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1978/10/19 第85回国会 参議院 参議院会議録情報 第085回国会 社会労働委員会 第2号
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1978/10/19 第85回国会 参議院

参議院会議録情報 第085回国会 社会労働委員会 第2号

#1
第085回国会 社会労働委員会 第2号
昭和五十三年十月十九日(木曜日)
   午前十時五分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 十月十七日
    辞任         補欠選任
     勝又 武一君     高杉 廸忠君
 十月十八日
    辞任         補欠選任
     三善 信二君     玉置 和郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         対馬 孝且君
    理 事
                遠藤 政夫君
                佐々木 満君
                片山 甚市君
                小平 芳平君
    委 員
                浅野  拡君
                石本  茂君
                上原 正吉君
                亀長 友義君
                斎藤 十朗君
                玉置 和郎君
                福島 茂夫君
                森下  泰君
                高杉 廸忠君
                広田 幸一君
                安恒 良一君
                渡部 通子君
                小笠原貞子君
                柄谷 道一君
                下村  泰君
   国務大臣
       労 働 大 臣  藤井 勝志君
   政府委員
       厚生大臣官房審
       議官       吉村  仁君
       厚生省保険局長  石野 清治君
       中小企業庁計画
       部長       若杉 和夫君
       労働大臣官房長  関  英夫君
       労働大臣官房審
       議官       谷口 隆志君
       労働省労政局長  桑原 敬一君
       労働省労働基準
       局長       岩崎 隆造君
       労働省職業安定
       局長       細野  正君
       労働省職業訓練
       局長       石井 甲二君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        今藤 省三君
   説明員
       社会保険庁医療
       保険部船員保険
       課長       岡光 序治君
       海上保安庁経理
       補給部経理課長  堀木 常雄君
       労働省労働基準
       局監督課長    小粥 義朗君
       労働省職業安定
       局雇用保険課長  川上 忠憲君
       自治大臣官房企
       画室長      金子 憲五君
       自治省財政局調
       整室長      井上 孝男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定不況地域離職者臨時措置法案(内閣提出、
 衆議院送付)
○国立腎センター設立に関する請願(第二五号外
 一五件)
○療術の制度化阻止及び違法行為取締り強化に関
 する請願(第二六号外六五件)
○国民健康保険組合療養給付費補助金の増率等に
 関する請願(第三二号外三二件)
○療術の制度化阻止に関する請願(第三三号外二
 九件)
○百歳長寿者に特別手当支給に関する請願(第五
 一号六件)
○環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律
 の一部改正反対に関する請願(第五二号外六三
 件)
○難病対策の充実に関する請願(第一〇四号)
○医療と福祉の充実に関する請願(第一五四号)
○心身障害者の共同作業所助成等に関する請願
 (第一五五号外六件)
○医療保険制度の抜本改悪反対等に関する請願
 (第一五六号)
○重度戦傷病者と家族の援護に関する請願(第一
 九七号外一件)
○元満州開拓団及び青少年義勇隊の終戦犠牲者遺
 骨収集等に関する請願(第一九八号外三件)
○医療保険制度と建設国民健康保険組合の改善に
 関する請願(第二四三号外三六件)
○雇用・失業対策の確立等に関する請願(第二五
 九号外一二件)
○医療保険制度改善に関する請願(第二八二号外
 一六件)
○旧軍人の服役年数を厚生年金・国民年金等に加
 算することに関する請願(第三六一号)
○国民健康保険制度改正に関する請願(第三六四
 号外二三件)
○医療保険制度の大改悪反対等に関する請願(第
 五九八号外一五七件)
○老齢者医療保障制度の抜本改革に関する請願
 (第六四〇号)
○国の保育予算の大幅増額等に関する請願(第七
 四一号外二八件)
○老齢福祉年金の年齢段階別支給に関する請願
 (第七四二号外三件)
○老人医療費の有料化反対等に関する請願(第九
 七八号)
○療術単独立法阻止に関する請願(第一〇四九
 号)
○戦時災害援護法制定等に関する請願(第一一〇
 三号)
○元韓国出身戦犯者の国家補償及び刑死者の遺骨
 送還に関する請願(第一一八〇号外二件)
○南九州中核医療センター建設に際し総合腎セン
 ター設置に関する請願(第一二三三号)
○健康保険法改正案及び老人医療有料化反対に関
 する請願(第一二三八号外二件)
○療術制度化反対に関する請願(第一二九七号)
○健保改悪阻止・医療保険制度の改善に関する請
 願(第一三二六号外一件)
○療術の制度化に関する請願(第一三三三号外一
 件)
○保育事業振興に関する請願(第一四六二号)
○全日本鍼灸マッサージ師会の法人認可に関する
 請願(第一四九〇号外二一件)
○心身障害者の雇用促進に関する請願(第一四九
 九号)
○父子家庭の福祉対策の確立に関する請願(第一
 五四一号外一件)
○慢性腎炎及びネフローゼ症候群対策に関する請
 願(第一五四二号外一件)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告をいたします。
 去る十月十七日、勝又武一君が委員を辞任され、その補欠として高杉廸忠君が選任をされました。
 また、昨十八日、三善信二君が委員を辞任され、その補欠として玉置和郎君が選任をされました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(対馬孝且君) 特定不況地域離職者臨時措置法案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤井労働大臣。
#4
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま議題となりました特定不況地域離職者臨時措置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 わが国におきましては、景気は緩やかながら回復の兆しが見られますが、雇用失業情勢は依然として厳しい状況が続いております。
 しかも、いわゆる構造不況業種の問題が特定の地域に集中的な影響を及ぼしており、その地域全体が疲弊するとともに、一時に多数の離職者が発生すること等により深刻な雇用問題を招くに至っております。
 このような深刻な雇用問題を招いている特定不況地域については、企業の経営の安定を図るための措置等と相まって、特定不況地域離職者等の職業及び生活の安定を図るための特別の措置を講ずることが当面の緊急課題となっております。
 政府といたしましては、このような背景のもとに、特定不況地域において失業の予防、離職者の再就職の促進等のための特別の措置を講ずること等について関係審議会に諮り、その答申に基づいて、この法律案を作成し、提案した次第であります。
 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
 第一に、特定不況地域とは、特定不況地域中小企業対策臨時措置法案に基づき政令で指定された市町村の区域及びその近隣の地域のうち、この法律で定める特別の措置を講ずる必要がある地域として、労働大臣が指定する地域をいうこと等必要な定義をすることとしております。
 第二に、失業の予防、再就職の促進等に関する国、地方公共団体及び事業主等の責務を明らかにすることとしております。
 第三に、国及び雇用促進事業団は、特定不況地域離職者の再就職を容易にするため、必要な職業訓練を迅速かつ効果的に実施するよう特別の措置を講ずることとし、国は、都道府県が同様の措置を講ずることを奨励するために必要な措置を講ずるよう努めることとしております。
 第四に、公共職業安定所は、特定不況地域離職者について、求人の開拓、職業指導の実施及び就職のあっせんを行う等必要な措置を講ずることとしております。
 第五に、四十歳以上の特定不況地域離職者であって、雇用保険または船員保険の受給資格者であるもののうち、一定の要件に該当するものについては、九十日の延長給付を支給することができることとしております。
 第六に、特定不況地域については、指定業種以外の事業主に対しても雇用安定資金制度を全面的に適用すること、特定不況地域離職者の雇い入れを促進するための特別の措置を講ずること等雇用安定資金制度等の特例を設けることとしております。
 第七に、特定不況地域において国、地方公共団体等が計画実施する公共事業に関する特定不況地域離職者の吸収率制度を設けることとしております。
 第八に、雇用保険の延長給付に要する費用等に充てるため、保険料率を労使それぞれ千分の〇・五ずつ引き上げることとしております。
 第九に、中央職業安定審議会への諮問に関する規定その他所要の規定を整備することとしております。
 なお、この法律案は、公布の日から施行し、昭和五十八年六月三十日までに廃止することとしておりますが、雇用保険の保険料率の引き上げに関する部分は、昭和五十四年四月一日から施行することとしております。
 以上、特定不況地域離職者臨時措置法案の提案理由及びその内容の概要につきまして、御説明申し上げました。何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#5
○委員長(対馬孝且君) 以上をもって趣旨説明の聴取は終わりました。
 これより質疑に入ります。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#6
○片山甚市君 ただいま提案をされました法案について、若干の質疑を行いたいと思います。
 まず、景気は緩やかながら回復の兆しが見られると言われておりますが、雇用失業情勢は依然として厳しい状況が続いております。すでに百万を超える完全失業者は、昭和五十年度以降連続四年、ことに今年においてさらに増加の傾向を示しており、八月には完全失業者の数が百二十一万、失業率二・三四%となっております。政府は、現在策定中と言われる新経済計画、昭和五十四年度から六十年度の検討において、完全失業者など雇用指標は、当初政府見通しよりいずれも悪化する見通しに修正せざるを得ないことを明らかにしたと言われておりますが、これは企画庁の統計でありますが、政府は本年度七%成長目標を掲げ、その達成により雇用改善をうたってきましたけれども、年度半ばにしてこの約束を放棄することは重大であろうと思います。
 まず、この雇用失業情勢の悪化の原因及び今後の見通し並びにその対策について、大臣からの御所見を伺いたいと思います。
#7
○政府委員(細野正君) ただいま先生から御指摘ございましたように、景気自体は緩やかながら回復傾向が続いているわけでございますが、雇用失業情勢は、これも先生からの御指摘のように、完全失業者が百二十一万、失業率が二・三四%、有効求人倍率が〇・五七倍、こういうことで求職超過の状況が続いているわけでございます。こういうことでございますので、去る九月の二日に総合経済対策を策定いたしました。さらに、今回の補正予算におきまして、その具体化をいたしておるわけでございますが、造船業等の不況業種に対する緊急需要の創出をやる、あるいは生活関連部門、教育、福祉部門の充実等を重視して内需の拡大を図るというふうな施策を現にとりつつあるところでございます。この結果、五十三年度の就業者数は五千四百四十万人ということで、五十二年度に比べまして八十二万人増加するというふうに見通されているわけであります。そういう意味で、就業者数の増加は当初の見通しよりも、これは当初の見通しでは五十五万人増というふうに見通していたわけでございますが、それよりはかなりの増加になっているわけであります。しかし、一方完全失業者数の方は、本年度当初の見通し百十万人というものを若干上回る五十二年度とほぼ同程度の百十五万人程度というふうに見ているわけでございます。
#8
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま局長から実情を御説明をいたしたような状況でございまして、一応ことしの失業者は百十五万人と、こういったことにわれわれも推定をいたしておるわけでございまして、景気の回復はやや明るい兆しが出ておりますけれども、雇用失業情勢は依然として厳しい状況でございます。したがいまして、特に構造不況業種がその地域の中核になっている、いわゆる構造不況業種がその地域の産業の主体をなしているという、それに対して、地域ぐるみの不況対策をただいま御審議願うことにしたのもそのような関係でございまして、また同時に、十月一日から雇用安定資金制度を大幅に改善をいたしまして、当面失業の予防、離職者の再就職の促進と、こういったことにも万全を期したい、このように考えるわけでございます。
#9
○片山甚市君 雇用失業情勢の悪化がどのようなところから来たのかということを明確に言っていただきたいと思ったのですが、これは一般的な話であります。対策についても従来言われたことですが、ことに労働省として第三次雇用対策基本計画、これは昭和五十一年度から五十五年度、及び年次雇用計画について早急に見直しを行う必要があるのではないか。この点についてあわせて労働大臣の所見を賜りたい。
#10
○国務大臣(藤井勝志君) 労働省は、昭和五十一年の六月に第三次雇用基本計画を策定をいたしまして、オイルショック後の低成長下の経済社会に対応した雇用政策の基本を定めて今日に参っておるわけでございますけれども、、先ほど申し述べたような客観情勢は、雇用失業面においてきわめて厳しいと、こういう状況でございますので、特に最近の円高による産業構造の変化、あるいはまた、第二次産業よりもむしろ第三次産業の方への雇用の拡大、また家庭婦人の就職戦線に立つという、この婦人の労働供給の圧迫、こういった新しい事態を踏まえまして、ただいま政府として新しい経済計画を策定をしておりますが、それと並行して、この第三次雇用基本計画においてもこれを見直すと、こういう作業を現在並行して続けておるわけでございます。
#11
○片山甚市君 大臣から早急に見直しを行う必要があり計画中である、検討しておる最中であると、こういう御答弁でありますから、せっかく御努力をいただいて安定の方向に向かわしてもらいたいと思います。
 その次でございますが、前国会、中期労働政策懇談会の提言に基づき、完全雇用を最優先課題とした経済政策の展開、雇用の維持拡大を目指す産業構造政策の展開についてただしておりますけれども、労働大臣は御自分の意見を得た、わが意を得たりということで、その後総理並びに関係大臣との懇談を積極的に行ったと言われております。この話し合いの内容及び今国会の法案提出に至る経緯を聞きたい。大臣から御説明を願いたいと存じます。
#12
○国務大臣(藤井勝志君) 前の当委員会において、いろいろ雇用政策について私から申し述べさしてもらいました。そのとき、現在産業構造が基調的に変化しておる、その変化に対応して雇用政策を展開する場合には、やはり従来のような雇用政策だけでは不十分である、やはり産業政策と労働省の雇用政策とが相一致して、いわば車の両輪のごとく推進されなければならぬ、いやむしろ雇用の安定に最大の配慮をした経済政策の展開が必要であると、こういう考え方から、まず七月の二十五日でありますが、労働省、私を初め幹部の諸君と通産省の通産大臣、局長以上会合いたしまして、いまのような話を踏まえまして、いろいろ雇用と経済政策との関係を中心に相談をいたしました。そして、その後八月に入りまして、厚生大臣と八月十一日でございましたか、それから文部大臣とは八月の二十二日会談をいたしまして、二十三日にそのような関係大臣との話を踏まえまして総括的に総理に一応意見を具申をいたしました。
 雇用創出に関する当面の問題として私は三つばかり問題を指摘をいたしまして、緊急雇用対策としては、今後の安定経済成長下において景気が回復すればやがて雇用失業情勢も回復するという従来の発想を転換をして、雇用の安定に重点を置いた経済政策の運営が必要であると考えますと、こういう観点から、従来の公共事業による一般的な景気刺激対策だけではなくて、産業の地域に密着した需要創出対策が必要であるというので、特に造船業に対しては海上保安庁の巡視艇等の官公庁船の建造、それからプラントバージないしは遊休船舶の解撤事業等、こういったものを提案をいたしました。それから、金属鉱山に対しては、小規模の水力発電事業の育成並びに当該地域における道路建設の前倒し施行等、これをとりあえず緊急需要創出対策として努めてもらいたいと。
 それから第二は、今後の雇用創出対策としては、産業構造の変化に対応して中長期的観点から雇用を創出していくために、社会福祉、文化、教育などの分野での雇用機会の拡大を図るために、これらの分野への雇用の誘導対策等、保健衛生、看護職員等の専門職員の養成確保に努めてもらいたいと。
 それから第三番目は、職業訓練を通ずる国際協力という観点から、職業訓練事業は、単に国内的視野ばかりでなくて、その蓄積されたわが国の高い水準をもとに、広く世界的視野に立った成果を生かすことが必要であるということで、いわゆる発展途上国に対する経済協力は、単なる物的な協力中心の発想を転換をして、技術協力を重視していってもらいたいと。そして発展途上国の国づくりに寄与するとともに、技術協力を通じて人間的な触れ合いを深めることが必要である。
 こういった問題点を指摘いたしまして、総理も私の問題提起に対して基本的にそのとおりだと、ひとつ大いにそういう方向に向かって前進しようということになりました。今度の補正予算の中にもある程度、十分とは言えませんけれども、それらの考え方が含まれて、いわゆる第三の道ということもそういう意味で私は補正に盛られたものであると思うわけでございます。
#13
○片山甚市君 この法案に関係して、そういうような提案はわが意を得たりということで喜んで提案しておったんでありますから、この法案がその一部になるのかどうかを聞きたかったんですが、延々とやられましても時間がこちら困るんです。懇切丁寧にきのう説明をしてあるはずです。何を言いよるんかね、時間わかっておるでしょう。ちゃんとそうしてください。大臣が答えたことの内容についてけちをつけておるんでありませんで、簡潔にして要を得てもらいたい。要約して言えばいいのでありまして、特に今国会に出された法案等についてはその一部なのかどうなのか。こういうことになる、そういうことについては言うまでもない。よろしゅうございますね。一言で。
#14
○国務大臣(藤井勝志君) このたびの提案をいたしておる問題も、当面の緊急対策として雇用問題と直接関係の深い提案をさしていただいておるわけでございます。
#15
○片山甚市君 自治省に聞きますが、雇用創出拡大の具体策を計画実施する自治省案の国会提出を期待しておりましたところ、提出に至りませんでした。そのいきさつ並びに現在検討を進めていると言われる特定不況地域振興総合対策の構想及び今後の実施の見通しについてお答えを願いたいと思います。簡略に。
#16
○説明員(金子憲五君) 私どもといたしましては、今国会に先立ちまして、地方住民の生活安定を目的といたしまして、地域経済の振興を図るということで地方公共団体に総合的な計画をつくってもらう、これにつきまして国が財政上の措置その他の援助措置を講ずるということを内容とした立法についての準備をしておったわけでございますが、その内容につきまして、関係各省庁間におきまして調整を要すべきものが多っかったために、時間的な問題もございまして今国会への提出を見送ったということでございます。
 それから、次の特定不況地域振興総合対策の中身でございますが、法案提出に至りませんでしたが、現行制度の枠内で可能な限りの不況地域対策を講じてまいりたいということで、地方公共団体に地域対策のための総合的な大綱を定めてもらう。これの実施につきまして必要な財政上の措置を講じてまいりたいというものでございます。その中身といたしましては、中小企業対策あるいは雇用対策等ございますが、特に雇用関係について申し上げますと、国の政策と相まちまして職業訓練あるいは地方公共団体においての就職あっせん、あるいは相談あるいは地域産業の振興等によりまして、可能な限りの雇用の転換等を図ってまいりたい。それからさらに、公共事業におきまして離職者の吸収を図ってまいりますが、地方公共団体の実施します事業についてもできる限りそのような方向でやってまいりたいというふうに考えております。
#17
○片山甚市君 やはり、自治体を持っておりますから、地域住民のことを最もよくわかる省でありますから、格段の努力を私の方としてはお願いをし、その方向が円満に進むように努力を願いたいと希望しておきます。自治省よろしゅうございます。
 次に、特定不況地域法についてでありますが、本法案は、通産省提出の特定不況地域中小企業対策臨時措置法案と、先ほどもお話のあったように一体となったものと言われますが、まず特定不況地域の指定についてお聞きをしたい。
 すでに、通産省は十六地域の指定を行っておりますが、その指定の根拠及びその基準は何によるのか。また、補正予算の審議の過程――これは自民党と新自由クラブの話し合いで十二地域程度を追加指定すること、追加指定には北洋漁業基地等を含むものと言われておるけれども、これにより指定基準及び指定地域はどういうようなものになるのか。この話し合いについて聞いておりませんが、新聞等で書かれておる、こういうことで、公然たるやみ取引があったというように言われておりますから、大臣は、先ほどいわゆる中小企業に対する指定の地域に関連しながらこの措置をとるというのでありますから非常に重要な発言だと思いますが、お答えを願いたいと存じます。
#18
○政府委員(若杉和夫君) お答え申し上げます。
 通産省が当面の不況地域対策の対象といたしまして十六地域を指定いたしまして、行政措置により金融等の援助措置を講じております。これのどういう判断で指定したかという御質問でございますが、第一に、当該地域に構造不況業種に属する中核的事業所が存在いたしまして、具体的にはその中核的事業所の工業出荷額が当該地域の工業出荷額のおおむね三分の一以上を占めるというふうにウエートが非常に高いということが第一点でございます。
 それから第二点で、当該中核的事業所の事業規模の縮小等によりまして、地域内の中小企業者の経営の安定が著しく損なわれているということで、具体的には、中核的事業所の下請中小企業者に対する発注金額及びその他の関連中小企業者からの物資、サービスの購入等の額の減少の程度、また中小企業者の赤字企業割合等により判断したものでございます。
 第三に、当該地域に多数の離職者が発生しており、かつ再就職が困難となっているということを判断材料にいたしました。具体的には有効求人倍率、雇用保険受給者数、それから雇用保険受給者数の就業者に対する割合等雇用に関する指標が著しく悪いということにつきまして労働省とも協議しつつ判断したものでございます。また、当該地域を含む経済圏におきまして、事業機会、雇用機会に恵まれていると申しますか、当該地域を含む経済圏におきましてかなり大きなマーケットといいますか、市場あるいは事業所その他がある場合には、緊急性がないということで除外いたしました。
 以上のような要件を地域ごとに総合的に勘案いたしまして、法律ができるまでの間、緊急に当面の対策を講ずる必要があると判断した次第でございます。
 それから、漁業につきましては、この十六地域の段階では実は考えておらなかったわけでございますが、法案作成過程におきまして、漁業等も含む広い意味の構造不況業種といいますか、そういうものを入れることにいたした次第でございます。
#19
○片山甚市君 大体工業出荷額、こういうものを中心として考えられたとおっしゃっておる。後で通産省に聞きますから。
 まず、通産省の十六指定地域を見ると、不況業種の比率及び雇用指標から見て客観的公平を欠いている。たとえば、具体的に言えば、十六地域よりさらに悪条件下にある大阪、兵庫、福岡などの地域が外されているのは納得しがたい。ことに北九州が全く除外されているのは意識的に外したとしか考えられない。いかなる理由か簡単に答えてください。
#20
○政府委員(若杉和夫君) お答えいたします。
 この法律は、地域が特定の地域市町村におきまして、そこに不況業種に属する中核的事業所がありまして、それが非常にウエートがあって、その打撃によりまして地域全体が地盤沈下して中小企業者及び雇用に非常な影響が出ておるということを一つの趣旨として考えております。そういう意味で、大阪、東京、兵庫等大経済圏におきます地域にございましては、広い意味でいろんな企業がございます。いろんな意味の悪くなる企業もございますし、新設の企業もございますし、いろんな意味で融通がきくと、一言で言えば。そういうことで大経済圏については一応対象外にするという趣旨でございました。
#21
