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1978/05/08 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 本会議 第23号
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1978/05/08 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 本会議 第23号

#1
第087回国会 本会議 第23号
昭和五十四年五月八日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十一号
  昭和五十四年五月八日
    午後一時開議
 第一 オリンピック記念青少年総合センターの
    解散に関する法律案(第八十五回国会、
    内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組
  合等からの年金の額の改定に関する法律等の
  一部を改正する法律案(内閣提出)及び昭和四
  十二年度以後における公共企業体職員等共済
  組合法に規定する共済組合が支給する年金の
  額の改定に関する法律及び公共企業体職員等
  共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提
  出)の趣旨説明及び質疑
 日程第一 オリンピック記念青少年総合セン
  ターの解散に関する法律案(第八十五回国会、
  内閣提出)
 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規
  約の締結について承認を求めるの件(第八十
  四回国会、内閣提出)
 市民的及び政治的権利に関する国際規約の締結
  について承認を求めるの件(第八十四回国会、
  内閣提出)
    午後一時四分開議
#2
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済
  組合等からの年金の額の改定に関する法律
  等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び
  昭和四十二年度以後における公共企業体職
  員等共済組合法に規定する共済組合が支給
  する年金の額の改定に関する法律及び公共
  企業体職員等共済組合法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明
#3
○議長(灘尾弘吉君) この際、内閣提出、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。大蔵大臣金子一平君。
    〔国務大臣金子一平君登壇〕
#4
○国務大臣(金子一平君) 昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、国家公務員共済組合法等の規定により支給されている年金につきまして、このたび、別途、本国会で御審議をお願いしております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置にならい、その額を引き上げることといたしております。また、国家公務員共済組合の年金制度の現状に顧み、退職年金等の支給開始年齢一引き上げ、高額所得者に対する退職年金の支給制限、退職一時金制度の廃止等の措置を講ずるとともに、健康保険法等の一部を改正する法律案による改正内容に準じ、所要の措置を講ずることといたしております。
 すなわち、第一に、恩給における改定措置にならい、国家公務員共済組合法等に基づく年金のうち、昭和五十三年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、昭和五十三年度の国家公務員の給与の改善内容に準じ、年金額の算定の基礎となっている俸給を増額することにより、年金額を引き上げることといたしております。
 この結果、本年四月分以後、平均で約三・六%程度年金額が改善されることとなります。
 第二に、同じく恩給における措置にならい、公務関係年金及び長期在職者の受ける退職年金等の最低保障額、恩給公務員期間等を有する八十歳以上の老齢者に対する年金額の割り増し措置について改善を図ることといたしております。
 第三に、遺族の置かれている特別な事情にかんがみ、遺族年金に加算される寡婦加算及び遺族加算の額を、それぞれ年額一万二千円引き上げることといたしております。
 第四に、年金受給者の高齢化等に対応して、共済組合の将来にわたる年金財政の健全性の確保を図ること等の見地から、退職年金等の支給開始年齢を現行の五十五歳から六十歳に引き上げることといたしております。
 なお、この支給開始年齢の引き上げにつきましては、組合員の老後の生活設計等も考慮し、段階的に引き上げていくという経過措置を講ずることといたしております。
