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1978/06/01 第87回国会 参議院 参議院会議録情報 第087回国会 本会議 第16号
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1978/06/01 第87回国会 参議院

参議院会議録情報 第087回国会 本会議 第16号

#1
第087回国会 本会議 第16号
昭和五十四年六月一日(金曜日)
   午前十時四分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第十六号
  昭和五十四年六月一日
   午前十時開議
 第一 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規
  制に関する法律の一部を改正する法律案(第
  八十四回国会内閣提出、第八十七回国会衆議
  院送付)
 第二 農業者年金基金法の一部を改正する法律
  案(内閣提出、衆議院送付)
 第三 船員の雇用の促進に関する特別措置法の
  一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
  付)
 第四 昭和五十年度一般会計歳入歳出決算、昭
  和五十年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十
  年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五
  十年度政府関係機関決算書
 第五 昭和五十年度国有財産増減及び現在額総
  計算書
 第六 昭和五十年度国有財産無償貸付状況総計
  算書
 第七 昭和五十二年度一般会計予備費使用総調
  書及び各省各庁所管使用調書(その2)(衆
  議院送付)
 第八 昭和五十二年度特別会計予備費使用総調
  書及び各省各庁所管使用調書(その2)(衆
  議院送付)
 第九 昭和五十二年度特別会計予算総則第十一
  条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管
  経費増額調書(その2)(衆議院送付)
 第一〇 昭和五十三年度一般会計予備費使用総
  調書及び各省各庁所管使用調書(その1)
  (衆議院送付)
 第一一 昭和五十三年度特別会計予備費使用総
  調書及び各省各庁所管使用調書(その1)
  (衆議院送付)
 第一二 昭和五十三年度特別会計予算総則第十
  一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所
  管経費増額調書(その1)(衆議院送付)
 第一三 昭和五十二年度一般会計国庫債務負担
  行為総調書
 第一四 昭和五十二年度特別会計国庫債務負担
  行為総調書
 第一五 昭和五十三年度一般会計国庫債務負担
  行為総調書(その1)
 第一六 国務大臣の報告に関する件(地方財政
  法第三十条の二の規定に基づく地方財政の状
  況について)
 第一七 国務大臣の報告に関する件(農業基本
  法に基づく昭和五十三年度年次報告及び昭和
  五十四年度農業施策、林業基本法に基づく昭
  和五十三年度年次報告及び昭和五十四年度林
  業施策並びに沿岸漁業等振興法に基づく昭和
  五十三年度年次報告及び昭和五十四年度沿岸
  漁業等の施策について)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、国土審議会委員の選挙
 以下 議事日程のとおり
     ―――――・―――――
#3
○議長(安井謙君) これより会議を開きます。
 この際、国土審議会委員六名の選挙を行います。
#4
○戸塚進也君 国土審議会委員の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#5
○大塚喬君 私は、ただいまの戸塚君の動議に賛成をいたします。
#6
○議長(安井謙君) 戸塚君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、国土審議会委員に金丸三郎君、園田清充君、山内一郎君、小柳勇君、矢原秀男君、立木洋君を指名いたします。
     ―――――・―――――
#8
○議長(安井謙君) 日程第一 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(第八十四回国会内閣提出、第八十七回国会衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。科学技術振興対策特別委員長塩出啓典君。
   〔塩出啓典君登壇、拍手〕
#9
○塩出啓典君 ただいま議題となりました核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、科学技術振興対策特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、動力炉・核燃料開発事業団及び日本原子力研究所以外の者も、内閣総理大臣の指定を受けた場合には、再処理事業を行うことができることとすることにより、再処理事業を行うことができる者の範囲を拡大するとともに、再処理事業の規制に関し、その充実強化を図ろうとするものであります。
 なお、本案については、衆議院において、原子力委員会及び原子力安全委員会の意見の尊重義務の規定について所要の修正が行われております。
 委員会においては、内閣総理大臣の出席を求め、また、参考人の意見を聴取する等、長時間にわたり熱心な質疑が行われました。
 質疑で取り上げられた主な点は、スリーマイル島原子力発電所の事故及び国内の原子力発電所の安全対策の見直し、再処理工場の民営化の是非及び核不拡散政策と核燃料サイクルをめぐる国際問題等でありますが、その詳細は会議録に譲ります。
 質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党松前理事、公明党藤原理事、日本共産党佐藤理事、社会民主連合秦委員よりそれぞれ反対、自由民主党・自由国民会議長谷川理事、民社党中村委員、新自由クラブ柿沢委員よりそれぞれ賛成の意見が述べられました。
 続いて、採決の結果、本法律案は多数をもって衆議院送付案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本法律案に対し、当委員会では、六項目にわたる附帯決議が行われました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#10
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#11
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決されました。
     ―――――・―――――
#12
○議長(安井謙君) 日程第二 農業者年金基金法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長久次米健太郎君。
   〔久次米健太郎君登壇、拍手〕
#13
○久次米健太郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。
 本法律案は、年金給付の額を物価の変動に応じて自動的に改定する措置を国民年金に準じて講ずるとともに、加入時期を逸し、加入できなくなっている農業後継者について加入の救済措置を講じようとするものであります。
 委員会におきましては、農業者年金の財政問題、構造政策とのかかわり、保険料の設定及び積立金の運用のあり方、遺族年金の創設、特定後継者の要件の緩和等について質疑が行われました。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 続いて、青井理事から各会派共同の附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#14
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#15
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#16
○議長(安井謙君) 日程第三 船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長三木忠雄君。
   〔三木忠雄君登壇、拍手〕
#17
○三木忠雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本法律案は、近海海運業等に係る事業規模の縮小等に伴い、離職船員が今後も引き続き発生すると予想される状況にかんがみ、就職促進給付金の支給に関する特別措置の対象となる離職船員の離職の日に関する期限を昭和五十八年六月三十日まで延長しようとするものであります。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#18
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#19
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決されました。
     ―――――・―――――
#20
○議長(安井謙君) 日程第四 昭和五十年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十年度政府関係機関決算書
 日程第五 昭和五十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 日程第六 昭和五十年度国有財産無償貸付状況総計算書
 日程第七 昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(衆議院送付)
 日程第八 昭和五十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(衆議院送付)
 日程第九 昭和五十二年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(衆議院送付)
 日程第一〇 昭和五十三年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(衆議院送付)
 日程第一一 昭和五十三年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(衆議院送付)
 日程第一二 昭和五十三年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(衆議院送付)
 日程第一三 昭和五十二年度一般会計国庫債務負担行為総調書
 日程第一四 昭和五十二年度特別会計国庫債務負担行為総調書
 日程第一五 昭和五十三年度一般会計国庫債務負担行為総調書(その1)
 以上十二件を一括して議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。決算委員長寺田熊雄君。
   〔寺田熊雄君登壇、拍手〕
#21
○寺田熊雄君 ただいま議題となりました昭和五十年度決算外二件及び予備費関係等九件につきまして、決算委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
 まず、昭和五十年度決算は、昭和五十一年十二月三十日国会に提出され、同五十三年四月十日当委員会に付託され、また、国有財産関係二件は、昭和五十二年一月二十八日国会に提出され、同日、当委員会に付託されました。
 委員会は、決算外二件の審査に当たりましては、国会の議決した予算が所期の目的に沿い適正かつ効率的に執行されたかどうかを初め、政治的見地をも含めて、広く国民的視野からの実績批判を行い、その結果が将来の予算策定に反映せらるべきであるとの観点に立って審査を行ってきたのであります。
 この間、本件決算審査のための委員会を開くこと十九回、別に述べるような内閣に対する警告に関する質疑のほか、財政経済政策、外交、エネルギー対策、いわゆる円高をめぐる諸問題雇用対策、国鉄の経営問題教育勅語論争、医療、余剰米処理、航空機輸入に絡む諸問題、金大中事件、政治資金、会計検査院の権限強化等、行財政全般について熱心な論議が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 なお、茜ケ久保前委員長当時よりの懸案事項でありました国有林野内の河川敷地管理権の帰属について、農林水産、建設両省の統一見解が報告せられましたことを申し添えておきます。
 五月三十日、質疑を終了し、まず、昭和五十年度決算外二件について討論に入りました。その議決案の第一は、本件決算の是認、第二は、内閣に対する七項目の警告であります。
 討論におきましては、日本社会党を代表して穐山委員、公明党を代表して和泉委員、日本共産党を代表して沓脱委員、民社党を代表して三治委員より、それぞれ、本件決算は是認できないが、内閣に対する警告案には賛成である旨の意見が述べられ、また、自由民主党・自由国民会議を代表して楠委員より、本件決算を是認するとともに、内閣に対する警告案にも賛成である旨の意見が述べられました。
 討論を終わり、議決案を採決の結果、本件決算は多数をもって是認すべきものと議決され、次いで、内閣に対する警告案については全会一致をもって警告すべきものと議決された次第であります。
 内閣に対する警告は次のとおりであります。
 (1) 国家公務員が、退職後、特殊法人等の役員として就職する件に関しては、先に、その適不適をめぐって、さまざまな論議がなされた結果、政府は、昭和五十二年十二月二十三日、閣議決定により、役員の選考に関する厳格な基準を定めるとともに、給与、退職金制度についても、抑制的措置を講ずるなど、その適正化に努めたところであるが、その後においても、依然として、この問題に関する論議が、跡を絶たず、閣議決定の厳守を求める世論も少なしとしないのである。
   政府は、この間の事情に思いをいたし、なお一層、右閣議決定の趣旨の実現に努めるとともに、認可法人に関しても、特殊法人に準じ、その肥大化の防止と役員給与の是正について、遺憾なきを期すべきである。
 (2) 近時、官公署に対し、団体等の職員と称する者により、市価に比して、著しく高価な物品の、執ような売り込みが行われる一方、当該官公署においては、十分な調査も行わず、責任の所在もあいまいなまま、これらの物品を購入するなど、物品調達に適切を欠く事例が、見受けられるのは遺憾である。
   政府は、官公署における物品調達に際して、綱紀の維持に努め、このような事態の絶滅を期すべきである。
 (3) 近時、銃砲の管理については、暴力団による不法所持及び発砲、あるいは猟銃の誤射・暴発等が跡を絶たず、加えて、先般大阪市で発生した、「銀行強盗殺人並びに人質立てこもり事件」においては、正規の所持許可を受けた猟銃が、人身の殺傷を伴う凶悪犯罪に使用されたものであって、看過できない。
   政府は、正規の銃砲の所持者に対しても、監視を厳にし、違法な所持者に対しては、一層その摘発に努めるとともに、銃砲刀剣類の所持許可についての法令、あるいはその運用の基準等について見直しを行い、所持許可を与える場合には、その必要性や乱用の危険性等について、十分精査し、不祥事態発生の絶滅を期すべきである。
 (4) 防衛庁が、アメリカ合衆国から、FMS方式(軍事有償援助)により、誘導武器等の装備品を購入する件に関し、代金の支払いが、完了しているにもかかわらず、昭和四十九年以降、現品の納入が遅延している事実が、指摘せられていることは、当委員会として看過しがたいところである。
   政府は、今後、同方式による契約の執行に当たっては、予算の効率的使用に遺憾なきを期すべきである。
 (5) 豪雪地帯に対しては、従来より、各般の助成措置が講ぜられ、逐次、諸施設の改善をみつつあるが、なお必ずしも十分とはいいがたく、とくに、道路交通網の確保、文教施設の整備、雪害に対する税法上の控除制度の周知方については、さらに一段の努力が、要望せられるところである。
   政府は、積雪のとくにはなはだしい地域における、住民の生活上の困難を深く認識し、今後とも、関係行政機関の行う助成措置の充実と、その効果の浸透に努め、もって地域格差の解消を図るべきである。
 (6) 運輸省では、地方バス路線が、地域住民の日常生活に、不可欠なものであることにかんがみ、都道府県が、事業主体となり、地方路線バス事業者に、運行を維持させるため実施している補助事業に対して、地方バス路線維持費補助金を交付し、逐年、その成果を上げているが、一部の府県では、財政事情等により、事業の縮小を余儀なくされている事例が、見受けられる。