○片山甚市君 それについては意見がありますが、とにかく考えでありますから、次のことについてお聞きをしたい。
 特定不況地域において産業政策が優先するということではなく、通産省の地域指定に加えて労働省は雇用指標等に基づき独自の指定を行うべきではないか、これについてお答えを願いたい。
#22
○政府委員(細野正君) 今回の法案は、構造不況業種等の影響によりまして、その地域が産業面でも雇用の面でも、いわばどしゃ降り的な影響を受けているということに着目しまして、したがいまして、中小企業の経営安定対策と同時に雇用の安定対策を総合的に講じてまいりたい、こういう考え方でございますので、したがいまして、中小企業対策臨時措置法による地域指定につきましても、いま申し上げましたような双方の指標によりまして、通産省と労働省が共同してこの市町村を定めるというふうな考え方に立っているわけであります。したがいまして、両省がそれぞれの所管している、経営の安定あるいは雇用の安定、それぞれに関連する指標によりまして、一体になって地域指定もやり、施策も総合的にやっていくというふうに考えている次第でございます。
#23
○片山甚市君 労働省が独自の指定を行うべきだと言う立場は、何かといいますと、安定所別にいいまして、有効求人倍率、就職率、雇用保険受給率、これは全国平均をその三つとも上回っているところについて次のようなのがあります。函館、小樽、釧路、室蘭、八戸、能代、大館、鶴岡、伊勢、熊野、舞鶴、相生、尼崎、玉野、呉、尾道、呉東、下関、高知、大牟田、八幡、戸畑、若松、門司、長崎、佐世保、大瀬戸、日向、この地域がありますが、これらについては十六地域に入ってないのは非常に残念でありますが、いまおっしゃったように、雇用指標に基づきこれらのことについては十分に御努力を願えるものかどうか、局長からまず答えてください。
#24
○政府委員(細野正君) この法案による地域指定については、先ほど申しましたとおり、双方の指標を総合して決定し、またその対策も総合的にやっていく。ただし、これはあくまでも臨時の緊急対策として行われるものでございます。したがいまして、そういう臨時の緊急対策というのになじまない、従来からの雇用失業情勢の悪い地域につきましては、また、いま先生御指摘のようにそれぞれの地域の実情に応じて、それに合った対策を考えてまいりたいというふうに考えているわけであります。
#25
○片山甚市君 このような地域について、有効求人倍率、就職率、雇用保険受給率などの全国平均を上回っているようなところについては、特に配慮するということで考えてよろしゅうございますか。
#26
○政府委員(細野正君) 従来からもいろいろな施策を講じておりますが、なおその施策を洗い直しまして、必要なものがあれば実施してまいりたい、こういうふうに考えております。
#27
○片山甚市君 私は必要だから言っておるんで、必要であればじゃなくて、それはいかないんですよ。やっぱりそういうものを救っていこうということ、通産省の方は企業を守っていくということ、それはあたりまえのことですよ。労働省は、鬼に追われた子供みたいなもので、お地蔵さんですから抱えてやらなきゃならぬですよ。赤鬼、青鬼が来てど突いておるわけです。ほうり出しておるわけですよ。あなたたちはちゃんと抱えなきゃいかぬ。企業の方と相談しておったら、鬼と相談しておったらだめですよ。企業悪と言っておるんでないんですよ、企業はそうしなければ生き延びられなくなっておる。だから、企業を守る通産省は企業守ってよろしいが、あなたの方は労働者を守るのが仕事だと、こう割り切って、大相撲とっても負けてしまった、何もせぬ労働省と言われたら大変ですから。わかりますか、私は意見を述べておきます。議論をしても、当たりさわりのないことを言うておかぬと、また通産省へ行って怒られると思って適当な答えをするから、お答えは要りません。
 本法案においては、特定地域の指定が最大のポイントと言えます。したがって、その指定に当たっては、客観的な雇用指標等に基づいて特定不況地域の窮状を救済するよう弾力的に運用が行われるべきであると考えます。いかがでしょうか。
#28
○国務大臣(藤井勝志君) 特定不況地域の指定の考え方というのは、私はやはり法律の精神というものを運用面において生かすという最大の配慮をすべきであると。中央職業安定審議会においても、特にこれが運用には弾力的な配慮をすべきである、こういう指摘もございますから、その答申を踏まえて最善の努力をいたしたい、このように考えます。
#29
○片山甚市君 弾力的に運用していく、労働者救済をできるようにしたいと言われる大臣の御答弁と理解をしておきます。
 そこで、通産省は、この法案をつくるに当たっての産業経済指標はどのようなものを使われたか、通産省からお答えいただきたい。
#30
○政府委員(若杉和夫君) 産業経済指標といたしましては、生産水準、稼働率、それから不況業種の設備の廃棄、操業短縮等々の事情を背景にして立案したものでございます。
#31
○片山甚市君 労働省は、全国六百カ所に及ぶ職業安定所所管ごとの雇用指標について把握をされておると思います。いま言われた通産省の産業経済指標と二つを、後日でよろしゅうございますから提出してもらいたい、資料として。
#32
○政府委員(細野正君) 各安定所内の管内の指標につきましては、各安定所で把握をしているわけでございますが、本省としましては、御指摘のような雇用失業情勢が非常に問題があって、しかも地域的な問題も出てきておるわけでございますので、特に雇用失業情勢の悪い地域につきまして都道府県から報告をさして整備をしているわけでございますので、そういう全部というわけにまいらぬかと思いますけれども、悪い状況のところにつきまして整備して御報告を申し上げたいと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#33
○片山甚市君 六百の職安があるんであります。仕事をしておるのでありますから、そんな手数を省かないで、ひとつ六百カ所についての雇用の指標について御提出を願いたい。先ほど演説をしていただいた通産省の方も、先ほど言ったような水準についてどんな資料を出したのか、資料をいただきたい。よろしゅうございますね。イエス、ノーを言うてください。
#34
○政府委員(若杉和夫君) 全体の産業指標につきましては提出できると思います。
#35
○政府委員(細野正君) 提出するようにいたします。
#36
○片山甚市君 それじゃ、聞くところによると雇用保険法における百三十一カ所の特定地域指定後、全く動いていないと言われておりますが、どういうことになっていますか。
#37
○政府委員(細野正君) この御指摘の雇用機会不足地域につきましては、一定の基準に従って行っているところでございまして、決して固定しているものではございません。現に最近では、本年の四月に四地域、それから八月に三地域、十月に一地域を指定しまして、現在指定地域が百三十二になっているという状況でございます。
#38
○片山甚市君 そうすると、今後事情によって指定は動いていくことになっておるので心配はないと、こういうお答えがあったと理解をします。
 今日、構造不況産業を初めとして各地域の経済事情及び雇用失業情勢は激しく動いておりまして、これらの実情に即応してきめ細かく対策を講じていくためには、ぜひとも全国の職安ごとの雇用指標が必要ではないか。先ほど私の方からお聞きをしておることにもう一度お答えを願いたいと思います。
#39
○政府委員(細野正君) 各安定所の状況は、その都道府県において押さえまして、その中で特に問題のあるところについてむしろ一層突っ込んだ報告を本省にいただくということをたてまえとしておりますが、いま御指摘のように、最近雇用失業情勢が特に地域に問題が起きておる状況でございますので、極力そういう情勢も都道府県経由で把握するように努力をしたいと、こう思っております。
#40
○片山甚市君 極力じゃなくて、ぜひとも全国の職安ごとの雇用指標が労働省でわかっておると、そして機動的にやられなければいけないと思うんです。半年、一年たってから出されたんではどうもならぬ。実は通産省の場合の例をとれば、指標をつくる、そういうようなことになりましても、これは大体産業経済によったら一年半から二年後でないと具体的なものがなくて、三年ぐらい前のやつを使って平気で雇用がどうじゃと、文句を言うてきたところだけやっておるという感じを受けます。感じです。私が言うのはね。統計というものを求めるならば相当の時間がかかる。むしろ速報的に現状が把握できる必要があるのは雇用でないか。今度のいわゆる法案の中心は、何といっても企業が重要だというのは、そこに失業者ができる、雇用不安ができたから、いわゆる人間が動いておるから問題が起こっておると思うんです。工業出荷額もそうでありますけど、それに伴うところの町の繁栄といいますか、いわゆる運営がうまくないということから、自治体も物を言い、労働者も物を言い、工場主も倒産の問題が出てきていると思います。その一番早く風見鶏のようにわかるのが雇用問題です。労働省は通産省と違うんですよ。金を動しているんじゃない、人のことぐらいはちゃんと把握してください。それでもう一度申し上げますが、できるだけじゃなくて、これはコンピューターのある世の中です。いろんなものを使っておるんですから、最大限これについて実現をするという努力を願いたいと思いますが、いかがですか。
#41
○政府委員(細野正君) その全国の状況と府県別の状況とにつきましては、常時月別に把握をいたしておるわけでございますが、安定所別というところまでは速報的にやれるかどうかは今後とも検討してまいりたいと、こういうふうに思っております。
#42
○片山甚市君 指標が必要だと考えます。それで、すぐにできるかどうかということになればいまお答えができないようでありますから、私の意見として、常時職安別に持っておられる方が対策としてはやりやすい、こういうふうに思います。国会や関係審議会において十分な審議が行われ、適切な雇用対策が講ぜられるよう速やかに雇用指標の整備を行うべきだと思うが、これについて労働大臣の御見解を承りたいと存じます。
#43
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘の点は私はしごくごもっともな御提言だと思います。十分御趣旨を踏まえて今後努力いたしたいと、このように考えます。
#44
○片山甚市君 また、地域指定に当たっては、まず立法の趣旨、内容を明確にし、これに基づいて審議会で指定基準を定め、弾力的に運用すべきだと思うが、これについて重ねて大臣にお伺いしたい。
#45
○国務大臣(藤井勝志君) 地域指定の要件の一つでありますこの雇用に関する状況というものは、先ほども申し上げたように、中央職業安定審議会の答申に、相当の離職者が発生し、または近い将来発生することが確実であり、かつ雇用機会が著しく少ない状況にあることを要件としており、具体的な基準は中央職業安定審議会において諮りますが、その答申の中で、特に雇用情勢が悪化している地域は「本施策の効果が及ぶよう弾力的に考える必要がある。」という、この指摘がございますので、この答申の趣旨を踏まえて、法律の効果が特定不況地域の離職者対策に万全が期せらるように十分配慮していきたいと、このように考えます。
#46
○片山甚市君 それでは、職業訓練についてお伺いしたいんです。
 今回の法案は、職訓について、前回成立した特定不況業種離職者臨時措置法に比していかなる特別の措置を講ずることにしておるのか、項目を言ってください。
#47
○政府委員(石井甲二君) 職業訓練につきましては二つのことを考えております。
 一つは、その地域内の雇用の流動について特別の体制を整えたいと思います。そのためには現実に存在する公共職業訓練の中身をそれに適合するように変えていきたいと思います。また、さらに訓練科目の転換あるいは入校時期の多様化ということを図りまして、その対応を機動的に行いたいと思います。さらに現実の訓練校だけでは間に合いませんので、民間の教育訓練施設に対する委託訓練を拡充をいたしまして、これを積極的に活用いたしたいと考えております。
 第二は、訓練を行う場合に都道府県の財政負担がかかりますので、一定の要件以上の場合、たとえば一定率以上に離転職訓練を行う場合に追加的に補助を拡大をするということを措置いたしたいと思います。
 以上でございます。
#48
○片山甚市君 職業訓練は雇用の確保にとってますます重要となっておりますが、前国会で職訓法の改正を行いました際、生涯職業訓練体制の確立等職訓制度の基本的な検討を行うことの附帯決議を行っております。これにつきましては、雇用失業情勢の現状と展望に立って、早急に職業訓練法の抜本改正及び職業訓練基本計画の具体的検討を行うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
#49
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘のごとく、私はこの職業訓練の方策と雇用安定とは、まさに表裏一体、車の両輪だと心得ております。したがいまして、職業訓練制度のあり方については絶えず検討をしなきゃならぬということ、御指摘のとおりでありますが、いずれの時期に再度法改正を提案するかにつきましては、附帯決議の御趣旨は十分踏まえながらも、やはり関係審議会、すなわち中央職業訓練審議会等によく内容を諮りまして、慎重に検討しなきゃならぬ重要な問題が含まれておりますので、すなわち行政機構あるいは職業訓練の財政面、こういったものがございますから、前向きで取っ組まなきゃなりませんけれども、慎重に検討さしていただきたいと、このように考えます。
#50
○片山甚市君 大臣、慎重というときは余りやらないことになるから、前向きにこれは実施すべきものと考える、こういうことで考えてよろしゅうございますか。前向きに努力をすることについてはよろしゅうございますか。
#51
○国務大臣(藤井勝志君) 決してのんべんだらりとやるつもりはさらさらございませんが、事の性格が、よほど緻密に検討をしなけりゃならぬ問題もございますから、そういう意味において慎重という言葉を使ったわけでございまして、前向きでひとつ努力をいたしたいと、このように考えます。
#52
○片山甚市君 雇用をつくり出そうということで、珍しく大臣がああいう作文までつくって各人人に呼びかけるのでありますから、これをやってもらわないと、あれは作文になるわけです。これについて、やはり職業訓練について力を尽くしていただくということでありますから、もう一度お答えを願おうと思っていませんが、とにかく私は、言うたらやる、言わなかったらやらぬでよろしい、極端に言うたら。言うてやらぬのは一番悪い。ですから、慎重な話を聞いておるのではなくて、これこそいわゆる職業訓練基本計画、あるいは職業訓練法の抜本改正等は、やらなければ時代に追いついていけない重要なことであるが、各関係省庁、あるいは関係者との話がまだついておらないから、また審議会の答申も得ておらないからいま断言できないが、そういう気持ちには変わりはない、こういうように承ってよろしゅうございますか。
#53
○国務大臣(藤井勝志君) そのとおりでございます。
#54
○片山甚市君 第二次の基本計画は五十五年度までとなっており、速やかに抜本的検討を行うとともに、来年の秋までの国会において法改正を行わないと間に合わないのではないか、こういうように思うのです。のんべんだらりとは申しませんけれども、そういうことはないと言ったんだけれども、実は第二次の基本計画が昭和五十五年までになっていますから急いでもらいたいと思います。いかがでしょう。
#55
○国務大臣(藤井勝志君) 急ぐ努力はお約束をいたします。ただ、いつまでにということが、先ほど申しましたような事情によって、なかなかそう簡単に、ここで安受け合いはかえって有言不実行になりますから、その点をひとつ御理解いただきたいと、こう思います。
#56
○片山甚市君 私は冒頭に、大臣が非常に気を使ってくれてありがたい、検討をされるべきではないかと言ったのですが、言葉が強くなりましたから、すぐにあしたにでもせよと言わんばかりに聞こえたと思いますが、やはり十分な各関係者の意見を聞きながらもそういうようにやってもらいたいと思います。意見が一致しておりますから。
 次に、特定不況地域離職者等に対する援護の問題についてお伺いします。
 特定不況地域については、雇用安定資金制度の全面的適用及び特例措置を講ずると説明しておりますが、離職者法に比して特段の措置を講ずるものはあるのか。これについて内容が薄い、こう言われておるのですが、薄いものはどれで、厚いものはどれで、ひとつ説明をしてください。
#57
○政府委員(細野正君) 今回の法案によりまして行われるものが地域対策でございますから、そういう意味で安定資金制度なり、あるいは雇用保険の延長なりが全面的に地域全体に適用されるという意味では、そういう意味の面で厚くなっておるわけでございますが、しかし御指摘のように、いわゆる職業転換給付金のところはこの地域対策の中には含まれていない。そういう意味ではそこが薄くなっているわけでございます。
 で、職業転換給付金につきましては、先生も御案内のように、炭鉱離職者なり、漁業離職者なり、従来から直接国の施策に基づいて事業規模の縮小等を余儀なくされた、そういう産業についての離職者を対象として支給してきているわけでございます。そういう意味で、今回の特定不況地域対策の場合には、そういう意味での直接の国の施策に基づく事業規模の縮小等を実施するというような、そういう性質のものではございませんので、したがってこの転換給付金を、この地域について一般的に地域全体に支給するというようなことは困難ではなかろうかというふうに考えているわけでございます。ただ、先ほど来申しましたように、雇用保険の延長給付、あるいは安定事業の全面適用、公共事業の吸収についての特例措置、その他の施策を盛り込んでおりまして、そういうものを総合的に推進することによって対処してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#58
○片山甚市君 結局、転換給付金とか、訓練待期手当等が欠けておると、こういう説明であろうかと思います。
 雇用対策についてですが、雇用対策法、雇用保険法を初めとして幾つかの特例法が制定されておりますが、この給付内容は、複雑、細分化されており、そのため助成額や支給期間が中途半端であり、かつ受給手続が繁雑化している等多くの問題が指摘されております。これらの各制度による給付金は、実態に即して重点的に再編し、現在のような総花的な運用を効率的なものに整備すべきだと思うのでありますが、どうでありましょうか。
#59
○政府委員(細野正君) 御指摘のように、各種の給付金等の援護措置が、種類も多く、内容も複雑であるという点は御指摘のとおりだというふうに私どもも考えます。ただ、そういうふうになりましたいきさつにつきましては、それぞれの目的に応じて、その対象もまた非常に多岐にわたる方々で、しかも援助をしなければならない中身というものが少しずつ対象によって違っているというような事情もございます。そういうことで、私どもも何回かこの整理統合を試みたのでございますが、結局整理統合をするとすると、その給付等をやめなければならぬ。それに、何といいますか、実際に対象になる方が数が少なくても現実にいらっしゃるというような、いろいろなむずかしい問題がございます。しかし、冒頭先生からも御指摘がございましたように、やはりできるだけその整理統合して、利用者の方も、それから扱う方もわかりやすくするということは、これは必要なことだと考えますので、今後とも各制度の利用状況等を考慮してできるだけ利用のしやすいものにしてまいる努力をしてまいりたいと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#60
○片山甚市君 こういう給付金は大変な議論の中でできたことですから、できたものを集めてみれば複雑多岐でありますという言葉になるのです。ですから、歴史的な過程を大事にしたいと思いながら、そこで、それならば、なおかつ各種給付金の内容等を含む一覧表など整備をした資料があれば、なければつくって後刻御提出を願い、われわれが一目瞭然とわかるようにお手配を願いたいと思いますが、どうでございましょうか。
#61
○政府委員(細野正君) 現行の給付金制度等の一覧表等の資料については、後ほどお届けするようにいたしたいと思います。
#62
○片山甚市君 それでは、雇用保険財政についてお伺いをいたします。
 今回、雇用保険の料率を千分の一引き上げること、すなわち千分の〇・五、〇・五双方が出すのですが、まず雇用保険の財政の見通しをお聞きしたい。失業給付関係及び四事業関係に分けて御説明を賜りたいと思います。
#63
○説明員(川上忠憲君) 数字の問題もございますので私からお答え申し上げます。
 まず、失業給付関係でございますけれども、昭和五十年以降著しい受給者の増加がございまして、財政収支は昭和五十年度で二十一億円の赤字、五十一年度は百二十億円の赤字、昨年度も五十四億円の赤字、三年連続して赤字となっておるわけでございます。その結果、昭和五十二年度の決算終了後におきます積立金の額は、制度の適正規模の下限――積立金の額の適正規模として定められております下の方の限界でございますその年度の保険料相当額を下回りまして、比率で申しますと〇・八八になる状態になっておるわけでございます。今後でございますけれども、雇用失業情勢は徐々に改善されるといたしましても、受給者数が急速に大幅に減るということはなかなか期待できないんではないかということでございますので、現状の状態で推移いたしますと、昭和五十七年度には、積立金が制度の適正規模の下限でございます比率の一を割りまして、二分の一近くにまで落ち込むという見通しが立つわけでございます。
 なお、今回の法案におきまして、特定不況地域について雇用保険の給付延長を行うことといたしておるわけでございますが、その財源を確保するということが一つ。また、この財源の確保とあわせまして、保険料率の引き上げをお願いいたしておるわけでございますが、これは中央職業安定審議会におきまして全会一致の答申をいただいておりますが、その中で、「当面は、延長給付をまかない、かつ、保険財政のこれ以上の悪化をくい止めるため最小限必要な範囲内に、引き上げをとどめる必要がある。」という御指摘がなされております。で、この御指摘を受けまして、この答申どおりに千分の一という引き上げにさしていただいたわけでございます。
 次に、昭和五十二年度の雇用保険の四事業の収支について申し上げますと、歳入が千六百四十七億円に対しまして、歳出が一千百十二億円でございまして、剰余が五百三十五億円生じております。昭和五十二年度の末現在の雇用安定資金の積み立ての状況は、合計一千八十一億円というふうになっておるわけでございます。この雇用安定事業等の四事業につきましては、中央職業安定審議会の答申の中におきましても「今後とも不可欠な事業につき内容の充実及び周知に努めるべき」であるというふうに指摘されておりますので、この御趣旨に沿って、今後とも雇用失業情勢の実態に応じて、必要な事業内容の拡充強化を行うこととしておるわけでございますが、それにもかかわりませず、雇用安定資金は当初の見込みに比べて予想以上の残高に現在なっておりますし、「四事業に係る保険料率を弾力的に調整する」という、こういう規定を設けると、これも審議会の御答申に書かれておるところでございますが、こういう規定を設けることにつきまして、今後早急に具体案を詰めまして審議会にお諮りし、次期通常国会に関係法案を提出したい、このように考えておるところでございます。
#64
○片山甚市君 これらの財政収支の見通しには、一離職者法によるものも含まれると思うのでありますが、離職者法の実績は幾らでしょうか。
#65
○説明員(川上忠憲君) 先生御指摘の離職者法と申しますのは、特定不況業種離職者臨時措置法についてのことと存じますが、これにつきましては、この法律に基づきます九十日の延長給付の制度がございます。この九十日の延長給付を受けた者が本年の八月末現在で合計一千一人ということになっております。給付の額で申しますと約一億九百万円でございます。
#66
○片山甚市君 また、雇用安定事業に関しては、本年四月及び十月に条件緩和等を行っているが、これに伴う経費増はいかほど見ておりますか。
#67
○政府委員(細野正君) 安定事業の支給実績でございますが、四月から八月までの間に約四十億円というふうになっておるわけでございます。しかし、先ほど御指摘ございましたように、この十月から支給要件の緩和等、制度の大幅な改善を行いましたわけでございます。そういうことから、今後の見通しとしましては、現在のペースを年度にならして見ますと約百二十億円ぐらいになるわけでございますが、その約二倍程度にはなるのではなかろうかというふうに見通しておるわけでございます。
#68
○片山甚市君 そうすると、さらに今回の法案に伴う所要経費はいかほどであり、初年度、平年度は幾らになりましょうか。
#69
○説明員(川上忠憲君) 今回の法案に基づきます経費のうち、雇用保険の延長給付関係についてまず申し上げますと、本年度昭和五十三年度の補正予算において約六十億円を計上しておるところでございます。昭和五十四年度、来年度につきましては、概算要求といたしまして約二百四十五億円要求いたしておりますが、これにつきましては、今後の法施行の状況等をにらみながら、必要な額について検討してまいりたいというふうに思っております。
 それから、雇用安定事業の特定不況地域に関する経費につきましては、昭和五十三年度の補正予算におきまして、約二十四億円を計上しておるところでございます。来年度五十四年度につきましては、約六十一億円の概算要求を行っておるところでございます。
#70
○片山甚市君 それで、この今回の法案については大体賄えるという判断だと存じますから、後刻また検討して、質疑のときに行いたいと存じます。
 雇用保険財政は、失業給付部分については赤字であり、四事業については大幅な黒字となっております。ことに失業予防のための雇用安定事業については、省令改正によって改善できることから、さらに給付内容を改善していくべきだと考えますが、いかがでございましょうか。
#71
