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1949/03/01 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第15号
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1949/03/01 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第15号

#1
第007回国会 大蔵委員会 第15号
昭和二十五年三月一日(水曜日)
   午後二時十一分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○証券取引法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○物資の割当に関する手数料等の徴收
 に関する法律を廃止する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○失業保險険特別会計法の一部を改正
 する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
  ―――――――――――――
#2
○理事(黒田英雄君) これより大蔵委員会を開会いたします。本日は先ず証券取引法の一部を改正する法律案を議題として御審議を願います。御質疑のおありのお方はお願いいたします。
#3
○西川甚五郎君 株につきましては、昨年の暮から大分増嵩がありますが、これについて、大蔵当局並びに証券取引委員会、或いは日銀あたりでもいろいろ真剣にやつておられますが、その効果が今日まで現れておらない。勿論この株価は、戰後は戰前と違つて、株主というものが大衆化して、安定性が欠けておるというのでありまするから、そう簡單なあやふやな対策では、どうしてもこの株価の維持というものは不可能である。こう私は考えます。それにつきまして、大蔵当局は今後どういうような方針でこの対策をやられるかということを一応承りたいと思います。
#4
○政府委員(湯地謹爾郎君) この問題は非常に大きな問題で、大蔵大臣が出まして御答弁された方が適当であろうと思いますが、一応我々の考えておること、或いは今までやつて来たことを簡單に申上げて御参考にいたしたいと思います。御承知の通り、現在の株価というものが非常に惡いということは、例えば昭和二十一年の八月を百といたしました指数で見てみますと、終戰後二十二年、二十三年と大体これは貨幣価値の問題とも関連いたしていると思いますが、段々中垣的には上つて参つておりまして、指数的に申しますと、二十四年の五月七百という指数を示して、これが最高になつておりまして、それから幾らか下り気味で、又九月に少しく回復いたしましたが、九月からは段々株価が下つて参りまして、昨年中におきましては、十二月十四日というのが、これは一番低い時でありました。その十二月から更に本年の一月に入りましても平均的には更に下つて参りまして、一月にはその指数で二百八十という指数で、これは最高の時に比べて半分以下、四割位になつている、こういうような数字に相成つております。尤も二月に入りまして、幾らか回復して参つておりまするが、この株価が低落の原因につきまして、我我といたしましてはやはり何と言つても株式の数が多過ぎた。株もたれが一番の原因であると、こういうふうに考えておるのでありまして、例えばその例といたしましても、昭和二十四年末で、大体株式会社の資本金が千九百幾ら、約二千億にちよつと欠ける程度でありまするが、この二十四年中に発行された株式が八百二十億、二十三年で四百億というふうに、それが二十二年、二十一年を入れまして終戰後、千三百二十億の発行があつたわけであります。その外に御承知の通り財閥解体、或いは閉鎖機関等の株式の売出し、並びに財産税等の物納になつた株を証券処理調整協議会というところで出しておりまするが、これの売出額が百二十億に上つております。合計千四百五十億ばかりが、二十一、二十二、二十三、二十四とこう出ておりまして、二十四年末の株式会社の拂込総額、千九百億に対しまして、千四百五億もここ二―三年の間に出たということが、やはりなんといつても大きな原因になつておることと思うのであります。尤もこれは経済九原則以来、会社の資本金というものが……資本金と申しますか、むしろ会社の資金が、長制資金については、できるだけ自己資金で以て調達すると、短期の運転資金等は借入金でやるという一つの方針の下に、この証券市場におきまする能力の発揮ということに相当期待されたような形に経済政策がなつて参つたのでありまして、これは当時はインフレか増嵩しておる際でありまするからして、これ程の大きな株式の消化ができたと思うのでありまするが、これがデイスインフレになり、インフレが安定して参りますと、どうしてもこれらの株式の消化の中には、この投資者が非常に現実に緊急に必要な資金を以てこれを投資した、いわゆる浮動株というものが考えられるのでありまして、これが対策を講じなければ、この株価の安定ということは、同時に将来会社が増資等によつて自己資金を調達するということを可能にするために、この株価の安定ということが、必要になつたわけでありまするが、どうしてもこの際浮動株の対策を講じなければいけないということは、我々も考えておるのでありまして、こういうふうに昨年の九月項から株価が下り気味になつた、而も当時株式市場或は株に関係のある人、或は事業会社等においても、毎年の例によりまして、大体秋から暮にかけて株価が上つて来るであろうという予想をいたしておりまして、従つてその時分に増資をしようという計画をしておる向が非常に多かつたのでありまして、これも同時に九月以降株価を圧迫した原因にもなつたのでありまするが、それで、それに対するいろいろな対策の問題といたしまして、先ず金融の面におきましては、当時そういうふうに証券市場が、会社の自己資金を調達する上において非常に重要な役割を持つておつたのでありまするが、金融の面におきまして、株式に対しまする株式担保の金融というものが、昨年の初めの中は、いわゆる融資準則の順位におきましては丙という順位であつたのでありまするが、これが八月の確か十五日だと思いますが、これを乙に引上げ、これが更に十二月になりまして非常に株が下がりまして、何かしなければいけないというその対策の一つとして、これを甲に引上げると、準則の面においては、こういう措置を採つて参つております。その外株式の供給の過剰が防ぐという意味におきまして昨年の秋以来、証券処理調整協議会で売出す株につきまして、これは一時売出しを止めるという措置を採つて参りまして、この面からの株式供給の増加ということを防ぐ方法を採つて参りました。