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1978/05/23 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 逓信委員会 第11号
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1978/05/23 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 逓信委員会 第11号

#1
第087回国会 逓信委員会 第11号
昭和五十四年五月二十三日(水曜日)
    午前十時七分開議
 出席委員
   委員長 石野 久男君
   理事 加藤常太郎君 理事 左藤  恵君
   理事 宮崎 茂一君 理事 渡辺 秀央君
   理事 久保  等君 理事 野口 幸一君
   理事 鳥居 一雄君 理事 青山  丘君
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      伊藤宗一郎君    越智 伊平君
      亀岡 高夫君    竹中 修一君
      中村喜四郎君    羽田  孜君
      長谷川四郎君    堀之内久男君
      村上  勇君    森   清君
      鈴木  強君    武部  文君
      山花 貞夫君    米田 東吾君
      大野  潔君    田中 昭二君
      竹内 勝彦君    藤原ひろ子君
      伊藤 公介君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 白浜 仁吉君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  林  義郎君
        郵政政務次官  亀井 久興君
        郵政大臣官房長 林  乙也君
        郵政省郵務局長 江上 貞利君
        郵政省貯金局長 佐藤 昭一君
        郵政省簡易保険
        局長      浅尾  宏君
        郵政省電波監理
        局長      平野 正雄君
        郵政省人事局長 守住 有信君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        公平局長    山田庫之助君
        総理府人事局調
        査官      磯野  優君
        大蔵省銀行局特
        別金融課長   中田 一男君
        郵政大臣官房首
        席監察官    吉田  実君
        労働省労政局労
        働法規課長   岡部 晃三君
        逓信委員会調査
        室長      芦田 茂男君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十三日
 辞任         補欠選任
  足立 篤郎君     竹中 修一君
  倉石 忠雄君     森   清君
  河本 敏夫君     中村喜四郎君
  椎名悦三郎君     羽田  孜君
  廣瀬 正雄君     越智 伊平君
  武部  文君     山花 貞夫君
同日
 辞任         補欠選任
  越智 伊平君     廣瀬 正雄君
  竹中 修一君     足立 篤郎君
  中村喜四郎君     河本 敏夫君
  羽田  孜君     椎名悦三郎君
  森   清君     倉石 忠雄君
  山花 貞夫君     武部  文君
    ―――――――――――――
五月十五日
 弱視児用拡大図書の郵送料免除に関する請願(
 千葉千代世君紹介)(第四三九四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第五二号)
 郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五三号)
 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出第六
 三号)
     ――――◇―――――
#2
○石野委員長 これより会議を開きます。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありまするので、順次これを許します。米田東吾君。
#3
○米田委員 二法案の審議に関連いたしまして、冒頭に大臣に二、三御質問を申し上げておきたいと思います。
 郵政省は、今度の年末首における郵便の混乱に関係いたしまして、要するに全逓の反マル生闘争に対する行政処分として、四月の二十八日だと思いますけれども、約六十一名の懲戒免職並びに解雇、そうして停職その他八千名を超える非常に厳しい大量の処分をなさっておるわけであります。私の知る限りにおきましては、今度の年末首に関係いたしましてはすでに約三万数千件のいわゆる即決処分というのも出されておりますから、合計いたしまして四万件を超えるかつてない、非常に膨大な、しかも大量の厳しい処分をなさっているわけであります。これは、郵政省と郵便の業務の正常な運行の面に照らしてみまして、まことに度を超した非建設的な処分である、しかも、これは全逓という労働組合に対する組織破壊をねらっておる、また特徴は、個々の現場の労働者に懲戒免あるいは解雇が集中しているわけでありますが、このような処分の形態もまた非常に問題である、郵政省の悪質な意図が見え透いているように私は受けとめるわけであります。私が心配するのは、このことによって労使の関係がまた悪化する、結果は郵便事業に重大な影響を及ぼして、国民が待望する正常化に反して非正常化の方向が拡大するということを憂えておるわけでありますけれども、この処分について郵政省はどう一体受けとめていらっしゃるのか、私は大臣にお聞きをしておきたいと思うわけです。
    〔委員長退席、久保(等)委員長代理着席〕
#4
○白浜国務大臣 昨年末の年末交渉に際してのいわゆる反マル生闘争の一環として、全逓労組によって業務規制闘争と称して郵便の運行に多大な影響を及ぼす怠業行為、違法行為などが東京中心に、かつて例のない長期間かつ大規模に行われましたことは御承知のとおりでございます。今回の処分は、これらの法律に違反する違法行為を行ったものの具体的行為に応じて責任を問うたものでありまして、組合の闘争の全体の責任を問うというものではないわけでございます。
 御指摘のとおり、私どもも郵政事業が円滑に、そうして公共部門の労使関係においても公労法などの問題もありますので、どんなむずかしい問題があろうとも話し合いによって解決をしていきたいということで一生懸命努力をしてまいったのでありますけれども、遺憾ながら思うように運ばない関係で、そうした関係で多数の職員の中から処分を受けなければならないというふうな事態が出ましたことに対しましては非常に遺憾と考えておるところであります。もとより私どもも、むずかしい問題ではありますけれども、今後できるだけ話し合いの上において物事を解決してまいって、いま御指摘もありましたとおり、将来に向かって日本の郵政事業におきましていろいろ国民の批判を受けないように今後も努力をしていきたいと考えておるわけでありますので、その上に立って、米田委員初め皆様方に御指導していただくよう切に私からもお願いを申しておく次第でございます。
#5
○米田委員 私が申し上げているのは、今度の処分が、一言で言って郵政省のために非建設的である、処分がまた処分撤回闘争を呼び、そうしてまた処分を起こし、また処分撤回闘争、そういう悪循環を必ず繰り返すことになるし、ようやく年末首の混乱期を越えていま収拾の方向に動いている現状だと思うのでありますけれども、この処分はそれ自体非常に不当であり、また過酷な処分であることは当然でありますけれども、この処分が郵政事業あるいは労使間に非常にこれは非建設的な作用をするだけである。大臣がおっしゃったように、処分によって何か事業の面や労使間の面にプラスになるようなものが出てくるとするならばまだにいたしましても、これはそういうものが期待される処分では全くない。ただ郵政省のメンツあるいは処分のための処分ということにしかなっていないのではないか、私はそう思うわけであります。したがって、この処分は今後台郵政省の事業運営の面に重大な影響を及ぼすであろう、その場合の責任も今度は郵政省からとってもらわなければならぬのではないか、私はそのように思うわけでありまして、そういう意味で大臣の見解をお聞きしたわけであります。
 この処分が一斉に取り上げられまして国民の関心を買っているわけでありますが、この処分に対して世論はどう見ているのかということを私はひとつ指摘をしておきたいと思うのであります。要するに、総じて言いますならば、この処分は片手落ちである。労働者やあるいは労働組合の責任は追及されて厳しい処分がなされたけれども、反面経営の側の責任は一体どうとろうとするのか。その責任追及は、大臣一体なさるのかなさらないのか。これがないじゃないか。片手落ちの処分であるのではないかという指摘が共通して世論であります。
 私はいまここに当時の全逓処分を扱った幾つかの新聞の、しかもこれは中央紙と言われる大手の新聞の論説でありますけれども、社説をここに持っているわけであります。これは一々紹介するまでもないと思いますけれども、四月二十九日付の読売新聞、この社説にはこのように書いております。「郵政省の措置でふに落ちないのは、当局側の責任が、まったく無視されていることだ。処分に際しての大臣談話も、その点に、まったく触れていない。労使紛争の責任は双方にある、というのは常識だし、元日に配達されない年賀状という“不完全商品”を発売した責任は、どうみても、第一義的には、経営者としての当局側にある。国民への責任が不明確なことは組合側も同じだが、ただ、責任を組合側にのみ押しつけるのは、それこそ片手落ちというものだろう。」これは読売の二十九日付の社説の一部分であります。それから、同じく二十九日の朝日新聞の社説であります。これにはこのように書いております。「郵政省もまた責任がないといえぬ。郵政省は昨年二十七億五千万通の年賀ハガキを売ったが、郵政省の指定期間に出したものは元日に完配することが国民に対する約束だった。それが守られなかったのは、全逓の組合員以外の職員とアルバイトで事態を乗り切れると、見通しを誤ったためではないか。」このように指摘をいたしておりまして、そうして最後に「郵政省も力ずくで全逓をつぶせるとは思っていないだろう。サボ闘争がひん発する状態が望ましくないのはいうまでもない。労使関係安定の基本は「責任の分担」「話し合い」である。郵政省は長期的な労務のベテランづくりと職場交渉のルールづくりを急げといいたい。当局・管理職、全逓、全郵政のドロ沼的対立を、もうこの辺で終わらせねばならぬ。」このように指摘をしております。同じく五月二日のこれはサンケイの社説であります「主張」欄に、このように書いてあります。「ところで、年末年始の郵便の混乱が全逓の闘争によるものであることはいうまでもないが、だからといって郵政当局は国民に対して何らの責任をもとらずにすませられるものだろうか。」このように疑問を投げかけて、こう言っております。「多くの地域で松の内がすぎてもさみだれ配達となり、事故もあったことはたしかだ。年賀ハガキを松の内に配達するのは約束ごとのようなものだし、郵政省も「自力配達」を明言していたと思う。全逓に対してその責任を問うたのだから、他方で、公共事業を負託されたものとしての責任も明確にするのが筋だろう。責任の不明確なところに正常な経営はない。」このようにきめつけておるわけであります。四月三十日付の毎日新聞では、「不毛な労使紛争を断ち切れ」という社説でこう言っておるわけであります。「いま一つの点は、この処分で全逓に対する責任追及は行われたものの、当局側の責任のとり方が明らかにされていないことだ。労使紛争が起きた場合、使用者側に全く責任がないということはあり得ない。紛争の背景に、当局側の労務政策上の行き過ぎ、誤りがなかったとは決していえないはずである。国民に多大の損失、迷惑をかけたことへの行政責任は、どうなったかを問いただしたい。」これが毎日の社説であります。
 若干の時間をいただきまして、四つの新聞の主張または社説を申し上げましたけれども、私が言いたいのは、この処分は片手落ちじゃないかという点であります。心配するのは、これで郵政の労使関係が立ち直る、郵便事業の正常な運営ができるというふうにはならないだろうという心配から、このような指摘がなされておると私は思うのであります。一体郵政省はこの指摘にどうこたえられようとするのか、ひとつ答弁をいただきたいと思います。
#6
○白浜国務大臣 私は就任以来、非常にふなれなことではありましても郵政事業の経営の責任者という立場でいろいろ考えてまいりまして、いま御指摘のとおり、先月末不幸にも多数の処分者を出さなければならないということに対しましては、当然責任を感じておるわけでございますが、いまいろいろそこに挙げられました各報道関係、新聞関係の論説の方々の御意見もさることながら、私ども公営企業を預かるものの立場からしますというと、なかなかこれは全面的にその所論に賛成をするというわけにはまいりません。私どもとしましては、当然国民に対して、いろいろな料金の問題その他も含めて、どうしたことが一番国民に対するサービスということについて責任が果たせるかということを考えて、また御指摘がありました御批判、国民の御批判なども考慮し、いろいろ皆様方の御意見も十分考慮しながら、涙をのんで処分者を出したということでございまして、今後の省の責任につきましては、先ほどから申し上げますように片手落ちのないように、またこうしたことが将来の郵政事業の円滑な運営というか発展のために阻害を来さないようにということを一生懸命念願をして今度の処分を行ったものでございますが、長い目で見ていただいて、こうしたことが一つの契機となりまして、お互いに反省すべきものは反省してりっぱな効果が上げられるように、私どもはひとえに念願をいたしておるというところでございます。どうぞその点十分な御理解を持っていただいて、今後米田委員初め皆様方が御指導をしていただくよう、私からもお願いを申し上げる次第でございます。決してけんか両成敗というような、そういう安易な気持ちで私どもは今度の処分を行ったものでないことだけは、御理解をしていただきたいと思うわけであります。
#7
○米田委員 大臣のおっしゃることについてもそれなりに理解できるわけでありますし、要するにもっと時間が要るというようなことについても、私どももそれなりにわからないわけではない。
 ただ、けんか両成敗はこれは当然意味ないことでありまして避けなければならぬと思いますけれども、しかし大多数の国民が見ておりますのは、また関心を持っておりますのは、二度とこういうことがあってはならぬというために、あえて違法を行ったと言われる労働者についてはそれなりに行政責任を追及される、これはまあ国民は一応それを認めているようであります。ただ、その前提で、いま一方の方の経営責任はどうかということになりますと、これが今回どういう形にせよ全然あらわれていないわけであります。したがって、そこに国民の皆さんは片手落ちじゃないか、おかしいじゃないか、むしろ責任を問われるとすれば経営者の方が先じゃないかという世論であります。これにやはり大臣から答えていただかなければならぬだろうし、またそれこそが今後の事業の正常化、労使関係の正常安定の不可欠な要件だ、こういうふうに私は思っておるわけであります。
 したがって、時間を必要とすることもわかるわけでありますが、要は郵政省として、特に大臣としては郵政省に責任があるということについては、すでに私はこのことについて二月二十八日にこの委員会で実は大臣の見解もただしているわけであります。そのときも大臣は明確に答えられておるわけであります。責任があるとするならば、その責任は一体どういうふうにとられようとするのか、これだけはもっと明確にされる必要があるだろう。要するに正すべきは正すということですね。正すべきものがあれば大胆に率直に正してもらう。大臣は今度のこの処分について、あえて涙をのんで処分されたと先ほどおっしゃいました。心境は恐らくそうだろうと私は思います。さらに私がそこで申し上げたいのは、涙をのんで当局側の責任もこの際明らかにするということが必要じゃないか。正すべきものは正すというそのことについて、いつどうされようとするのか、大臣、もう一言そのことについて見解を聞かしていただきたい。
#8
○白浜国務大臣 いま御指摘の去る二月末の私の答弁の中にもありましたように、経営責任の当事者とすればもちろん私が最高の責任者であるわけでございまして、その点については、申し上げましたように私の責任も痛感をいたしておることでございますが、御承知のとおりの事業でございますので、だれが悪いこれが悪いということよりも、現実に多少の人で行わなければならないこうした事業の関係もありまして、いま経営責任は、どうしたならば責任をとるかということになりますと、やはりここで時間をかしていただいて、私どもも率直に、事業の運営が円滑に進むような方途が講ぜられたと判断をされる時期にそうしたことを行いたいというふうに考えておるわけでありまして、私も当然その中の一人に含まれるだろうということも考えておるわけでございますので、時間をかしていただきたいということを申し上げているわけであります。
 私どもも、たびたび申し上げましたように、今後は十分に労使の間で話し合いを進めて、理解を持ち合って、せっかくこうした痛い事実を踏まえまして今後問題の解決に向かって努力をしていって、そうしてりっぱな責任を果たしていきたい、労使ともにそういうふうな考えに立って進んでいきたいと考えておるわけでございまして、御理解を願いたいと思うところでございます。
#9
○米田委員 今度の処分の特徴に二つあると思うのでありますが、重い責任追及が東京郵政局管内に集中している。これが一つの特徴だと思います。もう一つは、郵政省に言わせれば現場の実行行為者というか、個々の職員ないしは労働者に、しかも末端のそうした諸君に処分が集中している。これが二つ目だろうと私は思います。この二つについて私はどうしても疑問なのであります。
 処分の中に、よく言われておるわけでありますが、一カ月の郵便を一通も配らなかった、あるいは一月半も郵便を配らないでサボをやった、とにかく想像を超えるようなひどいことがあるのですということをよくおっしゃっておられましたし、大臣の談話の中にもそういうことがうかがわれるような談話も出ております。そこはなんでありますけれども、私も約三十年近く郵政省にお世話になった一人でございますけれども、私の乏しい経験からいきましても、せいぜい三日や一週間くらいは、感情の高ぶりや勢い余ってどんなことがあってもおれは抵抗してやるというようなことが仮にあったとしても、一カ月や一カ月半もサボが続くようなそういう事情というものは、普通、現場の管理体制があるところにおいてはあり得ない、やろうといってもやれないと私は思うのです。
    〔久保(等)委員長代理退席、委員長着席〕
ただ、あなた方の管理体制の方がそれを見逃して、要するに泳がせておるというようなそういうことがあれば、これは別であります。私はそんなことはないだろうと思うのであります。ちゃんと現場には管理体制として主任がおり、主事がおり、課長がおり、局長がおるのであります。これが私はやはり有効に機能しておるのだろうと思う。そういう中で特定の限られた労働者が、どんな事情があるか私はわかりませんが、一月も一月半も郵便を配らないでちんとしているなんということはあり得ない。もしあるとすれば当局が見逃して泳がせておる。好きなよりにやらせておけ、いずれそのうちにこいつは処分をして処理をしてやる。特定の者に対してそういう一つのマークをして、野放しにやらせておけばこれは別でありますけれども、そういうことはなさるべきじゃないと私は思います。もしそんなことがあれば、その管理体制そのものも責任を問わなければならぬと私は思う。そういうことは考えられないのでありますけれども、人事局長、実際にそういうことがあるのでありますか。そうしてもう一つは、それは東京都内に集中しているということは一体どういうことなんでありましょうか。これは東京郵政局は年末首のそういう扱いについて何らかのそういう方針、指導をなさった結果ではないか、そんなふうにも私は思うのでありますけれども、この二つの点はいかがなものでありましょうか。これはできれば郵務局長からも答弁をしていただきたいと思う。
#10
○守住政府委員 今回の年末年始の闘争におきましていろいろな闘争手段がとられたわけでございますが、その中で特に大きかったのが、業務規制闘争と称する先生御指摘のサボ行為等いろいろの実態が行われたわけでございまして、それも地域により、局により、個人により、非常にその程度、やり方あるいはその期間が区々に分かれておったところが今回の年末年始の非常に特徴的なところではなかったか、こう思うわけでございます。そしてまた、それが東京郵政局管内におきまして、その十月段階の反合理化闘争でも実はそうでございましたが、反合闘争というのもどちらかというと東京中心に行われたわけでございますが、十二月に入ります前の十一月段階から東京の一部で業務規制闘争に先行して入る、こういうふうな非常に長期間の、かつ熾烈なものが実態的にあったわけでございます。
 この実態をたとえて申し上げますと、東京都内の各局、決して全員ではございませんけれども、中には誤区分検査と称しまして勝手なことをしましたり、離席、雑談を繰り返して一日じゅう正規の仕事をしなかったり、あるいはまた一分間に二、三通しか区分しないなどの極端な能率ダウンなどを行いまして、その結果、郵便物を正規の道順組み立てもされないというふうな形の中で配達もやらない、できない、こういうふうな非違行為を非常に長時間にわたって行われた者が多かったわけでございます。もちろん、処分と申しますのはこの具体的な非違行為の事実に即して行っておるわけでございますが、そういう面がすでに十月段階あるいは十一月段階から先行して入っておった。したがいまして、この極端な者につきましても、すでに現場におきましては管理者が注意をし、あるいは極端なサボ行為がなかなか直らないということで訓告もする、また間合いを置き反省の機会を与えて、さらに懲戒処分へ移るということで、たとえて申しますと現業局長へ懲戒権を委任いたしておりますけれども、郵政局の指導のもとに処分をしていったわけでございますが、十二月の八日とか十日とか、もう上旬段階ですでに減給処分を受けておる。そしてなおその後も同じことをずっと繰り返している。
 私ども、実は年末年始の闘争の一時中断ということで公労委からのいわば事実上のあっせんをいただきまして、即刻受諾したわけでございますか、一方、その中でも闘争の一時中断という条件、あるいはまた現場段階で三六協定を結ぶという条件、私どもに対しましては不当労働行為が公労委で確定した場合はケース・バイ・ケースにより処分を含む厳正の措置をとるということについてもお約束したわけでございますので、その早急な三六協定や闘争の一時中断ということを期待いたしまして十二月末で処分の執行を実は保留したわけでございますが、その後も、処分を受けながらもなお一月の二十日過ぎまでずっと長期間そのような極端な行為を行われた者が一部にあった。こういうことでございまして、現場段階でも管理者諸君が絶えずまたその職員に対する指導、聞かれないということでやむを得ず懲戒処分までもって臨む、しかしなお聞かれない、一方では業務運行の確保をやっていかなければならぬという責任から、いろいろなアルバイトあるいはまたそういうひどい闘争をしない職員の協力を得ながら、本当に日夜を分かたざる懸命の努力をしていったわけでございますので、管理者諸君がそういう職員を泳がせておったということは毛頭ない、こういう事実を把握しておる次第でございます。
#11
○米田委員 人事局長いろいろ答弁されますけれども、私が聞いておるのは、一カ月あるいは一カ月半の長期にわたって郵便を一通も配らなかったという者がおるのだ、そういう者が今回の懲戒免の対象になっているのだというふうにあなたの方でPRされているものでありますから、私の経験に照らしてみて、一体そんなことがはてできようかということで私はいま質問したわけであります。あなたの方が何らかの意図を持ってそうさせておけば別でありますけれども、そうでなければ、郵便局のどんな小さいところでも、職場の管理体制というのは本来まず主任から始まって、主事、課長に行って、それから局長、その上には郵政の機構もある。幾ら何でもそういうことが一月半もあるいは一月も続けられるような、そんななまやさしい現場の管理体制ではないはずだ。それがどうして、あなた方が処分の対象にしているような長期にわたってのサボがなされるのか。サボの主たるものが郵便を配らなかったということだろうと私は思う、この委員会でも、あなたからそういう答弁があったこともしばしばありましたから。実際、そういうことは考えられないのですね。ただ、東京郵政の方針が、あるいは現場に対する指示が、そういうものはもう構うな、郵政は自力排送でいく、郵政省の職員、それから当時の第二組合、アルバイトあるいはOBや町内会の応援、そういうものを主体にして、もうサボをやっているような全逓に頼らぬで自力排送でいくんだ、これは事実そういう方針があったように私は聞いております。そうだとすれば、四の五の言って職場に非協力の態度をとっている者に対してかかわり合いを持っておれないわけであります。やはり自力排送ということをやらざるを得ない。そういうようなことがあれば私はわからないわけではないのですよ。とにかく全員の力でもって年賀を普通の状態で処理しなければならぬ、これは至上課題、至上命令というときに、しかもこれは全逓が長期にわたってストライキをやったということではないのでありまして、個々の労働者が、ある者はサボで郵便を配らなかった、ある者は正規の仕事につかなかったということがあったようでありますから、要するに個々の関係であります。個々の関係なら、あなたの方の管理機能が作用しておれば、これは当然解決されるはずだ。せいぜい一週間か十日で解決される。解決されなければ、組合の首脳部とだって幾らでも話し合いができるはずだ。組合の指導体制の中でも責任が明確になっているわけであります。地区本部、地方本部、中央本部、現場では支部長、いろいろそういうあれがあるわけでありますから、努力をすればこういうものは処理できたはずだと私は思う。しかし、自力排送という大きな基本方針があって、ことしの年末だけは郵政省自前でやってみせます、そのためには大きい学校の講堂も借りなさい、あるいは町内会にひとつみんな協力を求めなさい、あるいはOBも動員しなさい、あるいは非現の諸君も導入をする、とにかく全逓の力をかりないで自力排送でいくのだという方針があって、それが先行したものだから、結果として、サボをやっているやつが結局もとへ戻らぬで一月も一月半も続いてしまったということじゃないか、私は実はそういうふうに思っているわけなんですけれども、そうだとすればわからないわけじゃない。ですが、実際問題はどうなのかということを私はお聞きしたわけでありますので、もう一回答弁をやってくれませんか。
#12
○江上(貞)政府委員 当初から自力排送体制をとっていたのではないかということについてでございますけれども、さきの年末年始の繁忙期の業務につきまして、例年のとおり、職員の時間外労働でございますとか非常勤職員の雇用によりまして運行を確保するように東京郵政局としても対策を立てていたところでございます。現に、先生御承知のとおり、この期間中年賀非協力の指令が組合から出されたこともあるわけでございますが、その際にも、一人でも多くの職員から協力が得られるような措置を東京郵政といたしましてもとったわけでございます。
 ただ、これは例年同じでございますが、闘争が長期化する万一の場合に備えまして、通常の状態での年賀計画のほかに緊急時の対策を考えておくということも当然のことであるわけでございます。現実には、職員が時間外労働を拒否する、あるいは年賀郵便物の処理について協力が得られないといったようなこともあったわけでございまして、やむを得ず非常勤職員に大幅に依存せざるを得なかったという事態が生じたわけでございますので、この間の事情については御理解をいただきたいというふうに存ずるわけでございます。
#13
○米田委員 いずれにいたしましても郵便事業の正常化、労使関係の正常化、この方向に向けて郵政省は特段の努力が必要だと私は思います。
 そういう面からいきますと、処分は終わりましたけれども、懸案の問題の処理ということが果たして郵政省の段階で労使の関係では進んでいるのだろうかどうだろうかという心配か一つございます。それをまた聞いておりますと時間がなくなりますが、そういう問題もあわせまして、願わくは郵政省の郵便事業を初めこの事業の円滑な正常化に向けて一層の努力をしてもらいたいし、また肝心の労使関係、これが事業運営の基本でありますから、労使関係の正常化に向けて一層の努力をしてもらいたいと思うのでありますが、懸案の問題の処理について人事局長からひとつかいつまんで現状、そしてこれからの努力目標等があったら聞かしてもらって、この問題については終わっておきたいと思うのであります。いかがでございますか。
#14
○守住政府委員 お答え申し上げます。
 私どもとしても、先生御指摘のように業務阻害のない、業務運行に混乱のない労使関係の安定化、正常化というものを深く求めておるところでございまして、平和的解決の中で、いろいろむずかしい問題がございますけれども、現場でのいろいろな物だめと申しますか、そういう力による解決ということでなく、冷静な現実的な話し合いの中での解決の方法、方途につきまして双方努力を重ねていかなければならぬ、このような基本点に立っておるわけでございます。
