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1978/05/30 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 農林水産委員会 第16号
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1978/05/30 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 農林水産委員会 第16号

#1
第087回国会 農林水産委員会 第16号
昭和五十四年五月三十日(水曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 佐藤  隆君
   理事 羽田  孜君 理事 堀之内久男君
   理事 山崎平八郎君 理事 島田 琢郎君
   理事 馬場  昇君 理事 古川 雅司君
      江藤 隆美君    久野 忠治君
      熊谷 義雄君    國場 幸昌君
      瀬戸山三男君    中村喜四郎君
      福島 譲二君    角屋堅次郎君
      柴田 健治君    新盛 辰雄君
      竹内  猛君    野坂 浩賢君
      芳賀  貢君    武田 一夫君
      吉浦 忠治君    神田  厚君
      津川 武一君    菊池福治郎君
 出席政府委員
        農林水産政務次
        官       片岡 清一君
        農林水産省経済
        局長      今村 宣夫君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (農林漁業団体
        職員共済組合理
        事長)     吉田 和雄君
        参  考  人
        (全国農業協同
        組合中央会常務
        理事)     山口  巖君
        参  考  人
        (全国農業会議
        所事務局長)  中村 広次君
        参  考  人
        (全国農業協同
        組合労働組合連
        合会中央執行委
        員長)     後藤 英雄君
        参  考  人
        (全国漁協労働
        組合協議会議
        長)      鈴木 義一君
        参  考  人
        (農林年金組合
        会議員協議会会
        長)      玉置  誠君
        農林水産委員会
        調査室長    尾崎  毅君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十五日
 辞任         補欠選任
  津島 雄二君     原 健三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  原 健三郎君     津島 雄二君
同月二十九日
 辞任         補欠選任
  小川 国彦君     久保 三郎君
同日
 辞任         補欠選任
  久保 三郎君     小川 国彦君
    ―――――――――――――
五月二十八日
 農林年金制度の改悪反対等に関する請願(瀬野
 栄次郎君紹介)(第四五四〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員
 共済組合からの年金の額の改定に関する法律等
 の一部を改正する法律案(内閣提出第五九号)
     ――――◇―――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
 本案について参考人から意見を聴取することといたします。
 本日御出席の参考人は、農林漁業団体職員共済組合理事長吉田和雄君、全国農業協同組合中央会常務理事山口巖君、全国農業会議所事務局長中村広次君、農林年金組合会議員協議会会長玉置誠君、全国農業協同組合労働組合連合会中央執行委員長後藤英雄君、全国漁協労働組合協議会議長鈴木義一君の方々であります。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。
 参考人各位には、御多忙中にもかかわらず、本委員会に御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。本案につきまして、参考人のそれぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと存じます。
 なお、議事の都合上、まず、御意見をお一人十分以内で、吉田参考人、山口参考人、中村参考人、後藤参考人、鈴木参考人、玉置参考人の順序でお述べいただき、その後、委員からの質疑がございますので、これにお答えをいただくことといたしたいと存じます。
 また、参考人は委員に対して質疑をできないこととなっております。
 それでは、吉田参考人にお願いをいたします。
#3
○吉田参考人 農林年金につきましては、農林水産委員会の諸先生方にいつも大変な御厄介をかけておりまして、この席をかりまして最初に厚くお礼を申し上げます。
 申すまでもなく、私は農林年金の運営の当事者でございますので、その立場から本法案につきましての意見を申し述べたいと思います。
 まず、結論から申しますと、今回の制度改正の中心であります支給開始年齢の引き上げ、これにつきましては、避けては通れない性格のものと私どもは考えております。
 その理由といたしましては、第一に、戦後この方、御承知のように日本人の平均寿命が二十三年近く延びておりまして、現在では、五十五歳で年金をもらって引退をするというようなことは時代の趨勢に沿わないということであります。
 第二には、掛金の引き上げあるいは国庫補助金の増額ということは、大変必要であり、私どもも望んでおるところでございますけれども、これにはそれぞれ限度がございまして、やはりこの際、第三の方途と申しますか、このような支給開始年齢の引き上げのような第三の方途を講じなければ年金の財政がなかなかもたないということでございます。
 第三には、参考までに、それならば農林年金の財政状況はどうなっておるかと申しますと、ごく簡単に概要を申し上げますが、第一に、その年金の余命をはかるものとされております積立倍率という財政の指標がございます。この積立倍率というのは、積立金の総額をその年の年金支給額で割ったものでございます。現在農林年金は約五千億円の積立金の総額がございます。大体給付が六百億円近くでございますので、それで割りますとその積立倍率という余命をはかるものとされております指標が出るわけでございますが、わが年金の場合は、すでに五十一年度でこれが実は一〇を割っておるというような状況であります。九・九五八というのが五十一年度の積立倍率の数字でございます。
 それから第二番目に、私どもの年金では毎年六月に専門家による財政検証ということをやっております。いわゆる財政的に見た健康診断でございますが、昨年六月にやりました財政検証では、この専門家の方の指摘がございまして、それを読み上げますと、「農林年金は、成熟率の低い割に、他の財政指標が好ましくなく、その悪化の進行速度が早い」ということが指摘をされておるのでございます。
 第三番目に、財政状況といたしましては、他の共済組合とわが農林年金はやや異なっておりまして、住宅融資だとかあるいは病院、宿泊施設などの福祉事業に要する資金を給付経理から支出をいたしております。他の年金では福祉掛金等を特別に取りましてやっておるわけでございますが、私どもの方は、要するに掛金が累積をいたしました積立金からこれを賄っておるということであります。また、積立金を債券等を取得しまして回しまして、その利息が出るわけでございますが、この利回りと法定の最低の決められた五・五%という利子との差額を利差益と申しますが、この利差益の中の相当部分を掛金の軽減のために回しております。どのくらい回しておるかと申しますと、掛金率にいたしますと千分の四・五九ということでございまして、これは大体毎年四十億円を少し超す数字でございます。そういうことで、修正積立方式もとっておりますし、かなり無理な財政のやりくりをやっておるということが御聡察願えるというふうに思います。
 そういうことでございますので、先ほど申しましたように、掛金の引き上げだとか、あるいは国庫補助の増額ということのほかに、第三の方途を講じなければ、なかなか将来財政の運営は困難であるということが申し上げられると思います。
 次に、この制度改正については、昨年の十一月以来、職域の連絡協調緊密化の推進ということをずっとやっておりますが、こういう連絡協調の会議、あるいは地区別の組合会議員の会議等いろんな会議におきまして、わが年金の加入組織に対して、情報連絡として繰り返してPRをやっておりますので、組織の中にはかなり理解が徹底をしております。
 昨年十一月以来やりましたこの種のいろんな会議におきまして最も多く出されました意見は、年金支給開始年齢の引き上げによって定年の延長が誘発促進をされるであろうが、その場合、中央機関としては、定年延長にかかわる労務管理指導に万全を期してもらいたいという意見が非常に多かったのでございます。このようなことから、この法改正につきましての組織の中の雰囲気というものが御想像を願えるというふうに思います。
 なお、私どもの加盟団体の一番大きい系統農協を初め、森、水等各組織とも、今春の二月から三月にかけまして、今度の制度改正につきましてはやむを得ないという表現で、了解が得られておるようであります。
 以上は、今度の法案の一番主軸であります支給開始年齢の引き上げのことでございましたが、それ以外の改正事項につきまして意見を述べさせていただきますと、第一に、減額退職年金の見直しにつきましては、私どもとしては、従来矛盾をしていたところを正すということでありまして、問題はないというふうに考えております。しかも、支給開始年齢の場合と同じように、長い経過期間を置いてこれはやられるということでございますので、既得権を侵害するとか、そういうことは起こらないでスムーズに移行できるのではないかというふうに考えております。
 第二に、退職一時金の廃止等につきましては、これは受給者にとっては非常に結構なことでございます。しかし、一時金が廃止されて全部通算年金化されるということになりますと、これにはかなり多くの財源を必要とするわけでございますので、この辺のことをやはり御配慮を願いたいというふうに考えます。
 それから、高額所街者の受給制限につきましては、将来はともかくとして、当面といたしましては農林漁業団体の場合には該当者がほとんどいないという予想でありますので、これも余り問題はないというふうに考えております。
 最後に申し上げたいことは、年金は給付が永続性を持つということが絶対的な要件でございます。もし給付がとぎれるようなことがありますと、これは年金としての存在価値が全くないということでございます。しかも、農林年金は、その特徴といたしまして、相互扶助を基本といたします共済組合として設立をされておるものでありますから、その特色を守るということが大切であるというふうに考えております。
 したがいまして、昨年度から、政府当局なりあるいは全中等の組織の御協力を得まして、職域の連絡協調緊密化の推進という、いわば年金の制度なりあるいは運営についての総学習活動をずっと続けてやっております。これは組織には大変好評でございまして、組織の中で年金に対する関心も非常に高まっておりますし、年金の制度、運営についての正しい理解が漸次浸透しつつあるというのが実情でございます。今度の制度改正につきましても、このような学習活動が素地になっておりましたので、比較的早く組織の理解が得られたのがいままでの経過でございます。
 したがいまして、年金受給者はもちろん一日も早くこの改正が実現することを望んでおりますし、われわれといたしましても、冒頭に申し上げましたように、支給開始年齢の引き上げ等は、これはいずれは越えなければならないハードルでございますので、早目にひとつこれを越えて、あとの雇用問題等の自後措置に取り組むことが最も賢明な方途ではないかということを実は考えておる次第でございます。
 以上をもちまして、意見の開陳を終わります。(拍手)
#4
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。
 次に、山口参考人にお願いいたします。
#5
○山口参考人 全国農協中央会常務理事の山口でございます。
 先生方には日ごろ農業、農協の問題につきまして御配慮をいただいておりまして、感謝申し上げる次第でございます。
 さて、本日は、農林年金法の改正に当たりまして、農協の立場から、参考人としての意見を述べさせていただきたいと思うわけでございます。
 農林年金は、御案内のとおり、昭和三十四年の制度発足以来、毎年のように法改正をしていただきまして、現在では国家公務員並みの給付内容となっております。この点につきまして厚く感謝を申し上げる次第でございます。
 また、現在、組合員数も四十六万六千人に上っておりまして、農協のみでも三十九万一千人を数えておる次第でございます。年金受給者も七万七千人を現在は超えております。
 ところで、今回の法改正は、年金額の改定について従来にない大幅な改善が盛り込まれております。特に、既裁定年金額の改定、退職年金の最低保障額の引き上げ、寡婦加算の引き上げ等につきましては、七万七千人の受給者が鶴首して待ち望んでおるところのものでございます。したがいまして、受給者の立場に立って考えた場合におきましては、本法案の成立をぜひお願い申し上げたい次第でございます。
