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1978/02/14 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会 第4号
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1978/02/14 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会 第4号

#1
第087回国会 大蔵委員会 第4号
昭和五十四年二月十四日(水曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席委員
   委員長 加藤 六月君
   理事 稲村 利幸君 理事 小泉純一郎君
   理事 高鳥  修君 理事 綿貫 民輔君
   理事 佐藤 観樹君 理事 山田 耻目君
   理事 坂口  力君 理事 竹本 孫一君
      阿部 文男君    愛知 和男君
      池田 行彦君    小渕 恵三君
      大村 襄治君    後藤田正晴君
      佐野 嘉吉君    谷垣 專一君
      羽田  孜君    原田  憲君
      堀内 光雄君    本名  武君
      村上 茂利君    森  美秀君
      山崎武三郎君    山中 貞則君
      伊藤  茂君    池端 清一君
      大島  弘君    沢田  広君
      只松 祐治君    美濃 政市君
      村山 喜一君    貝沼 次郎君
      宮地 正介君    高橋 高望君
      安田 純治君    中馬 弘毅君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 金子 一平君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  林  義郎君
        大蔵大臣官房審
        議官      福田 幸弘君
        大蔵省主計局次
        長       加藤 隆司君
        大蔵省主税局長 高橋  元君
        大蔵省銀行局長 徳田 博美君
        大蔵省国際金融
        局次長     平尾 照夫君
        運輸省航空局長 松本  操君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        経済部国際課長 加藤 二郎君
        行政管理庁行政
        管理局管理官  坂本 佶三君
        防衛庁長官官房
        環境保全課長  平   晃君
        環境庁大気保全
        局企画課交通公
        害対策室長   加藤 三郎君
        通商産業省産業
        政策局商務・サ
        ービス産業室長 細川  恒君
        自治省税務局固
        定資産税課長  渡辺  功君
        大蔵委員会調査
        室長      葉林 勇樹君
    ─────────────
委員の異動
二月十四日
 辞任         補欠選任
  山中 貞則君     羽田  孜君
  横路 孝弘君     村山 喜一君
  永原  稔君     中馬 弘毅君
同日
 辞任         補欠選任
  羽田  孜君     山中 貞則君
  中馬 弘毅君     永原  稔君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 航空機燃料税法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第六号)
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四号)
     ────◇─────
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 航空機燃料税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を求めます。金子大蔵大臣。
    ─────────────
 航空機燃料税法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
#3
○金子(一)国務大臣 ただいま議題となりました航空機燃料税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 政府は、航空機燃料に係る税負担の現状及び空港整備財源の充実等の要請に顧み、今次の税制改正の一環として、航空機燃料税の税率を引き上げることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 この法律案は、航空機燃料税の税率について、一キロリットル当たり現行の一万三千円を二万六千円に引き上げることといたしております。
 以上、航空機燃料税法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由とその内容を申し上げました。
 何とぞ御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
#4
○加藤委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
    ─────────────
#5
○加藤委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤茂君。
#6
○伊藤(茂)委員 四点ほど御質問をしたいと思います。
 まず一つは、今度の値上げに関係をいたしまして、航空運賃との関係の問題について伺いたいと思います。まあ言うならば飛行機に乗る方の人の立場です。最初に具体的なことをお伺いしたいと思いますか、国内航空の分野で営業費の中に占める燃料費の比率、そのうち税金分、今度の値上げその他に件って営業費に占める今度の増税の影響というのはどの程度あるのかということ。それから、石油の価格の値上げとかいろいろな悪い方の状況も予想されます。それからいろいろな意味で航空界も新たな企業努力が要求をされているということだと思います。それらを含めまして、運賃の認可の問題、これらがどういう影響を持ってきますか。
#7
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。昭和五十三年度の上期におきます定期五社、通用定期五社と言っておりますが、この定期五社の営業費用、これは国内線だけが燃料税の対象でありますので、国内線分につきましての航空機燃料祝の比率をとってみますと約五%ちょっとでございます。また航空機燃料費に占めます航空機燃料祝の比率、これが三〇%ちょっとでございます。したがいまして、今回の航空機燃料税の引き上げか倍額の引き上げになるわけでございますので、コストプッシュと申しますか、経費の引き上げになる分を単純に計算いたしますと約五%程度になる、こういうことでございますが、しかし現在のところ、五十三年度上期までの数字しか実はよくわかっておりません。燃料費につきましては、一時値下がりをいたしました。いま先生御指摘のように、今後の趨勢といたしまして、燃料費の高騰ということも当然予想されるわけでございますけれども、一方には旅客需要の伸びということもございますし、御指摘のような航空企業自身の企業努力というふうなことも期待されますので、したがって、現時点でこの結果がどのような形に出てくるかということを軽々しく判断するということは非常にむずかしい問題ではなかろうか、このように存じます。
#8
○伊藤(茂)委員 国際運賃の方は値下げ問題が大きな課題となっている。国内の各運送料金の方は、タクシーの値上げ申請とか、私鉄とか国鉄とか、値上げの問題が起こっておりますが、これらの動向の中で航空界、国内運賃の方では、何か値上げの動きがあるとか申請が出るだろうとか、それらに対してどういうふうに行政指導として対応していくのかとか、その辺のお考えはいかがですか。
#9
○松本(操)政府委員 先生いまおっしゃいましたように、国鉄、私鉄、あるいは最近値上げの申請のございましたタクシー等についてそのような傾向があることは承知をいたしておりますが、航空運賃につきましては、現時点において直接航空運賃を値上げをしたいという意思表示は、運輸省の方に対して全くなされておりません。
 先ほどもお答え申し上げましたように、五十二年度の上期の営業収支というものは一応順調な数字を示しておるというふうに私ども判断をいたしております。一般的に申しまして、下期の方が伸びがやや低いということは例年言えることでございますので、それが五十三年度全体の収支を締めました場合にどのようになるかということは、いささか予測の範囲を出ないわけでございますけれども、しかし現時点におきまする限りにおいては、そういった申請もございませんし、また私ども常日ごろ、安易に運賃値上げというものに走らないようにということは言っておるわけでもございます。航空輸送というものの特性からいたしまして、やはりまだ需要の増というものに支えられて、いろいろと対応すべき点もあろうかと存じております。したがって全体的な制約、つまり空港の整備等の問題もあって必ずしも需要に対応できない、そういった制約はないわけではございません。また、先生おっしゃるような外部的な要因としての原油の値上げというふうな要因もないわけではございません。しかし今後の私どもの方針としては、値上げというものに安易に走ることのないよう慎重に対処していくというのを基本的な考え方としてやってまいりたい、こう考えております。
#10
○伊藤(茂)委員 ちょっとむずかしいところだと思うのですが、長期の見通しですね。国際線の運賃の方からすれば、カーター政策などがあって値下げの圧力が強まってくる。国内の運送料金などの方はいろいろな意味でアップする要因の方が強い。その辺、ほかの交通運輸体系との関係もありますから、どういうふうにコントロールしていくのかというような問題意識もあるのだろうと思うのです。それで、運賃の決定の算定システムといいますか、これは国際線の運賃と国内線の運賃とこれは無関係ではないと思うし、違った要素もあると思うのですが、その辺の関連ですね、どういうことになるのでしょうか。
#11
○松本(操)政府委員 国内線運賃の設定に当たりましては、当該企業の全体の収支というものを十分に検討いたします。かつまた、路線ごとの収支勘定というものについても十分な調査を行います。必ずしもすべての路線について、路線ごとの収支勘定が合うようにということにはまいらないケースもございます。これは御案内のように、航空機の場合には、使用いたします飛行機の種類がいろいろと違っておる場合がございます。たとえば非常に似たような空港におりる場合でも、片方の路線はジェット機であり、片方はYS11であるというふうなこともございますので、したがって、そういった類似路線間のバランスというものも見なければなりません。そういうこともございますので、機械的に路線別の適正原価、適正利潤という考え方は必ずしもとりにくい面もございますけれども、総体的には適正原価、適正利潤ということを念頭に置いて、かつ、他の諸要件をも勘案しつつ、運賃を決定するという段取りをとります。
 国際線につきましては、御承知のように複数の国が複雑に絡み合うものですから、従来のやり方といたしましては、IATAと呼ばれております国際組織がございますが、このIATAにおいて関連航空企業がそれぞれの運賃を持ち寄りまして運賃会議というものを行います。特定の路線について特定の運賃システムを決めて協定を結ぶ。この協定を結びましたものを運賃協定として認可をするということをいたします。その後、さらに路線別の運賃の申請がございました場合に、関係いたします各国政府の認可を得て運賃が決まる、こういうのが国際運賃の仕組みでございます。したがいまして、国内運賃を決定いたします場合とはやや趣を異にしていると考えざるを得ないかと思います。
 ただその場合におきましても、先生おっしゃいましたような全般的な低運賃の趨勢というものがあることはございます。あることはありますけれども、現在カーター政権が言っておりますような革命的低運賃というふうな考え方は、実はいささか従来の国際航空運賃の考え方を破る型破りの考え方でございまして、すべての国がこれに賛成しているというふうにも思えませんし、現に国連の下部機構でございますICAOにおきましても、こういった考え方には強く疑問を呈するような決議を昨年の暮れにいたしておる経緯もございます。したがって、低運賃そのものは考え方としては結構なことであろうかと思いますけれども、米国の言いますような単純な考え方での低運賃の導入という点については非常に問題があるのではないか、このように考えております。
#12
○伊藤(茂)委員 いまお話がございましたから、もう一つついでに伺いたいのですが、カーター政策、それからパンアメリカンのIATAからの脱退ですか、運賃カルテルのシステムからの脱退というようなことが日本の国際線運送業界にも大きな衝撃を与えているということでありますが、いまもお話がございましたが、カーター政策のやり方自身にも問題があると私は思います。何か強力なパワーをもってシェアを拡大するというねらいも持っているというわけでありますから、運賃にしても、安いことはいいことだけれども、安ければいいというものでもないと私は思います。安全性とか含めて総合的な対策を練らなければならない。ですから、これらの対応についてはいろいろ関係者も苦慮されるところだと思いますが、ただ一面では、これは何も乗務員の待遇がよ過ぎるという意味ではありませんけれども、いろいろな意味での企業体質の改革もしなければならぬことも前から指摘されてきたところだというふうに思いますが、その辺両面を含めて基本的な姿勢としてどういうふうな行政指導に当たられますか。
#13
○松本(操)政府委員 国際運賃についてのお尋ねと存じますが、最初におっしゃいましたIATAのメカニズム、それからこれに対応するいまアメリカが盛んに言っておりますカータードクトリンと称するもの、これらの間に矛盾撞着が現に生じてきております。これを今後どのようにわが国政府としてとらえていくかという問題でございますが、私どもの考えといたしましては、やはり二国間の運賃というものは、相対する二国間の航空企業のみによって運営されておるのであれば、これは話は簡単でございますけれども、国際航空の場合には必ず、第五の自由と申しまして当該国を越えて先の国へ行くという部分がございます。したがいまして太平洋の運賃についても、日米間のみならずカナダも入っておりますし、台湾も入っておりますし、キャセイつまりイギリスでございますが、こういうものも入っておる。したがいまして、二国間のみで決定していくというやり方については非常に問題があろうかと思います。そうは言いながらも、従来のIATAの運賃の決め方、つまり一つでも反対するところがあれば決まらないという形についてはいささか疑問を持っておったわけでございますが、これはIATA自身も、先生がいまおっしゃいましたように、メカニズムそのものを変えるということに踏み切ったようでございます。
 そこで、今後の一般的な行政指導のありようといたしましては、おっしゃいますように体質の改善強化ということが非常に大事なことだと思います。幸いにして航空輸送というものはわりあいに新しく発生した産業でございますので、効率の向上と申しますか、たとえば同じ三人のパイロットが操縦をしておりましても、機材が大型化することによって二百数十人から五百人に旅客が伸びるというふうな面が従来あったわけでございますが、こういったような面も大体先が見えてきた。まさか千人乗りとか千五百人乗りとかという飛行機も出ないだろうということになってまいりましたので、そういう面にのみ頼っての効率化という点についてはおのずから限界が生じるのではないか。したがって、前段の御質問にもお答えしたわけでございますけれども、あらゆる面についての体質の改善という点について私ども今後強力に関係企業を指導してまいりたい、このように考えております。
#14
○伊藤(茂)委員 そういう事情でありますが、そういう中で、聞くところによりますと、欧州線とか太平洋線などを含めて値下げの計画が進められている、また一部分は実行されているというわけでありますが、それでも為替レートから見ますと現在の実勢レートを反映していない、高いのだというようなことも聞くわけでありますが、その辺はどういうことになっておりますか。
#15
○松本(操)政府委員 五十二年から五十三年にかけましての激しい為替レートの変動によりまして、先生御指摘のような為替レートによる方向別の運賃格差という問題が起こってまいりました。そこで、昭和五十二年の暮れに、まず、当時日本発の航空運賃についておりました四%のサーチャージを撤去したわけでございます。さらに、五十三年になりましたてから三回にわたりまして、主として日本とヨーロッパの間の運賃でございますが、日本発の運賃を下げ、ヨーロッパ発の運賃を上げるということによって格差の是正に努力をしてまいりまして、それなりの成果を得たものとは思っております。ただ、日米間の運賃につきましては、現在私どもはアメリカ発を四%上げ、日本発を四%下げるということを主張しておるわけでございますが、これは、先ほど御質問のございましたカーター政策の一律的な低運賃政策との抵触、そういうふうなことをアメリカの航空当局が主張しておりますものですから、残念ながらまだ実現するに至っておりません。
 そこで、行きと帰りの運賃の差というものをなるべくなくすという意味におきまして、二月一日から日本とヨーロッパの間におきましては、往復運賃につきまして一〇%の値引きをいたしました。これによりまして、行きは日本円、帰りは現地通貨というので航空券を購入いたしました場合と、日本発の往復運賃を円で購入いたしました場合と、地点によって多少の差異はございますが、ほとんど差がないという航空券が入手できるようになったわけでございます。また、オーストラリアにつきましては、一五%値下げをするということがこの二月十五日から発効する予定になっております。また、日米間におきまして同じく一五%の往復運賃の値下げということを私どもは主張しておるわけでございますが、これも残念ながら米国側の意見とまだ完全な一致を見るに至っておりませんので、発効するに至っておりません。
 そのほか、このような問題について対応する方法といたしまして、一律にわが方の運賃のみを下げますと、たとえば日本航空にいたしましても円経済圏の中で活動しておるわけでございますので、余りにも打撃が大きくなり過ぎるというふうなこともございます。そこで、旅行者の利便を確保し、御指摘の運賃格差をなるべく少なくするという意味において、いろいろ種類の多い運賃制度をつくっていったらどうかということで現在、日米間につきまして、エコノミークラスで三五%の割引をするという事前購入券、アペックスと略称して呼んでおりますが、この制度を三月から実施したいということで、諸般の準備を目下しておるところでございます。さらに、東南アジア及びヨーロッパ行きの団体の包括旅行運賃割引、この制度につきましても、従来とやや変わったものを四月ごろから実施したい、こういうふうなことをいま検討させておる段階でございます。
#16
○伊藤(茂)委員 それでは、乗る人の立場の方から周辺の立場の話題の方に移らせていただきます。
 まず、この使い道ですね、十三分の十一、十三分の二とそれぞれなっておりますが、この比率の根拠はどういうことでしょう。
#17
○加藤(隆)政府委員 国と地方の税源の配分の問題にもかかわってくるわけでございますが、二つ要素がございまして、一つは、航空機燃料税ができましたときの当時の事務配分が大体十三分の十一と十三分の二というような割合になっておったわけでございます。それから、最近時の歳出を国と地方で分けてみますと、たとえば五十二年で申しますと、国が約千二百億ぐらいになっております。それから地方の方が百二十億ぐらいになっております。この比率を見ますと、大体十三分の十一、〇・八四六というような数字になりますが、こんなところに来ておる、こういうようなことから、今回の増税をお願いする際におきましても、従来の比率を用いたわけでございます。
#18
○伊藤(茂)委員 それは税体系の技術的なお話だと思いますが、今日から将来を考えてみて一体どうなのか。要するに税配分の政策的な視点の方の考え方を伺いたいのです。それは空港をつくることも大事ですが、関係の周辺の整備の問題、騒音対策その他、そういうことが非常に大きな問題になっているということであろうと思います。それが十三分の十一の方からも出ますし、十三分の二の方からも出るということになるわけでありますが、そういうことも含めて、もっと合理的なといいますか、今後の政策的な視点も含めた配分の仕方、使い方、そういう視点があってもいいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
#19
○加藤(隆)政府委員 その点でございますが、空港の法律によりまして設置管理という主体が御承知のように決まっておるわけでございます。そうしますと、その事務配分をする場合に、設置管理の責任を持っている方でどうするかというような問題これが将来どういうふうに変わっていくかという問題でございますが、これはなかなか変わらないのではないかと思われます。それから、国の事務、県の事務、市町村の事務、これをどういうふうに考えるかという問題がございますが、御承知のように、全国的なものは国がやるとか、地域的なものは市町村がやるとか、大体地方財政的な考え方で分かれておりますが、現在の仕事の内容を見ますと、ただいまの十三分の十一とか十三分の二とかというようなさっき申しましたような仕事の割り振りになっております。これが将来どうなるのかということでございますけれども、どっちかというと、地域の要請は国の方に来ているというような問題もあるわけでございます。それやこれや考えますと、当面今回のような割合でいいのではないかというふうに考えております。
