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1978/05/25 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 外務委員会 第11号
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1978/05/25 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 外務委員会 第11号

#1
第087回国会 外務委員会 第11号
昭和五十四年五月二十五日(金曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 塩谷 一夫君
   理事 大坪健一郎君 理事 奥田 敬和君
   理事 川田 正則君 理事 井上 一成君
   理事 土井たか子君 理事 渡部 一郎君
   理事 渡辺  朗君
      小坂善太郎君    佐野 嘉吉君
      中山 正暉君    河上 民雄君
      小林  進君    高沢 寅男君
      松本 七郎君    中川 嘉美君
      寺前  巖君    依田  実君
      楢崎弥之助君
 出席政府委員
        外務政務次官  志賀  節君
        外務大臣官房審
        議官      矢田部厚彦君
        外務省条約局外
        務参事官    山田 中正君
        外務省情報文化
        局長      加賀美秀夫君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       児玉 勝臣君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力局調査国際協
        力課長     石塚  貢君
        科学技術庁原子
        力局動力炉開発
        課長      中村 守孝君
        科学技術庁原子
        力安全局保障措
        置課長     森下 保広君
        外務省情報文化
        局文化事業部外
        務参事官    平岡 千之君
        外務委員会調査
        室長      高杉 幹二君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月九日
 辞任         補欠選任
  寺前  巖君     東中 光雄君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  佐野 嘉吉君     篠田 弘作君
  東中 光雄君     寺前  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  篠田 弘作君     佐野 嘉吉君
  寺前  巖君     東中 光雄君
同日
 理事毛利松平君同日理事辞任につき、その補欠
 として川田正則君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
五月十日
 日本国平和宣言決議に関する請願外一件(亀岡
 高夫君紹介)(第三四四二号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第三四四三号)
 同外一件(齋藤邦吉君紹介)(第三四四四号)
 同(天野光晴君紹介)(第三五〇二号)
 同(塚本三郎君紹介)(第三五〇三号)
 国際人権規約の批准促進に関する請願外二件
 (清水勇君紹介)(第三四四五号)
同月十一日
 国際人権規約の批准促進に関する請願外二件
 (中村茂君紹介)(第三五四八号)
 日本国平和宣言決議に関する請願(山花貞夫君
 紹介)(第三五四九号)
 同(石原慎太郎君紹介)(第三六三六号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第三六三七号)
 世界恒久平和の確立に関する請願(西宮弘君紹
 介)(第三六三八号)
 同(福田篤泰君紹介)(第三六三九号)
 同(中山正暉君紹介)(第三六四〇号)
 同(渡辺朗君紹介)(第三六四一号)
同月十二日
 日本国平和宣言決議に関する請願(楢崎弥之助
 君紹介)(第三七六〇号)
 同外一件(八百板正君紹介)(第三七六一号)
 世界恒久平和の確立に関する請願(中川嘉美君
 紹介)(第三七六二号)
 同(楢崎弥之助君紹介)(第三七六三号)
同月十四日
 核兵器完全禁止等に関する請願(工藤晃君(共)
 紹介)(第三九七三号)
 日本国平和宣言決議に関する請願(竹内黎一君
 紹介)(第三九七四号)
 世界恒久平和の確立に関する請願(河上民雄君
 紹介)(第三九七五号)
同月十五日
 旧樺太(サハリン)在住の大韓民国出身者の帰還
 に関する請願(渡辺朗君紹介)(第四一五二号)
 金大中氏の原状回復を求める決議等に関する請
 願(東中光雄君紹介)(第四一五三号)
 日本国平和宣言決議に関する請願(佐々木良作
 君紹介)(第四一五四号)
 世界恒久平和の確立に関する請願(中馬弘毅君
 紹介)(第四一五五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
同月二十五日
 日本国平和宣言決議に関する請願(柴田睦夫君
 紹介)(第三六三七号)
は委員会の許可を得て取下げられた。
    ―――――――――――――
五月十二日
 朝鮮の自主的平和統一促進に関する陳情書外五
 件(鳥取県議会議長浜崎芳宏外五名)(第二三三
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の辞任及び補欠選任
 原子力の平和的利用における協力のための日本
 国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議
 定書の締結について承認を求めるの件(条約第
 三号)
 教育交流計画に関する日本国政府とアメリカ合
 衆国政府との間の協定の締結について承認を求
 めるの件(条約第九号)
 日本国平和宣言決議に関する請願(柴田睦夫君
 紹介)(第三六三七号)の取下げの件
     ――――◇―――――
#2
○塩谷委員長 これより会議を開きます。
  この際、理事の辞任の件についてお諮りいたします。
 理事毛利松平君から、理事を辞任したい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありま
 せんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。
 それでは、理事に川田正則君を指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○塩谷委員長 次に、請願取り下げの件についてお諮りいたします。
 本委員会に付託になっております日本国平和宣言決議に関する請願、第三六三七号につきまして、去る十六日紹介議員であります柴田睦夫君より取り下げの願いが提出されております。これを許可するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#7
