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1978/10/19 第85回国会 参議院 参議院会議録情報 第085回国会 大蔵委員会 第3号
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1978/10/19 第85回国会 参議院

参議院会議録情報 第085回国会 大蔵委員会 第3号

#1
第085回国会 大蔵委員会 第3号
昭和五十三年十月十九日(木曜日)
   午前十時二分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         坂野 重信君
    理 事
                戸塚 進也君
                藤田 正明君
                福間 知之君
                塩出 啓典君
                中村 利次君
    委 員
                岩動 道行君
                糸山英太郎君
                梶木 又三君
                河本嘉久蔵君
                嶋崎  均君
                中西 一郎君
                藤井 裕久君
                細川 護熙君
                宮田  輝君
                穐山  篤君
                和田 静夫君
                鈴木 一弘君
                佐藤 昭夫君
                市川 房枝君
                野末 陳平君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  村山 達雄君
   政府委員
       大蔵政務次官   井上 吉夫君
       大蔵省主計局次
       長        吉野 良彦君
       大蔵省主税局長  高橋  元君
       大蔵省理財局長  田中  敬君
       大蔵省証券局長  渡辺 豊樹君
       大蔵省銀行局長  徳田 博美君
       国税庁次長    米山 武政君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        杉本 金馬君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局経済部調
       整課長      樋口 嘉重君
       文部省社会教育
       局婦人教育課長  志熊 敦子君
       郵政省貯金局電
       子計算計画課長  小倉 久弥君
       自治省税務局府
       県税課長     吉住 俊彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○租税及び金融等に関する調査
○景気回復のための大幅減税に関する請願(第四
 号外二二二件)
○一般消費税創設に関する請願(第一〇一号)
○一般消費税新設反対等に関する請願(第一二五
 号外一件)
○みなし法人課税(事業主報酬)制度の合理化に
 関する請願(第三六三号外二四件)
○不公平税制の是正等に関する請願(第四四七号
 外一五件)
○東京教育大学の跡地を東京都又は文京区に払下
 げ実現に関する請願(第八三四号外四九件)
○一般消費税導入反対等に関する請願(第八五四
 号)
○貸金業の規制強化に関する請願(第八六九号)
○公立高校用地確保のため基地及び筑波移転跡地
 優先払下げ早期実現に関する請願(第一〇〇四
 号外一六件)
○一般消費税の導入準備中止に関する請願(第一
 〇三五号)
○義務教育施設用地確保のための税法上の特別措
 置に関する請願(第一三二五号外一件)
○たばこ・塩の専売制度の維持等に関する請願
 (第一四九七号)
○陸上公共輸送整備特別会計(仮称)の設置に関
 する請願(第一五〇〇号)
○一般消費税創設反対に関する請願(第一五八七
 号)
○サラ金規制に関する請願(第一五九九号)
○継続調査要求に関する件
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(坂野重信君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 租税及び金融等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○穐山篤君 最初に、前回国民金融公庫法の一部改正が行われました。当時、衆参両院とも相当の議論がありましたし、なお注文もつきましたし、その上に附帯決議というものがついたわけです。参議院の場合には附帯決議は三項目ついているわけですが、その三項目の中で、母子家庭に対します進学資金貸付制度の改善の問題、あるいは竹田委員からも指摘のありました公庫の持ち帰り業務あるいは人員の配置を含めて事務処理体制の整備、それから最後に、返済困難な場合の対応策というものがこれに加わったわけであります。
 今回政令の一部改正に当たりまして、大蔵省側が当時議論になりました専修学校などを追加された――追加というと語弊がありますが、新たに起こされたことは十分評価をしますけれども、附帯決議の三項目について今回政令改正したわけですから、当然何らかの補強工作が行われるであろうというふうに私どもは期待をしておったわけですが、まだその点について明確でないので、その点についてまず第一にお伺いしたいと思います。
#4
○政府委員(徳田博美君) 進学ローンの制度につきましては、いま先生御指摘のとおり、今度政令の一部改正を行いまして専修学校等について政令の対象としたわけでございますが、附帯決議でお決めいただきました措置につきましては、六月六日の附帯決議で三項目について御指摘のようなことが行われたわけでございますが、この各項目については目下検討が進められている段階でございまして、まだ確たる成案を得るには至っていないわけでございます。
 母子家庭等の家計の実情にかんがみて制度を改善するという点につきましては、この点は債務保証等の面で何らかの措置をとり得る方法がないかということで目下検討を進めているところでございます。
 それから、国民公庫等の人員の配置を含めた事務処理体制の整備につきましては、この前も御説明申し上げましたとおり、全体としては政府関係金融機関の定員増につきましては非常に厳しい情勢でございますが、その中でも特に国民公庫につきましては配意をいたしまして、政府関係機関全体の増加のうちの相当部分を国民公庫の増員に充てていることはこの前申し上げたとおりでございまして、今後ともこういう面について配慮を行ってまいりたいと思います。
 それから、貸付金の返還に関してやむを得ない事情により返済の困難となった場合の対応策につきましては、この前も申し上げましたように、まだ制度が始まっておりませんので、返還の問題は大分先でございますけれども、具体的にこのような問題ができてきた場合には弾力的に対応したいと、このように考えております。
#5
○穐山篤君 前回の法の改正の議論の際に、高等学校、高等専門学校または大学、主として当時の論議としては大学あるいは高等学校にやや限定したような考え方が述べられて、大蔵大臣からはまず試行錯誤的だけれども実施をさしてほしいということが述べられたわけです。しかし、当時各委員とも、特殊学校にしろあるいは専修学校などの問題を含めて範囲を拡大をすべきだ、またそれが公正を期すことになる合理的な措置だということが指摘をされたわけです。結果として今回政令がそういうふうになったのはいいわけですけれども、さてそうなりますと、見通しとしましてかなり膨大な件数を予定をせざるを得ぬじゃないかというふうに思います。これが単に高等学校あるいは大学というものだけに限定されるならともかく、いま私が申し上げましたように盲学校、聾学校あるいは養護学校を含めまして各種の専修学校が加わるわけです。専修学校というのは、御案内のとおりあるいは働きながら勉強する、あるいは勉強して夜働くというふうな、どちらかと言えば勤労学生が多い学校でありまして、その意味からいきますと、この小口貸し付けというのはかなり件数が多くなる、相当多くなるというふうに判断をしなきゃならぬと思いますね。その場合、いわゆる事務処理体制というのは依然として問題が残るんじゃないか、このことを心配するわけですが、いまの御答弁ではある程度要員措置は考えているというふうに言われておりますけれども、前回組合の委員長からも指摘をされたとおり相当問題点があるということが述べられているわけです。できればもう少し突っ込んだお話をこの分野ではお願いしたいと思います。
#6
○政府委員(徳田博美君) 先生御承知のとおり、今度学校教育法第八十二条の三の規定による専修学校につきまして、高等課程にあっては就業年限三年以上の者、専門課程にあっては就業年限二年以上の者、こう政令で規定することにしたわけでございます。この専修学校のうち、いまこれに対応するものが現実にどのぐらいあるかということにつきましては、まだ確たる数字はないわけでございますけれども、進学者数といたしましては十万人近い方が予想されるわけでございまして、そのうちの、先生御指摘のとおりかなりの部分について貸付対象者が出てくることが予想されるわけでございます。したがいまして、こういうことを踏まえまして、今後事務処理体制の整備につきまして国民金融公庫を指導してまいりたいと思います。
 それから、進学ローンの貸付規模は、国民公庫においては五十三年度において二百億円を一応予定しているわけでございますが、まあ一応今回の政令改正によりましてもこの規模で十分対応できるものと考えておりますが、さらに現実に貸し付けが起こりまして資金需要がこれを上回った場合におきましては、これに対しまして円滑な運営が行われるように配慮することにいたしたいと、そのように考えております。
#7
○穐山篤君 いまの問題は、前回の改正のときと、いま私が述べましたようなことを含めて、そごを来さないように十分な取り扱いをしていただきたいと、最後に要望をしておきます。
 その次に郵政省にお伺いをいたしますが、御案内のとおり、まあ近代化計画に基づいてオンライン化が進められているわけですが、このオンラインの概況について、ごく簡単で結構ですからお話しをいただきたいと思います。
#8
○説明員(小倉久弥君) 郵便貯金など、郵政省でやっております為替貯金業務のオンライン計画でございますが、これにつきましては東京、大阪、名古屋など全国九カ所の都市に計算センターを設けまして、一方全国約二万の郵便局にはそれぞれ端末機を置きまして、この計算センターと郵便局との間をデータ通信回線で接続いたしましてオンラインシステムを構成いたします。これを用いまして、オンライン処理を主とする業務の総合的な機械処理をやろう、こういう計画でございます。
 このシステムの導入スケジュールといたしましては、ちょうど本年八月から神奈川県の一部郵便局を手始めに、通常貯金あるいは定額貯金、預金者貸し付けと申しますような業務を中心にオンラインによります取り扱いを開始したところでございますが、今後引き続きまして、順次対象地域あるいは対象業務を拡大してまいりまして、おおむね昭和五十八年度末を目途に全国網を完成したい、このように考えております。
#9