 また、今回の法改正の柱の一つに、年金の支給開始年齢の引き上げがございますが、これは退職年金等の年金の支給年齢を五十五歳から六十歳に引き上げるということでございます。私どもは、この改正の理由は、高年齢化社会への対応であるというふうに理解をいたしております。
 また、この点に関して申し上げますと、いま論議されております定年制延長問題と同一の土壌に置かれた問題であると理解をいたしておる次第でございます。
 全中では、かかる観点に立ちまして、農林年金当局とも十分連絡の上、共済組合制度懇談会の検討の推移に合わせまして、都道府県農協中央会の会長会議等の諸会議を持ちまして、この情報の連絡にいままで努めてまいった次第でございます。
 現在、農林漁業団体で定年制を制定したりあるいは慣行的に定年制を決めている団体は約七〇%ございます。また、これらの団体の平均定年年齢は男子で五七・六歳、女子で五六・五歳ということになっております。また、男子の定年年齢を五十六歳以上としている団体は全体の約六五%でございまして、最近の傾向としては徐々にこの年齢が引き上げられておるというのが実態でございます。
 私ども全国農協中央会といたしましては、すでに五十七歳に定年を延長をいたしておるわけでございます。県連とか、あるいは単協の段階におきましても、おおむね私どもに準じた体制をとっておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。法案では、支給開始年齢の引き上げについて、実質二十年間で五歳の引き上げを行うことになっておりますが、この経過措置に応じまして、私どもは定年問題を前向きに対処していく所存でございます。また県連、農協も同様の対応をするものと確信をいたしております。
 しかし、一方におきましては、日本の今後の経済、社会の見通しからいたしまして、定年後の再就職であるとか再雇用の問題は非常に困難になってくるのではないかと考えられます。したがいまして、この定年制についての本制度とのかかわりの中における定年制の問題についての行政指導は、今後きわめて重要な課題になってくるのではなかろうかと考える次第でございます。当然のことでございますが、私どもといたしましてはみずからも、支給開始年齢に伴って生ずる定年問題について、都道府県農協中央会とともに、漸次、会員組合に対しまして適切な指導をおろしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
 農林年金は、現在、退職年金受給者数に対する成熟率は一〇・二%でございます。このことは組合員十人で一人の受給者を抱えているということでございます。農林漁業団体職員の年齢構成が現在非常に高いという点から、成熟度のペースは他の年金に比べて非常に早まるのではないかということが予想されております。平均余命が伸びている中で、農林年金の財政の負担も容易ではないものと考えられるわけでございます。したがって、高年齢化社会の中で今回の給付年齢の引き上げはやむを得ないというふうに判断をいたしております。
 制度改正のその他の問題につきましては、減額退職年金は支給開始年齢の引き上げに伴う経過措置と同様の措置が考慮されておりますし、また、退職一時金の廃止と遺族年金の最低保障の引き上げ等については妥当なものと考えております。なお、高額所得の受給者の受給額制限につきましては、農協の場合はほとんど該当者がないというふうに判断されます。
 今回の農林年金法の改正はきわめて重要な問題を含んでおりますが、来年は財政の再計算期を迎えるわけでございます。現在の掛金率の水準を維持するためには、農林年金の財政の見地からも改正はやむを得ないというふうに考えるわけでございます。
 以上、簡単でございますが、参考人としての意見を申し上げた次第でございます。よろしくお願いいたします。(拍手)
#6
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。
 次に、中村参考人にお願いをいたします。
#7
○中村参考人 日ごろお世話になっております全国農業会議所の事務局長でございます。
 私の所属いたしております全国農業会議所は、先生方御承知のように、市町村段階は行政委員会でございます農業委員会という組織でございまして、したがいまして、農業委員会の職員は公務員ということでこの農林年金には加入しておらないわけでございます。農林年金に加入しておりますのは、約四百三十余名の都道府県農業会議の職員、それと直接には中央段階で私の方の全国農業会議所の七十名の職員ということではございますけれども、同時に、農業会議所は、中央段階で全国農協中央会その他農協の全国連合会あるいは各種の農業団体を中央段階の会員として参加をいただいております。そういうことでございますので、また農業会議所という性格上、広く農業団体全般を通じての立場ということを踏まえまして、以下若干の意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、今回の改正案でありますけれども、結論的には、今国会におきまして速やかに成立することをぜひお願いいたしたいということを申し上げた上で、以下、その理由等につきまして若干の所見を申し上げてみたいと思う次第でございます。
 今回の改正案につきまして、当然のことながら加入組合員が大きな関心を抱かざるを得ないのは、年金の支給開始年齢を五十五歳から六十歳に引き上げるということであると思います。この点につきましては、第一に、平均寿命が大きく延びてきている。実際には現在の支給開始年齢の五十五歳というのはいわば働き盛りでございまして、これからを展望いたしましても高齢化社会に向かいつつある、また若年労働力が相対的に減少しつつある、こういうことでありますならば、やがては六十歳が定年になるということは世の中全体の趨勢ではなかろうかというふうに考えます。この支給開始年齢引き上げの問題は当然定年制の延長と絡むわけでございますけれども、そういう社会全体の大きな流れの上にある問題だろうと理解をいたしております。
 さらに、この農林年金の制度は、私ども農業団体あるいは林業、漁業団体等が強く要望してつくっていただきました私どもみずからの制度でございますので、その健全な運営につきましては、われわれ自体が責務を負っているということを考えざるを得ない点でございます。もちろん、一挙に六十歳に引き上げるということでございますならば大変な問題でありますけれども、最終的には二十年かけてそういうような経過措置を踏まえましてそこに移行させるということでございますので、いろいろ団体によりまして問題はあると思いますけれども、これだけの経過措置がございますならば、その対応は可能であるというふうに考えておるところでございます。
 ちなみに、全国農業会議所自体について申し上げますならば、現在、職員の定年は五十六歳ということに相なっております。ただし、会が必要と認め、また該当する本人がそういうことを同意する、希望するということでありますならば、一年に限りまして現職のまま定年が延長できるという措置をとっておりまして、実質的には五十七歳が定年ということに相なっております。
 しかしながら、今回の改正案が成立いたしました暁には、この経過措置を踏まえ、それに対応しながら、私どもといたしましては定年制を延長していくという考えでおるところであります。また、直接の県段階の組織でございます都道府県の農業会議の場合には、その性格上、都道府県庁にいろいろな点で準ずることが多いわけでございますので、実際には定年制を設けている農業会議はごくわずかでございますけれども、こういう情勢に対応いたしまして適宜対応していくということであろうと思います。
 また、農林年金の成熟度のペースが速く、平均余命が延びている、こういう中では年金財政の負担ということも容易ならざる実態にあるわけでございますので、そういうことを総合して勘案いたしますと、今回の給付年齢の引き上げは、私どもといたしましては受け入れざるを得ないところであろうというふうに考えております。
 ただ、農業団体と申しましてもその規模あるいは財政の基盤にはかなり大きな強弱の差異がございます。したがいまして、定年制への対応にいたしましても、かなりの困難を伴うところも当然出てくるわけでございます。この定年制の問題につきましては、公務員のように法律で一律に規制をするとか、あるいはそのこと自体もまた妥当ではないわけでございますから、定年制への対応を含めまして、農業団体の基盤の育成、強化につきましては、従来以上の御指導、御配慮を特に切望してやまないところでございます。
 次に、その他の改正の点でございますけれども、既裁定年金額の引き上げ、あるいは障害年金や退職年金、遺族年金の最低保障額の引き上げ、寡婦加算の引き上げ、これらの点につきましては、いずれも現在よりもよくするという改正案でございまして、組合員全員がその実施を速やかに待望している点でございます。
 高額所得者に対する年金の一部支給停止措置につきましては、先ほど山口参考人からもお話がございましたように、該当者が余り出ておらないということと、やはり年金財政全体の健全化、あるいは受給者全体の均衡の問題、こういうことを考えますときには、この程度の措置は妥当ではないかというふうに考えております。
 それから、減額退職年金の選択範囲の制限あるいは減額率の改定でございますけれども、これも経過措置もあることでございますし、また、一般の退職年金との均衡ということを考えましても、この改正は妥当であるというふうに考えております。
 さらに、退職一時金等の廃止の問題は、これは農林年金組合員期間の積立額が生かされまして、通算退職年金を支給するための留保財源に満たない場合も補てんされるということになるわけでございますので、農林年金当局にとりましては負担増ということになると思いますけれども、受給者の立場に立ちますならば、これは当然賛成であるというふうに考えます。
 以上、いろいろ申し上げましたけれども、今回の改正案につきましては、特に来年財政再計算期を控えているわけでございますし、現在の年金制度の健全な維持、発展を図るためには、今回の改正案につきましては、当然これは必要であるというふうに思われますので、一日も早くその成立を切望いたしまして、意見の開陳を終わらしていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
#8
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。
 次に、後藤参考人にお願いいたします。
#9
○後藤参考人 参考人の後藤であります。
 農林年金は設立以来二十年を迎えたわけでありますけれども、この間の制度改善について当委員会の多くの御努力に対して、深く感謝申し上げたいというふうに思います。また、今後の制度改善については、四十数万農林年金組合員が心から大きな期待を寄せているところでありまして、本日それらの代表が傍聴に参じているということを申し添えたいというふうに思います。
 私は、農協労働者九万人の組織する全農協労連の代表として意見を述べるわけでありますけれども、同時に、現在、全国漁業協同組合労働組合協議会、全国農業会議所労働組合、全国森林組合連合会労働組合、全国農業共済協会労働組合、全国厚生連労働組合協議会、全国酪農業協同組合連合会労働組合、そうして私どもの全農協労連で組織しております農林年金中央共闘会議の議長も務めておりますので、その立場からの意見も交えることをあらかじめお断り申し上げたいというふうに思います。
 私は、今回の法改正案の内容に触れる前に、すべての年金制度は、昨今政府等が強調するような自助努力あるいは相互扶助の方向に求めるべきではなくて、国の発展と産業の発展にそれぞれの立場から寄与した者に対する社会保障として明確に位置づけて、国と雇用主の負担によってその充実を図るべきだという基本的な立場をまず明らかにしておきたいというふうに考えます。
 次に、今回の法改正案の内容についてでありますけれども、年金支給開始年齢の引き上げ、減額退職年金の選択年齢の限定に関しては、次の理由から反対するものであります。
 なお、減額退職年金の減額率を改めることについては、数値が現在のところ不明でありますので、意見を保留しておきます。その他については賛成をいたします。
 次に、理由についてでありますが、支給開始年齢の引き上げについて、第一に、私どもが反対の理由としているところは、現在の農林漁業労働者の定年齢の実態にあります。昨年、五十三年の三月に全国農協中央会が、就業状況等実態調査報告というのをまとめました。これは農林年金に五十二年七月現在で登録をしている農林漁業団体の一万三千三百四十五団体を対象にして、回収が一万七十八団体、七五・五%という資料であります。ただ、残念なことは、この資料は公開をされていないで、この資料の内容を知るのに非帯に困難を来したということをつけ加えておきたいというふうに思います。
 その資料によりますと、定年を定めている団体が、これは団体でありますが、七割、そうして定年齢の分布が、五十五歳というのは三五・三%、以下、五十六歳が三%、五十七が一一・九%、五十八が一四・七%、五十九が〇・四、六十が三二・〇、六十一以上が二・三%、こういうふうになっているわけであります。そうして、男子平均が五十七・六歳、女子の平均が五十六・五歳ということであります。これは団体の算術平均でありますから、私どもが所属をしている農協の舞台はかなりの大きな団体でありますから数が多いわけでありますが、これはほとんど五十五から五十七歳というふうに理解していてよろしいのではないかというふうに考えております。