   政府は、地方路線バス事業者が、適切な運賃で路線の運行を維持できるよう、現行補助制度の充実に意を用い、もって地方における、公共交通機能の整備向上に努めるべきである。
 (7) 近年、不動産取引に関し、誇大広告等により、宅地・建物購入者が被害を受けている事例が、数多く見られ、中でも、大和スキー開発株式会社のように、購入者に多大の損害を与えた末、倒産、廃業し、その後においても顧客を誘引し、新たな被害を発生せしめている旨が、論議せられるがごときは、看過できない。
   政府は、地方公共団体と協力し、この種の悪質な行為の横行を阻止するため、これら業者に対する監督を厳重にし、不正事実が立証された場合は、遅滞なく、これを処分し、購入者の保護、啓発等に、遺漏のないよう配意するとともに、関係法令の見直しを行い、もって宅地、建物の取引の公正を確保するよう、所要の措置を講ずべきである。
 以上であります。
 次に、国有財産関係二件につきましては、採決の結果、いずれも多数をもって異議がないと議決された次第であります。
    ―――――――――――――
 次に、昭和五十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)外八件について申し上げます。
 議題となりました九件の内容は、昭和五十二年一月一日から同年十二月三十一日までの間に決定せられた一般会計、特別会計の予備費関係及び国庫債務負担行為に係る経費等でありまして、主な項目として、災害復旧、外国旅費、国内米買い入れ費、郵便貯金の支払い利子、訴訟における和解の履行等に要する経費等が挙げられております。
 委員会におきましては、以上九件につきまして、大蔵当局から説明を受けた後、質疑に入りましたが、その詳細は会議録で御承知願いたいと存じます。
 同じく五月三十日、質疑を終了し、採決の結果、予備費関係六件につきましては多数をもって承諾を与えるべきものと議決され、また、国庫債務負担行為関係三件につきましては全会一致をもって異議がないと議決された次第であります。
 以上御報告申し上げます。(拍手)
#22
○議長(安井謙君) これより採決をいたします。
 初めに、昭和五十年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十年度国税収納金整理資金 、昭和五十年度政府関係機関決算書について採決をいたします。
 本件の委員長報告は、本件決算を是認すること及び内閣に対し警告することから成っております。
 まず、本件決算を是認することについて採決をいたします。
 表決は記名投票をもって行います。本件決算を委員長報告のとおり是認することに賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
 議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行います。
   〔議場閉鎖〕
   〔参事氏名を点呼〕
   〔投票執行〕
#23
○議長(安井謙君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れはないと認めます。投票箱閉鎖。
   〔投票箱閉鎖〕
#24
○議長(安井謙君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
   〔議場開鎖〕
   〔参事投票を計算〕
#25
○議長(安井謙君) 投票の結果を報告いたします。
  投票総数        二百二十一票
  白色票          百二十一票
  青色票             百票
 よって、本件決算は委員長報告のとおり是認することに決しました。(拍手)
     ―――――・―――――
  〔参照〕
 賛成者(白色票)氏名      百二十一名
      青井 政美君    浅野  拡君
      井上 吉夫君    伊江 朝雄君
      岩動 道行君    石破 二朗君
      石本  茂君    糸山英太郎君
      稲嶺 一郎君    岩上 二郎君
      岩崎 純三君    上田  稔君
      上原 正吉君    植木 光教君
      江藤  智君    衛藤征士郎君
      遠藤  要君    遠藤 政夫君
      小澤 太郎君    大石 武一君
      大島 友治君    大鷹 淑子君
      大谷藤之助君    岡田  広君
      長田 裕二君    加藤 武徳君
      梶木 又三君    片山 正英君
      金井 元彦君    金丸 三郎君
      上條 勝久君    亀井 久興君
      亀長 友義君    木村 睦男君
      北  修二君    久次米健太郎君
      楠  正俊君    熊谷太三郎君
      熊谷  弘君    源田  実君
      小林 国司君    古賀雷四郎君
      後藤 正夫君    郡  祐一君
      佐々木 満君    佐藤 信二君
      斎藤栄三郎君    斎藤 十朗君
      坂野 重信君    坂元 親男君
      山東 昭子君    志村 愛子君
      嶋崎  均君    下条進一郎君
      新谷寅三郎君    菅野 儀作君
      鈴木 正一君    鈴木 省吾君
      世耕 政隆君    園田 清充君
      田代由紀男君    高橋 圭三君
      高橋 誉冨君    高平 公友君
      竹内  潔君    玉置 和郎君
      塚田十一郎君    土屋 義彦君
      寺下 岩蔵君    戸塚 進也君
      徳永 正利君    内藤誉三郎君
      中西 一郎君    中村 啓一君
      中村 太郎君    中村 禎二君
      中山 太郎君    永野 嚴雄君
      夏目 忠雄君    鍋島 直紹君
      成相 善十君    西村 尚治君
      野呂田芳成君    長谷 川信君
      秦野  章君    初村滝一郎君
      鳩山威一郎君    林  寛子君
      原 文兵衛君    平井 卓志君
      福岡日出麿君    福島 茂夫君
      藤井 裕久君    藤井 丙午君
      藤川 一秋君    二木 謙吾君
      降矢 敬義君    降矢 敬雄君
      細川 護煕君    堀内 俊夫君
      堀江 正夫君    真鍋 賢二君
      前田 勲男君    増岡 康治君
      増田  盛君    町村 金五君
      丸茂 重貞君    三浦 八水君
      宮田  輝君    最上  進君
      望月 邦夫君    森下  泰君
      八木 一郎君    山崎 竜男君
      山内 一郎君    山本 富雄君
      吉田  実君    有田 一寿君
      野末 陳平君    円山 雅也君
      森田 重郎君
    ―――――――――――――
 反対者(青色票)氏名      百名
      阿具根 登君    赤桐  操君
      茜ケ久保重光君    秋山 長造君
      穐山  篤君    小野  明君
      大木 正吾君    大塚  喬君
      大森  昭君    片山 甚市君
      勝又 武一君    川村 清一君
      栗原 俊夫君    小谷  守君
      小柳  勇君    小山 一平君
      佐藤 三吾君    坂倉 藤吾君
      瀬谷 英行君    田中寿美子君
      高杉 廸忠君    竹田 四郎君
      対馬 孝且君    寺田 熊雄君
      戸叶  武君    野口 忠夫君
      広田 幸一君    福間 知之君
      藤田  進君    松前 達郎君
      丸谷 金保君    村沢  牧君
      村田 秀三君    森下 昭司君
      矢田部 理君    安恒 良一君
      安永 英雄君    山崎  昇君
      吉田忠三郎君    吉田 正雄君
      阿部 憲一君    相沢 武彦君
      和泉 照雄君    内田 善利君
      太田 淳夫君    柏原 ヤス君
      上林繁次郎君    桑名 義治君
      小平 芳平君    塩出 啓典君
      渋谷 邦彦君    白木義一郎君
      鈴木 一弘君    田代富士男君
      多田 省吾君    中尾 辰義君
      中野  明君    二宮 文造君
      馬場  富君    原田  立君
      藤原 房雄君    三木 忠雄君
      峯山 昭範君    宮崎 正義君
      矢追 秀彦君    矢原 秀男君
      渡部 通子君    市川 正一君
      上田耕一郎君    神谷信之助君
      河田 賢治君    沓脱タケ子君
      小巻 敏雄君    佐藤 昭夫君
      下田 京子君    立木  洋君
      内藤  功君    橋本  敦君
      宮本 顕治君    安武 洋子君
      山中 郁子君    渡辺  武君
      柄谷 道一君    木島 則夫君
      栗林 卓司君    三治 重信君
      田渕 哲也君    中村 利次君
      藤井 恒男君    柳澤 錬造君
      和田 春生君    青島 幸男君
      市川 房枝君    喜屋武眞榮君
      下村  泰君    山田  勇君
      江田 五月君    田  英夫君
      加瀬  完君    前島英三郎君
     ―――――・―――――
#26
○議長(安井謙君) 次に、委員長報告のとおり内閣に対して警告することに賛成の諸君の起立を求
   〔賛成者起立〕
#27
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもって委員長報告のとおり内閣に対し警告することに決しました。
     ―――――・―――――
#28
○議長(安井謙君) 次に、日程第五の国有財産増減及び現在額総計算書について採決をいたします。
 本件は委員長報告のとおり異議がないと決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#29
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は委員長報告のとおり異議がないと決しました。
     ―――――・―――――
#30
○議長(安井謙君) 次に、日程第六の国有財産無償貸付状況総計算書について採決をいたします。
 本件は委員長報告のとおり異議がないと決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#31
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は委員長報告のとおり異議がないと決しました。
     ―――――・―――――
#32
○議長(安井謙君) 次に、日程第七の予備費使用総調書等について採決をいたします。
 本件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本件は承諾することに決しました。
     ―――――・―――――
#34
○議長(安井謙君) 次に、日程第八及び第九の予備費使用総調書等二件について採決をいたします。
 両件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#35
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、両件は承諾することに決しました。
     ―――――・―――――
#36
○議長(安井謙君) 次に、日程第一〇ないし第一二の予備費使用総調書等三件について採決をいたします。
 三件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#37
○議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、三件は承諾することに決しました。
     ―――――・―――――
#38
○議長(安井謙君) 次に、日程第一三ないし第一五の国庫債務負担行為総調書三件について採決をいたします。
 三件は委員長報告のとおり異議がないと決することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#39
○議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、三件は全会一致をもって委員長報告のとおり異議がないと決しました。
     ―――――・―――――
#40
○議長(安井謙君) 日程第一六 国務大臣の報告に関する件(地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方財政の状況について)
 自治大臣から発言を求められております。発言を許します。澁谷自治大臣。
   〔国務大臣澁谷直藏君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(澁谷直藏君) 地方財政法第三十条の二の規定に基づいて、先般政府が国会に提出いたしました地方財政の状況につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、地方財政が国民経済に果たす役割りについてでありますが、昭和五十二年度の地方の支出は国民総支出の一三・二%を占めており、国民経済における地方の役割りは近年特に大きくなってきております。
 次に、昭和五十二年度の地方財政のうち、普通会計の決算について申し上げますと、決算規模は歳入三十四兆百四十三億円、歳出三十三兆三千六百二十一億円でありまして、これを前年度と比べますと、歳入において一五・三%、歳出において一五・四%それぞれ増加しております。
 また、決算収支は、三千三百四十七億円の黒字となっており、前年度と比べますと五百十四億円黒字額が増加しております。
 歳入の内容を見ますと、地方税、地方交付税等の一般財源の増加率は前年度を下回っておりますが、建設事業の主たる財源であります国庫支出金、地方債等の増加率が高くなっております。
 歳出の内容を見ますと、義務的経費の歳出に占める割合は、公債費が増加したものの、人件費及び扶助費が前年度の増加率を下回る伸びとなったことによりまして、前年度よりやや低下しております。他方、投資的経費の歳出総額に占める割合は、社会資本の整備と景気回復に資するため事業規模の拡大が図られたことにより、高くなっております。
 しかし、経常収支比率や公債費比率等財政構造を示す諸指標は、いずれも悪化した水準で推移しており、また、地方債残高や交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金などが累増しております。
 次に、地方公営企業につきましては、昭和五十二年度の決算規模は七兆三千七十億円でありまして、前年度と比べますと一六%増加しております。収支の状況は依然として厳しく、単年度の経常損失は二千七十八億円、累積欠損金は九千五百六十七億円となっております。
 今後の地方財政につきましては、厳しい財政状況のもとにおいて、住民に直結する行政の担い手である地方公共団体がよくその責務を果たし得るよう地方税財源の充実強化を図るとともに、財政運営に当たっては、現情勢下において行政が真に責任を持つべき分野を的確に見きわめ、行政の簡素合理化を推進し、財源の重点的配分と経費の効率化に徹することにより、財政の硬直化を打開し、安定成長下にふさわしい財政体質を確立することが必要であると存じます。
 また、地域の実態に即した新しい生活圏づくりを展開するため、立ちおくれている生活関連社会資本の整備を中心とする総合的な地域社会づくりを推進することが重要な課題とされています。
 なお、地方公営企業につきましては、引き続き経営の合理化を徹底し、料金の適正化、負担区分制度の適正な運用を図るとともに、地方公営企業を取り巻く環境の整備を推進する必要があると存じます。
 以上、地方財政の状況につきまして、その概要を御報告申し上げた次第であります。(拍手)
#42