○穐山篤君 五十八年までに進めるということでありますが、こういうふうにオンライン化をいたしますと、当然メリットの部分とデメリットの部分というのが出てくるわけですね。すでに労使の間でこの部分についての交渉あるいは折衝が行われているとは思いますけれども、特に特徴的なメリットあるいはデメリットについて明らかにしていただきたい。
#10
○説明員(小倉久弥君) 為替貯金業務のオンライン化のメリットでございますが、これにつきましては、たとえば通常貯金の元加利子の通帳記入が即時にできるとか、あるいはまた送金サービスが現在よりも非常に迅速化されるとか、そういいますような従来のサービスの改善のほか、あわせまして、たとえば給与振り込みでございますとか、それから自動振りかえでございますとかいうようなオンラインによりますサービスも、現在銀行と民間金融機関で提供をされておりますのとほぼ同様のレベルで実施が可能になります。そのほか事務処理の迅速化、正確化、効率化というような内部の各種の改善にも役立つ、このように考えておるわけでございます。
 それから、デメリットというお話でございますが、特にオンライン化に伴いましてそのようなものが発生するとは私ども考えてはおりませんが、たとえば機械化によりますところの人員削減というようなものがあるのではないかというようなお考えではないかというふうに考えておりますが、いま申しましたように、言うまでもなく内部事務の迅速化あるいは効率化が図られるわけでございますので、相当の人員の節減効果があるということは言うまでもございません。どのぐらい要員の削減が可能かというようなことにつきましては、いろいろ不確定な要素が多数ございますので一概に申し上げられませんが、相当程度の節減効果と申しますか、省力効果が可能だというふうに考えておりますが、これらにつきましては今後の事務量の伸びといいますものも考えられますし、またオンライン化によります利用増というようなことも考えられますので、そういうようなものと相殺をしていくというふうに考えられますが、最終的に若干の減員というようなこともあるのではないかと思いますが、これらにつきましては、たとえば周辺の郵便局への配置転換とかというような形等をとりまして円滑な解決を図っていきたい、このように考えておるわけでございます。
#11
○穐山篤君 さて、まあ五十八年度末にできるわけですから、毎年毎年近代化計画が拡大をしていくわけですね。当然のことですけれども、このオンライン化が整備をされますと、郵便貯金の性格から考えてみて、簡単に金を預けたいと、あるいは簡単に金を引き出したいという、こういうことは当然の帰結だと思うんです。言いかえてみれば、CDなりADの問題というのはこのオンライン化の計画の中に当然あったと思います。その点についてはどういう研究が進められていますか。
#12
○説明員(小倉久弥君) 御質問のCD、いわゆる現金自動支払い機でございますが、これにつきましては、現在でも一部の郵便局にいわゆるオフライン方式の現金自動支払い機を、若干数でございますが、設置して利用者の用に供しております。これからのオンライン化に伴いまして、このオフライン方式の既設置のCDをいわゆるオンライン方式に切りかえていきますとともに、そのほか全国主要な郵便局にはオンライン方式の現金自動支払い機を設置していきたい、このように考えておりますが、まだ全国の、たとえば設置台数その他の具体的な設置計画につきましては、現在検討の過程でございます。
 それから、もう一つおっしゃいましたAD、いわゆる自動預金機でございますが、これにつきましては、まだ銀行等民間金融機関でも設置台数が現時点では少ないようでございますので、民間金融機関におきます今後の利用実態等を見ながら、私どもでも今後の検討課題というふうにしていきたいと考えております。
#13
○穐山篤君 いまの問題に関連して、今度は大蔵省にお伺いしますが、このCDなりADを設置する場所、あるいは設置の個数といいますか、数量、あるいはその営業取扱時間というふうなものについては、郵便貯金に関する限り郵政大臣のみでできるんですか。それとも大蔵大臣の承認を得なければできないということになるんですか。
#14
○説明員(小倉久弥君) 大蔵省との協議、承認ということを要せずして、郵政省独自の判断で従来やっております。
#15
○穐山篤君 これは後でもまたお伺いをするわけですが、まあ郵政省、郵政大臣が郵便貯金を管理するという郵貯法第一条、第二条に基づいてそういうふうに言われているわけですが、金融構造の問題あるいは資金量の問題などから考えてみて、全く大蔵大臣が関与しないということではなかろうと思うんですけれども、実際の問題としてどういうこと――相談をされているんですか。私は形式的なことよりも、実際は大蔵省がある程度、介入と言っちゃ語弊がありますが、相談を受けて、一定の範囲、限界というものを相談をして郵政大臣がそれぞれやっているということなんですか。
#16
○説明員(小倉久弥君) いまの御質問でございますが、いま御質問になりました点につきましては、郵政省といたしましては大蔵省と逐一協議というようなことはしておりませんし、そのような制度になっておりませんが、私どもでは銀行などの民間金融機関、これは大蔵省が監督ないし指導なさっておるわけでございますが、この民間金融機関におきます支払い機なりあるいは預金機なりといいますものの設置の実態あるいは動向、また取扱時間等の実態または動向を十分考慮しながら、郵政省の支払い機等の取り扱いの内容を定めておるつもりでございます。
#17
○穐山篤君 重ねてお伺いをするわけですが、CDの設置その他についてまだまだ検討しなきゃならない、あるいはADについては民間も例が少ないので、いまのところ直ちにADについて考えるということはできない、しないというふうにお話があるわけですが、さてそのCDの設置個所ですね、郵便貯金の利用者あるいは消費者の立場から言えば、どこでも容易に活用ができるという意味では、都市部だけでは困るという意見もあるだろうし、あるいは郵政省の事業計画の中から言えば、特定郵便局までつけるのはとてもじゃないけれどもできないというふうな判断もあろうと思いますが、現在のところ集中的にこのCDというものはどういうところに設置をするのか、民間の場合には、当然自分の銀行だとか、あるいは駅の近くだとか、あるいはデパートの中であるとかというふうに非常に工夫をしておりますね。郵便貯金の場合についてはどういうふうな考え方をされているんですか。
#18
○説明員(小倉久弥君) どのような郵便局にいわゆる郵便局の支払い機を設置するかにつきましては、先ほど申しましたように、具体的な設置計画といたしましては現在検討中でございますが、先生おっしゃいましたように、やはり各地方でも利用できるように、あるいは旅行者にも便ならしめるようにということを考えますならば、ある程度各地域の拠点になるような大きな郵便局にはつけていくのが至当であろうかというふうにも考えております。あわせまして、またこの支払い機は、まあどちらかと申しますと窓口で通帳をもちまして預払いするほかの、いわば若干補完的な要素もあるわけでもございますので、どのような利用度の少ない郵便局でも設置するというようなわけにも、またいろいろと警備その他の効率上まいらないかと思います。したがいまして、ある程度利用度の高い郵便局というものもこれの対象として、まあある線を引いて考えていくということが必要になってまいろうかと、このように考えております。具体的な台数等につきましては、現在検討をしているところでございます。
 それから、郵便局へのこの支払い機の設置形態でございますが、銀行等ではいわゆる行外とかあるいは盛り場、デパート等におきます支払い機の設置というものも見られるわけでございますが、郵便局の場合、現時点ではいろいろ内部の制度上あるいは管理上等の問題、あるいは防犯上のガードをどうするかというような問題等もいろいろございますので、さしむき郵便局内、これはまあ郵便局の玄関等のいわゆるステップインと称されるような場所を含めてでございますが、いずれにいたしましても郵便局の中に設置をしていくという方針でございます。
#19
○穐山篤君 まあCDについては初めて設置するわけですから、慎重な取り扱いになると思いますが、当然またADですね、現金自動預入機というものについてもこれから民間の銀行ではどんどんふえていく傾向にあるわけです。いずれ競争的な関係にある金融機関としてはADという問題に逢着しなきゃならない。そういうふうになりますと、またこれは新たに設備をしなきゃならない、手戻りが出てくるというふうなことも十分予想されるわけですね。ADについてはもう絶対にやらないという判断のもとにCDだけを郵政省としては考えられているかどうかということが一つ。
 それから、いま郵政省としては個人向けの貸し付けでゆうゆうローンというのがあるわけですね。個人の立場から言いますと、ゆうゆうローンにつきましても、もし引き出しができるならばそのCDを活用したいという話は出てくるんじゃないかと私は思います。当然それには特定のカードを渡さなければできないという仕組みになるだろうと思いますけれども。この点についての検討はどうなんですか。
#20
○説明員(小倉久弥君) ADの、いわゆる預金機の設置につきましては、支払い機の方が、私ども聞いておりますところでは民間金融機関では現在すでに全国で一万台以上の設置が行われておると聞いておりますのに比べまして、預金機の方は現時点ではまだ数百台のオーダーであると、そういうように聞いております。したがいまして、これからの動向というのは、民間金融機関におきます預金機の動向といいますものもいろいろまだ流動的であろうと思います。
 さらに、若干技術的になりますが、預金機の方につきましては、たとえば通帳式でいくのかカード式でいくのか、あるいはまた預金機の専用機が多くなるのか、支払い機と預金機の兼用機が多くなるのかというような点につきましても、非常に過渡期あるいは流動期であるというように聞いております。したがいまして、私どもの場合も支払い機につきましては、先ほど申し上げましたように順次必要に応じて設置していきたいと考えておりますが、預金機につきましては、若干今後民間金融機関におきます利用動向あるいは設置形態といいますようなものをよく見ながら今後の検討をして、どのようにしていくかと、まあ入れるか入れないかを含めまして検討を続けてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
 それから、二番目におっしゃいましたゆうゆうローンの貸し付け、これは定額貯金など預金を担保とする、その範囲内での貸し付けでございますが、これをカードでできるようになるのではないかということでございます。これにつきましては銀行のいわゆる総合口座の場合、いわゆるカードローンとは違いまして、総合口座の預金担保貸し付けに係る普通預金の引き出しという形で従来から実施されているわけでございますが、これにつきましてもシステム的には十分可能でございますので、あと制度的にどのような点が整備が必要かどうか、あるいはその具体的内容はどうあるべきかというようなことにつきまして、現在細部の検討をしておる段階でございます。
#21
○穐山篤君 じゃそれは、郵政省についてはそこまでで、ありがとうございました。
 さて、CDの問題に関連をするわけですが、例の住友銀行のCDの営業時間ですね、この問題について、まあかねがね私も問題意識を持っていたわけですが、けさ新聞に御案内のように出たわけです。
