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1949/04/26 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第39号
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1949/04/26 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 地方行政委員会 第39号

#1
第007回国会 地方行政委員会 第39号
昭和二十五年四月二十六日(水曜日)
   午後二時四十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○地方税法案(内閣提出・衆議院送
 付)
○理事補欠選任の件
○地方財政平衡交付金法案(内閣送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(岡本愛祐君) これより地方行政委員会を開会いたします。地方税法案を議題に供します。速記を止めて下さい。
   午後二時四十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後三時四十一分速記開始
#3
○委員長(岡本愛祐君) 速記を始めて下さい。
#4
○政府委員(奧野誠亮君) 「地方財政に関する参考計数資料(続)」の終りから十枚目を御覧願います。料金総括原価Aの欄で総計が五百三十六億三千七百三十七万六千円になつております。この中に地租と地租附加税が二千百幾ら、それから家屋税、電柱税、住民税、自転車税その他というふうなものが上つております。更に法人税として三億二千三百万、小計十七億七千五百万というものが、この料金総括原価の五百三十六億の中に含まれておるわけでございます。ところが現在事業税と取引高税について料金計算の上で加算の方式を採つておるわけでございます。御承知のように現行地方税法では総売上金額の二・四%ぐらいのものを標準といたしまして、電気ガス供給業者に課税するという建前を採つておるわけでございます。そこで物価庁の方で加算の方式として五円七十銭だけ加算をする、取引高税として四円七十五銭だけ加算をする、こういう態度が採られておるわけであります。従いまして單価として二百四十七円八十六銭という数字が出て参るわけでございます。ところが改正後はどうなるかというと、住民税の欄が註の一に上つておりますが、一億九千万のものが四千二百万に下ります。大体住民税は四・五分の一くらいになるという見方をいたしておるわけであります。それから自転車税その他で、雑税でございますけれども、これは三千七百万になる、これは五百万ぐらいで大勢には影響ございませんが、固定資産税の方が四十九億になるという見方をいたしております。これは四十九億になると見ておりますのは、註の三に書いてございますが、固定資産税については資産再評価による償却資産評価限度額一杯に一応再評価するものとして二千八百二億九千二百万円と見ております。これに対して一・七五%かけております。水利権等の無形償却資産は除いておりますけれども、その他のものは全部入れまして、限度一杯計算をしております。従いまして固定資産税はこれより低くはなりますけれども、絶対これを上廻ることはあり得ない数字であるわけでございます。それから附加価値税は四億二千九百九万九千円という見方をしておりますが、これは註四のところに書いてありますが、附加価値税は附加価値を売上金の二〇%と見込んで算出しております。或いは現在計画されておりますように、発電所の建設計画をやりますと、附加価値額は赤字になるのであります。併しながら昨年の実績から見てみまして、先ずこれは少しゆるく見ておるつもりであります。二〇%ぐらいになるという見方をしておるわけであります。現在の計画では完全に赤字になります。法人税は減価償却の経費が非常に多くなつて参りますので、これは零になるわけであります。その結果この小計が十七億が五十三億に殖えるわけでございますけれども、従来の事業税や取引高税は加算形式を採つておりますので、それらを合せますと、そんなには増にはならないわけであります。併しながら一応改正後の單価を見ますと、二百五十三円五十一銭ということになります。比較いたしますと、單価の点で五円六十五銭だけ殖えるので、二一%だけ増ということになります。この程度の変化であろうというように全体として見ております。
#5
○委員長(岡本愛祐君) 説明はこのぐらいにいたして置きます。それでは地方税法の審議に入ります前に、皆さんにお諮りいたします。波多野鼎君が地方行政委員を御辞任になりまして、その後任に吉川末次郎君が復帰されました。波多野君は理事をやつておりましたが、それが欠員になりましたから、その選任を必要といたします。
#6
○西郷吉之助君 理事の指名を委員長に一任することの動議を提出いたします。
#7
○委員長(岡本愛祐君) 御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○委員長(岡本愛祐君) それでは私から指名いたします。吉川末次郎君に理事をお願いいたします。
  ―――――――――――――
#9
○委員長(岡本愛祐君) 地方税法案につきまして審議を続行いたします。昨日は第三章の第五節、電気ガス税の、四百八十六條乃至四百九十條を一応説明を聽き質疑を行なつておりました。外に御質疑がありましたら、この際お願いいたします。電気ガス税につきましてはいろいろの陳情、請願が参つております。嘆願書といたしまして先程お手許へ廻しましたのも、その一つでございます。電気ガス税を都道府県税に存置されたいということ、セメント工業を電気ガス税の非課税産業に指定されたいということ、紙パルプ工業を電気ガス税非課税業種に指定されたいということ、それから電気ガス税を軽減をして貰いたい、税率を百分の五ぐらいにして貰いたいという陳情であります。鑄鉄用の電気に対する電気ガス税を免除して貰いたいという陳情がございます。
 では御質疑ございませんか。
 では次に移ります。四百九十一條、前にしばしば出て来た同じものは省略いたすことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(岡本愛祐君) そういうふうにいたします。違つているものを言つて下さい。
#11
○政府委員(奧野誠亮君) 従来からの税につきましては殆んど変つていないのですが、一応條文の見出しを読みながら、変つたものが出て来たときだけ御説明申上げます。(「変つたところだけでいいです」と呼ぶ者あり)そうしますと電気ガス税につきましては、あとの部分では変つたところはございません。
