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1978/05/25 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 法務委員会 第15号
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1978/05/25 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 法務委員会 第15号

#1
第087回国会 法務委員会 第15号
昭和五十四年五月二十五日(金曜日)
    午前十時十四分開議
 出席委員
   委員長 佐藤 文生君
   理事 青木 正久君 理事 山崎武三郎君
   理事 西宮  弘君 理事 横山 利秋君
   理事 沖本 泰幸君
      大坪健一郎君    北川 石松君
      谷川 寛三君    福永 健司君
      森  美秀君    山崎平八郎君
      武藤 山治君    飯田 忠雄君
      長谷雄幸久君    中井  洽君
      正森 成二君    小林 正巳君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 古井 喜實君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 前田  宏君
        法務省民事局長 香川 保一君
 委員外の出席者
        議     員 横山 利秋君
        議     員 西宮  弘君
        行政管理庁行政
        監察局監察官  品川 卯一君
        厚生省社会局更
        生課長     板山 賢治君
        運輸省自動車局
        総務課長    阿部 雅昭君
        最高裁判所事務
        総局総務局長  大西 勝也君
        法務委員会調査
        室長      清水 達雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十五日
 辞任         補欠選任
  稻葉  修君     森  美秀君
  篠田 弘作君     大坪健一郎君
  二階堂 進君     谷川 寛三君
  原 健三郎君     山崎平八郎君
  前尾繁三郎君     北川 石松君
  中村 正雄君     中井  洽君
同日
 辞任         補欠選任
  大坪健一郎君     篠田 弘作君
  北川 石松君     前尾繁三郎君
  谷川 寛三君     二階堂 進君
  森  美秀君     稻葉  修君
  山崎平八郎君     原 健三郎君
  中井  洽君     中村 正雄君
    ―――――――――――――
五月二十三日
 刑法の一部を改正する法律案(横山利秋君外五
 名提出、衆法第二〇号)
同月二十四日
 利息制限法の一部を改正する法律案(横山利秋
 君外五名提出、衆法第二四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 刑法の一部を改正する法律案(横山利秋君外五
 名提出、衆法第二〇号)
 利息制限法の一部を改正する法律案(横山利秋
 君外五名提出、衆法第二四号)
 民法及び民法施行法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第六四号)
 土地家屋調査士法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第六五号)
     ――――◇―――――
#2
○佐藤委員長 これより会議を開きます。
 横山利秋君外五名提出、刑法の一部を改正する法律案及び横山利秋君外五名提出、利息制限法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 提出者から、それぞれ趣旨の説明を聴取いたします。横山利秋君。
    ―――――――――――――
#3
○横山議員 ただいま議題となりました刑法の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明申し上げます。
 御承知のように、現行刑法百九十七条ノ四の斡旋収賄罪は、公務員が他の公務員に、不正な行為をさせ、または相当な行為をさせないようにすることを、他人から請託を受けてしたとき、その報酬として賄賂を受け取り、または要求したり約束したときに三年以下の懲役に処することになっています。
 この三年を五年に改正するなどを内容とした刑法改正案が、政府により国会に上程されていますが、与党内の意見不統一のため野党の賛成にもかかわらず継続審議となっています。
 ところで、現行法の適用を免れるため国会議員等が、その後援会その他の団体等第三者に賄賂を供与させるケースが多いのであります。
 このような事例に対処するため、改正刑法草案は、第百四十二条に周旋第三者収賄を新たに設けておりますが、本法律案の内容の第一は、それをそのまま、「斡旋第三者収賄」として提案したものであります。
 本法律案と同じ内容の案が昭和五十一年十一月ロッキード問題閣僚連絡協議会で合意され、他の諸問題とともに発表されましたが、その後放置されたままとなっています。
 ところで、本法律案の斡旋第三者収賄罪について若干の意見がないとは言えません。
 第一に、公務員特に公選された政治家は、有権者の依頼を受けて民主的な活動をすることもあり、その場合、他の公務員に働きかけて依頼を実現させることも考えられると思うが、その行動を不当に制限することになりはしないか、ということであります。
 第二に、政治家が後援会等に寄付または献金をさせることが、この改正案に該当した場合、違法となり罰せられるのであるが、一方、実行した公務員は、行政処分を受けることはあっても刑法による処罰は受けないのは、公平を欠くのではないか、ということであります。
 右の意見の第一については、政治家の民主的活動は多岐にわたっているが、本法律案にあるように「不正ノ行為ヲナサシメ又ハ相当ナ行為ヲ為サザラシムベク」他の公務員に働きかけることは、民主的社会において、してはならないことであります。
 いわんやそれによる報酬・賄賂を後援団体等に寄付させることによって、事実上自己の所有に帰することは恥ずべき行為と言わなければならない、と考えます。
 第二の意見について、「不正ノ行為ヲナサシメ又ハ相当ナ行為ヲ為サザラシメルベク」働きかけられ、その行為をした公務員は、たとえば、国家公務員法等の処分を受けるが、この場合賄賂を受けとっていなかったとすれば、斡旋した公務員すなわち政治家と比べて責任が軽いことは当然なことと言えると考えます。