 現実の問題といたしまして、大臣の会見があり、その後実は統一地方選挙あるいはまた新賃金の問題等の春闘等があったわけでございますが、それも一応公労委の調停委員長見解ということで一段落いたしまして、片や労働組合の方は定期大会を控えておるという状況がございますので、労使間におきまして今後のいろいろな問題が残っておるわけでございますが、それの段取りづけと申しますか、すり合わせと申しますか、そういうものを公式、非公式に続けておる。そしてまたその中で、まだ七千件の問題等も出ておりませんけれども、こういう問題での地方郵政局段階における率直な話し合いによる解決の方向というものだとか、その他最近は時間短縮の問題、週休二日の問題も出てまいりましたし、あるいはまたいろいろな過去の処分の問題、実損回復、特別昇給という問題もあるわけでございます。また、目の前にある合理化の問題等々もございますので、いろいろ十二項目の残りの問題とあわせましてまずその段取りづけをしながら、郵政省全体としても労使間の話し合いを深めていくという方向で努力したい。最近やや現実的な兆しも出てきたというふうに私、認識いたしておりますので、よけい先生のおっしゃるような方向に向かって努力を重ねていきたい、このように考えておる次第でございます。
#15
○米田委員 大臣と郵務局長に、これは答弁は要りませんから、要望としてお願いしておきます。
 大臣、国民のサイドから見て片手落ちという始末のつけ方だけはひとつ何としても避けていただきまして、大臣が先ほどから答弁されておりますように、私は時間も必要だろうと思うし、一つのチャンスといいますかタイミングというものも大事だと思うのであります。そういう面で大臣の処理を期待しておきますから、さっきの答弁で了承しておきますから、ひとつぜひ実行していただきたい。
 それから郵務局長さん、新聞なんかの指摘で一番大きく私がなるほどと思うのは、郵政省の場合、他の公共企業体や他の組合と違って、話し合いのルールがはなはだ不十分だ。ということは、私としてみれば、現場段階の団交と呼ばれるあのルールが不十分ということだろうと思うのです。法律的に言えば団体交渉とかいろいろあるでしょうけれども、要は話し合いの場だ。郵政労使の関係は話し合いが非常にスムーズでない。そして、そういう機会が少ないということが指摘されておりますし、私も同感でありますから、支部団交の関係等についてはひとつ思い切って話し合いの場としてあなたの方はこれを活用するように十分な指導をしていただいて、早く軌道に乗せるように、これはひとつ私からも要望としてお願いしておきたいと思います。これは答弁は要りません。
 次に、切手の関係で一、二お伺いしたいのでありますが、この法律案件の一番重要な部分は手数料の改定とか、そういうものを法律事項から外して、要するに国会を経ないで省令でやるということがポイントだと私は思います。これは素朴な疑問でありますけれども、一体法律案件、要するに国会審議の対象にするということがどうしていけないのかということなんですね。ここに理由がちょっと抽象的に書かれておりますけれども、弾力性を欠いているとか何か書かれておりますが、私ども国会でこの問題を扱いまして、あなたの方が提案されて、ストップをかけたとかあるいは延ばしたとかいうことはないように思うのです、この種の問題は。したがって、国会の法定事項にしておいても実際問題として弾力性が欠けるとか、あるいはあなたの方でそうめんどうということはないだろう。どうしていまこの時期に省令に変えていかなければならぬのか、そのことがどうもはっきりわからぬのでありますが、この理由はどういうことなのか、もう一回聞かしていただきたい。
#16
○江上(貞)政府委員 いままで法定にしておいて手数料の改定に弾力性を欠いたことはないではないかという御指摘でございます。結果的に申し上げますと確かにそのとおりでございまして、過去昭和五十一年の第七十七国会におきましてこの法律の一部を改正する法律案を御審議願いましたときに、審議未了で廃案になったことがございますが、これも次の第七十八回の臨時国会に再度提出いたしまして、その結果御可決をいただいておりますので、改定の実施時期をずらすというようなことは結果的にはなかったわけでございます。ただ、昭和二十四年の本法制定以来、売りさばき人に支払う手数料につきましては、ただいまこの法律に規定してありますようにずっと法定をしてあったわけでございますが、過去の手数料率改正の際に、当委員会におきましても法律を外してはどうかという御議論もちょうだいをいたしておりまして、その後いろいろ検討してまいったわけでございます。その結果、手数料率を法定をしておきますことは、社会経済上の変化等に容易に即応いたしがたいという面は確かにあるわけでございまして、また同時に、現在他の類似の手数料、たとえばたばこでございますとか塩あるいは公衆電話なでといったものを見ましても、法律で手数料を定めているものはほかには全く見当たらない状況でございます。このような状況を考慮いたしまして、この際、売りさばき手数料の定め方を法律から省令に委任しようというふうに考えて御審議をお願いしたわけでございます。
#17
○米田委員 この問題は確かに郵務局長おっしゃるように、本委員会でも議論があったことでございますし、私もそのことを承知しております。ただ、わが党の同僚議員が提起いたしました場合は、法定から外すということについては、そういう提起もございましたが、野放しじゃなくて、問題によっては郵政審議会の議を経て郵政省がやるというように、一段階郵政審議会という場を一応置くということで提起をしたことを私は承知しているわけであります。今回の場合はそういうこともないようでありますし、ストレートに省令で全部やってしまうということになるわけでありますから、心配すれば切りがありませんけれども、どうもちょっと勝手過ぎるのじゃないか。やはり郵政事業という最も独占的に郵便を扱っている郵政省としては、できるだけ法定に任せる、ゆだねるといいますか、そういうことが必要ではないかという面からいって、私は実はちょっとこれはどうかなという気がするわけであります。他の公企体あるいは国家関係の部門でこの種の手数料関係について法定から外していることについては私もわかりますし、認めますけれども、だからといって郵政省はただそれだけでよろしいというわけにはいかぬと私は思います。それなりに理由があるわけでありますから、ちょっとこれは疑問に思うわけでございます。
 それで、もう一つ心配するのは、郵政省の省令で改廃ができるようになりましたら、率なんかも、言うなれば郵政省のお手盛りでやるわけでありますから、そうなってまいりますと、郵政省の経営の面からいって、普通三年に一回改定してきたのが今度は四年にしなければならぬとか、あるいは、いま経営状態がよくないから率はひとつがまんしてもらわなければならぬからというようなことになって、逆にしわ寄せが行くようなことはありませんか。そういう質問をすれば、そういうことはないというふうに御答弁なさるのだろうと思いますけれども、省令になるとそういうことだってやろうと思えばあり得るわけですね。そういうような心配もちょっとするわけでありますけれども、そういうことについてはいかがでありますか。
#18
○江上(貞)政府委員 売りさばき手数料につきましては、ほかのたとえば集配請負人等の請負料と同じように、予算の整合性を図る中で人件費とか物件費などの動向を勘案して決まっていく性格が、どちらかというと強いというふうに存じておりますので、手数料の改定につきましては、ただいま申し上げましたような諸要素を勘案して行うということを今後ともいたしていきたいというふうに考えております。ただ単に恣意的に人件費とか物件費などの動向を決めるというようなことはできないわけでございますので、そのような御懸念のないような運用を今後ともいたしてまいりたいというふうに存じております。
#19
○米田委員 最後に一点聞いておきますが、心配過ぎかもしれませんけれども、最近の郵政労使の紛争から来る郵便事業に対するいろいろな不正常な状態、これがややもすると郵便離れといいますか、そういうふうになりはせぬかということが関係者で心配されているわけであります。どうでございましょうか、現状においてはそのような心配は収支の面で出ておりませんか、最後にお聞きしておきたいと思います。
#20
○江上(貞)政府委員 ごく最近の状況について申し上げたいというふうに存じますが、数字の面から申し上げまして、いわゆる労使の紛争が直接的に郵便物総体の物数に影響したというふうには考えられないような状況でございます。ただ、その中で十二月だけに限って申し上げますと、小包につきましては昨年比五%強の減少を見ておりますので、これが闘争の影響がなかったとは言えないのではないかというふうに思います。
 いずれにいたしましても、郵便の現場の業務運行が正常にいかないということは、長期に見た場合に郵便事業の信用という面からいい結果をもたらすということは決して言えないわけでございますので、今後とも正常運行には極力努力をしてまいりたいというふうに存じております。
#21
○米田委員 郵便貯金法の一部改正について一、二ちょっとだけ御質問させていただきますが、今回の改正は、要するに貸付限度最高額五十万円を七十万円に変えるという提案の内容でございますけれども、五十万円がこれを利用する方々の需要を満たすにはすでに限界だから、この際七十万円に上げなければならぬということだろうと思うのでありますが、どうも中途半端なような気がするんですけれども、七十万円にされたというのは一体どういう根拠なのですか。利用者の皆さんの希望がそうなのか、あるいは何らかの大蔵省その他の関係があってとりあえず七十万にしたのか、どういう理由なのかひとつ聞かせていただきたいと思います。
#22
○佐藤(昭)政府委員 お答えいたします。
 預金者貸し付け、通称「ゆうゆうローン」でございますが、これはもう先生御承知のとおり、日常生活におきます不時の出費の際に預金者にその貯金を担保として貸し付けまして、貯金を継続できるようにするという趣旨のものでございます。昭和四十八年の一月に貸付限度額十万円で発足いたしまして一その後限度額は社会情勢の推移に伴いまして二十万円、それから三十万円と順次引き上げてまいりました。昨年の通常国会におきまして御審議いただきましてさらに二十万引き上がりまして、現在五十万となっているわけでございますが、預金者の利益の増進に寄与し、またあわせて預金者の要望にこたえるために、今回七十万円にこれを引き上げたいとしているものでございますが、先生御質問の百万円になぜしないか、百万円という切りのいい数字ということでございますが、私どももこの際百万円にするということも検討してまいったわけでございますが、これまでの限度額の引き上げは二十万、三十万、五十万と順次刻んで引き上げてまいっております。また昨年、いま申しましたように二十万円引き上げました。また今回さらに二十万引き上げるといたしますと、昨年の六月までの三十万に比べまして七十万と、約倍以上というような数字にもなるわけでございます。
 また、この問題は、その趣旨からいたしまして預金者の方々が貯金を継続するために容易に弁済が可能な限度と申しますか、こういった形の中で順次引き上げていくのが妥当かというふうに考えておりまして、この際そういった従来からの経緯にもかんがみまして七十万で今回はやってまいりたい、かように考えているわけでございますが、やはり今後の社会情勢の推移等を考えましで一これからもそういった必要に応じましてさらに引き上げるという問題も検討してまいりたい、かように考えております。
#23
○米田委員 昨年ですか創設されました進学貸し付けですね、これは当時非常に好評だったと思うのでありますが、利用状況はどんなふうになっているかちょっと聞きたいし、これはたしか最高限度が五十万円じゃなかったかと思うのでありますけれども、これの引き上げは別に出ておらないようでありますが、これはどんな状況でございますか。
 それから、引き上げの考えはないのだろうと思うのでありますけれども、それでいいのかどうかお聞きしておきたいと思います。
#24
○佐藤(昭)政府委員 進学積立資金でございますが、この進学資金の貸付状況を見ますと、これはまだ今春の進学期の貸付状況が完全には取りまとめが終了しておりませんので中間値で恐縮でございますが、現在までのところ約一万七十件、貸付金額が約十九億七千二百万円、一件当たりの貸付金額が約十九万五千円となっております。
 また進学積立貯金、この方は、今年の三月末現在で大体十二万件余り、こういう加入の状況でございます。
 この貸付限度額でございますが、これまでの利用の状況から見ますと、ことしの貸し付けは、初年度の経過措置による積立期間が非常に短い、そういった積立貯金に対するものでございますために貸付金もまた少なくなるという事情もございますが、いま申し上げましたように大体一件当たりの貸付金が約二十万円程度と、これは大体積立貯金の額に見合うものかと考えております。来年の春の貸し付けになりますと積み立ての期間も長くなりますので、この五十四万円満額という限度額の貸し付けが受けられる方が多くなるのではないかと思っております。この五十四万円の貸付限度額でございますと、現在の学校の納付金というようなものの実態から見まして、大体利用者の御要望に現在のところこたえられるような額ではないか、かように考えております。
#25
○米田委員 これは最後でございますが、最近一つの流行になっておりますが、いわゆる銀行強盗、このごろ銀行から郵便局、しかも無集配の郵便局が特にねらわれているようでありますけれども、これに対して郵政省は統一して何か防犯の指導あるいは施設の改善というようなものをなさっているのかどうか、あればそれを聞かしていただきたい、こう思っております。
#26
○吉田説明員 お答えを申し上げます。
 新年度に入りましてから若干下火ではございますけれども、依然として郵便局に強盗が入っておりまして、先生方にまで御心配をおかけしておりますことを大変残念に思っております。
 この種事件は、先生よく御理解いただけると思いますけれども、郵便局に昼間お客様と同様な状態で入ってくるわけでございまして、これを入ってくるなというような措置は当然とりづらいわけでございまして、大変対策に苦心しておるところでございます。
 強盗事件の防止対策としては、この事件にかんがみまして監察官というわけにもまいりませんので、警察官にそのパトロールの強化をお願いしたり、あるいは郵便局のそれぞれの局種に相応しましていろいろな警報装置あるいは緊急通報装置等がございます、そういったものを設けて絶えず不時の事態に備えておるわけでございますが、万一事件が発生した場合には、当然のことながら人身の被害の防止ということを第一義といたしまして、冷静かっ柔軟に対処するよう指導してまいっておるところでございます。
 しかしながら、この一月の末でございますか、例の大阪の猟銃強盗事件に端を発しまして頻発する趨勢にございましたので、私どもとしても、今年に入りまして特別の措置を次から次へと打ったわけでございます。その若干を御披露申し上げたいと思います。
 まず、本省内に私を本部長といたします郵便局強盗事件対策本部というものを設置いたしました。これでいろいろと強盗事件の対策等について審議をいたしておるところでございます。
 以下若干申し上げますが、こういった効果と言ってはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、最近検挙率も、五十三年四月から五十四年二月までの間は検挙率が三割五分というような調子でございましたけれども、五十四年三月以降は六割五分、六五%までが未然に防止し、あるいは犯人を逮捕しておるというような状況にございます。検挙にまさる防犯なしとか申しますが、これは警察官に全面的に依存しておるわけではございますが、そういった措置が功を奏しまして最近のやや落ちついた趨勢になったのではないかと思っておるわけでございます。
 なお、これまでに措置した主な点について申し上げますと、これは警察の防犯基準ともいささか関係がございますが、各郵便局に防犯体制を確立するために各郵便局長を防犯責任者といたしました。それから大局につきましては副防犯責任者を――おおむね課長クラスでございますが、指定して、各郵便局ごとにそれぞれの局情に応じた防犯措置要領というものを制定させております。
 それから、各種防犯装置がそれぞれの郵便局にございますが、これの装置の習熟あるいは定期的な防犯指導、それから模擬訓練、こういったようなものを実施いたしまして職員に対する防犯指導を徹底いたしておるわけでございます。
 なお、最寄りの警察署に対しましては、それぞれパトロールの強化をさらにお願い申し上げておるところでございます。
 第二点といたしましては、これは一つの経験を周知させるというような意味で、主として昭和五十三年度に発生いたしました郵便局強盗事件といったものを分析しましてその結果、あるいは強盗事件防止対策といったものを解説いたしました「郵便局強盗防止のために」という冊子でございますけれども、これを作成いたしまして強盗事件防止上の手引きとして全国の郵便局に配付いたしております。
 監察官は何をしておるかということでございますけれども、各郵便局に当然のことながら定期に考査に参るわけでございますけれども、そういった際には、一般の防犯体制とともに、こういった防犯機器等を含む郵便局の防犯、要するに強盗防犯体制、そういった問題についてその危険度等々を、考査しながら必要な勧告を行うというような体制をしいておるわけでございます。
 なお、御指摘の設備の点でございますけれども、従来郵便局にはすべて非常防犯ベル、それから一定規模以上の局には警察への非常通報装置、こういうものを設置しておったわけでございますけれども、最近の事態にかんがみまして――詳細は本席では省略させていただきたいと思いますけれども、これを補完するような非常防犯ベルと非常通報装置を兼ねたような、非常に簡易なシステムでございますけれども、最近それぞれの郵便局にほとんど設置したところでございます。
 なお、局舎構造の問題あるいはスクリーンカウンターの問題、いろいろございますが、こういった問題もいろいろと内部的に検討を重ねておりまして、より実効の上がる方向に向かって今後とも努力していきたい、そういうふうに考えております。
#27
○米田委員 終わります。
#28
○石野委員長 次に、山花貞夫君。
#29
○山花委員 郵便貯金法の一部を改正する法律案と郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の審議でありますけれども、両法案についての郵政省の提案の趣旨を理解するといたしましても、問題は日常の業務の遂行という面にあると思います。米田先生の質問を受けまして、労使関係について不安が山積している現状で一体どうなのかという疑問についてお伺いいたしたいと思います。
 大臣が参議院の本会議の関係で二十分ごろお出になるというように伺っておりますので、質問の順番を変えまして一つだけ大臣にお伺いしたいと思うのですけれども、後ほど郵政省から詳しくお伺いしたいとは思いますけれども、最近の四月二十八日における処分を含めまして、郵政省の全逓所属組合員に対する処分の数が膨大に上っています。裁判所、公労委、人事院などにたくさんの案件が審議の対象として係属しているわけでありますけれども、形式的に計算をいたしますと、これら事件につきましてすべてが解決するのに二百年から三百年かかる、こういう結論が出てくるわけであります。今後審理の方式によりさまざまな調整と努力がなされると思いますけれども、これまでの案件を従来の公労委、人事院などの処理能力との関連で計算をいたしますと二百年から三百年かかる。過去、たとえばいわゆる団交権につきましての最高裁判決、確定するまで都城事件の場合には十四年かかったわけでありますけれども、それとも事情が変わっているわけであります。後ほど対処の方法について郵政省からもお話を伺うつもりですが、大臣に一言お伺いしたいと思いますことは、こういう形式論で私はいま申し上げたわけではありますが、数字的に公労委、人事院で処理する能力をはるかに超えた処分が行われているということであるとするならば、とにかくこうした審理が続いている間は労使関係の中に不安定要素が強く残っていくわけであります。今後の労使の正常化というものを考えた場合には、単にこうした裁判手続のみによって解決していくということではなく、省全体の方針をそこだけに頼るということではなく、労使の正常化の努力をしていくべきではないだろうか。処分問題についてもすべて裁判所その他にたな上げして二百年、三百年待つという姿勢ではなく、積極的に解決をしていく努力をすべきではないかというように考えるわけですけれども、この点だけ大臣に一言御見解を伺いたいと思います。
#30
○白浜国務大臣 これは、専門的なお話をいま山花委員から承りまして私もびっくりしたところでございますが、とうていそういうふうなことはそのままにしておいていいという問題ではございませんが、非常に法律的な問題も絡む専門的なことでございますので、いろいろ考え方はあるかもしれませんが、私どもは許される限り話し合いができるところは話し合いで進んでいけないものかというのが私の考え方でございますが、なお専門的なことは事務当局からお答えさせていきたいと思います。
#31
○山花委員 大臣の時間がありませんので、また必要に応じまして今後の機会にお伺いいたしたいと思います。
 それでは、人事局の方に伺いたいと思いますけれども、これまでの、できれば最近の処分も含めまして、年度別の懲戒処分の件数がどの程度になっているか、過去五年ぐらい、内訳を含めて御説明をいただきたいと思います。
#32
○守住政府委員 御説明申し上げます。
 この数字は、国家公務員法上の懲戒処分、いろいろあるわけでございますが、もっぱら労働案件という意味でとらえました数を申し上げるわけでございますが、昭和四十九年度で、国家公務員法上のいろいろな段階の懲戒処分があるわけでございますが、二千二百四十五件、五十年度で九百四十三件、五十一年度で二万六千七百八十四件、五十二年度で七百六十三件、五十三年度で九千八百九十九件でございます。
#33
○山花委員 五十四年度につきましてはまだ中間ということだと思いますけれども、いまの数字につけ加えまして五十四年度の数字についても御説明いただきたいと思います。
#34
○守住政府委員 五十四年度でございますが、これは四月二十八日に行いました処分でございますけれども、人数にいたしまして国家公務員法上の懲戒処分でございますので三千百七十三人に相なるわけでございます。
#35
○山花委員 トータルすると約四万の処分ということになりますが、これらの処分につきましてはそれぞれの不服申し立ての手続がとられているものがあるわけであります。裁判所、公労委、人事院に分けまして、現在係属中の事件の数について御説明いただきたいと思います。先ほど同様、五十四年度分につきましてはなお係属していないということだと思いますけれども、できましたらその予想も含めて係属事件の数を御説明いただきたいと思います。
#36
○守住政府委員 五十四年三月末日現在でとらえました裁判所等第三者機関にかかっておる事件数でございますが、裁判所関係で三十九件、公労委は一件でございますが、その後今回の闘争関係で現在五十四件出されておるわけでございます。それからこの三月末時点では、人事院に対します公平審査請求は五千九百二十件に相なっておりますが、その後公労委に提訴をするという動きがあるというふうに把握をいたしておりますが、具体的にはまだ人事院の方から御連絡を受けていないという状況でございます。
#37
○山花委員 次に、全部というとなかなか大変だと思いますので、人事院の関係についてだけしぼって伺いますが、審査請求された事件につきまして判定がなされた件数、過去五年間でどれくらいになっているか、この点についても御説明いただきたいと思います。
#38
○山田説明員 お答えいたします。
 一応国会及び内閣に対する年次報告書というかっこうで出されておりますけれども、それによりますと、五十二年度まで年次報告に出されておりますので、その過去五年間を申し上げますと、四十八年に九十件、それから四十九年に百二十四件、五十年に二百一件、五十一年に二百六十三件、五十二年百六十四件、以上になっております。
#39
○山花委員 いま人事院の方からお答えいただいたようですが、そのうち郵政省関係の処分についてということで、これは郵政省の方で把握されておると思いますので、この点ひとつ御説明いただきたいと思います。
#40
○守住政府委員 私どもの方でとらえました郵政省関係の審査請求事案でございますけれども、先ほどの人事院の御答弁に合わせて申し上げますが、人事院受理件数四十八年度で百四十五件、四十九年度で六百三十三件、五十年度百二十三件、五十一年度六百三十二件、五十二年度で百六十八件、このように把握をいたしております。
#41
○山花委員 いま四十八年からの件数について伺ったわけですが、郵政省の方にそのうち判定が出ている件数、承認されたもの、修正されたもの、取り消しされたもの、これについても郵政省で把握されておるはずでありますけれども、この判定内容との関連で郵政省の把握されておるところを御説明いただきたいと思います。
#42
○守住政府委員 判定件数でございますけれども、四十九年度で判定件数三十二件、これは承認でございます。五十年度判定件数十八件、承認十四件、修正二件、取り消し二件。五十一年度が判定件数六十一件、承認五十八件、修正一件、取り消し二件。五十二年度判定件数八十五件、承認七十七件、修正八件、取り消しはゼロでございます。五十三年度判定件数四十五件、承認四十四件、修正一件、取り消しゼロと、このようになっております。
#43
○山花委員 郵政省関係で判定を受けた数が、いまの御説明によりますと四十九年から五十三年まで五年間で二百四十一件。年間平均われわれ大体五十件だと考えておりましたけれども、割り算すると四十八・二件でありますから、約五十件ということになると思います。
 さて、若干質問を続けるに当たりまして別の観点からも前提としてお伺いしておきたいと思うのですが、労働省の関係でお伺いいたしたいと思います。
 労働者が不当労働行為その他の不利益な取り扱いを受けた場合の救済の手続の制度についてですけれども、民間の場合あるいは現業公務員の場合などどのようになっているかということについて概略御説明いただきたいと思います。
#44
○岡部説明員 お答え申し上げます。
 不当労働行為、御承知のとおり労働組合法七条に構成要件が書いているわけでございますが、これに対する救済手続につきましては、民間の場合は労働委員会による救済手続が設けられております。これは二審制でございまして、地労委と中労委が担当をいたしております。現業公務員の場合でございますが、五現業職員及び三公社職員につきましては公共企業体等労働委員会が別途設けられておりまして、不当労働行為の救済に当たっているわけでございます。
 なお、地方公共団体のいわゆる現業職員と申しますか地方公営企業職員につきましては、これは労働委員会が担当をいたしております。したがいまして、中労委及び地労委が管轄をするというかっこうでございます。
#45
○山花委員 重ねて労働省にお伺いしておきたいと思うのですけれども、年度別の不当労働行為申し立て事件などの処理状況につきまして、全国の地方労働委員会の場合、東京都地方労働委員会の場合、中央労働委員会の場合、加えて郵政省の職員が関係いたします公労委の場合、以上につきまして、民間の関係につきましては資料でありますので数字概略で結構だと思いますけれども、公労委関係におきましては若干詳しく、大体どれくらいの件数が係属し、かつ年間どのくらいの事件が解決しているのか、その事件の処理に要する日数は最長最短、平均どれくらいになっているかという実情について御説明いただきたいと思います。
#46
○岡部説明員 不当労働行為事件の処理の状況でございますが、まずお尋ねの地方労働委員会全体の状況でございますが、たとえて申し上げますと、昭和五十三年の状況は、係属件数が千九百八十七件、うち処理が終わりました終結件数が六百二十九件でございます。これは処理日数は平均いたしまして五百三十五日ということでございます。
 東京都地方労働委員会、都労委につきましては、五十三年係属件数が四百十一件、終結件数が百十三件、平均の処理日数は六百一日でございます。
 それから中央労働委員会でございますが、これも五十三年係属件数が三百三十六件、終結件数が百十四件、処理日数は平均が五百六十三日でございます。この平均の処理日数でございますが、事件の複雑化等に伴いましてだんだん延びてまいりまして、最近はそのように五百日から六百日かかるというふうな状況になっております。
 そこで、公労委の不当労働行為の処理の状況はどうかというお尋ねでございますが、これは非常に年別に変動が激しいわけでございますが、たとえて申しますと、昭和四十七年当時は係属件数が二十三件程度でございました。それから四十八年には十一件程度、四十九年には八件程度というふうな係属件数でございましたが、この五十三年に至りまして、先ほど来御議論のございます全逓の問題が大量に申し立てられましたので、現在のところ累計の申し立て件数は六十一件というふうになっているわけでございます。そこで処理の状況でございますが、これは和解、取り下げに至るものが比較的多いわけでございますが、この処理の日数も最高、最低という考え方でこの数年間をとってまいりますと、最長の処理日数は一件につき千百十一日のものがございました。それから最短の処理日数は十日で済んだものもございます。しかしながら、平均的に申し上げますとやはり三百日台になるのでございます。
 以上でございます。
#47
○山花委員 公労委の関係ですけれども、若干省略された部分もあったのでつけ加えて確認しておきたいのですけれども、五十三年までのトータルの数字で申しますと、新規申し立てまで含めまして係属しているのが六十一件、終結した件数が三十三件、命令につきましてはこの七年間に三件、大体こういう状況ではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
#48
○岡部説明員 そのとおりでございます。
#49
○山花委員 要するに、公労委におきましては従来、さまざまな形はありましても、七年間に三十三件の処理ということでありますから、年間の処理件数は大体五件程度ということであります。
 次にもう一つ、そうした処理能力との関係で伺っておきたいと思うのですが、こうした地労委、中労委、公労委関係における公益委員の数の推移はどうなっているか。事件の増大に従いまして増加してきていると思いますけれども、実情はどうなっているでしょうか。同時に、これを処理するための職員の数につきましてもあわせて御説明いただきたいと思います。
#50
