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1978/03/07 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 本会議 第12号
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1978/03/07 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 本会議 第12号

#1
第087回国会 本会議 第12号
昭和五十四年三月七日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十一号
  昭和五十四年三月七日
    午後二時開議
 第一 租税特別措置法の一部を改正する法律案
    (内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 予算委員会において予算が否決された事態に関
  する緊急質問(安井吉典君提出)
 総予算が予算委員会において否決された異例の
  事態に関する緊急質問(渡部一郎君提出)
 総予算が予算委員会において否決された異例の
  事態に関する緊急質問(永末英一君提出)
 予算委員会において予算が否決された事態に関
  する緊急質問(松本善明君提出)
 昭和五十四年度一般会計予算
 昭和五十四年度特別会計予算
 昭和五十四年度政府関係機関予算
 日程第一 租税特別措置法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
    午後五時十四分開議
#2
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○玉沢徳一郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、安井吉典君提出、予算委員会において予算が否決された事態に関する緊急質問、渡部一郎君提出、総予算が予算委員会において否決された異例の事態に関する緊急質問、永末英一君提出、総予算が予算委員会において否決された異例の事態に関する緊急質問及び松本善明君提出、予算委員会において予算が否決された事態に関する緊急質問を順次許可されんことを望みます。
#4
○議長(灘尾弘吉君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 予算委員会において予算が否決された事態に
  関する緊急質問(安井吉典君提出)
#6
○議長(灘尾弘吉君) まず、安井吉典君提出、予算委員会において予算が否決された事態に関する緊急質問を許可いたします。安井吉典君。
    〔安井吉典君登壇〕
#7
○安井吉典君 私は、日本社会党を代表し、予算委員会における予算否決というこの異常な事態に際し、大平総理に緊急質問をいたします。(拍手)
 言うまでもなく、この第八十七回通常国会は、これからの国づくり、国民生活の防衛向上、さらに当面の政治腐敗の究明等、山積する内外の課題を解決し、八〇年代への新しい政治展望を切り開く任務を持つ国会であります。そして、同時に、重要なことは、誕生以来まだ日の浅い大平内閣の、その真価が問われる国会でもあるということであります。(拍手)
 ところが、この通常国会で三十一年ぶりの事態が起きたのであります。国会審議の途中で、世は不確実性の時代とは言いながら、昭和五十四年度予算が消えてなくなってしまったのであります。(拍手)
 わが国会は委員会中心主義であり、予算委員会で予算が否決される事態は、戦後間もなく昭和二十三年、芦田内閣のときただ一つの前例があるのみであり、戦後の政党政治が定着してこの方、全く例のない初めての事態であると言わねばなりません。
 私は、この際、以下三点につき、大平総理に質問したいと思います。
 第一に、予算というのは時の政府の政策の顔であり、五十四年度予算は、いわば大平政治を数字に凝集したものであります。その予算が予算委員会で否決されたということは、一般の法案の場合とは事変わり、その政治的事実はきわめて重いと思うのであります。(拍手)私は、これはまさに内閣総辞職に値する局面であると思うが、総理はどう受けとめておられますか、お答えいただきたいと思います。(拍手)
 第二に、国会は国権の最高機関であり、政府提出の予算や法案の単なる承認機関ではありません。亡くなった保利前議長が、審議があれば修正もあり得ると言われたことを私は思い出すのであります。特に、三年前の総選挙で国民がつくってくれたこの与野党伯仲の国会の状況は、国民が、与党が常に多数を頼んで採決を強行することを許さず、野党と話し合い、修正その他野党との合意を図る国会運営を政府・与党に要求しているものだと私は思うのであります。(拍手)今回の場合、私は、政府・与党が伯仲国会を念頭にした最大限度の努力を行っているとはとうてい思えないが、総理、いかがでありましょうか、お伺いいたしたいのであります。(拍手)
 第三に、もっとさかのぼれば、政府の予算編成が、大蔵省と自民党との密室の中の取引によって行われるという過程にまず問題があると思うのであります。私は、政府が野党や国民各層の意見を十分謙虚に取り入れ編成を行えば、今回のような事態はかなり避けることができたのではないかと思うが、反省を込めた総理のお考えをお聞かせ願いたい。(拍手)
 大平内閣は、総裁選の深い傷跡を残して不安定な要素を多分に持つと評されていますが、私には、その政治姿勢について理解に苦しむ数々のことがあるのであります。
 まず、大平総理には、美辞麗句は実に豊富にありますが、財政危機、景気、インフレ、雇用、あるいは内外情勢の厳しさに対する有効で具体的な政策の構築と提示はさっぱりありません。地球社会の訪れとか、信頼と合意の政治とか演説はされながら、国際社会に対して閉鎖的で、かつ、国論を大きく引き裂く元号の法制化を強引に進めようとしていることは、私は断じて許せないと思うのであります。(拍手)
 また、日本型福祉社会を目指すと言われながら、不公平税制はほとんど手つかず、増税や公共料金の引き上げで物価をつり上げ、一般消費税の導入を強調するなど、これは大平総理、一見柔軟と見せかけながら、国民の台所に土足でずかずか上がり込む傲慢さと言わなければならぬと思うのであります。(拍手)
 とりわけ、ダグラス、グラマン、政治腐敗の疑惑はことごとく自民党にかかっており、したがって、みずから進んで国民の前にあかしを立てればよいものを、それどころか、疑惑に包まれたE2C購入予算を無理やり予算化し、証人の喚問や、たとえば問題人物の法務省の出入国記録などの資料の提出には、そういう国会の国政調査権の発動にはきわめて消極的な態度をとり続け、会計検査院法の強化など、決算委員会における合意をも踏みにじる態度を示してきたのは、ほかならぬ政府・自民党であり、私たちはこれを許すわけにはいかぬと思うのであります。
 底なしの疑獄を覆い隠すことは次の新しい政治腐敗を生むことになり、利権をあさる政治で、不況や失業に泣く庶民の生活を守る政治ができる道理はないのであります。(拍手)
 このような政治状況において、わが党はもとより、全野党が予算に反対するに至ったのも、けだし当然と言わなければなりません。
 総理長年にわたる保守党による政権独占が、このような政治のたるみと腐敗の最大の原因となっているのであります。政権が与党から野党に移動することで、初めて政治は清新なものによみがえり、清潔さを取り戻すことができると私は思うのであります。(拍手)
 就任三ヵ月余りでいささかお気の毒ではありますけれども、私は、大平内閣がみずから速やかに退陣することをここに強く勧告し、緊急質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#8
○内閣総理大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、予算委員会における予算案否決の責任でございます。
 予算委員会におきまして先刻予算案が否決されましたことは、大変遺憾でございます。しかし、予算委員会におかれましては、審議を順調に進めていただきましたことを多といたしております。政府といたしましては、この予算案の成立を期し、その誠実な執行を通じて政治責任を全ういたしたいと考えております。
 それから第二の、伯仲国会の運営についてのお尋ねでございます。
 国会は、常に各党の間の相互理解、相互信頼をもとにいたしまして、話し合いに徹して、円満な、そして効率的な運営を図らなければならないものと思っております。仰せのような与野党勢力が伯仲いたしました状態におきましては、なお一層注意しなければならないことであることは御指摘のとおりに心得ておるわけでございまして、私ども、いままでもそういう精神でやってまいりましたけれども、今後も一層気をつけてまいるつもりでございます。
 それから、第三の御質問は、予算編成上、自由民主党と財政当局の密室の取引で行われておるきらいがありはしないかという御指摘でございました。
 予算の編成、提出は、御承知のように自由民主党政府が行うわけでございますので、自民党と政府が事前に十分の連絡をとりながら編成に当たらなければならないことは、安井さんも御理解いただけることと思うのでございます。しかし、われわれは独善に流れてはいけないことは御指摘を待つまでもございません。したがって、国民の世論を十分くみ上げる、各党の御意見も十分拝聴して編成に当たるという態度に終始したつもりでございまして、今後もその方針を貫いてまいるつもりでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
 総予算が予算委員会において否決された異例
  の事態に関する緊急質問(渡部一郎君提出)
#9
○議長(灘尾弘吉君) 次に、渡部一郎君提出、総予算が予算委員会において否決された異例の事態に関する緊急質問を許可いたします。渡部一郎君。
    〔渡部一郎君登壇〕
#10
○渡部一郎君 私は、公明党・国民会議を代表して、予算委員会において政府予算が否決されたという緊急かつ重大な事態について、大平総理に質問をいたします。
 昭和五十四年度政府予算案は、一月二十五日予算委員会に付託されて以来、E2C事件の解明という重大な課題を抱えつつも、わが党を初め各党委員の一ヵ月余にわたる誠心誠意の審議の結果、本日議了、討論の上否決されました。
 衆議院予算委員会における否決、本会議における逆転可決というケースを迎えたのは、昭和二十三年の芦田内閣当時以来の出来事で、実に三十一年ぶりの異例の事態であります。予想されるこうした状況を考えますと、いかに重大な状況であるか、言を待たぬところであります。
 政府は、予算案提出に当たって、その政策全般について実質的に国民の信を問うているとの認識がなければなりません。したがって、かかる事態を避けることは歴代内閣が強く意識してきたところでありました。ところが大平内閣は、発足早々すでにこうした悲運に見舞われるということは何事かと、さだめて自問自答せられていることでございましょう。その点をまずどう自覚されておるのでございましょうか。
 もちろん、国民の良識のおもむくところ、選挙の情勢は刻一刻と変化してまいりました。すでに与野党伯仲時代を迎えて、与党勢力の弱化を招いたのが今回の事態の根本原因でありましょう。その事実に思いをいたすならば、よけいに政府・自民党は、野党意見のとるべきところをとり、予算を積極的に修正し、予算委員会において否決などというぶざまな醜態を招かぬようにするべきではなかったでありましょうか。(拍手)
 新憲法下においては、常任委員会中心主義をとっていることは言うまでもありません。このことも、数を頼んで委員会の決定を本会議で覆していいというものではないのであります。
 私どもは、五野党の共同要求が一部野党の独自行動宣言によって数の上での自民党に対する圧力が失われた後においても、責任ある野党の立場を貫くために、民社党と協力しつつ、政府予算案に対する修正要求をまとめ、それを政府・自民党が受け入れ、予算書の手直しをするならば、修正予算に賛成を含めて検討する旨明らかにして、予算修正に積極的に取り組んでまいりました。私どもの重大な決意、また、目下の大きな課題であります雇用、年金、住宅対策など、国民生活防衛のための真摯なる修正要求に対し、総理は、三月一日の党首会談において前向きに応ずる姿勢を見せられたのであります。
 ところが、翌三月二日、総理は、党首会談とこれを受けた自民党と公明、民社両党との間の折衝の過程における良識と双方の信義を踏みにじる裁断を下されました。すなわち、実質修正には応ずるとしたものの、予算書の手直しはあくまでも拒否されたのであります。財政民主主義擁護の立場から言えば、予算成立を前に使途が明確になった予算については、当然予算書を書き直すべきであるということから、予算書の書き直しを強く要求いたしたのであり、このことはすでに過去の予算委員会において論及せられたところであります。
 政府は、私どもの予算書手直しの要求に対する拒否の理由として、議員修正の習慣がつく、あるいは自民党の政策基盤を揺るがす、あるいは印刷が間に合わないなどと、まことに愚にもつかぬ表明をされたようでありますが、これこそ、議会制民主主義の本旨を理解せず、国会の予算修正権をないがしろにするものと言わなければなりません。(拍手)
 憲法では、内閣の予算提案権を規定すると同時に、第八十三条、第八十六条で国会の審議権、議決権を定めており、国会の予算修正権を全面的に認めているのであります。政府予算案の国会修正こそ、議会制民主主義における予算決定のあるべき姿と言えるのではありませんか。総理は、国会の予算修正権を否定されるおつもりなのか。もしそうでないとするならば、予算書の手直し、書き直しを拒否した理由を明確にしていただきたいのであります。私どもが暫定予算を避けたいとの立場にあった以上、暫定予算回避が予算書書き直し拒否の理由にはなり得ないはずであります。
 次に、予算委員会における政府予算案否決という事態に対する総理の対応についてであります。
 本来であるならば、総理がみずから言う、「権力に訴えるのは最後の手段であり、政治家がみずから謙虚に反省しながら汗をかき、誠意をもって理解を求める和の政治を信条としたい」という言葉を忠実に実行し、政府みずから政府予算案を撤回し、われわれの要求を受け入れた予算案を再提出するのが筋ではありませんか。
 私は、ここで一つの言葉を御披露しておきたい。議会制民主主義に対する言葉であります。議会制民主主義とは、多数の意見を初めから予想されているとおりに押し通すための手続ではない、反対党の意向をなるべく多くくみ取入賛成者を増加せしめるための手続であると。私は、この言葉を銘記せられたいと思うのであります。
 総理の信頼と合意の政治も、このような姿勢があってこそ達成されるものでありましょう。今回の予算案の審議に当たり、政府が野党との合意を取りつけようと努力されたことは評価するにやぶさかではありません。それであるにもかかわらず、五五年体制型の対決構造の議会運営に結局戻ってしまわれたことは遺憾であります。これでは、今後与野党伯仲の議会政治の運営に当たって、全く前途を暗くするものであると言っても過言ではないのであります。
 幸い、本国会は、わが党を初めとする良識ある野党の行動によって、本案はここに採決を迎えるわけでありますが、今後どうするか。今回の予算審議の途中における政府・自民党の惜しみても余りある変針に対してどう考えておられるか、率直にお伺いをいたしまして、私の質問とさせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#11
○内閣総理大臣(大平正芳君) 渡部さんの御質問にお答えする前に、安井議員の御質問の中で、予算委員会において予算案が否決されるという事態は、まさに内閣の総辞職に値するような出来事ではないか、これをどう評価しておるかという御質問がございました。
 私は、これに対しまして、早急に予算案の成立を図りまして、その誠実な実行を通じて政治責任を果たしたいということを申し上げたわけでございまして、総辞職以外にとるべき手がなければでございますけれども、われわれはなすべきことが多いわけでございますので、総辞職をいたすつもりはございません。(拍手)
 それから、渡部さんの御質問の第一は、予算案の否決された事態をどう自覚しておるかという御質問でございました。
 予算委員会の今日の構成から申しますと、これはやむを得ないことであろうと思いますけれども、先ほど申しましたように、野党の皆さんの御賛成を得られなかったことは大変残念に存じております。
 第二に、公明党と民社党がせっかく賛成の意向も含めた意向表明を行ったにかかわらず、これをむげに断ったということはどういうわけかということでございました。
 私ども、公明党と民社党がそういう御意向を表明していただいたことを多としておりまするし、その意向表明に対して、大変魅力を感じておったことは事実でございます。しかしながら、予算の修正ということはよくよくのことでないとやってはいけないことだと思うのでございます。これをまとめまして国会に御審議をいただいている以上、よくよくのことでない限りはこれの成立を無傷でしていただくということに努力することが、提案者である政府としての当然の責任だと考えておるわけでございます。(拍手)
 また、形式的修正をお断り申し上げたということでございますが、これは、渡部さんも御指摘になりましたけれども、若干技術的な理由もあったわけでございまして、そういう手続を仮に履修いたしておりますと、その過程におきましてあるいは予算案の成立がおくれないという保証が最終的にはなかったわけでございますので、なるべく早く予算案を成立させるということが、形式的修正をお断り申し上げた一つの理由であったことは御理解いただきたいと思います。
 それから、和の政治ということでなければ国会の運営はもとより政治自体がうまくいかないじゃないか。したがって、否決された以上はひとつ撤回して組み替えて、そしてこれに対処するのが当然民主的な手順ではないかという御質問でございました。
 御質問の趣旨は理解にかたくないところでございますけれども、しかし、一日も早く予算案を成立させなければならぬというような状況にございますので、そういう余裕がなかったことは御理解をいただきたいと思います。私ども、何も対決的姿勢で物事の処理に当たっておるわけでは決してないことは、ひとつ渡部さんにも御理解を賜りたいと思います。(拍手)
    ―――――――――――――
 総予算が予算委員会において否決された異例
  の事態に関する緊急質問(永末英一君提出)
#12
○議長(灘尾弘吉君) 次に、永末英一君提出、総予算が予算委員会において否決された異例の事態に関する緊急質問を許可いたします。永末英一君。
    〔永末英一君登壇〕
#13
○永末英一君 本日、予算委員会におきまして、昭和五十四年度予算案は否決されました。この異常な事態に関し、私は、民社党を代表し、大平総理の政治的見解を伺いたいと存じます。(拍手)
 私は、この事態を見て、三十一年前の出来事を思い起こしました。すなわち、昭和二十三年二月五日、衆議院予算委員会は日本社会党所属の鈴木茂三郎議員が委員長でございましたが、片山社会党内閣より提出された昭和二十二年度第三次追加予算案に対して編成替え動議が出され、これが多数で可決され、追加予算案は否決されました。片山内閣は、この重大な決定にいかに対処するかを苦慮いたしましたが、本会議における採決を待たず、二月九日総辞職を決定し、その政治責任を明らかにいたしました。(拍手)
