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1978/05/31 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 物価問題等に関する特別委員会 第6号
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1978/05/31 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 物価問題等に関する特別委員会 第6号

#1
第087回国会 物価問題等に関する特別委員会 第6号
昭和五十四年五月三十一日(木曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
   委員長 鈴木  強君
   理事 愛知 和男君 理事 青木 正久君
   理事 島村 宜伸君 理事 堀内 光雄君
   理事 金子 みつ君 理事 武部  文君
   理事 中川 嘉美君 理事 中野 寛成君
      鹿野 道彦君    関谷 勝嗣君
      中村  靖君    平泉  渉君
      小川 仁一君    馬場猪太郎君
      長田 武士君    宮地 正介君
      藤原ひろ子君    依田  実君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      小坂徳三郎君
 出席政府委員
        公正取引委員会
        事務局審査部長 妹尾  明君
        経済企画庁国民
        生活局長    井川  博君
        経済企画庁物価
        局長      藤井 直樹君
        経済企画庁総合
        計画局長    喜多村治雄君
        通商産業政務次
        官       中島源太郎君
        資源エネルギー
        庁石油部長   神谷 和男君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力局動力炉開発
        課長      中村 守孝君
        厚生省環境衛生
        局食品衛生課長 七野  護君
        厚生省環境衛生
        局食品化学課長 藤井 正美君
        農林水産省食品
        流通局消費経済
        課長      長野不二雄君
        通商産業省機械
        情報産業局電子
        政策課長    前田 典彦君
        資源エネルギー
        庁長官官房国際
        資源課長    沢田  仁君
        資源エネルギー
        庁石炭部炭業課
        長       山梨 晃一君
        資源エネルギー
        庁公益事業部開
        発課長     岡松壯三郎君
        参  考  人
       (日本銀行理事) 中川 幸次君
        特別委員会第二
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 物価問題等に関する件
 物価安定対策等の推進に関する件
     ――――◇―――――
#2
○鈴木委員長 これより会議を開きます。
 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、日本銀行理事中川幸次君に参考人として出席を求め、御意見を承りたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、御意見の聴取は質疑応答の形で行いますので、さよう御了承願います。
    ―――――――――――――
#4
○鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場猪太郎君。
#5
○馬場(猪)委員 五十三年の七、八月ごろまでは依然として二百億ドルというような大きな黒字でありましたけれども、それが十月―十二月ごろになりますと、大体八十四億ドルというふうにして徐々に減ってまいりまして、この五十四年の四月から六月には恐らく赤字になるだろうというふうに、最近の景気の情勢というのは非常に変動が激しくなってまいりましたし、そしてまた、この四月の卸売物価が一・七%、年率二二・四%というふうに大幅に上がるような状態になってまいりましたけれども、まず今後の見通しと、いまのところは消費者物価に直ちに反映いたしておりませんが、なぜ消費者物価への連動がいまのところはないのか、それらの点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
#6
○小坂国務大臣 最近の経済情勢は、御指摘のように相当大幅な変化が各面に見られておるわけであります。その中で特に顕著なのは、日本の経済そのものが内需拡大の中で進行していることでありますが、これは確かに物価の押し上げへの一つのインセンティブを持つものであるというふうに解しております。しかし、昨今のような卸売物価の急激な上昇につきましてはきわめて警戒すべきものがあると考えておりまして、またその要因が、御指摘のような円安であるとかOPECの値上げであるとか、あるいは中国とベトナムとの間の紛争によって起こりました一次産品の急騰、こうした海外要因の影響が大体半分ぐらいはあると考えておるわけであります。問題は、この卸売物価の上昇の最も顕著にあらわれた四月の時点の一・七%というものにつきましては、われわれも十分警戒をしなければならないという認識を持っております。その後の推移は、五月の中旬までのデータしか日銀ではまだないようでございますが、日銀からお答えいただくといたしまして、この上昇テンポは中旬に入ってややスローダウンしているように看取されます。
 この後半がどこまでまいりますか、その辺につきましても注意深く見ておりますが、われわれといたしましては、こうした卸売物価の上昇が海外要因半分、国内的要因が半分と見ましても、問題は、この卸売物価そのものの上昇が現在のようなスピードであってはまことに困るのでありますから、これを食いとめるために政府は政府なりの努力、先般来申し上げておりますような物価担当官会議を通じての全面的な努力あるいは生産の増大による価格上昇の回避あるいはまた生産性向上による上昇要因の消化等々、各面からの努力を要請し、また公定歩合等につきましても、先般〇・七五の引き上げを行って、インフレマインドを特にこの際鎮静をさせるという方向等をとっておるわけでございます。
 このような政策の実効の上がることを期待いたしておりますし、またその実効の上がるべく、特に卸売物価につきましては、政府だけの力ではなかなかこれを押さえ込むということのむずかしい面も多々ありますので、経済界のリーダーとの話し合いなどを通じまして、生産性向上による問題と、便乗値上げにつきましては、特に厳重にこれを排除するという基本的な方向等について了解を得、また、そのような行動の中で今後の卸売物価に対応して進むという合意をいたしたわけでございます。こうしたことの成果が今後逐次あらわれることを期待いたしておるわけであります。
 なお、消費者物価との関連につきましては、消費者物価にはサービス料金とか、あるいは季節商品等が入っておりますので、これは卸売物価との関連がきわめて間接的であると考えますから、そうしたことによってタイムラグが相当にある。われわれといたしましては、このタイムラグをできるだけ引き延ばす努力をするとともに、いずれにいたしましても、卸売物価を通して起こってくるインフレマインドを早目、早目に手を打って消していくという努力をすることによって消費者物価の安定を図ってまいりたい、そのように考えております。
#7
○馬場(猪)委員 日銀の方としては、この卸売物価の急激な上がり方について今後の見通しをどういうふうにおつけになっているわけですか。
#8
○中川参考人 ただいま長官からお話がございましたように、五月につきましてはいまのところ中旬までの実績が出ておりまして、上旬が〇・六、中旬が〇・二%の上昇でございます。下旬につきましてはいまのところ確たる見通しはまだはっきりいたしませんが、中旬までの値上がり状況から見まして、五月も前月比一%を超える上昇になる可能性が非常に強いように思います。六月につきましては、石油価格の値上げの波及がいま進んでおる段階でございますので、ある程度まだ値上がりが続くのではないかというふうに予想いたしております。
#9
○馬場(猪)委員 いずれにしても、いま言われた国内要因、国外要因とも今後いまと同じような騰勢が続くであろうというようなことは予想されると思うのです。
 そこで、海外要因と国内要因とが大体半々ぐらいたと言われたのですが、主として海外要因のうちで、三月、四月ぐらいまではどういうところが、そしてまた四月以後はどういうところが上がろうとしておるのかというような点についてひとつお答えをいただきたい。
#10
○藤井(直)政府委員 海外要因の中には為替要因と価格要因がございまして、為替要因は、当然のことですけれども、円レートの動きに左右されるわけでございます。
 たとえば四月の海外要因は〇・八%でございますが、そのうち為替要因が〇・五ということになっております。また十一月から現在までの段階で見ますと、海外要因が全体の六割ぐらいですが、その半分が為替要因ということになっております。
 そこで、残りの価格要因と申しますのは、海外のロイター指数等の上昇を反映するもの、さらにはロイター指数に入っておりません石油の上昇、木材の上昇、そういうものを反映したものでございますが、これが海外要因の半分に当たるということになります。価格要因の中では石油の上昇が非常に大きいわけでございますから、そのウエートは高いと思います。引き続きまして木材、それから非鉄金属、その他のところで見ますと、最近では天然ゴムとか、それから牛皮――原皮です、そういうようなところで上がってきているというのが現在の海外要因の中での価格要因の内訳でございます。
#11
○馬場(猪)委員 いま長官は大体海外要因、国内要因半々ぐらいとおっしゃったのですが、いま局長は大体海外要因として六〇%ぐらいですか、そして国内要因が四〇%ぐらいと言われたのですか、どちらが、正確なのでしょうか。
#12
○藤井(直)政府委員 大変失礼いたしました。
 最近は半々でございます。私ちょっと十一月ごろからの長期のトレンドで申し上げまして、六割と申しましたけれども、四月、五月ぐらいのところでは半々でございます。
#13
○馬場(猪)委員 こういう状態が一時的なものであるというふうに見ておられるのか、今後もずっと続いていくというふうに見ておられるのか、その点はいかがでしょうか。
#14
○藤井(直)政府委員 海外要因につきまして、石油の方はすでに四月一日までの値上げが決まった、そのほかにサーチャージがどう動くかという問題がございます。それから六月のOPECの問題がございますが、こちらの方はそれを注視するより仕方がないと思っております。
 それから、その他の海外要因の中では、非鉄金属がずっと強含みでございますが、最近は従来の中心であった銅が落ちつきまして鉛が出てきたということがあります。それから天然ゴムとか原皮は依然として強い状態です。それから農産物関係ではトウモロコシが強くなっております。それから羊毛がやや堅調だということで、その他についてはほぼ安定ぎみだということでございまして、なかなか予測は困難でございますけれども、強い基調をたどるもの、それからある程度落ちついていくものというふうに分けて考えますれば、比較的農産物系統は落ちつきぎみの方ではないか、非鉄金属とかゴムというようなものは強含みではないか、そういうふうに考えております。
#15
○馬場(猪)委員 比較的安定をしているのは主として農産物だと言われておるわけですから、したがって、農産物の輸入というのは比較的まだまだ少ないわけですから、そういう意味では今後も上昇が続いていくだろうと言われているような非鉄金属、銅等を含めて、それはどういう原因で急騰してきたのでしょうか。
#16
○藤井(直)政府委員 品目によって非常に違うわけですけれども、たとえば非鉄金属の中の銅でございますと、やはり全体としてLMEの在庫が減ってきた。
    〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
なぜ減ったかといいますと、銅山の閉鎖が続くとかあるいは供給側の原因もございますし、一方で国際的に銅の手当てをする国がふえてきたということでございまして、まあ需給逼迫ということではないかと思います。いま在庫が減っておりますということになれば、相当長い期間にわたって強い可能性がある、そういうことでございます。
 それから天然ゴムにつきましては、やはり合成コムが競争商品ですから、これが石油関係の価格の値上がりによって天然ゴムにも波及してきておるということでございます。
 それから原皮、牛の革ですけれども、これはアメリカにおいてキャトルサイクルといいますか、一時非常に抑えた時期があったわけですが、それがいまの時期になって生産の減退に結びついている、そういうことで需給のバランスを欠いているということではないかと思います。
 それから木材も、非常に急騰しましたのはいろいろ理由はありますけれども、特に南洋材等については非常に資源保護的な動きがあった、そういうことではないかと思います。
 それぞれの品目によって全く事情が違うのですけれども、共通して上がってきているというのが現在までの姿ではないかと思います。
#17
○馬場(猪)委員 全体として今後も相当強含みで進むであろうというふうな予測でございますが、そういう一般輸入品目が上がると同時に、為替の変動も非常に大きな影響があるということも先ほどお答えいただいたのですが、今度の円の変動の原因、いまちょっと小康状態を保っておりますが、この五月初めごろ非常に乱高下がはなはだしかったと思うのですが、どういうふうな影響でこの変動が激しくなったのかということについて、ひとつ日銀の方からもお答えいただきたいと思います。
#18
○中川参考人 いまお話しのように、最近円の相場は非常に乱高下と申しますか、円安の方向に動いております。昨年の十月末まではどんどん円周が進みましたけれども、その後乱高下を繰り返しながら円安になっておりまして、きのうあたりまでの水準で申しますと、十一月の初めから二割も円安になるという状況でございます。
 その原因でございますが、第一は、昨年の十一月一日にアメリカのドル防衛措置が発表されまして、日独米、スイスと四カ国で協調会議をするというほか、アメリカの方としてはできるだけファンダメンタルと申しますか、国際収支、インフレ対策について全面的に改善努力をするということが市場に評価されまして、実績といたしましても国際収支はだんだん改善の方向に向かっているということが第一に挙げられると思います。
 第三には、わが国の国際収支でございますが、御承知のように経常収支の黒字幅が昨年の十−十二月あたりから急速に縮小してまいりまして、それまでは大体月に、季節調整いたしまして十五ないし十六億ドルぐらいの黒字でございましたのが、十−十二月には七億ドル、ことしの一−三月には平均一億ドル、特に三月、四月は赤字になりまして、三月が二億、四月が五億ドルの赤字、そういうふうに国際収支の基調が急速に変わってきた、それに加えまして長期資本の流出が非常に多くなってきておるというふうなことが第二に挙げられると思うのです。
 第三に、先行きの見通しにつきましては、最近石油情勢が非常に厳しくなっているということで、石油情勢、物価あるいは量は日本経済に最も打撃が多いのではないかという市場の予想がございまして、そういうことが市場人気としてどうしても円を弱くする方向に働いている。
 そういう、いま申し上げました三つが基本的な要因で、円を乱高下ながら弱くしている原因ではないかと思います。
#19
○馬場(猪)委員 今後も円安傾向というのは当分続くものでしょうか。そして、大体いまの日本の情勢でどのくらいの程度がまあ適当な価格だというふうに判断していらっしゃるでしょうか。
#20
○中川参考人 いまの為替相場はフロートでございますから、私どもといたしましてどのくらいがいいところかということをちょっと申し上げる立場にございませんが、いまのようなわが国の国際収支の状況が、私どもの調査ではある程度続きそうな状況でございます。経常収支はほぼ均衡圏内でございます。長期資本の流出につきましては、三月、四月が非常に大きかったわけでございますが、これは最近金融を引き締めし始めたということもございまして、今後は流出が大分減ってくるのではないかというふうには見ておりますが、国際収支の基調は当分変わりそうにないというふうに考えております。
 そういたしますと、いまのお話のような、どちらかと言えば円安に傾きがちな点は否めないかと思いますが、しかしながら、この為替相場は、そのほかにリース・アンド・ラグズと申しますか為替の予約とかあるいは市場の人気とか、そういうことで非常に大きくふえる可能性もございます。私どもといたしましては水準をとやかく申し上げる立場にはございませんが、できるだけ為替相場が安定するということが一番大事だと考えておりまして、乱高下防止のためには積極的に介入をしているわけでございます。介入の額は公表されないことになっておりますが、非常に大まかなめどとしてごらんいただきたいのは、一ころ外貨準備のピークは三百三十億ドルを超えておりました。それが四月末には二百六十一億ドルになっておりまして、ピークに比べまして七十億ドルも減っておるということからも御推察いただけますように、相当積極的な介入をしているということでございます。
#21
○馬場(猪)委員 いまお聞きいたしますと、物価を押し上げた原因の海外市況の状況も、そしてまた為替相場の変動もともに今後ともに楽観を許さないような状態ということになると、対外的な要因というものは、やはり物価を押し上げる方へ、方へどんどん進んでいっていると思うのですが、そういう中で、特に先ほど分類別にいろいろ、早目に輸入価格は上がったけれどもある程度沈滞しているものと、そして非鉄金属や金属素材というまだ引き続いて上がるものと、さらに今後も大幅な値上がりが予想されるものと言われておる石油等については今後も非常に大きな影響を与えると思いますが、石油の需給並びに今後の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。
#22
○中島(源)政府委員 細かくは政府委員からお答えさせますが、全体の需給と価格につきまして、先生も御存じのようにイランの動乱から今日の石油のタイト化が始まっております。一時は五百万バレル・パー・デーの不足ということでございましたが、現在は三百万バレル以上のイランの輸出が再開されておりますけれども、一方におきましては、サウジのようにいっとき千五十万バレル・パー・デーまで上がりましたものが、現在八百万バレル・パー・デーまでに落ちておりますし、そのほかの生産増を勘案いたしましても、やはり日量二百万バレルあたりが不足をいたしておりますし、過日のIEAの閣僚理事会におきましても、これは当分続かざるを得ないということから、五%の節約も再確認をされたところでございます。
 一方、価格につきましても、御存じのようにOPECが本年度一四・五%の段階的値上げと言っておりましたが、これの前倒しもあり、その上にサーチャージもついてまいっておりますし、スポット価格も三十ドルあるいは三十五ドルを超えておるという状況でございます。振り返りますと、一九七三年当時にも、いっときスポット価格は二十ドルを超えたこともございますが、当時は一過性のものでありますに対しまして、現在の場合には残念ながら一過性と考えられないところが問題だと思うのでございまして、これに対する対策は、もちろんスポット市場での買いあさりを極力抑えるということと、それから節約を全力を挙げて達成をするということにあろう、このように考えております。
#23
○馬場(猪)委員 いまの見通しで言えば、結局前回の石油ショック当時と違って根本的な構造的なものだということでしょうし、すでにこの一月の五%のアップが、大体この二月、三月ごろに石油、石炭等あるいはそれらの製品の前月比の比率が一・五から二・六になり、さらに四月は四・三になっているというふうに上がってきているわけですが、これが四月の七・〇五のプラスサーチャージのついたものが今後五月、六月、七月というふうに全部影響してくるだろう。さらにその以後も続いてくるわけでございますが、そういうことになれば、本当にウナギ登りに石油価格が上がる。そしてそれに関連する、石油直接ではなしに、関連する輸入物資、化学製品等もそれの影響を受けると思うのですが、それらの影響についてひとつお答えをいただきたいと思います。
#24
○小坂国務大臣 今年度の経済見通しにおきまして、大体年平均一〇%の石油価格の上昇を見込んで計画をしておったわけでありますが、現状におきまして、それが四月までに大体二〇%程度上がるということに現実になっておるわけであります。したがいまして、計画において計算しましたものよりそれぞれ一〇%高くなっておるのが現状であります。
 この影響をわれわれとしていろいろ検討しておりますが、卸売物価で大体一・四、消費者物価で〇・六程度の影響があるというふうに考えておりまして、これはもちろん経常収支面におけるマイナスというものもございますが、この程度であれば、現状において著しくわれわれの計画を変更する必要はないという考え方に立っております。先ほど来申し上げましたように、このような現実に立ちまして、なお物価政策というものはきわめて重要であるということ、また全般の経済運営の中におきましても物価に対しては特段の配慮を重点的に指向していくということ等が、こうしたわれわれの計画を変えないためにもきわめて重要であるという認識で対処しておるわけです。
#25
○馬場(猪)委員 当初考えられたよりも石油価格だけですでに一〇%上がっておる。しかも今後の見通しも、これは今度の六月のOPECの会議がどういうふうになるか、まだ予断を許しませんけれども、しかし長い見通しとしては、ある程度強含みで当分続くであろうということは当然予測されると思うのですが、これに対して、いま備蓄の状態はどういうふうになっておるのでございましょうか。
#26
○神谷政府委員 備蓄につきましては、当初の計画では五十四年度に入りましてからは八十五日分というのを最低の目標にいたしまして、年間それで推移させ、五十四年度末、すなわち五十五年度に入ります際にはこれを九十日分まで引き上げていくという当初の予定でございました。一応備蓄法の制度面では八十五日まで引き上げるようにということで企業の方に指示いたしておりますけれども、昨年の秋からのイランの動乱、それに続く現在のような石油の需給状況でございますので、個別企業の中では八十五日を維持できないという見通しのものがほとんどでございます。これを将来のために備えるという意味で余り硬直的に考えますと需給面で混乱が起きると考えますので、将来の安定の問題と当面の需給の両面をあわせ勘案しながら、企業の状況によっては八十五日を割ることについて弾力的に対処するとの方針を決定し、企業側にもその旨を伝えてございます。したがいまして、三月末の段階におきまして八十一日強の備蓄がございました。その後、四月−六月の原油の入手を当初六千六百万キロリットルというふうに考えておりましたが、最近の見通しではこれが六千五百万キロリットルぐらいになろうかと思っております。それでも一応需給を賄って、次のシーズンに向けての若干の積み増しができると考えておりますので、八十三日ないし八十四日というような水準までに六月末までには持っていきたいと考えております。ただ、御承知のように秋口には相当の備蓄の積み上げを行いませんと季節変動の需要に対処できませんので、われわれとしてはさらにこれ以上の積み上げが必要だと考えております。
 ただ、これ以外に石油公団が行っておりますタンカー備蓄が五百万キロリットルございまして、これも緊急の用のために現在橘湾並びに本邦南方海上の漂流という形でこれを確保しております。
#27
○馬場(猪)委員 大体いま現在でも所定の八十五日にはちょっと達しにくい状態、しかもこれから夏期の電力の需要期あたりについて相当の需要も見込まれておるわけですが、実際には電力会社あたりも供給量も少しずつカットされているように聞いているのですが、そういうことはないのでしょうか。
#28
○神谷政府委員 石油会社が電力会社に対して実際の発電に影響を及ぼすような形での供給のカットは現時点では行っておりません。これはいろいろの御都合がございますでしょうから、従来のように先方の希望するタイミングでそのままの油種、そのままの量がスムーズに流れていくかどうか、そのあたりに関してはタイトな状況でございますので、当然当事者同士のお話し合いはいろいろ行われておると承知いたしております。特に関西電力等のように本来の供給の計画に重大な支障が生じたような場合には、元売り関係と相当厳しいネゴ、交渉が行われておることは承知いたしておりますが、発電に支障を来すような形での供給カットは現在ございません。
#29
○馬場(猪)委員 発電に支障を来さないけれども、徐々に削減ということも進んでおるということは現実の問題ですし、しかも先行き輸入の方も世界の生産量全体から見てもだんだん厳しくなるだろうし、同時にまた価格も量と相まってより一層厳しい条件というものが予想されるわけですから、そこにある程度仮需要といいますか、これによって確保しようというような動きが起こってくればさらに窮屈になってくるわけですが、そういう動きについてはいかがですか。
