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1978/10/20 第85回国会 参議院 参議院会議録情報 第085回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第3号
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1978/10/20 第85回国会 参議院

参議院会議録情報 第085回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第3号

#1
第085回国会 ロッキード問題に関する調査特別委員会 第3号
昭和五十三年十月二十日(金曜日)
   午前十一時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月二日
    辞任         補欠選任
     梶木 又三君     山本 富雄君
 十月二十日
    辞任         補欠選任
     上田  哲君     穐山  篤君
     久保  亘君     勝又 武一君
     矢田部 理君     高杉 廸忠君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         二木 謙吾君
    理 事
                斎藤 十朗君
                田原 武雄君
                野田  哲君
                峯山 昭範君
                神谷信之助君
                和田 春生君
    委 員
                浅野  拡君
                岩崎 純三君
                遠藤 政夫君
                亀長 友義君
                熊谷  弘君
                佐藤 信二君
                成相 善十君
                降矢 敬義君
                山本 富雄君
                穐山  篤君
                勝又 武一君
                久保  亘君
                高杉 廸忠君
                寺田 熊雄君
                矢田部 理君
                矢原 秀男君
                橋本  敦君
                市川 房枝君
   国務大臣
       法 務 大 臣  瀬戸山三男君
       国 務 大 臣
       (防衛庁長官)  金丸  信君
   政府委員
       防衛庁防衛局長  伊藤 圭一君
       防衛庁装備局長  間淵 直三君
       法務政務次官   青木 正久君
       法務省刑事局長  伊藤 榮樹君
       運輸省航空局長  松本  操君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        首藤 俊彦君
   説明員
       法務省刑事局刑
       事課長      佐藤 道夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○ロッキード問題に関する調査
 (ロッキード問題に関する件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(二木謙吾君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を開会いたします。
 議事に先立ちまして一言ごあいさつを申し上げます。
 先日、皆様方の御推挙によりまして委員会の委員長に選任されました。責任のまことに重大なることを痛感いたしております。
 つきましては、皆様の御協力と御鞭撻によりまして職責を全うしたいと、かように考えます。何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#3
○委員長(二木謙吾君) ロッキード問題に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○野田哲君 まず、法務省の方に伺いますが、小佐野賢治に対する偽証関係の冒頭陳述書に書かれてあることから質問に入りたいと思うんです。
 この冒頭陳述の第八、これが一項から四項目までの項目があるわけですが、一項から三項まではトライスターの問題についての記述がなされているわけでありますが、第四項でこういうふうに書かれております。「小佐野がコーチャンから対潜哨戒機P−3Cオライオンの売り込みについて援助を要請された経緯など」、こういう項目で「ロッキード社は、対潜哨戒機P−3Cオライオンを日本政府に売り込むため、児玉の尽力を要請していたが、コーチャンは、昭和四八年七月ころ国際興業本社応接室で児玉同席のうえ、小佐野に対し、P−3Cの性能などについて種々説明し、ロッキード社がP−3Cを日本政府に売却する活動を援助してもらいたい旨依頼し、小佐野はこれを了承した。小佐野は、そのころ児玉とP−3Cについて種々話し合い、コ−チャンに対し、日本政府に対するP−3Cの販売についてロッキード社を援助するためには、児玉がロッキード社との間に暫定的に取決めている追加報酬を増額すべきである旨勧告した。コーチャンはこれを了承し、その後間もなく前記修正四号契約が児玉とロッキード社間に締結されるに至った。」――私の手元の資料ではこうなっているんですが、これは間違いないですね。
#5
○説明員(佐藤道夫君) お答え申し上げます。
 冒頭陳述書と申しますのは検察官が証拠によって収集いたしました事実の凝結されたものでございますので、そのとおりの事実を、事実の存否につきまして検察官は確信を抱いておるということでございます。
#6
○野田哲君 そこで、次に「小佐野がロッキード社の児玉に対する支払金員の一部である米国通貨二〇万ドルを受領した経緯とその状況」というのが第九の項で出てくるわけです。この経緯といたしましては、「米国通貨二〇万ドルの授受に関する小佐野と児玉の協議及び小佐野とクラッターの打合わせ」、以下小さい数字の1、2、3と、こういう形で小佐野賢治が昭和四十八年の十一月にロサンゼルス空港において二十万ドルを受け取った経緯が記載をされているわけでありますが、この中で「小佐野が前記第八、二、三記載のようにロッキード社のため種々尽力してくれていたので、」児玉の追加報酬の中から二十万ドルをロッキード社を通じてアメリカで小佐野に手交させることにしたと、こうなっているわけですが、第八の項では、第四項で、P3Cの売り込みについて、日本政府に対して売却する活動を援助してもらいたい旨を依頼をして、小佐野はこれを了承し、そして小佐野は児玉とP3Cの売り込みについて種々話し合いをしたと。そしてそのときに修正四号契約ができたと、こうなっている。これが第八項にある。第九項で、小佐野がアメリカで受け取った二十万ドルの金員を小佐野の手交する目的の中に「第八、二、三記載のようにロッキード社のため種々尽力してくれていた」と、こういうふうな記載があるわけです。この点は、第八項に記載をされている中の四の項目が、なぜ対象にならないのか。小佐野がこの時点でやっていたことというのは、トライスターの全日空に対する売り込みのための全日空や政府に対する工作、これとあわせて、P3Cについても強力な要請があって、これを了承した。つまり、トライスターとP3Cオライオン二つの売り込みを小佐野が担当していた。このことははっきりしているにもかかわらず、第九項の二十万ドルの授受の関係で、なぜ第八項の四の項が対象になっていないのか、その経緯を明らかにしてもらいたいと思うのです。
#7
○説明員(佐藤道夫君) お答え申し上げます。
 小佐野、児玉両被告人の裁判につきましては、御案内のとおり、両被告人の病状ということもございまして、かなりおくれぎみでございますが、ただいまその核心とも申すべき嘱託尋問調書の証拠調べの段階に入っておるわけでございまして、いま先生御指摘の点が、いみじくも裁判上の一つの重要な問題点にもなっておるわけでございます。その点も踏まえまして、検察側におきましては今後さらに二十万ドルの点につきましても所要の立証を行っていくことになるわけでございますので、大変申しわけないことでございますけれども、この段階におきまして私から検察の現在の考え方を明らかにするということは差し控えさしていただきたいと思います。
#8
○野田哲君 そうすると、もう一回確かめますけれども、二十万ドルの関係については核心の問題であるけれども、児玉、小佐野が病気等の関係もあって、核心に入っていくまでの取り調べができていないから、冒陳の九項では第八項の四の項は外されていると、こういうことなんですか。
#9
○説明員(佐藤道夫君) 一つの重要な問題であるというふうに私申し上げたわけでございまして、二十万ドルにつきましては、先国会、先々国会等におきましていろいろ御質問がございまして、当時の関係におきましても、鋭意二十万ドルの使途あるいはその性格等について当時検察庁におきましても重大な関心を持って捜査を行ったが十分な解明をするに至らなかったということをお答えしてございますので、その限りにおいて御理解いただければというふうに考えます。
#10
○野田哲君 そうすると、つまり、二十万ドルが小佐野に手交された目的あるいはその二十万ドルがどのように使われたのか、そして国内にどのようにしてこれが入ってきたのか、この辺の解明はなされていないということですか。
#11
○説明員(佐藤道夫君) お答え申し上げます。
 ただいまもお答えいたしましたとおり、二十万ドルの使途、性格等につきましては必ずしも十分に解明することができなかったということは、私ども再三申し上げておるところでございます。
#12
○野田哲君 十分に解明をされていないということでありますけれども、この小佐野の偽証関係の冒頭陳述の第九の項では、第八の二と三の記載のようにロッキード社のため種々尽力してくれていたと、こうなっている。解明されていないのであれば、前段の八の四項に書いてあることが解明されていないのに、なぜ外されたんですか。この点は経緯を明らかにしてもらいたい。
#13
○説明員(佐藤道夫君) お答え申し上げます。
 御案内のとおり、小佐野被告人の公訴事実は議院証言法違反ということでございます。したがいまして、その限りにおいて、公訴事実に必要な立証の限度におきまして冒頭陳述書を記載しておるわけでございまして、検察官の立証もその限りにおいて行われておりまして、ただいまの二十万ドルの問題につきましても、今後公訴事実の存否を明らかにするという必要がございますれば、その限りにおいて捜査上明らかになった事実関係を立証してまいりたいという考えでございます。
#14
○野田哲君 伊藤刑事局長に伺いますが、あなたはきのう参議院の内閣委員会で黒柳さんの質問にお答えになっているわけですが、P3Cに関する収賄容疑が国内捜査では政界に動いた金はないと、こういうふうに判明したと、こういうふうに答えておられるわけですね。いままで局長が来られるまで刑事課長といろいろやりとりをしていたんですが、もう一回念のために、大事な点ですから、質問を繰り返しますけれども、小佐野の関連の偽証の冒頭陳述がありますね。この冒頭陳述の中では、第八で第一項から四項まであって、四項の中で、P3Cの問題についてコーチャンが四十八年の七月ごろに児玉とともに小佐野に会って、P3Cの売り込みについて日本政府に対する活動を援助してもらいたい、このことを要請をして、小佐野がこれを了承した。その話の経緯の中で報酬の増額という問題が出て修正四号契約が締結されたと、こうなっているんです。ところが、第九の項で、小佐野がロサンゼルスの空港で二十万ドルを受け取る経緯が記載をされているわけです。
 この経緯の中では、前記第八の二、三記載のようにロッキード社のために種々尽力をしてくれていたから児玉の報酬の一部二十万ドルを小佐野に渡すようにしたんだと、こういうふうになっているわけです。すでにこの時点では小佐野に対してはP3Cの売り込みについても協力を要請して、これに小佐野も了承をして協力を約して報酬の増額等の話し合いもしていた、こういう経過があって、その後に二十万ドルの収受があった。この二十万ドルの収受について、「前記第八、二、三記載のようにロッキード社のため種々尽力してくれていたので、」云々と、こうなっております。小佐野がこの時点でロッキード社のために種々協力をしていたのは、トライスターだけではなくて、P3Cについても協力を約し、種々やっていた、このことが前段の前の項で書かれているのに、この二十万ドルを渡した目的の中からなぜ八の四項が対象になっていないのか、この点を、まず、もう一回局長の方から説明してもらいたいと思います。
#15
○政府委員(伊藤榮樹君) あるいは刑事課長若干控え目にお答えをしたかと思いますが、この二十万ドルがクラッター氏から小佐野に渡されたその趣旨がはっきりいたしません。その使い道もはっきりしない。したがって、この前の第八の四との関連も立証できない。立証できないことでございますから省いてある。こういうことでございます。
#16
○野田哲君 じゃ、この二十万ドルについては性格がはっきりしないと言われながら、小佐野が協力をしていた、第八の二、三記載のようにロッキード社に協力をしてくれていた、こういうふうに、この二十万ドルの性格について、ここで八の二と三というふうに特定をされているところに、私は疑問を感じているんです。性格がはっきりしないのであれば、なぜ二と三に特定をされるのか、ロッキード社のために協力をしてくれているから二十万ドルを渡すんだということであれば、四も当然入るべきではないんですか。その点どうなんですか。
#17
○政府委員(伊藤榮樹君) あるいは立証の過程で、いま御指摘いただきますように、第八の四に関連する趣旨もあったということが判明してくるかもしれませんけれども、検察官としては証拠に基づいて立証できるという当初の見込み、それを率直に書いておりますので、P3Cの関係についての話がその二十万ドルをめぐって出ておったということが立証できないという観点から落としておるんだと思います。
#18
○野田哲君 この二十万ドルについて、アタッシェケースに入れた二十万ドルが――何か小佐野氏はあとブラジルへ行ったんですか。このアタッシェケースに入れた二十万ドルが、その後どういう経路をたどって、だれの収入になったのか、これはいまだに明確になっていないんですか。
#19
○政府委員(伊藤榮樹君) この二十万ドルがアタッシェケースに入れられて小佐野に渡ったという客観的な事実はわかります。それから、小佐野がそれからラスベガスへ行ったというようなこともわかっておるわけですが、これは一体児玉のかわりに受け取ったのか、あるいは児玉からのもらい分として小佐野が受け取ったのか、その辺もぽっきりいたしません。したがって、だれの所得に帰属すべきものかということが遺憾ながらはっきりしないというのが実情でございます。
#20
○野田哲君 どうしてこれ、はっきりしないんですか。小佐野は議院証言法によって被疑者になっているわけですから、当然いろんな角度から取り調べをやられたと思うんですが、この二十万ドルの行方、だれのどういう形の所得になったのかということ、どうしてはっきりしないのですか、これ。
#21
○政府委員(伊藤榮樹君) どういうわけでということ、証拠に基づいて申し上げるわけにもまいりませんが、察するに、小佐野は二十万ドルを受け取ったこと自体を否認しておるのではないかと思います。
#22
○野田哲君 これはその後の経過が明らかになっているわけですが、児玉がその直後に五千三百万円の領収書を半分ずつに分けてロッキード社に渡しているわけですね。だから、領収書を児玉が発行しておるわけですから、児玉と小佐野を取り調べれば、この金の性格、趣旨というものははっきりするんじゃないんですか。それがなぜ小佐野が否認しただけで、うやむやにされるのですか。
#23
○政府委員(伊藤榮樹君) これまた察するに、児玉は領収書を出したこと自体を否認しておるんだろうと思います。
#24
○野田哲君 これでは押し問答でどうしようもないんですがね。しかし、児玉の方から、当時の金にして五千三百万円を半分ずつにしてロッキード社に、小佐野がロサンゼルス空港で受け取った二十万ドル相当分として領収したという領収書を発行している、これの事実ははっきりしているわけでしょう。
#25
○政府委員(伊藤榮樹君) 検察当局の証拠に基づく認定によりますと、児玉がただいま御指摘のように領収書を発行しております。しかし、児玉自身が領収書の発行を否認し、かつ二十万ドルの問題を否認しておるといたしますと、その二十万ドルの趣旨というものがわからなくなってしまうわけでございます。
#26
○野田哲君 小佐野がロサンゼルス空港で二十万ドル受け取ったのは、昭和四十八年の七月ごろに国際興業の本社でコーチャンと児玉、小佐野、この三者が会合をした中で、P3Cの日本政府に対する売り込みについて小佐野に協力を求め、これを了承した。そして、そのときに修正四号契約がなされた。その修正四号契約よりも小佐野が二十万ドル受け取ったのは期日としては後であるということは、これは間違いないですね。
#27
○政府委員(伊藤榮樹君) そのとおりでございます。
#28
○野田哲君 二十万ドルといえば五千三百万円、当時の日本円で五千三百万円ということになっているわけですが、伊藤さんは、きのうの参議院の内閣委員会で、P3Cに関連をしての政界への動いた金がないということが判明しているというふうに、かなり断定的におっしゃっているのですけれども、この二十万ドルの金の行方がまだ解明されていないという状態であるにもかかわらず、P3Cに関連しては金が動いていないと、こういうことがなぜ断定的に言えるのですか。
#29
○政府委員(伊藤榮樹君) 私が申し上げた趣旨は、P3Cに関連する趣旨として政界に金が動いたという事実は認められなかったと、こういうことを申し上げておるわけです。
#30
○野田哲君 それでは別の角度から伺いますけれども、すでに二、三日前にも指摘をされておりますが、「コーチャン及びクラッターに対するいわゆる嘱託尋問調書の証拠調請求に関する決定」というのがありますね。これの五十八枚目、「検察官吉永祐介作成名義の昭和五一年五月二二日付証人尋問請求書の記載によれば、」と、こういうくだりがありますね。このくだりでは「児玉譽士夫に対する所得税法違反、外為法違反、桧山広・大久保利春・伊藤宏・丸紅株式会社・若狭得治・全日本空輸株式会社に対する各外為法違反、右桧山・大久保・伊藤・若狭に対する各贈賄の各事実のほか、」、そこの次の問題ですが、「「被疑者(氏名不詳)数名(政府の閣僚、高官、国会議員)は、航空運送事業に関する免許、許可等国の行政事務を行う職務権限あるいは日本国政府の購入する各種航空機の選定、購入の決定等に関する職務権限を有するものであるが、ロッキード・エアクラフト社の製造・販売するエア・バスL−一〇一一及び対潜しよう戒機P3Cの販売代理権を有する丸紅株式会社の前記桧山、大久保、伊藤及び全日本空輸株式会社の前記若狭らから、全日空がL−一〇一一を購入しこれを運航することに関し種々便宜な取扱いをしてもらいたい旨、あるいは日本国政府がP3Cを選定、購入するよう取り計ってもらいたい旨の請託を受け、これに関する謝礼の趣旨で供与されることを知りながら、昭和四七年一〇月ころから同四九年中ころまでの間数回にわたり多額の金員を収受した」」、こういう項目になっていると思うんです。
 まず、私が読み上げたことは刑事局長の手元の資料と間違いないですね。
