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1978/02/20 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 本会議 第9号
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1978/02/20 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 本会議 第9号

#1
第087回国会 本会議 第9号
昭和五十四年二月二十日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第八号
  昭和五十四年二月二十日
    午後一時開議
 第一 北方領土問題の解決促進に関する決議案
    (和田耕作君外八名提出)
          (委員会審査省略要求案件)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 北方領土問題の解決促進に関する決
  議案(和田耕作君外八名提出)
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
 鉄道建設審議会委員の選挙
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  の趣旨説明及び質疑
    午後一時五分開議
#2
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○議長(灘尾弘吉君) 日程第一は、提出者から委員会の審査省略の申し出があります。右申し出のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 北方領土問題の解決促進に関する決議案(和田耕作君外八名提出)
#5
○議長(灘尾弘吉君) 日程第一、北方領土問題の解決促進に関する決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。和田耕作君。
    ―――――――――――――
 北方領土問題の解決促進に関する決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔和田耕作君登壇〕
#6
○和田耕作君 ただいま議題となりました北方領土問題の解決促進に関する決議案につきまして、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブを代表し、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    北方領土問題の解決促進に関する決議案
  わが国固有の領土である歯舞、色丹及び国後、択捉等の北方領土が永年にわたる日本国民の要望にもかかわらず、いまなおその返還が実現せず、更に、最近ソ連は、国後、択捉の両島において軍事施設の構築等を図っていることは、日ソ両国の平和友好関係の促進にとって誠に遺憾なことである。
  よつて政府は、北方領土問題の平和的解決の精神に逆行するこのようなソ連の軍事的措置が速やかに撤回されるようソ連政府に対し要求するとともに、北方領土問題の早期解決を図り、平和条約を締結して、日ソ間の安定的平和友好関係を確立するよう努力すべきである。
  右決議する。
以上であります。
 わが国固有の領土である歯舞、色丹及び国後、択捉等の北方領土の一日も早い返還は、全日本国民の多年にわたる悲願であります。しかしながら、戦後三十余年を経過した今日もなお、北方領土の返還は実現しておりません。
 さらにまた、ソ連は、昨年夏以来、国後、択捉の両島において相当規模の地上軍部隊を配置し、軍事基地の建設を行うとともに、両島周辺において軍事演習を行っております。これらのことは、日ソ両国の平和友好関係の促進にとってまことに遺憾なことであります。
 政府は、北方領土問題の平和的解決の精神に逆行するこのようなソ連の軍事的措置が速やかに撤回されるよう、ソ連政府に対し強く要求するとともに、北方領土問題の早期解決を図り、平和条約を締結して、日ソ両国の安定的平和友好関係を確立するよう最善の努力を払うべきであります。
 以上をもって本決議案の趣旨の説明といたします。
 何とぞ、議員各位の御賛同あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(灘尾弘吉君)
採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。(拍手)
 この際、外務大臣から発言を求められております。これを許します。外務大臣園田直君。
    〔国務大臣園田直君登壇〕
#8
○国務大臣(園田直君) ただいまの御決議に対し、所信を申し述べます。
 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を十分に体しまして、今後とも粘り強く対ソ折衝を進めるべく、引き続き最大限の努力を払う所存であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 検察官適格審査会委員及び同予備委員の選挙
 北海道開発審議会委員の選挙
 鉄道建設審議会委員の選挙
#9
