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1978/10/17 第85回国会 参議院 参議院会議録情報 第085回国会 社会労働委員会 第1号
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1978/10/17 第85回国会 参議院

参議院会議録情報 第085回国会 社会労働委員会 第1号

#1
第085回国会 社会労働委員会 第1号
昭和五十三年十月十七日(火曜日)
   午前十時八分開会
    ―――――――――――――
  委員氏名
    委員長         対馬 孝且君
    理 事         遠藤 政夫君
    理 事         佐々木 満君
    理 事         片山 甚市君
    理 事         小平 芳平君
                浅野  拡君
                石本  茂君
                上原 正吉君
                亀長 友義君
                斎藤 十朗君
                玉置 和郎君
                福島 茂夫君
                森下  泰君
                高杉 廸忠君
                広田 幸一君
                安恒 良一君
                渡部 通子君
                小笠原貞子君
                柄谷 道一君
                下村  泰君
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月九日
    辞任         補欠選任
     玉置 和郎君     三善 信二君
 十月十六日
    辞任         補欠選任
     高杉 廸忠君     勝又 武一君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         対馬 孝且君
    理 事
                遠藤 政夫君
                佐々木 満君
                片山 甚市君
                小平 芳平君
    委 員
                浅野  拡君
                石本  茂君
                上原 正吉君
                亀長 友義君
                斎藤 十朗君
                福島 茂夫君
                森下  泰君
                勝又 武一君
                広田 幸一君
                安恒 良一君
                渡部 通子君
                小笠原貞子君
                柄谷 道一君
                下村  泰君
   衆議院議員
       社会労働委員長
       代理理事     羽生田 進君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  小沢 辰男君
   政府委員
       厚生大臣官房長  山下 眞臣君
       厚生大臣官房審
       議官       吉村  仁君
       厚生省公衆衛生
       局長       田中 明夫君
       厚生省医務局長  佐分利輝彦君
       厚生省薬務局長  中野 徹雄君
       厚生省社会局長  八木 哲夫君
       厚生省児童家庭
       局長       竹内 嘉巳君
       厚生省保険局長  石野 清治君
       社会保険庁年金
       保険部長     持永 和見君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       安原  正君
       文部省大学局大
       学課長      瀧澤 博三君
       文部省大学局医
       学教育課長    五十嵐耕一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○調査承認要求に関する件
○社会保障制度等に関する調査
 (社会保険診療報酬の不正請求に関する件)
 (人工透析に関する件)
 (社会福祉及び医療施設の増設に関する件)
 (スモン病患者に対する諸施策に関する件)
 (中央社会保険医療協議会の資料に関する件)
 (支払基金に関する件)
 (小人症に関する件)
 (リハビリテーションの充実等に関する件)
 (盲人対策に関する件)
 (先天性四肢疾患に関する件)
○医療法の一部を改正する法律案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 去る十月九日、玉置和郎君が委員を辞任をされ、その補欠として三善信二君が選任をされました。
 また、昨十六日、高杉廸忠君が委員を辞任をされ、その補欠として勝又武一君が選任をされました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(対馬孝且君) 次に、調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。
 本委員会は、今期国会におきましても、社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を行うこととし、これら二件の調査承認要求書を議長に提出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(対馬孝且君) 次に、社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○広田幸一君 時間が限られておりますが、私は三つの問題について質問をいたします。
 まず一つは、腎臓病の人工透析の問題に関係をして。二つ目は、最近起こっております医療機関の不正請求の問題について厚生省はどう対応しておるか。三番目は、最近深刻になっております雇用創出について、福祉部門で厚生省はどういうふうな対応をしていくか。以上三つについて質問いたしますが、時間がありませんのでひとつ簡明に御答弁を願いたいと思います。
 まず、第一問の腎臓透析の問題でございますが、ことしの二月一日に医療費の改定が行われたわけでありますけれども、私の承知しておるところでは、この透析時間中に医療機関が食事を提供しておるところと提供していないところ、それから提供しておるけれども食事代を取っておる、そういう全国まちまちな状況になっておるわけでありますけれども、こういう点を厚生省としてはどのように把握しておられるか、またこれをどういうふうにこれからやろうとされるか、まずその点明快に御答弁願いたい。
#8
○政府委員(石野清治君) 外来の場合の人工透析につきまして、食事を給与するかどうかという問題でございますが、これは各人の透析の時間なり、時間帯等によりまして、また患者の症状によりましてかなり違ってくるわけでございますが、私ども考えておりますのは、透析が長時間にわたりまして、どうしても医療上食事を供与することが必要であるというふうに判断されます場合には、当然これは医療の一環として食事を給与すべきでありまして、そのようにして指導いたしておるわけでございます。その点につきましては本年の一月二十八日に通知を出しております。
 で、なおそのまちまちだという点がございますけれども、これはいま申し上げましたように、患者の症状とか、あるいは時間帯によりまして違いますので一概には言えませんけれども、私どもはそのような場合には患者の方からお金を取るということにつきましては、絶対してはいけないというふうに指導をいたしておるわけでございます。
#9
○広田幸一君 それでは質問します。いまおっしゃったこの二月一日に医療費が改定になり、その前月の一月の二十八日にいま局長がおっしゃったように通達が出ておるわけでありますね。この通達は「透析時間中に食事が供される場合であっても、所定点数に含まれるものである」と、こういう通知が出ておるわけでありますね。私がこの通知を単純にすっと理解しますと、恐らくこれは、医療機関としてはできるならば営利的というか、経営的に考えますと出したくないと、こういう印象にとられがちだと私は思うんですけど、そうでしょう。「供される場合であっても、所定点数に含まれるものである」と、こういうふうに書いてあったら、どうしても医療機関としては出したくないと、そういうふうになりがちだと、消極的に解釈をしがちだというふうに私は思いますが、その点どう御判断になりますか。
#10
○政府委員(石野清治君) 確かにそういうような疑義がございまして、これは高知県からでございますけれども、やはり同じような質疑が参っておりまして、「透析時間中に食事が供される場合であっても、所定点数に含まれる」ということは一体どう解釈したらいいのかと。それに対しまして私どもが回答を申し上げておりますのは、透析時間中の食事は医療の一環であり、これにかかわる費用は人工腎臓の所定点数に含まれているという趣旨を明確にしたものであって、従来の考えとは変更はないということをまず言って、なおこのことによって、透析を行う場合は必ず食事を供与しなければならないということではなくて、食事を給与するかどうかは患者の病状、それから透析時間、それから透析時間帯等によって医学的社会的に判断されるものであると、こういうふうな回答をいたしておるわけでございます。
#11
○広田幸一君 病状、患者の状況、時間帯、医学的社会的に見て云々とおっしゃったわけですけどね、実態は局長もよく御承知と思いますけれども、昼間の場合は大体十一時ごろに行って、長い人は五時間やりますから五時間はベッドに寝ていなきやならない。そうするとその間に大体昼食をしなければならない。夜間透析の場合は、どっかに働いておって急いでハイヤーに乗って病院に行って、それから透析を受ける。大体五時から五時半、それから大体病院側としては九時ごろでしまうわけですね。そうすると帰ってから御飯食べるということにはならない。まして透析患者は特別食というものを食べなければいけないということになっておるわけですね。そうしますと、私はそういう抽象的な言い方でなくて、実態は昼食、夕食をはさんで実際はやっておると思うんですわね。ですから、その間にやっぱり供給してあげなければいけないと思うんですね。だから時間帯とか何とかというような解釈は、これは病院側がそういうふうに、厚生省が言うようにうまく解釈してくれればいいんですけれども、なかなかそういうふうに解釈してくれないということになると、さっき言ったような条文の解釈からいってもこれは供給しないような状況になる、こういうふうになるんじゃないでしょうかね。
#12
○政府委員(石野清治君) いま現在、医療機関でそういう適正な解釈、運用をしていないということは実は考えていないわけでございますけれども、もしそういうようなことで本当に必要であり、かつ医学的に見ましても妥当だというのにかかわらず食事を給与しないということになりますと、これはやはり問題でございますので、具体的な事例をもって指導をしてまいりたいと、こう思っております。
#13
○広田幸一君 そういうあいまいなやり方では、患者は医療機関に行きましてお世話になる立場でして、なかなか言っても医療機関側がうんよろしい、出しましょうと、こういうふうにならないわけですね。やはり制度として、あるいは指導方針として国の方からそういうふうに来ると、医療機関の方としても考えるでしょうし、また患者の皆さんもより積極的に要請できるというようになると思うんですね。私はそういうところをもっと丁寧にやっぱり医療機関に対して指導すべきだと思いますがね。
 そうしますと、じゃもっと具体的に言います。十時から十五時、五時間透析した場合は昼食にかかるわけですね。そういう場合には、これは当然医療機関は出さなければならないと、こういうふうに言えませんか。夜間の場合も同じようなことです。
#14
○政府委員(石野清治君) いまの設例のような場合でございますと、当然十時から五時間ぐらいかかるわけでございますので、お昼抜きでずっとやるというわけにはなかなかまいりませんので、当然そういう場合は、患者のもちろん病状によりますけれども、一般的には当然給与してしかるべきだと、こういうふうに考えております。
#15
○広田幸一君 時間がないので急ぐようですけど、局長、結局全国を見まして、私も全部承知しておるわけじゃないですからね。でも、たとえば聞いておるところによると、中国の五県なんか、広島県を初め二、三県もう実施しておる。愛知県なんかも全部やっておると、こういうことでまちまちなんですね。ですから私は心情としては、こういう透析患者というのは本当に生活条件が悪い、交通費も見てない、ハイヤーに乗ってこなければ、もう一週間に二回、三回は必ず透析を受けなければこれは自分の生命が絶たれるという、しかも特別食でなければならないと、こういういろんな事情があるわけですね。しかも一方、比較的透析患者を預かっておる医療機関というのは経営状態もいいと、こういうふうな状態から考えてみますと、私は指導的な考え方として、そういうものには提供をするような、そういう通達か何かそういうものを出せないんでしょうかね、大臣どうお考えになりますか。
#16
○政府委員(石野清治君) 私の方は一片の通知ですべてが解決されるというふうには考えておりませんけれども、事あるごとに、この問題につきましては私の方から適正な運用ができるように各県を通じまして督励をいたしておるわけでございますので、個々の問題としていろいろ出ました場合には、さらに私の方は御注意申し上げて運用してまいりたいと、こう思っております。
#17
○広田幸一君 局長、問題があったときにはそれぞれ各都道府県を指導しておるということですけれども、いま聞きましたように、どこかからの照会があってそういう回答をしておられるわけでしょう。私は初めて聞いたわけですね。ですから、そういうのは疑問を持って聞いてくるところはまだいいにしても、疑問を持ちながらもやっぱり消極的に考えておるところもあるわけですから、少なくとも、きょうあなたと私とがやりとりしたような考え方に基づいて、ひとつ精神を都道府県なり、そういう医療機関に何らかの方法で即刻通知を出してもらう、こういうことはできませんか。
#18
○政府委員(石野清治君) さらに趣旨の徹底を図りたいと思っております。
#19
○広田幸一君 じゃそういうふうにひとつよろしくお願いをします。
 それから、先般来から非常に問題になって国民の関心を呼んでおります姫路の国富病院の医療費の不正請求の問題ですが、特にここが透析患者が百名前後入院、通院をしておるというような実態を見まして、私もこういうことがあってはならないなあというふうに、すだんからこの透析患者の問題については関心を持っておっただけに残念だと思うんですけれども、なぜああいうようなことが起きたのか、またどういうところに不正請求があったのか、ひとつ概要を御説明願いたい。
#20
○政府委員(石野清治君) お尋ねの国富病院でございますが、ちょっと経緯を申し上げますと、五十二年の三月に実は兵庫県におきまして個別指導をしてまいりました。その際に、入退院の記録なりあるいは人工透析に関します記録が不備でございましたので、その点につきましての個別指導を行ったわけでございますが、その後さらに監察を続けておりましたところ、一保険者の方から人退院の問題につきまして疑義が出てまいりまして、そこで五十三年の、ことしの七月でございますけれども、七月に再指導をいたしました。そうしますと、患者調査の結果と、それから病院側の記録が不一致という点が判明いたしました。こうなりますと、当然これは不正の疑いが持たれるわけでございますので、さらに八月になりまして監査をいたしました。そうしましたところ、診療録の不実の記載とつけ増し請求の確認があったわけでございますが、その中身は、人工透析の器具なりあるいは希釈液のつけ増しということが一つと、それから外来であるにもかかわらず、入院として処理をし請求をしておったということで約千八百六十九万円のつけ増し請求が判明いたしたわけでございます。そこで、九月の七日に兵庫県の社会保険医療協議会に諮問いたしましたところ、取り消し処分が適当というふうな答申を得ましたので、十月一日にこれを取り消した、こういうのが大ざっぱな経緯でございます。
 なお、その問題は患者の対応が一つございまして、取り消しにするにつきましても、若干時間がかかりましたのは、現実にその国富病院に入っております患者をどのように転退院させるかということが問題ございましたので、その点につきまして、兵庫県の医療機関側とも十分相談いたしまして処理をするということで、約一ヵ月間の時間がかかった、こういうことでございます。
#21
○広田幸一君 私も若干調べたんですけれども、透析患者の場合のダイアライザーの不正請求があったように聞いておるわけですが、二月一日から、透析の場合は従来の点数制から時間制に変わったというようなこともあって、患者に対するサービスがいろんな面で低下をしておる、こういうふうなぐあいに聞いておるんです。私のところにも、これは病院側にも聞いてみないとわかりませんから、一方的なことにはならぬかと思いますけれども、いろいろ患者の方からも来ておるわけでありますが、そういった透析病院における医療のサービスの低下、このことについては厚生省は掌握されておることはありませんか。
#22
○政府委員(石野清治君) サービスが低下しているということを直接聞いたことはございません。
#23
○広田幸一君 多少微妙な点もありますから、その内容については避けますが、そこで私は厚生大臣にひとつ見解を――見解というか、考え方をお聞きしたいんですけれども、いま国富病院の大量な不正請求の事件を私指摘したんですけれども、だんだんに最近医療機関で不正請求事件が発生をしておる。私は、これは全国的に見るとそんなに大きな数ではないと思いますけれども、いまこのような医療機関の不正事件に対する国民の感じ方というものはどういうものであるかといいますと、私の知る限りにおいては非常に不信感を持っております。残念ながら持っております。氷山の一角ではないだろうかというようなところまでさらに疑心暗鬼を持っておる国民が多い、私はそういうふうに受け取っておりますし、また、これに対する国の指導監督も不十分である、そういう感じを持っておる国民も多いと思うんでありますが、こういうような国民の世論に対して、医療行政に対する不信に対して厚生大臣はどのようにお感じになっておられるか、お聞きしたいと思います。
#24
○国務大臣(小沢辰男君) 私は、大部分の病院、診療所は、いま御指摘のようなそんな不正があるとは考えておりませんが、一部にあることは、これはもう否定できません。一つそういうのがございますと、やはり国民は非常に不信を持つものでございますから、できるだけ私どもの方としては監査指導の強化を図っていきたいわけでございます。ただ、遺憾ながらこの監査の面あるいは指導の面を考えましても、普通の事務屋ではなかなかできませんので、技術者を、医師を私の方で確保するということは非常に困難でございまして、なかなか思うようにいかないというのが現実の姿でございます。したがいまして、できるだけ病院、診療所等を常に指導といいますか、各県と協力をしまして、今度も講習会を開催をいたしますが、そういうようなことで、できるだけ病院、診療所の運営に当たっては、万々そういうようなことのないようにしていただくことを、いろんな面でいろんな機会に御注意を申し上げ、指導していると、こういうのが実態でございまして、どうも要員の不足というのが非常に大きな障害になっておりますので、制度自体を根本的に何か考える必要があるんではないか。ある医療担当者側からの意見として、現在の非常に大きな府県単位の審査ではなかなか思うようにいかぬではないだろうか、できるだけこれを、何といいますか、もう少し小さくいたしまして、そして小さい地域の範囲でお互いにチェックの機能が働くような審査機構をつくったらどうかというような御提言等もありますので、それらを含めて今後十分検討していかなければならぬ問題だと、かように考えております。
#25
○広田幸一君 まあ大臣のおっしゃった、いわゆる精神面と今日の審査機構の改善策をどうしていくかと、こういうことはよくわかるわけです。で、私はやっぱり医療問題は、医師と患者とがやっぱり信頼関係があって初めて健康な体というものが維持できる、私はまあそういうふうに思っておるわけでして、何もお医者さんを攻撃をしているわけではないわけです。ただ問題は、私たちが一番心配しますのは、まあ大臣も厚生省もよく言っておるわけですけれども、今日の医療費が十兆円、さらに二十兆円になると、大変なことであると。本当にわれわれが日本の将来の医療行政を考えてみますと、いま本当に思い切ったことをしなければならない、私もそういうふうに思っておるわけです。ただ、そういうふうには思いましてもなかなか問題があるわけでございまして、そこらの点を私は考えなければならない。それは国民自身も自分の健康は自分で維持するという自己努力もしなきゃならぬと思うんです。そういう点もあると思いますけれども、また医療機関そのものもやっぱり自粛してもらわなきゃならぬ、こういうように思いますよ。医師の倫理ということは大切なことだと思うんです。しかし、問題は何ぼそういうふうに医師の倫理に求めても、制度がね、制度がやっぱりある限りにおいてはやっぱり人間はやすきにつきますから、そうは簡単にいかないと思うんですよ。だから私は精神面もわかりますけれども、制度というものを改正をしていかなければいけないと、こういうふうにまあ思っておるわけでございますが、そこで、これはまあ新聞で知ったんですけれども、ことしの二月一日の医療費の改正のときに厚生省の側が中医協の支払い側委員と話をして、確かにむだがあると、そのむだというものを節約しなければならないと、私たちはそれを節約するためにこれから半年かけていろいろ研究していきますと、こういうようなことを何か約束をされたようなことも聞いておるわけです。その内容が出て、医師会の会長の武見さんのげきりんに触れておるというようなことも新聞で聞いておるわけです。まあそういう問題は別にしまして、私はそういうふうに約束事が本当にされておるのかどうなのか、そうして、そういうことについて今日までどのような改善策というものがとられてきたのか、そういうことをまずお聞きしたいと思います。
#26
○政府委員(石野清治君) お尋ねの件でございますけれども、一月の九日に厚生省の保険局長と中医協の一号側委員代表との間におきまして「医療費の無駄を排除するための具体的方途については、六ヵ月を目途として検討」すると、こういうまあ了解がございました。それに従いまして三月の十七日、五月の三十日、八月の九日、この三回にわたりましていろいろと率直な意見を交換をいたしたわけでございますが、その中身につきましてはいろいろとやはり御議論もございまして、まあ審査機構が一つ問題があると、こういうふうな意見になりまして、たしか先週の十四日でございましたか、支払い者側の方が支払基金におきます審査の状況を、事情を聴取したと、こういうふうになっております。で、恐らく今後の取り進み方でございますけれども、一号側委員の方でいろんないままでの検討した結果を取りまとめて、厚生省側に対していろんな御意見を申し上げると、こういうふうなことになるんではないかと、こういうふうに考えております。
#27
○広田幸一君 私は一時――まあ現在でもそういうことが言われておるわけですけれども、薬づけという問題がありますね、薬づけね。私は薬づけが済んだら検査づけというものがまた問題になるんではなかろうかというふうに素人なりに思っておったところが、あにはからんや、数カ月前にそういったものが出たわけでありますけれども、こういう検査づけというような、まあ検査づけという言葉が適当かどうかは知りませんが、いわゆる濃厚診療といいますか、そういうものが、いろいろ発表されておる数字から見る限りにおいては少し行き過ぎであるという感じを私は持つわけでありますが、この検査づけ、いわゆるこの過密診療、濃度診療といいますかね、そういうことについてどう御判断になっております。
#28
○政府委員(石野清治君) 社会医療調査というのを毎年行っておりますけれども、その社会医療調査によりますれば、診療報酬の総点数に占めます検査点数、この割合でございますが、割合が昭和四十五年には約六%台でございました。これが昨年の五十二年には、実は九%台に増加をいたしております。もちろんこれは四十五年から五十二年まで一直線に伸びておるわけではございませんで、年度によりましてかなり上下がございますが、相対的に見れば六%から九%に上がった、こういう事実がございます。一方、その検査とうらはらの関係にございますレントゲンの検査でございますが、こっちの方は逆に四十五年に五%台でございましたけれども、これは五十二年には三%台に下がってきております。したがいまして、その検査とレントゲンを合わせました数字というのはまあ一%、この七年ぐらいの間に一%ぐらい上がっておると、こういうふうな数字でございまして、まあその検査づけというふうには必ずしも言われないんじゃないかと思うわけでございます。もちろん、これは医学の進歩なりあるいは検査技術の発達なりに伴いまして、当然この検査の内容というのは変わってくるわけでございますが、やはり医療機関側といたしますれば一つ問題がございまして、最近医療過誤という形でかなり訴訟問題が起こされております。そうしますと、どうしても適正なその診断をするために、その前提として検査をせざるを得ない。まあ自己防衛というふうなこともございますけれども、そういうふうなこともあろうかと思いますけれども、検査の割合というのが確かにふえておるということは事実であると思います。
 問題はその検査が必要以上に行われておるかどうかという判断であると思いますけれども、これはなかなかむずかしい問題でございまして、一概には言えないわけでございますけれども、私どもはやはり診療上必要であると認められる場合に行われるべきものであって、それ以上の検査を行うことにつきましてはいかがなものかと、こういうことで考えておりまして、そういう点で保険医療機関を指導をいたしておるわけでございます。
#29
○広田幸一君 私も専門でありませんからよくわかりませんが、まあ一般的に、非常に最近は確かに医学の進歩とかいろんな技術的な面があると思います。ですから、そういう検査がふえてくるということは常識的にはわかるわけですけれども、しかしながら、いろいろなデータを見ますと、私が持っておる数字からしましてもかなりそういう――まあ全部の医療機関かそうということじゃありませんけれども、そういうふうな傾向になりつつあるということは、これは専門家も言っておるわけですから間違いがないんじゃないかというふうに思うわけですが、こういう点についてやはり国民もいろいろ関心というか、一部には不信を持っておるわけですから、そういうことのないようなやはり適正な指導というものがされないと、私が前段申し上げましたように、ますます国民の不信を買うと。どんなにいいことを厚生省が、国が案を出したって、国民の合意なくしてこれからの医療制度の、保険制度の改正は絶対できない。一般消費税と同じことだと思っておるわけです。私はそういう意味で、強くそういう点については適切な指導をしてもらいたいと思います。
 それから、問題は、これはまあいままでも委員会でしばしば論議のあったところでありますけれども、結局はこの請求をすれば金が払われるという出来高払い制そのものに問題があると、こういうふうに私は思うんです。これは全部くるっと変えるという意味ではなくて、もちろん医療機関とすればいろいろ言い分もあるでしょうけれども、しかし、全体的に見ましていまの出来高払い制度というものを改正をしなければ、もう請求しさえすればもらえるというような、そういうやっぱり問題が私はあると思うんですが、この出来高払い制については、いますぐには根本的な改正もできないと思いますけれども、この出来高払い制度についてどういうふうにお考えになっておられるのか、これは局長でも大臣でも結構でございます。一番大切な問題だと思いますので、大臣も含めて御答弁を願いたい。
#30
○政府委員(石野清治君) 現行の現物給付、出来高払い方式というものにつきましては、御案内のとおり昭和十八年からずっとやってまいりまして、完全に日本としては定着した制度になっておるわけでございます。一つの制度には当然盾の両面ございまして、メリットもございますけれども、どうしてもデメリットもございます。現在この方式についてのいろんな批判がございますけれども、ややもするとデメリットの点だけが強調されているような感じもしないわけじゃございませんで、私どもは、医師の報酬が医師の稼働に関連して算定されているという仕組みでございますので、やはりその医師の努力なり熱意というものが、当然その差が反映されまして、いい医療を誘発するというふうな原因になっていることも事実だと思います。この制度によりまして。同時にまた医療機関側の協力も非常に受けやすいというメリットもあるわけでございます。問題は、こういうことによって起こります不正請求というものの排除の仕方でございますけれども、これをやはり不正があった場合には厳正な態度で臨むという形にしてまいりますれば、そのデメリットの面もある程度排除できると、そういうことによって、現在の出来高払い方式というものを一概に否定できないんじゃないかというのが私の考えておる点でございます。
 なお、全般的な問題につきましては大臣の方からお答え願いたいと思います。
#31
○国務大臣(小沢辰男君) この支払い方式をいま直ちに変更するといいましても名案がなかなかございませんで、ただ診療報酬全体につきましてこの体系をいかにすべきかということについては、衆参両院に前大臣が提示いたしました十四項目の中の一つの大きな重要なポイントでもございますので、今後私どもとしても各方面の意見を伺って検討をいたしたいと思っております。いろいろ、これこそ本当に制度全般のあり方にも関連をしてくるものでございますから、将来健康保険といいますか、国保を含めた全体の医療制度の根本改正の方向とも絡みますので、なお慎重にひとつ私どもは検討さしていただきたいと思っておるわけでございます。
#32
○広田幸一君 結局、私は私なりの判断ですけれども、出来高払い制度もそれでいいと思うんですけれども、間違いを起こすところに問題があるわけで、ただそれを先ほど私が申し上げましたように、医師の倫理だけにこれを頼んでおっても、なかなか今日のいろんな社会情勢の中からそれは無理なんで、やはり制度そのものを直していかなきゃならぬというのが私の主張なんです。
 そこで、いま大臣がおっしゃったようにいま研究をしていらっしゃるということですから、いまここで論議してみたところでなかなかそう簡単に解決するものじゃない。そこで次の問題として検査機構でございます。
 さっき大臣もおっしゃったわけですけれども、検査の場できっちりと検査がされれば、これはそういうふうなことは防げるということになるわけでありますが、大臣がさっきおっしゃった検査機構を充実をすると、要員が少ないと、こういうような話もあったわけでございますけれども、私なりに資料をちょっと集めてみたんですけれども、支払基金法によって、いろいろ制度があるわけですが、現在五十三年度では審査委員が三千何ほかありますけれども、こういう者、それから職員もおりますけれども、大臣がおっしゃっておるのはそういう要員が少ないというような意味なのか。それから、これは五十二年度でありますけれども、これも私がちょっと資料をとってきたんですけれども、審査委員の一月のあれが、一万二千八百五十五件も一人の審査委員がレセプトを見るというようなことで本当に適切な審査ができるのか、そういうことが、われわれ素人なりにこういうものを見ましてもうまくいくだろうかという感じがあるわけです。だから先ほど大臣がおっしゃったように、要員とかいろんな問題があるというふうにおっしゃるわけですけれども、こういう人員の数というものが適正な数字なのかどうなのか。
 時間がありませんのでもっと言ってしまえば、これは審査委員の一日の日当が六千円、ことしは千円上がって七千円になっておりますけれども、審査委員の中にはお医者さんもたくさんおるでしょうから、お医者さんが一日に六千円、七千円でこういう審査ができる、こんなに安くできるものだろうかというような点もありまして、私は審査機構そのものにもさっきおっしゃったようなことがあると思うんですが、このことは、出来高払い制度は長い歴史がありますからすぐには改正ができないにしても、審査機構だけは私は金があればできるというように感ずるわけですが、この点はいかがでございましょうか。
#33
○政府委員(石野清治君) 大臣がおっしゃいましたのは、恐らく都道府県の監査指導の専門の職員ということでございまして、審査委員のことではないと思います。
