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1978/10/17 第85回国会 参議院 参議院会議録情報 第085回国会 運輸委員会 第2号
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1978/10/17 第85回国会 参議院

参議院会議録情報 第085回国会 運輸委員会 第2号

#1
第085回国会 運輸委員会 第2号
昭和五十三年十月十七日(火曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月十二日
    辞任         補欠選任
     柳澤 錬造君     和田 春生君
 十月十三日
    辞任         補欠選任
     和田 春生君     柳澤 錬造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         三木 忠雄君
    理 事
                高平 公友君
                安田 隆明君
                青木 薪次君
                太田 淳夫君
    委 員
                井上 吉夫君
                伊江 朝雄君
                石破 二朗君
                江藤  智君
                木村 睦男君
                佐藤 信二君
                平井 卓志君
               茜ケ久保重光君
                瀬谷 英行君
               目黒今朝次郎君
                田代富士男君
                内藤  功君
                柳澤 錬造君
   国務大臣
       運 輸 大 臣  福永 健司君
   政府委員
       運輸省海運局長  真島  健君
       運輸省船舶局長  謝敷 宗登君
       運輸省船員局長  向井  清君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        村上  登君
   説明員
       資源エネルギー
       庁石油部石油備
       蓄対策室長    森清 圀生君
       労働省職業安定
       局雇用政策課長  白井晋太郎君
   参考人
       日本造船工業会
       副会長      南  景樹君
       全日本造船機械
       労働組合書記長  穂刈 直巳君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○特定船舶製造業安定事業協会法案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。
 本日、山崎竜男君から文書をもって都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(三木忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 ただいまの理事の辞任に伴い理事が一名欠員となりました。この際、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(三木忠雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に高平公友君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(三木忠雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 特定船舶製造業安定事業協会法案の審査のため、本日の委員会に日本造船工業会副会長南景樹君及び全日本造船機械労働組合書記長穂刈直巳君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(三木忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(三木忠雄君) 特定船舶製造業安定事業協会法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。福永運輸大臣。
#8
○国務大臣(福永健司君) 議題となりました特定船舶製造業安定事業協会法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 昭和四十八年の石油危機以後の船舶建造需要の世界的減退、昨年後半以降の円相場の高騰等により、船舶製造業は深刻な不況に直面しており、特に外航船の建造を主体とする総トン数五千トン以上の船舶の建造施設を有する特定船舶製造業におきましては、造船能力が著しく過剰となり、かつその状態が長期にわたり継続すると見込まれております。このような事態を放置すれば、これらの企業の経営は著しく不安定となり、雇用不安を生じるなど重大な社会的経済的混乱を引き起こすおそれがあるのであります。
 こうした事態を回避し、特定船舶製造業における不況の克服と経営の安定を図るためには、特定不況産業安定臨時措置法の規定に基づいて定める特定船舶製造業に関する安定基本計画に従って、その過剰設備の処理を促進することが現下の急務であります。しかしながら、特定船舶製造業は、その特殊性から過剰設備の計画的な処理を推進するには、事業場単位でこれを行わざるを得ない事業者が相当数に上り、特に造船専業度が高い事業者にあっては、自主的な努力をもってしてはその円滑な実施が困難な実情にあります。
 このような特定船舶製造業の実情に対処するため、特定船舶製造業安定事業協会を設立し、特定船舶製造業の用に供する設備及び土地を事業場単位で買収する等の業務を行わせることといたしまして、この法案を提案することとした次第であります。
 次に、この法案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、特定船舶製造業安定事業協会は、特定船舶製造業について学識経験を有する者が発起人となり、運輸大臣の認可を受けて設立されることとなっております。
 第二に、特定船舶製造業安定事業協会の主な業務といたしましては、特定船舶製造業のすべてが廃止される事業場の設備及び土地をあわせて買収するとともに、買収した設備及び土地の管理及び譲渡を行うこととしております。なお、同協会は、業務の開始前に、業務の内容、その実施時期等に関する業務実施計画を作成し、運輸大臣の認可を受けることとしております。
 第三に、特定船舶製造事業者は、特定船舶製造業安定事業協会の業務に要する経費の一部に充てるため、同協会に対し、建造船価に毎年度運輸大臣が海運造船合理化審議会の意見を聞いて定める納付金率を乗じて得た額の納付金を納付しなければならないこととしております。
 第四に、特定船舶製造業安定事業協会に対する政府及び政府以外の者の出資、政府の補助、監督命令等につき所要の規定を設けることといたしております。
 以上が、この法案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重な御審議の上、速やかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#9
○委員長(三木忠雄君) これより本案の質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#10
○太田淳夫君 それでは、ただいま趣旨説明のございました特定船舶製造業安定事業協会法案につきまして質問さしていただきます。
 現下の造船業界のいろいろな不況につきましては十分私たちも承知いたしておりますし、それに対する運輸当局の取り組みもまた評価しておるわけでございます。また、このたびこの法案ができまして、一日も早くこれが効果を発揮できますように私たちも願っておるわけでございますが、多少疑問に思う点がございますので、何点かお尋ねしたいと思います。
 最初に、この法案の設立の項で第十四条がございまして、この第十四条に、「運輸大臣は、前条の規定により認可をしたときは、遅滞なく、発起人が推薦した者のうちから、協会の会長、理事長又は監事となるべき者を指名する。」と、こうございます。そして、その第二項で、協会の成立のときにおいて、会長、理事長に任命されるわけですけれども、いままでもこういった法律を見てみましても、余り会長、理事長という立場はない例が多いわけです。理事長だけというところが大体多いんじゃないかと思うんですが、長に長を重ねるような形になってまいりますと、とかく国民の中には疑惑を持たれる方がみえるわけですね。また運輸省として天下りの先をつくったのかしらというような感じもまたありますし、また今回のこの法案の中身から言っても非常に重要な立場の協会ですから、非常に大物の方を据えられまして、この業務が円満にいくようにということを考えてみえるようにお聞きするわけですが、その点、明確に運輸大臣の方から御答弁願いたいと思います。
#11
○国務大臣(福永健司君) ただいま太田さんのおっしゃるような御心配、確かにあろうかと思います。でございますが、その一面、非常に今度つくるこの協会は重大なものであるから、それなりのいろいろの配慮をすべしという意味の示唆をいただいておるのでありますが、この点につきましては私どもといたしましては、この深刻な事態に直面してなるほどという協会をつくらなきゃいかぬ、そういうことから、一口に申しまして、会長というようなものに適した者を、同時に理事長に適したものを同一人で兼ねておればそれもいいようなものでございますけれども、普通の協会と違いますので、私どもといたしましては本当に大きな立場から、広い範囲にわたって目を配り、配意できるような、そういうような会長を選び、またいろいろの事務的なこと等につきまして公的な人物を理事長というようなことにして、普通の組織よりは違う、一見ダブったように見えますけれども、それほどまでにもして何とかうまくやらせなきやならないと、こういう考慮から出ておりますので、いすを幾つか用意していろんな連中にそういうところへ腰かけてもらうようにというようなことでは全然ございません。挙げて非常に大切なものであるから、その大切なものに対処するようなことにしなければならぬ、これが私どもの考えております点でございます。
#12
○太田淳夫君 わかりました。それでは次にまいります。
 第二十九条の点でございますが、これは業務について規定されているわけでございますが、第一項第二号ですが、「買収した設備の管理及び譲渡又は廃棄を行うこと。」と、こうございますが、この過剰設備の処理を推進するという中で、買収したその設備の譲渡ということになりますと、これは具体的にどういうことになるか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
#13
○政府委員(謝敷宗登君) 第二十九条の「買収した設備の管理及び譲渡又は廃棄」ということでございますが、具体的には、買い上げました設備につきましては、これは設備の性格からいいまして廃棄のものが多いかと思います。三に書いてございます「土地」につきましては、これは具体的に土地を考えてみますと、造船業の置かれております土地は臨海地としての特徴がございますので、これを生かした利用が期待できると考えておりまして、これのために企業とかあるいは地方公共団体または公社、公団等が土地の譲渡先として考えられるわけでございます。その際に、私どもとしては国土の有効利用が図られ、産業の開発及び経済社会の発展に寄与し得るか否かを判断して、譲渡先を選定することとしております。
#14
○太田淳夫君 いま譲渡先の案の基準もお話がありましたけども、第二十九条のいま第一項第一号のことをちょっとお話あったわけですね。「設備及び土地を併せて買収する」と、その買収の基準とか、あるいはまだないと思うのですが、土地とか設備の売り渡し先の、そういった具体的の見通しはあるわけですか。
#15
○政府委員(謝敷宗登君) ただいまの造船業の置かれている状況から言いますと、造船企業がみずから直ちに自分の土地及び設備を処分するということはなかなかむずかしいわけでして、その意味でこそ、この協会の設立の意義があろうかと思います。そういう状況でございますから、具体的には特定不況産業安定臨時措置法によります安定基本計画ができまして、企業がそれに基づいてそれぞれの設備の処理を今後真剣に検討していくわけでございますが、その過程でこの協会に設備及び土地を売り渡すという者が出てくるかと思いますが、出てくることがあり得るということでございますが、具体的にまだどの企業がどういう事業所をということは固まっておりませんので、この協会が設立をされました後に出てきます具体的な例に当たって、先ほど申しましたような点から検討して、買収し、譲渡をしていくと、こう考えております。
#16
○太田淳夫君 この法案によりまして、設備または土地が買い上げられまして、大体零細のところですと一事業所一基とかいうような、そういうところが多いんだと思いますが、当然その企業の従業員という方々も廃業となれば失業ということが考えられるわけですが、そういった従業員に対するやはり配慮というものは当然これは十分に考えていかなきゃならないと思いますが、その点はどのように対処されますか。
#17
○政府委員(謝敷宗登君) この協会法は、さきの国会で成立をいたしました特定不況産業安定臨時措置法と相まって、造船業におきます過剰施設の処理を円滑に推進するというのが内容でございますので、まず安定基本計画がこの特安法によってできることになりますが、特安法の三条五項の規定によりまして、特定船舶製造業の労働者の雇用の安定及び関連中小企業の経営の安定に十分配慮したものになることとなっております。したがいまして、本協会が行います設備及び土地の買収は、安定基本計画の定めるところに従って、事業者が譲渡の申し出をしてくるわけでございますので、協会が買収を行うに当たりましては事業者が雇用の安定及び関連中小企業の経営の安定に十分配慮しているということを確認して行うように指導してまいりたいと考えております。
#18
○太田淳夫君 協会は六十四年度末までに買い上げた設備等を売り渡したりまたは廃棄すると、このように記述されておりますが、この法案では解散の時期というのを規定しておりませんが、それは何かやはり理由があってそういうようになっておりましょうか。
#19
○政府委員(謝敷宗登君) 特定船舶製造業安定事業協会につきましては、先生御指摘のように、現在のところは昭和六十四年度末までに業務を終わりまして解散できるものと考えておりますが、今後の経済情勢の変化等、予測しがたい事態が生ずるおそれもありますので、本法案の目的の達成のために必要な時期ということを考えますと、この法案自身に解散の確定時期を明示するには適当ではないかと考えた次第でございます。
#20
○太田淳夫君 次にまいりますが、次に、六十年までの需給ギャップが三五%ということで、三五%の設備の処理を行うということになっておりますが、海造審での建造量の需要見通しではハイケースとローケースというケースがあるわけですが、ハイケースでは昭和六十年までに六百四十万トン、ローケースでは三百四十七万トンですが、なぜこの上限の数字を対策推進の前提数字としたのか、その点ちょっとお聞きしたいと思うんです。
#21
○政府委員(謝敷宗登君) 本年の七月に海運造船合理化審議会におきまして、造船業の安定化方策いかんという諮問に対しまして慎重に御検討いただいたわけでございますが、この審議会におきまして、特に需給の問題が根幹になるということを考慮しまして、当初需給検討サブグループ、その後需給検討小委員会というものに改組して鋭意検討していたわけでございます。
 答申の中に先生御指摘のように、今後の造船業の経営の安定化ということで、昭和六十年の数字を二つ出しております。ハイケース、ローケース、先生御指摘のとおりでございますが、六十年におきましてハイケースを設備処理のめどといたしました理由としましては、六十年におきます需給状態を考えます際にハイケース、ローケース、いずれかのその間というようなもろもろのケースが考えられるわけでございます。しかし、設備処理という物理的な設備の廃棄もしくは長期の休止ということになりますと、にわかに需要に合わせて施設をいじるというわけにはまいりませんので、そういう意味におきまして設備削減という観点から見ますと、長期的に処理すべき過剰設備の量ということは、その時点で供給制限を来さないようなものでなければいけないという意味でハイケースの需要量をとったわけでございます。したがいまして、そのハイケースの需要量六百四十万トンと、それから現有能力との差、すなわち約三百四十万トン、約三五%をめどとしたものでございます。
#22
○太田淳夫君 この見通しを見ますと、また六十一年の需要見通しというものがハイケースで六百七十五万トンになるわけですね。この六百七十五万トンで計算しますと廃棄率というのは三一%と、こうなるわけですが、一年違うだけで廃棄率が大きく変わるわけでございますので、この対策の前提の数字があいまいでなかったかと思うんですが、その点どうでしょうか。
#23
○政府委員(謝敷宗登君) 私どもとしては、この海造審で御審議をいただきました需給の見通しそのものは、昭和六十年までを一つの期間といたしまして、その後六十一年から六十五年までは現在の時点で考え得るデータを集めて参考のためにつくったものでございます。
 いま先生御指摘の六十一年以降の数字ということになりますと、これは私どもがさつき申しましたように、参考ということで一応の予測作業は行いましたが、不確定な要素がかなり多うございます。そういうことで、設備処理率を決定する年としては昭和六十年が適当であるというふうに考えたものでございます。
#24
○太田淳夫君 では、次にまいりますが、現在のこの造船不況というものはタンカー依存型の造船業に経営の重点を移しているというところに大きな問題があったということは、これは大方異論がないところだと思います。
 そこで、造船業というのは、これは運輸省の当然認可行政のもとに置かれているわけでございますので、具体的な指導を進めた、やはり運輸省あるいは運輸大臣の責任ということもこれは大きいものじゃないかと思うのですが、その点大臣の所見はいかがでしょうか。
#25
○国務大臣(福永健司君) 御指摘のごとく運輸行政、特に造船等につきまして運輸大臣以下責任者が考えておかなければならぬこと、また特に責任について強い意識を持っていなければならぬことは当然でございます。現在こういうような状況であるというようなことについても、もちろん過去に振り返って見て考えてみなければならぬわけでありますし、また同時に将来に向かってもこういう点については重々心得て対処しなければならぬと考えております。
#26
○太田淳夫君 次に進みますけれども、この三五%の設備の処理をする中で、既存の系列の強化とか、あるいは企業の集約化あるいは経営の多角化ということがこれから円滑に進んでいくことができるのかどうか、その辺の見通しはどのように持っておみえになりますか。
#27
○政府委員(謝敷宗登君) 海運造船合理化審議会のさきの答申に至ります審議の過程の中で、今後の造船業の安定を考えます際に、国際競争力をどう考えるのか、あるいはそれぞれの企業の持っております技術力等をどう生かしていくかと、こういう点が議論になったわけでございます。したがいまして、答申の中におきましても、大手七社以外の企業、すなわち対象企業が六十一社でございますので、五十四社につきましては、大部分がいわゆる総合重工メーカーでなくて造船専業のメーカーが多いわけでございます。これらの企業は一般的に申し上げまして、金融なり技術なり営業の面におきまして弱体であるということでございまして、その経営はますます苦しくなることが予想されるので、既存系列の強化とか、企業の集約化、経営の多角化等の推進によりまして、経営基盤の強化、国際競争力の維持、涵養に努める必要があるというふうに述べられております。確かに現在極端な設備過剰状態にありまして、著しく財務状況が悪化した中手以下の企業が多いわけでございまして、これらの企業の集約化、多角化に努めることが望ましいわけでございます。その点につきましては、私どもとしては、これらの企業が今後設備処理をしながらそういった体力の強化に努める場合に当たりまして、いきなり合併とか、系列の強化とか、集約化ということの中で、第一段階としては、たとえば共同受注でありますとか、共同設計でありますとか、共同の購入でありますとか、こういった比較的入りやすい部門から入っていって企業体力の強化に役立つことが望ましいわけでございます。
