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1949/04/22 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第35号
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1949/04/22 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第35号

#1
第007回国会 地方行政委員会 第35号
昭和二十五年四月二十二日(土曜日)
   午前十時三十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方税法案(内閣提出・衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。昨日に引続きまして、地方税法案の審議を行います。御質問をお願いします。
#3
○西郷吉之助君 この前ちよつと触れた点なのですが、必要な点でありますから、その点をもう少し敷衍して大臣に御意見を伺いたいと思うのであります。今度の附加価値税が非常に問題になつておるのですが、この中で課税標準の特例というものが設けられておりまして、銀行業その他のものはこれに含まれておるわけでありますが、この点につきまして、御承知の通りいろいろ調査資料等によつて最近の銀行業その他金融機関が、他の事業に比較いたしまして非常に急激な收益率を示しております。大体の数字等を見ても、資本金に対しまして九〇%以上の高一收益率を挙げておる。これは政府の方において、各金融機関の調査資料等に基いて数字的にも明らかだと思います。従つて今回はデフレの傾向が強いといわれておる折から、各金融機関の貸出しのレートという問題も、こういうような金融機関が高い收益率を挙げて貼るから、もう少し下げてもいいのじやないかということも、これ又今日いわゆる輿論となつて批判されおる問題であるのであります。然るに政府側においてに金融機関等の性質に鑑みて、急激な打撃を與えることは、その経済界に及ぼす影響等からして不適当であるという見地から、特例案を設けて入れておるわけであります。昨日申上げましたように、急激な変化を與えるということは勿論金融機関の性格上これは避けなければならないことは言うまでもないのですが、その他の例えば運輸交通事業等を見ましても、これは民間の事業であつても、一般国民に対しまして必須なものであつて、公共的な性格を多分に持つておる。そういうふうな事業がその他にも多々あると思うのですが、そういうふうなものは含まれていなくて、ここに現在の事業界の段階において、相当他の事業が困つておるのですが、金融機関は非常な利益率を挙げておる、そういうものをここに入れて、單にその理由とするところは、今まで伺つたところによりますと、急激な変化を避けるためである。そういうふうな点を強調されて他の理由というものはまだ伺わないように思うのですが、こういうふうな全般の事業等を考えて見た上で、こういう特例を設けるならば、いわゆる公共性のある事業、又特に電力にしましても、運賃にしましても、そういうふうなものは国民生活の実態に実際にそういう料金の値上げ等があるならば、非常に影響するところ甚大なのです。殊に現政府は賃金を上げない方針である。そのためにいろいろ賃金闘争が展開されておる現状ですが、そういうふうなことを兼合せて考えたときに、特例を設けるならば、そういうような国民生活に非常に影響を及ぼすことが明らかであるそういうものも特例に入れて、この地方税を課しても国民の生活に急激な打撃を與えない、單に銀行業に対して急激な打撃を與えないと同趣旨の下に、国民生活全般に急激に地方税の課税によつて影響を與えないような見地からすれば、特例に含むものはもつと違つた見地からされなければならないのじやないか。例えばこの委員会におきましてもしばしば問題となりました農業協同組合というふうなものにしても私は同等のことが言えると思うので、そういうふうなものが今日多々あると思うので、特例を設けるならば、殊に地方税を急激にこれを行うよりは、或いは一つの議論としては、事業税と四、五年間スライド的にやつたならば急激な変化を與えないで済むのじやないかというようなことも思うのですが、特例の範囲をもう少し拡げて、そうして附加価値税の影響を急激に與えることを避けるということは今日の経済界においてもそういう不安を與えないで済むのじやないかということを考えるのですが、こういうふうな点を兼合した、殊に銀行業等ここに入つておりますが、今申上げたような理由で、これは急激な打撃を避けることは必要でありまするけれども、收益率の高いこういうふうなものをここに入れてあつて、公共性のものはむしろ除外されてあるということになれば、負担の公正を期するというふうな点から考えましても、国民が十分に納得するだけのものがないのじやないか、そういうふうな点を考えまして、大臣においても一応こういうふうな案を出しておるけれども、そういうふうなことを考えつつ行かれるならば、もう少しこれに対して検討を嘆ずるというふうなお考えがあるかどうか。飽くまでもこれを、現在の地方税のうちには金融業が入つておるが、それだけで外のものは入れるべきでたいというふうなお考えであるか、その理由について確たる御意見を伺いたいと思います。
#4
○国務大臣(本多市郎君) お話のうちで運輸業についてはやはり二十五年度の特例を設けておるのでございます。この銀行業の附加価値の計算の特例は、負担の急激な変動を調整するためということよりも、この銀行業というものについての附加価値ということにつきまして相当鋲行業の場合にはその性格が相違しておるように思うのであります。併し従来も事業税等を課けていたのでございますから、やはりこれにも附加価値税ということで課税することが税が一貫して参りますので、さように取計らいたいと考えておる次第でございますが、それについては従来との負担の均衡化計算法を四五%程度ということに示しておりますが、これはお話の通り二十五年度実施いたしましたその実績によりまして、二十六年度は更にこの特例によることにするか、よる場合その計算のパーセントは何%にすべきかということは今後も研究して行きたいと考えております。只今のところでは一般的な附加価値の計算を原則に復帰すべきものと考えておりますけれども、その点につきましては更に研究を続けたいと考えております。尚四五%という特例を設けましたその根拠については政府委員から御説明申上げます。
#5
○政府委員(奧野誠亮君) 銀行業について付加価値を幾らにするかということは総平均額の四五%というふうにいたしております。その四五%を出しました根拠は、二十三年度の下期と、二十四年度の上期の金銀行業について一定の方式に従つた計算をいたしたわけであります。今大臣からお話しになりましたように、金融業につきましては、他の業態と違つた考えをいたさなければなりませんので、純粋の附加価値という観念を、この金融業につきましてもそのまま当嵌めることは困難だと思うのであります。そこで漸次このような形において事業に対する課税をするわけであります。従いまして金融業が預金を受けまして、それを他の会社に投資する。従つて株式を持ちまして配当金を受けます。或いは土地や家屋を買入れまして、それを人に貸付けて行きます。一般の事業におきましては株式配当金でありますとか、地代家賃につきましては売上金額に見ないわけでありますけれども、特にこの金融業特質性から考えまして、附加価値という価値に拘泥いたしませんで、その附加価値の公式に準じまして、そういうものも全部売上金額に見てしまう。そういう考え方を採つたわけであります。そういう計算方法で行なつて参りますと、附加価値額というものが総売上金額に対しまして約四五%ということになるわけでございます。従いましてこの全銀行に通じますところの平均的な計数を、そのままこの便宜的な方法に使うというふうなわけにいたしたのであります。
#6
○米倉龍也君 今のに関連してちよつと……。今の御説明はここに資料として御提出になつておるものを拜見すれば分ると思います。四五%というものを決めた。その点はよく分りますが、それは結局附加価値税、これを初めに決めて置いて、それになるように逆算的に持つて行くお考えでこの総売上の中への各科目を挙げたと思うのですが、その資料を見ますると、銀行の預金利息が入つていないと思う、との資料では……。ところが法文の方では預金の利子が入つている。そうすると率が変つて来るのです。私は変つて来ると思うのであります。で、それはどういたしましても、結局銀行は全体を通じての四五%というものは決して従来の負担よりも無くなつておりません。資料で拜見しましても、銀行業についでも、信託業についても、無盡業についても、無盡業は結局一.〇〇%になつております。これは従来の負担と同額なんであります。残はみんな負担が軽くなつておるのであります。で先程西郷さんからのお話のように、銀行業などは非常に收益率がいいのに、むしろその負担が軽くなるような案をお出しになつておる。收益率が非常に悪く赤字に……こういうふうに取られるならば当然赤字になるというものに考慮を拂われないということは、私はどうしてもこの特例をお作りになつた意義がないと思う。何か外の理由があつて、只今大臣がおつしやるように、これは二十五年度の試みのようなもので、二十六年後の附加価値税なり特例なりをどういうふうにして行くかということは、実績によつてお考えになるといううなことを……まあそれも一つの理由ですが、ただそんな簡單な理由だけならそれも了承できますけれども、どうもこの特例案をお作りになるならば、私は銀行業というものにのみこういうことをおやりになることはどうかと思う。殊にいろいろ資料を調べて見ますと、同じ銀行業の中に入れられる農林中央金庫の一つの事実を指摘しましても、この農林中央金庫の場合はむしろ特例案よりも、一般法則によつての算出の方が非常に安くなる。特例案の方が非常に増額になります。そこで一般法則による、一般原則によつて計算をしましても、従来のものよりも三倍五分、三倍或いは四倍の増額になるのです。そういうことはやはり延いては系統機関の関係からそれの構成団体の農業協同組合に金融上の影響が及ぶのです。普通の銀行では別にどつちをやりましても、むしろ従来よりも軽くなり、農林中央金庫だけが非常に重くなる。そういうような点を考慮して、何らかそこに同じ銀行業としましても、尚一層の特別な措置をお考えにならなければならないと思うのです。そういうことまで御研究をなさつたかどうか。今のお出しになつた資料でよく読んで見ますと、相当納得の行かん点がある。
 それからついででありますから申上げますが、私前に昨日も申上げたのでありますが、要求しました生活協同組合の方の資料は実に無責任な資料であつて、ああいう資料は撤回して、別に正直な資料というか、本当の資料を出して頂きたいと思う、ああいう資料では我々が要求したことを少しもまじめにお考えにならない結果ではないかとこう思います。そういう点を御注意申上げて置きます。
#7
○国務大臣(本多市郎君) 銀行業のみならず、どの業態におきましても、普通の状態でありましたならば事業税に比較いたしまして、今回の附加価値税は負担が減額されるのでございます。ただ普通の状態と申しますのは普通の業績を挙げて、その企業相当の、資本に対する相当の利益を挙げておるのが普通の状態であると思うのでありますが、銀行業におきましてもやはり欠損をして事業税は従来負担して行かなかつたというような立場にある銀行業につきましては、これは負担が増加することになるのでありまして、中央金庫その他のお話も結局その経営状態が普通の利益等を挙げて、従前事業税等を普通に負担していたか否かということによる相違ではないかと考えます。尚資料についての御疑念については政府委員から申上げます。
#8
○政府委員(奧野誠亮君) 最初に銀行業一般の、従来の事業税よりも附加価値税が軽くなるというお話があつたのでありますけれども、この方式で行きますと全体として可なり負担が事業税だけに比較しますと殖えます。ただ事業税と取引高税を合算して考えました場合は、大体においてむしろ減額されるというふうに考えております。併しながらこれは具体的の金融業によつて違うのでありまして、お手許に日本銀行の場合を差上げでありますが、それによりますと大体二倍ぐらいになるわけであります。それから又銀行業につきまして、預金の利息を收入金額に貫入しないで計算しているじやないかというお話でありましたが、そうじやございませんで、通常收入でありますが、預金の利息を全部收入金額に算入してこの計算をいたしております。それから農林中央金庫でありますと、その割合というものがもつと下るのじやないかというお話がありましたが、美はまの点最初は四五%切りました場合は、農林中央金庫におきましてはもつと低い特別の率を用いておりたのであります。併しその後いろいろ検討いたしました結果、本年度だけの一応特例として置こう、それなら農林中央金庫は特例によらないで、実際の計算をすればよろしいわけでありますので、従つて農林中央金庫一個だけの特例を定める法律を置くことは穏当でありませんので、削除いたしたのであります。農林中央金庫だけじやごぜいません。商工組合中央金庫も同じでありまして、そういうようなところは大体において預金部資金を運用して、割合高い利息を拂いながら低い利息で貸付けているという特殊な金融機関でありますので、一般の金融機関と違いまして、その方式で計算いたしますと、附加価値額はずつと少くなる、こういうわけであります。農林中央金庫、商工組合中央金庫におきましては、そういう意味で特に特例を定めておりませんで、ここに記載いたしましたような附加価値税式な方式で算定いたして頂きますと、別に苛酷にはならないというふうに考えております。
 それから消費生活協同組合において、出たらめな資料というふうにおつしやられましたが、私共は非常に心外に感じておるのでございますけれども、実は消費生活協同組合というものがまだ発足いたしておりませんだけに、全国的な計数というものはなかなか得難いわけであります。そこで厚生省の社会局の生活課につきましていろいろと相談して伺うから資料を得たわけであります。そうしてモデル調査によりますところの資料に基きまして、お手許に配付いたしました資料を作成したわけなのでございます。併し御註文がございましたら、できる限り御註文の方式によつた資料をも蒐集するように努力いたしたいと思います。
#9
○米倉龍也君 そういう今の生活協同組合の方の資料を御信用なさるならばあれですが、この取引高税というものは一体何パーセントのものですか。
#10
○国務大臣(本多市郎君) 一%。
#11
○米倉龍也君 それとそれから事業税の方は何パーセントになるのですか。
#12
○政府委員(奧野誠亮君) 利益に対しまして、一二%であります。
#13
○米倉龍也君 私共は事業税の方は一〇%しか出しておりません。
#14
○政府委員(奧野誠亮君) 事業税は府県によりまして税率は区々でございます。標準を一といたしますと二割の増税をしておるところが相当ございます。その外文都市計画税を三割取れることになつております。従つて最高のところは一四まで取つているわけでございます。一%の標準率だけしか取つていないところでも、大抵都市計画税の負担を別にしていると思うのであります。この度の改正では都市計画税も止めておるわけでありますけれども、事業に対する事業税的な負担税といたしましては、事業税と事業附加税と都市計画税の事業税割を、この三者を合算しているわけであります。そういう場合は大体標準的のものといたしましては一二%が穏当であるということを、常に計算の根拠にいたしております。
#15
○米倉龍也君 それで取引高税でありますけれども、消費生活協同組合取引高税というものでありますが、全体の取扱高にかかつておらないのであります。殆んどかかつておるものは衣料品くらいなものよりかかつておりません。それでそういうような意味から言うと、取引高税というものは非常に少なかつた。それを全部の売上高というものにかけて出した数字を基礎にして比較をなさつておるが、その比較は正しい比較じやないと思う。
#16
○政府委員(奧野誠亮君) お手許の資料で見て頂いてもお分りになるよう、に、全部に取引高税はかけておりません。実際取引高税を支拂つた分だけを取引高税の負担額というものとして計算いたしております。
#17
○西郷吉之助君 先程の私の質問に関連してですが、さつき大臣の御答弁は銀行についていろいろ御答弁があつたが、その他の私の伺つたことに御答弁がないのですが、それはそれとして、更に伺いたい点は、さつき大臣から御答弁を頂きましたが、この間からの又今の政府委員の答弁も聞きますと、銀行業に対して附加価値税をかけるべきかどうか、金融業に対する附加価値の問題は本質的な問題があるからというようなことが非常に強く言われておるのですが、どうも私は納得が行かないのは、他の事業に対しましてはその附加価値は本質的な赤字附加価値でも税金を拂うような状態であつて、金融機関に対しては附加価値の本質的な問題があるから、並びに急激な変化を避けるために、特例に入つておるのですが、御承知の通り今日事業の復興と共に金融資本というものは極めて増大を来しておる結果、一例を挙げるならば、その結果この前連合国から日本の金融界というものは又旧財閥に独占されておるのじやないかというふうな見解まで表明して、総司令部が調査を行なつて、そういうことはないということさえあつたということは、結局金融資本の力が非常に他の事業界に比して増大しておる。著しく金融機関の本質に基いて事業界が金融機関に抑えられておる。そういうような顯著な事実があるから、連合国からもそういうような誤解を受けたのではないかと私は思う。そういう点から見てもこれは他の事業に比べて金融資本が非常に増大をしておるわけですが、それが顯著なるが故にそういう誤解を招いた一例でありますけれども、そういうふうな今日の現段階に見ても金融界は非常な業績を挙げて、即ち利益を挙げておるわけですが、それで事業税の場合においては事業にかかつた。今度は附加価値税、こういうふうな画期的な税制の改正においては、金融機関に対する附加価値、そういうことのために特例を設けておる。併し他の事業は今日の経済情勢で非常に困つておるに拘わらず、赤字附加価値でも中小企業に至るまで全般的にかかる、そういうことであるのに金融機関は特例を持つておるということは、負担の公正を期する上から勿論のこと、事業全般に、一方においては相当公共性のある、又国民の生活に重大なる影響のある事業体も全部これに包含されておつて、赤字附加価値でも取るということであるのに、片方においては本質の問題があるからどうであるとかいうことで、こつちに入れるということは、こういうふうな我が国の地方の財源を確保するという際にどうも負担の公正、税の本質から言つて、そういうことは適当ではないのじやないか。さつき大臣から答弁を得られませんのですが、特例に入れるべきものについてはもつと考え直すべきではないかということについて、一言の答弁も得ていないから、その点をもつと詳細な御答弁を承わりたい。
#18
○国務大臣(本多市郎君) 資本が大きく收入利息が大きければ附加価値が大きくなりますので、その点で負担の均衡がとれると考えます。又銀行におきましても欠損である場合それでもやはり附加価値税はかかるのでありまして、他の事業が欠損である場合と同じことであります。更にこの特例による計算法はこの程度の計算を以てやることが他の業態との負担の均衡も得ておると考えておるのでございまして、今日のところこれを更に変更するという考えは持つていないわけであります。
#19
○西郷吉之助君 今大臣の見解は伺いましたが、そういうふうなパーセンテージ……特例によるけれども、他の事業に対する附加価値税との均衡を失していないというお話、それは当然です。他との均衡をとるくらいのことを政府として考えるのは当り前じやないですか。均衡を失しておるというようなことは初めからやる筈がない。ただそういうようなことで、そういう考えであるならば、もつと附加価値税が過重のために業界は非常に喧々囂々たる反対陳情をしておる。そういうことから言えば、豈金融業に限つたことじやないじやないですか、そういうふうな必要な事業に対してもこういうような財源を確保することは必要でありますけれども、事業がそのために死命を制せられるような影響を與えるような税であるならば、やはりそういうような重要な産業に対しても特例に入れて、段々急に変化をさせるということは外の産業に対しても……何も金融業に限つたことではない。本質的な問題ならそうだと思う。その点はどうですか。
#20
○国務大臣(本多市郎君) これは均衡の問題だと思いますが、負担の均衡がとれておるということを御了承頂きますならば、それで私の答弁は盡きるのです。
#21
○西郷吉之助君 どうも大蔵大臣のお考えがこの提案されておる地方税をどうしても守ろうというふうなお考えが強いから、そういうことになると思いますが……。
#22
○国務大臣(本多市郎君) 政府委員からもう少し計算の方式について御答弁申上げて見たいと思います。
#23