それから十一月、十二月頃からは、この株価を維持する、安定せしむる一助という意味において生命保險会社を中心とする買出動も行われたのでありまするが、これも一時効果があつたのでありまするが、その後これが永続きいたしませんで、やはり低落をするという状況になりまして、結局去年の十一月、十二月頃からかけて、この株式対策を何とかしなければいけない。これは当初この対策の問題を一番取り上げたのは、やはり直接扱つております証券業者が痛切に感ずる関係上、証券業者からその必要性を唱え出したのでありますが、初めのうちは、これはやはり証券業者が自分の経営が苦しいから、この対策を要求しておるのだというふうに解釈されがちでありまして、従つて、政府の方におきましても、これが対策が必ずしも十分でなかつたという憾みがあつたと思います。併し、これが單に証券業者の救済というだけではなくて、これが延いて株価をこういうふうな状況に維持しておるということになりますと、会社が必要な自己資金を調達するという意味において、増資をするということが到底できない。これは日本の産業全体の発展、復興ということに非常に支障がある。更にそれが延いて金融機関にも影響を及ぼすというような、非常に大きな問題として漸く取り上げられるようになりまして、当時これらの対策といたしまして、これは金融機関のこの株式担保の金融が、先程申しました通り順位を甲に引上げたのでありまするが、それを貸付けた銀行に対して、日本銀行が更にその株式担保の途を開くという措置を採つて貰いたい、又採る必要があるということも考えられたのでありまするが、これは関係方面との折衝等におきましても、直ぐ実現はできないので、まだ今後の問題として残されておるわけであります。
 それからいま一つの問題として取上げられて参つたのは、この過剰の株式の中、いわゆる浮動株式と称せらるるものを一時棚上げをする機関、いわゆる証券保有会社を作つて株価を維持する必要があるということも真劍に考えられ、政府においても考えたのでありまするが、これはどうしても相当の資金を必要といたすのでありまして、従つて、民間資金のみでは必ずしも十分ではない、或いは見返資金、或いは預金部資金というような政府関係の資金も一緒になつてやらなければ、十分な効果を得られないというようなことから、これらの点につきましても、大蔵大臣等が関係方面ともいろいろ交渉せられたのでありますが、これらにつきましても、いろいろ研究する点が多々ありまして、まだ早急にこれが解決を見ておらないというような状況であります。そうして、差当り今直接の問題として実現を見ておりますのは、これは大体各取引所所在地に証券金融公社を設立して、例えば東京におきましては日本証券金融株式会社、これは資本金二億五千万円、それから大阪におきましては大阪証券金融株式会社、これは資本金一億円、名古屋におきましては中部証券金融株式会社、これは資本金五千万円、それから京都においても二千万円、それから神戸において五千万円という証券金融公社を作つて、そうしてそれの自己資金と、それから銀行等よりの借入金とで以て、その金を株式担保の金融に出すと、或いは証券業者に貸付けると、こういう金融の面において株式の市場の不振を打開しようということになりまして、現に東京、大阪等はすでにその業務を開始しておるようなわけでありまして、この点におきましては、現在の株式の不振対策に対して、相当効果があろうと考えておるのであります。その後、最近新聞等に出ておりまする対策の一つとして、見返資金、或いはそういうような政府関係資金を、証券会社の証券の引受能力を拡充するという意味においてこれを間接的に利用するというような考え方の案がありまして、これは只今関係方面と折衝中でありまして、まだ最後的には決まつておりませんが、まあ大体こういうようなこと等も考えておるのであります。毎度申上げたようないろいろな手を考えておるのでありまするが、まだはつきり実現していないのは非常に遺憾でありまして、先程申しました証券金融会社が現実に移されて、効果が発揮しておるというような程度でありまして、以上簡單でありますが……
#5
○西川甚五郎君 そういたしますると、昨年からいろいろの手を打たれたのは先ず成功しなかつたと、そうして今日対策として考えられておるところの、日本銀行の株式の再担保及び株券保有会社の問題はOKが取れないと、こうなりますと、現状を保つ以上に、もう更に株価は低落しているように思われますが、現在、只今おつしやつた程度の対策しか実際は考えておらないのですか。
#6
○政府委員(湯地謹爾郎君) それから先程ちよつと申落しましたが、申上げました外に、会社の増資等をいたします際に、この当時の経済状況、或いは株価等を見合せて、株式の発行を自治的にまあ調整しようという話合いがありまして、これは証券業者及び発行会社並びに日本銀行等が毎月寄りまして、大きな取引所に上場されておりますような株式につきまして、市場等と睨み合せて株式の発行を調整するという措置を一月頃からやつて参つておりまして、これは勿論別に強制力はあるわけではありませんが、実際それに関係しておりまするものが寄り合つて、お互いにまあ調整する、とこういう措置をやつておりまして、従つて一月以降最近まで、これは尤も市場の惡いという関係もあるわけでありまするが、調整されて参つて来ております。それで今後の株価の見通しという点につきましては、これは非常にむずかしいのでありまして、まあこれ以上下らない、これは最後だということは申し切れないと思うのでありますが、今のように株式の発行の調整、それから金融会社等による担保金融に対する金融的措置、それから今懸案になつておりますような対策等が実行に移されるということになれば、余程改善されて来るのではないか。こういうように私は考えております次第です。
#7
○西川甚五郎君 それに関連しまして、昨年度から相当株の暴落恐慌状態になりまして、証券業者の内容ですね、これはどういうように現在なつておりましようか。
#8
○政府委員(湯地謹爾郎君) 証券業者の内容につきましては、只今はつきりしているのは昨年九月の決算であるわけなのですが、その当時では必ずしも惡くなつておらないのでありますが、その後株価が低落して参つた、それで所有株式が先程申しました通り、大体最後の時に比べまして、まあ半分以下になつておりますということになりますと、尤も証券会社には相当株については含みを持つておりまするから、株価通りには行かないと思いますが、内容的には相当弱体化して来ておる。こういうふうに考えております。
#9
○西川甚五郎君 そういたしますると、この改正の中の何條ですか、五十万円以上の営業用純資本金ですが、それが三十九%ですかね。全業者の五十万円以下のものが……
#10
○政府委員(湯地謹爾郎君) そうです。
#11