 ただ、この設備処理につきましては、あくまでもこれは企業の経営者が関係者と協議をいたしまして、自主的にどういう道を選ぶかということが一番肝心でございまして、その意味におきまして、集約とか合併とか、先ほど私が申しました第一歩の共同の作業につきましても、あくまでも関係企業の自主的判断によって行われるべきものであると、こういうふうに考えております。
#28
○太田淳夫君 多少ちょっと条文から離れまして関連の質問ですけれども、運輸省は海運会社に船舶の建造意欲を起こさせるために、計画造船制度に対する利子補給措置を概算要求出されておられますが、世界的にいま船舶が過剰な状態の中で、利子補給の復活で誘っても新規の船舶建造意欲というものは出てこないんじゃないかと考えられますけれども、その点どう考えてみえるか。老巧船解体もあわせて御所見を伺いたいと思います。
#29
○政府委員(真島健君) 先生御指摘のとおり、世界的に海運界も不況でございまして、確かに船主の建造意欲というものは非常に減退をしておりまして、私どもがやっております現在の計画造船制度におきましても、五十三年度、予算的には五十五万トンの計画で私ども財政資金を準備いたしましたが、現状では三十万トン出てくるかどうか、こういう状況にあることは確かでございます。したがいまして、私どもは、やはりこの不況の中で、日本商船隊の中核となる日本船の国際競争力を回復するということ、さらにあわせまして、造船需要の喚起ということをも考えまして、老朽船の処分、これを並行して進めながら、一定のインセンティブを与えていくということによって、新船の建造意欲が現在よりはずっと高まるであろう、こういう考え方で、そのためには利子補給制度、これを復活していくことがこの際一番適当なのではないか、こういう考え方で要求をしておる次第でございます。
#30
○太田淳夫君 いま必要性ということを、お話があったわけでございますが、私たちもそれわかるわけですが、戦後の計画造船の時代で利子補給が行われましたのはそれだけの理由があったと思います。しかし、現在のこの経済情勢というのは造船を取り巻く環境等も以前とまた違った面があると思うんです。ですから、そういう質的に変わっている中でこの利子補給を復活させるという、これも大事ですが、ほかにやはり運輸省としてもっと効果的なものも考える必要があるんじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
#31
○政府委員(真島健君) おっしゃるとおりでございまして、私ども、この利子補給制度の復活の予算要求にあわせまして、老朽船の処分を促進するという意味で解撤について助成をいたしたいということで、不況下におきまして船がふえるということでなくて、一定の船ができていく傍ら、同じ程度の量の老朽船が処分をされていく、こういう二つの絡みで今度の予算要求を組み立てておる次第でございます。
#32
○太田淳夫君 次に、いま造船業界では大手はまあ設備削減をやるかわりに並列建造の禁止を撤回してほしいという要望もあるようですが、そうなりますと、大手が小型船を独占して中手がますます苦しくなるというような状況にもなりかねないと思います。しかし、国際競争力の面から見ますと、こうやらなければコストダウンにつながらない、こういう問題があるように思いますが、その点どのように対処されますか。
#33
○政府委員(謝敷宗登君) 並列建造といいますか、一つの船台及びドックで船を並べてつくるという問題でございますが、これの規制に関しましては昭和五十年初め以来実施してきたものでございます。このねらいとしましては、石油危機を契機としまして受注量が減少してきた、したがいましてタンカーがなくなりまして、受注船型が小型のプロダクトキャリアといいますか、石油製品タンカーとか、あるいは貨物船とか、こういったものが出てまいりましたので、主として大型ドックにおきまして中小型船を同時に大量に建造することを規制することによりまして、中手あるいは中小の受注の機会を可能な限り確保するというたてまえでやってきたわけでございます。この点につきまして、私どもは基本的にこれまでは操業度の短縮の勧告を行い、今度さらに設備の削減を安定基本計画に従ってやっていくわけでございますから、こういう中におきまして、建造方法までを人為的に規制するということは、本来は好ましくないわけでございます。
 先生御指摘のように、二つのポイントがあろうかと思いますが、国際競争力を阻害するということは、これはほかの国々では並列建造を大型ドックでやっているというケースも見受けられまして、この問題が一つ。
 それから、先ほどちょっと触れましたが、過剰施設の処理と、それから企業それぞれがつくります全体の建造量を規制するということで操業調整をあわせて実施するということが答申にうたわれております。こういう場合におきまして、総量規制をやりますことで、受注の機会がかなり均等に与えられるということも期待し得るという意見もあります。また、一方におきましては、設備処理と操業調整を併用しても、なお並列建造の規制は受注の機会均等のために欠くべからざるものであるという意見も依然として一方にはございます。この点で、一概に並列建造ということで言っておりますが、従来は一・五隻以上を同時に同一のドックでつくるなと、こういう指導でございますが、この並列の隻数の規模とか、あるいは並列でつくられるべき船の大きさとか、こういったものをもう少し詰めていきますれば、両方の意見の間にもコンセンサスが得られるんではないかというふうに考えまして、業界のそれぞれ異なる意見をもう少し煮詰めまして、コンセンサスを得た上でその対策を検討してまいりたいと考えております。
#34
○太田淳夫君 当面の問題としましても、ことしの下期から来年にかけましては造船の需要の見通しというのは非常に厳しい現実に直面をしているわけですが、仕事量の確保とか、あるいは需要の創出という点ではどのように対処されるお考えでありますか。
#35
○政府委員(謝敷宗登君) 確かにおっしゃるとおりでございまして、設備処理をいたしましても、たとえば五十三年度は――海造審の見通しを起工ベースに直して数字を申し上げますが、五十三年度三百五十三万トン、五十四年度二百七十四万トン、五十五年度三百六万トンと、いずれも貨物船換算トン数でございまして、設備処理後の能力に対して五十三年度は五五%、五十四年度四三%、五十五年度四八%というきわめて低い率になっています。したがいまして、私どもとしましては、先ほど海運局長から御答弁ありました計画造船も一つの柱と考えておりますが、そのほか官公庁船あるいは新しい需要の展開先としまして、大型の石油の洋上備蓄の施設でありますとか、あるいは解撤工事でありますとか、その他造船業の技術と施設を生かし得る需要を発掘をいたしまして、この上に新規需要として積み重ねて、何とか設備処理後の能力に対してかなりの水準まで操業度を上げてまいりたいと、こう考えております。
 なお、経済協力につきましても、従来は船舶はきわめて有力な商品であるということで、ほとんどコマーシャルベースでやっておりましたが、昨今の事態について経済協力関係各省の理解も一段と共通して深まっておりますので、経済協力の面におきましても船舶を相手国の経済社会の発展に有効に役立ち得るよう提供に心がけていきたいと、こう考えております。
#36
○太田淳夫君 経済協力のお話がちょっと出ましたけれども、ボンの首脳会議におきましても福田総理は経済協力として浮体構造による造船ということを約束をしてみえたようであります。発展途上国向けの経済協力としまして、大臣も大分、相当御関心を持ってみえると思いますが、プラント船が最近ちょっと話題になっておりますが、これが黒字減らしになるし、造船業界の需要創出にもつながってくるんじゃないかと、こう思うわけですが、総理大臣の公約もありますので、その点どうでしょうか、運輸大臣。
#37
○国務大臣(福永健司君) 率直に申しまして、総理大臣も私も素人といえば素人でございますけれども、ときには素人だからかえっていいときもありますので、いまお触れになりましたようなこと等につきましては、それぞれの立場において積極的に推進していこうということで意見の一致をいたしております。今後さらに一層そうありたいと、こういうように考えております。
#38
○太田淳夫君 最後になりますけれども、四月の予算委員会のときに、やはり大臣に原油洋上備蓄につきまして御質問したわけですが、かなり有望で実現に努力しておりますという御答弁があったわけですが、その後どのように進捗しておりましょうか。また、タンカーによる原油備蓄はどうなっていましょうか。
#39
○政府委員(謝敷宗登君) 先に原油備蓄のための洋上備蓄センターの進行状況について御説明をさしていただきます。
 洋上におきましてかなりの面積を、静穏な海域になるように防波堤等で囲みまして、その中に大型の浮遊構造物を浮かべて、そこに原油を備蓄するという構想で造船各社がそれぞれ努力をしております。現在のところは、石油開発公団で具体的に選定をする段階に来ているように聞いておりまして、たとえば長崎県の上五島の構想とかあるいは北九州沖の構想とか、こういった点につきまして、現在石油開発公団が具体化のための検討作業に入っているという段階でございます。
#40
○政府委員(真島健君) 石油のタンカーによる備蓄の進み方でございますが、これも石油開発公団が当面の責任者として進めておるわけでございますが、硫黄島付近で十杯、約二百五十万キロリットル、これにつきましては大体近日中に実現をするというふうに聞いておりますし、橘湾におけるもう十杯の方、これは現在、今月中ぐらいに地元との折衝をできるだけ進めまして、これも十一月に入りまして向こうから原油を積んだタンカーが帰ってくるころまでには何とか実現をしたいということで努力中であります。
#41
○説明員(森清圀生君) いま船舶局長さん、海運局長さんからお話がございました点でおおむね尽きておりますが、ちょっと補足させていただきますと、いわゆる洋上備蓄につきましては、私ども、石油公団の国家備蓄の検討対象といたしまして、これまで石油公団が中心になって、いろいろ運輸省さんとも協力しながら研究調査してまいったわけでございますが、近々石油公団の方で最終的に今年度の一千万キロリッター国家備蓄の地点としてどこを取り上げるかという最終的な決定をいたしますためのフィージビリティースタディー、これは概念設計とかコストの概算までも含めた最終的なフィージビリティースタディーを行う段取りに来ておりまして、お話のございました洋上備蓄につきましても、この最終的なフィージビリティースタディーの対象として取り上げる方向でいま考えております。
 タンカー備蓄につきましては、九月積みと十月にそれぞれ二百五十万キロリッター、十隻ずつ合計二十隻でございますが実施いたしまして、九月積みにつきましてはすでに七杯硫黄島西方で備蓄を開始しております。今月二十日過ぎぐらいまでには十隻全部硫黄島西方の備蓄が完了いたします。さらに十月分につきましては十月、今月末日に十月積みの第一船が本邦に到着する予定で、十一月から備蓄を開始します。十月積みの分が十隻で合計二十隻が備蓄をいたします。これは当初長崎県橘湾の錨泊方式による備蓄を考えておりまして、現在もなお地元と折衝をいたしておる状況でございます。
 さらに、去る九月二日の総合経済対策閣僚会議で二百五十万キロリッターの追加を行う旨決定を見ておりまして、これにつきましても今年度内に追加二百五十万を実施する方向で進めております。
 以上でございます。
#42
○太田淳夫君 それでは大臣に、この法案によって協会ができましても、まだまだたくさんの問題に直面をいたしておると思います。今後も努力をお願いしなければならないと思いますが、まず雇用の問題とか、あるいは造船業界の需要の創出であるとか、あるいは私どもも予算委員会で視察に参りましたけれども、造船とその地域のやはり市民生活と申しますか、全体の問題も考えていかなければならない、たくさん問題があるわけでございます。最後に、大臣の決意をお聞きして質問を終わりたいと思います。
#43
○国務大臣(福永健司君) 御指摘のごとく問題はたくさんありますし、造船業というものがわりあいに短いうちにあちこちで、確かに高度成長はありましたが、その中でも特にスピードが速かったものの一つでありますから、それだけによけい問題も内蔵をいたしております。したがって、いまお話のございました今後の施策といたしましても、そういう点に、いろいろの問題にきめ細かく対処していかなければならぬことは当然でございまして、今次とりあえず打ち出しました施策で、もとよりこれで全部だとは考えておりません。この上とも大いに努力をしてまいりたいという所存でございます。
#44
○青木薪次君 まず、大臣にお伺いいたしたいと思うんでありますが、造船産業は大臣も御案内のように、これはオートメーションではできないんですね。船はやっぱり労働集約型の産業の最たるものだというように考えているわけです。したがいまして、その中でもやはり設備処理という問題は雇用問題につながってくることは、これは御案内のとおりです。したがいまして、雇用問題につながってくるということについては私たちは非常に重要に実は考えているわけでありまして、しかもいわゆる造船関係の産業というものは、大臣もいまおっしゃったように、日本の高度成長を支えたと言っても過言ではないわけでありまして、そのことが地場産業に与えるという影響は、これは非常に深刻なものでありますし、またそのことは地域社会における経済と社会生活にとってきわめていま重大な問題を惹起していると実は思うんであります。このような大きな影響を持っているんでありまするけれども、この協会法案は、それらの問題についてどう対応するのかという点について大臣からお伺いいたしたいと思うのであります。
#45
○国務大臣(福永健司君) いま御指摘のように、労働集約型の産業でもございますし、ある意味においてそういうことであるから日本国民に適しているということも言えると思うのでございます。その産業がいまのような苦しい状態にありますだけに、それなりの対処がなければならぬと思うわけでございまして、今度出しました法案のようなことで設備の処理はいたしまするけれども、いたずらに従業員もひっくるめて小さくするだけが能ではございませんので、できるだけ従業員の人たちにはその人たちの能力を生かすような方途においてこの労働力が吸収されるようなことをやらなければなりません。そのことのためには、幾つかのことを国としてもいたしておりますし、業界とも話し合ってやっておるところでございますが、そのまま右左に同じ技術だけでという産業だけではもちろん足りませんので、新しい需要の創出等を考えていかなければならぬことも当然でございます。これはこれなりに対処していかなければならぬと思いますし、また今度この法案が考えておりますようなことをやります際に、設備の処理ということにのみ重点を置いて考えて、従業員に対する施策がなおざりになってはこれはいけませんので、したがって、この法案の中にもできるだけ労働者に対する配意が行われなければならぬという考え方で幾つかの配意がされておるわけでございます。私どもはこの法案が法律になって効果を発揮する段階におきましては、いま申しましたような労働者に対する配意がよく行われるようにわれわれとしても指導監督もしなきゃならないし、業界もそういうことで深く思いをいたしてみんなで間違いのないようにしてもらいたいということを強く念じておる次第でございます。
#46
○青木薪次君 大臣、そのような気持ちでこの問題に対するひとつ指導に当たっていただきたいと思います。
 それから船舶局長にお伺いいたしたいと思いますが、安定基本計画の策定に当たって雇用の維持、あなたにも話したわけでありますが、安定のための協議を行うために政・労・使三者構成による雇用対策会議がつくられたわけです。これもまだできていないところもあるし、地方にぜひひとつ設置すべきだと。これは海造審の審議と並行してやるべきだというような意見が実はあるわけであります。このことは非常に重要な問題だと思うのでありますが、このことについてひとつ所信をお聞きいたしたいと思います。
#47
○政府委員(謝敷宗登君) 先生御指摘のように、造船業の安定化のためには企業の経営者、関係労組が相協力して安定化に向かい、かつ長期的にさらに発展するというようなことでやっていかなきゃならぬわけですが、そういう意味におきまして、特定不況産業安定臨時措置法の定めによりまして安定基本計画をつくってまいるわけでございますが、私どもとしてはかねがね海運造船に関します重要問題につきましては、従来から海運造船合理化審議会に諮って検討していただいておるわけでございます。この中には産業界、労働界等各界の学識経験者がお入りになっていただいておりますが、今回特に造船業の安定化方策につきましての審議に当たりましては、労働界からさらに専門委員を追加するなど雇用の意見が十分反映されるよう配慮しております。今後とも当審議会の総会あるいは部会という段階におきまして先生御指摘の雇用問題に対する配慮が十分行われるように会議の運営をやっていきますと同時に、必要に応じて、運輸省事務当局としましてはこれまでもかなりの頻度で関係労働組合と個別にあるいは全体の問題につきまして意見交換を行ってきておりますが、この意見交換を今後とも続けてまいりたい、こう考えております。
#48
○青木薪次君 局長は九月二十九日の定例記者会見で、当局のこれまでのヒヤリングの結果では企業の削減計画については全体の三二%まで進められておると、あと合併集約化までいくかどうかははっきりしないけれども、グループ化その他によって三五%まで期待したいと、こういうように述べたわけでありますが、これに相違ありませんか。
#49
○政府委員(謝敷宗登君) 日にちの点は定かでございませんが、業界の専門の方々と会見をしましたときに、当時の現状としまして三五%の目標に対して三二%前後まで来ているということを申し上げた記憶はあります。
#50
○青木薪次君 七月十四日の海造審の答申では、設備の処理は基数単位で行うということになっておりますね。で、大手や準大手の系列下にない一企業一事業場の場合の設備の削減というものについてはどんな形で進められることになりますか、お伺いしたいと思います。
#51
○政府委員(謝敷宗登君) 設備処理率平均三五%に対しまして、これの負担力を考えまして大手、中手のA、Bその他ということに分けましてそれぞれ四〇%、三〇%、二七%、一五%というふうな率を目標として設備の削減を行うべきであるという答申をいただいたわけでございます。で、先生御指摘のように、現在の造船業界を考えますと、基本的にまず第一にやらなければならないのは、過当競争の排除でございます。過当競争の排除を長期的にやります場合に、基本的には船台あるいは建造ドックというものが数が多うございますと、それを頭に置いてどうしても受注の過当な競争に走りやすいということで、原則として個々の大型ドックあるいは中型ドックの能力をそれぞれ縮小するのでなくて、基数を減らすことが過当競争防止のために基本的に必要なことであるということで、原則基数単位ということに決めたわけでございます。この際におきまして中手以下の企業の中には、御指摘のように、一社一船台というものが三十一社含まれております。これらの企業の経営はますます苦しくなってくることが予想されるわけでございまして、仮に船台を何らかの形で処理をしなくてもなかなか経営がむずかしいということが予想されております。で、御指摘のように、これを処理していきます場合に、たとえば五千トン未満の造船船台を持っているというようなところは、五千トン未満の船台を生かす造船業に転換するとか、あるいは今度の補正予算でお願いをいたしました解撤等によってやっていくことも考え、あるいは修繕等に重点を移しかえていくということも考えられるわけですが、ただ今後の国際競争力を考えますと、先ほど私御答弁申し上げましたように、何らかの形で企業の体力を強化していかにゃいかぬと、こういうことで集約化――先ほど申しました経営の多角化に加えて、集約化の問題が当然出てくるかと思います。これについては基本的には私ども望ましいということで答申を受けておりますが、これらはあくまでも関係企業の自主的な判断によって行われるわけでございますので、そういった一社一船台、五千トン以上の船台が一社一船台というような企業におきましては、これから関係者と十分お話をし、納得を得ながらみずからの企業の選択の道をどういうふうな形でやっていくかということで御検討がされるものと考えておりまして、その際、私どもはこれらの企業の経営の安定化に十分意を払いながら特安法によります債務保証基金制度なりあるいは今回お願いをしております協会による買い上げの方法なり、こういうものについて経営の安定が図られるということに十分配慮して対応してまいりたいと、こう考えております。
#52
○青木薪次君 基数単位で行うということになったにしても、いま配慮するということを言われたその点をよくひとつ重要視していただきたいと思います。
