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1978/02/13 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会 第3号
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1978/02/13 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第087回国会 大蔵委員会 第3号
昭和五十四年二月七日(水曜日)委員長の指名で、
次のとおり小委員及び小委員長を選任した。
  税制及び税の執行に関する小委員
      阿部 文男君    池田 行彦君
      小渕 恵三君    大村 襄治君
      小泉純一郎君    後藤田正晴君
      村上 茂利君    森  美秀君
      大島  弘君    川口 大助君
      只松 祐治君    貝沼 次郎君
      宮地 正介君    高橋 高望君
      安田 純治君    永原  稔君
  税制及び税の執行に関する小委員長
                小泉純一郎君
  金融及び証券に関する小委員
      阿部 文男君    愛知 和男君
      稲村 利幸君    宇野 宗佑君
      後藤田正晴君    谷垣 專一君
      堀内 光雄君    山崎武三郎君
      川口 大助君    佐藤 観樹君
      横路 孝弘君    坂口  力君
      宮地 正介君    竹本 孫一君
      安田 純治君    永原  稔君
  金融及び証券に関する小委員長
                稲村 利幸君
  財政制度に関する小委員
      愛知 和男君    佐野 嘉吉君
      高鳥  修君    谷垣 專一君
      堀内 光雄君    本名  武君
      山崎武三郎君    山中 貞則君
      伊藤  茂君    池端 清一君
      美濃 政市君    坂口  力君
      宮地 正介君    竹本 孫一君
      安田 純治君    永原  稔君
  財政制度に関する小委員長  高鳥  修君
  金融機関の週休二日制に関する小委員
      池田 行彦君    小渕 恵三君
      大村 襄治君    佐野 嘉吉君
      原田  憲君    村上 茂利君
      森  美秀君    綿貫 民輔君
      佐藤 観樹君    沢田  広君
      山田 耻目君    貝沼 次郎君
      坂口  力君    高橋 高望君
      安田 純治君    永原  稔君
  金融機関の週休二日制に関する小委員長
                綿貫 民輔君
─────────────────────
昭和五十四年二月十三日(火曜日)
    午前十時五分開議
 出席委員
   委員長 加藤 六月君
   理事 稲村 利幸君 理事 小泉純一郎君
   理事 高鳥  修君 理事 綿貫 民輔君
   理事 佐藤 観樹君 理事 山田 耻目君
   理事 坂口  力君 理事 竹本 孫一君
      阿部 文男君    愛知 和男君
      池田 行彦君    宇野 宗佑君
      大村 襄治君    佐野 嘉吉君
      原田  憲君    堀内 光雄君
      村上 茂利君    森  美秀君
      山崎武三郎君    山中 貞則君
      伊藤  茂君    大島  弘君
      沢田  広君    只松 祐治君
      貝沼 次郎君    宮地 正介君
      高橋 高望君    安田 純治君
      甘利  正君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 金子 一平君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  林  義郎君
        大蔵大臣官房日
        本専売公社監理
        官       名本 公洲君
        大蔵大臣官房審
        議官      米里  恕君
        大蔵大臣官房審
        議官      福田 幸弘君
        大蔵省主計局次
        長       禿河 徹映君
        大蔵省関税局長 副島 有年君
        大蔵省国際金融
        局次長     平尾 照夫君
 委員外の出席者
        国土庁地方振興
        局離島振興課長 永井 誠一君
        外務省経済局外
        務参事官    国広 道彦君
        外務省経済局外
        務参事官    遠藤  実君
        外務省経済局国
        際機関第一課長 池田 廸彦君
        厚生省薬務局経
        済課長     古賀 章介君
        農林水産省経済
        局保険管理課長 土屋 國夫君
        農林水産省農蚕
        園芸局果樹花き
        課長      畑中 孝晴君
        農林水産省農蚕
        園芸局畑作振興
        課長      伊藤 律男君
        通商産業省通商
        政策局国際経済
        部国際経済課長 守屋 一彦君
        通商産業省基礎
        産業局非鉄金属
        課長      原木 雄介君
        資源エネルギー
        庁石油部計画課
        長       箕輪  哲君
        郵政大臣官房電
        気通信参事官  金光 洋三君
        大蔵委員会調査
        室長      葉林 勇樹君
    ─────────────
委員の異動
二月五日
 辞任         補欠選任
  安田 純治君     不破 哲三君
同月六日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     安田 純治君
同月七日
 辞任         補欠選任
  永原  稔君     加地  和君
同日
 辞任         補欠選任
  加地  和君     永原  稔君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  永原  稔君     甘利  正君
同日
 辞任         補欠選任
  甘利  正君     永原  稔君
    ─────────────
二月十三日
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第五号)
同月五日
 一般消費税の新設反対等に関する請願(長谷雄
 幸久君紹介)(第六〇三号)
 同(林孝矩君紹介)(第六〇四号)
 同(春田重昭君紹介)(第六〇五号)
 同外一件(二見伸明君紹介)(第六〇六号)
 同(加地和君紹介)(第七四七号)
 一般消費税新設反対等に関する請願外一件(岡
 田哲児君紹介)(第六〇七号)
 同(田中昭二君紹介)(第六〇八号)
 同(竹内勝彦君紹介)(第六〇九号)
 同外六件(竹内猛君紹介)(第六一〇号)
 同(野村光雄君紹介)(第六一一号)
 同(平石磨作太郎君紹介)(第六一二号)
 同(広沢直樹君紹介)(第六一三号)
 同(荒木宏君紹介)(第七三六号)
 同(正木良明君紹介)(第七三七号)
 同(宮井泰良君紹介)(第七三八号)
 同(宮地正介君紹介)(第七三九号)
 同(矢野絢也君紹介)(第七四〇号)
 同(薮仲義彦君紹介)(第七四一号)
 同(山田太郎君紹介)(第七四二号)
 一般消費税の新設反対に関する請願(武田一夫
 君紹介)(第六一四号)
 同(浅井美幸君紹介)(第七二八号)
 同外三件(小川新一郎君紹介)(第七二九号)
 同(大野潔君紹介)(第七三〇号)
 同外三件(草川昭三君紹介)(第七三一号)
 同(草野威君紹介)(第七三二号)
 同(坂口力君紹介)(第七三三号)
 同(高橋高望君紹介)(第七三四号)
 同外一件(伏屋修治君紹介)(第七三五号)
 揮発油税等石油消費税の増徴に関する請願(阿
 部文男君紹介)(第六一五号)
 同(愛知和男君紹介)(第六一六号)
 同(青木正久君紹介)(第六一七号)
 同(天野光晴君紹介)(第六一八号)
 同(伊東正義君紹介)(第六一九号)
 同(池田行彦君紹介)(第六二〇号)
 同(石井一君紹介)(第六二一号)
 同(石川要三君紹介)(第六二二号)
 同外一件(稻村佐近四郎君紹介)(第六二三号)
 同(小此木彦三郎君紹介)(第六二四号)
 同(小渕恵三君紹介)(第六二五号)
 同(越智通雄君紹介)(第六二六号)
 同(大石千八君紹介)(第六二七号)
 同(大塚雄司君紹介)(第六二八号)
 同(粕谷茂君紹介)(第六二九号)
 同(片岡清一君紹介)(第六三〇号)
 同(金丸信君紹介)(第六三一号)
 同(久野忠治君紹介)(第六三二号)
 同(久保田円次君紹介)(第六三三号)
 同(鯨岡兵輔君紹介)(第六三四号)
 同外一件(熊谷義雄君紹介)(第六三五号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第六三六号)
 同(小宮山重四郎君紹介)(第六三七号)
 同(河本敏夫君紹介)(第六三八号)
 同(國場幸昌君紹介)(第六三九号)
 同(近藤鉄雄君紹介)(第六四〇号)
 同(佐々木義武君紹介)(第六四一号)
 同(佐藤文生君紹介)(第六四二号)
 同(齋藤邦吉君紹介)(第六四三号)
 同(始関伊平君紹介)(第六四四号)
 同(澁谷直藏君紹介)(第六四五号)
 同(島村宜伸君紹介)(第六四六号)
 同(正示啓次郎君紹介)(第六四七号)
 同(砂田重民君紹介)(第六四八号)
 同(田中伊三次君紹介)(第六四九号)
 同(竹中修一君紹介)(第六五〇号)
 同(玉生孝久君紹介)(第六五一号)
 同(地崎宇三郎君紹介)(第六五二号)
 同(戸沢政方君紹介)(第六五三号)
 同(中村弘海君紹介)(第六五四号)
 同(中村靖君紹介)(第六五五号)
 同(中山利生君紹介)(第六五六号)
 同(永田亮一君紹介)(第六五七号)
 同(丹羽久章君紹介)(第六五八号)
 同(羽田野忠文君紹介)(第六五九号)
 同(葉梨信行君紹介)(第六六〇号)
 同(長谷川四郎君紹介)(第六六一号)
 同(鳩山邦夫君紹介)(第六六二号)
 同(原健三郎君紹介)(第六六三号)
 同(平泉渉君紹介)(第六六四号)
 同(福田篤泰君紹介)(第六六五号)
 同(福永健司君紹介)(第六六六号)
 同(増岡博之君紹介)(第六六七号)
 同(松永光君紹介)(第六六八号)
 同(箕輪登君紹介)(第六六九号)
 同(水平豊彦君紹介)(第六七〇号)
 同(向山一人君紹介)(第六七一号)
 同(村上茂利君紹介)(第六七二号)
 同外一件(森喜朗君紹介)(第六七三号)
 同(綿貫民輔君紹介)(第六七四号)
 同(渡部恒三君紹介)(第六七五号)
 同(与謝野馨君紹介)(第七五〇号)
 重度身体障害者使用自動車に対する自動車関係
 諸税の非課税に関する請願(中井洽君紹介)(第
 七二六号)
 東京教育大学筑波移転跡地の払い下げに関する
 請願(西岡武夫君紹介)(第七二七号)
 国民生活を破壊する一般消費税の新設反対等に
 関する請願外一件(坂口力君紹介)(第七四三号)
 物価をつり上げる一般消費税の新設反対等に関
 する請願(古川雅司君紹介)(第七四四号)
 同(松本忠助君紹介)(第七四五号)
 同(吉浦忠治君紹介)(第七四六号)
 みなし法人課税制度の合理化に関する請願(坂
 口力君紹介)(第七四八号)
 同外六件(藤井勝志君紹介)(第七四九号)
 不公平税制の是正及び大幅減税等に関する請願
 (渡部一郎君紹介)(第七五一号)
同月八日
 一般消費税の新設反対等に関する請願(新井彬
 之君紹介)(第七八三号)
 同(飯田忠雄君紹介)(第八六一号)
 同(池田克也君紹介)(第八六二号)
 同(島本虎三君紹介)(第八六三号)
 一般消費税の新設反対に関する請願(有島重武
 君紹介)(第七八四号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第七八五号)
 同外一件(山田太郎君紹介)(第七八六号)
 同外三件(石田幸四郎君紹介)(第八〇二号)
 同(大島弘君紹介)(第八〇三号)
 同(貝沼次郎君紹介)(第八〇四号)
 同(沢田広君紹介)(第八〇五号)
 同外二件(竹入義勝君紹介)(第八〇六号)
 同(楯兼次郎君紹介)(第八〇七号)
 同(中野寛成君紹介)(第八〇八号)
 同外四件(宮井泰良君紹介)(第八〇九号)
 同(矢野絢也君紹介)(第八一〇号)
 同(伊藤茂君紹介)(第八五一号)
 同(池田克也君紹介)(第八五二号)
 同(石田幸四郎君紹介)(第八五三号)
 同外一件(中川嘉美君紹介)(第八五四号)
 同外五件(美濃政市君紹介)(第八五五号)
 同(正木良明君紹介)(第八五六号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第八五七号)
 同(岩垂寿喜男君紹介)(第九一一号)
 同(川口大助君紹介)(第九一二号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第九一三号)
 国民生活を守るため一般消費税の新設反対等に
 関する請願(野口幸一君紹介)(第七八七号)
 同(野口幸一君紹介)(第九一六号)
 一般消費税新設反対等に関する請願(野口幸一
 君紹介)(第七八八号)
 同外二件(佐藤観樹君紹介)(第八一二号)
 同外一件(佐藤観樹君紹介)(第八五八号)
 同(市川雄一君紹介)(第九〇六号)
 同(大久保直彦君紹介)(第九〇七号)
 同(大野潔君紹介)(第九〇八号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第九〇九号)
 同(近江巳記夫君紹介)(第九一〇号)
 老年者年金特別控除制度の改善に関する請願
 (亀岡高夫君紹介)(第八〇〇号)
 たばこの専売制度存続に関する請願(亀岡高夫
 君紹介)(第八〇一号)
 国民生活を破壊する一般消費税の新設反対等に
 関する請願(河村勝君紹介)(第八一一号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第八五九号)
 同(永原稔君紹介)(第八六〇号)
 重度身体障害者使用自動車に対する自動車関係
 諸税の非課税に関する請願(有馬元治君紹介)
 (第九〇五号)
 揮発油税等石油消費税の増徴に関する請願(河
 野洋平君紹介)(第九一四号)
 同(依田実君紹介)(第九一五号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四号)
     ────◇─────
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を求めます。金子大蔵大臣。
    ─────────────
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#3
○金子(一)国務大臣 ただいま議題となりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における内外の経済情勢の変化に対応するため、関税率等について所要の改正を行おうとするものであります。
 以下、この法律案につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 第一に、最近における産業の状況等を勘案し、十五品目に係る関税率の改正を行うことといたしております。
 まず、フルフラール等十一品目について、その自給率、外国産品との競争力等国産品の実情を考慮し、課税負担の適正化を図るため、関税率を引き下げる等所要の改正を行うことといたしております。
 なお、アルミニウム製錬業界が深刻な状況にあること等を考慮し、アルミニウムの塊に対する関税割当制度を五十四年度に限り存続するとともに、一次税率を引き下げることといたしております。
 このほか、タマネギについて、最近の実情等にかんがみ、関税無税点を引き上げることとし、また、除虫菊については、国内生産の状況等を勘案し、関税割当制度を廃止することといたしております。
 第二に、昭和五十四年三月三十一日に適用期限の到来する原重油等九百五十一品目について、その適用期限を一年間延長することといたしております。
 第三に、昭和五十四年三月三十一日に適用期限の到来する原油関税に係る減免還付制度について、石油化学製品製造用原油の減税制度等を廃止するほか、それぞれ適用期限を一年間延長することといたしております。
 以上、関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を申し述べました。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#4
○加藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
#5
○加藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島弘君。
#6
○大島委員 ただいま提案理由の説明がございましたが、私は本日、この暫定措置法改正につきましての若干の問題と、それからあわせて東京ラウンドの問題につきまして若干お伺いいたしたいと思います。
 まず第一に、いまお話のありました関税暫定措置法の改正でございますけれども、日本はもちろん貿易立国でございますけれども、現在、好むと好まざるとにかかわらず、この自由貿易か保護貿易かということの二律背反的な非常にむずかしい立場にあるのですが、この法律改正の背景になっている関税政策の基本方針というものにつきまして、まず大臣から説明を承りたいと思っております。
#7
○金子(一)国務大臣 世界経済は現在緩やかな景気回復の過程にありまするけれども、御承知のとおり、失業やインフレあるいは国際収支の不均衡というような厄介な問題を抱えている国が多く、その結果、保護貿易主義の傾向が高まろうとしております。こういう状況でわが国の関税政策は、保護貿易主義の高まりを抑えて、自由な世界貿易の拡大を目指すために、関税率の障壁をできるだけ軽減することを基本とすべきものと考えまして、このような観点から東京ラウンド交渉にも従来から積極的に参加して妥結促進に努めておる次第でございます。
 また、関税政策の重要な他の側面として、わが国の農林水産業、中小零細企業あるいは資源産業等を保護することが大事なことでございますので、こういった分野について今後とも適切に対処していきたい、こういうことを関税政策の基本としておる次第でございます。
#8
○大島委員 関連いたしますけれども、あわせて大臣にお伺いいたしたいのです。
 大臣は恐らく昭和五十五年度から一般消費税の導入をお考えになっていると思うのですが、一般消費税と申しますのは、もちろん御存じのとおり、輸入もしくは消費に関するもの、この二つだと思います。そうした場合に、もし導入した場合に関税局、つまり出先の税関機関等において、現在の機構、定員でそのまま一般消費税を受け入れられるのか、もしくは定員の大幅な増とか機構の大幅な改正とかいうことについてお考えになっているのでしょうか、一般消費税の関係でその点をちょっとお伺いいたしたいと思います。
#9
○副島政府委員 お尋ねの一般消費税が導入された場合の関税局あるいは税関の関与の問題でございますけれども、税制調査会が先般答申をいたしまして、「一般消費税大綱」では輸出入物品につきまして、まず財貨の輸入を課税の対象とし、輸入時に関税及び他の消費税とあわせて申告し納付する、それから輸出取引につきましては、非課税としまして、輸出取引に対応する仕入れに係る税額については、還付を行うという二つの大きな柱を答申をしているわけでございます。
 御承知のように現在、輸入品に係る関税及び内国消費税の申告納付の業務につきましては税関が担当しているわけでございます。したがって、輸入に係る一般消費税の申告状況がただいま申し上げましたこの大綱に示されたような方式で行われることになった場合には、過去に蓄積したノーハウという観点からいっても、税関がその業務を執行するのが適当ではないかと私どもは思っております。
 一方、輸出品につきましては、税関では現在、関税の減免、戻し税事務のほかに内国消費税の還付のための輸出証明事務を行っております。しかしながら、一般消費税導入の場合に税関がどういうふうに取り組むかという問題につきましては現在検討中でございます。
 いずれにいたしましても、一般消費税につきましては現在、大綱ごとに制度の細目についての検討をこれから詰めることになっておりまして、税関の関与の仕方あるいは執行体制等につきましても、これと並行して検討していきたいというふうに考えております。
#10
○大島委員 いまの関税局長の御答弁は、私の質問にそのものずばりに答えていただいてないと思います。
 大臣にお伺いしたいのですが、本当にこの一般消費税を五十五年度に導入した場合に、税関の現状の組織、機構、定員だけではとてもそれは及びもつかないと思います。したがいまして、現在の大臣の腹として、たとえば現在の税関職員の定員をふやすとかあるいは機構を拡大するとか、そういう気持ちを大臣がお持ちになっているかどうかということを大臣からお伺いしたいのです。
#11
○金子(一)国務大臣 率直に申しまして現在の段階では、まだ所要人員の規模について具体的な詰めを行う段階に至っておりません。消費税の内容をとにかく早く固めたいということで、いま大蔵当局が懸命に内容の検討に入っておる段階でございますので、それと並行して機構、人員の問題を検討しなきゃいかぬと思っておるのでありますが、これをやったからといってそう大ぜいの人を抱えなきゃならぬように持っていくべきではないと私は考えておるわけでございます。
#12
○大島委員 しかし、現行の定員、機構のままでいきますと、これは大変な労働強化になるというふうに私たちは考えているのです。
 いまの大臣の御答弁では、現在のところ税関職員についてはそこまでは考えていないという御答弁ですが、それは同時に、内国税につきましても同じことでございますか。
#13
○金子(一)国務大臣 内国税としての一般消費税の人員につきましても、現在の一般消費税の中身を詰めまして、極力手の省けるような制度、執行を図るように持っていかなきゃいかぬという気持ちで検討をさせておる最中でございます。
#14
○副島政府委員 ただいまの大臣の御説明を若干補足いたしますと、御承知のように現在、税関は関税と消費税と両方取り扱っておりますので、税関につきましては基本的には、一般消費税の業務が加わりましても制度的に特に新たに変わるという問題じゃなくて、むしろ現在のやり方とほぼ同様の形での事務量がかなりふえるという問題になるのではないかという感じがいたします。
 ただいま大臣からお話しございましたように、一般消費税実施のために税関でどの程度の人員を要するかという問題は、制度の細目の詰めがまだできておりませんので、これと並行して今後検討していきたいということでございますので、現段階では、人員規模について申し上げることはちょっとまだできない状況でございます。
#15
○大島委員 今回の関税暫定措置法の改正につきまして、関税割当制度に係るものがちょいちょい見られるのですが、この関税割当制度について関税局長はどういうふうに考えておりますか、その長所とか短所とかいうことです。
#16