○議長(安井謙君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。小山一平君。
   〔小山一平君登壇、拍手〕
#43
○小山一平君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました「地方財政の状況」、いわゆる地方財政白書に関連して、総理並びに関係大臣に若干の質問をいたします。
 ここ数年来、地方財政は、厳しい状況下にあるにもかかわらず、国の景気回復政策を受けて、公共事業を積極的に組み入れ、高い伸び率を示しておりますが、これに必要な公共投資の地方負担はほとんど地方債に依存し、その償還費は年ごとに激増をしているのであります。地方財政計画による地方財源不足額は、五十年度以来毎年二兆円を超し、五十四年度には四兆一千億の巨額となっております。地方団体の借金は総額三十兆円にもなって、地方財政は破綻の状況に陥っているばかりでなしに、財政制度そのものが破綻していると言うことができます。
 政府は、地方交付税法が交付税率引き上げを義務づけている条件にあるにもかかわらず、財源不足に対して、一部を建設地方債をもって充当し、あとは交付税特別会計の借り入れによって措置し、その原資の償還に当たっては当分の間国が実質二分の一を負担することを法定化して、交付税法が義務づけている制度改正を行ったと三百代言的な強弁をしておりますが、本来交付税の持つべき機能を完全に失っているのであります。いつまでも借金政策でその場しのぎを繰り返すことはもはや許されるはずはなく、行財政制度の抜本的改革は緊急課題であると思います。いかに対処する方針でございますか。
 また、地方行財政制度の改革に当たっては、現在の中央集権構造を地方分権に向けて大きく転換を図らなければなりません。日本国憲法に地方自治の一章が規定されたことは、わが国政治制度の画期的改革でございまして、地方分権、地方自治確立の道筋が示されたのでありますが、三十年に及ぶ自民党政府は、政官財の癒着を深めながら中央集権化を図って、地方自治体を支配する構造と体制をつくり上げてまいりました。そして、生産第一主義、経済優先主義の政策によって高度成長を推進した結果、高度な工業社会と物質文明をつくり出したのでありますが、低成長時代を迎えた今日において、解決を迫られる難問が山積しているのであります。公害、自然破壊、資源・エネルギー、教育・医療の荒廃、管理社会と人間疎外など、物質的豊かさの陰に精神的貧しさ、社会的貧困が顕在化し、国民の価値観は多様化の傾向を生み、生きがい、ゆとり、人間らしさなど、新たな生活価値が重視されるようになって、人間復興福祉優先の社会が求められております。ここに、地方、地域が見直され、地方自治復権の必要性に気がつき始めたことを示していると思います。
 「地方の時代」が流行語となっておりますし、去る統一地方選挙では、政党政派を超えて「地方の時代」が強調されました。総理の田園都市構想も、地方分権を言われるのも、そこにあると思います。中央集権から地方分権への転換が大きな今日の政治課題であると思います。総理の現在におけるわが国中央集権構造に対する認識と地方分権推進についての考え方をお示しいただきたいと思います。
 分権と地方自治強化を図るには、まず第一に、地方自主財源の拡充と国庫補助金の縮小が、欠くことのできない条件でございます。白書による五十二年度の租税収入は、国税が約六三%、地方税は約三七%の割合でありますが、歳出におきましては、国が三四・三%、地方が六五・七%と逆になっておりますから、地方財政は約五〇%が国庫からの支出金によって賄われているのであります。この構造は、いまも少しも変わっておりません。
 私は、国と地方の税収を少なくとも五対五にし、交付税による調整財源もその中で支出するなど、地方の自主財源の拡充を思い切った税制改革によって断行すべきだと思います。御所見を承りたいと思います。
 次は、国庫補助金の整理縮小について伺います。
 シャウプ勧告、神戸勧告を初め、第十六次にわたる地方制度調査会の答申も、国庫補助金の整理縮小を繰り返し繰り返し強調しておりますが、政府はそれを今日まで全く無視し続けてきたのは何ゆえでありますか。補助金行政は地方支配の具であると同時に、陳情行政となって、膨大な人員と経費のむだ遣いを生んでおります。国庫補助金は大幅に縮小すべきでございますが、これを実行する決意がございますか、お伺いいたします。
 また、補助金には、各省庁のセクト主義、縦割り行政による、まことにばかげた実態がたくさんございます。一例を挙げますと、余暇利用施設補助金として、労働省の勤労青少年ホーム、勤労福祉センター、厚生省の国民宿舎、運輸省の青少年旅行村、環境庁の国民休暇村、文部省の国立公園自然の家、農林水産省の自然休養村、建設省の広域公園等々、思い思いの補助金制度をつくっておりますが、これを受け入れる地方団体は総合行政でございますから、大変迷惑をいたします。そこで、これらの補助金を一本にした総合補助金にすることが最も効率的利用ができる道だと主張しているのは、まことに当を得たことでございます。このような事例は枚挙にいとまがないありさまであります。また、一件百万円にも満たない目薬のような零細補助金も、数え切れないほどあるのであります。地方団体がその整理を要望しているにもかかわらず、あえてこれを存続しているのであって、全く無意味、さらに有害とさえ言えるのであります。大蔵省は、これらの補助金がそれぞれ必要な特定施策の推進とでも考えていらっしゃるのでありますか。それとも、地方財政に対するきめ細かな配慮とでも考えているのでありますか。各省庁が補助金を通じて地方団体の施策のすみずみにまで細かく介入することは間違っています。こういうばかげたことは一日も早くやめなければいけません。補助金の実態を厳重に調査し、整理統合、廃止の措置をとるべきであります。御見解を承りたいと思います。
 白書は一般消費税の実施を強調しておりますが、悪名高い医師優遇税制を初め、大企業、富裕階層に対する不公正税制の是正については何ら触れていないのであります。一体不公正税制はこのまま放置するおつもりでありますか。このような姿勢では、国民が挙げて反対している一般消費税が合意を得られるはずはありません。政府は、この際、国民の声にこたえて、一般消費税の導入を断念すべきであると思います。いかがでありますか。
 政府は地方団体に対し、行政の簡素合理化を推進するよう強調しているのはよいといたしまして、国はみずから率先して範を示すべきであります。地方団体は国に先んじて、かなりの実績を上げているのが実情であります。
 福田内閣のときにも行政改革を高らかに唱えたけれども、大山鳴動ネズミ二匹に終わりました。大平内閣においても、中央行政機構の簡素化、出先機関や特殊法人の整理、事務の再配分など、国の行政改革はほとんど進んでおりません。こんなありさまでは地方を指導する資格はございません。困難なことはわかりますが、どのような方針と計画を持って取り組んでいかれるのか、お尋ねしておきたいと思います。
 また、白書には、総理の唱えた田園都市構想の文字さえどこにもないのであります。総理の田園都市構想は、夏の夜空を華やかに彩って消える花火のような運命にあるように見えます。哲学だ、理念だ、ビジョンだと言うだけで、実体を示すことができておりません。国土庁の定住構想、あるいは自治省の新広域市町村構想を推進することによってそれが実現するのだとおっしゃるだろうと思いますけれども、中央集権主義、各省庁のセクト主義、縦割り行政の枠組みと画一主義の範囲内では、この構想の実像を示すことも、実現を期待することも不可能でありましょう。
 私は、地方分権によって自主性や独自性を持った活力ある地方自治に依拠しない限り、長い歴史の中で生まれた地場産業や個性に富んだ地域社会、伝統文化を生き生きとよみがえらせることも、住民のエネルギーを燃え立たせることもできないと思います。総理の田園都市構想の理念の根源は、ここにあるのではないでしょうか。また、国土庁はモデル定住圏を設定しようとしておりますが、これはいかにも官僚的発想でございます。特定地域をモルモットにすることはおやめなさい。やめた方がよろしいです。今後の方針と具体策をお示し願いたいのであります。
 最後になりますが、総理や自治大臣が地方分権、地方自治の確立を強調されましても、それに必要な条件である地方自主財源の拡充、補助金の整理縮小、権限の地方移譲などの制度改革は実行できず、中央の行政改革や田園都市構想の具体化も阻害をしているものは何でありますか。それは、中央集権主義にこり固まって、現在握っている権限や組織をいささかでも減らすことを拒み、改革に抵抗する中央官僚と強大な官僚組織ではありませんか。
 戦前の内務省に集中していた強大な組織と権限はことごとく各省庁に分割され、縦割り行政となって、地方行政をがんじがらめにしているこの支配体制と構造は、いまや悪質な、がんにも似た病根となっていると思います。総理の言う地方分権は、この強大な組織と力を排除しなければ一歩も進みません。どのような決意と方針を持って、これら多くの改革を実行されるお考えでございますか。これをお尋ねして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#44
○国務大臣(大平正芳君) 小山さんの第一の御質問は、地方財政危機の打開についての考えを示せということでございました。仰せのように、地方財政がただいま危機的状況にございますこと、仰せのとおりでございます。これは、石油危機が起こりまして、世界的な規模の不況が襲来いたしまして、これをどのように受けとめて国民の経済と生活を守っていくかということを考えた場合に、まず財政で受けとめて、時間をかけて対応していくという選択をせざるを得なかったゆえんは、たびたび本院におきましても私から御説明申し上げておるとおりでございまして、中央財政は地方財政以上の困難な状況にあることも小山さん御承知のとおりでございます。こういう中にございましても、政府といたしましては、地方財政が当面お困りになってはいけないと存じまして、交付税、特別会計の借入金をふやしますとか、地方債の増発にこたえて、この危機に対処してまいったわけでございます。しかし、これは当面の対策でございまして、仰せのように、行財政制度全体にわたりましての根本的な改正がわれわれの任務であることは政府もよく承知いたしておるつもりでございます。中央、地方を通じましての事務の合理的な配分、自主財源の増強等を中心にいたしまして、との財政再建とあわせてこの問題に取り組んで、本格的な地方財政危機の打開に当たる決意で臨んでおります。
 それから第二の点は、このように縦割りの中央集権に偏った状況というものではなくて、地方の責任、自主性、個性、活力を生かした地方分権化に持っていかなければ本当の意味の「地方の時代」にこたえることにならないではないかという御質問でございまして、仰せのとおり私どもも心得ておるわけでございまして、今日のように中央に偏りました行財政のあり方は、是正されなければならぬと考えております。地方公共団体の自主性と活力と責任を尊重する方向で、地方制度の改革には、行財政の改革には取り組まなければならぬと考えておるわけでございまして、各方面の御意向を伺いながら、地域住民の福祉の向上を考えながら、この困難な課題に、仰せのような方向で取り組んでまいるつもりでございますので、御支援を願いたいと思います。
 第三の問題は、行政改革問題でございます。地方自治強化のためには思い切った中央、地方を通じた行政改革が必要でないかということ、仰せのとおりでございます。行政改革は、仰せのとおり、言うはやすく行うはむずかしいことでございますが、政府は、これまで、定員の増強を抑える、機構の膨張を抑圧する、補助金の整理を進める、認許可事務の整理を進めるということを、じみちながら進めてきたつもりでございますが、今後もそういう仕事は一層精力的にやってまいりますと同時に、この中央、地方を通じての財政再建は、どういたしましても、この行政改革、行政機構との衝突を避けられないわけでございます。したがって、これに対処すべく、明年度の予算の編成を前にいたしまして、私どもは各省庁に対しましてサマーレビューをいまお願いをいたしておるところでございまして、この財政再建と並行いたしまして、財政再建は思い切った行政改革と並行しなければできない、そうなんでございますので、この財政再建の遂行につきましては御協力を仰ぎながら全力を投入したいと考えておるわけでございます。
 第四に、田園都市構想はまだ幻の段階でないかということでございます。仰せのとおりでございます。(笑声)私どもは田園都市構想というものを新たな政策とは考えていないわけでございまして、いままで方々でやっておるいろいろの、定住圏構想でございますとか、いろいろの地域構想がございますけれども、そういったものをもう一度見直す道標をどこに求めたらいいかという理念の問題として、いま一生懸命に検討をいたしておるわけでございまして、これは、この検討が終わりますと国会の方々にも御検討をいただかなければならぬと考えておりまするし、そういうものを通じて中央、地方の皆さんが、先ほど申しましたような地方の活力と個性と、そして地方の責任と自主性を尊重したような地域社会をつくる上において、どのような点に意を用いなければならぬか、そういう点についての検討がつきやすくなってくることを期待いたしておるわけでございまして、目下鋭意この理念の検討にかかっておるわけでございまして、もう少し時間をかしていただきたいと考えております。
 その他の点につきましては関係大臣から答弁いたします。(拍手)
   〔国務大臣澁谷直藏君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(澁谷直藏君) 私に対する質問は二問ございまして、まず最初の質問は、国と地方の税源配分が大体七、三になっておって、歳出はこれと逆になっている、少なくとも税源配分を五対五にして地方団体の自主財源の拡充を図るべきではないか、というご質問でございます。地方団体が自主自立の精神に基づいて、みずからの責任においてその役割りを十分に果たしていくためには、当然、自主税源の一層の充実を図る必要がございます。ただし、この問題は国と地方との税源配分の是正ということになっていくわけでございまして、基本的な問題でございます。国と地方を通ずる事務配分あるいは税源偏在の調整の問題等、地方行財政制度全般のあり方と関連する基本的問題でございますので、これは慎重に取り組む必要があることは当然でございます。今後とも、地方制度調査会、税制調査会等の御審議を煩わしつつ、地方税源の充実強化に真剣に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、補助金は地方支配の道具となっておるんではないか、との補助金による縦割り行政によって地方自治の自主的運営が阻害されておる、補助金の整理縮小、特に零細補助金の整理統合を図るべきではないか、という御質問でございますが、国庫補助金等の整理合理化は、地方行財政の自主性の確保、行政の効率化等の見地から積極的にこれを推進すべきものと考えております。このような観点に立って、自治省としては、実情に合わなくなったと認められる補助金や零細補助金等の整理、類似ないし同一目的の補助金の統合、メニュー化を図るよう、従来から関係省庁に対して強く要請してきたところであり、逐次改善が図られてきているところではございますが、まだまだ不十分であります。今後とも一層この推進に努めてまいる所存でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣金子一平君登壇、拍手〕
#46
○国務大臣(金子一平君) 小山さんにお答えいたします。
 第一点の地方税の充実の問題でございますが、ただいま自治大臣からも御答弁のありましたとおり、地方財政の置かれている状況にかんがみまして、今後地方税においても、国税におけると同様に、その充実を図ることが重大な課題であることは申すまでもございません。しかし、国と地方の税源配分のあり方につきましては、地域間の経済基盤の格差等に基づく税源偏在の問題があります。地方交付税、地方譲与税制度、国庫支出金のあり方をどうするかという問題がございます。さらには、国、地方を通ずる事務配分の問題等、地方の行財政制度全般のあり方をどう持っていくかという問題と密接に関連する事柄でございますので、こういった問題を総合的に勘案いたしまして、慎重に、しかも真剣に検討を続けていきたいと考えております。
 それから補助金の問題でございます。補助金等は各般の国の施策を実現するために必要なものであることはもちろんでございますけれども、財政資金の効率的な使用、行政運営の能率化を図る上から整理合理化を徹底しなければいかぬことは仰せのとおりでございます。特に、零細補助金を含め、補助金全体のあり方をどう持っていくかにつきましては、本年度の予算におきましても必ずしも十分とは申し上げるわけにいきません。相当手をつけたつもりでおりまするけれども、明年度におきましては、さらに徹底してこういった点の見直しを行いたいと考えておる次第でございます。