 予算案の否決は、議会による内閣の政治方針の否定であります。すなわち、それは内閣不信任を意味するものであります。したがって、国会解散の道を選ばない内閣が総辞職の道をとることは当然のことと言わなければなりません。(拍手)片山内閣が、本会議における決定を待つことなく、予算委員会の決定のみによって政治決断を行ったことは、委員会決定の政治的意味をいかに当時の政治家が重く見ていたかの証左であると言わなければなりません。(拍手)現在、政府・与党である自民党は、本会議構成議席においては多数を占めていることは事実でありますが、予算委員会における決定の重さをしっかり受けとめているかどうかはきわめて疑問であります。
 総理は、予算委員会における内閣提出予算案否決の意味をどう受け取っているか、国民の前にその考えを明らかにせられたい。(拍手)
 今国会の予算委員会においては、政府・与党は少数であります。一体、少数与党の委員会における予算案処理の方法はどうあるべきでありましょうか。それは、野党の主張をよく聞いて、野党の修正に応ずることでなければなりません。予算委員会は、政府提出予算案に賛否のみを与える場ではなく、与野党が協力してよりよい予算につくり上げる場であります。
 政府はこれまで、予算の提出権は政府にあると憲法に定められているとして、議会の増額修正を認めない方針を固守してきました。しかし、昭和五十二年の予算委員会で、増額修正は可能であるという政府見解が明らかになりましたにもかかわらず、なお予算の無修正可決にかじりつく、伝統的頑迷固陋が政府の態度をきわめてかたくなにしてきたことは事実であります。(拍手)
 このような政府態度に対する野党の対応は、予算修正を不可能と見て、予算審議を引き延ばすことに全精力を傾け、一時間でも審議ストップすれば大戦果が上がったという態度でありました。このような木を見て森を見ない態度は、果たして国民に利益をもたらすものでありましょうか。断じて否であります。
 これまで野党は、政府に対し予算の大幅修正要求を突きつけ、予算審議をおくらせている間に、じれる政府・与党に別個の要求を持ち込み、これを容認させ、結局予算案には反対して幕引きするというのが見られました。このような予算審議のあり方は、まさしく、昭和三十年にもたらされた、いわゆる五五年体制の反国民的落とし子であると言わなければなりません。(拍手)
 今国会における民社、公明両党の予算修正要求は、まさに国民の立場に立って五五年体制を打破しようとしたものであります。予算委員会を新しい予算作成の場につくり変えることが、与野党伯仲、多党化時代における議会政治の任務であるとわれわれは確信をいたしております。(拍手)
 このような立場に立って、わが党は公明党とともに、予算審議に先立ち、現在の経済条件の中ででき得る限り国民の要望をくみ上げ、これを予算案に盛り上げ、一兆一千億余円規模の予算修正内容を決定し、予算審議に臨みました。予算修正については、民社、公明、自民三党首会談も行われ、数次にわたる与党との交渉の結果、修正内容を現下の不況を克服するための必要最小限のものとし、雇用、年金、住宅、減税にしぼり、七千億余円の規模に抑えましたが、結局この中から最終的に三党の合意を見るに至りました。ところが大平総理は、みずから予算修正の道を閉ざす裁断を下したため、予算書の修正は行われず、その結果、われわれは予算案に反対し、予算委員会で政府提出予算案は否決されるに至ったのであります。
 このようなわれわれの態度に対し、政府との政策的対決を放棄し、国民の異議申し立てをないがしろにする危険なわなだと評する一部政党責任者がありますが、これはいまや、古びた五五年体制にかじりつくことだけしか知らない時代おくれの、国民不在の見解だと言わなければなりません。(拍手)よりよい予算、よりよい法律をつくるために、堂々と修正要求を与党にぶつけ、さらに政府の行政を厳重に監視するのが多党化時代における責任野党の立場であります。いたずらに反対をのみ怒号するのは、野党としての国民に対する義務を放棄したものと言わなければなりません。(拍手)
 本日の本会議は、予算委員会における予算案否決という異例の状態において予算案の処理をしなければなりません。私は、この際、大平総理に、次の諸点についてその見解を明らかにしていただきたいと思います。
 第一点、本会議に多数さえ持っておればどうせ予算案は可決されるのだから、予算委員会における審議はどうなってもよいとお考えか。
 第二点、予算書の書きかえ修正には全く応じられないとの態度を今後も固守せられるのか。先ほどよくよくのことと言われましたが、よくよくのこととは一体何でしょうか。
 第三点、野党の修正要求に応じて政局の安定度を増そうとはお考えにならないか。
 第四点、民社、公明両党と政府・与党が合意した修正内容を総理は責任を持って実行せられるのか。
 さきの質問とあわせ、総理の政治的見解を明確に国民の前にお答え願いたい。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#14
○内閣総理大臣(大平正芳君) 最初の御質問は、予算案が予算委員会で否決された意味をどうとらえておるかということでございます。
 御質問の意味が必ずしも私ははっきりいたしませんけれども、このことは今日のような予算委員会の勢力構成におきましては起こり得ることだと思いますが、しかし、予算案の成立の過程において起こり得ることだと考えておるわけでございまして、とれが決定的なものであるとは受けとめておりません。(拍手)しかしながら、予算委員会の審議がどうでもいいなどと考えるという、そんな大それたことは毛頭考えていないわけでございまして、予算委員会の審議は非常に大事なことでございますし、政府は全力を挙げてこれに対応いたしておりますことは、永末さんも御承知のとおりでございます。
 第二に、野党の修正に応ずることが民主的である、いまは五五年体制でないのだから、予算案の処理の手法としては修正に応ずるのが妥当ではないかというような御質問でございました。
 私どもは、御審議をいただいておる五十四年度予算は最善のものと考えて御提案申し上げておるところでございまして、よくよくの場合でなければ修正などということは応ずべきでないと考えておるわけでございます。それは永末さんの政党が政権をとっても同じだと思うのです。そこで、よくよくの場合とはどういうことかというと、そうしないと成立がどうしてもできないというような場合においてはあるいは考えなければならぬことかとも存じますが、できるだけ、提出した原案を死守いたしましてその成立を図るのは、政権として当然の道行きだと考えております。
 それから、せっかく民社党と公明党が手を差し伸べたのだから、その協力を受けて政局の安定を図る方がいわば賢明でないかという御意見でございました。
 私は、この両党との信頼、友好関係はいつまでも続けてまいるつもりでございます。したがって、あなたの御質問にありましたように、両党の修正要求に対しましては、自民党が文書で答えました経緯はよく承知しておりまして、政府はそれを踏まえて適切に、誠意を持って対処していく所存でございます。そのような考え方でおりまするので、この修正に応じないことによって引き起こされました予算委員会否決という事態に対しまして、政治責任をとらなければならぬというようには考えておりません。(拍手)
    ―――――――――――――
 予算委員会において予算が否決された事態に
  関する緊急質問(松本善明君提出)
#15
○議長(灘尾弘吉君) 次に、松本善明君提出、予算委員会において予算が否決された事態に関する緊急質問を許可いたします。松本善明君。
    〔松本善明君登壇〕
#16
○松本善明君 本日、予算委員会において予算が否決されるという異例の事態が起こりましたが、私は、日本共産党・革新共同を代表して、この問題について総理に質問いたします。
 第一に、この問題に関する政府の責任についてであります。
 そもそもこのような事態は、すでに指摘されておりますように三十年来のことであり、委員会中心主義のわが国国会法のもとでは、内閣はこの事態をきわめて重大なものとして受けとめなければならないはずでありますが、いままでの総理の答弁を聞いておりますと、総理はこの事態をまことに安易に受けとめているとしか考えられません。もしこのまま予算を本会議で可決するならば、予算委員会での審議の意味はなくなると言ってよいぐらい小さくなってしまうと言わなければなりません。政府・与党である自民党は得票率約四割で、予算委員会で多数を持つことのできない政党になってしまっているのでありますから、総理は、あらかじめこのことを、予算の編成、修正、国会審議で考えておかなければならなかったはずでありました。
 これらの点を考えますと、この事態を招いた総理の責任はきわめて大きいと言わなければなりません。総理がこの責任をどのように考えておられるのか、明確な答弁を要求いたします。(拍手)第二の質問は、予算修正についての総理の見解についてであります。
 予算修正については、各党との間に党首会談まで行われましたが、政府が、党首会談や予算の委員会審議の経過を検討し、謙虚にみずから予算を修正するということこそ議会制民主主義に沿うものであり、政党政治の正しいあり方であると考えますが、その点についての総理の見解が聞きたいのであります。
 一昨年の予算審議で、政府は国会での予算修正についてきわめて消極的見解を表明して、世論と野党の厳しい批判を受け、野党一致しての組み替え動議提出という事態になって、結局修正せざるを得なくなったのであります。総理はいま、予算が否決される場合しか予算修正は考えないと答弁いたしましたが、ここにこのような異常事態の生まれた原因があるのではないかと私は考えるのであります。
 このような総理の政治姿勢は、E2C予算の削除問題に最も端的にあらわれました。E2C予算の削除問題については、審議が進めば進むほど疑惑が深まっておりますが、疑惑の晴れない限り、予算から削除するというのが当然であります。
 ところが、わが党の同意のないまま、結局、予算の執行を保留し、その解除の時期を議長の判断に任せるということになりました。しかし、議長は、疑惑が晴れたかどうかの実質的判断をする立場にありませんから、これは結局、各党の合意を前提としない限り、実質的判断の基礎を政府に求める以外にありません。この議長判断を政府が尊重すると言っても、国民が納得できるものとはとうていなり得ません。これでは、政治的、道義的に見て疑惑がまだ晴れないまま凍結解除ということになりかねないのであります。
 すでに、政府の日程に支障のないようE2C予算の解除が行われるだろうという予測さえ広く流されていますし、総理の本日の予算委員会の答弁で、捜査の終結を待たずに凍結解除が行われるのではないかという危惧も生まれております。このような不正の横行を許しかねないことになったのも、政府がE2C予算削除修正を行うという政治姿勢をとらなかったからであります。
 私は、この際、予算修正を原則として拒否するという政治姿勢を改めるべきではないかと考えますが、総理のこの問題についての明確な答弁を求めるものであります。(拍手)
 また、この問題についての総理の見解を明らかにするために、私は、党首会談の経過と問題点について伺っておきたいと考えます。
 総理が党首会談の経過の中で、一部野党が賛成すれば予算を修正してもよいと一たん考えたかのように報道されましたが、それがいかなる経過で予算書の書きかえを行わないということになったのか、その理由はきわめてわかりにくいものとなっております。わが党は一部野党と違って、この予算が部分修正によって賛成できるようなものではないと考えておりますが、この経過と判断を国民にわかるように明らかにすることを要求をいたします。(拍手)先ほど総理は、年度内成立を図るためであると答弁しましたが、これは党首会談前にわかっていたことでありますから、わかるように具体的な答弁を要求をいたします。
 なお、その際、一部野党との連合あるいは政権構想についての考え方がこれに関係したのかどうか、また、野党がこの予算に賛成するか否かを、修正要求を受け入れるかどうかについての判断の際考慮したのかどうかを含めて答弁を求めます。
 第三に、このような重大事態をもたらした根本原因である五十四年度予算の反国民的性格について質問いたします。
 この予算は、すでにわが党がたびたび明らかにしたように、公共料金の値上げ、福祉の切り捨て、増税など、国民に耐えがたい負担増をもたらすばかりか、国債依存率四〇%という破局的財政を一般消費税導入によって解決しようというねらいを持ち、さらに、E2C、P3C、F15という疑惑に包まれた軍用機の予算を含めて、二兆円の膨大な軍需予算が計上されております。私は、このような反国民的予算の編成こそが、かかる異常事態発生の根源であると考えます。(拍手)
 総理が、この異常事態の中で政治姿勢の根本を国民本位に切りかえることこそ、国民が望んでいるのであります。総理の予算編成と国会審議に対する態度について、根本的反省を要求し、答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#17
○内閣総理大臣(大平正芳君) 予算案が予算委員会で否決された責任の問題でございますが、これは先ほど各議員にお答え申し上げたとおりでございます。私は、なるべく早くこの予算案を成立させていただきまして、この誠実な執行を通じて国民にこたえるということをもって政治責任を果たしたいと考えております。
 それから第二の、謙虚な気持ちで修正をするのが本筋ではないかという御所見を交えての御質問でございました。
 松本さんも御承知のように、私ども、予算案の編成に当たりましては、国民世論に耳を傾けることは当然でございまするし、またこれに先行する国会の論議というもの、そこで蓄積された情報、知識というものをできるだけ吸収してまいりまして、それを次の予算編成に活用していくということをいたしておるわけでございます。しかも、予算案の編成に当たりまして、各党とのお話し合いをいたしまして、御意向をできるだけ聴取して、できるものはこれを予算案に組み入れるような努力をいたしておるわけでございまして、私ども、謙虚な気持ちで予算案の編成に当たっておるつもりでございます。したがって、そういう過程を経てつくりました以上、この予算案につきましては責任を感じておるわけでございまして、これをよくよくの場合でない限りは修正しないで全うするというのが、政治責任を全うするゆえんであると考えておるわけでございます。
 それから第三に、一部の野党との間に形式修正の応諾を与えておって、後で変心したのではないか、そういうような経過がどうも国民によくわからぬのではないかという御指摘でございましたけれども、実は私はそういう、一たん応諾して変心したというような気のきいたことはやっていません。私は、公明、民社両党が、形式修正に応じるのであればひとつ賛成に回ってもいいという意向を表明されたことは聞いておりますが、これは大変魅力のある提案でありまするけれども、いろいろな問題もございますので、よくよく考えた上で御返事をするということにいたしまして、形式修正には応じられないという態度を初めて決めたわけなんでございまして、新聞がどのように報道しておったかは存じませんけれども、そんな回りくねった過程を経たわけではないわけで、きわめて素直な姿勢でございます。
 それから、この措置が何か両党との間の政権構想を背景にしてやったようにとられておるがどうかというようなことでございますが、そんなことはございません。われわれといたしましては、予算案の賛否の問題としてこれを処理いたしたのでございます。(拍手)
     ――――◇―――――
#18
○玉沢徳一郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算、昭和五十四年度政府関係機関予算、右三件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#19
○議長(灘尾弘吉君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 昭和五十四年度一般会計予算
 昭和五十四年度特別会計予算
 昭和五十四年度政府関係機関予算
#21
○議長(灘尾弘吉君) 昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算、昭和五十四年度政府関係機関予算、右三件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。予算委員長竹下登君。
    ―――――――――――――
昭和五十四年度一般会計予算及び同報告書昭和五十四年度特別会計予算及び同報告書昭和五十四年度政府関係機関予算及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔竹下登君登壇〕
#22
○竹下登君 ただいま議題となりました昭和五十四年度一般会計予算外二件につきまして、予算委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この予算三件は、去る一月二十五日本委員会に付託され、同月三十一日政府から提案理由の説明があり、翌二月一日より質疑に入り、公聴会、分科会を合わせて二十七日間審議を行い、本七日討論、採決をいたしたものであります。
 まず、予算の規模について申し上げます。
 一般会計の総額は、歳入歳出とも三十八兆六千一億円でありまして、五十三年度当初予算額に対し、一二・六%の増加となっております。歳入予算のうち、租税及び印紙収入は二十一兆四千八百七十億円であり、また、公債の発行額は、建設公債七兆二千百五十億円、特例公債八兆五百五十億円、合計十五兆二千七百億円を予定しており、公債依存度は三九・六%に達しております。特別会計は、その数が三十八であり、また、政村関係機関の数は十五であります。なお、財政投融資計画の規模は十六兆八千三百二十七億円であり、五十三年度当初計画に比較して一三・一%の増加となっております。
 次に、質疑について申し上げます。
 質疑は、国政の全般にわたって行われたのでありますが、そのうち、主なものについて申し上げます。
 第一に、経済の現状及び見通しについてであります。
 まず、「石油ショック以来五年間に三十万件余りに及ぶ倒産があり、また、過去三年間、失業者は百二十万人の水準で推移しているが、政府は今日の経済をどう認識しているのか」との趣旨の質疑があり、これに対して政府から、「石油危機以後の産業構造の変革は相当に進んでおり、経済環境はようやく明るい方向を向き、消費、生産その他も緩慢な回復基調にあるが、失業問題が依然として深刻であるので、物価に対して十分配意しつつ、雇用を拡大し、景気回復を軌道に乗せることが必要である」旨の答弁がありました。