○議長(灘尾弘吉君) 検察官適格審査会委員及び同予備委員、北海道開発審議会委員及び鉄道建設審議会委員の選挙を行います。
#10
○玉沢徳一郎君 各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名されんことを望みます。
#11
○議長(灘尾弘吉君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
 議長は、検察官適格審査会委員に
      天野光晴君及び 古屋  亨君を指名いたします。
 また、
 山崎武三郎君を古屋亨君の予備委員に、
 広瀬秀吉君を平林剛君の予備委員に、
 長谷雄幸久君を林孝矩君の予備委員に指名いたします。
 次に、北海道開発審議会委員に
      阿部 文男君    川田 正則君
      村上 茂利君    芳賀  貢君
   及び 斎藤  実君を指名いたします。
 次に、鉄道建設審議会委員に
      原   茂君    平林  剛君
   及び 石田幸四郎君を指名いたします。
     ――――◇―――――
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
#13
○議長(灘尾弘吉君) 内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣澁谷直藏君。
    〔国務大臣澁谷直藏君登壇〕
#14
○国務大臣(澁谷直藏君) 地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 明年度の地方税制の改正に当たりましては、地方税負担の現状と地方財政の実情とにかんがみ、その負担の適正化と地方税源の充実強化等を図る一方、住民負担の軽減合理化にも意を用いることといたしております。
 第一に、地方税法の改正であります。
 まず、地方税負担の適正化と地方税源の充実強化を図る見地から、自動車税及び軽自動車税について、自家用車の税率を一〇%程度、一般乗り合い用バス以外の営業用バスの税率を五%程度、軽油引取税の税率を二五%程度それぞれ引き上げることといたしております。
 次に、不動産取得税、固定資産税等における非課税等の特別措置のうち二十四項目について整理合理化を行うほか、産業用電気に係る電気税の非課税品目を三品目廃止することとしております。
 また、固定資産税につきましては、宅地等及び一般農地について評価がえに伴う税負担を調整するための所要の措置を講ずるとともに、市街化区域農地に対する課税の適正化措置については、引ぎ続き検討を加えることとし、当面、昭和五十六年度までは現行制度を継続することといたしております。
 さらに、住民負担の軽減合理化を図るため、道府県民税及び市町村民税の所得控除の額の引き上げ、ガス税の免税点の引き上げ等の措置を講ずることといたしております。
 第二に、地方道路譲与税法の改正でありますが、地方道路税の税率の引き上げに伴い、市町村の道路目的財源の充実を図るため、地方道路譲与税の市町村に対する譲与割合を引き上げることといたしております。第三に、航空機燃料譲与税法の改正でありますが、航空機燃料税の税率の引き上げに伴い、新たに空港関係都道府県に対しても航空機燃料譲与税を譲与するための所要の措置を講ずることとしております。
 第四に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の改正でありますが、国有資産等所在市町村交付金に係る交付金算定標準額の特例措置の整理合理化等の措置を講ずることといたしております。
 以上の改正により、明年度におきましては、自動車関係諸税の税率の引き上げ、非課税等の特別措置の整理合理化等により、千八百二十三億円の増収が見込まれる一方、個人住民税の課税最低限の引き上げ等により五百九十二億円の減税を行うことといたしておりますので、差し引き千二百三十一億円の増収となる見込みであります。そのほか、地方道路譲与税等におきましても四百五十一億円の増収が見込まれております。以上が地方税法等の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
     ――――◇―――――
 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#15
○議長(灘尾弘吉君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。新村勝雄君。
    〔新村勝雄君登壇〕
#16
○新村勝雄君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案について、大平総理大臣を初め関係各大臣に質問をいたします。
 まず最初に、地方税法は地方自治を支える根幹であり、地方自治は国政を支える根幹であるという観点から、地方自治に対する大平総理大臣の基本的なお考えについてお伺いをいたします。
 あなたは、かねてから、高度成長の反省の上に立った新文化の創造を提唱され、そのためには調和のとれた地域の振興が必須の条件であると言われております。