#30
○神谷政府委員 御指摘のとおり、このような需給状況になりまして、さらに先行きに対しての不安感、こういうものがございますと、そうでない場合に比べますと需要関係がかなり強くなることは事実でございます。これを買い急ぎ、買いだめときめつけるかどうかはその程度によって判断すべきものと思いますけれども、御指摘のような動きは経済の原則として当然出てまいるかと思っております。ただ、私どもはそれができるだけ温和な形でとどまるよう希望しておりますので、いたずらに不安感をかき立てるような物事の取り上げ方をこれまでも慎んでまいりましたが、しかし実態だけは正確に伝えなければならない、こういうふうに考えておりますので、その辺の取り扱い方、ハンドリングを非常に苦労いたしております。
 ただ、現時点におきまして言い得ることは、前回のオイルショックのようなやや狂気じみた形での一億総駆け出しというような状況にはなってございません。それから電力の関係でございますけれども、私ども資源エネルギー庁という形で一体的に処理いたしております。私は石油部長でございますが、電力の関係を厳しいエネルギー状況のもとで、どのように考えるかという総合的な判断があれば、私どもは必要なものは供給しなければならないし、供給できないような状況になればそのとき総合的にどう考えるかというのを当然エネルギー庁全体として考えてまいりたいと思いますので、石油と電力との関係で大きな摩擦が起きることはないと考えております。
#31
○馬場(猪)委員 先ほど長官もインフレマインドをできるだけ抑えていると言われているのですが、現実に先行きの見通し、価格、量ともに厳しいというのはだれが考えても常識として予想されるわけですし、特に大手のところは何らかの行政措置に期待できるけれども、中小企業とか零細企業というようなところは自力でやらなければならぬ。いまのようにアメリカのガソリン不足というようなことが日々テレビで伝えられている状態の中では、幾ら法的に抑えようとしても、あるいは指導で抑えようとしても抑え切れないような面も出てくるんじゃないでしょうか。それについてスムーズに安定供給ができるように何か具体的な方策というものを考えていらっしゃるのでしょうか。
#32
○神谷政府委員 御指摘のとおりでございまして、前回の狂乱物価時代にも、当初はいろいろな指導等、それから物資によりましてはあっせん所の開設等々ございましたし、当然石油需給適正化法あるいは国民生活関係の緊急措置法等々の措置も、当時の経験の中から生み出されておりますので、段階的に対処し得る方法は私どもも一応考えてございます。ただこれを一部の週刊誌等で取り上げるように余りにもエモーショナルにPRすることは適当でないと考えておりますので、まず状況に応じながら現在いろいろ苦情の受け付け、相談等に応じておりますし、さらに必要になった場合には次の段階にも進まざるを得ないと思います。ただ、私どもとしてはできるだけそういう段階に進まないで済ますように原油の獲得努力に企業を慫慂いたしておりますし、円滑な製品の流れといったものを図りたいと思います。しかし、それでも吸引力が余りにも強ければどうにもなりませんので、節約の徹底というものに最大の重点眼目を置いて今後進めて、まいりたいと思います。
#33
○馬場(猪)委員 企業サイドの需要というのは流通ルートというのがはっきりつかめますから、それはある程度指導の徹底をするとかいろいろな措置も講ずる余地があると思います。しかし、特に一般消費者を対象とした灯油等については、これは量だけでなしに価格の面においてもやはりインフレマインドというのは幾ら抑えても抑え切れないものが出てくると思うのです。特にせんだって灯油価格の抑制を外されたというふうなことが記事に載っておりましたけれども、それだけで特に東北、北海道等需要の多い地域というのは大騒ぎをいたしております。ここまで抑えるような状態というのは非常にむずかしいと思うのです。だからといって、買占め売惜しみ防止法を適用して倉庫を点検するといったって現実にまだそこまで行けないでしょうから、果たして指導だけで事を抑え切ることができるのでしょうか。その点非常に不安を感じておりますが、いかがでございますか。
#34
○神谷政府委員 灯油につきまして御指摘のような状況が生まれておるということを私は全面的に否定いたしませんが、これはある意味では別のメリットを追求することの反面として出てまいりますデメリットでございまして、御承知のように私どもは二回にわたって価格の引き上げをシーズン中、別途の意味での混乱が起きることを防止したいということで抑えております。したがいまして、シーズンオフになりましてそれが解除された場合には、たまっておったものが二度分ダブルで効いてまいりますし、次の値上げも当然皆さんが予想されるというようなことからその戻りの大きさ、幅というものが相当大きなものになりますので、インパクトが相当強目に出てくる。物の考え方で徐々に進んだ方がインパクトは少ないという見方もございます。しかし、たとえ徐々とはいいながら相当な幅でございますので、これを今回放置することによって、しかも環境は一過性のものでなく非常に悪いものでございますから、放置して混乱を起こすよりは、シーズン中は石油会社に抑制を要請して、シーズン後にこれを解除した方が総体としてのメリット、デメリットではメリットが大きかろうという判断で五月中まで抑制の要請をいたしましたが、その後解除をしたわけでございます。今後は、情勢の変化というものがどういうふうに展開するかわかりませんけれども、私どもとしては、できるだけ、少なくも今後しばらくシーズンオフが続きますので、安定的な形で流れがスムーズに参りますように、外的インパクトを円滑に受けとめていくようにしてまいりたいと考えております。
#35
○馬場(猪)委員 不安材料の一つの例として、ひょっとしたら灯油あたりは切符制になるんじゃないか、ガソリンも切符制になるんじゃないかというようなうわさもいま流れておると思いますし、こういうふうなことは幾ら否定してみてもなかなか否定し切れるものではありませんけれども、そういうふうな用意をしなければならないような状態になっているのでしょうか。
#36
○神谷政府委員 切符制も非常にエモーショナルに取り扱われておりますので、私どもできるだけ触れたくないわけでございますが、はっきり申し上げられることは、次の需要期に切符制にはしたくないという気持ちがきわめて強いということでございます。と申しますのは、切符制は一見公平なようでございますが、きわめて大きな不公平その他の不自然さというものがついて回りますので、これは、そのようなデメリットを甘受してもなおかつそのような形で対処しなければならないような状態になったときに初めてとるべき手段、こういうふうに考えております。もちろん、現在のような原油情勢でございますので、次の需要期までにどのようなことが起きるかというのは予想できませんので、いかなる事態が起きてもその場に最も適した形での措置は行い得るように、現段階から、あるいはすでにかなり前からいろいろ準備はいたしておりますが、私どもは、それをすべて白日のもとにさらして興味本位に取り上げられるということをできるだけ避けてまいりたいと考えております。現時点ではやりたくないと考えております。
#37
○馬場(猪)委員 希望的観測はわかりますし、気持ちはわかりますけれども、だからといって、それが果たして、これは国内だけで解決つくような問題ではありませんし、今度の六月のOPECの会議でもっと厳しい条件が出てくれば一層インフレマインドをあふるような結果になって、幾らそういう希望を持っておられたとしても踏み切らざるを得ないような状態が来るんじゃないでしょうか。そういう心配をいたしておりますが、それにしては過去一年間のいままでの通産省の政策というものは案外のんびりしてたんじゃないでしょうか。四十七、八年当時から比べて、当然節約ということで少なくとも週休は守らせるというようなことが、いつの間にか、一年もたたないうちにガソリン店、スタンド等の開店をやっておりますし、やっとまたいまごろになって規制をする。そのいまごろになってやるということ、これはずっと続けておれば別ですが、いまごろになって場当たり的にやっておることがよけい不安の気持ちというものをかき立てる結果になっていないでしょうか。幾ら希望しても、それが実現できるかどうか、かえって疑問の心を深めていくのじゃないかという気がいたしますが……。
#38
○神谷政府委員 確かに、節約と申しますか、省エネルギー、節約に関して、一、二年前、一時期原油の需給が緩み、あるいは石油製品マーケットが、内外ともにでございますが、相当緩和してまいりました。この時期において節約ムードが弛緩したことは否定いたしません。ただ、これは私の独自の解釈でございますが、省エネルギーは、生産活動あるいは文化的生活水準といったようなものを高度のものを求めながらそのエネルギー原単位を減らしていくという経済構造、社会構造をつくっていく、要するに体質改善のようなものだと思います。この省エネルギーに関しては、少なくも前回のエネルギーショック以降今日に至りますまで、私ども並びに関係各省、各局の協力を得ながら、日本経済の中には相当浸透してまいったと思っております。ただ、それだけでは今回のような措置に対応できません。これはある意味では、節約というのは、もうぐっとがまんをして、相当の不便を忍び、やはり生活の水準低下はできるだけ避けたいのでございますが、無理をせにゃならぬようなものだろうと思います。こういうものは年じゅうやっておりましてもなかなか効き目はございませんで、従来の体質的な省エネルギー化に加えて、このような事態を踏まえてもう一度一踏ん張りしなくちゃならぬ、そういうことでここでねじを巻き直しておるわけでございまして、御指摘のように必ずしも私どもの現在のその節約の踏ん張りが十分であるとは考えておりませんが、これは一歩一歩積み上げていく以外にございませんので、今後とも御叱正を得ながら努力をしてまいりたいと思っております。
#39
○馬場(猪)委員 物事はやはりタイミングが一番大事だと思うのですね。タイミングのずれが、人心の引き締めから逆に反発に回っていくような、いま一番悪い時期に省エネルギーをやかましく言うような形になっておるのですね。これは非常に残念なことだと思うのですよ。これはあなたに言ってもしようがないと思いますよ、全体の政策として、大きなマクロの見方でやっていかなければならない問題ですけれども、しかし現実には非常に不安を持って迎えられていることは事実でございます。
 そこで、ちょっと話は飛びますけれども、イラン政変が起こってから大分落ちついてまいりました。そして、イランからの直接輸入ということで三井が進出をいたしまして、現地にバンダルシャプールの石化計画が進んでおりますが、これはどういうふうになるか、国営になるのかあるいはまた三井がそのまま継続してやっていけるのかということは、今後のある程度のめどにもなると思いますので、バンダルシャプール計画についてのその後の経過をお教えをいただきたいと思います。
#40
○小坂国務大臣 あのプロジェクトの社長になりました山下氏が先般参りましていろいろと先方と折衝をいたしたわけでありますが、われわれといたしましては相当早期に先方の回答があることを期待しておりましたが、その山下社長と先方の政府首脳との間の話においては、約二週間程度回答には時間を欲しいという回答があったそうでありまして、したがって山下氏は帰国をいたしまして、現在その提案に対してイラン政府がどのように対応するか、その対応の仕方をまだ待っているところでございまして、したがいまして、現状は、今日までの状態が改善されたともあるいはまた改善されないとも、また新聞紙上等にときどき伝えられているような情勢が確定したとも、まだはっきりいたしておらないのが現状でございます。
#41
○馬場(猪)委員 ということは、いまにも解決されそうな空気というものが一時伝えられたのですけれども、イランの状態から考えると、なかなかイランからの輸入、供給というものは今後も相当長期にわたって困難な状態だというふうに見なければならないでしょうか。
#42
○神谷政府委員 イランが輸出を再開いたしましてから、御承知のように三井物産を初めとして、その他の商社並びに日本の民族系の石油精製会社がDD原油契約、いわゆる直接取引の契約を結びまして、当初六十万バレル・パー・デー強の契約でございましたが、本契約に入ります際に、それを二割五分カットされました。それからさらに、最近また一五%切りたいと言ってまいりました。これは、日本側は一丸となりまして、大使館を通じて現地で先方のNIOCに種々日本側の事情を説明し、先方の説明も受けながら話し合った結果、おおむね半分の八%のカットで済ましてございます。その範囲内におきましては現在順調に直接原油は入ってきております。ただ、イラン危機前は八十万バレル・パー・デーぐらい入ってきておった時期もあるわけでございますから、もちろん量としてはかなり下回っておりますが、ストップの時期よりは入ってきております。
#43
○馬場(猪)委員 いまお聞きいたしましたところ、石油以外のその他の産品も含めて、これからの輸入物資というのはやはり相当な値上がりも展望されますし、そしてまた円もなだらかに今後もある程度安い状態は続くだろうと言われておりますから、したがって対外要因、国内要因以外の要因は、物価情勢から見ますと決してただならぬものがあろうと思います。そこで、国内要因と言われるものの一つの中で、減量経営が、あるいはまた価格カルテルが日本の生産をある程度抑えておる、そのために需給のバランスがとれておらない、それが景気より先に物価上昇に結びついているという説がございますが、こういう事実についてはどういうふうな状況なのか、ひとつお教えをいただきたいと思います。
#44
○藤井(直)政府委員 確かに企業の減量経営が設備投資を抑えるとかあるいは雇用を調整するということによって企業の生産能力の伸びが従来より低くなっているということは事実でございます。ただ、そういうことでございますが、一方製造業全体の稼働率はまだ相当余裕があるわけでございます。しかし一部機械関係等につきまして見ますとかなり増産が行われて、その結果操業度の方も上がってきております。そういう意味から言いますと、全体の需給ギャップから想定されるほど余裕のない産業もあると思います。ただ、そういうところにつきましても、それでは全く供給余力を増加させる余地がないかといえばそうではなくて、さらにまた合理化投資等の追加によって可能な面もあると思います。
 それからもう一つ、物価には基礎資材部門の産業の動きが非常に影響を持っているわけですけれども、大きな基礎産業部門としての、素材産業部門としての鉄鋼とか紙パルプとか化学とか、そういうところについての供給余力はまだかなりあるという状況でございますので、そういう表面上の操業率から見たほどの余裕がないということは言えると思いますけれども、全体として見た実質的な供給力についてのゆとりはまだあるというふうに判断しております。
#45
○馬場(猪)委員 まだまだゆとりはあるとおっしゃるのですが、日銀の方で、大分前になりますけれども、支店長会議のときでもこういうことを指摘されておりますね。やはり減量経営が及ぼした影響というものは相当あらわれているんだというふうに言われているのですが、通産省あたりはそんなことはないと言うし、経企庁もいまお答えのようなんですが、日銀としての見方はどういうことなんですか。
#46
○中川参考人 私ども個別企業に当たって何回か調査いたしております。確かに全体としての稼働率は実勢稼働率で見てもまだ余裕含みであろうと思います。ただ、その場合に減量経営の結果相当人手を減らしているということもございます。人手をふやしてまで積極的に増産し供給をふやすというよりは、どちらかといえば価格を上げるというふうにいきがちな動きも、全部が全部そういうわけではございませんけれどもあるというふうに思われます。私どもだけというよりも、大分前でございますが、経済同友会でインフレーションに対する見解を発表いたしましたときにも、同友会自身でそういう企業のビヘービアは反省して改める必要があるということを言われたと記憶いたしておりますし、そういう価格志向的な動きがあることは否定できないと思います。どの程度の強さかということになりますと、それは個々の産業に対して全体としてどうということはなかなか言いにくいわけでございますが、そういう動きは否定できないように私は思います。
#47
○馬場(猪)委員 長官も通産大臣と一緒にせんだって、五月の中ごろですか、経済四団体に対してもそういう要請をなさったということは、いま日銀理事おっしゃったように、全体としてはそうではないけれども、部分的に偏った一部かもわかりませんけれども減量経営の影響というのは非常に大きくあらわれているということは否定できないことだと思うのです。それだけじゃなしに、形にあらわれなくても、企業家として先行き、五年先、十年先の見通しもはっきりつかないときにこれから生産の体制を伸ばして量的景気を考えるよりかいまのままやって価格景気を待っておる方がいいんだという考え方、これは潜在的にあると思うのです。したがって何らかの力を働かさなければ、特に建築資材等については一部非常に不足しておるようなもの、特に生コンなんかでよく目立ちますけれども、そういうことが今後も広がっていくのじゃないかと思うのですが、それらに対してただ単に協力をお願いするというだけで済む問題ではないと思うのです。やはり需給のバランスを保っていく上には何らかのてこ入れをする、政策的にあるいは指導的にしていくということでなければならないと思いますが、この前長官が経済四団体に対してどういうふうなことを言われて、どういうふうに指導なさっておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
#48
○小坂国務大臣 現状の認識につきましては、特に卸売物価についてはきわめて警戒的だ、また警戒感をわれわれは強く持っておるから、こうしたことが日本の経済運営そのものにマイナス効果を与える危険性さえ感じておるから、ぜひこの際物価安定については協力をしてほしい、そのためには特に生産性向上によるコストアップの吸収とか、あるいはまた便乗値上げ等については経済界の良識の中でこれをできるだけ防ぐあるいは忠告するというようなことを積極的にやってほしいということ等を申したわけであります。またもう一つの手としては、まだわれわれは日本の生産能力そのものが限界に来ているとは思っておりません。それは現状においては多少減量経営等によってある部門においてはこれ以上ふやせないというところもあると思いますが、そうしたことはきわめて一部的なものではないか、むしろ生産能力はまだまだ相当あると思います。そうした意味においてこの余力を活力化していくということについての見通しを、これはまた今後の経済情勢の展望の中でお互いに議論をしようというつもりでおるわけであります。それでもなおかつ足りない場合には、私はできるだけ輸入というものを広げていきたいと思うのです。どうも輸入政策をとるということがややもすると国内の産業部門の圧迫になるということで大変にこれが忌避されるような傾向にありますが、やはり物価安定という立場に立つ場合には、もしも輸入した方が安くかつ能率的であるならば、こうした石油のきわめて見通しの悪い時点においては、むしろそうした政策を思い切って展開していくということがいいのではないかと私は思っております。しかしまだそうしたことを私らが積極的に展開する段階ではないし、さらにこの六月のOPEC等の動きあるいはサミットの動き等いろいろなものを考え合わせ、また世界全体の経済の動きとにらみ合わせながら政策展開をやってまいろうというふうに考えておるところであります。
#49
○馬場(猪)委員 設備投資を見ましても、最近は中小企業が非常に熱心だけれども、大手の企業はもう一つ熱心でないような感じもいたします。そういう意味では、大手の企業ほどそれこそかじが取りにくいわけですから、長期の見通しが立たないとなかなかやられないでしょう。そういう意味からいっても、国内生産をふやすということについては大手企業はいまのところ非常に慎重に構えておるような感じがいたしますし、急にこれを言い出したところで増産というのは間に合いません。いま間に合わないのは輸入をふやしてと言われるけれども、そういうことじゃなしに、やはりもう少し長期的な展望が立つような指示を与えないことには、信頼感を持たれるようなことをしないことには設備投資もやらないでしょうし、そしてまた増産体制もとらないと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#50
○小坂国務大臣 設備投資をやる意欲が出るということは、企業の経営状態がよくならなければだれも考えないわけであります。幸いなことに、日本はこの企業の収益状態がようやく昨今オイルショック以前の状態にまで回復しております。アメリカやドイツはすでにオイルショックの二年後にはそういう状態に返っておったのでありますが、日本はそれにおくれること約四年、非常に長期の不況に苦しんだわけであります。こうしたようなことが設備投資あるいは経済成長等に対して非常にマイナスであることは御承知のとおりであります。したがいまして、それを補うために膨大な国債を出して政府がそうしたインセンティブを与えていくという政策をとらざるを得なかったと思うのでありますが、昨今はようやく企業収益も水準に回復し、またある物は相当な上昇を見ております。こうした段階の中から、ここに設備拡充と申しましょうか設備投資の意欲が動くのは当然であります。ただ、いまそれがまだ非常に強くないという印象を持たれておるようでありますが、われわれの昨今の統計から判断しますと相当に強い、むしろ行き過ぎるのじゃないかというような気さえ起こっておるわけでありまして、いま全くそれがないという判断をするのにはなお事態をよく見るべきではないか。それからまたもう一つには、企業収益が回復いたしますと、当然いままでいろいろな意味で凍結をされている、政策的に凍結をされている生産能力がございます。そうしたものも徐々に解除する方向、あるいは私は特定不況産業といえどもすでに一部には改善されているものがあるのでありますから、こうしたものの活力化と申しましょうか、そうしたことなどを相補っていけば、現状の中で供給力が非常に不足しているというもの、私はこれは石油以外には余りないのではないかと思うのでございまして、こうしたようなことをよく民間の企業とも話し合い、また民間経済との接点をわれわれ、日銀あるいは直接、十分意思の疎通を図りながら政策運営に誤りなきように期してまいりたい、そのように思っております。
#51
○馬場(猪)委員 そういう設備投資のできるだけ安心してできるような素地をつくるということについても、石油の供給不安ということもまた不安材料として消極的にする原因になっていると思うのですが、それらの点も含めて、企業にもう少しそういう意欲を持たせるような対策というのは考えていらっしゃらないのですか。
#52
○小坂国務大臣 現時点では、私はことさらにそうした意欲を引き出すという必要はないのではないかと思います。もうすでにそれは政策的には過去二年にわたる膨大な国債を出しまして、公共事業を中心で引っ張ったわけでありますから、本当はことしなども十五兆の国債を出して公共事業中心の内需拡大という方策をとるテンポは、いわゆるこれを立案した当時に比べれば、はるかに私はその必要量は減っていると思うのであります。そうしたような状態でございますので、まだその刺激をことさら与えるという必要は、いまのところはないのではないかというふうに思うわけであります。
#53
○馬場(猪)委員 いま長官が言われた国債もまたこのインフレ要因の大きな原因だと思いますが、もうすでに五十四年度末では約五十九兆になるわけですか、そうして毎年国債費の比率も年四兆ぐらいになるそうですが、そういう状態のもとで国債をできるだけ減らしていこうと思えば、非常に大好況によってある程度自然増収がどんどんふえていく、税収が期待できるということ、そういったことはなかなか考えられないということから、いま一般消費税も問題になっているわけですが、その一般消費税自体もいろいろ周囲の事情、与党の中からでも異論が出てきておるような状態にあります。しかも、それじゃ、ひとつ行政改革をやるとか、あるいは総理の言われる安上がりの政府ということについても、ここ数年来歴代の内閣で言われてきたけれども、なかなか実現しにくいのが現状ということであれば、結局、この国債が非常に過剰に出過ぎたということについての解消法の一番簡単なのは、一つはインフレ政策だというふうなことも言われておりますが、インフレ政策という名前をつけずに、対策をおくらせることによって徐々にインフレを促進していくというような形で解消しようというような考え方もあるのじゃないかというふうに勘ぐられておりますが、その点はいかがでしょう。
#54
○小坂国務大臣 それは全くわれわれの企図しないところでございますから、御了承願いたいと思います。
#55
○馬場(猪)委員 しかし、実際にはいままでの海外要因、国内要因等を含めてどうも手の打ち方というのは非常に手ぬるいような感じがいたします。そしてまたいま現在の事態で考えていらっしゃるのは、まだまだインフレに転化するような状態じゃない、景気刺激策の方が重点だと考えていらっしゃるのですか。それとももうすでにある程度かじ取りを変えていかなければいかぬ時期だ、このかじ取りの時期というのは非常に大事だと思うわけです。前回の四十八年のときの石油ショックは、ちょっとやはり金利の値上げであるとか公定歩合の引き上げであるとか、いろいろな対策がおくれたような感じがするのですが、いまの時点はどういうふうな認識を持ってやっていらっしゃるのですか。