 いまおっしゃいました審査委員の問題でございますけれども、現在三千四十五人という全国でわずかな数字でございます。年々その取り扱い件数がふえてまいりまして、現在では四億八千七百万件というような膨大なものを審査しなくちゃならない。そうなりますと、少ない人員でいかに効率的にやるかということが大きな問題になるわけでございますが、私どもは重点審査という形でこれを切り抜けるという一つ方法があるではないかと。特に全国の支部におきまして重点審査についての方向に向けておることが一つございます。それからもう一つは、任意面接の懇談というものをこの一、二年積極的にやりまして、事前にそういう問題を防止するということが一つございます。それから三番目には、支払基金の中にいろいろ審査問題懇談会というものをつくりまして、そこでどのように審査を行えば十分な審査ができるかということにつきましても検討を加えておるところでございまして、審査委員の増員の問題それから審査のやり方の問題、これにつきましても十分今後とも検討してまいります。特に審査委員の増員につきましては、件数の増大に伴いまして当然必要でございますし、同時に専任の審査委員の増員というのが持に必要ではないかということで、来年度予算におきましても実は要求をいたしておるわけでございます。
 なお、審査だけでは、これは書面審査でございますのでどうしても十分でございませんので、先ほど大臣が申し上げました都道府県の監査指導に当たります医療技官というものをどうしても充実していかなきゃならない、こういうふうに考えておりまして、これにつきましても重点的に配慮してまいりたいと、こう思っております。
#34
○広田幸一君 いま局長のおっしゃった、これから専任の審査委員を充実するとか、そういう努力目標、私もよくわかります。
 いまおっしゃった各都道府県に置いてある地方事務官ですか、技官ですね。あれが私の承知しておるところでは定員が百七名ですか、現在七十七名ということですが、大事なそういう指導すべき技官が三十名も欠員であるということは、いまそれを充実するように要求するということであったわけですけれども、なぜ三十名も欠員になっておるのか、そこらもいま局長のおっしゃったことと現実が少しかみ合わない、こういう感じがするわけですが、どうですか。
#35
○政府委員(石野清治君) まあいろいろ欠員の理由はございますけれども、一番やはり大きな問題は、医者でございます技官に対する給与の問題、これがまあ決定的な要因じゃないかなというふうに考えておりまして……
#36
○広田幸一君 給与。
#37
○政府委員(石野清治君) 給与でございます。一般の臨床をやっておりますと、それこそ現在受けている金額の何倍か何かもらうことができるわけでございますけれども、一般の行政職よりはやや高い程度でございますのでそう恵まれているものではない。そういうことで、人事院に対しましても毎年要求いたしておるわけでございますけれども、なかなかこれの改定についての御理解が得られない、非常に残念に思っておりますが、これにつきましてもさらに努力をしていかなきゃならぬ、こう思っております。
#38
○広田幸一君 まあ、問題は検査機構ですね、審査機構を充実することによって少しでも前段申し上げようなことが少なくなるような努力というものはぜひやってもらいたいと思います。
 私ここで大臣に確認というか、大臣の気持ちを聞いておきたいと思うんですけれども、まあ私もまだここの委員になって日が浅いんですけれども、最近の医療行政についてはそれなりに責任を感じながら関心持っておるわけですけれども、このいわゆる診療報酬の課税特別措置法、いわゆる医師の優遇税制の問題については国会でもしばしば論議があり、先般の予算委員会でも論議があったところでありますけれども、総理大臣が五十四年度からはこれは必ず是正をしますと、こういうふうに約束をされておるわけです。当然閣僚の一人であります。また、わけて関係の深い厚生大臣として、このことはもちろんそういう総理大臣の言うような方向で対処していかれると、このように思うわけでありますが、この点を確認をしておきたいと思います。
#39
○国務大臣(小沢辰男君) 政府・与党におきまして、五十三年度いっぱいでいわゆる医師の優遇税制というものは改めると。改める場合に、諸般の態勢をそれに応じてとっておかなけりゃいけませんものですから、そういうようなことを来年の三月三十一日、すなわち本年度末までに検討を進めて何らかの成案を得ると、こういう約束になっておるわけでございます。これは主として税の問題でございますから、私どもが指導的にこの内容を決定する役所ではございませんで、大蔵省がそれを検討をいたしておるわけでございます。
 当然われわれの方では、今度一方この特例税制の経過から見ますと診療報酬に絡んでまいりますものですから、そうしますと、私どもとしてはこの診療報酬の改定問題ということについて一番頭が痛いわけでございます。御承知のとおり、いま政府管掌自体が千数百億の赤字でございまして、日雇健保にいたしましても、あるいは国保にしても、あるいは組合管掌の中の一部のものにつきましても相当の財政難に陥っているわけでございますので、私どもの方は、そちらの方が実は主管の者としては非常に頭が痛い問題が出てくるんじゃないかというので心配をいたしておるわけでございまして、まだ、いまだに大蔵省の方から税についてはこうしたいという案が出てきておりませんので、大蔵省の方の案のいろいろ考え方、進め方について、もし協議がありました場合には私どもの側でそれぞれやはり意見を出さなきゃいかぬなと考えておるところでございまして、基本的には総理のおっしゃった方向で今年度いっぱいで廃止をして別のあり方を考えると、こういうことの線が党で決まっておりますものですから、その制度の改正に向かって諸般の措置を講ずる、諸般の措置の中に私どもに関連することが起こってきた場合にどうするかという問題をいまから対応して検討しておかなきゃいかぬと、こういう段階でございます。
#40
○広田幸一君 いろいろ慎重な答弁であったわけで、今日の厚生大臣の置かれておる立場からいたしまして、そういう発言でわかるわけです。ただ大臣がおっしゃったように、私はいま健康保険法の改正の問題にしても、また厚生省はあっちこっちに気がねをしていろいろはっきりしていない点があるわけです。そこらのことはきょうは私も言いませんが、いずれにしても、これから政府が出してくるであろう案について国民のコンセンサスを得られるようなものでなければ、私はそのものは国民から絶対にこれは支持されない。私はそういう意味で、やはり今日の医師優遇税制の問題について、中身をどこまで改善するかという問題は別であります。そういうものに対する国民の厳しい批判があると、そういうことを頭に置きながら、私はこれからの国民のための医療制度をつくるに当たっては、厚生省としては十分に考えていかなければならない、そういう点を強調しておきたいと思うのであります。
 最後に、あと五分しかございませんので、先ほど申し上げました雇用問題について私はお尋ねをしますが、これは私も労働委員会で労働大臣に言ったんですけれども、まあ大臣も閣僚の一人として、今日の失業問題がきわめて深刻な状態になっておるということは御承知のとおりであります。そこで、言われておりますように総理大臣も第三の道というようなことをおっしゃっておるわけですけれども、福祉、文教の面でこの雇用を創出していかなければならない、こういうふうにおっしゃっておるわけでありまして、私は先般労働委員会で労働大臣にこの問題を質問しましたときに、私は文部大臣にも厚生大臣にも会って雇用創出について五十四年度の予算編成に当たって十分な予算措置ができるようにいたしますと、こういうふうな答弁をされておるわけでありますが、この厚生省の関係をする部門における雇用創出、いわゆる福祉の質をよくすると同時に、あわせて雇用を創出するという一石二鳥の考え方に立った私は大臣の厚生省としての考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
#41
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもは、当然いまのような時代になりますと、私どもの社会福祉関係の施設なりあるいは医療関係の施設なりを増強し充実することによって、新たなる雇用の創出を図っていく効果を十分考えながらやっていかなきゃいかぬと思いますが、基本的には医療供給体制の整備というものは雇用だけを目的としてやるものではございません。社会福祉についてもそれ自体目的があるわけでございます。ただ、結果的には十分雇用創出の役割りを果たしていけるんではないかと、過去の実績を調べましても、約十年間で医療関係では毎年平均しまして四万五千ぐらいの雇用創出に寄与してきております。これは官民全部入れましてそうでございますが、また社会福祉関係でも三万程度の雇用増にこれは結びついてきているわけでございます。今度の補正予算ではわずかでございますが、保育所の増設なりあるいは特養の増設なり、そういうことによって新たなる雇用創出が、補正予算だけ見ましても社会福祉関係で約二千三百人ぐらいの新しい雇用増を考えておったわけでございますが、国立病院、療養所等は定員関係がございまして毎年ままならぬ点もありますけれども、それでも相当の雇用創出に役立ってきておるわけでございまして、今後もできるだけ国民の社会福祉、医療供給体制を整備することに力を入れまして、あわせて雇用創出に役立たしていただきたいと、かように考えてせっかく努力をいたしたいと思います。
#42
○広田幸一君 時間が来ましたので、私はいまの大臣の考え方を非常に期待します。ですから、これから五十四年度の予算を組んで、大体案は見ましたけれども、何か経常的な数の増のような感じがしまして、もう少し積極的な数字があってほしいというふうに思いますが、いま大臣がおっしゃったとおりであります。最近のリハビリテーションの増設というようなことは必要であります。国立病院にしましても、診療所にしましても。そういう意味で、ひとつ五十四年度の予算を編成する段階において、厚生省は本当に思い切った福祉の充実を図りながら雇用創出をやったと、そういうことになるように特に期待をして私の質問を終わりたいと思います。
#43
○勝又武一君 私はスモンに限定をしてお聞きをいたします。
 昨年の九月の十四日、本院の公害対策及び環境保全特別委員会でスモンにのみ限定をして厚生省にお伺いをいたしました。ちょうど一年以上たちました。昨年根本的な問題につきましてお聞きをいたしましたし、時間もありませんので、きょうは具体的なことを二、三お聞きをいたします。
 まず第一に、患者の数でありますが、昨年九月の私の質問に対する厚生省のお答えは約一万一千人ということでありました。世上二万から三万と言われておりますので、再度十分な調査をしてほしいとお願いをしておきました。その後その調査の結果はどうなったでしょうか。
#44
○政府委員(田中明夫君) 厚生省の特定疾患スモン調査研究班の五十年度の研究実績によりますれば、先生申されましたようにスモン患者数は一万一千と推定されたわけでございます。その後も研究班の先生に引き続き御検討をお願いしておりますが、現在のところわれわれが得ております数字は一万一千という数字でございます。
#45
○勝又武一君 厚生省の調査の方法は、最初各県、そして保健所、保健所の管内の医師会からの報告という形式であったわけです。いまお話がありましたように、スモン研究班というお話がありましたが、そういうことでは不十分なんだと、もっと調査方法を変えてやらないと正確な数は出てこない。たとえば投薬証明のない者、遠い病院に通っている者、専門の病院に通院をしている者、こういう数は正確に把握できないんじゃないか、こういう御指摘を申し上げましたが、その調査方法を変えられなかったんでしょうか。
#46
○政府委員(田中明夫君) ただいま申し上げましたように、先生の御指摘の点などにつきまして調査研究班の先生たちにも御説明し、その後も検討を進めているわけでございますが、残念ながら現在のところ新しい数字は得ていないという実情でございます。
#47
○勝又武一君 やや具体的にお聞きをいたしますが、スモンのそれでは一万一千という皆さんのおっしゃる数といたしまして、そのうちで寝たきりの者は何人なのか、両眼失明している者は何人なのか、あるいはそれに準ずる状況にある者は何人か、車いすを使っている者は何人か、せめてこのぐらいはおわかりと思いますので教えていただきたい。
#48
○政府委員(田中明夫君) 残念ながら、先生いま御指摘のような寝たきりあるいは車いすを使っている者というような数字は得ておりませんです。
#49
○勝又武一君 これは委員長にもお願いしますが、この程度のものは当然調査をしてしかるべきだと思うんですね。ぜひ調査をして、この程度のものは直ちに資料としても提出していただくように、これは委員長にも格段のお願いをしておきます。
 そこで、大臣と局長が一度患者のお見舞いにいらっしゃいました。私は大変いいことだと感謝をいたしております。そこで、この全体の実情調査というのをどういうように思っていらっしゃるのか、確かに大臣が二時間お会いになりまして、局長がいろいろとお聞きになりまして、その方の実情はおわかりになったと思いますけれども、いまお聞きをしましたように、厚生省として私が指摘をしたこの四つぐらいの分類が直ちに数がわかっていない、こういう点については大変不満でありますので、実際の実情調査、一体生活ができているのかいないのか、どれくらいの費用がかかっているのか、こういう患者の実態と実情について十分な調査をひとつしていただきたいということを指摘しておきます。
 そこで、次に中野局長にお伺いいたしますが、昨年の私の質問に局長が答えられまして、薬害を起こした国の責任を痛感しているとおっしゃっているわけです。そしていま申しましたようにお見舞いにも行かれたわけです。そこで、この患者の実情について局長は十分把握されたと思うんですが、昨年おっしゃいました国の責任を痛感をしているというこの所感は、さらにどのように深められたでしょうか。
#50
○政府委員(中野徹雄君) 昨年先生の御質問にお答えをいたしましてから、多少のいろいろな出来事がございましたが、その後、先生に申し上げましたとおりに、国として、このスモンの大多数の患者さんの方々が国の製造承認をいたしましたキノホルム剤の服用によって起きたといういわば因果関係は、国は訴訟上も認めておるわけでございます。その線に沿いまして、いわゆる不法行為責任ということは、国としては、加害者としての国の責任は国の立場として認めがたいわけでありますが、国の製造承認をしたキノホルムによりスモンという非常に社会的に深刻な事象が発生をしたということについての行政上の責任は、昨年も先生に申し上げましたとおりにこれは痛切に反省をしているというのが国の立場でございます。
 そのようなことに伴いまして、一昨年暮れ近くにそのような国の行政上の責任を……
#51
○勝又武一君 責任をお感じになっているということで結構です。
#52
○政府委員(中野徹雄君) はい。
#53
○勝又武一君 大臣もお見舞いにいらっしゃいましたが、さらにこの国の責任を痛感するという点についてはとういうように――お感じになったと私推測いたしますけれども、いかがでしょうか。
#54
○国務大臣(小沢辰男君) 国民の皆様が常に健康であらなければならないし、そういう非常な難病等に罹患をされているということを私どもは国民の健康を守る行政の責任者として非常に、いま局長が申し上げましたように法的責任は別問題にしまして、そういう立場の行政を預る責任者としての責任を、いろいろ私どもとして痛感をしているものですからいろんな対策をやっていると、こういうことでございます。
#55
○勝又武一君 具体的に治療方法についてお伺いをいたします。
 大臣、局長が患者にお会いになりまして、はり、きゅう、マッサージ等、患者は何回ぐらい一週間にかかっていましたか、おわかりになりましたでしょうか。
#56
○政府委員(中野徹雄君) 実は先生御承知のとおりに、スモンの確たる治療法がいわば定説としてば確立されておらないわけでございますが、一部の研究者の方々の御意見あるいは経験的に患者さん方から承ったところでは、はり、きゅうか非常に効果があると、こういう御意見がございました。そしてこれは個人差が非常にあるようでございまして、はり、きゅうに非常に熱心に通っておられる方々も、全くはり、きゅうを試してみてもいないという方々もございます。これはいわば個人差が非常にあるというふうに感じますが、はりが非常に効果があって非常に効いているというふうにおっしゃっておられる方々につきましては、たとえば一週間に二回あるいは三回とか、非常にその頻度の高い方もございます。そのような頻度の高い方は、はり、きゅうが非常に効いているという御認識で非常に熱心に通っておられるように拝見をいたしました。
#57
○勝又武一君 たしか局長がお会いになった患者は、週三回程度はり、きゅう、マッサージにかかっているということをおっしゃっていたように当時の新聞で仄聞をいたしております。
 そこで、私が高校の教員のときの教え子で、同様に高校の教員にその教え子はなりましたが、そのときに両眼を失明いたしました。もちろんスモンであります。両手両足が不自由であります。彼が私によく訴えるのでありますが、入院患者は、はり、きゅう、マッサージ等毎日やってもらいたい、そのくらいに思っているんだと、せめて一般の患者でも一日置きぐらいにかかりたいんだということを訴えているのでありますが、そういう点についてどのようにお考えなんでしょうか。現在スモンの抜本的な治療方法があるのでありましょうか。私は昨年の際にもこのことを質問いたしましたが、具体的な抜本的治療方法がない。抜本的な治療方法がないから余病を防ぐため、あるいは苦痛をやわらげるため、せめて一時的に楽になりたいからと、私のこの教え子は患者として真剣に訴えております。こういう心情について局長はどのようにお考えでしょうか。
#58
○政府委員(中野徹雄君) 確かにスモンの根本的な治療方法が確立されておらないということで、これは基本的にはスモンの治療法の研究あるいは開発面につきましてさらに国として努力をするという問題があるわけでございますが、当面はいわば対症療法と申しますか、あるいは患者さんのお話によりますと非常に自覚的な病状が軽快化したというお話もあるようでございますので、私といたしましては、研究的観点から申しましても、このスモンに対するはり、きゅう、マッサージの実施というのもぜひ実現をしていきたいというふうに考えております。
 それで、実は大臣からも非常に強い御指示がございまして、これは来年度の予算を待たず本年中からとにかく関係省庁とも協議をいたしまして早期に着手をしろという大臣の御指示がございましたので、これを十二月ごろから実施できるような段取りを現在考えておるところでございます。
#59
○勝又武一君 いまの局長の後段にありました十二月というのが、十月十日の新聞を拝見いたしますと、「十二月から週一回分 「スモン」はり・きゅう無料化」という見出しで報道をされております。たしか十月九日の患者との話し合いのことの報道であります。それによりますと、このはり、きゅう、マッサージ等は週一回だけ無料化すると、こういうことでありますが、先ほどから私くどく申し上げておりますように、これでは私は余りにもひどいと思います。やはり原則としては実情に合った回数についてぜひ無料化を図っていただきたい、せめて最低週三回程度の無料化にしていただきたいというふうに考えますが、この点いかがでしょうか。
#60
○政府委員(中野徹雄君) 正確に申し上げますと、はり、きゅうのいわば実施につきましての回数は、現在まだ最終的には政府部内の折衝が終わっておりませんので確定いたしたものではございません。私といたしましては、まあ一面でこれは行政的に一定のルールで取り上げるものでございますから、その回数のいわば定めみたいのものは一方になければいけない。それからなお、現時点におきましては、実は大臣の非常に強い御指示によりまして、本年度特段の予算措置がない状況においてこれを何とか実現をするというふうな客観情勢上の制約もございます。それやこれやで私といたしましては、その回数の増加について最大限の努力をいたすつもりでございますが、また患者さんの御希望もよく承知しております。現在のところはなお最終的ではございません。なお、今後も十二月の実施に至る過程におきまして、回数問題等につきましても十分な努力をいたしたい、かように考えております。
#61
○勝又武一君 いまの局長の非常に好意のある温かいお言葉につきまして感謝をいたします。
 そこで、大臣にこの問題でお願いをいたしますが、大臣もお見舞いにいらっしゃり、新聞紙上も非常に高くこの点を積極的な姿勢として評価をされていらっしゃる。私は国民の気持ちとしてもそういうように思います。そこで、この本年度予算という限られた中でありましょうが、このスモンにかかわる現時点での非常に目玉的なといいますか、特徴的なはり、きゅう、マッサージ等の一歩前進の問題であります。そこで、ぜひひとつこの週一回という新聞報道ではなくて、せめて週三回程度の実情に合った回数にふやしていただきますように大臣としても格段の御努力を願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。
#62
○国務大臣(小沢辰男君) 私は何回か患者さんにお会いしましたのですが、患者さん、そのときは今年度にそういうような措置の予算がないことを御承知でございまして、来年からぜひ予算に計上して、はり、きゅうあるいはマッサージというものを取り入れろ、こういう強い御要請がございました。それで、私いま局長からお答えしましたように、少しでも楽になることであれば、この研究班の結論が、効く効かぬという結論はまだ出ておりませんで、一部の学者の方はそういう対症療法的な効果はあるかもしらぬなあという意見もあり、また場合によって、容体によってばかえって弊害が起こるおそれもあるなあという意見の人もございました。しかし、とにかくその結論を待っていては、せっかく何回かお会いしている患者さんの中に、自分がマッサージ、さすってもらうということだけで非常に楽になるというお話等の痛切な要求等もございましたものですから、それじゃ来年の予算待たないで予備費でも何でもいいじゃないか、とにかく大蔵省と折衝して金をとってこい、できるだけ早くなってあげようじゃないかということで始めたわけでございます。
 そこで、今年度全然予算計上してないものでございますし、また研究班の結論が出ていない問題でございますので、そう一遍に週に何回かやるんだとか、あるいは毎日やるんだとかということは、これは確定的に治療方法としていいという見解が出れば私ども何でもやりたいと思うのでございますけれども、そういう現状でございますから、いわば試みにやってみなければならぬだろうと、こういうようなことなものですから、一応週一回でどうかなということで患者さんにもいま話し合いをしているわけでございますが、それじゃどうもせっかくやるのに何だというお話等もございますものですから、できるだけ十二月実施までの間にいろいろ先生方の意見等も聞いて努力をしてみたい、かように考えております。
#63
○勝又武一君 次に、この通院費あるいは介添え人、看護人、こういう問題について伺いたいと思います。
 両眼を失明し、手足が不自由の者が通院するのでありますからタクシーしか利用できない、こういう場合があります。このように身体障害の重い者のタクシー代等については、ひとつめんどうを見てあげるというようなことはどうでしょうか。
#64
○政府委員(中野徹雄君) 実は先生御指摘の点は、患者さんの方々からも強い御希望のある点でもあるわけでございますが、実は非常に困難な問題が一つございます。と申しますのは、スモン患者の方々についてのたとえば判決とか、あるいは和解の条件等に照らしてみますと、そういういわば通院費付き添い費的なものは、実は和解金、あるいは判決が確定しました場合の損害賠償金の中に金銭的な給付は全部含まれているというのが普通の考え方でございまして、したがいまして、そのために実は和解が成立しました件につきましては、重障者の方々には介護料という形での年金形式の支払いが和解条件としてついておるわけでございます。現に、それはもう和解が達成されましたケースについては支給が行われているところでございます。ただ、一般行政の立場におきまして、いわゆる行政の立場でこの通院、付き添い費を支給するということにつきましては、そういう和解条件あるいは賠償金の性格からしてそちらの方に含まれていると。したがって、幸いにして患者の御納得が得られますれば重障者の方々に対する年金形式のその介護料支給ということでカバーさるべきものであるというふうに考えておりますので、行政の立場においてこれを一般的に行うということは、事柄の性格から非常に困難な面があるように考えております。
#65
○勝又武一君 バスや交通機関等について割引制度をいまやっていらっしゃるんではないんでしょうか。そして、それについては非常に煩瑣になっている点があると思うんです。やはり不自由なスモン患者にとっては大変な苦痛でありまして、いまありますマッサージ代だけの割引の申請、こういうものも、たとえば二ヵ月に一回医師の診断書が必要だと、公害患者の場合には診断書が無料だと、スモン患者の診断書は一回千円を取る、こういうような私は矛盾の問題もあると思うんですね。ですから、こういう割引制度の問題なり手続の煩瑣の問題なりございますし、もちろんいま中野局長御指摘のような賠償金とのかかわりの問題ということも問題としてはあると思うんですよ。しかし、公害患者等のことまで考えてみますと、やはり当面スモン手帳等を発行して、これだけの社会的な大きな問題になっている問題でありますし、くどいわけでありますけれども、国の法的責任は別にしても責任の痛感という問題もあるわけでありまして、こういう問題について、この際ひとつスモンのそういう手続の煩雑さ等をやめる意味からいきましてスモン手帳というようなものを発行してもらうと、そういうような点でこういう問題の解決を図っていく。被爆者手帳という問題もあるわけですね。ですから、私はやはり行政上こういうことが絶対不可能だというようには考えられないのでありますが、こういう辺はいかがでしょうか。
#66
○政府委員(八木哲夫君) 前段の問題につきまして、割引制度の問題につきまして手続が煩瑣であるというようなお話ございましたけれども、現在身体障害者に対しまして国鉄の運賃割引が福祉的な立場から行われているわけでございますけれども、身体障害者法によりますと身体障害者手帳を御所持になっておられます方につきましては非常に簡素化ということを行っておりまして、従来でございますと乗車の都度、毎回その割引証をもらわにゃいかぬということでございましたけれども、現在は福祉事務所あるいは町村役場へ参りますと、十枚つづりの一年間有効の割引証が交付されておりますので、窓口へ参りますれば簡単にできるという面で手続の簡素化を図っている次第でございます。
#67
○政府委員(中野徹雄君) 患者さん方とのお話し合いの場におきまして、スモン手帳交付の問題、確かに一つの要望事項として出ておりますが、現在われわれの立場といたしましては、その一方で精力的に和解を進めるという立場に立っております。その恒久対策という一般行政の枠内で何を行うべきかということにつきましては、先ほど先生御指摘のように、当面の何本かの柱で緊急に手をつげるべきものが現在進行中でございます。この恒久対策の全体的な話し合いというのは、実は東京地裁の場におきまして話し合いが現在進行中でございまして、その中においても、恒久対策一般のいわゆる手続問題も議論されておるところでございます。現時点におきましては、スモン患者の方々に対する一般施策の手続の円滑化ということにわれわれとしては最大の努力を払う所存でございまして、手帳ということも一つの考え方ではございますが、いずれにせよ一般施策の円滑な実施、それによる早期の、患者の方々のニードを早い時期にカバーをしていくということに努力をしているところでございまして、スモン手帳の問題も一つの考え方ではあるとは存じますが、今後慎重に検討いたしてまいりたいと、かように考えております。
#68
○勝又武一君 お言葉を返しますけれども、保健所へ行ったら簡単にできるんだと、確かに普通の人間なら簡単ですよ。私、例を挙げましたように、高等学校の教員をやっていた者が三十幾つでこのスモンによって一遍に両眼が失明したわけですよ。両手両足が動かなくなったわけですよ。学校の教員も免職ですよ。こういう人が保健所へといって簡単に手続ができるというように受け取るところにスモンの問題がある。そうじゃないと思うんです。深刻なんですよ。ですから、私は普通人の取り扱いとは違った温かい行政的な思いやりをぜひお願いしたいと、それは確かに行政上の幾つかの問題はあるでしょう。しかし、お言葉をここだけは返しますけれども、やっぱり煩瑣なんですよ。大変なんですよ、保健所へ行くこと一つだって。そういう意味でいけば、特に身体障害の激しい者にとって、限定しても結構です。普通の人とスモンの病状との違いというような問題もあるでしょうから、その辺は検討していただくにしても、ぜひひとつそういう温かい配慮で、いま中野局長おっしゃるようにスモン手帳の発行等についてもぜひひとつ前向きの検討をお願いしたいと思うんです。これはもう時間がありませんので御要望をしておきます。
 それから、抜本的な治療法がないということがありますね。つまり、西洋医学で治療法がない、現状では患者は東洋医学に頼るしかない、大量の漢方薬を使っている、こういうことがよく言われますが、これらを調査したことがございますか。
#69
○政府委員(田中明夫君) スモン研究班におきましては、各種の薬品あるいは理学療法、あるいははり、きゅう等についていろいろその効果について調査しておりますが、漢方薬についてはいまのところまだ調査しておりません。
#70
○勝又武一君 私は、先ほど委員長にも御要望申し上げました患者の実態調査、せめて数の調査と申しましたが、今度はやはり関連して、いま漢方薬をどのぐらい使っているかということをおわかりになっていらっしゃらないとすれば私は大問題だと思うんです。そういう意味で、ぜひそういう意味の患者の数だけでない実情調査をお願いをしたい。一体漢方薬の費用をどのくらい負担しているのかということがあります。体が動かなくなった患者が、非常に不自由な状況の中で、何としても体を動かせるようにしたいということで、体を動かすための運動の器具を購入するという場合もあるでありましょう。あるいはそういう器具を買っただけではだめで、その体を動かすための器具を買ったら、その器具をどういうように使ったらいいかという指導を受けるための指導者をお願いするということも必要になるでありましょう。あるいはスモンなるがゆえに健康を保つ保健的な意味で飲む薬もあるでありましょうし、特別の食べ物を食べるということもあると思うんです。こういうような普通の人では考えられない健康管理的な必要な経費というものも私は相当の額になっているというように思います。そういう意味で、この点はぜひ御検討いただきたい。
 それから差額ベッド等についても、これは局長にお伺いするんですが、入院費を大幅に引き上げるなどの努力をしている、こういう中で解決をしたいというお話になっているわけでありますが、この点は具体的にどうなっているんでしょうか、あるいはいつまでにこういう問題は解決をなさろうとなさっていらっしゃるのかお教えをいただきたいと思います。
#71
○政府委員(中野徹雄君) 私、患者さんたちとのお話し合いの席上で差額ベッドの問題を申し上げましたのは、もちろん一般論といたしましていわゆる保険診療が行われております場合、これに公費負担、特定疾患対策が上乗せになりまして結局医療費の無料化が行われておるわけでございますが、その際に、差額ベッドの負担というようなものが患者さんの立場で非常に家計の上で大きな問題だと、こういうことは事実そのとおりであろうかと存じます。そのような観点で、一般的にいわば保険全般を通ずる問題としての差額ベッド問題の解消ということは、これは厚生省全体として最大の努力をしているところでもございますし、一方におきまして患者さんたちとの間の接触窓口がございまして、たとえば入退院についての個別的な患者団体から上がってきますところの御要望もわれわれとしては直接承る形になっております。これを国立病院あるいは各種の公的医療機関に倒別に連絡をいたしまして、患者さん方の施設への収容というようなことが円滑に行われるように努力をしておると、こういう実情でございます。先生御指摘の私の申し上げました差額ベッドの解決の問題というのは、厚生省全般として行っているところのいわば一般的な問題というふうに御理解をいただきたいというふうに考えます。
#72
○勝又武一君 それでは次に、これも十月十日付新聞ですかにございます世帯更生資金の貸し付けという問題であります。
 私はこのスモンの患者に対する方法として世帯更生資金の貸し付けということば、基本的には大変な適用するのに問題があるんじゃないかと思います。というのは、低所得者層に対する政策と同じ発想でもしお考えでしたら大変な間違いではないか。スモンの患者に対して恩着せがましくなったり、賠償金や和解金が入るだろうからそれまでのつなぎ資金で、この金でいろいろ費用を賄えと、こういう基本的な考えは大変な間違いだと思います。特に指摘をしたいのは、新聞報道によりますと、一人世帯は貸付額が二万七千円、二人以上の世帯五万四千円、こうあるわけです。新聞報道どおりとしますと、これは実はスモンの実態を全く知らない実例だと思います。つまり世帯更生資金というものはスモン患者を予想していないわけなんです。別の要素で貸し付けというのを適用するところに無理がある。一人世帯で二万七千円、二人以上の世帯五万四千円、常識的にはそのとおりでありましょう。ところが、スモンの患者というのは、先ほどからくどく言っていますけれども、一人の方が大変なんです。一人世帯で両眼が失明し、手足が動かなかったら二人以上の世帯よりはもっと大変じゃないんでしょうか、いろいろな費用が一人世帯の方がかかるんじゃないんでしょうか。この点は大臣も局長も直接お見舞いにもいらっしゃってよくおわかりだと思うんです。そういう意味で、一人世帯についての貸し付けの額は、少なくとも二人以上世帯と同じ額にすべきだというように考えますけれども、いかがでしょうか。
