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1949/02/16 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第12号
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1949/02/16 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第12号

#1
第007回国会 地方行政委員会 第12号
昭和二十五年二月十六日(木曜日)
   午前十時三十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (平衡交付金に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。今日は先ず地方行政平衡交付金法案につきまして政府の説明を聴きたいと思います。
#3
○政府委員(小野哲君) 地方財政平衡交付金につきましては、新らしい制度でございますので、政府といたしましてはこれに関する法律案を作成して国会に提案をし、御審議を願いたい、かような心組で準備をいたしておる次第であります。一応成案を得まして、尚多少折衝しなければならん点もございますので、これらの取運びれをいたしました上で提案をいたしたい、かように存じております。内容につきましては財政部長から説明をお聴き取り願いたいと思います。
#4
○政府委員(鈴木俊一君) 平衡交付金法案につきまして、只今までの政府の研究立案の過程におきます案を大体の骨子といたしまして、今後まだどのように最終的に決定になりますか分りませんが、一応現在の研究段階のところを極く概略お話を申上げたいと思います。
 平衡交付金として只今考えております案の骨子は、シャウプ博士の勧告の趣旨に従つておるわけでありまして、地方の体団行政の一般的な水準をできるだけ維持向上をして行こうという狙いから、地方団体が必要といたしますところの最低限度の経費を賄うのに対しまして、一定の税収入でどうしても足りないというところを平衡交付金という名において、これを補填をして行こう、こういう立て方であるのはすでに御承知の通りであります。一応案の骨子といたしましては基準の財政収入額と基準の財政需要額、この二つのものを見て参ります。個々の地方団体についてこれを見て参るのであります。基準の財政重要額は結局起債とかその他の臨時的な財源によつて行いますところの臨時的な経費、こういうものを先ず第一に全体の経費の中から除きます。それから第二番目には使用料でありますとか、手数料でありますとか、或いは一定の補助金がありますというような特定の財源のありまする経費、これも除きます。そういたしまして、更に税収入の中での一定部分のもの、これは後程述べます基準財政収入額との関係がございますが、大体標準税率というのを地方税法案で想定いたしておりますが、これは大体現在の地方財政の全体の需要、交付金その他のものと見合つて賄うに一杯々々のものを見ておるわけでございますが、その百%の標準税率の中で大体七〇%程度の財源を見たいと思うのでありますが、そういたしますと、残りの三〇%程度の税収入というのを一応やはりこれは地方団体の任意選択の範囲に残して置きたいと思うのであります。そこでそういう程度のいわば標準税率で計算いたしました三〇%程度の財源というもので賄われまする経費、これも除きたいと思います。言い換えますれば、臨時的な経費、特定の財源のありまする経費、それから標準税率の約三〇%で賄われます税収入、それらの三つの部分で賄われまする地方団体の経費を除きまして、それ以外の残りの経費を基準財政需要額と見たいのであります。これは言い換えますれば、最低限度の地方団体の行政を賄いまするのに必要な経費というものになると思うのであります。経常的な最低限度の行政費用、それをそういうふうな範囲で見るようにいたしたい。
 次に基準財政収入額を見るのであります。基準財政収入額は以上の経費を賄いまするのには、結局標準税率の七〇%程度の歳入を見込みますれば大体いいのではないかと思います。要するにシャウプ博士が言つております最低行政を賄いますのに必要な経費としては、一応全団体を通じての考え方といたしましては七〇%程度の基準税率というものを一応想定をいたしまして、そこでこれを抑える。これを基準財政収入額というふうに考えたいと思うのであります。この前に申しました基準財政需要額とこの税の七〇%を見ました基準財政収入額、この差額を平衡交付金として各団体に交付いたしたい、こういう考え方にいたしておるのであります。各地方団体につきまして以上の数字を算定をいたしまするのはそれぞれの知事なり、市町村長なりの地方団体の財政当局でありますが、市町村の場合におきましてはこれを府県に持つて参りまして、府県知事の意見を附けて、更に中央の地方自治委員会、今後地方自治庁が変りますが、その地方自治委員会の方にそれを出す。それから府県の分は直接地方自治委員会に出す。それらの両方の資料を基礎にいたしまして、地方自治会は全部の地方団体につきましての基準財政需要額と基準財政収入額との差額を合算いたしまして、それを基礎にして、その年度の全体の地方財政平衡交付金の総額というものを見積るわけであります。その見積られましたものを大蔵省の方へ要求をいたしまして、その年の予算に計上して貰いたい、こういう立て方にいたしております。そうして直各地方団体の基準財政の需要額を測定することが実は非常にむづかしいのであります。どういうふうにして測定するかということでありまするが、その方法を大体法案の中に書き込んでおるのであります。この方法といたしましては大体道府県、それから大都市、大都市と申しますのはいわゆる五大都市であります。それからその他の都市、町村、こういう四つの大分けの地方団体の区分を設けまして、それぞれの区分ごとに土木費でありますとか、教育費、厚生労働費、産業経済費、戰災復旧費、その他の行政費といつたようなものを、それぞれ、団体の事情に応じまして費目を挙げて、その費目ごとに一定の測定の單位を作るのであります。例えば道路費と申しますると、道路の面積がどれだけかといつたような、或いはその全体の道府県の面積がどれくらいあるかというようなこと、この二つの測定の基準によりまして実際のその県の道路の総面積を出す、或いはその県の全体の面積を出す。これを一つの基礎数にいたしまして、それを生のまま採るというわけには参りません。それぞれ都会地帶におきましては、同じ面積の道路でありましてもその構造の程度が違うわけでありますから、そこで特別の経費が要る。又寒冷地帯におきましても雪害その他によりまして道路の破損せられる程度が多いわけでありますから、そういうようなところでもこれを多く見積る。そして中等のいわば平均的な道府県の道路面積あたりの経費というものを出しまして、大都市でありますとか、或いは寒冷地帯でありますとかというところでは、それに対して或る程度の補正を加えまして、実際の道路の総面積が一千平方米であるといたしますれば、都会ではそれに二割程度の割増しをするとか、或いは寒冷地では一割程度の割増しをするとかというようなことで、それぞれ実際の測定範囲に対しましてその需要に応じまして、或る程度これを補正をして参るわけであります。そうして一平方米の道路にはどくれらいの経費を要するかということを、平均的な地方団体におきまするものを出しまして、それを例えば一千米を一千二百米に補正をいたしました大都市の実数に一平方米を掛けるわけであります、そういうことにいたしましてこれを道路費なり、橋梁費なり、河川、港湾といつたような各費目別に算出をして参りまして、その全体をその地方団体の費目について計算を、いたしまして基準財政需要額を定める、こういうわけであります。そういうふうな全般の財政に当りましては、それぞれ知事なり、市町村なり、財政の当局が自分の団体の額を算定をいたすわけでありまするが、教育関係でございますとか、或いは選挙関係でございますとかといつた、それぞれ知事以外に別個の執行機関のありますものについては、それぞれの執行機関の長の意見を聴いてそういうものの算定をする、こういうようなことになるわけでございます。そういうようにいたしまして基準財政需要額を算定するわけでございますが、最初に申しました臨時的な経費、特別会計財源のある部分、標準的な税率の三〇%に相当する部分を除いて今の標準費用の算定、單位当りの費用を計算いたすのであります。そうして出て参りましたものが全体の基準財政ということになります。そのようにいたしまして、各地方団体の基準財政需要額と基準財政収入額を計算いたしまして、それを自治委員会に出して貰つて自治委員会が総額を算定し、その年の平衡交付金総額を次の予算に計上するように要求するわけであります。それをどの程度になりますか、実際の不足額と予算に計上せられる総額というものは、理想といたしましては完全にマッチすることが望ましいのでありますが、いずれにいたしても年度開始前に見込を取りましてそれによつて計上いたしますのでございますから、実際の額と総額との間には多少ちぐはぐが出て来るのは止むを得ないことだと思います。