 ロッキードに続いてグラマン、ダグラス等航空機汚職はこの種の第三者収賄をどう考えるか、現行法で防止できるかという問題を提起しています。一 また、ロッキード等の汚職の問題の一つは賄賂を受けた者の職務権限があるか否かであります一が、仮に職務権限がない場合には、刑法百九十七条ノ四の斡旋収賄罪が適用される可能性も考えられます。しかし、その場合でももし賄賂が本人でなく第三者に供与されているとすれば罪とならないわけでありますから、是正される必要があります。
 さらに、最近の汚職が国際的事件であるにかんがみ、日本国民が、国外で犯すこの種事件についても、処罰規定を設ける必要があります。よって、現行刑法三条及び四条の国外犯規定を改正して、この種事案も国内犯同様適用することにしました。
 本法律案の要旨は次のとおりであります。
 第一に、斡旋第三者収賄罪の新設であります。
 公務員が請託を受けて、他の公務員にその職務上不正の行為をしまたは相当の行為をさせないように斡旋することまたは斡旋したことの報酬として、第三者に賄賂を供与させ、またはその供与を要求し、もしくは約束したときは五年以下の懲役に処するものとすることであります。
 第二に、斡旋第三者贈賄罪を規定します。
 すなわち、前項の賄賂を供与し、またはその申し込みもしくは約束をした者は三年以下の懲役または五千円以下の罰金に処するものとすることであります。
 第三に国外犯規定の整備であります。
 すなわち、斡旋第三者収賄罪を刑法第四条の国外犯とすることと同時に、贈賄罪を刑法第三条の国外犯とすることであります。
 第四に、贈収賄罪の法定刑の引き上げであります。
 すなわち、単純収賄、事前収賄、第三者収賄、事後収賄及び斡旋収賄の各罪に法定刑の長期をそれぞれ五年に引き上げること、また、受託収賄罪の法定刑の長期を七年に引き上げること、並びに斡旋贈賄罪の法定刑中、懲役の長期を三年に、罰金の多額を五千円に引き上げることであります。
 本法律案提案の趣旨は、最近の国内外の汚職問題について、この際法規制に一歩を進めなければ真の防止対策にならないと考えるからであります。もとより本法律案とともにさまざまな角度から総合的な不正と汚職を防止し、公正な政治・経済等のあり方を確立するための、種々な提案を別途いたす所存であることを申し添えて提案理由といたします。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
#4
○佐藤委員長 西宮弘君。
    ―――――――――――――
#5
○西宮議員 私は、提案者を代表いたしまして、ただいま議題となりました利息制限法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
 最近いわゆるサラ金による被害が大きな社会問題となっておりますが、その原因の一つに高金利による貸し付けがあります。そこで、高金利による貸し付けを防止し、消費者を保護するためには、出資法を改正して、刑罰の対象となる限度を引き下げるとともに、利息の最高限を超えて任意に利息を支払ったときにおけるその超過部分の返還を請求できることとすることが重要であります。
 したがって、この際、高利金融の横暴から経済的弱者の地位に置かれる債務者を保護することを立法の趣旨とする利息制限法についても改正を図る必要があります。
 現行利息制限法の欠陥と言われております第一条第二項及び第四条第二項につきましては、すでに、最高裁判所が、昭和三十九年十一月十八日の判決におきまして、債務者が利息、損害金として支払った利息制限法超過部分は残存元本に充当されるという元本充当説の見解をとり、さらに昭和四十三年十一月十三日の判決では、債務者が利息制限法超過の利息、損害金を支払い、それが元本以上となった場合は超過分について不当利得として返還請求することができるとして、債務者の過払い分に対する返還請求権を認めているのであります。
 これらの判決は債務者の保護を主目的とする立法趣旨にのっとって、現行の利息制限法の欠陥を是正してきたものであり、これによって、利息制限法第一条第二項と第四条第二項はいわば空文化されているのであります。
 いまこそ、消費者金融、庶民金融が普及している一方で、高金利による被害が多発している状況を踏まえ、債務者保護をより徹底させるための措置を講じなければなりません。これが本法案提出の理由であります。
 次に、この法律案の内容について申し上げます。
 第一に、現行法の第一条第二項を削除することとしております。本項は法超過分の利息の支払いについて債務者が任意に支払ったときは、その返還を請求することができないと規定しておりますが、最高裁判所の判決に基づき削除することが適切と考えるものであります。
 第二には、現行法の第四条第二項を削除することとしております。本項は法超過分の損害賠償額の支払いについて債務者が任意に支払った場合にはその返還を請求することができないと規定しておりますが、さきに述べた理由により削除することにいたしました。
 そのほかに若干の所要の改正を講じております。
 以上が、この法律案の理由及びその内容であります。何とぞ御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
#6
○佐藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりまし
     ――――◇―――――
#7
○佐藤委員長 お諮りいたします。
 本日、最高裁判所大西総務局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#9
○佐藤委員長 内閣提出、民法及び民法施行法の一部を改正する法律案、同じく土地家屋調査士法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。正森成二君。
#10
○正森委員 民法十一条中の「聾者、唖者、盲者」を削除するのは、判例、学説にもありますように、当然であると言わなければなりません。しかし、この削除だけでは身体障害者の若干の行動能力の不完全さをカバーすることはできないわけであります。そこで、それをカバーして十分に能力を発揮してもらうためには、たとえば聴覚、言語障害者のための対策として、手話通訳制度の充実が非常に肝要であるというふうに思います。
 きょうは厚生省の方に来ていただいておると思いますが、厚生省は、五十四年度から手話通訳指導者養成研修事業を全日本聾唖連盟に委託して開始すると聞いておりますが、養成事業を含め、手話通訳制度の充実についての施策を簡単に述べてください。
#11