○塩谷委員長 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、教育交流計画に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、両件を議題といたします。
 まず、政府より提案理由の説明を聴取いたします。志賀外務政務次官。
    ―――――――――――――
#8
○志賀政府委員 ただいま議題となりました原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカナダ政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 現在、わが国とカナダとの間には、昭和三十四年に署名され、その翌年に発効した原子力の平和的利用における協力のための協定が締結されております。わが国は、この協定の発効以来、わが国の原子力発電に必要な天然ウランの大半をカナダから購入しておりますが、カナダは、昭和四十九年五月のインドの核実験を契機として、自国産のウラン等に対する規制を強化する政策をとり、わが国等の諸国に対して原子力協定の改正を申し入れてまいりました。政府は、カナダのこの新政策を勘案しつつ、わが国の原子力の開発と利用を促進し、また、天然ウラン等の核物質供給に関する両国の協力関係を維持し、さらにこれを拡大するとの基本方針で、カナダと交渉を行いました。その結果、最終的合意を見るに至り、昨年八月二十二日に東京において、園田外務大臣とカナダ側ホーナー通産大臣との間で現行協定を改正する議定書の署名を行った次第であります。
 この議定書は、本文七カ条から成り、これによる主な改正内容は、次のとおりであります。すなわち、現在規制の対象となっている核物質、原子炉等に加えて、濃縮、再処理等に関する情報をも第三国移転に関する規制の対象としたこと、ウランの二〇%を超える濃縮及び一定の核物質の長期にわたる貯蔵を供給国の事前同意の対象としたこと、協定の対象核物質を盗難、不法な奪取等から防護するための措置をとることとしたこと、いわゆる平和目的の核爆発に使用するものを含め、協定の対象核物質をいかなる核爆発装置の製造にも使用してはならないことを明示的に規定したこと、核拡散防止条約に基づく保障措置協定による保障措置が適用されることを明示したこと等であります。
 この議定書の締結によって日加両国が原子力に関する協力関係をさらに発展させるための基礎を整備することは、核拡散防止のための国際的努力に協力しつつ、わが国の原子力平和用推進に必要な天然ウラン資源を確保するとの観点より、きわめて大きな意義を有するものと考える次第であります。
 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。
 次に、教育交流計画に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。
 わが国と米国との間では、従来、昭和三十三年一月十一日付の交換公文に従い、学生、教授等の交流を主たる内容とする教育交流計画が実施されてきましたが、その経費は、米国政府の負担によるものでありました。しかるに、昭和五十二年九月に、米国政府は、今後は米国と英、西独、仏、豪州等との間の教育交流計画と同様に経費分担方式により本件計画を実施するため、新たな協定を締結したい旨の提案をしてまいりました。政府は、教育分野の交流を推進することは両国国民間の相互理解の一層の増進に資するところ大であることを考慮して、本件計画を名実ともに両国共同の新たな事業として実施するとの前提で米国政府の提案に応ずることとし、米国政府と交渉を行いました。その結果、本年二月十五日に東京において、わが方園田外務大臣と先方マンスフィールド駐日大使との間でこの協定の署名を行った次第であります。
 との協定は、両国間の教育交流計画及びそれに関連する教育事業計画を実施するための日米教育委員会を設置すること、両国政府は、委員会の年次予算案を共同して承認し、各自の予算の範囲内で五〇対五〇の割合による分担原則に基づき委員会に対する資金の拠出の義務を負うこと、委員会は、法人格を認められ、また、直接税を免除されること等を定めております。
 この協定の締結により、日米両国政府の拠出による共同事業としての教育交流計画が安定した基礎の上に実施されることとなり、その結果、両国国民間の相互理解が一層促進されるとともに、両国間の友好協力関係が一層強化されるものと期待されます。
 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。
 以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
#9
○塩谷委員長 これにて提案理由の説明聴取は終わりました。
    ―――――――――――――
#10
○塩谷委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川嘉美君。
#11
○中川(嘉)委員 私は、まず原子力の平和利用に関する協定の方からお伺いをしたいと思います。
 このたびの改正で、日加間の協定というものが、わが国が結んでいる他の四カ国との協定、すなわち米、英、オーストラリア、フランス、こういった四カ国との間に協定を結んでおりますが、こういった協定に比べて最も厳しい規制を課するものになるわけでありますが、このように厳しい規制が本当に必要であるのかどうか。たとえば協定の新旧対照を見てみますと、情報の移転であるとか、あるいは二〇%以上の濃縮、これらの貯蔵に関するカナダの事前同意、さらには防護措置といった厳しい規制があるわけであります。わが国は核防条約の査察を受けているわけですから、その上さらに供給国の規制を受けなくてもいいのではないかと私は考えますが、この点についてまずお答えをいただきたいと思います。
#12
○矢田部政府委員 お答え申し上げます。
 原子力と申しますものは、その性質上、やはり平和目的と軍事目的とを区別することがむずかしい分野のものでございますので、この分野におきましての協力をいたしますには、従来とも政府間の協定を結んで初めて協力が行われてきたわけでございます。したがいまして、従来の協定におきましても、原子力協力を行いますには一定の条件と申しますか、制約と申しますか、そういうものがあったわけでございます。今度の改正におきましてそのような面での強化が図られておることは先生が御指摘のとおりでございますが、これは最近の状況を反映いたしたものでございまして、特に一九七四年のインドの核爆発が行われまして以来、核不拡散のためにとるべき措置は強化しなければならないということが世界的に強く認識されるようになりまして、そのような認識を反映いたしましたものが今度の改正となっておるわけでございます。
 それから、核防条約との関連につきましては、まさに先生御指摘のように、わが国は核防条約の締約国といたしまして保障措置を全面的に受けておるわけでございますが、ただ、先ほど申しましたようなインドの核爆発の例をとりましても、プルトニウムというような核兵器にそのまま利用できるような物質が存在いたします場合には、これが核爆発目的に使用されないためにはそれなりの規制を強化する必要がある、と申しますのは、核防条約は非核兵器国に核兵器を製造したり所有したりすることは禁じておりますけれども、他方平和目的の利用はこれを認めておるわけでございますから、そこでプルトニウムといったようなものが存在することも認めておるわけでございます。したがいまして、それを認めている以上はやはりその規制を強化する必要が出てまいっておる、こういうことであるかと存じます。