○政府委員(奧野誠亮君) それはたびたび申上げておりまするように、又十分西郷さんも御承知だと思いますので、重複して申上げることになるだろうと思うのでありますが、附加価値課税をいたしまして、課税いたしました課税標準の全体というものが国民生産所得にならなければならない。従いまして又この附加価値額というものはできるだけ重複して課税しないようにしなければなりませんし、又附加価値額というものは実際に附加価値を生んだところで課税して行きませんと、転嫁関係を生じます。流通税といたしまして不公平な転嫁関係を生ずると思うのであります。で銀行から金を借りまして生産会社が事業を営むのでありますが、そこで或る程度の価値を生むわけであります。この場合銀行に支拂いますところの利子というものを一体どこで生んだ価値と見るかということが一つの問題になるわけであります。金融業でその価値を生んだと見るか、或いは生産企業体において価値を生んだと見るかということが一つの問題になると思うのであります。併しながら我々は金融業というものは附加価値を生む仲介をしておるものである。附加価値を生むものは生産企業体それ自身であると考えておるのであります。そこで便宜金融業がその価値を生んだのだというふうに見ることも絶対にできないというわけにもいかないと思うのであります。若し金融業がその価値を生んだと見るといたしましたならば、生産企業体が支拂いますところの利子の中で、金融業に支拂いますものはこれは控除します。その代りに金融業が受取ります利子については全面的な課税をして行くということになるわけであります。併し生産企業が金を借りますのは金融業からだけではないのでありまして、社債等を発行します場合には国民から直接に金を借りる場合もあるわけであります。それで国民に支拂います利子に国民が価値を生んだと見て国民に附加価値税を課して行くということはこれはできないと思います。自然やはりこういう支拂利子は利子を支拂つたところでそれだけの価値を生んだ、生んだから利子も支拂えたという見方をして行くのが穏当だと思います。そうすると金融業が受取りますところの收入金額の大部分はすでに附加価値税が課されておるわけであります。自然金融業に対して附加価値税を課税するものがなくなつてしまうわけであります。而も又仮にそれでは金融業が受取りましたものは全部金融業が生んだ附加価値としても、預金者から直接受取ります預金と金を借りて受取る預金と、これ又おのずから性格の違うことも十分御了承願えることと思います。そういうことをいろいろ考えて参りますと徹底した附加価値税の方式に……、純粋な附加価値方式に徹底して来ますと、附加価値税はむしろ金融業には課さない方がよいのじやないかという考え方も持たれるわけでありますか、金融業も事業を行なつております以上、地方団体から利息のついた金を預つておりますから、何らかの形で附加価値税の形式に倣つた税を金融業に及ぼしたいと思つております。一体金融業についてはどういう方式によつて附加価値税を適用するかということを考えたのであります。一応ここでは便宜先程申上げましたように、金融業につきましては預金の利息でありましようと、或いは株式の配当金でありましようと、或いは地代、家賃の收入でありましようと、みんなこれを売上金額に見てしまうのであります。その代りに預金者に支拂いますところの利息も全部支出金額といたして控除して行くわけであります。併しながらこのような方式がよいか悪いかということは、恐らくいろいろと議論があるだろうと思います。従いましてそういう議論のある問題でありますので、そういう方式を採るここもできますし、又金融機関に対してそういう方式を採りました場合に、附加価値税額というものは、総売上金というよりもて今申出げましたような総收入金額、これの何%に当たるかということを見まして、それをそのまま課税標準にとつて行くというようなことにいたしまして、計算上のいろいろの煩瑣な点を省くことにいたしたわけであります。併しながらもとよりこの一定の課税方式がよいと、今仮に決定して貰えるものなら或いは四五%というものを一定してしまう。別な計算方式にはよらないというようなこれも一つの方法なんでありますが、これはやはり尚一年間よく研究いたしまして、金融機関に対して課税の方式をどうするかということは検討して見るのが穏当であるということから、このような形式を課税の方式として採用しまして、先程申しましたように、決して負担の緩和を図つておるわけではないのであります。全体の附加価値税として事業税よりも相当この附加価値税の負担が重くなるわけであります。その具体的な例といたしましてはここには日本銀行の例しか挙げておりませんが、日本銀行でさえもこの程度の負担の増になることを見ましても、一般の金融機関につきましては相当の負担増になるというと、こういうふうに考えて、大体において間違いがないじやないかというふうに思つておるわけであります。
#24
○西郷吉之助君 この問題はこの程度にして置きます。
#25
○波多野鼎君 関連して質問したいのですが、今のお話を聞いておると昨日から問題になつておる附加価値という意味が、非常に或る場合には本当に国民経済に対して価値を生産したという意味に附加価値税というものをとりますし、又今の説明の中にも或る場合にはそうじやなくて收入と支出の差額だ、事業体の收入と支出との單なる差額だ、というふうにとりますし、非常に附加価値という概念が混乱しておりますね。銀行業の場合、昨日政府側から説明を聞いたところから言えば、国民経済に純粋な何物かを附加したという意味ではなくして、單なる支出と收入との差額だというふうに見れば金融業に対して今のような特別の考慮を拂うことはおかしい、そうなるわけです。そういう見地を貫くならば今の説明は間違つておる。
#26
○国務大臣(本多市郎君) これは売上金額とはどういう内容のものか、支出金額とはどういう内容のものであるかというこの法律の中で内容を説明いたしております。それによつて計算したものが附加価値税というものでありますが、概念を申上げますと、前に私の大体御説明申上げました通り、單純なる物品販売業でありましたならば、総売上金額からその物品の仕入代金を引いたもの、これに当るわけであります。併しこの事業税の売上金へ附加価値税法をこれに当嵌めていきます場合には、銀行業のように必ずしも、今申上げました売上げから仕入れを引いたものと簡單なことでは当嵌まらないものが生じて来るのでございますが、これはやはり一貫したこの税法で処理するためには、いろいろ工夫いたしました計算法で負担力相応の課税ができるようにする外はないと考えております。
#27
○波多野鼎君 その附加価値という概念はこの法律で決めることには異議がないと思います。そのことには異議はありませんが、この法律を貫いておる附加価値という概念の決め方が二つあるというのです。混乱しておるのです。銀行業の場合について言えば、收入と支出の差額、これをはつきり掴えておるので、ちつとも疑問はないのですね。單に国民経済に対して価値を清算してこれを追加したということじやないというのならですよ、昨日はそういうことを言つていた。
#28
○国務大臣(本多市郎君) 銀行業の場合は、收入から支出を差引いたものが、それがそのまま附加価値という概念に嵌まるという御意見ですが、我々はそれでは附加価値という概念にも嵌まらないし、又負担の均衡上も、そういうものを課税標準として同一に扱うことでは適当でないと、こう考えているのでございます。これは今まで政府委員がここで説明いたしたいと思います。
#29
○波多野鼎君 それはですね、そういう部面において国民経済に、残る純粋の価値を附加したという意味でとれば、そういう意味にとれば、銀行の收入と支出の差額というのは附加価値じやないですよ、それは私そう言いたい。昨日あなた方が説明されたように、売上金と買入金の差額だという意味で、附加価値という工合にこの法律で決めて行くのだ、そういう立場をとれば、その立場をおとりになるならば、銀行の場合においてもそれをはつきり言えるというのです。收入金と支出金の差額、それはそう完全に附加価値……あなた方の立場から言えばはつきりしていなければならない筈であります。それが混乱しているのは、附加価値という概念について混乱的な考えを持つているからだと、こういうわけであります。
#30
○政府委員(荻田保君) 先程奧野政府委員から説明申上げましたように、銀行業につきましては今申しますように附加価値というはつきりした概念で課税するのではなくて、銀行という一つの事業に対して、やはり従来事業税を課したと同じような意味で課するのあります。この点につきましては、附加価値の概念を貫くことはできないのであります。ただその場合に、然らば如何なる課税標準を採つたらいいかということになりまして、結局まあ附加価値税の枠の中で、別の税を起さないで附加価値税という名前の下に課税いたしますので、やはりその計算も一応他の企業におきまする附加価値税の計算と同じような方法を探つたのであります。申上げます通り附加価値の、その意味におきましては附加価値の概念は混乱しておるわけであります。
#31
○西郷吉之助君 只今政府委員から御答弁がありましたが大臣に、くどいようですけれども大臣に伺うのですが、この点ははつきりして置きたいと思うのですが、要するに附加価値税の、新税の方針、ここに法律に規定してあるわけですが、今の質疑応答の中に、例えば金融業者のように、これは附加価値税を課して然るべきものかどうかということがはつきりしない。法律で決めるとは言うけれども、企業の性質によつては附加価値税を課することができるのかできないのか、企業体によつては、どれが附加価値税であるということがはつきり的確に把握できていない。だから今の次長の説明において、そういう点においては混乱を来す、そのものの考え方ですよ、法律には規定なさつであるのですが、企業体の性格内容によつては、全般の企業に附加価値税というものが当嵌まるものと、嵌まらないものとあるのだ、そういうことですね。そうでしよう。
#32
○国務大臣(本多市郎君) その点はお話の通りでございますが、他の企業体に比べ、この程度の附加価値税を課する場合、銀行などというのは、これと均衡をとつて地方税を負担せしめることが適当である。この原則をはつきり考えまして、均衡のとれるような程度の附加価値税による。やはり課税標準の算定方法というものを決めてとる。それとも全然特別税として銀行について地方税を決めるかという問題ですが、これはやはり法律で一貫して、そうして均衡のとれるような計算方法で課することが便宜かと思います。それは従来の事業税におきましても純益課税が原則でありますけれども、必ずしもその純益というようなことで一貫して課税することのできない業体もございまして、いろいろ特例があつたわけでございます。これは是非私の方でも今後更に研究いたしたいと思いますが、愼重に一つ御研究、又御教示願いたいと思います。
#33
○西郷吉之助君 どうも本多大臣は馬鹿に謹愼の意を表した御丁寧な御答弁を頂きましたが、重ねて大臣に今そういう御意見がありましたから伺いたい点があるのですが、今度でも附加価値税を課される事業体の中において、この税法によつては、外の税ではそういうことはなかつたのですが、赤字附加価値というものがあるのです。そうすると今後政府としては業体によつてはなかなか必要な事業ではあるが、外の事業のようになかなか收益を挙げることが困難であるというふうな事業とかいろいろあるわけですね。そうした場合に、今後政府はそういうものに対しては何らかのいわゆる軽減措置と言いますか、特例を設けて、そういうふうな常に必要ではあるけれども赤字附加価値になり勝ちなものであるというものに対しては、何らかの方法を採れるかというそういうふうなことを一応伺つて置きたいと思います。
#34
○国務大臣(本多市郎君) これは附加価値が赤字になりました場合にはこれを課税いたしませんで、その赤字の部分に更に向う五年間に亘つて控除するという方式を採つております。利益が出なかつた、決算において所得のなかつたというものの附加価値についてはどう考えるかという御趣旨でありますと、これは御承知のように今回の附加価値税は附加価値の外形標準によることになつておりますので、その附加価値の中から人件費その他を支拂つた結果が所得が出ないという場合でもこれは負担して貰わなければなりません。この附加価値税はやはり事業の存立の前提條件として地方自治体の中で事業を経営をしておる以上は、それだけはどうしても前提條件として負担して行けるんであるという立場で考えなければならんと思います。丁度避くべからざるととろの営業費が増加した、或いは動力費の電気料が高くなつたというふうな場合と同じように、営業経費の増加というような意味において負担して頂かなければならんし、そういうものになると考えます。
#35
○西郷吉之助君 もう一点だけ大臣に伺つて置きたいのですが、全般的の問題ですが、今度の附加価値税の課税対象になるものは、大企業から小企業までありますが、大体政府はウエイトの点でどの点に重く、どの点に軽くするという考えで、その点は全般的、概観的にどういうふうに考えておりますか。
#36
○国務大臣(本多市郎君) これはシャウプ氏の勧告にもあります通りに、日本の大企業があの地方税の負担が余りに軽い、御承知のように事業税の負担はその九〇%あたりが法人でなく個人が負担するというふうに、本年度取るとすればなるのであります。これを見ても、大企業が如何に地方税の負担が軽いかということが分るのでありまして、これはどうしてそういう結果に陷つたかと申しますと、決算をして純益が挙がらなければ事業税という地方税は負担しなくてもいいということになつておりました結果、というのでは弊害があるか知れませんけれども、とにもかくにも大企業はそり課税を受ける純益が少い結果が、市町村の中に大規模の工場を経営していろいろと市町村にも世話になつておつても、利益がないということで地方税の負担が極端に軽くなつている、この点から考えまして、これを何とかしてもう少しく一般中小商工業、個人企業方面を軽減して、大企業にも応分の地方税を負担せしむべきであるという観念から立案されておりますので、大企業については附加価値税が従来の事業税に比較いたしまして相当重くなると考えております。従つて中小商工業と申しますか、殊に個人企業におきましては、従来の事業税負担に比較いたしまして相当軽くなると、かように考えております。
#37
○西郷吉之助君 私の午前中の質疑はこれで終ります。
#38
○竹中七郎君 先般大臣にお伺いしたときに、事業税として二十四年度には六百億であつた、今度は附加価値税においては四百億になる、こういうふうなお話がありましたが、実際の事業税は県で協定しておるのでありますか、六百億になるかどうかということと、そこで各政党がいろいろ見込をつけまして第一種が政府案におきましては四%、二三種においては三%を取つておられる。ところが自由党で御研究になつたところを見ると第一種三%、第二種が二%、これでも同じような徴收額の見込がある。ここにおきまして算定方法におきましていわゆるあなたの方では或る相当の部分は入らん、こういうような御見込額からこういうふうになつておるかどうか。もう一点は固定資産税におきましてもさようなふうに各政党が調べました状態におきまして違いますが、この点お伺い申上げたいと思います。
#39
○国務大臣(本多市郎君) 事業税と附加価値税の收入見込額を比較いたしました資料を出しておると思いますが、地方で取つておりました特別所得税と事業税と、二十五年度をその従来の税法によつて取るといたしますと推算して見て六百五十億ぐらいになるのでございます。この根拠については政府委員から説明申上げたいと存じます。更に徴收見込額について率を一%ぐらい引下げても予定收入額が得られるというようなことで実は私の方といたしましてもそういう試みをいたして見たのであります。自由党衆議院におきましてもそういう率で修正意見が出たようであります。これは全く課税標準の捕捉をどの程度に見るかということ、更に捕捉した課税標準によつて課税して徴收額の確保されるのは何%であるかという、そこの見込の相違でございまして、その見込がどの方が確実であるか私共といたしましてもいろいろ計算も試みたのでありますけれども、司令部の專門家、大蔵省の專門家自治庁の專門家皆寄つて協議研究いたしました結果、結局地方の財源を確保するためにはこの率によらなければ欠陥を生ずる慮れがあるという結論になりましたために四%ということにいたしておるのでございまして、やはり附加価値税についての徴收見込額の算定の基礎について政府委員から御答弁申上げて置きます。
#40
○政府委員(荻田保君) 昭和二十五年度におきまして現在の事業税及び特別所得税を取ります場合は六百五十億の收入を挙げる予定でございます。これは御承知のように課税標準を前年度の所得を使いますから二十五年度はつまり二十四年度の課税所得を使います。従いましてこれはすでに所得税によりまして決定済でございますから相当確実な資料でございます。それでやりますと六百五十億になる。然らば二十五年度の附加価値税の收入をどうして見込んだかという点でございますが、これはお配りしておきました表にございますように、国税におきまする事業所得と勤労所得と、尚この外に地代家賃があるわけでございますが、これは小さいものでありますから一応省略いたしまして、その二つの面におきまして附加価値税の対象になる業態のものを合計いたしまして、それに事業所得税減価償却が殖えるのでありますから、それを差引きましてその合計額から固定資産の所得額を推算いたしましてそれを控除する、これが一応基礎になります。これは大体国税において把握し得る額でございますが、地方におきましては初年度のことでありますし、まだ弱体なところもございますから一応これの九〇%を使うといたしましてその免税点が九万円で高いのでございますからそれも差引きいたしましてこれが課税標準になる。この額に対して四%乃至三%としまして年度内におきまする徴收率を決めまして四百十九億という数字を出したわけでございます。
#41
○竹中七郎君 私は事業税といたしまして二十四年度或いは二十二年度のようなインフレ時代のものでお考えになるから六百五十億になるが、二十五年度で事業税を取るならば四百億幾らかになるのである。そういうふうでどんどん織物業者とか何とか、私愛知県でございますが、愛知県の方におきましてもどんどん廃業しておるこういうような状態になつておりますので、これは見込違いじやないかとかように私は考えますが、この点は如何でございますか。もう一つは結局徴收率と申しますか、把握率、或いはいろいろ收入のあるものをあなたの方で甘く見ておられる、それをちよつとからく見れば三%でもいいということになる。こういうことになりますというと、私は正直者は馬鹿を見る、この程度の率は取れないだろうという、大体これくらいのパーセンテージ、或いは二〇%、三〇%かけて置かなければ地方財政が困るからかけて置く、こういうことになりますというと、実際先般十二月でありますか、所得税の減税を二百億せられた、併しあれをどこから取つたかということは搾つて取りまして更正決定をやつてそしてある者がら取つたと、こういうような状態になりましてその何と申しますが、はね返りが中小企業の方へじやんじやんやつて来た、こういうような状態でありますので、私はこの点正直者が馬鹿を見るような徴税方法をやられたということに対しまして大臣はどういうふうにお考えになつておるか、この点……。
#42
○国務大臣(本多市郎君) 先ず第一に事業税でございますが、事業税法は前年度の実績課税でありまして、これは去年に比べまして所得が減少いたしましても課税標準は前年度のを法律上取らねばならんようになつております。従つて若し本年度の所得ということと比較いたしますとお話のようなことになると存じますけれども、旧税法でやる場合には前年度の実績課税という点からこういう計算に当然になるということを御了承願いたいと思います。更に反税法上正直者が馬鹿を見るというようなことでありまするが、税法上そういうようなことが絶対にあつてはならないのでございまして、課税の実際に当りまして又適正に徴税吏員がこれを実施して行かなければならんのである。その点においても只今のお話は十分警戒を要することと考えておりますが、この税法は御承知の通かに標準税率で附加価値税を課す、而もこれは府県が自分のところで條例を定めましてその條例に基いて徴税をする、その根拠法を定めるのでございますが、附加価値税の税率は標準税率でございますから財政的な理由があればそれ程要しないとか、或いは特にその府県において経費の節減を図つたとか、必要がない場合にはそこの許可を得ることもなくてこれより安い税率を適用することは自由であります。そうした関係にありますので、この徴收見込額を堅実に見たために附加価値の税率が一%高くなつておるじやないかという御見解のようでありますけれども、その点から正直者は馬鹿を見るということは生れて来ないと存じます。この実施に当つて十分徴税職員がこれは今のお話では注意しなければならん点ではないかと考えます。
#43
○竹中七郎君 もう一つ今度は市町村民税でございますが、これも前年度の所得税額においておかけになつておると私は思いますが、二十四年度におきまして殆んど失業したり、退職したりしたものにおいてもこれはかけられる、かけなければならないものであるかどうか、この点を一つ……。
#44
○政府委員(荻田保君) 前年度の所得を基準にいたしますから、前年度に所得がございますればそれに対して、それの率を以て出した所得割は拂わなければなりません。併しその年になりまして非常に困窮の状態になつたというようなものにつきましては、適宜減免の規定を働かして適当な処置が図られるものと考えております。
#45
○委員長(岡本愛祐君) 速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#46
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。
#47
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政に関する参考計数資料(2)の六頁の償却資産のところから申上げます。波多野さんの御質問に関連して御説明申上げます。たびたび申上げておる点と重複しておる点がございますので大変恐縮でございますが、基本的なものでございますので、御容赦願いたいと思います。
 資産再評価につきましては、ここに掲げますような基礎で一応一兆三千億を要するということになつておるわけであります。その中で例えば工業用の機械器具につきましては、昭和二十年九月現在価額の……算出要領の欄の丸を打つて昭和二十年九月現在価額と書いてありますその右側に書いてあるのが二が五のミスプリントでございますけれども、これは別にしまして、その下のところを見て頂きまして、百五十八億四千万円という数字がございます。これが終戰直後経済安定本部が中心になりまして行いました国富調査の結果出た数字でございます。それから償却額三十五億七千三百万円だけ控除いたしております。これが昭和二十年から二十四年までの定額法で計算しました償却額の金額でございます。それが百二十三億四千七百万円、その百二十二億四千七百万円に再評価の際に使います倍数でございます、これは卸売物価の倍数を取つておる四七、一倍、五千七百六十八万三千三百万円という数字がございます。それから更に下が昭和二十年九月から二十四年九月までの生産額が九百六十七億四千四百万円という数字がございます。これは通産省の調査いたしました数字でございまして、昭和二十一年に生産しました額が幾ら、昭和二十二年に生産しました額が幾らとそれぞれのその物価倍数を乗じまして、九百六十七億四千四百万円という数字が出ておるわけであります。これは生産額が一兆二十一億七千三百万円でありまして各年ごとの償却額が五十四億二千九百万円になつております。これを控除いたしますと九百六十九億四千四百万円になるわけでございます。この両者を合せますと……。
#48
○岩木哲夫君 ちよつと説明の中途ですが、工業用機械器具というものの業種別を挙げておるのですが、これは例えば何馬力以上だとか、或いはどういう設備以上のものだとかいうのはどうなんですか。