○西川甚五郎君 そういたしますと、その外にこういう弱体化した業者を、この改正された法案で行かれると、殆んどこの改正の不良と認められる資産を有する場合、即時不良資産を償却するという命令をなすことができる。これに該当して来るのではないですか。
#12
○政府委員(湯地謹爾郎君) これは直ちに純資本額五十万円ということを強行するということになりますと、それに該当するものが相当……
#13
○西川甚五郎君 五十万円以上の会社ですね、これに該当するものが出ておるのじやないですか。
#14
○政府委員(湯地謹爾郎君) その四〇%と申上げたのは去年の九月頃ですから、例えばその当時五十万円以上のものでも、これに引掛かるものが、出てくるであろう。こういうお話でございますね。
#15
○西川甚五郎君 ええ。
#16
○政府委員(湯地謹爾郎君) そういうふうになると思います。
#17
○西川甚五郎君 そうしますと五十万円以上のものは二ヶ年以後に適用するということになつておりますが、この五十万円以上の弱体業者もありますると、直ちにこれが適用されることになるわけですね。
#18
○政府委員(湯地謹爾郎君) 第何條でありますか。
#19
○西川甚五郎君 何條ですか、説明の第二ですがね。
#20
○政府委員(湯地謹爾郎君) 五十五條の二に関連しての御質問だと思いますが、この五十五條の二という改正の趣旨はこれは今のこの五十五條の趣旨は、例えば「証券業者が営業又は財産経理の状況に照らし、過当な数量の売買取引、不健全な方法による売買若しくは借入をなし、又は不良と認められる資産を有する。場合において、公益又は投資者保護のため必要且つ適当であると認めるときは」云々とこう書いておるのでございまして、今のように所有株式が時価の下落によりまして、資産内容が惡くなるというような関係を予想しておるのではありませんで、例えば空売り、空売買というような投機的なる取引をやつて、そうして或いはこの「過当な数量の売買取引」というのは、資本金と比べて非常に大きな株を手持したりするような場合、それから「不健全な方法による」というのは、いわゆる先物とか或いは投機的な空売り空売買をする、又「若しくは借入」というのは例えば非常に高い金利で借入をして行く、そういうようなこと、或いは焦げついた資産を持ち、不良貸等を持つておるというような場合に、今後そういうことをやつちやいけない、或いは不良な資産については償却しなければいけない。こういうことを命令するつもりでありまして、一方所有株式が時価の下落により資産内容が惡くなつたということは、片一方の三十四條等の関係から、その営業用の資本額が五十万円以下に下るというような場合にこれを審問をいたしまして、その整備計画を立てさせて、これを回復させるという措置を取るというので、時価による資産が惡くなるというものは、三十四條の関係で、こちらの五十五條の方はそういうようないわゆる投機取引、或いは不当な闇金利で金を借りているというような、非常に不良な行為に対して取締る、こういう規定でございます。
  ―――――――――――――
#21
○理事(黒田英雄君) この際証券取引法の一部を改正する法律案の御質疑はちよつと中止をお願いしまして、この場合、物資の割当に関する手数料等の徴收に関する法律を廃止する法律案を議題にして御審議を願いたいと思います。本案につきまして御質疑のおありの方はお願いしたいと思います。
 この法案につきましては木村委員から資料の提出の御要求がございましたが、これは後日でよろしいという木村委員のお話でありましたから、あとで政府から出して頂きたいと思います。
#22
○油井賢太郎君 この手数料がなくなつたために、マル公に影響を及ぼすということはないのですか。
#23
○政府委員(佐藤一郎君) お答えいたします。これは別に影響ございません。
#24
○油井賢太郎君 つまり影響する程の金額じやないという意味ですね。
#25
○政府委員(佐藤一郎君) これは実は、この法律を廃止した礎案理由の説明のときに申上げたのですが、大体印紙で以て納めておるのです。そうしてその実績が実は殆んど実際問題として掴めない。非常にやり方が技術的に複雑いたしておりまして、通産省なら通産省へ割当を受けに民間の方から参ります。そうすると割当の公文書を貰うわけであります。ところが割当を受けましたその業者が更に……多く販売業者でありますが、今度メーカー等へ行つて、それを実際現物化するわけです。それでその現物化します際に、その公文書に印紙を貼りまして、その公文書を今度メーカーに渡すのです。そうするとメーカーがそこに割り印をいたしまして、そうして同時に販売業者に資材を渡して、そうして今度メーカーはその書類を持つて通産省へ行つて又割当を貰う。こういう仕組になつておるのでありますが、実際といたしましては必ずしもその手続をしないで、メーカーは資材の入手をいたしているわけであります。そういたしますと結局公文書が通産省に戻つて来ないのであります大分……。もともとこの手数料というものは、物資の需給事務が臨時物資需給調整法によりまして急激に増加いたしました結果、一部やはり受益者負担の精神で以て、物資割当に要する事務費の一部を、それによつて利益を蒙るであろう人々に負担させるというのでやつたのですけれども、実際問題としては実績すら確実にキヤツチできない。そうして而も最近のように調整事務というものが殆んど解除になりましたものでありますから、そういう関係でいわば私共今考えて見ますと、惡法に近い法律であるということが分りましたので、これを廃止しよう、こういう気持で今回提案いたしておるわけであります。従いまして、実際例題といたしましては、昭和二十三年に三十億、昭和二十四年に二十億を予算に計上いたしたのでありますが、予算に対比すべき実績が分らないのであります。印紙で以て貼りまして、而もそれが元へ戻つて参りませんので、通産省の方で殆んどそれを確実にキヤツチすることができないという状況であります。従いまして、或いは観念的に言えば、これは当然業者の経費ということも言い得るわけでありますが、その中には勿論転嫁し得るものもありましようし、それから実績もキヤツチできないというようなことで、具体的には従つて計算の基礎になつておらんわけであります。そういう意味におきまして、結局マル公にはこれを廃止したことによつて直接の影響がない、こういうふうに申上げてよろしいと思います。
#26
○油井賢太郎君 そうしますと、今のお話では、大蔵省側では、割当なんというものはあつてもなくても同じだというような御説明のように聞こえますが、通産省としては、やはり割当というものはまだ残つている分に対しては、相当重要視しているのじやないですか。
#27