 最初、大蔵省に住友銀行からの届け出あるいは御相談といいますかね、それから三時間という延長に対して最終的に一時間半というものに圧縮をされたと、それから当初の届け出のときからかなり時間を要して最終的に決まったというふうな事情があるわけですね。この間のいきさつについて、まず大蔵省の方から明らかにしてもらいたい。
#22
○政府委員(徳田博美君) CD、つまり現金自動支払い機の時間延長につきましては、十月七日に住友銀行から、平日について朝九時を八時四十五分に、夜五時を六時にそれぞれ延長するという届け出がありまして、大蔵省はそれを受理したわけでございます。
 この問題、本来個別の銀行の問題でございまして、それぞれの銀行において従業員との関係上問題がなく、また機械処理上等から見ても問題がない限り、その銀行の判断で利用者の利便という見地から実施するものであれば大蔵省に届け出を行った上で実施できるものでございまして、大蔵省といたしましては、この問題、一方で利用者の利便を高めるという点がございますし、また他方で金融機関の従業員の労働時間にも関係するという面もございますが、この点を踏まえて各金融機関において判断すべき問題でございまして、特に大蔵省として関与していくということは考えていないわけでございます。
#23
○穐山篤君 この話、住銀からのお話というのは八月に大蔵省にお話があったはずだと思うんです。それから二カ月余たってようやく、当初案で言えば三時間延長を一時間半になった届け出が出てきた、形式的にはそういうことだろうと思うんですが、その間、率直に申し上げて労働組合側からも注文があったはずだし、あるいはそれぞれの銀行側からも注文があったと、こういうふうに思うわけですが、その点を公正取引委員会は指摘をしているわけですね。ですから、大蔵省が全くいまお話のありますように木に竹を接いだようなお話では余り実態を明らかにしているとは思われないんです。もう少しその間の事情というものを明確にしていただきたいと思います。
#24
○政府委員(徳田博美君) この営業時間の延長の問題は、本来各金融機関が自由に判断すべき事柄でございまして、銀行法施行細則でも、その「営業時間ハ営業ノ都合ニ依リ之ヲ伸長スルコトヲ妨ゲズ」とあるわけでございまして、こういう趣旨でこの点につきましては対処しているわけでございます。大蔵省として特に一定に時間を限れとかあるいは一斉に行えとか、そのようなことを特に指示するようなことは一切ございません。
#25
○穐山篤君 大蔵省は後でまたお伺いしますが、これに関して公正取引委員会は、このCDの時間が最終的に決まる段階において、その他銀行六銀行の圧力があったのではないかというふうなことを含めて調査に取りかかったわけですが、具体的にはどういうふうな調査でございましょうか。
#26
○説明員(樋口嘉重君) お答えします。
 CDの時間延長の問題につきましては前からとかくの風聞がございましたし、また、雑誌等にもその記事が載りましたので、公正取引委員会としましては、大手都銀側の間でもって話し合いが行われるとか、あるいは圧力がかかったとかいうようなことでございますので、もしそういうことが事実としますと独占禁止政策上好ましくないというふうに考えられますので、一応まず住友銀行から事情を聞くということで、昨日事情を伺ったところでございます。今後もそのほかの関係者からいろいろ事情を聞いて実情を把握したいと、こういうふうに考えております。
#27
○穐山篤君 事情を聞かれたわけですが、六つの銀行の話し合いが行われて、住友銀行の営業時間の問題について一定の制限を加えたということになりますと、独禁法第三条に一つは該当するわけですね。それから、六つの銀行が談合し協議をして圧力を加えたということになりますと、第八条の事業者団体の禁止行為あるいは届け出義務の中の四項ですか、これに該当してくるやに思いますが、きのうのその事情聴取の中では、公取としてはどういう態度で事情の聴取を始めたのか、その姿勢についてお伺いします。
#28
○説明員(樋口嘉重君) お答えします。
 いまの段階で法令の適用を云々するというのはちょっと、まだ事情がはっきりわかっていませんのではっきりしたことを申し上げかねる段階でございます。
 なお、ほかの銀行、六行会とか言われているところ、あるいは全銀協とか、そういうところからよく事情を聞いた上でどういう条文が適用になるかを検討したい、そういうふうに考えておるわけでございます。
#29
○穐山篤君 いまの段階では真相が十分明らかにされていないので独禁法の第何条を発動してどうこうするということにはならないというふうにお話があるわけですけれども、しかし、かねてから問題があって、取り調べといいますか、公取がこれに介入をしたわけですから、介入の根拠というものが全くなくて事情聴取をするということは理屈上あり得ないと思うんです。何らかの根拠あるいはおそれがあるというところから取り調べを始めたと思うんですが、もう一遍その点はっきりしてください。
#30
○説明員(樋口嘉重君) お答えします。
 一応六行間に話し合いがあるというようなことがいろいろな事情で明らかになりますと、あと、金融機関全体のCDの所有量とかいろいろな業界全体の実情を把握した上で、それがどういう規定にあてはまるかということを考えなきゃなりませんので、ただ話し合いがあったというだけでどの規定というわけになかなかまいらない点がございます。もし仮に話し合いがあってかなり影響があるというようなことになりますと、その話し合いの内容、話し合いをして調整した内容は、場合によりますと先ほど先生御指摘の独占禁止法の三条の後段「不当な取引制限」に該当するということになろうかと思います。
 それから、六行会というものがどういうものか私どもまだ実態を把握しているわけではございません。また、全銀協がどういうふうに関与しているのかも、実は私どもこれから調査するところでございますが、先生の御質問の点をそんたくして私なりに考えてみますと、もし仮にそういうところで圧力があった場合どうかというようなことが御質問の趣旨のようでございますので、従来の私どもの独禁法運用の経験からいたしますと、御指摘がございましたような独占禁止法の八条の一項の四号、事業者団体による構成事業者に対する機能、活動の制限に該当するおそれがあるということになろうかと思います。いずれにしましても、まだ実態把握が緒についたばかりでございますので、はっきりしたことを申し上げるというような段階には至っておりませんので、御了承いただきたいと思います。
#31
○穐山篤君 大蔵大臣、いまやりとりがあったように、少なくとも住友銀行から大蔵省に届け出があったところから問題が発生しているわけですね。現実に公正取引委員会が事情聴取をしたというのは厳然たる事実でありまして、言いかえてみれば何らかこのCDの時間延長についてトラブルといいますか、問題があったというふうに言わざるを得ないと思うんです。金融の取り締まりとしての監督の立場にあります大蔵大臣としては、本問題についてどういうお考えですか。
#32
○政府委員(徳田博美君) 大蔵省といたしましては、かねがね金融機関の間に適正な競争原理を導入いたしまして、厳しい自己努力をしてもらうということを原則としているわけでございます。このキャッシュディスペンサーの時間延長の問題につきましても、本来各金融機関の自主性に任せるべきものと、このように考えておりますし、個別の銀行の問題であって、従業員との関係あるいは機械処理等の関係で判断して各金融機関で自主的に判断するのが望ましいと、当然のことでございますが、このように考えております。
#33
○国務大臣(村山達雄君) 銀行の個別の問題につきましては、大蔵省は自主性に任しているわけでございます。しかし、いま穐山委員がおっしゃいました公取がある種の予測のもとで取り調べをいま始めたということでございます。その結果のいかんによりましては、さらにそのようなことがないように強力な指導が必要の場合があると、あるかもしれぬと、そのような場合には必要に応じてそのように考えてまいりたいと思っておるわけでございます。
#34
○穐山篤君 時間が足りないのでこれ以上突っ込みができないのが残念ですけれども、いずれこの問題についてはまた別の機会にお伺いをすることにしたいと思います。
 さて、おとといの大蔵委員会でも出ておりました来年度の予算編成の問題についてお伺いをしたいと思います。
 先日大蔵大臣は、概算要求が出そろって歳出としては十四・何%前後だというお話がありました。事務的には私はそういうことになろうと思いますが、理屈の上からいえば国の昭和五十四年度の政策というものがあって、あるいは重要な政策があって、それに見合う財源あるいは歳出計画というのがあって、それでまともな予算編成の考え方になるわけですね。先日のお話では政策の部分が余り述べられなかったわけです。
 そこでお伺いするのは、昭和五十三年度に引き続いて行うもの、あるいは継続して行うもの、あるいは物価スライドで多少予算がふえるというふうなものはいいとしまして、来年度の福田内閣の政策として新たに掲げなければならないものは何があるかどうか。あるいは特徴的な政策を考えているかどうか。あるいは新規に相当の財源を必要とする政策がいまのところ考えられているかどうか。
 まずその政策の問題について大蔵大臣からお伺いします。
#35
○政府委員(吉野良彦君) 来年度の予算編成についてのお尋ねでございますが、ただいま先生お話しございました既定経費は別として、新規のいわゆる政策として一体どういうものがあるか、あるいはまた、どの程度の財源を必要とするというふうに見ているかというようなお尋ねであったかと存じますけれども、申し上げるまでもなく、私ども八月末に各省庁から概算要求が出されまして以来、現在それぞれの担当の主計官のところで要求の内容を要求官庁の詳細な説明を伺わしていただきまして、事務的に検討を重ねているという段階でございます。そういう状況でございますので、実は新規の施策として具体的にどういう項目があるかということは、私ども部内でもまだ大臣にも御報告をいたし得ないというような状況になっておりますのがありのままの状況でございますので、御理解をいただきたいと存じます。
#36
○穐山篤君 まあ、きょうはやむを得ないと思います。いずれこれは国会が終わった後で、いろんな大臣がいろんなことを言うことになるんじゃないかと思うのです。
 さて、先日からも指摘をされておりますように、一般財源につきましてもかなり窮屈である。それから経済成長率のことを考えてみますと、相当の公共事業投資をしなきゃならないという意味では、国債の発行というものはいずれやらなきゃならぬと思います。ただ、この場合に特例公債、赤字国債は発行したくないという気持ちはわかります。またわれわれもそう主張してきたわけですが、そうしますと、その財源というものにつきましてはかなり制限をされた範囲で考えなきゃならないというふうに考えられますね。
 そこでお伺いをするわけですが、現状の財源難から考えてみて、あるいは国債発行、消化の非常に停滞ぎみのことを考えてみまして、どうも新しい財源として考えているのは資金運用部の金を考えているんじゃないかというふうにわれわれは見るわけですが、その点はいかがですか。
#37
○国務大臣(村山達雄君) 先ほど主計局の次長から申し上げましたように、経常経費部門の重要政策その他まだ検討中でございます。ただ厳しい財源事情にございますので、概算要求の段階ではかなり厳しく経費の節減を求めているわけでございまして、新規政策は原則としてスクラップ・アンド・ビルドで既定経費を節減してやってもらいたい、こういう方針でやっております。そういう角度から概算要求が出てまいってきておりますので、その中で一体どういうものが今後重要な施策として出てくるか、これから具体的に個別的に検討してまいりたいと思っておるのでございます。
