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1978/10/16 第85回国会 参議院 参議院会議録情報 第085回国会 決算委員会 第3号
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1978/10/16 第85回国会 参議院

参議院会議録情報 第085回国会 決算委員会 第3号

#1
第085回国会 決算委員会 第3号
昭和五十三年十月十六日(月曜日)
   午前十時三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月十三日
    辞任         補欠選任
     片山 甚市君     小野  明君
     安武 洋子君     橋本  敦君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         寺田 熊雄君
    理 事
                楠  正俊君
                坂元 親男君
                野口 忠夫君
                田代富士男君
    委 員
                伊江 朝雄君
                石本  茂君
                岩上 二郎君
                岩崎 純三君
                北  修二君
                世耕 政隆君
                永野 嚴雄君
                藤川 一秋君
                降矢 敬義君
                増岡 康治君
                小野  明君
                丸谷 金保君
                吉田 正雄君
                和泉 照雄君
                沓脱タケ子君
                橋本  敦君
                喜屋武眞榮君
                野末 陳平君
                秦   豊君
   国務大臣
       農林水産大臣   中川 一郎君
   政府委員
       経済企画庁物価
       局審議官     戸田 博愛君
       大蔵大臣官房日
       本専売公社監理
       官        名本 公洲君
       農林水産政務次
       官        初村滝一郎君
       農林水産大臣官
       房長       松本 作衛君
       農林水産大臣官
       房審議官     佐々木富二君
       農林水産省構造
       改善局長     大場 敏彦君
       農林水産省農蚕
       園芸局長     二瓶  博君
       農林水産省畜産
       局長       杉山 克己君
       農林水産省食品
       流通局長     犬伏 孝治君
       食糧庁長官    澤邊  守君
       水産庁長官    森  整治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        道正  友君
   説明員
       警察庁刑事局捜
       査第二課長    宮脇 磊介君
       通商産業省貿易
       局輸入課長    村岡 茂生君
       通商産業省産業
       政策局商政課長  矢橋 有彦君
       会計検査院事務
       総局次長     柴崎 敏郎君
       会計検査院事務
       総局第四局長   岡峯佐一郎君
       会計検査院事務
       総局第五局長   東島 駿治君
       日本専売公社総
       裁        泉 美之松君
       日本専売公社原
       料本部部長    竹山 賢治君
   参考人
       農林漁業金融公
       庫総裁      中野 和仁君
       日本中央競馬会
       常務理事     小沼  勇君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和五十年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十
 年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十年度国税
 収納金整理資金受払計算書、昭和五十年度政府
 関係機関決算書(第八十回国会内閣提出)(継
 続案件)
○昭和五十年度国有財産増減及び現在額総計算書
 (第八十回国会内閣提出)(継続案件)
○昭和五十年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (第八十回国会内閣提出)(継続案件)
○継続審査及び継続調査要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(寺田熊雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る十月十三日、片山甚市君及び安武洋子君が委員を辞任され、その補欠として小野明君及び橋本敦君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(寺田熊雄君) 次に、昭和五十年度決算外二件を議題といたします。
 本日は、農林省と、それに関係する農林漁業金融公庫の決算について審査を行います。
 この際、お諮りいたします。
 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(寺田熊雄君) 質疑通告のない中野農林漁業金融公庫総裁は退席していただいて結構です。
 それでは、これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○吉田正雄君 当初に農林水産大臣にお聞きをいたしたいと思いますが、まず最初に、食管制度の堅持について農林水産大臣の考えをお尋ねいたしたいと思うのです。
 御承知のように、食管制度は、政府によるたび重なる食管制度の根幹の堅持なる言明にもかかわらず、まず一つとして、四十四年からの自主流通米制度の実施による政府を通さない流通が生じ、国による一元的直接管理が実質的に崩れたこと、二つとして、自主流通米の消費者米価の自由価格及び四十七年四月からの物価統制令の適用除外による政府米についても自由価格であるとしたことによる消費者米価の自由化、三つ目として、四十六年からの買い入れ制限による全量買い入れ制度の崩壊と予約限度超過米の発生により、食管制度の根幹はすでに失われているのではないかというふうに思われるわけです。さらに、こうした政府の政策に誘発された大量のやみ米の流通、無登録米販売店による米の小売、異常に高い消費者米価、あるいはうその多い混米された小売米、実質的に全く機能していない購入通帳とか購入券等々によって、米の流通には相当の混乱が見られておることは大臣も御承知のとおりです。
 そこで大臣にお聞きをいたしたいのですが、まず、大臣は食管制度の根幹堅持をしばしば言明しておいでになりますけれども、現在はどう考えておいでになりますか。そして、その見解は今後とも変わらないのかどうかですね、お尋ねをいたしたいと思うのです。
#7
○国務大臣(中川一郎君) 食管につきましてはいろいろ議論もあるところでございますが、私としては食管制度は守っていきたいと。主食であります米を長期的に国民に安定的に配給するということはきわめて大事である、こういう観点からでございます。ただ、食管の中でも、いま御指摘ありましたように流通面等は消費者対策等現実に即した対応が必要であるということは言えるのではないか。そういう意味で、流通面についてはかなり弾力的にはなっておりますが、生産、集荷等については食管の基本は守っていきたい。そのために生産調整その他いろいろの施策を講じているところであり、基本的には守っていきたい、こういう姿勢でございます。
#8
○吉田正雄君 その大臣の言明は従来の方針を変えないということであるのですけれども、ただ私が心配いたしますのは、最近の新聞等のマスコミでは、盛んに今年産米の豊作や米の在庫増から食管制度の改革をキャンペーンしているように思われるのですね。豊作は自然的要因であって逆に不作の年だって出てくるわけです。したがってまた、古米在庫というのは政府の需給計画と見通しの誤りであるというふうに私ども思っているわけですね。さらに、米以外作物の対策に手を抜いてきた、そういうこともここに原因しているのではないか。したがって、大臣としては、いま食管制度の根幹は堅持をしていくということをおっしゃっておるわけですけれども、一番農家が、農家なり、あるいは消費者にとっても、この食管制度というものが安い消費者米価というものを保障してきたという点で非常に生活にとって重要な点であるわけですね。第一点の質問で、変える考えはないという答弁でありますので、その点はそういうふうに確認をしていきたいと思うのです。
 そこで、いま流通問題が出ましたけれども、私は、現行食管制度というものは堅持をしていくということになるならば、やみ米の流通というのはこれはやっぱり厳に取り締まるべきではないかと思うのですが、この点はどうですか。
#9
○国務大臣(中川一郎君) 御承知のように、米の流れについては、政府の配給米ともう一つは自主流通ルート、これは政府のもとに行われている一定のルールに従うものでございます。そのほかにやみがあると言われておりますが、その点についてはわれわれ認めているわけではありませんで、大量そして悪質なものについては、先般四十七年、丸紅のああいうときにはああいう措置を講ずる等、やはり不正なものは不正なものとして摘発もし監督もしていくと、こういう姿勢でございます。
#10
○吉田正雄君 やみ米の流通については厳に取り締まっていくということで、これは当然だと思うんですが、そこで私は、今後食管制度の根幹については堅持をしていくんだということなんですけれども、しかし、実態として流通面からこれが実質的になしくずしにされていくという心配もあるわけです。聞くところによりますと、米の配給制度の改革案と言ったらいいんでしょうか、そういうものを政府は検討しておるというふうに聞いておるんです。あるいはまだ事務当局内部の検討で大臣のところまで上がっていないかもわからないんですが、大臣はそういうこと御承知なんでしょうか、あるいはそんなことはまだ検討していないということなんでしょうか。検討しておるとしたらどういう内容なのか、お聞かせ願いたいと思います。
#11
○国務大臣(中川一郎君) 先ほどもお話がありましたように、異常な米の過剰、在庫、食管の赤字、農政予算がもう組めないんじゃないかというぐらい混乱してございます。これは決して米の需給の見通しの誤りだけではなくして、今日の、最近の消費の減退、一方、価格面からかどうか、異常な生産意欲ということで、政府がいかに努力しても、需給のバランスをとろうとしても、そういった政府ではどうにもならない動きがあることも事実でございます。
 そこで、消費の拡大というようなことが今日最大の課題であるというところから、消費者米価も据え置くというような、赤字財政で本当に困っておるんでございますが、そういう措置を講ずると同時に、流通面においては消費拡大に対する努力が少ないんでないか、基本的には。配給という、言ってみれば親方日の丸的な、消費拡大については、ほかの商品に比べて努力が足りないということを基本的に私は考えております。そこで、もっとわれわれも努力するが、配給業者においても消費拡大について努力をする、若干の競争原理を入れていく。競争原理がなくて親方日の丸的なことをやっているもんだからふえないという一面もあるであろう。われわれも努力するが、生産者も努力し、流通過程も努力する仕組みというものを考えてみるべきだということで、私みずからが事務当局にそういうことを検討してくれとお願いをいたしておるところでございます。その検討につきましては、私も報告を受けておりますが、事務当局から内容については御報告いたさせます。
#12
○吉田正雄君 大臣の消費拡大に積極的に取り組むというのは、これは当然なことなんですよ。ただ、消費拡大に取り組むということと、流通機構、制度、これを改めるということはまた別なことなんですね、これは。そこを混同してもらっちゃ困ると思うんですよ。たとえば、いま親方日の丸では困るんで競争原理というものを導入したいということをおっしゃったところを見ると、たとえば販売店の資格条件を緩和をしていくとか、もっと率直に言うならば、農協に小売店を認めるかわりに、逆に言うならば、小売店と言ったらいいんでしょうか、そういう問屋に逆に集荷というものを認めさせる、いわゆる相互乗り入れというふうな、こういうことは消費拡大とは直接関係のないことなんですよ。それを混同されちゃ困るんで、もしそういう考え方なり、そういう方向で変えていこうということになると、これは実質的に食管制度というものを流通面から崩していく、食管制度の根幹を破壊をしていくということに私はつながると思うんですね。まさか大臣はそんなことを考えておいでになるんじゃないと思うんですが、そのところがどうもはっきりしないんで、これ非常に心配な点ですので、もうちょっとそこのところをはっきりしていただきたい。
#13
○政府委員(澤邊守君) 基本的な考えにつきましては大臣からお答えしたとおりでございますが、私どもは流通の改善につきまして、消費拡大ということを一つの目標にした改善をしていきたいというふうに思っております。その場合、現行法との関係で御心配をされているのではないかというふうに思いますが、私どもとしては現行法の範囲内においてやる。したがいまして、現在法律に基づきまして販売業者の登録をいたしております。小売業者も、卸売業者も。そういう制度をやめてしまうとかというようなことまでは考えておるわけではございませんので、競争的な市場原理を導入すると言いましても、現在の法律の範囲内、制度の範囲内において行うということを考えておるわけでございます。
 そこで、消費拡大とその流通改善なり競争原理の導入というのはどういう関係かという点について私どもの考えを申し上げますと、やはり小売の問題が一番大事だと思いますけれども、現在、米の販売は店舗の数も、あるいは新規参入というものも非常に限定されております。これは現在の仕組みがそうなっておると、法律に基づく政令以下の運用でそのような運用をしておると、その辺がやはり他の競合食品、たとえばパンであり、めん類というものと直接主食として競合する面があるわけですが、これらの他の業種と比べますと、店舗は他の業種はもちろん自由に幾らでもふやし得るということで、競争しながら販売努力をしているわけでございますが、米の場合は、ただいま申し上げましたように、登録店の制度が非常に厳格に運用されているといいますか、弾力性がないために、店舗はふやせない、あるいは新たに参入できないというような面がございますので、これを無原則、自由にするというところまで考えているわけでございませんけれども、現在の登録制度の範囲内において、その辺を弾力化することによって、競争によって販売努力をする、それによって消費の拡大につながっていくというようなことを考えておるわけでございます。重点はもちろん小売段階でございますけれども、小売段階でそのような考えを実施してまいりますと、当然卸段階あるいは集荷段階にまで影響が出てくる面がございますので、それら各段階を通じていまのような基本的な考えの範囲内において検討しておるところでございます。
#14
○吉田正雄君 現行法内において、ということなんですけれども、よく下位の法令が上位の憲法なり法律というものを、規則の面とか、そういう面で空洞化をしていくということがよくあるんですよね。そういう点で、私はいまの答弁、まさにそのとおり運用で拡大をしていくというふうなことで、最終的には無原則的にと言ったらいいんでしょうか、私が指摘をしたとおり、食管法の根幹を崩していくようなそういう運用というものはこれはやるべきじゃないと思うんですが、そんなことはないんでしょうね。ずばり言ってください。解説は要らないですよ。
#15
○政府委員(澤邊守君) そのようなことはございません。先ほど申し上げたとおり、現行制度の範囲内でやるということでございます。
#16
○吉田正雄君 その次に大臣にお尋ねをしたいんですが、古米在庫の処理をどのようにお考えになっているのか。これも大分新聞論調等をにぎわしているんですけれども、御承知のように、本年も豊作であるというふうなことで古米在庫が累増していることは確かです。しかし、全国の農民の政府の指示する生産調整数量を涙ぐましい努力で消化をしておるわけですし、最終的なまだまとまった数字を聞いておりませんからわかりませんが、私は新潟県ですが、生産減反調整には反対だと言っている新潟県ですら、いまや目標を一割もオーバーをするという達成率になっているんですね。そういう努力をしておるんですけれども、ところが一方で、生産者米価が五十二年の場合にはわずか四%、五十三年産米においては据え置くという、物価上昇にも追いつかないそういう生産者米価で、実質的に農民の生活というのは切り下げを余儀なくされているわけですよね。つまり、政府の要請に全面的に協力をしながら、なおかつ、実際に報われているところというのは少ないわけですね。しかも、農家からするならば、この古米の累増というのはこれは農家の責任じゃないわけですよ。政府の方針に従ってやってきてなおかつそうなっているんですから、先ほども申し上げましたように、この余剰米については、これは政府の責任で当然処理をすべきものなんですね。
 そこでお聞きをしたいんですけれども、私が心配なのは、この古米在庫の処理についてまだ方針が決まっていないんじゃないかと、五十四年度予算の要求の中を見ても、どうもその辺がはっきりしてないということがあるわけです。方針が決まらない理由というのは何なのか。
 それから、まさかと思うんですけれども、在庫の過剰宣伝をすることによって食管制度廃止の世論づくりというものを意図的に行っているんではないかと、これは勘ぐりであれば幸いなんですが、そんなことはないと思うんですけれども。いま言ったように、処理の方針が決まっていないと思うんですけれども――決まっていたら聞かしてください。きのうあたり決まっているかもわかりませんが、決まっておらなかったらその理由と、いま言った心配の世論づくりではないかという点について、まずお聞かせ願いたいと思うんです。
#17
○国務大臣(中川一郎君) まず古米の処理方針でございますが、現実はことしの出来秋で五百三十万トンございます。そしてことしの出来秋では千百七十万トンか生産されれば一番――一番というか、需要に見合った数量であると、それに見合った生産ができるようにということで百七十万トンの生産調整、三十九万一千町歩の減反といいますか、転換をお願いしたわけでございます。現実は面積において全国的に一一%の増の達成率となっております。全国平均で。新潟県が一〇%。ところが、出来秋の米の状況はどうなのかというと、千百七十万トン期待しておったというか、予定しておりましたものが千二百五、六十万トンになったと。そうすれば八十万トン前後のものがよけいとれることになったと。そうすれば、ことし五百三十万トンのものに来年の秋八十万トン前後足しますから六百万トンの過剰米になる、こういうのが現実でございます。
 そこで、農家の皆さんにとっては大変なことでございましょうが、何か余ったことが政府の全部責任だとお考えになるところに私はちょっと問題があるんじゃないかと。やはり生産は消費のあるところに生産をするという一義的なところでなければなりませんし、生産調整が農家の努力だけによってやったと言われても困るんで、恐らく世界で類例のない生産調整協力費というものを反四万円から七万円というものを差し上げて、ほかの作物をつくったのと同じような収入が得られるように、それは個々のものについては増減、得損はありますけれども、全体的な計算からいけばまずまず米をつくったのと同じだけの収入が得られるようにということで二千数百億円の一般会計からの投入を図ってやっておるわけでございますし、米価は据え置いたと言いますが、私どもは米価は据え置いたとは思っておりません。すなわち生産調整に協力してくれた方には、昨年と同じような計算によって上がるであろう率を、米価そのものではありませんけれども、農家の収入になるように手当てをいたしておりますし、またその分だけをさらに生産調整に協力してくれた面積について対応する。生産調整に協力をしなかった農家は確かに据え置かれたかもしれませんが、生産調整に協力をされた農家にはしかるべき米価は差し上げておると、こういう基本的考え方でございます。
 そこで、本来ならば食管の仕組みというのは、国民に配給するに必要な米を責任持てばいいという仕組みでございます。したがって、限度数量というものだけを責任持てば一応法律上の責任は果たせるわけでございます。したがって、ことし五百三十万トン余っておりますから、あと三百万トンほど買えば結構だと、それ以外はどうぞ御自由にと、こう言えば言えないわけでもないとは思いますが、五百三十万トンは、これはそのうち必要な備蓄米は別として、それ以外はこれは余剰米対策で処分をして、そして単年度でもって需給のバランスをとろうということにしておるわけでございます。
 ところが、来年になれば六百万トン過剰米が出てくるといいますか、繰り越し米が出てくる。そのうち今度は備蓄米を何ぼにするかという問題が出てまいります。われわれとしては五、六十万トンもあればいいんじゃないかと。昭和四十五、六年のころは六十万トンもあればいいということだったんですが、その後過剰傾向になってきて百万トン、百五十万トンになってきたときに、これは国会においてもあるいは農業の皆さん方からも、備蓄米五、六十万というのは足りないんだと、二百万トンぐらいは必要だという、特に石油ショックもありましたもんですから、二百万トンぐらい持って何が悪いかということになってまいりまして、二百万トンが適正備蓄米の量であるということになったわけでございます。
 ところが、二百万トンを配給いたしてまいりますと、古米を配給するとはどういうわけだ、この消費拡大のときに二百万トンもの、何カ月分も古い米をやるなんというばかなことをしているから米が伸びないんであるということで、備蓄せよといった時期には備蓄でもってムードが沸いてくるし、余ってきたときには、備蓄米なんということを言った人もさらりと忘れて新米だけ配給しろという議論に変わっていくという、非常にわれわれとしても、世論や農民の皆さんの意向も聞かなければなりませんし、議会筋の意向も聞かなければいかぬ。
 さてどうするか、来年六百万トンのうち備蓄はということになると、私はもうこの際やはり備蓄というものはそんなに要らないのじゃないか――要らないのじゃないかと言ったって、それが五十万トンなのか百万トンなのか二百万トンなのか、ことし本当は二百万トンほど古米を配給していかなければ備蓄対策はできないんでありますが、できるだけひとついい米を配給米に回す。異常な消費減退でございますから消費拡大政策のためにやらざるを得ない。
 かくて、来年六百万トンのうち備蓄米に何ぼ回し、そして余剰米が何ぼになり、それをどう処分していくかということになると、これが大変な財政負担になるわけでございます。恐らく一兆円を上回る財政負担、昭和四十五、六年ごろの財政負担以上の負担になることだけはもう間違いがない。
 ところが一方、予算要求の枠は一三%で抑えられておる。一三%とすれば農林省の予算の枠というのは五千億足らずの増にしかならない。その中から減反で千億だ千五百億だと取られる。水産も大変な時代で、水産にもまとまった金が必要だ。木材関係も大変な時代だからまとまった金が必要だ。そこへ一兆円もの余剰米処理ということになれば、これはもう予算が組めない。農業基盤費から何から全部そっちへ振り向けなければ余剰米の処理ができない。これが外国に輸出いたしましても、最近ベトナムから欲しいというんですが、差し上げたらいいことには間違いないけれども、二百万トン欲しいというんですが、二百万トン差し上げれば何千億という一般会計からの繰り入れがなければできない。ただで差し上げればなおのことと。こういうことで非常にこの余剰米の処理には私ども頭を痛くしてどうにもならぬというぐらいでございますが、しかし、さりとてそうは言っておられない、持っておれば金利、倉敷で莫大な金もかかるということも明らかでございますから、来年度これを一体備蓄米を何ぼにし、それ以外の米をどういう年次でどういうやり方でやるかということを立てなければいかぬ時期に来ている。すべて今後ひとつなるべく早い機会に対処いたしたい、こういうことでございます。
 何かこれをキャンペーンに使っているなんということですが、キャンペーンに使って食管をなくそうというのじゃなくて、過剰米の時代になってくると備蓄米が必要だ必要だ、備蓄米が必要なんだから米価を上げていい、上げていいという、過剰米というものをよそにして米価議論があるということについては、私はキャンペーンではなくても、厳しい情勢というものを、消費者米価を上げなければならぬような生産者米価を上げる時期ではないという、しかし生産意欲はもちろん持つ米価でなければなりませんけれども、そういう点についてはこれは国会の皆さんにもあるいは生産者の皆さんにも、国民の皆さんにもよく御認識をいただきたい。過剰米については国家的事業であり、農村の大問題であって政府だけの仕事ではない、そういうことだけは篤と御認識願いたい、こういう気持ちでございます。
#18
○吉田正雄君 大臣から大分長々と説明があったんですが、しかし長い説明にもかかわらず、やっぱりさっぱり要領を得ない内容じゃないかと思うんですがね。一貫してないんですよ。生産減反調整を農民に強いてその他の作物に転換をしても、転換をした作物の買い入れ等についての保証が何らない、価格の保証がない、これは後ほど申し上げたいと思うんですが。ですから、一面的に政府が強調をしてその政策に従っても、従った結果についてのまた保証がなされてないということがあるわけなんですね。
 非常にきょうは限られた時間なもんですし、これはまた農林水産委員会でもやるべき問題だと思うんですが、大臣、ここで要望しておきますけれども、農林水産委員会の開催回数というのはきわめて少ないんですよ。この国会でも、参議院の場合にはあす農林大臣が一回しか出席できない。たった一回ですよ。これでもって日本のこの重要な農政の問題を国会で論議するということは、これはまあ時間的に言って不可能なんですね。どうも最近、この委員会を避けてというか、回数を少なくする、大臣の出席はできるだけさせないというふうな何か動きがあるんじゃないかという感じがしてならないんです。これは勘ぐりであってほしいと思うんですけれどもね。
 そういうことで、この場を私は利用してお聞きもしているんですけれども、いま大臣の説明の中で、できるだけ消費拡大の観点から古米というものは余り配給しないで、できるだけ新米というものを配給していきたいというふうなことがちらっとあったんですが、その点はよろしいわけですね、新米の配給割合というものを高めていくと。できるだけ古米、古いものからやっていくなんと言うからますます消費拡大にブレーキがかかるんですから。その点はよろしいわけですね。
#19
○国務大臣(中川一郎君) これも御認識の間違いであって、古いものから配給していこうなんて言ったことはないんです。備蓄というものをやれば、前年産の古米の二百万トンなら二百万トンを先に配給しませんと、古古古米をやろうなんて考えたことはないんです。古米の分をまずやって、そして新米をやって、次の年はまたその新米を備蓄米として古米にやっていかなきゃいかぬということで、政府が古いものからまず食わせるんだなんという姿勢は全くございません。
 それから、新米の混入率は高めようということで最大の努力をいたしております。
#20
○吉田正雄君 大臣、言い方が変わると非常に受け取る印象というものも違ってくるし、処理の仕方も違ってくると思うんですよ。古古米とは言わないけれども古米からまず食べてもらうんだという、しかしその新米も高めていこうと。私はそうじゃなくて、本当に消費拡大と言うなら、余っていることは事実なんですよ。どこを余すかというなれば、やっぱり古いものを余した方がいいんですよ。次から次へと新しいものを古いものにかえていって、古いものから食べさしていくんではなくて、どうせ余るんなら余るものは古いものを余らして、新しいものを食べさせることによって消費が拡大をしていくんですよ。これは古米と新米では、いわんや古古米と新米では全然味が違うわけですよね。これはもう私から一々大臣に言わなくたって、大臣だってこれはもう本当に専門家でおいでになるわけですから。
 そういう点で、私は消費拡大の観点からするならば、やっぱり配給米の割合というのは新米の割合を高めるべきではないかと言っているんですよ、従来よりも。そのことを言っているんですよね。
#21
○国務大臣(中川一郎君) それはいいんですが、古米を配給しなかったら備蓄はどうやってやるんですか。備蓄は一切要らないという議論ならばそういう理論はあるし、もうできたものを新しいもの、新しいものと食わしていけばいいですが、備蓄をして安定的にいつも二百万トンなら二百万トンは不自由させないようにしておけば、まず備蓄米から食べて新米を食べさせなければ、新しいものばかり食ってたら古古古古米になってしまって、人間は食えなくなってしまうでしょう、廃棄処分しなきゃならぬでしょう。備蓄をやるとすれば、備蓄分の古米となった備蓄米をまず食べてもらうという仕組みでなければ、備蓄というものは成り立たないんです。あなたの議論だったら、備蓄は要らないからもうこの際は新米だけ食って備蓄の心配はしないでいいというならそういう方法はできますけれども、備蓄をやる以上は、備蓄量だけはまず配給して新米に移らなきゃできないということを申し上げているんです。
#22
○吉田正雄君 大臣、いまおっしゃっているのは、ちょっと論理的に合わないんですよ、数量の面からも。とれたものと在来の古米の総計が幾ら、本年度これから消費をしていく米は幾ら――いずれにしたって余ることは変わりないんですよ。だから、余るんですけれどもその余る量を少なくする、消費を拡大するにはどういう政策をとったら一番いいのかということを言っているんですよ。私は、選択はどういう選択をするのが最もいいのかということを言っているわけですよ。そういう点で私の、だから物の言い方、順序によって非常に受けとめ方が違ってくる。私はもう、すべて一切新米にして全部という言い方――高めなさいと言っているんですよ、新米の割合を。その点は異存はないんでしょう。
#23
○国務大臣(中川一郎君) ですから、先ほど長いと言われるぐらい、五、六十万トンあればいいというものであったんだが、生産者その他の声が非常に強くて、二百万トンぐらいは必要だというのがもう国会その他を通じての議論の結果として、長い間ここ数年やってきたんです。それをやっておったら悪い悪いと言われるから、それじゃやっぱり新米の混入率を高めなければいかぬかなあ、備蓄米を減らさなければいかぬかなあ、こういうふうに展開せざるを得ないという方向でやっておりますというので、あなた方の言うとおりやっていて怒られる必要は毛頭ないということを申し上げているんです。
#24
○吉田正雄君 そこだけやっておってもしようがないですから……。
 ところで大臣、こういう事実はどうなんですか。いま古米が余って過剰だと言いながら、一方で海外から米加工品の輸入が拡大をしている。その実態を一体大臣は御承知なのかどうなのか、一体どれだけ量が拡大をされてきているのか。いきなりですから、資料がないかもわかりませんが、しかし、おわかりでしょう。それは規制措置というものを一体講じているのかどうか。一方で余っている余っていると言って生産調整を押しつけていながら、海外からのそういうものが輸入が拡大をしているんですよ、これは。これはどういうことなんですか。
#25
○国務大臣(中川一郎君) それの類似品は、米の加工品というのはあられと承っておりますが、あられは自由化しているものですから、自由化のものは自由化でやっていかなきゃいかぬという、これまた厳しい――さっきの備蓄と新米との関係で、備蓄立てれば新米立たずというのと同じで、自由化立てれば米立たず、米立てれば自由化成り立たずという苦しみの中に対処いたしておるわけで、決して米を見捨てて無策に入れているわけではありません。
#26
○吉田正雄君 長官、米は一体幾ら輸入していますか。
#27
○政府委員(澤邊守君) 米は原則として輸入をしないということにしておりますが、昨年はモチ米が非常に不作であったということで、加工用を中心としたモチ米の不足ということになりましたので、ことしの始めから四、五月ごろにかけて約六千トン、中国、韓国、アメリカ、タイ等から輸入をいたしました。しかし、考え方といたしましては、原則としては輸入をしないという考え方でやっております。
#28
○吉田正雄君 ここで時間がありませんから言いませんけれども、私のところへこの前米菓加工業者が来て、輸入米を使っていると言っているんですよ。それは間違いないですよ。だから、一方でそういう実態があってやっているなんて、そんな、話になりませんよ、それは。だから、大臣、どこまで実態を御存じか知りませんが、この点、次の農林水産委員会で聞きますから、よく調べておいてください。
 そこで、大臣にというか、これは事務当局になりますかね。この古米在庫処理について食管特別会計法の改正についてどのようにお考えになっているのか。これは一部新聞でも報道されておりますけれども、ただ問題は、新聞の記事によっては、食管特別会計法の改正、中身はそういうことなんですけれども、この表題のところを見ますと、食管会計そのものを何か変えるというふうにひょっと間違うような表現になっておるんですよ。これは全然違うわけなんでしてね。そういう点で、食管特別会計法の改正というのはこれは食管法そのものではないわけですね。これは従来も何回も改正をされてきているんです。そこのところは混同はないと思うんですが、必要ならば私はやるべきではないかと思っているんですが、その点はどうなんですか。
#29
○政府委員(澤邊守君) いまの問題をちょっとお答えする前に、先ほど私答弁で単位を間違えたかと思いますので、モチ米の輸入は六千トンとあるいは申し上げたかと思いますが、約六万トンの誤まりでございますので、ちょっと訂正させていただきます。
 それからもう一点。あられ、米菓に使っておるのではないかということで御意見ございましたけれども、当然米菓用という意味も含めまして、一般のモチ原料、米菓用も含めまして輸入をしたものでございますから、米菓にも回っておるということは当然その目的で入れたわけでございます。
