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1978/01/31 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 予算委員会 第1号
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1978/01/31 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 予算委員会 第1号

#1
第087回国会 予算委員会 第1号
本国会召集日(昭和五十三年十二月二十二日)(
金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
のとおりである。
   委員長 竹下  登君
  理事 小此木彦三郎君 理事 加藤 六月君
   理事 毛利 松平君 理事 安宅 常彦君
   理事 大出  俊君 理事 近江巳記夫君
   理事 竹本 孫一君
      伊東 正義君   稻村左近四郎君
      小沢 辰男君    奥野 誠亮君
      海部 俊樹君    倉成  正君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      塩川正十郎君    正示啓次郎君
      砂田 重民君    田中 龍夫君
      田中 正巳君    田村  元君
      中川 一郎君    根本龍太郎君
      福永 健司君    藤田 義光君
      坊  秀男君    松澤 雄藏君
      松野 頼三君    井上 普方君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      川俣健二郎君    小林  進君
      兒玉 末男君    藤田 高敏君
      横路 孝弘君    浅井 美幸君
      坂井 弘一君    広沢 直樹君
      二見 伸明君    矢野 絢也君
      大内 啓伍君    小平  忠君
      不破 哲三君    松本 善明君
      大原 一三君    小林 正巳君
―――――――――――――――――――――
昭和五十四年一月三十一日(水曜日)
    午後五時五十一分開議
 出席委員
   委員長 竹下  登君
  理事 伊東 正義君 理事 小此木彦三郎君
   理事 塩川正十郎君 理事 浜田 幸一君
   理事 毛利 松平君 理事 安宅 常彦君
   理事 大出  俊君 理事 藤田 高敏君
   理事 近江巳記夫君 理事 河村  勝君
     稻村左近四郎君    奥野 誠亮君
      海部 俊樹君    倉成  正君
      櫻内 義雄君    笹山茂太郎君
      正示啓次郎君    砂田 重民君
      田中 正巳君    田村  元君
      谷川 寛三君    中川 一郎君
      野呂 恭一君    羽田野忠文君
      藤田 義光君    藤波 孝生君
      松澤 雄藏君    井上 普方君
      稲葉 誠一君    石橋 政嗣君
      岡田 利春君    川崎 寛治君
      川俣健二郎君    兒玉 末男君
      安井 吉典君    坂井 弘一君
      広沢 直樹君    二見 伸明君
      正木 良明君    大内 啓伍君
      瀬崎 博義君    寺前  巖君
      大原 一三君    西岡 武夫君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  大平 正芳君
        法 務 大 臣 古井 喜實君
        外 務 大 臣 園田  直君
        大 蔵 大 臣 金子 一平君
        文 部 大 臣 内藤誉三郎君
        厚 生 大 臣 橋本龍太郎君
        農林水産大臣  渡辺美智雄君
        通商産業大臣  江崎 真澄君
        運 輸 大 臣 森山 欽司君
        郵 政 大 臣 白浜 仁吉君
        労 働 大 臣 栗原 祐幸君
        建 設 大 臣 渡海元三郎君
        自 治 大 臣
        国家公安委員会
        委員長
        北海道開発庁長
        官       澁谷 直藏君
        国 務 大 臣
        (内閣官房長
        官)      田中 六助君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)
        (沖繩開発庁長
        官)      三原 朝雄君
        国 務 大 臣
        (行政管理庁長
        官)      金井 元彦君
        国 務 大 臣
        (防衛庁長官) 山下 元利君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      小坂徳三郎君
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      金子 岩三君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 上村千一郎君
        国 務 大 臣
        (国土庁長官) 中野 四郎君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 真田 秀夫君
        経済企画庁調整
        局長      宮崎  勇君
        大蔵省主計局長 長岡  實君
        大蔵省主税局長 高橋  元君