 最後に、国民に新しい負担を求める前に不公平税制の是正等をしっかりやれというお話でございます。仰せのとおりでございまして、税負担の公平の確保につきましても従来から格段の努力を払ってまいりまして、本年度におきましても、従来から批判の多かった主だった事項につきましては相当の解決を図ったつもりでございます。しかし、今後におきましても、税負担の公平の確保につきましては真剣な努力を続けていくつもりでございまして、たとえば利子配当所得等につきましては五十五年度までに総合課税を実現するように努力をいたしておる最中でございます。しかし、こういったいろんな努力によって得られる税収というものはおのずから限度がございますので、今後の国、地方の財政運営に当たりましては、一般消費税の導入を十分に検討していただかなきゃいかぬのじゃないかと考えておる次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣金井元彦君登壇、拍手〕
#47
○国務大臣(金井元彦君) ただいま行政改革につきまして不十分じゃないかという意味の御指摘がございましたが、私どもも決して順調だとは思っておりません。しかしながら、一昨年暮れの閣議決定、あるいはまた本年初めにおける閣議了解、こういうものに基づきまして着実に――じみではありますけれども着実に進めておるという点を御理解をいただきたいと思うのであります。中央省庁の課、室、官の整理であるとか、あるいはまた出先機関の整理、特殊法人の合理化、あるいはまた許認可、補助金等の整理等を逐次進めつつある次第でございます。しかしながら、これをもって決して十分とは考えておりませんで、もっと基本的にこれを進めなければならない、かようなことで、ただいま検討もいたしておるような次第でありまして、今後ともひとつ積極的な行政改革に邁進をいたしたいと、かように存じておる次第であります。(拍手)
   〔国務大臣中野四郎君登壇、拍手〕
#48
○国務大臣(中野四郎君) モデル定住圏の問題についてお答えをいたします。
 国土庁としましては、第三次全国総合開発計画で提示されたところの定住構想を推進するための一環として、モデル定住圏計画の策定を促進しようとするものでありますが、モデル定住圏計画の目指すところは、それぞれの地域の創意と工夫を基盤としまして、それぞれの地域が選択する方向に沿いつつ圏域の整備を図ろうとするものであります。したがって、市町村や府県の主体性を極力尊重してまいる考えであります。
 また、計画の実施につきましては、各省庁が単にそれぞれ縦割り行政の中で対応するというのではなく、関係十六省庁が定住構想推進連絡会議の場を通じまして、政府一体となってその整備を推進することにより、実効を上げようとするものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#49
○議長(安井謙君) 阿部憲一君。
   〔阿部憲一君登壇、拍手〕
#50
○阿部憲一君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十二年度の地方財政の状況に関する報告と、それに関連する当面の問題につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 今回の白書の特色としまして、例年と違う点は、第一部でいきなり決算報告に入るというのでなく、冒頭に「国民経済と地方財政」という項目が新たに設けられていることであります。そして、その中で、「地方財政は、国民経済上、極めて重要な地位を占めている。」と、地方財政の重要性が強調されております。これは地方財政の地位宣言とも言えるものであり、これまでわが党が主張してきた、地方自治の確立こそが民主主義の基盤であるとの認識に近づくものと評価されるのであります。
 しかしながら、その地方財政の現状たるや、五十二年度以降毎年二兆円をはるかに超える財源不足を生じ、今年度その額は実に四兆一千億にも上り、これを補てんするのに、交付税特別会計における借り入れと地方債増発によるという、借金政策に頼らざるを得ない状況なのであります。
 このような地方財政の危機をもたらした根本原因は、申すまでもなく、高度成長から低成長へとの財政環境の変化に対応すべく国と地方を通ずる税財政制度の抜本改正を怠り、安易に財源不足を借金で糊塗してきた政府の責任に負うところが大きいのであります。このことは、白書の中の新しい国民経済計算、新SNAによっても明らかであります。すなわち、新SNAによれば、公的支出総額に占める国、地方のシェアを見ると、地方支出の比率は六八・六%で、地方は七割の仕事をしながら三割の税収しか得ていない、まさに三割自治と言われる実態を鮮明にしているのであります。
 最近、地方自治のあり方、なかんずく財政運営をめぐる議論が盛んになっております。これは、「地方の時代」という言葉が社会の耳目を集めていることにも見られるように、地方自治が一つの時代を経て新たな時代への模索に入ったことの象徴であると考えられます。さきに総理が提唱された田園都市構想も、その大宗は、自治体それぞれが自主性と個性を生かし、活力にあふれた地域をつくり出すことを基本理念としているやに承っておりますが、この実現のためにも、地方財政の確立と地方自治の拡充が大前提となることは申すまでもありません。
 そこで、まず総理に伺いますことは、地方が現在の借金体質から解放され、みずみずしい活力を取り戻すためにいかなる税財政対策をなされるおつもりなのか。さらに、今後地方自治の拡充を目指してどのようなリーダーシップをとられるつもりなのか、明快な答弁を期待いたします。
 次に、白書によりますと、赤字団体数は減少したものの、反面、赤字額は前年度よりも三十一億円もの増加となっております。この主な原因は、東京都と大阪府の大都市の赤字額が千百五十九億円と大きくなっていることによるものでありますが、この傾向は五十三年度も引き続いており、東京、大阪とも辛うじて起債制限団体への転落は免れているものの、実質収支の赤字は、東京都だけで一千億を超える見通しとなっております。
 そこで私は、大都市財政についてお伺いいたしますが、今日の大都市財政に共通して見られる現象は、まず税収が極度に伸び悩んでいることであります。これは、都市税源の充実が久しく言われてきたにもかかわらず、一向にその対策がとられてこなかった政府の怠慢による証左であります。また、交付税算定における大都市の基準財政需要額の伸びは、他の自治体と比べて極端に低く抑えられており、明らかに大都市需要の実態に即した適正な算定がなされていないのが実情であります。総理は、今日のような大都市財政の危機に対し、どのような認識をお持ちでしょうか。さらに、今後どうした解決策を講じようとされるのか、あわせてお聞かせ願います。
 特に、東京、大阪の二大都市は、交付税法上の不交付団体であるという理由から、義務教育教職員給与国庫負担金等の財源調整を受けているのでありますが、たとえばその額は、東京都の場合、五十二年度で実に二百二十五億三千万円もの減額となっているのであります。私は、今日の大都市財政の実情にかんがみ、こうした財源調整制度については見直しをすべきであると思いますが、いかがでしょうか。関係大臣の御所見をお伺いします。
 さて、改めて言うまでもなく、今回の白書で浮き彫りにされたことは、地方財政の困難さだけと言っても過言ではありません。五十二年度決算の地方の借金総額は、二十三兆六千四百十六億円、わずか一年間で四兆三千億円もの増加であり、何と歳入総額の約七割にも相当する額であります。これに対して白書が述べている処方せんは、経費の節約努力、さらに増税と受益者負担の適正化などと、例年どおりの打開策であり、特に自治体の自助努力を強調したものにすぎません。なるほど地方の努力も必要でありまするが、今日の財政危機が一過性のものでなく、構造的かつ長期的なものであることを考えますと、国の施策こそが緊急を要すると言わざるを得ません。
 その一つが、超過負担の解消であります。毎年度の課題であった超過負担の解消は、政府は今年度、事業規模で五百二十九億円の改革を図ったとしておりまするが、この額は前年度の六割弱であり、全国知事会などの要望からは、はるかに低い額であります。
 当面、急を要する地方からの要求として、保健所運営費、保育所措置費、警察施設整備費、社会福祉施設整備費の四事業を調査の対象として取り上げるべきでありますが、まず、そのお考えがおありでしょうか。
 また、いまだに標準仕様や標準設計の設定がなされていない社会福祉施設、警察施設等については、早急にこれを設定し、単価の積算基礎、補助対象範囲を明確にすべきでありますが、この点についても御見解をお伺いいたします。
 さらに、白書では、危機打開策の切り札のごとく、一般消費税の導入を示唆しておりますが、景気、物価、雇用問題など国民生活に著しい影響を与え、かつ、国民に大きな負担増を強いる新税導入を考える前に、まず、不公平税制の是正、国庫補助負担金の整理合理化、補助金交付の事務手続の簡素化など、真剣に取り組むべき問題が多々残されております。これらの点について具体的にどう改革されるのか、政府のお考えをお聞きします。
 最後に、地方公営企業の健全化について伺います。
 白書によれば、水道、交通、病院、下水道等の地方公営企業の経営はさらに悪化の傾向をたどり、累積欠損金は九千五百六十七億円、不良債務は五千五百三十七億円にも達し、一向に改善の兆が見られません。こうした深刻な経営悪化の原因を見ますと、石油ショック以後のコストアップ要因や企業環境の悪化、それに国の適切な財政措置の欠如など、もはや企業内の経営合理化努力だけで独立採算を維持することは限界に達していると言わざるを得ません。政府は、こうした事態をどう分析し、今後どのような対策を講じようとなさるのか。再度、不良債務のたな上げ措置による健全化策を講ずる考えがおありかどうか。また、最近の企業環境の悪化等の現状に照らし、各種財政援助措置の拡充強化を図るべきでありますが、いかがでしょうか。さらに、一般会計との負担区分につきましても、適正な見直しを図るべきだと考えますけれども、これらにつきまして関係大臣の明確な御見解をお伺いしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#51
○国務大臣(大平正芳君) 阿部さんの第一の御質問は、小山さんと同様に、地方行財政の危機打開についての考えを求められたわけでございます。これにつきましては、先ほど小山さんにお答えいたしましたとおり、地方分権、地方の自主性、地方の活力、地方の個性、地方の責任というものを尊重した姿において地方行政の打開を考えなければなりませんし、これに照応いたしました地方の自主財源の充実を図る方向で危機打開に本格的に取り組んでいかなければならぬものと考えております。ちょうどこれまでは石油危機の応急措置に追われておりまして、財政再建に手を染めるに至っていなかったわけでございますが、ようやく経済状況が安定してまいりましたので、中央、地方を通じての本格的な財政再建に当たる時期に際会いたしておるわけでございまして、そういう方向でこれから本格的に取り組んでまいりたいと存じますので、御協力を願いたいと思います。
 第二は、東京、大阪等大都市の財政危機が顕著じゃないか、これをどう認識しておるか、これにどう対応するかというお尋ねでございました。仰せのとおり、大都市地域が財政的に見ましても顕著に困難な状況にございます。とりわけ、東京、大阪がむずかしい状況にありますことは政府もよく承知いたしております。これは、わが国の経済社会の急速な都市化変貌の結果もたらされたというよりほかに言いようがないと思うのでございますけれども、これに対する対応が応急的な対応にとどまりまして、本格的な対応がおくれておるゆえに御心配のような事態を招いておると思うのでございまして、この事態を冷静に踏まえて、中央、地方の財政再建の一環といたしまして、との問題につきましては本格的な取り組みをいたしていかなければならぬと考えております。
 第三の、地方公営企業についての御心配でございました。公営企業の財政危機に対しましては、国庫補助金でございますとか地方交付税等で対応しますし、交通事業に対しましては立法措置まで講じておりまするし、病院につきましては経営健全化対策を講じて、これに当たっておるわけでございますけれども、この種公営企業の経営の合理化と並行いたしまして、この種措置を一層強化して対応していかなければならぬと考えております。
 その他の問題につきましては、関係大臣からお答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣澁谷直藏君登壇、拍手〕
#52
○国務大臣(澁谷直藏君) 総理から答弁された問題が多いわけでございますが、補足の意味で、私からも若干お答えを申し上げます。
 地方における財政対策が地方自治確立のために充実されなければならぬという問題の御指摘がございました。まさに御指摘のとおりでございまして、「地方の時代」と言われるにふさわしい地方自治の確立を期するためには、地方財政の基盤を図ることはこれはもう絶対必要な条件でございます。このためには、租税負担の増加を含む地方財源の増強、国庫補助負担制度の改善等、国、地方を通ずる行財政制度の基本的な改革を図らなければなりません。同時に、地方団体においても行財政の合理化を一層推進する必要があるわけでございまして、こういった方向で全力を傾けて制度改革の実現及び地方団体の指導に努めてまいりたいと考えております。
 次に、東京、大阪等大都市の財政危機についてどのように認識して、どのような対策を講ずるかと、こういう御質問でございました。基本的には総理からお答えをしたわけでございますが、御指摘のように、確かにこの大都市財源、財政の問題、非常に窮迫した状態になってきておるわけでございます。私どもは、そういった実態に即応して、その都度全般的な対応の措置を講じてまいっておるわけでございますが、果たして現在の施策で十分であるのかどうなのか、今後の展望も含めまして、地方制度調査会あるいは税制調査会等の御意見も承りながら、全般的にそれの財政対策に取り組んでまいりたいと考えております。御指摘の財源調整制度の問題につきましては、いま直ちに廃止する必要があるとは考えておりませんけれども、いま申し上げたように、今後大都市の財政全般の問題を取り組む中で十分ひとつ掘り下げて検討していきたいと考えております。
 超過負担についての問題御質問がございましたが、これも総理から基本的にはお答えがございました。この超過負担の解消の問題は、地方にとりましてはきわめて重大な問題でございまして、ここ数年来私どもも真剣に取り組んで、その是正を図ってまいっております。着々とその実績を上げておるわけでございますが、御指摘の四事業についても、適切な実態把握を通じて国庫補助負担基準の改善が図られるように、関係省庁とともに十分努力をしてまいる決意でございます。
 その中で、警察施設の整備に関して標準仕様が設定されておるのかどうかという御質問がございましたが、警察署の庁舎については、すでに関係省庁共同で実施した実態調査結果に基づいて昭和五十二年度に標準仕様が設定されて、超過負担の解消に取り組んだわけでございますが、残念ながら、派出所、駐在所についてはまだそこまで進んでおりません。これをひとつ、次の段階、来年度にはこの警察署を本署と同様に標準仕様を設定して、超過負担の解消に取り組んでまいる決意でございます。
 公営企業に対する財政援助その他全般的な考え方、御質問がございました。これは、御承知のように、地方公営企業いずれも大変赤字を抱えておるという状態であるわけでございまして、私どもといたしましては、国庫補助あるいは地方債、地方交付税、そういった諸制度を通じて逐年財政措置の充実強化を図ってまいっておることは御承知のとおりでございます。したがいまして、交通事業につきましては、現在実施しておりまする財政再建政策によって、引き続き経営の健全化を進めることとしておりまするし、また、病院事業については本年度から新たな経営健全化対策を進めることとしておりますので、この段階で再度不良債務のたな上げをすることは、現在のところ考えておりません。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣内藤誉三郎君登壇、拍手〕
#53
○国務大臣(内藤誉三郎君) お答えいたします。
 阿部委員の地方交付税の不交付団体に対する義務教育諸学校の教職員給与費等の国庫負担の質問でございますが、この問題は、昭和二十八年度の義務教育費国庫負担制度創設以来、一貫して一定の基準により算定した額を国庫負担の最高限度としているものでありまして、これをいま直ちに変更する考えはございません。どうぞよろしく。(拍手)