#20
○伊藤(茂)委員 もう一つ伺いたいのですが、これは主税局の関係の方に、いまのこの航空機燃料税に関係をしてという意味ではなくて、一般論的に伺いたいのです。
 今度の航燃税については、飛行機に乗る人、航空会社、それらが、常時乗っているわけではない周辺の方々なり空港の周りの方々に非常に負担、迷惑をかけるわけですから、そういう意味で、乗る人の負担で周辺の整備をするという考え方はそれなりに理が通っていると思います。ただ、最近よく指摘をされていることですが、これから審議をされる揮発油税その他なんかを含めて、もっと総合的な税制の視点とそれから行政の視点とあっていいのではないだろうか。きょうはテーマが違いますから、揮発油税と道路のことの話は別にしますが、全体的な考え方として、この総合的な政策、それから総合的な税制という視点で、これは一つには交通政策全体の問題とのかかわり合いでのそういう視点もあると思いますし、それからもっと国家的な視点での問題もあると思います。細かいことは伺いませんが、何かそういう検討が必要ではないだろうかという気がいたしますが、いかがでしょう。
#21
○高橋(元)政府委員 ただいまお示しになりましたように、現在石油に関係いたします税目は、国税で揮発油税、地方道路税、石油ガス税、それから原重油関税、石油税、そのほかにいま御審議いただいております本税、それだけでございますほかに、地方税としても軽油引取税があるわけでございます。こういうふうにたくさんの税目が併存しておって、そのうちの多くのものが特定財源になっておるということにつきまして、昨年でございますか、石油税の本委員会での御審議の際にも、石油に関する課税について、その制度が複雑だから合理的なあり方について十分検討せよという附帯決議をいただいておるわけでございます。
 私ども確かにいま御質問でお示しのありましたように、石油関係税についてその体系化を図るということについての検討を進めなければならないというふうに思っておるわけではございますが、一方で最近、エネルギーの長期の見通しに関連して、総合エネルギー対策上の財源として石油ないし原重油というものに負担を求める、それによって国民経済全体の中で総合エネルギーの財源というものを生み出してくる必要があるのではないかという、長期の見方に立った御指摘も出てまいっております。その点は、御承知のエネルギー懇談会、エネルギー調査会でいろいろ御検討願って、やはりそれは原重油と申しますか、一番入り口の段階で負担をいただくという意味での現行の石油税なり原重油関税なりというものによって賄っていく、それが相当であろうという結論をいただいておるわけであります。
 私が先ほど幾つかの税目について申し上げたわけでございますが、問題になっております石油関係の諸税はたとえば揮発油税でございますと道路財源、それからいま御審議をいただいておりますこの税金でございますと空港整備財源、それから石油税でございますと石油対策の財源、軽油引取税につきましても道路財源等とそれぞれ決められておるわけでございまして、そういった道路なり空港といった施設の整備をどういうふうに進めていくかということになりますと、やはりそういった石油製品の消費に着目して受益者負担という観点で各種の税目を課して、それの歳入を、まあこれは財政全体の非常に基本的な考え方からいたしますと特定財源ということに問題がないわけではないわけでございますが、現在のような財政事情をもとにして考えますと、やはり受益者負担的な財源でもっていま申し上げたような事業の整備を図っていくということが当面必要かと思うわけであります。
 私ども、国家の掲げております幾つかの政策目的の中で、空港の整備、道路の整備、それからエネルギー対策、石油対策、それらの政策の相互の目標の整理を図りながら、その中で税制のあり方について常時検討をしていかなければならないというふうに思いますし、石油製品につきまして負担をお願いするわけでございますから、それぞれの製品についての税負担率が果たして適当であるか、過重ではないか、またその製品に対して、特定の製品の税負担が軽きに失しないか、そういったバランスが保たれておるか、そういうことをいつも頭に置いて勉強いたしておるわけでございますが、今後とも広範な角度から検討してまいりたいというふうに思っております。
#22
○伊藤(茂)委員 これは大臣いかがですか、いま交通政策に関係して申し上げましたが、一般消費税でいろんな問題がありますけれども、税に対して国民の関心が非常に集まっているというときですから、指摘をされている税財政上のさまざまな努力もしなくちゃならないと思います。そういうものと兼ね合わせて、一つは、やはり従来の目的税のたくさんの問題も含めて、総合的な視野からそういうことも――間もなく八〇年代に入るわけですから、やはりこれから新しい時代の国家をどう建設していくのかという視点も含めて、広い検討なり議論があってしかるべきではないかというふうに思いますが……。
#23
○金子(一)国務大臣 御指摘の点、全くそのとおりでございまして、特に先ほども主税局長が申し上げましたように、これからのエネルギー対策の財源をどこから生み出していくかというような問題に真剣に取り組んでまいらなければならぬような状況になっておりますから、いまそれぞれ特定財源で用途を指定いたしておりますけれども、これはやはりもっと広い視野で中長期的に考えて、石油課税全体を見直すべき必要があると私も考えております。
#24
○伊藤(茂)委員 次に、今後の空港整備の計画に関連をしてお伺いしたいと思いますが、一つは、成田空港に関係する問題なのですが、これからどうしていくのか、いろいろ問題もあると思います。それから、開港をめぐっても御承知のとおりに非常に異常な緊張した状態がございました。私は、非常に長い期間のこの経過を振り返って、特にやはり住民との関係、それから地域での説得性を持った対策、さらには航空政策全体として国民のコンセンサスを求めていく、そういう面で、総括と申しますか、振り返ってみて考えなければならない点がいろいろあるのではないかということが広く指摘をされているということであろうと思います。それで、具体的な二期工事がどうとか後のこととかということは別にして、何かやはりこれからどういうふうにそういうことを前向きに考えながらやっていくのかということを、おくればせながらももっと積極的な努力をしなければいけないのじゃないか。また、関西新国際空港の問題についても、幾分そういう視点も含めながら対応されているというようなことかとも思いますけれども、国際的に見ましても、その準備と説得と国民的コンセンサスを求めるということに非常に長い期間をかけて、しかし建設にかかったら非常に急ピッチで進んでいるというふうなのが、やはり諸外国の例を見ましても民主主義をベースにしたあり方ということではないだろうか。ですから、その辺の視点から、成田空港の整備の今後の姿勢の問題、それから、関西新国際空港に当たっての成田空港問題の経過などを踏まえた姿勢というのをどうお考えになっておりますか。
#25
○松本(操)政府委員 成田空港につきましては、十年を超えます長い期間をかけて、昨年五月二十日無事開港を見たわけでございます。先生御指摘のように、開港に当たりまして相当の緊張が空港周辺にあったことは否めないわけでございますが、おかげさまで開港後はこれといった激しい闘争問題等もございません。昨年暮れまでに四百万人を超える旅客が成田空港を利用する、現在百七十機程度の航空機が毎日ここを出入りをしておるという状況で推移しておるわけでございます。
 ただ、この空港の開港がかくも時間をかけ、かくも世間の耳目を集めました一つの大きな理由といたしまして、空港と周辺地域との間における調和あるいは意思の疎通、そういう点において欠ける点があったということは私、率直に認めるべきであろうかと思います。現に成田空港を開港いたしますまでに、千葉県あるいは成田市、芝山町、こういうところから八十数項目にわたっての御要望があったわけでございます。これらについて私どもは誠意をもって対応するということをお約束申し上げ、その相当部分についてはすでに実行し、または実行中であるというふうに考えておるわけでございますが、しかし、中には非常にむずかしい問題もございます、なお鋭意具体的方法について取り組んでおるというふうなものもございますが、ともかくもしかし、この八十数項目についてはお約束はお約束として守っていくということが、相互信頼を築いていく一つの大きなきずなではないか、こう考えております。
 さらに、昨年十二月一日に閣議報告をいたしまして御了解を得ました周辺の農業対策問題にいたしましても、成田空港周辺の産業の開発ということが、空港がそこに存しますことと空港周辺との調和をとる上に非常に大事なことである、こう考えました場合に、空港周辺の最大の産業は農業でございますので、したがって農業振興という点について特段の意を払うという決意をしたわけでございます。これらの問題を含めて、先ほど前段で御質問のございましたいろいろな空港関係の騒音でございますとかその他のむずかしい問題もございます。これらについては実は、五十四年度からいわゆる民防強化、全室防音というふうなことに踏み切ろうとしておるわけでございますが、ともかくもこういう点を全部含めまして、周辺の方々が空港とともに発展していけるような素地というものをまずはっきりと目に見える形でつくってまいりたい、そういうことを踏まえてそれから先の問題に取り組んでいくというのが順序ではなかろうか、このように考えております。
 そういったような経験を踏まえて関西空港を見ました場合に、四十六年に関西空港についての諮問を航空審議会にいたしたわけでございますが、通常の諮問と違いまして実に三年近い年月をかけて四十九年に答申をいただきました。その答申をもとに、まさに先生御指摘のように地元との十分なコンセンサスの上に立ってこのナショナルプロジェクトに取り組むということを常に念頭に置きまして、以来ずっと話し合いをしてまいりました。昨年の正月からは空港候補地の周辺での定点観測網と申しますか、四カ所の地点を定めて気象、海象その他の観測する施設も動き出しておりますし、その他現在までに相当額の調査費を投入しておるわけでございまして、五十四年度中にはこれらの調査費というものによって得ました成果を整理いたしまして、空港の基本的なありようというものを環境アセスメントとあわせて完成をさせ、それを五十五年度中には地元の皆さんと十分に話し合いし詰めていけるようにいたしたい、このように考えております。したがって関西空港におきましては、成田空港の経験というものをまさに先生御指摘のように最大限に生かしてまいりたいということで現在まで取り組んできておる、このように考えております。
#26
○伊藤(茂)委員 わかりました。いずれにしろ、覇権主義ではなくて民主主義でいくようにお願いしたいと思います。
 それから、カーターの言うオープン・スカイ・ポリシーですか、言葉はいいのだけれども、ひとつ違った意味で国民にやはり開かれたシステムで御努力を願いたい。
 それから空港整備に関連をして航空路のことで、これはひとつ要望も含めて見解を伺いたいのですが、軍用エリアとそれから民間航空機の空域のエリアという問題もあります。それで成田の開港に際しましても、米軍、自衛隊の部分を一部カットするとか、あるいは最近ブルー14の問題についてもいろいろ検討されておるということも伺うわけであります。
 個人的なことを申し上げて恐縮ですが、一昨年の秋にアメリカ軍のファントム偵察機が私のすぐそばに墜落をいたしまして、小さい子供が二人その日のうちに死にまして、もう一年半もそのお母さんはまだ入院中。一つは真相究明の問題もありまして、何かネジが二十七個外れていた。それがアメリカのある工場でそれを組み立てるときのミスだった。ところがその事故を起こした部隊名も場所も責任あるその後の措置も何もわからぬという現状になっておりまして、これは外務省なり警察庁の方にさらに厳重に追及したいと思っているのですが、やはり軍用機ですから乱暴ですから、真夜中に低空で飛んだり、そういう事例も頻繁にまだ起こっているという状態で、住民の関心も非常に大きいというわけであります。その子供さんが二人死んだお母さんにも、一年半、子供が死んだことを隠してきた。先月の末に、みんなお医者さんも親戚も集まりまして、実は子供が死んだんだということをお母さんにようやく知らせたというふうな状況が身近にあるわけでありまして、私はやはり平和な空、安保の論議は別にしても、いいものを実現をする、保障をする、しなければならないという気持ちを非常に強く持っておるわけです。
 そういう意味で、雫石事件その他さかのぼりませんが、少なくとも民間航空機が安全に航行できる、それから軍用の部門については極力安全な民間航空が最優先するという形での空のあり方、そういうものについてさらに格段の努力をしなくちゃいけないんじゃないかということを身にしみて感じている立場なんですが、いままで成田空港の開港に関係して、その他若干の御努力があったことは認めますが、それらの努力の方向をどうお考えになっていますでしょうか、要望も含めて伺いたいと思います。
#27
○松本(操)政府委員 飛行機というものは要するに三次元の中、空中を飛んでおるものでございますから、ちょっとしたミスが悲惨な事故につながる、いま先生御指摘のような非常に悲惨な事故が起こり得る可能性があるわけでございます。運輸省といたしましては、民間機であろうと軍用機であろうと、ともかく空に浮いている航空機が安全に運航できるようにということについて相当の苦心、努力を払ってまいったつもりでございますが、とりわけ民間航空機の安全な運航という点については、ただいま御指摘の雫石事故の教訓にもかんがみまして、かなり突っ込んだ努力をしてまいったつもりでございます。
 まず、空域的に民間機が飛びます空域と、自衛隊機その他のいわゆる軍用機とでも申しますか、こういったようなものが訓練をいたします空域というものをはっきりと分けるという点につきましては、すでにそのような措置が十分にとられておると考えております。それからまた成田の例が御指摘でございましたけれども、これは空域をお互いに分けて互いに干渉しないで飛ぶようにするという現在の管制の方式からまいりますと、現在のようなやり方が一番よろしいのではないか、こう考えておりますので、当分の間はこういった方式をとらざるを得ないのではなかろうか。いずれ将来は、もっと広い空域につきまして、レーダーをたくさん使いまして、総合的に管制するということも当然考えなければならないと思っておりますが、現時点におきましては、空域を幾つかに分けて、それぞれの空域の中でそれぞれの航空機が一個の管制機関によって管制されるという現行方式をとるべきではないか。
 そういう意味において、いま厚木の事故についての御発言もございましたけれども、この部分につきまして五十二年の十一月に、あの近所は御案内のように横田の空域というのがあるわけでございまして、先ほどおっしゃいましたブルー14、青の十四号という航空路もその空域の下の方に入っておるわけでございますが、この空域を平面的に一部分カットいたしまして、さらに、従来は四万一千フィート、約一万二、三千メートルまで横田の空域でありましたものを、二万三千フィート、約七千メートルの高さにまで押し込みまして、とってしまった部分、つまり返還を求めた部分につきましては、東京航空交通管制部が全部管制をするというふうな措置をとりました。さらに、横田空域の中におきましても、これはもう四十四、五年から六年ごろにかけて措置をとってきておるわけでございますけれども、羽田を出まして名古屋とか大阪とか西の方面に飛んでまいります航空機の通路につきましては、一々横田の方と連絡をとりませんでも、そこはトンネルのようにあけておくという形を確立いたしました。したがって現在、羽田を発着いたしまして西の方に向かう民間機の運航につきましては、これらの空域の存在とは全く無関係に管制が行われるような形になっておるわけでございます。
 そこで、いまおっしゃいましたような今後のあり方といたしましては、私ども当面、空域別にきちっと区切りをつけてその中で管制する、その空域のありようについても、今後工夫検討を加えていくということで対処したいと思っておりますが、やがて近い将来には、もっと広い空域を総合的に管制するというふうなやり方についても、技術的な問題を開発いたしますれば取り組んでまいりたい、それによって日本の空域を一層有効にかつ安全に使用していくという方向に寄与していきたい、このように考えております。
#28
○伊藤(茂)委員 申し上げましたように、平和な空ということは市民の強い要望ですから、そういう多くの市民の声が皆さん方の後ろにあるんだという気持ちで取り組んでいただきたいと思います。
 最後の話題に入りたいと思います。それは、航空機の国際リースに関するものであります。これはいま予算委員会でも証人喚問がやられているようなものに関係をするのかどうか私いますぐわかりませんが、いろいろな問題があるのではないかということも聞くわけでありまして、伺いたいと思います。
 言うまでもありませんが、この航空機の国際リースと、それからいわゆるドル減らしに関係をしてつくられました外貨貸し制度というものとの兼ね合いで、外為が持っているドルを輸銀に預託をする、それを民間企業に輸入資金として貸し付けるというわけであります。これは昨年の当委員会だったと思いますが、こういう制度の運用に関係をして適切な行政指導がなされるように、当時村山大臣にも私もいろいろと要望をしたところでありますが、その外貨貸し制度を利用して行われている航空機の国際リースに関連をして幾つかお伺いしたいと思うのです。
 まず最初に、外貨貸し制度を利用した航空機の国際リース、これはドル減らし、今回二十億ドルですか、経常収支の黒を七十五億ドルにするという意味での大きな柱になっているということかと思いますが、その外貨貸しを利用した航空機の国際リースについての実績、件数とか相手国とか機数とか、それらのことをまず伺いたい。
#29
○徳田政府委員 お答えいたします。
 この緊急輸入外貨貸し制度を利用いたしました航空機リースにつきましての輸銀の融資承諾額でございますが、五十四年一月末で申しまして、シンガポールに対しまして三件で一億一千七百万ドル、スペインに対し二件で四千八百万ドル、イギリスに対して二件で八千三百万ドル、デンマークに対しまして二件で一千八百万ドル、ギリシャに対しまして二件で六千九百万ドル、それからカナダに対しまして一件で四千三百万ドル、オランダに対しまして一件で四千九百万ドル、合計十三件で四億二千八百万ドルでございます。
#30
○伊藤(茂)委員 貸付先ですね、こういう仕事をやっている商社、全部でなくても結構ですが、幾つか挙げてください。
#31
○徳田政府委員 融資先につきましては、日本のリース会社でございますが、個別の名前はちょっとお許し願いたいと思います。
#32
○伊藤(茂)委員 またじっくり聞きたいと思います。
 まず、政策的視点から伺いたいと思うのですが、これは期間が大体十年だと思いますが、十年で六%というようなことも聞くわけでありますけれども、これは買ったその年は確かにドル減らしであろうと思います。たとえばジャンボで一機九十億円ぐらいですね、これを数機買えば相当大きな額の金額になるということだと思います。しかし、これは、元本とそれからリース料を含めて入ってくるということになるわけでありますから、中期的にはむしろ明確にドルふやしになるということであろうと思います。ドル減らし輸入というよりは、内容的には輸出という側面の本質の方が強い性格のものではないだろうかという気がいたします。ですから、緊急ドル減らしあるいは緊急外貨対策ということで焦点になるわけでありますけれども、ちょっと見通しを持って政策的に考えてみましたら、政策論としても非常に問題がある、極論すれば国家的粉飾ではないかという言葉も出るわけでありますが、その辺、やっている方は別にして、通産大臣の推薦という扱いになっているようですから、それらのことも恐らく通産大臣の方からの推薦がついて輸銀に申し込みがあるということだと思いますけれども、大蔵省として、政策論として見た場合にいかがなものであろうかと思いますが、どうでしょう。
#33
○平尾政府委員 いま先生御指摘のように、このリースが行われる段階でかなり大量のドル減らしという形になるわけでありますが、あと七年ないし十年の期間にわたってそれが回収されてくる段階で、御指摘のように確かに流入が参りますけれども、それは現在の緊急的な輸入制度の基本に立ち返って考えてみますと、御承知のように昨年度、それから一昨年度引き続きましてかなり経常黒字がふえてまいっておる。最近昨年の秋から、特に昨年の暦年第三・四半期あるいは第四・四半期から全体的な輸出の基調にかなり大きな変化が出ておりまして、われわれとしましては来年度の見通しについてかなり楽観的な予測を持っているわけです。したがいまして、先生のおっしゃいます先行き中期のドルが還流をしてくるということは、緊急輸入がまさに当年あるいは昨年度の段階において必要であったという政策的な背景をなしているわけです。したがいましていま御指摘のように、中長期を見渡して全体として政策には特に矛盾しないと申しますか、むしろ一貫性があるというぐあいに考えております。
#34
○伊藤(茂)委員 そういう御答弁ですが、普通に考えてみて、買った年、当初は確かにドル減らしである、しかしリース料を含めてさっき御説明のありました幾つかの国あるいはそこの貸し付けた航空会社から入ってくるわけですから、構造的な意味での国際収支改善政策であるということはとうてい言えないということだろうと思うのです。簡単に言えば、目の先はドル減らし、その先はドルふやしということではないだろうか、これはだれが考えても明快な話だと思うのですが、その論争はまたにしておきたいと思います。
 それから次に伺いたいのですが、この外貨貸しの条件ですね、一つは期間と金利などの条件、これが当初と今日と変わってきているのか、どう扱われているのか、これが一つと、それからもう一つは、昨年の四月に質問しましたときに銀行局長の御答弁で、適正な運用が非常に大事である、商社が争ってこれでもうけるというふうなことがあってもよくないし、国際的にも悪影響を与えてはならないということで、またその条件の内容として、事業所管大臣の推薦が必要である、さまざまの要件を考えた上で大臣が推薦をする幾つかの条件の中で、単に国際収支の黒字幅縮小に寄与するだけではなくて、輸入される物資が国民経済上重要であることなどのことがございましたが、その辺は変わっておりませんか。