 一方、成長との関係でございますけれども、これまた一般的に中期経済計画の見直しが行われるわけでございまして、それと財政収支というものをどのように組み合わせていくか、今後の問題であるわけでございます。私たちの現在のスタンスといたしましては、やはり成長という問題と財政収支の問題というものは、抽象的に何が望ましいかということではなくて、現実的に何が可能であり、その可能な中でどういうふうに結びつけていくかという、もう少し総合的な立場に立ってぜひ来年度の予算編成もやってまいりたいと思っているのでございます。これは一般論でございまして、財源の関係ということになりますが、それらのものの予算のフレームが決まってまいりましてから財源の問題を真剣に考えにゃならぬと思います。
 ただ、いま穐山委員から御指摘のありました運用部の活用と申しますか利用と申しますか、これはまさに一つの問題点でございますが、私が見ております限り、運用部の原資が非常に窮屈になっておる。これはもう紛れもない事実でございまして、その大宗である郵便貯金あるいは年金の増加額、これが年々まあ縮小、特に郵便貯金につきましては伸びが少ないのではないかと思っておりますし、かつまた、運用部の回収金と申しますか、そういった余裕金がもう年々乏しくなっておるのでございます。考えてみますと、ここ数年来一般財源の不足というものを運用部で肩がわり――言葉は適当かどうかわかりませんけれども、一種の肩がわりをしてやってきましたその結果といたしまして、運用部の資金に非常に余裕が少なくなってきておるということは事実でございます。そういったことを考えますと、来年度の予算の編成はその運用部を含めました財源と申しますか、あるいは原資と申しますか、全体から申しましてかつてない厳しい状態にあろうということだけは申し上げられるだろうと思います。
#38
○穐山篤君 いま大臣が指摘をされるように、十年前の財政投融資資金の原資の割合と、それから昭和五十二年度、三年度の構成を見てみますと、確かに大きな変化があるわけですね。資金運用部資金というのがもうほとんど全体の八一%前後を占める。特に郵便貯金がその中で四五%を占めてくるというふうにかなり比重が高くなってきているわけです。いずれこの問題については別なところで改めてまた議論を必要とすると思いますけれども、さて、郵便貯金を原資にして四五%も財投の原資に振り分けておる、理屈上は当然だと思うんですね。これは資金運用部資金法第二条第一項というようなものに規定されておりますから、それはやむを得ないと思いますけれども、さて現実の金融構造なり、あるいは資金繰りから考えてみまして、郵便貯金の原資が全体の五〇%も振り向けられるということについては異常な事態だと思うんです。私は一定の上限を決めた方かいい、決めるべきだという考え方を持っておりますけれども、この点についてはいかがですか。
#39
○政府委員(田中敬君) 御承知のように、郵便貯金法の方におきましても、あるいは資金運用部資金法におきましても、預託された郵便貯金というものは全額政府資金運用部資金に預託をされ、かつ、その資金運用部資金法の第七条によりますと、それら資金運用部資金に預託された各種資金の運用として、たとえば国に対する貸し付け、公社、公団に対する貸し付け、あるいは国債等への運用ということが規定されておりますので、財投計画上の原資として郵便貯金にある一定のシェアを与えてこれを限度とするということは法制的にも考えられませんし、また現実の問題といたしましても、やはり財投原資の大宗をなす郵便貯金でございますので、これは財政投融資の原資として総合的に活用してまいりたいと考えております。
 ただ御質問の御趣旨が、財政投融資計画、いわゆる財投機関――道路公団でございますとか住宅公庫でございますとか、そういう財投機関への貸し付けだけでなくて、そういうふうに預託された長期の定額貯金見合いの金を国債の引き受けに回したらどうかという御趣旨であったといたしますれば、これは一つの御見解だろうと存じます。国債の消化につきましては大体市中消化を原則としてやってまいっております。現在でもシ団引き受けという形で市中消化を原則といたしておりますけれども、国債の発行量が非常に大きい、あるいはその発行規模が市中の消化能力に見合わないというような状態の年の場合には、資金運用部資金で国債を引き受けております。現在までの、国債発行いたしまして今日五十二年度末までの実績で見ましても、大体発行されました国債の一三%を資金運用部資金で引き受けてまいっております。たまたまことしの五十三年度につきましては、公共投資その他財政主導型という形での各種財投需要がふえましたために国債を引き受ける余地がないということで、全額市中消化ということで本年は発足いたしましたけれども、こういう形で全体の財投需要とそれから市中の金融の詰まりぐあい、あるいは国債の発行量というものを見ながら、どの程度国債が引き受けられるかということは今後も検討してまいりたいと存じております。
 ただ明年度につきましては、ただいま大臣が申し上げましたとおりに、財投の原資をなします大宗である郵便貯金の伸びが本年度の伸びよりも原資として引き当てる部分のものが七・五%増ということで、郵政省の方から原資の提供が来ております。これをふやすわけにはまいりませんので、財投計画の半分の原資が七・五%しか伸びないということになりますと、来年のいろいろの経済情勢を考えまして、公共事業を伸ばすあるいは財政投融資計画を大きくするという必要があった場合には、国債の引き受けに回し得る財投資金というものは非常に乏しいのではないか、非常に資金運用部資金による国債の引き受けはむつかしいというふうに見通しております。
#40
○穐山篤君 もう時間がなくなりましたので、先に進みますが、先日も金融制度調査会のお話がありました。昭和五十年から手がつけられて、来年の春には一応作業が終わり、秋の段階にはそれを踏まえて法律の改正ができるだろうと、こういうお話を聞いたわけです。言ってみれば銀行法の抜本的な改正が来年度出てくると、こういうふうに思うわけですね。
 ところが、この五十年から五十三年度までの間に、一例ですけれども、たとえばCD、ADというふうな問題、あるいは郵便貯金のような問題、郵便貯金のことを言えば、この金融制度調査会の第一項にかかわる金融構造の問題に深いかかわり合いを持つわけですね。あるいはCD、ADなんかについて言うならば、第五項の銀行のサービス面という問題にかかわるわけです。来年の、まあ来年基本的なあるいは抜本的な銀行法の改正が出るということが予定されているわけですが、この三年の間に、事金融に関しましていろんな変化が現実にあったわけですね。これあるのはやむを得ないと思いますけれども、しかし、この銀行法の改正という大命題を十分に機能させるためには、たとえばCD一つとりましても、これは問題ではないかというふうに思うわけです。あるいはその他の項目について一々申し上げる時間ありませんけれども、この三年の間にいろんなことが銀行あるいは金融関係で行われてきているわけです。この現実的な問題の処理と金融制度調査会の作業とのかかわり合い、これはどういうふうにお考えですか。
#41
○政府委員(徳田博美君) 御指摘のとおり、金融制度調査会では、まあ普通銀行のあり方を中心といたしまして五十年から審議をいただいているわけでございますが、ただ、何分にも銀行法の改正という大変な大作業でございますので、御答申を全部いただくまでにはかなりの期間がかかるわけでございます。
 一方、御承知のとおり、金融経済構造は大きな変革期に遭遇しているわけでございますので、この間、答申が出るまでは日本の金融制度一切に手をつけないというわけにもまいらないわけでございます。
 そこで、金融制度調査会の場合にはテーマを七つに分けまして、一つ一つのテーマについて御審議をいただき、そのテーマについて御審議を終了した都度、そこで意見の取りまとめをいただいているわけでございます。たとえば、まあいまも先生御指摘のCDのような問題につきましては、銀行のサービスのあり方等に関連して御審議が行われ、中間的な取りまとめが行われましたし、そのほか銀行の業務のあり方についても先般中間的な取りまとめが行われたわけでございまして、このような中間的な取りまとめの線に沿いまして、法律改正を必要としない事項につきましてはその審議の方向に沿って、その趣旨を体しながら現実的に対処、対策をいろいろ講じていると。このような手段によりまして金融制度調査会の全体の御審議の方向に沿いながら必要な制度の改正、制度の改革を行っているわけでございます。
#42
○穐山篤君 先日の和田委員の指摘の中で、金融機関の労働時間の問題が質問をされまして、大蔵大臣の答弁としては、まあ来年の金融制度調査会の答申を待って十八条問題の改正に手をつけざるを得ないだろうと。しかし、週休二日制の問題についてはあわせて公務員と同じ歩調をとりたいと、こういうふうに二つかませてあったわけです。まあ公務員の場合には、御案内のとおり試行が来年の三月で終わるわけですね。仮に、人事院の方で試行が来年三月に終わって、たとえば来年の六月に公務員の週休二日制について実施をするということにまあ仮定の問題としてなった場合、この十八条の改正をその段階で行うのかどうか、あるいは改正をしないけれども、運用の問題として公務員に準拠して週休二日制というものを発足させることが可能かどうか。前回の答弁では非常にその点が不透明でありましたので、もう一遍確認をしておきたい。
#43
○国務大臣(村山達雄君) いま穐山委員のおっしゃっておられるのは、銀行法の改正は来年末の通常国会に出すんだが、その前に公務員の方の週休二日制が決まったときにはどうするんだと、こういう趣旨と受け取っておるわけでありますが、その場合におきましては、いま私たちが考えておりますのは、週休二日制の問題を少し早めまして、その分だけを公務員と一緒にやることができないかどうか。そのときには、当然のことでございますけれども、関連する法律を全部改正しなければならぬわけでございまして、手形法、小切手法、あるいは国税通則法、地方税法、こういった関連する法律を一斉に改正することになるであろうと、そういうふうに見ておるわけでございまして、あとは実務的に果たしてどの機会に、いつどんな臨時国会でと、こういうことになるだろうと思いまして、実務的にはそういう点を詰めてまいりたいと、かように考えております。
#44
○穐山篤君 時間ないから、やめます。
#45
○塩出啓典君 それでは最初に、先ほども質問のありました住友銀行の現金支払い機の時間延長の問題についてお尋ねをしたいと思います。
 先ほど銀行局長から、十月七日に届け出があってそれを認可をしたと、こういう説明はいただいたわけでございますが、いろいろ今日までいろんな雑誌等にもそのいきさつがずっと書かれておるわけで、大蔵省もこういうような動きがいままでなかったということは言えないんじゃないかと思うんですが、そこで、正式な届け出はなかったにしても、住友銀行としてこの営業時間を三時間ほど延長したいと、こういう非公式な打診はあったと、このように理解をしていいわけですね。
#46
○政府委員(徳田博美君) 正式な届け出が行われる前に、一応の事前の事務的な打ち合わせはございました。
#47
○塩出啓典君 だから、まあ最初は午前一時間、午後二時間、合計三時間の延長をしたいと、こういうような意向を持っているということは、銀行局も知っておったわけですね。
#48
○政府委員(徳田博美君) 事務的な話し合いの過程ではいろんな話が出されたわけでございまして、一応いろいろな当初の試案としての話の際には、御指摘のようなこともあったと思います。