 新聞報道によりますと、日本鋼管の津の三十万トンドックを百五十メーターカットするということによって四〇%削減を達成するということのようでありますけれども、これは基数単位で削減するということの例外行為になるんじゃないかというふうに思うのでありますが、この点どうなんですか。
#53
○政府委員(謝敷宗登君) 超大型タンカーの建造のためのドックを計画をいたしました際に、いろんな形式が各社で検討され、計画されたわけでございます。これらの考え方はきわめて世界的にも新しいアイデア、新しいやり方が入っておりまして、たとえば一つの大きな船台の横に小さな――小さないいますか、それの半分以下ぐらいの船台をつくりまして、ドックをつくりましてそれと併用しながらやっていくというような、一・五、一つとコンマ五ぐらいの能力を持ったドックを用意するというような方法と、それからあるいは一列でございますが、両方に、本来ドックとか船台は片側はどんな詰まりといいますか、閉っているわけでございますが、そこを、地形を生かしまして、両端が海に面するような仕組みで、先ほどの一プラス〇・五のドックに見合うような長い船台をつくったところもあります。いまおっしゃられました住友重機械のドックは後者のドックでありまして、物理的にも途中で仕切りができ、かつそれを分けて両方の海側に船を出し得るということで、先ほど私が申しました他の例、大きなドックプラス〇・五ぐらいのドックをつくるということと同じであるというふうに考えられますので、そういう意味におきまして、片側を閉じて従来ありました仕切りのところで固定するということは〇・五の別のドックを廃棄すると同じことであると考えて配分をしておるところであります。
#54
○青木薪次君 設備の簿価買収は低過ぎるという意見があるんですね。造船会社はその売却資金で金融機関に対する返済もやる、それから退職者に対する退職金の支払い等に回す、少なくとも退職金の支払いは十分行われる必要があると思うのでありますが、その意味で、買い上げ基準をもっと引き上げるように配慮すべきではないかという声がいま出ておりますが、この点いかがですか。
#55
○政府委員(謝敷宗登君) 確かにこの買い上げ構想は、一つには過剰施設、特に困難に陥っております中手以下の造船業の債務超過を軽減して、再建の道が開けるようにするという意味合いが一つあるかと思います。そこで、先生御指摘のように、全体の債務を弁済するまでの量にならないんではないかという御指摘があることも事実でございます。ただ、この買い上げ機関の資金の出どころを考えますと、一つは残存者の納付金によって賄わなきゃいかぬというのが一点と、それに対応して政府の補助金を出していくということでございますので、そこで残存者が納得し、かつ政府の補助金が出し得るような性格の買い上げでなければならないというのもまた言えるかと思います。そこで、先生御指摘の、設備はいまのところ簿価で買い上げ、土地につきましては時価で買い上げるということを考えて資金計画等を組むようにしておりますが、その際に、設備を簿価以上に買い上げるという点につきましては、先ほど申しました資金の負担者等から考えまして、限度としましては簿価で買い上げると、あるいは資産価値としては簿価以下であると思われる点もありますが、そこを簿価で買い上げるということで、その買い上げられた資金をもちまして企業の経営者が有効に、先生御指摘のように退職金の支払いなりあるいは下請に対する代金の支払いなり、金融機関に対する返済なりを考えていくわけでございますが、したがって、そういった範囲の中でいま申しましたような関係者と十分企業が話し合った上で、納得ずくでこの協会の買い上げの道を選択するということを私どもは期待しておりますので、買い上げに至るまでの間に、いま先生御指摘のような、関係者が経営者と十分話し合った上で、納得ずくでこの道を選んでいただきたいと、こう考えております。
#56
○青木薪次君 概算要求では九百六十五億円ですね。これは開銀が三百九十二億円、市中銀行が百六十八億円、それからこれが土地に充てると、それから設備の関係は市中が四百五億円と、合計九百六十五億円の買い上げでありますが、その四分の一を今回の補正でということで、九十八億円の開銀融資枠が確保されたようでありまするけれども、今年度と来年度の事業計画について簡単に言ってください。
#57
○政府委員(謝敷宗登君) いま、先生御指摘の数字は、私どもが買い上げ機関のほぼこれだけ用意すればほとんどの希望がかなえられるんじゃないかという意味で、上限に近い数字とお考えになっていただきたいと思いますが、土地が五百六十億、設備が四百五億ということで、これの四分の一が五十三年度中に買い上げ可能なように措置をしたと、したがいまして、土地につきましては五百六十億の四分の一、百四十億のうち七〇%を開銀ということで九十八億、補正の財投でお願いをしたわけでございまして、残りは市中とそれから設備の四百五億もこれは市中ということで、関係の金融機関とあるいは大蔵省と十分話が煮詰まっております。したがいまして、買い上げの大体の規模としましては今年度が四分の一、五十四年度が四分の三というふうに用意をしているというふうにお考えいただけばと思います。
#58
○青木薪次君 日本造船工業会の副会長の南さん、御苦労さんです。
 いま船舶局長がおっしゃったんでありますが、海造審答申による平均三五%、大手四〇%の削減計画の達成状況について簡単にひとつ話してください。
#59
○参考人(南景樹君) ただいまお話のございました削減率につきましては、造船工業会における大手、中手各社とも一応のコンセンサスはできておりますので、私は可能性が十分あるというふうに考えております。
#60
○青木薪次君 協会に対する出資でございますけれども、これは特定不況産業信用基金に対する出掲に対する取り組みの問題でありまするけれども、率直に言って過度の負担にはならないんですか。
#61
○参考人(南景樹君) 適当な金額であると考えております。
#62
○青木薪次君 わかりました。
 残存者納付金、納付金率の定め方に対する意見でありまするけれども、これは買い上げ基準の引き上げは、反面残存者の負担にはね返るというように考えられるわけです。先ほど船舶局長の説明にもあったわけでありまするけれども、この点については御意見どうですか。
#63
○参考人(南景樹君) 残存者負担につきましては、一応この規定が強制規定でございますので、今後五千トン以上の船舶を建造する会社は全部残存者として納付金を納付することになっております。納付金の額につきましては、現在のようなきわめて不況のはなはだしい時期におきましては、なるべく業界としては低い率でお願いを申し上げたいということで希望をいたしておりますが、しかし、現在予想せられます〇・一%という程度は十分負担にたえ得るものと考えております。
 なお、将来船価が好転いたしまして、多少の余裕が出てまいりました折には、これを漸次増額していただくということにつきましても一応大方の了解は得ております。ただ、これも限度がございまして、業界といたしましては一応最高〇・五%ぐらい、この辺が負担し得る上限ではないかとただいまでは考えております。
#64
○青木薪次君 全造船の穂刈書記長さん、御苦労さんです。
 三五%削減計画で余剰人員整理が組合に提示されまして希望退職者の募集とか、あるいはまた賃金カットとか、佐世保重工の社員再教育でD2P訓練というやつがいま問題になっているわけです。これは思想教育ですね。それからモラルを強制するというんですか、相当猛烈訓練をやっている。朝七時から夜十一時まで訓練をやる、時間外手当は払わないと、こういった訓練のようであります。労基法違反問題等が出ておりまして、厳しい情勢に直面しているのでありまするけれども、この中で組合はどういうように対処を進めてきたか、あるいはまた国会に対する要望があったらこの際お聞かせいただきたい、こう思います。
#65
○参考人(穂刈直巳君) いま御指摘ありました労働者に対するいろいろな思想教育であるとか、あるいは生産性向上運動の教育であるとか、多種多様にわたる労働者教育が各企業からやられておるわけであります。これは全造船といたしまして判断いたしますと、ちょうど四十年代にわれわれ全造船の組織分裂が相次いで発生してまいりました。そのときに企業側からかなり露骨な形でいま申し上げられたような教育が行われておったわけであります。これについてわれわれといたしましては、不当労働行為であるという立場に立ちまして、いろいろ労働委員会あるいはまた各裁判所等々で争ってまいったわけであります。これらについてはいままでの判例の中ではほとんどすべて不当労働行為として事実が認められて命令が下がってきたところであります。
 それからもう一点は、明らかに時間外労働を強いておりながら賃金を払わないという形になっておりますから、基準法に明確に違反しておる。こういう形で監督署、その他いろいろ取り組みをやってまいったわけでありますが、これも明らかに基準法違反だという指摘がされてまいったわけであります。したがって、そういう立場に立ちまして、われわれとしてはこういった不当な行為については断じて行っていただきたくないということを各関係者に強くお願いを申し上げたいと思いますし、行政当局については特にその監視についてお願いをしておきたいというふうに思っているわけであります。
 それから、もう一点の三五%の削減の問題をめぐりまして、われわれとしてはいままでいろいろ意見を申し述べてきたわけでありますが、その骨子は、造船業の場合は装置産業とは若干要素が違いまして、いわゆる設備だけを削減しても生産の能力は落ちない要素があるわけです。たとえば、一つの船台で一隻の船をつくる場合に、かなり長期間の工程をとりまして船台を活用する場合もありますし、あるいはまたごく短期間の間に船台工程を組み込んでしまうということになりますと、陸上工場内での作業が相当あるわけであります。そういう関係で船台の廃止だけをもし出してみたところで生産調整にはストレートにつながらない。これはあくまでも雇用と一体の関係で調整されるという判断をしておったわけであります。そういう関係から今度の安定計画につきましては、特別われわれといたしましては、設備ということを前面に出した安定計画は、これは雇用にストレートに影響してまいりますし、当然産業の安定と雇用の安定というのが前提条件である以上、まずもって雇用の安定を優先的に判断をして、その対策を明確にした上で雇用に影響が出ないという形でなければ設備問題について論じるべきではないという判断をしていままで意見を申し述べてきたわけであります。したがって、そういう立場で、特に今度の基本計画につきましても再三にわたり意見具申をしてきたところであります。
#66
○青木薪次君 大臣、いまの話にありましたように、たとえば十人あった中で三人減らして三〇%超過勤務する、超過勤務手当は支払わない、社員教育でやるのだと。欲しがりません、勝つまではということが昔はあった。一生懸命やらなければいけないという、この不況に対応しなければならぬということば、これはやっぱり精神主義としてわからぬわけじゃない。しかし、だからと言って法令に違反して、しかも、この法規なんか守れなんと言うやつについてはおれのところは要らないのだというような極端な言葉が発せられるような状態で、いわゆる猛烈社員をつくるという、養成するというやり方については、これはいけないことだと思うんでありますが、たとえば朝七時から夜十一時まで訓練をして、しかも時間外手当は支払わないんだというようなことについて、これは運輸大臣はかつて労働大臣もやられたし、その関係については非常に堪能なんでありまするけれども、こういうような様式がどんどんやられていく可能性というのが非常に出てきているわけであります。そういう点について大臣から、ひとつこの問題については非常に重要な問題ですから、一言御提言をお願いしたいと思います。
#67
○国務大臣(福永健司君) この答え方はなかなかむずかしいと思うんです。決して私は青木さんの御質問を回避するものではありませんが、まあ権限の上から申しますと、私のただいまの職責から余り広いお答えもしにくいという意味で申し上げているわけでございますが、先ほどから話を伺いつつ、よくわかる点もいろいろあるわけでございます。ただ、こういうような具体的な問題につきましては、各方面からいろんなことを聞いた上で返事をしないとやり損なうことが多いわけでございます。私自身も、ちとそういうことについては早走りするような傾向もございますので、いろんな調査をした後にお答えしなければならぬということは、まず前提として申し上げなければならないのでございますが、ただいま伺いましたようなこと等につきましては、私が直ちに所管することもあり、そうでないこともございますが、よくいまも話を伺いましたので、こういうことも念頭において今後に対処したいと、こういうように考えております。
#68
○青木薪次君 船舶局長は、設備の廃棄ということについては労働者の首切れということじゃないんだというようにかねてからおっしゃっておったわけでありまするけれども、これは数学的な立場においても廃棄して、いまもおっしゃったように、事業のいわゆる実績というものは変わらないと。そうすると、減らされただけだということになりますと、ただ収益を確保するということで、問題は、失業の状態というものは雇用問題に重大な影響を与えてくる中において、設備廃棄だけはどんどん進むということについて、この辺をやはりいま大臣も、非常によくわかるけれどもそのことだけについてはなかなかむずかしい問題もあるというようなことを言われたんでありますけれども、そういう形でオブラートだけで包んでいったんでは、この問題については非常に問題があると思うんでありますけれども、担当の局長としてどうお考えになりますか。
#69
○政府委員(謝敷宗登君) 海運造船合理化審議会それ自体におきましても、今回の造船不況については五十一年に答申を出しておりますが、非常に深刻な事態であるので早目に対応していくべきだということで、まず操業調整の答申を五十一年の答申では出したわけでございます。したがいまして、私どもとしては、今次の不況につきましては五十二年度から向こう二年間ずつ操業調整をやってきております。五十三年度の操業調整の目標は最盛期に比べて七〇%、それから五十四年度は六三%ということで一応なだらかに、大きな摩擦を起こさないようにということで、業界全体としてそういう線に沿っていままできたわけでございますが、それがさらに一段と他の方法を併用して過当競争の排除に努めなきゃならぬということで、過剰設備の処理というぐあいに二段目の措置をとることになったわけです。したがいまして、私ども決して具体的に事態を見ていないわけではないんですが、そういう意味におきまして、過去、五十二年度、五十三年度の上半期におきましてこれはいろいろな問題があったと思いますが、職域内におきます転換とか、あるいは他企業への出向でございますとか、あるいは希望退職等によりまして、かなり雇用調整が大きな摩擦を私どもとしては引き起こさずに業界が関係者の助力を得てやってまいったと思っております。したがいまして、これから設備の削減に入るわけでございますが、その意味でかなり遊休化している設備が現在操業調整の結果出ているということを考えますと、設備処理即余剰労働力の発生というふうにはつながらないかと思います。ただ、雇用としましてもかなり現実の操業量に比べて余剰労働力も抱えている向きもあります。したがいまして、今後は設備処理を行いますと同時に、特安法の十条なりあるいは離職者臨時措置法の三条、七条の規定によりまして、関係の組合と十分話し合いをしながら厳しい対応をしてまいるというふうに考えております。その意味におきまして、私ども決して雇用問題について楽観しているわけではございませんで、全造船の方とも二十三日には個別の問題も含めましてかなりの時間をかけて意見交換をするつもりにしておりますし、これで雇用対策が新規需要の創出その他で足りるとは思っておりませんが、こういったいろいろな点で努力をしながら、労働省とも十分密接に連絡をとって、雇用の安定に私どもとしても私どもなりに努力をしてまいりたいと、こう考えております。
#70
○青木薪次君 大きいドックに船一隻の建造では効率も悪いから並列建造を認めるべきだという論もあるわけですね。これを認めると中小企業に対する影響というものはきわめて大きいと思うんです。これはどんなふうに当局は考えていますか。
#71
○政府委員(謝敷宗登君) 並列建造について現在とっております規制の内容は、大きなドックで一・五隻以上の船を同時につくらないという規制をしております。これにつきましてはいろいろ議論がありまして、今度設備の処理とあわせて貨物船換算トン数によって操業調整をしたいと考えています。貨物船換算トン数というのは、たとえば一万トンぐらいの、これはちょっと数字を持ってきておりませんが、標準の貨物船を一といたしますと、たとえば超大型のタンカーは〇・三というような係数を掛けてそれぞれの船のトン数を貨物船に換算するわけでございますが、したがって今度企業別に標準の貨物船換算トン数でトン数の規制が行われますと、明らかに他の業者から見て一つの業者の活動については明白になるわけです。したがって、基本的に数字的に見ますと、小さい船をつくるということはそれだけ貨物船換算トン数が上がりますから、そうべらぼうに数多くつくれば全体のトン数を直ちに食ってしまうということで、私どもとしては今度の標準貨物船換算トン数を使った総量規制でかなり並列建造の弊害であります中小あるいは中手造船所に対する受注機会を阻害するという点は改善されるかと思います。
 ただ、この点につきましては、そういう意見と、それから一方においては、あくまでも中小造船所の分野でありますきわめて小さい船のところまで並列建造で持っていかれるんじゃないかという危惧があることも事実でございます。したがいまして、両方の考え方の中で、標準貨物船換算トン数に関しますお互いの認識をまず一致させまして、その上で総量規制をやった後でなおかつ弊害がどの程度残るかということも十分論議をしていただいて、その結果を見てコンセンサスを得て実施をしたい、並列建造に関する考え方を明確にしたい、こう考えております。
#72
○青木薪次君 協会の業務に買い上げた設備の譲渡があるんですね。それから、この法案の目的は設備の処理にあるわけでありまするから、買い上げた船台とか、あるいはまたドックという設備を廃棄するのはわかるけれども、譲渡するというのはどういうことなのか。ドックをドックとして譲渡するのであるのか、あるいはまたそれをドックとしての地位をなくして単なる物的施設として譲渡するのか、どちらもともに意味しているのか、その点をひとつお聞きしたいと思うんです。
#73
○政府委員(謝敷宗登君) 第二十九条の二で「買収した設備の管理及び譲渡又は廃棄を行うこと」、こう書いてございますが、これは、買収した設備は先生御指摘のように、建造ドックとそれから建造船台及びそれに関連します新造のための付帯設備、たとえば組み立て工場とかあるいは組み立て工場の中にあります溶接機械とかその他の工作機械がございます。基本的には、造船の設備といいますのは特殊なものでございますから、他の用途に転換するというのはなかなかむずかしゅうございます。したがいまして、基本的には廃棄ということでございますが、中には溶接機械の部分であります単純な溶接機械とか、あるいはその他の曲げ機械とか、そういった点、あるいは切断機械とか、こういうものは場合によっては売り渡すことも可能かと思います。そういう意味におきまして、原則廃棄でございますが、売れるものは売っていくということで、基本的にはほとんど廃棄の状態になるのではないかと、こういうふうに考えております。
#74
○青木薪次君 労働省の方にもお伺いしたいと思いますが、やはり基本的には雇用問題が一番重大になってくるというように思うんでありますが、特に企業城下町について、特に特定不況地域と言われる地域、これについて特定不況業種の離職者臨時措置法というものもあるわけでありますし、また中小企業も同じ同法の内容を持ったものもあるわけです。これらの関係について離職者の再就職の状況は一体どうなっているだろうか、また、これらの関係について雇用対策をどう考えていかれるのか、その点労働省の立場でお伺いいたします。
#75
○説明員(白井晋太郎君) お答えいたします。
 現在造船からの離職者につきましては、いま先生おっしゃいました特定不況業種離職者臨時措置法に基づきまして手帳の発給その他の措置を行っているわけでございますが、現在のところ八月末で造船関係の手帳発給件数は二万一千三百七十五件というふうになっております。先生お尋ねの就職の方は、実は造船だけをとらえた数字は手元には現在ないわけでございますが、全体で約四万人の手帳発給件数のうち八千人強は就職をいたしております。現在雇用保険受給中の者が大部分でございまして、あるいは職業訓練その他の措置で訓練を受けたりしておられます。