#13
○中川(嘉)委員 そうしますと、現在、日米、日豪ですね、これらの協定の改正交渉が行われているというふうに聞いているわけですが、やはり日加と同様な規制が行われるようになる見通しなのかどうか、すなわち、先ほど述べたような厳しい各種規制ですね、四項目ばかり挙げましたけれども、こういった規制を課せられるのかどうか、この点はいかがでしょうか。
#14
○矢田部政府委員 ただいま御指摘のございました日豪の協定につきましては、改正のための交渉を目下行っております。これは改正交渉中でございますので内容について詳しく申し上げることは差し控えさしていただきたいと思いますが、ほぼ同様な方向での交渉が行われておるわけでございます。
 それから、日米につきましては、目下予備的な接触が行われておる段階でございます。
#15
○中川(嘉)委員 いま内容が言えないという段階に置かれている日豪の協定、日米の方は予備折衝中であるということですが、近くフランスからも濃縮ウランの供給が行われるというふうに聞いておりますが、フランスとの協定改正交渉ですね、これなどについては、先方から何らかの要望といいますか、そういったものが来ているかどうか、さらにイギリスについてはどうか、この辺はいかがでしょうか。
#16
○矢田部政府委員 現行日英及び日仏協定につきましては改正の話は目下出ておりません。
#17
○中川(嘉)委員 次に、議定書の第一条で、これは協定の第三条の改正のことを言っておりますが、新たに核物質防護の措置をとることが規定されたわけでありますが、現在国際原子力機関でつくられている協定との関連があるのかどうか、あるとすればどのような関連があるのか、またわが国の原子力施設すなわち各発電所とか動燃、原研の施設、こういったもの等は議定書の附属書Aの指針に適合しているのかどうか、この辺をお答えいただきたいと思います。
#18
○矢田部政府委員 ただいまの御質問の前半の部分でございますが、新日加協定の附属書Aに定めます防護措置に関する指針と申しますものは、これは国際的に現在常識と申しますか、一般的に認められておる水準の防護措置を適用しようというものでございまして、この協定に基づく措置と、それから国際的に一般的に合意されておる措置とは一体のものであると申し上げられると思います。
#19
○中川(嘉)委員 いまの御答弁は、前半の方の国際原子力機関でつくられている協定との関連がそういうことであるということですか。後半のことについてはまだ御答弁はいただいていないと思いますので、お願いします。
#20
○矢田部政府委員 国際核物質防護条約につきましては、従来三回にわたりまして会議が開かれまして、近くこれの採択会議がとり行われる運びとなろうかと思いますが、目下の見通しといたしましては、核物質等の国際輸送の途次における核物質の防護措置を取り決めた条約になる見通しでございます。したがいまして、その面におきましては今回の日加の協定で定める防護措置のガイドラインと矛盾することはない、相互に合致いたしておるものと申し上げて差し支えないと思います。
#21
○中川(嘉)委員 それはそれでいいですけれども、わが国の原子力施設、たとえば各発電所とかあるいは動燃、原研の施設がありますね、こういったもの等は、この議定書の附属書Aがあるわけですが、このAの趣旨に適合しているのかどうか、この辺をはっきりお答えをいただきたいと思います。
#22
○森下説明員 お答えいたします。
 日加協定の改定議定書のアネックスと言っておりますところの中でいわゆる核物質防護措置、防護水準について、核物質の防護の仕方につきまして第三群から一群まで規定されておりますが、現在日本にございますような、先生先ほど御指摘の原研、動燃の施設等も含めまして、従来より原子炉等規制法の実施運用というようなことによりまして、このアネックスAに規定しておりますところのいわゆる施設における使用、貯蔵におきますところの物質の出入り、管理あるいは防護区域の設定、あるいはそういったものにつきましての監視、そういうようなことにつきましてはこのアネックスAに十分沿っている措置が講じられております。
#23
○中川(嘉)委員 次に、カナダの重水炉CANDU、これは最終的に導入しないことになったようですが、軽水炉から高速増殖炉へというわが国の基本的な開発計画の中で、いつどのようにしてCANDUの導入の話が始まって、どのような理由で導入中止になったのか、カナダからの天然ウランの供給と何か関係があるのかどうか、この辺をお答えいただきたいと思います。
#24
○中村説明員 カナダのCANDU炉につきましては、五十一年八月に原子力委員会の動力炉開発専門部会というところで、今後のわが国の動力炉開発の進め方を検討いたしたわけでございますが、その際に、基本的には軽水炉から高速増殖炉へ進むというのがわが国の動力炉開発の基本でございますが、高速増殖炉の開発時期等の問題もこれあり、この基本路線のみに頼るということにつきましては種々の問題もございます、そういう意味から、今後導入すべきあるいは開発すべき新しい炉というものはどうあるべきかということもあわせて議論したわけでございます。
 その際にカナダのCANDU炉につきましても、ウラン資源の有効利用あるいはウラン資源の入手の問題、そういった点からいってわが国としても関心のある炉である、しかしながら技術的にはいろいろまだわが国として十分な情報が得られていない、検討すべき点が多々あるので、今後検討していこう、そしてその検討の結果と、わが国が考えております新型炉の開発計画との関連、そういったものも含めて今後検討を進めていく、こういうことが当時の、五十一年八月の原子力委員会動力炉開発専門部会の報告として出されたわけでございます。当時、これより先に電源開発株式会社におきましてはこのCANDU炉に着目いたしまして種々の勉強をいたしておったわけでございますが、この原子力委員会の動力炉開発専門部会の報告もございましたので、引き続き電源開発株式会社において調査、検討を進めてまいりました。
 昨年の四月に、原子力委員会としましては、五十一年八月以来その後の情勢の変化を踏まえ、電源開発等による調査も進展したということも踏まえますとともに、かたがた原子力開発利用長期計画の改定の問題もございましたので、それらの状況の中でこの重水炉問題をどう考えていくべきだろうかということを検討すべきだ、こういうことで、新しく新型動力炉開発懇談会というものを設置いたしまして、ここで検討を進めることにいたしたわけでございます。新型動力炉開発懇談会は四月に設置されまして、最初の会合を五月に持ったわけでございますが、以来ことしの三月まで約一年間、種々検討いたしまして、三月に報告をまとめ、原子力委員会に答申いたしました。
 原子力委員会では、ただいまこの報告をベースといたしまして種々の検討をいたしております。そういうことで、先ほど先生から、導入をしないことになったというお話がございましたが、まだ原子力委員会としてもその最終的な結論を出す段階に至っておりません。
 行政庁といたしましては、原子力委員会の結論を待って、それを尊重する方向で検討を進めてまいりたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
#25
○中川(嘉)委員 そうしますと、確認の意味ですが、導入中止ということではないというふうに解していいか、それから、先ほど申し上げたカナダからの天然ウランの供給とは何ら関係がない、このように解していいか、もう一度確認をしておきます。