#49
○塩出啓典君 まあ住友銀行のそういう時間延長したいという要望に対して、ほかの都市銀行あるいは銀行協会とかそういうところが非常に反対をすると、こういう動きがいろんな雑誌等にも報道されておるわけですけれども、大蔵省もそういう動きがあるということは当然知っておったと思うんですけれども、その点はどうなんですか。
#50
○政府委員(徳田博美君) 住友銀行が現金自動支払い機の時間延長を考えているということが外に出ましてから、各方面でいろいろな動きがあったことは承知しております。
#51
○塩出啓典君 大蔵省の銀行課長が、みんなが話し合いをした上で円満に実施することが望ましい、住銀にはこうした動きを見定めてから届け出を出してほしいと言ってあると、こういうように、これはまあ雑誌に書いてるんですが、この話が真実であるかどうかということを確かめようとするわけじゃございませんが、大体大蔵省の姿勢としては、いまここで述べた銀行課長の発言のようなそういう姿勢であったと、こう理解していいわけですね。
#52
○政府委員(徳田博美君) 大蔵省といたしましては、先ほども申し上げましたように、本来これは個別の銀行の問題でございますし、従業員の関係上問題がなく、また機械処理上等から見ても問題がない限りは、これは利用者利便という点からは非常に結構なことでございますので、その銀行の判断で大蔵省に届け出をした上で実施できるものと、このように考えておるわけでございます。それから、これも先ほど申し上げましたように、金融機関相互間では極力適正な競争を行って国民のための利便の向上に資することは非常に結構なことでございますので、そういう考え方も持っております。
#53
○塩出啓典君 だから私が申し上げたいのは、前々から銀行行政も護送船団方式から金融効率化行政ですか、その方向に移行していかなくちゃいけない、そのためには適正な競争をやらしていかなくちゃいけない。こういう姿勢であるならば、今回住友銀行がこういう時間延長の意図を持っていると、ところがそれに対してほかの都市銀行が反対をしておると、そういうときこそ、やはり私は銀行局として住民サービスのために一歩前進していこうという、そういう意欲をもっと育てるようにやっぱりしていかなくちゃいけない。私はそれが結局は金融効率化行政を実施していくことになるんじゃないかと思うんですけれども、そういう点はどうなんですか。
#54
○政府委員(徳田博美君) その点はまさに先生御指摘のとおりでございまして、今度の問題につきましては、従業員の団体を含むいろいろな動きもございましたので、そういうものを踏まえて住友銀行としてはこのような結論を出したと思うわけでございますが、その意味では、住友銀行がいち早く十月七日に届け出を出しましてこれに先鞭をつけましたのも、いま先生も御指摘のような趣旨からではないかと、このように考えております。
#55
○塩出啓典君 この委員会での答弁としてわれわれも非常に、なかなか納得しがたいものがあるわけですけれども、今後の方向としては、いままでのような横並び意識ということがいろいろ雑誌にも新聞等にも批評をされておるわけですけれども、そういう横並び意識というものではなしに、本当にやはり意欲を持ってやっていこうというところはどんどんそれを育てていくと。そして、そういうものに対して足を引っ張るような横並び意識というものに対して、それはよくないじゃないか、そういうことは独占禁止法にも反することですからね。そういうようなもっと積極的な行動を示してもらいたいんですよ。ただここでは結構なことを言っているけれども、あるいは金融効率化行政とかそういうようなことを、表ではきれいなことを言っておっても裏では銀行同士で話し合いをしてうまくやっていけと。これでは全然適正な競争をさせるということには私は逆行するんじゃないかと思うんです。だからそういう点でもうちょっと積極的に指導する、そういうことはできないものなんですか。
#56
○政府委員(徳田博美君) 基本的な大蔵省の行政の考え方はただいま先生の御指摘のとおりでございます。ただ、個別の問題につきましては、先ほど申し上げましたように従業員との関係その他もございますので、現実にそのようなものを適正に処理しながら、しかし基本的には適正な競争で国民に極力利便を提供していく、こういうような姿勢で今後とも問題を処理してまいりたいと思っております。
#57
○塩出啓典君 この問題について大蔵大臣に最後に要望しておきたいことは、私は前々から大蔵省が言っているように、金融機関も新しい時代を迎えて、適正に正しい競争というものをどんどんさして金融機関の効率化というものを前進させていかなくちゃいけない、そして速やかに国民の需要にこたえる、こういう金融機関にしていくという、こういう方向は非常にいいと思うんでありますが、しかし現実にはそれに反するような、いわゆる横並び意識によって先駆けすることを抑えていく、こういう動きは非常によくないんじゃないかと思うんですがね。そういう点で、大蔵省としてもただ言葉だけを唱えるんではなしに、実質的な行動の面において行政指導なり、正しい意味での行政指導なりをして努力してもらいたい。これを強く要望したいわけですけれども、大蔵大臣の見解を承っておきます。
#58
○国務大臣(村山達雄君) 塩出委員のおっしゃったことは基本的に全く同感でございまして、私の感じから申しますと、銀行行政はいま新しい時代の要請に応じまして、私たちが昔おったときに比べますと非常に積極的にやっておるという感じを持っておるわけでございます。やはり社会の要請に応じまして新しい公共性、社会性という角度が強く打ち出されておる。そのための銀行経営の効率化の問題、それと関連して、やはり護送船団式ではなくて、むしろそれぞれがみずからの競争原理の上に立って効率化を進めていくという考え方、さらにいま検討されておりますディスクロージャーの問題、こういったものから見ますと、時代の動きとはいいながら非常な隔世の感を持っているわけでございまして、私たちはこの方向を正しいものと見、そしてまた、せっかくいま金融制度調査会で五年の歳月をかけてこれらの問題が検討されておりますので、ぜひいま塩出委員のお考えがあるような方向で、これを銀行法の改正という一つの形で集大成してみたい、こういう意欲を持っておるのでございまして、今後ともその点は十分気をつけてまいりたいと思います。
#59
○塩出啓典君 確かに金融機関は非常に社会的にも重要な立場にあるわけで、金融機関が倒産なんかしますとこれは非常に社会不安が起きる。そういう点から金融機関というものの健全性も保っていかなければいけない。そういう方面が今日まで余りにも強過ぎて、とかく金融機関のカルテル的な体質というものが今日まで非常に問題になってきておるわけであります。公取に幹部を派遣して人事面からコントロールしているんじゃないかと、こういうような批判等もあるわけでありまして、私はそういう立場も大事ですけれども、さらに消費者の側に立った行政を第一義に優先をさしていくべきであると思いますし、これはもう当然のことではないかと思います。ひとつそういう方向にさらに努力をしていただきたい、このことを要望いたしたいと思います。
 それから次に、当委員会においてもたびたび問題になりましたいわゆるサラ金の問題でございますが、ネズミ講の問題については先般規制法が、禁止法が成立をしたわけでございますが、このサラ金問題につきましては、先般の警察庁の報告を見ましても、ことしの一月から八カ月の間にサラ金などの貸金業者からの借金のために自殺をした人は百三十人、家出をした人は千五百二人、これは氷山の一角ではないかと思うんでありますが、これだけでも自殺は二日に一人、家出は一日六・二人と、こういうような現状で、一日も早い対応が望まれておるわけであります。しかし、なかなか対策の方は遅々として進んではいないわけでありますが、政府は六省庁において二年ぐらい前からいろいろ打ち合わせをし、毎月定例会議を開いて意見の交換をしておるように聞いておるわけですが、なかなか意見がまとまらない。次の通常国会への立法も危ないんじゃないかと、こういうことが言われておるわけでありますが、いま特に各省庁の話し合いの中でいわゆる対立点になっている点はどういう点なのか、これをお伺いします。
#60
○政府委員(徳田博美君) 先生御指摘のとおり、現在六省庁において連絡会議を持ちましてサラ金問題につきまして立法につき精力的な検討を進めているわけでございます。その間、各方面の実態調査の問題であるとか、あるいは各方面の権威者を呼んで意見を聞くとか、いろいろな審議を重ねてきたわけでございますが、いま立法面につきまして具体的な問題を中心に検討を詰めているわけでございます。
 その場合に、特に各省庁の間での対立というような問題はないわけでございますけれども、六省庁の会議でこれから立法を詰めていく上での問題点は三つほどあると思うのでございまして、その一つは、高金利をどのように規制するかという問題でございます。現在、御承知のとおり出資の受入、預り金及び金利等の取締等に関する法律におきましては日歩三十銭が最高となっているわけでございますけれども、この規定をどのように処理するかということが一つの問題点でございます。
 それから第二の問題点は、現在貸金業者は届け出制になっているわけでございますが、これを免許制であるとかあるいは登録制であるとか、そのようなことに切りかえることができるかどうかという問題でございます。この点につきましては、そのようにすることが一つの方向かとも考えられますけれども、ただ問題は事務処理能力でございまして、その点でどのようにするかということが第二番目の問題点でございます。
 それから第三番目の問題点は、貸金業者に対する行為規制の問題でございまして、現実にその貸し金業者の広告その他における利回りをどのような形で表示させるか、あるいは貸し金を行った場合の計算書の交付をどうするか、あるいは貸し金の返済を受けた場合の領収書をどのようにするか、さらには、安易な借りかえであるとかあるいは他の業者への紹介であるとか、そのほか法律に触れるような問題について、行為についてどのように規制するかという問題がございまして、この三つの点が今後審議の中心になってくると、このように考えられます。
#61
○塩出啓典君 大蔵大臣の予算委員会とか当委員会での御答弁を聞きますと、いわゆる出資法で定めております一〇九・五%という金利は、これは私人間の貸借にも適用されるもので、これを変更することは非常にむつかしいと。これは本来法務省の管轄の法律ではございますが、大蔵大臣の御答弁では変更することは非常にむつかしいと、そのようなお考えのように承っておるわけでございますが、それでいいのかどうか。したがって、大蔵大臣としてはこの出資法の一〇九・五%は変えないで別な体系で金利を規制していく方向であると、このように理解していいのかどうか。
#62
○国務大臣(村山達雄君) もしそういうふうにおとりになっておるとしたらそうではないのでございまして、先ほど銀行局長が申しましたような、出資法によるところの金利をどのように規制するかというときに、対立点ということではございませんけれども、法務省の方で法律的な問題として、そういう点は一般私人にも適用があるので、いまの法制のまま引き下げることがどのような影響を持つであろうかということを、法務省側が一つの問題点としておるという意味で申し上げたつもりでございます。しかし、そこは一つのポイントであることはもう間違いないわけでございます。今後、先ほど申しました重要な問題点の一つとして関係省庁の間で詰めてまいりたい、こういう意味でございます。
#63
