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1978/03/08 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 建設委員会 第6号
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1978/03/08 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 建設委員会 第6号

#1
第087回国会 建設委員会 第6号
昭和五十四年三月八日(木曜日)
    午後零時三分開議
 出席委員
   委員長 伏木 和雄君
   理事 小沢 一郎君 理事 登坂重次郎君
   理事 中山 正暉君 理事 渡辺 栄一君
   理事 井上  泉君 理事 中村  茂君
   理事 北側 義一君 理事 渡辺 武三君
      井出一太郎君    内海 英男君
      大塚 雄司君    大坪健一郎君
      谷  洋一君    谷川 寛三君
      塚田  徹君    中島  衛君
      中村  靖君    丹羽 久章君
      西田  司君    伊賀 定盛君
      福岡 義登君    吉原 米治君
      渡部 行雄君    瀬野栄次郎君
      松本 忠助君    瀬崎 博義君
      川合  武君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 渡海元三郎君
 出席政府委員
        建設大臣官房長 粟屋 敏信君
        建設省計画局長 丸山 良仁君
        建設省住宅局長 救仁郷 斉君
 委員外の出席者
        建設委員会調査
        室長      川口 京村君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月七日
 辞任         補欠選任
  瀬野栄次郎君     大久保直彦君
同日
 辞任         補欠選任
  大久保直彦君     瀬野栄次郎君
同月八日
 辞任         補欠選任
  川合  武君     甘利  正君
同日
 辞任         補欠選任
  甘利  正君     川合  武君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措
 置法の一部を改正する法律案(内閣提出第一四
 号)
 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正
 化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正す
 る法律案(内閣提出第一五号)
     ――――◇―――――
#2
○伏木委員長 これより会議を開きます。
 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、去る二日すでに終了いたしております。
 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#3
○伏木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ―――――――――――――
#4
○伏木委員長 次に、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は、去る二日すでに終了いたしております。
 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。中山正暉君。
#5
○中山(正)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の意見を表明するものであります。
 御承知のように本案は、特定市街化区域農地の宅地化を促進するため、要請土地区画整理事業及び住宅金融公庫の資金の貸し付けの特例の適用期限を、昭和五十七年三月三十一日まで延長しようとするものであります。
 以上の改正は、特定市街化区域農地の宅地化対策の一環として、今国会に別途提案されている地方税法、租税特別措置法及び農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の改正と密接な関係を有しており、三大都市圏における今後の宅地需要を勘案しますと、農地の宅地化を一層促進するための措置として、妥当なものと考えますので、ここに原案に対し賛意を表明する次第であります。
 以上をもって討論を終わります。(拍手)
#6
○伏木委員長 渡部行雄君。
#7
○渡部(行)委員 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論いたします。
 すなわち、本法案は、前述の法律をさらに三年間延長しようとするものでありますが、問題は、その内容が延長に値するかどうかであります。
 この法律は、あめとむちを用いて農民の所有する農地を吐き出させ、これを宅地化するというのが主なねらいであります。
 そこで、社会党が反対する理由の主なものについて申し上げますと、まず第一点といたしましては、本区域内農地に対する固定資産税の課税を近傍宅地並みにするということについてでありますが、そもそも固定資産税は、応益負担の原則に立脚した財産課税でありますから、その財産を通じて、どれだけの収益を上げるかが重要な問題なのであります。つまり、農地からの収益は、あくまでも農業収益でありますから、これを近傍宅地の収益並みに見ることは、理論上も矛盾しておりますし、原則を強引にねじ曲げたむちゃくちゃな議論と言わざるを得ません。
 農地の所有者が農業の意思を持って、その所有を継続せんとするとき、今日の法体制のもとでは、だれも妨げることはできないのであります。そこで政府は、これらの農地に過酷な重税を課すことによって、農地を手放さざるを得ない状態に追い込み、所期の目的を果たそうとしておりますが、これは昔、悪代官のやった手口によく似ているとは思いませんか。決して善政とは言いがたいのであります。
 第二点は、先代から受け継いだ農地を生活手段として、自分は農業以外に生きる道はないのだと心に決めて、今日まで営々と働いてきた農民の生きざまに対して、土足で踏み込み、札びらでびんたをとるようなやり方には、どうしてもがまんができないのであります。つまり土足とは、税という名の権力であり、言うことを聞かない者は権力で農業から追い出し、農地転用して賃貸住宅を建てる人々には、低利の融資をすると言って、農民の一生を札束で買い取るようなやり方を、果たしてよい政治と言えるでしょうか。まことに情けないと思うのであります。
 第三点は、将来を展望した都市づくりの観点に立って反対するものであります。
 すなわち、今日、都市問題を考えるとき、都市の過密化が最大の問題であることは御案内のとおりであります。そこで、大平総理が田園都市構想を打ち出されたのも、また、三全総による水系ごとの定住圏構想も、結局は過密都市解消を図り、均衡ある国土の開発を図らんとしたところに、その本領があると思うのであります。ところが、本法律をまじめに実施していけば、一体その行く先はどうなるでしょうか、想像していただきたいのであります。ミニ開発はどんどん進み、いままで緑の空間として都市の中で一定の安らぎと憩いを与えてくれた農地の上に、ことごとく建造物が立錐の余地もなく建ち並ぶことを想像しただけで、ぞっとするではありませんか。一体このような都市に人生と生活の哲学を見出すことができるでしょうか。政治は、人生に憩いと安らぎと喜びを与えるものでなければならないと思うのであります。しかも、政治の対象は圧倒的多数の勤労市民であるべきことを思うとき、心ある政治家は、それらの人々の立場に立って物を考えることが最も重要だと思うのであります。もちろん、それらの勤労市民が家を建てたいにも土地がないという現実は、身につまされて、その緊急性も理解できるのでありますが、だからといって、それらの人々のために農民の人生を奪ってよいという理由が成り立つでしょうか。民主主義の社会では最大多数の幸せが少数者の犠牲の上に成り立ってはならないのであります。最大多数の利益を得んと欲せば、まず対象となる少数者の利益を補償して、もって、みんなが同じように幸せを享受するというものでなければならないと思うのであります。