○政府委員(細野正君) 御指摘のように、こういう雇用失業情勢でございますので、極力安定資金制度が活用されて、失業の予防の役割りを果たすことが期待されるわけでございますので、私どもとしましても、今後ともこの安定資金関係の制度が強化拡充されるように努力してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#72
○片山甚市君 高度成長のときには、失業給付が少なくて財政的なゆとりがあり過ぎるので問題が起こった、それはいいか悪いか別といたしまして。今度は、失業するということについての予防のためには、逆にお金を使って失業給付が少なくなっていくように仕組むべきだと思う。そういうことでは、先ほど大臣も力を込めて言っていただきましたが、訓練等、機会を得られるような条件づくり、あるいは企業主みずからが健全な経営を目指して労働者を守っていく、従業員を守っていくという立場をとらしていくという、両輪が要るだろうと考えます。したがって、四事業の保険料率に関する、先ほどお話しの弾力条項を設け、それを引き下げるというふうな後ろ向きでなくて、むしろいまの四事業に対するお金が有効的に使われて失業予防になるようにする。下げる話の前に、五百億円余ったからといってこれは率を下げて負担を軽くしたらいいじゃないか――もらいに来る話はよくありますね、援助金を出せ、補助金を出せ、何を出せ何を出せというふうなことはたくさん言うてくるくせに、ほんのわずか五百六十億円ぐらい余ったら途端に弾力条項を発動して引き下げを行えと。寝言を言うのもほどほどにしてもらいたいと私は思うんですが、寝言を言っておる本人に問うてもしようがないが、局長の方はいかがですか。
#73
○政府委員(細野正君) いま御指摘の安定資金の弾力条項の問題でございますが、これにつきましては、安定審議会におきまして、料率の値上げ問題と絡んで、安定資金の積み立ての方が青天井になっておる、しかも当初の見込みよりもはるかに速い、二倍ぐらいのスピードで蓄積をされつつある、こういう状況に着目しまして、そこで、一方において必要な制度についての強化というものを当然やるべきだという審議会の御指摘と同時に、あわせて資金需要に対応して保険料率を弾力的に調整する制度を検討する必要があるということを御指摘をいただいたわけでございます。強化の方につきましては、先ほど先生からも御指摘がございましたように、十月から大幅に要件緩和をする、あるいはこの法案によりまして、地域全体に安定資金制度を全面適用する、あるいは近く中高年の雇用開発給付金の支給の期間についてこれを大幅に拡充することを検討するというふうな、いろいろな制度を現在実施をしつつありますし、また今後ともやっていきたいというふうに考えておりますが、それにしても、なお先ほど申し上げましたように、制度的に全く青天井であるところに問題もございますし、なお資金需要に対応する弾力的な調整ということが必要であろうと、こういうふうに考えている次第でございます。
#74
○片山甚市君 非常に繰り返して失礼なんですが、本来失業予防、いわゆる雇用対策に最も重点を置かれるべきであり、その資金が残ったり、そしてそのかわり失業対策――企業が首を切ってもその後始末を国の税金で行う、こういうことがないようにしなきゃならぬ。いわゆる私たちの仕事としては、本来雇用安定事業等が赤字になるほどどんどん行って雇用の安定を図っていく、そのかわり失業給付が少なくなっていく、こういう望ましい方向に力を入れてもらいたいと思いますが、大臣から一言それについての御所見を承りたい。
#75
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘の点、私も全く同感でございまして、予防的措置というのが、病気になってからの手当てよりはよほど賢明であり合理的であると同じように、御指摘の点、雇用の安定のために積極的な手を打つために雇用安定資金制度が活用されるように十分配慮すべきである、このように考えます。
#76
○片山甚市君 最後に、今日構造不況業種の問題が特定地域に集中的な影響を及ぼしておりますが、産業構造の転換を進める過程で大量の失業者が出ることが憂慮されております。すでに新聞紙上でも見ていただきましたとおり、日本鋼管は造船部門の二千五百人の削減を発表し、全部門で合理化に踏み切ることを明らかにしております。川崎重工は神戸にありますが、中高年の部課長百人を指名解雇によって整理することとし、通信機器メーカーの大手メーカーの沖電気は、百五人の希望退職を募るとともに川崎工場を閉鎖する等が報じられておるところであります。このような状況下において、今回の雇用対策に関する措置は、きわめて、先ほどからお聞きをしておりますが、不十分過ぎるものであると言わざるを得ません。
 去る九月、ある新聞社が行った世論調査によりますと、福田内閣の雇用失業対策は、労働大臣はしっかりやったと思っておるようでありますが、わずかによいというのは一%であります。よくないというものが一九%、これは調査の取り方によって違いましょうから新聞社のやる調査が一〇〇%ではありませんが、これがはだ身で感じておる、幾ら努力していただいておっても、いいなと感ずるのは百人のうち一人、いや残念だけれども、おもしろくないというか不十分だというのは十九人、こういうことでありますことをわれわれは軽視することはできません。今後の厳しい雇用失業情勢に対応し、雇用の維持拡大を図るため、新しい雇用対策基本計画及び職業訓練基本計画並びに雇用保険制度の策定等、より包括的、体系的な施策の早急なる検討、実施が必要であると思いますが、これに対処する労働大臣の決意のほどを承りたいと存じます。
#77
○国務大臣(藤井勝志君) 先ほどもお答えをいたしましたように、第三次雇用基本計画は、現在策定をしておる最中でございまして、われわれとしては、今後雇用政策のあり方については、現下における産業構造の基調的な変化というものを踏まえながらこれに対応して、時代の要請にこたえたいと考えます。また、職業訓練制度の基本計画につきましては、先ほどお答えをいたしましたように、先般の職業訓練法の改正のときの附帯決議の趣旨を踏まえて今後努力をいたしたいと、このように思います。
#78
○片山甚市君 いまお聞きをして、努力をすることになっておるようでありますが、私は自分の言ったことについてももう一度確かめたいんです。新しい雇用対策基本計画及び職業訓練基本計画並びに雇用保険制度の策定等、包括的、体系的な施策をいわゆる早急に検討、実施ができるように、と申しますのは、いままで申しましたすべてのことについて、労働省がやはり一番われわれとしては身近な省として、勤労者階級にとっては厚生省、労働省は最も勤労市民というか、国民全体を守る立場、こういうことの中でも労働省の場合は、現に生産に活動しながら、しかもそのサービスを提供しながらということでありますから、これに対する重みを持ってもらいたい。新聞などでは、労働省などというのは遊んでおったらいいような書き方をされてしまう。この間そんなことありましたね。非常に軽い労働省じゃないか、こういうことは、新聞の論調がそういうふうにされることについては非常に残念だと思っておる。われわれはそういうような労働省であると思いませんし、労働省の幹部諸君もがんばってもらっておると思いますが、いま申しました問題について真剣に取り組むことが今度の臨時措置法を通していく、いわゆるこのような緊急課題を目の前で解決していくのは、いま申しましたような問題を前に進めるということだと理解をしたいのでありますが、大臣、私のこの情熱といいますか、気持ちについてどういうようにお答え願えますか。
#79
○国務大臣(藤井勝志君) 大変御理解のあるお気持ちを踏まえての御発言でございまして、まさに私も御指摘のように考えております。労働省は、いわゆる労働者の福祉の向上、生活の安定という、これがいままさに大きく変化している現在の日本の産業経済社会において、厳しい情勢に追い込まれております。私は、ぜひ労働政策というものが他の施策と相まって、いわゆる総合的経済政策を踏まえて、明るい方向へ一日も早く前進するように微力ながら全力を尽くしたいと、このように考えております。
#80
○片山甚市君 終わります。
#81
○安恒良一君 私は、いま片山議員の質問の中で、まず労働省にお聞きをしておきたいのは、今後のこの雇用情勢について、どうもやや少し労働大臣以下労働省の幹部に楽観的な物の見方があるんではないかというふうに思うんです。それはなぜかというと、いわゆる完全失業者が百十何万でおって、その点が少し計画よりも上回っていると、こう言われているんですが、私はまず、今後のこの雇用情勢についてどう見られているのかということが、総論ではなくして具体的に少しお聞きをしたいと思うんですが、どうもこれは予算委員会や、それからこういう席上で労働大臣なり総理に追及しますと、経済指標を挙げられて、このように経済が上向きになれば、そこで雇用という問題は大体うまくいくんだと、こういうのが労働省の大臣並びに幹部の皆さんの頭の中にこびりついているような気がするわけです。しかし、御承知のようにわが国の場合には鉄鋼とか化学とか、かなりやはり重化学工業の中には装置産業が多いわけですね。装置産業というのは、今後景気がよくなったからといって新しい労働力を吸収する力はないんです。一方、産業転換を図らなきゃならぬと、こういうことはこれはもう政策として言われているわけでしょう。そうしますと、そういう問題を踏まえて雇用の拡大をどうするのかということについて、たとえばいま大臣は片山議員の質問に対して、いわゆる第三次産業とか、もしくは福祉部門、こういうことで一応総論はお挙げになるわけです。総論は。しかし、それは総論だけではだめなんですよ、具体策を持たなければ。たとえば学校の先生についてということをよく言われる。じゃ、いまの教室の定数をこういうふうに下げるんだと、そのことによって先生の雇用がこれだけできるんだとか、そういうような、もう少し総論ではなくしてあなたがおっしゃったような第三次産業にふやしてもらう、福祉部門にふやしてもらう。福祉部門にふやしてもらうというものについてはどういう部門にどのようにしてふえるのかということを聞かしてもらいたい。そうすると、いやそれは文部省のお答えだと、それは厚生省と、これではいわゆる私は労働省として情けないと思うんです。
 それはなぜかというと、御承知のように高度経済成長政策時代には、失業という問題は余り重要な問題ではなかったわけですね。だから、わが国の経済全体をいわゆる通産省や大蔵省等々がリードしてきている。片山先生も言われたように、今日は低経済成長になれば、まず労働省自体が雇用という観点と産業政策というものを一本にして持って、そしてそれを通産省にこうしてくれと、厚生省にこうしてくれと、文部省にこうしてくれと、これがないとだめなんですよ、その具体論がないと。もう時間がもったいないから聞くのはダブリますから結構ですよ。私はこういうことを総理に申し入れしましたと、そこで今度の政策については考えていただいたでしょうなんという、そんな答弁はもう二度と聞く必要ないんです。そうじゃなくて、具体的に、たとえば第三の道なら第三の道について雇用創出をどういうふうにやるか、そしてそれはわが国の全体の産業の整合性のもとにやらなきゃならない。ですから、それはまず労働省が持って、各省に申し入れして、そして通産省は通産省の角度から検討する、大蔵は大蔵、厚生は厚生、だから逆さまにならなきゃいかぬと思う。そこらの点について大臣のお考え、それから具体策をお持ちなら聞かしてください。
#82
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘の点、至極私もごもっともな御意見だと思います。したがいまして、具体的に簡単に御報告いたしますけれども、雇用創出対策として、今度の補正予算におきまして造船部門において、一応これは関係事務当局と連絡をとった数字でありますけれども、造船部門では約八千六百名ばかりの雇用創出ができるであろうと、この中は船舶の解撤事業関係、これが約三千二百名ぐらいの見当であります。それから、官公庁船の建造、海上保安庁の巡視艇の増強など、これが千四百名ばかり。それから、プラントバージ、こういったことによって、これはまだこれからの期待数字でありますけれども約四千名。それから、文教、福祉関係では、すでに御報告いたしましたように、老人ホーム、養護老人ホームであるとか身障者の福祉施設、保育所、こういったところ、あるいは公民館、図書館、国民体育施設、こういったことでありますが、こういった文教、教養施設関係で約二百十名。体育、スポーツ施設関係では百七十名、こういったこと。それから、小学校、中学校、こういった整備が百八十校ございますが、これで約九百八十名。それから、社会福祉関係施設関係で二千三百名、こういったことで、合計いたしまして一万一千名ぐらいの雇用創出を期待しております。
#83
○安恒良一君 そんなこと聞いているんじゃないんですよ。それはもう予算委員会でも知っていますし、私は予算委員で出ていましたからね、ダブったことを聞いているわけじゃないんですよ。なるほど今度の予算ではそうだと、私は今度の予算だけを言っているわけじゃないんですよ。これからの雇用創出をどう考えているのか、たとえば百とか百二十とか、いま百十五万も失業しているわけでしょう。たとえば造船で八千六百名雇用創出するというけれども、一方造船ではものすごく首切りをいま提案しているわけでしょう。差し引き勘定したらもっとどんどんどんどん余ってくる。そこで私が言っているところの政策ビジョンというのは、たとえば学校なら学校の場合に、いま四十人以上の定員を三十八人に減らせばこれだけいけるじゃないかということを、すでに野党側からも具体的に何回も国会で追及した。たとえば看護婦さんの問題でも、付添看護婦さんを置かなければならぬということはけしからぬということで、たとえば二・五人に一人という特二類にすれば看護婦さんがこれだけ要るじゃないかとかというふうに、一つ一つの教育、医療、福祉について、いまあなたが言ったように百人単位の話じゃないんですよ。百人単位じゃない。やっぱり万単位、千単位のいわゆる雇用創出について政策を労働省がお持ちになるべきじゃないでしょうか。もちろん、それは主官庁はそれぞれありますから、それに基づいて今度は厚生大臣とお話しになるとか、いわゆる文部大臣とお話しになると。そういう前向きの意欲がない。たとえば定年延長、時間短縮問題等についても、いや労働省はそういうことを行政で指導しています。行政で指導していますと、こういう答えがすぐ返ってくるわけです。それじゃだめなんですよ。具体的に、じゃいま時間短縮のできる産業は何だろうかということになるわけです。たとえば好況と言われている自動車産業でどうなんだろうか、電機産業でどうなんだろうかと、こういうふうにやはり一つのある程度の長期的な政策を持って、その政策に基づいて具体論を出して、そしてそれぞれ前向きに私は労働省が関係各省と話を詰めるし、予算にもそれを組み込んでいくし、関係業界とも話をする、こういう意欲がないと、雇用問題というのは私は解決できないと思うんですよ。どうしてもいまの労働省の施策というのは、出てきた失業者をどう救済するかということに追われている、受け身なんですよ、あなたたちのやること。たとえば今度のこの問題でも、これはやっぱり受け身なんです。受け身なんです。受け身だけではもう片づかぬでしょう、雇用問題は。そのときこそ労働省が労働大臣を先頭にして、前に出て、しかも総論ではだめですよと言っているんです。総論では。具体策を持って、そして関係各省と迫っていくと、こういうことを国民、労働者みんな期待しているわけです。労働省に。それがない。だから、新聞にも大きくひやかされて、叱咤激励されて書かれているじゃないですか、労働省ということで。私は実はこの毎日新聞見てびっくりしたんですがね、「主役・労働省は休眠」と書いてある、眠っていると。これは「記者の目」に書いてありますけれどもね、私はこれを読んで、なるほどこれはそのとおりだなと思いましたよ、率直に言って。ですから、そういうことについて大臣、これからいままでの雇用政策その他を、片山先生の質問で見直すと、こう言われていますけれども、私はいま言ったような、少し前向きに日本の経済全体をやっぱり労働省が頭の中に入れながら雇用構造を中心にひとつ考えてみると、そして、それには具体論をつくってみると、百とか二百とかそんなけちな話じゃなくて、もう少し大きい単位で物事を考えるという、そういう考え、お気持ちありませんか。
#84
○国務大臣(藤井勝志君) 余り中長期の具体的な、しかも計画というのはまだ持ち合わせておりません。お気持ちは私は十分理解できますし、私もそういう考え方で努力せなければならぬというふうに思っておりますから、とりあえず先ほど具体的な申し出をしたのは、補正予算においてわれわれはこういう構えで努力したという具体的な例で申し上げたわけでありまして、こういうこともやはり抽象的に言ったんでは、何だ抽象的な話ではないかという、またお返しが来ると思いまして申し上げたわけでございます。
#85
○安恒良一君 それじゃ、その点はひとつ大臣ぜひいま申し上げたように、こんなときこそ労働者が中心になってわが国のいわゆる雇用構造や産業構造はやっぱり考えるんだと、こういうひとつ意欲を持って関係審議会で議論するものはするし、それから関係審議会にかけなくても労働省自体としてやっぱりぼくは立案をして、それはやっぱり国民に問うべきだと思うんです。そして、それを持っていったけれども、どこの省でこれはむずかしいということがわかれば、今度はそこの省との話にこれはなるわけですよね。だから私は、これは私だけでなくて、この前予算委員会でも私と同じことを言われた。私はもう何回も前から大臣に言っているのは、雇用対策本部というのをつくって、総理が本部長になって、あなたが事務局長になって、大臣横並びじゃなくてやったらどうですかというのを私はもう何回もこの委員会で言ったら、この前たまたま同じような御意見が他の野党からも予算委員会で大臣に出ておりましたけれども、どうも大臣がもうちょっと、雇用問題、経済問題のもうおれは中心に座るんだと、そういうぐらいの意欲を持って、横並びじゃなくしてやっぱりやると、こういうことをぜひ重ねてここで強調しておきます。
#86
○国務大臣(藤井勝志君) 時代の要請を踏まえて労働省として、また労働大臣として向こうべき方向は御指摘のとおりと思います。私、微力にして十分まだ成果を得ておりませんが、私の気構えは、御指摘の点をひとつ前進をしたい、このように考えます。
 ただ問題は、決して言いわけではございませんけれども、現在日本の産業構造が基調的に移り変わっておるという激しい変化のさなかでありますから、ただ労働省だけが飛び出して云々するということも現実論としてはなかなかむずかしい。提言はする。もうすでに私は文部大臣、厚生大臣ともいろいろ話しておりますけれども、総定員法の問題との絡みにおいてなかなか問題が前進をしない、こういう事実もございます。いろいろ今後努力をいたしたいと思いますし、また、労働省が総合的経済政策を踏まえて、否むしろ日本の全体の政治の中において中心的役割りを演じなきゃならない時代の要請があるということは、十分私も御指摘のとおりと思います。
#87
○安恒良一君 わかりました。それじゃその問題はそのぐらいにして、これは苦言を呈しておきますから、この次からそんなことがないようにしてもらいたいと思います。
 どうも野党が賛成法案というと、関係局長以下ここの運営を少し軽視をしているんじゃないか。それはどういうことかというと、私はきのう夕方、質問取りの方について、たとえば、今回の場合でも失業保険料の一%の値上げがある、そこで雇用勘定については一遍詳細に見たい、すでに衆議院とか各審議会で出されている資料二つを入手しておりましたから、これではだめなんだと、少し詳しい資料を欲しい、こういうことを実はお願いをしておきましたし、それから、いわゆる三月の労働特別調査の中で数点私はこういう資料についてもひとつ用意をしてもらいたい、こういうことをお願いをしておって、いまさっき大分片山先生の質問のときに、私があっち行ったりこっち行ったりして大変議場を騒がして申しわけないと思いますが、普通でありますと、そういうことをお願いしておけばけさ私の手元に届くわけですよね。ところが、私はこの会場に来て資料をくれと言って、そして資料を見てみたらずさんだから、あそこ直せ、ここ直せと、こういうことで実は質問に立つちょっと前までかかったわけです。これでは私は十分なここで審議ができないと思うんです。そういう点についてこれからはひとつ十分に、たとえ賛成法案であっても、たとえばそういう資料がなければ私はそれができるまで待つと、意地悪くすればできるわけですけれども、そういうことを私はしたくないわけですから、少し、賛成法案であっても質問取りを前日やるなら――やらないなら別ですよ、やらなくてぶっつけ本番でこれからやるというなら別だ。そうでない限り、事資料に関しては前社労委員長からも細かく要求しておけということであったので要求しておったら、今度はそれがなかなか出てこない。こういうことでは審議がうまくいきませんが、そういう点についてはどうしてくれますか。
#88
○政府委員(細野正君) 御指摘の点まことに私どもも恐縮に存じているわけでございます。やや言いわけめいて恐縮でございますけれども、部内の連絡が不十分で、この席に資料を自分たちの方が準備してくればいいというふうに私ども聞き違っておりまして、そういう意味ではまことに御迷惑をおかけしました点、また今後そういうことのないように私どもいたしたいと思いますので、その点について、まずとりあえずおわびを申し上げたいと思います。
#89
○安恒良一君 準備してくればいいということじゃないんですよ。準備してきているやつもまだ私が言ったことよりも粗末なんです。あわてていまつくったんだから、準備してきたやつ。それから、細かい数字の場合は、あなたたちが準備しておくだけじゃなくて私の方にもらっておかなきゃそれで時間がたっちゃうわけでしょう。だから、事前に通告してこういう資料が欲しい、こういうことですから。それは私の手元にあってそれと見比べながら議論をすれば能率的なんですから、そういう言いわけしてもらっても困る。どうですか。
#90
○政府委員(細野正君) 先ほど申しましたように、非常に御迷惑をかけまして恐縮に存じておるわけでございます。
#91
○安恒良一君 わかりました。それじゃ今後そういうことがないようにしてもらいたいと思います。
 そこで、この法案の中身に入る前に一つちょっとお聞きをしておきたいことがあります。
 これは十月の四日ですか、与野党の幹事長・書記長会談の中で、雇用問題に関することについて四つの項目が示されています。これは衆議院なんかの議論のときに、いやその事実があったことは知っているというふうにお答えだそうでありますから、私はその事実のあることをダブって聞こうとは思っておりませんが、大臣、四項目提示されたことは御承知ですね、四項目の処理について聞きますから。
#92
○国務大臣(藤井勝志君) よくわかっております。
#93
○安恒良一君 わかりました。それじゃ四項目を読み上げるのは時間もったいないからやめますが、一、二、三、これは私はいわゆる省令、政令事項だと思います。省令事項だと思いますが、これについては、中央職業安定審議会にかけて処理をしようと思えば一、二、三のことはできるんでありますが、これは早急におかけになる気があるかどうかということが一つと、それから第四項は、これは片山先生の質問の中でちょっと出ておりましたが、第四項については、これは法律改正事項ですね。たとえば、「次期通常国会において雇用安定事業にかかる保険料率の弾力条項の創設と併わせて」云々ということは、これは私は法律改正事項だと思いますが、これはいまさっきの答弁の中でちょっと明らかになっておったようでありますが、法律改正として次の通常国会に第四項は出す用意があるのかどうか。第一項から第三項までは、いわゆる中央職業安定審議会の議を経て具体的にいつから実施されるのか、こういうようなことについてひとつ御答弁をお願いをしたい。
#94
○国務大臣(藤井勝志君) 御指摘の四項、第一から第三は、政令としてできるだけ法案の成立を見ましたら実施できるように、大体審議会の答申を得るのが二週間ぐらいの見当でおります。そして実施は昭和五十四年の一月から実施ということに予定しております。
 それから、四項の問題につきましては、これまたわれわれも誠意を持って前向きで検討いたしたい、このように考えます。
#95
○安恒良一君 そうすると、たとえば、いま言われましたが、職業訓練受講者については、現行の一年の給付延長を二年間に延長するとか、それから、中高年齢者の雇用奨励助成金の支出区分の延長を、現行の三ないし六カ月を六ないし一年にするとか、こういうやつは、いま言われたように、一から三までは早急に中央職安審議会にかけて、実施の時期は大体五十四年一月からこの一、二、三についてはやっていただける、こういうことですね。
#96
○政府委員(細野正君) 大臣からお話ございましたように、自民党が各野党に対しまして提案された中身でございますから、当然私どもも誠意を持って検討すべきものというふうに考えているわけであります。その内容につきましては、関係省との詰めがございますので、したがいまして、この段階で具体的な内容なり、その実施等について明確にお答えすることはできませんけれども、いま大臣がお話しになりましたように、その御提示申し上げた中身にも実施期日等が入っているものもございますので、そういう点を十分踏まえまして、誠意を持って私どもは関係省とも詰めてまいりたい、こう思っているわけでございます。
#97
○安恒良一君 いま大臣は、私はそれがために時間を省略して読み上げなかったけど、四項目知ってやるかと言ったら知っていると。一項目から三項目までは省令事項だから職安審の議さえ得られれば実行できるものであると、四項目は、これは法律改正事項だから次の通常国会だろう、こういうことをまず前提に置いて、職安審にかけてくれるかと言ったら早急にかけると。実施はいつからかと言ったら大体一月からと、こうおっしゃるから、そうですか、結構ですと。そういう意味で、今度は細かく中身を読み上げると、局長が途端に、いやいやこれはということで、そういうところはぼくはやっぱり、大臣言われて、職安審にかけて職安審の議を経て所要の手続をとられたら、やはりこういうものについて、すでに自民党の、与党の幹事長から野党の書記長に出されているんですから、そういうふうにこういうところで慎重になることはないんですよ。ちゃんと職安審にかけて、一月からやるものはすぱっとやると、こういうふうに、大臣のようにきちっとしてくださいよ、それは。