○塩出啓典君 じゃ、大蔵大臣としては、やはりこの一〇九・五%はもっと下げる方向で努力したいと、大蔵省の意向としてはそのようにとっていいわけですか。
#64
○国務大臣(村山達雄君) この出資法ができましたのは非常に高金利の時代の、たしか昭和二十九年だと思っておるのでございます。そういったことから申しますと、一般的にやはり下げる余地があるんではなかろうかと、まあ私は個人的に思うのでございます。けれども、何しろこれは法務省の所管であり、かつ広範な問題でございますので、関係省庁の討議の過程でその問題を最終的には決めてまいりたいと思っております。私はその意味ではそんな専門家じゃございませんけれども、ずいぶん高金利のときに決められたんじゃないかと、こういう認識を持っているということを申し上げたいと思います。
#65
○塩出啓典君 九月十三日に大蔵省は「貸付条件の掲示等に係る庶民金融業協会に対する指導等について」と、こういう通達を出しておるわけでありますが、現実には罰則がない。だから庶民金融業協会加盟のところにはある程度の効果はあっても、全般的には余りこういう通達だけでは効果はないんではないかと、こういうことが言われておるわけで、私たちもまことにそうだと思うわけでありますが、この点はどう考えておるのか、これをお伺いします。
#66
○政府委員(徳田博美君) 貸金業者に対する取り締まりと申しますか、そういう規制につきましては、実は先生御指摘のとおり法律的な権限はないわけでございまして、実態調査の権限しかないわけでございますが、ただ庶民金融業協会並びに連合会に対しましては、これは政府として指導することができるわけでございますので、そこを通じて指導を行うという形で通達を出したわけでございます。ただ、法律的な裏づけはないわけでございますけれども、庶民金融業協会に加入していない貸金業者に対しても同一趣旨で指導するように都道府県知事には依頼してございまして、各都道府県でもそれに協力して、非会員に対しましても指導をしていただくことになっておりますし、また大蔵省といたしましても出先の財務局、財務部等を通じて極力この通達の趣旨に沿うよういろいろ指導をしてまいりたいと、このように考えております。
#67
○塩出啓典君 どうしてもそういう点では現在のこういう通達だけでは不十分で、やはりある程度の罰則を伴う立法が必要であるということは、これは当然ではないかと思うんでありますが、しかし、先ほどのようないろいろお話を聞いておりますと、なかなか次の国会には間に合わないんじゃないかと、こういうことを心配をしておるわけでありますが、その点、大蔵大臣の決意をお聞きしておきます。
#68
○国務大臣(村山達雄君) これだけ大きくなっておる問題でございますし、また各党からもいろんな意見が寄せられておりますし、実態調査も済んだわけでございますし、また問題点も明らかになっているわけでございますので、いかようにしてでも来年の国会には対応する法案を出したいと、このように思っているところでございます。
#69
○塩出啓典君 先般の衆議院の予算委員会のわが党の正木委員の質問に対しまして、法務省は、いわゆる利息制限法で定められた制限利息を超えて支払われた利息は当然元本に充当され、さらにそれ以上に支払われたものは当然返還請求かできると、こういう答弁があったわけであります。また、最高裁の判決もそういう判決を出されておるわけでありますが、先般大蔵省が行ったサラ金の実態調査では、九八%以上が実際はこの利息制限法の制限利息を超えておる。もちろん出資法の方には違反はしていないわけなんですが、こういうことが現実の問題としてどうなのか。非常にわれわれも法律がありながらその法律違反の現状がまかり通っている。しかも、これは一部の金融機関ではなしに、かなりれっきとした、証券市場に上場している企業においてもそういう法を違反をしておる。また、外国から日本へ進出している外資の金融機関においてもそういうものが守られていない、こういう現実をわれわれが見たときに非常に納得いかないわけなんですが、どう理解すべきなのか、この点を伺っておきます。
#70
○政府委員(徳田博美君) 利息制限法の問題は法務省の所管にかかわることでございますので、あるいは法務省からお答えするのが適当かもしれませんと思いますが、いずれにしても先生御指摘のとおり、この前の実態調査の結果では、九八%以上が利息制限法を超えた金利で貸し出しを行っているわけでございますので、このような現実を踏まえて、今後サラ金業に関する立法を行う場合にどのように対処すべきかについては、実は先ほども申し上げましたように、六省庁の連絡会議でいまいろいろ審議を重ねているところでございまして、この問題につきましても何らかのそういうような結論を出したいと、このように考えております。
#71
○塩出啓典君 いまアブコを初め、かなりの外国の資本が日本へ進出してきているように聞いておるわけでありますが、こういうものが日本へ進出してくるのには、大蔵省としてはこれはやっぱり認可をするのか、自由に入ってこれるのか、その点はどうなっておりますか。
#72
○政府委員(徳田博美君) 外資系のこういうサラ金業者が入ってくることにつきましては、外為法上の認可は必要であるわけでございますが、出資法上は御承知のとおり単なる届け出でございますので、サラ金業者としての、つまり貸金業者としての立場からは自由な届け出制であると、こういうことになっておるわけでございます。
#73
○塩出啓典君 しかし、いずれにしてもこれは大蔵省が認可をしたそういう外資が公然と利息制限法という法律を超えておる。しかも、庶民が全部返還請求をすればとることができると、こういうようなことは非常に法治国家として現実にはそぐわない状態じゃないかと思います。そういう点でこういう状態をなくするように政府としても速やかにひとつやっていただきたい、このことを要望しておきます。
 今回、大蔵省の指導で大手都銀がいわゆる応急ローンですか、こういうものを始めたわけでありますが、どうも私たちもそういうものを見ておりますと、非常に腰が重いというか、大蔵省から言われて渋々やっておる。先ほどの住友銀行の自動現金引き出し機の問題と同じように、そういう横並び意識というものが、その上に安住しておるために消費者の要望に速やかに都市銀行というものがこたえてこれなかった、やはりこういう体質が私は今日のサラ金のような問題を引き起こしたのではないか、このように考えるわけでありますが、そういう点、今後大蔵大臣として、大蔵省として、このような都市銀行その他の金融機関の姿勢に対してどういう指導方針で臨んでいくのか、これを伺っておきます。
#74
○政府委員(徳田博美君) 応急ローンの問題でございますが、これは各金融機関が独自の判断で行うということになっておりますので、金融機関によって準備の進捗状況も異なっているわけでございますが、
  〔委員長退席、理事戸塚進也君着席〕
いまのところ、都市銀行のうち四行前後は十月中に実施する見込みでございますし、それから十一月中には都市銀行のほとんど全部が実施することになると思います。また、地方銀行も十一月から一部逐次実施を始める予定でございます。相互銀行につきましても、同じようにこれを実施するという旨の意思表明がございまして、これも年内にかなり実施に移されるのではないか、このように考えているわけでございます。いずれにしても、このように国民、消費者のための利便になる事柄につきましては、今後とも積極的にこれを実施するように指導してまいりたいというように考えております。
#75
○塩出啓典君 それでは最後の問題でございますが、最近特に長期の利付国債が値崩れをしているようでございますが、先般も当委員会でいろいろ問題のあったことでございますが、この値崩れの原因をどう見ておるのか、それに対して政府としてはどういう対策を考えておるのか、これを伺っておきます。
#76
○政府委員(田中敬君) 先般も当委員会でお答え申し上げましたが、値崩れの原因には一過性の原因と構造的原因があると思います。一過性の原因につきましては、もうすでに外債ラッシュでございますとか、あるいは決算資金手当てであるとか、引当金充当のための資金繰りというような観点はすでに過ぎ去って、もうなくなったものというふうに考えていいと存じますが、何といたしましても大きな原因は発行市場、流通市場の大きさに比べて国債の発行の量が大き過ぎるということが第一であろうと思います。それから第二の理由といたしましては、この五月に公定歩合が引き下げられました後、漸次金利の底打ち感というものが浸透いたしまして、投資家の間に今後は金利が上昇局面になるであろうということから長期の債券への投資というものがきらわれまして、従来長期の債券に向かっておった資金が短期の金融商品に振りかわっていったということが構造的要因の第二であろうと思います。
 この二つの原因を考えます場合に、まず今後の国債管理政策として考えますことは、何よりもまず国債の発行額を圧縮をしていく、できるだけ圧縮に努めていくということが基本であろうと思います。しかしながら、中期財政試算でもお示しいたしましたように、ここ当分大量発行は避けられないということになりますと、そのような公社債市場の中、あるいはこういう金利状況、金融情勢の中でどういう対応をしていくかということでございますが、先ほども申し上げましたように、金利の底打ち感ということから長いものがきらわれ、短い、あるいは中期のものへの選好が進むという動向をとらえまして、国債の消化の面からもこれらの資金のニーズに合ったような国債の発行、いわゆる国債の種類の多様化というものに努めてまいりたいと思います。いずれにいたしましても、国債の発行条件というものがそれを買う人にとっては一番大事な問題でございます。現在発行利回りと流通利回りの乖離がいっときこの八月から九月にかけまして〇・五%も開いた時期がございますが、最近におきまして、特にここ、今週に入りまして長期債の利回りも漸次回復を来しておりまして、現在の店頭取引の流通格差というものは〇・三%そこそこということになって漸次回復をいたしております。この動向を見ますと、やはり短い金融商品に向かっていった資金というものが、現先レートの最近の急激な低下にも見られますように、短期のものの金利がだんだん下がっております。そういうことになりますと、やはり投資家とすればここで短期のものからまた中期のものへシフトして戻ってくるという動向もございますし、いずれにいたしましても、当分の間はこういうふうに公社債市場あるいは日本の資金需給全般を考えまして、ここで新しい投資資金が出てきている、新しい資金需要が出ていない現状では、やはり長期のものと短期のものとに金利選定、裁定によりまして移ったりする、いわゆる長短の間のシフトが繰り返される市場というのが続くのではないかと。そういう市場動向をながめながら、私どもは月々の金融情勢、公社債市場情勢というものを見ながら発行量の調整とかそういう、あるいは種類の多様化による調整ということで対応をしてまいりたいというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、公債の条件を改定すべきではないかという御議論が一部にはございますけれども、この際こういう情勢の中で国債の条件を改定、いわゆる発行利回りを上げるということになりますと、他の債券金利ひいては長期貸出金利、プライムレートというところまで影響してまいります。もしこれが現時点で上がるということになりますと、現在とっております経済政策と逆行するという形になりますので、条件改定については現在考えておりませんが、市場動向をながめながら量の調整、種類の多様化という方向で対応するのがさしあたりの方策ではないかというふうに考えております。
#77