#31
○政府委員(伊藤榮樹君) 間違いございません。
#32
○野田哲君 この段階では、いま読み上げたことが間違いないとすれば、つまり、丸紅の桧山、大久保、伊藤、それから全日空の若狭らから、数名の政府の閣僚、高官、国会議員に対して金員が贈られ、これを収受をした、こういう記述になっているわけであります。その目的としては、全日空が購入する予定のL一〇一一、トライスター、それから日本政府が選定、購入するP3C、この二つをあわせて購入するよう取り計ってもらいたい旨の請託を受けて、その謝礼の趣旨であることを知りながら収受したと、こうなっているわけです。つまり、政治家に贈られた金員はトライスターとP3Cと両方の目的であった、これを認めた上でコーチャン並びにクラッターに対しての嘱託尋問調書をやっておられると、こうなっているわけです。まあ、認めた上でというよりも、その容疑によって、こうやってほしいと、こういう手続をされたと、こういうことになっているわけですが、ここではっきり、トライスターとP3Cと、こういう形になっているものが、なぜ途中からP3Cは政治家に対して金が動いた容疑はないと、こういうふうになっていったんですか。
#33
○政府委員(伊藤榮樹君) ただいまお読み上げになりました部分は、五月に裁判所に対して起訴前の証人尋問を請求する際に必要事項として記載した被疑事実でございます。
 振り返ってみますと、ちょうど嘱託証人尋問請求をいたしましたのは、司法取り決めによりましてアメリカ側からの資料を検察当局が入手しましてからしばらくたった時期でございます。当時、検察側の手の内にありました資料のうち、その被疑事実を構成したであろうと思われます資料というのは、恐らくアメリカ側から提供を受けた資料が重要な役割りをなしておったのではないかと思うわけでございます。アメリカ側の資料と申しますと、昨日あたりもコーチャン、クラッター両氏の証言等が読み上げられておりましたが、それの根をなしますところの議会におけるコーチャン氏の証言、こういうようなものも検察当局が手にした資料の中にあったものと思われるわけでございます。さらに、十分御承知の児玉・ロッキード社間の修正四号契約書、こういうものもアメリカ側から提供を受けて検察の手中にあったと思われるわけでございます。
 そういうものを総合勘案いたしますと、ロッキード社からわが国、特に丸紅等へ向けて、言葉は悪うございますが、発射された金というものは一〇一一の売り込みだけに関連したものではない、P3Cに関連した趣旨も入っておると見るのが自然であろうと思います。そういう当時の自然な見方からそういう被疑事実の構成をしたと思います。また、嘱託証人尋問というのはそう再々できるものじゃございませんから、なるべく広範な範囲にわたって事情を聞きたいということで被疑事実も疎明資料の許す限り広目に設定しておいたと、こういうことであろうと思います。
 さて、その後国内捜査あるいは嘱託証人尋問等に基づきまして、鋭意今度はロッキード社からわが国内へ向けて発射されたその金の国内における動きを一つ一つ丹念に検察当局は追い求めていったわけでございます。その結果判明した部分につきまして犯罪を構成するものであれば公訴を提起するという処置をとったわけでございますが、そこまで捜査を終結してみますと、政治家の方に動いた金というのはもっぱら当面の一〇一一の売り込みに関して請託をし、その謝礼として贈ったものであるということが明らかになってまいったわけでございまして、まだP3Cの売り込みの請託をあるいはいたしましたりして、その謝礼の趣旨というようなことで動いた金は一つも認められなかったと、こういうことで捜査は終結したわけでございます。
#34
○野田哲君 前段の、私ども考えても、ロッキード社が日本に対して、全日空に対するトライスターと、それから日本が配備をするP3C、この二つの飛行機を売り込むということで動いていたことははっきりしている。そして児玉、小佐野、丸紅、これらの関係者もそのことで動きをすることを契約をし、あるいは口頭で約束をして修正四号契約等の措置もされているわけですから、常識的に考えれば、この動いた金というのは、これはやはり二つの飛行機の売り込みの目的を持って動いたと見るのがいま常識であろうと思うし、私はここに記載されていることも当然その常識に立っていると思うんです。
 そこで、ここに「数名(政府の閣僚、高官、国会議員)」、こういうふうに挙げられていて、その続きのところで括孤書きで、「尋問事項中には、右政府高官らの具体的人名が掲げられている。」と書かれているわけですが、この「閣僚、高官、国会議員)は、航空運送事業に関する免許、許可等国の行政事務を行う職務権限あるいは日本国政府の購入する各種航空機の選定、購入の決定等に関する職務権限を有するものである」と、こういうふうに数名の被疑者、この役割りを書かれているわけです。そうすると、ここにある「数名」というのは、「(政府の閣僚、高官、国会議員)」というのは、起訴されている田中あるいは橋本、佐藤、それから金は受け取ったけれども起訴になっていない数名の人がいるわけですが、この人たちと同一の者であるのか、あるいは全然これはまた別の人がいるのか、この点はいかがですか。
#35
○政府委員(伊藤榮樹君) 嘱託証人尋問の請求の請求書にどういうことが書いてあったかということは捜査上の問題でございまして、公にするわけにはまいらないわけでございますが、アメリカでこれに基づいて尋問をされました際には、尋問事項について忠実にすべて尋問をしてくれておるようでございますので、次回二十六日でございますか、この嘱託証人尋問調査の続きの朗読があるわけでございますが、それをお聞きいただきますと、およそおわかりいただけるんじゃないかと思います。
#36
○野田哲君 具体的にP3Cの売り込み工作に関して伺っていきたいと思うんですが、児玉はP3Cの売り込み工作に関して一九七五年夏、ですから五十年になるわけですか、クラッターに売り込みの見通しについて説明をしたと、こういうくだりがあるわけですけれども、具体的に売り込みの見通しについて説明をしたその内容はいかがなものですか。
#37
○政府委員(伊藤榮樹君) その内容と申しますのは、嘱託証人尋問調書の中に出てくるわけでございまして、まだ朗読が全部終わっておりませんので、終わってからお答えをするのが適当じゃないかと思います。
#38
○野田哲君 児玉が、P3Cの分離輸入の動きに備えて、国防省に分離輸入は認めないような決定をさせるように助言をしたと、こういうくだりがあるわけですけれども、児玉が分離輸入の動きを、そういう情報をどこから得たのか、これは調べの段階でわかっておりますか。
#39
○政府委員(伊藤榮樹君) 一応必要な捜査を尽くしておりますので、今後の公判で明らかにしていくことになると思います。
#40
○野田哲君 防衛庁の方に伺いますが、当時海幕長であった鮫島さんがいらっしゃいますね。この鮫島さんに会った経緯というのがあるんですが、防衛庁の中ではこの記録はありますか。
#41
○政府委員(間淵直三君) 私どもが調査いたしましたところ、昭和四十九年の一月二十五日、コーチャン氏が鮫島海幕長を表敬訪問したということが判明しております。これは単なる表敬訪問で、約十五分ぐらいの訪問であった、こう聞いております。
#42
○野田哲君 この前に黒部さんにここに証人として出てもらったときに、MDAOからP3Cの模型と写真を持ち込んできて、しきりにこの売り込みの話があった、こういう証言、これは直接私がお聞きしているわけなんですけれども、このことと、それから鮫島さんに会った期日はどういう関係になっておりますか。
#43
○政府委員(間淵直三君) その鮫島海幕長を訪問した期日と符合するかどうかは調査してございません。
#44
○野田哲君 伊藤刑事局長に別のことで伺いますけれども、一九七三年、昭和四十八年ですか、その七月の二十八日に、クラッターと、それから川重の社長四本さんとおっしゃるんですか、このP3Cのライセンス契約についての話し合いがされているという情報が、これはクラッター日記という報道をされている新聞があるわけですが、これによると、会っているんですが、この席はクラッターと四本さんだけではなくて、児玉が同席をしていたんじゃないかと思うんですが、この点いかがですか。
#45
○政府委員(伊藤榮樹君) 大変申しわけございませんが、私そこまでの細かい事実関係についていまちょっと記憶にございません。
#46
○野田哲君 じゃ、これは後でわかればお知らせをいただきたいと思うんです。
 それから、児玉はP3Cの売り込み工作についてコーチャンから依頼を受けて十一年間これをやっていた、こういうことになっているわけですけれども、修正四号契約が結ばれた一九七三年の夏以降、この見通しの説明、あるいは先ほど出ました国防省工作の助言、こういう動きをやっているわけですけれども、これ以外のP3Cの売り込み工作についてどのような動きをしていたのか、これは捜査の段階で明らかになっておりますか。
#47
○政府委員(伊藤榮樹君) P3Cをめぐる児玉の動きの主なるものは冒頭陳述で明らかにされておるとおりでございますが、それは幹のようなものでございまして、それには枝も葉もあるわけでございまして、そういうことは今後立証過程で明らかにされていくと思います。
#48
○野田哲君 P3Cの売り込みについて児玉に対しては追加報酬を支払っているわけですが、小佐野が児玉の紹介で国際興業の本社でロッキード社のコーチャンと会ってP3Cの売り込み工作について協力を約した。そこで、この二十万ドルの問題はまだ解明されていないということですけれども、小佐野に対しての報酬というのは、一体あったのか、なかったのか。修正四号契約で児玉に対する報酬の増額を行った、これが小佐野に対する謝礼も含まれているのか、この点いかがですか。
#49
○政府委員(伊藤榮樹君) 二つの問題に分けられると思いますが、小佐野とロッキード社あるいは小佐野と児玉との間に報酬契約というようなものがあったかどうかという問題が一つありますが、そういうものがあったという報告には接しておりません。
 それから、現実に児玉と小佐野との間で金が動いたかどうかという問題については、先ほど来御指摘の二十万ドルのほかにそういうものがあるかどうかにつきましては、今後、児玉が受け取りましたすべての所得金額、これの使途というものを次第に立証していくことになると思いますので、その中で児玉の金の使途というものが捜査で判明しておる範囲においてわかってくるんじゃないかと、かように思います。
#50
○野田哲君 この小佐野に関する冒頭陳述の中にある二十万ドル、ロサンゼルス空港で小佐野が受け取ったと言われるこの二十万ドルでありますが、この二十万ドルは、児玉の一号契約に基づいて小佐野に手交させることにした、こういうふうに記述されているんですが、この時点というのは、先ほど明確になりましたように、四号契約によって報酬が増額されましたその以降に当たっているわけなんですけれども、この二十万ドルというのが修正一号に基づくもので、修正四号に基づくものではないというふうになぜ断定できるんですか。
#51
○政府委員(伊藤榮樹君) その点は、ロッキード社の経理のやり方、これから論じておるわけでございます。
#52
○野田哲君 小佐野が、七三年の七月にP3Cの売り込み工作を国際興業本社で児玉とコーチャンと会って引き受けた、これ以降の小佐野がこの売り込み工作について具体的にどのような行動を行ったのか。明らかにされている点では、児玉に対してその席で報酬の増額を求めて、これはその場で成立をしているわけですけれども、児玉がP3Cの問題について国防省に対する工作とか、あるいはいろいろ情報を提供したという経過があるわけですけれども、小佐野が一体どういう役割りを果たしたのか、その点はわかっておればお答えいただきたい。
#53
○政府委員(伊藤榮樹君) 小佐野は偽証で起訴されているわけですが、その中の訴因の重要な一つに、P3Cの売り込みを頼まれたことがあるのに、ないと言ったというような部分もあるわけでございまして、そういう関係で、トライスター及びP3Cの売り込みに関して小佐野がとった行動というのは、わかっている範囲で逐次立証していかなければならぬことでございまして、まだ今後の立証にまつ部分が多うございますので、ここで明らかにすることは御容赦いただきたいと思います。
#54
○野田哲君 委員長、この辺でちょっと休憩にしてもらいたいんですが。
#55
○矢田部理君 関連。
 午前中の質問に関連して、二、三お聞きをしておきたいと思いますが、その一つは、いま答弁のあった二十万ドルの性格について、トライスターにかかわるものだという冒陳になっています。つまりP3Cにかかわるものではないという意味もそれに同時に込められていると思うわけでありますが、前段の答弁では、このお金の使途はわからない、性格も解明できなかったと言っているにもかかわらず、P3Cには関係がないという断定をした根拠に、もっぱらロッキード社の計算のやり方に基づくものだという説明がなされましたが、これはどういう意味になりますか。
#56
○政府委員(伊藤榮樹君) 二十万ドルが、ロッキード社から見れば児玉に渡すべき金でございますが、それが小佐野に渡ったと。で、児玉と小佐野との間に何らかの話し合いがあったはずでございますけれども、その辺がはっきりしないということになりますと、証拠で立証できる範囲ということになりますと、ロッキード社の方の受けとめ方、そういうようなものを中心に訴因を構成せざるを得ないということで、先ほど御指摘のありましたような冒頭陳述になっておるわけでございまして、だからといって、P3Cと関係が全くないというふうに断定しているわけではございませんので、証拠上立証できるのは、修正一号契約に基づいてロッキード社から払われたという意味において、冒頭陳述に書かれたような趣旨までは立証できると、こういう程度のことでございます。
#57
○矢田部理君 確認的にお尋ねをしますが、そうしますと、P3Cのために払われたのかトライスターのために払われたのかは、厳密な意味では確定できなかったと、したがって、両方の意味合いが込められている可能性もあるが、ロッキード社の支出の趣旨という点からだけ見れば、トライスターというふうに受けとめられると、したがってそういう記述をしたのであると、こういう趣旨でございますか。
#58
○政府委員(伊藤榮樹君) およそそのように御理解いただいて結構だと思います。
#59
○矢田部理君 わかりました。そうすると、依然としてP3Cに対する疑惑はその点でも解明し切れない、P3Cにかかわるものとして渡された可能性もあり得るということになろうかと思いますし、また、お金が渡された時期から見ても、すでにトライスターは確定をした大分後のことでもありますから、私どもはむしろこれはP3Cにかかわるお金というふうに読むのが常識的ではないかというふうに思っているわけであります。
 それはそれといたしまして、もう一点だけお尋ねをしたいのは、P3Cについて、政界にお金が流れたという容疑はつかめなかったということですが、そうすると、政界以外にお金が動いたということはあり得るというふうに考えていいわけでしょうか。あるいはあり得るとすれば、どの程度その状況についてはつかんでおられるでしょうか。
#60
○政府委員(伊藤榮樹君) 児玉の全収入から外へ流れ出ました部分については、すでにしばらく前にも御報告したと思いますが、大部分解明を遂げておりますので、その使途をこれから明らかにしてまいりますので、その中にどんなものがあるかと、こういうことであろうと思います。この段階では御容赦いただきたいと思います。
#61
○矢田部理君 重ねて伺いますが、政界に金が動いたという事実はつかめなかったと、しかし、政界以外には流れた可能性があるというふうにその答弁を受けとめられるんですが、大筋としてはそういうふうに受けとめてよろしいでしょうか。
#62
○政府委員(伊藤榮樹君) 大変恐縮でございますが、無色透明な答弁をしたというふうに御理解いただきたいと思います。
#63
○矢田部理君 無色透明というふうには受け取れないのですが、まあさしあたりそう聞いておきましょう。
 もう一点防衛庁に伺っておきますが、コーチャンは嘱託尋問の中で、鮫島当時の海幕長に会った、ここでP3Cの説明なり売り込みについて話をした。従来防衛庁が説明をしてきた単なる表敬訪問ではないというふうに思われるわけですが、そのほかにも防衛庁の関係者には何人か会っているということが同時にその尋問調書の中に出てきます。ただ、コーチャンとしては名前はわからないということも言っておるわけでありますが、防衛庁の調査で、鮫島さん以外にコーチャンと接触をした人、会った人についてはどういう調査をしているでしょうか。その内容、会った人の名前、日時、場所等について答弁をいただきたいと思います。
#64
○政府委員(間淵直三君) 私どもが調査いたしましたところによりますと、昭和四十九年の一月ごろで、確かな月日は覚えておらないということでございますが、コーチャン氏が当時の装備局長、山口装備局長を表敬訪問しておるという事実はございました。
#65
○矢田部理君 そのほかには。
#66
○政府委員(間淵直三君) そのほかには、私どもの調査ではございませんです。
#67
○委員長(二木謙吾君) 午前の調査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午後零時二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時八分開会
#68
○委員長(二木謙吾君) ただいまからロッキード問題に関する調査特別委員会を再開いたします。
 ロッキード問題に関する調査を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
#69
○野田哲君 法務省の伊藤刑事局長、午前中の私の質問で、調査をしてお答えいただくことになっておる部分がありますが、もしわかっておればお答えいただきたいと思います。
#70
○政府委員(伊藤榮樹君) 昨日読み上げましたクラッター氏の調書の中に、クラッター氏の日記を示して尋問したくだりがございまして、七月二十八日に福田、児玉、コーチャン、四本、四氏が会談してP3Cライセンス合意という記載があると、こう供述がございます。
#71
○野田哲君 伊藤局長、この「コーチャン、クラッターに対するいわゆる嘱託尋問調書の証拠調請求に関する決定」というのがあります。この「別紙」というのがありますね。これについて、この細かいことをちょっとお聞きいたしたいと思うんですが、これは非常に断片的に書かれておりますので、これだけではなかなか事情がのみ込めないんですが、「別紙一」のまず8番「それに成功したか、少くとも」、こういうくだりがありまして、これは原供述者がクラッター、供述者がコーチャン。で、「それ」というのは、この「P3Cのマーケッティング計画に関連して顧問条件の再交渉」と、こういう備考に説明があるわけですが、これは一体どういう意味なんですか。
#72
○政府委員(伊藤榮樹君) これは、この決定書で見る限りよくわかりません。全部の尋問調書の朗読が終わりますとはっきりすると思います。
#73
○野田哲君 次のページの17番ですね。同じく原供述者がクラッターで、供述者がコーチャン。で、供述内容は「それがなされた」、この「それ」というのは「小佐野への現金支払」と、こうなっているんですが、ここはどうですか。
#74
○政府委員(伊藤榮樹君) これは、きのう証拠調べがなされたところからしますと、二十万ドルの支払いがなされたという意味だと思います。
#75
○野田哲君 次の23番ですが、「会合があったが、私が東京にいなかったので大変不都合な思いをした」。で、「私」というのは「クラッター」ということになっているんですが、この「会合」というのは、これはどんな会合なんですか。
#76