#35
○徳田政府委員 航空機リースの貸付金利でございますが、輸銀の緊急輸入外貨貸し付けの原則的金利である六%を適用しております。一方、航空機リースのリース先とリース会社との間のリース料に含まれる金利分は、国際的な航空機金融とのバランスを勘案いたしまして八・二五%を適用しているわけでございます。
 なお、個別の案件につきましては先生御指摘のとおり、通産省の推薦によりまして貸し付けを行っているわけでございまして、この緊急貸付制度の基本的な考え方としての条件、つまり、五十三年度中に輸入増加となるような緊急輸入であって、経常収支の黒字幅縮小の効果が認められるものであるとか、あるいは、対外経済関係の改善にも資するとともに、内外の健全な取引慣行を乱さないと認められることであるとか、あるいは、長期固定金利の外貨によらねば実施困難であるというような条件を踏まえて実施しているわけでございます。
#36
○伊藤(茂)委員 この関係のことで私も、いろいろ報道されるものとか小さい記事で載ったりするものを昨年来ずっと拾ってみて見ているのです。朝日新聞とか日本経済とかその他ときどき小さい記事で出ておりますが、それらをずっと拾ってみますと、幾つか政策的にもやり方にも何か問題があるのじゃないかという感じがするわけであります。
 さっきお話しのありましたシンガポール航空へのダグラスのリースの問題にしても、それらの報道で見ますと、五十二年にシンガポール航空とダグラスとの間で契約済みであったものを、日本の外貨貸しに基づくリースにチェンジしたといいますか割り込んだ。そうしてそのチェンジの仕方が、チェース・マンハッタン銀行というのがシンガポール航空へのファイナンスの手当てをしていた。ところが、たまたま外貨貸しの制度があって、安い金利で、たしか二・二%くらいの金利差が出るのですか、そういうことで、先に手当てをしてあった銀行の方にキャンセル料というのかおり料、おりていただく見合いとして一機当たり〇・五%払ってリースを契約したというふうなことを聞きます。飛行機売り込みに関して表裏でどういう工作をして売っているのか知りませんけれども、何か国際的な商売のルールに悪影響を与えるダーティービジネスという感じがする。
 それからもう一つ、さっきもイギリスでの話がございましたが、英国航空にボーイング747、ジャンボのリースなんかでも同じように、英国航空とボーイング社で五十一年に契約があって頭金を払っていた、それをリースに切りかえた、同じようなやり方であります。これには英国政府としてもリース料支払いの保証書をつけていた、保証つきであったようでありますが、これに割り込んで何か十二社の共同開発事業に切りかえた。金利差のマージンの山分けではないかということも言われているとかなど聞くわけでありますが、この外貨貸し制度の通常よりも非常に安い金利を利用して強引な売り込みその他をやる。あるいは報道で見ますと、マージンも非常に大きくて、裏口銭とも言えるような性格のものも含まれているのではないかというようなことも出されておりますが、こういう実態をどう把握をされているのか、またこういう状況についてどういう対応を考えておられるのか、いかがでしょう。
#37
○細川説明員 御説明申し上げます。
 ただいま御質問のありましたおり料についてでございますが、私ども関係者をして調べましたところ、御指摘のような新聞に報道されますような事実は全く聞いておらないわけでございます。
 なお、通常各航空会社は、事前に航空機納入の計画を有しておりまして、各メーカーに製造の発注をしておくことが多いわけでございますが、その代金支払いのための資金調達につきましては、通常きわめて流動的でございまして、実際飛行機が完成をしまして納入されるまでに最も有利と思われます資金調達手段を選ぶということが可能になっております。またそれが通常ともなっておるわけでございます。また、航空会社と航空機メーカーの合意によって、当初に結びます売買契約をやめまして、第三者を所有者といたしますリース方式を採用するということも少なくないわけでございます。ちなみに私どもの調べによりますと、現在アメリカでは、航空機のうちの約半分近くがこういうふうな形のリース方式になっておるというふうに聞いておりますし、ヨーロッパ、アジア等におきましても、運航航空機のうちの一割以上はリース方式によるものというふうに言われております。
 御指摘のシンガポール航空向け案件についてでございますが、この件は、当初から日本側の企業数社が先方にアプローチをいたしておったわけでございますが、そのうちの一社がシンガポール航空と取引がありまして、シンガポール国内法制にも通じておりますチェース・マンハッタン銀行とともに交渉に当たっておりましたところ、当該日本側の企業を含む日本の二社に先方からマンデートといいますか、排他的な交渉権を与えられまして、これら二社が中心となりまして取りまとめることになったわけでございます。したがいまして、チェース・マンハッタン銀行はこの交渉に伴います報酬を受けることということになっておるわけでございますが、現在のところ、その額が関係企業の間に決まっておるわけではないというふうに聞いております。したがいまして、〇・五%というような数字については事実ではないようでございます。
 以上でございます。
#38
○伊藤(茂)委員 きょうは短い時間ですから、私は問題提起くらいにして、また詳しく調べてみて御質問したいと思っているのですが、私が通産省の説明よりもいま伺いたかったのは、これらのことも言われているような状況の中で、輸銀、それから外貨貸し制度に特に行政指導上関係される大蔵省の側で、こういう問題をどう扱っていくのかということを伺いたいわけです。
 いまの運用条件なり金利が国際的な影響も含めて、このままでいいのかどうかというようなこともあると思います。それから巷間、こういうことが言われないようにやはり審査を強化をするというようなことも必要だろうと思うのですね。通産大臣が推薦をしてというようなことですから、何となく責任はついているような感じがいたしますけれども、やはりもっと内容をきちんと審査をするということを含めたいろいろな対策がとられるべきではないだろうかと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
#39
○徳田政府委員 この緊急輸入外貨貸付制度につきましては、この政策目的の達成のために民間の協力を得る必要があるわけでございますので、そのためには、民間にある程度のインセンティブを与えるような融資条件でないと実効が上がらないというような面もあるわけでございますけれども、しかしながら、先生御指摘のようないろいろな問題もございますし、また国際的な金利水準の動向等もございますので、五十四年度の実施条件につきましては今後さらに検討を進めたい、このように考えております。
#40
○伊藤(茂)委員 私が申し上げたようなもっと審査を強化するとかいろいろな条件を考えるとか、そういう具体的なことも含めて、いろいろと問題が出ないように監督を強めていくという考えがおありかどうか。
#41
○徳田政府委員 ただいま申し上げましたように、五十四年度の実施の条件につきましては、いま先生御指摘のようなことも踏まえましていろいろ検討してまいりたい、このように考えております。
#42
○伊藤(茂)委員 きょうはこの問題専門にというわけではありませんから、問題を提起しておく程度にとどめさせていただきたいと思います。また制度上のあり方その他などについてもいろいろと議論を別の機会にさせていただきたいと思います。
 ただ最後に、大臣に一言だけ伺いたいのですけれども、いまの問題ではないのですが、全体として七十五億ドルの黒に抑えなければならない、それから緊急ドル減らし対策、昨年、ことしいろいろな計画がなされております。昨年四十億ドル、これも達成できるかどうか、いろいろと苦労されているところであろうというふうに思いますが、何か緊急緊急で、サミットもあるわけですが、目の前をやっていくというのではなくて、さっきも八〇年代と申し上げましたけれども、やはり構造的な一つの転換ですね。私は航空機なんというのは、まさに頭脳知識集約型産業ですし、それからきのう申し上げたのですが、P3CだってE2Cだってそんなものは日本でつくれるんだと言って政府部内でも大論争があるくらいですから、私は相当能力があるんだと思うのですね。何か大きな産業構造の転換も含めて育てていくという視点がないと、目の前の目先目先の手当てだけで終わって体質が変わってこない。そしてアメリカの方から、しょせん日本というのは構造的に黒字がたまるようになっているという声も大分出ているようでありますが、アメリカからの批判がいいか悪いか別にして、ですから、当面こういう具体的な問題、あるいはサミットその他ございますけれども、ドル減らしその他についても何か問題が出るような仕掛けではなくて、やはりきちんとした構造的な改革という方向にぜひ積極的に取り組んでいくということが肝心なことではないかと思いますが、最後に所見を一言だけ伺いまして、終わりたいと思います。
#43
○金子(一)国務大臣 伊藤さんの御指摘のとおり、経常収支の黒字減らしを基本的にどうやっていくかということは、やはり一番大事な問題であろうと思います。幸いにここしばらくの間の貿易の趨勢を見ておりますと、大分輸出も減り、むしろ輸入がどんどん伸びているというようなかっこうで、私どもはその点大変心強く思っておるのですけれども、サミットもございますし、いま日米間で一番大きな問題は、七%成長が是か非かというようなことはもう余り問題ではなくなりまして、これは日本の今日までの努力を相当わかってくれているように私は聞いております。当面の黒字をどうやって縮小して国際協調の誠意を示すかということが問題になっているわけでございます。いま御指摘のありましたような基本的な問題も含めて、同時にしかし、去年からやっておりますような緊急輸入の問題も、必要なものについてはできるだけやっていきたいということで、それぞれの所管省において業界と接触を保っておるようでございますから、私どもも極力これはスムーズに片づけてまいりたいと考えている次第でございます。
#44
○伊藤(茂)委員 終わります。
#45
○加藤委員長 沢田広君。
#46
○沢田委員 大蔵大臣に最初にお伺いいたしますが、今回提案されております航空機燃料税について、この航空という分野は私は主として周辺の管理という立場から質問をしていきたいと思うのでありますが、その周辺の管理について大蔵大臣としては、航空機燃料税がどういう役割りを果たしていくものになっているのか。具体的に申し上げますと、公害基本法というものがあります。公害基本法によれば、公害基本法に基づいて総理大臣の権限の範囲内においてこの公害基本法を扱う。しかし今度は航空機には、周辺の整備に関する法律というものもございます。また、防衛庁では、防衛庁の航空に対する周辺整備に関する法律もございます。今回とられるこの航空機燃料税は、そういういろいろな分野に分かれておりまする中においてどういう役割りを持って、どういう任務を大蔵大臣が持っているのか、法律的にどうであるということもありますけれども、認識について一応簡単にお聞かせいただきたいと思います。
#47
○加藤(隆)政府委員 技術的なことを最初私から御説明させていただきたいと思います。
 いま御指摘のように、空港の問題、それから航空の問題でございますが、私どもから見ますと御承知のように、特定の者が利用する公物という色彩が非常に強いわけでございます。そこで、その場合の費用負担の問題になってくるわけでございますが、一つは、運輸大臣が設置管理する空港、その空港を利用する民間航空、こういうものにつきましては御指摘のように、略称を航空機騒音による障害の防止等に関する法律という長い法律、それから軍用機につきましてはいまのお話しのような施設庁の方の法律、こういうのがあるわけでございますが、ただいま御審議をお願いしております航空機燃料税にかかわるものは申すまでもなく、運輸大臣が設置管理されるあるいは公共団体が設置管理する空港にかかわるものでございまして、ただいま申し上げました法律によって費用負担をする。その場合、航空機燃料税が何も騒音対策だけに充てられるわけではございませんで、当然のことながら税法の趣旨から申しまして、基本的には空港の整備、それから先ほどもお話が出ましたが航空路の整備、それから騒音対策というような各般の空港、航空にまつわる財政需要に充てられておるわけでございます。
 簡単でございますが、御承知のことと思いますが、概略御説明いたします。
#48
○沢田委員 ちっとも明快ではないのでありますが、じゃ具体的に聞いてまいりたいと思います。
 では、来ておられる方から順番にということになりますが、環境庁おられると思いますからお伺いをいたしておきます。
 まず、空港の周辺についての公害の紛争については、公害基本法に基づく公害処理委員会という紛争処理の適用を受けると解釈をしておりますか、受けないと解釈しておりますか。
#49
○加藤(三)説明員 それが対象になります。
#50
○沢田委員 間違いないですか。――間違いないかというよりそのままほうっておいた方が私は楽なんでございますが、いわゆる公害対策基本法並びに環境庁設置法第四条に列記をされている項目の中には、防衛庁騒音の周辺対策に関する法律あるいは航空の周辺に関する法律は、その他の中に入っているとかいう解釈ならばそれでいいと思うのでありますが、そうでない限りは一応例示されていない項目になっておりますが、それはそのとおりに確認してよろしゅうございますか。――後でもいいですよ。間違ったことより調べた結果の方が……。
 たとえば防衛庁の空港の周辺に関する整備は、防衛庁が判断をしながら処理をしている。それから大蔵省が航空燃料税を取る場合、言うならば空港というものはどういう位置づけになるのかということなんです。一般に民間であれは工場であるとか事業所が騒音を出せば、その事業主がおおむねその迷惑料なり騒音防止の措置を講ずる義務を負うわけであります。空港の場合は、たとえば羽田などに例をとりますれば、当然その事業主はだれなのか、こういうことになります。この場合国は、一事業を行っているという形に解すれば、駐車場をやっているというようなものと同じなのかどうか。単なる敷地を提供して飛行機の運航に便を与える。千歳に例をとれば、着けばお客を乗せてそのまま帰ってしまうという場合において、国というものは事業体としての性格をなすものなのか、あるいはそれぞれの国固有の業務として行っていく立場にあるものなのか、その辺の解釈を、これは国有財産といいますか運輸省の行政財産でありますが、大蔵省として、一応国としての立場からひとつお聞かせをいただきたいと思います。
#51
○加藤(隆)政府委員 騒音防止法の八条の二に「特定飛行場の設置者は、」という条文があるわけですが、この「設置者」はただいま申し上げましたように運輸大臣でございます。運輸大臣が設置します特定の飛行場につきまして事業を行うわけでございます。
#52
○沢田委員 だから、いわゆる国政という一般的な概念に属するものでなくて、事業を行うといまおっしゃられましたけれども、事業体としての性格を持つというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
#53
○加藤(隆)政府委員 これは飛行場という公物、ですから事業というのは、予算で使います事業という言葉は、民法的な事業と若干ニュアンスが違いますが、空港という公物を管理するという意味の仕事をやっている、それをいま事業という表現で申し上げたわけでございます。空港という公物を管理するという意味でございます。
#54
○沢田委員 そうしますと、昭和四十七年でありましたか、航空機燃料の税法が設定をせられました経緯というものは、その前は特別措置法が適用されておって免税をされていた、そして今後はいわゆる航空機燃料税を取って空港の整備、あわせて周辺の整備を行う、こういうことも含めて提案をされた。この場合に、大蔵大臣の役割りと運輸大臣の役割りを考えますと、大蔵大臣は税としてこれは取ろうとしているわけなんでありますが、その税はイコール運輸大臣の管理する費用に充てるための税である、こういう言うならば一種の目的税、こういうことに理解をしてよろしゅうございますか。
#55
○高橋(元)政府委員 税制でございますから私から最初に御答弁を申し上げておきたいと思います。
 この航空機燃料税は、燃料税法ができましたときの経緯はいま沢田委員からお示しのあったとおりでございますが、この税金を新たに設けまして、その歳入をもって空港整備の財源に充てるということになりましたわけでございますが、ただ、税法の形式で申しますと、これは一般税でございます。それで、四十七年に新しく税が設けられました際に、空港整備特別会計の法律の中で、これに見合う資金を一般会計から繰り入れるということになったわけでございます。空港整備特別会計法の附則の十一項というのがそうでございますが、政府は、当分の間、毎年度、空港の緊急な整備等に資するため、一般会計からの繰入金に、次の各号に掲げる額の合算額に相当する額を含めて、繰入金をするものとするということになりました。したがいまして、空港整備の事業費をどういうふうに切り盛りするかということは、空港整備特会を管理しておられます運輸大臣及び財政全体を掌理いたします大蔵大臣、まずその間で予算のいわゆる歳出の全体の姿の中で決まっていくわけでございますが、その際に必要な財源の一部をこの税金をもって充てるということは歳出サイドとして決まっておるわけでございまして、いわゆる目的税としてこの税金がつくられたわけではないわけであります。
#56
○沢田委員 目的税でないといえば、普遍的な空港整備に対して必要な経費というものは国が責任をもって支払う、こういう理念に立たざるを得ない。それが不足するか不足してないかは別問題である。空港の整備であれ周辺の整備であれあるいはその他の費用は当然、国の責任においてその収入のいかんにかかわらず支出をしていく義務を負うものである、こういうふうに解釈してよろしいわけですね。
#57
○高橋(元)政府委員 先ほどの私のお答えはやや形式的であったかもしれません。たとえば道路整備特別会計の財源に充てますものは、揮発油税歳入相当額を一般会計から繰り入れるとなっておりますが、この揮発油税はやはり一般税として設けられているわけでございます。ただ、道路整備を一般のたとえば税収それから公債の収入金というものをもって賄っていくよりは、道路の整備には受益者に相当する自動車の運行者というものが間接的に負担する揮発油の消費税をもって充てる方がいいであろう。それから空港の整備につきましても、現状で申しますと四分の一に当たりますが、四分の一に当たります航空機燃料税または空港の使用料、これが全体の歳入の半分に当たっておりますが、そういうものをもって充てる方がいいであろう。そういう特定財源を構成していく歳出の方の考え方というものと税負担をお願いいたします際の税率というものと、これはまさに御指摘のように密接に関連はいたしております。そういう意味で、空港整備のための事業費というもの全体をどう構成していくかということは、繰り返しになりますが、毎年毎年の予算事情または社会経済のニーズというものによって定まっていくわけでございます、それに合致するような税制をつくりまして維持して、常時再検討をし見直しをしていくというのが、私ども税制当局の仕事であろうというふうに考えておるわけであります。
    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕
#58
○沢田委員 防衛庁もおいでになっておりますからお伺いをするのですが、いまの答弁では、目的税であるがごとく目的税ではないがごとく、一般財源を加えてやる。しかし一方、法律的には国の事業として――事業という言葉を改めましたが、国の固有の義務としてそれは担っているものである、こういう分野が出ました。防衛庁については、これはまさに標本みたいなものでありまして、まさに国の固有の義務、こういうことになると解してよろしいのかどうか、これは防衛庁の方からひとつお答えをいただきたいと思うのであります。
#59
○平説明員 防衛庁におきましては、防衛の任務を果たすために自衛隊の飛行場を取得し維持しておるわけでございます。また米軍関係の飛行場につきましては、施設庁でこれを管理しております。これらの運用に伴って飛行場周辺の民家等に騒音の障害が生じている場合には、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律というものによりましてその障害の防止措置をとっているわけでございます。
#60
○沢田委員 回りくどく言っていると相手も困るだろうと思いますから、わかりやすく今度はまた逆に言っていきますが、たとえば羽田、これは幾つもあるのでありますが、羽田を例にとりますと、この法律ができてから防音――あのジェットエンジンがふかされて飛び立っていく飛行機の音というのは、乗っている者には大蔵大臣もわからぬでしょうけれども、とにかくそばにいる者にはたまったものでないのです。とにかくこうやってこのぐらいの大きい声でやっても話が聞こえない。言うならば職業病ではなくて環境病みたいなもので難聴になってしまう。だんだん大きな声を出していかなければ飛行機が出るときには相手に通じない。そういう状況の中で防音ということだけを考えると、少なくとも公害対策基本法では個人の、市民の生活を守る、こういう基本法が設定されているわけです。さっき答弁で環境庁は、公害対策基本法で飛行機も含まれる、こういうふうに言われました。そうしますと羽田では、これもまたいろいろ問題があるのですけれども、一応五十一年度五百尺これは数は若干の差がある。五十二年度五百戸。それで、必要としたエリアは五千戸あった。そうすると、五十二年度まででとにかく千戸しかできない、こういったようなこと。それからまた、入間と横田の飛行場関係だけで調べてみますと、これもエリアの問題になりますが、対象三千二百戸のうち、狭山市についてはわずかに二〇%、入間市については三一%。今日まで五十一年、五十二年、五十三年とずっとやってきて、これだけの間は騒音に悩まされ続けて生活をしていかなければならない。一般の空港整備の進捗状況を見ますと、こんな悪くはないですね。法律がどういうたてまえであるかわからぬけれども、余りにも住民を無視して飛行機優先で空港整備だけやってきているこの航空機燃料税の配分じゃないか。もう少し国民といいますか付近住民の立場というものが尊重されていいのではないかということを申し上げたいわけですよ。税を取られる大蔵大臣の方では、ただ取るだけ取って適当に配分して、配分先までは検討してない、こういうことなんじゃないかと思うのです。だからさっき言ったように、目的税なのか国の固有の義務なのか、こういう問題が起きてくるわけであります。