 そこで、お尋ねの、食管特別会計法の改正を過剰米の特別処理をやるために考えておるのかという御質問でございますが、これは直接には大蔵省所管の、私どもと共管のような形になるわけでございますが、まだ相談をするところまで至っておりません。過剰米の処理につきましては、先ほど大臣がお答えいたしましたように計画的に処理をする――に着手をしなければいけないという段階に来ておりますけれども、その具体的な方法について検討を始めておるところでございまして、まだ成案を得るに至っておりません。大蔵省ともまだ御相談するところまで至っておりません。その場合、前回七百四十万トンの過剰米の処理をいたしました際に、御指摘のように食管特別会計法の附則を改正いたしまして、処理に伴います損失を、当年度補てんをしなくても処分後七カ年間で補てんをすることができるように、損失の繰り延べができるという臨時の措置を講ずるための特別会計法の附則を改正した経緯がございます。これも一つの考えかと思いますけれども、具体的な処理の方法とあわせて検討すべき問題だと思いますけれども、現段階でまだ具体的な処理計画自体、方針自体まだ固まっておりませんので、法律の改正問題をどうするかというところを結論を出しておるわけではございません。
#30
○吉田正雄君 これは後ほど長官、いまの問題と・関連して食管予算について後で聞きますけれどもね。
 その次に大きな第三点として、大臣、水田利用再編対策についてお聞きしたいと思うんです。
 政府は、実施に当たって第一期三年間の目標数量百七十万トン、三十九万一千ヘクタール、これは固定をすると、変えないということをおっしゃっているわけです。また、米と他の畑作物との価格関係を是正すると言明もされてきておるんですね。これは「農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策について」、こういうことしの一月二十日の閣議決定があるわけですけれどもね。そういう点から照らしてお聞きをいたしたいと思うんですが、先ほど来、どうも新聞論調ということで、新聞論調でまさか大臣が動かされておるとは思いませんし、逆に裏の方で、新聞や、そういうふうな操作を農林水産省当局がやっているというふうな、これは私の勘ぐりらしいですから、その点はそうじゃないと思いますが、やはりことし豊作であったというふうなことから、生産調整数量を拡大すべきだという、せっかちな、性急な声というものが政府部内にあるというふうに私は聞いているんですよ。こうなりますと朝令暮改ですよ。この間までは三年間これは動かしませんと、こう言っておったのが、ことしは豊作だったからとてもたまらぬということで、これは拡大すべきだという声が部内に非常に強いということなんです。大臣お聞きになってなきゃそれは全く事務当局のことで全然心配ないと思うんですがね。その点どうなんですか。
#31
○国務大臣(中川一郎君) これは政府部内に生産調整数量を拡大しろという意見があるということを私は聞いておりません。私どもでは、三年間はことしお願いしたことでいきたいと。豊作だからあるいは不作だからといって毎年数量をいじるようなことはしたくないということでございますので、そういった声はまずないし、あるいはためにする議論はあっても、まじめな方にはそういうことは一切ございません。
#32
○吉田正雄君 大臣のその答弁を聞いて安心したんですけれども、しかし、火のないところに煙は立たぬということがありまして、事務当局が余りそういう点で大臣の知らぬところでそういうものがどんどん流れていくということについてはやっぱり問題があると思いますので、これはやっぱり閣議決定どおり、きちっと三年間は変えないんだという、そういう大臣の繰り返しの答弁どおり、余り事務当局がわあわあと朝令暮改を思わせるような、そういう動きが余り目立たないようにする、それはきちっとしてもらいたいと思うんですよ、大臣。それは部内統制の問題でしょうけれども。これはよろしゅうございますね。
#33
○国務大臣(中川一郎君) 生産調整の数量を変えるというのは事務当局にもございません。目標数量を百七十万トンを来年から二百万トンにしようとか、二百五十万トンにしようということはありません。ただ、来年もことしやりました生産調整は全面的な御協力をいただきたい、こういう気持ちは持っておりますが、数量を変えて強化をする、こういうことは一切事務当局にも私はないと承知いたしております。
#34
○吉田正雄君 次に、畜産物価格は据え置き、それから今度は麦、なたね基準価格が二・一%アップ、甘味資源等畑作物――てん菜だとか甘蔗、バレイショ、大豆ですね――は一・九四%アップという決定になったわけですけれども、これは果たして相対価格の是正と言うことができるのかどうか。この前参議院の農水でも附帯決議をつけましたけれども、大臣出席になっておりませんので今度の、あしたあたりの委員会でこの決議についての大臣の見解というものが聞かれると思うんですが、そういう点で、米価を据え置いたことからくる後ろ向きの相対価格是正ではないかという、こういう私どもは考え方というのか、評価をしているんですがね。そういうことをまた政府はねらっているんじゃないかと思うんですが、まさかそうじゃないんでしょうね、この相対価格是正という点について。
#35
○国務大臣(中川一郎君) 今年の生産調整を行うに当たりまして、総合農政上、他の転換作物の価格を米とバランスをとっていくようにしていくと、そしてほかの農作物をつくりやすくしていくということはもう基本的考え方でございまして、実はそのために昨年度から麦を初めとして生産契励金というのを価格に全面的に取り込んだわけです。この結果、三、四〇%昨年から値段が上がることになった。そして価格論争は当分やめようと、こういうげたを履かせることによって、それを、どこまで米価に追いつくかわかりませんが、三、四〇%上げたことにして、後は当分、麦を初めビート等はパリティによって計算していこうと、そして米との相対関係を近づけていこうと、こういう基本方針でやったものでありまして、政府が転換作物である麦やその他について配慮しないで後ろ向きの価格決定をしたというようなことの御批判をいただかないように、われわれとしてはまじめにやっておるつもりでございます。
 ただ、牛肉については据え置きましたが、これは御承知のように、異常な飼料価格の低落ということで生産費は決して上がっておらないということから据え置き、しかも消費拡大という消費者の異常なまでの声もありますることにこたえ、そういう措置をとり、さらに子牛に対する奨励金を差し上げるなど、生産コストを引き下げるために、価格では措置いたしておりませんが、一頭に一万円のものを三万円差し上げるというような努力をして生産農家にこたえ、価格には、そういった現実、消費者あるいはえさの値引き等を勘案して、精いっぱい、誠意をもってやっておるつもりでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
#36
○吉田正雄君 大臣、大臣はいろいろ努力をされていると思うんですけれども、次の点で事務当局に私はやっぱり責任があるのかと思うんですよ。
 というのは、この転換重要作物である麦のうち、ビール麦だとか飼料用麦については少しよけいになったということで、もう買い取れないとか、非常な混乱が生じている。たとえば飼料穀物なんというのは一年間に千二百万トンも輸入しているわけでしょう、千二百万トンも。ところが、転作によって飼料作物がわずか二、三千トンふえたといったら、その飼料用麦の買い取りが政府としてはできないというふうなことであったり、あるいはビール麦がちょっとよけいにふえたといって、もうそれはビール会社は買いませんという、せっかく転作をしても――それも過剰米ほどの大量な量じゃないんですよ、飼料麦なんというのは。千二百万トンも飼料を輸入しているところから見たら、二、三千トンだの五千トンなんというのは物の数でないにもかかわらず、それすらまた買えないというふうな状況が出てきて農家に非常に大きな不安を与えたんですよ。
 それからまたソバの価格暴落というのが非常にひどいんです。それからさらに大豆は、これは検査体制というか、検査員の数が不足をしておるというふうな検査体制の不備もあって非常に問題が出てきた。それから、私はこれは新潟をこの前現地調査に行ったんですが、県からも状況を聞いたんですけれども、驚いたことに、転作用の大豆と麦の種豆と種もみ、これがもう何種類か混合になっているんですよ。それを植えたものですから、これは全然もうお話にならなくなっている。収穫時期になってもう大混乱です。それからいま、種麦のもみを農家に世話をいたしますという、公式な文書ですよ、県からの。この中に、混入もあり得ますので御承知くださいと、こう書いてあるんですよ。そんな無責任な一体あれがあるかというんです。これはいまここへ持ってきませんでしたが、多分あすあたりの委員会か、あるいは衆議院の委員会でも出るかもわかりませんがね。こういう無責任体制ですよ。そういう点で、転作作物に対して、価格面や買い取りやあるいはいま言った種もみ等の世話をするについても、非常に手落ちや不備やあれがあるんです。今後、そういうことのないようにしてもらいたいと思うんですが、特に転作物の買い取りですね、いま言ったビール麦だの飼料麦等の飼料穀物の買い入れ、こういうものについては責任を持ってもらいたいと思うんですが、どうですか。大した量じゃないんですしね、それを皆さん奨励されているんですから。
#37
○国務大臣(中川一郎君) この点も御理解いただきたいところがあるわけですが、先ほど転作作物の値段が米に比べて低いという話がありましたが、これは一方、国際価格に比較すると莫大な値段なんです。たとえば麦について言えば、アメリカでは一俵千三百円で生産される、日本では一万円で買わしていただくということですから、七倍以上高いものになる。運賃コストをかけても、それがまた三倍、四倍になっている。大豆においても同じ傾向。サトウダイコンについてももっと極端な傾向があるわけです。そこへ奨励金を差し上げますと、麦が一俵二万円になってしまう、外国では千三百円でできるというような努力をしながら、転作について政府が何もやってない何もやってないと言いますが、大変な、聞いたら驚くような奨励措置を講じているということだけは御承知願いたいし、それでもなおかつ米が余ったら困りますから、消費者の皆さんや財政当局の努力によってこれをやっていきたいということになっているわけです。そして、いま御指摘のありました飼料用麦やあるいはビール麦等について問題のあることは承知いたしておりまして、私としてもできるだけのことは措置をするように事務当局に命じておったところでございますが、具体的内容については事務当局から答弁させます。
#38
○政府委員(二瓶博君) ただいま特にビール麦等につきましてのお尋ねでございますが、ビール麦につきましては、五十三年産のビール麦が、全国的にも作付面積もふえ、収穫もよかったわけでございます。先生御存じのとおり、ビール麦につきましては、経済連とビール会社におきまして契約を結んでおります。そういう契約栽培によりましてビール会社が引き取りをする、こういうことでございますが、北九州、福岡を中心にいたしまして非常に面積も伸び、収量もよかったということで、契約数量では一〇%のアローアンスをつけておるわけでございますが、これをさらに飛び越えたというのが一万四千トンほどございまして、これの引き取りの問題についていろいろ問題が出まして、最終的には食管特別会計の方で大粒大麦として買って、精麦業者等に売るということで買い入れをするということで措置をいたしております。あと問題は、五十四年産麦のもうまきつけの時期が近いわけでございますが、これにつきまして契約数量をどうするかということで農業団体と麦酒酒造組合等で話し合いをやっておりますが、合意点に達しておりません。そこでまた役所の方も乗り出しまして、現在、国税庁の方と五十四年産ビール麦の契約数量等につきまして調整を進めておる、こういう段階でございます。
#39
○吉田正雄君 時間がちょっとないので、その点では余り聞けないんですけれどもね。しかし、五十年四月に閣議決定をした、六十年を目標とした「農産物の需要と生産の長期見通し」というのがありますね。これを見ますと、四十七年の基準で、小麦がたとえば二十八万四千トン、五十一年の実績が二十二万二千トン、それから六十年の見通しが約倍以上の五十五万三千トンというふうにどんどんなってきているわけですよね。その需給見通しからするならば、ことし少し余計とれましたなんて言ったって驚く額じゃないですよ、この見通しからするならば。当然その中に入ってくるわけですね、線を引いていったら。にもかかわらず、しかも一方で減反生産調整を押しつけて協力さした。転作しましたと。本来の計画の量から見れば、その計画量を下回っておるにもかかわらず、それは買えませんなんという話になってきたら、一体この長期見通しというものは単なる机上の数字にしかすぎなかったのかということになるわけなんですね。
 そういう点で、ついでですから、その長期見通しについてお聞きをするんですけれども、これを見直すことにしているんだというふうに聞いているんですけれでも、これはそういうことですか。見直されるんですか、この長期見通しを。
#40
○政府委員(松本作衛君) ただいまお話のございました六十年の長期見通しにつきましては、作成された時点から、その後内外の事情の変化等もございますので、需要の動向も変わってまいっておりますし、また生産の実態も変わっている面がございますので、将来に向けて検討する必要があるというふうに考えておるわけでございます。かたがた政府全体といたしまして経済計画の策定を始めておりますので、その経済計画の策定とも関連させまして、この生産目標の内容についても検討する必要があるというふうに考えておるわけでございますが、考え方といたしましては、この六十年の生産目標の考え方でございます。できるだけ国内での農業生産を高めていくという考え方については、変わらない基本のもとにこの検討を行う必要があるというふうに思っております。
#41
○吉田正雄君 いいですか、五十年の四月に長期目標ということで策定したんですよ。まだ三年しかたってないんですよ、三年しか。三年しかたってないのに、早くも改定をする、見直しをするんだということでしょう。しかも、現時点における主要農作物の生産は、長期見通しの基礎となった四十七年基準年の生産をすら下回っているんですよ。いいですか。四十七年の基準、そのときよりも下回っているんですよ。当然自給率というのは低下してきているんですよね。長期見通しの計画どおりよりも、四十七年基準年よりもうんと下ってきている。にもかかわらず、これをまた変えなきゃならぬと言う。理由にならぬと思うんですね。これは皆さん方がつくった数字、ごらんになればおわかりでしょう。しかも自給率を高めるんだということなんですよ。自給率を高めると言いながら、四十七年基準年よりもいまや自給率が低くなっているのに、さらにそれを見直していくんだなんということは、これは理由にならぬと思うんですね。結局皆さんのつくられたこの長期見通しというのは、全く需給の面からあらゆる面を見誤った机上の単なるプランにしかすぎなかったということがこれは明らかになったんじゃないかと思うんですね。
 そして私が言いたいのは、それは単なる需給の見通しの誤りとか何かではなくて、結局は工業製品の輸出見返りとしての海外農畜産物の輸入拡大を行わざるを得ないという、そういう経済政策に私は最大の原因があると思うんですよ。つまり日本農業というのは、この工業製品の輸出、その代償として、日本農業というものは率直に言うならば抑圧をされる、自給率拡大どころか自給率低下、そういう方向に――国際分業論、名前はいろいろありますよ。結局はしかし、いまの経済政策の犠牲に日本農業がなっているんじゃないか。
 だから、幾ら皆さんが机上のプランを立てて数字をいじくってみたって、そういう基本的な点での方針というものが変わらない限りは、幾らこんなものをつくり直してみたって意味ないと思うんですよ。たとえば六十年見通しにおいて、ビール麦の生産について、ビール用のおおむね五割の自給率というものを目標にしているということを聞いているんですけれどもね。ところがどうですか。ことしの場合、先ほども申し上げましたように、ちょっとさっき出ました契約数量を上回って生産をされたと。自給率はたった一二%足らずなんですよ、一二%足らず。自給率を向上しますと一方で言いながら、ちょっぴりよけいとれた――しかし、その自給率計画から見れば低いんです。そして、それは引き取らない、買い取りませんということで、一体そのつくった麦はどうやるんですか。一方で米はつくるな、転作しなさい、つくった、買いません。一体それは、農家はその麦どこへ持ってったらいいんですか。そういう問題が出てくるわけでしょう。
 まあそういう点で、私は、長期見直しというのはまたもや俗に言われる官僚の単なるごろ合わせじゃなくて数字合わせ。こんなことで、二年、三年ごとに、長期と言われるものが発足をしたかしないうちに早くもどんどんどんどん数字が変えられていく。長期というこの言葉は一体どこから出てくるんですか。六十年を見通しているというのに、五十年四月につくって、もうはやことしは変えなきゃならぬなんと言う。大臣、これは、私は、いま政党政治と言われているんですよ。与党である自民党が農政に責任を持たなきゃならないんですけれどね。いまのようなこういう農政の実態を見ると、実際にはだにアワが生ずる思いです。また農家の皆さんは、こういうふうにネコの目農政で次から次と、長期なんて言ってみても二、三年たったらくるくるくるくる変わるなんというようなことではだれも信用しませんよ、これは。
 そういう点で、いま時間がありませんから、ここの見通しの内容をどういうふうに考えられているのか。いや、もっと自給率を高めようと、この間発表した数字よりももうと高めるんだということならいいんですがね。話を聞いてりゃそうじゃないんですよね。むしろ、そういう下げるという方針転換なんですよね。
 そういう点で、これは大臣、余りにも米のところへ目が向き過ぎちゃってね、もうこの大方針である長期見通しそのものが根底から変えられていくということになったら、これは大変な問題なんですよね。単に事務当局が、どんどんと事務当局の判断でもってつくり直すなんという性格のものじゃないと思うんですよ。そういう点について大臣は余り御存じないですかね。お聞きになっていませんか、まだ。これはやっぱり事務当局内部の話であれば、それは事務当局内部の話だということでお答え願えればそれでいいんです。余り先走ってもらっちゃ困る、私は事務当局はね。そういう点でお聞きしたい。
#42
○国務大臣(中川一郎君) 確かに六十年度の見通しを五十年に立てたことは事実でございますし、三年たって、これはその当時考えたものとちょっと違うなあというものも出てくるのも事実です。ですから、見直したらいいのではないかなあと私も思ってるんです。
 およそ計画経済じゃございませんから、これだけの不確実性時代で、需要の動向も生産の動向も変わってくると。外国でも、五カ年計画とかというのがあるそうですか、それを毎年見直すと。五年先を考えながら毎年五カ年計画を立てるというぐらい、こういった計画というものは、五年先を見通すということは不確実であるというのはこれはもう現実であって、計画経済じゃないんですから、今日の世界情勢あるいは国内情勢に合わしていくというのはもう当然のことであって、その当時決めたことがもう三年たったら変わる。もう変わるのはあたりまえと言ったら言い過ぎですが、変わることもやむを得ないのではないかと、こういうふうに考えておりますが、なるべく確実なものをつくりたいということにおいては認識が一致しておりますし、変わらなくてもいいようなものをつくっていきたい、努力はしたいと思いますが、変わったからけしからぬとおしかりをいただく性格のものではないんじゃないか、こう思う次第でございます。
#43
○吉田正雄君 これは大臣、いまの大臣の発言というのはきわめて私は重要だと思うんですよ。日本経済は計画経済でないから、そんな長期的な見通しを立てたって意味はないんだというふうにちょっとこう聞こえるような言い方なんですけどね。いいですか、計画経済でないから先の見通し、長い先のことなんて言ってみてもしようがないというんなら、何でその長期見通しなんというものをこれ、つくられるんですか。いいですか、十年先を見通して計画立てられたんですよ。一、二年やってみたらどうも計画どおりに事が進捗をしない。だから、その長期見通しそのものを抜本的に変えていくんだなんという、そんな見直しってありますか。なぜ長期見通し――この長期見通しについては相当時間もかけ、検討もされたと思うし、米が余っているなんというのは何もいま始まったことじゃないですよ、これは。もう昭和四十四年から過剰米問題については大問題で今日まで来ている。いまさら過剰米問題がここ一、二年突如として起こったわけでも何でもない。それから国際分業論なんというようなものも、何もここ二、三年急に起きたわけじゃない。もうすでに日本が高度経済成長に入った時点から当然予想されたことなんでしょう。それが一、二年やってみて、皆さんの努力目標が足りなかったのか、どこに達成できなかった原因があるのかという、その方をむしろ是正すべきではないかという検討ならいざ知らず、長期見通しを根本的に変えて、米が余っているから現状に見合わして長期見通しを変えるんだなんという、これこそ計画性のないその場当たりの農政になるんですよね。場当たり農政ですよ。
 そういう点で、大臣が計画経済でないから先のことなんか言ってみてもしようがないと、現状に合わせていくんだなんていうことになるならば、長期見通しだの長期計画なんていう言葉は使わぬ方がいいですよ。年々の計画ということでやっていけばいいんです。それをもう長期計画、長期見通しというふうに、もっともらしいこういう名前のもとにつくってきたんでしょう。それが何ですか、一、二年でもって変えなきゃならぬとか、状況が変化しましたと。その状況の変化が見通せないような状況なら、十年先のことなんて言うべきじゃないですよ、それは。
 そういう点で私は、米が余ってきた米が余ってきたということで、場当たり的なこの長期見通しまですぐ変えていくんだなんて軽々に事務当局が考えているとしたら、これは大問題ですよ、大臣。だから、私はまあきょういきなり言ったものですから、大臣はまだ事務当局から説明を受けていないかもわからないんで、大臣は事務当局と一体だなんて、もう一体だなんていう大臣だったらこれは大変な話なんでして、そんなことじゃないと思うんですよね。その辺どうなんですか。もう一回聞かしてください。
#44
○国務大臣(中川一郎君) まあ御指摘のとおりではありますけれど、米が余っているのは前からわかっていた。ただ、余り方がどれぐらいになるかということは、十年先を見通せと言ったって見通せられますか、一体。このぐらいになるであろうとしかできないでしょう。
#45
○吉田正雄君 米だけじゃないですよ。
#46
○国務大臣(中川一郎君) いや、全体のものにしたって、米でさえも、これだけ長年食ってきた米でさえも、減ることには間違いないが、どのぐらい減るかということを十年先一応の目標は置くけれど、三年たったらもっと厳しくなったと、だから厳しい対応をしていかなければいかぬということは、政策担当者としては仕方ないことじゃないかと思うんです。十年の目標についてきちっとそれでいけと言ったって、消費者の人がいよいよ米離れしていくという現実がもっと激しくなるということはあり得るわけですから、あるいは麦が国際的に安くなったということになれば、麦をたくさん食べるという状況も出てくると、いろいろ三年たてば。
 しかも、計画を立てたのは四十九年、四十八年ごろからやっておったことで、計画を樹立したときから言えば四年、三年、五年という数字もたっておるわけですから、直すことがけしからぬと言われましても、あるいは見通しが誤ったと言われても、世の中の変化に対応していくのにはやっていかにゃいかぬ。たとえば米でも十年計画を立てておりますが、三年間だけは数字は変えないと。その三年間でさえも一年で変わるぐらい、豊凶で変わるぐらい、一年で変えろという声が出てくるぐらい、米についてだけ言ってもそうなんですから、他の農作物についてもそれぞれの理由があって変化が生じてくることは、これはもう御理解いただきたいと思うわけでございます。
#47
○吉田正雄君 これは非常に重大な発言なんですよ。なぜかといいますと、水田利用再編十カ年計画の第一期の三年分は変えませんと言っていながら、この長期見通しで減反生産調整したものは全部転作をしなさいあるいはつぶしなさい、休耕田にするあるいは他の作物に転作する、他の作物に転作をしてもそれをもう買い取らない、さらにこの見通しを変えていくんだということになるならば、転作をした一体作物はどうなんですか。いま大臣は米ばっかりで、米だけじゃないんですよ、ここを見ますとね。
 いいですか。小麦を見たって、四十七年の基準年の約倍にしようというんでしょう。二十八万四千トンを五十五万三千トンまでにふやしますということになっているわけ。大豆だって、十二万七千トンを四十二万七千トンにまで約三・五倍ぐらいふやしていきますと、こうなっているのに、それはもう余ってくるんだからもうそれはだめなんですと、見通しを変えますということになれば、転作をやったって意味ないじゃないですか。つくってみたら政府は買いませんじゃ話にならぬでしょう。買い手がないなんて、こんなばかな話がありますか、これは。
 それは余ってるんだから仕方がない。それじゃ減反生産調整そのものが一体どうなってくるのか。簡単に、大臣、そんなことを言える内容じゃないですよ。非常に重大な、これ、日本農業全体の重大な問題を含んでいるんですよ。肉だってそうですよね。もう野菜から果実から、いろんなものがこの中に入っているわけですね。これが単なる机上のそろばん合わせで軽々にこういう数字をいじられたり方針を変えるということは、これは大変な問題なんですよ。その重大性というものを、大臣もし気づいておいでにならぬとすれば、事務当局が一体大臣にどういう説明しているのかわかりませんけれども、これは大変な話なんですよ。それは変えられるのですか、一体。ただ米がまだ予想以上に余ってきたからそこをどうするか。過剰米、いわゆる在庫米をどう処理するかということで一生懸命考えておられるということと、この農産物の需要と生産の長期見通しそのものを変えていくのだということになると、これは大変な問題なんですよ。もう一回そこをはっきりさしてくださいよ。そのことによって農民のこれに対する取り組みというのは、私はまるっきり違ってくると思うんですよ。
#48
○政府委員(松本作衛君) ただいま大臣からもお話しございましたように、この六十年の長期見通しを作成いたしました時点、特に基準年としてとりました四十七年以降、経済全体が高度経済成長から安定成長に動くというようなこともございまして、特に農産物の需要、消費の動向が全般的に相当変わってきているという実態もございます。それからまた、農業の生産構造の方向がその当時考えたものとまた変わってきておるというふうな事情もございますので、そういうふうな消費、生産の両面からこの内容を見直す必要があるのではないかということを申し上げておるわけでございまして、この内容をどう持っていくのだということについてはこれから検討をしていく内容であるというふうに思っておりますが、ただいま御指摘がございました、現在の農政の方向と矛盾をするような計画を立てるということは考えておりませんで、現在立てております農政の方向、特に水田利用再編対策の方向というものと矛盾のない計画になるべきであるというふうに考えておるわけでございます。
#49
○吉田正雄君 方向を変えないとおっしゃっているのですけれども、しかし、いまの説明でもまだ納得できないというのは、いいですか、安定成長期に入って経済動向というものがずいぶん変わってきていますとおっしゃっているんですよ。しかし、皆さんが立てられたのは五十年四月ですよ。オイルショックと言われるのは、あれはいつですか。四十九年に石油の値上がりがあったわけです。四十九年ですよ。だから、五十年四月というのはまさに石油ショック後なんですね。世界的に経済動向が大きく変わるであろうというそのさなかなんですよ。さなかで、そういう経済状況が変化をすることがわからなかったとは言えないのですよ。そのさなかでつくられているのですからね。にもかかわらず、いまここへきて経済動向が大きく変わってきておりますから変えなきゃならぬというのは、これは通りませんよ、そんな言い方は。皆さんの判断一つ、口先一つでもってこうやってくるくるくるくる変わっていくなんということになったら、一体農民はどうしたらいいのですか。協力した、二、三年たったらまた変わります。二、三年たったらまた変わりますなんて。そんなに簡単にたんぼや畑はつぶしたり、つくったりなんかできないんですよ、それは。だから、皆さんは本当に農業の実態を御存じないと言うのですよ。一たんつぶしたたんぼなんて簡単にもとへなんか戻せませんよ、畑しかりですよ。そういう点で、私は本当に農民の立場、つくる立場に立ってそういうものを考えていただきたいということをここで要望しておきますよ。
 ということで、最後に大臣に一つ。実はきのうの新聞で、またアメリカの日米経済関係の中から、実は外国製たばこ、外国たばこの輸入をふやしていくのだということで、大蔵省が検討を指示して、米業界代表が近く来日するという、これは一応きのうの読売にそういうことが出ておるのですけれども、私は大臣にお聞きをしたいのは、いまこういうぐあいに日本の農業が非常に大きな転換期あるいは激動期を迎えておって、農家はその収入確保をどうやったらいいのか、自分の生活をどう守っていくのかということで、いま大変な思いに駆られておるわけなんですね。そこで、農家収入の大きなものとして実は葉たばこ耕作があるわけですね。ところが、またたばこの輸入自由化であるとか、大量に輸入をするのだなどということになってくると、これは大臣、これは大蔵担当ですけれども、私は農林大臣としての大臣の考え方を聞きたいんですよ。農民という立場、農家経営という立場からお聞きをしたい。
 そうすると、いま国内産では大体十七万トンです。公社が買い入れるのが。それから、輸入葉たばこというのが大体五、六万トンくらいです。これは将来ふやすような計画があるらしいですけれどもね。これがまた、柑橘類やその他の牛肉等と同じく、無制限にどんどん輸入がふやされていくということになると、今度はたばこの面でも農家はまたたたかれるということになるんですね。しかもいま、この公共企業体等のあり方をめぐって専売公社の一部民営移管というふうな話も出ておるようですけれどもね。そういうことになると、これはますます大変なことになっていくんですね。そういう点で、農林大臣としては、この日本農業あるいは農家経営という観点から、無制限なと言ったらいいですかね、そういうたばこ輸入というものがどんどん強化をされていくと、拡大をしていくという点についてはこれはどういうふうに受けとめておいでになりますか。
#50
○国務大臣(中川一郎君) 葉たばこの占めるわが国の農業における地位も非常に大きいものがございまして、特に地域特産物として非常に重要な役割りを果たしております。したがいまして、われわれとしては葉たばこ生産者が安心して、しかも希望を持って生産できるということを眼目といたしております。したがいまして、専売公社に対してもなるべく、国産品を多く利用していただきたい、こういう基本方針で対処いたしております。ただ、専売公社におきましては、やはりお客さんでございますから、お客さんとしてはやはり国際的なものと比較をしながらなるべくいいものが欲しいとか、あるいは品質その他があって外国のものも入れておるようですが、専売公社にはやはり国産のものを重点的に使ってもらいたいというのが農林省の基本的立場でございます。
#51
○吉田正雄君 その大臣の答弁を聞いて安心といいますかね、そういうことで、今後は対大蔵とか、専売公社に対しても、機会あるごとに、直接の干渉じゃないでしょうけれども、日本農業という大きな立場、そういう立場からひとつその方針を、方向を強く打ち出していっていただきたい、これは一つお願いですが、要望して一応大臣に対する質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
 その次に、いまたばこの話が出ましたが、次に私は、専売公社あるいは会計検査院、あるいは場合によっては大蔵省等に幾つかの点についてお聞きをしたいと思うんです。で、幾つかの点でお聞きをする前に、私はその前提として次のことをまず聞いておきたいと思うんです。
 先ほどもちょっと申し上げましたように、この公共企業体の運営をめぐって、いろいろ懇談会であるとか審議会のようなものがつくられて、そこで論議をされて、そしてたとえば国鉄の一部民営移管であるとか、あるいは専売公社の部分的な民営移管というふうなことが言われておりますけれども、私は軽々にこのいまの専売公社の、たとえばこのたばこに限って申しますと、民営移管であるというふうなことになりますと、これは非常な混乱が生ずるんでないかと思いますし、民営移管になれば、当然にいま私が指摘したような外国製葉たばこの輸入というものが拡大をしてくるだろうし、自由化の方向にいくんじゃないかというふうに思うんですね。ですから、私はやっぱり専売制度というものは基本的に堅持をしていくべきであるというふうに思っておるんです。まあ品質がいいとか悪いとか、安いとか高いという問題はいろいろあるでしょうし、国内葉たばこで改善すべき点もそれはあると思うんですね、これでいいということはどんなものでも絶対にないわけですから。そういう点で、改善すべき点と、それからいま言った公社そのものを直ちに解体をして民営移管にすべきだというような論議は直接結びつかない。私はむしろ公社というのはきちっと存続をしていくべきだろうというふうに思うんですが、これに対する公社側の考え方はどうなのか、また、大蔵当局はこれについてどういうふうな基本的なお考えを持っているのかお聞きをしたいと思うのです。
#52
○説明員(泉美之松君) お話しのように、先般六月に公共企業体等基本問題会議の意見書が提出されまして、日本専売公社のたばこ事業につきましては、専売制度を廃止して分割、民営化することが適当であるというような意見書が出されたわけでございます。政府はこの意見書を受けて、経営形態のあり方に関する提言につきまして関係各省庁で所要の検討を進めることになっておりまして、専売公社に関するたばこ事業の経営形態のあり方につきましても、大蔵省におきまして関係審議会などで検討が行われていくと承知いたしております。
 たばこの専売制度及び公社制度をどうすべきかという点につきましては、わが専売公社といたしましては、昨年十一月にこの基本問題会議から要請がありまして、私、出席して公社の意見を申し述べた次第でございますが、公社といたしましては、わが国のたばこ産業の維持発展を図り、その上に立って財政収入の安定的な確保を図っていくということを考えますと、基本的には、いま先生がお話しのように、専売制度、公社制度というものを維持しながら、時代に適応しないようなことになったいろんな制度につきまして改善を図っていくというのが最善の方途ではないか、こう申し上げたのでありますが、基本問題会議の意見書では私の意見は取り入れられなかったのでありまして、目下政府の方におかれまして審議されて、検討が進められていくというふうに思いますけれども、私としましては、そうした審議の方向につきまして、公社の意見を十分尊重されるよう期待いたしておるような次第でございます。