○政府委員(佐藤一郎君) 割当そのものにつきましては、大蔵省も通産省と同様に、勿論現在でもまだ統制が残つているのでありますから、十分重要視はいたしております。ただその割当に要します国の費用というものを、もともとその以前の割当はすべて一般の国費から出しておつたのでありますが、非常に統制が数多くありましたのと、一部にそういう負担を割当を受けるものに対しても掛けたらどうだろうというので、こういういわば不確実な歳入を実は予定いたしたのであります。ところが申上げましたように、三十億、二十億と予算に計上いたしましても、実際問題として殆んど分らんのですから、結局それは一般の税金等によつて他の財源によつて実際は負担をしているという実情になつているわけであります。私共といたしましては、勿論割当そのものについては十分重要視をしておりますが、その負担は、他の一般の国費と同様にこの制度がなかつた時代と同様にしたいという考であります。
#28
○油井賢太郎君 そうしますと、印紙で貼りました場合は、印紙收入で以て、目には見えないけれども收入にはなつて来ると思うのですが、その点はどうなんですか。
#29
○政府委員(佐藤一郎君) そういうことになつているわけであります。ところがこれは印紙收入でありますので、結局分らんのであります。つまり特殊な印紙を使つておらなかつたのです、従来……。ですから一般の印紙收入に紛れ込んでいるわけでありまして、結局それは通産省に公文書が返つて来まして、それを具体的に押さえれば初めて実績がキヤツチできるのでありますけれども、それが不確実でありますので、実績が押さえられないという状態になつているのであります。
#30
○油井賢太郎君 大体大蔵省の末端の方では、例えば印紙が貼つてないために、印紙税法によつて処分するというようなこともやつているのですか。こういう大きな物資の需給についても、そういう点はおやりになればやれたのじやないですか。そういうことはおやりになれないのですか。
#31
○政府委員(佐藤一郎君) これは勿論当然監督を一般的には大蔵大臣がいたしているわけでありますが、直接の、この関係につきましては、勿論徴收の直接の責任者は通産大臣、又は農林大臣がやつているわけであります。その点今申上げましたように、勿論理論上はそうでありますが、実際問題といたしまして、この凡百の割当物資につきまして、これがいろいろな数段階、或いは更に多くの段階を経てそうして公文書が戻つて来る。而もその公文書が必ずしも戻つて来ないという実情でありますので、実際問題として非常にこの監督も困難なわけであります。それで結局監督も困難であり、従いまして実際問題として納めるべきものが入つて来ないということになつておりまして、そういうようなことは技術的に一つの無理があるという点が考えられますので、この際止めしまおうという考なのであります。
#32
○油井賢太郎君 尤もこれは大きな印紙を貼付するのが見逃されてしまつたという、いわゆる過去の結果になるのですか、その点は……。若し貼らなくてももううやむやになつてしまつたということを意味するのですか。
#33
○政府委員(佐藤一郎君) 誠に遺憾でありますが、実際はおつしやる通りなんであります。
#34
○油井賢太郎君 そうしたらこれを、過去のことは今言つても仕方ないのですが、どういうわけでそういうものを押さえるだけの方法をお取りになれなかつたか、ちよつと我々には了解に苦しむのですが。
#35
○政府委員(佐藤一郎君) これは当初は、昨年あたりもむしろ收入を何とかして確保しようというので、いろいろ各省集つて相談は何回もいたしたのであります。ところがどうも実際問題としては公文書がなくても物資が確保できるというような、いわば完全なる計画経済というか、統制経済が完璧になつておらない。どうしても間隙があるという性質から私は来ていると考えておりますが、これを或る程度いわば業者の自発的な協力ということを前提にしてこれができておるわけでありますが、而もその関係する範囲が非常に広汎でありまして、なかなか自発的な協力ということがどうしても望めない。今まで諄く御説明したような状況なものでありますから、むしろこれは廃止した方がいいのじやないか、却つてはつきりするのじやないか、もともとこの制度を二十三年に採りました際にも、必ずしも政府の中にもいろいろ議論がございまして、当初は実は通産省、農林省というような直接割当業務をやつている官庁からいたしますと、非常に技術的にむずかしいというので反対の意向もあつたわけでありますが、大蔵省といたしましては、当時財源も非常に窮屈でありまして、何とか受益するものにも負担させたらどうだろうかというので、政府に相談した結果、こういう手数料ができたわけでありますが、その後の実績に鑑みまして、結局非常に不確実である、歳入としても不確実である。それから又只今御指摘がありましたような意味においても、納めるものと納めないものとの不公平が出るし、納めないものにも完全にこれを追求するということは、技術的に非常に困難である。相当この制度は各種の欠陷を蔵しているということが分りましたものですから、これはいわば極く最近できた制度でありますが、こういう欠陷の多い制度はむしろ廃止するにしかずという結論に、いろいろ相談をしました結果なつたわけであります。
#36
○油井賢太郎君 これは簡單に考えますと、割当を受けることを非常に希望したものが、或る程度の手数料を納めても、別にこれはえらい負担ではなかつたと思うのですが、そうしましたら申請するときに、すでに許可をするような場合に印紙を拂わせるとか、極めて簡單にできるような気がするのですが、例えば割当表を出すときに印紙を取る。ただ一方におきまして、讓受けをするものが又印紙を拂うというのでは二重みたいになりますが、割当をする場合だけは取れそうな気がしますが、これはどうでしようか。
#37
○政府委員(佐藤一郎君) 実はこの手数料の中には、申請手数料と割当手数料というのがございまして、割当手数料が大部分でありますが、申請手数料は只今のお話のように一件五十円というふうに、平均して頭割で一通五十円というふうに取つておりまして、比較的確実に入るのですが、この割当手数料は純理論的に申しますと、只今の統制の現在におきまして、割当を仮に公文書で認めましても、それが現物化するという自信がないわけです。それでただ割当を貰つたというだけで、その負担をかけるということは適当でない。どうしてもそれが現物化されたときに真の割当があつたのだからそのときに掛けよう。いわばそういう思想で現物化した段階で押さえようとしますと。どうしても業者と業者との取引の際でありますので、結局印紙でやるようになる。結局それが巡り巡つて、最後に官庁の割当を受けるところのメーカーが、結局その公文書を持つて行く、こういうときにそれが初めて確認できるという複雑な組織を止むを得ず取つたのであります。
#38