   〔国務大臣橋本龍太郎君登壇、拍手〕
#54
○国務大臣(橋本龍太郎君) 保健所補助対象職員の人件費等に係ります超過負担につきましては、五十年度及び五十三年度におきまして大蔵、自治、厚生の三省による実態調査を実施いたしまして、その結果に基づいて五十四年度予算においての給与の実態に合わせた所要の引き上げ措置を講じております。また、補助の対象経費として、五十三年度には、保健所における医師確保の特殊性にかんがみ、医師に対する初任給調整手当を新たに補助対象経費に取り込んだところでありまして、超過負担解消に今日まで努めております。御指摘でありますけれども、保健所運営費につきましては、業務の実態調査につきまして現在その調査の結果を集計中の段階でありますので、改めて実態を調査する必要はないと、そのように考えております。
 また、保育所の運営費の改善につきましては、いわゆる超過負担問題の解消について、保育所運営の実態についての各種の調査を実施してまいりました。これらの調査の結果を踏まえた是正措置を講じてきたところでございます。最近におきましても、四十九年度におきましては、人件費を含む運営費の実態調査、五十一年度におきましては飲食物費の実態調査、五十三年度におきましては人件費の実態調査等を実施いたしておるところであります。
 また、社会福祉施設の整備につきましても、所要の措置を講じて内容改善に努めてきたところでございます。
 保育所等福祉施設につきまして、標準設計、標準仕様の設定されていないものについても、これを設定すべきであるという御意見でありましたが、補助単価や基準面積等につきましては所要の改善を図ってきておるところでございます。(拍手)
   〔国務大臣金子一平君登壇、拍手〕
#55
○国務大臣(金子一平君) 阿部さんの御質問の、財政再建のために一般消費税を導入しようとしているようだけれども、その前になすべきことがたくさんあるじゃないかという御質問でございますが、財政再建のためには歳出の節減、合理化や税負担の公平確保に努めなければならないことは当然のことでございまして、特に歳出面では、例年と異なりまして、明年度予算の編成に当たりまして、概算要求を待たないで、早目に政府部内で合理化、効率化のための方策を目下検討することにいたしております。
 また、税負担の公平確保につきましては、従来からいろいろ問題になっておりました点につきましては相当思い切ったメスを入れたつもりでおりまするけれども、明年、五十五年度には利子配当総合課税につきましての結論を得るように目下鋭意努力をいたしておる最中でございます。
 また、国庫補助負担金の計画的な整理合理化。ことしは、明年度予算の編成に当たりまして、特にこの点につきましては真剣に取り組んでまいりたいということで努力をいたしておる最中でございますけれども、現在の財政収支のバランスから見ますと、かような努力だけではとうていバランスを回復できるということはむずかしいと思います。五十五年度のなるべく早い機会に一般消費税の導入を真剣に検討しなければならないと私どもは考えております。
 それから、補助金の交付事務の手続の簡素化でございますが、五十三年度において行政監理委員会の答申が出ました。その線に沿いまして各省庁で事務手続の総点検を実施いたしました結果、交付決定時期の早期化とか交付申請書等の提出部数の削減等、相当思い切った措置を講じたつもりでございますが、なおこの点につきましては今後さらに引き続いて簡素合理化に努めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
#56
○議長(安井謙君) これにて質疑は終了いたしました。
     ―――――・―――――
#57
○議長(安井謙君) 日程第一七 国務大臣の報告に関する件(農業基本法に基づく昭和五十三年度年次報告及び昭和五十四年度農業施策、林業基本法に基づく昭和五十三年度年次報告及び昭和五十四年度林業施策並びに沿岸漁業等振興法に基づく昭和五十三年度年次報告及び昭和五十四年度沿岸漁業等の施策について)
 農林水産大臣から発言を求められております。発言を許します。渡辺農林水産大臣。
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#58
○国務大臣(渡辺美智雄君) 農業、林業及び漁業の各昭和五十三年度年次報告並びに昭和五十四年度において講じようとするそれぞれの施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、農業について申し上げます。
 最近、農業をめぐる諸条件が大きく変化する中で、農業就業人口の減少率は著しく鈍化し、若い農業就業者が増加する傾向が見られます。
 農業生産は畜産等を中心に増大していますが、米、ミカンは過剰基調にあり、その他多くの農産物の需給が緩和しております。他方、麦、大豆、飼料作物等は需要に対して生産が不足する状態にあります。
 昭和五十三年度には、水田利用再編対策が行われ、麦、大豆、飼料作物等を中心に、転作は目標を上回って実施されました。しかし、米の過剰傾向は一層強まっており、米の消費拡大対策と転作の一層の定着、推進を図っていくことが必要となっております。
 一方、国民の支出する食料費に占める流通、加工サービス費の割合が年々増大しており、食料品価格の安全を図る上で、流通、加工サービス部門の合理化が一層重要になっております。
 農業構造の面では、借地による農地流動化の動きが見られ、また、基幹男子農業専従者のいる農家において、農業労働時間を増加させ、規模拡大や経営の複合化などにより農業経営の発展を図る動きが進んでおります。
 また、民族の苗代とも言うべき農村は、五千万人近い国民が居住する生活空間となっており、生活環境の整備や就業機会の確保を図るなど、農村における定住条件の整備を進めていくことが必要になっております。
 わが国農業は、一億人を超える人口を持つ世界有数の市場を背景に、農業者の努力と適切な施策によって、その発展が期待されております。
 こうした中で、農政の当面する重要な課題としては、まず第一に、需要の動向に適切に対応し得る農業生産構造を確立し、総合的食糧自給力の向上を図ること、第二に、農産物価格の安定と流通、加工の合理化を図ること、第三に、意欲的な農家への土地利用の集積など農業構造の改善を推進すること、第四に、農村の安住条件の整備を進めることであります。
 以上のような最近の農業の動向を踏まえ、昭和五十四年度の施策としては、需要の動向に即応して農業の生産体制を整備し、総合的な食糧自給力の向上を図ることを基本として、地域農業生産体制の総合整備、需要の動向に即応した農業生産の振興、農業生産基盤の整備、住みよい農村の建設、農産物価格の安定、流通、加工の合理化と消費者対策の充実、風土、資源に適合した食生活の普及、各種農業技術の開発、普及などを進めることにいたしております。
 第二に、林業について申し上げます。
 最近におけるわが国林業をめぐる諸情勢は、木材の需要の伸び悩み、外材の進出、経営コストの増大等きわめて厳しいものがあり、このため、伐採、造林等の林業生産活動は停滞の度を深めております。しかしながら、より長期的に見ますと、世界の木材需給は今後かなり不安定に推移するものと見込まれており、他方、国内の森林資源は、戦後植栽された人工林が本格的に生産力化していくものと見込まれております。
 このような森林資源をめぐる長期展望から、現下の厳しい情勢のもとで、適切な森林の施業、管理を維持し、生産の担い手と技術の散逸を防ぎつつ、やがて訪れる戦後植栽林の本格的な伐期到来の時期へとつなぐとともに、将来にわたって森林資源を切れ目なく整序していくことが必要であり、この際、幅広い国民的視野に立って適切な対処の方向を見出していく必要があります。
 こうした動向の中で、林政の当面する重要な課題としては、まず第一に、木材の需給及び価格の安定を図ること、第二に、林業生産から国産材の加工、流通に至る各部門の一貫した体質改善を推進すること、第三に、国有林野事業の経営の改善合理化を推進すること、第四に、特に緊急の課題として、マツクイムシの防除を徹底することであります。
 以上のような最近の林業の動向を踏まえ、昭和五十四年度の施策としては、国内林業生産の振興と森林の公益的機能の発揮を調和させつつ、林道及び造林事業の計画的推進、林業構造の改善、林産物需給の安定及び流通加工の合理化、林業従事者の福祉の向上、国有林野事業の経営改善等の各般の施策を強力に進めることといたしております。
 第三に、漁業について申し上げます。
 昭和五十二年から昭和五十三年にかけてのわが国の漁業生産について見ますると、遠洋漁業の生産は、海洋新秩序の形成が進む中で外交努力を重ねてまいりましたものの、減少いたしました。一方、わが国周辺水域におけるイワシ、サバ、サンマ等が好漁であったため、総生産量は一千万トン台の水準を維持しているものと見られます。
 水産物の需要は、高度化、多様化しつつ増加を続けてまいりましたが、昭和五十二年前半には北洋漁業関連魚種を中心に魚価が高騰したため、最終消費量は減退を示しました。
 しかし、昭和五十二年九月以降は、生産の増加と消費の減退から水産物の生産地価格は前年を下回る水準となっており、消費者価格も落ちついた動きに転じており、昭和五十三年には、需要も回復に向かっております。
 漁業経営の収益性は、昭和五十二年には魚価の上昇もあり、かなり改善され、ほぼ石油危機以前の水準へと回復いたしました。しかし、昭和五十二年後半からは、二百海里時代における国際規制の影響と魚価の低迷から、厳しい環境に立たされているものと見られます。
 さらに、わが国周辺水域の一層の活用が重要となっている中で、水産物の生産、流通活動の場であるとともに、漁業者の生活の場として重要性の増してきた漁村の最近の状況について特に章を起こして触れておりますが、漁村は、その立地条件の制約や社会資本の投資の立ちおくれなどから、生活環境の整備の面でおくれている面が多々見られます。
 こうした動向の中で、漁政の当面する重要な課題としては、まず第一に、周辺水域の見直しと活用を図ること、第二に、豊かな漁村の建設と担い手の育成を図ること、第三に、遠洋漁業の新たな展開を図ること、第四に、水産物価格の安定と有効利用を推進することであります。
 以上のような最近の動向を踏まえ、昭和五十四年度の施策としては、沿岸漁場の整備、開発など、わが国周辺水域内の水産資源の維持培養、漁村における生活環境の整備、遠洋海域における新資源、新漁場の開発、水産物の高度利用の促進と流通の合理化等の各般の施策を強力に進めることといたしております。
 以上をもちまして、農業、林業及び漁業の各年次報告並びに講じようとする施策の概要の説明を終わります。(拍手)
#59
○議長(安井謙君) ただいまの報告に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。坂倉藤吾君。
   〔坂倉藤吾君登壇、拍手〕
#60
○坂倉藤吾君 ただいまの一九七八年度漁業、林業、農業の動向に関する年次報告及び七九年度に実施しようとする施策に関し、私は、日本社会党を代表して、大平総理並びに関係各大臣に質問をいたします。
 まず第一は、漁業についてであります。
   〔議長退席、副議長着席〕
 海洋新時代と言われる二百海里時代の到来は、沿岸から沖合いへ、沖合いから遠洋へと発展させ、漁業生産力と資源との矛盾する関係に目を覆って進められてきたわが国漁業政策のあり方を根底から見直さなければならぬはずであります。ところが、白書の記述からは、その厳しさに向かう情熱の片りんも、さらにまた緊迫感をも受けとめることができません。入漁交渉を通して見た沿岸諸国の対応する形態の類型化と漁業離職者の動向分析を淡々と事務的に行ったにすぎません。また、対策についても、周辺水域の見直しなど、従来の施策を踏襲をし列挙したにとどまっておるのであります。
 北洋における漁業の制限は、千百隻余の減船、八千人を超える漁業離職者を出し、関連する水産加工業界や関係市町村に与えている影響は甚大であります。かつ、沿岸各国の規制が年々強まる中で、高度回遊性魚のカツオ、マグロまでが入漁料なしの漁獲が不可能となりました。わが国が主張する実績主義は通用しないのみか、余剰原則すら危ぶまれているのが現状ではないでしょうか。その緊迫した厳しい情勢にあればこそ、漁民、関係者に明確な方向を指し示し、不安を取り除くべきが白書の使命ではないでしょうか。
 政府が激動する漁業情勢に戸惑いし、まさにギョギョッとして場当たり的対策に終始し、海洋新時代における漁業政策に本腰を据えて取り組むべき重大な義務を怠っているとしか言えません。総理、農林水産大臣に、その所見を求めるところであります。
 二百海里時代における沿岸諸国の主権強化は当然であります。その流れの中でわが国の入漁を確保するには、外交交渉以外にございません。その使命は重大であります。ところが、最近、入漁交渉の中断や、余りにも高い入漁料での妥結など、その対応の不十分さが目立っておるわけであります。交渉相手国の急激な増加に対応できず、情勢分析能力、さらには対応機能が欠如しているのではないでしょうか。二月九日、コスタリカ共和国ココ島沖合いでの第二長久丸拿捕事件は、明らかにそのための犠牲であり、全く政府の責任であります。私は、緊急に漁業外交、その体制の強化を図るべきと考えますが、外務、農林水産両大臣の見解を求めるところであります。
 北洋漁業で一昨年は五十一万四千トン、昨年はさらに三十万トンもの漁獲量減量の打撃を受けましたが、イワシ、サバの大豊漁に救われて、一千万トン台の漁獲量を維持することができました。白書では、なおしばらくこの豊漁が期待できると分析をしております。しかし、イワシ、サバなど沖合い性多獲性魚は、資源変動の激しい特徴があります。また、沖合い漁業経営のほとんどが小規模経営体であること、漁獲物の大部分が、えさ、飼料化されておりまして、かつ、食用化技術が立ちおくれていることの原因もあって、食用率が低いことであります。したがって、流通上の問題価格の大幅変動のおそれなど、不安定な要素はいっぱいであります。いやしくも、神様頼りの豊漁に期待するのみでなく、沖合い漁業関係の総体的抜本的振興対策が講じられねばなりません。農林水産大臣初め、どのようなこれに対応する構想と対策をお持ちなのか、お尋ねをいたします。
 沿岸漁業はわが国漁業の中核として期待され、漁場整備開発事業、漁港整備事業など一連の沿岸漁業振興諸対策が進められてきておるわけでありますが、資源管理型漁業を目指し、これを確立をしていくためには、なお多くの問題が山積をしておるのであります。とりわけ、海岸埋め立てや赤潮、油による漁場汚染等、漁場確保の問題、水質保全対策が必要であります。景気の動向とともに、悪化の危険性を増大させることは必至であります。この際、強力な規制を設定すべきであると考えますが、いかがでしょうか。また、資源をめぐり、遊漁と漁業との関係は深刻の度を増しつつありますが、これにどのように応じようとするのか、お考えを、農林水産大臣、環境庁長官の各所見をお聞かせをいただきたいと思います。
 さらに、遠洋、沖合い、沿岸、内水面を問わず、漁業活動が漁民によって支えられておるのは当然でありますけれども、これら漁業従事者、労働者の生活諸条件はきわめて劣悪なのであります。老後保障、後継者育成の観点からも、農業者年金基金法による農業者年金と対等の漁業者年金制度を確立すべきと考えますけれども、これは総理並びに農林水産大臣の所見をいただきたいのであります。
 次に、林業でありますが、白書が、森林資源の整備と林業発展という長期課題に取り組み、二十一世紀初期には世界の木材資源が不足することを予測をし、厳しい環境下にあるわけでありますが、このわが国森林と林業の現実をとらえ、自給体制整備への警鐘を打ち鳴らした点は、遅きに失したとは言いながら、わが日本社会党が長年指摘をしてきたことに応じようとするものとして、一応の評価をするところであります。
 わが国の林業は、近年の需要の伸び悩みと無秩序な外材輸入によって価格が低迷し、後退の一途をたどっておりますけれども、なお加えて、いま米国、カナダの関税引き下げの圧力もかけられておるのであります。林業は収益性の低さから経営意欲をなくし、ために造林面積は急速に減少しております。林業の担い手となるべき山村の若年労働力は、都市の労働事情によって一部Uターン現象を見たものの、依然として都市に流出したままであります。もはや山村だけの力ではどうにもならないところに来ているのが実態であります。これはまさに歴代自由民主党内閣が大資本に主体を置き、第二次、第三次産業を優先をし、農業、林業、漁業の第一次産業を軽視をし、犠牲としてきた結果であります。この反省なくして、林業再建、健全な森林経営はあり得ません。総理の林業、森林管理の基本姿勢を問うところであります。