 それから二つ目には、その資料によりますと、今後定年齢を延長する考えがあるのかどうかという問いに対して、あるとするものと、ないとするものがそれぞれ数字が出ております。全体で言いますと、今後定年延長を考えているという団体が千四十九団体で一五・八%、そうして、いないというのが五千五百九十団体で八四・一%、こういうことになって、圧倒的な団体が今後の定年齢の延長を考えていないということを言っているわけであります。そうして、ちなみに農協関係を見てみますと、都道府県連が、考えているとするものがわずか二十二団体で八・八%、いないというのが二百二十七団体で九一・一%、そうして総合農協について見ますと、いるとするものが、四百三十六団体で一三・〇%、そして、いないというのが二千八百九十七団体で八六・九%であります。私ども全農協労連に所属している労働組合は、それぞれ要求をしまして定年の延長をしまして、そして一歳ないし二歳の実績を上げているところもあるわけでありますけれども、圧倒的多数の未組織労働者の場合には、そういう関係がないわけでありますから、この状態が必ずしも大きく好転するということは、私としては考えられないことだというふうに思っております。
 なお、参考までに、ことしの三月十二日に私ども全農協労連が、全国農協中央会に対して今度の法改正にかかわって交渉を持った際に対応した桜井総務部長は、全中は農協に指導する立場にはない、全国農協中央会としても現在の五十七歳の定年延長は考えていないということを明言しているわけであります。先ほど山口参考人は、万全を期してその指導を図るというふうにおっしゃっているわけでありますけれども、どうもその辺のところは私どもは不安であります。仮に十五年間の経過措置があったとしても、果たして定年齢が六十歳に延長されるのかどうかということはきわめて疑問であります。
 第二でありますけれども、定年の延長を考えなければならないという意向は、確かに最近経営者の中に出てきておることは事実であります。しかし、その場合も、何らかの方法を講じてというコメントが必ずと言っていいほどついているわけであります。具体的に言いますと、現行の定年齢で一区切りをして再雇用する。具体的に言いますと、たとえば嘱託というふうに身分を変更して再雇用する、そして定年の年齢を延長するという動きが非常に強いのではないかというふうにわれわれ懸念しているところであります。もしそうした場合には、賃金の水準は賃金水準のピーク時より退職のときに下がる、そうしますと年金額も自動的に低くなる、こういうふうな事態が発生するのではないかと考えているところであります。
 第三に、女子の場合著しく不利になるということであります。もしこの改正案が通るとすれば、農林年金の場合は六十歳支給開始になるわけでありますが、現行厚生年金は、女子の場合は五十五歳であります。したがって、厚生年金から分離、独立した農林年金のメリットといいますか、利点といいますか、これがなくなってしまうということでありますし、同時に掛金率が、厚生年金の場合に千分の七十三であります。御承知のとおり農林年金は千分の九十八でありますから、掛金率は高くて、そして支給開始年齢が五年も差が出るという非常に不利になるという点であります。
 第四には、もし農林年金が支給開始年齢の引き上げを認めてしまうとすれば、厚生年金等の他の年金制度全体に改悪の道を開くというふうに私どもは考えております。すでに厚生年金の六十五歳支給開始年齢が云々されております。こういうことで、私どもは、六十五歳の支給開始年齢の引き上げについては断固として反対をするわけでありますが、そういう立場からも、私どもの年金の支給開始年齢の引き上げを認めるわけにはいかないということであります。
 以上の理由、概要を申し上げましたけれども、それでは定年問題が解決をすればこの問題はそれでいいのではないかというふうに考えられる方もおありだと思いますが、実はそうではなくて、農林漁業団体の場合には業種あるいは業務内容が非常に多岐にわたっておりまして、たとえばある業種によっては、六十歳まで定年が延長されても、それまで肉体的に持ちこたえ得るかというような業種もあるわけでありまして、そういうことからも、ただ単純に定年の延長とこの支給開始年齢の引き上げについて短絡して考えるべきではないというふうに考えております。
 また、先般、東京都知事選挙の際に、私は三多摩の農協を幾つか歩きまして、何人かの組合長さんあるいは参事さんとお会いしたわけでありますが、東京都の場合には、農協の定年齢は六十歳であります。しかし、六十歳の農協の組合長さんあるいは参事さんの発言を聞きますと、私どもは確かに定年は六十だけれども、五十五になれば年金がもらえるということを非常に期待している、それが一つの仕事の励みにもなっている、したがって、定年は六十歳だけれども、この五十五歳の支給開始年齢を六十歳に引き上げることについては私は反対するというのが、私のお会いした組合長さん、参事さんすべての意見でございました。こうしたことがありますから、あらゆる角度から慎重に十分に審議を尽くしていただきたいというふうに考えているところであります。
 次に、減額退職年金の選択年齢の限定についてでありますが、五十二年度で減額退職年金の受給者が二千二十七人おります。これはそれぞれ選択をした理由があろうかと思いますが、それぞれの実態について具体的に把握しておりません。ただ、私どもが承知している限り、たとえば山形県のごときは、農協の女子労働者に差別定年があります。四十五歳あるいは四十七歳といったような差別の定年制がしかれていて、減額退職年金を受けざるを得ないような状況があるのではないかと考えております。この資料によりますと、山形県の場合には、五十二年度に百四十二名、減額退職年金を受給しているわけでありますが、労働組合に問い合わせてみると、大体百人以上が女子ではないかという話であります。したがって、そういうふうに真に必要のある者がいる限り、その道を閉ざすということはすべきではないと考えております。
 ただ、差別定年やあるいは退職の勧奨など、それ自体としては改善をしなければなりませんので、私ども、それについては改善に努力をしていきます。しかし、先ほど申し上げましたように、そういう実態は必ずしも一挙に改善されるという状況にありませんので、そういう中での選択年齢の限定ということには反対であります。したがって、これも実態をいろいろ調査された上で、慎重に十分に御審議を願いたいというふうに考えております。
 時間が来ましたので、最後に、農林年金の健全な発展についてでありますけれども、これは基本的には、農林漁業、第一次産業の発展と不離一体のものだというふうに私どもは考えているところであります。それと同時に、私どもは、今後問題にしていかなければならぬと思っているのは、農協の場合に減量経営と称して、農協が本来行うべき事業を株式会社にしたりあるいは下請事業に任せたりする傾向が最近顕著になってきております。
 たとえば、私どもが調べた範囲でありますけれども、全国農業協同組合連合会の場合、全農が五〇%以上出資している会社があるわけですが、その会社十三社の人数を拾ってみますと、千六百六十八人に上っております。この千六百六十八人がすべて農林年金加入適用者とは必ずしも言えないにしても、全農の職員が約四千人でありますから、農林年金の組合員であるべき者のうち、かなりの数が実は厚生年金の組合員になっている、こういうふうに理解をしてよろしいのではないかと考えております。
 なお、全農の場合に、その第一種会社のほかに、本来全農が行うべき事業を下請化しているところの人数を概算しますと約七百人、それから系統のえさ工場で働く労働者が約二千人以上。こういうふうに考えてみますと、単純に先ほどの千六百六十八人と七百人と二千人以上を足しますと、ちょうど現在の全農の職員に匹敵するぐらいの人数になるわけであります。
 こういうふうに組合員が厚生年金に流れていっているということも、第一次産業の発展と同時に考えていかなければならぬだろうと思うし、これは全農だけの問題ではなくて、いま都道府県の経済連あるいは共済連等の別会社、こういったものを考えると、かなりの数、潜在的な組合員になるべき数があるのではないか。こういうことにも、もっともっと力を尽くしていくべきではないかということを考えております。
 以上、反対の理由を説明いたしまして、私の意見にいたします。どうもありがとうございました。(拍手)
#10
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。
 次に、鈴木参考人にお願いいたします。
#11
○鈴木参考人 全漁協労議長の鈴木義一でございます。
 水産業、漁業あるいは漁業協同組合問題につきましては、日ごろ先生方に何かと御指導いただいておるということにつきまして、冒頭感謝の意を申し上げておきたいと思います。
 私のきょう申し上げます立場というものは、今度この委員会にかけられている法案というのは私ども頭の悪い者から見るとわけがわからぬというふうに言わざるを得ない。いいものは早く通してくれ、いろいろ問題があるやつは後回しにしてくれ、こういう立場であります。したがいまして、いま全農協労連の後藤委員長も言っておりますように、一番問題になっておりますのは、何といっても、現在年金の支給開始年齢五十五歳を六十歳にするという唐突な提案でありまして、この問題、それから減額退職年金、こういうものについては大きなコンセンサスを得た後に実行すべきであるという立場で、この部分については反対である。したがって、分離審議できないものかということを私としては申し上げたいと思います。その背景について、私は漁業協同組合に働いておりますので、そこら辺について問題を先生方に御披露したいと思います。
 現在、漁業は、二百海里問題、魚離れ、いま到来しております石油危機問題で相当困っております。その中で、全国には二千三百の漁業協同組合関係団体があります。そこに三万一千人の職員が働いておりますが、この人方の特徴というものは、先ほども幾つか出てきましたが、昭和五十二年度の年金が出されております事業年報、並びに去年の三月に全国農協中央会から出されております就業状況実態調査ですか、こういうものを総合してみますと、次のようなことが言えるのではないだろうかというふうに思っております。
 一つは、漁協職員は総合農協職員に比べて、規模零細な組合で働く者が多く、かつ中高年齢者のウエートが相対的に大きい。また、女子職員の比率も三〇%以上を数える。女子職員の比率の地域格差も明瞭である。
 二番目に、漁協系統団体職員の労働条件を考える場合に、農協に比べて採用方法で中途採用が多い事実に目を向ける必要がある。労使関係の近代化が縁故関係で阻害されている危険がある。
 三番目に、学歴別職員数を系統団体別にとらえた場合、単協段階で高校卒のウエートがすこぶる大きい。
 四番目に、職員の賃金水準には、初任給月額、標準給与月額とも明瞭に性別格差及び地域格差が見られる。段階別格差もすこぶる大きい。系統組織の望ましい系統性を働く者の立場から確立するためには、この種の格差を改善する必要があるのではないか。
 五番目に、労務管理のあり方でありますが、おくれた側面が発見される。単位漁協で規程を制定しない団体が、単位漁協総数で給与規程の場合三四・二%、就業規則が二一・三%、退職給与規程が一一・四%、定年制が四九・四%に達している。こういう労務管理の初歩的なおくれを改善する努力が要求される。
 六番目に、いまの問題と関連するわけですが、漁協職員に休日が少なく、また労働時間が長い事実に目を向けるべきである。給与問題の改善とかかわらせて労基法違反の危険のある労働時間、それに見合う手当、そして有給休暇制度の改善について、当面の対策を講じる必要がある。これにつきましては、昭和五十年の十月に、後にも先にもこれが初めてなんですけれども、水産庁が水産業協同組合職員労働条件調査報告書というものを出しております。ここの中で労基法違反の事実が明らかにされておる。そしてその記述の中には、この漁協という職場は非常にミゼラブルな職場環境である、こういうことが報告されております。
 そういう中で唯一の頼りは何であるかと申しますと、それは自分たちの老後保障、農林年金への依存、期待であるわけであります。それだけに本改正案については、各職場、職域に働いている皆さんが大きな関心を寄せておられる。
 しかも、次に目を向けてみたいのは、この農林年金が厚生年金からなぜ分離、独立して今日ここに来たか、二十年に及んだか、この事実であります。私が知る限りにおきましては、少なくとも国公共済、市町村共済、私立学校共済などの例にならい、より充実した年金制度を法制化することによって、農林漁業団体職員の福利厚生を図るとともに、団体事業の円滑な運営に役立てようとしてつくられた独自の年金制度である、こういうふうに私は聞いておりますし、そういうふうに理解しております。農林漁業団体の重要性にかんがみ、厚生年金より分離、独立したというところを先生方にもよく考えていただきたい。そして、そのときのねらい、目的というのは、国公共済に早く追いつき、その中で年金というものを頭に置きながら一生懸命働こう、こういうことだったろうと思うのです。しかし、国公共済の水準に至ったのは、昭和三十四年一月段階ですでに自分たちが目指した水準というのは一年か二年ぐらいおくれておったと思います。そして大体形が整ったのが大体六年から十年ぐらいかかったのではないでしょうか。先生方のおかげですけれども、そこまでかかったのではないだろうか。改善には相当手間取って、そして改悪するというときはすぐやるというのはちょっと問題じゃないか。ここら辺を先生方にも篤とお考えいただきたい。
