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1949/02/08 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第10号
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1949/02/08 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第10号

#1
第007回国会 大蔵委員会 第10号
昭和二十五年二月八日(水曜日)
   午前十一時二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○臨時通貨法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○小委員長の報告
○雪害地方の税軽減及び課税方法改善
 に関する請願(第三九号)
○山林関係の税制改革等に関する請願
 (第一七六号)
○雪害地方の課税方法改善に関する請
 願(第二二四号)
○倉庫業の諸税改善に関する請願(第
 二八七号)
○土建労働者に対する税法改正に関す
 る請願(第三三九号)
○中小商工業者に対する税制改革の請
 願(第三五九号)
○理容業者の所得税課税額査定改正に
 関する請願(第三八二号)
○港湾運送業者の税制改革に関する請
 願(第三八九号)
○白水晶及びその製品の物品税率改訂
 に関する請願(第四一四号)
○水晶、めのう並びにその製品に対す
 る物品税率変更の陳情(第一五号)
○自動車関係の諸税撤廃に関する請願
 (第六四号)
○所得税の基礎控除引上げに関する請
 願(第七一号)
○医師及び歯科医の登録税廃止に関す
 る請願(第二九七号)
○ミシンの物品税免除に関する陳情
 (第二号)
  ―――――――――――――
#2
○理事(黒田英雄君) これより大蔵委員会を開会いたします。
 本日は臨時通貨法の一部を改正する法律案を議題といたしまして御審議をお願いいたします。前回御質疑がありましたのですが、尚御質疑のおありの方はお願いをいたします。
#3
○米倉龍也君 これは御説明があつたかと思うのですが、理由に、「通貨を順次整備」ということがございますが、整備の構想というか、方針というか、それはもう御説明になつたのですか。御説明になれば私はよします。なりましたか。この理由書に、「順次整備するため、新たに」……
#4
○理事(黒田英雄君) 御質疑願いましよう。
#5
○米倉龍也君 それじや私それを御質疑申上げます。この整備という二字は、どういう一体方針を政府はお採りになつて、その一環としてこれを新たにしたという解釈になるのですか、その点をお述べをお願いいたします。
#6
○政府委員(伊藤隆君) 御説明いたします。今回御審議願つておりますものは、十円の硬貨の発行についてのお許しを得るという点にあるのでありますが、大体その構想といたしまして、実は現在までのところインフレーションが非常に進行いたしましたので、その都度いろいろな硬貨も出ましたり、それから政府紙幣が出ましたり、日本銀行券等もいろんな種類が出て参つたのであります。経済が漸次安定をして参りましたので、この際大体こういう構想で進んだらどうかというように考えておるのです。それはまあ貨幣の購買力から申しますと、資産の再評価の基準等でシャウプ博士の勧告等にもありますように、百倍乃至二百倍に戦前に比べて物価がなつておりますので、まあ百円券は大体昔の一円以下の価値しかない。これに対しましていろいろ議論がありまして、例えば百円を一円にするというふうな、何といいますかデノミネーシヨンをしたらどうかという議論がありまするけれども、先般大蔵大臣も衆議院で御言明になりましたように、デノミネーシヨンという考えは現在のところ全然持つておりませんので、むしろ資産の再評価というような感じと同じように、現在の貨幣価値をそのまま事実として、貨幣の方をそれに合せて行く。従いまして一円、五円、十円、五十円というふうなものは、まあ非常に大雑把に申しまして、昔の一銭、五銭、十銭、五十銭というような感じのものでございますので、この際段々硬貨、コインの方に改めて参る。それから百円、五百円、千円というようなものは、昔の一円、五円、十円というような感じのものでございますので、只今百円券と千円券が出ておりますが、場合によりまして、五百円券の発行も考える。それからさつき申しました中で、五十円の硬貨というものは、まだ今回の法律の改正にはお願いをいたしておりませんけれども、場合によりまして五十円の銀貨を出すということも考えたらどうだろう。大体全体の構想は、只今申上げましたように、百円、五百円、千円というようなものは、一円、五円、十円というような感じで日本銀行券、それから一円、五円、十円、五十円というようなものは、一銭、五銭、十銭、五十銭というような感じで硬貨にして参る。それから一円以下の端数は、これは現在においても配給物等でいろいろありますが、いずれこの政府の收入支出に関します限りは、一円以下の端数を切捨てるということの法律案の御審議を願いたいと思います。問題は公団からの米の配給の値段でありますが、これを研究中でありますけれども、一円以下の端数というようなものは、一円は昔の一銭乃至五厘でございますので、端数切捨をして行つたらどうだろうかというような構想を意図して、今回十円の硬貨を作ることのお許しを願う法律をお願いいたしたわけであります。
