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1978/06/06 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会 第27号
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1978/06/06 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 大蔵委員会 第27号

#1
第087回国会 大蔵委員会 第27号
昭和五十四年六月六日(水曜日)
    午前十一時開議
 出席委員
   委員長 加藤 六月君
   理事 稲村 利幸君 理事 小泉純一郎君
   理事 高鳥  修君 理事 綿貫 民輔君
   理事 坂口  力君 理事 竹本 孫一君
      愛知 和男君    江藤 隆美君
     小此木彦三郎君    小渕 恵三君
      大村 襄治君    木野 晴夫君
      後藤田正晴君    佐々木義武君
      佐野 嘉吉君    玉沢徳一郎君
      羽田  孜君    浜田 幸一君
      原田  憲君    本名  武君
      村上 茂利君    森  美秀君
      森  喜朗君    山崎武三郎君
      山中 貞則君    貝沼 次郎君
      宮地 正介君    高橋 高望君
      安田 純治君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 金子 一平君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  林  義郎君
        大蔵大臣官房審
        議官      福田 幸弘君
        大蔵省主税局長 高橋  元君
        国税庁次長   米山 武政君
 委員外の出席者
        大蔵委員会調査
        室長      葉林 勇樹君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月六日
 辞任         補欠選任
  阿部 文男君     浜田 幸一君
  池田 行彦君    小此木彦三郎君
  宇野 宗佑君     羽田  孜君
  原田  憲君     佐々木義武君
  本名  武君     木野 晴夫君
  村上 茂利君     玉沢徳一郎君
  山崎武三郎君     森  喜朗君
同日
 辞任         補欠選任
 小此木彦三郎君     池田 行彦君
  木野 晴夫君     本名  武君
  佐々木義武君     原田  憲君
  玉沢徳一郎君     村上 茂利君
  羽田  孜君     宇野 宗佑君
  浜田 幸一君     阿部 文男君
  森  喜朗君     山崎武三郎君
    ―――――――――――――
六月六日
 貸金業の規制等に関する法律案(坂口力君外三
 名提出、衆法第二八号)
 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関
 する法律の一部を改正する法律案(坂口力君外
 三名提出、衆法第二九号)
同月五日
 一般消費税の新設反対に関する請願(鍛冶清君
 紹介)(第四九四七号)
 同(春日一幸君紹介)(第四九四八号)
 同(川崎寛治君紹介)(第四九四九号)
 同(久保等君紹介)(第四九五〇号)
 同外一件(佐野進君紹介)(第四九五一号)
 同(柴田健治君紹介)(第四九五二号)
 同(島本虎三君紹介)(第四九五三号)
 同(瀬野栄次郎君紹介)(第四九五四号)
 同(千葉千代世君紹介)(第四九五五号)
 同(栂野泰二君紹介)(第四九五六号)
 同外一件(馬場猪太郎君紹介)(第四九五七号)
 同外二件(藤田高敏君紹介)(第四九五八号)
 同外三件(山口敏夫君紹介)(第四九五九号)
 同外一件(湯山勇君紹介)(第四九六〇号)
 同外一件(佐藤観樹君紹介)(第四九八八号)
 同(千葉千代世君紹介)(第四九八九号)
 同外一件(西宮弘君紹介)(第四九九〇号)
 同(池端清一君紹介)(第五〇四三号)
 同外一件(久保三郎君紹介)(第五〇四四号)
 同外二件(権藤恒夫君紹介)(第五〇四五号)
 同(島本虎三君紹介)(第五〇四六号)
 同外一件(武藤山治君紹介)(第五〇四七号)
 一般消費税の新設反対等に関する請願(沢田広
 君紹介)(第四九六一号)
 同(沢田広君紹介)(第五〇五三号)
 一般消費税反対及び所得税減税等に関する請願
 外一件(沢田広君紹介)(第四九六二号)
 同(沢田広君紹介)(第五〇五四号)
 共済年金制度の改悪阻止等に関する請願(池端
 清一君紹介)(第四九六三号)
 同(岡田哲児君紹介)(第五〇五二号)
 共済年金制度の改悪反対等に関する請願(池端
 清一君紹介)(第四九六四号)
 同(石野久男君紹介)(第四九六五号)
 同(浦井洋君紹介)(第四九八五号)
 同(福岡義登君紹介)(第四九八六号)
 同(村山富市君紹介)(第四九八七号)
 同(阿部昭吾君紹介)(第五〇四〇号)
 同外二件(千葉千代世君紹介)(第五〇四一号)
 同(楢崎弥之助君紹介)(第五〇四二号)
 一般消費税新設反対等に関する請願(岩垂寿喜
 男君紹介)(第五〇四八号)
 同(竹内猛君紹介)(第五〇四九号)
 同外一件(平林剛君紹介)(第五〇五〇号)
 同(伏屋修治君紹介)(第五〇五一号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 税理士法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 六七号)
     ――――◇―――――
#2
○加藤委員長 これより会議を開きます。
 税理士法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹本孫一君
#3