 次に、「五十三年度の経済成長について、昨年秋の補正予算の審議の際、七%の成長は無理だと指摘したのに対し、政府は、事業規模二兆五千億円の補正予算を組んだので、今後円高が進まない限り七%成長は達成できると主張したが、今回六%に改めるに至った理由は何か。わが国の国際的な信用にも関すると思うがどうか」との趣旨の質疑に対し、「国内需要は年度後半にかけて上昇傾向にあり、予定どおり八%強の伸びが見込まれるが、激しい円高により、輸出が大幅に減少し、逆に輸入が増加したため、成長率全体としては六%程度になると推計している。したがって、数字的に七%は困難となったものの、わが国経済の内需拡大と対外均衡化に顕著な成果をおさめたものであり、誠心誠意努力した結果、思うに任せなかったことは残念であるが、この間の事情は国の内外によく説明し、漸次理解を得つつある」旨の答弁がありました。
 続いて、「五十四年度の経済見通しで六・三%の成長を見込んでいるが、各需要項目の伸び率を見ると、いずれも五十三年度を下回っており、ことに政府資本支出の伸び率は五十三年度の半分である。いわゆるげたが三%あるにしても、これで果たして六・三%が達成できるのか」との趣旨の質疑に対し、「五十四年度は、内需が六ないし七%伸びると予想しているが、一月以降の経済動向を見ると民間活力の動意が感ぜられ、この傾向が続けば輸出入のバランスもさらに改善されるものと思われる。六・三彩程度の成長は、雇用情勢を現在以上に悪化させないためにも必要であり、今後物価の動きに十分注意しながら、この成長率を政策目標に掲げて努力してまいりたい」旨の答弁がありました。
 第二に、財政の再建についてであります。
 「政府は、安上がりの政府、財政の健全化を強調しているが、五十四年度予算の経常部門の伸び率は、五十三年度の伸び率と比較して実質的には少しも圧縮されていないではないか。財政収支試算によると、五十九年度までに九兆一千百億円の大増税をすることになっている。増税は税金の種類によって、消費、設備投資等に及ぼす影響に差異があり、当然GNPも異なってくるが、いかなる税目を考えているのか。また、財政再建のために幾ら増税をしても、歳出の厳しい洗い直しがなければ公債を減らすことは不可能であろう。したがって、増税計画には、政策判断を含む具体的な財政計画を立てる必要があるが、政府は、これを策定する用意はあるか」との趣旨の質疑がありました。
 これに対して政府から、「五十四年度予算において歳出の見直しを精いっぱいやったが、これで十分だとは思わない。一般経常部門の歳出については、福祉、文教関係等で相当大幅に伸ばしたものもあり、それだけに、節減できるものは節減したことになる。財政収支試算は、「新経済社会七ヵ年計画の基本構想」に基づいて六十年度の経済を想定し、五十九年度には特例公債から脱却することとし、その間の財政収支を機械的に計算したもので、増税について特定の税目を予定しておらず、その具体的内容は、情勢の変化に応じて考えることとしている。財政計画については、目下財政制度審議会で検討中であるが、関連事項が多く、結論の出る時期は明らかでない。しかし、一般消費税を導入する際には、歳出削減等を含めた見通しを提示したい」旨の答弁がありました。
 第三に、税制改正及び一般消費税導入についてであります。
 「一般消費税について国民の合意を得るためには、不公平税制の是正が前提条件であるが、今回の医師優遇税制の改正は、税制調査会の五十年答申よりも後退しているではないか。また、税制調査会は、法人税負担の増加、富裕税の新設についても述べているが、なぜ実行しようとしないのか。大幅増税のために一般消費税の導入を考えているが、わが国の租税体系について、直接税中心から間接税に重点を移そうとしているのか。政府は、一般消費税について議論を進めてほしいと言うが、その内容はどうか。特に、地方への配分はどうする考えか。一般消費税による物価上昇のため、国の人件費、物件費も影響を受け、徴税経費をあわせ考えると歳出の増加が大きく、予定どおりの歳入増は期待できないのではないか」との趣旨の質疑がありました。
 これに対して政府から、「医師税制については、二十五年ぶりに是正をし、かなり前進したので、しばらくこれで行い、社会情勢の推移に応じて改めるべきものは改める。法人税は、今般、価格変動準備金、貸し倒れ引当金、交際費について相当思い切った措置をし、今後も見直しを進めるが、税率の変更については、現在は時期が適当でなく、富裕税については、徴税技術上の問題が多い。しかも、両税とも多額の税収は期待できないし、また、税源の涵養の点も念頭に置く必要がある。わが国の税制は直接税に偏っており、今後、安定成長時代の財政の基盤強化のためにも、直間比率を半々程度にする方がよく、また、所得差による課税の公平と同時に、消費量による課税の公平をも考えるべきである。政府としては、一般消費税を五十五年度の早い時期に導入することを決定しているが、内容の詳細については現在意見調整中であり、地方への配分についても最終的結論を得ていない。徴税方法については、極力手間を省く方向で検討しているが、歳出面への影響は案が固まり次第計算する。なお、一般消費税による物価の上昇は初年度限りである」旨の答弁がありました。
 第四に、物価問題についてであります。
 野党の委員諸君は、五十二年度及び五十三年度は円高差益があり、これが物価引き下げの効果を及ぼしたが、五十四年度にはこの円高メリットが期待できないこと、OPECが今年末までに一四・五%の原油値上げを決定し、各石油会社は早速製品価格の引き上げを発表していること、消費者米価がすでに引き上げられ、国鉄運賃、たばこ、医療費等の公共料金、ガソリン税などの引き上げが予定されていること、建築資材等の値上がりから卸売物価が急騰に転じ、一月の上昇率は年率七%以上にも達していること、独占禁止法または中小企業団体法による不況カルテルが過度に長期化した傾向があり、今後も必要以上に継続されるおそれがあること、国債の大量発行に伴いマネーサプライの増加する危険が大きいこと、三大都市圏の宅地価格が五十三年一年間で一〇%近く高騰したことなどの理由により、物価の騰貴は必至であり、五十四年度の消費者物価上昇率を政府の見通し四・九%以内におさめることは困難であるとし、政府の対策をただしました。
 これに対し政府から、「予算編成の段階では物価は安定基調にあったため、この基調を維持する上に支障を及ぼさない範囲内で公共料金の微調整を図った。この消費者物価に対する影響は、予想されるものすべてを含め一・五%程度と予測しており、明年度四・九%程度の物価上昇見込みの中に織り込んである。しかし、その後、原油の値上がり等の海外要因に加えて、公共事業の集中消化、過積み規制その他の思惑もあって、昨年末以来、卸売物価が異常なほどに上昇し、物価はいわば警戒水域に入っている。今後の物価政策は、物価を政府見通しの程度に抑えるため、公共料金を含め細心周到な配慮をもって進める。なお、石油製品の値上げについては、石油会社に対し強く自重を求めた。不況カルテルは、本来例外的な措置であるので、継続の場合は従来から厳しく審査してきたが、今後は不当に長期化しないよう一層厳重に審査する。マネーサプライの動向については、十分に監視し、状況に応じて適時適切な措置をとる。最近の大都市住宅地の価格上昇は、宅地供給の不足が主因で、投機的なものとは思われず、土地の供給促進策を強力に講ずる必要がある」旨の答弁がありました。
 第五に、雇用対策についてであります。
 「「新経済社会七ヵ年計画の基本構想」においては、六十年度の失業率一・七%程度を目標としているが、これでは五十年代前期経済計画の目標値一・三彩から大幅に後退するばかりでなく、現在の二・三彩と比較してもそれほど改善されることにはならず、完全雇用の達成とは言いがたいと思うがどうか。中高年齢者についての雇用開発給付金制度の大幅拡充は一歩前進ではあるが、公共事業など従来の政策の延長だけでは雇用拡大は期しがたい。よって、地域地域の潜在的需要を掘り起こし、雇用を開拓するために、中央及び地方に雇用創出機構を設け、政府、地方公共団体並びに民間労使が一体となって問題に取り組むことが必要ではないか。現在、高齢化社会へと早い速度で移行しつつあるにもかかわらず、定年制の延長が思うように普及しないばかりでなく、減量経営に便乗して中高年齢者の大量解雇を進める企業もあるが、この際、定年延長、年齢差別禁止等の立法措置を講ずる考えはないか。高年齢者の雇用が法定率に満たない大企業が多いが、雇用率向上のため適切な措置をとるべきではないか。また、労働時間の短縮により雇用の拡大を図るため、週休二日制の完全実施等を促進する措置を講ずべきではないか」との趣旨の質疑がありました。
 これに対し政府から、「六十年度には失業者は百万人、失業率一・七彩になると想定しておる。これは、今後の六%弱の成長率、労働力の増加、就業構造の変化を踏まえ、労働需給の均衡、すなわち有効求人倍率一倍程度を目指すものであるが、失業者数をなるべく圧縮するよう努力したい。雇用の創出は、政府だけでは解決できず、関係方面の衆知を集める必要がある。民間の活力を利用する点からも、雇用創出機構の趣旨には同感であり、今般、雇用問題政策会議等を設けるのも同じ目的からであるが、その具体策については、今後慎重に検討を進めたい。定年延長については、わが国の年功序列賃金等の慣行が障害となっており、現段階では、延長の方向に行政指導を強めていくが、各党間の話し合いを踏まえ誠意をもって検討し、適切に対処する。高年齢者の雇用率を高めるため指導を強化しているが、身体障害者の雇用の場合と同様の措置をするには問題がある。週休二日制の実施は、それぞれの企業の事情もあり、また、銀行法の改正問題とも関係するので、直ちには行えないが、前向きに検討を進める」旨の答弁がありました。
 第六に、外国航空機購入予算問題についてであります。
 先ごろ公表された米国証券取引委員会のダグラス社及びグラマン社についての報告の中に、わが国への航空機販売に関する記述があり、一方、五十四年度の防衛庁予算には、早期警戒機E2C四機分の購入経費及び国庫債務負担行為の総額が計上されているため、予算審議の冒頭から、各委員より本問題に関連ある幾多の事項について質疑が行われました。
 また、本問題に関して、二月十四、十五の両日、合計四人の証人から証言を求めたのであります。
 質疑のうち、E2Cに関する主なものを申し上げますと、「早期警戒機については、十年以上前から検討されており、一たん国産化の方向に決した後、突如白紙還元されるなどの経過をたどり、グラマン社のE2Cの導入に決定したものであるが、本年契約したところで納入されるのは三年後以降であるのに、いかなる理由で五十四年度予算に購入経費を計上する必要があるのか。E2Cがわが国の防衛上必要であるとしても、四機では一哨戒点分にすぎず、防衛に万全を期するには無意味であり、むだではないか。航空機の売り込みをめぐる問題が提起されている際、E2Cを購入することは国民の疑惑を一層深め、政治不信を招くことになるので、この購入経費は削除または凍結すべきではないか」というものであります。
 これに対して政府から、「昭和五十一年の防衛計画の大綱で警戒飛行部隊一個飛行隊の設置が決定しているが、いまだ整備されておらず、防衛上の欠陥になっている。E2Cはむしろその導入が遅きに失しており、製造に相当の日数を要するものであるからこれ以上おくらすことはできない。防衛庁としては、今回の四機に引き続き、さらに一哨戒点分四機を国防会議の議を経た上で提案したいと考えている。機種の選定については、技術的、専門的に検討した結果、純防衛的見地からE2Cに決定したもので、その間に何らの不正は存在しないし、また、購入は政府間契約のFMS方式で行うため、商社の介在する余地はない。政府としては、疑惑の解明は解明として厳正に取り組み、国会の調査にも法令の範囲内で最大限の協力をするので、予算は予算としてぜひ認めてほしい」旨の答弁があったのであります。
 その後、本問題については、与野党間で協議が重ねられた結果、合意に達し、これに基づき、去る五日の委員会において、大平内閣総理大臣から、「政府は、防衛関係予算のうち、E2C購入に係る歳出予算十六億七千三百万円及び国庫債務負担行為三百六十三億八千万円については、予算委員会の審議の状況を踏まえ、慎重かつ公正な執行に配慮し、その執行については、衆議院議長の判断を十分に尊重する」旨の発言がありました。
 なお、去る二月十四日証人として出頭した有森國雄君が正当な理由がなく証言を拒んだものと認め、三月五日同君を告発することに決定いたしました。
 以上のほか、元号問題、日米間の貿易収支、中越紛争、イラン情勢、国後、択捉両島におけるソ連軍事基地建設、国債管理政策、定年と年金支給開始年齢との連結、エネルギーの安定供給確保及び消費節約、農業基本法等農業政策の見直し、国鉄再建、電電公社の資材調達、地方行財政、田園都市構想、その他国政の各般にわたって熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録により御承知いただきたいと存じます。
 本日、質疑終了後、日本社会党から、また、公明党・国民会議及び民社党から両党共同提案により、さらに、日本共産党・革新共同から、それぞれ昭和五十四年度予算三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、趣旨説明が行われました。
 次いで、予算三件及び三動議を一括して討論に付しましたるところ、自由民主党は、政府原案に賛成、三動議に反対、日本社会党は、同党提出の動議に賛成、政府原案及び他党提出の動議に反対、公明党・国民会議及び民社党は、いずれも両党共同提出の動議に賛成、政府原案及び他党提出の動議に反対、日本共産党・革新共同は、同党提出の動議に賛成、政府原案及び他党提出の動議に反対、新自由クラブは、政府原案及び三動議に反対の討論を行いました。
 引き続き、採決を行いましたところ、三動議はいずれも否決され、次いで昭和五十四年度予算三件は、賛成者少数をもっていずれも否決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#23
○議長(灘尾弘吉君) 昭和五十四年度一般会計予算外二件に対しては、武藤山治君外十二名から、三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
 この際、その趣旨弁明を許します。武藤山治君。
    ―――――――――――――
 昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔武藤山治君登壇〕
    〔議長退席、副議長着席〕
#24
○武藤山治君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました予算三案について動議を提出し、その理由及び概要を御説明いたします。
 まず、動議の主文を朗読いたします。
  昭和五十四年度一般会計予算、昭和五十四年
 度特別会計予算及び昭和五十四年度政府関係機
 関予算については、政府はこれを撤回し、左記
 要綱により速やかに組替えをなし、再提出する
 ことを要求する。
  右の動議を提出する。
    〔拍手〕
 まず第一に、組み替え動議提案の理由について申し述べます。
 大平内閣は従来の惰性から抜け切れず、財政再建策も景気政策もおざなりで、その効果は薄く、逆に公正、公平は貫徹されず、格差と不平等は一層顕著となる予算案の編成を行っております。
 わが党は、中期経済政策を策定し、今後十年間程度の財政経済の重点施策を明確にし、さらに、エネルギー制約加重の時代を無資源国日本はいかに対応すべきか、その方向を明示し、産業構造の変革の必要性を明らかにして、政府に、その構造の変革を含めた五十四年度予算の編成を迫りました。
 しかるに、大平内閣は、中期的視点を持たず、単年度主義の枠組みの中で、投資減税、土地税制緩和、医師優遇税制をめぐる医師会への屈服、グラマン疑惑を知りながらもE2Cの予算計上を強行するなど、正義を忘れ、効率と公正を見失った態度に終始したと断ぜざるを得ません。(拍手)さらに加えて、国民に増税、医療費負担の増加、公共料金の引き上げなど、勤労国民無視の態度をとっております。
 わが党は、せめてこの程度はと控え目な一兆一千億円余の修正要求をしましたが、その回答は、老齢福祉年金月二千円の引き上げにとどまり、低所得者への不公平税制の是正、特定地域開発就労事業の拡大についてはみじんをも考慮しなかったのであります。
 もちろん、このことは、野党五党の足並みが統一されず、政府・自民党につけ込まれた結果でもあります。その原因が、党の独自性に固執し、国民の切実な要求をくみ取ろうとしなかった野党の対応にあることは、深く自省すべきことと言わねばなりません。(拍手)
 第二に、組み替え動議の基本方針について申し述べます。
 日本経済が抱える雇用と失業、需要と供給、財政収支及び国際収支の不均衡という構造問題を解決するには、中期的対応を必要とするのであります。
 そこで、中期経済政策の目標を、われわれは、一、国民の要求に基づいて国民生活の安定を図ること、一、都市と地方における地域的生活基盤を強化すること、一、国内経済の均衡と国際的均衡を両立させることの三点に置き、この目標を達成するための手段として、産業構造の転換、中小企業、農林漁業の基盤強化、さらに、資源エネルギー政策を明らかにし、このような経済構造の転換を図っていくための誘導手段として、また資金管理を強めるためにも、財政、金融、地方行財政の改革を図り、その機能を高めつつ、これらの政策を計画的に実施していくことは、日本経済の改造には欠かせないのであります。
 このような展望に立ち、昭和五十四年度予算は、雇用の確保と安定、国民生活防衛を最重点課題に、歳出構造の転換と地方自治体機能の強化による福祉型成長への転換を目標に置いた編成を行わなければならないと信ずるのであります。
 この基本目標に立ち、雇用確保と内需拡大策として、社会的生活手段の充実と民間企業部門に対する誘導政策を講じ、次の基本方針のもとに予算の編成替えをすることが必要であります。
 一、雇用の確保と安定を図る。二、社会的生活手段の飛躍的充実を行う。三、社会保障を拡充する。四、不公平税制を是正し、物価調整減税を実施する。五、補助金の抜本的改廃、軍事費の削減など歳出の洗い直しと、地方財政の充実強化を図ることであります。
 具体的な組み替え要綱については、配付の文案を御参照いただきたいと存じます。
 そこで、私は、組み替え要綱の背景、その基本的性格について申し述べることといたします。
 政府は、予算編成の基本方針として、財政健全化と景気対策を目標に掲げたが、財政は一体どうなるかという点であります。
 政府案は、一、健全化の具体策に欠けております。一、財政と経済の関係が不明確のまま、道路重点の公共事業に傾斜しております。一、国民福祉水準と内容が明確な方針に基づいておりません。一、効率を目指す改革を示さず、国民負担の増大のみが先行する安易な処理に終始しております。一、十五兆二千七百億という未曽有の借金財政となり、後世に禍根を残すことになっているのであります。
 まず、歳出の削減についてであります。
 わが党は、財政体質の転換を強く求めており、そのため、予算編成の方式を改めること、すなわち、従来の増分方式で自民党と財界の癒着した構造を改革するため、各省庁別に概算額を割り当て、削減は省庁に任せ、優先順位は省庁で決める方式にしなければ、膨張の一途をたどる歳出構造は変わらないのであり、一般消費税を徴収しても、増税をしても、歳出構造が変わらなければ赤字財政の克服は不可能なのであります。(拍手)
 第二は、中央集権的制度を改めるよう求めます。補助金を媒介にした不効率な重複行政が多過ぎるのであって、法律補助以外に予算補助という恣意的な補助金が余りにも多過ぎるのであります。これらのばらまき主義を放置しておいたのでは、財政健全化はできないという見解にわれわれは立ちます。