#98
○国務大臣(藤井勝志君) 局長の答弁は、これはお役人として、やはり相談すべき役所が大蔵省でございます。そこら辺の話をしない前にいきなり局長としては答えにくかったと思うのでありまして、私は先ほど答えたとおりの線に実施したいと、このように考えております。
#99
○安恒良一君 結構です。それなら大臣の御答弁どおり承っておきます。
 それからその次、これもすでに片山先生の質問で、いわゆる弾力的にやっていただけるということをはっきり確認をされましたから、私は弾力的にやっていただきたいと思いますが、なぜ弾力的にやっていただきたいかとう理由をちょっと申し上げて、大臣にお記憶にとめておっていただきたいと思います。
 特定不況地域離職者臨時措置法の第二条と、それから特定不況地域中小企業対策臨時措置法の二条が必ずしもきちっといってないんじゃないかという気がしています。なぜかというと、これは片山先生も言われたように、通産省の場合には産業を重点に考えるわけですね。労働省の場合にはやっぱり雇用を重点に考えるわけですよ。そうしますと、たとえばこういうことが起こると思います。中核的な企業があるところで出荷量その他で考えたと、こういうことなんですね。ところが、通産省の方でいきますと、当該の市町村の区域内に所在する事業所と、こういうことになる。ところが、関連下請というのは必ずしも当該の区域内市町村にはない場合があるわけですね。たとえば造船業なら造船業の場合には、いわゆる職安を中心にこの地域ということで市町村を指定された。ところがそれの関連の下請企業というのは、その地域からちょっと離れたところにある場合があり得るんです。これは。ですから私は、この労働省の場合には、「区域及びその近隣の地域」というふうに労働省の方のやつは入れられたんじゃないかと思います。「その近隣」というふうに。ですが、通産省の中には必ずしも「その近隣」というのが入ってないんですよ。だから労働省は考えられた。ですから、たとえば職安単位に、私はここに職安の地図を持ってきていますが、職安単位だけでもやっぱり無理があるわけです。職安ということでも。そういう関連下請がありますから。ですから私は、そこのところはもうすでに大臣答弁で明らかになっていますが、ぜひ私はやっぱり弾力的に指定地域というのは一遍考えていただきたいと思います。
 たとえば、私は北九州、福岡から出ていますが、北九州の都市は全然これは入ってないわけですね。ところが、片山先生も言われましたように、いわゆる就職率、それから有効求人倍率、それから雇用保険の受給率等々見ましたら、戸畑、若松、門司等々はいわゆる全国平均よりもはるかに上回っているわけなんですね。それから尼崎もそうですね、尼崎も非常に雇用不安があるが、尼崎もこれには入っていない等々、これはまあ衆議院の議論もあったと思いますけど、そういう有効求人倍率その他、労働省が考えられる雇用指標から見ると当然入れなきゃならないものが入っていないということ。
 それから、いま一つお聞きしたいんですが、たとえば燕ですね、食器類。あれも円高によって物すごく地域全体で不況になっていると思います。そういう燕なんかもこれを見ますと入っておりませんし、それから、私たちこの前実態調査に行きました桐生の方のスカーフとか、いろいろなのがありますね。あれもやはり私から見ると問題があると思います。そういう例を挙げていったら切りがありませんが、いわゆるそういう産地が今回の御指定の中には入っていない。ですから私は、もうすでに片山先生の質問で、いやそれは十分弾力的にやるんだと、こうおっしゃいましたから安心しましたが、重ねて大臣、そういう具体的な例を挙げましたので、私は、通産省と労働省の間に若干の違いがある、これは当然だと。だから労働省は雇用の観点から、いわゆるいま言われているところの指定地域にプラスについていま一遍洗ってもらいたい、そして追加すべきものは追加してもらいたいと、こう思いますがどうでしょうか。
#100
○国務大臣(藤井勝志君) 特定不況地域離職者臨時措置法案の精神を踏まえまして、やはり厳しい雇用情勢に対応できるような地域指定をしなければならないと、このように考えております。ただ、決してこれはただし書きというか、そういう言いわけではございませんけれども、地区指定という、こういったことになりますと、人間の定める一つの区切りでありますから、そこからはみ出すところ、そこら辺を次々限界を追うていくと、もう全国全体が指定区域になってしまうという、こういったことは避けなければならぬ。だから、常識的に考えて、特定不況地域、地域ぐるみの不況対策としての精神を踏まえて弾力的に運用したいと、このように考えております。
#101
○安恒良一君 たとえばこれ、大臣ちょっと細か過ぎてわからないかわかりませんが、これが函館市なんですね。そして職安の管轄はこれだけの地域を管轄している、この赤い線。そうすると、通産省の案でいきますと、函館市ということになると函館になってしまう。ところが、いわゆるこの職安はこれだけ管轄しているわけですから、一つの職安で。しかもかなり通勤圏にあるわけですね。それから、企業も必ずしも函館市でなくて隣の町や村にある場合もあるわけです。これは私は、そういう今回指定されたところの何カ所かの地図を、こうして職安と市町村の行政の関係を洗ってみると、職安の方がかなりやっぱり広いわけですね。そして企業の分布も、たとえば舞鶴なら舞鶴市に必ずしもあるわけではない。ところが舞鶴市は指定された、その他の市町村は指定されないということになると、これはやっぱり労働者――ですから、この点についてはこちら側はいわゆる労働者を雇用している事業ということで通勤圏はある程度カバーできているんですね、事業が雇用しているということで通勤圏はカバーできている。ところが、いま申し上げたように、舞鶴からちょっと離れたところの市町村にいわゆる造船なら造船の下請があるわけですよ。そういう点も考えてもらわぬと、何も私も無限に広げろと言っているわけではない。しかし、せめてこの職安なら職安のこういう管轄がありますから、そういうところを頭に置いて弾力的にやってもらわないと仏つくって魂入れずということになる。たとえば函館の場合なんかも端的にわかるわけです。ですから、そういうふうにそこのところの指定については、いま労働省は何といってもやっぱり雇用安定という角度がある。しかし、私も無制限にどんどんどんどん広げろと言っているわけではない。しかし、きめ細かくやっぱり注意していただかないと、どうも通産省の法案と、それから労働省の法案を読むと、そこらのところにやっぱり食い違いが出てきているというふうに思います。
 ですから、通産省おられますか。――どうか通産省も、いま言ったようなことで、通産省が産業ということを中核に置かれるのはわかるけれども、いま言ったところについてのお考えを少し聞かしておいてもらいたい。これから労働省が話をするときに、いや通産省がむずかしいからと、こういう話がちょいちょい出ますから、どうですかね、いま言われたような点。
#102
○政府委員(若杉和夫君) お答えいたします。
 この指定につきましては政令でございますから、労働省、通産省、その他各省一体になって指定するということでございます。それで、先ほどお話がありました、必ずしも特定不況の事業所が所在しなくても、周辺の地域でそれと密接な関連があって下請等がいる場合には、関連市町村ということで政令指定する道も開いてございます。したがいまして、御趣旨を体して、この法律の趣旨に照らして前向きに政令指定の方は考えていきたいと、かように考えております。
#103
○安恒良一君 それから、実はきょうは雇用保険の中身について少し洗った議論をしたいと思ったんですが、実は局長、雇用保険勘定というのがございまして、五十一年度、五十二年度、これはこういう縦書きの雇用保険勘定の細かいのをいただいたわけです。ところが、私がきのう設問をしておったのは、雇用保険の財政見通しというのがあるんです。これはいまさっき片山先生の質問に答えられた。この中にも、これは今度の改正に伴ってどう変化するかということは必ずしも入ってないわけですね。これはここに仮定が三つ立ててありまして、そこで一%を今度上げる以上は、私はやはりこのような縦書きの詳細なやつに加えて、今後の財政見通し、それからいま一つは、すでにもう片山先生の質問でどのくらい財源が要るかというのはわかっていますから、そういうものを加えた上で、なおやはり保険財政が苦しくなるから一%値上げはやむを得ないんだと。これはもちろんあなたたちから言わせれば、職安審でもう満場一致決まっているからいいじゃないか、ということじゃないと思うんですよ。やっぱり国会は国会の場で、この中身について本当に一%必要なのかどうなのかということをするためには、少しやはり詳細なデータがないといけないと思ってお願いをしておったんですが、実を言うと五十二年度まではこれが出てきました。いま出てきた。ところが五十三年がどうなる、五十四年がどうなるということはないんです。あるとすればこれしかない。ですからこれでは議論ができません。できませんからこれはやむを得ませんから、早急にひとつ私はそういうものをつけたのを後で届けていただきたいと。いまここでつくってもらっているのを待っておったら私の持ち時間がなくなってしまいますから、どうかそういうことについて、局長少なくとも雇用保険料の値上げをやる場合の財政指標というものは、もう少しきめを細かに説得性を持ったものを出してもらいたいと思いますが、どうですか。
#104
○政府委員(細野正君) 先生の御要望、いま承ったわけでございますが、さらに直接先生のところへ係の者が伺いまして、その御要望に即したものを極力つくるようにいたしたいと思います。
#105
○安恒良一君 そこで、積立金の総額が説明をされました。それから、いわゆる四事業の今日の保留分の説明もされましたが、このように失業保険料の一%の値上げをするときに、こういう積立金を大体持っておる必要があるのだろうかどうだろうかと。というのは、これはどういうことかというと、どうも今後の雇用情勢については、いまさっきの説明をじっと聞いておりますと、ちょっと矛盾しているんですが、片山先生のまず第一の質問では、日本の経済の安定と伴って、雇用についてはやや楽観論的なことを言われておった。ところが今度は財政のところへいきますと、そうは言ってもなかなか人員が減らないからと、こう言われておったんですが、私は雇用の見通しと財政の見通しの中から、積立金というものを、約これだけの金額がありますが、持っておく必要があるのかどうかと、このことについて考え方を聞かしてください。
#106
○政府委員(細野正君) この雇用保険の財政につきましては、御存じのように徴収法に規定ございまして、それで一年分の保険料収入相当額分の積立金というものを保持する。で、その考え方は、緊急な事態等に備えるということだと思いますが、したがいまして、そういう意味で一年分の積立金を下回るようになったら料率を上げる。それから、これが二年分積み立てができた場合には料率を下げるということを基本的な原則としているわけであります。で、先ほど来申し上げておりますように、過去におきましても数年続いて赤字であり、今後も早急な改善が望まれないとしますと、やはりこの際、特に今回の法案に伴いまして、相当の支出を伴う給付延長等の措置をとるわけでございますので、この際、最低千分の一程度の料率の値上げはお願いせざるを得ないと、こういう考え方でいるわけでございます。
#107
○安恒良一君 これはいま言ったように、私がお願いをした財政見通しが出てきていませんからなかなか議論しにくいんですが、私は、当初あなたたちはやはり二%程度のことを一時お考えだったわけですね。それで職安審その他いろいろ受けて一%になっていますから、私はちょっと、どうも言っておることにちぐはぐがあるわけですが、雇用情勢はかなり楽観論を言っておきながら、いざ保険財政のことになるとかなりシビアに言われる。ですから、私はきょうここでこれより以上細かい資料がないから、ちょっと私も残念ながら論議ができませんので、資料を出していただいて、もう少し私はいま申し上げたことについてはぜひ検討をしておいてほしい、こういうふうにこの点は思います。
 それから、次にお聞きをしたいんですが、いわゆる雇用開発給付金を初め、職業転換給付金等々の支給条件の中に、公共職安所の紹介に基づいた場合にそういうものを支給するというのが何項目かあると思います。これをまず説明してください、何と何と何があるかということを。公共職業安定所を通じてのいわゆる入職をした場合には支給することになっている。それがたくさんあると思いますから、その項目をちょっと挙げてみてください。
#108
○政府委員(細野正君) 私の記憶しているところでは、安定所の紹介を要件としているものは、御存じの中高年齢者雇用開発給付金でございまして、その中高年者雇用開発給付金も、中年の方についてのみ安定所紹介というものを要件としているというふうに記憶しております。
#109
○安恒良一君 それ以外は、私もいまここに労働省が出しているパンフレットを持ってきていますが、それを一々読み上げる時間はありませんけど、私はそれはなぜそういうことを申し上げようとしているのかと言いますと、これも資料を要求して資料をきょうつくっていただいたんですが、いわゆる労働省がことしの三月、労働力調査、そしてさらにそれの中の特別調査ということでいろんんな資料を出されましたが、たとえばいま私の手元にきょういただいた資料で、第三表に、公共職安への申し込みというのはいわゆる三九・七%になっています。ところが実際は、入職の方を見ますと、公共職業安定所を通じては六・九になっているわけですね、六・九。ですから、知人その他の紹介の方が多いわけです。ですから、私もいま項目を全部挙げる時間がありませんが、私はこういうところについても、せっかく雇用拡大、雇用開発という意味で、まあ政府としては四事業からの財政を出すんだから、そういうことで公共職業安定所の申し込みということに重点を置かれるというのは一面わかるんですがね、それだけではいかないと思う。実態は、おたくでつくられた表を見ても、公共職業安定所を通じて申し込みはかなりあるんですが、現実に雇用紹介ができ上がって入職した人との間に余りにも乖離があるわけですね。これがいまの現実なんです。その場合に、そういう奨励交付金を出す場合に、やはりもっともっと雇用拡大をしていこうと思えば、そこのところについて、私もきょう時間がありません、細かく一つ一つ挙げませんから、一遍洗い直してみてもらいたい。公共職業安定所を通じてやったのは当然ですが、それ以外でも実際に雇用を抱え込むという問題があれば、そういうものについてはやはり財政支出をしていくようにしてもらいたいと思いますが、そこはどうですか。
#110
○政府委員(細野正君) 先生御指摘のように、安定所を経由しないで就職される方もかなりあるわけですから、その面についての配慮をしろという御趣旨、非常によくわかるわけです。ただ一面におきまして、これは先生も先ほどお触れになりましたが、御存じのように、給付金の要件としましては、たとえばある人を切って新しい人を入れたというんじゃ、これは助成をする趣旨になりませんので、したがいまして、確認行為というのがどうしても伴うわけであります。その場合に、事後的に、かなりやった後で給付の申請等が出た場合にその確認が非常にむずかしくなりますので、そこで中年の方については安定所を経由して、その場合には事前にわかるものですから、事前によくその点についての確認をした上で支給をしていく。高年の方については若干数の少ない点もありますが、できるだけ、多数であっても、事後的なことでもよく調査をした上でお支払いするというようなふうにいま割り切っておるわけでございますが、なお御指摘の趣も私どもよくわかりますので、引き続き検討さしていただきたいと、こう思っておるわけであります。
#111
○安恒良一君 ですから、私は決して確認をしないまま、まあノーチェックでやれと言っているわけじゃないんですよ。しかし、一応法のたてまえの中に、公共職業安定所を通じてのとなっている場合に、実態にそぐわないんじゃないかと、だからノーチェックじゃなくて確認は確認としてやっても、実態にそぐうように、いまあなたが言ったように、一人首切って一人入れると、こんなのはてんで問題にならないわけですから、そういうふうにひとつ検討をしてもらいたいと、こういうことですから、ぜひひとつ前向きにお願いをしておきます。
 それから、その次の問題ですが、今度のこういう特定不況地域の臨時措置法ができたことは私も賛成だし、歓迎をするわけですが、そこで、いわゆる具体的なこれに基づく失業給付金をもらう、そのときに、窓口の職安で、いわゆる就職あっせんがあるわけです。就職あっせんがですね。それを断ると一応失業給付金を出さないという場合もあり得るわけです。その場合のいろんな基準があります。で、いろんな基準の中で一番問題になるのは、やっぱり賃金なんですね。前職賃金と新しく紹介するときの賃金についての問題があるわけです。その場合に、一応法律ではその賃金のおおむね千分の八十以下の場合云々と、こうなっているわけです。ところが今度、特定不況地域というのは、その地域全体が不況ですから、そこで失業したと、しかも中小企業が多いわけですからね、そしてその賃金というのは余り高くないですよ。今度はまたその賃金よりもさらに低いやつを特定不況地域の職安で紹介して、おまえさんそこへ行かぬからだめだと、こう言われたら、せっかくこれもまた法律をつくって魂入れずということになると思うんですね。そういう経済事情にありますから。ですから、そこのところの運営については、第一線のいわゆるこの担当のところで十分に注意をしていただかないと、この法律をまた仏つくって魂を入れずということになると思いますが、そういう点についての御見解を聞かしてください。
#112
○説明員(川上忠憲君) 本法案に基づきます給付延長につきましては、四十歳以上の特定不況地域離職者については原則としてやるという考え方でございます。政令における基準におきましても、特定不況業種の離職者臨時措置法による特例の場合と同様の基準を定める考えでおるわけでございます。
 なお、先生御指摘の職業紹介に関連します問題につきましては、給付制限につきましては中央職業安定審議会に諮って定めた基準がございますので、この基準にのっとりまして適切な運用を図ってまいりたいと、このように考えております。
#113
○安恒良一君 知っているんですよ。基準は知っているから、その基準をいまここで全面的に変えろと言っているわけじゃないんで、そういう特定不況地域に起こった場合に、この基準についてもしゃくし定規にやると問題がありますよということを言っているわけです。なぜかというと、特定不況地域ですから、全体がすでに賃金も低いんで、そのまた何ぼということだけでやられたんじゃ、しゃくし定規にやられると困る。だから運営について十分この法律の精神が生きるようにやってくださいと、こう言っている。それはいいでしょう、そういうこと、大臣ね。何も基準変えろと言っているんじゃない。これは大臣答弁、課長答弁じゃない。
#114
○国務大臣(藤井勝志君) 御趣旨の点、前向きで対処したいと思います。
#115
○安恒良一君 それでは、私の持ち時間は十九分まであるんですが、実は資料が、雇用が出ていませんから、その点は早く終わりたいと思います。
 そこで、最後に一つお聞きしておきたいのですが、まあこれでこういうことができることは非常に結構なことですが、またこれも総定員法ということがあると思いますけれども、第一線のこの職安の仕事というのはますますこれはふえてくるわけですね。それで、まあこういう時代だから、仕事が。しかし私は人間には限界がある。そこでやはりこの定員をふやしていかないと、たとえばこの特定不況地域に指定されたところは今度はこれだけのまた仕事がふえるわけですから、そういうことについて、職安の職員の増員問題についてどういうふうにお考えになっていますか。
#116
○国務大臣(藤井勝志君) 労働省の仕事は、すべてがおおむねマン・ツー・マンの関係、人間関係という、こういったことでございまして、わけても厳しい現在の雇用失業情勢を考えますと、必要な定員の確保については十二分に努力を払いたいと、このように考えております。
#117
○安恒良一君 そうしますと、まあ必要なと言われましたが、今回地域も指定をされましたし、それから来るところの仕事量のふえることも一応の見当がついていると思いますが、どの程度の人員増になるんでしょうか。まだそこまでいっていませんか。
#118
○政府委員(細野正君) 今回の法案提出に伴いまして、追加して所要人数等の要求を関係省に提出したところであります。その数ちょっといま手元にございませんので、後ほど御報告申し上げるようにしたいと思います。
#119
○安恒良一君 それじゃぜひ大臣がおっしゃったように、やはりマン・ツー・マンの仕事ですから、必要な人員の増に一段と力を入れていただくことをお願いして、資料は後からいただきます。
 私の質問はこれで終わります。
#120
○委員長(対馬孝且君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時五分より再開することとし、休憩をいたします。
   午後零時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十分開会
#121
○委員長(対馬孝且君) ただいまから社会労働委員会を再開いたします。
 午前に引き続き、特定不況地域離職者臨時措置法案を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#122
○小平芳平君 午前中の質疑で大分いろんな点が明らかにされておりましたので、私もそう長い時間質問する考えではおりません。
 まず、第一に伺いたいことは、これはもう午前中にも十分お話が出ておりましたが、地域指定についてであります。この点は各地方の県あるいは市町村の、特に市、市長、市議会、町、町長、町議会というような方々の重大関心の的であるし、それからまたいろんな陳情が、いろんなというか、地域指定してほしいということが労働省、通産省にはすでにもう何回となく来られていると思います。で、きわめてわかりにくいわけです。要するに、通産省が特定不況地域という指定をされたわけですね、十八地域になりますか。その通産省の指定された特定不況地域と今国会で審議しているところの特定不況地域と混乱するわけです。それから、今度は通産省へ行った方々も、わが市はこれこれしかじかの条件だから指定してほしいという、そういう地方団体の御意見に対して、通産省は、あなたの方はこれこれしかじかだから指定に外れますと、こういうふうに答える。そうすると、受け取った方は果たして通産省がすでにやっている特定不況地域から外れているのか、中には、今国会で審議しているこの法律案にすでに外されているというふうに受け取っている向きもあるわけなんです。まだ法律案も国会に提案されていない段階で、すでにもうあなたのところは外れているとかいうふうに言われて帰ってきているということ自体まことにおかしなことなんですが、しかし、そういうわかりにくい面も一つあったんだろうと、私はそういうふうに解釈をしているわけであります。
 そこでもう一つ、今度この法律案が出てきてもわかりにくいのが、午前中にも質疑のありました、労働省がこの地域指定をする場合に、なぜ通産省の中小企業対策臨時措置法案を要件とするかということですね、なぜ労働省は労働情勢というものを根本にして判断していかないかという、その点はいかがですか。
#123
○政府委員(細野正君) 今回の二つの法律によります対策の考え方が、構造不況的な業種の著しい影響によりまして、その地域全体が経営面でも、あるいは雇用の面でも、いわばどしゃ降り的な急激な影響を受けつつあるというところに着目いたしまして、したがいまして、経営的な側面につきましては通産省が、それから雇用の面につきましては労働省がそれぞれ担当してはおりますけれども、両者が協力しまして総合的な施策をその地域に施してまいりたいと、こういうところに着目をいたしているわけでありまして、その意味で、それぞれの事業の活動状況あるいは雇用失業の状況、この両方の側面の指標によってその地域を指定してまいりたい、こういうふうな考え方に立っているわけであります。したがって、共同して地域を指定すると同時に対策も総合的にやっていきたい、こういう考え方に立っているわけでございます。
#124
○小平芳平君 私ちょっと、先ほど通産省の地域が十八地域と言いましたが、十六地域ですね、ちょっとそれを間違いましたので訂正いたしておきます。
 それは、施策は協議し合同して行わなくてはならない、同じ国の施策ですからそれは当然なんですが、それじゃ労働省に具体的に伺いますが、百二十万人と言われるこうした大量完全失業者の何%くらいが今回のこの特定不況地域の指定によって対策の対象になるかということはどう考えられますか。
#125
○政府委員(細野正君) この地域自体につきまして、朝方来御審議いただいておりますように、これから具体的な基準を決め、私どもの方は特に審議会にもお諮りして決めて、その結果として地域が指定をされてまいりますので、したがいまして、この段階で何人が対象になるかということを明確に申し上げられるというふうな段階ではございませんので、その点はひとつ御理解をいただきたいと思うわけであります。
#126
○小平芳平君 もちろん何人とか、正確な数字が出ようわけはありませんし、また地域指定も、新聞報道によれば労働省はこのくらいの地域数を予定していた、ところが衆議院の段階で自民党と新自由クラブの間でこういう話し合いがついたために、労働省も三十地域くらいは指定しなければならなくなったような記事もありますが、そういうことが、いまからそんなに早く決まっているというふうには私ももちろん予想して言っているわけではありませんが、ただ、今回の法案が成立しても日本の国の大量失業の事態に対する効果はどのくらい期待できるのか、余り期待できないのか、そのくらいのことは把握してやらなくては推進のしようがないじゃないですか。
 それから、地域は何地域なんですか、新聞では二十何地域になりそうだとか、三十地域になりそうだとか報道されておりますが。
#127