○岡部説明員 お尋ねの公益委員の定数の関係でございますが、これは、御指摘のように事件の複雑化それから事件数の増加ということに伴いまして逐次改善を見てきておるわけではございますが、たとえて申しますと、東京地労委につきましては、昭和二十四年、改正労働組合法発足当時は七名でございましたが、昭和四十一年に十一名に改正されまして、昨昭和五十三年十三名に増員になっております。中労委につきましては、昭和二十四年に七名でございましたが、昭和四十六年に八名となり、昨五十三年に九名になっております。それから公労委でございますが、昭和三十一年、改正公労法施行の際に公益委員の数が五名ということになっておりましたが、昭和五十年に七名になっております。
 ところが事務局の職員でございますが、これは横ばいないし多少減少というふうな傾向でございまして、東京地労委について見ますと、昭和四十七年当時五十六名、これは現在も五十六名ということでございます。それから中労委につきましては、昭和四十七年に八十三名が現在八十名ということになっております。それから公労委につきましては、事務局支局を除きまして公労委事務局本体について見ますと、昭和四十七年五十五名が五十三年には五十名というふうに減員を見ております。この中で、不当労働行為審査を処理する人間というのはさらにその一部ということになるわけでございまして、その点、公労委におきましては五名ないし六名の体制をもって審査関係を担当しているというのが実情でございます。
#51
○山花委員 次に、公平委員会にお伺いしたいと思います。
 先ほどもちょっと触れていただきましたが、公労委などについて伺ったと同じ問題でありますけれども、不利益処分の審査請求事案の処理状況についてまず総括的にお伺いいたしたいと思います。大体現状どのようになっているでしょうか。
#52
○山田説明員 処理状況という御質問ですけれども、これは先ほど判定発出の件数で申し上げたのですが、具体的にどういうことでしょうか。
#53
○山花委員 事件としてどのくらい受け付け件数があるか、延べにしてどのくらいになっているか、今日時点でどれくらい受け付けているか、こういう観点を含めてお願いしたいと思います。
#54
○山田説明員 お答えいたします。
 過去五年間について申し上げますと、大体不利益処分審査請求の事案は年によってかなりばらつきがございます。たとえば、四十七年度あたりは林野庁関係の春闘処分が三万二千名ございまして、これが一度にわが方の窓口に殺到したということもございまして、このときは三万二千件以上という件数が出ておりますが、一応先ほど申し上げております五十二年度から過去五年間にさかのぼって申し上げますと、四十八年度に五千三百二件、四十九年度に一千六十四件、五十年度に一千五百十三件、五十一年度に三千九百三十九件、それから五十二年度は九百九十四件という申し立て件数の推移でございまして、現在のところは、端数まで詳しくは承知しておりませんけれども、約五万五千件係属しております。
#55
○山花委員 五万五千件の係属ということで、これを処理していらっしゃる公平委員会の審査委員の数、全職員の数は現状どうなっているでしょうか、御説明いただきたいと思います。
#56
○山田説明員 私ども公平局には現在定員が五十八名おりまして、これは実は毎年約一名ぐらいずつ増員されておるわけでございます。ただ、この五十八名が全員不利益処分を専管するということではございませんで、ほかの業務も担当しておりますので、大体三十三名程度が不利益処分にもっぱら当たるというふうにお考えいただいていいと思います。それから各地方事務局がございまして、そこにやはり公平担当の職員がございまして、そこの課長ないし公平係長、これらもやはり公平審理の業務を分担しておりまして、これが大体十八名くらいということになります。その他ほかの担当の者も動員できるということで目いっぱい見込みますと、五十数名は稼働能力あり、公平委員として審理に参画し得る数というふうに考えております。
#57
○山花委員 いまフル動員してというお話でもあったわけですけれども、たとえば公平委員会の関係で見てみますと、御説明のありましたとおり五十三年度の繰越件数が五万五千四百七十二件であります。これに先ほど省の方から説明をしていただきました最近までの処分を含めて考えますと、五十四年度に約五千件申し立てがあり、伺ったところによりますと、この五月八日全逓の方から公平委員会に対して電話で連絡があったようですが、三千百七十三件について申し立てをする予定である。トータルいたしますと六万四千六百四十五件、こういう膨大な事件を公平委員会が抱えるという状況になるわけであります。私がいただいた資料、昭和二十六年から今日までの総トータルにつきましての処理状況を御報告いただいたわけでありますけれども、判定の件数で申しますと年間大体九十件、われわれは大体五十件ぐらいではないかというようなお話も伺っておりましたけれども、実情はそうのようです。取り下げなどを含めましての処理状況を五十三年度までの二十八年間について見ると、年間二百三十三件であります。一年間二百三十三ということでありますと、先ほど私が二百年、三百年と若干大げさな言い方をしたようでありますが、この六万四千六百四十五件というものを年間二百三十三件のペースで取り上げていくとするならば輝く二百年を超してしまう、こういう実情になるわけであります。審理の仕方についてさまざまな御苦労もあると思いますし、それぞれのケースにつきまして、あるいは代表訴訟の形式とか審理の手分けということについてこれから御努力はされると思いますけれども、率直に申し上げまして、現状でありますけれども、いま御説明いただいた職員によってこうしたたくさんの事件について迅速な処理を期すことができるかどうか、人員問題を含めて、いま公平委員会としてはこれをどのように受けとめておられるかということにつきまして、御見解を伺いたいと思います。
#58
○山田説明員 お答えいたします。
 過去数万件の係属件数を抱えておるわけでございますけれども、実はその大部分につきましては、審理の際に両当事者と話し合いをいたしまして、いわば行為内容の非常に似ている事案につきましては、これを私どもでいわゆるチャンピオン事案と申しておるわけですけれども、そういうかっこうで、実際的には組合の方から最も勝ち目が多いと思われる事案を適宜ピックアップしていただきまして、それを代表事案としてそれについて審理を行うということで、集中的にそういう事案について審査をし、後はその判定が出た段階において両当事者にそれなりの検討をしていただくということで審理を進めてまいっておるわけでございます。したがって、今回非常に膨大な数の事案が新たにわが公平局の窓口に来つつあるわけでございますけれども、これにつきましても両当事者と十分話し合いを行った上で、わが局の総力を挙げてできるだけ簡易迅速に処理してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#59
○山花委員 いまトータル六万件についてお伺いいたしますと若干枠が広がり過ぎるかもしれませんが、先ほど郵政省から御説明いただきました人事院にこれまで係属している五千九百二十件、これにこれから申し立てられる三千百七十三件、合計いたしますと約九千件でありますけれども、人事院の職員、年間の予算その他の観点から申しますと、九千件について大体どれくらいの期間があればできるとお考えでしょうか。これはなかなか予測が立たないのじゃないですか。
#60
○山田説明員 いまお話がございました郵政関係の従来の事案及び今度加わってまいります新しい事案について申し上げますと、過去の事案につきましては、先ほど申し上げましたような代表的ケースをピックアップしてやってまいったということでございまして、したがって、今後新たに出てまいります事案についてどういうやり方でやるかということが一つの問題でございます。仮に新しく申し立てのある事案につきましてすべてを公平委員会の俎上に乗せて審理するということになりますれば、これはかなりの期間がかかることになると思います。
#61
○山花委員 いま過去の事件と今後の事件ということで分けて御説明になりましたけれども、恐らくお考えになったことは、今回の約三千件の処分というものは、幹部の責任追及ということではなく、現場の組合員の個々の行為をとらえての懲戒処分でありますから、代表訴訟という枠でくくることはほとんど困難である。こういう事件がこれから三千百件係属するわけであります。従来の郵政省関係の処理能力からいいましても年間四十八件、約五十件、こんなところであったわけでありますので、このペースでいきますと、年間五十件ずつ解決してもらっても、新しく申し立てる事件だけでも三千件あるということであるとするならば、形式論は避けますけれども、これはかなり長期間を要することになるのではなかろうか。さっき私は団交権の問題について、これは処分とは違いますけれども、十四年かかったと申し上げましたけれども、最終的に確定するのは従来と比べものにならないくらい長期を要するのではなかろうか、こういう気がするわけであります。公平委員会に対しましても、とにかく何年あればやるということについてはお答えを求めても無理だと思いますが、お答えの趣旨の中からは、とにかく長時間かかるだろうということだけは明らかになった気がいたします。
 同時にこの問題は、昨年提訴されました公労委のケースについても同じことだと思いまして、とにかく六、七年の間に二件か三件しか命令は出ていないわけであります。年間の処理能力が公労委は大体五件くらい。先ほどお伺いいたしますと、とにかくたくさんの領域がありながら担当職員がわずか五人であるということを伺いますと、この五人の方が二十四時間眠らずに事件をやったとしたって一体何件解決できるか。去年だけでも五十数件の申し立てがなされたということであるとすると、公労委におきましても処理能力の限界を超えているということになるのではないでしょうか。
 実は、この問題について、労働省にこうした事態に対する対応を後ほどお伺いしたいと思いますけれども、話を本論の郵政省に戻しまして、いまのような実態であるとするならば、これはこの紛争が今後十年、二十年、仮に二百年三百年とは申さなくても、長い間続いていく、こういう事態が予想されるわけであります。これは労使関係にとって決定的ということになるのではなかろうか。人事管理の面からも余りにも問題が多過ぎるのではなかろうかと考えざるを得ません。すべて、処分をしたからあとは公平委員会に任せる、公労委に任せるということだけでは済まないのではないでしょうか。郵政省当局はこうした事態に対してどのように考えておられるか、見解を明らかにしていただきたいと思います。
#62
○守住政府委員 御指摘の点でございますが、私どもの労使間のいろいろな紛争の問題からいろいろ他の第三者機関のお世話を煩わしておるわけで、非常に残念に思うわけでございます。
 そのことはともかくといたしまして、一つは公労委の方の問題でございますけれども、労使間の基本的なところの相互理解というものを進めます中で、不当労働行為事案いろいろあるわけでございますけれども、そういうものにつきまして、過去にもいろいろ労使間での話し合いで和解とか取り下げとか、措置すべきものは措置するとかいうケースもあったわけでございますので、そういうことを念頭に置きまして、一方では基本的な流れが基本でございますが、また個別的にも調査をして措置すべきで、対応できるものは対応するという気持ち、考え方を持っておりますが、また相手のあることでもございまするので、相手との間の意思疎通を十分図っていかなければならぬ、このように思っておるわけでございます。
 それから、もう一方は公平審査でございますけれども、この問題につきましては、過去には、たとえば違法ストの単純参加者というふうな問題につきましては、代表例と申しますか、そういうこともわりに対応しやすかったわけでございますが、少なくとも今回の問題につきましては、先生御指摘のようにいろいろな個人別の違法行為の態様が区々に分かれておりますので、そのような方式というものはとてもとれないのではないかというふうに私ども考えておりますが、一方過去の問題もございますわけで、こういう大きな点につきましては、現在労使間の基本のところで、特別昇給制度の中での過去の実損回復と申しますか、そういう問題について労使双方一つの段階をつけてこの解決に乗り込んでいこうという話し合いの糸口をいまつけておる最中でございますが、そういう面での間接的な意味と申しますか、そういうものもまた私どもとしては期待していきたい、このように考えておる次第でございます。
#63
○山花委員 お話の中で、解決のための省の努力、一つ二つ出てきておったような気がいたしますけれども、問題の基本として二つに分けてお伺いしたいと思います。
 一つは、公労委関係ということで御説明ありましたけれども、五十数件出たというのはいわば代表的な事案ということでありまして、指摘されている全国七千件、何千件という事件についてこの問題も同時に解決していく方向、このための郵政省の努力というものが必要ではなかろうかと思います。そういう問題について踏み込んで労使間の正常化を図っていく努力をするおつもりがあるかどうか、これが第一点であります。
 第二番目の問題としては、とにかくその多数の事件、うんと問題をしぼりまして今回の処分三千百件について考えても、いま御説明のとおり個別事案ということで代表訴訟もむずかしいだろう。従来の処理能力が年間五十件とすれば、十年たっても五百件、三千件ということになれば六十年間かかる。またちょっと形式論に落ち込みますけれども、とにかく大変時間がかかるということ、それを待っているということだけではならないのではなかろうか。今日時点で直ちにということはなかなかむずかしいと思いますけれども、それを公平委員会とか公労委だけに頼るということではなく、将来省としても、こういう問題についても労使間正常化のために団体交渉なり話し合いをしていくというような積極的な姿勢を示していただくことはできないだろうか、この点についてお伺いしたいと思います。
#64
○守住政府委員 お尋ねの七千件と称する問題でございますが、本件につきましては、すでに年末の段階で公労委の審査委員長の事実上のあっせん案の中で、郵政、関係郵政のそれぞれの段階でまず中央段階で分類整理をして、地方郵政ルールに乗せてこれの円満な解決を図るようにという御指摘も受けておるところでございます。したがいまして、私どももそういう線で全逓の方に話をしておるわけでございますが、現在の段階では、まだその七千件の具体的なものが、実は話の端々は出ておりますけれども、具体的に出ていない。そこで、これにつきまして、特に中央本省段階と同時に地方郵政局段階での労使の話し合いと申しますか、それを非常に重視いたしまして、そういう方向でこの問題を解決ないし打開を図っていきたい、このように考えておる次第でございます。
 それから第二点目の方でございますが、個々の具体的な懲戒処分の問題ということに相なりますと、これを労使で話し合っていくということは、事柄の性質上から見ましても、あるいは法律の立て方から見ましても、実はいかがかな、こういう点を考えておりますので、やはりそのもとのところの労使間の業務阻害が今後起こらないような正常化、労使の意思疎通が十分図られるような正常化についての努力ということについて私どもとしては対応していきたい、このように考えておる次第でございます。
#65
○山花委員 結局、前段につきましては、公労委の示唆もあり解決のための方向に向かっている、こういう趣旨に伺いましたけれども、後段の部分につきましては、結局、これから何十年間か公平委員会あるいは裁判所に全部げたを預けるということになってしまうのではないでしょうか。やはりそれでは今後の郵政省の業務の円満な遂行という観点から考えると問題が残ってくる、残り過ぎるということではないかと思います。まあ、立場もあるでしょうし、個別事案についてこれを一つ一つ話し合って解決することが困難である、これはいわば一般論としてはまさにそのとおりでありますけれども、同時に、これだけ膨大な事件について全部げたを預けて、それに対して郵政省は知らぬ顔をしているということでは済まされないのではなかろうか。問題点としては、全体的な労使関係正常化のための努力という大きな枠で今後検討していくべきではなかろうかと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
#66
○守住政府委員 私ども決して知らぬ顔ということではございませんので、国家公務員法下の規制と、人事院の指揮を受けまして、一方の当事者として審査委員会で対処をしていくということでございますが、先生御指摘のような、もっと何かいい方法はないかということでございますが、私ども国家公務員法下の懲戒処分の体系でございますので、それの法律に反するような立て方、やり方というのはなかなかできないと思っておりますけれども、やはり労使間の、その大もとのところと申し上げましたけれども、今後の正常化、労使の理解の対応の中で何とかその方面、方向では努力をしてみたい、このように考えておる次第でございます。
#67
○山花委員 いま事務当局とのやりとりを次官にも聞いていただいておったわけでありますけれども、これは事務当局としての答弁の枠もあるのではないかと思うわけですが、現実にお話を聞いていただきまして、数千の事件あるいは全逓のたとえば数万の事件を抱えている公平委員会その他の処理能力限界をはるかに超えているわけであります。この場合に漫然と――漫然と言ったら語弊があるかもしれませんけれども、解決をそこにゆだねて、それとこれとは別であるということで労使関係の問題を考えても、これは正常化は図れないのではなかろうか。いま具体的に、ではこうするということについてお伺いするのは無理かもしれませんけれども、しかし、こうした問題点を踏まえて全般的な解決の方向について議論をしていただく必要、政治的な判断をしていただく必要があるのではないかと思いますけれども、この点について次官の方から一言御見解を承りたいと思います。
#68
○亀井政府委員 いまさら申し上げるまでもありませんけれども、労使間の問題につきましてはできる限り平和裏に労使の間で話し合って解決をしていくということは申し上げるまでもないことだろうと思います。ただ、第三者機関に問題をすべてゆだねればそれでいいというものではないと思いますけれども、現実にもうすでに提訴されている案件がそれだけあるわけでございますし、またその内容によりましては、とても労使間で話し合っていくべき性格のものではないように思える節もあるわけでございます。それだけに、すべて第三者機関にゆだねればそれで知らぬ顔ということでは許されないというように思っておりますので、その内容によって、どういうものが本当に労使間で今後解決をされていくものであるのか、こういった点について今後十分に検討してまいるべきではないか、かように考える次第でございます。
#69
○山花委員 事務当局は、裁判その他にかかればそれはそこでという、確かにそのとおりでありますけれども、三公五現の他の省庁の関係で御存じのとおり、たくさん裁判に出ていたものにつきましても、労使の話し合いの中で和解をして、解決をして取り下げる、こういうことによって処理した事例もたくさんあるわけでありまして、特にこうした膨大な処分についての取り扱い、公平委員会でも公労委でも能力を超えているのではないかという現状からすれば、そういう方向について十分検討していただきたい。重ねて要望をして、もう時間も五、六分ですので、次の質問に移りたいと思います。
 実は労働省に一言お伺いしたいと思うのですけれども、先ほど、たとえば公労委関係につきまして、実際やっている職員が五人ぐらいである――年間に処理する件数といたしましても、命令は過去七年間に三つぐらいということでありますから、四十件、五十件という事件が出てきましたならば、これまた公労委の物理的な処理能力の枠を超えてしまうのではなかろうか。四十数件、郵政関係が新しく出たわけでありますけれども、これも数千件の中から、とてもたくさん出しても無理だというようなしぼりもありまして、しぼられたものでもあるわけであります。ただ、実情を先ほど私が若干細かい資料で地方労働委員会、中央労働委員会、民間の場合の処理についても伺ったわけでありますけれども、民間の場合の処理におきましては、地労委、中労委とも数百件の事件を処理しているわけであります。都の労働委員会でも、年間数百件を処理している、こういう実情であるとするならば、こうした特に不当労働行為事件などにつきましては、民間、非現業などについて分けるということだけではなく、将来、外国に見られますような労働裁判所形式の民間、公務員関係一本にしての機関ということを検討する必要があるのではなかろうか。実は、最近の郵政省関係の事例などにかんがみまして、法律家の間ではそういう議論がなされ始めているわけでありますけれども、そういう問題点について労働省としては今後検討する余地はあるのかないのか、一つのこれは今後の問題でありますけれども、一言御見解を承っておきたいと思います。
#70
○岡部説明員 先生のお尋ねは、不当労働行為の審査体制、わが国全体として制度的にどう考えていくかという非常に基本的な問題でございますが、まず労働裁判所をつくってはどうかというのは確かに一つの考え方なのかもしれませんが、それは労働裁判所というダイレクトなお話でありますというと、これは特別裁判所を日本では設けることはできないという制約がございますので、その点、より集中的にこういう問題を扱うような機構をつくってはどうか、たとえば労働委員会制度をさらに大きく統合するとか、現在、労働委員会と申しましても、中労委、地労委、船員中労委、船員地労委というふうに分かれておりますが、そういうものの全体的な統合はどうか、あるいはさらに、それに公労委も加えて全体的な統一はどうかというふうなことは、これは従来からいろいろ議論が行われているところでございます。
 ただ、私ども考えますのは、そういう議論ももちろん深めていくことは大事でありますけれども、基本的には、先ほど申し上げたような何百日も不当労働行為の審査に日にちを要するという審査遅延のこの傾向をどのようにして食いとめるか、あるいは審査をさらに短縮できないかというふうな問題意識があるわけでございます。したがいまして、昨年来、実は労働大臣の私的諮問機関でございます労使関係法研究会におきまして不当労働行為制度の審査促進の問題を集中的に御審議いただいておりまして、現在鋭意検討中でございます。したがいまして、そういうふうな検討を踏まえて、さらにまた、この問題につきましては積極的に努力してまいりたいというふうに考えております。
#71
○山花委員 私が労働裁判所という言葉を使ったりしたので、若干誤解をいただいたかもしれませんけれども、行政委員会としての御指摘のとおりの労働委員会機能の拡大整理、公労委の関係と民間の関係を一本にするというような構想が必要ではなかろうかという問題提起であります。きょうは時間がありませんので、またの機会にその問題については譲りたいと思います。
 最後に、郵政省に伺っておきたいと思うのですが、懲戒処分、膨大なのがなされておりますけれども、これが裁判所であるとか公労委であるとか、あるいは公平委員会において取り消されている事例というのも少なくないわけであります。もう時間の関係で、その個別問題につきましては御説明していただく時間もなくなってきていると思いますけれども、とにかくそうした取り消された事例の幾つかなどを見ますと、職場の管理者の明らかな偽証、組合用語で言えばでっち上げによって事件がつくられ、刑事裁判にかけられ、刑事裁判は、これは偽証であるということで無罪になる。公平委員会におきましても懲戒免職は取り消せという命令が出る、こういう事例があるわけであります。
 実は、そういう事例について私の経験した幾つかの事例について見ましても、そこで刑事裁判は無罪になる、公平委員会は取り消される、職場に戻る、それでいわばおしまいであります。当局の側であのときそんなうそを言ったではないか、可でうそまでついて人を刑事事件にまで陥れたのか、何でうそをついてまで首という処分をしたのだ、こういう管理者に対しては、課長、係長に対しては、郵政省側として何らの処分がなされていないのであります。米田先生も、いわば今回の処分につきましても、組合側をばっさりとやるならば郵政省みずからのえりを正せという御質問がきょうあったわけでありますけれども、もっと具体的なケースについて煮詰めてみるならば、幾つかのケースについて皆そうでありますけれども、私、調べてみたならば、そういううそをついた職制についても何らの処分もされていません。いま申し上げましたような刑事裁判にたくさんかかって、毎年出ています。無罪になったケース、あるいは公平委員会で懲戒免職が取り消されたケース、私も命令書を詳しく読んでみましたけれども、それも明らかに何々課長の偽証である、大げさにそう言ったからそうなったんだ、こういう裁判所などの認定がはっきり出ているものについて、こういうことについて郵政省は、従来処分をしたことは一度もなかったのではないでしょうか。そして、そういうことであるとするならば、これは余りにも不公平ではないかと思うわけでありますけれども、まずその点について、もし私の前提に間違いがあったらいけません。そういう事案について郵政省側は、当該のうそをついた、偽証をした係長あるいは課長などを処分したというケースが過去にあったでしょうか。たくさんの公平委員会における取り消し事例あるいは刑事事件における無罪の事例、これについてきょうは一つ一つ聞きませんけれども、トータルでお伺いしたいと思います。
#72
○守住政府委員 こういう事案につきましては、実は具体的に一つ一つのケースでないとなかなかわかりにくいかと思うわけでございますが、包括的に申し上げまして、人事院の取り消しだとか修正等があるわけでございます。そういう点におきましても、管理者の証言が故意に事実をゆがめておるとか、実際に処分事実を体験し、記載した現認証に偽りはないわけでございますが、それの物の見方、評価とか、あるいは問責につきましても、国家公務員としてふさわしくない非行であって、これは明らかであるけれども、その処分の量定が懲戒免職等の場合、重きに過ぎるのではないかとか、こういった面でその修正等が行われておるというふうに把握をいたしております。
#73
○山花委員 結局処分したことは一つもない、こういうお話なんだと思いますけれども、いまお話しになったとおり、証言あるいは現認証の評価の問題ということ、そこでは水かけ論になってしまいます。
 たとえば具体的な例で伺いましょう。そういう事実の捏造が明らかになった事例といたしましては、杉並局の都丸事件と言われているもの、高輪局の長谷事件と言われているもの、あるいは石巻局の高田事件と言われているもの、公平委員会でまた説明していただくと詳しい内容も明らかになりますが、あるいは東京近辺では国立局の小林事件と言われているもの。最後に申し上げました問題は、たとえば当該の課長が小林君に千枚通しでおどかされた、こういうところから事件がスタートしたわけであります。もう一方の課長が、確かに千枚通しでおどかしていた、千枚通しを突きつけたと言うようなことになれば、これは確かに重大な事態です。そして告訴されて刑事裁判がスタートしました。刑事裁判におきまして小林君は無罪になりました。千枚通しでおどかしたというのが全くでっち上げだったということが明らかになったからであります。たまたま机のところに行きましたら千枚通しがあったので、それを手に持ったくらいのことはあったかもしらぬ。千枚通しでおどかして、しかも机をけとばして相手にけがを与えた、こういう事件がでっち上げであるということになりまして、八王子の裁判所で無罪が出て、確定をいたしました。そして、これは公平委員会におきましてもほぼ同じような経過をたどりまして、懲戒免職でありますけれども、免職が取り消されました。そして職場に戻ったわけであります。実はきわめて個人的な経験ですが、私は初めからずっとこういう事件にタッチしておりましたので、この当該課長の現認証あるいは捜査官憲に対する報告書、膨大な記録がありますけれども、全部調査をいたしました。でっち上げであるということが余りにも明らかなケースであります。しかし、いま申し上げましたようなうそをついた当時の国立の郵便課長や保険課長、私は先ほどこの後の経歴について伺ったわけでありますけれども、転勤をして、出世ということはありませんが、だんだんだんだんいい役職についておられる。こういう明らかなでっち上げをして、人を刑事裁判にかけ、首まで切らしておきながら、一方において、それが全部なくなった、シロであったということが明らかになっても、責任の一つだに追及していない。この郵政省の態度というものは、私どもから考えれば余りにも不公平であって、一方的に過ぎるではないかということだと思います。いま私が言った千枚通しでおどかしたというようなうそをついた国立の当時の集配課長たちに対して何らの処分をしない、こういうやり方で果たして職場の皆さんの信頼をかち取ることができるだろうか。こういう者に対しては、うそをついたらうそをついた、人を陥れたら人を陥れたで、その者に対する断固たる処分を示していく、えりを正していくという姿勢が省の側にとっても大事ではないでしょうか。
 私は実はたくさんの事件について質問しようと思って資料を持ってまいりましたけれども、時間がもういっぱいでありますので、一つだけたとえば国立の事件について伺います。こういううそをついた、でっち上げた者は処分をすべきではないでしょうか、いかがでしょうか。
#74
○守住政府委員 本件につきましては、先生御指摘のように傷害事件としては裁判所として認めないということであったわけでございますが、やはり公平審査の中でも出ておりますように、千枚通しを課長の面前に突きつけあるいは振り回したという事実については、千枚通しの柄を持っておったり机をたたいたりしたものであり、これは不穏当な行為ではあるけれども、たまたま課長の机の上に置いてあったものを手にして抗議に気勢を添えた程度である、課長に特別な恐怖の念を与えるほどのものではないというふうな認定の評価の問題でございます。あるいはまた、足で机の引き出しをけったという問題も、足で押したというふうなとらえ方から積極的な加害意思はなかった、したがって、国家公務員としてはふさわしくないけれども、懲戒免職のような一番重い行政処分には当たらないというふうな点で修正をいたしたものでございます。
 もちろん私どもも、そういう事実を捏造すると申しますか、そういう部分、そういう者、そういうケースにつきましては、先生御指摘のようなきちんとした対応、対処というものを考えていかなければならぬと思う次第でございます。