 第五に、高額所得を有する退職年金受給者につきまして、年金の一部の支給を停止することといたしております。
 第六に、減額退職年金の受給を選択できる場合を原則として五十五歳からに限定するとともに、減額率についても保険数理に適合するものに改めることといたしております。
 なお、これらの改正についても、所要の経過措置を設けることといたしております。
 第七に、通算年金制度がすでに樹立されておりますことから、退職一時金につきましては、この際廃止するとともに、別途、厚生年金の脱退手当金と同様の制度を設けることといたしております。
 第八に、公庫等に出向する職員につきまして、現在の厚生年金と共済年金の二重加入の状態を解消するため、五年を限り、公庫等に出向している期間につきましては共済組合の組合員とすることといたしております。
 第九に、長期給付における国庫負担につきまして、当分の間の措置として、総財源の一先相当を特別に負担することといたしております。
 第十に、共済組合が行う医療給付等の短期給付につきましては、従来から健康保険の例にならってきたところでありますので、別途、今国会で御審議をお願いいたしております健康保険法等の一部を改正する法律案による改正内容に準じ、このたび、共済組合においても同様の改正を行うことといたしております。
 以上のほか、特別の事情により公務上死亡した者の遺族の範囲の緩和、自衛官等に対する特例年金制度の廃止、掛金及び給付額の算定の基礎となる俸給の最高限度額の引き上げ等、所要の改正を行うことといたしております。
 以上、昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)
#5
○議長(灘尾弘吉君) 運輸大臣森山欽司君。
    〔国務大臣森山欽司君登壇〕
#6
○国務大臣(森山欽司君) 昭和四十二年度以後における公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、公共企業体職員等共済組合法に規定する共済組合が支給しております退職年金等につきまして、別途、本国会で御審議いただいております恩給法等の一部を改正する法律案による恩給の額の改定措置に準じ、年金額を引き上げることといたしております。また、公共企業体の共済組合の年金制度の現状にかんがみ、退職年金等の支給開始年齢の引き上げ、高額所得者に対する退職年金の支給制限、退職一時金制度の廃止、国等に出向する職員に関する継続長期組合員制度の創設等の措置を講ずるとともに、別途、本国会で御審議をいただいております健康保険法等の一部を改正する法律案による健康保険法の改正内容に準じ、所要の措置を講ずることといたしております。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、公共企業体の共済組合が支給しております退職年金等のうち、昭和五十三年三月三十一日以前に給付事由が生じたものにつきまして、恩給等の改善措置にならい、その年金額の算定の基礎となっている俸給を昭和五十三年度の国家公務員の給与の改善内容に準じて引き上げることといたしております。
 この結果、本年四月分以後、平均で約三・六%程度年金額が増加されることとなります。
 第二に、同じく恩給等における措置にならうものでありますが、長期在職した者に係る退職年金等及び旧国家公務員共済組合法に基づく殉職年金等の最低保障額を引き上げるとともに、恩給公務員期間等を有する八十歳以上の者に対する年金額の割り増し措置の改善を図ることといたしております。
 第三に、遺族の置かれている特別な事情にかんがみ、遺族年金等に加算される寡婦加算及び遺族加算の額を、それぞれ年額一万二千円引き上げることといたしております。
 第四に、年金受給者の高齢化等に対応して、共済組合の将来にわたる年金財政の健全性を図ること等の見地から、退職年金等の支給開始年齢を現行の五十五歳から六十歳に引き上げることといたしております。
 なお、この支給開始年齢の引き上げにつきましては、組合員の老後の生活設計等も考慮し、段階的に引き上げていくという経過措置を講ずることといたしております。
 第五に、高額所得を有する退職年金受給者につきまして、年金の一部の支給を停止することといたしております。
 第六に、減額退職年金の受給を選択できる場合を原則として五十五歳からに限定するとともに、減額率につきましても保険数理に適合するものに改めることといたしております。
 なお、これらの改正につきましても、所要の経過措置を講ずることといたしております。
 第七に、通算年金制度がすでに樹立されておりますことから、退職一時金制度は、この際廃止することとし、別途、厚生年金の脱退手当金と同様の制度を設けることといたしております。
 第八に、公団等に出向する職員につきまして、現在の厚生年金と共済年金の二重加入の状態を解消するため、五年を限り、公団等に出向している期間も継続長期組合員として共済組合の組合員とすることといたしております。