 次にそういうふうにして計上せられました平衡交付金の総額が、これを大体二つに分けまして普通平衡交付金と特別平衡交付金と二通りに区分をいたします。特別平衡交付金は普通平衡交付金の一割というふうに考えております。普通平衡交付金は年度当初から予想せられまするところの経常的な経費の差額に対する補填に使うのであります。特別平衡交付金の場合は特に年度当初においては予測できないような災害その他に対する経費でございまするので、これも起債とかその他の災害に賄うものがございまするが、やはり一般財源で或る程度カバーして行かなければならん、そういうものであります。又全体を通じての尺度では予測し難いような需要があると思うのであります。これは又どういうものが具体的にあるか、尚詳細な研究を要する点があると思いまするが、全体の共通のものとして測り得ないもの、そういうようなものにつきまして特別平衡交付金というものを交付するようにいたしたい、これは年々普通平衡交付金の額の一割程度のものを特別平衡交付金として交付して行きたい、こう思うのであります。これらの交付金を交付いたしまする方法といたしましては、普通交付金の場合は大体年四回に分けまして、道府県の方は四月、六月それから九月、十一月、市町村の場合は四月、七月、十月、十二月というふうに四回に分けまして交付金を出したいと思います。そのうち道府県の四月、六月に交付する部分、市町村の四月、七月に交付する部分、この二つは実は具体的なる市町村の基準財政需要額並びに収入額の不足額の確乎たる基礎資料というものが出て参りませんわけでございまして、従つて一応見込によつてこれは交付しなければならない。そこで大体の考え方といたしましては、前年度予算に計上いたしました平衡交付金の総額と、その年度において交付せられました平衡交付金の総額とを算定いたしまして、その按分の比率によりまして当該団体に対して交付して参つております。言い換えますれば前年度の北海道なら北海道に対して交付せられましたこの普通交付金の額に対しまして、例えばその前の年度では総額の千二百億の平衡交付金があり、今年は千億になつたような場合に、千二百分の千というものを前年度北海道に交付せられました額に掛けまして、要するに千二百分の千だけを一応やる。但し年四回に分けておりますから四月にやるのはその四分の一、六月にはやはり四分の一というふうに今年度の総額の按分比例によつてやる。九月、十一月におきましてそれを調節をして、実際の額に要するように計算をして行きたい、こういうふうにまあ考えております。これが普通交付金の交付の方法でありますが、特別交付金の方は、いずれもこれは年間に各種の事情が出て参りますので、年度末に近くなります即ち二月になりまして、全体として交付して参りたい、こういうふうに考えております。それでこのようにして交付せられまする交付金の算定等につきまして錯誤があるというふうに考えます地方団体に対しましては、審査請求の申出を認めるようにいたしておりまして、錯誤なきを期するようにいたしおります。若し審査の結果錯誤があるという場合には、これをやり替えるということを考えております。ただ年度の終りの方などになりまして、二月、三月頃にそのような請求に正しい理由がある、従つてやり直しをしなければならんという場合におきまして、その年度内において調査をするというようなことが或いは困難になるか知れません。そのような場合においては次年度におきましてその審査請求の手続を、これを概算して置いて改めて算定いたします。こういうことをいたします。
 それからこのようにして国が平衡交付金を交付いたしまするのでございますが、それの還付の規定を若干考えています。これは平衡交付金の制度の本旨は、地方団体が少くとも国が要請します程度の最低限度の要請というものは、これを行うようにして貰いたいということからできておるわけでありますから、特に国が要求いたします要請の限度というものを法律におい規定をする、例えば義務教育に対しまして、生徒五十人に対して小学校の先生は一・五人を必要とする、或いは生徒一人当りの校舎の面積は建坪〇・七坪なければならん。こういうような要求を国がいたしました場合におきましては、それをやはり地方団体としては維持しなれればならんという義務がございます。そのような義務を地方団体がやらない場合には、それに相当する額というものを地方団体の平衡交付金から還付を命ずる。これは地方自治委員会が勝手にやるのではなくて、只今申上げましたような教育経費でございますならば、文部大臣の要求に基きまして、要求がありましたならば特別の事情がない限りこれの還付を命ずるというような、こういうような形にいたしておるのであります。尚この関係で更に申上げたいと思いますのは、この各地方行政に関係のあります各省の立場と、平衡交付金制度の問題でございます。これは各省といたしましては、厚生省なら厚生関係、社会福祉、社会保障制度に関する問題、文部省なら教育制度に関する問題、農林省なら農業関係の問題というふうに、それぞれの関係の範囲の所管の行政につきまして、一定の範囲、程度のことは是非地方団体として要求して貰いたい、やつて貰いたいということを要望いたしまして、これを国家として地方団体に義務付ける必要がありまする場合には、法律なり或いは法律に基く政令によりまして一定の要求をいたすことになるだろうと思います。これは平衡交付金制度の建前としてどうも止むを得ない。若しも地方団体が平衡交付金を貰つておるに拘わらず、その要望いたしております施設をやらないという場合におきましては、農林省なり、文部省なり、厚生省としてはそういう水準に達するような行政を行うように勧告をする、当該団体に対して勧告をするという、こういう権能を認めたいというように考えております。若しもその勧告に従いませんで、尚一定の水準の要請を維持しないという場合におきましては、先程申しましたように平衡交付金の還付というようなことを一つ考える。こういうようなことにいたしておるのでございます。こういう行き方というものと、地方自治というものとの関係はやはり相当微妙な関係があると思うのでありますが、地方交付金制度の趣旨と地方自治との関係というものは、そういうようなところで調節をしたいというように考えておるのであります。
 大体主要な点は以上申上げましたような次第でございまして、尚いずれも未定の部分等がございますので、正式に提案をいたしました後におきまして、何分の御審議を頂きたいと存じます。
#5
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑がございますれば御質問を願います……最初に御説明がありましたが、基準財政需要額の測定の方法ですね。それをもう一度御説明を願いたい。何か要望を取除けるとかいうようなお話があつたと思いますが……
#6