#12
○委員長(岡本愛祐君) 全部ございませんね。
#13
○政府委員(奧野誠亮君) 変りません。
#14
○委員長(岡本愛祐君) そうすると五百十八條まで省略いたすことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○委員長(岡本愛祐君) それでは第六節鉱産税に移ります。先ず政府委員の説明を求めます。五百十九條。
#16
○政府委員(奧野誠亮君) 鉱産税の性格は従前と同じでございます。従いまして五百十九條は変りございませんが、五百二十條で……。
#17
○委員長(岡本愛祐君) 五百十九條だけ……。
#18
○政府委員(奧野誠亮君) 「鉱産税は、鉱物の掘採又は砂鉱の採取の事業に対し、その鉱物又は砂鉱価格を課税標準として、当該事業の作業場所在の市町村において、その鉱業者又は砂鉱業者に課する。」従いまして附加価値税の課税課題の中から鉱物の掘採又は鉱業に関する事業を除外しているわけでございます。五百二十條で鉱産税の税率を定めておりますが、従来は制限税率の形を取つていたわけです。従つて府県で千分の四、市町村で千分の六、合せて百分の一を超えることができなかつたわけでございます。それを今回の改正では鉱産税の税率を標準に改めたわけでございまして、従いまして標準税率を超えて課する場合におきましても、やはりこういう種類の税におきましては制限税率を定めて置いた方がいいと考えまして百分の一・二を超えることができないということにいたしておるわけでございます。
#19
○委員長(岡本愛祐君) 五百二十條はやつていないですが……それでは五百二十條を追加いたします。五百十九條と五百二十條について御質疑を願います。御質問ございませんか。それでは次に移ります。五百二十一條以下変つたところを説明をお願いいたします。
#20
○政府委員(奧野誠亮君) 五百二十二條で、鉱産税につきましては、申告納付の制度を採用することにいたしております。従来はやはり賦課課税の方法を取ることになつていたのですが、その点が民主的な納税方法に変更されているわけでございます。
 五百二十三條は、これは附加価値税と鉱産税についてだけ設けました制度でございまして、申告納付をするに当りまして、その提出すべき申告書には第一には法人の代表者が自署、捺印しなければならない。それから第二には、二項の方に移るわけでございますけれども、代表者の外に「法人の役員及び職員のうち申告書の作成の時において当該法人の経理に関する事務の上席の責任者である者が」更に自署捺印しなければならないというようなことにいたしまして、幹部にも納税について責任を取る態度を明かにして貰うというような方法が講ぜられることになつたわけでございます。これは国税の法人税につきましても、同じ方法が採用されることになつたわけでございまして、税額の大きい税收につきましてだけ可なり嚴格な制度が採用されようとしているわけでございます。
 それから四項で「前三項の規定による自署及び押印の有無は、第一項の申告書による申告の効力に影響を及ぼすものではない。」これはただ正確な申告書を出すことについて、幹部に責任を持つて貰いたいという趣旨で設けた制度でありますので、仮にそれがなくても、それがなかつたことについては責任は問われるのですけれども、申告書自体は有効であるという建前を取つているわけでございます。
#21
○委員長(岡本愛祐君) 五百二十二條、五百二十三條御質疑をお願いいたします。
#22
○西郷吉之助君 五百二十三条の四項ですが、「前三項の規定による自署及び押印の有無は、第一項の申告書による申告の効力に影響を及ぼ」さないということになれば、これは書かなかつた場合は、自署及び押印をしなかつた場合はどういうことになるのですか。
#23
○政府委員(奧野誠亮君) 五百二十四條に、自署、押印がありません場合には、一定の罰則に問われるということを規定しておるわけでございます。
#24
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。それでは五百二十五條以下について特に違つたところを御説明願います。
#25
○政府委員(奧野誠亮君) 今西郷さんから御質問がありましたが、五百二十四條の規定でございます。従いまして自署押印をしなかつたという場合は、規定に違反した場合に入るわけでございます。それからあとは変えてございません。従来と同じ制度、或いは又申告納付制度を採用いたしますので、それに関連しまして従前の制度と変つておりますけれども、先日から申上げている制度と全く同じでございます。
#26
○委員長(岡本愛祐君) それでは五百二十五條乃至五百五十條、説明を省略いたします。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(岡本愛祐君) それでは第七節、木材引取税、御説明を願います。
#28
○政府委員(奧野誠亮君) 木材引取税の性格には何ら変更は加えておりません。念のために申上げますと、「木材引取税は、素材の引取に対し、価格を課税標準として、同一の素材について一回に限り、素材生産地の市町村において、当該市町村の條例で定める引取者に課する。2、立木の伐採後当該市町村の條例で定める時までに素材について引取者がない場合においては、立木の伐採をもつて素材の引取と、立木の所有者をもつて素材の引取者とみなして、前項の規定を適用する。この場合における木材引取税の課税標準とすべき価格は、立木の所有者が素材の引取者とみなされた時におけるその素材の価格とする。」これは別段変りございません。ただ五百五十二條の税率につきましては、従来は府県が百分の四で市町村が百分の二、併せまして百分の六を超えることはできないということにしておつたわけであります。今回は標準税率の制度に改めまして、従いまして百分の五と規定いたしたのでありますが、更にそれを超えて課する場合におきましても、制限税率は従来と同じように百分の六を超えることはできないということにいたしているわけであります。
#29
○委員長(岡本愛祐君) 御質問をお願いします。御質疑はございませんか……それでは五百五十三條以下について違つているところを御説明願います。
#30