○政府委員(細野正君) その地域の数につきましては、先ほど申し上げましたように、これからまず指定基準について、特に私どもの場合には安定審議会にもお諮りして、その意見を聞いて決めるというものでございまして、決まった基準にのっとりまして具体的な地域が指定をされ、結果としてその数が出てくるというものでございまして、あらかじめ幾つという数が当然出てくるという性質のものではございませんので、そこはひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
 それからなお、この法案によりまして、現在の雇用失業情勢にどれだけの影響があるのか、こういう御質問でございましたが、結局全般的な雇用失業情勢につきましては、先ほど来大臣からもお話ございましたように、やはり基本はまず現在の景気自体をできるだけ持続的に回復させまして、その中で民間を中心に雇用需要というものを喚起をしましていくという、そういうことが基本になって、それに加えまして、たとえば教育、社会福祉、文化とか、そういうふうな面の強化の問題とか、あるいは時短を進めるとか、定年延長を進めるとか、いろんなそういうマクロ的な面で見ますと補助的な手段をいろいろと総合的に実施して対処すべき問題じゃなかろうかと、こう思うわけでありますが、その中でも特に今回の法案の対象になっております地域は、ある程度景気が回復しますと、すでに御存じのように、たとえば一般の産業の場合には、もうことしの二月から対前年同月比で求人等は増に転じてきておりますし、製造業等もこの五月ぐらいからようやく求人が増に転ずると、部分的ではございますけれどもある程度改善の兆しも見えてきております。問題は、これが持続するかどうかというのが一つの問題でございまして、それが持続するためには、冒頭申し上げましたように、景気の回復が持続をしないと産業界が将来に確信を持って人を採るというふうにはなかなかなってこないわけでございまして、そういう意味で、将来についてまだ不確実性がかなり残っておりますけれども、当面、一部には雇用面についても改善の兆しが出ているわけでありますが、しかし何といっても問題なのは、いわゆる構造不況業種と言われているところにおきましては、造船を初め、これからもかなりの数の離職者の発生が見込まれておるということと、それから、その影響によってその地域全体に、先ほど申しましたように経営面でも雇用面でも大きな影響を及ぼしつつある、そこに着目いたしまして、全般的にある程度改善の、先ほど申しました兆しが持続するという前提に立っても、なおかつその残る問題は、構造不況地帯、特定不況地域と言われるこれらの地域の問題というのはもうどうしても残ってしまう。むしろ今後も急激に悪化するおそれがある。したがって、ここについて緊急に臨時の措置を講ぜざるを得ないんじゃなかろうか、こういう認識に立っている次第でございます。
#128
○小平芳平君 ちょっと、いまのそういう総論的な把握についてもいろいろ私も意見を申し上げたいし、尋ねたいこともありますが、いま、この本題の地域指定についてまたお尋ねしますが、通産省はそうしますと、この緊急対策の指定十六地域というわけですか、この考え方、ごく概略でも結構ですから、こういうふうに十六地域を選んだ基本的な考え方、もう筋書きだけで結構ですから。それと、今度新しくこの法案を提案し成立した段階で実施しようという地域と、そのかかわり合いについて考え方を述べていただきたい。
#129
○政府委員(若杉和夫君) 十六地域につきましては、かねてから造船を中心に非常に特定の地域で甚大な被害が出ておるということで、法律の制定を待つ前に、緊急に、一せめて関連中小企業者の融資だけでも実施したいということで十六地域を一応行政措置として決めさしていただいたわけですが、その基準でございますけれども、それは、一つには構造不況業種に属する中核的事業所がそこにありまして、そしてその市町村の工業出荷額の三分の一以上をそれが占めておるということを第一にいたしました。第二に、その当該中核事業所の事業規模が縮小いたしまして、関連の中小企業その他、間接直接を問わず、中小企業の経営に非常に悪影響が出ておる。具体的には中核的事業所の下請中小企業に対する発注額、それから、その他関連中小企業者からの物資とかサービスの購入額の減少、また当該地域内の中小企業のうちの赤字企業割合といったようなものを判断いたしました。それから第三に、当該地域に多数の離職者が発生しておる、また再就職が困難であるということを判断基準にいたしまして、具体的には有効求人倍率あるいは雇用保険の受給者数、その就業者に対する受給者の割合といったようなものを総合的に勘案いたしまして行いました。それでただ、不況業種というものの判断で、当時は北洋漁業とかそういうようなものも含めて考えませんでした。そういうようなことでありますし、それから、雇用関係の指標というのも順次新しく経済の変動に伴いまして変化してまいります。そういうようなことでございます。
 それで、十六地域と今後の指定との関連でございますけれども、われわれとしては、かっちりした基準ではございませんでしたけれども、緊急性ということで指定さしていただきまして、ただ相当典型的にひどいところを指定さしていただいたわけです。その結果造船が非常に多いのでございますが、したがって新しい法律に基づく基準につきましては、これから労働関係の指標については審議会等の議も得て決めるわけでございますし、それから、そのほかの基準につきましても、政令でございますから、関係省とも打ち合わせた上で法律に基づく新しい基準は決めますけれども、相当ひどいところの典型的なところを十六地域としたものですから、結果的にはどうなるか確定的なことは申し上げられませんが、十六地域はおおむね入り得るんじゃないか。したがって、この十六地域プラスアルファといいますか、そういうことになってまいるのではないか、かように考えているわけでございます。
#130
○小平芳平君 したがいまして、そうしますと通産省の考え方としても、要するに不況業種ということから造船に象徴されるような大企業ですね、いわゆる巨大企業、その城下町なんという言葉が盛んにいま新聞に出ますけれども、そういうようなことを重点に通産省は考えているのではないということ、こういうふうに理解してよろしいですか。ということは、不況は円高不況もありますし、それからいろんな面で出てきているわけですので、もう少し、どういうふうな選び方をするのが公平なのか、その辺に着目していただかないと、象徴的な大企業があって、中核的な大企業があって、その中核的な大企業が構造的な不況に陥ったがゆえにという、初めの出発点にそういうことがあったのでは公平じゃないじゃないかという考えに対して、いかがですか。
#131
○政府委員(若杉和夫君) まさにおっしゃるとおりの実は思考過程をたどったわけでございます。正直申し上げますと。まあ、大企業優先というわけじゃなかったんですが、特定の地域で相当どしゃ降り的にひどい状況というのは、通俗的に言えば、大きな企業が一社または何社かあってそこが相当いかれておるということで、中核的事業所というものを実はわれわれ事務当局としては当初頭に描いていたことは、正直申し上げましてそのとおりなんでございます。それがある程度十六地域にも引っ張られて、そういう頭で十六地域をやったきらいがございます。ただし、その間、その段階から実は立法に着手し始めまして、法律案作成の過程におきまして、中核的の少数、あるいは
 一つもしくは数個の事業所のみではないと、円高その他、あるいは非常に中小企業だけがたくさんいる、それが寄せ集まれば地域のウエートが非常に高いぞと、こういうところは当然対象に入れるべきではないか。それから北洋水産で、北洋漁業が不振のために水産加工業とか、あるいは周りの関連企業とかがいかれている場合もいいのではないかというふうに、法律的には思考過程として考えるに至りまして、現在のたてまえは、先生おっしゃるとおり比較的幅の広い感覚に、観点に立っておるのでございます。
#132
○小平芳平君 労働省も当然、そういういまの御答弁の表現をかりれば、幅の広い考え方でおられると思いますが、そこで労働省に伺いますことは、これは午前中にも出ておりましたように、たとえば沖繩ですね、有効求人倍率の極度に低い沖繩〇・〇八、青森〇・二七というふうなこうした地域は、午前中の御答弁を聞いておりますと別個の対策があるんだと。今回のこの不況地域の離職者対策は、そういう沖繩県、青森県というふうな、それこそ構造的といいますか、地域的といいますか、もう大変に失業率が高いわけです。もう何年も前から沖繩の場合高いわけです。にもかかわらず、今回のこの離職者法案の対象にはならないわけですか、なるわけですか、いかがでしょう。
#133
○政府委員(細野正君) 今回の対策の考え方が、先ほど通産省の方からも御説明ございましたように、いわゆる中核企業というような概念ではなくて、業種全体が、大企業であろうと中小企業であろうと、そういう業種全体として構造不況的な様相を示して、その結果としてどしゃ降り的な影響がその地域全体に及んで、急激にその両面が悪化しつつあると、こういう事態に着目して、したがいまして時限的な法律になっているわけでございますが、臨時応急的な対策というものを緊急に講じようじゃないかと、こういう考え方に立っておるわけでございます。したがいまして、御指摘のように従来からずっと長い間雇用関係の指標が悪かったというところは、それだけでは今回の臨時応急の対策の対象にはならない。また、臨時応急の対策でやるということ自体がむしろ適当でないということになるわけでございます。むしろそういうところにつきましては、たとえば沖繩の例を御引用になりましたけれども、沖繩なんかについて見ますと、基本的な問題は、やはり沖繩の復帰に伴う、あるいは駐留軍関係の撤退に伴うそういう離職者、こういう方々については、御存じのように転換給付を中心とする非常に手厚い施策が盛られているわけなんです。それからもう一つ、沖繩の場合の特色は、基本的には産業が非常に乏しいということにあるわけですけれども、若年の方が比較的、何といいますか、本土の場合ですと移転就職される若い人というのは非常に多いわけですが、その数が地域的な条件その他がありまして非常に少ない、あるいはせっかく就職されても戻られる、Uターンされるというふうなことでございますので、そういう意味での広域職業紹介というものについてほかの地域とは違った特別の措置をいろいろと講じているというふうに、それぞれの地域の特性に応じまして、むしろそちらの方はやや恒久的な、何年間ですぐやめるというようなことではなくて、恒久的な施策をいろいろ講じていることで対処しておりますが、それも今後、たとえば雇用対策基本計画の見直しの中で、全般的にそれでいいのかどうかというような見直しの検討はしてみたいと、こう思っておるわけでございます。
#134
○小平芳平君 そうしますと、二十八地域をめどにということの報道はどういうことですか。
#135
○政府委員(細野正君) 政党間でそういう数字が出たというお話は、私どもも自由民主党の方から伺っているわけでございますが、しかし基本的な性格は、先ほど来通産省も私どもも申し上げておりますように、これから基準が決まり、その基準に基づいて地域が指定され、結果として数字が出てくるという趣旨のものでございます。ただ、政党間の話し合いの場合に主として問題になりましたのが、当面の措置として現在通産省がやっておられる十六地域というのは余りにも狭過ぎるじゃなかろうか、したがって、こういう急激に情勢の悪化しているところについて、できるだけ実情に沿って適用をしていきなさいという、こういう御趣旨であろうかと思われますので、そういう点につきましては、政府としてもそういう政党間のお話というものを十分踏まえて誠意を持って対処していく、こういう性質のものじゃなかろうかと思っているわけでございます。
#136
○小平芳平君 労働大臣としましては、通産省の考え方は先ほど答弁されましたように十六地域プラスアルファになるだろうというふうなおよその考え方を述べておられますが、労働大臣はいかがでしょう。
#137
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま局長からお答えをいたしましたように、これが地域指定の政令を御審議願う職業安定審議会の場におきましては、地域ぐるみの不況業種対策としての雇用政策、この面に十分沿い得るように、法の精神に十分沿い得るような弾力的な配慮をしてまいりたいと、このように考えておるわけでございます。
#138
○小平芳平君 それでは次に、労働省の言う安定所単位ですね、この問題を把握するのに安定所単位に把握しようとされること、きわめて安定所単位では不合理の場合があるわけですね、地方へ行きますと広域な管轄になっているということ。また、逆に言いますと、地方でも交通が発達し便利になって通勤着もずいぶん遠くから通勤している、あるいは下請関係も安定所を通り越すなんというのはもう通例のことで、県を越しての下請関係なんかもずいぶんあるわけですが、そういう点についてはどう考えますか。
#139
○政府委員(細野正君) 雇用関係の側面から申し上げますと、御存じのように、特定不況業種離職者臨時措置法の中で、いわゆる構造不況的な業種を指定しますと同時に、できるだけ密着した関連する業種につきましては、これを業種の指定のときにできるだけ弾力的にいたしているわけでございます。たとえば、造船なんかにつきましては、船舶製造修理業のみならず、それの関連産業というような形で、かなり船舶製造修理業に入らないものもまず業種指定そのもので弾力的に救っているわけでございますが、さらにそれらの指定された業種との関係で、直接的な下請関係にあるものにつきましては、一定の取引関係のある下請は、これはたとえ指定業種に入らないものでも皆救う。これは場所がどこにあろうとも、全国どこに散らばっていようとも皆救うと、こういう考え方に立っているわけでございます。今回の場合は二次、三次以下のものとか、あるいは下請とは言えない、一定の取引関係のあるものでも、こういうその地域の中心的な業種――企業ではなくて業種ですが、その業種自体が不況になっていることの間接的な影響でみんな火が消えたようになっている、こういうところに対処しようという考え方でございますから、この場合には一定の地域を限って、そのかわりその取引関係がどうかということを、むしろそこには目を向けずに全体を救うようにしよう。こういう考え方に立ってその地域の中にある全企業に対して、たとえば安定資金制度を全面適用する、あるいは雇用保険の延長を全面適用するというふうな考え方に立っているわけでございます。ですから、直接的な下請関係のものについては、昨年与野党一致で御成立をしていただきましたあの法律自体で救えるという形になっているわけでございます。
#140
○小平芳平君 それはそうですけれども、ちょっと私が下請という例を出したのがうまくなかったかもしれないのですが、要するに、地域の実情に応じて運用するという趣旨に理解してよろしいわけでしょう。といいますことは、安定所の管轄区域でかっちり切れないものがあるということを私は説明したつもりなんですが、いかがですか。東京都内なんか、まことに安定所では区切れないようなものの、地方には地方のまた別の地域による実情があるんだということは了解されておられますか。
#141
○政府委員(細野正君) 基本的には、労働市場というものの状況というものを見て判断するということになっておりまして、特に行政的に見ますと、需要と供給との結合を図る場というものが安定所単位に行われると、こういうことになっておりますので、やはり労働市場圏を見るとなれば、安定所を単位にして物を見るというのが一番合理的じゃなかろうかというふうに考えているわけでございます。
#142
○小平芳平君 では、東京都内は安定所単位で見られますか。
#143
○政府委員(細野正君) 東京の場合に、今回の法の適用になる可能性があるかどうかというのは別問題としまして、理論的な問題としてのお尋ねであろうと思いますが、東京のような場合には、安定所を幾つか重ねて労働市場圏を見なきゃならぬというふうに考えますが、その安定所の管轄単位を外して真ん中で割るとか、真ん中で割ったものをこっちへくっけるとか、そういうランダムなやり方をすると、かえって非常に混乱が起きるんじゃなかろうか、こういうふうに思っているわけでございます。
#144
○小平芳平君 そうしますと、ある地域の安定所を二つ、管内二つを指定する場合があるということですね、いまおっしゃったことは。しかし、半分に区切って指定するということはあり得ないということですね。
#145
○政府委員(細野正君) その具体的な地域の状況に応じて、おっしゃるようなことを考えるべきじゃなかろうかと思っているわけでございます。
#146
○小平芳平君 結局、片山理事から最初質問があった弾力的な運用ということになろうかと思います。いろんな面でまだわからない面がいろいろあるわけですが、実際上、まあ法律案が成立した段階でいろんな作業が進められるということもあろうかと思いますので、私も弾力的な運用ということを要望して、次に移ります。
 次に、保険料率についてでありますが、この保険料率についても千分の二という改正案が出されたと。それが審議会を経た過程で千分の一に修正というか。要するに労働省の基本方針は変更されて千分の一として今回の改正案が出されているということでありますね。そこで、この保険財政の見通しですが、労働省からいただいたこの資料を見ますと、「雇用保険の財政見通し(労働省試算)」という資料です。これで見てまいりますと、受給者実人員が一番多くなると推定されるのが五十四年度となっておりますね。それが今度は率ですね、率で言いますと五十年度が一・〇〇で五十四年度は〇・六八で、五十七年度は料率改定なくて〇・五七となっております。したがいまして、受給者実人員が七十一万六千人から下がっているわけですね、見通しは。下がっておりながら率の方が悪化する傾向になっていくわけですね。これはむしろ実人員が下がっていくということは、保険財政にはプラスになる、したがって率も悪化の傾向をたどるその反対の傾向になるのが通常考えられる趨勢じゃないかと思うんですが、これはいかがですか。
#147
○説明員(川上忠憲君) 先生御指摘のように、受給者の数が減りますと、減らない場合に比べて財政的には支出が減るということにはなるわけでございます。ただ、この見通しで私ども試算をいたしておりますように、受給者の数がある程度減少をするということではございますが、他方、賃金につきましては毎年若干ずつでも増加するという要因もございまして、結果としての失業給付の額は、この表にございますように五十三年度八千七百八十億から、五十四年度九千八百億、さらに五十七年度にまいりますと一兆九百億というふうに、給付額そのものは結果としては伸びてくると、こういう形になるわけでございます。それで、徴収しました保険料と国庫負担で賄うわけでございますが、失業給付の額がこのように伸びてまいりまして、結果として赤字がここしばらく続いていくということになってまいります。その結果、積立金についても取り崩しが行われまして減少をする。この率は、決算終了後精算いたしました結果の積立金の額と徴収保険料の額と比べるようになっておりますが、徴収保険料の額も、賃金の伸びあるいは被保険者の伸びによって徴収保険料額も年々若干ずつ上昇してまいるということでございまして、積立金につきましては、いま申しましたように減少してまいりますので、分母でございます徴収保険料の額は少しずつ大きくなってまいる、分子でございます積立金の額は少しずつ減ってまいる、こういうことになりますので、この比率は結果的にこういうふうに落ち込んでいくと、こういうことになろうかと思います。
#148
○小平芳平君 徴収保険料額はふえますね、これは。賃金上昇分だけは少なくともふえるし、またこの被保険者ですか、ふえればそれだけふえますね。それから、しかしここでこういうようにこの財政が悪化するということは、積立金の取り崩しがあるから悪化するんだという、そのことだけですか。要するに、私が説明していることは十分おわかりだと思うのですが、給付する額が、受給人員が減るわけですから、見通しですからわからないですけれども、受給人員が減るならば財政は悪化するはずはないじゃないかということを申し上げているわけですがね。
#149
○説明員(川上忠憲君) 先生おっしゃいましたように、受給人員が現在時点の七十一万何千人という水準でそのまま推移するのと、この表にございますように六十五、六万程度まで減少する場合と、この二つを比較しますと、確かに七十一万台でずっと引き続き推移するのに比べてかなりの給付額は少なくて済むということになるわけでございますが、人員がこの程度減りましても、賃金の伸び等もございまして、結果としての失業給付の額はやはり減らないと、こういうことになりますので、先ほど申しましたように赤字ということになりまして積立金を取り崩すような事態が出てくると。受給者の人員がもっと非常に大幅に、たとえば一%台というような形での大幅な減少がございますと、これは失業給付の額も減ってくるというふうな事態になろうかと思いますが、そこまでの大幅な減少が当面見込まれないということでございますので、失業給付の額についてはどうしてもこういう形で若干ずつ伸びていかざるを得ないということでございます。
#150
○小平芳平君 それでは、具体的に私の方から指摘いたしますと、一人当たり受給額というのが出ますね、これがどのくらい率として伸びるかということを見ますと、五十四年度これが一一・一五%というふうに急激に伸びるんですね、そこに原因があるんじゃないですか。
#151
○説明員(川上忠憲君) 私が先ほど御説明申し上げましたのは、全体の大きな流れとして申し上げたわけでございますが、ただいま御指摘のように、五十四年度についてはやや伸びが大幅過ぎはしないかと、こういう御指摘であろうかと存ずるわけでございますが、五十四年度につきましては、給付の日額の改定というような事態も想定されておりますので、一般的な賃金の伸び以上の給付額の伸びということになってくるわけでございます。
#152
○小平芳平君 したがって、先ほど来説明していることは全く一般的なことを説明しているだけで、給付日額の改定を予想して、ここで一人当たり受給額をはね上げているからそういう傾向が出ているんだと、こういうふうに説明すればよろしいんじゃないですか。
 それで、要するに推計であり、見込みでありますから、そんなにかっちりした数字が出るわけではないと思いますが、しかし、労働省がこういう推計、こういう見通しを資料としてお出しになるということは、五十四年度にそういう政策を――五十四年度というのはそんなに先のことじゃないんですから、もう来年ですから、そういうことを予定しているというふうに受け取ってよろしいのですか。
#153
○説明員(川上忠憲君) 雇用保険法には日額の自動スライドの規定がございまして、賃金が二〇%以上動いたという状態が出てまいりますと、この日額を変更しなければならないということになるわけでございますが、現在の賃金の推移からしますと、五十四年度にはどうしてもそういう事態になるだろうというふうに想定されるわけでございます。したがって、その分を加算してあると、こういうことでございまして、先生御指摘のとおりでございます。
#154
○小平芳平君 それじゃ労働大臣、そういうふうに確認してよろしいですね。
#155
○国務大臣(藤井勝志君) そのとおりでございます。
#156
○小平芳平君 次は、この料率改定ですけれども、「当該徴収保険料額に相当する額を下るに至った場合において、必要があると認めるときは、中央職業安定審議会の意見を聴いて、雇用保険率を千分の十二・五から千分の十六・五まで」、こういう規定になっているわけですね。そこで、労働省の基本方針も、千分の二あるいは千分の一というふうな変更があったということもありましょうけれども、要するに、労働大臣がこういうふうな裁量権を認めているにもかかわらず、今回のこの料率変更をあえてしようという趣旨を御説明いただきたい。
#157
○政府委員(細野正君) 雇用保険財政が、いま御議論いただきましたようなことで三年連続赤字、今後も改善の見通しがなかなか立たないという状況でございまして、そういう状況の中で、今回の法案によりまして、特定不況地域につきましてかなりの支出増を伴う給付改善を行うということにいたしたいと存ずるものでございますから、そこで、同時にこの料率の値上げという問題もあわせましてこの際実施をさしていただきたいと、こういう趣旨で、この法律の中に附則で改正をお願いしていると、こういう考え方でございます。
#158
○小平芳平君 そういう御説明がわからないわけでもないですがね。説明としてはわからないわけでもないですが、要するに労働大臣の幅の中でも一番下でやっているわけでしょう、現実においても。それを現在までも下限でやってきた、その下限をあえて引き上げて、そうして今度のこの臨時措置に対応しようということでありましょうが、何かそういう通り一遍の説明以外に理由があるんですか。
#159
○政府委員(細野正君) 主たる考え方は、先ほど申しましたけれども、今回の料率値上げの重要な契機というものが今回の給付改善に伴うものでございまして、ただし、それは額的に言いますと、先ほど来申し上げておりますように、全体的にその財政自体が逼迫をしてきていて、その改善が当面望めないということの上に加わって今回の給付の改善を行わなければならぬということでございますので、安定審議会の御答申にもありますように、今回の給付増をとにかく賄って、かつ、これ以上の悪化を防ぐために必要な範囲にとどめたわけでございまして、そういう意味で今回の法案の中でお願いするのが一番妥当ではなかろうか、こういうふうに考えたわけでございます。
#160
○小平芳平君 まあ余り賛成でもないですけれども、次へ質問を移しますが、これも午前中の質問にもありましたし、私が所属している社会保障制度審議会でもいつも論議になることでありますが、四事業は大変なお金を余しておりながら、しかも一方では赤字だと言って――赤字でもないですけれども、取り崩しをしていかなくてはならないという現状に立ち至っているということ。このまま四事業は四事業で別の問題なんだと、そして失業給付は失業給付で別個の問題なんだということであくまで通されるおつもりかどうか、あるいは、何かこれこれこういうような状況になったら考え直さなくちゃならない、検討すべきことじゃないかというふうな考え方をしておられるか、いかがでしょう。