○塩出啓典君 大量発行に伴い個人消化を促進することが肝要ではないかと思います。五十年度が五・一%、五十一年度が一二・三%と大幅に伸びてはいますが、まだ少ない。そこで、個人消化促進のために二、三お伺いしたいと思いますが、現在はどんなに既発債が値下がりしても個人には売らず、個人は新発債しか買えないようになっていますが、公社債市場、つまり既発債市場への個人の参加を工夫すべきではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。
#78
○政府委員(渡辺豊樹君) 債券の既発債市場におきまして、先生御指摘のように、売買の主体が機関投資家でございまして個人の割合が低いことは事実でございます。しかし、個人の既発債の売買、実は国債につきましても全く行われていないわけではございません。ただ既発債市場で機関投資家が中心になっていると申しますのは、どうしても消化の段階で機関投資家の消化が多いものでございますから既発債市場での売買が特に最も大きい。個人投資家の場合には小口でございますのでなかなかなじみにくいというのが実情でございます。しかし先生御指摘のように、既発債市場にも個人がもっと参加できるようにするということは望ましいわけでございますし、私どもも個人からのそういう注文があった場合には極力応ずるように証券会社を指導しておりますし、また、既発債市場になじみやすいように店頭市場での気配発表制度等もさらに改善工夫を加えていきたいというふうに考えております。
#79
○塩出啓典君 次に、銀行の窓口販売の問題が証券取引審議会でも審議をされてきているように理解をしておるわけですが、現在はどういう状況であるのか、簡単に御説明をいただきたい。
#80
○政府委員(田中敬君) 銀行側から国債の窓口販売につきましての要望が表明されましたのは昨年の暮れでございます。それを受けまして部内でも検討は進めておりますし、ただいま御発言にありましたように、証券取引審議会という場もございますので、そこでもいずれ議題になろうかというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、これはいろいろ影響する面が多うございますので、慎重に検討してまいりたいと考えております。
 ただ、国債管理当局といたしましては、一般にこれが銀行あるいは証券両業界のかきね争いという形で論ぜられる面がございますが、私ども大蔵省といたしましては、そういう形でなくて、実際に個人の方がどこでも国債が買えるそういう利便、あるいはそれが国債の個人消化につながるということであれば窓口販売というものは望ましいというふうに考えておりますけれども、しかしその窓口販売の認め方いかんによりまして、そこで販売された国債がどういう経路で売られどういう経路で返ってくるかということで、市場撹乱要因とかいろいろなことになればかえってマイナスもあるというようないろいろな問題を含んでおりますので、それらを勘案しながらなお検討してまいりたいと、いましばらく時間をかしていただきたいというふうに考えております。
#81
○塩出啓典君 国債問題に関連して、いわゆる中期財政計画についてお伺いをいたします。
 去る九月二十九日の中期財政計画等特別部会の初会合で、この計画の報告をまとめるためには二、三年の検討期間が必要であるとの意見が多くあったようでありますが、大蔵省はこれをどう見るか。特に五十五年度導入の予定の大蔵省としては非常に困るんじゃないかと思うわけでありますが、やはり財政再建のためにこういう中期財政計画が速やかにできることが望ましいと思うわけでありますが、その点大蔵大臣としてはどう考えているのか、伺っておきます。
#82
○政府委員(吉野良彦君) ただいま先生からお話がございましたとおり、先月の末の財政計画等特別部会でこの財政計画の問題を、いわば審議を始めていただいたということでございます。
 そこで、それでは財政制度審議会の方で一体どの程度の検討期間を考えて御審議をしようとされておられますかにつきましては、何分にもこの問題は非常に前提になるいろんなむずかしい問題がございますので、審議会の方の御意向としても、いつまでにというような的確なめどをお持ちいただくまでには至っていないように私ども伺っております。それからまた、いずれにいたしましても審議を進めていただきます場合に、私どもその判断の材料といたしましていろんな資料を収集し、整理して、御審議の参考のためのいわば下働きをいたすことになるわけでございますか、私どもも、いろいろむずかしい問題が広範にわたっておりますので、いつまでにぜひ何とか財政制度審議会に結論をお出しいただきたいとか、あるいはお出しいただくことかできるのではないかというような具体的なめども、私ども自身も持ち合わせていないというのが本当のところでございます。ただ、いずれにいたしましても先般審議をお始めいただいたばかりということでございますので、少なくとも五十四年度予算編成に間に合うようなタイミングでお願いをすることは、これはもうとても不可能であろうということは言えるかと思います。
 そこで、あるいは五十四年度はとても無理だということが、裏を返して、それならば五十五年度導入を大蔵省は考えているんではないかというふうにあるいは理解をされた向きもあろうかと思いますけれども、私どもまだ五十五年度に導入をするというような、いわばスケジュールとしての目標を立てているというわけでもございません。御了承いただきます。
#83
○塩出啓典君 じゃ最後に。
 現状のままでまいりますと、あと二、三年のうちに国債発行の残高が七十兆を超えると言われております。ところで、日銀は三年物発行に当たって入札制をとり、さらには金利の自由化を図り、財政法の改正を意図しておるんではないかと、こういう意見もあるわけであります。
 そこで、今回の中期財政計画の検討の段階においては、財政法の改正も含めて、従来の金融政策あるいは財政政策等の改正、さらには法的な整備も含めると考えていいのか、この点をお伺いをして質問を終わります。
#84
○政府委員(吉野良彦君) ただいまの財政計画に関連をいたしましての財政法改正の問題でございますが、先ほども申し上げましたように、財政計画の策定問題そのものがこれからいわば本格的に御審議をいただくということでもございますし、それからまた、一口に財政計画と申しましても、諸外国の例等も勉強いたしておりますけれども、いろんなタイプのものがございます。日本の場合に、導入をいたします場合に、わが国の実情に最も適合したものがいかなる内容のものであるかということを検討をしていただくわけでございますので、財政計画の内容いかんによりまして、あるいは法律上の手当てを要するということはもちろん可能性としてはあり得るわけでございますが、何分にもまだ財政計画の検討そのものが始まったという段階でございますので、私どもとしましては、財政計画の策定問題そのものが直接に直ちに法律改正の問題を伴うというふうな性格のものとは考えていないわけでございます。
#85
○理事(戸塚進也君) 以上で塩出君の質疑は終了いたしました。
 次に、佐藤昭夫君。
#86
○佐藤昭夫君 それでは、まずサラ金の問題について幾つか御質問をいたしますが、一昨日、大蔵省としてサラ金の実態調査なるものが発表になったわけでありますけれども、今回の調査をごく一見をしただけでも、いかにも大蔵省のこの問題に対する取り組みの弱腰を反映をしておるというふうな感を強くするわけです。
 多々問題がありますが、たとえば調査一万六千四十件のうち、未到達が四千二百四十八件、約二六%、回収された数が五千三百三十七、未回収六千四百五十五でありますから、回収数よりも未回収の方が多いということで、これではおよそ今日のサラ金の実態を把握するにはほど遠い調査ではないかというふうに思います。
 私のところの耳にも達しておるわけですが、ある業者は、大蔵省の調査というのでよほど厳しい調査かというふうに思っていたらそうでもないというふうに語っていますが、現にこの調査項目を見ましても、たとえば収入の問題で、「御記憶の範囲内でおおむね幾らですか」ということで、いかにもまあいんぎんにへりくだった質問になっているわけですけれども、大蔵省としては出資法に基づく明確な調査権限があるわけでありますが、本当に今日重大な社会問題となり悲惨な事件を多発をさせているこのサラ金問題を、所管官庁である大蔵省として真剣に解決をするという立場に立っているか、私は今回のこの調査を見てもはなはだ疑問に思わざるを得ない。まず、今度の調査のこういった結果について何か思うところありますか。
#87
○政府委員(徳田博美君) 今回の調査は一応貸金業法に基づく調査ではございますが、面接調査ではございませんので、アンケート調査の形をとったわけでございます。これは都道府県の事務量その他の関係でやむを得ずこのような形をとったわけでございまして、その場合に、アンケート調査の形式をとりましたので、いかに回答率を上げるか、あるいは内容として十分に記載してもらえるかということにつきましていろいろ専門家の意見を徴しまして、いろいろな形につきまして検討した次第でございます。
 先ほど御指摘の所得の問題につきましては、実は貸金業法に基づいてそこまで調査できるものであるかどうかということについてもいろいろ議論がありまして、若干疑義があったわけでございますので、これも心理学者その他の専門家の意見をとりまして御指摘のような表現をとったわけでございます。
 全体といたしましては、このようなアンケート調査の形式をとったものといたしましては、回収率四五%というのは平均に比べると非常に高い回収率ではないかと、このように考えております。
 なお、未到達数が一万六千のうち四千件あったわけでございますが、これは届け出方式をとっておりまして、住所の移転があった場合、その場合にも届け出ることになっているわけでございますが、これが実行されていなかった結果このような計数になったのではないかと、このように考えております。
#88
○佐藤昭夫君 面接方式ではなくてアンケート方式によったんだということでの弁解的説明としか受け取れないわけですけれども、しからばお尋ねをするんですが、出資法に基づく調査をやったんだというんですけれども、出資法の第十二条に、調査に当たっての罰則規定も明確に定めておると思うんです。届け出を怠っている場合、それから調査の拒否ないしは忌避をした場合、こういう場合には罰金刑による罰則を定めておるわけですけれども、たとえばこの未到達、こういう部分には、その後事業所を変更をして届け出を怠っているというものも当然この中には予想されるだろうということでありましょうし、あるいは未回収、これに対しては調査を忌避をしているというふうに解釈をされる部分も相当数あるだろうと思うんです。なぜこういうものについてこの出資法第十二条に基づく罰則規定も運用をしながら徹底した調査を行うということをやらなかったのか。
 それで、私は大臣にもお尋ねをしたいんですけれども、本当に来るべき法改正に向けてまず綿密な業界の実態把握を行うという点で、今回のこういう不十分な調査をもって完結をするんじゃなくて、引き続き綿密な調査を継続してやるということが必要ではないかというふうに思うんですが、どうですか。
#89
○政府委員(徳田博美君) 今回の実態調査は、アンケート方式をとりましたために御指摘のようにいろいろな問題点はあるわけでございますが、しかしながら、統計上の処理に従えばこれによってかなり実態は把握できたものと、このように考えております。したがいまして、これから六省庁の連絡会議においていろいろ法律改正問題の審議に入るわけでございますが、それに必要な実態はこれによって十分把握し得たと、このように考えております。