#73
○政府委員(中野徹雄君) 先生御指摘のように、確かに世帯更生資金の貸し付けによってこの問題に対処をするということについては、実際上もいろいろと先生御指摘のような問題はあるかと存じます。と申しますのは、実は当然その患者さんの側からの御要望の中にも、現行施策の中で利用できるものはとにかく利用できるように努力をしてくれというような事柄が発端となりまして、実は社会局の方にお願いをいたしまして、現在行われております世帯更生資金の制度を、いわばごく正直申ますれば、借りてこの問題に対処しようというのが私どもの本年度、これも大臣からの御指示が非常に強くございまして、当面たとえば十二月に越年の問題もございますので、これを活用したいと、こういう姿勢で考えておったわけでございます。したがいまして、先生御指摘のように、現行の世帯更生資金のいわば枠組みというものから来ますところの問題は、当然そこに問題としては残っておるように考えます。
 で、今後の問題として、スモン患者さんの実態に合うような対策というものはいかなるものであるかということにつきましては、十分われわれといたしましても掘り下げて検討いたしてまいりたい、かように考えております。
#74
○勝又武一君 よくわかるんです。ですから、現実の中で対応する場合に、できるだけそういう、無理がある点もあるんでしょうけれども、スモン患者の実情に沿った対応をお願いをしたい、そういう意味です。ですから、貸付期間の一年間というのも、たとえば何と言うんでしょうか、賠償金を受け取るまで返済猶予をしてもらうとか、利率の年利三%というのも、たとえば二%に工夫をしていただくとか、こういうことも関連の中から出てくると思うんです。あるいは生活保護を受けている者については利用できないということになるんでしょうか、こういう関係ですね、あるいは夫がスモンで死亡したと、その妻がいまは子供を扶養している、こういうような場合にも、ストレートにいけばだめでしょうけれども、そういう特殊の事情についてはその遺族についても適用を工夫してやるとか、あるいは関連をしますけれども、賠償金の仮払い、前払いという問題がいま生まれうつございますね。そうすると、たとえばそういう賠償金の仮払い、前払いが出てくると、それは収入と見なして、たとえば生活保護を受けている方が仮払いを受けた場合にもとの生活保護の方の継続がなくなってしまうとか、こういう諸問題が私は派生的に関連をしてあると思うんです。こういうことを何か行政ベースそのものでずばずばお切り捨てにならないで、スモンの実情に合った検討を願いたいと、こういう気持ちですが、これらの点はいかがでしょうか。
#75
○政府委員(中野徹雄君) 生活保護等との関係につきましても、生活保護のいわば一般的なルールというものがございまして、この一般的なルールのもとにおきましてできる限り事柄の特殊性に対応するよう知恵を出していくというふうな考え方であろうかと思います。そのような意味におきまして、仮払い等の問題につきまして、あるいは一部執行が行われた、仮処分を受けた金額の問題等につきましても、社会局の方にいろいろ御相談をいたしまして、できる限り生活保護法の一般原則のもとにおきまして認められる、たとえば自立更生のための控除制度等を活用して、できる限りその実態に対処していくよういろいろと社会局の方にもお願いをいたしているとろでございます。
#76
○勝又武一君 時間がなくなりましたので、最後に総括的なことを二、三お聞きをいたします。
 その一つは、スモンは明らかに国が許可した薬から出たものでありまして、いろいろな議論はあると思いますけれども、そういう意味では四十三年五月、当時の園田厚生大臣の本委員会での言明、あるいは再三きょうも大臣も責任を痛感しているということもおっしゃっているわけでありまして、十一月の十四日には福岡の地裁の判決が予定をされております。恐らく原告側が勝訴すると思います。私はいわゆる薬事法の議論は別にいたしましても、もうこれ以上患者を苦しめないでもらいたい。福岡の判決で患者側が勝訴した場合には、ぜひ、責任を痛感していらっしゃる国の立場からいっても、金沢、東京と続き、そして東京の場合にもいろいろと控訴の点については検討があったところでありますから、ぜひ福岡の判決いかんによっても国が控訴を取りやめてもらいたい。このことはもうあたりまえだというように考えますけれども、いかがでしょうか。
#77
○政府委員(中野徹雄君) 実は金沢判決と東京判決は、先生御承知のように非常に基本的な点で判断を異にいたしておりまして、実は先ほどから申し上げております通常言うところの不法行為責任については、国は東京判決におきましては、昭和四十二年十一月以前の発症例については不法行為責任を免除されていると申しますか、その分の請求は棄却されているわけでございます。国の責任につきましては、四十二年十一月以降の分についての三分の一という限界内におけるところの連帯責任を可部判決は最終的に認められたわけでございまして、そのような意味におきましても、四十二年十一月以前の発症例については、法律論としての国の立場はいわば可部判決によって認められたという経緯がございます。しかしながら、それらのものとは別といたしまして、先生御指摘のように、社会問題としてのこのスモンの問題については、国としては行政責任を痛感し、これに対処していくという基本的な姿勢でございますので、一刻も早く国の統一方針でございます和解を精力的に推進していくというのが国の基本的な姿勢でございます。福岡判決につきましては、その判決の内容をこの時点で予想いたしますことば差し控えたいと存じますが、そのような政府としての意のある点も先生におくみ取り願いたいと、かように考えております。
#78
○勝又武一君 局長は、いままでも製薬会社三社の代表と患者との話し合いの場の実現に努力する、局長みずからも説得をすると、こういうようにおっしゃっていると思いますが、その後この努力された経過というのはどうなんでしょうか。そしてその会社の代表と患者側との話し合いの場をつくるという点につきましては、ぜひ、時間もなくなりましたので十分でありませんが、大臣についてもぜひこの点は引き続き御努力を願いたいと考えますが、この点はいかがでしょう。
#79
○国務大臣(小沢辰男君) 田辺製薬との間におきまして、私は招致をいたしまして話し合いをした回数は八回ぐらいございます。私が言っておりますのは、キノホルムに……
#80
○勝又武一君 会社の代表と患者との話について努力をしてくれ、そういうことです。
#81
○国務大臣(小沢辰男君) これは、私はまず私の方で十分ひとつ話し合いをして理解をさせまして、少なくとも和解の道については国と同調するように努力をした結果でないとお答えは何ともできません。やはり一社だけが応じないということになりますと、その薬の服用該当の患者さんは訴訟を継続して、いつまでもその解決をしないということになりますので、その分についての話し合いを精力的にやっておりますので、大体の方向は出ておりますので、それらをさらに細部にわたっていま確認をする段階に入っておりますから、その方をまず私として努力をしたい。その患者さんと直接交渉するなり話し合いをさすなりということよりは、やはり監督官庁であるわれわれの方がよりいいだろう、こう思っておりますので、いま御質問の点については私どもまだいますぐ同調するというわけにいかないというわけでございます。
#82
○勝又武一君 これは局長と大臣との見解がやや違うようでありまして、ぜひこの点は、私はやはり大臣のおっしゃっているような厚生省として会社側を説得をする、この御努力はぜひお続けいただきたい、これは当然だと思うんです。しかし、会社側の代表が患者と一切会わないという、患者側の代表と会わないというのも大変これは私は社会的な責任を痛感をしている以上問題があると思うし、局長がこのために鋭意努力をされるということもおっしゃっているわけでありますので、この点はぜひ引き続き御努力をお願いをしたい。
 それから最後に、薬事法の抜本改正の問題、あるいは抜本的な治療法の研究と開発の問題についてお伺いをいたします。従来の大臣の答弁や大臣の方針が、先ほどの予算の少ない中で努力をされている点はわかりますけれども、私はやはり今度の補正予算や五十四年度予算要求を見ましても、抜本的な積極的な対応策という点からいくとまだまだ不十分だというふうに思いますが、この点どうでしょうか。
#83
○政府委員(中野徹雄君) 実はちょっと私の御説明が足りなかったかと思うわけでございますが、スモンの対策は、実はいわゆる恒久対策、患者さん方との話し合いで、五十四年度において実現すべきものについては、大蔵省との話し合いをすでにつけてこれを追加で持ち込むという了解をとっております。したがいまして、本年九月一日以降に大蔵省に説明をいたしました概算要求中には、その項目は含まれておらないわけでございまして、これは予算の最終編成時点までの間に厚生省内の検討を終わり、大蔵省との間で慎重にこれを決めていきたいということでございますので、これからということでございます。その点は御理解をいただきたいと思います。
 それから、薬事法の改正については、先生の御趣旨のとおり現在鋭意検討を進めておるところでございまして、次期通常国会にこれを提出いたしたい、かように考えております。
#84
○勝又武一君 最後に、昨年の九月の私の質問に対しまして、抜本的な治療法の研究と開発、この点について私種々意見も申し上げました。その際中野局長は、私の意見に同感だと、こういうこともお話しになりましたし、恒急的対策についても努力をするとおっしゃいました。抜本的な治療法の研究と開発について鋭意努力をすると、ここに会議録も持ってきておりますけれども、この中に載っているわけであります。わが国の科学陣営の粋を集めて、総力を挙げてやれば必ず私は成果が上がると考えるわけです。同じようなことを再度強調いたしますけれども、そういう壮大な決意というのが私は必要だと思うんです。同時に、これは日本のいまの科学水準をもってすれば決して不可能ではない、こう考えます。そこで、最後にこの点についての大臣の所信のほどをお伺いをしたいと思います。
#85
○国務大臣(小沢辰男君) 今度の恒久対策の四項目を私が提示いたしました中に、第一に治療方法の研究の充実を、これはもう費用をちびつたことによってそれが進まないというようなことになつては大変ですから、できるだけの必要な予算は計上してまいるという方針でいま研究班とも打ち合わせをいたしておりますから、来年度この治療研究費については大いに内容を充実していきたい、かように考えます。
#86
○勝又武一君 時間が参りましたので、これで終わります。
#87
○委員長(対馬孝且君) 委員長から一言政府側に申し上げておきますが、先ほど勝又委員からありました件について、常識的な質問に対して答えができないということでは、政府側の答弁が非常に
 これは不勉強であるというふうに考えますので、
 これからひとつ質問者に十分に答えられるような一対応の仕方をとるように強く申し上げておきます。
#88
○安恒良一君 まず、ことしの二月に医療費の改定が行われていますが、その後七月分までの医療費の伸びの状態はどういうふうにあるのか。すでに細かい資料は私の手元にいただいていますから、これは一々読み上げられたらかないませんから、大体医療費の伸びが全体でどの程度伸びているのか。ことしの改定率は、すでに二月の改定率はわかっていますが、どのくらいの医療費が伸びているのか、こういうことについてお答えを願いたいと思います。
#89
○政府委員(石野清治君) 二月以降七月までの数字しかわかっておりませんけれども、一日当たりの点数で対前年同月比を見ますと、医科におきましては十六ないし一七%、それから歯科につきましては三一から三三%という上昇になっております。で、自然増がこの中に入っておりますので、自然増を除いた数字で申し上げてよろしゅうございましょうか。
#90
○安恒良一君 いや結構です。聞かないことは結構ですから。
 大体、非常に自然増を含めて依然として医療費が二けた、特に歯科の場合には三けた、これをいま中身を五十分で分析し、論争する時間がありませんが、そういう状態にある、こういうことだけはまず認識を統一をしておきたい。
 それから、五十一年、五十二年の社会医療調査ですね、これが発表されています。私は四十八年から手元に持っておりますが、これのいわゆる診療行為別の傾向がどうあるのか。この点についてはすでに同僚委員から聞かれたときに、私の手元にはこれは一日当たりので来ていますが、同僚委員の質問の中で、いわゆる一件当たりの場合に、たとえばレントゲン診断が三・二が四・〇、検査七・八が九・〇、こういうふうに広田さんの質問で明らかになりましたが、これはすでに政府が発表しております社会医療調査だから、そういう傾向にあるということはお認めですね。
#91
○政府委員(石野清治君) そのとおりでございます。
#92
○安恒良一君 そこで、これも広田委員が聞いたのですが、私は少し中身を具体的に聞かなきゃならぬと思いますが、本年の二月、医療費の改定の際に、厚生省と中央社会保険医療協議会支払い委員との間に、正確に言いますと「医療費の無駄を排除するための具体的方途については、六ヵ月を目途として検討し、その結論を得次第、適切な措置を講ずるものとする。」という覚書が保険局長と支払い側代表との間に締結をされ、しかも「なお、上記の覚書は、厚生大臣が了承したものであることを付記する。」、こういうことが約束をされたと聞いております。またそういう写しも私は持っているわけですが、そこで何回やったのかというのはいま聞きました。四回というのは聞きました。そこでそのことは結構ですが、具体的な結論は何と何を得たのでしょうか、もしくは協議中のものは何があるでしょうか。それから、結論を得たものについてはどのように実行されたのか。これは広田委員の質問についてあなたはさらっと答えましたけれども、私はこれから中身について聞いていかなきゃなりませんから、具体的な中身についてお話しを願いたいと思います。
#93
○政府委員(石野清治君) 大きく分けまして監査指導の部門と、それから診療報酬明細書の審査の問題それから薬価調査、薬価基準の問題、それから特定治療材料の価格調査、それから診療状況の実態調査、分析研究、そういうものがございます。
 まず、監査指導の部門でございますけれども、これについては医療費むだの排除に対する有効な手段の一つであるので、中央、地方の体制の整備を図ることとしまして、具体策については大蔵省とも相談しなければいかぬわけでございますが、十分検討を行うということにいたしまして、中央の体制整備につきましては、保険局の医療課の中に医療指導監査のための専任の組織をつくるという点が一つございます。この点につきましては、大蔵省の方に予算の要求をいたしておるわけでございます。
 それからさらに、医療専門官の欠員に対しまして、欠員があるものにつきましては、中央による保険医療機関の指導監査を今後実施をする、こういうことでございますが、これについてはまだ実施をいたしておりません。
 それから、地方の体制整備でございますけれども、地方におきます監査指導を積極的に行うために、増員を含む監査指導体制の強化を図るということで、これにつきましては五十四年度予算につきまして予算要求をいたしたい、こういうふうに考えております。
 それからなお、都道府県の保険課に監査指導を行う専任の担当官を置くように努力をするということが一つございます。総じて中央、地方の監査指導の体制を強化するということであると思いますけれども、これにつきましては、先ほど申しましたできるものにつきましては予算要求をいたしたい、いたしておるわけでございます。
 それから、診療報酬明細書の審査でございますけれども、これにつきましては、当面はその再審査制度の明確を図るということでございますが、これにつきましては今度の健康保険法の改正案の中に取り込んでおるわけでございます。
 それから、レセプトの点検推進の問題が一つございまして、これにつきましては、特にそのレセプトの点検を積極的に行うことが必要であるということで、同時に健康保険組合とか、国保等の市町村に対しましても点検の推進を図るよう指導しろと、こういうことでございます。
 それから、大きな薬価調査、薬価基準の問題でございますけれども、適正な薬価基準の資料を得ることを目的としまして、販売とか購入の両サイドから調査を行え、特に五十三年度からは新たに本調査の前後に特別調査を実施するものとする、こういうことがお話ございまして、現実にこれは行っておるわけでございます。
 それから、薬価算定方式の問題に触れておりますけれども、これにつきましては、今後中央社会保険医療協議会において薬価算定方式の検討を行うと、こういうことになっておりまして、まだ中医協開かれておりませんのでその点は進んでおりません。
 それから、特定治療材料の価格調査につきましても、実勢価格の調査を本年度から毎年実施しろと、こういうことになっておりまして、これは本年度から行うことになっておるわけでございます。
 それから五番目に、診療状況の実態調査を行えということでございますが、これは五十四年度の予算要求の段階におきましても調査費を要求いたしているわけでございます。
 それから、薬剤費の一部負担という問題に触れておりまして、薬剤費につきましては、患者が一部負担することによって薬剤使用の適正を図ることとするとなっておりますが、これにつきましては健康保険法の今度の改正案の中に盛り込んでおるわけでございます。
 あとは被保険者に対します指導でございますとか健康づくりの問題、そういう問題が議論されておりますし、実際に実行したものもございます。
 以上でございます。
#94
○安恒良一君 いろいろなことを言われましたが、四回やられておりまして、厚生省からこういうことを検討したいということ、ないし支払い側から検討したいということが出されて一部進んでいますが、ほとんど議論が進んでいませんね、私はいまお聞きをした限りにおいて。これもまた一つ一つ細かく論議する時間がありません。
 それから、私お聞きをするのに、これは前局長の八木さんが約束をされているのですが、最近は保険局長は出席をしない、それで課長以下が出てやっている、こういうことで、厚生大臣が裏づけをされているのに、しかも捺印者は前局長の八木さんだ。責任を持ってここで本当に煮詰める気があるのかどうか。というのは、すでに六ヵ月を目途ということ、六ヵ月というのは二月から八月でもう終わっているんですね、もういまや十月ですから。しかし進捗状況はあなたが言われたとおりなんですね。私が聞く限り、支払い側では大変、最近は局長も出てこない、不誠意きわまる、こう言って支払い側は怒っています。大臣、ここでこの中身よりもこれからの検討のあり方については、少なくともこういう覚書を交換をしあなたが裏打ちをされた以上、もちろん専門的な課長その他が出られて議論することは当然です。しかし、せめて当該の責任者同士で判をついているんですから、保険局長みずからがやはり出て、もうすでに六ヵ月を目途というのは過ぎた。まあ目途だから一ヵ月や二ヵ月――目途というのは一年も二年も先のことを目途とは言いませんから、日本語で目途というのは。ですから、そういうことについて、鋭意ここでお約束の医療費のむだを排除するための具体的な方策について議論を続けさせるようにされますかどうか、この点は大臣にお聞きをいたします。
#95
○国務大臣(小沢辰男君) 当然私が了承の上での両者の約束でございますから、お互い、恐らく組合の方々の幹部でございましてなかなかお忙しくてそういう回数が積み重ねがなかなかできなかったのだろうと思うのでございますが、八月までに成案を得べき目途は達成されていないわけでございますけれども、恐らく引き続き局長との間でできるだけの話し合いを進めていくものと考えておったところでございますので、今後も、保険局長が出ないというお話がございましたが、必要があればいつでも出るわけでございますので、そういう態度で進めてまいると私も期待をいたしております。
#96
○安恒良一君 必要があればじゃないんですよね、保険局長は責任者なんです。前保険局長がこれに印鑑ついているんですね。私が調査しましたら、保険局長は二回もう出ていません、最近は。最近の二回には全然局長は出てません。必要があるとかないとかじゃないんです。保険局長と支払い者側一号委員の代表の大隅さんとの間に約束を取り交わしている。当然私は責任者である保険局長が出て、実務的なことはもちろんいろいろ課長さんやその他の方が議論に加わる、これは当然ですよ。しかし私は保険局長みずからが出て覚書のとおりにやるべきだと思いますから、このことは言っておきます。大臣は必要があればと言う、そういう姿勢にもうすでに問題があるわけですね。
 そこで、いまこの委員会の中でどういうことが議論されたのかということで、何か故意に一つお落としになっているのがあるんじゃないでしょうか。それはこの検討委員会の席上で、厚生省から関西以西の一部高額所得者の診療内容調査が提出をされました。そして御承知のように、読売新聞を初めとする一部の新聞に、特に読売新聞には大きくこのことが報道されています。そこで私はお願いをしたいのですが、きょうの論争の中身をはっきりするために、そこに提示をされましたいわゆる診療内容調査を資料としていただきたい、こういうことを保険局長に申し入れをしたのでありますが、それは大臣が外に出してはいかぬ、こういうことになっていると。私から言わせると、すでにすべての新聞、業界紙にまで入手されている資料であります。それをぜひ国会議員の一人として欲しいと、こう言ったんですが出さぬ。ですからやむを得ません。正式にこの委員会で資料提示を要求したいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
#97
○国務大臣(小沢辰男君) 私も新聞発表を見ましてそういう事例があったことを承知いたしました。ただそのときは、いわゆる西高東低というような傾向もあるから、それについて特にいわゆる西側のを一部調べてみたらどうだというような意見もありまして、それを受けて保険局の方で調査をした。しかもその調査は、御承知のとおり政府管掌のレセプトによって十二ですか、十三の医療機関について調べたわけでございます。そうして、それを報告を協議会でいたしましたわけでございますが、そのときに、レセプトの内容でございますから公表はできないということで話し合ったのでございますけれども、委員の方が、ぜひわれわれを信用しろ、ほかには一切出さぬということで、それならばというので調査資料を委員の方にお配りして説明をしたようでございます。ところが、この信用してくれと言われた方の側から一部雑誌社に出た、それが新聞社へまた回ったと、こういうような経過のようでございますので、そういうことでは、御承知のとおりレセプトの内容でございますから、やはりレセプトというのはもう御承知のとおりカルテから全部レセプトをつくるわけでございますので、いろいろ一なお調査もそういう意味においてはレセプトだけの調査でございますし、それを守っていただきたかったと私は思います。これらはほかへ出すようなものではございませんので、私どもとしては御要求がありましてもほかへ公表するというような取り扱いはしないと、こういう方針をとっているところでございます。
#98
○安恒良一君 レセプトの内容といっても、個々の患者一人一人のレセプトの内容を公開をしろということは言っているわけじゃないですね。これは医療の秘密に属する。しかし、ここに出ておりますのは、たとえば調査医療機関の概況であるとか、Aという病院の一点当たりがどうなっているかということで、個人個人の医療の秘密というのはきちっとこれは守られているわけですね。ですから、私はここで大臣といま論争しようと思いません。すでにこれだけ大きく新聞に出ておりますし、この問題を審議する私たちとしては非常に中身を重視をしたいと思います。
 そこで、私が保険局長に言ったときには、社労の御決議が理事会であればやむを得ない、こういうことでありますから、委員長、これは理事会を開いていただいて、出すか出さないかということについて審議を願いたい。ただし、本当ならここで休憩ということになるのですが、きょうは委員長招待が夜かかっておりまして残りの時間がありますから、次回までに理事会を開いて決めていただきたい。そこで、やむを得ません。私の方から、原本を私は一部持っておりますから、大臣もお持ちだと思いますから、きょうは資料出ないまま中身について聞いていかざるを得ません。そういうことで委員長いいですね。
#99
○委員長(対馬孝且君) はい、いいです。
#100
○安恒良一君 結構ですね。それじゃ理事会でひとつぜひこの取り扱いを。
 そこで私は、原本について、大臣もきょうは用意してきておってほしいというふうに事務局に言っておきましたから保険局長もお持ちだと思いますから、これでひとつ私の方からお聞きをしていきます。
 まず、この調査は五十二年の高額所得者のうち関西以西の各府県で十位以内にランクされた医者や医療機関を対象にし実際に分析したもので、それは病院が十、診療所が三の合計十三の医療機関である。ことしの五月診療分、政管の診療報酬の明細によったものである。それから、ただし一日当たりの患者数は政管だけではなくして全管掌の数である。そして出されました資料は、一日当たりの患者数、一件当たりの点数、一日当たりの点数、一件当たりの日数、点数階級別件数百分比、年齢階級別件数百分比、主要病類別件数百分比、診療所行為別並びに診療額、診療内容などを多角的に分析をされ、それは全国平均との対比がされているものである。中身、全部読み上げると私の持ち時間がなくなりますから言いませんが、大きい項目だけ言いますとそういうものであるんですが、それは間違いございませんか。
#101
○政府委員(石野清治君) 間違いございません。
#102
○安恒良一君 それならば、この調査、分析をされた結果の特徴についてどういうふうな特徴があるのか、どういう傾向があらわれているのかと、こういうことについて保険局長、これ間違いないそうですから、これをあなたが読み取られた結果どういう傾向にあるのか、どういうところに問題があるのか、こういうことについてお答えを願いたいと思います。
#103
○政府委員(石野清治君) このまとめた数字で見る限りにおきまして、幾つかの病院につきましては異常な面が考えられるわけでございますが、その中身につきまして申し上げますと、大きくやはり分類しますと、一人当たりの受け持ち患者数はまあそれほど多くない、むしろ全国平均に比べましても少ないわけでございますけれども、一人当たりの請求点数が非常に高いという部類がございます。それはさらに内容を見てまいりますと、検査の項目が特に多くて、検査の占める比率がべらぼうに高いと、こういう点が一つ特徴があるかと思います。
 それからもう一つの特徴の面で際立っておりますのは、医師一人当たりの受け持ち患者数が一日三百七十人という数字になっておるところもございまして、これは無床診療所でございますと大体全国平均で一日五十三名でございますので、六倍程度の数字になっておる。これによって相当の高額所得になっておるのではないかというような感じを受ける面がございます。
 あと幾つかの病院を見ますと、全国平均と比べまして特に際立ったとかいうことは余り見当たらないような感じもしますけれども、全般的に見ますとそういう二つの傾向があるのではないかと、こういうふうに思っております。
#104
○安恒良一君 私は私なりに分析をしてみましたら、いまあなたが言われたように、一つは患者数というのは全国平均よりも下回っているが各種検査とレントゲンを多用している、だから一件当たりの額が物すごく高い、多少じゃないですね。たとえばAという病院見てごらんなさい、全部高額医療になっていますね、全部高額医療、いわゆる濃厚診療型があるわけでしょう。それから、いまあなたが言われたように一件当たりの額は低いが殺到する患者を分単位でさばいていますね。読売さんでこれ「神風診療」と、こう書いてありましたが、「神風診療」という表現がいいのかどうかわかりませんが、そういう傾向が出ていますね。しかも、あなたは多少と言われたけれども常識を外れているんじゃないですか。たとえば、いま言われたところのA病院、それからC診療所、なぜ私が常識を離れているかと言うと、たとえばC診療所の場合は小児科で医師が一人だ、一日当たりの患者は三百八十八人、全国平均では五十三人でしょう、七倍ですよ。こういう状況ですね。それからAという病院ではレントゲンと検査だけで診療行為の九三%を占めておりゃしませんか。しかも金額はべらぼうに高いでしょう。私は一々ここで金額を読み上げていく時間がありませんから申し上げませんが、すでにこれは新聞にも報道されていますね。むちゃくちゃな例がここに出ているというふうに思いますがどうでしょうか。たとえば、いま言ったようにCという診療所で本当にこれだけの患者がさばけるんだろうか、三時間待って三分診療という言葉がよくありますが、これ三分間で診ても十九時間かかりますね、三分で診ても。ですから、新聞の計算でいうと一人一分だ、こういうことになっているわけですが、そういうようなむちゃくちゃなことがされているというのがこの実態ではないでしょうか。あなたは多少と言われますが、私はA病院、それからB、Cの診療所等々、これ十三診療所についてそれぞれ細かく議論していけば時間がありませんから、またいずれ次の理事会でこれは正式に出してもらったところで議論をしたいと思いますが、この点について。
 そこで大臣お聞きしたいのですが、いま言ったような、全く私から言わせると常識を外れた、たとえばA病院の場合は一件当たりが入院が百七十万五千九百十五円、全国平均の九・五倍、外来の場合が三十四万四千四百七十九円、四十二倍ですね、四十二倍ですよ。そういうような状態がこの資料の中には出てきているわけですね。こういう点について大臣はどのようにお感じでしょうか。
#105
○国務大臣(小沢辰男君) 私はこの問題のときに事務当局に言いましたのは、これをそういう場で公表をしないで、むしろそういう十三の中で特にひどいと思われるようなものが、いまお挙げになりました若干のものがございますから、そういうものこそ指導監査の対象に堂々とすべきじゃないか、そういうことをやった後でそれを報告をするなり何かはいいけれども、指導監査もしない。その打ち合わせを従来とも医師会とやってちゃんと指導監査をするということになっているわけでございますから、それを堂々と打ち合わせをして、その結果でいろんなことを考えていくという方がいいんじゃないか。これが出てしまいますと、なかなかそういう意味では監査指導をこれからやるにしてもいろんな支障も出てまいりますから、そういうふうに注意したことでございます。当然その患者そのものについてそれぞれの理由があるんだろうと思いますけれども、しかし結果的に見ますと、おっしゃるように全国平均から見て入院外で四十一倍もするようなもの、あるいは患者の取り扱い数が全国平均の七倍以上になるというようなもの、そういうものは十分私どもとしてはもう異常だと思いますので、監査をするなり指導をするなり、対処を行政的にすべきものだと考えておるわけでございまして、むしろこれはそういう面で私どもの方がやるべきことをやっていない一つの例といいますか、そういうものが出てきたんだろうと思いますので、非常に反省をいたしておるわけでございます。
#106
○安恒良一君 武見さんもあなたと同じことを言っておられる、声明書の中にあなたと同じようなことを。第一は、問題の医療機関に対し監査指導を行った事実は全くない、こう言っているんですね、全くないと。そこでお聞きしたいのですが、武見さんの声明とあなたの考え方はやや裏打ち合わせをしたようなことですが、しかし、これは責任は逃れられないわけですね。私はこう思っておったけれども部下がやったということじゃいけないわけですからね。それじゃ人の長に立つ者としては、おれはこう思っておったということじゃ責任にはならないんですよ。部下がやったことは大臣の責任であるし、局長の責任であるし、みんなの責任ですね、これ。まさかおれは知らぬということじゃないでしょう。
 そこで、私はあなたにお聞きしたいのですが、それならば、すでに出てしまったことは事実なんですから、その後これらの機関に対して指導監査を行われましたか。いつやられましたか、指導監査をいつ。いまあなたが言われたとおりに、まずこういう常識外のものは指導監査しなきゃならぬのだ、指導監査しない前に出たことは遺憾だと、大臣として言われました。じゃ、すでにこれが発表されて相当の日時がたっておりますが、だれが考えてもべらぼうです。めちゃくちゃです。Aという病院なんかは患者の全員が高額医療になっている、レセプトを見ると。私はAという病院がどこかということも知っています。病院の名前まで私は知っています。そういうことについて私はここで言う気はありませんが、少なくともこういう問題について指導監査をされましたか、されたなら何日に指導したか、監査したなら何日にしたか、その結果はどうなっているのですか、それを聞かしてください。
#107
○国務大臣(小沢辰男君) いま十分検討を進めておりますので、事柄の性質上ここで申し上げるわけにはいきませんので、お許しをいただきたいと思います。
#108