#53
○政府委員(名本公洲君) 公社総裁がお話しになりましたように、現在私どもの方におきまして、専売事業審議会等によって、この意見書にあります専売公社たばこ事業の民営移管問題について検討をいたしておるところでございます。この公共企業体等基本問題会議意見書の結論につきましては、政府といたしましては、その趣旨を尊重してこれに対処すべく各省庁において検討を進めるという方針になっております。私どもこの意見書の趣旨、述べております点につきまして審議会へ諮りながら検討を進めておるところでございますが、先生御指摘のように、国産葉たばこ耕作者の問題、さらにはこれは小売人が二十数万人おるわけでございます。その他このたばこ産業にかかわりを持つ人々は非常にたくさんいらっしゃるわけでございます。しかも、たばこ専売というのはもう七十年以上も歴史を持っておるわけでございますので、言うならばすでに確立されております産業秩序というものを転換するという非常に大きな問題でございます。しかもその結果、関係者の方々、中でも耕作者の方々には非常に大きな影響が及ぶ問題でございますので、関係者の方々、それから学識経験者の方々の意見を伺いながら、私どもの方としては慎重にこの問題については検討をし、対処していかなければならないと、かように考えておるところでございます。
#54
○吉田正雄君 私は大蔵省にこれは要望しておきたいのですけれども、この日本農業の問題が、先ほど来米の問題でもお聞きのとおり、財政を理由にして非常に圧迫をされていくということがあるわけですね。私は葉たばこの問題についても、単に財政なりの観点から取り上げて民営移管がいいというふうなそういう判断というものを、結論というものを軽々に出すべきじゃないと思うのですね。いまおっしゃったように、多くの農家が葉たばこ作に関連をしているわけですから、その人たちの生活というのを一体どうするのだというふうな点や、それから本当に安定したたばこというものを国民に供給していくというふうな観点からも、私はやっぱり専売公社というのは存続さしていくべきだろう、安易に民営移管すべきではないという基本的な観点を持っているので、おっしゃっていることでは十分その辺も理解をされているようですので、そういう点でひとつ十分検討していただきたいと思うのですね。
 そこで、私はそういう専売公社というものがやっぱり存続をされていくべきであるという観点から、であればこそなおさら、私は問題点や改善すべき点については、これは大蔵省であれ、あるいは専売公社であれ、率直にやっぱり改めていかなければならぬだろう。そのことなくしては、私は専売公社の、逆に言うならば存続はあり得ないだろうと思うのですね。そういう点で、きょうは幾つかの点から今後どのように改善をされるのか、それをお聞きをしたいと思っているのです。
 で、きょうは総裁も出ておいでになっておりますので、私は総裁に対して特に要望しておきたいと思うのです。これは総裁をもってしてもなかなか困難であるという面もあることを私は承知をしつつなおかつ強く要請をしておきたいと思うのですね。
 それは何かというと、私がこれから指摘をする基本的な問題点というのは、公社の幹部、いわゆる天下り幹部と言われる人たちと業界との癒着の問題というものがある。そしてそのことが各種の補助事業や、あるいはいろいろな公社の運営面、あるいはもっと極言をするならば、民営移管を促すようなそういう事態というものをやっぱり招いておるのではないかと思うのですよ。これから具体的に申し上げませんと、何を言っているかちょっとおわかりでないでしょうから、これから申し上げますけれども、要は、私がきょう問題点を指摘をしたいというのは、基本的にはいま言った公社幹部、あるいは天下り幹部と業界との癒着、これを私はやはり清算をすべきだと思うのですね。そのことを前提にして幾つかの点で問題を提起をし、総裁がおいでになっておりますから、総裁がどのようにそれについて善処をされるのか、まずお尋ねをしていきたいと思うのです。
 まず最初に、葉たばこ作経営近代化施設整備事業というのが、御承知のように、第一次生産対策五カ年計画というものに沿って四十八年から実施をされてきたのは御承知のとおりなんです。
 で、事前に公社の方からもいろいろ資料も出していただきました。ところが、率直に言って、公社から出していただいた資料よりももっと詳しい資料が私の手元には入っております。したがって、公社の資料ではわからない内容が私の方でわかったということがあるわけです。
 そこでお尋ねをしたいのですが、補助事業のいま申し上げました葉たばこ作経営近代化施設整備事業ですよ。この補助事業は四つありますけれども、いま時間がありませんからこれにしぼっていきます。
 この補助事業の積算単価というものがどういうふうになっておるのか。この前公社にもお聞きをしたんですけれども、どうも具体的な内容がはっきりしない。たとえば公社の方からいただいた資料にもこういうことが書いてあるわけですね。たとえば在来種、バーレー種の乾燥室については、「乾燥室建設に必要な材料費、工費費、工賃、運搬費、加熱送風設備の整備費を毎年建設物価、積算資料の単価を調査し算出している。」というふうになっているんですね。ということは書いてあるんですね。ところが、その基準単価がどうなっておるのかということについては一切公表されていないんですよ。どれが幾ら、どれが幾らと、いま私が申し上げたような項目ごとに、どれが幾らなのかというのは公表されていないと思うんですが、それとも公表されておるんですか、どうですか。まずそこから聞かしてください。これは補助事業ですので、補助金を支出するわけですから、どれが幾ら、どれが幾らという基準がなければいけない。これ、基準は公表されておりますか。
#55
○説明員(竹山賢治君) 技術的なことでございますので私からお答えさしていただきたいと思うんですが、先生、公社のやっておる基準事業というものは、いま積算の定義みたいなことをお話しございましたが、そのとおりでございます。それで、ただ実際に補助事業でございますので、その基準事業費につきましては、生産者が補助事業をやる場合に適正な形で補助事業をやっていただかなきゃいかぬということがございまして、それを公社に計画書を出していただいた段階でいろいろ公社の方でそれを見さしていただいて、それをもってその計画が適正であるということになれば、それをもって事業をやっていただくわけでございますけれども、そういう意味で、基準事業費のたとえば黄色種の乾燥室を個人で建てるという場合に、そのトータルでございますが、それは公表というんでしょうか、生産者の方もその段階で理解できると、こういうふうなことになっているわけでございます。またこの基準事業費というものは、物価、労賃その他の変動がございます関係がございまして、毎年、その意味で見直しを行って基準事業費は年々改めております。
#56
○吉田正雄君 私の質問に対する答弁になっていませんよ。補助事業の総額が幾らかということを聞いているんじゃないですよ。いま申し上げたように、たとえば乾燥室を製作するに必要な資材、部品等の材料費、工賃、運搬費こういうものを毎年、建設物価や積算資料の単価というものを調査をして算出していると、こうなっているんですよね、皆さんから提出された資料では。だから、その積算単価は幾らですか。これは毎年変わっていくわけですけれども、それは公表されていますかと聞いているんですよ。
#57
○説明員(竹山賢治君) 先生御存じのように、今回の補助事業は四十八年から開始されているわけでございます。
#58
○吉田正雄君 質問だけに答えてください。
#59
○委員長(寺田熊雄君) 公表されているかされていないかという質問ですよ。
#60
○吉田正雄君 質問だけに答えてくださいよ。解説は私にする必要ないんです。私は知っているんですから、知って聞いているわけですから。質問にだけ答えなさいよ。
#61
○説明員(竹山賢治君) はい。
 積算単価につきましては公表されておりません。
#62
○吉田正雄君 補助事業で、いいですか、何で積算単価の公表ができないんですか。しかも、毎年秘密裏に本社が決定をして、理由の明示のないまま出先担当者に一方的に示されるだけなんですよね、これは。あなたいま公表してないと言ったでしょう。まさにそのとおりなんですよ。公表されてないんですよ。こんな不明朗なことがありますか、あなた、補助事業だというのに。学校建築にしろ、病院建築にしろ、補助費を出しますといって、何が幾ら、どういう積算か、その積算単価が明示されないで補助金を出せるなんというのは私聞いたことないですよ、これは。
 これは大蔵省としては、そんなことありますか。補助事業の対象になって補助金を出すのに、積算単価が明示されてないなんて、そんな補助事業ありますか。病院にしろ、学校にしろ、建築単価、一坪、鉄筋コンクリートなら幾ら、木造なら幾ら、あるいはレントゲン器械ならばどういう型式については幾らと、皆あるわけでしょうが。積算単価のない補助事業なんてありますか、あなた。――大蔵省は後でいいですよ。答えなさいよ、何で公表できないんですか。
#63
○説明員(竹山賢治君) 四十八年に……
#64
○吉田正雄君 公表できない理由。理由を聞いているんですよ。
#65
○説明員(竹山賢治君) 公社の場合は基準事業費という形で公表しているわけでございます。
#66
○吉田正雄君 あなたはわかっておるんですよね。基準事業だから、基準事業の内容の積算単価がわからなきゃいかぬわけでしょう。それだというのに、何が幾らということが明示をされないで、何で補助ができるんですか、あなた、補助金が出せるんですね。申請する方だってそうでしょう。どんな補助事業だってそうですよ。積算単価が明示されない補助事業なんてありませんよ。この学校は、はい一億円ですと言って、それだけでもって補助事業やりますか。積み重なって補助事業の総計というのが出てきて、こういう基準でやりなさいと言って申請を受け付けるわけでしょうが。ところが、その補助事業の積算単価の内容がさっぱりわからぬと、そんな補助事業、ずさんなあれがありますか。とにかく公表できないと、してないというんですよね。そんな補助事業というのは聞いたことがないです。
 これは今度は大蔵省に聞きます。こんなことは許されますか。
#67
○政府委員(名本公洲君) 一般的に申しまして、補助単価というのは予算積算上決まっておるわけでございますですね。したがいまして、予算積算がございますので、その予算の単価というのは別に秘密事項ではございませんから、皆様へお目に触れるようなかっこうになっておると、そういう意味では一般的には公表されておると思いますが、公社の場合につきましては、全体としての工事費をこの範囲内ということでお示ししているように伺っておりますが。
#68
○吉田正雄君 総裁、お聞きのとおり、これは公表できないんじゃないですよね。公表しないんですよ、これは。いいですか、しかも電話通達の場合すらある。こんなばかな話はないんですよ。
 それじゃ、具体的にお聞きします。六・六平方メートルの黄色葉の場合の乾燥室の値段というのは基準では幾らになっているんですか。積算単価はあるはずですよ、あなたたちには。ないと言ったら、これは大変ですよ、いま言ったとおり。予算を要求していく場合に積算がないなんと言ったら、これはめちゃくちゃですからね。それは幾らです。
#69
○説明員(竹山賢治君) ただいま手元には細かいものは現在持っておりませんが、先生御指摘のように、何といいましょうか、乾燥室を建てたときに壁にするものが幾らであるとか、バーナーが幾らであるかとか、そういう細かい数字については手持ちがございません。五十一年の例で申し上げますと、いろいろございますが、代表的なものとして黄色種の第二種、これを建設するときに、簡易な上屋をつけまして建設する場合の基準事業費は九十六万四千円でございます。で、上屋なしの場合には八十万五千円というふうな形で示してございます。これは両方とも基礎工事費が含まれているわけでございます。
#70
○吉田正雄君 ところで、「葉たばこ研究」という雑誌か出ているのは御存じですね。――これはあれですか。号によって違うんですけれどね、公社の生産本部あるいは公社の原料本部監修というふうになっておりますけれども、記事の内容については当然責任を持たれるわけですね、監修されているわけですから。よろしいわけですか。
#71
○説明員(竹山賢治君) よろしゅうございます。
#72
○吉田正雄君 そうすると、六十三号というのがあるんですよね、六十三号。これはまあ五十二年の五月号になるんでしょうかね。この十四ページで、市販されておる六・六平米の乾燥室の値段というのは四十九万二千五百十円と、こういうふうになっているわけです。これはコンテナ型乾燥室本体――本体ですよ。本体と、それから熱風発生器、熱交換器ダクト類というのを入れて、本体が二十九万三千三百四十四円、それから熱風発生器、熱交換器ダクト類十九万九千百六十六円、計四十九万二千五百十円と、こういうふうになっているんですよね。
 そこで、当局は常識的な標準価格というのは大体幾らだというふうに考えておいでになりますか。もっとはっきり言いますと、これは後ほど私は名前も公表しますから言います。たとえば、ここに三州式のコンテナバルクというものがあるわけです。これが六・六平米のものがあるわけですよね。皆さん御存じでしょう、これは。六・六平米の熱風発生器で、要するに皆さんが言われているとおり、乾燥室ですよね。これには本体と、いま言った乾燥設備、熱風発生器、これ皆ここへついておるわけですよね。こういうものがあるわけです。この一体適正価格というのは皆さんの方では幾らとお考えになっておりますか。当然あれでしょう、そういう乾燥室の建設費というものについて、皆さん、補助事業ですから、適正価格はこうだというふうに積算はされているはずですよ。積算では大体――三州のものが幾らと積算するんじゃないんですよ。こういう標準というのは、建設費は幾らというふうに考えておみえになります。
#73
○説明員(竹山賢治君) ただいま先生から最初に「葉たばこ研究」のお話がございましたが、「葉たばこ研究」の六十三号は五十二年五月というふうなことでございますけれども、私、それは四十八年の七月にたしか発行されたものであると。これはしたがいまして、現在の時点では、その後物価とか労賃その他が上がっておりますので、年々見直しをしているわけでございますので、いま先生お話しございましたこの六十三号の十四ページのところに、いま先生から示された数字はそのとおりでございます。しかし、これは四十八年の価格であるというふうに私ども見るわけでございますので、ひとつそれはもう一度お確めをお願いをしたいと思います。
 それで、現在の五十三年の単価で申し上げますか。
#74
○吉田正雄君 五十一年。
#75
○説明員(竹山賢治君) 五十一年でございますか。五十一年は、いわゆるその基準事業費として、先ほど申し上げたように、本体だけ、六・六平米の本体だけのものでいくと八十万五千であると。上屋をそれにつけますと九十六万四千円になると。いずれも基礎工事は含んだ単価でございます。
#76
○吉田正雄君 そうすると、皆さん方の適切な値段というのは大体そうだろうということなんですね。
#77
○説明員(竹山賢治君) はい。
#78
○吉田正雄君 補助事業の場合、これを大幅に上回って申請が出されたらどうされますか、それは。
#79
○説明員(竹山賢治君) これは先生御存じのように、補助事業は予算の範囲の中でやるということでございますので、基準事業を上回ったものに対しては、基準事業をもって頭打ちというふうな処理にしているわけでございます。したがって、数字で申し上げますと、基準事業費が仮に百万のときに百三十万というふうな建設費がかかるということが皆無ではございません。いろいろ生産者の方が、予備として葉たばこの懸吊のラックその他をよけいに買ったりなんかしますと、百万円のものが百十万、百二十万になるということはございます。しかし、その場合は、補助金は基準事業を条件といたしますので、百万について個人の場合は三分の一というものを補助事業として、補助金として公社の方からお支払いをするということになっております。
  〔委員長退席、理事野口忠夫君着席〕
#80
○吉田正雄君 いまの説明ではこれは問題にならない、というのは、これは「葉たばこ作経営近代化施設整備事業実地調査要領」というのが、これは専売公社から出されているんですよ。この中にいろいろなことが書いてある。そして果たして、当初は書類で審査をします。上がってきたので。しかし実地へ行って、果たしてそのとおりであるかどうかという実地での確認ということも行われているわけなんですよね。読んで見ますと、「補助事業費の確認」ということで、「(1)補助事業費の確認は、原則として、領収書等の原本によることとする。(2)補助事業費の審査に当り、必要がある場合は、産地の実態に応じた施設種類ごとの標準、積算根基等を作成して参考とし、実事業費の把握に努めること」と、こういうふうになっているんですよね。いいですか。
 ところで、五十一年の場合――五十一年だけじゃないです。あらゆる年度ですけれどもね、この補助事業が始まってからですけれどもね。同一メーカーの同一機種、同一坪数の乾燥機が、同じ支所管内で値段が常識で考えられないほど異なっているのですよね。基準ではとうてい認められないものなんですね。ところが、公社によってそれが許可をされているのです。そういう事実があるのかどうか。まずそのことからお聞きしたい。いいですか。物すごい差があるのですよ。
#81
○説明員(竹山賢治君) お答えいたします。
 同一メーカーの同一の機種が、同一の地区で販売される場合において、その地方における農家は同じ価格で購入できるものと見ているわけでございますが、ただ実際の場合、その購入価格に差のあることがございます。どういう場合にその差が出るか、幾つかの例を申し上げますと、購入に際しまして、乾燥室、乾燥機の付属部品、付属部品を含めて一式求める場合、これは大体基準事業費に見合うわけでございますけれども、農家の事情によりまして、すでにその一部分を持っているから購入をしないという場合もございますし、それから予備のためにもう一そろえよけい買うというふうなこともございます。
#82
○吉田正雄君 質問に合ってないじゃないの。同じ物と言っているでしょうが、何を言っているんですか。違う場合なんか聞いてないですよ。
#83
○説明員(竹山賢治君) わかりました。申しわけありません。
 購入費の決裁の時期によって、いつ業者に金を支払うかという形の場合に差が生ずる場合がございます。
 それから購入経路でございますけれども、農家が個別に購入する場合と、耕作組合などを通じまして共同であっせんをして購入する場合に差が生ずることもございます。
#84
○吉田正雄君 いまあなたが言われたのは、五十一年の場合ですね、九十六万四千円だとおっしゃっているわけでしょう。この九十六万円を一体オーバーをするのは認めるんですか、そうすると。しかも、適正な基準単価というのが、いまおっしゃったように九十六万四千円だと言っているんですよ。ところがそうでない。ずいぶん値段に相違がある。これ五十一年度のものなんです。あなたが言っている九十六万四千円でなければならないこの乾燥室の値段が物すごい差があるんですね。いいですか。
 たとえば、はっきり挙げます。三州式コンテナバルク乾燥室、これ六・六平米ですね。これはパネル循環なんですが、これが何と同じ地区で、いいですか、片や百二万、これは九十六万円からははるか飛び出ていますよ。それからある地区では百十七万円です。千円単価まで言いません。言うと皆さんまた調べると、どこからその資料が入ったなんといってすぐやられるでしょうからね。そして私の言っていることが正確なものであるということを知ってもらうために――公社の資料ですよ、私が入手しているのは公社の資料です。そこで、そういうぐあいに十五万三千円の開きがあるんですよ、十五万三千円の。十五万三千円ですよ、いいですか。本来適正価格であるならば九十六万四千円でなけりゃならぬのが百十七万円。とてつもない申請になって出ている。認めているんですよ、それを皆さん方が。
 さらに、たとえば木原のバスケットロータリーBR−二〇型、この場合で言うと、これは今度はある地区、同じ地区ですよ。同じ地区で百十四万円で売られておるのと百三十四万円で売られているんですからね。二十万円も差がある、二十万円も。
 それから、同じく木原の循環バルク吹上型、これは必ずしも六・六平米じゃないんですが、CAB−二〇−二型ですね。この場合、同じ地区で、一つは八十九万円、一つは百十五万円ですよ、いいですか。二十六万円の差がある、二十六万円の差か。
 同じく木原式の循環バルク吹上型CAB−二五−二、これが一つが四十九万五千円、一つは八十二万円ですよ。要するに三十二万七千円というとてつもない開きがあるんですよ。
 同じ機械なんですよ。あなたがさっき言ったように部品を買ったからこうだじゃないです。一式そっくりの値段がかくも違うのですよ、これは。これは私は担当者にも確かめているのですよ、間違いありませんと言って。いいですか。間違いないですよ、これ、担当者は、逆に言うならば、内部からこんな不当なことが許されるかと言ってきているのですよ。大変な話なんです。これは。そういう点で、事態は皆さんも御存じのとおり、これは御存じなんです。知らないと言ったら責任はまた大変な話になる。これはもう全国的にそういうことが行われているということは農民の間では隠れもない事実ですよ。周知の事実だ、これは、はっきり言って。総裁そうなんですよ。いいですか。あなた首かしげているが、事実そうですよ。私のところに資料が来ている、公社の資料が。しかも、内部担当者がはっきりとそのことを証言をしている、証言を。私に対して証言をしている。
 そこで、私は、その問題、どこのだれがどうなんと言うと、これは大変な問題になりますからそれは言いません。言いませんが、それは事実あるということで、私はこのような補助事業のあり方については非常に問題があると思う。一体何でそういうことが公然とまかり通っているのかということなんですね。そこなんですよ。現象だけとらえて、どこかでうまいことやった人間がおるから、そいつを処罰せいとか。いや、それ刑事事件になるんじゃないかとか、そういう問題じゃない。それは現象としてはそうなっている。しかし、何でそんなことがまかり通り許されておるのかという、そこの原因というのを私は追及をして明らかにしないと今後改善できないと思うのですね。
 そこで、もうちょっと言っておきましょうかね。いまのは個人の場合ですが、共同事業があるでしょう。共同事業の場合についても、時間がありませんから指摘だけしておきますよう共同事業者が五キロメートルも十キロメートルも離れている。それから、共同事業にふさわしい場所に乾燥室が設置されているかどうか。設置されていない。申請書どおりに乾燥室が建設されているかどうか。建設されていない。適当に分配をされておる。そして、名前を貸した人が今度自分で共同事業でやりたいと言って申請をしたら、すでにその名前は使われておってできない。いいですか。あるのですよ、これ。相当あるのです。相当。これも証言を聞いております。いいですか。現にある、現に。そういうことで、私はこの補助事業が適正に行われていないと思う。何でそうななのかということなんです。そこが問題なんです。
 そこでお尋ねをいたしますけれども、その前に会計検査院おいでになっていますね。ちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、この補助事業では、いま言ったように、積算単価というのはこれは明示されなければ、申請者だって一体それがその規格に合っているのか、基準に合っているのか判断できないわけですよ。ですから、当然その補助事業の積算単価というものは、大体機械では幾らとか、工事費には幾らとかというふうに、総計としてはこの範囲内で補助をしますというふうに、事業費というものはこれは当然出てくるわけですね。それは積算された上で出てくる。そういう基準が作成されるのは当然だと思うのですが、それはどうですか。
#85
○説明員(東島駿治君) お答えいたします。
 補助金の種類によっていろいろ事情は変わると思いますが、たとえば、学校の建築なんかの場合には、大体学生数とか、あるいはその他の基準があって、大体標準建設費がどのくらいだというような示し方はしております。その他の補助金でも大体予算単価というものは示されておりまして、これによって補助金の申請がまいりますと、その基準によって査定をしているというのが私どもの検査の結果得ている知識でございます。
#86
○吉田正雄君 基準はこれはもちろん秘密にすべきではないし、当然公開にすべきものだと思うんですね。それは担当者が、申請があった場合に、果たして適合しておるかどうかという判断をする場合に、単に総事業費だけが示されたんでは判断のしようがないわけですね。何が幾ら、何が幾らと、基準どおりかどうかということを判断しなきゃいかぬという点で秘密にすべきものではない。これは当然ですね、と思うんですが、その点はどうですか。
#87
○説明員(東島駿治君) その示し方にもよると思いますが、工事をやる場合の予定価格と同じように、総事業費は幾らである、この内訳として、材料費はどのくらい、工賃はどのくらいということは当然にこれは事務担当者には示されているものと、このように解釈いたします。
#88
○吉田正雄君 私がいま指摘したような事実というのは、公社本部の資料からは知ることはできないんですよ。私が公社本部からいただいた資料ではそれは出てこない。なぜかというと、一括表ですからね。したがって、私の入手した資料というのは末端なんですよ。ですからわかったわけです。しかもそれは担当者がはっきりと明言をしているわけですね。
 ところで、会計検査院はどのような検査を行い、監査を行われたのか。また、この実地調査が行われたのかどうか、ちょっと聞かしてください。
#89
○説明員(東島駿治君) この補助金につきましては、先生先ほど御指摘ございましたように、四十八年度から実施されたわけでございますが、この補助金に含まれております育苗施設とかあるいは乾燥施設というものは購入葉たばこに非常に影響を与えるものでございまして、私どもとしても非常に関心を持って検査したわけでございます。
 まず四十八年度分につきましては、初年度でございますので、担当課の約一割の勢力を割きまして、百数十件の現場について調査いたしました。ただ、これは総事業費の三分の一を補助する。それで、三分の二を自己負担ということでございますので、しかもその事業主体が各農家個人ということになっておりますので、これを調べるには、総事業費がどのくらいか、請負業者に払ったのはどのくらいか。また、施設メーカーから買ったのが幾らであるかというような、非常に個人の経理内容といいますか、あるいは自己負担した場合に果たして自分の預金から出しておられるかどうかという、そういう非常に細かいところを調べなくちゃいけないし、そういう点で、非常に私権の侵害になってもいかぬということで、われわれはこの検査につきましては非常に慎重にやったわけでございます。
 それで、先ほど申し上げましたように、約一割の勢力を注ぎまして、全国各地の現場を抽出いたしまして検査いたしまして、その結果、特に間違いはない。その後の検査につきましては、補助申請書、交付決定書、それから額の決定あるいは出来高報告書、こういうものが全部書類としてそろっておりますので、われわれはその書類の面で、果たして各農家はこれに、領収書に書かれたとおりの、領収書によってその事業費を確認をしている、こういうことでございます。
 それから、先ほど先生の御指摘がございました事業費の基準につきましても、これは公社とは別の立場で、私ども、果たして乾燥施設の本体はどのくらいであるか、あるいは送風機、熱交換機そのものはどのくらいの価格であろうかという点は別の立場で一応われわれとしても検討したわけでございます。
#90
○吉田正雄君 会計検査院には報告も出されておるんで、それを資料としていただいたんですが、時間の関係で、その内容についてまた聞きますとそれだけでまた三十分ぐらいかかりますから、今後の会計検査院としては――私は、今度のこのことに関する私の調査を通じて感じたことは、公社本部の会計監査ではこの事実というのは知ることができない。できないんですよ。したがって、検査がきわめて不十分だと思うんですね。そういう点で、もうちょっと適正に補助事業が執行されているかどうかということを調べるためには、やっぱり現地調査なり、もうちょっと末端にまでの検査が必要ではないか。それを考えた場合に、私は現在のわずか千二百人ほどの会計検査院の機能あるいは調査員の数で、これは何もたばこ専売公社だけではないわけですから、大変な機関、団体の監査、検査が行われているわけですが、そういう点、一体、機能としても現在のあり方として十分だというふうに――私は不十分だと思うんですよ。会計検査院の機能は不十分だと思っているんですが、そういう点では、人数であるとかどうであるとか、そういう点では会計検査院はどういうふうにお考えになっておるのですか。
#91
○説明員(柴崎敏郎君) 先生いまお話のありましたとおり、私どもの検査院の現在の勢力というものは必ずしも十分でないということは常々痛感をいたしております。現に、この専売公社の検査に当たっております大蔵事業検査課、これは課員が十八名でございますが、その中で実際に検査に当たっているのはわずか十四名と、こういう小さな勢力で専売公社の膨大な経理を見るわけでございますので、これは、ひとり専売公社だけではなく、私どもの検査対象全部を通じまして――検査対象は全部で四万幾らございますけれども、そういった多くの検査対象を抱え、しかも四十一年以来ここ十年来で財政規模も十倍に上がっている、こういう際でございますので、私ども定員の面からいきましても決して十分ではない、こういうことで財政当局にもその点は常々お願いをしているところでありますし、また、ことしの六月に当委員会での四十九年度決算の締めくくりの際にも、検査院の機構の充実あるいは定員の増加等につきまして、警告決議をちょうだいいたしている次第でございます。決して十分であるとは思っておりません。
#92
○吉田正雄君 そういう点では、会計検査院自身の努力とあわせて、調査機能の強化に向けて関係方面と今後も十分連絡をとりながらやっていっていただきたいと思うんです。
 そこで、総裁、お聞きになっておわかりのとおり、こういう補助事業はきわめてずさんである。そういう点で今後適正な――まずその前に、今後当然公表していくべきですよね。積算単価なんてのは。これ、あたりまえの話なんですが、されますか。
#93
○説明員(泉美之松君) 葉たばこの近代化施設整備事業の補助の具体的内容につきまして、私、余り十分存じておりませんので、先生ただいまいろいろ御指摘をいただきまして、私の知らなかった点が大変多うございました。まことにありがたく存じております。
 ただ、その実態につきまして、単価が違うのがどういう理由によって生じたのか、なお私どもとして調査いたしてみたいと思うのでございまして、合理的な考え方から言えば、同じ種類の同じ機械で同じ施設を伴っているものにそんなに差異のあるべきはずはないわけであります。したがいまして、それらの点につきまして十分調査いたしますとともに、その調査の結果を踏まえまして、補助事業のやり方につきまして十分検討しなければならない、このように考えております。
#94
○吉田正雄君 十分調査をしてください。私のここの手持ちの資料を上げてもいいんですけれども、これは上げたらもう大変なことになるんですよね、率直に言って。内部的にそういう点で努力をしていただきたい。ただ、当然公表すべきでしょう。さっきから大蔵省に聞いたり会計検査院に――そんなもの、秘密でも何でもないですから、積算単価については。
#95
○説明員(泉美之松君) 私どもは、基準事業費を発表しておけばいいのじゃないかと思っておったのでありますが、いま御指摘のように、基準単価の点につきまして公表すべきではないかというお話でございますが、十分検討いたしたいと存じます。
#96
○吉田正雄君 それで、私は末端における価格が違っているのはもちろんけしからぬ話ですけれども、なぜ一体そういう状況が公然と今日までまかり通ってきたかということなんですよ。ここが問題なんですね。
 これから申し述べるのは、実は本当に私は総裁によく聞いてもらいたいと思うんですが、もう公然の事実ですから言いますけれども、たばこ乾燥機の専門主力メーカーというのは、これは御承知のように、三州産業株式会社と株式会社木原製作所ですよ。この二社でもって八〇%のシェアを占めているわけですね、皆さんもうよく御存じのとおりなんです。ところで、この両社へ公社から天下った人がおりますが、御存じですか。
#97
○説明員(竹山賢治君) ことし五十三年のたしか三月だったと思いますが、技術を請われまして二名、それぞれの会社に入っております。一名ずつでございます。
#98
○吉田正雄君 一名ずつですか。
#99
○説明員(竹山賢治君) はい。
#100
○吉田正雄君 私の調査では、三州には前鹿児島の試験場長、名前はわかっていますが、やめましょう、前試験場長がここへ入っている。それから、木原には前の広島の生産部長代理、それから前の沖繩事業本部長、これが入っているはずですよね。あるいは最近、つい二、三日前にやめれば別でしょうけれども、つい最近の私の資料ではこういうふうになっているわけです。
 そして、私が指摘をしたいのは、まず、この両社の研究開発費はゼロです。ところが、旅費、販売諸掛かり費、接待費、販売手数料が、それぞれ、旅費が九千七百八十一万円、約一億円、販売諸掛かり費が約五千七百万円、接待費が五千万円、販売手数料が四千百八十八万円、合計二億四千六百七十万円以上になっているんですよね。大変なものなんです。そして三州の場合は――これは木原も同様なんですが、専売公社、たばこ試験場とタイアップして、試作検討を進め、その結論のもとに生産に入り、年次順調な伸びを示し、収益性は安定していると。新機種開発については、各種試験場との試作検討の末商品化をしておると、こういうことが堂々と言われているんですよ。だから、みずからの会社で、メーカーでありながら試験研究開発費はゼロ、旅費は一億円、接待費が五千万円、販売諸掛かり費が約五千七百万円、販売手数料が四千幾らというふうに大変な内容なんですね。しかも、いいですか、公社の試験場とタイアップしながらということをやっているのですよ。全く公社の試験場というものが、この企業の下請になっているのですよ、実態として。こんなことがあるから大変なんです。
 そして、この三州の場合ですと、五十年八月から五十一年八月までの一年間の売り上げが五十六億六千万円ですが、純利益がどうなっているかといいますと、税払い後の純利益が二億二千万なんですね。配当が二六%ですよ。それから木原の場合ですと、同じく今度は五十一年八月から五十二年の八月までの一年間の売り上げが五十一億七千九百万円で、税払い後の利益が三億一千三百五十六万九千円、これは純利益ですね。税引き前の利益が八億八千万円というぐあいですね。この配当が五割ですよ。五割。大変なもんですね。いいですか。一体これはどういうことなのかというのですね。これ大変な内容になっているわけです。