○油井賢太郎君 結論においては、統制経済というものをやつて行つても、それを運用する官庁方面が、これは大蔵省は余り責任がないかも知れませんが、官庁方面のいわゆる取つた手段、或いは統制に対する熱意というものが欠けていたということを証明したわけですね。
#39
○政府委員(佐藤一郎君) これは議論に亘るかも知れませんが、又非常に広汎に考えれば、或いはもう少しいろいろな角度から考える必要があると思うのですが、私が考えておるところでは、現在までの統制経済というものは、理論と実際とが完全に一致しておるということは、どうしても望めなかつたのじやないかと考えております。たまたまこういうむずかしい手続のものが出たために、そういう点の欠陷が出たように私は感じておるのですが、今お話のあつたような点が確かにあるだろうと私は考えております。併しながら勿論その衝に当つておる部局の各官庁は、それぞれできるだけ統制経済を完璧にしようという努力をしておつたことも、又一面確かであります。こう思つております。非常にむずかしい問題でありまするので、どうしてもその点に或る程度の欠陷というものがありましたことは、むしろ周知の事実であります。油井さんが御指摘になつたような点は止むを得ない点があろうと私は考えております。
#40
○理事(黒田英雄君) 他に御質問ございませんでしようか。――御質問がないようでありまするから、質疑終了といたして直ちに討論に入ることにいたして御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#41
○理事(黒田英雄君) 御異議ないようでありますから、それでは質疑終了として、討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#42
○油井賢太郎君 この法律案は私は民主党といたしまして賛成をいたします。併しながらこの廃止するに至つた過去の経過を見ますというと、今まで官庁方面が統制経済というものを立案いたしまして、統制経済方式というものを作つて、国民にそれを強いておりながら、官庁自体が無能力というか、或いは熱意がなかつたということを、この法律案によつて曝露したということは、甚だ遺憾に堪えないと思うのです。将来政府並びに官庁方面におきましては、法律を作つたならば、飽くまでもそれを徹底的に実行するなり、或いは施行いたしまして、国民に不平等の差を與えないというようなことを、特にこの際強調いたしまして賛成いたします。
#43
○理事(黒田英雄君) 他に御発言ございませんでしようか。他に御発言もないようでありますから、討論は終局したものとみなして、直ちに採決に入りたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#44
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは物資の割当に関する手数料等の徴收に関する法律を廃止する法律案を、原案通り可決することに御賛成の方の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#45
○理事(黒田英雄君) 全会一致でございます。よつて本案は全会一致原案通り可決することに決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告の内容は、例によつて委員長にお任かせ下さることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#46
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
 次に委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を附することになつておりますから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    伊藤 保平  九鬼紋十郎
    玉屋 喜章  西川甚五郎
    平沼彌太郎  油井賢太郎
    小宮山常吉  高橋龍太郎
    米倉 龍也
#47
○理事(黒田英雄君) 御署名漏れはございませんか。御署名漏れないものと認めます。
  ―――――――――――――
#48
○理事(黒田英雄君) 次に失業保險特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のおありの方は御質疑を願います。
#49
○油井賢太郎君 失業保險の関係については、労働省の方から見えておりますか。
#50
○理事(黒田英雄君) 見えております。龜井失業保険課長が見えております。政府委員ではありませんが、説明員として御説明を聽くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
#52
○説明員(龜井光君) 今回の法律におきまして、積立金の中から、一部を予算に計上するという関係の法律案でございまするが、御承知のように、失業保險はその保險事故としまして失業者を対象とするのでございますが、失業の発生その他につきましては、他の社会保険におきまする健康保險、或いは厚生年金保險というものと違いまして、非常に事故の発生の蓋然性と申しますか、その可能性を推測することが非常にむずかしいのであります。時期的に或いは場所的にこれを判定することが非常にむずかしい性格を持つておるのでございます。従いまして予算の上において一応一定の給付に要しまする経費を計上いたしましても、場合によりましてはその給付金で賄い得ず積立金からこれを支出をしなければならないというふうな、突発的な情勢が起る可能性があるのでございます。その場合に積立金から支出します手続としましては、相当煩瑣な手続を要するのでありまして、必要な額を必要な時期に直ちに支出することは困難な事情がございまするので、今回のこの法律案によりまして、予め予定の必要額だけを予算上予備費の中に組みまして、そういう一旦緩急の場合におきましては、予算両から支出するという措置を講じたいと考えまして、この法律案が提案されたような次第でございます。即ち言葉を換えて申しますると、そういう緊急の必要の際において、直ちにその積立金が支出できるという方途を、この法律で講じたいというのが趣旨でございます。
#53
○油井賢太郎君 これに対する資料は、もうお配りになつたのですか。
#54
○理事(黒田英雄君) 資料の御要求が無かつたのです。
#55
○油井賢太郎君 それでは、一つ資料の要求をいたしますが、最近までの月別の失業保險の支給状況の資料をお願いいたしたいと思います。
#56
○理事(黒田英雄君) 今説明できますか。
#57
○説明員(龜井光君) できます。