 また、国または地方公共団体に出向する職員につきましても、公団等に出向する場合と同様に取り扱うことといたしております。第九に、長期給付における公共企業体の負担につきまして、当分の間の措置といたしまして、総財源の一%相当を公経済の主体としての公共企業体が特別に負担することといたしております。
 第十は、短期給付に関する改正であります。従来から、共済組合の短期給付は健康保険の例にならってきたところでありますので、このたび、共済組合の医療給付等におきましても、健康保険の改正内容に準じた改正を行うことといたしております。
 このほか、組合員期間二十年未満の廃疾年金受給者が死亡した場合につきましても遺族年金を支給することとする等、所要の改正を行うことといたしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。(拍手)
     ――――◇―――――
 昭和四十二年度以後における国家公務員共済
  組合等からの年金の額の改定に関する法律
  等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び
  昭和四十二年度以後における公共企業体職
  員等共済組合法に規定する共済組合が支給
  する年金の額の改定に関する法律及び公共
  金業体職員等共済組合法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
#7
○議長(灘尾弘吉君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。山田耻目君。
    〔山田耻目君登壇〕
#8
○山田耻目君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合法及び公企体共済組合法の一部を改正する法律案につきまして、若干の問題点を指摘し、政府の見解をただしてまいりたいと存じます。
 今回提案されておる改正案の骨格は、五種別に及ぶ全共済組合法にかかわるものでございまして、改正点の中心となっておりますものは、一つは、年金支給開始年齢を現行の五十五歳から六十歳に延長するものでありまして、雇用対策、定年延長と絡み、老後の生活設計に重大な影響を与えるものでございます。
 二つは、既裁定年金受給者に対し、三・六%のスライドアップと最低保障額の引き上げ措置でございまして、これは最低限度のものとして賛成をいたします。
 三つ目は、共済の短期給付についての改正でありますが、これは健康保険法の改正と同様でありまして、去る四月二十七日、本会議におきまして、同僚議員から詳細にわたって反対理由を述べたところでございます。したがって、共済組合法改正案の項目中、最も重視すべき点は、共済年金制度改正の第一項にあると言わねばなりません。
 まず第一に、共済年金制度とは何なのか、その性格、本質について明らかにせねばなりません。
 性格は、公務員などの退職後の生活を保障し、補完していく制度でございます。したがって、本質的な運営は、社会保障的な制度を中軸として、社会保険制度で補充していくべきものでなければなりません。
 しかし、現在の共済制度を維持する財政基盤は、保険数理に基づいて、雇用者、被用者の月額掛金制度でございます。その掛金率、負担割合の決定及び配分は、五年目ごとに行う共済財政再計算によって、各単位共済ごとに安定した財政見通しを確立するのであります。しかし、現在の共済組合は、加入者の年齢構成、勤続年数、さらに戦後処理等、歴史の違いによる年金受給者比率の相違によって、財政事情が急速に悪化した共済組合と、そうでないものと、内容はきわめて多様でございます。
 そこで、これらの共済組合について財政安定を図る道は、国庫負担の増加を中心にして、共済組合相互間の財源調整を行う以外に方途はございません。そして同時に、共済組合の一本化、制度の統合化を準備すべきだと思うのでありますが、これらの抜本策を示す方針が、この改正案の中に一カ所といえども見ることができないのでございます。
 総理、こうした諸点は共済組合の基本的運営にかかわる事項でもあり、高度福祉国家、国民皆年金の理念を完熟させるためにも、共済組合の財源措置はどうあるべきなのか、あなたの見解を伺いたいと存じます。
 第二には、現行の共済制度により、懲罰を受けた者が年金受給権を奪われるということは、共済新法成立以前の旧恩給法による制度の名残でございまして、これを払拭して、年金本来の理念である社会保障的性格を色濃くしていくことが、今日の国民皆年金思想に対応する法改正ではないかと考えるのでございますが、その方向も改正点の中で見ることができません。
 これは、他面で給付体系についても関連してくることであり、いかなる性格づけを行っていくかにかかっております。さきの年金制度基本構想懇談会の報告では、「共済組合についても定額部分を導入し、給付体系上、所得再配分的要素を強めていくべきである」といたしまして、いわゆる社会保障的側面を強化していくことを提案しておりますが、現在の共済組合法が持つ社会保険的性格との関連をどのように調整なさろうとするのか、また、給付水準でどのような比率を考えておられるのか、大蔵大臣、運輸大臣の所見を伺いたいと存じます。