 もう一つ言いますと現在、防音工事といっても一室だけなんですよ。子供が三人以上いた場合だけ二室になる。今度は幾らか改善されそうでありますが、それにしたって、家族をその中だけに詰め込んでいるわけにいかないでしょう。お勝手に行くときもあれば、勉強部屋に行くときもあれば、食事をする部屋もある。たった一室しかこれはやらない。それで防音工事はやっていますということになりますか、大蔵大臣。それが市民生活を守るという環境整備になっていますか。さらに加えて、防音サッシにしますと全部冷暖房にしなくちゃならぬ。冷暖房も、石油、ガスを使ったら排気ガスでまいってしまう。冷暖房の費用というものは莫大なものです。あければうるさくてしようがないのですから、あけるわけにいかない。といって換気扇をつけたらまた音が入ってきてしまう。だから牢獄に入ったよりまだ悪い。牢獄ならば窓格子があるからまだ幾らかいいのです。だから牢獄よりも悪い状況に置かれて、冷暖房は自分の費用でやらなくちゃならぬ。こういう事実を、率直に言えば大臣やその他の幹部は知っているのかどうか。
 私も県会当時でありましたけれども、現地を見ましたが、こうやって話ができないのです。まさか隣の奥さんに一々マイク使いながら話をしていたのではしようがないのですからね、選挙運動とは違うのですから。これは防衛庁の単価が一室に百六十万円なんですね、割り当てが。二室の場合で三百万円なんです。これが地元の住民が困ったからといってどうするかというと、地元の市町村が、入間ならば東京の防衛庁の方へ一々申請書を出す。こういう工事をやるのですけれどもいかがでしょうか。いかがでしょうかといったって、毎日うるさくてしようがないんだけれども、ようやく許可がおりてくるのはそれから半年ぐらいたってから来る。それでもわずかこの数しか消化されないのですよ。この航空機燃料税でいままでは空港整備だけが中心になってきて、付近の住民は全く無視されている、こういう実態が出てきているわけですね。
 そこで、この実態について、燃料税を取られる主管の省としてはどういうふうに考えているのか、またこれを管理する運輸省としてはどう受けとめているのか。防衛庁も同じなんです。それがみんなまちまちでやっている。だからこういうアンバランスが出てきてしまうんですね。そういう立場から見て、少し不整合性がありやしないかということが一つ。
 それからもう一つは、十三分の十一と十三分の二に分けた趣旨というのは、道路の譲与税に準拠したと言われているわけですね。それとこういう付近周辺の民家の防音工事とはおのずから性格が違うんじゃないか。あそこの家はうるさくてしようがないということの判断は市町村でなければわからぬですね。防衛庁の幹部が一々見て聞いて歩いているわけでもないでしょう。ですから、そういう状況から見れば、そういう立場に立ってこの配分についても再検討していく時期に来ているんじゃなかろうか。この税ができた趣旨が、保護育成の段階からワンステップ上がったんだというのでこの航空機燃料税を取ったわけですからね。ですからその立場から見れば、いままでうるさく生活させてきたおわびに、配分を変えてでももっと住民に密接した行政ができるようにするべきではないか。
 そういう意味において行政管理庁も呼んでいるわけですよ。国がみんな金を押さえて、一々国の方まで書類を持っていかなければ防音サッシの入れかえ一つできないなんて、百六十万の金に何で国が目をつけたりするのですか。たった一室の百六十万の金に一々国の判こがなければ、それも、三十五も四十も判を一つの書類に押すのです。判こ代の方が高くなってしまう。そういう状況をつくってまで国が管理しなければならぬのかどうか、これも行政管理庁も呼んでいるゆえんなんです。これは大臣が総括的に答弁されるか、いままでずっと関係者の分について聞きましたから、ひとつそれぞれお答えいただきたい。
#61
○加藤(隆)政府委員 前段の問題でございますが、一つは、飛行機が非常にうるさくなってきたというような経緯がございます。それから、空港周辺の市街地が非常に密集化していくというような問題もございます。私どもも決してその問題の実態等につきまして知らないわけじゃございません。最近時、御承知のように予算上も、空港特会の歳出におきます騒音対策は、運輸省の方も非常な力点を置かれておりまして、年来これにこたえてきております。今回の場合も、対象戸数が全体で十一万戸ある、全体で三千億ぐらいのものを将来運輸省の方でお考えになっておる。私どもも今回この法案で増税をお願いし、あるいは空港特会の方で御承知の空港利用料、これを毎年のごとく上げてきておりましたが、こういうようなものによりまして、こういう今日的な問題には的確にこたえなければいけないという考え方を持っております。
 それから後段の問題でございますが、先ほども伊藤委員の御質問の際に申し上げましたが、これは二つ要素があるわけでございます。一つは財源の配分をどうするかという問題と、それから執行面の問題とがあるわけでございます。財源の配分の方は、事務、事業の仕事量から見ますと、先ほど申しましたように三十年ごろのガソリン税の特定財源をつくりましたときの経緯があるわけでございますが、最近時の数字を見ましても、国の方が大体九割ぐらいやっておるわけでございます。十三分の十一というのは大体八割五分ぐらいになっておりますが、そういうような仕事量から見まして、これはこういう配分でいいのではないかと考えるわけでございます。
 ただ、いま御指摘のように実際に執行する場合、主として問題になっているのは地域の住民の問題ではないかという御指摘でございます。これは運輸省の方におかれましても、執行面に当たっては、一つは公共団体、市町村を窓口にして仕事をやっていかれる。もう一つは、御承知のように大きな空港につきましては、空港整備機構というのは現在二つあるわけでございますが、これは公共団体が参画した機構でございます。こういうような窓口としてそういう地域の住民の声が十分行政上反映できるように措置をされておる、こういうふうに私どもも伺っており、事実そういうふうに見ております。
 以上によりまして、私どもとしては、全体の空港に伴う騒音対策、時代の変遷の中で新しい行政需要といたしまして的確に措置をしてきているつもりでございます。
#62
○沢田委員 この程度の比率で的確に行われてきたなんということは許しがたい回答だと思うのであって、冗談じゃないですよ。こんな程度の防音工事が行われていて何が的確なんですか。不十分ながら努力してきましたと言うならばまだ話がわかる、答弁を教えれるならば。冗談じゃない、この程度で的確だなんということがどこから出てくるのですか。そういうことを改めてくださいよ。
#63
○加藤(隆)政府委員 ちょっと舌が足りませんでしたが、的確に措置をいたしていきたいということを申し上げたつもりでございます。
#64
○松本(操)政府委員 運輸省といたしましては、先生御指摘のように、今後の空港のありようとしまして、周辺問題の解決、空港と周辺地域の調和なくしては今後の航空輸送はあり得ないという考え方に立って、大蔵省ともいろいろと御相談しつつあらゆる努力を払ってきたつもりでございます。
 具体的な例として先生の御指摘がございました羽田の問題でございますが、私どもの持っております数字では四十九年に、私どもが羽田において八十五WECPNLという、これは環境庁がお決めになった基準でございますが、この八十五WECPNLの中に入るよう五十三年の暮れまでに何か措置をせい、こういうのが中間目標であったわけでございますが、この民家の数が八十五百戸余というふうに私どもは承知をしておったわけでございます。それに対しまして、実際に防音工事ができましたのは千九百戸余でございますから、その数字だけをもっていたしますと、まさに先生御指摘のように十分な対策をし得なかったという非難を受けることになるわけでございますが、しかし五十三年の暮れ、昨年の暮れの時点において私ども精査いたしましたところによりますと、成田空港の開港に伴って航空機の発着回数が大幅に減ったこと、それから長距離の大型の航空機がいなくなったこと、こういうふうなことから、現在の八十五WECPNLというラインで引きました場合には、おおむねこれが海岸線に沿ったところまで引っ込んできているのではないか、こう考えてはおります。ただ、これはあくまで中間目標を五十三年の十二月で押さえた場合にそのようであるということにすぎませんので、今後私どもは八十までこれを広げる、さらには最終目標の七十五という数字を五十八年の時点においてなるべく完成できますように一層の努力に励んでまいりたい、このように考えておるわけでございます。
 とりわけ、地元との密接な関連の点について強く御指摘があったわけでございますが、これも東京都に例をとって申し上げますならば、私どもの民家防音工事の補助金というものは東京都に落ちてまいるわけでございます。都の方からこれは大田区の方にさらに移ってまいりまして、現実には大田区役所の方に具体的な作業、地元との折衝その他は全部お任せしております。そのため必要な事務経費等は、先ほど先生仰せのございました百四十万とか百五十万とか百六十万とかいう数字とは別に、事務経費、設計管理費的なものは区の方にお払いしておる、こういうことで、努めて地元と密接な関係を持てるようなところにお願いをして、合理的なかつ最も有効な方法でやっていけるような努力をしておるわけでございますが、空港によってはおかげさまでどうにか目的を達したのではないかというふうに考えるところもございますけれども、空港によってはまだまだというところも事実残っております。今後とも一層この面についての努力を怠らないようにしてまいりたい、このように考えております。
#65
○坂本説明員 先ほど先生おっしゃいましたように、判この数を少なくする、あるいはできるだけ許認可が国民の手元において行われる、これは非常に理想でございまして、われわれ許認可等の簡素合理化の一環といたしまして、事務移譲等の許認可等の合理化をやっております。
 お話しの空港の問題でございますけれども、この空港は、国が直接設置しておる、その国の公物にかかわりましていろいろ環境問題が出ておる、そういう実情でございまして、やはり国がやらないといけないとわれわれは考えております。ただ、地元住民の意向をできるだけくむ、それは当然必要なことでございまして、運輸省の飛行場にいたしましても、これは住宅の防音工事でございますけれども、市町村に委託をする、あるいは防衛庁の場合は市町村の意向を非常に聞いてやっておると聞いておりまして、いまのところ特に問題はない、こういうふうに思っております。
#66
○平説明員 防衛庁といたしましても、騒音対策につきましては、まず運航面の規制あるいは音源対策等、運航面での騒音の軽減に努めておるわけでございますけれども、なおそれによっても周辺の騒音障害というものは全部排除するわけにはまいらないわけでございます。
    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
それらにつきましては、先ほど申しました生活環境の周辺整備法という法律に基づきまして個人住宅の防音工事等を実施いたしております。何しろ対象が膨大でございまして、環境基準の達成に努力をいたしておりますけれども、まだ満足できる状態でございません。さらに今後とも努力してまいりたいと思っております。
#67
○加藤(三)説明員 環境庁といたしましては、昭和四十八年に航空機騒音に係る環境基準をつくりまして、航空機による騒音を軽減するために関係省庁に働きかけてまいったわけでございます。環境基準の中間的に達成すべき中間改善目標が四十八年に告示しました環境基準の中に示されておりまして、その中間改善目標の時期が昨年の十二月二十七日に到達したところでございます。現在、私どもとしましては、運輸省等からヒヤリングを行いまして、対策の進捗状況、それから環境基準の達成状況等の取りまとめの作業を進めているところでありまして、これらの結果を見まして、どのように対処するか、環境庁としてしっかりと対策を進めてまいりたいというふうに考えております。
#68
○沢田委員 ちょっと東京都の羽田の場合で言えば、それを称してのど元過ぎれば熱さを忘れるということを言うのであります。当時外国機がいろいろ入ってきた。いまは確かに合計しますと三百五十くらいの便の数であります。三分ずつとして千分くらいの発着、五分とすれば千五百分、おおむね三時間というところから四時間くらいになるでしょう、それが騒音時間になります。だから、八千五百余戸という、大田区から調べた数とは違っておりますけれども、それは別として八千五百は結構なんです。それに対して千九百しか五十三年までにできてない。しかも環境庁の方では、五年以内にWECPNL八十五ということですか、そういう形に基準を置かれたわけですね。それは達成できるのですか。しかも運輸省で答えているのは、合理的有効に、こう言っておりますが、どこに合理的有効にやられているのですか、その数の結果だけ見ても。それから、冷暖房に対する電気代の値上げに対してどういう補償措置が行われているのですか。これは個人の負担であたりまえだという解釈なのですか。
 それから、東京都におろしているということは、結果的にはあなたの方で金を持っていたってしようがないのだから、必要な部分の金を全部おろして東京都なりにやらせる、大田区なりにやらせる。一々運輸省の許可を得なくてもいいのじゃないですか。たとえば百六十万なら百六十万、まあ百五十万かわかりませんが、標準単価でいけばそれの五百戸分はそのまままるごと出しちゃって、それに八%なら八%の管理費なら管理費をつけ加えて出せばいいのじゃないですか。どうしてそれができないのでしょう。これは運輸省だけの例で、何が有効にできているということになるのですか。それでしかも検査をしなければならぬと運輸省令には書いてある。その検査まで地元の市町村は責任を持ってやらなければならぬ。そんなめんどうくさいことをなぜいまの行政改革もしなければならぬ時期に抱え込んでいるのですか。しかも大田区の説明では、運輸省から業者の指定までされてくる、こういうことすら言っているわけです。一室の防音装置のサッシの種類まで特定業者が指定されて、それまで何もやらなければならぬという理由はないでしょう。そういうことがなぜ合理的有効的だということに言えるのか、われわれは全くわからぬ。
 それから防衛庁は、確かに問題がありますということで肯定されておりますから、これは言いませんけれども、いま言ったような条件の中で、この防衛庁の飛行場の歴史は長いのですから、その環境基準がなぜ守られないのか、なぜ今日に至っても二〇%だなんという状況で放任されておるのか、これがわれわれも理解できないのですよ。言うならば国民を無視している、周辺の住民が泣き寝入りしている、こういうこと以外の何物でもない。
 そしていまさっき、公害防止の紛争処理委員会の問題は答弁がなかったですけれども、これは国を相手にしてやっていることですから、公害対策基本法に基づくその処理委員会の対応というものについてはなかなかむずかしいような条件になっている。もし適用できるというさっきの答弁が適切ならば、恐らく住民はこれを適用してみな出してくるでしょう。ただ環境基準の勧告については、これはこれなりに尊重いたします。
 それからもう一つは、環境基準の勧告を五年以内に実施をするという一つの条件ですね、これは運輸省、防衛庁は実現できるのですか、どうですか、その点はっきりお答えいただきたいと思います。
#69
○松本(操)政府委員 まず、のど元過ぎれば熱さを忘れるではないかという御指摘は、私どももまことに痛い御指摘でございます。したがいまして、私も先ほど触れたかと思いますが、八十五ということではなくて、次の七十五という目標があるわけでございますので、すぐにも八十に輪を広げますと、先生のおっしゃいますように外側へまた出てまいります。したがって、決してのど元過ぎれはというふうな安閑とした気分でおるわけではございませんで、まずとりあえず八十Wまで輪を広げる、そして次の七十五に向かってあらゆる努力を図っていきたい、こういう趣旨で申し上げたつもりでございます。
 それから有効にとか合理的にとかいう点の私の言いようがあるいはまずかったかもしれませんが、羽田の例で申し上げますと、八千五百の中の千九百でございますから、有効な合理的なということはあるいはいささか言葉が適当でなかったかも存じません。しかし他の空港におきましては、いわゆる激甚地帯と言われますところから重点的に工事を進めていくというふうなことは、いろいろと地元の方と御相談をしながらやってまいったつもりでございます。その成果のほどについては、ここにいろいろとえらそうなことを申し上げる段階まで至っておりませんけれども、しかし、そういうつもりで限られた金を何とか有効に使いたいという努力をしてまいったという気持ちのほどを申し上げたというふうに御理解いただければと思います。
 それから東京都に落としております補助金というものについていろいろ御指摘がございましたけれども、基本的な考え方といたしましては、これは補助金という性格でございますので、したがって、補助金に関します適正化法等の適用も受けますし、それなりの手続というものは私どもの立場としてはおろそかにはできないのでございます。しかし、御指摘がございましたような、逐一運輸省がしゃしゃり出て許認可の判こをつくとか、あるいはサッシその他のメーカーについて逐一わが方が口を差しはさむとか、そういうふうなことはいたさないように心がけてやってきたつもりでございますが、現場においてもしそういうふうな御意見があるとすれば、早速にも十分にまた調査をいたしまして、いやしくもそういうことのないように、お任せをしたからには十分にお任せしてやっていただけるようにということで事が運ぶように、今後とも一層努力をしてまいりたいと思っております。
#70
○平説明員 ただいま先生御指摘のとおり、防衛庁の防音対策は確かにおくれているわけでございます。環境基準の達成につきましては努力いたしておりますけれども、現在までまだ五年の目標には達しておりません。しかし、今後さらに努力いたしまして、五十四年度中には何とか大部分の飛行場についてはこの目標を達成するようにというふうに考えております。
#71
○沢田委員 次にこの金額、さっき補助金ということを言われましたが、これは被害補償と解するべきではないかと思うんですね。ですから税法上から言えば、これは所得ということにはならぬのだろうと思うのです。これは当然だと思うのです。これは日影の場合の補償料も同じだと私は考えるわけです。ですから、補償金という性格で扱っていくこと、そしてどこの部屋を自分が設定するかは自分の意思で考えていく、そういう任意性を持たさなければならぬのじゃないかと思うのです。現在は申請で、どの部屋をということを本人の申し出によってやっているのですけれども、言うならばこれは補助金ではない、補償金であると思うんですね。そこに根本的な理念の違いがある。だから、財政的には補助金かもわからぬけれども、実質上は補償金なんです。補償金と言えば相手の所得に入るわけだ。相手の所得に入るのだから、相手の所得の中で、自分が持ち出しをしてもよけいにやるかあるいは小さい経費でやるかの任意性も私はあるのだと思う。その辺の法律的な解釈というものもまだ段階的に明確でないと言わなければならぬのであります。これはこの後御答弁をいただきたいと思うのです。
 続いて、この八十五という音の程度というのは、このぐらいに大き声で言ったって八十五にはならないですよ。七十ぐらいにしかならない。ですから、八十五の音の継続というものはきわめて高いんですね。これは五年で七十五とかにしたいとか、いま一般の環境基準は、住宅地域では夜間なんかでは四十五ですね。だから、航空機の付近だけがなぜ基準が高くなっているかということについて、やはりこれも下げていく努力をしなければいかぬと思うんですね。あるいは現在の基準以下にもっと下げていくということが必要になってくるのだろうと思うのです、特に夜間の場合なんかについてはなおさら。だから、成田で今日これだけもめているという現実は、あえて成田の問題はきょうは触れておりませんけれども、これは夜間にどんどんあんな音が響かれたらノイローゼになってしまう、ノイローゼになったって補償してくれるものは何もない、こういう状況について、やはりもう一回検討し直してもらわなければならぬ。だから、八十五Wというのも、これは防衛庁の指数を、細かい施行例を見ますと、加重平均で点数制度で出しておりますけれども、それによって評価されるものではない。ガラスを切る音が瞬間的に一秒でも続いたって、本人は不快感はなかなか後へ残っていくものですよ。そういう状況のもとで、それを加重平均して、高い音も低い音もある意味においては平均化されてしまった八十五というものは、その高い音が切り落とされているというところに非常にいま危険な数字だと私は言わなければならぬ。ですから、ミニマムとして八十五以上になるものというのが本来ならば当面設定すべき水準でしょう、もし八十五を肯定するとしても。だから、それならミニマムとして八十五を超えている部分は適用する。それを八十に、あるいは七十五に、こう下げていく努力というものがもうすでにできていなければならないというふうに私は思うのでありますが、これも関係庁が非常に多いのでありますけれども、防衛庁と運輸省両省、あるいは環境庁からお答えをいただきたいと思うのです。
#72
○松本(操)政府委員 まず住宅防音工事につきまして、私、先ほど補助金と申し上げた点についていろいろと御指摘がございましたが、これは騒音防止法、あの長い名前の法律でございますが、その中に「住宅の騒音防止工事の助成」という形で規定があるのをよりどころにしておるわけでございますので、したがって、たとえば私がある特定の騒音地域に住んでいて、住宅を防音工事にしたいというふうに思いましたときに、それに対して助成を受けることができる、国の方は助成をするものとする、「助成の措置をとるものとする。」法文上の規定はこうなっております。したがって、補助金という言い方を私が申し上げたのは、当たらずといえども遠からずの御説明ではなかったかと思います。