#56
○小坂国務大臣 金融的に申しますならば、先般日銀が〇・七五%の公定歩合の引き上げを行ったということは、きわめて時宜を得た政策だとわれわれは評価いたしておるわけでございます。しかし、政府といたしましてはやはり大きな問題を二つ抱えておるわけでありまして、一つは現在の国内の経済の回復を着実なものにして、そして内需を拡大することによって経常収支のバランスの回復を図ったり、あるいはまたより大きな問題は、失業者をこれ以上ふやさない、あるいは減らすという命題に取り組んでおること、御承知のとおりでございますが、同時に、そうしたことを達成するためにも物価の安定ということがきわめて重要である。したがいまして、経済回復と物価の安定ということは、一見矛盾するようでありますが、政策的には全く同一のウエートを置くべきであると考えて、両輪並みでまいっておるわけでありますが、しかし、現時点において特に委員が御指摘になりましたような四月の卸売物価の情勢というようなものを考えまして、また同時に、石油事情の急激な最近の変化というものを考えますと、いまの時点におきましては、やはり物価というものにより以上政策のウエートを置いていくべきであるということをわれわれは考えておるわけでありまして、そうした意味におきまして、経済運営というよりも政策運営の中で、二月の初めから政府としましてはそのような方向をとり、そして物価担当官会議等も開催して、物価に対する政策的な重点を指向しているというふうに御理解いただきたいと思います。
#57
○馬場(猪)委員 総合的なものですけれどもいまの時点ではやはり物価に重点だ、こう言われているわけですが、そういう黄信号から赤信号に変わろうかというふうな時点じゃないかと思うのですが、それに対してさらに公定歩合を上げろという意見もございます。日銀としてはそういうことも検討しておいでになるのでしょうか。いかがでしょうか。
#58
○中川参考人 金利政策につきましては、一般論を申し上げますと、私ども、常にそのときどきの情勢に応じてどういう金利政策あるいは金融政策をとっていったらいいかということを常々考えておるわけでございます。しかしながら、いまそういうことを検討しているか、あるいはそのつもりがあるかと言われますと、これは四月十七日に引き上げたばかりでございますので、いまはその効果がどういうふうに浸透していっているかということを慎重に見守っている状況でございまして、いまのところは全く再引き上げは考えておりません。
 効果が上がっていないじゃないかというふうな御議論もあるかと思いますが、やはり金融引き締め、あるいは緩和でもさようでございますが、何と申しましてもその効果が上がるまでにはある程度のタイムラグがどうしても必要でございます。昭和三十年代あるいは二十年代のように非常に全体として流動性が乏しかったときでは、ある程度早く効果が出てまいりましたけれども、四十年代、五十年代に入りまして民間の流動性が非常に高まっている、そういう状況で金融政策を運営する場合には、相当のタイムラグがあるわけでございます。特に今度の場合には予防的引き締めということでございまして、何と申しましてもまだそんなに非常に強い引き締めということではございません。それだけにタイムラグはある程度あると思いますが、しかし効果は徐々に出始めている。たとえば市中貸出金利をとってみますと、四月の二十日から上げたわけではありますが、四月中全国銀行の平均貸出金利は〇・〇二%上がりまして反騰いたしましたし、それから今後は窓口指導、総裁もたびたび申しておりますように、四−六もかなりの引き締め的な枠にいたしましたけれども、七−九は、締まることはあっても緩むことはないという環境でございますから、そういうことで銀行の貸出態度というのは相当是正してまいると思います。そういうことから言えば、徐々にではありますが効果はだんだん浸透してくるということを期待しておるわけであります。
#59
○馬場(猪)委員 もう時間が参りましたのでこれで終わりたいと思いますが、今後とも物価の抑制についてひとつ格段の御努力を賜りますようにお願いしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
#60
○武部委員長代理 次に、藤原ひろ子君。
#61
○藤原委員 石油をめぐります問題の一つに、石油の確保という問題が重要だと思うわけでございます。こういう中で政府は、ことしの四月「石油供給計画」をつくったというふうに聞いているわけでございます。それによりますと、五十四年度は前年度に比べまして七・九%増の二億九千二百万キロリットルの原油輸入を見込んでいるようですけれども、これは確保できる見通しなのでしょうか。通産省の方からお答えをいただきたいと思います。
#62
○神谷政府委員 二億九千一百万キロリットルの供給計画ベースにおきます原油の輸入につきましては、ぜひこれだけは確保したい、確保すべきであるという数字でございます。ただこの中には、備蓄を本年度三月末において九十日分まで引き上げるための積み増し量、これが約千百万キロリットルが含まれております。したがいまして、二億八千万キロリットルといった原油が、一定の節約というものを見込んだ後、確保しなければならない量というふうに考えております。私どもとしては、この確保に全力を挙げてまいりたいというふうに考えております。
 御承知のような原油市場でございますし、中東情勢でございますので、年度間を通じてどのようになるかということを確信を持って答えを言うことは非常にむずかしいことでございます。ただ、私どもとしては確保したいし、計画立案の段階では全く不可能な数字ではないというふうに考えておるわけでありまして、引き続き努力していきたいと考えております。
#63
○藤原委員 原油価格の値上がりなど海外要因に加えまして、大企業の供給力不足による製品値上げの動きというのは、特にいま重要な問題だと思います。大企業はこれまで、不況を口実にして大量の人減らし、合理化を進めてまいりましたが、これが増産を阻むものになっているというふうに思われます。しかも大企業は増産よりも価格を引き上げて収益を上げよう、こういうふうに考えております。こういう中で、いま国民が一番心配をしておりますのは、原油の値上がりが国内の物価にはね返って大変な事態になるのではないかということです。先日来ずっと、各同僚議員の先生方もこの点指摘をし、論議が進んでいるわけでございますが、この点一番心配をするところです。昨年末、そしてことしの三月の原油値上げ、こういったものがわが国の消費者物価にどの程度影響を与えるというふうに考えていらっしゃるのか、経済企画庁官行の御意見を承りたいと思います。
#64
○小坂国務大臣 先般の油の値上げの消費者物価への影響は〇・三%程度とわれわれは計算いたしております。従来のわれわれの計画に対しまして〇・三加わったわけでありますから、〇・六%程度の上昇というふうに試算をしておるわけでございます。
#65
○藤原委員 長官の御意見をお伺いをしたいというふうにお願いをいたします。
#66
○小坂国務大臣 原油価格の値上げというものは、やはり国民には一種の非常な心配を与えているということ、われわれもその点はよく踏まえておるつもりであります。したがいまして、原油価格の引き上げということをきっかけにしての卸売物価の上昇あるいはまたその便乗値上げ等々は、極力これを排除しなければならないというふうに考えて、現在、政府各機関を通じまして、こうした便乗値上げあるいはイージーな価格上昇というものについては厳重に監視し、また同時に供給力が不足するような事態があれば、供給力の増加に積極的な努力を求める等々のことをいたしておるわけであります。
#67
○藤原委員 それでは、少し具体的な問題についてお話を進めさせていただきたい、こういうふうに思います。
 それは灯油の問題でございますが、今月の八日に通産省が、家庭用灯油の価格据え置きをやめる、こういうふうに発表されたことに端を発しまして、各地で供給カット、それから値上げの通告というものがされてきているわけです。
 そこで、長官にお尋ねをしたいと思いますが、長官は、家庭用灯油というのは国民生活にとってどのような役割りと性格を持っているというふうにお考えになっているでしょうか。
#68
○小坂国務大臣 灯油は、電気あるいはガスと同じように、きわめて重要な家庭のエネルギー源であるという認識でございます。また、このような灯油が潤沢に供給されるということは、家計の安定には非常に役に立つことであるし、したがいまして今日まで、この灯油の価格形成に対しましては、政府は通産省を通じて強く努力を要請しておったわけであります。
 しかし、最近は、灯油の価格がいささか安いということで、家庭用以外のところにも非常にたくさん使われるようになっておりまして、通産省、エネルギー庁の万の報告によりますと、灯油の消費量が昨今非常に大きくなっております。そうした面につきましては、灯油というものはほとんど日本だけの生産品であり、きわめて高度な、まことに純粋なものであります。そうしたことによって供給力が、家庭用のものを他の部門が食い荒らすということはいけないことであって、そうした面においての節約を、特に価格対策上も、われわれとしては今後強く要望しておるところであります。
#69
○藤原委員 通産省は、この点につきましてどのようなお考えでしょうか。
#70
○中島(源)政府委員 大綱としては、長官がおっしゃったことと同じでございまして、民生用としても非常に重要な資源であるということは確かでございます。現在灯油がわが国で使われております率は、全石油製品の約九・三%を占めておると思っております。また一方、アメリカとわざわざ比べるのは蛇足かもしれませんが、アメリカの場合には約四〇%をガソリン消費に使っておりますが、わが国におきましては、重油部門が全体の四〇%を占めております。
 ただ、いま長官も御指摘のように、民生用の重要なエネルギーであるという観点は同じでございますが、同時にA重油消費者が灯油消費に回っておることもまた見逃せない事実でございますので、少なくとも需要期におきましては、これは価格を安定させるということでありますが、先ほども申し上げましたように、原油のタイト化と同時に、民生用が必要であればあるほど、この供給の安定ということも、やはり考えなければならない重要な要素であると思いますので、その点からいたしますと、安定供給を主にいたしますと、類似の油種価格と同等の価格形成が行われてしかるべきではなかろうか、このように考えております。もちろん適正な価格であるかどうかについては今後十分にウォッチしていくつもりでございます。
#71
○藤原委員 私も、灯油というのは非常に公共性の高い商品だというふうに思っております。そこで、一般的に公共性が高い、こう言っているばかりではなくて、日本の全国民の生活にどのくらいのかかわりを持っているのかという点で私はお聞きをしたいと思うわけですが、その点いかがでしょうか。日本の全世帯のうちの何割くらいの世帯が暖房用として灯油を使っているというふうに通産省は見ていらっしゃるのでしょうか。
#72
○神谷政府委員 正確な数字を手元に持ち合わせておりません。私の記憶によりますと、何らかの形で――北海道の非常に大きな灯油の暖房器具、これはいわゆる十八リットルかん当たりで持ってくるものではございませんでリットル単位で買っておるようなものでございますが、あるいは日本の南の方の持ち運びするような小さなだるま、アラジン型と申しますか、あのような形の石油ストーブに至るまで、それの使用度その他はよくわかりませんが、何らかの形で八割ぐらいのものが石油の暖房器具あるいはそれに類似した形で灯油を使っておるというふうに承知しております。
#73
○藤原委員 では、昨日通産省にこの問題でお尋ねをしたわけですけれども、需要の見通しというのをおつくりになっているのですから、何らかの資料は持っていらっしゃるだろうというふうに思ったわけですが、きょうそれはお持ち合わせではないのでしょうか。たとえばストーブの実際に持っている保有台数、こういう点など資料としてお持ちになっていらっしゃらないでしょうか。
#74
○神谷政府委員 需要見通しを行います場合には、当然ストーブの保有台数、それからそのストーブの形態、さらには石油給湯器、温風暖房器といったような大きな分類別のものを持ってございます。
 まず、五十二年段階で石油ストーブ保有台数でございますが、小型ストーブが三千百万台、大型ストーブが一千万台、石油給湯器が千三百八十万台、温風暖房器が七百五十万台というようなものでございまして、私どもはこれを一定の率で換算してストーブ保有台数とし、灯油の需要量と相関をさせながら需要の見通しを行っております。
#75
○藤原委員 そうしますと、世帯数としてはわからないけれども、いわゆる灯油を使っている、暖房器具を使っているという点では、いまお尋ねいたしました数字で見る限り、わが国の場合には一部の人を除いてほとんどの家庭が灯油を使っているというふうに考えることができるというふうに思うわけです。
 こういう中でも、とりわけ北海道や東北など、ここでは委員派遣の視察の中でも私どもは直接お聞きをしたわけですけれども、北海道の方たちは灯油というのはお米よりも大切なんだ、日常の食品であります米よりも、私たちは灯油がなかったら暮らしていけないんだというふうな声を聞いたわけですけれども、こういうところでは値段を上げたからといって節約できるものではないというふうに思うわけです。上げられれば泣きの涙で背負い込まねばならぬのがこの負担だというふうに思うわけです。
 こういう負担の上に灯油が供給されないというふうなことになれば、まあされないというところまでいかないでしょうが、これが減量されてくる、節約せよというふうな状態になってくるということになれば、日常生活に与える影響は大変なものですし、不安を醸し出すというふうなことになってくると思います。
 いままでにもすでに多くの先生方から供給不足の話が出ておりますし、たくさんのことは申しませんけれども、一つだけお尋ねをしていきたいというふうに思うわけです。
 それは、具体的な話として秋田県の話なんです。私どもの方へ直接連絡が参りました。この話を聞いて驚いたわけですけれども、本当だろうかと耳を疑ったわけですけれども、秋田県の場合に灯油がほとんどないというんですね。スタンドや燃料店の方もないというわけです。そんなことはないだろうというふうに思って百度聞いたわけですけれども、うそだと思うのなら来て見てください、こういう言葉でおっしゃっているわけです。そこで、そういった通報だけでなくて、県の消費生活課に直接問い合わせてみたわけです。そうしますと、県でももうお手上げだ、こういうふうに言っておられるわけです。秋田だけかと言いますと、山形県にもあるわけですね。鶴岡生協でも昨年と比べまして二五%のカットを通告されているんだ、こういうふうに言っておられるわけです。
 これは大変な事態が起こってくる、もうすでにそのはしりがこういうところで出ているというふうに考えられるわけです。これにつきましてはすぐに実態調査をして解決をしていただきたいというふうに思うわけですけれども、これはやっていただけるのかどうかという確答をいただきたい。
 同時に、こんな事態が起こるほど灯油の供給というのはむずかしくなっているというふうに見ているのかどうか。先ほど三億八千万キロリットルと、積み増し分の備蓄の分を除いてこれだけは絶対に確保したい、しかし、大変苦労もありますというふうにおっしゃっているわけですけれども、この点についてあわせてお答えをいただきたいというふうに思います。
#76
○神谷政府委員 ちょうど五月の後半になりまして、需要期も北の方でも徐々に終わりかけたところでございます。したがいまして、一般的に申し上げますと、灯油の消費量、したがって、その流れが一般的には細くなっていく時期でございましたが、二つの要因がございます。
 一つは、おっしゃったように、今後灯油がどうなるであろうかというような一般的な不安がございまして、できるだけ確保できるうちに確保しておこうという動きがあったことは否めません。
 もう一つは、五月の半ば以降、それまで暖冬でございましたことしの冬から春にかけての状況が一転いたしまして、私どもの調べでは東北で四度というような気温が出ております。北海道でも相当の低温が出ておりまして、このために通年以上の灯油の需要が出てまいりまして、東北地方において特に十分の手当てができないという声が私の方にも聞こえてまいりましたので、直ちに元売りその他を勧奨いたしまして、東北地方、北海道方面に灯油の緊急の手配を行って対処したというような状況がございます。
 一般的に申し上げまして、将来の安定供給のための備蓄の積み上げその他需給関係がタイトになってまいりますと、望ましくないことでございましても、どうしても各地でいろいろなフリクションが出てくることは、できるだけそのようなことが起きないように手配いたしたいと思いますが、完全になくすことはできないと思います。先ほど御指摘のようなもののうち、鶴岡生協等はすでに私、とも実情を調査し、手も打ってございます。それ以外のところでも問題のありますところは、私ども通産局その他を通じながら適宜実情を調査し、しかるべき措置をし、指導を行っておるところでございますので、今後、不需要期でございますが、次の需要期を迎えてできるだけ、もちろん需給状況を見ながらでございますが、そのような体制を一層整備し、敏速に対応し得るようにしてまいりたいと考えております。
#77
○藤原委員 鶴岡生協の場合、調査をし、手を打ったということですが、二五%カットというふうなことはちょっとひどいのではないかというふうに考えます。これがどう改善されたのか、それと同時に、いまおっしゃったどうなるかという不安あるいは五月に入って冬のような気候が続いている、こういうところで異常事態が起こっているというだけではないというふうに私は見ているわけです。そんな点で、申し込みがあって、不安や不満があって調査が始まって手が入るというのではなくて、私はやはり全国的傾向として通産省はいまの灯油の状態、これを調査をしていく必要があるというふうに思うわけですけれども、その点いかがでしょうか。
#78
○神谷政府委員 鶴岡生協の場合には、当事者の話というのはいろいろこの種の場合、食い違うものでございますけれども、結論的に申し上げますと、昨年の実績以上のものは出ております。したがいまして、カット云々というのは恐らく希望量に対してのものというふうに了解をいたしております。
 それから、幸いにも五月の半ば以降の異常な低気温というのはその後一転いたしまして非常に高温になっておりますので、当面私ども先般のような事態が起こるとは考えておりませんが、しかし先ほど御指摘申し上げましたように、家庭のふろとかそういうようなものにまでも灯油が使われ出した、あるいは灯油に転換していったと言った方がよろしいのかもしれませんが、こういう状況で国民生活の中で灯油は季節の動向とは別に一定の需要というのが継続的に行われてくるようになってまいりましたので、今後状況は適宜地方通産局等を通じてウォッチしたいと思いますが、私どもは一応灯油の生産、元売りの出荷、在庫状況といったようなもの、さらには流通段階の調査、サンプルでございますが、これを行いながら適切に流れておるかどうかは常時把握しておるつもりでございます。今後さらに問題のあるような地区についてはきめ細かに実情を調べてまいりたいと思っております。
#79
○藤原委員 先ほどのストーブの台数を聞きましても、それにもあらわれておりますように、灯油に転換をさせてきたというのはいわば政府の指導だ、大企業のそういった方向だと思うわけです。石炭ストーブをたこうたってないわけです。学校、官庁、そういうところに至るまでいままでは石炭ストーブを使っていたわけですが、そんなものはないわけですね。だから、そういうふうに国民生活に対して灯油に切りかえよという指導をしてこられたわけです。なくなりましたらあなた方の責任ですというような、あなた方でお持ちなさいというふうなやり方は、全く国民生活を向上させたり安定させようという政府の考えることではないと思うわけですね。もちろん灯油は気候の変化によって影響が出てくると思います。しかし、秋田で起こっておりますような燃料店やスタンドなどにないというふうな状況、県も認めているというふうな状況は直ちに改善されなければならないし、日本全国で一つでもそういうところが起こってはならないというふうに思うわけです。その点強く要望を申し上げたいというふうに思います。
 私は、現在灯油の供給というのはそんな深刻な状況になっているのではないというふうに思います。皆さんも正直なところそうお考えになっておられるのではないか、おなかの中ではそういうふうに思っておられるのではないか。それにもかかわらずこのような事態が起きますのは、価格が引き上げられてから売りに出す、そういう思惑が元売りや代理店などにあるのではないかというふうに大変心配をしているわけです。
 そこでお聞きしたいのは、通産省はなぜ価格据え置きの指導をやめるというふうなことをやられたのでしょうか。これは非常な影響が出ておるわけです。先日来、御答弁がありますので、簡単に筋のところだけで結構ですから、この据え置き指導をやめた理由をお述べいただきたいと思います。
#80
○神谷政府委員 先日来御答弁させていただいておりますので、簡潔にポイントだけを申し上げますが、一つはやはり外的インパクトでコストが上がったものを不自然な形で長いこと抑制するということは、現在のわが国の社会、経済体制においてはきわめて困難であり、しかもそれは大きなひずみを伴ってくるというのが第一でございます。
 第二は、このような形で人為的に低位に抑制をいたしました場合には、その消費面においてあるいは需要の変動の面において好ましくない影響が出るということが第二点でございます。
 第三点は、このようにきわめて需給がタイトであり、しかも高い原油を最大限の努力をして日本の企業に海外から引いてこさせなければならない、しかも需要の強い中間留分を十分出し得るような原油を引いてこなければならないというような状況のもとにおいて、灯油をそのような形で人為的に抑えれば、次の供給時期においての安定供給というものは確保し得ないということでございまして、基本的には次の需要期の安定供給、さらには中期的には灯油の需要に対しての安定供給を確保するために、不自然な人為的な抑制というものはこれ以上続けるべきでないという判断になったわけでございます。
#81
○藤原委員 それではもう少しお聞きをしてまいりますが、灯油の販売価格というのはどのように決められるのでしょうか。
#82
○神谷政府委員 まず、末端の販売価格というものは元売りの仕切り価格に流通コストが積み重なって自然に形成されております。元売りの価格というものは当然原油あるいは精製コスト等を反映いたしまして、石油製品という連産品の中の一環としてこれも市場の需給関係を通じて形成されます。
#83
○藤原委員 それでは、民生用の灯油とかガソリン以外のたとえばナフサだとかC重油、こういったものの買い手は一体どんな人たちで、どんな方法で販売価格は決定をされているのでしょうか。
#84
○神谷政府委員 大口ユーザーにつきましては、ほとんどが元売りと需要者の価格交渉によって決定をされます。したがいまして、コストの変動があった場合には、石油精製関係といいますよりむしろ元売り関係でございますが、元売りが価格の上昇を提起し、ユーザーがそれに関しての意見を述べ、種々のネゴシエーションが個別に行われ幾つかの形の価格形成が行われますが、基本的には一定の期間を経て一物一価になり取引価格が決まってぐるというのが実情だろうと思います。
#85
○藤原委員 大きなユーザーが相手だという油種の場合はいまおっしゃったように価格交渉がある。値決めの交渉というのが行われて最終的に販売価格が決定されるわけですね。しかし、灯油とかガソリンのように一人一人がユーザーだというふうな場合には値決め交渉などというものはもちろん行われないわけです。売り手が一方的に値段を決めて消費者であります国民に押しつけるわけですね。この問題は、灯油の販売価格を見る場合には非常に重要なポイントであると私は考えるわけです。これは灯油ではなくてガソリンですけれども、先日、公正取引委員会が二十九日に全国十五地区でガソリン値上げでやみカルテルが横行するというふうな疑いを持って調査に入ったという報告が新聞などに報じられていたわけですけれども、この内容につきまして、答えられる範囲で結構ですから、公正取引委員会からお答えをいただきたいと思います。
#86
○妹尾(明)政府委員 本年の三月ごろから各地区におきまして、主としてガソリンでございますけれども、ガソリンの値上げの動きがございまして、これに関連いたしまして、消費者等から値上げの仕方が一斉値上げでおかしい、独禁法違反のカルテルがあるのではないかという苦情がたくさん参ったわけでございます。私どもの方では、こういった場合には、特に石油だけではございませんけれども、内容を検討いたしまして、確かにそういう疑いがあるときには調査をいたすということにいたしておりまして、能力の限りがございますけれども、最近の情勢にかんがみまして、石油につきましてはできるだけ早く措置した方がよかろうということで、まず値上げの実態、果たして一斉値上げの動きがあったかどうか、その値上げが不自然なといいますか、あるいは人為的なことに原因しているものかどうかといった値上げの実態を各地で調べております。