○板山説明員 今回の法改正に伴いまして、御指摘のように、障害者の権利を守るために福祉の面から種々配慮をしなければいけない、私どもも、そのように痛感をいたしております。
 従来ともに盲人につきましては、登記所に参りますとか各種の手続等で行かれますときには、盲人ガイドヘルパーというものを派遣する、こういった措置をとっておりまして、五十三年度では四十六県、全県がほとんど実施をするということになっておるのでございます。
 さらに聾唖者等につきましては、手話通訳の設置ということにつきまして、最近では特に専門的な手話通訳、年金の問題でありますとか、法的な手続でありますとか、役所関係の諸手続等につきまして、専門的な立場から通訳をする手話通訳、こういうものの必要性を痛感いたしておりますが、これも四十六県で三百人程度の専門的な通訳者が設置されております。さらに、一般的な言語活動の中にボランティア活動なども含めまして手話奉仕員というものを養成したい。これも全国では数千人の登録者がございまして、折に触れて聾唖者のために手話の活動をしていただける、こういう体制ができております。
 特に、いま御指摘のように五十四年度予算におきまして、今後さらに手話の用語を開発する必要がある、現在二千語程度と言われております手話用語を倍ぐらいの用語に数をふやしていきたい。もう一つ、いま申しました通訳ないし奉仕員の指導者養成につきまして予算措置を講じまして、全日本聾唖連盟に委託をする、このような措置を新たにとったのでございます。
 今回の法改正なども含めまして、今後におきましても、こういった障害者のための福祉の措置を充実をしてまいりたい、このように考えております。
#12
○正森委員 いまお話もありました手話通訳指導者養成関係の予算額は、約四百八十八万円であるというように考えておりますが、いま厚生省の説明を見ましても、民間のボランティア活動に依存している面が非常に多いと思うのですね。そこで、もっと積極的な施策を行う必要があると思います。
 全日本聾唖連盟は、手話通訳の国家認定制度の設立と、認定通話者を公務員として採用するように要望しておりますが、その見通しについてはいかがですか。
#13
○板山説明員 手話通訳の認定制度、団体等からは国家認定をという要請がありますが、専門職員の身分、資格というのは関係方面関連するところがなかなか多うございまして、早急に国家検定による資格制度をとることはむずかしいと思います。
 しかし、団体等が民間の力で任意にその専門性に着目して養成研修を行い認定をする、そういったものにつきましては、私どもも大いにてこ入れをしていきたい、このように考えまして、まず手初めとして、今回標準用語の開発と指導者養成の事業を全日本聾唖連盟に委託して行う、こういうことにいたしたのでございます。
#14
○正森委員 手話通訳関係では、地方自治体の方がむしろ国よりも進んでおりまして、たとえば京都、大阪では聾唖会館の中に府の職員が配置されて、無料で必要なときに手話通訳をつけられるように制度化されているというようなことが行われております。
 そこで、政府が積極的に、国民との窓口に当たる部門に手話通訳のできる職員を配置することが当面重要だと思いますが、厚生省では、そういうようなことを考える余地はありませんか。
#15
○板山説明員 先ほども御説明を申し上げましたように、ほとんど全県で三百人を超えます手話通訳の配置がなされておるわけでありますが、これについて、たとえば聾唖者の皆さん方が手続的に一番難渋をいたします社会保険事務所でありますとか登記所でありますとか、そういうところに専任の通訳者を置けという要望もあるのですけれども、これは、いまの定員配置の現状その他から見まして、なかなかむずかしゅうございますので、お話もありましたように、そういったところへ行く聾唖者の方が団体事務所等に連絡をとれば、そこから通訳者を派遣してもらえるような仕組み、こういうものをネットとして組み立てていく方向で努力をしてみたい、このように考えております。
#16
○正森委員 そういうようなことができれば、身体障害者にとっては非常に便利でありますから、ぜひ早くそういうのをやっていただきたいと思います。
 しかし、それができる前に、法務省に伺いますが、人権擁護関係や法務局関係や入管関係など、国民との窓口に手話通訳のできる職員を配置する必要があると思うが、いかがでしょうか。あるいは、そういう職員を新規に採用するのではなしに、現在の職員の一部に手話通訳を学習させて、そういう職員には給料の号俸等で配慮を行うということは、十分に可能であると思うのですが、そういうことをする気はありませんか。
#17
○香川政府委員 御説のようなことができれば、きわめて望ましいことでありますし、また、そういう方向を目指さなければならぬということは十分認識いたしておりますが、ただいま厚生省からもお話がございましたような方法で、さしあたりはやらざるを得ない。将来の問題としては、全省的にそういうことを十分検討してまいりたいというふうに考えております。
#18
○正森委員 同じことを最高裁にも伺いたいと思いますが、最高裁の場合は、特に国民の権利義務に関係がありますから、全国の簡裁、地家裁、特に本人訴訟の多いようなところに手話通訳のできる人を配置するか、あるいは職員の中でそういうのを養成して待遇等を考えるということをなされば、非常に喜ばれると思うのですね。そういうことをなさるお考えはありませんか。
#19
○大西最高裁判所長官代理者 裁判所も現在のところ、先ほど厚生省、法務省からお述べになりましたと同じような方向で考えたいと思っております。
 主として問題になりますのは、いまおっしゃいましたように家庭裁判所と簡易裁判所でございますが、これは全国的な統計等をとっているわけではございませんけれども、現在までのところは、まずまずそういうふうな方が単独でおいでになったというような事例も余りございませんで、ただ今後の問題としては、そういうこともだんだんに予想されるわけでございますので、そういう実情も見守りながら、ひとつ前向きに検討するということにさしていただきたいと思います。
#20
○正森委員 最高裁に伺いますが、視力障害者が当事者となった場合に、調停、和解の決定書や判決書、また民法十二条一項六号で言う相続放棄の照会状などを本人が面接確認できるように、点字の副本をつけてほしいという要望が非常に強いわけですね。
 これは、私もっともなことだ、仮に弁護人あるいは代理人がついておって読んでもらうにしても、そういう自分に非常に関係のある公文書については、自分で見たいというのはもっともな提言でありますから、こういう提言に一ついては、最高裁あるいはある場合には法務省に関係あるかもしれませんが、考慮していただきたいと思いますが、いかがですか。
#21