○政府委員(奧野誠亮君) 従来木材引取税の徴收の方法につきましては、やはり権力的な賦課処分をいたしますところの課税方法によるか、その外に特別徴收の方法によるという建前を取つて来たわけでありますが、今回は特価徴收の方法によらなければならないということにしました。併しながら但書を以ちまして、五百五十一條の二項に書きましたように、山の木を伐つてそれを長い間積んで置く。言い換えれば木材の引取者がないわけでございます。そういう場合には伐採者を以つて引取者とみなされて課税されるわけでございますが、こういう場合には申告納税制度を取るということにいたしたわけでございます。こういうふうに徴收の方法につきまして若干の改正を加えただけでございまして、改正された徴收の方法による手続は先日来申上げている方法と全然変りございません。以下そういう程度だけで別段変つたところはございません。
#31
○委員長(岡本愛祐君) 五百五十三條、御質問ございませんか……五百五十四條乃至五百八十四條、前のものと同じでございますから、省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○委員長(岡本愛祐君) それではさよう決定いたします。
 次に第八節、広告税、第五百八十五條の説明を求めます。
#33
○政府委員(奧野誠亮君) 広告税の性格も別段変えていないのでありますが、五百八十五條に規定いたしましたように、広告税は広告に対し、その広告場所在の市町村において、その広告主に課することにいたしております。でその中で広告の下に括弧書きしておりますように、新聞、雑誌及び書籍による広告並びに放送法第五十一條による広告を除くということにいたしておりますが、前段の方は従来通りの規定でございます。後段の放送法第五十一條の規定による広告を除くということは新しく附加えた規定でございます。同じような性格でありますから、やはり除外の規定を設けるべきであるというふうに考えたわけでございます。
#34
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか……それでは次に五百八十六條。
#35
○政府委員(奧野誠亮君) 五百八十六條は、「左に掲げる広告に対しては、広告税は、課することができない。」ということで明かにしたわけでございますが、従来もこういうものに対しましては広告税は課していなかつたわけでありますけれども、今回規定を詳細にいたしました関係上、非課税の範囲をここに明確にいたしたわけなのであります。
#36
○委員長(岡本愛祐君) 五百八十六條質疑をお願いいたします……ございませんか。それでは次に移ります。五百八十七條。
#37
○政府委員(奧野誠亮君) 五百八十七條は広告税の標準税率を規定したものでございますが、広告の内容が種々雑多に亘つておりますので、嚴格に申上げますと、七号くらいの中に全部を包括するということは非常に困難だと思われますので、大体の標準的な税率を決めただけでございますので、もとより市町村はそれぞれの広告によりまして更に綿密な区分を設けた方が適当であろうというふうに考えておりますし、そういう指導をして参りたいと考えております。併し現在の広告税の負担と特別には変つていないというふうに考えておるわけでございます。
#38
○委員長(岡本愛祐君) 五百八十七條、御質問ございませんか。
#39
○濱田寅藏君 銀座あたりでよく広告塔で放送していますな、ああいうやつは課税の対象になるのですか。
#40
○政府委員(奧野誠亮君) 法律上は課税を除外しておりませんので、課そうと思つたら課し得るわけであります。ただ五百八十七條の標準税率は先程申上げましたように七項ぐらいに大まかに拾い上げて書いておりますので、特にそういうものに対して積極的に課税させる意思ではここには標準税率を挙げておりませんが、だから課せないかと言えば、課そうと思えば條例で定めれば課税できるわけであります。
#41
○西郷吉之助君 二号の括弧して、広告業を営むものがする広告に限る、というのは、商店が例えばアドバルーンを上げるのは入らないのですか。
#42
○政府委員(奧野誠亮君) 二号の方は広告料金の百分の十といたしまして、特別徴收の方法による場合に取るべき税率を挙げておりますので、自分のところでアドバルーン等を持つております場合には五号の方において課税すべきだと考えております。立看板、照明等による広告を面積によつて挙げておりますが、二号の方は今申上げました特別徴收方法によるものでありますから自己の時は料金がございませんので、料金でなしに面積とか体積とかということで課税することになると思います。
#43
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質疑はございませんか。
 それでは次に移りますが、五百八十八條以下違つておるところを説明願います。
#44
○政府委員(奧野誠亮君) 五百八十八條からは徴收の方法を明確にいたしました点だけで、それらも従来申上げております内容とは別段変つてはおりません。
#45
○委員長(岡本愛祐君) 五百八十八條乃至六百十八條、省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○委員長(岡本愛祐君) それじやさよう決定いたします。第九節、入湯税、六百十九條を御説明願います。
#47
○政府委員(奧野誠亮君) 入湯税は、鉱泉浴場における入湯に対して、その浴場所在の市町村において入湯客に課税するということにいたしておるわけでございますが、従来の入湯税の性格と全く同じでございます。
#48
○委員長(岡本愛祐君) ついでに六百二十條……。
#49
○政府委員(奧野誠亮君) 従来は税率の定めがなかつたわけでありますけれども、新たに標準税率の規定を置きまして、入湯客一人について十円ということにいたしたわけであります。これももとより鉱泉浴場の所在によりまして大巾に違つて来て差支えないものじやないかというふうに思つております。
#50
○堀末治君 入湯客というのは。
#51
○政府委員(奧野誠亮君) 自分の家に浴場を持つているという場合にまで課税すべきじやございませんので、お客として入湯しているという部分についてだけ課税をしようという趣旨をここに明らかにしているわけでございます。
#52
○堀末治君 例えば別府のような、あの市民が土地の湯に入るのはどうなんですか。
#53
○政府委員(奧野誠亮君) この鉱泉浴場における入湯を狙つておりますのは、旅館でありますとか、料理店でありますとかというところにおいて奢侈的な入湯と言いますか、そういうものを中心に考えておるのでございまして、一般大衆を入湯させるというふうなものは、もとよりその地方団体の條例で課税を除外すべきであるというふうに考えておりますし、現在においても課していない筈であるというふうに私記憶いたしております。
#54
○西郷吉之助君 これは非常に税金を取るのに困難を来たすのじやないかと思いますから……非常にこれは取りにくいと思いますが、その点はどうですか。