○竹本委員 税理士法の改正は長い経過、非常にむずかしい経過があったようでございますけれども、ともかくも法案もまとまり、審議も本日をもって大体終わるという段階になりました。この間における大臣を初め皆さんの御努力に対しましては、私は敬意を表したいと思います。法案そのものも、複雑な利害関係が入り乱れている中で、ともかくもこれだけにまとめ上げていただいたということについても、高く評価をいたしております。
 そういう意味できょうは、特に大臣の御出席もありますので、それにもかかわらず、われわれが希望として考えておる問題あるいは心配をしておる問題について、二つほど申し上げて質問にかえたいと思います。
 その第一点は、いま申しましたように法案がいろいろと工夫をされてつくられておるのでございますけれども、率直にこれを読んだときの感じでございますが、そこにどれだけのビジョンがあるか、どれだけの夢があるか、あるいは、夢ばかりではもちろん政治になりませんけれども、新しい時代に対する展望があるかという問題については、きのうもちょっと申し上げたのでございますけれども、法案そのものが少し事務的になり過ぎてはいないかということが一つの問題点であります。
 特に税理士の立場というものが非常にむずかしい、また非常に重要な立場でありまして、今度も第一条には、税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、納税者の信頼にこたえて、納税義務の適正な実現を図らなければならない、こういうことがうたってあります。そこで、私が事務的であるとかあるいは少しロマンが足りないとかビジョンが足りないとかいう点は、こういうことを申しているわけであります。
 全体として今度の法の改正は、いわゆる監督規定というものに重点が移っておるのではないか。ということは、もう一つ申しますと、一つはここに書いてあるように、税理士を独立した自由職業人として取り扱う点について遺憾な点はないか。さらに申しますならば、その税理士を公正な立場に立って活動してもらうということに対する期待感、信頼感というものがどれだけ下の方に流れておるかという問題であります。
 そういう意味から申しますと、大臣御承知のように昔は文官任用令というのがあった。任用令ということを、これは安岡正篤先生がかつてこういうふうに説明したお話を私も伺ったことがある。これは中国に起源があるでしょうけれども、任用ということは非常に大事なことで、行政の根本である。しかしその根本は任用というのは、字はちょっと逆さまになっておりますけれども、用いて任せるということだ。役人もいま中央、地方を合わせて五百万人からおりますが、用いて任せるということが中心にならなければ、本当の政治にはならないのだということを言われたことがあります。
 私は、自分の部下でも用いて任せるということがやはり政治の大事な要諦ではないか、こういうふうに思います。いわんや自分が給料を出しているのでない自由職業人に対しては、特に信頼を持ってそれに接するということが大事なのではないかというふうに思いまして、いわゆる信なくんば立たずである。そういう点から言いますと、今度の改正は微に入り細をうがって、こういう場合にはこうしろ、こういうふうに従業員は監督しろ、税務相談に応じたらこれだけのことを報告しろというように非常に細々と書いてありますから、大蔵当局の考えとしては、行政に間違いのないようにという御配慮だと思いますけれども、受け取る方から言えば、こんなに監督され、こんなに縛られ、こんなに信頼をされない形で協力をさせられるということは若干暗い印象を持つのではないか。現に私のところへいろいろ陳情団も参りましたが、今度の法改正を見ると全く税理士がいやになると言った人も何人かおります。もちろん誤解もあるでしょうし、思い過ぎや言い過ぎもあることは私もわかりますけれども、それにしても全体として、税理士業務をやる人に大蔵省が信頼をしてかかるのか、あるいは、うそを言うかあるいは助言義務でごまかしていくかというようなことについて警戒をする態度で接するのかということは、この税理士法の運用について重大なる影響があると思う。願わくは、税理士さんの立場も独立した立場において自己の良心に忠実にやってもらうように、そしてまたそのことが、依頼者からの独立、官憲からの独立を守りながら自己の良心に忠実に動いてもらうということに対しては、大蔵当局も信頼をしておるのだというような印象を与えるように努力をしてもらいたい、かように思いますけれども、その信頼をもって接するという根本の問題について大臣のお考えを伺っておきたい。
#4
○金子(一)国務大臣 まあ長いいろいろな経過を経ての改正でございまして、しかも、各方面からいろいろな御意見が出ましたのをまとめたものでございますので、もっとこういう点はこうしろよというような御議論のあることは私も当然だろうと思いますけれども一、今度の改正の根幹になりました精神は、あなたのいまおっしゃった職業専門家としての立場を十分に貫かせようということに基本があったと思います。
 第一条をごらんいただきましてもわかりますように、望まれる税理士像としては、やはり税の専門家としての地位とそれから社会的な信用を高めようという点に根本があるのでございまして、私どもその税務行政に当たる者といたしましても、極力信頼を旨としてその運用を図っていきたい、そういう気持ちには変わりございません。
#5
○竹本委員 法律でありますから、きめ細かにあらゆる場合に備えておかなければならぬということを私は否定するわけではありませんが、しかし全体としての流れ、ムード、空気というものが信頼に満ちたものであって、税理士さんにも十二分に活動してもらいたいという空気を大いにつくってもらいたいということでございまして、よろしくお願いをいたしたい。
 第二の問題は、この法律は青色申告会あるいは公認会計士協会あるいは行政書士の方面、あるいは自動車の登録をやっておる人々、いろいろな面にいろいろな影響を持つ法律でございますので、いろいろと利害の調整、関係団体の調整に御苦心をいただいたと思いますし、ある程度それは成功しておると思います。しかしそれにもかかわらず、なお若干のしこりは残っておるようでございますから、このしこりもほぐして、関係各団体が大蔵省とともに打って一丸となって所期の目的が達成されるように御配慮を願いたいと思います。