#49
○政府委員(奧野誠亮君) 一応工業用のものは馬力が少くても全部この中に包含しております。
#50
○岩木哲夫君 三馬力のくらいのものでも皆……。
#51
○政府委員(奧野誠亮君) 小さいものも皆入つております。工業用機械器具は全部入つております。それで合計いたしまして六千七百三十五億七千七百万という数字が出ております。ちよくちよく申上げておることでございますけれども、安本の行いました国富調査の際には航空機の工場でありましても、或いはその他軍需製品工場でありましても残存いたしておりましたものは全部調査いたしました。それに対して一応の物価指数を掛けましてこういうものが出ておるのであります。電気、ガス供給設備もやはり同じような計算をいたしまして、合計額四千七百六十一億二千四百万という数字が出ております。これが大体日発の方が二千億とか三千億とかいろいろ言われておりますが、大体そういう点から考えて頂きますと分りますように、評価をいたしました最高限度の額が十分これに見込まれておるということが御推察願えると思います。地方鉄道及び軌道の個所でありますが、九月現在の営業延長が七千七百キロ、一キロ当りの建設費を運輸省では千百七十九万円を見込んでおります。それを乗じまして九百七億八千三百万円、これから償却額を、下のところに書いておりますように、四百八億四千万を見込んでおるわけであります。この計算方式も運輸省見込に従つたわけであります。そうしますとこれらのものについて四百九十九億三千百万円という数字が出ます。それから次に地方鉄道軌道車輌でございますが、これは昭和二十四年九月現在においてでありますところの車輛数に一台当りの現在の価格を掛けたわけであります。機関車八百八十台に一台当り五百万円……單位は百万でございます。客車は三百五十万円、客車と言いましても非常に大きな客車もございますし、田舎の小さい狭軌を走つておる小さい客車もあるわけであります。総合いたしまして一台当りの平均單価というのは、これは運輸省の見込額であります。償却額を控除して百九十二億一千万円という数字を出しております。それから船舶につきましても、一番上の昭和二十年九月現在価額が十五億九千万円、これから償却額を四億控除いたしまして十一億九千、これに四七・一倍を掛けまして、五百六十億四千九百万円、戰標船でありましても皆一律に物価倍数を乗じておりますので、こういう点についてやはり一番問題があると思うのでございます。それからその後昭和二十年の九月から昭和二十四年の九月までに生産されましたトン数というものは正確に分つております。例えて言いますと二十年の九月から十二月までは七千九百トン、二十一年は八万二千トン、二十二年は七万四千トン、二十三年は十五万九千トン、二十四年は十二万トンというような数字が出ておるわけでございますが、それにその当時の船舶の製造費用を乗じまして、更にその後の物価倍数を又それに、それぞれに乗じておるわけであります。それから償却額を引きまして計算をしておるわけでございますが、その結果、船舶の評価額八百二十四億円と見ておるわけでございます。併しながらこういう計算が果して現在の企業にそのまま適用できるかどかということになりますと、非常に無理があるだろうと思うのでございます。従いましてどんなに償却資産を高く評価いたしましても、その額を上廻ることは絶対にあり得ない、こういうふうに考えておるわけでございます。この額から先程申上げましたように、軍需工場その他の面でもうその施設というものは使えないというふうなものが相当ございます。機械そのものがすでに陳腐化してしまつて、昔のような価値はないというような問題がございます。又華やかであつた我が国の過去から考えまして非常に縮小されてしまつた経済界の見通しから未稼動になつてしまう。永遠の未稼動になつてしまうものも沢山あるだろうと思います。そういうふうなものもいろいろ見込んで行かなければならんわけでございまして、それを一体どういうふうな計算をしているかと申しますと、資産再評価法によりまして限度一杯の再評価をいたします場合これは大蔵省が別途に資産再評価法の方法で説明しておるだろうと思いますが、財産税を課税いたしました当時の価格から推して行きまして、それに物価倍数を掛けております。そういう計算等を基礎にいたしまして限度一杯の計算をいたしました額、それを償却資産だけについて申しますと、一兆二百九十二億円という数字を出しております。併しながら今申上げましたいろいろな事情から、現実に企業が評価いたします額というものは大体これの半分近いものじやなかろうかというところから五千二百七十九億という数字を出しておるわけでございます。併しながら償却資産の課税につきましては、必ずしも企業が現実に再評価いたします額というものを、そのまま課税標準にすることは穏当ではないと思つておるのであります。或る程度各企業間にバランスがとられなければなりませんので、むしろ現実に再評価した額を上廻る場合が沢山あろうと思います。そこで我々といたしましては、平年度においては、一方市町村民税の減少百億円くらいございます。それを補うためには、先ずこの償却資産の收入より外にないだろうというところから、大体償却資産については一兆一千億円くらいの課税標準を見積らなければ千九百億円の地方税収入が確保できないという考え方をしておるわけでございます。併しながらその一兆一千億程度の評価ができるか、必ずそれだけの收入が上るかと言われますと、我々としては、それだけの、そういうふうな期待をいたしております、かように申上げなければならないのでございます。そのことは、企業が現実にどの程度の再評価をするか、この結果とも睨み合せて行きませんと、外から見ただけでは、我々は一体となりました企業の資産についてどの程度の収益力を持ち得るものであるか、又従つてどの程度の評価ができるものであるかというようなことが簡単に分らんだろうと思うのであります。従いまして、今年の秋までに行われますところの再評価が完了いたしました場合には或る程度正確な見通しを立てられるだろうと思うのでありますけれども、現在のところは一兆一千億円くらいに評価できるように期待したいというふうにお答えするより仕方がないのじやないかというふうに考えておるわけでございます。そこで併しながら本年度におきましては償却資産の申告期限というものか十月末日でございますので、評価についていろいろと所有者との間に話合いが行われなければならないだろうと思うのであります。企業が限度一杯の評価をしませんで下廻つた評価をしなければならない。その場合に、それは私は必ずしもみんな理由がないことじやないと思うのであります。或るものについては理由もあるだろうと思うのであります。従いまして企業の限度一件よりも下廻らざるを得ない実情というものは、市町村においてもできるだけ聞いて上げなければならない。そこで適正な評価を行なつて行くように努力しなければならないと思います。そうしますとどうしても二十五年度中に徴税済みとなつてしまう額というものは相当下廻らざるを得ないであろう。そういうところで大体この一兆三千億円という基本価格、これは現実の評価額ではない。この中の先ず六七千億ぐらいの部分は徴收ができるのではないかというふうなところから、九十数億円という数字を出しているのでございまして、六七千億というと、資産再評価法で企業が現実に再評価する額を五千二三百万円と見ております数字よりも上廻らざるを得ません。先ずこの程度見ておくことが決して過小ではない、又先程来いろいろ申上げた点からも、又過大でもないのではないか。大体この程度が穏当ではないかいうような見方をしているのであります。尚先程私は、平年度においては一兆一千億ぐらいの評価がなければならないということを申上げたのでありますが、大体それは一兆三千億に対して八三%ぐらいに当つているわけでございます。又現実の限度一杯の再評価額が一兆二百九十二億円ですから、それを多少上廻つた、それ前後というふうなところになるわけでございます。
#52
○波多野鼎君 大体講話分つたのですが、そのお考え方の筋は分りましたが、内容ですね。それがいろいろ問題があると思うのだが、先ず最後の点からちよつとお伺いしますが、大蔵省がこの資産再評価法という法律案を今出しておりまして、今これは大蔵委員会で審議中なんだが、昨日も言うたように、あれは強制的なものではありませんから、再評価しないものも勿論出て来るわけなんで、ところが今の説明の中では再評価が大体十月頃に終るだろうから、そのときになつて初めて課税対象をはつきり掴めるだろうというような期待をかけておられるようですが、この期待は外れはせんですか。
#53
○政府委員(奧野誠亮君) 償却資産を把握いたしますのは、可なり、お考えのように困難な点が沢山あると思うのであります。そこで市町村に対しまして直接償却資産の所有者は課税標準の額を、課税客体を申告しなければならないようにしたのでありますが、別途に税務署も二通資料を取りまして、その一通は税務署長が特に本書と間違いがないかどうかということを確認して市町村長の方に送つて貰うことになつております。従つて資産再評価法の方とこの固定資産税の方とが共に協力しながら課税客体の把握に当つて参りますので、或る程度償却資産を把握することが可能ではないかというような考えを持つております。
#54
○波多野鼎君 その場合に課税対象から、陳腐化した設備は勿論抜くでしようけれどもその年その時期における稼動しないものも抜くのですか。
#55
○政府委員(奧野誠亮君) 稼動しておりませんでもやはり全部申告をして参ります。償却資産の課税対象にはなります。
#56
○波多野鼎君 先程收益が云々ということを言われましたが、收益の問題と関係なしにこの法律はやつて行こうというのですね。
#57
○政府委員(奧野誠亮君) 課税標準は適正な市価でやつて行くということになつております。まあ適正な市価というのは通常な場合の市場価格と考えていいと思います。併しながら非常に厖大な施設、簡単に動かせない施設について、建設費がこれだけかかつたから現在の市価をこれだけに見てよろしいというわけには参らないと思うのでございまして、売買価格は私は恐らくないだろうと思います。そういう場合にはそういうものについては收益から還元して価格を推定せざるを得ないという考え方をしているのであります。原則的には正常な市場価格でありますけれども、或る特定の場合には、どうしても收益から還元した価格を用いませんと、非常に企業に対して酷な場合が出て来るだろうというふうに考えているのでございます。
#58
○波多野鼎君 そうすると陳腐化している云々という判定はどうしてやるのですか。
#59
○政府委員(奧野誠亮君) 私が先程限度一杯の額をそのまま用いるということは穏当ではないし、又企業を外から眺めておりまして、陳腐化とか未稼動とかいうことを簡単に把握することができないというふうに申上げたのはその点なのであります。やはり或る程度企業がこれをどう見ているか、どういう評価をしているかということを調べて見ませんと分らないだろうと思うのであります。企業自身もやはり将来の経済界の見通し等もあるわけでございましようから、余程研究を要する点が沢山あるだろうと思うのでございます。併しながらそういう研究は、いずれは資産再評価法には期限が切られておるのでございますからその期限までには片をつけるだろう。その意見をよく聽いて、そこで限度一杯の評価をすることが企業に無理であるという点については、十分企業の意見も徴するようにして行かなければならない。従つて二十五年度においては、多少徴收は殖えるだろうというふうな考え方をしておるわけであります。
#60
○波多野鼎君 そうしますと、資産再評価の問題とどうしても裏表になつて、これは進んで行かなければならないということになるのだが、先程言うふうに、資産再評価は勿論期限がありますけれども、今の法律案が通過するとすれば、あの法律は強制的なものではないのですから、それはやりませんというと、恐らく今のようなデフレーシヨン傾向に進んで行く場合において二、三年前とは違つて、あの再評価の問題が通つた時代とは違つて、まるで情勢が変つてしまつておるのだから、今頃あの法律案を出すのはむしろ時期遅れだと思うくらいですが、そちらの方の差額と相伴つて、裏表になつてこちらの方を決めて行こうということは、期待外れになると思うのですが、どうですかね。
#61
○政府委員(奧野誠亮君) 御話のように、経済界の状況から申しまして、資産再評価を積極的にやりますという気分は少くなつておることも事実であろうと思います。併しながらいずれにしましても、法人税や所得税の計算において、損金、又は必要な経費に見られる額が折角増大されるのが、その期限を失しますと、増大されなくなつてしまう。言い換えれば恩典を喪失してしまうにとになりますので、その面からまあ或る程度期限も、再評価の期限までに評価額というものを申告せざるを得ないのじやないだろうかというふうなことを考えておるのでございまして、ただ制度上は併し再評価をしようとしまいと、とにかく、殊に法人に関する限りは、全部税務署へ申告書を出さなければならないように、その義務を強制しておるわけでございます。従いまして先ずこういうふうな制度に、組織にしておきますれば、或る程度償却資産というものが把握することが可能じやないだろうかというふうな期待を持つておるわけであります。
#62
○波多野鼎君 それから細かい点ですが、算出要領のところで、価格倍数を掛けておる、その価格倍数は何年度の価格倍数ですか、四七・一というやつは……。
#63
○政府委員(奧野誠亮君) 二十年九月から二十四年七月一日までの卸売物価の高騰指数でございます。
#64
○波多野鼎君 もう一遍、何年から……。
#65
○政府委員(奧野誠亮君) 二十年九月から二十四年七月一日までの卸売物価の高騰指数でございます。それは資産再評価法におきまして、いろいろ倍数を決めます場合に、二十四年の七月一日を押えておりまするので、それに歩調を合せた額であります。従つて又償却資産の課税標準を決めます場合も、地方税法案によりまして、二十四年の七月一日現在の価格によるというふうに定めておるわけであります。
#66
○波多野鼎君 そこで問題があるのです。この計算の上に、二十四年の七月ですか、昨年の七月でしよう。昨年の七月以降こういうものはぐんぐん下つて来ておるのですよ。恐らく、今物価指数を持つていないから分らんけれども、相当の値下りがしておるわけです。その考慮がここに入つておるのですか、この数字の計算の上に。
#67
○政府委員(奧野誠亮君) そこで先程申上げましたように、一兆三千億というものは、どんなに工夫いたしましても、これ以上絶対に大きくなることはあり得ない数字だというふうに申上げておるわけでございまして、従つて又二十四年度に九十数億円という固定資産税の償却資産額の収入見込をしておりますのは、先ず過少でもないし、過大でもないだろうという見当が付くわけですということを御了承願いたいわけです。
#68
○波多野鼎君 一兆三千億というものは、昨年七月以降の物価値下りというものを全然見込んでいない数字なんですね。これははつきりしておりますね。
#69
○政府委員(奧野誠亮君) お話の通りであります。
#70
○波多野鼎君 そこで課税の対象とする場合に、これの大体五三%ぐらいじやないかという、この五三%というのはどこから出ているわけですか。
#71
○政府委員(奧野誠亮君) 課税の対象となりますものは、やはり全部が課税の対象になるのでありまして、ただ九十何億円というものを税率の一・七五で割りまして、その出た額を一兆三千億で割りますと、五十何%になると、こういう評価の率になつております。これは曾て地方自治庁でいろいろ計算をしておりましたときに、便宜そういう結果の数字を用いておりましたのが、いつの間にか把握率だというふうに誤伝されておるといいますか、従つて今お手許に配つているのは、決して五三%というものを把握率にしているということはどこにも書いてないつもりであります。ただこういう基本価格、これは全くの基本価格であります。現実の課税標準と考えていない。課税標準額を推定する場合の基礎になる価格でおります。
#72
○波多野鼎君 そうすると、こういうことになりますね、固定資産税を九十三億ぐらい取らなければならんから、だからそれを先決して、どういうようにそのあとの数字を合せて行くかということになつている。五三%という率は、九十三億と決まつているから、確定しているから、五三%、一方では一兆三千億円が確定しているから、五十何%、こういうような持つて来ておりますね。
#73
○政府委員(奧野誠亮君) 先程申しましたように、現実の企業が再評価する額通りに償却資産に対する課税標準を五千億余りと、こういうように決めれば割合に簡単で、確実な徴收ができると思います。併しそれだけでは予想する時価には不足しますし、そこで……。
#74
○波多野鼎君 途中でありますが、不足いたしますというのが問題なんです。不足するのは、九十三億円に不足するわけですか。
#75
○政府委員(奧野誠亮君) 併し全体として九十三億円を上げたい。これは土地家屋の倍数で決まつて来る。そこで残りは償却資産について九十何億円を上げなければならん。それじや九十何億円が逆に、我々は大蔵省の見込んでいる現実の資産再評価額の五千億余りというような数字をそのまま固定資産税の課税標準に採りたくない。そこで我々の方で計算した結果にも基き、両者を睨み合せて、年度内收入見込額を九十何億円という数字を今年度の徴收可能額と見た。どちらから見たというわけでない。両方から考えて、先ずこの程度と考えたわけであります。
#76
○波多野鼎君 これは非常にむずかしい問題だと思いますけれども、説明の仕方なりなんかはもう少しうまくやらんと困ると思います。というのは、大体この資料の全体の組立て方というものは、例の割当と同じなんです。これは割当の考え方ですよ。これは従来もう議会でやかましく言つておつた。各税務署に言つて、これだけは是非取れ。取れるも取れないも、是非取れということで、苛斂誅求になつている。そういう考え方がやはりここで出ている。評価資産額から九十三億どうしても取らなければならん。だからこういうふうにやつて行こうと、そこで今の租税の割当という考え方は、これはいけないということは、議会ではつきりしている。政府も、大蔵大臣は、それは絶対にやりませんと、各税務署に割当てて、これだけは徴收しろという徴税方法は絶対やらんということを何度も言明して、実はまだやつておりますが、先ず方針としては、こういう割当的なことは考えてはいけない。こういうことをやると、苛斂誅求になつてしまうということになつている。そこへ持つて来て、この新税を起そうとするときに、実におかしいと思います。
#77
○国務大臣(本多市郎君) これと、税務署で徴税をやる場合に目標額を示した割当というようなものと一緒に考えられることは、これは間違つていると思います。これはその固定資産税は、御承知の通りに、本年度は、特にその土地家屋については、戰前の賃貸価格に対する九百倍という倍数を以て算定する。これは本年特にこれを強行するゆえんは、賃貸価格が余り戦前のものが過小であつて、目立たないために、不均衡が是正されてないので、是正か促進するというような意味、更に税を確保するという意味も勿論ありますが、そういうことで、財政計画上、固定資産税として五百二十億ぐらいを予定しておりますので、そこからその固定資産税の大部分を占める土地家屋の税額というものはやや確定して来るわけであります。そうすると残りのもの九十何億というものになるのでありますが、この九十何億が果してあとの償却資産で取れるか取れないかと、更に多く取れるか、又少く取れるかということを勘案いたしますためにあのような調査をいたしたのでございまして、五百二十億の予定收入の中から土地家屋に対する部分を控除すれば九十何億であるが、それは丁度この数字から見てもこの見込と変らないものが取れるという、まあ結論に到達した次第でありまして、(笑声)割当てたと言われましたが、この土地家屋から幾ら、償却資産から幾らというので、割当てたのでなく、土地家屋の方を計算して幾ら取れる。後の残りは幾らである。これだけのものが果して取れるであろうか、果してもつと余計に取れるであろうかということを調査いたしまして、そこに丁度符合した次第でございます。(笑声)
#78
○波多野鼎君 それを一つだけ結論付けて置きますけれども、固定資産税五百二十億、土地家屋から幾ら取れる。これは土地家屋については賃貸価格がありますから、問題は倍率の問題だと思いますが、これは又後で問題にする点ですが、とにかく何か歴史的な連続的な数字があるのです。それから算定できるわけです。大体において目安がつくと思う。今度の償却資産に対する課税についてはこれは全く新らしいもので、今までにこうした調査がないのです。そこでこういう償却資産に課税する場合には準備期間として一年なり二年なり置かなければならんと思う。そうしないとこんな馬鹿なことになるのだから、とにかくそういう準備期間なしにやる結果、どうしてもここから九十三億は取らなければならん。そうしないと五百二十億にならない。そこで九十三億取るためにはどういう数字を立てなければならないかというので、逆にこの数字が出ておる。このことはつまり固定資産に対する税金の九十三億を割当てたということなんだ。つまり個人に割当てるか、税金に割当てるか、その違いはあるけれども、考え方は同じだと私は言つておる。こういう考え方であるのがよくないと言つておるのだ。準備期間なしにこれをやるから非常に無理が出て来る。その無理はこういうところに現われておる。国会においても、政府においても否認しておるこの割当という考え方がそこに出て来てしまう。こういう意味なんです。
#79
○国務大臣(本多市郎君) そういうふうに考えられるのは仕方がないのですけれども、財政計画を立てる場合、やはりそうしたところをどの税でどれくらい取れるか取れないかということを予定して行くより外に財政計画の立てようがないのであります。そこでこの場合土地家屋という、大部分を占めますものに対する倍数は何倍くらいが適当であるかということが決まつて来れば、割当なくても割当が決まつて来るわけでありますから、後は財政計画上必要なものは幾らである。幾らのものが果して取れるか、取れないか。その取れるということに確信を得たというだけでございまして、何も税務署の目標額を割当てて取れというのとは違うということを一応御了承願いたいと思います。(笑声)
#80