#7
○理事(黒田英雄君) 他に御質疑ございますか。
#8
○九鬼紋十郎君 この昭和二十二年の五十銭の金属の貨幣ですが、これと一円の金属の貨幣と、実際メタルとしての市場価値からいつてどういうふうに純分は違うのでありますか。
#9
○政府委員(伊藤隆君) 前の五十銭と一円ですか、あれの性質は同じだろうと思います。ただ貨幣としては段々とインフレのときに少しづつ出したのですから五十銭のが残つておつたりして非常に恐縮でありますが、そういうものは段々と整理いたして参りたいと思つております。
#10
○小林米三郎君 今度十円の何ができましたならば今までの十円の札は段々新らしく発行しないのですか、
#11
○政府委員(伊藤隆君) 仰せの通りでありまして、昨年の末で十円の日本銀行券が百十三億九千五百万円出ておりますが、今度御審議願います十円の硬貨ができましたら二十五年度に大体六億枚、六十億程作ることになつております。大体二年間くらい経つたらこれが置替わるだろうと思つております。日本銀行券が硬貨の方に置替になると思います。
#12
○理事(黒田英雄君) 他に御質疑がなければ直ちに討論に入つて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。……別に御発言もないようでありますから、討論は終局いたしたものと認めまして、直ちに採決をいたします。臨時通貨法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成のお方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#14
○理事(黒田英雄君) 全会一致と認めます。よつて本案は原案通り可決せられました。尚本会議における委員長の口頭報告の内容は例によつてお任せ願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
 尚委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の御署名を付することになつておりますから順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
    伊藤 保平  九鬼紋十郎
    玉屋 喜章  西川甚五郎
    小林米三郎  小宮山常吉
    高橋龍太郎  板野 勝次
    川上  嘉  米倉 龍也
#16
○理事(黒田英雄君) 御署名洩れはございませんか……御署名洩れないものと認めます。
  ―――――――――――――
#17
○理事(黒田英雄君) それではこの際請願陳情に関する副小委員長の御報告を願いたいと思います。
#18
○伊藤保平君 去る三日に行いました請願陳情小委員会の審議の経過並びに結果を御報告いたします。
 採択いたしましたものは請願九件、陳情一件で、不採托に決しましたのは請願三件、陳情一件であります。
 請願等三十九号雪害地方の税軽減及び課税方法改善に関する請願、これは雪害地方は生産能率が減少するのみならず、種々の経費が嵩むので税を軽減すると共に課税方法を改善せられたいという趣旨であります。課税に当りこれらの趣旨を考慮に入れることは妥当であると認めまして採択いたしました。請願百七十六号山林関係の税制改革等に関する請願、本請願は我が国山林の特性が十分考慮され、遺憾なく公共の福祉に貢献できるよう各種税制について適切な措置を講ぜられたいという趣旨であります。山林事業の特殊性に鑑み税制上各種の措置を適当に講ずることは妥当と認めまして採択いたしました。請願二百二十四号雪害地方の課税方法改善に関する請願、これは請願三十九号と同様の趣旨でありますので、これも採択いたしました。請願二百八十七号倉庫業の諸税改善に関する請願、これは倉庫業の公共性に鑑み、再評価税、不動産税等固定資産に対しての課税には種々の條件を考慮されたいという趣旨であります。これも妥当なものと認めまして採択することにいたしました。請願三百三十九号土建労働者に対する税法改正に関する請願、この請願は土建労働者はその実態からして営業者でないのでありまするが、而も営業所得として課税され事業所得も課せられているのは不当であるから、土建労働者に対しては勤労所得として課税される等の措置を講ぜられたいという趣旨であります。法人の計算において賃金の支給を受ける者、即ち請負を除くのでありまするが、これにつきましてはこれは妥当なものと認めまして採択することにいたしました。