#161
○政府委員(細野正君) 先生御指摘のように、現在安定資金その他の四事業関係につきまして、それほどがばがばと余っているというわけではございませんけれども、当初の予定をはるかに上回る積み立ての状況が進行しておるところなわけでございます。したがいまして、先ほど御意見のございました千分の一、あるいは当初は千分の二でございましたが、の値上げ問題を安定審議会で御審議をいただきますその過程におきまして、ちょうど先生が御指摘のように、片一方の足りないというのはわかるけれども、片一方で当初の予定をはるかに上回る積み立てが行われているときに全く無関係に議論するというのもおかしいんじゃないかと、こういう御議論もございまして、そこで安定審議会の御答申の中では、まず必要なものをやはり拡充強化して、今後も活用されるようにしていくということがまず大事なことなんで、それはまずやりなさいと、しかし、それでも見通し的に積み立てのテンポが速いということが見込まれるものでございまするから、それならば青天井につり上がってもいいというわけにもいかないので、需要をよく見きわめて、それに対応して四事業の保険料率についてもそういう需要に弾力的に対応するような一つの制度、仕組みというものを考えるべきじゃなかろうかということにつきまして、三者御一致の答申をいただいておるわけでございまして、私どもも、その御答申の趣旨に従いまして、早急に案を詰めて、再び具体的に安定審議会にお諮りした上で、これは法律改正が必要でございますので、国会でまた御審議をいただきたい、こう考えているわけでございます。
#162
○小平芳平君 特にいろんな雇用安定、雇用調整、そうした事業の中で、午前中も指摘がありましたし、また私も過去のこの委員会で指摘したことがあったわけですが、予算の半分とか、目標として立てた予算の十分の一くらいしか消化できていないというような、そういう事業は、果たしてPR不足というふうに言っていいのかどうか、こういうことはひとつ根本的にいま何が必要かということも、絶えず労働省としては検討課題であろうと思いますが、いかがですか。
#163
○政府委員(細野正君) 御指摘のように、当初の見通しをはるかに下回るような実績しかないという制度につきましては、これはどこかに確かに欠陥があるという点、御指摘のとおりでございまして、そういう観点から、たとえば安定資金制度につきましても、御存じのようにこの十月一日から、やはり安定審議会の専門部会におきまして、労使双方からの御意見を十分聞きまして、これも全会一致で御答申いただいた大幅な改善を実施しているわけでございます。
 さらに、今回の法案で大幅に要件緩和等いたしました制度を、地域については全面適用をしようということにしているわけでございますが、今回の、そういうすでに日程に上っている改正のみならず、さらに年度内にでもできるような改善というものは今後とも進めまして、これらの制度が十分活用されるように配慮してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#164
○小平芳平君 それでは次の問題でありますが、今回の特定不況地域離職者臨時措置法案によりますと、これはすでに施行されている特定不況業種離職者臨時措置法の方と比較した場合に、落ちている項目があるわけですね、対策の措置としまして。たとえて言いますと、職業転換給付金制度というふうな、こういうふうな落ちているものとしては、一体重立ったものはどういうものがあって、それは十分カバーできるのかどうか、それはいかがでしょう。
#165
○政府委員(細野正君) 昨年成立さしていただきました特定不況業種の方の離職者臨時措置法と、それから今回の地域の離職者臨時措置法を比較した場合に、今回の地域法案に入っていない主たる制度としましては、いわゆる職業転換給付金制度があるわけでございます。これにつきましては、この職業転換給付金制度というものが、たとえば一定の年齢による、中高年齢者で一定条件を満たしている方というふうに、非常に就職の困難な方あるいは身体障害者の方とか、そういう非常に個人の属性として就職困難な方につきましては、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法等におきましてそれぞれ転換給付の対象となるように措置をいたしているわけでございますが、そのほかに、いわば産業なり業種なりによってその対象になるという場合につきましては、これは石炭の例とか、あるいは沖繩の復帰に伴う例とか、今回の二百海里の漁民の方の例とか、いずれも国の直接の施策によってそういう合理化が起きているというものに対しまして、それを対象にするという考え方でございます。そういう意味で、先ほど申しましたけれども、今回の地域対策というのは、国の施策による直接的な合理化というものに基づく離職者については、すでに昨年の法律によってそれぞれ措置がされておりまして、今回の場合には、いわばその間接的な影響による方々でございまして、そういう意味で国の直接的な施策による離職というふうには言いかねますので、今回はその転換給付金については適用対象としないで、そのほかの安定資金なり、あるいは雇用保険なり、その他もろもろの制度、あるいは特定地域についての公共事業への吸収率の特例を設ける等の施策を総合的に講ずることによって対処してまいりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#166
○小平芳平君 では、これで終わりますが、社会保障制度審議会の答申でも、くれぐれも指摘している点は、「関係省庁間の調整」ということを指摘しております。特に今度の法案そのものが、通産省の方との関係で、中小企業の方の関係の地域指定の問題、あるいは通産省の方では、地域指定をするに当たっては雇用の状況を考慮して定めるというふうになっておりますが、その辺、初めに通産省から、それから労働省からは、そういう各省庁間の調整が十分になされないで提案されているということをこの答申では指摘をしているのですが、そういう点について今後どう考えて運営していかれるか、御答弁いただきたい。
#167
○政府委員(若杉和夫君) 労働省との間では、法案の内容の準備の段階から事務的には相当密接に協議しておりまして、別に大きな対立点といいますか、対立点はなかったわけでございます。もちろんこの二法につきましても、われわれ政府といたしまして、たとえば最も具体的には、地域指定の問題につきましても、政令で決めますから、両省一体となってやるつもりでございますし、それに対する妨げは何らないというふうにわれわれは確信しておる次第でございます。
#168
○政府委員(細野正君) 労働省も、通産省の方の法案の作成過程、それから私どもの法案の作成過程、いずれにつきましても、両省緊密に連絡をとって実施をしておりまして、そういう意味で運用上に支障が生ずるようなことはないのじゃないかと、こういうふうに確信をしておるわけでございます。
#169
○小笠原貞子君 いま深刻なこの不況下の中で、これ以上失業者を出さないために、また同時に、離職した方々の職場を創出し、働く者の暮らしと権利を守るという非常に重大な課題がこの法案審議に当たって課せられていると思うわけでございます。そういう大事な中で、一番問題にしなければならない重要な点が私は三つあると思うのです。
 その第一の問題は、この深刻な経済危機というのは、天然現象で起きたわけではない。こういう現象が、こういう経済危機が、特に構造的危機と言われるような問題がなぜ起こってきたかというのが最初の問題でございます。で、わが党がいつも言っております。これはいま言いましたように天然現象ではございません。簡単に言えば、対米従属、そして大企業を中心にした資本蓄積を中心とする高度経済成長政策、設備投資がどんどん進められた、そのことが原因となってこの経済危機がつくり出されてきたという点をきちっと押さえていかなければならないと思います。
 それから第二の問題点としては、俗に言われております企業城下町、この企業城下町において、大企業が社会的に責任を負う立場にあるということを第二の点としてはっきりさせておきたいと思います。
 あと具体的に質問をいたしますけれども、たとえば室蘭に参りまして、そして児童相談所を訪ねますと、特徴的なことは、奥さんが蒸発してしまった、そして父子家庭が増加しているということが言われましたし、また質屋さんへ行って聞いてみますと、下請の方々を中心とする質屋通いの方がふえてきたというのが出ておりました。そして、商店街の景気はどうなんだと聞きますと、やはり売り上げが二〇%程度はもうなくなってきているというような、いわゆる企業城下町における大企業が失業者をつくり出すということが、どんなに大変な状況をつくり出すかという立場から、その社会的責任というものを考えなければならないと思うわけです。
 それでは、現実に起こってきたいまの不況という問題なんですけれども、この三番目の問題です。この不況の責任を一体だれが負うのだろう。労働者に責任があるとは思いません。やはり、無政府的に資本蓄積を中心にして設備投資をどんどん進めてきた企業と、そしてそれを後押しというよりも、むしろ主導的に進められてきた大商社だとか、大金融機関というようなものにこそその責任の大きな部分をはっきり持ってもらわなければならない、こういうふうに、私は経済危機の原因と企業城下町における大企業の社会的責任、そして三番目にこの責任はだれが負うのかという点をはっきりさせてこれらの問題に対処していかなければならない、そう思うわけです。
 ところが、現実にいろいろ問題が出ておりますが、この現実起こっている問題を調べますと、いま私が申しました立場で言えば、大企業のやり方というのは全く私が指摘したのと逆の立場でございます。あくまでも、この不況を乗り切るために人減らし、合理化を図り、そしてその中で労働強化を強いて、そして労働条件の引き下げ、基準法や、それから労働関係法令に反してまでも乗り切ろうというような、一方的に労働者、下請に責任を負わして乗り切ろうとしている。ここが私は非常に許せない問題だと思うんです。
 そこで、具体的にお伺いしてまいりたいと思います。
 室蘭には、御承知のように新日鉄、日本製鋼という大きな会社がございます。この日本製鋼でございますけれども、ことしの四月から十一項目にわたる経営改善対策を労使合意に基づいて実施してきております。第一は教育訓練の実施、第二が一時帰休の実施、第三自宅研修制度の導入、第四外注の減少に伴う要員の流動、第五残業ゼロ対策、第六退職勧奨の徹底、まあ十一まであるわけでございます。その中で、いま申しました中の一つ、残業ゼロ対策という具体的な問題についてお伺いしていきたいと思います。
 この残業がゼロになっていると。なっているというよりもゼロにするという方針でございますけれども、実際はどうなんだと調べてみますと、本事務所関係は一人平均月五十時間の残業です。現場事務所では四十時間、現場の班長に至っては六十時間の残業です。現場一般作業者、製鋼工場など月十時間、残業のゼロ対策だから、残業代というものは全然出ないというふうになっている。しかし、実態は作業日程上残業をしなければ生産を上げていくことができないというわけで、実態は残業をさせて、まあさせてというのが後で問題になろうかと思いますが、残業をしているわけです。労働者は、これを労働基準法違反残業と言いながらも、これをしなければならないような状態に置かれてきているわけです。いわゆる全くのサービス残業ということになっていたわけなんです。私は、これは行ってその当事者の方たちに聞いてみて、これは大変な問題だと思いましたけれども、こういう実情について労働省としては御存じでいらっしゃいましたでしょうか。もし御存じでしたら、それについてどうお考えか、また御存じでなければ十分な御調査もお願いしたいと思いますが、その点いかがでございましょうか。
#170
○説明員(小粥義朗君) 日本製鋼の室蘭の工場で、残業ゼロ体制として基準法に違反するような事態があるということは、私どもまだ承知いたしておりません。ただ、日本製鋼の他の工場において、残業ゼロ体制をとるということで、たとえば休日の増加という形で事を処理するといったような事案が見られたことは聞いております。
#171
○小笠原貞子君 きっとそうだろうと思います。私も調査というものをやってみましてこういう実情がわかったわけです。先ほど言ったように、現場の班長だと六十時間、一般製鋼工場などは十時間というふうになっておりますけれども、これがもう実際にそういう体制になっているわけですね。で、もう労働者自身も言っているわけです。サービス残業だと、基準法違反残業だというふうに言っておりますので、ぜひ室蘭製鋼所についても御調査をいただいて、そうして残業というものが実際に行われているわけですから、それならそれで残業を賃金として支払うというような、調査と処置をお願いしたいと思います。いかがでございますか。
#172
○説明員(小粥義朗君) 日本製鋼の室蘭の件につきましては承知いたしておりませんので、その点は実態を調べたいと思います。ただ、ほかのところで行われております形態では、残業時間数がある程度の時間数になりますと、これはあらかじめ休日振りかえというような形を決めておきましてやるケースがございます。その場合、必ずしも基準法違反という形にならない形態のものがございますので、室蘭の場合はどういう形態であるか、これは実態を調べた上で考えてみたいと思います。
#173
○小笠原貞子君 それじゃぜひよろしく処置をしていただきたいと思います。
 それから、同じく日鋼の室蘭の問題ですけれども、第二の問題は、その中で男女差別というものが具体的に起きているわけです。それは年齢勤続別基本昇給テーブルという賃金表みたいなのがあるわけですけれども、この場合、男子の場合ですと、学歴別に昇給テーブルというものがつくられているわけです。分かれているわけです。学歴別に。ところが女子の場合は、学歴のいかんを問わずもっぱら中学卒業扱いという一本で中卒扱いにするということになっているわけです。昇給額で不利益を受けるというような仕組みになっているわけでございますが、これなんかも女子という性別を理由とする差別でございますので、これも当然許されるべき問題ではないと思うのですけれども、そういう問題についてもいかがお考えでいらっしゃいましょうか。
#174
○説明員(小粥義朗君) 給与表が性別に別々につくってあるということは、私ども日本製鋼室蘭に関して承知いたしておりません。ほかのケースとして、いろいろ男女差別の問題が事案として上がってくる場合がございます。その場合に職務給という形態をとってやる場合と、その基本給を、たとえば年齢別にやる、単に年齢による給与を男女別にやっているという形態、これは明らかに基準法違反ということになろうかと思います。御指摘のケースがどういう場合であるのか、これは実態を見てみませんと一概に申せないと思いますので、その点もあわせて調べたいと思います。
#175
○小笠原貞子君 これ、ぜひまた具体的にお調べいただきたいと思います。
 それから、三つ目の問題なんですけれども、今度は出勤率と年休取得の問題でございます。これは会社としても出勤率を九五%以上にしようという目標でいまやっているわけです。この会社の年休というものを見ますと、勤続一年十三日、二年で十四日、三年十五日、十年以上で二十二日というふうになっているわけなんです。しかし、九五%以上の出勤率を保っていくという会社の目標を実践していくためには、十三日、十四日の年休をとるというときがもう九五%になるわけでございますね。労働協約上はもっととれることになっているんだけれども、九五%の率を守ろうとすると、実際上こういう権利があっても絵にかいたもちにすぎないということになってしまうわけなんです。非常にとりにくくされてきているというような実態でございます。このことも、私はやっぱり労働省としても年休をとろうというような方針でお進めになっていらっしゃる立場からすると、明らかにこれもおたくの方の方針とは反対になっているんじゃないかと。で、なぜこういうことになるのかということを考えてみますと、先ほど言いましたように、やはり下請を切り捨てて、そしてどんどん出向させていくというようなことで人減らしをしているわけですわね。だから、人減らしをして、そして稼働率を上げてやっていこうということになれば、どうしてもこういう無理がきてしまうわけなんです。それは、まさに先ほど言いましたように企業が下請を切り、そして本工も解雇するというような中で労働強化を一方的に押しつけ、そして与えられた年休の権利も抑えていくというような、まさに逆行した立場に立っているからだと思うわけなんで、こういうことについてもどのようにお考えになっていらっしゃるか。それについてもまた御存じないと思いますので、御調査、御善処いただきたいと思います。
#176
○説明員(小粥義朗君) 九五%以上の出勤率を前提に年休の付与日数が決まっていくという形態をとっていることの具体的な詳細は私承知いたしておりません。お話を伺いました範囲で、たとえば基準法上八割の出勤率前提に六日から二十日までという定めになっておりますから、その基準法の法定の線も守られていない、とれないというような形でしたら、これは基準法上の問題になろうかと思います。その法定以上の線を決めてということになりますと、そのこと自体基準法に違反するというような形にはならないかと思います。実際問題として九五%の出勤率を維持するために年休がとりにくくなる、そのとりにくくなる分が、たとえば基準法の法定の線の年休すらとり得なくなるということでしたら、これは一つ基準法上の問題として出てこようかと思っておりますが、いずれにしましても、実態を調べた上で基準法に照らしてどういう扱いになるのか検討してみたいと思います。
#177
○小笠原貞子君 いろいろ大変だなと思って私も見たわけですけれども、合理化がやっぱりそういう中ですさまじく進められてきているわけです。これも現場で、機械部長が懇談会で報告して歩いた数字を聞いてきたわけですけれども、機械工場の例なんですけれども、五十二年平均で、その期間の運転時間というものが五万一千六百十三、五十三年の八月には五万八千四百五十九、それから五十三年下期では五万六千時間というような数字を説明の中で出しておりました。そして、これは時間とそれからコストで、円ですね、コストという立場から見ると、五十二年平均を一〇〇といたしますと、五十三年度は五〇になるわけです。つまり、機械をフル運転させて、そしてコストを下げるということを目標として合理化の案として出てきているわけなんです。まあ会社の言い分によれば不況不況というふうに言うわけですけれども、その不況と言いながら運転時間はふやす。で、従来一人で一台運転していた機械を一人で二台運転させるというようなことをしなければならなくなってしまうわけなんですね。こういうように、合理化というものが大変労働強化を押しつけているというような、時間の関係もございまして一つの例を出したわけでございますけれども、大臣にもお伺いしたいんですけれども、不況だと、そして人が余るんだと言っているのは、余るんじゃなくて余らされて、そして労働強化というようなことで会社が生き延びようとする。まさにこの大企業のやり方というのは身勝手もひどいものじゃないかというふうに思うわけなんですけれども、こういうような実情が、いま私は日鋼室蘭とりましたけれども、少なからずどこかにもあるんじゃないかと思う。こういうような、大企業が労働者にしわ寄せして乗り切ろうとするような態度、ちょっとひど過ぎるんじゃないかと思うんですけれども、大臣の御所見はいかがでいらっしゃいましょうか。
#178
○国務大臣(藤井勝志君) いわゆる減量経営をとらざるを得ない企業の置かれた厳しい現実を踏まえまして企業の合理化が進められていくという場合に、いろいろ私は摩擦現象というのが起こり得ることは十分理解し、現実に否定するものではないと思います。ただ問題は、その合理化される仕方が、やはり労使が十二分にコンセンサスを得てやってもらうことが前提でございまして、やはり合理化をどの程度やるのが企業が本当に生き延びるために必要かというその限界は、企業の実態のよくわかった労使で初めて判断がつくわけでございまして、外から第三者が見て、表で見るか裏で見るか物の裏表でございまして、そこら辺はなかなか実は私はむずかしい判断だと思うのです。その場合は、やはりいまいろいろお話がございましたが、すべてが労働条件の問題に直結しておる。そうすると、とりあえずは労働委員会というのがこれが苦情を処理するという、地方でだめな場合には中央という、そういったこともございますし、また、いま事務局から御答弁いたしましたように、基準法違反という疑いがあれば、当然行政監督指導をしなければならない、このように思うわけでございまして、御指摘の点もよく事情を踏まえながら、厳しい現在の不況を乗り切るために労使が一体となって私は解決してもらいたいと、労働省はその方向へ向かって環境づくりに万全を期したいと、こういうように思うわけでございます。
#179
○小笠原貞子君 本当に厳しい中でございますからね、どっちかが突っ張っていて乗り切れないということでは困るということもよくわかります。労使がお互いに合意できるということが前提だと思いますけれども、やっぱりそこで、私は労働省として考えておいていただきたいなと思うのは、労使の対等の立場で本当に納得いくというような条件に置かれているかどうかということですよね。これ以上要求すればもうそれじゃ解雇だよというふうに切り札を突きつけられますと、やっぱり親あっての子供だというふうに言われますと、どうしても労の方は弱いわけでございますから、形は労使が合意したというような形になっても、そこに大きな犠牲が労働者側にしわ寄せされてきているという中から起こった問題だというふうに私は見なければいけないと思いますので、ぜひそういう立場に立って、いろいろ御調査もいただきたいし、対処もしていただきたいと思うのです。御調査なさいますときに、会社から伺いますと、いや残業をやっておりませんよと、帳簿見ても何見てもそういうことになっていないというようなことになると思うんですね。ですから、そういう場合には、やはり具体的な労働者の方々の話を率直に聞いて実態をつかんでいただく。そういうことになりませんと、ゼロですと言われればそれっきりで、いつまでも事実が隠されてしまうと思いますので、そういう立場でやっていただきたいと思います。よろしゅうございますね、そういう立場で。
#180
○説明員(小粥義朗君) 従来も実態を監督機関が調べます際に、単に使用者側だけから事情を聞くだけではございませんで、関係の労働組合がございます場合は労働組合の方からも聞くようにいたしておりますので、今回もそうしたことを配慮してやりたいと思います。
#181
○小笠原貞子君 私はこういうので、大きな企業というものは非常にあこぎなものだなと思ったわけなんですけれども、たとえばこれは簡単な一つの問題なんですけれども、有価証券報告書で資産というものをちょっと見ますと、新日鉄の場合に、四十二年とそれから五十二年の三月三十一日現在というのを調べますと、四十二年に九千百十四億という数字でございましたが、五十二年になりますと三兆四千六百一億というような数字になってきております。それから日本製鋼を見ますと、四十三年には六百八十億だったのが、五十二年になりますと千八百五十一億というような数字になってきております。これは、資本というものは、いろいろなことを言っても、やはり蓄積増加というものは保証されていて、その中で労働者というものがしわ寄せされていくという点について、私はやっぱりちょっとやり方が汚いんじゃないかと、そういうふうに思うわけなんです。先ほどから同僚議員がるる言われましたけれども、労働省でございます。通産省ではございません。労働者の生活を守り、労働省設置法に言う労働者の福祉の向上という立場から、こういう不況ということに便乗して合理化を推し進めるというような、こういうことは許されてはいけないと、そう思うわけなので、その辺をきちっと押さえて御指導もいただきたいと思います。たとえば、大臣が経営者団体への要望あるいは申し入れというような――そういう企業に対して、この不況のもとで便乗する、こういうことがあってはならないというような申し入れなり要望というようなことをなさったでしょうか。なさっていなければ、なさるおつもりがおありでしょうか、伺いたいと思います。
#182
○政府委員(細野正君) 先ほど来お答え申し上げておりますように、現在の不況下における合理化の態様はさまざまでございまして、これを一律に、何といいますか、合理化自体が不当であるというふうな、そういう指摘をするということも必ずしも適当でございませんで、たとえば産業労働懇話会その他、労使のトップクラスの方々と大臣以下私どもが毎月毎月顔を合わしておりまして、その中でいろんな、定年の延長の問題だとか、あるいは高齢者の雇用の問題とか、それぞれその時期、その態様に即した形で経営者側にも要望をし、労働側にもまた協力をお願いするというようなことをやっておりまして、そういう形で、従来もやっておりますが今後とも対処してまいりたいと、こう思うわけでございます。
#183
○小笠原貞子君 ぜひお願いしたいと思います。不況をえさにしてこういうことをやるということは、決してもう行われてはならないということを強調したいと思います。
 次に、函館ドックのまた具体的な問題についてお伺いしたいんですけれども、御承知のように、ドックはこの一月に五百四名の希望退職というものを出しました。そして、いまさらに定期昇給の凍結、賃金カット、ボーナスストップを実施しようとしておりますが、緊急にいまきょうここで問題にしたいと思いますのは、きょうあすにも一千名に上る新たな首切りを実施しようというのがいまの段階なんでございますね。で、もう幾ら離職者をどう対処しようなんて言っても、こういう函館の一つのドックで一千名のまた首切り、大量解雇というものが出れば、これはもう本当に後始末だけではとってもいかないわけなんですね。これがきょうあすの問題になっているわけです。人数一千名なんですね。これは私は何とか食いとめるというふうな手だてを考えていただけないかと思うわけなんですけれども、こういう緊急な一千名という大量解雇について、どのように対処なされますでしょうか、お伺いしたいと思います。どなたでも結構、大臣でも結構です。
#184
