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1978/05/19 第87回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第087回国会 本会議 第26号
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1978/05/19 第87回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第087回国会 本会議 第26号

#1
第087回国会 本会議 第26号
昭和五十四年五月十九日(土曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十五号
  昭和五十四年五月十九日
    午後一時開議
 第 一 日本専売公社法等の一部を改正する法
     律案(内閣提出)
 第 二 船員の雇用の促進に関する特別措置法
     の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第 三 防衛庁職員給与法の一部を改正する法
     律案(内閣提出)
 第 四 繭糸価格安定法の一部を改正する法律
     案(農林水産委員長提出)
 第 五 農業者年金基金法の一部を改正する法
     律案(内閣提出)
 第 六 通信・放送衛星機構法案(内閣提出)
 第 七 昭和五十二年度一般会計
     予備費使用総調書及び各
     省各庁所管使用調書(そ
     の2)
     昭和五十二年度特別会計
     予備費使用総調書及び各
     省各庁所管使用調書(そ
     の2)
     昭和五十二年度特別会計
     予算総則第十一条に基づ
     く経費増額総調書及び各
     省各庁所管経費増額調書 (承諾を求
     (その2)       めるの件)
 第 八 昭和五十三年度一般会計
     予備費使用総調書及び各
     省各庁所管使用調書(そ
     の1)
     昭和五十三年度特別会計
     予備費使用総調書及び各
     省各庁所管使用調書(そ
     の1)
     昭和五十三年度特別会計
     予算総則第十一条に基づ
     く経費増額総調書及び各
     省各庁所管経費増額調書 (承諾を求
     (その1)       めるの件)
 第 九 昭和五十二年度一般会計国庫債務負担
     行為総調書
 第 十 昭和五十二年度特別会計国庫債務負担
     行為総調書
 第十一 昭和五十三年度一般会計国庫債務負担
     行為総調書(その1)
 第十二 エネルギーの使用の合理化に関する法
     律案(第八十四回国会、内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 会期延長の件
    午後一時四十三分開議
#2
○議長(灘尾弘吉君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 会期延長の件
○議長(灘尾弘吉君)会期延長の件につきお諮りいたします。
 本国会の会期を六月十四日まで二十五日間延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。
 本件につき討論の通告があります。順次これを許します。加藤万吉君。
    〔加藤万吉君登壇〕
#3
○加藤万吉君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました政府並びに自民党の御都合主義に基づく会期延長の乱用について、抗議の意思を含めて強く反対の意思を表明するものであります。(拍手)
 さて、本院は、第三十四回総選挙以来、第八十回、八十二回、八十四回国会と、いずれも、わが党の反対を押し切って会期は延長をされています。
 そもそも、わが国会における会期制度は、その会期における独立性と、会期不継続の原則の上に議会政治が成り立ち、これを侵すことは何人も許さないという確固たる慣行こそが、今日までの民主主義を支えてきたものと確信をするのであります。しかるがゆえに、もしその会期中に成立を見ない案件はこれを廃案にするとともに、さらに、国民にとって重要案件は、これを特別の議決をもって継続案件とする政治的配慮を加えた先人の知恵まで添えて、議会制民主主義を守り抜いてきたのであります。
 しかるに、政府・自民党は、保革伯仲を選択した国民の意思を正確に政治に反映することを拒否し、無定見、御都合主義、そして手前勝手な理屈の上に、任期中すでに数回にわたり大幅な会期延長を試み、今回もまた二十五日に及ぶ会期の大幅延長を安易に図ろうとするたび重なる暴挙は、議会制度の上からも断じて許すことができないのが第一の理由であります。(拍手)