○安恒良一君 いま検討を進めているとか進めていないということじゃないんじゃないですか。あなたも言われたように、まず指導監査と言われたんでしょう。だから、指導をまずやるべきじゃないでしょうか、そしてさらに監査と。指導監査についてはやり方、方法論がここに全部きちっと書いてありますね、関係条文、私全部持っていますが、いま検討中というのは何ですか。あなたはこういうものをまず指導監査しなきゃならぬと言われながら、まだ今日まで指導も全然されていないんですか。たとえば、監査はいきなりいかないにしても指導もされてないんですか、指導することも監査することもいま検討中なのですか。その検討中というのはどういう意味ですか。指導することも監査することも検討中ということと、いや指導するんだ、監査するんだということとは違いますね。ですから、こんなべらぼうなものについてもあなたはまだ検討しなければいけないのですか、指導することも。そのことを聞かしてください。こんなべらぼうなものについて指導することも監査することも厚生大臣としては検討しなければならないのでしょうか、その理由を聞かしてください。
#109
○国務大臣(小沢辰男君) 実は指導と監査とは、専門家ですからあなたもよく御存じのように違うわけでございますので、したがって、この点は監査ということまで進まなければ余り効果がないような感じもいたしますので、この点についてはいまここで私が申し上げますと、いろいろな病院側の対応等についての危惧もございますので、しばらくお待ちをいただきたいと思います。
#110
○安恒良一君 あれでしょう、私は専門家ですから、指導と監査の違いは知っていますから、全部いきなり監査しろなどと言っているのじゃないですよ、これ。あなたじゃないけれども、昭和三十八年に、武見さんと厚生大臣の指導や監査のあり方に対する覚書その他もいろいろありますからね。しかし、少なくともまず指導なら指導ということについての発動があってしかるべきじゃないかと思うんですが、それは二、三日前出たなら別ですけれども、もうすでにこの問題が大きい問題に取り上げられて数カ月たっていますから、私から言わせると、当然今日、たとえばこの機関についてはこうこうこういうことに基づいて指導してみたとか、この機関については監査なら監査をしてみたとか、こういう御報告があってしかるべきだ。そのことが国民に対する私は厚生大臣の責任だと思うんです。ところがいまもって検討中だと、言うと何か対策を相手側が立てるからなどという、そういうごまかしの論理では私は納得できない。そういう姿勢があるからこのような悪徳なことがはびこる。問題がはっきりしたならば、直ちに私はこういうだれが考えても非常識きわまる問題については指導すべきものは指導する、監査すべきものは監査する、そして直させる、これが行政じゃないでしょうか、厚生行政というものは。でなければ正直者がばかをみる。まじめに一生懸命第一線でやっておるお医者さんもたくさんあるわけです。ところがこういう一部の悪徳なのがまたおる。それをほうっておけば蔓延をするんじゃないでしょうか、そういうことに。ですから、こういう点でなぜ今日まで指導なり監査なりがされなかったのかどうしても私にはわかりません。じゃ、いま答えられぬというならこれらについての結論はいつ出ますか。少なくとも問題になっているこの十三の病院、特にひどい数病院、診療所について、いつごろまでに審査、指導、監査をやれるのですか、そのことを聞かしてください。中身じゃなくて結構、いつごろまでにやるつもりですか。いままでやっていなかったことは怠慢です。はっきり言っておきます。怠慢です。国民が聞いたらびっくりするでしょう。いつごろまでにあなたたちは指導監査をされるのですか、そのことを聞かしてください。
#111
○政府委員(石野清治君) 日にちを明確にすることはできませんけれども、現在、実は関係の都道府県の方に資料の収集方を命じておりまして、その資料の収集を終えた段階で、これは御存じのとおり医療機関側の協力も得なくちゃなりませんし、それから地元の医師会の協力を得ませんと、立ち会い等も必要でございますので、その辺の何といいますか、現在の情勢ではなかなか話し合いがむずかしい段階になっておりますけれども、それが解除された段階におきましてできるだけ早い機会にそういう指導あるいは監査を進めていきたい、こう考えております。
#112
○安恒良一君 私はぜひ速やかにやってもらいたいと思うんです。わが国の医療保険を守っていく意味からも、不正は不正、不当請求は不当請求なんです。そういうものについては私はやっぱり速やかにやる。もしもそれを妨げる人がおるならば、だれが妨げたかということを明らかにすればいいことなんです。だれが妨げたかということを。私はこれ以上この問題に時間をかけることがありませんから、もう。ですから、ぜひ次にこの委員会が開かれたときにはその後の処置について質問をいたしますから、きょうと同じような答弁にならぬように、ひとつ大臣並びに担当局長は責任を持ってやはり指導すべきものは指導する、監査をするものは監査をする、こういうことでひとつぜひやってもらいたいということを申し上げて次にまいります。
 そこで、いまの事実から見ましても、第一点は架空、水増しなどのいわゆる診療報酬に対する不正請求が行われている。しかし、現在の診療報酬の出来高払い制度におきましてはなかなかこれを直すことはできません。そこで、出来高払い制度の改正について同僚委員から出ましたが、これも時間がありません。出来高払い制度のところは少し突っ込んで議論をしなければならぬと思いますから、これはまた改めてすることにいたしまして、出来高払い制度はそのままにしておきまして、当面いわゆる架空、水増しなどの不正請求が行われてもいまの制度では容易にわかりません。それはなぜかというと支払基金の審査が事後による書面審査であります。それから、月別請求でありますから一貫をした診療を見ることができません。それから、同僚委員の話の中にもありましたように支払基金の事務能力においても限界に来ています。であって不正請求がほとんどわからない。特に水増しや不正がわからない。これが現状だと思いますが、こういう不正水増し請求などに対する――出来高払い制度を変えれば一番早いんですが、そのことの論議はおいておくことにして、具体的な方法についてどういう方法をやればこの問題について改善ができるというふうにお考えなんですか、考え方を聞かしていただきたい。出来高払い制度は一遍に変えられませんから、そのことはそのこととして、当面の改善策について具体案をお持ちならお聞かせを願いたい。
#113
○政府委員(石野清治君) 現在の出来高払い制度を前提としましてやるとしますと、一つはやはりいま安恒委員の方から御指摘ございましたように、不正があった場合の厳正な処理ということがあることによりまして、医療機関の方が十分これを認識するということも一つございますが、それはそれといたしまして、やはり監査指導というものの体制、これをどうしても充実していかなきゃならない。この点につきましては中央省庁の指導体制ももちろんでございますけれども、第一線機関の都道府県保険課におきまする医療専門官というものの配置をさらに充実していく必要があると、こういうことが第一点でございます。
 それから第二の対策といたしましては、やはり支払基金のおっしゃるように能力については限界がございますけれども、やり方次第によっては、まだ重点審査をもっと徹底していけば効率的な審査も可能ではないかというふうな感じもいたしておりますので、その点につきましては支払基金の本部におきまして現在懇談会を設けて、どのようなことをやれば効率的なことができるかということで検討をいたしておりますので、その検討をまって措置をしなきゃならないというふうに考えております。
 それからもう一つは、地方におきまする支払基金の審査委員の数でございます。数もやはり十分ではない。これにつきましては、特にまた専門の非常勤ではない専任の審査員の数をふやすことが必要ではないかというふうに考えておるわけでございまして、それらによりまして適正化を図っていかなきゃならぬと、こう思っておるわけでございます。
#114
○安恒良一君 私は、まあそういうのも一つの方法だと思いますが、それだけでは私は問題がやっぱり解決できないんじゃないだろうかと思う。それから、支払基金の改組論にしても、もう少し私は突っ込んだ議論があってしかるべきじゃないかと思いますから、これも時間がありませんから私の方から、このことはイエスかノーかどうかということについて、あなたからもう少し専門的にあると思って期待をしておったんですが、余りありませんから少しお聞きをしておきたいと思います。
 私がこれからお聞きしようと思うのは、一つはいま言った架空、水増しなどの不正が行われた場合に容易にわからない、これに対する改善方法、策。それから、一部とはいえ、いま私が問題にしましたような濃厚過剰診療が行われている、これは現行制度ではほとんど野放しになっている、これに対する改善方法。それから三番目は、支払基金の審査が有効に行われていない、これに対する改善方法。この三つを考えていかなきゃならぬと思うんです。
 そこで、これもいまあなたにお答えをしていただいても大体いまお答えが返ってきた程度のことしか返ってこないと思いますから、私の方から具体的にこういう点はどうかということについてお聞きをしますからお答えを願いたいと思う。
 まず第一に、私はこの架空、水増しなどを変える方法といたしましては、何といっても現物給付、出来高払い制度、この出来高払い制度を変えるべきだと思いますが、そのことはさておきまして、いわゆる受診者が医療費の額を確認をした上で医療費の支払いができるようにすると、これが一つあればかなりやっぱり違ってくるんではないだろうかと思うんですね。いわゆる受診の都度その医療費の額がわかる。これがために各人が受診券、これはもちろん公的な統一による受診券を出して、そしてこれに医療費の額を記入してもらう、こういう方法をひとつ考えたらどうだろうか。これは西ドイツ、フランス等ではこれに類した方法で診療券というものが出される。なぜかというと、わが国の場合でも、一応現在は保険証に医療費、額を記入することになっています。各人の保険証に。ところがこれは実行されておりません。これはまああの小さい保険証に本人から家族まで書くととても書けませんから。しかし、私はいわゆるこの不正、水増し等のチェックをする一番いい方法としては、一つは受診者みずからがチェックできる、そしてさらにその受診券というものは保険者の方に送付をする。そうすれば保険者の方はさらにこの医療費をチェックする。こういうことをもう考えなきゃならぬところに来ているんじゃないだろうかと、こういうふうに思いますが、私はとりあえずこの不正、水増しをチェックする一つの有効な方法として、西ドイツやフランス等においても採用されていますが、そういう問題についてお考えをお聞かせを願いたい。
#115
○政府委員(石野清治君) 確かに一つの御提案だと存じますけれども、現実にその受診券を医療の都度渡していかなきゃならないということの事務的な問題もございましょうし、かたがた現在でもいろいろトラブルございますけれども、医療機関側のその合意が得られるのかどうか、この辺についてもやはり問題が残るんじゃないかと思います。しかし、一つの御提案として検討はさしていただきますけれども、なかなかむずかしい問題だなあというふうなのが率直な意見でございます。
#116
○安恒良一君 受診の都度渡すなんということになってないんですよ、もう少し諸外国のやつを研究してください。事前に年に三回なり四回各被保険者には受診券渡っているんです。で、それを持っていわゆる被保険者が診療の窓口に行くわけなんですね。
 それから、医療機関側の同意という、私は不正や水増しのチェックをするのに医療機関側の同意なんて、そんなこと言っておったら何もできないと思うんです。私は、国民皆保険なんですから、自由開業医の諸君が自由開業でやることは、これは自由です。資本主義社会。しかし、国民皆保険で保険医の指定を受けておる先生方に不正や水増しがある場合、それをやっぱりチェックする、防止をする、そして良心的な先生方を守るという角度からいっても、そういうことについて私はもう十分考えなきゃならぬところに来ている。これももう時間がありませんから、これ以上論争しませんが、ぜひ検討をしておいていただきたいと思います。
 それから、その次ですね、いわゆる支払基金の審査方法について、いわゆる転帰別請求方式に切りかえる。審査能力を高め事務量の軽減を図るために、しかもこういう不正とか水増し、それからいわゆる過剰診療等がわかるため。いまのように一ヵ月ごとではわからないと思う。これは医務局長もおいでになっていますが、私は転帰別に請求方式を切りかえて、たとえばいまの請求は一ヵ月分まとめて大変ですが、十日間ごとにいわゆる請求をしていく。そうしますと、私は件数も二、三〇%減ると思う、取り扱い件数が、いわゆる転帰別請求方式に改めると。こういう点についてはどうですか。
#117
○政府委員(石野清治君) 実は考えていなかった点でございますけれども、これはまあ支払基金側の方で、先ほど申し上げましたように、そういう審査の効率的な運用という形で検討を、懇談をい免しておりますので、あるいはその中ではすでに議論されているのかもしれませんけれども、残念ながら私まだ耳にしておりません。確かに一つの考えであろうと思いますけれども、よく検討さしていただきたいと思います。
#118
○安恒良一君 まあこういう問題は、支払基金の検討というのは、もうずっと前からいろいろ議論して、支払基金自体としてもまだ議論している議論しているじゃ困るわけです。たとえば一つの例を挙げましょう。それならば、いまの支払基金というのは公的な機関ですか、半官半民じゃないですか、支払基金法に基づく。ですから、まず支払基金を公的な機関に改めると、そして支払基金自体が審査を公的な性格のもとにやれる、こういう公的な独立機関に改めていくというのも一つの役割りではないでしょうか、等々、私はまあたとえば、あなたは支払基金でいま相談してます相談してますと言うけれども、どんなことを相談しているのかということを聞きたいわけなんです。相談しているなんというのはもう何年も聞き飽きているわけです。たとえば支払基金の性格一つについても、いまのやつはいわば半官半民なんですよ。これじゃりっぱな審査はもうできないんですから。ですから、少し前向きに大臣ね、いつまでも検討検討じゃ困るわけだ、いつまでも検討。たとえば、いま申し上げたように転帰別請求方式というのはもう前にも議論したことですよ。そういう点についてもいま保険局長は十分検討をこれからしますと。たとえば検討した結果、これにはこういう欠陥があるとか、これにはこういうあれがあると言うんならまだ答えなんですがね、これから検討されたんじゃかなわないんです。あなたはこれから検討するかわからぬけれども、歴代こういうことについてはやはり議論をしなきゃならぬと。問題点になることはずっと前から指摘してあるわけです。私なんか、もう国会議員になる前からこういうことについては政府側にいろいろ問題点は出してあるわけですから。
 そこで、いま一つこれをお聞きしましょう。終わりにしたいと思いますが、あなたは監査指導体制を強化すると、こう言われています。定員問題その他はすでにもう同僚委員が聞きましたから申し上げませんが、それならば少なくとも保険の一般運営とは分離して、独立した組織としての監査機構を中央、地方に整備をする、こういうお考えがありますか。いま監査がなぜ十分できないのか。これは各都道府県保険課長のもとに監査官というのはいますね。ですから、せめて私は監査官というのは、これは保険の一般運営とは独立した、そうしたいわゆる監査機構を中央、地方に置くと、こういうような点についてはどうなんでしょうか。そういうことをしないと、監査官が権限を持ってやれないと思うんですね。保険局長というのはその指導もやらなきやならぬと同時に、保険業務全体を見ていますからね、なかなかそう私はきちっとはね。
 それから、いま一つお聞きしておきたいんですが、この医療機関の監査体制というのは、大臣、ここは大臣からもお答えを願いたいんですが、国民皆保険のままなんですよ。昭和三十数年に国民皆保険になってますですね。そして、現在医療保険では、国民総医療費は十兆超えるだろう、ことしは。五年後には二十兆になるだろうと言われておる。そういう医療費の時代にふさわしい私は監査体制というものをつくり上げなきゃならぬと思いますが、どうでしょうか。
 以上のことを質問をしてお答えをいただいて終わりたいと思いますが、お答えをしていただきたい。そういう国民皆保険にふさわしい監査体制というものをやっぱりこの際つくり上げなきゃならぬと、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。
#119
○政府委員(石野清治君) 確かに、おっしゃるように現在の監査指導体制というのは、いわば行政の片手間ではございませんけれども、行政の一部、指導行政の一環というような形でやっておるわけでございます。その辺のメリット、デメリットございますけれども、一つの私どものやはり考え方としましても、監査指導を十分徹底するというためには、やはりそれらとは独立したものが一番望ましいことは事実だと思います。そのためには、中央、地方を通じてやるとなりますと、これは会計検査院方式みたいなものを考えなくちゃならぬわけでございますけれども、現在の機構をいじるというのはなかなかむずかしい情勢もございますし、また、そのいろいろな定員問題も全部絡んでくるわけでございますけれども、やはり現在の段階で、独立の機関、独立の機構、独立の組織で運用をするということは非常に望ましいわけでございますけれども、なかなかむずかしい情勢ではないかと、こういうふうに思っております。
#120
○安恒良一君 いずれ、行政機構にも関すると言うならば、こういう問題は次の予算委員会で今度私は内閣総理大臣にも質問せなきゃならぬと思いますが、大臣どうですか、少なくとも国民皆保険下にふさわしいやはり監査体制というものを、この際新しく考えるべきじゃないだろうかと思います。
#121
○国務大臣(小沢辰男君) いまいろいろ御提案がございまして、まず受診券の問題でございますが、保険制度というのは、疾病事故が起こったときに自由に選択した医療機関のもとで自分のその保険事故を治していくのが保険制度でございます。そのために保険料も払っているわけでございますから。ところが、今度保険事故が起こったときに、また改めて受診券を持っていかなければならないということになりますと、保険制度の本旨から見まして、そういうものが被保険者のためにいいのかどうかという点もあわせて検討していかなければいかぬと思います。
 それからもう一つは、初期治療、いわゆるプライマリーケアというものが非常に大事だと言われている今日、そういう初期治療のいわば早期治療というものについての支障を来さないか。そのために病気が重くなって医療費の増高にはね返ってくるということが、一体どの程度スムーズにそういう弊害を試していくことができるか、これも検討してみなければいけないだろうと思います。
 それからまた、転帰別の問題がありました。これは一つの御提案だと思うのでございますが、ただ、医師の請求が御存じのように二ヵ月後になっておりますので、場合によっては、転帰別ということになりますと、診療報酬の請求が非常におくれてくる、支払いもおくれてくるという欠点が出てくるおそれがあります。そういう場合の措置をどういうふうにしていくかという点も検討しなければならぬと思います。しかし、私は請求事務については一つの御意見だろうと思います。
 それから、支払基金の公的性格、これはおっしゃることはよくわかりますが、この点については、私ども支払基金の今日まで、先生とも一緒に私理事もやったことがありまして、いろいろ昔から支払基金制度そのものも全然変更なく今日まで来ているわけでございますが、この審査体制について、公的な権限といいますか、責任といいますか、そういう性格を持たせることについては、いま後で言われました監査機構の独立、中央、地方においてそういう独立機構を持たせる面と両方兼ね合わせまして、どちらが効率的であるか、いろいろ検討させていただきたいと思います。
#122
○安恒良一君 ちょっと大臣、誤解していますね。まず、転帰別のときに支払いはおくれないのです。十日間置きに請求すると逆に取り扱い件数は減りますから。これ研究してください。
 それから、受診券のところもあなたは全く誤解されています。受診抑制などになりません。事前にいま保険証を渡していると同じように受診券を全国民に渡しておくわけですから。ですから、国民は病気になったときに何にも心配なくして、保険証を出すと同じように受診券を持っていって医療機関に記入させるだけですから。あなたは何か受診抑制になるとか、もしくは病気というのは早く行かなければならぬ、そのことを妨げるような、錯覚ですが、そういうことはありませんからいま少し受診券の中身についても検討してください。それだけを申し上げておきます。
 以上です。
#123
○委員長(対馬孝且君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分再開することとし、休憩をいたします。
   午後零時四十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十四分開会
#124
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 医療法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、提出者衆議院社会労働委員長代理理事羽生田進君から趣旨説明を聴取いたします。羽生田君。
#125
○衆議院議員(羽生田進君) ただいま委員長から御紹介いただきました衆議院の社会労働委員会の理事の羽生田でございますが、委員長の代理で説明に参りました。
 趣旨を説明申し上げます。
 ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。
 本案は、近年の医学医術の著しい進歩に伴い、診療技術が専門分化し、独立した分野を形成するに至ったと認められる診療科について、国民の利便を図る上からもその名称を病院、診療所が広告できることとするため、新たに、医業については美容外科、呼吸器外科、心臓血管外科及び小児外科を、歯科医業については矯正歯科及び小児歯科をそれぞれ追加しようとするものであります。
 美容外科は、身体各部における表面の器管、組織の形状について美的に整えるものであり、呼吸器外科は肺及び胸膜の腫瘍等呼吸器の疾患を、心臓血管外科は心臓奇形、動脈瘤等心臓及び血管の疾患を小児外科は先天奇形、ヘルニア等小児の疾患をそれぞれ外科的に取り扱うものであり、いずれも近年技術的な進歩が見られ独立した分野を形成するに至ったと認められるものであります。
 また、矯正歯科は、不正咬合等を矯正するものであり、小児歯科は、小児の歯科疾患を取り扱うものであり、いずれも近年技術的な進歩が見られ独立した分野を形成するに至ったと認められるものであります。
 このような状況にかんがみ、これらの分野の診療科名を追加しようとするものであります。
 以上が、本案の提案理由及び内容であります。何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#126
○委員長(対馬孝且君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。――別に御発言もなければ、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 医療法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#127
○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#128
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
    ―――――――――――――
#129
○委員長(対馬孝且君) それでは、午前に引き続き社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#130
○小平芳平君 午前中の質疑で、スモンの対策について大分質疑がありましたが、私としまして、非常に肝心なところがわからなかったり、あるいは納得できない点もありますので重ねて質問をしたいわけであります。
 まず第一に、スモンの判決については、三月一日金沢地裁、八月三日東京地裁と判決が出ておりますのに対して、いち早く国は控訴をしておりますが、患者さん、被害者の皆さんにとって第一に口に出る言葉は、何とかして国は控訴をやめてほしいと。十一月十四日には福岡地裁の判決が予定されていることも御承知のとおりですが、どういう判決が出るか、それはわからないといたしましても、この金沢、東京の経過から見まして、この福岡で同じ原告勝訴の判決が出た場合においては、どうか国は控訴をやめてほしい、そして被害者の救済に専念してほしい、恒久対策の相談に応じてほしい、こういう強い希望がありますが、大臣はいかがですか。
#131
○国務大臣(小沢辰男君) 控訴を取りやめろという患者さんのお気持ちは十分わかるのでございますけれども、私どもは患者救済は救済として、いつでも和解に応じますし、また恒久対策も、訴訟とは別に患者さんのためにやっていきますので、判決を見なきゃわかりませんけれども、国の従来の立場は、法的な意味で薬事法の現在の性格から見て、すべて国がこの承認をした医薬品の結果に生じたものを即国の責任だと言われることについては、やはり理論的にどうも承服をできない面もございますので、この点は、どういう判決が出るかわかりませんけれども、判決の内容を十分検討さしていただきましてからお答えさしていただきたいわけでございます。しかし、患者救済はあくまでも患者救済としてやっていくつもりでございます。まあできましたならば、私もあの患者さんを見舞いに参りましたときに後で弁護団の方にもお会いしたんですが、その弁護団の方にもお願いしたんですけれども、できるだけ早く和解のテーブルに着いてほしいと、条件はみんな同じじゃないですかということでお願いをしたわけでございますので、患者救済はあくまでも考えてまいりますが、公的な議論の場に出ましたときの対応については、これは私どもの従来の主張をいま直ちに曲げるわけにいきませんので、この点は御了解をしていただきたいと思うわけでございます。
#132
○小平芳平君 いまの御答弁は、三月一日、八月三日、そういう判決が出たその段階の御答弁だと思うんです。そこで、十一月十四日になりまして同じ国の責任、国に法的責任があるという判決が出た場合に、まあ大臣からも午前中も御答弁がありましたが、国に責任があるという点についても金沢地裁と東京地裁の違いがありますが、いずれも国に賠償責任があるということで、同じそういう国に賠償責任があるという判決が出ても、なおかつ国は控訴して争うということなんですか。
#133
○国務大臣(小沢辰男君) 東京地裁の判決を見ますと、四十二年以前は責任はないと、その後十一月以降は責任があると、その理由は、製造承認についての資料要求の手続等を非常に厳格にした通牒を出したじゃないか、その通牒によって実定法的にも薬事法そのものが変更されたと見るべきだと、こういう御趣旨でございます。私どもは、本来薬事法というものは警察的な法規でございますし、そういう意味においては、その後承認をされた薬の影響によって責任が出てくるとは考えていない。すなわち東京地裁の四十二年以前は免責するという考え方が最も私は法律的には妥当だと思っております。ただ、行政通知によって、通達によってその実定法的にも法律の性格が変わるんだという見方については、これは国として他のいろいろな行政にも関連を持ってきますし、それはどうも承服できないということで争っているわけで、福岡の方がどういう判決になりますかわかりませんが、判決を見まして私どもは十分検討した上で態度を決めたいと思います。仮にいま先生がおっしゃるように、この法的な責任ありという判断に立った判決が出た場合にどうするかと言われますと、従来とも私どもは、金沢でも東京地裁でも法的な責任については私どもはどうも承服しがたいという態度でございますので、恐らく法務省と相談をしましても、もしおっしゃるように法的責任ありと、こういう判決が出た場合には、どうしても私どもはその点については争わざるを得ないだろうと思っております。ただ、患者救済、この種の問題は、やっぱり先生方の御理解もいただき、また先生方のお力添えをいただいて、みんな和解で早期に解決をするという方が一番患者さんのためじゃないかと思いますので、私どもはたとえ控訴をいたしましても、患者さん方がそういう和解にそれじゃ応じようということになれば、いつでも、控訴したからもう知らぬと、こういうようなことはいたしませんで和解に応じて問題の解決をいたしたいと思いますので、そういう線でひとつ皆様方のまた御協力も得たいと思っておるところでございます。
#134
○小平芳平君 法的責任があるという判決が、それは東京地裁の四十二年十一月のその問題がありますが、しかし救済はやるべきだと、四十二年十一月以前についてもですね、以前の患者さんについてもより一層救済をすべきだということもあることは御承知のとおりですか、同じ趣旨の――同じ趣旨というか、要するに概括的に国に責任があるという判決が地裁で三回続いてもあくまで争うという、そういう考えに同調もできないし納得ができないです。
 で、過去の公害裁判の判決、この当時は小沢厚生大臣も衆議院におられて十分御承知のとおりに、四大公害裁判の判決が次々と出たわけでありますが、たとえば四日市の判決が出たとき、当時の小山環境庁長官、中曽根通産大臣、政府がこういう判決を率直に受け入れて患者救済に努めるべきだという談話を発表していることは御承知のとおりですね、こういう態度はうそですか、それじゃ。あるいはイタイイタイ病の控訴審判決が出たとき小山環境庁長官、談話を発表して、「三井金属鉱業は、富山地裁の第一審の判決が出た段階で判決に服すべきだった。患者の苦しみを考えると、高裁への控訴で裁判を長びかせるべきではなかった」と、こういうふうな談話を発表しているし、あるいは水俣病判決、そのときに会社側が控訴権を放棄するという発表をした、こういうのに対して当時の三木環境庁長官は、「判決を“天の声”として受けとり、被害者の補償に努力すべきだと説明してきた。チッソが控訴権の放棄を決めたことは、「日本の公害の原点」ともいうべき深刻な水俣病の責任を痛感してのことだろう。当然のことだ。」と、こういうふうに、政府はこういう態度で企業に対しても働きかけてきたわけです。いままでは、自民党政府がです。このスモン訴訟に対してはまず国が控訴する。それがもし国の考えが変わらないというなら田辺については大臣はどう考えますか、それからまた、武田とチバガイギーに対してはどう考えますか同じ政府でもないですけれども、自民党政府の閣僚として、こういうふうに過去に環境庁長官や通産大臣が言ってきたことと同じ考えですか、いかがでしょう。
#135
○国務大臣(小沢辰男君) 御意見のように、かつて公害裁判でそういう政府が態度をとりましたわけでございますが、その場合と今度の場合と違いますのは、私どもは患者救済の面に立って、和解はいつでも応ずるという態度、一方そういう救済の道をちゃんと残しておるわけでございますので、今度はその法的に争うことをやりましても、患者救済には十分その和解という道を残しておりますものですから、この点はちょっと前の場合と違うと思いますので、この点は御理解願いたいし、また私どもは、この種のものは裁判で何年も争うよりも和解でやはり解決をしていく、しかも、その内容については、東京地裁の判決をごらんになってもわかりますように、ほとんど内容が違いませんので、むしろ介護料の一部年金化等の道を考えますと、判決よりはむしろ患者さんのためになるような和解の条件という点もございますので、したがって、やはりスモンの解決は和解というものが一番適当なんじゃないかと思っておるわけでございます。そういう道がございますので、したがって、公害裁判のときの政府の態度とは少し法的責任を争う場合の態度は違ってくる、この点は御理解をいただきたいと思うわけでございます。田辺、チバガイギーについては、やはりスモンの私ども協議会をつくりました学者の最終意見が、服用と因果関係を否定できないわけでございますので、したがって、製薬企業としての責任という点がございますから、これが製造承認にまで法的な責任としてつながってくることについての判決の考え方を私どもは問題にしているわけでございますので、当然製薬企業としてはその責任を果たしていくのが本当だろう。さて、和解の場合に、一つ田辺だけがテーブルに着いておりませんので、こうなりますと、田辺の薬を飲んだ者が訴訟という何年もかかる道をどうしてもとらざるを得ない。和解の道がとり得ないということでは困りますので、田辺製薬を呼びまして目下説得に当たり、そのやり方等についてもほぼ相当いいところまでいま今日現在来ております。訴訟は、これはいかに監督官庁といえども憲法に決められました訴訟権を否定するわけにいきませんので、これは田辺製薬に訴訟やめろとか、そういうことはできませんけれども、和解のテーブルに着いて同じ条件でいけるような道を探るための努力を継続いたしておるところでございます。
#136
○小平芳平君 そうしますと、国が製造承認したという、それに対する法的責任について争うのであって、製造販売した製薬企業は控訴して争うべきではないという、この公害裁判の判決のときの環境庁長官や通産大臣の談話と変わりないと、厚生大臣として。そういうことで理解してよろしいですか。
#137