 それから、特にそういった動きの中で、大分県におきましてそういった一斉値上げの問題のほかに、組合員間で値上げに関連いたしまして顧客の取り合いをしない、こういう方針を出しまして、かなり厳しくやっているというふうな動きがございましたので、この点につきましては独禁法の四十六条に基づきまして正式に調査をいたすということで先週二十五日に立入検査を行って、現在調査に入っているという状況でございます。
#87
○藤原委員 石油業界というのは元売りから販売に至るまでいままでにも何回か独禁法違反、やみカルテル、こういうことで審決を受けているというふうな業界ですけれども、四十年以降で結構ですから、年度ごとに違反件数がどれぐらいあるのか、御報告をいただきたいと思います。
#88
○妹尾(明)政府委員 石油といいましても、メーカーといいますか元売り段階と末端の小売段階とちょっと様子が違いまして、同じようには言えないわけでございますが、元売り段階について見ますと、審決の件数でございますが、四十四年度一件、四十八年度三件となっております。
 それから末端の販売業段階でございますが、これは主として各地区の石油商業組合なりあるいはその支部が行った事件でございますけれども、四十一年度が一件、四十四年度が二件、四十五年度が十三件、四十六年度が十件、四十七年度が二件、四十八年度が十五件、五十年度が一件、五十一年度が三件という状況でございます。
#89
○藤原委員 いまお聞きしました件数は他の業界と比べて大変多いと私は思いますけれども、ほかの業界の場合にもこのように多くの違反件数があるのかどうか、またそういった御経験を持っておられるのかどうか、再度公正取引委員会にお答えいただきたいと思います。
#90
○妹尾(明)政府委員 手元に各業界の数字を比較した資料を持っておりませんが、私の記憶では、業界単位ということで審決件数を数えますと、石油関係の業界というのは特に多い方ではないかというふうに思います。
#91
○藤原委員 私もいまお聞きして、全くそのように感ずるわけです。これだけ何回も繰り返してやみカルテルを結ぶという業界は余り聞いたことがないというふうに思うわけです。これにつきまして公正取引委員会は何か御見解をお持ちでしょうか、あればお答えいただきたいと思います。
#92
○妹尾(明)政府委員 非常にお答えのむずかしい問題でございますけれども、結局私どもは独占禁止法の立場から違反事件があったかなかったかという観点で関係しておるわけでございますが、先ほど申し上げましたように、これまでの数字によりますと、石油関係の業界におきましては従来違反事件が多かったというのが実情でございます。特に最近になりましては、原油問題等に関連いたしましていろいろ値上げ要因がたくさん出てきておりますので、こういったものに便乗いたしまして違法なカルテル等の動きが出ては困りますので、そういうことになりませんよう特に石油製品の価格動向等につきましては十分関心を持って注意してまいりたいというふうに考えております。
#93
○藤原委員 通産省、いかがでしょうか。いま公正取引委員会の方は、従来はこういう業界ぐるみ審決を受けるようなことが石油業界では多かった、非常な関心を持っているとおっしゃることは、今後改まるどころか、たとえば便乗値上げであるとかそういったようなことが懸念されるからこそ公正取引委員会が関心を持っておられるのだと私は思うわけです。そうしますと、通産省がこれについてどうするのか。改善させるために具体的な指導や対策が非常に重要だと思うわけですけれども、具体的な対策を今日までどのようにとってこられたのか。あわせてこういうふうな便乗値上げも、されないようにお願いしますというふうな状態だけでは、過去のやみカルテルの状況、数の上で見ても、お願いや通達ぐらいで聞くようなところではないというふうに素人の私でさえも思うわけです。いままでも頭を悩まし、大変御苦労いただいておると思うのですけれども、どうしてもこの際、指導対策の強化ということなしには国民生活を守ることができない、通産省がこれのために国民のために大きく立ち上がってくださらなければ、通産省に遠慮されたのでは国民はたまったものではない、非常な期待が持たれるところですけれども、いかがでしょうか。
#94
○神谷政府委員 石油の製品の価格形成の過程におきまして便乗値上げが起こらないようにということにつきましては、一般的に申し上げれば、通常の競争条件が備わっておれば便乗値上げというようなものは起こり得ないと思うのでございますけれども、ただ、きわめて異常なインパクトがこの業界並びに日本経済に与えられた場合にはいろいろ通常と異なった状況が起き得ることが予想されますので、しかも、日本経済に与える影響が非常に大きいような場合には、企業のいわゆる営利を求めるという通常の性格、企業活動の方法のみに任せて、あとそれを競争でチェックするという形では必ずしも十分ではないという観点から、私どもは便乗値上げをチェックするための種々の監視あるいは指導を行っておるわけでございます。これにつきまして、元売り段階での価格形成についての私どもの監視、チェックというものは相当きめ細かに行い得るというふうに考えておりますし、現在までもそのような形で進めてまいっております。今後状況の推移に従って、国民経済の状況、受けるインパクトの状況等を勘案しながら適宜適切な形で指導を行ってまいりたいと思っております。もちろん、それらの指導のもとで便乗値上げがないような形での価格形成が行われるにいたしましても、どのような状況下においても、独禁法という法律がある以上、その法律の違反を犯すということは当然好ましくない以上のものでございまして、これはしかるべき措置を受けるものというふうに私ども考えております。行政府として、そういう法律がある以上、その法律に違反しないよう関係業界を指導していくのは当然のことでございまして、私ども三月三十日に「石油製品価格について」という形で、便乗値上げを行わないようということと同時に、いやしくも不当な取引制限的な行為等を行わないようという要請を元売り並びに全農、全石商あるいは農業協同組合等々すべての関係者、関係団体に通達もいたしておるところでございます。
 私どもは、法律違反というような行為が行われない形で、しかも国民経済のそのときの経済の状況を十分関係者が勘案し、慎重に認識した上で営業活動、価格形成行為を行ってもらいたいと考えております。違反があれば公正取引委員会で適宜調査いただき、問題があればしかるべき措置をとっていただくのは法律がある以上当然だと思います。
#95
○藤原委員 いまの御答弁で、政府は便乗値上げを監視するというわけですけれども、この便乗値上げどころか、大もとの石油業界の内部自身でやみカルテルがあるということが問題になっているわけですから、先行きは大変なことだというふうに思うわけです。
    〔武部委員長代理退席、委員長着席〕
石油業界自身が先取り値上げ、便乗値上げ、こういうことをする可能性が非常に強いというふうに思わざるを得ないわけなんです。そういう中で適宜適切であるとか、努力であるとか、誠心誠意であるとか、鋭意であるとか、そういう答弁用の言葉がいつも並ぶわけですけれども、しかし、いま公正取引委員会に発表していただきましたように、過去にわたってこのようなよくない実績を持っているところですから、非常に具体性を持ち、しかも強力ということが伴わないとなかなか大変だというふうなことはもう実証済みの業界だと思うわけです。ぜひとも急いで強く指導をし、絶対にそういうことがないように、国民生活を破壊させるようなもとをつくらないように強く要望したいと思います。いかがでしょうか。
#96
○神谷政府委員 私どもとしては、法律違反というようなことが私どもの所管する団体で起きないということを強く希望しておりますし、そのような指導をすべきだと考えております。また疑わしい事実があれば調査をしていただき、問題があればしかるべき措置をなされるべきであり、もし疑義あったのであれば、疑わしい行為を今後行わないよう指導してまいりたいと思います。
#97
○藤原委員 ぜひお願いをしておきたいと思います。私は、石油製品の値上げについて、業界が言っているほど差し迫った問題ではないのじゃないかというふうに考えるわけです。原油価格が引き上げられたといいましても、石油会社は円高差益でうんとこさため込んでいるわけです。これは先日、武部委員が具体的に数をお示しになっておっしゃいましたから、ダブりますので私は省きますけれども、膨大な円高差益をふところにため込んでいることはもう周知の事実なんですね。灯油につきまして、需要期が過ぎた、こういう段階で、なぜその直後にそれじゃ値上げをしなければならないのか、政府もなぜこの据え置き指導を撤廃するのか、私は何度聞いても大変理解に苦しむところであるわけです。通産省は業界が打ち出しております一石油製品の値上げの線は最低ぎりぎりのものと考えていらっしゃるのかどうか、そのことをお答えいただきたいと思います。
#98
○神谷政府委員 業界が打ち出した価格が最低ぎりぎりであるからこれが適切であるというような、政府としてこれをいわゆるオーソライズし、ある意味ではこれにお墨つきを与えるようなことは、私はどこでもいままで申し上げておりません。必要になった場合には標準額を設定いたします。今日において私どもが行っておりますのは、便乗値上げが行われないように、要するに不当な値上げが行われないようにウォッチをしておるわけでございまして、必要な限りにおいて企業からの聞き取り、あるいは私どもとしてのデータの積算あるいはチェックを行っておるわけでございます。その限りにおいて現時点において価格介入を行わなければならないような事態ではないというふうに判断をしておるということでございます。
#99
○藤原委員 私は、先ほども言いましたが、石油業界が打ち出している値上げは必要最低限のものではないというふうに思います。むしろOPECの値上げを理由にしましてようけもうけよう、こういうねらいがありますし、先ほどの御答弁でございますけれども、政府側もそれを見て見ぬふりをしているというふうに感じるわけです。大幅値上げを認めるという結果になっている。いろいろ弁解されてもそういうことになっているんじゃありませんかと言いたいわけです。
 私がなぜそういう憎まれ口をきくかと言いますと、普通経済界の常識では、製品の量が予定よりも減る、原材料の価格も上がるという場合には業績はよくならないわけです。したがって、そんな会社の株価であるとか株の値段、こういったものが下がるかもしくは現状維持か、こういうのが普通だ、常識だというふうに思うわけです。しかし、どうでしょうか、いまや石油会社の株価はどんどん上がっているわけですね。全くおかしいです。これは石油関連会社の業績が上がるということを見込んで多くの人たちが買いに入っているわけですね。たとえば日石の場合は三月の下旬には八百十円でした。これが五月三十日には千三百六十円になっております。昭和石油は二百十円であったものが四百六十七円、三菱石油は二百六円であったものが三百四十円、東燃は五百八十円であったものが九百二十円、すべて大幅な上昇を示しているわけです。この上げ幅について、それが適切かどうかそんなことは言わない、言ったらお墨つきになるからという答弁だけ繰り返しておられたのでは、事実このように大幅な値上げなんですね。国民生活にとっては大幅です。こういう上昇を示しているわけですね。業績の今日まで苦しい、そういう実績が上がっていないという会社、また見通しの悪い会社であったならばこんなことになるはずがないわけですね。そこには、この会社は必ず景気がよくなるというふうな見通しを持ってやっているそういう専門家が内にあるからこそ、このようなことになるのだというふうに思うわけです。ですから、私は石油製品の値上げについては十分な検討と監視が必要ではないか。それは行うという先ほどの御答弁をいただいたわけですから、ぜひ強力にお願いをしたい。とりわけ公共性の高い灯油の値上げにつきましては抑制することが必要だ、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。対処するおつもりはあるでしょうか、抑制について。
#100
○神谷政府委員 石油製品に関しまして、今後の厳しい将来を控えて、状況に応じた適切な監視を行ってまいりたいと思っております。ただ、灯油につきましては抑制という形で人為的に価格を低位に抑えつけるということは私どもとしては灯油の安定供給のために、あるいは石油製品全体の安定供給のためにとるべき措置ではないと考えております。ただし便乗値上げであるとか恣意的な形での価格形成が行われるままに、いかなる状況のもとにあっても放置しようというものではございませんで、状況に応じて必要な指導というものは、他の一石油製品と同様に行ってまいりたいと考えております。
#101
○藤原委員 私は、先ほども灯油やガソリンというのは他の油種と違って一方的に販売価格が決められるのだ、そういう製品なのだということを申し上げました。これは言いかえましたならば、業界任せにしていたのでは消費者泣かせの価格が設定されるということなんです。すでに山口県の下関市では、ある代理店が小売の燃料店に対して六月一日から灯油十八リットルを九百五十円で販売せよ、こう言ってきていると訴えてきておられます。つまり五〇%の値上げをする、こういうふうに言ってきているわけですね。通産省はこんな事態も仕方がないことだというふうなことで放置をするつもりなんでしょうか。それともこういう具体的な事実もちゃんと調査をして手を打っていただけるのでしょうか。いかがでしょうか。
#102
○神谷政府委員 御指摘のように大口需要家に対する石油製品と異なりまして、マスセール製品と申しますか、灯油あるいはガソリン等はユーザーと供給者との間で価格交渉が行われるということはほとんどございませんし、むしろ一般的に需要と供給あるいは多数の販売者、購入者との間の競争関係によって価格が形成されるということになっております。そのどちらがより安定的であるか、どちらがより需給関係あるいはコスト関係に敏感に、反映するかということは、そのときそのときによって異なりますけれども、一般的に言って後者がより不自然な形での価格形成が行われるということはないというふうに私どもは信じております。もちろん公正取引委員会その他のしかるべき監視と措置というものが前提でございますけれども、私どもは一般的にはそのような形で価格形成が行われるべきだと考えております。先ほどのような価格が、石油販売業者九万軒ございますから、そのどこかで行われるような形がありましても、私どもは現時点においては、なおまだ末端におきます価格形成というものも他の供給者の提示する価格との競争関係において、一定のところに収斂し得るような状況にあるというふうに考えております。これが異常な事態になった場合には、すでに立法されておる別途の措置で対処すべき問題だろうと考えます。
#103
○藤原委員 いま私が申し上げましたのは一般的な話ではないわけです。具体的に山口県下関市の代理店にそう言われてきているということを申し上げているわけですから、パニックでも起こりましたならばそのときに適切な指導をいたしますと、こう言われてもだめなわけですから、起こらない前にやってくださいと言っているわけです。その点いかがでしょうか。
#104
○神谷政府委員 マスセール製品につきましては流れが二つございまして、一般的に通常の正規のルートの流れ、これは元売り、特約店等常時取引のある形で流れて、いる製品でございます。これにつきましては、私どもは一般的に申し上げればこれはゼロとかそういうことは申し上げません。一般的に申し上げれば、そう異常な価格形成は行われませんが、いわゆる業転市場、マーケット物と申しますか、そういうものにつきましては、需給関係が緩む場合には、系列関係の商品よりもきわめて低い価格で売買され流通されておりますが、需給関係がタイトになった場合にはこれがまた逆転するというようなこともございます。動きもかなり荒うございます。こういうものの存在が適切であるかどうかということは別といたしまして、一応そのようなマーケット、非常に小さなマーケットでございますが、マーケットにおいては価格がやや急激にぶれることはございますし、物の流れにつきましてもあふれたりあるいは非常にきつくなったり、こういうこともございます。したがいまして、御指摘の点がどのようなマーケットにおいてどういう状況のもとにおいて提示された価格であるかというのは別途調べさせていただきますが、私どもといたしましては全般的にいろいろな問題点というものを、大きな正規の流れを秩序立てて行わせていくことによってこれをのみ込み吸収していくようにするというのが当面の考え方でございます。
#105
○藤原委員 ぜひ調査をしていただきたいと思います。それから公正取引委員会も今後ともぜひとも監視を強めていただきたいというふうにお願いを申し上げます。
 いま灯油の問題、国民が心配しておりますのは、もちろん灯油が生活必需品になってきている。これが値上がりされたら大変だ、というのと同時に、この石油製品の値上げによって物価が高騰するということが何よりも心配だ。家計を預かる婦人ですから、婦人の場合はとりわけこれははだ身にしみて心配だというわけなんですね。まして国民の圧倒的部分が使っている、先ほど来申し上げました生活必需品の灯油が五〇%も値上がりして、千円灯油が出回るのではないかというふうな状態ですから、本当にこの心配は深刻な国民生活破壊という状態を醸し出すわけです。こういう事態を何としても食いとめなければなりませんし、それを通産省が担ってくださっている、しっかりと業界を指導していただかないと大変だというふうに思います。その点強く要望をしたいというふうに思います。
 同時に、時間がもう参りましたので最後に申し上げたいことは、原油値上げに便乗して高い値段の石油を日本など消費国に押しつけておりますアメリカなどのメジャーのやり方ですね、これに対して政府はまず不当な値上げを抑えるように働きかける、このことが重要だと思うわけです。このこと抜きに、国内だけの問題をあれやこれやと言っていても始まらないし、両方これを同時並行的にやることが重要だ。これをしないで、国内でそれを何とかやりくりやっていきましょう、つまりそれは国民に負担を押しつけましょうというかっこうになるわけですから、こういうことをやれば政府が国民に負担を押しつけることを奨励するというふうな結果になってしまうわけですね。だからこれではとんでもないことですから、そんなことには絶対にならないように、こういったアメリカなどのメジャーのやり方に対しても、政府としては強い働きかけ、このことが要るというふうに思いますが、最後にその点も含めて決意をお聞きして終わりたいと思います。
#106
○神谷政府委員 日本に入ってまいります油の供給ルートは、メジャー経由、それから一部直接産油国からのDD取引、さらには日本の会社が開発に参加いたしました自主開発原油等々でございます。大きなものはメジャー経由でございますが、日本の石油会社の中には、それらと長期的、安定的な供給契約を結んでおる会社、あるいはスポットではございませんけれども、比較的短期のローリングの契約を結んでおるサードパーティーと言われておる会社等々がございます。それから、民族系の会社はDD原油等にかなりのウエートをかけておるわけでございますが、外資系と言われておる会社も、民族系と言われておる会社も、メジャーから産油国の政府の販売価格ベースでの正規の価格の原油の供給をできるだけ確保するよう、個別企業同士でかなり厳しいネゴシエーションを行っております。私どもも、メジャーの代表者あるいは責任者等が来日する際には、これらと常時原油の供給状況に関して話をし、日本への安定供給を要請しておるところでございます。あわせて産油国との直接取引につきましても、産油国もいろいろ削減等を最近行ってきておりますが、これにつきましても、イランの例等々に見られますように、個別企業はもちろんのこと、日本の政府関係としても、先方の産油国に理解を求めながら、できるだけこれを確保する努力を行っております。高いスポット価格の原油は現時点においても、日本においては特別な事情がない限りは買わないようにという指導をしておりますし、現時点で三十ドルあるいは三十何ドルというような油は、日本の企業は買っておりません。十七、八ドルのものだけで、二十ドルをちょっと超えたものは一切手を出さないかということになりますと、備蓄が非常に食い込んでくる場合に一杯くらいの手当てをすることはございますけれども、一般的に言って、スポット市場には日本の精製会社等は出ていかないように、いたずらに価格をつり上げることのないように、私ども要請をいたしております。関係者に対する安定供給の要請と、日本の会社がいたずらにスポットものを買いあさって価格をつり上げることのないような指導を行ってきておるわけでございまして、今後とも世界の原油マーケットの状況を見ながら、原油の確保策についても努力をし、指導をしてまいりたいと考えております。
#107
○藤原委員 次に、私は食品添加物という問題と表示の問題についてお尋ねをしていきたいと思います。
 まず最初に、去る五月二十七日に総理府がまとめました消費者問題に関する世論調査、これが発表されたわけですが、消費者保護行政の担当省庁であります経済企画庁は、この調査の結果についてどのような見解をお持ちになっておられるでしょうか、お尋ねをいたしたいと思います。
#108
○井川政府委員 総理府の方で昨年の十二月の半ばに調査をいたされました消費者問題に関する世論調査、これは、実は消費者問題についてというのが四十七年に行われまして、その後六年後に行われた。したがいまして、中身といたしましては、表示の問題あるいは商品に対する不満の問題、消費者行政全般の問題、さらには消費者団体についての考え方等々、われわれ消費者行政を行うものにとって大変参考になるデータであるというふうに考えているわけでございます。
#109
○藤原委員 この世論調査を見せていただきますと、商品及びサービスの表示という項目がございますね。表示に対する関心というのは非常に高いわけです。注意して買うという問いに対しましては、注意するという人は七三%にもなっているわけです。経済企画庁としては、この表示につきましてはどのように考えていらっしゃるでしょうか。役に立っていると思っていらっしゃるのかどうか、表示というのはなぜ必要なのかという点、お聞かせいただきたいと思います。
#110
○井川政府委員 ここの世論調査におきましても、商品に関しまして表示が行き届いているというふうなものが五七%ございます。しかし、行き届いていないのだというのが二二%あるわけでございます。いずれにいたしましても、消費者が商品を買う場合に、そういう表示を中心に自分も選択をしていくというふうなことで、選択の確保のためには表示というのは大変大きい役割りを示す、消費者としてはなくてはならない制度である、こういうふうに考えておるわけでございます。
#111
○藤原委員 それじゃ、厚生省と農林省はいかがでしょうか。いまの企画庁のように、なくてはならないものだというふうにお考えになっているでしょうか。
#112
○七野説明員 食品衛生法によりまして、食品につきまして製造年月日とかいろいろの表示を義務づけてございます。
 その考え方を申し上げますと、食品衛生法では、いわゆる公衆衛生の見地から、販売の用に供する食品に表示を義務づけておる、そういうことでございます。これによりまして、私たちはいわゆる食品衛生行政上監視指導、それから営業所自身が行います適切な衛生管理、さらには消費者自身に的確な情報の提供が図られる、さようにこの表示について考えております。
#113
○長野説明員 農林水産省の食品にかかわります表示行政といたしましては、先生御案内のとおり、JAS法がございまして、JAS法に基づき食品の品質の改善並びに消費者の商品選択の便宜に資する、そういうことでJAS規格を制定し、また、表示の適正化を図るために品質表示基準を制定し、一般的な必要な事項につきまして表示を義務づけることをやっておりまして、表示は必要であると考えております。
#114
○藤原委員 この調査の中での、いま申しました表示に注意するという方々、こういう人の中で、それじゃどの点に注意をされるのかという問いに対しては、一番多くなっておりますのが製造年月日、こういうふうに答えた方が多いわけです。なぜ製造年月日に注意する人が多いのでしょうか。厚生省はこの点についてどのようにお考えになっているでしょうか。
#115
○七野説明員 先ほどもお答えいたしましたように、食品衛生法に基づきます表示につきましては、消費者に対しまして的確な情報の提供を図れる、私たちはさように考えておるわけでございます。
 そこで、製造年月日につきましては、この食品がいつつくられたかということでございます。このいつつくられたかということにつきましては、この食品が新しいか古いかという判断材料には欠くことのできない情報でございますので、私たちといたしましては、製造年月日というのは非常に重要な表示である、さように考えております。
#116
○藤原委員 消費者は商品の新鮮さをとりわけ食品については求めているわけです。私は、いま厚生省がお答えになったとおりだというふうに思うわけです。それと同時に、新鮮なものの方が保存もきくしという意味もあるわけです。ですから、製造年月日というのは非常に関心を持たれてだれもが見る。ここでいっそ蔵出し年月日に変える必要があるのじゃないかと思うわけです。経済企画庁は、こういった消費者の要望に対して何か対策を考えておられるのでしょうか。蔵出しがいつなのかということによって、それじゃそれからいついつまでは大丈夫だな、こういう買い方をしたいということで、保存がどの点まできくのかという判断もできるわけです。そういう意味もあるわけですが、とにかくそういう年月日を入れる点について、企画庁として何かお考えを持っておられるでしょうか。