 さらに、今回会期延長を図る理由は、国民の総批判の的である健康保険法の改悪、たばこ値上げ法案等、国民に背を向ける法案の議了のためのものであり、加えて、国民の多数の反対を押し切ってまで元号法案の参議院における強行成立を図ろうとする意図以外の何物でもありません。さきの建国記念日の制定、靖国神社への総理の参拝等と相まって、日本の政治を再び暗黒の時代に大きく逆戻りをさせるものとして、断じて許すことのできないものであります。(拍手)
 第三の理由は、今回の会期延長をせざるを得なくなった理由が、政府・自民党が口にする議案に対するわが党の慎重審議の要求の結果ではなく、政府・自民党がみずからまいた犯罪的色彩を色濃く落としたダグラス、グラマンの国会審議をめぐる、政府・自民党内部事情による空白に基づくものであることを指摘をしないわけにはまいりません。(拍手)
 この四カ月間、わが国を揺すぶり続けてきた日商岩井の航空機疑惑事件は、折からのロッキード事件の東京地方裁判所における大久保被告の政治権力中枢部に突き刺さる疑獄汚職の証言と相まって国民の政治不信をよりかき立て、その払拭のためにも徹底的な解明を望まれているところであります。
 国民の側からすれば、ロッキード事件はまだ救いの道があります。それは、田中元総理が裁きの庭に立ち、その罪状が一つ一つ明らかになることによって、政治工作とその犯罪性、さらには、政治献金の究明によって明らかにされる金権政治の体質と構造、これらの経過を知ることによって、国民は批判をする対象を明らかにすることができるからであります。
 しかし、今回の航空機疑惑事件は、本院航空機輸入調査特別委員会での検察報告でも明らかなとおり、刑事事件としての犯罪行為と、その事実行為と経過のみの報告であり、政府高官の職務権限や犯罪行為等は法律の時効の壁にさえぎられ、また、政治家の道義的政治的責任の所在、さらには進んで、金権政治の体質、再発防止等々、国民に明らかにすべき課題はすべて国会の自主的審議にゆだねられているといった結論に終始をし、世論は当然のこととしてこの解明を本院に求めているのであります。この国民の疑問を解明する場は、今事件に限っては国会しかないのであります。
 私は、昭和初期、政党政治の腐敗と堕落がやがてみずからを自殺行為に追いやり、国民をして政治に物が言えない時代を招いたことを知っています。それだけに、本院に籍を置く者は、連続して起きた航空機疑惑事件に、私心と私情を捨て、党派を超えてその解明に当たる真剣な決意が要請をされ、願わくば、本院を代表する議長もこのことを重視をして国会運営に当たり、政党政治の命運をかけて、その信頼を取り戻すべきではないかと思うのであります。(拍手)
 今日、会期延長なしには懸案中のすべての法案が廃案のおそれになるという事態を招いたのは、かねてからわが党を初め野党各党の証人喚問の要求を受け入れず、十分な時間と余裕があるにもかかわらず、党利党略の中に会期末審議を放棄をした政府・自民党の消極的姿勢と、事態の重要性を顧みず、本件を覆い隠そうとする国会対策の結果であり、その責任は挙げて政府・自民党にあることを抗議をするとともに、速やかに、岸元総理の証人喚問を含め、事態解明の処置をとられることを強く要求して、私の反対討論を終わります。(拍手)
#4
○議長(灘尾弘吉君) 三塚博君。
    〔三塚博君登壇〕
#5
○三塚博君 私は、自由民主党を代表いたし、ただいま議長より発議をされました五月二十一日から六月十四日までの二十五日間の会期延長案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)第八十七国会も、本日を入れまして余すところ一日ということに相なりました。法案の審議状況に目を通してみますと、提出法案六十八件のうち、両院を通過、成立いたしましたもの二十六件、いまだ本院で審議中のもの三十一件、ただいま参議院において審議がされ出しておりますもの十一件、条約におきましては十六件のうち承認がわずかに三件であります。すなわち、未成立の法律案四十二件、未承認の条約案十三件でありまして、合わせて実に五十五案件が審議の過程にあるのであります。
 本年度予算が成立をいたしましてから二カ月たっておるのでありますが、政治の緊急課題たるわが国経済の安定的成長の促進、雇用創出等々、予算の目指す目標がいまだ実現、達成をされておりません。これを執行し、達成してまいりますためにも、どうしても関係法案の成立を期してまいらなければなりませんし、特に、財政の根幹をなすとも言われる日本専売公社法の一部を改正する法律案等に象徴される歳入法案の成立を期さなければなりませんことは、論をまたないのであります。(拍手)また、国民待望の恩給法あるいは共済年金法の一部を改正する法律案等の成立を図りますととも、本院の当然の責任であります。(拍手)