 私どもは、自民党政権としてはよりましな大平内閣、そして大平さんの庶民政治家としての構想力と政策に期待を寄せておりました。地方自治の時代とも言われる現代において、また、国民の生活を直接全国各地域において守る責任を持つ地方自治に対し、さだめし温かい御配慮があるであろうと待望いたしておったのでございます。しかるに、遺憾ながらこの期待は完全に裏切られたと申し上げざるを得ないのであります。すなわち、去る一月二十五日、本院において行われた大平総理大臣の施政方針に関する演説の中に、地方自治に関するお言葉が一言半句もなかったのであります。総理の演説を聞いて落胆したのは私一人ではなかったと思います。全国三千に余る自治体関係者は、国の繁栄と国民の幸せを守る先駆者として、きわめて厳しい状況の中で、日夜報いられることの少ない地域活動に挺身をいたしておるのでございます。大平総理大臣、あなたは御演説の中で、これからの時代を文化重視の時代と規定しておられます。そして、その具体的展開の重要な一環として、田園都市づくりの構想をお示しになっておられます。
 ここでお伺いをいたしたいのは、だれが実際に地域において田園都市づくりを進めるのかということであります。それは自治体をおいてほかにありません。住民の御協力を求め、自治の機能をフルに活用することが地域づくりのためには絶対の要件であります。地方自治の本旨に基づいて住民自治を強化し、地域の自主性を尊重するとともに、自治体に対する税財源の付与、超過負担の解消、住民生活に関係の深い事務の移譲などを実現をし、自治体、住民のエネルギーを引き出し、創造性を開花させなければならないと存じます。この点を含めて、地方自治についての基本的な総理のお考えをお示しを願いたいのであります。(拍手)
 このように、ますます重きを加えようとする地方自治の骨格とも言うべき地方税法等について、以下幾つかの要点をお尋ねをいたしたいと思います。
 政府は、昭和五十年以降の深刻な地方財政の危機に当たって、これに対応する地方税体系の改革を怠り、大幅な地方債依存で事態を糊塗してきました。財源の大宗である交付税においても本来の機能を失い、性格が変質をいたしておるのが実態であります。
 しかも、今回の改正の背景となっているのは一般消費税でございます。自治大臣は、去る十三日の地方行政委員会における所信表明において、一般消費税の導入を明確に提起をいたしておるわけであります。ところが一方、大平総理は、先日の本会議におけるわが党議員の質問に対し、五十四年度には提案をしないと言明をされております。いずれが正しいのか、総理の明快な御答弁をお願いをいたします。(拍手)この点については、特に総理、はっきりと仰せをいただきたいわけであります。次に、住民税でありますが、その課税最低限が低く、生活費非課税の原則に反するという指摘をいままでもしばしば受けていたところであります。今回の改正案によれば、諸控除の引き上げが行われ、夫婦子二人の給与所得者の最低限は百四十九万円になる予定であります。同じ場合の人事院算定による標準生計費は百九十九万円でございます。一級地の生活扶助基準額は百七十二万円であります。改正後においてさえもなお、住民税の課税最低限は、政府の発表した生計費に大幅に食い込み、非課税部分が生活扶助の額にも及ばないという、課税の原則を無視した税制を自治大臣はどうお考えでございますか、お伺いをいたします。
 次に、所得税の改定と同様に、住民税においても土地の譲渡所得について課税の緩和が行われようといたしております。優良宅地の供給または公的な土地の取得に資する土地等の譲渡の場合、分離課税部分を現行二千万円から四千万円に、総合課税となる部分を現行四分の三から二分の一にする等、課税の緩和を図っているものであります。
 土地の公共性は社会の進歩、高度化とともに一層高まり、私権の制限もやむを得ないという世論が支配的になりつつあります。政府は、いたずらに土地所有者に迎合するような誤った姿勢を改め、公共用地の取得や、政策実現に必要な土地供給を促進させる総合的な誘導政策を確立すべきであります。
 五十四年度は六千億を超える増税が行われる予定であります。不公平税制の是正が最大の世論になっているとき、この案は新たな不公平をつくり出すものではないでしょうか。国民のごく一部である土地所有者、不動産業者に不当な利益を与え、土地投機を誘発し、やがてはインフレへの道につながる本案に対し、大蔵大臣はどのようにお考えであるか、お伺いをいたします。(拍手)
 今回、社会保険診療報酬に対する所得税課税の経費率が改正され、地方税もそれに応じてある程度の是正が期待をされております。しかし、改定の根拠が不明確であり、十分な国民の理解を得られるものとはなっておりません。事業税についても保険診療部分が非課税になっていますが、これも税の不公平感を助長するものとなっております。
 そもそも、社会保険診療報酬に対する課税の経費率は政活的決着の色彩が強く、当初から合理的説得力に乏しいものでありました。いまこそ税制並びに医療制度全般の抜本改正を実現をし、国民の信を回復すべきときであります。医業もひとしく経済社会における経営である限り、他の業種における経営と同列に扱うべきであり、社会の不信を招くような優遇は許されるものではありません。同時に、他業種と同様の機会は与えられるべきであり、法人化に道を開き、医業に特有の経費や技術料、特殊な就業形態についての正当な評価、あるいはまた、パラメディカル・スタッフの待遇改善等を総合的に配慮しなければならないと考えます。これこそが国民の生命を守る道であり、また健全な地域医療を発展させる方途であります。
 多くの良心的な医師たちは、こそくな減税などよりも、国民に支持される医療体制をこそ望んでいると確信をいたしますが、これらの改善を実行するお考えがあるかどうか、大蔵大臣のお答えを願いたいのであります。(拍手)