○岩木哲夫君 そうすると、今のことに関連してお聽きしますが、それより先にちよつと今の政府委員の説明の償却資産の総額を一兆三千億とされておる。それの種類はここに五つの例を挙げておりますが、これ以外の業種、或いは物品販売業なり、その他輸送業なり、各種の信託業その他のもの、このようなものの償却資産の推定はどういうことになつておりますか。
#81
○政府委員(奧野誠亮君) この機械器具の中に大体そういうものを入れておるつもりでございます。
#82
○岩木哲夫君 これは工業用機械器具で、商業、それから信託業その他各種、千差万別の業種業態がありますが、これはどの部面に入れているのでありますか。
#83
○政府委員(奧野誠亮君) 小さい個人の物品販売業何かにつきましては、実際問題として償却資産の課税の対象になるものも殆んどないのではないかというふうに考えておるわけであります。大体家屋以外のもので考えましたら工業用機械器具の中に包含されるのではないか。或いは十億なり二十億という程度のものは或いは取れるかも知れませんが、併し特に大きな目立つものとしては神経質に考える程のことはないと思います。
#84
○岩木哲夫君 これは各地方で評価委員会にかけられる場合には、例えばこれは市町村民税でありますが、各村なり、各町なり、市なり、その他の各評価委員会では殆んど小さいものに目を着けるだろう。例えばこれは私がさつき御質問いたしました通り、單作地方、或いは寒冷地方といつたような東北、北陸方面のものと南日本に属したものはいろいろの工業施設等のあるような地区等におきましては非常にここに相違があつて、従つてこういう財政上非常に困難な地方においては、評価委員会において僅かな、こういう政府が見積つた以外の各種各様のものにまで目を着けて来るということは当然であります。そういつたようなものに対しまする各方面の非常な不安というものが拡がつておることは御承知の通りでありまして、政府はこれだけに見積つたということだけで一兆三千億だから。恐らく全国の各償却資産と推定される限界を明示しておらない限りには、これは素晴しいものになるのではないかと思いますが、如何ですか。
#85
○政府委員(奧野誠亮君) 例えば細かいことを突つついて見ますと、工業用機械器具の中にもあります。現在家屋のこの賃貸価格の中に入つております暖房施設とか或いはエレヴエーターとか、そういうようなものは皆抜かなければならんわけであります。併しながらそういうものを別に拔かないで、一緒に工業用機械器具の中に包含してこの目途を立つべき基本というものを決めておるわけであります。従いまして又個人の商店で持つております机、椅子の類も、そういうものは実際問題としては変りませんけれども、或る程度償却資産になるような大きなものが仮にあるといたしましても、全体としては大きなものではないだろうというので、特にここに掲げなかつたわけであります。大体考え方といたしまして償却資産の課税対象にするかしないかは、資産に計上しまして減価償却を主張する。その場合にはもとより課税の対象になるわけでありますけれども、それ以外の部分につきましては、例えば耐用年数が三十年以上で、一件あたり一万円以上のものでなければ課税してはならないという取扱方針を決めて行きたい。かような考えを持つておるのでありまして、必ずしもそういうような財政そのものが貧弱だから行われないということもないのではないか。又財政状態は地方財政平衡交付金制度によつて従来より大変均衡的になつて参りますので、その点からも左程心配しないでもよいのではないかという考えを持つておるのであります。
#86
○岩木哲夫君 そこに大きな社会の実情とあなたのおつしやるのと相違があるのであつて、そんなものは目を着けないでも心配しないでもよいというとろに問題があるのでありまして、事実はそうではないのであります。政府は一兆三千億と計上されておるこうした業種、これは五つの種類を挙げておるのでありますが、とてもそれどころの騒ぎではない。各業種の状態というものは莫大なものでありますが、これは地方におきまして、私が申しました通り、そんなものは目こぼしだと思う地区もありましよう。併しそれを大きな財源として固定資産として評価をやつておるところもある。平衡交付金は私がしばしば申す通り、今年度は橋梁、道路、或いは人口、こういつたようなものを主として平衛交付金を千五十億割当てておるようであります。こうした附加価値税とか、或は住民税とか、或いは固定資産税というものを取る実際の内容については平衡交付金の割当というものは深い考慮を拂われておらない。この例は私が昨日姫路の例を言つたごとくでありまして、この例は姫路ばかりでなく、全国各地にある。そこに問題がある。結局單作地帶、或いは工業地区でないところ、実際農業地区に限られておるようなところにおいては費用が一層余計要る。こうしたところが僅かな固定資産に目を着けるということで、或る府県においてはこういう固定資産まで最高の基準によつて評価したが、或る地区においてはそれが目こぼしになつたといつたようなところに地方自治と地方財政に大きな矛盾する事態が起つて来ることを惧れるのであつて、政府はこれだけで一兆三千億だから、こういう目こぼし的なそれ以外のものを全部包攝いたしますれば、この倍にも、二兆何千億にもなるのじやないかという見方すら、相当一部には起つておるのでありますが、ちよつとそんな心配はないだろうというだけでは片付けられんと思いますが、如何でありますか。
#87
○国務大臣(本多市郎君) その点でございますが、地方財政委員会で示します標準以上に、固定資産を細かく拾い上げたり、又それ以上に高く評価したりいたしまして課税標準を高めることは、必ずしもその市町村の利益にはならないと思います。何故かと申しますと、そういうことのために徴税費が余計にかかる。それだけ徴収額が殖える結果は平衡交付金が減るわけでありますから、必ずしもそういうことにはならないというふうに考えております。
#88
○岩木哲夫君 今大臣の説明によりますれば、地方で余計取れただけそれだけ平衡交付金を減らすということでありますが、本年度の処置においてはそういう考慮が拂われておるとは思われませんが、如何でありますか。
#89
○国務大臣(本多市郎君) それは本年はお話の通りでございます。併し来年はその町村が捕捉いたしました課税標準というものは、当然その課税標準が平衡交付金の算定の基礎でありまする標準税率を以て勘案した標準收入というものの資料になることは、その通りだろうと思います。
#90
○岩木哲夫君 そうしますと、大臣のお話によりますれば、今回の地方税によつて、その地方ごとに財政が賄い得るだけの税金が取れれば、その分だけ平衡交付金は明年から減らすということでありますかどうか、それを承わりたいと思います。
#91
○国務大臣(本多市郎君) ちよつと今の意味が……。
#92
○岩木哲夫君 各自治体の予算の歳入面が地方税において十分満たされて来た。まあ十分と申しますか、相当満たされて来た場合には、平衡交付金はその地方税の徴税成績に応じて増減するのであるのか、平衡交付金を主として地方税は按配するのか、その辺のところを聽きたい。
#93
○国務大臣(本多市郎君) これは実際の收入額は別でありますが、課税標準が確実なものがあつて、標準税率を以て算定して見て、これで満たされるというところへは、もう平衡交付金は行かないのでございます。但しそれは標準税率を以て算定して比較するだけでありまして、実際はそれより下であろうと、上に取つていようと、別でございます。
#94
○岩木哲夫君 それをそうすると反対に考えますと、今大臣のおつしやるような工合に、地方税は余りきつく取立てまい、地方税が各府県の條例において最低標準率で課税するといつたようなことになつて、地方税としてはできるだけ少く取ろう、その代り平衡交付金は余計貰おうというようなところと、私が前段に指摘したようなところと、非常にそこに地方自体がどんなにでも操作できるというようなことが起こる虞れがあると思います。如何ですか。
#95
○国務大臣(本多市郎君) 多少そういう面は生ずることと思います。併しこの標準税率を以て算定して、そこの標準徴收額を見るのでございますが、この場合にやはり徴税意欲を考えまして、七割程度を以て平衡交付金を算定する基礎とすることによりまして、三割はやはり徴税意欲の点から余計税が取れれば自治体の実收入が殖えるというような調節をいたしております。半面、最前申上げました意味の牽制もあり、両面から牽制もいたしまして、適当額が実施されるようにと、こう考えております。
#96
○岩木哲夫君 その七割が平衡交付金、三割が地方税で満たされるという原則がその均衡が破れる場合があるということに対する、地方税が取れ過ぎたらそれではどういう措置を講ずるのでありますか。
#97
○国務大臣(本多市郎君) 私が今七割と申上げましたのは、お話のように七割が税で三割が平衡交付金という意味ではないのでございます。この理想から行きますと、標準徴收額の全額を以てそこの、まあ実力と見ることが妥当だろうと思います。ただそうして見ます場合、あなたのお話の通りに、それでは少くして置く方が、多く取つてもそれだけ多く取つただけ自分の町村の実際の收入増とならないので、多く取るのに意欲を失うといけませんから、多くというのは適正にという意味でございますが、どこまでも適正に取ることがその町村の究極においての利益であるという建前を採つておるのでありまして、七割、三割と申しましたのは、その標準徴收額を平衡交付金算定の場合課税標準に標準税率を掛けまして、その七割程度を押えて計算をするいう意味でございます。
#98
○岩木哲夫君 その点は実際問題と大臣のおつしやることには、各地方ごとに矛盾が生じて来ると思いますが、それはまあ一応先の問題といたしまして、九十三億でありますか、固定資産と償却資産としての結果としてこれだけ取るという九十三億をいわゆる割当目標としておるということに対する矛盾は、先程波田野委員からも指摘されましたが、この九十三億を取るためにいろいろの部面を逆算しておるようでありますが、そこで先程政府委員の説明によりますれば、物価倍数を四七・一といたしておることについて、これは終戰当時から四年の七月一日の卸売物価だと言つておりますが、この卸売物価というものはマル公を含んだものであろうかと思うわけでありますが、この卸売り物価と償却資産の実態というものは必ずしも一致しておらないのでありまして、腐朽老朽、或いは未稼働、現在の経済状態、いろいろの状態から、未稼働、腐朽等の実態等の償却資産と物価との割合を何故四七・一とされたのか、これに対して何か科学的説明がありますか。
#99
○政府委員(奧野誠亮君) 正確な計算をいたしますためには、個々の物資によりまして乗ずべき倍数を変える方が穏当だろうと思います。併しながら大勢的な観察をいたします関係上、一応こういうふうな、大体固定資産は工業用を中心といたしますものでありますので、卸売物価指数がいいだろうというように考えておるわけであります。併しながら最近の経済界の実情から考えて見ますと先程波多野さんが指摘されましたように、この卸売物価の指摘をそのまま当嵌めて行つたんでは酷になる部分が相当多いであろうというふうに考えております。
#100
○岩木哲夫君 資産再評価が十月頃に分るか分らないか分りませんが、その結果が今政府が想像されておる四七・一というものと著しく違つた場合には、この基礎というものは政府は変更される考えでありますか。
#101
○政府委員(奧野誠亮君) 地方財政委員会におきまして評価の基準を示さなければならんわけでございます。併しながら償却資産につきましての評価は十月三十一日の申告期限過ぎてから後のことでありますが、そのときまで尚経済界がどう変るか分りませんので、そのときの経済状態におきまして最も適切だと考えますような時価の算定基準を示したいと考えておるわけであります。
 尚先程しばしば割合的な考え方じやないかというようなことをおつしやつておりますが、これは飽くまでも一万数千の団体において徴收されるであろうという見込額でありまして、国が一つの見込額を立てる。従つて国がやはり收納するのとは違いまして、これは地方団体が收納するであろうという額を予定いたしまして、そうして地方財政計画を立てでおるわけなんであります。従つてこういう予定を立てることが直ぐ自分がそれを徴収するというふうな国の場合とは根本的に違うことを御了承願つて置きたいと思います。
#102
○岩木哲夫君 そうするとその九十三億の予定というものは、恐らく各自治体に割当てられると思う。実際問題として予定割当というものが行われると思うのですが、その九十三億を超える場合はもう税金は取立てをやめるというのか、或いはそれ以上でも割当てたものは割当てた結果において或いはその総体的な割当の結果において九十三億を遥かに超えた場合においてもやはり政府は取る考えでありますか。
#103
○国務大臣(本多市郎君) 割当はいたしません。それで各地方団体は自分の行政区域内における固定資産をこの方針に従いまして評価課税をしてその通りに徴收することと存じます。それで国が取ると言われますけれども、全くこれは町村がみずからの費用のためにみずから取るものでありまして、府県か取るものでも、国が取るのでもないのでございます。
#104
○岩木哲夫君 もとより国が取ることではないことは分つておるわけでありますが、九十三億だというこの償却固定資産の各地方への目標が政府から示されないというと、いわゆる平衡交付金の割当というものは結果として生じないと思うのでありますが、それはどういう兼合いをするわけですか。
#105
○政府委員(荻田保君) 平衛交付金の算定の基礎といたしましては、地方で取れる見込を逆に地方の方から取りまして、そうして積上げるわけであります。これはただこの法案の審議を願うために一万有余の市町村が固定資産税のうち償却資産を取ればこのくらいあるだろうということを日本全体として考え、個々の市町村に当つたわけではありません。日本全体として当つたわけであります。これは決してさように一万有余に割当てるというようなことはいたしません。平衡交付金についてはこの間におきまして地方から実際の調査をいたしまして、それを基礎にいたします。

#106
○岩木哲夫君 各市町村が九十三億取るだろうという見積りを案として出しておるのだということでありますが、政府はここに一兆三千億、我々はこれが遥かに二兆億にも達するであろうか、昭和二十年度の未稼働、腐朽償却資産等を合算すればそうなるであろうという見込を持つておるのですが、それに対して現在の政府の意図する倍数及び倍率というものを、正直に、まじめに、正当に書きますれば、九十三億どころじやない、その倍額にもそれ以上にも取れる勘定が成立つのではないかと思うのですが、これは如何ですか。
#107
○政府委員(荻田保君) 政府といたしましてはこの程度で十分と思つております。若し実際やつて見まして非常にこれが変るようなことが仮にありといたしますれば、そのときの制度改正の問題だと思います。
#108
○岩木哲夫君 そうなら初めから九二%でありますか、そうして更に徴收率を八〇%ということをここに政府は意識して書いてありますが、結果から見ますと四〇%の歩留り、把握率だという結果に陷るように感ぜられますが、そういつたような大体見積りから四〇%が九十三億になるのだというような凡そ税の取り方というものは古今未曾有だと思うのです。こういうようなことを厳重な罰則規定を設けて、威嚇的な而も非常な多数の府県の不慣れな税務官吏と言いますか、税務吏員を働かしてこういう方法をやるということは徴税方法としても、又課税対象物の選定についても、この問題について非常にそこを一般が恐れていて反対しておるのでありますが、これは根本的に償却資産の見積り、固定資産税の見積りというものは不当な余りにも杜撰な考え方ではないかと思うのですが、如何でありますか。
#109
○国務大臣(本多市郎君) これは見積りに対しまする見込の相違だろうと思います。でありますから、これ以外に更に的確な確実に本年度の見込として立つ方法があればそれは又結構でございますが、こういうことで見込むことが適当であると思いまして資料として提出いたしておるのでございまして、統計或いは資料というものは現実に必ず合致するというものはこれは絶対にないのでありまして、こういう計算をもつて見るとこういうことになります、これによつて本年度の徴收見込額をこれくらいと政府は考えますが、これについて御判断を願います、という以外にはないのでありますから、ここは岩木さんとの見込額についての相違からの御意見かと思いますので、何か外にこういう方法で見ればもつと現実と一致する……一致するというよりは、それに近いものを掴む方法があるというのでありましたならば又お教えも願いたいと存じます。
#110
○岩木哲夫君 私は最上のものはなかなか困難だと思いますが、これよりベターなものは私は研究すればあるという気持を持つておるのでありますが、そういう事態から見て、資産評価やその他のものが十月でなければ目標もつかないし、又これに関連していろいろの事態も固定資産の場合においては生じて来るというような事態で、あわててやらなくても、どうせ政府は何らかの方法で何らかの結果で臨時議会を召集せにやならんということはこれは明らかなことでありますから、これをお互いに研究するような方法に、一つ課題として残す必要がありやしないかと思うのですが、如何ですか。
#111
○国務大臣(本多市郎君) これはもう御答弁申上げるまでもないことと思いますけれども、政府の考えといたしましては、是非今年国税の改正と同時にこれを施行したい、最前波多野さんからも二三年研究しようではないかというお話がありましたが、地方財政の実情は誠に窮迫いたしております。そういう点、更にこの地方税の改正は国税と総合的に計画されたものであり、又国家地方の財政計画も総合的に勘案されておるものでありまして、本年若しこれが実施できないということになりますと、全体的な地方の財政計画に破綻を来す慮れもございますので、是非政府としては同時実施をどうしてもして頂きたいと念願しておる次第でございます。
#112
○岩木哲夫君 政府としてはこういう見積り方、こういう資料より手がない、これよりよい案があるなら考えてもよいということは、例えば当委員会でこれよりもつと償却資産の算定基準なりいわゆる見込額なりすべてこれよりよいという仮に意見が一致した案があるなら政府はそれを採択して修正する用意がありますか、お尋ねします。
#113
○国務大臣(本多市郎君) 政府は只今提出いたしておりまする資料を御参考に供しておるのでありますが、こういう方法で計算すればこういう結果になるというこの参考資料からいたしましても、九十億の償却資産からの固定收入は先ず見込違いはなかろうということで出しておるのでございます。若しこの方法より以上正確なものを掴まえるという方法をお教え頂きまして、それによつてどういう見込額が出て参りますか、見込額とその方法とが我々といたしまして間違いないものということになりましたならば、勿論過ちを直すことでございますから、取上げることに吝かではありません。
#114
○岩木哲夫君 そうすると大臣の御説明では、九十何億を最終目標としておるので、これ以上取る必要はないと思うのでありますが、これ以上実際各地方の自治体において取れておつた、或いは政府は五二%の把握率といえば又議論があるか知れませんが、課税率を課税規準の五二%とし、徴收率を八〇%としておるというようなことは、むしろあつさり九十三億というものをこの場合において割当てられたら如何でありますか。割当てるということは、各地方庁に九十三億を割当てるということはいかんという議論も成立つのでありますが、我々は九十三億ではなく、これが倍以上取られはしないかということに関してのいろいろ心配がありますから、これは罰則やいろいろの状態から見て虞れがあるのでありますから、むしろ償却資産の場合においては、九十三億を自治体の方に割当てる方がこの際安全だと思いますが、そういう方法に変えられる意思はありませんか。
#115
○国務大臣(本多市郎君) これはこの法律を基準といたしまして、自主的にやつて頂く趣旨でありまして、これで地方税確納割当をやるなんということは、全く以ての外であると考えております。
#116
○委員長(岡本愛祐君) それではこの程度で休憩いたしまして、午後は一時半再開いたします。
   午後零時三十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時五十三分開会
#117
○委員長(岡本愛祐君) それでは地方行政委員会を続行いたします。午前に引続いて御質疑を願います。
#118
○波多野鼎君 昨日要求しておいた資料は、一つ早く出して貰わんと困りますがね、石炭の……、出ていないのですか。
#119
○政府委員(荻田保君) ちよつとまだ……、至急出します。月曜日ぐらいに……。
#120
○波多野鼎君 先程来、午前の委員会で問題になつておつたあの銀行業のことですが、これは又あとで問題にすることにしまして、建物を建築してそうして貸付ける業というのがありますね、動産貸付業ですね、こういうものを抜いた理由はどういうところにあるのですか。
#121
○政府委員(荻田保君) この銀行業について申上げましたと同様に附加価値税は、いわゆる附加価値に対しまして一回限り、どこかの何かにおいて促えるという考えで出ております。その附加価値の内容を、労賃、利潤、それから家賃、利子、地代と、こういたします場合、それを労賃、利潤につきましては問題ありませんが、利子、家賃、地代をどこで掴まえるかという問題でございますが、一応建前といたしましては、それぞれ支拂つた上において捉えることにしております。従いまして本年度におきましては、それに対しましては附加価値税はかからないわけでございますが、銀行業につきましては、先程申上げましたように附加価値の、いわゆる附加価値とは違いまするけれども、一種の事業に対する税を、この附加価値の形を借りて課税するというような趣旨で、銀行業もやはり附加価値税の対象にしているわけであります。然らば不動産貸付業も同様ではないかという議論が起るのでありますが、これもそういう意味におきましては課税しても差支えないのでありまするが、ただ不動産につきましては、この固定資産税が非常に高くかかります。不動産貸付業のごときは、従いましてこの税負担におきまして、すでにその事業に対する地方団体側の課税というものが相当目的を達しておるのじやないかと考えられまするので、附加価値税を更に捉えまして、利子收入、地代、家賃を捉えまして、これに附加価値税を課税するということは止めた次第でございます。
#122
○波多野鼎君 そうすると、同じようなことが銀行についても言えるのじやないですか、銀行は相当大きな建物を持つておるし、そういう点について不動産課税が相当重いと思うのだが、同じことになるのじやないですか、その場合……。