 そこで、さらにお聞きをしたいのは、皆さんのところで、財団法人日本葉たばこ技術開発協会というのがありますね。協会はいつ設立されたのですか。
#101
○説明員(竹山賢治君) 昭和四十五年の十月でございます。
#102
○吉田正雄君 協会設立の目的と主要業務、簡単に言ってください、時間がありませんから。
#103
○説明員(竹山賢治君) 目的でございますが、たばこ耕作用資材及びたばこ耕作技術の改善、発達を図って、たばこ耕作の近代化を推進さして、専売事業の安定、発展に寄与するということを目的にしてございます。
 事業の内容でございますが、ごく簡単に申し上げますと、耕作用資材の試験の受託及び公社並びに他の公的機関、民間のたばこ試験場等がございますので、そこへの試験の委託、その試験の結果の公開、あと技術情報の収集とか、情報の提供とかいうことが主な事業内容でございます。
#104
○吉田正雄君 公社と協会との関係はどうなっておりますか。
#105
○説明員(竹山賢治君) これは財団法人の関係でございますので、その認可の段階で、公社が財団法人として許可をしたと、こういう関係でございます。
#106
○吉田正雄君 補助金であるとか奨励金とか、助成金あるいは貸付金等のそういう財政的な関係はどうなっておりますか。
#107
○説明員(竹山賢治君) ございません。
#108
○吉田正雄君 この協会の会員数はどれくらいです。
#109
○説明員(竹山賢治君) 手元に資料がございませんので、後で御説明いたします。
#110
○吉田正雄君 会員の会費はどれくらいです。
#111
○説明員(竹山賢治君) 大変恐縮ですが、手元に資料ございません。
#112
○吉田正雄君 この協会の経理は公表されていますか。皆さん、設立を許可したのでしょう。
#113
○説明員(竹山賢治君) 公表されております。
#114
○吉田正雄君 会長はどなたです。
#115
○説明員(竹山賢治君) 会長は、ただいま石戸谷賢造という方が会長になっております。
#116
○吉田正雄君 それは前、専売公社のどういう役職におった人ですか。
#117
○説明員(竹山賢治君) この方は、公社の最終役職は、現在はございませんけれども、秦野のたばこの試験場の場長をやっておられまして、現在会長をやっておられますが、ただ、非常勤で無給でございます。
#118
○吉田正雄君 この協会の役員は何人ですか。そしてそれはどういう人がなっていますか。
#119
○説明員(竹山賢治君) 現在理事六名、監事が三名でございます。で、理事六名は、皆さん公社を退職された方でございますけれども、持っている仕事、いずれも一人の方を除いてすべて無給でございます。ただ、ほかの仕事で持っておられる場合には、たばこの耕作資材というものとの関係はない方でございます。監事の三名でございますが、一人は公社の退職者の方でございますが、一人は中央会、一人は全然別個の普通の民間の会社の方がなっておられます。
#120
○吉田正雄君 その石戸谷会長は非常勤だということですが、そのほかたばこ関係のどこかの会社なり企業なりとの関係はどうなっていますか。御存じないですか。
#121
○説明員(竹山賢治君) 石戸谷氏は現在中央たばこ株式会社の顧問をされております。
#122
○吉田正雄君 この協会自身が――総裁、聞いていただきたいと思います。この協会自身の主要業務である、たとえばいろんな各種の機械の試験の受託等は直接やってないわけでしょう、これは。そうですわね。お聞きしますが、この協会自体はそこに掲げてある業務を直接はやっていませんね。特に主要な機械の試験、テスト受託であるとか、そういうものはやっていませんね。
#123
○説明員(竹山賢治君) 会員数は、先ほど資料がないということで申し上げられないわけでございますけれども、各民間の会社が新しい機材を開発した場合に、それが果たしてたばこ耕作に適当であるかどうかという試験をする場所としてこの開発協会を利用されているということでございます。
#124
○吉田正雄君 業者から委託試験の負担金を取っているわけですね。
#125
○説明員(竹山賢治君) はい。
#126
○吉田正雄君 そして新しい機材を開発して、それを補助金対象機種に認定してもらうには協会の公開テストに合格するということが条件になっているでしょう。これ、間違いありませんか。
#127
○説明員(竹山賢治君) 間違いございません。
#128
○吉田正雄君 協会はこの委託試験をどうやって実施をしているのか。私の調べたところでは、協会が再委託をするのは公社の試験場が中心になっている。公社の各試験場の現職の研究員がこれを行っているわけです。それは委託料をもらって勤務時間中にそのテストをやっているわけなんですね。そうでしょう。
#129
○説明員(竹山賢治君) 公社がこの開発協会から試験の委託を受けた場合には、試験料はいただいておりません。
#130
○吉田正雄君 いや、公社じゃないですよ、協会ですよ。協会が試験の委託料を取ってやるわけですよ、民間から。そうしてその実際の試験というのは、協会はこれは単なる事務所だけしかないんですよね。みずから何も持っていないわけです。だから、その試験の委託というのを公社の試験場へ再委託をするわけですよね。これは間違いないでしょう。
#131
○説明員(竹山賢治君) 開発協会が民間の会社からいろいろ試験の委託を受けるわけでございますけれども、その試験は公社のたばこ試験場が適当であるか、民間のたばこ試験場が適当であるかという判断は、これは開発協会の中の会合で決めているわけでございまして、公社が取捨選択しているようなことはございません。
#132
○吉田正雄君 公社が取捨選択をしているかと聞いたんじゃなくて、それは協会が決めることでしょう。
#133
○説明員(竹山賢治君) そうです。
#134
○吉田正雄君 そして主要なところというのは公社の試験場でしょうと聞いているんですよ。
#135
○説明員(竹山賢治君) かなり公社の試験場で試験を受けております。
#136
○吉田正雄君 だから、そこでさっきの委託試験料というものを取っているわけですよね、協会は。
#137
○説明員(竹山賢治君) はい。
#138
○吉田正雄君 委託をされた企業から取っているわけです。金を。その金は――公社へやっているわけです。試験を。公社の試験場にまた再委託をしているわけですよね。取ったお金はどこへ行っているんですかと聞いているんですよ。それは試験場に再委託でもってお金はおりておりませんかと聞いているんですよ。
#139
○説明員(竹山賢治君) 公社の試験場の場合は受けておりません。
#140
○吉田正雄君 そうすると、協会が金を取って、そして公社の試験場でただでやらしていると。こんなことが一体許されますか、あなた。協会が協会の仕事として金を取って委託でもってやっているのを、公社がただでやっているんですか、職員を使って。
#141
○説明員(竹山賢治君) これは一つの例でございますけれども、乾燥機の新しいものができました場合に産地でそれの試験をやる。たまたま、その場合に……
#142
○吉田正雄君 答弁は明確に答えてください。あるのかないのかと聞いているんですよ。一例じゃない。そういうことがあるかないか、聞いているんです。
#143
○説明員(竹山賢治君) 部分的にございます。
#144
○吉田正雄君 大変問題だと思いますよね。公私混同もいいところじゃないですか、あなた、それは。いいですか。いや、それは私どもの調査ではわかっているんですよ。あなたは知らないんですか。こういうぐあいに、新機種が補助事業の対象になるかどうかということは、この協会のテスト、公開テストを通過しなきゃならぬと。ところが、この協会自身はみずからの検査テスト機能を持っていないわけですよ。そういう機構はないわけ。単に役員がおる、いわゆるトンネル機関なんですよ。看板機関にしかすぎないわけです。そして公社の試験場に試験を再委託するわけです。企業からは金を取っているわけです。いいですか。部分的には金が流れている。流れていますよ、そしてまた取っていないところもあるでしょうけれどもね。私も全部調べたわけじゃないからわからない。いずれにしても問題だというのは――よく聞きなさいよ――金を取っても問題だし、金を取らぬでも、協会の仕事の下請をやるわけでしょう、これは勤務時間中に、こんなことが許されるかと言うのです。現にやっていることは認めている。現に行われている。そしてここに「たばこ耕作資材委託試験公開公報 日本葉たばこ技術開発協会」というのがあるわけです。ところで、公社もこれをお持ちですね。公社からも出されているでしょう、こういうの。
#145
○説明員(竹山賢治君) 公社の内部の検討用としてつくっております。
#146
○吉田正雄君 もう公私混淆というか、協会と公社というものが全く区別されておらない。いいですか。ここに検討会資料ということで日本葉たばこ技術開発協会というのがある、これは皆さん御承知の。ところが、ここに専売公社の原料本部ですか、同じ――中身は同じなんです。そしてここには専売公社のとにかく名前のものが出ているんですよ、同じものが。持っていますよ、それも。同じものが片や開発協会、片や専売公社の名前で出ておる。中身は全く同じですよ。いまあなたは内部資料として持っているとおっしゃったけれども、ここのところには専売公社は表紙の一枚だけ、ここの名前だけ、発行者だけが違う。中身は全く同じなんです。どういうことが行われているか。ここで新機種の認定をめぐって大変な問題が生ずるわけですよ。いいですか。業者にとっては、それが補助金の対象になるかならないかというのには、この協会の公開試験をパスしなきゃならぬ。ところが、この内容が大変なんですよね。そして、みんな天下りの皆さん方の――各試験場長なんというのが企業のところへ天下っているわけですよ。そして、自分がかつておったところの試験場で自分の天下った企業の試験を、それを委託でそこへ出してやっているわけでしょう。何が公正な公開テストができますか、これ。総裁、私が言いたいのはそこなんですよ。いいですか。そこに公社幹部と天下り幹部と企業との癒着というものが生じているわけです。そしてまた、そのできた機械の販売をめぐってもいろんなことが行われているわけです。ここで例を出すというのも、国会の場としてはどうもちょっと出しづらいような大変なあれがあるわけです。
 さらに私が言いたいのは、時間ももうそろそろありませんからあれですが、この開発協会はこれは一例です。こんなものは私はつぶすべきだと思うんです。はっきり言って。自分のところは何もやっていないでしょう。さっき聞いてもわかるように、六人の理事というのはみんな公社からの天下りじゃないですか、六人の理事は。非常勤とは言いながらです。非常勤でまた何ができますか。しかも、会費は、私の調査では、会費は年五万円ですよ。いいですか、五万円。それから、試験委託料というのは全部取るわけですよ、何をやっているんですかね、一体それは。総裁、そしてこれが新機種の開発、その認定をめぐっての、これがはっきり言って汚職腐敗のやっぱりもとになっていますよ。私はこの場ですからどの程度まで出していいのかちょっと戸惑っている面もありますよ、これは。とことん言ったらそれは国会の場で済まない事態だって出てくると思う。だからその程度に私は言っているんですけれども、そういう点では皆さん方の方で私は真剣に受けとめてもらいたいと思うんですよ。真剣に受けとめなくて、今後も――先ほど来言っているような基準事業の内容をめぐっての問題点や、それからいま天下りの役員と企業とのあるいは試験場とのいろんな癒着、そういうものによって適正な検査が、テストが行われないと、その認定をめぐっていろんなことが言われておるという点では、これは大変な問題だと思うんです。
 時間がそろそろないんですけれども、そしてさらに、これは総裁は御存じないだろうし、国民が聞いたらびっくりするような問題がまだあるんです。あるんですよ。ただ、きょうはもうあと時間がありませんので、これは次回に私は持ち越したいと思っているんですよ。本当に大変な問題があるんです。
 そういう点で総裁に最後に御答弁願いたいと思いますのは、天下りは何もそこだけではなくて、実は輸入葉たばこの問題でも私は追及したかったわけです。この輸入葉たばこがまたこれは膨大な利潤を輸入業者が生む一つの利権になっているわけです。ここに公社から多くの幹部が天下っておるわけですよ。そして、その天下り先を確保するということで、たとえばある企業については株の譲渡を許さないという、そういう機密指示というのが出ておるわけですね、つまり、他の企業にそれが吸収されるということを防ぐ、公社の全く天下り先に確保していくという意味での、株の売買を禁止するという機密の指示を流してきちっと行われていると、こういうことが現に行われているんですよ。そして、さっき言ったように、ここの協会の石戸谷会長が中央たばこの顧問を兼ねているなんという。常にえりを正すべきでしょう、いろんな点で。そういう癒着というものがあるんですからね。この補助事業にしろあるいは機種の選定をめぐってもいろんなことが行われたって、本来管理監督すべきような地位にあった人がそういうことをやっておったら強いことは言えないわけですよ。
 そういう点で私は総裁にこれらの――まだあります。日本フィルター工業会の加盟各社にも。しかもこれがまた独占事業でしょう、この会社以外のフィルターは使わないんですからね。ここにも天下っているわけですよ。こういうところにたばこの値段が高いとか安いとかという問題も当然絡んでくるし、それから逆に言えば、生産者にそれが負担になっていくということになるんですね。
 そういう点で総裁に最後に、今後天下りについてどういうふうにお考えになるのか。また、天下った企業と公社幹部あるいはOBとの間のいろんな癒着というものが取りざたされているわけですよ。これらの今後改正と言ったらいいのか、えりを正すということについてはどのようにお考えになっているのか。回答次第によっては私は次の段階でもっと痛烈なことを申し上げなきゃならぬと思うんで、きょうはこの程度にしておきたいと思うんです。
#147
○説明員(泉美之松君) ただいま御指摘をいただきましたような点につきまして、私の知らない点もございますので、それらの点につきましてなお十分調査をいたしたいと思いますが、公社の職員が一応定年的に五十八歳になりますとやめてもらうことになっておりますが、近年、五十八歳でやめた後も生活の必要上何らかの職につかなきゃならぬという場合に、みずから事業をやる方もおられますけれども、公社の関連事業の方に就職あっせんをしないといけないと、これを俗に天下りと言われておるわけでございます。できるだけそういったことは少なくしていきたいと思いますけれども、やむを得ない場合もございます。しかし、いま御指摘のような点がもし天下りということによって生じておるとすれば大変重大な問題でございますので、それらの点につきましては十分注意いたしてまいりたいと思いますし、またそういう人が仮に関連事業に参りましても、その人が関連事業に参ったということで公社の公正なる検査なり試験なりというものがゆがめられることのないように十分注意してまいらなければならない、このように思っております。
#148
○理事(野口忠夫君) それでは、午前の審査はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。
   午後零時三十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十八分開会
  〔理事野口忠夫君委員長席に着く〕
#149
○理事(野口忠夫君) ただいまから決算委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、昭和五十年度決算外二件を議題とし、農林省及び農林漁業金融公庫の決算について審査を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#150
○和泉照雄君 私は、水産振興という立場から、カツオ・マグロ問題について質問をいたします。
 このところカツオ・マグロの浜値が暴落をし、そのために日鰹連ではカツオの漁業については去る八月初め十日間と、また、九月の十五日から来年二月末までに三十日間の休漁という自己規制、生産調整に乗り出し値下がりを必死に食いとめようとしておるようであります。
 私も、最近、全国でも有数なカツオ・マグロ基地の枕崎、串木野の両市を視察して漁業関係者とひざを交えて語り合いましたが、カツオ・マグロ漁業がいかに深刻な苦境に陥っているかということを実感をした次第でございます。
 また、年間約十万トンという全国カツオ水揚げの三分の一を誇る遠洋漁業の基地である静岡県の焼津港でも大きな打撃を受けているということを友人たちからも聞いておる次第でございます。
 最近マグロは幾分好転の兆しが見えておるわけでございますが、このようにカツオ・マグロ漁業が何が原因でこのような苦境に陥ったのか、その原因についてお示し願いたいと思います。
#151
○政府委員(森整治君) カツオ・マグロの不況の問題は、四十八年に一時ございましたけれども、以後一応立ち直ったかに見えましたけれども、最近の二百海里時代に入りましてからの国際的な環境がいろいろ変わってまいった、なかなか二百海里に入ることにつきましていろんな制約が出てきたということがございます。
 それからもう一つまた、航海日数が非常に延びておりまして、中型、大型の船につきましてはその傾向が非常に顕著に出てきておりまして、そういうことによりまして繰業経費がかさんでまいっていることが一つ考えられるわけでございます。
 それからもう一つ、円高の問題なりあるいはアメリカで非常にビンナガの漁がよかったというようなことから、輸出への影響と、それからもう一つ、景気問題からする消費の停滞というようなことから魚価が低迷をした、そういうことで不況がかなり続いておるというふうに私ども認識いたしているわけでございます。
#152
○和泉照雄君 マグロの場合についてお尋ねをいたしますが、先ほど申し上げましたとおり、最近好転をしてきているとは言いながら、最近までは冷凍庫はもう満杯で、そのために魚価は半値に下がって生産コストを割っていたのが実情でございまして、まさにマグロ漁業は危殆に瀕していると関係者は本当に心配したわけでございます。漁価の暴落をした主な原因は、全国各地の冷凍庫に保管をされているマグロがだぶついたことによると言われております。その主な原因は、年間約十万トン以上とも言われる韓国を中心とした外国からの輸入マグロの量が増大していることなどで浜値が暴落をした、そして、漁民や船主がピンチに追い込まれたというのが実情のようでありますが、マグロの輸入量、昭和四十六年ごろから各年のマグロの輸入量とわが国の国内生産量、それから国内の需要量はどのような傾向になっておるか、数字でお示し願いたいと思います。
#153
○政府委員(森整治君) 国内の需要は年々堅調に推移しておるというふうに考えておりますが、大体年間でほほ四十万トンと思います。ただ、最近若干景気の停滞、魚価が上昇することによりまして需要量が若干減っておる。総理府の家計調査のベースでも、やはり消費量はちょっと減っておる傾向が出ております。
 それから生産の方につきましては、近年は停滞ぎみとはいえ、まあ三十五万トンから四十万トンの水準で推移をしてきておりまして、最近はちょっとビンナガの不漁がございましてやや減少をしたというふうに推定をしております。
 それから輸入につきましては、先ほどの御指摘の韓国の冷凍物――刺身用の冷凍物が主体でございます。台湾からもございますが、一応国内消費の関係は若干増加の傾向にある。
 あと輸出の方は、先ほど私申し上げましたように、一時ふるわなかったわけですが、ごく最近は逆に、キハダを中心に輸出がまた逆にふえてきていると。いろいろございますが、全般としては最近は需要も戻りつつあるというのが現状だというふうに思っております。
#154
○和泉照雄君 数量を言ってください、数量。
#155
○政府委員(森整治君) 五十二年で申し上げますと、国内需要四十万トン、生産量三十三万トン、輸入十二万トン、輸出約五万トン、こういう結果になっております。
#156
○和泉照雄君 輸入がはっきりしませんでしたから、もう一度。
#157
○政府委員(森整治君) 輸入量は、これで申しますと十二万五千トンということです。
#158
○和泉照雄君 そうしますと、国内の需要量は若干下降線をたどって四十万トン、生産量が三十五万トンから四十万トンと、五十二年度は三十三万トンとおっしゃいましたが、そうしますと、国内生産量で大体需要は賄えるというような状態ではないかと思うのですが、ここらあたりで十二万五千トンというマグロを輸入しなければならない、そういうような理由というのはいつごろから生じてどういうようなことなんですか、これは。
#159
○政府委員(森整治君) 全体的に需要が四十万トン、それからいま私申しましたようなことで、先生いま申しましたようなことでございますが、輸入しなければならないといいますか、要するに輸入の制度につきまして、三十六年からいわゆる自由化が行われました。要するに自由にマグロは輸入できると、こういう貿易の制度になっておるわけです。それで、一時かつて問題が出まして、以後いろいろ需給の協議会ということで、日韓の間で調整をしながら輸入をしておるというのが現状でございまして、全体的に見て、非常に価格が高騰をする場合には当然数量としては多く入ってくる方がわれわれとしても望ましいし、下がったときにはなるたけ少なくしてもらう、そういう考え方で、いろいろ協議しながら運営をしておるというのが現状であります。
#160
○和泉照雄君 いま御答弁で、水産庁の方で日韓マグロ需給協議会ですか、そういうようなことで、自由化品目であるけれども、国内の重要な産業に影響があるので調整を両国間でやっておる、こういうようなお話のようでございますが、大体調整量は、日韓で合意されたのは、大体五十年、五十一年、五十二年、またことしの五十三年はどういうような数字になっておるのか。
 それから、その協議会で調整をした調整量というものの遵守といいますか、守り方のチェックというものはどのようにされておるのか、お答え願いたいと思います。
#161
○政府委員(森整治君) 大体両者で話し合っておりますものは、韓国から独航船と申しまして、要するにマグロをとりましてそれを冷凍しまして刺身用として持ってくる、そういう船の輸出量を大体最近五、六万トン、そういうものを調整をしながらやってきておるということでございます。これは日韓の、四半期ごとに日本と韓国の間でマグロ需給協議会ということを開催いたしまして、その期に、四半期に入る前に両国間でいろいろ話し合いをするということを行って秩序ある輸入を行っているということでございまして、それを担保するという形で、制度的には輸入貿易管理令に基づきます事前確認制という制度がございます。そこで、これをチェックしながら商社を指導しているというのが現状でございます。
#162
○和泉照雄君 通産省、いま長官の方からお話がありましたが、通産省の方で、事前確認制度、こういうことで、商社からあなたの方に届け――申請を出してそこで確認をされた数字で、先ほどの調整値の範囲で輸入をされるという、そういうようなシステムになると思うんですが、そうしますと、その確認制度の中で調整値を遵守するという、そういうようなチェックの機能を果たせるんでしょうか。
#163
○説明員(村岡茂生君) 御説明申し上げます。
 ただいま水産庁長官の方からお話がございましたように、輸入令第三条に基づく事前確認制ということで、日本の輸入業者がビンチョウを除きますマグロを輸入する場合に、事前に確認をしておるという体制をしいております。これはもちろん輸入規制を目的としたものではなくて、輸入数量を事前に確認するということで、日韓のマグロ類の需給調整協議会の数字をウォッチするというために行っているものでございます。最近のデータによりますと、ほほ調整数量は遵守されているということが確認されております。
#164
○和泉照雄君 しかし、現実には、先ほども長官の方で大体五ないし六万トンに調整値はなっておると、年間五万トンないし六万トンと。しかし、輸入されたマグロというのは十二万五千トンと。そうすると、約倍以上輸入されておるということになりますと、あなたがいまおっしゃったこととはちょっと違うようですが、このように日韓両政府で調整をしたその調整値を上回って輸入をされるというその原因は何でしょうか、長官、お答え願いたいと思います。
#165
○政府委員(森整治君) 一つは、韓国以外からも輸入がございます。それからもう一つ、先ほど、通産省からお話しございましたように、ビンチョウを含んでおりません。
 それからもう一つ、大きな違いといたしましては――大きな違いといいますか、違いか出てくる問題といたしましては、もう一つの輸入の形態がございます。これは海外の基地、まあそれはどこでもいいんですが、一たん陸揚げをされまして、そこで漁獲物か冷凍運搬船によりまして――私が申し上げたように独航船でなしに、冷凍運搬船で日本へ搬入されるという、通常の――通常といいますか、普通の貿易の形の例がございますが、これについてはこの調整の数量には計上されておらない、またその協議の対象になっていないということがございます。この辺からその差異が出ているというふうに思います。
#166
○和泉照雄君 いまおっしゃったとおり、韓国の船がマグロを漁獲をして、それを釜山に持ってきて、これは輸入の自由化品目ですから日本で規制はできませんから、勢い、韓国の方で輸出の許可を受けて、そして日本に入れるというかっこうになると思うんですが、それと、いまおっしゃった海外の基地で商社あたりが買い占めをして、それを日本に運搬船で運ぶという総計が十二万五千トンであっても、やはりどこかでチェックしなければ、需要量というのが約三十五万トンから四十万トン、生産量が三十五万トンから四十万トンということで、また昨年みたいにインド洋で韓国マグロが相当にとれますと、今回みたいな、こういう冷凍庫が満庫になってそして浜値が半分に下落するという状態になるわけでございますから、ここらあたりはどういうようなところでチェックする機関があるのか。自由化の品物ではございますけれども、やはり国内の重要な産業に大きな影響を与えるということで、政府の方ではそういうふうなことをお考えになるのが当然だと思うんですが、これが野放しにそういうような状態であるというところに大きな原因があると思うんですが、そこらあたりはどのようにお考えですか。
#167
○政府委員(森整治君) 基本的にはまあ自由化の品物でございますから、制度的にいろいろこれをどうするということにはなりませんが、私どもいままでもそうでございますし、今後もそれでうまくいくのではないかと思っておりますことば、ただいまも私どもが申し上げました日韓のマグロの需給協議会、これにつきまして、このほかにまた民間でもいろいろ話し合いをしてもらう、それから台湾関係につきましても民間同士で話し合いをしてもらうということをいまいろいろ慫慂をいたしておりまして、これには結局日本の消費、日本の需要というのがむしろ一つの大きな値段――日本市場の値段というものが、ほかの国々の出荷する人々にとっても非常に大きな影響を持っているわけで、下がっては困るという要素が逆にあるわけでございます。まあそういうことを通じまして、話し合いの中でいろいろ相談をしていくということで全体的に目的が達成されるのではないか、また、そうしたいということで運用をいたしておるわけでございまして、御指摘のように、非常にいまの制度ではどうしてもいけないというふうには私ども考えておらないわけでございます。
#168
○和泉照雄君 長官にお尋ねをしますが、沿振法という法律がございますが、沿岸漁業等振興法という、この第三条の六項によりますれば、「水産物の輸入によつてこれと競争関係にある水産物を生産する沿岸漁業等に重大な損害を与え又は与えるおそれがある場合において必要があるときは、輸入の調整等によつて、経営の安定を図る」という条項があるわけでございますが、これは一つの基本法みたいな法だと理解をしておるわけでございますけれども、この条項を発動して具体的な対策を私は講じて、そして国内の重要なカツオ・マグロ漁業を保護すべきだと思うんですが、まだ発動をされていないように思うんですが、ここらあたりの事情はどのようになっておるんですか。
#169
○政府委員(森整治君) 確かに沿岸漁業等振興法の三条に御指摘の規定がございます。この規定はもっぱら行政庁が施策を推進する場合に当たっての目標を示しました、いわゆる私ども訓示規定というふうに解釈をいたしておりますけれども、この規定の運用はむしろいろいろ、各種制度によって行うべきものというふうに思っております。したがいまして、まあ直接この規定でどうということでなしに、現に水産物の輸入につきましてIQ制度をとって数量が調整している場合がございます。これもこの精神に基づく制度の運営になるというふうに思っております。
 で、いま問題になっておりますカツオ・マグロの問題につきましては、自由化品目でございますからそういうことにはなっていないわけでございますが、先ほど私が申しました、またいろいろ御質疑もございました、まあ秩序のある輸入を行なうためにいろいろ協議会を持っておる、それをまた国内的な法制の手段といたしましては、先ほど御答弁申し上げました輸入貿易管理令に基づきます事前確認制という、そういう制度を利用いたしまして、まあマグロの輸入が適正に行われるというふうに、いろいろ協議会を通じて秩序ある輸入を行っておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
 このほかにも、ワカメも同様な運用をいたしております。
#170
○和泉照雄君 まあIQの問題はよくわかっておるんですが、要するにいまカツオ・マグロが非常に不況で、漁民も船主も非常にお困りになっておるという、この全国的な傾向でございますので、せっかくこういうふうな、「沿岸漁業等」ですから、遠洋漁業も入るんですから、「等」ですから、だから、こういうような基本法から発動をして、そして調整をする、そういうようなことに踏み切ることが私は先手先手の行政のあるべき姿勢だと思うんですが、そこらあたりはどうお考えですか。
#171
○政府委員(森整治君) 確かに、ことしの春から六月、七月ごろまでにかけまして、非常に私どもも事態の推移につきまして心配した時期がございますが、いろいろなその後の経緯から見ますと、現在は価格もある程度持ち直してきております。ともかく一応の危機はもう乗り切れたのではなかろうかというふうに判断をいたしておるわけでございます。したがいまして、いざという場合にやはりこの規定というのは、精神的な訓示規定とはいえ非常に重要な規定だと私ども思っておりますけれども、現在までの制度の運用で一応問題の調整はついているのではないだろうかというふうに判断いたしております。
#172
○和泉照雄君 業界の方々のお話を聞いておりますと、一番のマグロの問題は、輸入の規制が自由化品目であるためにされないという、調整が非常にむずかしいという、そういう点にあるということを異口同音におっしゃっておるわけでございますから、行政の場合も、こういうような法が基本法であるんですから、発動ということもお考えになって私はしかるべきじゃないか、こういうように思います。
 ところで、昭和四十二年の七月十四日に公布をされて、四十二年の十月十二日から施行されました外国人漁業の規制に関する法律、これは昭和五十年の七月一日、法律の一部が改正をされましたが、この改正をされた条文の中に「特定漁獲物等」という項がございますが、これは政令で定めるとしていることは、提案理由の説明では、この特定漁獲物はさしあたりマグロ類を予定していると説明をされておりますが、政令が定められますと、漁船で漁港または漁港区、あるいは貨物船で漁港区または漁港へこのマグロ類の陸揚げは禁止をされて規制が厳しくできるのに、昭和五十年の七月一日からですから、法律改正、即日公布でございますから、三年もなってなぜ政令でこれをまだ定めてないのか。ここらあたりは私は水産行政は非常に後手後手に回って、何となくそういうような輸入マグロのことで気を使い過ぎておるような感じがするんですが、なぜこの政令を早く定めないんですか。
#173
○政府委員(森整治君) 御指摘のように、この政令はまだ発動されたことはございません。かつてやはり五十年にこの法律の改正が行われました際にも、韓国からの輸入問題をめぐりましていろいろ問題が出たことも事実でございます。しかし、私どもこの規定はもう端的に申し上げまして伝家の宝刀であるというふうに思っておるわけでございまして、たとえて申しますと、要するに、あるマグロならマグロをということをこの政令で指定をしますと、それを積んだ船は一切入港できないわけでございます。ある日突然にそういうことになるということになりますと、これはいろいろな問題が出かねないわけでございまして、また、いまこういういろいろ貿易問題が非常に世界的に大きく注目されているさなか等いろいろ問題がございますから、私ども、先ほど申しましたような、いろいろな協議会等の運営を通じて同じ目的が達成されるならばそれにこしたことはなかろうということで、逆に申しますと、この規定があるということは相手国も十分承知の上でございます。したがいまして、何といいますか、伝家の宝刀が後ろにあるということによってかなりの目的は達成されておるし、別に私どもそれをちらつかせる必要はないわけでございますが、ともかく話し合いを通じてお互いの立場、お互いの利益を守るという形でマグロの輸入調整を行っている、またそれで十分目的が達成されるのではないかという判断をいたしておるわけでございます。
#174
○和泉照雄君 法の改正というのは、国民が必要があって、そして国会で審議をされて決められるということで、伝家の宝刀的なことでこういうことを決めておくということは、それは私は邪道ではないかと思うんですが、いかがですか。
#175
○政府委員(森整治君) そのことによりましていろいろ与える影響、効果、利害得失、いろいろあるわけでございますから、私ども別に発動をしないという、もう全然こんなものは知りませんということを申し上げているつもりはございません。いつでも、政令の手続でございますから、閣議請議をとりまして、関係各省の了承さえとればそれでできるわけでございます。したがいまして、同じ目的が、そのための目的が別の方法で達成されるとするならばそれはそれということで、そこまでの手続をとらないという経過になっておるということでございます。
#176
○和泉照雄君 昭和五十年ごろは輸入マグロの方は大体年間九万二千トン、五十三年は十二万五千トン。そして非常に漁民も船主の方々もお困まりの状態であれば、これは五十年の時点の状況とではことしの方が非常に差し迫った状態であるわけですから、速やかに政令を定めるというような行為に移られることが私は妥当ではなかったかと思うんですが、そこらあたりはどういうように認識していらっしゃいますか。
#177