        大蔵省理財局長 田中  敬君
 委員外の出席者
        予算委員会調査
        室長      三樹 秀夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
昭和五十三年十二月二十二日
 辞任         補欠選任
  小沢 辰男君     藤波 孝生君
  加藤 六月君     浜田 幸一君
  福永 健司君     羽田野忠文君
  石野 久男君     稲葉 誠一君
  岡田 利春君     河上 民雄君
  岡田 春夫君     川崎 寛治君
  小林  進君     平林  剛君
  横路 孝弘君     安井 吉典君
  浅井 美幸君     正木 良明君
  竹本 孫一君     河村  勝君
同日
 辞任         補欠選任
  河上 民雄君     岡田 利春君
昭和五十四年一月十二日
 辞任         補欠選任
  松野 頼三君     小渕 恵三君
同月二十四日
 辞任         補欠選任
  松本 善明君     寺前  巖君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  小渕 恵三君     野呂 恭一君
同月三十一日
 辞任         補欠選任
  田中 龍夫君     谷川 寛三君
  不破 哲三君     瀬崎 博義君
  小林 正巳君     西岡 武夫君
同日
 辞任         補欠選任
  谷川 寛三君     田中 龍夫君
  西岡 武夫君     小林 正巳君
同日
 理事栗原祐幸君及び山下元利君昭和五十三年十
 二月七日委員辞任につき、その補欠として、伊
 東正義君及び塩川正十郎君が理事に当選した。同日
 理事加藤六月君及び竹本孫一君昭和五十三年十
 二月二十二日委員辞任につき、その補欠として、
 浜田幸一君及び河村勝君が理事に当選した。
同日
 理事安宅常彦君同日理事辞任につき、その補欠
 として、藤田高敏君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
一月二十五日
 昭和五十四年度一般会計予算
 昭和五十四年度特別会計予算
 昭和五十四年度政府関係機関予算
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 公聴会開会承認要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和五十四年度一般会計予算
 昭和五十四年度特別会計予算
 昭和五十四年度政府関係機関予算
     ――――◇―――――
#2
○竹下委員長 これより会議を開きます。
 さきの国会におきまして、はからずも予算委員長に選任されましたが、本日までごあいさつの機会を得ませんでしたので、この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 本委員会の重大な使命にかんがみまして、誠心誠意、公正円滑なる委員会運営を行い、もって国政の上に遺憾なきを期してまいりたいと存じますので、練達堪能なる委員各位の御協力を切にお願い申し上げまして、就任のごあいさつといたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#3
○竹下委員長 この際、お諮りいたします。
 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 理事安宅常彦君より、理事辞任の申し出がありますので、これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任並びに委員の異動に伴い、現在理事が五名欠員となっております。この際、補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 それでは、
      伊東 正義君    塩川正十郎君
      浜田 幸一君    藤田 高敏君
      河村  勝君
を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
#6
○竹下委員長 昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題とし、審査に入ります。
 まず、三件の趣旨について政府の説明を求めます。金子大蔵大臣。
    ―――――――――――――
 昭和五十四年度一般会計予算
 昭和五十四年度特別会計予算
 昭和五十四年度政府関係機関予算
    〔本号(その二)に掲載〕
#7
○金子(一)国務大臣 昭和五十四年度予算の大要につきましては、先日、本会議において申し述べたところでありますが、予算委員会での御審議をお願いするに当たり、予算編成の基本方針及び概要を御説明いたします。
 昭和五十四年度予算は、現下の厳しい財源事情のもとで、経済情勢に適切に対処するとともに、できる限り財政の健全化に努めることを基本として編成いたしました。
 一般会計予算におきましては、まず、経常的経費について、その節減合理化に努め、緊要な施策に重点的に配意しつつも、全体として極力規模を抑制することといたしました。このため、各省庁の経常事務費を初めとする一般行政経費を極力抑制するとともに、政策的経費につきましても、既定経費を含め、各種施策の優先順位を十分考慮し、もって歳出内容の充実に努めたところであります。
 他方、投資的経費につきましては、国民生活充実の基盤となる社会資本の整備を推進するとともに、景気の着実な回復に資するよう、財源事情の許す範囲内でできる限りの規模を確保することといたしました。
 経常的経費の総額は、二十九兆六千九百八十二億円と前年度当初予算額に対し一〇・九%の増加にとどめる反面、投資的経費の総額は、八兆九千十九億円と前年度当初予算額に対し一八・五%の増加を確保しております。この結果、両部門を合わせた一般会計予算の規模は、前年度当初予算額に対し一二・六%増の三十八兆六千一億円となっております。