 なお、いまもう一つおっしゃいました、こういう造船でもっていたような地域につきます地域対策としましては、今回の臨時国会に特定不況地域離職者臨時措置法をお願い申し上げまして、従来業種の場合には関連の第一次下請までしか、行政上の問題とか、いろいろ手続上の問題もございまして処置がとれなかったわけでございますが、そういう地域につきましては地域全体の離職者対策を進めてまいりたいというふうにお願い申し上げているわけでございます。
#76
○青木薪次君 全造船の穂刈さん、今回の買い上げ法案に対する問題点、これと要望事項をちょっと聞かしてください。
#77
○参考人(穂刈直巳君) 今回の買い上げ法案につきましては、これは土地、建物、事業所ごと一括買い上げるということでありますから、それに伴って事業が完全に閉鎖されるという形になってくるかと思っているわけであります。そうなりますと、ただいま御指摘あったとおり、造船城下町という条件の中では新たに再就職をするという道がほとんど閉ざされておりまして、労働者にとってはこれは死活の問題に直結してまいるわけであります。そういう考え方から、一つはどうあっても、この買い上げをするということは事業閉鎖という立場に立ちますので、何とかこれについてはわれわれとしては反対という考え方でいままで取り組んできたわけであります。ただ、倒産その他いろんな条件を持っている企業もございます。そういうことで、われわれとしては、どうあっても企業の実情からそれに従わざるを得ないという、それに応じたいということがどうあっても発生する場合については、これは労働者の雇用を絶対に守るという完全雇用を明確に保障をした形でなければこれに応ずることはできないだろうというふうに考えているわけであります。したがって、あくまでも雇用が絶対でありまして、雇用を完全に保障するという立場でなければこの法案については応じられないという考え方でおるわけであります。
#78
○青木薪次君 最後に、大臣にお伺いいたしたいと思うんでありますが、私は設備をスクラップしていくということだけでなくて、進んでやはり二百海里時代に備えた保安庁の、実はお聞きするところによりますと四十三隻と水産庁の四隻とか、あるいはまた先ほど太田委員の質問にありましたように洋上備蓄といったような問題が実は叫ばれているわけでありますが、仕事量の確保という点については、これはやはりこれから中小企業のいわゆる立場というものを私は非常に憂慮いたしているわけでありますが、これらの点について、こういうものを来年度予算でひとつ組んでいく、そしてそれを適正に、いま言われたような特定不況産業の地域が非常にたくさんあるわけでありますが、これらとの見合いの中においてさらに重点的にこれを配置していくというようなことを考えていかれることがいいと思うんでありますし、またもう一つは、くどいくらい申し上げておりますように、雇用対策という問題は、これは非常に社会問題、社会不安に発展する要素というものがいま起きている百三十数万、百四十万人と言われておりますけれども、潜在失業者を加えたら数百万人の人がいま失業戦線に追いやられているわけであります。いままで日本経済を支えてきたというより発展させてきた造船産業が、極端に今日このように非常に不況のどん底に陥ってしまったというようなことについて、私たちは少なくとも将来韓国や台湾その他のいわゆる造船能力といいますか、あらゆる私たちにとってきわめて重大な要素を持っているこれらのところとの関係においても、もう少し付加価値のあるような物をひとつつくったらどうかというような意見もあるわけでありまするけれども、仕事を創出する問題と、それから雇用対策といったような問題について、大臣から最後にお聞きいたしまして私の質問を終わります。
#79
○国務大臣(福永健司君) まず、いまのお話、これを全体といたしまして、私も青木さんの御説にもとより賛成のものでございます。そういうような気持ちで対処してまいりたいと思います。
 まず、その需要創出というようなことからは、うんと広い考え方で臨む必要があろうと思います。また、雇用対策という問題についても同じようなことが言えると思います。官公庁船のいままでの措置、それからさらに来年度予算について考えて財政当局とも折衝しておりますこと等につきましては、私ども決してこれで足れりとしているのではございませんけれども、当初予想されたよりは大分よけい予算化したということで、人によっては相当やきもちをやいているのがあるような状況でございます。しかし、私は決してこれで足れりとしておりません。まだまだ必要なんだと。この深刻な不況に対処しながら、しかも、いずれはやらなきやならないことをできるだけ早くやろうということについては、今後一層そういうことでなければならぬと思います。
 また、たとえば解撤であるとか、あるいはタンカーの改造なんというようなこと、その他幾つかございますが、これを大いに進めればいいというに決まっておりますけれども、それがまだ余り大したことでないというような実情等もございます。しかし、これは考えようによっては、まだそういうことが本当の仕事にたくさんなっていないということは余地は相当あるんだという意味にもなるわけでございまして、せひこれを、多くの人が口にしているところではありますけれども、こういうことを、実際に現実に需要の創出、したがってこれと関連して雇用の安定ということにつながっていくようにいたしたいと思うわけでございます。そういうことから申しますと、いま挙げましたようなことのほかにもっと広い範囲でそういうことが言えます。
 何しろ、いま青木さんもお話しのように、造船というものは、ほかの仕事でもややそういうことは言えるかもしれませんけれども、造船という仕事が妙なことになってしまえばその地域全体が大変な深刻な影響を受けるというようなことでございますので、どの産業にしてもうまくいかないということはいけませんけれども、造船については特段にそういうことが留意されなければならぬ、こういうように思います。重々気をつけて対処してまいりたいと考えております。
#80
○委員長(三木忠雄君) 午後一時十五分まで休憩いたします。
   午後零時十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十一分開会
#81
○委員長(三木忠雄君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き特定船舶製造業安定事業協会法案を議題とし質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#82
○内藤功君 法案の条文に即して御質問する前に、法案に重大なかかわりがあると思いますので、最初に九州の大分県の臼杵鉄工所の問題につきまして若干お尋ねをしておきたいと思います。
 七月の二十八日に大分の地方裁判所に会社更生法の適用を会社から申請をいたしまして、聞くところによりますと、本日十月十七日じゅうにあるいは裁判所から更生開始決定の決定があるのではないかと、かようなことも聞いております。負債総額が約二百三十九億という九州ではこれまでになかった大型の造船関係の倒産であります。当然これは地域経済に与える影響ははかり知れないものがあるのでありまして、佐伯市では地元の労働組合、それから地元の商店の組合はもとよりのこと、婦人団体の連合会、青年団それから政党も、自民党は入っておりませんが、社会党、公明党、民社党、もちろん日本共産党、さらにいろんな市民全体が、特にこの佐伯工場の閉鎖に反対だということで請願署名が非常に行われておりました。私いま手元に持っておりますが、この大分地方裁判所に対する要請署名というのが全有権者の、市内有権者の八九%の署名を集めたという、これはもう非常な圧倒的な署名が集まっているという状況であります。大きな問題であります。
 そこで、これはずっと調べてみますと、親会社である石川島播磨重工が大きくかかわりを持っておって、今回の事態にも重大なやはり関係があると言われております。この点で運輸省はいままでどのように、この点についていろんな陳情がもう来ていると思うんですが、現在手を打っているか、それともあるいは何もせずにこの裁判所の模様を見ているという状況なのか、この点をまずお答え願いたいと思います。
#83
○国務大臣(福永健司君) 臼杵鉄工の件につきましては、先ほど内藤さんから自民党は仲間に入っていないというような表現がございましたが、自民党は当然のこととして自民党それ自体でもやっているということでございますから、別に自民党が再建の必要なしと考えているのじゃなかろうと私は思いますが、まあそれはどっちでもいいんでございますけれども、私のところへもずいぶん何回も大分県の自民党関係の諸君も来ておるわけでございます。もちろん野党の方々も大変心配してそれについて強くお申し入れ等がございました。これを要するに、党派を超えて全部の皆さんが何とかしてあの大事な臼杵鉄工をつぶさないようにしなければならぬとこういう動きであり、私どもも当然そういう気持ちでこの問題には対処している次第でございまして、なるほど会社更生法の適用申請がございまして、その限りにおいて各方面の人がこれはつぶれたら大変だというので御心配をいただいているわけでございますが、この種の手続がとられますと、第一義的には現段階では裁判所がいろいろのことを決定するということではございますが、それはそれとして、いろいろの面でその地域の皆さんが望んでおられるようなことに協力することは当然でございます。そういう意味から、いろいろなことでお話がございましたが、たとえば早く管財人が選ばれるというようなことになって、再建等についてもそういう人々も中心となって善処してくれるようにという観点から、実は私の方へもただいま内藤さんお話しの石川島播磨の方へもしかるべく言うてくれというようなお話がございました。
 そこで、いずれにしてもその種のことは早くしてもらうということを私ども言って一向差し支えないし、当然そうあるべきでございますから、会社の首脳部の方へもぜひそういうことを心配してくれというようなことも申しましたし、内藤さんよく御存じのように、近く裁判所が正式決定する運びになりましょうが、それに先立ってそういう人たちもすでに内定をして裁判所の決定等に備えるようなことにもなっているようでございます。いろいろ連絡を受けてつつ私どもの方もできるだけのことをしなければならないということで対処してまいっておるわけでございます。
 いろいろ早くと思っておられる方からすると少しわれわれのしていることが待ち遠しいというようなことから、何をしているんだというお怒りも若干あったかと思いますが、私どもといたしましては、いま申し上げたような考え方で善処している、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと存じます。
#84
○内藤功君 いま御答弁の中で自民党が入っていないということについての御弁明がございましたが、私がさっき申し上げましたとおり、地元の佐伯市で佐伯工場の特に閉鎖ということは、これはもう絶対やってもらっては困るというこの要請書について私は触れたわけなんです。この中にはもうはっきり自由民主党は出ていないのでこの点を指摘したわけです。もちろん自由民主党に属される方々が大いに努力をされるということは、これはもう歓迎と言うとおかしいですけれども、当然のことだろうと私は思うんですね。そういう意味で申し上げた。
 それから問題は、やはり深刻なのは佐伯工場の方の閉鎖、これを何とかやはり食いとめたいというのがいまの圧倒的な市民の世論であります。いまは福永運輸大臣は臼杵鉄工全体の再建という表現をおとりになったが、もう少し細かく言うと、その中で特に佐伯工場の閉鎖をさせないと、させてはならぬということが強い世論になっているということを再度強調しておきたいと思います。
 それで、この要請文にも出ておりますし、それからいろんな人が強調しておりますが、この要請文の中にはこういう表現までしております。八九%の市民が要求している署名ですが、「冷酷かつ計画的に地場中小企業を切りすてて構造不況を乗り切ろうとする石川島播磨重工業の責任を指摘せざるを得ません。」、これが市民の八九%の署名を集めた要請の趣旨に書いてある。それからさらに、「過去一年間、経営危機を口実に労働組合や下請、関連企業に大きな犠牲を求めながら、自らは再建への絶対条件、いな経営者として最低の責務である船の受注を、社長就任以来約二年に亘ってたった一隻も取ってこなかった事実」がこれを証明しているとこういう、後でこの点はなお触れたいと思いますが、現在の社長、矢野さんとおっしゃる方、石播の副社長さんからたしか臼杵鉄工の社長さんになられた、一九七六年、昭和五十一年の十月から社長になられた方であります。この方の就任以来船の注文が一隻もなかった。事実とすれば、これは重大な問題であります。
 それから、昭和五十二年二月に、三億円の資本を三倍の九億円にして、そしてその株の五五%を石播が所有している。経済的に企業的に見ると、資本金の面でも役員の面でも業務の面でも技術の面でもすべてこの石播の系列会社、完全な系列会社だ、かように申してもいいと思います。この御認識は、当然大臣はおありになった上で、会社、石川島播磨の方にいろいろお話をされていると思いますが、現段階で運輸省としてどういうようなお話を石川島播磨の方にしておられるのか、この点を御報告願います。
#85
○国務大臣(福永健司君) 私は必ずしもその事情を微に入り細にわたってというところまでは存じておるわけではございません。正直に申し上げます。ではございますが、いずれにいたしましても、できるだけ再建が図られるようにならなければならぬという見地からいろいろな話も伺っておりますし、そういう考え方で石川島播磨等にも巷ひ協力をしてもらわなければ困るというようなことも申しておる次第でございますが、地元の海運局なんかを中心にそういう趣旨でできるだけ協力することをやらせなきやならないということはもちろん進めております。この地方にとってこの工場が非常に大事なものであるという認識からいたしまして、そういう地域的な考慮も加えつつ対処するようにいたしておるわけでございます。
 船舶局長から具体的に若干のことを申し上げさせていただきます。
#86
○政府委員(謝敷宗登君) 先生御指摘のように、臼杵鉄工所は資本金の五五%を石川島播磨重工が持っておりまして、あと田中産業三五%、大分銀行一〇%ということで、石播と地元の企業、地元銀行がそれぞれ大株主になっているわけです。わけましても石川島播磨重工は五五%の大株主でございますので、私どもとしては本件については大株主として臼杵鉄工所の地域社会に与える影響についての配慮を十分にすべきだという立場から指導をし、あるいは要請をしているところでございます。
 なお、会社更生法の申請をいたしました翌日から、大分県の副知事を中心としまして地元で対策連絡協議会が設けられておりますので、この協議会を通じまして、私どもの海運局もメンバーになっておりますが、とりあえず地元の中小企業、下請企業等に対する関連倒産防止等、あるいは所要の融資等の措置を行っておりますが、問題の基本は、やはり会社更生の手続の決定が一日も早く行われて、その決めに従って管財人が選ばれ、具体的な更生計画が早くでき上がるということが一番だと思って、私どももその点に対して大臣の指示を受けながら関係の会社には要請、指導をしているところでございます。
#87
○内藤功君 会社更生手続が開始されましても、あなたも御承知のとおり更生法のたしか百九十四条でしたか、などで、主務官庁たる運輸省は、運輸大臣はいつでもこの裁判所の更生計画に対して意見が言えるし、また場合によっては言わねばならぬ責任が私はあると思うのですね。そういう点で、あなたの御答弁は裁判所に任せきりだという意味ではないと思うけれども、運輸省のやはり権限を適切に行使をしていただくことを強く希望しておきます。
 いま、大臣並びに局長から石川島播磨へも適切な要請、指導をやはりするという姿勢がうかがわれたように思うので、その際の姿勢について、こうあるべきだという問題にも絡めて若干申し上げ、また質問したいと思うんです。
 この臼杵鉄工という会社は昭和五十二年三月の決算期には一〇%の利益配当を行っているのです。去年の三月。それでさっきお話しの田中という前の社長、実力者で切り回しておった人がある雑誌にはっきり言っております。去年三月において三億円ぐらいの利益を上げておった、こういう会社なんですね。普通更生会社でもって一年前にこんなふうに利益を上げて一〇%の配当をしたというのは、われわれの常識だとちょっと考えられないことなんです。五十二年三月までは経営は順調だったと思うんです。これ逆の資料あったら言っていただいていいですよ。私らの調べでそうです。会社の技術は、造船技術は中小の中では、私どもの調べでは船体建造、主機関の製作及び艤装の一貫作業というものがやれるという工場は中小では余りないだろうと思うのです。この工場はそういう技術があった、かように聞いております。そうしてことしの四月の二十六日に、突然この佐伯工場の閉鎖を提案してきて、六月になりまして一たんこれを労働組合の反対で撤回して、六月二十三日に会社再建の努力をするという協定を労使間で結んだんですが、七月の二十八日になって突然この更正法の申請をやってきた。その重要な内容は佐伯工場を閉鎖する、臼杵工場の方はこれは残すが、佐伯工場は閉鎖をする、こういうことでやってきたというのが大まかな経過であります。
 そこで、御質問は、これは局長にお聞きすることだと思いますが、さっき私がちょっと「要請」の署名文の中のを引用いたしましたが、昭和五十一年の九月ごろ石播が実権を握って、十月に矢野さんがいまの社長になってから、佐伯工場には一隻の船の注文もとってきていない。ほかにもいろいろありますが、まずこの点について運輸省は把握をしているかどうか。これはもう地元の新聞にもずいぶん出てきたし、この裁判所への署名文にも出ておるし、これは重大なことだと思うんですね。こういう点はどういうふうに実態を把握していますか。
#88
○政府委員(謝敷宗登君) 五十一年九月以降ということで、矢野社長の就任は五十一年の十月かと思いますが、これで、石播が受注をしまして佐伯工場に出された船が、五十三年四月二十日で八千八百総トンのコンテナ船一隻、それからその他、住友商事から臼杵鉄工がとったものとして一万六百総トンの貨物船、パナマ向けが、五十一年十二月以降五十二年四月二十七日まで四隻ございます。佐伯工場向けでございます。
#89
○内藤功君 そういうお答えになると思ったんですよ。ところが、いまあなたの言った八千八百総トンのコンテナ船一隻と、それからこれは重量トンですね、一万六千トンの貨物船、これは四隻と言われたが、ぼくは三隻だと思うんです。これは、私の質問は、矢野さんが社長になってから矢野さんの力でとってきたのかという質問なんです。これはそうじゃないんです。前の田中産業が実権を握っておった時代に契約に努力をして、そういう契約を結ぶ仕事は前の田中産業がほとんどやって、調印というか、契約締結の時期が、たまたまこの矢野さんが社長になってからの話なんです。ですから、私の質問は、調印したのがだれの時代かじゃなくて、実際に契約を、話をつけてきたのはだれかという質問なんですね。これはもうはっきりしているんです。この点どうですか。ちょっと正確にこれ……。
#90
○政府委員(謝敷宗登君) 五十一年十月前の社長はたしか田中さんじゃなくて別の方だったかと思いますが、これは私は記憶が間違っていたら後で調べますが。言うなれば、会社というのは、個人の経営努力じゃなくて、会社として注文をとってくるものだと私は思っております。それで、これは先生のお答えになるかどうかは、ちょっと私も確かでないんですが、株主間の中でいささか意見を異にしていたというようなことも聞いたことがありますが、これはまあ余談といたしまして、いずれにしましても、このような状況ですから、なかなか新造船の受注は困難であるんですが、その中でまあとにもかくにも五十一年から五十二年の初期にかけて船をとったということではないかと思います。
#91
○内藤功君 これはまあよく調べていただきたいと思うんですね。確かに契約の日付は矢野社長になってからであっても、実際だれがやったかということは、この会社の中の人は一番よく知っているわけですから、これはぜひ調査をしていただきたい。なぜ調査をする必要があるかというと、この問題の決着ですね、結末がどういうところに行くかということを運輸省として考えられる場合に御参考になると私は思っていま指摘したわけです。
 それで、問題はそれだけじゃなくて、ことしの四月二十六日に具体的な提案を会社から労働組合、これは全造船の分会があるんですが、そこに対して、会社の非常事態緊急措置について、ということで、佐伯工場は造船工場としては存続しないと、つまり具体的な佐伯工場の閉鎖の通告がありましたのが二十六日なんでございますが、このときに、四月二十七日現在の手持ちは何隻あったのか、さっきの四隻なのか、もっと多いのかということと、それはいまどうなっておるかということについてお伺いしたいんです。どういうふうに調べておられますか。
#92