#117
○井川政府委員 食品の表示だけではなくて、表示一般につきまして、いま新しい段階の問題が出てまいっておるわけでございます。行き届いているあるいは行き届いていない、したがって、従来の表示の体制自体をもう少し徹底していくという面がございますが、一面においていろいろな表示が出てきている、ここらあたりについて統一をとったらどうか、あるいは表示がたくさんあり過ぎてかえって問題になる、さらには、デメリット表示というのは消費者のためになるのかどうかという問題が出てまいっております。ほかの消費者保護の制度はまだ確立をしそれを浸透する段階でございますが、事表示制度については第一番目の曲がり角に来ておる、消費者からもそういう議論が多うございまして、われわれといたしましては、今後の長期的な消費者保護対策を検討しておる一環といたしまして、表示制度の見直しの検討を国民生活審議会の中でやっておるわけでございます。ただ、それには当然食品も含まれておるわけでございますが、そういう観点から全般的に議論をしておりますと、製造年月日の表示問題も出てまいります。ところが、検討すればするほどいろいろ問題があるわけでございまして、最低、いろいろな衛生上必要なものについては、すでに製造年月日等の規定を現にいたしておる。これ以上するということになると、一体それがどういう意味を持つのか、製造との関係はどうか、蔵出しがいいのか、包装がいいのか、原材料がつくり上げられたときがいいのか、あるいは出てきた後の保存状況によっても違うのではないだろうか。必要なのは製造年月日ではなくて賞味期間、要するにその味を保って食べられる期間の方ではないかとか、あるいは有効期間的なものではないかとか、いろいろな議論が出ておるわけでございまして、われわれといたしましては、そういう意見を聞きながら関係省庁の意見も徴し、そこらあたりの検討を進めているという段階でございます。
#118
○藤原委員 それはいろいろむずかしいと思います。科学的に検討しようとすればするほど困難が伴ってくるというふうに思うわけですけれども、しかし、何も書いてないよりもきちんと書いてある方がいい。しかも国民が非常に関心を持っていまそれを見ながら買っている。新しいか古いかというのがまず主婦にとって求めるときの最大最良の条件だ、こういう状態がアンケートによってもあるわけです。そういう中で農林省はいろいろ御苦労なさって賞味期間という形の表示をするように手がけられていらっしゃるようですけれども、この考え方と問題点ということを簡単にお聞かせいただきたいと思います。
#119
○長野説明員 先ほど申し上げましたJASの制度の中での表示事項といたしましては、原則として品名とか原材料名とか内容量とか製造年月日というものを表示させておるわけでございますが、まず、食品等におきます製造年月日の意味は、先ほど厚生省の方からもお話がありましたように、その品質を判定する第一のメルクマールであるということで、ほとんどの工ASの食品につきましては製造年月日の表示をさせてきております。賞味期間というものにつきましていま経企庁の方からも話がありましたが、いろいろむずかしい問題もございます。しかし、最近のように各種の新たな加工食品が出てまいりますと、一般の主婦の方は本来的に品質等の判断の基準となるべき製造年月日だけではなかなか判断がつかない。そういうことから、食品の品質の経時変化を適切に判断しがたいという消費者からの要望もございまして、昭和五十一年度以降、JAS規格等の新設あるいは改正に際しまして、食品の品目の特性に応じて必要なものについては消費者の商品選択の際の目安として表示させることにしてきておるわけでございます。その対象となっております品目はまだ少のうございますけれども、今後とも引き続き品質の特性に応じて必要なものについては賞味期間等を表示する方向で検討していきたいと考えております。
#120
○藤原委員 消費者はこの表示を大変歓迎いたしておりますので、大いに努力をして期待にこたえていただきたいと思います。
 この表示の中には、製造年月日だけではなくて添加物についても表示するように決めてあるわけですけれども、食品というものはできるだけ添加物を使用することはしないで、自然のまま、自然食、自然の状態に近いかっこうで消費者の手に渡るというのが理想だと私は思うのですが、厚生省はこの点どのように考えていらっしゃるのでしょうか。
#121
○藤井説明員 食品添加物につきましては、御指摘のとおり、最小限の使用、そしてその添加が食品に対して有益であるという立場から厚生大臣が食品添加物の指定を行い、規格、基準を決めるとともに、必要がある場合には使用基準を定めて、その範囲内において許可している現状でございます。
#122
○藤原委員 私はここに三月二十八日付の新聞の写しを持っているわけですけれども、「食品添加物でゼンソク」という見出しで、黄色四号はぜんそくに関係があるという意見を名古屋保健衛生大学の末次勧助教授が述べた、こういう記事があるわけです。こういう意見もあるからということで、食品としては余り添加物を必要としないつけものについて、主婦連合会の京都支部の皆さんが調査をされました。その結果を私は教えていただいたのですが、主婦連合会の皆さん方はそれぞれ手分けをして、全国にわたって生産されているものを意識的に買われたわけです。その後、つけものが入った袋をきれいに洗ってためていらっしゃいましたが、私はそういうものも見せていただきながら、本当に主婦の皆さん方が家族の健康を守るために、いかにきめ細かい関心を持ち、いろいろ研究をし、グループをつくってこの改善のために努力をしておられるかということをしみじみ感じたわけですけれども、そういうものを持って主婦連の皆さん方は衛生研究所に検査をしてもらいに行っておられるわけです。京都市の衛生研究所が検査をした結果の資料をいただきましたが、つけもの十二種類のうち、九種類までも指摘を受けている黄色四号という合成着色料を使っているわけですね。なぜおつけものにこのようなものをわざわざつけなければならないのかというふうに私は思うわけですけれども、このお母さんたちもつけものにこんな着色料は必要ないのではないか、ましてこの新聞にあるようなぜんそくの原因にもなっているというふうに言われているのだから非常に不安は強いわけですね。ぜひこういったものを使わないように厚生省にも検討してもらいたい、こういう願いを持っておられるわけですけれども、一度厚生省としてはこのことについて検討していただきたい。末次助教授のこの研究の結果、そういうものも厚生省はどのようにとらえておられるのかという問題ともかかわりがあると思うのですが、疑わしいものは使わないという意味でぜひ検討されてはどうかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
#123
○藤井説明員 御質問の点、二点ほどあると思いますが、御指摘の黄色四号のアレルギー反応でございますが、黄色四号に限らず、非常に過敏な人にとっては花粉あるいはほこり、いろいろな化学薬品についてアレルギー反応があらわれますので、必ずしも黄色四号に特徴的にそういう反応が強いか、どうかという観点が問題ではないかと思うわけでございます。その点につきましては、いわゆる着色剤というものの粉末、こうしたものが人体に暴露された場合のアレルギー反応という点につきましては、WHO並びにFAOの国際機関においても検討を進めているところでございますし、またわが国におきましても各種食品添加物、着色剤に限らず、アレルギー反応に着目した検討を現在続けているところでございます。
 次に、着色剤の必要性という点でございますけれども、この食品を美化するというのは、わが国だけではなくて世界各国が現在それを承認しているところでございます。ただ、この食品を着色するということが必要かどうかという点に関してでございますけれども、これはいわゆる食品衛生の立場から一方的に決め得る問題ではなく、やはりこの必要性については広く一般がどういうふうに受けとめるかという問題が一つの支えになっているのではないかと思うわけでございます。先生の御承知のように、タール色素等こうした合成、こういう言葉が使われるような食品添加物について、いわゆる一部の国民におきまして、やはり反応のあることは事実でございます。しかしながら、こうした合成着色料が減っていくと同時に天然着色料が非常に大きな量でそれを埋め合わせている現状でございます。結果的にその両者の関係を見ますならば、いわゆるこの消費者というのは食品が美化されていることを望んでいる。いわゆるタール色素の生産量が非常に減っていくと同時に、天然色素の量が非常に増加していくという現状があるわけでございます。そういった観点から、いわゆるこの人工着色料というものの必要性があるのかないのかということにつきましては、そうした時代の背景あるいは国民の動向、こういったものを勘案しながら、食品衛生の立場から勘案していきたいというふうに考えております。
#124
○藤原委員 食品衛生の立場でいろいろ御検討いただき、国民生活にプラスするように考えていただきたいということを強く要望したいのですけれども、具体的にいま申しました、たとえば末次助教授の研究というような中で実際に研究してみたら、黄色四号ですか、こういうものがテストによってクロと出てきたわけです。それだけではなくて、ぜんそくの発作の原因になるというふうなものはほかにもあるでしょう。しかしやはりこういう心配のあるものは、お母さん方がグループをつくって、交通費なども自前で衛生研究所に通い、そして研究をし、討議をし、国でこういったものを抑えていただければ自分たちがここまでしなくてもいいし、またそういうふうに気をつける人はいいですけれども、添加物は何が入っているかなどと一々見て買えないというふうな今日の食生活の状況の中で国民生活を守るためには、やはり厚生省の皆さん方の方でよほど監視をする必要があるのではないかというふうに思うわけです。私は食品の添加物というものについては、使わずに済むものなら、色が少々悪いから売れ行きがよくない、きれいな色にした方がよく売れるからという売り手の要望とか、また買い手のいろいろな要望とかあるでしょうけれども、やはり長い目で見て、国民の健康を守るという立場で厚生省として努力をしていただきたい、こういうふうに思うのです。この中で東京都は、駄菓子やゼリーなどに使われている赤色二号、これについて条例を定めて、消費者の健康を損ないまたは人体に危害を及ぼす疑いがある物質というふうに認定して業者に使用の自粛を求めた。そうしたら都内の販売業者の三社から販売は差し控えますというふうな回答があったわけです。ですから、東京都でさえといったら悪いですけれども、本当に地方自治体も一生懸命住民の健康と暮らしを守るために努力をし、そういうふうに要望すればそれにこたえてくるというふうな自主的、自覚的な業者もふえているというふうに思うわけです。そうしますと、厚生省のこういった食品衛生にかかわる担当の部署というのは非常に大切な位置にあるのではないかというふうに思うわけです。ぜひとも食品添加物というものは原則としては要らないんだというふうな点で厚生省としても努力をいただきたいと思うのですが、最後にもう一度御答弁をいただいて終わりたいと思います。
#125
○藤井説明員 食品添加物は原則として要らないのじゃないかという御質問をいただいたわけでございますけれども、食品添加物が必要であるか必要でないか、着色剤のようなものについては非常に多くの人間がこの判断を示すべきものではないかというふうに考えているわけでございますけれども、酸化防止剤であるとかあるいは保存剤であるとか、こういった食品添加物につきましては、現在の食品の流通機構あるいはまたその経過時間、こういったことを考えてみますと、こうした添加物が必要でないのではなく必要であるというケースが現在の時代の背景ということにおいて出てきているわけでございます。また食品衛生上の見地からという形で、いろいろな食品添加物について私どもはこうした指定制度を持っているわけでございますけれども、食品添加物を指定していきます場合には、その食品添加物自身の毒性と同時にその使用形態と申しますか、使用の限度、こういったものを勘案して、必要あれば使用基準を決めてやっているわけでございます。したがいまして、指定された食品添加物が故意あるいは誤り、こういった形で使用されない限り、安全性については十分確保された形で指定されているわけでございます。したがって、食品添加物が存在することが直ちに危険がある、あるいは危険性に対して一歩踏み出している、こういったふうにお考えいただくことは非常に誤解ではないかというふうに思うわけでございます。
 また、人工着色剤につきましても、いま申し上げましたような観点があるわけでございます。赤色二号の例示がございましたけれども、この点については何回も何回も国際機関で安全性の評価がなされ、また一つの、その使用量がきわめてわずかな存在でございます。私ども、こうした添加物の行政をやっております立場から、いまこれ以上申し上げることは若干僭越ではございますが、天然添加物というものに対しては、それが天然産品であるというがために、現在までのところややそっち方面への衛生の配慮が欠如してきたことは否めないわけでございますが、こうした合成着色料というものが減ってまいりますと、非常に天然添加物の使用量というのが上がってきたわけでございます。簡単に申しますとタール色素の大体五十倍から百倍使いませんと、タール色素の時代にあったようなジュースの色が出ないわけでございます。こういった観点から、現在私どもはこうした合成着生料の安全性とともにまた天然添加物の安全性についてこれを当面の重要な研究対象として進めていきたい、そんなふうに考えておるわけでございます。
#126
○藤原委員 私は添加物が原則として必要であるとかないとか、そういうことをここで論議することが主要な目的であるということで出したわけではありません。ですから、厚生省のこの担当の講義を聞くという目的で質問をしたのではないわけです。生命を生み出す母親が生命を守り、育てることを望んでいるんだ、こういう立場で私は質問をし、人間の健康に害があるというふうな場合あるいは疑わしいと思った場合には原則としてやめるべきではないでしょうか、こういうことを言っているわけです。もちろん、人間生活に対して、この商品の流通の関係、そういうものを全く無視して私は添加物、絶対ならないなどとは申していないわけです。ですから、国民生活を守るという立場が何よりも大事ではないでしょうか。国民生活を守るという立場に立つならば、物は腐ったって仕方がないというときでもあるわけです。物が腐らないために国民生活が破壊をされてきているという状態があるわけでしょう。いろいろいまおっしゃった物の考え方というのは、私は、主客転倒しているから、そういう講義が始まるのではないかというふうに思うのです。私はあなたと決して添加物がいいとか悪いとかそんなことをここで論議しようとも思わないし、もしするならば、与えられた時間ではとっても足りないわけです。改めてやらなければならないというふうに思うわけです。具体的に黄色四号について、いまこういうことも出ておりますよ、疑わしき状態はおやめになった方がいいのじゃないですか、そのことを検討する用意があるのですか、ないのですか、そのことだけお答えをいただきたい。もう一遍、この点、検討するのかどうなのかという点をお願いをいたします。
#127
○藤井説明員 食品添加物の使用がこの使用される実際におきまして安全性に疑いがありますならば、これに対していわゆる指定の取り消しはやぶさかではございません。現在までに数多くの指定の取り消しをやってきたのもその反映でございます。また、黄色四号の件につきましては、こういった色素アレルギー、御指摘のアレルギー試験でございますけれども、現在試験を進めている最中でございます。
#128
○藤原委員 終わります。
#129
○鈴木委員長 午後二時三十分から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後零時四十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時四十三分開議
#130
○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。依田実君。
#131
○依田委員 きょうは主に、この一夏心配されております電力の需給関係、あるいはまた長期的な意味でのエネルギーの需給についていろいろ御質問をしたい、こういうふうに思うわけであります。
 例のアメリカのスリーマイルアイランドの原子力発電所の故障以来、日本の原子力発電所についても見直しがされておるわけであります。そういうことから、一部電力需給に緊迫感があるのではないか。特に夏場、去年みたいに非常に暑い日が続く、あるいはまた甲子園のテレビが入る、冷房をいっぱいかける、こういうときに、果たして電力の需給がスムーズにいくのかどうか、こういう心配がなされておるわけでありまして、各電力会社を含めまして、この夏場の電力需給について支障がありやなしや、その辺のことについてひとつ大ざっぱにお伺いをさせていただきたいと思います。
#132
○中島(源)政府委員 細かい数字が必要でございましたならば、政府委員からお答えさせます。
 電力需給でございますが、全国的に見て大体一〇%前後の予備率は持っておるわけでございますが、御指摘のように、スリーマイルアイランドの事故を一つの大きな警鐘といたしまして、またそれ以前からも、定期検査としてPWRの十基を主体といたしまして点検をいたしておるのは御存じのとおりでございます。そのうち、御存じのように、PWRはほとんど西日本にございますものですから、東日本については現在のところ電力需給に心配はございません。西日本につきましても、特に関西電力が心配されるところでございまして、四国電力につきましては、火力その他で補給は可能でございまして、八月のピーク時にも特段の心配はないと思っております。
 ただ、関西電力につきましては、大飯原子力発電所の特に一号の再開をお願いをいたしておるところでございます。経過といたしましては、去る十九日に安全委員会の方でも大体のオーケーサインは出ておるわけでございますが、現在通産省から地元の御了解をさらに重ねて取りつけをいたしまして、できれば早急に再開をさせていただきたいと思っております。何分とも、はっきり申しまして、大飯一号の稼働並びにでき得ますれば二号の稼働ということができますれば、関西電力といたしましても今夏の電力需給は一応心配ないわけでありますが、これが稼働いたしませんと、他の電力会社からの融通を含めましても半ば心配な点がございます。その基礎といたしましては、大飯一号を約百十二万キロワット、二号もその程度に換算してのことでございますので、つけ加えておきます。
#133
○依田委員 いまのお話ですと大丈夫、こういうことでございますけれども、いわゆる供給予備率、われわれの聞いておりますところは、八%を割ってくると危機ライン、こういうことに聞いておるわけでありますけれども、いまおっしゃった夏場の関電あるいは四国電力、この辺の供給予備率が四%に落ちるとかいろいろうわさが出ておるわけでありますけれども、大体この予備率で言うと、いまの二つの電力会社は、この夏は落ち込んでも最低どの程度で乗り切れる、こういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#134
○岡松説明員 お答え申し上げます。
 まず関西電力でございますが、いま政務次官からお答えいたしましたように、大飯が稼働いたしました場合におきましては、ほぼ七%強の予備率が確保できるということでございます。以下、PWRが絡んでまいりますのは四国電力と九州電力でございますが、九州電力につきましては、これが落ちました場合にも、一〇%以上確保できますので問題がございません。また、四国伊方の一号がとまったことによりまして、一部火力の補修調整をすると御説明申し上げましたが、これによりまして一〇%を上回る予備率が確保できますので、こちらも問題がないということでございます。
#135
○依田委員 いまのお話を聞いておりますと、関電の七%が最低で、あとは大体一〇%の予備率は確保できる、こういう見通しだそうでございますけれども、その前提として大飯の稼働があればとかいろいろあるわけであります。この夏場の需要期に停電というようなことがないように、ひとつ気をつけていただきたい、こう思うわけであります。
 ところで、原子力発電が電力供給の中で受け持つパーセンテージがあるわけでありまして、今年度の計画によりますと、原子力発電が受け持つのは全国で約一五%の発電を受け持つことになっておるわけでありますけれども、この原子力発電の受け持つ分野、これは今年度については改定しなくていいのかどうか、あるいはまた長い目で、これまで策定されておりました長期の電力需給の中の原子力発電の分野について変更が起こり得るかどうか、この辺についてお伺いをさせていただきたいと思います。
#136
○岡松説明員 お答え申し上げます。
 電力の供給計画につきましては年度当初に計画を策定することにいたしておりますけれども、夏の需給につきましては変更を織り込みまして、毎年六月下旬に一部夏の見直しを行うというのを例といたしております。本年度につきましても同様の検討を行う予定でございますけれども、年度計画全体の見直しを行うかどうかという点につきましては、今後原子力の運転計画の状況等を見守りながら検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
#137
○依田委員 そうしますと、さしあたって改定をする考え方はいまのところはない、こういうことですか。
#138
○岡松説明員 問題は、冒頭の御質問にございましたように夏のピークであるわけでございますが、その点につきましては六月の下旬に見直しを行うということでございますが、全体計画についてはいまのところ改定をするということはまだ決定いたしておりません。
#139
○依田委員 一部にはこの原子力発電のそごといいますか、事故や点検、そういう意味で当初計画されておったよりも原子力発電のウエートが少なくなるんじゃないか、その分だけいわゆる石油を燃す火力の発電をふやさなければならぬ、こういうふうに言われておるわけでありますけれども、いまのお答えを聞いておりますと、特別に今年度に関する限り石油火力をたき増しする必要はない、こういう御判断でしょうか。
#140
○岡松説明員 現在PWR関係の原子炉は実質的に全部とまっておるわけでございますので、それにかわります供給力は火力でつけているというのが実態でございますし、そのためには石油のたき増しをしているということも事実でございます。したがいましてその限りにおきましては、当初予定したよりも現時点においては石油の使用増になっておることになるわけでございますが、実は現在とめているということは、年度末になりましてとめる予定でありました定期補修の期間に運転が可能になるというファクターもございますので、年度全体としてどれだけ石油のたき増しになるかというような点につきましてはまだ不確定要素がございますので、現実的な把握をする段階ではないということでございます。したがいまして、石油について見ますと若干のたき増しは避けられないというふうには見ておりますけれども、どの程度のたき増しになるかということはまだ確定いたしていないということでございます。
#141
○依田委員 量については不確定、まだ決まっていないということでありますけれども、われわれの感じでは、どうしても足りない分石油をたき増さないと電力の需給関係がバランスを失するのではないか、こう思うわけであります。そこで問題は、ただでさえいま日本の石油の備蓄というのは外国に比べて少ない、こう言われておるわけでありまして、これを取り崩さなければならなくなるわけでありますけれども、その原油の備蓄の取り崩し、こういうものについて、先ほど申しましたように日本は外国に比べて少ない。この辺のバランスをどういうふうにとっていくのか、その辺について伺いたいと思います。
#142
○神谷政府委員 ただいま電力関係の方から御説明をさせていただきましたように、最終的な量がまだ確定をいたしておりません。それから現段階のこの四月―六月の原油の輸入量とそれの精製並びに販売、出荷、これの動きを見てまいりますと、現段階では積み増しが若干できるという状況でございます。ただ、これが十分な積み増しは必ずしもできないのではないかということを心配しておる段階でございます。したがいまして七月―九月の原油の入手状況が、秋口において備蓄をどのレベルまで積み上げられるかということを見きわめる上で非常に大事なファクターになってまいります。そこで大体どこまで積み上げられるかが見込めますと、需要期が終わった三月末の段階でどのくらいことしよりも食い込んでくるかあるいは何とかことしのレベルに維持できるかというのが見通せることになると思いますので、私どもといたしましては、それまでは現在の供給計画のもとで最大限の節約を進めてまいり、その時点で電力関係ともよくすり合わせをしながら、電力関係でもいろいろな燃料の多様化、たとえばLPGの緊急手当てといったようなものも加えて、総合的に何とか備蓄のシーズン中における食い込みを最小限にとどめるように努力をしてまいりたいと思っております。もちろん原油の確保ができれば、あらゆる手を尽くして積み上げてまいりたいと思っております。