#75
○山花委員 最後に水かけ論になってもいけません。いま公平委員会の判定書などをちょっと引用されましたけれども、実は私、彼が裁判所でしゃべった速記録を持っています。この速記録の中にも出ていますが、千枚通しを突きつけた、こういう証言をしているのです。一貫して現認証からそうなんです。千枚通しを突きつけておどかされたと言うものだから検事は裁判にかけたわけです。ところがそれがうそだということになってひっくり返りました。いまおっしゃったような単に評価の問題だけではない。悪意を持って偽証をして、うその現認証をつくっていくということがあるわけでありますから、そういう問題につきましては、私は今後ともまた機会を改めて御質問させていただきたいと思いますけれども、悪いことをやった者は悪いことをやったとして処分すべきである、こういう郵政省の態度が必要であろうということを強調いたしまして、時間が一、二分過ぎましたので、以上で終わりたいと思います。
#76
○石野委員長 この際、午後一時十五分まで休憩いたします。
    午後零時十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十七分開議
#77
○石野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質議を続行いたします。竹内勝彦君。
#78
○竹内(勝)委員 今回の郵便貯金法の一部を改正する法律案、これを提案してきたわけでございますけれども、まず最初に論議に入っていく上からも、この提案した理由、これを概略御説明いただきたいと思います。
#79
○佐藤(昭)政府委員 この郵便貯金の預金者貸し付け、いわゆる「ゆうゆうローン」と称しておりますが、これは、先生御承知のとおり、日常生活におきます不時の出費の際に預金者にその貯金を担保として貸し付けを行いまして、貯金を継続できるようにするものでございまして、昭和四十八年の一月に貸付限度額十万円で発足した制度でございますが、その後この限度額は社会情勢の推移に伴いまして二十万円、次いで三十万円、またさらには昨年五十万円に引き上げを認めていただきまして、現在五十万円となっているものでございますが、預金者の利益を増進し、あわせまして預金者の要望にこたえるために、今回これを七十万円に引き上げたい、かように考えて、そのためにこの郵便貯金法の一部改正法案を御審議をお願いしている次第でございます。
#80
○竹内(勝)委員 預金者のこの貸し付けの限度額、七十万円に引き上げたい、これはいままでの経過というものがございますけれども、私は、現在の一連の公共料金の値上がりや物価の値上げ、そしてまた最近の国民生活の状況、またこういった「ゆうゆうローン」等の利用者の実態、こういったものからかんがみて、果たしてこの限度額が七十万円でよいのかどうなのか、こういうように持ってきた直接的な根拠、理由というものは一体どういったところに置いておるのか。いままでの実態とあわせて、それから今後サービス向上のためにこういう計画を持ってやっていきたいというようなものがあれば、それも含めて御説明いただきたいと思います。
#81
○佐藤(昭)政府委員 「ゆうゆうローン」の現在までの利用状況でございますが、五十二年度につきまして申し上げますと、貸付件数で四百七十七万件、貸付金額で三千九百八十四億円となっておりまして、年度末におきます現在高は、残高でございますが、一千百二十一億円となっております。
 五十三年度につきましては、まだ年度末のものが確定しておりませんので、昭和五十四年一月末現在で申し上げますと、貸付件数で四百十三万件、貸付金額で三千七百五十億円、貸付金の現在高は千百七億円となっております。
 また、四十八年の制度創設以来の利用状況でございますが、五十四年一月末現在で貸付件数が累計約二千四百十万件、貸付金の累計が約一兆七千七百億円、こういう状態でございます。
 顕著ではございませんが、大体この二、三年で見ますと、約一〇%程度の御利用の増という形で推移をしてきておるわけでございますが、一件当たりの利用金額ということで見ますと、五十二年で約八万三千円、五十三年では一件当たり平均九万一千円というふうな数字でございまして、一件当たりの金額だけで見ますとそう高領ではない。ただ、これは一件当たりでございまして、一人当たりではございません。
 昨年六月に現行の五十万円に引き上げられましてから、その後約二カ月間の状況を、これは抽出調査でございますが、約百十局の郵便局につきまして調査をいたしました。その結果で見ますと、三十万円、すなわち昨年六月の限度額でございました三十万円を超えての御利用というようなものを見ますと、その調査の中では、三十万円超五十万円までの金額をお借りになっている方が一八・八%、約二割というような数字が出ております。また、五十万円ちょうどというぎりぎりの貸し付けを受けられた方が約七%というような数字になっておりまして、限度額の引き上げの効果というものはそれなりにあるわけでございます。
 また、別な場におきましていろいろのお声を伺いましても、御要望というものは現在の限度額をさらに上げてほしい、これは限度額といいますものは上げれば上げたにこしたことはない、大は小を兼ねるということでございますが、そういった御要望がございますけれども、私どもといたしましては、この貸付制度の趣旨が、最初に申し上げましたように、生活上の不時の出費にお立てかえをする、そして貯金を継続していただく、こういうような形で参っているわけでございまして、おのずから限度額というものは、それの返済が可能な限度でということも考慮していかなければならないかと思います。こういったことからいたしまして、今回は七十万円ということでひとまず引き上げをお願いしている次第でひざいます。
 なお、これはやはりこれからの社会情勢の推移というものをよく考え、また御利用の方々の御要望というものもよく考え、あるいはまた実態というものも見ながら、今後についてはまた対処してまいりたい、かように考えております。
#82
○竹内(勝)委員 最近の郵政事業の発展、郵便貯金の伸びは、世界の例から見ても非常に大きな伸びになっており、なおかつその利用者へのサービス、また全国の状況との連携、こういったものからオンライン化を進めておるわけでございますけれども、このオンラインの進捗状況について、これは概略で結構でございますので、まずその状況をお知らせ願いたいと思います。
#83
○佐藤(昭)政府委員 御承知のように、為替、貯金業務のオンライン化でございますが、昨年の八月から神奈川県下の郵便局を手始めにいたしまして、オンラインシステムの導入を始めまして、その後逐次オンライン化の局を増加させてきたわけでございます。現在、神奈川県及び埼玉県下におきまして約五百の郵便局で、通常貯金、定額貯金、定期貯金及び預金者貸し付けなどを中心にいたしまして、オンラインによる取り扱いを行ってまいっております。
 このオンラインの構想といたしましては、全国を九地域に分けまして、東京、大阪等、それぞれの地域の中心的な地方貯金局におきまして大型の電子計算機を設置いたしまして、それと各郵便局とを通信回線で結びまして、オンラインサービスを行うという構想でございますが、今後オンラインシステムの導入地域の拡大を順次いたしてまいります。本年度は、いま申しました神奈川県に全部入る、それから埼玉県、栃木県、東京都、大阪府というふうに入れてまいりたいという予定でございます。また、来年の三月には愛知県にも導入したい、かように考えているわけでございますが、このようにオンラインシステムの導入地域が広がるにつれまして、年金、恩給の振替預入、また給与預入、それから自動支払い機によります払い戻しなどをオンライン方式に切りかえていくことにいたしております。
 そのほか、現在民間の金融機関で提供しております総合口座、それから公共料金等の自動振替、こういったサービスにつきましても実施していくことが可能となると考えているわけでございます。
 さらに、郵便為替、郵便振替などの送金サービスにつきましては、オンライン化された地域がある程度広域となりまして初めてオンラインの効果を発揮するわけでございますので、これにつきましては、大体五十六年度以降オンライン化することで現在計画を進めている次第でございます。
#84
○竹内(勝)委員 このオンライン化に伴いまして、いまの御説明のように、恩給の事務であるとか利子記入であるとか、その利用者へのサービスということで、どうしても今後大きく発展が迫られておる、そういったものではないか、こう思います。しかし、一般の市中銀行等における、都市銀行との連携というものが今後どうなっていくのか、こういったものへの衝撃はかなり出てくるのではないか。それと共存していこうとしておるのか、あるいはそれを上回って、郵貯が世界にも例のないほど非常に大きく伸びてきておる中で、どういう考えで、既存の民間金融業者との調和をどうとってやっていこうとしておるのか、そういった面も含めて、今後の構想をもう一度御説明いただきたいと思います。
#85
○佐藤(昭)政府委員 まず、民間の金融機関に対する衝撃というようなお尋ねでございますが、すでに民間金融機関は大多数のものがオンラインサービスを実施しているわけでございまして、郵便貯金業務の方がむしろおくれをとっている、こういう形であろうと私どもは認識しております。したがいまして、民間金融機関のオンラインサービスというものも十分参考にしながら為替、貯金業務のオンラインサービスを私どもといたしましては今回実施に踏み切ったわけでございますが、これの全国ネットワークが完成いたしますのは大体五年計画でございまして、まだまだ全国にサービスをあまねく行き渡らせるには相当の時日を要するわけでございます。
 また、民間に対する衝撃と申しますと、よく私ども言われますことは、郵便貯金のシェアがだんだん民間金融機関に比して大きくなってきているのじゃないか、こういった面での脅威といいますか、そういったようなことを時に言われることがあるわけでございますが、そういった理解の上に立って申し上げますと、このオンラインサービスによりまして顕著に出てまいりますメリットと申しますのは、やはり事務処理の迅速化と、それに伴って利子計算も速くなりますし、そういった迅速化ということ、効率化ということが主体でございまして、いわゆる預金面で問題視される定額貯金、これは郵便貯金の中で八五%を占めておるわけでございますが、この定額貯金というようなものにつきましては、ほかのサービスに比べましてそれほど大きな変化はございませんので、そういった面では民間金融機関が心配をされるようなことは余りないのではなかろうかと考えるわけでございます。
 それから送金決済業務につきましては、先ほど申しましたように五十六年度以降ということを考えておるわけでございますが、そういった送金決済業務というようなものが全国ネットワークに乗りましてサービスが行われるという段階におきましては、現在、ごく最近でございますが、民間金融機関の方でも、そういった送金決済業務については横の連携をとって全国ネットを張るというようなことも行われてきておるようでございますが、そういった問題とのいわゆる連携というような問題もあるいは一つの課題といいますか、一つの話題となるかもしれないと思うわけでございます。
 ただ、私どもといたしましては、現在まだそのオンライン化が緒についたばかりでございますので、そういった民間との連携と申しますか、こういったものについてはまだ検討する段階になってないわけでございますが、仮にそういったことをいたすといたしましても、やはりその必要性あるいは妥当性というようなものも幅広く検討する必要がございますし、また現実問題としては、法制上の問題であるとか技術的な問題であるとかいろいろとあろうかと思いますので、現段階では何ともまだ申し上げかねるわけでございます。
#86
○竹内(勝)委員 それでは、預貯金金利の面で若干お伺いさせていただきます。
 公定歩合引き上げに伴いまして去る五月七日より正式に決定、実施されておりますが、この金利引き上げに関しまして、いままでの経過を含め、内容を最初に概略御説明いただきたいと思います。
#87
○佐藤(昭)政府委員 金利の改定の問題でございますが、これは先月公定歩合が引き上げられまして、それに伴いまして民間の金融機関の預金金利というものにつきましても引き上げの動きが出てきたわけでございます。郵便貯金の場合には、御承知のように預金者の利益というものを考え、と同時に、また民間金融機関の金利というものについてもその動向を十分勘案するということが一つの原則になっておりまして、そういった面から私どもの方もその動向を見ながら検討をしてきたわけでございますが、民間金融機関の金利がガイドラインが決定いたしました段階で、私どもも先月末に郵政審議会に金利の改定案をお諮りいたしまして、その答申を得ました上で五月七日から金利の引き上げを実施したわけでございます。
 具体的な金利の引き上げ幅といたしましては、通常貯金が〇・四八%引き上げまして二・八八%になる。積立貯金は〇・七二%引き上げまして三・七二%になる。定額貯金は、預入期間別に申し上げますと、六カ月以上が〇・七五引き上げで三・七五%、以下同様に、一年以上が〇・七五引き上げで四・二五%、一年六カ月が〇・七五引き上げで五・〇〇%、二年以上が〇・七%引き上げて五・三〇%、三年以上が〇・七五%引き上げで五・五〇%、かようになっております。また定期預金は、〇・七五%引き上げまして六カ月のものが四・五〇%、一年ものが五・二五%、かようになっております。
 主要なものにつきまして申し上げますと以上のようなことでございますが、大体これは五十三年四月以前の金利水準にそれぞれ戻った、こういう形になっているわけでございます。
#88
○竹内(勝)委員 それで、この金利引き上げに伴って今後預金者としていつの時期に預けかえをした方がよいのか。その預け入れた時期や、あるいは今後払い戻していこうという時期等いろいろあるわけでございますけれども、いろいろ複雑で、一般の新聞報道におきましてもちょっとわかりにくいような、国民にそのように受け取られておるのではないか、こう考えるわけでございますけれども、その辺の、定額貯金等を例に出していただいて、その他の貯金でも結構でございますけれども、どういう状態のときにどのように切りかえたならば預金者にとっては非常に有利になっていく、こういう形に持っていった方がよいのだという、郵政省として、やはり利用者に対しての向上のためにぜひわかりやすい御説明をしていただいた方がいいのじゃないか、こう思いますので、その点をまずここで説明をいただきたいわけでございます。
#89
○佐藤(昭)政府委員 定額貯金について申し上げますと、定額貯金は御承知のように預入後六カ月までが据え置き期間でございまして、そこで六カ月の金利がある。それからまた、さらに六カ月たって一年でまたさらに金利が上がる。最高五・五%で三年以上というのが最高の金利でございますが、それぞれ経過期間に応じてその段階での利率というものが預入時にさかのぼって適用になりまして、六カ月複利で計算されるという形では非常にユニークな体系になっているわけでございます。したがいまして、今回の利上げによりまして、従来預入されたものとの比較で、どこで預けかえたら有利か、あるいはまた預けかえない方が有利かというような問題につきましては、お互いの計算をいたしまして、それのすり合わせをいたしませんと単純に出てまいりませんので、その点でちょっとおわかりにくい点が一般の利用者の方々にもあろうかと思うわけでございます。ただ、今回の金利改定後の水準と申しますのは昨年の四月二十四日以前の金利水準と同様と先ほど申し上げましたが、したがいまして、五十三年四月二十四日以前にお預けになったものは、そのときの金利と現在の金利が同様でございますから、そのまま預入を継続された方が、期間が経過するだけ上がるわけでございますから有利である、まずこのことが言えると思います。
 それから、二点目といたしましては、五十三年四月二十五日から同じく五十三年十一月三十日までに預け入れたもので今回の金利引き上げ以降、つまり五月以降おおむね二年以内に払い戻される予定のものは、やはりその間に期間が経過するに従って金利が上がっていく。これが新金利で預けかえされるよりも期間が長いわけでございますから、比較してみますと、預け入れをそのまま継続された方が有利である、こういうことでございます。
 そこで、それ以外のものでございますが、五十三年四月二十五日から十一月三十日までの預け入れのもの、いま申し上げましたものでございますが、これでことしの五月以降大体二年以上お預けになるもの、それから昨年の十二月一日からことしの五月六日までに預け入れられたもの、こういったものにつきましては、預けかえをされた方がそれぞれの期間によって有利となるものがあるということが概括的には言えるわけでございます。
 ただ、個々具体的なものにつきましては、今後の払い戻しの御予定等もございますし、そういったものも伺いながら郵便局の窓口で御説明をするということが妥当かということで私どももそのように指導し、またPRもしてまいった次第でございます。
#90
○竹内(勝)委員 いまの定額貯金に関して、郵貯に占める割合というものはこの定額貯金、非常に利用者にとりましては、いろいろと多くの人たちがこれを利用して、かなりのものになっておるわけでございますが、いまの御説明で、今後預け入れる期間は関係なく、またいままでのことも、いつ払い戻すかという期間は関係なく、昨年の十一月三十日以降に預けたものは、五月七日までのものならば、これはもうそのまま預けかえた方が有利であるというように私受け取ったわけでございますが、それでよろしいのでしょうか。
#91
○佐藤(昭)政府委員 ちょっと私の御説明がくどくて御理解しにくかったかと思いますが、昨年の四月二十五日から昨年の十一月三十日までに預け入れをされたもので、ことしの五月に、さてどうしようかと考えられた場合に、なおこれから大体二年以内で払い戻す予定だというようなものについてはそのまま預けかえをなさらないでお預けっ放しのままの方が有利である、こういうことでございます。それで御理解いただけましたでしょうか。
#92
○竹内(勝)委員 いや、私が言っているのは、その期間のことに関係なく、これをいままで預けた人が、この期間の人に限っては預けかえた方がどう見ても有利ですよという期間があるように聞いたわけですけれども、その期間はないのですかということです。
#93
○佐藤(昭)政府委員 五十三年の十二月一日からことしの五月六日までにお預けになった旧金利の定額の預金につきましては、お預けかえをなさった方が大体有利であるということが申せようかと思います。ただ、大体と申しましたのは、やはり早目に払い戻しをされるとかいうような場合には、これは定額貯金の性格上、六カ月ごとに金利が上がってまいりますので、そこのところが非常に凹凸がございまして、お払い戻しになる時期によりまして若干損得が出てまいる場合がございます。そこで大部分という申し上げ方をしているわけでございます。
#94
○竹内(勝)委員 ですから、わずかな期間でございますから、じゃ今後どの以内で払い戻しをされる方はもうやめておいた方がいいですよ、あるいは払い戻しが何カ月後になるということがあるならばこれは完全に預けかえた方が有利ですよという期間が必ずあるはずですよね。その期間を示してほしいのですよ、そんなあいまいなことじゃなくして。これは大事なことですからね。
#95
○佐藤(昭)政府委員 私、非常に細かく申し上げましたので、かえって御理解を得にくかったかと思いますが、いま申し上げましたうち、本年四月一日から五月六日までの預入のものはまずお預けかえいただいた方が有利というふうに言えるかと思います。
#96
○竹内(勝)委員 まずとか大体とかとなると、じゃその期間、たとえば半月間くらいは出さぬ方がいいのかということになるわけですから、それを私は言っているのであって、いいです、それは細かいことをまたよく国民の皆さんにわかるように、ぜひ国民に愛される郵政事業としての御活躍のほどをお願いしたいと思いますが、時間の関係でこの問題だけやっておれませんので、次に移ります。
 そこで、特定郵便局に関して若干お伺いさしていただきますが、この特定郵便局の占める位置というものは、わが国にとりましてこの郵政事業の中で最も地域住民に密着したものであり、多くの人々から親しまれてきております。そこで、現在この特定郵便局の、地域によってでございますが、統合であるとかあるいは撤廃というような意見もあるやに伺っておりますけれども、そういう特殊事情ということもございますが、しかし、今後の発展というものを含めてどのように考えておるのか、その実態と今後のお考えを御説明いただきたいと思います。
#97
○江上(貞)政府委員 特定郵便局の撤廃あるいは発展というものについて、その実態と今後の方針も含めてという御質問でございますが、最近置いておりますのは無集配の特定郵便局がほとんどでございますけれども、最近は主として都市及びその近郊発展地等で取扱量の比較的多い地域を対象といたしまして、必要度の高い地域から逐次設置をいたしてまいっておるわけでございまして、今後とも設置につきましてはこのような方針を維持してまいりたいというふうに思っております。
 なお、廃止でございますが、炭鉱の閉山あるいは鉱山の閉山あるいはまたダムの建設によりまして地域が水没をいたしまして、住民の方がほとんどいなくなるというような場合、また地域の衰微等に伴いまして業務量が激減をする、その結果施設効果が著しく減少をしてしまうというような場合に限りまして、廃止をいたしましたり、あるいは移転をいたしましたりしておる場合がございます。最近五カ年間について見ますと、廃止をいたしました特定郵便局は約三十局程度ございます。
#98
○竹内(勝)委員 そこで、今度はこの特定郵便局の内容に関して若干お伺いさせていただきます。
 たとえば給与であるとかあるいは定年の問題、幾つも重要な問題がございますが、特に郵便局長さんの給与、定年の問題、あるいはこういう人たちの他の公務員の人と比較して、たとえば学校の先生やあるいは一般の地方公務員の方と比較して、非常に重要な立場におるにもかかわらず待遇の面におきましてはその状況によっては恵まれていないのではないかというような点を感じるものもあるわけでございます。またその状況によっては、たとえば過去において自分の土地を、自分の家を提供し、そして特定郵便局として発足していった、そういったところの人が、郵便局長さんが定年になっている、その後、たとえば自分の家族の者とかあるいは関係の者をそういったものの後になっていっていただいたならばというような意見もいろいろとあるわけではございますけれども、しかしこういった重要な立場でございますから、そう自分の考えだけで進めていくようなものではない、こう感じるわけですが、私はこの待遇の問題、内容に関して、やはり地域で重要な立場として今後ますます地域住民に本当に喜ばれていくようなものでなければならないと思いますので、その面の状況と、それからお考え、今後どういうようによくしていきたいというようなお考えを持っておるのか、その点をひとつ……。この点は重要な、みんな注目しておるものでございますので、ひとつわかりやすく御説明いただきたいと思います。
#99
○守住政府委員 先生から特定郵便局長の重要な役割りにかんがみましてのその処遇について各方面からのお尋ねがあったわけでございますが、まず定年などの点でございますけれども、御承知のとおり国家公務員一般が定年制という制度としてはまだ実施されておりませんので、私どもの郵政省の中ではいわゆる勧奨による退職という方法でやっておるわけでございますが、この特定郵便局長の勧奨退職の最高限度と申しますか、そういうものにつきましても、特定郵便局の特有な性格、あるいは特定局長が長く地元におって、ほとんど無集配特定局でございますので、相当高年齢になっても十分地域に密着した職能を果たし得るとか、いろいろな面を十分踏まえまして、これを最高六十八歳といたしておるわけでございまして、普通の郵便局の管理職の場合と大体十年ぐらいの違いというのを設けておるわけでございます。もちろん、そういう中で、健康その他の事情によってその職務が十分遂げられないという方につきましては、その中で勧奨退職ということでおやめになっていただくという例もあるわけでございますが、これを他の教育公務員とか他の地方公務員等々と比べてどうかということでございますが、そういう方面、まだ実情をつまびらかに知らないわけでございますが、やはり特定局長らしい定年勧奨年齢ではなかろうか、このようにとらえておる次第でございます。
 もう一つは、給与その他の処遇の点でございますけれども、これは特定郵便局長は管理職でございますので、管理職俸給表の適用を受けるということでございます。したがいまして、まず管理職の五級、四級、ごく一部が三級、こういうふうな管理職の俸給表の適用を受ける特定局長グループに位置づけておるわけでございます。したがいまして、部下の数は普通局と比べては非常に少ないわけでございますけれども、地域の中で非常にリーダーシップのもとにきめ細かいサービスをやっていただくということで、特定局長のその自己責任のもとにそういう処遇等についても十分配慮をしていこう、こういう考え方に立っておるわけでございます。
 なお、お尋ねのその地域の地方公務員等との比較ということでございますが、御承知のとおり、教育公務員につきましては人材確保法によりまして教職員の特殊性ということから何回か給与が引き上げられておりますので、それと比較するのは実はいかがかと思うわけでございますが、私どもも、全体の管理職の中で特定局長にふさわしい処遇ということを絶えず念頭に置いて位置づけておる次第でございます。
#100
○竹内(勝)委員 次に、ちょっと時間の関係でもう一点お伺いさしてもらいますが、目の不自由な人に対しての盲人用の点字を掲げた書物、そういったものに関していわゆる郵便法第二十六条の中に「盲人用点字のみを掲げたものを内容とするもの」あるいは「盲人用の録音物又は点字用紙を内容とする郵便物で、省令の定めるところにより、点字図書館、点字出版施設等盲人の福祉を増進することを目的とする施設から差し出し、又はこれらの施設にあてて差し出されるもの」等、こういうようなものの「第四種郵便物で第一項第二号及び第三号に掲げるものは、無料とする。」こういうものがあるわけでございますが、全国におきまして二十数万人といわれるこの目の不自由な人に対して、そういった面で恩恵という形でこういったものが行われておるということは、そういう方面の人たちから非常に感謝をされておるわけでございます。
 同時に私は、この問題を考えるに当たりまして、家族なり関係者なり、いわゆる目は不自由ではございません普通の正常な人たちが、同じようにそういう目を不自由にしておる人たちを持っておるという関係から、やはりそういうものを利用していきたい、及び家族の人も含めていきますと、今度はその点字のみではなくして、目を不自由にし、なおかつ口においてもあるいは耳においてもそういった不自由な方に対しては、これはもうその家族の人と対話すること自体もやはり点字とそれから今度はその点字を含めて活字、普通の人たちがその人たちと対話をしていくためには、その活字と点字とが入りまざったそういう書物なり、あるいは最近におきましては点字カレンダーとか正視点字早見表というようなものがつくられておるわけでございますけれども、こういうものまでもこの郵便法第二十六条の中に含めていったならば、この恩恵を受けている人たちは非常に喜ばれていくのではないかと思いますし、またそういう要望というものが私のところへも来ておりますので、ぜひこの点を御検討いただきたいと思いますので、その辺の現在の実態と今後のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
#101
○江上(貞)政府委員 現在の実態と今後の考え方というお尋ねでございますが、多少統計が古うございますけれども、昭和四十五年十月の実態調査では、これは厚生省の調査資料によりますと、視覚障害者の方が全国でおおむね二十五万人おいでになるということになっております。
 次に、御指摘の第四種盲人用無料郵便物には、盲人用点字のみを掲げたものを内容とするもの、盲人用の録音物及び盲人用の点字用紙を内容としたものがあるわけでございますが、昭和五十二年度でこれらの引受郵便物はおおむね二百二十万通でございます。
 そこで、先ほど御指摘のように、現在郵便法第二十六条に「盲人用点字のみを掲げたものを内容とする」という規定がございまして、問題はこの「のみ」というのを多少弾力的に解釈してはどうなのかという御指摘ではなかろうかと思いますが、私どもといたしましても、点字以外のものが記載されていれば一切だめだというふうには考えてはおりません。この制度の趣旨からいたしまして、盲人の方が郵送されましたものを使用し、整理し、あるいは保管するに当たりまして、御家族の方など盲人以外の方の御協力を得るため必要な最小限度の印刷はこれを認めざるを得ないのではないかというふうに存じまして、たとえば活字で印刷された目次でございますとか、点字の読み方一覧表というようなものにつきましては「盲人用点字のみを掲げたもの」、法律上それとして取り扱ってきているところでございます。法文の趣旨からいたしまして、弾力的に過ぎる取り扱いもいかがかと存じますし、余りにかたくなな取り扱いもいかがかというふうに存じまして、将来ともただいま申し上げましたような方針のもとに運用してまいりたいというふうに存じている次第でございます。
#102
○竹内(勝)委員 それでは最後に、切手売りさばき手数料の関係で若干お伺いさせていただきます。
 今回のこの切手の売りさばきに関して、手数料を値上げするに当たって省令で定めるように、こういう改定を考えておるわけでございますけれども、その理由をお聞かせください。
#103
○江上(貞)政府委員 御承知のとおり、本法は昭和二十四年に制定されたものでございますが、売りさばき人に支払います手数料につきましては、その手数料率がそれ以来法定化されてまいったものでございます。ただいままでの手数料率を何回か当委員会にお諮りいたしまして改正をさせていただいたわけでございますが、国会におきましても、これを法律から外したらどうかという御指摘をいただいたこともございます。その結果、いろいろと検討してまいったわけでございますが、他の類似の手数料、たとえば、たばこでございますとか塩、公衆電話などといったものを見てみますと、現在法律で手数料を定めているものはございません。それぞれ省令でございますとかあるいは通達、公示といったものによって定められているわけでございまして、なおあわせて手数料率を社会経済上の変化等に容易に即応させるには省令の方が便宜でもあろうかというふうに存じまして、この際売りさばき手数料の定め方を法律から省令に委任させていただきたいということで御審議をお願いしている次第でございます。