○政府委員(謝敷宗登君) 現在、臼杵鉄工所の工事中船舶としましては、臼杵工場で艤装中五隻、これはいずれも三千トン以下の小型船でございます。それから船台上に一隻、これも三千七百トンのコンテナでございます。それから未着工が保安庁向け千トン、それから佐伯工場の方は艤装中のリベリア向けの貨物船、これが二隻、それから改造許可の申請が出ておりますものがフェリーが一隻というふうに聞いております。
#93
○内藤功君 不思議なことに、この四月二十七日以降に、さっきお話しの佐伯工場の場合ですね、一万六千重量トン型の貨物船、これが三隻あったんですが、このうち二杯、これがキャンセルになっていますね。それから二万トンのバルクキャリア、これがあった。これはどうなっているか。それからもう一つは一万重量トンのコンテナ船、これも更生手続の申し立ての四日前の七月二十四日にキャンセルになった。こういうふうにして、四月二十七日以降どんどんこれが仕事がなくなっていっている。そして、さらに一万トンのコンテナ船一隻については佐伯工場で製図まで行ったんですが、七月の七日、十二日、二十一日とこの図面を持っていかれちゃって、八月九日に原図型枠まで取り戻された、こういうふうな実情があるんですね。これは仕事をせっかく持っていながらどんどんどんどん結果的に取り上げていってしまう、かような事態が起きていることは私は重大だと思うんですよ。この点、謝敷船舶局長は実態をつかんでおられるかどうか。
#94
○政府委員(謝敷宗登君) 会社が更生法の申請をいたしましてから、かなり関係の取引先に動揺がありまして、たとえば主機関の供給を現金でなければしないとか、そういう問題がいろいろ出てまいりました。そこで、当面少なくとも会社更生の手続の開始が決定するまでは、従業員の給与等の問題があるので、できるだけ手持ち工事の建造については支障がないようにということで石川島播磨重工を指導してきたところでございます。そのときに、いま先生御指摘のうちで、私の手元に一隻の分の説明がございますので、これについて御説明さしていただきますと、先ほど先生おっしゃいましたコンテナ船、これは私の方はグロストンでしかちょっと手持ちにないので、同じ数字だと思いますが、八千八百グロストンのコンテナ船につきましては、五十三年二月二十八日付で石播が臼杵の佐伯工場に下請建造契約を結んだわけですが、これが五十三年の四月下旬になって事実上まだ未着工の状態であったわけです。これにつきましては、臼杵鉄工が臼杵鉄工の判断といたしまして、五十三年の七月二十五日に親会社である石川島播磨重工と契約を解除いたしまして、それを石川島播磨重工で建造するというふうに、建造造船所の変更の申請があってそれを許可したというものでございます。その他の残余のものについては、基本的には艤装品その他の支給等残存工事の施行に支障がないようにという配慮をしている、私どももそう指導いたしましたし、そうしているものと理解をしております。
#95
○内藤功君 どうもあなたの指導というものが徹底しなかったのか、向こうに通じていないのか、指導がどうもよく通じてないように思うのですね。いまたまたま一隻だけについては資料がお手元にあってお話がありました。これはまあ契約を解除したというけれども、これを私どもは石播の方にもう仕事を取り上げられた、これはこういうふうに見なきゃならないと思うのですね。それからこれはほかの件については至急に調べてください。同じような経過があると思うのですね。こういうふうにしてとにかく一隻一隻と仕事が取り上げられていく。親会社によって系列会社の仕事が取り上げられてきているという実態が私はここにやっぱりあると思います。
 もう一つ。これも御調査になっておわかりかと思いますが、これは佐伯市が――市ですね。佐伯市が臼杵鉄工の佐伯工場を再建するためにという気持ちで市の仕事を一つ頼んだんです。これは佐伯工場に仕事をさせようとして、ごみ焼却炉ですね、局長。これはまあ船じゃないけれども、やっぱりこれは造船会社の問題だから大きな問題だとして、ごみ焼却炉の建造工事を市が市の工事として頼んだのですよ。そしたら副社長の大坪さんという方、このお方が中心に出てこられて、これは石播の工場でさせる。石播の知多工場とか言っておりました。ここでこの仕事をさせるんだと言って、自分の会社にせっかく佐伯市がごみ焼却炉の仕事を持ってきてくれたのをがんばって仕事をさせない。これは佐伯市の関係者が非常な義憤を持って、せっかく地場の会社でごみ焼却炉をやらせようと思って仕事をつくったのに、ここの会社の副社長がこれをさせない。これは市役所の中の人が、幹部がこういうことを非常に憤慨して言っておる事実があるんです。
 ですから、私はこれらを結び合わせますと、一つ一つはそれは弁解があるかもしれません。単発的に言ったら弁解があるかもしれませんが、これだけそろいますと、やはりこれは運輸省の指導がちょっと効き目がなかったんじゃないか。少なくともこれからはやっぱりこういうようなすでに持っていかれそうになっている仕事、あるいはどこかに持っていかれた仕事――言葉は悪いですが、おわかりいただけると思う。そういうものを佐伯工場に戻して――せっかくもう手の内に入っていた仕事が取っていかれたり、手の内に入ろうとしていた仕事を取っていかれた場合には、それを戻してやって仕事をつけてやる、これが運輸当局としての具体的なまず何よりも最初にできる、やらねばならぬ姿勢だと私は思うのですね。そのために必要であれば、必要な限りやっぱり石川島播磨にはそのことを直接こういう指摘を出して、それできちんとした姿勢で臨まれるということであってほしいと思うのですよ。そうでないと、これはさっき福氷大臣がおっしゃった、きちんとした姿勢でいくというのは抽象的である。具体的にはこういうことをすることじゃないかと思うのですが、いかがでございましょうか。
#96
○政府委員(謝敷宗登君) いま佐伯市のそのごみ焼却炉については残念ながら聞いておりませんが、これがもしそういう事実があるとすればきわめて遺憾だと思います。現在の経営陣にかわって更生開始手続になりますと管財人が新しく選ばれるかと思いますが、その段階で私どもは基本的には石川島播磨重工も地域社会の問題については十分認識を深めたと思いますので、いま先生御指摘になるような点については、これは私どもも管財人とよく協議をしながらいきたいと思っています。
 ただここで一つ、管財人がもし将来選ばれたときに判断の問題となりますのは、現に手持ちの工事のもので売り上げを立てませんと給与の支払いにも事欠くことがあり得るわけです。そのときに、途中の段階で引き渡すことによって現金の売り上げをして、その売り上げ金をもってたとえば給与等の支払いに充てるとかいうようなケースもあり得るかと思いますが、これは管財人の判断によりまして、どちらが会社の更生のために有効であり、かつ従業員等のために有効であるかというような判断を当然下すものと思われますので、そういう時点では管財人もまた九州の海運局長、大分県知事等ともいろいろお話しになるかと思いますので、そういう事態はケースによってはあり得るのではないか、ということだけつけ加えさせていただきます。
#97
○内藤功君 これは管財人の管理に置かれても、繰り返しますが、やはり法律によって主務大臣からの意見をどんどん言えるわけですから、その場合はこういうような国会での指摘も含めて、仕事はこういうところにあったのだ、またこういう仕事があったのにこのように取り上げられたのだという事実を指摘していくということがやっぱり大事だという意味で私は指摘したわけであります。この点は大臣、聞いておられて、いまのような経過なんですが、大臣の御所見がありましたらここで伺いたいと思います。
#98
○国務大臣(福永健司君) 率直に申しまして、内藤さんのお話、ごもっともに伺っておったのですが、この点はつけ加えない方がかえっていいのかもしれませんが、まあ、いろいろな立場の人からいろいろな話を聞かないと――私、もちろん内藤さんのおっしゃることは信頼しておりますけれども、いずれにいたしましても、そういうことがありとするならば、これはもう今後気をつけなければいけないことでございますし、それを念頭に置いて対処したいと、こういうように存じております。
#99
○内藤功君 そういう事実を直ちに調べていただいて、さような事実があれば、いまこういう危機に瀕している会社の佐伯工場でありますから、また技術も非常にすぐれたところでありますから、仕事をまず確保する。もしいままでに持っていかれちゃったという仕事があるのであれば、それを戻して、そうして仕事を確保するということがまず必要だと思います。いま大臣、局長も、そのことは御理解願ったと思ってよろしゅうございますね。うなずいておられるので、そこのところはもう重ねて私は念を押しませんが、よろしいですね。
#100
○国務大臣(福永健司君) 私、造船所における作業の実態を必ずしもよく知りませんので、ある程度進んだやつをまた向こうへ持っていくというと、またこれ持っていったり、持ってきたりするのに大変というようなこと等もあるんじゃないかと思いますが、でございますから、仕事をどういうように今後の作業を運行させていくかというようなことまでというと、ちょっとなかなか物の言い方はむずかしいのでございますが、いま内藤さんのおっしゃることの精神をよく心得て対処するということに御了承をいただきたいと思うのでございます。ああ言ったのに、すぐやりかけの仕事を向こうへ持っていかなかったじゃないかとまで言われますと、ちょっとなんでございますが、おっしゃることの意味をよくかみくだいて対処いたしたいと考えております。
#101
○内藤功君 なお、つけ加えておきますと、臼杵工場の方では矢野社長が就任以来契約された船の数が二十隻、石播から直接来ている船が五隻、ことしの四月一日以降だけでも七隻と、非常に様子が違うんです。同じ会社の中で、臼杵工場と佐伯工場。技術の点ではいずれもそれはすぐれておりましょうが、特にさっき言ったような、これまた遜色のない佐伯工場の方の仕事が取り上げられていると、こういう点に御留意を願っておきたいと思います。
 そこで、なおこのような違いがどうして出てきたのか。これは、ここは運輸委員会でありますから、私は深くは追及する気持ちはありませんが、臼杵工場の方と違って、この佐伯工場の方は労働組合の系統が違う、全造船機械の分会がここにあると。そこで、これに対して労働組合の力をそいで、労働組合の力を減殺していくという意図で行われたんじゃないか。地元の県労評を初めとする県内の労働組合の方々は、そういう観点での批判と反対も行っているということをあわせて申し上げておきたいと思います。
 私は、ずっとこの事態を見ておりまして、今回の法案というものが実行された場合には、中小造船のやっていた仕事をこの二十九条ですか、事業場における特定船舶製造業のすべてを廃止する、そして買い上げるという形で、どんどん中小造船を企業ぐるみ廃棄させていくということに、この法案は促進剤として利用される危険があるということが、私どものこの法案に反対する決定的な理由でございます。そこで、あとわずかの時間でありますが、時間をいただきまして、法案の中身について若干の御質疑をしたいと思います。
 まずお伺いしたいのは、この第三十条第二項であります。「運輸大臣は、業務実施計画が次の各号に適合していると認めるときは、」認可をするというのがございまして、その一号に特安法に基づく船舶製造業に関する安定基本計画に定める設備の処理に関する事項を実現するため有効かつ適切なものであること、これが第一要件です。私がお聞きしたいのは、先日国会で成立を見ましたいわゆる特安法の三条の五項、六項を見ますというと、労働者の雇用の安定について十分な考慮が払われるべきだとか、それから六項では、当該不況産業に係る労働組合の意見を聞かなければならないとか、こういうふうに雇用の面の重視ですね、特に働く労働者に一番しわ寄せが来るわけですから、労働者の立場を重視することが、まあ、われわれは不十分だと思いますけれども、条文の中に織り込まれておるんですね。私の聞きたいのは、本法三十条二項の一号には、単に「設備の処理に関する事項」と、これが有効適切かという言い方であって、ここには労働者の意見とか雇用の安定とかいうものについては、運輸大臣の認可の場合には、論外になっているようにも読めるんですが、この点はどういうふうに考えたらよろしいのですか。
#102
○政府委員(謝敷宗登君) 今度の事業協会法案は、法律の体系といたしまして、目的のところにも明確に書いてございますが、「特定不況産業安定臨時措置法」、いわゆる特安法「と相まって、特定船舶製造業における不況の克服と経営の安定を図ることを目的とする。」ということと、それから具体的には、特安法に決めております。先生御引用されました、安定基本計画を特安法から引いております。したがいまして、私どもとしては、この協会が二十九条によって業務を行い、三十条によって業務の実施計画を立てます際に、特安法の基本計画に従って事業者が設備を処理するというために、この協会の買い上げに応ずるわけでございますので、本協会が行います設備及び土地の買収は、安定基本計画の定めるところによって実施するものであるということになろうかと思います。したがって本協会としましては、特安法の第三条五項、六項の決めに従いまして、事業者が雇用の安定と関連中小企業の経営の安定に十分配慮していることを確認して、これを行うように指導してまいりたいと考えております。
#103
○内藤功君 そうしますと、運輸大臣が三十条二項一号で認可するに当たっては、特安法の三条の五項、六項の趣旨は当然踏まえて判断するというのか、あるいはそれは、法律が別だから別だというのか、どっちなんですか。
#104
○政府委員(謝敷宗登君) 安定基本計画自身を法律で引用してございますので、三十条の認可の基準としましては、特安法の三条の第五項、六項は当然かかってくると、こう考えております。
#105
○内藤功君 もう一点ですが、四十五条に「監督命令」というのがありますが、この監督命令は、協会に対し、その業務に関し、監督上必要な命令を発することができる、こうありますが、端的にお伺いしますが、たとえば協会に対して、その事業の廃止、事業の土地などの買い受けに当たりまして、労働者の首切りがあんまりひどいと、ここで行われている解雇、人員整理は非常にひどいものだと、これを中止せよとか、あるいはこれをもう少し緩やかにせよとかいうふうなことについて指導監督の命令を発するという内容はこの中に入りますか、入りませんか。
#106
○政府委員(謝敷宗登君) 事業者の方の責務といたしましては、特安法の十条で、特定法に定める安定基本計画に従って設備を処理する場合は労働組合、それから労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者と協議して失業の予防その他雇用の安定を図るために必要な措置をとらなければならないということは規定されておりますし、かつ先国会で成立を見ました特定不況業種離職者臨時措置法におきましても、事業者の責務とそれから事業者が具体的に計画を立てまして、それを職業安定所の所長の承認を得なければならないということになっております。そういうものを踏まえまして、協会としては、労働組合を含む関係者の十分の納得を得て、協会に対して買い上げの申し出が出てくるということになっております。したがいまして、当然協会としては、これらの点については十分確認をした上で買い上げの対象にするということになろうかと思います。
#107
○内藤功君 ちょっと答えにならないのですよ。四十五条というのは、運輸大臣の命令なんです。運輸大臣が発する監督上必要な命令の中には、たとえばあなたの言ったように、理想的にいくものじゃないと、ぼくは思うのですよ。この解雇、この人員整理はひどいということについて中止をさせるというような内容を含むか含まないか、これはイエスかノーかで聞いているのです。
#108
○政府委員(謝敷宗登君) 当然協会は、先ほど私が御説明申し上げましたようなことで買い上げるわけですから、もしそれでない場合の買い上げを行った場合には、買い上げを行おうとする場合には、四十五条で必要な命令を出すということができると考えております。
#109
○内藤功君 だからその必要な命令の中には解雇がこれはひどいと、解雇を中止せよとか、解雇を緩やかにせよとかということを含むか含まぬか、このイエスかノーかなんです。これは三回聞いておるんです。
#110
○政府委員(謝敷宗登君) 関係の労働組合の意に反して申請が行われた場合には、そういうことについては買い上げをしないように、あるいは買い上げを中止するようにという命令が出されております。
#111
○内藤功君 済みません。ちょっと答えがうまく出ないものですから。
 労働組合の意に反した場合だけですか。そのほかにもひどい解雇というのはあると思うんですね。労働組合の意には反していないけども、この解雇は中止させるべきだと、こういう場合も解雇をやめろという命令出せるんですか出せないんですか、どっちですか。
#112
○政府委員(謝敷宗登君) 私どもは現在の非常に厳しい状態を踏まえますと、企業の経営者が労働組合と十分話し合って納得ずくで設備の処理を行い、その一つの方法として協会の買い上げの申し出が出てくるものと考えておりますので、先生御指摘のような場合には労働組合と十分話し合って、その納得ずくでということでは起こらないんではないかと考えます。
#113
○内藤功君 この起こらないということでは、これは議論になりませんね。起こらないことが起こった場合どうするかというのが法律なんであって、ですから私はいまの答弁非常に不満で、そういうことではこの四十五条は労働者の雇用問題に対する歯どめにならぬと、もう時間がないからかように断定をして次の質問に行かざるを得ないです。
 次の質問は、三十三条の二項です。納付金です。これは「経営の安定に支障を与えないように配慮して定める」と、こうありますが、これは大手と中小では納付金率に差をつけることも考えるということは含みますか含みませんか、大手の率と中小の率。もうつぶれかかっているような非常に危殆に瀕しているような会社も大手と同じ納付金率でいいのかという問題は、これは多くの人が疑問に思っているところです。
#114
○政府委員(謝敷宗登君) 納付金率を定めます場合に、残存事業者の経営に過剰負担がかからないように配慮するということで、その率については海運造船合理化審議会の意見も聞くことになっております。で、現在のところ、この納付金の負担という考え方は、残存能力によりまして船舶を建造していく場合のその建造によって売り上げた金額についてある一定の率をかけて納付をしていくということでございますので、過剰負担がかからないかどうかの配慮については、言うなれば恐らく納付金を納める量でかなりの差が出てくるかということを考えておりまして、先生おっしゃいます負担率そのものを変えるということは考えておりません。ただ、その負担率ということで御理解をいただきたいと思いますのは、要するに、一社ごとに負担をどのぐらいにするということではなくて、そこで建造される船の船価にある一定の比率を掛けて、一定の負担率を掛けて納付金を決めるわけですから、全体の中に占める負担の割合とそれから個々の負担比率というのは違うわけでございまして、その意味におきましては、業界全体の経営に過剰負担がかからないということで、建造する新造船の量におのずから大きな差がありますので、その差で全体の所要資金に占める負担の割合は、大手と中手以下では一社ごとにかなり変わってくるということで、船価に掛けるべき負担率を大手と中手と変えることはなくてもいいんじゃないかと、こう考えております。
#115
○内藤功君 次に、三十四条五項ですが延滞金の規定で、「ただし、運輸省令で定める場合は、この限りでない。」、これは免除を含むかどうか。「運輸省令で定める」という内容として免除は全然考えていないのかどうかということだけ。
#116
○政府委員(謝敷宗登君) 免除はあり得ると考えておりますのは、天変地変その他やむを得ないと認める事由がある場合には免除することを考えております。
#117
○委員長(三木忠雄君) 内藤君、時間です。
#118
○内藤功君 残念ながら時間が来ましたので、あとの点は討論の中で詳しく述べたいと思いますが、結局、設備の廃棄ということでずっと答弁をしておられますが、設備の廃棄は必ず人間の整理、つまり、言葉は適当でないかもしれませんが、労働者の生首が飛ぶということが必ずこれと結びついてくる、こういう結果になるであろう。そして、いろいろな雇用面での歯どめというものも、ずっといろいろ説明を聞いてみると、ないと、こういうふうに私はいまの問答を通じても感じました。これで私の質問は終わります。
#119
○委員長(三木忠雄君) 答弁いいですね。
#120
○内藤功君 要りません。
#121
○柳澤錬造君 最初にお聞きしておきたいことはこの法案の関係なんですが、この法案では、「公布の日から施行する。」というふうになっている。かなり急がなくてはならないそういう背景にあると思うのですが、いつごろ公布をして、いつごろこの協会を設立をして具体的に業務の開始になるのか、その点からお聞きしていきます。
#122