○副島政府委員 関税割当制度は御案内のように、輸入品を安価に入手しようとする需要者と当該産品と競合する産品の国内生産者、この利害を調整するというために、輸入数量に応じて二重の関税率を適用する制度でございます。すなわち、一定の輸入数量の枠内に限りましてまず無税あるいは低税率、これを一次税率と申しますが、これを適用して、需要者に安価な輸入品の供給を確保する一方、この枠を超える輸入分については高税率、これを二次税率と申しておりますが、これを適用することによって、国内生産者の保護を図るという仕組みがとられておるわけでございます。この一次税率の適用を受けます数量につきましては、関税審議会に諮問の上、政令で定めることとなっているわけでございます。
 この制度は、昭和三十六年に貿易の自由化が行われましたが、その際に、国内産業に対する急激なショックを緩和して自由化を円滑に遂行するためにとられた措置でございます。ただいま大島委員御指摘のように、関税割当制度には、長所と同時にいろいろ問題点もございます。
 まずその長所としては、いま申し上げましたように第一に、需要者と国内生産者の双方の利害を調整できる。それから第二番目には、自由化等に対して国内産業への急激なショックを緩和することができる。それから第三番目に、段階的にたとえば二次税率をだんだん下げていく、あるいは一次税率の割り当て量の拡大を行うということによりまして、国内産業の合理化を推進し、経済情勢の変化に対応して割り当て量が調整できるという点が挙げられるのではないかというふうに考えます。
 しかしながら同時に、関税割当制度につきましては、二次税率の水準がたとえば著しく高い、あるいは割り当て量が必要の輸入量に比べまして非常に小さい場合、その他運用が不適切になりますと、輸入制限とほほ似たような結果、効果が出るということで、過度の輸入抑制効果が生まれるという弊害がございます。第二番目に、制度が長期にわたって継続をいたしますと、本来この制度が目的といたしております国内産業の合理化をかえって阻害しやすいという問題がございます。それから第三番目に、いまの仕組みで申し上げましたように、輸入手続が複雑であるという問題があるのではないかというふうに思っております。
 私どもの関税割当制度に対する考え方でございますが、関税割当制度については、いま申し上げましたようないろいろな問題点もございますので、個々の関税割当制度につきましては、国内生産者の側においてまず不断の合理化の努力をしていただくということが必要であると同時に、私ども行政庁の側においても、絶えずその存続の意義や適用の実態あるいは国内産業の合理化の状況等の検討を行いまして、その存続の可否や廃止のめどを明らかにするということが必要であるというふうに考えております。
 五十四年度改正におきましても、ただいま申し上げましたような考え方に基づきまして、個々の品目の関税割当制度について検討いたしました結果、今回除虫菊について関税割当制度を廃止することにしたわけでございます。
#17
○大島委員 本改正案におきまして、いろいろ個々の品目について他の委員から御質問があろうと思いますが、私は、いまお話しの除虫菊についてだけお伺いしたいと思います。
 除虫菊に対しての関税割当制度が廃止され、特恵税率の新設がされましたが、この改正の趣旨はいかがなものなんでしょうか。特恵税率のないところは、恐らくアフリカのケニアとかタンザニア等だと思うのでございますけれども、その辺の趣旨をちょっと説明してください。
#18
○副島政府委員 この除虫菊の現行関税割当制度は、ただいま大島委員から御指摘がありましたように、ケニアからの関税引き下げの要望にこたえると同時に、除虫菊の生産農家を保護しつつ、蚊取り線香等の原料の安価な供給を確保することを目的といたしまして、昭和四十七年度に設けられたものでございまして、割り当ての枠内で輸入される除虫菊については無税となっているわけでございます。
 今回廃止をする理由でございますが、御承知のように、近年蚊取り線香の需要が大幅に減退をしてきておりますこと、並びに合成原料への依存度が高まっておりますことによりまして、除虫菊に対する需要が非常に減少してきております。他方、農民サイドに立ってみますと、収益性の低い除虫菊から他の作物への転換が進んできております。したがいまして、国内での除虫菊の生産量及び生産農家数も大幅に減少してきております。必ずしも正確なぴったりした数字ではないと思いますけれども、過去七年間の数字で見てみますと、除虫菊の生産農家は三千九百軒から現在千百軒ぐらいに落ちております。それから生産量もたしか、二百六十トンから百トンぐらいまで低下をしてきておるというふうな状況でございます。このような状況に加えまして、割り当て量の消化率、これは昨年度で申しますと、一次税率の割り当て量、無税の割り当て量が千三百五十トンでございますけれども、その消化状況は三〇%内外まで落ちてきております。したがいまして、関税割当制度を維持する意義はほぼなくなってきたものではないかというふうに考えて、今回廃止をすることにしたわけでございます。
 それから、この特恵税率を無税とする理由でございますけれども、現行の関税割当制度のもとで、ただいま申しましたように、一次税率は無税でございますが、その無税のもとでも先ほど申しましたように、枠の消化率が非常に低いということで、需要自体がかなり落ちているのではないかということ、あるいは、もともと無税にいたしましたのは、ケニアからの関税引き下げの要望にこたえたということもございますし、現在の輸入先がケニア、タンザニアというふうな開発途上国であるということから、特恵を無税にいたしまして、これらの開発途上国の除虫菊の生産、輸出の発展に十分こたえることを考えた次第でございます。
#19
○大島委員 ただいまの御説明によって、過去七年間で大体農家軒数も生産量も三分の一程度に落ちたということですが、今回この改正によって、除虫菊の栽培農家に対する影響とかあるいは除虫菊を加工しているメーカー、こういうものに対しての影響というものをどういうふうにお考えでしょうか。関税局としまして加工メーカーに対する影響をお答えにくければ、厚生省に来てもらっていますから、厚生省にお伺いしても結構です。
#20
○古賀説明員 除虫菊の加工メーカーにとりましては、今回改正の前後におきまして実態的な影響を受けていない、制度的にはむしろ有利であるというふうに考えます。
#21
○大島委員 和歌山県は栽培農家というのはありませんが、除虫菊加工メーカーというのは実に多く、この前コレラ騒ぎで有名になった有田市周辺に主として多いのですが、現在蚊取り線香は、クーラーの普及とか電気蚊取り線香の開発、あるいは後進国の自給自足等によりまして、除虫菊加工メーカーに従事する労働者というのはいつ何どき首切りが起こるかもしれないという、まさに戦々恐々たる状況が現状でございます。こういう除虫菊加工メーカーに対する将来の見通しとかその対策というものを、厚生省経済課長はどういうふうにお考えになっていただいていますか。
#22
○古賀説明員 先ほども関税局長から御説明されましたように、それからいま大島先生が言われましたように、除虫菊の加工製品になりますところの蚊取り線香の需要というものは非常に低迷をしておる。その一つは、生活環境が非常に整備されてきたというのも一つの大きな理由ではないかと思います。それから合成原料の出現というようなことでございます。それからさらに、円高によりまして輸出というものが非常に伸び悩んでおるというようなことでございまして、除虫菊の加工メーカーを取り巻く環境というものは非常に厳しいものがあるというふうに考えております。
 そこで、これは先生御承知のように、加工メーカーの大部分は中小企業でございますので、中小企業対策の一般的な対策としての税制でありますとか金融の面の特例措置がございます。それから、円高中小企業対策特別措置法に基づきます指定業種にもなっているわけでございますので、これらの施策というものを都道府県または政府関係機関と十分連絡をとりまして、行政指導に十分遺憾なきを期してまいりたい、そういうふうに考えています。
#23
○大島委員 昨年、和歌山県有田市にあります和歌山除虫菊株式会社が先行き不安を感じまして、現在のところ貸借対照表は黒字でありながら解散決議をして、従業員十何人の首を切ったという話は御存じですか。
#24
○古賀説明員 先生から今回御質問がございますことを契機に調べたわけでございますが、蚊取り線香は薬事法上、医薬部外品というものでございます。医薬部外品の製造業の廃止届けが昨年の十月七日付で和歌山県を経由して厚生省の薬務局審査課に提出されております。その廃止の理由などにつきましても一切触れておらない、それから県からも、いろいろな紛争があったというようなことにつきましての報告も受けていないということでございますので、直ちに和歌山県を通じまして実情の調査をいたしたということでございます。
#25
○大島委員 結局、退職金や一時金等の支払いで一応解決したのでございますけれども、ほかの現在まだ操業中の除虫菊関係の従業員は一日一日不安でしようがない。先行き不安だから会社解散して首を切られる。これは現行法上、労働基準法もあるいは株式会社、商法もこれは禁じてませんから、大株主が先行き不安だと見て判断した場合には解散できるわけになっておるのです。そういうことをされると、ほかの従業員というのはまさに戦々恐々でございます。私は、いまお話ししました昨年の和歌山除虫菊の労働争議の問題だって、あれほど地元の新聞に載っており、また一流紙にも相当載ったわけですから、厚生省の出先機関とか県庁とかその他の機関がもう少し親身になって事態に対処していただくことを希望しておったのでございますが、残念ながらそういうことはありませんでした。今後におけるこういう不況業種に対する厚生省の態度、対策ということについて、再度この場でお伺いしたいと思います。
#26
○古賀説明員 今回の問題は、一つの教訓にいたして、これからの行政指導に遺憾なきを期してまいりたいというふうに考えておりますが、やはり中小企業対策というものは個々具体的な個別問題であろうと思うわけでございます。私ども全国の部長会議などの席におきましても、どうか個別事案として、個別問題として都道府県なり私どもの厚生省の方に持ち込んでいただきたいということをむしろ言っているわけでございます。今回和歌山県から報告がありませんでしたけれども、十分これを教訓にいたしまして、これから都道府県及び関係の政府機関と十分連絡をとって行政指導に遺憾なきを期してまいりたい、こういうふうに考えております。
#27
○大島委員 早速各都道府県にひとつこれを契機として、できるならば文書通達でも出していただきたいと思います。厚生省の方どうも御苦労でした。退席していただいて結構です。
 次に、東京ラウンドにつきましてお伺いしたいと思います。
 まず大臣にお伺いいたしたいのですが、例の東京ラウンドの妥結の時期、それに関連する国内関係法の整備等について、どういうふうに現在のところお考えになっていらっしゃいますか。特に東京ラウンド妥結の時期は大体いつごろと見られているかということです。
#28
○金子(一)国務大臣 東京ラウンドの妥結の時期的な見通しについては、いま確たることは申し上げられないのでございまするけれども、私どもといたしましては、できるだけ早い機会に片づけたいという気持ちでおります。
#29
○大島委員 近いうちにアメリカの中間選挙がありますし、あるいはEC諸国においても選挙が行われる見込みであります。さらにまた、五月の初めにマニラにおいてUNCTAD、つまり国連貿易開発会議で、発展途上国における追加的利益の確保という東京ラウンドの目的、この目的について不十分であるという抗議をされる予想がある、多分に予想される。したがいましてそういう観点から見まして、東京ラウンド妥結の時期は四月のごく初めごろと見て差し支えないですか。
#30
○副島政府委員 東京ラウンド交渉は大島委員も御承知のように、昨年の七月にボンのサミットにおいて、昨年の十二月十五日をめどに交渉を完了するという合意ができていたわけでございますが、その後米国の議会で相殺関税の延長法案が否決をされまして、その関係でEC諸国の中の一部では、この推進にやや慎重な姿勢をとるという国が出た関係もございまして、昨年中は、日本とアメリカあるいは日本とスウェーデンあるいは日本とスイスというような一部の国の間では交渉について大筋の妥結ができたわけでございますけれども、最終決着が本年に持ち越されたことは御承知のとおりでございます。
 しかしながら、ただいま大島委員も御指摘のありましたように、アメリカは選挙という問題もございまして、本年の一月四日に米国行政府は議会に対して、東京ラウンド交渉妥結の意図を通告をしております。そして四月上旬には交渉を正式調印に持ち込みたいという意図を表明をしております。またECも現在のところ、三月上旬のEC理事会に最終的な案を図って四月合意を目指しているというふうに聞いております。
 わが国といたしましても、先ほど大臣から申されたように、世界経済が必ずしも順調な回復を示していない現在、保護主義の台頭を防止するためにも、一日も早くこの東京ラウンドを成功裏に終結させることが必要であるというふうに考えておりまして、現在鋭意最後の詰めを行っているところでございます。
#31
○大島委員 したがって、先ほど話しましたように、五月の初めにはマニラにおいてUNCTADがありますから、これは恐らく東京ラウンドの突き上げが予想されますので、少なくとも四月中であるということは言えますですか、見通しとして。
#32
○副島政府委員 日本といたしましては、一日も早くやりたい、これは何も四月まで待たなくてもやりたいという意向でございますけれども、御承知のように、本交渉は多角的交渉でございまして、アメリカもあればECもある、あるいは開発途上国もあるということで、各国の利害がかなりふくそうしておりますので、何月何日まであるいは何月までにまとめるということをここで申し上げることは非常にむずかしいわけでございますけれども、先ほど申しましたように、米国、ECとも四月上旬を目指して何とか合意にこぎつけたいという意向でございますので、わが国も遅くともそれまでには合意にこぎつけたい、そういうための努力をしているところでございます。
#33
○大島委員 大体わかりました。四月の上旬、大体五日ごろじゃないかというふうに私たちは理解いたすわけでございます。
 東京ラウンドにつきまして、いろいろ問題がありますが、私は本日、この東京ラウンドに関する中で、オレンジと果汁の問題と、それから電電公社等の政府調達のこの二つの問題にしぼってお伺いいたしたいと思います。
 まず、東京ラウンドに関しますオレンジ、果汁の関係でございますけれども、農林水産省の果樹花き課長に来ていただいていますのでお伺いしますが、東京ラウンドにおきまして、昨年十二月にオレンジ、果汁の輸入枠につきまして決着をいたしたそうでございますけれども、その概要をちょっと簡単に聞かしていただけませんか。
#34
○畑中説明員 先生御指摘のように、十二月の五日に農産物の二国間交渉については一応の決着を見たわけでございますが、それまでに再三協議が持たれまして、米側はその間におレンジにつきましてもあるいは果汁につきましても、基本的には自由化というものを強く要求をしておったわけでございます。最終的には私どもの方はこれに対して、確かに日米の経済問題というのは全体としても非常に重要な問題でございますが、温州ミカンにつきまして国内的に非常に苦しい事情を抱えております。そういう背景から、やはり果樹農業の将来というようなものに悪影響を及ぼさないということを基本といたしましていろいろ折衝をしてまいったわけでございますが、その結果、オレンジあるいは果汁についても自由化はしない、そして一九八〇年度から八三年度までの間に段階的に輸入枠の拡大をするということで決着を見たわけでございます。
#35
○大島委員 国内のミカン生産者、和歌山県ももちろんでございますけれども、静岡県、愛媛県、佐賀県等はこれで非常に強い不安を持っていますのですが、念のためにこの前の妥結した数字だけを、一九八二年までですが、ちょっと簡単に教えていただけませんか、輸入枠。
#36
○畑中説明員 オレンジにつきましては、現在年間通じまして四万五千トンでございますが、それが一九八〇年度には六万八千トンに増枠をいたします。さらに八一年が七万二千五百トン、八二年七万七千トン、一九八三年度に八万二千トンという数字でございます。
 それからオレンジジュースにつきましては、現在五分の一の濃縮果汁で三千トンでございますが、これを一九八〇年度に五千トン、その後五百トンずつふやしまして一九八三年に六千五百トン、それからグレープフルーツのジュースは現在千トンでございますが、これを一九八〇年度に三千トンにいたしまして、その後千トンずつ増枠しまして一九八三年度に六千トンにするということになっております。
#37
○大島委員 農林水産省の畑中課長さん、これはもう一遍お伺いしたいのですが、一九八二年に八万二千トンということで、その場合に再協議ということになっていますが、本当に自由化は約束されたのじゃないですか。
#38
○畑中説明員 一九八二年ではございませんで、数字的には一九八三年度に八万二千トンでございますが、協議の時期は一九八二年の後半前後という非常に幅がある状況でございますが、双方の都合のいい時期に協議するということになっております。
 これは具体的には内容として、これまでのこの間にやりますオレンジの増枠とかいろいろな問題を見ながら、あるいはそのときの国内の各種の状況等を判断をして協議をするわけでございまして、現在の段階でこれ以降自由化するとかしないとかそういう約束を一切いたしたわけではございません。
#39
○大島委員 一九八二年後半において恐らく自由化の約束はされないと思いますけれども、されますと、もう国内温州ミカン生産業者というのはまさに大きなダメージをこうむると思います。
 いずれにしましても、自由化とはいかなくても今回の枠拡大によりまして、国内温州ミカン生産業者に対する対策というようなものを農林水産省ではどういうふうに考えていらっしゃいますか。
#40
○畑中説明員 現在、お話し申し上げましたような数量であれば、特に柑橘の出回りの非常に少ない六−八月ですと、全体の国内柑橘の二%ぐらいしか出回りがございませんので、この時期を中心にしたいわゆる季節枠というものを主として数量拡大をいたしましたので、国産の柑橘に大きな影響が出るというふうに私どもは考えているわけではございません。しかし国内の柑橘、特に温州ミカンにつきましては、御承知のように大変過剰な状況でございまして、これを何とか需給の均衡を図らなければいけない。そのためにまず、需要の拡大をするということが非常に大切なことだと考えまして、果汁の学校給食への導入というようなこともやりまして、需要拡大をまず第一番にやる。それから、どうしてもそれで過剰分が吸収ができません部分がございますので、そういったものについては、できるだけほかの作物あるいはほかの柑橘類にかえていくという意味で生産の調整をしていくということを考えておるわけでございます。
 そういう基本的な対策とあわせまして、特に今回のオレンジの増枠によって何らかの影響が出るというおそれ、そういうものに対して生産者が非常に不安に思っておられますので、そういう場合にはすぐ適切な措置がとれるように、特別な基金を五十四年度において積むように考えている次第でございます。
#41
○大島委員 国内生産農家というのは、数字を並べると確かに国内生産、温州ミカンの生産は三百万トン、今回の輸入枠によって拡大されるのは最高といえども八万二千トンであって、数字的に見れば大したことはないとこれは言えると思うのですが、しかし農家としては、そういう数字は知らない、ただオレンジ、果汁の枠が拡大されるあるいは最終の場合に自由化に行くかもしれない、そういうことの不安が非常に大きいのが現状だと思うわけでございますけれども、これにつきまして農林水産省としては、PRとかそういうことをおやりになっていらっしゃるのですか。
#42
○畑中説明員 私ども昨年季節枠というのを初めて設けたわけでございますが、そのときに六月に約一万二千トンのオレンジが一カ月間で入ってまいりました。それの影響等いろいろ分析をいたしましても、確かに国産の果樹が非常に少ない時期でございましたこともございますが、国内的に余り大きな影響がなかったというようなこともございまして、私ども特にPRというそういうことを特段やっておるわけではございませんが、いろいろな会議なりあるいは生産者の方のお問い合わせなりいろいろな場面では、昨年の経験等もお話しして、この程度の数字であればそれほど大きな影響はないのではないかというようなお話を随時申し上げているわけでございます。
#43
○大島委員 そういうことで、過剰生産ですから価格はどうしても下がります。現在のところ温州ミカンにつきましても、自然災害の場合には共済制度がございますが、この価格下落については共済制度はない。したがいまして、クオンティティーだけじゃなくてプライス、いわゆるPQ方式というものを真剣に考えられて、自然災害だけではなくて価格下落の際についても補償するというようなことは農林水産省としてはお考えになっていらっしゃいませんか。いわゆるPQ方式と言われるものですが……。
#44
○土屋説明員 お答えいたします。
 共済と価格問題というのは大変むずかしい問題を抱えておりまして、農林水産省としては四十九年度からある研究機関に委託いたしまして、その問題の検討をずっと五年間続けてきております。近く今年度中にはその結論が出される予定になっておりますので、そういう検討結果等を踏まえまして、当省としても検討会をさらに設けて、この問題については検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#45
○大島委員 そういう前向きの御答弁で非常に結構だと思います。農家もそれを聞けば非常に喜ぶだろうと思うわけでございます。
 それで畑中課長、私思うのですけれども、現在国内生産三百万トンというのは確かにあり余る。国民一人当たりがこれを消化しようと思ったら、どれだけ赤ん坊から老人までミカンを食べなければならないかということになると、大変な数字になると思うわけですが、そこで、そういう無理なことをしなくても、これをジュースとか、政府が買い上げまして備蓄しまして、それを食糧備蓄やあるいは場合によっては後進国援助の方に向けるということはできないでしょうか、そういうことをお考えになったことはございますでしょうか。
#46
○畑中説明員 これは援助の場合は国連及びFA
Oの合同の世界食糧計画というもので通常やる場合が一般的でございますが、これで以前にマレーシアにミカンかん詰めを援助したことがございます。私どもとしては毎年この計画に対して、こちら側としては現物で供与する用意があるということを申し出ているわけでございますが、どうもミカンのかん詰めとかあるいはジュースとかいうものよりはもう少し腹にたまった方がいい、そういう感じもございましょうか、なかなか発展途上国からの要求はございませんので、現在、毎年こちらとしては準備をしておりますが、四十九年度の一例を除きましてその後は出てないのが実態でございます。
#47
○大島委員 腹にたまらないかもしれませんが、そもそも農林水産省が昭和三十八年ごろをピークとして、とにかくミカンをつくれつくれ、こう言われたわけです。たとえば和歌山県の生産業者なんかでも、家財を売り、先祖代々の土地を売ってミカン畑に転作したわけです。いまとなってあり余る、今度もう少し減反などと言われたら農家は大変困ると思うのです。そういう意味におきまして、せめてもの救済措置として、そういうふうなたとえば備蓄用とかあるいは後進国援助とかいうことで政府の責任において買い上げるというようなことにつきまして、十分検討していただきたいというふうに思います。それでは農林水産省、どうも御苦労さんでした。
 次に、東京ラウンドで政府調達、特に電電公社を中心とする政府調達問題についてお伺いしたいのです。
 まず関税局長、日米問題のうちで、政府調達に関して、調達体の範囲、たとえば電電公社とか国鉄とか専売とか、そういう範囲についてどのような方針でおられるわけですか、お答えできますか。
#48
○副島政府委員 政府調達の交渉につきましては、昨年の十二月にいわゆる政府調達のコード、規約に関する大筋の合意はできているわけでございます。現在その大筋の合意に基づいて最終的な詰めを行っておりますが、それと並行いたしまして、コードの適用対象範囲というものについて、これは二国間ベースで話し合いが行われているわけでございます。
