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1949/04/21 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第34号
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1949/04/21 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第34号

#1
第007回国会 地方行政委員会 第34号
昭和二十五年四月二十一日(金曜日)
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十一日委員櫻内辰郎君、吉川末
次郎君及び太田敏兄君辞任につき、そ
の補欠として林屋亀次郎君、波多野鼎
君及び米倉龍也君を議長において指名
した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方税法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○理事の補欠選任の件
  ―――――――――――――
   午前十一時二十七分開会
#2
○委員長(岡本愛祐君) それでは只今から地方行政委員会を開会いたします。
 先ず御報告を申上げます。昨日の懇談会におきましてお打合せをいたしました通り、地方税法案の審議につきまして、総司令部の方に、こちらの意見も申し、ホイツトニー民政局長の御意見も聞きたいというので、五時四十五分に師令部に参りまして、打合会のときに申上げましたように、中島委員長、衆議院の委員長と同行する筈でございましたが、中島委員長の方は衆議院の本会議における委員長報告を作成する仕事とか、その他健康上の関係もありまして、急に同行ができなくなつた。それで野党の方の、民主党の川崎秀二君、それから社会党の門司亮君のお二人と一緒にホイツトニー将軍の部屋で、ホイツトニー局長、それからリソー次長、ウイリアムス氏、それからもう一人、ESSの方からブラウン氏が見えておりました。それでこちらの三人からこもごもいろいろ意見を申上げ、あちらの意見も聞きまして、実にまるまる三時間お話申上げ、皆様から御註文の出た点も大体はあちらへ申したつもりでおります。ちよつと速記を止めて下さい。
   午前十一時三十分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時五十六分速記開始
#3
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて……それでは休憩いたします。
   午前十一時五十七分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時四十九分開会
#4
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。本日地方税法案が本付託になりましたから、本審議を始めます。先ず一般の質問に入ります。波多野君。
#5
○波多野鼎君 最初に地方税で、地方に独立の財源を與えることによつて、地方財政の基礎を培かうという考え方そのものにはもう異存ありませんが、日本の地方自治体というものの発達した過程から考えて、それに応じたような税体系を作つて行くことによつて、徐々に地方財政の確立を図るということをやらないと、却つて混乱を生ずると思うのです。ところで今度の地方税法案を見ておりますと、これに流れている全体の考え方というのが少し行き過ぎておると思うのですね。これは、行き過ぎておると思う点はこういうところにあるのです。日本の自治体が非常な封建的な枠の中でずつと窒息状態に進んで来ておるのに、急激に税法の上では自治体を独立的な一種の本当の意味の自治体という形に仕上げてしまおうとするのでいろいろな障害が起きると思うのですが、具体的に一つの問題を取上げて見ますと、例えば地方民の税に対する考え方というのは、国税は納めましても、先ず国税は納めるが地方税の方は自然後廻しにする、後廻しにしても構わんという考え方があるわけです。この考え方というのは先程申上げたように、中央集権的な、特に前からの封建的な考え方が中央集権的な考え方にずつと移行して参つておりますが、そういう考え方がずつと地方民の中にも入つておる関係上、国税の方は大事だけれども地方税の方はこれより一段軽く見るという考え方がずつと残つておるわけです。この法律案が実施された曉にどういうことになるかというと、地方自治体に財源を與える、相当多くの財源を與えられることになりますが、納税者の考え方が今言つたような考え方であるために税の徴収に非常に困難を来たす。そのために結果においては、地方財政を確立するという目的と相反するようなことになつてしまうということが非常に懸念される。こういう点は政府の方でどんなふうに考えられておりますか。
#6
○国務大臣(本多市郎君) 誠に御尤もなお考えであると思うのでありますが、今まで余りに中央集権主義的であつたために、反動的に、又余りに自治権の確立ということで行き過ぎてしまつて、国家的調整を失するようなことになつてもお話の通りいけないことであります。漸進的にやはり必要な段階を経て自治体が発達して行くべきであるという考えは同感でございますが、実はこの今回の改正税法は行政事務を現状のままで、止むを得ざる程度の必要な財源を付與するというまあ程度になつておるわけでございます。更に地方行政調査委員会議等の決定によりまして、中央の行政事務と地方の行政事務がそれぞれ国、府県、市町村という三段階に再配分が行われるということになりますと、この結果は恐らく地方の方に貫に行政事務が委譲されることになると考えられるのでありますので、更に又その段階には税法がこのままであるといたしましても、税率或い制限税率等において相当国の方の税は減税になつて、税源をまあ委譲するというような形で、更に財政的自治権もその範囲内においれて確立さて行くのじやないかと考えられるわけであります。今回のこの税法の範囲はそれぞれ制権税率というものを設けておりまする点、更に平衡交付金等によりまして相当行政規模というものを、標準のものを示し得るような形にもなつておりますので、これによりましてそう行過ぎなことは生じないようになると思います。更に又そういう目的を以て財政委員会、更に政府といたしましても指導して行きたいと考えておるのでございます。お話の点は十分注意しまければならん点と存じますけれども、只今申上げました通りに、行政事務を現状のままでやつて、現状の通りをやるために、どうしてもこれだけの財源を確立してやらなければ財政計画が立たないというような範囲内のものと考えますので、一つ御了承願いたいと思います。
#7
○波多野鼎君 この税法を流れる考え方というものについては、先程ちよつと申上げたのでありますが、世界の大勢というのは少し話が大き過ぎますが、大勢を見ておりますと、段々国の仕事が大きくなつて来て、そうして地方自治体の仕事というものが段々少くなつて行くのが大勢のように思うのです。この間アメリカでそういう面の視察をやらされたわけですが、あのときも問題になつたのは、私共がやかましく言つて問題にして、向うが答弁に困つていた問題なんですが、地方自治体というものが向うは基礎になつて段々国が最後にできたというような恰好なんですが、そういう歴史的ないきさつがあるにも拘わらず、現在はどうかというと、逆に地方自治体の仕事の分量、或いは権限というものが段々制限されて行つて、国が正面に立たなければならん、立たなければいわゆるウエルフエア・ステートというものが、幸福な国家というものが建設できないというようなところが基礎になつて、ただ地方自治体の独自性といいますか、そういうものが制限されて行く、日本は丁度逆に行なつておるのだが、アメリカは日本の丁度逆の形であつて、中央集権的な国を作ろうとしておるのではないかということが問題になつたのであります。日本の中央集権的な国家のあり方というものの弊害は勿論我々承知しておりますけれども、それかといつて税法の上でこれ程までに根本的な改革を加えますと、地方自治体自体が困るというのが現実の問題ではないかと思います。少し理想主義的に過ぎると私は思うのです。而も理想主義的に過ぎるばかりでなしに、アメリカのどういう人達がこういうサジエストをしたか知りませんけれども、昔のアメリカの国のあり方というものを念頭において、それを日本にもやつたらどうかというようなことになつたのではないかという感じがするのですが、そこで仮にこの法律案が通つた場合に、政府として地方自治体が本当にこの財源をこなすだけの、こなすというか、徴収することができるという確信があるのですが、私はこれを非常に疑うのです。地方に行きまして村長さんや町長さんに聞いて見ると、誰もこういうことを言つておる、財源を貰つても収入がないだろう、財源を貰うことになるが収入はないのではないか、空手形に終りはしないか、お前達にこれだけの財源を徴収する確信があるかということを聞くと、確信があるという人は少い、殆んど大半の人は確信がないと言つている。そういうところを見ますと、それは国民の納税義務というか、自治体に対する考え方と国家に対する考え方との違いというものは、これは否定することはできないのだから、それもそこから来ているのではないか、この考え方が変らないうちに税法だけを理想的なものにしてしまつて、動きが取れないのではないかということ思うのですが、そういう点についての確信があるのですか、一体……。
#8
○國務大臣(本多市郎君) 私もアメリカの今日のフーバー委員会等の行政機構、行政事務の再検討というそういうその内容は十分勉強しておりませんけれども、只今波多野さんの言われました通り、アメリカにおいてはむしろ更に中央の方へ集中して行かなければならないという傾向に進んでいるようでございます。それに反して我が国におきましては、余りにも旧来中央集権に過ぎて、殆んど自治権というものが圧迫せられていたという関係で、日本の行政事務の再配分、財源その他の行政経は中央から地方へ移譲という方向へ行く傾向でありまして、丁度アメリカとは逆な状況にあると思うのでございます。これがアメリカが只今中央へ移行しつつあるという段階であるに拘わらず、それ以前の州が完全な自治権を持つてばらばらにやつているという状態をお手本としてこれがそこまで修正されるということでありますと、勿論これはお話の通り行き過ぎになると思うのでざいますが、今回この程度のことは只今申上げました通りに、現在の行政事務をやるに必要止むを得ざる程度のまあ財源を與えることでありまするし、それに対する徴税能力という面について御心配でございますが、これも新税法のことでございますから、余程努力しなければならんことは勿論でございます。併しこの改正新税法の担つておりますところは、地法自治体というものはそれぞれ規模も小さいし、行政能力というものも強力なものではないから極めて徴税が簡單にできる、更に調査についても分り易い課税標準を取るということをその目標として立案されておるのでございまして、例えば付加価値税にいたしましても、付加価値を捕捉するということは所得の場合の純益の捕捉に比ベますと、売上から仕入を引いた残りということで比較的簡單であると思うのであります。住民税についても均等割は極めて簡單でありまするし、所得割はこれは前年度の納税額の何パーセント、或いは税務署で決定いたしました所得額の何パーセント、所得額の税引きの額の何パーセントというふうにその課税標準の捕捉はこれはもう事務的に決定ができる。更に問題の固定資産税でございますが、これらも公簿上の賃貸価格、或いは法人におきましては資産再評価の再評価額というようなものは税務署から資料を直ちに廻付いたしまして、それと睨み合せてやりまするし、その法人以外の個人の償却資産につきまして、これは個々の評価ということになりますが、一定の標準を示してやるということになりますと、これも評価委員が少しく熟練いたしますと、これらはそうむずかしくなくできるのではなかろうかと考えられます。更に又地方自治体におきましても、今日まで一千五百億の徴税をいたしておるのでございまして、これは四百億ばかりの増税ということになりますが、今回の税法が明確化されたことと、更に徴税についての権限、機構等の拡充によりまして非常な熱意を持つて各地方自治体が新税法に期待をかけておりますことでございますので、いろいろに準備とまあこれからのいろいろな努力と相待つて、これだけのことは支障なくやり得るものと確信いたしておる次第でございます。
#9
○波多野鼎君 この地方の徴税機構などを拡充しなければならんということが当然起つて来る問題なんですが、現に国税の徴税についてもいろいろな問題がある。まあ熟練者が少いということからいろいろ問題が起きておりますが、各地方の自治体で徴税員をずつと殖やすというようなことになつて来ると大変なことになるのじやないか、その辺は……でその辺のところの徴税員の増加の見込みというようなことなどについていろいろ資料があると思いますが、若しなかつたら出して頂きたいと思います。
 もう一つ申上げたいのは、今お話の中にありました国の税務漁が調査したものを地方の、今まで従来では県ですが、県の徴税官が信頼しないのですね。例えば所得の決定などについても国がやついてる場合に、やつてもうすでにそれで決つている筈なのに又県の方から出かけて行つて二重に調査する。そうして調査の結果が違つているというような問題がしよつちゆう今まで起きておりましたね。今度のこの法律を見ましても、国の調査をそのまま自治体が受取るということもありましようが、そうでなくて自治体自身で調査するということもできるようになつていると思います。そこで又非常に妙な二重の査定ができちやつて問題が起きるというようなことが予想されるのですね。こういう点をどういうふうに調査して行こうとお考えになるのですか。
#10
○國務大臣(本多市郎君) 徴税職員の増加ということはこれはどうも避けられないことでございまして、府県市町村を通じまして、全国約二万ぐらいのものがこの際増員になるという見込みでございます。又これに対する徴税費の増も全体では六十億ぐらひに達すると考えております。こういう見込みを以てやはり財政計画も立案いたしているのでございます。又国の調査を地方の方で認めない場合があるというお話でございますが、これは今度の調査を直接土台として課税いたしますのは市町村民税の中の所得割でございますが、これは国の調査をそのまま取るということを法律で規定しておりますから、課税標準としてはそれがそのまま上つて来ることになります。附加価値税の附加価値というのは、国の方にそういう課税標準がありませんために、地方団体が独自にこれを決定いたさなければならんのでございますけれども、その場合も税務署の所得の調査の資料等はでき得る限りこれと連絡を取りまして、それも勘案しつつ決めることにいたしております。尤も大きな法人等におきましては、もうその附加価値というものは法人の所得の決定に基礎を見ますと、はつきりしたものが出ておりますから、それに当然よることになります。個人の小さなところによりましては、それぞれ税務署の方におきましても附加価値というものは、又所得の計算にいたしましても確実なものができておりませんので、この点は地方団体みずから調査決定をして行かなければならんことになるのでございます。併し附加価値は販売業でありますと、売上げ金額から仕入を引いたものになる。又決算等のできていない小さな個人企業等におきましても、大体売上げは幾らということが分りますと、売上げとその原価との差益というようなものは比較的これは捕捉し易いだろうと考えております。純益を捕捉するということはなかなか困難でございますけれども、その辺は自治体として誠にむずかしいことでありますけれども、今日まで事業税につきましてやはり独自の立場で決定するということになつておりましたために、所得の調査というものも多少経験も持つておりますので、特にできるだけいい人間を更に補充して行くということにいたしましたならば、やり得るものである、さように私共は考えているのでございます。
#11
○波多野鼎君 この地方税法案の中に出て来る地方財政委員会というのがありますね。これは相当大きな権限を持つているものなんですが、地方財政委員会の設置法案というのですかね、これはいつ頃出る見込みなんですか。
#12
○國務大臣(本多市郎君) これは司令部との折衝も済みまして、連絡局を通じての正式な翻訳文による承認が来ないだけでございまして、本日若しくは遅くとも明日ぐらいには折衝済みのことでありますから来ると存じます。本日これでもうこの通りに承認になるものと確信いたしておりますので、皆様のお手許へ配付いたしておるような次第でございます。
#13
○波多野鼎君 それからこの問題になつている点ですが、例の平衡交付金ですね、これはどうなつておりますか。
#14
○國務大臣(本多市郎君) 平衡交付金法案も同時に政府で立案し折衝を進めておつたのでございますが、その要綱は完全に承認を得たのでございます。ただ法人化しまして、その法文の只今のところでは一点について、まだその一点の関係のある局の方から返事が来ないために全面的な承認ということになつておりませんけれども、これもその点は重要な点でもないとも考えられますので、明日ぐらいにはこの財政委員会設置法案と同じように全面的な了解が付くものと考えております。従つてそれを手続上翻訳をいたしまして正式の承認を得るために、明日のうちに得られますか、遅くとも月曜日には得られると考えております。
#15