○政府委員(鈴木俊一君) シャウプ勧告で申しておりまする最低の規模、最低の質と量とを備えた地方団体の行政が確実に行われるように保障する趣旨のものが平衡交付金制度でございます。そこで最低の一体行政を賄うのに必要な財政需要額というものをどういうふうに見るかという、この見方の方法はいろいろあると思うのでございますが、これを測定をいたしまする方法といたしましては、大体臨時的な経費はこれは年々異なるものでございますから、先ずこれは当然除いて考えなければならんと思います。第二に補助金とか使用料というような特定の、それを賄うに足るだけの財源のあります部分のものは、これもやはり除いて考えた方が話が早いと考えますので、そういう部分も一応除いて考えます。あと残りますところは税で賄う部分、要するに一般的な財源で賄う分になるわけでございます。その場合におきまして税の制度をどの程度に見て行くかということでございます。この標準税率をまるまる見て行くということが一つの行き方であろうと思います。これは地方税法案において考えております標準税率と申しますものは、要するに現在の実情を基礎にいたしまして、現在の年内財政需要を賄うに必要なものということに見ております。これをそのまま今の財政需要を賄う財源に持つて来て考えるということも、これも一つの考え方と思いますが、これを百パーセントまるまる見て行くということに相成りますと、やはりどうしてもその団体の自立性と申しますか、弾力性がなくなると思うのであります。そこで、さりとて余りにも実情を無視した形になつても適当じやないと思いますので、私共といたしましては、大体交付金の財源と税の財源と両方で賄つて行きます部分というものを凡そ実際の財政需要の八〇%程度というようなところで今は請求したい。八〇%程度と申しますものは、平衡交付金の総額のうち先程申しましたように九〇%程度が普通交付金として先ず当初から考えられる額でございます。その交付金が、従つて総額の九〇%、それから税の方をそこでどの程度にするか、八〇%の行政を行いますためには、大体税の方を七〇%というところでとる、平衡交付金が九〇%、税が七〇%、その両方の財源で今の経常的な経費を取立てておりますが、その総体といたしまして、税と交付金とを合せたものとしては大体八〇%程度のところが最低の行政、こういうふうになるように考えるのであります。要するに現状に対して八〇%程度のところは、これは国として必ず保障して行きますし、又従つてそのためには税率の方は全体の税率の七〇%というところで抑えて行けばよろしい、こういう結果になるわけでございます。そこで八〇%というふうに今抑えることが適当かどうか、何故そういうふうに抑えるかということになると思いますが、これをまるまる見て参りますというと、結局それぞれの地方団体の予算を全部国の枠の中に嵌めてしまつて全体で計算するということになりますると、地方団体の予算全部が実は平衡交付金の算定の一つの枠の中に決まつてしまう。殊に測定標準などいろいろ出て参りますから、そういうことになりますると、非常に地方としての財政上の自主性、弾力性というものが非常に少くなつて来る。そこで国が見ます場合の基礎といたしましては、最低の必要経費を見るようにすべきであり、財源も、それに釣合う財源の程度にすべきであるという考え方から政府としましては、今申上げましたように、大体基準の歳入として見ますものは七〇%見ておる。七〇%以上に標準税率までとりますれば、それだけはむしろ自由にその団体が使える金になる、それ以上とれば更に自由に使える金になる。そこでその地方団体がとるべきものとして見る財源としては七〇%、従つて財政需要の方を測定する方としてもそれに相応するようにして、残りの三〇%の部分だけは除いてやるこういうことであります。先程三要素と申上げましたのは、そういうふうな意味合から臨時的の経費、特定の財源の経費、経収入の中で三〇%の部分に相当するものを除いたもの、そういうもので基準財政需要を考えて行きたい、こういうふうに思つておるわけでございます。
#7
○島村軍次君 今回の標準税率で問題になるのは経費の測定標準と基準の財政収入額というものをどう見るかということにかかると思うのでおります。第十二條に例示されておりまする一例でありますが、道路費というところに「面積、道路の面積」と書いてありますが、これは例えば府県の場合には道路の面積というのは府県道というものを基準に置くのか、全体の道路というものに置くのか、或いは国道その他のものに置くのか、それからこの面積というものは道路の面積とこう書いてありますが、全体の総面積の意味かどうか、それから橋梁の面積といのが、ここに書いてありますが、これは非常に悪い木橋もあるし、或いは鉄筋の橋梁もあるし、いろいろ地方によつて違つておると思うのでありますが、これは恐らく全体から見て、橋梁に対しては、総額は例えば橋梁の一平方米に対してなんぼということが考えられると思うのでありますが、そういうものは総額が出た上で標準費というものが出るのでありますか、或いは、頭から全体をこの程度のものはどうと、そういうように先に標準を決めて置いて算定するのか、どちらになるのか、例えば只今お話になつたような小学校であれば建築は〇・七とか、一・五人の教員数というような、凡そ基準というものが予め定まつて来るわけでありますが、道路とか、橋梁というものについては、河川についても同様でありますし、港湾についても同様であります。そういう点の考え方はどういうふうになるのか、その点を一つ先ず承つて見たいと思います。
#8
○政府委員(鈴木俊一君) 最初のお尋ねの面積、道路の面積でございますが、これのそれぞれの具体的の算定の方法は政令で定めるということにいたしておりまして、それぞれ道路でございますならば、所管の建設省等の事務並びに天地当局と話合いの上で、更にどういうものをとるのが、一番合理的に全体の道路費を測定できるかということを協議して参りたい。ただ全体といたしまして只今お話が出ましたように測定標準もできるだけ細かく取るということが当該所要経費を見るのにはよいのでありますが、何分平衡交付金制度は本年度初めてやる制度でございまして、勧告によりましても当初から非常に細かく費目を取つて算定をして行くということは望ましいけれども、それは実際実行不可能である。従つて年々逐次改善を加えて行きまして、最後に最も理想的な正確なる測定の方法を考究すべきであるという趣旨のことが出ておるのでありまして、この案といたしましては一応目下考えられます関係する諸官庁との間の協議の結果、大体こういうところに集約をいたしまして、こういうものの算定をできるだけ合理的にしたい、その結果できるだけ実情に副うような費用を考えたいというふうに考えておるのであります。尚それぞれの面積、道路の面積が一平方キロなら一平方キロになりました場合に、その單位当りの標準的な費用をどう見て行くかということが又非常に問題になつて来るわけであります。将来の二十六年度以降の問題といたしましては、本年度の経験にも鑑みまして、実際の費用というものを生み出して来ることと思うのでありますが、今年度は御承知のごとく平衡交付金の総額がすでに千三十億というふうに予算の上で決まつております。そこでこの標準費用を弾き出す場合には大体総予算の千五十億という総額に納まるようにこれを弾き出さざるを得ない状態でございます。そこで仮にそういうことで実際測定をいたしまして交付しました交付金の総額と税の一般收入とで果して理想的……理想的と申しますか、最低経費が賄えるかどうかということは、今年度の実績によつて見なければ的確なる判断はできないのであります。恐らくは足りないということがあるかも知れません。或いはものによつては最低経費を上廻るというようなことがあるかも知れません。それらの点は次年度以降におきまして今年度の経験を基礎にして逐次改善を加えて行きたい。それが一つの委員会の平衡交付金に関する最も大きな任務である。改善を図つて行くということが任務であるということをこの法案の中にも特に明記をして行きたい。こういうふうに考えておるのであります。
#9
○島村軍次君 只今の細かい問題は政令に譲るということは分りますが、私のお尋ねした点は、先ず道路であれば府県道というものが主体になるか、国道も併せてということ、そのとり方に対する考え方。それからもう一つは、各省とお打合せになる場合に道路橋梁等について例を取つて見ますれば、予め一平方米の道路を保全のためには単位面積にどれくらいの経費を要しておるかという現実を捉まえるのであるか、或いは総額をその現実如何に拘わらず最低経費というものを一千五十億というものによつて按分するのかどうかということですね。その点のお考えを一つ伺いたい。
#10