 次に、自動車税が一律に引き上げられようといたしております。自動車税の性格は、資産課税であり、また道路損傷負担金として理解をされておりますが、さらに、新しい時代に臨むに当たり、政策目標を新たに加えるべきではないかと考えます。いままでわが国の自動車生産は、高性能化、大型化、そして国際競争力の強化に重点が指向されておりました。これからは、生活の要具としての必要性、道路、駐車場等における空間占有の限界性、原材料、燃料の有限性などを調和した指導方針を打ち出すべきものと考えます。
 それらから考える場合に、たとえば税金におきましても一律の課税ではなく、排気量百CM以下は無税、五百CC以下は現行の半額程度、三リットル以下は原案、三リットル以上は原案の二倍程度というような考え方を導入すべきではないかと思いますが、自治大臣のお考えを伺いたいわけでございます。
 土地に係る昭和五十四年度から昭和五十六年度までの各年度分の固定資産税及び都市計画税については、評価がえによる税負担の調整を図ることになり、低い限度に抑えられております。これは当然として、土地課税については発想の転換をなすべき時期に至っているのではないでしょうか。土地は人類に平等に与えられた天与の恩恵であるとするならば、少数の人々が広大な土地を占有することは天意に反するものと言わなければなりません。宅地を初め私有地に対する課税は、面積に段階を設け、単位面積に対する税率を累進させるお考えはないかどうか、自治大臣にお伺いをいたしたいわけでございます。
 また、市街化区域農地に対する固定資産税等の課税については、現在の農業経営の実情からして中止すべきものと考えます。市街化区域から農地を排除しようとする施策は誤りであって、農民切り捨て以外の何物でもございません。農業は土地そのものが生産手段であり、代替性がございません。金で解決のできる性質のものではないのでございます。農家は土地を失えばすなわち生きる道を失うことになります。とりあえず、三年間減額制度を継続するということでありますけれども、その後の展望が全くなく、該当農家は不安の極に達しているというのが実態であります。自治大臣は、この矛盾した農民切り捨て政策を中止するお考えがあるかどうか、お伺いをいたします。
 次に、軽油引取税について、税率を一キロリットルにつき現行一万九千五百円を二万四千三百円に引き上げるというものでありますけれども、昭和五十一年度の同税の引き上げに当たって、アップ額の半分をバス、トラック業界に助成金として交付をし、相当額を交付税で手当てをしたという経過がございますが、今回やはりこのような措置をとられるのかどうか。このような不明朗な処置は行政の施策としてははなはだ不適当であると思いますけれども、大臣のお考えをお伺いをいたします。
 最後に、わが国税制の根本問題である国の租税特別措置、また地方税法上の非課税措置について申し上げます。
 これによる減収額は、昭和五十三年度、地方団体関係において四千億に達しております。課税の公平を回復するためには、一切の慣行や仮定を捨てて、経済社会の全貌を国民の前に明らかにし、原点から再出発することが必要かと存じます。
 この点における政府の格段の御努力を期待申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#17
○内閣総理大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、地方自治に対する基本的な考え方についてでございます。
 私は、地方自治は申すまでもなく民主政治の基本的な枠組みの一つであると考えております。地方公共団体は、したがいまして、みずからの持つ自主性と活力を十分に発揮しつつ、国と協力して国民の福祉の向上を図るべきものと考えております。したがいまして、もろもろの地方行財政計画は地方団体みずからが立案されるか、また、そうでない場合におきましても、地方自治団体の意思が十分尊重されなければならないものと考えております。
 第二に、一般消費税の導入についての御質問でございました。
 私が先般この議場を通じて御答弁申し上げました趣旨は、この一般消費税を五十四年度中に提案しないということを申し上げたわけではないのであります。一般消費税の導入というような大きな歳入計画を実行に移そうとする場合におきましては、歳入歳出の全般につきまして十分の見直しを遂げなければなりませんし、そうすること以外に道がないことにつきまして、与野党はもとよりでございますが、国民一般に十分御理解を得た上でないといけないので、そういうことをしないでいきなり提案するというような無謀なことはいたしませんというとを申し上げたのでございまして、政府が適当な準備ができまして、皆さんの御理解が得られるというような段階になってまいりますならば提案することを考えておりますことはもとよりでございます。(拍手)
    〔国務大臣澁谷直藏君登壇〕
#18
○国務大臣(澁谷直藏君) お答えいたします。
 最初の御質問は、今回の改正で住民税の課税最低限を百四十九万円まで引き上げておりますが、これは一般標準家庭の生計費、生活保護費に比べてなお隔たりがある、最低生活費に課税しないという原則に反するのではないか、こういう御質問でございます。