#143
○依田委員 いまのお話の前提になりますのは、原油の輸入量が減らない、こういう前提になっておるわけでありますけれども、ここのところ輸入状況は予定よりも少ないとか、そういうことは一切出ていないわけですね。
#144
○神谷政府委員 私どもこれまで四月−六月の前半の段階では、四−六の期間中に六千六百万キロリットル原油が入手可能であろうというふうに申しておりましたし、調査の結果でも、毎回大体そのような数字が出て確証を得ておったわけでございますけれども、最近に至りましては六千五百万キロリットルぐらいにこれが落ちております。若干メジャーからの追加カット、それから一部イランその他の産油国の直接取引についてのカットといったようなものがございます。ただこれも現時点では大きく備蓄に影響を与えるというほどのおそれではございません。問題はこのような傾向、現在精いっぱいの努力をしておりますので、七―九に果たしていま以上のものがとれるのかとれないのか、ここが一番大きな問題でございます。六千五百万キロリットルを上回るものをとりたいというふうに考えて各企業に努力をしてもらっております。
#145
○依田委員 ところで、原子力発電の中にカナダのCANDU炉があるわけであります。この原子力の利用長期計画の中にもCANDU炉について触れておるわけでございます。これは国産の自主開発あるいは核燃料サイクル等の関連、経済性を含めてこれから評価、検討、その上結論を出す、こういうふうになっておるわけであります。
 新聞報道によると、この三月二十日に原子力委員会で、その中の新動懇の中では、このCANDU炉について必要な設計を原発にやらせようじゃないか、こういう意見が言われた、こう言われておるのでありますけれども、一月たった後の四月二十日、これもまた新聞報道に伝えるところによると、CANDU炉は不要だ、こういうようなことが報道されたわけでありますけれども、原子力委員会でこのCANDU炉の評価、検討はいまどういう段階になっておるのか。そしてまた、この三月二十日あるいは四月三十日の意見というものは単なる憶測であって、部内のいろんな人が発言したとかいうことじゃない、こういう事実なのか、その辺についてちょっと詳しくお聞かせをいただきたいと思うのです。
#146
○中村説明員 お答え申し上げます。
 いま御質問にもございましたように、カナダのCANDU炉の取り扱いにつきましては、昨年の四月に原子力委員会に新型動力炉開発懇談会という民間の専門の方々に集まっていただきまして、今後の重水炉の開発の進め方をどうすべきかということを原子力委員会として諮問いたしたわけでございます。
 重水炉と申しますと、カナダのCANDU炉とあわせまして、現在ナショナルプロジェクトとして開発を進めております新型転換炉とがございます。これの二つの炉につきましては、将来、現在の軽水炉からさらには高速増殖炉へと行く路線を基本的な路線と考えておるわけでございますが、これだけでは天然ウランの確保その他種々な面から必ずしも長期的にわが国のエネルギーの供給に十分とは言えない面が出てくるのではないかということで、これらを補完するという意味でこの両炉の取り扱いを検討したわけでございます。
 本年の三月三十日にようやくこの新型動力炉開発懇談会としてのまとめをいたしまして、原子力委員会の方に報告書を提出したわけでございます。この報告書におきましては、先生御指摘のように、CANDU炉につきましては現在その経済的な評価あるいは技術的な評価というものを十分つまびらかにする材料に欠けている面がございます。かたがた核燃料サイクルの国際的な動向も非常に流動的である、特にINFCE等での検討も進められておるというような状況でもございますので、この経済的及び技術的な評価が十分なし得るように所要の設計を進めることが当面の方策として妥当であろう。そして、それらのデータが得られた段階で改めて検討して、先へ進むべきか否か、そういう決定をすべきだろう、こういう趣旨の報告がまとめられております。
 この懇談会の報告は、四月三日に座長から原子力委員会に説明がございまして、以来原子力委員会でこの問題をどう取り扱うべきかについて慎重に検討を進めております。折から、スリーマイルアイランドの事故もございます。そういった状況の変化等も踏まえながら現在慎重に検討している段階でございまして、原子力委員会としてはまだ結論を出していないというのが実情でございます。
#147
○依田委員 そうすると、四月二十一日に新聞に伝えられたものは、誤って伝えられておる、こう判断させていただいていいと思うのでありますけれども、慎重に検討されておる、こういうことでございますが、電発の方ですでに耐震性の研究を相当やっておるわけでございまして、そういう意味では原子力発電の先行きというのはなかなか見通しが立てにくい、リスクを分散するのがいいのじゃないか、どの炉がいいのかについてはまだまだ技術的に結論が出ないところだろうと思います。国の資金に余裕があるならば、リスクを分散するという意味で、このCANDU炉についても柔軟な対応をしていく方がいいのではないかと私は思うわけであります。国産化の自主開発の方も進めて結構でございますけれども、両々相まつというのがいいのじゃないかと思うのであります。
 大事なことは、この原子力発電の炉というのは非常に高価なものでありまして、どうもいろいろ雑音が入る可能性がこれから出てくるのではないか、こういうふうにわれわれは見ておるわけであります。きのうなんかも日本経済新聞のある編集委員のあれを見ておりましたら、やはりCANDU炉は要らないとはっきり書いておる。どこからどういう資料が入ってお書きになったか知りませんけれども、ロッキード、戦闘機じゃありませんけれども、国産か海外からの輸入か、そういう同じような問題をめぐってまた混乱してくると困るわけでありまして、われわれはこの問題については、原子力委員会が確固たる考えを持って純技術的な、あるいはまた経済性という純粋な意味から慎重に御検討いただけたら、こういうふうに思うわけでございますけれども、いつごろそれが決まるとか、そういう見通しはあるのでございましょうか。
#148
○中村説明員 お答えいたします。
 ただいま先生からいろいろ御指摘の点もあわせまして現在原子力委員会で検討中のところでございまして、いつ結論を出すというようなことにつきましては、原子力委員会としてまだ決定等はいたしておりません。
#149
○依田委員 慎重検討で、いつということはなかなかわからないかもしれませんけれども、余りだらだらやるということは、さっき申し上げたようないろいろな雑音が入るということで、研究に要する日時は大体のめどが立てられるのじゃないか、こう思うのであります。そういう意味である時期には結論をお出しいただきたい、こういうふうに思っております。
 さて次に、IEAの会議でいろいろ議論が出ておりますけれども、一九八五年以降石油専焼火力は禁止になる、こういうことで話し合いがついている、こういうふうにあるのであります。日本もその方針でいくと結論を下されておるそうでありますけれども、それに対する対応はできるのでしょうか。
#150
○岡松説明員 IEAの閣僚理事会で決定いたしましたのは、石油専焼火力につきまして新規の設立を行わないということでございます。これに対するわが国での対応の仕方でございますけれども、現在計画中または建設中の石油火力を除きまして、以後新規の石油火力の設立は認めないという方向で電力会社を指導していく、このようにいたしたいと考えておる次第でございます。
#151
○依田委員 対応ができる、完全に、一九八五年以降は石油専焼火力をやらなくて石炭で大丈夫ですということですか、増設しなくてもいいということですか。
#152
○岡松説明員 八五年という年次を切っての議論はいたしておりませんが、具体的には、各社が今後の電源開発計画につきまして施設計画という形で毎年出してまいります。本年度の施設計画に提出されました石油火力の地点が幾つかございますが、いわば今回の施設計画に盛られた地点を最後といたしまして、それ以降の新規の計画は認めない方針であるということでございます。
 それで、運転開始の年限で申しますと、ほとんどのものが六十年までに稼働することになっておりますけれども、一部のものは六十一年、六十二年に新たに稼働してくるというものもございますので、八五年という点で申しますとそれ以降に入ってくるものもございますが、それらはいずれも今年度の施設計画にすでに計上されておるものということでございますので、計画中のものというふうに考えたいと思っております。
#153
○依田委員 今度は石炭の方の見直しが世界的趨勢になってきたわけでありまして、そういう意味では日本はやや立ちおくれていたのじゃないだろうか、こう思うのです。われわれが聞いておりますところによると、世界は早くから石油の足りない分は石炭という方向へ移っておったわけでありますけれども、日本は原子力という方に考え方のウエートが少しあったのじゃないかと思うのであります。石油危機を迎えてここ二、三カ月、いろいろな報道を見ていても石炭、石炭ということが出てきておったわけで、そういう意味では世界の対応の仕方に比べて遅かったのではないか、こういうふうに考えるわけであります。特に海外の石炭鉱山に対する開発投資という面ではメジャーの方が非常に進んでおるわけでありまして、日本も遅まきながらこれから体制を固めてこれに追いついていかなければならぬわけでありますけれども、一般炭の輸入、五十二年は五千八百二十九万トンと聞いておるわけでありますけれども、今後石炭火力がふえるに従って年間大体どの程度の輸入規模でふえていくのか、そういう見通しについて何かありますでしょうか。
#154
○山梨説明員 お答え申し上げます。
 昭和五十二年度の五千八百万トンというのは石炭の全量でございまして、そのうち一般炭と申しますのはわずかに百万トン足らずということでございまして、そのほかはほとんど国内炭で賄っているのが現状でございます。
 それで、今後でございますが、一石炭火力を主力にいたしまして、セメント業等におきます石炭利用の拡大というものを相当大がかりにやりたいということで、輸入炭もそれによりまして相当大きくふえるものというふうに考えておる次第でございますが、エネルギーの需給暫定見通しによりますと、昭和六十年、一九八五年には千六百万トン、六十五年には一応四千万トン、一般炭のみでそこまでふやすということを目標に努力したいということでございます。
#155
○依田委員 いまの数字を拝見さしていただいてもその伸び率は膨大なものでございまして、それを支障なく日本へ運び込まなければならぬ。そのためには、現地の開発輸入もそうでありますし、その輸送の途中のあれもあるし、貯炭のものもあるし、いろいろこれから大急ぎでこの問題を片づけていかなくちゃならぬのでありますけれども、一般に言われております世界の一般炭の供給地というのは、アメリカ、カナダ、オーストラリア、そのほかソ連とか中国とか、一部南アフリカとかあるわけでありますけれども、日本がこれから一般炭を輸入する供給地としては大体どんなところを考えていらっしゃいますか。
#156
○山梨説明員 お答え申し上げます。
 石炭の賦存する地域と申しますのは、先生おっしゃったように環太平洋地域を中心に広く賦存しているわけでございますが、わが国に輸入するという観点から考えますと、現状ではオーストラリアの一般炭というものが、一応価格面でもこれから具体的に開発を考えます場合のインフラストラクチュア等を含めましてほかの地域に先行することになるのではないかというふうに考えておりますが、オーストラリアを主にいたしまして、あとは中国、その次に量的に期待されるのはアメリカ、カナダと一いうことになってくるのじゃないか。一部は、価格面では非常に安い南アの炭が現状でも入っておりますし、若干ふえていくということになるのではないかと思っております。
#157
○依田委員 いまのお話ではオーストラリアが日本に一般炭を供給してくれる最良の地点ではないか、こういうふうにお答えでございます。そのオーストラリアでありますけれども、先ほどの話じゃありませんけれども、御承知のようにもうメジャーが鉱山をほとんど買い占めておる、こういう状況になっておるわけでありまして、オーストラリアにもし限って言うならば、そのメジャーの投資状況はどの程度になっておるのか、その辺について一応お話を承らさしていただきます。
#158
○山梨説明員 お答え申し上げます。
 手元に具体的な資料がございませんので明確なお答えはちょっとできないのでございますが、現在オーストラリアの石炭と申しますのは、一九七二年ないし一九七三年を境にしまして、ニューサウスウェールズ州とクィンズランド州にほとんどの石炭が集中しておるわけでございますけれども、両州とも鉱業法の改正がございまして、現在では、まず州政府が主体になってある程度の調査をいたしまして、可能性のある地域から州政府が一部鉱業権を取得する、それから民間も含めて一部はテンダーに出すというようなかっこうになっておりまして、現在設定されております鉱区だけで申しますと、たとえばニューサウスウェールズ州だけに限ってのことでございますが、州政府の保有しておりましてまだ民間にリースされてないという鉱区が約六〇%ある。それから州政府から州の電力委員会、これが一般炭の開発をやっておりまして、近くに火力発電所をつくりまして供給しているというような形でやっておるわけでございますが、ここにリースされているものが大体一〇%程度、それから民間にリースされているものと、それから法律案が改正される前にすでに民間の個人鉱区であったというものを合計いたしまして、大体残りの三〇%程度というふうに言われております。
 それで、現実にメジャーがその鉱区を取得していると申しますか、民間と共同で入り込んでいると申しますか、実は一部日本の商社及び鉱山会社等が開発参加しているものもあるわけでございますが、メジャーないしはこういうものを含めまして民間取得所有のうちの四〇ないし五〇%が外国資本と共同でやっておるというふうに聞いております。
#159
○依田委員 日本もおくればせながら世界の趨勢に追いつかなければならぬわけでありますけれども、しかしこの開発輸入といってもなかなかリスクがあるわけでありますし、電力会社にそれをやれといってもなかなかしない。メジャーから入れておいた方が安定してというようなことになるのじゃないか、こう思うのです。そういう意味で日本もいままで開発輸入がおくれておるわけであります。
 日本の企業でいままでこの、石炭に関して開発輸入に積極的に取り組んでいるところは、どこで、どの国でやっておりましょうか。何か電発がやっておるという話ですが……。
#160
○山梨説明員 お答え申し上げます。
 従来原料炭につきましては、オーストラリアを初めとしましてカナダでも一部やっておるということでございますが、一般炭に限って申し上げますと、現在わが国が何らかの形で開発輸入に関与しておるというのは豪州、たけでございます。
#161
○依田委員 これから海外の一般炭の開発輸入をやる対応策、こういうものについていろいろ政府も御指導をお考えになっているのじゃないかと思うのです。繰り返しますけれども、メジャーから入れたい、こういう意向も電力会社にはきっとあるでしょうし、そういう意味でどういうふうにして海外の開発輸入をやらせていくか、どこを主体にやらせるのか、どういう企業体にしてこれをやらせるのか、そういうようなことについて、いま政府がお考えになっておる考え方というのは、どういうところにあるのでしょうか。
#162
○山梨説明員 お答え申し上げます。
 先生おっしゃいますように、海外炭開発というのは将来のエネルギーの長期安定供給確保に資するという観点から積極的に推進してまいりたいというふうに考えているわけでございますけれども、海外炭開発を円滑に進めますためには資源保有国との相互理解を深めるということが非常に重要だと思っておりますし、また各国の資源政策の動向を十分に踏まえて、秩序ある開発輸入をしなければならないということになろうと思います。したがいまして、このために石炭鉱業界とかユーザー等の関係者を含めました協力体制を確立することがおっしゃいますように重要なことだと思っておりまして、現在、関係方面とその開発体制のあり方につきまして検討中ということでございます。
#163
○依田委員 たとえば電力会社と石炭会社、こういうもので共同で開発会社をつくらせて、そこにやらすとか、もう少し具体的な構想というのは考えられておるのでしょうか。
#164
○山梨説明員 現在、そういうことまでを含めまして検討しておるということでございます。
#165
○依田委員 代替エネルギーの開発について、これをこれからいろいろ急ピッチで促進していかなければならぬ。伝えられるところによりますと、通産省でこの代替エネルギー開発の促進法案を考えていきたい、こういうことがときどき言われるわけでありますが、考えられるこの促進法案はどういうものなのか、その辺についてお話しいただける範囲があったら、ひとつお話しいただきたい。
#166
○沢田説明員 お答え申し上げます。
 御案内のように、日本のエネルギーの使用構造は大幅に石油に依存した体質を持っております。私どもといたしましては、この体質を何としても改善して、要すればエネルギーの使用の多様化を図っていくことが急務だと考えております。
 そこで、まず第一には、ただいまお話ございましたように、産業部門などを中心にいたしまして、たとえば八〇年代の石炭の使用を少しでも多くふやしていく、いわば燃料の転換でございます。これがねらっております第一点でございます。
 それと同時に、二つ目の眼目として、特に八〇年代に焦点を合わせまして、使用可能な代替エネルギーの新技術を開発していく施策を展開していかなくてはならないと考えております。こういう観点で、現在通産省におきまして対策を総合的な見地から検討しておる段階でございます。
 その中に、法制の整備だとか、あるいは現在ございますエネルギー関係の諸般の税制、こういったものも含めまして、エネルギー関係の財源のあり方をいかにしたらよろしいか、そういった点についても重点を置いて検討をしておるところでございます。
 現在のところはそのような状況でございます。
#167
○依田委員 いまのお話の最後に、税制を含めてというお話が出ておったわけでありまして、新税構想が、いろいろあるようには聞いておるわけでありますけれども、いま増税はなかなかむずかしい。特に石油についてはいろいろな税金がかかっておるわけでありまして、これ以上新しい税金をこれにかけるのがいいのか悪いのか、いろいろむずかしいだろうと思うのでありますけれども、その中で一つよく議論に出るわけであります。これは通産省としての希望なり御意見を伺わせていただきたいのですが、われわれは、ガソリン税の、道路だけに使うという目的税の性格を少し変えるべき時代に来ているのではないか、こういうふうに思うわけであります。ガソリン税を要するに石油の代替エネルギーの関係の促進にいろいろ使うということ、この点について、通産省の御意見で結構ですから伺わせていただきたいと思うのです。
#168
○神谷政府委員 揮発油税につきましては、経済がぐんぐん伸びておりますときに、きわめて大事な輸送の動脈になり、国民生活の非常に重要な生活社会基盤になります道路をスピーディーにつくっていき、拡充していかねばならぬ、こういうことから、道路をつくれば自動車が売れるだろう、それによって利便を受けるのは自動車を使う人間だからということで、一種の受益者負担あるいは原因者負担的な考え方から、道路財源としてのガソリン税が出てきたものと考えておりますが、最近のような状況のもとにおきましては、エネルギーの安定確保がなくて道路を幾らつくりましてもこれは全く意味がありませんで、まさにエネルギーで破滅した後に道路が幾ら残っておっても意味がないと思います。したがいまして、物の考え方が大きく変わっておる時期に差しかかっていることは事実だというふうに考えますので、今後この問題を考えてまいります際には、順序が逆になっておるということを念頭に置いて考えていくべきものだろうと思います。
 いずれにいたしましても、政府として一応決まっておりますことの中の一部でございますものを通産省が云々することはできませんが、基本的な考え方が変わっておることは事実でございますし、変わるべきであると考えております。
#169
○依田委員 われわれもそういうふうに考えておるわけでありまして、政府部内のいろいろ意見統一をぜひしていただいて、そっちの方向へ持っていっていただくことが日本の将来にいいんじゃないか、私はこういうふうに思うわけであります。
 少し話は細かくなりますけれども、最近省エネルギーの一環として、ガソリンスタンドの休日休業の実施を行政指導というのですか、されておるわけでありますけれども、なかなかそれが実施に移せない、守ってくれない、こういうことであります。まだ休日はそんなに何回もなかったわけでありますけれども、いまの実施状況、通産省が把握されているのはどの程度でしょうか。
#170
○神谷政府委員 御承知のように給油所の日曜、祝日休業につきましては、すでに三月十五日に開催されました省エネルギー・省資源対策推進会議の決定に基づきまして、従来も生きておったわけですが、さらに今回の事態に対応して徹底を図ろうということで呼びかけを行ってまいったわけでございますが、はっきり申し上げまして四月の段階でまだ四割程度の実施率であるということでございます。しかもその後石油を取り巻く状況は少しもよくなりませんし、むしろわれわれ内心では非常に心配しながら状況を見ておりますので、この際、給油所の休業を含めての五%節約をどうしても徹底しなければならぬ。そのためには、まず私ども石油担当といたしましては、一番身近な石油関係のスタンドからでもネジを巻いていかなければいかぬということで、五月の二十一日に関係者の皆さん、スタンドの業界、それから元売り業界、自動車のユーザーとしてのJAF、それから農業協同組合の関係の方々等にお集まりいただいて、関係者が一致してこれを推進していこうということでもう一度ネジを巻き直しております。その後すぐ五月二十七日に日曜が来ておるわけでございますが、末端といいますか、現場でのいろいろな具体的な打ち合わせがおくれておりますので、九州の一部の方ではかなり上回った実施率になっておりますが、東京等ではまだ十分実施が進んでおりません。六月に入りましてからは、一応末端におけるいろいろの打ち合わせも、末端にも協議会をつくらせましてやっておりますので、かなり実施率が上がるものと期待しております。
#171
○依田委員 ガソリンスタンドの休日休業については、前のオイルショックの後行われたわけであります。そのときも、組合に加盟しておるところはわりあい守ったのですが、そうじゃないところがいわゆる抜け駆けをして、結局まじめに守ったところが損を見る、こういう結果になったわけでありまして、そういう意味で業界も不信感を持っておるのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。今度は五%省エネルギーというその一環でありますので、前回のような守った人が損を見るというようなことがないように、ひとつ行政指導をぜひしていただきたいと思うわけであります。
 最後に、省エネルギーの五%構想、通産省はいろいろ細かいことをお立てになっておるのでありますけれども、それが実施されなければ一つも省エネルギーにはならぬわけでありまして、計画倒れになるわけであります。いまのガソリンスタンドのあれを含めまして省エネルギー五%について実際に断行するんだ、この決意をちょっと聞かせていただきたいのです。
#172
○神谷政府委員 まさに御指摘のとおりでございまして、三月十五日、先ほど述べさせていただきました会議でいろいろな方法を決定いたしましたが、そのフォローアップがございませんとなかなか進みませんので、四月二十日にはさらにその周知徹底方、さらにはフォローアップについて推進会議で決定をいたしております。私どもも、関係各省の御協力を得ながら、手分けして、主として大口の石油の使用家については具体的にお願いしたことをどのぐらい実施しておるかというのを聞き取り調査を行っておりますし、一定の様式で四半期ごとには報告を出していただく、こういうふうにいたしております。その状況を見ながらさらに強力な要請を行ってまいりますし、また効果があると考えられる案があれば、どんなに小さなものでも次々とこれに追加をしていくべきだろうと考えております。いずれにいたしましても、できるだけ法律その他に基づくような強制的な節約というより関係者の自覚に基づいての節約という形で何とか危機を切り抜けたいと考えておりますので、根気強く呼びかけを行い、強力にフォローアップをしてまいりたいと考えております。
#173
○依田委員 せっかく小坂長行いらしておりますものですから、最後に一言だけ――たくさんでも結構であります。いままでいろいろお話をさせていただきましたけれども、大きいところで言えば海外の開発輸入の問題、小さいところで言えば灯油の価格体系の見直し、石油危機以降日本の経済の組織、構造の変化がこれから行われるわけでありまして、そういう意味で政府部内の対応政策の統一、あるいはまた消費者へのPR、そういうものを含めてひとつ万そそうなくやっていただきたい、こういうふうに思うわけであります。何か御感想がありましたらひとつどうぞ。
#174
○小坂国務大臣 依田委員のただいま仰せられましたような方向を政府としても着実に実行してまいりたいと思っております。
#175
○依田委員 終わります。