○政府委員(桑原敬一君) 函館ドックの問題につきましては、三月、また四月提案が出ておりまして、期間をかけて労使がお話し合いをされております。一部の情報によりますと、三月段階の問題についてはおおむお話がつきつつあるということでございます。四月段階の問題につきましては、解雇者の予定の数等についてまだ話が一致いたしていないように聞いております。いまのお話の千名につきましては、私どもはきょうあたりの労使協議会に御提案があるというふうに聞いておりますが、中身はまだ掌握いたしておりません。いずれにいたしましても、こういった合理化問題、特に不況業種におきます問題は、会社が生きるか死ぬかという問題、一方において労働者の解雇をできるだけ少なくするという、二つの非常にむずかしい問題を労使で非常に御苦心してやっておられます。基本的には先ほど大臣が申し上げましたように、その会社の実態を十分知っておる労使の方が十分時間をかけてお話をしていただく、そして共通の認識を持っていただいて合理的な解決をしていただくということを基本にいたしたいと、こういうふうに思っております。したがって、私ども労政担当機関といたしましては、現地の労政機関と、十分情報を収集しながら必要に応じて適切な対処をしてまいりたい、こういうふうに考えるわけであります。
#185
○小笠原貞子君 会社も死ぬか生きるか、労働者も死ぬか生きるか。で、労働者の方は命の問題になってくるわけですからね。私も、本当にこれ深刻なんですよ。きょうあしたのうちに一千名解雇っていうのが強行されてしまいますとね、本当に大変だと思うんです。で、いま必要に応じてっておっしゃいましたけれども、やっぱりきょうあすの問題なわけなんで、ぜひいまの時点で会社に実情を聞くなり、労使とも十分な話し合いがあって、本当に傷が深い結果が起きないように何らかの処置をいまの時点でとっていただきたいと思うんですけれども、やっていただけますでしょうか。
#186
○政府委員(桑原敬一君) 私ども労政機関といたしましては、先ほど申し上げましたように、労使の間で積極的に十分なお話をしていただくという基本的な方針をとっておるわけであります。したがって私どもは、労使の方からそれぞれ情報はとっておりますけれども、ああしろこうしろということは労政機関のやるべきことではないというふうに考えております。あくまでも実態のわかっておられます労使で十分なお話をしていただくと、そういう指導につきましては積極的にやってまいりたいと、こういうふうに思います。
#187
○小笠原貞子君 当然のことだと思います。ああしろこうしろと言える問題じゃないと思いますけれども、まあ私がやっていただきたいということは、もう十分に労使で話し合ってというところを、ぜひもう一つ押さえていただきたいということなの。それはよろしいですね。
#188
○政府委員(桑原敬一君) それは当然なことでございます。
#189
○小笠原貞子君 ありがとうございます。
 で、この問題起きまして、なぜこういう会社が生きるか死ぬかというところまで来ちゃったんだろう、いまどうしたらいいだろうということを、私なりにもいろいろ見てみたんですけれども、やっぱり人件費六十億というのが非常に大きいんですね。で、人件費六十億を半分にしようという計画なんです。会社の方としましてはね。そこで、函館ドックの資金繰り実績というのを、有価証券報告書、これも見たんですけれども、四十三年と五十一年の四月と九月間、八年になりますかね、これ調べてみました。そうしましたらね、支出の部で人件費というのはわずかに〇・一%しかふえていない、人件費というものはこの間でほとんどふえていないということなんですね。しかし、支払い利息と、それから借入金返済というもので五%という伸びになっています。約二十七億と、数字割ってみますとね。そうしますと、これは相当大きい金繰りの盲点になってきているわけなんです。
 そこで、大臣にもぜひお考えいただきたいんだけれども、この大きなウエートを占めている資金繰りの、つまり金利の引き下げですね、金利の引き下げとか返済猶予の徹底というようなことを御指導いただいて危機打開は可能になるのではないかと。こういうことをやっていただけば大きな大量首切りというところにつながらない。とすれば、会社とか金融筋にそういうことを要請するというようなことはやっていただけたらなと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
#190
○国務大臣(藤井勝志君) 具体的なケースをいまお話がございまして、まあわれわれの立場でできるだけの配慮はどのようにしたらいいか、事実を調べまして検討さしていただきます。
#191
○小笠原貞子君 じゃ、よろしくお願いいたします。
 それから、何といっても仕事がございませんともうどっちも大変でございます。ぜひ仕事の確保をお願いしたいわけですけれども、本年度補正予算で海上保安庁、十四隻の一千トン型と申しますか、巡視船を建造するということになっていると伺いました。もうすでに地元の関係者から要望は出ていると思いますけれども、不況対策という点から申しましても、造船不況地域の業者に発注配分を考慮していただけるのではないかと、いま函館ドックの話をいたしましたけれども、こういうところなどに考えていただけたらなということをいま思っているわけです。そしてまた本年度の補正予算だけではなくて、来年度予算などについても、今後とも整備計画に沿って、こういう不況地域というようなところに重点を置いて御配慮いただきたいということでございますので、時間もございません、簡単にお答えいただけたらと思います。
#192
○説明員(堀木常雄君) ただいま御指摘ございましたように、補正予算で大幅に海上保安庁の巡視船艇の建造につきましてお認めいただきましたので、当然、特定不況地域における仕事の確保を十分配慮いたしまして、できるだけ仕事が回るように私どもとして努力してまいる考えでおります。もちろん、函館ドックにつきましても、特定不況地域の非常に困っておられる造船所ということで、その対象に考えておるわけでございます。
#193
○小笠原貞子君 ぜひよろしくお願いをいたします。
 次に、自治省にお伺いしたいんでございますけれども、自治体が独自に実施する不況対策事業へやっぱり国としての財政援助をお願いしたいということなんです。室蘭市でも補正予算で下請救済に二億円を計上をしております。また、函館市も同じような市の独自事業を補正予算に組んでいるわけでございます。このような不況対策には起債を認め、交付税を手だてしていただけるのではないか。そして、当然だと思いますが、また来年度も事業を継続せざるを得ないというふうに思うわけですから、当分の間交付税の手だてを継続していただくという、この二つの点についてお答えをいただきたいと思います。
#194
○説明員(井上孝男君) 自治省といたしましては、不況地域に係る関係地方公共団体が、総合対策要綱にのっとりまして実施いたします各般の施策につきましては、それらの事業が円滑に実施されますように、所要の指導を行ってまいりたいというふうに考えております。さらに、公共事業あるいは大規模な開就事業を含む単独事業に対しましても、地方債の弾力的な運用を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。それからさらに、これらの地方債に係ります元利償還金につきましては、毎年度地方財政計画の策定を通じまして所要額を計上いたしまして、当該団体の財政の運営に支障のないように十分配慮してまいる所存でございます。
#195
○小笠原貞子君 もう時間がなくなりまして、いろいろお伺いしたいと思ったんですけれども、最後に大臣に一言ちょっと御意見を伺わせていただきたいんです。
 地域指定の問題ですけれども、いろいろ質疑の中でお伺いをしたわけですけれども、たとえば、たくさんいらしたんですけれども、北海道の古平郡古平町というところの、小さい町でございますけれども、ここからも、ぜひ指定地域にしてほしいという御要望があるわけなんです。ここは小さい町でございますけれども、漁業と水産加工でございますね、これが町の経済の九〇%を占めているというようなところになるわけです。大企業なんかがぼんとあればわかりやすいけれども、小さいそういう町で、しかも九〇%からそういう水産、漁業なんかで占めているというようなところが、いま私は古平というのをちょっと出しましたけれども、各地で、そういう小さいところだけれども非常に大きなウエートを占めて、不況に困って、離職者問題どうしようというようなところがあるわけでございますね。そういうような小さいところも、小さいけれどもその小さいところにすればもう大きなウエートで不況の問題を抱えているという立場から、やっぱりこういう点も十分御配慮をいただきたいというのが私のお願いでございます。
#196
○国務大臣(藤井勝志君) 法案が成立いたしました暁、この審議会の場におきまして基準をつくってもらいます。その際は御指摘の点十分配慮して、弾力的な運用に努めたいと、このように考えます。
#197
○小笠原貞子君 あと職安局長にお伺いしたいんですけれども、やっぱりこういう大きな失業をどうするかというような問題になってきますと、職安の体制ですよね、前から職安の体制を私何度も言いましたけれども、先ほどのお話では、その体制に人を十分配置するというふうなお答えだったんですけれども、総定員法の枠から言いますと、どんと別枠でふやすというわけではないわけでしょう、そうしてもらえば一番いいんだけれども。そうしますと、いまの全体の中からそういう地域にやりくりしていかなければならないということですね。そうすると、そのやりくりされたところでも、これちょっと困ってくるわけなんですよね。だから、その辺のところ、大丈夫ですと胸張っておっしゃれるのか、やっぱり日本は全国的にもこれ全国不況地域で、もう職場の開拓もしなければならない、求人のあっせん、いろいろしなければならないということから、先ほど人数的には対処できるというふうにお答えになったのだけれども、やっぱり心配なんですね。その辺の自信のほどはどうなんですか、最後にそれをお伺いしておきます。
#198
○政府委員(細野正君) 御指摘のように、こういう情勢下でございますので、安定機関の仕事が非常に増大をしておるわけでございます。また一方において、これも先生から御指摘ございましたけれども、政府機関全体がこういう不況下の中で人数をふやすということ自体については、これまた国民的な批判もございますので、したがいまして、できるだけ私の方としましては機械化等を導入しまして、極力人間の力を機械で済むところはそれに代替をしていくということを進めていかなければならぬ、こう考えまして、比較的他省に比べれば率先してそういうことの努力をしている方だというふうに考えているわけでございますが、それにしても限度がございます。したがいまして、ここ十年ほど安定機関、非常に減り続けてきておったわけでございますが、現大臣も非常に増員については御熱心でいらっしゃって、また昨年の離職者臨時措置法の成立に伴いまして国会の先生方のまた強い御援助もありまして、昨年はようやく全体としても、安定機関について見ますとプラスに転ずるというふうなところまでいったわけでございますが、引き続き努力をしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#199
○柄谷道一君 政府は、景気は回復基調にある、こう述べられ、総理は本会議の席上で、不況のトンネルから抜け出る出口は見えたと、このように答弁されております。非常に楽観的な見通しを立てておられるわけですが、片山委員からも指摘がありましたように、雇用失業情勢は、八月現在で完全失業者数百二十一万人、完全失業率二・三四%、有効求人倍率〇・五七、依然として大幅な求職超過の深刻な状態が続いていることは大臣御承知のとおりでございます。
 こうした現実を踏まえて大臣の御答弁は、五十三年度の目標を、就業者数において対前年比八十二万人の増、完全失業者百十五万人という線を目指して積極的な雇用政策を展開したい、さらに第三次雇用基本計画の見直しを行っていきたい、このような答弁がされたわけでございますけれども、私はこうした厳しい雇用情勢のもとにおいてこそ、定年延長や高年齢者の継続雇用、さらには労働時間の短縮、週休二日制の実施といった失業予防と仕事の分かち合いによる雇用機会の確保が必要ではないかと、こう思うのでございます。しかし、現実には逆に労働時間の延長や定年年齢の切り下げすら行われつつあるというのが現在の実態であり、各企業は減量経営に追い込まれ、時の流れに逆行する現象が各所にあらわれつつございます。私は、こうした労働条件の切り下げについても、労使の自主交渉で決まったのであればやむを得ないのではないか、こういう一つの物の考え方もあるように見受けられるのでございますけれども、しかし、民間の産業がいま非常に長期にわたる不況の中で危機的な状態にある、こういうときには、労働組合による団体交渉だけでは、こうした問題を実現していくのは困難な情勢ではないか、こう率直に思います。したがって、低成長経済下における雇用確保に積極的に取り組むためには、私はさきの委員会でも指摘いたしました年齢差別禁止法の制定や、労働基準法の改正等を含めて、もっと積極的雇用政策に対する労働省の姿勢が打ち出されるべきではないか、こう思うのでございますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
#200
○国務大臣(藤井勝志君) 理論と現実と申しますか、御趣旨は私は理論的にはまさにそのとおりだと思います。われわれはその理論を踏まえて、そして、この現実にいかに対応するかということで目下努力しておる最中でございまして、去年の暮れに、御案内のような中央労働基準審議会の建議を踏まえ、またことしの五月、衆参両院の院議をもって雇用安定に関する決議をいただきまして、その中の労働時間対策の方針を踏まえまして、とりあえずは行政指導を積極的にやるという以外には、当面これが法律制度を改め、基準法の改正に踏み切るということまではちょっと現時点ではむずかしい、このように私は考えておるわけでございまして、と申しますのは、やはり基準法というのは、あらゆる企業の労働条件の最低を罰則を踏まえて規定しております。ところが、現在の日本の経済の現実は、非常に企業間のばらつきといいますか、格差があるわけでございまして、そういう点から言いまして、一律な最低の底上げをしていくという、こういった線がなかなか見つからないという、こういう現実の悩みもございますし、それで余り無理すると、特にコストアップにつながり、雇用の場が逆に狭められてくるという、こういうこともございます。ただ、私は定年延長の問題については、もっともっと積極的に推進をしたいというふうに絶えず考えておるわけでございまして、この問題につきましては、やはり中高年齢者雇用対策という観点から考えましても、私は何とかひとつ、この不況の中でもある程度前進はしておる実績をわれわれも承知しておりますから、定年延長については大いにつとつ努力したい、時間短縮に対しては着実に粘り強くひとつ努力したい、このように考えるわけでございまして、御指摘の点は私は理論的にはまさにそのとおりだと思いますが、現実を踏まえながら行政指導をやっていくということが現時点においてわれわれの使命ではないか、このように思うわけでございます。
#201
○柄谷道一君 現実を踏まえれば、行政指導の段階から当面はなかなか一歩前へ進めないだろう、こういう御趣旨なんですが、しかし大臣、わが国の人口は一億四千万ぐらいまで膨張していくわけですね、人口問題研究所はそのような推定を立てておるわけです。それから、老齢者人口も、全国民に占める比率、現在の一二%が昭和八十五年には二四%ぐらいの比率に増大していく。人口の増加と老齢化現象というのは待ってくれないわけですね、これは。私はそうだと思うのです。したがって、年金の成熟度も、現在の四%台が三四%ぐらいに八十五年にはなってしまう。こうして考えますと、これは大変なことだと思うのですね、今後の雇用問題というものは。
 そこで大臣、もう一問お伺いしますが、当面はそういかれますけれども、労使の自主交渉、そして行政指導だけで十分の効果を上げ得られないという時期には決断されますか。
#202
○国務大臣(藤井勝志君) 私も実は、労働時間問題は、かつてわれわれが最低賃金制で歩んできた道のような線が訪れるであろうと、こういう推定をしております。そういう時期が来れば一応検討すべき段階が来るのではないか、このように思いますが、いまのところまだいつそういった時期がということは、私の判断を超えております。
#203
○柄谷道一君 当面、労働省が自主交渉を側面から促進するという意味における施策の強化を求めますけれども、大臣、その結果をやはり注視していただいて、やはりこれから十年、二十年という中期展望に立って、しかるべき時期には労働省としての決断というものがなければ、私この問題の根本的な解決には至らないであろうという点だけを指摘いたしておきたいと思います。
 そこで、アメリカでは今月の十五日、完全雇用とインフレ抑制、双方の達成目標を毎年議会に提出するという内容の、一九七七年完全雇用均衡成長達成法、通称ハンフリー・ホーキンス法が下院で可決された、このように外電は報じているわけでございます。この内容は、当初のAFL・CIOの要求から大分後退しているなど、法案内容についてはここでは触れません。しかし、少なくともその政治姿勢として、雇用というものをきわめて重要視し、毎年議会に失業率達成目標、そして物価上昇の目標というものを提示し、全国民的な議論を行い、その目標に向かって各省の施策が集中するというこの政治姿勢は、もって見習うべき姿勢ではないかと、こう思うのでございます。大臣、このような政治姿勢をどう評価されますか。
#204
○国務大臣(藤井勝志君) いま御指摘の、アメリカに新しくハンフリー・ホーキンス法案というものが通過したと。その趣旨は、完全雇用とインフレの抑制という政治の最大課題がその目標でございまして、その方向に向かって具体的に問題提起をされた、政策手段に訴えようと、この姿勢は評価いたしたい、われわれも十分他山の石として学ぶべきところをくみ取りたいと、このように考えます。
#205
○柄谷道一君 大臣がそのような意欲に満ちておられるということを前提として、それでは労働省の姿勢について、以下この法案の内容について質問をいたしていきたいと思います。
 私は、造船等構造不況業種から端を発しまして、地域ぐるみ深刻な情勢にある、そういう事態に対処するために本法案を提出された、一応その姿勢については評価をすることにやぶさかではございません。しかし、なお幾つかのこれは問題点が存在していると思いますので、以下逐次御質問いたします。
 まず第一は、地域の指定基準についてでございますが、通産省、端的にお答えください。
 俗に言う企業城下町だけではなくて、円高産地、水産都市など中核企業のない地域もこの対象になると、こう理解してよろしゅうございますか。
#206
○政府委員(若杉和夫君) 中核企業がなくても中小企業等がたくさんあるという場合、あるいは漁業等の場合でございましても、この法律の条件に合致すれば対象地域になり得ると考えております。
#207
○柄谷道一君 それでは、通産省の特定不況地域中小企業対策臨時措置法に基づく指定地域は、自動的に本法に適用されると、こう考えてよろしゅうございますか。
#208
○政府委員(細野正君) 先生十分御承知でお聞きになっておるのだろうとは思いますが、念のために申し上げますと、特定不況地域中小企業対策臨時措置法そのものの地域の指定が、本朝来御議論ございましたように、事業活動の側面と雇用の面と両面からその指標が設定されまして、その両面の指標に該当するものについて、つまり事業活動については通産省が、雇用の指標については労働省がそれぞれ判断をいたしまして、共同で定める指定基準によって地域指定、通産省の方といいますか、中小企業対策の方は市町村を指定します。そういうふうにして決まったものが、それを含む地域としてもう一回この法案の対象地域として労働大臣がお決めになる。ですから、二度地域指定がありまして、中小企業対策法案の地域指定は、いま申しましたように、事業活動、雇用、両方の側面から両省が共同して決めていく、それに基づいて、決まった市町村を含めて、今度はこの法案の対象地域を労働大臣がお決めになる。そういう後一段だけのところを見ますと、中小企業対策法案で決まった地域を自動的に受け入れてこの法案の対象地域を決めると、こういうことになるわけでございます。ただいま念のために申し上げましたように、前段の段階で両省が共同して基準を定め、その基準に従った地域を指定をしていくと、こういう考え方に立っているわけでございます。
#209
○柄谷道一君 私は、それは十分承知しておりますが、ここで気がかりなのは、きょう大臣が冒頭言われました提案趣旨説明の第一ですね、「特定不況地域中小企業対策臨時措置法案に基づき政令で指定された市町村の区域及びその近隣の地域のうち、」とこれが主体に置かれているんですね、「この法律で定める特別の措置を講ずる必要がある地域として」必要なところ、これを労働大臣が指定する。私は、そこに大臣、意欲を表明されたんですけれども、この表現はむしろ逆ではないかと、いわゆる雇用状態が、いま言われましたように、中核企業あるなしにかかわらずきわめて深刻である、そういうことで、雇用状態が不安な地域のうち、中小企業対策はその中から産業対策を講じていくんだと。これが雇用を最も大切にする政治姿勢であって、この提案趣旨説明はむしろ通産優先、労働省はこれに追随すると、こういう姿勢とこれは読み取れませんか。そんなことはないんですね。
#210
○政府委員(細野正君) いま御指摘の点は、立法技術的な問題でございまして、先ほど来申し上げておりますように、特定不況業種そのものの影響で、非常に企業面においても、それから雇用の面においても両面深刻な打撃を受けている地域を指定していこうということでございますが、その基本になる指定のところの部分を、便宜通産省の方の御提出になっておる方の法案に入れておりますけれども、その場合の指定の運用については、いま申しましたように、両省が共同で指定基準を定め指定をしていく。もちろん形式としては政令で指定をすると、こういうことになるわけでございますが、そういう仕組みになっておりまして、立法技術的にそういうふうになっているだけでございまして、御懸念のような、そういう運用がされるということはないわけでございます。
#211
○柄谷道一君 それじゃ具体的にお伺いいたします。この地域指定の基本となる特定不況業種の定義でございます。これについて、いま通産省の安定措置法は七業種しか指定されてないのですね。候補に五業種挙がっておりますが、いま現在の指定は七業種でございます。ところが、離職者の臨時措置法は三十四業種を挙げているわけですね。そのほかに漁業離職者臨時措置法では二十二業種を挙げているわけです。通産省の七業種というものに対して、この離職者対策法なり漁業離職者措置法の指定している不況業種の定義は非常に広いわけです。すると、地域指定を行うそのまたもとの不況業種の定義は、労働省の指定している業種が中心になりますか。
#212
○政府委員(細野正君) この指定の基本になります特定不況業種でございますが、これにつきましては、いわゆる特安法と言われる通産省所管の、さきの通常国会で成立しました法律と、それからいま御指摘の、特定不況業種臨時措置法、この指定業種、こういうものの中から現実に必要なものを指定をしていくと、こういう考え方でございまして、したがいまして、両方の法律の指定業種というものは、中小企業対策臨時措置法にいう特定不況業種の有力な候補であるという点について同様な扱いを受けているわけでございます。
#213
○柄谷道一君 まだこれは詰まっていないと思いますが、大臣ひとつ、離職者対策法が成立した経緯にかんがみて、私の率直な希望からいけば、離職者対策法の対象になっているその産業が即特定不況産業である、私はそうあるべきだと、こう思うのでございます。その点これから両省間の折衝が始まることと思いますけれども、大臣、この点は場合によっては大臣直接乗り出して、通産省に大臣が談判しても、やはり雇用というものが何よりも中心に考えられる、そういう両省間の合意を得られるようにせっかくの努力をここで希望したいと思いますが、大臣そのおつもりございますか。
#214
○国務大臣(藤井勝志君) 地域指定の政令の作成は、通産、労働両省が協議の上で決めるというこの基本、たてまえでございますけれども、私の気持ちとしては、やはりよって来るゆえんが雇用の安定という、こういったことでありますから、当然労働大臣としては雇用を優先されるように十二分に配慮してもらうように申し入れをしたい。また、必要な具体的なケースの場合には、通産大臣とも私みずから協議するつもりであります。
#215
○柄谷道一君 ぜひそのようにお願いをいたしたい。
 それから次に、いわゆる二百海里時代の突入に伴って、漁業の町が地域ぐるみ不況にあることはもう御承知のとおりでございます。私は、釧路、根室、網走、稚内等の地域の実情を調査いたしましたところ、生産実績、操短、休業の影響を受けているその割合、常用求人倍率ともにこれは深刻な状態でございます。こういう都市は指定の対象となりますか。
#216
○政府委員(若杉和夫君) 北洋漁業の深刻な影響を受けている市町村につきましては、本法の対象になり得ると思います。ただ、労働問題の条件、その他の条件が、ほかの不況地帯と同様であるという前提で対象になり得ると考えています。
#217
○柄谷道一君 では、今度もう一つお伺いしたいのですが、私はいわゆる中小企業産地、これがすべて今回の地域指定に入るとは思われないわけでございます。そこで通産省は、新聞の報道するところによりますと、また私が通産省に聞いたところによりますと、通常国会で産地振興対策臨時措置法を提案するべくその検討が行われているというふうに聞いております。すると、これは雇用と産業対策は一体で来たんですね、前国会では安定措置法に対する離職者対策法ですね、本国会では中小企業措置法に対する離職者の対策法、こうなりますと、通常国会に対して本法案で漏れました中小企業産地について通産省で今度法案を出そうというわけですから、これに相対応する産地の雇用対策というものについて、当然私は一体のものとして次の通常国会に出されるものと理解しておりますが、よろしゅうございましょうか。
#218