請願三百五十九号中小工業者に対する税制改革の請願、この請願は中小商工業者は経済情勢の変化等のため四苦八苦の実情にあるので、担税能力に応じて税制を改革されたいという趣旨であり、これは妥当なものと認めまして採択いたしました。請願三百八十二号理容業者の所得税課税額査定改正に関する請願、理容師はその業務の内容が一般商工業者と根本的に異つておるにもかかわらず、それと同率に課税されているのは不合理であるから、公正妥当な課税標準を決定せられたいとの趣旨であります。理容師業は人件費等の経費が多いので、特別の考慮を拂う必要があると認めまして、採択いたしました。請願第三百八十九号港湾運送業者の税制改革に関する請願、この請願は、今回の税制改革案によりますと港湾運送業者は重大な影響を蒙るから、港湾運送業の特質に鑑み、これに適合した措置を講ぜられたいという趣旨であります。妥当なものと認めまして採択いたしました。請願第四百十四号白水晶及びその製品の物品税率改訂に関する請願、陳情第十五号水晶、めのう並びにその製品に対する物品税率変更の陳情、この二つの請願と陳情は、白水晶、水晶、めのう並びにそれらの製品は、貴石又は半貴石としてサファイア等の貴石と同じような高率課税をされているのは不当であるから、税率を改訂せられたいという趣旨でありまして、これ又妥当なものと認めまして採択いたしました。以上が採択いたしましたものでありますが、次に不採択に決定いたしましたものを御参考に御報告いたします。
 請願第六十四号自動車関係の諸税撤廃に関する請願、この趣旨は自動車関係に対して取引高税、物品税、取得税、ガソリン税等が課せられておるので、従つて価格が非常に高くなり税の過当に苦しんでおるから、それらの諸税を撤廃されたいという趣旨でありますが、これらの税の多くは今回軽減又は撤廃になるものが多いのでありまして、全部を撤廃するということは不適当であると認めましたので、不採択に決定いたしたのであります。請願第七十一号所得税の基礎控除引上げに関する請願、この請願は現行の基礎控除は低きに先するため国民は非常に苦しんでおるので、基礎控除を四十万円に引上げられたいというのであります。四十万円は余り突飛な額でありまして、財政上入れられ難いと思いますので不採択に決しましたのであります。請願第二百九十七号医師および歯科医の登録税廃止に関する請願、この請願は医師及び歯科医の登録税三千円は高過ぎるので開業に苦しんでおるから撤廃されたいという趣旨でありますが、今日の三千円は治療費に比しまして決して過当とは認められないと思いますので、不採択に決したのであります。陳情第二号ミシンの物品税免除に関する陳情、この陳情はミシンは生活必需品であるので物品税を免除されたいというのでありまするが、現行の一割の課税は妥当であり、全然免除するということは不適当と認めまして不採択に決したのであります。以上報告を終ります。
#19
○理事(黒田英雄君) 只今の伊藤小委員長からの御報告御異議ございませんですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○板野勝次君 今の小委員長からの報告の不採択と決定した請願の六十四号、七十一号、二百九十七号、陳情の二号、これはいずれも現状の税制が満足だということが前提とされておるよようにも聞き取れたのでありますが、現在の大衆課税的なこのようなものはいずれも撤廃の方向に向けるべきであつて、当然採択すべきものではないかと思いますので、各委員の方々がもう一度慎重に協議されて採択せられんことを希望するものであります。
#21
○理事(黒田英雄君) 七十一号ですか。
#22
○板野勝次君 六十四、七十一、二百九十七に二号です。不採択になつておるものは全部採択して貰いたいというわけです。
#23
○理事(黒田英雄君) 如何ですか。只今板野君からそういう御意見が出ましたが、板野君の御意見に賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者少数〕
#24
○理事(黒田英雄君) 少数と認めます。それでは小委員長の報告通り決定することにいたします。本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時二十七分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           小林米三郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           板野 勝次君
           川上  嘉君
           米倉 龍也君
  政府委員
   大蔵事務官
   (理財局長)  伊藤  隆君
ソース: 国立国会図書館
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