○政府委員(伊藤榮樹君) これもまだ朗読されてない部分ではないかと思います。二十六日に読む分だと思います。
#77
○野田哲君 33番ですが、これは原供述者が福田太郎だと思うんです。まさか福田赳夫さんではないと思う。これは太郎さんだと思う。供述者はコーチャン。そこで「小佐野氏が言ったような航空機購入を処理する計画は明らかにありました。しかし、彼がこのことがロッキードにどのようなことをもたらすかを誰かに話をして指摘したところ、彼等はその予定された行動の方針を捨てた」。で、「彼」というのは、備考では「中曽根」と、こうなっているわけですから、中曽根康弘さんだろうと思うんですが、ここのくだりはどういう状況なんですか。
#78
○政府委員(伊藤榮樹君) この部分は二十六日に朗読されると思います。「中曽根」という人が具体的にどういう人であるかはそのときに明らかになると思います。
#79
○野田哲君 それでは、5番、7番、9番、「別紙二」ですね。これについてはどうなんですか。
#80
○政府委員(伊藤榮樹君) ただいまおっしゃいましたのは「別紙二」の5、7、9だと思いますが、このあたりの部分は二十六日に読み上げる予定でございます。
#81
○野田哲君 17番の、児玉が原供述者で直接の供述者がクラッターで、「自分は小佐野氏に対して支払う義務があり、小佐野氏は二〇〇、〇〇〇ドルを合衆国で渡してくれと要求している」。で、「自分」というのは「児玉」と、こうなっておりますから、これは児玉譽士夫であろうと思うんですが、このくだりは、つまりあのロサンゼルス空港で二十万ドルが渡されたと、こういうくだりのことですか。
#82
○政府委員(伊藤榮樹君) そのとおりでございます。
#83
○野田哲君 このくだりがそうだとすれば、この「自分は」というのは児玉ですから、児玉は小佐野に対して支払う義務があり、小佐野は二十万ドルを合衆国で渡してくれと要求しているということでありますから、午前中の法務省の方のお答えでは、二十万ドルについてはその行方が解明されていない、金の性質も解明されていないということであったわけですが、これはこの児玉に対する報酬の中から小佐野が二十万ドルを児玉に請求をし、児玉が小佐野に対して支払う義務を感じて小佐野に渡すものとしてロサンゼルスで渡されたと、こういうふうに理解されると思うんですが、いかがですか。
#84
○政府委員(伊藤榮樹君) このくだりでわかりますことは、クラッターが児玉の指図によって、本来、児玉にロッキード社から渡すべき金のうちから二十万ドルを小佐野に渡したと、こういうことがわかるわけでございます。
#85
○野田哲君 つまり、これは局長、その二十万ドルというのは、この小佐野の所有、小佐野のふところに入るものとして渡されたということ、これははっきりしていると思うんです。そうすると、これがそのまま日本に持ち込まれているとすれば外為法の関係が出てくるんじゃないかと思うんですが、正規に手続がない限りは外為法の関係が出てくるんだと思うんですが、この点いかがですか。
#86
○政府委員(伊藤榮樹君) もしこの金を小佐野がひそかに携帯をして日本国内へ持ち込むということになりますと、御指摘のような問題が生ずる余地があると思います。
#87
○野田哲君 その点は、まあいまは余地があるということであったわけですが、その点は解明されていないんですね、まだ。
#88
○政府委員(伊藤榮樹君) まあ、推測としては、その金を持ってラスベガスへ行ったんじゃないかというような推測もなされるわけですけれども、その二十万ドルがロサンゼルス空港からその先どうなったかということがはっきりいたしませんので、外為法違反に問うことも困難であったと、こういうことでございます。
#89
○野田哲君 「別紙四」の8ですが、「中曽根氏が、もしその決定があったとすれば、それに関係したと思われる人達何人かに会ってみようと言った」と、この「中曽根氏」というのは、一体どういう役職のどういうフルネームの人であるのか、そしてこれは前後の関係はどういうことを意味しているのか、この点をひとつ。
#90
○政府委員(伊藤榮樹君) この部分は二十六日に読み上げることになっておりますので、その結果をごらんいただきたいと思います。
#91
○野田哲君 これは、まあ別紙に出てくるのはフルネームが書いてないから、まあ二十六日にはそのフルネームもわかるでしょうと、こういうことで、まあ二十六日請う御期待というようなことなんですが、私どもとしては、これは、数回にわたってこの別紙に出てくる「中曽根」という人は中曽根康弘現自民党総務会長であろうと思うわけですが、そこでこの別紙にある「小佐野氏が言ったような航空機購入を処理する計画は明らかにありました。しかし、彼」――つまり中曽根氏「がこのことがロッキードにどのようなことをもたらすかを誰かに話をして指摘したところ、彼等はその予定された行動の方針を捨てた」、こういうくだりがあるわけであります。ここにある「計画」とか、あるいは「予定された行動の方針」というのは一体どのレベルでつくられていたどういう内容のものであったのか。この点はわかっておりますか。
#92
○政府委員(伊藤榮樹君) 検察当局は承知していると思いますが、実は私自身、嘱託尋問調書を見たことがございません。法廷で証拠調べが終わってから報告を受ける、こういうことにしておりますので、遺憾ながらお答えしかねる次第でございます。
#93
○野田哲君 この点については、原供述者はこれは「福田」となっておりますから福田太郎であろうと思うんですが、この福田太郎の供述というのは、これはあるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
#94
○政府委員(伊藤榮樹君) この原供述者の「福田」というのは、決定文の中にも出てまいります福田太郎氏に間違いございません。福田太郎氏のいわゆる検事調書、これはすでに裁判所へ提出されまして証拠調べが行われておるわけでございますが、御承知のように重篤な病気をしておられまして、細切れで何回も検事が調べましたけれども、とうとう調べが終わらないうちに亡くなられてしまったわけでございまして、ただいま御指摘のその別紙に出てくるような関係の部分については、福田氏については調書が作成されていないようでございます。
#95
○野田哲君 この二の7ですけれども、これは原供述者が「児玉」で、中曽根氏に電話をした、コーチャンが中曽根氏に電話をした、「彼に対して私が」「誤解と描写したものを直してくれるよう頼(んだ)」と、こういうところがあるわけですが、この点については原供述者が「児玉」ということでありますから児玉の供述がとれているんじゃないかと思うんですが、この点いかがですか。
#96
○政府委員(伊藤榮樹君) 御指摘のような資料がありますから、それを児玉に取り調べ中いわゆるぶつけて尋ねておると思いますが、果たしてどういう調書になっておりますかは、今後公判へ提出する関係がございますので、御容赦をいただきたいと思います。
#97
○野田哲君 コーチャンが「中曽根氏が、もしその決定があったとすれば、それに関係したと思われる人達何人かに会ってみようと言った」、これは四の8ですが、これは原供述者「小佐野」ということになっているわけですが、この経緯は二十六日だということですけれども、「何人かに会ってみようと言った」のはどういう関係の人たちであるのか。これも二十六日ですか。
#98
○政府委員(伊藤榮樹君) そのとおりでございます。
#99
○野田哲君 福田太郎、それから児玉、小佐野、この三人がそれぞれコーチャンに対して「中曽根氏」に関する話を五回やっている記録がここに出ているわけですが、この五回の話が出た時間的な経過というのはおわかりでしょうか。同じ時点なのか、あるいは別々にそれぞれ出たのか、その点いかがですか。
#100
○政府委員(伊藤榮樹君) 証拠の内容を私どもあらかじめ報告を受けるようにしておりませんので、ちょっと二十六日の朗読を待たないと判明いたしません。
#101
○野田哲君 肝心のところは刑事局長からは二十六日を待ってということでお答えがないわけでありますが、現段階でのこれは、この「中曽根」というのはどういう人であるかということも二十六日になればはっきりする、こういう説明でありますが、これだけこの嘱託尋問調書の中に、別紙の具体的なやりとりの中で「中曽根」という名前が何回も出てくるわけでありますから、本委員会の設置された目的であるロッキード問題を徹底的に解明する、こういう趣旨から言えば、当然この別紙一、二、三、四の中で出てくる「中曽根」という人がどういう立場の人であるかということが二十六日に明らかになった段階で、ここに掲げてある「中曽根氏」を本委員会に証人として出頭を求める手続を委員長に要求をいたしたいと思うので、しかるべき取り計らいをお願いをいたしたいと思います。
#102
○委員長(二木謙吾君) この問題は理事会でよく協議したいと思います。
#103
○矢田部理君 関連。
 「中曽根氏」の話が出ましたので、関連して法務省に伺っておきたいと思いますが、この中曽根氏を検察庁として取り調べをしたことがあるようですが、それはいつごろだったんでしょうか。
#104
○政府委員(伊藤榮樹君) ただいま仰せになりました「中曽根氏」が中曽根康弘氏のことであるといたしますと、先般、衆議院のロ特でございましたか、御証言の際に、検察官の取り調べを受けたことがあるというふうに仰せになっておったように思います。
#105
○矢田部理君 それを承知の上で伺っているんです。「二回聞かれました。」と言っているんですが、いつでしたかと聞いているんです。
#106
○政府委員(伊藤榮樹君) 捜査中に非常に多くの方々のお話を検察当局が伺うわけでありますが、その方々の一人一人についていつどこでどういうことを伺ったかというようなことは、捜査上の秘密ということで、公表しないことにいたしております。
#107
○矢田部理君 本人が言っているんだから、もう秘密もないでしょう。事情聴取はしたんですね。
#108
○政府委員(伊藤榮樹君) 事情を聞かれたという方がおられるわけでありますから、聞いたのではないかと思います。
#109
○矢田部理君 その事情聴取の際に、問題の日とされる七二年の十月五日の日の状況、これは当然のことながら聞いておると思いますが、いかがでしょうか。
#110
○政府委員(伊藤榮樹君) もし参考人として事情をお聞きしたとすれば、その参考人にお聞きしたいことは十分お聞きしておるのではないかと思います。
#111
○矢田部理君 この十月五日というのは、コーチャンの回顧録「ロッキード売り込み作戦」という著書によりますと、「私の長い航空機会社生活の中でも、最大の危機に見舞われた日として、永久に忘れることはないだろう。」という書き出しから始まっているフレーズなんでありますが、改めて説明するまでもなく、この日に「小佐野情報」なるものがもたらされた。その内容は、トライスターを全日空ではなくて日本航空が採用するよう政府は決定する模様である、日本航空に決まることはロッキード社にとっては大変いいことなのではなく、むしろ全日空に売り込むことの方が量から言っても時期から言っても期待をしておったのに、そうでなくなりそうだということで、あわただしいコーチャンの東京における一日が始まるわけです。
 そして、何としてもこの決定を変更させなきゃならぬということで児玉氏のところとも連絡をとり、最終的には、この本によりますと、夜の八時前に塚本素山ビルに出向いていった、しかも、人に見つかってはまずいので、わざわざ非常階段から上に行ったという記述まであるわけでありますが、そこで、素山ビルの事務所、これは児玉の事務所のようですが、ここで児玉氏に一部始終を話した後、すぐにそばにいた大刀川に対して中曽根氏を電話で呼ぶように命じた、自分のいる前で中曽根氏に電話をかけて事の次第を語り、中曽根氏に助力を求めた、こういうかいつまんで言えばコーチン回顧録があるわけです。
 それといま野田委員から指摘をした一連の嘱託尋問調書の内容をあわせて読みますと、ほぼ全貌がつかめるように思うわけでありますが、この嘱託尋問調書では、コーチャン回顧録のいま私が指摘をしたような事実に沿って証言はなされたものというふうに受けとめてよろしいでしょうか。
#112
○政府委員(伊藤榮樹君) すでに朗読されましたコーチャン証言の内容をただいま御指摘の回顧録と照らし合わせてみますと、相当一致点が多いように思います。したがって、二十六日に朗読する部分、どういうことが書いてあるか私は現在存じませんけれども、似たような話は出てくるんじゃないかという気がいたします。
#113
○矢田部理君 そこで問題になりますのは、コーチャンが詳細にその回顧録の中で述べ、かつ、いま局長からもお話がありましたように、ほぼその趣旨に沿って嘱託尋問調書の内容が記述をされているとすれば、中曽根氏が衆議院のロ特で証言した内容、これと重大な食い違い、矛盾が出てくると思われますが、いかがでしょうか。
#114
○政府委員(伊藤榮樹君) 前提として仮定の問題をお置きになってのお尋ねでございますから、何とも申し上げようもないわけでございますし、また、ただいまお尋ねいただきましたことは一人の人の名誉に非常に関することでもございますので、ちょっと仮定の問題を前提にしてお答えするのは適当でないと思っております。
#115
○矢田部理君 これは何も局長に聞かなくても、ある意味では比較をすれば当然わかることですから構いもしませんけれども、また局長としても、仮定とは言っても私は前提として押さえているわけですね。コーチャン回顧録がある、それに沿った内容の嘱託尋問調書がある。とすればという、単なる仮定ではなくて、それなりの事実を踏まえた上での質問になるわけですから、そういうものとして再度お答えをいただきたいわけでありますが、言うまでもなく中曽根氏は衆議院のロ特の証人尋問に際しては、トライスターの売り込み等について、ロッキード社などあるいはまた児玉らから依頼を受けたことは全くない、のみならず電話も受けたこともないと、強い否定を実は繰り返しているわけです。ところが、コーチャン回顧録はもちろんでありますが、先ほど野田委員から指摘をした別紙の中曽根氏にかかわると思われる部分、これをあわせ読むと、衆議院のロ特の証言とは明白な矛盾、食い違いがある。当然のことながらこれは偽証問題に発展をするというふうに思われるわけでありますが、偽証の是非はともかくといたしまして、まずもって重大な食い違いであるということは伊藤局長としても認めてしかるべきだと思いますが、いかがでしょう。
#116
○政府委員(伊藤榮樹君) 事は議院における証言の内容の問題でございますので、ひとつ当該院においてまずお考えいただきたいと思うわけでございまして、それを差しおきまして私に意見を述べろと仰せになりましても、大変私も困難を感ずるわけでございます。
#117
○矢田部理君 当然のことながら衆議院のロ特を初め院として事実関係の食い違い、それが偽証と見られるかどうかということは考えなきゃならぬ筋のものでありますが、同時にそのことは、偽証の疑いありということで捜査の対象にも発展する可能性を持っている問題でもあります。ひとつ十分に検討をいただきたいと少なくとも考えるわけであります。
 委員長、そういう点でも、当委員会としてはぜひ中曽根康弘氏を衆議院だけではなくて当委員会として、証人として喚問をし、かつ事実関係を確かめるべきだと思います。野田委員とあわせてお願いしたいと思います。
 関連して伺いますが、この十月五日の状況については、大刀川がその電話をかける現場にいたと思われるわけです。福田はずっと随行していました、コーチャンに。その大刀川などから、この問題の状況については取り調べをしておりますでしょうか。取り調べの結果はどうなっておるんでしょうか。
#118
○政府委員(伊藤榮樹君) 恐らくトライスターの売り込み合戦をめぐる重要な節目とかいろんな問題点につきましては、検察としては可能な限りの捜査を尽くしておると思いますが、その一々の内容について私承知もしておりませんし、またそれらの仮に供述が調書等に記載されておるとすれば、今後公判へ逐次出されるわけでございまして、この際申し上げることは御遠慮さしていただきたいと思います。
#119
○矢田部理君 それからついでで、なんでありますけれども、午前中の刑事局長の答弁に関連して、もう一点別の件について質問しておきたいと思います。
 これまた午前中野田委員から指摘のあった点でありますが、嘱託尋問請求をするに当たって、被疑事実の中にP3Cにかかわる贈収賄の件についてもその捜査の対象としておったということは法務省もお認めになりました。そのP3Cにかかわる容疑を裏づける資料として、先ほど刑事局長は、P3Cにかかわる児玉の契約書――修正契約四号ですが、とあわせて、司法取り決めによってアメリカ側から提供されたロッキード社関係の資料、議会証言等を含むロッキード社関係の資料という指摘をなされたわけでありますが、この司法取り決めに基づいてアメリカ側から日本検察庁、法務省に提供された資料の中にP3Cの疑惑を裏づけるような資料があったのでしょうか。なければ先ほどの答弁にはならないわけでありますが、あったとすればどういう内容のものであったか。少なくとも被疑事実として立てる以上は、それに見合うようなロ社の資料があったと思われるわけでありますが、その点について局長から答弁をいただきたいと思います。
#120
○政府委員(伊藤榮樹君) けさほどお答えを申し上げましたような意味において、その被疑事実の疎明資料となるものがあったことは事実でございます。一方司法取り決めに基づきまして米司法省当局から引き渡しを受けましたもの、これは何点かあるわけでございますが、その内容は、取り決め自体によって裁判目的以外には一切公開をしないということになっておりますので、その内容については申し上げかねる次第でございます。
#121
○矢田部理君 もう一点。先ほどの野田委員の質問に関連して、アメリカのロスの空港で小佐野が二十万ドルを受け取った、その際、小佐野に同行をしていた一行がいたということになっているようでありますが、現場検証もした検察庁として、当時小佐野に同行をしていたグループはだれだったのか、何人ぐらいだったのか、政治家も含んでおったのかどうか。その点について明らかにしていただきたいと思います。
#122
○政府委員(伊藤榮樹君) その辺は調べがついていると思いますけれども、私、いまだ報告を受けておりません。
#123
○矢田部理君 じゃ、報告を聞いて、後で知らせてほしいと思います。よろしゅうございますね。
 以上です。
#124
○野田哲君 防衛庁の装備局長に伺いますが、このP3Cの配備については、私たちは強く反対をしたわけですが、五十三年度予算から計上されているわけですが、その配備の手順というのはどういうふうになっておりますか。
#125
○政府委員(間淵直三君) 配備という言葉がちょっとはっきりしないわけでございますけれども、購入の手順でございますか。それとも実際買ったものをどういうふうに展開さしていくと……
#126
○野田哲君 購入。
#127
○政府委員(間淵直三君) 購入でございますか。
 購入の手順といたしましては、五十三年度予算で私ども八機の予算を御承認いただいたわけでごさまして、そのうちの三機はFMS――アメリカの政府から直接購入するということになっておるわけでございまして、その全体の四十五機の計画というものの購入につきましての基本的合意というものをアメリカ政府と日本政府との間で去る六月の末に調印をいたしまして、基本的に四十五機を購入するという覚書を交換したわけでございまして、それにのっとりまして、まず三機のFMSから購入する分につきましては、過日防衛庁とそれからFMS、アメリカの当局との間に契約を完了いたしております。残りの五機につきましては、これは私どもはノックダウン機の生産及びライセンス生産機ということになるわけでございまして、これは私どもはこのノックダウン機を生産する川崎重工業と防衛庁が購入契約を結ぶということでございまして、ただいまその手続が進行中でございます。