 財政投融資計画につきましても、民間資金の積極的活用を図りつつ、経済情勢に適切に対処することとして、前年度当初計画に対し一三・一%増の十六兆八千三百二十七億円といたしております。
 また、公債につきましては、昭和五十四年度の租税及び印紙収入予算額が、昭和五十二年度において五月分税収の年度所属区分を変更したこととの関連もあって、税制改正後で、前年度当初予算額と同額程度しか見込まれず、歳出の増加額のほぼ全額を公債の増発によらざるを得ない状況にあります。公債の発行額は、十五兆二千七百億円を予定しており、公債依存度は三九・六%に達しております。この公債発行額のうち、建設公債は、七兆二千百五十億円、特例公債は、八兆五百五十億円を予定しており、特例公債依存度は二七・一%となっております。
 なお、別途、特例公債の発行のための昭和五十四年度の公債の発行の特例に関する法律案を提出し、御審議をお願いいたしております。
 このように公債発行額が多額なものとなったことにかんがみ、資金運用部資金による一兆五千億円の引き受けを予定するほか、公募入札分を前年度の一兆円から二兆七千億円に拡大する等の措置を講ずることといたしております。
 また、政府保証債の発行額は、一兆五千六百億円といたしております。
 まず、一般会計を中心に概要について申し述べます。
 歳入予算の内訳は、租税及び印紙収入二十一兆四千八百七十億円、税外収入一兆八千三百八十六億円、公債金収入十五兆二千七百億円及び前年度剰余金受け入れ四十五億円となっております。
 歳入予算のうち、租税及び印紙収入について申し述べます。
 昭和五十四年度の税制改正におきましては、まず、現下の厳しい財政事情に顧み、揮発油税等の税率の引き上げを行い、歳入の確保に努めることといたしております。
 また、税負担の公平確保の見地から、社会保険診療報酬課税の特例の是正を初めとする租税特別措置の整理合理化等を一層強力に推進するとともに、経済社会の要請に即応して産業転換投資の促進、優良な住宅地の供給増加等に資するため、所要の措置を講ずることとしております。
 なお、関税率等につきましても、所要の改正を行うこととしております。
 これらの税制改正による昭和五十四年度の増収額は、四千四百十億円を見込んでおります。
 税外収入一兆八千三百八十六億円のうち、日本専売公社納付金は、七千五百三十億円を見込んでおりますが、この金額には、たばこの小売定価の改定による専売納付金の増加を織り込んでおります。
 次に、歳出の主な経費につきまして、順次御説明いたします。
 社会保障関係費につきましては、物価、賃金の安定等から前年度当初予算額に対し一二・五%増の七兆六千二百六十六億円となっておりますが、真に緊要な施策については、重点的にその充実を図ることとし、社会的、経済的に弱い立場にある人々に対するきめ細かな配慮を行うことといたしております。
 まず、生活保護基準の引き上げを行うほか、厚生年金及び国民年金については、特例措置として年金額を引き上げるとともに、福祉年金についてその改善を図ることとしております。
 次に、心身障害者対策、老人対策、母子保健対策等の拡充に努めることとし、社会福祉関係施設の整備についても、事業量を大幅に拡大することといたしております。
 また、医療供給体制の整備を一層推進する一方、医療保険については、社会経済の変化に即応し、給付と負担の適正化を図る見地から、健康保険制度の改正を行うこととしております。
 雇用対策につきましては、最近における厳しい雇用情勢に対処するため、一般会計及び特別会計を通じ、特にその充実に努めることとしたところであります。すなわち、景気の回復を通じて雇用の安定と増大を図るとともに、特に、再就職の困難な状況にある中高年齢者の雇用開発のための措置を大幅に拡充するほか、定年延長のための施策を充実することとしております。また、職業訓練、心身障害者の雇用促進、職業紹介等各種施策の拡充に格段の配慮をいたすほか、離職者の生活安定のため、失業給付の充実を図ることとし、支給期間について所要の延長措置を講ずることとしております。
 文教及び科学振興費につきましては、前年度当初予算額に対し一一・六%増の四兆二千九百九十七億円を計上しております。
 文教につきましては、まず、小中学校校舎の新増築を中心とした公立文教施設等について事業量を大幅に拡大し、教育環境整備の促進を図ることとしております。また、育英事業につき、特にその充実を図るほか、私立学校に対する助成についても、特段の配慮をいたしております。
 さらに、就学困難な児童生徒に対する援助の拡充、特殊教育の振興、社会教育の充実等のため各般の措置を講じております。
 科学技術の振興につきましては、宇宙開発、大型工業技術開発等を中心に時代の要請に即応した科学技術の振興に努めることとしております。
 以上のほか、芸術文化の振興等の施策につきましても十分配意いたしております。
 国債費につきましては、国債の償還及び利子の支払い等に要する財源として四兆七百八十四億円を計上しております。
 恩給関係費につきましては、恩給年額の改定、公務扶助料の引き上げ等の改善措置を講ずることとし、一兆四千九百九十八億円を計上しております。
 昭和五十四年度の地方財政におきましては、四兆一千億円の財源不足が見込まれますが、これに対しては、一般会計からの臨時地方特例交付金、資金運用部資金からの借り入れ及び建設地方債の増発により所要の財源措置を講じ、その運営に支障が生ずることのないよう配慮しております。
 地方交付税交付金については、国税三税の三二%相当額に臨時地方特例交付金等を加算し、これに資金運用部資金からの借入金二兆二千八百億円を加えるなどにより、総額七兆六千八百九十五億円を地方団体へ交付することとしております。