 それから、八十五W云々の点については、これは私どもよりもむしろ環境庁の御専門の方が答えるべきであろうかと存じますけれども、現在のところは、WECPNLというICAOでも採用しておりますこの基準値で環境基準を云々するということに仕組みが成り立っておりますので、もちろん先生おっしゃるように、個々の音、これはWECPNLではなくてホンではかるわけでございますが、このホンではかった音ももちろん下げるように努力をしていくということは当然のことであろうかと思います。当面の目標といたしましては、まず何としてもこの八十五を達成し、それを八十に広げ、七十五まで持っていくという環境基準に適合させるための努力を第一に図るべきではないか、このように私ども考えてはおりますが、しかし個々のピーク値、つまり非常に高い音、これを下げますことによっていまの平均的なWという音も当然に下がってまいります。とりわけ、高い方に非常に引っ張られやすいようにこの式全体ができております。したがって、夜間の飛行については回数を十倍に数えるというふうなこともしておるわけでございますので、そういう点も含めて、機材の改良あるいは飛行方法の改善、こういったような点を含めて今後一層努力をしてまいりたい、このように考えております。
#73
○沢田委員 途中ですが……。
 いま七十五ホンまで、今度はホンと言いますが、下げるというような期待を持っておられるようですが、その計画書をひとつ後刻提出をしていただきたい。ここだけの答弁じゃこれは話になりませんから、後でひとつ提出をしていただくよう委員長からお諮りいただきたいと思います。
#74
○松本(操)政府委員 五十八年に、七十五ホンではございません、七十五Wでございますが、七十五Wにすることにつきましては、環境庁の環境基準で定められている目標でございます。したがって当面、私どもは八十ということまでは念頭に置いて計画をしておりますし、さらに七十五まで参りましたときに、対象となります家屋等についての……(沢田委員「出してくれるかどうかを聞いているんだから」と呼ぶ)大まかな数字はございますけれども、年次割りにきちっと割りつけるということになりますと、これは進捗の度合い等について詰めなければなりませんので、現在の段階では十一万戸、約三千億という数字については先ほど来申し上げておりますとおりでございますが、細かな点までは詰め切れておりませんので、ちょっと御容赦がいただけたらと思います。
#75
○沢田委員 私が途中で言葉を差しはさまなかったら、さっきの答弁で済まされてしまった。前の答弁とは全然違うのです。全くけしからぬ。いかにも七十五ホンぐらいにすぐなるようなことを計画をしておりますなんて答弁をしておいて、それじゃ計画書を出せと言ったら、今度はなかなか実際にはできません、そんなばかにした答弁なんてないだろうと思う。大体失礼ですよ。だから途中で腰を折ったようだったけれども、では計画書を出してくれと言ったら、計画書は出せません、将来はと。それではあなたがもう墓場へ入ってしまってから先のことまで言っているような話になってしまう。だから、それではいま言ったような、いつどこの程度まで具体的に当面の段階でできるのか。孫の代になっての話を聞いているのじゃないのだから、あなたはとにかくいま現職でいて、大体この程度の計画は、五年なら五年はこの程度にしますと、そのぐらいの自信を持った答弁をしてくださいよ。先の先の遠い夢みたいな、七十五にするなんて、実際にはちっともできない。そこまでは金の張りつけができませんと、こういうことになっている。そんな失礼な答弁はないですよ。撤回しなさい。
#76
○松本(操)政府委員 私の申しようがどこかまずい点がございましたら御容赦いただきたいのですが、七十五WECPNLというのは、五十八年の目標でございます。五十八年の十二月までにはその目標に達しなければならない、一、二例外はございますけれども、そういうことになっておるわけでございます。そこで、昨年の暮れはそれが八十五でありました。八十五から七十五までの間に十の差がございますので、一気に十下げるというのではなくて、中間の八十ということを目標にいま作業を始めようとしておる。その第一歩が、五十四年度の予算五百六億にもあらわれておるというふうに御理解いただきたいのでございますが、それを超えて、では五十八年の暮れまでにどれだけの戸数をやればいいのかというと十一万戸でございまして、それに要する費用は幾らかと言えば三千億でございます。ただ、それを年次別に張りつけて、第何年度に幾ら、何戸、次に幾ら、何戸というところまではまだ完全には詰め切れておりませんので、資料という形での御提出はちょっと御容赦願いたい、こう申し上げているわけでございます。
#77
○沢田委員 個々のと言ってはおりませんよ。いま言った数字をどこに何戸ということを言っているわけではない。それではたとえば羽田で、八千五百のうちの何%がこれで達成されるのか、これは個々になるのかわかりませんが、総体的に見て、あるいは全体の空港の何%がこれで達成されるのか、その程度の資料は提出できると思うのですね、羽田という具体的なものは別としましても。情勢はある程度変わっていくわけですから、そういう状況の中においての計画、こういう三千億かかるんだけれども――実際に三千億入るか入らないのか、率直に言えばいまの段階では見通しもないのでしょう。これは確保するというのですか。
#78
○松本(操)政府委員 まず総世帯数が十一万、この数字は、先生まさに御指摘のように、今後飛行機の種類等が変わると多少動くかもしれませんが、計画としては十一万世帯、それに要する経費の三千億というのも、異動はございましょうけれども、大体の目安、それでどこまで達成するのかと言えば、それで七十五まではできるという数字が十一万世帯の三千億ということに……(沢田委員「全部、一〇〇%ですね」と呼ぶ)一〇〇%やりおおせてそういう数字である。(沢田委員「一室ですか、二室ですか」と呼ぶ)これは新しい方式でございますから五室までまいるわけでございます。こういうことを念頭に置いて考えてはおりますが、現在第四次の整備計画の審議の段階でございますので、したがって年次別にどうなるかとかという細かな点については御勘弁、御容赦願いたい、こう申し上げたわけでございます。
#79
○加藤(三)説明員 先ほど先生からWECPNLで環境基準を定めているのは住民反応に適合してはいないのではないかという御趣旨の御質問がございましたが、航空機騒音の評価に当たりましては、一機ごとの騒音レベルとともに、飛行回数であるとか、あるいはその飛行がどういう時間帯で行われているか、それからその時間帯ごとの頻度とか、そういったものも考慮する必要があるわけでございます。そこで、私ども定めております環境基準におきましてはWで評価することにいたしておりますけれども、これは先ほど航空局長も申されましたように、国際民間航空機関、ICAOから提案されたものでございまして、一般航空機騒音に対する住民反応を的確にあらわしている国際的な評価単位であり、また環境基準の設定に際しまして中央公害対策審議会の答申においても採用されているところでございます。環境庁といたしまして、環境基準を達成するためには、そのための対策に当たりましては、一機当たりの騒音のレベルの低下に効果ある発生源対策、音源対策を鋭意推進していただくとともに、W値の大きいところから逐次速やかに周辺対策を実施していくべきだと考えているわけでございます。
 それから、先ほど先生の御質問の冒頭で、私、紛争処理法の中に航空機騒音について入るということを申し上げましたのは、これは一般的な航空機騒音について紛争処理法において対処されているところであるという意味で申し上げたわけでございます。ただ、防衛施設にかかわる紛争につきましては、処理法の第五十条で除外されておりますので、その点私の舌足らずでありました。また私自身、紛争処理法の直接の担当でございませんので、もし必要があれば、また後ほど担当に詳しく説明に上がらせたいと思っております。
#80
○沢田委員 同じく次の問題ですが、エリアの決定でありますけれども、民間航空の場合も防衛庁の場合も、いわゆる防音工事なり周辺整備を行う区域を決定する場合の権限が運輸大臣あるいは防衛庁にある、被害を受ける側の意見というものが加わらないという形になっている、これはきわめて不都合な組織形態だと思うのですね。実際には意見を聞くでありましょう。皆さんが見て歩いてわかるわけではないのですから、実際には聞くのであろうけれども、法律体系として、その被害を受ける者の意見が加わらないで一方的に、防衛庁の場合であろうと運輸省の場合でも決定できるという、こういう組織規定はやはり運用にきわめて過ちを起こしがちな問題だと思うのであります。ですから、区域の決定については少なくとも市町村、都道府県等の意見を聞く。ここでの質問としては、必ず聞く、聞いて、その要望を入れて決める、こういうことは約束できますか。
#81
○松本(操)政府委員 現在一種、二種、三種のいわゆる線引きというものにつきましては、予測コンターをもとにして空港の設置管理者である、たとえば羽田で申しますと国がつくるわけでございますが、その場合に、先ほど来引用されております騒音防止法によりまして関係府県知事の意見を聞くことになっております。したがいまして、現実に府県知事の意見を承って、特に道路等によって一つの隣組みたいなところが分断されておる、しかし道路の向こう側にも隣組があるというふうな場合でありますとか、コンターとしては外側へ出るのだけれども、そのはみ出した外側の方に広い道路があって、そこの方が区画として目安がいいとかいうふうなところにつきましては、その御意見を十分にしんしゃくして第一種区域の線引きをしております。したがって、先生も御案内かと思いますが、第一種の外側はのこぎりの歯のようにでこぼこしておりますのは、これはそういったような手続の過程で地元といろいろお話し合いをしながら決めていったということを御承知おき願いたいと思います。
#82
○平説明員 防衛庁におきましても、区域決定の際には地元の御意見を聞いた上で決定することにいたしております。
#83
○沢田委員 続いて、第三種の飛行場であります。いまは主として第一種、第二種に該当するのであろうと思うのですが、第三種の飛行場が現在十八ですか十七ですか、一つ加わって十八くらいあるんでしょう。第三種の飛行場について、管理者がこれは違ってくるわけですね。管理者が違ってくる場合も、いままでいろいろここでやり合ったことが適応するという保証はありますかどうか、ちょっとお伺いしたい。
#84
○松本(操)政府委員 第三種空港の設置管理者はほとんど地方公共団体でございます。したがいまして、空港設置管理者としての仕事といたしまして騒音関係、周辺対策を含むという考え方を従来一貫して貫いてきておりますし、今後ともそういうふうな考え方を貫いてまいりたい、このように考えております。
#85
○沢田委員 貫いてまいりたいということは、いま私の質問に的確にお答えいただきたいのですが、国が行うべきであろうし、これからまだいろいろ計画している、このいままでの討論なり質疑をしてきた経緯というものは、同時に第三種の飛行場の管理者についても適応する、こう解してよろしいのかどうか、それはイエスかノーでお答えいただきたい。
#86
○松本(操)政府委員 イエスかノーかとお答えするとちょっと正確を欠きますので、御説明を加えさしていただきたいのでございますが、いままで議論になってまいりました空港は、騒音防止法にいいますところの特定飛行場についての議論というふうに御理解いただければよろしいわけでございます。特定飛行場というもの自身が「運輸大臣が設置する公共用飛行場であつて、」云々、こういうふうに頭にかぶっておりますので、地方公共団体が設置する飛行場については特定飛行場という概念は実はないわけでございます。しかし、空港の設置管理者として当該空港に関し、その運用を全からしめるためには周辺対策というものが不可欠であるという原理は、空港の種別が変わっても変わるわけはございませんので、従来ともそういう考え方で地方公共団体にお願いをしてまいりましたし、また、たとえば着陸料のようなものは全部これは地方公共団体に入っておるわけでございますので、そういうものを財源にしてしかるべき処置をとっていただく。もちろん一種のコンター、二種の線引きというふうなものはございませんけれども、そういうことを念頭に置いて周辺対策をやっていただく、こういうふうな趣旨でお答えしたわけでございます。
#87
○沢田委員 続いて自治省にもおいでをいただいておりますから、この基地周辺地区の問題と関連をいたしまして、いわゆる基地というものの存在によって受ける被害ということで、第一には基地交付金というものが交付をされております。これは固定資産税に見合うものであるという一般的な評価となっております。しかし、これは近隣の類似価格に合わせる、こういうことにもなっているわけでありますが、現在が近隣の類似価格に合っていると考えておられるのか、そうではなくて相当割り引いて評価をしているということに、意識的に割り引いているかどうかは別問題として、割り引かれた結果となっていると判断をされているのか、自治省からお答えをいただきたい。
 同時に続いて、調整交付金があります。この調整交付金は、今日金額が一般的にドルベース、こう言われておるのでありますが、いわゆる円高によって調整交付金それ自体が引き下げられてきているという結果を招来している。こういう形について、これも基地周辺の環境整備についてと関連いたしますので、さらに加えてお答えをいただきたい、こういうふうに思います。
#88
○渡辺説明員 まずお尋ねの基地交付金の関係からお答え申し上げます。
 基地交付金は、先生いま御指摘のように固定資産税の代替的性格、それから基地所在市町村はいろいろな財政需要がありますので、その財政補給金的な性格を持っております。
 評価でございますが、これは国有財産としまして台帳価格によっております。そこで御指摘のように、五十一年に台帳価格の改定がありました当時は、大蔵省当局もいろいろこの点についてお考え、御配慮がありまして、大幅な改定がありまして、またその方針は、周辺の相続税の評価であるとか固定資産税の評価と均衡をとるような形でということもその方針の中にありまして、均衡のとれるような形で改定が行われました。しかしながら、五十四年度の固定資産税の評価がえという時点になりますと、場所によりましてはその後の上昇度合いが違いますので、その後もそう均衡が崩れてないところもあるかわりに、先生御指摘のようなことになっているところもあると思います。そこで次の台帳価格の改定は、五年後というのがいままでのやり方でありますので、五十六年ということが予想されますので、そのときには前回五十一年と同じような方向といいますか考え方で台帳価格の改定ということが行われることを私どもとしては期待をいたしております。現実問題としては、その差というのは一律ではございませんで、場所によってほぼ均衡のとれているところ、少しく差が開いてきているところがあると存じます。
 次に調整交付金でございますが、米ドル資産でございます。しかしこれの換算は、実は三百八円当時やりましたそのままでやっておりますので、先生御心配のような、為替レートが変動相場制に入って、変動するたびに交付金の基礎がそのことによって減少する、こういうことは防いでございますので、今後ともその方向でこれは見守っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
#89
○沢田委員 では最後に、さっき伊藤委員からもいろいろ質問されましたが、私が会社の損益計算書その他を拝見いたしてまいりますと、これは運輸省が所管をしているのだそうでありますが、為替益を計上した企業もあれば計上しない企業もある。具体的に為替益が載っている限りにおいては、たとえば日本航空の場合五十三年度で為替益は六十億、全日空は為替益は一応計上されてなかった、それから東亜国内は一億七千万円、あと端数は切り捨てますが、為替益が計上されておりましたが、この点のいわゆる計上についてどういう指導というものをなさったのかどうか。
 時間がなくなりましたから、もう一つ申し上げます。
 これは若干事務レベル段階において私の意見と食い違っておりましたけれども、日本航空は資本が政府が半分出しておるわけでありますから、言うならば半官半民という文字どおりのものでありますが、今日の経済情勢の中で五十二年度末において、借入金が長期が千百九億、それから短期が二百五十九億、計千三百六十八億に対して支払い利息が百三十九億。五十三年度末がいわゆる長期が九百六十三億、だからこの意味においては二百億弱長期の分が返済されているわけですが、短期が百七十九億で支払い利息は百十八億。今日の経済情勢を考えたときのこの管理運営の状況から見て、果たしてこれが妥当なものなのかどうかということについてはきわめて問題があるような気がいたします。
 全日空は、五十年が長期が九百九十七億に対して短期が二百五十六億、千二百五十三億の借金に対して百四億というパーセンテージになっております。五十一年度は八百七十四億としてやはり百億程度元金返済をしまして、二百四十億の短期で百億の利息を支払っています。五十二年度は六百九十一億、これもやはり為替益等があったからでありましょうが、二百億元金が返済されておりまして、百六十六億の短期になって七十三億償還をいたしております。
 日本航空と全日空を比較しますと、経営努力というものだけを考えてみますと、全日空の方が非常に経営努力を行っている、計数だけを見まするとそういうふうに評価できるわけです。東亜国内に至っては、これは小さな会社でありますけれども、五十一年度末で二百九十九億の長期と七十六億の短期、三百七十五億に対して三十二億、五十二年度が三百五十億の長期で、五十三年度も二百五十億、こういうことで、これは長期がなかなか減らないですけれども短期も余り減らないで、二十九億、二十三億という支払い利息を払っております。
 そうすると、東亜国内航空の運営というものは、円高であり為替益等がありながらもほぼ同じ状態が継続されている。日本航空の場合は改善をちっともされていない。それから全日空の場合は非常な努力の跡が見られる。これは一つの見方でありますけれども、そういう評価も可能だと思うのであります。これらについてどう運輸省としては指導監督に当たっておられるのか。今度ここで上がるということになりますと、便乗値上げもあり得るわけでありますけれども、値上げがないと私は解します。この経営から見て値上げはあり得ない、こういうふうに私は解釈いたしますけれども、どのような指導監督に当たられる予定なのか、また当たっているのか、その点お聞かせいただいて私の質問を終わりたいと思います。
#90
○松本(操)政府委員 まず、前段に御質問のございました為替差益の問題でございますが、これらにつきましては、私ども特にどうこういう意図を持って指導ということではございませんで、通常の経理処理の仕方のままで、為替差益があるものはあるように記入されるようにするべきだと考えております。日航の場合に出てまいりますのは、通常の経常収支の場合には大体三〇%程度の外貨の買いと外貨の売りとがございますので、差益と差損とがおよそ相殺をしてしまう。したがって、そこに先生がおっしゃいました六十億という数字は、これは長期の借金、外貨で借りているもの、つまり航空機の借金、これが年度当初に当時のその時点の為替レートで一応計上をいたしました。年度末に精算をいたしました時点において円高の傾向が出てまいりますものですから、そこにおっしゃるような差益というものが出てくる。これは他の二社についても同様な形で出てまいっておるものと私は思います。ちょっといま細かな数字について逐一御説明するだけの資料を持ち合わせておりませんので、申しわけございませんが、そういうことであろうかと思います。
 それから第二点の借入金の点及び会社の経営改善努力につきましては、特に御指摘のございました日本航空については、かつて赤字に転落したこともございまして、その時点においては、航空機の購入を差し控えさせるというふうなこともいたしました。その後ようやく黒字傾向を示してまいりましたので、また航空機の増強あるいは代替というふうなことに踏み切ったわけでございまして、そういうふうなものはかなり大幅に効いておるのも事実でございますが、それはそれとして、また別個に体質の改善という点については私どもも積極的に努力をしてもらうべきだ、こう考えておりますので、折に触れて私どもは事務的にあるいは会社の幹部を呼びまして、いろいろとこの点についての努力を要求しておる、こういう事態でございます。
#91
○沢田委員 以上で終わります。
#92
○加藤委員長 午後一時四十分に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五十一分休憩
     ────◇─────
    午後一時四十六分開議
#93
○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午前に引き続き質疑を続行いたします。坂口力君。
#94
○坂口委員 航空機燃料税法の一部を改正する法律案について質疑を行います。
 大臣、きょうはせっかくお出ましを願ったわけでございますけれども、少々出番が少ないのでお手持ちぶさたと思いますので、二、三初めに大臣に御質問を申し上げて入らせていただきたいと思います。
 今回の趣旨説明を見せていただきますと、空港整備財源の充実ということが一つうたわれているわけでございます。今回のこの引き上げは、いわゆる航空機の燃料そのものでありまして、決して航空機を利用する利用者に対する旅費の値上げとは違うわけでございますけれども、しかしこの燃料費の引き上げが、直接それが結びつかないまでも、将来のことを考えますと、程度の差はあれ値上げに結びついていく可能性は十分に考えなければならないわけであります。そのことを考えますと、国鉄等の取り扱い等も含めまして考えましたときに、やはり受益者負担の原則というものがその底流に貫かれている、こう考えるわけでございます。今後の財政運営あるいは予算編成上、こういった受益者負担の原則というのをさらに強く推し進められていかれるおつもりかどうか、その辺の基本姿勢についてまずひとつお聞きをしておきたいと思います。