○政府委員(謝敷宗登君) 本法は、特定船舶製造業の不況の克服と経営の安定を図るというために、その過剰設備の処理を早急に実施するということを目的としたものでありますので、成立がなりましたら、後できる限り早くこれを公布して、それに引き続いて協会設立の手続を急ぎ、できるだけ早く業務を開始することができるようにいたしたいと、こう考えております。
#123
○柳澤錬造君 局長、それはこう書いてあるとおりなんで、この法案ができなければスタートができないんだけれども、大体のところあしたの本会議ではもう成立という見通しがあるわけなんで、そういう点からいくと、およその日程的にいつごろ公布をするんですと、それで、いつごろには発起人を集めて設立という手続がとられるんですというおよその見通しをお持ちだと思うので、それを聞いている、具体的に。
#124
○政府委員(謝敷宗登君) 本法律案が成立をお願いできました後で、私どもとしてはもう一つの柱であります特安法の安定基本計画を十月末を目途に海造審で答申を得たいとお願いしておりますので、それと合わせましてできれば十一月の初旬から準備をいたしまして、協会設立につきましてはおそくとも本年末ぐらいまでを目途に急ぎたいと、こう考えております。
#125
○柳澤錬造君 その意見、私は後にしますが、二番目には、先ほどからも出ておりますけれども、この納付金の問題なんです。
 この法案の中でもこの協会の業務に要する経費の一部に充てるために、運輸大臣が毎年度定めた納付金率を協会に納めろと、その納付金率は、特定船舶製造業における経営の安定に支障を与えないよう配慮をしろ、また海造審にも答申せいと言われておるわけです。具体的にどの程度の納付金率にしようと考えているのか、それをお聞きいたします。
#126
○政府委員(謝敷宗登君) 残存造船所が支払います納付金の額は、この協会が買い上げます造船の設備及び土地の買収額によって若干増減をいたしますが、現時点の見込みでは、協会の業務の運営に要する経費の一部に必要な納付金として、契約船価の〇・一ないし〇・五%程度と予想をしております。現在の契約船価トン二十万円といたしますと、二百円ないし五百円ということのオーダーでございます。
 なお、法律にも書いてございますように、経営の圧迫にならないように、経営状態の悪化が続くと認められます設立当初の時期は比較的負担率を低く、回復が見込まれます後半には比較的負担を重くするということで納付金率を決めていきたいと考えております。
#127
○柳澤錬造君 いま局長おっしゃったように、買い上げの費用がどのくらいかかるかということとか、いろいろ関係してもくると思うんです。それから同時に、今度は残った方の企業がどの程度受注があって仕事があるのかどうかという、これはまた後でまいりますから、ただ、いま予測されるような三五%のカットをして、六五%残すんだけれど、その残った六五%ですら飯を食わせるわけにはいかない、その半分程度しか受注の見通しがないというときに、その辺の点が、これだけの費用が要るんだ、だからといって、画一的に扱われるということになれば、これは大変なことになる。ですから、いままだここでは先ほどの、当初は低い率でということなんで、その辺でよほど慎重に扱っていただきたいという要望だけ申し上げておきたいと思います。
 次には、この法案が一番適用になるのも中小だと思うんです。この中小企業の造船所が、言うならば一社一工場、そして船台も一つしか持っていない、そういうところが、仮に二〇%カットといっても、その二〇%の、いや一つの船台二割削るわけにはいかないんですから、結局、企業の再編成というか合併というか、何かそういうことをやらなければ、その二〇%カットをやろうといったって、これはできないわけです。そうしますと、先ほども青木委員の質問のときにも、そういうふうな企業の集約化、再編成は当然行うでしょうという御答弁はあったんですけれども、この辺のところが具体的にどのようなお考えで、そしてどういうふうに進めようとしているかということを少しお聞きをしておきたいと思うんです。何といっても、これは前にも大臣からも御答弁をいただいているように、生産設備の削減が主目的ではないんであって、経営の安定をするようにしていくというところに一番の目的があるんですから、そういう点考えて、一つの会社で工場も一つしか持ってない、そこには船台が一本しかない、そういうところをどういうふうにするかということです。
#128
○政府委員(謝敷宗登君) 過剰設備の処理につきましては、たしか先生御指摘のように、安定基本計画でそれぞれのグループに分けて処理率を定めてございます。しかし、いずれにいたしましても、原則として基数単位の処理ということでございますので、中手以下の企業の中で一社一船台のものが三十一社あることもこれはよく承知をしております。これらの企業がどういう形で設備を処理し、かつ経営の安定化を図るかということになるわけでございますが、これらのうちで五千トン以下の新造設備を持っているもの、それから修繕施設を持っているもの、あるいは陸上について若干の経験等があるもの等はまた選択の幅が広くなってくるかと思います。で、本当に五千トン以上の一社一船台のものについては、本来ですとこういった時期でございますので経営が厳しくなってくると。まあそういう状態の中で将来に向かっての経営の安定を図るためには、先ほど御答弁申し上げましたように、多角化なり集約化なり、あるいは集約化の一つの前提として共同の設計、受注、購買とか、こういったものでやっていかないと、なかなか今後に対応できないということも十分考えられるところであります。まあそういうことで、こういった企業が自分の企業の将来を考えて自主的な判断をしていくわけですが、まあそういう意味におきまして私は非常に事業者にとりましても判断の厳しい選択を迫られるかと思いますが、一年、あるいは買い上げの期間五十四年度末まで考えておりますので、まずその期間にわたって、企業の経営者の意見も十分聞きながら、あるいは相談にこられましたら十分相談に乗って、適切な選択が企業の自主的判断によって行われますように私どもも対応してまいりたいと、こう考えております。
#129
○柳澤錬造君 その多角化というのは、これは大企業の場合には当然やれるんだけれども、いまも局長が言われました三十一社というのはかなりのところが造船の専業度が高いわけで、なかなかそういう応用動作がきかないわけなんです。ですから、完全な企業合併をやらないまでも、何らかのことが行われなければ、この設備削減ということはこれはできないはずなんです。先ほどから言ってるように織機のような、機織り機械だったら、百台のうちじゃあ二十台を外しちゃって、あと八十台で動かせばいいんだけれども、船台が一本しかない、その一本しかないのを二割削るわけにいかないんですから。ですから、そういう点からいって、これが円滑にスムーズにやるために、具体的に何らかの恩典といいますか、特典といいますか、そういうことを考えないとなかなか中小の場合にはうまくいかないんじゃないんだろうか。そういうことについてのお考えはお持ちかどうかということです。
#130
○政府委員(謝敷宗登君) まあ基本的にかつてのような造船の専業度が高いままで今後、ずっと造船――中以下といえどもやっていっていいかどうかという審議がずいぶん造船合理化審議会でなされたわけでございまして、私は何らかの時点でやはり多角化という点である判断をして心がけるべき方向の一つであろうと考えております。したがいまして、いま先生おっしゃいました点について、仮に何らかのお手伝いができるとすれば、たとえば本年度補正から予算が認められました解撤の工事であるとか、あるいはそれを足がかりにしてほかの工事であるとか、修繕であるとか、こういったものをやはり何らかの形では心がけないと、なかなか新造船の需要一本だけに頼ってたんでは経営がやはり繁閑の波にさらされるということから逃れるわけにいきませんので、そういう意味におきまして私どもとしては、まあ企業の判断によって共同行為によりまして多角化に向かうなり、あるいは集約化の方向に向かうなりを期待してるわけでございますが、この点は私は強要してうまくいくわけではないんでございまして、やはり十分慎重に企業の経営者が考えた上でそういう道を選ぶことになった場合に、この協会としては、それに当たっての資産の処分に当たってお手伝いができるんではないかというふうに考えておるわけでございます。
#131
○柳澤錬造君 局長それから大臣、聞いておいてほしいんですけれども、相談に来ていろいろそれはやってあげてほしいと思うんですよ。ただ問題は、さっきから言っているとおりに、一社で船台一本しか持ってないわけ。そうすると、それはどうしても、仮に二〇%だったならば、四つなり五つがまとまってその中でどっかが犠牲になってもうつぶすということをやらない限りこの法律のあれが生かされないわけだ。そのあれがなかなか、どことどこと、――大手だったらあっちにもこっちにもあるから、自分のところにあるののうちのどこかを始末をすればいいんだけれども、中小手はそれができないわけだから、一つの連合体といいますか、集約か再編成かやらにゃいけないんで、それをやれるようにするために、皆さん方の方でも何らかのそういう便宜というか促進ができるような恩典を考えてあげていただきたい。それからもう一つ、いろいろいまの解撤工事もそうだと思います。ですから、そういう点で余りしゃくし定規に画一的に、何か、ようかん切るようなわけにいかないんであって、その辺を大臣十分に配慮をしていただきたいと思うんですよ。そして、結果的にこの法案が生かされて、そして造船産業というものが立ち直れて、また正常な経営ができるようになればいいんですから、その点をぜひお考えいただきたいと思うんですが、大臣どうですか。
#132
○国務大臣(福永健司君) おっしゃる御趣旨よくわかるわけでございますが、仮にどうこうというような例を挙げてということになるとなかなかむずかしいと思いますけれども、お話の趣旨に従いまして、しゃくし定規にならぬよう、この法の精神を生かすことができるよう、せいぜいそういうことに配慮が行き届いた措置をとっていきたいと存じます。これからのことでございますから、よく考えて対処さしていただきたいと思います。
#133
○柳澤錬造君 それからもう一つ、法案の中で、何条だったか、評議員会が設けられるんで、二十名以内で評議員――これはむしろ本来からいえば海造審の方のメンバーの問題で考えなきゃいけないことなんですけれども、この法案に関係してお聞きしておくんですけれども、労働組合の幹部なりあるいは労働組合の出身者なり、何かそういう系統といいますか、バックにしたもののメンバーが、これはもう海造審に限らず、いまの政府のいろいろな機関というのでは私は少ないと思うんです。ですから、そういう点に立ちまして、今度この協会をつくるについて、二十名以内の評議員をもってやるということになっているんですから、これはいまお答えいただければそれでもいいし、お答えいただけなけりゃ構いませんから、できるだけやっぱり、先ほどから出ているように、雇用の問題が何なんですから、労働組合サイドの方からも評議員により多く加えるようなことを御配慮をいただきたいと思うんです。
#134
○国務大臣(福永健司君) 本協会の使命にかんがみまして、いろいろな方面から評議員も出てもらって、それらの意見が集大成されたような形で、よき善処が行われることが望ましいと思います。いま柳津さんのお話の労働組合の関係の方も、まさにそのいろいろな意味で学識経験等豊富な方もおられるわけでございますから、いまの御意見等も踏まえまして指導してまいりたいと思います。
#135
○柳澤錬造君 じゃ次に、範囲が広い点でお聞きしていくんですが、今度の協会法は言うならばいまの造船不況対策の後ろ向きの対策だと思うんです。前向きの対策としては何といったって需要創出をして、仕事をつくり出していかぬ限りは雇用の安定もしないし、経営の安定もしないわけなんです。ですから、その点で需要創出のそういう面の政策というか、施策といいますか、お聞きをしたいんです。特に私が心配するのは、英国の海運総評議会が出されている資料を見ましても、係船がまたずっとふえてきているんですね。昨年の春の四月ごろタンカーなんかも二千六百七十六万、これは重量トンですが、そこまで下がってきた。それで、大分これはもうよくなってきたな、もうしばらくだと思っておったら、それがまたどんどんずっとふえてきて、もうことしの七月では四千三百二十一万トンといって、石油ショック後の一番ピークになったあれにまたもういま近づいてきちゃっている。これはもうタンカーだけじゃなくてカーゴーもそうなんです。ですから、そういう点から考えていきますと、もうしばらくしたら造船産業の見通しもよくなるんじゃないか。あるいは受注ももっといって、まあいまのところはそういう見通しを皆さん方もわれわれも持つんだけれども、実際はそんな甘っちょろいものではないようないま気配にあるだけに、この需要創出ということをそちらも本気になってお考えいただかなければいけないんで、そしてたびたび出てくることだけれど、そういう点でどういうお考えか、特に計画造船の問題。
 それからまた、これもすぐ、ことし、来年の問題にはならないですけれども、LNG船のようなものも急いでいただかなければいけないし、あるいはIMCOのことしの二月の決議のあの改造工事なんかの関係も早めていただかなければいけないんで、そういう点を含めましてお聞きしたいんですけれども。
#136
○国務大臣(福永健司君) 一部設備を処理するというようなことも、それだけ減らそうというような考え方が直接の目的ではなくして、できるだけ多くのものが生きていくと、このままほうっておいたんじゃみんながだめになっちまうんで、そういうことにならないようにというような考慮からも出ているわけでございますから、いまお話しになりました官公庁船のようなもの、そういうものをできるだけこの際よけい発注するようなことを考えるとか、計画造船についてもぜひこれを推進しなきゃならないし、それからいままでも話は出ていたが、そのわりあいに仕事が進んでない部分がかなりあります。解撤なんかも一部そう言えると思いますし、それからLNG船についてもいまお話がございましたが、こういうようなものを初めとする特殊船舶の建造だとか、あるいはまたお話があったIMCOの例のタンカーの改造、これも話には出ておりますけれども、まだ実際には進んでおりませんので、こういうのをいろいろやっていくと、まあ十分とはいかないでもまあまあ仕事がある程度あるなということにできるし、そういうふうにさせなければいけないと、こういうように思っております。その他たくさん広く考えていけばほかにもあるわけでございますが、直接船と関係のないようなものでも開拓していくということもありましょうから、こういうことに政府としても一生懸命に心がけていきたいと、こういうように考えております。いたずらに設備を少なくするというようなことが能ではないと、これは強く感じておる次第でございます。
#137
○柳澤錬造君 海運局長の方は……。
#138
○政府委員(真島健君) 先生から三点ばかり御摘がございました。おっしゃるとおり、海運界も非常な不況でございます。特にタンカー関係業のことは先生の御指摘のとおりです。最近OPECの石油値上げ等の問題絡みまして、多少タンカーの運賃市況締まってまいりました。しかし、これも年末を過ぎますと、果たしてその好況がさらに持続するかどうかははなはだ疑問でございまして、そういう中で私ども日本の商船界、特に日本船の競争力が落ちておる、こういう状況にかんがみまして、また造船関係の需要の確保ということも絡め合わせまして、来年度は現在の計画造船制度を相当大幅に改善をいたしまして百万総トン程度の建造を確保したい、このために、予算要求といたしまして、利子補給制度の復活あるいは開銀融資比率の向上というようなことをあわせて要求をいたしまして、何とかして百万総トンの建造を確保いたしたい、このように考えております。
 また、LNG船の計画につきましては、御承知のとおり、関係者の間でイランのLNGプロジェクトが検討されておりますが、このプロジェクトにつきましては、大体LNG船が全体で五隻程度必要である、こういうことで五十四年度にはとりあえずこのうちの三杯、これについて造船契約が結ばれる見込みでございまして、これらの船は、五十七年度に就航、竣工ということで計画が進んでおります。
 また、去る二月にIMCOで、SBT問題を中心とする海洋汚染の関係でのタンカーに対するSBTあるいはCOWの設置義務、これはおっしゃるとおり一応二月にIMCOで決まりまして、一九八一年、五十六年までにこれを何とか実現をしていこう。五十六年以降こういう義務づけが出てくるわけでございまして、ただもちろん、これを早くやってもいいことでございますし、当然私どもといたしましても、開銀融資の面で、今年度からSBTあるいはCOW等の改造工事についての財政融資制度を急遽つくりまして、この面でごめんどうを見さしていただいておりますが、さらに来年度につきましても、この融資比率を向上させましてこういうような改造工事ができるだけ促進されるように努力をいたしたい、このように考えております。
#139
○柳澤錬造君 大臣 先ほど言われたように、設備削減が主ではなくて、なるべく多くの人たちが生きていくための、そこにねらいがあり、目的がある、そのとおりだと思います。そしてさらに、そのお考えで、これももういままで委員からも出ていますので、くどくど私も申し上げませんが、何といっても企業の安定ということは、やはりそこに働いている人たちも安心して働けるようになることだと思うんです。ですから、そういう点でもって買い上げしたところ、そういうところは、造船をやらなくなる、何らかのものに転用するとかなんとか、そういう形で、雇用労働者の不安が起きないように、その処遇の問題についても、これは労働省任せではなくて、監督官庁としてその辺についても大臣に十分御配慮をいただきたいし、そのことについても簡単にお答えいただければと思います。
#140
○国務大臣(福永健司君) ただいまお話しの点は、お話の御趣旨のようにぜひいたしたいと思います。労働者の皆さんから見てもこの法律はよかった、おれたちを首にするための法律じゃなくて、自分たちの気持ちも経営者その他関係者が一緒によく相談して善処してくれる結果になる、それをねらいとする法律であると、こういうように理解してもらえるようにわれわれも重々心がけてまいりたいと存じます。
#141
○柳澤錬造君 時間がなんですから、大臣、最後に、四月の二十七日の本委員会でいろいろと造船不況対策でやってまいりまして、最終的に自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、民社党、第二院クラブの各派の共同提案でもって、自民党の山崎竜男先生の方から造船不況対策推進に関する決議案というものが出されまして、それを可決をしております。この中には、先ほどからいろいろ論議をしているようなものだけでなしに、もっとかなり広範囲に不況を乗り切るためにとらなければならないものが、こういう問題があるぞといって取り上げているわけなんです。ですから、改めてここでまたそれをもう一回言う必要はございませんので、この決議を生かして今後の政策の中でもって行政指導もしていただきたい、できるだけそういう点についての配慮もしていただきたいということの要望を申し上げておきます。
 これで終わります。
#142
○目黒今朝次郎君 一番しんがりで、いろいろ私もきのうから大臣が一番いやな原子力船「むつ」のことで佐世保に行ってきまして、先ほど十二時ちょっと前に帰ってきたのですが、青森県のむつ市における問題今回の佐世保における問題などなどについては、後ほどまた機会があったら議論するとして、私はきょう出ているこの法案の問題で、主として雇用問題が一体どうなるのかという点が私自身がわからないものですから、ひとつ関係者の実質のある具体的な答弁をお願いしたいと、こう思います。
 その前に私は一つお願いがあるのですが、十九日また委員会が開かれるといいますから、そのときにまたお願いするとして、いま社会問題化になった大型トラックの左折に伴う事故――十二日にも都内で、午後三時ですか、お母さんが自転車に子供を乗せておって、トラックの後ろの車輪で、お母さんの目の前で、子供の頭ががくっとやられた。こういう記事も上がっておりましたし、きのうですか、若い青年がまた車の左折で即死。これだけ社会問題になってこれだけまだ同じことが繰り返されているというのは、運輸産業に携わるわれわれとしては、理屈はどうあれ、社会的に大変な責任を感ぜざるを得ない。私もその一人だと思うのです。
 ですから、いろいろな通達が出ておるようでありますが、いろいろな新聞の社説なり、あるいは日曜の特集号などを見てみますと、やはり率直に言って、メーカーに対して運輸行政がきわめて弱腰だという点が大体結論として言われておるわけでありますから、やっぱり本件問題に対する運輸大臣の見解を聞くと同時に、十九日の次の委員会にはその大臣の答弁に従った具体的な裏づけを私はぜひ出してもらいたいと、こういうことを考えますので、これは質問の予告も何も要らないでしょうから、社会問題化しているトラックの死角ですね、これに対する運輸大臣として、あるいは国務大臣として――警察をきょう呼んでおりませんから、ひとつ冒頭大臣の見解を聞かしてもらいたいと、こう思うのです。