 もし仮に、ただいまの論のように、会期延長案に反対し、そのすべての法律案を未成立に終わらしめることになりましたならば、国民に対しその弁明やいかん、私のとうてい釈明のなし得るところではないのであります。(拍手)本院の議員といたしましても、国民各位の負託にこたえているものとはとうてい言いがたいことであると思うのであります。(拍手)
 ましてや、国民の八〇%以上の人たちが支持をし、賛成をし、ほとんどの都道府県議会及び市町村議会におきまして元号法制化の意見書が採択をされるなど、その成立の一日も早からんことが渇望されておるのであります。この元号法が四月二十四日本院において、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブ、わが自由民主党の賛成多数をもって可決をされ、参議院に送付をされたのでありますが、いまだ成立を見ておらぬことは残念であります。元号は、わが国民族の長年にわたる伝統的文化であり、かつまた、国民の日常生活におきましても長年使用をされて、広く国民の間に定着をいたしておる。この元号の法制化を達成し、もって国民の期待に沿うためにも、十分な審議日数が必要でありますことは御案内のとおりであり、多くの方の賛成を得るところであると信じて疑わないのであります。(拍手)
 さらに付言をいたしますならば、与野党より提出をされております議員立法もいまだ審議が行われておらぬのであります。
 特に、今国会は、地方統一選挙がございまして、三月十四日都道府県知事選挙の告示以来、市町村長及び議員の投票が行われました四月二十二日までの四十日間は事実上の自然休会の状態に等しく、ここにも会期延長の必然性が存在するのであります。(拍手)
 また、例年召集をされる常会のことでありますが、国会法の定めるところにより、十二月に召集をされ、実質審議は一月下旬から行われ、約一カ月は自然休会となることが慣例化いたしておるのであります。このことは、会期の効率的運営、また会期のあり方などにつきましても、この一カ月間の休会というものを真剣に論議をすべき時期に到来をいたしておるのではないかと考えるのであります。
 いまや、わが国内外の情勢きわめて多事多難であります。これに機動的に対処し、国民の信頼にこたえ、もって政治の信頼を保持するためにも、議長の発議をされました二十五日の会期延長は、まさに緊急かつ必要であり、妥当なものであると信じて疑わないのであります。
 なお、この際、私は、今後の国会運営について一言申し述べさせていただきます。
 言うまでもなく、議会制民主主義の大原則は、与野党を問わず政治の責任を果たすことにありますことは論をまちません。そのためには、国会審議を精力的に行うことにあり、かつ、本院の審議の場を通じて国民の声を国政に反映し、かつまた政策を起こし、立法を行い、国民の信頼にこたえるところにあると思うのであります。
 今回の証人喚問問題をめぐっての十日間の長時日にわたる審議中断は、理由はともあれ、まことに遺憾でございまして、大いに反省、是正すべきものではないでしょうか。当該委員会に起きた問題はその委員会の責任において解決すべきでありまして、その解決の手段として他の委員会の審議まで中断に巻き込むなどは、本末転倒のそしりを免れないことであります。(拍手)委員会中心主義の国会法のあり方からいきましても断じて許されるべきことではありませんし、あくまで国会は審議を行う場であるという、当然過ぎるこの原理を知らないで何で代議士かということを言わざるを得ない。この審議第一主義の責任体制を確立されてこそ議会政治の原点があるのでありまして、このことは、与野党を問わず取り組むべき今後の最大の課題であります。
 以上、所懐の一端を申し述べまして、この議長の提案に対し、自由民主党を代表し、賛意を表し、賛成討論にかえます。終わります。(拍手)
#6
○議長(灘尾弘吉君) 山田太郎君。
    〔山田太郎君登壇〕
#7
○山田太郎君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました二十五日間に及ぶ会期延長に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 言うまでもなく、今国会に課せられた使命は、長期化する不況、雇用不安を一日も早く解決するとともに、航空機疑惑をめぐる徹底究明と、その再発防止の施策を確立し、国民の政治不信を払拭することにあります。