 特に、ここら辺で問題になってくるのは、やはり農林漁業団体というものは大きな国家の基本政策に基づいて役割り分担を担っていると思うのです。そういう意味合いでは、何回もこの委員会でもあるいは参議院の委員会でも決議されておりますが、附帯決議の中で、給与などの実態把握並びに待遇改善、こういう問題について政府あるいは各団体とも努力をしてきたのかどうか。私はそれがなかったのではないかというふうに思います。ですから、いまも実際退職年金をいただくというときは他の共済とは大きな違い――一番低いのではないでしょうか。そういうふうな実態にあるということです。
 そういうことで考えてみますと、やはり私どもとしましては、農林漁業という基本政策との絡みでこの問題を考えていくべきではないかということと、それから労働条件等の基盤をやはり見て、それが国家公務員の水準に近づく、近づけたというふうな見通しを立てて、いま言った年齢の引き上げだとか、それから減額退職年金というのを考えるべきではないかというふうに考えるわけであります。漁協の実態から見ましても、確かに高齢層が多くて中途採用というのが多いのですが、これは人事のあるいは労務雇用の一つの大きなローテーションというふうな形になっておりまして、それが労務管理の一つの目安になっているということを考えてみますと、やはりいまかけられている案件については、いいところは早く、まずい、コンセンサスが得られてないというところについては慎重に審議をするという必要がありはしないかというふうに思うわけです。
 それから、財源問題について、これは私ども率直に言って厳しいというのは、吉田理事長の言をまつまでもなくわかっております。しかし、私ども、国庫負担について見ますと、先生方の御努力によって当初一五%が現在一八%、財源調整一・八二を加えますと一九・八二に前進したということについては、それなりの評価をするわけですけれども、私どもは農林年金中央共闘会議に結集している統一要求の立場では三〇%というところを求めているものから見ると、もう少し努力してほしいと考えています。
 しかし、さらにここで問題になってくるのは、厚生年金から農林年金に移る際に財源不足があって、それをそのまま抱え込んできている。それが初期債務として千分の十四・六五ある。ここら辺は、国もしくは団体が片がわりせい。本委員会を通じて役所なりあるいは団体の方に積極的にアドバイスしていただけば非常にありがたいんではないだろうか、こういうふうに思っているわけです。
 いずれにせよ、私どもがいま考えているのは、むずかしい問題は慎重に対応してほしいということでありますし、それからもう一つ、先ほど後藤委員長も言いましたが、掛金の負担割合について現在法律でもって折半ということになっております。しかし、事実は春闘を積み重ねる中で七、三、すなわち労働者側は三、使用者側は七という負担の区分変更がなされております。しかし、これについては法律を盾にとってだめだというふうな団体経営者もありますし、さらにせっかく七、三というところに気持ちを持っておっても、会計処理上の問題等があって、そこら辺が法律で約束されてくるとありがたいんだがなというふうなことも出ておりますので、今後の検討課題として七、三の負担割合変更、それをぜひとも考えていただけばありがたいと思います。
 最後に、先ほど吉田理事長はやむを得ないということで、団体側はOKしたということを言われておりましたけれども、私が所属する全漁連労働組合は、七九春闘の協定において、年金の改善についてこういうふうな協定をしております。「とくに、今国会へ上程されている改正法案については、会は慎重に対応する。」会というのは全漁連ですが、そういうふうに言っているわけです。彼らも論議の中でわかってきたということであります。そういうことを言いますと、何だおかしいことを約束したなということになってくるかと思いますが、私は言いたいことを言わしてもらうと、団体というのは、政府から補助金を幾らかもらったりしているということになってくると、そっちの方にも顔を向ける、いわゆる内と外の顔を区分けしているんではなかろうかというふうに思うわけであります。そういうふうなことを考えてみますと、この協定書は本音で言っていると思いますので、本委員会において慎重に御審議をして、いいものは早く通していただきたいし、ちょっと問題のあるものはコンセンサスづくりを十分して慎重審議をしていただきたいということを申し上げまして、私の御意見発表を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
#12
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。
 次に、玉置参考人にお願いいたします。
#13
○玉置参考人 ただいま御紹介にあずかりました玉置でございます。日ごろ農林年金の改善に諸先生方には御尽力を賜りありがとうございます。また、制度改正問題でこのような発言の場をいただきましたことを厚くお礼申し上げます。
 いま、鈴木参考人あるいは後藤参考人から、農林漁業団体の労働実態に触れた発言がありましたが、私は、農林年金四十六万組合員の一組合員として、今度の制度改正にどのようなコンセンサスを得ていくかという立場で発言させていただきたいと思います。
 農林年金には、御承知のとおり、組合会の制度がありますが、これは他の年金にない独自の民主的な制度でありまして、定款の変更、毎事業年度の予算、決算など、事業運営上の基本的事項についての最高議決機関でありますが、このほか、理事長、理事等の役員についても組合会で選挙することとなっておりまして、現在、組合会は一万三千団体より選挙された団体代表組合会議員四十五名、四十六万組合員より選挙された職員代表組合会議員四十五名、労使合わせて九十名の定員で構成されております。私が会長をしております組合会議員協議会は、農林年金中央共闘会議の方針に基づいて、中央共闘会議に所属する職員代表の組合会議員より構成されておりまして、その役割りは、四十六万組合員の生の声を組合会を通じて農林年金の民主的な運営にどのように反映させていくかということでありまして、そのためにも定例の組合会の開催日の前日には農林年金中央共闘会議の協力のもとに必ず勉強会を開くなど、日ごろ研さんを積んでおるわけです。
 思い起こせば二十年前、当時困難な情勢のもとにありまして、農林漁業団体に働く幾多の先輩の御努力により厚生年金より有利な年金をということで、政策年金として厚生年金より分離独立を果たしたわけですが、この間、国会を初め関係各位の皆様の御尽力をいただいて、数次にわたる各般の改正を経て、掛金率の水準はともかく、ようやく他の共済年金に遜色のない制度内容に近づいてきましたことを、深く感謝申し上げる次第であります。
 このほど、満二十周年を迎えたばかりのときにかような農林年金制度改正問題が持ち上がりましたのは、私どもにとって、制度の後退であり、まさに寝耳に水という出来事であります。全国津々浦々に働く組合員諸兄のことを考えてみまするに、事態をまことに憂慮しておるのであります。
 今回の改正の動きが、わが国全般として高齢化社会へますます進展を見せる中で、農林年金とてもそのらち外にはなく、年金受給者も増加し、成熟率が高まり、年金財政も悪化するであろうという将来の動向に対する危惧から来ているにせよ、農林年金は農業、林業、漁業とその職域を異にする一万三千団体より構成され、それぞれ固有の労働条件を背負っている現実を無視すべきでなく、しかも、定年制があり、再雇用の機会が少ないという就労実態があるわけですから、同じ共済年金グループということで、安易に横並び改正を押しつけようとするのはどうかと思うのであります。
 私どもは、このたびの改正問題が伝えられて以来、農林年金の理事長の諮問機関である農林年金運営基本問題懇談会というのがございますが、それらを通じて、労公使による第三者機関に基づく制度検討の場を早急に設置し、一定の合意を得るべきだと、農林省、農林年金の御当局に要望してまいったのでありますが、法制的に検討の場を設けるという言明はいただけず、今後の課題としても、農林年金に制度問題に関して、国家公務員共済組合審議会のような第三者機関を置くべきではないかと考える次第であります。
 いずれにいたしましても、国家公務員、地方公務員、公共企業体の三者の共済においては、昨年三月以来、三者合同の共済年金懇談会を設けまして、制度全般の見直し等について一年近く九回もの会合を重ねて検討してきたわけですから、農林年金にあっても時間をかけて慎重に検討しても遅くないはずであり、しかも次期料率改定期まで二年近くあるわけですから、直ちに他共済横並びは必要としないのではないでしょうか。
 これに関連し、先般の三月八日に開かれました私ども農林年金の第四十一回定例組合会において、決議案文が議員協議会所属の議員から出席の組合会議員全員に配付され、残念ながら制度改正問題は組合会では決議できないということで決議には至りませんでしたが、団体側の代表議員からも大方の異論はなく、議長の取り計らいで、満場一致で拍手で決議文が確認されましたことは、このたびの改正問題が私どものみならず農林年金各構成団体にもショックなり不安を与えていることの一つの象徴的な出来事であるかとも思うのであります。
 決議案文の内容はお手元にあると思いますが、声明の趣旨を述べますと、農林年金の制度改正に当たっては、一万三千余の団体と四十六万組合員の合意に基づいて対処されるべきだということで、一九七九年三月八日、第四十一回農林年金定例組合会の名におきまして、政府は、多くの問題点を持つ農林年金の制度改正案の国会上程を行わず、制度改正に関する公的検討の場を設け、十分な検討を行うことと、もし国会に上程されたならば、国会においては指摘された問題点が解決できる方向で十分な審議を尽くすことの二点でございます。
 その前置きとしまして、今回の制度改正に当たっての反対理由を述べていますが、それはこれから私が申し上げるとおりであります。
 すなわち、すでに後藤参考人、鈴木参考人も触れられているとおり、既裁定年金額の引き上げ、退職年金の最低保障額の引き上げ等が盛り込まれていることは、確かに制度内容の充実であり、私ども異論のないところでありますが、しかしながら、反面、退職年金、遺族年金の支給開始年齢の引き上げ、減額退職年金の受給制限などの改正は、農林年金の制度の根幹を揺るがすものであり、まさに制度の後退につながるものであり、反対せざるを得ません。
 まず、支給開始年齢の五歳引き上げでありますが、反対の第一の理由は、農林漁業団体に働く労働者の定年制の実態が、平均男子五十七・六歳、女子五十六・五歳と、六十歳未満の定年制が多い現状にある中で、開始年齢の五歳引き上げは、退職後直ちに支給されないケースが生ずるからです。仮に十五年の経過措置が設けられるとしても、その間に六十歳未満の定年制が完全に解消されるという保証はありません。かつて厚生年金を五十五歳から六十歳へ五歳引き上げましたときに、二十年間の経過措置を設けて支給開始年齢を引き上げてきましたが、最近の労働者雇用調査の実態によりましても、定年制五十五歳はまだ四一・三%という現実があるわけですから、必ずしも、吉田理事長が先ほど申し上げたとおり定年制の延長を完全に誘発するという保証はないわけです。この点につきまして、農林省御当局では、支給開始年齢の引き上げは年金の法改正上の問題であり、定年制の延長は農林年金を構成する各団体における労使間の問題であり、相互に法的な関連はない、また、行政指導や介入のできる問題ではないと言明しています。
 反対する第二の理由は、五十五歳以上の高齢職員の賃金が必ずしも年功序列で引き上げられるという保証はなく、嘱託、その他の雇用形態などと相まって、五十五歳を過ぎるとむしろ賃金が引き下げられるという事態が生じてくるという現実があり、これに応じて退職時の標準給与が低くなり、退職年金の額が逆に低くなる場合が多くなるおそれがあるからです。
 反対する第三の理由は、女子の問題であります。厚生年金においては女子の支給開始年齢は五十五歳となっておりますが、農林年金の場合、掛金は千分の九十八と高く、退職年金はほとんどの者が最低保障という現状にあっては、一方的に農林年金が不利になってしまうと思うのであります。
 次に、減額退職年金の受給制限であります。年金制度を私どもの老後の生活を保障するものとして充実させる必要があるということを考えるならば、退職年金の額の充実がまず前提であり、その意味からすると、無制限に減額退職年金を受給することによって老後の受給額が少額となることは、検討の余地があります。しかし、現実に減額退職年金を必要とする人が五十二年度末でも二千人強ある中で、減額退職年金の選択の動機等実態を明らかにした上で受給資格年齢の引き上げ、減額率の大幅見直しを行うべきであり、それをしないならば、やはり反対であります。
 決議文の内容は以上のとおりでございますが、総じてこのたびの改正問題が将来的な年金財政の動向に深くかかわっており、加えて一昨年来の官民格差論が微妙に影響していると私ども認識している次第ですが、この席をおかりして要望申し上げたいことが二点あります。
 私ども組合員にとって掛金率の問題は重大な関心事であり、財政悪化を理由とする掛金引き上げは絶対に行ってもらいたくないということであります。そのためにも、国庫補助を増額すること、現在進められている農協等相互扶助事業をますます拡充強化すること等の措置により、掛金の増高を避ける方向で検討していただきたいということであります。そのためにも、制度全体としての見直し、たとえば年金額の計算方式等の見直し等を含め、組合員がみずから参加して総合的に検討し、組合員が納得して結論を出すことこそ、年金制度の正しいあり方を定めるものだと確信しています。