#143
○国務大臣(福永健司君) いまお話しの点につきましては、昨今の新聞等にもその種のことで痛ましい記事が幾つか出ております。私も大変頭を痛くしておる次第でございますが、これにつきましては、目黒さんよく御存じのように、幾つかの施策を運輸省としても講じて、車を改造するとか、その他のことに業者等を督励してそうさせるようにということをいたしておりますが、現時点で私感じますことは、これはもう一段とさらに速やかに強い施策を講じる必要があろうと、こういうように思います。十九日と言ったってすぐでございますけれども、私どもの関係の方、また必ずしも関係でなくても、ほかの大臣諸君も恐らく同じような考えでいるように思いますから、その種の施策をさらに進めて、いままでこうでしたが、今後こういうこともやろうかと思いますというようなことが十九日には申し上げられるように、準備をみんなにするように強く私、指示いたすことにいたします。
#144
○目黒今朝次郎君 われわれもドライバー、運転の経験があるものですから、ひとつそういうことを含めて努力を要請して、十九日を楽しみにしていますから、よろしくお願いします。
 それで、今回の法案を審議するに当たって、ことしの通常国会で、造船不況ということで、商工委員会との合同審査も含めていろんな議論をしたわけですね。その議論した際に、たまたまいま船舶局長が、海運界の国際、国内の見通しというのはどうなのかという議論をした際に、大体ことしあたりが最低のあれで、だんだん後は緩慢であるけれども、海運界はよくなっていくであろうと、そういうような話もしたやに記憶しているんですがね。設備を廃棄するという問題と、将来の五年か十年ぐらいの海運界、造船界の、いま計画造船の話が柳澤委員の質問に答弁がありましたが、答弁を聞いている限りでは、大分明るいような計画造船の話もちょっと耳にしたんですが、そういう計画造船と海運界の見通しと今回の設備廃棄を考えますと、展望としてはどんな状況なんでしょうか。このまま横すべりで行ってしまうのか、あるいは海運界は景気がよくなって何とかうまくいくのか、その辺のまず本法案の提出に当たって、政府の方ではどういう情勢分析をされたか、参考までに聞かしてもらいたいと、こう思うんです。
#145
○政府委員(謝敷宗登君) これのもとになりました論議は、海運造船合理化審議会で七月十四日、答申をいただいておりますが、そこで造船業の安定化方策の根幹は、受注の見通しをどう見るかということであるという考え方でございました。その際に、この種の需要の見通しの手法というのは、前々からやってまいった手法でございまして、世界の各地域、たとえば先進国、開発途上国、共産圏等に分けて、経済成長率をそれぞれ見込んで、その経済成長率からエネルギーなりあるいは石炭、鉄鉱石、木材、穀物といったバラ積み貨物、あるいはその他の貨物というふうに分けて、海上荷動き量を算定するわけでございます。その際に、私どもとしては、現在利用し得る一番新しい国際機関、あるいは国内の研究機関のデータをもとにいたしますと、昭和六十年まではなかなか前のような状態には戻らない、かなり経済成長率その他高めの数字を用いましても、前のような状態には戻らないという結論が出たわけでございます。それから、日本とその他の諸国の造船の持ち分といいますか、そういったものがもう一つのポイントでございまして、それを考えますと、従来五〇%をやってきたんですが、開発途上国の工業化計画の進展等を考えますと、今後摩擦を起こさないで、かつ日本として特色のある造船業を育てるには、まあ三分の一ぐらいの持ち分というものを頭においてやるべきではないかというような議論等がありまして、そこで検討いたしますと、日本の現有能力が貨物船換算にいたしまして九百八十万トン、昭和六十年の日本の需要量が六百四十万トン、したがって、その差の三百四十万トンは過当競争の防止のために今後とも休廃止すべきではないかという意見が出たわけです。もちろん、それまでに至ります期間は、六百四十万トンに及ばない需要でございまして、高めに見ても及ばないという需要でございますから、確かにそこは五十三年なり五十四年なりということであろうかと思いますが、そういう時点におきましては、他の新しい新規需要の創出を一生懸命やりまして、何とか設備処理後の能力に対して適正な操業度に持っていきたいということでこの計画を策定をした次第でございます。
#146
○目黒今朝次郎君 私は造船の関係の審議会の資料を見ていませんから、なかなかそう言われると、ああそうかなあとなるんですがね。要望ですが、運輸大臣のいろんな審議機関、これは造船だけじゃなくて、いろんな審議とか諮問委員会とか、いろいろあるんですがね、国鉄を含めて。答申が出てくると、その答申に従って、おたくの方じゃいろんな法律、立法措置をする。あなた方はその審議会に事務当局として参画しているから、それなりに頭の回転はいいんだけれども、われわれ議員は新聞で見るか、あるいはいろんな業界誌で見るか、あるいは何か別の方から見るか、そんな程度なんで、私などは、きょうは本当は不安なんですよ。きょう法律やって、きょういまから審議して、いまから何とかかんとかと言われると、頭の中ちっともわけがわからぬ。だから私は、この段階で愚痴は言いませんが、少なくともこういう国会の審議にかかわるいろいろな諮問委員会の発足の際には、何のたれべえがこうなったと、メンバーと、各委員会とか小委員会ごとにいろんな審議がされるわけでありますから、その際には、おたくの極秘のような書類は運輸行政にはないと思うのですね。極秘の書類以外は、やっぱり審議会の都度われわれ国会議員に、きょうはこういう審議をしましたと、事務当局からこういう資料を提示しましたと、大体こういう問題点がありましたという点を審議会の審議と並行してわれわれにその資料を出すなり、あるいはその審議会に参画した事務官が要点を整理をして、われわれに参考資料としてきちっと配付すると、そのぐらいの私は親切さと慎重さがあっていいと、こう思うのですよ。ですから、これは後の理事会で、今後そういうふうに国鉄を含めて、陸海空含めてそういう配慮をぜひしてもらいたいものだということを、これは大臣に、まず取り扱いについての見解をお願いします。
 それからもう一つは、このプリントを見ますと、いま局長が言ったとおり、経済成長率を比較的高めに見てもと、これは福田総理の七%論じゃないけれども、一体この三百四十万トンの算出に当たって、経済成長率を高く見てもということは、どの程度の経済成長率で需要と供給を計算して、これだけなんだと、こうなったのか。この辺は大事なことですから、三百四十万トンが果たしていいのかどうかという問題に絡みますから、何とか審議会で、この点はどの程度の経済成長率で計算をされて三百四十万トンというのが算出されたのか。これは基本ですから、ひとつ教えてもらいたい、こう思うのです。
#147
○国務大臣(福永健司君) 目黒さん前段で仰せの点につきましては、できるだけ御趣旨に沿うように、きょう出席しております局長たちばかりではございません、その他にもいろいろおりますから、いまのお話の御趣旨を伝えたいと思います。まあしかし、余り詳しいことを申し上げても、かえってうるさがられるかと思いますので、その辺適度であるように心がけて対処いたしたいと存じます。
#148
○政府委員(謝敷宗登君) 簡潔に御説明いたしますと、一九八〇年から八五年にかけまして、低目で三・九、高目で四・九というのを世界の実質経済成長率というふうに見込みました。
#149
○目黒今朝次郎君 それは国際的な成長率を算定しただけであって、国内の関係については配慮しなかったのですか。
#150
○政府委員(謝敷宗登君) 国内の点は、日本についてもいろんな機関の統計を参考にしまして四・五から六・五というふうに平均で見ておりまして、六・五を採用しております。
#151
○目黒今朝次郎君 福田さんの予算委員会における答弁と大分違うね。
 だから、こういう造船廃棄というときは低め低めに見て、景気のいいときは、いや七%程度だ、七%程度だと、こう見ましても、この三百四十万トンという関係は一体どういう統一的な経済条件のもとで算出されたのか、非常に疑問に思うんですよ。これは言ってもしょうがありませんから、大体おたくの考えわかりましたから、できればこういう際にもやっぱり成長率は統制――統制と言うと変だけれども、統一してほしいということをお願いだけしておきます。
 それから、私はこの法案を見て、先輩各位からもうお話があったと思うんですが、この法案をずっと二回、三回読ませてもらって、どうしても三五%設備削減すると、その際に設備と土地を買い上げて管理をして、そして他の有効な方に譲り渡す、あるいは売ると、そういう点はそれなりにわかるんですが、そこに働いておる従業員というのは一体どうなるんだろうかと。まあ国鉄の貨物合理化でもトラックに負けたから、貨物が多いから減量経営せいと言うて、大分貨物合理化で議論されたと同じように、減量ということはすぐに首の問題につながってくるわけですよ。だから、三五%の減量というものに対して、そこに働いている従業員に対してどういう総括的な配慮と対策を立てたのか、それをまず冒頭総括的にお聞きしたいと思います。
#152
○政府委員(謝敷宗登君) 造船業の不況がかなり長期に長引くということで、五十一年の海運造船合理化審議会の答申で操業調整をまず第一段階として実施したわけでございまして、最盛期に比べまして五十三年度が七〇%、それから五十四年度が六三%というような操業目標で余り大きな摩擦を起こさないようにということでいままでスローダウンをしてきたわけです。したがいまして、今度三五%の設備処理をいたします場合に直ちに設備処理という事態から遊休の労働力が出てくるというふうには考えておりません。ただ、いままでの操業のスローダウンの中で企業としては、企業内の職種転換とかあるいは出向とかその他事業転換等によって余剰労働力を社内で吸収するというようなこともかなり努力をしてまいったんですが、まだそういう点で今後余剰労働力がないかという点になりますと、全く出ないというわけにはいかないかと思います。
 そこで、そういう事態ではございますが、このままの事態をほっておきましても過当競争が起こり、さらに船価の競争が起こって全体が壊滅状態になるようなおそれがあるということで、特安法で設備の処理をする仕組みができまして安定基本計画をつくるわけでございますが、その安定基本計画に従ってこの協会は買い上げ業務をやっていきますので、基本的には特安法の第三条の配慮規定、それから事業者に対しては第十条の労働組合との協議規定、それから離職者臨時措置法の第三条と第七条のそれぞれの労働組合との十分な協議、計画の策定という項がありますので、そういったものを頭に置きまして、この買い上げの申し出をされる場合には事業者が現在の事態を十分頭に入れて関係の労働組合あるいは債権者等と十分話をしながらこの選択の道を選んでくるものと考えますし、この選択の道を選んだ場合にはそういう雇用面に対する配慮が十分行われているかどうかということを買い上げに当たって十分確認するようにというふうに協会を指導してまいるつもりでございます。
 そのほかの全般的な雇用対策につきましては、労働省と十分密接な連絡をとりながら雇用対策について私どもなりに需要の創出等に対応をしてまいりたい、こう考えております。
#153
○目黒今朝次郎君 いま造船労働者で解雇になった人が六万とも七万とも言われておるのですが、労働省も来ていますか――労働省で船舶局でもどちらでも結構ですが、一体いままで不況ということになってから造船労働者がどのぐらい倒産を含めて解雇、離職になって、そのうち何名ぐらい現時点、現時点でなければ一番新しい資料でも結構ですから、何月何日現在どのぐらいいわゆる就職したか。そういう造船労働者の現況の把握について、大筋で結構ですから、大体失業者何名、そのうち就職した者何名、それから雇用保険の切れた者何名と、そういうような失業者の実態についてどの程度把握しているか聞かしてもらいたい、こう思うんです。労働省でも船舶局どちらでも結構です。
#154
○説明員(白井晋太郎君) お答えいたします。
 造船従業者の推移は、これは運輸省の統計によりますが、四十九年末に約二十七万四千人でピークでございましたが、五十三年四月で二十万三千人と三年四ヵ月の間に約七万一千人減少いたしておる状況でございます。
 なお、昨年特定不況業種離職者臨時措置法ができまして、これに基づきまして手帳の発給を行っておりますが、これによります造船関係の手帳の所持者は二万一千三百七十五名ということになっております。
 なお、就職の状況でございますが、造船だけをとらえた数字が現在手持ちがないわけでございますが、特定不況業種離職者臨時措置法の業種全体で手帳所持者が約四万名でございまして、そのうち現在までに就職いたしておりますのが八千名強ということになっております。なお、訓練に現在入っておられる方は一千九百五十九名、約二千名ということになっております。
 以上でございます。
#155
○目黒今朝次郎君 そうすると、確認しますが、造船労働者の減は七万一千人、手帳の登録を受けた者が二万一千三百七十五、そのうち就職した者が八千、それから訓練中の者が二千と、こういうことですね。
#156
○説明員(白井晋太郎君) そのとおりでございますが、就職と訓練中の者は造船のみをとらえた数字ではございません。
#157
○目黒今朝次郎君 造船のみをとらえただけじゃないということになれば、まずこれより下ということになるわけですね。大臣、いま言ったとおり、この不況の問題が始まってから七万一千人が減なんです。手帳の交付が二万一千三百七十五、差っ引いた五万人というのは一体どこへ行ったんですかね。五万人、これはどこへ行っていると思いますか。
#158
○国務大臣(福永健司君) 私、必ずしも詳しくそれは存じませんが、その五万人が皆失職しているとはもちろん限らない。いろいろなところに吸収されている者もあり、そうでない者もありますが、しかしいずれにしても、相当事態は深刻である、大変深刻であると、こう認識しなければならぬと思います。
#159
○目黒今朝次郎君 労働省は、毎回社労委あたりで質問すると、問題点の実態の把握をするために追跡調査するということをちょいちょい言われるんですが、この七万一千人に対して手帳交付が二万一千七百三十五、いま大臣の言うとおり、他の方に就職している方もいるだろうけれども、大部分はどんな状態だと、労働行政上把握しますか。
#160
○説明員(白井晋太郎君) 先ほど申し上げましたように、この七万一千と申し上げましたのは、四十九年から三年以上たったところの数字、ピーク時からの数字でございまして、そこのところは、まずそのころには臨時措置法もございませんでしたし、手帳の所持その他、追跡はいたしておりませんが、先ほど大臣もお答えになりましたように、雇用保険または訓練を受けながら就職その他に移られた方、または転職された方と思います。追跡調査はそこの部分については行っておりません。
#161
○目黒今朝次郎君 結局、追跡調査をしてないから実態がわからない、逆から言うとね。やっぱりそれでは私は労働行政は不親切じゃないかと思うんですよ。やはり職安があり、いろいろな県の機関があるんですから、やはりこの方々は、私は極端な言い方をすれば、ほとんど失業保険も切れたし、手続もなし、そしてまあほとんど日雇いと言っては変でありますが、その日その日の季節労働者になって働いておる方々が大部分じゃないかと、こう私は推定いたします。私も田舎に造船の町がありますから、気仙沼あり石巻あり、そういうことを知っておりますから、やはりこの方々が大分そういう形でいるということだけ私はつけ加えて、実態調査を親切にしてほしい、こう思います。
 それで、今度は船員局長にお伺いしますが、前の国会で不況産業安定の問題でいろいろ議論されまして、雇用促進センターをつくって、船員の失業は大変なものだと、この前言いましたからもう言いません。ただ、法律をつくって施行した際にどういう結果になるだろうかという実態を私は点検するために、船員局長にもいろいろ労を煩わしてここに来たわけでありますが、この雇用促進センターの現時点の促進状況、それを簡単に御答弁願いたい、こう思うんです。
#162
○政府委員(向井清君) お答えいたします。
 ただいま御質問の船員雇用促進センターの現況でございますが、御承知のように本年六月に発足ということでございまして、以来二、三ヵ月の間、内部の業務体制の整備等を図り、あるいは海外へのPR活動、諸情勢の把握というようなことに鋭意努力いたしてまいりまして、先月来というような時点で具体的なあっせん努力を始めてきておる、数件についてそのようなことがあるやに聞いておりますが、しかしながら、客観情勢、ことにその通貨情勢の変動というものもございまして、なかなかあっせん活動がスムーズに進みませんで、残念ながらこれにつきましてはいままでのところ成約を見たものはないということでございます。このあっせんにつきましては、まだ継続しているものもございますし、今後とも精力的に進めてまいる、役所としても、これを十分指導、促進してまいるという所存でおります。このほか、教育訓練につきましては、それぞれの科目につきましていろいろ業務が進んでおるということでございます。
 またちなみに申し上げますと、離職船員の登録数は九月末現在で一千百九名ということでございます。このほか、雇用船員につきましては、船会社からの報告の受理という形になっておりますが、人数だけ把握いたしておりますが、これが九月末で七百四十八名ということになってございます。
#163
○目黒今朝次郎君 そうすると、大臣ね、いま局長から報告があったとおり、前の通常国会であれだけ皆さんお互いにやって、五十三年五月二十九日発足以来今日時点まで考えてみると、この雇用促進センターが仕事の世話をしたという方は一人もいらっしゃらないと、一名もない。ただ、登録された方、あるいは企業内で転換の申し出があった方は、いま局長の言ったとおり登録が千百九名、企業内からやりたいなという方が七百四十八名、これだけ私は結局、条件が厳しい現状だと思うんです。条件が厳しい。しかも、まあきょうは時間がありませんから、これも十九日に譲るとして、いろいろ聞いてみますと、労働条件等についても、この法案をやる際に私が当時の運輸大臣に詰めをして、いわゆるこの海員組合あるいは船通労、日本の労働組合との労働協約がやっぱり基本ですよと、こういうだめ押ししたについても、わかりましたと。ところが、現にこの協会からもらった資料を見ますと、管理委員会が「外国船配乗の労働条件ガイド・ラインの設定について」と、この文書を見てみますと、必ずしも国会の答弁が業界の間では守られていないという気もします。一面は厳しい、一面は守られていない。苦悩はわからないわけじゃありませんがね。苦悩はわからないわけじゃありませんが、やはりこういう状況なんであります。
 それで、私は本法案に戻って、三五%の設備廃棄をする際に、船舶局長は先ほどまあ離職者法第何条、あるいは特定不況業種の方の第何条とか、あるいは安定基本計画つくる際に労働組合の意見を聞くとか聞かないとか、いろいろありました。いろいろありましたけども、三五%の設備廃棄に伴ういわゆるその従業員の生活の保障という点は、現状でもこれだけ厳しいんですから、いまから十年間やっていくとなると、私は大変なやっぱり条件なり厳しさがあると、そう思うんです。ですから、従来の従業員対策ではどうにもならと、そういう私は認識を持っておるんですが、大臣とか船舶局長は従来の雇用に対する三法案、あるいは特定不況地域を入れれば四法案、この国会で四法案、この四法案で当該の従業員なりあるいは地域の問題なり、そういうものは克服できるという前提で立法されたのか、いや、いろいろあるけども、これは特別の立法を考えなければ大変だわいと、そういうような立場で考えているのか。機械と土地はわかりましたか。そこに働く従業員と、その従業員を中心とした地域社会。これは、造船というのは地域的集中型ですからね。それは佐世保にしたって、うちの石巻にしたって、あるいは函館にしたって、塩釜ドックにしたって、非常に造船の地域社会における依存度というのはきわめて大きいんですよ。そういう点についてどれだけ真剣に議論されかのか、その辺のさわりを――私はこれじゃ、大変だなあと、こう思うんですが、それのさわりを聞かしてもらいたい、こう思うんです。
#164