 住民税の課税最低限は、最低限の生活費部分に対しては課税しない、こういう趣旨によるものでありますが、住民税の課税最低限と生活保護基準額を比較する場合には、住民税が前年の所得を課税標準として課税するものであることから、昭和五十四年度の住民税の課税最低限と昭和五十三年の生活保護基準額とを比較すべきものと考えております。この場合において、昭和五十三年における夫婦子二人の標準世帯の生活保護基準額は、生活扶動、住宅扶助、教育扶助を受ける場合には百三十九万二千円となっておりますので、昭和五十四年度の住民税の課税最低限はこれを九万八千円上回っておるわけでございますので、生活保護基準額に相当する所得以下の生活水準にあるものに対して住民税が課税されるケースは生じてまいらないのであります。また、標準生計費と比較するとこれを下回ることとなるが、標準生計費は標準的な生活を行うために必要とされる支出とされておるものであり、最低生活費ではございません。したがって、その課税最低限が標準生計費の額を下回ることがあってもやむを得ないものと考えております。
 次に、今回自動車税の税率が一律に引き上げられたが、百CC以下あるいは五百CC以下、そういうものについて税率を変えるべきではないかという御質問でございますが、自動車税及び軽自動車税について、車種等に応じて適切な格差を設けてはどうかということで、現行においてもその税率について車種に応ずる格差を設けており、御指摘の点については配慮しているところであります。今回の改正は、現行税率が設けられた昭和五十一年度以降の自動車の販売価格の上昇等の実情を考慮し、原則として、営業車を除く自家用車について一〇%程度税率を引き上げることが適当であると判断したものでございます。
 次に、固定資産税について、現在は一定税率になっておるけれども、土地の面積に応じて税率を変えるべきではないか、こういう御質問でございますが、固定資産税は、本来固定資産自体の価値に着目して、その資産を保有することに担税力を見出して、その資産価値に応じて比例的に負担を求める物税でございます。これを、御指摘のように土地の面積に応じて税負担に差を設けることは、固定資産税の基本的性格になじまないものと考えております。
 次に、農地の宅地並み課税について、これを廃止すべきと思うがどうか、こういう御質問でございますが、市街化区域内の農地については、周辺の土地との間の不均衡を是正し、負担の公平を図る見地から、現在、三大都市圏内の特定の市のA及びB農地について、いわゆる宅地並み課税の措置を講じていることは御承知のとおりであります。ただ、これら課税の適正化措置が講ぜられている市街化区域農地については、市町村の条例による減額措置を講ずることができることとし、実情に応じた課税を行っているところであります。
 今後のあり方については、税制調査会においても十分に御審議願ったわけでありますが、「当面昭和五十六年度までは現行制度を継続することとし、この間引き続き検討を加えることが適当である。」との答申がなされましたので、この答申に沿って、当面昭和五十六年度までは現行制度を継続することとし、その間におきまして引き続き検討を加えることといたしたいと考えております。
 最後に、前回の軽油引取税の税率アップの半分を交付金としてトラック協会やバス協会に交付しておるけれども、今回はどうなんだ、どういう御質問でございますが、今回の軽油引取税の引き上げに伴う運輸事業振興助成交付金の取り扱いにつきましては、地方財政に与える影響、交付対象となるべき事業の内容、規模等を考えまして、さしあたり昭和五十四年度においては、従来の方式により算定していた額に、地域住民の利便を増進する等のため当面緊急に実施しなければならない事業に要する経費三十億円を加えた額を交付することにいたしたいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣金子一平君登壇〕
#19
○国務大臣(金子一平君) 新村さんの私に対する御質問の第一点は、今回の土地税制の緩和が新たな不公平を生まないかという問題でございますが、御承知のとおり、いま一番宅地供給についての隘路になっておりまするのは、税制が動かない、土地規制が変わらないということで宅地供給がなかなか促進されないところが問題でございます。そこで、土地税制全体としては従来の枠組みはそのまま残す、短期譲渡に対する重課の制度も、法人の土地譲渡益に対する重課の制度もそのままに残しながら、一定の優良宅地の供給と公的土地の提供に対しまして税の軽減を行おうというのが今度の改正案のねらいでございまして、これによって土地所有者に利益をもたらすとか不動産業者をもうけさせるというようなことはないと思いまするし、ましてや、これがために土地が高騰したり、インフレにつながるというような心配は断じてないと考えます。
 御質問の第二点は、社会保険診療報酬課税制度の改正の問題に関連して、概算経費率五二%、七二%の根拠は一体どうなっているのだということでございます。むしろ実際の必要経費を認めるべきではないかということでございますが、概算経費率五二%というのは、各方面で調査した実際に近い経費率が五二%ということでございまして、一々計算することができればそれにこしたことはないのでございまするが、なかなか計算が厄介だ、計算の簡便性をとうとぶ点からいって、実際に近い経費率を法定することがむしろ医師課税としては喜ばれるのではないかということで五二%を取り上げました。七二%は、御承知のとおり、地域診療に従事されるお医者様に対する公共性を加味した概算経費率と御承知いただきたいのでございます。もちろん、それぞれの医師が自分で経費を計算して申告されることそれ自体は、今日の制度においても認められておることでございまするので、これによって特に甘くするとか辛くするということはないと私どもは考えておる次第でございます。