 失業保険の支給状況を御説明いたしまするが、当初この法律を制定しました昭和二十二年十一月からこの制度が始まりまして、実際の給付はその六ヶ月先の昭和二十三年五月一日から始まつたのでございます。当初は、昭和二十三年におきましては、失業者の数が比較的少く、従つて給付金もそれ程の額が出なかつたのでございますが、昨年の四月、五月頃から始まりましたいわゆる企業整備の進展に伴いまして、逐次保險金の支給額が増加して参つております。これを数字で申上げますると、四月におきましては一億五百万円であつたものが、五月になりますると一億六千四百万円、六月で二億五千八百万円、七月で四億、八月で六億、九月で七億八千万円、十月で八億九千万円、十一月で十億六千万円、十二月で十一億九千万円、即ち十二億になるというふうに、逐次上昇して参つておりまして今私の方で分ります数字としては十二月まででございますが、一月の中間報告を各県から採つております。それによりますると、大体十二月を境としまして、一月はこれをオーバーしない程度、即ち十二億程度で一月も食い止められるようでございます。恐らく二月、三月も多少低下して行くのではないかという見込を持つております。と申しまするのは、昨年の企業整備の一番激しく行われました六、七、八という時に離職しましたものの給付日数が六ヶ月でございますので、それが逐次給付期限が切れて来るということからしまして、そう今後はこの給付金は上昇しないのではないかというふうな見通しを持つております。ただ併し先程も申しましたように、失業という現象は非常に推定或いは把握しにくい現象でございまして、いつどういうふうに増加して参りまするか、推定がつきにくい性格を持つております。
#58
○油井賢太郎君 今の金額ですが、人数を一つ併せて……
#59
○説明員(龜井光君) 受給者数を申上げますと、先程の数字に併せる意味で、四月から申上げますと、四月が五万九千人、五月が八万五千人、六月が十一万一千人、七月が十五万七千人、八月が二十万八千人、九月が二十七万、十月が二十九万八千、十一月が三十二万二千、十二月が三十六万人という数字になつております。
#60
○油井賢太郎君 これは資料の要求ですが、大体の職業別、例えば商業とか、或いはどういう工業の失業者であるとか、それから地域別、各県の……これは一つ参考のためお出し願いたいと思います。
#61
○説明員(龜井光君) 地域別は分りますが、職業別の方はちよつと統計を取つておりませんでございまするから……
#62
○油井賢太郎君 分る見通しはつかないんですか。大体のところ商業は幾らとか、工業は幾らとか。
#63
○説明員(龜井光君) 一般の安定所に求職の申込をしましたものの職種別は一応分ります。その中で失業保險の資格を持つておるものとおらないものとは区別してないのでございます。その意味でしたら分ります。
#64
○油井賢太郎君 それでは、それを……
#65
○理事(黒田英雄君) あとで資料をずつと出して頂ければ結構です。外に御質問ございませんでしようか。
#66
○平沼彌太郎君 この失業保險の特別積立金というものは、どういう規定によつて現在どのくらいの額があるのですか。それと、もう一つは、この一部を取崩すと言うんですが、どういう程度にこれを崩して消費するのですか。
#67
○説明員(龜井光君) 積立金に関しまする事項は、失業保險特別会計法で規定されておるのでございまして、その年度におきまして余裕金が出ました場合には、これを積立てるという規定があるわけでございます。で、現在昭和二十三年度の決算におきましては五十七億円の積立金があります。それで、二十五年度の予算におきましては、その五十七億のうちから二十四億円だけ予備費として特別会計の予算に計上されておるという現状でございます。
#68
○平沼彌太郎君 ちよつと説明を聽き漏しましたが、年間十万人分、四十億円を予備費として計上しているのは、この四十億円は二十四億円と数字が違いますが……
#69
○説明員(龜井光君) 四十億のうちで、二十四億は今申上げましたように、積立金から持つて参りました金でございまして、残りの十六億は、これは保險金と保險料收入とのバランスから生じました一応の予備金でございます。即ち保險料の、それだけの余裕金と言いますか……、と申しまするのは、給付の方では国が三分の一の負担をいたしたわけでございます。保險料では三分の二が、給付に要しまする費用の負担をするわけでございます。で、予算上のバランスから見まして、給付を一応百二十億円と押さえました関係上、そこに保險料收入の残りが十六億あるわけでございます。それを予備費の方に組んでおるというわけでございます。
#70
○平沼彌太郎君 そうしますると、積立金が五十七億というのに対して、二十四億使いまして、そうして今後も失業者が相当増加するという目安でありまするのに、これを使つて行つて、将来のバランスはどういうふうなお考ですか。
#71
○説明員(龜井光君) 先程も申上げましたように、失業の情勢が来年度になりまして、どういう動きをしまするか予測はしにくいのでありますが、できるだけの資料を集めまして、我々としまして予算編成上の資料といたすわけでありまして、その際は本年度の状況を判断しながら、来年度を推測するのでございます。本年度におきましては、まだ三月まで間がございますので、はつきりした数字は出ませんが、大体実人員にいたしまして四十万か四十五万ぐらいの給付になるのじやないかと考えております。来年におきましては、予算で御承知のように、百二十億の保險金を以ちまして、毎回三十万、これを年に直しますと六十万になるわけであります。と申しますのは給付は六ケ月で切れますから、倍になりまして六十万でございます。それから予備金の方では四十億でございまして、これを給付に廻すとしますと、国庫の負担分がその給付の三分の一でございますから、二十億加わりまして六十億の給付金ということになるわけであります。そうしますと六十億では十三万人、年にしまして三十万人というものの給付が可能でございまして、合計予算上は九十万人の給付が可能であるという見通しを持つております。従つて今年四十万乃至四十五万の受給資格者に対しまして給付しましたこの情勢からしまして、九十万人のものを給付し得るとすれば、これは予算上において釣合が取れるのではないかという見通しを持つております。
#72
○平沼彌太郎君 今の御説明で九十万人の予定のようなお話なんですが、実際面はこんな少しな人員の救済では、市中に失業者が溢れて、非常に悲惨な状態になるのではないかと推定されるのですが、これに対しての当局のお考は……
#73