○政府委員(森整治君) 全体の動きといたしまして、需給問題が一番もとにあるわけでございますが、先ほど先生からも御質問がありましたし、私からも御答弁申し上げましたように、ともかくこの需給のギャップというのは一時的なものではないかという判断を当時私どもいたしておったわけでございます。たとえて申しますと、韓国のマグロが非常に入ったというのも、インド洋におきます漁獲が非常によくて、それが韓国漁船を通じて日本へ持ってこられた。ただそれが非常にまた質が、まあ質的には余りよくなかったというようなことで、量はあっても質が悪いということで価格は非常に安く売られてきた。そういうことでいろいろ価格的な足の引っ張りがあった。またそれから需要の問題もある。それやこれやいろいろあったわけでございまして、そういう中で政令を発動することに伴う利害得失、そういうものを判断しながら運営をしてきたわけでございます。また逆に、韓国側には需給協議会を通じまして強力に規制の要求をいたしまして、韓国側もそれをのんでくれたわけでございます。したがいまして、事実そのころの輸入量というのは非常に落ちております。そういうことを通じまして運用としてその効果が発揮されたとすれば、政令指定までする必要はなかったのではないかと、いま反省も含めていろいろ考えてみましてもそうではなかったかと思います。
#178
○和泉照雄君 次は通産省の方にお尋ねをしますが、マグロの輸入というのは、この輸入を規制する法的規制がないために、実際は商社の意向によって強く左右されておるということが言われておるようでございますが、私が仄聞するところによりますと、ある商社では、マグロの新船をつくって韓国に貸与して、そして労賃の低い韓国漁民に操業をさしているというような話も聞いております。また、沖買いをして漁船に運搬をさせ、割り当て輸入調整量を大きく破る行為をしているのも商社ではないかというもっぱらの話も聞いておるわけでございます。また、冷凍庫を独占するというような、そういう行為も商社がおやりになって、要するに冷凍庫を牛耳っておるのも商社ではないか、こういうようなことを聞いておるわけでございます。
 そこで、オイルショック直後の狂乱物価のさなかに、商社の買い占め、売り惜しみが社会的批判を浴びた際には、通産省は商社活動適正化法案、これを検討されたようでございます。
 また、日本貿易会、大手の総合商社を含む貿易関連業者二百十社で構成をしている日本貿易会では、四十八年初めから高まってきた商社批判にこたえて、四十八年の五月十日、総合商社行動基準を策定をしておられるようでございますが、中を見てみますと、美辞麗句の羅列にすぎないようなことを感ずるわけでございますが、それもそのまま立ち消えになって、そして昨年、五十二年の七月、通産省は総合商社法の検討をまた始めたと新聞が報じたようでございますが、ことしになってまた立ち消えのような状態でございます。商社に国民経済の発展に寄与する節度のある経営態度を持っていただいて、いやしくも国内重要産業に重大な影響を与える行き過ぎた商社活動を自粛させるためには、私は課徴金制度の適用とか、あるいはまた商社法を制定すべきではないかと思うんでございますが、まず通産省の御見解と、それからこの重要な国内産業でございますカツオ・マグロを保護するという立場から、この商社法の制定ということをどのようにお考えか、中川農林水産大臣の御見解もあわせてお聞かせ願いたいと思います。
#179
○説明員(矢橋有彦君) 御答弁申し上げます。
 総合商社の活動の適正化の問題につきましては、ただいま先生も御指摘になりましたように、いわゆる総合商社批判が高まりました昭和四十八年以来、日本貿易会及び総合商社各社に対しまして行動基準を整備させ、これを遵守するよう指導しているところでございます。もちろんこの点につきましては、今後ともこのような監督指導を続けてまいりたいと考えておるわけでございます。
 また、具体的な問題につきましては、もちろんそれぞれの内容に応じた個別の法律、たとえば買い占め防止法でございますとか、外為法あるいは輸出入取引法等により規制を行っている体制をとっているわけでございまして、そのようなやり方が適当かつ有効であると考えているわけでございます。
 また、ただいま御指摘のような、それ以上の規制についてどのように考えるかということでございますが、一面総合商社が、申すまでもないことでございますけれども、貿易・卸売機能あるいは金融機能、投資開発機能、さらにはオルガナイザー機能等のいろいろな機能を総合的に活用いたしまして日本経済に大きく貢献しているという面ももちろんあるわけでございます。こういうことも考え合わせまして、いずれにいたしましても、商社の活力を失わせるおそれのあることは非常に慎重であるべきだというふうに私ども考えているわけでございます。
#180
○国務大臣(中川一郎君) 輸入、特に商社活動につきましての責任はわが省にはございませんで、通産省に責任がございます。ただ、農林物資あるいは水産物資等について秩序が乱れるというようなことがありますれば、通産とも相談をして、業界が混乱に陥らないように、地元の生産あるいは製造メーカー等に影響を与えないように法律の範囲内で御協力を願うようにしておると、こういうことでございます。
#181
○和泉照雄君 次はカツオ漁業についてお尋ねをしますが、カツオ漁業の不振は、近年にない四十数万トンという豊漁に加えて、例年ならば九万トンも輸出をしていたアメリカ向けなどのかん詰めや冷凍物が最近の円高によって大幅に輸出が落ち込んでいるのが魚価低迷の大きな原因となっていることは御承知のとおりでございます。例年三十万トンの生産量が四十数万トンと十数万トンも豊漁になった原因は何なのか。原因の一つとしてはまき網漁業が挙げられ、このまき網漁業というのは資源の枯渇につながるし、またまた一本釣りカツオ船を圧迫をして漁民の将来の雇用問題をも起こしかねない要因があるとも指摘されているわけでございますが、このまき網漁業についての将来の御見解と、一本釣り漁船との関係をどのように保っていくかについて御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#182
○政府委員(森整治君) 御指摘のように、カツオの漁獲量は非常に好調でございまして、ことしもこの傾向が続くというふうに考えておりますが、原因としては日本近海と南方水域の二つが主な漁場として考えられるわけでございますが、日本近海について申しますと、ことしの三月から八月ごろにかけまして黒潮の北上勢力が例年になく強かったということで、二歳魚が例年より多く来遊をした。それからもう一つは、北上する黒潮と接触します遠州灘の大型の冷水塊、この付近の海域におきましてカツオの漁場が広範かつ長期にわたりまして形成されたということでことしの豊漁をもたらしたというふうに考えておるわけでございます。
 また一方、南方の水域におきましては、従来から北赤道反流海流の消長がカツオの漁獲に影響を与えるというふうに言われておりまして、この好漁場が形成される海況の条件に合ったということと、それからもう一つ、カツオ漁場が大きく広がっているということと、それからビンチョウ――ビンナガが不漁なものですから、いつもカツオ漁業からビンナガに切りかわるのですが、それが切りかわらないで長期的にカツオの漁が行われたということも主な原因ではないかというふうに推察をいたしております。
 そこで、まき網の漁業について先生触れられましたけれども、まき網につきましては、私どもは全体の隻数を増加させないという方針をとっておるわけでございます。そのまき網で、じゃ、とった量というのはどのくらいかということを申し上げますと、五十一年の実績では二万一千トン、全体の六・四%ということで、今後とも全体の資源の問題あるいはいま御指摘のようないろいろな雇用問題等を考えながら適正な運営を図ってまいりたいということでございまして、御心配のようなことにはならないように運営をいたしてまいりたいというふうに思っております。
#183
○和泉照雄君 日鰹連が八月の初めから十日間自主規制の休漁に入り、また、先ほど申し上げましたとおり、九月の十五日から来年の二月末までに三十日間の休漁を予定しているようでございます。農業の場合は、米の生産調整のためには大規模な減反政策がとられて、減反によって収入減となる農家には、不十分ではあるにしてもある程度の補償が政府から出ておるのが現状でございますが、漁民は漁に出なければ、その間収入は完全にとだえることになるわけで、漁業も農業と同じく食糧生産を担う産業として政治救済の手が打たれて当然と思うわけでございますが、私は、聞くところによりますと、この休漁について政府の方では冷凍カツオ生産調整事業実施特別融資と、こういうような制度をとられるということを聞いておりますけれども、これはあくまでも融資でございまして、農業と同じように休漁補償ということを考えるべきではないかと思うのでございますが、大臣、これはどういうふうに御見解をお持ちでしょうか。
#184
○国務大臣(中川一郎君) 素朴な考え方からすればそういう議論も出てまいりますが、実は御承知のように、お米は国が統制管理をすると、簡単に言えば委託栽培のような、勝手に市場に売るという自由競争のものではない、自由競争はできないという性格になっております。カツオについては、同じ食糧ではありますが、自由営業という――許可漁業ではありますけれども、自由にどこへ売っても何してもという物資でもありますし、そもそも原因は豊漁ということが大きな原因でございますから、そのことで価格が下がっておるという価格の問題でございます。絶対量の問題もあるが、価格をよくするためにはやはりみんなで話し合って生産調整をする。そして、価格さえ回復すればもとの姿に返るわけですから、国が直接助成しなくてもやっていけるのではないか、そこで融資程度について御協力申し上げて、政府ともどもにやっていきたい、こういう態度でやっておるわけでございます。
#185
○和泉照雄君 カツオ漁業の現状からしますと、関係者の中では、遠洋漁業そのものがつぶれるかもしれない、そういうようなことで、この非常事態を切り抜けるためには最後の手段である減船のことも考えなければならない、このような御意見を言っておられる方も多いようであります。しかし、一隻でもカツオ漁船を減船をすれば、関連の倒産もこれは必至ではないかと思います。これまで遠洋漁業の増船というのは政府主導型で建造されてきたわけで、それだけに、政府主導型の生産調整を図るべきだという意見があるわけでございますが、これに対する大臣の御見解はいかがでしょうか。
#186
○国務大臣(中川一郎君) 先ほど申し上げましたように、現在は豊漁に伴うものが主な原因であって、減船までいかなければならないという状態にあるとは承知いたしておりません。しかし、推移を見まして、もしそういうふうなことがあればそのときはそのときでまた考えてみたいと思っております。
#187
○和泉照雄君 将来そういうような事態になったときにはお考えになる、そういうようなお考えでしょうか、そういうような事態になってきたときには。
#188
○政府委員(森整治君) 大臣申し上げた大筋はそのとおりでございますが、もう少し詳しく申し上げますと、いま需要がどうかといいますと、たとえて言いますと、わりにカツオというのは東日本で生食といいますか、刺身等で食べられておる。もちろん土佐だとか三重だとかいうことはございますが、西の方では食べられておりません。それにはいろいろ原因があると思うんですが、やっぱりそういう需要というものをもう少し開発していく必要が私どもあるんじゃないか。そういたしますと、現在の需給バランスというのが一概に――確かに先生御指摘のように、もう減船しなければいけないんじゃないかというお話もございます。また漁民の間でもそういう声が実はあるわけでございますが、私どもそういうことをもう少しやってみたい。
 それから、国際規制と申しましても、それなりにいろいろ入漁料の問題がございますが、いろいろ話をつけてやっておるわけでございまして、そういうことをいろいろ今後詰めることによりまして、必ずしも何か減船をしなければいけないというふうにここで判断を決めてしまう必要はないんじゃないかという御趣旨の御答弁と思います。
#189
○和泉照雄君 カツオ漁業は当面の生産過剰、値崩れあるいは生産調整の休漁という非常事態とは別に、二百海里問題による漁場確保の困難という問題や、入漁料などの負担増などの圧迫もカツオ漁業を脅かしている一つの要因でございます。そういうことで、強力な漁業外交による漁場の確保、水産関係予算の大幅増額、入漁料の国庫補助はこれは漁民の切実な願いでございますけれども、この三点について大臣の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#190
○国務大臣(中川一郎君) 二百海里時代を迎えまして水産外交を強力に展開する、これはもう当然のことであり、われわれとしても微力ながら最善を尽くしているつもりでございます。またいろいろな助成、先ほどの融資等を含めまして、水産に対しては政府としてもできるだけの助成をしたいと思っております。
 入漁料について御指摘ありましたが、入漁料は原則的にはこれはコストの一部であると。生産をするに当たって必要なものであって、これは漁業者に負担をしていただく。これは一貫して、カツオだけではない、全体としての基本的な態度でございます。ただ、不当な入漁料ということになりますれば漁業者にとっては大変でございますので、この点については不当なことにならないように、もうきめ細かく誠意を持って外国と交渉して、漁業者の皆さんの御期待にこたえると、こういう基本方針で対処いたしておるところでございます。
#191
○和泉照雄君 カツオ・マグロの漁業の不振対策の一つとして、国民の魚離れの解消ということと、消費の拡大が大事だということは先ほど長官もおっしゃっておりましたが、カツオは十万トンという余剰な在庫があるわけでございますが、この十万トンという在庫量を国で買い上げをして、これを海外の援助物資という、そういうような使い方をするという活用の仕方をお考えになっていらっしゃらないかどうか、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。
#192
○政府委員(森整治君) 一つは、従来からも世界食糧計画に基づきます海外援助用の物資といたしまして、カツオのかん詰めを五十一年度、五十二年度政府の買い上げを行ってきております。このほかに、さらにいま先生御指摘のような問題もございますので、特に開発途上国への商品援助の対象品目といたしましてカツオ・マグロかん詰めを新たに取り入れるということで、十二億五千万円の枠を一応確保いたしまして、これから実施に入るということで少し支えにも使いたいというふうに考えておるわけでございます。
#193
○和泉照雄君 私も直接現地の方々といろいろお話をした中で非常に不可解に思ったのは、浜値が二分の一に下落をしておるのが、消費者にということになりますと、小売値に反映をしておらない。複雑ないろいろな流通機構の関係はあるにしても、そこらあたりの業界の指導ということは当然なされなければならない問題ではないかと、こういうふうに思うのですが、たとえて言いますと、カツオの場合も、浜値がずっと二分の一に下落しておってもかつおぶしの小売価格というのは全然変わらないと、こういうようなところをどのようにお考えでしょうか。
#194
○政府委員(森整治君) 確かに浜値は相当下がっておりまして、最近やや回復の兆しが見えるというものの、六〇%近くあるいは五〇%というそういう下がり方がございますが、
  〔理事野口忠夫君退席、委員長着席〕
一方、小売の価格の方になりますと、いまふしの御指摘ございましたけれども、ちょっとふしは製品の性格上、期間的に長く寝かせるという問題がございまして、ちょっと異質な傾向がございますが、一般的に小売価格はまず歩どまりが約半分ということ、元と――産地の価格と比べる場合に歩どまりが半分ぐらい違っているということと、それからその後のいろいろな調理サービス料が入っておるというようなことで、率としては若干違いますが、私どもの数字から見ましても、小売価格で、そうですね、七、八%まで前年同月比下がっておるということでございまして、まあ一応の連動した下がり方になっておる、若干タイムラグかございまして、最近むしろずれて下がってきておるということはございます。しかし、いずれにいたしましても、それがちゃんと連動するということが、私ども指導的な立場にある、あるいは監督指導的な立場にあるものとしては重要な問題でございますから、そういうことが必ず連動していくように私どもも指導してまいりたい。また、下がることによって消費もふえる。当然のことでございますが、そういうことでよく監督、監視もしてまいりたいというふうに思っております。
#195
○和泉照雄君 現在水産庁では、カツオ・マグロ漁業の不況対策の一環として、水産物調整保管事業、これを実施しておられるようでございますが、このように不況が長引く傾向がある現在、私は、この調整保管事業というものを、年間を通じてこの事業内容、事業規模を拡大をしていただいて、いまカツオの場合は一万トンということになっておりますが、これを五万トンあるいは十万トンぐらいに拡大をしていただいて、過剰な水産物は買い上げをして、そしてそういう冷凍庫に入れて、価格が暴落をした場合のその差額の補償というのは日鰹連に国が見てやるというようなことをお考えはできないものかどうか。また、五月に日鰹連が三万二千トンの保管カツオを放出をしまして、それで約十三億円以上の赤字が出たわけでございますが、これも聞くところによるとそのままのような状態のようでございますけれども、これもやはり、長期化する傾向がある現在の情勢からしては、政府も何らかの援助の手を差し伸べる必要があるんじゃないか、こういうふうに思うんでございますが、その辺のところはいかなる御見解をお持ちでしょうか。
#196
○政府委員(森整治君) 現在水産庁が行っております調整保管は、御承知のように金利、倉敷を補助するということ、これは魚価安定基金を通じてでございますが、それから、損失が出て赤字になった場合にそれを基金を通じまして無利子で融資をしてつないでいく、そのうちにまたもうかればそれが埋められていくであろうと、こういうことでやっておるわけでございます。私どもは、それでいいのではないか。そういう制度が、それでもなお非常に予盾があるという場合には、要するに、そういういろいろ無利子の融資をしていった過程で、その段階でもう一回判断をし直すという余地がございますから、それはそれなりに考えていけばいいというふうに思っておるわけでございます。
 で、当面、御指摘の日鰹連が確かに現在調整保管で赤字を抱えたということにつきましては、これは話し合いで、最初から日鰹連が民間独自でカツオを買い取って保管をするということで実施をしたものでございまして、これの赤字というのは傘下の組合員で負担する、最初からそういう約束で出発をしておるということでございまして、直ちにいま国が何かこれをするということは考えていないわけでございます。基本的には、この種のものというのは、やはり買い取りの価格がどの程度に決まるか、またそれが売り値と今度は関係をしてまいるわけでございまして、その辺の価格の運用というのが非常にむずかしいわけでございます。
 まあそういう問題はございますが、結果的には、今回私どもがやっておりますように、供給をある程度調整するということも必要でございましょうし、たまったものをさばいてしまう。それは海外の援助とか、政府が介入するとか、いろいろなことを通じて可能なわけでございまして、調整保管事業につきましては、御指摘のように、来年度もさらに事業量を拡大する方向で私どもも考えてまいりたいと思いますが、全体的な運用というのは、これだけでなしにいろいろな措置を伴いながら問題を解決していくということが必要なのではないだろうかというふうに思っておるわけでございます。
#197
○和泉照雄君 水産の方は以上で終わりまして、あと農業問題を若干、農薬の問題と一緒にお尋ねをします。
 まず、果樹共済制度について一つお尋ねをいたします。
 中川農林水産大臣は、鹿児島に八月二十日においでになったときに、みずからも降灰の激しい桜島町まで足を踏み入れて、つぶさに現地を視察していただき、御承知のことかと存じますが、本年は昨年以上に降灰がひどくて、本年十月末までの八カ月間に一平方メートル当たり三十キロの降灰があったところは町内ほとんどでございます。そのため、同町の基幹作物のミカンは壊滅的な被害を受け、同町の被害調査によりますと、被害額は十億五百万円余に上り、実に予想収穫量の九一%に当たり、今後の被害を考えれば全滅に近いと言っておるわけでございます。桜島町のミカン被害は四十七年から始まっており、四十七年はミカン予想収穫量の約三三%が被害を受け、四十八年は七八%、四十九年が九三%と、どん底に陥ったわけでございます。しかし、五十年から徐々に回復し、五十年が七八%、五十二年には一八%という軽微な被害にまで回復したもきに、五十三年度はまた九一%と壊滅的な被害を受けて、農家は大変な苦悩に沈んでおるわけでございます。降灰による壊滅的な被害を受けて、今日までの農家救済の唯一の制度である果樹共済制度によってその補償の恩恵に農家の方々はあずかってきましたけれども、しかし、連続的被害によって基準収穫量は年々減少の一途をたどって、農家は最大の掛金で少額の補償しか受けられないという予盾に苦しんでおります。
 このような現状から、現行法の抜本的改正の困難な状態はよく承知しておりますが、こういう農家の苦境を救うためにも、火山法に基づく防災営農対策事業の中で農家救済の特別措置を講じていただく以外にないと私は思うのでございますが、御見解をお聞かせ願いたいと思います。
#198
○政府委員(佐々木富二君) 桜島の基準収穫量の問題でございますけれども、御承知のように、果樹共済につきましては、これも保険でございますので、保険のたてまえといたしまして、平年的に見た場合に収穫し得るであろう収穫量、こういうものをもって基準収穫量といたしてとるわけでございます。現実には県が定める組合等ごとの反当収穫量というのは、原則といたしまして最近五カ年中の中庸三カ年の単純平均、こういうものを基礎として定めることにいたしておるわけでございます。ただ、特別の事由があります場合には例外的な措置をとることもできるということでございますので、桜島のような地域につきましてはこの例外措置として、たとえば異常被害年次を除いた最近五カ年中の中庸三カ年の単純平均を基礎にする、こういった方法をとることにつきまして、鹿児島県当局とも具体的に協議し検討をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、掛金の問題でございますけれども、掛金率は現在は過去十三年間の被害率から算定をしておるわけでございまして、被害が連続して発生しているような場合には、保険設計上ほかの地域に比べましてある程度高くなるということは、保険のたてまえから言いましてやむを得ないのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから防災営農計画に基づきまして、現在果樹についても各種の施策を講じておるわけでございます。たとえば水源の開発でありますとか、降灰の防止、降灰の除去施設の整備、それから降灰地域の土壌の矯正、それから耐灰性の強い作目の導入の促進、こういった各種の事業を実施しておりまして、国としてはこれらの事業が円滑に実施されますように、予算の範囲内において事業の実施に要する経費を助成しておるわけでございまして、今後もこの防災営農計画に基づいて各種の事業が円滑に進められるように所要の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
#199
○和泉照雄君 いや、それはわかるんですがね。結局こういう昭和三十年からもう連続二十三年も降灰の中で生活をして、最近もう五年間というのはほとんど壊滅状態にあるわけでしょう。だから果樹共済制度の中で救済するというのは、現行法上大変全国的な問題ですから迷惑をかけるわけで、こういうような激甚な状態の災害のところは、火山法の中で特別措置を何かお考えになってしかるべきではないかと、こう思うんですが、そこらあたりの考え方はいかがでしょうか。大臣も八月二十日に行かれましたね。そういうような現状の実態を見てどういうようにお感じになっておるか、大臣の方もひとつお答え願いたいと思います。
#200
○政府委員(佐々木富二君) 繰り返して申し上げるようでございますけれども、果樹共済も保険でございまして、やはり保険設計の制約にはある程度服さざるを得ないという面がございます。確かに桜島の場合、掛金率は逐年上がってはきておりますけれども、一方、掛金に対します共済金の支払いの倍率もこれは相当なものでございまして、たとえば五十一年度引き受け五十二年産の温州ミカンについての支払いの倍率は約十一倍に上がっておるわけでございます。ということは、この掛金の十一倍の共済金を桜島地区に支払いますために、ほかの地区においてそれだけの負担を余儀なくされるというような形になっておりまして、掛金が高いとは言いながら、実はそれだけの補償を受け取っておると、こういう状況にあるわけでございます。
 なお、そうは言いましても、先ほどのような御指摘もございまして、逐年まあ基準収穫量が落ち込んでいくというようなこともございますので、そういった収穫量の減少が特に激しかった年、これは降灰の状況とかなり連動しておるようでございますけれども、異常に収穫量が落ち込んだような年は基準収穫量を定める際の基礎年次から除外をして、それを除外した最近五カ年間のうちの三カ年の単純平均をとるというふうなある程度の修正措置について、今後県の方とも協議をいたしまして検討してまいりたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#201
○国務大臣(中川一郎君) 御指摘のように、ことし八月でございましたか、桜島の降灰のミカンの実態あるいは農家の皆さんともお会いして現状を見てまいりまして、異常な事態であると、現在の共済制度や、あるいは特別対策事業等で灰を除くというような制度ではとても救えるもんじゃないんじゃないかと、まあそういった制度でやるべきこともできるだけのことはしなけりゃなりませんけれども、これはやはり法律の制約もございますし、いま答弁あったとおりで、そこでもっと別の対策で、たとえば来年から約二〇%の生産調整を行うと、こういうのに関連をつけて別な観点から根っこからの対策を講じなければ、現在の仕組み、制度であれを救おうとしても救えるもんじゃないと。端的に言うならば、あすこで生産活動を続けていくこと自体がもう無理ではないかと、こういう判断もありまして、まあ現行制度でできるだけのことはしたいが、また新たな角度であすこをひとつ何か対処してみたいと頭を痛めておるところでございます。まだ成案を得ませんけれども、できるだけのことをやってみたいと、こう思っておるわけでございます。
#202
○和泉照雄君 じゃひとつ農家のその現地でもう直接お感じの大臣でございますから、できるだけのことをひとつ努力していただきたいと強く御要請申し上げておきます。
 次は、農薬公害についてお尋ねをいたしますが、農薬公害が社会問題化して以来、残留性の高い有機塩素剤系のDDT、BHC等の農薬は使用禁止になり、かわって低毒性で残留性の少ない有機燐剤系の農薬が主流を占めるようになったようでございます。しかし、農薬散布中の事故は一向に減少せず、むしろ増加している傾向にあるようで、年間平均約百七十件以上も発生をしております。農薬の使用量も年々増加しているわけでございますが、まず、農薬の安全性と使用基準について、農林水産省の基本的姿勢と対策についてお伺いをいたします。
#203
○政府委員(二瓶博君) わが国は夏季、高温多湿のモンスーン地帯でございますので、まあ農作物の病害虫というものの種類、これも非常に多うございますし、またその発生、これも非常に多いわけでございます。まあそういうことから被害も大きいということに相なっております。そういうことで、農薬は、これは農業生産の安定向上という角度からいたしまして欠くことのできない資材であるというわけでございます。
 しかしながら、ただいま先生からもお話がございましたように、いろいろこの農薬を使うということによりまして人の健康に害を与えるとか、あるいは生活環境を悪化させるとかいう問題もございます。したがいまして、そういうことのないようにしていくということが当然でございます。そういうような観点からいたしまして、農薬取締法という法律がございますが、これでは農薬は登録制というものを設けてございます。この登録を受けなければ販売ができないと、こういう制度にいたしておるわけでございます。それで、この登録に当たりましては、新しい農薬は当然でございますけれども、その他の農薬につきましても、登録は有効期間三カ年でございますから、またその更新をするということになります。したがいまして、そういう場合に最新の科学的知見というものを踏まえまして、その農薬の毒性なり残留性、こういうものについて厳正な検査、これを行いまして、安全性が確認されたものを、これだけを登録をするということにいたしております。
 そういうことからいたしまして、農薬が作物に残留すると、そして食品を通じまして人体に被害を及ぼすというようなことのないように、農薬につきましては安全使用基準というようなものを設けて指導を行っているということでございます。
 なお、県の方にもいろいろ助成をいたしまして、この農薬の販売業者なりあるいは防除業者、それから農薬をお使いになるそういう使用者につきましても、安全使用のための研修指導というようなことをやっておりまして、今後ともこういうような措置を総合的に講じまして、農薬の安全使用の確保ということに万全を期していきたいということで考えておる次第でございます。
#204
○和泉照雄君 現在、除草剤として使用されているパラコート剤、これについて質問をいたしますが、この農薬は果樹の下草や畑の種まき前の除草に主に使われておりまして、残留性も低く、現在ではこれに匹敵する除草剤はないと言われているぐらいのものでございます。まずこの農薬はいつごろから使用許可になったのか、その年間の出荷量は幾らぐらいなのか。また、五十二年度のこのパラコート剤による中毒死の件数は幾らぐらいあるのか、お答え願いたいと思います。
#205
○政府委員(二瓶博君) お尋ねのパラコート除草剤でございますが、これが登録をされましたのが昭和四十年でございます。
 それから、これの出荷量等でございますけれども、これにつきましては、五十二年で申しますと三千四百九十二キロリットル、約三千五百キロリットルというのが五十二年の姿でございます。
 それから、よその除草剤との対比ということでございますが、除草剤は粉剤等もございまして、トンなりキロリットルということになりますので、むしろ金目で比較をいたしますと、五十二年におきましてパラコート剤の全除草剤に占める割合は一三・七%、こういうようなウエートに相なっております。
#206
○和泉照雄君 事故死の件数。
#207
○政府委員(二瓶博君) 事故死の件数でございますが、五十二年について申し上げますと、散布中、これは死亡した者はございません、中毒した者は四人ございますが、死亡はございません。
 それから、誤用でございます。誤って飲んじゃったと、酔っぱらって間違って飲んだというようなものもこういう概念に入るわけでございますが、この誤用の中毒者が四名ございます。うち死亡した者が三名、こういうような状況に相なっております。
 それからその他の除草剤について申し上げますと、その他の除草剤では散布中の中毒者は二名でございますが、死亡はございません。誤用は全然なしと、こういうことでございます。
#208
○和泉照雄君 もう時間がございませんので、新聞報道によりますと、九月二十八日、東京の日本都市センターで開かれました救急医学会総会で、岡山大学の塩飽助教授が具体例を取り上げてパラコートの恐ろしい毒性を訴えておられるのは御承知のとおりと思いますが、このパラコートは致死性が高いだけではなく、何日間も苦しみ抜いたあげくに死んでいくという悲惨な薬剤である。こんな危険な薬はできれば販売停止にすべきであり、またそれが無理であるならば、保管の強化、またきわめて苦しい死に方をするという表示をするとか、あるいはまた救急用に吸着剤の添付を義務づける、また、英国で実施しているように、飲んでも吐くような催吐剤を添加する等の対策を講ずべきである、このようなふうにこの助教授は指摘をされておられますが、農林水産省としてはどのような対応をされますか。
#209
○政府委員(二瓶博君) ただいま、岡山大の助教授の方からの指摘の話を御紹介あったわけでございますが、実はこのパラコート剤によりますと、非常にこれを使っての自殺者が多いということもかねてから聞いております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、散布中に中毒事故は起きたが死亡した者はないという姿はあるわけでございますけれども、誤用でもって四名が死ぬと、さらに自殺ということで百名以上の方がこの農薬で自殺をされておるというような統計もございます。やはりこれは非常に安全確保といいますか、そういう面につきましては非常に重大なことであろう、こういうふうな認識に実は立ちまして、現在、このパラコート剤の登録を受けております製造業者二社がございますけれども、この製造業者に対しまして、安全確保の観点に立ちまして、現在の登録に係ります使用上、貯蔵上の注意事項というのがございます。これは登録をします際の登録申請書には必ず記載しなくちゃならぬという、そういう注意事項があるわけでございます。これをさらに変更をしてもらいたいということで、実はこの変更について現在事前指導をやっておるわけでございます。そうして、これを変更――その中身をこちらの、農林省の方から要請した姿で一応あれしたものを変更の届け出ということで受理しようということで、現在その辺の指導を強力にやっておるところでございます。
 したがいまして、今後はその結果を踏まえまして、こういうものを商品のラベルに張りまして、それで表示を徹底するということで、本剤の使用者なり販売業者に一層の注意を喚起すると。それからまた、その製品に表示をするというだけでなしに、こういう製造業者にさらにこの注意事項の遵守を徹底させるということで、チラシなりパンフレットの配布、それから講習会の開催というようなこともあわせてやれというようなこともいま強力に指導をしておるところでございます。そういうことによりまして、このパラコートというのが非常に悲惨なあれでございますので、これの保管、管理などは非常に厳重にすると。鍵のかけたところにもう必ず保管させるとか、それからこれを誤って飲んだ場合でも非常に生命にかかわるそういう農薬であるということも十分周知させるように農林省としては現在取り進めておるところでございます。
#210
○和泉照雄君 もう最後に、時間がございませんので、あと円高差益の問題で質問する予定でございましたが、できなくなりましたので、来ていらっしゃる国税庁の方、通産省の方、まことに申しわけございません。