 しかるに、与党自民党は、わが党初め各野党が一致して強くその実現を要求した政治家の証人喚問にあくまで拒否の姿勢を続け、やむなく各野党が航空機輸入に関する調査特別委員会に提出した政治家喚問要求動議に対し、その審議を拒否し、会期末国会の貴重な十日間を空転浪費したことは、国民の疑惑解明への強い願望を全く無視するものであり、断じて許されざるところであります。(拍手)
 このような与党自民党の態度により、国民生活に直結する法案がいまだ多数成立しない現況に対し、その責任と怠慢を厳しく追及するものであります。(拍手)
 しかし、わが党は、元号法案の成立のため、また、国民生活擁護のための生活関連法案の成立を期するため、一週間か十日間程度の小幅な会期延長は賛成するにやぶさかではありません。今国会において、公明、民社両党がその実現に尽力した老齢福祉年金の二万円支給を初めとする各種年金の支給額引き上げを図る国民年金改正法案や、雇用保険法改正案、原子爆弾被爆者特別措置法案などの成立であります。
 しかるに、自民党が主張する二十五日間という大幅な会期延長は、たばこ値上げ法案などの成立をもくろんだものであり、断じて容認できません。(拍手)たばこ値上げ法案は、政府が直面する財政難を安易な大衆負担の強化によって克服しようとしている不当な便乗値上げであり、諸物価への著しい影響も必至であります。また、法定制緩和こそ、財政民主主義のルールを形骸化する何物でもありません。
 したがって、たばこ値上げ法案などの成立を目的とした会期延長に対しては強く反対し、討論を終わります。(拍手)
#8
○議長(灘尾弘吉君) 西田八郎君。
    〔西田八郎君登壇〕
#9
○西田八郎君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま議長から発議されました今国会の会期を二十五日間延長することについて、賛成の討論を行います。(拍手)
 そもそも、民主主義のルールとして、定められた時間内または期間内に秩序正しく質疑、討論し、所定の成果を上げるため、その会議の構成員が一致して協力することが望ましいことであることは言うまでもありません。したがいまして、できる限り所定期間内にすべての議事を終わらせることが望ましいことは言うまでもないところであります。
 しかし、本第八十七国会の会期中には、予期されたこととはいえ、都道府県知事選挙を初め、延べ三十九日に及んでいわゆる統一地方選挙が実施されましたし、また、会期末には、政府・自民党の責任とはいえ、航空機問題に関する証人の喚問などをめぐり貴重な時間を空費させました。まことに遺憾と言わざるを得ません。わが党は、この点に関し、政府・自民党の責任を厳しく追及するとともに、強くその反省を求めるものであります。(拍手)
 が、しかし、そのために、長期不況のため職場を失った多くの人たちや、また減量経営の中で新しい雇用を求める人々、あるいは年金を頼りに生活をしておられる老齢者の方々や、身体障害者、母子福祉世帯の方々など、国の温かい福祉施策に期待する人々が、今国会におけるこれらの法律の改正に多くの希望と期待をかけられているところであります。
 ところが、それらに関連する諸法案、すなわち、雇用関係法の改正案、特定離職者に対する特別措置法の改正案、国民年金の改正案など、多くの国民生活に関連する法案が参議院で審議中でありますとともに、わが党が国民的世論を背景として積極的にその制定を推進してきた元号法案も、まだ参議院での審議が終わっていない状況にあります。
 加えて、航空機輸入に関する疑惑を解明するため、一週間の空白の中で熱心に討論され、ようやくその合意が得られ、証人喚問が行われようとしている現時点において、前述の諸法案を成立させ、また、国民の前に航空機輸入に絡まる疑惑の真相を究明するとともに、その汚職の構造問題を解明することこそ、われわれこの国会に課せられた重要な使命であると言わざるを得ません。(拍手)
 したがって、わが党は、冒頭申し述べましたように、政府・自民党の責任は責任として追及し、強く反省を求めますが、また一方、責任野党として、以上申し述べた理由により本件会期延長に賛成であることを申し述べまして、私の討論を終わります。(拍手)
#10
○議長(灘尾弘吉君) 寺前巖君。
    〔寺前巖君登壇〕
#11
○寺前巖君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいまの会期延長提案に強く反対するものであります。(拍手)
 その理由は、国民の立場から見て、今国会の会期をさらに延長する必要は全くないと考えるからであります。
 そもそも、自民党が議案の審議状況にかんがみなどと称して二十五日間の会期延長を求めてくること自体、自己の責任をたな上げにした、見当違いもはなはだしい議論だと言わなくてはなりません。(拍手)私たちの航空機疑惑にかかわる証人喚問動議を不当に拒否し、国会を空転させ、正常な会期末の国会運営を不可能にしたのは、ほかならぬ自民党ではありませんか。(拍手)