#104
○竹内(勝)委員 大臣にお伺いします。
 今回の切手売りさばき人の手数料に関して値上げすること、そういった面で非常に要望が出ておる中で、非常に結構なことである、こう考えておりますが、これ以外の考えなければならないのは、たとえば国民に直接影響を与えていくもの、今後郵便料金の値上げであるとか電話料金の値上げ、あるいは本委員会で問題になりますところのNHKの受信料の値上げであるとか、そういうようなものが、こういった省令なりあるいは政令なりといった形で、このさきの国会でも見られたようにあの国鉄運賃を考えていただければわかりますように、さきの国会で、制限は加えておりますけれども、国鉄運賃が政令によって大臣の認可で運賃を上げていくことができるようになってしまったわけでございます。私どもはこれに反対したわけでございますけれども、それがああいった形になって、御承知のとおり昨年の七月八日に値上げされたものが、さらにもうことしは五月二十日に国鉄運賃が再び大幅に上がっていった。国民生活へ与える影響というものは非常に大きいわけでございますし、私鉄と比較したならば、二倍、三倍というところがざらに出てきておる。ですから、私鉄の沿線のところへ引っ越していくとか、あるいは学生などはそういったところへ下宿を探していくというようなことにまでなってきておる。そこへ今度は、国鉄が上がったのだから私鉄も上げましょうということでまた拍車をかけていくというような事態になっていっておるのは大臣も御承知のとおりでございます。私がこの論議を進めるのは、今回のものはこれは皆さんが喜んでもらえる形でその手数料を上げていくという形でございますから、何らこれに異論をはさむものではございませんが、こういった考えがさらに進められて国民にしわ寄せになっていくようなそういうものにまで拡大していったならば、もはや国会、国民から選ばれた国会議員によって審議をしていく、つまり議会制民主主義の崩壊につながっていくと言っても過言ではないほどのそういった事態になってはならないがゆえに、その辺の歯どめだけはどうか郵政大臣としてきちっとお考えをはっきりとさせておいていただきたいわけでございます。その御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
#105
○白浜国務大臣 御指摘の点については、十分私どもも慎重に考慮してまいりたい。あくまでも国民の利益を考えて対処していきたいと考えておりますので、そのとおりに御理解していただきたいと思います。
#106
○竹内(勝)委員 どうもありがとうございました。
#107
○石野委員長 次に、野口幸一君。
#108
○野口委員 まず初めに法案に関連いたしまして、去る四月末に行われました全逓信労働組合に対する処分に関連いたしまして、若干の質問を申し上げたいと思います。
 先ほど米田委員からも、今回の処分という問題に関連いたしまして、郵政省自身にも当然責任があるわけであって、その責任に対して具体的にどのような措置をするのだというような御質問をなされておったと伺いますが、私も同様な考え方でございますが、と同時に、たびたび白浜大臣が国会の中におきましてお答えになっておりまする事例を引き出しまして、具体的な措置というものをどのような形でおとりになるのかということについてお伺いをいたしたいと思うのであります。
 去る当委員会におきまして、大臣は「もちろん行政責任は郵政大臣にあるわけですから、私はそのことを申し上げておるわけでありますけれども、今度の紛争については、長い間の経緯や歴史もあるかもしれませんけれども、労使双方でお互いに話し合いをして正すものは正していくということで進まなければ解決できないのだ、これを解決して初めて国民に対して責任を全うすることになるのであるというふうに私は理解をいたしておるわけでありまして、」こういうようにお答えになっておりまするが、それでは、仮に大臣がおっしゃるように、省の責任というのは労使紛争を解決することが責任を全うしたということになるのだ、こういうことになりますと、現在においてそれは労使紛争はすべて解決をしておるということになりましょうか、その点はいかがでしょうか。
#109
○白浜国務大臣 いまでもそのように理解をいたしておるわけでありますけれども、全くいま労使紛争のことが解決しているというふうには私も考えていないのでありまして、なおいろいろとまだ折衝が残されていることでございますので、話し合いを進めていこうというような段階であるというふうに考えているわけであります。
#110
○野口委員 そういたしますと、今日では省のおっしゃるところの、いわゆる省のおっしゃるというよりも大臣のおっしゃるところの、責任を全うしているということは言えないということでございますね。いかがですか。
#111
○白浜国務大臣 全うしている、全うしていないというよりも、省の方の立場で申しますと、なおこの解決に向かって努力をしているということでございます。
#112
○野口委員 言葉を返して失礼ではありまするが、お答えの内容から考えまして、労使双方でお互いに話し合いをしているということは前段にございますけれども、これが解決をして初めて国民に対して責任をとったということになるのだ、こういうお答えでございましたから、これがまだ解決していないということは、まだ国民に対して責任をとったということになっていない、こう解釈してもいいのじゃないかと思います。
 そこで、それとは別に経営的な責任と申しますか、そういうものを具体的にどうおとりになろうとしているのかという点が残るわけでありますが、それに先立ちまして、守住人事局長は、正すべきものは正す、こういうことをたびたびおっしゃっておられるわけでございます。正すべきものがあったのかどうか、なかったのか、その点は人事局長からひとつお答えをいただきたい。
#113
○守住政府委員 お答えを申し上げます。
 いろいろな問題が提起されておりまして、中心になりますのは不当労働行為、公労委に出ておりますような問題、あるいはその横にある七千件、六千件というふうな問題、こういうのがあるわけでございます。現在公労委事案につきましては公労委の場で、いろいろ私どもの準備と申しますか実情、実態も調査をいたしまして、対応していくわけでございますが、特に六千件、七千件と称する問題は、公労委の一時中断の事実上のメモにも示されておるところでございますので、私どもも一日も早くこの問題がその公労委メモのルールに従いまして、私どもの方あるいは郵政局等中心にこの問題の処理、対処に当たる、そしてその中で、いろいろまた正すべきものがあればと、そういう姿勢を持っておるわけでございますが、まだ具体的にはその詰めに入っておらない、段取りをどうつけるかというふうな話し合いを続けておるところでございます。
 なおまたそれ以外に、個別の問題で国会等でも具体的に御指摘がございましたものの中での下部の管理者の不十分さとか、出過ぎ、行き過ぎの具体的な法律違反にわたるような個別のケースにつきましては、それぞれいろいろな処分等を含めますところの、あるいはまた指導、矯正等々の措置を具体的にやっておるところでございます。
#114
○野口委員 そうしますと、現時点では正すべきものというのは何もないということですか。たびたびあなたが答弁でおっしゃっておられます正すべきものは正すという、その正すべきものというのは今日の時点ではないのですか、あるのですか。
#115
○守住政府委員 先ほどのお答えの最後のところで申し上げましたように、具体的ないろんな例がございます。下館郵便局その他のそういうものにつきましては、いろいろ処分等を含みます措置あるいは指導矯正上の措置等々を具体的にも行っておるところでございます。しかしいずれにいたしましても、大きな基本的なところは労使が理解を持つということでございます。今回の紛争の争点がいろいろ人事制度、任用制度等の非常にむずかしい基本にかかわる問題でございますので、基本的なところではお互いの見解の食い違いというものがなかなか多いわけでございますけれども、その中にありましてもいろんな身近な問題から話し合いを深めていこうというふうに努力をしておる。あるいは、さらにはまたいろいろ具体的な事案の労使間の話し合いの中で、いろいろ調査しましたものにつきまして具体的にそういう事実が明確になれば、それはまた個々具体的に措置をしていく、こういうやり方でございます。
#116
○野口委員 非常に残念な答弁なんでありますけれども、郵政省はどう思っておられるのか知りませんけれども、少なくとも今日まで労使紛争が十何年間続いて、特にマル生問題と言われておりますところのこの種の案件につきましては非常に長い歴史を持っておるわけであります。そして省の方も、不当労働行為は一切やらない、あるいはそれに類することも一切やらない、その指導徹底を図ります、こういう言葉はたびたび聞いておったのだけれども、しかし残念ながら今日明らかになっていないとは言いながら、少なくともそういう案件について多くの事案が出ているということになりますと、これは正すべきものを正していないということによって起こったものも多分にあるのではないかと思わざるを得ません。これは、一方的に労働組合側だけが一〇〇%悪くて、そして今回のこの問題が生じたとは思えないのであります。したがって私は、人事局長の答弁としては正すべきものというのは当然あるだろう、しかしその中にあってまだ具体的なものというのはつかめていない、こうおっしゃるならともかくでありますけれども、前段として正すべきものがなかったようなふうにとられるような御答弁があるということは非常に残念なんであります。少なくとも今回の紛争が出てきたこと自体においても正すべきものが正されていなかった、こういうように私は理解をするわけでありまして、その意味でも、今回の紛争が生じたということだけでも私は省側に幾ばくかの責任が当然あったと追及せざるを得ないと思いますが、この点はいかがでしょう。
#117
○守住政府委員 先ほども申し上げましたように、不当労働行為の審査案件とか、特にまた七千件、六千件と称するものがあるということでございますので、その問題の解決の処理の中でいろいろ中央で分類整理をいたしまして、地方郵政局を中、心として労使で話し合いを進めたい、こう思っておりますが、そういう関連の中で事実関係等を調査して正すべきものがあればそれはやはり正していこう、こういう方針をとっておるところでございます。
 また、先生おっしゃいましたいろんないままでの確認の不十分さというふうな面もあるわけでございますが、私ども何が正当な労働組合活動かという物の見方、あるいは人事差別と称するものの物差しの物の見方については、これは見解とか立場の違いとかいろいろあるわけでございますが、しかし私どもとして、従来の労使間の特に不当労働行為関連での確認というものについては、なお今回を教訓といたしましていろいろ指導を強化しておる、こういう状況でございます。
#118
○野口委員 私は、そのおっしゃっておられることは理解できないわけではないのですけれども、郵政当局が今日までとってこられたいわゆる労務対策と申しますか、その中にありまして、一つは省自身が謙虚に事例を受けとめるという姿勢がなかったのではないだろうか、このような気がしてなりません。
    〔委員長退席、久保(等)委員長代理着席〕
いまお答えの中にも散見できるわけでありますけれども、たとえば私はいろいろな事例について意見が対立しておることは認めます。また立場も違いますからその解釈も違うでありましょう。しかし、他の三公社四現業に見られない事態がわが郵政当局にあるわけであります。労使紛争が他の、俗に言う公労法適用組合の中にも存在をしているかというと、今日の時点では、多少はあっても郵政ほどの事例はないわけであります。ところが、郵政だけが特異な労使紛争をやらなければならないほどの事態が存在しておるということは、これは労働組合に一〇〇%理由があって郵政省側は何もない、ゼロだ、こうおっしゃり切れるだけの自信がおありなんですか。そこのところも謙虚に受けとめておられない事例があるのではないだろうか。こういう紛争が十何年間続いているということそれ自体にも幾ばくか責任があるのではないか。だから、正すべきものは正すとおっしゃいますが、正すべきものというのは労使双方の紛争が始まったときにすでに存在していたのではないか、正すべきものは省側にもあったのではないかということを申し上げたいのであります。ただ済んでから、この事例はどうだ、あの事例は組合側と主張の相違があるからこうだ、そういった言いわけではなくて、今日の紛争が起こった原因を究明していく場合において、一〇〇%労働組合側にその理由があったのだ、こういうことは言い切れますか、どうですか。
#119
○守住政府委員 私ども、先生おっしゃいますように一〇〇%、私の方の現場の問題がすべて正しいとは毛頭考えておらないし、受けとめておらないわけでございます。また、基本的な問題でございますけれども、私どもの指導の仕方が果たして現場に十分浸透しておったかどうかという点につきましても、今回のことをいろいろ教訓として認識を深めながら、その指導の強化なり何なりには取り組んでいかなければならぬ、このように考えておる次第でございます。
#120
○野口委員 そうならば、すでにその正すべきものが存在しているじゃありませんか。そのいままで徹底していなかった部分をさらに徹底すべきものがあるということは、正すべきことでしょう。あなたは調査をしたりあるいは今後の経緯を見なければ正すべきものがわからないようにいまおっしゃいますけれども、すでに正すべきものが存在しているじゃありませんか。つまり、いままで指導したことあるいはいろいろと下部へ伝達したことが徹底していなかったという事実があるわけでありますから、そのことについては明らかに省側のミスであったあるいは指導上の責任があったということだとお認めにならないわけですか。その辺が明らかにお言葉として出てこないところに私は不信を抱くのでございます。
 なぜかと申しますと、すでにその問題が起こっていたさ中にありまして、またまた不当労働行為の問題が各務原東郵便局で発生いたしております。これは事実を調べましたところ、何かテープにとられておったようでありまして、今日明確になっておるようでありますけれども、その内容は相も変わらず、全逓を脱退してよそのところに行けということを郵政局の人管課長代理という役職にある人が示唆をしている。こういう事例が東海郵政局内で起こっておるわけであります。そういたしますと、いま人事局長がおっしゃっておりますように、そういう事例をなくしていかなければならない、指導の徹底を図るということは全くそらごとにすぎないのでありまして、いまこういった問題を処理しようとお互いに労使が話し合って解決しようと言っているさなかに、こういった不当労働行為事件が起こっているということは一体どういうことなのですか。その点について省は、こういう不当労働行為についておやりなさいという指導をしているのですか。どうですか、人事局長。
#121
○守住政府委員 具体的な各務原東の事件については公労委に提訴された次第でございますので、その具体的な内容、背景その他もろもろのことについては十分調査をいたさねばならぬと思っておりますが、一般的に見ました場合、こういうふうに疑惑を招くような、提訴を招くような事案が出たということは、私どもとしても非常に残念に思っておる次第でございまして、冒頭申し上げましたような指導がまだ完全に徹底しておらぬ、いろいろ背景、事情はあるかもしれませんけれども、そういうのが提訴事案に出てくるということは非常に残念だ、また徹底もしていないということを痛感いたしておるわけでございます。
 ちょっとあれになりますが、正すべきものは正すという意味で冒頭申し上げましたのは、何と申しますか管理者の責任、具体的な指導、処分等の措置をとるという意味で具体的例を幾つか申し上げたわけでございますが、基本的には、いま先生がおっしゃっておられますように、私どもの現場管理のあり方につきましていろいろ今回の話も聞いておりますので、わが方の管理者のそれなりの立場、事情も一方ではあるわけでございますけれども、もっと多面的に認識を深めていって、不信感の起こらないような対応措置につきましての指導を徹底させていかなければならぬ、こう痛感しておる次第でございます。
#122
○野口委員 時間が余りありませんから具体的な事例を御紹介するわけにもいきませんけれども、ちょっと読ませていただいただけでも、ビールを一ダースそしてシャープペンシル、それから福田何がしという者が書いた「全逓を斬る」という本を贈呈いたしまして、君に期待している、脱退工作をしろといういわゆる指導といいますか教示を行っているわけであります。そして最後には、それが失敗に終わりましたならば、逆に、またチャンスをつくってやればよい、それから、あなたの身分は郵政省で見てやる、だから一生懸命やれ、郵政省があなたの身分は守ってやるのだから多少のことがあってもやれ、こういうことを公言しているのがテープレコーダーにとられてあって、その内容が明らかになっておるのであります。もし必要であるとするならばテープをお聞かせしてもよろしゅうございますけれども、こういう具体的な問題が今日の時点においてまだ発生しておるのであります。
 私は、この種の質問をこの法案審議の時間を使って言わなければならないことを残念に思います。人事局長、こういった問題が発生する原因というのは、それは多分に組合側にもあるかもしれません、しかし郵政省側にないということは、この一つの事例を見ても言えないわけであります。明らかにこういった行為が全国各所に存在しておる、このことを十二分に御認識いただいて、労使双方が本当に虚心坦懐に話し合える場をつくる上において、まずはこの問題を解決していかなければ、どんなりっぱなことを言ってみても始まらぬということを十二分に御認識いただきたいと思うのであります。
 そこで、その次の問題に移りますが、それらの問題をひっくるめまして、郵政省が今日持っております一つのアキレス腱といたしまして、任用、昇格、給与の面においていろいろ格差のある職場に働いておる、このことは人事局長御存じのとおりと思いますけれども、非常に格差のある職場の諸君は、内容的にはそういうものがあるということを知りつつも実は表には出ておらない部分があるかもわかりませんけれども、一つの職員の不満として潜在的に持っていることは事実であります。郵便事業、貯金事業、保険事業とそれぞれ性格の異なる三事業が合体した郵政事業であります。労働条件もそれぞれ違います。同じ外務職員といたしましても、外務職群俸給表ということで働かされております職員は、たとえば郵便職員の場合は、炎熱のもとあるいはまた酷寒の中にあっても走り回っております。貯金、保険はその間寝ているとは言いませんけれども、少なくともその郵便職員の御苦労に比べればやや労働条件は緩和されていると見ても差し支えないのじゃないでしょうか。あるいはまた内務職員の場合においても、郵便内務というものと保険の内務、貯金の内務というものとの格差、同じく窓口に座っていても、片や郵便の窓口における繁忙、貯金、保険におけるところのお客様の出入り等々あるいはまたそれにかかわるところの手当の問題を含めまして、基本的に洗い直さなければならない問題が存在するのではないかと私は思います。
 加えて、主任の任用、主事の任用におけるところの任用基準の適用の問題も、またその特定郵便局におけるところの、特に無集配特定局でもありまするけれども、主任とか主事の無配置局においては、主任になれないがゆえに昇格ができない、あるいはまた主事になれないゆえにもって昇格の対象になっていかないというような問題。そうしますと、特定郵便局で三十年勤めた者と中央郵便局で三十年勤めた者とが退職いたしました際には、年金において年額約七、八万円から十万円ぐらいの格差ができてくるのです。というのは、片方は当務者のままで一生を終える、片方は主事に昇格をして一生を終える、こういう格差がありますると、その三十年勤務をいたしました中にありまして、年金額においておよそ七、八万から十万ぐらい格差が出てくるということを聞いておるのであります。この問題。
 あるいはまた中央局、あるいはまた貯金局、保険局の非現業部門と無集配特定並びに特定集配局等に勤務する職員間の問題、また任用に当たりましては、これは問題でありまするところの特定郵便局長の任用制度、ある日突然局長の息子であるがゆえに局長になっていく、その姿を職員は見ているわけであります。自分たちが入ってくるときの苦労に比べれば、特定郵便局長になっていくその姿を職員が見たときにはどのような気持ちでそれをながめるでありましょうか。そういった矛盾点を払拭するという努力をなさずして職員の勤労意欲を向上させるということは非常に問題があると思うのであります。
 この際、私は質問という形をとりませんが、この問題については郵政当局も虚心坦懐に、こういった職員間のそれぞれの給与、昇任、昇格等の隘路について打開をしていくような方策を、ひとつぜひともこの際、こういった労使関係の問題を解決するに当たりましてもお願いをしたいと思うのでありますが、この点まとめて、そういうような問題についてどのような姿勢をお持ちであるかということを人事局長からお伺いしたいと思います。
#123
○守住政府委員 いま先生から郵便局におきます事業、三事業あるいは大局、小島の問題あるいはまたその中におきますところの給与はもちろんでございますが、昇任とか昇格とかあるいは退職年金に至るまでのような問題、いろいろ御指摘あったわけでございます。確かに、いささか個人的感懐も入るかもしれませんけれども、郵政事業三事業、共通業務もございますけれども、三事業を一体的に運営をするという中で、同じ郵便局の中でそれぞれの機能なり職能なり性格なり違った仕事があるわけでございます。そしてもちろん御承知のとおり、その基本である給与につきましては、給与特例法によりましてその職務の内容と責任の度合いに応じて、そしてまたその能率の発揮の状況に応じて給与というものは支払わなければならないという基本原則がございますが、この問題、郵政省職員、郵便局職員全体の基本給ということで三事業を行っておる、そしてそれに対して郵便は郵便らしくということで御承知の調整額とか加算額、大都市問題等もございますので加算額がある。片や貯金、保険の外勤等についてはいろいろ募集手当等もある。ただしその募集手当もその本人の努力いかんによってこれは変わってくるものでございますが、いろいろな給与制度等の絡みがある。しかし私ども、これは今回の新賃金の問題につきましても最終的には調停委員長見解、仲裁裁定を受けまして、この全体の基準額の中で労使間では配分交渉をやっていくわけでございまして、それぞれ労使の物の見方、三事業の中におけるウエートづけ等々の問題も労使で十分議論し合ってやっていかなければならぬ。片や一方では郵便の方は御承知の赤字財政でございます。その中でも郵便らしいいろいろおっしゃいましたような諸手当ということについても考えていかなければならぬ。物の見方によりますと非常に複雑なものがあると思っておりますが、大体いままでのところではおおむね総体の、年間の所得なり処遇という意味での処遇というものは、三事業間ではバランスがとれておるのではなかろうか。奨励手当に関しましてはちょっと異例の特殊なものでございますけれども、しかしやはりそれは職員の仕事の努力次第というものもございますので、ここはここでやはり判断、考慮をしていかなければいかぬということでございまして、各般の御指摘があったわけでございますけれども、ひとつ職員の皆さんも余りまた他の方の、非常に今回の闘争を通じていろいろな不満の結集と申しますか、組織化といいますか、最近ではいろいろなイデオロギー的なものの言葉も入ってくるようでございますけれども、そういうことでなくて、やはり地に足をつけた、地域の皆さん方にサービスをしていく郵政職員としてのあり方というものを中心に据えてお互いが話し合っていきたい。先生からのいろいろな御指摘の点もいろいろな中でどういう点で生かしていけるのか、その辺の実態の状況等も十分調べながら今後に対処していきたいという気持ちでございます。
#124
○野口委員 人事局長がその程度で受けとめておられるのだから問題があるだろうと思うのであります。やめておこうと思いましたけれども、そのようなお答えだと私はもう一言言わなければならぬと思うのです。
 たとえば、問題になりました主任の任用までの期間、採用から主任という最低の職務につくまでの期間、これはもう事業別にばらばらであります。局所別でもばらばらであります。一生かかっても主任になれない局所もあるのです。そうでしょう。無集配特定局では主任という職制がないところもあるんですよ。主事という職制がないところもあるんですね。たとえば、それが山間僻地で転勤とかそういうことが不可能な場合は、一生いわゆる主任とか主事とかいうものにつかないで終わっていくところもあるのです。しかしそれは、かわればいいだとかあるいはまた転勤さすことによってそれをカバーするだとかいうものではなくて、何らかの措置をとることによって職員の勤労意欲を低下せしめないような措置というものが当然あってしかるべきじゃないでしょうか。そういう思いやりというものが、実は郵政省の中にはないんですよ。全国津々浦々、至るところにある郵便局、こういう業態というのは余りないと思います。東京にもある。そして山間僻地の非常にひなびたところにも郵便局が存在をしておる、そういったまれに見る局所の存在。転在をしている状況だとか、あるいはまた仕事の内容が非常に多岐にわたっているものを一つにまとめてやっている、こういうようなもの。たとえば特定郵便局においてはいわゆる三事業ひっくるまってやっているわけでありますから、必要とする知識ということになりますならば、広く浅く知っていなければ恐らくできないでありましょう。これは単に税務署だとかあるいはその他の公共事業の職員と違いまして、恐らく頭が――頭がといいますか、知らなければならない知識というのは、はたから比べれば非常に大きなものを持っていると思います。そういった特殊的なもの、しかも公衆と直接接している、そして大事な資産をお預かりしておる部分もある等々、いろいろないわば日本の行政の中におけるところの縮図みたいなものを郵便局が背負って立っているわけであります。
 したがって私は、こういった特殊な業態である郵政省の職員の処遇というものは、本当に勤労意欲を起こさしめるような形にしていくためには、まずはどこの局所に勤めていても平等であるということを基本に物を考えてもらわなければならぬのだと思うのでありまするが、現在では人事局長はどういう考えをお持ちでありましょうか知りませんけれども、私が見る限りにおいては非常に不公平な状態というものが存在をしている。それが不満の底辺にあるということをあなたはお感じになりませんか。その問題がいわゆる職場の勤労意欲につながっているということをお考えになりませんか。あるいはまた、任用の問題で先ほどからも申し上げましたように、特定局の局長の任用問題というのを横でながめているわけであります。ある日突然郵便局長になっていくその姿を職員が見ているわけであります。そこで任用の問題を幾ら論説してみても、そのことを言ってみても、片方ではそういう事態があるではないかということを言われれば、これはもう説得する要素はなくなってしまうのであります。そのような事態を残しておいて、そして職員に勤労意欲をかき立てるような諸施策を幾らぶち上げてみてもむだではないか。もっと基本的に考えるべきものは本当に虚心坦懐に考え直していくという姿勢が郵政省になければ、この異常な労使関係というものは根本的に直らないのではないかということを申し上げているわけであります。どうか人事局長、先ほど私が数字的に見たところにおいては三事業の給与は平均的で、しかも妥当だと思うというようなあっさりとしたお考えをお持ちにならないで、現場ではどういう実態になっているかということをよく見てください。それはもちろん、保険の外務の中で月収五十万を突破したいわゆる手当を取っている人もいるでしょう。しかし、郵便のあの外務職員、排気ガスや交通事情の中をはい回って仕事をしている諸君が非常に安い賃金で動いていることも事実なんですよ。そのことをある意味では平均化をしたような形で職員の勤労意欲をかき立てるような諸施策というものが底辺になければ、この労使関係の問題というのはぬぐえないのではないでしょうか。どうでしょうか、人事局長、そういった問題を根本的に洗い直してみようという気におなりになりませんか。ひとつ前向いた御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでございますか。
#125
○守住政府委員 非常に問題が多面的でございますけれども、その中で特に感じておりますのが、今回の闘争等もやはり郵便を中心に異常な闘争が行われたわけでございまして、貯金、保険の方では共通部門の方でもそれほどのいろいろな違法行為等はなかった、こういうふうに承知いたしております。そこらから見ましても、やはりこの郵便の内外勤の職場の雰囲気、職員一人一人の気持ちというものがどうかということも十分着目いたさねばなりませんし、また労働組合の方からも、郵便労働者の労働条件だとかあるいは大都市の問題だとか、いろいろあるわけでございまして、これらについてはそういう両面からの、労働組合からのというのと、今回の闘争を通じましての職場、職員の実態も十分念頭に置いてこれに取り組んでいきたい、このように考えておるわけでございます。
#126
○野口委員 余り時間がないので質問が飛び飛びになってしまって残念に思うのですけれども、この辺で本題の方に入っていきたいと思います。