#128
○野田哲君 金丸長官、いま装備局長の方からP3Cの購入手続について説明があったわけですが、三機についてはFMSからの直接購入、そして五機については川重との間で契約をする、こういう説明があったわけですが、長官は午前中はこの席にはおられなかったわけですけれども、午前中のやりとりからしても、そして法務省にあるこの資料から言っても、防衛庁の方ではP3Cについては疑惑はないという立場に立っておられるようでありますけれども、私どもとしては、P3Cに対する疑惑は消えていない、こういう感をますます深くせざるを得ないわけであります。
 たとえば、具体的に言って、法務省の資料からしても、P3Cの購入に関して小佐野がコーチャンの依頼を受け、児玉とともに深くかかわっていた、こういうふうに考えざるを得ない。現にそういう調書があるわけであります。そうして、しかも小佐野とコーチャンと児玉が会って、小佐野がP3Cの購入についての協力を約束した後、小佐野のアドバイスによって児玉とロッキード社との間の契約が修正契約四号という形で非常に増額をされている。そしてその後、小佐野がアメリカに行ったときに、ロサンゼルスで二十万ドルの金銭の授受が行われている。この二十万ドルについての、これがどういう趣旨のものであったか、その使途についても全く解明をされていない。そうして、しかもいま説明のあったP3Cについてのライセンス生産、川重との契約ということになっておりますけれども、川崎重工の四本社長は、先ほど伊藤刑事局長から説明があったように、福田、児玉、コーチャン、この三人と会ってライセンス生産の問題についての話し合いをやっている。明らかにここには被疑者である児玉、これが介在をしていることも明らかになっているわけであります。
 そういう点からして、P3Cについての疑惑は、私どもとしては解明をされていない、現在は刑法上の疑惑の対象にはなっていないとしても、当委員会でこの問題が発生以来討議をしてきた過程の中で、P3Cについては、これは法的な解明とあわせて政治的、道義的な解明がなされなければならない、こういうふうに当時の三木総理も何回も当委員会で、質問に答えて見解を述べておられるわけであります。そういう点から、P3Cに対する疑惑がまだまだ私どもとしては非常に深く残っている。きのうきょうの新聞でも大きく報道をされているところであります。
 これからの公判の過程で二十六日にはこれらの点についてさらに具体的な内容が法廷で明らかにされる、こういうふうなことになっている経過からしても、P3Cの購入については、完全にこれらの疑惑が解明をされるまで、そして国民の疑念が晴れるまでは購入手続はストップをすべきではないか、こういうふうに考えるわけでありまして、これは私どもがここで唐突に言っているわけではなくて、この当委員会の審議を通じて、政府側を代表して三木総理も、法的解明とあわせて政治的、道義的な解明がなされなければならない、こういうふうな見解を表明されている立場からしても、これは現在の進行中の手続は凍結をされるべきであると思いますけれども、長官いかがですか。
#129
○国務大臣(金丸信君) 私はしばしば予算委員会あるいは内閣委員会等で申し上げておるわけでありますが、私は昨年の十一月二十八日に防衛庁長官を拝命いたしまして、この問題につきまして防衛庁の関係局長、幹部等入れてこの問題を十二分に詮議いたしたわけであります。そういう中で、この飛行機はずば抜けて優秀な飛行機であるということも、また対効果の上からいきましても非常によろしい飛行機だという話も聞きましたし、またその間のただいま疑惑の持たれておるような問題につきましても、これを購入するについては、国民に理解を得るためにたびたびの公表をいたしておるというような状況、またこれが現在公判中ではありますが、何らこの問題に関連は絶対ないという私はかたい信念を抱いているわけでありますから、通常国会における予算委員会等におきましてもこのことをたびたび申し上げまして、御理解を得たと私は考えておるわけであります。ですから、凍結するという考え方は持っておりません。
#130
○野田哲君 予算が成立したから国民の了解を得たと言われましても、防衛庁の立場というのは、防衛白書の中でも、P3Cの配備について現在ロッキード事件で起訴をされているこの容疑事実はない、このことだけが唯一の根拠になっているわけでありますけれども、最近のロッキード問題の公判の進行の状況からして、明らかにこれはP3Cについても児玉が介在をしていたことははっきりしているわけでありますし、そして小佐野が介在をし、そしてきのうきょう明らかにされたように、検察庁の資料においても、金品を受け取った閣僚、高官、国会議員数名、これはトライスターの購入とあわせて、P3Cの購入についても、協力を求められたことを知っていながら金員を収受をしたと、こういうくだりがあるわけでありますから、当然これは今後の公判の中で政治的にも道義的にも解明される時期を待つべきではないか。少なくともいま起訴事実にないということだけで私は国民の疑惑が解けている、こういうことにはならないと思うんです。重ねて長官の見解を伺いたいと思います。
#131
○国務大臣(金丸信君) 私は、そういう問題につきまして、政治家が関係しておるかもしらない、そういうような問題が防衛庁の関係の中にあるとすれば、これは問題でありますが、たとえて言えば、悪い政治家がいて、そういうようないろいろな話し合いをして取引をしたということがあった、それじゃ防衛庁が全然その関係はないのに何も買うことができないのかということになると、これは防衛庁の仕事はできないということになる。防衛庁の関係の中にそのような収賄の問題があるとするならば、これは考えなくちゃならぬと思う。全然関係がないと、こう私はかたく信じておるわけであります。
#132
○野田哲君 防衛庁には関係者がいないとしても、防衛庁よりももっとトップの方に関係者がいたとすれば、これはもっと問題じゃないですか。私が指摘をしているのは、私が推測で言っているんじゃないんです。この嘱託尋問調書の中でもはっきりと、政治家に対して丸紅や全日空の若狭から金が贈られた、その金はトライスターとP3Cの購入に協力を求めるために贈られたものだ、こういうことが書いてあるわけです。そういう容疑がある、だから調べてくれと、こうなっているわけです。それは閣僚、政府高官、国会議員、こうなっているわけですから、防衛庁の職員の中にそういう者がいないからして疑惑がないということではないんで、もっと深い疑惑を私どもは持たざるを得ない、こういう立場からこれは凍結をすべきではないか、こういうふうに聞いているんです。防衛庁の中に関係した者があるとかないとか、次元はもっと別の高い次元のところにあるんです。疑惑は。どうですか、これは。
#133
○国務大臣(金丸信君) 当時の防衛庁の長官がそういうような圧力があったとか、そういう話し合いがあったとか、そういうものは全然ないということであります。防衛庁は独自の考え方の中で、P3Cというこの哨戒艇というものが非常に優秀だということで、これは何よりまさる哨戒艇だということでこれを購入したということ、道義的という問題もいろいろおっしゃられるけど、私は防衛庁として道義的にその問題はないんじゃないかという感じがいたしております。
#134
○野田哲君 性能の優劣の問題ではないんですよ、これは、長官ね。性能の優劣ではなくて、まあ長官がそういうふうに開き直られれば……。これを、国産がどんどん進行していた川重の各務原の工場で、国産で試作品までつくる予算も計上されていた段階で、これが国防会議である日突然国産が白紙に撤回をされた、こういういきさつの中で浮かんできたP3Cであるから、私どもとしてはそのいきさつから、この委員会の中で長い議論をしているわけですからね。私は、やはり長官がこの席で、性能がいいからとか、あるいは防衛庁にはそういう疑惑はいささかもないし、長官もそういう圧力に屈したものではない、このことだけでは、私は国民の疑惑を解くわけにはいかない、こういうふうに思うので、何回の繰り返しにもなるわけでありますけれども、私はぜひ、これだけいま、きのう、きょうと各報道機関一斉に大見出しでP3Cにも疑惑ありと、こういうことで、ここに書かれてあることをもとにして報道して、国民の疑惑はますます深まっているわけでありますから、これは凍結をされるべきだと、このことを強く要請をして、私の質問は終わります。
#135
○峯山昭範君 それでは、きょう午前中からずっと質疑を聞いておりまして、P3Cの中身がなかなか明快にならないのは非常に私としてもいら立たしい気持ちであります。
 まず、長官、いまいろいろと先ほどから答弁していらっしゃいますけれども、自衛隊で一番大事なことは一体何かと、まあこれはいろいろとあるとは私は思いますけれども、現在の日本の自衛隊という立場から考えた場合に、大事なことは、日本の国民の理解を得るということがやはり必要じゃないか、これが一番大事だと私は思うんですけれども、大臣どうでしょうか。
#136
○国務大臣(金丸信君) 私は、防衛という問題は二十七万の自衛隊だけで防衛はできるものじゃない、国民一人一人の理解を得ることが必要であると、全くそのとおりだと考えております。
#137
○峯山昭範君 そこで、これは大臣と私の意見はそこで一致はしたわけです。しかし、国民の理解を得るための自衛隊、理解を得た自衛隊、これは私は、ここで一番ロッキード事件と関連いたしまして、先ほどから長官は、この事件とは関係ないと、こう非常におっしゃっていますが、何が関係ないんですか、どこが。――いやあなた装備局長じゃないか、関係ないじゃないか。
#138
○政府委員(間淵直三君) 私どもも、このP3Cの選定に当たりましては、ロッキード事件との関連というものは非常に心に置きまして、これと関連がないということを明らかにする努力をしてまいったわけでございまして、先ほど来の御質問にもございますように、まあ児玉が秘密コンサルタントの契約を結んでおった、それから小佐野もそれに協力するといったような言明があったという事実は私どもも承知しておるわけでございますが、まあそれに基づいての働きかけといったようなものは承知しておりませんし、また裁判の推移を見てもわかりますように、これに関しまして犯罪を構成するというような事実はなかったということも確認しておりますし、また、児玉とロッキードとの契約といったようなものもすでに消滅して、その債権債務関係は一切残っておらぬということも確認しておるわけでございまして、そういう一連の確認を通じまして、P3Cの導入に関しましては、その疑惑を呼ぶような行為はなかったと、こういうふうに信じておる次第でございます。
#139
○峯山昭範君 私の聞いたことに端的に答えていただきたいんですけれども、要するに、この事件に関係ないと大臣は先ほどからおっしゃっているわけですが、何関係ないのですか。どこが、どういうふうに関係ないのか。
#140
○政府委員(間淵直三君) この導入に関しまして、金銭を授受してどうこうするといったような疑惑は一切ございませんと、そういうことでございます。
#141
○峯山昭範君 だから金銭は授受していない――あなたが知る限りですよ。だけれども、この事件とは関係あったわけでしょう。
#142
○政府委員(間淵直三君) トライスターの導入に関しまして非常に問題になりまして、そのロッキード社からP3Cを買うといったような意味では関係があったと思います。
#143
○峯山昭範君 話をそらしちゃいかぬ。要するに、この事件と関係ないということは、何にもないということじゃないですか、ね、長官。何にもない――関係はあったんですよ。そうじゃありませんか。全く関係がないというの、そういう答弁の仕方おかしいでしょう。
#144
○国務大臣(金丸信君) いや、そういう、ただいま間淵装備局長が言ったように、金銭の授受その他そういう犯罪につながる行為はなかったと、こういうことであります。
#145
○峯山昭範君 それは防衛庁で調べたんですか。
#146
○国務大臣(金丸信君) この問題は、私が防衛庁長官に着任する前のことでありますから、私は防衛庁へ着任して以来、その問題について防衛庁の幹部から話を聞いて、まさにこれはないなと、こう判断したということであります。
#147
○峯山昭範君 きょうこの委員会で問題になっております――これから私は質問するわけでございますが、この二十万ドル云々の問題につきましても、刑事局長自身もこの問題、このお金の行方についてはまだ明確になっていないということでしょう。ということは、要するに、防衛庁もこの金銭の授受とかどうこうということについて、法務省ですらわからないことが事前に防衛庁でわかるなんというのはおかしいでしょう、やっぱり。関係ないなんという言い方は、これはやっぱりおかしいと私は思うのですよ。それだけじゃないんですよ。これは要するに、ただ一面から見ればそういうことです。
 この点も答弁いただきますが、さらにもう一点いきますと、これは、大臣はよく御存じのことでありますけれども、このP3Cには関係ないと、防衛庁は受け取っていない一そんなことあたりまえなんですよね。受け取ってはいかぬのですよ、これはね。受け取っていたら大問題なんですよ。まあこれは受け取っているかもわからないんですよ、これはね。しかしまだわからない。しかし大臣ね、それじゃ防衛庁は受け取っていないから、相手の会社はどんな悪い会社でもいいと、大臣の先ほどからの答弁の理屈はそういうことになりますよね。相手は、P3Cという飛行機はいい飛行機だと、だからそれをつくっている会社はどんな会社でもいいというわけにはいかないと私は思うのですが、これはどうでしょう。
#148
○政府委員(間淵直三君) 先ほども大臣がお答え申し上げましたように、この選定に当たりましては、純粋に軍事的、技術的といったような面を重視して選定に当たったわけでございまして、三原前長官もたびたびお答え申し上げましたように、非常にまあいまいましい思いはするけれども、いいから買う。しかも買うにつきましては、その疑惑のないような誓約書をとるとか、そういうことの、二度とこれに関連しては起こらないというような万全の措置をとって選定した次第でございます。
#149
○峯山昭範君 いや、そんな答弁では私納得できません。いい飛行機であればその会社がどんなことをしておってもいいんですか。その会社が汚職をしたら――前、ぼくは大臣に一遍話したことがありますけれども、その会社が汚職をしたら、たとえばこちらの県で汚職をして、それじゃこちらの県でもいいかというとそうじゃない。日本全国みんな指名停止になるんだ。ロッキード社だって同じですよ。これはやっぱり国民の理解を得るという大臣の基本的な考え方があるからには、本当に理解を得るためには、やはりロッキード社という会社の、ただいい飛行機だから、性能がいいから、これしかないからというんではやはり納得しない。私は、先ほどの答弁を聞いておりますと、これは一番最後に私もしようと思っておりました質問を一番先にしているわけですけれども、要するに、これだけ事件が脚光を浴び、P3Cという問題がいままで余り関係ないと私たち知らされてなかったわけですけれども、今回、こういうふうな決定書によりまして、嘱託尋問の証拠調べ請求に関する決定と、こういうふうな中でP3Cの問題が出てまいりまして、やっぱりP3Cの問題がいろんな角度から問題になってきた。そうしますと、私はこの問題に対して、防衛庁としては、P3Cの採用についてはやはり予算委員会で決まったことであってもこれはやっぱり重大な関心を払う、その成り行きをそれこそもう必死の思いで見守るというぐらいの長官の発言なり気持ちなりがなければ、これは自衛隊を国民が理解するかというと、そんなことしませんで。やっぱり自衛隊を理解してもらおうと思ったら、こういう問題については敏感に反応する、真剣に考える、そういう姿勢がなければ、いや、一切関係ありませんということでは、私は、これは国民の立場から見ればやっぱり開き直ったというふうにしかとらないと思うんですよ。
#150
○国務大臣(金丸信君) 私は、防衛庁の幹部からそのいきさつ等を聞きまして、しばしば、国会、予算委員会その他内閣委員会等でも述べておるわけでありますが、この問題が仮に――仮に防衛庁にそのようなことがあったとするならばどうするかと、それは契約は取り消しますと、私はこう申し上げたこともあるわけでありまして、それほど私は絶対にないという考え方で申し上げておるわけであります。
#151
○峯山昭範君 ですから、現実に相手の会社がこういうことを起こしているわけですね。やっぱりこういうような事件というのは、贈る方があって、受け取る方があって、両方なんですよ、大臣。大臣は片一方の方だけ大丈夫、大丈夫と、こう言っておりますけれども、そうじゃないでしょう。片一方の方がこれは悪いことをしているわけですから、片一方が何ぼ清廉潔白であったにしても、これはやっぱり問題になるわけですよね。そこのところははっきりしていただかないとやはり納得できない。
#152
○政府委員(間淵直三君) トライスターの導入に当たりましては、いま、公判が進められておるような事実が起こっておることはよく承知しておるわけでございますが、したがいまして、このP3Cの導入に当たりましては、これに関しては犯罪を構成するような事実はないな、これは公判の進行によってもそうでございますし、それから、贈賄その他の行為をしたことはない、それから将来もしない、こういうことを確約させまして、その誓約が破られるような場合には解約、契約の廃棄というものをも含めまして厳重な処置をとるということを確認して導入に至ったわけでございます。
#153
○峯山昭範君 装備局長の言うていることは、まず二つの問題点がありますね。一つは、トライスターの導入に当たっては悪いことをした会社だ、これは認めるわけですね。
#154
○政府委員(間淵直三君) ただいま公判が進行中で、何とも断定的には申し上げられませんが、私どもはそう思っております。
#155
○峯山昭範君 いや、そう思っているといのうはどういうことなの……。
#156
○政府委員(間淵直三君) そういう行為を行ったことのある会社だと思っております。
#157
○峯山昭範君 と言うことは、悪いことをした会社だと思っているわけですね。
#158
○政府委員(間淵直三君) 私どもはそう思っております。
#159
○峯山昭範君 悪いことをした会社だと思っているわけですね。
#160
○政府委員(間淵直三君) はい。
#161
○峯山昭範君 そうしますと、その悪いことをした会社とこれからしませんというて契約をするということが、これはどういう問題を起こすかということが一つ。これは私やっぱり重要な問題だと思うんですよ。トライスターでは悪いことをしたということが明確になり、防衛庁もそういうふうに思っているわけです。それじゃ、片一方の方では、しませんと言うたからといってすぐ契約をするか。これは大臣、普通の建設の請負をやったにしても、そうでしょう。片一方でまだ進行中ですわね、これ。片一方の請負工事がいまこれからいろいろな問題でほんまにやったかどうか、お金の出入りやいろいろな問題が裁判でごちゃごちゃなっている。言うたら、大臣がときどきおっしゃっていらっしゃるほとぼりもさめていないわけですね、言うたらば。ほとぼりがさめていないうちに片一方の方と、あれは小さな家を建てるのにはうまいらしいとかいって、片一方の方で契約する。そんなことが許されるかというんですよ、本当に、常識としても。国民の立場から考えてそんなことは許されませんで。これは一面から言うて、そうでしょう。そうじゃありませんか。
#162
○政府委員(間淵直三君) 先ほども申し上げましたように、純粋に軍事的、技術的な検討の結果、こういう必要性が起こったわけでございまして、それに従う措置をとって購入を決定したということでございまして、これははなはだ役人的なお答えで申しわけございませんでございますが、そういうことをした会社と契約を結んではいかぬという法律にはなっておらないわけでございます。