#123
○政府委員(荻田保君) その点は確かに銀行も固定資産税を拂いますが、併し何と申しましても、銀行の営業の主体は預金を動かすことによつて收入を得るのでありまして、不動産は單なる一つの要素に過ぎないのでございまするが、不動産貸付業におきましては、業の本体が専ら不動産を運用することにあるのであります。従いまして、不動産に対します固定資産の額も非常にその銀行の事業收入におきましても、これに対する割合が非常に高いのでありまして、理論的には取つても差支えないのでありましようが、まあそのような高い大きな固定資産税を負担しておりますから、それで大体十分地方税を課税するという目的を達すると考えておるのであります。
#124
○波多野鼎君 この不動産と固定資産税ですが、それと附加価値税、こういうものを補完税的な意味において理解すればそうなりますがね。併しこれは補完税じやないという昨日からの私の議論ですが、補完税じやなくしてそれぞれ独立税だと思うのです。而も不動産貸付業というのが、昔からも相当大きなものがありますが、段々大きくなつて行く傾向があるのです。外資導入なんという場合に、そういうものが建物に対してこれを貸付けることを営業とずる家賃收入というものを、営業の本体に置いておるが、丁度銀行が貸出して利子収入を、銀行の営業の目的とすると同じことになるのだが、だから一方に銀行を附加価値税の対象として入れること、そのことに又一つの問題がありますけれども、それを入れるとすれば、不動産貸付、家賃收入というものを営業の中心に置いて行く。これを逃がして置くということが理解できない、補完税じやないという建前からいけば逃がして行くということがむしろおかしいのじやないか。
#125
○政府委員(荻田保君) まあ補完税とおつしやいます意味がはつきり汲取れないのでありますが、いずれにいたしましても税全体を通じて考えておりまするので、不動産貸付業に対しまして附加価値税を併行して課税するということも考えられますが、やはりこれは丁度農業応対しましても、固定資産税の負担が多いために附加価値税を徴らない。これは尤も不動産貸付業と違いまして本当の理論的な意味におきましても附加価値はあるのでございます。これすらも免除する。勿論農業に対しまして附加価値税を免除するのは一つのそれだけの理由ではございませんが、それも一つの大きな理由であります。そういうことからも不動産貸付業に対しては、附加価値を納める必要はないと思います。
#126
○波多野鼎君 農業のことが出たから問題にしますが、農業を附加価値の対象から抜いたことは分るのです。これは私は固定資産税が多いからということの以外に、もつと別の理由があると思うのだが、これは解釈の違いとして問題にしないでおきますが、農業を附加価値税の対象から抜いたという理由によつて、同じ理由によつて、もつと抜くべきものがあるのじやないですか。この点。例えばこれは北海道から何か出ておつたのだが、北海道庁から地方税法改革に関する要望事項として出ているのがありましたが、簡易な木炭の製造業、こういうものを抜いて呉れという要望が出ておりまして、先程貰つたこの農林委員会からの修正意見の中にも、やはり同じような意味のものが出ておるわけですが、素材生産、製炭、椎茸栽培等は非課税ということを明確にして呉れ。こういうものはやはり明確にそれを抜くということの方がいいのじやないか。農業を抜いたとし同じような意味によつて……。
#127
○政府委員(荻田保君) まあいずれにいたしましても、全部いわゆる原始産業というような言葉で使われておりますが、そのうち農業と林業だけは、今申しましたように固定資産を、主たる生産の要素となつておりますから、これを除いたわけでございまするが、その外の水産業、或いは牧畜業等につきまして、やはり土地を主体にするようなもの以外は課税するわけでございまして、ここに原始産業に対する扱いが区々になりますので、そこに問題があると思いまするが、今おつしやいました林業という言葉より広い林産業というような言葉で現わせる事業、つまり林産業からマイナス林業という残りましたもの、これは課税しても差支ないのでありまするが、ただこの法律の書き方としましては、課税ずる業態をはつきりと農業林業と書いてありまするので、これだけでは課税できない。そのあとの方にございまする、これに類する事業で政令を以て定めるもの、この政令を定めない限りはそういう林産業はとれないわけでございます。我々の今の心組としましては、勿論このような第二種につきましては、主として自家労力を以て行うもの、これは課税ができないことに法律上なつております。従いまして自家労力だけでないものであつて林産業、薪炭生産業というようなものは一応政令で指定すればかかるわけでございまするが、そう小さなものまで入れようとは考えておりません。薪炭会社でも相当大規模の企業経営的な薪炭業を行うというようなものは、課税して差支えないじやないかと考えております。
#128
○波多野鼎君 そうしますると農林委員令から要望して参りました素材生産、製炭、椎茸栽培等は非課税とするということ、この方針を政府の方ではとつておるということですな。
#129
○政府委員(荻田保君) 素材生産などが入つているところを見ますと、これは恐らく古い、大分古いときの案に対する意見ではないかと思います。初めにおきましては、林業も全部除きませんで、ただ素材の生産の部分だけ……、素材生産伐採までを対象外として、それから先は課税することにいたしました結果、それに対します意見じやないかと思います。現在ではとらないことにしております。
#130
○波多野鼎君 製炭はどうですか。
#131
○政府委員(荻田保君) 製炭は先程申上げましたように、小さなものは除きますけれども、企業製炭的のものは入れようと思つております。
#132
○波多野鼎君 同じ意味において椎茸栽培もそういう扱いをすることになるのですね。
#133
○政府委員(荻田保君) 今申上げましたように、大規模のものがございますればこれは課税の対象にしてもいいと思いますが、恐らく椎茸あたりはそういうものはないじやないかと思います。
#134
○波多野鼎君 大規模というのは、他人労働を傭つて事業を営むという意味ですか。自家労働だけでも相当面積の栽培をやつておれば大規模ということになるのですか。その大規模と小規模の区別はどこでやるか、他人労働か、自家労働かというところで区別するのですか。
#135
○政府委員(荻田保君) 一応法律上の非課税の、自家労力を用いて行う第三種事業で政令で定めるものは、大体その労働のうち三分の二が自分又は家族の労働というようなものを対象にいたしております。併し今の椎茸栽培とか、製炭業に対しましては、課税するところの積極的な政令が要るわけでございます。この場合には、そう小さなものは取らない。どの辺で取るかこれはあれといたしまして、一応この椎茸栽培のごときは今のところ予想もいたしておりません。製炭業で今の大きな大規模の製炭業、こういうようなものだけは、掴えて行きたいと思います。
#136
○西郷吉之助君 今の波田野委員の御質問に関連するのですが、やはり取る取らないは、政府が議会の委員会における答弁をするとしても、それだけで以てなかなかはつきりしないので、やはりその点を何か徴税の場合にこれを除くなら除くのであるということをちやんとはつきりして文書にして現わしておかんと、これはやはり末端はそんなことはお構いなく、取るのが当然のごとくして取ります。その点は何か処置をちやんとしておく必要があるじやないか。
 それから今の製炭業のごとき、小さいものは取らないというのは、これは何を以て小さいとするか。取る方はそんなことはお構いなしに取つてしまいます。その点を明確にして貰いたい。
#137
○政府委員(荻田保君) 先程から申上げておりますように、実際問題として取る場合には政令ではつきり具体的に書きますが、政令の内容は今はつきりまだ決つておりませんが、大体心持は今申しましたような程度で、実際問題としては政令で具体的に定めますから、地方でトラブルの起るようなことは、ないと考えております。
#138
○委員長(岡本愛祐君) こういうような場合はどうですか。椎茸栽培で、部落の人が皆自家労力で百軒なら百軒集つて、そうして五万も六万も伏せておるという場合がある。こういうのはどうですか。
#139
○政府委員(荻田保君) 今のところ椎茸栽培のごときは政令で指定するつもりはございません。特に何か会社経営か何かで、大規模のものでも具体的にありますれば、そのときに具体的に考えたいと思いますが、自家労力だけで集つた組合的なものは考えておりません。
#140
○西郷吉之助君 今の点必要なところだからもう一度伺つておきます。今の御説明に組合なんかはかけないと言われますけれども、製炭でもそうですが、一個々々は非常に小さなものであるけれども、今の事例にあつたですが、組合組織でやつて行くことは小さくてもいろいろの便宜があるので組合としてやつておる。そうすると單位は小さくても、そういう大きな組合員数を持つというようなことになると、むしろ取らんというより、大きなものでのるというような観念に末端はなるような懸念があると思うんですがね。その点一つはつきりして貰いたい。
#141
○政府委員(荻田保君) 今申上げましたように自家労力だけ、ただ自家労力を働らく主体として協同組合を作つたような場合は、勿論取る考えじやございません。従いまして政会等にも必ず明確にしたいと思います。
#142
○米倉龍也君 ちよつと関連して聞きたいのですが、今の椎茸なんぞですが、これは個人々々ですけれども、部落などで共同で別に法人を作るのじやなくて共同作業で以てこれを一つの部落などでやるのはどうなんです。
#143
○政府委員(荻田保君) 今のところ椎茸栽培は全体的に指定する考えはございません。勿論指定するといたしましても、そのようなものまで指定する考えはございません。
#144
○米倉龍也君 じや取らないということですか。
#145
○政府委員(荻田保君) はあ。
#146
○米倉龍也君 そうすると、もう少しこれは押し進めて農業協同組合が一つの事業として、事業といえばおかしいですか、椎茸を作るというようなときには、これは農業協同組合がやるからこれは課税の対象になるんですか。
#147
○政府委員(荻田保君) 農業組会がやりましても、やはり椎茸栽培のごときは政令で指定しない限り対象にはなりません。
#148
○西郷吉之助君 今の米倉さんの言われたことも、農業協同組合には一応かけることになつているのだから、そういう点ですね、どうもそこをもう少し何とか説明を明確にしておかんと、農協にかけることになつているのに、やはりさつき私が申上げたのですが、組合組織になつたとき、その点をそういうふうにここでは言われますが、次長の方はその考えで外に政令で決めると言われるが、その点は何かもう少し明確な答弁はないですか。
#149
○政府委員(荻田保君) この附加価値税の課税対象は、農業組合だから課税するとか、株式会社だから課税するとか、そういうことではないので、ここに列挙してある事業にしか課税できない、業種を拾つてありますから、その業種を指定していない限りは誰がやつでもかからない、従つて林産業につきまして仮に取り得る業種を政令で指定いたします場合にははつきりといたして、この場合には具体的に線をひけますようにその政令を書きたいということを申上げておるのであります。
#150
○波多野鼎君 さつきの建物貸付業ですが、不動産貸付業、あの問題をもう少し知りたいのですが、これを見ていると倉庫業なんというものもやはり課税の対象になつているわけですね。倉庫業の荷物保管料などが売上金額というふうに算定されて、そして課税対象になる。ところで倉庫業などと大規模な貸家業といいますか、不動産貸付業とそう違わないんじやないか、倉庫業でも多くなる、固定資産税を課せられる筈なんですが、それにも拘わらず附加価値税も課する。併し不動産貸付業については固定資産税が多いから附加価値は課しなくてもよろしい、倉庫業との比較においてどうなんですか。
#151
○政府委員(荻田保君) その辺は確かにおつしやいます通り区別の曖昧な点でございまするが、倉庫業におきましては、單に不動産の貸付だけでなくて、やはりそこに一種のサービスも入るわけでございますし、それから又重要な点は倉敷料はすべて支拂つた方で差引くことになつております。従いましてそちらで課税されないわけであります。それで倉庫業の方におきましてその附加価値は掴まえられるというにとになるわけであります。
#152
○波多野鼎君 そういう意味でなくて、先程不動産貸付業というのは、不動産税の方を高く取るから、それで均衡上よろしい、それで附加価値税は課する必要はない、こういう議論であつたから、倉庫業についても同じことじやないか、私はそう言つておる。
#153
○政府委員(荻田保君) 純粋な附加価値税だけを考えますと、不動産貸付業と金融業とは課税の対象にはならない。併しそのうち金融業につきましては、純粋な附加価値税ではないけれども、一種の事業税を附加価値税の名前において課税する。それならば不動産貸付業も同じじやないか、こういうお話でございましたので、それは固定資産税の方を沢山かけているからその必要はないと、こう申したわけでございます。従いまして倉庫業におきましては、これは純粋に理論的にも附加価値税の対象になりますので、これは課税除外にはいたさないわけでございます。
#154
○波多野鼎君 倉庫業は本来的に附加価値税の対象として取上げ得るものを、銀行業もそうでなくて便宜的にここへぶち込んだんだ、ところでそれでは今の不動産貸付業というものは一体どちらなんだといえば、銀行業に類しておると、こういう意味なんですね。
#155
○政府委員(荻田保君) そうです。
#156
○波多野鼎君 本来入れる必要はない、この問題はよく研究してから又改めて質問しますが、どうも少しはつきりしないのです。この次まで留保して置きます。
 それから第三種事業、附加価値税のここにいわゆる自由職業のものがずつと挙げてありますけれども、自由職業の方については、売上代金と買上代金との差額というようなものを、例えば弁護士業などについてどういうふうに見るんですか。
#157
○政府委員(荻田保君) それは弁護士の報酬金ですか、これを全部売上金額の中に入れまして、差引くものは殆んどないと考えております。六法全書を買うことか、弁当代を拂うとか、その程度のことで、殆んどないと思つております。
#158
○波多野鼎君 だから第三種事業というものは非常に問題になると思いますが、助産婦にしても、お医者さんにしても、理容業者にしたところで、非常にこれは負担が多くなる、差引くものは殆んどないから……。
#159
○政府委員(荻田保君) 昨日から負担が多いとか少いという問題でございますが、いわゆる総收入金額に対する負担の割合、こういう意味で申しますれば確かにこういう事業は非常に多いわけでございます。併し私共の申しております従来の事業税と比較しますると、殆んど従来の事業税の利益所得というものも附加価値とそう変りはない。仮に一人でも雇つておればその人の俸給でも差引かれるくらいで、あとは変りはないのでありますが、前の一二%は今度は三%になつて、四分の一に下りますから、相当負担は軽減になると考えております。
#160
○西郷吉之助君 ちよつと関連して……、今の場合、弁護士、助産婦、そういうものは殆んど差引くものはないというお話ですが、それでもまるまる課税の対象になつてはかなわんから、実際はそれでは自動車で飛んで行つたというような計算で、これを引いた場合にはそれは合理的ですか。
#161
○政府委員(荻田保君) 実際問題として自動車賃は支拂つておりますればこれは差引くことになります。
#162
○西郷吉之助君 その点は非常につまらないようなところであるけれども、実際の課税の問題を考えたときに、今のお話ですが、御承知の通り自動車であるから一々領収書を取るわけでないから、それの根拠というものはない、引いてあつてもそれはいかんとはいえない。そういうもので非常に忙しい人で方々飛び廻つておれば、相当今自動車賃というものは高いから、相当金額を引いたときに、これを相当交通費として取つたときに、それはその証明書といつても証明のしようがないんです。結局水掛論みたいになりますが、そういう点は常識といえば言えるかも知れませんけれども、どういうところで実際の……。
#163
○政府委員(荻田保君) 自動車で飛び廻るような、そういう経費のかかる人は、恐らくそれだけ收入も多いだろうと思いまするから、自動車賃を合せた弁護料を取つておる、それでそちらの方が多くなつておるように思います。
#164
○西郷吉之助君 妙な議論になりますけれども、そういうふうな考えも一つはあります。併しそうばかりはいえない。例えばお医者さん、産婆さんのごときはそんなに金を持つていなくても、緊急を要する問題ですから、自動車で行く場合もあり得ると思います。今の御説明の通り、そういうものは相当收入があるんだからというけれども、それは一つの考え方で、そうばかりとはいえませんね。
#165
○波多野鼎君 今の問題に関連しまして、今のような考え方というものは、丁度これも始終問題になるけれども、所得税を課する場合に、お前のところは家族が何人いる、五人いるなら一人当りこれだけ生活費が要る、そんならこれだけの所得があつた筈だということで税をかけると同じ考え方なんです。これは実際さつきからも問題になつておる。結果から元を推そうというような行き方である。これではうまく行かん。元から出て結果へ出なければ嘘なんで、今の場合第三種事業については、何かの措置を講じない限り、これは負担が重いとか軽いとかいうことじやなしに、理論的に言つておかしいところがある。例えば弁護士にしろ医者にしろこれまでになるには相当の経費を注ぎ込んでいる。一人の患者を看るために幾らかかるということではなく、その信用を得るためには相当の経費を注込んでいることは会社などと同じである。ひよこつと出て来て医者が流行るはずもない。こういうものは経費として見なければならん、それが大分あると思うが、こういうものについても考慮を拂つて行かなければ……、弁護士にしても、医者にしても皆同じことだと思うが……。
#166
○政府委員(荻田保君) 今医者で申しましたこと、今までの学校終了の経費のことなんでございましようか。
#167
○波多野鼎君 そうです。勉強もしなければならんし、そういうようないろいろなことがある、附加価値税というものを考えるならば、そういうことを考えなければならん、物を売つておるものと同じだと思うが……。
#168
○政府委員(荻田保君) 毎年度の附加価値税として計算しておりますので、過去のものをどうということは考えておりません。殊に学校の経費を拂つているとおつしやいましても、学校に対しましては附加価値税をとつておらんことになつております。そういうのをそちらからするというのも附加価値が脱漏することになるから……。
#169
○西郷吉之助君 今の点なかなかデリケートなことになるので……、私の知つている例で参議院の議員で弁護士のあれを出したが、実際は弁護士の仕事をしなかつたけれども、相当の見込で相当額の課税が来た。百方手をつくしてやつと勘弁して貰つておるというような例がある。やはり弁護士とか、医者でも非常に流行る流行らんがある。その土地の状況によつても違うから、そういうところをただ見込みでやられて弁護士なら弁護士の最低はどうということを頭においてそういうことをやられると迷惑を来す、今の答弁でもそういうところを明確にしておかんと、これをばしばしやられたら相当応えますよ。そういう点はよく……、基準というものはどういうところに置くかということを伺つておきたいのですな。
#170
○政府委員(荻田保君) 勿論税の全体の運用といたしまして、法律の通り実行して行きたいと思います。この点は徴税者側だけでなく、納税者側の協力を得るために今回青色申告の制度等も国税に做つて作りたいと思います。従つて予め見込みを立てるとか、さつき申しました生活状況から所得を推定するというようなことは絶対に避けたいと考えます。
#171
○波多野鼎君 これは非常に問題なんですよ。実際に一つの技術を或いは信用というものを確得するためにどれだけの経費を拂つたかという問題は、これは経済学上いろいろな問題があるところなんだが、丁度固定資産の償却と同じような意味も含んでいるのですよ。実際何年か、二十年間学校へ行つて十年間修業して一人前になつたという。それは一種の固定資本の投資なんだ。これだけ税の体系を作つてびしびし取つてくるならば、そういうことも考えなければ工合が悪い、單に個人の收入と支出というだけじやこういう自由職業に対して負担は非常に重くなつて来るに決つておる。これは不公平なんですよ。そういう点に何らかのあれはあるだろうか……、考慮というのは加えるつもりですか。
#172
○政府委員(荻田保君) 別に個々の課税標準においては考えておりませんが、それを考えましたので税率を一%だけ下げることになつております。
#173
○波多野鼎君 それじや一%下げるというところが固定資本の償却に当るのですか。そういう意味で下げたのですか。
#174
○政府委員(荻田保君) 固定資本の償却というような感じを特にその当時は持つていなかつたのでありまするが、その固定資産の償却につきましては普通の事業においても過去において償却したものは認めない、新らしく税法が施行になつてからの固定資産を償却する。
#175
○波多野鼎君 それではどういう意味で一%下げたのでありますか。
#176
○政府委員(荻田保君) これは事業の内容が大体自家労力を尊重いたしますから、労力なら雇用労力でも、自家労力でも同じに見ても差支えないのでございますけれども、過去におきまする事業税の課税率の差等もございますし、又同じぎりぎり一杯個人の所得にかかるようなことも考えられますので、そういうようなことを考えまして一%だけ差をつけたわけであります。
#177
○波多野鼎君 一%差をつける理由は自家労力であるという理由だけですか、自家労力が中心ということが一%差をつけた理由ですか。
#178
○政府委員(荻田保君) さようであります。
#179
○波多野鼎君 それならば第一種事業の中に幾らでもそういうものがあるのです。そういう理由ならば……。
#180
○政府委員(荻田保君) 勿論この各事業の経営規模によりまして自家労力を中心とするものもございまするが、一応線を引くといたしますれば、業態になりましてそれぞれの経営規模でなくて、業態に対して線を引こうというのが我々の考えでございました。
#181