 いま一つは、農林年金は短期給付、すなわち医療給付を他共済のように行っていませんが、組合員にとって在職中掛金を納めるだけの関係をわずかに救っているのが、組合員に対する貸し付け、宿泊等の福祉事業であります。これらの事業は零細な農林年金の構成団体の福利厚生機能をかなり代行している現状ですが、年金財政の悪化から積立金からの財源繰り入れが賄えないというような状態と聞いております。見直し縮小の方向を聞いていますが、やはりそこでも現行の福祉事業の水準を保つようにしていただきたいということであります。
 以上、るる申し上げた点につきまして、先生方におかれましては、事情御賢察の上、何とぞお聞き届けくださいますようお願い申し上げます。(拍手)
#14
○佐藤委員長 どうもありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
#15
○佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野坂浩賢君。
#16
○野坂委員 参考人の皆さんには大変御苦労さんでございました。いよいよ農林年金の審議を始めるに当たりまして、皆さんの御意見を十分お聞きして審議の参考にしたいというふうに考えております。
 今度の年金の改正に当たりましては、いま各参考人からお話がございましたとおりに、既裁定年金の額の改定の問題なり、あるいは退職年金の最低保障額の引き上げ、寡婦加算の問題、こういう問題のない、やらなければならない点もございますが、いま一致して問題のように挙げられましたのは、退職年金の支給開始年齢の問題、それから、労働者側といいますか組合員の方からお話がありました減額退職年金の問題、こういうところに問題があろうかと思うのであります。
 先ほど会側の皆さん方がお話しになりました中で、今度の支給開始年齢の引き上げは定年延長の誘発促進剤になるであろうということを述べられたわけであります。さらに、定年制と同一の土壌に上がったのだ、こういうお話であります。そういう傾向があるということでありますが、組合側といいますか、組合員の代表のお方の中身の問題については、定年延長というのは大体一五・八%しか考えていないのだ、八四・一%は考えていないのだということで現在の状況もるる説明をされたわけであります。
 山口参考人と吉田参考人にお尋ねをしたいと思うのでありますが、四十六万六千の加入組合員の中で農業団体は三十九万一千も加入しておるわけでありますから、お話がありましたように、この支給開始年齢が三年一くくりにして五段階、十五年の後といいますか二十年の後といいますか、そういう状況の中で退職即年金ということに責任を持って善処できるものかどうか。考えとしてはそうであろうけれども、やることはそれぞれ別個であるからその責任は持てないけれども、傾向にあるということは――いまの実績からして五十五歳、五十六歳、五十七歳、五十八歳、五十九歳という定年の現状と、延長はしたいと思っている人が一五%、したいと考えていない人たちが八四%、こういうことでは非常に問題が後に残ろう、こういうふうに考えます。その点については一体どのように考えておられるのかということが一つ。
 もう一点は、いま組合員の代表の方からお話がありましたように、この空白期間をなくするために六十歳に実施をしていくけれども、五十五歳になれば一区切りにしていままでのとおりに賃金のアップは行わない、置いておくことは置いておくけれども、賃金の横ばいなり引き下げだ、こういうことで対処していこうか、こういうようなことがあれば定年延長の意味にはならぬと私は思うのであります。
 その点については一体どうお考えかということを吉田さんと山口さんにお尋ねをしたいと思います。
#17
○吉田参考人 私は、農林年金を扱っておる者で労使関係の当事者ではございませんから、そういう労務管理指導等を直接やる立場でないということを御理解願いたいと思いますが、これから高齢化社会に向かっていきますと、どうしても中高年齢者の雇用難というのが出てくると思います。その雇用難に対処する一番有力な手段はやはり定年の延長ということになると私は考えております。農林漁業団体の場合に、先ほどの調査がございましたが、これは今度の支給開始年齢の制度改正の以前の調査であります。ですから、今度制度改正がなされれば、支給開始年齢の引き上げに伴って必ずや定年延長をやらなければならぬということが誘発されてくる、促進されてくるということは確かなことであると私は考えております。逆に申しますと、もし、こういう刺激剤がなければ、農林漁業団体の場合はいつまでも現在の定年が続いていって、結局労働者のためには余り幸福でないというふうに考えられるわけでございます。
 したがいまして、私といたしましては、この法案が通りましたならば早速にも――指導機関であります全中なりあるいは農協労研というような機関がございますから内々連絡はとっておりますが、支給開始年齢の引き上げに伴う定年延長の問題について労務管理を一体どうやるのかというようなことにつきまして、私の方も陰からお手伝いいたしますから、ひとつしっかりやってほしいということを内々申し入れておるというのがいままでの経過でございます。
#18
○山口参考人 第一の問題については、支給開始年齢の引き上げと定年制との間にギャップが生じないように最善の努力をいたす所存でございます。
 第二の問題につきましては、農林年金の給付額にかかわる問題でございますので、当然そういうことがあってはならないというふうに考えております。
 以上です。
#19
○野坂委員 中村さんにちょっとお尋ねしますが、いまおたくは定年は五十五歳ということになっておりますね。そこで本人の希望があれば五十六歳までそのままやっていく、実質五十七歳になっておるということでありますが、賃金ば横ばいですか。五十五歳のときの賃金でそのまま移行するということですか。
#20
○中村参考人 ちょっと誤解があると思いますが、定年は私どもの方は五十六歳でございます。本人が希望して、さらに会が必要と認めれば一年間は延長できるというふうになっております。
 さらに、昇給の点につきましては、その時点までは会の規定に従って昇給するということに相なっております。
#21
○野坂委員 平均寿命が延びて、そして掛金も引き上がるのではなかろうか。支給開始年齢が引き上がる、そこで、その掛金の点についても引き上がるのではなかろうか、こういうふうに考える。その場合に、現在は法律で五十五条に、折半だ、こういうふうに書いてあるわけであります。いままでの本委員会では、法律は書いてあるけれども、これが七、三になるというような場合であっても、政府は特に干渉なり是正はしないということが政府答弁として出されておるわけですが、そういう状況からしてこの七、三の掛金の分担率、こういうのは現状どのようになっておるかということを、これは労働者側の代表で後藤さんと鈴木さんの方にお話しいただきたいと思うのです。
#22
○後藤参考人 ただいまの御質問については鈴木参考人の方が御答弁いたします。
#23
○鈴木参考人 これはまだかちっとした形では出ておりませんが、私どもの方に報告があったものを見ますと、三、七できておるのが百四十一、それから五・五対四・五ですか、そういうふうなのから三対七の寸前まで、そういうのが二百八十団体あります。合わせて四百二十一団体、こういうふうな実態になっておりまして、なお春闘の中で、今後検討して前向きにやるというのが協定化されている例が非常に多くなっています。
#24
○野坂委員 次には、財政問題についてお尋ねをいたしますが、今日、いまも参考人からそれぞれお話がございましたように、過去勤務債務といいますか、厚生年金の制度から農林年金の制度が三十四年に発足をしたわけでありますが、この際の初期債務、これにつきましては千分の十四・六五ということになっておるわけでありますが、国家公務員あるいは地方公務員の共済組合では、この点については国が実質的に負担をするということになっておるわけであります。
    〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕
これは会側としてはどのようにお考えなのか。いま吉田理事長も、非常に財政が窮迫をしておるということでありますが、国家公務員の年金方式に近づかなければならぬということを強く主張しておられました皆さんは、後発債務ではなしに初期債務についてはどういうふうにお考えでありますか。だれが負担をすべきだというふうにお考えになっておるかということを吉田さんと鈴木さんとにお尋ねをしたいと思います。
#25
○吉田参考人 初期債務につきましては、いま言われたとおりでございますが、公務員関係の共済組合は、御承知のように、恩給が土台になりましてでき上がったものでございます。したがいまして、恩給というのは国の政策としてやられたものでございますので、当然国がその初期債務は責任を負って支払うというような理屈でやっておるわけでございます。われわれ農林年金と私学は、そのようなことでなくて、厚生年金が土台になって出発したものでございまして、そのような政策的なものはないわけでございますので、初期債務を事業主が負担をするという理屈が立たないということでございます。また、発足当時からの経過から見ましても、初期債務につきましては相互扶助で分担をしていくということでずっとやっておりまして、現在までそれが定着をしているという実態でございます。
#26
○鈴木参考人 私どもとしましては、そもそも厚生年金から農林年金に移った経過というものは、大きな農林漁業基本政策という関係で出てきた関係を私たち重視しまして、これは国と団体で持つべきである、ただ、国がいろいろな事情でむずかしいという場合は、団体が責任を負うというのがよかろうという考えであります。
#27
○野坂委員 鈴木さんからもお話があったわけでありますが、現在の給与状況といいますのは、地方公務員が十七万七千五百円ということになっております。国家公務員が十六万四千八百五十六円、厚生年金関係が十五万五千四百四十円、私学が十六万三千円、農林年金が十三万七千五百六十八円、こういう賃金水準になっておるわけであります。そういたしますと、したがって、この年金の受給状況といいますのも、五十三年の三月を見ますと、地方公務員が百四十三万一千円、国家公務員が百三十三万二千円、厚生年金が九十一万三千円、私学が百十三万六千円、農林年金が八十七万三千円、こういうふうにされておるわけであります。他の年金と比べて非常に支給金額というものが低い。それは賃金に大きな影響がある、こういうことになっておるわけであります。団体別ももちろん違います。地域別にも違う。あるいは産業別ももちろん違う、こういうふうに述べられておりますし、また実際問題そうなっておるわけですが、農協中央会としては、ほとんどの農協の皆さんを指導していらっしゃるわけですから、もちろん自主性はございますが、そういう点について、これから支給金額というものを高めていくためには賃金がもとになるわけでありますが、それについてどのような指導をされるのか。委員会でもよく決議をするのでありますが、それは団体側に賃金の問題等についてなかなか具体的に指導をするということも農林省当局としてむずかしいとも思いますが、中央会として農協全体にどのようにこれから指導されていくかという点について伺いたい。
#28
○山口参考人 ただいまの御質問でございますが、やはり私どもとしては、労働者が十分生活が安定できるような賃金を確保するということが一番農協の事業運営についても望ましいことであるというふうに考えております。そのためには、現在の農協の事業体制あるいは農協の規模、こういう問題を効率化し、適正化することがまずもって前提条件として必要であるというふうに考えておる次第でございます。
 それからなお、適正でありながら賃金水準が非常に低いという問題につきましては、個別に県中央会等を通じまして適正な賃金水準が確保できるような経営指導をやってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#29
○野坂委員 今日の農業情勢は厳しい情勢でありますが、そういう確保できるような措置、そういうことをわれわれも期待するわけですが、次に、玉置参考人からも話があったのですが、組合会というのがおたくにはありますね。お話を聞いておりますと、吉田理事長も同じようなことを述べられたわけですが、この組合会というのは定款あるいは事業内容についていろいろ討議をする、こういうことになっておるようであります。問題は、その中で不満として述べられておりましたのは、公務員なりあるいは公共企業体の皆さんはこの一年間非常に制度問題について議論をされてきたということであります。三者合同の懇談会で九回も実質的に実施をされたわけですが、この中で、国家公務員の場合は国家公務員共済組合審議会というのが百十一条で明確になっております。組合に関する制度及びその行う給付その他の事業の運営について審議をする。あるいは地方公務員の場合も百二十二条一項に明確にされておるわけであります。皆さんの農林年金は国家公務員なり地方公務員の方向で給付は進められようとしておるわけですが、システムとしてはそういうようになっておるわけですが、この運営上の問題については議論は内輪でありますから討議できる。組織内で制度上の問題等についてやはり議論をしないという難点がありますから、どうしてもいまお話があったように、公務員の場合はいま議論があったけれども、われわれの場合は、農林年金の場合はそういう意見を述べる場もないということで先にしたらどうか、財政再計算の時期も五十五年ということで五十六年実施ということになりますから、その辺はいいじゃないかという、そういう御意見がありました。