 第三には、共済年金を含めた各種年金制度のあり方について、特に、急速に進んでいる高齢化社会の年金問題についてお伺いいたしたいのであります。
 一つには、出生率の低下による実情は、経済活動における人的構成の動向に強く留意しなければなりません。
 昭和二十三年、一世帯四・七六人の出生率があったのでありますが、昭和五十年、一世帯一・九六人の出生率となり、自来出生率は減少の一途をたどっております。中山伊知郎氏が会長をされている生命保険文化センターの「老齢化社会の統計的基礎研究」というレポートを見ますと、経済活動の中で占める四十五歳から六十四歳までの中高年層の比重は、昭和五十三年では二千二百十万人であるものが、二十五年後の昭和七十八年には三千五百十万人と、五九%も増加していくのであります。したがって、高齢化社会の将来展望は、産業構造においても経済活動の分野においても、変化を起こすのは当然性がございます。戦後の高成長時代を支えてきた豊富な若年者人口も高齢化してくるのでありまして、労働力平均年齢は、昭和三十年男子三十七歳、女子三十四歳だったのが、現在は男子三十九・五歳、女子三十九歳になっており、今後この傾向はさらに加速されてまいります。
 私は、この報告書は人口統計に基づいた動態の推計でありまして、事実に即し大差はないものと判断いたしております。政府も、こうした現状を正確に把握して、整合性ある政策の樹立を急がねばならないと思うのであります。
 現在の保険システムによる共済制度のあり方も、五種別がばらばらに分立する共済組合そのものも、なぜ改められないのか。そのことにデメリットこそあれ、メリットはないはずであります。だから、行政官庁は、時代の認識に徹し、なわ張り根性を捨て去り、・共済制度の一本化と財政調整に踏み切り、時代に対応できる体制をつくり上げねばならないと思うのでありますが、いかがでございましょうか、総理及び大蔵、運輸両大臣からお伺いをしたいと思います。
 なお、もっと具体的に大蔵大臣と総理府総務長官に伺いたいのでございますが、共済組合や制度を統合するためには、八種別にも及ぶ各種公的年金制度を避けて通ることはできません。そこで、当面の措置として、三省庁への統合整理はいかがなものかとお伺いをいたします。
 一つは、恩給関係及び旧令共済関係は総理府に所属する。
 二つは、新法共済関係及び厚生年金関係は大蔵省に所属する。
 三つは、国民年金関係及び福祉年金関係は厚生省に所属する。
 当面、年金の一本化は、性格も異なるし、したがって経過措置も容易でないと理解されますので、性格の類似したものを三つの組織にまとめることを考慮したのであります。
 次に、今後の原則的な年金のあり方として、社会保障的原則に立ち、年金財源も長期安定的に考えなくてはなりません。
 現在、八種別もの公的年金制度の将来展望として、被用者年金制度と国民年金制度の二本立てに整理する方針に立って、その実現のためのステップを明らかにしていただきたい。第一段階として共済組合制度の一元化を進め、次いで厚生年金と共済年金との一元化を図るなど、方針と実現のための時間を示すべきであります。私がさきに申した三組織の案は、年金のあり方の原則に至る経過的措置であることに留意し、明確な答弁をお願いをいたします。
 次に、年金支給開始年齢と雇用の関連についてであります。
 六十歳支給を実施するに当たっては、現在の定年制の現状を正しくとらえなければなりません。定年の実際と年金支給年齢に一年でもギャップを生じることは許されないのであります。それは、人間の生存権にかかわる問題であるからであります。
 さらに、生存権に関して言うならば、年金の給付水準をどのように設定していくかが問題であります。現在の年金水準は、一言で言えば、被保険者の平均報酬の六〇%を目標にしておりますが、将来の目標は、全勤労者の平均賃金を基準に置き、中期的な水準としては、国民年金を含め、その最低額を四五%として実現すべきものだと考えております。
 高福祉社会実現のための年金水準をどのように考えておられるのか、明らかにしていただきたいと思います。
 最後に、今回の共済法の改正案は、わが国年金制度全般にかかわるとの観点から問題点を指摘してまいりましたが、共済制度の改正は、支給開始年齢を六十歳まで引き延ばし、二〇%の経費節減をもくろむだけでは、高齢化社会に対応できる適正な対応策とは言えないのであります。この種の法律は、為政者の朝令暮改は許されません。木を見て森を見ない拙速主義的なやり方では、後世に必ず悔いを残すことになります。
 また、企業の実態、職種の差異などから見ても、自衛官、消防士、警察官など、五十五歳支給という特例措置がなされ、現行法が維持されておりますが、たとえば国鉄や都市交通などの業務に従事する機関士、運転士、夜間勤務者、重労務者等には一切特例措置はありません。現実に、老眼をかけてこうした業務に携わり、安全で、しかも確実に業務の遂行をするということは不可能でございます。