#55
○政府委員(奧野誠亮君) お話のようにやはりこれにつきましては特別徴收の義務を負つて行くとか、徴税につきまして業者が協力的な態度を採つてくれませんと、かなり困難を来たすだろうと思います。併し一面今度遊興飲食税の課税の方におきまして領收書を発行しなきやならんというふうな義務を課し得ることにいたしておりますので、若し非協力的な業者がありました場合には、やはり遊興飲食税の面において宿泊者等に渡す領收書を交付しなければならんというふうな規定が設けられることになるだろうと思います。そうしますと大体毎日何人ぐらいの泊り客があつたかということが分つて來るわけでありますから、或る程度徴税が確保されるということになつて来るのじやなかろうかというふうに期待いたしております。
#56
○西郷吉之助君 これはまあ大した金額でないでしようけれども。こういうふうな取りにくいものは大体割当というふうな、いわゆる弊害を来たしやしないでしようか。
#57
○政府委員(奧野誠亮君) 割当をしておる団体が現に若干あるだろうと思うのでありますけれども、併しながら遊興飲食税の面におきます何人宿泊客があつたかということは、これを明かにいたしませんと遊興飲食税が果して正当であつたかどうか分らんわけでございます。従来の料理飲食営業の臨時設置とも関連がありますが、遊興飲食税の徴收に非常に困難を来たしておつたのでありますけれども、近時その方面におきましても業者の協力的な態度等も段々改善されて参つておりますので、入湯税の面におきましても、遊興飲食税、泊り客が明かになる以上は入湯客数も明かになつて来るのじやないかというふうに考えておるわけでありまして、結局はやはり何と言いましても業者の協力ということを余程要請して参らなければならないように考えております。
#58
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。それでは次に移りまして六百二十一條以下で変つたところを説明願います。
#59
○政府委員(奧野誠亮君) 入湯税につきましては別段変つたところはございません。
#60
○委員長(岡本愛祐君) それでは六百二十一條乃至六百四十七條を省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○委員長(岡本愛祐君) それではさよう決定いたします。第十節、接客人税、第六百四十八條及び六百四十九條の御説明を願います。
#62
○政府委員(奧野誠亮君) 接客人税は、芸者、ダンサーその他これらに類する者に対し、その従業地所在の市町村において課するものとしているわけでございます。その他これらに類する者の範囲は市町村の條例で明かにすべきであるというふうに考えております。この税の性格は従来と何ら変りはございません。ただ六百四十九條に挙げましたように新たに標準税率を接客人一人一月について百円とするということを規定したわけでございます。これももとより従業地の如何によりましてかなり大きな変化があるだろうというふうに考えております。
#63
○委員長(岡本愛祐君) ここらは一度質疑応答いたしたのですが、尚御質問がありましたらどうぞ。
#64
○竹中七郎君 今までの芸者とかダンサーの税率はどのくらいずつですか、今までと今度の差ですね
#65
○政府委員(奧野誠亮君) これは従業地の如何によりまして非常に差があるものでございます。例えば東京で申しますと、新橋あたりでは芸者一人につきまして月に六百円と私記憶いたしております。まあ六百円というところが一番高いところじやないかというふうに思つております。
#66
○竹中七郎君 そういたしますと、これはやはり條例で百円と大体は決めておるが、六百円でも、五百円でも、三百円でもいいということでございますか。百円でなければいけないか。
#67
○政府委員(奧野誠亮君) もとよりこれは標準税率でございますので、これを上廻つても下廻つてもどちらでも構わないという考え方を採つておるわけでございます。ただこういう人頭税的なものにつきましてはあまり高くない方がむしろ好ましい、だから標準税率はそういうものの役割を果すことになるだろう、併し法律的には何らこれに拘束されることはありません。
#68
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。それでは六百五十條以下について違つたところを御説明願います。
#69
○政府委員(奧野誠亮君) 接客人税につきましても全然変りはございません。
#70
○委員長(岡本愛祐君) それでは六百五十條乃至六百六十八條を省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#71
○委員長(岡本愛祐君) さよう決定いたします。
 次に第十一節、市町村法定外普通税、六百六十九條を御説明願います。
#72
○政府委員(奧野誠亮君) 市町村は、第五條第三項の規定による普通税を新設し、又は変更しようとする場合においては、あらかじめ、地方財政委員会の許可を受けなければならない。この法定外普通税を設定し得る権能は尚存置しておるわけでございますが、この制度の内容は、道府県におきまするところの法定外普通税と全く同一の建前にいたしております。
#73
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。次、六百七十條以下都道府県の法定外普通税上違つたところを御説明願います。
#74
○政府委員(奧野誠亮君) 変つたところはございません。全く同じ建前でございます。
#75
○委員長(岡本愛祐君) それでは六百七千條乃至七百一條まで、これは都道府県法定外普通税と全く同様でありますから、省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#76
○委員長(岡本愛祐君) さよう決定いたします。次、第四章、目的税。水利地益税、第七百二條。
#77