#176
○鈴木委員長 金子みつ君。
#177
○金子(み)委員 私は、きょうは電子計算機の問題につきまして継続審議の形でさせていただきたいというふうに思っております。
    〔委員長退席、武部委員長代理着席〕
 電子計算機を利用するということは最近非常に盛んになってまいりまして、国の機関あるいは地方公共団体、民間の会社や大学とか研究所とか、いろいろなところで電子計算機を利用しておられるわけです。その利用の仕方と申しますか導入の仕方と申しますか、急激にこの十年ぐらいの間に五倍から六倍ぐらいも上昇していまなお今後もさらに伸びていくであろうというふうに伺っております。電子計算機をつくる会社すなわちメーカーでありますが、メーカーには、本当に小さな卓上で使えるような、超ミニ型というのだそうですが、そういう超小型の機械から、あるいは小型、中型、大型と各種のものが製造、販売されておるというふうに聞いております。その中でも、何と言うのでしょうかシリーズ物と呼ばれるのですか、各種の電子計算システムを製品シリーズとして供給しているメーカーが六社あるというふうに先般伺いました。その六社は富士通株式会社、それから日立製作所、日本電気株式会社、東芝、三菱電機株式会社、そして最後は沖電気工業株式会社、この六社がいわゆる製品シリーズというものを供給しておるところであるというふうに伺いました。しかし電子計算機をつくっている会社はそれだけではないのであって、そのほかにまだ二十社ぐらいのものがあるということを先般の質問のときに承知させていただいたところでございます。この点は間違いないでございましょうか。ちょっと確認させていただきたい。
#178
○前田説明員 大体仰せのとおりでございます。
#179
○金子(み)委員 そこでお尋ねしたいと思いますことは、この電子計算機というのは非常に高価な機械でありまして、ことに、小型のものはそれほど問題がないのかもしれませんが、いま問題にされて、しかもあちこちで利用されておりますのは大型の電子計算機でありまして、私がお尋ねしたいと思っておりますのは、いまちょっと申し上げましたシリーズ物、製品シリーズとして供給している電子計算機であります。この機械が大変高価なものでありますから、利用するところは、これはユーザーと呼ばれているようですが、利用者たちは、これを直接メーカーから購入して使っておられる場合もあるようですけれども、大方は貸し出し制度というのがあって、その貸し出し制度を利用しているのが多いのだというふうに承知いたしております。日本では電子計算機の貸し出し制度を行っておりますところは日本電子計算機株式会社、通称JECCと呼ばれているようでありますが、このJECCがたった一つの会社であるというふうに承知いたしております。この会社は、先ほど申し上げました製品シリーズをつくっている六つの会社が拠出金を出し、それに政府が援助をいたしまして、約二千四百億円ぐらいでつくられているものだというふうに承知しているわけでありますが、そのことの確認と同時に、このJECCなるものの性格とその機能について説明していただければと思います。
#180
○前田説明員 御説明申し上げます。
 ただいまの先生のお話、大部分そのとおりでございますけれども、JECCが唯一のレンタル会社であるという点につきましては、若干私どもの説明が誤解を招くようなものであったかと思いますので、再度詳しく申し上げさしていただきます。
 ただいまおっしゃいましたように国産で大体四分の三ぐらいがレンタルないしリースであるわけでございますが、その中の四三%ぐらいがJECCを通じてレンタルされておるわけでございまして、JECCすなわち日本電子計算機株式会社以外にもレンタル会社はあるわけでございます。これは当初のころは、先生おっしゃいましたように非常に日本電子計算機株式会社のウエートが大きかったわけでございますが、その後漸次独自にレンタル会社を持つところも出てまいりまして、現在ではいま申し上げたようなことでございます。
 それから先ほどの二千四百億というのは、多分現在の日本電子計算機株式会社の借り入れ残のことではなかろうかと思います。
 いま日本電子計算機株式会社の機能を簡単に説明させていただきますと、要するに、いまお話しのとおり非常に筒価なものでございますから、これを利用する側といたしましては一度に買い取るというよりはレンタルというようなかっこうで借りて月々の借り賃を払って使うというのが非常に使いやすいわけでございます。他方、そのような貸し方をいたしますと、会社の方といたしましては、売れば即座にその値段、金額がそっくり収入になるわけでございますけれども、毎月少しずつレンタル料というかっこうで返ってまいりますと、非常に長期間資金の回収ができなくなるわけでございます。それで、買い手にとってみればレンタルの効果を持ち、それからメーカーにとってみれば売ったと同じことになる、そういう仕組みを、メーカー各社の出資によりまして日本電子計算機株式会社というものをつくりまして、そしてメーカーから一たん買い取る、それで買い取ったものをユーザーにお貸しする、こういうシステムになっておるわけでございます。
 ただ、実際の商売といたしましては、メーカーの方が、つまりコンピューターをつくっておるところが直接ユーザーの方と商売をいたしまして、・そうしてその商談が成り立ったところでこの日本電子計算機株式会社が、いま申し上げたようないわば金融機能を営むといいますかそういうかっこうになっておるということでございます。
#181
○金子(み)委員 はい、ありがとうございました。
 そうすると、このJECC、日本電子計算機株式会社、ここを利用して電算機をユーザーが借りたいと思います場合には、先ほどお話の中に出ました六つのメーカーがありますが、この六つのメーカーの製品でなければ借りられない、こういうことになるわけでしょうか。
#182
○前田説明員 御説明申し上げます。
 このレンタル会社の持つ意味というのは、非常に高価なものでございましてなかなか一度に払いがたい、そういうものをこのレンタルシステムに乗せるわけでございます。先ほどちょっと御説明が落ちましたけれども、これは世界市場の六割を持っておるという巨大企業がそういう商法を始めまして非常に大当たりをとったということで、いわば市場の一つの販売方式として定着したわけでございます。
 先ほど六社以外にも二十社余りあると申しました小さなコンピューター、特にオフィスコンピューターというのは金額が非常に小さいものでございますから、必ずしもこういうレンタルシステムにはなじまないということでございまして、この日本電子計算機株式会社の対象にはしてないわけでございます。これはこの六社がつくっているものにつきましても同じことでございまして、対象にはなってないわけでございます。
#183
○金子(み)委員 六社だけのものを使うのじゃなくて、いまのお話は逆に考えることができるわけですけれども、機械によってはその六社のものだけとは限らない――仮に六社のものであってもそのレンタル形式はとらない、使っていないということがあるというふうにいま説明されたのだと思うのですが、私がお尋ねしたのはその逆でして、JECCを利用してレンタルしたい場合には六社のもの以外には使えないのですか、借りられないのですかということを伺ったのです。
#184
○前田説明員 現状ではそういうことになっております。
 ただ、私が申し上げたいのは、そういうことによって著しく実際的な不便はないのではなかろうかと考えているわけでございます。
#185
○金子(み)委員 そうすると、レンタル会社をつくるときに六社以外のものを参加させなかったということに一つ疑問が出るわけなんですけれども、これは事情がございますでしょうか。なぜ六社以外のものはこの会社をつくるときに参加していないのかということです。
#186
○前田説明員 若干繰り返しになるかもしれませんけれども、フルラインといいますか、非常に大型、超大型を含めまして、そういう大きなコンピューターの方がレンタル制度がないと借りる方もなかなか借りられない、それから外資系の企業もそういうところで競争しておるということで、レンタルに関するこういう制度に対する需要が特にその六社にあるというふうに――最初は松下を含めまして七社であったわけでございますけれども、後に一社減ったわけでございますが、その六社であるということでやったものでございます。
#187
○金子(み)委員 そうしますと、このJECCという会社は日本の電子計算機のレンタルの市場では五七%ぐらいも市場占有率を持っているそうですから、ずいぶん大きな仕事だというふうに思いますね。ほとんど、五〇%以上ですから独占に近い力を持っているというふうに考えられると思うのです。、そうすると、いま御説明を伺っていますと、このJECCを通して大型のものを借りたい場合には六社以外のものはないということになりますと、言葉をかえて言いますと、この六社の人たち、六社グループとでもいいますでしょうか、六社グループによる一種の独占事業のようなことになるのじゃないかというふうに考えられますね。大型の機械については貸し出しをこのJECCが一手販売でやっていますから。ですから、大型の機械に関する限りはJECCが一手販売で、そして会社としてはこの六社が独占的な事業をやっているというふうに考えられるのですけれども、そのことはどうでしょう。
#188
○前田説明員 いま先生のおっしゃった中で、その六社でなければJECCが利用できないという点はそのとおりでございます。ただ、さっき御説明の仕方が不十分であったかもしれませんが、六社の中にもJECCを利用しないでレンタルを行っておるところもございます。
#189
○金子(み)委員 同じ質問を公取の方にどうぞ。
#190
○妹尾(明)政府委員 独占ということでございますけれども、独禁法上は実は先般の独占禁止法の改正で独占的状態という規定が設けられまして、一社で市場占拠率五〇%以上というものを占めておるということが占拠率だけの要件としては上がっておるわけでございます。
 ただ先生御指摘のこのJECCの問題でございますけれども、これは六社が共同出資してこういう会社をつくって、この会社を通じて販売していると言えるかどうかちょっと問題があろうかと思いますけれども、そういうかっこうになっておる。そういう状態をどう見るかということになろうかと思うのでございますけれども、独占禁止法におきましては通常、カルテルの場合は価格とか数量という問題になりますと、競争関係にある企業の間で価格なら価格について話し合いをやっているという事実がありまして、それが実行されておるということになりますと、当然違法と言っておりますけれども、大体原則として違法というふうな扱いになるわけでございます。ただ本件のような行為になりますと、ただこういう形態のみをもって直ちに独占禁止法で禁止しておりますカルテルならカルテルに当たると言えるかどうか、これはなかなかむずかしい問題でございます。
 それで先ほど来前田課長が御説明いたしておりますように、マーケットシェアにおきましては現在わが国におきましてはまだ国内メーカーを足したものよりも低いようでございますけれども、ポテンシャルな力におきましては非常に強力な有力な競争者がおるわけでございますね。それから先ほど来のお話によりますと、この出資者相互の間におきましても取引そのものは直接には個々の出資者がそれぞれおやりになっていらっしゃる、そういう実情のようであるわけでございます。そういたしますと、一体このことによってレンタルならレンタルの分野における競争がどういう影響を受けておるか、あるいはレンタルだけで果たして競争が行われているというふうに見てよろしいかどうか。実際にはかなり直接販売といいますか、売り切りの形になっている例もあるようでございますし、その辺の判断は直ちに、なかなかそう一概には独禁法上禁止されているようなカルテルならカルテルに当たるとはなかなか断じがたい、こういうことではなかろうかと思います。ただ、問題につきましては、先生の御指摘ございまして現在調査をいたしておりますので、現在のところで私どもといたしまして、独禁法との関係につきまして具体的なお答えはちょっといたしかねるということでございます。
#191
○金子(み)委員 関連してですけれども、機械を借りるときには借りる費用がかかりますね、レンタル料。そのレンタル料金を決めるのには、そのレンタル価格表というものがあって、それに基づいているということを聞いているわけですね。この価格表というのがどういうふうにしてつくられているかということなのですけれども、これはJECCに価格登録されたものを使っているわけですね。それで、その登録されたものは動かすことができない、値引きすることができない、それはそのままさわることができないということになっているわけでして、その価格表なるものがつくられるためにはその六つのメーカーがユーザーと契約をして、そして合意したものを価格表として届け出てあるわけですね、JECCの方へ。JECCはそういうものを寄せて価格表をまとめてあるというふうに聞いているわけです。そうすると、六つのメーカーがユーザーと話し合いをして決めたものだから、別にメーカー同士が話し合いをしたわけじゃないのだというふうにおっしゃるだろうと思うのですけれども、メーカーだってやり方があると思いますから、それぞれ別々のユーザーと話し合いをして決めるには違いないと思いますけれども、結果的にはそれがJECCに行ってそしてレンタル価格表になるわけですから、A社の分とB社の分とが大変に違ったのでは、これは今度商売の上に大変な影響が起こりますね。ですから、商売のことを考えれば、そんなに開きをつけるわけにもいかないだろう。言葉をかえれば、おのずから何となく結果的には協定されたようなかっこうのものができ上がってしまうというふうになるのじゃないかと思いますから、意識的にメーカー同士が話し合いをして協定をしてつくったものではないかもしれないけれども、結果的にはそうしなければやっていけないというようなかっこうになりますから、まあ言わないけれども実際問題としてはそういう形でレンタル価格表というものをつくられてしまっているというふうに考えることができると思うのですね。
 そうすると、やはり私どもの立場から言いますと、業者はそういうふうに言うけれども、ユーザーの方から考えれば、それはやはり価格協定が結果的に行われているのだというふうに考えることができるのじゃないだろうか。そうすると正式な、いわゆる表から言う正規の価格協定ではないかもしれないけれども、変則的なと申しますか、形の変わった価格協定になるのじゃないだろうかというふうに私は思うのですが、その点はいかがでしょうか。
#192
○妹尾(明)政府委員 これも一般論でございますけれども、価格表の作成につきまして関係者間に話し合いが全くないということになりますと、ちょっとこれは独禁法との関係では問題にしにくい。それともう一つは、仮にあったとしましても、先ほど来申し上げておりますように、その六社のほかに有力な競争者がおるというふうな事情がございますと、結局そういうことが市場における競争に具体的にどういう影響を与えておるかということを見る必要がある。つまり端的に言いますと、その価格表と実勢料金の関係がどうなっているか。それからもう一つは、ユーザーの立場に立って、果たして価格なりあるいは商品の性能、品質による自由な選択が妨げられているのかどうか。その辺をやはり見てみませんとなかなか判断はむずかしいということではなかろうかと思います。
#193
○金子(み)委員 ちょっとまだ十分納得できないのですが、前回のときにこういうふうに御答弁を一ついただいているわけです。通産省の奥村さんからですが、一般論として申しますと、「不公正な取引方法」の六に「正常な商慣習に照して不当な利益または不利益をもつて、直接または間接に、競争者の顧客を自己と取引するように誘引し、または強制すること。」という条項がございます。また一般指定の五の方に「不当に低い対価をもつて、物資、資金その他の経済上の利益を供給し、または不当に高い対価をもつて、物資、資金その他の経済上の利益の供給を受けること。」ということで不公正の取引方法として規制があるわけでございます。したがいまして、「一般論として見ましてこれに当たるとすれば、不公正の取引方法だというふうに」言うことができます、こういう御答弁をいただいているわけですね。そうすると、一般論としてこういうことだということですから、もし仮に具体的な例があるといたしましてこれにはまるとすればこれは不公正な取引方法だというふうに考えられる、こういうふうに理解していいのでしょうか。実はこの御答弁が途中で切れてしまったような感じでありまして――失礼しました。いまのでなくてもう一つ別の場所でした。ごめんなさい。
 いまの話の続きとしてちょっとつながらなかったのでおかしかったのですが、こういうことです。「日本の各社がそれぞれ独自の判断で価格を形成するわけで」、「結果的に似通ったものもございますし、それから同じようなものではございましても、かなりな値開きがあるものもございます。したがいまして、」いまのようなお話ですと、「ものによっては、全く一致しているわけじゃないけれどもほぼ一致に近い状態というケースもございますし、もう少し値開きがしているというケースもあろうか、こういうふうに考えております。」というふうに答弁をいただいておるわけでございますが、これはもう少し先に言いたいことがおありになったのじゃないかしら。ちょっと時間がなかったときだものですから話が途中になっているのじゃないかなというふうに感じました。この御答弁の内容が少し不明確なものですから、もう少しはっきりもう一度説明をしていただければいいなと思うのですけれども、いかがですか。
#194
○前田説明員 実はこのコンピューターの価格表というのは非常に細かく一つ一つの機器について値段がついておるわけでございます。そういう機器につきまして大体同じようなものを比べてみた場合におきましても、値段が非常に違っておるものもございますし、それから、たまたまかなり似通ったようなものがある場合もございます。それで、それじゃどういう場合に違ったものがあるかと申しますと、レンタルでございますので、若干時期が違うものも同じ価格表の中に入っているわけでございますが、全く同じ会社が出しておるもので性能も非常に似通っておるものでも非常に大幅に値段が違う。これは技術進歩が大変に早うございますので、たとえば電卓、卓上式あるいはポケット式の計算機、加算機といいますか、あれをお考えいただくとおわかりだと思いますが、最初のころに非常に局かったものがいま安くなっておる。ややあれに似たようなこともございまして、同じような性能のものでも非常に値段が違っているような場合がある。それから他方、かなり値段が近いもの、数%の差しかないものというのもございます。これは私が考えまするに、やはり市場のリーダーといいますか、プライスリーダーシップを持っております外資系の大企業というものの値段を常に横目でにらみながら国産の企業というのは、それよりもかなり有利でないとさっぱり売れませんし、そうかといって非常に安くいたしますと今度は採算が合わないということで、いつもその企業の製品を念頭に置きながら価格をつけていく。そういうことで、ある場合には似通ったものが出てくるということも十分にあるわけでございます。ただ御指摘のように、同じようなものがほとんど同じだというようなことは、私ども具体的に調べてみますとそういうことではございません。この点、前回の御説明が若干不十分であったかと思います。
#195
○金子(み)委員 ですから、同じような性格のものは、あるいは同じような種類のものは同じような値段であるという事実があるわけですよね。そういう事実があるわけで、したがって結果的には協定したことと同じになるんじゃないかというのが私の方の疑問なわけなんです。ですからそこら辺は、それについては直ちにそうだ、独禁法に違反するとかしないとかというふうにすぐには言えないという御答弁でしたから、それはそれでひとつ置いておきますが、そういう非常に大きな疑いが持たれているということについて十分御検討いただきたいというふうに思うわけです。
 それからいま一つの問題は、JECCに対して、それからまた六社、この特別な六つの会社ですけれども、これに対して政府が大変に大きな肩入れをしているわけですよね。それは資料をいただきましたのでそこの資料でそのこともわかったわけでありますけれども、昭和五十四年度の場合にはJECCに五百億円、これは財政投融資、これは開発銀行を通してですけれども財投を融資しておられる。それからメーカーに対しては新機種の開発促進費補助金というのを八十六億ですか。それからまたさらに新しい計画として、五十四年から五十八年にかけて五カ年計画で四百七十億円というものを基本技術研究開発推進補助金として流している。大変に大きな力を注いでいるわけですよね。この大変に大きな力を注いでいらっしゃるその理由をひとつはっきりさせていただきたいと考えるわけでございますが、ひとつお願いします。
#196
○前田説明員 御説明申し上げます。
 コンピューター産業と申しますのはそれ自体といたしまして、特に最近エネルギー等が問題になっておりますけれども、御案内のとおり非常に小さなもので大きな仕事をするわけでございまして、そういう意味では一番エネルギーを使わない、資源を使わない、そうして人間の頭脳がその中に集約されておる、そういう意味で省資源、省エネルギー、知識集約型産業といたしまして最も有望な産業であるわけでございます。ただそれだけではございませんで、その成果というものが他の産業に非常に広くいい影響を与える、さらには産業だけでなくて、国民生活のいろいろな分野に対して便益を与えるというようなことで、これはずいぶん前から国会の御賛同を得まして振興策というのを続けておるわけでございます。その結果、世界市場の八二%というものをアメリカ系の企業がいわば持っておるわけでございますけれども、日本だけが国産メーカーが市場の過半を占めておるというようなところまで参ったわけでございまして、これは何と申しますか、私どもの非常に伝統的な産業政策であるわけでございます。前回大臣が自動車産業の例を引きましてお答え申し上げたと思いますけれども、自動車産業につきましても通産省が大いに振興したいと言っておったときには、これがこのように日本の輸出を支え、輸入のための外貨を獲得し得るような大宗になるというのは余り期待されていなかったわけでございますが、この電子計算機産業も電子計算機それ自体が輸出されるというよりも、広く日本の産業基盤というようなものを強めまして、そしてその結果将来きわめて重要な産業ということで助成を続けておるわけでございます。
#197
○金子(み)委員 そうなんです。それを私はこれから申し上げたいと思っていたのですけれども、いまの点についてこの前大臣はこういうふうにおっしゃっているのですよね。私は質問の中で、なぜ六社だけに莫大な国の経費を導入しているのか、そしてほかの中型あるいはそれ以外のコンピューターをつくっている会社に対しては特別な援助を施していないのはなぜだ、それは偏り過ぎているじゃないかというようなことを申し上げたときに、大臣がこういうふうに答弁をなさったのですね。自動車産業の例を確かにお挙げになったわけです。「自動車産業を日本で育成しなければならぬというわけで、いまから考えるとちょっと異様な感じがするような話ですが、昭和二十五、六年のことですね。そこで、通産省が自動車産業育成のためにいろいろ手を尽くしてきた、これが今日巨大な、それこそ優秀な産業に育ったということを考えますときに、いまや電算機業界というものも何百枚の性能を発揮するような新しい機種が開発されつつあるというときに、こういうことを不公平だというだけで簡単にやめてしまっていいかどうか、私は多くの疑問を持つわけであります。」こういうふうに大臣がおっしゃったので、私はこのときもう最後の時間で御回答いただきましたから、重ねて質問する時間はなかったわけです。ですから申し上げていないのですけれども、私はこれについては納得できなくて、いまでも疑問を持っておりますが、それは、こういうふうに大臣は御答弁なさったのです。大変に不公平だということは認めていらっしゃるわけです。不公平だということだけで片づけていいかというふうにおっしゃったわけですから、御自分も不公平なやり方をしているということは認めていらっしゃると思うのです。それでもなおかつせねばならぬというところがあるのだろうというふうに私は想像するのですけれども、そういうことでございますと、やはり独占のにおいは強いなというふうに感じるわけです。政府が大変に力を入れてこのJECCと六つのメーカーに助成金を流しながら、それでもなおかつ、不公平だと言われながらそれをせねばならぬということであるとすれば、私は言葉をかえれば、政府主導型の独占企業だと言ってもいいんじゃないかしらというふうに私は感じているわけです。そのにおいは大変強いです。
 それから、莫大な経済的な援助を与えているJECCやメーカーの運用が、しかもあり方としては不公正な取引をしているように私には見えますし、これから先に実例として東京の杉並の例を申し上げたいと思うのですけれども、そこでも粉飾したような感じも感じ取れますし、そういったいろいろな不公正な取引をしてでも、それをしてでも外資系の企業との対抗上仕方がないのだというふうにおっしゃっていらっしゃるように聞こえるのですけれども、幾ら外資系の企業から国産企業を保護しなければならないのだとは言いながらも、特定のところにだけ非常に重点をかけ過ぎていはしないだろうかというふうな感じがいたします。このかけられる費用は全部国民の血税なんですから、その血税が不当に使われているのじゃないかという疑問を国民としては持つわけでございますが、この辺の御説明を、きょうは大臣がお見えになっていらっしゃいませんので、政務次官に恐縮ですが、大臣はこういうふうにおっしゃっていたということを申し上げました。そのとおり大臣から聞いていらっしゃらないかもしれませんけれども、その点についてお考えを聞かしていただきたいと思います。