○説明員(龜井光君) 九十万人では少いという御質問でございますが、この外に、御承知のように日傭いの労働者に対しまする失業保險制度が実施されているわけでございまして、この面から参りますると、十三万人の日傭い労働者に対して給付ができるだけの予算的措置ができているわけでございまして、尚この失業保險でカバーし得まする失業者というのは、全部の失業者ではございませんで、一応法律の規定によりまして制限を受けているわけであります。例えば五人以上の労働者を常時使用しております事業所に雇傭されている労働者の失業した場合、或いはその事業所でありましても、農林、畜産、水産というような原始産業の事業、或いは学校、教育というような、こうい関係の事業、或いは保健衛生というような、こういう事業は除かれておりまして、従つておのずからこの保險で保護を受けまするものの枠が決められているわけでございまして、従つて失業保険ですべての失業者を救済するというのではございません。こういう関係でそういう数字になるわけであります。
#74
○平沼彌太郎君 そうしますと、この一部に限定されただけの救済ということで、他の農山漁村、又は五人以下の方は救済をする方法がないというお話なんですか。
#75
○説明員(龜井光君) 結局、この問題は失業対策全般の問題になると考えるのでございまするが、失業対策の根本は言うまでもなく、民間の雇傭量を増大いたしまして、そこに正常な就職の機会を與えて行くということにあることは申すまでもないのでありまして、その関係からいたしまして、そういう民間の基本産業というものの振興に努力いたさなければならんのは申すまでもないのでありまするが、更にその外に、政府の力によつて雇傭量を作つて行くという対策も亦考えられなければならないのでありまして、例えば公共事業、本年度におきまして九百六十億の予算を計上されております公共事業、これは専ら農村関係におきまする失業者の吸收というものに大きな役割を果すと考えております。更に又都市中心におきまする失業者に対しまする対策としましては、来年度四十億の予算を計上しておりまする失業対策事業、これを施行することによりまして都市のものを就業させております。更に民間の雇傭量の増大のために見返資金の運用という面も考えられて参りまして、そういうあらゆる総会的な施策を講じまして、この失業対策を講じたいというように考えております。失業保險はそれらの積極的な施策を以てしましても救えない人を、最終的に失業保險で救つて行くという大体の段取りになるわけであります。
#76
○平沼彌太郎君 御説明でよく分りました。職を與えるという面に全力を注いでおられるということは結構なんでありますが、現在の社会情勢があらゆる産業において失業者が非常な勢を以て殖えつつあるのであります。現在の、今御説明の計画によつては、現在の予算の範囲で救い切れないということは明らかな情勢になつておると思います。その面を今後共十分見通しをつけて頂いて、最善の方法を講じて頂きたいということをお願いしたいと思います。
#77
○理事(黒田英雄君) 他に御質問ございませんですか。御質問ないようでありますから質疑終了として、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#78
○理事(黒田英雄君) 御異議ないものと認めます。
 それでは討論に移ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べ願いたいと思います。
#79
○油井賢太郎君 この法案は民主党といたしましては賛成をいたします。併しながら先程民自党の平沼委員からもお話がありましたように、現在のところ失業者は非常に殖えておるという点と、これの救済の途が何かまだ目先不安に感ぜられるという点、誠に御尤もであります。どうかここにお出での政府委員だけでなしに、政府委員を通じまして現内閣の幹部、或いは当局者に対しまして、十分にこの失業問題の解決方をお図り願うように要望いたしまして賛成いたします。
#80
○理事(黒田英雄君) 他に御発言ございませんか。――他に御発言ないようでありますから討論は終局をしたものといたしまして、直ちに採決に移りたいと思います。
 失業保險特別会計法の一部を改正する法律案を、現案通り可決することに賛成のお方のお挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#81
○理事(黒田英雄君) 全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決することに決定いたしました。
 尚本会議における委員長の口頭報告は例によつて委員長にお任せ下さいますことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。
 委員長が議院に報告しまする報告書に多数意見者の署名を附することになつておりまするから、本案を可とせられた方は順次御署名を願います。
 多数意見者署名
    伊藤 保平  九鬼紋十郎
    玉屋 喜章  西川甚五郎
    平沼彌太郎  油井賢太郎
    小宮山常吉  高橋龍太郎
    米倉 龍也
#83
○理事(黒田英雄君) 御署名洩れはございませんか。……御署名洩れないと認めます。
  ―――――――――――――
#84
○理事(黒田英雄君) それでは次は証券取引法を再び議題といたしまして御質疑の続行をお願いいたします。
#85
○油井賢太郎君 二三伺いたいのでありますが、この法案の目的は、大体投資者のためにいろいろ政府としてお考えになつておるようであります。そうしますと、今までにおきまして、いわゆる投資者に対して証券業者は実害を與えたことがどの程度にあるかということがお分りでしたら、この際御発表願いたいと思います。
#86
○政府委員(湯地謹爾郎君) 今の御質問の証券業者が投資家に迷惑、損害をかけた件数という御質問ですが、実はこれはよく分らないのでありまするが、ただ証券取引法で、証券取引に関連して、証券業者とお客、言い換えれば投資家との間に争いが起きた場合に、その争いに対して委員会で仲介をするという制度があるのであります。その仲介に持込まれた件数ということは分つておりまして、その件数を申上げますと、昭和二十三年中、これは暦年でございますが、昭和二十三年中において仲介の申立があつて、その仲介をいたしたのは十件、それから昭和二十四年で二十六件、合計三十六件ということになつております。
#87
○油井賢太郎君 表に現されたのは大変少いのでありますが、このうちには証券業者が立ち行かなくなつて、いわゆる事業を止めてしまうというようなものや、或いは破産したということも含まれておるのでありますか。そういう事件はどのくらいあります。
#88
○政府委員(湯地謹爾郎君) それはこういう数字がありますから、それを申上げたいと思いますが、証券業者でその内容が良くなくて、委員会で検査をして、それに対して審問をいたして、営業の取消、或いは営業の停止ということをやることになつておりますが、その件数を申上げますと、昭和二十三年、これもやはり暦年でございますが、登録を取消した業者の数が五件、二十四年におきましては二十七、それから営業の停止をした分が昭和二十三年で三それから昭和二十四年で二十一と、こういうふうになつております。