 以上でございます。
    ―――――――――――――
#20
○議長(灘尾弘吉君) 権藤恒夫君。
    〔権藤恒夫君登壇〕
#21
○権藤恒夫君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま趣旨説明がありました地方税法等の一部を改正する法律案に対しまして、総理並びに関係大臣に質問をするものであります。
 わが国の経済は、石油ショック後の調整過程を経て、昭和五十三年以降安定成長路線に入ったかに見えますが、依然として雇用失業情勢の改善はおくれており、特に構造不況業種に至ってはその対策のめどさえも立たず、失業者も依然として百三十万人を超える等、経済情勢はますます深刻の度を深めております。他方、国及び地方の財政は、五十年以来毎年大量の公債に依存するなど、異常な状況下にありますことは周知のとおりであります。
 こうした現状に対し、政府は、景気回復と財政の立て直しの二兎を追おうとして、増税路線に踏み出そうとしております。
 長期的不況から脱出し、安定成長経済の路線に軟着陸させることが今日におけるわが国経済の最大の目標とも言うべきであります。しかし、その場合、経済成長と財政再建とどちらを優先させるかという基本的選択と対策を誤れば、今後、わが国経済はもちろん、財政をも再起不能に陥れる結果となることを十分に認識しなければならないと考えるものであります。
 わが党は、経済が回復するまでの間、財政が牽引力となって経済を引っ張っていくべきであると考えるものであります。そうしたとき、行政としてなすべきことは、租税特別措置を初めとした不公平税制の是正であり、行政の効率的執行のための思い切った行政改革ではないでしょうか。(拍手)しかし、政府は、これらの行政改革と不公平税制の是正にはきわめて消極的であります。一般消費税さえ導入すれば財政再建ができるとばかりに、一般消費税導入にことさら熱心であります。
 景気の回復と当面の緊急対策として、経済が回復するまでの間、行政改革と不公平税制の是正に努め、景気回復に水を差す一般増税はなすべきではないと考えるが、総理の見解を伺いたいのであります。
 ところで、地方団体や地方制度調査会等から国と地方の税源配分を行うべきであるという主張がなされて久しいが、いまだに今日の地方財政は、三割自治という言葉で表現されているように、地方の自主財源の比率は依然として三〇%台であります。これは、東京都を除く各道府県がすべて交付税の交付団体となっている実情から見ても、当然地方税の配分割合を高めるべきであると考えますが、総理の率直な見解を求めるものであります。われわれは、地方の自主財源の拡充こそが、民主主義の基盤である地方自治の発展に資するものと考えるからであります。
 次に重要な課題は、政府は、高度経済成長期の過程において、地方団体のあらゆる分野にわたって補助金を交付し、また個別の事務に至るまで厳しい許可条件の枠をはめることなどによって、地方行財政を事実上統制する体制をつくり上げております。こうした行財政機構の中で、地方財源が不足すれば、政府は、交付税会計の巨額の借り入れや、地方債の大幅な増発によって措置するという安易な姿勢をとり続けてきております。そしてさらに、政府の政策決定を待たなければ行政運営ができないというように、地方団体の自主性を奪っております。このようにすべて国が主導権を握り、地方団体を下部機構とするような行政の仕組みでは、地方団体は多様化した住民の要請にこたえることはできるわけがなく、地方自治の形骸化を招くのは明らかであります。
 そこでお伺いしますが、総理は、自民党総裁選挙の公約として、田園都市構想なるものを掲げて、そのための地方分権を強調されております。この総裁選で公約した地方分権はいまでも変わりないと考えますが、五十四年度の地方財政の策定方針では、これまでと同様、国と地方は同一の基調に立って財政運営をしなければならないと主張しております。総理は、一体中央集権にウエートを置くのか、地方分権にウエートを置くのか、また、そうでなければどのような関係なのか、はっきりと御答弁を願いたいのであります。また、総理の亀方分権政策は、五十四年度の地方税制改正でどのように具体的に反映されたのか、この点についても明確にお答え願いたいのであります。
 さらに、高度経済成長の過程においてつくり上げられました中央主導型の行財政の仕組みについて、新しい地方の時代という観点に立って、事務及び財源の再配分を根本的に見直して、国と地方の責任分野の明確化を図らない限り、三割自治の現状を脱皮し、真の改革はあり得ないと思うものであります。
 地方財政の改革の方途は、これまで地方制度調査会等で示されておりますが、地方の時代と言わせる今日、残された課題は、これまでの提言をどう現実のものとするかということだけであり、総理の地方行財政改革に対する熱意と具体的方針をお示し願いたい。
 産業振興中心のこれまでの政策は、税制面においても多くの不公平を残したままになっております。この是正が低成長下における重要な課題であることは言うまでもありません。地方財政の面から見ても、国の租税特別措置等による地方税の減収あるいは産業振興のための地方税の減免措置に伴う減収により、地方税は五十四年度の場合でも四千余億円の減収となっております。これら高度経済成長時代の遺物は早急に廃止すべきであるが、これに対する御見解を伺いたいのであります。