 それで、農薬の最後の質問でございますが、医者の死亡診断による死亡事故というのは、昭和四十七年には十四名、四十八年は十五人、四十九年には八人、五十年には十一名、五十一年が十二名、五十二年が二十名という、こういうような非常にたくさんの方々が死亡診断書でこういうような数になっておるわけでございます。それで、これ以上農薬の事故を起こさないために、農林水産省としては中毒事故を徹底的に調査分析をして農薬の安全性を再点検するとともに、使用基準についても厳格な見直しをする必要に迫られておるんじゃないかと思うんですが、ここらあたりの御見解をお聞かせ願って終わりたいと思います。
#211
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生が御指摘されました死亡者、死亡事故の数、これはそのとおりでございます。この場合は全農薬、全体の農薬、除草剤のみならず殺菌剤、殺虫剤全体の農薬についての事故でございます。もちろん私たちといたしましては、こういうような事故が――誤用によるものも入っておるわけでございますけれども、いやしくも起きないようにということで、今後さらにこの安全確保という観点から、十分指導の徹底といいますものをやっていきたいというふうに考えております。
#212
○橋本敦君 ことしの農作物に対する干ばつ被害というのは大変なもので、農水省が御調査いただいておる点でも一千三百億を超えると言われておりますが、大臣初め農水省でも、この対策についてはいろいろと救済処置を御検討いただいておるところだと思います。
 そこで、私はこの問題につきまして農水省の対応策を尋ねさせていただきたいと思うのでありますが、まず最初に、現在の調査で被害総額がどのくらいに及んでいるかということ。それから二つ目には、天災融資法あるいは激甚災害法、こういったことの発動が強く要請されておりますが、現在農水省のお考えではいつごろ、どのような対象地域に発動されるおつもりか。この点はいかがでございますか。
#213
○政府委員(佐々木富二君) 干ばつによる被害の状況でございますが、農作物関係では水・陸稲が三百四十一億、野菜が四百八十三億、果樹が二百七十五億、その他二百八十三億、合計一千三百八十二億円でございます。なお、そのほかに果樹の樹体被害といたしまして四億円ということでございまして、合計いたしますと一千三百八十六億円ということでございます。
 これに対しまして天災法、激甚法の適用の問題でございますが、十月下旬に発動することを目途にいたしまして農林水産省としては準備を取り進めているところでございます。
#214
○橋本敦君 対象地域、都道府県。
#215
○政府委員(佐々木富二君) 対象都道府県は、干ばつを受けましたところでかつ資金需要のありますところはいずれも対象になるわけでございますが、その中で特に三%の資金を適用する特別被害地域を指定できる都道府県につきましては、現在関係の市町村、都道府県等から被害状況を取り寄せて、その報告をもとに検討を行っているというところでございます。
#216
○橋本敦君 いま検討されておる特別指定地域は大体どういう府県があるのか、おっしゃっていただけますか。
#217
○政府委員(佐々木富二君) 先ほど申し上げましたように、現在被害状況等の報告をもとにいたしまして検討をしているところでございまして、具体的に確定をいたしますのは十一月下旬になろうかというふうに考えております。
#218
○橋本敦君 私は大阪で、この干ばつ被害、各市町村調査をいたしました。大阪だけでも被害総額二十五億、うちミカンが大変ひどうございまして、ミカン畑総面積の八八%、約九割が被害を受けておりまして、その被害総額見積もり約十七億円に上ると、大体こういった調査になっておるように思います。
 まあ大臣も皆さんもお忙しいから、現場ではなかなかごらんいただけないと思いますが、私も写真を撮ってきております。ミカンが小さくて大きくならないだけじゃなくて、ザクロのようにはじけてしまうわけですね。これを見ただけでも大変な被害だということがわかるわけですが、後で大臣にも写真をお回しして一目ごらんいただきたいと思っております。
 こういう状況で、一つは資金需要がかなりあると思われますが、今回の天災、干ばつについて、農林水産省としてはいわゆる災害融資総額を大体どのくらい御準備なさっていらっしゃるのでしょうか。
#219
○政府委員(佐々木富二君) 資金需要につきましても現在報告を取りまとめ中でございます。まだ申し上げられる段階にまでなっておりませんので、十月下旬までお許しをいただきたいと思います。
#220
○橋本敦君 それでは、調査結果に基づいて資金需要に応じて十分な対策を講じ、かつ枠も用意したいと、こういうお考えであるということに伺ってよろしいですか。
#221
○政府委員(佐々木富二君) そのとおりでございます。
#222
○橋本敦君 この問題につきまして、いままで農業改善事業その他でいろいろな融資を受けて返済をしている農家も多いんですが、今度の干害につきましてたとえ天災融資法、激甚災法の適用を受けましても、償還期限を最大限に延長してほしい、できれば現在の天災融資法二条で言っております「六年」以内という、その六年を超える方途を何とか考えてもらえないだろうか、こういう期待が農家には非常に強いんですが、この点についていかがでしょうか。
#223
○政府委員(佐々木富二君) 天災融資法による経営資金の償還期限でございますが、これは六年以内ということになっておるわけでございまして、それをさらに個々の発動政令の中で、農業者の経営の態様と、それから被害の程度に応じまして、たとえば一般農業者であれば原則として三年、それが重複被害農業者であれば四年、あるいは果樹栽培者であれば原則が五年で、重複の場合にも五年というふうに、その経営の態様と、それから被害の程度によりましてさらにブレークダウンをして決めておるわけでございます。
 そこで、その延長の問題でございますけれども、天災法による経営資金というのはこれはいわゆる運転資金でございまして、短期の性格をもともと持っておるわけでございます。そういうところから、これをさらに延長するということはなかなか困難であるというふうに考えておるわけでございます。
#224
○橋本敦君 法で定める六年の延長は困難ですが、いまおっしゃった政令の範囲内で実情に応じて四年、五年ということを、これを法の枠、限度六年いっぱいにまで検討するという弾力的運用、これはなし得ると思うんですがいかがですか。
#225
○政府委員(佐々木富二君) 法律的にはできないことではないと存じますけれども、やはりいま申し上げたような経営の態様なり被害の程度に応じまして、おのずとそこには差異があってもしかるべきではないかというふうに考えますことと、それからもう一つ、一般的に申し上げて、天災資金を借りました場合に、いまの農家経済調査によります農家経済余剰の状況から見れば、いま定めておりますような三年ないし六年の範囲で一般的には償還が可能であるというふうに考えられることもございまして、御指摘の点は法律上は可能でございましょうけれども、実際問題としては私どもなかなかむずさしいというふうに考えております。
#226
○橋本敦君 私も六年の法の定めを、限度を超えるようにということをこの場で御回答いただこうとは思いませんが、政令で定めることの内容も、結局はあなたがおっしゃったように、個々のケース、被害の実情、農家経営の状況と、こういったことで四年、五年とこうなるわけですから、具体的状況によって、今後の干ばつの被害については六年という法の枠いっぱいにまで償還期限を配慮すると、こういったことも大臣いかがでしょうか。ちょっと途中になりましたが、法の枠内いっぱいにまで償還期限を具体的ケースによっては検討してやると、こういう方向での研究をやっていただけませんでしょうかね。
#227
○政府委員(佐々木富二君) 現に被害の程度によりましてはそういうことになっておるわけでございます。たとえば一般の農業者、これは果樹栽培者あるいは家畜等使用者以外の農業者でございますけれども、これにつきましても、特別被害農業者でありますれば六年、特別被害農業者と申しますのは五割以上の被害者でございます。これは限度いっぱいの六年というふうに決めておりまして、先生の御指摘のような運用になっておるわけでございます。
#228
○橋本敦君 だから、特別被害については限度いっぱいまでやっていただくという体制は変わりないことはわかるんですがね。それ以外の特別被害に近い場合、つまり、五割というのは一応の基準線ですから、それに近い場合でも事情によっては考慮するという余地はないかと、こうなるわけですね。この点についていまお答えがありましたので、大臣としても答えは変えにくいかと思うんですけれども、できるだけやっぱりこの天災融資法による融資で、農業経営先行きの展望を立てて農業にいそしみたいということの期待にこたえてやっていただくと、こういうことをお願いしておきます。これはお願いでいいですよ。
#229
○政府委員(佐々木富二君) 私、いま、特別被害農業者の場合だけを申し上げたのでございますけれども、それ以外に重複被害農業者でありましても同様に六年ということにいたしておるわけでございます。
#230
○橋本敦君 だから、そういったケース・バイ・ケースで一応の政令基準で定める要件、基準はあるけれども、いまおっしゃったような事情があれば六年ということになるわけですから、できるだけそういう方向で検討してもらいたいという私の要求ですから、基本的にはそれでいいわけでしょう。はい、わかりました。
 次に、干害応急対策事業について、時間がないから伺ってまいりますが、四十八年に干害応急対策事業の助成を政府が行っていただきまして、その当時定められた要綱がございます。この要綱によりますと、たとえば水田の場合は三十日間の総雨量が百ミリ以下と、こうなっております。ちなみにこの点で大阪の実情を見てみますと、この要件には十分合致するようなひどい雨が降らない状況でございまして、大阪では七月十一日から八月十九日までの四十日間でわずか三十四ミリ、数十年ぶりだと農家は言っております。またミカンの場合も八月三日から九月二十四日まで四十九日間、四十六ミリしか降らないというわけで、これも四十八年度の要綱でまいりますと、三十日間の総雨量が六十ミリ以下の地域と、こうなっておりますから、こういう点では、私は、この要綱から言って、今度の大阪の場合に、この干害応急対策事業の助成を当然やっていただくという、こういうことになろうかと思いますが、農水省の現在の御判断はいかがですか。
#231
○政府委員(佐々木富二君) 四十八年それから四十二年、そういう干ばつの年に、干害応急対策事業というものが全国的かつ広範に行われたということで、そういう場合におきましては、臨時特例的に助成措置をとったということがございます。本年の干ばつにつきましては、現在干害応急対策の事業の実態について把握を進めつつあるところでございまして、助成措置の内容等につきましては、この結果を待って関係省庁と協議を進めたいというふうに考えておるわけでございます。おおむね十月末を目途に協議を進めたいというふうに思っております。
#232
○橋本敦君 だからしたがって、これは大臣にはっきり聞いておきたいんですが、今回の干ばつについても応急対策事業の助成をやるという方向で御検討いただいておると、こう伺ってよろしいわけですか。
#233
○国務大臣(中川一郎君) そのとおりでございます。
#234
○橋本敦君 それで、先ほど御答弁がありましたこの内容ですけれども、四十八年の場合によりますと、補助対象を決めまして、たとえば深井戸を堀るあるいは送水管の設置、いろいろございますが、補助率の問題で四〇%ということになっておりまして、果樹の場合に三〇%という差があったような、こういう記載もあるんですが、私は現在農業構造改善事業でどんどんミカン畑、果樹園がふえているというような状況からして、今回の発動については、この助成について四割なら四割ということで差を設ける必要はないんじゃないかと、こういうことで助成を進めてもらいたいと思っておりますが、農水省の現在のお考えはいかがですか。
#235
○政府委員(佐々木富二君) 果樹園に対する助成の問題でございますが、先ほど申し上げましたように、助成の内容等につきましては、今後大蔵省と協議をするということでございますので、まだ決定を見ないわけでございます。
#236
○橋本敦君 考え方。
#237
○政府委員(佐々木富二君) 経緯でございますけれども、四十八年当時、補助率に差がありましたのは、その当時の団体営の畑灌事業でありますとか団体営畑地帯総合土地改良事業、こういうものにおきましても一般に差を設けておったということからきておるというふうに思われるわけでございます。恐らく当時の考え方としては、果樹園は普通の畑に比べれば収益性が高いというようなこともございますし、それからまた、根が深い作物でございますから、水利費が普通の畑に比べれば比較的かからないというふうな事情もあるというような点が考慮された結果であろうというふうに思います。
#238
○橋本敦君 だから、今回はどういう御方針でいかれるんですか、大分事情が違っているということを申し上げたが。
#239
○政府委員(佐々木富二君) これらの問題があって、経緯としてはいまのようなことになっておるわけでございますけれども、まあ御指摘のような点も考慮に入れまして、今後検討をしてみたいというふうに考えます。
#240
○橋本敦君 具体的には、この対象補助事業として五十四年度大蔵省への概算要求としてはいま幾ら出ておりますか、金額的に。
#241
○政府委員(佐々木富二君) 干害応急対策事業に対する助成でございますか。――これはまだ先ほど申し上げましたように、現在干害応急対策事業の実態について報告の取りまとめ中でございまして、大蔵省に対して要求をしておるという段階ではございません。
#242
○橋本敦君 いずれにしても、今後こういう被害が起こらないように、地方自治体あるいは農業団体、土地改良区、それぞれ計画を立てて努力したいという意向が非常に強うございますので、これに対する助成ということを通じて、将来の農業経営安定基盤の確立をぜひお願いをしたい。今度の干ばつを機会に、そういう姿勢で大蔵省当局との折衝にも強く当たっていただきたい。これは大臣に方針としてお願いしたいんですが、いかがでしょう。
#243
○国務大臣(中川一郎君) そのような気持ちで対処してまいりたいと存じます。
#244
○橋本敦君 よろしくその点は農民の期待におこたえいただくようお願いしておきます。
 それからタケノコの被害調査は農水省、やっていただいておりますか。
#245
○政府委員(佐々木富二君) 今回の干ばつ被害の調査の中には、タケノコの被害は含まれておりません。
#246
○橋本敦君 ところが、タケノコの被害も私が調査したところでは大きいんですね。後で写真をお見せしますが、若竹がずいぶん枯れましてね。それで来年の春のタケノコがこれは大変な減産だろうという状況なんです。私は一つはぜひこのタケノコについても被害調査をお願いしたい。
 それからこのタケノコについては、天災融資法は発動されてから六カ月間という期間の限度がございますので、仮に十月の終わりに発動されますと、タケノコが出るシーズンで、結果を見てからでは天災融資法の発動はもう期限が切れちゃうわけですね。そこでそういう場合に、どういったところで被害救済をやるか、これは自作農維持資金の貸し付けということの枠をそれなりに運用する以外にないんじゃないかと思うのですが、この点について簡単に、結論だけで結構ですから。
#247
○政府委員(佐々木富二君) タケノコの被害につきましては、私ども京都大学の名誉教授の上田弘一郎先生からお聞きしておるところでございますが、非常に把握がむずかしいということで、実際にその被害の調査、認定の方法が現状ではないということのようでございます。といいますのは……
#248
○橋本敦君 調査をなさるのかなさらないのか。
#249
○政府委員(佐々木富二君) ということでございまして、やはり調査方法が確立されていないわけでございますので、いま調査をしても結果が得られないということになろうかと思います。
#250
○橋本敦君 それは困るじゃないですか。学者の先生の御意見も聞くけれども、調査方法がないと言わぬで、やっぱり検討してあげなくちゃいかぬのじゃないですか。全然被害がないとは断言はできないわけでしょう、農水省としても。だからそれはやっぱり検討してもらう必要がある。学者の御意見だけで方法がないからやめたと、これは私は困ると思うのですが、検討していただけませんか。研究してもらわなきゃ困るんじゃないですか。
#251
○政府委員(佐々木富二君) なお学識経験者の御意見をも伺いまして、調査方法については検討をしてみたいというふうに思います。
#252
○橋本敦君 その検討の上で、ぜひ調査をお願いしたいです。
 それで、こういった被害ということの救済問題の一つに、農業共済の支払いの問題がございますが、私ども農家の皆さんにお聞きいたしますと、この農業共済の支払いをぜひ早くしてほしいという要望が大変強うございます。で、共済連としてもせっかくの尽力をなさっていただいておるようでありますが、農水省としても、その要望にこたえて特段の御指導なり方針をお願いしたいと思うんですが、まず水稲については年内にぜひやってほしいという希望が強うございます。ミカンについては、わせが大体もう被害調査が結了いたしておりますので、通常もしくはおくてと一緒じゃなくて、わせだけでも先に仮払いをしてもらえないかと、こういう要求が強うございます。この点についてどのように対応していただけますでしょうか。
#253
○政府委員(佐々木富二君) 水稲につきましては、年内に支払いますように努力したいというふうに思います。
 それから果樹、特にミカンでございますが、御承知のようにわせと普通種とございまして、普通種については十二月に収穫がございます。そのようなことから、わせと普通種を一括して損害の認定を行うというようなことで、翌年一月以降に支払いがなっておるわけでございます。
 ただ、私どもは、災害に際しまして、やはり仮渡しという制度がございますので、この仮渡しという制度を活用して、たとえばわせについては最終的な支払いではなく、仮渡しを行うというようなことは可能であるというふうに思います。
#254
○橋本敦君 いま一月以降というふうにおっしゃいましたが、大体仮渡しは、わせについてはお願いできるとして、基本的な支払いを一月一ぱいには私はやっぱりしてあげられる体制に持っていってほしいと思いますが、見込みはいかがでしょう。一月以降とおっしゃいますと、ずいぶんずれるかもしれないという不安があるんですが。
#255
○政府委員(佐々木富二君) 再保険金の支払いをやるためには、まず連合会の損害高の認定というのが必要でございます。連合会は、その評価高を一月末日までに農林水産省に提出するということになっておりまして、またこの認定に当たりましては、統計情報部の客観資料も使用するわけでございますけれども、この資料の取りまとめの時期も一月の二十日を目途にしておる、こういうことになっておりますので、農水省におきます損害高の認定作業は一月二十日以降にならざるを得ない。したがって、再保険金の支払いも一月下旬にならざるを得ないというのが現実でございます。
#256
○橋本敦君 そうしますと、遅くとも一月下旬というめどをつけていただきましたので、その点はわかりましたが、せっかく御尽力いただいておりますので、できるだけ早く期待にこたえてほしいと思います。
 で、農水大臣にお願いとまたお伺いをしたいんですが、ミカン畑というのは、従来政府の農業作物転換、農業改善事業ということで、農民の皆さんの言葉で言わせれば、政府のかねや太鼓の御推奨によって自分たちもどんどん進めてきた、ところが、ある年は豊作で価格が下落する、そして今度は干ばつで、ミカン畑は水稲と違ってほとんどが山地でございますから、干ばつの被害も大きい。そういうことで、今後このミカン経営ということを通じて農業経営の安定ということをやっていくためには、政府としての格段の御指導、特に価格政策について政府としての思い切った施策を要望するという気持ちが非常に強うございます。
 それと同時に、大臣がアメリカで大変御苦労願っております日米農業問題の交渉にも非常に強い関心を持たれておりまして、こういう干ばつの被害を受けた、こういう状況の中で、アメリカの農産物、特にオレンジ、こういったものの輸入枠の拡大というのは、ぜひこれは食いとめてほしいという要望が非常に強いわけですね。こういう点について大臣の方針なり所見を承りまして、私きょう持ち時間これで終わりですので、質問を終わりたいと思います。
#257
○国務大臣(中川一郎君) 今日、ミカン農業が非常に厳しい状況にあることは、私も率直に受けとめておるところでございます。その上に、輸入の問題、干害があると、踏んだりけったりという感じだと存じます。そこで、輸入に対しては、価格に影響のあるような輸入の対処はしない、ミカンの生産時期は極力これを排除する、季節、オフシーズンというような時期に、ミカン農家に影響のない範囲内での調整ということを基本として対処したいと思います。また、ミカン生産農家の価格対策としては、やはり新植を抑えていく、あるいは改植等も徹底的にやるというようなことで、過剰生産にならないということがまず基本であろうと思いますし、また果汁ですか、ミカンのジュースですね、ジュース等の学校給食へ導入とか、消費拡大、あるいは調整保管、いろんなことを総合的に政策を行って今日のミカン農家に対処したいと、こう思っておる次第でございます。
#258
○沓脱タケ子君 それでは、限られた時間でございますから、端的にお伺いをしていきたいと思います。
 農漁村協会というのがございますね、この農漁村協会は農林水産省の認可法人であるのかどうか、それをまず最初に……。
#259
○政府委員(二瓶博君) 農漁村協会は、農林大臣が設立を二十二年に許可した社団法人でございます。
#260
○沓脱タケ子君 この法人、農漁村協会というのは昭和二十二年に設立をされた。所在地とか役員、それから事業内容、それから財政収支の報告等はどうなっているのか、ちょっと簡単、簡潔にお伺いしたい。
#261
○政府委員(二瓶博君) まず、事業内容でございますけれども、これは、定款上は次のようになっております。
 一つは、「農漁村の生産資材及び機器の総合調査及び改善普及事業」、それから第二番目に、「農漁村の生産物の貯蔵、加工、流通等に関する研究開発事業」、それから三番目に、「農林畜水産に関連のある企業の事業活動に伴う公害の実態調査及び当該公害の予防または除去に関する技術の普及事業」、四番目に、「農漁村会館の建設事業」、五番目に、「農漁村の文化の育成のための機関誌紙の発行及び図書の出版事業」、六番目に、「その他目的を達成のため必要な事業」ということが定款第四条に書いてございます。しかしながら、本協会は、五十一年度事業報告書、それから五十二年度の事業計画書等は提出されておるわけでございますが、それ以後の五十二年度の事業報告書等は提出されておりません。したがいまして、最近では実質的には休眠状態にあるというような状況ではなかろうかと、かように考えられます。
 それから、次は役員の関係でございますが、役員は、これは登記簿上でございますが、これは最近、十月十一日にもう一度調べてみたわけですが、その登記簿上は、大久保外七名合計八名ということになっております。ただ、一部の者につきましては、すでに辞任届がもう出ております。それから、登記簿上はそうなっておりますけれども、定款の規定によりますと、役員の任期は二年、満二年ということになっておりますので、全員が任期が来ておる、任期が切れておる、こういう状況に相なっております。
#262
○沓脱タケ子君 それで、そうすると農水省としては、これは休眠協会だと、休眠法人だということなんですね。で、役員も期限切れだとおっしゃるわけですね。これは五十一年の五月二十日で任期を満了したということなんでしょうけれども、これは調査によりますと、これはあなたの方からもらった資料だと思うんだけれども、理事は大久保堯明、それから赤木敏寅、それから赤城宗徳、これは前農林大臣ですね。それから大坪藤市、菊田隆一、坂村吉正、これは群馬二区選出の前衆議院議員ですね。それから桧垣徳太郎、これは参議院、現職の参議院議員の桧垣徳太郎氏だと思いますが、桧垣さんはこれは前農林事務次官ですね。食糧庁長官等を歴任されておられる。それから丸茂真一さん。この八人ですね。で、理事長が大久保尭明、それから会長が赤城宗徳ということになっておるようですけれども、そのとおりですか。
#263
○政府委員(二瓶博君) 先生おっしゃるとおりでございます。ただし現在は、先ほど申し上げましたように、全員もう任期切れでございます。
#264
○沓脱タケ子君 そこらがおかしいんですよね。現在はおらぬはずでしょう。ところが、これはまあ後で話が出てくるんだけれども、たとえば赤城宗徳氏でもあれなんですわ、農民から直接電話をかけているんですよね、赤城さんの事務所に。そうしたら会長ではあると、会長ではあるけれども、事業内容の詳細については私は知らないと、こういうふうにお答えになっているんです。
 それから、大久保理事長の場合も、これは体が悪くて余り出歩けないので、富田重雄という人がいわゆる理事長代行としてやっておるというふうに関係者は直接おっしゃっておられるので、全部やめてしまっておりますというお話はちょっと当たらないんですよ、実際には。私どもの調査ではちょっと違うんですね。
 そこで、限られた時間ですから簡単にお聞きしたいんですが、この農漁村協会の事業に補助金を出すとか、あるいはこの協会とタイアップして事業を行うという計画がございますか、農林水産省には。
#265
○政府委員(二瓶博君) この農漁村協会とタイアップして事業をやるというようなことはございません。一般的な補助事業等につきましては、それぞれ事業主体の方で決めまして、後、申請その他が上がってまいるわけでございますが、この農漁村協会という問題については特に考えておりません。
#266
○沓脱タケ子君 二瓶さんは畜産局長と違うんだけれども、実際その現地では本当にないかということなんです。ここが一番大事なところで、畜産局長だけが御存じになっていてこの農漁村協会とひそかに進めている事業だと、こう言われているんです。そんなもの絶対にないのかどうか、これは畜産局長から伺っておきたいんです。
#267
○政府委員(杉山克己君) 私ども畜産局の関係しております事業に、農漁村協会とかかわりを持っているものは現在全くございません。
#268
○沓脱タケ子君 ところが、現実にはこういうかっこうで事業が進行されようとしているという事実がある。
 目的はこう言っているんですね。いよいよ二百海里時代だと、ですから国民のたん白源が不足してきているので、その対策として畜産振興をやるんだと。それからもう一つは、過疎地対策としてやるんだと。こういうことで畜産の経験者三人を含む五人以上で会社とか組合とかいう法人をつくりなさいと。その法人がこの協会の会員に加入をしなさい、会費は五百万円ですと。会費を払いますと、百五十ヘクタール以上の用地を使った畜産事業ができるようになるんだと。非常に具体的なんですよ。これに対して国からの補助金が出ます。土地の購入費は八〇%補助だと、施設費については七五%補助、それから公害施設費については一〇〇%、これを全部平均いたしまして八〇%近くのお金になるんだと、しかもその金額の限度というのは三〇億だと、こういうわけですね。しかも、それでは手続だとか事業計画というのはどうするかということになるんですが、これについては農漁村協会の富田重雄という理事長代行が行うんだと、ちゃんとやってくれるんだと。これに対して、富田さんという方は畜産事業の専門家なので、コンサルタント料としてこれは富田さんに三十万払うんだと。この事業については県も市も知らないと、農水省の畜産局長と協会との間の秘密で進めている事業だと、こう言うて農民を勧誘しているわけです。しかも全国十五カ所、すでに五カ所は着手していると、こう言うておるんですね。
 本当にこんな事業はないのか。先ほど局長は言明をされましたけれどもね。ですから、農水省の畜産基地の建設などというのとは違いますよね。いま言うているような目的あるいは補助率等の事業というのは一切ありませんね。その点はっきりしておいてください。
#269
○政府委員(杉山克己君) お話しのような事実があるということは私この席で初めて承りました。もちろん農水省、畜産関係のもろもろの補助事業を行っておりますが、いまのお話のような、土地は八〇%、施設関係七五%、公害施設一〇〇%というような補助率は事実にも全く反します。どういう意図でそういうことを言って歩いているか存じませんが、私どもの全く関知しないところでございます。
#270
○沓脱タケ子君 ちょっと具体的に言いますよね。高知県の土佐町、そこにおられる青年の農民ですが、和田真成という方を含む四人のグループの件を具体的に申し上げますと、八月の中旬に、山ノ内という、これは山林ブローカーだそうですけれども、この人が、実は百五十ヘクタールの土地を見つけてくれと言われた。言われたので、愛媛県の美川村に百三十ヘクタールの土地を見つけて、そうして保安林の解除、それから使ってもよろしいという、あるいは協力的だという、協力するという意味の町会議員、町長、県会議員、できれば国会議員の承認判ももらってこいと、こう言われて、その人は一生懸命走って回って、国会議員まではいかなかったけれども県会議員までまとめて回った。その飛んで歩くのに約数十万円の経費を使って手続を完了したと。ところが、九月になってこういうふうに整いましたと言って持っていったら、いや、それは土地だけあってもだめなんで、事業主体の受け皿をつくれと、こう言われたというので、和田真成さんというところへ話を持ってきたわけです。
 和田さんというのはどういう方かというと、牛を百数十頭いま牧畜をやっておる若い青年の畜産業者なんですね。和田さんはその話に飛びついて、仲間を勧誘して四人を誘ったわけです。九月の十九日、ついこの間ですよ、その美川村を見にいった。美川村を見にいったときには勝手に行ったんじゃないんですね。いわゆる協会の、協会四国地区担当者だと協会の責任ある人たちに言われている担当者と同行した。それは篠原という方ですが、この篠原というのは、そこの山へ行ってみて、これは適地じゃないと、雪も降る、傾斜が急だからこれは畜産には適さない、そう言って、これはだめだと言ってキャンセルをした。
 次いで九月の二十二日に、今度は篠原氏が、いいところがあるから連れていこうということで、高知県の大豊町大杉というところの山へ連れていった。そこの山というのは、三栄ブロイラーという会社がブロイラーの事業をするために確保していた用地です。しかし、これはブロイラーをもうやらないので、かわりに君たちここを使ったらどうかと、自宅からも近いし、すでに高知県の大方町でも進んでいることだし、それから鳴門でも決定をしたし、松山でも話が進行中だと、あとはここの大豊の問題については自分がひとつ骨を折って枠を取ってきてあげるということで山の上でいろいろと話をされて、青年たちは夢がふくらんでいったわけです。
 ところが山で、まあそうは言っても、君たちは若いから会費五百万というのもしんどかろうから二百五十万にまけてやると、こう言うた。しかし、コンサルタント料の三十万はどうにもならないから、二百八十万準備しなさいと、あした私は琴平の観光センターで会議をやっているから、あしたその金を持ってきてください、九月の二十七日にはちゃんと上京して手を打ってくると、こういう段取り。そこでその農民の和田真成さんという人は、あわてて翌日二百八十万を準備した、いま持っていくといって。ところが四人の中の一人が、しかしこれはどうもくさいと、ちょっと調べようじゃないかということになったんですね。それで直ちにその山の中で聞いた話の、鳴門は町の助役が詳しく知っていると言うたので鳴門の助役に電話をした。そしたら全然助役は知らぬと。で、大方町も進んでいるというので、大方町の秋森さんという方ですか、その方のところに電話をしたら、いやだまされたと言ってかんかんになっているということで、このケースは金を出す直前でとまっている段階なんですね。
 ところがそのほかに、高知の大月町では、すでに金を払って引っ越しの準備を進めている人もあるんだというわけです。それから広島とか青森とか千葉あたりでも進んでいるということを言っています。そこで、そんなら進んでいる、できているというところを教えてくれと。だれでも見にいこうという気になりますわね。そう言って詳しく追跡をしますと、これはもう全く秘密で、会員になってもらわないと教えられないということで、具体的には場所だとか実態を教えてもらえないと。
 それでさらに追及しておかしいなということになったら、いや農漁村協会の理事長代理の富田さんからちゃんと手紙が来ていると言うて、速達でその和田真成さんという方に手紙が来ているんですね。これは社団法人農漁村協会の便せんで書いてあります。どういうことかというと、どこかの代議士が質問をしたらしいですね、どうなっておるんやいうて。で、その質問にこういうふうに答えてありますということで、安心しなさいという意味の文面なんですが、篠原というこの連れて歩いている四国担当者と言われている人は協会とどんな関係かという問いに対しては、当協会四国地区担当者ですと答えておるんですね。それから、土地を国が買ってくれるということだがどんな形式で買収するのかという質問に対しては、私、富田が畜産開発の担当者ですが、国が買収するというのは若干違う、国の代行機関が買収はするが、予算措置により、国、県、市町村その他各省、各機関、計十数カ所の補助と助成により実行され、不足する分は経営者が長期低利返済する仕組みであるのを、経営者にかわって当協会が推薦するのだと簡略に説明をしたんだと。それで、そのお聞きになった代議士先生がいわく、自分は農林委員だが、そんな仕組みはない、どこの省から幾らの補助や助成を受けるのかという質問に対して、それは当協会の機密に属しているので何人といえども公表できませんが、事実であることは間違いない、現在全国的に完成、未完成五カ所ある、ただし、当協会員であれば詳しく説明するし指導もする、その他の方には申し上げられませんと。で、完成地はどこかというて聞いたら、あなたが農林委員ですからよく御存じのことでしょう、改めて申し上げるまでもありませんという調子なんですね。それで、このように言うてあるということで速達を送ってきているんです。で、いずれにせよ会員でない限り内容は発表しないことになってやるので、早く入会すべく再三申し上げたんですと。本年も二件開発推薦中ですが、代議士や県会議員が横やりを入れてきたのは初めてですと、こういった調子で、全く秘密で進められているんだ、いるんだということが言われているわけです。
 これは話ですけれども、すでに金も払って家を引き払って、畜産をするために現地に引っ越そうという準備をしているという方もある。それで私がいま申し上げたケースは支払い寸前ですね。
 警察庁にちょっとお聞きしたいんですけれども、こういうことというのはこれは刑法のいわゆる詐欺罪の疑いはないですか。
#271
○説明員(宮脇磊介君) ただいま御質問の件につきましては、目下お話のございました高知県下における事実の有無並びにその内容を調査中でございまして、まだ明確に内容については把握をいたしておりません。そういう状況で、目下調査中でございますが、事実の内容を把握し、検討の上、詐欺罪等の犯罪容疑があると判断いたしますれば捜査することといたしたいと思っております。