 第三は、不公平税制の大胆な改革であり、担税力のあるところから優先的に手をつけ、富の再配分を公正にしなければいけないのであって、わが党の組み替え案が特に強く求めている点であります。
 政府は、戦後最大の増税六千五百億円を断行するが、この増税額は一般歳入にほとんど貢献せず、投資減税、土地税制の緩和に食われてしまい、不公平税制の拡大をもたらす結果となるのであります。危機的財政への認識が一体あるのか、疑わしいと思うのは私一人ではないと思うのであります。(拍手)その上、国民大衆に対してはわずかな住民税減税で、物価調整減税を行わず、実質的な増税を行っており、このような不公平な租税政策をとる一方で、財政再建のためと称し一般消費税を導入しようとする姿勢は、優先順位を無視した暴挙に等しいと断じてはばからないのであります。(拍手)
 第二は、国債発行と財政についてでありますが、国債の割合は歳入の四〇%近くに達し、国債残高は年度末五十八兆六千七百億円の巨額となり、公共債全体ではGNPの半分に達する超異常状態となるのであります。この事態のもとで、一、国債発行のあり方、一、国債管理の問題、一、償還計画などについて政府からは明確な方針や見直しが示されず、さらに金融機関の引き受けをめぐる限界論についても御用金調達的姿勢からの脱却が見られず、一、資金の非弾力化、一、資金の固定化、クラウディングアウトの懸念、一、キャピタルロスと発行方式、市場公募や金利自由化の方針も全く明確でなく、政府は、これらの中期的な展望を示さない無責任ぶりで本予算を通そうとしたのであります。
 特に、国債償還については一層不安を感じるのであります。すでに国債費の大部分が利子であるが、来年度は四兆円に達し、大蔵省試算では、昭和六十年度に償還と利子で国債費は十一兆七百億円に達することになり、また、公債残高は約百四十兆円となる見込みであります。この異常な財政を健全化する道筋が全く不透明であり、対処に真剣さが見られないのであります。
 三、景気政策と雇用対策に関してであります。
 公共事業費二二・五%の伸びで景気に効果を期待しておりますが、一、民間投資の意欲が企業側にないので、公共事業が呼び水にならない。一、民間企業では減量経営に進み、雇用を減じて失業者をふやしている。一、公共事業で二百七十二万人の雇用効果があると政府は説明するが、中高年齢者の吸収に結びつかない。一、不況地域と公共事業の地域配分とが結びついていないことなどを検討すると、現在の経済は構造的不況であることが明らかであり、単に成長率を高めることによって判断されるべきではないのであります。
 したがって、雇用対策はきめ細かい、個別な対策が必要なのであります。わが党は、雇用創出案を昨年度から強く要求し続けてきました。自治体を通じて二十万人、民間活力の活用で二十万人、特定不況地域臨時就労事業で十万人、国による社会的生活手段の拡充で二十万人の雇用創出を、組み替え動議で要求するものであります。(拍手)
 政府は、われわれの要求を一部は認め、十万人雇用創出を打ち出したが、果たして効果が上がるであろうか。推進機関が積極的に設けられ、政労使公の四者構成による雇用創出活動の場が確立されない限り、また、企業側が社会的責任を果たす姿勢にならなければ実効は上がらないと思うのであります。しかも財界は、減量経営をまだ進める姿勢であれば、雇用創出を国が進めてもしり抜けであり、ざるに水を入れるようなものではないでしょうか。経営者側に解雇についての節度ある倫理性が求められるべきであります。自由経済では、財界や産業界に介入できないと政府は逃げるべきではないのであります。
 第四に、社会保障と費用負担の問題であります。
 社会保障関係は単に予算額の問題ではなく、制度と負担のあり方が大きな問題であり、将来への展望が重要であります。わが党は、次の問題点を提起し、政府の反省と対応を求めるものであります。
 一、総合性、系統性に欠け、無秩序に積み上げ方式が続けられてきた。一、年金制度が複雑であり、老齢者対策との関連性が欠けております。一、医療保険制度は乱立していて、関連を持った検討がなされておりません。一、児童、心身障害者対策も各省庁でばらばらだ。これらの改革が緊要であることを確認しなければならない。すなわち、わが党は、一、制度の根本について再検討すること。一、社会保障制度審議会提案の基礎年金を決めること。一、制度問題に手をつけず、赤字をそのまま国民負担に転ずる安上がり保障制度を改める。一、いまや租税だけでなく、各種保険料、料金、負担金などを含めた国民負担全体の水準と配分について明らかにしなければならないのであります。詳細は組み替え動議の要綱に譲ります。
 エネルギー資源の問題について、わが党はエネルギーの有効利用、省資源政策を提起し、科学技術振興予算の飛躍的増額を要求しましたが、政府の対応はまことに鈍いと断ぜざるを得ません。小型水力発電、地熱、太陽熱、水素発電、波力、風力などのエネルギー源を開発するために、わが党は積極的主張を続けてまいりました。(「原子力はどうだ」と呼ぶ者あり)原子力は反対であります。住宅金融公庫融資住宅などは、たとえばソーラー施設とか電力有効利用などをする者に優先的に融資するようなことも、省エネルギーに結びつく方策の一つではないでしょうか。無資源国日本の将来を考えるとき、いまこそ発想の大転換が政治に求められているのであります。(拍手)
 ところで、インフレは社会的不公正を拡大する最大の病根であります。したがって、物価抑制は経済運営の主要な課題であるが、政府の対応には見るべきものがなく、逆に公共料金の値上げで物価の上昇に拍車をかける心配があります。卸売物価は騰勢が続いており、原油の値上げ、円高効果の低下など物価に対するマイナス要因が増大していること等を考慮すれば、重点的な対応策が必要であります。
 また、産業転換、中小企業、農業等に対する政策に十分な配慮を行って、国内経済構造を内需拡大型に改めて、国際収支問題を解決すべきであります。小手先のドル減らし、対米収支改善措置が一連の官民にわたる航空機をめぐる構造汚職を引き起こしたことを深く反省し、航空機の新規購入など防衛費の増額を差し控えるべきであります。(拍手)
 今後、大平総理がこれらの提言に耳を傾け、決断と実行の実が上がるか、わが党は注意深く見生りたいと存じます。
 以上、日本社会党の予算組み替え動議を提出し、趣旨説明を終わるものであります。(発言する者あり)――にはわからぬ。黙って聞け。応じは……。やじではない。(拍手、発言する者もり)
    ―――――――――――――
#25
○副議長(三宅正一君) これより、予算三件に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行います。順次これを許します。浜田幸一君。(発言する者多し)静粛に願います。――静粛に願います。
    〔浜田幸一君登壇〕
#26
○浜田幸一君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました昭和五十四年度一般会計予算外二件について賛成、日本社会党提出の組み替え動議に反対の討論を行うものであります。(拍手)
 まず、その討論に先立ちまして、ただいま組み替え動議を提出いたしました武藤議員に対して忠告を申し上げます。(発言する者あり)わが党は、わが党の国会議員の中に――と呼ばれるような者は一切おらないことを言明いたします。(拍手、発言する者あり)
 昨年来のわが国経済を見ると、財政主導のもとで景気の速やかな回復を図るため臨時特例のものとして編成された大型予算による公共投資の拡充と施行促進の効果が浸透し、さらには秋の補正予算の刺激効果もあり、秋までの激しい円高のデフレ化を緩和しながら、順調な景気回復傾向を示しております。
 また同時に、円高メリットもあって、物価も安定的に推移しております。ことに民間企業の経営努力が実り……(発言する者多し)
#27
○副議長(三宅正一君) 静粛に願います。
#28
○浜田幸一君(続) 民間経済の活力にようやく……(発言する者多し)
#29
○副議長(三宅正一君) 静粛にお願いをいたします。
#30
○浜田幸一君(続) 期待が持てるようになり、内需を中心に景気は回復に向かっていると思われます。
 かくして、五十三年度の経済成長率は、内需において八・二%の伸びが見込まれますが、輸出の減少、輸入の増大による海外余剰のマイナスにより、実質六%程度になるものと推計され、また、経常収支の黒字は……(拍手、発言する者多し)
#31
○副議長(三宅正一君) 静粛に願います。――静粛に願います。
#32
○浜田幸一君(続) 二兆七千億円、約百二十三億ドルと見込まれております。当初見通し七%の経済成長率には達しませんでしたが、内需を拡大し、対外均衡を図るという政府の政策は成果を上げたと見るべきであります。東京サミットを控え、政府においてはこの間の事情を諸外国に十分説明し、海外の非難に対しては納得を得るよう望むものであります。(拍手)
 他方、経済構造の変革に伴って生じた雇用情勢は依然として厳しく、また特定の不況産業、業種、地域が数多く残っておりますので、これらに対する対策を一段と充実強化することが、景気回復を着実にするためにぜひとも必要であります。(拍手)
 また、石油ショック以降の不況を乗り切るため、財政が景気回復の主役を果たしてきたことによって、ここ数年大量の公債発行を余儀なくされましたが……(発言する者多し)
#33
○副議長(三宅正一君) 静粛にお願いいたします。――静粛にお願いいたします。
#34
○浜田幸一君(続) いまや公債発行を抑制し、財政再建の足がかりをつくることが強く求められております。
 昭和五十四年度予算は、景気回復の定着と財政再建の二つの大きな目的を持って編成されたものでありますが、以下、本予算に賛成する理由を申し述べることといたします。
 第一は、予算の規模と目的についてであります。(発言する者多し)
#35
○副議長(三宅正一君) 静粛にお願いいたします。――静粛にお願いいたします。
#36
○浜田幸一君(続) 五十四年度一般会計予算の規模は、前年度予算に対し一二・六%の伸びで、四十年度予算以来の低い伸び率であり、厳しい態度で歳出の縮減を図ったことを示しています。しかし、名目経済成長率と比較すると、五十四年度伸び率の見込み九・五%を三・一ポイント上回っており、経済に対する適度な拡大効果が期待されております。財政の肥大化に歯どめをかげながら、同時に、景気の浮揚に積極性を持つ予算になっており、財政の健全化と景気対策という、二つの相反する目的を両立させていると言い得るのであります。(拍手)
 まず、景気対策についてでありますが、一般会計予算のうち、需要創出効果の高い投資部門の伸びは一入・六%と、一般会計全体の伸びを大幅に上回っており、特に……(発言する者多し)
#37
○副議長(三宅正一君) 静粛にお願いいたします。――静粛にお願いいたします。
#38
○浜田幸一君(続) その主役である一般公共事業費関係は二二・五%の伸びで、五十一、五十二両年度の伸び率を上回っております。公共事業費が総需要に対して大きな波及効果を発揮することは、今年度後半の景気の伸びからも明らかであり、施策の正しさが証明されたものであります。(拍手)
 また、住宅、下水道、環境衛生施設等、国民生活に密着した社会資本の整備が推進されますので、地域社会の経済、雇用に大きな効果をもたらすものと期待できるのであります。(拍手)
 次に、財政の健全化についてでありますが、前述のごとく、一般会計のうち、投資部門の伸びが大幅であるのに対し、経常部門は一〇・九%の伸びで、国債費を除くとわずか入・六形の伸びにすぎません。しかも、行政事務費について三年度にわたり増額していないことは、きわめて厳しい措置であり、政府みずから冗費節約に努力する姿勢を高く評価するものであります。(拍手)そのほか、補助金の縮減合理化等に努めた能率的な安上がりの政府づくりを目指しておりますが、一層の努力を払われるよう要請するものであります。(拍手)
 他方、社会保障、文教、農漁業、中小企業、エネルギー対策等の緊要な施策に対しては、きめ細かい配慮とともに、重点的に経費を配分しております。
 また、発展途上国に対する経済援助について、五十五年度を目標とする三年間倍増の公約が必ずできるよう大幅に増額されており、国際信用を高め、南北問題にも積極的に取り組む姿勢を示す上にきわめて有意義なことであります。(拍手)第二は、雇用対策についてであります。
 雇用対策の中心は景気の回復であり、企業の健全な発展がなければ雇用の拡大は望むべくもないのであります。企業を否定し、雇用を拡大せよという野党の主張は誤っております。そのため、本予算が積極的な役割りを果たさんとしていることはさきに申し述べたとおりでありますが、雇用についても画期的な対策を講じており、本年度公共事業が雇用の機会を大幅に増大させているほか、国が関与する公共サービス部門の拡大は直接多くの雇用の創出につながるもので、政府の姿勢を評価できるものであります。(拍手)
 また、中高年齢者に対する雇用開発給付金制度の拡充、定年延長奨励金の充実等、大幅な雇用創出と離職予防の措置を講じ、さらに、失業給付、職業訓練等についてきめ細かく措置しております。これらの対策が実効を上げるよう、政府の一層の努力を願うものであります。(拍手)
 なお、強調したいのは、高齢化、高学歴化社会の到来下における青年の雇用に対し、国際化、高福祉社会にふさわしい新産業、新職業の開拓に努め、若い人々が生きがいを感じて働ける職場づくりが必要であります。(拍手)
 第三は、税制改正等についてであります。
 五十四年度が厳しい財源事情にあることは言うまでもなく、税収その他の歳入の確保を図ることが必要であります。今回は、揮発油税の引き上げ、租税特別措置の合理化等により四千四百億円余の増収等を図ることといたしております。また、たばこ定価、国鉄運賃等の公共料金の値上げを行おうとしておりますが、財政収入の確保及び受益者負担の適正化の見地からやむを得ないことであると考えます。
 ことに、二十五年間放置されていたいわゆる医師税制問題に取り組み、その是正を図ったこと、有価証券譲渡益課税を強化したこと、企業関係租税特別措置についても相当の縮減を行ったことは、国民の税負担の公平を確保せんとするものであります。
 しかしながら、このような税制の改正を行った後においても、なお歳出の増加に見合う額が公債の増額によらざるを得なくなり、十五兆円余の公債を発行するに至りました。このような財政事情にもかかわらず、いまなお減税要求を行う政党があることはまことに不可解な要求と言わざるを得ません。(拍手)国会は、その国の国家財政に対し、党利党略を問わず責任を負わなければならないものであると確信をいたしております。
 この財政危機を打開するため、政府は五十五年度に一般消費税を導入する意向を固め、その準備を進めております。いまや、われわれは、財政のあるべき姿を示し、低負担高福祉はあり得ず、高福祉を実現するためにはその財源をどこに求めるかを明らかに示すときであります。その上で、国民の協力を得て円滑に一般消費税の導入を図るため、その必要性、制度の内容等について、国民の理解を得るため努力を重ねることが必要であります。
 特に、この際、E2C早期警戒機予算について申し上げます。
 五十一年九月、ミグ戦闘機が北海道に侵入し、わが国の防空体制の欠陥に国民は大きな衝撃を受け、低空侵入機を防ぐため、レーダー搭載の早期警戒機の配備の必要性が一層痛感されたものでありますが、早期警戒機については、長い歳月をかげ、防衛計画大綱で決定され、ようやく五十四年度予算においてE2Cの購入経費が計上の運びとなったのであります。
 今般、航空機輸入に関する疑惑が生じたことはまことに遺憾であり、かかる疑惑の究明は徹底して行わなければなりません。しかしながら、防衛庁長官が強調しているように、E2Cの購入は米国政府との政府間契約であり、疑惑の入る余地は全くあり得ないのであります。本機は、契約から完成まで数年の歳月を要し、米国政府との契約の時期を失することは、国防上の欠陥を生ずるのみではなく、コストの上昇を来すのであります。また、去る二月二十日、本会議において与野党が一致して返還要求したわが国固有の北方領土にソ連の空軍基地が建設されているという状況下において、国防政策の一刻の停滞も許されないことは当然であり、予算の執行の一日も早からんことを切望してやみません。(拍手)
 以上、五十四年度予算に賛成の理由を述べましたが、本予算の目的を達成するかぎは賃金及び物価の安定にあると考えます。
 昨年来、卸売物価に上昇が見られ、また、海外の原料品、ことに原油については、OPECの値上げに加え、イラン情勢の見通し難による原油需給の逼迫等が懸念されております。しかし、特に石油については、石油ショック時と異なり、先進主要国間の協力体制も整い、わが国の備蓄量も増大しており、また、国内の物資値上がりについてもきめ細かい政策をとることにより、これを抑えることが可能であります。公共料金の値上げが物価高を招くという意見もありますが、消費者物価の上昇率が昭和三十年代前半以来経験したことのない三%台にとどまっているからこそ微調整を実施したものであり、国民の負担の公平確保のためにも、ある程度の公共料金の引き上げは必要であります。しかし、政府も認めているとおり、物価はすでに警戒水域に入っておりますので、本年度の財政金融政策は、物価の安定に重点を置いて慎重に運営されることを要望するものであります。
 最後に、昭和五十四年度予算が予算委員会において賛同を得るに至りませんでした。これに対し、私は、自由民主党を代表し、この事態に強く遺憾の意を表するものであります。
 わが国経済は、最近になり、ようやく景気の回復に明るい展望を持ちつつあります。国民は、この五十四年度予算が一日も早く成立し、景気の回復、国民生活及び雇用の安定に役立つことを待ち望んでおります。
 わが党は、多党化時代という情勢に応じて、予算編成の過程において各党の意見を聴取するとともに、予算審議の過程においても、各党とも誠意をもって話し合いを行い、多くの点で意見の一致を見たものもありました。しかし、予算に織り込まれた政府の真意が十分理解されるに至らず、本日の予算委員会において五十四年度予算が否決されたことは断腸の思いを禁じ得ません。今後とも、国政全般にわたる諸問題について各党と胸襟を開いて話し合い、国民の負託にこたえてまいるべきものと考えます。
 以上の観点からも、日本社会党提出の組み替え動議は十年一日のごとく変わらぬ思考でつくられた内容であり、とうてい容認できるものではありません。(拍手)したがって、私は、政府原案には賛成、日本社会党の組み替え動議には反対し、討論を終わるものであります。
 最後に、御激励をいただきました社会党の賢い方々に心から感謝をいたします。(拍手)
#39
○副議長(三宅正一君) 岡田利春君。
    〔岡田利春君登壇〕
#40
○岡田利春君 私は、日本社会党を代表して、政府提案の昭和五十四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係予算案に反対し、わが党提案の予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 わが国の経済は、長い不況のトンネルから脱出して、ようやく上昇過程に入りつつあると言われていますが、それは、企業優先、特に大企業を中心とした利益の回復であって、勤労国民の最大の関心事である雇用の情勢はいまなお好転しないばかりか、一家の家計を支える中高年齢層の雇用問題は深刻な社会問題となり、政治にその責任が今日問われておるのであります。