○波多野鼎君 少し細かい問題かも知れませんが、附加価値税というものの考え方についてちよつとお伺いして置きたいのは、仕入と売上と、こういうものの差額というものがこの税の対象になるらしいのですが、仕入と売上との差額というものを附加価値というふうに考えることには疑問があると思うのですね。と申しますのは、賃金の問題が非常に重要な地位を占めるわけなんで、賃金として支拂つたものが附加された価値だというふうに取扱われるということに理論上に問題があると私は思うのです。これはどんなふうにお考えになつておられるのですか。單に仕入と売上の差額というだけならば話は分るのですけれども、それを附加価値税という概念で以て捉えて行こうということに問題があると思うが、これはどなたでもいいが一つ答えて頂きたい。
#16
○國務大臣(本多市郎君) 單なる販売業の場合には売上から仕入を引いたものが附加価値とこうなると考えます。普通言う売買差益、その差益の中からいろいろな経費を拂つて残りが、これが初めて純益と、こう考えられるのでございますが、人を使つて物を製造する、加工するというような工業方面でありますと、いろいろな材料、半製品、或いは熱というようなもの、そういうふうなものを使用し、更に工員を使つて、その原料半製品等に価値を附加して、そうして初めて販売価格になるわけでありまして、その原料、半製品、熱量等を引きましたものが、即ちその企業家の下におきまして附加された附加価値である、こういうふうに解釈しておるのでございます。
#17
○波多野鼎君 その場合、商業の場合だつて労働者を使いますからあれですが、製造工業の場合が一番はつきりしますけれども、支拂つた賃金部分というものに相応する転嫁価値といいますか、附加価値というもの、これを差引かなきや間違いじやないですか。例えば百円の材料、電熱費その他を使いまして、そうして造つたものが百五十円といたしますか、仮にこう仮定いたしまして、その百円の中で支拂つた賃金部分が二十円ある、その二十円は企業家がもう支出した部分なので、その製品を売る場合に百五十円の価格のうち二十円分というものはこれは附加されたものとは言えないのじやないですか。まあ剰余価値の部分だけは附加されたものと思うのですがね。そうでないものは附加じやないでしよう。
#18
○國務大臣(本多市郎君) 物品販売の場合に、総売上金から仕入価格を引くと申上げましたが、その仕入価格を売上げ価格で売るためには、それぞれ店員、番頭さん等も使わなければならぬわけです。そうしたことで初めて価値が附加されるのでありまして、それは附加価値の中から経費として出るものとこう考えております。
#19
○波多野鼎君 ちよつと事務的に聞きたいのですが、それは扱いとしてはどうなるのですか。労働者を沢山扱つている場合はめちやくちやな附加価値を納めなければならぬのじやないか。今のままで行けばどうなつているのですか。
#20
○政府委員(荻田保君) 附加価値と申しますのは、一つの事業々々について申上げます附加価値じやございません。大きな意味の国民経済に対して附加価値した。従いまして労働したことによつて物ができますが、企業家はそれに賃金を支拂いますから、別に儲けにも何もなりませんが、国民経済としては附加される。それでそのプラスされたものを元の企業の段階において捉える、こういう恰好になるのでございますから、すでに他の企業におきまして附加価値税の対象になつていたもの、いきなり税の対象と申しますとあれかも知れませんが、他の企業において価値が附加されておつたもの、それをただこちらで通り抜け的に使つたもの、これだけは差引きまして、それ以外のものはその企業において附加価値として課税する。従いまして結果といたしましては、今おつしやいますように労働者を沢山使つている企業におきましては、それだけ附加価値の率というものが大きくなるわけでございます。
#21
○波多野鼎君 国民経済的な意味においても、賃金を一方において拂つているのだから、それだけはマイナスになつているわけです。それに相応する製品価格部分というものは、これは国民経済的意味においても増加した価値じやない。附加された価値じやないと思うのだが、剰余価値部分だけはすでに附加されていると思うが、国民経済的意味においてもそれは附加されていると思うのだか、賃金に相当する製品価格部分というものは、これは一方においてマイナスになつたものが一方においてプラスになつただけで附加とは言えないのじやないか。
#22
○國務大臣(本多市郎君) それは賃金を拂う、工員を雇うて工員の労力によりまして例えば原料が製品となり、価値が上りまして、その価値の上つたのはその労力によつて価値が附加された。こう見ることはこれは妥当じやないかと思います。
#23
○波多野鼎君 そうじやなくて、労賃に相当する部分だけは労賃として一方でマイナスになつているのだから、それだけは差引くべきじやないかというのです。剰余価値部分だけはすでに附加されたものとして見ていいと思う。
#24
○國務大臣(本多市郎君) 波多野さんが附加価値という意味をそういうふうに解されるとすればその通りでございますけれども、純益でなしにその附加価値というものを今度課税標準とすることに税法を改めたいという意味は、私共の申上げているようなものを附加価値ということにして課税したいということであります。でありますから、純益でなければ附加価値じやないのじやないかというその附加価値についてのそういう定義が下されるとすれば、それはお話の通りでありますが、この法律においては附加価値というものは只今申上げましたように、人を使つて原料から製品になる。そうするとその製品になつたために価値が増加した分だけはこれはその企業によつて価値が附加されたものである、こういう解釈で法律で定めて行こう、こういう考えでございます。
#25
○波多野鼎君 そうしますと、非常に負担か不公平になるのです。というのは、化学工業のような装置工業といいますか、装置だけで、人間は余り使わないで動かせる工業とか、例えば家内工業で、日本には非常に多いのですが、中小企業のように人間の労力が中心になつて使われる工業、これとの附加価値税の負担の比率が非常に違つて来るのです。中小企業に対する負担が比較的重くなり、大企業に対する負担が非常に軽いのです。そういう点の不公平さというものはお考えにならないのでしようか。
#26
○國務大臣(本多市郎君) 附加価値に対する所得の率が業態によつて相当違いはしないか、結局そういう御趣旨の御質問かと存じます。労力費というものを差引けば後に残る利益は極めて少い、本当に労力による企業の場合には、附加価値の課税標準が殆んど労力費を対象とするということになり、労力費を引いた残りには余り純益が残らんという場合には、これは機械等で労力費を拂わないような場合に比較して、担税力の点において違いがありはしないかというお話であろうと思います。そういう点は個々の企業を比較いたしますとあると存じます。併し企業はやはり人を使つて附加価値を生み、それで利益を挙げようということを目的とする。即ち附加価値を大ならしめんがために人を使うのでございまして、やはりそこにその附加価値を課税標準として、一定の負担ということが條件として初めて企業が成立つて行くわけでございますから、その附加価値というものは普通の場合におきましては、純益の増加と附加価値の増加は並行するのが普通の場合でございまして、細かく一々比較いたしましたならばお話のようなことがあろうと存じますけれども、それらはまあ一種、二種、三種という程度の区別で、同じ税率で、それ程負担に堪えられないような税とも思いませんので、課税する方が適切であろうと考えておるわけであります。
#27
○波多野鼎君 担税力の問題ではなくて、税の負担の問題ですが、つまり家内工業的な、或いは中小企業といつたようなものに対しての負担の比率が相対的に重くなつて、大企業などに対しては、特に化学工業ですが、化学工業に対する附加価値税の負担が相対的に非常に軽くなつて来て、不公平がある、これは問題にしなければならない重大な点ではないかと思うのです。それは附加価値というものの考え方が、今本多さんが言われたようなふうであれば、そういう結果が当然起きて来るということを予想しなければならないという意味です。特に中小企業の窮状が訴えられておる今日、この附加価値説をそのような意味において課して行くならば、リラテイヴの負担というものが中小企業に対して非常に重くなつて来るとは考えられないのですか。
#28
○國務大臣(本多市郎君) これは人を雇つて働かして、賃金を拂えば残らんということになればそうなるだろうと思います。併しやはりそれには人を雇つて賃金を拂つて働いて貰つて、相当の利益が上るということで初めて人を雇つて働かせるのだと思いますから、それでは人を雇つて働かせるよりも能率的な機械を以てやらせる方がもつと利益が上りはしないかというようなことは、それは勿論考え得ることでございます。それはそれぞれ企業家が考えて適当に機械化ということを考えて行くのだと存じますが、この税の面におきましては、いろいろそうした個々の事業についての税率というものを一々差別いたしますことは困難でございますので、こうしたことで課税する方が適切であろうという結論に達しておる次第であります。
#29
○波多野鼎君 その問題はまあちよつと理論的な問題で、結末は付かんかと思いますけれども、附加価値という考え方を、今の政府が法律に作つておるような意味で考えて行けば、その結果たるや大企業には附加価値税の負担は比較的に軽くなつて、中小企業には比較的に重くなつて来るということはこれは避けられんと思います。労働者を使つて仕事をやるのも利益があるからやるに違いないと言われる。それはその通りなのです。利益があるからやるに違いないのです。損をするなら労務者なんか使つて仕事なんかやりません。ただその場合に附加価値税の負担、これを大企業の場合と比較して見ると、こちらの方に鈍先が非常に重くなつて来ておるということだけは一般的な問題として言えると思います。そこで私の言うのは、附加価値税というものの課税標準の捉え方について、労賃部分というものをもう一遍考え直さなければならんじやないか、不公平を除くためにそういうふうに考え直さなければならんじやないかというだけの話です。併しこれは社会政策上の大きな問題であつて、若し政府の側で中小企業に対する附加価値税の負担が相対的に重いのだということをお認めになつて、尚それをこのまま出そうとせられるならば、これは政治上の一つの問題なのです。
#30
○國務大臣(本多市郎君) 附加価値を生み出すということは、労力によるということが普通な場合でありまして、その労力による附加価値はそれを除外して、附加価値を機械力によるもののみと、こういうふうなことになりますと、全く附加価値を創造される根本精神を却つて矛盾せしめるものではないかと考えられるのでございます。更に波多野さんは大企業が軽くなつて中小企業が重くなるだろうというまあ大体税法上からの見通しをしておられるようでございまするが、むしろ大企業の方が今まで軽過ぎましたので、これによつて均衡のとれる程度まで税金が増加され、中小企業がこれによつて減税、緩和されるということになる見通しを私共はいたしておるのでございまして、その見通し等につきまして、次長から詳しいところを一遍御説明いたすことにいたします。
#31
○波多野鼎君 次長から大企業その他装置、固定設備を沢山使つておる企業の場合と、それから機械施設などを余り使わないで、労働力を沢山使つておる場合の工業との比較、これに対して附加価値税だけの話なのですが、これの計算を出して見て呉れませんか。それで私の言うことがはつきりすると思います。若しあなたの方でできなければ私が作つてもいいです。直ぐはつきり出て来ると思います。
#32
○政府委員(荻田保君) まあ申すまでもないのでありますが、附加価値税の価値の附加という問題でございますが、これは先程申しましたように、国民経済に対して附加する、大体国民の分配所得というような観念から見まして、利子と資材と利潤と労賃と、この四つを掴えて課税しておるのでありまして、附加価値におきましては全部公平に行くわけであります。そこで一つの問題は、固定資産を沢山使つておるところと、固定資産を使わずに労働者だけでやつておるところと、確かにこれは附加価値の相違はございます。その資料につきましてはお配りしてあつた筈でございますが、地方財政に関する参考計数資料二というところでございます。これ十二ペーズにございますが、右の下隅にあります。「7主要事業に対する新旧税制の負担比較」それの上の方に法人分が出ておりますが、これに六つばかりの業態が出ております。で、一番上の販売業、つまりこういう固定資産につきましては、附加価値率が一一・三%となつております。それから後の工業につきまして、大体鑄物、電気器具、これは三八%、紡績で三七%、印刷製本業三六%、それからこの運輸業につきましては、特例を設けておりますので、ちよつと別でございます。一応四〇%を以て二十五年度は附加価値を見なすということになつております。大体こういうことになつております。それで前の事業税と比較いたしますれば、ずつと後ろから五段目の欄に出ておりますように、食料品の販売業で六割程度に下げるわけでございます。それに対しまして、製造工業の、電気器具の分は四倍になり、或いは紡績業で二倍になる。こういうふうに製造工業の固定設備の多いところは大きく税が殖えております。この意味におきまして、確かに附加価値税はこういう大企業に多くなるわけでございます。ただこの労働と固定資産との問題でございますが、勿論附加価値税におきましては、そのような傾向がございますけれども、やはり固定資産税というのがございまして、今度、土地、家屋から償却費全部引つくるめまして、課税されます。従つてこの二つが一つの事業に対する直接の税となるわけでございまして、労働力の多い方は、附加価値税が多く、固定資産の方が多いのは固定資産税が多い、結局事業に対する負担は両者合わせれば公平に行くのではないかというふうに考えております。
 それから小さい大きいの比較の問題でございまするが、中小企業でおきましては、御承知のように現在利益と言いますのは、殆んど自家労力でございます。つまり自家労力は別に経費として引かれませんから、自家労力に対する課税、つまり殆んどその経営者の労働に対する一種の課税ということになつております。従いまして、新らしい附加価値におきましても、殆んどその前の所得、事業税の課税標準といたしましては所得と、それから新らしい、附加価値の額、これが総売上金額に対する比率というのはそう違わない筈であります。自家労力は殆んど一部分であつて、外の賃金なり外の費用が大きな部分を占めるものにつきましては、附加価値というものがその所得と違つて来ますけれども、中小工業におきましては、自家労力というものが、殆んど所得の中心、而も附加価値の中心になつておりますから、殆んど変りはない。従いましてこの附加価値税の特徴は非常に中小工業に安くなつております。純益課税の事業税よりは安くなつております。この点は余り言われておりませんので、非常に不思議に思つているのでございますが、恐らく二分の一にも三分の一にも中小企業の負担はなると思います。殊に中小企業におきましては、恐らく利益が上つていないということはあり得ないことだろうと思いますから、赤字企業なんというのはない筈でございますから、(「とんでもない間違いだ」と呼ぶ者あり)結局非常に税額が下る。従来の純益に対しまして一八%の標準でありまするが、それが今度は四%になりまして、四、五倍ぐらい、純益に対する課税の方が大きいのであります。而も附加価値の率と、それから所得の率とそう違いませんから、結局非常に安くなるじやないかと考えます。
#33
○波多野鼎君 その比較はおかしいですよ。それは自家労力の問題は従来の取扱い方が間違つていたので、無暗にとつていたんだから、従来とり過ぎていたというだけの話なんです、それは、私の言うのはこの資料じやないんです。これじや私の言う意味は出て来ない。そうでなくて、例えば製糸工業、或いはメリヤス業でもいいですがね。こういう工業の中で資本のうち例えば八〇を固定資本に投じ、二〇を労賃に投じておるものと、逆に二〇を固定資本に投じ、八〇を労賃に投じておるもの、同じ業態の中で言うのですよ。そういう違いによつて附加価値の負担が違つて来るに決まつているというのです。労賃に投じておる部分が多いやつ程附加価値の負担が多くなるに決まつている。それを言つているんです。
#34
○國務大臣(本多市郎君) それは先程申しましたように、事業のうち労賃の部分が多く占めるものにおきましては、これは附加価値の負担が多くなるということは仰せの通りでありますが、ただ別に固定資産税の負担ということも併せてお考え願いたいということを申上げて置ます。
#35
○波多野鼎君 固定資産税を持つて来ることは、補完税ならばそれは意味があるのですが、これは補完税じやないですよ。固定資産税は附加価値税の補完税ならばいいのです、今のお考えは。これは別個の税体係ですからね。その点はもう少し……。今度私が説明して上げますが(笑声)これは無茶ですよ。中小企業に対する負担というものは附加価値に関する限りべら棒に大きくなるということははつきり出て来ると思う。そう自覚しておられるのか、そうでないのかということはを聞いているんです。
#36
○政府委員(荻田保君) 今までの事業税の負担に比較いたしまして、中小企業は附加価値税になることによつて非常に負担が軽減される。かように考えております。それは今まで私共の方で調査いたました資料につても明らかであります。但しこれは一つは今日までの事業税の課税が大企業でない中小企業の個人経営のものは多くが欠損でなく、利益あるものとして課税しておる。その普通の状態、普通の利益率で課税されるということを前堤といたしますと、この附加価値税によることによつて相当軽減される、但し前年度純益がないために事業税がかかつていないという立場であましたならば、これはもう拂つていない税金が今度拂わなければならんようなことになるのでありますから、それは比較にならないわけでありまして、普通の決定を受けておる人でありましたならば、軽減されるということを確信いたししております。