#198
○中島(源)政府委員 お答えいたします。
 予算委員会の第四分科会で御質問だったと思いますが、大臣も十分に先生の御質問の内容は伺っておりまして、その問題点も十分心に置いたと思っております。ただ、先生がいま御質問になりましたように、このコンピューター関係は知識集約産業の最たるものでございますし、この発展は幅広い国民生活に対しますいい影響も持っております。ただ、八〇%以上と先ほど答弁がありましたが、少なくともIBMを含めましたアメリカ系の会社が主でございまして、それ以外の国産ということになりますと、主に日本がようやくそれに太刀打ちをいたしておる。日本の中で見ますと非常に独占的な援助ということにも考えられますが、世界の知識集約産業のあり方から見ますと、日本のコンピューター産業が世界市場の中でやはり育成さるべきであろうとは考えております。ただ、先生がおっしゃるように、六社に偏り過ぎておるのではなかろうか、あるいはそれを取り巻く中小企業に対する同様の手厚い対策があってよろしいんではなかろうかということがもし敷衍されておるとするならば私もそれに大変同感でございまして、今後とも六社とは限りませんが、集約されたものに対する援助と同時に、その周辺産業に対します援助も同等に考えていくべきが当然であろうと思いますし、私どもも努力しなければいかぬ、このように考えております。
#199
○前田説明員 ちょっと一言つけ加えさせていただきますと、私も不用意にかなり助成という言葉は使いましたけれども、特に最近でございますが、ずっと前は別といたしまして、最近はこれは研究開発のきわめて先端的なところにその補助金を出しておるわけでございまして、そういうきわめて先端的な、ある意味でリスクが大きくて非常にむずかしい、場合によってはかけた研究開発投資のわりにそろばんに合わない、そういうのをあえてやろうというところにしぼって研究開発の補助金を出しておるわけでございまして、結果といたしまして、大きな企業に行っておるということでございますが、その開発成果というのは中小企業で非常に利用されておるわけでございます。それで、それは日本がある時点で欧米の技術をもちろんお金を出して買ったわけでございますけれども、利用しながら高度成長を遂げたというように、どちらかと言いますと、だれも突破したことのない壁を突破するというのよりは、その成果を買って普及をするというのが非常に楽なわけでございまして、そういう意味におきましては、中小企業にも結果は非常に及んでおるわけであります。いい例かどうかわかりませんが、インベーダーゲームというのが大変急速に普及するというのもその一つの例であるわけでございます。
 それからこれは諸外国との関係もございますので、もう一点申し上げさせていただきたいのですが、こういう研究開発助成というのは諸外国も非常に力を入れておりまして、私どもはむしろ成功した例ではあろうかと思いますけれども、日本だけでやっているわけではないという点もぜひつけ加えさせていただきたいと思います。
#200
○金子(み)委員 時間がなくなってまいりましたので、一般論はそこまでにしておきまして、実際に起こっている例を一つ挙げて御意見をいただきたいと思います。
 それはもうすでに聞き及んでいると思いますが、東京都の杉並区の実例でございます。
 杉並区は電子計算機を導入することを昨年八月に決めまして、そして、日本電気株式会社と契約をしたわけですね。そして、JECCを通して機械を借り入れたという事実がございます。時間もございませんので、詳しく数字を申し上げられませんけれども、この場合に行われたことは、レンタル価格というものは借り入れた機械全体の費用を計算すれば月額九百二十万円何がしとなるというふうに報告されております。
    〔武部委員長代理退席、委員長着席〕
細かい数字は落とします。九百二十万円アルファですが、それを実際には四百九十二万円アルファで借り受けているわけです。ですから、あと四百二十八万円くらい残るわけですが、これは全部機械の無償提供になっているわけです。だから、言葉を変えて申しますならば、九百三十万円のレンタル価格のところを四六%の値引きで借りることになったということなんでございますけれども、これはこんなに値引きをするという問題がまず疑問になるわけです。商慣習というのがあるそうですが、商売をするのには慣習として利潤があるということもわかりますけれども、四六%値引きというのはずいぶんすごいと思うのですね。こういうような不当な値引きをするということは何か将来目算があってやっているんじゃないだろうかという疑念も持つわけです。たとえば、将来機械を取りかえるとかあるいは部品をどうとかするときにはぜひどこどこのとか、ぜひうちにとかということで、将来のことも含めたいわゆる誘導行為とでも申しますか、そういうような形でこの機械を貸し付けているんじゃないだろうかというふうに私どもは考えるわけです。あるいはそうでなければ、これはすべての装置を備えて四百九十二万円とするべきであって、そうだとするならば、これは違った金額になっていますから、やはりこれは粉飾しているんじゃないかというふうにも考えられるし、そこら辺大変疑問を持つわけなんです。
 そのときに御答弁をいただいたのは、これは通産省の御答弁でございますけれども、ユーザーとメーカーのネゴシエーションによって価格が決まります、これはたまたま杉並の例ですと三八%引きになっていると私たちは承知しています、商慣習としてはおかしくないと思いますが、この値引き率が余りにも大きくなりますと、コンピューター業界を振興したいという気持ちにも反するところがあるので、極端な値引きにつきましては十分な配慮が必要だ、こういうふうに答弁しておられますが、これは三八%でおかしくないという御答弁が通産省から出てきたわけですね。そうすると、三八%でおかしくないんだったら、幾らだったらおかしいんでしょう、こういうふうに素人なりに疑問が出るわけです。杉並の例は、四六%の値引きなんですね。三八%と四六%の間には八%の開きしかないわけですね。これで異常な値引きだというふうにはお考えにならないのでしょうか。それは差し支えないというふうにお考えになるのでしょうか。その辺をひとつ説明していただきたいと思います。時間が余りございませんので、簡単にお願いします。
#201
○前田説明員 御説明申し上げます。
 ただいまのこの四六%か三八%かということを一言申し上げておきますと、これは杉並区でその後正式に監査が行われまして、その結果の数字を私どもいただいたのでございますけれども、若干、初めにお考えになっておったところあたりは、具体的なものについて違った価格表の、古い方を写しておられたというような点とか、あるいは数量が違っておったりするような点というのがございまして、八百三十五万、その中に一時的に納入した――これは過渡的な入れかえに伴いますもので、一時的に納入した四十万円分というのが入っておりますので、最終的なものはその有償分、無償分を含めまして、トータルとして七百九十五万でございます。これをベースにいたしまして値引きの額を計算いたしますと、三八%になる、こういうことでございます。
 お話しの、この三八%はおかしくないのか、それから、ではどれぐらいになったらおかしいのかという御質問は、実は大変むずかしい御質問でございましてあれなんでございますが、コンピューターと申しますのは、特に最近ハードウエアが素子の、つまり真空管からICになり、ICからLSIになる、そういうコンピューターの一番重要な素子の部分というのが、大変に急速な技術進歩に伴いましてコストが下がってまいりました。ところが他方、そのコンピューターをどういうふうに使うかというソフトの方は、いわば人間が手仕事でつくるわけでございまして、そちらの方が非常に高くなる。ところが、どうも日本の商慣習といたしまして、そういう目に見えないものはなかなかお金が取れないということで、大体機械の値段の中にそういうものがかなり含まれて商売をしておるというのが実態のようでございます。したがいまして、そういうシステム設計でございますとか要員教育、あるいはコンサルティング、メンテナンスサービス、そういうようなものが入っておりますので、ある場合には、単に本体の登録価格というのから見てみますと、相当大幅に下げた場合でやっても、必ずしもそれでそろばんが合わないということではないということでございまして、私どもも正常な取引、正常な商慣習というのがどこら辺までで、どこら辺から過ぎれば異常であるというのは、一般論としてはなかなか申し上げられない、歯切れの悪いお答えで恐縮でございますけれども、そういうことでございます。
#202
○金子(み)委員 本当に歯切れが悪くてよくわかりません。おっしゃりたいことがおっしゃれないみたいな感じがしますけれども、それはやはり数字で何%からどうなんだというようなことが仮にきちんと決められないと、物によって違うとか時期によって違うとか、いろいろ条件は相対的にあるとは思うのですけれども、そうだったら、こういうふうな御答弁をなさると、私どもは非常に単純ですから、ああ、それじゃその数字以外のどこの数字がいけないのだろう、どのぐらいになるのかというぐあいにすぐ考えるわけです。ですから、そこら辺はもう少しみんなにわかるようにきちっと説明していただいた方がよかったと思うわけでございます。
 それで、先ほどちょっと間違えて読み上げましたけれども、いまの杉並の例なんかを取り上げていただきますと、不当に低い対価をもって、物資、資金その他経済上の利益を供給し、あるいは供給を受けることという条文に該当するかしないかという問題なんですね。もしこれが該当すれば不公正な取引方法だと言えるというふうにこの前御答弁になっていらっしゃるのですけれども、これはどうなりますでしょう。この点を聞かせてください。
#203
○妹尾(明)政府委員 この点につきましても、先般の委員会におきまして先生御指摘になりましたので現在検討中でございます。ただ、一般論で申し上げますと、一回限りの値引き行為というものを独禁法上で論議することはなかなかむずかしいという事情がございます。先ほど先生が御指摘になりました不当な廉売に当たるかどうか、典型的な場合を申し上げますと、企業が政策としてコストを下回り、しかも市場の価格よりも低い値段で継続的に行って、そのために市場の競争秩序に混乱とかいろいろな影響を生ずる、こういう場合でございます。ですから、一回限りの行為をもって直ちに独禁法上に該当するかどうかということは非常にむずかしい、こういう一般的な事情があることを御承知いただきたいと思います。
#204
○金子(み)委員 そうだといたしますと、あるいはまたどこからかあるかもしれませんけれども、この杉並の実例につきましては、ことしの一月二十二日付で竹内直一代表委員から公取の委員長あてに独禁法違反に関する疑問について申請が出ているのをごらんになっているだろうと思うのです。こういうものをごらんになって、ただいまの時点で五カ月目に入って約半年ぐらいになるわけですが、まだ御回答がないわけですが、検討をしていらっしゃるという先ほどのお話でございますので、できるだけ早くこれについては回答をしていただきたい。そうでないと、疑惑を持ったままになりますと、いろいろな意味でお互いに大変に不利な点あるいはよくない結果が出てくるだろうと思います。ですから、この点につきましてはできるだけ早い機会にきちっと回答をしていただきたいと思います。これはお願いでございます。
 最後に、もう時間もなくなりましたので一つだけ。
 最近の新聞記事二つから、なるほどこういうことになるのかなと思ったことがございますので、通産省の方に御意見もあわせて聞かせていただきたいのですが、これは五月二十九日付の記事でございますが、「電算機値引き、ほどほどに 通産省、各社に要請」こういう見出しで新聞に出ておりました。これは何かと申しましたら、「通産省は二十八日、非常識なコンピューター値引きは自粛するよう、コンピューター各社に促したことを明らかにした。同省の乱売自粛要請は富士通、日立製作所、日本電気の国産大手メーカーの販売実態がかなり異常になっているとの判断からとった措置である。」というふうに書いてあるわけですね。そして通産省の機械情報産業局の談話として、「助成金で開発したコンピューターを値引きの材料とし、特に常識を破るような価格を設定するのは、好ましいとは言えない」こういうふうに言っておられるわけです。なぜこういうふうに言うようになったのだろうということについては、先ほど来私が御質問申し上げておりましたような実態もあるということが一つだと思いますが、この前にこういう新聞がもう一つあるわけです。これは四月十六日の日付なんですが、IBMが価格政策を転換したということが記事として載っております。IBMというのは従来から「利益率三〇%以上を厳然とした大方針に、決して値引きしないという販売姿勢を堅持していた。」というのですね。それが今度ここへ来て急に方針を変えて、どんどん値引きするようになってきた。これはIBMの世界市場におけるシェアが七〇%くらいあったのが、いまは五八%になった。そこで非常にあわててIBMはこういう姿勢に変わったのだ、政策に変わったのだということがこの記事に載っているわけでございます。このことが将来どういうふうになるかということはもちろんわからないわけでありますけれども、こういう事実があったということがあって通産省は急いで、それは大変だ、IBMが値引きするのだったら日本の業界はどうなるだろうということが心配になっていらしたのではないかしらというふうに、これは私の勝手な推理でございますけれども、思うのです。こういうものが出ておりますが、通産省はこれはどういう気持ちでお出しになったのかということをはっきりさせておいていただいた方がいいと思います。
 この新聞記事によりますと、「IBMの相次ぐ販売価格引き下げ攻勢に対抗、シェア拡大をめざすため、値下げ競争が最近目立っている。」こうなりますと、もうダンピングがすごくなってくるんじゃないかということが非常に心配でございます。さらに、「通常価格の五割引き程度はザラ。」ある大手メーカーが言っている。ことに「猛烈な値引き合戦を演じ、結局、自立が「八割引き」で受注するという極端な例も出ている。」こうなりますと、本当に何と言っていいかわかりません。全く市場は混乱してくると思うのですが、こういう事実があるのかどうかということをお調べいただきたいのと、通産省はどういうつもりでこの通達をお出しになったのかということを聞かせていただければと思います。よろしくお願いいたします。
#205
○前田説明員 御説明申し上げます。
 ちょっと御質問の順序と違って恐縮でございますが、まずIBMの方から申し上げさせていただきますと、IBMが現在の主力機種になっておりますいわゆる第三・五世代というものから次期システムというものに――大体一つの機械の寿命が六、七年で新しいサイクルに入るというのは従来の経験から見て明らかであったわけでございまして、そのIBMが次の第四世代に入るような機械を持って市場に進出してくるというのは、実は昨年あたりからもうあちらこちらで言われておりまして、私どももそのように見ておったわけでございます。果たせるかな本年新しい、俗に言うEシリーズ、四三〇〇シリーズと申しますけれども、そういうのが出てまいりまして、そうしてコンピューターというのは能力と値段とを比較いたします能力・価格比といいますか、コスト・パフォーマンスといいますか、それでコンピューターの脳みその部分だけ比べますと、実に七、八倍、値段にしますと七、八分の一と逆になるのかもしれません。コンピューターというのは脳みそだけでなしにその周辺の手足とかそういうのがございますから、システムで見ましても非常に大幅な値下げになったわけでございます。これはいわゆる価格表にある価格からの値引きという意味じゃございませんで、価格表自体を安くするという意味の値下げでございます。そういうことになったわけでござまして、これはある意味では国産各メーカーというのは大変なピンチでございまして、そういうことでこれに対応しましていろいろと値下げ競争、場合によっては値引き競争というのをやっておるというのは事実でございます。これに対応する施策というのも一応今度の国会でとっていただいたわけでございますけれども、企業としては大変な努力をしておるわけでございます。
 次に、新聞記事の点でございますけれども、非常によく書けておる新聞記事でございますが、私ども最近特にとりたててそこに書いてあるような自粛要請というのを企業に対してしたことはございません。これはもちろん先生先ほど引用なさった、特に研究開発に補助金を出しておるということもございますし、そういう研究開発投資に非常に大きな金を投入しなければならぬという電子計算機産業が過当競争をやりまして、研究開発もできなくなるようなほど体質が弱まってしまうというのは非常に困るわけでございます。だからそういう意味で折に触れて、企業の幹部に対しては過当競争の弊害というのは一般的に注意を喚起しておるわけでございまして、これは企業の方も十分承知をしておるわけでございます。しかしながら、いま申し上げましたような外資の競争、それから、それに競争するために国産相互の競争という点もございますので、なかなか過当競争というのはとまらないわけでございますけれども、特に最近そのような自粛要請を行ったわけではございません。
 それから、ただいまの八割引きというお話がございましたので、その一点御説明させていただきますが、これにつきましては、私ども非常に重大なことと考えまして、これはずっと前のことでございます、ことしの初めほどでございますけれども、企業から事情を聞いたわけでございます。ただ、これまたコンピューターの特性でございまして、あれなんでございますが、一つは、そこにございますそれは北海道大学のケースでございますが、そういう特に旧帝大、そういうところに大きなコンピューターセンターがございまして、そこに納入をいたしますと、一般企業に売る際にPR効果といいますか、あそこでも使っていただいておりますので、この機械なら大丈夫です、こういうことに使えるということで、非常にある意味では広告のかわりというようなことでやる。
 それからもう一つは、ブランドファンといいますけれども、大学でその機械を使って勉強してきた学生というのは、非常に長期的にその機械に対して親近感を持つというわけでございまして、そういう点が二点。
 それから三番目に、コンピューターで非常に最近金を食うようになりましたソフトウエアのサービス、セールズエンジニアのサービスというのが、大学の研究用に使われますと、要らないわけでございます。むしろ逆に、大学の方が使った結果いろいろアドバイスを出してくれる、そういうようなことで、技術向上にも役立つ。それからまた、非常に長く使ってくれる結果、採算もそれほど悪くないというような点、企業側としてはそういう点を申し立てておったわけでございます。
 この中にはなるほどと思われる点もございます。ただ、これが定性的にはわかりますけれども、これで八割まけても大丈夫かというような点は、実は私どももそれほど確たる判断はつきがたいわけでございますけれども、ただ、直ちにやめろと強引な行政指導ができるような状態でもないということで、そういう結果になったわけでございます。
#206
○金子(み)委員 もう時間がなくなりましたのであれにいたしますけれども、いまの新聞記事は、いまの御答弁ですと、まんざら関係がないこともないですね。通達を出してないとおっしゃいましたけれども、中身のいろいろ御説明なんか伺っておりますと……。しかし、いまその問題をここで議論している時間はございませんので、疑問を持ったまま終わることにいたしますが、いずれにいたしましても、先ほど通産省の政務次官が御答弁くださいましたように、通産省の立場では、こういった問題については、特定のところだけに特に力が入っていくことについての事情はわかるといたしましても、他のものについてもやはり手当てをするということについては、考えていっていただきたいということを重ねてお願いをしておきたいと思います。
 それから、公取委員会の方には、先ほど、まあいろんな事件があって、そしていろいろと公取に申し出てくるところがあるだろうと思いますが、そういう場合には、そういった事件をキャッチなすったら、できるだけ早く実態を調査なさって、そしてしかるべき措置をとっていただけるように、これもお願いになりますが、両方の省にお願いをしたいと思います。
 最後に、経企庁長官御退席になりましたけれども、局長にお願いしたいと思いますのは、物の値段、物価というのは、不当な高値とか異常な値上げとかというものに非常に私たちは関心を持って問題にしておりますけれども、その逆の、きょうの事実のように、販売で不当な安値だとか異常な値引きとかという問題も、同様に関心を持たなきゃいけないのじゃないかというふうに思うわけです。ですから、経企庁のお立場では、その両サイドを両面にわたってチェックをしていただくという役割りがおありになると思いますので、その点について、これからもひとつしっかりとその役目を果たしていただきたいと消費者の一人としてはお願いしたいと思いますが、それを最後に経企庁から一言お言葉をいただいて、終わりたいと思います。
#207
○藤井(直)政府委員 消費者が利益を受けて、一方で産業もまた健全な発展を遂げていくということのためには、やはり価格の形成というのは公正な競争のもとに行われることが基本的に重要ではないかと思います。
 本件につきましては、非常に個別的な案件でございまして、ハードのみならずソフトまで含めた独特の価格形成も行われているわけですししますので、これは所管省庁の通産省、さらに公正な取引の問題については公正取引委員会で御判断いただくことではないかと思いますが、一般論として申し上げますれば、先ほど申し上げたとおりでございます。
#208
○金子(み)委員 ありがとうございました。終わります。
     ――――◇―――――
#209
○鈴木委員長 この際、委員長から、物価安定対策等の推進に関する件について提案いたします。
 本件につきましては、先般来理事会において協議をいたしましたとおり、物価安定対策等の推進に関する件について決議を行いたいと存じます。
 案文を朗読いたします。
    物価安定対策等の推進に関する件(案)
  わが国経済にとってインフレの防止と経済の持続的発展が目下の重要な課題であるが、原油をはじめとする海外資源の高騰と円レートの低下等により、卸売物価はこのところ大幅な上昇を続けており、今後の景気回復と消費者物価への波及が懸念されるところである。これに加えて、今後の世界的なエネルギー需給のひつ迫に対処すべき困難な局面を迎えている。
  よつて政府は、新たな決意と的確な見通しをもって経済運営に当たり、物価の安定と景気の確実な回復、雇用の拡大を図るため、当面次の事項について積極的な対策を実行すべきである。
 一、原油をはじめとする海外資源高に対しては、資源の安定確保を図るとともに、極力その上昇分を企業努力で吸収するよう適切な指導を行うこと。
   特にエネルギー資源の供給については、多角的安定確保を図るとともに同資源の効率的利用と省エネルギー対策に万全を期し、国内価格への上昇圧力を極力抑制すること。
 一、生活関連物資、国民経済上重要な物資については、競争政策を推進し、企業が安易な価格指向の経営に走らぬよう指導するとともに、物資の需給、価格動向を調査・監視し、供給確保、価格の安定に努めること。
 一、国民生活の実質的向上を図るため、引き続き有効な地価安定策と適切な住宅政策を実施するとともに、消費生活の質的改善に努めるほか、特に主要食料品については、農家及び中小零細業者の経営の安定に配慮しつつ生産、流通の合理化を促進して、国際価格への近接に努めること。
 一、公共料金については、極力その抑制に努めること。
  右決議する。
以上であります。
 お諮りいたします。
 ただいま朗読いたしました案文を本委員会の決議とすることに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#210
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定しました。
 本決議に対し、経済企画庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。小坂経済企画庁長官。
#211
○小坂国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を尊重いたし、関係省庁とも十分協議し、物価の安定を図り、国民生活の一層の向上を実現するよう、さらに一層の努力をいたす所存でございます。
#212
○鈴木委員長 ただいまの決議について、議長に対する報告及び関係当局への参考送付等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#213
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次回は、公報をもつてお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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