 同交渉において、ただいま大島委員がおっしゃったように、アメリカがわが国に対して、電電公社を中心といたします政府関係機関も調達体に含めるように要請をしてきていることは事実でございます。
 ただ、一般に伝えられておりますのは、いかにもアメリカが一方的に日本側の譲歩を強いているというふうにとられがちでございますが、これにつきましては、アメリカの方といたしましても、まずバイアメリカン、現在ありますアメリカ国産品優遇制度をやめる、それから、アメリカ自体も中央政府のほかに、あるいはTVA、いわゆるテネシー・バレー・オーソリティー等の政府機関もこの調達内に含める、かなりの広範囲のオファーをしてきているわけでございます。
 したがいましてわが国としても、その対応に非常に苦慮をしているわけでございますが、わが国といたしましても、この政府調達のコードのもともとの趣旨からいって、できる限り市場開放化を図るということが基本方針でございますが、他方、国内にもいろいろな事情もございます。そういう事情も十分勘案して対処していきたいというふうに考えております。
#49
○大島委員 外務省の経済局から来ていただいているのですが、いまの関税局長の御答弁について、外務省からつけ加えられることがあったらこの際お話ししていただきたいと思います。調達体の範囲についてどのような方針でいるのか。
#50
○遠藤説明員 実は、政府調達の調達体の範囲につきましては、先般牛場・ストラウス会談が行われまして、実は牛場・ストラウス会談では、わが国の大幅な対米黒字を背景にいたしまして、アメリカの議会を初めとして米国内で対日批判の空気が強まりつつあるということにかんがみまして、東京ラウンドの交渉を早期に妥結する必要があるということで、双方が一層の努力をするということが話し合われたわけでございます。特にその中で、日米間で懸案になっております電電公社を中心とする政府調達の問題について討議が行われました。
 電電公社を中心にいたします調達の問題につきましては、一昨年末ぐらいよりアメリカの方が、種々のレベルで米国製品の調達機会の増大を要請してきておりますが、これが現在東京ラウンドにおいて日米間に残された大きな争点となっているわけでございます。したがってその取り扱いについて、関係方面、政府部内で現在真剣に検討を進めております。
 その点につきましては外務省といたしましても、当然広く国内各方面の意見を拝聴するとともに、政府調達コードの目的、すなわち内外無差別原則の確立あるいは手続等の公開制の確保、それから東京ラウンド交渉全体の仕上がり、あるいはまた日米経済関係の中で持つ意味等を考慮しながら妥当な結論を出したい、こう考えております。
#51
○大島委員 この政府調達に関して、電電公社に門戸を開放せよという要求ですけれども、二月九日の日経新聞によりますと、トップ記事ですが、「最終的にある程度譲歩せざるを得ない」というのが政府部内の意見だそうですが、これが政府部内の意見とすれば、これは外務省の意見ですか、それとも関税局もそう考えているわけですか、最終的には電電公社は門戸開放に対してある程度譲歩せざるを得ないというこの記事がもし本当であるならば。
#52
○副島政府委員 ただいまの新聞の報道は、私どもの見解ではなくて、恐らく書かれた新聞の記者の御意見だと思います。
 私どもといたしましては、先ほど申しましたように、これは交渉の成り行き次第ではございますけれども、原則としてはできるだけ調達体の範囲を広げていく、しかしながら先ほど申しましたように、国内事情というものを十分配慮して慎重な態度も持していきたいというふうに考えている次第でございます。
#53
○大島委員 電電公社を監督する立場にある郵政省からおいでをいただいているので、郵政省にお伺いいたしたいのですが、もし電電公社を政府調達体の範囲に含めた場合、現在電電公社はシステムの一貫性といいますか、サービス、維持、メンテナンスとかいうことに対して、従来から特定企業と共同開発してきたのが現状でございます。もしここにおいてそういうふうに門戸を開放せよといった場合には、アメリカの企業もシステムに参加するとかサービスに参加するとかいうことになりますと、現状の問題としては電電公社としてはとてもいけないというふうに思うわけでございます。
 特に私が心配するのは、そうした場合に電電公社職員の労働強化というようなことにもなりかねない、こういうふうに考えるのですが、郵政省の御意見を承りたいと思うのです。
#54
○金光説明員 電電公社では、電気通信設備の調達に際しましては、経済的で信頼性の高い電気通信網を構成する、また安定した状態でこれを維持していく、こういう観点から随意契約方式をとっておるわけでございます。
 いま先生御指摘のような点につきまして、国際規約の対象調達体に電電公社を含めるということにいたします場合には、公社業務の円滑な遂行が困難となる、あるいは経済的で安定したサービスの提供に対していろいろな支障を生ずる、こういった先生の御指摘のような事実はございます。
 郵政省といたしましては、この問題が外交交渉に関係する非常に重要な問題でもあるという点を考慮しながら、また、先生御指摘のような問題も含めまして、今後の電信電話事業の運営の円滑化、また国民の期待にこたえた適切な電気通信サービスの提供を期する、そういった観点から、この問題に対しては慎重に対処してまいりたいと考えておる次第でございます。
#55
○大島委員 郵政省としてはその程度の御答弁しかできないと思うのですが、これは大変な問題だろうと思うのです。
 ところで、アメリカやECの電信電話企業体は政府調達に対して門戸を開放しているわけですか。
#56
○副島政府委員 先生御案内だと思いますが、アメリカの場合は、いわゆる日本の電電公社に当たりますATTは民間企業でございますので、この政府調達の範囲からは除外をされるわけでございます。ECにつきましては、現在のところこの調達体の範囲には電電関係は含まれておりません。
#57
○大島委員 通産省に来ていただいているのですが、もし電電公社が門戸を開放しなければ、逆に報復措置として、日本の企業で外国の政府に調達しているものへの報復措置は当然予想されるわけでございます。
 そこで、通産省の通商政策局にお伺いいたしたいのですが、外国政府に日本がどのくらい調達してもらっているかという数字はすこぶる出にくいと思うのですが、御参考までに、これはちょっと確かな数字ではないのですが、各国が政府調達に対して門戸開放対象にするという金額は、米国が百六十億ドル、ECが百五億ドル、日本は中央機関のみで三十五億ドル、こういう数字が一応出ているわけですが、通産省としては、電電公社の門戸開放を拒んだ場合の報復措置についてどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
#58
○守屋説明員 先ほど来関税局長あるいは外務省の方から御答弁申し上げておりますように、現在まだ政府内部におきまして調達体をどの範囲にするかということは検討中でございますし、またアメリカとの間でもこれは交渉継続中の問題でございます。
 もちろん米国議会の一部等におきまして、日本の市場開放が進まない場合に対日課徴金とかその他の報復措置をとるべきではないかという議論が出つつあるということは私ども承知いたしておりますけれども、いまだ政府間の交渉におきましてそういう話が出ているというふうには聞いておりません。また、たとえアメリカがそういった手段をとるといたしましても、これがどういう形になるのか、またそのときにおける日本の円の水準はどうあるかといったことで、一概に影響といったようなことも申し上げかねるわけでございます。
 私どもといたしましては何よりも、こういったような対日報復措置がとられるということがございましては、世界経済の拡大発展あるいは日米経済関係といった観点から非常に好ましくないわけでございまして、こういうことのないように米国政府と話し合いを続けて円満な解決を図っていく必要があるわけでございます。その過程におきまして、先ほども御答弁ございましたように、バイアメリカンの廃止等強く要求してアメリカの市場を開放させるとともに、私どもとしても可能な範囲でさらに市場の開放等に努められることはやっていかなければいけない、かように考えております。
#59
○大島委員 この問題について通産省にお伺いしまして、私は非常にびっくりしたのですが、日本の製品を外国の政府がどれくらい調達しているかという数字が集まらないということ自体が、私は将来非常に気がかりなんです。たとえばこれだけしか買ってもらってないんだという数字でもあれば、この際交渉においてそれを出せる。ところが、外国政府が日本の商品をどれほど調達しているかという数字がわからないというのじゃ非常に困ると思うのですが、通産省の方で何か方法はありませんでしょうか。
#60
○守屋説明員 これはきわめて簡単にわかるようでいて実はなかなかむずかしいわけでございます。アメリカ向けの中で幾ら政府調達であるかということに関しましても、実はそういった統計はとれていないわけでございます。それからたとえば日本から輸出いたしましても、輸入業者に出して、それがまた向こうの中で購入されるといったようなこともございまして、私どもとしてこういった把握が現在できていないというのが実態でございます。
#61
○大島委員 再度外務省にお伺いしますが、二月の八日に牛場・ストラウス会談がありまして、ワシントンで牛場代表は電電公社の門戸開放についてすでに妥協点を求める条件交渉に入った、こう新聞記者に語っておりますが、妥協点を求める条件交渉とは何か、またこの事実は本当ですか、ひとつ外務省にお伺いしたいと思います。
#62
○遠藤説明員 牛場・ストラウス会談におきましては、どのような形で日米双方で受け入れ得る可能性があるかということを目下双方で探っている状況でございまして、したがって、まだその内容につきましては御容赦いただきたいわけでございますが、交渉でございますので、双方それぞれの立場に留意しながら妥当な解決策を探っていきたいという趣旨でございます。
#63
○大島委員 いや、具体的な内容をここでお伺いしようとはしませんが、どういうふうな方向で妥協点を見出す条件交渉か、大まかに説明できませんか。具体的なことは結構ですが……。
#64
○遠藤説明員 一方におきまして現在交渉中のコードがございますが、仮にそのコードに電電公社が調達体として入り得るとすればそれはどのような条件が必要であろうか、逆に、コードがいまのままであれば電電公社が入れない、そうであれば電電公社の開放化というのはどのような形であれば可能であろうか、それをまたアメリカに納得させることが可能であろうか、このようないろいろな可能性につきまして検討しているという状態でございます。
#65
○大島委員 システム等共同開発してきたものは無理だけれども、たとえば電信柱とか電線、そういうような程度は妥協する、こういうふうに考えていいですか。
#66
○遠藤説明員 電信柱その他どのような品目の範囲で――品目の範囲によりまして国際コードに入るあるいは調達体に入るという問題もございますが、その範囲の区分がなかなかむずかしゅうございます。他方、アメリカといたしましては、電電公社の開放化を要請しております主たる関心はやはり電気通信機器でございます。したがって、それについてもどのような形で日米が合意するか、納得するか、その辺の妥協点を探る必要性がございます。
#67
○大島委員 私は思うのですが、東京ラウンドというのは世界的な保護貿易の台頭を防ぐ長期的なものである。ところが今回の政府調達、特に電電公社の門戸開放というのは、主として米国の国際収支赤字という短期的な観点からのもので、こういう問題を取り出すのは少しおかしいじゃないか。東京ラウンドの立場は長期的な観点から、今度の電電公社の門戸開放というのはあくまでもアメリカの国際収支悪化という短期的な関係で言っているのじゃないか、それならばすこぶるおかしいと思うのですが、外務省はどういうふうにお考えなんですか。
#68
○遠藤説明員 先生御指摘のように、確かに現在、特にアメリカが強く開放を要求しております背景には、国際収支、日本の対米黒字という問題がございます。これは確かに今後何年にもわたって継続する現象であるかどうか、これは必ずしもわかりません。その意味では、先生御指摘の点も十分私どもは理解しておるわけでございますけれども、他方、東京ラウンドの一つの目的は開放体制、市場開放ということを世界的に、特に先進国の間において実施しようということでございますので、アメリカ側の現在の強い要請が一時的な原因によって加速されていることは事実でございますが、基本的にはあくまで東京ラウンドの目的であります世界的な市場開放体制の維持、そこに目標が向けられているということは言えると思います。
#69
○大島委員 時間が参りましたので、最後にもう一度郵政当局にお伺いしますが、もし電電公社の電気通信機器まで門戸開放するといった場合にはどういう対策を考えておられますか。
#70
○金光説明員 現在、電電公社におきます電気通信機器の調達方式は随意契約ということになっております。もし今回の国際コードに入りますと、公開競争入札、こういうことになるわけでございます。先生御指摘のように、電気通信機器は全国的なネットワークを構成しておるという一つのシステムでございますので、これを公開競争入札という制度にした場合には、いろいろな面で不都合が生ずるという点は事実でございます。
 現在のところ、電気通信機器の公開入札方式というのはいろいろな点で支障があり、したがって、先ほども御答弁申し上げましたように、これは外交交渉中の非常に重要な案件でもあるという点から、その点を考慮しつつ、電信電話サービスの安定した経済的な提供というものが損なわれないようにしたい、そういう観点からこの問題に取り組んでおるという実態でございます。
#71
○大島委員 電電公社としては大変なことになろうかと思いますが、これに関連して最後に、関税局長はどう考えますか。
#72
○副島政府委員 先ほど外務省の遠藤参事官からお話がございましたように、この問題につきましては、アメリカ側が若干短期的な国際収支問題と絡めているという印象は私も持っておりますが、同時に、先ほど私が御説明を申し上げたように、アメリカ側の政府調達対象というものは非常に広い。世界貿易の自由化を維持強化していくという観点から、アメリカとしても先ほど申しましたように、バイアメリカンの制度の検討、それから調達範囲の拡充ということについてかなり思い切った提案をしているわけでございますので、わが国としても、それに対応する市場開放体制というものは維持していかなければならないというふうに考えております。
#73
○大島委員 時間が参りましたのでこれで質問を終わりますが、この電電公社の調達問題というのは、結局は総理の裁定になろうかと思いますけれども、ひとつ十分配慮していただきたいというふうに思います。
 終わります。
#74
○加藤委員長 午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時十三分休憩
     ────◇─────
    午後一時三十四分開議
#75
○綿貫委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 委員長が所用のため、委員長がお見えになりますまで、指名により私が委員長の職務を行います。
 午前に引き続き質疑を続行いたします。伊藤茂君。
#76
○伊藤(茂)委員 引き続きまして、私の方から若干御質問を申し上げたいと思います。
 まず、今回の改正に関連をして三点ほどお伺いしたいと思います。今回は小幅の改正でありますが、その中で幾つか取り上げて御説明を願いたいと思います。
 まず最初は、このアルミニウムの塊について項目に挙がっておりますが、これは一次関税と二次関税の差三・五%分ですか、これを原資にして不況対策に充てよう、また、過剰設備の凍結などの助けにしようということでありますが、私はアルミニウムの構造不況対策、その後あるいはこれからどのように進んでいくのか、また昨年に引き続いてこのような施策がどのような効果を持つのかということをお伺いしたいわけであります。
 それから、昨年、ことしとこの経過を見ますと、これらの構造不況対策が的確になされているのかどうかという疑問を持つわけであります。昨年も、審議の経過を振り返ってみますと、これは非常に異例のことで一年限りという言葉が、繰り返し当委員会でも出されていたようであります。その辺を含めてどのような効果、またどのようなしっかりした対策のもとにこれが位置づけられているのかということを説明してください。
#77
○副島政府委員 アルミニウムの塊に関します関税割当制度は、ただいま伊藤委員御指摘のように、五十三年度においていわば異例の措置として一年限りということで採用されたわけでございます。ところが御承知のように、アルミニウム製錬業を取り巻く国際環境が、その後急激な円高の進行によりましてさらに悪化をしてまいりまして、安価な輸入品の大量の輸入によりまして、国内産業がさらに不況が深刻化したという特別な事情がございます。
 一例を申し上げますと、昨年ここで御審議をいただいたときには、アルミの操業率はたしかまだ七三%ぐらいだったと思うのですが、月産でも約十万トンぐらいの月産になっていたと思うのですが、現在では操業率が六〇%ぐらいに落ちておりまして、月産も八万トンぐらいに落ちてきております。それに引きかえまして、輸入品の方も、昨年と比べまして円高によってCIF価格で三万円近い低落をしているということで、市場価格が非常な低迷を見ているわけでございます。そういうこともございまして、昨年いわば異例の措置ということで導入した制度ではございますけれども、アルミ業界の現状あるいはアルミ業界の今後の見通しという観点に立ちまして、本制度を五十四年度に限ってまた一年延長することにしたわけでございます。
 なぜアルミについて関税割当制度の延長を図ったかと申しますと、御承知のようにアルミ業界の場合は、他の不況業種と違いまして、その不況のよって来るゆえんは、安価な海外のアルミの輸入の急増によるという特殊事情がございますので、これはあくまでユーザーである輸入者の協力を得てやっていかなければならないということで、そういうユーザーの協力を得ながら国内アルミ製錬業界の合理化を図っていく、その構造改善に対して助成を行うというやり方としては、現在私どもがお願いをしております関税割当制度というものが一番適しているのではないかということで、今回五十四年度に限ってさらに一年間の延長をお願いしているわけでございます。
 アルミ業界の今後の見通しにつきましては、通産省の方から御説明をお願いいたします。
#78
○原木説明員 いま関税局長の方からお答えがございましたので、後の方について、少し見通し等を含めまして補足説明させていただきます。
 現状につきましてはいま関税局長の方からお話がございましたが、今後関税割当制度と利子補給、あるいは金融機関の協力、それから特約制度の活用といったような制度を使ってまいりますと、五十三万トンの凍結ということによります固定費の負担も相当程度緩和されます。また、今後世界的な需給バランスが近い将来需要超過になるということを考えますと、ある程度の国際競争力が保てるというように考えておりまして、ここ数年の合理化努力とこういったことしの関税割当制度の延長といったことによって、国際競争力を回復する産業になり得る、こういうように私どもは見ておるわけでございます。
#79
○伊藤(茂)委員 いずれにしましても私が申し上げたい趣旨は、昨年も一年限り、ことしも異例な一年限りという御説明でありますけれども、やはり不況対策、産業構造全体の変化、雇用の問題など含めまして、一年、一年ではなくてしっかりした計画、プランというものをつくるように一層御努力を願いたいということであります。
 二つ目に品目でお伺いしたいのですが、開発原油の減税還付制度の問題です。
 イランの問題が御承知のような経過でありまして、石油事情に非常に大きな問題が発生しているというわけであります。そういう中で、たとえば開発原油の関係でアラビア石油の操業もそれから引き取り量も、昨年秋以来急増している。最近はほとんどフル操業、二千六、七百万トンというようなフル操業の状態になっている、引き取り量も増加をしているという状態になっているわけでありますが、今度制度を変えまして、いままで減税の分を、割り高を回避をするという意味も含めて石油の引き取り者に交付をするということでありますが、この改正に伴いまして、いままでの百十円安くしてきた減税額とことしの交付金額と同じなんですか、どのような額になりますか。
 それから、今日の石油事情、これからの展望を考えますと、やはりひもなしというのか、メジャーのコントロールに影響されない自主開発の油をふやしていく、私どもはできれば三分の一近くまでそういうものをふやしていくような努力をやったらいかがかというように思っているわけでありますが、そういう石油の今後の需給計画の中で、最近大分日の当たってきたと言われておりますが、自主開発原油というものに対してどういう展望なり目標を持っておられるのか、当面の効果の問題と見通しの問題を御説明願います。
#80
○箕輪説明員 最初に御質問いただきました金額の点でございますが、これは今年度関税暫定措置法でもって一キロリットル当たり百十円の軽減をしていただいております。ただいま御指摘のとおり、来年度財政支出で交付金という形で支出をさせていただく予定でございますけれども、金額はキロリットル百十円ということで同じでございます。したがいまして、この交付金に切りかえましたことによる効果というのは従来と同じであろうという期待を持っております。
 それから、ただいま先生御指摘のように、メジャー等のいわばあなた任せの原油の入手経路についてどう考えるかということでございますけれども、ただいま日本が引いております原油の量と申しますのは、メジャー経由のものが大体八割ぐらいでございます。いわゆる自主開発原油と申しますものは一〇%足らずでございまして、この点につきましては従来から供給ソースの多角化ということを考えております。これは地域的に多角化するということではなくて、供給ルートも多角化したいというのが、私どもの基本的な考え方でございます。具体的に申し上げますと、中近東から現在七〇%相当のものが日本に入ってきておる。その入ってきておる全体の原油のうち八〇%がメジャーである。したがって、地域的にも供給ルート的にも多角化しておくということが一番大事なことではないかという考え方でございます。
 自主開発原油と申しますのは、日本ということからいえば、メジャー経由のものよりもより安定的であるというふうに考えておりますので、将来ともこの自主開発原油というものをふやしてまいりたいというように考えております。これは量的にはなかなか問題がございますけれども、現在入っておりますような一〇%足らずのものをかなり引き上げたいというふうに考えておりまして、いわゆる自主開発原油あるいは政府間同士の原油の約束をしておるもの、これを合わせまして、昭和六十五年度までには大体需要量の三分の一程度までに引き上げたいというように考えておるわけでございます。
#81
○伊藤(茂)委員 この面でも一層の努力をお願いしたいと思います。また、揮発油税その他と関連をして、これらのことについても議論を深めていくように私どもはやっていきたいと思います。
 三つ目に具体論で伺いたいのは、暫定措置法の第五条の問題であります。
 この法律を読んでみまして、第三条、第四条、第五条、第六条とずっと読んでまいりますと、たとえば学校給食用脱脂粉乳の免税とか、あるいは原子力研究用物品の免税とか、それぞれ妥当であろうと思われる項目が並んでおります。ところがこの第五条になりまして、航空機及びその部品等の免税ということで、これは幸か不幸か昨年も賛成して延長して、五十六年三月三十一日まで輸入されたものについては、「本邦において製作することが困難と認められるもので政令で定めるものについては、」その関税を免除する。それから施行令の方を見てみますと、単発式飛行機、双発式飛行機、三発式ターボジェット機、四発式飛行機、それからその他飛行機に関する機体から部品から広範な品目が挙げられております。私はロッキードからダグラス、グラマンのことを言うわけでありませんが、今日の日本の航空機産業の将来その他いろいろなことがあると思いますが、何か奇異の感を持ってというのが国民感情から見たところではないだろうかという気がするわけであります。その辺、基本的な考え方として関税局長はどうお考えになるのか。それからついでに、去年一年この免税の関係の通関実績はどれくらいになりますか。