○国務大臣(小沢辰男君) 私が申し上げておりますのは、国の方の製造承認の法的責任論について私どもは争っている、これは間違いないわけでございます。で、一方企業の責任については、御承知のとおり田辺製薬の方は因果関係そのものを否定をする態度をとって、それについて控訴をやっている、争いをやっている、こういうことでございます。これについては私どもスモン協の結論もあることでありますから、そう因果関係説をあくまで否定をしてもなかなか通るものじゃないぞという説得はいたしておりますけれども、最後のところ、憲法で認められた訴訟権というものまで監督官庁が否定をして、そうして従わせるということはなかなかできません。したがいまして、和解という場合には、その因果関係論についての論争は一応お前の方として何か裁判でやるならやってもいいけれども、それはたな上げしても、キノホルム服用の事実と、それから現在スモンの患者さんであるという事実がある、この方々については当然救済の手を差し伸べてしかるべきじゃないか、だから国と同じようにひとつ和解のテーブルに着けということで説得をしているわけでございます。
#138
○小平芳平君 そういうふうに大臣、和解にこだわる理由が納得できないのです。はっきりと判決ではキノホルムによってこういう被害を受けたと、だから補償しろ、こういうふうに判決が出ているのに、にもかかわらず国は製造承認で争う、企業も和解の座へ着け、テーブルへ着けというだけでは、一体日本の国の社会には責任というものがなくなるのかとさえ疑いたくなるじゃありませんか。ですから、無論控訴権を否定するとか、そういうことを私は言っているんではありません。過去にこの自民党内閣の閣僚の言った言葉、被害の深刻さを見れば控訴して争うべきではないと言ったこの言葉が、なぜ今回のスモン判決に通用しないのか。通用して当然じゃありませんか。
#139
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃることはよくわかるのでございますが、過去の公害裁判と違いまして、私どもは先ほど申し上げましたように和解の道というものを用意してございますものですから、したがって、薬事法の法的な性格自体を私どもにのめと言われましても、どうもこれは他に行政上いろいろな影響を持ってまいりますものでございますので、この点についての争いだけは、黒白だけははっきりさせていただきたい、こういうつもりでございます。
 企業について説得をすることについては、おっしゃるような趣旨も含めて実はやっておりますけれども、せめて和解のテーブルに着く条件整備を何とかしろということでやっておるわけでございまして、趣旨はお気持ちを体してやっているつもりでございます。ただ、最後の段階になりますと、憲法で保障された控訴権というものは、他の面でたとえ監督指導の責任がありましても、その点についてある企業を私どもが強制したりすることはとうていできませんものですから、そういう意味で慎重に申し上げたわけでございますけれども、趣旨としてはそういうようなお気持ちを体しましていろいろと話し合いを伺っている、こういうことに御理解をいただきたいと思います。
#140
○小平芳平君 この点はもう繰り返しませんけれども、いろんな判決の場合に国の責任が認められない、そういう判決もあったわけですね。これはつい最近もそういう被害者が訴訟を起こした。加害企業の責任であるということは認められたけれども、国の責任は認めなかったというケースもあるわけですが、スモンの場合はっきりと国に責任があるということ、しかも金沢、東京、福岡と三回続いたら、それは考えなくちゃいけないということを私は強く申し上げて次へ参ります。
 次に、はり、きゅう、マッサージについてですが、この点について午前中の大臣の答弁では、専門家によっていろんな考え方があるということを答弁しておられました。私がいただいている昭和四十九年度の研究班の研究報告によりますと、非常に効果があるということが報告されているわけです。したがって、先ほどの大臣の答弁だけで、なるほどはり、きゅう、マッサージは、人によっては効果もあるが人によってはマイナスにもなるおそれもあるみたいな、そういうことで週一回か、週三回、四回にするとかということが結論づけられるというのは非常に困ると思うんです。これはいかがですか。
#141
○政府委員(田中明夫君) お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、昭和四十九年度のスモン研究班の報告によりますと、はりあるいははり麻酔療法がある程度の効果が認められたということになっております。引き続きまして五十年度、さらに五十一年度におきまして、このはりあるいははり麻酔療法について治療効果が非常に短時日しか継続しないという点に着目いたしまして、スポット表面電極麻酔方式等を併用してこれを改善していくという研究が進められておるわけでございますが、一番最近の五十二年の研究の結果報告によりますと、ただいまのようなはりあるいははり麻酔法にいろいろな併用療法をした場合に、不定愁訴と申しますか、患者さんのある程度の自覚的な症状については効果があるようであるけれども、神経学的には効果がなかったというような報告がございまして、総括的には、はりあるいははり麻酔治療につきましてその効果には個人差が大きいと、したがって患者ごとに対策には十分意を用いる必要があるというのが現在のところの研究班の報告でございます。これにつきましてはさらに研究を続けております。
#142
○小平芳平君 この点厚生大臣、私もお医者でないものですから、医師でないものですからむしろ大臣に伺いたいんですが、果たしてこのスモンの症状は一番詳しい方はどなたかということなんですね、はりきゅう、マッサージがどれほどの効果があるかないかを一番詳しい方はだれかということを考えていただきたいんですね。それは専門家、そのお医者さんの中でも、特にそうした専門的な、そういう知識を否定しようというわけではありませんが、私、ちょっとお昼休みにこの会場に見えている方、お会いした方のお話でも、とにかくすごい重症だった、スモンの重症だった。それが毎日このマッサージをやる、それから自分で訓練をする、それを継続していまはとにかく歩いてここまで出てこられるようになったということですね。そういうことが大事じゃないんですか。ですから、健康体の人がそれこそ疲れをとるためにマッサージを受けるというのなら週一回でもいいでしょう。ところが、そのことによって病状を何とか軽くしようということ、完全に全快するということはあり得ないのだそうですけれども、軽くしようという、そういう立場を考えたならば、この週一回というようなことでは、いかにもせっかくやろうということが効果がないじゃないか。とにかく一日置きとか、そういうふうにはり、きゅう、マッサージを受けている方が一回だけ無料になったとします。週一回だけ。そうすると、あと二回、三回は有料でやらなくちゃいけないですね。そういうことも考えなくちゃいけないじゃないですか、いかがですか。
#143
○国務大臣(小沢辰男君) 私どもは、治療研究班の結論で、こういう方には、はりまたはきゅう、あるいはマッサージがそれぞれの病状に応じてこういう程度やるのが非常に効果がある、あるいは非常にとまでいかなくとも、決して病状についてマイナスにはならない、むしろいい効果を期待できるというようなことがはっきりいたしますれば、これは私どもはそれを採用するにやぶさかでないわけでございます。そしてその場合に、程度についても御意見があれば、それに従って患者さんのためなら幾らでも私どもやっていきたいと思っております。ただ、その点がまだ研究班の結論が出ておりませんし、いま五十二年、最近の研究班のことをちょっと局長が触れましたけれども、中には病状によって、場合によったら、何といいますか、簡単に表現しますとマイナスになる場合も考慮しなければならないというような意見も中にはございますので、一方来年度からは何とかしなさいという御要求であったんですが、私としてはできるものなら予備費を使ってもことしできるだけ早くやってあげたいというので、とりあえずことしは予算措置もないのに特にやっていくわけでございますので、したがって、まず試みに、原則的には、平均的なことなんでございますけれどもいま週に一回程度でどうだろうか、しかし十二月の実施までになお改善する余地があるか、いろいろ公衆衛生局と薬務局で相談をして、必要があれば私も最後には予算上の折衝もいたしたい、かように考えておるところでございます。
#144
○小平芳平君 体のぐあいが悪くてはり、きゅう、マッサージを受けに行くわけです。ところがその治療する方も専門家ですよ、素人じゃないですよ。その専門的な方がはり、きゅう、マッサージの治療をして患者の症状がマイナスになるなんということがあり得ますか。
#145
○政府委員(田中明夫君) 大臣も申されましたとおり、研究班におきまして、ある種の状態、少しはっきり申し上げますと、かなり重症な患者については、はりを使うことが害になることもあるというような御意見も出ておりまして、その適用等につきましては、先ほど申し上げましたように十分注意を払う必要があるというのが最新の研究の御報告としていただいているわけでございます。
#146
○小平芳平君 それから、新聞で見ますと医師の証明が要るんですか。
#147
○政府委員(中野徹雄君) 現在、はり、きゅうにつきましては、先生御承知のとおり一応六ヵ月間に限りまして保険医療でも認めているわけでございます。この際の取り扱いにつきましては、先生御承知のとおり、医師の同意というようなものを必要とするたてまえでございますが、いまスモンの恒久対策の一環として公衆衛生局にお願いをいたしておるものは、その保険を根っこに持つものではなくて、いわばスモンの対策としての独自のはり、きゅう治療というものを考えておるわけでございまして、そういう保険のいままでのやり方に必ずしも縛られないやり方で、いかに実際上円滑に患者さんたちに神経治療をやっていただけるかということを、現在手続面も含めて患者さんたちの御希望に沿えるようにいま検討中でございます。で、原則的に保険治療から離れるわけでございますから、保険の治療におけるような制約は取り払う方向でいま検討をいたしておるところでございます。
#148
○小平芳平君 まあ常識的に考えた場合、もしお医者さんの証明が必要だということになりますならば、あるいは公衆衛生局長が答弁されるように、症状によって、この人がはり、きゅうを受ければかえって症状が悪くなるとお医者さんが診断されるならば、そのお医者さんがちゃんと治療してくれたらいいでしょう、治してくれたら。患者さんとしては健康回復のためなんですから、そのお医者さんがちゃんと治療して治してくれさえすれば、わざわざ証明を下さいとか、あるいはかえって悪くなるかもしれないけれどもはり、きゅうマッサージを受けたいのですなんて言う必要がないでしょう。ところが実際問題現状治療法がないからこそそういう要求が出てきているわけでしょう。したがいまして、いまの薬務局長の御答弁で、いま検討課題であると、それから、ちょっと従来の保険とは取り扱いが違うように申されましたからそれで結構ですけれども、繰り返しませんけれども、少なくとも、はり、きゅう治療を受けたいというその患者さんに対して、お医者さんが、あなたははり、きゅうを受けてはいけませんとおっしゃるなら、ぜひともそのお医者さんに治してもらいたいです。そこで治してくれるなら、わざわざいまの問題週一回だ、三回だなんて論争することがなくなるわけですから。それから、単価についてはどういうふうに考えておりますか。
 以上の二点について大蔵省の方に。大蔵省の方でいまの週何回、単価幾らということについて、厚生省が初めこうしますと言ったことが、どうも大蔵省が余りいい返事しないからだんだん後退してきたんじゃないかというふうにも言われておりますので、お答えをいただきたい。
#149
○政府委員(中野徹雄君) はり、きゅうの回数及びその単価問題につきましては、正直申しまして、厚生省内では、私どもの立場としましては公衆衛生局にお願いをすると。現在特定疾患対策の中で治療が行われておるわけでございますが、それについて公衆衛生局にお願いをいたしまして検討していただいて、また一面財政当局との折衝を現在続けているというところでございます。
 実は先回も、たしか先生の御同席された席で私なりの現時点での感触を患者さんたちにお話ししたわけでございますけれども、一方単価問題につきましては、これは施術の団体と、現在いかなる条件でスモン患者の治療をお引き受け願えるかということをめぐって団体との折衝も続けております。回数も単価も、正直申し上げまして、現在時点ではなお最終的に大蔵省にこれでということを申し上げる段階には来ておりません。ただ、先生みずからお聞きになりましたように、回数についての患者さんの御希望もあり、あるいは施術者の団体の側でも単価問題についていろいろ御希望がございますので、それを十分詰めた上で大蔵省に御相談をしたいというふうに考えておるところでございます。現在では一応まだそういう段階である。しかしながら、これにつきましては、めどといたしまして、十二月実施でございますので、十一月上旬中には最終的な結論を得て都道府県あてに通知を出したい、かように考えておるところでございます。
#150
○説明員(安原正君) いま厚生省の方から御答弁がございましたように、はり、きゅう、マッサージの実施細目につきましては御検討中であるというぐあいに承っております。厚生省の方で実施細目の構想が固まりましたならば、十分協議いたしまして、適切な施策の実施が可能となるように予算面につきまして検討を進めてまいりたいと考えております。
#151
○小平芳平君 といいますことは、財政上の問題で三回を一回にしろとか、単価を財政上の制約で切り下げろというようなことはいたしませんと、こういう趣旨ですね。
#152
○説明員(安原正君) ただいまもお答えをいたしましたように、まだ厚生省の方から正式の案をいただいていない段階でございますので、いただきました段階で十分財政面からの検討をいたしまして結論を出したいと考えておりますが、ことしの十二月から実施ということになりますと、どうしても既定予算の枠内で処理しなければならないという制約がございますので、既定予算の枠内で、その実施できる範囲内で検討いたしまして適切に処理したいと考えております。
#153
○小平芳平君 次に、時間の関係で世帯更生資金の貸し付けについて伺いたいのですが、質問する点は、中身は私が時間を節約する意味で説明をしてしまいますから、最後に質問をいたします。
 世帯更生資金の貸し付けについては、月額単身世帯二万七千円、二人世帯五万四千円、それを貸し付けていくと、毎月貸し付けていって十二ヵ月貸し付けをしますと。ところが、貸し付けは十二ヵ月でもう打ち切ってしまう。それで半年据え置き、七ヵ月目から毎月支払いをしていくというようなことですか。それでいいかどうか。
#154
○政府委員(中野徹雄君) お答え申し上げます。
 午前中の御質問にもあった点でございますが、私どもは実は患者団体の側からの御希望も十分踏まえまして、現在手持ちの制度でとにかくその活用できるものをフルに活用いたしまして、患者の方々の御要望にできる限りおこたえしたいという姿勢で事に当たっているわけでございます。これは特に本年度の年度内における対策であるという制約もございまして、したがいまして、現在の世帯更生資金の枠組みと申しますか、そのやり方をいわば拝借をいたしましてこれを活用させていただいて事に対処するという意味で、現在の世帯更生資金の枠組みに制約されていることば事実でございます。当面の措置としてはこれはやむを得ないと考えているところでございますが、その中身といたしましては先生の御指摘のとおりでございます。
#155
○小平芳平君 そこで、生活保障が問題なわけですね。要するにスモンの被害者、被害を受けられた御本人も、家族にとっても生活が重大な問題であるわけです。そこで、その生活保障の要求に対して厚生省が考え出したのがこの世帯更生資金の貸し付けということであるという局長の御説明なわけですが、しかし、実際問題一年間毎月借りていきまして、その一年間で、大臣が先ほどからおっしゃるように和解するなり、とにかく補償のお金が入ればともかくですね、そうでない限り一年たってもまた生活が困るし、とても返済なんということは考えられないわけでしょう。ですから、これはカネミ油症の患者の皆さんに世帯更生資金の貸し付けをすでにやっておりますね。ごく簡単に言うと、カネミ油症の患者の皆さんに対しては、世帯更生資金の貸し付けはやりましたけれども返済はしてないですね、返済は。ですから、そういう同じ扱いはするでしょうね。
#156
○政府委員(中野徹雄君) 社会局側からの御答弁に先立ちまして私どもの方の関連の事項を御説明いたしますが、やや私では説明不足で恐縮でございますけれども、現在、和解の点からいたしますと、急速に東京地裁における鑑定が進行中でございまして、東京地裁の係属件数二千件のうちほぼ半数に近いものがすでに鑑定が進行しているわけでございます。たまたま裁判長が交代されたというようなこともございまして多少足踏みをした面もございますけれども、私どもといたしましては、この鑑定の出たものについては急速に和解を進めてまいりたいという姿勢に立っておりまして、特に田辺関係につきましても、国としては単独和解に応じて三分の一の支払いをいたしております。そういう意味におきまして、私らといたしましては、患者に対する和解金の支払いは早期に、急速にこれを行いたいということが私らの姿勢の根本的な点でございます。
 なお、弁済の問題については社会局の方からお答えを申し上げます。
#157
○政府委員(八木哲夫君) カネミの例につきまして御質問がございましたけれども、カネミにつきましても、世帯更生資金ということで現実に生活資金の貸し付けは実施いたしております。それから、貸付期間につきましては原則として一年というルールでございますけれども、原則が一年ということで、実態に応じまして一年半貸し付けているというケースもございます。それから償還につきましては、詳しい事情をちょっと把握しておりませんが、一応貸し付けでございますので償還はお願いするということでございましょうけれども、個々のケース等によりまして具体的な運用をやっているんではないかということで、償還の具体的なケースにつきましてちょっと現在承知いたしておりません。
#158
○小平芳平君 それは、局長あるいは課長が何代もかわるからそういうことを答えられるのであって、油症患者の皆さんと厚生省で交渉を持ったり、議員会館で交渉を持ったりしてきておりますから、そういう過程で、世帯更生資金の貸し付けを受けた方が、一たん借り入れた方が、取りに来られても払いようがないんです。とにかく補償がない限り。まあ薬務局長のお話だと大分補償の話が進んでいるというんですが、進んだ方は払う可能性があっても、その払う可能性のない方に対してその世帯更生資金の返済を求めに行っても無理なんですから、だからカネミの場合はそれを延期しているんです。実際問題。当然、ですから補償が入らない方に無理やりに強引に取り立てに行くということはやらないでしょう、当然でしょう。
#159
○国務大臣(小沢辰男君) いろいろな規則があると思いますけれども、これをやります趣旨は、補償金がいま裁判で争ったって――私が二回目に会ったときに希望を聞いたわけで、それで早速何らかの道をやったらいいじゃないかということから今度始めることにいたしたわけでございますが、患者さんの実態に応じてできるだけの配慮をするという方針で来ておりますから、いろいろ従来の世帯更生資金の貸し付けの条件、期限その他いろいろあると思いますけれども、その辺は弾力的に考えていくつもりでございます。要は早く解決することが一番大事でございますので、私どもとしては、何回も申し上げておりますが、できるだけ条件が同じなら和解で早く解決をしていく方向に皆さんの御理解を得たい、こういうつもりでございます。しかしどうしても、それぞれの立場で争う権利はあるわけでございますので、訴訟であくまでも決着をつけたいというお考えの方を、これをぜひ和解にというわけにもいきませんので、しかしその間にどうしてもいろいろな費用がかさんでくるという場合の救済の措置としてこれを考えたわけでございますので、できるだけ弾力的に考えて進めていきたい、かように考えます。
#160
○小平芳平君 まあ弾力的ではちょっと不満ですけれども、先ほどるる私が説明したとおりですから、当然そういうことが考えられてしかるべきだと考えます。
 それから大蔵省の方に、世帯更生資金についても、やはり先ほどのはり、きゅう、マッサージにつきましても、まだそういうような相談は受けてないということですが、そうした財政的な枠を全く取り外してやってくれと、そういう非常識的なことを言っているわけではありませんが、とにかくそういう被害者の実態からして、厚生省からこれこれしかじかの要求があった場合十分相談に応ずるということは、余り財政が財政がということを優先するのではなくて、救済ということを頭に置いて取り組んでほしいと思いますが、これはよろしいですか。
#161
○説明員(安原正君) 世帯更生資金貸し付けの運用の点につきましても、いま厚生省の方で細目の詰めをやっていただいているところでございますので、いずれ協議を受けました段階で財政面につきましても検討をして適切に対処したいと考えております。
#162
○小平芳平君 最後に伺いたいことは、スモンのことは難病対策特定疾患としてやってきたわけですね、これは厚生大臣よく御承知のように。ですけれども、難病対策の特定疾患は、原因不明、治療法不明の疾患を指定しているわけですので、原因がキノホルムだということは厚生省自体もその因果関係は認めているわけですから、特定疾患という枠内で事を処理しようということがおかしいわけですね。実際上おかしいわけです。ですから、たとえば午前中の質問にもあった、スモン手帳をつくるかどうかという点、あるいは医療の単価ですね、医療の点数、単価を引き上げてほしいというような点、そういうことも、スモンだけやると、それじゃほかの二十種類あるいは五十種類の特定疾患はどうなるかということにすぐなるわけであります。確かに原因不明ならば難病対策で進めなくちゃなりませんが、原因がキノホルムとはっきりしている、厚生省も当然これは認めてきているわけですから、そういう難病対策という枠内を脱皮して新しい対策が必要だ。五十四年度予算に対する要求はそういう観点から要求されるのがしかるべきだと考えますが、いかがですか。
#163
○政府委員(中野徹雄君) 私どもは、スモンについては、先生御指摘のとおりに、公衆衛生局で研究を委託しましたスモン研究調査協議会によりまして、その発症の原因につきまして大多数がキノホルムの服用によって発症したものと認められるという、中間的ではございますが総括がございます。これに立って行政上の責任も負い和解にも応ずるということで、かつまた各種の恒久対策を精力的に患者さんの方々とお話し合いを進めているところでございますが、予算をいかなる形において組むべきか、特定疾患対策の予算の中に入れるべきか、あるいは別枠にすべきかということは、いわば予算の技術的な問題とも絡みますので、私どもにわかにここで申し上げることはできないわけでございますけれども、いずれにせよ、趣旨といたしましては、その原因について一定の判断が下されたものについて国としての行政責任を負うという姿勢につきましては、他の特定疾患とは性質を異にするという点はそのとおりであろうかと思います。ただ、実際問題として、それを予算にいかに計上するかというのは、いわば予算の編成なり計上の技術的な側面もございますので、私の立場として、いまそれをにわかにこういう形がよろしいということは申し上げかねますが、御趣旨としては先生のおっしゃることには同感でございます。
#164
○小平芳平君 厚生大臣ですね、私はいまその予算の技術的なことや積み重ねのことを言っているんじゃないわけですね。国の政策として、行政としてスモン対策について、またスモンの独立の法制化をせよという要求もあるし、それから、スモン手帳その他、いま時間がありませんのでもうこれ以上申し上げませんけれども、幅広い問題があるわけです。治療法の究明一つにしましてもいつわかるかわからない。あるいはどこまで被害が拡大しているのかということも深刻な問題でありましょう。そういう点を考えた場合、特定疾患対策の一環でいつまでもやっていくことは、むしろ厚生大臣が考えたっておかしいじゃないですかと、こう言っているんですが、いかがですか。
#165
○国務大臣(小沢辰男君) いま局長がお答えしましたのも、先生の御趣旨に沿って万般の問題は特別に考えていきたいと、こう申し上げているわけでございまして、ただ、それぞれの必要な経費を予算としてどこに計上するかということは、予算技術上の問題もあるので、いまにわかにはっきりと、スモン対策ならスモン対策というものは総合的にもう他のものと離してこれだと、こうやって計上するかどうかということについては、いますぐ御返事は申し上げられないと、こう答えておるわけでございますので、御趣旨は十分踏まえて私どもやってまいります。
#166
○渡部通子君 私は、本日は下垂体性小人症、このことについて対策をお伺いをしたいと思っております。俗に言われる小人という問題でございます。これは成長ホルモンの不足で、背の丈が百三十センチぐらいにしか伸びないというお子さんを持つたくさんの親御さんたちの悩みから発することでございます。成長障害者と呼ばれる者は全国で十二万人ぐらいいると推定されておりますけれども、研究や治療については非常に日本の国はまだおくれていると、こういう実情の中で、この下垂体性の小人症という者だけは、原因も、それから治療法も確立をされているという点では幸せな部類だと思うわけでございます。しかしながら、なかなかこれが進まないというところに差し迫った深刻な問題があるわけでございまして、去る九月の七日でございますか、毎日新聞が「記者の目」という欄で大きくキャンペーンをいたしまして、「「下垂体性小人症」に光を」というキャンペーンがありました。これに対して非常に反響が大きかったということで、昨十月六日に「再び叫ぶ」という形でこういうキャンペーンを張っております。こういう新聞記事から見ましても、非常にこれは対策を迫られているし、それから悩んでいらっしゃる潜在者というものが非常に多いということもはっきりいたしております。こういう観点から、ひとつ命には別状はないから後回しということではなくして、成長期に治療いたしますと一人前になれるという、その対応策のある話でございますから、ひとつ緊急に急いでいただきたいという意味で質問をいたします。短時間でございますけど、ぜひ前向きの御答弁をお願いしたいと思います。
 で、最初に、こういう患者さんは三千人というふうに報道されておりますが、厚生省では何人ぐらいとつかんでいらっしゃるか、そういう方に対して今日までどういう処置をおとりになったか、まず伺います。
#167
○政府委員(竹内嘉巳君) お答えいたします。
 下垂体性小人症の問題につきまして、私ども小児慢性特定疾患対策として対応しております中で、現在伺っておりますのは約千百二十人程度というふうに伺っております。なお、ただいま先生が御指摘になりました毎日新聞のキャンペーンで、いろいろと、もっと数がいるのではないかという趣旨もあろうかと思いますけれども、これらにつきましては、必ずしも正確な学術的な裏づけの数字が出ておるわけではございませんので、いまのところこの下垂体性小人症に対する私どもの患者の掌握というのは、いま申し上げた程度というふうにお答え申さざるを得ないと思います。
#168
○渡部通子君 今日までの処置は。
#169
○政府委員(竹内嘉巳君) 現在までは、私ども昭和四十九年から小児慢性特定疾患治療研究事業という中で、いわゆる社会保険医療のほかの自己負担分につきましては公費負担という形で、ただし入院分についてだけ対応してきたわけでございますけれども、本年の十月から、通院につきましてもこれを慢性疾患治療対策の中で見るというふうに公費負担の対象を広げたところでございます。
#170
○渡部通子君 これによく効くといわれるヒト成長ホルモン、これが不足しているということが治療が受けられないという一番大きな問題になっているわけでございますが、その現状を伺いたいと思うんです。
 厚生省からいただいた資料によりますと、五十三年度輸入予定が七万九千バイエル、こうなっておりますけれども、これは確保できるんでしょうか。九月から輸入がストップされているということで大変患者さんたちも困っていらっしゃる。この二ヵ月、三ヵ月ストップされたということがまた大きなネックになっていて、これが続くようではこれは大変なことでございますが、この打開策、見通し等についてお聞かせください。
#171
○政府委員(中野徹雄君) 現在下垂体性小人症の治療薬といたしましては、その相当部分をスウェーデンのカビ社からの輸入に依存をいたしております。で、本年度輸入予定は先生御指摘のとおりでございますが、実はごく最近入手いたしました情報によりますと、先生御承知のとおりに、この脳下垂体ホルモンの一種でございますけれども、その成長ホルモンの製造には人間の死体の中から摘出いたしました脳下垂体それ自身を使うわけでございます。で、スウェーデンのカビ社のその状況を申し上げますと、最近東ヨーロッパからの輸入が一時的に途絶したという状況がございまして、その輸入そのものの見通しの再開の見通しはもちろん立っているわけでございますが、若干、要するに予定のものの入りぐあいのテンポがずれ込むというおそれが短期間ではあるがあるようでございます。で、これに対しましては、この薬の全面的な国内開発等も含めて研究している成長科学協会と緊密な連携をとりまして、他の国からの輸入あるいはその薬の使用方法によりまして患者の方に実害の生じないように現在鋭意検討いたしております。で、再開の見通しもはっきり立っておりますようでございますから、その治療上深刻な影響は出ないものというふうに現時点では判断をいたしております。
#172
○渡部通子君 深刻な影響は出ないとおっしゃいますけれども、ただでも待っている人が、順番待ちの人が多いわけですね。それから、満十八歳になると公費負担が打ち切られる、この二ヵ月間で打ち切られちゃうというような人も出てくるわけですね。何よりもかによりも順番待ちの人がいっぱいいるというところで、たとえ短期間でもストップするということは、これは深刻な影響があるという御認識をいただきたいと思います。
 で、いま国内開発を含めてという御発言がありましたが、その国産化のめどをどう考えておられますか。
#173
○政府委員(中野徹雄君) 実は先生御指摘のとおりに、輸入量と所要量の間に現在なお不足分がございまして、したがって治療待ちという非常に深刻な状況の患者さんたちがおられることは事実でございます。で、これを完全に充足いたしますためには、大体年間二万バイエルの生産が必要でございますが、このためには実は国内産でこれをカバーをいたしますとしますと、その摘出します脳下垂体は一万人分の死体から脳下垂体を摘出いたしまして、その薬の生成をしなきゃいかぬというような状況でございます。もちろんこの種のものを外国に頼っているというのはそもそも問題がございますので、厚生省といたしましては、国内で現在成長科学協会がやっておられますような、遺族の方々にお話をしまして脳下垂体を譲っていただいて、現在これを冷凍いたしまして、スウェーデンに送って、カビ社で加工してもらっているわけでございますが、一定規模の開発の生産のスケールになると当然国内でもこれがペイすると、商業的にもペイし得るという状況になりますので、その方向に向けて鋭意努力をしていきたいというふうに考えております。そのためには、やはり現在成長科学協会の普及員の立場に立っておられる現場のお医者さんたちが、各病院で亡くなられた方の遺族にお話をして脳下垂体を譲っていただくわけでございますけれども、こういう面のいわば皆さんの御理解を得るというふうなことが必要だという点においては、ちょうど血液とか、腎臓とか、そういうものとよく似た状況がございます。私どもとしましては、現在成長科学協会でそういう努力をされておりますのを、政府の側におきましてもできるだけの援助をして、そういうキャンペーンが広がって国内自給体制が完備できますように鋭意努力をしてまいりたい、かように考えております。
#174
○渡部通子君 商業的にもペイするときを見てということですが、大体国産化の見通しをどの辺にめどを置いていらっしゃるかということを重ねて伺いたい。
 それから、この国産化という問題について大臣の姿勢も伺っておきたいと思うんです。と申しますのは、これは本当に原材料を得るという点において非常に困難である、日本の国民感情からいっても非常に困難がある、ネックになっているということは私もよくわかります。死体の尊厳ということに対する一般の方々の考え方も当然考慮に入れなきゃなりませんし、かといって、大臣いつもおっしゃっていらっしゃるように、厚生省は国民が健康で暮らせるようにということをいつも念頭に置いていらっしゃると、こういう立場からすれば、やはり成長しないということで悩んでいらっしゃる皆さん方に、ある時期をつかまえて四、五年治療をすればそれで治るというならば、生きている方の幸せというものを考えていただく上においても、大臣としては何らかの決断をしていただかなけりゃならないし、現に協会ができてそういう運動が民間の善意によって始められている以上は、厚生省としてもそれに対して何らかの姿勢を示し、応援体制をつくり、決断をしていただかなきゃならないと思うんです。やはりいま局長がおっしゃったように、いずれ早晩国産化をしていただかなければ治療を続けることはできないという状況でございますから、そのめどと、大臣の御所見と、これを伺っておきたいと思います。
#175