#89
○油井賢太郎君 それから証券業者の総数をちよつと発表して下さい。二十三年、二十四年と、その当時の……
#90
○政府委員(湯地謹爾郎君) 証券業者の数はまあ毎日相当移動がありますが、年末で申しますと、二十三年末、これは暦年ですが、八百二十、それから二十四年には千百五十二、参考までに申上げますが、二月十三日現在では千百四十七であります。
#91
○平沼彌太郎君 資本金を五十万円に改正される案のようですが、今まで二十万円でしたね。
#92
○政府委員(湯地謹爾郎君) 今までは別に制限はないのです。
#93
○平沼彌太郎君 制限はないのですね。非常に大きな数量を取扱う証券業者の資本金の最低が五十万円ということは、非常に危險性があるのじやないか、資本が小さ過ぎて……。この資本金によつて、積立とか管理をさして、そして一般に安全な取引をさせるというところの計画としては、五十万円というものは余りにも小さいのじやないかという感がいたします。もう一つは地方には随分沢山な証券業者がありますが、東京のような大きな所の証券業者と地方の証券業者の資本金額を同じにして置くことが、一体証券普及の面から言つて妥当であるかどうかという面にも疑問があるのでありますが、そういう点について、政府のお考をお伺いいたします。
#94
○政府委員(湯地謹爾郎君) この法律に五十万円とありますのは、これは営業用純資本額が五十万円、こういう意味でありまして、流動資産から負債総額を引いた残りが五十万円、こういう意味でありまして、従来は証券業を営むのには、一応の刑法上犯罪が今まであつたとか、なかつたとか、そういうような資格、欠格條件がなければ誰でも自由に登録をして営業ができたわけでありまするが、それでは投資者保護という点に十分でないという経験から、今回営業用純資本額五十万円は少くとも維持しなければいかん。又それだけなければ営業の開始はできん、こういう條件を附けたわけでありまして、只今お話の通り、東京と或いは地方と同じではいかんのじやないかというお話も御尤もで、実は現在は資本金の制限はないのでありまするが、実際上の指導といたしましては、東京、大阪で三百万円、六大都市で二百万円、その他で百万円、そういう指導はしておるのでありますが、今度、制限する際もその資本金でやるという考え方もあり得るわけでありますが、やはり営業の実態から見て、営業用純資本額で押さえた方がよろしいという考で、これは最低が五十万円、東京等ではできるだけそれよりもつと多くなるよう実際上指導して参りたい、こういうふうに考えております。
#95
○油井賢太郎君 ラジオなどで盛んに株式投資をしろとか、有価証券を買いなさいとかいうような放送をした時代があつたのですね。而も、それは株の最も高いような時代だつたのですが、ああいうことはいわゆる無辜の国民が、ラジオか言うのだから、大抵今買つてもよいだろうと思つて、いわゆる政府当局の案としてああいうことを言われたのだと思つて買つて、それから後非常に下落をして、損害を蒙つておるというのが沢山ありますが、証券取引委員会としては、そういうことを宣伝させることは何か制限とか、規則はなかつたのですか。
#96
○政府委員(湯地謹爾郎君) そういう関係の規定といたしまして、参考資料の「証券取引法及び関係法令要覧」の第五十八條に「何人も、左の各号の一に掲げる行為をしてはならない。」その各号の第三号に「有価証券の売買その他の取引を誘引する目的を以て、虚僞の相場を利用すること」とありまして、こういうふうに、お買いなさい、お買いなさいということでは引つ掛からないのですか、その際虚僞の、あの会社は惡いのによいからお買いなさいとか、或いはそういう技巧を使うとか、或いは不正の手段、計画等で誘引するというような場合には取引法に引つ掛かるわけで、單にお買いなさいということでは引つ掛かる筈はないわけであります。
#97
○油井賢太郎君 古い時代だつたから今はつきり記憶はないのですが、單に有価証券を買いなさいと言つたか、或いは有価証券が最も有望ですから買いなさいとかというように言つたかどうか、これは記憶はないのですが、苟くもラジオあたりで国家にたつた一つのああいう公共機関が、朝となく晩となく、有価証券のまるで宣伝ですな、而も売れと言つたことは一遍もない。お買いなさい、お買いなさいということしか言わない。あれなんか国民に対して随分実害を與えたものだと思うのですがね。それはどこからもそういう点は問題になつたことがなかつたのですか。
#98
○政府委員(湯地謹爾郎君) 去年のたしか夏頃そういう話が実は我々の耳にも入りました。そのことを放送局も單に自分の意思では言つておるわけではないので、証券処理調整協議会というのがありまして、この機関はどちらかというと政府機関ではありませんが、財閥の株だとか、閉鎖機関の株等をそれに代つて処分する、或いは政府に物納した株の処分をする機関でありますが、多少公約機関でありますが、官庁ではありませんが公的機関、この機関が証券民主化という意味もあり、又同時にそれを処分してお金に替えるという意味で、幾らか買いなさいと言つたような面が強く現れたような宣伝があつたじやないかと思われました。それでその証券処理調整協議会の方に対しまして、我々といたしましても注意をいたしまして、昨年の十一月頃からは大体それは止めたと思いますが、注意したことはあります。
#99
○油井賢太郎君 この法案に関連して大蔵大臣の説明を聽きたいと思いますから、この次でも出席を要求して下さい。
#100
○理事(黒田英雄君) 大蔵大臣は他からも要求されておりますから、この案について出席を要求します。
 本日はこの程度で散会いたしたいと思いますが、如何ですか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○理事(黒田英雄君) それではこれを以て散会いたします。
   午後三時四十二分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           平沼彌太郎君
           油井賢太郎君
           小宮山常吉君
           高橋龍太郎君
           米倉 龍也君
  政府委員
   大蔵事務官
   (主計局法規課
   長)      佐藤 一郎君
   大蔵事務官
   (証券取引委員
   会事務局長)  湯地謹爾郎君
  説明員
   労働事務官
   (失業保險課
   長)      龜井  光君
ソース: 国立国会図書館
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