#82
○副島政府委員 この航空機に関する免税制度につきましては、わが国の航空運送事業と航空機製造事業の発展に資するために、航空機及びその部品並びに航空機製造用素材のうち、ただいま伊藤委員御指摘のありましたように、国内生産が困難なものであって、現時点においては関税によって国内産業を保護する必要がないと認められる物品の輸入について、その関税を免除する制度でございます。
 いま委員御指摘になりましたように、本制度は昨年の関税改正におきまして三年間の延長を見たわけでございますが、わが国の航空運送事業は近年急激に発展をしてきておりまして、今日では国民の輸送手段として不可欠なものとなっていることは御承知のとおりでございます。ところが、一方航空機製造業は、御承知のように第二次世界大概の後、非常な長い期間技術的な空白期間がございまして、その空白期間をどうやら克服してまいりまして、単発式の飛行機あるいは双発式の飛行機、またヘリコプターの一部のものについては国際競争力を持つようになったわけでございます。ところが、この間に世界の航空界は急激なジェット化と超大型化と申しますか、そういう傾向を示しまして、この面では非常に残念ながらわが国は先進諸国に立ちおくれを示しているわけでございます。このような事情を考慮いたしまして、五十二年度改正において先ほど申しましたように、本制度を五十六年三月まで延長したところでございます。したがいまして今回は、改正案には本制度に係るものは含まれていないわけでございます。それから、昨年度の実績でございますが、航空機の輸入の推移でございますが、昨年度の輸入機数が総数で六百五機でございます。それから価格にいたしまして二百六十四億百万円になっております。それから、部品の方の昨年度輸入額は千九百八十三億となっております。
#83
○伊藤(茂)委員 関税局長、去年とことしと局長さんかわられましたから何ですが、去年のときの関税局長の答弁などを読んでみますと、日本の航空機産業もだんだん育っていく産業であります、とありますが、これはいまの答弁と同じですが、去年の議事録では、だんだん育っていく産業でございますから、無税という形は基本的にはまずいと私は思います、しかし、当面この二年か三年の暫定措置をとりたいという答弁をなさっているのですが、そういう大蔵省のお考えですね。だんだん育っていく産業ですから、基本的には無税といりのはまずいというふうに思います、と昨年答弁しているのですが、局長さんがおかわりになってから違っているのですか。
#84
○副島政府委員 お答えをする前に、先ほどちょっと申しました部品の輸入額千九百六十三億、これは実は航空機を含んだ、部品と航空機の総額でございます。
 それから、航空機に関する関税の基本的な考え方、私も昨年の関税局長と全く同意見でございます。
#85
○伊藤(茂)委員 関税という面からこういう問題をどうカバーしたらいいのか、いま出ている汚職か何かの問題とはパラレルにかあるいは違ってかいろいろな議論が政策としてはあるところだろうと私も思います。ただ、一般庶民からすれば、牛肉にしろこれからまだ審議になるたばこにしろ何にしろ、とにかく非常に高くなると消費者はみんな受け取っている。私は、日本航空や全日空が赤字を出している会社とは思いません。私も調べておりませんが、一定の利益を出してやっているというふうなことであろうと思います。そうしてまた免税ということになりますから、政策的な細かい議論は、体系は別にして、何か一般の国民の受け取る印象では、関税がただのかわりに工作資金か賄賂を使っているみたいな誤解も起きかねないというようなことではないだろうかと思います。ですから、あるいはまた一般消費税が話題となっているという中で、どうせ大きな飛行機は一機百億とか多額の金額になりますから、一般消費税のときにきちんと適用になるのでしょうけれども、一体今日の免税はどうなんだろうかというふうな素朴な議論が出るであろうということだと思います。
 それから二つ伺っておきたいのですが、国際競争力と言われます。しかし、いま話題となっているように、たとえばP3Cの場合とかあるいはまたE2Cの場合とか、それぞれ政府・自民党のおえらいところで、これは国産にするか輸入にするかということで大論争があって、いろいろ逆転、逆転があって今日のような問題を起こしているということも明らかになっているわけであります。そういうところから見ますと少なくとも、関税局長は別にしても、ハイレベルの国家の指導者の方は、やはりそういうものも日本でつくれるという確信を持っているということですね。ですからどうも競争力がまだまだ弱いとかジェット化とか大型化とか言われますが、何かその辺も、政府のとっている全体の政治姿勢からしたらわからぬじゃないか。それからいま関税局長は、前任者と同じように、基本的には無税というのはまずいというふうに思うということはお認めになりました。それじゃどういう条件、どういう展望のもとでこういうものをお考えになるのか、二点お伺いします。
#86
○副島政府委員 航空機産業の育成の問題については、後ほど通産省の方から御答弁があると思いますけれども、伊藤委員も御承知のように、かつて民間輸送機としてはYS11をつくっていたわけでございますが、現在はこういう種類の民間輸送機の製造をしておりません。ただ御承知のように、いま政府部内においてYXの開発の問題が議論になっているわけでございますので、国産化がめどがつく、あるいは国産化が進むにつれてこの免税制度をどういうふうに持っていくかというのは、その時点で検討していかなければならない問題ではないかというふうに考えております。
#87
○伊藤(茂)委員 理論的な政策論として言うわけではありませんけれども、単に時が時という意味ではなくて、国民の素朴な理解でわかったというふうな考え方、取り扱いなり、現実から展望を考えて対応してもらうようにということで申し上げたわけであります。
 それからついでに聞いておきますが、いまドル減らしに関連をして航空機のリースの問題、これはいま急に言って済みませんが、当然アメリカから買われる、これは無税、免税ですね、関税は。それから、これをいろんな国に持ち込みますね。ほとんど免税という関係で動くということでしょうか。
#88
○副島政府委員 航空機のリースにつきましては、態様によってかなり違った扱いになっております。
 先般緊急輸入が行われましたように、外国にある航空機を直接第三国にリースするという場合には、関税法上は全く関係がございません。それから、仮に日本にありますリース企業が購入をいたしまして、これはまだそのケースはございませんけれども、これを国内に一遍引き取った後に第三国へリースするという場合は、法令上は輸入の際に関税を納付して改めて輸出手続をとっていただく、通常の輸入になるわけでございます。それから今度は、わが国の航空会社がリースを受けて国内で使用する、日本の航空会社が外国の飛行機をリースで受けて使用する場合には、購入して使用する場合と全く同様、わが国で製造することが困難な航空機については関税が免除されておりますが、国産可能な航空機については関税の納付を要するようになっております。
 以上のとおりでございます。
#89
○伊藤(茂)委員 三つお伺いしましたが、全体としてこういう点を申し上げて見解を伺っておきたいと思うのです。
 たとえばタマネギの問題とか経過を見ましても、輸入されるインフレという面もありますし、国内の問題もあるでしょうが、消費者にとってはだんだん高くなるんじゃないか、高値安定になってくるんじゃないかというふうな気持ちを持つ者も私は多いと思います。これは大蔵省だけの責任に関することではありませんけれども、やはり関税に関係をして関税で保護される国内の生産者というのがあります。それから、関税をかけることによって負担をこうむる需要者、消費者という立場もある。それから、国全体としての輸出入のバランスが当然必要であり努力をしなければならない。いろんなそういう立場が絡み合っていろんな問題について複雑な状況を呈するということになるわけだろうと思います。
 それでそういう場合、私はやはりそれらの要素について、いろいろめんどうではありますけれども、大筋としてやはり正当な国民の理解を得られるような方向に向けて一生懸命努力をしている、そういう姿が出てこないと、それぞれの立場からみんな文句がついてくるということだろうと思うのですね。たとえば牛肉の問題なんか見ても、事業団の方は相当大きな資金がたまってくる、事業団の方はいろいろと有効に使っておりますとは言うけれども、じゃ一体そういうものがより安くいい肉を国内で生産できるように効果が上がっているのかどうかとか、事農業ですからいきなり効果は上がりませんけれども、いろんなそういう国民の不満がある。まあ話は違いますけれども、円高差益の問題でも、まるで対応が遅いじゃないかというようなことが言われてきたわけであります。ですから、それらの角度について私はもっと努力の方向がわかるような政策態度とか、あるいはまた国民の目に見えるような努力の方向をきちんと示していくとか、そういうことが非常に大事ではないだろうか。そうでないと、消費者から文句が出る、生産者から文句が出る、国際収支の面でもなかなか解決がつかないという矛盾が続いていくということだろうと思います。そういう努力をさらに格段にやるということが東京ラウンド、サミットと関連をして特に必要なときではないかと思いますが、そういう努力の決意を聞かしてください。
#90
○副島政府委員 関税率の設定を初め、関税政策のあり方についての御質問でございますが、これは伊藤委員御指摘のように、国民生活にも非常に大きな影響を及ぼし、また国民生活と非常に密着した関係にあるということはもう御指摘のとおりでございます。したがいまして、その決定に当たりましては御承知のように、民間の財政あるいは産業、貿易等に関する学識経験者から成ります関税審議会にお諮りをした上、国会の御審議をお願いしているところでございます。
 これまでも国民各位の御要望を十分踏まえながら政策の立案に当たるよう努めてきているところでございますが、今後とも御指摘の趣旨を体しましてさらに努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
#91
○伊藤(茂)委員 一生懸命努力をなさるという決意の関税局長にそれでは伺いたいと思いますが、いま一般消費税の問題は、今度の国会に出さないというわけでありますけれども、これから非常に大きな問題であります。関税局長の方でも、特に輸入品の場合どうなるのかというような御研究もなさっているのじゃないかというふうに思います。何か聞くところによりますと、昨年関税局の中に税関行政検討委員会というものをつくられたそうであります。また、そういう検討委員会をつくられまして精力的に作業をやっておられるようでありますが、その中に、検討項目の重要な一つといたしまして、「一般消費税が導入される場合の受入体制」それから「機構及び定員配置のあり方」などという項目が出されているようであります。そういう委員会が一体どういう具体的な検討をなさっているのか、聞かせてください。
#92
○副島政府委員 先生御指摘の関税行政の検討委員会は、御承知のように東京ラウンドの終結を控えまして関税行政がかなり大きな転期を迎えてきている。これは対外的な面でございますが、対内的な面でも、通関行政の簡素化に関する要望というものも非常に強いという両方の要素を含めまして、税関行政を今後とも一層効率化していくためにはどうしたらいいかということで、実は内部にそういう委員会を設けまして、昨年の七月以来精力的に検討を進めているところでございます。こうした情勢でございますので、たとえば簡素化の問題につきましては、欧米等の実情も参考にしつつ、また広く民間の方々の御意見も伺って、現在の関税行政のあり方そのものについていろいろな御示唆をいただきつつ検討を進めてきているところでございます。
 これはもともと一般消費税の問題とは離れて、関税行政そのものを見直すという趣旨で設立をされ検討を進めてきたわけでございますが、御承知のように一般消費税の政府答申が出まして、一般消費税の政府の税制調査会の答申によりますと、財貨の輸入を課税対象として、輸入時に関税及び他の消費税とあわせて申告し納付するということがうたわれているわけでございます。現在御承知のように、輸入品に係る関税及び内国消費税の申告納付の業務は税関が行っているわけでございます。したがいまして、輸入品に係る一般消費税の申告納付というようなものがこの大綱で示されたような方式で行われることになった場合には、当然のことでございますが、税関が過去において蓄積したノーハウをいかに生かしてその業務を担当して執行していくかということが大切な問題となってくるのではないかということで、その具体的な執行体制につきましては、制度の細目の詰めと並行して現在検討をしておりますし、今後も検討を進めていくところでございます。
 この一般消費税の導入に関連いたしまして、どの程度の人員が要るか、あるいはどの程度の業務量が増加するかという問題につきましては、現在、申し上げましたように制度の細目の詰めを行っているところでございますので、まだ申し上げる段階には至っておりません。
#93
○伊藤(茂)委員 まだ申し上げる段階には至っていないと言われるのですが、私は指摘したいのですけれども、関税局が出されている「関税局報」とか、関係者はみんな読んでいるものでしょうけれども、これなんかを見ますと、税関行政検討委員会がつくられた。さっき申し上げたように、一般消費税が導入される場合の受け入れ体制も検討項目になっている。そうしてまた「十月中旬以降既に四回の検討会を開催し、今後の検討の進め方、」これは事務的で簡単ですね。その後に、「一般消費税構想への対応、監視取締業務のあり方等について討議を行った。」これが出たのは十一月ですから、一カ月間に四回もやってこういう検討をしているのだというようなことだと思うのですが、これは局長だけじゃなくて大臣もそうなんですけれども、一般消費税の問題について、しかほどさように非常に熱心に精力的にいろいろな議論をしたり準備をしたりなさっている。ところが、国民の一般消費税の感覚、あるいはまた政府がやろうとしている姿勢についての国民の反応、二方から見れば、総理や大臣が言われているように、早々に強行できるしろものではないという状況にあるわけです。
 ですから、時間もあれですから局長に、何回目に何を検討したかとか、人員の場合には何割ふやすことを検討しているのかとか、そういうようなことまで聞きませんけれども、こういうやり方といいますか、やはり一番大事なことは、国民に説得性のある展望を出していくということが基本ですよ。それがあって初めて、やり方も細則もそういう姿勢のもとに生まれてくるということだと思うのです。いまそういうことでやっている姿勢から言えば、取るだけの姿勢と言われてもしようがないのじゃないかという気がするわけでありますが、細かいことはほじくりませんから、その辺の姿勢について態度を聞かしていただきたい。
#94
○副島政府委員 ただいま伊藤委員の御指摘がありました税関行政検討委員会、昨年の七月以降、四回やっているわけでございますが、そのうち三回は現在の通関行政の見直しをやったわけでございます。第三回目でしたか、第四回目でしたか一回だけ、海外の一般消費税の税関の関与のあり方についての説明会を行ったわけでございます。したがいまして、先生がおっしゃったような一般消費税の検討のみを委員会がやっているということではなくて、むしろ本旨は、関税行政全体の見直しの一環としてこれを取り扱っていく。正直申し上げまして、政府税調の答申が出て、これから詰めを行うというところだと思います。
#95
○伊藤(茂)委員 そういうことに関連もしながら申し上げたいのですが、私は、関税政策の態度といいますか問題として、やはり今日の日本では、国民生活と貿易それから関税とは非常に強い関係を持っている。言うならば毎日の生活、衣食住全体に海外製品がかかわってくる。それだけに国民の理解を広く求めなければならないという姿勢が必要であろうと思います。
 ちょっと関連しまして私、諸外国の関税政策のシステムといいますか、ちょっと調べてみたのですが、日本の場合は関税率審議会、法律で決められたいいものがあるわけですが、制度と伝統が違うのでしょうけれども、アメリカの場合でも非常に強力な権限を持った関税委員会というものがある。大統領の所管のもとにあるけれども、相当程度大統領の統制から離れて権限を行使できる、そういう独立した行政機関として存在をしている。したがって、関税政策上のさまざまの調査と勧告もできるし、それから、そういう委員会から議会に対して情報を提供したり勧告を行ったりする力を持っている。カナダの場合その他いろいろございますけれども、私はそういうのを見てみますと、日本の場合には、現在の関税率審議会を見ましても、労働界の代表も消費者の代表も一応一人ずつ入っていますけれども、たとえば実務的なプランをつくる幹事会とか見ますと、大蔵省、外務省、経企庁、その他お役人の方々が独占をされているというふうなことになってくるわけであります。
 私は、やはりこういうシステムをもっとオープンな国民の理解がいくような方向にどう変えていくのか、これがさっきも申し上げました牛肉だ、コーヒーだ、たばこだ、いろんなものとかみ合って、国民には高い値段とかいうことしか目に映らないということでない、やはり御理解を願う方向にもつながってくるというふうなことではないだろうかと思います。いきなり現在の制度をどうこうということができるかどうかという問題もあると思いますが、そういう点も含めて、やはり民主的で国民の理解のいく関税政策という方向への努力が必要ではないかと思いますが、大臣いかがですか。
#96
○金子(一)国務大臣 いま伊藤さんの御指摘にございましたとおり、関税政策のあり方、持っていき方が国民生活に大きく響く今日でございまするから、関税審議会のあり方等につきましても、これは相当長い歴史を持っておって、各界各層の皆さんの意見を伺っておりまするけれども、なお民意を反映するというか、いろいろな民間の意見を十分聴取できるような体制にこれからも検討を重ねて持っていきたいと思います。
#97
○副島政府委員 ただいま伊藤委員の御質問の米国の関税委員会の件について、ちょっと補足して御説明をさせていただきます。
 アメリカでは伊藤委員御指摘のように、関税率の変更に際しましては、種々な形で国民の意見を反映させる機会が与えられておりまして、関税委員会、これは一九七四年の通商法で国際貿易委員会と名前を変えておりますが、これが産業や消費者に及ぼす経済的な影響について大統領へ助言するということになっておりますし、また、公聴会を直接開催して広く利害関係者の意見を聞くような制度があるわけでございます。ただしこれは、米国の関税率の変更の権限が御承知のように、一九七四年の通商法で、一定の範囲内で大統領に委任をされているわけでございまして、むしろ行政府側で、行政府限りで関税率の変更ができることになっておりますので、これをむしろチェックする観点からできている制度であるというふうに聞いております。
 一方、わが国の場合は御承知のように、関税率の変更はすべて関税審議会に審議をお諮りいたしました上で、国会の御判断に基づいて法律によって行われるという仕組みになっているわけでございますので、わが国の関税率の決定方式が米国に比べて国民に開かれていないということにはならないのではないか。それから先生御承知のように、各省でそもそも最初の素案をつくるわけでございますが、その段階では十分業界あるいは消費者の意見も入れておりますし、また関税審議会も、先ほど大臣から御指摘のありましたように、極力幅広くしかも中立的な委員をふやしていくという方向で考えて目下運営をしているわけでございます。
#98
○伊藤(茂)委員 大臣のお話がございましたから、そういう方向へ一層の御努力をお願いしたいと思います。
    〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕
また関税局長も言われましたが、名簿を見ましても、確かにかっこうでは何人かの消費者代表とかそういうのも入っておりますけれども、日商岩井か丸紅かは幸いにして入っていなかったわい、やはり大きな商社とか大きな業者とかお役人の皆さんがこれは実権派であろうと、名簿をざっと見ればそういう感じがするわけでありまして、やはり国民の理解のいくような方向への御努力を一層お願いしたいと思います。
 次に、大島さんから東京ラウンドの話がございましたから、ちょっと一、二東京サミットの見通し、準備状況などについてお伺いをしたいと思います。
 一つは、さっきも質問があったかもしれませんが、東京サミットを前にして東京ラウンドの詰めで非常に皆さん御苦労をされているようであります。何か報道を見ましても、七十三名でやってきて四月中旬という、何か大詰めの一定の期限もむずかしいのじゃないか。午前中に話のありました日米経済摩擦に対する対応というふうなこともあるわけでありますが、少なくともこの六月の東京サミットの前、五月ごろには東京ラウンド終了宣言というふうな確信でおやりになっているのかどうかということが一つです。
 それから二つ目は、大平内閣が昨年できました直後、カーター大統領から手紙が来たり、それから各国のサミットの準備担当者との打ち合わせがあったり、また担当代表がアメリカへ行かれたりしているようでありますが、主宰国日本の立場から見て、全体のテーマの設定がどうなるのか、それから、特にこういう点に力点を置き東京サミットを主宰国として開催をしたい、これはどうお考えなのかという点が二つ目です。
 それから三つ目は、これは取り越し苦労的になるかもしれませんが、何か報道によりますと、昨年十二月カーター大統領から大平さんに来た手紙の中では、貿易不均衡がどうにもならないので、東京サミットも開催不能となるかもしれないという警告があったなどという報道がありますが、どういうことなのか、その辺をお聞かせください。
#99
○副島政府委員 御質問のうち、第二点と第三点は外務省の方から御答弁があると思いますが、最初の東京ラウンドの見通しでございますが、けさほども大島委員に対して申し上げましたように、本年の一月四日にアメリカ政府は議会に対して東京ラウンドに関する通告を行っておりまして、現在、四月上旬に調印の運びとするように精力的に交渉を進めているわけでございます。ECも、この三月のEC理事会にパッケージの承認を求めまして、これも四月上旬を目ざしているということで、私どもも米、ECと同様に四月の上旬までには東京ラウンドの交渉が終了するようにいま精力的に作業を進めているところでございます。
#100
○国広説明員 第二点の東京サミットの内容につきまして、重点の置き方いかんという御質問について御説明申し上げます。
 最近のサミットにおきましては、ほほ五つの項目について常に討議がなされております。念のために繰り返しますと、インフレなき経済成長、エネルギー問題、貿易、南北問題、国際通貨でございます。これらはいずれもきわめて重要な対外経済問題でございまして、今日まで私どもサミットの準備に従事しております者が関係各国の意向を伺っておる過程におきましても、この五つにはいずれも重点が置かれておると思います。
 ところで、この東京サミットに当たりまして主宰国としてどういう重点の置き方をするかということでございますが、総理大臣、外務大臣、いままでの国会答弁におきまして、今回はUNCTADの直後に開かれ、しかもアジアで初めて開かれるサミットでありますし、南北問題を特に重視したいというふうに述べておられます。他方、最近のイランの情勢にかんがみましても、エネルギー問題が今後の進展いかんによっては非常に緊要な問題になろうと思います。