 今日の企業利益の増大は、なりふり構わない人減らし、金減らし、物減らしの鋭角的な合理化の強行の結果によるもので、減量経営の大合唱に粉飾され、減収増益の勤労国民犠牲の上に築かれた、利潤拡大のいわば侵略的減量大作戦の結果の何物でもないと言わなければなりません。(拍手)
 もとより、経済は生活の手段であって目的でないことは言うまでもありませんが、今日までの不況回復過程は、経済至上主義、利益優先に立った企業の論理がまかり通ってまいりました。したがって、景気の回復といい、景気の維持といった政策も、勤労国民にとっては、雇用の好転、所得の向上、生活向上を保証するものでなければならないのにかかわらず、国民の雇用不安、将来の生活不安はますます増幅されるばかりであります。
 しかも、日米通商交渉におけるアメリカ側の農畜産物を初めとする一連の一方的な押しつけ要求と、これに対する政府の及び腰の政治姿勢、乱気流にもまれる原油価格の上昇傾向など、国際的環境もまた一段と不安定要素を高めておるのであります。
 このように、わが国経済のかじ取りは、ますますその責任の重大性を高めておりますが、誕生早々の大平内閣は、民間の英知と活力に依拠し、政府の介入を極力抑える方針をとり、その結果として、資本の気ままに追随する待ちの経済政策となり、時代の変化に対応して機敏に行動する国民期待の政治とは大きくかけ離れたものを感じさせつつあるのであります。
 このような政治姿勢では、国内の産業構造のスムーズな転換も不可能であり、わが国経済の抱える諸矛盾、特に深刻な雇用問題も解決できるものではないと言わなければなりません。
 また、総理が強調する安上がりの政府論も、いわば社会福祉面における政府の手ぬるさを合法化し、みずから招いた財政アンバランスの立て直しの誇大広告にすぎず、国民負担を軽減し、生活向上を目指す安上がり政府でないことは明らかとなっておるのであります。
 同時にまた、大平内閣の信頼と合意のキャッチフレーズも、本予算案の審議を通して、それはたてまえだけで決して本音ではないことが暴露され、発足早々にして全く色あせたものとなり、厳しくこれを指摘をしなければならないと思います。
 本予算案は、景気の回復と財政健全化を目標として編成され、よく目配りの通った予算であると政府は自画自賛をいたしましたが、しかし、その内容は大企業本位、国民高負担の旧来とかわりばえのしない予算となっております。当面の緊急課題であります雇用の確保と安定、国民生活の防衛を実現する内容とはお世辞にも申せるものではありません。(拍手)
 以下、私は、予算審議の過程の中で明らかになりました政府予算案の欠陥について指摘をし、わが党の反対の理由を国民の前に明らかにするものであります。
 その第一の理由は、雇用対策について、問題の深刻さにもかかわらず、きわめて不十分な内容であるという点についてであります。
 政府も、十万人の雇用創出政策、九万人失業防止対策等を講じ、さらに今後の雇用情勢、諸制度の利用状況を踏んまえて追加措置をも講ずると約束しておりますが、政府みずから直接的な雇用創出事業に着手していないこと及び民間企業の人減らし防止、不当な解雇の規制策を欠いていることが大きな欠陥として指摘できます。特に後者の措置は、政府の雇用政策に反比例して企業の人減らしが進められる危険性が高く、現に、財界首脳の発言にもこのことが裏づけられておるのであります。
 しかも、中期的雇用政策からしても、週休二日制の実施、定年制、年齢雇用差別禁止の法律的対応策による雇用の安定拡大策を欠いたのでは、真の中高年齢者の就職機会の拡大も、また、完全失業者を百方人以下に抑えることも不可能であると断ぜざるを得ません。(拍手)
 第二には、景気維持としての公共事業投資の問題であります。
 七%経済成長率達成のために大盤振る舞いされた今年度予算と同様に、六・三%の成長のために、投資的経費、すなわち公共事業費が重点的に支出されていますが、その内容は前年度支出構造を踏襲し、単に上積みされたものにすぎないのであります。それに加えて、新幹線整備五線の条件つき着工は、依然として大型プロジェクトによる景気対策指向を示しているものであります。
 また、公共事業の最重点政策となるべき住宅建設では、公共賃貸住宅の戸数は据え置かれ、持ち家住宅政策偏重となっておるのであります。これでは、公共投資の最大の課題である地価対策の解消は望むすべもないばかりか、生活基盤整備の質的向上を期待することも無理と言わざるを得ないのであります。
 第三には、巨額の国債発行に対して、国債政策が見られないことであります。
 十五兆二千七百億円という大量の国債発行によって、国債依存率は三九・六先と、かつてない史上空前の高率となり、財政危機は一層深刻さを加えることとなりました。国債残高も来年度には五十九兆円に達することとなり、政府の財政収支試算でも、今後五年間は特例国債の発行を余儀なくされる見通しとなっており、国債政策の根本的見直しは最大の緊急課題であります。
 政府は、国債の発行、償還計画など、後手後手に終始して、いまなお場当たり的対応を繰り返しておるのであります。また、国債消化のための中期債発行の多様化を図る方策も、今後を展望しての対応とは言えず、まして国債価格の下落を防止して、日銀の介入を防ぎ、財政インフレを回避するという明確な考えも見られず、国債発行によるインフレの再現が最も危惧されるのであります。
 国債残高も国債費の増大をもたらし、大きな財政硬直化の問題を引き起こすのであります。政府が提出した特例国債の償還についての仮定試算でも、特例国債の全額現金償還の始まる七年後からは、第二段階の財政再建対策が必要となるものであり、国債償還のための財源確保が強く求められるのであります。したがって、政府は財政収支試算を特例国債からの脱却目標計画にとどめているだけですが、まず財政計画を策定し、それもより長期的なものを明示すべき段階であるにもかかわらず、政府には当面する国債政策だけで、将来の償還問題に対する配慮は全く欠落していると言わなければなりません。
 第四には、財政再建のための税制改正の内容が、大衆増税を進めるだけの方針をとり、不公平な税制を是正し、公平、公正な税制を確立して財源を確保するとともに、税制に対する国民の信頼を得るという姿勢に欠けておるという点であります。
 社会保険診療報酬課税の特例措置のいわゆる医師優遇税の改正も全く不完全であり、土地税制は、公共用地確保の政策目標に限定すべきであるのに、土地所有者と不動産業者優遇の不公平税制拡大を行う結果となり、一方では、法人税制の見直しには手を触れようとはしないで、資産家階層に対する富裕税、土地増価税などの新税を導入するという大胆な政策の提示も全くないのであります。
 また、財源不足を理由に物価調整減税を見送って、実質増税を図るばかりではなく、財政再建のためとして、大衆課税で逆進的性格の最も強い一般消費税の導入を行うというのであっては、国民の合意を得ることはとうてい不可能なのであります。
 わが党は、まず不公平税制を是正することが財政再建の出発点であることを強く主張しているところであり、政府は速やかに不公平税制の是正計画を国民の前に提示すべきであって、これが消極的な姿勢は、今日断じて許されないのであります。(拍手)
 第五には、国民の生活不安の解消されない予算であるだけではなく、国民に対する高負担押しつけ予算となっていることであります。
 社会保障関係費を抑え、医療費の受益者負担を高めるのでは、低成長イコール低所得高負担そのもので、国民生活はさらに苦しくなることは明々白々たる事実であります。
 公共料金はメジロ押しの過密ダイヤ並みの値上げラッシュで、消費者物価は政府見通しの四・九%を大幅に上回ることももはや必至の情勢となりつつあります。労働者の賃金を低く抑えた上に、高物価と二兆円にも及びかねない国民負担の二重攻めでは、国民生活犠牲の予算と言わざるを得ないのであって、これではとても、文化の時代の到来など期待できるしろものではないことは明らかであります。
 第六には、行財政改革についての対応がきわめて消極的であるということであります。
 地方財政対策も起債と借入方式が定着し、交付税制度本来の趣旨である地方交付税率の引き上げを無視された一事をもってしても、地方と国との行財政改革などとうてい不可能であって、高度成長型からの転換も口先だけで、その意思は全くなしと判断せざるを得ないのであります。
 また、歳出の洗い直しの一つとしての各種補助金の整理もわずか千二百億円にしかすぎず、来年度も十三兆円の補助金支出が行われることになっているのであります。しかも、会計検査院の機能強化という重大な政策課題に対して消極的となれば、経費の節減、不要不急の経費の削減も、道遠く暗しと言わざるを得ないのであります。
 最後に、二兆円を超えた防衛関係費の問題であります。
 わが国の安全保障は、まず、食糧問題、資源エネルギー問題の解決であって、武力の強化によって実現できるものではありません。
 まさに、不要経費の最たるものが防衛力強化の軍事費であります。しかるに、最近の政府の方針は、F15戦闘爆撃機、P3Cオライオン、E2C早期警戒機の新規購入等に見られるように、一貫して装備の強化の道を進めておるのでありますが、航空機をめぐる一連の構造汚職の発生を考え合わせますと、防衛関係費の削減は、財政面はもとより、防衛政策のあり方、さらに政治道義上からも必要であって、その削減に踏み切るべきものであります。
 以上、述べましたように、将来展望のない、国民に高負担と生活不安をもたらす政府予算案には強く反対するものであり、わが党提案の組み替え動議に賛成し、私の討論を終わるものであります。(拍手)
#41
○副議長(三宅正一君) 近江巳記夫君。
    〔近江巳記夫君登壇〕
#42
○近江巳記夫君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十四年度予算三案に対し、反対の討論を行います。(拍手)
 私ども公明党・国民会議は、国民から与えられた与野党伯仲という国会状況を深く認識し、民社党と協力して、わが国経済と国民生活の窮状を打開するために、政府予算案の修正に努力を重ねてまいりました。
 昭和五十四年度予算案が数多くの矛盾を含んでいることは、政府演説に対する代表質問あるいは予算委員会の質疑を通じて明らかにしたとおりであります。
 すなわち、昭和五十四年度予算案は、第一に、景気対策としても不十分である上に、五十四年度の最大の課題である雇用対策がきわめて不十分であります。完全失業者百二十七万人、特に中高年齢者の失業者二十七万人、そして、中高年齢者の再就職は、職業安定所の紹介によるものわずか三%から五彩という実情であります。NHKの世論調査を見ても、四〇%に上る人たちが失業の不安を感じているという結果が出されております。しかし、政府予算案では、この不安解消に真正面から取り組もうという姿勢は見出すことはできません。
 第二は、福祉関係予算が後退を押しつけられていることであります。長期の景気低迷のもとにあって、深刻な打撃をこうむっているお年寄りや母子世帯、心身障害者等の生活を見るにつけ、社会保障関係費の伸び率を大幅に圧縮している内容は納得できるものではありません。
 第三は、現実に卸売物価の騰勢が強まり、消費者物価の先行きが懸念されているにもかかわらず、各種公共料金の値上げにより国民に大きな負担増を予定しておきながら、物価調整減税すらも見送ろうとしていることであります。しかも、五十五年度からの一般消費税導入を強調するなど、これらを私どもはとうてい認めることはできません。
 こうした多くの問題を含んだ内容であるだけに、国民生活を守り、わが国経済の窮状を打開するために、予算案を修正することこそ、われわれ野党に課せられた責務であると思います。国会には、財政処理の権限が付与され、予算の決定は国会にゆだねられているからであります。
 しかしながら、現実には、政府提出の予算案が唯一最善のものであるとする政府・自民党の姿勢に対して、与野党逆転委員会である予算委員会において五野党が完全に足並みをそろえない限り、予算案の修正は実現できないのが実情であります。ところが、残念なことに、五野党の意見調整は早くも二月二十日には不調となり、二月二十四日に至って、全野党共同による修正要求は完全に崩れ去ってしまったのであります。
 しかし、私どもは、政府案を修正せずに、不満足なままに成立させるという責任のない態度を選択すべきではないとの判断に立ったのであります。私どもが、みずからの政策と多くの違いを持つ予算案に対し、民社党と協力しながら一定の修正案をまとめ、その修正案を政府・自民党が受け入れるのであれば、政府案に賛成も含め、前向きに検討する旨を明らかにしたのは、たとえその修正内容が私どものすべての要求を満たさないものであったとしても、政府案の矛盾を少しでも是正し、よりましな予算とすることが、国民の期待にこたえるものと考えた重大な決意によるものであります。(拍手)
 また、政府の予算提案権に対し、国会に与えられた予算修正権によって、国民のためによりよき予算とするため予算の修正を実現することこそ、議会制民主主義における予算決定のあるべき姿でもあると確信したからであります。(拍手)
 私どもが民社党と共同してまとめた修正内容は、予算委員会に提出いたしました組み替え動議に盛られているとおり、第一に雇用対策の強化、第二に年金等の増額、第三に所得税減税、住民税の減税積み増し及びそれに伴う地方税収の減収対策、第四に住宅、宅地対策の拡充、第五に文教、福祉施設整備の促進等でありますが、さらに、予算修正の実現のために、あくまでも予算書の書き直しによる修正を前提にしたものであり、また、年齢による雇用差別を、一定の要件を定めて禁止することの法制化への一歩を踏み出し、雇用創出及び雇用情報センターの行政機能を拡充し、機構を確立するなどの政策要求をいたしました。
 私どもの重大な決意と真摯な修正要求に対し、三月一日の党首会談において、政府・自民党は前向きに応ずる姿勢を見せたのでありました。しかし、三月二日、政府・自民党は、党首会談とこれを受けた公明、民社両党の自民党との国対委員長、政策責任者の折衝の過程における良識と双方の信義を裏切り、予算書の書きかえによる予算修正を拒否したのであります。
 私どもが、あくまでも名実ともに予算の修正を要求し、予算書の手直しを求めたのは、第一に、予算書の手直しによる予算修正こそ、財政民主主義の大原則であるからであります。もしこれなくしては、憲法に規定された財政処理の権限をみずから否定し、あしき慣例を残してしまうからであります。第二に、予算書の修正によってこそ、われわれの要求の実行が確約され、また、雇用創出などにあっては、それが制度として確立されるからであります。
 政府は、予算書の手直し拒否の理由として、議員修正の習慣がつく、自民党の政策基盤まで揺るがすことになるなどとしているようでありますが、こうした態度こそ、議会制民主主義の本旨に背くものであり、ひいては国民の政治不信を助長するものであると言わなければなりません。(拍手)
 もとより、われわれが、政府・自民党が一定の修正要求を受け入れた場合政府案に賛成の方向で検討する旨明らかにしたというものの、それは政府予算案のすべてに賛成を表明したことでないことは言うまでもありません。公共料金の値上げを初め、一般消費税の導入をもくろむ一方で、不公平税制の是正を中途半端で終わらせ、さらに行政改革を怠るなど、とうてい認めがたい内容であることは承知の上でなおかつ、国民の立場に立って、よりよき予算とするため政府予算案の修正を実現しようとしたものであります。したがって、この私どもの最小限度の要求さえ政府・自民党があくまでも拒否する以上、政府予算案には反対であります。
 しかしながら、私どもは、政府・自民党が私どもの真摯な修正要求に対して、昨日の予算委員会で大平総理みずから実質修正としての回答を持つ公約をされたことは、一定の評価をするにやぶさかではありません。雇用対策の強化、年金等の増額は、今日の国民の不安と困難を解消する上で前進の措置となるからであります。私どもは、私たちのあくまでも国民的要求に立った決断と行動こそが、不十分とはいえ政府並びに自民党の譲歩を余儀なくし、政府予算案の実質修正の公約を取りつけたものと確信するものであります。(拍手)
 最後に、大平総理が、この国民に公約した実質修正を速やかに実行するよう強く要求するものであります。特に、高年齢化社会を迎えて、実質的な定年延長のための雇用年齢差別禁止の法制化と、雇用創出機構の確立は急務であります。
 以上、わが党の率直な意見を表明し、政府予算案に反対の態度を明らかにするものであります。
 なお、日本社会党から提出された組み替え動議にはいささか考えを異にするため、反対の態度を表明いたします。
 以上をもって討論を終わります。(拍手)
#43
○副議長(三宅正一君) 玉置一弥君。
    〔玉置一弥君登壇〕
#44
○玉置一弥君 私は、民社党を代表し、ただいま議題となっております昭和五十四年度予算三案に対し、一括して反対の討論を行います。(拍手)
 なお、社会党提案の予算組み替え案につきましても、見解が異なりますので反対であることを申し上げます。
 大平総理は、総理就任後の初めての今国会冒頭における所信表明演説で、信頼と合意の政治を前面に打ち出されました。しかしながら、今回の予算修正問題に対する総理の態度は、信頼と合意の政治どころか、公党に対する背任行為と思われます。
 わが民社党は、一昨年来、与野党伯仲下における国会運営において責任野党の立場を明らかにし、野党としての立場を堅持しつつも、単に反対党として終始することなく、政治運営の責務の一端を担う用意があることを、過去二年間の実践によって示してまいりました。
 との見地から、昭和五十四年度予算に対しても、政府提出の予算案について多くの不満がありながら、不況下に苦しむ労働者の雇用問題、並びに老後の生活の最大の課題である年金問題などについて、公明党とともにきわめて現実的な予算の修正を要求し、要求が入れられた場合、予算案に賛成することを明らかにしてまいったのであります。その後、党首会談をはさみ、前後数回の話し合いの中で、ほぼ自民党との間で予算書修正の合意ができ上がっていたのであります。
 ところが、大平総理は、そのような経緯を承知しながら、いかなる理由に基づくものか定かではありませんが、土壇場になって突如として予算書修正を拒否したことは、大平総理の政治家としてのリーダーシップの欠如をまざまざと見せつけられたものであり、われわれは断じて容認することができません。
 与野党伯仲下の新しい政治状況のもとで、国民が待望し、期待していた政党間の話し合いによる合意の政治は、昨年に続き、ことしもまた水泡に帰したことはきわめて遺憾なことであり、政府・自民党の責任はまことに重大であります。
 政府は、予算書の修正は単なる形式の問題であるかのごとく国民に印象づけようとしていますが、それは全く誤りであります。予算の成立以前に新たな歳出を必要とする合意が行われた場合、予算書の修正を行うことは当然のことであり、それをあくまで回避しようとすることは、単なる政府のメンツか、予算を聖域視する財政当局への妥協あるいは何らかの総理の思惑によるものか、いずれにしても財政民主主義の精神に反するものであります。