 国政の中枢に君臨し、底知れぬ航空機疑惑に関与し、莫大な金銭の授受が行われたと言われる政治家が、時効などを理由に一切の刑事責任が不問にされるという事態の中で、国民のいら立ちはその極に達しております。国会において岸、松野両氏の証人喚問を行い、事件の真相解明と関係政治家の政治的道義的責任を明らかにすることは、国会に課せられたいまやまさに国民的総意となっております。
 ところが、大平内閣と自民党は、この国民の総意には平然と背を向け、十日間にもわたる会期末の国会空転をみずからつくり出しておきながら、今度は、そのために生まれた法案審議のおくれなるものを口実に会期の延長を行い、元号法案などの悪法のごり押しをやろうとしているのであります。党利党略もきわまれりと言わざるを得ません。(拍手)
 会期延長を求める大平内閣・自民党の最大のねらいが元号法案の成立にあることは、だれの目にも明らかであります。元号法案は、憲法の国民主権の原則に逆行する重大な反民主的法案であり、会期の延長によって成立させるようなことは、断じて許すことはできません。
 改めて言うまでもなく、日本国憲法は、主権が国民に存することを厳粛に宣言しております。法律によって、天皇の在位期間に応じて改元することを求めることが、憲法に明記された国民主権の原則に逆行するものであることはきわめて明瞭であります。新皇室典範から元号制定の項が削除されたことや、一九四六年に企てた元号法制化が断念せざるを得なかった、これらの事実は、いずれも憲法の国民主権の原則に反すると解されたからにほかなりません。
 ここで特に私が強く指摘したいのは、国民の意思、世論の尊重という問題であります。確かに、元号の存続それ自体については、今日なお多くの国民が肯定的だという現状があります。しかし、元号の法制化となると、国民の八割、実に圧倒的多数の国民が反対もしくは不同意であります。つまり賛成していないのであります。この数字は、政府が国会で法案の趣旨説明を行った後の新しい各種の世論調査においても、少しも変わっておりません。すなわち、わが党が指摘してきたように、このことは、元号法制化実現に込められている危険な動向に国民はきわめて大きな関心を持っていることを示しているのであります。
 そもそも、いかなる紀年法を採用するかということは、すぐれて文化的な事柄であり、国民的合意の形成にまつべきものであって、法律の制定によって国民に強制するがごとき非文化的愚行は、断じてなすべきではありません。
 さらに、自民党が会期延長で企図しているのは、いわゆるたばこ値上げ法案や健康保険法改正案など、国民の利益と相入れない悪法の成立にあります。たばこ値上げ法案は、単に当面の価格の値上げというにとどまらず、国鉄運賃と同様、法定制の緩和を導入し、政府の裁量でいつでも値上げでき偽ようにしようとするものであります。また、健康保険法改正案は、入院時、初診時負担の大幅引き上げに加えて、新たに薬代の半額負担やボーナスからの保険料徴収をも導入しようとするものであり、ともに国民生活にきわめて大きな負担を強いるものであります。
 以上のように、政府・自民党が会期延長で成立させようとしている法律案のその多くは国民の要求に反するものであり、会期延長によって可決すべきものでは全くありません。航空機疑惑の真相解明や関係政治家の政治的道義的責任の追及は、国会の閉会中審査によっても十分可能であり、現にロッキード事件の際に行われたことであります。
 以上、私は、重ねて不当な会期延長を強く糾弾して、反対討論を終わります。(拍手)
#12
○議長(灘尾弘吉君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#13
○議長(灘尾弘吉君) 採決いたします。
 会期を六月十四日まで二十五日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#14
○議長(灘尾弘吉君) 起立多数。よって、会期は二十五日間延長するに決しました。(拍手)
     ――――◇―――――
#15
○玉沢徳一郎君 議事日程は延期し、本日はこれにて散会されんことを望みます。
#16
○議長(灘尾弘吉君) 玉沢徳一郎君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(灘尾弘吉君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十人分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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