 いずれにしましても、あと四、五カ月時間的にございますし、三月下旬には準備会議が予定されております。その後恐らく、前例に従いますと二回ぐらい準備会議があると思われますので、その間関係国の考え方も聞きまして、サミット開催の時点におきまして最も世界経済が必要としていることに重点を置いた討議が行われることを希望しております。
 それから第三点の新聞報道でございますが、恐らく伊藤先生御指摘の新聞記事は二月十日のニューヨーク・タイムズの報道であろうと思います。それは、日本が対米黒字を縮小するためにより強力な措置をとらなければカーター大統領はサミットに出席できないかもしれないと大統領から大平総理に通告したという報道でありますが、そのような事実はございません。
#101
○伊藤(茂)委員 もう一つ私は要望も含めてお伺いしたいと思うのです。
 いまのニューヨーク・タイムズの記事は事実でないということはそれで結構ですが、サミットに向けて幾つか難問が控えているというのは事実だろうと思います。そういう中で、いろいろな各界の論評の中にも出ているわけでありますが、場当たり的な対外経済政策ではなくて、しっかりした見通しを持って、それで現実から展望ということについて真剣に説明して理解を求めていくというふうな姿勢が非常に大事なのではないだろうかということであります。
 これも指摘をされておりますように、一昨年暮れ七%成長の見通しということを、福田さんの責任というのか国際的公約というのか、そういうことで繰り返されてまいりまして、昨年のボン・サミットでもそういうことでありました。そういうこともあって、昨年末のIMFの対日審査でも、七%要求、そういうことも含めて、そういう声も出ているということもあると思います。これらのことは、国会の論議の中でもあるいは民間の経済団体の中からも、七%成長は無理なのだということは、私どもも各界から指摘をされてきた、ところが結果的にはいろいろと対外不信を増大させているというふうなことだろうと思います。外の方からはいろいろな要求が、それぞれナショナルな立場もありますから出てくると思いますが、たとえば福田内閣当時の延長から言っても、ことし六・三%成長、七十五億ドルの黒、このようなことについても、民間の経済団体、研究団体の中でも、まあ五%程度、百億ドルの黒を二けたにできるかどうか非常にむずかしいところではないかというようなことが言われているわけであります。それで政府の方では、きょうの新聞を見ましても、アメリカとの貿易摩擦の調整その他サミットへのカーター大統領の参加をスムーズにするということで、福田前総理大臣にも行っていただきたいとか、あるいは外務大臣、通産大臣、経済企画庁長官、官房副長官に至るまで次々に派遣しようとかいうような報道もなされておりますけれども、やはり問題は、中身のプランをきちんとつくって、半年か一年たったらまた批判が強まってくるというようなことを繰り返さない取り組みが大事なのではないだろうかというふうに思うわけであります。前内閣の失敗は失敗として、現内閣はその辺どう対応されようとしておるのか、いかがでしょう。
#102
○金子(一)国務大臣 最近のアメリカとの話し合いを通じて、七%成長の問題はほとんど理解してもらえたというふうに私どもは聞いております。日本政府が昨年来非常な努力を重ねて、内需拡大に努力してきたのでございますけれども、外需に足を引っ張られて目標を達することができなかったけれども、しかし国内の景気の状況から言えば、最近は七%から八%程度の成長が続いておる、このことはよく理解してくれたようでありますが、問題は、やはりその黒字がたまっておる経常収支のその黒字の問題をどう片づける用意があるかという点に問題がしほられてきておるわけでございまして、わが方といたしましても、緊急輸入の問題その他総合的に経常収支のその解消というか、黒字減らしについて努力をしたいということで、いま政府を挙げて検討しておる段階でございます。ただ御承知のとおり、基礎収支では完全な赤に、あるいはゼロに近いところまで行くことは事実なんでございますけれども、経常収支をどうしてくれるのだというところに問題がある、こういうふうに私どもは理解をいたしております。
#103
○伊藤(茂)委員 最後にもう一つお伺いしたいと思いますが、これは税関の人事行政の問題であります。
 私ども全税関労働組合などから陳情を受けているところでは、税関の人事行政の中に公正でない、あるいは差別があるんじゃないかということを伺っているわけであります。今回の税関関係の予算の中では、若干の機構増とか、あるいは定数の関係でも行政(一)の三等級の枠が純増八十四とかなっているようであります。私は、税関職員の処遇改善はいろいろな意味で大事なことだし、賛成であります。問題はその運用、明るい職場であるように、あるいは民主的な職場であるようにどう運用していくのかということが大きな問題ではないだろうかというふうに思うわけであります。
 ところが、私ども陳情を受けたところでは、組合所属による差別がある。表向きはもちろん言わぬでしょうけれども、事実上組合所属を理由とする差別ではないかということが幾つか言われてきているわけであります。たとえば四等級の昇格をめぐって、全税関の組合員は税関労連の方々に比べまして、ひどいときには十年もおくれているとか、あるいはまた昇給の問題でありますが、これも実例で聞いているところでありますが、昭和三十七年初級職高卒採用、これは横浜税関ですが、四十八人が八等級三号で足並みをそろえてスタートをした。その間に組合のいろいろな分裂とかその他の問題がありまして、今日では税関労連の方の約四〇%ぐらいの人は六等級役付とか五等級に昇進をしている。全税関に所属をしている人はほとんど全部六等級にとどまっているとか、昭和三十六年度の高卒採用の場合でも同じような傾向があるとか、あるいはまた特別昇給の取り扱いの問題ですが、ちょっと古くなりますが、昭和四十年から五十年までの十一年間この特別昇給の状態を見てみますと、全税関の関係の人は人員全体の二五%ぐらい、四人に一人ぐらいしか当たっていない、そうでない方は十一年間のうちに一人平均一・七回当たったような割合になっているというわけであります。私は、民主的な職場あるいは明るい職場をつくっていくという意味から言えば、組合活動とか組合所属による差別ということではなくて、昇任、昇格などについても公正な基準を明らかにして、また序列も重んじながらやっていくということが大事ではないかと思います。この点は何回も陳情を受けておりますので、関税局長からお考えを伺いたい。
#104
○副島政府委員 税関といたしましては、職員の昇任、昇格等は、国家公務員法あるいは給与法、人事院規則等に基づきまして、職員の能力、適性あるいは勤務成績等に基づきまして、適正公平に実施をしておりまして、組合の所属いかんによって職員を差別するようなことは全くやっておりませんことは、しばしば当委員会で御説明をしたとおりでございます。ただ、税関全体を預かる者といたしまして、私も言ってみれば全職員と一緒の共同体の一員でございますので、全員が楽しく愉快に働ける職場にするということには常々努力をしてきているつもりでございます。
 もちろん、昇任あるいは昇格、すべての人が一様に上がればこれはまことに理想的でございますけれども、現実の社会はなかなかそういうわけにはいかないし、先ほど申しましたように、おのずから人によって個人間に格差というものが生ずることはやむを得ないわけでございます。その点につきまして、私は常々税関長あるいはしかるべき管理者に対して、昇給、昇格に不満を持つような人については極力ひとつ指導を強化していく、いままでも絶えず指導をやっていると思いますけれども、指導を強化していく、それから研修その他必要なものを与えるということによって、職員の資質の向上を図る必要があるのではないかというふうに思っているところでございます。重ねて申し上げますけれども、先生御指摘のような組合の所属いかんによる職員の差別というようなことは全く行っておりません。
#105
○伊藤(茂)委員 もう時間ですからやめますが、こういうことなんですね、関税局長、言葉ではそう言われる。関税局長がそういう信念でおやりになっていることを私も信じたいと思います。ところが、現実に何年に入局して、それから五年たち十年たちという昇進、昇格その他の一覧表を、数字の説明をいろいろ聞きますと、やはり組合所属とか何かによってえらい歴然とした差が出てくる。そして実際月給の方から言っても、一等級違えば一年間ネットで百万円ぐらい違ってくるというようなこと、それからそれがその他のいろんな制度にもはね返ってくるということのようであります。ですから、何か組合所属で並べて見てその差が歴然と表になって出てくるというような状態は、ちょっと片方は非常にまじめな人で片方はまるで怠けているという集団の差というふうにも私は思いませんし、その辺、さっき局長が言われたお考えが客観的に実証されるようにぜひ改善の努力をしていただきたい。要望も含めて最後にいかがですか。
#106
○副島政府委員 職員の内輪と申しますか、内部の問題で委員をお煩わしてまことに恐縮に存じておりますが、私どもとしては先ほど申しましたように、組合の所属いかんによる差別というものは一切行っておりません。そういうことで、今後とも公平な人事行政を行っていきたい。ただ先ほど申しましたように、職員の不満というものがあることは事実でございますので、私はそれも一部は誤解によるところもあるのではないかということも考えられますので、そういう誤解があればそういう誤解を解いていく。それから、やはりどうしてもおくれている人というものがどこの社会あるいは機構においてもいるわけでございまして、そういう職員に対しましては、今後とも指導の強化を図っていきたいというふうに考えております。
#107
○伊藤(茂)委員 これで終わります。
#108
○加藤委員長 貝沼次郎君。
#109
○貝沼委員 関税暫定措置法の一部を改正する法律案について質問いたします。
 私この法律案をずっと読んでみまして、まず関税率の改正、関税率の引き下げ引き上げ、それからその他除虫菊の問題、それから暫定税率の適用期限の延長、減税還付制度の改正とかありますが、大体においてよろしいのではないか、こう思うわけであります。
 そうすると質問することがないようでありますけれども、その背景になります問題、それから、こういう関税率を云々する場合こういうことも考えておく必要があるのではないかというような観点から、二、三総論的なことをお伺いしておきたいと思います。
 そこで、この提案理由の説明の中に、「最近における内外の経済情勢の変化に対応」してというところがあるわけでありますが、まず大臣に、この「内外の経済情勢の変化」、これは具体的にどういうようなことを指しておられるのか、この点について答弁をお願いいたします。
#110
○副島政府委員 内外の経済情勢に即応してということは、率直に申し上げまして一つの決まり文句でございまして、特別の意味がある場合とない場合とあるわけでございます。
 本関税暫定措置法の改正につきましては、実は大変意味のある言葉でございまして、まず外につきましては、御承知のように現在、東京ラウンドの交渉の最終段階を迎えているわけでございます。それで、今回お願いをしております関税暫定措置法につきましても、東京ラウンドがどういうふうに動くか、あるいは東京ラウンドが妥結すればいろいろな手直しが起こり得るのではないかということが一つ挙げられると思います。
 それから、内外の内の方でございますが、今回御提案をしております中には、関税率の引き下げをお願いしているもの、あるいは引き上げをお願いしているもの、これはタマネギでございますが、そういうようなものがございます。あるいはアルミニウムのように、五十四年度に限って一年間関税割当制度の延長をお願いしているものもございます。こういうものは、おのおの産業の状況、あるいはアルミニウムにつきましてはアルミニウム産業の不況の現況というようなことを考えて、そういう内外情勢を考えて今回の暫定措置法の改正をお願いしているという意味でございます。
#111
○貝沼委員 内外の情勢、いま説明がありましたが、外の方、午前中から東京ラウンドの問題は質疑がなされております。そこでもう一回確認しておきたいと思いますが、今回のこの改正法律案は、東京ラウンドの交渉が難航しているというようなことも含めてのものであるというふうに認識してよろしいわけですか。
#112
○副島政府委員 東京ラウンドがもしこの暫定措置法を提出する前に妥結すれば、おのずと変わっていたであろうということは申し上げられるのではないかと思います。
#113
○貝沼委員 それでは現在、東京ラウンドの話し合いがなされておりますが、この進捗状況について説明を願います。
#114
○副島政府委員 東京ラウンドの進捗状況について御説明をいたします。
 御承知のように、わが国は開放された国際貿易体制の維持強化という観点から、昨年の一月に工業品及び農産品のイニシアルオファーを提示いたしまして、以来米国、ECあるいは開発途上国、豪州、カナダあるいは北欧諸国等との交渉の場を通じて、東京ラウンドをできるだけ大きなパッケージにして終結するように、相互主義の立場をとりつつ鋭意交渉を進めてきているわけでございます。
 この結果、貝沼委員御案内のように、昨年の十二月には米国及び北欧諸国との間で、関税についての実質的な合意ができたわけでございます。それからまた非関税障壁に関します国際的なコードにつきましても、その主なものについては昨年の暮れに、これはECも含めまして合意ができているところでございます。
 ところが関税につきましては、日本とECあるいはアメリカとEC、あるいは開発途上国と日米ECの間の話し合いが昨年中に決着がつきませんで、今日に持ち越されていることは御案内のとおりでございます。現在、日米ECともこの四月上旬を目指しまして終結を図るよう最後の努力を続けているところでございます。
#115
○貝沼委員 先ほども話がありましたが、米国のいろいろな言い分を考えてみますと、日本と米国との間の貿易不均衡による対日貿易赤字、このことが中心になっておるようでありますが、いま日米間のこの不均衡、対日貿易赤字、それから経常収支の問題、これらはどういうふうになっておりますか。
#116
○副島政府委員 日米貿易につきましては、七三年、昨年の貿易の黒字は百一億ドルに達しておりまして、前年の七十三億ドルに比べて五割近い増加となっているわけでございます。
 日米間につきましては、この問題が現在非常に大きな問題となっていることは貝沼委員御指摘のとおりでございますが、東京ラウンドに関する限り日米間につきましては、昨年の十二月中旬に実質的な決着がついたわけでございまして、現在残っております問題といたしましては、政府調達の適用対象のカバレージの問題、これはけさ御説明したように政府関係機関、電電公社等を含めるかどうかという問題あるいは輸出自主規制をセーフガードコードの中にどういうふうに組み入れるかという問題が東京ラウンドに関する限りは残っているだけだと了解をしております。
#117
○貝沼委員 わかりました。
 それで、けさほども話が出ておりましたが、いわゆる政府調達の門戸開放の問題です。これはいま交渉中なんでしょうし、したがって発言は非常にむずかしいんでしょうが、私けさの議論を聞いておりまして、政府ががんばっておることはわかるのでありますが、具体的にどういう方針でいくかということがどうも聞けなかったように思います。そこで、あくまでもこの門戸は開かないのだという線で日本はいくのか、開くという線でいくのか、それとも条件次第であるというふうにいくのか、あるいはそのほかの考えがあるのか、この辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
#118
○副島政府委員 直接のお答えは外務当局からされると思いますが、その前に、先ほど七三年の黒字と申し上げましたけれども、七八年の黒字の誤りでございます。
#119
○池田説明員 お答え申し上げます。
 この電電公社その他の政府関係機関の取り扱いにつきましては、きわめて微妙な問題でございます。一方においては、交渉を妥結させるという点を考えねばなりませんし、また、全体として交渉を意義あらしめるという観点も考えなければなりません。さらに、それぞれの団体の事情ということも考え合わせることは当然でございます。こういう性格の問題でございますので、目下政府部内におきまして、種々の角度からあらゆる要素を勘案いたしまして、どのような方策が一番妥当であるか検討している状況でございます。
#120
○貝沼委員 そうすると、その方法いかんによるということですね。要するに日本は、あくまでも開かないなどというかたくななものではないということですか。もうちょっとその辺を……。
#121
○池田説明員 この問題は御案内のように、わが国だけで決められるという問題ではございません。交渉事でございます。東京ラウンドをまとめるという一番大きな目的の中で、この問題の正しい位置づけをどのように考えるか。当面アメリカから問題が提起されていますが、広く日米経済関係という文脈をも踏まえまして、何とか一番妥当な解決策を見出そうと思いまして、目下鋭意研究している、こういうところでございます。
#122
○貝沼委員 その問題は影響が大きいと思いますので、以上にしておきたいと思います。
 それから、東京ラウンド合意の見通しについて、先ほど四月上旬という数字というか期限が出ておりましたが、話によりますと、ハフェルカンプEC副委員長が訪日を延期してきたというような報道もなされております。そうなってくると、四月上旬というのは非常にむずかしいんじゃないかという観測も出ておるわけでありますけれども、これは余り影響ありませんか。
#123
○副島政府委員 ハフェルカンプ副委員長の来日が延期されたということは、東京ラウンドの終結の見通しには余り影響はないと私は考えております。聞くところによりますと、米国とECとの関税交渉がいま行われているということもあって、訪日が延期されたということだと思います。
 私どもとしては先ほど申しましたように、東京ラウンドはこの四月上旬を目指して目下精力的に詰めているわけでございますが、しばしば東京ラウンド難航という言葉が聞かれるわけでございますが、私は実は難航とは思っていないわけでございます。なかなか予定どおりに進んでないということは認めざるを得ないと思いますけれども、難航という言葉は必ずしも当たらないのではないか。と申しますのは、なぜそれでは予定どおり進まないかというと、私は三つの大きな原因があるのではないかと思います。
 一つは御承知のように、東京ラウンドというものは一九八〇年の十年間を展望した世界の貿易の枠組みをつくろうという非常に大きな意図があるわけでございまして、そのために、各国としてもできるだけ大きなパッケージを組んでいきたいということをねらっているわけでございます。
 したがいまして今度は第二に、できるだけ大きなパッケージを組もうとすればするほど、国内産業との調整がむずかしくなるという問題が出てくるのではないか。逆に申しますれば、各国ともミニパッケージで満足をすればあるいは交渉は簡単に済むかもしれません。ただ、そうあってはならないという自覚のもとに、各国が現在できるだけ大きなパッケージを目指していくということで、いま申しました一と二の問題が発生をするわけでございます。
 同時にまた三番目の問題といたしまして、貿易の自由化を進める、関税障壁をなるべく下げていくということを十年にわたってギャランティーをするわけでございますから、そうすると、どうしてもそこに一たん緩急ということに対する安全弁というものが必要になってくるわけでございます。そのためにセーフガードの問題が大きな議題となってきておりまして、これをどう東京ラウンドに組み入れるか、この三つの問題がいま交渉がなかなか思ったとおりには進まないという原因になっていると思います。また別に個々の小さな問題はあると思いますけれども、大きな問題としては以上の三つが挙げられるのではないかと思います。
#124
○貝沼委員 飛び飛びになって申しわけありませんが、発展途上国グループの代表的存在である七十七カ国グループの第五回会議が二月六日から二月十六日まで開かれておるわけであります。そうして五月にマニラで開かれる第五回国連貿易開発会議、UNCTAD、これの対策を練っておるようですが、その中で、東京ラウンドの東京宣言は世界貿易における途上国のシェア拡大という、途上国にもっと有利な貿易要件を与えることを約束をしておるわけであります。それにもかかわらず先進国は、途上国で生産される雑貨類やあるいは革製品の輸入を渋って国内産業を保護している、こういう報道があるわけでありまして、もしそうであれば、これは確かに途上国から攻撃されても仕方ないと思いますが、現実はこれはどういうことなのかということ、それからわが国としてはどういう考え方に立っておるのか、この点を確認しておきたいと思います。
#125
○池田説明員 御指摘の会議は、現在アルーシャで行われております途上国側のUNCTAD準備会議のことかと思います。
 東京ラウンドとの関係につきましては、東京ラウンド交渉をそもそも発足させました四十八年の東京宣言中に、途上国に対して追加的な利益を与えることというのが東京ラウンド交渉の目的の一つとしてうたわれております。交渉参加国は、わが国をも含めまして、この目的を体しまして現在まで鋭意途上国側と交渉し、またさらに目下最終段階を迎えてこれを締めくくろうというわけでございます。
 問題は大きく分けますと二つございまして、先生御指摘のように、途上国側の関心品目についての関税を下げることなり、あるいは場合によっては輸入制限をゆるめることなりという品目ベースの問題でございます。これが第一。第二番目の問題といたしましては、ガットのルールを途上国側にやや有利なように直すということでございます。
 その前者の品目別の話につきましては、実際上は各国が自分でなし得ること、オファーと申しますが、これを提示し、これで了解を求めて交渉を完結させる。わが国に関しましても、途上国側の関心事項を十分に踏まえまして、わが国としてなし得る最大限のオファーを行っております。
 それから、第二の貿易ルールの問題につきましては、これは現在まだ終わっておりませんけれども、大筋といたしましては、たとえば一般特恵制度というようなものにつきましては、その都度にガットの義務免除をとるということではなしに、一応ガットの制度の中に取り入れる、こういう方向で妥結がつくものかと思われます。これは現在交渉中でございます。
 いま申し上げました方針はわが国といたしまして、EC、アメリカ等と十分に相談をいたし、なおかつ途上国側を不必要に刺激せず、さらにアジアのマニラでUNCTADが開かれるという事実をも十分に念頭に置いた上で打ち出した方針でございます。
#126
○貝沼委員 誤解をされないようにわが国としては努力していただきたいと思います。
 それから、暫定税率の適用期限の延長のところで原重油の問題が出ておりますので、これに関連してエネルギー資源の確保の問題を尋ねておきたいと思います。
 御存じのように、いまイランの情勢が非常に厳しい状態になっておるわけでありますが、これから先日本の原油の輸入というものがイラン情勢によってどれだけ影響をこうむるのか。あるいは安心してよろしいのか、それともエネルギー資源として非常に影響をこうむるという考え方なのか。できるならばオイルショックのときと比べて、いまの場合がより深刻なのか、深刻でないのか。オイルショックの場合は、期間が短期間で、パニック状態というものが確かに問題ではあったと思いますが、今回の場合は、私は長期間にわたって影響するのではないかということを考えますと、非常に影響は大きいような気がするのでありますが、この点政府はどのようにお考えですか。
#127
○箕輪説明員 最初に数字を若干申し上げますが、イランの石油生産と申しますのは、大体ここ四、五年一〇%の生産を世界の中でしております。それがどれだけ輸出されておるかということでございますが、世界の全輸出量の中で大体一六、七%のウエートを常に占めておるわけでございます。それから日本は、イランから輸入しております原油と申しますのは、大体一七%から二〇%の間を前後してここ数年推移してきておるわけでございます。したがいまして、イランの情勢いかんによっては、これが世界の需給に影響を与えることは当然でございますし、日本についても影響を与えることは当然であろうと考えております。