#37
○波多野鼎君 少し話が食違つておるようですが、それはそれとして、もう一つお伺いして置きたいのは、不動産税ですが、あれの扱い方について地方財政委員会というものが非常に大きな権限を持つておつて、課税標準、これを決定するのです。その課税標準の決定のし方はどんなふうになつておりますか。大体の構想があるのですか。
#38
○政府委員(荻田保君) この一切の固定資産につきましては、市町村長がこれを決定するというのが最終の責任でございます。ただ市町長がこれを決定する場合に、下に固定資産評価人というものを設けまして、これの強い補佐を受けて実施するわけであります。それを市町村ごとに行いますけれども、全国的調整を図りますために、地方財政委員会におきまして全国的の基準を作りまして、これを市町村に指示するわけであります。尚府県の段階におきましては、更に府県知事が府県の段階においても調整をするというのが大体の趣旨でございます。尚例えば鉄道、軌道のごとき、或いは車とか船のようなもの、つまり数市町村に跨がつて存在する、或いは数市町村間を動くもの、こういうものにつきましては地方財政市員会が直接価額を決定いたしまして、これを市町村に配付することになつております。
#39
○波多野鼎君 その課税標準の立て方ですが、全国的に県によつていろいろ違いましようから、それの雛形というか、構想というものはどんなものがありますか、それを聞きたい。
#40
○國務大臣(本多市郎君) 課税標準の価格は法律にもございますように、適正な時価によつております。従いましてこの適正な時価をどう決めるかという問題でございまするが、大体普通のいわゆる再取得価格、従つてこれが経過年数のあるものは再取得価格から経過年数による償却を引いたものというのか適正な時価に当ると思います。従いましてこれを地方財政委員会で決めます場合には、やはり現在ありますような国税の方の再評価法にありますような方式によりまして、固定資産につきましては大体の基準を示すようになると思います。
#41
○波多野鼎君 私の言うのは、例えば具体的に言えば土地などについても府県によつて違うでしよう。だからそういうものをどんなふうに與えているか、例えば愛知県における適正な時価と、例えば青森県における適正な時価、青森県でも郡によつて又違うでしようが、そういうものの立て方があなたの方にもそれがあるだろうと思います。
#42
○政府委員(荻田保君) 土地の中でも宅地と農地とは非常に違うと思うのでございますが、宅地につきましては、これは恐らくそれぞれその土地におきまするいわゆる時価相場というものの大体の基準が出て来るだろうと思いますから、それによる。それから農地につきましては、その生産量の上から收益力、これから還元したような価格になつて参ります。
#43
○委員長(岡本愛祐君) ちよつと委員各位に申上げますが、内閣委員長が本多国務大臣を少しの間内閣委員会の方へ来て貰いたいと言つて呼びに参りました。それで本多国務大臣に対する質問をお急ぎの方はこの際願います。
#44
○岩木哲夫君 本委員会はこの地方税法及びその関連法律案等をどういう工合に審議しい行くか、先程お尋ねしたわけですが、ただ私は一点申上げて置きたいことは、まだ知らんのですけれども、今日又総理大臣が何か地方税法の参議院の審議について言われたとか発表したとかいう話であります。その真相も知りません。又内容も存じませんが、前の食確法のときにも総理大臣がいろいろ名放送をされ、それから予算の問題については広川幹事長が要するに参議院に向つてやられた、地方税法がまだ本格審議が今日始まるか始まらんかというのに、早くもそういうことを言われたかどうか知りませんが、そういう工合にどうも重要法案に対して。参議院に対して政府及びこれらの関係者がいろいろの放送をされてつまらん刺戟を與えておるということは蔽うべくもない事実である。今日までの経験において二度ならず三度、参議院は愼重審議の上にも深い検討を掘下げて行きたい。衆議院の性格と違つた使命の下に審議をして行かなければならんということについては、前提條件としてこれらの法律案に関しまして当面する大臣の出版が絶対必要であるということが第一條件、第二の條件は、委員が要請しておる資料が提出されないということが第二の問題であります。第三は関係法律案がまだ出ない、この三つの要素でいわゆる我々委員会の審議が滑らかに行くか行かないかという問題に分れる、ところが何か知りませんが、大臣お一人であちこちお役目も多いわけですが、どの委員会に出席が必要であるということは、それの軽重を政府自体が胸に手を当てて御判断なさつたらいいわけでありますが、今申上げます通り大臣の出席が欠けることなく出られるということが第一條件でありますし、我々の要求しておる資料が提出されない、関係法律案が出るか出んか分らん、出ておらないということ、こういうような事態で又参議院の審議が殊更故意に延ばされるとか、或いは審議に入らずとか、いろいろの横道を食うというようなことは言われたくないと思いますから、私は委員長においても又関係大臣においても、今私が申上げた要素に欠くることなくやつて頂きたいということをこの際確認して頂きたいんですが、一つ当面する本多大臣もおられるし、責任者である委員長もおられるし、この両者から言明を承わりたい。
#45
○委員長(岡本愛祐君) 先程理事会を開きまして案を立てました。それは十分お揃いの上でお諮りいたしたいと思つておつたのですが、それが遅かつたから開会をいたしましたが、この際その審議計画案につきましてお諮りをいたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(岡本愛祐君) 理事会におきまして次のような審議計画案を立てました。それは本日と明日は午前十時から開会ということにいたしまして、午後もずつといたしまして、この二日間で一般質問をお願いをする。若しこの一般質問が明日でも終了いたしませんようでしたら二十三日の日曜日も一般質問を続行する。若し一般質問が土曜日で終りますれば日曜日は休む。それから二十四日は月曜日ですが、二十四、二十五、二十六、二十七の四日間は逐條審議をする、そのときまでには平衡交付金法案、或いは地方財政委員会設置法案、これが出て参りましようから、それが出て来ればその法案は午前十時から審議をする、午後は今申しましたように地方税法案の逐條審議を行ないます。そうして二十八日に委員会の採決をいたしたい、それで修正のおありになる方は二十七日までに修正案をG・H・Qにお出しを願いまして、オーケーを二十七日までに貰つて頂くようにしたい、それから若し二十八日に採決ができませんようでした二十九日にいたすことにする、二十九日に委員会の採決ができませんようでしたら三十日にいたします。つまり二十九日、三十日は予備に取つております。二十九日は天皇誕生日、それから三十日は日曜日でございます。それで三十日までには是非共皆さんの御努力によりまして委員会の採決をお願いいたしまして、それで一日の本会議に上程できるようにいたしたい、こういうふうにしたらどうかという案を一応決定いたしました。お諮りいたしたいと思います。
#47
○岩木哲夫君 その御計画は只今拜聴いたしましたが、私は今委員長が関係法律案が出ましようからということがありましたが、出ましようからということは委員長の御推定ですか、政府の責任ある言明によることなんですか。
#48
○委員長(岡本愛祐君) 先程岩木さんが御出席がなかつたかも知れませんが、波田野委員から御質問がありまして、その頃に遅くともオーケーが得られ提出ができるだろうという大臣からの言明がありました。
#49
○岩木哲夫君 その頃とは、二十七日を最終とされた意味ですか。
#50
○國務大臣(本多市郎君) ちよつと速記を止めて頂きたい。
#51
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#52
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。
#53
○岩木哲夫君 この平衡交付金の問題は、地方税法とは不可分関係であることは言うまでもない。地方財政委員会に関しましては、地方税法中に沢山この字句が現われておるくらいに大きな要素を持つておることもこれも論ずる余地はない。そこで地方財政委員会に関する法律案は本委員会で審議するのか、内閣委員会で審議するのか存じませんが、仮に内閣委員会で審議すると雖も、本委員会には是非重要な問題、今ちよつと私拾い書きを見ましても沢山あると思います。でありますから、当然本委員会においても、並行審議といいますか、共同審議といいますか、とにかくこれはかかるべき要素を持つておる。私はこの税法というものは随分もう大したもので、これを今日、明日に一般質問というようなことは、そんなことはとてもおさまらん。(笑声)それから逐條審議と申しましても、逐條審議で要望される向きも一般質問にも入り込めましようが、これは逐條審議と一般質問とを余計してもよいわけでありますが、そういうことにいたしましても、平衡交付金に関する問題と、この地方財政委員会に関する法律案の問題が、これでは午前中というだけの話で一向どうも明確な審議計画もなければ、それだけでなかなか済まされないと私は思うので、これは会期が五月二日しかないものでありまするから、これはもう何ともいたし方ないものでありまするけれども、二十八日、二十九日、若しくは三十日に委員会の採決をするというような工合の決め方は私は甚だ納得ができない。やはりぎりぎりやらなければいかん、かように思うことが一点、これに関連しましては、まだ私達が要求しておる資料が出ておらない問題が沢山ある。これは私は地方税及び地方財政委員会は歳入面におきましてのいろいろの要素がありますが、国の経済計画との関係についての明瞭性はまだまだここに現われておらないし、地方庁がこの取り立てた税金をどういう工合に使う計画かということの内容については、差し詰め取り立てた国民の税金をどんなふうに使えのかという点については、まだ資料も全部は出ておらないというようなことで、この問題は相当大きな問題だろうと思います。かれこれいたしまして、今理事会で折角えらい人がお決めになつたとは思いまするけれども、それを三十日までにどうしても上げるのだということに金縛りをして貰つたら困るという今の理由の二点と、更に私が先程申上げましごとく、政府当局なり、そういつた方面から、何ら参議院の審議なり、或いは当委員会なりの非常に悔蔑的な、或いはつまらん刺戟を與えるような動作を取る、言動を取るというようなことで、図らざる事態が起つたような場合につきましては、これは又別問題だということじやないといかんので、そんな問題をかつちり決めてしまうことは甚だいかん、目標はそうであつても、その目標も三十日に本委員会を上げてしまうというようなことに決められることは反対であります。まあやはりまだまだ二日までありますから、その変を愼重審議する必要があるというようなことで私はあらねばならんと思います。
#54
○波多野鼎君 先程の理事会の決定は、大体そんな目安で行くという程度のもので、ここで金縛りしてしまうというものではありません。そうでないとプログラムが立ちませんから、大体そういう目安だということなんで、別に金縛りして言論をここで封じよう、三十日で上げてしまおう、そういう意味で私は賛成したものではありませんから、御了承願います。
#55
○委員長(岡本愛祐君) 尚岩木君に申上げますが、先程あなたが衆議院方面ですか、何かから情報を得られまして、吉田首相の談話で当委員会のことをいろいろ言つておらない、一般のことを言つておるということで、朝日新聞で確めました。そういうふうに御承知を願いたいと思います。
#56
○岩木哲夫君 それは一般というのは参議院一般を言つておるのですか、地方税法一般のことですか。
#57
○委員長(岡本愛祐君) 参議院一般のことです。
#58
○岩木哲夫君 私は当委員会とは限定しておらない。つまり参議院に対して何か言われたいということを聞きましたので、内容を存じませんが、それは余り感じのいい御声明ではないらしいのです。で、そういう図らざる刺戟を與えるということの責任は、我々も感情問題で、生きた人間だから、そういう悔蔑したかのようなことを言われるといううことは図らざる事態を生ずることである。そういつた場合には、御計画は御計画か知れませんが、そうは行かない、こういうことだけは一本申上げて置きます。
#59
○委員長(岡本愛祐君) 委員長においてもそれでは政府当局に、委員会におきましてそういう御希望が出たということを篤と申して置きます。
#60
○西郷吉之助君 さつきの、委員長………今波多野さんからも申されましたが、そういう非常に縛つてしまうというあれではないのですけれども、今委員長の言われた中に地方財政委員会の法案、その他関係法案の審議期間というものが入つていないように聞えましたが、それはどういうふうに……。
#61
○委員長(岡本愛祐君) お答えいたしますが、いつ出るかちよつと分らんものですから、今大臣から言明がありましたように、遅くとも月曜日か火曜日までにはオーケーを取つてこちらに出したいということでありますから、そうなりますれば、午前十時から始めまして、そうして二十八日までには上げるようにいたしたい。午前中にそれを上げて行く、こういうふうに考えております。
#62
○柏木庫治君 私は今の岩木委員の考えとちよつと違うのですが、実際参議院の出席率がよくないということは事実でありまして、これは参議院の議員の方で反省すべき問題だと思う。政府の者その他が何か言うたからそれでこちらは感情に駆られて目に物見せてやるぞと(笑声)悪い言葉で言うとそういう考え方は、私は委員は持つものではない、私達はこの法案を真剣に、まじめに審議して、それさえ悪いと政府が言うたら悪いという者の誤りである。何もこの審議とは関係ない。我々は他の云々することに捉われてみずからの使命を左右するように愚かであつてはならんと私は思いますので、外の者が何か言うようなことは耳を貸す間のない程熱心にこれをやつて、やはりさつきの委員長、理事の決められたものは無論金縛りではありませんけれども、あの委員長、理事の決められたことが実現できるような熱意を持つてやるということが、私は委員として正しい行き方であると考えております。
#63
○岩木哲夫君 私は柏木先生のお説には反対であります。私は前の予算の委員会や、その他重要法案につきましても、政府の出席が悪い。或いは必要な資料を出さない。それはまあ委員会においても出席のよい者も悪い者もありましようが、要するに質疑したいという人は必ず出ている筈である。それに答えることのできないような政府の措置、或いは大臣が出席しないとか、資料を出さないといつたようなこと、或いは関係法案を出すのが遅れたとかというようなことによつてですね、当然審議というものが自然に流れて来るのであつて、そういつたものは棚に上げいおいて、委員長なり理事がですね、決めた三十日で金縛りしてああするこうするということは私は反対でありますから、明確にして置きたいと思います。
#64
○委員長(岡本愛祐君) 政府に各委員から要求されました資料の中でまだ参りませんものは、岩木君の要求せられた資料が一件ございます。それはいつ出ますか。岩木君の要求が四、五日の中に出して頂きたいということでありますが、まだ出ておりません。
#65
○岩木哲夫君 今日で四日目であります。
#66
○委員長(岡本愛祐君) 小野次官がおいでですが、早速出して頂きます。これはちよつとむずかしい資料を出すのだから、遅れたかも知れませんが、成るべく早く……。
#67
○岩木哲夫君 むずかしい資料ではありません。これ程やさしいものはないです。二十四年度のものは自治庁で半日かでできる分る問題であります。それがまだ二十四年度のものが出せない。二十五年度のものは、私は四、五日中に電報か、電話で五大府県に交渉して送つて呉れということなんで、これはもう地方の議会が全部地方議会の予算を決定しておる。決定しておる問題をちよつと私の申上げた項目はたつた二つか三つである、でありますから、それをピックアップして五大府県のものが取れないということは……三日もあれば十分でありますが、私は四、五日中にということを申上げておる。
#68
○濱田寅藏君 大体このプログラムの問題を岩木君が先に論じられたのでありますが、さつき波多野先生が言われたように、金縛りをするものじやなし、大体この方針に副つてこの税法を、地方税法案の正否は別としまして、この方針に副つて行くということに大体皆さんにお諮り願つて御採用願います。
#69
○委員長(岡本愛祐君) 岩木君、如何でございます。決して金縛りという意味ではありません。私も理事会における案なんだからということで申上げ、その補足を波多野理事からいだされたわけであります。大体この目標でやつて見ようということに御了承願いたいと思います。
#70
○岩木哲夫君 金縛りでなくということならば私も賛成いたします。併しこれが目標である。金縛りだ、こういう目標で行つたんじやないかというようなことに嵌められることは私は反対でありますから、その点だけは明確にしてやつて頂きたい。
#71
○委員長(岡本愛祐君) それではお諮りいたします。先程理事会で立てました審議計画案につきまして、岩木委員から御質問が出ましたが、それは金縛りではございません。その案を目途として皆様の御協力を願つて進んで行くという意味でございますから、さよう決定することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#72
○委員長(岡本愛祐君) ではさよう決定いたします。
#73
○波多野鼎君 先程から問題になつている、政府が今日の新聞か何かで発表したものですね、これは我々見たこともないので、それを一遍発表して貰つて、考える余地があれば考えた方がよいと思います。
#74