#95
○金子(一)国務大臣 坂口さんの御質問、なかなかこれはむずかしい問題でございますが、今度の引き上げの直接の原因になりましたのは、坂口さんも御承知のとおり、騒音対策その他空港整備事業の拡充計画で相当大きな財源が必要となっておりますから、それに対応させようということと、創設当初からまだ全然税率をいじっていないものですから、税自体が非常にウエートが小さくなってきているという点を考慮して上げようということですが、すぐこれが運賃の引き上げその他に影響するかと申しますと、今朝来の答弁にございましたように、これはある程度各航空会社の経営努力によって吸収できるんじゃないかというふうに私どもは考えておりますが、しかし、これからの物の考え方としては、やはり受益者負担ということを根底に置きながら考えていかざるを得ない、だんだんそういう情勢になりつつあることだけは事実だと考えております。しかしだからといって、急激に全部受益者負担でやれるということは、これはできることじゃございません。時期、程度につきましては、国民生活の実情に即したように段階的に考えていったらいいんじゃないか、こういうふうに考えております。
#96
○坂口委員 いまおっしゃいますように、非常にむずかしい問題であるわけでありますが、むずかしい問題であるだけに基本原則というものをやはり明確にしていただきたいとも思うわけでございます。受益者担という考え方も確かにございますけれども、細長いこの日本列島を考えてみましたときにも、たとえは北海道の方とかあるいはまた九州の方というのはいろいろの面で弱い立場にあるわけであります。こういう立場をどう言うのか、私は地理的弱者と呼んでおりますけれども、この地理的に非常に弱い立場の地域の人たち、たとえは国会議員のわれわれの同僚でも北海道の方だとか九州の方というのは、他の地域の人々と同じように活動しようと思いますと、やはり航空機も利用しなければならない。東京やその周辺の人たちに比べますと、犠牲もまた非常に多いわけでございます。そういうことを考えましたときに、やはり受益者負担という原則を非常に強く推し進めていきますと、そういうふうな意味での住んでおります地域における不公平というものがそこに出てくるわけでございます。これは国会議員の場合等は特別な場合でございますけれども、これが一般の住民の人たちの面になりますとさらに深刻な面も出てこようかと思います。
 そういうふうな意味で、この考え方にはしかし限度があると私は主張したいわけでありまして、今回のこの航空燃料の税率の引き上げの問題につきましては、これはその一過程での問題なのか、今後これがさらに進んでいく過程での問題なのか、それともこれはこの辺でとまるべきところに位置する問題なのか、それはよくわかりませんけれども、しかし国鉄の赤字再建の問題等も含めて考えました場合に、とみに議論になりますのは、この受益者負担の考え方であります。しかし、そこには限度があるわけでありまして、そのことを十分に認識をしていただいているかどうかということをもう一度答弁をいただいて、次に入りたいと思います。
#97
○金子(一)国務大臣 坂口さん御指摘のように、受益者負担の原則といっても、やはりそのときそのときの社会経済情勢によっておのずから限度が決まるべき問題でございますので、そこら辺のことは十分考慮しながら今回の税率の引き上げをお願いしておる、こういうふうに御了解いただけば結構でございます。
#98
○坂口委員 まだ言いたいこともございますけれども、随時具体的な中でまた触れさせていただきたいと思います。
 今回の改正理由として、航空機燃料に係る税負担の現状とそれから空港整備財源の充実という二つの理由が挙げられているわけでございますが、今回それがいままでの倍に引き上げられる、一〇〇%引き上げられるわけであります。三〇%とか五〇%とかいう引き上げならばわかるわけでございますけれども、一〇〇%という非常に上げ幅の高い引き上げでありまして、この計算がどういうふうになされた上で一〇〇%になったのかということをまずお聞きをしたいと思います。
 それから、わが国のガソリンとか石油とかといった燃料に対しましては、このほかまたいろいろな税負担もあるわけであります。これらの税負担との整合性といいますかそういった点から、どういうふうに位置づけておみえになるかということもあわせてひとつお聞きをしたいと思います。
#99
○高橋(元)政府委員 今回御審議をお願いいたしております改正は、ただいまお話のございましたように、一キロリットル当たり一万三千円の税率を二倍にするということでございます。二倍にしなければならないという理由につきましては、ただいま御質問の中でお話がございましたように、一つは空港対策の充実を図ってまいる必要がある、とりわけて最近、機材が大型化いたしますとか、空港周辺の居住状況が変わってまいりますとかいうことで騒音対策の拡充を図らねばならないということがございます。それに備えて一般財源を空港整備のために引き当てるといたしましても、現下の財政状況でございますので非常に狭い制約があるわけでございます。それで、従前から空港整備特別会計の歳入というものは、空港使用料に大きく依存しておりましたほか、四十七年以来は航空機燃料税、さらに、一般財源でございますが、航空機に係る通行税の相当額を念頭に置いて航空旅客から払われる通行税というものを一般財源としてこれにくっつけてやってまいったわけでございます。そこで、先ほど午前中にも運輸省から御答弁がありましたように、今後五年間に騒音対策として約三千億の財源が要る、さらに空港の整備事業も一層の拡充を図らなければならない、一つはそういうことを踏まえまして税率の二倍という算定をいたしたわけでございます。
 もう一つの根拠は、これまた税制調査会の答申の中にもございますし、坂口委員からもいまお話があったわけでございますが、航空機燃料価格の中に占める航空機燃料税の税負担というものが、四十七年の設定当初に約五割でございましたのが、その後航空機燃料価格の高騰に伴いまして三割を切るというような状況になりました。五十三年で申しますと大体三〇%になっております。そこで、税負担割合という面からも負担の増加をお願いいたす余地があるというふうに判断いたしまして、両々あわせまして二倍ということにお願いをいたしたわけであります。
 それから、原重油、石油製品についてかかっております諸種の税金がございます。国税で六通り、地方税で一種類でございます。これらについてほかとのバランスをどういうふうに考えておるかという御質問でございますが、これはたとえば揮発油でございますと道路整備財源に充てられる、それから航空機燃料税でございますと空港整備財源に充てられる、それからやや製品でございませんでLPGでございますとこれまた道路財源、軽油も道路財源ということに相なっております。原料段階でございますところの原重油関税、これは石炭対策と石油対策両方に回っておりますし、石油税は石油対策に充たっておるわけでございます。そういうふうに、税法自体が目的税として構成されているわけではございませんけれども、現実の歳入歳出の調理に当たりまして、一定の使途に税収相当額を振り向けるように法律をもって規定されております。これらは、道路なり空港なりそれから石油対策なり、そういうものの持っております国民経済的な意味ないし受益の程度からいたしまして、そういう石油製品を消費する方々または原重油の消費そのものに課税をお願いをいたして、それによって得られた財源をもって施策を進めていくということが相当である、そういう考え方から参っておるわけでございます。
 しかしながら、それぞれの対策に振り向けられますために必要な資金の大きさ、それと消費との割り算関係だけで税率を決めておるわけではございませんで、これまた揮発油の税負担率、これは今回、まだ委員会に付託になっておりませんが、祖税特別措置法の改正で二五%引き上げをお願いいたしておりますが、引き上げ後五割をやや切るぐらいの、四九%ですか、税負担率ということになります。それから、軽油でございますと、これは地方税法の改正でお願いいたすわけでございますが、大体三割でございますか税負担率ということになります。それぞれの末端での消費者のお払いいただきます価格の中にどのくらいの税が入っておるかということのバランスというものを見まして、両者あわせて全体の石油あるいは原油または石油製品にかかります税率の改定というものを私どもとしては考えておるわけでございますし、常時これまた財政の需要なり社会のニーズなり税負担の現状なり価格の状況なりというものを見ながら、それについてさらに改定の努力を重ねていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#100
○坂口委員 そういたしますと、現在の航空業界の運営、経営内容からして、今回の一〇〇%の税率引き上げは十分にたえ得る額である、こういうふうな認識のもとにやられたわけでありますね。
#101
○高橋(元)政府委員 これは運輸省からお答えいただいた方が適当かと思いますが、私ども承知いたしておりますところでは、航空機燃料税が航空会社の運賃収入に占めます割合は約五%というふうに聞いております。この状況は最近何年間か見ましても余り差がございません。一方で、最近の五十二年以来航空会社の経理の状況も好転をいたしてきております。そこで、航空会社の収益状況、コストの異動、それから申し上げましたような運賃収入に占める税負担の割合、そういうものを総合勘案いたしまして、私どもは現段階で直ちにこれが航空会社から航空運賃の形で乗客に転嫁される、それでなければ払うことはできない、そういう税率ではないというふうに判断をいたした次第であります。
#102
○坂口委員 同じ質問であります。運輸省の方、いかがです。
#103
○松本(操)政府委員 ただいま主税局長から御答弁ございましたように、現在の各航空企業の、国内線についてでございますが、運営状況をこの二年ばかりながめてみますと、非常に強い力で持ち直しをしてきておる。特に五十三年度上期の数字について見ますと、定期航空三社、国内の大手三社につきましては、いずれも黒字を計上しておるわけでございます。一方、燃料税の影響の度合いというものは、これもただいまございましたように約五%、こういうふうに考えられます。コストアップ分が五%でございますが、それが直ちにもって現時点において運賃値上げをしなければ対応できないというふうな、マージンのないものであるというふうには私どもも考えてはおりません。ただ、今後石油そのものが上がってくるとかそういったような外的要因もないわけではございますまいと思いますので、そういう点については今後の推移を見るということになろうかと思います。
#104
○坂口委員 今回の航空機燃料税の引き上げによります税収見込みでありますが、現在すでに第三次の空港整備五カ年計画がスタートしておるわけでありまして、あと五十四年、五十五年と二カ年を余すだけになっているかと思います。税収とこの計画というものについては密接な関係があると思うわけでありますが、当初の計画との関係において一体どうなのか、当初の計画からいって非常に数字的に足らなくなってきているのか、その辺のところの数字をひとつお教えいただきたい。
#105
○松本(操)政府委員 第三次の空港整備五カ年計画は、五十一年度から五十五年度までの五カ年間に九千二百億の事業量ということでスタートをしたわけでございますので、現五十三年度がちょうど中央年度、来年が四年目になるわけでございます。
 この第三次五カ年計画を実施するに当たりまして、特別着陸料を創設いたしますとか、あるいは各種空港使用料の引き上げをいたしますとかこういった手当てをすることによりまして、この特別会計の歳入面での充実強化を図ってまいりました。それによってなるべく当初の計画が計画どおり実施できるように努力を払ってまいってきたところでございます。
 五十四年度末まで、これは五十四年度は予算の状況での話でございますけれども、実質的に約七〇%の進捗率、このようにとらえてよろしいかと思います。しかし、これは数字の上での問題でございます。現実的に個々の空港について当初計画との整合性というものを見ました場合には、これは具体的になるので省略させていただきますけれども、多少の乖離が起こってきておるということは否めないと思います。その乖離が起こっておるというのは、進んでいる進んでいないという投下した予算の量ということではございませんで、当初の計画ではまだそこまで手をつけなくてもよかったのではないか、このように考えておりました空港について、何がしか前向きの手当てを講じなければならなくなってきておるというふうな面がございます。
 また、九千二百億の第三次五計の中で、三千五十億という額を環境対策費に投下するという予定を組んだわけでございますが、午前中の御議論にもございましたようにいわゆる全室防音、こういうふうなことに取り組んでまいるということになりますと、十一万世帯三千億という金がこれからなお必要になってくる、こういうことでもございますので、そういった実質面で多少現計画を修正せざるを得ないという状況にいま立ち至っているわけでございます。
#106
○坂口委員 そういたしますと、事業量が若干ふえる可能性がある、こういうことだと思いますが、いまあらあらの御説明をいただきましたが、大体この計画変更としてはどのぐらいなものをお考えになっていますか。
#107
○松本(操)政府委員 ただいま申し上げましたように、第三次の空整計画は九千二百億をもってスタートしたわけでございますが、いま私どもが考えております第四次の五カ年計画、これはまだ航空審議会において審議が始まったはかりでございますので、その詳細について云々するまでに至っておりませんけれども、去る一月に政府の方の中期経済計画として出てまいりました昭和六十年度までの二百四十兆の公共投資の配分比率というものについての審議会の中間答申が出ておりますが、これによりますと、空港建設部門に二兆七千五百億、このように数字が一応出てきておるわけでございます。この二兆七千五百億という数字をどの部門にどのように割り振っていくのかというのが、これからまさに第四次の五カ年計画の中心部分に入る問題となるわけでございますが、その中でも、繰り返し申し上げるようで恐縮でございますが、十一万世帯に対する三千億の民家防音工妻、これが五十八年までの話でございます。それから先この五カ年計画としては、五十九年度あるいは六十年度までのことをさらに先を延ばして考えなければならない問題もございます。
 それから、空港の建設といたしまして、現在手をつけながら完成がおくれております空港が幾つもございますので、こういう空港の整備をしていかなければならない。とりわけ、かねてから問題になっております新関西空港の建設、これは私ども六十年代の早い時期には完成させたい、こう考えておりますので、当然第四次の五カ年計画の中の大きな問題点となってまいりましょうし、さらには、現羽田空港を騒音から完全に切り離した形でもっと使い勝手のいい国内空港にしていくためのいわゆる羽田空港の沖合い展開問題につきましても、この第四次五カ年計画の中で検討をしていくことになろうかと思っております。したがって、いま詳細を申し上げる段階にはございませんが、以上、概略申し上げたようなことがこれからの計画の内容になろうかと思います。
#108
○坂口委員 第三次計画の中で防音対策の問題がございます。これはけさからの御議論にもございましたけれども、若干重複をいたしますけれども、私もう一つ聞かせていただきたいと思います。
 成田空港の周辺におきましては、民家の全室防音工事というものが始められているやに聞いているわけでございますが、日本の住宅の構造的なものもございますしいたしますので、なかなか防音工事によりますところの防音効果というものが非常に期待をしにくいという一面がございます。しかしながら、この防音工事というものは進めてもらわなければならないわけでございますが、四十八年の十二月に環境庁が示しました航空機騒音の環境基準は、これも午前中の議論にも出てまいりましたけれども、五年以内に八十五WECPNL未満ということになっております。屋内におきまして六十五WECPNL以下にするということになっており、十年後に六十WECPNL以下にする、こういうことになっております。この基準を達成するのはかなり厳しいことじゃないかという気もするわけでございますが、今回これだけ一〇〇%税金が引き上げになるわけでもありますので、これをどのように騒音面に対してつぎ込んで、どうなさるのかということの御計画をひとつ聞かせていただきたい。
 先ほど申しましたのは、昭和四十八年十二月二十七日に航空機騒音に関する環境基準というのが出ております。そのことを申し上げたわけでございます。もう少し詳しく申し上げますと、新東京国際空港につきましては、十年以内を達成期間といたし、改善目標といたしましては五年以内に八十五WECPNL未満とすること、または八十五以上の地域においては屋内において六十五WECPNL以下とする、こういうことになっております。ちょっとお答えいただきたい。
#109
○松本(操)政府委員 ただいま先生おっしゃいました四十八年暮れに出ました環境庁の航空機騒音に係る環境基準、これの実行ということを私ども行政の中の一つの大きな柱にしてまいったわけで、先ほど申し上げました数字の第三次五計の中の九千二百億中三千五十億を環境対策費に投入したというのも、この達成を実はねらって努力をしようとしたからにほかならなかったわけでございます。結果的な点につきましては、午前中にも多少申し上げましたが、すべてがすべてこの目標を達し得たというふうなことを申し上げる段階には残念ながら至っておりません。幾つかの空港において目標を達成し得なかったということを率直に認めざるを得ません。
 しからば、どういうふうな方法をとってきたかと申しますと、問題を解消する方法として二つの大きな方法がございます。一つは飛行機の音自身を下げることでございます。仮に飛行機の音自身が黙って五下がるといたしますれば、同じように飛行機が飛んでおっても、いまおっしゃいましたWECPNLは五下がってしまいますので、飛行機の音を下げるということが非常に大きな要因になってまいります。この点については、低騒音大型機と私ども呼んでおりますエアバスのたぐい、これは十ホン程度低うございますので、こういうものを積極的に導入したり、あるいは飛行機の飛ばせ方を工夫する、たとえば幾つかの空港におきましては、陸の方に向かっては安全上支障がない限りは飛ばさせない、全部海の方で処理をするというふうな作業をしてきておるわけでございます。
 もう一つの方法は、空港周辺対策といたしまして、民家を移転し、または防音工事を行うということになるわけでございます。民家の防音工事につきましては、すでに相当の額を投入して現在まで作業を進めてきたわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、全部が全部目的を達したと言い切れない。と申しますのは、従来の民家防音工事は通常の場合一世帯において一室という形でやってきております。もちろん家族数の多いところは二室にしておりますけれども、平均的には一世帯一室であります。これをもって十分な民家防音対策を講じたと言い得るかどうかというふうな点が非常に問題になってまいりまして、五十四年度の予算からは、いわゆる全室防音と申しておりますけれども、最大五室までを防音の対象にする、人数に応じてでございますが、そういうふうな新しい方向に踏み切ることにしたわけでございます。
 したがって、今後の空港周辺対策といたしましては、まず従来八十五という数字を一つの目標にしてきましたのを五下げまして、八十ということを当面の目標にしたい。そして八十までのところについて、民家につきましては全室防音工事を鋭意行っていく。一方、もちろん音源対策の方もこれと並行して進めていく。さらに五十八年の暮れの時点で七十五という目標が出てまいりますので、その残り、八十から七十五までの五下げる部分につきましては、防音工事等も現在のものよりはある程度簡素化できるのではないだろうか。つまり、もともとの音が小さくなりますので、防音工事のありようもある程度は簡素化できるのではなかろうかというふうなことを念頭に置いて、いまいろいろな技術的な検討をしておるわけでございます。そういうことの積み重ねで、五十八年までには七十五という目標をぜひとも達成するようにいたしたい、このように考えておるわけでございます。
#110
○坂口委員 特に大阪空港周辺の騒音防止事業というのはすでにスタートしているわけであります。大阪に限りませんが、東京空港以外の大阪を初めとする騒音地域のところにおきましてはすでにスタートをいたしておりますが、これはいまおっしゃったように、一室ないし二室の防音工事ということになっていたわけでございます。今回から始められるのはそうじゃなしに、もう少し全家屋的あるいはいまおっしゃったように五室程度というふうな程度に大きくされるわけでありますが、いままで一室または二室で済んでいるところをどうなさるのかということをちょっと伺いたい。それが一つ。
 それから続けて伺いますが、先ほども御答弁いただきましたように、航空機騒音発生源対策というものが大事だということをおっしゃった、確かにそうだろうと思います。皆さん方の方から資料をちょうだいいたしまして見せていただきますと、確かに幾つかの項目がございます。それで中には、低騒音機の導入ということで、B747とかDC10とかあるいはL一〇一一ですか、こういった低騒音機を購入するというふうに書かれておりますが、これは新しく機材を購入されるときにはこういうふうなものを買うという意味だろうと思います。それからそのほかに、エンジンを低騒音化するのに改修を指導するというのがございますが、これはエンジンをかえるということになればお金はかかるわけでございますが、そのほか発着便数の削減でありますとか、発着時間帯の規制でありますとか、こういったことは余りお金はかからないわけですね。あるいはまた、風向きによって旋回している場所を選ぶとか、中には着陸に際して足を下げるのをできるだけ遅くするとか、こういういろいろなことが書いてございますが、この足を下げるのを少々遅くするということだけでそうお金がかかるわけではないと思います。こうして見せていただきますと、項目がたくさんございますけれども、お金のかかるものは存外に少なくて、お金のかからない、足を下げるのを早くするとか遅くするとか、あるいは旋回しておる場所をどこに選ぶとかいうようなものが比較的多いわけでございます。航空機騒音発生源対策としてはこれぐらいしか考えられないのだろうかという気もするわけでありまして、低騒音エンジンの開発だとかいうような基礎的な研究開発ということにもう少し力が入れられないのだろうかという気が私ども素人考えでするわけでございますが、この研究開発費というようなものを大体どれほどお組みになってこういったことをおやりになっているのかどうかということも、あわせて御答弁いただきたい。