 この制度問題等について、やはり討議の場というものが必要ではないかというふうにお話の中で感ずるわけでありますが、それについて前列の参考人の皆さんにお答えをいただきたいし、後列では玉置参考人からの御答弁をいただきたい、こう思います。
#30
○吉田参考人 いままでの制度改正は、御承知のように、給付内容をよくするというようなものが全部でございまして、だれも異論がない制度改正でございました。ですから、特別に審議機関というものがなくても不都合は生じなかったわけでございますが、今度の場合あるいは今後の場合は必ずしも、私の見通しとしては、制度を、ただ皆さんが結構だ、結構だということには恐らくならぬと思います。やはり耳ざわりの悪いこともあえてやらにゃならぬようなことが恐らく生じてくるんではないかと思います。
 そういう意味におきまして、私どもとしては、結論的に申しますと、五共済ございますけれども、一つ一つの共済で審議会を設けるというようなことでなくて、五共済共通の審議機関を設けていただくことを検討していただいたらどうかというふうに実は考えておるわけでございます。
#31
○山口参考人 吉田理事長の見解と同じでございます。
#32
○中村参考人 今後のあり方といたしましては、私どもも何らかの形で公に認められた正規の審議機関が設置されて、そういう中で十分討議されるということが望ましいと思いますし、お願いいたしたいと思いますが、ただいままでの問題につきましてはいま吉田参考人が申されたとおりのような事情でございますし、正規の機関としてはございませんけれども、自主的にそういうものを相談する機関があり、それなりに意見も反映したわけでございますので、今後の問題は必要でございますけれども、従来の点にさかのぼってまで云々ということはないと思います。
#33
○玉置参考人 私どもとしては農林年金の組合会は制度改正問題を討議できる場であればよいわけですけれども、それができない現状であれば、先ほど吉田参考人が申し上げましたとおり、その方向では賛成であります。ただし、その場合は必ず労組代表としてメンバーの人選に入れていただきたい、こういうことであります。
#34
○野坂委員 制度問題について議論をする場合には、他の共済、公的年金共済の中に入れる。いまの共済組合の場合でも公労使という関係になっておりますから、問題はないと思いますが、そういう他の共済年金と同じ土俵の場で、農林年金関係者も参加をして討議するということでございますね、吉田さん。
#35
○吉田参考人 言われるとおりでございます。
#36
○野坂委員 先ほど初期債務の取り扱いについて恩給から引き継いでいくということですけれども、私どもの年金といいますのは資源率の中に含まれておるわけですね。国家公務員や地方公務員は資源率の中に含まれていない、とってあるという関係にありますね。現在の状況というのは、不足責任準備金というのが五十二年の年間を見ますと、約一兆五千億不足をしておる。この計算は責任準備金から保有資産を差し引いたものだというふうに承知しておるわけです。が、この不足責任準備金、いまはもっとふえておると思います、五十三年度はまだわかりませんから。この一兆六千億に及ぶ不足責任準備金というものは、これからの展望で、先ほども話がありましたように、十人で一人めんどうを見る農林年金の場合は、早いスピードで成熟度が出てくるだろうということでありますから、財政的に非常に問題が出てこよう、こういうふうに思うわけであります。
 そこで、掛金の問題も問題として出てきたわけでありますが、先ほど組合側の皆さんからもお話を聞きましたが、いまの法律では五十五条にこういう規定があるということであります。この不足責任準備金の実態からして将来の展望はどのような措置をしなければならぬか。とりあえず六十歳だということがいまお話しになったわけですが、これでやれば掛金はふえてくるわけですから、いまの千分の九十八でも賃金実態からして非常に厳しいということを労働者側の皆さんがお話しになっておるわけですが、この点については検討する必要があろう、こういうふうに私どもは思っておるわけですが、山口参考人なり中村参考人の御見解を承っておきたいと思います。
#37
○山口参考人 私どもとしてはまず国の給付補助金の引き上げを図っていただきたいという点が第一点でございます。
 第二点といたしましては、団体側といたしましても、この問題につきましては団体みずからの責任を十分痛感の上、善処してまいりたいということでございます。
#38
○中村参考人 四十六万余でもって構成しております年金制度でございますし、成熟度が高いということもございますので、将来展望は容易ならざるものであるということは十分承知しております。その場合に、私どもといたしましては、一つは、農林漁業団体という特殊性から国庫補助の大幅な助成を期待いたしたいわけでございます。同時に、当然のことながら、われわれみずからの年金でございますので、自主努力をこれからさらにやらなければというふうに考えております。
#39
○野坂委員 中村さんの自主努力というのは、話し合ってそれらの掛金の負担問題等についても十分検討する、こういう意味ですか。
#40
○中村参考人 掛金の増はやはり極力抑えるということを前提にして、他の面で年金財政の総合的な健全化を図るということでございます。
#41
○野坂委員 そう簡単にはなかなかいかぬのですよ。
 厚生年金から農林年金が誕生した。その誕生の理由は、皆さんからお話がありましたように、よりよい年金、政策年金的な性格を持つ、こういうかっこうであります。その際に、厚生年金は六十歳が支給開始年齢でありますが、女子の場合は五十五歳ということになっておるわけであります。今度政府が提案をしております法案の改正は、五十五歳を男女差なしに六十歳、そうすると、女子は厚生年金よりも条件が悪くなる、こういうことになってまいります。男女の差別はないのだからという議論もありましょうが、お話がありましたように、定年が六十歳になっても五十五歳から年金があるということになれば、何か励みが出るというお話もあったわけであります。その男女差を制度的に、たとえば共済組合等は五十二条に、五十五歳で支給する、あるいは五十歳で支給するというものを職種別に挙げておるわけですが、そういう点で、男女差を設けるというような点については、前列の皆さんはどのようにお考えになっておるか、その点について御開陳をいただきたいと思います。
#42
○吉田参考人 私は当事者ではございませんので、感じという点から申し上げますと、厚生年金が五十五歳、六十歳の男女差を設けましたのはたしか昭和三十九年でございます。その当時は、事実職場におきましてかなり男女差別が行われておった。ところが、その後次第に、ウーマンリブと申しますか、女性の方の力が強くなってまいりまして、男女差別がだんだん解消されてきております。しかも、私が全中におったとき、労務担当をしておったときも、労働組合からは男女差別をやめてもらいたいという要求をしばしば受けておりまして、やはり年金におきましても、男女の支給開始年齢の差をつけるというのは時勢とはちょっと違ったものではないかというふうに感じております。
#43
○山口参考人 私どもといたしましても、やはり男女差別をなくして、同一賃金、同一労働というのが理想でございますので、年金制度につきましても、やはり同様の扱いをするのが原則的には正しいのではないかというふうに考えております。
#44
○中村参考人 男女差を設ける必要はないというふうに考えております。
#45
○野坂委員 一応の御意見だと思うのです。同一労働、同一賃金、男女格差なし、こういうふうにすべてが進められておるというふうに信じておりますが、しかし中身は、性別の格差賃金、こういうことが厳然としてあなた方の団体の中にもあるということを十分お考えをいただいて、それはいまお話があったとおりに是正をされることを期待しておきます。言っておることは間違いのない事実であります。時間がありませんから内容は申し上げませんが、そういうふうになっておりますからあえて申し上げておきたい、こういうふうに思うわけであります。
 いま、労使ともに賛成する問題、それから若干の問題がある点、たとえば支給開始年齢と減額年金ということに分かれるわけでありますが、皆さんの中でお話がありましたように、たとえば三・六%引き上げる、こういう方々のところには直ちにやって、あるいは最低保障額や寡婦加算の引き上げ、こういうものは一気にやって、あとはゆっくりやったらどうかというお話があります。確かに一致する点を上げて、一致せざる点は残すということも当然考えられるわけでありますが、この中で、いまの共済組合の場合は十分一年間論議をした、しかし、皆さんの場合は再計算は五十五年で五十六年から実施をするというような、掛金等は計算をされるわけでありますから、その際でもいいじゃないかというような御意見がありますね。いろいろと聞くところによりますと、そういう意見もあります。それについては十分審議を尽くした方がいいという御意見かどうか、早急にやるべきだ、こういうふうにお考えか、山口さんと後藤さんの方からそれぞれお答えをいただきたいと思います。
#46
○山口参考人 先ほど私、意見を開陳いたしましたとおり、改正内容につきましてはやむを得ないものと判断をいたしておりますので、早期に通していただきたいということが結論でございます。
#47
○後藤参考人 先ほど御意見を申し上げたわけでありますけれども、いろいろな角度から十分に討議を尽くされるべき問題だというふうに考えております。
 なお、参考までに、これは三重県の、現在年金を受給している人たちからアンケートをとった一部でありますけれども、現在私の手元に三枚あるわけですが、三方とも定年は六十歳にすべての企業がなった上で支給年齢を引き上げるべきだということを、このアンケートの中で答えているということを申し添えておきたいと思います。
 以上です。
#48
○野坂委員 最後に、山口さんにお尋ねをしておきたいと思うのです。
 先ほどお話を申し上げましたように、不足責任準備金というものが増大をしております。まず第一点として考えられることは、国の補助金の引き上げだということをお示しになったわけであります。この国の補助金については、現在一八%が補助率でありますが、それらの補助率についてお考えがあればお聞かせをいただきたい、こう思います。
#49
○山口参考人 私どもといたしましては、補助率を二〇%に引き上げていただきたいというのが私どもの考え方でございます。
#50
○野坂委員 いろいろと参考人の皆さんにお話を伺ったわけでありますが、私どもは、これから審議をいよいよ始めてまいります。きょうはいろいろとお話をいただいたわけでありますが、十分参考にしてこれからの審議を進めてまいりたい、こういうふうに考えます。
 大変どうもありがとうございました。
#51
○山崎(平)委員長代理 武田一夫君。
#52
○武田委員 六人の参考人の皆さんには大変御苦労さまでございます。時間が余りございませんので、全員の方にお尋ねすることもできないと思いますので、何人かの方に特にお尋ねいたす点を申し上げたいと思います。
 まず、吉田さんにお尋ねいたしますが、吉田さん、「農林年金」の雑誌に巻頭言を書かれておりまして、読まさしていただいております。先ほどもお話がございましたが、農林年金というのは共済組合である、共済というのは相互扶助であるということを強調されております。ところが、先ほど後藤さんは社会保障の一つとして位置づけるべきだというお考えを申し述べました。意見も二つに分かれているわけでありますけれども、吉田さんのお考えというのは、依然としてそのとおりであるということでございましょうか。そして、後藤さんに、この件について御意見があったらもう一度お聞かせいただきたい。
#53
○吉田参考人 私の考えは先ほど述べたとおりでございまして、社会保障というものの定義がはっきりしてないようでございますが、社会保障の中の相互扶助組織、共済組合であるというふうに私どもは考えております。社会保障というのは、ただお上から与えられるだけのものではないという解釈を私どもはいたしております。
#54
○後藤参考人 基本的考え方は先ほど申し述べました。もう少し詳しく言いますと、実は農林年金が発足をする、法改正が出た年に、全農協労連の前身である、その当時は全農労協といいましたけれども、第三回の定期大会が開かれているわけですが、その際に、農林年金が設立をされるということに関して、われわれは努力をしてきて、非常に喜ぶべきことである、ただしかし、われわれの共済制度を得たからといって単に喜ぶべき問題であろうかということで、やはり社会保障として充実させる上で、軍事費を社会保障費にというスローガンのもとに、社会保障制度の充実のために農協労働者は一貫して今後取り組まなければならぬということで確認されているわけであります。したがって、私どもは一貫してこの制度は社会保障制度の一環であるという認識をしているところであります。
 以上です。
#55
○武田委員 山口参考人にお尋ねしますが、後藤参考人と多少意見の相違のするところがございましたね。定年延長はやっていく方向であ、ところが、そうじゃないというデータがあると、この点の実情、まずどうなっているのか。もし今後、全中としましては間違いなく、定年の延長というものには前向きに取り組んでいき、そして働く皆さん方のために心配のない体制でいくということをここの場で確約できるものかどうか。であるならば、いまの高齢者の雇用の延長につきましては、労組あるいは経営者あるいはまた学識経験者の間で賛否両論があるようでございます。たとえば定年の法制化の主張のグループあるいは選択的定年制の採用、そういう二つの賛否両論があるようでございますけれども、山口さんとしてはこの問題についていかがお考えでございますか、お尋ねしたいと思います。
#56