 それと関連をいたしまして、特にこれからの大事な税理士会のあり方というものそのものも、新しい法律、新しい時代の要請に応じたように考え直してもらわなければならぬ点が幾つかあると思うのです。
 そこで一つだけお伺いしますが、今回の法改正を契機として、税理士会の会則といいますか、そういうものも新たな方向に向かって再検討されるということを期待してよろしいかどうか、この点をちょっと伺いたい。
#6
○金子(一)国務大臣 公認会計士協会でございますとか行政書士会等の関係業界との調整、今度はずいぶん意を用いたつもりでございます。今後もそういった関係が円滑にいきますように、それぞれの監督官庁と十分連絡をとりながら調整を図って、円満な運用をやっていけるように持っていきたいということを考えておる次第でございます。
 また、後段の問題につきましては、一般的に申し上げまして御指摘のように、社会経済情勢の推移を今後も十分見きわめた上で適時適切に対処してまいりたい、このことは税理士制度の運営についても例外でないと考えておる次第でございます。
#7
○竹本委員 いまの問題は、具体的に私が聞いたのは、税理士会の会則の変更を期待してよろしいのか、いままでの税理士会そのものが動きを変えるべきではないか、こういうことでございます。
#8
○米山政府委員 大臣の御説明にちょっと補足させていただきますが、今回の改正のいろいろの趣旨につきましては、その一つとしまして、税理士会の自主性を認め大幅に拡大するというふうな点、そのほか、税理士の資質の向上というような点につきましてもいろいろ改正がございまして、その点につきまして会則にゆだねる点も非常に多くなっております。そういった点につきまして、この改正法の精神にのっとりまして、会則の改正に当たりましては十分税理士会と協議しながら、その会則の変更の認可に当たりましては留意をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#9
○竹本委員 新しい税理士法の改正によりまして、税理士さんの職務と使命がより重大になりましたので、会全体の動きもより民主的により能率的に動けるように会則も変更すべきであるし、ぜひそういうふうにお願いをしたい、重ねてお願いしておきます。
 最後に、いま大臣もちょっと申されましたけれども、この法律自身が大変複雑な利害関係を持っておる関係もありますし、それから、この規定の中にも「当分の間」という字句も入っておるように、これは試行錯誤で非常にむずかしい問題でございますから、動かしてみて、その上でまた改めるべき点があれば改めるという弾力的な幅のある姿勢で臨んでもらいたいと思うのです。特に指定地域の問題その他につきましても、現在の状況からいって一応、これ以外にはないと私も思っております。しかしながら、これ以外の方法はないか、あるいはこれ以外の方法を考えた方がベターではないかという問題も出てくる心配もある。そういうことも含めまして、情勢の変化によって新たな工夫をこらさなければ所期の目的は達成されないというような段階になったならば、それに応じて適当な弾力的な対応をぜひ政府にお願いをしたい、あるいは、法の改正あるいはその他の省令の改正等も含めて、とにかく全体として常に所期の目的が達成されるように、法の運用あるいは法の改正等については弾力的な取り組みを願いたい、最後にこのことをもう一度大臣にお願いをして、終わりたいと思います。
#10
○金子(一)国務大臣 いまの竹本さんのお話の点は、十分配慮してまいりますが、情勢に応じて弾力的に考えてまいりたいと考えておることを申し上げておきます。
#11
○竹本委員 終わります。
#12
○加藤委員長 坂口力君。
#13
○坂口委員 昨日からこの税理士法の改正につきましていろいろの議論がされておるわけでございまして、同僚議員から各方面にわたる質問が出まして、言うなれば質問は出尽くしたという感もなきにしもあらずでございます。しかし、きょうは大臣も出席でございますので、すでに出ました問題の幾つかにつきましても、大臣御自身から幾つかの点をお話しをいただければというふうに思うわけでございます。
 昨日もいろいろ出ておりましたけれども、今回のこの税理士法の改正につきましては、いま竹本先生のお話にもございましたように、いろいろの賛成意見、反対意見が交差をいたしました。また、税理士という職種の周辺の、関連いたします業種の皆さん方からもいろいろの意見があったことも事実でございます。私どもこれらのいろいろのお話を伺ってまいりましたときに、今回出ました税理士法の改正案が必ずしも一皆さん方の満足するものでない、そして、信頼関係を育てるような形になっていないのではないかという危惧を持っているわけでございます。その点、日本の税制はいわゆる申告納税制度というものが基本になっているわけでございますから、納税をする人、そしてまた、税理士さんあるいは国税当局あるいは公認会計士の皆さん、こういった皆さん方の信頼関係の上に立ちまして税務の問題は進めなければならない問題であると思うわけでございます。
 その点について、まず総論的に大臣にお伺いをしておきたいと思いますが、現在までの税理士法、そしてとりわけ今回改正されようとするこの新しい法案、これによってそういう信頼が得ていけるという確信がおありになるかどうか、この辺をまずお聞きをしておきたいと思います。
#14
○金子(一)国務大臣 各方面からいろいろな御議論が出ましたのを、ようやくまとめ上げて御審議をいただいているわけでございますが、やはり税理士制度の運営の基本になるのはあなたのおっしゃるように、税務官庁と税理士会との相互信頼関係がなければいかぬと私も思います。またそれがない限り、なかなか日本の申告納税制度が育たぬと思っております。
 各国の状況を見ましても、成熟しているところでは、専門の税理士と申しますか公認会計士がサインしたものは、それはそのまま認めます、ただ、後で問題が出てきたら、それはとことんまでやりますよというような対策をとりながらやっているのが、多くの国のやり方ではないかと思うのでございまして、私は一日も早くそういう方向へ持っていきたい。これには相当の時間を要するかもしれませんが、しかし、そういう方向へ少しでも早く持っていけるための努力を、この法を通じてやりあるいは運用によってやっていく基本的な考え方には変わりありません。