○大西最高裁判所長官代理者 債務名義となりますいわゆる執行力ある正本そのものを点字でするということにつきましては、法律上その他いろいろ問題がございますが、そういう正規の正本のほかに、そういうものをつけるかどうかということが問題になるわけでございますが、これも先ほどの問題と同様でございまして、費用その他若干現在のままではいかぬということで、問題がないわけではございませんけれども、今後の問題としてはひとつ検討するということにさしていただきたいと思います。
#22
○正森委員 私は、これは費用もそんなにかからないと思いますから、ぜひ実現をするようにしていただきたいと思います。
 それでは、公益法人について伺いたいと思います。六十七条で監督命令権の新設が行われております。現行でも主務官庁の監督権は相当強く、七十一条で許可取り消しもできることになっているのに、あえて命令権を新設したのはどういう理由でしょうか、わかりやすく説明してください。
#23
○香川政府委員 現行法の六十七条で「法人ノ業務ハ主務官庁ノ監督ニ属ス」という規定があるわけでございまして、この規定の解釈として、いろいろの監督上必要な命令は出せるという解釈も可能かと思うのでありますけれども、命令を出すといたしますれば、やはりその関係の規定を整備した方がより合理的だろうということで、明確にいたしたわけでございます。
#24
○正森委員 法案では「他ノ方法ニ依リ監督ノ目的ヲ達スルコト能ハザルトキ」とありますが、どういう場合を考えておられるのでしょうか。
 結局は命令に従わないときということになると思いますが、一定の基準がないと、時として乱用されるおそれがあると思いますので、伺っておきたいと思います。
#25
○香川政府委員 たとえば会計上いろいろ問題があるというふうな場合に、さような点について十分注意するようにという命令を出したといたしまして、しかしいろいろの法人がございますので、なかなかそれがうまくいかないというふうな場合に、いきなり許可の取り消しということもいかがかと思うのでありまして、そういう場合には、さらに具体的にこういう形の監査をやってはどうかというふうな命令を出すとか、できるだけ自主的に改善できることを期待いたしまして、重ねていろいろの助言をする意味での命令を出すというふうなことにして、それでもどうしてもいかぬ、万策尽きたということになった場合に、初めて許可の取り消しという手段に訴える、かような形に持っていきたいということで、かような表現を使って許可の取り消しの規定を設けたわけでございます。
#26
○正森委員 次に、公益法人の収益事業について伺いたいと思います。
 ここに行政管理庁行政監察局発行の行政監察月報というのを持ってきておりますが、そのナンバー百六十、一九七三年一月号によりますと、公益法人のあり方として、公益を目的とすること、営利を目的としないこと、主務官庁の許可を受けたものという要件を満たしたものでなければならないとしております。そして、二の営利を目的としないことについては、団体の構成員等に利益が配分されないこと、公益事業に必要な範囲内で付随的に行う場合にのみ許され、重要な部分を占めるようなものであってはならないとの解釈が示されています。
 行管庁や法務省は、この解釈をいまでもおとりになっておりますか。
#27
○香川政府委員 いまお示しの見解は、民法の解釈としても当然のことだというふうに考えております。
#28
○品川説明員 ただいま先生の御指摘になりました考え方、現在も同様でございます。
 また、勧告をいたしました四十六年の次の年、四十七年に、三月でございますが、公益法人監督事務連絡協議会における申し合わせが行われまして「設立目的を達成するため、附随的に収益を目的とする事業を行なう場合にあっては、当該事業は次の事項のすべてに適合しなければならない。」として「本来の事業に比べてその規模が過大でないこと。」「公益法人としての社会的信用を傷つけるような内容の事業でないこと。」「その他、本来の事業に支障を及ぼすおそれのないこと。」ということが申し合わせされておりますが、この点につきましても、行管庁としては同意見でございます。
#29
○正森委員 そこで伺いたいと思いますが、島根県に社団法人の浜田自動車協会というのがあります。
 ところが、この自動車協会というのは、定款に明記されていない自動車学校を経営しているわけであります。これは収益事業で、ある意味では協会の目的に反するものではないかというように考えておるわけでありますが、この点については、あらかじめ質問事項として申し上げておきましたので、御見解を承りたいと思います。
#30
○阿部説明員 お答えいたします。
 島根県浜田自動車協会という公益法人、これは運輸省の広島陸運局長が昭和三十年に許可した法人でございます。現在その法人の行っております事業は、定款の中で主なものを申し上げますと、自動車検査場の運営管理、それから自動車運転試験場の設置管理、その他付帯的な事業を書いてございますが、当初設けられた理由は、自動車検査場の運営管理ということで設けられ、地域の住民の自動車が検査が受けやすいような、そういう便益を提供するということで設けられております。
 なお、昭和三十年ごろから、免許を取得したいという方々の要請もございまして、県、市とも協力して、そのような施設を自動車運転試験場という形でつくりました。現在も出張試験などが行われておりますが、私ども、教習所ということでやっております事業は、自動車運転試験場の設置及び管理、その付帯的なものというふうに考えております。
#31
○正森委員 いま御説明があったのですが、私どもの調査と非常に大きく異なっておるのですね。
 浜田自動車協会の実態は、五十二年度の時点で職員が二十九名おりますが、いま運輸省から説明があった車検等の公益事業に携わっているのは、そのうちわずか一名ですね。残り二十八名は、営利事業である自動車学校の職員ということになっているわけであります。
 そうすると、先ほどの行管庁の説明でも、付随事業というのは、本来の目的に反して著しく均衡を失して、それが重点になっておる場合、表現はこのとおりでありませんでしたが、そういうものに当たるものではないかというように私は思わざるを得ないのです。しかも、自動車学校の経営による収益を理事長に七、八十万円、副理事長に四十万円というように、役員に分配をしているわけであります。これも非常に問題であります。
 ですから、自動車学校を切り離して、車検関係と別法人にするというような措置をとるのが、行政上も当然ではないかというように思いますが、いかがですか。
#32
○阿部説明員 お答えいたします。