○委員長(岡本愛祐君) それではこれを調査員に朗読して貰いましようか。東京、読売を願います。
#75
○調査員(法貴三郎君) 朗読いたします。
 夕刊読売、吉田首相は二十一日午前十時半から外相官邸で記者団と会見し、地方税法案の審議をめぐる今後の国会対策及び内閣改造等当面する重要諸問題について所信を披瀝した。地方税法案は全野党の反対を押切り、與党の多数を以て二十日夜、原案通り衆議院を通過せしめたが、参議院では緑風会でさえ原案に難色を示しているため相当悲観的な空気が濃厚である。政府與党としてはこの原案は現段階においては絶対性を持つものとの見解に立つて飽くまでも無修正成立を期しているが、野党側は二十一日にはマ元帥に対し国会の自主権の復活を要請する方針をとるなど強硬な態度をみせており、與党の強行策も衆議院には通用しない実情にあるので政府、與党の今後の対策は極めて重大性を帯びて来ている。内閣改造は勿論政府與党が国会乗切りの見通しを得た後を目標として断行されるものとみられ、すでに種々の観測が行われているが、この日の会見で首相はこの問題について記者団の質問に応じて所信を述べ注目を引いた。
説明の記事がここに沢山ありまして、首相の談話は非常に短いものでございます。次のようです。
 吉田首相は二十一日の記者団会見で内閣改造について次のように語り、内閣改造断行の所信を明らかにした。党三役が変つたのだから、これに伴つて内閣改造も当然必要となつて来ていると考えている。その実行に当つては党内の輿論を十分考慮に入れなければならんと考えているが、できるだけ小範囲に止めたい。
これは読売新聞では談話としてこれだけした載せておりません。東京新聞の談話として載せているものでございます。
 「改造はやりたくないと思うが、改造を望む声があれば民主政治だからこれを聞かねばならない。併しできるだけ最小限度に止めたい。党の役員が変つたので党役員と閣僚を兼任していることはよし悪しで、党は党、内閣は内閣と別になつていることこそ初めて運用の妙が発揮できるのだから、党役員の更迭が内閣に影響するのは当然である。
これだけであります。
#76
○委員長(岡本愛祐君) よろしうございますか。……それでは審議を続行いたします。御質問を願います。先ず国務大臣に。
#77
○岩木哲夫君 それじや私からえらい話が飛んでから………質疑になりますが、地方財政委員会の設置法案はこの通り間違いがないということでありますが、ちよつと私今拜見をしておつて、この点についてお尋ねいたしたいのですが、この地方財政委員会と地方自治委員会とはどつちが上か、どつちが下か、又この関係はどんなでございますか。
#78
○國務大臣(本多市郎君) これは簡単に申上げますと、地方自治庁の所掌事務の中から直接財政事項、それを担当する面が地方財政委員会というもので総理府外局に所属するということになります。この地方財政委員会の所掌事務の主なるものは、只今御審議を願つております地方税法上定められてある事項を処理すること、更に平衡交付金法に基く平衡交付金の測定、交付額の決定、その他直接財政に関係あるものの調査、研究、或いは又直接財政的事項と考えられまする競輪、競馬、起債等の許可等の権限を掌る、大体こういうことでございます。上下の関係はないのでございます。
#79
○岩木哲夫君 この配付の條文の附則第三條に「地方自治庁の所管事務の範囲は、左の通りとする」の中に、第五号「地方公共団体の行政及び財政並びに地方公共団体の職員に関する」云々とあるし、第六号におきましても、「地方公共団体の行政及び財政」云々とあつて、調査、統計などの諸般のことを地方自治庁が行うとありますが、そうすると財政委員会でも行い、地方自治庁でも財政上のことについていろいろのことをやるのですか、如何ですか。
#80
○國務大臣(本多市郎君) 地方財政の調査研究、統計の作成等は地方財政委員会で主としてやりまして、そこから資料を地方自治庁で求めて、やはり地方財政の観点からもいろいろ地方自治庁の事務上必要でありますから、求めてやることになつておるのですが、今提出いたしました資料は確かその訂正の点が落ちておるようでございまして、この通りで間違ないと私は申上げたんでございますが、その点は訂正が落ちておるようでございます。
#81
○岩木哲夫君 そうしますと、地方自治庁の所管は大臣にあつて、内閣総理大臣が任免しておるんだが、地方財政委員会の長は議会の承認を得なければならんということになつて、国務大臣でない。そうして財政上のことについて地方自治庁もこれは何かやつたり、法令を立案することができる。統計も調査も皆できる。財政委員会も同じようなことをやるということは、どういう工合に………。両方の機関が並行対立する虞れもなきにしもあらずであるし、その観点、調査の実態等につきましても食違いが生ずると思いますが、これはどういう操作をするつもりでありますか。
#82
○國務大臣(本多市郎君) これは地方財政委員会が独立性の強い機関でありますために、法律上定められた範囲内において嚴格にその域内において事務を執行して行くわけでありますが、財政上の地方財政等の調査、研究、統計等は、これは重複になりましては経費の点においても妥当でありませんので、地方財政委員会に主としてやらして、そこから資料を徴するという建前を取ろうと思つておるのでございます。それでその調査、研究、立案というようなことは、地方自治庁といたしましても、総理大臣の所掌事務でございますから、どうしてもそういうことをやらなければならんのであります。ならんのでありますが、そういう総理大臣の所掌事務を独立性の高い地方財政委員に担当させることは適当でありませんので、重複する感があるのでございますけれども、実施の面におきましては地方財政委員会でやらせまして、そこから資料を求めて来て、この自治庁の方は小規模に一つ運営して行きたいと考えております。
#83
○岩木哲夫君 大臣のおつしやることはどうも分らん。そうしますというと、地方財政委員会で実際の事務をやるが、法律案の作成やら、まあ高等政策は自治庁でやるもののような解釈もできますが、その通りですか。
#84
○國務大臣(本多市郎君) 地方自治庁におきましても、法律案、改正案等の立案等の立案上、いろいろな調査が必要であります。これは地方財政委員会からのみ資料を求めるというのではありません。やはり関係機関から皆資料を求めなければなりませんので、そうした関係の仕事はどうしても必要なことでありますから、重複すると思いますけれども、実務においてはそういう調査研究等を、余り大規模に独自にやるのではなく、関係の深い官庁でもありますので、地方財政委員会で、十分調査した資料を求める。こういうふうにして行きたいという趣旨でございます。
#85
○岩木哲夫君 それでありましたならば、法令だとか重要問題については、地方自治庁の方が上位機関のような、或いは絶対機関のような解釈が生じますが、これは如何でございますか。
#86
○國務大臣(本多市郎君) 法制の完成原案を作成するということは、総理大臣の所掌事務として自治庁でやらしたいと考えております。
#87
○岩木哲夫君 そういたしますと、この地方財政委員会が国会に対していろいろの毎年議会に地方財政上のことについて報告しなければならん、又、これを改善することについての問題をせにやならんという項目が沢山ありますが、地方財政委員会がいろいろ調査研究したならば、独自の考を国会に報告せにやならん。そうすると又地方自治庁では地方財政のことについて法律案を作成せにやならん、いろいろ調査をやらなければならんということは、恰かも現在の人事院と労働者ですか内閣と申しますか、といつたようなものとのこうしたことを繰返す以上に混乱の虞れが深いと思いまするが、どう裁くつもりでありますか。
#88
○國務大臣(本多市郎君) これは運営が適正を得ませんと、只今お話になりましたような弊害も生ずる場合があろうと存じます。併し地方自治体を、地方自治の立場から、この地方財政委員会の独立性を強化するという見地からそういう建前をとり、而も無駄、不適正のないように経営して行かなければならんと考えております。
#89
○岩木哲夫君 それはちよつと……。それだとしますと、この地方財政委員会の第三條に「財政の調整を促進する」ということが財政委員会の性格使命の重要部門となつておりますが、調整権を持つのでありますか。調整権を地方財政委員会が持つて、法律案は自治庁が出す。而も財政委員会の、いろいろのことを内閣として責任を持つてよく調査をして、そうして総理大臣の責任において法律案を出さなければならん、こうしなければならんと言つておりますが、これは財政の調整機関だということを書いておる。どつちが上なんですか、下なんですか。
#90
○國務大臣(本多市郎君) 地方財政の調整に関する限りは地方財政委員会で行います。平衡交付金の分配をしたり、更に地方税法上定められております資産、附加価値の配分というようなことも皆財政委員会の所掌事項になつておりまして、そうしたことに関する限り地方財政委員会が最終的な決定権を持つておるのでございます。それに対して政府は容喙できないという独立性を與えております。
#91
○岩木哲夫君 それでは地方自治庁に地方財政に関することを立案提出せしめるということと、競合重複するのではありませんか。
#92
○國務大臣(本多市郎君) 地方自治庁におきまして、税法或いはその他の財政の制度等につきましても必要なる立案ということは、これは政府としてやらなければならんことでありますから、地方財政委員会その他関係政行機関の意向、或いは調査するための資料等を徴して立案して行きたいと考えております。
#93
○岩木哲夫君 これはどうも折角ながら極めて分らんことでありまして、この地方財政委員会の規定によれば、例えば「日本国有鉄道、日本専売公社に対し地方税を課さないことの可否その他地方税の免除の可否に関すること」とか、「固定資産税に係る市町村の債権を担保する制度」とか「各地方税について課税額の総額と非課税額の総額との関係」といつたようなことについて、いろいろ国会に勧告権があります。で、国会に地方財政委員会が直接に勧告権があつたり、いろいろの報告調査の何をしなければならん使命がありながら、自治庁が又別個にかような適切な法律案を作るとか調査するとかいうことは、恐らくこれは我が国の行政制度の上で、これほどまあ混乱を来す虞れの深いものはないと思うのですが、そんなことが地方自治上に、地方財政の確立のために却つて悪結果を招く虞れがあるのでないか。これを何故現在の自治庁を財政委員会の中へ含むか、財政委員会を地方自治庁の中に含むか、ことにその長たる者の立場をどちらかに收約するか、或いは兼務によるか、こうしたことを絶対多数である自由党内閣で何故よう決まらないのか。
#94
○濱田寅藏君 さつき委員長が言われたのは税法の一般の質問であつて、今の岩木さんの質問しておられるのは月曜に出て来るので当然質問しなければならんので、重複を避ける意味においい今日は税法の一般質問で一つ進めて頂きたい。
#95
○委員長(岡本愛祐君) 皆さん如何でしようか。
#96
○岩木哲夫君 これは関連の事項だと思いますけれども、そういうお説があるならこの問題は譲るとして、又よりより集りまして審議することにいたしまして、今日は濱田委員の仰せに従います。
#97
○委員長(岡本愛祐君) これでは小野政務次官、荻田次長に質問を願います。
#98
○岩木哲夫君 通産大臣とか、この法案に関係のある大臣等はいつ出席なさいますか。我々が要求しなければ出席しないのですか。
#99
○委員長(岡本愛祐君) 要求して頂きたいと思います。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#100
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。
#101
○波多野鼎君 さつき附加価値税の問題、これは非常な問題だと思うが、どうなんですか、どうしても中小企業に対する負担が大きくなり過ぎてしまうと思うのですが。
#102
○政府委員(小野哲君) 波多野さんから先程の大臣に対する質問の中で、大企業よりも中小企業の方が負担が重くなるであろう、こういう予想をされておるのですが、私共の従来からの調査等によりまして、又この法律案の内容を深く検討して見ますと、或いはそれは見解の相違ということになるかも知れませんが、中小企業者の方が大企業に比較して軽く課税されることになるのじやなかろうか、負担がそれだけ少いのじやなかろうか、こういう予想を持つておるわけで、御承知のように今回の地方税法の改正が私から申上げるまでもなく、国税と地方税とを通じておりますものと、従来現行の事業税の関係から申しまして、大企業が事業税の面において相当従来軽く課税されておつた実例が多いのであります。そういうような点から申しまして、事業税を止めて附加価値税に移行いたしますと、これらの大企業につきましては税が重くなる、こういうことは言われると思うのでありますが、それからもう一つは私共の考えとして当然納めるべき税、言い換ればいわゆる応能的な原則よりも応益的な原則から考えまして、大企業と中小企業相互間の均衡を維持して行くという考え方がこの法律案の中にも織込まれておるのでありますので、その辺のところは中小企業が特にこの際重くなる、勿論個々の事業については重くなるものもありまするし、軽くなるものもありまするが、おしなべて考えますと大企業の方にむしろ重くなるのではなかろうか、重くなる傾向があるのではなかろうか、こういうふうに見ておるわけであります。
#103
○波多野鼎君 さつきから議論というが、論点が違つておるのですよ、私の言うのに答弁される方はこういうふうに言つておつたのですが、従来の事業税と今度の附加価値税の両方の負担を比べて見て、今度の方が軽いとこういうふうに言われるのですが、私の言つてるのはそれじやないのですよ。従来のことは問題の外にある、これは問題にしない、従来の事業税のかけ方が間違つておると思うのです。これを比較標準で持ち出すことは間違つておる。それを問題にしておるのではないのですよ。去年よりも今年が軽くなるかということを問題にしておるのじやない、そこをはつきりして頂きたい。そうじやなくて、この附加価値税法をこのまま施行すると労賃が課税対象になる関係上、どうしたつて中小企業の方に対して比較的重くなるし、大企業に対しては附加価値税としての負担が比較的軽くなる。附加価値税だけを問題にして見てそうなるのではないか、そのことを自覚しておられるかどうかということを聞いているだけなのです。昔の話を出して来ちやいかん、今後の問題だ。私の言つてるのは……その附加価値税だけをとつて考えて見て、それの固定資本と流動資本の組合せ方が違うことによつて附加価値税の負担が比較的重くなるのと比較的軽くなるのがある。それは大企業において比較的軽くなり、中小企業において重くなるということが当然予想される、それを自覚しておられるかどうか、それを聞いておるだけなんです。
#104
○政府委員(荻田保君) 先程申述べましたように、固定資本と流動資本との組合せで流動資本の比の多い方が税負担が思いのでありますが、負担が思いというのはどういう意味で負担が重いかという問題だと思いますが、全收益に対して重いという意味でございますか、総売上金額に対して重いという意味であるかというようなことを考えられますが、この附加価値税を作りましたのは申上げるまでもありませんが、応益的なことを考えているわけでございまして、その事業がその事業団体において如何に利益をしているかというその利益に応じてかけるのが負担公平の一つ……全部でありませんが、一つでありまして、この税にはその原則に合うように作つてある、こういう趣旨でございますので、つまり流動資本が多いということは、人を沢山使つておるならばそれだけ地方団体の世話になる面が多い、従つて応益的にはこれの方が負担が均衡である、こういうふうに考えております。
#105
○波多野鼎君 そんなことは従来でも取られますからね。労働者はそれはそちらで負担しておりますが、それと附加価値税との狙いというものは違うのじやないか、そんなものと比べちやいかん。補完税じやないよ、独立税なんだからこの税だけをとつて考えなくちやならん、その場合とどこに負担が重い軽いということは、どの基準をとつたつていいのですが、資本を基準にして附加価値税の負担を見たつていい、收益を基準に固定資本と流動資本の組合せが違つても幾らでも標準のとり方はあります。且つ又どの標準をとつたつて結論が出ると思う。それを一つあなたの方で出して貰いたい。
#106
○政府委員(荻田保君) その点は、われわれそういう税率から重いということは承知した上で作つております。
#107
○米倉龍也君 いろいろこの資料を拜見しますと、今度の附加価値税というものは、大体事業税と取引高税との従来のものに比べて、どの業を見まして大体減つているですね。少くなつている。ところが一般の人は、今度の改正税法によつての負担が非常に重くなるのだと非常に心配をして怖れている。如何なる企業の方に聞きましても、この新税がいいと言う人はない。この点が私共はどうも不思議に思う。資料を拜見すればみんな少くなつている。それが現実には各人。各企業から見ると、個人のことは別としまして、企業から見ると、いずれも殖える……ですからしてこれを立案なさつて、こういうふうな結果になるということを、これを立案なさるときに、それらのいろいろ業な界の人と十分お話合いをしておやりになつたのか、どうも資料と、それから一般の人の気持とがしつくり行かない点がどうも不思議でならない。こういう点はどう御解釈になつておりますか。
#108