#15
○坂口委員 三十九年にもいろいろと議論をされたわけでございますが、その三十九年当時の皆さん方のいろいろの御議論というものをいま改めて読ましていただきましたときに、非常に参考になる点もたくさんあるわけでございます。そのときに議論をされております一節にこういうところがございます。「今日の租税制度は、これは国税の大部分がそうでありまするけれども、納税者と税務官公署の相互信頼を基調とした申告納税制度がとられているわけでございまするけれども、しかし、税務執行の実際について見ますと、必ずしもそこのところは法の理想としているようにうまくいっていない。」こういう発言があるわけでございます。確かに私もそういう面があるのではないかと思うわけでございますが、大臣、いかがでございますか。
#16
○金子(一)国務大臣 申告納税制度もやっと三十年たったわけでございますけれども、私はこの三十年間に非常に大きな申告納税制度の前進があったと思います。その前進を支える大きな柱として、やはり税理士の皆さんに努力をしていただいた、これは大変な大きな私は功績だと思うのでございまして、単なる税務官庁だけではなかなかここまで持っていけなかったと思うのです。
 もちろんいろいろな問題があることは事実でございますけれども、だんだんとこれを相互の協力によって完全な信頼関係にまで溶け込めるように努力していく必要があると存じます。私はそれはある程度できてきたのだという気持ちを持っておる次第でございます。
#17
○坂口委員 いま読みましたのは、三十九年六月十二日の大蔵委員会における質疑でございますが、時の大臣は田中国務大臣、そして委員長は山中委員長、そして質問をしております、先ほど読みましたのは金子一平委員でございます。あなたがいみじくも三十九年六月十二日におっしゃったことをいま読み上げたわけでございまして、まことにりっぱなことを言っておる、こう私は感銘を受けて読ませていただいたわけでございます。時は人を変えるとある哲学者が言ったように記憶をいたしておりますけれども、お立場もございますし、それから「必ずしもそこのところは法の理想としているようにうまくいっていない。」こういう発言も、これは三十九年当時のものでございますから、時間的経緯もございますので、その点は含みといたしましていま読ませていただいたわけでございまして、このほか金子一平委員は、「私は税理士がほんとうにそういった使命を自覚して働きやすいような体制を税理士法でもとってやらなければいかぬと考えるのであります」こう述べておみえになるわけでありまして、これもまたもっともな点でございまして、これらの点が本改正案の中にどのように盛り込まれているかということが実は、最大の問題になるのではないかと思うわけでございます。したがいまして、この辺を前段としまして、細かな問題を二、三聞かせていただきたいと思うわけであります。
 税理士の使命について一番最初に言っておりますけれども、第一条に出ているわけでございますが、今回のこの改正案で現在の法律と比較をいたしまして、現在の法律は「中正な立場」ということになっておるわけでございますが、今回の改正案は「独立した公正な立場」というふうに変わっているわけであります。字が変わっておるから変わっておるのだと言われればそれまででございますけれども、しかしその字の違いはさておきまして、この法律全体の中に流れているいわゆる税理士の使命というもの、基本的な考え方において、今回のこの改正案は変わっているのか変わっていないのか、この点まずお聞きをしたい。
#18
○金子(一)国務大臣 精神的な物の考え方は私は大きく変わってないと思うのですが、ただ、こういう規定の仕方をすることによって、税理士の職業専門家としての独立した立場というものが非常にはっきりしてきた。先ほども申し上げたところでございますが、その地位の向上、社会的な信頼の向上ということがこういう表現によってはっきりと出てきたというふうに私は考えておるのでございます。
#19
○坂口委員 第一条において「税務に関する専門一家として、独立した公正な立場」、こういうことになっているわけでありますが、「税務に関する専門家として、」という、事改めてこの言葉を入れることがどうかという議論もございます。私も率直に申しまして、いわゆる税理士法の中に「税務に関する専門家として、」という言葉を改めて入れる必要があるのかどうかということにつきましては、疑問を感じる一人でございます。しかしこの文章を見ますと、「税務に関する専門家として、独立した公正な立場」というふうになっているわけでありまして、これは「税務に関する専門家として、」というその言葉の内容によっては大きな影響を与える言葉ではないかと思うわけでございます。文法的にはこの「税務に関する専門家として、」というのは、「独立した公正な立場」という言葉を修飾しておるわけでありますから、この解釈によっては、いろいろ私はこの「独立した公正な立場」ということに対する解釈も生まれてくる可能性があるのではないか、こう思うわけでございます。
 そこで、ここに述べられております「税務に関する専門家として、」というのは、これはいわゆる税務に関する知識を持ち、あるいはまた記帳上の技術等を身につけたという単にそれだけの意味なのか、それとも、もう少し広い意味で専門家としての倫理あるいはまたその期待像といったようなものもこの中に含まれているのか、その辺をひとつお聞きしたいと思います。
#20
○金子(一)国務大臣 これは自由職業家としての見識を持って、税務署に従属するものでもなければ、それから委嘱者の意のままにも動くわけではないのです。はっきりと自己の見識で判断を加えてやっていただける、そういう意味においての高い評価をここに打ち出したわけであります。
#21