 確かに、現在の当該法人の収入の合計を見ますと一億三千百万ほどございますが、公益事業関連の収入というものが約一千万、それから収益事業関連のものが一億二千万という形で、内容的には、金額だけ見ますと九対一といったような感じになっておるかと思います。私どもも、公益法人が行う収益事業は付随的なものであるという前提で当然見ておるわけでございますが、金額だけの面で見て、金額が半分を超えれば、それが主になるということではなかろう。事業の内容から見まして、やはり公益目的を達成するというのは、車検とかということで便宜を図るということでやっております。三十年発足当時は、年間五百人程度、免許を取りたい方々の講習を受け付けていた。それが、モータリゼーションが盛んになりまして、四十三年の講習実績を見ますと、三千人くらいの方が講習を受けておられる形になり、最近は千人くらいになっております。
 したがいまして、収益事業の規模というのも、発足時あるいはその後の変遷で若干変動はあるかと思いますが、単に収益事業の金額面のウエートだけで、主でやるのか付随的にやるのかという判断は、それだけでは困難じゃないかというふうに考えております。
#33
○正森委員 収益面だけで判断できないと言われますが、その収益面でも、公益関係が一千万円で、営利関係が一億二千万ということはお認めになりました。十二対一ですね。しかも職員の場合は二十八対一、こういうことになるのですね。
 しかも問題でありますのは、この協会の主たる公益事業である車検場は市有地を借用している。自動車学校は別の場所で国有地を借用しているわけですね。これは、都市計画の公園敷地内に自動車学校があるのはおかしいということで、これを市民のために開放してほしいという要望が市民からあるわけですけれども、それについては、公益法人であるからというようなことで抵抗しているというのが地元からのお話であります。そうなりますと、実際は営利事業をやりながら、公益法人であるということを隠れみのにして、一方では、市有地あるいは国有地を使って、こういうもうけをやっておるということになるわけで、まさに行管庁が言う、こういう公益法人のあり方というのは慎まなければならないという事例に該当すると思うのですね。
 こういうものに対して何らの改善措置がとられないとすれば、今度法律を改善して命令権を与えたり、許可取り消し権を与えたり、あるいは香川民事局長の話によりますと、具体的にもう少しこうしたらどうかということを言って、それで何ぼ言っても万策尽きたときに許可取り消しをやるのだというようなことを言いましても、初めからこれが妥当であるということで、改善の命令どころか示唆も与えられないということになれば、幾ら法律を改正しても、それは絵にかいたもちになるというように思うのですね。これは運輸省でしょう。もう少し運輸省、しっかりせにゃいかぬのじゃないですか。
#34
○阿部説明員 いま先生御指摘になりました土地の問題が過去からございます。
 この法人、検査場の方は市有地をお借りし、それから自動車の教習所の方は国有地をお借りしているという形でやっており、その場所がたまたまいい場所でございまして、最近は、浜田市の都市計画あるいは公園事業の計画に該当するということで、立ち退きを求められていることは事実でございます。
 それに対して、協会はがんこに抵抗しているということではございませんで、むしろ代替地があればそちらの方に移りたいということは、かねて申しております。ただ、その代替地が、自分で探した範囲内ではなかなか適地が見つからないという経過がございますが、最近におきましては、浜田−広島間につながれる高速道路が開設される関係で、インターチェンジなどが大幅に計画され、そこに相当大規模な土地が開かれるので、その一部に代替地としてどうかという話が市からも出されておりますし、国の財務部等も、そのような方向でぜひやるようにということでお話を承っておりますので、私どもも、そういう移転ということを、今後早急に関係の方々とお話しして詰めるようにという形での指導はいたしております。
#35
○正森委員 法案の質問でございますので、具体的な問題にはこれ以上入りませんが、監督権や命令権を強化しているということとの関係で、適切な処置がされるように望んでおきたいと思います。
 そこで、別の問題に移りますが、行管庁は、公務員が公益法人の役職につくことについて、四十六年の勧告で、監督官庁の現職公務員が役職員を兼務すべきでないとしており、また、公務員の法人への天下りが国会でもただされてまいりました。法務省の所管では、現職公務員が役職員を兼務しているような法人というのはございませんか。
#36
○香川政府委員 お尋ねのような、現職公務員が所管の公益法人の役職員を兼務しておると申しますか、そういう例はございます。現に私も法曹会の理事をいたしております。
#37
○正森委員 まあ非常に正直におっしゃいましたから、余りこれ以上申しませんけれども、たとえば財団法人法曹会というのは、理事に最高裁長官の服部さんや検事総長の辻さん、法務省民事局長の香川さん、東京高検次席検事の藤島さんというように、そうそうたる方が並んでおられるのですね。この年間の予算額は九億四百十五万九千円ということになっているのです。
 それからまた、財団法人の矯正協会というのがあります。この財団法人の矯正協会では、この間御転任になったばかりの法務省矯正局長の豊島英次郎さん、東京少年鑑別所長の市川定三さん、東京矯正管区長の岩崎さん、東京拘置所長の花田さん、府中刑務所長の山田さん、法務省保護局長の稲田さんというように、ずらりと並んでいるわけです。これの年間予算額は十五億七千二百九十六万四千円、こうなっているのです。ほかにまだ資料がたくさんあります。こういうのについては、それぞれ必要があってのこととは思いますが、少なくとも行管庁が勧告をしておる趣旨とは真っ向から反するわけですね。
 そこで、この機会に伺っておきたいのですが、行管庁、あなたの方のお出しになった勧告は、法務省関係は専門的なことが多いから除くということになっておるのですか。
#38
○品川説明員 勧告では「役職員を兼務することは、適当ではないと考えられるのでこれを厳に抑制する必要がある。」と述べております。
 抑制する必要があるということでございますから、各省庁におかれまして最大限の抑制努力をしていただくということでございますが、当該法人の事業内容から見まして、ほかに役職員の適格者が得られないという場合が、例外的にはある程度どうしてもあろうかと思います。そういったような場合には、最小限度をもって例外的なものは認めたい、そういう考え方でございます。
#39
○正森委員 たとえば公益法人の一つに、総務局長が来ておられますから申し上げますが、最高裁判所判例調査会というのがありますね。これは代表者名が事務総長の牧さんですね。ですけれども、こういうものは最高裁判所が判例を調査するということでやっているのですから、最高裁判所の関係の人がお入りになっておるということもやむを得ない場合があろうかというように、まさに例外の場合に当たるものではないかと私どもは思うのです。