○波多野鼎君 そうすると非常にむずかしくなるのは、業態によるといつたところで、第一種事業の中を見て御覧なさい、日本のように中小企業が非常に多いところでは、ここに挙げられておる事業の中で自家労力によつておるものが非常に沢山あると思うのでありますがね、私は……。
#182
○政府委員(荻田保君) 勿論個々の場合を取ればそういうものがあるかと思いまするが、併し大部分いわゆる商業、或いは工業的なものでありまして、材料を仕入れて固定資産によつて物を作るとか、或いは商品を仕入れて売るとか、單に自家労力だけでなしに物の加工なり、これも流通が伴いますからそういう意味におきましては單に自家労力を中心とする事業とは言えないのであります。勿論小さい本当に家内工業的なものもありますけれども、そこまで見ると切りがありませんので業種によつて分けた次第であります。
#183
○波多野鼎君 それは又別に基準もあつてするのだが、そうなつて来ると弁護士だつてものを売つておるのですよ、知識をものの流通をやつておるのでありますよ。そうでなくても第一種、第二種を分けた理由が自家労力云々というと言えば、第一種の方にいろいろ決めたことに対しては、特別の措置を講じなくてはいけないのだと思う、こういうことであれば業種の基準がはつきりすれば話は分るのです。
#184
○政府委員(荻田保君) 今申しましたように我々は業種の大体の形態がこの医療なら医療、弁護士なら弁護士が自家労力を中心とする、こういうものを除いたもの、例えばその他の第一種の業種は大体自家労力を中心とするものでない、中には小さいもので自家労力だけでやつておるものがありますかも知れませんが、そういうものは別にここに区別をする必要がない、特に事業税においての負担の差違もございますので、今回もそれを大体引継ぎまして普通の商工業と、それから原始産業と、自由職業と、この両者の間に線を引いたのでございます。
#185
○西郷吉之助君 それは細かい点ですが、第一種、第二種、業種別のいろいろな問題があるのでありますが、第一種を見ますと二十までは大きいものですが、二十一からあとのものは第二種事業に入つておると極めて実際変りないものが多い、今の二十九とか、三十の代理業とか、仲立業とかこんなものは本当に一人でやつておるものというのが可なりあると思うのだが、そういう点が分類が基準というものがはつきりしませんね、どうですか、その点は……。
#186
○政府委員(荻田保君) 我々はこの業種による分類ではつきりしておると考えております。業種の中におきまして、経営規模によりまする分類というものは、別に考えませんでした。
#187
○波多野鼎君 そうすると、一%下げた理由がおかしい、分らなくなつて来るのでありますけれども、主として自家労力によるのが第三種事業だから一%下げておるのだということならば、そういうように区別して第一種、第二種事業として挙げてもいいのだけれども、その中にも区別して、第三種事業と同じ税率を課されるものがあつても然るべきじやないかと言うのです。
#188
○政府委員(荻田保君) 勿論そういうものは個々に拾いますればありますが、沿革的な理由が主だと思いますが、やはり業態に上りまして、主として自家労力によつてやつておる業態のものとそうでないもの、こう分けたのでございます。従いまして恐らく将来もう少しこの税が慣れて参りまして、一般に税收入が上るようになれば、附加価値税は恐らく一本の税率にすべきものだろうと考えております。
#189
○柏木庫治君 現行地方税法の十三條なんですが、宗教法人がその用に供する建物及びその境内及び又は構内地には固定資産税を課することができないというのがありますが、今度もこれは改正されていないと思うのでありますが、その建物の中には、宗教の教義を宣布したり教理を実践教導する、又は宗教に必要な教師とかお坊さんとか、そういうようなもののところへ教えを乞いに来る者の泊るところが家屋境内地の中に含まれておると思いますが、政府の所見は如何ですか。
#190
○政府委員(荻田保君) この法案によりましても、第三百四十八條の二項の二号によりまして、「宗教法人がその用に供する家屋及びその境内地又は構内地」というのは固定資産では課税を除外しております。
#191
○柏木庫治君 ですからその家屋というのが、お寺の経営とか、或いは教理を宣布するところとか、教理を実践教導するところとか、その宗教に従事しておる人の往んでおるところとか、教えを乞いに来る者というような家はみんなこの家屋に属するのですね。
#192
○政府委員(荻田保君) この非課税を作りましたのは、宗教のような、信仰の対象になつておるようなもの、これに対して課税する必要はないと考えるので免税規定を置いたわけであります。従いましてただ宗教関係の人が住んでおる家というようなものは現在でも課税除外にはなつておりません。今度も別にそういうものに対してまで非課税にする考えはございません。
#193
○柏木庫治君 そうすると、この家屋というのは何を語るのですか。
#194
○政府委員(荻田保君) これはお寺の建物、神社の建物、教会の建物、普通のいわゆる礼拝をする場所でございます。
#195
○柏木庫治君 お坊さんが庫裏に住んでおりますね。それはどうなるのですか。
#196
○政府委員(荻田保君) その区別の問題でありますが、普通の寺にくつついたような庫裏に住んでおられる、こういうものは別に課税の対象には考えておりません。
#197
○波多野鼎君 その問題で、私の村で、この間帰つて来たところが、本堂を宴会場みたいにしておるところがあるのですよ。神社で昔の社務所を料理屋みたいにして、結婚式場にしたりやつている。こういうものはもう宗教の態形がだんだん乱れて来てしまつて変なことになつていますが、こういうものはどう扱うのですか。
#198
○政府委員(荻田保君) これは程度問題と思いまするが、やはりこの神社においては、神前結婚も宗教行為の一つになると思いますが、そういう本来の目的に使つておる限りにおきましては、特に課税しようと思いません。ただ度を外しまして営業的なことでもあれば、これは又別問題であります。
#199
○波多野鼎君 よくダンスホールに使つておるのです。ときどきですよ、年百年中やつておるわけじやない。
#200
○政府委員(荻田保君) 宗教の用に供することを本来の目的としておるものを一時ダンスホールとか何とかに使う、これはまあ課税の対象にする必要はないと思います。本末顛倒してしまえば別であります。
#201
○三木治朗君 演劇興行というのがありますが、普通の劇団なんかを把握することは簡単だと思いますが、いわゆる旅の興行をして歩く一座なんというようなもの、それから又曲馬団だとかいろいろなものが各地のお祭やなんかを歩いたりするようなもの、これも一つの事業なんで附加価値税が掛つて来ることになると思うのですが、これらの興行というのはなかなか儲かるということは滅多ないので、旅先で解散してしまうなんというような例もよくあることです。それでこの今度の附加価値税で見て行くというと、旅費、宣伝費、宿泊料一切のものが課税の対象になつておるように思うので、営業として全然成立たたないのじやないかと思うし、それから又この税を把握するのに非常に困難があると思うのですが、そういう点如何ですか。
#202
○政府委員(荻田保君) おつしやいましたこの費目の中の宣伝、広告料のごときは、これは引くことにしております。ただ形の問題でございますが、自分のところにおる人にただ歩かせるというようなものは勿論取りませんが、外の、ビラを貼るとか或いは新聞に載せるとか、こういうものは勿論宣伝広告に入れようと思つております。それからぐるぐる廻つて宿泊するのが建前になつておるようなものはこれは内容如何によりましてはやはり控除しなければならんと思います。
#203
○三木治朗君 それで曲馬団のごときは象だとか、馬だとか、熊だとかいう動物を沢山引つ張つて歩きますが、あれは固定資産になるのですか。(笑声)
#204
○政府委員(荻田保君) それは附加価値税におきましてですか、固定資産税におきましてですか。
#205
○三木治朗君 まあ附加価値においても……。
#206
○政府委員(荻田保君) 勿論そういうものを買入れました場合には控除いたします。
#207
○三木治朗君 それから固定資産税として認めますか。固定資産税で償却しなければならないものじやないかと思うのですがね。
#208
○政府委員(荻田保君) これは普通償却資産の中には入つておらないと思いますから、固定資産税はかからないと思います。
#209
○林屋亀次郎君 荻田さんにお尋ねしたいのですが、漁業のことでありますが、漁業者は農林業と区別するということはけしからんと言つておるのですが、その理由としては農業の収穫に対して実に不安定なものであるし、且つ労働賃金というものを非常に拂つて収穫を得るのであるという理由でありますが、政府の所見はどうですか。
#210
○政府委員(荻田保君) 農業と水産業を区別した理由でございますが、根本は、先程申上げましたように農業は固定資産税に土地を営業の主体としておりますが、水産業におきましてはそういうものはございませんので、それに対しましては附加価値税は課税して行きたいという考えであります。
#211
○林屋亀次郎君 併し水産業でも船とか、相当な固定資産というものが必要なのでありますが、そういう見解は如何ですか。
#212
○政府委員(荻田保君) 勿論水産業と雖も、固定資産を使いまするが、これはもう各種の業体全部なのでありまして、恐らく殆んど全部固定資産を使うことになつております。農業が違いますことは、農業自体が殆んど土地の生産物、土地自体が生産の主要の要素になつておりますから、こういう意味で農業だけは除外したのです。
#213
○竹中七郎君 ちよつと意見を述べてお伺いしたいと思いますが、一%減らして頂いておるのは有難いが、その医業の特別所得税、古い税法によりまして、とかく特別所得税というものが非常な問題になつておつた。これは医者というものは、往診その他におきましてこれを拒否することができない。こういうようなわけで、ずつと長年の間特別所得税、いわゆる事業税というものがかかつておらないのを課けられておるのです。この頃ではいわゆる健康保険、或いは国民健康保檢こういうもので強制的にやられておるのでありますから、私は附加価値税におきましては、これは除外されるものではないかと、こういうふうに考えたのであります。医者の方におきましては相当な病院になりますと、特に固定資産税というものが相当大きなものになつて来る。これらにおいて、先程のお話によりますと、固定資産税と交互することになるというお話になりますというと、ここに矛盾して参ると、こういうふうに考えますのですが、一つその点お伺いしたい。
#214
○政府委員(荻田保君) これは、この附加価値税の冒頭に申上げましたように、広く一切の附加価値に対して課税するという建前を採つております。従いまして、医業と雖も附加価値を使用する以上にはすべて対象にいたしたいのであります。然らば農業をなぜ除いたかという問題でございますが、これは先程申上げましたように、農業というものが土地なくては考えられない。殆んどその附加価値の大部分は、むしろ土地の生産物によるものだということが考えられます。従いまして、これを除外したのであります。医業と雖も、勿論固定資産を使いますけれども、その農業との関係からいいますと、これは遥かに固定資産の割合は低いのでありまして、むしろ労力等によります所得の附加価値の方が大きいものでありますから、これは外のものと一緒に課税することにいたしております。
#215
○竹中七郎君 もう一つ、こういうときにはどういうふうに考慮されますか。先程もちよつと問題になつたのでありますが、二つの考え方がございます。副院長を置いてやつておると、それは患者さんが多いために置いておるのだ、自分が働けなくなつて外の公職についておるために、自分の代りにやつて、殆んどそれで一杯になつておるというところにも附加価値税が起つて来る。こういうことになりますがそういうところの考慮は、市町村において按分するのか、こちらの方で大体やらせるのか、どうですか。
#216
○政府委員(小野哲君) ちよつと竹中さんに……、医業で副院長を置いておるような場合ですか。
#217
○竹中七郎君 それは公職についておらなければ必要がない。併しどうしても出ておるために置いておると、こういうのが今までのでありますならば、これはいいわけです。收益の何パーセントというので附加価値になりますと、それが人件費に引掛つて来て、附加価値にはなつていないのですけれども……、こういう問題についてはどちらの方で考慮するか……。
#218
○政府委員(荻田保君) そういう場合に確かに收益から見ますれば負担が変つて来ると思いますけれども、やはり附加価値は初めから申上げておりますように、国民経済に対しては価値を賦課したものという考で、而もその業種の、個々の労働者を掴えるのではなく、個々の業種に課税するのですから、そういう場合も止むを得ないと思います。
#219
○三木治朗君 この新聞業ですか、これは政令で定めるものに限るということがある。括弧して書かれておりますが、大新聞でもこの新聞というものの使命からいつて、相当議論が沢山あるのですが、取りわけ小さな新聞、仮に言うならば党の機関新聞というような週に一回ぐらい、或いは十日に一回出るというような、こういうものはどういうことになるのか、この政令で定めるものに限るという政令はどういうところを抑えようとしておるのか、この点を一つ……。
#220
○政府委員(荻田保君) お配ばりいたしました要綱の中に入つておると思いますが、附加価値税に関する要綱というのがございますが、これの三頁に政令で定める新聞業とは概ね時事の報道を目的とする新聞の発行を目的とする事業、その事業にニユースを提供する事業等、という考えであります。
#221
○三木治朗君 そうすると日々の新聞で、党の機関紙のようなものでも課税対象になるわけですか。
#222
○政府委員(荻田保君) どういう恰好で出ておるか分りませんが、党の機関紙でも單に党内の連絡とかそういう意味のものは入りません。ただ機関紙であるけれども、時事の報道を政党の立場によつて報道しておるという、一般的の時事を報道する、こういうものは勿論対象になる。それから日刊、非日刊でありますが、いわゆる雑誌みたようになつてはおりますけれども、月四、五回以上発行するようなものは、時事の報道を目的とし、新聞の恰好で発行する、これはこの中に入れてあります。
#223
○三木治朗君 そうすると労働組合あたりで出しておる、ああいうものも当然そのときの政治の動きとか、いろいろなものを知らせるのですが、ああいうものにも課税して来るのですか。
#224
○政府委員(荻田保君) そういう団体の機関紙的なものは恐らく出版業といいますか、そういう恰好にならんと思います。会員に対して配つておるものは、別に会費を取つて、その中の一部で新聞を出しておるのでありまして、これは別に対象になりません。
#225
○米倉龍也君 今の会費を取つて配つておるというようなものには、非常に小さいものも大きいものもあるのですが、そういうことは区別なく、そういう経営の実態であるならば、そういうものには課税しませんか、例えばですね、家の光協会というあれなどは一般市販のものじやない。そうしてそれから出て来る剰余というようなものは教育事業に一般に使つておる。ああいうものは結局会費制度の大きなものです、規模が、先程お話のように小さいものじやないのですが、そういう点、具体的なことですが……。
#226
○政府委員(荻田保君) ちよつと家の光協会のことを内容はよく存じませんが、会費が家の光という雑誌を読むだけの、殆んど雑誌を取つておるだけとすれば、こういうものは勿論雑誌の購読料と認めなければならんと思います。つまり雑誌を買うために会員になる。こういうものは勿論その出版業と言い得ると思います。ただ沢山の会費を出して、その一部で自分達の仲間の報導をする機関誌を出しておる。而も公益法人みたいな組織のような場合には対象になつていないということを申上げたのであります。
#227
○西郷吉之助君 それに関連しますが、例えば非課税の対象になつておるが、例えば鉄道であるとか、專売公社は、固定資産税も附加価値税も非課税になつておりますが、例えば実際に專売公社は立派な新聞を出しておりますね。現に例えば議員なんかに配る。そうすると法人はその主体たる事業が非課税の対象であるから文句なく課税の対象から除外されるのか、そういうものは両方共免除されておつても、それの発行する新聞はやはり事業費であるからその新聞には、それでかけるということになるのですか。その区別はどういうことになりますか。
#228
○政府委員(荻田保君) これは日本国有鉄道や、專売公社が行なつております一切の事業の、いわゆる本当の鉄道の事業、それから専売の事業の外にこれの附帯事業の一切を含めまして、一切附加価値税はかからないということになつております。
#229
○委員長(岡本愛祐君) 国鉄のやつておる野球はどうですか。
#230
○政府委員(荻田保君) 具体的に私はつきりは存じませんが、恐らく國鉄自体がやつでおるのではなくて、別の団体を作つてやつておるのだろうと思います。従いまして課税の対象になります。
#231
○委員長(岡本愛祐君) 別の団体を作らないで自分で職業野球をやつていたらかかりますか。仮定の問題ですよ。
#232
○政府委員(荻田保君) 勿論課税できません。
#233
○西郷吉之助君 もう一点はつきりして置きたいのですが、例えば專売公社の場合、固定資産税も附加価値税も非課税になつておりますが、今の御説明ですと、それが新聞を出しておると一切の事業の中に引くるめてかけないと言われるが、系統はそうであつても、全然独立とてそういうものをやつておる場合でもやはり一切を含めるというものの中に入つて、非課税の対象になるのですか、その点をもう少し明確にして置きたいと思います。
#234
○政府委員(奧野誠亮君) 國鉄の職員が仮に別な団体組織でいろいろと事業的なことをやつておる。併し別の法人組織は持たないという場合には、原則的にはそれに國鉄の事業でありますから課税されません。併しながら実質的に仮に形式的には法人格にはなつておりませんが、実質が法人格を持つような組織になつておる。收入の経理にしている。支出も別の経理にしている。こういう場合には二十三條の六項で「法人でない社団又は財団で代表者又は管理人の定のあるものについては、本節中法人に関する規定を準用する。」ということにしておりますが、そういうものは法人と同じような扱いにして置く方が却つて公平であろう。従つてこの規定を適用して課税する場合も生ずると思います。
#235
○岩木哲夫君 議事進行について。大臣は今日お見えにならないのですか。
#236
○委員長(岡本愛祐君) 見えておりましたが、ちよつと急な用ができまして三時半までには帰つて来ます。
#237
○岩木哲夫君 本多國務大臣だけですね。
#238
○委員長(岡本愛祐君) それから通産大臣は衆議院の本会議に出席しておりますから少々遅くなりますから御了承願いたいと思います。出て参ります。
#239
○三木治朗君 放送協会あたりでいろいろ出版物を出しておりますね。あれはやはり非課税なんですか。
#240
○政府委員(荻田保君) 御承知と思いますが、ここに書いてあります放送協会は、今度新しく法律ができますいわゆるパプリツクコーポレーシヨンに属する放送協会でありまして、現在の放送協会を指したのではございません。その新しくできます放送協会がみずから出版をやる場合には、勿論課税の対象になりません。併し別に恐らく出版する場合は別の協会みたいなものを作つてやるのではないかと思いますが、そういう場合には課税の対象になります。
#241
○波多野鼎君 この資料についてちよつと「昭和二十五年度附加価値税收入見込額調」これの説明を聽きたいのですが、地方財政に関する参考計数資料の2の四ページです。
#242
○政府委員(奧野誠亮君) 詳しい資料は更に別途にお配りしておると思うのですが、今仰せの資料で御説明さして頂きます。ここに事業所得といたしまして第一種から第三種まで別に所得を掲げておるわけでございます。更に勤労所得も別にいたしております。こういうものは二十五年度國の予算に計上せられました所得税、更に法人税、それの課税所得から推算いたしておるのでありまして、その課税所得に、基礎控除額に達しないために控除いたしましたもの、そういうものは加えます。更に扶養控除として控除せられましたものも加えます。更に又勤労控除として控除せられましたものも加えたわけでございます。そのうちから農業でありますとか、林業でありますとか、附加価値税の課税対象にならない関係の所得は全部控除して行つたわけでございます。その結果が事業所得で四千七百四十五億一千万円、勤労所得で一兆二百七十億三千万円ということになるわけでございます。で裏から考えて行きます場合に、支拂われた給與額がいくらに当る。それから事業者の得た利潤がいくらに当る。それからプラス地代、プラス家賃でありますが、併し地代、家賃というものはそれぞれの所得によりまして所得税が課されておるわけでありまして、大体においてはこの中に捕捉されておるのではないかというふうに考えでおりまして、特にそれはプラスされていないのであります。特に所得の計算につきましては減価償却費を控除しておるから、逆に減価償却費をプラスしなければいけないと思います。要するに、減価償却費以外に所得を計算すべきでありますので、そこで減価償却額で五百士三億四千八百万円というものを加えたわけでございます。その結果一兆五千五百二十八億八千八百万円という数字が出たわけでございます。
 それから一年間に固定資産として取得される額がいくらあるかという数字を更に資料として提出いたしておりますが、固定資産の見積と合せて、一千三百七十三億三千二百万円というような推定をいたしたわけでございます。ところがそのうちには附加価値そのものが赤字になりまして翌年度に繰越される分があります。それらを控除しては引過ぎでありますので、その部分を三%と推定いたしまして、従いまして現実に課税標準額を推計します場合に、控除すべき固定資産の所得額の九七%でよろしいということから千三百三十二億一千二百万円を控除するに止めたのでございます。その結果この計のAの額からBの額を控除したものに対しまして、更に事業団体の方でこれを運用して行きます場合に、國税と同じようにそれを一兆二千七百七十七億八百万円、こういうことに予定したわけでございます。ところがこのうちで免税点以下のものが相当あるわけでございます。先程の所得の計算におきまして課税除外になりました所得も合算いたしておりますので、従いまして免税点の部分はここで控除しなければならない。そこでそれを推定いたしまして二百八十二億二千七百万円だけ控除したのであります。従つてこの差引の一兆二千四百九十四億七千九百万円というものが現実に課税の対象になる。そうしてこれに四乃至三%の税率を掛けまして、四百八十四億八千百万円という数字が得られるのですが、年度内においては徴收可能な額が、これの九〇%に見たい。更に若干翌年度にずれて行くものも考えられますので、その中の九六%をとりまして、四百十九億六千四百万円というふうな推定をいたしたわけであります。