#26
○中村説明員 お答え申し上げます。
 CANDU炉の導入についてのメリットというものはいろいろございます。CANDU炉自身の炉特性上、ウラン資源を有効に利用できるという特性もございますし、カナダはわが国へのウラン供給国の中で非常に大きなシェアを持っておるわけでございます。そういう意味で、カナダからのウランの入手が容易になるのじゃないかという意見もございまして、それらも一つの検討課題ではございますが、現在までの懇談会の審議等におきましては、その評価をもってカナダ炉を入れるとか入れないとか、そういう議論にまではなっておりません。
#27
○中川(嘉)委員 それでは、三月末の例のスリーマイル島の原子炉事故ですが、これは周辺の大気中に放射能が漏れるという原子炉最大の事故となったわけです。わが国の原子炉の安全性の問題も大きな問題がありますけれども、これは専門の科技特の方に技術的に譲るといたしまして、五月初めの日米首脳会談でこの問題も話し合われたようですが、共同声明の中には、「原子炉の安全性及び信頼性を高めるため共同研究を拡大することにつき意見の一致をみた。」このようにありますが、カーター大統領は原潜に乗り組んでいたといった経歴もあり、また原子力については相当の専門家であると聞いておりますが、外務省の方にもお伺いしたいのですが、首脳会談で何か大筋についての話し合いがあったかどうか、この点についてまずお答えをいただきたいと思います。
#28
○矢田部政府委員 ただいま先生御指摘のございましたとおり、先般の日米首脳会談におきましては、軽水炉の安全性の研究を拡大強化する重要性が指摘されまして、この面におきましては従来とも日米間に協力が行われておりますが、これを一層拡大するということが合意されまして、その旨が日米共同声明の中にも記述されておるわけでございます。
#29
○中川(嘉)委員 この安全性の共同研究は、いままでもLOFT計画さらにはPBF計画、こういったものなどが行われておりますが、今後どのような計画を予定しておられるのか、お答えをいただきたいと思います。
#30
○石塚説明員 御説明申し上げます。
 現在、原子力安全委員会の原子力施設等安全研究専門部会におきまして、安全研究そのもののフレームワークあるいはその見直しを含めまして、今後の安全研究の全体像といったものを検討しておるわけでございますが、スリーマイル・アイランドの事故を契機といたしまして、これら安全研究は、今後、国内においてはもとより、国際協力という面でもさらに強力に推進していく必要があるわけでございます。
 そこで、現在日米間におきましては、軽水炉の分野におきまして安全研究に関する一般的な情報交換が行われておりますが、それ以外に、冷却材喪失事故でございますとか、あるいは出力上昇の異常時、そういった場合の燃料破損事故というものに関しまして共同研究が行われております。これはいまほど先生御指摘になられました点でございます。また、高速増殖炉の分野におきましても、安全性に関する情報交換が行われておりますほか、共同研究といたしまして大規模な炉内試験が行われているということになっております。
 そこで、わが国といたしましては、今後、現行のこういった日米間の安全研究を進めることはもとよりでございますが、新たな共同研究プロジェクトということで、軽水炉の冷却材喪失時を想定いたしました大型再冠水実証試験と言われるものを開始すべく、現在両国間において検討中でございます。
#31
○中川(嘉)委員 安全性研究の国際協力の問題ですけれども、この国際協力をサミット参加国のエネルギー専門家で話し合う計画があるようですけれども、どのようなことを行う予定であるのか、おわかりになれば御答弁をいただきたいと思います。
#32
○矢田部政府委員 軽水炉の安全性研究協力につきましては、先ほど申しましたように、日米間ではいままでの協力を一層拡大強化しようという合意ができたわけでございますが、他方、より幅の広い国際協力を行うべきであるという意見も出ております。現に、ウィーンにございます国際原子力機関が、専門家を集めまして二十二、二十三の両日、この問題についての会合を開いております。そのほか、どのようなフォーラムで協力のための検討を行ったらよいかといったような話し合いも非公式に行われております。しかしながら、ただいま先生が御指摘になりましたような、サミットでこれを取り上げるかどうかということにつきましては、まだ具体的な話は出ておるというわけではございません。
#33
○中川(嘉)委員 この原子力の協定に関して、きょうのところ、あと一問だけお聞きしておきますが、国際核燃料サイクル評価、INFCEですね、これが最初の計画では二年間であった。ところが、これが延長されるように聞いているわけですけれども、この結論が出るのはいつごろなのか。結論と関連している核再処理に関する日米共同声明に基づくわが国の再処理はどうなるのか、この辺についてお答えをいただきたいと思います。
#34
○矢田部政府委員 国際核燃料サイクル再評価作業、INFCEと略称しておりますが、これは当初の予定では二年間で終了するということになっておりましたので、ことしの十月でございますかに終了しなければならなかったはずでございますが、これは膨大な作業でございまして、いままでにつくられた作業文書の数がすでに一万ページ近くにも上っておるというような非常に膨大な作業を行っております。そのため、当初の予定よりも作業が若干おくれておりまして、最終報告の採択は明年の二月になるという目下の予定でございます。
 そこで、このINFCEの結論とわが国の再処理との関連でございますが、INFCEは何と申しましても技術的な検討の場でございます。したがいまして、明年の二月に最終報告を出しますけれども、これは技術的な検討結果を報告としてまとめたものでございまして、検討参加国を拘束するような性質の国際的な合意を構成するようなものでは毛頭ございません。各国の参考に供せられる技術的な評価という性質のものでございます。
 そこで日本の再処理でございますが、これは日米原子力協力協定上の問題でございまして、INFCEでの検討状況、検討結果をも踏まえまして、さらに日米間で協議いたすべき性質の問題ということでございます。
#35
○中川(嘉)委員 それでは、時間の関係もございますので、原子力の方はとりあえずこの辺までにしておきまして、次に、教育交流計画に関する協定がございますが、この質問に入ってまいりたいと思います。
 まず、フルブライト交流計画によって米国政府が負担した経費がいままでにどのぐらいの額になるのか。
 まとめて伺いますが、フルブライト計画によってアメリカに学んだ日本人学生の総数はどのぐらいか。
 さらにもう一点、この計画が日本の青年の教育にどのように貢献してきたと評価されるか、これは当然評価されるのは間違いないと思いますが、この計画によって著名となった人物にはどういう人がいるのか、お答えをいただきたいと思います。
#36
○加賀美政府委員 お答え申し上げます。
 まず、いわゆるフルブライト計画のためにアメリカ政府が負担いたしました経費の総額でございますが、一九五一年にこの計画が発足して以来、現在までにこの計画の実施のためにアメリカ側が出資いたしました費用は全額で二千四百十九万六千ドルでございます。
 それから第二の御質問で、この経費によって賄われました給費生の総数でございますが、日本人は一九七八年までに四千三百八名でございます。ちなみに御参考までに申し上げますと、アメリカ人でこの計画の給費を受けました数は千六十名に上っております。