○政府委員(中野徹雄君) 大臣からのお答えをいたします前に事務的なことを多少つけ加えておきたいと存じますが、実は先ほど一万体の死体が必要だと申し上げたのはもちろん不足している分でございまして、全体の患者さんたちの治療を全部国産化をいたすといたしますと、年間実はこの五倍、五万体の死体処理が必要でございます。しかるに一方、本年度成長科学協会の方々の非常な御努力によりまして、脳下垂体を譲っていただけた数が実は千二百体でございまして、五万体という数に比べますと非常にまだ、いわばようやくその緒についたという感じであるわけでございます。私どもといたしましては、当然こういう血液、腎臓その他の角膜とか、いろいろそういう類似の、いわば遺体の中から医療のために使わしていただくものを譲り受けるという共通の問題でございますけれども、これについては相当の啓蒙なりキャンペーンなりを必要とするというふうに考えておりますが、めどといたしましては、数年後にはこれを国内ベースで、いわば各種の動物試験ないし治験に使用できる段階までこぎつけていきたいというふうに考えております。
#176
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるように、政府が中心になりまして一大キャンペーンをやって、これはアイバンクの方もそうだと思うのでございますけれども、亡くなった方の角膜あるいは脳下垂体等を利用して救済をし得る方々がたくさんおられますので、これはぜひひとつ一大キャンペーンをいたしまして、国民の御理解を得て、できるだけ早目に万全を期し得るような体制に持っていきたい。この前アイバンクのあれ、外国の方を私大臣室で表彰いたしましたんですが、外国からの提供に待っておるような現状ではとうてい私どもの責任果たせないと思いますので、ぜひ努力をいたしたいと思っております。
#177
○渡部通子君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 成長科学協会という、これがまことに民間の善意で細々と旗上げをしているという感じがいたしまして、何とかこれにバックアップをしていただけないかという気がいたします。やはり製薬会社の寄付とか、善意の方々の拠出とか、そういった形で賄われている間はなかなか国産化にいくところまで、大量の材料を集めるというところへいくのは大変だと思うわけです。したがって、この協会に対して厚生省が大きなバックアップをお願いしたいと思います。
 ここで、下垂体バンクというものをこしらえて、そして献体を呼びかけているわけでございますけれども、この七月にこの献体を呼びかけて、短期間でも五百体に近い申し出があったと聞いております。ですから、いま大臣おっしゃったように、キャンペーンが大きければ、そういう善意の方もかなり発掘されてくるんではないかと思うわけです。アイバンクですと十万人の登録者がいるということですから、さまざまなアイバンクとか、あるいは腎臓バンクとか、イアバンクなどというのも今度できるといいますけれども、そういった臓器バンクというものを一本化して、太いパイプにしてキャンペーンをするというようなことはお考えになられませんでしょうか。
#178
○国務大臣(小沢辰男君) 必要なことだと思いますので、早急にひとつ検討いたします。
#179
○渡部通子君 この下垂体バンクを始められた協会でございますね、私はここへ登録されてくる人たちがまだまだ少ないということですけれども、この登録された方も、やがてその方が亡くなられてからということですから、すぐ用には立たないという非常に息の長いことで、そうしてアイバンクなんかと違いまして、とにかく一年間に一人の患者に五十体の下垂体が必要だということで、その治療を四、五年続けなきゃならないというわけでございますから、非常に困難を伴うということはよくわかります。しかし、私この登録問題というのは、やはりこうしたことに対する国民の意識を啓蒙するという意味で非常に大きな意義があるのではなかろうか。したがって、まだ健康な方たちに、自分が死んだ後の登録ということについて呼びかけるということに対しては、これは国が取り組んでいただくべき問題ではなかろうか。
 その啓蒙の問題と、もう一つは費用でございますが、いまは善意で献体をなさる、あるいは提供しようという方たちも、それも解剖の可能な病院で死ななければちょっとむずかしい。遺体を運ぶ運搬費とか、そういったものは全部自費負担になると、ここまで自分で負担しても下垂体を提供しようということはちょっと考えられないことでございまして、せめてそういう諸雑費にかかる費用ぐらいは協会に対して国が負担するとか、補助金をするとか、そういう財政的な援助をしていただくことが必要だと思いますが、その点はいかがでございますか。
#180
○政府委員(中野徹雄君) 現在のところ、詳しく内容を申し上げますと、東京女子医大の鎮目先生を中心に成長科学協会の活動が行われているわけでございますが、病院で、たとえばある方が亡くなられると、そうしますと、その成長科学協会の普及員の立場におられるその病院におられる方が、現実にはその時点で遺族にお願いをしていただくというケースが主のようでございます。その方法によりまして、先ほどお話しいたしましたように、約千二百体のものが確保され、九月下旬に六百体分の脳下垂体をスウェーデンに送ったという経緯がございます。
 その財政面といたしましては、五十三年度におきましては船舶振興会からの二千万円の補助金、さらに民間の会社からの二千四百万円の寄付がございまして、一方厚生省といたしましては、これを試験研究法人に指定をし税制上の特典を付与いたしました。現在その遺体から脳下垂体をとりまして、これを冷凍しまして一ヵ所に集める、で、スウェーデンに発送するまでの間の経費はこの成長科学協会のこの費用によって経費が支弁されており、送ってから先の費用はスウェーデンのカビ社と特約を結んでおります国内の製薬会社がこの運送責任を負うという形で処理をしておるようでございます。もちろん収集、冷凍、それからそれを集荷するまでの費用が民間の法人の善意の金によって賄われている点につきましては、私どもも今後これを国の何らかの形の助成ないし支援によりまして、なるたけ、よりスムーズに行われるように配慮をしていきたいとは考えております。
#181
○渡部通子君 ぜひその金銭的な助成というものをお願いをしたいと思います。
 私、この問題を考えるに当たりまして、やはり原材料を集めるのに非常に困難が伴うということはよくわかります。厚生省に伺ってもそこが大きなネックだということもよく伺いました。これは先ほども申し上げたように、たくさんの方の献体を受けなきゃならないというような実情でございまして、これを永久的に続けていくことになると、ちょっと非常に暗い、何といいますか、そういうイメージの話になってくるわけです。それで私は、何とかこれを一時的な措置としておいて、将来の問題としてこのホルモンの合成に成功してもらえないかというふうに考えます。科学はこれだけ進歩してまいりました。ある雑誌を読んでおりましたら、その中にやはり合成に乗り出しているような、可能性を書いたものもずいぶん見られました。で、原料確保がこれほど困難ならば、ぜひ成長ホルモンの合成ということに厚生省が乗り出すべきではなかろうかと思います。現在、住友化学とか山之内製薬にお任せ、あるいは民間の善意にお任せということではなくして、アミノ酸から合成できる話とか、大腸菌につくらせる方法の可能性とか、そういったものも、私は専門外ですから全くわかりませんけれども、学説は出ているようでございますから、ぜひこの研究に向けて予算をとっていただきたい、研究費をとっていただきたいということを私はお願いしたいんです。そうしませんと、社会で話題になりますと無限に患者はふえる一方です。いままで潜在化しておりましたお子さん方が浮かび上がってきますし、需要はふえる、供給は足りない、原材料入手困難、こういった悪循環がずっと永遠に続くとなったら全くこれは暗い話になります。したがって、これは何とか合成ホルモンの研究に日本の国としても着手をしていただきたい。
 それから、下垂体性でなくて、原因がわからなくて背が伸びないというお子さんもまだたくさんいらっしゃるわけでございまして、そういう小人症を一切含めて研究開発に着手できるような予算措置を何とか入れていただけないかと。大臣のさじかげんで結構でございます。それをお願いするんです。
#182
○政府委員(中野徹雄君) 先生御承知のとおりに、ホルモンというのは、主要なものだけでも人体の中で生成されますのは二十種類ございますが、その中には、たとえば黄体ホルモンのように完全合成に成功しているものもありますし、インシュリンのように、先生の御指摘のように、大腸菌に対する遺伝子工学的な操作でもうすでに実験室段階では成功している例もあるわけでございます。ただ非常に、言うはやすく非常にむずかしいことであるかと存じますが、私らの方といたしましては、新規の患者数の少ないためになかなか商業ベースに乗りにくい医薬品の開発のための経費を、来年度予算、大臣の御指示もございまして開発費用の助成の予算も組んでおりますので、当然こういう症例の少ない、したがってなかなか商業ベースに乗りにくい必須医薬品の開発については、先生御指摘のような道も含めまして十分努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
#183
○渡部通子君 これは大臣にもぜひお願いをいたします。研究費わずかずつでも結構でございますから、研究に早目に着手をしていただきたい。たとえ五年かかろうと十年かかろうと、将来にそういう方向が前向きに検討されている、開かれるという見通しがあれば、現在の経過措置として脳下垂体をちょうだいするというこの困難な作業も、やがてはという問題があったときに初めて進むのではないか、こういう気がするわけでございまして、この予算に関しては大臣にも心からお願いをしておく次第です。
#184
○国務大臣(小沢辰男君) いま薬務局長申し上げましたように、来年度、商業ベースに乗らないようなこの種の問題についての研究開発についての援助金といいますか、そういう新規な予算要求もいたしております。できるだけ私確保しまして御期待に沿いたいと思っております。
#185
○渡部通子君 薬不足の問題と同時に、今度は薬の単価の問題がここに出てくるわけでございまして、注射代が一本四万円、こういう現状でございまして、そのほかに専門病院まで通わなければならないという交通費等の負担もある。患者さんにしてみれば大変なことでございます。それで、公費負担をやっていただくようになって確かに大変助かっているんですが、四十九年から薬が輸入されたわけですから、治療が始まってまだ三、四年というところ、これが一人前に治るためには四、五年の治療を続けなきゃならない。それで十八歳になると公費負担が打ち切られる、こうなりますと、その経過から言いましてももう少し年齢引き上げがお願いできないかという問題がございます。膠原病あるいは心臓病、こういった並みに、せめて二十まででもいいから引き上げてもらえないか、あるいは治療のめどにいたしております女性百五十センチ、男性百五十五センチ、ここに至るまで公費の負担がお願いできないかと、こういう血の出るような叫び声が随所にあるのでございますが、これに対する御回答をちょうだいしたいと思います。
#186
○政府委員(竹内嘉巳君) 下垂体性小人症のもともとの原因が、生まれつき何らかの原因によりまして脳下垂体から分泌される成長ホルモンが分泌されない、それで身体の発育が悪く、全身の均斉がとれた形のままの小人症ということになります。つまり、その身体の発育が悪いということでまず疑いが持たれ、血中の成長ホルモンのレベルの測定によって下垂体からの成長ホルモンの放出能力が落ちているということが確認されるという手順になるわけでございます。ということになりますと、一般的にはやはり児童の成長という特徴を考慮いたしますと、十四、五歳までに治療を終えるということがより効果的であり、一般的でもあるわけであります。そういったことと、それからもう一つは、御承知のように、児童の問題ということで満十八歳という一つの上限を引いているわけでございます。もちろん、いま御指摘になりましたように、十四、五歳ぐらいから始めて、当然その効果が認められて、もう少し続ければというようなケースもあるいは出てこようかと思います。私どもぎりぎり二十歳までの年齢延長ということも、制度的にはゆとりを持っておりますので、できるだけ速やかにこの治療の実態に照らしまして前向きに検討をさしていただきたいと思っておりますので、いま直ちに御返事ということも非常にむずかしゅうございますけれども、十分この点は考慮さしていただきたいと思います。
#187
○渡部通子君 もう一点伺っておきますが、専門病院の少ないことが非常にいま大きな問題になっております。松山から大阪へ毎月一回通院してくるお子さんの話ですと、学校を休めないときには飛行機を使う、あるいは夜行のフェリーを利用している、お母さんと二人でとなると非常な負担になるということで、何とか専門病院あるいは専門医、これが一県に一人でも配置できるような状況にしていただければ非常に見通しは明るくなるんですけれども、その辺のお取り組みはいかがでしょうか。
#188
○政府委員(竹内嘉巳君) 御希望の趣旨はよくわかるわけでございますけれども、何しろこういう特殊な病気についての専門医というのは急に育てるということにもまいりません。それからまた、専門医それ自体につきましても、先ほどるる薬務局長からも御説明申し上げましたような特殊な下垂体ホルモン製剤というものの適用に当たりましても、十分医学的な管理の上で処理をするといいますか、治療を行っていく必要もございましょう。そういったことから、私どももできるだけ専門病院がふえ、また全国の各医科大学の付属病院でこれが積極的に取り上げられるよう期待もし、それなりの努力はいたしますけれども、率直に申しまして、専門医を急速に充足というのはなかなかむずかしゅうございますので、私どもの方の治療研究事業を進める過程におきまして、できるだけ全国的にそういった専門病院ができるように、あるいはまた育っていった専門医が、ひとつまんべんなく全国的にこういったものが配置されるように、学会あるいはこれを育てていただいておる専門医の先生方にも御協力をお願いして、御期待に沿えるようにできるだけの努力は続けてまいりたいと思います。
#189
○渡部通子君 これで終わりますが、幾つか、短い時間の中でございましたが、前向きの御答弁をちょうだいいたしました。どうかそれを実行に移していただきたいし、厚生省でおやりになることはたくさんおありだし、それから予算が少ないという中で流れることのないように、どうか一つでも二つでも困っていらっしゃる方に光を与えていただけますように、きょうの御答弁から何らかの実質的な前進を私は期待させていただきたいと思います。
 最後に、重ねて厚生大臣から一言だけお約束をちょうだいして終わりにしたいと思います。
#190
○国務大臣(小沢辰男君) 何らか御期待に沿うように必ずひとつ努力いたします。
#191
○小笠原貞子君 本日はリハビリ医学についてお伺いしたいと思います。
 まず、厚生大臣に最初に御所見を承りたいと思うわけでございます。
 実は七月の二十六日に私の夫を亡くしました。高血圧で倒れまして六年七ヵ月の闘病生活をいたしました。医学が進みましたものですから命は助けられますけれども、残された慢性的な障害というので非常に苦労いたしました。それから、今月の六日には私の母を失いました。これも八十九歳でございました。そういうような、私自分のことを通しまして、障害者の方々や御家族の方、またお年寄りの方々と非常に問題を話し合いをいたしまして、いまリハビリ医学というものは非常に重要な時期になっているということを痛切に考えさせられているわけでございます。
 たまたま九月の十四日に総理府が人口実態調査というものを発表されておりました。六十五歳以上のお年寄りが九百九十万、総人口に占める割合が九・六%となっておりました。これが昭和六十二年になりますと一〇%、七十年になると一二・七%、九十年になると一八・五%、ますます老齢化というものが非常に大きくなってきているわけでございます。人口老齢化とともに、いままでも労働災害、交通災害、それから公害による障害というようなことで、リハビリ医学というものが非常に重要視されて、ますます緊急な課題となってきているわけでございます。そういう意味におきまして、私昭和四十七年、夫が倒れました次の年でございましたけれども、切実な問題としてこの委員会で取り上げまして、いままた時期を置きまして、ますます重要になったというような立場から、まず厚生大臣として、いまのリハビリの必要性、重要性というものについてどういうふうな認識を持っていらっしゃるか。そしてまた医学が大変進んでまいりまして、リハビリの医学も進んでまいりました。その効果というものも非常に進んでいると思う。そういうリハビリのいかに効果を上げられるかというような問題について、まず最初に大臣の御所見を承りたいと思います。
#192
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるようにリハビリの必要性は非常に私はもう今後一番大きな重点を置かなけりゃいけない問題だと思っております。したがって、国立のリハビリテーションセンターというものをつくることにして予算も計上し、これは恐らく来年の七月には完成すると思っております。また老齢人口の増加に伴いますのと疾病構造の変化、あるいは医学の進歩によりまして、かつてリハビリを必要としないような、そのまま生命を失うというような人が、もうどんどんリハビリいかんによってはまた社会復帰ができるという状況にも立ち至っているわけでございますので、私ども実はまだ成るか成らぬかわかりませんが、老人医療保険制度を新しくつくる場合に、そのリハビリまで含めた一貫した制度にしたいという願望を持っていま検討をしておるわけでございますし、あらゆる意味で、今後の本当に重要な課題だという認識のもとに進めていきたいと思います。
#193
○小笠原貞子君 重要性ということはもう御認識いただいているということで、それは当然のことだと思います。
 そこで、具体的にお伺いいたしますけれども、そういう方々にとって機能訓練と申しますか、いまの医学を障害に役立てるという場合にいろいろな問題がございますけれども、一番その中心をなす問題として、そして必要な問題としてOT、PTというような問題がございます。これは四十年に理学療法士及び作業療法士法というものが定められまして、この役割りというものも決められておりますけれども、いまどんどん進んでまいりまして、この法に決められたその療法だけというような狭い範囲のものはもう乗り越えてしまいました。つまり、障害者の日常生活動作の能力、自立能力の向上とか、それから職場復帰の前提としての心身の能力の向上だとか、それから障害児者の運動能力、知的能力の発達の促進とか、失行症、失認症患者のリハビリテーションの必要というようなもので非常に対象となる範囲が広がっているということ、これが病院だけの問題ではなくて、これが地域の活動との連携ということが非常に重要な問題になってきていると思うわけです。
 そこで、OT、PTという、いま必要だと言われているこの方々ですね、この方々の必要性、需要というような問題に対して、厚生省としてはいまの現状でどれぐらいのOT、PTを必要というふうに見ていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
#194
○政府委員(佐分利輝彦君) 現状から考えますと、わが国のOTの数は約四千程度、PTの数は六千程度必要であろうと考えております。なお、最新の五十二年末のOTの数は七百であり、PTの数は二千百三十五となってかなり計画との間には開きがございます。
#195
○小笠原貞子君 その四千人OT、PT六千人という数字ですね、必要だと厚生省がごらんになっている、それはどういう根拠から割り出された数字になりますでしょうか。
#196
○政府委員(佐分利輝彦君) このような医療関係者の必要数をはじき出す方法はいろいろな御意見があり、またいろいろむずかしい問題でございます。したがって、最終的には先進諸国の状況を拝見いたしまして、それとわが国の医療制度を比較して適当な標準をつくるという方法がとられてきているわけで、その点は医師とか歯科医師の養成についても同じであると思います。したがって、先ほどOTを四千と申し上げましたのは、現在のアメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、こういつた大きな先進諸国におきましてはおおむねその程度の人口対の比率になっておりますので、それを一応の目標にいたしておりますし、また諸外国におけるOT対PTの比率というようなものがございますので、それを参考にしてPTの数を割り出すわけでございますが、特に日本においては、旧来からございますあんま、マッサージ師といったような方々も病院の中に約八千人いらっしゃって活躍していらっしゃいますので、そういった点も大いに協力していただく職種として考えていいんじゃないかと思っております。
#197
○小笠原貞子君 その数字の大まかな割り出しの根拠というものは、いま御説明をいただいたわけでございますが、そうすると、諸外国に比べてこういう数字を出したとおっしゃいましたけれども、それじゃ、諸外国に比べて現在OTが四千人くらいいればどれくらいの何になるんですか、人口十万当たり諸外国に比べて何人くらいというふうに出ますか。
#198
○政府委員(佐分利輝彦君) 人口十万対三ないし四という程度になってくるわけでございます。
#199
○小笠原貞子君 それで欧米並みというふうにごらんになっていらっしゃるわけですか。それじゃ、またそれは後の問題としてお伺いしたいと思いますけれども、その四千人、六千人というのが非常に私にとってははっきりした数字だというふうにはなかなか納得しにくいわけです。と申しますのは、いろんなところで必要数これくらいだという数字出しているのがみんなばらばらなんでございますね。ちょっと見ますと、学術会議なんかではそれぞれ一万人くらいずつ必要だというふうに言われるし、ということで根拠というものが余り正確でないというふうに思われるわけで、それは一つの問題だと思います。しかし、それで論争していても始まりませんから、いまお伺いしたので問題を進めていきたいと思いますけれども、それではお伺いいたしますけれども、このOT、PTが必要だということは大臣もお認めいただいたと思うわけです。現実には、OTが四千人必要だという中で現在数は七百人というふうにおっしゃいました。非常に少ないわけですね。そういたしますと、このOT、PTの需要の数に追いついていくためにどういう計画をつくって努力していらっしゃるか。いままで厚生省としてこの問題についての計画、目標というものをお持ちでしたら、いつの時点でどういう目標を出したかということをお伺いしたいと思います。
#200
○政府委員(佐分利輝彦君) 最近のものから申し上げますと、私どもは毎年三校ずつ新設していけばおおむね昭和六十年には目標に達するであろう。目標より少し下回るわけでございますが、その後どんどん引き続き卒業いたしますので目標をオーバーしてくるわけでございます。そういった点で、養成施設の計画は慎重を要するわけでございますが、そのように毎年三校は必要であると考えておりまして、来年の予算案におきましても、国立病院一校、国立療養所一校、また都道府県あるいは民間に一校というような計画を立てているわけでございます。
 なお、OT、PTの養成計画は、これより先すでに昭和四十年代の前半に一応つくられていたわけでございますけれども、問題になりましたのは、教員がなかなか得がたいということと、それから、四十年代大学紛争の後期になりまして、リハビリ学院の学生さんだとか、あるいは卒業生の方々が、初めから大学校にしてくれという強い要望をお出しになりました。
  〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕
こういった関係で、国以外の県立とかあるいは法人立の学校をつくりにくくなって、国以外の計画が全部ストップされてしまったと、そういう関係で計画が大幅におくれてまいったのでございます。
#201
○小笠原貞子君 確かに少しずつ人数はふえてきているわけでございますけれども、現在数、OTは定員が百二十人でございますね、それからPTが二百六十人という数でございます。そうしますと、必要数が四千人という数でございます。だから百二十人で考えていきますと三十三年かかるわけです。それから今度はPT何年かかるかと計算いたしますと、二十三年かからなければ六千人といういまの必要数には満たないわけでございますね。大変長い先の話になります。いま毎年三校ずつ建てるというふうにおっしゃいました。三校で定員は何人というふうにふえるわけでございますか。
#202
○政府委員(佐分利輝彦君) まだ結論に達しておりませんけれども、現在一校の定員が、OTの場合もPTの場合もそれぞれ二十名程度になっておりますけれども、これは養成計画としては非常にぜいたくな計画でございまして、ほかの。パラメディカルの方々の養成所と同じように、三十人あるいは四十人程度に養成定員を今後ふやすような検討をしてみたいと考えております。
#203
○小笠原貞子君 検討をしてみたいという程度なんですか。たとえば、毎年三校建てる、定員は何人にして三校建てる、そうすると何年計画で、需要もふえるだろうから見通しとしてはここら辺まで充足するというような、具体的な計画というものはお持ちになってないんですか。
#204
○政府委員(佐分利輝彦君) 先ほど申し上げましたように、教員の確保に私どもまだ自信がないわけでございまして、鋭意国内でも研修をしておりますし、またわざわざ外国に派遣して教員の養成研修をさせているわけでございますが、そういった教員のマンパワーが許せば、できるだけ早く四十名に持っていきたいと考えておりまして、もし定員を四十名にすれば、六十年を待たずに四千人が確保できるようになると考えております。
#205
○小笠原貞子君 計画といいますのは、やっぱり総合的に計画していかなきゃならないわけですよ。だから、定員をこれくらい、まあ二十人じゃなくて三十人、四十人くらいの定員にしたい、三校くらいふやしたいということであれば、それに見合う必要な教員数というのはどの程度の教員数が必要であるか、それじゃその教員数を確保するために教員養成についてはどういうふうな具体的な計画がつくられなければならないか、そういうのが計画なんですね。いまおっしゃっているのを聞きますと、教員が足りないからちょっとわからないというようなことで、総合的な計画になってないじゃないですか。
 大臣、大臣としてお考えいただきたいんですけれども、実は私四十七年にお伺いいたしましたときに、医務局の医事課から需要計画というものが出されてまいりました。これも五年計画で、昭和五十一年と、それから昭和五十六年でこうなりますというような計画をそのときいただいたんですけれども、その計画どおりにいきましても、PTの場合には充足率というのが三五・八%にしかすぎないというような計画だったわけですね。しかし、これも厚生省としてこれが国の計画だったということはいまおっしゃっていないわけですよね。これは医事課でお出しになったという程度の参考資料みたいにいまはなってしまいましたね。
 そこで、いま私がどうしても必要なのは、先生の不足というものもございましょう。しかし、必要なのは、患者さんがいてOT、PTが必要なんだということから、これに必要な四千人、六千人という数字が出ましたら、この必要な数字を満たすために、何年計画で、学校はどういうふうにつくっていきます。そのために必要な教員はどういうふうに養成しますというような、少なくとももうちょっと具体的な計画というものをお持ちいただかなければ、私の質問しましたのは四十七年でございますからもう六年たっているわけです。六年たっていてもいまだにこの調子なんで、まことに言えば怠慢でございます。大事だとおっしゃりながら、そういうきちっとした計画というのが出されていないというのは非常に私は不満でございます。私だけじゃなくて、全国の障害者の方が老齢化していく中でいま非常に切実に要望されているわけなんで、ぜひ、いますぐつくれと言ったって無理なことわかっていますから、私も。しかし、こうやってやっていくんだというくらいの具体的な厚生省としての権威のある計画というものを私はつくっていただきたいと思う。当然つくらなければならないと思うんですけれども、大臣いかがでございましょうか。
#206
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるとおりでございます。ただ、私どもはきちっとした計画ができないのは、その先生に困っておるわけでございまして、指導者に困っておる。そこで、指導者の養成をまず考えていかなきゃいかぬ。それとのテンポでどうして実際のPT、OTの養成を進めていくかという問題があります。いま県なんかでやりますときに、あらかじめアメリカへ実は派遣しまして勉強させて、それで帰ってきて、今度その人が先生のまずいろいろ修業をやってそれからというような段階が日本の現状なんでございますので、おっしゃるように、たとえ現在から考えて相当の年限がたとうと、一応計画というものをきちっと持たなきゃいかぬと思いますので、おっしゃるようにひとつ私どもも早急にその計画を立ててみたいと思います。
#207
○小笠原貞子君 それじゃ、総合的な計画というものをぜひ御検討いただくということはお約束いただけますね。どうもありがとうございました。
 そこで、たくさん問題ありますけれども、続きまして、OT、PTの先生が足りないということをおっしゃいました。これは五年間の臨床経験、お医者さんもしくは五年間の臨床経験と一ヵ月の講習を受けた者に行政指導で資格を出して先生、というふうなのがいまの制度でございますね。そういうことなんだけれども、この先生になるという希望者が少ないというのが一つの問題になろうかと思うわけです。なぜ先生になる希望が少ないのかという中身を調べてみますと、まず待遇の問題ですね、それに対する待遇の問題。それから二番目には、教授能力を向上させるための研修や研究の機会が少ないという点。それから三番目には、臨床治療の機会が少ないということが大きな三つの問題になっていると思います。五年経験があって、一ヵ月講習して、それで先生だというふうに自信を持ってその方たちもやっぱりやれないという心配もあろうかと思うし、もっといい治療をしたいというふうなことでは、やっぱりいま言った待遇もそうだけれども、大事なのは研修と研究の機会というものを十分につくっていただくということと、それから臨床、あくまでも臨床が必要になってきますから、この臨床の機会を何としてもふやしていただきたいという点がなければ、先生幾らつくろうと努力なすってもむだだと思うわけです。したがって、当面養成所などに特別な研修研究体制をつくるということを考えていただけないだろうか。そして、その費用も国としても何らかの援助をしていくという道を開いていただかなければならないというのが第一点ですね。
 それから第二の問題としては、やっぱり臨床の実施の研修ということが必要になってきます。そうすると、実習病院というものとの関係が出てまいりますけれども、その実習病院に指導者の確保と設備施設の確保というようなものも必要になってくるわけですね。その実習が実習病院で行われないと、先生になっても、ぺ−パーだけの知恵では本当の教師としての、教員としての仕事ができないということになろうかと思います。そこで、いまの二点ですね、養成所に特別研究研修の体制をつくっていただきたい。その費用についても考えていただきたい。それから、臨床研究の実習病院に対しての何らかの手だてというものを考えていただきたいと思うんですが、いかがですか。
#208
○政府委員(佐分利輝彦君) OT、PTの養成施設が、それぞれみずから研究施設とかあるいは本格的な実習病院と、そういったものを持つのが将来の構想としては望ましいわけでございますけれども現時点においてはそこまで参りませんので、養成施設に対する運営費の補助金の中でいろいろ研究をしたりあるいは研修を受けたり、また近くの病院に行って臨床やったりと、そういうふうな経費を補助対象として盛り込むような努力をまずしたいと思っております。
  〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕
また、実際に臨床研修あるいは実習、そういったものをやります病院の整備につきましては、すでに四十八年から計画を持っておりまして、全国で三百七十九施設の整備を図るという計画を進めているわけでございますが、これも一時地方財政、関係団体の財政難等がございまして計画が遅延いたしまして、ほぼ半分程度しか計画が進んでおりませんが、そういった場合には、国は建物、設備に対して補助金を交付しているわけでございます。
#209
○小笠原貞子君 ぜひそれが充実していかなければ、いつまでたっても教員の養成ということばできないわけですから、もうぜひそれに力を入れていただきたいと切に重ねて申し上げたいと思います。
 で、具体的にお伺いしますけれども、北海道でも道立衛生短大というものを考えておりまして、四十八年以来OT、PT養成施設設置調査委員会をつくって努力しております。これも四年制大学というような意見もございますが、とりあえず三年制として発足させたいというようなことでいま準備が進んでおります。で、文部省おいでいただいていると思いますけれども、認可の見通しはどういうふうに持っていらっしゃるか。それから厚生省としても、これは文部省だけの問題ではなくて、やっぱり必要なOT、PTの養成でございますので、こういう具体的につくりたいという北海道衛生短大というような問題についてどう評価していただけるか、そしてそれについて厚生省としても、こういうふうに力をかしてやりたいというようなお考えがあるかどうか、両方からお答えいただきたいと思います。
#210
○説明員(五十嵐耕一君) お答えいたします。