 たとえ大平総理の言う北斗七星をながめるような田園都市構想であっても、それが国民の心の中のあこがれとして生き続けるものならば、その方向を追求し、努力していくことが、どんなに価値あるものかは問うべくもないのであります。ましてや、三大都市圏においておやでございます。
 しかも、現行法を宅地供給の面から見ましても、実体としてA、B農地もしり抜けになっており、問題が多いのであります。
 よって私は、宅地供給の問題は、現在の手法を白紙に戻し、もっと根本的な問題として洗い直すべきであることを強く訴えまして、反対討論を終わります。(拍手)
#8
○伏木委員長 北側義一君。
#9
○北側委員 私は、公明党・国民会議及び民社党を代表して、ただいま議題となりました政府提案の特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、賛成の意を表明するものであります。
 従来、両党は、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法については、地方税法における、いわゆる農地の宅地並み課税制度との密接な関係性を重視して、反対の態度をとってまいりましたが、本法律制定後、住宅金融公庫の貸し付けの特例による賃貸住宅貸付予約件数は、昭和四十八年度から本年一月末までで五千三十一戸と一応の実績を上げており、また近年、宅地供給量は年々減少し、このままでは第三期住宅建設五カ年計画に伴う新規宅地需要六万六千ヘクタールの確保は非常に困難であり、特に三大都市圏におきましては、逼迫した宅地需要事情が、地価の上昇にも拍車をかけているのが現状であります。
 このような事態を打開するためには、土地税制の改正を初め財政措置、金融措置、国土利用計画法の効果的運用等、総合的な土地政策が講ぜられなければならないことは申すまでもありません。本法律案は、そのための一つの有効な手法であります。
 すなわち、固定資産税の減額措置、長期譲渡所得税の軽減措置、住宅金融公庫融資の特例措置、計画的に優良宅地を確保するための土地区画整理事業の施行等を内容としており、宅地化促進のための方策としては、一応評価できるものであります。
 また、三大都市圏における当該地域の農業従事者の方々も、本法律案の成立を期待していること等も踏まえて、両党は本法律案に賛成の意を表明するものであります。
 以上をもちまして、討論を終わらせていただきます。(拍手)
#10
○伏木委員長 瀬崎博義君。
#11
○瀬崎委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。
 宅地化促進臨時措置法は、農地だけを宅地供給の対象とし、特定市街化区域農地に対する宅地並み課税の制度と表裏一体の関係を構成しています。そして、今回の三年延長の措置も宅地並み課税の延長措置に対応してとられようとしているものにほかなりません。
 もし、本来の意味で農業継続が不適切な農地の宅地化を促進する制度だというのなら、宅地並み課税制度の存廃いかんにかかわらず、本法の制度が存在しなければなりません。単独では本法の制度を存在させる用意も意思も政府にない以上、まさに宅地化促進臨時措置法は大都市とその周辺地域から農業を追い出し、農民に土地を吐き出させることをねらいとした宅地並み課税制度の補強策としか言いようがなく、ここに反対の第一の理由があります。
 反対理由の第二は、大都市とその周辺地域の農地は都市住民に対する新鮮な野菜の供給基地であり、また過密都市の生活環境を守る貴重なオープンスペースであり、さらに都市災害防止の重要な役割りを果たしているということから、むしろ保全することこそ必要だからであります。宅地並み課税とセットにされた本制度は、都市近郊の農業と農地の現状を無視した宅地化促進策と言わなければなりません。
 第三の反対理由は、農業継続の見通しが立たないなどの事態が生じた場合には、農民みずからの意思によって宅地に転用できるのであって、大多数の農民が、宅地並み課税制度及びこれとセットの宅地化促進法を歓迎していないということであります。このことは本法律の実績にはっきりあらわれています。
 質問で明らかになったとおり、要請土地区画整理事業は本法施行以来一件しかなく、特定分譲住宅に係る住宅金融公庫貸し付けの特例及び農住法適用に当たっての水田要件緩和の特例も、その実績はゼロであります。そして今後利用される可能性もほほ皆無という見通しが示されています。今回改正の対象になっているこれらの条項は死文化に等しい実態であり、特に改正延長が必要なものだとは言えないのであります。
 本来、宅地供給のため政府が目を向けるべきは、大企業の保有する未利用地の吐き出し、国公有地の有効利用の促進、住宅公団の抱える遊休地や都道府県の土地開発公社が無計画に先行取得してもてあましている未利用地の活用に有効な施策を講ずることであり、大都市とその周辺地域の農地の吐き出しだけに目を向けることは本末転倒であると言わなければなりません。
 以上、反対理由を述べて討論を終わります。
#12
○伏木委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#13
○伏木委員長 これより採決いたします。
 特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○伏木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
 この際、渡海建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡海建設大臣。
#15
○渡海国務大臣 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定市街化区域農地の固定資産税の課税の適正化に伴う宅地化促進臨時措置法の一部を改正する法律案の御審議をお願いして以来、本委員会におかれましては熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 御審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいる所存でございます。
 ここに、これらの法案の審議を終わるに際し、委員長を初め委員各位の御指導、御協力に深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)
#16
○伏木委員長 なお、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○伏木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#18
○伏木委員長 次回は、公報をもつてお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
   午後零時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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