 それから第三の御質問でございますが、フルブライト計画により日本の教授、研究者、大学院の学生等約五千名の交流が行われたわけでございまして、両国の教育、学術水準の向上と相互理解の増進という点で多大の貢献をしてまいったわけでございます。多くの教授あるいは研究者等が米国での研究の機会を得たということ、それから英語教育の面においても米国留学の機会を得て日本の英語教育の面で水準の向上に役立ったという点、それから来日いたしましたアメリカ側の教授、研究者等も日本の実情に触れまして日本との相互理解の増進がありましたのに加えまして、日本側から見ましてもわが国内におきます教育、研究活動を通じましてわが国の教育に対して刺激を与えるということがございました。その結果、日本においても教育、学術水準の向上にも貢献したものと思われております。
 こういう給費生の中から出られました著名な方といたしましては広中平祐という方、これはたしか数学の研究者でございます。
#37
○中川(嘉)委員 イギリスとか西ドイツ、フランス、オーストラリア、これらと同様に経費分担方式によってこの計画を実施するために本協定を締結するものであるということが提案理由の説明に出ておるわけでありますが、以上の諸国との教育交流の実態はどのようになっておるのか、また米側から日本に対して経費分担方式がおくれた理由はどういうところにあるのか、この辺を伺いたいと思います。
#38
○平岡説明員 各国とのフルブライト計画の実情、ことに人数等についての御質問だと存じます。
 一番規模の大きいのが米国とドイツとの間の委員会でございまして、人数の点から申しましても予算の面から申しましても一番大きいわけでございます。具体的に金額を申しますと、西ドイツの分担は百八十万ドル、米国自体は五十三万ドル、合わせまして二百三十四万ドルという分担の額でございます。これは日本を上回っておりますが、日本がそれに次ぎまして、現在のところは大体二億円、すなわち百万ドルぐらいやっておるわけでございます。その次あたりに大きいのがオーストラリアで、合計五十一万八千四百十六ドルという予算でやっております。
 人数的に申しますと、交流の実績は、西ドイツの場合は往復、すなわちアメリカに参りますドイツ人とドイツに参りますアメリカ人を合わせまして七七年度におきましては七百二十二人行っております。オーストラリアの場合は百二十二人、それからオーストリアが人数的には多くて百五十八人、フランスが百七十六人、この辺が大きいところでございます。
 アメリカ側が日本に分担を求めてきた背景という御質問でございます。これは、すでに先進国の中で分担をしていないのは日本だけになりまして、一九六二年の西独との取り決めを初めとし、最近では一九七〇年にオーストラリアでございますが、こういう形ですでに二十五カ国と分担の取り決めをしております。ちなみに、このフルブライトの交流計画全体は百カ国とやっておるわけでございますが、そのうち四十四カ国と取り決めを結び、その四十四のうち二十五カ国と分担をしている。この計画はアメリカにとってもまた相手国にとりましても非常に大きなメリットのあるものでございますので、ぜひ日本にも分担してもらって、そしてこの計画を拡大したい、すなわちいままである分担の中で、いまのように費用のうちの一部を日本に分担してもらうということじゃなくて、日本の拠出も含めましてほほ二倍に今回拡大しようとしているわけでございます。これがアメリカが日本に申し込みました理由であろうと存じます。
#39
○中川(嘉)委員 昭和三十八年の八月二十三日東京で署名されたフルブライト計画、第二次円資金追加供給に関する交換公文というのがあります。これによりますと、余剰農産物の売却代金以外の米国が保有する円資金をフルブライト計画に使用できることに米側が合意しているわけですが、その中にどのようなものがあるのか、この点を伺いたいと思います。
#40
○平岡説明員 「その他の日本国通貨」というふうに規定してある分でございますが、これ自身は別にこれというはっきりした、決まった特定の財源を予定しているわけではございませんで、米国政府が勘定の中にあるいろいろな円資金を使うということでございます。当初は米国軍人軍属の家族宿舎に与えられる予定であったお金が使わないために浮きましたので、八億四千六百万円というのを本計画のために使いましたけれども、これも財源が枯渇いたしましたので、この交換公文によって他からの財源を使う。これ自身は米国がそのときどきに保有する円貨を適宜計画に組み入れるということでございまして、特定の財源はございません。
#41
○中川(嘉)委員 たとえば昭和三十七年一月九日に署名されたガリオア・エロア返済協定、この際署名されているガリオア・エロア支払い金の一部円貨払いに関するライシャワー・小坂交換公文によりますと、二千五百万ドルに等しい円貨を日米間の教育、文化の交換のために使用できることに合意をしておりますけれども、この額はどのような使途に使用されたのか、フルブライト計画にも使用されたのかどうか、この辺を伺いたいと思います。
#42
○加賀美政府委員 御指摘の一九六二年のいわゆるガリオア協定の円貨の分でございますが、この一部はその後一九六五年にアメリカの議会におきましてこの交流計画のために支出するということが認められました関係上、交流計画、フルブライト計画のためにその一部が使われております。
 全体で二千五百万ドル相当でございますが、この円資金はフルブライト計画のほか大阪万博あるいは沖繩海洋博等に使われておりまして、その使用の残額一千二百万ドルにつきましては日米友好基金に組み入れるということになったわけでございます。
#43
○中川(嘉)委員 沖繩返還協定には、この米資産に対する支払い等として資産承継一億七千五百万ドル、軍労務者退職金引き当てとして七千五百万ドル、政治的支出として七千万ドル、合計三億二千万ドルという金額を米国に支払うことになって、協定発効後一週間以内に一億ドル、残額の二億二千万ドルについては毎年六月支払いの四年均等年賦払いとなったわけですけれども、この返済はどのように行われたのか、この支払いの中にフルブライト計画に使用された分はないのかどうか、この辺もあわせて御答弁をいただきたいと思います。
#44
○加賀美政府委員 沖繩返還協定によってわが国が米国に支払うことになりました三億二千万ドルのうちの一部、この七・五%に当たります二千四百万ドルを、日米友好基金を設立するということが一九七五年の十月に米国議会において決定されて日米友好基金が設立をされたわけでございますが、その二千四百万ドルを日米友好基金の中に組み入れるということになったわけでございます。したがいまして、沖繩返還協定に関連いたします円貨費用はフルブライト計画には使用されておらないわけでございます。先ほど申し上げましたガリオアの一千二百万ドルとそれから沖繩返還協定に基づきます二千四百万ドル、これが日米友好基金に算入されたわけでございます。
#45
○中川(嘉)委員 時間が参ったようですので、あと一、二問で終わりたいと思いますが、返還協定質疑の過程において、これらの支払い金の一部を、日米間で合意される日本国民のための用途に利用できる旨の日米間の了解があったように記憶しているわけですが、この分はどのような方面に使用されたのか、この点はいかがでしょうか。
#46
○山田(中)政府委員 お答え申し上げます。
 いま先生御指摘ございました沖繩返還協定の際にそのような合意があったとは私承知いたしておりません。ただ、先ほど情報文化局長よりお答え申し上げましたように、米側が米側の措置といたしまして三億二千万ドルの七・五%に当たるものを日米友好基金に入れる措置をとったということでございます。