#272
○沓脱タケ子君 これはなぜそれじゃこんなことにだまされるかということなんです。ここがちょっと問題なんですが、いまの農村青年、特に若い人たちというのは、今日の農村振興のために何かの展望を開きたいという非常に強い願望を持っておられます。だから、こんな話というのはどうも話がうま過ぎるなというふうに思わぬわけではないというんですよ。しかし、たとえば話の中で、大平さんも詳しくは知らないけれども知っているんだとか、あるいは疑わしいことがあったら高知県選出の林道農林政務次官が全部知っているから聞いてくれとか、それで、いや協会は解散させられるということになっているのと違いますかという話をしたら、いや、解散をさせないようにということは大平さんに頼んであると、こういう調子で、トップクラス政治家の名前が次々出てくる。これは勧誘をされた農民の和田さんが言うているわけ。だからそういう偉い人がやってくれるんだから間違いはないんだろうなというふうに信頼をしたと、こう言うんですよね。これは作り事ではなくてテープもちゃんとあるんです。テープは持ち込めないので、もし何なら御参考に聞いていただいてもいいんですが、そういうことになっております。
 私、時間がもうありませんから最後に農水省にお聞きしたいんだけれども、農漁村協会というのは従来も事故があったそうですね。もう一つは、休眠法人だと農水省は言っておられながら、こういう悪質な刑法に触れる疑いのあるようなやり方、そうして農民に被害を与えるというふうなこういうおそれのある団体ですね。これは現在休眠中だということであれば、解散をさせて、この名前を使って四の五のやれないようにするべきじゃないかと思うんですが、その点どうですか。
#273
○政府委員(二瓶博君) ただいま先生からもお話しございましたように、かつて五十二年の春ごろ、山形なり岩手でもこれに類した事件がありました。したがいまして、当時の前理事長でございます大久保等に対してもその辺の事情を聞きますとともに、解散の勧奨を五十二年の十一月三十日付でやりました。しかし、なおその後解散をしておりませんので、さらに五十三年の一月十三日付でまた再勧奨をいたしております。そこで、前理事長の大久保の方からは、解散手続の完了を五十三年度末までに猶予願いたいという文面は一応来ております。で、今回も、ただいま先生からお話しあったようなことがございましたので、この十三日にまた大久保を呼びまして話をしました。大久保は、今回の事件は全然農漁村協会は無関係であると、こういうことを言っておりますが、いずれにいたしましても、あわせてこの解散を、早期に自主的に解散するようにと、強くその辺はさらに勧奨をいたしております。
#274
○沓脱タケ子君 大臣、これは私もう時間がありませんから、農水省の認可法人というのはたくさんあると思うんで、これは後で、そのうちの休眠法人になっているのはいまどのくらいあるか、それをちょっと一覧表だけでも資料としていただきたい。
 大臣、最後にお願いをしたいんですが、これは関係があると言っているかないと言っているかは知りませんけれども、とにかく農漁村協会という名前を使って、会長が赤城宗徳さんというふうなこと、あるいは理事の中には現職の国会議員もおられる。そういう人たちの名前を使って、たとえば愛媛県は国会議員が動いてくれたからうまく進行しているんだと、こういう本当にありそうな話のようなやり方で農民に被害を現実に与えたり、また具体的には与えられているんですよ、会費はまだ払う寸前だけれども、それまでにいろいろと経費を使っているわけですよ。そういうことをして農民の夢をふくらまして、しかもその夢をぶち壊すという、しかも金も使わせる、こういうまさにその限りでは反社会的な結果になるようなやり方をやるような法人は、これは速やかに解散をさせて、公益にならないものについてはきっぱりとするんだという点を明確にしていただきたい。大臣、最後にその御所見を伺って私終わりたいと思います。
#275
○国務大臣(中川一郎君) この法人につきましてはよからぬ御指摘もございますし、過去においても、いま局長が答弁いたしましたように解散の勧告を行っております。さらに一層、有名無実でありますから解散に全力を挙げます。同時にまた、事実関係についてもできるだけ調査をいたしましてしかるべき対処をいたしたいと、このように存じます。
#276
○委員長(寺田熊雄君) 園芸局長、資料提出はよろしいか。
#277
○政府委員(二瓶博君) 取りそろえて提出いたします。
#278
○喜屋武眞榮君 私は、沖繩農業の基幹作目でありますサトウキビの問題を中心にお尋ねいたしたいと思います。
 このサトウキビの値段を幾らに決めるか、いつまでに決めるかということは非常に重大な関心事でありまして、すでに沖繩農民は現地で一万人集会、総決起大会を持って、その代表として一陣、二陣と波状的に陳情、要請に参っております。きょうから第二陣がこの行動を開始いたしておるわけでありますが、それで最初にお聞きいたしたいことは、トン当たり最低二万五千円以上を要求いたしております。これがどのように検討されつつあるか、そして最終的にはいつまでにサトウキビの値段が決まるか、このことをお聞きしたいと思います。
#279
○政府委員(犬伏孝治君) サトウキビの生産者価格の決定に当たりましては、砂糖の価格安定等に関する法律に基づきまして、農業パリティ価格を基準とし、再生産の確保を図ることを旨として定められる最低生産者価格に加えまして、奨励金を交付することによりまして農家手取りの確保を図ってまいったところでございます。五十三年産サトウキビにつきましても、この法律の趣旨に沿いまして、十月下旬に適正な価格決定を行うことによりまして農家手取りの確保に努めてまいる所存でございます。
#280
○喜屋武眞榮君 てん菜糖の価格は決まりましたね。
#281
○政府委員(犬伏孝治君) 去る十月六日に決定をいたしまして、近く公示をする予定にいたしております。
#282
○喜屋武眞榮君 農家手取り一万八千四百七十円ですか、と承っておりますが、そのとおりなんですか。
#283
○政府委員(犬伏孝治君) そのとおりでございます。
#284
○喜屋武眞榮君 去る五十三年十月三日、まあこの前でありますが、参議院の農水委員会で附帯決議がなされておりますね。その第一項に、「てん菜、甘しょ、さとうきび、馬れいしょ及び大豆の生産者価格については、畑作物の生産の振興を期するとともに、農産物の総合的な価格体系の整備を図る観点に立ち、前年度の農家手取価格を基礎として最近における労賃、物価等の上昇を適正に織り込み、農家の所得及び再生産が十分確保できるよう引き上げること。」と、こう明記されておりますが、この決議がこのてん菜糖決定の上に、またサトウキビの値段決定の上にどのようにこれが利用、活用あるいは勘案されますか。
#285
○政府委員(犬伏孝治君) 先般の参議院の農林水産委員会におきます御決議の趣旨を受けまして、政府としては慎重に検討をしてまいるという政務次官から御答弁を申し上げておりますが、そのようなことで、てん菜につきましては価格決定を行ったところでございます。サトウキビにつきましても同様の方針で対処してまいると、かように考えております。
#286
○喜屋武眞榮君 サトウキビの値段についてはこの農民要求に満額こたえてほしいと、こう願うわけですが、どうもその点については非常に不安を感ずるわけですが、よりそれに近づけてもらう努力をしていただきたいわけなんです。
 私がこれをお聞きしましたのは、てん菜糖の価格がトン当たり一万八千四百七十円。ところがアップ率は一・九%なんですね。そうなんですね、一・九%。それで、この文面の中から、前年同月のいわゆる労働賃金のアップが五・九%ですね、それから消費者物価が四・二%ですね、その率からしますと、てん菜糖の一・九%のアップは低過ぎるんじゃないかと、こういう感じを持つわけです。勢い、これが低くということはサトウキビの値段も今度は低く抑えられると、こういう心配がありますので、その労働賃金、消費者物価との関係、その一・九%のアップ率との関係をひとつ承りたい。
#287
○政府委員(犬伏孝治君) てん菜の価格決定に当たりましては、先ほどお答えをいたしましたところと同様に、砂糖の価格安定等に関する法律に基づきまして、農業パリティ価格を基準とし、再生産を図ることを旨として最低生産者価格を定める、さらに奨励金を加えて、農家手取り額といたしましては対前年比で一・九%の上昇ということで決定をいたしたところでございます。
 消費者物価指数あるいは労賃の上昇等につきましては、この農業パリティの指数の中に総合的に農家の支出と所得の関係ということで織り込まれておるというふうに私ども考えておりまして、農業パリティ指数を基準として決定をするということは法律の趣旨からして当然のことであるというふうに考えておるわけでございます。
#288
○喜屋武眞榮君 なぜ私がてん菜糖との関連を重視するかといいますと、大体時期的にもてん菜の価格とサトウキビの価格が相前後している。そして、てん菜が先に決まって、そしてそれに準じてサトウキビがプラスアルファされたいきさつがあるわけですね。そういうことからも、パリティといういまお話がありましたが、これは北海道と沖繩の、この農業基盤あるいはその他の諸条件が異なっておる、いわゆる話にならない、比較にならないほど沖繩はおくれておる、こういう前提条件があるわけなんですが、その北海道のてん菜価格決定の中でも、パリティではなく生産費及び所得補償方式をという要望が強いわけなんですね。そうだのに、北海道でさえもそうだのに、さらに諸条件が立ちおくれておる沖繩の農業基盤の現状からしましても、あるいはその他の悪条件からしましても、パリティでは困るんじゃないか、パリティというのは結局生産基盤が整備し、生産性が十分に向上していくという前提においてパリティは有利であるということを聞いておりますが、そういうことから、もう繰り返し繰り返し毎年のように沖繩農民は糖安法二十一条を改めて、そして所得補償方式に切りかえろということを強く要望しておるわけなんですが、その辺の御見解は大臣いかがでしょう。
#289
○国務大臣(中川一郎君) 北海道のビート、そして沖繩のサトウキビというものは、南北両特殊農産物で、きわめて重要であります。中でもサトウキビが沖繩の生命線だと言われておりますので、政府としてもかなり価格については努力してきたつもりなんです。四十六年、復帰直後六千数百円であったものを、その後一万円にし、さらに一万五千円にし、さらに一万八千円と、ここ六、七年のうちに約三倍というところまで持っていったわけなんです。
 そこで価格については、沖繩の事情もわかりますけれども、昨年、奨励金というものを価格の中に取り込んで、しかもパリティというものを掛けていけば、農村の物価、労賃の動向というものを反映するだろうと、去年奨励金を入れて一万八千円にすることの機会に、当分の間、いろいろあるけれども、甘蔗もビートも麦も大豆も、価格政策をやっておるものは当分の間、米との関係もあり、パリティ指数でいこうじゃないかと、大方の団体の皆さんの了解も得ながらやっておるところであって、その点はひとつ沖繩についても政府は相当努力し、当分の間はこれでやっていこうという合意の中でやってきたことでございますので、事情もわかりますけれども、むしろそれよりは生産対策ということに、生産性向上ということに力を入れるべきだということで、国際糖価その他の関係から言っても、北海道のビートとはまたさらに財政負担を伴う姿ともなっておりますので、できれば価格についてはそういった基本方針を貫かしていただきたいと。そして生産対策で特に省力化という方向に最善の努力をし、あるいはこの間サトウキビ原原種農場をつくる等、そういった長期的なことで足腰の強いサトウキビをつくっていくことがむしろ大切ではないかと、こう思っておるわけでございます。
#290
○喜屋武眞榮君 政府の沖繩農業の振興に対する前向きの姿勢が着々と実りつつあることを私は認めます。ところがいまの時点で、政府は事あるごとに、いやパリティがいいんだいいんだと、こうおっしゃる。ところがそのいいか悪いかという、いわゆるどちらが損か得かということを選ぶ権利は生産者が一番よくわかるはずであります。その生産者は所得補償方式でやってくれと、こう強く要望、一回ならずと毎年のように。ところが政府はパリティがいいんだいいんだと、こう押しつけておられることがどうも腑に落ちないわけでありますが、その前提として基盤整備、そうして生産性を高めていくと言う。ところがいま沖繩はそれまではまだいかない。遅々として進まない中でも前進しつつある過程であるわけなんですが、そこに矛盾を感ずるわけなんですので、どうかひとつ、要は本当に所得補償によって生活が支えられていくという、こういうことが最終の目的であるわけなんですから、そこも十分配慮くださってトン当たり二万五千円を実現さしてほしいと、こう思うんですが、大臣いかがですか。
#291
○国務大臣(中川一郎君) 農産物については所得補償方式をという声はあらゆる農産物にあるんです。しかし、御承知のように、所得補償方式の制度をとっているのは食管でもってやっております米麦、最近ではお米、これは政府が管理をして委託栽培のようなものですから近傍類似の都市労賃を差し上げると、こういう仕組みになっておるわけですし、その他の農産物は最低生産費価格を確保すると、こういう仕組みでございますので、法律の仕組みから言っても、パリティを旨とし、再生産が確保される価格ということでやっておるわけでございまして、法律の趣旨から言っても所得補償方式には踏み切るわけにはまいらないと。
 しかし、過去それじゃパリティだけでやってきたかというと、年に三千円、四千円と、パリティどころではない、もう大変な上積みをしながらやってきて、まずまず一万八千円をベースにするならば、ここ当分の間はパリティでやっていくというんで、パリティだけで押しつけてきたつもりもありませんし、また最低生産費、所得補償方式よりはまだまだいい方式でプラスしたこともあるということで、何も農家の皆さんを苦しめようということで、理屈のいいものをとって何か抑えているというような御指摘ではございましたが、そんな冷たいものじゃなくて温かい気持ちで対処してきましたし、沖繩のサトウキビについては長い間の施政権下で苦労されたと、ハンディキャップを持っていると、いま苦しいということもよく承知いたしておりますので、当分の間はパリティでまいりますが、また先々へ行ってこれはどうにもならぬということになれば、かたくなにパリティだけで後は何も知らぬというようなことではありませんで、過去やってまいりましたことに積み上げをして、さらにいま先ほど申し上げたように生産性の向上ということに最善の努力をして、長期的にサトウキビが安定した沖繩の大事な柱、農業の柱となるという努力をしていきたいと存じます。
#292
○喜屋武眞榮君 特にそのパリティで問題になります労働時間の問題、これは北海道との比較の統計も出ておりまするが、四倍以上の差額があるわけなんですね、沖繩の場合に。そういう大きな相違があるわけなんですから、それはきょうは、ということにとどめておきます。
 次に、この優良品種の普及育成という面で、去る九月の二十五日でしたか、要望の原原種農場を沖繩に開設していただいて大臣みずから沖繩までおいでいただいたことを大変皆喜んでおりますが、ところで、そのいわゆる優良品種の普及育成が、IRK67−1それからRK65−37、この二つがいま沖繩の試験場で優良品種として、いわゆる台風にも病虫害にも干ばつにも総合的に検討して耐える最上のものであるという結論が出ておるようですが、それを主にして原原種農場では普及奨励をなさるのであるか、あるいはその他のまた種もあるのであるか、その点いかがですか。
#293
○政府委員(二瓶博君) 沖繩のサトウキビ原原種農場、これは九月の二十五日開設式をやっておりますが、これにつきましては、さらに組織なり定員それから施設そのものの整備をやりまして、五十六年から原原種の原種の配付をしたいということでやっておるわけでございます。
 それから、ただいま先生からお話のございましたIRK67−1、RK65−37というこの品種につきましては、これは沖繩県の奨励品種ということにいたしておりますので、今後こういう優良品種、これらの増殖普及というものも十分その中に取り入れてやっていきたいというふうに考えております。
#294
○喜屋武眞榮君 開設したばかりでありますので、すぐ普及ということはおいそれとはいかぬと思いますが、とにかく最善の努力を払ってその優良品種の普及育成を、このことを強く要望いたしたいと思います。強く要望いたしておきます。
 次に、この基盤整備についてですね。基盤整備について、よく沖繩農業は他県に比較してその基盤整備の面から二十年ないし三十年のおくれがあるということをよく言うのでありますが、そのおくれた基盤整備を本土並み、他県並みに持っていくにはどのように何年で水準に持っていくという計画を持っておられるかどうか、お聞きしたいと思います。
#295
○政府委員(大場敏彦君) 沖繩農業の問題、いま御指摘になりましたように、一つは水の問題で、干ばつ対策あるいは排水事業、そういったことが一つであります。それからもう一つは、やはり、ただいま御議論になっておりましたように、省力化と生産性を上げるという意味での圃場条件の整備とかあるいは農道、そういったことでございますが、そういったものをひっくるめまして土地基盤の整備についてはまあわれわれ精力的に努力をしております。
 ただ、いま御指摘のありましたように、何年までに内地の水準並みのと、こういう計量的ないま計画を持っているかどうか、ちょっと私確めてまた後ほど御連絡申し上げたいと思いますが、少なくとも今年度の予算で申し上げますれば、五十三年度は、当初予算ベースで言いまして対前年比一四九%、それから補正後で一五六%というようなことで、かなり沖繩に重点的な予算の配賦をしているということでございます。もちろん、これは五十三年度、五十四年度も同様でございまして、同様な方針でいま大蔵省と来年度の予算につきましても折衝中であります。
#296
○喜屋武眞榮君 これもひとつ、立ちおくれを一日も早く本土並みに持っていってほしいと強く要望しておきます。
 次に、サトウキビ生産合理化緊急対策事業の継続実施というこういう強い要望が出ておりまするが、これは結論だけ申し上げますと、五十四年までは毎年十億、鹿児島と両方ですが、十億という約束が出ておりますね。それを五十五年以降も継続してほしいという一つの要望と、それから五十四年までの十億を額をふやしてほしいと。ということは、一応御配慮を願って緊急対策事業の補助が出たわけですが、やっぱり実際問題としては、この沖繩の病害虫、台風、干ばつの被害を受けてその割り当て反収というのは思うほど予想どおり伸びていない、こういう事実があるわけなんですね。だから、どうしてもその額をふやしてほしい。この二つ。
 それから続けて、もう一点ありますので、時間の関係もありますのでこれはまとめてお答えください。
 次は沖繩産の含みつ糖、いわゆる黒砂糖ですね――の保護措置の強化について強い要望が出ております。これは結論を申し上げますと、結局、分みつ糖は法によって保護されておる。ところが、含みつ糖は毎年毎年それに準じてという形で要望して非常に不安の立場にあるわけなんですね。たとえば、五十二年には約十二億の補助が出ていますね。五十三年には約十四億と。ところが、五十四年度は三千万トンの増収の大体見通しということで、この割りからすると約十八億の見込みだという要望が出ておるわけなんです。たしか十八億の要望が皆さんのところにも来ておると思います。しかし、これも法によって裏づけられておればこういった不安もなくまためんどうもないわけなんですが、これをぜひひとつ。
 第一は、含みつ糖は特に離島の中のさらに小さい島々に、本当は分みつにしたい意欲はあるけれども、自治体ではどうにもならぬ、こういうことであるわけですので、ぜひひとつ、地域対策、離島振興対策からの配慮、こういう立場から額も要望にこたえてほしいと。それから、財政事情に左右されるという、毎年毎年の時の情勢によって、その財政事情によって左右されておるという不安があるわけなんですので、その安定措置を、いわゆる特別立法措置を講じてもらいたい、こういうことなんです。そしてなお願わくば、離島もできれば分みつ糖にしたい要望を持っておるが、その分みつ糖施設を自治体では設置できない。これを国の補助によって工場施設をしてもらえばいつでも分みつ糖に転向する意思はあるわけなんです。こういうことでありますので、この二点についてひとつ政府の立場を明確に答えてほしい。
#297
○政府委員(二瓶博君) 第一点のサトウキビ生産合理化緊急対策事業の関係でございますが、これはただいま先生からお話しございましたように、五十二年度から予算を十億というふうにふやしまして、これを三年間引き続き実施するということになっておるわけでございます。したがいまして、これを五十五年度以降継続するのかどうかという問題につきましては、これは今後のサトウキビの生産事業等を勘案をいたしまして、この辺は慎重に検討をしてまいりたいと、こういうことでございます。
 それから第二点といいますか、それでは五十四年度分、これについて十億ではなしにさらに増額してほしいというこの件につきましては、五十二年度にこれを、こういう線を決めます際に、一応五十四年度まで三年間十億という線で決まったと了解しておりますので、これの増額という問題については困難であろうかと、かように考えております。
#298
○委員長(寺田熊雄君) ちょっと時間が大分超過していますのでできるだけ簡単に。
#299
○政府委員(犬伏孝治君) 含みつ糖につきましては、沖繩の離島経済に占めます重要性にかんがみまして、復帰前の流球政府の施策を引き継ぎまして、復帰対策の一環として、当分の間販売価格とコスト価格との差の三分の二を国庫で補給する助成措置を講じてまいっております。四十八年にはその助成額は二億六千二百万でございましたが、五十三年度では、先ほどお話がございましたように、十四億三千百万ということで、約四倍以上に増額をしてまいっております。この含みつ糖につきましては、当面このような保護措置を講じてまいりたいと考えておりますが、事業団の売買の対象とすることにつきましては、品質がまちまちでありまして、また含みつ糖には固有の用途がございまして、一般の砂糖価格との関係から動向は必ずしも同じような傾向を持つということではなしに、独自の価格形成をしておるということから、事業団の売買対象にするということはなかなか困難ではないかというふうに考えております。
 なお分みつ糖化をしていくということで製造施設をつくるという点につきましては、やはり分みつ糖工場が一つの生産単位として構成できるような生産数量というものを確保することがどうしても必要でございまして、それらの点につきましては今後の生産状況の推移を見ながらさらに考えてまいりたいと、かように考えております。
#300
○喜屋武眞榮君 最後に大臣に……。
#301
○委員長(寺田熊雄君) 簡単に。
#302
○喜屋武眞榮君 簡単に、これは甘味資源の問題を中心として日本の農政にかかわる根本の問題だと私は考えておりますので、率直な御所見を承りたい。と申しますのは、日本国民の年間甘味消費量は約三百万トンでありますね。その三百万トンのうち八〇%以上が外糖である、輸入であります。国内は二〇%足らず、だんだん落ち込みつつある、シーソーもあるわけですが。ところが、毎年のように沖繩農民がサトウキビの値段を上げてくれ上げてくれと、こういう形で嘆願しておると。それを国は農民の生活をかわいそうだから補助してやろう、支えてやろう、こういったあり方ではなしに、根本的な問題といいますのは、この八割以上外国に頼っておるこの甘味を、国内自給を根本的に再検討することによって、西洋諸国も、先進国はいわゆる国内自給を高度に高めて足りない分は外国から買うという、これはもう至極当然常識だとこう思うわけなんですが、こういう前提には、いま甘味の三百万トンの八割以上と申しましたが、食糧輸入のランクからしますというと、金額にして甘味が第一位じゃありませんか、最近の統計によりますと。私もう忘れもしませんが、三千三百八十四億三千八百万円、これは第一位です。これをこの外国からの輸入を少しでも減らすことによって……
#303
○委員長(寺田熊雄君) 喜屋武君、大分時間が超過していますので簡単にお願いします。
#304
○喜屋武眞榮君 少しでも減らすことによって、ということは国内自給を高めること以外にはない。その自給の場は、サトウキビと言えば何と言っても沖繩県、鹿児島県の地区である。てん菜は北海道である。だから、質量ともに十分広げていく。そうしてうんと規模をもって再生産をさせる。そのためにはやっぱり糖価を安定して守ってやるという、こういうことにならなければいけないと、こう思うわけなんですが、このことをいつもこのサトウキビ問題に触れるごとに、基本的な日本の農政のもっと根本的な再検討をする必要があるのではないかと、こう思うわけなんです。時間が少し延びましたが、大臣の御所見を承って終わります。
#305
○国務大臣(中川一郎君) 食糧の自給率向上というのは、これは国家安全保障上から言っても大事である。そのために努力しておるわけですが、砂糖の自給率が低いということも御指摘のとおりでございます。したがって、これを伸ばさなきゃいかぬというのは、沖繩の県民やあるいは北海道農民のためだけではないということは確かに言えると思う。ただ、価格が国際価格に比べたら恐らく五倍、十倍と言ってもまだ言い足りないぐらいきわめて高いものになっているわけです。その高い分はどこから埋めているかというと、消費者の負担と国家の財政と、両面から出ているわけです。自給率は上げなければならないけれども、そのように五倍、六倍、十倍というようなものを長年にわたってやることが国民経済的に許されることかという問題もあります。しかし、価格を同じにしろと言ってもできないことはよくわかっておりますから、相当無理があってもふやさなきゃいけない、こういうことは事実だろうと思いますし、そのためにやっておるわけですが、その場合、ビートを伸ばし、サトウキビを伸ばす場合、価格ももちろん大事ですから五、六年間の間に三倍にもしたわけですが、やはり長期的にはもっと体質をよくする、生産性を上げるために。そして農家もよくなる、自給率も上がっていく、こういうことに重点を置くべきではないか、こう思っておりますし、自給率ということもわれわれの頭の中に置きながらやっている。どうかひとつ御理解いただきたいところでございます。
#306
○野末陳平君 競馬をテーマにします。
 電話投票制というのが最近は充実してきたという話ですけれども、いまこの制度に加入している人ですね、つまり電話で馬券を買っている人がどのくらいいるか、そこから。
#307
○参考人(小沼勇君) 昭和四十九年から始まりまして、五十三年の十月現在で二万六千四百六名でございます。
#308
○野末陳平君 そうしますと、その人たちから保証金は一人当たり幾ら預かって、現在の保証金の預かり総額は幾らになっておりますか。
#309
○参考人(小沼勇君) 二十六億四千六十万円でございます。
#310
○野末陳平君 二十六億ちょっとですけれども、かなり大きな額を預かっているわけですね。
 念のために、この制度が始まってから毎年末の保証金総額の推移、これについても参考までにお願いします。
#311
○参考人(小沼勇君) 四十九年二月に九十五名で六百九十万でございまして、四十九年の末には百九十六名で千四百二十万円、五十年の末には六百四十二名で四千五百七十万円、それから五十一年末には三千三百二十名で三億一千二十万円、五十二年の末に一万三千六百五十九名で十三億四千四百三十万円、それで五十三年の十月に先ほど申しました二万六千四百六名で二十六億四千六十万円、かようになっております。
#312
○野末陳平君 そうしますと、この保証金は、預かっている以上、競馬会に何がしかの金利も入ってくるだろうと思うんですが、いままで金利はどのくらい入りましたか。
#313
○参考人(小沼勇君) 大体この金利、普通預金口座に入っておりますので、二分でございますが、それを加入者の全体にしますと、半年計算になりますので、ざっと申し上げますと、三千四百五十四万円という金利になります。
#314
○野末陳平君 そうすると、加入者との契約でこういう預かった保証金の金利は加入者には全く払わないという話でしたね、ぼくがかつてここで質問したとき。
#315
○参考人(小沼勇君) 私ども、もともと保証金を取って電話投票をやるという考え方は、必ずしもそれがベストだというふうには考えておりませんでしたが、いまの銀行の体系から言うとやむを得ないということで保証金の方式をとっておりました。したがいまして、その保証金については金利を含めまして競馬会に入る仕組みになっておったわけでございます。
#316
○野末陳平君 そうしますと、利息を含めまして保証金の扱いというのは、競馬会が加入者からいわば一任されておると。つまりこういう金はどういうふうに利用してもいい、どう運用してもいいというような決まりで始めたと、こういうことを再確認ですが、理解しておいていいですな。
#317
○参考人(小沼勇君) さようでございます。
#318
○野末陳平君 さて、そうしますと、現在二十六億何千万円かという金があるというのですが、このお金を競馬会がどういうふうに使っておるか、年々伸びているわけですがね。去年末では十三億とかという話ですが、これをいままでどういうふうに運用してきたか。この金の使い道ですね、これについても説明してください。
#319
○参考人(小沼勇君) 普通預金口座で各銀行に入っておりますので、そのトータルを先ほど申し上げたわけでございます。普通預金口座に入れたものについて、これを特に区別をしてどういうふうに使うというやり方はいたしておりませんけれども、年々ふえてまいります電話投票の施設、また加入者も今後もふえてまいりますが、従来もこれだけ急速に伸びたものに対しまして、私どもはそのファンサービスとしてこのお金を有効に使ってまいったわけでございます。
#320
○野末陳平君 ファンサービスに使うと。預かり金という性格から言ってもそれは当然だと思うのですが、その有効に使ったというのはどういうふうに有効に使ったか、その辺がちょっとわからないんであえてお聞きしているわけなんで、何か口座でごっちゃになっているという話ですが、ごっちゃになっているのはこれは仕方ありませんね、金に一々出どころが出ているわけじゃありませんから。しかし、ほほ十何億あるいは二十億の金はこの方面にという具体的な使い道ですね、いままでの。それについてもう少し説明がほしいですがね。
#321
○参考人(小沼勇君) この電話投票を開設いたしまして、まず新しく電話の機械を入れ、それからその運転をするわけでございますけれども、さらにそれの、何といいますか、サービスといたしまして、幾ら売り上げが、たとえば個人で馬券を買った方が当たって残高がどうなっておりますということもそれぞれ通知をする、また、それについてのテープを全部記録するというふうなことまで含めて、非常に懇切丁寧なサービスをいたしておるところでございます。
#322
○野末陳平君 まあそういうことにお金を使われているという説明はわかりますが、しかし、現実にごっちゃにしているということがどうか、何となくすっきりしないですがね。いろいろな金の中でやっているわけで、特にこの金をそういう具体的使い道にのみ利用しているというふうには先ほどの答えでとれなかったんで、改めて聞きますけれども、いわゆる出納の上ではこれはどういう項目に入っているんですか。収入として入れているんですか、それとも別の項目ですか。
#323
○参考人(小沼勇君) 保証金は預かり金でございますが、当座預金口座にそれぞれ銀行に入っておりますけれども、これは預かり金の勘定項目になります。
 それから利息は、その預かり金の預金口座から出てくる利息収入――収入ということになるわけでございます。
#324
○野末陳平君 そうすると、預かり金として計上していながら、運用するときにほかの収入や何かとごっちゃになって、支出面ではいま言ったような使い方だと思うんですけれども、この二十数億になった預かり金が一々いままでどういうふうに使われているかというような点で報告あるいは公表というような形でされましたか。あるいは農林水産大臣のところへ、この預かり金はこういうふうに使ってある、別のものであるというようなことは報告されているわけですか。
#325
○参考人(小沼勇君) 別のものという形での報告はいたしておりませんが、電話投票全体について設備の拡充等をいたしておることにつきましては、計画を含めて報告をいたしております。
#326
○野末陳平君 まあ別に競馬会でこの金をどう使おうと、それは加入者があれこれ言うような契約ではないそうですからいいんですけれども、ここまで額が大きくなりますと、やはりこの金をどう使っているんだ、あるいはファンサービスと一言で言うけれども、競馬公害なんという面から言えば、そっちの方にも運用をしてしかるべきであると思ったり、いろいろな疑問は出てくるわけですね。特に加入者にとっては、全く自分らの金が、一人あたり十万円、利息を含めて何十億かの金になっている、これはどう使われているんだ、どうもわからぬ、ほかの金と一緒になって競馬会がとにかくいろいろなことに使っているらしいけれども、どうもすっきりしないと、こういう疑問は当然出てくると思うわけですね。
 そこで、大臣に改めてお伺いしたいんですけれども、現在二十六億円だと。これはしかも預かっている金ですね。これは加入者に対する責任もあるし、いわば公共性が出てきている金だと、こうぼくは考えるわけですね。ですから、競馬会が一存で使っていいものだというふうにも思えないし、やはり一番好ましい使い方ということが大事なんで、いままでその点をあいまいにしていたというか、はっきりさせていなかったというのがぼくはおかしいような気がするんですね。大臣はその点でどうお考えでしたか。
#327
○国務大臣(中川一郎君) この仕組みが始まりましてそう歴史の古いことでもありませんし、あるいは御指摘のようにもっときちっとした方がいいのかもしれませんが、何分にも初めて聞きますので、ひとつ検討させていただきたいと思います。
#328
○野末陳平君 それでは農林水産省の方に、畜産局の方にお伺いしていきましょう。
 私、先ほども言いましたけれども、やはり、こういう金は預かっているんだということで、ほかの収入や資産と一緒になって運用するということ自体はやはり避けるべき性格の金にもうすでになっている、こういうことを考えますが、その前提ですね。どうなんでしょうか、やはりこれは競馬会が自由に使える金なんだというふうには思えない。強いて言うならば、この金は別にこういうふうに使うんだという計画のようなものを持つべきである。ですから、いまここで説明を聞くと、電話投票の方にあれこれと言ったけれども、それは預かった金でそういう方面に使わなくても、ほかに競馬会には金もまたあるわけですね。ちょっとその辺があいまい。