○政府委員(奧野誠亮君) 「道府県又は市町村は、水利に関する事業、都市計画法若しくは特別都市計画法に基いて行う事業、林道に関する事業その他土地又は山林の利益となるべき事業の実施に要する費用に充てるため、当該事業に因り特に利益を受ける土地又は家屋に対し、その価格又は面積を課税標準として、水利地益税を課することができる。」この水利地益税は、従来もあつた目的税でございまして、その性格は変つてはおりません。ただ従来水利地益税といたしましては、都市計画法若しくは特別都市計画法に基いて行う事業に要する費用に充てるためのものは認めていなかつたわけであります。併しながらこれらの事業に要する費用に充てるために別に都市計画税というものが設けられておつたわけであります。従来の都市計画税には、一つは当然に都市計画税制といたしまして地租とか家屋税とか事業税とかいうふうなものの二割以内で都市計画税を課することができたという、いわゆる法定の都市計画税というものと、それから別に違つた課税標準等を用いましてこれらの事業に要する費用に充てるために都市計画税を起すことがあつたのであります。今回都市計画税の中の法定した都市計画税だけを廃止したわけでありまして、それ以外に特別な理由で起すものまでこれを否認する理由はございません。併しながら又そうかと言いまして、その主たる部分をなすところの法定都市計画税を廃止いたしましたのに、都市計画税という名称を存置いたしますことは、運用面で誤まられる虞れがありますので、この名称を廃止しました代りに、水利地益税の中に都市計画法若しくは特別都市計画法に基いて行う事業の実施に要する費用に充てるために水利地益税を課することができるということを明かにしたわけでございます。従いまして形式の上においては若手違いはございますが、実質においては何ら変りはございません。
#78
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。それでは第七百三條。
#79
○政府委員(奧野誠亮君) 「市町村は、共同作業場、共同倉庫、共同集荷場、汚物処理施設その他これらに類する施設に要する費用に充てるため、当該施設に因り特に利益を受ける者に対し、共同施設税を課することができる。」これも従来からありました共同施設税と全く同じ正確のものでございます。水利地益税は、道府県も課することができるわけでございますが、共同施設税は、市町村だけに與えられた目的税でございます。
#80
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑ございませんか。それでは次、七百四條。
#81
○政府委員(奧野誠亮君) 目的税の非課税の範囲を明かにしておるわけでありますが、他の税目におきますところの非課税の範囲と原則は同じでございます。
#82
○委員長(岡本愛祐君) 七百五條以下変つたところを御説明願います。
#83
○政府委員(奧野誠亮君) 目的税につきましては、いろいろな徴收の方法が採れることにしておりまして、個々の徴收の方法につきまして、その手続その他を規定しておるだけでありまして、他の税目に関しまする部分と何ら異つた点はございません。
#84
○竹中七郎君 この水利地益税は、都市計画税というようなものの代りであるというお話ですが、これは県或いは市町村で、税率は、その県議会或いは市町村議会で議決すれば、幾らでも取れるということになるのですか。
#85
○政府委員(奧野誠亮君) 例えば七百二條の第二項を見て頂きますと、「水利地益税の課税の額は、当該土地又は家屋が前項の事業に因り特に受ける利益の限度をこえることができない。」ということにいたしておるわけでございまして、利益の限度を超えない限りは全く地方団体に税額は委されておるということになるわけでございます。別に又地方自治法で、そういうふうな事業をいたします場合には、分担金を徴收するということができるということにいたしております。分担金もやはり同じように利益の限度を超えることができないということにいたしておりまして、分担金として取るか、こういうふうな目的税として取るかということにつきましては、本質には別に差はないわけでございます。
#86
○竹中七郎君 今までは都市計画税は全市町村民に掛けたが、これからは土地の利益対象となるものだけしか掛からないのですか。その点お伺いします。
#87
○政府委員(奧野誠亮君) お考の通りであります。
#88
○委員長(岡本愛祐君) それでは七百五條以下七百三十三條を省略することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○委員長(岡本愛祐君) それではさよう決定いたします。次は第五章、都等の特例、第七百三十四條。
#90
○政府委員(奧野誠亮君) これは東京都でありますと、その特別区の存する区域は、道府県の性格と市町村の性格とを併せ持つておりますので、従いまして税も、道府県税分と市町村税分と一緒に取るというような恰好になるわけであります。文特別市は現実には存しませんけれども、地方自治法の上には制度として残されておりますので、そういうものに地方税法を適用した場合にどうするかということを明かにしておきませんといけませんので、そういう意味においてこれらの特例を規定したのであります。従来規定しておりました特例の方法と全然変りはございません。
#91
○委員長(岡本愛祐君) 七百三十四條、御質問ございませんか。それでは次、七百三十五條。
#92
○政府委員(奧野誠亮君) 七百三十五條から七百三十九條まで一緒におやり頂いた方が結構なんですが………。
#93
○委員長(岡本愛祐君) それでは七百三十五條乃至七百三十九條を一括して御説明を求めます。
#94
○政府委員(奧野誠亮君) 従来ありました特例等と全く同じでございます。併しながら七百三十六條で特別区税の点に触れておりますが、これにつきましては、東京都と特別区との間に、課税権をどのような形において特別区が持つかということにつきまして、いろいろと意見のある問題でございます。併し差当り地方税法案におきましては、現在通りの制度にいたしておりまして、東京都と特別区が別途協議会を設けまして、どうするかということについては現に相談いたしておるわけであります。あとは従来の制度と変つたところは全然ございません。
#95
○委員長(岡本愛祐君) 御質疑をお願い申します。
#96
○三木治朗君 都の特例についてですが、特別区があるところはこれで分るのですが、東京都の中に武蔵野市とか、いろいろの市がありますが、それとの関係はどうなりますか。
#97
○政府委員(奧野誠亮君) 特別区を除きました地域につきましては、やはりそれぞれの市町村が市町村税の関係の規定を適用いたしまして課税いたしますし、又東京都は道府県に関する規定を適用して課税いたして参ります。
#98
○三木治朗君 そうしますと三倍を六倍というのは特別区の存するところだけですね。
#99
○政府委員(奧野誠亮君) その通りでございます。
#100