 また、地方債につきましては、その円滑な消化等を図るため、政府資金及び公営企業金融公庫資金による引き受けを四兆百三十億円と大幅に増額するとともに、一般市町村に係るいわゆる財源対策債については、原則として全額政府資金で引き受けるなど、きめ細かい配慮をいたしております。
 この際、私は、地方公共団体に対し、国と同一の基調により、一般行政経費の節減合理化を推進するとともに、財源の重点的かつ効率的配分を行い、節度ある財政運営を図られるよう要請するものであります。
 防衛関係費につきましては、自衛隊の維持運営、基地周辺整備事業等に必要な経費として、二兆九百四十五億円を計上しております。
 公共事業関係費につきましては、国民生活充実の基盤となる社会資本の整備を推進するとともに、景気の着実な回復に資するよう、財源事情の許す範囲内でできる限りの規模を確保することといたしました。この結果、昭和五十四年度の公共事業関係費は、前年度当初予算額に対し二〇・〇%増の六兆五千四百一億円となっております。このうち、災害復旧等事業費を除いた一般公共事業関係費では、前年度当初予算額に対し二二・五%の増加となっております。
 公共事業関係費の内容につきましては、引き続き、住宅、下水道、環境衛生等の生活関連施設の拡充に重点を置いております。
 特に、住宅対策につきましては、住宅金融公庫の貸付限度額の引き上げ、住宅宅地関連公共施設整備の一層の推進等、その充実を図ることとしております。
 経済協力費につきましては、ODA三年倍増の方針に沿い、二国間無償援助及び技術協力の大幅な増額を図るとともに、国際機関に対する分担金、拠出金等につきましても積極的な協力を行うこととし、前年度当初予算額に対し二三・六%増の三千二百五十四億円を計上しております。
 中小企業対策費につきましては、円高等の影響を受けている産地中小企業に対する振興対策の推進を初めとして、中小企業信用保険公庫に対する出資の増額等信用補完制度の充実に重点的に配意するほか、小規模事業に対する対策の充実を図っております。また、政府系中小金融三機関の融資規模の拡大を図る等各般の施策を推進することといたしております。
 エネルギー対策費につきましては、引き続き、石油備蓄対策の増強を図るほか、原子力平和利用研究の促進等を図ることとし、また、新エネルギー技術等の研究開発の一環として、日米協力による国際的な研究に着手することとしております。
 農林水産業関係予算におきましては、需要の動向に即応した総合的な食糧自給力の向上と農林水産業の健全な発展を図るため、地域の実情に応じた農業生産体制の整備に必要な経費を新たに計上するほか、林業及び水産業の振興対策を拡充することといたしております。また、昭和五十四年度から、政府保有過剰米の新たな処理に着手することとして、所要の経費を計上しております。
 日本国有鉄道の財政再建問題につきましては、定員削減等の経営合理化及び所要の運賃改定を見込むほか、これらとあわせて地方交通線対策等を中心に必要な助成措置を講ずることとしております。
 以上、主として一般会計について申し述べましたが、特別会計及び政府関係機関の予算につきましても、一般会計に準じ財源の重点的、効率的配分に努め、事業の適切な運営を図ることとしております。
 財政投融資計画におきましては、社会資本の整備を図るとともに、景気の着実な回復に資するよう、特に事業部門の事業規模の確保に重点を置くこととしました。その結果、事業部門につきましては、前年度当初計画に対し一五・〇%増の事業規模となっております。また、使途別には、引き続き住宅、生活環境整備、文教等国民生活の安定と向上に直接役立つ分野に対し資金を重点的に配分することとし、財政投融資計画全体の約七割に相当する十一兆九千百四十三億円を充てることといたしております。
 この財政投融資計画及びさきに申し述べました資金運用部資金による国債引き受けの原資に充てるため、産業投資特別会計二百九十一億円、資金運用部資金十五兆一千六百六十七億円及び簡保資金一兆五千五百九十億円を計上するほか、政府保証債及び政府保証借入金一兆五千七百七十九億円を予定しております。
 以上、昭和五十四年度予算につきまして、その概要を御説明いたしましたが、なお詳細にわたる点につきましては、政府委員をして補足説明いたさせます。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同いただきたいと存じます。
#8
○竹下委員長 これにて大蔵大臣の説明は終わりました。
 大蔵大臣以外の大臣は御退席いただいて結構でございます。
 引き続き、政府の補足説明を順次許します。長岡主計局長。
#9
○長岡政府委員 昭和五十四年度予算編成の基本方針及びその概要につきましては、ただいま大蔵大臣から御説明いたしましたとおりでありますが、なお、若干の点につきまして、補足説明いたします。
 まず、財政の規模について御説明いたします。
 昭和五十四年度一般会計予算の経常的経費の総額は、二十九兆六千九百八十二億円と前年度当初予算額に対し一〇・九%の増加となっており、また投資的経費の総額は八兆九千十九億円と前年度当初予算額に対し一八・五%の増加となっております。この結果、両部門を合わせた一般会計予算の規模は、三十八兆六千一億円と前年度当初予算額に対し一二・六%の増加となっております。
 ちなみに、昭和五十四年度の経済見通しによれば、国民経済計算上の中央、地方を含めた政府の資本支出の伸び率は、一一・九%であり、国民総生産の伸び率九・五%を上回るものとなっております。
 次に、歳入について御説明いたします。
 まず、税外収入は、一兆八千三百八十六億円でありますが、その内訳は、専売納付金七千五百六十九億円、官業益金及び官業収入七十六億円、政府資産整理収入四百十六億円並びに雑収入一兆三百二十五億円となっております。なお、専売納付金には、たばこの小売定価の改定を織り込んでいます。
 前年度剰余金受け入れ四十五億円は、昭和五十二年度の繰越歳出予算財源控除後の新規発生剰余金から、昭和五十三年度補正予算に計上された額を差し引いた残額でありまして、交通安全対策特別交付金に充てられるものであります。