#163
○峯山昭範君 これは大臣、官僚の皆さんはああいうふうに言うわけだな。悪いことをした会社と契約してはいかぬというあれはない。そやけど、そういうことはそういうような法律はあるんですか、大体、世界じゅうに。悪いことをした会社と契約をしちゃいかぬなんという法律はないでしょう、こんな。そんなもの、これはあたりまえのことじゃないですか、大臣。
#164
○国務大臣(金丸信君) ただいま装備局長等がいろいろお話を申し上げているその真意というものは、いわゆる対潜哨戒機が消耗、欠落するというような関係の中で、これを何とか決めなければならない。しかし、その哨戒機は国民の税金をいただいて買うものであるのだから、できるだけ優秀なものを買わなくちゃならぬというので、いまいましいけれども買わざるを得なかったという、その辺に心境がある。また、この問題につきまして国民の合意を得なければいかないということは当然だと思う。で、その合意というものは国会で合意をしていただいたと私は解決をいたしておるんですが、あなたのおっしゃることも私にはわからぬわけではない。御理解をいただきたいと思います。
#165
○峯山昭範君 したがって、それは大臣の後の方の言葉がありますから、もうあれこれ言いませんけれども、いまいましいけれどもとか、そんなことでは、これはとても納得できる問題ではない。
 これは、装備局長、先ほどあなたがおっしゃったトライスター導入に当たっては云々という話がありましたけれども、それじゃ、PXL導入に当たってはいわゆる潔白であるということはまだ明らかになってないわけですよね、まだ。これからですわ、これ。これはどうなんです。
#166
○政府委員(間淵直三君) PXLと申しますとP3Cだろうと思うわけでございますが、P3Cの導入に当たっては、先ほど来申し上げましたように、犯罪を構成するような事実はないと、こういうふうに私どもは確信しておる次第でございます。
#167
○峯山昭範君 それはまだわからぬね、これ。まだ正確にP3Cについて全く何もないかというと、そうではない。午前中の質疑の中でもそのことは出てまいりました。それをあなた方がもし――逆に言えば、あなたの言葉を逆にとりますと、もし、それじゃこれからのいろんな裁判や、これから御存じのとおり、二十六日、十一月九日と嘱託尋問がいわゆる詳細にこれから読み上げられるわけですけれども、そういうふうな裁判の経過の中で、やっぱりPXLに関してもそういう問題が具体的に出てきたということになったら、あなた方はこの契約は取り消すんですか。
#168
○政府委員(間淵直三君) PXLの導入に関しましてまだその疑惑が残っておるということに関しまして、午前中法務省の方からお答えがあったわけでございますが、ただ一点、私どもといたしましては、その二十万ドルが児玉とロッキード社との修正契約第四号の後に行われておるから、そのP3C分も含まれておるに違いないということに関しましては、私どもの解釈はちょっと異なっておるわけでございまして、修正契約第四号によりますと、五十機以上のP3Cの販売の確定契約を受け取った時点で支払うと、こういうことになっておるわけでございまして、まあ、あの二十万ドルを受け取った時点は、いまでもそうでございますが、こういう確定契約はできておらないわけでございまして、したがいまして、あれにP3C分が含まれておるとは私どもは解釈しておらないわけでございます。
#169
○峯山昭範君 いや、私の質問にちゃんと答えなさい。
#170
○政府委員(間淵直三君) 私どもは、二十六日以降の公判においてどういう事実が出てくるか何も予見しておりませんが、たびたび申し上げておりますように、このP3Cの導入に関しましては、犯罪を構成するような事実はないと確信しておるわけでございまして、まあ、万万万一でございますか、そういう場合になったらどうするかということに関しましては、大臣も先ほど申し上げましたように、その契約の解除というものをも含めて検討いたしたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。
#171
○峯山昭範君 いまの問題は、大臣ね、大臣が先ほど、もし仮に防衛庁にそういうような関係者があったら契約を取り消すといういまの意味は、いま装備局長のおっしゃった、いわゆる今度はロッキード社側にP3Cに関してそういうことがあったら契約を取り消すと、いま装備局長はそうおっしゃっているわけですがね、これはそういうふうにとっていいんですね。
#172
○政府委員(間淵直三君) ロッキード社側にそういうことがあったらと申しますと、ロッキード社側にあるとこちら側にも何か相手がおらなければ成立しないような気もするわけでございまして、いずれにいたしましても犯罪を構成するというような事実が出た場合には考えなければいけないと思っております。
#173
○峯山昭範君 それは、いまのあれは、ロッキード社側から当然P3Cに関する金品の授受なり何なり明らかな事実が出てきた場合には、あなたがおっしゃった、先ほどの防衛庁、大臣がおっしゃった言葉とうらはらに、当然その処置をとる、そういうことですね。これははっきりおっしゃってください。
#174
○国務大臣(金丸信君) そういう問題で防衛庁関係筋にそれが出るということであれば、それは契約を取り消す、こういうことであります。
#175
○峯山昭範君 いや、大臣ちょっと違うんですよね、大臣おっしゃっていることと。防衛庁筋にあったら取り消すというのは、大臣、初めからおっしゃっているわけですよ。そうじゃなくて、要するに、受け取る方が防衛庁側ですな。そうすると今度は出す方が、防衛庁が受け取ってなくてもP3Cに関係をしていろんな人が受け取るということはあるわけですからね。そうでしょう。そこのところを装備局長は、もしP3Cに関してそういう問題が出てきたら取り消すと、こうおっしゃっているわけですからね。
#176
○国務大臣(金丸信君) 私の考え方は装備局長の考え方と同じでありまして、いわゆるロッキードから防衛庁の関係のない人に金が渡って、それがP3Cだということでもらったということであったとするならば、私はその金がこちらの関係の筋に来ておるということであれば、これはもう当然贈賄になることですから、これは当然もう――ただ、そこに防衛庁の関係のない人がそこでちょうだいして、そして今度防衛庁がその責任をとると、それはちょっと酷だと私は思っております。
#177
○峯山昭範君 いや、それは防衛庁に関係のある人ない人という立て分けが非常にむずかしいわけですけれどもね、大臣。そうすると、防衛庁に関係のある人――総理大臣は関係あるんですか。
#178
○国務大臣(金丸信君) P3Cを決定するに当たり、ロッキードから出た金というものは、決定に何か関係があったというようなことがあるならば、これは当然やめなくちゃいけない、こういう意味をも含めておる、こういうことです。
#179
○峯山昭範君 だんだんピントがずれてくるね。要するに、これは先ほどから装備局長、もう一回私はお伺いしますが、実際問題として防衛庁のこの問題については、これははっきりわかりました、大臣の答弁で。しかしながら、そうじゃなくて、あなたはP3Cの問題について、二十万ドルもそのP3Cであるかどうかわからないし、そうではない可能性もあるとあなたはおっしゃっているわけですよ、先ほどから。しかしながら、これから裁判の経過やいろんな問題に関しては、P3Cについては全く潔白であるというのが、そうじゃなくて、実際問題としてP3Cに関してもロッキード社からいろんなお金が出ている可能性はあるわけです。これから。それで、そういうようなことが現実に表へ出てきて、そうしてその問題が、大臣は防衛庁筋に渡っていなければそれ以上のことは酷だとおっしゃいますが、今度は防衛庁筋というそれは、少なくとも児玉にしたって小佐野にしたって、これは大臣、児玉、小佐野というのはいま裁判で真っ最中でございますけれども、関係ないとは言えないんですよね。こういう方々がお金を受け取って、そこから先は厳密に究明できればいいですけれども、実際問題とかいろんな問題があります。やっぱり。ですから私は現実の問題として、先ほどから装備局長にしても、大臣にしても、P3Cに関する関係は要するに全く潔白であるというふうな意味のことを繰り返しておっしゃっているわけですけれども、そうじゃなくて、現実の問題として、このP3Cに関するお金の動きというのはいま確かに明確にはなっておりません。われわれこれを調べる資料も何もないわけですから……。しかしながら、裁判の経過や嘱託尋問調書のこの十月の二十六日、十一月九日の発表によっては、またいろんな動きも出てくるでしょう。また政治家の名前も出てくるかもわかりませんね。そうしますと、やっぱりP3Cについていろんな動きがあったということは明確になってきます。そうしますと、その段階で防衛庁はどうするんだと。少なくとも、この契約について私は取り消すなり何なりのきちっとした姿勢を示さないといけないんではないか。出てくるとは言いません、私は。出てきた場合です。そこのところはやっぱりはっきりしておいていただきたい。
#180
○政府委員(間淵直三君) 防衛庁筋に全然関係ないといったような場合などはちょっとお答えしかねると思いますが、いずれにいたしましても、P3Cの導入に当たりまして、それに非常に権限を持つとかなんとかというようなことで犯罪を構成するといったような事実が出てきた場合には、先ほど来大臣が申し上げましたるように、解約というものをも含めて断固として臨みたい、こう思っておる次第でございます。
#181
○峯山昭範君 大臣、どうですか。――それでは法務省にお伺いをいたします。
 まず、児玉、小佐野の両氏は、最近の健康状態はどうなんですか。
#182
○政府委員(伊藤榮樹君) まず児玉でございますが、児玉の脳梗塞後遺症の病状は、さきに衆議院のロッキード委員会で証人喚問されましたころとほとんど同様な状態でございまして、依然として自宅での静養を必要とするということでございまして、公判も昨年七月二十五日の第三回公判からことし十月五日の二十四回まで、その都度同じような診断書を提出して裁判所の許可を得て出頭しておりません。特に第二十四回におきましては、御案内の嘱託証人尋問調書の証拠調べが始まることになっておりましたので、裁判所としても、もし出頭が可能ならばと考えて、事前に主治医の喜多村医師から病状を聞きましたところ、いつ何どき新しい発作を起こすかわからない状態にあるということで、やはり不出頭を許可したということでございます。
 それから小佐野につきましても、高血圧症及び重症狭心症でなお安静加療を要するということでございまして、第一回公判から最近の十三回、十四回、この辺までずうっと主治医の山口医師が付き添って出頭いたしておりまして、たとえば十四回公判におきましては、付き添いの同医師から、血圧が高い方が二百五十、低い方が百六十に達しているという申し立てがあって、やむなく退廷させまして、準備手続に切りかえて取り調べ――証人調べ等を続行するというようなことをいたしました。また、十五回公判におきましては、嘱託尋問調書の証拠調べのために、それまでとは異なりまして、それまでは午前中二時間程度でございましたが、このときは午後も在廷させたわけでございますが、途中で医師から頻脈状態が出たというようなことで、午後三時四十分過ぎ閉廷したというようなことでございまして、小佐野の方の病状は、やや好転の兆しは見えますものの、依然として回復にはほど遠いと、こういう状態にあるようでございます。
#183
○峯山昭範君 そうしますと、両人とも余り良好ではないようですが、小佐野氏は、医師の付き添いがあれば、たとえば国会に証人として出廷する、そういうようなことは実際問題可能ですか。
#184
○政府委員(伊藤榮樹君) 私はどうも医学の知識がありませんからよくわかりませんけれども、現在、公判に二時間程度出席するということはたえ得るということでやっておるようでございます。
#185
○峯山昭範君 それはたとえば、出廷する場合には相当前から予告して出廷していただいているわけですか。どのくらいの時間を置いて本人に連絡をして出廷していただいているのか、そこら辺のところの状況はどうですか。
#186
○政府委員(伊藤榮樹君) 公判期日は大体まとめて何回か指定しますけれども、三カ月ぐらい前には指定になっているんじゃないかと思います。
#187
○峯山昭範君 日にちは前からわかっているわけでしょうけれども、そんな前から言わぬでも、もうちょっと早く、短期間ではできないんですか、実際問題として。たとえば、公判が開かれる何日前かには出廷できるかどうかという問い合わせとか、そんなのはするわけでしょう。
#188
○政府委員(伊藤榮樹君) 被告人自身には数日前に連絡して出て来いということも可能であるかもしれませんけれども、弁護人がおりまして、弁護人はいろんな事件を抱えておりますので、その調整等もありまして、大体裁判所では三月ぐらい前に何回かの期日を決めて先々と先取りをしていくというようにしておるようでございます。
#189
○峯山昭範君 ということは、本人は病状によってですから、一週間もあれば大丈夫ということですね。
#190
○政府委員(伊藤榮樹君) 恐らくそういうことであろうと思います。
#191
○峯山昭範君 そこで、きのうから衆議院のロッキード特別委員会等、あるいは昨日の公判等でP3Cに関する問題が相当明らかになってまいりました。また、きょうの午前中の質疑でもいろんな問題が出てまいりましたが、まず、刑事局長の答弁をずっと聞いておりますと、P3Cに関する児玉、小佐野のいわゆる小佐野ルートの金の流れですね、これは実際問題として、ほとんど解明されていないんじゃないか、少なくともP3Cに関して解明されていることが何かあるかというと、ほとんどないように思うんです。しかも、局長の答弁を聞いておりますと、P3Cに関するいわゆる金が政界に特に渡ってないという印象を与えるために必死の奮闘を続けているんではないか、あるいは今回のいわゆる嘱託尋問調書の証拠調べ請求に関する決定ですけれども、これも相当どこからか圧力がかかって間違って出してしまった、しまったあという感じの答弁ですね、さっきから聞いていますと。そんな感じを私は受けるわけです。
 そこで、私はまず局長、いろいろとお伺いをしたいわけですが、局長のわかっていることだけで結構です。まずトライスターについて、トライスターの売り込みは大体いつごろから行われたんですか。局長の御存じのことだけで結構です。
#192
○政府委員(伊藤榮樹君) 検察官の冒頭陳述によりますと、大体昭和四十年代の初めごろからぽつぽつ売り込みにかかったようになっております。
#193
○峯山昭範君 それで、トライスターがほぼ導入することに、トライスターを全日空は買うということに決まったのはいつでございますか。
#194
○政府委員(伊藤榮樹君) 昭和四十七年の十月三十日ごろであったと思います。
#195
○峯山昭範君 そうですね。したがって昭和四十年ごろからトライスターの導入についてロッキード社は売り込みを始め、昭和四十七年の十月の三十日に全日空はトライスター、日航はジャンボを採用するということが決まったわけですね。そうしますと、小佐野賢治さんがこの問題にかんだのはいつごろからでございますか。
#196
○政府委員(伊藤榮樹君) 四十七年夏ごろからだと思います。
#197
○峯山昭範君 そうすると、小佐野さんは四十七年の夏までは、いわゆるロッキード社の製品の販売にはかんでなかったわけでございますね。
#198
○政府委員(伊藤榮樹君) そのようでございます。
#199
○峯山昭範君 そうしますと、四十七年の夏ごろからかんだと。そのかみ方ですが、これは少なくともロッキード社と小佐野との契約なり直接の受け渡しは、いま問題になっておるこの二十万ドルを除いては何にもありませんね。
#200
○政府委員(伊藤榮樹君) ロッキード社と小佐野との間には何ら報酬についての取り決めその他はございません。
#201
○峯山昭範君 小佐野とロッキード社との取り決めは何にもない。しかし、小佐野さんがトライスターの導入に相当いろんな角度から努力をされたというのは、この冒頭陳述やいろんなところからこれは明らかですね。
#202
○政府委員(伊藤榮樹君) ただいまおっしゃいましたように、冒頭陳述に明らかなように、それ相当の動きをしておるようでございます。
#203
○峯山昭範君 そうしますと、少なくとも四十七年の十月にトライスターの導入が決定をされました。それまで、これは何カ月間の間ですが、少なくともそれまでのいろんないわゆる報酬とか小佐野に対する支払い、これはどういうふうになっていたと考えられますか。
#204
○政府委員(伊藤榮樹君) 証拠上何らの報酬も支払われていないようでございます。
#205
○峯山昭範君 いや、ですから証拠上は何らの支払いもなされることになってないわけですね。しかしながら、コーチャンのこの証言によりましても、児玉を通じて何らかの支払いが行われていたのではないかということは考えられるんじゃないですか。
#206
○政府委員(伊藤榮樹君) けさほど来問題になりました二十万ドル、これははっきりしない性質の金でありますが、この点を除きますと、児玉、小佐野間に金銭の授受があったというような痕跡は余りないようでございます。児玉がロッキード社から得ました巨額の金、これの行方というものはある程度解明いたしまして、いつかも当委員会で御報告申し上げたような記憶があるわけですが、われわれとしてはちょっと驚くぐらいたくさん児玉の資産として留保されており、児玉から外へ出ましたものも大部分捕捉いたしておりますが、そういう関係の中身をこれから立証してまいりますので、逐次おわかりいただける機会があると思いますが、それによって御承知願いたいと思います。
#207
○峯山昭範君 そうしますと、われわれは少なくとも、現金であるかどうかわかりませんが、その報酬についてはやっぱり児玉が直接小佐野に渡していたのか、あるいは全く渡されていなかったのか、それはちょっとわかりませんが、少なくとも直でそこら辺の取引が行われていたということはわれわれ推測できると思うんですね。そこで、ロス空港で小佐野が二十万ドルを現実に受け取っているわけですね。これはどうですか。
#208
○政府委員(伊藤榮樹君) クラッター氏から小佐野が二十万ドルをアタッシュケースに入れて受け取ったと、これが検察側の認定でございます。
#209
○峯山昭範君 これは、まず一つの点は、ロッキード社と児玉とのいわゆる経理手続といいますか、領収書とか、これはどうなっているんですか。
#210
○政府委員(伊藤榮樹君) 当該二十万ドルの分につきましては、児玉からロッキード社に対して領収書が出されていると、これが検察の認定でございます。
#211
○峯山昭範君 そうしますと、P3cの売り込みという問題とトライスターの売り込みという経過等いろいろ考えてみますと、時期的には、先ほども話がございましたけれども、一つは、小佐野へ二十万ドルを手渡したのが昭和四十八年の十一月三日でございますね。それから児玉の修正四号契約ができ上がったのが昭和四十八年の七月二十七日、これはこのとおりですね。
#212
○政府委員(伊藤榮樹君) そのとおりだと思います。
#213
○峯山昭範君 そうしますと、これは先ほども話がございましたけれども、クラッターの日記の中のいわゆる川崎重工の四本氏とのP3Cのライセンス生産のくだりがありますね。このライセンス生産が合意したと書いてあるわけではないですが、合意したと思わせるような記事が現実にあるわけですね。そうしますと、これが昭和四十八年の七月二十八日、こういうふうにずっと見てまいりますと、少なくともこのトライスターの売り込みの経過、そしてトライスターに関する小佐野の働きというのは、少なくとも昭和四十七年の十月の段階で一応終わっていると見ていいんじゃないでしょうか。
#214