○山口参考人 第一点につきましては、私どもは給付年齢の引き上げと定年制の問題にギャップが生じて働く者が非常な損失をこうむる、あるいは迷惑をこうむる、こういうことがないように努めるのがやはり団体側としての基本的な姿勢である、こういうふうに考えておるわけでございまして、ただ、この問題は、団体と申しましてもそれぞれ企業体が違うわけでございます、組織が。そこで、そういう基本的な姿勢で全中としては指導をおろしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
 なお、第二点の法制化の問題につきましては、私どもは法制化を含めまして行政指導の強化というものが、このギャップを生じないために必要な措置を講じていただきたいということを先ほど申し上げておるわけでございまして、ただ、この問題が、いわゆる農林年金の加入団体の法制的な性格と申しますか、そういうものから果たして法制化が可能であるかどうか、こういう問題については率直に申しまして自信がございません。ただし、ギャップが生じないことにつきましては、政府の方で万全の指導、行政措置を行っていただきたいという気持ちを先ほど申し上げた次第でございます。
 以上でございます。
#57
○武田委員 次に、吉田参考人にお尋ねしますが、先ほども話がありましたように、農林年金財政の健全化、これはだれ人もこの問題については相当関心を持っているわけでありますけれども、老齢者がふえて年金の支給額が膨張してくる。若い勤労世代の負担が耐えられなくなってくるんじゃないかという心配が若い階層に多い。特に農林年金の場合はそういうものが深刻でないかと私は思います。また、この負担を抑えれば年金の支払いが少なくなっていくんじゃないか、こういう懸念があるわけです。この調整をどうするかというのが大きな問題だと思うのです。たとえば掛金と年金の支給額の問題について、吉田さんの機関で実態などを調査いたしまして、こういう方向でいくのが一番われわれとしては望ましい。たとえば、具体的に申し上げますと、負担が大幅にふえてもいい保障を望むんだとかいうような方々がどのくらいいるものか、あるいはまた、いまの水準を保つためには負担がふえてもやむを得ないという考えをお持ちの方がどのくらい全体でいるものか、あるいはまた、水準が多少下がっても負担をふやさないようにしてほしい、こういうようないろいろな選択の方法があると思うのですが、そういう実態などを調べたのはございませんか。それで、もしあれば、その中で特にどういう傾向をいわゆる年金の受給者が望んでおるか、もしありましたらひとつ話していただきたいと思うのです。
#58
○吉田参考人 これは団体といいますか、事業主も組合員も掛金負担がふえるということを歓迎するものはだれもいないわけであります。しかし、どうしてもこの水準で年金を給付していかねばならぬということになりますと、いろいろな方途を講じ、たとえばいま問題になっております支給開始年齢の引き上げというような、あるいは自己努力もございますし、いろいろな方途を講じても、どうしてもこれだけの掛金は引き上げねばならぬということになりますと、それはやはり納得していただけるんじゃないかというふうに私は考えております。それは必然的なものでございまして、これは最初意見で申し上げましたように、給付がとだえるとかあるいは給付水準が西ドイツのようにアップをやめてしまうとか、そういう事態を起こさないということが年金としての運営当事者としての使命であるというふうに私は考えております。
#59
○武田委員 鈴木さんに聞きますけれども、いまの点について何か鈴木さんの方でそういう調査などしたものはございませんか。もしあるとすれば、その中で何か参考にすることがありましたら話していただきたいと思うのです。
#60
○鈴木参考人 この問題については、調査はしておりません。
#61
○武田委員 今後の一つの大きな問題でもありますし、われわれとしても国民一般としても、そういう実情というのを知りたいという願望を持っているわけですから、やはり皆さん方もそういう立場でこれから調査をしていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。やはりそういう実態は広く国民に公開する必要があるんじゃないか。全中の発表の中で未公開の資料があって云々なんということがあるのも非常に遺憾だと思うのです。秘密資料だかどうかわかりませんが、そういうことがあるとすれば、何のための調査だかわからないのでありまして、これは今後の課題といたしましてお願いしたい、こう思うわけでございます。
 もう一つ、山口さんにお聞きします。保険料率というものの限度ですね。要するに、厚生年金の場合ですと、大体現在の給付水準、標準報酬の六〇%を維持すれば三十年後には保険料が二〇%以上になる。現在は九・一%ですね。それから、昭和百年には三〇%以上の保険料率になるということが報告されておるわけであります。西欧の場合なんか見ましても、保険料率の限度というのは二〇%が限度ということも言われておるのですが、日本がこういうことを参考にした場合、どの程度までその限度を考えておられますか、もし考えがあれば聞かしていただきたいと思うのです。
#62
○山口参考人 専門家のいろいろな調査によりますと、二〇%程度が限度であろうということが日本でも言われておるわけでございますが、私どもといたしましては、現在の保険料率以上の引き上げということは望ましいことではございませんので、やはりなるべく負担を少なくしていってもらいたいという形で、先ほどの国庫補助の増額問題等もお願いをいたしておるというのが実態でございます。
#63
○武田委員 同じ問題について、玉置さんはどういうふうにお考えでしょうか。
#64
○玉置参考人 基本的には、国庫補助の増額で対処すべきだと思います。
#65
○武田委員 時間がありませんが、鈴木さんに最後にお聞きします。
 漁協の皆さん大変なのは、私よくわかります。私の宮城県も小さな単協がたくさんございまして、いま言った高年齢者、婦人が途中で入る、アルバイトでやっている、こういうケースはずいぶん見てまいりました。何とかこういう人たちを救済する方法はないものか、あれやこれやこの委員会でも質問をしまして、給料水準のアップを考えるとかいろいろなことを言っているのですが、これは団体の努力によってやるしかないんだという冷たい返事がいつも返ってくるわけでありますけれども、現在の賃金体系はほかと比較してどうなんでしょうか。やはり依然としてギャップがあるものかどうか。そういう実態をまずひとつお聞きしたいわけであります。
 それから、そういう単協で非常に経営の弱いようなところは、合併などを考えまして強くなっていくなんという方向なども考えた方がいいんじゃないか、相互間の連携というものを経営面においてもっとやればいいんじゃないかという声もある。そして、そこの人たちが安定して働けるような環境づくりをすべきだというような声等もあるのですが、今後どういうふうにあるべきだ、こうしてほしいと望むか、ぜひ要望をいろいろ聞かしていただきたい。どう考えても皆さん方が一番御苦労なさっているクラスじゃないかと思うだけに、何かお力添えできるものがあれば、われわれとしても一生懸命やっていきたいと思いますので、お聞かせ願いたい。
#66
○鈴木参考人 まことにありがたい御指摘を受けたと思いますが、先ほども申し上げましたように、水産庁が始めて、後はサボっているわけですけれども、やっているのが、水産業協同組合職員労働条件調査報告書、これを見ても、農協よりも相当悪いということ。それから労働時間は相当長い。八時間以上です。労働基準法では八時間というふうに決まっているわけですから、それを超えている。休みも休めない。手当も要らない、休ましてくれ、こういうふうな声が出ている。ですから、全漁協労としましては、漁協合併の問題もありますけれども、小さい、細分化された状態の個別雇用から共回雇用的な状況というか、展望を持ちながら対応していくべきじゃなかろうかというふうに考えておりまして、いまのところ全漁協労としましては、第二次の水産業協同組合職員労働条件調査というものを実施してほしい。それから二番目に、水産庁に漁協等職員労働担当官を配置させ、労働省と共管による漁協等職員雇用改善措置要綱、これは漁船船員にはあるのですね、あれも相当おくれていますが、その問題。それから、農林年金の充実、こういうふうな形で私どもは用意し、職域のコンセンサスをいまとりつつある、こういうことでございます。
#67
○武田委員 最後に、皆さん方に一人ずつ、簡単で結構でございますが、よく、年金で豊かな老後をというスローガンがございますが、実際問題として、皆さん方は年金で豊かな老後が可能であるとお考えかどうか。一言、できる、できない、それだけで結構ですが。
#68
○吉田参考人 できると思います。
#69
○山口参考人 完全にはできないのではないかと思います。
#70
○中村参考人 年金だけで完全に老後の生活をするということは、現状ではかなり困難と思います。
#71
○玉置参考人 できるよう努力すべきだと思います。
#72
○後藤参考人 そのようにしたいと考えております。ただ、その場合には、現在の大企業本位の政策のもとでは不可能ではないかというふうに考えております。
#73
○鈴木参考人 農林年金でさえまだまだいろいろ解決すべき問題があるのに、それを無視して将来の展望といっても、なかなか答えることはできないというふうに思いますが、先生方の御努力によって、ぜひともそういうふうな時代をつくってほしいと思います。
#74
○武田委員 いろいろと貴重な御意見、ありがとうございました。
 私の質問、これで終わらしていただきます。ありがとうございます。
#75
○山崎(平)委員長代理 神田厚君。
#76
○神田委員 参考人の皆さんには、大変貴重な御意見、ありがとうございます。私は、時間が十分間と限られておりますので、全部の皆さん方にお聞きすることができませんことを、あらかじめお断り申し上げます。
 最初に、農林年金の今度の問題は、一番のポイントといいますのは、このまま推移すると農林年金の財政状況が破綻をしてしまう、こういうことから、このままにしておきますと掛金率の急激な上昇を招かざるを得ない。したがいまして、この負担増に対しまして、それを回避するために、支給年齢の引き上げという方向が出されてきているというふうに考えるわけでありますが、そうしますと、第一に、掛金の負担を増加することを認めて支給年齢の引き上げというものをやめさせるのか、あるいは掛金の負担増をここで回避するという方向で、支給年齢の引き上げをやむを得ないという方向でとっていくのか、こういう選択を強いられているというふうに考えているわけであります。
 この点につきまして吉田参考人にお聞きをしたいんでありますけれども、現在のままでこれが推移しますと、一体具体的な見通しとして、六十歳の支給年齢の引き上げということをしないと負担の問題はどういうふうになるのか、あるいはこれをした場合には負担の問題はどういうふうになるのか、この点についてちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
#77
○吉田参考人 正確な計算をしておりませんのではっきりした数学は申し上げられませんが、今度の支給開始年齢の引き上げは長期的に見るとかなり掛金の負担軽減につながると思います。ただ、実質二十年間という経過期間でございますので、当面すぐ掛金負担がそれによって著しく軽減するということはちょっとないのではないかというふうに考えております。
#78
○神田委員 同じ問題につきまして、後藤参考人はどんなふうにお考えでございますか。
#79
○後藤参考人 私どもは、先ほど玉置参考人が述べましたように、十分な審議を尽くすといろいろな角度から知恵が生まれてくるのではないかということを一貫して主張してまいりました。したがって、労働組合と経営団体との話し合いの場をぜひ設けてほしい、実はこのことをやりますと労働組合側にとってはもろ刃のやいばになる危険性もあるわけです。公的な、あるいは労使の団体の中で協議をしてその中で整合性を見出すという場合には労働組合も一定の譲歩をしなければならない。そういったようなもろ刃のやいば的な要素はあるけれども、このままやみからやみへ、四十数万の組合員がつんぼさじきに置かれたまま、それぞれコンセンサスを得たと称してこの法改正案が提案されることはわれわれとしては認めるわけにいかぬ、こういうふうに主張してまいったわけであります。
 したがって、いまの掛金と支給開始年齢の引き上げについて、どうしてもそれを結びつけなければならぬものなのか、あるいは別に方法があるものなのか、そういうことを今後協議すればいろいろな知恵が生まれてくるのではないかというふうに考えます。したがって、いまこの席でどうかと言われても、私としてはちょっとお答えするわけにはいかない立場があることを御承知いただきたいと思います。
#80
○神田委員 いずれもきょうの参考人の皆さん方は、この年金問題は当事者の問題になるわけでありまして、そういう意味におきましては、これから先の問題とはいいながら、対応その他にむずかしい面がたくさんあるかと思うのであります。しかしながら、私は、農林年金の財政の問題を解決していくという方向で出てきている今度の改正でございますから、そういう意味から言えば、支給年齢と掛金負担の問題は切り離していけない状況がいまのところあるような感じがしております。ですから、その点についていまお聞きをしたのでありますが、長期的な状況をこの短期の中ではかっていくのはむずかしいという年金理事長のお話でありますが、私自身はやはりそうは言いながらこの法案を審議していく中ではこの問題は非常に大事だというふうに考えておりまして、今後もそういう方向でやらしていただきたいというふうに考えております。