○国務大臣(福永健司君) 私が申し上げることがさわりになるかどうかは別といたしまして、いままあお話もありましたように、事態はきわめて深刻であり、いまお挙げになったような幾つかの法律等もつくって対処いたしておりますが、私はまず第一に、そのいまできているものが完全に機能を発揮しているかどうかという点については、もう一遍考えてみなきゃいかぬというような気がいたします。せっかくできた法律であるんだから、その法律でうまくやればこうできるという、そういう点について十二分に行き届いてるかどうかという点については、私どもはさらに再点検をしつつ、機能を十分発揮せしめたいと。ところが、まあ先ほどもお話しのように、その種のことはございますけれども、いま出しつつある若干の法律案、したがって近いうちに成立するであろうところのものは、これまた十分にその趣旨を生かさないと思ったとおりに進まないということも心配されます。現在審議をしていただいておりますものについてもそういう心配がありますので、その点はわれわれが十分その効果を発揮するような措置、これを考えていかなければならぬと存ずる次第であります。でございますから、ただいまの御質問に対しましては、そういうことを十分やって、なおかつ足りないことについては、それはしょうがないというんでなくて、また後を追っかけた措置が講ぜられることが必要であると思います。現在直ちに、後はこういうことを用意しておりますというお答えはできませんが、そういう気持ちで今後に対処していきたいと、こういうように存ずる次第でございます。
#165
○目黒今朝次郎君 だからまあ、私も素人だから、聞かれれば大臣の答弁ぐらいしか答弁できないと思うんですがね。しかし、専門家が集まっておれば、たとえば私は、この船舶局に、各造船ごとに平均三五というならば、こういう資料はもらいましたから、おたくの方で一組ね。ただ、足りないのは、この資料について、おたくが平均三五――大手が四〇から始まってやる際に、その事業所別に、現在の従業員はどのくらいおって、それで四〇%を皮切りに、中小平均三五やる際に、どの程度の人間が大体対象の人間だと、その対象の人間のうちこの程度は地域で吸収できる、この程度はどの法律で吸収できる、残る人間は何人くらいだ、残った諸君についてはこういう方向で吸収をするんだと、そういう具体的な親切味があってしかるべきだ。もっと極端に言えば、ドックと土地の換算はできた、この資料を見ると、何ですか、相当私もさっきおたくの事務官が来たから皮肉を言ったんですがね。いわゆるこの資料、これは五十三年九月運輸省船舶局がわれわれに説明した資料で、この資料を見ると、土地代は幾ら、設備は幾らと、こういう計算をした資料をわれわれにくれているんです。設備約四百五億円、土地約五百六十億。これだけの設備と土地の計算ができるならば、この答申を実際に実施に移す際にそれにかかわる従業員はどのくらいおって、家族はどのくらいおって、そしてその地域社会におけるウエートはどのくらいだと。これはどうなんだって聞いたら、これは最高だと。いや、最高でも結構ですよ、対象従業員、家族何名、それから地域社会における社会的影響度幾らと、それを全部算出をして、そしてこれをやれば設備の面ではこれ、土地の面ではこれ、人間の面ではこれと――一番大事な人間の面が全然抜けている、人間の面が。だから私は、冒頭申し上げたとおり、この法案は片手落ちだと、こう私は指摘したいんです。そして、いや四法案がありますと。あります。と言ったけれども、四法案聞いてみたら、法律の効用はいま労働省と船員局が言ったとおり。さすれば穴は埋まらない。やはり抜本的な人間に対する施策を打ち立てないと、三五%の設備廃棄は、企業サイドでは上がっても人間のサイドではどうにもならぬということになりかねませんかと私は聞いているんですよ。だから、そこはどうしても私は片手落ちだと思う。片手落ちでないというならば、目黒心配するなと、これこれの資料がある、と言ったら、この資料も出てこない。そうすると、われわれは何を信頼して、この法案については、設備、土地、人間、この三点から大丈夫だと言って、造船の皆さんに、あるいは地域の皆さんに御安心しなさいと言い切れないこの法案なんですよ。そこが最も私は欠けていると思うので、その点に対してもう一回くどいようだけれどもだめ押しの意味で見解をお聞きしたい。なかったらなかったでいいですよ。あったらあったけれども、まだ国会に提案するだけの準備ができていないと、できていないならできていないと、そのかわり次の通常国会までに出しますなら出しますと、やっぱりその点をもっと親切に赤裸々に、やっぱり審議会の議論の内容を含めて私たちに教えてもらいたいと、こう思うんです。
#166
○政府委員(謝敷宗登君) 審議の基本となる資料が整ってないことについて、私どももできるだけ今後先生の御指摘の趣旨を体して努力をしたいと思っています。
 私どもが雇用についてきわめて慎重でございますゆえんは、まさに先生がお考えになっているようなことと同じかと思いますが、基本的にこの法案は、一つは、設備処理に伴って、そのまま放置しておきますと、たとえば設備処理をしなくてもしても倒産等の最悪の事態になることを回避するというのが一つの目的でございまして、これによりまして買い上げられた資金によって、雇用に対する、退職金の支払いなり、あるいは転職に対する教育訓練費用なり、あるいは下請代金の支払いなりに充てるための資金を一年強ぐらいのうちに一どきに企業が手に入れまして、それをもって関係者、雇用されている従業員の方も含めて、その円滑な処理ができるというのが一つのこの協会が買い上げることによります効果かと考えます。当然先生御指摘のように、これだけで足らないことは十分よく承知をしております。
 そこで、このままほうっておきますと五〇%を切るような操業度になりますので、先ほど来私どもが需要の創出と申し上げておりますのは、基本的に労働機会をより多くつくるという趣旨でお願いをしておるわけでございますので、この追加需要の実現については先国会で附帯決議もいただきましたが、私どももせっかく努力をするつもりでございますので、何分よろしく御支援をいただきたいと思います。
 それで、私がいま先生御指摘の資料によりまして各造船企業の従業員の数は出しております。これは新造部門で六十一社を対象にしますと約十一万五千という数字でございますが、この雇用者をどういうふうに――これから安定基本計画に従ってそれぞれが設備処理計画を立てていく場合に、必ずしも全部離職者というわけではなくて、その前に職域内でどのくらい事業転換し、あるいは出向によってどのくらい補い、そういったことをやった上で出てくるべき数字だと思います。そういう意味で、安定基本計画がつくられますれば、企業がそれに従って設備の削減計画をつくっていくわけですが、その過程で雇用に対する配慮された結果というのは当然人数等で明らかになってくると思います。そういう意味で、私どもが最大どのくらいであれということについて算術的に計算をして出すのをはばかっておりますのは、問題は雇用の問題でございますので、私どもも、物とか土地と違いまして、その点については十分企業者の努力にも期待し、私どもも十分慎重に配慮したい、こういう考え方で、途中の概算といいますか、算術的な数字をいま出し得ない環境につきまして何分御理解を賜りたいと、こう考えておる次第でございます。
#167
○目黒今朝次郎君 やはり、幾ら聞いても従来の域を出ないんですよ、幾ら聞いても。私はここに、これはいいか悪いかと言われればいろいろ私も――日造協という、これは船舶解体事業をする人の請願書をもらって勉強さしてもらっているんですがね。まあ、これは少し問題、私もこの春の通常国会で、船員のダンピングの問題で暗躍した黒幕の人がこれやっているらしいから、必ずしも私はこれは賛成しかねるのだけれども、ただ発想の仕方として、設備の解体をする、その設備の解体をする際に、この解体作業を、やはりちょっと古いかもしれぬけれども、失業対策事業として、特別事業という形で政府の責任で解体を専門にやる事業を興して、特に造船所の工場で余った方々、あるいはその造船そのものの余った方々や、あるいは船乗りの方々、こういう方々を、解体作業をするその五年か十年か知らぬけれども、一定の期間やはり政府の失対事業として、この協会が買い上げたものを解体する際に、解体作業に直接従事させる。そこに若干の補助事業をしながらそこに雇用の創出を考える、たとえばそういうこと。設備の廃棄という問題と雇用の創出というものを一体化していく。そういう具体的な発想があってしかるべきじゃないか。そういうことをするからひとつ設備については経営を立て直す面で協力をしてくれ、しかしこれに伴ってこういう事業を興して皆さんの吸収をしますよ、あるいは地域社会にもそれを理解してもらう、そういう表と裏を一体とした私は発想があってしかるべきだ。したがって、そういう点で解体、スクラップした鉄については公共事業で使ういろいろな仕事があるでしょうから、この公共事業で使う資材にそういう失対的なもので生産したものをそこに、強制したと言っては変でありますが、最優先的にその資材として確保する。そういう一定の雇用の創出を図り、できたものを公共事業の資材に優先的に使う、そういう一定のルールを設けて、そしてこういうことをするというくらいの親切味が考えられてもいいではないか、私はこんなふうに思うのですよ。そういう新たな発想の雇用の創出というものを三五%の問題に付随してやはり考える必要があるのではないかなあと、このように考えるのですが、その点のひとつ――おたくにもこの請願がいっているでしょうから、これに相乗りするのじゃなくて、そういう政府の責任で雇用創出、政府の責任でスクラップのものを確保する、そういう構想なり分野のあり方についてはどんなものでしょうか。
#168
○国務大臣(福永健司君) いまお話を伺いつつ、その種の配慮がぜひ必要だと思いますが、実は私の方でも、たとえばわれわれの方の関係で生ずるであろう、ないしその可能性のある労働力については、たとえば景気がいいといっている公共事業のようなところへでも相当吸収したらどうかということで、私はそういったことに関係する大臣等にもこっちの方を引き取るようなことを心配するようにということで話等もいたしましたし、また同時に船の関係の事業でも、相当な企業につきましては関連企業を相当持っておるところもありますので、何とかそういうところに向けるようにということでの話等もいたしました。しかしいかんせん、まだそれじゃそういうことでどこへ何千名とか、どこへ何百人とかという具体的数字には出ておりませんけれども、若干そういう動きがあることは事実でございますが、ただいまのお話を伺いつつ具体的にその種のことを大いに進めていきたい、なお一層進めていきたい、そういうように存じます。
 解撤等について失業対策事業的な考え方でというお話でございますが、名前はそういうような名前をつけるとちょっとごきげんが悪い人もあろうかと思いますが、その精神を体していろいろ考えてまいりたいと思います。
 お話に対しましては、私は謝意と敬意を表しておきたいと存じます。
#169
○目黒今朝次郎君 もう時間が来たようでありますが、二つだけお願いします。
 一つは、計画造船をする際に新造船計画でいろいろ技術革新で新しい発想でやるということは結構なんですけれども、今日の時点ではそういう技術開発と雇用という問題を考えると、やはりスクラップにして失業者を出すのですから、新造船の際にもその失業した方々を吸収できるような政策的な判断でやらないと、廃船する、新造船、廃船、新造船と、どんどんどんどんどんいってしまうと人間が要らなくなってしまうという船に理屈上はなりかねない。だから、やっぱりこれはイギリスの労働組合と労働大臣も言ってるんだけれども、あんまり近代化し過ぎちゃって、むしろ原点に戻せ、原点に戻すのが雇用問題の解決だということがECあたりの会議でも出ておりましたが、技術革新は結構なんだけれども、この余っている人間をさらに失業に追いやるという技術革新は本来人間の幸福の探求ではないと思うのですよ。だから計画造船をする際に、その辺の技術開発と雇用というものを十分に調整をする政策、あるいはそれに見合うような施策、そういう新しい船をやる場合には、時間短縮をして雇用の絶対数は確保するとか、そういうやはり高度な政策で考えないと技術革新だけ先行してしまうということになりかねない。その辺はやはり技術革新も、人間の幸せと雇用という問題について考えるべきではなかろうかという点が一点です。もう時間がないから理屈だけ言います。後見解を聞かしてください。
 もう一つはやっぱり離島対策ですね。離れ島に対する海と空――私は九月四日台湾と尖閣列島が見える与那国というところまで予算委員会で行ってきました。与那国というところに行って台湾をながめ、尖閣列島をながめてみると、なるほどあそこの方々はやっぱり空と海ですよ。いわゆる船と港湾と航空ですよ。そう考えると、ああいう離れ島の方々の――空はきょうの議題じゃありませんから、船と港湾はやっぱり、国鉄問題で大臣が一生懸命やったと同じように、佐世保の問題であれだけ福田総理以下大騒ぎすると同じくらいの熱意を持って離れ島の交通のことを考える。いまは造船不況にあるこの時期にやっぱり離島対策の船を、あるいは港をきちっと整備すれば、いわゆる需要の拡大ということにつながる政策的な最もいい時期ではなかろうか。だから、これらの金に二十億、三十億、百億の金を出すのですから、離島対策として思い切って新造船と港湾の整備、それを造船不況に悩む業界の方々にやってもらう。こういうことがこの際タイミングとしては最もいいのじゃないか。だから三五%削減ばかり考えないで、そういうことをもっぱら中小の造船の対策として積極的に考えることが、こういう削減と同時にそういう政策を並行的に打ち出して実施することが、国民の理解と協力を求められるし、われわれもそれなりに理解できる、そういうことにつながると思いますけれども、これは大臣なり関係者から、大体時間が来たようでありますから、その見解を聞いて、足りなかったらこの次の委員会でまた引き続いて見解をお聞きしたい、こう思います。
#170
○国務大臣(福永健司君) まず最初におっしゃいました点につきましては、多分に理想としてどう考えるかということと関連しての御発言であった。これは私どもも大いにそういう気持ちで研究させていただきたいと思います。
 たとえばいま三五%この法案では設備を減らす、こういうようなことでございますが、私どもは決してそれと同じようなぐあいに人間も三五%ぐらい機械的に減っていくようなことを考えつつ問題に対処していくというのは本意ではございませんので、できるだけ人間そのものは失業するというようなことがないようにということも念願しつつあるわけでございます。それのためにはそれなりの施策が必要でございましょう。
 離島の点等につきましては、島国日本はぜひ私はそういう考えが望ましいと思います。私も多少自分なりの考え方が実はあるのでありますが、私ども島で暮らしたことのない  もっとも、日本も島と言えば島でございますけれども、小さい島で暮らしたことのないような私なんかは、ああいう島へ行って暮らしたら本当に幸福だろうなというようなことをときどき考えるのでございますけれども、戦後特に最近になりますと、小さい島から人間が引き揚げてきて、大きな島へ少し集まり過ぎているような傾向でございますが、そういうことを考えますと、島そのものに、あすこに住みたいという魅力が生ずるような国の施策がなければならぬと、こう思います。そういうことと関連しつつ、いま目黒さんお話しの離島をどうするかと。離島により多くの人々が住んで、あんな空気のいい、いろんないいことあると思うんですが、そういうことになるような、広範な施策を政治の上で考えていくことが望ましいと、そういうように存じます。
#171
○委員長(三木忠雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○委員長(三木忠雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#173
○内藤功君 私は日本共産党を代表して、ただいま議題となっております特定船舶製造業安定事業協会法案に対し、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、この法案の対象となっている中手以下の造船企業は、そのほとんどが、すなわち五十四社中四十五社が一社一事業所であり、この法案による事業所単位の設備買い上げが実施されるならば、これら大部分の中小造船会社は、企業閉鎖に追い込まれるところにあります。
 本法案は、今日の過剰設備をつくり出した大手造船企業や、銀行の責任を放置して、造船業の安定を口実として、力の弱い中小造船会社に犠牲を転嫁しようというものであり、このようなやり方で造船不況を乗り切ろうとする政府の姿勢は認めることはできません。
 この七月の大分県臼杵鉄工所の会社更生法申請は、親会社が計画的に系列会社を倒産に追い込んだものであることが、多くの人たちの指摘し、批判するところであります。政府は、本法案による買い上げ制度が事業者の積極的希望によって実施されると言っておりますが、臼杵鉄工の例が示しているように、その実態は、系列を利用した大手造船企業や銀行の強い要求、圧力によって中小造船企業をいやおうなしに買い上げに追い込んでいくことにあります。このことからも、本法案が中小造船企業の整理、淘汰を大規模に行い、大手造船企業の独占的支配と対益の確保を図る以外の何物でもないことが明らかであります。
 反対する第二の理由は、本法案による大規模な設備廃棄が、それも一年と数カ月という短期間に行われ、大量の解雇者が出ることは必定であるにもかかわらず、雇用対策は欠落しているところにあります。今日、完全失業者は百十五万人を超え、不完全就業者を加えるならば四百万人に及ぶ失業者が必死に職を求めている状況であります。しかるに有効求人倍率はわずかに〇・五で、二人に一人しか職につくことができないという深刻な事態となっております。また、劣悪な条件のもとで働かされてきた下請企業及びそこで働く労働者についても何の対策も示されておりません。このようなままで本法案が実施に移されるならば、いまでも不況のどん底にある造船不況地域の困難は一層拡大されることは火を見るより明らかであります。まさに政府は、国民の強く望んでいる雇用対策を持ち得ないとさえ言わなければなりません。
 わが党は、今日の造船不況対策を進めるに当たっては、このような事態をもたらした大手造船業や銀行の責任と負担こそ、まず最初に追及されなければならないと考えております。中小造船業に対する仕事の最優先的確保、大手造船業の中小分野進出に対する規制の確立、倒産から中小造船業を守るための運転資金の確保など、早急に必要な措置の実施を強く要求し、討論を終わります。
#174
○委員長(三木忠雄君) 他に御意見もなければ討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#175
○委員長(三木忠雄君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 特定船舶製造業安定事業協会法案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#176
○委員長(三木忠雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 青木君から発言を求められておりますので、これを許します。青木君。
#177
○青木薪次君 私は、ただいま可決されました特定船舶製造業安定事業協会法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党及び民社党の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 まず、案文を朗読いたします。
   特定船舶製造業安定事業協会法案に対する附帯決議(案)
  政府は、深刻な造船不況を克服するため、需要の創出等各般の施策を強力に推進するとともに、本法の運用にあたっては、労働者の雇用の安定に十分配慮すること。
   右決議する。
 以上でございます。
#178
○委員長(三木忠雄君) ただいま青木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#179
○委員長(三木忠雄君) 全会一致と認めます。よって、青木君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、福永運輸大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福永運輸大臣。
#180
○国務大臣(福永健司君) まず、特定船舶製造業安定事業協会法案につきましては、慎重御審議をいただきまして、その結果御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。
 また、ただいまの附帯決議の内容につきましては、政府といたしましては御趣旨を尊重し、十分検討いたしてまいりたいと存じます。
#181
○委員長(三木忠雄君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(三木忠雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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