 その結果、自民党と公民両党間の交渉は挫折し、そこに残ったものは、大平総理に対するわれわれの大きな不信であります。このような事態を招いたことについて、総理の強い反省を求めるものであります。
 次に、私は、昭和五十四年度予算とその背後にある政府・自民党の政策について問題点を指摘し、反対の態度を明らかにいたします。
 その第一は、今回の予算委員会の審議を通じても明らかなように、景気回復の面からも、物価抑制の見地から見ても、きわめて中途半端な性格を持っていることであります。
 わが党は、昭和五十四年度も引き続き比較的高い経済成長を目指して景気回復を軌道に乗せるべきであるという立場から、所得税の一兆円減税と、四十兆円の予算を編成するように求めてきたのでありますが、政府予算案は、一兆円減税はおろか、予算規模も十二・六%増と低く抑制しているのであります。一方、健康保険法の改悪による患者負担の増大、ガソリン税の引き上げ、消費者米価、たばこの値上げなど、約一兆円強の国民負担増を強いることとなり、このことが物価を押し上げ、国民総支出の六割弱を占める民間消費支出の伸びを抑制するということは必至と言わなければなりません。
 さらに、最近の卸売物価の急騰、地価の高騰は、日本経済が再びスタグフレーションに陥る危険性をはらみ、六・三%の経済成長率の達成も四・九%の物価抑制も不可能にさせるおそれが強まっているのであります。この原因の一つは、政府予算案のさきに指摘した中途半端な性格にあると言わざるを得ません。
 第二に指摘することは、今後の中期的課題である財政再建を行う前に政府が行うべきことを行わず、いたずらに一般消費税の導入を図らんとしていることであります。
 わが党は、財政再建に向けてまず当面に行うべきことは、第一に、当面の景気回復と物価の抑制に全力を傾注し、日本経済への国民の信頼を取り戻すこと、第二に、抜本的な行政改革を図り、行政のむだを徹底して排除することであります。第三に、租税特別措置など不公正税制の是正を行うとともに、昭和五十五年度には法人税の引き上げ、富裕税の新設など、一般的な増税を行うことなどを強く指摘してまいりました。ところが政府は、これら諸条件を無視し、一般消費税の導入に固執していることは、わが党の断じて容認できないところであります。
 第三の問題点は、雇用、年金、住宅対策などについて、政府が抜本的な改善を図る積極的な姿勢を欠いていることであります。
 わが党は、すでに予算委員会を通じて、雇用創出機構の新設、年齢による雇用差別禁止法の制定、基礎年金構想の導入、住宅ローンへの利子補給の新設などの実現を強く政府に訴えてきたのであります。
 確かに、今回の予算修正問題の一つの成果として、わが党が最低限の修正課題にした二万円年金、新しい雇用創出対策の実質的改善措置などについて、政府がその実現を約束したことは率直に評価することにやぶさかではありません。しかし、これらの措置は、抜本的な改革への一歩にしかすぎないことを銘記すべきでありましょう。特に、雇用創出機構法並びに年齢による雇用差別禁止法の制定については、速やかに政府がその立法化を図るよう厳しく見守っていく所存であります。
 最後に、再び大平総理の政治姿勢について一言申し上げたいと思います。
 大平総理の今回の予算修正問題に対する姿勢、すなわち、予算委員会において予算が否決されても本会議で可決すればよいという選択は、大平総理の信頼と合意の政治の信条とはうらはらに、結果的には、従来の自民党一党支配下の力による政治の再現であります。大平総理の意図がどこにあれ、今回の結末に見られる総理のリーダーシップなき政治、官僚主導型の政治、力による政治は、国民の大平内閣に対する期待を急激に薄れさせるものであることを警告し、私の反対討論を終わります。(拍手)
#45
○副議長(三宅正一君) 小林政子君。
    〔小林政子君登壇〕
#46
○小林政子君 私は、日本共産党・革新共同を代表し、政府提出の予算三案に反対の討論を行います。(拍手)
 今日、国民生活は、五年越しの長期不況など深刻な経済危機の中で、さまざまな生活難に見舞われております。円高の国内的原因である低賃金、低福祉型構造の抜本的転換もされないまま、日本経済の危機はますます深刻さを増しています。こうした中で、大企業は最高の利益を上げる一方で、中小企業は連続四十ヵ月以上も一千件を超える倒産が続いています。とりわけ雇用、失業問題は深刻さを増しています。
 特に注目しなければならないことは、石油危機以降大企業が進めている減量経営が、今日の雇用不安の最大の原因となっているなど、日本経済を非常に大きく撹乱をしていることであります。
 また、国債の大量発行と結びついた通貨供給量の増大、公共料金の値上げ、さらには建設関連資材の急騰など、卸売物価の上昇、土地価格の値上がり等、悪性インフレへの危険が急速に進行していることであります。
 こうした時期に編成される五十四年度予算は、何よりも国民生活を守ることを最大の任務とし、同時に、日本経済の建て直しと財政の再建に向けての第一歩を踏み出すものとしなければなりません。
 ところが、大平内閣の初仕事である本予算案は、この国民的要請にこたえるどころか、現に破綻している大企業本位の従来型の景気対策を続けながら、国民に対する大幅な負担増で国民の購買力を圧迫し、不況を長引かせる一方、国債大増発で財政危機を破局的段階に進めるものとなっているのであります。
 私たちは、雇用拡大計画の確立など雇用対策、一兆円規模の所得税減税と公共料金値上げの撤回など六項目を柱に予算の修正を要求いたしました。政府・自民党は、これらの要求をほとんど拒否したのであります。本予算案とその審議経過に示された政府の姿勢は、いろいろな新しい味つけや新しいムードの強調にもかかわらず、自民党保守本流の反動路線を、野党の一部をも取り込んで、より巧妙に進めようとする大平内閣の正体を遺憾なく示すものであります。(拍手)
 以下、本予算案に反対する主な理由を申し述べます。
 反対理由の第一は、日本共産党・革新共同の強い要求にもかかわらず、疑惑の渦中にあるグラマン社のE2C早期警戒機の購入予算を削除しなかったことであります。
 しかも、これは凍結すると言っているけれども、その解除、執行の判断を政府にゆだねたばかりでなく、疑惑の全容解明に不可欠な政治的、道義的責任の追及にふたをしようとしているのであります。
 さらに、機種選定に絡み重大な疑惑が持たれているロッキード社のP3C対潜哨戒機やダグラス社のF15戦闘機の購入予算三百億円以上を計上するという、まさに二重、三重の疑惑を抱えた予算と言わなければなりません。
 日米共同作戦体制の強化の中で、日本の平和と安全を脅かす自衛隊の増強が進められていることは重大であります。福祉、文教、地方財政対策など経常経費を極端に圧縮したのとは対照的に、軍事予算を大きく伸ばし、初めて二兆円の大台に乗せ、国民一人当たり二万円もの負担を負わせていることであります。しかも、その中でも武器、車両等購入費や施設整備費、基地対策費は、いずれも三〇%から四〇%と驚くべき勢いで増大しているのであります。こうした軍事予算の質的強化が、いわゆるガイドラインに基づいた日米共同作戦体制の危険な具体化にほかならないことは明らかであります。
 また、ここであわせて指摘しなければならないのは、わが党の追及によって、米軍岩国基地における核兵器要員名簿の存在が確認され、わが国への核兵器持ち込みの疑惑が決定的になっているにもかかわらず、政府があくまでもこれを否定し続けるという、核隠し対米追随の姿勢をとり続けているということであります。
 第二は、大企業本位の景気刺激に役立つかどうかを予算配分上の最高の基準にし、産業基盤中心の一般公共事業費を二二・五彩と大幅に伸ばしながら、社会保障、教育費など国債費を除く経常経費は八・七%という極端に低い水準に抑え込んでいることであります。
 社会保障費がこの二十年来初めて二年連続一般会計の伸びを下回ったことは、まことに重大と言わなければなりません。
 また、公共投資の配分について言えば、大企業奉仕の大型プロジェクト中心ではなく、国民の生活を豊かにし、中小企業に仕事が回り、雇用拡大にも役立つ生活密着型公共投資の拡大充実こそが求められているのであります。
 ところが、国民の強い要求である公営、公団住宅の建設が三万戸削減のまま据え置かれたのを初め、国民の生活基盤に対する投資は依然として低く抑えられております。また、地盤沈下、海面下地帯の住民の深刻な不安にこたえるべき河川改修なども、今後百年以上も待たなければ完全なものとはならないという恐るべき事態にあります。これらに対し何ら積極的改善策が講じられていないのであります。
 第三は、大企業本位の景気対策を優先する一方で、国民には福祉の切り下げ、公共料金の値上げ、大衆増税による大変な負担増を押しつけるという国民大収奪予算となっていることであります。
 国鉄運賃、たばこ、消費者米価、国立大学の入学金などの公共料金の引き上げ、健康保険の改悪、さらにガソリン税の大幅増税、所得減税の見送りによる国民の負担増は総額で一兆九千五百億円、国民一人当たり一万七千五百円、四人世帯では年間七万円にも達するのであります。これらの公共料金の大幅引き上げは、国債の大増発による悪性インフレの再燃の危険や、OPECの原油値上げを口実とした大企業の便乗値上げの動きなどとも相まって、かってない物価値上げに結びつくものであります。これでは、総理が述べた家庭基盤の充実どころか、家庭基盤を破壊し、政府の掲げた来年度の物価上昇率四・九%という目標の達成さえ、いまから危ぶまれるという状況と言わなければなりません。
 第四に、現在の経済運営の最も重要な柱の一つである雇用の確保について、何ら有効な対策を実施しようとしていないことであります。
 大企業はここ数年の間に、輸出量全体に占める割合でも、その企業自体の輸出依存度においても、著しく高めてきました。この過程で大企業は、全く人間破壊のような労働強化、長時間労働を押しつけながら、人減らし合理化を進めてきたのであります。また、かんぽん方式なるやり方で下請にしわ寄せをしながらコストダウンを行って、輸出を伸ばし、その結果また円高が進むという繰り返しを続けてきました。こうして雇用が大幅に減らされてきたのであります。
 さらに、大企業が多国籍企業化を進めているところから、大企業百社がこの四年間に国内で十七万人の人減らしをしながら、海外で十一万五千人も雇用をふやしているということも明らかにされています。この多国籍企業化に伴う人減らしが本格的に始まりつつあるのがいまの状況であります。社会的責任を何ら顧みず、あくどい利潤追求のために労働者の大量解雇を強行している大企業の減量経営を社会的に規制することこそ急務と言わなければなりません。(拍手)
 こうしたやり方を放置し、二十万人の雇用を確保する特別就労事業の予算化など私たちが要求した雇用拡大計画を拒否したまま、ただ幾つかの奨励金等を拡充したにすぎない政府予算案は、とうてい現在の雇用不安を解決し得るものではありません。
 第五に、大企業、大資産家優遇の不公平税制にほとんど手をつけず、また、軍事費など不要不急の経費は逆にふやしさえしながら、十五兆二千七百億円に上る巨額の国債を発行し、財政破綻をさらに最悪の状態に陥れようとしていることであります。
 このような国債の大増発は、元利償還のための国債費を急増させ、その額は四兆七百八十四億円にも達し、予算に占める割合もついに一割を超えたのであります。これは文教、科学技術振興費に匹敵するものであり、こうした巨額の財源が借金のために先取りされていくということは、まさにサラ金財政と言わざるを得ません。
 しかも、この国債の大増発は、インフレへの危険を急速に強めるとともに、大増税に道を開くものでもあります。五十五年度導入をあくまで強行しようとしている一般消費税も、そのあらわれにほかなりません。一般消費税はあらゆる物価をつり上げるという点でも、収入の低い人ほど負担が重くなるという大がかりな逆累進課税であります。また、中小零細業者の経営破綻をもたらすという点でも、さらに、財政再建にも役立たないという点でも、かつてない最悪の大衆課税であり、その導入は断じて容認できるものではありません。(拍手)
 日本共産党・革新共同は、以上の理由により本予算に断固反対するとともに、アメリカと大企業の圧力を排除し、国民生活防衛を最優先とし、大企業本位の経済構造の転換を図ることこそ、経済危機の打開、日本経済再建のただ一つの道であることを重ねて強調するものであります。
 なお、社会党の組み替え動議については、内容上幾つかの点で評価できるものでありますが、まだ不十分、不徹底さを持っておりますので反対といたします。
 以上をもって私の反対討論を終わります。(拍手)
#47
○副議長(三宅正一君) 山口敏夫君。
    〔山口敏夫君登壇〕
#48
○山口敏夫君 私は、新自由クラブを代表して、昭和五十四年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。
 わが国経済は、高度成長から安定成長への時期に入るとともに、国家財政の歳入の伸び率は低下しました。他方、国民の行政に対する需要は多様化し、かつ拡大しつつあり、それに伴い歳出は増加傾向をたどっております。その結果、国家財政はきわめて逼迫し、今後も改善する見通しは暗いというのが現状であります。
 このような厳しい国家の財政状況のもとに来年度予算が編成されるに当たり、新自由クラブは、特に以下の四点を強調し、主張してまいりました。
 第一に、従来の予算編成方式である増分主義を改め、各省庁間の重畳的な予算を思い切って簡素化し、いわゆるゼロベースから予算を全面的に見直しをすることを提案してまいりました。各省庁間のなわ張りを排し、総理主導型の効率的予算編成を行うことがいまこそ必要であり、単なる増分主義の踏襲では国債発行と増税という悪循環を繰り返すのみで、財政はますます悪化の一途をたどらざるを得なくなると考えます。
 第二に、現在の税体系のあり方についてでありますが、わが国の税制に期待されておる所得の再配分機能は、各種特別措置のため著しく阻害されております。
 わが国の税制は、元来直接税中心の税制であり、中でも所得税は自由主義社会における唯一の公平な税制として所得再配分の役割りが期待されてまいりました。しかし、利子配当分離税制、医師税制、不動産税制等について各種の特別軽減措置がとられております。これらは、資本蓄積を経済政策の基本としてきた高度成長経済時期の遺物であると言えます。現在、民間経済は貯蓄超過の状態にあり、このときに当たり、従来の資本蓄積税制は思い切って削減すべきであるにもかかわらず、その努力は必ずしも十分ではありません。
 また、租税特別措置は、本来特別の臨時的な政策的配慮から例外的に認めらるべきものであります。しかるに、現行の特別措置には、前述のものも含め、その政策的目標を達成したものが多くあり、全面的な見直しが必要であるとわれわれは主張してまいりましたが、遺憾ながら政府の対応は不十分であると考えざるを得ません。
    〔副議長退席、議長着席〕
 第三に、社会保険診療報酬課税に関する特別措置の問題であります。
 これは、今日、不公平税制の象徴的存在として世論の指弾を受けております。政府の今回の改正は、従来の懸案に手をつけた点では評価されますが、その解決は十分なものとは言えません。われわれは、租税に対する国民の理解と協力を得るためにも、国民の間にある不公平感を払拭することが必要であると考え、この特別措置の速やかな全廃を主張してまいりました。
 いわゆる医師税制は、本来歳出によって賄うべき医療費を税制という見えざる補助金によって代替させるという手法であり、医療制度の抜本改革を今日まで引き延ばしてきた怠慢と不公平税制の助長という二重の意味で批判されるべきものであります。政府は、医療制度の早急な改革を行うとともに、本税制の廃止を行うべきであります。
 第四に、行政機構の簡素合理化の問題であります。
 一般会計における経費の削減にもかかわらず、特殊法人においては法人数、人員ともに急増し、行政機構全体として簡素化の目的は達成されておりません。新自由クラブは、簡素な政府を主張し、思い切った政治の指導性を発揮すべきことを訴えてまいりました。そのためにも、まず隗より始めよで、立法府が議員定数の削減という大胆かつ思い切った手段をとり、行政改革の範を示すべきであるとまで提案をしてまいったのでございます。かかる立場から見て、五十四年度予算案に見られる政府の対応はきわめて不満足なものであると言わざるを得ません。
 以上、主な反対理由を申し上げましたが、五十四年度予算案は旧来の手法の域を出ず、国債依存度は高まり、今後ますます増税の必要性を強めるものにならざるを得ません。政府はすでに五十五年一月からの一般消費税の導入を積極的に検討しているようでありますが、古い手法を思い切って合理化し、新しい財政手法を開発する以外に現在の硬直化した財政を打開する道はないと確信をし、政府の再考と強力な指導性を期待しつつ、五十四年度予算三案に対する反対の理由を申し述べました。
 なお、日本社会党から提案されております予算編成替えを求める動議につきましては、意見を異にしておりますので反対を申し上げ、私の討論を終わります。(拍手)
#49
○議長(灘尾弘吉君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#50
○議長(灘尾弘吉君) これより採決に入ります。
 まず、武藤山治君外十二名提出、昭和五十四年度一般会計予算外二件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 武藤山治君外十二名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#51
○議長(灘尾弘吉君) 起立少数。よって、武藤山治君外十二名提出の動議は否決されました。
 次に、昭和五十四年度一般会計予算外二件を一括して採決いたします。
 三件の委員長の報告はいずれも否決でありますが、この際、原案について採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 三件を原案のとおり可決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#52
○議長(灘尾弘吉君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#53
○議長(灘尾弘吉君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場開鎖〕
#54
○議長(灘尾弘吉君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#55
○議長(灘尾弘吉君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百八十四
  可とする者(白票)      二百四十九
    〔拍手〕
  否とする者(青票)      二百三十五
    〔拍手〕
#56
○議長(灘尾弘吉君) 右の結果、昭和五十四年度一般会計予算外二件は原案のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 昭和五十四年度一般会計予算外二件を可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 文男君    相沢 英之君