○福田政府委員 「税務に関する専門家として、」として、後がポツになっておりまして、「独立した公正な立場」ということで、御質問の趣旨を法律的に申し上げますと、「税務に関する専門家としての」となりますとこれは全部かぶるわけですが、この場合には、税務に関する技術的な専門家という点からくる、たとえば減価償却に関する知識とかいう種のアドバイスを示すという立場、これは一つございます。それともう一つは、それに並行しまして、税務に関する専門家という問題とは切り離した職業人としての独立公正というこの二つが立法段階では議論になりましたが、二つが含まれておるというふうに考えます。
 ここは、先ほどの単なる技術的な専門家という以上に、全人格的な判断も入りますので、特に税務というのが適正な納税義務の実現という公共性の非常に高いお仕事を担当される、それがまた社会的な地位及び信用に絡むわけでありますから、そういう意味で、ここの「税務に関する専門家」という言葉の中には、公共性、倫理性が含まれて、それが「独立した公正な立場」につながるということであろうと思います。
 この言葉が必要でないという御意見もございますが、これは大臣が当初から申しておりますように、これが今後の地位向上に連なる社会的信用にも関係の深いところでありまして、これが実益といたしましては、全税目を税務の専門家が包括的に担当するというところにまずあらわれます。そこがたとえば行政書士という方に比べれば、税務の専門家であるという立場が、納税者にとってもその援助する立場が専門家である、またその倫理性をわきまえておるということで、全税目のところの規定もそこから発しております。それから、公認会計士との調整問題も、税務に関する専門家であればこそ、税務については優先して取り扱うべきである、独占的にやるべきであるという立場も出てくるわけであります。また、他人の作成した書類について審査するという立場も、税務の専門家として判断を加えるということで、これがずっと貫いてその地位向上につながっておるというふうに法律の技術上なっております。
#22
○坂口委員 いまお話しになりましたように、「税務に関する専門家として、」というこの言葉の中に、ただ知識、技術以上のもの、全人格的なものあるいは専門家としての倫理、そういった意味もここに含まれるのではないかと私も思いましたからこそ質問をしたわけでございまして、そういう意味であるならばなおさらのこと、その解釈の問題が非常に今後重要になってくる場合があると思うわけでございます。文章として文法的にと申しましたけれども、私が申したようにもとれるし、それからいま審議官がおっしゃったようにもとれるわけでございますけれども、私が申し上げたようにもとれるわけでございます。したがいまして、この専門家としての全人格的な人間像、倫理観、そういった感じにこれをとるといたしますれば、この言葉は考え方によって、そのときどきの理解の仕方によって変わってくる面がありはしないか、そのことによっていわゆる「独立した公正な立場」というその立場が非常に限定されてくる可能性がありはしないか、そのことを私は一つ心配をするわけであります。
 したがいまして、いま述べられましたように、「税務に関する専門家として、独立した公正な立場において、」こういうふうになっておるから、これは「独立した公正な立場」というものを限定するものではないんだと言われるのであれば、私はそれなりに理解ができると思うわけでございます。その点ひとつお答えをいただきたいと思います。
#23
○福田政府委員 「専門家としての」でなくて、ポツでございますので、ここで「独立した公正な立場」というものが倫理性そのものの解釈として生じます。もう一つが、「専門家として、」というのが上に冠してございまして、ポツで切られておりますが、そっちの方からくる技術的な面もある。しかし、御趣旨の点はそのとおりでございまして、「独立した公正な立場」自体は倫理性のあるものとして確立されておる。「税務に関する専門家」で限定されておるというだけではないということであります。
#24
○高橋(元)政府委員 先ほど大臣それからただいま政府委員から申し上げたとおりであります。これは二つのことを言っております。いずれも一つの人格的な信頼ということにつながっておるわけでございまして、「税務に関する専門家」、「独立した公正な立場」、相合わせて、ここにあります「納税義務者の信頼にこたえ、」「納税義務の適正な実現を図る」ということにつながってまいるというのが、この改正案を御提案した趣旨でございます。
#25
○坂口委員 その次に、それでは脱税の時効の問題につきまして一言お聞きをしておきたいと思うのです。
 この税理士法そのものから若干外れますけれども、しかし非常に関係の深いことでございまして、脱税という行為は、それを認識するしないにかかわらず幾つか存在することは、まことに残念なわけでございますけれども、現実問題といたしましては存在しているわけでございます。今日いわゆる航空機疑獄事件等におきましてもいろいろ議論されておりますように、この時効の問題というのが非常にクローズアップされてきているわけでございます。日本の場合に、会計法第三十条あるいは国税通則法の第七十二条、これらによって五年ということになっておりますし、また、外部の証処が出ない場合には時効は三年ということに短縮されてしまうわけでございます。この日本の時効は諸外国に比べましても短い方でございまして、イタリアの五年二カ月というのもございますが、大体十年ぐらいになっているわけでございます。この点を考えますと、これだけいわゆる納税義務、納税道徳というものをもっと広めなければならないときでございますから、やはりこういう脱税という行為をした人たちに対しては時効というものはもう少し長くして、そして、それが見つかったならば厳正に処罰をすべきではないか、こういう意見が一般的にも非常に強いわけでございますが、この点について今後考えられる皆さん方の御予定というものがあれば、ここで聞かせていただきたいと思います。
#26