○委員長(岡本愛祐君) 外に御質問ございませんか。それでは次に移ります。附則、尚附則につきましては修正が参つておりまして、昨日も申上げましたが「附則第一項及び第二項を次のように改める。」となつております。第一項は、「この法律は公布の日からこれを施行する。但しこの法律中に特別の定がある場合を除くの外、入場税、遊興飲食税、電気ガス税、鉱産税木材引取税、広告税、入湯税及び接客人税については昭和二十五年六月一日から、その他の地方税については昭和二十五年度分からそれぞれ適用する。」となつております。それを御説明願います。
#101
○政府委員(奧野誠亮君) 地方税法案の提出が遅れました関係上、当初予定しておりました形において施行することが困難になつたわけであります。そういたしますと現に毎日々々課税して行かなければなりませんような遊興飲食税でありますとか、入場税でありますとか、こういうふうな部分につきましては、やはり切換の時期を多少ずらさなければならないのであります。従いましてそういうような随時税でありますとか、月税でありますとか、こういうふうなものは六月一日から切換をして行きたい。併しながら年分を税額として計算いたして行きますような税種につきましては、これはやはり施行は公布の日からいたしますが、適用は四月一日から年分でやはり計算いたして行きたい、こういうように考えております。そういう意味でこの修正案が提出されておるわけであります。ただそのうちの納期でありますとか、或いは申告書の提出期限でありますとか、或いは報告の期限でありますとか、そういうようなものがいろいろ入つておりますので、こういうものにつきまして二十五年度限りの特例を定めなければなりませんので、そういうものは地方財政委員会規則で行えるように三項の規定を設けておるわけであります。
#102
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。それでは次、第二項も修正がございます。これを申上げます。「昭和二十四年度以前の地方税(入場税並びに鉱産税、電気ガス税、木材引取税、遊興飲食税、入湯税及びこれらの附加税並びにと畜税、広告税、接客人税及び使用人税にあつては、昭和二十五年五月三十日以前の分)については、この法律中に特別の定がある場合を除く外、なお、従前の例による。」これの御説明を願います。
#103
○政府委員(奧野誠亮君) 税法が改正されますと、それ以前に用いられておりました法律を廃止してしまうわけであります。併しながらまだ課税洩れになつておる部分もありますので、そういう部分につきましては、やはり従来の法律を残して置かなければならないのでありまして、そういう意味におきまして昭和二十四年度以前の地方税については尚従前の例によるということにいたしておるのでありますが、今申上げましたような随時税的なものは四月と五月におきましても尚現行税法、新しい法律ができますと旧税法ということになるわけでございますが、それで課税することになりますので、従いましてこれらの税におきましては昭和二十五年五月三十一日以前の分につきましては、尚従前の例によるということを特に規定して置く必要があつたわけであります。
#104
○委員長(岡本愛祐君) それから「附則第三項を第四項とし、以下順次一号ずつ繰下げ第二項の次に第三項として次の一項を加える。」とありまして、新たに第三項が次のように規定してあります。「昭和二十五年度の地方税に限り、地方財政委員会は、この法律の規定に基いてすべき納付若しくは納入又は申告、提出若しくは書類の提出の期限が昭和二十五年四月一日から同年六月三十日までの間に係るものについては、地方財政委員会規則で特別の定をすることができる。」右の説明を願います。
#105
○政府委員(奧野誠亮君) 先程聞違つて御説明してしまつたのでありますが、四月から六月三十日までの間に届出をしなかつたり、或いは納税してしまわなかつたりする分は、法律がまだ施行になつておりませんので、どうしても時期をずらさなければならんわけであります。そういう部分は地方財政委員会規則で決めるようにして行きたいと申しますのは、公布の時期等の関係もございますので、やはり地方財政委員会規則等で彈力のある見当をつけて参つた方がよかろうというふうに考えておるわけでございます。
#106
○委員長(岡本愛祐君) 御質問ございませんか。それでは原案の三項以下八項までの説明を願います。
#107
○政府委員(奧野誠亮君) 三項は罰則の適用又は準用につきましては、従前のものにつきまして新法を適用することは穏当ではございませんので、従前の例による旨を明かにしたわけでございます。
 第四項は企業再建整備法の一部を改正いたしまして、企業再建整備法の適用を受けておる法人につきましては、定款の事業年度によりませんで、再建整備を終るまでの期間を以て事業年度とされておるわけでございますが、併しながら附加価値税に関しましてはやはり従来の定款の規定による事業年度で計算をして行くという制度でやりたいと考えますので、法人税法と同じように、その部分を改正いたしまして、取扱を同一にして行きたいという考でございます。
 五項は郵便貯金法のうちで不動産取得税を免除する規定があつたわけでありますが、こういう税種は廃止されましたので、併せてこの規定も削除いたしたわけでございます。
 六項と七項は、日本専売公社法と日本国有鉄道法とに地方税を課することができない旨の規定を置いておつたわけでございます。併し同様の規定を地方税法の各税目のうちに規定しておりますので、同じ性質の規定が個々の法律に別個に掲げられておりますと、解釈上混淆を来たす場合もあるわけでありますので、そういうようなものは整理すべきであると考えたわけでございます。
 八項は、国際観光ホテル整備法のうちで、地方説法の條文を準用いたしておりますが、今回その適用條文が変りましたので、この法案に基く條項に改正をしたわけでございます。
#108
○委員長(岡本愛祐君) 附則について御質問ございませんか。それでは附則は終つたものといたします。
 尚附加価値税、住民税及び固定資産税の説明が残つておりますが、これは今日はいたしませんで、明日お聞きしたいと思います。
#109
○委員長(岡本愛祐君) 尚政府の方から誠に恐縮でありますが、昨日提案されまして、本日本委員会に付託になりました地方財政平衡交付金法案につきまして、提案理由の説明を申上げたいということでございますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#110
○委員長(岡本愛祐君) それではそういうことにいたします。小野政務次官からお願いいたします。
#111
○政府委員(小野哲君) 只今議題となりました地方財政平衡交付金法案につきまして、提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。