#47
○中川(嘉)委員 時間が来ていますので、最後に一問だけ政務次官に伺いたいと思います。
 大平首相はマニラで、今後毎年百万ドルの奨学金をASEAN諸国の青年たちのために提供する用意がある旨の記者会見をされておりますが、経済主義的な意図が先行すれば、かえってこれらのASEAN諸国の国々の反発を招くことになるのではないかと私は考えるわけですが、政府に総合的な留学生政策を推進する機関を設けるとか、あるいは実業界からの寄付金で留学生事業を運営する財団を設立するなど、この際こういったことに関する検討を行う必要があるのではないか、こんなふうに私は考えるわけですが、政務次官の御意見を承りたいと思います。
#48
○志賀政府委員 お答えいたします。
 そういう考え方は現在政府にはございません。また、留学生制度の運営をより円滑ならしめるために、財界に対してこの種の援助の協力要請はしておるわけでございますけれども、総合的なそういう機関を設けるという考え方はないわけでございます。
 そこで、ちょうど中川先生からの御指摘がございましたので、私、日ごろから考えていることを一言申し述べさせていただきたいと思います。
 実は、留学生問題というのは古くて新しい問題でございます。役人であるとかあるいは大会社の社員であるとかの留学生は非常に恵まれております。ところが、どちらかというとそういう制度に乗っていない、あるいは私費留学生のようなものは、それだけの苦労、研さんを積んでまいりましても、母国に帰ってから後必ずしもその苦労に相応するようなポストが与えられないうらみがあるわけでございます。実はそういうことが古くは永井荷風の「あめりか物語」の中にも出てくるわけでございますけれども、こういうような点を考えますと、その母国の国内において留学生というものをいかにりっぱに社会的にはめ込むかということが大事なことではないか。日本においてもそうでありますから、いわんや発展途上国の東南アジアの留学生は日本留学の後その母国に帰った場合にどういう事態に置かれるかということを考えると、思い半ばに過ぐるものがあるわけでございます。
 したがいまして、真の留学生問題の解決の大きなポイントはむしろ日本それ自体の中にあるのではないだろうか、私はそういう考え方を持っておりますので、これは単に外務省あるいは文部省だけの問題ではなくて、日本の社会制度全体の中でつかまえていかなければいかぬ問題ではないか。日ごろから考えている問題でございますので、一言言及をさせていただいた次第でございます。
#49
○中川(嘉)委員 私の質問の中身として先ほどのような考えを述べたわけですが、それといまの政務次官のお考え等もあわせまして、今後ぜひともこういった施策を強力に推進をしていただきたい、このように思います。
 きょうは時間が参りましたので、私の質問は一応この辺で終わっておきたいと思います。
#50
○塩谷委員長 渡辺朗君。
#51
○渡辺(朗)委員 私のいただいた時間は二十分でございまして、この二つの協定について質問をさせていただきますが、初めに日米交流計画について二、三点お聞かせをいただきたいと思います。
 一つは、この提案理由、そしてまた内容を読ませていただきますと、教育事業計画を今後日米間でやっていくことになっておりますが、具体的にどのようなものをもうすでに作成でございましょうか、お知らせをいただきたいと思います。
#52
○平岡説明員 お答えいたします。
 委員会は、毎年の事業計画を作成して予算を要求して年次別にやっておるわけでございまして、この協定が発効いたしますと、すぐさま新委員会が会合いたしまして、その時点から始まる年次の計画を採択するわけでございますが、もう本年九月から入学する人たちのためには計画を十分にいまから検討しておかなければなりませんので、非公式な案としてはすでに用意されておりまして、これが協定発効後の新委員会で採択されるわけでございますが、中身は従来のものに比べましてまず予算的に二倍になるわけでございます。これはアメリカのいままで、去年、ことしなども用意しております百万ドルに加えまして、わが方の予算に計上しております二億円を加えますので、約四億円の規模の計画になるわけでございまして、量的に大きいのが第一点。
 それから、事業の中身と申しましても、学者、それから学生は大学院以上でございますが、こういう人たち、それからジャーナリスト、その他の研究者、こういう人たちがこの予算で参るわけでございまして、この現在ございます非公式な案のとおりに採択されますと、約百五人ほど往復があるわけでございます。このうち七十人くらいが向こうに行く日本人、三十人くらいがこちらに来るアメリカ人でございます。こういう計画でございまして、なお一つの特色といたしましては、しばらく休止しておりました自然科学関係の学生、大学院生でございますが、これもこれから本年度採択されます予算の中には、新しい分野として組み込まれることになっております。
#53
○渡辺(朗)委員 関連してお尋ねいたしますが、いまは留学生の問題ばかりをお話しになっておられますけれども、この資金というものは、また分担金というものは、国内における他の教育事業、こういったものにも使われるわけですか、そういう事業計画はないのでございますか。
#54
○平岡説明員 フルブライト委員会の活動の大部分は、先ほど御説明申し上げましたところのフェローシップとスカラシップでございますが、そのほかに一つの予算項目としてやや目立ちますのが留学生相談でございます。これは赤坂にございます委員会の事務所の一部屋がそれに充てられているわけでございまして、アメリカに留学を希望する人たちは、必ずしもフルブライト給費生として行く人でない人であっても、そこに来て自由に各種の参考資料、大学案内等を見て相談のカウンセリングサービスを受けているわけでございます。協定にございます、その他の教育関連の事業と申しましても、そのほか、これ自身が、委員会自体が非常に大きな選考の上での機能を持っておりますので、たとえばハワイにございます東西センターのようなところ、こういうところから日本に留学生を送るような場合に、それの手助けをするというような仕事はしております。
#55
○渡辺(朗)委員 もう一つ聞いておきたいのですが、この協定によりますと、日米教育委員会の設置となっております。この設置は、すでにある日米教育委員会がそのままいくのでしょうか、新たな構成になるのでしょうか。そして、その構成はどのような中身でございましょう。
#56
○平岡説明員 ただいま現存いたしますところの委員会は、俗にフルブライト委員会と言われておりますけれども、正式には在日合衆国教育委員会でございますね。これが新協定によりまして日米教育委員会という、名前が改まるのみならず、構成もいままでは日米それぞれ四人ずつでございましたが、一人ふえまして、日米ともに五人ずつ、合わせて十人の機構になるという点。それから、この五人の構成でございますが、政府代表として日米それぞれ二人ずつ、その点は従来と同様でございます。そのほかに二人ずつ民間の先生、日本側はこれは大学の先生になっていただいておりますし、それからアメリカ側はジャーナストと実業家がなっておりますが、こういう民間の人たちが一人ずつふえます。わが方としても一人ふえる。大学の先生に多分なるだろうと思いますけれども、鋭意人選中でございます。
#57