#111
○松本(操)政府委員 まず前段の、すでに一室、二室の防音工事を終わった世帯についてどうするのかという点につきましては、これは当然のことながら、今後新しい方式を適用していくわけでございますので、これから新しく対応する方と同様の扱いをしてまいります。ただ、すでに一室または二室が済んでおりますので、それを含めて合理的な方法で残りの部屋をどうしていくかというふうな設計上の工夫は要るかと思いますけれども、基本的な考え方において変わりはございません。
 それから後段の方の御指摘の、音源対策としてもっと積極的な研究開発をすべきではないかということ、貴重な御意見でございますし私どももできることならそうしたい、こう思うわけでございますが、しかし残念ながらわが国におきまして、これらの航空機に積んでおりますような推力が二十トンにも及ぶような大きなエンジンというものは全くつくられていないわけでございます。
    〔委員長退席、稲村(利)委員長代理着席〕
したがいましてたとえば通産省におきまして、ビッグプロジェクトの一つとして低騒音の中程度の推力のエンジンの開発ということにいろいろと予算を投じておいでのように承っておりますけれども、私ども運輸省の立場といたしましては直接的に、つまり航空機の生産行政が所管外であることもございまして、直接的に航空機のエンジンそのものの改良に予算を投下するというふうなアプローチの仕方は非常にしにくい立場にもあるという点はひとつ御理解いただきたいと思います。
 ただ、先ほどのいろいろな例示におっしゃいました飛行機の飛ばせ方については、確かにでき上がってしまえば金のかからぬことではございますけれども、この方法が安全上支障がなく、かつ騒音防止上効果があるということを確認いたしますのには、やはり相当の手間暇をかけておるわけでございまして、国の予算として幾らというようなことではなくて、各航空会社に積極的にこれらの実験に協力をさせるという形で、かなりの時間をかけて開発していった手法でございますので、そう安直な問題でも実はなかったようでございます。大変むずかしい問題だったように聞いております。
#112
○坂口委員 金がかかってないから意味がないということを申し上げているわけでは決してございませんで、それはそれなりに大変意味のあることであろうと思います。また、金をかけずにできることであるならばそれに越したことはないわけでありまして、私はその点は十分に認めた上で発言をしておるわけであります。そのほかに金のかかることではやっておみえにならないのですかということをお聞きしたわけです。
 それから次に、問題を移らせていただきまして、輸入航空券の問題でございます。
 特に昨年の円高ドル安に際しまして、安い輸入航空券が出回りました。これに対しまして、輸入航空券というのは航空法あるいは旅行業法に違反するので販売しないようにという通達をお出しになったということでございますが、東京−ニューヨーク間の運賃が米国で購入すれば約七百ドル、東京で購入すると千百ドルというふうに非常に差が出たということは、これは問題は問題としてやはり残るのではないか。航空法だとか旅行業法だとかいうものとの絡みはありましょうけれども、これだけの差が出るということは問題なしとはやはり言えない。何とかこれは解決をしなければならない問題ではないか、こういうふうに思うわけでございますが、それに対して運輸省はどう最近の見解として思っておみえになるかということをまずお聞きしたい。簡単にお願いします。
#113
○松本(操)政府委員 いま先生おっしゃいました輸入航空券、いわゆる輸入航空券と言われておりますのは、先生がおっしゃいました日本発を円で買って、たとえば帰りをドルで買ってくるというのとはやや違いまして、たとえばソウル発東京経由サンフランシスコ行き、こういう切符をどこかのエージェントが入手してまいります。ソウルで買ってくるわけです。そしてソウルと東京との間を使いませんで、日本から先の部分を使うという形でございますので、これは常識的に見ましても余り適法、合法だとは言いがたい問題ではある。ただ、そのような問題が起こってまいりましたのは、御指摘の円高による方向別運賃格差という問題でございますので、これを解消するという目的で、まず日本−ヨーロッパ間の往復運賃について一〇%値引きをするということにして、これを二月一日から発効させました。それから日本−オーストラリア間の運賃につきましては一五%値引きをする、これは二月十五日から発効の予定でございます。さらに、日本−アメリカ間につきましても同じく一五%の値引きをするということで、わが国としては認可をしたわけでございますが、相手国のアメリカ政府が認可をいたしませんので、残念ながら発効していないというのが実情でございますが、私どもといたしましては、このような余り合法的と言えないような航空券が輸入されてまで販売されるというのは、やはり運賃構成に常識的でないものがあるからだという点は重々承知をしておるつもりでございますので、そういう意味において、いま申し上げましたように往復運賃の、これは割引という制度ではございません、値引きという形でございますが、こういう形で、実際に日本から出発される旅客がわざわざ不便をして行き先で外貨建ての帰りの切符を買うというふうなことをしなくても、ほぼ同じ運賃で往復できるというところまでは手当てをいたしたわけでございます。
 そういうこともございますので、先ほど先生のおっしゃいました通達と申しますのは、この種の要するにソウル発云々といったようなたぐいのものは航空法に照らして適法でない、こういうことを航空会社に対して警告を発したという形でございまして、積極的にこれを取り締まるとかなんとかいうところまではまだ現在突き進んでいないわけでございますが、一応合法的でないということだけははっきりさした。それと同時に、あともう少し各種の割引運賃の導入というものも積極的に図っていきたい、このように考えております。
#114
○坂口委員 公取の方にお見えいただいていると思いますが、いま申しましたように、昨年激しい円高ドル安に見舞われまして、いろいろの方面に影響を与えたわけでございますが、この航空運賃もまたその中に含まれるものの一つであろうと思います。
 国際線の運賃についてでありますけれども、いわゆるIATAで決められました一ドル二百九十六円というものが守り続けられまして、一ドル二百円を切った時点におきましてもそのレートで進んできたという経緯があるわけでございます。ここに問題があるのかないのかということについて、公取の立場からどのように判断をしておみえになるか、ひとつお聞きをしたい。
#115
○加藤(二)説明員 円高と国際航空運賃との関連につきましての御質問でございますけれども、公正取引委員会といたしましては、IATA、国際航空運送協会が実勢から著しくかけ離れた換算率、ただいま御指摘のありましたように一米ドル二百九十六円を採用していること等は、不公正な取引方法に該当し、独占禁止法第十九条に違反するおそれがあると考えまして、五十二年十二月二日、運輸省に対して日本航空等を指導するように強く要望した次第であります。最近の動きを見てみますと、先ほど航空局長からの御説明もありましたが、日本航空等は往復運賃の引き下げ等、国際航空運賃を是正しようとする動きが見られております。
 本件は、何分にも運輸省の認可にかかわる問題でありますので、第一義的には運輸省にゆだねられる事項であると思われますので、当委員会としては、今後とも運輸省の指導の状況を見守っていきたいと考えております。
#116
○坂口委員 もう一つお聞きしたいと思います。
 これは将来の問題としてでございますけれども、特に先進諸国におきましても、OECDあたりはエネルギーだとか金融だとかというようなものとあわせて独禁法適用除外ということについても検討しておるというようなニュースも流れておりますし、また米国におきましても、今年の一般教書の中で若干それに類似したことが触れられているわけでございます。今後の問題として、そういった適用除外にするのが妥当かどうか。私もいいとか悪いとかということを申しません。そういったことに対する検討の余地があるというふうにお考えになっているかいないか、それだけひとつお答えをいただきたい。
#117
○加藤(二)説明員 御質問のように、OECD等におきまして独禁法に対する適用除外等の検討もなされております。
 われわれといたしましても、そういったいろいろな動き、情報等をフォローいたしまして、わが国には国内行政官庁もあることでございますので、十分協議してそういった状況を把握してまいりたいと思っております。
#118
○坂口委員 先ほどの御答弁の中で、五十二年の十二月二日に運輸省の方に公取としての意見を出されたということでございますが、そうしますと、これで一年有余たっているわけであります。運輸省としての対応としてはいささか遅きに失した。外国との関係もございますので、国内の許認可だけではいかんともしがたい問題もございますけれども、しかし若干対応の仕方もまた遅かったのじゃないか、こういう気がいたしますが、どうですか。
#119
○松本(操)政府委員 五十二年の十二月に公取の方から口頭でお申し越しがございました。五十二年の暮れに実は、当時日本発の円建て運賃に課せられておりました四%のサーチャージの撤去をいたしました。つまり四%の値下げをしたわけでございます。それから五十三年中に、正確な日付をいまちょっと私メモを持っておりませんが、日本とヨーロッパ間の運賃につき、日本側の運賃を下げヨーロッパ側の運賃を上げる、それによって格差を是正するという方式を三回にわたって実施をいたしました。それなりの成果を上げ得たかと思っております。
 ただ残念ながら、日米間の運賃につきましては、米側が独特の論理を振り回してドル建ての運賃を上げるということを認可いたしませんものですから、さりとて、一方的に当方が下げるというのでは、これはまたちょっと競争上不利になるということもございまして、日米間の運賃については遺憾ながらその点の是正がきかないまま今日に至っているというのが実情でございます。
 さらに今年になってから、先ほど申し上げましたような往復値引を導入した、こういうことでございます。
#120
○坂口委員 少々時間がなくなってまいりましたので、次に進ませていただきます。
 航空機燃料譲与税の問題でございますけれども、これは市町村の仕事にならざるを得ないと思います。航空機燃料譲与税につきましては、その使途につきまして、空港周辺の騒音防止対策あるいは空港周辺の道路、下水道、公園等の環境整備対策が主であろうと思います。
    〔稲村(利)委員長代理退席、委員長着席〕
あるいはまた、災害が生じたときに対します対処の方法だとかというようなことにも影響してくると思います。
 今回都道府県にもこれが拡大されたわけでありまして、それにはそれなりの評価を私どももいたしますけれども、全体の割合が十三分の二という割合はいままでと同じでございます。変わっていないわけでございまして、今回一〇〇%の引き上げということで、この機会にこうした割合についても、いままでの過去を踏襲するというのではなくて、やはりもう一度ここで考え直してみる必要があるのではないか、私どもこういう感じがするわけでございます。それはあくまでも仕事の内容との絡みでございますし、どういった点を市町村に任せるのかということにもかかわってくる問題でございますけれども、しかし、この点について一考を要するときに来ているのではないかというふうに考えるわけでございます。
 たとえば道路一つをとってみましても、空港に直通いたします国道なら国道というものは、当然国道でありますから国の方になってまいりますけれども、しかし、その周辺に出ますとすぐに県道ないし市町村道というものがあるわけでございます。整備状況等を見ますと、国道の場合には九〇%が整備をされておりますけれども、県道になりますとそれが八〇%から九〇%の間、それが市町村道になりますと二〇%に達するか達しないかというような非常に格差があるわけでございまして、そういった点を考慮いたしますと、今後その整備をいたしますのに市町村段階のところのものに非常にウエートがかかってくるのではないか、その辺のところをより多くめんどうを見なければならないのではないかという気がするわけでございますが、その点いかがでございますか。
#121
○加藤(隆)政府委員 五十二年の実態を調べてみますと、国がやっております仕事が大体千二百億ぐらい、それから公共団体の方が、府県、市町村合わせまして百二十億ぐらいになっております、端数はございますが。大体この割合を見ますと、十三分の十一なり十三分の二なりが――大体〇・八四五でございますが、いまの数字で見ますと、国が大体〇・九ぐらいになります。国の方が少し多いようでございますが、まあ大体現在十三分の十一、十三分の二というあたりに来ておるというような感じになっております。国と地方との関係はしたがってこういうような感じでいいのではないかというふうに思うわけでございます。
 それからもう一つ、お話の中にございます県と市町村の問題がございます。これは、最近見ておりますと、県の方が大分いろいろなことをやり出しておるわけであります。と申しますのは、周辺の土地の総合利用というような観点で仕事が少し広範なものが出てきておるというような現象があるわけでございます。そこで昨年、県の方に十億、特例交付金というものを出したわけでございますが、その際地方の方の十三分の二の部分が、市町村分が大体四十億だったわけでございます。そこで本年見ますと、いま御審議をお願いしております法案どおりでやりました場合、府県の方が去年十億に対して十七億になる、それから市町村の方は去年四十億に対して七十億になるというような関係になります。これはただいま五十二年の例、最近時点五十二年がわかっておるわけでございますが、こういうようなことから見て、大体その仕事とマッチしているのではないか。それからこういう配分の背後には、当初四十七年に航空機燃料税ができました際に十三分の十一、十三分の二を決めた、そういう経緯的なものもございますが、私ども今回増税をお願いするに当たって、そういう仕事のあり方を調べまして、まあ大体こういうことではないかというふうに考えたわけでございます。
#122
○坂口委員 昨年までの実績は、それだけしか予算配分をしてないのですから、そうなっているのはあたりまえでありまして、だから昨年までの状態がそうだからことしもその割り振りにしましたというのは、これは当たらぬ話であります。これは主計局のへ理屈というものでありまして、余り当たらない話でありまして、まことにいただけない話でございます。――結構でございます、わかっておりますので。
 今回これで一〇〇%引き上げられたわけでもございますので、この際ひとつそのパーセントを検討してはどうかというふうに申しましたのは、いまもお話しになりましたように、昨年でありますと四十億、これはいままでの形でお出しになって、十億は別枠の方からお出しになったわけです。今度はその県の分も十三分の二の中から持ってくるわけですね。そうでしょう、十三分の二の中から県の分と市町村の分とを出すわけです。去年は十三分の二は市町村に行って、十億の県の分はよそから来たわけです、そうでしょう。ですから、パーセントからいくならばことしの方が厳しいわけです。そういうことですね。でありますから、これは仕事の内容等の絡みの問題もあります。先ほど申しましたように、現在整備をされてない状況のところを比べますと、道路にいたしましてもあるいは上下水道にいたしましても、そういったものを見ました場合に、やはり市町村段階のところでやらなければならないところがより多く残っているというこの現実、これから考えると、やはりこの配分というものに対しては検討しなければならぬじゃないかということを私は申し上げているわけでありまして、過去にやった仕事の量を比べると大体いいところにいっている、それはそのとおりでありまして、金をそれだけしか割り振っていないのですから、そうなっているのは当然であります。その辺のところをぜひひとつ考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。もう時間なくなりましたので、結構でございます、聞きましても大体よく似た答えでわかっておりますので、もうお聞きいたしません。ひとつその辺のところを十分御検討をいただきたいと思います。
 それから最後に、もう時間がなくなりましたが、航空運賃の問題です。最初にも申し上げましたけれども、一応これをお出しになったという背景には、上げなくともいけるという強い自信のもとに出されたわけでありまして、そのことにつきましては、主税局もそれから運輸省の方も、そうでございますという御答弁であったのですから、それはもういまさら申し上げるまでもないと思いますけれども、もう一度念のために聞いておきたい。
 安易にこの値上げに結びついてはならないと思います。大体五%ぐらいだということを申されましたけれども、五%とはいえ値上げの口実になる可能性は十分にあるわけです。最後に局長さんは、ただしと言って、ただしの一言をつけられたわけでありまして、外国との関係もこれあり、石油の値段が上がってくるということになればという言葉が、最後にただしとしてついたわけでありますけれども、そういうものにかこつけてこのことが隠れて出てくる可能性もあるわけであります。その辺はやはり厳しくチェックをされてしかるべき問題だと思います。いかがでございますか。
#123
○松本(操)政府委員 先ほど御答弁申し上げたことの繰り返しでございまして、ここで燃料税を引き上げたことが、それのみをもって直ちに運賃値上げの理由になるというふうには私ども考えておりません。
#124
○坂口委員 最後に大臣から、その辺につきましての所見をひとつ承って終わりにしたいと思います。
#125
○金子(一)国務大臣 いま坂口さんから御指摘の点は、関係省とも十分連絡をしながら最善の努力をして、安易な値上げにつながらないように努力してまいりたいと思います。
#126
○坂口委員 ありがとうございました。
#127
○加藤委員長 安田純治君。
#128
○安田委員 午前中から同僚委員がいろいろな角度から質疑を展開されましたので、重複する面もあるかと思いますけれども、若干お伺いしたいと思います。
 まず、この航空機燃料税の引き上げについて、地方への譲与をふやすことができないかどうかというような観点でもう再々質疑がされておりますけれども、この十三分の二を地方という配分割合、これはどういう理由で決めたものか、改めてお伺いをいたします。
#129
○加藤(隆)政府委員 国と地方の税源配分の問題でございます。これはそれぞれの実体法におきまして、これは国の仕事、これは地方の仕事というような書き方があるわけでございますが、この税法に関連いたします航空関係、空港整備関係の法律におきましては、運輸大臣が設置管理する空港があるわけでございますが、そういうものにつきましては国で仕事をやるというふうな考え方になっておるわけでございます。それで最近時、五十二年あたりを調べてみますと、国の方が大体十三分の十一やっておる、地方の方が十三分の二やっておるというような、実態面においてもそういう関係になるわけでございます。
 さらに、敷衍して申しますと、公共団体の方は何も譲与税をもらったその金額だけで仕事をやるわけではないのでございまして、これは譲与税法の方でかくかくしかじかの目的に充てるということが書いてございますから、そういうふうに使われますが、さらに道路なら道路で、それぞれ国から補助金をもらった場合には、地方の分担金を出すなりあるいは補助裏を持つなりして仕事をやるというような関係でございますから、仕事の配分と財源の配分、それから税源の配分、それぞれ問題が違うわけでございます。したがって、いまの十三分の十一という問題は税源の配分でございまして、これはあくまでも実体法における仕事の配分に即して税源が配分されてしかるべきであるというふうに考えます。空港の場合大部分、騒音対策等で問題になっておりますのは運輸大臣が設置管理するというようなものが多うございます。実態面においてもただいま申し上げましたような比率になっておるというようなことから、今回の場合も従来と同じような観点から、あわせまして従来どおり十三分の十一あるいは十三分の二といたしたわけでございます。
#130
○安田委員 いまのお答えにありましたように、騒音防止なんかが重点にされるということでありますけれども、これは施設などを設置すればそれで足れりというふうにはならないと思います。防音が完全に実施されるためには、クーラーとかあるいはヒーターが稼働されていなければならないし、維持運営費や修繕費が要るのは自明のことであります。学校などの電気代金もすべて自治体がかぶっておるというようなことになりますと大変な問題でありますし、民家は個々人がかぶっているわけになります。そういうことを考えますと、自治体の助成を強める必要があるのではないか。学校や生活保護世帯などは大変ですよね。税率二倍引き上げを行うというこの際に、これらの点も考えて地方への配分率を引き上げる考えはないかどうかということを重ねて聞きたいわけなのです。