 福島県の東村というところでは後継者新婚夫妻の激励会を村営で開催をする、あるいは富山県の平村では村内就職者に賃金補てんの制度を取り入れる、こういうことをやっておるのであります。これは、森林、林業動向と運命をともにする地方山村の苦悩と現実の姿ではないでしょうか。
 そこで、第一に、現行林業経営の最大の問題点である外材輸入に対し、適正量を維持するための規制を強化すべきでありますが、その具体策並びに関税引き下げ等の外圧対策をどうお考えなのか。第二に、林業を主産業とする過疎山村対策として、この際思い切った制度、措置をとられるべきだと考えますが、いかがでしょうか。第三に、不良造林地の把握と解消は林野行政の基本問題であります。国有林においてすら総面積の二〇%に相当する約四十万ヘクタールが指摘されている現状を踏まえ、民有林の実態把握に努め、早急に対策を講じるべきだと考えますが、その対策についていかがお考えか。第四に、林業経営に活力を求めるためにも、林業所得の凋落傾向を食いとめ、向上させるための指導目標数値を示して、施策のより充実を図るべきだと考えますが、いかがでしょうか。第五に、依然として食いとめることのできないマツクイムシ対策の強化について考えを、第六に、職業病である振動病に対し、その予防と治療に不十分さを指摘をせざるを得ないのでありますが、とりわけ民間山林労働者の健康管理についての考えを、以上六点について、農林水産大臣の所見をお聞かせをいただきたいのであります。
 次に、農業についてであります。
 いまや日本農業は、外圧による厳しい難題と国内での農業情勢の激しい変貌の中で、窮地に立たされておるのであります。政府は、わが国の農業、農村の将来展望を踏まえ、新たな発想において、世界情勢の進展の中での日本の展望をもとに、基本農政路線を打ち出すべき時期に来ていると判断するものであります。その意味で、今回の白書は、その期待に反し、従来の延長線にこだわり、危機に直面をする農民の期待を裏切り、国民各階層の理解と協力を求めるという基本的立場が失われたものと言わざるを得ません。
 農業基本法制定直後の六〇年代を高度経済成長への協力によるおこぼれ的発展期とすれば、七〇年代は、米、ミカン、牛乳等の過剰の表面化に対し、片や、麦、飼料作物、穀類等自給率を低下させ、輸入依存を余儀なくした、過剰と不足の混在、混迷時代とも言えるのであります。今日、八〇年代を迎えるに当たって、主生産としてきた米の大過剰に対する有効な克服策も打ち出し得ないまま、生産調整を主とする農業再編成の難問と、日本経済の体質から来る犠牲の押しつけを強いられる重大な苦境に立たされているのであります。農民の危機意識は最高度に達し、いまや爆発寸前という状況にあります。白書は、農民のこの意識に対し、農業政策との接点としての思い切った具体策の提起を図るべきであります。ことさらにこれを回避しているのは、きわめて問題であります。白書のあり方についても検討すべきじゃないでしょうか。総理並びに農林水産大臣の所見を表明いただきたいのであります。
 さらに、白書が指摘し、本年講じようとする農政の重要課題として、第一に地域農業生産の再編成、第二に需要の動向に応じた農業生産の振興、第三に農業生産基盤、第四に農村における定住条件の整備を挙げておるわけでありますが、これは、現在進められております基本農政構想をめぐる農林水産省内に設置をされた七部門の研究プロジェクトチームの発想の基礎と相ともにするものと判断をいたします。それだけに、今後、農政の指し示そうとする基本方向は重大であり、それを明示することが責任ある態度ではないでしょうか。白書のあり方とともに、農林水産大臣の明快な答弁を期待するところであります。
 最後に、大平総理にお尋ねをいたしますが、あなたは、わが国の将来の構造を、このまま都市型国家、消費型国家として誘導されていかれようとするお考えなのか、それとも、それを改めて、第一次産業を基本とする活力ある生産国家として構築されようとのお考えなのか。日ごろわが国防衛体制を強調される自由民主党総裁・日本国総理として、食糧自給体制の脆弱な現実、そして田園都市構想なるものとの矛盾をどう克服されようとするのか、この際、国民の前に明らかにされることを求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#61
○国務大臣(大平正芳君) 漁業振興の問題についてのお尋ねが最初にございました。二百海里時代を迎えてのわが国の漁業政策の方向といたしましては、外に向かっては、果敢な漁業外交を通じまして遠洋漁業の実績を確保するということ、内におきましては、沿岸、沖合い漁業の振興と、二つの方向が考えられると思います。具体的なことにつきましては、所管大臣からお答えあることと思います。
 それから、漁業者年金についてのお尋ねでございました。農業者に比べまして見劣りがするではないか、農業者並みの年金を考えるべきでないかという御趣旨と承りましたが、この漁業者集団はその規模が小さいこと、また漁業就業人口が減少傾向にあり、また老齢化の傾向を見せておりますので、この言われるところの年金制度を確立するということは非常に困難だと思います。けれども、環境の整備、福祉の充実につきましては、政府として十分力をいたさなければならぬことと考えております。
 第二に、林業についてのお尋ねでございました。林業の衰退ということは、これは、経済の安定高度成長から安定成長移行に伴う現象と見るべきでございまして、ひとり林業ばかりじゃございませんで、他の産業も同様の試練に直面いたしたことは御案内のとおりでございます。したがって、これに対応いたしまして、政府といたしましては、木材の需給並びに価格の安定、それから生産基盤の確立、それから林業構造の改善、その担い手の対策等あわせて林業政策を推進してまいりたいと考えております。
 第三の点は、農業と農民の現状をどう見るかと、その将来をどう考えるかという御趣旨のことでございました。農業と農民の現状認識につきましては、白書が文字どおりお答えいたしておるわけでございますけれども、一口に言って、厳しい試練にあることは全く同感に存じております。しかしながら、農林水産大臣もかねがね主張されておりまするように、一億一千万の豊富な市場が身近にあるわけでございますので、しかも、購買力がきわめて旺盛な市場を控えておる日本の農業の将来は、決して暗いものではないと考えております。
 第四の問題といたしまして、今後の国家の骨組みといたしましてどういう構想を持っておるかということでございますけれども、私は、かねがね、中央・地方、農村・都市を通じまして、われわれの生活空間がバランスのとれた情報、環境が整備されて、今日の文化の恵沢に公平に浴することができるような日本でなければならぬと考えておるわけでございまして、都市に偏してもいけませんし、農村に偏してもいけませんけれども、都市、農村を通じまして、われわれは変わることのない福祉が享受できるような日本を構想しながら努力すべきものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#62
○国務大臣(渡辺美智雄君) かなり広範に、十五、六問にわたるので、答えをなるべく簡潔にやらしていただきます。
 まず、白書の考え方についてでございますが、どうも白書に緊迫感がないじゃないかというような御批判もあるのでございますが、白書はやはり客観的な事実を中心にして書いていかなきゃならぬと、そういうようなことでございますので、余り主観を入れないで、いままでの実態をありのままに実は書いておるのであります。それで、その状況を踏まえて、将来をどうするかということについても、はっきりした方向を輪郭づけておるわけでございます。そういうように御理解をいただきたいのであります。
 それから、漁業関係の不安を除けというお話でございますが、漁業は非常に厳しい状態にございますので、総理の施政方針演説でも言っておるように、この二百海里時代になって約三分の一の水揚げのある外国の専管水域から追い出されるということは大変なことであると、したがって、漁業外交を積極的に展開するということを初めて総理が今回取り上げてきたわけであります。したがって、われわれは、まず、外国の二百海里内における既存の権益を確保するために最大限の外交努力を、外務省、政府一体になって果たしてまいりたい。なお、われわれとしては、新漁場の発見あるいは新技術の開発というものも進めてまいりますが、それと同時に、やはり沿岸漁場、沿岸漁業の振興のためのいろいろな対策も講じておるわけであります。沖合いについても同様でございます。
 それから、どうも情勢分析が甘いじゃないか、コスタリカで知らないうちに船が入って、つかまって罰金を取られるようになった、これは政府の責任だというお話ですが、これは、連絡が悪くて情報が徹底しなかったということについては、かねて私といたしましては遺憾の意を表明をしておいたところでございます。世界じゅうが、それぞれの国によって、二百海里を引いておるところもあるし、引かないところもあるし、取り締まりの仕方、いろいろ千差万別、違うものですから、非常に大変なことではございますが、極力これらの新しい情報を入手をして、漁業者に関係機関を通して徹底するように今後とも努めてまいる所存でございます。
 その次は、北洋漁業にかわる沖合い漁業等の関連企業も含めた振興対策を図っていけということでございますが、全くそのとおりでございまして、沖合い漁業の振興ということには今後一層力を入れてまいるつもりであります。一般的に振興の策と申しましても、これは中小企業関係が多いものですから、それらの漁業経営者におけるところの経営基盤もまた脆弱でございます。したがって、これらを、構造改善事業の計画的な推進や漁業近代化資金の効率的な活用等を用いてこれらの漁家の体質改善に努めてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
 それから、沿岸漁業の振興を図るために、赤潮、油濁等の公害から漁場を守る方策はどうであるか。これも非常に大事なことであって、海や川が汚れたのでは魚が来ないわけでありますから、基本的には、水質汚濁防止法、海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等、関係官庁ともよく連絡をとりながら、これらの海の汚染防止ということについては厳重にこれを監視をし、法律の適正な運用を図っていくように密接な連携をとってまいりたいと、かように考えております。
 なお、農林水産省といたしましては、漁場の環境保全対策として、魚介類の汚染状況調査あるいは開発行為に対する漁場環境影響調査、漁場の復旧事業あるいは赤潮対策事業、また、それらのために南西海区水産研究所に新たに赤潮部というものを設置をしていろんな調査研究を行うなど、積極的にこれらの汚染対策には取り組んでおるところでございます。
 それから、漁業と遊漁との調和をよくとってもらいたいと。全くそのとおりでありまして、最近、所得が向上し、余暇の時間がふえると、まして週休二日制というようなことにもだんだんなってまいりますと、現在でさえも約一千六百万人のレクリエーションの魚釣り――魚釣りと言っちゃどうですかな。要するに遊漁者、まあ魚釣りにレクリエーションで行く人が千六百万人もおる。これが非常に一般の漁業の商売、漁業をやっている人と、かち合うところも出てくるわけであります。これもしかし、どっちにも言い分があるわけでありますから、これらに対しましては、県の段階で、よくその商売の邪魔にもならないように、また一般の素人さんも魚釣りが楽しめるように、そこらのところの調整をうまくやっていかなきゃならぬ、そのために、有識者の参集を願って、そこでこの交通整理をうまくできるようなことを考えてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。
 それから、漁民にも農業者年金と同じように漁業者年金をつくれと、こういうお話でございますが、これについては総理からもお答えがございました。一つには、漁業者四十五万、農業者年金の場合、対象がいま約二百万でございますが、いま加入者百十三万、漁業者は四十五万で、そのうち船員、漁船の適用者が約十一万おりますから、三十四万ぐらいしかあと残りがいない、年金のグループとしては非常に小さいということが一つございます。それからもう一つは、農業の場合は国民年金という土台がございまして、老後保障は一応国民年金と、そのかわり経営移譲という、一つの経営の若返りということを促進するために農業者年金というものがかなり政策的につくられたものであると、こういう事情がございます。したがって、その土地を自分の後継者なりあるいは第三者に譲って、経営を移譲して自分は引退するという人に対する年金ということでございます。ところが、この漁業の場合には、対象となる権利を持っているというのは、個人個人が権利を持っているんじゃなくて、海そのものはこれは公のものでございますし、漁業権というものも、これは個人個人というよりも、これは組合なら組合が共同漁業権という形で保有主体になっておるのであります。したがって、漁業権の行使規則によって行われると、こういうような関係もありまして、組合員が営む権利を自由に特定者に移譲するというわけにもなかなかいかぬし、それによって規模拡大とか何かという特殊なメリットということもなかなか考えられない。こういうような点から、私は、農業者年金と同じ年金を漁業者につくるということは、なかなか理屈の上でも非常にむずかしい問題がございます。慎重に検討さしてもらいたいと思っております。
 それから外材の輸入の調整ということでございますが、外材が三分の二も入って、そのために国産材を圧迫している、それが木材の価格低迷で国産材の不振興ということになると、これも確かに大きな原因でございます。しかしながら、直接的にこれを、丸太を輸入規制というようなことは、ガットの関係からもむずかしいし、仮にそういうことを強行することになれば、日本に対する丸太輸出を向こうから逆に規制をして、付加価値をして、日本には製材しか売らないよというふうな点を持ち出されると、いまの段階では非常に困る問題も逆に今度は起きてくるわけであります。したがって、これはなかなか一方的にうまい話ばかりにはいかない。そこで、われわれといたしましては、この関税の問題等においても極力この引き下げの時期、幅等については慎重な配慮をして、国内の林業及び林産業が深刻な打撃を受けないように、これは配慮をしております。それと同時に、やはり一遍にどかっと輸入したりなんかするものですから、これが困るんですよ。いまでは商社なんかも、昔は注文買いだったんだけれども、最近は、一丁もうけてやろうかというようなことで、まとめて思惑買いをする、それが外れると非常に問題が起きるということなんでありますから、これにつきましては、やはり的確な情報をお互いに持たなければいけないということで、これについてはわれわれとしても、木材備蓄機構等を通して、木材の流通在庫、価格に関する情報とか、いろんな世界じゅうのものを収集して、それを皆さんに知っていただいて、そうして、お互いに損するようなことは困るわけですから、秩序ある輸入をしようじゃありませんかというようなことで、業界の指導をすでに去年の秋から行っておるところでございます。
 それから、過疎山村対策につきましては、これは全く御指摘のとおりでございまして、農道、林道等の整備や経営改善資金の融資というようなことを特別の扱いでやっておるわけでございます。今後ともこれは継続してまいりたいと思っております。
 それから不良造林地に対する問題については、再々国会等でも御指摘を受けているのでありますが、今年の夏ごろまでにはひとつ実情を把握をいたしまして、本当に悪いところは早期に保育の手入れなど必要なことは行いたいと、こう考えておるわけであります。
 それからその次でございますが、林業所得についても何か目標数値のようなものをこしらえて政府は指導したらいいじゃないか――そうできればいいんですがね。ところが、日本の林家の九割以上は兼業なんですね、これは。ほとんどがもう農業と一緒にやっておるということで、林業所得だけをちゃんとつくってこういうふうに指導しますと言っても、大きいものもあれば小さい人もあれば、いろいろ種々雑多であるというようなところで、やっぱりこれは農業などと適切な複合経営の実現という形で指導していくことがいいのじゃないだろうか。ただ、林業生産の基盤の整備等林家にとって必要なものについては、これはどんどんわれわれも助成をやっていくつもりでございます。