 北海道の札幌医科大学に、理学療法学科、作業療法学科及び看護学科の三学科編成から成る北海道立衛生短期大学を将来開学したいという構想について北海道庁から相談を受けております。理学療法士、作業療法士の養成は、これまですべて専修学校などで行われているのが現状でありますが、近年、医学、医療の高度専門化に伴いまして、理学療法士あるいは作業療法士の養成も短期大学で行うべきであると関係方面から要望されているところでございます。短期大学設置に当たりましては、先ほど御議論がございましたように、リハビリテーション関係の教員適格者の確保が肝要でございます。現在、北海道におかれましてその努力を進められておると聞いております。文部省といたしましても必要な助言をしてまいりたいということでございます。
#211
○小笠原貞子君 見通しは、認可の見通しなんというのは。
#212
○説明員(五十嵐耕一君) まだ大学の方から具体的な設置の申請が参っておりませんので、それが出てまいった時点で判断をしたいというふうに思っております。
#213
○政府委員(佐分利輝彦君) 厚生省といたしましても、北海道庁の計画には全面的に賛成でございまして、多分札幌医科大学が親元大学になりましていろいろ御協力をすることになると思うのでございますが、この大学は道立の大学でございますので、国立とは違って厚生省もいろいろ補助金とかあるいは融資の面で御援助ができると思っております。できるだけの応援をいたしたいと思っております。
#214
○小笠原貞子君 OT、PTの養成と同時に、お医者さんがリハビリの知識を持ち、そしてこれを指導するというような、そういうお医者さんになっていただかなければ困ると思うわけです。学術会議で去年の五月の二十三日に、リハビリテーションに関する教育・研究体制についての勧告というものが出ておりまして、大臣もごらんになったかと思いますけれども、ここでたくさん大事なことが書かれております。
 そこで、いま私は医学教育研究の充実についてという点から申し上げますと、こういうふうに指摘されているわけです。つまり「リハビリテーションは治療医学とは別個の後療法的なものではなく、障害の原因の発生と同時、すなわち発病と同時に開始され治療と並行して進められるべきものである。したがって医学的リハビリテーションはあくまでも臨床医学であり、診療の最終的責任は医師にある。」と、だから、リハビリテーションに携わる医師というものは非常に任務が大きいんだというふうに指摘されているわけです。ところが、諸外国に比べまして、現実に非常に必要が叫ばれているリハビリ医学でございますけれども、わが国の大学においてリハビリの講座というものを持っているのは非常に少ないわけです。独立講座を持っているのが独協、川崎医大、産業医大、筑波というような例でございます。外国、たとえばアメリカを見ても、もう半分近くがそういう講座を持っているとか、また独自の必修科目というような形で進めているわけですね。そうしますと、やっぱりこのリハビリ医学というのは、医学部の中の卒業前の教育という段階で非常に大きな必要性というものが考えられなければならないと思うんですけれども、そういう点に対して文部省はどういうふうに考えていらっしゃるか。また、その文部省に対して、厚生省としても、やっぱり大学教育の中で、リハビリ医学というものが総合的な各科にまたがってまいりますから、この点について大事なんだという点でお話し合いを進めていただくというふうにお考えいただきたいと思うわけです。時間が四十二分までですから、簡単にその問題についてお答えいただきたいと思います。
#215
○説明員(五十嵐耕一君) 先生御指摘のとおり、将来の医師となる者に対しましてリハビリテーションの知識、技術を与えることば非常に大事なことだと思います。そういう意味におきまして、近年リハビリテーション医学関係の授業科目を独立して設けて実施している大学が増加しておりまして、現在二十一大学となっております。また近時、先生も御指摘のございましたようなリハビリテーション関係の講座を設けておりますのが四大学ございます。さらに国立大学の研究所、研究施設におきますリハビリテーション関係の研究部門等の設置や、国立大学付属病院におきます理学療法部の設置も逐年進めておるところでございます。このようなことで努力しておりまして、引き続きさらに努力をしてまいりたいというふうに考えております。
#216
○政府委員(佐分利輝彦君) 厚生省といたしましても、初めに大臣が申し上げましたような人口の老齢化、疾病構造の変化、そういったものに対応いたしまして、今後のプライマリーケアではリハビリの知識がどうしても必要ということで、文部省ともいろいろ御相談しているところでございます。厚生省としても、できるだけ文部省の応援をいたしますし、また、みずからも養成とか、あるいは施設の整備に力を入れたいと考えております。
#217
○小笠原貞子君 そういう総合的な教育の中で、やっぱりリハビリの重要性というものを位置づけて医師の養成というものもぜひ考えていただきたいと、重ねてお願いをするわけです。
 時間がなくてあれですけど、いままで伺った段階で、やっぱりリハビリは必要だとおっしゃりながら、いまだに総合的計画が具体化されていないという点から見ますと、非常に私は怠慢だと、ずさんだと思わないわけにはいかないわけなんです。そういう計画を積極的におつくりになるということを伺ったので、一歩前進だと思うわけなんですけれども、それを前進させていただくと一緒に、やっぱり国としてもこういうリハビリセンターというものをきちっと位置づけていただきたい。先ほどおっしゃいましたように、所沢市で五十四年からオープンになるという計画がございますね、大変遅かったけれども結構だと思います。ぜひこれは充実さしていただきたいと思うのですけれども、伺うところによりますと、ここは身体障害者というものが主になりまして、脳卒中とかいうような問題までは手が回り切れないということですね。私はきょう一般的な問題と同時に、特に老齢化社会の中でこの脳卒中なんというものが非常に多くなってきているということですから、だから所沢、結構です。一生懸命充実さしていただきたい。しかし、この老齢化はもう目の先に見えているわけですから、これについてのリハビリという問題ですね、国の責任で総合的な、指導的な研究指導体制がとれるというものについても位置づけてぜひ考えていただきたいということが第一点でございます。
 それから、時間がないから続けてお答えをいただきたいと思うわけですけれども、たとえばいろいろ厚生省の中でも担当課が違ってくるわけですね、だから受ける方は本人の問題だけれどもそれぞれの課で違ってきているわけです。たとえば保険点数、それから大学教育、教育関係になると文部省、それからまた、きょう時間がなくて言えませんでしたけれども、AT、STの問題がありますし、それから医師の国家試験、医学研究への助成というように、具体的に総合的に一体どこが中心になってどういうふうに進めていくかという問題が、大変具体的になると細分化されて困難になってきているわけですね。そういう立場から、総合的にリハビリを推進するための研究会、プロジェクトチームというようなものを総合的に考えていただきたいというふうに思いますが、その点についてはどう考えていらっしゃるか、伺いたいと思います。
 それから、もう一つまた続けてお伺いいたしますけれども、保険問題がいま大きな問題になって、金をどこから出すかということが中心的な問題になってきますけれども、老人問題のリハビリ関係で老人懇でも出されています。しかし、リハビリ専門家というものが老人懇の中にはいらっしゃらないというような関係かと思いますけれども、非常に出されている問題は抽象的で、重要だということだけは指摘されているわけですね、そういう点から、老人懇が重要だと指摘するのであれば、やっぱりこれをもうちょっと具体化するために総合的な研究体制というものが必要だと思いますので、その辺についてどういうふうに具体的に考え方を進めようとなさるか、お伺いしたいと思います。
#218
○政府委員(佐分利輝彦君) まず第一の御質問は、身障者のリハビリに比べて、医学的リハビリテーションの施策がおくれているじゃないかという御質問だと思うのでございますが、これにつきましては、たとえば循環器疾患、脳卒中とか、心臓病の場合には、大阪につくりました循環器病センターがリハビリの実践もいたしますし、研究もいたします。また、精神障害につきましては、公衆衛生局所管でございますけれども精神衛生研究所がすでに長年やってきているところでございます。
 そのほか、小児医療センターも近く完成いたしますので、子供さんのこの場合は、リハビリでなく、ハビリテーションと言うべきかと思いますが、そういったことも実践研究をやらせたいと考えております。
 また、実際の患者さんの取り扱いにつきましては、脳卒中を中心にいたしまして、国立療養所のかつての結核病床、こういったものが結核患者の減少によってあいてまいっておりますので、リハビリテーションに大いにどんどん転換をしてまいりたいと考えております。
 そこで第二の、各局各課の連携がよくないではないかという御指摘でございますが、私どもは、これまでも必要に応じてプロジェクトチームをつくって相談をしてきたつもりでございます。かつて十五年前には官房企画室でリハビリテーションのプロジェクトチームをつくるまして、計画を立てて、あのような法律も制定されましたし、いろいろな政策を打ち出されたわけでございますので、今後も必要に応じてそのようなプロジェクトチームをつくって各局間の調整を図ったらどうかと思っております。
 最後に、総合研究の推進でございますが、先ほど申し上げましたように、それぞれの疾病とか障害によって特色がございますので、それぞれの専門施設が研究をし、実践をするという性格が強いものでございますけれども、その総合調整、総合的な研究の推進についても、これまでも四十年代前半から毎年研究費を交付して進めてまいりましたけれども、さらに連絡調整を図りながらリハビリテーションの総合研究の推進にも努めてまいりたいと考えております。
#219
○小笠原貞子君 いろいろとおっしゃいましたけれども、現実にはいままでも進んでこなかったわけですから、だからまた四十七年に私伺ったのとあんまり違わないお答えなんですね、六年たった現在も。だから、また今度そのままでいかれると大変困まりますので、いま必要に応じてプロジェクトチームをつくるというようなことも考えるとおっしゃいましたけれども、いまもう必要なんですね。みんな必要だと言っているし、必要な項目、いろいろしなきゃならないことがあるんですよ。だから、そういう点、ちょっと一番初めに大臣にもお伺いしたいわけ。いまリハビリというのが非常に大事になってきているし、非常に要求されてきているという段階で、いままでみたいな考え方でいますらすらとおっしゃったけれども、そんな簡単におっしゃる問題じゃなくて、もっと具体的に進めていただかなきやならないということを本当に重ねて御検討いただくようにお願いしたいと思います。
 時間がないからやめますけれども、一つの例として、たとえば四十七年に私いろいろ聞きました。その中できょう言えませんでしたけれども、AT、STの問題ですね、これも身分法がないわけですね、御承知のように。OT、PTには身分法があるけれどもST、ATについては身分法がない。これについてどうなんだと私が伺いましたら、当時の医務局長の滝沢さんがこうおっしゃっています。この問題については部会等の検討もかなりしていただいておりますので、私はでき得れば次の通常国会に考えたい、ST、ATを一本にするという意見もございます。四十七年に、次の通常国会にも出したいというくらい検討が進んでいるとおっしゃったんです。四十七年に。ところが、いまだに検討まだまとまらないでしょう、これ。なかなかまとまりませんね、身分法についてだとか、四年制にするとか、三年制でいいとかという問題。だから、こういうのももう六年たっているんですわ。自然に情勢というものが煮詰まってくるのじゃなくて、やっぱり必要だということからその整理、そして意見の調整というのをしていかなきゃならない。ことほどさように何も進んでいないということを私は言いたいわけなんで、きょうはたった一つでしたけれども、総合的にOT、PTの計画をつくると、たった一つなんですわ、いいことは。あとはもうだめですね、いままでと同じみたい。まあしっかり、ぜひ具体的に進めていただくということを重ねてお願いして、大臣もしっかりしていただくことを重ねてお願いして終わりたいと思います。
#220
○下村泰君 文部省の方に伺いますが、体に障害のある学生が大学受験の際、今度はどんな手続をとらなきゃならないのですか、御説明ください。
#221
○説明員(瀧澤博三君) 共通一次学力試験というのが国公立につきまして取り入れられることになりました五十四年度の入試からの問題でございますが、従来と違う点が一つあるわけでございまして、従来でございますと、直接各大学に初めから志願を各志願者が出すということでございまして、その場合に身体に障害のある方につきましては、それぞれの大学で、受け入れられるかられないかというお話をし、受験できるかできないかということがその場で決まったわけでございます。今度、国公立につきましては共通一次試験が実施されるということになりまして、共通一次試験の受験の段階では、各大学とそういう受け入れられるかどうかにつきましての具体的な話がないままに受験をするということになりますと、いざ第二次試験の段階で、各大学に志願したところが受け入れられないということになりますと、むだに共通一次を受けたということにもなりかねない、そういうおそれがございますので、これは共通一次の実施に当たります入試センターにおきましては、共通一次を志願する際に、志望する大学と一応相談の上、受け入れられるかどうかについての相談をして、その結果を願書につけて共通一次の志願をするようにということにしたわけでございます。違った点というのは以上のことかと思います。
#222
○下村泰君 東京都の文京区目白台の筑波大学附属盲学校で、ことしから共通一次試験の実施に伴いまして、志望大学から協議書をもらい、出頭することになったため、全盲の生徒五人と強度の弱視一人の計六人について、志望大学に依頼状を送ったんだそうです。そうしましたら、京大の法学部と一橋大の法学部、お茶の水大教育学部と東京学芸大、ここはオーケーが来た。ところが千葉大人文学部と横浜市立大の文理学部、これは理科系統なんですけれども、ここからはノーという返事が来たんだそうですけれども、これはもちろん新聞の記事によるものですけれども、なぜ国公立大でこういう差別がつくのか。本来ならば、これは厚生大臣もいらっしゃるから本当にお聞きしたいんですが、国の力をもってして、初めてこういう方の希望に沿えるんじゃないかと思うんですよ。これは私立の大学なら万々やむを得ないかもしれない、それこそ福田総理大臣じゃないけれども万万ね、たくさん並べますけれども、そういうこともあり得るでしょう、それは。けれども、国がやっているもの、公立でやっている大学がこういう方たちを受け入れられる体制がつくられなければ、こういう人たちは永久に学ぶことはできない。こんなことはわかり切ったことなんだ。なぜ、こういうような結果になったのか、ちょっと聞かしてください。
#223
○説明員(瀧澤博三君) 身体に障害のある方の受け入れをいたします際には、それなりの大学として適切な配慮をしなければならないわけでございまして、文部省といたしましては、従来から各大学の試験の方法などにつきまして、入学者選抜実施要綱というものを通じて指導しているわけでございますが、その中でもこういう方々に対しての入試における適切な配慮をお願いし、一方で身障者の方々を受け入れるために必要な施設なり設備なり、そういう整備を行うための必要な予算措置なども講じてきて、そういうことで各大学の前向きの配慮を促してきているわけでございます。そういうことで、現在、最近の状況で申しますと、五十二年度におきましては、身体障害者全部を含めますと九百二名の方が五十二年度では入学しているというような状況でございますが、いまお話にございましたように、まだ全部の大学において必ずしもそういう対応ができていないということがあることは大変に残念なことだと思っております。お話しのように、確かに今回共通一次の受験に当たりまして、千葉大学、それから横浜市立大学で受験ができないという態様があったようでございます。これにつきましては、大学の方では受け入れ体制について現在検討を進めているが、五十四年度においては、まだ盲人の学生を受け入れるだけの学内の体制が整っていなかったのでそのような回答をしたというように聞いております。こればいまお話しのように、特に国公立につきましてそういう対応があるということは残念なことだと思っております。今後なお文部省としていろんな機会に、関係の先生方とお話をする機会ございますので、十分に私どもの要望もお伝えし、御検討も願い、それからまた、必要な予算措置などにつきましては今後とも拡充をする方向で努力をして、こういう事態が極力なくなるように十分努めてまいりたいというように思っております。
#224
○下村泰君 いまも申し上げましたとおり、この方は千葉の方の在住の方で、千葉大を受けられますと行くところないらしいんですね。全盲の方なんです。ですから、通学するにも容易なことではない。もし千葉、横浜にけられますると、東大、一橋はとてもおぼつかないと、だから全部あきらめなければならない。しかし、いずれにしても千葉大あるいは横浜市立大に受験をできるだけの望みを持った学力を身につけていながら目の前で門を閉ざされる。これはそんなショックなことないと思いますよ。あなたはどこの学校を出てきたか知らないけれども、あなたはいま栄達コースを通っているんだと思いますけれども、あなただってこういうことは考えられると思うんです。
 この間文部大臣にお会いして、これは正式にお話をしたわけじゃないんですけれども、廊下でちょっとお話をして御意見を伺ってみたんですが、文部大臣は大分一生懸命おやりになってくださるようなお言葉でしたが、あなたの方にはそういうお話来ていますか、それとも検討するとかしないとか、何とかしろとかしないとかというお話来ていますか。
#225
○説明員(瀧澤博三君) もちろん文部大臣からもそういう意向は私ども承っておりますし、それから、これの問題につきましては、従来から私どもとしてできるだけのことは進めてきているつもりでございますが、何にいたしましても、学生の受け入れということにつきましては各大学が自主的に決めるということでございますし、それなりの学内の体制がないとなかなか適切な対応ができないということがあるかと思います。その辺につきまして、若干時間のかかる点もございまして残念な事態もあるわけでございますが、いろんな機会を通じまして、今後とも各大学の検討を促して適切な対応ができますように、これにつきましてはまた予算措置なども絡む問題でございますから、国公私立を通じて必要なことは今後とも拡充をする方向で進めてまいりたいというふうに思っております。
#226
○下村泰君 しかし、こういうことになりますれば、たとえばこういう受け入れ施設をつくるとなれば予算もとれるんじゃないんですか、もっともあなたに言っても無理かもわからぬけれども。といいますのは、来年から今度は身障児者の義務教育――者じゃなくて身障児でしたね、義務教育もこれからやるようになる、厚生大臣。そうなりますると、ますますこういった子供さんたちに前途が開けるような体制になるわけでしょう。その開けるような体制になって、やれやれと親御さんも喜ぶ、本人も喜んでいる目の前でこんなふうに、その目の前で、現実の前でいきなりシャッターをどさんとおろされたら一体どういうことになりますか。天国と地獄の分かれ目にいつも立たされているような雰囲気じゃないかと思うんです。ぼくは。こういう人たちのためにも、ぜひともひとつ文部省は取り計らっていただきたいと思います。
 厚生大臣がいるわけだから余りごまをするわけじゃありませんが、厚生省が一生懸命こういうお体の不自由な方々のためにやって、お子さんから育て上げて、文部省に預けたら文部省が全然だめだったと。こんなことでは恥ずかしいとお思いになりませんか、同じ日本の国でありながら。みっともなくて話にならぬよ。こういうことじゃ。
 それから、私はつくづく思うんですが、この間タクシに乗った。そしたら、そのタクシーの運転手さんが、返還になってから沖繩県から東京へ来て仕事をしている。その運転手さんと話をしてみましたら、アメリカの兵隊さんというのはほとんど金の勘定ができないそうですよ。たとえば十ドル、そこを六ドル、四ドルのおつりをやるのに、あなたはいま六ドルのところを乗ったんだと、だからこれで七ドルである、八ドルである、九ドルである、十ドルだと言って四ドル渡さないと納得しないんだそうですよ。そのくらい物の勘定ができない。ところが、日本は教育国ですわな、いまや。そんな子供さんほとんどないでしょう、普通に育っていれば。そのくらいの国であるにもかかわらず、一方ではこんな実態があるなんというのは、これは厚生大臣もお聞きで恥ずかしいとお思いになりませんか。そうすれば、こういうことを少しでも一日でも早くなくして、こういうことをするんだから予算を出せといえば出さないことはないでしょう。知れてますよ、このくらいの予算は。病院一つ建てるわけじゃないんだから。ですから、どうぞひとつこれからもこういうことに十分に意を体していただきたいと思います。御苦労さんでした。
 厚生省に移らしていただきます。大臣もこの間、局長もこの間スモン病の患者の皆様方のところに訪れたことは先ほど各委員からもお話がございましたし、各先生方の御質問がありましたので、二重になるといけませんからくどくなりますのでやめますが、先ほど大臣、いろいろと委員の先生方とのやりとりをお聞きしていて、厚生省というところは一体何のためにあるのかなと再び私は疑問を持ったんです。と申しますのは、一番簡単な、たとえばスモン病の患者の中に車いすに乗る人が何人で、全盲の人が何人で、寝たきりの人が何人でと、そのくらいの数を把握していないのかという勝又委員のお話がございました。そうしたら、その数はつかんでおりません、つかんでおりませんで終わっちゃっているわけですね。その数は後からそれをちゃんと出してくれと言われた、出しましょうと。私はそういうふうに考えないんですよ。厚生省という役所があってそういう方たちのためにある役所が、じゃなぜこの数がつかめなかったのかと、私はそっちに疑問を持つんです。なぜつかめなかったのか。将棋にたとえれば王様は小沢厚生大臣ですわね。名局長は金、銀、飛車角ですわ。係長は香車かもわかりませんわな、真っすぐぶっ飛んで歩くだけですから。その前に歩がいるわけですね。この歩を使うことによってこのくらいのことは調査できない法は私はないと思うんですが、どうして調べられなかったのか、私はその方が気になるんです。どうですか大臣。
#227
○国務大臣(小沢辰男君) 私も先ほど公衆衛生局長の話を聞いておりまして、まことにどうも訴訟対策に追われて実態の把握は不十分だったんじゃないかと思うんでございまして、それでさっき私は質問を聞きながら、大事な点は帰って指示するようにみんなメモしているんですが、その中の一つにいまの実態調査、ことに手帳交付の御意見がお二人からでございましたので、これは身体障害者手帳とは別個に考える可能性があるのかどうか。これを何か方針を決めるときに、ちょうど全体の把握ができるかなという感じを受けつつ実はメモをしておったところでございまして、本当に申しわけないと思いますが、実際には、ないものはいまのところはないと答えるしか仕方がないわけでございますので、ただ、身体障害者なり患者さんの実態調査をする場合は、非常にいろいろめんどうな問題がございまして、余りはっきりしたくないという方等もあって、いままでこの障害者の調査というのはなかなかうまくいっていないわけでございますが、きょうはもう突然のことで、私もそんなものがないのかなと思っておりましたので、早急にこれから打ち合わせをしてみたいと思っております。どういう原因かもわかりません。
#228
○下村泰君 厚生大臣の苦しいお気持ちはよくわかります。実際私もスモン病の患者の方々と中野薬務局長の交渉の場面にも立ち会いましたけれども、何ですか、理が走るよりは感情が先に走っていて、本当に話し合いができるような状態じゃないところを数々拝見しておりますのであれでございますけれども。それからもう一つ疑問を感じたんですがね、これは大臣のお答えの中にあったんですけれども、スモン病というのが完全治癒の治療というのはできないわけですね、目下のところではできないわけです。これはお答えになっていました。そうしますと、はり、きゅう、マッサージというものが、治療に値しないにしても痛みを忘れさせるということは、私は心の治療をしているんじゃないかと思うんです。そうしますと、これはこれなりに予算がとれるというふうに私は思うんですけれども、先ほど大臣のお答えの中には、こういうことでは予算は組めないというようなお答えだったんです。つまり、完全に治療できるというものならば予算はとれるけれども、そうでないサービス業務的なものは予算が組めないというようなお答えがあったんですが、私の聞き間違いであったでしょうか。
#229
○国務大臣(小沢辰男君) いえ、そういう考えはございません。いまのところ治療法が確立していないので、はり、きゅう、あるいはマッサージについての治療効果についてまだ結論は出ていないわけでございます。ですけれども、おっしゃるように、本当に楽になることが総合的に心身全体としてその患者さんのためには非常になるだろうと思いますので、そういう意味で、私は予算がなくとも本年度予備費でも何でもとれるじゃないかと、やれということで出発をした、こういうことでございます。
#230
○下村泰君 それならば結構でございます。ありがとうございます。
 いつも、お役所の方のいろいろとこういった身体障害者に対する、お心遣いは全然ないわけじゃない、してくださるのは結構なんですけれども、この間も予算委員会でちょっと触れましたけれども、たとえばこういった下肢の状態の悪い方ですね、上肢、腕はそのままで下の方のぐあいの悪い方、こういう方々が自分で自動車を運転する場合に首都高速通行券などを買おうとすると、こういうところで買いなさいと指示されるのが、たとえば交通公社であるとかあるいは道路公団の事務所であるとか、そういう道路公団とか交通公社というところはそういう方は行かれないんですよね。行けるような場所じゃないんです。簡単に。たとえば階段があって上の方へ行ったらと、そこまではとてもじゃない、車いすも使えないというような場所が多くて、場所は指定されていてそれから先の心遣いというのはしてくれてないわけですね。こういうことが多いので、どうぞその人の立場に立っていろいろとひとつ考えていただきたいと思います。
 それでは、スモンの方は重なるといけませんので、先天性四肢障害についてお伺いをいたしますが、先天性の四肢障害児の問題はいつごろから厚生省の方はお気づきでございましょう。この問題はいつごろから出ている問題なんでしょう。
#231
○政府委員(竹内嘉巳君) 先天性四肢障害児の問題というのはいつごろからと申されましても、私どもといたしましては、児童福祉法以前の問題として当然厚生省発足以来こういう問題については対応してこなければならなかったことでもあるし、そういうふうに理解をいたしております。
#232
○下村泰君 たとえばサリドマイド児の実態調査を行った、その行った末にこの問題が出てきたとなると、これは大変ゆゆしき問題なんですけれども、そんなことはないわけですね。
#233
○政府委員(竹内嘉巳君) サリドマイドの影響としての先天性四肢障害、まあアザラシ症児の問題ということについては、それは確かにサリドマイド問題でひとつの脚光を浴びたと申しますか、問題が社会的にも提起されたということは事実でございます。しかしながら、私ども厚生省の児童行政の中では、いわゆる肢体不自由児施設、肢体不自由児問題というものは、サリドマイド問題以前にすでに肢体不自由児施設というのも現に存在いたしておりましたし、その問題について、先天性であるか後天性であるかを問わず肢体不自由の子供というものに対する児童福祉法上の対応施策というのはとってきたものと思っております。
#234
○下村泰君 片っ方、たとえばサリドマイドの場合でも、薬害ということがはっきりして数々の手当を受けられますわね。ところが、この先天性四肢障害児の場合には、サリドマイドと一緒にもちろん認定されませんでした。されませんでしたけれども、いわゆる障害児であることは事実なんです。そうすると、この子たちは何にも手当がないわけでしょう、いまのところ。
#235
○政府委員(竹内嘉巳君) 現在先天性四肢障害児の場合、これは特別児童扶養手当で、障害度に応じまして特別児童扶養手当の支給対象となっておるわけでございます。
#236
○下村泰君 ですから、こういった、つまり薬害から外され、まあ外されたといっても、各専門医の方々が認定されたことなんですから私がどうのこうの言う筋合いのものじゃないかもしれませんけれども、そのときに、認定を受けていながら外されているという感じを受けるわけですね、御本人たちは。しかし外されたにしても、その状態においてはそれほどの変わりはないわけなんですね、サリドマイドのお子さん方とこういうお子さんたちはね。そこに非常にお父さん、お母さん方の焦りもあるし、本人も小さいうちはわかりませんけれども、長ずるに従ってやっぱりいろんな悩みが出てくると思います。
 そこで、日本大学医学部の馬場一雄教授を班長とする先天性四肢障害に関する臨床的研究班というのができたんだそうですか、これはどうなったんですか、いまもうないんですか。
#237
○政府委員(竹内嘉巳君) 児童家庭局の所管の中に、心身障害研究費が本年度で五億一千万円組まれておりまして、その中で先天性四肢障害についての発生原因等についての研究をお願いをいたしておることは事実でございます。
#238
○下村泰君 それから、昭和四十七年に中止になりました先天性四肢欠損症児第一次全国実態調査で、五千五百五十五と、奇妙に五の字が四つ並んでいるんですけれども、四肢障害児数というのが出されているんですけれども、その後、これの資料とか、あるいはこの後の調査結果というのはあるんですか。
#239
○政府委員(竹内嘉巳君) その調査につきましては、サリドマイド児の何と申しますか、被害調査と実は絡みましていろいろ問題も生じまして、必ずしもいま御指摘の範囲内に限定した意味での調査というのはその後は出ておりません。
#240
○下村泰君 そうしますと、いま現在、先天性四肢障害児というものの完全な実数というものは把握していらっしゃらないわけですか。
#241
○政府委員(竹内嘉巳君) 完全な実数というふうに言われますといささか私どもの方も答弁に窮するわけでございますけれども、少なくとも、先ほど申しましたように、特別児童扶養手当ないしは児童福祉法に基づきますところの肢体不自由児施設の収容、ないしは、何と申しますか、俗に言う福祉手当と申しますか、介護手当の支給の対象として児童数というものは掌把をされておりますが、問題は、いま先生が御指摘になられたように、それの分類を先天性四肢障害児という形で限定したものとしての数をということについては、私どもとしてはそういう分類の方式としてとっていない、こういう意味で申し上げたわけでございます。
#242
○下村泰君 これは私もわかるんです。実数というのはなかなかつかみにくいと思います。こういうお子さんをお持ちになったお父さん、お母さんが、中には絶対外へ出したがらない方もいらっしゃる。ぼくらの方としては実際出してくれとお願いをしても、よけいなことをするなとしかられるときもあります。ですからこれはつかみにくいだろうと思います。これはこれといたしましょう。
 私は薬の方は素人でわからないんですけれども、黄体ホルモン、この黄色い体というのは「こうたい」と読むんですか「おうたい」と言うんですか。――「おうたい」ですか。
 この黄体ホルモン剤というのは流産防止に有効であると推定されるとのホルモン剤再評価調査会というのが五十年の六月に結論を出している。厚生省はやはりこういうことの考えそのまま右へならえということなんですか。――いなくなっちゃいましたな。まあいいでしょう、これは。構いません、それじゃ。
 それで私は、ここのところなんですが、もちろん厚生省といえども、薬一つ一つを厚生大臣以下が全部試飲してみて効くとか効かないとか、これは毒薬だなんというわけにいかないんですからね。そうしますと、やはりこういう学会あるいは調査会、委員会、そういったところできちんと発表したものを、それはそのまま信用せにゃいかぬ。ところが、信用した結果がサリドマイドであるとか、あるいはスモンであるとかということが出てくるわけですね。そのほかにも、かぜ薬を飲んでショックで死んだ方も数います。いままで。そうしますと、スモンの場合でも田辺製薬だけなんですね、ウイルス説は。しかもウイルスだと言っているのは、井上さんという先生がいらして、その先生は、ほかの先生方があくまでもこれはキノホルムだよということをやるための実験にも立ち会わない、逃げを打っているというような先生ですな、現状を拝見しますと。そんなような状態でいきますと、私はこういった先天性四肢障害児というものも非常に疑問に見えてくるわけですよ。一体何が原因でこういうお子さんができるのか。これは母親にとっては大変なショックでもあり、こういうことを見聞きしている人たちにとってはなおさらのショックですわね、これから妊娠なさる方は。ですから、こういうことは本当にはっきりしていただかなければならない。そのための研究成果というのはどのくらい進んでいるんですか、いま。
#243