 なお、大蔵省証券及び一時借入金の最高額につきましては、国庫の資金繰りを考慮し、予算総則において四兆三千億円と定めております。
 次に、歳出について、社会保障関係費から御説明いたします。
 まず、社会的、経済的に弱い立場にある人々に対するきめ細かな施策を行うこととし、生活扶助基準を八・三%引き上げる等生活保護の改善を図るとともに、社会福祉施設整備の大幅な拡充、施設入所者の生活費の引き上げ、世帯更生貸付補助金の増額等の措置を講ずることといたしております。
 社会福祉、保健衛生サービスにつきましては、心身障害者対策として新たに障害者福祉都市事業に対する助成を行うほか、老人対策として、老人の生きがい対策及び在宅老人に対する施策の充実に力を注ぐこととしております。また母子保健対策についても、特に推進を図ったところであります。
 厚生年金及び国民年金につきましては、特例措置として、昭和五十三年度の消費者物価上昇率による年金額の引き上げを行うとともに、福祉年金につきましては、老齢福祉年金の支給月額を一万六千五百円から一万八千円に引き上げる等の改善措置を講ずることといたしております。
 また、医療供給体制の整備のため、僻地医療対策、救急医療対策の一層の充実を図るほか、医薬品の副作用による被害者の救済制度を創設することとしております。
 このほか、医療保険につきまして、社会経済の変化に即応して保険給付と負担の適正化を図ることとし、政府管掌健康保険について本人、家族の給付格差の是正等所要の改正を行うこととしております。
 雇用対策につきましては、一般会計、特別会計を通じ、特にその充実に努めております。まず、中高年齢者雇用開発給付金の支給期間及び助成率について大幅な拡充を行うとともに、高年齢者の雇用の維持継続を図るため、定年延長奨励金等の大幅な改善を行うほか、職業訓練のための施設整備の充実、心身障害者の雇用促進、職業紹介等の施策の推進を図ることとしております。また、離職者の生活安定のため、失業給付の充実を図ることとし、四十五歳以上の離職者につき給付期間の六十日延長を全国実施する等の措置を講ずることといたしております。
 文教及び科学振興費につきましては、まず公立文教施設の整備を図ることとし、小中学校校舎の新増築を中心に事業量の増大を図るとともに、危険建物の改築を促進するほか、児童生徒急増地域における公立文教施設の新増築にも重点的に配慮することとしております。
 育英奨学金につきましては、高等学校、私立大学を中心に特別貸与人員を大幅に増員するとともに、私立学校の貸与月額を大幅に増額することとしております。
 また、私立大学及び高等学校等の私学に対する助成を充実するほか、特殊法人放送大学学園、図書館情報大学の創設等高等教育の拡充、特殊教育の振興、体育スポーツの振興を図るとともに、芸術文化の振興及び文化財の保護等についての施策の充実に努めることとしております。
 さらに、科学技術振興につきましては、時代に即応した科学技術の研究開発に努めることとしております。
 国債費四兆七百八十四億円の内訳は、国債及び借入金償還費六千六百十三億円、国債利子等三兆三千三百九十八億円及び国債事務取扱費七百七十三億円となっております。
 恩給につきましては、恩給年額を平均三・六%引き上げるほか、公務扶助料、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額の引き上げ等の改善措置を講ずることといたしております。
 公共事業関係費につきましては、前年度当初予算額に対して二〇・〇%増の六兆五千四百一億円を計上しており、その内訳は、一般公共事業関係費が二二・五%増の六兆三千四百八十四億円、災害復旧等事業費が二八・一%減の千九百十七億円となっております。
 一般公共事業関係費の内訳は、治山治水対策事業費一兆一千八十四億円、道路整備事業費一兆九千五百五十二億円、港湾漁港空港整備事業費五千二百七十二億円、住宅対策費については、住宅宅地関連公共施設整備促進事業の大幅拡充等を図り、七千百五十二億円、下水道環境衛生等施設整備費については、上下水道、公園の整備等を図ることとし、九千五百十九億円、農業基盤整備費八千九百六十九億円及び林道工業用水等事業費千七百九十一億円となっております。
 経済協力費につきましては、前年度当初予算額に対し二三・六%増の三千二百五十四億円を計上しております。このうち主なものは、二国間無償援助九百三十七億円、二国間技術協力六百十三億円、国際機関分担金・拠出金等四百八十四億円、海外経済協力基金出資金千百五十億円であります。
 中小企業対策費につきましては、前年度当初予算額に対し一二・七%増の二千三百十七億円を計上いたしております。このうち主なものは、中小企業振興事業団出資金八百七十八億円、中小企業信用保険公庫出資金五百六十五億円、小規模事業対策費百八十六億円、小企業等経営改善資金の原資に充てるための国民金融公庫に対する貸し付け二百十億円であります。
 エネルギー対策費につきましては、前年度当初予算額に対し一七・八%増の三千二百十五億円を計上いたしております。
 このうち主なものは、石油対策の増強を図るための財源として、一般会計から石炭及び石油対策特別会計への繰り入れ千五百九億円を計上しているほか、原子力平和利用の推進のため、原子力の安全研究として二百二十九億円、ウラン探鉱開発として七十四億円、新エネルギー技術開発の促進のため七十億円を計上いたしております。
 農林水産関係予算につきましては、食糧管理費について、食糧管理特別会計調整勘定へ六千三百四十億円を繰り入れるほか、政府保有過剰米の新たな処分に要する経費として百二十七億円を計上いたしております。また、水田利用再編対策の実施に対応した地域農業生産体制を整備するため、新たに地域農業生産総合振興事業として五百億円を計上するほか、民有林対策の拡充、沿岸漁場等の振興のため所要の経費を計上いたしております。