 ただ、昨年の秋以来イランの社会的な混乱が生じましてから世界の需給と申しますのは、実は先生御存じかと思いますが、昨年あるいは一昨年ごろは世界の原油の需給と申しますのは、需要を供給が上回っておったという状態がしばらく続いておりました。現在ではそれがなくなりまして、需給がタイトになっております。しかもイランの輸出量と申しますのは、大体五百万バレル・パー・デーぐらいコンスタントにあったわけでございますけれども、それが昨年の十二月末以来ゼロになっております。生産は大体五、六十万バレルやっておりますが、輸出はゼロになっておるわけでございます。どうやって世界の需給がつじつまが合っているかと申しますと、中東でイランが中心となって供給が落ちている分を、ほかの中東以外の国あるいは中東のイラン以外の国が増産をしておりまして、これで賄っていったというのが現状でございます。
 したがいまして、今後の原油の世界的な需給を考えます際には、イラン以外の産油国がどういう態度をとるかということに一つかぎがあるように考えております。現在のところでは、若干増産をしておらない産油国もございますけれども、大多数の産油国は増産をしているのが現状でございまして、これは今後十分ウォッチしていかなければならないことであろうというふうに考えております。
 前回のオイルショックのときと比較してどう考えるかということでございますが、一九七三年のいわゆるオイルショックのときは、非常に急激に禁輸宣言あるいは価格アップ宣言というものがなされましたわけでございますので、非常に全世界かあわてふためいたという事情がございます。その当時と比べまして現在では、その当時の供給側の事情あるいは需要国側の事情それぞれにつきまして変わっている点は、まず供給側から見ますと、北海あるいはメキシコあるいはアラスカというような油田が増産体制に入っている、これが世界の需給緩和に大いに役に立っているということは言えると思います。それから、世界各国とも備蓄の増強に努めておりまして、OECD全体でもって現在では百十日ぐらいの備蓄量を持っていると承知しております。したがいまして供給面から見ますと、かなり前回とは違ったいわば楽な状態にあるということは言えると思います。
 一方、不安定性はないのかということになりますれば、率直に申し上げまして、前回のときは世界が油の海に浮いていた、じゃぶじゃぶ油を使っていたという事情がございまして、節約というのか非常に簡単にできたという事情があるのではないかと思います。これは日本も同じところであろうと思います。したがいまして、より不安定性を増している、あるいはより安定度を増しているということについては、一概に言い切れないのではないかと思いますけれども、やはり今後の世界の需給、これはマクロ的な需給になると思いますが、それを考える際には、産油国がどういう態度をとってくるか、それからイランの混乱、社会的な混乱あるいは政治的な混乱というのはいつおさまるのだということを十分見てみないと、的確な判断はできないことではないかと考えておりますけれども、ただ、最初に申し上げましたように、世界の生産の一割ぐらいを常に占めている国の産油量がゼロである、しかもそれが長期間続くということになれば、世界的にじわじわといろいろな影響が出てくることになるだろう、このように考えております。
#128
○貝沼委員 確かにこれは重大問題になると思います。
 そこで、原油の備蓄をそれならどう考えるかという問題になってくるわけでありますが、大平総理大臣は二月九日に江崎通産大臣と資源エネルギー庁長官と協議して、石油輸入が減った場合、原油備蓄を放出することで対処する、それから、鉄鋼など大口需要産業向けのカットは回避することを決めた、こう報道されておるわけであります。
 ところが、備蓄を放出するということは、実は問題があるわけですね。備蓄の取り崩しを認めると、各石油会社が自助努力を放棄してなだれ現象が起きやしないかという心配、それからもう一つはIEAとの関係で、やはり五十五年一月以後九十日分の備蓄をやらなければならないわけでありますが、これが困難になるのではないかというようなところから、日本としては問題があります。あるいはその場合も、国家備蓄あるいは民間備蓄、どちらの方を取り崩していくのかという問題もありまして、これは国内法の関係においても実は問題が出てくるわけでありますけれども、こういうようなところを考えても、なおかつこれを放出するように対処するということは、一体どういう判断によってなされたものなのか、この辺の説明を願いたいと思います。
#129
○箕輪説明員 先日通産大臣と総理が御相談をしまして、当面こういう態度で臨もうではないかということで合意ができましたというふうに伝えられておりますことは、背景を申し上げますと、一−三月の原油の入着予定量というのが、前年同期並みの入着が可能であるという見通しがついたということがまず第一の理由でございます。
 それから第二の理由は、一−三月と申しますのは年間を通じまして最も需要の強いときでございまして、四−六月になりますと需要が二〇%程度落ちるというのが例年のパターンでございます。したがいまして、原油獲得の努力を現在と同じような努力を続けるのであれば、当面は特にカレントな生産に影響を与えることはないだろうというような判断をしているわけでございます。
 ただ御存じのとおり、今年の四月一日から八十五日分の備蓄をするというのを、民間備蓄の一つの基準備蓄量の目標に従来はしてございます。それから、来年の三月末日には九十日にするというのが従来の目標でございますけれども、現在の原油の需給の状況から考えますと、八十五日積み増すということはあるいは無理かもしれません。しかし不需要期に原油の獲得努力をコンスタントに続けますならば、若干なりとも備蓄の積み増しというのは可能かもしれないという判断をしているわけでございます。
 したがいまして当面の間は、備蓄ということについては特段の手をつけないわけでございますけれども、特に現在必要なことは、国民の間に不安感を起こすということが一番問題であろうという認識から、買い占めだとか売り惜しみということは厳に慎まなければならないだろう、それでもなおかつ需給に問題が生ずるような場合があれば、備蓄を使って便宜適切な機動的な対処をしていくということを話し合っているということでございます。したがいまして、長期にわたって問題がないとか、あるいは備蓄を何の目当てもなしに取り崩していくということを話し合ったわけではございません。
#130
○貝沼委員 そうすると、石油備蓄法で今年の三月末には八十日分の備蓄、四月一日からは八十五日分の備蓄、これが義務づけられておるわけですが、これはできない可能性もあるわけですね。
#131
○箕輪説明員 その辺は一−三月の現実の入着の状況を見ておりませんとはっきりしたことはまだ申せませんので、私どもとしては、二月中の船積み成約のあり方あるいは入着の状況というのをいま慎重に見守っておるところでございます。ただ、いままでの推移から申し上げますと、さっき申し上げましたように、八十五日まで積み上げるというのは無理かもしれないという判断は一応しております。
 それから、先ほど御質問のございました民間備蓄とそれから国家備蓄と申しますか、公団備蓄の崩し方の問題でございますけれども、現在ただいま民間備蓄というのは約八十三日分ございます。そのほかに公団備蓄が七日強ございまして、いま大体九十一日分くらい備蓄がございます。それで公団備蓄と申しますのは、いろいろな考え方があろうかと思いますけれども、国内でいろいろな摩擦的な需給の不均衡が生じました場合に、国が備蓄を放出してこれを冷やすというやり方もありますでしょうし、あるいは民間備蓄を使いまして適宜適切な地域的なアンバランスならアンバランスを解消していくというやり方もあろうかと思います。基本的にはわれわれは、公団備蓄と申しますのは二線順位である、そのように理解しております。
#132
○貝沼委員 備蓄の問題は以上で終わりたいと思います。
 それから、エネルギー関係の税金の問題でありますけれども、今回こういう措置がなされておるわけですが、実はエネルギー関係のものはたくさんあるわけですね。原重油関税あるいは石油税、ガソリン税、石油ガス税、一々申し上げても切りがありませんが、たくさんありますが、端的に言って、このようにエネルギー資源の確保ということが非常に問題になってきておる現在、こういう税制の見直しは必要ではないのかということです。
 つまり、エネルギー資源の確保のための財源というのはいろいろ言われておりまして、たとえば五十二年のエネ調の中間報告では、昭和五十年代に必要な資金量は約六十八兆円、インフレを考えると八十八兆円、そのうち、公的支出は約七兆円と試算しておるわけでありますが、こういうような財源措置が必要なんであります。ところが、それについて政府としては、基本的にこの財源はどこから考えようとするのか。一つには、こういうさまざまなエネルギー関係の税金をもう一度見直して考える必要があるのではないか。いまたとえば道路とかいろいろなところに使われているものをこっちに回せとか、そんなことを私は言っているわけではありませんけれども、公平な立場でこれを考え直す必要があるのではないかと思うわけであります。大臣、いかがでしょう。
#133
○福田政府委員 昨年の三月二十九日の石油税の通過に際しての附帯決議がございまして、関税があり、さらに石油税があり製品の消費税があるということで、その体系のあり方という御議論が附帯決議としてあったわけでありますが、いま御指摘の点、エネルギー税制の問題というのは、エネルギーにどういう税金をかけておるかという問題と、エネルギーに必要な財源をどこから調達するかという二つは分けて考える必要があろうかと思います。
 現在かけられている税金は、現在審議されています関税の形で、五百三十円に百十円の六百四十円というものがある。ここで石炭と石油に対する特定をしておりますから、そこをどう考えるかの問題が一つあります。
 その次に石油税であります。石油税は、昨年成立させていただきまして、早速イランの問題に対処し得るということになっておるわけでありますが、これは関税との関係が非常に近い原油段階での課税であるということが一つの特色であります。ですからこの辺も、関税と石油税の関係をどう調整するかという根っこのところでの課税、これが、石炭を含む、しかし主力は石油対策にどう当てるか。これは昨年の附帯決議の、石油関連のいろいろな対策、代替エネルギーの開発を含むという第二項だったと思うのですが、そういう政策の方にまで備蓄以外にも広げるべきだという議論があったわけです。したがってこの辺も、根っこでかける関税と石油税を、これは特定支出となっておるものを、どういうふうに石炭を含めながらいろいろなエネルギー対策費に使っていくかという問題があります。これが足らなければ一般財源からとるという問題。しかしこういう問題は、むしろ広く政策の優先順位として全体の資金バランス、政府の中で考えるものであって、特定の中で考えるべきかという点は一つ問題であります。
 その次に製品課税の問題があります。これはガソリンがあり、軽油があり、航空機燃料税、これはすぐ御審議いただきますが、いろいろな製品課税がある。この製品課税は、税の考えからいきますと、それを使っております方が受益者として代金を払うという関係にあるわけです。したがって受益者の立場でいけば、自分の関連するものに使ってほしいという気持ちで金を払うわけです。したがいまして、現在の揮発油税は道路特定財源ということで使われております。それから、航空機燃料税は空港整備というふうになっていくわけです。電発税は真っすぐに電源開発に回るわけですが、いずれにしろ原則的には製品課税は、転嫁を通ずる負担力が受益者負担、原因者負担という観念ですから、そういう意味で道路、空港に行くという関連があるわけです。したがって、その種の製品課税の税収を直ちにエネルギー対策に回すかというのは直接の関連性はないと思います。この辺で、エネルギー税制という言葉とエネルギー対策費を分けて考えるということが必要であろうと思うのです。
 ただ、道路等の財源が充足されてきて一〇〇%になってくる、たとえば英国みたいになりますと、これが一般財源に回るということになってきます。日本のような現状の道路をどういうふうに全体の資金の中での優先順位で考えるかという問題は別にありますが、その製品の税負担の問題さらに、あらゆる油種を通ずるバレルというか、原油全体の中で何ドルの負担をしておるかという国際的な負担の問題、その辺は国際的には非常に低い現状にあろうかと思いますが、いずれにしろエネルギー対策に対する基本的な認識は、その重要性を全体の国家資金の中でどう考えて、それを一般財源的な考えの枠内の優先度を主力にしながら、説明のできる範囲の受益者負担で見ていくかということであろうと思うのです。
 この辺の考え、資金分科会の中でいろいろな今後の長期的な考え方、またグローバルな考え方がありますが、その大きさが全体の国の政策の中でどうかという長期的な、また全体のバランスの問題、さらに予算編成に際する当面の金の問題として、それを民間資金にどこまで仰ぐか、政府資金として金融によるべきかさらに税によるべきか、税は一般財源によるべきか特定財源によるべきかというふうな、そのときの財源事情に応じた対処がやはり必要であり、昨年は石油税であり、今回は揮発油税であるという種の長期的な展望のもとで当面の問題を解決するということが必要であろうかと思います。
#134
○貝沼委員 その問題はそれで終わりにします。
 それから、除虫菊の問題が出ておりますが、この特恵税率を設けることについての説明を関税局長からお願いします。
#135
○副島政府委員 除虫菊につきましては、現在関税割当制度で一次税率を無税にしているわけでございます。ところが、けさほども御説明をいたしましたように、近年蚊取り線香の需要の減退、また合成原料への依存度の高まりによって、除虫菊に対する需要そのものが大幅に減退をしてきておりますこと。また他方、収益性が低い関係もございまして、除虫菊から他の作物への転換が進んだこともございまして、国内での除虫菊の生産及び生産農家が大幅に減少してきているわけでございます。けさほど数字で申し上げましたけれども、過去七年間に生産農家数は三千九百戸から約千六百戸に減少しておりますし、生産量も二百七十トンから約百トン程度に下がってきております。他方、現在一次税率を無税といたしまして、年間千三百五十トンの枠を設けているわけでございますが、実際の消化率は三割程度にすぎないということでございますので、今回関税割当制度を廃止することにしたわけでございます。もともと関税割当制度を導入いたしましたのは、ケニアからの強い要請で一次税率をゼロにしたわけでございますが、一次税率をゼロにしておりましたいままでですら枠の三分の一も輸入が行われないという現状から見て、今回特恵税率を設けましてゼロに設定をしたわけでございます。これによって実質的には現状と変わりがないことになるのではないかというふうに思っております。
#136
○貝沼委員 農林水産省の方から除虫菊の現状についてお伺いします。
#137
○伊藤説明員 ただいま関税局長からお答え申し上げましたように、除虫菊につきましては、これは瀬戸内海の離島におきます農作物でございまして、年々減少しているわけでございます。除虫菊につきましては、関税割当制度をとってまいりまして、いままでできる限り適正な価格で需要者に引き取ってもらうというようなことを続けてきたわけでございますが、私どもといたしましては、今後ともこの点十分考慮をいたしまして、今回の措置によってこのようなことが変わることのないように指導をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
 また、除虫菊につきましては、農協、農家を通じまして生産面でいろいろ指導をいたしているところでございまして、これにつきましても、財団法人の日本特殊農産物協会を通じまして十分指導をいたしてまいりたいと思いますし、また除虫菊を他の作物に転換する農家もあると思いますので、その点につきましては、新規の作物を導入することについて予算的な措置も検討をいたしているところでございます。
#138
○貝沼委員 私も瀬戸内海の離島においてこの除虫菊をつくっているところは知っております。加藤委員長もよく御存じのとおりであります。農林水産省の方ではいままでいろいろと指導もし、対策も講じてきたようでありますが、それに当てはまるというか、それを利用する人がいなかったというのがどうも現状のようであります。しかし実際問題、その島へ行ってみますと、ただ指導するだけでは満足できない、そういう面がございます。そこで、これは単なる農林水産省だけの問題ではなしに、むしろ離島振興の立場から、あるいは国土庁の定住圏構想といった観点から、その島の生活をどうして成り立たせていくかという観点からこれを見ていかないと、単に関税をいじることによってどうのこうのという問題ではないような気がするわけであります。
 そこで私は、これは要望も兼ねての質問でありますが、国土庁に対しまして、こういうような離島の問題に対して今後どのように対処されようとなさっておるのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
#139
○永井説明員 お答えいたします。
 三全総でも申しておりますように、定住圏構想というのが三全総の基本的な考え方でございますけれども、離島におきましても、総合的な居住環境を整備して、もって離島民が安んじて生活ができるような環境の整備をしたいというぐあいに考えております。
 それで、その内容の重点は四つばかりございまして、一つは、交通、通信施設を整備する等によりまして、離島の地域的、自然的な要因でありますところの隔絶性を解消するということが第一点でございます。第二点は、除虫菊の問題もございましたけれども、離島は第一次産業が中心でございまして、農漁業を中心とする地場産業の振興を図ってまいりまして、それで就業の場を確保したいというのが第二点でございます。それから第三点目といたしましては、特に離島は水が不足しておりますので水道とか、そのほか廃棄物の処理でございますとか、教育、文化といったような生活環境を整備するということが第三点でございます。第四点は、離島はやはり地理的にいろいろな悪条件がございまして、治山治水とかあるいは海岸保全等の国土保全の施設を整備するという四つの柱を立てておりまして、この四つの重点的な施策を推進することによりまして離島民の定住化を促進したい、こう考えております。
#140
○貝沼委員 離島の振興はひとつうんと力を入れていただきたいと思います。
 最後に、農林水産省の方に一つだけ伺っておきたいと思いますが、瀬戸内海除虫菊採種組合、生産者組合でありますが、これが昨年解散いたしまして、したがって、来年から優良品種の配付が終わるわけでありますが、これから先こういうことについてはどういう対策を講じようとなさるのか、この点だけ伺って終わりといたします。
#141
○伊藤説明員 先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、面積が減少をいたしております。そういう点で採種につきまして、いま先生がおっしゃいましたように採種組合が解散をしたということを聞いております。したがいまして、この段階に参りますと、そういうような組織を頼って採種をしていくことがなかなかむずかしいのではないかと考えております。しかし、除虫菊は一代雑種を用いて種をつくっておりますし、それを農家に配付するというようないままでの実態でございますので、県の試験場を通じましてこれについては検討させまして、できますればいま申し上げました特殊農産物協会を通じて県の試験場に助成をしていくというようなことを考え、採種をできる限り円滑にしてまいりたいと思っておるわけでございます。
 いま先生のおっしゃいました組合につきましては、確かにこの組合がなくなりましたことによりまして除虫菊をつくる農家には痛手になるということではないかと思っておりますが、できる限りこの点については県を通じて、また先ほど申し上げましたように協会の助成を通じてやってまいりたいと思っておるわけでございます。
#142
○貝沼委員 終わります。
#143
○加藤委員長 高橋高望君。
#144
○高橋委員 すでに同僚議員からいろいろお尋ねがあって重複することを大変申しわけなく思うのですけれども、重ねてひとつより平易にお答えをいただきたいことをお願い申し上げます。
 まず大綱として、現在の東京ラウンドの進行状況についてお尋ねしたいのですが、東京ラウンドはなかなかどうも私たちが考えていたような展開を見せずに、何か絶えず足踏みしているような感じがこのところ特に一段とするわけですが、東京ラウンドの現在までの発展状況と最終段階に臨むわが国の基本的態度について、局長からひとつ御答弁いただきたいと思います。
#145
○副島政府委員 東京ラウンドの交渉は昨年中にかなりの進展を見たわけでございます。
 御承知のように、ボンのサミットにおきましては、昨年の十二月十五日を目途に交渉を完了するようにということで各国首脳間の合意ができていたわけでございますが、昨年の秋に米国の議会が相殺関税の延長法案を否決いたしまして、その関係でEC諸国の一部にやや推進慎重の動きが出てまいりまして、結局十二月までに、日米間あるいは日本と北欧諸国間あるいは日本とスイス間というようなところでは関税についての実質的な合意を見たわけでございますし、また、米国とある国等々につきまして一部の合意を見たわけでございます。それから、非関税障壁のコードにつきましては、これは後ほど申し上げたいと思いますが、セーフガードの問題を除きまして、ほほEC、日本、アメリカを含めまして主要国間で実質的な合意ができたわけでございます。しかしながら、ECと日本との間の関税交渉が結局合意を見るに至らないで本年に持ち越されたわけでございます。また同様に、米国とECとの関税交渉も昨年中に妥結を見ずに現在まだ交渉が継続をされているわけでございます。それから発展途上国との交渉、これは日本と発展途上国あるいはECと発展途上国あるいは米国と発展途上国との交渉も今後に残されております。
 それからコードの問題、非関税障壁の規約の問題でございますが、これにつきましても、いま申し上げましたようにほほ合意ができたわけでございますが、たとえば日米間におきましては政府調達の適用対象のカバレージの問題これは先ほど来御説明をしております日本の場合に電電公社等の政府機関を含めるか否かというような問題あるいは輸出の自主規制をセーフガードのコードの中でどういうふうにしていくかという問題が残されております。それから、ECとの間では御承知のように、セーフガードの問題が最大の問題として残っておりますが、これは日本、ECの問題というよりも、むしろECと開発途上国との問題がより大きくクローズアップされているわけでございます。
 以上が東京ラウンドの現状でございます。
 今後の見通しでございますが、先ほど来私が申し上げておりますように、諸国とも東京ラウンドをできるだけ大きなパッケ−ジで収束させようということを意図しておりますので、なかなかめどがつきにくいわけでございますが、アメリカはすでに行政府が国会に対して妥結の意向を通報しておりますし、またECも過般、日本、ECとの交渉、あるいはその後の情報によりますとこの三月のECの理事会を目指して実質的な交渉を終了させたいという意向を示しておりますので、各国ともできるだけ早く、できれば四月上旬までには実質的な交渉が完了するよう目下鋭意努力をしているところでございます。
#146
○高橋委員 そうしますと、この一連の東京ラウンドの交渉の中で、ECのいろいろ与えている問題というのは、非常に大きく障害になったり、ある場合には滑らかにいくときの一つのきっかけになったりしているわけですが、ECとの間の問題で私どもの国日本が一番問題になって難航している点というのはどこにございますか。
#147