#243
○波多野鼎君 ちよつと今の問題で質問したいのですが、この附加価値税の課税対象を捕えるのに、國民の所得の面からすつかり取られておるわけですね、これは。で、各個人或いは法人の総売上金から総仕入金を差引くというような考え方と多少違うと思うのだが、それはまあ別としてとに角個人の所得の面からこれを捕えて行つておるのですが、ここで減価償却額を加えるということの意味を一つ、もう少し説明しで頂きたいのですがね。
#244
○政府委員(奧野誠亮君) ここに掲げであります所得は、それを計算します場合に、減価償却額を損金又は必要な経費として控除しておるわけでございます。そこで一応それをプラスしまして、改めて附加価値観の課税方式では、固定資産を取得しました場合には、減価償却額だけじやございませんで、まるまる一遍に控除してしまうわけでございますので、固定資産の取得額として別に控除の数字を上げておるわけでございます。固定資産の取得額をまるまる控除いたしませんと、別に減価償却額を控除するわけではございませんけれども、計算の方法も違いますので、一応減価償却額をプラスしておきました。別に年間におきまして取得される固定資産額を減価償却額だけじやなしに、全額を控除するというような計算の仕方があるわけであります。
#245
○波多野鼎君 つまり所得の面から捕えておつて減価償却というものをちやんと調べて来ることの意味がよく分らない。もう少し、もう一遍説明して下さい。それでは全部取得でしよう。
#246
○政府委員(奧野誠亮君) 総売上金額から外部へ支拂つた金額を控除することを裏から見ました場合もこういうふうに考えております。支拂給與額、それから支拂償却額、それから所得、要するに利潤でございます。それに更にその利潤を計算いたします場合には、損金又は必要の経費として減価償却額だけを控除してございますので、やはり一応減価償却額をこれに加えるべきだろう。これらを推計しましたものからその年に取得いたしました固定資産額というものをまるまる控除する。これをしますと、大体において総売上金額から外部へ支拂つた金額を控除した額に合致して来るのではないかというふうに見ておるわけです。
#247
○波多野鼎君 そうですか、減価償却額というのは、これをやらなければ利潤として分配されるべき性格のものであつたのが減価償却をやつたので、それだけ利潤分が差引かれているので、これを加えることによつて初めて全体の所得が分る、こういう意味ですね。
#248
○政府委員(奧野誠亮君) お話の通りであります。
#249
○波多野鼎君 その次の固定資産の取得額というのは、その年度内において新たにその事業者が取得した固定資産の額ですか。
#250
○政府委員(奧野誠亮君) その通りであります。
#251
○波多野鼎君 ここに出ている一千三百七十三億という数字が固定資産の取得額として出ております。これは何年度の数字ですか。
#252
○政府委員(奧野誠亮君) これは二十五年度においてどれだけ固定資産が取得されるであろうかという推算でありまして、その推算の基礎は別途に昭和二十五年度附加価値税收入見込額調という資料を配付しております。その中に詳しく入つております。御注文によりましては、詳しく説明をしたいと思います。
#253
○波多野鼎君 それを一つ説明して頂きたいのですがね。こんなに沢山固定資産を取得するのですかね。
#254
○政府委員(奧野誠亮君) これは大体の計算ですが、もつと正確に言えば固定資産の取得額が多くなるのではなかろうかというふうな見方もできるわけであります。なぜそういう見方ができるかと申上げますと、国の資金計画におきまして、固定設備に向けられるものが一応千八百億円という計画をいたしております。果して千八百億円がそれに向けられるかという問題が、いろいろあるかも知れませんが、一応そういう計画ができているわけであります。併しながら更にその年度の所得の中から固定設備を取得するものも相当ありますので、附加価値税の課税標準を測定した場合に用いますところの固定資産の取得額というものは、千八百億円よりもつと大きくなるわけであります。従いまして、ここに出しております千三百七十三億というものは、可なり内輪な見積りだということが言えると思うのであります。その内輪だということになります根拠は、固定資産税と合せているからなんですけれども、固定資産でありますと、例えば家屋でも賃貸価格の九百倍で一応時価が出るわけであります。これを基礎にしておりますが、ところが実際建築価格というものはもつとかかるだろうと思います。家屋の賃貸価格が平均しまして二円四、五十銭でありますか、そうしますと二千数百円にしかならない。ところが実際の家屋の建築坪あたりの経費というものは、非常に大きなものだろうと思います。そういうところに問題の根拠があるわけでありますが、便宜、資料の統一をします関係上、そういう固定資産税の見込額をそのまま基礎に用いたわけであります。それで固定資産の取得額といたしましては、家屋といたしまして固定資産税の收入見込額の基礎になりました推計が、要するに賃貸価格に九百倍を乗じた分でございます。これが一兆三千五百四十九億九千万円という数字になつております。この中で事業用の占める割合というものが五三・三%に上つているようであります。更に家屋平均耐用年数を一応三十年と見ております。終戰後の家屋なんかは十五年くらいのものもあるわけでありますが、平均して三十年と見ております。従つてこれの三分の一を取りまして二百四十億六千万円というものが家屋の取得額だ、こういう計算をいたしております。
 それから償却資産におきましては、償却資産の收入見込額の基礎になりました基本価額のうちで、それぞれ工業用機械器具につきましては、平均耐用年数が十五年、電気ガス事業施設については二十五年、地方鉄道及び軌道は四十年、車輌につきましては四十年、船舶で十二年というふうな数字を基礎にいたしまして取得額を推計いたして行きますと、償却資産の分において一千百三十二億七千二百万円ということになります。これを先程申上げました家屋の分とを合わせますと、千三百七十三億三千二百万円ということになるわけであります。
#255
○委員長(岡本愛祐君) 今読まれました資料は、我々の貰つているものにはないですね。
#256
○政府委員(奧野誠亮君) これは別な資料としてずつと前に配付しであると思いますが。
#257
○委員長(岡本愛祐君) まだ来てないようですから、その資料をお出し願います。
 皆さんに申上げますが、先程内閣委員長が見えまして、今日政府から提出をいたしました地方財政委員会設置法につきまして、かねてこの委員会からこの委員会で審査をいたしたい旨を申込んでおつたのです。併し向うの理事会を開きまして、総理府のやはり所管であり、地方自治庁はあちらで審査したのであるからあちらでやりたい。議院運営委員会の委員長もその方が正当だというようなことで、こちらはこちらの審議の便宜上こちらでやることが各委員の希望なんだから、是非そうして呉れという申込みをしたところ、どうもそう行かんから悪からず御了承願いたいと言つて参りました。その代り連合審査をいたしまして、こちらの御希望のときにやります、こういう申出であります。御了承願いたいと思います。
#258
○西郷吉之助君 それは河井内閣委員長もやはりそういうことを強く主張するのですか。
#259
○委員長(岡本愛祐君) 強く主張するのです。
#260
○西郷吉之助君 それはどうも分らんもんだなあ。
#261
○委員長(岡本愛祐君) それに議院運営委員長もその方が正当だと、こう思うのです。
#262
○西郷吉之助君 今地方税法をやつでおりますが、もう日がそうないのだから、限られた日がないのだから、御承知の通り我々馬力をかけているのですが、そういうような事情を勘案しても、尚且つ地方税と一緒に審議することが必要なんですね。この地方財政委員会と兼ねて……。それを敢えて、そういう事情にあるに拘わらずそれを主張するがごときことは実に無定見だと思いますね。議院運営の委員長はよく知らないのですね。
#263
○委員長(岡本愛祐君) よく知つているのです。議院運営委員長に対してもよく説明したのですけれども。
#264
○林屋亀次郎君 それは議運の委員長は一応なんですか、議運の委員会に諮つたのですか。
#265
○委員長(岡本愛祐君) 委員会には諮つてないようです。
#266
○林屋亀次郎君 それは委員長個人の意思ですか。
#267
○委員長(岡本愛祐君) 個人の見解です。
#268
○西郷吉之助君 それはけしからんじやないか。
#269
○委員長(岡本愛祐君) 併し理窟を申しますと、総理庁の所管に属する事項というと、内閣委員会にかかるのが筋道は筋道なんです。そのことは確かなんですけれども、ただ今西郷君のおつしやつたような事情で、こちらに非常に地方税並びに平衡交付金と関係が深いのだから、こちらでやるようにこの際したいという申込をしたのですが、どうもその事情はよく分るけれども、決してこちらの審議に御迷惑になるようなことはしないから、向うでやることにしたいから、悪しからずという申込なんです。
#270
○西郷吉之助君 その内閣委員会は、前議会でも設置法でふうふう言つて音を上げていたのですが、そのくらいなのに、今度こつちはこういう限られているのに、いろいろ事情があつてこれと関連があるから、合同委員会じや、そう言つてやつたんじや、すべてこれと関連してそれを聽こうという場合に実際に聽けないということになる。そういうふうな実際上、審議上不可欠なものを、わざわざ形式的に向うに持つて行くということは分らんものだと思いますね。そういうことは議会全般の法案の審議ということから考えたら分りそうなものだ。それを反駁する余地はないと思う。議院運営委員長が議運の各委員の意見を聽かれないで、そういうことを個人的にやられるということは不当です。これは各会派の意見を聽いて、もう少し慎重にやつて貰わなければ困るじやありませんか、それは不当ですよ。
#271
○委員長(岡本愛祐君) それはそうですね。如何に処理いたしましようか。止むを得ませんから連合審査を二、三回程申込んで、この次の火曜日の午前十時から連合審査をして、主としてこちらに質問さして貰うということにしたらどうですか。
#272
○波多野鼎君 議運にかけた方がいいですよ。やはり議運に一遍かけて貰つたらどうでしよう。運営委員長の個人の御意見だけじや工合が悪い。
#273
○委員長(岡本愛祐君) じやそういうことにいたします。ちよつと休憩いたしまして申込んで来ます。
   午後三時十五分休憩
   ―――――・―――――
   午後三時二十七分開会
#274
○委員長(岡本愛祐君) 開会いたします。
 岩木君、通産大臣が見えましたから。
#275
○岩木哲夫君 通産大臣にちよつと一二関連してお尋ねしたいのでありますが、今度地方税法が御案内のような工合な目的性格を以て現れておるのでありますが、特にこのうち固定資産税、或いは附加価値税等によりまして、企業体及び物価政策の上におきまして、相当の影響があることは御承知の通りでありまするが、これらの税金が新たにこうした構想でかけられるという結果におきまして、いろいろの企業体によつてその性格なり内容も違いまするが、大体製造業、製造業においてもいろいろ種類があります。製造業におきましては、その価格に及ぼす影響をどの程度にお考えになつておられますか。
#276
○國務大臣(高瀬荘太郎君) 御説のように、確かに新らしい租税体系によりまして、企業に対するいろいろの重大な影響が生じて参ります。物価にも影響があると私も考えております。ただその影響が事業の種類、規模等によつて余程違つておると思うのであります。具体的に業種別、規模別等によつてその影響を私の方はまだはつきり調査がついておりませんので、細かいことは実はお答えができないようなわけであります。
#277
○岩木哲夫君 今回の地方税法の改正は、地方の自治、及び財政の確立という点が主眼でありまして、政府の、國の財政計画、経済計画といつたようなものとは、やや遊離いたしておる点に非常な問題もあると思うので、それも微細な点であるならば、これ又適当なる取捨選択、手心と申しますか、收益率、その他の方法で操作もできると思いまするが、例えば運輸業においては、大臣の御案内の通り、この地方税法が通過いたしますれば、地方鉄道は一割八分ですか、一割七分ですか、値上げが殆んど余儀ないということで、閣議にもかけられたようなことで、発表だけ遅れておるように承わつておるのであります。これはまあいわゆる地方鉄道の一例でありますが、その他製造業におきましては、固定資産の、特に償却資産の内容等を、地方自治庁の方々に聞きますれば、相当問題のある査定方法をいたしておる。御案内の企業体には人件費も、その他これに関連する利子とか、その他のものにも、大幅の課税が行われるということで、地方の自治とか、地方の財政確立というもの以上の大きな要素を持つておる。そういつた方面から当然製造業におきまするコストと申しますか、というものは、何倍か、それぞれの今のお説の規模によつて、事業の種類によつて相違はありますけれども、起ることは名々白々のことであろうと思う。現在の物価政策が、或いは財政金融措置、或いは貿易振興、各般の問題に不可分の関係のあることは申すまでもないのでありますが、それらのコスト面に及ぼす地方税法のウエイトというものは、新たに今度企業体としては相当採算をこれに入れて勘定しなければならんという状態でありますので、この際関係通産省としては、これらの問題について早く資料をお出し願いたい。そうでないというと、非常にその政府の貿易対策におきましても、或いは物価政策におきましても、大きな関係があると思いますので、例えば一、二……、今詳しいことはお分りでないようでありますが、一、二例を挙げて、製造業で、こうした業種は何パーセントのコスト面に及ぼす影響、打撃率があるというお見通しでもこの際承つておきたいと思います。
#278
○政府委員(石原武夫君) 只今のお尋ねの……。丁度適当な資料がございませんで甚だ恐縮でありますが、不動産税、或いは附加価値税が、従来の地租、家屋税……或いは附加価値税に相当するのではないかと思いますが、それに関して丁度対応すると考えられますのが、事業税、取引高税……、今度廃止になりました取引高税と比較いたしまして、この負担がどのくらいの負担量になるかということを、各業種につきまして、それぞれ代表的なものにつきまして一、二調べてみたことがございます。それで一、二の例を申上げてみますと、石油につきましては固定資産税は、従来の地租家屋税の合計額の約三十倍ぐらいになるかと思います。併しこれは或る特定の会社の例でございますので、石油業界を平均いたしましてこの数字になるとはちよつと申しかねますが、具体的な例で拾いましてさようになるかと思います。非鉄金属につきましてはこれが約二倍でございます。アルミにつきましては五十倍以上ぐらいになるかと思います。ガスにつきましては十倍から十二、三倍という程度だと思います。それから電力につきましては六十倍乃至七十倍くらいになりまして、それから鉄につきましては三十倍くらい、化学肥料が七倍、電気機械が八倍、繊維、これは紡績でございますが、三十倍、これはこ計算の根拠は、現在の固定資産をシヤウプ勧告通りに再評価いたしまして、一、七五の税率をかけるという前提で一応計算いたしました数字が、今申しましたような個々の会社につきましての例でございます。
 それから附加価値税につきましては、同じような計算で個々の会社にきまして調べたものでございまするが、これが石油は極く二割程度増加する。それから非鉄につきましては五、六割、アルミにつきましてはこれは負担が二十倍を少し超すという程度にると思います。それからガスは五割くらい、電力につきましてはこれは増加をいたしません。鉄につきましては十数倍、肥料につきましては三倍くらい、それから電気機械、繊維につきましてはこれは殆んど一割か、二割というもので、殆んどまあ大したあれはないという程度かと考えております。
#279
○委員長(岡本愛祐君) 只今の資料を刷つて各位に配つて下さい。
#280
○岩木哲夫君 今政府委員から、局長から御説明のような工合に、これは業種、業態によつて、いろいろ違つて、いろいろあると思うのであります。例えば貨物自動車は六十倍であるとか、鉄道会社は十五倍であるとか、保險会社は二十九倍であるとか、機械工業は三倍、四倍とかいつたいろいろ沢山なことによつて、この附加価値税及び固定資産税を総計いたしますれば、この企業体に及ぼす……、赤字、黒字の問題は別問題として、企業体に及ぼす影響というものは非常に大きいのであります。従つてこれらがコストに計上されるということは当然でありまして、これが物価政策上、及びいわゆる政府は国際物価に鞘寄せをしてから貿易振興を図る、日本の物価政策はこうあるべきだという大蔵大臣の方針等と睨み合わして、更にこの地方税のこうした問題は、非常な価格構成の上に、企業経営の上に、貿易振興の上に、国際物価と日本の物価との均衡政策の調整の上に、非常に大きな要素を持つておるのでありまして、結局これがおのおののコスト面に何パーセント、何一〇パーセント打撃があるかという御調査か、当然御関係省としては御調査あつて然るべきと思うのでありますが、まあ今なおざりに附せられておるとは申し難いのでありますが、何だかそれまでまだ御調査がないようでありますが、如何でありますか。こういう点について御研究はないのでありますか。
#281
○国務大臣(高瀬荘太郎君) そういう点につきまして詳細な調査が実際は必要であろうという点は同感であります。ただ併しこれは非常に複雑な問題でありまして、税の種類が沢山ある。この中で或るものは止めになり、或いは軽減され、成るものは何倍かになるということを細かに見なくちやなりませんし、而も一つのコストの中で占めます税の要素が一体何パーセントになりかということが、又事業の種類により、規模により、非常に違つておる。操業度によつて又非常な違いができて来るわけでありまして、これが仮に或る今の統計で三十倍になると言いましても、それがコストの中でその税金が占める一体パーセントが何パーセントあるのだということによつて、影響が非常な違いを来すわけであります。ですから無論通産当局といたしまして、こういう新税制による影響、又それが物価に及ぼす影響による又影響というようなことは考えなければならないのでありますが、できるだけ調査はいたすつもりでありますが、今申上げたような事情でありますから、なかなか細かい点まで一般的に全体の調査ということは容易でないだろうということを私は考えております。
#282
○岩木哲夫君 そういたしますと、各種企業体種別によつていろいろ千差万別だとは私もさように思うのでありますが、こういう結果によつて政府は物価政策と申しますか、或いは価格調整質の政策でありますとか、こういう問題は当然変更を余儀なくせられると思いますが、そういう変更をせられる意図がありますかどうか承わりたい。
#283
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 現在までのところの政府の考えといたしましては、今度の税制改革による影響のために特に価格の上に重大な訂正を加えなければならんということはまだ考えておりません。
#284
○岩木哲夫君 これは当然起つて来る問題として、政府においてもこれに対する対策と申しますか、進むべき動向を明らかにせられないと、企業体が経営を続行し或いは将来の企業体を拡張し、その動向を変更することに非常に迷う点があるだろうと私は思うのでありますから、親切な方法として当該関係省が当然これらに対する研究、動向を明らかにして、これに対する適切な対策が私は必要だと深く信じております。そこでこの地方税法に関しまして、政府側として主に折衝された事務的な方はどなたか知りませんが、先ずその重要な衝に当つておる荻田自治庁次長が、当委員会でいろいろだんだん説明されておる中に、今度の附加価値税が、赤字課税につきましても、その他人件課税につきましても、中小企業に及ぼす影響については非常に深刻甚大なものがあるのであります。然るに自治庁の荻田次長は、これらのものは非常に軽くなるのである、況んや中小企業は商売しておる以上は皆黒字であつて、赤字等は考え得られないという方針を堅持しておられるようで、これが司令部の一つの大きな資料となつておるということは否めない事実であります。こうした事態によつて、通産大臣とされましては、自治庁では中小企業で商売をやつておる以上は、皆黒字で、赤字だということは絶対あり得ないという観点から、こういう課税対象と申しますか、構想を司令部へ進言されておるという、かように思うのでありますが、これに対する通産大臣としてのお考えを承わりたい。
#285
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 附加価値税というものは純所得に課税されるわけでございませんで、赤字であつても課税されるということになるわけでありますが、赤字の事業をそういつまでも継続するということは経営者としてやらないことだろうと私は考えておりますので、長期に原則的に考えれば荻田次長の言われるようなことが言えるのだろうと思いますが、併し短期的に考えて行く場合におきましては、やはり赤字経営というものも事実ある場合もあると思いますが、そういう場合にはやはり結局は赤字になるという事業につきましても、この税金が課せられるという場合があり得ると私は考えております。
#286
○岩木哲夫君 この附加価値税、固定資産税でも同様でありますが、中小企業に及ぼす影響というものは、その耐久力維持力の脆弱な上に、さなきだにもう疲弊困憊している。税はこれ又重税と申しますか、こうした税金がいろいろの角度から課せられるということによつて、非常な脅威、非常な憤激をいたしておるのでありますが、政府は、又大蔵大臣は、十月頃にはばたばたじたばたする者がなくなるだろうというくらいに中小企業は殲滅されるようなことを御方針として披瀝されておるのでありますが、それへ更に追討をかけるというようなことは、一つの大きなもうすでに社会問題化する廃れがあるので、現在こうした税金で困る先へも、中小企業の今申上げた状態に、更にこうした追討ちをかけるというようなことの事実に対しまして、通産省といたしましては、通産大臣とせられましては、どういう対策を講ぜられておりますか承わりたい。