○政府委員(鈴木俊一君) 只今私共といたしましては、道府県につきましては全体の費目についてそれぞれ各道府県の資料を調整をして貰つております。市につきましても同様に全部考えております。それから町村につきましては人口段階を六つぐらいのグループに分けまして、各グループにつきましてそれぞれの土木費とかその他の費用はどれだけかかるかという実情調査を目下いたしております。その実情調査の結果によりまして実際の費用というものを弾き出しますが、それの全体の平均的な費用というものを一番根拠にして考えております。ただその場合に、先程申上げましたように今年度総額は千五十億で、それとのやはり睨み合せというものも考えなければならんと思つております。それから府県道道路につきましては、府県道、国道はどうなるかというようなお尋ねが先程ございまして御答弁申上げたのでございますが、これはそれぞれ道府県が費用を負担しておりまする道路を主体に考えるわけでございまして、従つて府県道、或いは国道というようなものを考えたいと考えております。それから市町村につきましては市町村の……それから大都市等につきましてはやはりそういう意味で国道の経費を負担しているので、その面積を見ることも入つて来るわけでございます。それから面積でございますが、道路につきまして、道路の面積のみならず、全体の面積を幾らとすることは、要するに今後道路を築造して行くべきその面積というものがどの程度考えられるか、未開発の地域等のことを考えまして、全体の面積も考えて行きたいというふうに考えておる次第であります。
#11
○島村軍次君 これは極めて重要なことに考えられると思いますのは、例えば道路の問題にいたしましても、自治庁とそれから建設省との間の御相談の場合に、若し考え方にポイントが違うというようなことができますというと、非常な不公平ができるというか、その財政需要の測定というものに容易ならざる考えの間違いができるという疑いが私は差挟まれると思うのです。その例を、簡単に一、二の例で申上げれば、道路について考えても、小さい非常に財政需要としては貧弱な町村で、道府県であつても交通その他の関係で国道は殆んどない、府県道が主体であつたというような場合に、国道がそれから除外されるということになりますと、その町村は、その府県は、この標準費というものが、他のそれらと異なつたものよりは、枠に嵌めてお出しになると窮屈になりますから、従来やつておつた施設よりは余程違つた考え方が標準財政需要というものに算定されるということになると思うのです。それをカバーするのが平衡交付金だということに考える、まあ理論付けられると思うのでありますが、そのとり方によつては、余程根本的の建前に従来の府県の行政というものと掛離れたような意味のとり方が出るというような疑いがどうしてもしてならないのでありまして、これは出して見ねば分らんことでありますが、単純に道府県であれば道府県道だといつても、国道は殆んどこれは道府県で管理しておる、事実上はやつておるというような関係から、而も道府県道あたりでも、県によつてその当時の県議会等の意思によつて、殆んど袋路で何ら道路として価値のないというようなものまでも府県道に編入しておるというようなところがある。逆に他の交通上の関係から道路費に非常な沢山の経費を使わなければならんというようなところが出た場合には、平衡交付金というものが余り細かく考えられるということで、その結果が非常に、先程申上げたような現在の行政と掛離れたようなものが出るという疑いが、これについても考えられると思うのです。
 それからもう一つは、道路費というものには、府県道では市町村の補助費を相当計上しておるのです。今度の考え方からいえば、そういうものは全然取去つた考え方になると思うのでありますが、補助費についての問題は、その財政需要の場合については、道路費中には経費のうちに現実のものを捉まえる時分には入れないという考え方だと思いますが、そう考えていいかどうか。
 それから併せて教育費については、道府県の場合においても小学校の兒童数、学級数というようなものが計上されておる。それから都市の場合にも或いは町村の場合にも同一な基準がとられるようでありますが、小学校の一般教員俸給の負担は当分のうち道府県でお持ちになる予定だと思うのでありますが、両方同じようなものをとるということに対する考え方はどうですか。ちよつと簡單に承つて置きたいと思います。
#12
○政府委員(鈴木俊一君) 第一点のお尋ねのこの標準費用のとり方の如何によりましては、非常に実際上現在の行政の経費と掛離れたものになりはしないかという御心配でございます。これは確かに御尤もな御心配でごいざまするが、全体の考え方といたしまして只今仰せになりましたように、小学校の教室、これは生徒一人当り〇・七というような要求を国の法律においていたしました場合には、これはそれが飽くまでも平衡交付金の算定の基礎になるだけでなく、それが同時に現実のそれを賄うために必要な経費の支出のやはり基準になつて来ると思うのでありますが、そういうふうに特に国が法律でこういうものを維持せよという要求をいたしておらない部分のものにつきましては、ここに書いてありまするその多くのものはそういうものでございますが、そういうものに関しましては、交付金を交付いたします基礎資料として算定のために用いまする一定の測定の標準でございまして、必ずその経費でその現実の行政が賄えるものではない、それに補助金なり、或いは事務的経費があれば、起債を附加えるなり、或いは先程の三〇%前後の制限であるといつたものを附加えまして、初めて現実に行政の必要経費になつて来ると思うのです。国がびしびしと全体の枠を決めしまつて、これが単に測定標準になるだけでなくて、現実の支出の基礎、そのものになるということになりますると、これは地方予算全体を国が作つてしまうというような結果になるわけでございまして、やはり私共としましては、国が要請をして法律上どうしてもやらなければならんというものは、できるだけ最小限度にして置きたい。その他のことは交付金算定の測定の標準として考えて行きたい。尤もその場合におきましても御指摘がございましたように、できるだけ実情に合うようなものにして行かなければならんわけでありますが、それは逐次年々の改善の結果によつてそれに近付くようにして行きたい、かように考えているのでございます。
 それから第二点の補助金の問題でございますが、府県が町村に対して、道路等に対して補助金を出す。こういうものは只今申上げましたように、測定の標準費用の中からは除いて計算をしたいというふうに考えております。
 等三点の小学校、中学校等につきまして、兒童数或いは生徒数を府県の場合、市町村の場合共に計上しておる教員俸給は、現在都道府県の負担になつており、その他が市町村の負担になつているに拘わらず、同じ測定の標準を用いるのはどういうわけかというお尋ねでございました。これは教員俸給につきましては、今の大体文部省の考え方といたしまして、生後五十人について小学校は一・三五というのが二十四年の基礎でございましたが、二十五年の私共の平衡交付金算定の基礎といたしましては、文部省との話合いによりまして、これは一・五に引上げて計算をしておるのでございます。又、中学校の先生につきましては、五十人につきまして二十四年度一・七でございましたが、一・八という数字において考えて参りたい、かように考えております。これはいずれも五十人についてということで、やはり児童数をそういう費用の測定の基礎にも用いている。それから一方市町村の方ではいろいろ教材でございますとか、児童の椅子とかいつたような生徒に関する経費が出て参ります。やはりこれも生徒というものの数を基礎にしまして算定をして行きたい。ただ両方におきまして経費の種類が違いますので、とにかく測定の単位としては生徒数児童数を算定として行きたいと考えております。
#13
○島村軍次君 第十三條の算定に関する補正系数に関するいろいろな例が四個挙げられて、その中に寒冷度及び積雪度というものを標準の中に入れておられる。その説明がちよつとあつたのですが、これだけを取上げたのでは非常に地方によつて不公平の問題が出るんじやないかということが考えられるのです。これは小さい例でありますが、例えば道府県の場合においても考えられますし、市町村の場合においても普通の土木費でこういうものがここに挙げられておりますが、ところが非常に土質のいいところは、上に敷く砂利なんかが深く入つている、併し東京のような火山灰の土地としては多摩川からとるには非常な経費が要る、そうするというと十倍も二十倍もの経費を持たねば砂利の一単位が得られないというようなことがある。私の岡山の例から言つても岡山附近だと花崗岩の鉱石の非常に柾という土砂の出るところは、極めて安くやられるということがでまして、市町村の土木費に標準を出す場合には細かい問題でありますが、一つの例ですが、そこで一つ何かこれらに即応するような土地の情勢による考え方というものを相当加えにやならんという点から考えますと、お話の通りにまあその基準を八〇%ということを先ず以て標準として、弾力性を持たせるという考え方を、府県の場合よりは市町村の場合には尚もつとこの率を余計にする必要があるのじやないか。それがやがてこの今のような場合に対処する市町村行政の円滑を期する上、或いは又財政的な非常な相違を来すということでなく済むのじやないかと思うのですが、これはむしろ一つの希望でありますが、市町村の場合には八〇%程度というものをもつと拡充して、余裕をもつて置くということに対してのお考えはどうですか。