○政府委員(伊藤榮樹君) 契約が決まった時点をもって働く余地がないという前提に立てば、そのようになると思います。
#215
○峯山昭範君 実際問題現実の問題として全日空がトライスターを導入するということを決定して、それからどういう働きが実際トライスターに関連してあるかと言いますと、これは実際問題余り具体的に考えにくいわけですね。そうしますと、その後、小佐野の動きというのは、これはやっぱりその後の、たとえばいま申し上げました昭和四十八年の七月二十七日の修正契約にしましても、あるいはその後の二十八日の、明くる日のクラッターのいわゆる川重の四本氏とのライセンス生産の話し合いとか、そのほかいろいろな問題を考え合わせますと、少なくとも昭和四十七年の暮れ以降は、小佐野氏はP3C一本にしぼって動きを開始したと、こういうふうに見るのが正しいんではないでしょうか。
#216
○政府委員(伊藤榮樹君) 一つのあり得る御推論であろうと思います。
#217
○峯山昭範君 そうしますと、あり得る推論ということですから、全くないということはないわけで、そこで、この二十万ドルは、小佐野が受け取って、その後どうなったんですか。
#218
○政府委員(伊藤榮樹君) 遺憾ながらロサンゼルス空港で受け取ってから先のことがわかっておりません。
#219
○峯山昭範君 これはどうしても解明しなければならない問題だと私は思うんですけれども、なぜ解明できないんですか。
#220
○政府委員(伊藤榮樹君) どういうわけか、私も正確なお答えができませんが、察するに、小佐野が二十万ドルの受領自体を否認しておりますから、そういう関係からではないかと思います。
#221
○峯山昭範君 小佐野が受領を否認しているから解明できないと。しかし、検察当局はこの嘱託尋問調書の決定によりましても、明らかに受け取っているということは、もう状況証拠から見ましても、この証言でも明らかになっているわけですね。これは明らかですね。
#222
○政府委員(伊藤榮樹君) 明らかにすべく立証に努めておるところでございます。
#223
○峯山昭範君 小佐野が受け取ったということを小佐野自身が認めれば、これは解明されるんですか。
#224
○政府委員(伊藤榮樹君) 一番手っ取り早いのは、小佐野がその金を受け取ったと、これはこういうところに使ったと、こう言ってくれればすぐわかるわけでございます。
#225
○峯山昭範君 これ、言わなければ、いつまでも解明できないんですか。
#226
○政府委員(伊藤榮樹君) 解明ができておらないのが現実でございます。
#227
○峯山昭範君 そうしますと、小佐野が受け取ったということについては、検察はもう自信を持っていらっしゃるわけですね。
#228
○政府委員(伊藤榮樹君) さようでございます。
#229
○峯山昭範君 そうしますと、小佐野は議院証言法に基づく偽証罪容疑で現在起訴されているわけですね。
#230
○政府委員(伊藤榮樹君) そのとおりでございます。
#231
○峯山昭範君 そうしますと、二十万ドルを受け取ったということが明確になってまいりますと、このことによってこれは当然私は検察当局も、議院証言法による犯罪容疑だけではなくて、やっぱりこれはほかの犯罪容疑がきちっと出てきて、やっぱりきちっと起訴なり何なりしなければいけないということになるんじゃないでしょうか。
#232
○政府委員(伊藤榮樹君) その二十万ドルの使途がはっきりいたしまして、その使い方が犯罪に触れるということであれば御指摘のとおりでございます。
#233
○峯山昭範君 使途が明確になれば何の罪にもならないんですか。
#234
○政府委員(伊藤榮樹君) 何の罪にならない場合も考えられると思います。たとえばラスベガスでばくちに使ったんではないかという風説が一部にあるということを耳にしたことがありますが、そうだとすれば罪にならない。そういうように、使い道によっては罪にならない場合も大いにあり得ると思います。
#235
○峯山昭範君 いや、局長、それはまあ重大問題なんですが、こういうふうな全く不明の金をロッキード社からこういうふうな意味でロスの空港で受け取ったと。それじゃこれはラスベガスでばっと使っちゃえば何の罪にもならない。本当なんですか、これ。外為関係もあるいは税金の関係も、あるいはそういうようないろんな関係から見て、何の罪にもならないんですか。
#236
○政府委員(伊藤榮樹君) まず恐らく何の罪にもならぬのじゃないかと思います。アメリカでアメリカのお金を受け取ってアメリカで使ってしまえば、外為の問題は起きませんし、まあ強いて考えますと、課税上の問題が残るかもしれませんけれども、犯罪ということにはどうもならないんじゃないかという気がいたします。しかしながら、たまたま私が不適当な仮説を述べましたのでお考えを混乱させておるのではないかということを恐れておりますが、いずれにしろ、使い道によっては犯罪になる場合もあり、ならぬ場合もあると、こういうことでございます。
#237
○峯山昭範君 これは私は、これがもしいま局長の仮説をこうしますと、今度はきっと彼は何の罪にもならないということになると、あれはみんな向こうで使っちゃったということになっちゃうとこれは大変なことになっちゃって、実際問題、庶民のこの問題に対する感覚から見ましてもとても納得できる問題ではない。やはり私は、こういう問題についてはきちっとした処置をやってもらいたいと思うし、今後の問題になりますが、ちゃんとしてもらいたいと私思います。
 それで、この二十万ドルの解明は、小佐野さん一人の問題ですか。あと、ほかに問題、関係者はありませんか。
#238
○政府委員(伊藤榮樹君) 起訴状で訴因として構成しました部分に関する限り、小佐野被告人一人の問題、裁判上の問題としては小佐野一人の問題でございます。児玉の関係につきましては、この二十万ドルを所得から除外していたと思いますので、そういうことでございます。
#239
○峯山昭範君 それでは、もうすでに先ほどちょっと答弁がありましたが、防衛庁はこのP3Cの問題について初めていろんな接触を受け、説明を受けたのはいつですか。
#240
○政府委員(間淵直三君) ロッキード社とこの問題につきまして接触を受けたのは、私定かには覚えておりませんが、昨年の夏だと思います。
#241
○峯山昭範君 昨年の夏というのは非常に最近のことでありまして、実際問題としてこれはもう相当前から、少なくともP3Cの問題について米軍に要請をしたりいろいろやったのは、昭和四十三年ごろのことではございませんか。
#242
○政府委員(間淵直三君) このP3Cに関しましてアメリカと接触をしたのは、先生ただいまお触れになりましたように、四十三年の三月でございます。
#243
○峯山昭範君 それ以来、今回の新聞の報道でも、この今回の嘱託尋問調書の朗読で明らかになってまいりました鮫島幕僚長、この方が実際に訪問を受けたのはいつでございますか。
#244
○政府委員(間淵直三君) 四十九年の一月二十五日でございます。
#245
○峯山昭範君 そして、しかも鮫島さんは、新聞等の報道によりましても、全くの表敬訪問で商談など全くなかったと、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、これは実際問題、この証言とは全く食い違っておりますね。私はこれはやっぱり鮫島さんがちょっと記憶違いをしていらっしゃるんではないかと、そういうふうに思うわけです。といいますのは、昭和四十三年ごろからP3Cの問題が議論となり、しかもコーチャンは、十一年間にもわたってP3Cの売り込みに必死になっているわけですね。そうしますと、昭和四十三年から防衛庁のいわゆる海幕長の鮫島さんに会った昭和四十九年までと考えてみますと、五、六年の期間があるわけですね。少なくともその間にP3Cの問題は入れかわり立ちかわりいろんな話が出てきているわけです。現実の問題として。それがただ単に表敬訪問だけではなくて、やはりコーチャンが言っておりましたP3Cをなぜ買うべきかと、要するに、国産よりやはりこっちの方が安くつくぞというふうなP3Cについての話をしたというのが、これがやっぱり真実性がありましてね、そんなもの、全く表敬訪問だけなんというのは私は納得できませんし、防衛庁の幹部の言うことはどうもだれが考えたってこれは不信を持つ。これはどうですか。
#246
○政府委員(伊藤圭一君) いま先生の御質問がございましたので、少しあの時期のことを整理して申し上げたいと思いますが、コーチャンの証言にありますように、十一年前からP3Cの売り込みを図っていたということは、私はあり得ないと思うのでございます。といいますのは、御承知のように、四十八年になるまではP3Cというのはアメリカは全然リリースしないという方針だったわけです。したがいまして、四十八年になりましてからやっとこれをリリースしてもいいということを言ってきたわけでございますから、それ以前はP3AあるいはP3Bというものの売り込みを図っておったというのは事実だと思いますけれども、このP3A、P3Bというものについては海上自衛隊そのものも全く相手にしていなかったというのが実情でございます。そして、その四十九年に海幕長に会いに来たときというのは、まさに、御承知のように、国防会議の事務局に専門家会議というのが設置されておりまして、そこで輸入にするのか国産にするのかということを専門家が審議している段階でございました。当時は、私どもが歴代の長官から言われておりましたのは、国防会議の事務局の専門家会議の結論が出るまでの間は何が欲しいというようなことを言うなということをかたく言われておった時期でございます。したがいまして、商談という形ではあり得ないというふうに私は信じているわけでございます。
#247
○峯山昭範君 まあ、それは商談があったとか、商談まではいったかどうかはちょっとわかりませんが、実際問題としてP3Cに対するいろんな説明には行ったんじゃないかと。これはまあそのぐらいのことは当然だと私は思うんですがね。そうでなければ話が通じないわけですよ、これ。全く表敬訪問だけでというのではこれは話にならない。
 それから次に、先ほど出てまいりました山口装備局長さんですか、これは会われたのはいつでございますか。
#248
○政府委員(間淵直三君) 正確に日にちは覚えておらないようでございますが、四十九年の一月ごろということでございます。
#249
○峯山昭範君 これは要するに、鮫島さんとお会いになった前後でございますか。
#250
○政府委員(間淵直三君) 日にちを考えてみますと、そういうふうに思われます。
#251
○峯山昭範君 どういう話があったんでしょうか。
#252
○政府委員(間淵直三君) これはまあ表敬と同時にある程度P3Cの説明などは聞いたと、こういうふうに聞いております。
#253
○峯山昭範君 この二人、たとえば装備局長はお一人で会われたんですか。
#254
○政府委員(間淵直三君) ほかにだれが同席したかは確認してございせん。
#255
○峯山昭範君 同席された可能性もあるわけですね。
#256
○政府委員(間淵直三君) 通常こういう場合は一人で会う場合もございますし、それから所管の課長など同席する場合もございます。
#257
○峯山昭範君 防衛庁は、装備局長にお会いするときに、直接連絡して一人で会うということが現実にあるんですか。
#258
○政府委員(間淵直三君) 通常は所管の課を通じて面会申し込みするというふうになっておりますが、いろいろの場合が例外的にございます。
#259
○峯山昭範君 いずれにしましても、それ以外に防衛庁としては――これは後からぽろぽろ出てくるというのでは困るわけですけれども、もうこれ以外には実際問題、P3C問題、PXLの問題が出てまいりましてから相当の期間になるわけです。防衛庁としても、いわゆるそのロッキード社関係者からどういう方が会っているかとか、どういう方が接触しているかということは、当然私はもういままでにもこれは相談をし、調査をし、していらっしゃると思うのですがね、そこら辺のところは実際問題としてどうなんですか。
#260
○政府委員(間淵直三君) 実際問題としていろいろのレベルの方がいろいろのレベルのところに接触しておったとは思われます。
#261
○峯山昭範君 そこら辺の調査は終わっているんですか。
#262
○政府委員(間淵直三君) 一々記録したものがないものでございますから、完全かどうか、いま調査を進めておるところでございます。
#263
○峯山昭範君 それでは、私の質問はもう終わりますが、いずれにしましても、十一月の九日が四回目のこのいわゆる嘱託尋問調書の朗読でございますから、そこの日までにはいろんな問題がまたもっと明らかになってくると私は思います。
 そこで、まず一つは、防衛庁に先ほどから質問してまいりましたが、防衛庁は少なくともこの十月二十六日、十一月九日とあるわけですが、やっぱりここら辺までは少なくとも防衛庁として、このP3Cの問題について具体的にいろんな問題が出てきたときにどうするかという問題についてやっぱり研究する必要がある、私は対応していかなければいけないと思うのです。それで全く関係ないというふうな姿勢では、これは国民の立場から見ても納得はできない、こういうふうに思うんです。したがって、そこら辺のところはやっぱり防衛庁としてもがっちり取り組んでいただきたいと思います。それがまず第一点であります。
 それから、実は私たち参議院のロッキード特別委員会としましては、この委員会の開会をたびたび要求してまいったわけでございますが、なかなか委員会を開く機会がありませんでした。きょう久しぶりに開くことができたわけでございますけれども、先般のこのロッキード特別委員会でも、瀬戸山法務大臣が、公判の状況によってはいわゆる中間報告なり何なりたびたび考えてもいいというふうなことをおっしゃって、そのままになっているわけです。そして、しかもこの嘱託尋問調書の調べも大体十一月に終わる。そうしますと、その時点で法務省として何らかの、いわゆるこの国会に対する報告なり何なり、そういうものは考えていないかどうか。
 この二点、あわせてお伺いします。
#264
○政府委員(間淵直三君) 防衛庁といたしましては、先生の御趣旨を体して最大限の努力をいたしたいと思います。
#265
○政府委員(伊藤榮樹君) 瀬戸山大臣のお考え、私承っておりますが、国会の御要望がございますればしかるべき時期に最終報告というようなものをすることにやぶさかでないと、こういうようなお考えでございます。ただ、瀬戸山大臣は、その場合に、ただ捜査の結果こういうことが判明したと、あるいは公判の経過でこういうことになったということだけでは余り意味がないのではないかと、やっぱり政府全体としてこの事件をどういうふうに受けとめるかと、そういうようなことも踏まえたようなものを出すんなら出すべきではないかと、こういうふうにおっしゃっております。もちろんただいま仰せになりましたような法務省だけの立場で御報告できる、そういう事項につきまして御要望があれば中間的にお出しするのにやぶさかではございません。
#266
○峯山昭範君 以上です。
#267
○神谷信之助君 まず法務省の方にお伺いしますが、昨日の嘱託尋問調書の法廷における公表で、コーチャンが、児玉はわれわれのためにP3Cで働いた、彼は六五年以来このことについて働いているというように言っておりますが、この点は確認できますか。
#268
○政府委員(伊藤榮樹君) そのような証言の読み上げをしたようでございます。
#269
○神谷信之助君 「ロッキード売り込み作戦」の中で、いわゆるコーチャンの回想録によりますと、先ほども出ましたが、四十七年の十月の五日、日本政府がロッキード、ボーイング、ダグラスのアメリカ三社のエアバスを日航と全日空に購入をする、それについて決定をしたということを小佐野から聞いて非常に驚いたという問題があります。こういう問題について、運輸省見えてもらっていると思いますが、当時こういう決定があったのか、あるいはそういうような動きというのが現実にあったのかどうか、この点はいかがでしょうか。
#270
○政府委員(松本操君) 当時そのようなことがあったというふうなことは、航空局、運輸省といたしましては全く承知をいたしておりません。
#271
○神谷信之助君 そうすると、今度は法務省にお伺いしますが、児玉ら二名に対する冒頭陳述書の二十六ページ、「ロッキード社にとって不利な状況の改善」という項の中で、(一)に、そういう状況を福田から電話があって知ったと、驚いてこれの決定を覆してもらおうという企図をしたという、これはいわゆるコーチャン証言に基づく内容でありますか。
#272
○政府委員(伊藤榮樹君) その点は各般の証拠に基づいてもちろん記載しておるわけでございますが、どういう証拠に基づくということをいまちょっとここで申し上げるわけにはまいりません。
#273
○神谷信之助君 担当の運輸省の方はそういう事実はなかったということですから、結局残る国内の捜査としては恐らくなかったということになるのか、あるいは運輸省は知らない動きだったかもしれませんが、そういう問題だと思います。
 そこで、その(二)のところで、それでコーチャンが、ロッキード社としてはこういう決定を受け入れがたいという意向を小佐野に述べた、ところが、小佐野の考え方が満足できるものではなかったために、児玉事務所で福田とともに児玉と会い、右の情報を伝えて、政府の右決定を覆すよう助力を要請をして、児玉がこれを承諾をしたとあります。ところが、コーチャンのこの回想録によれば、その児玉事務所に行って話をして、児玉がよしわかったということで、中曽根に目の前で電話をして、そして中曽根に依頼をしたということになっています。この点、冒頭陳述では中曽根への電話の件はありませんが、この点はどういう理由によるものですか。
#274
○政府委員(伊藤榮樹君) 証拠によって立証を要する事項は冒頭陳述書に全部書いてあるつもりでございます。あとは、そういう細かい問題は立証段階で順次明らかになると、こういうのが刑事裁判の常でございます。
 ただ、私きょうお答えをいたしておりまして大変困っておりますのは、嘱託尋問調書のちょうど読み上げの途中でございまして、大体きょうお尋ねいただくことの主なる部分は二十六日に読み上げられる部分でございますので、その以前にお尋ねをいただきますことは、いかにもお答えもしにくうございまして当惑しておるわけでございまして、したがって、お答えが歯切れが悪いことになっておるんじゃないかと思っております。その点だけ御容赦いただきます。
#275
○神谷信之助君 次の二十六日の尋問調書の中ではこの電話の一件も出てくるんではないかということは、決定書の別表の何で見れば大体想像はされるわけです。ただ、いわゆる政府がそういう民間機の購入についての決定をしたというのをわざわざ引用している。政府の決定ですから、そういうように書いていますね。ところが、運輸省自身はそういう決定をしていない。ところがそれについては書いてある。片一方、中曽根さんという有力な政治家がこれに――コーチャンの尋問調書、恐らく次回に出てくるでしょうが、またこの回想録にありますが、そういう点についてはわざと抜けているんですね。だから、中曽根さんがその電話を仮に否認をしているという場合であっても、たとえば一項では、日本政府の決定はないけれども、運輸省はなかったというけれども、そういう旨を知らされたという片一方の聞いた方の事実だけでこれは引用してあるけれども、こっちはないという点にちょっと疑問を持つものですからお尋ねをしたんですが、いかがでしょうか。
#276
○政府委員(伊藤榮樹君) 大変どうも失礼な言い方になるかもしれませんけれども、検察官が冒頭陳述をいたします際には、起訴状に記載されました訴因の立証に直接あるいは相当密接に関連する事項を書くわけでございまして、あるいは中にはいろんなことが書いてあった方が国民の皆さが方には何か興味があるという場合もあるかもしれませんけれども、そういう姿勢は検察はとりませんものですから、そういうことで御理解をいただきたいと思います。