○金子(一)国務大臣 善良な納税者に対する三年の除斥期間は、これは取引の安全という意味からも私はそのままでいいと思います。ただ問題は、脱税の場合の五年の問題でございますが、各国いろいろな規定、制度があると思うのでございますけれども、日本の場合は、会計法の問題やら刑事訴訟法の公訴時効の問題とのバランスがあるものですから、一応五年ということにしておる次第でございます。特に実務上の点から見ますと、書類の保存期間、これは役所も五年にしておりますが、各民間の企業等におきましても大体、五年くらいでどんどん破棄しないと整理ができないというようなことでやっておる場合が多いものですから、そういう問題との関係をどう調整していくか、私は大変厄介な、しかし大事な問題だと思うのです。これはいま申しましたように、ほかの法律との調整の問題があるものですから、しばらく時間をかけて研究をさせていただきたい、率直にそういうふうに考えております。
#27
○坂口委員 おっしゃるように、いろいろ関係のするところが多うございますし、この大蔵委員会だけで済む問題でもないと思うわけでございます。ただしかし、いま御指摘のように非常に重要な問題でございますし、そしてまた、そういう書類等の問題につきましても、その処置方法等について検討は加えなければならないと思いますが、しかし、諸外国におきましてもそれだけの年限を、十年ならば十年という年限をきちっとやっている国々もたくさんあるわけでございますから、日本だけがそれができないというわけのものでもないと思うわけでございます。問題は、もしその必要性があるならば、その後どういうふうにこれを煮詰めていくかという問題になるのだろうと思います。
 したがいまして、いま大臣がお答えになりましたのは、とにかくこの五年という問題については、一応関係するいろいろのむずかしい面があるけれども、しかし検討には値する、あるいは一歩突っ込んで、検討をこれからしていかねばならない問題である、こういう認識を持っておみえになるというふうに理解してよろしゅうございますか。
#28
○金子(一)国務大臣 結構でございます。
#29
○坂口委員 それでは、この時効の問題につきまして、ぜひひとつ庁内、省内、意見をおまとめをいただき、また各省庁との間の連絡等も密にしていただきまして、一日も早く前進のための処置をとられんことを希望しておきたいと思います。
 それから、昨日も助言義務のところに対する質問が相次ぎまして、いろいろの角度から質問がございまして、政府委員の皆さん方からかなり詳しく回答のあったところでございますので、若干重複になりますけれども、大臣がきょうは御出席でございますので、あえてお聞きをしておきたいと思います。
 この助言義務、この項目の特に後半の部分でございますけれども、いわゆる隠蔽、仮装、この「事実があることを知ったときは、直ちに、その是正をするよう助言しなければならない。」という部分について、皆さん方の質問が集中しておりましたし、また、税理士会初め皆さん方の疑問点もここに集中しているように思うわけでございます。そこで、このことを新しくここにあえて取り上げられた理由と申しますか、その辺の大まかな点について、まず大臣にお聞きをしておきたいと思います。
#30
○金子(一)国務大臣 税理士が今後自由職業人として社会的に大いに活動していただくためには、やはりそれなりの社会的責任を果たしてもらう必要がございますので、ここに出てきておるようなことを発見されましたときは、ぜひひとつ是正の勧告をしてもらうような役割りも果たしてもらいたい。このことは、税理士の正式機関でございます税理士会の連合会におきましても、税理士の姿勢を正し、税理士の社会的責任を明確にして、あるいはその品位を高めるということのために必要な規定であるというふうに御理解いただいていると私どもも考えている次第でございます。
#31
○坂口委員 納税者にもいろいろな方があるわけでございますから、税理士の皆さんに対して納税者の皆さん方が、その事実をすべて示すとは限っていないわけでございます。中には、全部お示しになる方もございましょうし、しかし中には、いま申しましたように、意識するしないは別にいたしまして、部分的にしか示さない方もあるのではないかと思うわけであります。そうしましたときに、税理士の方の判断にいろいろ違いが出てくるのではないかと思います。医者の場合にも誤診というのがございますけれども、全体を知らされないがゆえに、そういう誤診に匹敵する形のことが出てくる可能性もあるわけでございます。その点、もしそういうことが起こりましたときに、果たしてそれが税理士の責任なのか責任でないのかという非常に微妙な問題もそこに生まれてくると思うわけであります。その誤っているところを税理士の皆さん方がごらんになってそのことについて何も助言をなさらなかったというのではなくて、その誤っているところは隠されていてほかのところを示されておるがゆえに違った判断をされる、それで何も言わなかった、こういうことはあり得るわけであります。そのときに、結果的には、これは全部は見ていなかったけれども、一部は見ていたのに、何も言わなかったではないかというような問題も出てくる可能性があると思いますが、その辺のところはいかがでございますか。
#32
○高橋(元)政府委員 御提案申し上げておる四十一条の三の条文からも明らかでございますが、委嘱者が不正に賦課、徴収を免れている事実、不正に還付を受けている事実、または「課税標準等の計算の基礎となるべき事実の全部若しくは一部を隠ぺいし、若しくは仮装している事実があることを知ったとき」に助言をしていただくということをお願いいたしておるわけでございまして、ただいまお示しのように、そういう事実があることが信頼関係にあります納税義務者と税理士との間で残念ながら明らかにされていない場合に、そこにまで調査をして助言をするということを求めているわけではないわけでございます。
#33
○坂口委員 そうであることを私も希望しておるわけですが、その仮装、隠蔽の意思が納税者にもなかったとします。その意思がないために、したがって納税者の方も、税理士の皆さん方にそのことは話をしなかったというような場合はいまおっしゃった部類に入るのかどうかというので、若干そこに心配があるわけでございます。