 売りさばき手数料の関係であります。今回省令によって行おうとされるわけでありまするが、先ほどもどなたかの質問で郵務局長お答えでありましたが、いわゆる手数料の保障と申しますか、省令で行う場合、一体何を基準に今後改定をしていこうということをお考えでしょうか。たとえば、先ほど郵政審議会というような言葉が出てまいりました。これは大分古い話でありまするが、去る昭和四十三年の参議院における逓信委員会の中でもそのようなことを省側もおっしゃって、郵政審議会等を通じて云々という言葉もあるわけでありまするけれども、いまたとえばここで改定をする、次のときにどのような事態になったら改定をする、たとえば物価指数だとか、たばこの小売店の手数料だとか、その他のものを見てとか、いろいろなことがあるわけでありまするが、そういう基準というものを改令の中でお定めになって、いわゆる最低保障といいますか、そういう改定の基準というものはどこの時点において保障をしてやる、こういうものが存在をするわけでありますか。その点をちょっとお聞きしたいと思います。
#127
○江上(貞)政府委員 切手等の売りさばき手数料の改正でございますが、従来行ってまいりました改正は、社会的、経済的な諸情勢の推移を勘案いたしまして、売りさばきに要する手数に見合う領となるように改定をしてきたわけでございます。今後の考え方もそのような行き方を踏襲してまいりたいというふうに存じております。
 具体的に申し上げますと、物価、賃金、金利等の動向、切手類や印紙の需要動向、及びこれらが利用されます諸制度の動向、それからさらには国等が委託しております、ただいま御指摘がございました他の類似の事務の手数料等の動向を勘案いたしまして、これは手数料でございますので無限に上げていくということにはならないかと思いますが、一定期間を置きまして売りさばきに要する手数料の見直しを行っていきたい、このように存じておるわけでございます。
#128
○野口委員 そうしますと、郵政審議会ということは現在のところではお考えになっておりませんか。
#129
○江上(貞)政府委員 審議会にお諮りするということにつきましては、先生十分御承知のとおり、審議会は郵政大臣の諮問に応じまして郵便事業等に関する重要な事項を調査審議する機関でございますので、非常にたくさんの売りさばき人の利益に関する手数料を改定するといったような場合に、この審議会にお諮りするということも考えられないわけではございません。しかしまた、売りさばき手数料は国民あるいはまた利用者の方々の一般の利害に直接的に結びつくというものではございませんで、むしろどちらかといえば集配請負人の請負料と同じように、予算の整合性を図る中で人件費であるとかあるいはまた物件費といったようなものの動向を勘案して決められていくという性格が強いものだというふうに存じますので、現在のところ、手数料を改定いたします場合に審議会にお諮りするということは考えていないわけでございます。
#130
○野口委員 そういたしますと、この手数料を引き上げなければならないということを発案するといいますか、そのことを考え出すところは、郵務局内において先ほどおっしゃったような諸般の情勢を考慮してそこで考えていく、そこから発して措置をとる、こういうことになりましょうか。
#131
○江上(貞)政府委員 立案元がどこかという意味では確かに御指摘のとおりでございますが、私ども、ただいままでもかねがね売りさばき人の代表の方々とはお会いをいたしまして、御希望なども承っているところでございます。また郵便局あるいは郵政局の単位におきましてもそのような会合を持っておりますので、今後ともそのような会合を通じまして御希望も十分に承っていくことといたしたいというふうに存じておるわけでございます。
#132
○野口委員 そこで、ちょっと視点を変えますが、いまの手数料は金額的な立場でそれぞれ定められておるわけでありまするが、私は、この売り上げの状況を考えてみますると、切手と印紙との手数料は別に考えてもいいのじゃないだろうか。特に、印紙の手数料などというものは、切手と違いまして、もう少しく多額のものを払われるよう大蔵省等に働きかけるべきではないだろうか、こういう考え方を持っておりまするが、その点は郵務局長としていかがお考えですか。
#133
○江上(貞)政府委員 切手の手数料と印紙の手数料の算出根拠を違えてはいかがかという御指摘でございますが、これはそもそも売りさばき所ができたときでございますので大正の末でございますが、その当時は実は違っておったわけでございます。それが、手数料に関します法律ができますときに、算出の便宜もありまして、それからまた要する手間ということもいろいろ考えまして、同じ手数料を適用するということにいたしたわけでございます。
 今後どうするかということにつきまして、この点につきましては、ただいままでにとってきた措置を特に変えなければならないという事情が現時点においては見当たりませんので、当分は現在のような手数料の定め方を踏襲していきたいというふうに思っているわけでございます。
#134
○野口委員 郵務局長のところまで声が届いていないかもしれませんけれども、私は売りさばき人、二、三の方から聞きますと、特に収入印紙という部門についての売りさばき所におけるところの売りさばきのパーセントは、約六〇%が売りさばき所で売られている。非常に多額の資金を費やしているわけでありまするけれども、御案内のように、これは前払いで郵便局に買いに来まして、そして売るわけであります。一時的にしろ、資金が非常に多額を要するわけであります。そういうこともありまして、郵務局長は現場の状況を御存じないかもわかりませんが、売りさばき人がたとえば十万円なら十万円を百万円欲しいというときは、必要に応じて郵便局へ飛んでまいりまして、郵便局にないと、特定郵便局等はそれが特殊な払い出しということで、またまた親局へ飛んでくるというような事態が間々現場ではございます。というのは、お金を寝かせるだけの値打ちのない手数料でございますから、そんなものを自己資金で賄うということがなかなかむずかしいので、便宜お買いになる方から先に金をもらって、その金でもって郵便局へ買い付けに行くという実情が現在散在をいたしております。これは郵務局長は知っておられるかどうか知りませんが、そのような取り扱いが現場ではございます。
 そこで私は、収入印紙については少なくとも一日や二日資金を立てかえることのできるだけの金利に見合うという立場から考えまして、切手とは違った立場で手数料というものを考えなければならないのではないか、こういうことを申し上げているのでありまして、まだ郵務局の方にその声が行っていないとするならば、ひとつ実情を売りさばき人等によくお聞きをいただいて、この点についての改正をされる一つの指針をお示しをいただきますようにお願いをしたいと思っておりますが、その点についてひとつ前向きな御回答をいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
#135
○江上(貞)政府委員 先生ただいま御指摘のような売りさばき所というのは実はそうは数が多くないのではないかというふうに存ずるわけでございますが、現在、月の買い上げ額が二十万円以下のところが八〇%近いわけでございまして、御指摘のように非常に高額な売り上げが続発するというようなところは、パーセントは売りさばき所の場合はそんなには多くないわけでございます。ただ、例外的にきわめて多いというのは、たとえば登記所の関係に非常に縁が深いというようなところの売りさばき所ではないかというふうに思うわけでございますが、一方、また、そのようなところはかなり高額の手数料も差し上げていることも確かでもございますし、非常に高額なものをどうするかということにつきましては、防犯上の見地もいろいろあろうかと思いますので、慎重に検討をいたしていきたいというふうに思います。
#136
○野口委員 ひとつ御検討をいただきたいと思います。
 それから、時間がありませんので、もう一つだけ申し上げたいと思うのですが、現在、売りさばき所の設置というものとポストがいわば一体になっております。私は、ポストがなければ、あるいはポストを設置しなければ郵便切手類の売りさばき所ができないという考え方を基本に持つことは誤りではないか。もっと売りさばき所というものは多方に持たせてはどうなのか。たとえば百貨店のたばこ売り場等にも切手類を売ってはどうなのかとか、いろいろポストというものの存在を無視してでも切手類の売りさばき所の許可をする方針はないものか、こういうことについて一言郵務局長からお答えをいただいて、売りさばき関係は終わりたいと思いますが、いかがですか。
#137
○江上(貞)政府委員 売りさばき所とポストの設置というものにつきまして、強いて関係を持たす必要があるのかどうかという御指摘かと思いますが、原則的に申し上げますと、郵便切手類売りさばき所は、本来の売りさばき機関でございます郵便局のない場所で切手類等を売りさばくものでございますから、郵便物を差し出す場合の利便などを考慮いたしますと、やはりポストに近い場所に設置されるのが一番適当であろうとは思うわけでございます。また、しかし一方、先ほど御指摘のように、デパートの中等の問題についてでございますが、駅の構内でございますとか、あるいはまた切手の需要が特に多いと認められる地域につきましては、ポストがたまたますぐそばにないということもあろうかと思いますので、そのような場所には売りさばき所を設置することとしておりますので、一般の方の御利用には特殊なところについては御不便がないようにいたしておるわけでございます。
#138
○野口委員 そういうようなことがあるということについて、下部には徹底しておりましょうか。実は、そういう特例というものがあるということについては私もいま初めて知ったわけでありまするけれども、具体的にはポストと一体のものであるという考え方が徹底しておりまして、そういうものがあるように実は私も知らなかったので、まことに申しわけないと思うのでありまするけれども、たとえば、先ほど郵務局長が御答弁になりました登記所等の関係で、必ずしも売りさばき所というのは一軒でなくてはならないというわけではないわけです。それぞれの利害関係がありますと、いわゆる登記関係を取り扱っているところが非常に多いわけでありまするが、そこで、そこに印紙類等の売りさばき所というものを数軒持ちたい、こういう申し出がございました。そうすると、そこにはポストが一個あって一人しか認められない。いわゆるポストが一個あると、そのぐるりに幾ら登記所のそういう関係の仕事をする人が何人あっても一カ所しか認められない、こういろ事例がたまたまございました。そういうようなことで調べましたところ、ポストとその売りさばき所というのは一体のものであるという説明を現場の郵便局長がいたしましたので、そのようなことになったわけでありますけれども、いまのお答えで、そのようなことは幅広くできるのだ、ポストと関係なくて認可がおりるのだという解釈ならば、私はあえてこの質問はいたさないでよかったのでありますが、現場の運用は多少違うようでありますが、いかがでありますか。
#139
○江上(貞)政府委員 原則的に申し上げますと、売りさばき所とポストは近接したところに設けることになっております。ただ、売りさばき所と申し上げましてもいろいろございまして、郵便切手類及び印紙の売りさばきを行う郵便切手類売りさばき所というのがございますし、それからさらに、印紙の売りさばきを行う印紙売りさばき所というのもございます。さらにまた、自動車重量税印紙のみを売りさばく売りさばき所もございます。ただ、同じような場所に余りたくさんの売りさばき所が軒を連ねておるというのもいかがかと思いますので、なるべくそのような場合には整理をさしていただきたいと思います。先ほど申し上げましたように、きわめて需要が多いところには例外的な措置をとることはしていくことといたしております。
#140
○野口委員 それじゃ、切手類等の手数料の関係の質問を終わりまして、貯金の関係でありますが、時間がありませんので最後に一言だけ。
 実は首席監察官をお呼びいたしましてお聞きしたいことが一つございましたので、まことに失礼でありますけれども、ちょっとお答えをいただきたいのであります。
 先ほど質疑の中で、防犯対策につきまして現在いろいろな措置をおとりになっておられるようでありまするが、私もそのことが若干気になりまして、特定郵便局、無集配特定局等をちょっと見さしていただきました。その結果感じましたことは、防犯ベルがつけられていることは確かでありまするが、全くと言っていいほどしゃくし定規につけられております。どこの局所も大体同じところに同じような様態でつけられている。隣にベルを受けるといいますか、通報するところがあるわけでございますが、隣がたまたま土曜、日曜を休みとするところでも、防犯ベルを隣へ依頼しておられます。たまたま土曜日に事故があったときはそこはだめなんであります。そんなことも含めまして、たとえばベルを押す場所、これは局長のおるところだとか窓口の下だとかいろいろなところにそれぞれありますけれども、実際に事故があったとき、そこへベルを押しに行くことが可能なんだろうかと考えさせられる個所にベルが設置されであったりすることが間々ございました。
 それからもう一つは、局所の位置でございますけれども、通りに面しておる局所の窓がらすの状況、それから奥まったところにある局所におけるところの出入り口のドアをすりガラスにするか、それとも透き通ったガラスにするとかという配置の点など。それから防犯ベルが隣あるいはまた駐在所につけられているが、駐在所そのものがいつも警官がいるとは限らないわけでありまして、そういったきめ細かな配慮なしに、ただ単に駐在所につければいい、隣に防犯ベルの受け場所を設ければいいというような形で実は私の散見いたしました特定局では設置されているような気がしてなりません。
 一言だけお答えいただきたいのでありまするが、そういう画一的なものではなくて、局所局所によって異なるといいますか、それに適応する防犯対策というものをぜひともおとりいただきたい。このことをお願いして、そして、現在行われている防犯ベルの設置に対する指導はどのようにされているかということについてお答えをいただきたい。
#141
○吉田説明員 お答え申し上げます。
 防犯ベルの設置の問題についてでございますけれども、スイッチといいましょうか、押しボタンといいましょうか、そういったものは現在では複数設置するように指導しておるわけでございまして、当該局所でそれぞれ工夫をこらしていただきたいと思っております。
    〔久保(等)委員長代理退席、委員長着席〕
先生御指摘の趣旨もございますので、そういった点について関係方面からなお詳細に指導するようにいたしたいと思っております。
 それから、もう一つの御質問でございます局舎構造の問題でございます。
 郵便局舎は外から見通しのいい方がいいのではないか、あるいは見通しのない方がいいのではないか、いろいろ議論がございまして、私どもも内部的にいろいろ検討いたしました。しかし、現金の授受等が外部から見えるということは、お客様の利用実態というものが外から筒抜けということでございまして、それ自体が好ましいことかどうか、あるいは郵便局から出ましたときにねらわれるというようなこともあるのではないかというようなこともございます。警察方面とも連絡いたしましたけれども、余り郵便局の内部が見えない方がいいのじゃないかという説のようでございまして、わが方の指導も大体そういう方針でやっております。なお、御指摘の点はいろいろと参考にさせていただいて、今後ともきめの細かい指導をやってまいりたいと考えております。
#142
○野口委員 終わります。
#143
○石野委員長 次に、田中沼二君。
#144
○田中(昭)委員 私は、いま提案になっております二法案に関連しまして、まず昨年できました進学ローンの問題からお尋ねしたいと思います。
 進学ローンを昨年つくったわけでございます。大体いきさつは御存じかと思いますが、大臣も新しく就任されたことですから簡単に申し上げますと、進学ローンをつくりますときには、一昨年の予算折衝の段階で、郵政、大蔵両省間の対立といいますか、郵政省がやろうとするとそれに対抗して大蔵省がやる、自民党もまた促進議員団をつくって応援団も出てくる、社会党は社会党で独自の案を出していただいたというようなことで、その当時の状況としましてはだれのための進学ローンだという批判があったわけでございます。
 そこで、昨年そういう法律が成立いたしまして、国民の強い期待に十分こたえられたと思いますが、特に私たちこの委員会で問題にいたしました貸付制度の中の貸し付けの条件、貸し付けの期間もありましょうし、貸し付けの金利の問題もあります。それから返済方法、保証人をどうするかというような問題、こういう問題がございました。とにかくあのときはこういう進学ローンという制度をまずつくることが大事だから、実際の運用状況を見ながら悪いところは直していきたい、こういう答弁を郵政省がしておったわけでございます。
    〔委員長退席、野口委員長代理着席〕
いま悪いところと申しますのは、貸付条件が厳しいとか、促証人が要るとか、いろいろ足らない問題があったわけであります。こういう問題につきまして各委員からの質疑も行われましたが、こういう問題に対してその後どういう――法案の附帯決議もございました。そういうことで、まず郵政省の方から、この法律ができまして実施されます段階においてどういう利用者サービスを考えてやってきたのか、その点をお答えいただきたいと思います。
#145
○佐藤(昭)政府委員 法律が改正されまして、進学ローンの各制度についてのいろいろな要改善点の御指摘についてのその後の改善状況、こういった点につきまして御説明申し上げたいと思います。
 ます保証人の設定の関係でございます。当初保証人の設定が必要と予定されていたわけでございますが、その後、保証人の設定が困難な利用者の利便を図るために、財団法人進学資金融資保証基金が昨年の十二月に設立されましたので、保証人の設定にかえましてこの保証基金の保証を利用することができることとなりまして、本年の一月からこの進学ローンの貸し付けの申し込み受付が開始されたわけでございますが、それにこの制度の利用が間に合ったということが第一点でございます。
 なお、郵貯の進学積立郵便貯金預金者のこの進学ローン御利用の方で保証基金を利用されている状況は、貸し付け申し込みの約一七%というふうに現在把握しております。
 それから、次に貸し付け対象の学校でございますが、当初貸し付けの対象学校につきましては、大学、大学院、短期大学、高等専門学校、高等学校、盲学校の高等部、これが予定されていたわけでございますが、その後さらに専修学校、この専修学校につきましては、修業年限二年以上の専門課程及び修業年限三年以上の高等課程に限るわけでございますが、それと各省の設置法によりまして設置されている航空大学校、海技大学校、農業者大学校、水産大学校及び職業訓練法によって設置されている職業訓練大学校及び職業訓練短期大学校が加えられました。これだけ対象の範囲が拡大されたわけでございます。
 以上二点がその後の改善の状況でございます。
#146
○田中(昭)委員 大蔵省にお尋ねします。
 国民金融公庫法等の改正、これにつきましても附帯決議等もつけられておりますが、その附帯決議等の趣旨に基づいていま郵便貯金の方ではそういう要件を拡大したということでございますが、この国金の方での大蔵省としての何か、ここにあります貸付金の限度額についてとか条件の今後の見直しとか、こういう問題についてどういう見直しをなさったのでしょうか。
#147
○林(義)政府委員 田中先生、この問題大変御熱心にやっていただきまして、新しい制度ができておりますし、この制度、実は当初予想された以上にわりと使われているので、私自身も喜んでいるところなんです。
 いま郵政省の方からお話がありましたように、大学の範囲を拡大する、国民金融公庫法の施行令の改正をいたしまして、盲学校、聾学校、養護学校の高等部それから専修学校につきましてローンの対象学校になるようにいたすということと、また農業者大学校、水産大学校、海技大学校、航空大学校、職業訓練大学校、職業訓練短期大学校等につきましても同じような措置をするということでございます。
 それから保証の問題、これも先ほど郵政省当局の方からお話がありました点でございますが、さらに母子家庭につきましては、国民金融公庫で審査をする上できめ細かい配慮を払うように公庫の指導をしております。そしてまた、いま申しました保証基金の保証に関しましては、交通遺児であるとか母子家庭の人につきましては、保証料の軽減措置がとられるように指導しているところでございます。
#148
○田中(昭)委員 いま御答弁いただいたように、この貸付対象の学校の範囲の拡大ですね、それと保証人の問題、保証機関をつくったということでございますが、ただ私、これは問題はこういうものをつくりましても、こういうものの利用が実際郵便局の窓口、国民金融公庫の窓口でスムーズに行われておるかどうかという問題、これには一つまだ疑問がございます。そういう面については、さらに細かい配慮と指導をお願いしておきたいと思います。
 そこで、郵政、大蔵にそれぞれ、この制度が発足しまして、昨年そして五十四年度の新規入学については当初どういう目標を掲げてあったのか、いわゆるその利用者がどういうふうにあるかということですね。それと一番最近のこれの利用状況等についてお答え願いたいと思います。
#149
○佐藤(昭)政府委員 郵便貯金の進学積立貯金及び進学資金の貸し付けの利用状況でございますが、当初進学積立貯金の利用につきましては平年度で十万件程度というふうにたしか推定しておったかと思います。ただ五十三年度につきましては年度中途のスタートでございまして、したがいまして、この進学積立貯金の制度が一年以上三年以内の積立期間ということでございますが、特に五十三年度末の御利用の方の利便を考えまして経過措置をとった。つまり六カ月以上の積立期間があれば特に五十三年末においては融資が受けられるようにするという経過措置をとったわけでございますが、そういった関係で非常に積み立ての期間が短い、あるいはまた制度ができてからの申し込みまでの期間が短い、こういったことがございまして、五十三年末、つまり五十四年春のこの時期におきます貸し付けというものは、平年度の予想とは相当違った形になっております。現在までの進学積立貯金の利用状況は十二万三千件ということでございますが、このうち五十四年度貸付対象となり得るものは四万三千件でございます。
 これに対しまして進学資金の貸し付けの利用状況は、まだこの貸し付け全体のこの期間の集計が十分には済んでおりませんが、現在までにまとめましたところでは、貸付件数一万七十九件、金額にいたしまして十九億七千二百万円、一件当たり平均貸付額は十九万五千円、かようになっております。
#150
○中田説明員 一般貸し付けと呼んでおります国民公庫が直接貸し付ける分、あるいは民間の銀行ですとか相互銀行、信用金庫あるいはまた信用組合、農協等の窓口を通じまして貸し出しをいたします分につきましては、まだ四月末の状況が速報でしか詰まっておりませんで、確報になると若干異同があるかと思いますが、貸付件数で四万件余りでございまして、貸付金額では百七十五億程度ということに相なっております。したがいまして、先ほどの郵便貯金積立者の貸し付けと合わせますと約百九十三億程度になるかと思いますが、当初国民公庫では、五十三年度分の資金枠といたしまして二百億円を予定しておりました。これはちょうど制度が発足いたします一年前の五十二年度の民間の金融機関が取り扱いました進学ローンの額が百億だった。二万件で百億円、平均五十万というような実績がございましたので、これの倍ぐらいの枠を用意しておけば十分であろう、とうてい倍までもいかないだろうというように考えておりましたところ、予想外に御利用が多かった。もちろんその過程におきましては、国民公庫を初めとして民間の金融機関も、こういうローンが新設されたということをかなり積極的にPRしてまいったということもございますが、制度の発足初年度としては予想外に滑り出しは好調であったのではなかろうかというふうに考えております。
#151
○田中(昭)委員 大変いい成績で進んでおるようでございますが、私先ほどちょっと申し上げましたけれども、貸し付けの条件の問題ですね。それに関連して申し上げましたいわゆる保証人が要るなら保証人が要るということで、郵便局の窓口でそういうことを言われて、自分の積み立てた預金があるのにそんなことまでしなければ借りられないのかというような現場の事情があったわけです。そういうことで郵便局に来るのが少ないのかなといまの報告を聞いておった。
 たとえば、ちょっと私おかしいと思うところがあるのですが、郵便局の方が約一万件貸し付けて十九億円ということですね。一人当たり十九万五千円、約二十万円だというのです。大蔵省の方は、四万件で百七十五億円だというのです。ですから、大蔵省の方は、いわゆる国金の方は、百七十五億円を四万件で割ったものが一人当たりの貸付金額ということになりますと、大体四十万以上の金額。郵便局に来るのは二十万足らず、それで件数も大変少ない。国金の方はその倍近くの貸し付けを行っておる。これはどういうところにこういう差が出るのですか。これはひとつ少ない郵政省の方からお聞きしたいと思います。
#152
○佐藤(昭)政府委員 先ほど申し上げましたように、五十三年度の進学積立貯金による貸し付けでございますが、経過措置を特に設けまして、六カ月以上の積み立てがあればこの春には借りられる、こういう特別措置をとったわけでございます。したがいまして、この対象となります方は、六カ月の積み立ての期間ということでお借りになるといたしますと、この積立貯金の制度が一回一万円から四万円の範囲、まあ五千円刻みでございますが、そこで最高四万円ずつ毎月積み立てられましたといたしましても、六カ月といたしますと二十四万円が最高額である。そういったことから、大体平均して二十万円程度というような積立額をお持ちになって、その積立額に見合う範囲内での貸し付けを受けられる。こういったことから、今回は一件当たり平均十九万五千円、こういうような貸付額になったというふうに私ども理解しております。したがいまして、来年度以降は大体五十四万円という最高額までの積み立てが可能でございましょうから、そこで来年度以降は相当額の貸し付けをまた受けられることになろう、かように考えております。
#153
○田中(昭)委員 それはどうですかね。そういう言い分がありましょうけれども、実際いまの各大学当たりの入学費用の平均といいますか、そういうものと、この借入金の実態というのが、特に郵政省の場合には郵政省に申し込んだ人は入学金が安く済むということじゃないですからね、入学金はどこの大学でも全部同じに要るわけだから。それでその四万円にしてみましても、四十八万ですか、そうすれば大体大蔵省の国金あたりから借りられるのと同じくらいの金額になっておかなければいかぬ、この点は、発足した初年度だということは私は理由にならないと思うのです。
 というのは、もう少しその内容をよく見てみなければいけないと思うのですけれども、どうも郵便局では最初のいきさつからいろいろあって、余りこの進学ローンを喜んで貸し付けをしないということがあったんじゃないか、悪く言えばそんな気持ちもするわけだ。初めから自分の方にやらせておけばもう少しやるのに大蔵省が横から茶々を入れたからこんな結果だということになっちゃいけないと思うのです。その辺の問題になりますと時間が足りませんが、この進学ローンについては、これはつくるときに話したのですよ。与野党の人が全部一緒になって、これは大変よくないから、このほかに返済期間の問題にしましても――ですから議員立法でも出そうか、つくろうかと言ったくらいのところまで来たことがあるわけです。そういう点は全部御存じのはずです。ですからひとつ事務当局でも、こういう点については附帯決議もつけてりっぱな制度が発足したのですから、それが実態に沿った利用が行われるように努力してもらいたい、努力を希望しておきまして、この問題を終わっておきたいと思います。
 次に、貯金の総額制限の問題でございます。貯金の総領制限については、これはこの委員会においても毎年強い要望があり、いきさつはもう御存じのとおりで、大臣もひとつ聞いておってもらいたいのですが、四十八年に、最初にこの前上げまして、百五十万から三百万に四十八年にしたのです。三百万にしまして大体五十一年ごろから郵政省の方も五百万くらいに上げたい、五百万だったか四百五十万だったか知りませんが、そういうことで、ずっと郵政当局は予算折衝のときに大蔵省と接触をするが、どうも大蔵省のガードがかたいためにそれが実現しない、貯金法の一部改正のときに必ずこれは附帯決議がつくようにして、五十一年からずっと、五十二年にはできるだろうか、五十三年にもどうだろうかというようなことで、これは大臣がかわったからといって私は行政の一貫性からいってそんなに変わってもらっちゃ困るのですが、その上げてもらいたいという郵政省の気持ちは持っておっても、実際実現しないならば私はそういう答弁はよくないと思うのです。国民をばかにしたようなことを繰り返しておるようじゃいけない。ですから、郵政省としても見通しを立てて、まあここ一、二年はできません、できないならできないという見通しを立ててもらった方が、貯金の利用者に対しては親切である、またうそを言わぬでいいわけですから。もう五十一年ごろからこの逓信委員会の議事録を見てみますと、どの大臣ももう必ずやります、事務当局も努力します、そういうことばかり繰り返しているのです。これはひとつまず事務当局からでもいいですからお答えをいただいて、大臣のこれに対するはっきりしたところをお示しいただけないものだろうかと思うのですが、いかがでしょうか。
#154
○佐藤(昭)政府委員 先生御指摘のように、この郵便貯金の総領制限額の引き上げの問題につきましては、従来から努力をしているわけでございます。五十四年度の予算編成の過程におきましても、引き上げにつきまして関係方面と鋭意折衝を重ねてまいったわけでございますが、やはり御承知のようにこの問題は税制にかかわる問題でございまして、現下の厳しい財政事情等から最終的には成案を得るに至らなかったということになっております。しかしながら、やはり郵便貯金といたしましては預金者の利益の増進を図るという見地からいたしまして、この総領制限領の引き上げにつきましては今後とも真剣に、粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
#155