#277
○橋本敦君 委員長、ちょっと関連。
 関連で伺いますが、いま神谷議員が指摘しましたような、四十七年十月五日ごろ、コーチャンが言っているような、冒陳に書いているような、こういう決定を政府、具体的には運輸省ですが、こういう決定を政府がした事実はないということは、これは検察庁としては捜査をして知っていらっしゃる事実ですか。
#278
○政府委員(伊藤榮樹君) 恐らく御指摘のとおりだと思います。
#279
○橋本敦君 それじゃなぜこういうような、福田から電話でコーチャンに言ってきてコーチャンがびっくりするというような事態が起こったのかということに一つのなぞがある。これは後で神谷議員が引き続き質問をいたします。
 重ねて航空局長に伺いますが、四十七年十月の五日ごろ、小佐野か児玉からか、あるいは他の政治家からか、あるいは全日空からか日本航空の役員からか、運輸省筋に対して、政府の民間航空機導入に関する何らかの決定がなされたかどうか問い合わせのようなものがあった事実がありますか、ありませんか。
#280
○政府委員(松本操君) 本件に関しまして私どもが部内においていろいろ調査すべき事項があったわけで、それに関する調査をいたしました限りにおいて、そのようなことはございません。
#281
○橋本敦君 そうすると、ますます一体これは何の話であったかが疑問が生じてくるわけであります。
 これは後におきまして、航空局長にもう一つ別の問題ですが、この際質問をしておきたいんですが、昨年の十一月二日の当ロッキード特別委員会におきまして、装備局長は私に対して大変重要なことを答弁されたのです。それは、ロ社が児玉に払った多額の秘密代理人に対する支払いの金ですね、これはP3Cの価格に上乗せされてロッキードが高いP3Cを防衛庁に売り込むようなことはないかと聞きましたら、そういうことはありません、口社の書面でそういうことはない、児玉に払った金はトライスターに上乗せをしてそっちで処理している、こういうように口社が言ってきている、こういう答弁がありました。これは言いかえてみれば、児玉という秘密代理人にむちゃくちゃに支払った多額の金をトライスターの価格に上乗せして日本の全日空にロッキードが売りつけて、結局ロッキードは全日空が払った金で児玉を雇ったということになる。また、それが運賃、価格、コスト等に換算されれば、国民が高い金で飛行機に乗らされるということになる。どっちにしても、こんなばかなことがあるかというわけで、航空局長に調査をそのときに要求しましたら、当時の航空局長は、調査をいたしますという答弁をなさいました。調査の結果、トライスターに児玉に支払った金のどれだけを上乗せして全日空に売りつけたか、その点明らかになったらお話をいただきたいと思います。
#282
○政府委員(松本操君) ロッキード委員会の以前の御審議の経緯の中でも、トライスターの価格が不当に高かったのではないかと、こういうふうな御指摘があったことがございまして、その時点におきましても私どもとして調査をいたしたつもりでございます。その後ただいま御指摘の機会にも改めて価格が他の会社における購入価格との対比いかんというふうな点も詰めましたが、その点においては、むしろ安いという以前に申し上げたお答えと違った答えは出ておりません。またさらに、そういうことでございますので、いま仰せのような額がどこでどういうふうに上乗せになっているのかというふうな点については、これは私どもといたしまして調査してみましたが、これはそう簡単にわかるような仕掛けがあるわけでもございませんし、本来的に購入いたしましたトライスターの価格は、通常の購入価格に比べれば、どちらかといえばむしろ安いという判断をしてしかるべきではないかというふうなことが私どもの結論であったわけでございます。
#283
○橋本敦君 航空局長ね、高い安いを聞いているんじゃないですよ。安くても上乗せされている、ロッキード社はそう言っておるんですよ。上乗せしたと言っておるんですよ、防衛庁に対する書面で。入っておると言っているんですよ。なぜこれがわからぬのですか。入っていると言っている。高い安いの問題じゃない。安くたって入れている。けしからぬ。それをのけたらもっと安くなる。
#284
○政府委員(松本操君) 重ねての御指摘でございますが、私どもの方で調査をいたしました範囲の、どういう調査の仕方かと申しますと……
#285
○橋本敦君 いや、そこは局長いいですよ。わかったかわからぬか。
#286
○政府委員(松本操君) 結果論的には、私どもとしては価格の総額において比較し、そこにおいて不審な額が出てくればそれを追及するという形の調査しかできませんので、結論的に申し上げますと、私どもの調査しました限りにおきましては、どこでどういうふうにそういうふうなからくりが行われていたかということを明確にすることはできないわけでございます。
#287
○橋本敦君 できないじゃ承知できませんよ。ロッキード社は上積みしたと言っているんだもの。こんな金は取り返したらいいですよ。外国だって、口事件が起こってから秘密代理人に支払った金は取り戻した例がありますよ。局長、もう一遍答弁求めますよ。全日空を呼んで、ロッキード社に照会をして、何ぼ上乗せをしたかはっきり調べて回答してもらいたい。国会に回答してもらいたい。上乗せしたと言っているんだから。あなたの調査方法はどうでもいいですよ。若狭社長を呼び、ロ社に照会して、防衛庁に出した書面の金額は幾らか聞きゃいいんですよ。やりますかやりませんか。
#288
○政府委員(松本操君) これは売り値の原価を調べることになろうかと思いますけれども……
#289
○橋本敦君 そんなもの調べなくてもいい。何ぼ上乗せしたか聞けばいい、ロ社に。上乗せしたと言っているんだから。
#290
○政府委員(松本操君) ロッキード社に対して、おまえはどれだけ上乗せをしたのかと、こう聞いて、これだけ上乗せしましたと相手が素直に答えてくれれば話は簡単でございますが……
#291
○神谷信之助君 防衛庁に上乗せしたと言っているんだから。
#292
○政府委員(松本操君) 私の理解、承知しております限りにおいては、そのようなことはなかったものと考えておりますが、再度にわたっての御指摘でございますので、一応私ども試みてはみますけれども、素直にロッキード社が、はい、これだけ乗せましたと、こういう答えをするかどうか。それ以上のことになりますと、私どもが先ほど弁明申し上げましたように、ちょっとそれ以上の調査の仕方はございませんので、そういうことで御理解いただきたいと思います。
#293
○橋本敦君 答えをしない不誠実な会社だったら、P3Cについても考え直させますよ。それはお願いをして神谷委員に引き継いでもらいます。
#294
○神谷信之助君 いまの問題で、ですから、防衛庁の方も関係あるわけですよ。それば上乗せをトライスターの方にしたと、P3Cには関係ありませんという回答を一つの条件にして、そして契約を結ぶという方向をとっているわけでしょう。それがはっきりしないし、とりあえずの逃げ口上であったとすれば、これはもう契約をやめざるを得ないわけですからね、これはきわめて重大な、ロッキード社を信用できるかどうかという問題ですから、防衛庁にとっても重要なんで、これはひとつはっきりしてもらいたいということを重ねて申しておきます。
 そこで、法務省の方ですけれども、コーチャンの回想録、それから恐らく二十六日の法廷で明らかになるであろうそういう調書の中身によれば、いまの十月五日のそういう情報で児玉の事務所に行って、児玉から中曽根へ電話をして、その点についての逆転を、コーチャンの言葉で言えば逆転を要請をすると、こういうことになっているんですが、この点どうも話がおかしいと。運輸省の方ではそういう政府決定をしていないし、それから関係者の方からそういう話の持ち込みもなかったということをいま明らかにされています。それで、これは法務省の方でも、捜査当局でも捜査をすればすぐ明らかになることでしょう。だとすれば、この児玉から中曽根へ電話をした内容というのはこういう内容ではなかったんじゃないかということを考えるのが捜査当局では当然のことだろうと私は思うんです。したがって、そういう意味からも、この電話は、ロッキード社が日本に売り込みの中心にしておりましたトライスターとP3Cと二つあるわけですから、この話はP3Cに関する話ではなかったかと、こういう角度から当然この五日から六日にかけて行いましたコーチャンの行為について捜査をするのが当然だと思うんですが、そういう捜査についてはなさったでしょうか。
#295
○政府委員(伊藤榮樹君) 必要な捜査はすべて尽くしておるはずでございます。ただ、ただいま御指摘になりました一つの想定、そういう想定を抱いていなかったことは冒頭陳述書をごらんいただけばおわかりいただけると思います。
#296
○神谷信之助君 そういうことを想定をしなかったと、したがって、そういう捜査もしなかったということになるのですか。
#297
○政府委員(伊藤榮樹君) まことに私当惑しておるのでございますが、証言の中身をよくお読みいただいた上でお尋ねいただくと私もお答えしやすいんですけれども、私自身も、まだ読み上げられていない部分の調書の内容は存じませんし、いまのお尋ねに対しては、もうまさに暫時時間を拝借さしていただいた方がはっきりおわかりできるような言葉でお答えができるようになるのじゃないかと思います。
#298
○神谷信之助君 いままででも、そういう点については捜査をなさっておれば、そういうあらゆる角度からあらゆる面にわたって捜査をするのが捜査当局の責任だから、恐らく捜査をしておるものと思いますというような答弁をなさっておるんです。いまのお答えは、そういうような想定はしていなかったということですから、そうすると、P3Cに関する話ではなかったかという角度からの捜査はしておらなかったという意味にとれるんですけれども、ちょっとその辺いかがでしょうか。
#299
○政府委員(伊藤榮樹君) 私自身も、ロッキード事件の過程でどういう捜査をしたか細部にわたって承知しておるわけではございませんが、冒頭陳述書を読みます限りでは、そこに書かれましたことがトライスターに関連する事柄として検察が受けとめて、証拠がそういうことになっておって、そういう主張をしておると、こういうことであろうと思います。
#300
○神谷信之助君 いまのお話はどうも私は納得できないわけです。当時、四十七年の十月の上旬から九日の国防会議の決定に至る間、大蔵省、防衛庁を中心にして大論争になって、このP3Cの国産化の方向を進めるのか進めないのかという重要な時期になっています。それで片一方、御承知のように、コーチャンは、昨日明らかになった尋問調書の中でも、十一年間P3C販売に従事をしている、それで、一九六五年、そのために初めて日本にやってきたが、川崎重工が自衛隊のためにP2Jを生産しておる、わが社はむずかしい位置に置かれていた、そこで児玉に知らせ、彼の助けを求めました、ということで、国産化へどんとそこで決まってしまえば重大なことになる、一兆円商売といわれるP3Cの商売は大変な決定的なダメージを受けると、こうなります。そういう時期に何らこれについて働きかけをしなかったということは常識では考えられない。そして、電話の相手の中曽根氏は国産化の方向を決定をした当時の防衛庁長官であります。そして、当時の田中内閣の通産大臣で、国防会議にも出席をしている、こういう関係になります。ここで国産化の方向を持論として持っておられた中曽根さんがそれについてあるいは異議を申し立てたということになりますと、これはなかなか九日の会議の決定ということにはならないでしょう。だから、当然、ここで中曽根さんに話をして、そして十月九日ツルの一声で決まるという、そういう段取り、そういう工作というのは、常識として考えられるわけです。事実、十月九日は国産化の方向が白紙還元をされるということで、とにかく国産化の方向をストップをさせるという、まず最初のコーチャン戦略の第一の目標は成功するということになったわけですから、私は以前にも当委員会でこの問題で問題の提起をいたしましたけれども、そういう、あらゆる角度から捜査をしなきゃならぬと思うんですけれども、そういう面からの捜査がなされていないとすると、私は一層大きな疑惑を持たざるを得ないんですけれども、この辺は二十六日の調書の中で――先ほどから二十六日、二十六日とおっしゃいますが、その中曽根氏にまつわる問題、あるいは同時に、その中身がP3Cにかかわるものであるかどうかということについても決定的な内容が明らかになるというようにおっしゃるわけでしょうか。
#301
○政府委員(伊藤榮樹君) 検察の捜査と申しますのは、証拠から証拠を追って事実を認定しながら進んでいくわけでございまして、あらかじめ一本の仮定の枠を決めまして、その枠へ押し込めるかはみ出るかと、こういうような捜査はいたさないわけでございまして、そういう証拠と事実の積み重ねに基づいて認定しました事実が冒頭陳述書に記載されておるわけでございます。いろいろな当時の情勢をいろいろな角度からごらんになりますお立場からしますと、いろいろなお考えがあろうと思いますが、すべては証拠と事実の積み重ねということが一番重要であると私どもの立場では思っておるわけでございます。
 なお、中曽根電話ということをお引きになりまして、二十六日にそれが出るかと、こうおっしゃいますけれども、何が出るかは私も存じておりませんので、二十六日読み上げてみますと何かがそこにあらわれると、こういうことであろうと思います。
#302
○神谷信之助君 確かに証拠をもとにして捜査というのはやらなけりゃなりませんが、しかし、その証拠を見つける上では、どういう状況があり、どういう情状証拠があるかという、広い意味の情状証拠に基づいて具体的な、端的な証拠を追求しなきゃならぬと思いますからね。しかも、国民の関心は、いま私が先ほど述べましたような点について本当に疑惑がなかったのかどうかということをやっぱり明らかにするというのが、刑法上の面からも明らかにしなければならぬというのが捜査当局の責任だと思います。この点ひとつ申し上げておいて、次の問題に移ります。
 次は、四十八年の七月二十七日に第四次の児玉とロッキード社の修正契約、これができたということがクラッター調書の中で明らかになってきております。これに児玉、小佐野、クラッターらがおるわけでありますが、この日、七月二十七日に、そういう小佐野を含めて、児玉、小佐野の増額の修正契約ができたその日に、当時の田中総理ですね、それの報道されております行動日誌を見ますと、その日に小佐野氏が田中私邸に訪問をしております。この内容については捜査をされておりますか。
#303
○政府委員(伊藤榮樹君) その点については報告を受けておりません。
#304
○神谷信之助君 捜査をしたかしてないかということについても報告を受けていないという意味でしょうね。私はこれは非常に重要な問題ではないかというように思うんです。この七月二十七日に調印をして、そうしてP3Cについての増額修正契約ができたと、そうして翌二十八日には、御承知のようにライセンス契約ができております。これはまた後で触れたいと思いますが、そして二十九日に田中総理はニクソンとの会談に向けて出発をして、七月の三十一日から八月一日まで第二回の田中・ニクソン会談がホワイトハウスで行われております。で、この第二回の田中・ニクソン会談では何が話し合われたか、当時の新聞報道によりますと、米国が日本の責任と貢献を求める分野はおよそ三つに分けられる、第一は、アジアの平和と安定の分野で、それはアジアの地域的協力と日本自身の防衛努力の強化に分けられるだろう、日本自身の防衛努力の点で米側がいまだに不足していると見ているのは、日本周辺の水域、海峡の防衛強化、対潜水艦作戦など早期警報組織の強化がある、という報道がなされています。
 すなわち、この第二回の田中・ニクソン会談では、日本の防衛努力の強化をアメリカが要請をする、そして対潜作戦などを含めた早期警報組織の強化、言うなればP3Cの早期導入が議題に、問題になったであろうということが報道からも明らかだと思います。当時報道された一つの話として、ニクソンの方もアメリカの業界から圧力をかけられて、そしていろいろ、あれをやれ、これを売れという話があって本当に困っているのだと言うと、田中さんも、お互いに大笑いをしたという報道もありましたが、まさにこのP3Cをめぐる問題が、ちょうど二十七日には第四次修正契約ができるし、そしてその晩に小佐野は田中さんの家へ行っているし、二十八日にはライセンス契約もできる、そしてそれらを含めて第二回田中・ニクソン会談で対潜哨戒機を含めた日本の防衛力強化についての相談をする、こういうように段取りが組まれてくるのを歴史的事実を追って見てみますと、この時期にP3Cの売り込み工作、これがロッキード社の側から非常に激しくなってきた時期ではないかというふうに思いますが、その辺は法務省の方でどのようにお考えですか。
#305
○政府委員(伊藤榮樹君) 私自身も、あるいは私が検察当局から報告を受けたところにおきましても、ただいま御指摘のような事柄をずっと結びつけていろいろ考えをめぐらしたというちょっと記憶がございません。
#306
○神谷信之助君 それじゃ、ロッキード社から日本へ対日工作資金の送金が次々なされております。この状況を見ますと、ちょうど四十七年の十月十七日でこの送金が中断をしています。すなわち、トライスターの採用が大体決まった時期で工作資金の送金もストップしています。そして、約七カ月たちました四十八年の五月十一日から工作資金が再開をしております。こうなりますと、この時期はもうすでに全日空のトライスター採用が決まった以後であります。そして、一方、国内の状況はどうかというと、当時は四十八年の一月に米軍が日本でP3Cの初公開をやる。二月にはキッシンジャーが来日をし、田中氏、大平氏と会談をする。そして、六月には防衛庁の装備局がアメリカ軍にP3Cのリリースを打診をしてオーケーという返事をもらっている。それから、先ほど言いました七月段階に入る。そして、田中・ニクソン会談から田中総理が八月六日に帰ってきます。八月十日から専門家会議が発足をする。こういうように国産化をやめてP3Cの導入へ向けて大きく転換をする時期、その時期にちょうど符節を合わせて対日工作資金の送金が再開をされています。これは事実ですから、こういう事実に基づいて当然この点での追及というのは捜査当局はなさっていると思いますが、いかがでしょうか。
#307
○政府委員(伊藤榮樹君) ちょっといま一生懸命聞いておりましたけれども、対日工作資金というのはどういうものなのか、私ちょっとわかりかねております。
#308
○神谷信之助君 これは、ロッキード社からの送金、それに合わせて児玉の領収書、丸紅とID社との領収書、これらを合わすと、ローキード社がちょうど送金しているのと合ってくるわけでしょう。そういうのをいままで議論を大分したと思いますがね。そのことですよ。
#309
○政府委員(伊藤榮樹君) どういう資料に基づいてお尋ねか、私ちょっとよくわかりませんが、児玉に関する冒頭陳述書末尾添付の受領状況一覧表というものをごらんいただきますと、どうもただいま御指摘のような事実関係と違うんじゃないかというふうに思います。
#310
○神谷信之助君 これは領収書とはそのままイコールになりません。丸紅とID社との領収書の関係もありますから、それらを含めてのロッキード社からの送金がなされておりますから、イコールにすぐストレートに、その日その日の領収書ということにはなりません。全体としては符合することになります。
 そうすると、これはこの点も十分な捜査がなされているかどうかわからないということになるんではないかと思います。まあいずれにしましても、こういう時期にトライスターの採用はもう決定をしている。だからトライスターの売り込みのために工作資金が必要ではない、そういう時期である。このことはいかがですか。
#311