 それからもう一つは、これはいままでにそういう事例があるのかどうか、私よく存じませんけれども、税理士の方々といわゆる委託者と申しますか納税者の皆さんとの間は本来、信頼関係でつながっているわけでございますから、そういうことは起こってはならないわけでございますけれども、しかし結果的には脱税ということになって納税者が、自分はそういうつもりはなかったのだけれども知識がなかったために、自分はこれは言わなければならないことだとは思わなかったのだというようなことで、税理士の方々にも話を十分にしてなかったというような場合が起こり得ると思うのです。その場合に、結果的には脱税だということになりましたときに納税者の側から、自分はそういう不名誉な結果になるとは思わなかった、これは税理士の皆さん方が十分に指示をし、教えてくれなかったからこうなるのではないかと、逆に納税者の方々から訴えみたいなものが将来起こらないとも限らない。そのときに、この助言義務というのはどうなのかということもこの中ではやはり考えておかなければならないのではないか、こう思いますが、その辺のところはいかがでございますか。
#34
○福田政府委員 最初の御質問は、納税者自体がその気がなかった、したがって言わなかったという意見であろうかと思いますが、ここで書いてございますのは、「事実の全部若しくは一部を隠ぺいし、若しくは仮装している事実があることを知ったとき」と、こうなっています。したがいまして、免れようとしていたというようなことを客観的な構成要件としてここではっきり書いてあるというわけでありまして、ここの仮装、隠蔽ということは、その中に不正ということが当然に前提になっておる行為であるわけであります。あるものを隠すわけでありますから、また、ある事実をほかのものをもって借用して別なものにつくろうというわけでありますから、これは故意が、脱税の意図がその構成要件からはっきりいたしていますので、やる気がなかったという主観的な要素の入らない書き方になっておるということで、したがってこれは、その気がなかった、言わなかったという問題ではないというふうにむしろ客観的に書いてあるという点が第一点であります。
 したがってこれは立法過程では、免れようとしていたというのは非常に主観的になりますので、むしろ税理士の方の立場を守るために限定的にしておる。事実関係から構成要件として明確にして、そこが不正であるということがだれが見ても考えられるものに限定しておる。それを積極的に探すことは必要ございませんで、それを知ったときでありまして、知ったときに注意をしていただけばいいということであります。したがって、その知ったときに注意をされれば直されるのがあたりまえだと思います。
 これは九〇%直されると思います。直さないで続ければ、四十五条の第一項にありますように、「故意に、真正の事実に反して税務代理若しくは税務書類の作成をした」ことになりますので、脱税相談といまの不真正と二つ別に書いてございますが、同じ懲戒がかかります。こっちの方は知ったときに直していただけば、懲戒の問題は一つもないということでありまして、こういうことをやることが依頼者との間の長い間の本当の信頼関係を保つことであろうと思うのです。また、そういう税理士さんであることがわれわれから見ましても、税務当局と税理士さんとの間に本当の信頼関係ができる、これが社会的地位の向上につながるわけであります。そして、もう一つ申し上げたいのは、国民の側から見まして、税理士さんの社会的地位というものは、そういうことをちゃんとやっておられるということを国民全体は期待しておるわけでありまして、最近の社会情勢から見ましても、この規定自体の持つ意味は相当高く評価されて社会には受け取られておるわけであります。
 そういうことで、懲戒のためにこの規定が入ったのではございませんで、懲戒にかかるケースはいまのように非常にレアであります。知らなければ問題になりません。また、知って注意して直せば問題はない。また、知って続ければ別な懲戒の問題になっていくということでありまして、懲戒自体を目的にしておりませんので、その辺、その執行面における態度については、また国税庁の方で御説明申し上げるかと思います。
#35
○坂口委員 それじゃ、この問題はこれだけにしておきまして、最後の問題に移りたいと思います。試験制度の問題でございます。
 今回特別試験というのがなくなるわけでございますが、ここに試験委員の人数は示されておりません。現在の法律におきます試験委員というものをコピーでちょうだいをしましたけれども、現在は委員長以下三名の常任委員のほかに臨時委員というのが十三名決められているわけでございます。今度の場合にも多分これと同じような方向で決められていくのであろうと思いますが、この試験委員に一体どういう人がなるのかということも非常に関心の持たれている問題でございます。現在の臨時委員の方は、きょういただきましたのを見せていただきますと、大学の先生が二名、公認会計士の方が三名、税理士の方が二名、国税庁が四名、自治省が二名、こういう割り振りになっているわけでございまして、国税庁内のことであるとはいいながら国税庁が若干多いのかなという感じがしないわけでもありませんが、これから特別試験がなくなりますだけに特に関心の持たれるところであろうと思います。これからどのような点に注意をし、どのように人的構成をしていこうとお考えになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
#36
○米山政府委員 御指摘のように現在の試験委員は十五名以内ということになっておりまして、一般試験十三人、特別試験二名、こういうことで十五人の編成になっているわけでございます。大体簿記、会計学は大学の先生と税理士の方にお願いし、また税法については国税、地方税の担当課長及び先生と税理士の方というように組み合わせてやっておるわけでございます。
 この試験問題は、非常に専門的な知識を必要とするわけでございまして、その学識にふさわしい方を今後とも選んでいきたいと思いますが、現在の試験委員、臨時委員についても、従来からそういう非常にすぐれた方々でございまして特別問題が起こっておりませんが、今後いまの御趣旨もくみまして、この人選については一層留意してまいりたいと考えております。
#37
○坂口委員 初めにも述べました昭和三十九年六月十二日の委員会で金子委員は、「私は率直に言って、税務官吏なるがゆえに特別の恩典を与える必要もないし、かといって特に不利な扱いをする必要もない、これは各国の例もあることだから、このバランスを見て考えられたらいいと思っておるのであります」、こういうふうにうまいことを言うておられるわけでありますが、私も基本線としてはそうだと思います。