 しかし法務省は、これで見ますと、ずらりと非常に多いのですね。全部が全部法務省の関係者が役職員にならなくてもいいのではないか、あるいはなる場合でも、これほどきら星のごとくお名前をお連ねにならなくても、一、二名の方が出ておられれば、それで済むのではないかと思われるものがあるのですが、法務大臣ないし民事局長は若干整理なさるおつもりはありませんか、それともやはり特別な事情があるから、これぐらいはもうあれだ、特に香川民事局長は、おれが入っておかなければどうも安心できぬというように思われるのかどうか、御答弁願いたいと思うのです。
#40
○香川政府委員 私も法曹会の理事をしておりまして、率直に申し上げますと、なかなかこの法曹会の関係の仕事も大変でございまして、できることならやめたいと思うのですけれども、ただ法曹会の性格といたしまして、御承知のようにああいう団体でございまして、やはり法務、検察、裁判所、弁護士会等を含めた特殊な一つの事業をやっておるわけでございまして、それぞれのことに通じていると言っては言い過ぎかもしれませんけれども、そういったことがどうしても必要だろうと思うのであります。それと法務省の中でも、収益事業的なことは全然やってないところというのは、やはり何と申しましても人件費が問題でございまして、だから、やはり無報酬の兼務者でカバーしていくということをせざるを得ないのではなかろうか。
 そういう意味で、前にも行管の勧告が一般的に出ました際に検討はいたしたのでございますけれども、現状としては、外から連れてくるといたしますれば、相当高額の報酬を払わなければならないというふうな問題もございまして、いまのところはこの状態で続けていかざるを得ないのじゃないか。しかし外から、あらぬと申しますか、いろいろ批判があれば、そういうことはできるだけ生じないように、十分注意しなければならないというふうには考えております。
#41
○正森委員 念のために申し上げておきますが、私が法務省関係のことについて言いましたのは、何かあなた方があらぬことをやっておって、それで言っておるというのではなしに、行管庁がこういう勧告をしている、それに対して、それと違う事実があるので、それはどういうわけで、是正されるお気持ちがないか、こう聞いているだけなんです。
 ただ、いまお話を伺いますと、むしろ外部から役職を持ってきた場合には高額の給料、報酬等を払わなければならない、あるいは法曹会という関係で、いろいろの連絡にはむしろ役員がおった方がいいというような面もあるという御見解ですから、私は、それはごもっともな点もあるだろう、こう思います。しかし、一般的に行管庁がああいう勧告を出しておるわけですから、その関係との面もお考えになって、不必要な点はやはり民間に外していくというような対応をとっていただきたいというように思います。法務大臣、いかがでございますか。
#42
○古井国務大臣 一般論として行管のお考えも大いにごもっともで尊重しなければならないと思うのですけれども、しゃくし定規にいってもいかぬので、やはりさっきの法曹会などの関係はあのとおりであります。これが実際上いまのところ一番いいじゃないかと思いますので、そこは実質論で事柄によって考えてきた方がいいじゃないかと思っております。
#43
○正森委員 それでは、八十四条の改正で過料の額が五十万以下になった根拠はどういうわけでしょうか。
 ほかの法律では、最高が二十万円ぐらいで、大体は三万から四万ぐらいですが、これは非常に額が大きいと思うのです。大きい額にされたのはどういうわけでしょうか。最近とみにインフレが進んでおるという御見解でしょうか。
#44
○香川政府委員 公益法人の理事、監事、清算人につきましての過料の規定は、私どもの気持ちといたしましては、率直に申し上げまして五十万でも少ないのではないかと思います。
 むしろ、最高限のことでございますので、できることならば百万円ぐらいにすべきではなかろうかというような感覚なのでございますが、ただ先ほど御提示のような横並びの問題もございまして、全般的に見直しの際はともかく、今回の改正としては五十万程度が相当だろうというふうな関係方面との意見調整の結果、こうなったわけでございます。
#45
○正森委員 時間の関係でなるべく簡単にいたしますが、土地家屋調査士法の関係で、ほんの一、二問伺わせていただきたいと思います。前提を省略して伺います。
 表示登記事務に十年以上従事した者に対する大臣の特認制度、こういうものが取り入れられました。それを取り入れた理由等については、他の委員が質問されましたから、省略いたします。
 現在の時点で大臣の認定を得られる者は、国土建設学院での研修修了者約二百十名に限られているというようなことでございますが、今後もこの範囲内にとどめられるのでしょうか、あるいはそうでないのでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。
#46
○香川政府委員 現在の時点ではお説のとおりでございますが、将来、そういうものを中核にいたしまして、もっと表示登記関係の職員の能力の向上に努めたい。さような結果を見まして、場合によりましては、それに限定されずに広がるということもあり得ると思います。
#47
○正森委員 場合によって、それに限定せずに広がるという場合には、試験を受けて資格を取る者との人数のバランスを考えませんと、非常に問題になると思うのですが、その人数のバランスについて、最高何対何ぼぐらいとかいうような配慮はなさるおつもりですか。それも配慮なさらずに、条件さえ整えばどんどん許可するという方針なんですか。それが非常に関心のあるところなんですね。
#48
○香川政府委員 現在、国家試験で約五百名前後、四百名から六百名の間でございますが、これもおっしゃるような需給関係でやはり再検討しなければならぬ問題だと思います。私ども、特認のこの制度の運用が一番活発になりましても、その一割程度のものではなかろうか、かような目安を考えております。
#49
○正森委員 調査士の報酬について伺いたいと思います。
 調査士会が五十年十二月に実施したアンケートによりますと、年間受託件数は一人平均六、七十件、年間総報酬額は二百万円前後というようになっておるわけであります。ところが調査士業務というのは最低必要人員三名、事務所留守番を含めて四名の人員が必要だとされておりますが、このアンケート調査では、三名以上使用しておる調査士は一割しかおらない、こういうことになるわけであります。
 そうなりますと、勢い安かろうあるいは多少早かろうということで、不正確な業務が出てくるということにもなりかねないというように思うわけですが、法務省としては、調査士の適正な報酬はどのようなものと考えているのか、また、その基準をどこに求めているのか、簡単に御説明ください。