○政府委員(竹内嘉巳君) 私も医師ではございませんので余り医学専門的なことを申し上げるわけにはまいりませんけれども、少なくとも、私どもの行政の所管の中で母子保健という仕事がございます。その中で、一歳半ないしは三歳児の健診の際に、先天性の代謝異常あるいは未熟児問題等を通じまして、こうした先天性の四肢障害その他各種の心身障害の発生に当たっての障害問題についての研究というのを、先ほど申し上げました心身障害研究費というものの中で御検討いただいておるわけであります。その結果、私どもは、少なくともここ十数年の各種の数字を見る限りにおきましては、心身障害児の発生率というのは十数年前に比してかなり低下していることは事実だというふうに理解をしております。また、周産期の死亡率の低下というものも顕著にあらわれてきておるわけでございます。そしてまた、クレチン症その他、十数年前にはほぼ手のっけられなかったものにつきましても、こうした心身障害研究の成果の中から、その予防対策と申しますか、生まれたときにちょうどすぐに、何と申しますか、血液反応を見るというようなことによって、成長に従ってあらわれる各種の心身障害を事前に予防するという措置などもかなり進展していることは事実でございます。そういう意味で、一つ一つ、ではこれはどうか、これはどうかというふうに、一つ一つの問題については私どもも必ずしも満足な御答弁はできませんけれども、しかし、少なくとも、これまで厚生省がとってまいりました母子保健対策なり、あるいは心身障害研究というものの成果は、いろいろな意味の統計数字の中にも、先ほど申しましたように障害児の発生率の低下、あるいは周産期の死亡率の低下等の数字を見る限りにおいてそれなりの成果は上げてきたものというふうに理解はいたしております。
#244
○下村泰君 時間が来ました。
 で、この人たちのために窓口というのがなければならないんですが、どうもこういうお子さんを持っているお母様方に伺いますと、厚生省の方では窓口がはっきりしない。この間サリドマイドの方ははっきりしてきたんですけれども、こういうお子さんの方の窓口がはっきりしないというふうに悩んでいます。このお答えをひとついただきたいのと、もしあれならば厚生大臣の方から、じゃあどこそこへというふうに決めてください。
 それからもう一つは、大臣、この間、駒込の駅でホームから落ちた方を救った幼稚園の先生を表彰なさいました。これは結構なんです。けれども、あんなところへ落ちる――盲人のための設備といいますか、どうぞひとつ、せっかく、さっきも申し上げました、厚生省が一生懸命そういう方たちのことをやって差し上げても、片方の運輸省とか建設省がいいかげんじゃ困るんですよ。この間も言ったんです。私は。縦割り行政はしっかりできておるが横がなっとらぬと。たまたま厚生大臣いらっしゃらなかったから。そういう連絡といいますかね、こうしてくれ、ああしてくれ、ああせい省、こうせい省というくらいですから、どうぞひとつほかの省にも厚生大臣の方からやってください。そうしないと、厚生省が幾ら力を入れたって何の役にも立たないんですから、これはそちらの方でつまらぬことになるんでは。よろしくお願いします。
 それのお答えをいただくのと、それから窓口を先にください。
#245
○政府委員(竹内嘉巳君) 窓口の問題でございますが、先天性四肢障害児を含めまして心身障害児の問題につきましては、一貫いたしまして私ども児童家庭局が窓口になっております。ただ、先ほどのお話は、サリドマイ下という問題に絡むときには薬務局が窓口になる場合もあるということでございまして、そういう場合には、サリドマイドの場合に児童家庭局に来て、いや、それは薬務だということで移られるという場合はもちろんございますけれども、原則的には私どもは心身障害児については児童家庭局がすべて窓口となって対応いたしております。
#246
○国務大臣(小沢辰男君) 盲人の方々のガードに必要ないろいろな駅の施設につきましては、実は運輸、警察、それからわが方も入りましたプロジェクトチームをつくりまして、この前から相当力を入れてやっておりまして、実は駒込はまだできていなかったんですが、たしか一年間で約五十近い駅舎のそういう設備をやりまして、ことしもさらに運輸省の官房の中にそういう係がございますので、そこへも連絡をいたしまして、国鉄も対応を十分にいたしますということになっておりまして、おっしゃるように予防しなければいかぬわけでございますので、これは十分緊密な連絡をとって施設を進めていきたいと、かように考えております。
#247
○下村泰君 ありがとうございました。
#248
○柄谷道一君 最初に、盲導犬育成事業について御質問いたします。
 大臣御承知のように、十月十日、これは目の愛護デーでございますが、盲導犬関係者はあわせて盲導犬デーと、こう言っております。ことしは渋谷のある百貨店で催されたわけでございますが、例年全国から二十頭ぐらいしか参加がないんですけれども、ことしは五十頭を超える、倍以上の参加がございました。私は、これは私が一昨年質問に取り上げまして以来、国鉄の乗車の方法が非常に簡便になったということ、本年四月から運輸省が全国のバスの乗車に対する通達を出した、こういった配慮が実ってきたのではないか。さらに、十一月からの道交法改正の中に盲導犬帯同者に対する特別の配慮が加えられるようになった。関係当局の御努力もさることながら、側面からいろいろお力添えいただきました厚生省に対しましても心から敬意を表したいと思う次第でございます。
 しかし、やはり全国で二百頭足らずというのは余りにも少ない。視覚障害者の数二十五万人と言われておりますけれども、その中の二百頭は本当に微々たるものでございます。そういう点から、積極的なこの盲導犬育成事業というものが必要であろうということはさきにも指摘されたところです。全国で、東京都ほか、県として盲導犬育成事業をやっております自治体は本当に少ないんですね。数県にしかすぎない。やはり国及び自治体が一体となって、第二の目を与える、こういう事業は積極的に育成していかなければならないのではないか、こう私は思っております。
 そこで、今度厚生省の概算要求の中に、初めて新規事業としてこの内容が含まれているわけでございますけれども、簡単にその育成事業の厚生省原案を御披露願いたい。
#249
○政府委員(八木哲夫君) 盲導犬の問題につきましては、本委員会におきましても先生から御指摘いただいたわけでございまして、確かに視覚障害者にとりまして、社会活動なり社会復帰の上で一つの大きな手段でございますので、先生御指摘のように、この事業を育成するというのは一つの方向ではないかというようなことから、従来身障者に対します福祉活動の分野につきまして、いろいろな地域等によりまして事業があるわけでございます。
 そこで、現在におきましてはメニュー化の形で十三事業というものの範囲をしぼりまして、この範囲内の問題につきましては助成を行うというような措置を講じているわけでございますけれども、御指摘ございました盲導犬の重要性ということにかんがみまして、来年度の予算要求の中では、この十三事業の事業の範囲を広げまして、その中に盲導犬の育成事業を加えるというようなことで、全体がメニュー方式でございますので、各地域において行われます地域福祉活動の事業費を増額しますとともに、事業の範囲を広げるということで対処いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#250
○柄谷道一君 私の聞き及ぶところによりますと、県として、自治体として育成事業に対する拠出を行っているところに対して、国が二分の一、自治体が二分の一、一件当たり百五十万、これは金額としては微々たるものでございますが、そういう助成を行うやに伺っているわけですが、これは大臣、財政状態、非常にこう御承知のような現状でございますから、大蔵省段階で新規事業というものに対しては相当の抵抗があると、こう思うんです。しかし私は、視覚障害者のためにもやはり光を与える、これは大切なことでございますから、ぜひ大臣の責任において、いま局長の申されましたようなことを実現さしてもらいたい、こう強く希望いたしておるのでございますが、大臣の御決意をお伺いします。
#251
○国務大臣(小沢辰男君) 大した金でもございませんから、まあひとつ何とか私とりたいと思います。
#252
○柄谷道一君 ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、国立光明寮の所沢移転の問題について御質問をいたしたいと思います。
 聞くところによりますと、昭和五十四年の秋、国立リハビリテーションセンターを所沢に設置をする、開設をして移転をする、こういうことを聞いておるわけです。その収容人員は四百八十名程度で、国立視力障害センター、聴害センター、身障者のセンター、この三つを合体するというふうに聞いておるわけですが、この収容人員の中で、何といっても一番多いのは二百八十人に及ぶ視力障害者でございます。五十四年度予算請求だけで百六億強でございますけれども、私はその国立リハビリテーションセンターの中における視力障害者の問題について以下若干の質問をいたしたいと思います。
 まず、治療実習体制確立の問題についてでございます。現在、杉並区の梅里にありますセンターにおきましては、入所者の治療を受けに来る一般の方々、いわゆるはり、マッサージですね、この患者の数は五十二年度で二千七百余人。治療する生徒の数が百三十人でございますから、一人平均の年間扱います治療する患者の数は約二十人ということになるわけでございます。しかし、この治療実習ということは入所者にとりましてきわめて重要な問題でございます。すなわち臨床実習による訓練というものが、晴眼者が非常に進出していると、こういう状態の分野の中で新しく開業していくためには、これは絶対必要な条件であろうと、こう思うのでございます。しかし、現在移転を予定されております所沢の同業者組合が、センターでこのような治療実習の患者をとるということに対して反対であるという運動を展開しているやに伺います。その実態はどうでございますか。
#253
○政府委員(八木哲夫君) 先生御指摘のように、身障者福祉の充実という面から、かねてから関係審議会等の御意見等もございますし、確かにおくれている分野であるというようなことから、国立のリハセンターを来年度オープンしたいということで逐次いままで作業が進んでいるところでございます。施設の整備等につきましても行われているところでございます。そこでその際に、東京で、御指摘ございました在京の三施設が統合化されるわけでございますが、その中で、御質問ございました杉並の国立光明寮――視力障害センターの問題でございますけれども、当然三施設が統合するということになりますと、ここも有力な一つになるわけでございますけれども、その際に、お話ございましたような特に視力障害の方におきましての今後の職業の面等からも考えますと、はり、きゅうの問題等につきまして、当然実習の問題というのが重要なことであるわけでございます。そこで、私どもといたしましても、来年移転するに当たりまして、地元の関係の業界の代表の方とも、視力センターの職員が幹部ともいろいろお話をしているというような状況でございまして、確かに、地元の業界に影響を及ぼすということになりますと、地元に対してもいろいろ迷惑がかかる。一方、実習ということは大切なことでございますので、十分関係者との話し合いというものも進めますとともに、実習が可能な方法につきまして、来年の移転までの間に、うまい何らかの打開策というものを考えていきたいということで、鋭意努力いたしているところでございます。
#254
○柄谷道一君 公立、私立とも、法律上の義務は課せられていないわけですけれども、あんま、はり、きゅう、いわゆる三療を教える専門学校を設置する場合は、地元業者の承諾を事前にとるというのが慣例になっているやに聞いております。いまの局長の御答弁では、まだその承諾というものがとられていない、今後円満に問題が解決するように努力したいという答弁と受けとめました。私はもちろん、既存の地元業者というものを圧迫してはならないことは、これは当然でございますけれども、しかし、ここに入所している方々が、卒業後生計を立てていく、そのためには治療実習というものは、これはきわめて必要なことでございますし、端的に申しますなら、死活の問題と言っても過言ではないと思うわけでございます。そこで、確認したいんですけれども、移転をして、そして治療実習ができないと、まだ十分に地元の了解がとられていないという場合に、一方だけが見切り発車するということはありませんね。責任を持って、移転後引き続いて現在と同じような治療実習が行えるという体制をまずつくると、そこに力点があると理解してよろしゅうございますか。
#255
○政府委員(八木哲夫君) 先生御指摘のように、確かに実習の問題は、将来の生計という面から見まして死活の問題でありますとともに、リハセンターにおきます職能訓練なりあるいは生活訓練の面から申しましても、実習を欠きましてはこれは十分な目的というものが達せられないわけでございます。そういう意味におきまして、私ども来年の夏の移転というものを考えておりますし、当然地元の業界というものとの話し合いというものも十分詰めなければいけないと思います。ただ、基本的に地元の業界にできるだけ御迷惑をかけないということも考えなければならぬと思いますし、そういう意味で、何らかの形で実習ができるということにつきましてさらに努力をいたしたいというふうに考えておりますし、私ども、地元の業界との関係がございますけれども、いろいろ今後とも話し合いを詰めますとともに、さらに地元にもできるだけ御迷惑のかからない方法というものもいろいろ考えられるんじゃないかということで、いろいろ知恵を出していかにゃいかぬのじゃないかということで、いずれにいたしましても、実習というのは非常にもう必要不可欠の問題でございますから、実習が必ず行われるようにいたしたいというふうに考えております。
 なお、施設の問題につきまして、すでに三年ほどかけまして約九十億ぐらいの一般会計、特特会計合わせまして支出が行われておりまして、現在、本館でございます管理棟あるいは訓練棟、宿泊棟等も相当なものが整備されておりますし、現在の施設というものが非常に老朽でございますし、狭隘でございますし、そういう面からもぜひ来年の移転ということは考えたいというふうに思っている次第でございます。
#256
○柄谷道一君 これは国立の施設でございますから、いまの問題が解決しませんと機能が十分発揮できないわけですね。これは本省としても出先に任せるというんじゃなくて、これはやはり積極的に大臣乗り出していただきまして、入所者にいささかの不安も与えないように、これは万全の対策をぜひとっていただきたい。
 次に、センターにおける病院の眼科の設置の問題についてお伺いいたします。私の調べたところによりますと、現在梅里のセンターで治療通院を必要としております数は、事務的に届け出た人だけで五十一年度千六百三十一人、五十二年度では千五百十人、これが訓練を受けながら通院治療しているわけですね。このうち大体三百二十ないし三十名は眼科でございます。私聞くところによると、五十三年度の現在時点で常時通院を必要とする人は三十六人いると、このように聞いておるわけでございます。私は、このセンターは単なる平行移転であってはならない。センターと名がつく以上、いわゆる研究部門、それから養成部門、病院、そしてリハビリテーションという四本柱が総合的に機能するという施設で当然あるべきだと思うし、また、厚生省の計画もそのようであると承知しておるわけです。しかし、現在のこの通院の実態というものを考えますと、そこに設置される病院というものは、現在の通院の統計というものをながめますと、当然眼科というものがここに設置されてしかるべきであろう。いわゆる治療を受けつつリハビリを受ける、こういう一貫性のあるセンターでなければその意義を果たし得ないと、こう思うわけでございます。
 私は、そこでお伺いするのですけれども、話を聞きますと、五十四年度に移設をするんですけれども、病院ができて眼科が設置されるのは五十五年だというふうに聞ているんですね。一年間のブランクがある、あいてしまうわけです。これは非常に入所者にとって大きな問題であり、大きな不安を与えることになると思うのでございますが、どのように対処されようとしておりますか。
#257
○政府委員(八木哲夫君) 先生から御指摘いただきましたように、私ども国立のリハセンターにおきましては、四本柱ということで、もちろん総合的なリハの実施のほかに、研究開発なり、あるいは専任職員の養成なり、研修部門あるいは研究部門、さらに情報収集というような問題、四本柱というものを基礎にいたしましてりっぱな施設のものに育て上げたいということを考えている次第でございます。そういうような意味で、逐次、多額の国費が必要でございますので、段階的に実施をするというようなことから、先ほどもちょっと触れましたように、現在できておりますのは本館なり、あるいは訓練なり、宿泊棟、さらに講堂、体育館というものにかかっておるわけでございまして、病院の方につきましても五十四年度を目途ということで病院の整備を行われるということでございます。したがいまして、いずれにいたしましても、総合的なリハの実施ということを行いますために病院が必要でございますので、施設が整備できて、病院としまして完全に機能が動き得るというような状態になりました場合には、当然専門の眼科を設ける予定でございます。それまでの間におきましては、現在も嘱託の先生にお願いしておりますので、そういうような意味で専任の病院ができます間は嘱託の先生にお願いせざるを得ないということでございます。しかし、病院ができました場合には専任の眼科を持ちたいというふうに考えております。
#258
○柄谷道一君 いま局長言われましたように、現在の梅里のセンターは順天堂大病院の嘱託医が来ておられますけれども、これは二ヵ月に一回程度でございます。むしろ治療というよりも検診が主であるというふうに聞いているのですね。そこで、いまそのような嘱託制度が不十分だから通院しているわけです。今度は、いま局長が言われましたように、従来のような嘱託制度であれば、いわゆる治療を受けながら、そしてリハビリを受ける、こういう体制が不十分であるということをこれは意味しているわけです。だから、やはり私は、このセンターの移設ということになりますと、当然移転をしてリハビリが始まるという時期には、それと二者不離一体である病院も同様の機能を発揮する、そういう体制というものがないと、私は一時期非常に大きな問題を惹起するのではないか、このように思いますが、そういう配慮を大臣していただけますでしょうか。
#259
○政府委員(八木哲夫君) 確かに先生御指摘のように、望ましい姿としましては、眼科が設けられるということが必要であるわけでございます。したがいまして、私どもも国立のリハセンターのあり方としてはもう当然それを志向しているわけでございます。ただいずれにしましても、施設の整備につきましては相当巨額の経費がかかるわけでございます。そういう意味で、まず段階的に管理部門、訓練部門、宿泊部門ということでいきまして、病院もすでに取りかかっているわけでございます。しかも、五十四年には病院も整備したい、五十五年には病院も整備できるということでございますので、経過的な期間だけでございますので、将来の目標としましては、当然先生御指摘のような方向でいくという方向でいるわけでございます。と申しまして、現在やはり専任の眼科を設けるということになりますと、それだけの施設設備というものが必要でございますので、それは現在進んでいる最中でございますので、その点御了承いただきたいと思います。
#260
○柄谷道一君 並行してやるけれども、一時経過的な期間が生ずる、こういうことですね。
 で、現在入所者の方が一番不安に思っているのは、その経過期間中にどうなるのだろうという不安でございます。これは時間の制限もありますので十分尽くし得ませんけれども、私はやはり同時発足というものを原則にして、その間仮に経過的な期間が必要であるとするならば、従来のような嘱託制度ではこれは意味をなさないわけですから、これにかかわるべき方法というものを十分に検討されて、入所者の不安のないような処置をいたしたい。具体的な今後の進展に応じてまた個別には御相談申し上げたいと思いますけれども、その要望に対する大臣の所見をお伺いしたいと思います。
#261
○国務大臣(小沢辰男君) 国立の西埼玉病院というのがあるのです。あそこに、近くではありませんけれども。しかし、これは十分連携してやりますから、一年間の間はその体制に、何と言いますか、不便をかけないような、いままで、何かたまに嘱託医が行くようなことでないような措置をとります。
#262
○柄谷道一君 そこまでこれ相当距離があるわけですから、たとえば通院に対する便宜の供与その他挙げればいろいろの方法があると思いますから、その点は追って詰めることによって解決をぜひお願いをいたしたいと思います。
 次に、重症者の入所拒否の問題でございます。従来、五十三年度はベーチェット病六人、高血圧四人、糖尿病二人、これらの方々は入所を希望したけれどもその入所が断られております。特に眼科通院の半分以上を占める難病ベーチェット病の場合は、数年前から進行性の重度の人々が排除されるというような傾向にあるのではないか、このようにもとれるわけでございます。私は、もしここ数年のそうした傾向が、所沢移転準備のためにそういう現象が起きているということであるとすれば、これは非常に問題でございますし、さらに今回の国立リハビリテーション設立の目的というものを考えると、重症者の入所拒否という問題はきわめて重要な問題になってくると、こう思うわけでございます。私は、特に目が見えなくなるという絶望的な困難と闘っている人々を考えれば、進行中というその時期にこそ治療と訓練というものを同時に行い、将来への希望を与える、それがあるべき姿であろうと、こう思うのでございます。今後国立リハビリテーションセンターができました場合は、そういう進行中のべーチェット病患者なども、これは入所の拒否はありませんね。むしろそういう方は積極的に入っていただくことによって治療と訓練を並行する、こういう考えで臨まれるものと理解しておるんですが、その点は結構でございますか。
#263
○政府委員(八木哲夫君) 先生御指摘のように、いままでべーチェット病等の障害者につきまして、現に症状が固定しておらないとか、あるいは医学管理を必要とするという面で、症状が安定するまで入所をおくらしておったというような事例はあったわけでございます。現在でもベーチェットの患者の方二十七人入っておられますので、ただそういうような症状の固定なり、あるいは症状が安定するという面からおくれておったということがございました。しかし、御指摘のように、今後、国立のリハセンターというものが動き出した場合には、本来リハセンターの目的というものが医学から一貫しました訓練なりを行うということが目的でございますので、しかも病院ができますれば一層完備するわけでございますし、さらに病院ができるまでの間におきましても、身障センターなり、あるいは聴力言語センター等におきまして専任のお医者さんもおりますから、病院ができますればもう完全でございますけれども、それまでの間におきましても、従来以上に医療体制が整備されるんではないか、病院が完全にできました場合はもう御指摘のようなことはないというように考えております。
#264
○柄谷道一君 ぜひ私はそういう症状が進行中の者も含めてこのセンターが機能する、そういう姿にしていただきたいと強く希望いたしておきます。
 次に、新センターにおけるボランティアの問題についてお伺いいたしたいと思います。
 現在、梅里におきましては八十一人のボランタリアがいると聞いております。その他の二つの施設も同じようなボランタリアがいるわけでございます。これらの方々は、リーディングサービスとか、カナタイプの指導とか、各クラブ活動の指導、さらに通院時における付き添い、こういったことをこの杉並区一帯のボランタリアが積極的に御協力されておる、まことに私はりっぱなことだと思いますし、またそれが入所者にとりましては大きな希望になっておるわけでございます。ところが、今度新規の場所に移るわけですね。当然私はこの所沢移転の以前に、十分にその所沢の地元とも事前に話し合いまして、また必要であれば事前にボランタリアの養成訓練等も行いまして、これらの活動というものが低下することがないような特段の配慮が必要であろう、こう思うんでございますが、いかがですか。
#265
○政府委員(八木哲夫君) 光明寮だけではございませんで、ほかの二施設につきましても、現在非常にありがたいことでございますけれども、ボランティアの方々のいろんな意味の御協力を賜っているわけでございます。当然、国立のセンターが所沢へ移転するということになりますと、地元の方々の御協力をいろんな意味で仰がなければいけないということが多々あると思います。そういう意味で、市当局なりあるいは社協の関係者なり、ボランティアの活動という面の促進という面で、すでにいろんな面の話し合いを現在始めているという段階でございまして、先生御指摘の問題等につきましては十分努力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#266
○柄谷道一君 続きまして、新センターにおける交通安全の問題についてお伺いしたいと思います。
 ただいまも下村委員の方から駅における事故の問題が指摘されたわけでございますけれども、私はセンターの乗車駅になります新所沢駅、これはバイパスの開通予定になっている地域でございます。しかも、最近の新聞紙上の報道によれば、プロ野球「西武」の球団の野球場もそこにできる。したがって、今後相当の交通量の増加が見込まれる地域であろうと、こう思うわけでございます。そこに大ぜいの、視覚障害者を含めて四百八十名もの方々がこの駅を中心に行動されるわけでございますね。したがって、私は駅のたとえばスロープの問題、道路の点字ブロックの問題、ガードレール設置の問題、盲人用信号機の設置の問題など、やはり国立リハビリテーションセンターが所沢に移転するということを契機として、特にこの交通安全対策というものは整備を急がなければならない問題ではないか、こう思うのでございます。それらに対する対策の現況と方針についてお伺いいたしたい。
#267
○政府委員(八木哲夫君) 交通安全の問題は確かに非常に重要なことでございまして、私どももこの点につきましては十分配慮していかなければならないのではないかというふうに考えているところでございます。「西武」の野球場はどうやら狭山湖駅で、直接新所沢駅とは関係がないようでございますけれども、ただ、いずれにいたしましても、野球場もできるというようなことになりますと、交通量等につきましても相当影響があるんじゃないかということもございますし、市当局なり、あるいはかねてからも交通関係の方面ともいろいろ協力方を要請しているところでございまして、さらに今後十分対策というものにつきまして話し合いを行ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#268
○柄谷道一君 大臣、私は時間の関係で数点しか指摘できなかったわけでございますけれども、やはり所沢に身障者の方々のための総合したリハビリテーションセンターをつくる、これはまことに結構なことでございますけれども、ただ施設をつくればいいんだという問題ではないんですね。いま言いましたように、交通安全の問題しかり、実習の体制の問題しかり、幾つかの問題があるわけでございます。やはり私は身障者対策というものについては、その施設移転、施設がりっぱになる、これは結構なことでございますけれども、それに伴う万般のきめの細かな配慮というものがなければ、仏つくって魂入れずという結果に終わると思うのでございます。その他、たとえばはり、きゅう、マッサージの検定時期と、この学校開設の時期が一体どのように影響し合うのか、こういう配慮も当然加えなければなりません。私は、入所者の方々からも、大臣のところへも行っていると思いますけれども、非常に切々たる移転に関する要望というのが出されているわけでございます。時間の関係できょうは本当にしぼりましたけれども、こういった諸般の問題について、大臣ひとつ十分の配慮を加えていただいて、いささかも現在の入所者に不安を与えることなく、また今後もこのセンターに入ってくる人が、やはり身体障害の大きな障害を越えて、希望を持ってそこで治療し、かつ訓練も受けられる、こういう運営というものが当然あって私はしかるべきである、それが本当の厚生行政というものではないだろうかと、こう思うのでございます。大臣の総括した御所見をお伺いいたします。
#269
○国務大臣(小沢辰男君) おっしゃるとおりでございますから、万般の措置を講じていきますので、ひとつ行政当局を御信頼くださいまして御安心いただきたいと思います。
#270
○柄谷道一君 御信頼願えるような対策をとっていただけるものと信じますけれども、今後も十分監視をいたしますから、及ばざる点はまた引き続いて指摘し続けたいと思います。
 次に、私はアルコール中毒問題について取り上げたいと思っておったんですが、残る時間が六分しかございません。はなはだ残念でございますが、私は、アメリカではアル中患者が一千万人、そのうち三人に一人は女性である、こう言われております。きょうは厚生省に御質問する予定でございましたが、こっちに資料がございますので……。
 五十一年度の大量飲酒者の数は百五十四万、アルコール精神病は二千二百、アルコール中毒症が一万四千五百、肝硬変患者数が八万四千七百名。これは昭和四十三年と対比いたしますと、肝硬変患者は実に二五九・八%、いわゆる二倍半にふえているわけですね。アルコール精神病も一二七・九、アルコール中毒症も一一一・五%と非常に累増いたしております。しかも、ここでは百五十四万人と書いてあるんですけれども、別の久里浜式アルコール症スクリーニングテストというものによるある博士の分析では、二百十万人のアルコール中毒者がいまあるのではないか、こういう指摘もございます。また、アルコール中毒症とは一体何かという定義もまだ十分ではございませんし、たびたび他の委員から指摘されておりますように、その実数もまだ把握されていない、これが現状でございます。
 せっかく警察庁から来ていただきましたが、これもお伺いしますと、飲酒運転による事故件数は把握しておりますけれども、一般犯罪におけるアルコール中毒症、中毒患者が引き起こした犯罪の実態というのはまだつかめていない、こういう実態なんですね。しかも、これはおもしろい研究でございますが、前田信雄博士が「アルコール中毒予防の経済学」という本を出しておられますけれども、それによりますと、何とアルコールによる全体の損失は二千六百億円に達している、こういう論文を出しておられます。これに対するわが国の対策予防費、きわめて微々たるものでございます。
 そこで、一つだけの質問に、せっかく警察庁に来ていただいたんで申しわけないんですが、しぼりたいと思いますが、前田博士は最後にこう言っておられます。「「予防」体系を現実化するためには、ひとり厚生省だけでなく、文部省や大蔵省あるいは法務省などとの共同事業が絶対不可欠であるということである。ところが現実には、厚生省のなかにすら、総合的に対策を計画するセクションはない。米国は、事態の深刻さに遅ればせながら気がついて一九七〇年、国立アルコール中毒研究所を新設して、行政部局への理論や施策提示に努力してきている。日本は今から総合的調査研究に手をつけても遅くはない。ヨーロッパ諸国のように、アル中問題が公衆衛生の最大問題になってからでは遅い。」と、こう指摘されているわけでございます。時間の関係で非常にはしょりましたけれども、この問題に対する大臣の御所見と決意というものをお伺いをいたしまして私の質問を終わり、細部は追っての機会に譲りたいと思います。
#271
○国務大臣(小沢辰男君) 確かに、毎年の傾向を見ますと、日本もこのアルコール中毒またはアルコール中毒患者予備軍と称する数が非常にふえつつございますので、十分対策について考えておかなければならぬと思っております。そこで、厚生省としては、酒害予防の思想の普及あるいはアルコール中毒臨床医の技術研修、アルコール中毒者の社会復帰、再発防止等をいろいろやっておられます民間団体に対する助成あるいは中毒の研究、これらの施策を充実していく必要があると思います。ただ、いまのところは確かに非常におくれておるわけでございますので、今後十分、主として公衆衛生局を中心にいたしまして、また関係各省が警察、教育、労働関係あるいは大蔵関係もございますので、幅広く呼びかけましてこの対策に取り組んでいかなければならないと考えておりますので、十分ひとつ今後われわれも真剣に積極的に取り組んでまいりたいと思います。ただ、この百五十四万という数字の中には、ウイスキー、ダブルで五杯程度の人が入るわけでございますから、これはわれわれもそれぐらいのものは、まあ毎日ではありませんけれどもございます。まあわりにそういう機会が多いわけでございますから、累積しますとどうもそれぐらいになりそうな傾向がございますので、この百五十四万全部がその対象とは私ども考えておりません。各県で、酒害予防運動を民間団体でおやりになるのがどんどんふえてきております。やっぱりできるだけこの酒害予防思想というものを徹底をいたしまして、まず予防することから始めていかなきゃいかぬだろうと、それが大事だろうと思うんです。いずれにしましても、私どもとしては国民の健康を阻害したり、あるいは精神的にも非常な、あるいはそれがひいてはいろんな家庭の問題にも及んでまいりますから、関係方面と連絡をとりつつ積極的にひとつ対策に取り組んでまいります。
#272
○委員長(対馬孝且君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十七分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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