 日本国有鉄道につきましては、財政再建を図るため、経営合理化により経費の圧縮を図るとともに、運賃等の改定により千六百五十億円の増収を見込むほか、地方交通線対策等を中心に国の助成措置を拡充することとし、全体として六千百八十億円を計上いたしております。
 なお、給与改善費につきましては、従来、五%分の計上を行ってきましたが、五十四年度予算においては、二・五%分を計上いたしております。
 以上をもちまして所管する事項についての補足説明を終らせていただきます。
#10
○竹下委員長 次に、高橋主税局長。
#11
○高橋(元)政府委員 昭和五十四年度予算のうち、租税及び印紙収入につきまして御説明いたします。
 昭和五十四年度の一般会計歳入予算のうち、租税及び印紙収入の額は、二十一兆四千八百七十億円でありまして、昭和五十三年度の当初予算額二十一兆四千五百億円に対し三百七十億円の増加となっております。なお、昭和五十三年度の当初予算額には、五月分税収の年度所属区分の改正による増収見込み額二兆百四十億円が含まれておりますので、これを差し引いた昭和五十三年度調整後当初予算額十九兆四千三百六十億円と比較いたしますと、二兆五百十億円の増加となっております。
 この租税及び印紙収入予算額は、現行法による収入見込み額二十一兆四百六十億円に、昭和五十四年度の税制改正による増収見込み額四千四百十億円を加算したものであります。
 なお、この一般会計租税及び印紙収入予算額に、交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入となります諸税四千百八十七億円、石炭及び石油対策特別会計の歳入となります原重油関税一千五百四十億円及び電源開発促進対策特別会計の歳入となります電源開発促進税三百八十億円を加えました昭和五十四年度における国の租税及び印紙収入予算の総額は、二十二兆九百七十七億円となっております。
 以上が、昭和五十四年度の租税及び印紙収入予算の規模でございますが、次にその内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、昭和五十四年度の収入見込み額の基礎となっております現行法による収入見込み額二十一兆四百六十億円の見積もりについて御説明いたします。この額は、政府の昭和五十四年度経済見通しによる経済指標を基礎とし、最近までの課税実績、収入状況等を勘案して見積もったものでございます。
 わが国経済は、昭和五十三年度におきましては、雇用面の改善がおくれておりますものの、物価安定が続く中で、内需を中心とした景気の回復が進み、企業の収益も着実に改善されていると見られており、昭和五十四年度におきましても、引き続き、内需を中心として景気の回復基調が一層定着するものと予測されております。
 このような経済情勢を背景といたしまして、所得税につきましては、雇用者所得の伸びが前年度程度と見込まれますこと、過去の預金金利の引き下げが影響いたしますこと等から、昭和五十三年度の五月分税収調整後当初予算額に対しまして三千八百十億円の増収にとどまるものと見込まれます。他方、法人税につきましては、鉱工業生産、物価等の推移に見合って、昭和五十三年度の五月分税収調整後当初予算額に対しまして七千九百九十億円の増収が見込まれ、その他の税目につきましても、昭和五十三年度の五月分税収調整後当初予算額に対しまして四千三百億円の増収が見込まれます。
 以上を合計いたしまして、現行法のもとで、昭和五十三年度の五月分税収調整後当初予算額に対し一兆六千百億円の増収を見込んでいる次第であります。なお、五月分税収の年度所属区分の変更を織り込んだ昭和五十三年度当初予算額と比較いたしますと、四千四十億円の減少となっております。
 次に、昭和五十四年度の税制改正の大要とそれによります増収見込み額につきまして御説明いたします。
 第一は、揮発油税及び地方道路税の税率の引き上げであります。
 最近における国・地方を通ずる厳しい財政事情に顧み、第八次道路整備五カ年計画に必要な財源確保等の観点から、揮発油税及び地方道路税の税率を、それぞれ二五%引き上げることといたしております。
 この改正による増収額は、一般会計分といたしまして揮発油税初年度二千三百二十億円、平年度三千九十億円、特別会計分といたしまして地方道路税初年度四百八億円、平年度五百四十三億円と見込んでおります。
 第二は、航空機燃料税の税率の引き上げであります。
 航空機燃料に係る税負担の現状及び空港整備財源の充実等の要請に顧み、航空機燃料税の税率を二倍に引き上げることといたしており、これによる増収額を、一般会計分といたしまして初年度、平年度ともに二百四十億円、特別会計分といたしまして初年度、平年度ともに四十三億円と見込んでおります。
 第三は、租税特別措置の整理合理化等であります。
 税負担の公平確保の見地から、社会保険診療報酬課税の特例を是正するとともに、価格変動準備金の段階的整理を初めとして、企業関係租税特別措置の整理合理化等を一層強力に進めることといたしております。他方、経済社会の要請に即応して、産業転換投資の促進等に資するため、所要の措置を講ずることといたしております。
 これらの改正を通ずる増収額は、初年度一千百十億円、平年度二千二百三十億円と見込まれます。
 また、法人の貸し倒れ引当金の繰入率を引き下げることといたしており、これによる増収額を初年度六百七十億円、平年度七百十億円と見込んでおります。
 以上を合計いたしまして、昭和五十四年度税制改正による内国税関係の初年度増収額を四千三百四十億円と見込み、これに関税率の改定等による増収見込み額七十億円を加えました四千四百十億円を税制改正による増収見込み額といたしております。
 次に、昭和五十四年度の専売納付金を含めました国税収入全体の構成を見ますと、所得税の割合は三六・七%、法人税の割合は二八・八%になるものと見込まれます。また、直接税の割合は、六七・三%、間接税等の割合は、三二・七%になるものと見込まれます。