 私は、各単位共済ごとに、こうした問題点を十分協議して詰めを行ってもらい、矛盾のない法律改正をせねばならないと思っております。
 したがって、本法律改正の実施時期は昭和五十五年一月一日となっておりますけれども、それを、昭和五十六年一月一日から実施するよう一年間の延長を強く求め、総理及び大蔵、運輸各大臣の率直明快な御答弁をお願いいたし、私の質問を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣大平正芳君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(大平正芳君) 山田さんの最初の御質問は、共済組合相互間の財源調整、それから共済組合の一本化の準備を行う必要があるのではないか、それに要する財源措置はどうするのかという趣旨の御質問でございました。
 共済組合も一、御案内のように公的年金制度の一つでございまして、その財源は、使用者、被用者の支払う保険料を原則として財源にいたしておりますこと、それに一定の公的負担を加えて財政措置を講じておりますことは御案内のとおりでございます。年金制度の改正に要する財源は、安易に公的負担によるべきものではございませんで、原則は、どうしても被保険者の負担によらなければならないものと私は考えております。
 共済組合間の財源調整でございますが、これは各制度の沿革が違いまするし、制度の仕組みも差異がございますので、直ちに調整に着手するということには無理があろうかと考えております。
 それから、第二の御質問は、高年齢化社会に応じまして、共済制度の一本化、財政調整に急いで踏み切る必要があるのではないかという、御意見を含めての御質問でございました。
 いま申し上げましたように、各制度にはそれぞれ沿革もあり、制度の仕組みを異にいたしておりますので、財政調整は困難であることはいま申しましたとおりでございます。しかし、山田さんも御指摘になりましたように、各制度が抱えている問題には共通な点が多うございますので、これまでも関係各省の連絡、協議を通じまして対応策の研究に当たってまいりましたけれども、一層精力的に検討を進めていかなければならぬことは私も同感でございます。
 最後に、共済年金支給開始年齢の引き上げでございますが、これは一年延期いたしまして、十分検討した上でやるべきでないかという御意見でございます。
 しかし、いま御提案申し上げておる法案自体、相当期間をかけまして検討を遂げたものでございますし、経過措置も講じてございます。それからまた、いまの各組合の財政状況というものを見る限りにおきましては、年齢引き上げは速やかに実施すべきものと私は考えております。
 自余の問題は関係大臣からお答えいたします。(拍手)
    〔国務大臣金子一平君登壇〕
#10
○国務大臣(金子一平君) 山田さんにお答えいたします。
 第一点の、共済組合法が持つ社会保険的な性格と、社会保障的な性格との調整をどうするか、給付水準でどのような比率を考えておるかという点でございますが、共済年金につきましても、昭和四十九年にいわゆる通年方式を導入したことによりまして、厚生年金と同様の定額部分は保障しておりまして、その点では所得再配分的要素を加味されることとなっております。共済年金独自で定額部分を導入するかどうかにつきましては、国家公務員共済組合審議会等で従来から御審議願っておるのでございますが、今後さらに慎重に検討を進めていきたいと考えております。
 それから第二点の、共済制度の一本化と財政調整の問題につきましては、すでに総理からお答えがございましたので、そのとおりに考えておりますので省略させていただきます。
 第三点の、幾つかの共済組合や制度を統合するために、過渡的な措置として三つの省庁に整理統合をする考え方はどうかという点でございますが、現在の各年金制度は、それぞれ沿革及び性格等から密接な関係を有する官庁が所管しておりまして、いま直ちに御指摘のような三省庁に統合することには問題がございます。特に、厚生年金を大蔵省が所管することにつきましては、むしろ問題が多いのではないかと考えておるのでございます。
 次に、高福祉社会実現のための年金水準をどう考えておるかという問題でございますが、わが国の年金水準を厚生年金について見ますと、五十一年度の大幅な給付改善の結果、標準的な老齢年金の水準としては、平均標準報酬月額のおおむね六割に相当する九万円年金を実現いたしております。その後さらに、物価スライドによりまして、五十二年度には九万八千円、五十三年度には十万四千円、五十四年度には十万八千円と上昇してきておるのでありまして、かような厚生年金の水準は、絶対額として見ましても、国際的に全く遜色のないものと考えておる次第でございます。