 それからマツクイムシの対策。これも非常に重要な問題で、まず、発生しないようにすることが一番なんです、これは。これがまたしかし、むずかしいわけでありまして、空中散布という手があるんだけれども、空中散布もまずいじゃないかという御批判もいろいろあって、それじゃ、昔はともかく伐採をして燃しちゃうということをやっておって、きわめて原始的なやり方。大量に発生すると、とてもなかなか切り切れない、空中散布をしても余り効果がないということも言われたり、注射を打ったらいいじゃないかとか。ところが、木に注射を打つといったって、これも莫大な数量だし、注射液そのものが非常に有害だということで、使い方に問題がある。あるいは天敵利用の方がいいじゃないかと、天敵利用のことも考えておるんですが、なかなかうまい虫が大量に見つからないというようなことなど、いろいろむずかしい問題はありますが、現在考えられる範囲で、日本の科学の最高の水準で考えられる手は何でも使ってひとつやっていきたい、こう思っておるわけであります。
 それから、振動障害対策の問題についても不十分ではないかということでございますが、これにつきましては、まず、これも予防が大事でありますから、もう病気になっちゃってから手当てをするよりも、病人をこしらえないということが最も大切なところ。したがって、規制の時間を徹底するというようなことや、振動の少ない機械を使わせるというようなこと、いまはリモコンの機械もあるそうですから、そういうリモコンの機械の導入を図るとか、いろいろな対策をあわせてやってまいるつもりであります。治療についても、現在発見されておる治療法等を適切に利用して、かかった方にはお気の毒でございますから、一刻も早く全快されるようないろんな措置を講じてまいる所存でございます。
 それから一農業の白書の話は先ほど申し上げたとおりであります。
 農業の基本問題につきましては、これはもう総理からお話があったとおりでありまして、日本はこれだけの大消費人口を持っておるわけですから、それにともかく食べさせるためには外国からさえ持ってこなければ足らないという騒ぎをしているわけですから、これはやり方の問題であります、やり方の問題。どういうふうなことでやるかということについては目下勉強中でございますので、秋のころまでに一応まとまったものを皆さんに御提示して、御審議を願いたいと存じます。
 以上でございます。(拍手)
   〔国務大臣園田直君登壇、拍手〕
#63
○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。
 今日の漁業にとって情報収集をし、分析をし、速やかに関係者に周知徹底をさせなければ、おくれをとって大事が来るぞという御注意は、まさにそのとおりであります。二百海里漁業に向かって急速に変わっておる今日、われわれ努力をして各国の動向を事前に察知をし、情報を収集し、これに交渉をし、そして漁場、漁権、漁業資源の確保等、あらゆる面に協力しつつ、日本漁業がその情報を分析をし、これを徹底せしめて、安定、安全に操業できるよう、今後とも一層の努力をしなければならぬと考えております。
 なお、交渉については、当事者の二国間または関係多数国間で交渉をいたすわけでありまして、ただいま申されましたコスタリカとは、あの水域に関係のある多数国間で、全米熱帯まぐろ委員会設置条約という条約改定の形式をもって交渉をしております。(拍手)
   〔国務大臣上村千一郎君登壇、拍手〕
#64
○国務大臣(上村千一郎君) 私に対しまする御質問は、沿岸漁業の振興のために公害から水を守るべく強力な規制を行うべきと思うがどうかという御質問だと存じます。環境庁といたしましては、埋め立てによって発生する公害あるいは赤潮、油等の公害の発生につきまして、重要な問題として受けとめておる次第でございます。沿岸海域におきまする水質汚濁の防止につきましては、水質汚濁防止法あるいは海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律等がございます。で、それは、事業場からの排水規制とか船舶からの油等の排出規制を行っておりますし、また、下水道の整備等の対策を進めておる次第でございます。また、瀬戸内海、伊勢湾、東京湾等の広域的な閉鎖性水域の水質保全につきましては、水質の総量規制を今月十二日から導入実施することにいたしております。種々対策を強力に推進いたしていく考えでございます。環境庁としましては、これらの対策を今後とも一層充実強化いたしまして、御指摘のように、沿岸漁業の振興にも側面的に資することができまするよう考えておる次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#65
○副議長(加瀬完君) 相沢武彦君。
   〔相沢武彦君登壇、拍手〕
#66
○相沢武彦君 私は、公明党を代表して、ただいま説明のありました農林漁業三日書について、総理並びに関係大臣に若干の質問をいたします。
 石油ショック以来、世界経済もわが国経済も、そして国内経済の一部門である農林漁業も大きな影響を受けており、現在、この新しい経済情勢にどう対応すべきかという重大な岐路に立たされていると言わねばなりません。
 まず第一に、漁業の基本的な問題について伺いますが、わが国の農業は、米を初め、主要農産物の多くが過剰傾向を強め、不況の影響による消費の伸び悩みや農外収入の減退、さらに集中的な輸入攻勢を受けて、「出口なき日本農業」とか、「日本農業冬景色」と表現されるような実情にあります。また、こうした現状は、まさにわが国農政の柱と枠組みが大きく変化せざるを得ない事態に立ち至っていると指摘されているところであります。それだけに、現場の農山村の田畑において汗する農民は、一体わが国農業にどう活路を見出せばよいのか、どう展望できるのかという深刻な悩みに直面しております。
 そこで、総理は、わが国の農業を一体どのように持っていくお考えか、その基本構想と、農政の基本戦略をどこに置いておられるのか、さらに、これと表裏の関係にある食糧の安全保障は一体どう確保していくのかという問題も含めて、明確な御所見を承りたい。
 第二に、当面する米価、米穀政策に関して質問いたします。
 いまや、米に関連する政策は、米の過剰や財政難を理由に、後退に次ぐ後退を続けている姿がやたらと目につく昨今であります。言うまでもなく、米はわが国にとって伝統的主食であると同時に、夏の高温多雨という気象条件や生産技術の上から見ても最適の作物であり、わが国農業経営の多くは米を中心とする複合経営によって構成されているのであります。九〇年代には世界的に食糧の需給事情が逼迫することが予測されており、食糧の輸入が困難になることを考えれば、わが国にとって最も生産しやすいこの米の生産体制を少しもゆるがせにしてはならないと思うのであります。
 農林水産大臣は、わが国農業、食糧政策の中にこの稲作の問題をどう位置づけられるのか。また、当面する五十四年度産米の生産者価格の決定にはどのような方針で臨まれるのか、特に食管制度について、現時点における政府の方針を明確にお示しいただきたいと思います。
 さらに、第二次生産調整の実施に当たっては、生産農家に一方的な犠牲を強いる形で実施すべきではないと思いますが、転作が円滑に進められるよう、米以外の農産物にかかわる生産、価格、流通、消費にわたる諸対策を強化するなど、条件整備に万全の措置を講ずるお考えがあるかどうか、お聞かせいただきたい。
 第三に、全農家戸数の七割を占め、全耕地面積の五割を占めるに至った第二種兼業農家、すなわち兼業を主として農業を従とするこの第二種兼業農家を農政の上でどう評価するのかという問題であります。
 政府は、従来、自立経営の育成とか中核農家の育成とかいうことで、第二種兼業農家に対してはとかく冷淡な態度で臨んできました。時によっては邪魔者扱いさえしてきておりましたが、今風の白書において、「第二種兼業農家は、農外所得で家計費を充足しており、また、社会的安定層として地域社会の維持、発展に寄与することが期待されている」として、若干評価を変えてきております。しかし、果たして「地域社会の維持、発展に寄与」という評価にとどめておいてよいものでしょうか。農村においては、土地改良事業などの農業政策を進めていく上において、経済的にも、考え方、時間的な面においても、ある種のゆとりを持ったこれら第二種兼業農家の協力を得ることなしには何の事業も進まないという声を耳にすることも多いのであります。第二種兼業農家の評価の問題については、今後のわが国農業の構造政策を進めていく上においても大きなポイントになると考えられるだけに、より厳密な分析、検討を加えるべきであると考えるものであります。農林水産大臣は、この第二種兼業農家層に対しどう評価し、今後どういう方針で臨まれるのか、御見解を承りたい。
 第四に、地価問題についてお伺いいたします。
 戦前の農地の高い地価や高い地代は農業内のメカニズムから発生したものですが、今日の農地の地価の高騰は主として都市化の影響によるもので、農政サイドだけでは打開が困難な問題であります。このため、所有権移転による農地の流動化はきわめて少なく、農業構造改善の大きなネックになっております。政府は都市の地価対策には熱心でありますが、農山村における地価対策をどのようにお考えになっておられるのか、農地や林野をも総合した地価対策が必要であると考えますが、この点について農林水産大臣並びに国土庁長官から御所見を承りたいと思います。
 次に林業について伺います。
 言うまでもなく、わが国林業も年々衰退の一途をたどっており、伐採量、造林面積の推移や間伐の実行不良などがこのことを雄弁に物語っております。今回の白書は、「世界の木材需給が今後必ずしも楽観を許すものではない」と見通しを述べる一方で、わが国も二十年後には戦後の造林木が伐期に達するということで大きな夢をつないでいるようです。しかし、それまでの間、一体だれが木に巻きついたつるを切り、枝打ちや間伐等の管理を行うのか、また、二十年後には一体だれが木を切るのか。すでに山村においては林業労働者の老齢化が深刻な問題となっております。林業の担い手という大きな問題を抜きにして、二十年たてば何とかなるという楽観論に私は大きな疑問を抱かざるを得ません。
 森林については、国土保全、資源涵養、環境保全などの公益的機能の面からも、ますますその重要性を帯びてきておりますが、そのような意味合いからも、一体いかなる林業の担い手対策をお持ちなのか、有能な若手林業従事者をいかにして確保養成していくおつもりなのか、この一点にしぼって、農林水産大臣の御所見を承りたい。
 最後に、漁業白書についてお尋ねいたします。
 戦後わが国漁業は目覚ましい発展を遂げてまいりました。しかし、石油ショック以後の石油価格の不安定化、二百海里ショックによる遠洋漁業の縮小、その際に仕組まれた「魚隠し」に起因した消費者の魚離れなどによって、水産王国日本を支えてきた諸条件はすべて失われてしまっております。
 そこで、総理にお尋ねをいたします。総理は、漁業のこの現状をどう認識しておられるのでしょうか。また、国民の嗜好に合った水産物を十分に確保し、同時に漁業経営の安定を図るという漁業政策の課題をどのような基本方針に基づいて達成されるおつもりなのか、明らかにしていただきたいと思うのであります。
 二百海里時代を迎え、現在最も期待されているのは栽培漁業であります。ところが、栽培漁業は昭和三十七年に着手されましたが、現在ようやく一部実用段階に入った程度で、全体的にはいまだ基礎的な試験研究段階にとどまっております。国の栽培施設も、本年度予算で認められた二カ所を含め、四カ所にすぎません。そこで、当面、国の施設を八海区に一つずつ整備し、全国の沿岸を栽培漁業でカバーするなど、施策の飛躍的な拡充を図るお考えはございませんか。また、栽培漁業については、法制上未整備なため、予算措置で場当たり的にこれまで対応しているにすぎません。こうした現状から見て、わが党では、栽培漁業の飛躍的発展を図るため抜本的な法的措置を講ずることが二百海里時代におけるわが国漁業、とりわけ沿岸漁業の発展のための大きな一つの契機になるという観点に立って、法律案の準備を鋭意進めておりますが、農林水産大臣はこの法制面の整備についてどのようなお考えをお持ちでしょうか。明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#67
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する相沢さんの第一の御質問は、農業政策の基本についてのお尋ねでございました。政府としては、農業の本来の役割りが食糧の安定供給でございますので、国内における生産において生産可能な食物につきましては、生産政策、構造政策等を通じましてその生産性の向上を図りながら、その増産を確保していかなければならぬと考えておりまして、そういうことを通じまして、わが国内における総合的な食糧の自給力の向上を図ってまいりたいと考えます。しかも、それによってなお不足する農産物につきましては、海外から安定、低廉な供給を確保しなければならぬと考えております。また、農業の担い手、後継者の育成等については特段の配慮をしなければならないと考えております。
 第二の漁業振興策でございます。これにつきましては先ほど坂倉さんにお答えいたしたとおりでございまして、外におきましては漁業権益の確保に努めなければなりませんし、内におきましては、沖合い、沿岸漁業の振興に特段の工夫をこらして、わが国の漁業生産力を維持向上していかなければならないものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#68
○国務大臣(渡辺美智雄君) まず第一問は、稲作の位置づけをどうするかと。これは、米は日本における基幹作物でございまして、主食でありますから、これは重要なものであります。したがって、今後とも大切にしなきゃならない。ただ、過剰は困るわけでございますから、必要なだけのお米はいいお米をつくってもらうということを第一義的に考えてまいります。
 それから、米価をどうするんだと。この米価の問題は、これは決め方は大体決まっております。しかし、ことしは大幅な過剰基調にあるというようなとともございますから、それらの需給の問題というものを考えていかなきゃならないと、こういうふうに思っております。
 それから、転作条件の整備をしろと。ごもっともなことでございまして、ことしも新たにソバ等の価格安定制度などもこしらえ、できる限り転作作物についての定着を図るように努力をしておるところでございます。
 食管制度の改善、運用の問題につきましては、まあいま勉強をしておるところでございますけれども、米不足時代と米過剰時代とでは実態が非常に違うわけでございますから、やはり量を中心にばかり考えても実態にそぐわない。したがって、この配給流通面においても市場メカニズムというものがどれくらい取り入れられればどれくらい実態論として消費者もよいし、生産者もいい米をつくることに精を出すということになるのか、そこらのところを考えていかなくちゃなるまいと。流通の合理化を図る一方、現在違法行為が非常に日常化しておるというような部門について、取り締まりの必要もないというのならば、そういう煩わしいものは少し身軽にしておいたらいいじゃないかというようなことなどを目下検討中であります。
 それから第二種兼業農家の問題ですが、これも農家の三分の二がもう兼業農家になっておるわけであって、これは農村の社会的な安定層として、しかも農村社会の中に定住をしておる、しかも農地を持っておると、そうしてそれも利用もしておるということでありますが、私はそれでいいと思うのです。いいと思うのですけれども、本当に小さな農地だけれども、有効に使っておるという兼業農家もあるし、資産的保有として土地を持っておって、余り土地の生産性というものは労働力のわりにペイしないという兼業農家もあるわけでありますから、そういうような兼業農家に対しましては、土地の有効利用というような点で、もっと実質所得が上げられるような、しかも、土地を保有していても農作業から解放されるような制度をあわせ考えてやる必要があると。したがって、これはやはり農村社会においては安定的な階層として、私は、農地は持っておるけれども農作業からは手を引く兼業農家がもっと出てもいいんじゃないかと、そのようないろいろな制度を研究していきたいと考えております。お互いがそれで幸福になれるように、お互いが所得が増大するように考えることが必要だと思っております。
 それから、地価の高騰の問題は規模拡大の隘路になっておると。まことにそのとおりでありまして、これは農地法その他で、乱開発規制その他をやっぱり各省と連絡をとって徹底をして、農地の高騰は困るわけですから、私は、その点には引き続き力を入れて、抑えてまいりたいと思っております。