 以上述べました昭和五十四年度の租税及び印紙収入予算額を基礎として国民所得に対する租税負担率を推計してみますと、国税におきましては一二・四%になるものと見込まれます。また、国税・地方税を合わせた負担率は、地方税の収入見込み額が確定しておりませんので一応の推算でございますが、一九・六%程度になるものと思われます。
 以上をもちまして、租税及び印紙収入につきましての補足説明を終わらせていただきます。
#12
○竹下委員長 次に、田中理財局長。
#13
○田中(敬)政府委員 昭和五十四年度の財政投融資計画及び財政資金対民間収支見込みについて、補足説明を申し上げます。
 昭和五十四年度財政投融資計画の策定に当たりましては、厳しい原資事情のもとで民間資金の積極的活用を図りつつ、経済情勢に適切に対応することとしており、総額十六兆八千三百二十七億円の規模としております。これを前年度当初計画と比較いたしますと、一兆九千四百五十一億円の増加であり、その伸び率は一三二%であります。
 資金配分につきましては、社会資本の整備を図るとともに、景気の着実な回復に資するよう、特に事業部門の事業規模の確保に重点を置くこととしております。その結果、事業部門の事業規模は、前年度当初計画額に対し一五・〇%の増加となっております。
 なお、五十四年度における地方財政の状況にかんがみ、地方債に充てる政府資金及び公営企業金融公庫資金の確保につき特段の配慮を払うことといたしております。
 まず、運用について御説明申し上げます。
 各機関に対する運用につきましては、財政投融資資金計画に掲げてございますが、ここでは概略を使途別分類表によって御説明申し上げます。
 使途別分類のうち、住宅、生活環境整備、厚生福祉、文教、中小企業及び農林漁業は、国民生活の安定向上に直接役立つ分野であります。これらに対する財政投融資計画額は、前年度当初計画額に対し一兆七千二百十二億円増の十一兆九千百四十三億円でありまして、財政投融資計画全体に占める割合は、七〇・八%になっており、引き続き資金の重点的配分に配慮したところであります。
 このうち、住宅関係につきましては、現下の住宅事情にかんがみ、住宅金融公庫の貸付戸数を五十三年度に引き続き、五十五万戸確保するほか、貸付限度額の引き上げ等貸付条件の改善を図る等、特段の配慮を払うことといたしております。また、生活環境整備につきましては、上下水道、公園緑地等日常生活に密着した生活環境施設等の整備を中心にその充実に努めております。さらに、文教関係につきまして、義務教育施設等の整備を推進することといたしております。
 次に、国土保全・災害復旧、道路、運輸通信及び地域開発につきましては、社会資本の整備と景気の着実な回復に資するため、日本道路公団、日本国有鉄道、日本鉄道建設公団等の事業を推進することとし、三兆三千九百五十五億円の財政投融資を予定いたしております。
 さらに、基幹産業及び貿易・経済協力につきましては、エネルギー対策を推進するとともに、輸入金融及び海外経済協力の拡充に努めることとし、それぞれ四千七百二十八億円及び一兆五百一億円の財政投融資を予定いたしております。
 次に、原資について御説明申し上げます。
 資金運用部資金につきましては、前年度当初計画額に対し三兆一千三百八十三億円増の十五兆一千六百六十七億円を計上いたしております。
 その内訳は、郵便貯金七兆二千億円、厚生年金及び国民年金二兆六千五百億円、その他五兆三千百六十七億円であります。
 簡保資金につきましては、前年度当初計画額に対し九百六十億円増の一兆五千五百九十億円を計上いたしております。
 また、政府保証債・政府保証借入金につきましては、前年度当初計画額に対し二千百二十四億円増の一兆五千七百七十九億円を計上いたしております。
 産業投資特別会計につきましては、前年度当初計画額に対し十六億円減の二百九十一億円を計上いたしております。
 これらの資金を合計いたしますと、十八兆三千三百二十七億円となりますが、このうち十六兆八千三百二十七億円を昭和五十四年度財政投融資計画の原資に、また、一兆五千億円を一般会計において新たに発行される国債の引き受けに充てることといたしております。
 以上のほか、地方財政の円滑な運営に資するため、特例措置として資金運用部資金による交付税及び譲与税配付金特別会計に対する貸し付け二兆二千八百億円を予定しております。
 次に、財政資金対民間収支見込みについて、御説明申し上げます。
 昭和五十四年度の財政資金対民間収支見込みは、提案されております予算を前提として推計いたしますと、二兆七千三百十億円の散布超過と見込まれます。すなわち、一般会計におきましては、前年度剰余金を使用することにより、五十億円の散布超過、食糧管理特別会計におきましては、食糧証券の発行残高の増加等により三千二百四十億円の散布超過、資金運用部におきましては、繰越資金の使用により二兆二千億円の散布超過、外国為替資金におきましては、昭和五十四年度の国際収支の動向等から見て一兆二千三百十億円の散布超過がそれぞれ見込まれます。そのほか、特別会計等の収支で一兆二百九十億円の引き揚げ超過が見込まれますので、これらの要因を合わせまして、財政資金対民間収支全体といたしましては、二兆七千三百十億円の散布超過と見込まれます。
 以上をもちまして、昭和五十四年度の財政投融資計画及び財政資金対民間収支見込みについての補足説明を終わります。
#14
○竹下委員長 次に、宮崎経済企画庁調整局長。
#15
○宮崎(勇)政府委員 予算の参考としてお手元にお配りしてあります昭和五十四年度の経済見通しと経済運営の基本的態度について、その概要を御説明いたします。
 まず、昭和五十三年度のわが国経済について見ますと、年度前半におきましては、公共投資の大幅な増加や物価の安定等により、国内需要は底がたい動きを示しました。しかしながら、円高による輸出数量の低落等に加えて在庫調整が長引いたことにより、国内生産活動は必ずしも期待どおりに活発化しませんでした。