      逢沢 英雄君    愛知 和男君
      愛野興一郎君    青木 正久君
      天野 光晴君    荒舩清十郎君
      有馬 元治君    井出一太郎君
      井上  裕君    伊東 正義君
      伊藤宗一郎君    池田 行彦君
      石井  一君    石川 要三君
      石田 博英君    石橋 一弥君
      石原慎太郎君    稲垣 実男君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      稲村 利幸君    今井  勇君
      宇野 宗佑君    宇野  亨君
      上村千一郎君    内海 英男君
      江崎 真澄君    江藤 隆美君
      小川 平二君    小此木彦三郎君
      小沢 一郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大石 千八君
      大塚 雄司君    大坪健一郎君
      大西 正男君    大野  明君
      大平 正芳君    大村 襄治君
      奥田 敬和君    奥野 誠亮君
      加藤 紘一君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 道彦君
      海部 俊樹君    粕谷  茂君
      片岡 清一君    金子 一平君
      金子 岩三君    金丸  信君
      亀岡 高夫君    唐沢俊二郎君
      川田 正則君    瓦   力君
      木野 晴夫君    木村武千代君
      木村 俊夫君    岸  信介君
      北川 石松君    久野 忠治君
      久保田円次君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 義雄君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      栗原 祐幸君    小泉純一郎君
      小坂善太郎君    小坂徳三郎君
      小島 静馬君    小宮山重四郎君
      後藤田正晴君    河本 敏夫君
      高村 坂彦君    國場 幸昌君
      近藤 鉄雄君    左藤  恵君
      佐々木義武君    佐藤  隆君
      佐藤 文生君    佐藤 守良君
      佐野 嘉吉君    斉藤滋与史君
      齋藤 邦吉君    坂田 道太君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀  節君
      始関 伊平君    椎名悦三郎君
      塩川正十郎君    塩崎  潤君
      塩谷 一夫君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 宜伸君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    住  栄作君
      瀬戸山三男君    関谷 勝嗣君
      園田  直君    染谷  誠君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村  元君
      高鳥  修君    竹内 黎一君
      竹下  登君    竹中 修一君
      谷  洋一君    谷垣 專一君
      谷川 寛三君    玉生 孝久君
      玉沢徳一郎君    地崎宇三郎君
      津島 雄二君    塚田  徹君
      塚原 俊平君    辻  英雄君
      戸井田三郎君    戸沢 政方君
      渡海元三郎君    登坂重次郎君
      友納 武人君    中尾 栄一君
      中川 一郎君    中島源太郎君
      中島  衛君    中曽根康弘君
      中西 啓介君    中野 四郎君
      中村喜四郎君    中村 弘海君
      中村  直君    中村  靖君
      中山 利生君    中山 正暉君
      永田 亮一君    楢橋  進君
      二階堂 進君    丹羽 久章君
      西田  司君    西村 英一君
      根本龍太郎君    野田 卯一君
      野田  毅君    野中 英二君
      野呂 恭一君    羽田  孜君
      羽田野忠文君    羽生 田進君
      葉梨 信行君    橋口  隆君
      橋本龍太郎君    長谷川四郎君
      長谷川 峻君    服部 安司君
      鳩山 邦夫君    浜田 幸一君
      濱野 清吾君    早川  崇君
      林  大幹君    林  義郎君
      原 健三郎君    原田  憲君
      原田昇左右君    平泉  渉君
      廣瀬 正雄君    福島 譲二君
      福田 赳夫君    福田 篤泰君
      福田  一君    福永 一臣君
      福永 健司君    藤井 勝志君
      藤尾 正行君    藤田 義光君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      古井 喜實君    古屋  亨君
      坊  秀男君    細田 吉藏君
      堀内 光雄君    堀之内久男君
      本名  武君    前尾繁三郎君
      前田治一郎君    増岡 博之君
      増田甲子七君    松澤 雄藏君
      松永  光君    松野 幸泰君
      松野 頼三君    三池  信君
      三木 武夫君    三原 朝雄君
      三塚  博君    箕輪  登君
      水平 豊彦君    宮崎 茂一君
      宮澤 喜一君    武藤 嘉文君
      向山 一人君    村上  勇君
      村上 茂利君    村田敬次郎君
      村山 達雄君    毛利 松平君
      森   清君    森  美秀君
      森  喜朗君    森下 元晴君
      森山 欽司君    保岡 興治君
      山口シヅエ君    山崎  拓君
      山崎武三郎君    山崎平八郎君
      山下 元利君    山下 徳夫君
      山田 久就君    山中 貞則君
      湯川  宏君    与謝野 馨君
      綿貫 民輔君    渡部 恒三君
      渡辺 栄一君    渡辺 紘三君
      渡辺 秀央君    渡辺美智雄君
      橋本登美三郎君
 否とする議員の氏名
      安島 友義君    安宅 常彦君
      阿部未喜男君    井上  泉君
      井上 普方君    伊賀 定盛君
      伊藤  茂君    池端 清一君
      石野 久男君    石橋 政嗣君
      板川 正吾君    稲葉 誠一君
      岩垂寿喜男君    上田 卓三君
      上原 康助君    枝村 要作君
      小川 国彦君    小川 省吾君
      小川 仁一君    大出  俊君
      大島  弘君    大原  亨君
      太田 一夫君    岡田 哲児君
      岡田 利春君    岡田 春夫君
      加藤 清二君    加藤 万吉君
      角屋堅次郎君    金子 みつ君
      川崎 寛治君    川俣健二郎君
      川本 敏美君    河上 民雄君
      木島喜兵衞君    木原  実君
      北山 愛郎君    久保 三郎君
      久保  等君    栗林 三郎君
      小林  進君    兒玉 末男君
      後藤  茂君    上坂  昇君
      佐藤 観樹君    佐藤 敬治君
      佐野  進君    斉藤 正男君
      坂本 恭一君    沢田  広君
      柴田 健治君    渋沢 利久君
      島田 琢郎君    島本 虎三君
      嶋崎  譲君    清水  勇君
      下平 正一君    新村 勝雄君
      新盛 辰雄君    鈴木  強君
      田口 一男君    田邊  誠君
      田畑政一郎君    多賀谷真稔君
      高沢 寅男君    高田 富之君
      竹内  猛君    武部  文君
      只松 祐治君    楯 兼次郎君
      千葉千代世君    土井たか子君
      栂野 泰二君    中西 績介君
      中村  茂君    中村 重光君
      西宮  弘君    野口 幸一君
      野坂 浩賢君    芳賀  貢君
      馬場猪太郎君    馬場  昇君
      長谷川正三君    原   茂君
      日野 市朗君    平林  剛君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      藤田 高敏君    古川 喜一君
      細谷 治嘉君    松沢 俊昭君
      松本 七郎君    美濃 政市君
      水田  稔君    武藤 山治君
      村山 喜一君    村山 富市君
      森井 忠良君    八百板 正君
      矢山 有作君    山口 鶴男君
      山田 耻目君    山花 貞夫君
      山本 政弘君    湯山  勇君
      横路 孝弘君    横山 利秋君
      吉原 米治君    米田 東吾君
      渡部 行雄君    渡辺 三郎君
      渡辺 芳男君    浅井 美幸君
      新井 彬之君    有島 重武君
      飯田 忠雄君    池田 克也君
      石田幸四郎君    市川 雄一君
      小川新一郎君    大久保直彦君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      沖本 泰幸君    長田 武士君
      鍛冶  清君    貝沼 次郎君
      北側 義一君    草川 昭三君
      草野  威君    古寺  宏君
      権藤 恒夫君    斎藤  実君
      坂井 弘一君    坂口  力君
      鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君
      田中 昭二君    竹入 義勝君
      竹内 勝彦君    武田 一夫君
      谷口 是巨君    玉城 栄一君
      鳥居 一雄君    中川 嘉美君
      西中  清君    野村 光雄君
      長谷雄幸久君    林  孝矩君
      春田 重昭君    平石磨作太郎君
      広沢 直樹君    伏木 和雄君
      伏屋 修治君    二見 伸明君
      古川 雅司君    正木 良明君
      松本 忠助君    宮井 泰良君
      宮地 正介君    矢野 絢也君
      薮仲 義彦君    山田 太郎君
      吉浦 忠治君    和田 一郎君
      渡部 一郎君    青山  丘君
      稲富 稜人君    大内 啓伍君
      春日 一幸君    河村  勝君
      神田  厚君    小平  忠君
      佐々木良作君    曾禰  益君
      高橋 高望君    竹本 孫一君
      玉置 一弥君    塚本 三郎君
      中井  洽君    中野 寛成君
      永末 英一君    西田 八郎君
      西村 章三君    宮田 早苗君
      山本悌二郎君    吉田 之久君
      米沢  隆君    和田 耕作君
      渡辺 武三君    渡辺  朗君
      安藤  巖君    荒木  宏君
      浦井  洋君    工藤  晃君
      小林 政子君    柴田 睦夫君
      瀬崎 博義君    瀬長亀次郎君
      田中美智子君    津川 武一君
      寺前  巖君    東中 光雄君
      不破 哲三君    藤原ひろ子君
      正森 成二君    松本 善明君
      三谷 秀治君    安田 純治君
      山原健二郎君    甘利  正君
      伊藤 公介君    大成 正雄君
      加地  和君    川合  武君
      菊池福治郎君    工藤  晃君
      小林 正巳君    河野 洋平君
      田川 誠一君    中馬 弘毅君
      中川 秀直君    永原  稔君
      西岡 武夫君    山口 敏夫君
      依田  実君    阿部 昭吾君
      大柴 滋夫君    楢崎弥之助君
      麻生 良方君    宇都宮徳馬君
      三宅 正一君
    ―――――――――――――
    〔加藤六月君登壇〕
#57
○加藤六月君 ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、現下の厳しい財政事情と社会経済情勢に顧み、社会保険診療報酬課税の特例の是正、有価証券譲渡益課税の拡充、交際費課税の強化等既存の特別措置の整理合理化を行うこととするほか、産業転換設備を取得した場合の税額控除制度及び優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例制度を設け、老年者年金特別控除制度等期限の到来する特別措置について、実情に応じ適用期限を延長する等所要の措置を講ずるとともに、揮発油税及び地方道路税の税率を引き上げることといたしております。
 本案につきましては、参考人を招いて意見を聴取する等、慎重審査を行いましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
 かくて、昨三月六日質疑を終了し、引き続き討論に付しましたところ、自由民主党を代表して池田行彦君は本案に賛成する旨を、日本社会党を代表して伊藤茂君、公明党・国民会議を代表して貝沼次郎君、民社党を代表して高橋高望君、日本共産党・革新共同を代表して安田純治君、新自由クラブを代表して伊藤公介君は、いずれも本案に反対する旨をそれぞれ述べられました。
 次いで採決いたしましたところ、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しましては、各種準備金等の租税特別措置の整理合理化等十二項目にわたる六党共同提案に係る附帯決議を全会一致をもって付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#58
○議長(灘尾弘吉君) 討論の通告があります。これを許します。伊藤茂君。
    〔伊藤茂君登壇〕
#59
○伊藤茂君 私は、日本社会党を代表し、租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 私は、まず、本法案の審議経過を振り返って、政府、財政当局に、税制、財政の民主的改革に対する真剣さと気迫が欠如していることを指摘しなければなりません。
 本法案の審議は、かつてない深刻な税財政の危機の中で行われました。また、政府の一般消費税強行の動きに関連して、税に対する国民の意識と関心もかつてなく大きく高まっている中で審議が進められたのであります。
 このような中で国民が真剣に求めているものは、第一に徹底的な不公平是正であり、第二には民主主義を基礎とした税財政の再建であります。しかし、本法案の審議を通じて痛感したことは、政府がこの国民の要求に真剣にこたえる姿勢を持っていないことでありました。そのため、本法案は、中期の展望や計画を持たない、全くその場しのぎのものに終わっているのであります。税制に対するこのような姿勢の上につくり上げられた五十四年度予算案が、予算委員会で否決されるという事態になったのも当然のことであり、国民の声を反映したものであると思うのであります。
 このような気持ちを持ちながら、私がこの法案に反対する理由の第一は、税の不公平是正がきわめて不徹底であることであります。
 税の不公平是正はいまやほうはいたる国民世論であり、まさに重大な国民的課題であります。しかるに、本法案は、国民世論に押されて若干の改革は行ったものの、多くの面で依然として不公平を残し、あるいは骨抜きになっているのであります。
 すなわち、不公平税制の範囲及び対象を極力限定することによって、総額約六兆円、必要額の数倍もの内部留保金となっている退職給与引当金を初め、大企業が重点的に利用している数々の優遇税制の是正には、きわめて消極的な姿勢をとっております。
 今回取り上げた価格変動準備金、特別償却などの縮小措置も手ぬるいものであり、その範囲も非常に狭いものであります。価格変動準備金の積立率の引き下げも、多くの部分について十年もの長い期間がかかる計画になっており、有価証券の譲渡益に対する特別措置の扱いも若干手直しをしたにすぎません。
 社会保険診療報酬課税の特例の是正についても、その特別措置による減収額二千五百七十億円のうち、平年度で一千億円、約四割が是正されたにとどまり、これをさらにどう改革するのか、医療制度全体の中でどう位置づけるのかも不明確なままであります。
 これらは、税の不公平是正に対して政府が全然本気に取り組んでいない事実として、各界から厳しく指摘されているものであり、われわれの承認できないものであります。
 本法案に反対する第二の理由は、今回の改正の主要な幾つかについて、政策目的があいまい、不明確であり、また、逆に新たな不公平につながるものが含まれていることであります。
 たとえば、土地税制の一部手直しは、優良な宅地の供給拡大に資するためと説明されているにもかかわらず、その具体的な計画や見通しもなく、土地価格の急騰という事態についても、効果的な政策を持ち合わしていないのであります。
 さらに、昨年秋、大蔵省は、税制を変えても宅地供給はふえない、現行の負担は、一般事業所得者の税負担と比べても不適当な水準ではないと主張する文書を発表していた経過を考えるならば、今回の提案は、みずからの意見をみずから覆すものであり、国民を欺瞞するものと言わなければなりません。
 また、今回の改正で最も大きい税の増収となる揮発油税の引き上げについても、旧来の特定財源方式のままであり、今後の経済情勢への効果的な対応、総合的な政策展開の視点を欠いたままであります。
 税をめぐる重大な時局であるにもかかわらず、本法案がこのような不明確な内容を持っていることは、政府が確固たる展望と政策を持っていないことを示すものと言わざるを得ないのであります。
 本法案に反対する第三の理由は、政府が、税制改革の真剣な努力よりも、一般消費税を強行しようとする構えをあらわにしていることであります。