 それから、国産材が二十年たったらすぐ来るようなことを言っているけれども、そう簡単にいくかと。決してそう簡単にいくと私は思っておりません。したがって、いま造林等について意欲が薄らいでおるので、これについては、まあ四十五年の長期融資とか、いろいろ二十五年間も、最初から保育、間伐まで助成をしようとか、そういうような非常に例の少ない助成策を講じて国内の造林を広めていくし、国産材の利用をしてくれる業者に対しては特別な融資制度を設けるなどして、国産材が愛用されるような措置を講じて、国産材の後継者といいますか、生産の後継者を育てていくつもりでございます。
 栽培漁業については、これも今後大きな問題になるのでありまして、現在も瀬戸内海等を中心にしていろいろな事業場がございますけれども、どこの地域に一つというようなことよりも、それぞれの海域の実情に応じて必要なセンターとか、そういうようなものはこしらえていったらいいんじゃないかと、私もそう思っております。もう現に幾つもございますが、そのほか、北海道の厚岸とか五島列島とかに、それぞれ目下建設をしておるわけであります。今後とも必要に応じて考えたいと存じます。
 それから法的な問題でございますが、この法的整備の問題につきましては、これは必要かどうか今後検討さしていただきます。いただきますが、栽培漁業振興それ自体につきましては、技術の面、それから施設の面、人の面等について今後ともせいぜい努力をしてまいる考えでございます。(拍手)
   〔国務大臣中野四郎君登壇、拍手〕
#69
○国務大臣(中野四郎君) 農山村の地価対策をどのように考えているかと。お答えをいたします。
 最近の農地価格の動向を農業会議所資料で見ますと、市街化区域農地のように転用見込みのものは別といたしまして、純農村地帯の田畑価格につきましては、五十年以降その上昇率はわずかながら低下傾向を示しております。農地から農地へあるいは林地から林地への取引については、農地法による移動の規制等によりまして、その利用の適正化が図られているところでありまして、これにより、他用途への転用への思惑等が抑制されております。価格の安定が、結果、図られるものと考えておる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#70
○副議長(加瀬完君) 立木洋君。
   〔立木洋君登壇、拍手〕
#71
○立木洋君 私は、日本共産党を代表して、農業、林業、漁業三日書について、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 農業白書では、農業が安定的に発展しつつあるかのように描き出していますが、それは、今日の農業、農民の実態から全くかけ離れているのであります。米ばかりか、牛乳もミカンも野菜も過剰で、畜産物価格は二年連続の据え置き、都市に出て働くにも兼業の機会も狭められている、これが農民の声であります。しかも、米以外の穀物の自給率はわずか四%にまで落ち込んでいるのであります。このように、わが国の農業、食糧危機はむしろ深刻になっているのであります。総理、あなたは、この深刻な日本農業の現状を危機的な状況として真剣に認識なさっておいでになるのか、はっきりと御答弁を願いたいのであります。
 この農業のゆがみをつくり出した主要な要因の一つは、農産物の無原則的な輸入拡大であります。政府は、これは抑えるどころか、一昨年来の日米交渉で、牛肉、オレンジのなし崩し自由化とも言うべき、とめどもない譲歩を繰り返し、さらに、さきの日米共同声明で、アメリカ農産物の輸入拡大に緊密に協力することを約束したのであります。総理、あなたは、アメリカ議会の対日経済要求の総まとめとも言うべきいわゆるジョーンズ報告が、食管制度の一つの柱である小麦輸入の政府管理の廃止を迫り、さらに、わが国に食糧自給計画の放棄までをも迫っているということをどのようにお考えになっているのでしょうか。これは、日本国民の胃袋の支配をもねらうアメリカの圧力に屈し、「経済構造の転換」と称して日本農業の縮小と切り捨てを約束させられたものではないでしょうか。こうした動きに呼応して、一九七五年に閣議決定した計画の改定を行うと国会でも答弁をしていますが、その内容は、自給計画をダウンさせ、農地も大幅に縮小することを考えているのではないでしょうか。この際、政府の方針を明確にお示し願いたいのであります。
 私は、日本経済の自主的基盤を確立し、経済構造のゆがみを正していくためにも、米過剰問題の解決と結びつけて農業を再建することが重要な課題であると考えます。しかし、政府が進めている水田利用再編対策が米減らしの押しつけにすぎないことは明らかであります。転作転作と言っても、牛乳やミカンばかりか、麦や飼料作物でさえも、つくっても売れないという事態すら出現しているではありませんか。米以外には安心してつくれるものがないというゆがみをますます深刻にしておいて、それでも転作が順調にいっていると強弁するおつもりなのか、お伺いしたいのであります。
 わが党がかねがね主張していますように、土地基盤整備、機械化を含めた栽培技術の確立、販路の確保はもちろんのこと、米以外の農作物価格を米並み、またはそれ以上にするなどの転作の条件を整えることこそ、米過剰を民主的に解決する唯一の道であることは明白ではないでしょうか。
 さらに、食管制度が米の増産と自給の達成に果たした教訓を生かすべきであります。すなわち、麦や大豆、飼料穀物を食管制度の対象とし、輸入穀物も含めて政府が管理をすること、また、これらの輸入差益も活用することによって穀物生産の発展と消費者価格の安定を図ることは十分可能なのであります。総理、いまこそ、こうした方向に思い切って農政を転換し、日本農業の新たな、豊かな発展を思い切って切り開くことが、あなたの責任ではないでしょうか。明快なお答えを願うものであります。
 次に、当面する米価決定についてでありますが、総理、あなたは、財政再建の決め手として一般消費税の導入をもくろみ、あわせて米、国鉄、健保のいわゆる三Kの政府財政負担の全面的整理についての検討を指示したと伝えられています。さらに、農水相は、生産者米価を据え置くばかりか、品質格差の導入によって実質的に引き下げること、さらに、消費者米価をこの二月に引き続き年内にも再引き上げすると公言をしておられます。まさにこれは、農民の経営と消費者の生活を守ってきた食管制度に対するむき出しの敵視であり、国民生活に対する攻撃にほかならないと考えるものであります。生産者米価については、生産農民の意見を十分に尊重し、その要求にこたえるとともに、消費者米価については、第二の狂乱物価が心配され、しかも米の消費拡大が重要なこの時期に再値上げするなどという愚策は、断じてやるべきではありません。総理並びに農林大臣の答弁を求めるものであります。
 次に、白書が兼業農家を農業発展の邪魔者として扱い、その追い出しをことさらに強調していることについてであります。
 政府は、価格政策、減反政策を動員し、さらに農用地高度利用促進事業で肩たたきまでして追い出しに躍起になっています。賃金が低く、就労も不安定な状況のもとで農業から締め出すこのやり方は、多くの兼業農家の生活を根底から突き崩すものではないでしょうか。また、これが雇用安定を求める時代の要求に逆行するとはお考えにならないのでしょうか。お答えを求めます。
 次に、林業白書についてであります。
 白書は、木材自給率が過去最低となったことを指摘し、このままでは森林の管理は粗放化し、健全な森林の有する機能は大きく低下しかねないと林業危機を強く訴えています。こうした危機を打開するために当面必要なのは、第一に、政府が山林面積の三〇%を占める国有林経営の赤字を理由にした機構の縮小や森林管理の手抜きを行うことをやめるべきであります。治山治水、自然休養林や保安林の管理などに一般会計資金を積極的に導入することであります。第二に、無秩序な外材輸入による木材価格の低迷が林業経営意欲の低下をもたらし、林業生産活動を縮小させている状態から脱却するために、国産材を中心にした市場、流通体制を整備し、間伐材用途の拡大、手入れの必要な森林の保育に対する援助を強めるべきであります。以上二点について、農水大臣の具体的な答弁を求めるものであります。
 最後に、漁業白書についてお伺いいたします。
 二百海里時代が三年目を迎えた今日、わが国二百海里水域内の漁場を公害や埋め立てから守り、積極的な整備開発を進めながら、資源利用の適正化と高度利用を図るための抜本策をとって、沿岸、沖合い漁業の多面的振興を図ることは焦眉の課題であります。
 まず、公害による慢性的被害が年間百万トンの漁獲にも相当すると推算されている状況のもとで、どのような漁場確保策をお持ちなのか、また、漁場を奪うだけではなく、あらゆる公害の原因ともなる大企業本位の埋め立てを当分禁止するおつもりはないか、お伺いをいたします。
 次に、漁場利用の民主的秩序づくりと資源を適正に管理する上からも、韓国トロール船団による日本沿岸、沖合いでの無謀操業を規制することは緊急の課題となっております。漁業者の強い要求と、わが党のたびたびの追及のもとで、政府は、韓国と協定を結び、国内規制措置を守らせると言明してきたはずであります。二年越しの交渉にもかかわらず、何ら前進が見られないのは、国民に対する約束違反ではありませんか。関係漁業者の意見調整を急ぎながら、わが国の二百海里水域内の資源の保護と管理を基本として、韓国漁船に対し、操業の水域と期間、漁法、船型などの有効な規制を直ちに行う決意があるのかどうか。一体いつまで韓国側の頑迷な拒絶に屈し、日韓癒着を背景にした弱腰の姿勢を続けるおつもりなのか。明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣大平正芳君登壇、拍手〕
#72
○国務大臣(大平正芳君) 立木さんの第一の御質問は、農業の危機をどう認識しておるかということでございました。確かに、農業も時代的な試練のもとにあると思います。しかし、これは農業ばかりじゃございませんで、他産業も、程度の差こそあれ、また、態様の差こそあれ、それぞれの問題を抱えておる時代でございます。これに対しまして、政府といたしましても、各種の施策を講じまして食糧の安全供給を図っておりまするし、農業者の所得確保を図ってまいっておるわけでございまして、この政府の努力は相当評価されてしかるべきじゃないかと考えております。
 それから第二の、ジョーンズ報告なるものが、小麦の輸入の政府管理の廃止、それから食糧自給計画の放棄を要請しておるのではないかという趣旨の御質問でございましたが、ジョーンズ報告にそういうことは書いてないと私は考えております。小麦の輸入が政府管理であるという事実には触れておるようでございますけれども、それを廃止せよとは、そういう要請はないように思います。それから、わが国が自給力の向上を図っておるということに触れまして、アメリカは低廉な食糧を供給する用意があるということを書いてありまするけれども、自給力の向上計画をやめろというような失礼なことは書いてないように思います。日本の農業政策は日本が決めますから、日本政府が決めますから、御心配はいただかないようにお願いしたいと思います。
 それから、日米首脳会談で日本農業の縮小、切り捨てを約束したのではないかという、またこれ、オーバーな御質問でございますけれども、そういうふらちなことはいたしておりません。共同声明をよくお読みいただきたいと思います。それから四番目に、しかしながら、農産物貿易を日米間でたくさんやっておりますので、それを円滑にするための協議をやっていくということは書いてございますが、切り捨てを約束するというようなことはどこにもございませんから、御心配なくお願いいたします。
 それから、米価の問題でございますが、米価は、食管法に基づきまして米価審議会の審議を経て適正に決めるべきものと思いますが、その決定に当たりましては、需給事情、財政等が無関係でないと私は考えております。
 それから、漁業に関連いたしまして、公有水面埋め立てば漁場の保全の意味からも規制しなければならぬじゃないかという趣旨の御質問でございました。この問題につきましては、公有水面埋立法の厳正な運用で御心配のないようにいたしたいと考えます。
 その他の問題につきましては、所管大臣からお答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
#73
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えをいたします。
 米以外には転作作物がないんじゃないかと。そういうことはございません。それは、麦でも大豆でもビール麦でも飼料作物でも、かなりつくっておりまして、転作の全体の三分の二がそういうような重点作物でいまつくっていただいております。(「安心ができない」と呼ぶ者あり)安心してつくっておるわけです。
 それから、これから土地基盤整備や販路の確保、特に販路の確保をやれということでございますが、これは確かにいま言ったようなことで、安心してつくれるものをふやしていくように、ことしなどもソバについても価格安定の制度も取り入れることにいたしました。それから、転作がやりやすくなるための土地基盤整備等は、排水事業を初め、いろいろ予算の上で実施をすることになっております。
 それから、麦や大豆、えさ、もう全部食管の対象にしろと、こういうようなことでございますが、麦や米はなっておりますけれども、その他の転作作物までやるようなことは考えておりません。
 それから、生産者米価を農民の要求にこたえて大幅に引き上げ、消費者米価は引き上げるなと、こういうようなことは、いまもって言えるのは結構な御身分だと私は思っております。(拍手、「食管はどうしたの」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)食管ですか。消費者米価を再値上げをすることは目下考えておりません。
 それから、兼業農家が農業の重要な担い手であるというようにわれわれは評価をいたしております。兼業農家は非常にわれわれは大切に思っておって、これを追い出しをするというようなことは言ってございません。これは選択の自由に任せますということを言っておるわけでございます。社会の安定的な中堅階層として非常に大切だということを私は言っておるのであります。
 それから、国有林の経営の機構の縮小、それから、そういうような森林の管理の手抜き、こういうものをやめろと言うんですが、これは、国有林野についてはいろいろな改善計画を立てて、生産基盤や事業運営の能率化、経営管理の適正化、当然これは進めるべきものでございます。国有林野といえども、やはり民間企業が合理化できるようなものは一緒にやっぱり合理化をしてもらわなきゃならない、当然のことでございます。したがって、一つの村に二つ営林署がいまもってあるというようなところがあった場合には、そういうものの統合をしてもらったりなんかすることは、町村でもどこもやっておるんですから、国有林でも一部実施をしたのは当然だと私は思っております。
 それから、国産材を中心にして販路の拡張といいますか、市場、流通体制の整備を図れと。これは私もそう思っておりますから、改良型の在来工法住宅の展示等を通して、いろんな大工さんとか工務店、木材業界との連携の強化を図っておるところでございます。森林組合による共同販売所の設置、こういうものもつくったり、木材市場の整備のための調査等を行っております。また、五十四年度からは住宅需要が三大都市以外の地方都市を中心に増加するものと考えられますから、今回の国産材産業振興資金制度の活用によって産地市場を活発にする考えでございます。
 間伐材の用途の拡大等についても、いろいろと創意工夫をこらして、それらの助成事業を行っているところでございます。
 森林の保育への助成等も、森林総合整備事業の創設や、あるいは農林漁業金融公庫の造林資金の融資枠の条件緩和、枠の拡大等がそれでございます。
 それから、公害による被害について漁場を守るということについては、先ほどの答弁にもありましたように、各省とよく連絡をとって水質の汚濁防止に努める一方、農林省としては、魚介類の汚染状況の調査、開発行為に対する漁場環境影響調査、漁場の復旧事業、赤潮対策事業等を引き続きやっていくつもりでございます。
 韓国船の沖合いでの無謀操業に対しましては、再三にわたり交渉をいたしてまいりまして、二、三日前には韓国の国会議員が北海道を視察し、関係者の方とも話し合いをしてこられたということは通知を受けております。したがって、実情もかなりわかっていただいておって、これは一挙に解決をすると、力の解決をすれば、今度は西の方で力の問題がまた起きてきて混乱をすることは思わしくないので、極力こういうものは話し合いで決着をつけることが望ましいということでやっておりますので、そう遠くない時期に結論が出るというように確信を持っております。
 以上でございます。(拍手)
#74
○副議長(加瀬完君) これにて質疑は終了いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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