#14
○政府委員(鈴木俊一君) 只今地勢と申しますか、それぞれの地方団体の実際の地理的な施設構成といつたようなものの測定標準の費用につきましての計算の上に相当影響を與えるのではないか、殊に市町村の場合におきましてはその点が何と申しますか、全体の区域が小さいだけに、余計大きな影響を全体に與えるが、測定の基礎になる基準財政費用、或いは收入額を算定いたします場合に八〇%と先程申上げました、その上に更に弾力性を加える必要があるのではないかというお尋ねでございますが、測定の標準を見まするには、平均的な、団体の平均的な経費支出というものを一つの基礎の数としてすべて考えて行きまして、それをその実情に応じて補正をしで行く。先程は寒冷地とか、都市関係というようなことについて補正の方法を申上げたのでありますが、その補正の方法に更に政府が考える必要がないかというようなお尋ねでございました。その点は確かに一つの問題でございます。ただ私共といたしまして、この測定標準の単位を沢山取るということもこれも理想的ではございますが、これも非常にむずかしい、更にそれを補正します範囲を沢山取るということ、これも非常に困難でございます。全国一万からの町村の全体につきまして単位費用を出し、それを補正をし、それに標準的の経費を掛ける、こういう作業はなかなか厖大なる作業にもなることでございまして、でき得まするならば、できるだけ少い標準にして、補正もできるだけ少くして、その代り基準というものをできるだけ合理的に取る、成るべく少いものに集約して、すべての変化を見込んで行く、これが一番望ましいように考えておるのであります。お話の点も私共といたしましては十分検討いたしたのでございまするが、どうも全体を通じまする適当な補正の基礎というものを発見することが困難でございまして、これは私共といたしましても今年の経験に鑑みまして、逐次今後改善をして参りたいと、かように考えている次第であります。
#15
○島村軍次君 大体御趣旨は分りましたが、この財政需要の測定標準というものに上つております具体的な方策を見まするというと、すべてこれは静的な問題でございます。面積とか、人口とか、これは人口というようなものは動的とも考えられますが、そういうものが主体であつて、そうして今申上げたような非常に産業経済に必要な、例えば農業については単作地帯の農業生産力の多いところと少いところ、これは自然的に違つているという点、或いは只今一つの例として申上げた動静、その他周囲の環境、これは地勢だけによらんと思うのです。地質そのものが土木費あたりでは非常に関係を持つて来るということになると思うのでありますが、そういう点から行きますというと、尚御研究をされる事項でありますが、今後の問題として過渡期の時代でありますが、平衡交付金の交付に対しての結果が、今申上げたように非常な不公平が出て来て、従来の地方税というよりは、付交金を比較して見ると予想以上の減額になるというようなものが考えられるというようなことが、これはまあ抽象的でありますがいたすのであります。希望として以上の点を一つ御研究願うことを申上げて置きます。
#16
○委員長(岡本愛祐君) 今日はまだ予備審査ではございませんから、概要につきまして御質問願いたいと思います。
#17
○鈴木直人君 この交付金以外の全体のことについて聞いてよろしうございますか。
#18
○委員員(岡本愛祐君) よろしうございます。
#19
○鈴木直人君 第十二條に関連してお聞きいたしたいのですが、要するに今度の地方財政平衡交付金は、従来の地方配付税に加えるに、従来各省において法令等によつて負担をしておつたところのものの都道府県及び市町一村に関係する経費をこれに附加えて、そうして総計が千五十億ということになつたわけでありますが、十二條の分類に従つて地方配付税以外においてこの平衡交付金に加わつた種類ですね。当然他の省から都道府県市町村に分担し、或いは補助されていたところの経費が性質が変つて交付金という制度の中に含まれたものがあるわけです。例えば義務教育費国庫負担とか、生活保護法による負担も入つていたように思うのでありますが、或いはこういう土木費に対するところの費用が建設省等において別途に組まれていたものが、ここの中に平衡交付金として新らしく加わつたものであるならば、そういうように性質が変りまして各省が法令等によつて負担していたものが、平衡交付金として性質が組み変えられている種類のもの、この種類を十二條の順位に従つて教えて頂きたいと思います。
#20
○政府委員(鈴木俊一君) この平衡交付金の千五十億の中に、従来補助金配付金等として国から地方に出ておりました国庫支出金で入つて来たものがどれとどれかという御質問でございますが、これは千五十億はシャウプ博士の言うております千二百億から百五十億減つているわけであります。これはシャウプ博士が予定しておりますものの大きな一つとして、生活保護法によりまする補助金が百三十億あつたのでありますが、この部分は結局予算編成の際におきまして、総司令部との話合いの結果百五十億というものは千二百億の中から取ると、こういうことになりまして、従つてその部分だけは抜けております。それを抜きまして、その他で千五十億の中に国から従来補助金、負担金として出しておりましたもので取込まれたものは総額三百五億ございます。その以外のものが従来配付税として相当しておつたものでございます。その三百五億の内容は随分種々雑多多数ございまして、ちよつとここの測定標準のそれぞれに割り振りました資料は用意いたしておりません。尚御希望がございますれば相当これは大部のものでございまして、いずれ他日提出申しげたいと思います。
#21
○鈴木直人君 それでは、それは一つ他日資料として提出して頂きたいと思います。
 次に今の御説明によりますると……昨年は地方配付税として総額幾らありましたか。
#22
○政府委員(鈴木俊一君) これはこの前御説明申上げました推計の中に概略書いてあるのでございますが、昨年度は六百六十七億であります。これは前回の追加予算で九十億プラスになつておりまして、当初は五百七十七億でありましたが、あれに九十億プラスになりまして、一応配付税の総額は二十四年度は六百六十七億でございまして、今年度は先程申上げましたように、千五十億から、三百五億差引きました七百四十五億というのが配付税にまあ相当する純粋の国から交付される金であります。これは昨年の六百六十七億に比較いたしますると、七十八億だけ殖えているという計算でございます。
#23
○鈴木直人君 そういたしますと、地方財政平衡交付金という制度のために地方の財源が非常に豊かになつたというのではない。いわゆる従来の六百六十七億の地方配付税が千五十億円に殖えたのであるというふうに考えている向きもあるようであるけれども、それは非常な間違いであつて、三百五億というのは当然他の省から地方に分担金或いは補助金等によつて配付されていたものが、この中に入つて来たものに過ぎないのであつて、平衡交付金という制度が若しなかつたとするならば、当然これは各省から本年度も配付されるべき性質のものであるから、これは殖えたものでもない。従つて地方配付税というものが幾ら殖えたかということが、地方においてどの程度の財源が多く殖やされるに至つたかという基準になるものでありますが、今の説明によりますると、七十八億だけが地方配付税的なものが殖えて来たに過ぎないのだと、こういうふうに解釈してよろしうございますか。
#24
○政府委員(鈴木俊一君) その通りでございます。
#25