#50
○香川政府委員 ただいまお話しのアンケートの関係でございますが、まさにそこに問題が出ておるわけでございまして、調査士の報酬制度を考えます場合に一番問題なのは、専業、兼業の関係でございます。
 御承知のとおり、調査士は測量士、建築士を兼業にしておる方が全体の約八割ぐらいあるわけでございまして、その中から調査士プロパーの業務というものあるいはその報酬というものが、いまお示しのようなことになるわけでございまして、いわゆる専業調査士がそれだけでやっていけるというふうなものを目安に考えなければならぬわけでございますけれども、なかなかこれはいろいろの問題、たとえば公共的な性格、国民に申請手続をすることを義務づけておるというふうな関係等等もございまして、私どもとしても、どういうふうな形が一番いいか、この点は現在連合会の方から改定案が提示されておるわけでございまして、これは相当いろいろ問題がございますので、そのとおりにはまいらぬと思いますけれども、そういったものも含めまして、今後連合会と検討を続けてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#51
○正森委員 不動産登記法の十七条に定める地図というのを備えることになっておりますが、この十七条地図の整備というのが非常に不十分だというように聞いておるわけであります。一説によりますと、現在法務省が行っているペースでは、もう百年も二百年もかかるという説があるわけであります。
 そこで、現状はどうなっておるのか。また、国土調査法に基づく地図の作製の要件に不動産登記法十七条地図の要件を備えるようにして、国土調査地図を無修正で使えるようにするのが合理的というように思いますが、こういう問題についてどうお考えでしょうか。
#52
○香川政府委員 現在の状況は、つまり土地台帳時代からのいわゆる付属地図が二百六十三万五千枚、それから国土調査法による地籍図が八十九万三千枚、それから法務局の方でモデル的に十七条の地図として作製しておりますのが、今日のところ千三百九十枚くらいでございまして、この地図の整備は大問題でございます。
 何とかしなければならぬ問題だというふうには認識いたしておるわけでございますが、そういうことから、できることならば法務局が自前でつくることをもっと拡大しなければならぬと同時に、いまお説のように、地籍図をそのまま十七条の地図にできるようにということで、国土庁ともいろいろ協議して、その整備に努力しているところでございます。
#53
○正森委員 法務省は現在、法務局を整備強化するための総合計画を検討しているようであります。この中で事務処理要員の確保、すなわち職員の人員増の問題がきわめて重要な問題となっておるようであります。
 総合計画によりますと、昭和三十年を一〇〇といたしますと、昭和五十年では甲号事件数が二八六、乙号事件数は一六四六という指数になる、こういうようになっているのに対して、職員はわずか一三三となっているにすぎません。一般的な一〇%削減の枠内では、いつまでも解決しない。こういうことによって国民の財産の基本である土地建物の現況が、言い方ば悪いのですが、あいまいなままに推移するという、ゆゆしい問題を続けることにもなると思われます。
 政府部内において、法務局における人員増について特別な配慮をするとともに、法務省も強力に要求をする必要があるというように思いますが、この問題について、法務大臣もしくは民事局長の御答弁をお願いいたします。
#54
○香川政府委員 お説のように人員不足、これは現在の法務局については否定できないことでございまして、定員抑制の厳しい情勢下におきましても、省全体としても法務局の増員に非常に協力していただきまして、また財政当局としましても、恐らくは今日の情勢でぎりぎりの増員を認めてきていただいておると思うのであります。
 しかし、絶対数の足りないことは明らかでございまして、そういう厳しい枠内で増員に努力をすると同時に、省力化と申しますか、人手にかわるいろいろの方策を開発いたしまして、それを並行的に進めていく、かような考えでおるわけでございます。
#55
○正森委員 不動産登記事務取扱手続準則八十七条では「登記官は、事情の許す限り積極的に不動産の実地調査を励行し、」と、実地調査を義務づけております。また十七条地図の不備な現状において、このことは非常に重要なことであると私は思います。ところが現実には、私がいま申しましたような人員不足の中で、ほとんど励行されないで、形式審査に終わっていると私は聞いております。
 この点について現場では、人員増の要求とともに、実地調査の実施に当たっては実地調査用の車両、そして運転手、測量用の器材というものが欲しいのだけれども、それが全く未整備である、これらの急速な整備ができないものかというように、現場は要求していると聞いております。
 そこで、全国約千三百の登記所で、実地調査用の車両を配置している登記所はどれくらいあるか、お答え願いたいと思います。
#56
○香川政府委員 実地測量車と言われているものの配置でございますが、私どもは、少なくとも甲号事件二万件以上庁三百十一庁につきまして、全部早急に備えたいということで、逐年予算要求いたしておるわけでございますが、現在、二百十四台配置されております。
#57
○正森委員 いまお答えのように、二百十四台しかないということでは、実測体制は非常に不十分であると思いますが、これに対して、どういうようにこれを補充、整備していくお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
#58
○香川政府委員 この実測車の予算要求について、さらに努力は続けたいと考えておりますけれども、職員が運転いたしまして、間々事故を起こすことがあるわけでございまして、かような問題も考えまして、補充的というか、並行的にむしろ民間に車の運転を委託するというふうな、あるいは自動車持ちで委託するということを試みに現在やっておるわけでございまして、現在、本局におきまして、約五庁でございますが、モデル的に実施いたしておりまして、この成績がわりあいいいようでございますので、これを拡充して、おっしゃるような表示登記制度の充実、実地調査の励行ということの手助けにしたいというふうに考えておるわけでございます。
#59
○正森委員 私の聞いておるところでは、甲号事件が二万件以上ある三百十一庁には少なくとも実測車を配置したいということで、予算要求をしておるというのが事実ではないのですか。
#60
○香川政府委員 先ほど申し上げました、そのとおりでございます。
#61
○正森委員 そのとおりですね。