 最後の、本改正案の実施時期を一年ずらしたらどうかという考え方につきましては、総理もお答えになりましたように、すでに各方面の審議を尽くしておりますので、速やかに実施するのが望ましいと考えております。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣森山欽司君登壇〕
#11
○国務大臣(森山欽司君) 国鉄の共済年金財政が、組合員または被保険者百人に対して年金受給者が六十一人になっておる、まさに危機的な様相を深めておる現在でございますから、ただいま山田議員からの御質問は、切実に感じている点を御指摘をしていただいたものと心得ております。
 このたびの政府提案の改正案につきましては、すでに総理、大蔵大臣からおおむねお答えになられたわけでございますが、公共企業体の共済年金制度も基本的には社会保障制度の一環であり、他方では公共企業体における職域年金としての性格もあわせて持っているものでありますことは、ただいま大蔵大臣の答弁のとおりであると考えております。
 また、公共企業体の共済年金におきましても、国家公務員の共済年金と同様、厚生年金の定額部分については保障する措置はすでに講じているところでありまして、今後、共済年金独自の定額部分を導入することにつきましても、関係方面とも協議いたしまして、なお慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
 次に、年金支給開始年齢の引き上げの実施時期の問題でありますが、ただいま大蔵大臣から答弁がありましたように、この問題につきましては関係者間で相当期間検討を行って改正することといたしたものであり、また、十分な経過措置を設けて無理のない移行を図っておりますので、今後の年金財政を考慮いたしますれば、速やかに実施するのが望ましいものと考えております。(拍手)
    〔国務大臣三原朝雄君登壇〕
#12
○国務大臣(三原朝雄君) 私に対する御質問は、具体的な問題、特に、過渡的な措置として恩給関係及び旧令共済関係を総理府で所管してはどうだという御意見でございます。
 大蔵大臣から一般的なお答えはございましたが、御高承のとおり、旧令共済制度は国家公務員共済制度の前身をなすものでありまして、恩給制度とは別個な運営をして今日まで参ったことは御承知のとおりでございます。したがいまして、いま御指摘の点につきましては、直ちに実施するということは困難な問題であると考えておるところでございます。しかしながら、将来、公的年金制度の所管の問題も含めまして全般的に見直し、検討がなされるというような時期になりますれば、当然検討をなすべきものであろうと考えておるところでございます。(拍手)
#13
○議長(灘尾弘吉君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第一 オリンピック記念青少年総合セン
  ターの解散に関する法律案(第八十五回国
  会、内閣提出)
#14
○議長(灘尾弘吉君) 日程第一、オリンピック記念青少年総合センターの解散に関する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文教委員長坂本三十次君。
    〔坂本三十次君登壇〕
#15
○坂本三十次君 ただいま議題となりました法律案について、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、特殊法人の整理合理化を図るため、オリンピック記念青少年総合センターを解散し、健全な青少年の育成及び青少年教育の振興を図るための機関として、文部省に国立オリンピック記念青少年総合センターを設置することなどを内容とするものであります。
 本案は、第八十四回国会に本院において可決され、参議院に送付されましたが、同院において審査未了となりましたため、再び第八十五回国会に本院に提出され、以来、今国会に継続審査となっているものであります。
 今国会におきましては、去る四月十一日文部大臣より提案理由の説明を聴取し、同月二十七日質疑を行いましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。
 かくて、同日質疑を終了いたしましたところ、近藤鉄雄君外二名から、本案に対し、施行期日を公布の日の翌日に改める等の修正案が提出されました。
 次いで、討論の後、採決の結果、本案は賛成多数をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#16
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#17
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
#18
○玉沢徳一郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、第八十四回国会、内閣提出、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の締結について承認を求めるの件、市民的及び政治的権利に関する国際規約の締結について承認を求めるの件、右両件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#19