 また、従来は産業振興に余りにも重点が置かれ、この政策の陰にあって地方団体自体の課税自主権は大きく制約されてきました。本来、地方税の減免措置は各地方団体の政策に基づいて行われることが当然であります。国の政策に枠決めされることはまことに迷惑なことであります。
 地方団体の課税自主権を拡大するために、租税特別措置等国税の地方へのはね返りを遮断するとともに、地方税法で減免を規定するのではなく、地方団体の条例にゆだねるべきであると考えますが、この点に対する見解を伺いたいとともに、同様の趣旨から、事業所税の課税団体は地方団体の条例にゆだねるべきであると考えますが、これに対する御見解をあわせて伺いたいのであります。(拍手)
 また、事業税の外形課税についてお伺いします。
 わが党は、かねてより、地方財政の安定化のために、事業税の外形課税化に移行することを強く主張してまいりました。これは、全国知事会も地方制度調査会も同様に主張しておるところでございますが、今回の政府案にはこの改革案が盛り込まれておりません。政府は、事業税の外形課税化については断念したのか、あるいはどのような状況のときに実施するのか、お考えを明確にお示しいただきたいのであります。
 また、住民税減税は二年据え置きの上、今回ようやく課税最低限を約八万円ほど引き上げました。これでは物価調整にも満たないものでありまして、住民の負担軽減のためにも、標準で百五十八万円まで課税最低限を引き上げるべきであると考えますが、御見解を承りたい。(拍手)
 最後に、利子配当所得については、現行では分離課税となって、国税として徴収されております。地方配分につきましては、臨時特例交付金の中に含めてあるというものの、配分が明確ではありません。利子配当所得の総合課税化を早急に進めるとともに、地方税についても課税すべきであると考えますが、この見解を承りまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#22
○内閣総理大臣(大平正芳君) 権藤さんの第一の御質問は、政府は当面景気の回復と財政再建の二兎を追っているけれども、このためには、行財政の改革でございますとか、不公平税制の是正でございますとか、そういうことを行いながら、雇用拡大を中心とした内需の拡大に努めるべきが当面の任務であって、一般増税を考える時期ではないじゃないかという御意見でございました。
 私ども、その御意見に半ば賛成でございます。そういう方向でわれわれも施策いたしておるのでございますけれども、行政の改革でございますとか、不公平税制の是正をやりましても、それに上りまして財政の再建を図るだけの財源を確保することが不可能でございまするので、これと並行いたしまして、どうしても一般歳入の増加を策さなければならない実情にあることにつきましては御理解をいただきたいと思うのでございます。
 第二に、地方の自主財源の充実が大切ではないかという御意見でございます。
 全く同様でございますし、私も同意見でございまして、そのためには、国、地方を通ずる税負担の増加を図る必要があるわけでございます。したがいまして、政府といたしましては、歳入歳出の見直しと並行いたしまして、新たな歳入政策をいま構想中でございます。中央、地方を通じまして大きな財源を期待いたしておりまする一般消費税なるものを構想いたしておりますのは、あなたの言われる地方の自主財源の充実に資するためでありますことを御理解をいただきたいと思います。
 第三の問題は、田園都市構想と地方分権の問題でございました。
 私の言う田園都市構想は、それぞれの地域の持つ自主性と個性を生かしながら、均衡のある国土形成を図ろうとするものでございまして、そのためには、地方公共団体の権限と財源の強化充実が必要であるととは申すまでもございませんで、私どもは、この構想を実現する手だてといたしまして、その方向に今後とも施策を続けてまいるつもりでございます。(拍手)
    〔国務大臣金子一平君登壇〕
#23
○国務大臣(金子一平君) 権藤さんの私に対する御質問は二つございます。
 一つは、国の特別措置があるために地方税が減ることになるから、これを廃止したらどうかということでございまするが、現在の特別措置の六割以上が、いつも申し上げていることでございまするが、公害防止対策あるいは中小企業対策あるいは庶民の貯蓄奨励のための対策に使われておるのでございまして、こういったことは国だけの政策目的で行われておるのじゃなくて、やはり地方の住民のためにも大きなプラスになっておるわけでございますので、これを廃止するつもりはございません。しかし、政策目的を達したものにつきましては極力圧縮していきたい、廃止していきたいということで、ことしも三十項目にわたって廃止、圧縮を行っておる次第でございます。
 それから、御質問の第二点は、利子配当の総合課税をやるべきではないかということでございますが、これは全くそのとおりに考えておるのでございまして、現在、政府税制調査会で具体的な御審議をいただいております。でき得べくんば五十五年度の税制改正に盛りまして御審議をいただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣澁谷直藏君登壇〕
#24
○国務大臣(澁谷直藏君) お答えいたします。