 ですから、防音対策というか騒音対策、これは国の運輸省の方の守備範囲が大きいと言われますけれども、そういう防音施設、各家庭なんかの場合にも、いわばそういう維持費といいますか修繕費、ヒーター、そういったランニングコストといいますかそういうものもかかるわけですから、こういうことも考えますと、やはり地方自治体の配分を考えてやる必要があるのじゃないか。昨年、都道府県への配分に充てるために空港周辺整備促進臨時交付金、そして十億円を別途加算したわけですが、これは大阪府などの強い要望もあって、また共産党の荒木議員が当委員会でしばしば主張してきたようでありますが、それはそれで非常に結構なことでありますけれども、防音工事といういわば後ろ向きの後始末的な費用の需要が今後ともますます大きくなってくるのではないかというふうにも考えられるわけでして、こういうときにおいて、なるほど全体の枠を二倍にふやして、国の取り分だけ取り込んでいって、あとを市町村さらに都道府県が配分した、こういうことでは国はうまくやったわけだけれども、騒音公害防止に直面している関係自治体などにとってはまだまだ不足であるということになると思いますが、そういう観点から考え直して、十三分の二の配分をさらにふやしていくお考えがないかどうか、重ねてお伺いします。
#131
○加藤(隆)政府委員 国から金が出ましても、利益を得ますのは地域住民であり、国民であるわけでございます。事業主体が国であるかあるいは市町村であるかという差はございますが、同じ仕事を国がやるにしろ市町村がやるにしろ、利益する人は同じわけでございますから、ただいま申しましたように、ある空港が設置管理が運輸大臣になっております場合には、そういう運輸大臣の方でやる、だけれども、受益をするのは地域住民であるということでございまして、実態面から申しましても、現在お願いしておる法案でいいのではないかというふうに考えます。
#132
○安田委員 なるほど、受益といいますか、被害の補償と言う方が実態だろうと思うのですが、するのは住民かもしれません。しかし、この国の手当てだけでは十分でないという面があるのでいろいろ不満が出てくるわけでして、そういう点では、全国の知事会もこの要求について出ておると思うんですね。全国知事会の要望でも、航空機の問題についても総合的な環境保全対策を講ずる、こういうことで、補助率の引き上げ、補助対象の拡大など、国庫補助、負担制度の改善を要求しておるところだと思うんですよ。ですから、いまやっている国の施策でもう十分間に合っているんだ、どっちにしろ被害者である住民のところに行くんだというだけでは話が進まないと思います。
 加えまして、この税金ができるときの審議ですね、昭和四十七年ですか、この配分の不合理性は指摘されてきたところだと思うんですよ。当時の政府の御答弁によりますと、当委員会で高木文雄主税局長の答弁で、「過去の経緯だけでこれ」――これというのは十三分の二の配分率のことですが、「これを分けるということは、きわめて非科学的であるというのは、御指摘のとおりであろうかと思います。」非科学的だということを認めていらっしゃるわけですね。同じ日に同じ委員会で田中六助政務次官の御答弁を見ますと、「これ」というのは文脈上騒音防止を指すと思うのですが、「これは地方だけにまかせておる問題ではないし、また国が十分財政的な援助をしてやってこそいろいろ実現できる問題でございますので、その点、国として十分考えていこうというふうに思っております。」というのが、昭和四十七年三月十五日の当委員会の記録にあります。それから同月の十七日の当委員会での田中政務次官の御答弁で、「十三分の二という結論を得たわけでございますが、これが十分であるというふうには考えておりませんし、検討の余地はあろうかと思います。」当時もすでにそういうことをおっしゃっているわけですから、いまのお答えではどうも当時の「検討の余地はあろうか」というお答えとは変わっておるようですが、いかがですか。
#133
○加藤(隆)政府委員 四十七年に十三分の十一が決まりましたときは、恐らく昭和三十年に一万一千と二千円という揮発油税の背景があったわけでございます。御承知のように航空機燃料税の場合は、免税になっていた、それが四十七年に税金が新しくつくられるということになった、仮にその数字を置いてみたという背景があったのでそのような答弁になったと思うのでございます。今回もちろん、そういう経緯がございましたので、私どもといたしましては、実態について調べたわけでございます。再三になりますが、先ほど申しましたように、この二、三年来を見ますと、十三分の十一、十三分の二でいいのではないかというような実態を得たわけでございます。
 ここで一つ申し上げておきたいのは、仕事をだれがやるかということ、財源をどういうふうに配るかということ、それから税源をどういうふうに配分するかということ、これはそれぞれいろいろな角度からの議論があるわけでございます。繰り返しになりますが、今回の場合は、設置管理するのが運輸大臣である、したがって運輸大臣の責任でやるわけです。したがって、公共団体で仕事をおやりになるという問題もございますが、国が仕事をやらなければならない。国のやる仕事の量というのは、大体〇・八五とか〇・九、九割ぐらいはやっておるという背景があるわけでございます。
#134
○安田委員 いろいろおっしゃいますけれども、大体十三分のなどという奇妙な分母ができたのはまことに過去の経過そのものでありまして、どうしてもやはり高木さんが四十七年当時言われたように、非科学的といいますか非合理的な過去の経緯だけにこだわっていればそうなるということで、その後の実績を見ますとというお答えですけれども、われわれとしてはどうもその御答弁はいただけないように思います。時間がございませんので、ぜひそういう点で、今後の地方に対する配分の率を考え直してもらいたいということを強く申し上げまして、次の問題に移りたいと思います。
 次は、運賃への転嫁の問題で先ほど来各同僚委員からの質疑がございましたけれども、今回の航空機燃料税引き上げを機に運賃値上げをやろうという動きもあるようですが、その見通しはどうか、運輸省に伺いたいと思います。
#135
○松本(操)政府委員 先ほど来だんだんとお答え申し上げておりますように、今回の燃料税の引き上げによってコストに影響する分は五%程度、こういうふうに考えております。そこで、先ほどもお答えしたわけでございますが、五%程度のコストアップになる事実は事実としながらも、それのみをもって直ちに運賃を値上げしなければならないという事態に立ち至るとは私ども考えていないということでございます。
#136
○安田委員 先ほども坂口委員の質問に対してそういうふうに、それのみのというところにいやに力を入れていらっしゃるわけですが、こののみのという言葉がちょっとひっかかるわけです。そうすると、それ以外の理由もあれば、この航空機燃料税引き上げも含めて、ほかの理由と足せば、これは運賃の値上げを認めざるを得ないということなのか、今回の航空機燃料税引き上げは全く値上げとしては考えないので、それ以外の理由があった場合は別としてということなのか。のみのという言葉になるとちょっとそこにひっかかるのですよ。ほかに何かちょっと理由をくっつければ、つまり複合的理由にすればいいのか。のみのという言葉から逆に言えば、その中には今回の航空機燃料税引き上げも含まることになりますね。その辺がひっかかるのですが、いかがですか。
#137
○松本(操)政府委員 お答えの仕方がいささかまずかったのかもしれませんが、今回の引き上げによって運賃値上げの動きもあるようだが、こういう御質問でございましたので、私どもの理解としては、今回燃料税が引き上げられた、それですぐ運賃値上げだ、こういう議論になるとは全く考えていないという御説明をしたわけでございまして、もちろん運賃というものは、適正な原価、適正な利潤、それから国民一般の利便、他の交通機関との対比、いろいろな点を考慮して設定されていくべきものかと存じます。したがいまして、今後の推移の中においていろいろと付加的なファクターが出てくるであろうということは否めないと思います。そういうものを総合的に判断して、あくまで慎重にこの問題については取り組むべきではないか。これは中を幾つか分けていきますと、その中には何かあるかもしれません。その中の一つに実はこういうのがありますと、そのとき言うてくるかもしれません。しかし私どもとしては、いまそんなことは全く期待もしていないし考えてもいない、こういう趣旨で申し上げておるわけでございまして、運賃値上げの要素の中から燃料税の引き上げというものを全部取ってしまって、その残りのエレメントだけで運賃値上げを考えるのかという御質問については、運賃値上げの一般的なやり方として、コストがこれだけかかり、これだけ収入があり、需要がこうなり、他の交通機関がこうなりという対比の中で決めていくものでございますので、その部分だけを取ってしまってというのは非常に計算のしにくい話になろうかと思います。ただ考え方としては、何回も繰り返すようで恐縮でございますけれども、これがすぐ運賃値上げだという議論になるとは考えていない、こういう趣旨でございます。
#138
○安田委員 民間航空各社の経営状況を見ますと、年々の利用増大のもとで高収益を上げていると思います。ところが、昨年からの着陸料や航行援助施設利用料の引き上げというのがありますね。これに加えて今回の航空機燃料税の引き上げということで、まさにあなたのおっしゃるいろいろなファクターのうちの一つにこれが加われば、値上げということになるのじゃないかという観測がされているので心配するわけなのですよ。ですから、これのみのという答えがどうもその方にひっかかるのじゃないかと思って、ついしつこくお伺いすることになるわけです。
 私は一体どういうことになるのかと思って、いま各社の有価証券報告書などを調べてみました。経営上厳しさはある反面、日航では五十三年度には七機、全日空では五十三年度七機、五十四年度十機など、急速に過大とも言える設備投資をやっているようであります。これが減価償却費を増大させ経営を圧迫しているという面もあると思いますし、またこれが増便要求やジェット化を強めて、空の危険や航空機騒音を増大させている、そういう傾向に行くのじゃないか。特別償却や準備金や退職給与引当金による内部蓄積の増大も明らかだ。有価証券報告書から見ればどうもそういうようなことがうかがえると思います。政府としては、このような拡張促進の航空会社本位の航空政策や経営内容にも立ち入って考えてみた場合に、この航空機燃料税の引き上げが値上げの中の一つのファクターとして将来考えられるようなニュアンスもどうも答弁の中にちらちら見えるのでしつこくお伺いするわけで、これが引き金になってあるいはこれに別なファクターが足されて運賃引き上げとならないように十分に指導されるようにお願いしたいと思うのですが、御答弁はいかがですか。
#139
○松本(操)政府委員 先生の御趣旨は私どもも十分に理解するところでございますので、お話しのように、今後のありようについては私ども十分に企業を指導してまいりたいと思いますし、事を処するに当たってはあくまで慎重でありたい、このように考えております。
#140
○安田委員 時間も迫ってまいりましたので、あとは保安体制の問題について若干伺いたいと思います。
 世界の航空機史上まれに見るいわゆる大惨事である岩手県の雫石上空の衝突事故は、ことしで八年目になります。その後、空の安全ということがやかましく言われまして、安全施設は面目を一新したと言われるほどに措置されたと聞いておりますけれども、どんなことをなされたか、まずお答えいただきたいと思います。
#141
○松本(操)政府委員 雫石事故は四十六年でございますが、四十六年から発足いたしました第二次の空港整備五カ年計画の中に早速この教訓を取り込みました。
 まず第一にいたしましたことは、当時まで部分的にばらばらに行われておりました航空保安体制というものを、全国的に一つのシステム化するという一つの考え方をはっきりと立てました。次に、航空路についてレーダーを急速に整備することによって、従来のいわゆるマニュアル管制という耳だけに頼る管制からレーダーの管制に切りかえるということにいたしました。さらに、これらのデータの処理をコンピューターで処理をするということにいたしました。四番目には、やや旧式化しておりました無線航空保安施設というものを新型のものに積極的に切りかえるという措置をとることとしたわけでございます。途中にいろいろと社会情勢の変動等がございまして、計画はややディレーしたことを認めざるを得ませんけれども、現時点におきましては、八つの新しい航空路監視レーダーも全部運用を一応いたすところまで参っておりますし、コンピューターも異常なく作動いたしております。それから、新しい航空保安施設をつなげます新しい航空路も、五十三年度、本年度から三カ年計画で完全なものをつくろう、こういうことをいまやっておりますので、いまちょうど過渡的な時期といってもよろしいかと思いますが、さらに一層職員の訓練、技能の向上を図りながら、その最終目的をより早く達成できるようにしたい、このように努力をいたしております。
#142
○安田委員 いろいろ対策はされておるようで、その成果もあって、幸い大型機の事故は発生するに至っておりませんけれども、しかし、ニアミスなどの発生件数は一向に根絶されていないようにも思えるのですが、最近のニアミスなどの発生状況はどうなっているか、最近三年間で見るとどうなるか、お教えいただきたいと思います。
#143
○松本(操)政府委員 暦年で統計をとっておりますので、五十一年、二年、三年について申し上げますと、五十一年のニアミスレポートがございましたのが十五件、五十二年がやや減りまして十三件、五十三年がややふえまして十七件でございました。
 これらのレポートのうち、本当にニアミスと考えなければいけないのではなかったか、つまり、衝突等のおそれがあったと判断すべきではなかったかと思われますものが、五十一年において二件、五十二年において一件、五十三年において三件でございます。
#144
○安田委員 こうなりますと、五十一年から三年間で、まあ五十二年はちょっと減っていますけれども、五十三年はまた上がっているということで、傾向としては一向に減っていない。聞くところによると、東京管制部は一昨年二月に埼玉県の所沢に移転しておって、この移転は、単なる場所の移動にとどまらずに、以前のマニュアル管制からレーダー管制に切りかえるとともに、管制方式も関東空域を再編成するなど画期的なものとして、ニアミス騒ぎなど無縁の管制センターとして出発するということではなかったかというふうに思うのですが、機器が近代化されてもニアミスが一向に減らないのはなぜか、この点を若干説明していただきたいと思います。
#145
○松本(操)政府委員 いま御報告申し上げましたような数字から見ますと、御指摘のように、ニアミスの件数は横ばいと申しますか、減っていないということを認めざるを得ないと思います。
 ただ、内容的に見ました場合には、やはりエンルートと申しまして、空域関係の、つまりA点からB点へ行く途中の航空路上に起こっておりますニアミスにつきましては、五十一年に比べてそう大きな変わりが出ていない。また、IFRとVFRと申しまして、有視界で飛ぶものと計器飛行方式で飛ぶもの、この間のニアミスというふうなものを含めての数字でございますので、計器飛行同士で見ますと、これもまだ減ったというほど私、胸を張って言えないのですけれども、そう大きな変化はしていないわけでございます。
 そこで、どこが原因かと申しますと、やはり新しい機器を入れ新しいシステムを入れるために、相当の訓練をし、相当の慣熟期間を置いていま移ってきておるわけでございますけれども、まだ自家薬籠中と申しますか、完全に使いこなすと申しますか、そういうところには多少間があるということは認めざるを得ない。したがって、そのところは従来のマニュアル管制で補っておるわけでございますから、安全上いささかも支障があるとは私ども考えておりませんけれども、しかし、せっかくできた新しい機械を完全に使いこなしていくということが当然の最終目標でございますので、したがって今後は、それに適合した訓練のありようとか、あるいはいまおっしゃいましたような空域の編成のありようについての再検討とかいうふうなきめ細かな点に手を打ちながら、これらのシステムというものが一二〇%動くというところまで持っていきたい、なるべくそれを早く仕上げていきたい、このように考えております。
#146
○安田委員 安全に支障があってはとんでもないことになりますので、それはもう安全に影響がないんだというお答えでなければ困ると思うのですが、それにしても、あの雫石事故が大きな教訓となって、確かに近代科学の粋を集めたとも言える新システムの航空援助施設、つまりハード面の拡充強化、整備が図られてきたことは事実だと思うのですよ。ただ、それに対応した、それらの設備を有効に動かし保守管理する保安ないし保守要員の増員、それからいまあなたがお認めになったような研修、技術訓練などの人の面、これがおろそかにされてきている点が、一向ニアミスといいますか、先ほど言ったように、安全に支障はないんだとはおっしゃいますけれども、数の上で余り胸を張って言えるほどは減っておらぬとおっしゃることに影響しているのではないかと思うのですが、政府として、ニアミスをなくして安心して空の交通管制といいますか交通整理ですね、これがやれるように、この面で必要な増員や訓練、研修などを今後責任を持って措置していくべきだというふうに思うわけです。運輸省はそのためにどのような努力をするのかということをお伺いしたいのと、大蔵大臣も、それにこたえて必要なことをやっていくことをここでひとつ約束されたいというふうに思うわけです。
 時間が来ましたので、この二つをお伺いして、質問を終わりたいと思います。
#147
○松本(操)政府委員 御指摘のように、機械をつけましても動かすのは人でございますので、必要な人員の確保及び練度と申しますか訓練の徹底という点については、たとえば岩沼分校を置く等従来とも相当の努力をしてまいったつもりでございます。したがって、現在特に数が非常に足りないとかいうふうなことはないと確信をいたしておりますが、今後とも航空交通の状況に対応しながら、所要の人間の確保及び訓練、こういう点についてはおろそかにしないように十分努力をしてまいりたい、このように考えております。
#148
○金子(一)国務大臣 いま安田さんからの御指摘のございました点につきましては、私どもも全力を挙げて問題を起こさないように、再発しないように努力をさせていただきます。
#149
○安田委員 終わります。
#150
○加藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
#151
○加藤委員長 この際、関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、昨十三日質疑を終了いたしております。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直らに採決に入ります。
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#152
○加藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ─────────────
#153
○加藤委員長 次に、航空機燃料税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましては、先刻質疑を終了いたしております。
 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 航空機燃料税法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#154
○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
    ─────────────
#155
○加藤委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブを代表して小泉純一郎君外四名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、提出者より趣旨の説明を求めます。小泉純一郎君。
#156
○小泉委員 ただいま議題となりました航空機燃料税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提案の趣旨とその内容を簡単に御説明申し上げます。
 御承知のように、国際及び国内の航空輸送の増大等に伴い、航空機騒音の空港周辺に及ぼす影響は著しく拡大しておりますが、本附帯決議案は、このような空港周辺の現状にかんがみ、空港周辺における住民の生活環境の改善対策事業の強化拡充の実施に当たり、その適切な実施等を要請するものでありまして、内容の説明は、案文の朗読によりかえさせていただきます。
    航空機燃料税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 一 政府は、空港周辺における住民の生活環境の改善対策事業の強化拡充の実施にあたっては、地元の要望に適切にこたえ、かつ、行政のより一層の簡素合理化に努めること。
 一 政府は、その所要財源の充実にあたつては、運賃体系への影響を十分に配意すること。
以上であります。
 何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
#157
○加藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 お諮りいたします。
 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#158
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。金子大蔵大臣。
#159
○金子(一)国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意いたしたいと存じます。
    ─────────────
#160
○加藤委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#161
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
    ─────────────
#162
○加藤委員長 次回は、来る二十日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十二分散会
     ────◇─────
ソース: 国立国会図書館
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