○政府委員(細野正君) 円高の影響を受ける産地につきましては、その産地の状況がこの特定不況地域中小企業対策臨時措置法の要件を満たしていれば、先ほど御説明あったように、当然にこちらの方の法律の対象になってきて、またそのことが同時にまあ……
#219
○柄谷道一君 漏れたもの。
#220
○政府委員(細野正君) 漏れたものにつきましては、これは従来から安定資金の適用等につきましては、円高の影響を受けているところにつきまして、特に中小企業につきましては適用についての特例を設けるとか、助成の率を高めるとか、種々の対策を講じてきているわけでございます。したがいまして、何といいますか、産業政策がとられれば必ずこれに追随して雇用政策がとられるというものではなくて、その中身に相応して私どもの方として必要なものについては雇用対策をフォローさせますし、そうでないものについては従来の施策を弾力的に活用することによって対処する、こういう性質のものだと思っておるわけでございます。
#221
○柄谷道一君 これは希望でございますけれども、私ども、産地振興対策措置法の内容は、まだ通産省でも検討中ですからわかりません。しかし、その法案の内容いかんによりましては、当然本法ではみ出た地域に対してこの振興法を適用していくわけですから、雇用対策の中でフォローしなければならない部分が出てくる可能性が多分にあると私は思うわけでございます。ぜひ労働省としても、この面についても通産省と連携を密にして、ひとつ積極的な検討をお願いをしておきたい、こう思います。
 次に、自民党と新自由クラブの合意事項の中に、この地域指定を二十八地域を目途としてと、こううたわれておりますが、具体的にどうされるんですか。
#222
○政府委員(細野正君) 自民党と新自由クラブの間で、現在通産省の方で行政措置としてやっておられる当面の措置の対象地域十六を拡大しようと、そういうお話のあったことは私ども政府側も聞いているわけでございます。したがいまして、そういう御趣旨に沿って誠意を持って検討すべきことは当然でございますが、ただ本朝来御議論ございましたように、この地域の指定につきましては、あくまでも法成立後に、指定基準について、たとえば私どもの方でございますと安定審議会にお諮りした上で決めましてそれに該当する地域を指定していくと、こういう道筋のものでございまして、その後においてもまたこれに該当するものが出てくれば当然追加指定をすべきものになってまいります。したがって、初めから数で幾つということを想定するというのは事になじまない側面を持っているわけでございまして、したがって先ほど申しましたように、そういう法律の予定している手続等を踏まえた上で、先ほどの御指摘のあった政党間のお話については、これはそれも踏まえながら誠意を持って対処していくというしか言いようがないんじゃなかろうかと、こう思っておるわけでございます。
#223
○柄谷道一君 すると、それを踏まえることは踏まえるけれども、これは一応の一つのめどであって、検討の結果二十八よりも拡大することがあり得ると、こういうことですね。
#224
○政府委員(細野正君) 指定基準がまだ決まっておりませんから、そのめどとした場合に、動く方向が上にもあれば下にもあるということになるわけでございますけれども、気持ちとしては両党間の合意というものが、十六地域よりももっと広げろという御趣旨であった点は十分に踏まえなきゃいかぬと、こう思っておるわけでございます。
#225
○柄谷道一君 確認いたしますが、地域指定基準については中央職業安定審議会に諮問をされますね。
#226
○政府委員(細野正君) 諮問を申し上げたいと思っております。
#227
○柄谷道一君 重ねて大臣、この地域指定に関しましては逆立ちにならないように、やっぱり雇用というものが一番大切に取り扱われてこの地域指定が行われる、不況業種の定義にしてもその基準のあてはめ方にしても、ぜひそのように労働省主体型の地域指定が行われるように、これは強く希望いたしておきたいと思います。
 次に、施行期間について御質問いたします。
 前国会で通りました持定不況産業安定措置法の有効期限は昭和五十八年六月三十日まででございます。本国会に提案されております本法及び持定不況地域中小企業対策臨時措置法もまた五十八年六月三十日でございます。ところが、本法の母体ともなります離職者法は昭和五十五年一月一日までと、こうなっております。私は、これは法律は一体のものであるという考え方からすれば、当然私が指摘するまでもなく、離職者対策法の有効期限はとりあえず五十八年六月三十日まで延長されることが当然である。しかも、五十五年一月一日で切れるということを考えますと、これは次の通常国会にこの施行期間延長の措置がとられてしかるべきだ、こう思いますが、そのような措置はとられますか。
#228
○政府委員(細野正君) 先生いま御指摘のように、基本的に考え方を同じにしているものの有効期限が違っているという事態が現実に生じているという点は御指摘のとおりだと考えます。離職者臨時措置法そのものの成立の経緯にかんがみますと、各党一致でおつくりいただいたものでございますから各党の御了解を得てやらなければいかぬと思っておりますが、そういう御了解を得た上で、私どもは御指摘のように通常国会で延長措置を講じたいと、こういうふうに考えております。
#229
○柄谷道一君 私は、このことに関しては本法が成立するならば各党とも異論のないところだと思いますので、ぜひ次の通常国会でこういうおかしげな食い違いというものは是正されるように御努力を願いたい。
 厚生省来ておられますね。いま船員保険には雇用安定資金制度、いわゆる四事業の制度がございません。これは陸上のすべてが網羅されている中で一つの不均衡な状態ではないか。最近の海上労働者の実態を考えますと、早急に陸上に準ずる安定資金制度が確立されてしかるべきであろうと、こう思いますが、いかがですか。
#230
○説明員(岡光序治君) 先生御承知のとおり、船員保険では雇用保険と違いまして雇用事業関係の保険料は徴収をいたしておらないわけでございます。この財源問題が一つあるのと、それから、そもそも基本的には船員保険という場で雇用対策の問題をどのように扱うかという基本問題があるわけでございます。つまり、どの程度のものを取り組むかという問題があるわけでございます。そこの基本問題にいろいろかかわってまいりまして、関係者なかなか意見が調整できておらないというのが現状でございます。もちろん私どもの関係の審議会――社会保険審議会等でもこの問題は議論されているわけでございますが、意見がいまのところ最終的に調整ができておらないというのが現状でございます。しかしながら、先生御指摘のとおり、最近の雇用情勢はきわめて厳しゅうございますし、こういった事態に適切に対処していくということを考えますと、船員保険という場でも取り入れるべきものは取り入れていくべきじゃないか、こういうふうに基本的な考え方で、これは労働省や運輸省等の船員労働行政の施策とも関連をいたしますので、そういった関係省庁ともいろいろ調整をいたしますし、それから、関係者の御同意を得まして前向きに取り組んでまいりたいと、そういうふうに考えております。
#231
○柄谷道一君 私は、船員保険の被保険者はこぞってやはりこの制度の導入を希望いたしております。いま言われた実態ではございますけれども、早急にその結論が出るように検討を促進していただきたい、このことを申し上げておきます。
 それから次に、私は、失業給付の給付日数を延長する、このことに対してはやむを得ないことだと思いますけれども、しかし、昨年のこの離職者臨時措置法の中で、小平委員も指摘されましたように、訓練待期手当、就職促進手当、再就職奨励金、自営支度金などの、いわゆる職業転換にかかわる給付がこれから削除されているわけでございます。これに対して局長は、政府の施策が直接関与しない、間接的なものであるので今回取ったと、こういう御答弁であったんですが、私は、それは形式論からするとそうかもしれませんけれども、雇用政策からすると逆立ちの発想ではないだろうかと、こう思うんですね。持定不況地域に多くの離職者が出る、それに対していかに再就職を促進していくか、これは失業給付によってそれをつなぐということだけではなくて、再就職の促進ということが本法の中心に据えられるべき問題ではないかと、こう思うんです。間接ではございますけれども、これらの問題が今回の適用から外されているということに対しては私は大きな不満を持つわけでございます。もう本法は本日採決されようとしているわけですから、ここで修正案を提出する時間的いとまはございませんけれども、こういった問題点につきましては、早急に一応労働省でもう一度雇用政策の基本を踏まえて、一体いかなる方法をとることが妥当なのか、私は法律の形式論ではなくて、実態をながめての検討というものがなされてしかるべきではないか、こう思うんですが、大臣の御所見を伺います。
#232
○国務大臣(藤井勝志君) 御趣旨の点はよく了解はいたします。やはりこの職業訓練問題と雇用安定というのは表裏一体のものでありまして、そういう問題を十分踏まえて、御趣旨の線を検討さしていただきたいと思います。
#233
○柄谷道一君 次に、雇用安定事業等の四事業について、これも他の委員から指摘されておりますが、昭和五十年度の積み立て四十億が漸次累増いたしまして、五十二年度末では千八十一億円に達しておることは御承知のとおりでございます。昨年十月、大きな期待を集めて発足をしたこの四事業が、このように事業目標に比べて十分活用されていないということはきわめて問題にすべき点であろう、こう思うのでございます。この点については、さきの質問でも出ておりますので、私は改めての答弁は得ませんけれども、今回の改正にとどまらずに、一応制度制定の本旨に立ち戻って、その弾力的運用、さらに制度の改善、こういうものが行われて、私は利用しないから料率を落とすというのは本筋じゃないと思うんですね。その料率によって集まった金がいかに安定事業に寄与していくか、そこに力点を向けての検討でなければ、何のための制度発足であったか疑わざるを得ません。この点に対しては特に答弁を求めませんけれども、労働省を主体として真剣な検討をお願いをいたしておきたい、こう思います。特に関連下請企業の定義につきまして、いわゆる川下の救済は関連事業として行っているわけですね、ところが川上への配慮全くないんです。いわゆる中間の企業が不振になる、それに原料、材料等を供給している川上もまた大きな影響を受けるわけです。安定資金制度の改善に当たっては、関連といえば川下ばかりじゃないんです。川上も関連なんです。そういう点も十分に配慮しての改善策をぜひ早急に打ち出していただきたい、このことをお願いいたしておきます。
 さらに私は、公共事業の吸収率制度や職業訓練制度についても質問をすべく通告をいたしておりましたが、時間がございませんので、まことに残念ですがこれは割愛いたします。
 そこで、最後の一問御質問いたしたいわけですが、私は大臣、雇用情勢の背景が基本的に変わってきたんですね。そういう事態を考えると、果たして労働省の現機構が新しい情勢というものの期待というものに的確にこたえ得る機構であるのかどうか、この点はなはだ最近疑問を感じております。たとえば、今日までに現業部門をひとつ独立さして雇用庁を設けてはどうかという議論も出ました。また私はかねがね、職業安定行政と職業訓練行政というものは別個に存在するものではなくて、今後一体的な施策を講じていかなければならない、両局の統合ということが必要ではないかということも指摘してまいりました。で、労働大臣が雇用政策に対する試案を発表されましたけれども、新しい雇用創出、雇用政策というものを真剣に検討する、独立の企画を中心とする局があってもしかるべきではないか、このような指摘もいたしてまいりました。本日どのように機構を改革するかということは、労働省で検討されておりませんから幾ら質問してもいい答えが出るとは思いませんけれども、一つだけいたします。
 大臣、そういう視点に立って、新しい雇用情勢に対応する労働省のあり方について、プロジェクトチームをつくって、内外の意見を聴取しつつその検討を行うと、せめてそれだけの御答弁はいただけないでしょうか。
#234
○国務大臣(藤井勝志君) 現在の日本の産業、経済の質的な転換に対応して、当然労働省の行政の運営も時代の要請にこたえ得るような配慮をしなきゃならぬことは当然であります。ただいま職業訓練行政と雇用安定行政とは一体であるということも、まさに私も同感と思います。ただ問題は、この機構をどういうふうにやるかということは、いろいろ機構いじりに終わる場合もありますし、現在労働省では事務次官が中心になりまして、雇用対策本部というのを去年の九月設置いたしましてしばしば会合をいたしております。そのような運営をやって、御趣旨の線を生かしながら、また今後の行政機構のあり方については十分慎重に検討さしていただきたいと、このように考えます。
#235
○柄谷道一君 私はまあ、現在の次官を決して批判をするものではございませんけれども、次官もまた大変な業務をお持ちなんでございます。私は片手間にそういうことをやって対応できるような雇用情勢ではないと。で、本当に大臣が言われる、これから行政の、政治の中心を雇用に据えると――総理もそう言っておられるわけです。で、まあこの委員会で何回も質問いたしますし、他の委員からも指摘があるんですけれども、御答弁としてはりっぱなものが出るんですけれども、われわれから見ると、いまは本当に深刻な労働者の雇用情勢の中で、やはりその対策はツーレート、ツースモール――遅きに失し、政策は小出しに過ぎると、こういうまどろこしさを感ずるというのが率直な勤労者、特に民間産業に働く勤労者の実感ではないかと、こう思います。その点くどいようでございますけれども、どうぞいまの質問で数点しか取り上げませんでしたけれども、地域指定の問題、弾力的運用の問題、職業訓練の問題、公共事業への吸収率の問題、本当に実効の上がる強力な法施行というものを期待し、かつ、労働省の機構に関しても本当に勇断をもってメスを入れる、この姿勢を大臣に強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
#236
○下村泰君 十時から開始されましたこの委員会で、私も若干の質問の用意をしてあったんではございますが、各委員の先生方が微に入り細をうがちまして御質問なさいまして、私の聞くのが何にもなくなりました。ただ、それぞれの先生方はそれぞれの職能を代表していらっしゃいます。それぞれの職能を通じて御質問なさいました。私も芸能界という職能がかつてございました。その芸能界を通じてこういう労働問題で質問をしようと思ったんですが、われわれの社会に住んでいる人間は最初から離職者でございます。いまさらこの離職者を救済しろといってもこれは無理な話でございます。ただ、労働時間ということになりますると、労働大臣が恐らく御存じないような不当な労働時間を強いられております。しかし、その不当な労働時間を強いられることの中に、やがては未来に来る栄光のために、みなそれぞれがまんをしてやってきておるわけで、それをまた事細かに分析してここで質問をいたしまして大臣が変な答えを出していただきますと、われわれの社会が変なふうな形になりかねませんので、これはやめさしていただきます。われわれの社会をよく知っているのは、労働省ではなくて、また文部省の文化庁でもなくて、一番よく知っているのは国税庁だけなんです。ですから、これは質問を労働大臣にしてもむだでございまするが、たった一つだけ聞かせてください。
 こういうふうに世の中が不景気になりますると、これはもちろんわれわれの方にも一番響いてきます。現在の社会機構の中で世の中が好・不景気であるかということを一番はだに感じ、一番身近に寒けを催すのは、われわれ芸能界の方なんです。ですから、世の中がどうなっているか一目瞭然すぐにわかります。ただ、こうしたりっぱな法案ができておりますけれども、大変文章がむずかしくて、一体こういう方たちはこういう中に含まれるのだろうかなあというような心配をするんですが、東京台東区における山谷の方々、あるいは横浜中区の寿地区の皆さん、あるいは大阪のかつての釜ケ崎――あいりん地区、こういうところに居住していらっしゃる方々で労働をされていらっしゃる方々、こういう方々も、こういう法案の中に十分含まれ、それなりの対策があるんですか、まず職業安定局長に聞かせていただきます。
#237
○政府委員(細野正君) いま御指摘の、具体的に挙げられました地域が今回のこの法案の対象になるかどうかということになりますと、この大きな要件が、構造不況業種の影響を受けて、その割合の非常に高い地域で、しかも雇用失業情勢の悪いと、こういう結論になりますので、たとえば市町村単位なり何なりとってみましても、なかなか該当の可能性というのは乏しいんじゃなかろうかというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、この法案の対象としてはちょっと考えにくいんでございますが、しかし、一般的なといいますか、これはあくまでもいま申しましたような事態に対する臨時応急措置でございますが、いま御指摘の地域は前々からいろんな問題がありまして、そこのたとえば就労経路の正常化の問題、つまり手配師等の排除の問題とか、あるいは特別の安定所を設けて、その安定所においていま申しましたような手配師を排除しながらの秩序のある職業紹介が行われるようにするとか、あるいはそれだけでは、職業紹介をやるだけでは、そういう方方の実際の就労の実態に合いませんので、たとえば安定所の近辺に診療所とかそれから相談所とか、いろいろなものを設けて、総合的な、まあいわば生活面におけるまでの相談ができるような実態にするとか、あるいは福利厚生施設を設けるとか、いろんな対策を従来からやってきているわけでございますが、そういう性質のものとして今後ともその対策を強化させていただきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#238
○下村泰君 確かに、いま職業安定局長がおっしゃったようになされていることは事実です。しかし、まだまだいいかげんなものです。実際に見に行けば。横浜の寿地区などというところは、いま職業安定局長が言った言葉の五分の一も実施されていないような状態ですね。ですから、あそこへはだれも普通の方は入っていきません。そんなような状況をつくるということが果たしていいのか悪いのか、ましてこういうところというのは、こういう問題の取り上げられる以前、社会全体がこういう空気になったときは一番先にほこりをかぶるところです。ここは。それだけに、こういう地区というのもやはり心遣いしていただきたい。労働大臣、一言ください。
#239
○国務大臣(藤井勝志君) 十分実情をわれわれも把握いたしまして、必要な措置を必要な場合は講じたいと、このように考えます。
#240
○下村泰君 終わります。
#241
○遠藤政夫君 いまの下村先生の質問に関連しまして、職業安定局長の答弁でちょっと私はただしたいと思うんですが、いま、構造不況業種に関連してという御答弁がありましたが、これは私は通産省、労働省と伺っておって、この特定不況地域中小企業対策臨時措置法の中で、この持定不況業種というのは「最近における内外の経済的事情の著しい変化により、その業種に属する」云々と、こう書いてあるのですが、いま構造不況業種ということで言われたのは間違いなのか、語るに落ちた本音なのか、どちらかちょっと。
#242
○政府委員(細野正君) いま申し上げましたのは、言葉を省略いたしましたので端的に構造不況業種というような言い方をいたしましたが、正確には先生御指摘のように持定不況地域中小企業対策臨時措置法の二条に掲げてありますような、そういう特定不況業種、これを意味しているものでございまして、そういう意味では昨年の離職者臨時措置法で言っている持定不況業種よりは若干広くなっているという点は御指摘のとおりかと思います。
#243
○遠藤政夫君 ですから、いま言葉を省略したと言われたけれども、持定不況業種というのは法律上ちゃんと決まっているんです。しかも労働大臣も、これはできるだけ実態に即して幅広く運用の面で考えたいとおっしゃっているのに、担当局長がそういう言葉遣いをされることは全く間違っていると思うんです。ですから、この点は、本日朝からの御答弁がありましたように、実態に即して、この通産省の方の側の持定不況業種の政令指定の際にも、それから地域指定におきましても、それから労働省の担当される特定不況地域離職者臨時措置法の指定の場合にも、実態に応じた、労働大臣の御意向に沿って運営をしていただきたい、このことを一言御注文申し上げておきます。
#244
○委員長(対馬孝且君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#245
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、これより採決に入ります。
 特定不況地域離職者臨時措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#246
○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定をいたしました。
 この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。
#247
○片山甚市君 ただいま可決されました特定不況地域離職者臨時措置法案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党、日本共産党、民社党、第二院クラブ共同提案による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   特定不況地域離職者臨時措置法案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について特段の配慮をすべきである。
 一、特定不況地域の指定に当つては、全国的に雇用指標を調査、整備し、雇用情勢の急激に悪化している地域に施策の効果が及ぶよう、関係省庁間の連携を密にし、かつ、関係地方公共団体の意見を尊重して、弾力的に行うこと。
 二、特定不況地域離職者に対する援護措置については、特定不況業種離職者等の援護措置との均衡を考慮して、今後引き続きその内容の充実に努め、あわせて雇用保険被保険者以外の新たな求職者についても配慮すること。
 三、失業の予防、再就職の促進に万全を期するため、雇用安定資金制度等現行諸制度を一層弾力的、効率的に運用するとともに、公共職業訓練施設の充実強化、民間各種職業訓練施設の活用等に努め、実情に即応した職業訓練態勢の確立を図ること。
 四、今後引き続き予想される内外の経済事情の著しい変化と厳しい雇用情勢に対処し、雇用の維持拡大を図るため、新しい雇用対策基本計画及び職業訓練基本計画を策定するとともに、雇用保険制度についても、今後の実情に対応させるための方策を検討し、より包括的、体系的な施策を早急に進めること。
 五、雇用失業対策の実効ある運営を図るため、定員増を含め、行政の実施体制を充実強化すること。
  右決議する。
  以上であります。
#248
○委員長(対馬孝且君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。
 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#249
○委員長(対馬孝且君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定をいたしました。
 ただいまの附帯決議に対し、藤井労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。藤井労働大臣。
#250
○国務大臣(藤井勝志君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、特定不況地域における雇用対策の実施に遺憾なきを期してまいる所存であります。
#251
○委員長(対馬孝且君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#252
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#253
○委員長(対馬孝且君) 次に、請願の審査を行います。
 第二五号国立腎センター設立に関する請願外五百五十八件を議題といたします。
 本委員会に付託をされております五百五十九件の請願につきましては、理事間において協議の結果、第二五号国立腎センター設立に関する請願外百二十四件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第二六号療術の制度化阻止及び違法行為取締り強化に関する請願外四百三十三件は、保留することに意見が一致をいたしました。
 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#254
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#255
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#256
○委員長(対馬孝且君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りをいたします。
 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、これら二件の継続調査要求書を議長に提出をいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#257
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#258
○委員長(対馬孝且君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午後三時五十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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