 地方公共団体の自主性を徹底し、地方自治の活発な運営を期待しつつ、積極的にその発展を図りますことは、国政民主化の基礎を培う必然の要請でありまして、これがためには一面地方自治制度自体の整備を行いますと共に、他面これに即応した地方税財政制度を樹立いたしますことの緊要なるは論を俣たないところであります。而して地方税財政制度確立の基本方策といたしましては、
 第一に、地方団体に対し、豊富潤沢なる財源を與えることであり、第二に、地方收入の根幹でありますところの地方税につきまして、その税制を十分自主的、且つ自律的ならしめることであり、第三に、すべての地方団体を通じまして、少なくとも、合理的且つ妥当な自治活動を行うだけの財源は、これを保障しなければならないということにあると存ずるのであります。
 経済社会の進展に伴う経済力の都市集中と、人文の発達に伴う地方団体の行政活動分野の拡張とは、近時一般の趨勢でありまして、その結果強力な財政力を持ち、軽少な地方税の負担の下に豊富多彩な自治活動の可能な地方団体を生じます反面、貧弱な財政力の下に住民に過重な税負担を課しながら、最少限の行政施設すらも営み得ない地方団体を見るに至りますことは、この間の適勢に伴う必然の現象であります
 このためわが国におきましては、富裕団体と貧弱団体との間の財政力を均衡化し、以て全地方団体の財政の基盤の確立を図るため、昭和十五年の中央地方を通ずる税制の改革に際し、夙に恒久の制度として、地方配付税制度を創設し、爾来今日に至るまで、常に地方団体間の財源調整の手段として、はた又地方団体に対する財源附與の手段として、不十分ながらよくその機能を発揮し、地方自治の向上発展に資するところ顯著なものがあつたのであります。而して地方配付税制度は、その財源の一半を地方団体の課税力の強弱に逆比例的に、他の一半を地方団体の財源需要の多寡に正比例的に配分しつつ、課税力が一定の限度を超える地方団体にはこれを交付しないことにして参つたのであります。元来、地方財政の調整と、地方団体の自主性の確保とは両立し難い性格を持つものでありまして、地方配付税制度の運用に当りましては、地方団体の自主性の確保を重点的に考えて参りましたため、地方配付税の配分方法も可及的にこれを簡素にし、地方配付税の配分のため必要とする各地方団体の課税力や財政需要の測定に当つてもひたすらこれが当該地方団体の財政運営の自主性を制約しないよう留意して参つた次第でありますこれがため反面各地方団体間の財源調整は不徹底ならざるを得ない欠陥もまた有して居つたのであります。而してここに又、国庫が偶々の経費について或いは一定額を負担し、或いは一定額を補助するという理由も見出されて、大小数百種類に及ぶ補助金、負担金の生れて来たゆえんがあるのであり、これがしばしば地方団体の行政に無用な干渉を加える動因となつて参つたのであります。併しながら地方団体をして事務を行わせる以上は、地方団体をして創意工夫を盡させる途をこそ選ぶべきであり、これを妨げる干渉の途は強く排除するよう努力されなければなりません。而して真に地方団体を強力ならしめ地方自治運営を活発ならしめて参りますためにはすべて公共的な事務事業は、單に一地方の利害に止まるもののみならず、全國的な利害に連りますのも亦原則としてすべてこれを地方団体の実施に委ね、而も、その負担とその責任の下に執行せしめて行くことこそ必要でありますし、これがためには干渉の動因は排除しつつもすべての地方団体を通じてこれらの事務事業を実施して行くための必要、且つ、最少限度の財源は完全に確保して行けるだけの財政制度を打立てる必要が生じて来るのであります。
 よつて政府におきましては、地方自治の確立を企図するシヤウプ使節団の勧告の趣旨に鑑み、且つは、今般地方税財政制度の根本的改革を試みる機会に際し、個々の雑多な補助金、負担金を通じて行う自治干渉乃至中央支配の途は敢然これを排除し、地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を尊重しつつ、従来の財政均衡化の方式に劃期的な変更を加えるとともに、課税力及び財政需要の測定方法を精緻周密ならしめることにより、綜合的な地方財政調査の徹底を期し、別途行います地方税制の改革と相俟つて、すべての地方団体に対し、真に地方自治の本旨の実現に資するに相応わしい財源を供與することによつて、地方行政の計画的な運営を保証し、以て地方団体の独立性を強化することを目途として、現行地方配付税制度を廃止し、新たに地方財政平衡交付金制度を創設することといたしたのであります。これが本法律案を提出いたした理由であります。
 以下法律案の内容の概略について申し上げますと、先づ第一に、この交付金制度の地方財政均衡化の方式でありますが、これは、一定の方法によつて、各地方団体ごとに測定した財政需要額と、財政收入額とを比較し、財政需要額が、財政收入額を超える額を補填するという方式によつております。この方式を採りますならば、各地方団体の財政需要額と財政收入額とが、的確に捕捉される限り、財政均衡化の趣旨は殆んど完璧に達成せられると存ずるのであります。
 第二に、毎年度交付すべき交付金の総額は、一定の方法により測定しました当該年度における財政需要額が、財政收入額を超えると認められる地方団体の、その超過額の見込額の合算額を基礎として定めることといたしまして、その算定は、地方団体並びに国の関係行政機関に必要な資料の提出を求め、これを参考として地方財政委員会が行うことといたしております。
 地方財政委員会がその総額を算定いたしますと、これを国の予算に計上するように内閣に勧告し、内閣において、これを変更して国の予算に計上しようとするときは、あらかじめ委員会の意見を求めなければならないことといたして居ります。而して、内閣がこの総額又はその算定の根拠を変更した場合におきましては、委員会が勧告した交付金の総額の算定の根拠等を予算に附記することといたしまして、委員会が内閣とその意見を異にする場合において、その意見を直接国会に対し提出する機会を保証しているのであります。
 第三に、交付金は、その総額を各地方団体の基準財政需要額が基準財政收入額を超える額に按分して算定いたします。基準財政需要額と申しますのは、地方団体がその目的を達成いたしますために、合理的且つ妥当な水準において地方行政を行う場合に要しまする経費の中、補助金へ負担金、手数料等の特定の收入を財源とする部分を除いたものの所要額をいうのでありまして、その算定は、地方行政を相当数の種類に分類し、それぞれの行政に要する経費を測定するために定めた測定單位の数値を單位当りの費用に乗じて行うことといたしております。この場合測定單位の数値は、実数をそのまま用いないで、これを一層的確に財政需要の測定ができるようにいたしますために、人口密度、寒冷積雪度等一定の事由を参酌してこれを補正したものを用い、又單位当り費用は、道府県又は市町村ごとに、委員会がその実態につき調査し、一定の標準的條件を備えた地方団体が合理的且つ妥当な水準において地方行政を行う場合におきまする各測定單位当りの費用を基礎として定めることといたしております。