○副島政府委員 ECと日本と申しますより、いまECと日本あるいはアメリカとの関税交渉で問題になっておりますのは、御承知のように昨年の一月に日本、EC、米国とも、工業品関税についてはいわゆらフォーミュラカットということをいたしまして約四〇%の関税引き下げを提示したわけでございますが、ECはある意味では一律カットをしたわけでございます。それに対しまして日本やアメリカは、一部例外を残しまして、しかし例外を残した分については他の品目についてディーパー、より深いカットをいたしまして、平均で大体そろえるということにしたわけでございますが、この例外品目につきまして、EC側がかなり不満を持っていることは事実でございまして、ECの関心品目が日米とも多く例外になっているということについてかなり不満が残っておりまして、その関係でECが、当初四〇%のカットをしたにもかかわらず、その後一部撤回をいたしたわけでございます。そこで現在ある意味で、日EC、米EC間で工業品の関税引き下げについてのバランスが必ずしもとれてないというところに一つの問題があるように思います。もちろん東京ラウンドにつきましては、高橋委員も御承知のように、工業品関税のみでバランスをとるということでなくて、全般的な均衡を図るということでございますので、これだけでバランスを云々するのは適当でないかもしれませんけれども、そういうこともございまして、現在ECとのバランスをどういうふうに図っていくかというのが、私どもがECと直面している関税に関する大きな問題点でございます。
 それからセーフガードの問題は、先ほど申しましたように、日本とECの問題と申しますよりも、むしろECと開発途上国との間が現在難航しておりまして、日本と米国はむしろこの動きを見守りつつあるという状況でございます。
#148
○高橋委員 そうしますと、大変極端な言い方かもしれませんが、ECという一つの集団といいましょうか連合体と私たちとの間で交渉事をすること自体にかなり問題点があるんじゃないか。要するに、EC自体がそれぞれの構成国の実情によってなかなかにまとまりきらない。そのために、われわれに対してとかく交渉事が進まないという現実になっているんで、この辺はそろそろかなり強硬な姿勢をとらないと、いつになっても展開しないんじゃないですか、いかがでございますか。
#149
○副島政府委員 日本にもいろいろ内部事情がございますように、ECの場合には、九カ国の集合体と申しますかの利害を調整するというだけに非常にむずかしい問題はあると思います。あると思いますけれども、ECの態度がネックになっているというふうには私どもは理解をしておりません。むしろECの一国一国と交渉してやるよりも九カ国の代表と交渉する方が、時間的にもまた交渉上もはるかに楽ではないかという感じを持っております。ただ、ECを一カ国として考えますと、なかなか他の一カ国のようにはいかないことは事実だと思います。
#150
○高橋委員 これはいろいろ見方の相違かと思いますけれども、何か私は重ねて言うようですけれども、そろそろわれわれも決断といいましょうか、他の国々に対して日本側の意向というものをはっきりと述べる時期が来ているんじゃないか、そんなふうに思われてならないわけです。ですから、その辺については現在の段階では、政府側ではいまの局長の御答弁のような態度で終始なさる、これも一つの行き方かもしれませんけれども、何か私などには、そろそろ決断する時期が来た、この際思い切ってその辺の爆弾提案でもすべきじゃないかという気がしてきているということをひとつ何かの考えのときには思い出していただきたいな、こう思うところでございます。
 そこで一般論としてなんですけれども、先ほどからお話が出ておりますセーフガードの選択的適用に対する私たちの国の基本的な考え方というのは現在どのように考えていらっしゃいますか、この辺もひとつあわせて御説明いただきたいと思います。
#151
○副島政府委員 現行のガットの規定におきましても、輸入の急増等によって国内産業が不測の損害を生じた場合等については、関税の引き上げあるいは輸入制限を行うということ、いわゆるセーフガードが認められていることは委員御承知のとおりでございます。
 現在行われております東京ラウンドにおきましても、一方において御承知のように、関税の引き下げ、非関税障壁の軽減等によって貿易の自由化の促進を図るというため、できるだけ大きなパッケージを組んでいこうという各国の努力があるわけでございますが、他面、雇用問題あるいは国際収支問題等に直面する一部の国におきましては、万一の場合の担保と申しますか安全弁として、セーフガード条項の帰趨に大きな関心を寄せていることもまた事実でございます。
 では、この問題に対してわが国はどういう考え方面あるかという御指摘でございますが、問題は、いわゆるできるだけ大きなパッケージを組む、しかし同時に、そのパッケージを組む安全弁というもの、この二つの要請の接点をどこに求めるかということにあるのではないかと思います。わが国としても、この安全弁としてのセーフガードというものが必要であることは認識をしておりますが、問題は、このセーフガードの機動的な発動と乱用防止という観点に立って一定のルールをつくっていかなければならない、加盟国がこの国際ルールに服することが基本である、そういう態度でいま交渉に臨んでいるところでございます。
#152
○高橋委員 いや、いつの場合でもそうなんですけれども、こういう国際交渉で、日本側の姿勢の人のよさというのが絶えず目立つんですね。ですから、そろそろすべてについて、やっぱり幾ら現在黒字が多いからといって、余り人のいい態度で終始することは悔いを残すような気もいたしますので、押すべきことは押し、それこそ譲るべきは譲るというのが私は筋じゃないかと思うのです。
 そこでちょっと向きを変えまして、四十六年でしたか、アメリカのドル防衛策の一つで、ガットに了解を得ないまま違法的に実施したことがありました課徴金の問題ですが、今度はこれをガットで公認されるようになったと聞いているんですが、そういう傾向はございますか。
#153
○副島政府委員 御指摘のように四十六年でございましたか、アメリカが輸入課徴金を導入をいたしました。これはガットの規定に抵触をするものであるということで、ガットで大きな問題となったことは委員御指摘のとおりでございます。ただ、ガットで議論しておりましてまだ結論が出ないときに、御承知のようにスミソニアンの合意ができまして、アメリカが課徴金を撤回をいたしましたので、結局結論が出ないままになってしまったわけでございます。
 今回アメリカ側は、そのときの経験も踏まえまして、この輸入課徴金をガットルール上合法化したいという要求を出していることは事実でございますが、現在この問題につきましてはまだ交渉中でございまして、まだ明らかに各国で認めたという段階ではございません。
#154
○高橋委員 局長、ただ一方では、やっぱりいろいろなたてまえからの保護貿易論もいま強くなってきている。特にアメリカを初めとして、そういう意味では、日本に対しての圧力がかなり大きいと思うんですね。ですから、これは何とかひとつお願い事項になるのですが、公認されるという形をとらないように押し切っていただきたいように思います。これはお願い事項になろうかと思いますけれども、その辺はひとつ国の立場から善処願いたいと思うところでございます。
 いろいろお尋ねしたいことがございますけれども、竹本委員とかわりますので、また時間が余りましたら後ほどお尋ねいたします。
#155
○加藤委員長 竹本孫一君。
#156
○竹本委員 私は主として質問というよりも要望みたいな形になるかと思いますけれども、大臣にお伺いをするのが中心です。
 一つは、日本の租税政策というものには純粋租税以外のいろいろの政策目的からくる負担というか荷物を背負わされておる。たとえば土地政策あるいは住宅政策、あらゆるものが税を通じてというようなことで、税の上におっかぶさってきていますね。それは少し多過ぎると実は私は思っているのですね。そういう点もぼつぼつ整理していかなければならぬではないか。
 今度は逆に、関税政策に関しては、局長もいらっしゃいますけれども、これはまた純粋の関税政策論といったようなものが中心になっておって、もう少しより積極的な経済政策的な使命を、側面からかもしれないけれども果たしてよいではないか、こういうわけなんです。これは総論ですけれども……。
 そこで少し申し上げてみたいのですけれども、私は、いまのところ関税政策に四つぐらいわれわれは期待をする、あるいはやってもらいたい問題があると思うのですね。一つは、よく言われる国内産業の保護というか擁護ということである。これとともにあわせて、これからが大事なんだけれども、一つは、関税政策はすぐれて国際協調の政策手段である。それからその次には、インフレ対策である、インフレ対策を背負ってもらいたい。三番目には、国内経済あるいは民族産業あるいはよく言われる温室経済をもう少し近代化していく一つの使命を果たしてもらいたい、こういう私はいわゆる産業保護、いまも議論が出ましたセーフガード以外に任務を果たしてもらいたいということを特に要望してみたいと思うのです。
 その最初に、いまのセーフガードの問題もついでに一口だけ聞きたいのですけれども、これからいまの通貨の混乱とか、あるいはそれぞれの国における不況に基づくナショナリズムの台頭とか、いろいろ問題があってくる。経済国際戦略も非常に複雑になってくるんだが、ガット十九条あるいは十二条、これは関税局長に聞きたいのですけれども、この十九条や十二条を生かしてやりさえすれば、日本の産業を保護するという上においては遺憾なきを期することができる、法的な機構としてはこれで十分であるというふうに考えておられるか、あるいは、十九条、十二条といったようなものに基づき、あるいはそれ以外に何かセーフガード的なものを考えておかなければ、これからの複雑な国際経済情勢に対応ができないというふうに思っておられるか、この点をまず局長から伺ってみたい。
#157
○副島政府委員 セーフガードに関する御質問でございますが、私は現在のガット規定あるいは現在の国内法の体系で十分これに対応し得るというふうに思っております。わが国の場合は委員も御承知のように、過去におきまして発動したことはございません。これはいままで御承知のようにわが国の場合は、どちらかと申しますと国内産業の保護が他国に比べてみてやや厚かったということ、あるいはもっぱら輸出志向主義を重点に置いていて、国内産業の保護をやれば他国の報復を食うのではないかというような不安感もございまして、勢い慎重にならざるを得なかったということも事実でございます。
 ただ、長期的な展望として見ました場合に、先ほど申し上げましたように、たとえば東京ラウンド十年ということを考えてみますと、今回のような大幅な関税の引き下げあるいは非関税障壁のコードづくりということが実現いたしますと、やはりわが国としてもそれに対する安全弁というものはだんだん必要になってくるのではないか。ただいま御承知のように大変な黒字の環境でございますので、現在すぐどうのということではございませんけれども、長い将来にわたってはセーフガードというものは必要となってくるのではないかというふうに考えております。
 具体的な問題として実は委員御案内かと思いますが、今回アルミにつきまして関税割当制度の一年間延長をお願いしているわけでございますが、これは昨年のこの委員会で五十三年度限りというお約束でお願いをしたものでございますので、私どもとしては、アルミの不況の主たるゆえんが安価な製品の海外からの輸入にあるということで、まさにこれこそセーフガードの最もいい対象ではないかということでしばしば考えて通産省とも検討したわけでございますが、御承知のように一つは、ちょうど東京ラウンドの最中で貿易制限的なことをすることがどうかという問題あるいはアルミの関税率はいわゆる譲許率でございますので、これを引き上げることにはガット上代償を出さなければならない、この代償が、アルミ側の輸入が大きいだけに非常に探しにくいというような問題があって見送ったわけでございますが、私ども全くそういうセーフガードのことを考えていないわけではございませんけれども、どうもいまの黒字累積の現状においてはなかなかとりにくい措置だというふうには考えております。
#158
○竹本委員 譲るべきものは大いに譲る、同時に、守るべきものはちゃんと守るというけじめをはっきりしてもらいたいという要望であります。
 そこで、これから譲るべき方を三つ四つ話すわけですが、大臣にちょっと要望なり質問を出したいのですけれども、その一つは、いま二番目に申しました、やはり関税政策というものは国際経済協調の一つの具体的な政策手段であるという点から見て、大体においてこの自由化の問題等を考えてみてもわかりますように、日本のこれに対する対応はよその国の期待に反してはなはだスローモーションである。私がよく言うのですけれども、ステップ・バイ・ステップではなくて、ステップ・バイ・ノー・ステップでさっぱり動かぬ。これは国際会議で、ヨーロッパで日本のことを言った。だれが言ったか忘れたけれども、なかなかうまい表現ですよ。ひとつとにかく覚えておいてもらいたいんだ。
 その点で、たとえばこれはきょういろいろ議論が出ましたが、電電公社の問題等も出ましたが、これをひとつ大臣、ぼくはこの間の日米の議員懇談会のときにもアメリカの議員さんとも話をしたのですが、電電公社の問題も説明を聞けば、公社の方々の説明は専門的であるし、いろいろ沿革があるし、複雑な事情があるし、全部ごもっともですよ。したがって、その事務当局というか技術者というか、そういうものに任しておいて初めからこれがまとまるはずはない。ところが、日本の大きな国策的見地から言えば、どこかで四捨五入して、先ほど来話が出ておるように、あるところはひとつ抑えてでも全体としての日米経済調整というものをやらなければならぬし、やるのが政治だと思うのですね。それをやらないで、ある意味において事務当局の事務的な説明に感心だけしておったら、どこまでいっても話はまとまらない。しかしもうここでまとめなければならぬではないか。
 そういうことも関連をして私が特に指摘したいのは、最近のアメリカの動きというのは大臣御承知のように、政府当局だけの話ではなくなった。特に議会の方が激しい、あるいは荒っぽい。そして御承知のように最近では、上下両院の経済合同委員会の委員長が輸入課徴金みたいなことを言い出してみたり、あるいはジョーンズ・レポートで大分手厳しいことを言ってみたりして、問題はむしろ政府よりも国会に移っている。しかもその国会は、後ろの選挙民を意識しながら、日本の議員もそうかもしらぬけれども、とにかく非常に非合理的な、でたらめなことまで言ってくるという段階になってきたということは、向こうさんも悪いけれども、そこまで事態を遷延しておった日本の政治決断の遅かったことが大きな原因である。したがって私は、電電公社の問題もあるいはその他の自由化の問題も、そういう重大な問題のときはもう少し大臣が、あるいは政府がリーダーシップを発揮しなければ、事務当局や技術者の話に感心ばかりしておっては問題は解決しないと思うが、いかがでございますか。
#159
○金子(一)国務大臣 先ほど来の御意見、全く私もそのとおりだと思います。関税の国際協調に果たすべき役割りも、そういう意味で非常に大きな効果をこれから発揮させるように持っていかなければいかぬと思っております。
 いま最後に御指摘のありました政府調達の問題、特に対米関係の円満な妥結を図るための日本の市場開放の問題につきましては、先ほどるる外務省からお話がございまして、いま事務的に政府部内で努めておるというお話がございましたけれども、そろそろもう政治的決断を下すべき時期に来ておると思います。そういう意味で、早急にひとつこれは片づけたいという気持ちで私どももおることを申し上げます。
#160
○竹本委員 重ねて申しますが、事務的ではだめだということをぼくは言っているのですから、誤解のないようにお願いしたい。事務的な方は、皆それぞれ専門家であるから敬意は表しますけれども、四捨五入ができないんですよ。政治は四捨五入が必要なんだ、決断が必要なんだ、そこをぼくは強調しておるんですから……。
#161
○金子(一)国務大臣 政治的に決断を下す時期が近づいておるということを申し上げたわけです。
#162
○竹本委員 それからついでに関連しますが、日本ではそういう外国から物を調達するというような場合に、中央官庁だけが中心になっておって、いわゆる政府関係機関というようなものは枠外になっておる。それは一体どういう意味ですか。
#163
○副島政府委員 いままで東京ラウンドの政府調達の議論の中心が、まずいわゆる中央政府の調達の門戸を開放するというところにあったわけでございまして、その観点でいままで中央政府に最重点を置いて、まず少なくとも、さっきのミニパッケ−ジじゃございませんけれども、最小限どこまで合意できるかということで、最初に去年の七月ぐらいでございますか合意したのが、中央政府については少なくとも日米ECとも一応の合意を見たわけでございます。それから徐々に御承知のように調達体の範囲を広げていくという問題が出てきたわけでございまして、私どもそれ以来終始、この調達体の範囲をどこまで広げられるかということは相互主義の原則に立ちつつ検討をしているところでございます。
#164
○竹本委員 第三番目はインフレの問題ですが、私はいま日本にインフレがすぐ起こるとまでは心配はしておりませんけれども、御承知のように過剰流動性の問題から見ても、土地の値上がり、株の値上がり、さらに公共料金の値上がり、増税、国債の増発、いろいろインフレの危機が唱えられておる。いつどういうふうな形で出てくるかわからないし、出てこないことを祈っておりますが、最近ちょっと新聞で見ると、チリという国は、一時は物価が暴騰するので有名なところで、五〇〇%から上がったけれども、最近になってそれが三三%くらいに落ちたというので新聞がびっくりして書いておりましたけれども、一番大きなてこは自由化であるということのようです。それぞれの国に特殊な事情がありますから簡単にはいきませんが、私はこれは四番目に申し上げた日本の産業の近代化の問題と一緒に申し上げてもいいのですけれども、もう少し自由化なりあるいは関税の引き下げなりということをどんどん積極的にその政策を活用して、インフレが仮に起こるような心配があっても輸入自由化の面から、冷水三斗というか二斗というか知らぬけれども、とにかく相当水をぶっかけてインフレを起こさせないようにする。関税政策にはそういう大きな役割り、効果があるんだけれども、いままでのところ三四%物価が上がったようなときでも、関税政策を利用したおかげで日本の物価の値上がりを抑えたということの経験は余りなかったように思うが、これからはインフレの危機もいま潜在的にあるわけですから、今後の問題になりますけれども、経済政策の有力なる一環として、特にインフレ対抗の措置として関税政策を活用する意思はありませんか、ちょっと伺っておきたい。――いや、これは大臣の問題だ。
#165
○金子(一)国務大臣 インフレが起こる素地ができつつあるという御指摘でございますが、各方面からそういう意見も出ておりますけれども、まだ石油ショック当時のような過剰流動性があちこちでいたずらをするというようなところまでは行っておりません。しかし私どもは、いろいろな徴候につきましては十分警戒の目をもって、機を逸せず対処するように努力してまいりたいと考えておる次第でございます。
 それから、関税政策としてもインフレ対策ということでその役割りを果たせるように考えるべきじゃないかという問題につきましては、弾力条項もございますので、今後その活用にまってやってまいりたい、こう考えております。
#166
○竹本委員 ただいまの大臣の答弁で結構なんですけれども、とにかく一つは、いまインフレの問題も述べられましたが、私もいまインフレの心配を大げさに言っているわけではありません。しかし、潜在的にはその点を考えておかなければならぬし、特に将来そういう問題が出た場合には、いままでと違ってより積極的に関税政策を活用するんだということをひとつ確認をしておいていただければありがたい、こういうことでございます。
 最後にもう一つは、私は、国内産業の近代化といいますか能率化といいますか、あるいは再編成といいますか、そういう問題にも関税政策をやはり活用すべきではないか。これは大臣もよく御存じだと思いますけれども、高度成長の過程、それからインフレの過程というので、日本の経済はある意味においては節度を失ったと思うのですね。そこで、改めて節度を求め、新しい秩序をこれからつくろうということでお互いの努力が必要になってくるわけだと思いますが、何分にも私は日本の産業は過保護だと思うのですね。この過保護の体質、温室経済の体質を一体どこから打ち破っていくかということは、これからの日本の経済全体を考えた場合の基本戦略としては非常に重要な問題だと思うのです。ところが、私は政党性悪説論者なんだけれども、政党というものは選挙に引っ張られるというか制約を受けまして、大体正しいことを余り言わない。言えば落選するということになるものですから言わない。そういうこともありまして、とにかく国内産業が過保護過ぎる。二重に過保護なんですね。現実にそれぞれの産業に出てきた。
 たとえばよく言われるように、肉は日本の方が、五倍というか十倍というか、とり方によって幾らでもありましょうが、数倍である。農作物についても、やはり三倍になり二倍になっているものがたくさんある。これを一遍にどしゃ降りというか、冷たい風を当てて皆つぶしてしまえというようなむちゃなことは言いませんけれども、ぼつぼつこの辺で、高度成長経済の反省期に入ったというこの段階において、政府の経済政策というものはやはりここでまじめに日本の産業を再出発させる、そういう意味の効率化を図るということでなければならぬと思うのですね。それには温室で、関税障壁、非関税障壁というのをたくさん高くつくって、その中でぬくぬくとやらせるということは間違いである。やはり国際経済の中の一つとして冷たい風も相当に受けて、正しい意味での国際競争力をこれから養っていかなければいけないではないか、過保護はいけないということを私は非常に力説をしたいのです。
 それから、その過保護の問題としてやはりこれも関連しますけれども、たとえば先ほど話が出ましたアルミにしましても、大体日本の産業というものは将来の見通しというものを余り持たない。日本人自身が感情というか、フィーリングに弱い。いまで言えばフィーバーに弱い。そういう意味で設備投資のときには、あれは下村君の責任だとぼくは前から思っているんだけれども、投資は投資を呼ぶなんて妙なことを言って、設備投資さえやれば日本の経済はどこまででもいけるのだというようなことで、大臣の関係の予算だって毎年二五%伸ばすようなばかなことをやった。そして企業がどんどんどんどん設備拡張をやった。それがいまやり過ぎて、走り過ぎて、行き過ぎてどうにもならなくなったでしょう。そうすると、それは一体だれの責任かと言えば、一つは政府にも責任があるが、より多く何よりも経営者に責任があります。その経営者が、自分たちのそういう責任は全部忘れたような顔をして、さあ、これだけ大変なことになったから不況カルテルをつくらしてくれ、やあ何をやらしてくれ、政府の補助金を出してくれ。転換をするなら、また転換は今度は税金をまけてくれ。もうあらゆる形で自分たちの不始末を全部国の責任、政府の責任、国民の負担でやろうとしている。そんなでたらめな資本主義はないとぼくは思うのです。
 資本主義経済の一番いいところは、経済的自己責任主義である。自分が走って自分がつまずくのは自分の責任だ。全部見殺しにしろなんという残酷なことは私は申しませんけれども、政治でありますからある程度の妥協はしますけれども、しかし、いまのように無原則にでたらめに拡張させる、そして失敗したものは全部しりぬぐいを国がやる、そういうばかげたことをやっておったら、国の財政幾らやってもこれは破産する。そういう意味で、やはり日本の産業はもう少し風通しをよくして、国際的な冷たい風ももう少し温室経済の中に当てていく。同時にまた、それぞれ行き詰まった、あるいは行き過ぎたものに対する責任は、自分の責任は自分でしりぬぐいをするというくせをつける、けじめをつけるということについて、特に大蔵大臣は渋いのが本職なんですから、厳しく渋い態度をとってもらいたい。大蔵大臣がにこにこ笑っているようじゃ国の財政は破綻しますよ。その点の金子大蔵大臣の決意のほどを承って、質問を終わりにします。