 それで、研修ということが非常に問題になるだしろうと思います。現在の研修の内容等については、きのうも若干触れられたわけでございますが、今後特別試験のかわりとして現在とはまた別枠で研修というものが始められるのか、それとも、現在までの研修が引き続いてそれが内容を充実するという形でされていくのかということをまずお聞きしたい。
 それからもう一つは、きのう言われた時間数やそれから研修の内容というのは、現在の国税職員の皆さん方の中の大体どれくらいの。パーセントのところで行われているのかということをお聞きしたいわけであります。昨日の数字を改めてここに挙げていただいても結構でございます。
#38
○米山政府委員 この研修はいま委員御指摘のように、会計学に属する科目の合格者と同程度の学識を習得することができると認められる研修である、こういうように法律でその水準についてははっきり規定しているわけでございまして、この内容につきましてどういう研修がこれに相当するかということは、今後税理士審査会において十分検討されていくべき問題だろうと思っております。
 現在税務大学校における研修は、普通科、これは高等学校を卒業して税務職員として採用されて最初に受ける一年間の研修の中で、会計学の研修時間は百二十六時間になっております。それからさらに、その中で選抜されて本科生として一年間の研修を受ける人がこの会計学の研修を受ける時間というのは、百六十八時間という多数になっております。また、大学を卒業しまして入りました専門官につきましても、専門官の基礎研修として六十時間、それからさらにまた、実務を受けてからその人たちが税務大学校へ専科として入ってきてこの会計学の研修を受けるのは九十六時間、こういうふうに非常に充実した研修を受けているわけでございます。
 いま委員の御質問は、これらがこの研修の中に含まれるのか、あるいはこれにさらにプラスになるのかという御指摘でございますが、先ほど申しましたように、今後税理士審査会で検討されていくものと思われますが、こうした現在の研修制度というのも十分加味して考えていきたいと考えております。
#39
○坂口委員 もう一つ私が申しました、それを職員の中のどの範囲内に行うのか、一部の人だけに行うのか、それとも、全職員を対象として行うのかということによってずいぶん違ってくると思います。
#40
○米山政府委員 これからの研修はもちろん、税理士の資格を得たいと思う方が希望してその研修を受ける、こういうことになるわけでございます。
 現在の研修は、普通科というのは、税務職員として採用になる方、女子等除きますが、現在ではほとんど全部が受けております。それから本科の研修は、その中で十倍くらいの競争率で選抜された者が受けております。専科の研修は、大学を卒業して専門官として入った者全部が受けております。
#41
○坂口委員 時間がもうわずかになりましたので、最後に公認会計士の皆さん方との問題がございます。
 公認会計士の皆さん方には、今回の税理士法改正案に対していろいろの御心配もございますし、御議論もあるようでございます。これはいろいろお話を聞いてみますとごもっともな点も多いわけでございまして、この改正案が成立するかどうかわかりませんけれども、もし成立するということになった場合に、その法の運用上、税理士の皆さん方にはよかったけれども、公認会計士の皆さん方にはぐあいが悪かったというような、そこに何となくはだはだのことが生じるようなことがあっては断じてならないと私も思うわけでございます。そういう意味で、この法の運用上、まだ言うのは少々早うございますけれども、もしそうなりましたときの法の運用上におきましては格別の注意が必要ではないか、その辺の確たる大臣の御決意を承っておきたいと思います。
#42
○金子(一)国務大臣 今度の改正によりまして、公認会計士の皆さんにも税理士会に直接御入会いただくことになるわけでございます。やはり税理士業務をやっていただく上において、この法律が一体となって運営されることが一番大切なことでございますので、今後の税理士法の運営に当たりましては、両業界の間にぎすぎすとしたことのないように極力、円滑な運営ができますように努力してまいりたい。また、この法案は今国会でぜひ上げていただくつもりでございますので、恐らく早い機会に施行されると思いますが、今後のこの法律の施行によって税理士業界の皆さんが、税務の円滑適正な運営にさらに大きな役割りを果たしていただくことを私どもとしては期待しております。
#43
○坂口委員 これで最後にさせていただきますが、事務所の複数制を認めない、事務所を一つにする、こういうところがございますが、これは要望でございますけれども、たとえば税理士さんの数というのも地域的にアンバランスになる可能性もあると思うわけでございます。地域によりましては、税理士さんが非常に少ないというようなところもありましょうし、また、非常にたくさんの税理士さんが集まっておみえになる場所もあるのではないか、そういう全国的なアンバランスがありはしないか。その辺のところも、この問題についてはよく考慮をしていただきたいと思うわけでございます。
 そのことにつきましては、三十九年におきますその委員会におきまして、金子先生もやはり十分に主張しておみえになりまして、「全国的なアンバランス、地区的なアンバランスが相当あると思います。そういう点はひとつ十分に税理士の働きやすいように、納税者の便利なように考えてやっていただきたいということをつけ加えておきます。」こういうことでございますので、私もこれをつけ加えて終わりにさせていただきます。
#44
○加藤委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時三分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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