○鈴木直人君 次に教育費の問題でありますが、これは一般平衡交付金として教育費が配付されることになるわけでありまするが、従来の義務教育費の国庫負担法が廃止されてこの中に包含されるということになるわけでありましようが、例えば文部省等におきましては従来の義務教育費国庫負担の当時と同じような考え方からして別途の基準的な法律を作つて、そうしてこの平衡交付金の交付する場合におけるところの法的措置を作るというようなことも聞いておりまするが、その点については地方自治庁とどういうふうに折衝されておりますか、その経過をお聞きしたいと思います。
#26
○政府委員(鈴木俊一君) 教育関係の従来義務教育費国庫負担法として出ておりました国からの負担金は二百五十億あつたわけでありますが、この二百五十億の負担金が平衡交付金の枠の中に入つて参ります。それといわゆる義務教育という名において呼ばれまする国の要望等をどういうふうに調節して行くか、平衡交付金法案と義務教育費というものとの調節ということは非常に一つの大きな問題でございます。只今政府としてはこの両案につきましての調節について検討中でございますが、平衡交付金制度の本旨から参りまして数点やはりこの両者の間におきましては問題になる点があると思うのであります。只今文部省当局で考えておりまする標準教育費法案と申しまするものの骨格を大体申上げますと、これは教育費といたしまして約七百二十億のものを生徒一人当りに換算をいたしまして三千二百円という基準の数を出しまして、それによつて算定をいたしました。それぞれの府県なり市町村なりの教育経費というものを基礎にいたしまして、そういう教育経費は必ずこれは地方団体が支出しなければならない。七百二十億の金の支出義務を各地方団体に課するということが該法案の要点の第一点でございます。
 それから第二点といたしましてはそのような教育関係の経費の算定につきまして、これは知事、市町村長という財政当局から切放しまして市町村、府県の教育委員会がその独自の責任によつて教育経費の算定をする、その算定の基礎といたしましては文部省令で示さるべき基準によりましてこれを算定をいたしまして、それによつて市町村の教育委員から府県の教育委員会へ、府県の教育委員会から文部省へという系統で算定の資料を提出しまして、それを文部大臣が総額を算出しまして地方自治委員会に送付して、地方自治委員会はこれをそのままとつて平衡交付金の算定の際にその総額を大蔵省に要求する場合はそのまま使うし、地方に交付する場合もそのまま使う、こういう点が第二点でございます。
 要約いたしますると只今申上げました七百二十億の支出義務を各地方団体に課すること、教育経費の算定を教育委員会系統において行うこと、この二点でございます。それと只今考えておりまする平衡交付金法案との関係の問題でございますが、この第一点の教育費の七百二十億という額の算定方法につきましては私共といたしましては尚若干の疑問を持つておまして、調節を要する点と思うのであります。と申しまするのは二百五十億が二十四年度におきまして国庫負担金となるのでありますが、それは必要経費の二分の一でございますから、それにプラスいたしますところの二百五十億、五百億というものが従来国が保証しておつた経費であります。私共先程申上げましたように、これは主として教員の俸給であります。教員俸給につきましては本年度の地方財政推計におきましては地方自治庁といたしましても小学校の生徒五十人について一・三五という先生の定数を一・五に引上げ、又中学校の方は同じく五十人について一・七というのは一・八に引上げる。こういう基礎の下に推計をいたしておりまして、従つて昨年よりもやや殖えまして五百十億程度のものにこれがなるのであります。そういうものを義務教育費としてその一環として支出するということにつきましては、これは私共標準算定の際には十分にその趣旨に合うようにして行きたい、かように存じておりますが、残りの約二百億余の算定につきましては、尚非常に私共といたしまして疑問の点いろいろございます。と申しますのは、これも極く概略の推計でございますが、約四千九百億が昭和二十五年度の地方財政の推計である。これは大蔵省の予算当局の非公式の推計でございます。その非公式の推計に基いてそのうちに約四百億余の予備費がある、予備費が全体として四百億あるのだから、教育経費についても同様やはりその程度の予備費があるであろうというので、総額に対しまする比率からいたしまして、教育費の予備費というものをそれに含んだのであります。それが約二百億程度のものと考えておりますが、そういうようなふうにして算定せられました教育経費を地方団体が支出しなければならないということになつておるのであります。これはいわば地方自治の何と申しますか、非常に大きな制限ということになると思うのでありまして、そういう金額支出義務を地方団体に課するということは、これは地方自治の本旨から申しまして、相当考慮を要する点であろうと思うのであります。
 それから尚第二点の教育費算定の方法の問題でございますが、これはやはり知事なり市町村長なりそれぞれの予算編成当局者におきまして教育費でありましても、或いは選挙費でありましても、或いは警察費でありましても、或いは社会保障費でありましても、いずれも同じベースでこれが算定をしなければ財政の基礎の測定は困難でございます。教育費と申しましても、結局人件費であり或いは椅子を買つたり机を買つたり紙を買つたりする経費であります。その算定の基礎が教育経費に関する限りは別の基礎で行く、選挙の関係の物件費、或いは警察関係の物件費、或いは厚生関係の物件費とは別建で行くということでは、これは別個の団体ならば別でございますが、同一団体の財政の見積りといたしましては、成り立たないわけでございまして、これは今の平衡交付金の基準財政上算定の基礎といたしましては、どうしても県なり市町村の財政当局の編成をいたした財政需要額を基礎にして同じベースで各行政費目を算出して行きたい、こういうふうに私共としては考えておるのであります。この二点につきまして尚政府関係省におきまして目下調節中の段階でございます。
#27
○鈴木直人君 私はこの際まだ意見は申述べません。いろいろ現在説明を聴く程度で行きたいと思いますけれども、そうしますと、次にお聞きしたいのは、只今の御説明によりますというと、三百五億の中の二百五十億は、従来とも文部省から義務教育費の国庫負担として負担されていたものがこの経費の中に入つて来たのである、そうして今度小学校が一・五、中学校が一・八ということになつたために少し殖えて、結局合計としては地方財政としては五百十億義務教育費の先生の俸給のために必要になつて来るので、今の標準教育費法によれば、七百二十億を支出しなければならないという義務を負わせられるということになりますと、残り二百十億というものが、まだ負担をしなければならない部分になるのでありますが、この二百十億はあなた方の方で従来計算したことによれば、府県が教員の俸給の外に二百五十億程度の教育費を現に支出していた実績があるかどうか、その点を。
#28
○政府委員(鈴木俊一君) 教育経費は従来義務教育国庫負担法として出ておりますものは、小学校とか中学校の義務教育教員の費用とか、その他盲学校、聾唖学校、或いは小学校の委託関係の経費といつたようなものでありまして、これはそれぞれ費目がはつきりして基礎も明確に定まつております。その外に生徒経費でありますとか、更に義務制でない高等学校、その他の経費でございますとか、更に六三制の建築の経費でありますとか、校舎その他の経費があります。そういうような教育に関係をいたしまする多くの経費を見て行きますと、これはやはり相当多額の経費でありまして、臨時費等を入れますれば千億近い金になると思いますが、その中で教員俸給、義務教育の教員俸給等従来国庫負担金に入つておりました関係のものにつきましては、これは義務教育の特性から申しまして、その必要経費を確保するということにつきましては、私共としてもこれはむしろ当然考えるべきではないか、殊に人件費でありますと全然弾力性のないものでありますから、そういうものを考える。その他の経費につきましては、やはり他の各種の経費、これは主として物件費でございますから、衛生費にしましても、或いは厚生費にしましても、労働費にしましても、そういうようなものと同じベースによつて考えなければならないのじやないか、その団体全体の財政の見積りの同じ基礎の上に立つて見積る必要がある、かように考えております。