○政府委員(小野哲君) 只今米倉さんの御意見、御尤もだと思います。それでこの法律案を立案するに当りましては、御承知のようにシヤウプの税制報告書が昨秋出まして以来、各方面から意見も出て参りました。又各方面にも必要に応じ出向いて懇談をする機会も作つて来たわけなんでありますが、何といいますか、国税、地方税を通じての根本的な改革になりますのと、地方税体系のみを見ましても相当新らしい諸点を織込むことになりますので、言わば新税というものはどうしても惡税であるという感じが多くなつて来ているのではなかろうかと思うのであります。そういうふうな点につきましては、努めて内容を説明するようには努めているわけでありまするけれども、そういう気分があるということはお説の通りだと思います。ただ個々の業種別に見ました場合に、先程波多野さんからも御指摘になりましたように、又特に個々の税目について見ますると、税が重くなるのもありまするし、又中には軽くなるのもあるわけでありますが、総体的に考えまして軽減されると、こういうふうな考え方、見方ができると私は考えるのであります。で地方庁におきまして、それぞれの業態について計算いたしました数字がお手許に差上げているような資料となつているものでございます。かように考えている次第であります。
#109
○米倉龍也君 そういうお考えには当然なるだろうと思います。この資料を見れば、先程御指摘になつた資料の十二ページの法人の新税制の合計のところで旧税制との比較を括弧の中で示してあるものを見ましても、いずれも前の税よりも少くなつておる。ところがこういう大体の方針がこうならば、この附加価値税の中に特例を特にお決めになつて、而もその特例、何で特例というものを決めたかという点を余程重要なこととお考になつておるでありましようが、提案理由の中の説明の中には特にその点をとり上げて理由を説明してあるのです。その説明は結局負担の急激たる変更は好ましくないというようなことを言つておるのです。この点は併し先日それら特例に挙げてあるもの全部には行つておるのじやないというふうな御説明もありましたので、一応そうかと思うのですが、併し特にそういう特例を設ける、而も特例の理由は今申しましたように、急激なる変更を緩和するという簡單なことならば無理にあらう説明を加える要もないような條項に思われるに拘らず、特に説明まで加えておるというような條項が入つておることは、やはり一つ一つ個々の企業なり或いは業種によれば非常に急激な変更があるということをやはりお認めになつておるじやないかと思うのです。そういう点がちよつと予盾しておるじやないかと思う、一体特例の七十四條というもの、何でああいうものをお入れになつたか、どうもあの点がずつと読んで行つて見ると不思議でならないのです。それは逐條審議でお聞きした方がいいと思うのですが今の問題に関連して一体ああいう條項は何でお入れになつたかそれをもう一度明確に御説明願います。
#110
○政府委員(小野哲君) 米倉さすの御質問につきましては、前に或いはお答え申上げたかと思いますが、尚詳細な説明は次長から御説明申上げるといたしまして、基本的な考え方はいろいろの業種があるわけでございますが特に第一種事業の中を考えましても、この附加価値額を決定いたします場合において、その算定をできるだけ簡易化するというような考え方からできておるものもあります。たとえて申しますると、いろいろ問題があるところの金融業であるとか、或いは保険業等については今申上げましたような考え方から出ておるのであります。又一面運送業のようなものにつきましては、この現行の地方税法によりましてすでに外形標準によつてとることになつておりますが、それらの点につきましては、大体において急激な影響を與えることは適当でないので大体現行に止めるというような観点から特例を設けたものもあるわけであります、これらの特例を設けることによりまして、その業種に該当するものにおいては本則によるのか、或いは特例によるかを選択し得る途が開かれておるような次第で、今申しましたような考え方から出ておるわけであります。
#111
○米倉龍也君 今のお答えの中にも急激な変更を多少でも緩和しようというような意味のものもおありになるということでありましたが、これは運送業でありますか。
#112
○政府委員(小野哲君) そうです。それから更に運送業と倉庫業とを考えております。
#113
○米倉龍也君 ところがお出しになつた資料で見ますると、少しもそういうことにはなつていないじやないのですか。運送業に対する附加価値税に関する調べというようなもので見ますると、一般原則によりましても、〇・九六それから特例によれば〇・七九となつております。僅かな違いです。大体一般原則によるものも従来のものよりも少しも多くなつておりません。それから倉庫業の調べもお出しになつておるのですが、これもそれ程多くなつていないのです。それでお出しになつておるこの資料だけで拜見すると、極めてどうもそういうような理由に当てはまらないような気がするのです。この條項を実際お入れになるならもつと外のことを御考慮にならなければならないように思うのでありますが、而もそれが單に二十五年度分というような、ただ一年だけということではどうも了解ができないのですが、もつと何かその理由があるのじやないですか。これだけの事業を特に選んで、そうして計算の技術上簡單に行くことだという程度のことならば、何もこれだけやる必要はない。もつと本当のこれを立案なさつたときの事情をお聞きしたいのです。
#114
○政府委員(荻田保君) 今お配りしてございます運送業、或いは倉庫業に対する比較は、日本中の全部の運送企業全体を平均すればこういうふうになるという数字でございます。従いましてこの数字では特例とそう違いはない。つまりその趣旨で作つておるのであります。それ以上の個々の業態をとりますると、或るところでは非常に高くなり、或るところでは安い、平均でこの通りとんとんになる。従いましてそのように高くなる業者は特例をとることによつて緩和できるような選択的規定を置きましたのが趣旨であります。
#115
○米倉龍也君 それだけでは私どうしても七十四條というものを特に取上げたということのどうもその理由が了解できないのです。全体の数字は資料によつて拝見するのに、大体旧法による負担よりは全体には軽くなる、併し個個の企業によつては非常な差がある。その差がある場合には選択によつて負担の軽い方を取れるような親切なこれは特例だと、こうおつしやられるわけでありますが、それならばそういう事実は個々の負担から言えばどの業にもあるのです。いろいろ各業を見れば、平均すればこの資料にありますように軽くなりますけれども、個々の場合には非常に重くなる。例えば新聞業などのことを地方の新聞の人などに聞くと、とても新聞をやつて行けないというくらい重くなる、そういうふうな非常に重くなるものが外の業にもある、それをなぜこの業だけを選んでこの條項を作つたかということを私は不思議に思うのでお聞きするのです。
#116
○政府委員(荻田保君) この運送業とは公益性の強いものだと思いますし、それから又この運送業は固定資産が大きいものでありますので、非常に運送業の附加価値の割合が年度によつて違うというようなことも一つの特徴であります。それから主として理由といたしましたのは、従来この事業税におきましても特例を作つておつたのであります。そういう沿革もありましたので、本年一年だけは特例を選択的に認めるというふうな規定を置いた次第でございます。
#117
○米倉龍也君 どうも了解できないのですが、殊に銀行業と無盡業とそれから信託業、これは同じような事業ですが、これは多分この資料を拝要しましても、四〇%と或いは一〇〇%とかいうことは、これは附加価値と同じような、一般法則によつての附加価値と同じ附加価値を計算するのに、こういう特例を設けて総売上高というものの内容を求めて、それに率をかければ簡單に出るんだ、こういうふうな意味でこの中へ入れたという説明ですが、それならば二十五年度だけそういうことを緩和するというどこに必要があるか、そういうことだけならば、私はこれらの事業に二十五年度ばかりでなくそういう方法をとらなければならん。どうして二十五年度だけなさるのか、その点も不思議なんです。それから信託業などによればこれは一〇〇%です、どつちやつても同じことです。いずれにしましても銀行、無盡、信託というようなものを特に二十五年度にだけなさるということも、何か説明がなければ了解できない。
#118
○政府委員(荻田保君) この金融業につきましては仰せの通りでありまして、将来も特例を設けた方がいいと考えておりますが、ただ初年度でありますので、もう少し経過を見まして、必要によりまして二十六年度以降を考えたいと思つております。
#119
○米倉龍也君 もう少し事業によつて急激な負担を緩和するとかいうようなことのためには、いろいろやり方によつてはそういう親切な処置も取れるのではないかと思う。一般原則から申しますれば、総売上から特定支出を控除したものということになりますが、その特定支出というものに非常に幅があるだろうと思います。だから第文の中にも政令等によつて定める或る範囲の処置もできるようにはなつておるのですからして、そういう点でも十分考慮して、将来個々の事業によつて非常に差のあるものには何か御考慮になるというようなお気持はないのでありますか。具体的に言えば、農業協同組合とか、或いは生活協同組合のようなものは、これは確かに従来のものよりも重くなります。どんな資料をお出しになつても重くなるんです。この資料のことにつきましては、先日私要求しまして出して頂いた生活協同組合に対する新旧負担の比較の資料を御提出願いましたが、これは非常に杜撰なもので、こんなものを資料としてお出しになるのはこれは問題であろうと思います。これはどこでお調べになつたものか知りますんが、この生活協同組合が事業税とそれから取引高税、この会計と、今度の附加価値税の比較をしまして、或る消費組合などは〇・三三と従来のものの三分の一に今度の新税の方が安くなるのだというような資料なんです。これはこんなことはないのです。ということはですね、この資料を拝見して行けば直ぐ分る。この取引高税というやつは、消費組合の全体の取引高を基礎にして、それの百分の一という取引高税額を挙げてありますけれども、そんな杜撰な調査ではいけないのです。というのは消費組合はもともと取引高税がかからない方が多いのです。そういうことを御存じないかも知れないが、恐らく総取引高の一割ぐらいしか取引高税というもののかかる品物はないのです。これは取引高税の方の規定を御覧になれば分るのですが、極めて取引高税を拂う取引というものは消費組合には少いのです。それを全取引高へ取引高税がかかるというような数字を持つて来て、そうして従来のものよりはかからないのだというような、こういう調査資料をお出しになつてはいけないのです。そして又農業協同組合の方の資料にいたしましても、これもやはりそういう点が多少あると思います。而も農業協同組合の方は従来のものに比較しまして二倍半になります。そんな軽いものではないと思います。でそういうようなこれらの殊に社会政策的或いは国家の大きな協同組合というようなものに対する政府の大きな方針というようなものに反するような結果を来たすそういう重い負担に対しての考慮というものが、折角こういう特例さえも設けるというのですから、何とか考慮をしなければならないじやないかと私は思うのですが、そういう考慮をどうしてなさらなかつたか、お聞きしたいのです。
#120
○政府委員(荻田保君) まあ従来特別法人、協同組合等につきましては特例があつたわけでございますが、今回の改正に当りまして国税、地方税を通じて一応平等に扱うという方針の下に立案いたしましたので、特に附加価値税につきましても特例は付けなかつたのでありますが、ただ例の事業分量に応じて配当する額だけは差引くわけでございます、でこの特別法人に対する考え方でございまするが、この法人税のようものでも同じに扱う、従いましてこの附加価値税のような流通税的なものはそれを扱う以上当然同様でいいだろうという考えで行つて、特例を作らなかつたような次第でございます。
#121
○米倉龍也君 それはまあ議論になつてしまいますけれども、協同組合に対して利用高に応じての配当などは、割戻しというものはこれは損金にするというようなことはこれは今初めてできたことじやないのです。これは前から一体あることなのです。これが協同組合の本質なんです。何も今度の新税や何かでできておるのじやないと思うのです。そこでこの一体特別法人というものを、あれだけの歴史的な組織なんでして。従来からそういう本質的な問題から特別法人というものを見て考えて来たのです。それをまあそういう考え方を止めたということになりましたので、これはもう議論になつて、本質的な問題の議論になるのでこれは止むを得ませんけれども、それにしましてもそういうような場合に急激な変更が必ず起るのじやないか、だから二年でも三年でも漸次それを直して行くような親切な考慮があつて、初めて政府がこの協同組織を育成して行くという大きな方針とうまく合つて行くのです。それを考慮なさらないということは、私は非常にまあ不親切なやり方だと思うのです。その点はいつまで行つてもそれだけの話ですが、何か今後これを運輸して行く上において考慮すべき点があると思うのです。そういう点について御考慮が願えるか、そういうことも今後研究をして見ようというようなお考えはありませんか。
#122
○政府委員(荻田保君) 尚申し落しましたが、附加価値税につきましては、公益法人もみな同じに扱つておるのでございまして、そういうところからも特別法人につきまして特に特例を設けなかつたというような次第でございます。併しおつしやいましたような点も十分考慮いたしたいと思いまするが、具体的にはこの控除科目等の政令の問題だろうと思いますが、これにつきましては十分研究いたして見たいと思います。併し大体附加価値の実体というものが一応決まつておるように考えておりますので、そうこの線から外ずれたこともできないと思いますが、その範囲内におきましては十分考えて見たいと思います。
#123
○米倉龍也君 今一言、それの今お願いしたことに関連するのですが、大体協同組合は人件費が多いのであります、人件費が多くかかるのです。それで仮に販売というようなことのためにいろいろ宣伝をするとか、この法案にもありまるが、教育事業というような、大体協同組合は一面その啓蒙運動が始終伴つて事業が行われて行くのであります。それがなければ協同組合は意味ないのです。そういう場合の啓蒙宣伝、いわゆる教育という意味ですね、そういうようなことに非常に人手がかかるのです。人件費というようなものはそういう方面に多く使われておる。又直接そういう費用も沢山かかる、そういうものも御考慮を願いたい。そういう点も随分実際の面を調べて見て、そういう点たけでも考慮をすれば余程緩和されるのじやないか、こう思うのであります。まあ参考に申上げて置く次第です。
#124
○波多野鼎君 大臣に聞こうと思つていたのだけれども、昨日の労働問題、今米倉さんのお話にもやはり出て来る人件費の問題ですがね、これは実際政府の考え方もおかしいと思うのは、製造行程などで材料を買う、材料を買う代金はこれは附加価値税の対象にならないのですね。すると労働者を雇うということは材料を買うということとは違うだろうが、労働力を買うという点においてはものを買つているのですが、同じじやないですか。そういう点等もこれは政府の考え方の基本に触れる問題なのだけれども、一体どうなのです。
#125
○政府委員(荻田保君) これは附加価値税のいい惡いは別問題といたしまして、考え方ははつきりしておるのでございまして、今おつしやいました材料を買う方については、その分だけ課税対象から除きます。併し材料を売つた方に対しては附加価値税がかかつて参ります。附加価値税を事業税の代りと見ないで、取引高税の代りと見れば取引高税は各段階において重複性があるけれども、附加価値税におきましては、一つのものについては一回しかかからないという長所があると考えておるわけであります。従いましてそういう場合には当然原材料購入等は附加価値から控除することになるわけでございます。
#126
○波多野鼎君 それならば労働者が賃金を貰うのも、これは住民税もとられますし、所得税もとられますし、同じことじやないのですか。附加価値税という見地から言えば附加価値税を労働者は拂う義務はない。
#127
○政府委員(荻田保君) 労働者から附加価値税をとるんじやなくて、企業からとります。従いまして住民税はこれはもう全部平等になるわけであります。事業に対して附加価値税が別にかかるわけであります。
#128
○波多野鼎君 それにしても、それだけのものをとられるとすれば、それが賃金の方に影響することは当然分る。そういう点からみても労賃部分というものを特別考慮しなければならん必要は、あらゆる面から見てあると思うのだが………。
#129
○政府委員(荻田保君) 労賃を控除します。結局純益となります。そうしますと、今の事業税と同じになります。
#130
○波多野鼎君 いや純益にならない。純益は又違うのです。それは損失になるかも知れませんし、純益になるかも知れないし、純益以外のものも出て来る。労賃を入れることによつて、もうこれによつて附加価値税の負担というものは非常に不公平に各方面にかかつて来るということが怖れられるのですね。それは議論しても仕方がないから止めて置くが、ここに提出された資料の中に、今ちよつと注意されたのでお伺いするのですが、石炭業ですね、これは資本の大体五〇%見当が労賃に入るわけです。これと新旧の事業税、並びに取引高税ですか、あれの合せたものとの新旧の税負担の差額はどのくらいになりますか。この表には出ておりますか。
#131
○政府委員(荻田保君) 出しました表には出ておりません。若し御必要でありましたら……
#132
○波多野鼎君 これは一番面白いのですよ。必ず出て来ますから出して下さい。註文があるが、大炭鉱、例えば機械力を非常に沢山使つている炭鉱を一つ例にとり、それから機械力を余り使わない中小の炭鉱も一つ例をとつて出して下さい。
#133
○委員長(岡本愛祐君) 先程波多野君から要求せられました徴税員の増加見込分と、今のとを出して頂きます。