○議長(灘尾弘吉君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際
  規約の締結について承認を求めるの件(第
  八十四回国会、内閣提出)
 市民的及び政治的権利に関する国際規約の締
  結について承認を求めるの件(第八十四回
  国会、内閣提出)
#21
○議長(灘尾弘吉君) 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約の締結について承認を求めるの件、市民的及び政治的権利に関する国際規約の締結について承認を求めるの件、右両件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長塩谷一夫君。
    〔塩谷一夫君登壇〕
#22
○塩谷一夫君 ただいま議題となりました二件につきまして、外務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 これらの二規約は、昭和二十三年十二月第三回国際連合総会において採択された世界人権宣言の内容を敷衍して作成された国際条約であって、昭和四十一年十二月第二十一回国際連合総会において採択され、昨年五月三十日政府が署名したものであります。
 まず、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約は、基本的人権のうち、主として労働の権利、社会保障についての権利、教育についての権利等、いわゆる社会権の完全な実現を漸進的に達成するため、締約国が行動をとることをその主な内容とするものであります。
 また、市民的及び政治的権利に関する国際規約は、基本的人権のうち、主として生命に対する固有の権利、身体の自由、思想の自由等のいわゆる自由権が、人種、性、言語、宗教等によるいかなる差別もなしに尊重され、確保されるように、締約国が必要な措置をとるため、行動をとることをその主な内容とするものであります。
 なお、経済的、社会的、文化的権利に関する規約の署名に際し、政府は、公の休日についての報酬、同盟罷業をする権利、中等教育及び高等教育における無償教育の漸進的導入についての規定に関し留保を付しております。
 また、両規約の関係規定にいう警察の構成員には、わが国の消防職員が含まれると解する旨の宣言を行っております。
 以上二件は、第八十四回国会に提出され、今国会に継続されたものであります。
 本国会におきましては、参考人を招致して意見を聴取する等、七日間にわたり慎重な審査が行われたのでありますが、その詳細は会議録により御承知を願います。
 かくて、本八日質疑を終了し、引き続き採決を行いました結果、以上二件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決いたしました。
 なお、両件に対し、要望決議を付しましたことを申し添えます。以上、御報告申し上げます。(拍手)
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#23
○議長(灘尾弘吉君) 両件を一括して採決いたします。
 両件は委員長報告のとおり承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#24
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、両件とも委員長報告のとおり承認するに決しました。
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#25
○議長(灘尾弘吉君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時五十二分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  大平 正芳君
        外 務 大 臣 園田  直君
        大 蔵 大 臣 金子 一平君
        文 部 大 臣 内藤誉三郎君
        運 輸 大 臣 森山 欽司君
        国 務 大 臣 三原 朝雄君
 出席政府委員
        大蔵省主計局次
        長       禿河 徹映君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部長 山地  進君
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ソース: 国立国会図書館
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