 基準財政收入額は、各地方団体間の徴税状況により交付金交付の公正を失することのないようにするため、当該団体の法定普通税の收入見込額を一定の基準税率により客観的に捕捉したものを用いるとともに、その基準税率は、地方財政に彈力性を残し、かたがた地方団体の徴税意欲の減退を防止するため、地方税法に定める標準税率の百分の七十に相当する率を用いることといたしております。
 而してこの交付金の算定は、主として按分の方法によりますため、一定期日の現在における地方団体について算定する必要がありますので、これを毎年度四月一日とし、その期日後地方団体の廃置分合、境界変更がありました場合には、交付金の決定額につきそれぞれ必要な変更の措置を講ずることといたしております。
 次に地方財政平衡化の徹底を期しますためには、各地方団体の課税元及び財政需要の捕捉の完璧を期することの肝要なるは論を俟たないところであります。而して現在の課税力、就中財政需要に関する研究の段階においては一般的な方法により千態万様の個々の地方団体につき、すべてこれを的確に捕捉いたしますことは、遺憾ながら至難の現状にありますので、この欠陥を捕う趣旨におきまして、昭和二十五年度及び昭和二十六年度の暫定措置として交付金総額の十分の一に相当する額をその総額とする特別交付金を設けることとしたのであります。特別交付金は一般の測定方法によつては捕捉し難い特別の財政需要があること、交付金の額の算定期日後に生じた災害等のため特別の財政需要があること、その他特別の事情があることに因り、交付金の額が財政需要に比し過少であると認あられる地方団体に対して、この事情を考慮して交付されるのであります。
 尚交付金は年四回に分け、特別交付金は年一回に交付することといたしております。
 以上が交付金の総額の決定並びに交付方法の概略でありますが、交付金は、地方財政の均衡化上必要欠くべからざる制度であるといたしましても、尚国が一定の基準に基き、地方団体に交付するものでありますため、その性質上收入の自主性において欠くるところがあり、又その運営の如何によつては、地方自治の中央集権化的傾向を誘致する虞れなしとしないのであります。このため、この制度と地方自治との調和を図る趣旨におきまして、第一に、その総額は、地方財政の均衡化の機能を果すに、必要な限度とするとともに、その運営は、内閣に対して充分その独立性を保持し、且つ地方団体の利益を容易に反映することのできる構成を採りますところの地方財政委員会をして行はしめ、又その交付方法は、これに関する主要な規定は、すべて法律を以て定め、細目の規定と雖も、可及的に委員会規則において定めることといたしまして、これを公示して、周知徹底を図り、中央政府による地方自治の干渉支配の余地を極力排除することといたしております。
 第二に、国は、地方自治の本旨を尊重し、交付金の交付に当り或いは條件を附し、或いは、使途を制限するがごときことは、一切これを行はないことを以てこの制度運営の基本方針の一といたしております。従いまして、地方行政の種類ごとに財政需要は測定いたしますが、これは原則として、平衡交付金交付額算定のための便法に過ぎないのでありまして、これによりまして直ちに各地方団体の歳出計画に一定の枠を嵌めるものではありません。
 交付金の使途は、地方団体の自由に委ね、交付金もまた一般財源の一つとして、これを縦横に駆使しながら、地方団体はその実情に最も適合した行政の綜合的運営に遺憾なきを期すべきものと存ずるのであります。
 第三に、交付金の額の算定の基礎につき不服がある場合には、審査の請求を、又、交付金を減額し若しくは変換せしめられる場合には、異議の申立を認め、以て地方団体の利益の保護を図ることといたしますとともに、委員会がその権限を行使する場合に必要があると認めるときは、関係地方団体について聽聞することができることとし、又、委員会が行いました交付金の額の決定、又は減額返還等の処分について、関係地方団体が十分な証拠を添えて、その決定又は処分が衡平又は公正を欠くものがある旨を申出たときは、公開による聽聞を行はなければならないこととし、聽聞の結果、その申出に正当な事由があると認めるときは、その決定又は処分と取消又は変更しなければならないことといたしまして交付金制度運営の衡平と公正を期することに十分な配慮をいたしておる次第であります。
 尚、本制度は、従来の均衡化方式に劃期的な改変を加えたものでありますために、その十全な成果を收めますためには、今後とも地方経費及び收入の測定方法につき、更に研究を加え、交付金の計算が、ますます客観的な基礎におかれるように今後一層努力を継続して参りたい所存であります。
 最後に、地方財政平衡交付金制度の創設に伴い、地方財政の一部に必要な改正を行うことといたしております。
 以上本法律案の提案の理由及びその内容の概要につき説明いたしました。
 何とぞ愼重御審議の上、速かに可決せられんことをお願いいたします。
#112
○委員長(岡本愛祐君) それでは今日は提案理由の説明を聽くだけにいたしまして、これで散会をいたします。
   午後四時四十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     岡本 愛祐君
   理事
           吉川末次郎君
           堀  末治君
           竹中 七郎君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           山田 佐一君
           岩木 哲夫君
           林屋亀次郎君
           西郷吉之助君
           鈴木 直人君
           濱田 寅藏君
  國務大臣
   國 務 大 臣 本多 市郎君
  政府委員
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
   地方自治庁次長 荻田  保君
   総理府事務官
   (地方自治庁財
   政課長)    奧野 誠亮君
ソース: 国立国会図書館
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