#134
○波多野鼎君 私まだよく資料を見ておりませんから、出ているかも知れませんが、出てないものがあつたら私の今お願いする資料を出して貰いたいのですが、都道府県税ですか、これ及び市町村税、市町村税までについては無理かと思いますが、少くとも都道府県に関しては各府県別に各税種、ここに七つばかり挙げてありますね、この税種の徴税見込の調査は出ておりますか。
#135
○委員長(岡本愛祐君) 出ております。
#136
○波多野鼎君 二十四年度の税收入との比較も出ておりますね。
#137
○委員長(岡本愛祐君) 二十四年度と二十五年度は出ております。
#138
○岩木哲夫君 私はちよつと大臣にお聞きしたいと思うのですが、大臣が来られるまで休憩して頂いたらどうでしようか。
#139
○委員長(岡本愛祐君) 如何でしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○委員長(岡本愛祐君) それではその前にちよつと、一時この地方税法案の審議を中止しまして、理事の御選任を願いたいと存じます。林屋亀次郎君が一度お辞めになりまして、そのあと櫻内君が代つてなられました。最近櫻内君が又辞められまして林屋亀次郎君が又こちらの委員になられました。前にお辞めになりましたときに林屋君の理事は消えております。その後任と、それから今回吉川末次郎氏が辞任になりまして、その後任に波多野鼎君がなられました。吉川末次郎君理事の後任、それから太田君が辞められまして、米倉龍也君が委員になりました。お二方、林屋君、吉川君の理事の選任をいたしたいと存じます。
#141
○西郷吉之助君 その御両人の理事の指名は委員長に一任します。
#142
○委員長(岡本愛祐君) 西郷君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(岡本愛祐君) それでは指名をいたします。民主党の竹中七郎君、社会党の波多野鼎君を指名いたします。
#144
○濱田寅藏君 もう時間もあれですから、明日一つ勉強することにしたらどうでありますか。
#145
○岩木哲夫君 総理大臣が、参議院は殊更引延しするというようなことを言つております。そういうことを新聞に発表されておつて、まあ濱田君、平均五時ぐらいまでは一つやりましようや。そうしないと遅らしたように思われて片腹痛いと思うのですが……。
#146
○波多野鼎君 先程読み上げた記事は間違つていたのです。
#147
○委員長(岡本愛祐君) それではちよつと御報告いたします。朝日新聞が参りました。それに総理大臣の談話の要旨が詳しく載つております。その中で問題になると思もわれますのは、こういうことが書いてございます。「内閣改造の声が高い」云々は前と同じでありまして、「国民諸君ももつと敗戰の現実に撤し、落着いた気分になつて国の再建を考えるようにならなければならない。来るべき参議院選挙では、わが党は絶対多数を獲得する。少くとも獲得せねばならないと考えている。参議院の野党側は、これまでともすれば審議引延しを図る傾向が強かつたが、緑風会のごとくわれわれと政策を同じくし意見を共にしているものとは、一緒に協力してやつて行きたいと思つている。参議院選挙に敗けた場合にも衆議院の解散を考えていないかとのことだが、必ず勝つと思つているので、敗けた場合に解散をやろうなどということは全然考えていない」云々で、あとは大した問題ではありません。参議院の野党側はこれまでともすれば審議引延しを図る傾向が強かつた。これだけであります。当委員会の特に問題でもなさそうですから、よく注意しておきます。どうぞこの程度にお願いします。(「大臣は」と呼ぶ者あり)
#148
○委員長(岡本愛祐君) 大臣を呼んでおります。ちよつと休憩いたします。
   午後四時十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後四時二十二分開会
#149
○委員長(岡本愛祐君) これより委員会を再開いたします。
#150
○岩木哲夫君 政府は中央、地方の税制を総合的に改正するということを言われておるし、国の財政経済すべてこういう方途で、特に総合変算と称し超均衡予算と銘打つて、昭和二十五年度の予算及び税制に関する総体的な見解、方針を明示しておるわけでありますが、いわゆる中央における財政経済の方針と、今回政府がとられている地方税制の改革というものは、財政経済面におけを総合的な見解から矛盾があると私は思うのであります。で、例えば国税面において取立てた金をこの莫大な七百いくらという債務償還をし、そうして債務償還をしたこの金を、政府が金融統制をして司令部の意図する、或いは政府の考える方途に融資をしている、いわゆる経済産業計画の一環というものと、地方税の改正によつて、今回地方税を新いしいこうした方法でとろうというものには、有機性を欠いている、又見返資金を国家の基本産業にも投じている方途等から見ても、地方の今回の税制というものには矛盾を来たしておるきらいがあるのでありまするが、こういう点について、地方税は、国のこうした財政経済方法に対する今回の地方税というものは、地方自治の確立が地方財政の強化であるという趣旨は分りますが、これは歳入面における地方自治、地方財政の強化であつて、国全体の産業計画、或いは貿易振興計画というものとは、むしろ逆の結果を、矛盾じやない、それより進んで逆の結果を来たしておるというのに対して、地方税を主要されている責任大臣としては、どういうお考えを持つておられるかを承わりたい。
#151
○国務大臣(本多市郎君) お話の通りに、今回の税制改革は国税、地方税総合的な覧点から改革され、更に国と地方の財政計画も総合的に考慮されておるのでございます。従つてこの税法の面におきましては、安定計画等のために二十四年度に比して二十五年度の所得等が減收するのであろうということも見込んで、財政計画は立てておる次第でございます。只今お話の趣旨によりませと、産業振興という目標を立てておりながら、地方税で増税するということが、その目的に背反するではないかというような御趣旨であると思います。この増税の部分は、なんといたしましても寄付金で相殺される面があるとはいいながら、負担の増加になるのでございますから、その点については、これは今日までの地方財政余りに窮屈であつたことを緩和するために止むを得ないことを考えております。併し今後産業の復興の前提要件として考えます場合には、やはり均衡のとれた負担を基礎といたしまして、産業は復興し、経済も安定して行かなければならんと思うのでありまして、この不均衡でありましたがために、一面不当な税の圧迫を受けておつたというものは、これによつて負担が緩和されて復興安定が促進されるわけでありまして、只今のお話の御趣旨のような点もございますけれども、これは地方財政確立のため、そういう多少の負担というものから来る影響は止むを得ないことではないかと考えております。
#152
○岩木哲夫君 止むを得ないというお言葉でありまするが、例えば政府は財政金融政策として投資を最近行われ、確定しているものは見返資金等を含んで、例えば国鉄、専売、それから炭鉱、船舶、電力、それから製鉄の一部、大体こうしたものに主として政府な投資いたしております。これらのものについては、今度の附加価値税等については、これら例えば船舶であるとか、炭鉱、その他いろいろのものにつきましても、これで地方の財政確立、地方自治との関連性というものは著しくはないのでありまして、むしろ、こうした日本の立地條件、地域的な細長い、而も北と南を挾む海運の状態或いは炭鉱の所在その他、今申上げました諸搬の事態から、決して地方自治と地方財政というものとはこうしたものは一致しておらない。ところが地方税法ではこれらに対しまして、例えば一つの船舶が東京、横浜、神戸といつたところに多く集約されている、或いは炭鉱も、九州だとか、北海道といつたような、西、北の一部とかに集約されているというような事態で、それに関連して附加価値税或いは市町村民税というような、地方的に非常に凸凹があるわけでありまして、国家全体の産業計画というものと地方税というものとの繋ぎ合せはない。尤もこれは平衡交付金によつて繰作をするといわれておりますが、現在平衡交付金のこの内容はその府県の橋梁、道路、面積、或いは人口、こうしたものが大体主体として差当り現在の配付税の割当がありまして、国のこうした方面とそうして地方の財政というものは悉くみな食違つておるのでありますが、これを地方財政委員会で調整するといえども、先程来地方財政委員会の内容をちよつと伺いますれば、到底そういう繰作権はない、絶対権もないというようなことで、日本の産業というものは却つて寸断されて、麻痺されて非常な、流通は或いは方面によつては鬱血するというような次第で、日本の産業は却つて破壊とならなくても非常なこれがために困難な事態が起つて来る虞れがあると思いまするが、これらに対して地方税に対する主務大臣としてはこういう虞れがないというお考えを持つておれらるのか、又別個のお考えがありますかを承わりたい。
#153
○国務大臣(本多市郎君) どういう場合を予想してのお話が存じませんけれども、国務地方税を通じての改革は相当の負担の軽減になるのでございまして、普通の状態でありましたならば、総合的に計算いたしますと必ず負担の減少になつておると存じます。そういう観点から大なる影響を及ぼさないということ、更に今の地方税をどこで負担するかという問題につきましては、今までの附加価値税等につきましては事業税を取つていたやり方と変りはないわけであります。
#154
○岩木哲夫君 これは私は具体的にいろいろ例を挙げたらよいのでありますが、非常に沢山な例を挙げるわけには行かんと思いますが、この間もちよつと例を挙げたのでありますが、現在姫路市の予算は約五億円内外であるのであります。従来広畑製鉄所が一億円内外の事業税その他の税金を負担しておつて、その余は姫路市民なりその他のもので負担している。ところが今度の税法によりますと広畑製鉄所の場合は三億五千万乃至四億負担する、そこで非常な経営上大きな負担となつておるのであります。そうすると姫路市その別の機関て従来地方税的な性質の四億円を納税しておつたものが、今度は一億でよいというような問題等におきまする、地方税の地方住民の負担の軽減は分りますが、これはそういうこの企業体には見返資金その他政府資金が沢山投じてあるのであります。こうした資金はどうしても、而もこの見返資金は講和会議のときにおいては日本の債務となつて、いわゆるアメリカの債権となつて製鉄所がアメリカのものになるかも分らんという現在の事態に対して、こうしたような税のこれは一例でありますが、これは炭鉱の場合でも、船舶の場合でもその他交通機関いろいろの場合の沢山なこうした例はあるのであります。例は挙げるに枚挙がありませんが、こうしたような矛盾に対しては平衡交付金で繰作すると言つておられますが、差当りそれでは平衡交付金でどう繰作するつもりか。現在百五十億の各府県の土地、面積、橋梁道路、或いは人口その他住民等の実績から配分しておる平衡交付金のあの趣旨と、こうしたような事態に対してはどういう繰作をするつもりであるのでありますか承わりたい。
#155
○國務大臣(本多市郎君) これは平衡交付金をどういう基準で交付するかということを御説明申上げることになるかと思いますが、この税法に基きまする標準税率で市町村が税を徴収した場合いくら徴収できるかとうことで、その標準になる徴収額を算定します。そうして一面只今お話のありました平衡交付金法のいろいろの算定の基準によりまして、通常の規模の行政をやるためには予算がいくらなければならないかというので、標準行政需要費と申しますか、それを算定をいたします。その差額を平衡交付金を不足な場合には補填するという趣旨でありまして、その収入額と財政需要額との差額のないところには平衡交付金は参らないのであります。収入がその標準経費に足らない場合に足らない分だけを平衡交付金で補填するという建前でございますので、只今例にお挙げになりましたような都市で負担の変動の結果この関係がどうなりますか、それに応じまして平衡交付金が交付されることになります。
#156
○岩木哲夫君 それでは不足をした場合には平衡交付金を補填するということは一応分ります。これには議論がありますが、一応分りますが、今一例を挙げたのでありますが、そうすると従来の姫路市民なり経済体が四億円の仮に納税をするというのに、広畑製鉄が従来より二億五千乃至三億余計に出たならば、姫路市は五億円で十分やつて行けるものが厖大な予算超過になるわけです。そういつた場合にはこの余つた金というものは姫路市の自治体から取上げるつもりでありますかどうか。取上げないんだつたらどういう繰作をする権利がありますか。
#157
○國務大臣(本多市郎君) 只今お話のようなことになるといたしますと、そうした広畑工場のようなものを地方財政委員会で指定したしましてその税額を関係市町村に配分して、そういう財源の偏在を調整することになつております。
#158
○岩木哲夫君 その関係市町村とはどこでありますか。
#159
○國務大臣(本多市郎君) これは例えば広畑工場というものがあるために、公共事業費をその関連から支出してその増額になるもの、広畑工場存在のために増額を余儀されておるようなもの、そういう区域に亘りましてその程度に応じて余る額を按分するということになると思います。例えば広畑工場に通勤しておる工員等の散布状況から見まするようなことも一つの基準になることと考えております。
#160
○岩木哲夫君 小さい例を申して恐縮でありますが、その工員なりすべてはもう大姫路市の中に包攝されておるので他町村から通つておるものは一つもない、あの一角はもう大部落である。そうすると姫路以外の関係町村であるというわけもこれはおかしいし、どこでそういう過剰金を再配分するのか、ちよつとその辺が分りませんがもう一度承わりたい。
#161
○政府委員(荻田保君) 法案の三百九十一條によりましてかような場合を予想しておるのでありまするが、今おつしやいましたような実例、詳しく存じませんので抽象的なお答えになるかと思いまするが、或いは工員の住居のある市町村、それがないといたしますれば或いはその工員に対しまして物資を供給しておるような附近の農村漁村なり、或いはその河川等の関係でやはりその姫路市とこの工場と繋がりのあるような市町村と、いろいろ関係をずつと遠く求めて行きまして標準税率で取りました金が財政需要を河えるというようなことがないようにいたしたいと思います。
#162
○岩木哲夫君 それはその会社の従業員資料を変更するという考えはないのであります。
#163
○岩木哲夫君 私は、こういう失礼ながらでたらめの資料を司令部に出した政府としては、司令部に対する責任と共に、国民に対する責任問題が起ると私は思いますが、その方法よりしようがないし、これが信ずべきことだと言つているのに、なぜ歩留りと申しますか把握率を五〇%とされたのでありますか。
#164
○政府委員(荻田保君) この資料に出て来ました一兆三千億という数字は、決して現在の価格をそのまま客覧的に見まして妥当な価格をそのままに表示しておるとは考えていないのでありまして、中味に一々書いてありますような方法で一応基準になる数字を出せば一兆三千億になる。従つてこの評価が他の資産再評価の際に、大蔵省の方で調査しております数字とも睨み合せまして、大体それに対しまして五〇%くらいのところが実際の評価という面かも、本年度内においてどれだけ取れるか、来年度になれば又準備も整うから相当増加すると思いますが、本年度におきましては資産再詳価等も或る程度遅れますので、本年度は特に低い税率を以ちましてこの程度で基礎にしたしであります。決してこの一兆三千億が、これくらいの財産はこのくらいであるという意味でこの数字を出したのではありません。
#165
○岩木哲夫君 とにかく本年度は五〇%の把握率を目標にしているというような、こんな政治というものはありつこがないのでありまして、そういう薄弱な問題にならない資料を基礎として、そうして厖大な見積りをして……併し見積りだけれども五〇%の把握率より取れない。実績が上らんだろうというようなことをしておるかと思うというと、罰則の規定は天下無類、未曾有の厳重な罰則規定を設ける。この一貫した政策というものは、何と申しますか、日本を殖民地化しようと思つているのか、何と思つているのか。とにかくふつかけて搾るだけ搾つたら得だというような一貫した思想に我々は感じますが、どうもこれを政府が押切ろうということは、国民に対しても、私は司令部に対しても忠良な行き方ではないと思いますが如何でしよう。
#166
○政府委員(小野哲君) 岩木さんから只今相当お強い意見を拝聴したのでありますが、私共政府当局といたしましては、できるだけ集め得るだけの資料を集めまして、又これにつきましては單に地方自治庁だけではないのでありまして、関係当局とも十分に協議の上で資料の整備をいたしたのであります。併し只今荻田次長から答弁いたしましたように、この資料に基して出て来ました数字が、更に償却資産等については大蔵省で考えておりまする資産の再評価等とも関連いたしまして、昭和二十五年度におきましては只今申上げましたような把握率を一応見込んでいるわけでありますが、決して我々が杜撰な資料によつてこの税を収奪の対象にするとか、或いは植民地的な考えを持つておるということは毛頭ないということを御了承願つて置きたいと思います。
#167
○岩木哲夫君 そうでありますと、こういう資料を基礎として見積りをした、併し把握率は五〇%だということであるならば、而も厳重なこういう罰則規定を設けておるというならば、今回の地方税は把握率五〇%であるから課税額の五〇%を納付したらいいということを政府は声明する必要があると思いますが如何でしようか。
#168