○政府委員(伊藤榮樹君) 大変申しわけありませんが、どうもおっしゃることがかわかりません。
#312
○神谷信之助君 トライスターの採用がもう決定して後に日本に対日工作資金というやつが流れてくる、あるいはその時期に児玉の領収書がまだ出ています。それから、丸紅とID社の領収書もずっと四十八年、四十九年にかけてあります。これはトライスターにかかわっての、それじゃ領収書が発行されているということになるわけですか。
#313
○政府委員(伊藤榮樹君) けさほどからのいろいろな御質問をいただいて頭が混乱してきておりますのか、どうも御質問の趣旨がよくわからないんですが、たとえば田中被告人に金が行ったのが四十八年になってからだというようなことも考え合わせたり、いろいろあれこれ考えるのでございますが、どうもただいまの御質問の事項に私の頭がついていけないので少し考えさせていただきます。
#314
○神谷信之助君 それじゃ十分考えて、この点は、トライスターの問題が解決をした、もちろんその報酬が直接すぐ配られるということじゃないかもしれませんが、しかし、四十八年以降という時期はP3Cの採用か国産かということで最終の段階になっている時期です。そういう時期にロッキード社からどんどん金が来ているわけですから、これは十分、その金が何のために来て、どういうように使われたのかということは国民の前に明らかにする必要があるというように思います。この点は指摘をしておきたいと思うんです。
#315
○政府委員(伊藤榮樹君) 少しわかってきたような気がしますが、契約は、トライスターの採用が決定すればお礼を払うという契約ではなくて、何機、何機と契約ができた都度お礼を払うということでございますから、当然トライスターの採用決定になった後も定期的にトライスターの売り込み成功に対する報酬が払われておった、こういうことでございます。
#316
○神谷信之助君 その点はもうあと時間ありませんから、防衛庁長官にお尋ねします。
 先ほどちょっと橋本委員の方からも質問いたしました、ロッキード社は児玉に対する嘱託料、これはP3Cの価格には乗せていない、トライスターの方に全部上乗せをしましたということで、そして、いままでも売り込みのために金は使っておらないし、今後ともやらないという誓約書を入れたと、それに基づいて、したがって、P3Cの導入を決めた、こういう話ですね。ところが、運輸省の方でトライスターの方にそれじゃどれだけの価格が上乗せされたのかはっきりしろと、これは不当にそれだけ上乗せされているわけですから、それは当然返してもらうのがあたりまえじゃないか、こういう問題があります。これをひとつはっきりさせなければ防衛庁に対する回答というのはごまかしの回答だということになってしまいます。こういった点が一つあります。
 それから、この冒陳あるいは裁判長の決定の記録、これにもありますように、ロッキード社がトライスターとP3Cの売り込みのためにそれぞれの職務権限がある者に金品を送ったということ、これがこの公判でも証拠として採用されています。これがどういう結果を生むかというのはこれからの公判の進行によって決まりますが、この中で、先ほど刑事局長の方も、たとえば二十万ドルについて政界の以外に、無色透明と言われましたけれども、流れているかもわからぬし、いないかもわからぬ、断定的に言うわけにいかぬという話です。こうなりますと、P3Cを売り込むために日本の国内に金が使われたということもあり得る、こういうことが出てきます。こうなりますと、先ほども同僚議員が言っておりましたが、P3Cに対する、あるいはロッキード社に対する疑惑というのはいまだに完全に解明されていないというわけですからね。これはいまロッキード社との契約は停止をする、一切が明らかになるように、法廷を通じても明らかになる、決着がつく、少なくともそれまではロッキード社の契約を停止をするということが必要だと思いますが、この点についての見解を再度求めておきます。
#317
○国務大臣(金丸信君) 先ほど来から私は申し上げておるわけでありますが、私は防衛庁長官になりましたのは昨年の十一月二十八日であります。ロッキード問題につきましても私も重大な関心を持っておるものですから、防衛庁のその関係の幹部を呼びまして、その内容をつぶさに詳細に聞き取りまして、この内容の中に防衛庁は絶対関係がないと。それが証拠には、トライスターとP3Cの契約の問題はこの六月二十日にアメリカのペンタゴンの国防長官の部屋で私も立ち会ってやったわけでありまして、まあ私は、時間的に見ましてもその問題が関連があると考えておりませんし、また、先ほどお話もありましたように、国民の理解を得なければならぬのが防衛の基本であることも私は当然だと考えておるけれども、絶対ないという考え方の中で予算委員会等の御理解を得たと、こういうようにも信じておりますし、また、この問題がもし仮に金品を、これを決定するに当たり、その関係のものは防衛庁の関係の中にあるとするならばこの契約は当然無効にすると、こう申し上げておるわけであります。
#318
○橋本敦君 長官お急ぎのようですから、いまの問題に関連して二問だけ聞いておきたいと思うんです。
 一つは、先ほどから鮫島海幕長にコーチャンが会ったということが問題になりました。コーチャンから表敬訪問を受けて海幕長が会ったというんでありますが、長官いかがでしょう。コーチャンというのは民間人であります。そしてアメリカ国防総省とは最も取引高の高い、アメリカ内でも有名な武器製造会社であります。言ってみれば、武器の輸出入、こういう者が日本に来て、そして制服組の責任者が表敬訪問ということで軽々しく会っていいんでしょうか。しかも、この時期は、P3Cの売り込みが問題になり、P3Cの選定をめぐって専門家会議等でわが国内でも議論されておるとき、こういうことがあったことが一つは疑惑を招いたという一つの事情になっている。私は、制服の責任者がアメリカの、あるいはその他の国の武器売り込みを主とする民間会社の責任者から表敬訪問を受けて会うというような、こういうことを軽々にすべきじゃない。この点についていま長官はどう思っていらっしゃるか。私は軽率であったと、こう思います。これが第一点の質問であります。いかがですか。
#319
○国務大臣(金丸信君) 私は政治家でありますから、人に会うということを拒むべきでないと。私は、門戸をあけてだれとでも会うという考え方を持っております。また、海幕長のところへコーチャンが行って会ったということにつきましては、この人が決定的なものを持っておるわけじゃないし、また何で話しに来たのか、何で表敬に来たのか、何でもかんでも拒否するということは民主主義的な考え方ではないと私は思っております。
#320
○橋本敦君 これは私はとても納得できる答弁じゃないですよ。疑惑を招いているのです。そんなことなら、これから諸国から日本の防衛整備でどんどん武器売り込みに来て、武器製造会社が制服へ遠慮なしに会いに来ますよ。そんなことしていいんでしょうかね、長官。それからさらにもっと大事なことは、単なる表敬訪問であると装備局長はお答えになった。刑事局長、いかがでしょう。コーチャン調書によれば、彼が会った目的は単なる表敬訪問ではありません。調書には、おおむね鮫島氏を訪問した目的について、コーチャンはどう言っておりますか。ちょっと長官、聞いていただきたい。
#321
○政府委員(伊藤榮樹君) 正式の報告にまだ接しておりません。概要を聞いたところでは、新聞で報ぜられたとおりだそうでございます。
#322
○橋本敦君 概要を新聞で報ぜられたとおりとすれば、コーチャンは鮫島氏を訪問する目的はと尋問されて、はっきり、P3Cをどうして買うべきかについて話すためだったと、こう言っておるのです。単なる表敬訪問ではありませんね。P3Cをどうして買ってもらうか、それを話すためだったと、こう言っているのです。そういう目的を持って来るのです。局長は単なる表敬訪問だと言われた。コーチャン証言と局長答弁に重大な食い違いがありますよ。改めて調査をしていただきたい。長官、いかがですか、重大な食い違い。
#323
○政府委員(間淵直三君) 通常、表敬訪問で参ります場合、十分か十五分の時間でございますが、自分の会社はりっぱだとか、こういうものをつくっておるというようなことは通常話すことでございます。
#324
○橋本敦君 そんなことを聞いてない。長官、はっきり刑事局長もおっしゃったとおりですよ。厳しく調査しなくちゃならない。
#325
○国務大臣(金丸信君) 私は、表敬に来るときに、国会で先生方がこういう質問をするぞという御質問をわれわれはいただくわけでありますが、そのように、私はこういう考え方で海幕長を訪ねるというような考え方を先に通告をしてくるというならば、それは事の次第じゃお断りもするが、表敬だというので何でも断るということは、これはどうかと思う。しかし、その内容についていま一回調査をしろということであれば、調査もいたします。
#326
○橋本敦君 長官、結構でございます。
#327
○神谷信之助君 四十八年の七月二十八日にロッキード社とそれから川重とライセンス契約ができた、こういうことですが、当時防衛庁の方は御存じだったでしょうか。
#328
○政府委員(間淵直三君) 私も新聞で拝見したわけでございますが、当時どうしてそのライセンス契約を結ぶかどうかといったような話をしたというのが非常に不思議でございまして、当時、四十八年、まだ七月二十八日でございますか、その時点では、P3Cを日本に売ると、使わせるということの通知も参っておりません状況でございまして、それから後数年かかって、それをどうするかという審議をしておった段階でございまして、その時期にどういうライセンス生産の承認をしたかということ、ちょっと見当がつきかねるのでございますが、川重とロッキード社がP3Cのライセンス生産について契約が結ばれたのは本年の六月の九日でございます。
#329
○神谷信之助君 防衛庁がそういうことを知らないというのは、非常に私は重大だというように思うのですね。装備局長、いまおっしゃるように、八月の十日から専門家会議が始まって、そして一年余りかかって、国産化、そういうこともどうかという相談もしているわけです。それで、川重の方は、国産化の方針で以前からずっと準備をして作業を進めてきているわけですね。だから、川重としては当然国産化を望んでいたし、また、いるはずで、この時期にライセンス契約を結んでしまうというのは非常におかしいと、こう思います。ところが、この尋問調書で明らかになったところでは、児玉と一緒にコーチャンが行って四本さんと会って契約をした、こうなります。
 それで、児玉と協力をする関係になっている小佐野氏と四本氏の関係というのは非常に深い関係にありますね。その点は御承知かと思います。川重の社内では、小佐野さんのことを御前様とかお殿様とか、こう言っていますし、正月になりますと四本さん以下重役が必ずあいさつに小佐野さんのところに行くと、そういう関係です。だから、言うなれば、もう国産化は川重にあきらめろと、そしておまえの方にはそのかわりライセンスの契約はしてやるから、それでもうやいやい言うなという、そういう児玉、小佐野の影響力があって、この時期にライセンス契約が結ばれたのではないかというように思うわけです。で、山口元装備局長さんに私どもの方でいろいろお話を聞きました。当時航空工業会の方からは、このPXL問題を早く何とかしてくれと、そういうふうにしょっちゅうやかましく言ってきたけれども、一番その国産化を願っているはずの川重からは何にもそういう話はなかった。恐らく川重の方は、P3Cになってもライセンスがあるから、そういうことでやったんじゃなかろうか、そういう関係があったんじゃないだろうかという話が山口さんの方からありました。そうしますと、これはある程度山口さんの方も、ロッキード社と川重との間のライセンス契約があったかもしれないし、あったんではないかということを御存じであったのではないかということをいまにして思うわけです。この辺はその当時私ども確めておりませんが、そういう点が一つあります。
 これらについては、刑事局長の方でも、こういう経過その他については調書に出ておりますから、当然法廷を通じて明らかになる事実ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
#330
○政府委員(伊藤榮樹君) いまお述べになりましたことのすべてが法廷で明らかになるというふうには思いませんが、先ほど御引用になりましたクラッター氏の日記に基づく証言、これが明らかになったことは事実でございます。
 なお、よけいなことかと思いますが、ライセンス契約成立という記載ではなくて、ライセンス合意という記載であったように記憶しております。
#331
○神谷信之助君 時間ですから、最後に、これは委員長の方に要求をしておきますが、当初例の電話の件で、この電話は本人である中曽根さんに確かめなければ明らかにならない問題ですし、それを中心にして、そのほか、当委員会では多くの問題が議論になってまいりました。この点を明らかにする上で、中曽根さんの証人喚問を要求したい。それからさらに、いま出てまいりました四本さんですね。ライセンス契約ではなしに、合意であったということだったようですけれども、この点についての証人の喚問の要求。それからもう一つは、当時の鮫島海幕長ですね。これも先ほどちょっと橋本君の方から問題にしましたが、この人にも事実を確かめる必要があるということで、以上三名の証人喚問についてお取り計らいをいただきたいということです。
 あと橋本君の方でちょっと一問だけ。
#332
○委員長(二木謙吾君) 理事会において協議いたします。
#333
○橋本敦君 もう時間がありませんので、ごく簡単に聞きたいと思うんですが、刑事局長にお聞きをしたい。
 この委員会でも冒頭から議論をされましたが、当初嘱託尋問を請求するに当たって、検察庁はP3Cに関しての金の流れを含む政治家、政府高官との関係、これも一つは被疑事実ということで想定をして、トライスターと並んで捜査の範囲としてカバーをされて進められた。これは事実である。ところが、P3Cに関しては、その後ついに犯罪事実を立証するに足るところまでいかなかったというお話であります。しかし、最初そのような想定をされたのは、これは米側からの提供資料その他でそういう想定をするに足るだけの事情があった、こういうようにまず伺ってよろしいわけですね。
#334
○政府委員(伊藤榮樹君) 大体そのように御理解いただいて結構です。
#335
○橋本敦君 そこで、われわれ国会としては、そのような資料で検察庁が犯罪容疑を想定されるに足りる資料が来ているとすれば、それはぜひ国会にも明らかにしてほしいと思うのですが、それはいわゆるアメリカと日本の司法当局同士の取り決めによって国会に出すことができないと、こうなっておるわけですか、また、解除される見通しはありますか。
#336
○政府委員(伊藤榮樹君) いずれもお尋ねのとおりでございまして、司法取り決めで裁判上の利用以外には公にしないということでございますから、そのものを国会へお出しすることは許されないところでございます。しかしながら、その大部分は逐次公判廷へ証拠として出されますので、その段階においてお目にとまると思います。
#337
○橋本敦君 そうすると、その資料が出てくれば、そこからまた議論は発展する余地が一つは残されておるということはわかります。
 そこでもう一つの問題は、ロ社がトライスターを売り込む以前からコーチャンがP3C売り込みに執念を燃やしていた事実、これは十一年もやっていたと彼が証言しておりますから、はっきりしている。それからさらに、トライスターの売り込みがほぼ終わった後、なお彼は日本へたびたび来日をしている。一体何のために日本へ彼は四十八年になってもなおかつ日本にやってくるのだろうか。ここに一つの問題がある。この点について、四十八年段階でのコーチャン来日の目的は那辺にあったか、事実はどうであったか、これは捜査としてお調べいただきましたか。
#338
○政府委員(伊藤榮樹君) 逐次明らかになると思います。
#339
○橋本敦君 そうすると、それは調べていただく。
 時間がありませんから簡単に一つの点だけ申しますと、いま神谷委員が問題にしたロ社と児玉とのP3C修正契約が四十八年七月二十七日、その直前の七月二十三日にコーチャンは来日しております。したがって、その契約は彼の承諾のもとで行われた。彼は二十九日まで日本にいます。この二十九日はどういう日か。田中角榮氏がニクソンとのホワイトハウスの会談のために日本を立つ日であります。田中角榮と同じ日にコーチャンは日本を離れます。私は、コーチャンはニクソンといろいろ深い仲だと思っておりますから、この点に一つの疑惑を持つのですが、さてそのニクソンと田中氏の会談が七月三十一日と八月一日に行われまして、八月六日に田中角榮氏が帰国をいたします。何とそれを待ち受けるように、八月三日にコーチャンは来ているのであります。来日しているのであります。
 そして、それだけではありません。小佐野氏の動きも奇怪であります。前に、四十七年ハワイ会談で小佐野氏がハワイに滞在したことは百も承知ですが、この第二回目の田中・ニクソン会談で、小佐野氏は、この田中訪米の直前、つまり二十九日出発の直前二十七日に私邸を訪問します。田中氏が帰ってきますと、十日たった十六日から二十日まで箱根で一緒にゴルフをいたします。そして、この田中・ニクソン会談、この中でアメリカの側から対潜能力強化の話が出されたという朝日新聞その他の各種報道がなされている。
 私は、この第二回目会談は重要であり、ここにコーチャンの動き、小佐野氏の動き、田中氏を的にした動きがあるのではないかと思う。この点について、コーチャンの動きそのものをはっきりと検察庁は捜査されておられるでしょうか。
#340
○政府委員(伊藤榮樹君) まあ最重要人物の一人でありますから、当然把握しておると思います。
#341
○橋本敦君 じゃ、時間がありませんから、最後に伺います。
 いままで明らかにされたコーチャン回想記、それからさらに法廷で順次明らかにされております嘱託尋問調書を通じまして、率直に私は一つの大きな疑問を持ちます。トライスター売り込みについて彼は真実のことを語った。だがしかし、P3Cの日本売り込みについては、これはコーチャンは本当のことはなかなか言いたがらないし、言っていない、そういう感じを強く持ちます。率直に言って。そういう感じを私は強く持つのですが、刑事局長のお考えはいかがでしょう。P3Cについて余りにも深く彼は触れていないし、またはっきりした事実についても述べようとしない、ごまかしている。そういう印象はぬぐいがたい。いかがでしょう。それが捜査を困難ならしめたのではないか。
#342
○政府委員(伊藤榮樹君) 私は嘱託尋問に立ち会ってもおりませんし、尋問調書も読んでおりませんので、何の感想もありません。
#343
○橋本敦君 終わります。
    ―――――――――――――
#344
○委員長(二木謙吾君) この際、委員の異動について御報告いたします。
 ただいま上田哲君、久保亘君及び矢田部理君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君、勝又武一君及び高杉廸忠君が選任されました。
    ―――――――――――――
#345
○委員長(二木謙吾君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 ロッキード問題に関する調査につきましては閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#346
○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#347
○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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