 続いてお聞き申し上げますが、山口参考人は先ほど同僚議員の質問にも答えられて、定年延長の問題については前向きに進んでいく、こういうことでございます。農林年金の中で一番大きい農協労連の立場から言いますと、この定年延長の問題がどういうふうな進み方をしていくかというのは大変大事でありまして、たとえば延長問題についての指導の仕方を全中としては具体的にどういうふうにしていくおつもりなのか。嘱託等の形で定年延長が糊塗されているような現在の状況がありますけれども、そういうことも含めまして、全中の姿勢というものを明らかにしていただきたいと思います。
#81
○山口参考人 この定年制延長の問題につきましては、指導団体である全中みずから前向きに検討して善処をいたしたいというのがまず第一でございます。
 従来の農協団体の中におきまする慣行といたしましては、やはり指導団体である全中、県中がまずそういう問題についていわば口火を切るということによりまして漸次単協までその形態が移行していくというふうに、過去の各種の問題について私は考えておるわけでございますが、全中としてもこの問題について強制力を持っているかということになりますと、強制力はないわけでございまして、先ほどから繰り返して申し上げますように、支給開始年齢の引き上げと定年制のギャップが生ずるという事態になれば大変なことである。幸いにして二十年間の余裕期間もあるわけでございますので、われわれとしてはこの問題が絶対生じないように万全の指導をおろしてまいりたいという考え方でございまして、年次スケジュールとしてどうなるかという問題につきましては、現在この場でお答えできるわけにはまいらぬというのが実態でございます。
 それから、ちょっと先ほどから労働組合の委員長さんの発言で、全中の調査が秘密になされたとか云々の言葉がございましたが、これは誤解でございまして、調査時点で定年制延長に対して、やろうというのが一五・何%であったということは事実でございますが、実はこの年金法の改正の問題等がない事態のときでございまして、私先ほどから申しますように、私ども団体側としてはこの支給年齢の引き上げ問題と今度は団体の責任において定年制の問題をどうするかというのは非常に密接にかかわっている問題で、この法律かできた後で調査すればおのずから別な結果が出るはずであると私は思っておりますが、その点が若干誤解があるようでございますのでこの機会に申し上げておきたい、かように思います。
#82
○神田委員 それでは、後藤参考人にお聞きいたしますが、先ほどの調査の結果によりますと、六十歳定年に達していないところが相当あるわけであります。したがいまして、こういう農林年金の支給開始の問題をいわゆる一つの引き金として六十歳定年に延長するための運動のきっかけにしたらどうかというような意見もあるようでありますけれども、その辺についてはどうでございますか。
#83
○後藤参考人 私どもは、この支給開始年齢の引き上げ問題以前から当面定年年齢を六十歳にしろという要求をしてきているところであります。引き金になるということをいまおっしゃられておりますので、われわれは意を強うしたわけでありますけれども、ただ、いま山口参考人が言われたことを本当にどういう形でやられるのかということがどうも不明確なわけであります。したがって、先生方を前にして言われていることですから、ぜひ先生方も監視していただいて、ここで発言したことがそのとおりやられるように、その際にはぜひ労働組合と十分話し合えという形で、私どもも追及していきますし、先生方もぜひ御努力をお願いしたいというふうに思っております。
 ただ、われわれは全中に対していろいろ労働条件の問題等について交渉という形で申し入れるわけですけれども、交渉の当事者ではないということで、話し合いでもよろしいと、さまざま言いますけれども、結局のところは当事者能力がないということで逃げられているわけです。たとえば最低賃金の問題にしろ、これは賃金水準を引き上げる上で非常に大事な課題であるわけですが、これだとか、それから週休二日制の問題だとか言うわけですけれども、当事者能力がない、それぞれ企業が違うことであるし、また指導するにも限度がある、あるいはそれぞれの単位農協の問題は全中ではなくて担当は県中である、こういう形で一貫して対応されてきておりますので、そのことは御破算にして、ただいまの山口参考人の発言が実はスタートだ、そういうふうに私としては理解をして、今後いろいろ努力をしていきたいと考えております。
#84
○神田委員 最後に、吉田理事長にお尋ねいたしますが、実は私はこの席に年金の受給者連盟の代表の方が来られておればよかったと思うのでありますが、御都合か何かでお見えになっておりません。現在相当数の農林年金の受給者がおられるわけでありますが、この方たちは今度のこの法改正の問題につきましてどういうお考えを持っておられるようにお聞きになっておりますか、吉田参考人からちょっとお聞かせ願いたい。
#85
○吉田参考人 この間も受給者連盟の一部の方たちの会合がございまして出ましたところが、もう一日も早くとにかく通していただきたいということが満場一致の意見でございます。
#86
○神田委員 終わります。
#87
○山崎(平)委員長代理 津川武一君。
#88
○津川委員 参考人の皆さん、本当にありがとうございました。貴重な御意見を伺わしていただきまして、私たちこれから参考にしていきたいと思います。私も十分なので皆さん全部にわたらないかと思いますが、お許し願いたいと思います。
 そこで、最初の質問は、掛金の負担割合でございますが、五十三年十二月三十一日に青森県で百十二組合調査しましたから、五〇%、五〇%というのが八五・七%、経営者の方が六〇%負担しておったのが五・四%、七対三、七〇%負担が七・一%、全額経営者が負担しておる一〇〇%が一%あったわけでございます。私、年金はやはり社会福祉であるので国と経営者で負担するのが本当だと思うわけです。
 そこで、実際こういうふうに七対三、一〇〇%まで負担されている経営者があるんですから、もっとよけい負担するお考えをお持ちになっているかどうか、これはひとつ全中の山口さんにお尋ねしてみたいと思います。
 後藤さんには、こういう割合でのことで全中と交渉がどうなっているか、そこいらの実態も明らかにしていただければと思います。
#89
○山口参考人 ただいまの御質問でございますが、私どもといたしましては五〇%、五〇%でいくべきであるという考え方で進んでおります。
#90
○後藤参考人 毎年国に対する要求をわれわれはこういうふうにしているので、ぜひ全中もこのわれわれの要求を支持して、そして運動を進めてほしいという、その要求の中身に実は七、三の問題があるわけですが、それについては先ほども私申し上げましたように、それぞれの企業が違うのでそれについて全中がとやかく言うという筋合いのものではないということでこれまで推移をしてきております。
#91
○津川委員 次は、定年制の問題でございますが、いま農協関係が五十七歳平均年齢。そこでどのぐらいになっているかというと、五十五歳の年齢の人が三五・三%、五十六歳が三・〇%、五十七歳が一一・九%で、これを合わせてみると五〇・二%。この方たちが六十歳まで延長にならぬと困るわけであります。
 もう一つ同じ資料ですが、定年制延長の考え方、先ほどの農協の八五%はやらないと言っていますけれども、農業共済について見ますと、経営者の方が定年制をやる考えはないというのが何と九七・五%なんです。土地改良区は九五%なんです。漁業団体に至っては一〇〇%に近いものが考えられている。そうすると、山口さんも吉田さんもこの延長、支給年齢の延伸は仕方ないとおっしゃっておりますが、全中として指導していくと言っていますが、全中だけやっても共済連、農業共済がやらないとこれはやれない。土地改良区がやらないと実際上やれないのです。そこで、これは団体全部足並みそろえていかないとこういうことにならない。いまの皆さんの希望で言うと、これは定年延長いいと言っている。とすれば、このギャップを埋めるために、全中が主導権をとって関係者の全部を集めて定年延長ということに乗り出していくという、そこいらの指導性を発揮しなければ、全中だけどんなに考えても足を引っ張られてこれはできません。そこいらのお考えがあるのかということ、それが必要だと思うのです。この場合、やはり臨時に雇ったり嘱託というのは非常にかわいそうなものですよ。団体交渉にも参加できないし、その経営の中での発言もなくなっちゃってみじめな仕事なんです。どうしてもこれは全員定年延長させてあげなければならない、支給開始年齢が延びる分だけ。そこいらの覚悟をここで表明していただかないとなかなかこれはだめなんですね。
 それから、山口さん、後藤さんにお願いします。われわれも皆さんと一緒にこの支給開始年齢の延伸はとめたいと思っていますが、不幸にして通った場合はまた考えなければなりません。そういったときのことでいままで経営者とどんなことを相談になって、交渉になっているか、協議になっているか、お聞かせ願いたいと思うのです。
#92
○山口参考人 ただいまの御指摘でございますが、私どもは農協の指導団体でございますのでおのずから限界がございます。ただ、先生のおっしゃる意味はよくわかりますので、持ち帰りましてその方法等について検討させていただきたい、かように考えております。
#93
○後藤参考人 農林年金中央共闘会議として具体的に結論を出しているわけではありませんけれども、いろいろ話し合いの中では、この審議の経過の中で、われわれの基本的な態度と関連する問題で再度協議をしなければならぬ問題が出た場合には協議をしていこう、こういうように考えているところです。
 ただ、先ほど冒頭の陳述の中で私言いましたけれども、この定年の問題と支給開始年齢の引き上げの問題は即短絡できないという、そういう職場の実態があるわけです。たとえば国鉄労働者の場合に、乗務労働者がもう限界が来ている、仮に定年六十にするということについては労働者の方から反対だという意見が出て、精神的にも肉体的にも消耗してしまって六十歳まで乗務できない、こういったような業務もあるというふうに国鉄労働者の方から聞いております。それと同じような労働内容のもあが農林漁業団体の中にもあるわけです。ただ、その場合にむずかしいのは、国鉄労働者の場合には乗務労働者というふうに大きく区分けできるわけですけれども、農協の場合や漁協の場合あるいは林業の場合に果たしてそういうふうに大まかに枠をくくれるのかどうか、こういったようなことも出まして、結論にはなっておりません。しかし、さまざまな観点でその問題は審議をしていかなければならぬのじゃないかというふうに話し合っているところです。
 以上です。
#94
○津川委員 次に、女子のことをお尋ねしようと思っていましたけれども、大分論議が尽くされましたし、時間も来ましたので、その点省いて、臨時職員の実態についてお尋ねしてみたいと思うのです。
 漁業関係はかなり臨時職員が使われております。農協の場合もかなり臨時職員がございます。ホタテなどをやっておる漁業の場合、かなりの部分が臨時職員。農協の場合、リンゴの摘み取りや包装なんかしている人、これはほとんど全部臨時雇い。この人たちは国民年金。そして、農協で働く人たちは農林年金。同じ職場におって、ここいらに仕事に団結が、融和ができていくかできていかないかの問題がかなりあるわけです。しかも、この人たちは賃金が安くて国民年金。
 もう一つの問題は、弘前市農協で言うと、どえらい関連企業をつくってしまった、酒工場をつくったり、そのときにみんな農協の職員をやめて出向して行っている、先ほど話をしたように。この場合、農林年金が素直に、国民年金もしくは厚生年金とのこういう連動が、通算ができる問題なんというのが、かなりめんどうな問題がある。したがって、年金の本流の職員をやっていくと同時に、かなり臨時、出向していく人たちに対する配慮がないと、年金の正しい発展ができないと思うのです。
 ここいらあたりを吉田さんと山口さんからお聞かせ願いたいと思います。
#95
○吉田参考人 農林漁業団体に勤める職員につきましては、御承知のように、臨時職員といえども二カ月以上勤めれば農林年金の組合員になれるということになっておりますので、現実はそういうふうに動いておるということを御承知を願いたいと思います。
#96
○山口参考人 農協の職場によりましていろいろ職種も違いまして、また、最近の傾向といたしましては、農協も直接の店舗経営等をやっておりまして、パートの人たちも非常にふえておるというのは承知をいたしております。
 いま農林年金とのかかわり合いの問題は、法に照らしまして、出口田理事長が言いましたように、そういう資格者につきましては加入を促進させるという方向で指導をしてまいりたい、かように考えております。
#97
○津川委員 臨時のことは法案のときに、皆さんにも政府にも大変大事な問題なので、政府を通じて、また時によると皆さんにもお尋ねすることがあり得るかと思いますが、私の質問、十分間しましたので、これで終わります。
 きょうは本当に参考人の皆さん、ありがとうございました。
#98
○山崎(平)委員長代理 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 参考人各位には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
 次回は、来る六月五日火曜日午前九時四十五分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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