○國務大臣(本多市郎君) これは資産再評価法による資産の再評価が八月から十月までの間に行われます。実はその固定資産の大部分は法人の所有なんです。それが再評価が行われますその程度、進行状況をやはり考えまして、把握率もそういうふうになつております。それから御指摘の通りにその総額の見積りそのものがまあ確実性が少いという点、更に大蔵省でやります資産再評価の進行がどの程度に行くかということも勘案いたしまし、そういうふうに把握率を極めて軽く見ておるわけであります。来年度になりますとこれは全く把握率はもつと変つて来ると存じます。更に又これは御答弁申上げないでもどうかと思いますけれども、今回のこの地方税は市町村がみずからの議会で決めて、みずから取つてみずから消費するのでございまして、決して今までのように府県がとるなり国が取上げて、又その地方団体のために使うにしても取上げるというような性質のものではないのでございまして、自分の村の経費として村で取つて村のために使う、そのための一つの税法上のここに枠を定めておこうというものでございますので、今のどこまでも取れるだけは搾つてやろうというような観念が政府にあるわけではないのでございます。
#169
○岩木哲夫君 そんなら政府は把握率五〇%で、四百二十何億円の増税をずるということになるのでありますから、そうすると実際この税法通りの税率、倍数等で行きますれば、八百五十億の増税だ、併し把握率が五〇%しかないから四百二十何億の何になるということになると思いますが、そういうことであれば一つの政府は今度の地方税の課税総額から五〇%納めたらいいのだということを、天下国民に安心させるために声明なさる必要があると私は思うのですが、如何でしようか。
#170
○政府委員(荻田保君) 先程申しましたように五〇%というのは把握率じやございません。この一兆三千億という数字を仮に出しまし、この中で陳腐化のものもありましようし、未稼働のものもありましよう。そういうことを考慮いたしましてこの一兆三千億を或る程度下げなければならん。それとももう一つは把握率の問題で、これは資産再評価は今年一杯かかりますから、今年度においては全部は課税するわけに行きませんから把握率を或る程度下げなければならぬ。その両方を噛合せまして一応一兆三千億の五〇%が根拠になつたわけでありまして、決して或るものを掴まえるという意味の把握率がこんなに低いわけじやございません。
#171
○岩木哲夫君 それは政府の話が段々変つて来て奇妙になつて来ますが、政府は把握率五〇%ということはしばしば言われている。そうしてこの税法が決まるのが遅くなつたから施行を六月一日にするといつたようなことはその後に起つたことでありまして。一兆三千億というものについてもそうしますと政府は変愛もない見積りをしているということは、安本の終戰当時の国富調べというようなものが基礎薄弱だということの裏付けをしているに過ぎないと私は思う。そうだつたむしろ算定基礎をもう一遍やり直す必要がある、こう思うので、そういう足りないことをやつておつて、どうも一兆三千億のものが一分狂うだろうということを把握率に押込んでおるならば基礎が薄弱だということになるのであります。算定基礎が薄弱でありますとか、それでなかつたら五〇%の納付で行つたらいいのだとか、どつちかの男らしい何を決めるべきだと思うのです。
#172
○國務大臣(本多市郎君) これはもう今まで申上げた通りでございまして、一兆三千億と見積れば先ず現実に課税標準として年度内に上げ得るものは五〇%くらいであろう、これは今次長が申上げましたような点、そういう点からこういうふうに見込を立てているのでございますが、一兆三千億というものをもつと物価倍数等において低く見るとしたらどうか、その場合には把握率は高く見ることができるであろう、いろいろ考えられるわけでありますが、併しまあ時価としてはこの程度のものを見てよかろう、併し実際課税をするにつきましては、資産再評価が決定いたしまして再評価額の限度において指導したいと思つておりますので、これも会社が現実に再評価する場合には再評価額は任意でございます。でありますからその辺をどの程度に再評価するかという見通しは誠にむずかしいのでございますけれども、大体において年度内において把握し得る課税標率半分ぐらいは間違いないだろう、それ以上も困難であり、以下を下ることもあるまい、かように考えております。
#173
○岩木哲夫君 まあこれ程矛盾した法律案はないのでありまして、これに又辛辣な罰則まで設けて、五〇%になるように罰金であるとか曾て見ざる罰則を設けておるということは、どうも中央、地方の財政を改革するとか総合予算だとか、それで地方自治が確立するとかいうことは、大乗段に振りかざしたお手前私は極めてどうも恥かしいと思いますが、私はまあ五〇%しか把握率がないという方針を立てておることを国民に知らしてやらぬというと、余り国民が怯え切つておるような感じが深いのでありますから、それを発表せずに罰則は罰則として十分伝家の宝刀をいつでも拔けるようにしておいでになることは、私は政治としては、多数を擁している自由党政府の誠に取るべき買置でないという感じが深いのですが、何か御修正になる意図がないかどうか、もう一遍伺いたいと思います。
#174
○政府委員(小野哲君) 大臣からお答えすべきだと思うのでありますが、只今岩木さんから非常に何か政府が羊頭を掲げて狗肉を売つているような御批判があるようですけれども、御承知のように地方制度の改革は終戰直後から行われて参りまして、地方自治の組織なり運営が法律によつて制度化されて参り相当画期的な改革が行われて来たことは御承知の通りであります。ただ問題はこれが実質的な方面における財政措置が伴つておらなかつた、こういうふうな関係からその第一回の地方制度改正以来相当の年月を経ておるわけでありまして、政府が今日この地方税法案を提案することに至りましたのは、勿論シヤウプ税制使節団の報告書に基くものでありますけれども、従来の地方自治運営の欠陥を是正いたしまして、適正な財源を付與して健全な地方自治の強化を図つて行くというところに狙いがあるのでありまして、決して只今岩木さんから御指摘になりましたような意図は持つておらない、むしろ目標は只今申上げました点にあるということを重ねて御了承願つておきたいと思います。
#175
○岩木哲夫君 まだ私はありますけれども今日は……。
#176
○波多野鼎君 今の問題に関連して、今の把握率云々のことは私よく分らないのだけれども、政府側の答弁を聞いておると、一方では把握率ではない、評価の問題だというし一方では把握率の問題だという、この二つの喰い違いが出て来るのですが、これはもう一遍評しく説明して貰いたいと思うのですが、政府の方です……。
#177
○國務大臣(本多市郎君) 把握率というのをその通りに解釈するとすれば現実に存在するものを対象としており、どこまでそれを課税標準としてまあ把握し得るかということが把握率だろうと思います。そういう意味においてはこの場合の五〇%は当嵌らないことになるのでございます。現実には時価として一兆三千億くらいになるであろう、これは一応見通しから安本の調査に物価倍数を掛けまして出ますけれども、併し八月の間にどの程度の資産の再評価が幾らくらいの金額で、又どの程度会社の資産再評価が進行して行くかということも見込で立てなければなりませんので、そういう関係からずつと固定資産の現実に並んでいるものを五〇%しか課税の対象として捕捉できないという、そういう意味ではないのでありまして、不確定な内容がありますために私は捕捉率と申上げましたけれども、その捕捉という意味が普通の場合とは相当内容が違つているという点から、現実にあるものを捕捉し得る率が五十%という意味ではないのでございますということを次長から申上げたのでございます。結局一兆三千億というものをまあ目標として考えれば、その半分くらいは課税目標として年度内に上げ得るであろう、その内容は今申上げました古い資産でありますから、いろいろ変更が今日はありましようが、更に又資産再評価がどういうふうに評価されるか分らんということを内容として考えておりますので、そういうことを見込んで出した数字でございますので、把握するという点から把握率ということもできますけれども、現実にあるもので決まつておるものを捕捉することができる率という意味ではないということを御了承願いたいと思います。
#178
○波多野鼎君 そうすると、一兆三千億という数字を引合いに出したから問題がこんがらかつておるわけで、恐らくそうではないかと思うのです。若しそうだとすると資産再評価の進行と睨み合わせなければ課税の対象が明確にならないということなんですか。
#179
○國務大臣(本多市郎君) そうでございます。
#180
○波多野鼎君 そうですと、資産の再評価の問題は今大蔵委員会でやつておるのですが、これは勿論再評価の最高限度を決めることになるし、それからシヤウプ勧告案と違うところは、再評価は強制しないということなんですね。今の原案では強制しないという形で出て来ておりますので、再評価をやらないものも相当出るのではないか、今のようにデフレーションが進行しておる場合には、むしろ再評価をやらない方が利益だろうということが相当予想されるわけなんで、そうだとすると、再評価の進行と睨み合せて不動産課税の問題を取上げるということでは、ちよつと変なことになつて来る虞れがあるのはないか。これは逐條審議のときにも聞こうと思つておつた点なんですが、その場合には地方財政委員会が独自の見地から評価をやるのですか、如何でしようか。
#181
○政府委員(荻田保君) 地方財政委員会におきます評価の基準とおつしやいますが、その場合でも独自とおつしやいます意味がはつきりいたしませんが、法律的には適正な時価になるような評価基準を決めるわけでございます。その適正な時価ということを離れましては地方財政委員会と雖も別に基準を作ることはできないのであります。
#182
○波多野鼎君 そこで一兆三千億という数字を離れて、適正な時価の総額はどのくらいか、見積りはある筈なんですがね、さつきはそれを私は聞いておつたのです。その数字がある筈ではないかと思うのですが。
#183
○政府委員(荻田保君) 大体資産再評価の方で評価の限度を測定いたしますと一兆くらい、これは限度でございますが、陳腐化とかいろいろなものでございますが、その倍数の通勤先を辿つていつたり、物資を買うところを探したところで、そんなものを調査して行くというのでありますればそれは到底できることではない。到底言うべくして行われない話であります。丁度これは船舶の問題もこれと同じ性格を持つておる。船舶では神戸、横浜、大阪といつたようなところには非常な沢山の船舶基地がある、或いは繋留しているといつたような問題等に関連いたしましては、これは町村というような何はない。特に一例を挙げて非常に恐縮ですが、広畑のごときはもう野つ原海岸でその一帯のどこからも通うておらない。殆んどあの姫路市内以外から通うということはない、物資は姫路市が供給しておる。そういつたような状態で、私最近姫路市へ旅行したときに市側と広畑製鉄側の両意見について非常な疑義があつたので私はちよつと行つたのでありますが、この例はひとり姫路市ばかりではない。八幡の場合も起きるであろうし、船舶の場合も起る問題でありまして、私は卑近な例を言いますが、今度こういう地方税ができたので姫路市民がべらぼうに税金がとれるというので、えらいお祭騒ぎで姫路市民は広畑製鉄の方へ足を向けて寝ないというくらいに喜んでおる。そうしてとにかく姫路市長なり市会議員なりは広畑製鉄に実に三拜九拜して、大いに今度の地方税が通つたら喜ぶということで、お祭騒ぎをしかねているというような事態であります。これがなま易しい百万とか三百万というくらいのものと違いまして実に大きい問題であります。これは私は重ねて申上げますが、ひとり姫路の例ではないのであります、この例は各所にあります。こういつた調整を平衡交付金では今の政府の原案では覚束ないし、財政委員会のあの能力あの何では調整する権力がない。監督に過ぎない、地方財政委員会のこの立場というものを如何に操作するか。
#184
○政府委員(荻田保君) 只今の固定資産税を配分いたしますのは地方財政委員会の権限と承知いたします。それから尚姫路市あたりも相当起債をしなけばやつていけないような実情でありますから、起債の許可等も地方財政委員会でありまするから、地方財政委員会がそのような起債を一文も許可しないというようなことから考えましても無駄にはならないと考えております。
#185
○岩木哲夫君 えらいこの問題ばかり追い駈けて失礼でありまするけれども、これは私は各種の問題が起るから申し添えるのですが、広島の起債はいくらでありますか。
#186
○政府委員(荻田保君) 只今ちよつと資料を持つておりませんが、確かあすこは戦災都市でもありますし、学校等もありまから相当額がかかるだろうと考えておりますが、ちよつと今資料を持合せておりませんので。
#187
○岩木哲夫君 とても起債の何は知れたものでありまして、ここに私はこれ以上例には突込みませんが、実にこの例は各所に現われつつある。これが国としての財政、産業計画というものと、こういう地方財政と今度の税法におきまするキヤツプというものは各所に凸凹が展開されるということで、政府は総合予算だと称し、中央地方の税制を一貫した方針で改革するのだということは途方もない結果が起ると思うのであります。それに対してこれという御名案も御確信もないということは由由しきことでありますと共に、こうしたことで国の貿易や産業の復興ということはどういう工合でやられるか、それが地方財政と、地方自治との確立だけが日本の復興ではない。中央地方の財政を調整する方途が望ましいのであつて、その便法としてこういう地方税法の改正ということは仮に認められても、こうした矛盾不合理を招くという地方税法の改革というものは、私は由由しき問題だろうと思いますが、それはどういう御見解を持つているのか、やつぱり念のためにもう一度承わります。
#188
○國務大臣(本多市郎君) 御質問の御趣旨は、見返資金まで融資してやつて、特別な国家的援助を與えているところから税金を多く取るのは矛盾ではないかという趣旨のように思うのでありますが、そうしたことは価格調整補給金等を出している産業についても同じことが言えるわけであります。更に又公定価格のある製品を作つている産業についても、結局公定価格の値上等の原因になるのではないかというようなことも言えるわけであります。併しそういう点はたしかにそういう影響を及ぼすことにはなるのでございますけれども、従来の地方税の負担が余りに不均衡であつたということを是正し、この均衡のとれた程度の税は、どうしても負担をすることが妥当である。こういうことの点から考えてみますと、只今お話のような影響が多少ありましても、この際これを断行すべきではないかと考えるのでございます。但し広畑製鉄所の課税額が幾らになるかというようなことはまだよく計算いたしておりませんので分りませんけれども、それがその工場で吸収できる程度のものになるかどうか、吸收できないとしても、それが製品等の公定価格を変動しなければならない程度のものであるかどうかというようなことを考えてみなければならんのでありますが、只今安本等でも研究をいたしておりまするけれども、概ね公定価格を動かさなくても吸收できるということに結論が到達しているような次第でございまして、これは国税地方税と総合的に計算した場合でございます。広畑あたりにおきましては今日まで遊んでいたものを、これから動かす、即ち今まで課税対象にならなかつたものが、ここに生まれるということになりますから、その税收入の変動ということは前年度との比較の対象にならないという面もあろうかと存じまするけれども、全国的に見まして、こうした程度まで均衡化を図ることが必要である。それだけの税金は漏れなく負担するということを前提要件として産業をやつて行くべきである、そうでなければ、自治体の財源を確保することも負担の均衡も保てない、こういうふうに考えております。
#189
○岩木哲夫君 価格調整金を出しているのと同じような問題で、そのようなことも言い得られるということでありますが、価格調整金というものは国としての全体の価格政策、或いは貿易政策、国民生活の諸般に、全国民、或いは国としての要素に織込んでいる価格調整でありまして、地方税というのは一地方の地域に属している、いわゆる財源の取立の基準を示すのでありまして、そういつたようなものとは同一の見解は私は成り立たないと思うわけでありますが、これはまあ議論になかどうか知りませんがその辺は略しまして、ただ毎は今回の地方税法は、地方自治と地方財政の確立というものを主にしているような工合であつて、国全体の財政計画、経済状態というものを従にしている、これらを基礎として地方自治の財政確立を図つているのだという点について聊か疑問を持つているんですが、どちらにウエイトを持つているのか、必ずしも地方自治が確立さえすれば国全体の経済、或いは国民生活それ自体というものはどうでもかまわんのであろうかどうか。どちらにウエイトを置いているのか承つて置きたいと思います。
#190
○国務大臣(本多市郎君) これは両方とも尊重される立場で計画は立つているのでありまして、例えばこの財政計画は、国の方で昨年度の当初予算に比較いたしますと、財政規模を縮小して九百億という減税する、その減税しただけのものは結局地方団体の税源として委譲されたということ、そういうふうに見ることができるのでございまして、全く総合的に国と地方の均衡を考慮して財政計画は立てられているのでございます。
#191