 いま緊急に必要なことは、税財政の民主的再建のために、広く国民の参加を求め、謙虚に国民の意見を聞き、公平にして民主的なシステムをつくり出すことであります。現在のように不公平是正を怠り、一般消費税を押しつける政府の態度で、国民の理解が得られるはずはありません。また、納税に対する国民の納得と信頼も得られるはずはないのであります。
 わが党が提案している土地増価税などのキャピタルゲイン課税、退職給与引当金の繰り入れ制限、法人税率への累進税率の導入、利子配当総合課税などの政策を実行するならば、不公平税制の是正によって四兆円を上回る増収が可能であり、税財政の民主的再建への確実な展望が切り開かれるのであります。
 このような当然の課題や、減税についてのわが党の現実的提案も取り上げず、ひたすら一般消費税を強行するために不公平是正の見せかけのポーズをとるだけという内容の、このような法案に賛成することはできないのであります。
 以上の立場から、私ども日本社会党は本法案に反対することを表明し、私の討論を終わります。(拍手)
#60
○議長(灘尾弘吉君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#61
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
    〔議場閉鎖〕
#62
○議長(灘尾弘吉君) 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
#63
○議長(灘尾弘吉君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
    〔議場開鎖〕
#64
○議長(灘尾弘吉君) 投票を計算いたさせます。
    〔参事投票を計算〕
#65
○議長(灘尾弘吉君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百八十一
  可とする者(白票)       二百五十
    〔拍手〕
  否とする者(青票)      二百三十一
    〔拍手〕
#66
○議長(灘尾弘吉君) 右の結果、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
    ―――――――――――――
 租税特別措置法の一部を改正する法律案を委員長報告の通り決するを可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      阿部 文男君    相沢 英之君
      逢沢 英雄君    愛知 和男君
      愛野興一郎君    青木 正久君
      天野 光晴君    荒舩清十郎君
      有馬 元治君    井出一太郎君
      井上  裕君    伊東 正義君
      伊藤宗一郎君    池田 行彦君
      石井  一君    石川 要三君
      石田 博英君    石橋 一弥君
      石原慎太郎君    稲垣 実男君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      稲村 利幸君    今井  勇君
      宇野 宗佑君    宇野  亨君
      上村千一郎君    内海 英男君
      江崎 真澄君    江藤 隆美君
      小川 平二君    小此木彦三郎君
      小沢 一郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    越智 伊平君
      越智 通雄君    大石 千八君
      大塚 雄司君    大坪健一郎君
      大西 正男君    大野  明君
      大平 正芳君    大村 襄治君
      奥田 敬和君    奥野 誠亮君
      加藤 紘一君    加藤常太郎君
      加藤 六月君    鹿野 道彦君
      海部 俊樹君    粕谷  茂君
      片岡 清一君    金子 一平君
      金子 岩三君    金丸  信君
      亀岡 高夫君    唐沢俊二郎君
      川田 正則君    瓦   力君
      木野 晴夫君    木村武千代君
      木村 俊夫君    岸  信介君
      北川 石松君    久野 忠治君
      久保田円次君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 義雄君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      栗原 祐幸君    小泉純一郎君
      小坂善太郎君    小坂徳三郎君
      小島 静馬君    小宮山重四郎君
      後藤田正晴君    河本 敏夫君
      高村 坂彦君    國場 幸昌君
      近藤 鉄雄君    左藤  恵君
      佐々木義武君    佐藤  隆君
      佐藤 文生君    佐藤 守良君
      佐野 嘉吉君    斉藤滋与史君
      齋藤 邦吉君    坂田 道太君
      坂本三十次君    櫻内 義雄君
      笹山茂太郎君    志賀  節君
      始関 伊平君    椎名悦三郎君
      塩川正十郎君    塩崎  潤君
      塩谷 一夫君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 宜伸君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      菅波  茂君    鈴木 善幸君
      砂田 重民君    住  栄作君
      瀬戸山三男君    関谷 勝嗣君
      園田  直君    染谷  誠君
      田澤 吉郎君    田中伊三次君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村  元君
      高鳥  修君    竹内 黎一君
      竹下  登君    竹中 修一君
      谷  洋一君    谷垣 專一君
      谷川 寛三君    玉生 孝久君
      玉沢徳一郎君    地崎宇三郎君
      中馬 辰猪君    津島 雄二君
      塚田  徹君    塚原 俊平君
      辻  英雄君    戸井田三郎君
      戸沢 政方君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    友納 武人君
      中尾 栄一君    中川 一郎君
      中島源太郎君    中島  衛君
      中曽根康弘君    中西 啓介君
      中野 四郎君    中村喜四郎君
      中村 弘海君    中村  直君
      中村  靖君    中山 利生君
      中山 正暉君    永田 亮一君
      楢橋  進君    二階堂 進君
      丹羽 久章君    西田  司君
      西村 英一君    根本龍太郎君
      野田 卯一君    野田  毅君
      野中 英二君    野呂 恭一君
      羽田  孜君    羽田野忠文君
      羽生 田進君    葉梨 信行君
      橋口  隆君    橋本龍太郎君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      服部 安司君    鳩山 邦夫君
      浜田 幸一君    濱野 清吾君
      早川  崇君    林  大幹君
      林  義郎君    原 健三郎君
      原田  憲君    原田昇左右君
      平泉  渉君    廣瀬 正雄君
      福島 譲二君    福田 赳夫君
      福田 篤泰君    福田  一君
      福永 一臣君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤尾 正行君
      藤田 義光君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    古井 喜實君
      古屋  亨君    坊  秀男君
      細田 吉藏君    堀内 光雄君
      堀之内久男君    本名  武君
      前尾繁三郎君    前田治一郎君
      増岡 博之君    増田甲子七君
      松澤 雄藏君    松永  光君
      松野 幸泰君    松野 頼三君
      三池  信君    三木 武夫君
      三原 朝雄君    三塚  博君
      箕輪  登君    水平 豊彦君
      宮崎 茂一君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    向山 一人君
      村上  勇君    村上 茂利君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    森   清君
      森  美秀君    森  喜朗君
      森下 元晴君    森山 欽司君
      保岡 興治君    山口シヅエ君
      山崎  拓君    山崎武三郎君
      山崎平八郎君    山下 元利君
      山下 徳夫君    山田 久就君
      山中 貞則君    湯川  宏君
      与謝野 馨君    綿貫 民輔君
      渡部 恒三君    渡辺 栄一君
      渡辺 紘三君    渡辺 秀央君
      渡辺美智雄君    橋本登美三郎君
 否とする議員の氏名
      安島 友義君    安宅 常彦君
      阿部未喜男君    井上  泉君
      井上 一成君    井上 普方君
      伊賀 定盛君    伊藤  茂君
      池端 清一君    石野 久男君
      石橋 政嗣君    板川 正吾君
      稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君
      上田 卓三君    上原 康助君
      枝村 要作君    小川 国彦君
      小川 省吾君    小川 仁一君
      大出  俊君    大島  弘君
      大原  亨君    太田 一夫君
      岡田 哲児君    岡田 利春君
      加藤 清二君    加藤 万吉君
      角屋堅次郎君    金子 みつ君
      川崎 寛治君    川俣健二郎君
      川本 敏美君    河上 民雄君
      木島喜兵衞君    木原  実君
      久保 三郎君    久保  等君
      栗林 三郎君    小林  進君
      兒玉 末男君    後藤  茂君
      上坂  昇君    佐藤 観樹君
      佐藤 敬治君    佐野  進君
      斉藤 正男君    坂本 恭一君
      沢田  広君    柴田 健治君
      渋沢 利久君    島田 琢郎君
      島本 虎三君    嶋崎  譲君
      清水  勇君    新村 勝雄君
      新盛 辰雄君    鈴木  強君
      田口 一男君    田邊  誠君
      田畑政一郎君    多賀谷真稔君
      高沢 寅男君    高田 富之君
      竹内  猛君    武部  文君
      只松 祐治君    楯 兼次郎君
      千葉千代世君    土井たか子君
      栂野 泰二君    中西 績介君
      中村  茂君    中村 重光君
      西宮  弘君    野口 幸一君
      野坂 浩賢君    芳賀  貢君
      馬場猪太郎君    馬場  昇君
      長谷川正三君    原   茂君
      日野 市朗君    平林  剛君
      広瀬 秀吉君    福岡 義登君
      藤田 高敏君    古川 喜一君
      細谷 治嘉君    松沢 俊昭君
      松本 七郎君    美濃 政市君
      水田  稔君    武藤 山治君
      村山 喜一君    村山 富市君
      森井 忠良君    八百板 正君
      矢山 有作君    安井 吉典君
      山口 鶴男君    山田 耻目君
      山花 貞夫君    山本 政弘君
      湯山  勇君    横山 利秋君
      吉原 米治君    米田 東吾君
      渡部 行雄君    渡辺 三郎君
      渡辺 芳男君    浅井 美幸君
      新井 彬之君    有島 重武君
      飯田 忠雄君    池田 克也君
      石田幸四郎君    市川 雄一君
      小川新一郎君    大久保直彦君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      近江巳記夫君    岡本 富夫君
      沖本 泰幸君    長田 武士君
      鍛冶  清君    貝沼 次郎君
      北側 義一君    草川 昭三君
      草野  威君    古寺  宏君
      権藤 恒夫君    斎藤  実君
      坂井 弘一君    坂口  力君
      鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君
      田中 昭二君    竹入 義勝君
      竹内 勝彦君    武田 一夫君
      谷口 是巨君    玉城 栄一君
      鳥居 一雄君    中川 嘉美君
      西中  清君    野村 光雄君
      長谷雄幸久君    林  孝矩君
      春田 重昭君    平石磨作太郎君
      広沢 直樹君    伏木 和雄君
      伏屋 修治君    二見 伸明君
      古川 雅司君    正木 良明君
      松本 忠助君    宮井 泰良君
      宮地 正介君    矢野 絢也君
      薮仲 義彦君    山田 太郎君
      吉浦 忠治君    和田 一郎君
      渡部 一郎君    青山  丘君
      稲富 稜人君    大内 啓伍君
      春日 一幸君    河村  勝君
      神田  厚君    佐々木良作君
      曾禰  益君    高橋 高望君
      竹本 孫一君    玉置 一弥君
      塚本 三郎君    中井  洽君
      中野 寛成君    永末 英一君
      西田 八郎君    西村 章三君
      宮田 早苗君    山本悌二郎君
      吉田 之久君    米沢  隆君
      和田 耕作君    渡辺 武三君
      渡辺  朗君    安藤  巖君
      荒木  宏君    浦井  洋君
      工藤  晃君    小林 政子君
      柴田 睦夫君    瀬崎 博義君
      瀬長亀次郎君    田中美智子君
      津川 武一君    寺前  巖君
      東中 光雄君    不破 哲三君
      藤原ひろ子君    正森 成二君
      松本 善明君    三谷 秀治君
      安田 純治君    山原健二郎君
      甘利  正君    伊藤 公介君
      大成 正雄君    加地  和君
      川合  武君    菊池福治郎君
      工藤  晃君    小林 正巳君
      河野 洋平君    田川 誠一君
      中馬 弘毅君    中川 秀直君
      永原  稔君    西岡 武夫君
      山口 敏夫君    依田  実君
      阿部 昭吾君    大柴 滋夫君
      楢崎弥之助君    麻生 良方君
      三宅 正一君
    ―――――――――――――
#67
○玉沢徳一郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#68
○議長(灘尾弘吉君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#69
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
#70
○議長(灘尾弘吉君) 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。社会労働委員長森下元晴君。
    ―――――――――――――
 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔森下元晴君登壇〕
#71
○森下元晴君 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、戦傷病者、戦没者遺族等の処遇の改善を図るため、障害年金、遺族年金等の支給額を引き上げるとともに、戦没者等の遺族に対する特別弔慰金及び戦傷病者等の妻に対する特別給付金の支給対象範囲の拡大等を行おうとするもので、その主な内容は、
 第一に、障害年金、遺族年金等の額を、恩給法に準じて昭和五十四年四月分及び同年六月分からそれぞれ引き上げるとともに、遺族年金等と恩給との不均衡を是正すること、また、遺族年金等の支給対象範囲を、いわゆる再婚解消妻に関して拡大すること、
 第二に、未帰還者の留守家族に支給される留守家族手当の月額を、遺族年金に準じて引き上げること、
 第三に、戦没者等の遺族であって、昭和五十年四月から昭和五十四年三月までの間に、公務扶助料、遺族年金等の支給を受けている者が亡くなったもの等に対し、弔慰の意を表するため、特別弔慰金として額面十二万円の国債を支給すること、
 第四に、昭和四十八年四月二日以後に戦傷病者等の妻となった者に対し、その特別な労苦に報いるため、特別給付金として額面五万円の国債を支給すること、
 第五に、昭和五十三年の遺族援護法の改正により、遺族給与金を受ける権利を有するに至った戦没者の妻及び父母等に特別給付金を支給することであります。
 本案は、去る二月十三日付託となり、三月一日の委員会において質疑を終了し、本日採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#72
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#73
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#74
○議長(灘尾弘吉君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後九時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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