 表示登記の事務というのは、権利の登記とは異質の要素を持っており、表示登記にふさわしい業務の合理的処理体制を確立するために、表示登記事務関係を独立させてほしい、現在表示登記専門官体制になっているが、これをせめて課規模の体制をとってほしいという現場の強い要望があるようでありますが、これについては、どういうように考えておられますか。
#62
○香川政府委員 確かに、そういうことを機構面においてやっていかなければならぬというふうには考えておりますが、御承知のとおり、現在、機構新設ということが非常に厳しい事情でございまして、なかなか容易ではないと思いますが、将来の問題として、そういう方向を考えていきたいというふうに思っております。
#63
○正森委員 それでは、まだ少しありますが、以上でやめさせていただきます。
#64
○佐藤委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
#65
○佐藤委員長 これより両案に対する討論に入るのでありますが、いずれも討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 まず、民法及び民法施行法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#66
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、土地家屋調査士法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#67
○佐藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
#68
○佐藤委員長 次に、ただいま可決いたしました両案のおのおのに対し、山崎武三郎君外六名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同、新自由クラブ及び社会民主連合の共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議がそれぞれ提出されております。
 まず、提出者より順次趣旨の説明を求めます。山崎武三郎君。
#69
○山崎(武)委員 私は、提案者を代表して、ただいま議決いたしました両法律案に対する附帯決議案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、民法及び民法施行法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の案文を朗読いたします。
    民法及び民法施行法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の諸事項について更に一層努力すべきである。
 一 民法上の公益法人の実情把握と改善すべき諸問題の検討及びその結果による民法改正の要否の検討を継続すること。
   また、同法人の会計が健全に行われるよう内部監査制度の確立及び一定規模以上のものについての公認会計士による監査の導入を検討すること。
 二 次期民法改正に際しては、相続における妻の地位の実質的向上を図るため、相続分等についての改正を検討すること。
 三 民法第十一条の改正にあたり、身体障害者が社会的に能力を充分発揮できるよう各般の施策を検討すること。
 次に、土地家屋調査士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の案文を朗読いたします。
    土地家屋調査士法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の諸点について格段の配慮をなすべきである。
 一 新調査士法第三条第二号による資格認定及び土地家屋調査士試験制度の運用に当たっては、土地家屋調査士業務に対する社会的需給に応ずるよう適切な配意をすること。
 二 不動産表示登記制度の適正な運用を期するため
  (一) 不動産登記法第十七条地図を可及的速やかに整備するための各般の効率的具体策を早急に策定し、実施すること。
  (二) 不動産表示登記事務の処理に対応することができる知識及び技能を有する職員の充員等について積極的に努力すること。
 三 土地家屋調査士会が行う研修事業に積極的に協力し、土地家屋調査士が真に国民の信頼に応え得るようその品位と資質の向上を図ること。
 四 土地家屋調査士の報酬については、その業務の実態に即して速やかに改善を図ること。
 五 土地家屋調査士に対する公共嘱託事件の委託を積極的に推進するため、その隘路打開の方策を講ずること。
両案の趣旨については、すでに質疑の過程で明らかにされておりますので、この際省略することといたします。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
#70
○佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 直ちに採決いたします。
 まず、民法及び民法施行法の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#71
○佐藤委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付するに決しました。
 次に、土地家屋調査士法の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#72
○佐藤委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付するに決しました。
 この際、古井法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。古井法務大臣。
#73
○古井国務大臣 ただいま可決されました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして鋭意努力してまいりたいと考えております。
    ―――――――――――――
#74
○佐藤委員長 お諮りいたします。ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#75
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#76
○佐藤委員長 次回は、来る二十九日火曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時十四分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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