放送に限られており、既存の放送秩序に及ぼす影響は少なく、放送体制の基本的な変革にはならないものと考えております。
 次に、放送法を放送大学学園法案の附則で改正することにつきましては、放送大学学園は、その業務として、大学を設置いたしますとともに、当該大学における教育に必要な放送等を行うこととしており、この放送を行うために必要と考えられる点につきまして、この法案の附則により、放送法の手直しをすることとした次第であります。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣栗原祐幸君登壇、拍手〕
#12
○国務大臣(栗原祐幸君) 私に対する御質問は、放送大学に学ぶ勤労者に有給休暇を与えて教育を受けさせろと、そういう制度の確立をしろと、それに関連して週休二旧制を強力に進めないのかと、こういうような御趣旨だと思います。
 この点に関しましては、昭和五十年度から有給教育訓練休暇に関しまして奨励給付金を与える制度をすでに確立しております。これを活用願いたいと思います。
 なお、週休二日制につきましては、いままでもこれが実現に推進してまいりましたけれども、さらに強力に推進してまいりたいと、こう考えるわけでございます。(拍手)
   〔国務大臣三原朝雄君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(三原朝雄君) 私に対する御質問は、放送大学設置に伴って、国家公務員の勤務、休暇の問題等に触れてお尋ねでございました。
 そこで、放送大学が設置されますれば、私は、やはり公務員も学生としてお世話になる、そういうことを予想するわけでございます。
 そこで、週休二日制の問題でございますが、御承知のように、再試行を実施いたしまして、三月末これを終了し、各省庁におきましてはただいまその結果をまとめておる段階でございます。この結果を踏まえまして、私ども、社会経済の状態でございますとか、あるいは民間の週休二日制の問題、あるいは国民世論の問題等を勘案をし、特に、政府といたしましては予算並びに定員を増加させないという条件もあるわけでございますが、そういう諸般の条件を踏まえて、人事院の最終的な意見を待って対処してまいりたいと考えておるわけでございます。
 次に、公務員の休暇制の問題でございますが、これは人事院の所管でございますけれども、政府といたしましても、やはり、民間の休暇の問題でございまするとか、あるいはまた国民の世論等を勘案をいたしまして、これらに十分留意しながら、いま先生御指摘の公務員の放送大学設置に伴っての勤務、休暇、給与等の問題をひとつ検討をして対処してまいりたい、要請にこたえたい、そういうことでおるところでございます。(拍手)
#14
○議長(安井謙君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#15
○議長(安井謙君) 日程第二 国会議員互助年金法の一部を改正する法律案
 日程第三 国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第四 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第五 国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案
 日程第六 議院に出頭する証人等の旅費及び日当に関する法律の一部を改正する法律案
  (いずれも衆議院提出)
 以上五案を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。議院運営委員長木村睦男君。
   〔木村睦男君登壇、拍手〕
#16
○木村睦男君 ただいま議題となりました国会議員互助年金法の一部を改正する法律案外四件につきまして、御報告申し上げます。
 まず、国会議員互助年金法の一部を改正する法律案は、昭和四十九年三月三十一日以前に退職した国会議員等に給する互助年金について、本年四月から基礎歳費月額を現行の五十四万円から五十六万円に改定するとともに、普通退職年金の若年停止に関する規定を設けようとするものでありまして、委員会におきましては、審査の結果、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
    ―――――――――――――
 次に、国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の一部を改正する法律案は、本年四月から立法事務費の月額を現行の四十万円から六十万円に改めようとするものであります。
 次に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案は、本年四月から議会雑費の日額の最高限度額を現行の三千五百円から四千五百円に改めようとするものであります。
 次に、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案は、国会議員の秘書に支給される勤続特別手当の計算の基礎となる在職期間に、秘書から引き続いた秘書参事等の在職期間を加えるとともに、勤続特別手当の月額を期末手当及び勤勉手当の額の計算の基礎に加えようとするものであります。
 次に、議院に出頭する証人等の旅費及び日当に関する法律の一部を改正する法律案は、国家公務員等の旅費に関する法律の改正にかんがみ、議院に出頭する証人等に対して、鉄道旅行の急行料金が支給される範囲を現行の百キロメートル以上から五十キロメートル以上に改めるとともに、旅費の支給方法の調整を図ろうとするものであります。
 以上四件は、いずれも、委員会におきましては、審査の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#17
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 まず、国会議員互助年金法の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よりて、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#19
○議長(安井謙君) 次に、国会における各会派に対する立法事務費の交付に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#20
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#21
○議長(安井謙君) 次に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案並びに議院に出頭する証人等の旅費及び日当に関する法律の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。
 三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#22
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、三案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#23
○議長(安井謙君) この際、参議院事務局職員の定員に関する件についてお諮りいたします。
 議長は、本件につきまして、議席に配付いたしましたとおりの参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案を議院運営委員会に諮りましたところ、異議がない旨の決定がございました。
    ―――――――――――――
#24
○議長(安井謙君) 本規程案に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 本日は、これにて散会いたします。
   午前十時五十分散会
ソース: 国立国会図書館
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