○渡辺(朗)委員 日米間のいわゆるコミュニケーションギャップというのが言われてから久しいし、また最近のように経済貿易上の摩擦などの対立が深刻になる、こういうような中で、ますます日米間の文化交流というものは重要性を増してきておると思います。と同時に、そういった日本の置かれている国際環境の中で、やはりこれからの日米関係、特に文化の面、日米に限りませんけれども、国際環境の中でのこれから文化の持つ役割りというのは大変重要な意味を持ってきたと私は思います。その点でいろいろな角度から見直しやなんぞが必要であろうと思うのです。そういうものを進めていくところがまた必要であろうと思います。たとえばアメリカの場合だったら、そのような文化交流とかあるいは人間交流とかいうものを進める官庁はどこでございましょう。日本だったら、どこでございましょう。そういったものは日本ではきちっとできているのでございましょうか。その点をまず聞かしていただきたいと思います。
#58
○平岡説明員 お答えいたします。
 本件は外務省その他の関係省庁にかかわる問題でございますが、私どもの見解といたしましては、一設置法に書いてございますとおり、外務省が第一義的に文化交流について責任を持つ省庁だと考えております。この文化交流、非常に広い意味から申しますと、人物交流等の中には、情報文化局でやっております、たとえばジャーナリストの招待とか、それから、地域局でやっておりますところの地域指導者招待とか、そういうものもいろいろあるわけでございますが、何と申しましても中心になっておりますのは、国際交流基金、これへ政府が毎年出資しておるわけでございますけれども、この交流基金の予算、いま年間大体三十億円ぐらいでございますが、このうちの十億円ぐらいが人物交流に使われております。しかしながら、他方におきまして留学生制度も非常に重要な項目でございまして、この部分は文部省が受け入れの方につきまして全面的にやっておりまして、この点につきましては場合によっては文部省から補足説明すると思いますが、そのほかに文部省関係でも学術審議会、こういった諸種の機関がございます。また、人物交流の定義いかんによりましては、技術協力で呼んでおります研修生のようなものを含む場合もございますし、その意味で、ある程度科学技術庁の関係する部分も出てくる。そのように多岐にわたっておりますけれども、中心としては外務省がそれらを総合して責任を持っているところだと考えております。
#59
○渡辺(朗)委員 アメリカのこともお聞きしたがったのですけれども、私聞くところによると、アメリカでは去年でございましたか、大統領の直轄機関として、国務省の教育文化局とそれから米国の広報庁ですか、それを合併したような一つの国際交流庁と呼ぶような機関ができたというふうに聞いております。そういう認識で正しいのでしょうか。
#60
○平岡説明員 御指摘のとおりでございます。ICA、インターナショナル・コミュニケーション・エ−ジェンシーというものが、昨年だったと思いましたけれども、できまして、これは国務省の中ではございませんけれども、国務省とは非常に密接にリンクしている、まあ国務省の外局みたいな形でつくられたわけでございます。その意味におきまして、ラインハルト長官は大統領に対して直接責任を持つとともに、また国務省からも一つのポリティカルガイダンスというものを受けて仕事をしているわけでございます。
#61
○渡辺(朗)委員 また時間があれば質問をさせていただきますけれども、一つ最後にお聞かせいただきたいと思うのです。これは次官からお聞かせいただきたいと思います。
 昨年西ドイツは、醜いドイツ人というようなイメージが国際的にあるということで、これをいかに払拭するかということで非常に力を入れて、対外文化の活動の大綱というものをひとつつくろうというような動きがあったやに聞いております。いずれの国も、そういう文化交流というものに対する一つの大きな原則的な方向づけあるいはまた政策の大綱みたいなものをつくっていると思うのです。
 わが国は、いまもお話がちょっとありましたように、人物交流にしても文化交流にしても非常に多岐に分かれておって、国際的ないま日本の置かれている状況から、どのような、戦略という言葉を使ったらおかしいかもわからぬけれども、ストラテジーを持って文化交流に臨んでいくのか、日本のいろいろなイメージというものを払拭していくのか、こういうグランドデザインみたいなものがあってしかるべきだと思うのですが、それはもうすでにお持ちでございましょうね。また、お持ちでないならば、そういうものをつくっていこうとしておられるのかどうなのか、そこら辺をお聞かせをいただきたいと思います。
#62
○志賀政府委員 お答えいたします。
 具体的なペーパーとしては私も承知をいたしておりませんが、実は私が外務省に参りまして、特に外務省の事務当局に言っておりますことは、いままで高度経済成長の中でいろいろな矛盾撞着は高度成長が何とかこれを片づけてきてくれた、ところがこれからはそういう時代ではない、したがって、われわれの目指す政治は、国の内外を問わず精神面の充実というものに目を向けなければいけないだろう。
 私はそういう観点に立ちまして、私が政府首席代表として臨みましたさきのESCAPの大会におきましても、演説をさせていただきましたその中で、精神の繁栄ということを説いたわけでございます。幸いにして、各国が演説をいたしましたが、最後の締めくくりの演説におきましても、開催国であるフィリピンのイメルダ代表の演説が同じような精神面を強調なされたということで、これは偶然か必然かわかりませんが、平仄が一致をしたわけでございます。そういうような面でのデザインが今後の日本の政治内外において必要であろうと私は確信をいたしております。
 また同時に、当委員会におきまして御審議をいただきまして、現在参議院の外務委員会に移っております国際人権規約にいたしましても、従来はいわば経済主導型で世の中が動いておった、ところがこれからは政治の道義というか倫理と申しますか、そういうものの基盤をなすものとしての人権というものに目を向けて、ここに人類の共通の紐帯を見出し、これをもとにしてやっていかなければ脱線をしてしまうのではないか、こういう面から、外務省といたしましても諸先生にこの国際人権規約の御審議を鋭意お願いをしてまいった次第でございます。
 以上のような観点から、私は具体的ペーパープランとしてただいま諸先生に御提示申し上げるものは持ち合わせてございませんけれども、そういう方向で進んでおるというふうに御理解をいただいて結構だと思う次第でございます。
#63
○渡辺(朗)委員 これは要望さしていただきますが、わが国として対外文化政策というようなものをつくっていくということは、日本の国の広い意味での安全保障の大変重要な柱にもなってくることだと思いますので、鋭意ひとつ御努力をお願いしたいと思います。
 さて、時間の関係で日加協定の方に入らしてもらいます。
 最初に二、三インフォメーションいただきたいのですが、わが国はどことどこからいま天然ウランを輸入しておりますでしょうか。そして、その際の規制の違いというのはございますでしょうか。
#64
○森下説明員 説明さしていただきます。
 ただいま日本に入っております核物質と申しますのは、すべて国際協定に基づきまして入っておりますものでございまして、一番多いのがアメリカからでございますが、アメリカ、カナダ、オーストラリア、一部フランス等からも入っておりますが、主なところはこういったところでございます。
 規制の点につきましては、NPTの保障措置協定が発足いたしますまでは、それぞれの二国間協定のもとで規制をされておりましたけれども、NPT保障措置が発足いたしましてから後は、ウィーンに本部がございます国際原子力機関の保障措置の適用を受けております。