○岩木哲夫君 政府は国税で九百億を減税するといつておりますが、これは国民所得の昭和二十二年の経済実態を基礎としての二十四年度予算で千九百億増税を断行した、それでその後昨年度の補正予算で二百億の減税だといつて今度また七百億合計九百億減税だと言つておりますが、これは昭和二十三年度の所得実態、経済の実情を基礎として算定しているもののようです。ところが昭和二十三年の貨幣価値、経済実態と本年度の二十五年度の経済実情というものとの大きなギャップがあるのでありましてこれは減税じやない。それより所得が見積ることができない、いわゆる政府のデフレ政策によつてしたという見解が経済界の一致した意見でありまして、九百億の減税じやない、もう九百億は昭和二十四年度の予算よりは二十五年度はそれ以上は殖えないのだという結果であればこそ、政府発表の二月の末で国税は九百二十三億滞納があるといつたようなことが如実に現われておるのでありまして、これは減税ではない、それだけ経済界の景気が下降しましたから取れないのである。取れないものを減税だと称して、今度地方の財政はいわゆる赤字企業でも或いは労賃人件費等に附加して行こうとする附加価値税、或いは固定資産税のこういう段階は非常に私は国民としても疑心があるし、また経済の実情から見ても不可解である。殊に固定資産税の算出基礎と申しますか標準基礎の何は、終戦当時の残存国富調べによつて、安本の終戦当時の残存国富調べというもので償還可能の資産の算出をしておつた、こういうことであります。ところが終戦当時の、今から四年か五年か知りませんが前の当時の、残存国富調べといつたあんな他愛もないものはないのでありまして、凡そ目安で行つてその腐朽老朽した償却資産などの実態、或いは新らしく更新したものもありましようし、その他いろいろな変化があつて、終戦当時の国富調べを基礎として今度の固定資産税の算出基礎としたというようなことを、政府の考え方として司令部へ持つて行くから、司令部も減税だと称し政府も減税だと言つておりますが、何をか言わんや、算出基礎に大きい狂いがあるのでありまして、例えば明年度でありますか、市町村の評価委員会を設定して固定資産税の評価を新らしい何でやるというところに、四年間の多大なる変化を見ないのであります。そうしてその標準倍率だけはいわゆる正常なもの、その当時と今は進歩したので、いわゆる物資償却資産、或いは固定的な場合には仮にそれが当篏りましても、それが腐朽老朽、もう旧式の機械である、或いは残骸はあるけれどもその用途をなし得ない償却資産としての対象物になり得ない、投げ売り捨て売り、スクラツプしてしまわなければならぬ。というもの、これを基礎としたかのような観がある、固定資産の算出基礎というものには大きな矛盾があると思います。大体政府や司令部はこれは増税ではないというが、実際にはこれは政府の意図するものの倍、三倍の増税になるという議論がそこから出ておるのでありまして、それに対しまして政府として財政基礎の修正をしなければならぬ。司令部が私はひよつとするとこういう他愛もない基礎を以て標準課税の基礎としておるところには、政府の大きな責任があると私はこう思うがその問題について如何な考えを持つておるか。
#192
○国務大臣(本多市郎君) 減税の問題は不況等のために取れないという理由による減税は、本年度の予算を前提として又現われて来る面があるかと思いますが、減税は税率の引下げ基礎控除の変更、或いは税の廃止せられたもの、そういうふうなことが理由となつて減税の金額が出ていると考えております。更に固定資産の見積りについてでございますが、只今のところ資料に出しておりまする安本の調査これも当時お話の通り完全無欠にできておるとは全く思れないのでございますけれども、これ以外にもつと確かなものがございますと、それはそれによることが妥当と思いますけれども、これに今日の物価倍数をかけた額というものを一応見積りの基礎といたしまして、そうしてこれにより更にその他のことも勘案いたしまして見積りは出しておる次第でございまして、これによるために結局課税標準の捕捉、或いは徴税の率、徴收額の率というようなものもそういう性格であるということがいい得ないものでありますために、それらを勘案いたしまして資料を作つた次第でございまして、これは正確なものが只今のところありませんので、先ずこれによる外はないという立場からこれをよりどころとして見込を立てたとこういうわけでございます。
#193
○岩木哲夫君 これは私は実は重要な問題だと思うのであります。この司令部は日本のこうしたような詳しいことは知らない、恐らく政府から出した資料を基礎とするよりしようがないというようなことで、この大きな課税の標準を決めてしまう、それも多数党である自由党が謙虚な気持でよく検討するならばいいけれども、こういう頼りない資料でもうこれより仕方がない、もう陳腐なそういう敗戦当時の経済の実情、貨幣の混乱、物価の混乱ああいつたものと、やや今日よかれあしかれ落着いた事態というものとの凸凹というものは甚だしいものがある。こうしたこれよりしようがないということの、而も今から四年も五年も昔のものを基礎としてその倍数、標準率を決めたということは非常にここに大きな問題があればこそ、一般の全国民が現在政府は四百二十何億の増税であると言つておるが、実際これは八百億も一千二百億も取れるじやないかというようなことを言つておるのはここにあるのでありまして、私はこの根本問題に対して政府がただこれよりしようがないからといつたような見解で、この新らしい税法を決めること程危いものはない。私はこういうように思われるのでこれは司令部へ私は政府としては訂正すべき筋合のものだと思つておりますが、どうでありますか。
#194
○國務大臣(本多市郎君) この安本の調査の当時の段階では最善を盡したものであると考えられますので、これに今日の物価指数をかけることによりまして概算はこれでつかめるものと考えております。従つて只今のところこれをよりどころとして見積りを建てることは適当ではないかと考えておりますので、今通り行かないと思いますが、そういうことも考えまして、両者を合せまして一応五二%という数字を出しておるのでありまして、はつきりといわゆるこの一兆三千億に対しまして適正な評価が幾らで、そうしてそれに対して把握率が幾らということはいろいろ考えたらできるかと思いましたが、一応それをむしろどうせ推定でございますから両者を噛み合せまして五二%という数字を出したのでございます。
#195
○波多野鼎君 それが問題になるんですね、さつきから言つておるように、非常に曖昧なんですが、どれだけの税收入があるかということを決めてあるわけですね、税收入の基礎になるところの資産の総額、課税対象になるところの総額というものを大体一応目安をつけなければならない。ですからその場合には先程から問題になつている一兆三千億の数字を持出してはおかしい、非常に曖昧な数字だから、三年も四年も前の話ですから。もう政府委員も言われたように陳腐化もあるのだから簡單に物価倍数をかけたのじや出て来ない。それですからそれとは離れて何かの基礎になる数字を考えなければならぬ、そうしてそれを基礎にしてこれだけの税收入が出て来るのだということを説明されないと、先の五二%ぐらいになつてしまうということで非常な誤解を起しますよ。それは余程誤解を起す因になる、それだけの準備は政府の側でもしているのじやないですか。
#196
○政府委員(荻田保君) その通りでございますが、一兆三千億がそこに一つ一つ基礎が出してありますように、これを以て必ずしも適当な時価とは言えない、一応の計算をいたします根拠としてこういう数字を出した、これを決して現在の時価として適正なるものだとは考えていない。それに対しまして果して適正な額は幾らかという問題でございますが、これはなかなか出し方もむずかしいのでございまして、資産再評価の方は勿論でございまして資産再評価の方とも関連して考えなければならぬ。それからもう一つ第二段階に仮に適正な時価が評価できたとしましても、果して本年度はどれだけ入るかということも考えなければなりません。両者を一応頭から噛み合せまして五二%という数字を出したのです。
#197
○波多野鼎君 それは非常によくないですね、非常な誤解の因です。実は先程私の質問したところもその点に関連しているのだけれども、大体不動産收入を幾らと見積るならばその基礎となる数字を出さなければならない。そういう曖昧の数字を出すことが誤解の因だ、政府自身も信用しておらない、政府自身も内容が変つておるのだから一兆三千億ないと思いながら一兆三千億出す、そうしてこれの五二%というようなことにおいて非常な不明確さが却つて誤解の因になるのです。それは是非出される必要がありますね。
#198
○政府委員(荻田保君) それは今申しましたように実は計算しておるのでありまするが、先程も申しましたように大体一兆億ぐらいがこの資産再評価と睨み合せまして一応適正な価格になる。それを本年度は相当把握ができる、来年度はそれがフルに取れる、そうしてそれが大体固定資産のこの見積りで総額一千九百億の税收入が確保できると思います。
#199
○波多野鼎君 そうすると一兆億というものを基礎にして、それに税率をかけた数字じやないわけですね、今の税收入の見積額は。
#200
○政府委員(荻田保君) 今申上げましたように一兆三千億に対しまして五二%をかける、それに税率をかけてこの数字を出したのでありますが、更に中を分析いたしますれば、一兆三千億を一兆億に評価いたしましてそれに対しまして把握率をかけ、税率をかけるというのが九十三億の数字でございます。
#201
○波多野鼎君 その一兆億に対する把握率はどうなんですか、何%把握することになりますか。
#202
○政府委員(荻田保君) 今お答え申上げましたように、そういう数字は出しておりませんので今申しましたような方法で計算してみます。
#203
○波多野鼎君 それはその点は非常に問題なんだから、現に先程から言つているように土地その他不動産の評価というものについて各県別にいろいろな基準があると思います。こういう法律案を出す場合には当然準備としてある筈だと思います。それを是非出して呉れと先程から言つている。今話を聽いてみると、曖昧な基礎でこの法律を作り税見込を立てられることはこれは非常におかしいですよ。これは政府自身も信用しておらん数字で、我々にそれを審議しろと言つてもそれは問題にならない。
#204
○國務大臣(本多市郎君) 今のお話の土地、家屋は別です。これは土地家屋については考課状の賃貸価額を基準に倍数をかける、これは安本の調査の当時の法人の考課状における固定資産というもの、これを綿密に調査し集計したものだろうと思います。これについて実はこの方面の専門家が、大蔵省、自治庁、司令部等々集まりまして、嚴重にこれを調査し審査した結論でございまして、これ以上確実なものが得られますならばこれは誠によろしいのでございますけれども、大凡そこれによつて御判断を願う以外に今日のところ準備の方法がない次第でございますので、私共はこれによつても大体の御判断を願えるものと考えているのであります。
#205
○波多野鼎君 今大臣が言われる機械その他工場など、そういうようなものの調査はあらゆる力を盡して得たとこるの数字というものは、一兆億ですか一兆三千億ですかどちらなんですか。物価倍数をかけた数字じやなくてこれこそが政府が頼りになる数字であるとして、あらゆる努力をして獲得した数字というのはどの数字かというのです。
#206
○政府委員(奧野誠亮君) お手許に差上げてあります資料に出ておりますように、国富調査の数字に物価倍数をかけましたもの、それから例えば鉄軌道でありますが、一キロ当り千二百万円弱という運輸者の現在の建設の時価をかけましたもの、或いは又自動車等になりますと現在のやはり購入価額というふうなものを基礎にいたしまして、総額を一兆三千億というように彈いたわけであります。この一兆三千億という数字は具体的な点で申しますと、八幡の製鉄所の償却資産でありましても、これに單純に物価倍数をかけております。併しながらこの中で動いていない熔鉱炉もあるわけでありますし、そういうものは国の経済界がどのような推移を辿るか、又その企業自身がどういうような評価ができるか、こういう問題は簡單に外部から見まして、我が国の経済力から見てこの程度の評価ができるだろうというふうに簡單には参ないと思います。やはり資産再評価は、企業の任意に委ねましたように企業で的確に評価をして貰う。而もそれが所得の計算において損金もあるわけでありますから必ずしも簡單にはやれないのであります。従いましてどうしてもそういうような数字を掴まなければならないだろう、そういう考え方をしておるのでありまして、基礎といたしましてはここにありますように一兆三千億を以て考えて行くより仕方がない、こういう見方をしております。併しながら地方財政全体といたしましては、御承知のように市町村民税におきまして、今年は昭和二十四年度の所得税額を課税標準に使いますと、言換えれば收正前の額を標準にして市町村民税を徴收するわけであります。来年度以降になりますと減税後の所得税額を課税標準にして使います関係上、市町村民税で明らかに来年度以降は百億円以上の減收を来すわけでございます。所得税におきましてどうしても千九百億の地方税收入が将来においても必要とするというふうに考えますと、どこかでこれを補填しなければならないわけであります。それを我々は大体償却資産が或る程度増收が得られるだろう、その見込を大体一兆二千億から推算いたしまして現在九十数億円の償却資産につきまして、百七八十億円の收入が得られなければならない、又得られるであろうというような予想を立てておるわけでありますけれども、併し現実に資産再評価が行われまして又経済界がどう推移をして行くかというようなことで、その見込については多少の狂いはあるかも知れませんけれども、現在の我々の計画では償却資産において百七、八十億の收入があるだろうというような見込を立てまして、将来におきましても千九百億円の收入が得られるだろうというような考え方をしているわけであります。そこで今年の九十何億ということにつきまして、これは大体そういたしますと六、七千億の評価になるわけであります。併し資産再評価法によりまして現実に企業が再評価する額というものを大蔵省の見込では五千億余りだろうというような見込を立てております。併しこれから個々の企業が現実にどれだけ評価するかを一々当つたわけでもありませんし、又当つて見ましたところで大体企業自身の決心がつきかねておる問題だろうと思います。併し大観いたしましてそれくらいの推定だろうというような見方をいたしておるわけであります。併しながら固定資産税の課税標準といたしまして、その企業が現実に評価したものをそれをそのまま取らなければならないことはないだろうと思つておるのであります。そこで現実には五千億余りしか評価できないけれども、併し固定資産税の收入としては少くとも今年中には六、七千億以上のものは收入になるだろう、以下のものは翌年に繰入れられ得る。届出の期限というのは十月三十一日でございます。その十月三十一日届出が済むわけでありますので、どうしてもそれからでなければ嚴密な調査はできないわけです。であるから調査いたしまして企業にその金額を通知いたします。併しながら企業の再評価額をそのまま取れば問題はないわけでありますけれども、恐らくそれ以上の課税標準に認定をしなければならぬものも沢山あると思うのであります。そういう場合に企業の意見もやはりできる限りよく聞かなければならないだろうと思うのでありまして、勝手な押しつけるような課税もできないわけであります。そうしますと、二十六年度に相当の部分を占めるだろうというような見方をしておるのでありまして、従いまして、先ず資産再評価が現われる額というものを睨み合わして、百億円足らずのものを本年度内において收入済になるだろうというような見方をいたしておるわけであります。
#207
○波多野鼎君 そうすると資産再評価額とここの課税対象の見積額というものとの喰違い、これは当然起きることがあるだろうと私も予想しますが、それはそれとして一兆三千億というのはその数字を持ち出すこと、そのこと自体問題がある。それならそんな見積りなんか隠しちやつて、そうして今年なら六千億程度、来年度なら七千億程度になるかも知れんということで、把握率を一〇〇%にするというようなふうに出て来なければおかしいじやないですか。それならば……。
#208
○國務大臣(本多市郎君) これは時価に評価するとすれば凡そ固定資産税がどれくらいあるかということを土台にして見積りを立てた方がよかろうというのでそういう方法を探つておるわけでありますが、一兆三千億という見込を立てましたその根拠についてもう少し政府委員から御説明申上げたいと思います。
#209
○委員長(岡本愛祐君) ちよつとお諮りいたします。よく今の御質問の趣旨を政府の方でも大体分つたと思うんですが、計算の問題もあるし明日、今晩十分研究して数字を出して貰います。(笑声)散会の前にちよつとお諮りいたします。明日出席を要求する大臣の御希望のお方はお申出を願いたいと思います。これは後で結構ですがそれでは本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           波多野 鼎君
           竹中 七郎君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           堀  末治君
           岩木 哲夫君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           鈴木 直人君
           米倉 龍也君
           濱田 寅藏君
  国務大臣
   国 務 大 臣 本多 市郎君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次長 荻田  保君
   総理府事務官
   (地方自治庁財
   政課長)    奧野 誠亮君
  事務局側
   常任委員会調査
   員       法貴 三郎君
ソース: 国立国会図書館
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