 こうした情勢に対し、政府は、ボン主要国首脳会議におけるわが国の決意表明をも踏まえつつ、昭和五十三年九月には総額約二兆五千億円の公共投資等の追加等を内容とする総合経済対策を決定し、十月にはこのための補正予算の成立を見ました。
 これらの結果、昭和五十三年度の国民総生産は二百十一兆八千億円程度、名目、実質の成長率はそれぞれ一〇・六%程度、六・〇%程度となる見込みであります。この実質成長率見込みは、政府当初見通しの成長率を下回るものの、先進国中で最も高い成長率であります。また、物価面では、卸売物価は前年度比二・六%程度の下落、消費者物価は前年度比四・〇%程度の上昇になるものと見込まれます。国際収支面では、大幅な円高の影響もあって経常収支の黒字は二兆七千億円程度に縮小し、また、長期資本収支は海外投融資等の活発化により赤字幅が一層拡大し、基礎収支ではほぼ均衡ないし若干の赤字になるものと見込まれます。
 このようなことから、昭和五十三年度のわが国経済の特徴は、物価安定が続く中で、石油危機以降初めて内需を中心にした景気回復が進んだことにあると申せましょう。
 しかしながら、依然問題も残されております。まず雇用面では、全般的に改善がおくれているほか、産業面でも構造不況業種、輸出型産地等における中小企業等に問題が残っております。また、国際収支面では、経常収支黒字幅の縮小基調が見られるものの、なお一層の縮小が期待されています。さらに、物価面でもこれまでのような円高の効果が見込まれないこと等により物価に影響が生ずることが考えられます。こうした中でわが国の財政収支の不均衡も著しいものとなっています。
 他方、世界経済は、主要先進国の経済政策上の協調的行動等によって安定化に向かう動きもありますが、個別に見るとインフレ、失業、国際収支等の面で問題を抱えている国もあり、また、原油価格の引き上げ等もあって、今後も困難な情勢が続くことも予想されます。
 こうした内外情勢を踏まえ、昭和五十四年度の経済運営の基本的態度としては、四つの重点があると考えております。
 第一は、景気の着実な回復を図り、雇用の安定を実現することであります。このため、昭和五十三年度に引き続き、積極的な政策運営を通じて民間経済の活力ある展開を可能ならしめる必要があります。
 第二は、物価の安定を図ることであります。また、公共料金については、経営の合理化を進め受益者負担を原則としつつ、物価の動向に配慮し、厳正に取り扱うことといたす考えであります。
 第三は、国際経済社会における責任ある一員として、わが国経済の対外均衡の回復を一層確実なものとし、自由貿易体制の維持強化を図るとともに国際協調の増進に努めることであります。
 第四は、新しい経済計画の初年度として、明確な展望のもとにわが国経済社会の安定的な発展を図るための第一歩を踏み出すことであります。
 現在考えられる内外環境の諸与件を前提に、このような経済運営のもとにおいて想定される昭和五十四年度経済の姿を示せば、おおむね次のとおりであり、昭和五十四年度のわが国経済は内需を中心として着実に景気の回復が進むものと期待されます。
 国内需要の動向のうち、民間最終消費支出、民間設備投資、民間住宅投資は、それぞれ九%程度、一〇%程度、二%程度の伸びが見込まれ、政府支出は、前年度比一一%程度の増加になるものと見込まれます。
 鉱工業生産は前年度比六%程度の伸びになるものと見込まれます。
 また、就業者数は、前年度比一・二%程度増加するものと見込まれますが、労働力人口の増加もあって失業者数には余り変化は見られないと見込まれます。
 物価は、引き続き落ちついた動きを示し、卸売物価は前年度比一・六%程度の上昇、消費者物価は四・九%程度の上昇と見込まれます。
 国際収支については、貿易収支の黒字は三兆二千億円程度、経常収支の黒字は一兆四千億円程度へといずれも顕著な減少を見せるものと見込まれます。また、基礎収支では、引き続き高水準の海外投融資等が予想されるため、かなりの程度の赤字となるものと見込まれます。
 以上の結果、昭和五十四年度の国民総生産は二百三十二兆円前後となり、名目の成長率は九・五%前後、実質の成長率は六・三%前後となるものと見込まれます。
 なお、以上申し上げました国民総生産、国際収支等を初めとする見通しの諸数字につきましては、わが国経済は民間活動がその主体をなす市場経済であること、また、ことに国際環境の変化には予見しがたい要素が多いことにかんがみまして、ある程度の幅をもって考えられるべきであります。
 以上、昭和五十四年度の経済見通しと経済運営の基本的態度につきまして御説明申し上げた次第であります。
#16
○竹下委員長 以上をもちまして補足説明は終わりました。
    ―――――――――――――
#17
○竹下委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 ただいま説明を聴取いたしました昭和五十四年度総予算審査中、日本銀行並びに公団、事業団等いわゆる特殊法人から参考人の出席を求める必要が生じました場合、その人選等諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#18
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#19
○竹下委員長 次に、公聴会の件についてお諮りいたします。
 昭和五十四年度総予算について、議長に対し、公聴会開会の承認要求をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、公聴会の開会に関する諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 次回は、明二月一日午前十時より開会し、総括質疑を行います。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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