#167
○金子(一)国務大臣 竹本さんからいま御指摘のありました点は、これからの日本の財政政策をどう持っていくかについての大事なポイントだろうと思うのであります。
 御承知のとおり、今日まで企業、家計の赤字をむしろ国の財政が全面的にしょうようなかっこうになってまいりましたけれども、もうそれで財政が回り切らなくなった。そこでことしは、必ずしも十分とは私は思いませんけれども、とにかく企業に一本立ちで歩いてくださいよ、もうそろそろそれをやってもらわぬと日本の経済はもちませんよという警告を発する意味において、予算の編成の切りかえをやったと私は思っておるのでございます。十分ではございません、今後もこういった点については十分配意してやってまいりたい。
 そこで、関税政策の持っていき方でございますが、国内産業の近代化を図るために、これからもやはり漸次関税率の引き下げということを考えていかなければならぬと思っております。なおまた、輸入数量の制限等につきましても、それは大事な国内産業をどうしても保護せないかぬという特殊の事情のある場合は特別といたしましても、経済情勢に合わせて検討をしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#168
○竹本委員 終わります。
#169
○加藤委員長 安田純治君。
#170
○安田委員 私は、先ほど同僚委員からも質問があったようですが、最初にアルミ塊の関税割当制度の拡大延長の問題について若干伺いたいと思います。
 アルミ塊の関税制当制度がつくられたときに、関税率審議会調査部会において、五十三年度限りの措置であるということで、しかも政府は多角的かつ抜本的にアルミニウム製錬業の再建のための施策について再検討すべきであるという附帯決議がなされていると思いますけれども、この附帯決議に言っておる多角的かつ抜本的なアルミ製錬業の再建のための施策をどういうふうにおやりになったか、まずお伺いしたいと思います。
#171
○原木説明員 昨年の関税率審議会におきまして、一年限りということで御答申をいただきながら五十三年度分についての関税割当制を認められたのは御存じのとおりでございます。その後四月以降通産省といたしまして、行財政いろいろな点からいろいろ検討したわけでございます。特に電気料につきましては特約制度の拡大といったもの、それから金利負担が非常に大きいということから金利の低減、こういったことも考えました。それからまた企業内の経営の減量というような点についての検討もいたしてまいりました。しかしながらやはり最終的には、輸入地金、特に円高に伴います輸入地金の流入ということ、円高が非常に進行いたしました関係で、やむを得ず現在こういったような制度をとることをお願いした次第でございます。
#172
○安田委員 私、考えますのに、すでに五十三年度限りという措置として考えられたときに、この附帯決議にありますように、多角的かつ抜本的な施策というものは思案の中に当然入っておったというか、前提になっておったと思います。それに基づいていまのお答えのようにいろいろ検討し、考えたのだけれども、円高の進行によってそうはいかなくなった。となると、いろいろ言いますけれども、要するに原因は円高のためですね。この円高の進行のために五十三年度限りではだめになったのだ、それ以外の抜本的対策はすべてできることはやったというふうに伺ってよろしいですか。
#173
○原木説明員 五十三年度において円高が予想外に進行いたしましたので、できることは逐次実行いたしておりますけれども、それに増してもう一年お願いするというかっこうになっております。特に一番の大きな原因はやはり円高でございます。
#174
○安田委員 言うまでもなく、当時の村山大蔵大臣がまことに異例なことであるけれども一年限りでやむを得ないというので、国会の審議でこれは認められたということになると思うのです。いままでやれるだけのことはやってきたけれども円高で及ばずということになりますと、円高が当時の予想よりも進行したために受けるアルミ製錬業のいわば被害ですね、その部分に対する手当てというふうに理屈の上ではなるのではないかと思うのです。拡大し、つまり税率を一次税率四・五%ですかに下げて、しかも延長するとなりますと、元来五十三年度限りの措置ということ、しかもそれは多角的、抜本的な当時考えられておった対策を立てることを思案に置いて五十三年度限りという話だったのですね。ですから、当時から見れば円高の進行が予想外であったということだけであれば、その部分について何らかの関税上の手当てということは考えられるかもしらぬけれども、このままそっくり延長する、しかもいわば税率を一%下げて、その分は拠出するわけでしょうけれども、その理屈がちょっと理解しかねるのですが、いかがですか。
#175
○原木説明員 三十九万トンの凍結につきましては、その後も継続いたしていくということでございますので、今度の円高に対処いたしまして五十三万トンの拡大ということが行われる、その差額十四万トン分の対応でいいというような御議論かと思いますけれども、いろいろ先ほどから申し上げておりますような金利体系あるいは電気料体系といったものを総合いたしますと、やはり円高の進行が非常に予想外に速かったために、その回復期間までの間が相当程度まだ無理があるということで特にもう一年ということでお願いしたということでございます。
#176
○安田委員 どうもその辺がよくわからないのですけれども、もう一つ伺っておきますが、アルミについて去る一月に産構審のアルミニウム部会において、特定不況産業安定臨時措置法に基づく安定基本計画を策定し、五十四年度中に五十三万トンの生産体制の設備処理を行うことを決定したわけです。ところが、昨年当委員会におきまして通産省はこの特安法と関税割当制度との関係に触れまして、アルミ製錬については設備廃棄のための信用補完を主とする特安法の信用保証制度には乗りにくい、設備凍結のための利子補給が必要だという答弁を行っているようです。ところが、先ほども申し上げました来年度から始まる安定基本計画において設備処理の内容は、凍結だけではなくて廃棄も含まれておる。関税割当制度による協会を通じての利子補給についても凍結、廃棄双方が含まれておる、こういうふうになると思うのですが、この上でさらに特安法による信用保証制度が利用できるとすると、アルミ産業がいかに国民経済上重要産業であるといっても、同じ不況業種の他産業に対しても恩恵を与え過ぎることになりはしないかという懸念がありますけれども、これについてはどうですか。
#177
○原木説明員 特安法に基づきます信用保証でございますけれども、これは廃棄あるいは休止、廃棄の場合の買い上げ等の資金といったことになるわけでございますが、アルミの場合につきましては、原資の不足分といったものが問題になるわけではございませんで、原資の金利といったものが非常に大きなウエートを占めてまいります。したがいまして、金利補完といったことを考えておりまして、一部今後信用保証といった問題での設備の廃棄といったものが行われるかもしれませんけれども、やはり信用保証だけに基づきます廃棄といったことでは借入金の金利負担がなお大きくなる。しかもこれは残存者負担というかっこうではなしに、全体に疲弊しておるということがございますので、やむを得ず利子補給という手を打ったということでございます。
#178
○安田委員 関税率の審議会などでいろいろ今度もアルミ問題なんかについての討議もなされているように経過を承っておるわけでございますけれども、こうした審議経過につきまして、たとえば五十三年の九月十九日の第一回総会からずっと審議会の経過がございますが、そういう中でアルミニウム製錬業の現状と対策とかいろいろ討議されておるようでありますね、この審議会の審議経過におけるアルミ問題の資料は、これは御提出願えませんでしょうか。
#179
○副島政府委員 審議会の資料につきましては、審議会の答申は公表をしておるわけでございますけれども、審議会の途中経過につきましては、審議会委員の活発なまた率直な討議をしていただくという趣旨にもかんがみて、審議会の規則により外部に公表しないことになっておりますので、御了解いただきたいと思います。
#180
○安田委員 そこで大臣にお伺いしたいわけですけれども、すでにいまの問答でおわかりのように、五十三年度限りである、しかもそれは多角的、抜本的施策を講ずるんだということも思案に入れての五十三年度限りである、こういうふうにして、いわば初めは処女のごとく入ってきたわけですが、終わりは脱兎のごとく率も下げて拡大する、しかも延長する。これから出る財源の手当てを計算してみますと、ことし一年、つまり五十四年度だけでなくて五十五年度までこのいわば拠出金で賄えるということになるんじゃないかと思うのです。
 このように、最初は一年限りで大変つつましく出てきて、円高でしようがないやということで今度は拡大延長である、しかもそういう審議経過の資料については国会には明らかにしない、結論だけぽっと持ってくる、こういうことになりますと、非常に言葉は悪いけれども、前の五十三年度限りという話で当委員会が一杯食ったということになるわけです。そうでないとすれば、やはりその審議経過というもの、アルミ製錬業がなぜ今回一年間拡大延長が必要なのかということについて相当いろいろ資料が提出され、議論されたと思うのですね、それを納得できるように出していただかないと、どうも村山大蔵大臣に一杯食ったような感じがするわけですよ。これが全くアルミ製錬業についての問題点を意識せずに一年間だけと言っていたのなら別だけれども、抜本的対策が必要だということは当時わかっておったわけですね。ただ円高だけが当時よりは予想に反したと言えるかもしれないけれども、それ以外のいろんなファクターもすでに計算済みで五十三年度限りということになったと思うのですね。ですから、それがその後変わったについてはいわば事情変更があったのだろう。その事情変更が納得できるような審議の資料は提出できない、ただ円高だというだけだったら、先ほど言ったように、円高によって多くなった部分は十何万トン分ですから、その分だけの手当てを何か考えればいいのじゃないか、こういう結論になるわけですね。ですから、どうも初めは処女のごとく終わりは脱兎のごとしという形になるので、その点大臣、ひとつお考えいただけませんでしょうか。
#181
○副島政府委員 先ほど申し上げましたように、審議会の審議の経過につきましては、これは公表しないということになっておりますので、私がその間の事情を踏まえまして、どうして五十四年度再びお願いすることになったかということについて簡単に御説明をしたいと思います。
 先ほど来安田委員御指摘のように、この当委員会において昨年の審議に際しまして村山大蔵大臣は、これは五十三年度限りのきわめて異例な措置であるという御説明をいたしました。それを受けまして私どもも、これはもともと関税割当制度にとっては異例の措置であるということで、五十四年度には継続をしないという基本的な考え方で臨んでいたわけでございますが、先ほど通産当局から御説明がありましたように、その後異常な円高になりまして、先ほど私が数字を申し上げましたように、大変な量のアルミの輸入量がふえてまいりました。また、輸入価格が低落をしてまいりまして、そのためにアルミ製錬業が非常に大きな打撃を受けました。昨年この委員会で御説明した当時に比べていわゆるアルミ製錬業の財務状況は約三百億円ぐらいの悪化をしてきたわけでございます。
 そこで、何らかの対策をしなければならないということについては安田委員も御理解いただけると思うのですが、一体じゃなぜこのアルミについて関税割当制度を延長したかという御指摘だと思うのですが、私どもとしては実はその段階でいろいろ検討を通産省ともいたしました。先ほども申し上げましたように、一番こういう輸入の増加によって製錬業が打撃を受けたわけでございますから、輸入をとめるのが一番いいということは当然でございまして、このために緊急関税制度の導入ができないかという点も検討をいたしました。ただ、先ほど申しましたように、東京ラウンドの最終段階を迎えて保護的な措置をとることが適当かどうか、あるいはアルミの輸入量というものが非常に大きな金額でございまして、アルミの税率が国際的に譲許している税率でございますので、これに対する代償を探すのが非常にむずかしいということ。それじゃ緊急関税がだめならば、他の不況業種と同様に一般会計でやったらどうかというような問題も議論をいたしましたけれども、これにつきましても御承知のように、アルミが今日の不況になりましたのは輸入の増加でございまして、製錬業だけでなかなか立ち直れない。アルミを立ち直らせるためには、輸入業者、特にユーザーの協力なくしてはできないという基本的な問題がございますので、この関税割当制度というのは先ほど申しましたように、ユーザーと生産業者との利害を調整するというためにやったわけでございます。
 それからもう一つ、五十四年度に存続拡大したではないかという御指摘に対しましては、昨年五十三年度につきましては、差額三・五%、一年限りの経費として利子補給分に充てているわけでございまして、これを利子補給のレベルにいたしますと六・六%になります。今回は四・五に広げましたけれども、これを二年分に使う、言ってみれば一年分については二・二五%である。そこで利子補給の水準も、去年の六・六に比べまして今度は、廃棄につきましては五十四年度が六・一、五十五年度については五・一、凍結については五十四年度は五・一、五十五年度は四・一とかなり下げておりまして、親会社の協力あるいは電力コストの軽減等今後とも通産省に推進していただくということを期待をしているわけでございます。
#182
○安田委員 長々と説明してもらいましたが、そういうことも織り込み済みで、たとえば輸入業者の協力がなければいかぬとかいろいろなこともあって五十三年度限りと決めたんじゃないかというふうに私は言っているんですよ。全く予想がなくて五十三年度限りでやったんじゃなくて、そういうことはすべて織り込み済み。それは結局詰めていくと、円高が予想外に進んだということだけが原因になってくるのじゃないか、延長拡大についての原因は。それ以外のファクターはある程度予想済みで五十三年度限りと村山大蔵大臣はおっしゃったんじゃないかというふうにわれわれは受け取るわけですね。円高が予想外だったというんなら、その被害に当たる部分だけの手当てで済むんじゃないかと単純に思うわけで、それをこういうふうに二年間の手当てになるような拡大延長したことについてはどうも腑に落ちない。
 時間がありませんので、押し問答をしていてもしようがありません。大臣にお願いしたいんですが、そういう意味で、異例の措置だから五十三年度限りというようなことをおっしゃったのがぱっと変わるというためには、相当の根拠がなければ困るわけでして、その点で、審議会の資料などは公表しないんだとおっしゃいますけれども、なるほどこれはやむを得ないんだと委員にわかるように、これは生の資料であるかどうかは別として、十分納得のいくような説明をしていただかないと、どうもだまされたみたいな感じが残るということで、今後ともひとつその辺気をつけていただきたいということを申し上げておきます。
 時間がございませんので、ほかにも聞きたいことがございますが、問題をちょっと移しまして、先ほど同僚委員からも若干質問がありました税関行政のあり方について若干伺いたいと思います。
 先ほど職員のことにつきましては、労働組合の所属によって差別はしておらぬという関税局長のお答えでありましたが、私どもはああそうですかと素直にそれを信ずるほど税関の現場の雰囲気を知らないわけではございません。したがって、この説明にああそうですかというわけにはいきませんので、今後引き続き検討していきたいというふうに思いますけれども、時間の関係で関連業界の天下り問題をちょっと伺ってみたいと思うのです。
 これは三、四年前の実際にあった事件でございますが、静岡に本社のあるマグロなどの輸入を扱っているある会社なんですけれども、昭和四十八年の末に、輸入の許可前に貨物を販売、出荷したという疑いで厳しい取り調べを受けまして罰金の通告処分を受けた事件であります。もちろん違反を取り締まるのは税関行政の本務でありますから当然のことである。ところが問題はそういうところにあるのではなくて、通常は目の届かないような行為にまで法規を盾にとってことさら問題にして、関連海運業界の零細な企業に圧力をかけて、その圧力をかさに着て当該企業に天下りを図っているのではないかというようなことがあるわけです。
 本件においては、いま挙げた静岡に本社のある会社の問題については、四十八年十二月の末に容疑を受けまして、約半年間取り調べを受けた後四十九年七月に、当該企業を所管しておるところの名古屋税関清水支署次長の桜木さんという人が天下ることになったのであります。まさに違反事件の取り調べの渦中において所管の税関の責任者が天下っているわけであります。これは国家公務員法違反の疑いがあるのみならず、地位を利用した特権的な天下りではないか、公正な税関行政を進める上でも好ましくないと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#183
○副島政府委員 ただいま御指摘の件は、実は私初めて伺いましたので、早急に調査をしたいと思います。
 一般的に申し上げますと、勧奨退職というものは、税関の人事の新陳代謝を図るという意味である程度やむを得ないと私どもは受けとめておりますが、この勧奨退職を受ける職員のうちで希望者については私どもの方で再就職のあっせんを行っております。この場合も適当と思われる企業側と十分話し合って行っておりまして、決して不当な押しつけを行っていることはないと思います。
#184
○安田委員 いま私が申し上げた例は氷山の一角であって現在でも広範にどうも行われているように思います。確かに税関の職員の退職勧奨の年齢はほかと比べてちょっと低いようでありまして、これは新陳代謝を特に図っていらっしゃるのかもしれませんけれども、さてその新陳代謝の出口といいますかはけ口といいますか、ここに関連業界というのがあって、零細な関連業界は摘発を恐れて渋々天下りを受け入れているのがどうも現状のようだ、私どもの調べではどうもそういうふうな感じがいたします。こういう状況のもとでは民主的な公正な税関行政は行われないのではないか。
 その会社の社長が桜木さんという人が天下ってくるときに、「税関法規厳守の件」ということで社内の部長さん方に、法律を守るようにということを特にこの事件について通達をしたわけです。その中にまことに涙ぐましい文章があるのです。「今後なお搬入停止などの税関処分が予想されるところ、わが社は今回元清水支署桜木次長の入社を仰ぎ、」――仰ぎというのですね。人を雇うのに「入社を仰ぎ、同氏をして十分社員教育、研修をやっていただき、また商事部に」云々、つまりいろいろ部があって、そこでも組織を整備しなければならぬ、こう書いてあるのです。この文章を見ると、まことに零細業者は税関を恐れ入っていることがにじみ出ているわけです。入社を仰ぐんですよ、そして社員を教育していただく、こういうふうにして天下りをいただいているわけです。この文章を見ると、たくまずに零細業者の心理があらわれていると思うのです。ですから、あなたのおっしゃるように、押しつけておりません、十分話し合っておりますと言いますが、この文章を見れば、まことに徳川時代の悪代官のような感じを関連業者は持っておるのじゃないか、こういうことを心配するわけです。
 ところで、東京会というのがございますね。東京税関総務課内にありまして、これは税関の職員で関係業者に天下ったと言っては言葉が悪いかもしれないけれども、転職した人たちだけの集まりであるようですね。この規約を見ますと、「本会は東京会と称する。」そして「本会は、会員の民間における経験を生かし税関行政全般に亘る研究、研さんに努め、税関との密接な関連を保ちつつ税関行政の円滑なる運営に寄与する」のが目的だというようなことが書いてあるわけであります。これを見ますと、五十三年度現在で会員名簿に百八十五名がおりまして、すべてが海運、倉庫、荷役関係に名を連ねておるわけです。東京だけでこのくらいあるのですから全国では相当なものだと思うのですけれども、大蔵省はこの実態を調べたことがあるかどうか。至急調査して、最近三年間に離職した税関職員の氏名、離職年月日、離職前五年間についた官職名、離職後二年間以内に就職した企業などの名称、住所及び役職名、それから就職年月日、就職前二年間及び就職後の当該企業違反処理件数、ここが重要なんですが、この就職前二年間及び就職後の当該企業違反処理件数、これを調べて御報告願いたいのですが、いかがですか。
#185
○副島政府委員 税関職員が関連企業に再就職する場合には、当然のことながら人事院の承認を得ているわけでございまして、この人事院の承認分については人事院が公表しているとおりでございます。
 それから、人事院の対象にならないいわゆる非営利企業あるいは自家営業に行った方々あるいは政府機関に行った方々等につきましては、全くそういう制限がないわけでございますので、私どもとしては正確にどこへ行ったかということを全部把握しているわけではございません。
#186
○安田委員 把握しているものだけでも御報告いただきたいのですが、時間がございませんので……。
 この東京会というのは、確かにこれは民間に天下った方々が税務行政全般にわたって研究、研さんに努めるのだ、そして経験を生かして税関行政の円滑なる運営に寄与するのだということで大変結構な目的のように思いますけれども、それだったら、税関出身じゃない通関事務に当たっている民間の係の人もまぜればいいのに、税関職員だけでまさに閉鎖的ギルドのように東京会をつくっている。そして東京税関総務課内にこの事務所がある。一方、先ほど読み上げましたように、違反事件があると入社を仰いで、そして御指導を仰ぐ。これを組み合わせてみますと、いかにあなたがそうおっしゃっても、この零細企業に税関の職員が君臨しでおるというふうな雰囲気が出ると思うのです。足りなかったら幾らでも事実を挙げますけれども、ただ残念ながら、零細企業の方々の具体的会社名を挙げますといろいろその会社が、それこそ恐れておりますので、幾らでもわれわれは資料といいますか数を挙げることができますが、きょうは時間がありませんので徹底的に詰めることはいたしませんけれども、関税局長、業界の中にそういう雰囲気があるのですよ。ですから、違反件数が上がる、そうすると新陳代謝がうまくいく、そして東京会に入って関税行政の円滑な運営に資する、これは大変にうまくできているのですね。ですから、先ほど職員の差別待遇の問題でも、いやそういうことはございません。まさか口が曲がっても、そういうことがありましたとここではなかなかおっしゃれないでしょうけれども、実際の雰囲気は、職場の雰囲気もまた関連業界と税関との関係における雰囲気も、局長がおっしゃるようなそんな明朗な明るいものでは現実ではないんじゃないか。そういう点、実態をよく考えていただいて、この改善をしていただきたい。今後もこの問題については引き続き考えていきたいと思いますけれども、ぜひそのことをお願いしておきたいと思います。
 時間がございませんから最後に、今回の改正の個々の品目について見ると、たとえばタマネギの関税無税点の引き上げのように、生産者も要求していたものであって当然賛成できるものもございます。またクリかん詰めについては、今後むきクリですか生鮮クリですね、これの関税が、韓国から要求が非常に強いようでありますけれども、これについては日本のクリ生産業者にとって大きな脅威になりますので、今回の改正では引き下げなかったけれども、今後とも引き下げないようにしてほしいという強い要望をしておいて、私の質問を終わりたいと思います。
#187
○加藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
 次回は、明十四日水曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十五分散会
     ────◇─────
ソース: 国立国会図書館
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