#29
○鈴木直人君 今私はちよつと考え違いしておつたかも知れませんが、生徒一人当り三千二百円、これを日米全国の小学校と中学校の数で掛けて見るというと、七百二十億円になる、従つて七百二十億のものは少くとも国が負担しなければならないという法律ですか。科は府県、市町村が負担しなければならないという法律のようにさつき聞いたのですが。
#30
○政府委員(鈴木俊一君) 七百二十億と申しましたのは、地方団体の予算の中から七百二十億であります。それを換算しました生徒一人当り三千二百円、これはいろいろ補正をしておりますが、それだけの金を地方団体が予算に計上して支出しなければならない、こういう内容であります。国からは特にそのために金が行くのではなくて、それは全体の税収で足らない場合におきましては、教育費のみならず全体を見て平衡交付金として本年度千五十億の中からそれを埋めて行く、こういうことになつておるわけであります。
#31
○鈴木直人君 そうすると七百二十億の中の二百五十億程度ものは平衡交付金として国からやるが、それ以外の七百二十億から二百五十億を引いた四百七十億というものは、これは地方自治体に負担しなければならないという義務を負わせようとするのが標準教育費法というものになるわけですか。
#32
○政府委員(鈴木俊一君) 二十四年度までは二百五十億まで行かないと思いますが、二百五十億近くが義務教育費国庫負担金として国から地方団体に出ておつたわけであります。今年はそれが平衡交付金の中に入つて参りましたから、そういう特に銘を打つたものは全然ないわけであります。廃止されてしまつたわけであります。そこで地方団体の全体の財政の収入の中から七百二十億というものを支出すべし、こういう義務付けのものであります。ただそのうち昨年からありましたものは二百三十億でありますから、二百五十億はあるのだと、こういう抽象的なことは言えると思います。
#33
○鈴木直人君 次にお聞きしたいのは、先程島村君からちよつと質問がありましたが、従来は小学校、中学校、新制中学を加えまして、府県が半額を負担して、いわゆる二百五十億を国が負担しましたならば後の二百五十億は府県の費用において先生の俸給を支拂つていたわけですが、今度は二百五十億程度のものは平衡交付金の中に含まれているとしても、その残りの部分について、他の半額については同じく府県において負担せしめるような方法をとるのか、或いは府県立のものは府県が負担し、市町村立のものは市町村が負担する。こういう建前をとりますか、その点をお聞きしたいと思います。
#34
○政府委員(鈴木俊一君) 只今の教育関係の経費の方、大きく分けますると、結局教員等の俸給に属する部分と、それから生徒経費に属する部分と二通りになります。教員等の給料の方は教員の法的性格が今日地方公務員ということに相成つておりますが、ただその負担だけは道府県がこれを負担する、こういうことになつておりまするので、給與の負担が道府県であります。そこで大体七〇%程度の七百五十億のうち五百億は府県の関係であります。残りの二百五十億は市町村の主として教材の購入とか椅子の整備とかいつたような生徒に関する経費であります。その七百二十億の全然別の問題としては、今の六三制の建築経費があります。
#35
○鈴木直人君 その臨時的なやつは別としまして、従来は二百五十億が国から俸給として配付された、あとの二百五十億は県自体の財源において負担しておつたのですが、今後も平衡交付金が行われた後においても同じくあとの二百五十億程度のものを府県が支弁をするということになるとするならば、その程度の財源を府県に與えなければならないかと思う。なぜかというと、この建前は市町村の費用は市町村税でやる、府県の費用は府県税でやるという建前の税制のように思われまするから、その建前から見まして町村の小学校の、町村立の学校の俸給は今度の税の建前から見れば町村が負担する、それから府県立の学校は、府県が負担するというのが税制の建前のように思われるのですが、併しながら学校の先生の俸給については、その税制の建前は別個に府県が市町村立の学校の先生の俸給を、二百五十億と雖も負担するということになるならば、その税制の建前とは違うのであるから、この平衡交付金の方の中に別途に府県が二百五十億程度のものを補給するか何かしなければならないように思われますが、そうしますと先程の説明の三百五億程度の従来の経費で、あとの七百四十五億程度のものが配付税の中にあつたというふうになると、その七百四十五億の中の二百五十億というものが、府県がそれを使うという建前になるのですか。
#36
○政府委員(鈴木俊一君) 先程の申上げました数字から申しますと、平衡交付金の中に統合せられました一般の負担金、補助金の中で三百五億、そのうち、二百五十億近くのものは教育関係の、従来府県が負担しておつた経費であります。残りの従来府県が負担しておりました二百五十億という半分の分であります。これは従来は配付税なり、税収入でやりましたのでありますが、今後は今の交付金なり税によつてその分は負担する。こういうことになります。
#37
○鈴木直人君 もう一つ申上げますが、そういたしますとやはり従来府県が負担しておつた町村立の学校の教員の俸給は、今度の税制改革の後においても町村が負担をせずして、府県が負担をする。こういうことになりまして、相当府県が過重な負担をするようになりはしないでしようか。シャウプ案のあの財政から見ますというと、相当地方に対して財源を與えておるわけでありますが、その財源を與えたところの理由、根拠というものは、やつぱり町村立のものは町村が負担するという建前で與えてあるのではないだろうか。そうしますと、相当学校の教員の俸給だけのものは財源は與えられたけれども実質的には県が負担する。いわゆる遊興飲食税とか、或いは事業税とかいうものによつて負担するような建前になるので、その税制改革とその教育費負担との間に少し食違いができはしないかということを考えておるのですが、その点はどうなりますか。
#38
○政府委員(鈴木俊一君) 従来の府県の負担と、今日後の府県の負担との関係につきましては、教員俸給に関しまする限りはそう特に違つていないと思います。要するに二百五十億国から特に府県に行つておりましたものが、特にそういう銘を打つて出ないのでございますけれども、先程来申上げまするように、平衡交付金の算定の基礎にそのような必要な行政経費と税収入との差額を必ず補填するという建前に相成つておりまするから、従つて従来の配付税の相当額というものは交付金の方から当然に参るのである。更にその他各種の、各般の必要な経費が二十五年以降殖えて来ておる分もございます。そういう部分も必要な経費の中に算定せられますし、又全体の税の配分の上におきまして市町村の税が相当殖えております。そこで必要経費との差額につきましては或る程度府県にも相当の交付金が入つて行くということになると考えます。
#39
○委員長(岡本愛祐君) 他に御質疑はないですか……。尚お尋ねして置きますが、段々御質問によつてこの基準財政需要といいますか、そういうものが、どうも殖える傾向にあるのじやないかと思つております。又最低額を見積つても、それで若し千五十億を基準財政需要というものが、超過することがありはしないか。千五十億を超過した場合にはその交付金の総額は、予算の範囲に制限をして、その基準財政需要に拘わらず低くやることがあるのか、或いはその基準財政需要まで追加予算をとつて、補正予算をとつてやるように一つ考えておるか、その点を伺つて置きたい。
#40
○政府委員(鈴木俊一君) その点は年度の中間において平衡交付金の予算を算定いたします際に、全然予見されなかつたような経費が起つて参りました場合におきましては、その額の程度にもよりますけれども、第一次的には先程申しました全体の一割留保されておりますところの特別交付金によつて或る程度賄い得ると思います。又地方の税収入というようなものも或る程度、場合によつては考えなければならんかと思いますが、とにかく特別交付金の留保分があるわけであります。尚そのようなもので到底賄い得ないような重大なる財政上の負担を地方に負わせなければならんというような新らしい法律等の制定がございまする場合におきましては、これはやはり何らか予算的措置が必要になつて来るかと存じます。又臨時的経費等につきましては起債というような、そういうような方法における調節ということも必要じやないかと思います。