 そこで、畜産局にもお伺いしますけれども、競馬会がこの制度を取り入れて年々ふえてきた、金がどんどんふえてくるということに対して、この金の扱い方について、いままでそちらでいろいろな議論の対象になったのかどうか。そして、畜産局としてはどうすべきであったといままで考えていたか。その辺のことも、ちょっと大臣はおわかりにならないようですから答えてください。
#329
○政府委員(杉山克己君) この電話投票方式は四十九年に試験的に採用されたわけでございます。以来四年を経たわけでございますが、だんだん問題点も解明されたその過程におきまして、加入者の数もかなりふえてきて、どうやら軌道に乗ったと言える状況であろうかと思います。ファンサービスということや場内の混雑緩和ということ等を考えますと、今後これはやはり伸ばしていくべき方向にあるというふうに基本的には考えております。
 ただ、御指摘のように、そのことに伴って保証金を預かる、そしてそれが多額になるということになりますというと、それについて厳正な管理を必要とすることは当然だと思います。
  〔委員長退席、理事野口忠夫君着席〕
四十九年九月の際に野末先生からも御指摘ありましたこともあり、私どもといたしましては、その計画の進捗状況を勘案しながら、保証金につきましては、御指摘の趣旨も踏まえて検討するよう日本中央競馬会を今日まで指導してまいったところでございます。
 この間、種々検討はなされておりまして、保証の確保のあり方について、現在のような保証金をとって、金利は中央競馬会に一般の勘定に入れてしまうというのがいいのかどうかということでございますが、方式自体につきましては、たとえばロック方式がいいのかとか、保険方式がいいのかとか、さらには保証金という形でなく、加入者の預金に対して質権を設定する方式はどうかというようなことで、種々検討を進めてきたところでございます。
 最近に至りまして、まだ最終的な結論というわけではございませんが、質権設定方式による実施の見通しがどうやら立ってまいった。その具体的なやり方はどうかというようなことで検討を進めているところでございます。
 それから、経理のあり方について、そういう結論がつくまででもきちんとさすべきではないかというお話もごもっともでございますので、まだ若干の時日を要するかとは思いますが、質権設定方式の検討と絡んで関連させて、現在預かっている保証金の金利の問題についても、公正な管理をするよう日本中央競馬会を指導してまいりたいと考えております。
#330
○野末陳平君 それ、検討だけじゃ困るんで、質権設定方式というやり方が一番いいとしても、具体的にできるのかどうか。中央競馬会としては、このいまの質権設定ですか、保証金に質権を設定するというのか、その辺のことを――詳しいところはわかりませんが、できるんですか。それとも、検討なんで実施というところまではまだめどがついていないと、こういうことですか。その辺はっきりお願いします。
#331
○参考人(小沼勇君) 事務的に検討を重ねまして、大体できる見通しがつきました。つきましたので、農林水産省の御了解を得られれば、本年十一月からでも実施をいたしたいと、こういうつもりでおります。
#332
○野末陳平君 それは本年十一月だと。早い方がいいんですが、その質権設定というのは具体的に問題ないのかどうか、どのようなやり方なのか。その辺も、競馬会でも農林水産省でもいいんですか。
#333
○参考人(小沼勇君) この方法は、簡単に申しますと、加入者が電話投票利用の銀行に、これはいろいろな市中銀行がございますが、銀行に額面十万円の期間二年の自動継続の定期預金の口座を設けていただいて、その預金証書を本会に差し入れていただくと、本会はそれに対しまして質権を設定するということにいたします。と同時に、第三者に対抗する必要がございますので、公証役場で確定登記を一応する。そうしますと、一応その預金証書をお預かりしますけれども、利息については加入者が受け取る、こういうことになるわけでございます。
#334
○野末陳平君 加入者にとっては非常にすっきりしている形になりますね、いままでの方式から比べればはるかに。自分の名義の定期預金証書があり、しかも利息は自分のものであってと。それから競馬会が、何といいますか、質権は設定するけれども、それを使うことは当然できないわけで、これをそれならもっと早く打ち出してもよかったんじゃないか。何でこんな何年もかかってやっと出てきたかというのが、むしろ不思議なわけですね。それはいろんな問題、いきさつはあったと思いますけれども、この方式を早くやらないとあらぬ疑惑を招くということで、これはもし実施ができるならば、どうですか、大臣でなくて畜産局長でいいですが、ことしの十一月からでも実施できるという競馬会の答えですが、これに踏み切って指導なさるんですか。
  〔理事野口忠夫君退席、委員長着席〕
#335
○政府委員(杉山克己君) 私どもは、むしろできるだけ早く一般の皆様方から理解の得られる公正な管理の方式ということで検討方を指導してまいったところでございます。いまの質権設定方式か十一月にできると――もちろんでかしたいという希望を含めての御意見かと思いますが、中央競馬会の方から意見の表明もございました。私どもは早ければ早いにこしたことはございません。相談してできるだけ早い時期に実施に移れるように今後努力したいと考えます。
#336
○野末陳平君 競馬会に聞きますが、この質権設定方式という形をとれば、さらにこの電話投票制度というのは馬券が買いやすくなるというか、加入者がふえていくということだと思うんですよ。で、どういうめどを立てているのか。来年にはこのくらい加入者をふやしてどうすると、この設定方式をはっきりすることによってどのくらい伸びるか、その辺のめどについてもお答え願いたい。
#337
○参考人(小沼勇君) 電話投票の設備を設ける都合もございますので、一挙に急激にふえるということはなかなかむずかしゅうございますけれども、一応目標を昭和六十年までに三十万口座ということを考えておりまして、できるだけその需要に応じて早く開設をしてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
#338
○野末陳平君 まあ農林水産大臣、お聞きになったことで事の性格はそれは単純なものなんですね。しかし、もとはと言えばこういう制度が出るのも馬券が買いにくいからです。六十年までに三十万口座とは言うけれども、長い先の話で、しかも、競馬ファン全体あるいは馬券を買いたいという人から見れば大した数じゃない。売り場が少ないからですね。常にこれは問題になるんですけれども、売り場の拡張、場外馬券売り場の新設あるいは増設、そういうことを含めて競馬会はやっているようだが、何しろ地元の反対があるか、あるいはいろいろ問題はほかにもあるでしょう。計画が遅々として進まない。常に場外馬券は混雑、場内は混雑と、しかも地方都市ではテレビを見たり、ラジオを聞いても馬券が買えない、のみ屋ばっかりと、こういう事態は全然解決されていない。せめてこの電話投票で何千人か何万人かふえるという程度ですね。もう五年も六年も前からの話ですよ。
 ぼくはひとつ大臣にこの際御意見をお聞きしたいんだけれども、都会でもって場外馬券の売り場をつくろうなんてもうなかなか無理ですよ。むしろ、どこか思い切って大きな馬券センターでも、首都圏の近郊あるいは大阪でもいいんですが、そういうのをつくるような案を思い切って検討すべきで、いつまでもどこにつくろう、地元の反対でだめになりました、おしまいと、どこかいいところはないか、そればっかりの繰り返しを一体いつまでやるんだということですね。だから、こういう案があると、社会的ないろんな遠慮もそれはあるかもしれないけれども、とにかぬ馬券センターのような大きなものを近郊につくるという案が競馬会あるいは農林水産省から出れば、誘致したい市町村が出てくるかもしれないし、どうも発想の基本を少し変えないと、この場外馬券問題というか、そもそも競馬ファンに対する馬券サービス、これは解決しないと思うんですね、どうですか、大臣。
#339
○国務大臣(中川一郎君) 御指摘まことにありがとうございました。
 実は競馬につきましては、当初何か悪のようなことで、ばくち行為だというような環境もありまして、一時期はそういうものは抑制ぎみという空気でありましたが、おかげをもって健全な大衆娯楽であるというふうに定着をしてきたのではないか。ましてや、野末先生からそういう御意見があれば非常に力強い限りでありますし、特にのみ行為というのが最近言われておりますから、そういうことを排除するためにも、いまの電話による方法あるいは場外馬券、これも御指摘のとおりで、われわれのところにもずいぶん希望はあるんですが、地元が環境上悪いというので現実問題として実施できないという隘路がございます。いま言ったセンターというような前向きの構想も御指摘いただきましたが、電話の問題の早期解決とともに検討さしていただきたいと存じます。
#340
○野末陳平君 大臣は大分まあ悪というのはずいぶん古い話で、そんな社会悪というような時代じゃないですけれども、そうすると大臣、個人的にはあれですか、競馬は、とばくという言葉を使ったけれども、ギャンブルではなくて、むしろ大衆娯楽あるいはレジャーであるというような考え、これが大臣の基本姿勢ですか。
#341
○国務大臣(中川一郎君) 悪く利用すればギャンブルにもなりますが、健全にやればこんなおもしろいものはないと。私も暇さえあればやりたいなあと思いますが、暇がないためにできないだけで、ささいな金で非常に楽しめるいいものだと思っております。
#342
○野末陳平君 そこまで大臣が言っていいかどうか、それはわかりませんよ、ぼくはそう思っていますよ。サラリーマンの馬券の買い方などを見ていても非常に落ち着いている、健全化していると思いますけれども、しかし、現実に競馬会、農林水産省の需要に対する供給体制が整っていないために、のみ屋がはびこったり、その他の競馬公害のような社会悪のような面がいまだになくならないわけです。ですから、いままでの大臣は非常にこの問題に消極的だったですね。ですから中川大臣が積極的にやって、少なくも――まさか宝くじを買うように簡単にとか、たばこ屋で売れとか、そんな――そういう国もあるようですか、そこまでいけとは言いませんが、少なくもこの問題を解決しないとファンサービスということにはならないし、のみ屋ももはびこる一方。ひとつ、時間も来ましたけれども、積極的に大臣在任中にこの場外馬券の売り場拡張の問題に対して何か道筋だけでもつけておいてほしいと、そんなふうに考えますがね。
 それを最後に終わります。
#343
○国務大臣(中川一郎君) 御趣旨を踏まえましてひとつやってみたいなあと、こう思っております。ちょっと時間をかしていただきたいと思います。
#344
○秦豊君 きょうはどういうものか中央競馬がダブリますがね、私は違った観点から伺ってみたい。
 ロッキード事件ではGHQマーケット少将の置きみやげだと言われたM資金が存在として浮かび上がって、全日空元社長の大庭哲夫氏がうまうまとその落とし穴にはまったという事件があった。私がきょう取り上げたいと思いますのは、おたくの中央競馬会の特別積立金のことを取り上げたい。これはすでに永田町とか一部のジャーナリズムでは、日本中央競馬会、つまりNCKの頭文字をとってN資金と言われているきわめてあいまいな存在だと私は認識している。まず私の方から競馬をめぐる仕組みを述べますから、それを皆さんに確認をしておいてもらいたいと思うんだ、質問の前提として。
 中央競馬の現在の売り上げは、五十二年度の決算を見ると一兆一千億円、一兆円産業。その馬券総売り上げの七五%が的中馬券、いわゆる当たり馬券に対する払い戻しに当てられる。当然残りが二五%になる。残った二五%が俗に言うテラ銭になるんですね。そのテラ銭二五%のうちで一〇%が国庫納付金。金額にすると五十二年度で一千九十九億円。そうすると、当然二五から一〇%引くから一五%残るわけだが、その一五%の中で六%は馬主への賞金。したがって、中央競馬会には九%が残る。中央競馬会の方は、その九%に入場料とか登録料、土地建物貸付料、利息の収入などを加えたものを財源として、また総経費として事業を運営すると、こういう仕組みになっていると思うんです。
 そこであなた方の書類を見ると、五十二年度の純利益は五百八十七億三千万円。ところが、それはまるまるおたくに残すわけではない。ちゃんと規定があって、純利益五百八十七億の半額、五〇%はまた第二次の国庫納付金として年度末に大蔵省に吸い上げられる。吸い上げられましたても、元金が大きいから中央競馬会には二百九十八億円が残る。それからこのような金の処理としまして、法律がちゃんとあって、中央競馬会法第二十九条第一項を見ると、すべてこれを特別積立金として積み立てねばならないとあって、これは中央競馬が発足以来今日までにたまりたまって、いやためにためて、実に五十二年度の決算書類を見ると一千六百四十二億円となっている、おたくのこれは決算書類だから。私がいま冒頭に申し上げたここまでの仕組みと金額について、数字については誤りがないかどうか、そのとおりかどうかを中央競馬会と農林水産省、それから会計検査院、三者にそれぞれ伺いたい。
#345
○参考人(小沼勇君) 一点だけでございますが、馬主の方に賞金として六%というのは、実際の決算では四%になっております。
#346
○秦豊君 はい。あとはいいですね。
#347
○政府委員(杉山克己君) いま中央競馬会の方から意見がありました点を除いて、あとはそのとおりでございます。
#348
○説明員(東島駿治君) 私どもに提出されました決算書類では、先生がおっしゃったとおりの金額になっております。
#349
○秦豊君 それではいま申し上げた千六百四十二億、実に膨大な金額だと思うんだが、一体この特別積立金というのは何かという厳密な性格規定ですね、これは資料としていただいたあなた方のこの法律並びに関係法令について、どれを見ても、これだけ膨大に蓄積されている特別積立金についての厳密な規定が実はないんです。ありませんね、農林水産省。
#350
○政府委員(杉山克己君) 詳細を決めた規定はございません。
#351
○秦豊君 大変その点がずさんだと思う。全額政府出資、主務官庁農林水産省、四十九億数千万円の資本金は全部政府から出ている。いまや競馬人口一千五百万、一兆一千億円産業、しかも蓄積された千六百四十二億、大変な存在ですよ。それについて、たまりたまった金の性格規定が法律のどこにもないというあいまいさに加えて、さらに中央競馬会法の第二十九条第二項というところを見ると、「特別積立金の処分については、政令で定める。」とある。じゃその政令が一体あるんですか。
#352
○政府委員(杉山克己君) 処分の政令は定めておりません。
#353
○秦豊君 お聞きのとおりであって、特別積立金というこんな膨大な、見る人が見たらよだれがたれそうなそういう財源、金、金の山、宝の山、これについての性格規定がないし、処分についての政令までないというのは、一体この主務官庁たる農林水産省並びにそれをチェックする会計検査院としては、こんなずさんな、放漫な、安易なあり方で一体いいと思っていらっしゃるのかどうか、その点に限定してまず伺っておきたい。
#354
○政府委員(杉山克己君) 特別積立金というと、何か現金がそれにこそ特別に留保されていてそれがファンドとして活用されるというふうに受け取られがちな面がございますが、これはほかの資本金あるいは借入金などと並んで、企業会計としての貸方勘定、つまり一種の自己資本を構成するものでございます。それと見合いまして借方勘定、資産が構成されるわけでございますが、資産の基本的な部分は固定資産でございます。したがいまして、利益が積み立てられて、それは確かにおっしゃるような膨大な金額になっておりますが、これらはそのほとんどが競馬場の施設あるいはトレーニング施設、それらの増設あるいは改築等に向けられて、実際の余裕金といいますか、流動資産化しているものは全体を含めてはそういうような大きな額にはなっておらないわけでございます。その意味では、ちょっと、特別積立金という言葉ではございますが、むしろ利益留保ということで、その利益留保されたものが現実には固定資産を主とする財産となって競馬会にあると、こういうことでございます。
#355
○秦豊君 それを典型的な官僚答弁と言う。それを典型的な言い逃れと言うんです。あなた方からとった資料によれば、財産目録とか不動産、固定資産、これはちゃんと別項目になっている。いいですか、局長。しかもその特別積立金というのは一六四二億円、これはちゃんと別項目に計上されている。勘定科目は違うんだ。建物に全部化けているわけじゃないですよ、あなた。そんな説明は大変あいまいだと思う。納得ができない。
 では伺いますが、あなた方は、千六百四十二億円、五十二年度決算にいう。それを、じゃ一応金額を置いておいて、特別積立金というものは現実に存在を否定できない。じゃその運用をどうしていらっしゃる、どのように運用をしていらっしゃるのか、その細目、全容、すべてをじゃここで明らかにできますか。ぜひともお教えいただきたい。
#356
○政府委員(杉山克己君) 特別積立金自体を、それだけを何かひもつきでもって区分経理して運用しているということではなくて、先ほども申し上げましたように、特別積立金、それから資本金あるいはその他の留保金、それから借入金、こういった貸方勘定を基礎にいたしまして資産構成がなされているわけでございます。資産構成といたしましては、不動産がその大部分といいますが、一番主要な部分でございまして、これは金額的に一々申し上げておりますというと繁雑でございますので、別途決算書もございますので、五十二年につきまして提出いたしたいと存じます。
 その資産構成のうち、恐らくは流動的な資産がアベーラブルなものとしてあるのではないかという御意見になるのかと思いますが、流動資産の総額は一千五十七億円でございます。数字につきましては、いま申し上げましたように決算書でもってごらんいただくことにいたしますが、その一千五十七億円の流動資産の内訳は、これは負債に見合うものは除くとか、それからその流動資産のうちこれから第二国庫納付金に充てられるものも除く、それから設備投資が予定されているもの、あるいは実現されているもの、これも除くということにしてまいりますというと、実際の流動資産は全体としては二百十九億円ということになるわけでございます。これだけ大きな規模の日本中央競馬会を運営していくために二百十九億円程度の流動資産を留保する、手元に持つということは、私はこれは必要なことであろうというふうに考えております。
#357
○秦豊君 それでも納得できない。
 じゃ聞きますが、特別積立金千六百四十二億、流動資産千四百億円の規模。じゃ、たとえばおたくが非常に関係の深い農林中金、メーンバンクの三菱、大和、こういうところへあるいは株式運用、国債等々を含めて、あなたの言った金額と合うかどうかを照合したいから、流動資産について運用している実態を述べてみてください。どこに幾ら、どう運用しているか言ってください。
#358
○政府委員(杉山克己君) いまの決算書でもって申し上げますならば、個々の金融機関名はいまここに資料も持っておりませんので明らかでございませんが、貸借対照表の資産の部をごらんいただきますというと、流動資産として現金及び預金が六百十三億五千九百万円、有価証券が四百二十三億八千五百万円、未収金が一億一千八百万円、貯蔵品が九億一千万円、抽せん馬が五億九千百万円、その他の流動資産が四億一千二百万円となっております。
#359
○秦豊君 だから、概算しましても、現金と預金六百十三億でしょう。有価証券が四百億以上。つまり一千億を超えますよね、規模としまして。
 そこで、あなた方、中央競馬会というのは、これは農水大臣ね、かつては河野一郎さんという声の大きい人がいた、腕っぷしも強かった。歴代、政治家とは実にじっこんな間柄にある特殊法人です。初めはおたくの方の事務次官とか局長連中は天下りをきらった、いやがった。このごろは喜々として天下っていらっしゃる。妙味があるから、安定しているからですよ。いいですか。それで、いまなるほど河野一郎氏ほどの腕力を持った人はいないけれども――中川一郎氏のほかには見当たらぬが、まあ倉石忠雄氏とかあるいは安倍晋太郎氏とか山中貞則氏とか、そういう方々はあるが、まあぬきんでているのは馬主でもあるあなたの存在ではないかと私は思うんだけれども、大体、畜産局長はそういうふうにしゃらっと言ったけれども、いまどき有価証券と預金を含めて一千億、しかも利益を上げる必要が毛頭ない特殊法人がそういう宝の山を抱えているということはえてして疑惑の対象になりやすいんです。
 なぜかということはいまから申し上げますがね、かっては昭和三十年代には高金利時代があった。小沼さん、あなたに伺いますが、かつては高金利時代に特利行為というのがあったでしょう。特別利息、特利行為、普通の利息にプラス一%、二%上乗せして、当然利ざやがかせげる。その舞台になったことは否定されませんね。どうですか。
#360
○参考人(小沼勇君) 私は競馬会がそういう舞台になったということについては伺っておりません。
#361
○秦豊君 まあ、あなたはいつからか、ごく数年のことだろうからそういう答弁もここでは一応は許されるが、中央競馬会史をひもといてごらんなさい。内容を知った人に聞いてみなさい。政治家の口きき一つで膨大な金が動いて、それがいわゆる秘密工作費、政界工作費等々で使われたというのはこれはもう人口に膾灸されている。いいですか。あなたは首をかしげてここで済まそうというわけだけれども、そういうふうな金の対象になってきたわけですね。
 そこで私は、中央競馬会というふうな存在は、野末議員もファンへの還元、サービスと言われたけれども、これは笑い事じゃなくて、いわゆるもうける必要のない特殊法人である。ならば考えようがあるじゃないかと。農林中金に入っています。三菱バンクに入っていますといって安心できませんよ。その金は動かすことができる。そういうしさいな点について、じゃ局長、あるいは会計検査院、ちゃんと十全に把握していますか。自信を持って言えますか、じゃ。
#362
○政府委員(杉山克己君) 先ほども申し上げましたとおり、個別の運用の実態はここに資料も持ち合わせておりませんので後ほど申し上げる機会を得たいと思いますが、ただ、先生御指摘の中で、流動資産総額一千五十七億円、これがそっくりそのまま流用あるいは処分可能であるかのごときいま御発言でございましたが、このうち流動負債、借金をしていてそれに見合うというものは二百二十八億円ございます。これは当然、手元にあっても自分の金ではございませんからこれは除かなくてはいけないと思います。それから第二国庫納付金として、利益金の二分の一をこれから国庫に納めなくてはならないものが二百九十三億円あります。これは、ですから一時とまっているだけの話で、もうその次には国庫に移ってしまうという性格のものでございます。それから、設備投資を予定しているものはこの決算の段階でもって二百二十六億円でございます。これらを除きますというと、流動資産の総額は三百十億円でございます。
 それから、三百十億円のうちでも、退職給与の引当金でありますとか、あるいは修繕引当金でありますとか、常に使い得るような形で残しておかなければならないものを約九十一億円、これを引きますというと、先ほども申し上げましたとおり二百十九億円というのが真実処理可能なといいますか、使いやすい形である余裕金、流動資産の実質であるということになると思います。この点申し上げたいと思います。
#363
○秦豊君 局長、時間が大変制約されているから、だらだらした答弁はやめていただきたいんだが、農林中金にはワリノーとかリッノーというのがありますよね。そういうものも含め、あるいは定期性預金、恐らくこの質疑の中では煮詰まらないと思うから、これは委員長にお願いして、後ほど資料としてデテールに至るまでを出していただきたいと私思うんです。金額の位相もずれているようだから。
 そこで、会計検査院に伺いたいんだが、政府が出資している公社、公団、法人等はすべておたくの第五局に決算書類を提出して検査、分析を受け、そして公表もされていますね、その結果は。ところが、日本中央競馬会のときだけはなぜか公表されていない。なるほど、法律の第三十条では中川農水大臣に出せばいいんだというふうに書いてあるからね、時の農林大臣に。だから公表する義務がないんですという答弁なんでしょうか、どうなんでしょう。
#364
○説明員(東島駿治君) 政府関係機関及び公社、公団等につきまして全部が私の五局に参るわけではございませんで、一部、たとえば農林漁業金融公庫は四局と、各局に一応分かれております。ただ、私のところに参ります書類につきましては、全部計算証明規則によってその決算は全部私のところへ出てまいりまして、検査院で検査の結果、政府関係機関につきましては国会に御報告を申し上げているわけでございます。
 先ほど御質問の中央競馬会については、私ども全部決算書類は検査の上検査報告として公表する機会をいままで持っておりませんでしたが、五十二年度の決算検査報告からは、できるだけその決算概要について御報告申し上げたいと、このように部内でいま決めている次第でございます。
#365
○秦豊君 公表のことは。
#366
○説明員(東島駿治君) 公表は検査報告に掲記した場合には、これは当然に公表という手段になるんじゃないかと、そのように私ども考えております。
#367
○秦豊君 少し局長違うんじゃありませんか。検査報告ということはインナーキャビネットみたいなもので、内部みたいなものですよ。表に向かいませんよ。
 たとえば首都高速道路公団法を見ると、三十五条の第三項で、公団は「大臣の承認を受けたときは、遅滞なく、財務諸表を官報に公告し、かつ、各事務所に備えて置かなければならない。」とあって、非常に明記されている。類似の規定はずいぶんありますね、政府出資の法人とか公団、公社には。ところが、おたくの中央競馬、小沼さんのところだけは、やはりなぜか非常に緩やかに扱われていて、財務諸表は事業年度経過後二月以内に農林大臣に提出しなければならない、これであなた方は救われているんだ。
 だけど農水大臣、ひとつ実力大臣たるあなたに伺っておきたいんだけれども、何か新しいことをやろうとすれば必ず周辺で抵抗がある。だから、新しいことをやるのは力のある大臣でなければできない。これは官界の通例。だから、野末議員が言ったセンターの問題でも、あなただと何となくできそうなニュアンスがこぼれてくる。私がいまから聞こうとするのもそれであって、法律には書いてあるから義務がない。義務がないから公表しないと言いながら局長が幾ら答弁しても、やはり財務諸表の上では一千六百億円に近いものがもう特別積立金という名目で積まれ、しかも現金と預金で六百十三億、有価証券四百億とかなり流動性が強い財源がここにあるというふうな特殊法人、しかも利益を上げる必要がない。しかも、これからは競馬人口にややかげりありというふうなコンピューター予測がある中で、やはりぼくが考えるのはフェアな運営ということ、クリーンな会計ということ、これが一千五百万競馬ファンに依拠した特殊法人たる中央競馬会の一つのあり方としての原則ではないかと思う。法律には書いてあるが、中川大臣、ひとつ政令下――ここは法律かえる必要ないんだから、堂々とあなた方からたくさん出していただいた競馬会、おかげでことしはこうです。財務諸表は以上のとおりと言って官報に公告をするという労をおとりになりませんか。いかがですか。
#368
○国務大臣(中川一郎君) 確かに、大衆娯楽であります中央競馬会がいまのような黒い目で見られるということはまことに遺憾なことで、クリーンでなければならないし、フェアでなければならないということで、そういう疑いの持たれないような仕組みについて具体的にどうするかについては、私も事務屋でございませんから、法律その他に照らし合わして、疑いの持たれない形での処理ができるようにしてみたい、こう思います。
#369
○秦豊君 最低歯どめは大臣、二つあると思う。まず財務諸表を官報に公告すること、そして営業所、事業所等に備えつけること、だれでも閲覧できますからね。もう一つは、政令をやはり定めてもらいたいということ、今後競馬がどうなろうとも、少なくともこれだけの積立金があるんだから。野末氏が指摘したのが二十数億、この財務諸表によれば一千億を超える有価証券と預金です。これはやっぱり使途について、処分については政令をぜひあなたの代につくり始めていただきたい。お約束願えますか。
#370
○国務大臣(中川一郎君) 前向きで研究してみます。
#371
○秦豊君 おたくのリストによると、十二名の理事並びに監事のうちの五名が農水省、圧倒的優勢。そうしておたくから生え抜きの人を含めて七名と、こういう比率だが、主なところは農水省が握っている。ところが、会計検査院、数年前に最も峻厳、秋霜烈日でなければならないあなた方、鬼よりこわいはずの会計検査院から中央競馬会に天下りをしたという事実があるでしょう。しかも、そのあたりの課長、部長じゃない、平の職員じゃない、新入社員じゃない、理事に次ぐ監事という要職で天下ったという事実があると私は思うんだが、いかがですか。
#372
○説明員(東島駿治君) 先生御指摘のとおり、四十八年九月から五十一年九月まで私どもの元第三局長をしておりました斉藤信雄が監事として就任しております。その後、現在はもう実際上退職しておりますけれども、これは当時私が仄聞したところによりますと、競馬会というものは相当の国庫納付金をやる、会計経理について相当厳重に検査しなくちゃいけない、また、内部においても相当の内部監査を必要とするということで、私どもの上層部にお話があって監事に就任したというふうに聞いておりますが……
#373
○秦豊君 時間がないから簡潔にしてください。そこまででいいです。
 そんなのは答弁にも言いわけにも何にもなってませんよ。なるほど、ほかの諸官庁に比べたらおたくはなかなか独立性が強くて、ために天下り先が少ない、植民地が。だからという理由は一応エクスキューズはあるにしたって、いやしくも公認会計士であるから、経理の専門家は会計検査院に依拠しなくとも無数に存在する。よりによって会計検査院から天下るという理由には断じてなりませんぞ。当委員会はあるべき姿も論じられるし、現状も論じ得る、またかつて行われた事実についても追及できる委員会だと思う。だから聞いているんだが、そんなことは会計検査院が日本中央競馬会に人を送り込んだ理由にも何にもなりませんよ。実に不当なけしからぬことだと私は思う。あなたは院長じゃないから気の毒であるが、古い話だから気の毒であるが、たかだか五年じゃないですか。どういう理由で、じゃ前非を悔いてやめてもらったんですか、あるいは、今後断じてないとあなた約束できるんですか、どうなんですか。非常に不当ですよ、あなた。
#374
○説明員(東島駿治君) これは任期が参りまして退任したというふうに聞いております。
#375
○秦豊君 時間がそろそろのようですから終わります。
 終わりますが、大臣、やはりこの程度の短い質疑でとても尽くせないほど、つまり、いやしくも李下に冠を正さずであって、いやしくも疑惑めいたものの対象になってはならない。そのことが、いまやスポーツで、レクリエーションで定着しつつある競馬、膨大な千五百万ファンに対する一つの責務でもあるでしょう。だから、やはりここでは政令、官報を含めて、野末委員も指摘したけれども、ファンへの還元、円高差益の還元じゃないけれども、ため込む必要がない特殊法人なんですよ。だからあなた方がせっかく監督課というセクションもおありなんだから、文学どおり監督をしていただく。会計検査院は妙な色気を出さないで任務に徹する。両々相まってこの日本中央競馬会というのをもっとフェアに、もっと風通しのいい、そういう存在にしてもらいたい。最後に中川大臣のそれについての御見解を伺っておいて終わります。
#376
○国務大臣(中川一郎君) いろいろと御指摘まことにありがとうございました。
 私どもも十分監督してまいらなければなりませんし、現実、何か昔のことは私知りませんが、最近はまあきれいにやっているんだろうと思いますが、仮にもそういうことがどうも怪しい仕組みになっていると言われたんでは、正しくやっている人の立場も誤解されては気の毒だと思いますから、風通しよくだれにもわかりやすいという仕組みについて研究したいと思います。
#377
○委員長(寺田熊雄君) 畜産局長、いま秦議員の要望された資料は提出されますか。
#378
○政府委員(杉山克己君) 御要求のありました資産運用の内容について、後ほど提出いたしたいと考えます。
#379
○委員長(寺田熊雄君) 他に御発言もなければ、農林省及び農林漁業金融公庫関係の決算についてはこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#380
○委員長(寺田熊雄君) 次に、継続審査及び継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十年度決算外二件及び国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中も審査及び調査を継続することとし、継続審査要求書及び継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#381
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#382
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#383
○委員長(寺田熊雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 昭和五十年度決算外二件の審査及び国家財政の経理及び国有財産の管理に関する調査に資するため、閉会中においても必要に応じ政府関係機関等の役職員を参考人として出席を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#384
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、日時及び人選等につきましては、これをあらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#385
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#386
○委員長(寺田熊雄君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 国家財政の経理及び国有財産の管理に関する実情を調査し、もって昭和五十年度決算外二件の審査に資するため、閉会中に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#387
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#388
○委員長(寺田熊雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 次回の委員会は、来る十月二十七日に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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