#287
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 中小企業か現在のような経済変動の時期におきまして、非常に困難な立場に立つということは、私も認めておるのであります。従つてただでさえ非常に困難な状況にありますので、税金が若し非常に増加されるということになれば、尚一層の困難を生ずるということは否定できない事実であります。併しながら今日の中小企業の非常に困難な状況というものがますます悪くなるのだという見通しは、私は必ずしも当つておらないと思います。経済の状況は、私は決してそう悪い方向にばかり行つているとは考えておりません。よい方向にも向つておる状況もあると思うのであります。従つて中小企業につきましても、適当な援助指導を実行いたしますればそんなにひどい状況にならないで済むのじやないかと私は考えておるわけでありまして、通商産業省といたしましては、通産企業庁を通して中小企業がこの困難な時期を何とかして犠牲が少なく円滑に経過できるようにしたいということで、金融その他あらゆる面を通して努力をしておるわけであります。税金の方の問題は、国家の財政問題又地方財政と中央財政との関係等から、やはり一定の方針で実行されておるわけでありますが、それを何とかして負担できるような負担能力を以てそうして尚困難を凌げるという方向に持つて行きたいというのが、今日の私共の方針であるわけであります。
#288
○岩木哲夫君 それからもう一つお尋ねいたしたいことは、見返資金を投資した企業体、或いは債務償還によつて浮いた金を国が投資する企業体というものにつきましては、いわゆる国策に準じた方針と仮に解釈されましても、ここで地方税はそういう国策機関、国策企業体といつたものに対すると否とを問わず、例えばそういう対象にならない中小企業であるとか、それ以外の企業体というものは、非常なそこに課税の上において同様に課せられる場合においても、資金措置において金融措置において非常なウエイトがつくわけでありまして、見返資金をどうするとか、或いは今申上げたような政府投資企業全体には、仮にこういう地方税の重税に堪えられましても、それ以外の者は非常な困難な状態になるという意見が成り立つのでありますが、こうしたような、国が投資する或いは見返資金を投資するといつたようなものの企業体以外の企業体におきまする打撃と申しますか、非常な困難さに対しまして政府は別途に何か考慮がありまするかどうか、これはまあこのまま放任するわけでありますかどうかということをお伺いしたいと思います。
#289
○国務大臣(高瀬荘太郎君) お話のように直接には見返資金からの投資は中小企業の方面は無論困難なものであります。併しながら見返資金を通して金融機関への資金が流れて行く、金庫を通しての見返資金の流れというようなことから、やはり見返資金による資金及び金融の恩恵は、或る程度は中小企業と雖も受けられるであろうと考えております。そうして又普通銀行を通じましての中小企業の金融資金の問題も、政府としてはできるだけの努力をいたしておるわけでありまして、中小企業に対する枠とか、中小企業に対する特殊な部門とかいうようなものを、普通銀行としてもこれを作りまして特別な努力をするというようなことで実りする方針になつておるわけであります。
#290
○岩木哲夫君 もう一つお尋ねしたいことは、自治庁が資料とされておりまする附加価値の基本に関しましては、約一兆五千億と推定する。これの九〇%を捕捉可能額としておるのでありますが、安本の資料によりますれば、これが二兆十六億というような数字が出て、我々としてはどつちを正しいと見ていいのか、勿論自治庁は自治庁の出した資料を基本とするであろうと思いますが、通産省としては、これはどつちが正しいと考えておられますか。
#291
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 通産省としては、無論そういうことの推定ができますれば非常に結構でありますけれども、なかなか困難でありまして、私共としては、まだそういう正確な推定を実はいたしておりません。
#292
○波多野鼎君 ちよつと関連して……、先程御説明されました石油が三十倍だとか、アルミが五十倍といつたこれはどの税金と比較してなんですか、資料を出して貰つたときに詳しく聽きますけれども、一応伺いたいと思います。
#293
○政府委員(石原武夫君) 先程申しましたのは、固定資産税につきましては従来の地租、家屋税と比較いたしました。附加価値税につきましては或いは適当かどうか分りませんが、事業税と取引高税の合計の負担額と比較いたしました。
#294
○波多野鼎君 それ程大きいとは私は実は思わなかつたのですが、こういうものは自治庁から出しておる資料では以前よりも大分減つておるようなことを言つておるものですから、まるで天地の隔たりということになるのですが、自治庁の出しておる調査では事業税、取引高税合せたものよりも附加価値税は大分減ることになつております。
#295
○政府委員(石原武夫君) 先程ちよつと私がお断り申上げたのですが、今申しましたように、私の方で調べましたのは各業種における大企業だけについて調べたのであります。殊にその企業の一会社か或いは二会社をとりましたので、全体の税收の関係から申しますと、さようなことになつておらんという点もあるかも知れませんが、殊に附加価値観につきましては、御承知のように收益が大企業につきまして丁度振り変ると申しますか、事業税を相当納めておつたという企業に、つきましては、附加価値税を納めるにしましてもそれ程負担が多くならない。併しながら従来事業税を納めておらないところは、附加価値税だけが完全にプラスになつて来るということで非常に増えるということになろうかと考えております。私共の方は特殊な一二の会社を調べた資料であります。
#296
○波多野鼎君 そこでやはり資料を出して貰つたときにもう一遍お尋ねしますが、自治庁から出しておる資料と非常に違うのです。あなた方の方では特別の一、二の会社を例に取つて言われたことになりますが、それにしても我我の受ける印象はべらぼうなものになつてしまうので、どうか一つ詳しい資料を出して下さい。
#297
○政府委員(石原武夫君) 承知しました。
#298
○岩木哲夫君 地方自治庁は償却資産の見積りを工業用機械だとか、電気、ガスとか船舶というものに限つて昭和二十年九月から二十四年七月現在におきまする倍数を四七、一倍として算定しておる。それの基礎は卸売物価価格を参酌してへかような額を出しておるということをいつておるのであります。通産省としてはこうした四七倍の卸売物価を基準としてこういう見積りをしたようなものは、自治庁は司令部と折衝された。こういう資料を以て考えられたということに対しましては御相談があつたかなかつたか承わりたいと思います。
#299
○政府委員(石原武夫君) 今お話の点は私共お打合せは受けておりません。
#300
○岩木哲夫君 そこで問題はこの倍数なるものは大きな非科学的な要素がしるし、而もこの二十年は終戰直後のあのどさくさの当時であります。三十年九月といえば終戰直後のどさくさの、あの荒削りの殆んど盲算定に対して、而もそれの卸売物価としてこういう工業用機械だとか、電気、ガスとか、船舶とかいうふうなものの固定資産を却売物価で見る。而も二十四年の七月というのは殆んど物価として最高に近いときであつたと思います。これについては自治庁は少し割引して五二%と見積る。だからそういつた要素も含んでおると言いますけれども、こういう全く何を基礎にしたのか、而もその基礎資料が薄弱であるし、而もこういう重要企業については、当該通産省としては、これが企業経営に及ぼす影響及び運輸省におきましても運賃の問題につきましても、又電気、ガスは家庭生活の上におきましても、企業経営の上におきましても実に重要なる要素とされておる。こうしたものに対して自治庁が素人ではありますまいが、漠然としたこういう見積り方をしたというところに非常に問題があるのであります。又地方鉄道及び車輌についてはこういう見積り法ではなく、二十四年九月の建設費というものを基礎として見積つておる。大体基礎的な観念はどこに置いておるのか、何故地方鉄道と車輌というものはこういう見積り方をするし、工業用機械、電気、ガスは二十年の九月と、二十四年の七月との物価倍数で見積つたというような、こういう重大な基礎資料をシヤウプ博士に提案して、そうしてこういう地方税は重要な企業、産業に甚大な影響を及ぼすような課税基礎を算定したということは、私は由々しき問題であると思いますが、通産省がそれを知らんということになると、それはどういうことなんですか。そう辺の真相を知りたい。
#301
○政府委員(石原武夫君) 御承知のように、税金の課税の基準になる課税価格というものと、時価というようなものはいつも一致しておらないものであります。そこで税金の方の課税の場合には、まあ確実に立て易い課税標準というものを土台として行きますし、通産省方面としては経営の現実の問題として考えますから、どうしても時価とか現実のコストというものを土台として考えなければならないというところから、まあ見込みというか、見方の違いはおのずから生ずるものとは私は考えております。併し影響という点によりますと、これはどういう課税標準を採るかということによつて建つて参りますので、自治庁がどういう課税価格というものを採るのかということを見た上で、我々としては考えるということになるのではないかと思います。
#302
○岩木哲夫君 そうしますと、地方税が、税金が、取り易い方法を先にやらんで、後のとばつちりは運輸省でも、通産省でも、厚生省でも後拭いをすると、こういうふうに解釈するのですが、どうですか。政府は、大蔵大臣の言を藉りれば、古今を通じて誤らん総合予算と称して、中央、地方の税制を総合的に、一貫して産業計画等を睨み合わせてやつたというのですが、これ又どういう点を衝いてやつたのですか。
#303
○政府委員(石原武夫君) 決してそういう出たらめを考えておるわけではありませんが、事実問題として課税技術上、非常にそこに困難の点があるだろうと思います。時価というものは始終動いておるものであります。又建設費と言いましても、事業によつて非常な違いも出て来る。併しまあ一般の原則標準として現課税価格というものが、現実の、そのものの現在持つ価格を余りに飛び離れたものであつていいということは言えないわけであります。それを余り離れない範囲においては、自治庁としてはやはり自治的の見地で考えられるということがどうしても起きると私は考えております。
#304
○岩木哲夫君 そうしますと、地方税法が恰も優先するような感じを受けますが、その結果によつてそうした先程局長からの説明等によりましても明らかなるごとく、或るものにおいては三、四倍だが、或るものにおいては三十倍、四十倍という打撃があつて、これが企業体或いは生産費のコスト上に及ぼす要素、これに伴う企業体の経営から生ずる人員整理、各般の問題は、挙げた大きな社会問題とも化する虞れがあるし、物価政策の上におきましても、国際貿易の観点から見ても由々しき私は大問題であると思うのでありますが、こうした問題を自治庁がやるという、後の尻拭いをするかのような感じを受けると、若しこの税法が六月一日から施行されて、そうしてその打撃が一年先に起つた後で通達省が対策を立てるというようなことの感じを受けますが、それじや政府が言う一貫した総合予算であるとか、中央、地方の税法を改正、総合して国の産業計画に資するんだとか、地方自治のどうとかいつたようなこととは凡そ掛け離れた問題になつて来ますが、もう少しなんとか重大な、国を挙げての反対をし、国を挙げての重要法案としての地方税法に対しまする関係省、これはひとり通産省ばかりでなく、運輸省におきましても、厚生省におきましても、労働省におきましても、その他関係各省重要な問題でありますが、これをややもすれば軽んぜられ、なおざりにされておる感じが深いのですが、それではちよつと国民が、或いは企業体としましても、そこに不安を持つのでありまして、これらに対する当然物価がなんぼ上り、これに対する人員整理がなんぼ起る。或いは厚生費、人件費等の削減によつて、社会保障制度がどうなるかというような点まで波及する点が多いに拘わらず、政府は何らこれに対して対策を講じておらんばかりか、新税法の辛辣なる税を取られる点に国民の大きな反対があるのでありまして、政府がこうした派生的な事態を善処することによつて、私は納得し得ないものの、やや辛抱もできる。少くとも辛抱ができるという点もあると思うのですが、それらが殆んどなおざりにされておるということは、重大なる政治上の欠陥ではないかと思うのでありますが、これはひとり通産大臣ばかりお責めするわけではありませんが、通産大臣として、一応最も関係の深い通産大臣としての責任ある御答弁を煩わしたい。
#305
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 無論地方税の課税につきまして、私共関係の産業界方面への影響をできるだけ最小限度に……、若し負担が重くなるならば、したいという希望を持つことは当然なわけであります。殊にその課税が適正、妥当でなければならないということも無論考えておるところでありまして、従つてそれについて一番問題になりますのは、まあ評価の問題だろうと思います。従つて今お話の点に、結局は評価に帰着するわけでありまして、私共はこれが自治庁で勝手な見込みによつて決められていいというようなことはちよつとも考えておらないのでありまして、妥当適切な評価その他の方法が行われて賦課されるものと期待しているわけであります。そうしてそれによつて生ずる影響につきましては、現在私共の考えておるところでは先程申したようなわけでありまして、金融資金、或いは経営費その他の方面によつて何とかこれを克服して行けるようにしたい。それができるだろうかということで、全部を挙げて努力しておるというのが今日の状況であります。
#306
○岩木哲夫君 政府は今回の予算につきまして、当然こうした平衡交付金及び地方秘法というものを総合的に組んでおることは政府説明において明瞭であります。今大臣のお説によりますれば、自治庁がこうしたことをやつているのであつて、そうしたいろいろなことについでは、できるだけ善処したいということではこれは治まらんと思うのでありまして、やはり総合予算と称して中央、地方を通ずる財政はもとより経済政策、敢えて古今を通じて誤らんこの予算といい、政策というておるのに、自治庁が通産省にこういうこしによる結果、而も現在通産省の企業局長から説明のごとく、小は三倍、大は六十倍に跨がるような大きな問題は、私は大きな問題であると思う。これに対して次善の策を講ずるのが建前であるべきに拘わらず、何等次善の策が予算に現われておらないではないかと思うのでありますが、これはいわゆる泥繩というものでありますかどうか。その辺を一遍どうぞ。
#307
○政府委員(石原武夫君) 先程説明を申上げたように、非常に倍数も影響の多いものであります。そういうところでありますが、実は地方税だけで企業に影響が出て参りませんので、御承知のように再評価の問題がございまして、それが若し強制されますと、その影響と地方税の影響とを含めて、企業全体の影響がどうなるということが実に的確に出て参るわけであります。併し再評価の方が二義になりました関係上、ここに弾力性がございますので、その評価をどの程度にするか。殊に再評価税という問題がございますので、その辺を如何にするかによりまして非常にこの倍数の大きなるものが絶対にその、業種として受入れられないということもちよつと断言いたし兼ねるような状況になつておりますので、この辺の関係がございますので、これだけを切離しまして、企業も或いは業種によつて非常に致命的なあれだという結論が下しにくいような状況になつております。
#308
○岩木哲夫君 資産再評価は大体十月頃分るだろうということらしいのですが、その結果によりますれば、今、局長が説明された以上の又波乱的な凹凸が生じてくる。これで決定的なものじやないと申しますが、恐らく私は十月の再評価におきましては、ソフトのものだとは思われますけれども、又著しくこの自治庁が見積つた評価の基準というものと結果というものとは、又喰違う問題が、私は現われてくることが多くなると思う。あなたの方は、その結果によつてやると申しますが、これはますます企業体が困難な状態に追込まれることでありまして、課税は六月から、これが執行される状態である。ところがそれは、適正なものはいいが、適切を欠くところにおいては、非常に悪影響を受けることになる。例えば、私は昨日も広幡の製鉄所の例を申しましたが、あそこは現在一億円の納税をしておるものが、今度のこの結果によつて、三億五千万円姫路市に納入することになるらしい。又船舶関係におきましても、私が申すまでもなく、東京、横浜、大阪、神戸とか或いは門司だとか、こういつたようなところにおきまする集結した船舶に関しまするこれらの関連した税金と、これらの問題が非常に大きな問題でありまして、現在先般シヤム米の績入れに、三ドル四十一セントの落札ということを政府がダンピングだといつて拒否された。そこで我々の常識としては、三ドル四十一セントというものは高いのである。またまだ三ドルぐらいでなければならんと思うものを、叱られるつもりで運賃を入札しても、三ドル四十一セントはダンピングだということになる。ところこの地方税法が、船舶にかかる場合にきましては、非常に運賃のコスト高になりまして、到底経営はできないし、海外の船舶との競争ができないと陳情があることは政府も御案内の通りであります。これらの貿易に及ぼす影響等から考えれば、政治上からいいましても、価格調整金を七月に打切るとか、打切らんとかいつた問題が再現する虞れがある。若しそれを等閑にして、価格調整金を打切り、或いは海外貿易に自国船を利用するとか、しないとかいつたようなことに関連して、この税法というものは、由々しき事態を惹起するというわけでありまするので、これの再評価が出てからどうのこうのということでなくて、今日予備審査されておるし、各方面からの陳情をちよつと一瞥してもこれは明々白々の事実でありますから、これらに対して関係者が何ら対策を講じておらんということは、私は一つの重大な怠慢、責任であろうと思うのでありますが、何度責めても同じだかも知れませんが、併しこれは由々しき事態と思いますので、政府の善処案を、一つの責任のある答弁が望ましいと思います。
#309
○国務大臣(高瀬荘太郎君) 再評価に関する課税と、再評価によるコスト高の問題、両方お考えになつているのじやないかと思いますのですが、再評価は御承知の通り、任意であります。どのくらいの事業が、再評価をいつやるかということは推定でありまして、はつきりしたことは、実は分らない問題だと思う。再評価をやつて直接事業の成績に影響を及ぼして参りますのは、はつきり目に見えるのは税金の問題であります。後は帳簿価格を引上げるということで、それが成績に影響して来る場合は、減価償却をそれに応じてうんと多くするかどうかという問題で影響が来るかと思つております。無論、それらの点が産業に重大な関係があることははつきりいたしておりますので、私は無論、今まで当面の通産省関係の責任者ではりませんでしたけれども、閣議におきまして、それらの点はすべての大臣が考慮したところでありまして、それらの考慮も加えて、自治庁がいろいろ関係方面との折衝もやつて、その結果決まつたのが現在の法案であります。それによつて生ずる影響は、無論考えて、いろいろと手段を講じておるのでありまして、決して等閑に付しているというわけではございません。再評価の結果の課税の問題、減価償却、それによるコストへの影響、従つて物価への影響ということは十分検討しております。
#310
○波多野鼎君 議事進行ですが、岩木君どうですか、まだ通産省の方でも十分調査しておられんようだから、今お話なさつても、なんだか暖簾に腕押しのようになつて切りがつかんと思うので、先程お約束した資料、特に附加価値税並びに固定資産税、この原案通りにやつた場合に、どういうような経営上に影響を及ぼすかという問題、特に中小企業と大企業とは区別して考えて頂きたいと思うのは、中小企業では労働者を使う、沢山使いますし、大企業、特に化学工業では比較的奬置、いわゆる奬置産業で、労働者は余り使わないということから負担の不公平の起るということは当然出て来ますが、そういうことを考慮して頂いて、資料を出して頂いて、それから議論したらどうですか。
   〔「賛成」と呼ぶ者あり〕
#311
○国務大臣(高瀬荘太郎君) じやいずれ資料は提出いたしましよう。
#312
○委員長(岡本愛祐君) 通産大臣に対する御質問は外にありますか。波多野さん何か……。
#313
○波多野鼎君 ありません。
#314
○委員長(岡本愛祐君) じやどうぞ。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#315
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて。
 それでは本日はこの程度にいたして散会いたします。
   午後四時二十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           波多野 鼎君
           岡田喜久治君
           竹中 七郎君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           堀  末治君
           岩木 哲夫君
           林屋亀次郎君
           柏木 庫治君
           西郷吉之助君
           鈴木 直人君
           米倉 龍也君
           濱田 寅藏君
  国務大臣
   文 部 大 臣
   通商産業大臣  高瀬荘太郎君
   国 務 大 臣 本多 市郎君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次長 荻田  保君
   総理府事務官
   (地方自治庁財
   政課長)    奧野 誠亮君
   通商産業事務官
   (通商企業局
   長)      石原 武夫君
ソース: 国立国会図書館
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