#41
○委員長(岡本愛祐君) いや、私の質問しましたのは、今教育費の問題だけを取つて見ても、あなたの方が五百十億ぐらいに考えておられる。ところが文部省の方は七百二十億に考えておる。そういうことになつて来ると、基準財政需要、つまりあなた方の考えておられる最低行政費といいますか、それ自身がもつと大きなものになりはしないか。つまり千五十億の枠で今年の予算は平衡交付金が決められておるけれども、標準財政需要というものが千五十億の枠で決められた、その枠内であなた方が考えておられるものよりもずつと多くなりはしないか、その最低行政費がですよ……どうもそういうことになりはせんかと思います。そういう場合に千五十億に決められておるのだから、最低行政費如何に拘わらず切下げて平衡交付金を決められるということになると、市町村の方は二進も三進も行かなくなつて来る。府県も困る。だからそういうふうな最低行政費があなた方が考えておられるよりも、もつと高く計算されたときに、当然補正予算をしなければならんように考える。それだけの心構えがあるのかということです。
#42
○政府委員(鈴木俊一君) 現状におきまして判明いたしておりまする各行政費目の必要経費の算定につきましては、今年度千五十億という予算を見込みます際におきまして、一応そういうものを検討いたしました上で勘案をして定めたのでございますから、今年度といたしましては、現在予見をいたしておりまする問題につきましては、更に追加予算を要求するということはこれは困難だと思います。と申しまするのは先程も申上げましたように、交付金並びに配付税の系統におきましては七十億、七十一億ばかり殖えておりますし、地方税におきましては四百億全体として殖えておりまするし、又災害の負担等におきまして国がカバーしますものが百二十億余りございますし、これは先般申上げましたように、全体といたしましては新らしい新規の需要を見ましても、尚四百二十二億だけ地方の財源が増加するということになつておりまするから、現在の程度の仕事をやつて行きまする場合におきまして、それが非常に困難であるということは先ずないと、かように考えます。
#43
○委員長(岡本愛祐君) そうしますと、結局教育費だけを例に取つて見ると、文部省の方で生徒一人当り三千二百円として計算しているのが、あなたから言えば、これは最低の行政費以上を上廻つておるということになるわけですね。
#44
○政府委員(鈴木俊一君) 七百二十億という数字につきましては、文部省の一応の算定の結果出て来た数字でございまして、文部省といたしましてもいろいろ検討の過程におきましてしばしば変更を見ておる数字でございまして、只今私共承知いたしておりまする数字が七百二十億でございます。併しそれらには先程来申上げましたように、算定の基礎として、特定の経費を予定していない予備費というようなものも見ております。そういうようなものが最低行政費として測定標準をする際に取つて行くべきものかどうかという点につきましては、私共非常に疑問を持つておるわけでございます。
#45
○西郷吉之助君 今のに関連して……特別交付金というものに平衡交付金千五十億のうち幾ら見込んであるんですか。その総額の一割ですか。
#46
○政府委員(鈴木俊一君) 今年度におきましてはそういうことになります。総額の一割になります。
#47
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。それでは平衡交付金の問題はこれぐらいにいたして置きます。
 尚明日は午後一時から委員会を開きたいと思いますが、明日の委員会では、地方自治法の一部を改正する法律案、これは予備審査にかかつております。これの審査をお願いいたしたいと思います。それにつきましてこの地方自治法の一部を改正する法律案は前国会に提出されたものと全條同じでございます。それで改めて国務大臣の趣旨説明をさせる必要はなかろうと思うんでありますが、国務大臣に出て貰いまして、この前と同じことなので省略させて貰いたいということを申させまして進めて行きたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうふうな進め方をいたします。
 尚地方自治法につきまして各地の陳情、請願が非常に沢山出ております。それを集めまして地方自治法改正の論点として各位に配付してございます。それを御覧下さいまして、その陳情・請願の中でこの地方自治法の一部を改正する法律案の修正といたしまして、取上げるべきものと取上げないものとを決めて頂きたいと思つております。
 尚この前の国会におきましてこの地方自治法の一部を改正する法律案が衆議院の審議に至りませんでした原因は、昭和二十三年の附則第二條の修正を衆議院の中島委員長の方で考慮されまして、そこで紛糾をいたしまして審議未了になつた次第でございますが、その附則第二條と申しますのは、御承知の通り戦時中に強制合併などをいたしました市又は町におきまして、昭和二十五年の七月でございましたか、それまでに至る二ヶ年の間におきまして住民投票を強制合併せられた地域がいたしました。過半数を得れば、その結果をその府県の知事が府県議会に報告をいたしまして、それを議案として府県会が議決をするということになつております。ところがこれまでのそういう住民投票の結果過半数を得まして、住民投票が成立した、それに対しまして府県知事が府県議会に報告いたしますと、否決の運命に遭つたものが非常に多いのであります。総体の中で五分の一くらいが可決になつて、あと五分の四は否決になつたそうであります。そこでこれは非常に非民主的である、住民投票というものが最終的であるにも拘わらず、その監督官庁で今ない府県が、而も府県の議会が大した理由もないのにこれを覆えすということは非民主的であるという衆議院の考え方で、その府県議会の議決を経るという條項を削るということが衆議院の中島委員長の案であつたのです。併しこれは府県側としては非常な反対がございまして、その結果衆議院では審議未了になつたのでありますが、その点につきまして当委員会としてよく御審議を願いたいと思つております。それで仮に今お廻しいたしました附則第二條の改正試案というものを一応作つて見ました。それを御覧置き願いたいと思います。明日できれば皆さんの御審議を得て、この問題を当院側で解決しないとこれはなかなか解決できないようであります。そういう状況でありますから、一応御研究を願いたいと思います。
#49
○西郷吉之助君 衆議院は衆議院として前のままですね。
#50
○委員長(岡本愛祐君) これは中島衆議院委員長と最近会いましたときまでには中島氏はこれは是非とも中島委員長の案通り進めたいというふうに申しております。併しなかなか衆議院の状況はそう行かないようですから、そこでこういう案によつて解決して見たいという案を出して見たわけであります。
#51
○鈴木直人君 我々に中島案というものを一つ明日示して貰いたい。
#52
○委員長(岡本愛祐君) この中にありますから……それでは今日はこれで散会いたします。
   午後零時十八分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事      岡田喜久治君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           堀  末治君
           林屋亀次郎君
           西郷吉之助君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
           太田 敏兄君
           濱田 寅藏君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   総理府事務官兼
   法務府事務官
   (地方自治庁連
   絡行政部長法制
   意見総務室主
   幹)      高辻 正己君
   総理府事務官
   (地方自治庁財
   政部長)    鈴木 俊一君
ソース: 国立国会図書館
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