○白浜国務大臣 本問題については、私も党におる間じゅう、何とかして五百万円まで無税でできるようにと思って努力をしてまいった一人でございますが、残念ながらなかなかこれが実現しない。いま局長からお話しのとおり、本年度の予算折衝の過程でもずいぶん根気よく大蔵省と折衝をいたしたのでございますが、今日の財政状態から見て非常に実現がむずかしいということでございますが、はっきりしたことを言えということを申されますと、私は残念ながら非常にこれは見込み灘ではないかというふうなことを正直に考えておるわけでありますが、なお局長が申されたように、ここに林政務次官も見えておりますが、大蔵省の方も、これは金が集まることでございますから非常にいいことでございますので、その点で財政当局もそう失うことばかりでもないわけでありますから、ここで奮発をしてもらうように大蔵省で考えてもらいたいということを私からもお願いして答弁にかえる次第であります。御協力をお願いしたいと思います。
#156
○田中(昭)委員 大蔵省来ておりますから、それじゃ大蔵省は、そういう郵政当局の、大臣は見込みがないとおっしゃったけれども、見込みがないではやはりいままでのこの委員会での答弁はまずくなるわけです。ですから、税収の問題といいますけれども、税収なんというのは貯金局長が言う必要はないのです。五百万にしても税収というのは大して――かえって五百万にした方が税収が上がるという方法を教えましょうか。その問題はまあよしましょう。一応大蔵省としても努力していただくという御答弁になると思いますが、その辺はどうでしょうか、ちょっと……。
#157
○林(義)政府委員 田中先生は税の専門家でございますから、私からくどくど申し上げるまでもありませんが、これは毎年党の中でも議論をしているところなのです。ただ、一体どの辺までを免税にするかという問題は、やはり一般の貯蓄動向を考えて判断をすべきものだろうと私は思いますし、郵便貯金もありますし、民間のマル優の貯金もありますし、いろいろその制度があります。現在の平均貯蓄残高というのは約四百万円ぐらいだ、こういうふうに考えておりますから、いまのところ私の方は、それをいまのままの制度ですぐに三百万円苗五百万に上げるというのはどうも制度としてなじまないのではないかというふうに考えておるわけでございまして、この辺はいろいろの御要望もあるところでございますからさらに検討をいたしたい、こういうふうに考えております。
#158
○田中(昭)委員 いま四百万ぐらいが平均の貯蓄だとおっしゃいましたけれども、それは、実際は税の問題から言えば千四百万円は非課税になるわけですから、そういう議論だけではこの問題は納得はできないわけです。
 もう一つ郵政省に言っておきますけれども、郵政省は零細な庶民の金を集めてくるのですから、それを郵政省が集めてきて、そして国の財政にも寄与しているわけですから、それは郵政当局が大蔵省を説得せなければいかぬ問題なんだ。それを説得して、それで大蔵省が聞きませんからと引き下がる問題じゃないのです。私はそう思うのです。それだったら、郵便局の窓口で零細な貯金を二万何千の郵便局が、先ほどから言われるような過酷な労働のもとでかき集めてくる、これは郵政省という国の機関に対して預金がなされたのですから、それを三百万から五百万に上げるということは少し郵政省の努力が足りない、説得の仕方が悪いというように私は受け取っております。
 そこで、もう少しこの総額の制限額について実態をお聞きしたいと思いますが、毎年この制限額を超過する――郵便貯金法の十条ですか、この制限額を決めてありますが、この十条の規定によって超過額についての措置をしておる、こう思うのですが、それがここ最近横ばい状態だというようなことも聞いておりますが、まずその実態が、四十五年当時どういうふうであって、一番最近ではどういうふうな状態になっておるか、件数なり金額なりをひとつお答え願いたいと思います。
#159
○佐藤(昭)政府委員 総領制限額超過の郵便貯金の減額措置状況でございますが、四十五年におきましては制限超過件数が一万六千八百十二件でございまして、制限超過額が百九十億でございます。それから、最も最近の数字は五十三年度でございますが、制限超過件数二万二百件、金額で二百二十一億円でございます。
 なお、四十五年以降五十三年度までの間におきまして、五十一年度がピークと申しますか、件数で二万五千九百六件、超過金額で三百九十五億円でございまして、それ以降は、五十二年、五十三年度ともに大体一万九千件ないし二万件というふうに横ばい状態に下がっております。大体この超過額に対しましての制限と申しますか、そういった減額措置というものが次第にお客様の間にも浸透してきてこういうふうに減少してきたものではないかというふうに見ております。
#160
○田中(昭)委員 さあ、それはどうですかね。私はそういうふうには思いませんがね。
 それで政務次官、それから大臣、いま貯金局長から御答弁がありましたが、大体一年間二万件に及ぶ制限額を超過したものがあるのですね、二百億から三百億という。二万件と言えば、一日に直しても六十件なり七十件ぐらいですね。金額にしても六千万、七千万の超過するものがある。これは完全に貯金法十条違反のものなのです。そうしますと、ずっと各年ごとのあれを見てみますと、やはり制限額を引き上げた場合、四十八年から四十九年に至っては、一遍にその超過する件数が半分近くに減っているのです。ですから、実際の預貯金の全体の動きというものをまた後でお聞きしたいと思うのですけれども、そういう限度額を上げたら一遍で半分近くまで減った。だから、当然五十一年、五十二年ごろに五百万に上げておれば、それはぐっと減るはずなのですね。それをやらないために一そうすると税金も上がりますよ。心配しないでいいのです。税金はちゃんと上がるようになります。その税金のことは別において、いま言ったように制限額を引き上げたときにはその超過しておる件数が一遍で減るということはやはりいいことなのですね。それが毎年ふえていくというような状態はいいことじゃないのです、法律違反ですから。ということは、先ほどの限度額引き上げの問題に引き直してみますと、限度額を引き上げてやらないために法律違反者をどんどんつくっておるということになりはしませんか。そういうことはやはり郵政省はやってはいけない。大蔵省が何と言おうとも、そういう法律違反をつくるというような、ふやしていくというようなやり方はよくないと思いますが、いかがですか。
#161
○白浜国務大臣 同感で、私もよくないと思いますが、どうも全部が全部初めに抑さえるというわけにはまいらないので、やはり時間がかかるだろうと思いますが、しかし、おっしゃるとおりに私どもも限度額を上げるために努力をしていきたいと考えております。
#162
○田中(昭)委員 もう少し大臣にわかってもらうために、五十一年は二万六千件、五十二年は一万九千件、これは減っているのです。ところが問題は、これが本当に制限額を超過したものの実態かどうかということを本当はわかってもらいたいのです。ということは、東京、大阪だけでも郵政局、貯金局関係でその数の実態を見てみますとはっきりするのです。ということは本当の実態じゃないのです、ここに出てきた数字というのは。じゃ、それを少しわかってもらうために、大阪局と東京局について貯金局関係について五十一年と五十二年、どのくらいの件数があったか、ちょっとお答え願いたいと思います。
#163
○佐藤(昭)政府委員 お尋ねの東京と大阪の分でございますが、東京都の分につきましては、これは定額貯金、長野地方貯金局で扱っておりますので、そこで集計されましたものを見ますと、五十一年度が三千四百十八件で超過額は五十七億円でございます。五十二年度は三千二百九十件でございまして、四十三億円となっております。次に大阪府でございますが、大阪地方貯金局で取り扱っておりますが、五十一年度千七百六十二件、三十八億円、五十二年度は二千五十八件で三十億円、かようになっております。
#164
○田中(昭)委員 こういうものを見つける作業の根底にあるのはいわゆる名寄せというのですけれども、その実態をいろいろ聞いてみますと、これは本当の実態をあらわしていない。私はいま短い言葉でその内容を説明するように言っていますからちょっと大臣わかりにくいかと思いますけれども、これはまた別な機会に時間のあるときにいたしますが、いま大阪と東京をお聞きになっただけでも逆な結果のように私は思うのです。ですから、その内容についてはきょうは省略しますが、先ほど政務次官、貯金の動向を云々と、こういうふうに言われましたね。最近郵便貯金が大変ふえておる。貯金年報によりましても、郵便貯金のふえ方というのはほかの金融機関のふえ方と違って大変なふえ方をしております。これはつけ加えておきますが、四十九年以降の高度経済成長がとまって五十年以降の安定に入った時代においても著しい伸びをしておるのです。ですからこういうことで、私は今後の郵便貯金の役割りというものをどういうふうに見ていくかということが郵政省においても大事なことであろう、こういうふうに思いまして、実は郵政省でもこの問題に関連して郵便貯金に関する調査研究会というものを発足させて、その報告を受けておりますが、その中を聞いてみますと、いま政務次官言われたような貯金の動向はちょっと違うのです。というのは、郵便貯金以外の金融機関の貯金の状況もふえていくでしょう、その中で郵便貯金はさらにふえていくでしょうというような結論になっておるのです。私は、郵政省の方からその報告を受けられたと思いますが、これは審議会の答申にも何かありましたね。この前の法案の改正のときに、郵政審議会においても、預金者保護や利率の改定などのあるべき姿について基本的な検討を郵政大臣に求めております。ですから、その研究会の報告書を郵政省は受けて、その受けたのはいま私が申し上げたようなことだろうと思いますが、基本的な大もとになるものを一、二おっしゃっていただいて、それを今後郵政省の中で、郵便貯金の中でどういう方向で形づくっていこうとしておるのか、その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#165
○佐藤(昭)政府委員 郵便貯金に関する調査研究会でございますが、やはり最近の経済動向あるいは国民の意識の多様化の進展というようなもとで郵便貯金の社会的機能について、特に学術的な観点から総合的に調査研究する目的でこの研究会を五十一年九月に設置されたわけでございます。学者としての立場から自由な立場でひとつ郵便貯金の社会的機能というものについて御検討願うということでございまして、その調査研究会が五十二年三月に中間報告を行いまして、またさらに五十三年の九月に一応の報告を出しているわけでございますが、この報告書の中で言われておりますことは、従来余り触れられておりませんでしたパーソナルファイナンス、個人金融というふうに私ども訳しておりますが、パーソナルファイナンスの充実発展というものにつきまして従来とられてなかったわけでございますが、そういった面に学術的な見地からいろいろと光を当てて検討しておられる、またそれとの関係で郵便貯金はどういう役割りを担うべきか。結論的に申せば、郵便貯金はパーソナルファイナンスの充実発展に最適の機関であるから、そういった面で今後大いに研究すべきであるということを言われているわけであります。その中におきましてはいろいろと部門別に取り上げられまして言及されておりますが、パーソナルファイナンス分野の充実発展のためのサービスあるいは金利のあり方、資金運用の望ましいあり方というようなことについて触れられているわけでございます。
 なお、これは第一段階ということでございまして、さらにこの調査研究というものを掘り下げて、また広い角度からいろいろと光を当てて検討していただくということで、その後におきましても引き続いて調査研究をやっていただいているわけでございますが、私どもといたしましては、このパーソナルファイナンスというような分野におきましての初めての体系的、学術的な調査研究ということでございまして、私どもがこれから郵便貯金の将来のあり方というものを考えます上でいろいろと啓発される点が多いということで、長期的な観点から、いろいろと事業運営上の示唆として十分に参考としてこれから勉強させていただきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#166
○田中(昭)委員 いまからが一番いいところのあれでございましたけれども、約束の時間が来たようで、理事からやめろということでございますから、政務次官も大変御苦労でございます。これでやめさせていただきます。
#167
○野口委員長代理 次に、青山丘君。
#168
○青山委員 郵便貯金法の一部改正並びに郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部改正案について質問をさせていただき、その後若干関連の質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に、郵便貯金法の一部改正案についてでありますが、郵便貯金の、預金者貸し付けの限度額を上げていこう、基本的には私もこれは前向きでいいと思うのです。ただ、最初にお尋ねしておきたいのは、ちょうど一年前三十万円から五十万円に貸付限度額が上げられてわずか一年間で今度は七十万、その考え方の根拠についてまずお尋ねしておきたいと思います。
#169
○佐藤(昭)政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、昨年、それまでの三十万円の限度額から五十万円に引き上げることをお認めいただいたわけでございますが、今回七十万円にさらに引き上げるということにつきましては、やはり相当この貸付限度額の引き上げにつきましては利用者の方々の御要望もある、また同時に、現在の経済情勢から見ました場合にはやはり五十万円から七十万円に引き上げるということは必要である、かように考えまして今回この貯金法の改正法案を御審議いただいているわけでございますが、もちろんいろいろと考え方はございまして、この貸付限度額と申しますものは枠が大きければ大きい方が便利であるということもございます。多々ますます弁ずということもあるわけでございますが、やはり預金者貸し付という制度自体が、預金者の方の生活上の必要によっていろいろと出費が出てくる、
    〔野口委員長代理退席、委員長着席〕
それを一時お立てかえをして貯金は継続していただく、それによりまして特に貯金の主体でございます定額貯金などにおきましては、一時貸し付けでさらにまた貯金を継続されることによりまして預金者の方々も長期継続の有利性を受けられる、こういった観点から実施している制度でございますので、やはり返済可能な限度と申しますか、そういったことをあれこれ考えまして、今回は二十万円引き上げて七十万円、かように考えまして御審議をお願いしているわけでございます。
#170
○青山委員 これは、昨年の十月行われました郵便貯金婦人モニターアンケート調査結果によりますと、五十万円でもよいという方が約三五%、七十万円くらいがよいという方が五・四%、百万円くらいがよいという方が五〇・七%、まあ限度額は上の方がいい、こういうことがどうも婦人モニターのアンケートの結果出ているわけですが、郵政省から出されております資料の中に、貸付限度額が三十万円当時でありました昭和五十年及び昭和五十一年、このあたりの貸付件数と貸付金額を見てまいりますと、余り変わっていないようです。加えて、昨年限度額五十万円になりましたが、五十三年度の貸付件数についてもあるいは貸付金額についても、さらにあの三十万円当時の五十一年、五十二年の貸付金残高を見てきましても、五十万円になりました五十三年度の貸付金残高を見ましても、余り伸びていないのですね。伸びていてもいいような気がするのですけれども、その辺どういうふうに理解すべきなんでしょう。それから貸付額が三十万円当時とそれから昨年の五十万円、一件当たりの貸付金額というのがどんな推移なんでしょうか、お尋ねします。
#171
○佐藤(昭)政府委員 「ゆうゆうローン」の一件当たりの貸付金額でございますが、四十八年度が平均四万八千円、四十九年度が六万三千円、五十年度が七万一千円、五十一年度が八万円、五十二年度が八万三千円で、五十三年度はまだ年度末の計数が確定しておりませんので五十四年の一月末現在で申し上げますと九万一千円、かような傾向でございます。この貸し付けの利用状況と申しますのは、先生も御指摘のとおり非常に急激な伸びということではございませんが、徐々に伸びているというような傾向でございます。
 この一件当たりの貸付金額のある程度の伸びと申しますのは、定額貯金の一証書当たりの預入金額の伸びとも関連があろうかと考えられるわけでございます。他方、預金者の借入所要額の推移などというものとも関連があるのではないかと考えておりますが、実はこれは昨年の六月に貸付限度額が三十万円から五十万円に引き上げられました直後二カ月間の状況を抽出調査で郵便局の扱い状況についてとってみたわけでございますが、それによりますと、対象者一万二千八百人ばかりの中で三十万円以上五十万円までの貸し付けを御利用になった方が一八・八%おられます。また、限度額ぎりぎりの五十万円の貸し付けを受けられた方が七・一歩でございます。こういうような数字もございまして、やはり二割弱の方が限度額三十万円から五十万円に引き上げて以降、かつての限度額三十万円以上の御利用をなさっていらっしゃる。かような数字もございまして、平均値で見ますと徐々の伸びでございますが、やはりこの利用状況には金額的にも相当ばらつきがございまして、そういった面ではある程度枠を広げていくこともまた御便利か、かように思うわけでございます。
#172
○青山委員 一件当たりの貸付金額は、若干ずつでありますが伸びているようでありますね。これはどういうところに原因があるかと考えるわけですが、その辺どういうふうに受けとめておられるかわかりませんが、郵便貯金の利用者は、やはり零細な庶民の生活を守るための貯蓄――預金の性格よりも貯蓄の性格が強い。したがって、三十万円、五十万円、今度は七十万円という限度額ですけれども、そのような多額な借金を仮にしますと、やはり返済に相当な苦心がある。行きはよいよい帰りはこわいというやつですよ。したがって、そうは簡単に借りられない。しかし現在の社会情勢の中では、限度額をふやしていくというのも一つの必要な措置であろう。ただ、そこにこれからは若干の努力も要るのではないかと考えるわけです。そこら辺、返済にいろいろと苦労があるであろうという見方なんですが、それが一件当たりの貸付金額が余り伸びていないという見方なんですけれども、郵政省の方の見方はいかがでしょうか。
#173
○佐藤(昭)政府委員 先生の御質問に的確にお答えするような分析を私案は持ち合わせていないわけでございますが、やはり郵便貯金の傾向といたしましては、小口の御利用というのが相当多い。したがって、定額証書一通にいたしましてもやはり同様の傾向がありますので、その証書をもとにしての一件当たり、つまり証書一通についての一件当たりの貸出額というものもまた同様の傾向があろうかと考えるわけでございます。ただ全体的に不時の出費というような形のものがいろいろとふえてまいる傾向がございましょうし、またその不時の出費の額と申しますものもやはりだんだんに高額になるものもまた出てくるという中では、全体の方が限度額を上げたからといって、それぞれ高くお借りになるということもまた考えられないわけでございますが、やはりそういった必要の場合には、相当程度まで借りられる枠があるということが一つのサービスではなかろうか。ただ御指摘がありましたように、貸し付けということはすなわちまた返済ということがございますので、その辺の兼ね合いを考えながら限度額というものをまた考えていかなければならない、かように考えておるわけでございます。
#174
○青山委員 これは限度額と直接関係があるとは言いませんけれども、これから預金者の貸し付けについて考えていかなければならない問題は、やはり返済金の分割の問題あるいは返済期間の問題。もう少し前向きに取り組んでいかないと、限度額をふやしていただくことは利用者にとって大変ありがたいけれども、どうも一面的な取り上げ方であって、総合的ないわゆるコンビネーションのとれた預金者に対するサービスではないのじゃないか。返済期間を一年なり二年なり延ばしていくというような考え方、返済金を分割して払ってもらう考え方、あるいは返済金を目的とした普通預金、積立普通預金、積立貯金、そういったものについて具体的に考えをお持ちでありましたら、この際聞かせていただきたいと思います。
#175
○佐藤(昭)政府委員 先ほども申し上げましたように、証書一通一通の貸し付けという形でございますので、一人で何枚かの証書をお持ちであるという場合には、そういったものをそれぞれ期間をずらして御利用になる、あるいは一時の御利用であっても、一括して御利用になりましてもそれぞれ証書ごとの返済というものの期間をずらすというような形でもある程度分割返済というような趣旨の役割りは果たし得るかと思いますけれども、ただまとまった金額の証書でお借りになるというような場合もございましょうし、そういった点で分割返済というような問題が、やはり金額がかさんでまいりますと御要望もいろいろと出てまいるわけでございまして、そういった点につきましては、私どもの方も事務的な面も十分に配慮しながらいろいろと検討してまいりたいと考えているわけでございます。
 それから同様に、貸付期間の問題でございますが、やはりこれも金額が相当高額になってまいりますと一度のボーナスで全部を返済することがむずかしいというような状況も出てまいろうかと思います。この辺につきましては、私どもも期間を現行の六カ月から一年に延長するというような点につきましても昨年来いろいろと考えて折衝をしてまいりましたけれども、なお継続検討という形になっておりますが、これも引き続きなお検討させていただきたい、かように考えております。
#176
○青山委員 ぜひひとつ総合的に取り組んでいただきたいと思います。今度の場合、四十七年以来郵政省が預金者に対する画期的なサービスということで始められて、それなりに順調に伸びてきているわけですから、預金者に対するサービスをより向上させていくという意味で建設的に取り組んでいただきたいと思います。
 もうすでに先ほど来の質問で進学ローンについても質問がありました。「ゆうゆうローン」、進学ローンと、郵政省も郵便貯金預金者のためのサービス向上に努力してこられたわけですが、今後預金者に対たるより一層のサービス、オンライン化してまいりますと一段とサービスを拡大してほしいと思うわけですけれども、郵政省として現在考えておられる預金者サービスの施策というものがありましたら聞かしていただきたいのです。
#177
○佐藤(昭)政府委員 現在、御承知のように昨年の八月からオンライン化を始めまして徐々に進展しているわけでございますが、現在郵便貯金あるいは為替等のサービスにおきましてオンライン化がまだおくれているということが、お客様にとってはやはり一般の金融機関に比べてサービスの点で若干劣っているという点かと思うわけでございます。
 そこで、このオンラインサービスという問題につきまして、当面これを実施していく、推進をしていくということがお客様サービスにとっての最大の課題というふうに私ども考えまして、これの実施計画の円滑な推進ということにつきまして努力をしておるわけでございますが、そういったことが行われました場合に、やはり従来の窓口処理の迅速化というようなこと、それにあわせまして、オンライン化することによりまして、従来やっております給与振り込みとかいうようなサービスも現在手作業のために非常にシェアも狭いということでございますが、こういった面も広く御利用いただけるようになろうかと考えておるわけでございます。また、あわせてオンライン化によりまして、総合口座であるとかあるいは自動振りかえというようなサービスが可能になってまいりますので、こういったことにつきましてもあわせてその実施につきましてこれから検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
 現在ありますサービスにつきましては、窓口処理の迅速化等あるいは利子記入が翌年度早々にできるとか、そういったようなサービス上の利点もございますが、現在あります各種のサービスをそれぞれオンライン化していくこととあわせまして、オンライン化に伴って可能になるサービスの具体的な実施、こういった点が現在の当面の課題と考えておるわけでございます。
#178
○青山委員 私はサービス向上のための具体的な施策を一つ一つふやしていってほしいわけですが、実は本当はそれだけを言っているのじゃありません。本当はそういう具体的な施策だけじゃないのです。一般の利用者が郵便局の窓口へ行ったときに、本当に親切に窓口応待してもらうことが何よりも大切なサービスなんですよ。そのことは実は後でちょっと触れさせてもらおうと思うのですが、いまの段階は、これからオンライン化されていきますと、よりサービス向上の具体的な施策をとっていただくことができるであろうと私期待しております。
 そこで、前郵政大臣の服部さんが退職金の一千五百万円までの非課税措置案というものを出されておりました。現在、その後の検討をされてどのような考え方をお持ちでしょうか。
 それからもう一つは、先ほど来話が出ておりました郵便貯金の最高制限額についてでありますが、先ほどからのやりとりを聞いておりまして私が感じたことは、実にいいやりとりをされておりましたのであれで十分かと思ったのですけれども、私の立場からも一つ二つ触れさせていただくと、現実には制限額一千四百万円まで非課税ではないか、郵便貯金はそのうちの三百万円だ、こういう受けとめ方のようでありますが、それは都会に住む人たちが郵便貯金も利用できる、財形貯蓄、も利用できる、あるいは民間の銀行も利用できる、こういうことなんです。ところが全国広いわけで、郵便局しか近くにはないという地域もたくさんあるわけですから、そういうところでは郵便局だけ。全国津々浦々二万店舗の窓口を抱えている郵便局の果たすべき役割りというものを考えてみますと、私は郵便貯金の最高制限額を上げていくことはぜひ必要だと思っています。大臣の先ほどのお考えを聞きましたので屋上屋を重ねるような質問になるかもしれませんが、これからひとつぜひ大蔵省に対しても、郵政省の立場で、あるいは国民の立場で、郵便局を利用する預金者の貯金の最高制限額について働きかけをしていただきたいと思うのですが、御見解を伺いたいと思います。
#179
○白浜国務大臣 非常な貴重なる御意見で、私どもも一生懸命今後もそうした考えで進みたいと考えております。その実現に向かって努力したいと考えております。
#180
○佐藤(昭)政府委員 退職金の別枠の問題でございますが、昨年たしか一時千五百万円程度別枠という構想もあったわけでございます。その後、私どもいろいろと事務的に検討いたしました結果、最近の退職金の支給状況と申しますか、こういつたものから見ました場合に大体一千万円の程度の枠で適当ではなかろうか。と申しますのは、民間の退職金支給の実態というようなものからいたしますと、これはまあ資料が前年度あるいは前々年度の資料しかございませんでしたので平均大体八百万円程度というような資料を入手をしたわけでございますが、そういったものから見まして、その後の若干のベア等もございましょうし、大体一千万円程度、余り枠を広げましても非常に一部の高所得者だけを優遇するというような問題が出てもまた問題でございますので、まあ一千万円程度の枠でどうかということで一応の構想を立てまして折衝したわけでございますが、やはりこれも最高制限額の引き上げと同様の事情でございまして、現在の厳しい財政事情のもとにおきましてそういった税制上の優遇措置というものはなかなか困難であるというようなことも絡みまして、実現を見なかったわけでございます。この退職金の問題につきましては、最高限度額引き上げというような一般的な問題と違いまして、若干分野が限定されるというようなこともございまして、いろいろと御議論がございます。そういった中で、私どもも、従来までに受けました議論等も整理いたしまして十分に検討をしてまいりたいと思うわけでございます。したがいまして、この退職金の別枠という問題がどういうことになるかということにつきましては、なお十分な時間をかけて検討したいというのが現在の状態でございます。
#181
○青山委員 基本的にはぜひひとつ、庶民の生活を支えていく一番大切な役割りを果たしておってくださるのですから、その辺のことを、原点に立ち戻って、国民福祉の立場で努力をしていただきたいと要望しておきます。
 それから、売りさばき手数料についてでありますが、第一には、基本的に段階を設けている理由というのは一体何でしょう。
 いま一つは、切手売りさばき手数料の今回の改正案が平年度で約六・四%アップ、こういうことですが、その考え方の根底になっているものは何か、六・四%のアップ率は郵政省職員のベースアップに比較してどう受けとめておられるのか、お尋ねします。
#182
○江上(貞)政府委員 第一点のお尋ねの売りさばき手数料に段階を設けている理由でございますが、売りさばき手数料の歩合は、御指摘のように買い受け月額が多くなるに従いまして段階的に低くなるシステムになっております。その理由でございますが、買い受け月額に比例をいたしまして売りさばきに要する手数が増加するものではないというのがその理由でございます。実情を申し上げますと、買い受け月額の少ないものにつきましては、その売りさばきに小口のものが多いわけでございまして、一方買い受け月額の多いものにつきましては大口のものが比較的多いということになっております。一口の売りさばきに要する手数は小口のものと大口のものとさしたる差異はないわけでございますので、売りさばきに要する経費は売りさばき額の増加に比して逓減をしているということでございます。
 第二番目に、平年度で約六%アップにしている理由でございますが、今回は売りさばき所に共通いたします固定的経費、言葉をかえて言いますと施設費であるとか売りさばきのための固定的な人件費などは、それ以外の経費から切り離して基本料として算出をいたしたわけでございます。一方、従来買い受け段階手数料の算出の際にその要素としておりましたこの種の固定的経費は控除いたしまして、改めて従来の買い受け段階別の手数料の算出要素であります売りさばきに要する資金の金利あるいは郵便局に切手類を買い受けに行く手数、売りさばきに要する手数等の人件費その他の経費について見直しをいたしました。その結果、平均六・四%程度の改正を要するというふうに認めたわけでございまして、私どもといたしましては、今回考えております改正は適正なものというふうに存じておるわけでございます。
#183