 冒頭に、先ほど新村委員から私に対しても、社会保険診療との関連で事業税についての御質問がございましたので、お答え申し上げます。
 事業税においても、現在社会保険診療報酬については非課税とされておるわけでありますが、この制度は昭和二十七年に議員提案によって設けられた経緯もあり、社会保険診療の促進と、患者負担の増加を防止する趣旨等から、今後この取り扱いについては慎重に検討してまいりたいと考えております。
 次に、権藤委員からの私に対する御質問は、一つは、国の租税特別措置の地方税への影響を遮断するという、そういう改正の意図はあるかどうか、それから、地方税での非課税措置や減免などは、課税自主権の立場から自治体の条例で規定するようにしてはどうか、こういう御質問でございます。
 国の特別措置の中には、地方税においても同様の軽減を行うととが適当なものもあり、また課税技術上の問題もあるので、これの地方税への影響を一切遮断するということは適当でないと考えておりますが、明年度の税制改正に当たっては、最近における国、地方の厳しい財政状況等にかんがみ、国税、地方税を通じて租税特別措置等の見直しを行い、政策の必要性等を勘案しながら、できる限りの整理合理化を行うこととしておるわけであります。
 また、いわゆる非課税措置を講ずべきかどうかについては、全国的視野に立って一律に決めることが適当であるものがあるわけでございまして、これらについては地方税法において規定しているところであります。
 そのようなもの以外に、地域の実情等に応じて税負担の軽減等が必要なものについては、別途、当該地方団体の判断によりまして、条例において課税免除、不均一の課税または減免をすることができることとされておるわけでございまして、地方団体の課税自主権は尊重されているものと考えております。
 次に、事業所税の課税団体については条例で規定すべきではないかという御質問でございますが、御承知のように、現在は、この課税団体は、東京都、指定都市、首都圏の既成市街地を有する市、近畿圏の既成都市区域を有する市及び人口三十万人以上の市に限定されているところであります。このように課税団体の範囲が限定されておるのは、これらの大都市地域において、人口、企業等の集中に伴いまして、都市環境の整備のための財政需要が急増しておりますので、特にそのための財源を付与しようとする考え方に立っておるわけであります。このような事業所税の性格から見まして、市町村の条例で、現行の課税団体以外の市町村に事業所税を課税する道を開くことは適当でないと考えております。
 次に、法人事業税の外形標準課税については今回の改正案には盛り込まれてないが、一体どう考えているんだ、こういう御質問でございますが、事業税の外形標準課税の導入については、従来から、御承知のように非常に熱心に論議されてまいった問題でありますが、一般消費税と事業税の外形標準課税とは、税負担の帰着関係、課税標準においてきわめて類似しておるわけでございますから、先般の税制調査会の答申においては、事業税の外形標準課税による方法にかえまして地方消費税を創設することが適当であるという結論が出されたわけであります。したがって、地方税として地方消費税が創設されるならば、多年懸案であったこの問題は実質的に解決されることになるものと考えております。
 次に、住民税減免については、政府案では低いではないか、せめて課税最低限を百五十八万円程度にすべきではないかという御質問でございますが、御案内のように、明年度の地方財政は、本年度以上に大幅な財源不足が見込まれておりまして、引き続き環境はきわめて厳しいわけでございます。このような状況の中で、住民税において減税を行うことは、それ自体きわめて困難な状況にあると考えられるわけでありますが、最近における国民生活水準の推移、住民負担の状況等から見て、所得税の課税最低限以下の所得者層の住民税負担の問題等もございまして、これらを総合的に勘案して、今回最小限、できる範囲内で減税を行うこととしたわけでございます。明年度の厳しい地方財政の状況から見て、御提案ではございますが、これ以上の大幅な減税を行うことはきわめて困難であると考えております。
 最後に、利子配当所得に対する住民税の課税について、臨時特例交付金で措置しておるけれども、これは地方税独自で総合課税をすべきと思うがどうか、こういう御質問でございますが、この問題、利子配当所得等に対して住民税を独自で総合課税を行うことにつきましては、課税の体制、課税の技術上の困難性がございまして、この問題を根本的に解決するには、所得税において総合課税制度へ移行することが必要であると考えております。しかし、そのためには利子配当所得等の把握の体制を十分に整備することが必要でございまするし、現在税制調査会においてその方策が検討されているところでございます。したがって、所得税において総合課税体制へ移行するまでの間は、地方財源の確保を図る観点から、源泉分離課税を選択した利子所得等に係る所得税の一部を臨時地方特例交付金として措置しているところでございます。
 以上でございます。(拍手)
#25
○議長(灘尾弘吉君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#26
○議長(灘尾弘吉君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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