 なお、それぞれのいままで二国間協定で入っておりました規制といいますか、保障措置というものは、あるいはそれ以前にも三者間移管協定というのがございますが、国際原子力機関の保障措置の適用を受けることによりまして、従前二国間でありましたところの保障措置というのは国際原子力機関の保障措置のもとに置かれる、そういうことで実質的には停止されておるということでございます。
#65
○渡辺(朗)委員 もう一つ、またインフォメーションいただきたい。
 カナダから天然ウランの供給を受けている国はどこでございましょう。
#66
○矢田部政府委員 カナダが天然ウランを供給いたしております先はイタリア、イギリス、日本、スペイン、西ドイツ、フィンランド、ベルギー、スイス、アメリカ、韓国、スウェーデン、フランス等でございます。
#67
○渡辺(朗)委員 韓国は入っておりますね。それから、カナダとスイスとの原子力協定、この交渉は不調に終わったやに聞いておりますけれども、実態はいかがでございましょう。その理由は何でしよう。
#68
○矢田部政府委員 スイスとカナダとの原子力協定改正交渉はいまだ続いておると聞いております。この内容につきましては、何分第三国間同士の交渉のことでございまして、私どももつまびらかにはいたしておりませんが、スイスといたしましてはカナダの規制権の強化に対しまして、どういう面で支障があるのか私ども詳しいことは承知しておりませんが、支障があるということで、いまだに交渉を継続中ということのようでございます。
#69
○渡辺(朗)委員 そこら辺、たとえばスイスがなぜ交渉をまだ継続中でこれがうまくいかないのか。やはり規制の問題の中身、それから恐らくこれからのスイスの産業のあり方についての立場、そういうものがかかわっているのではあるまいかと思いますので、わかりましたら別の機会にまた聞かしていただきたいと思いますので、御調査のほどをお願いします。
 さて、先般日米共同声明の中では、経済性を持つ原子力の平和利用、こういうものはむしろ規制をしないで進めるべきだ、促進すべきだという両首脳の共同声明まで出ております。今回のこの協定というのは大変厳しい中身である、規制が厳しくなる、そういうような、何か時代とともに変化していく中でのずれみたいなものがあるように思うのですけれども、これは私のひがみでございましょうか。たとえばカナダが厳しい規制を出してきたというのは、インドが核実験をやった、そういうことについての責任感もあるでしょうし、罪の意識もあるでしょうし、その中で出てきた非常に厳しい条件を、規制をつけていくという立場、最近においては石油事情その他がおかしくなってきた、エネルギー事情の不確定性も出てきた、そういう中でのむしろ平和利用促進、したがって規制はそう厳しくしないでも、平和利用ということに限定する以上は進めるべきだ、こういうこと、そこら辺の違いみたいなものがいま出てきているのじゃなかろうかと思うのですが、お聞かせいただきたいと思います。
#70
○矢田部政府委員 ただいま御指摘いただきましたように、原子力平和利用の推進と核不拡散の確保ということをいかに両立させるかということは非常にむずかしい問題でございます。したがいまして、これをいかに両立させるかということのための検討を、先ほど話も出ました核燃料サイクル評価作業というようなことを通じて、世界的に非常に熱心に現在行っておるわけでございますが、わが国のように資源を持たず、しかも非常に大規模な発電需要を持つ国の場合におきましては、過度の規制を課せられるということになりますと、これはエネルギー政策の実施上大変な支障を来すことになりますので、角をためて牛を殺す結果になりかねないということで、国際的な検討の場におきましては、その点についてわが国といたしましても非常に強く立場を主張いたしておるわけでございます。
 そこで、カナダの新しい協定がその規制面で強化をする方向での改正になるわけでございまして、先生がおっしゃいましたように、これはやはり新しい趨勢を反映したものであるということは申し上げて差し支えないのではないか。つまり、平和利用が世界的に進むに従いまして、それに伴って核拡散の危険というものも増大いたすわけでございますので、それに比例してやはり規制の面も強化しなければならないということは事実であろうかと存じます。
#71
○渡辺(朗)委員 時間がなくなりましたが、最後に一つだけ、これは恐らく通産と科学技術庁になるのではないかと思いますが、聞かせていただきたいと思います。
 そういったいまのお話を聞いた後で、私総括的に一つ聞かせていただきたいなと思う点は、原子力発電というものの将来性、経済性、そういったものについて日本政府としてはどのような方向をお考えであるのか、これを聞かせていただきたいのです。たとえばトータルコストにおいてこれが経済性があるのかどうなのかというようなことも含めまして、わが国としては原子力エネルギーというものをやっぱり根幹として進めていくのか、そこら辺、たじろぎというかためらいというか、見直しというか、そういうものがあるのかどうなのか、そういう基本的な方向についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
#72
○児玉(勝)政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生おっしゃいましたように、最近のエネルギー情勢というものは非常に多種多様な問題を含んでおりますけれども、しかし、今後の石油資源の制約の高まりとそれから原油価格の高騰ということに対処いたしまして、国民経済及び国民生活の維持、発展の基礎となるべきエネルギーをどう確保するかということが最大の問題であるわけでございます。通産省といたしましては、一つの柱といたしましては省エネルギー、もう一つの柱といたしましてはエネルギーの供給安定ということでございますが、エネルギーの中でも石油に代替するエネルギーということを考慮いたしますと、エネルギー調査会の長期見通しにおきましてもその脱石油ということについて大きな眼目を考えておりまして、輸入石油を昭和六十年には五十二年度の七四・四%から六五・五%に下げるということで考えております。そのうちのシェアで最も貢献いたしますのが、原子力が五十二年で二%のものが七・四%ということで、脱石油の大部分は原子力に依存するということにしております。しかしながら、原子力という問題も一つのエネルギーの部分でございますので、やはり経済性ということが大きな問題となるわけであります。われわれの電源開発の計画の中でのコストの見通しを申し上げますと、石油火力は建設単価といたしましてキロワット当たり約十六万円でございますが、それに対して原子力は二十五万円というところでございます。しかしながら、これは建設費でございまして、燃料を入れた送電単価ということになりますと、石油火力は十三円に対して原子力は十円九十銭と、そういうことで十分経済性が成り立つと考えているわけでございます。
#73
○渡辺(朗)委員 時間が過ぎてしまいましたのできょうはこれで終わりますが、また別の機会にぜひお時間をいただきたいと思います。ありがとうございました。
#74
○塩谷委員長 次回は、二十八日月曜日午前十時から理事会、十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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