○青山委員 私が違っておったら指摘をしていただければいいですが、切手売りさばき手数料の八割が人件費だとしますと、郵政省に働く人たちのいわゆる人件費の上昇率が四十六年が一四%強、四十七年が一三%、四十八年が一七%、このときに大体八%ほど改定されております。四十九年が二九%、約三割ですね。五十年が一四%、五十一年が八%、このときは二〇%くらい改定されております。今回の改定が約六%。それで五十二年度が九・一七%、五十三年度が五%強、五十四年度が五%強、そういうような背景で六・四%というのが妥当だと見ておられるのであろうと私は思いますが、しかし、全体的に見てきますと、この三年間のベースアップに比較して六・四%、果たして本当に妥当なものかどうか。私は低過ぎるのじゃないかと思うのです。その辺の見解をお聞かせいただきたい。
 それから、これとよく似た形で決められているたばこの手数料が一体どの程度払われているとつかんでおられるのか。たばこの手数料並みにすることができなかったかという点、お尋ねしておきます。簡潔にお願いします、結構ですから。
#184
○江上(貞)政府委員 六・四%という引き上げ率が以前の数字に比べて低いのではないかということでございますが、先生御指摘のとおり、前回改正いたしましてから今回までに、一般的に人件費は二〇%程度上昇いたしております。ただ、この間、印紙税法の改正などによりまして、売りさばき人の手数料も増加しておりまして、それがおよそ一四%程度というふうに見込まれますので、この点からいいましても、およそ六%程度の改正が妥当ではないかというふうに存じているわけでございます。
 次に、たばこの手数料との関係でございますが、たばこの手数料は、年額の取扱額が九千万円までは一律百分の十、九千万円を超える額については百分の七というふうに承知をいたしております。
#185
○青山委員 時間がありませんので、あと十分くらいですか、過日の反マル生闘争の処分についてお尋ねいたします。
 新聞報道によりますと、一時期百四十名ほどの解雇の処分が出されると報道されておりました。しかし、最終的な結論は解雇、懲戒免職六十名。新聞では発表のある二十八日以前、四月二十二日の読売新聞ですが、解雇は百人以下になるであろう、こういうクエスチョンマークつきで報道されておりました。その内容を読んでみますと、郵政大臣は「「今後の労使関係を考慮、また機関運営の責任を組合が感じ、処分者減少の強い要望のあったことを受け止めておく」と答え、処分者の減少を検討することを示唆した。」これは発表のある前の新聞です。それで、郵政省が「現在考えている解雇、懲戒免職の処分内容は、業務規制闘争の名のもとに、何日間も集配に出かけないでサボタージュ行為を続けた一般組合員百三十六人と、その闘争を指導した地区責任者三人、それに闘争に関連して暴力行為のあった三人の合計百四十二人で、実行行為者を対象としているのが特徴。同省では、二十八日に発令を予定している。」こういう報道がなされました。その後に「この日の会談で」これは全逓の石井委員長と郵政大臣との会談ですが、「この日の会談で当局側は、二十八日の発令については譲らなかったが、解雇、免職者といった身分に関する重要処分については、さらに実行行為の洗い直しを行い、週明けに予定されている社会党幹部と同相との再度の会談を経たうえ“政治的配慮”を加え、百人以下で発令することになる模様。」と新聞では報道していたのです。「政治的配慮」とはどんなことなんでしょう。結果は六十名でしたか。すでにこのときは百人以下になる、こう言われておったのですが、その辺の配慮をされたのかどうか、まずお尋ねをいたします。
#186
○守住政府委員 ただいまのお尋ねでございますけれども、私ども、処分を執行するに当たりまして、懲戒権者は、特に東京の場合は東京郵政局長でありますけれども、今回のサボの実態、怠業行為の内容と申しますかその程度と申しますか、あるいはまた反復した状況と申しますか、その期間と申しますか、これが一つの目途になるわけでございまして、こういう角度から怠業行為者をそれぞれの段階で調査をいたした結果、今回の闘争におきまして、局内作業の極端な能率ダウンや、正規の道順組み立て作業をしないというふうなもののために、一カ月以上も全く郵便物を配達しないなどの極端な怠業行為が反復継続された、そういう者が百四十名足らずおったということは事実でございます。一応私どもそういう目安でまずこれを判断といいますか、捕捉といいますか、いたしたわけでございます。したがいまして、こういうものは、懲戒処分の量定を考える場合にも一番情の重いものだということがございますが、即懲戒免職処分というふうに即断をしておったわけではございません。しかしこれは、怠業行為がばらばらに行われましたけれども、その中では一番情の重いものだと、こういうとらえ方をしておったわけでございまして、それを踏まえまして、さらにこれは一人一人のもっと詳細な詰めと申しますか、それを行う必要がございますので、やはり毎日の職務専念義務とか職務上の命令違反ということでございますので、その状況、期間とか怠業行為のもっと詰めた内容だとか、あるいは特にまた過去の非違行為の事実、これを恣意によるわけにはまいりませんので、過去の処分歴というものも十分総合的に……(青山委員「簡単に答えてください」と呼ぶ)検討して詰めていく、こういうことで最終的に今回の処分になった、こういうことでございまして、何か最初数字があって、それぞれの段階の何か数字に合わせてやったということではございませんで、第一次的には非常に形式的と申しますか、非常に大枠のとらえ方をいたしまして、さらに一人一人の内容というのをつぶさに検討して総合判断をした、こういうことでございます。
#187
○青山委員 郵政大臣、政治的な配慮があったのかどうか、これをまずお聞かせいただきたいと思います。
 それから、国民の率直な見方では、百三十数名、百四十名に近い人たちが懲戒処分を受けると思っていたら、結果はやはり半分であったかという印象を受けている、率直な国民の感想なんですね。(「民社党だけ」と呼ぶ者あり)いや、それは郵政省は最初からそうだとおっしゃるかもしれませんよ。しかし国民の皆さんは御存じないのです。だから新聞の活字で判断するのです。百四十名処分されるかと思ったら、やっぱり六十名か。問題は、処分の数をふやすことを目的としているのじゃありません。私は、あの闘争の結果によって国民生活と国民経済に与えた不利益というものを一体だれが償うんだ、こういう見方をしているのですよ。そのときに、やはり郵政省も似たような、あるいは政治的な配慮があったり妥協があったり、国民にはわからないところで話し合いが行われているのか、妥協しているのかという印象があったのです。その辺の御見解はいかがでしょうか。
#188
○白浜国務大臣 まあ報道関係におきましてはいろんな数字が報道され、いま御指摘のとおりの言葉が使われたわけでありますが、私どもは厳正公平に、初めから間違いを犯さないようにということで厳重にこれを調査をし、審査をしていくというようなことを繰り返して努力をしておったわけであります。その間に、御指摘のとおり社会党の国会議員の方々やあるいは全逓の幹部の諸君ともお会いしたことは事実でございますが、そのために私どもの処分を減らすとかあるいは曲げるとかということだけはなかったということを御信頼していただきたいと思います。
#189
○青山委員 あの当時、五百人もの多くの人たちが一カ月間全く配達をしていなかった。それが郵便局に働く人たちかと思って多くの人たちはあきれ返っておったのですよ。あるところで聞きましたら、そのまま放置している郵政省は理解できぬと言っていますよ。
 それから、新規の業務訓練で、東京簡易保険局で業務訓練を受けている人の中には、講師の話を聞かないで、机を後ろ向きにして聞いたという職員もいるというのですね。こんな話、一般の国民が聞かれますと、国民生活にとって重要な郵便業務に携わっておってくださる人たち、また郵便局に働く人たちはそれなりに社会的な尊敬も集めているのですが、そういう人たちが講師の話も聞かないで、机を後ろ向きにして、背中を向けて聞いたというのですね。驚くような職場だ、あるいは郵便局というのはそんなところかしら、こういうふうに見ている人たちもあるのです。これは事実だと私は思いますよ。そこで、初等部訓練だけでは上質な職員は育たないのではないかと私は考えます。
 それから、高度成長時期に郵便局に勤められた人たちには、何か働いてやるというような態度がある、低成長時期に入られた郵便局員は非常にまじめに業務に精励するとも言われているのです。またもう一つは、民間の職場を経験したことのある人たちは、高度成長期に郵便局に勤めた人でもまじめに取り組むと言われているのです。その辺の御見解はいかがでしょう。
 それから、管理職教育。管理職が管理職としての役割りを果たしていくに十分な教育を受けておられるかどうか、私は疑問に思っています。その辺の御見解をお尋ねします。
 それから、給与制度にも若干問題があるのではないか。まじめに働く人も怠業行為を行う人も同じような給料をもらっているのでは、まじめに働いたって仕方がない、こういう空気が生まれてきたら、私は郵政事業にとって危機だと思うのです。その辺の御見解はいかがでしょうか、お尋ねして、私は質問を終わりたいと思います。
#190
○守住政府委員 最初にいろいろな意味での教育訓練の御指摘が出たわけでございますが、まずその前に、おっしゃいました高度成長期の採用者、低成長期の採用者あるいはまた民間職歴経験者の方のお話がございましたが、一般的に言うと、御指摘のような傾向ではないか、このように考えております。
 それに対しましての、初等部訓練だけでは不十分、特に新規採用者の訓練時期に、全逓組合の方からも一面ではいろいろな指摘があっておりますので、この問題につきましては、きちっと不当労働行為がないような、あるいはまた勤務時間中の組合活動ということでその訓練補助者がそういうことに利用されないようなきちっとしたけじめにつきましては徹底していく、と同時に、仕事に真正面から取り組んでいく、職員の能力を開発していくという職場訓練のあり方につきまして、現在も郵務あたりと一緒になりましてこれを検討しておる、さらに強化を図りたい、このように思っておる次第でございます。
 それからまた管理者の教育につきましても、非常に時代が多面的にもなっておりますし、一方では労使の正常化、不当労働行為の根絶ということもございますし、さらには管理者の能力というもの、今後とも現場での労使の意思疎通の中で正しいりっぱな職場をつくっていける能力、総合的な、複合的な力のある能力を身につけていくための教育の強化について、私どもも今後とも取り組んでいきたいと思っておるわけでございます。
 それから、先ほどの前の御質問でございますが、ちょっと補足させていただきます。
 懲戒免職の方は確かにおっしゃるとおりでございましたが、停職処分の最高十二カ月というのは、実は免職と紙一重でございまして、今後非違行為があればといういわば非常に注目されておるという状態の中における停職十二カ月の処分者もおるということだけを一言補足させていただきたいと思います。
#191
○青山委員 終わります。
#192
○石野委員長 次に、藤原ひろ子君。
#193
○藤原委員 このたび提案をされました二つの法案の問題点などにつきましては、前の質問者の方々がいろいろな角度から質問をされていらっしゃいますので、私は、できるだけ重複を避けて質問をしてまいりたいと思うわけでございます。
 今回の郵便貯金法の一部改正に関連をいたしまして、貯金の目標額を達成するための郵政省の施策について私はお尋ねをしたいと思います。
 今回の改正は、確かに郵便貯金の利用者にとりましてはある程度要望にこたえたものになっているというふうに思われます。しかし、私が貯金関係の職員に聞いた話では、預金者が定期、定額、積立等の郵便貯金を期間前に解約したい、こういう希望を窓口で申しましても、局の施策として、それら貯金を解約しないで貸付制度をぜひ利用してほしい、こういうふうに言われているということなんです。そのために、預金者にとりましては、当座のお金の工面はまあまあできるにいたしましても、期間が来ましたならばそれは返さなければならないわけです。結果的には預金者の負担になってきているというわけなんです。このような預金者の要望に反した局の施策というのは私は正しくないと思うわけですけれども、郵政省はこれらの施策につきましていかがお考えになっているのでしょうか。
#194
○佐藤(昭)政府委員 ただいまの御指摘でございますが、郵便局の窓口ではお客様本位ということを主体に接合するようにということをかねがね指導しているわけでございます。ただいまの問題は、お客様が貯金を、恐らく定額貯金等かと思われますが、期間内に払い戻しをされるという場合には、期間内の払い戻しというのは利率的に見ましても非常に不利でございますし、またそのために一時の御用立てとして「ゆうゆうローン」という制度があるわけでございますので、そういう場合にはそういった制度の御利用をお勧めするということは私どもも指導しております。しかしながら、お客様の本当の御都合というものがありまして、どうしてもこれは解約しなければならないというやむを得ない事情があります場合にまで、強制的にわたる感じでそこまでお勧めするということは私ども指導してないわけでございますが、もし仮にそういうような御指摘の点があるといたしますならば、私どもも十分そういった点にも注意して指導してまいりたいと考えております。
#195
○藤原委員 さらに私は、今度の改正につきまして危惧いたしておることがあるわけでございます。それは、郵便貯金の目標額達成のために貸付制限額引き上げを大々的に宣伝される。先ほど私が指摘いたしましたような施策をとりながら、一方で労働者に対する目標額達成のためには、いわゆるおしりをたたくというふうなことが行われるのではないかという危惧です。この点につきまして郵政省は、今回の制度改善を宣伝しながら目標額達成のために労働者に対しておしりをたたく、ハッパをかけるというふうなことはしないというふうに言明していただけるんでしょうか。いかがでしょう。
#196
○佐藤(昭)政府委員 この預金者貸し付けの制度の改善が実現を見ました場合には、当然その改正のPRと申しますか、こういったことにつきましては私どもやらなければならないと考えております。ただ、ただいまのお話のように、これと結びつけてしりたたきをやるというようなことでございますが、私ども貯蓄の増強ということは、郵便貯金自体が本来お客様の生活の安定と福祉の増進に寄与するということを目的としてやっているわけでございまして、やはり貯蓄の増強をお勧めするということは私どもの関係者の仕事でございますし、そういった面では当然努力するわけでございますが、いわゆるしりたたきというような形では従来から私どもやっていないつもりでございます。目標にいたしましても、最近の目標設定と申しますのは、低目標主義と私ども申しておりますけれども、比較的低い目標を設定して、どこの局でもそういった目標が達成できるというような目標を設定して、できるだけ多くの局が目標を達成してその充実感を味わうというような形のものにしているつもりでございますし、そういった点では今後とも十分に配意をして誤解のないようにしてまいりたいとは思っております。
#197
○藤原委員 いま御答弁のように郵便貯金法第一条、この目的を達成するためにいろいろ御苦労いただいているということはもちろんあるわけですけれども、私どもはそう考えないとおっしゃいますが、いろいろなことが現場で実際に起こっているというわけなんですが、私は、貯金の募集と同じような性格を持ちます簡易保険の募集問題のあり方について触れながら、この貯金の問題も検討してみたいというふうに思うわけです。
 昭和四十九年の十二月十九日に、本省簡易保険局長名で各地方郵政局長あてに郵保業第二〇七号の通達が出されております。その通達の表題は「保険金最高制限額を超過する保険契約の防止等について」ということでありますが、あえてこの通達を出された背景というのを簡単に御答弁をお願いしたいと思います。
#198
○浅尾政府委員 お答えいたします。
 郵保業第二〇七号という通達を出しておるわけでございますが、これは一番最初に出しましたのが昭和四十九年十二月でございます。それから五十年六月、五十年七月、五十年十月、五十一年四月というぐあいにいろいろ改正をしながら出し直してきたわけでございますが、四十八年あるいは九年ごろから、簡易保険には最高制限額というのが簡易保険法十七条で規定されておるわけですけれども、間々それを超過いたす契約があったわけでございます。その問題に対しまして当委員会でもいろいろ取り上げられまして、当時の局長も、違法な契約であるからそういう契約の締結を極力抑える、絶滅を期していろいろ改善方努力をしたい、こういう説明をいたしました。そういうことを受けまして、いろいろわれわれも指導をしてまいった、かような経過があるわけでございます。
#199
○藤原委員 全国の約二万七千人の外務員の中には、残念ながら悪質な勧誘員が違法な話法を使いまして超過契約をされている。こういう状況の中で、死に至らしめるとかいろいろな問題が起こって悪を誘発するというふうな状況の中で、この通達が出たわけなんですが、こういう通達の中にも触れておりますように、超過契約の監査措置といたしまして何点かにわたって触れられております。
 その中に、郵便局におきます監査といたしまして、課長または課長代理等監督の地位にある者は定期的に超過契約の有無を検査するというふうに述べられているわけでございますが、このような措置をとっていれば私はこの超過契約は当然防げるのではないかというふうに思うわけなんですね。ところが、この通達が出されているにもかかわりませず、依然として今日まで改善をされていないというのが今日の実態ではないかというふうに思うので、私はあえて今日、例として質問をするわけでございます。
 郵政省にお聞きをいたします。保険外務員に対する部内あるいは部外の表彰制度がいろいろ設けられているわけですが、たとえば部内表彰に簡易保険募集最高優績者制度というのがございます。また部外の表彰といたしましては、生命保険外務経営協会の会長及び簡易保険局長が認定をいたします保険外務員の最高の名誉であります国際優績者制度というのがございますね。そちらの方でもこの制度の資料を私いただいたわけですが、これを見せていただきますと、それぞれの内規の第一条で、募集成績が抜群で他の模範とするに足る者、こういう人を認定するんだということになっておりますが、それに間違いはございませんですか。
#200
○浅尾政府委員 御指摘のとおり表彰制度にはいろいろございますが、選考の考え方といたしまして、いま先生御指摘のように、募集高といいますか、それだけではございませんで、その選考に当たりましては、非違行為はもちろん、違則な取り扱いや不適正な募集等がないかどうか、こういうことも十分考慮いたしまして選考に当たっておる次第でございます。
#201
○藤原委員 それでは具体的にお尋ねいたしますが、目黒郵便局の保険外務員であります草野力男さんという方、それから田島正三という二人の方ですね、この方が五十三奨励年度の国際優績者として、また五十二、五十三奨励年度の簡易生命保険募集最高優績者として表彰されておりますね。
#202
○浅尾政府委員 いま御指摘の目黒郵便局の草野力男、田島正三の二人でございますが、五十三奨励年度におきましては最高優績者には認定をいたしておりません。もちろん国際優績者にも五十三奨励年度につきましては認定をしていないことでございます。ただ、五十二奨励年度を見ますと、草野、田島両君につきましてはそれぞれ認定をしておるという事実がございます。
#203
○藤原委員 この二人がことしの五月八日に、目黒区平町一の二十二の十九というところのAさんという宅に出向いて何本かの保険の契約をしております。五十三年一月十九日に二十年払いの養老保険一千万円に加入しているにもかかわらず、ことし五月の八日、Aさんと契約を結んでいるわけです。その内容を明らかにしていただきたいと思います。
#204
○浅尾政府委員 お答えいたします。
 平町一の二十二の十九のAさんにつきましては、五十三年に一千万、それから五十四年の五月に五百万二つという事実がございます。
#205
○藤原委員 そういたしますと、その契約は明らかに超過契約ということになるわけですね。いかがでしょう。
#206
○浅尾政府委員 先ほども申しましたように最高制限額一千万でございますから、いまお話をいたしましたのは合わせまして二千万になっておるわけでございますので、超過契約に相なるわけでございます。
#207
○藤原委員 この二人の募集の行為といいますのはこれだけにはとどまらないわけです。たとえば、昨年九月に目黒区洗足一の五の十一、Bさんという宅に行きまして、超過契約とわかっていながらBさんに一千万円、Bさんの奥さんに一千万円という契約を結び、さらに後日Bさんにはまたまた五百万、奥さんには一千万円の超過契約をさせているわけです。
 きょうは時間の関係からこれだけにとどめておきますけれども、あなた方は、こういった事実について承知していらっしゃると思うわけですけれども、こういう外務員に対してどのような措置をとられるおつもりでしょうか。先ほどお尋ねしなかったわけですが、五十三奨励年度は表彰しておりませんと前もっておっしゃったわけですね。こういうことで表彰をしていないのか。あるいは、それじゃ表彰しなかったらそれでいいのか。こういう外務員に対してどのような措置をとっていかれるのでしょうか。また、おとりになっているのでしょうか。いかがでしょう。
#208
○浅尾政府委員 この職員ばかりではございませんで、全般的に超過契約というものは防止をしていかなければなりません。そういう意味合いから申しまして、機会あるごとにわれわれといたしましても、そういう契約の応諾をしないようにという指導を厳しくいたしておるわけでございます。それで、契約時におきます場合だとか、あるいは一たん契約された後超過契約であるということが判明いたしました場合等々、いろいろ規制措置を講じておりまして、たとえば、後刻超過契約だということが判明いたしますと、それを契約した職員の募集手当の超過分に相当する部分を返納させるというようなことも五十年九月から実施してきておるわけでございます。その他郵便局段階でのチェックの仕組み等もいろいろ考えまして現在実施しておるわけでございます。
 以上が一般論でございますが、いま御指摘の二人の職員につきましては、その契約の状況等々よく調査をいたしまして、その事情によりまして適切な措置を考えていかなければならないことではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
#209
○藤原委員 これが今日簡保募集に当たっての悪徳勧誘員の募集実態だという状況です。ことしの五月十四日に出されました行政管理庁の勧告の中でも、行管庁が調べました二十六の郵便局だけでも九十九件の超過を行っている例が指摘されております。しかも、これらの人物に対して郵政大臣が表彰をされているわけです。郵政大臣のお名前で賞状や、バッジか何か知りませんけれども、あなたは最高の優秀なお方ですよというふうなものが渡されているわけです。大臣は知らないで渡された表彰をそのまま右から左というふうな状態はお忙しい中でいたし方ないとは思いますけれども、こういうことが行われている。なぜそういうことが起こってきているのか。
 一番初め私が危惧をいたしておりますと言いまして指摘いたしましたように、貯金にしましても保険にしましても、その目標額達成のために労働者に対するおしりたたきというふうな状態がこのような形になってあらわれてくるのです。こういった体質があるにもかかわらず、一方では、朝から論議をされておりますが、労働者に対しては不当労働行為というふうな状態になってさえあらわれている。労働者が不当労働行為反対の闘争をすれば、それに対してはさらに処分をしてくるというふうなことが今日の郵政省の体質だ。一体これはどうなんでしょうか。行政管理庁のこういう勧告が出ているにもかかわらず、いまお聞きいたしますと、懲戒処分というふうなことが一方やられているにもかかわらず、大変のろい措置ではないでしょうか。こういう体質を本当に改めなければ、額に汗して働く労働者は働きがいがない、本当に国民のための郵政事業にならないのではないか、こう私は思うわけです。
 時間がありませんので、最後に、これらの点につきまして郵政大臣の見解を具体的にお尋ねしたい。郵便貯金法の第一条、簡易生命保険法の第一条、それぞれ目的があるわけでございますが、国民の福祉を増進するとどちらも同じ言葉で書かれておりますこういう事業に対して、いま申し上げましたような指摘の部分に対して大臣が表彰もしておられるというその責任の上にも立ちまして、具体的な御見解をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
#210
○白浜国務大臣 いま御指摘をいただいたわけでございますが、私どもは、しりをひっぱたいてまで努力をしろ、また不法なことをしてでもいいというふうなことを奨励しているわけではありませんで、国民の幸せになることであるならば一生懸命努力をして期待に沿うようにということで、職員の諸君にもそうした指導をいたしてきているわけであります。御指摘のとおりにそうした間違いが起こされているということでありますれば、当然厳重に調査をしまして、適切な処置をいたしたいと考えております。
#211
○藤原委員 終わります。
#212
○石野委員長 これにて質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#213
○石野委員長 両案について討論の申し出がありませんので、これより順次採決いたします。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#214
○石野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#215
○石野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#216
○石野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#217
○石野委員長 電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提案理由の説明を求めます。郵政大臣白浜仁吉君。
    ―――――――――――――
 電波法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
#218
○白浜国務大臣 電波法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
 航海の安全を確保するために船舶の構造、設備等に関する安全措置を定める国際条約としては、現在、千九百六十年の海上における人命の安全のための国際条約があり、わが国もその締約国として、この条約を忠実に遵守しております。しかし、その後の技術進歩等に適応させるため、この条約の改正の必要が生じ、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約が採択されました。この新条約につきましては、現在、未発効でありますが、明年中には発効することとなると予想されますので、この新条約の規定に合わせて、電波法の規定を改正する必要があります。
 また、わが国の宇宙開発につきましては、実用化の方向に向けて着実に進展しておりますが、宇宙開発の進展に対処するためには、電波法に宇宙における無線通信に関して、所要の規定を設ける必要があります。
 この法律案を提案した理由は、以上のとおりでありますが、次にその概要を御説明申し上げます。
 まず、第一に、国際航海に従事する船舶の義務船舶局のうち、船舶無線電信局については、五百キロヘルツの周波数での無休聴守に加えて二千百八十二キロヘルツの周波数での無休聴守を義務づけております。
 第二に、船舶安全法第二条の規定に基づく命令により、船舶に備えなければならないレーダーについては、郵政大臣の行う型式検定に合格したものでなければ施設してはならないとしております。
 第三に、人工衛星局の無線設備の設置場所を当該人工衛星局を設置した人工衛星の軌道または位置とするとともに、人工衛星局の免許の申請書に添付する書類には、現行の記載事項のほか、その人工衛星の打ち上げ予定時期及び使用可能期間並びにその人工衛星局の目的を遂行できる人工衛星の位置の範囲をあわせて記載させることとしております。
 第四に、人工衛星局は、電波の発射を遠隔操作により停止することができ、かつ、その無線設備の設置場所を遠隔操作により変更することができるものでなければならないとしております。
 第五に、郵政大臣は、電波の規整その他公益上の必要があると認めたときは、人工衛星局の目的の遂行に支障を及ぼさない範囲内に限り、当該人工衛星局の無線設備の設置場所の変更を命ずることができるとするとともに、その変更によって生じた損失については、損失を受けた免許人に対して補償しなければならないとしております。
 その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月を経過した日からとしておりますが、義務船舶無線電信局の聴守義務に係る改正規定は、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約がわが国について効力を生ずる日から施行することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
#219
○石野委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
 この際、申し上げます。
 放送大学学園法案についての文教委員会との連合審査会は、去る十日に開会の予定でありましたが、諸般の事情により開会するに至りませんでしたので、改めて文教委員長と協議いたしました結果、来る二十五日午前十時から開会することになりましたので御了承ください。
 次回は、明二十四日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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