#90
○佐藤昭夫君 出資法には罰則規定があるんだと、したがってそういう厳格な調査がやろうと思えばやれるんだということはお認めになりますね。
#91
○政府委員(徳田博美君) 御指摘のとおり、出資法八条によれば、これは厳密な調査、立入調査までできることになっているわけでございます。
#92
○佐藤昭夫君 大臣、御検討願いたいと思うんですけれども、この実態把握というのが来るべき法改正の重要な一つの基礎になるわけですね。そういう点で、私幾つかの点で指摘をしたわけですけれども、いま申し上げたようなそういう方策も含めて、さらに綿密な調査をひとつ継続してやるということを御検討願いたいと思うんです。
  〔理事戸塚進也君退席、委員長着席〕
#93
○国務大臣(村山達雄君) 私もあの回答をずうっと読みましたが、統計的には私は実態調査といいますか、実態はよくわかっておると思うのでございます。問題の処理は、回答をいたさないことに対す罰則の適用ではなくて、今後これに対してどう対処するかというところが中心問題でございまして、その点についてはあの回答でかなりよくわかっておりまして、問題を審議する資料は十分あると思っておるところでございます。
#94
○佐藤昭夫君 よろしい。それほどまで言われるんでしたら、今後のこのサラ金立法の問題についての議論では、現状がよくわかりませんからというような言い分は、もう何ら政府当局からはそういうことは論拠にならないということになるんだということをひとつ明確にしておきましょう。
 そこで、時間の関係もありますので次へ進みますけれども、今回のようなこういう未到達ないしは未回収が非常に多数あるという調査結果にならざるを得なかったということの原因の一つに、やはりこのサラ金業を免許制にするという方法なんかも含めて、厳重な規制をやるべきではないかということがいよいよ必要になってきているんではないかというふうに思うんです。これは日弁連とかそういう良心的な学者、法律家、弁護士、こういう方々からももう何回となく要望をされておる点でありますけれども、そういう点で、これらのサラ金業者に対する今日の届け出制を、一歩強力な規制を法制的に整備強化を図るというこの点についての見解はどうですか。
#95
○政府委員(徳田博美君) 貸金業者の現在届け出制をとっているものに対しまして、これを免許制あるいは登録制に改めるということにつきましては、現在法律改正につきまして六省庁の連絡会議でいろいろ議論をしているわけでございますが、その大きなポイントの一つでございます。一つの方向としてはそのようなことが考えられるわけでございますが、ただ現実の問題としては、十数万の業者に対して免許制あるいは登録制をとって、これは一たんそのような制度をとりますとその後のフォローアップも必要になるわけでございますから、完全にそのようなフォローアップができるかどうかということにつきましてもいろいろ事務量の点で問題があるわけでございます。これは恐らく各都道府県において実施が行われることになると思いますけれども、事務量をいろいろ計算いたしましても、場合によっては千人、数千人というような人員の増加が必要となるわけでございまして、現在のような都道府県の財政事情でそれができるかどうかというような問題も含めまして今後いろいろ検討してまいりたいと、このように考えております。
#96
○佐藤昭夫君 ぜひひとつ積極方向での六省庁の連絡会議での検討を重ねて、これはそういう法制的な規制強化を図るべきだという点は、最近の新聞論調を見ましても、もう共通してその点が指摘をされている問題でありますし、ぜひ積極方向での取り組みを重ねて要求をしておきたいというふうに思います。
 金利の問題でありますが、当委員会でも何回かこの点での議論が行われておるんですが、先ほどの大臣の答弁で、あの法律が昭和二十九年に制定をされたものということで、かなりその後年月が経過をしているという点から見て、検討の余地があるんじゃないかという見解も表明をされておるわけでありますけれども、この個人の貸し付け、ここの金利との関係での難点がいままでの議論の中で出ていますけれども、個人の貸し付けについても現在のこの年利一〇九・五%というのはこれは高過ぎるんじゃないか、ですからそのことを理由に金利の改正を行うと、引き下げの改正を行うということを遅疑逡巡をするというのは当たらないだろうと、どうしても勇断を持ってこの問題について早期な結論を出していただく必要があるだろうと。きょうは大蔵委員会でありますので、特に大蔵大臣からその点での六省庁連絡会議の中における積極的な役割りを期待をいたしたいと思うんですけれども、重ねて答弁をお願いします。
#97
○国務大臣(村山達雄君) 私がさっき申し上げましたのは、あれは高金利時代の問題であるから、だから常識で言ったらこれは当然もう少し下げてもいいんじゃないかという一般論を申し上げたわけでございます。法務省の方は金利水準そのものを問題にされておるのか、あるいは現行法でもそうでございますけれども、あれを超えますと刑罰の対象になる、それを私人間に及ぼすということ自体を問題にしているのか、その辺がなかなか私も確たるところはわからないのでございますが、一般論といたしましては、やはり法務省がどういう意図で問題にされているか、しかと確かめてはおりませんけれども、場合によりますと金利水準そのものよりも法律問題として考えておられるのかどうか、その辺を十分今後の討議の中で明らかにしてまいりまして、まあ私の感じで申しますと、やはり全般的に引き下げるべきではないか。あるいは私人の問題まで規制することのよしあし、親戚とか身内とかの話でございますけど、それはそれとしてまた別に考えるのも一つの方策であるのかもしれない、こういったところに問題があるのではなかろうかと思っておりますが、いずれにいたしましても、一般の業者としてやっているものにつきましては引き下げてしかるべきではないかというのが私の見解でございます。
#98
○佐藤昭夫君 現在のサラ金悲劇の原因となっている問題に、この金利の問題は言うまでもなくあるわけですけれども、同時に過剰貸し付けや不当不法な取り立て行為、こういう問題があるということは先ほど来も局長も三つの問題点の一つということで触れられておる問題でありますけれども、そうした見地に立って九月十三日の大蔵省通達で、金融業協会に対して、それの未加盟のところに対しては都道府県知事を通して依頼をするという形での通達が出されておるわけでありますけれども、この内容を検討いたしました場合に、現在の実態を国民の期待に沿って厳しく規制をしていくという点ではまだまだ不十分ではないかというふうに思わざるを得ないわけでありますけれども、まずお尋ねをしますのは、通達の出しっぱなしじゃなくて、九月十三日にこういう通達を出して、これのアプローチを具体的にはどういうふうにやっておられるのか、そのことによって何か改善事例が出てきているのか、その点はどうですか、
#99
○政府委員(徳田博美君) この通達を都道府県知事あてに出しましてから、各地の大蔵省の出先である財務局、財務部に対しましてもこの旨を連絡いたしまして、各都道府県と十分に連絡をしててこれの実施に当たるようフォローアップをさしているわけでございます。ただ、この結果直ちに改善事項が具体的にあったかどうかということにつきましては、この通達が出ましてからまだ日が浅いところでございますので、そこまでの報告はまだ受けておりません。
#100
○佐藤昭夫君 通達を出してから日が浅いとおっしゃいますけれども、もう一カ月以上経過をしておると思うんですけれども。
 しからば具体的にお尋ねをしますけれども、過日の御存じの警察庁の調査ですね、この調査でもかなり具体的な件数を挙げていわゆる悪質事例というのが指摘をされておると思うんです。たとえば高金利事犯ということで検挙されたもののうちで、そういう前歴事犯を持っておる者が四〇・九%もある。暴力団関係者の貸金件数三千五百四十六という具体的数字も挙げて、早急な解決が迫られている今日の緊急な社会問題だということがあの数字からも如実に読み取ることができると思うんです。たとえば監督官庁の大蔵省として、違法行為や悪質行為のあった業者の名前を、業者名を公表をするという形を通して社会的な批判にさらして、二度と悪質な行為ができないような規制を行っていくという方法、さらには、進んではそういう悪質な行為、違法行為を行っている業者はこれはもうとにかく開業をさせないという強力な指導をやる。あるいは暴力団等が関係がある業者に対しては、これはもう明確に開業をさせない、必要があらばこれらの問題について立ち入り調査をやるという、こういう方策をあの九月十三日の通達に基づいて何か検討しておられますか。すでに着手をしていることがありますか、どうですか。
#101
○政府委員(徳田博美君) いま先生御指摘のような問題点は、むしろ現行法上非常にそのようなことに関する規定はないわけでございますので、今後六省庁会議での法律改正を行う場合の検討事項かと思います。御指摘のような点は、まさに現在の届け出制を改めて登録制あるいは許可制にすることにもかかわることでございますので、御指摘の点を踏まえて今後とも検討してまいりたいと思います。
#102
○佐藤昭夫君 たとえば、悪質業者名を公表をするということはいまの法律のもとでできないと言うんですか。できるでしょう、いまの法律のもとで。あるいは明確な営業禁止処分ということはできないかもしれぬけれども、しかし営業できないように、いろんな方策を含めてそういうところへ追い込む。こういう手段方策というのはいろいろ工夫したらあるんじゃないですか。私は一番最初に、一つは今度の実態調査、これが本当にいまの悪質なサラ金業者を取り締まろうということで、いまの出資法のもとでも可能な方策を含めて、本当に綿密な調査をやったということになってないということを指摘をしてきました。
 さらにもう一つ、九月十三日通達を出しているけれども、通達の出しっぱなしに終わっているんじゃないか。この通達をもとにして本当にそのことが貫徹をしていくような、いまの法律のもとでもやれることをやってないじゃないかということをいろいろ指摘をしているわけです。大臣よくひとつ検討をしていただいて、いまの法律のもとでも指導監督の責任を持つ大蔵省として、この悪質なサラ金業を、さっき幾つかの方策を挙げましたけれども、そういう方策を使って悪質なサラ金業者を規制をする、このことをぜひ真剣に検討をしていただきたいというふうに思うんですけれども、どうですか。
#103
○国務大臣(村山達雄君) 佐藤委員の御趣旨はよくわかりますが、御案内のように、出資法ではいま大蔵省は指導監督権を持っていないのでございます。ただ実態調査権だけを持っているということでございます。あの出資法が決まりましたときに、一体やはり自由営業だというたてまえからできているわけでございまして、したがって、何人でもできるわけでございます。その意味で指導監督権は与えられていない。実態調査権は持っているわけでございます。実際問題といたしまして、十六万でございますから、この実態調査というものも都道府県を通じてやらざるを得ない。都道府県自体も大変でございますので、いろいろ工夫をいたしまして、アンケート調査というやり方によったわけでございます。したがいまして、今度のサラ金業者等の問題は、挙げてこれからの問題であろうと思います。これにどう対処するかというところであろうと思っております。
#104
○佐藤昭夫君 指導監督権は持っていないというふうに、えらくそこのところに力を入れて言われますけれども、金利規制というこの面での権限はないにしても、指導監督、いわゆる金融業に対しての一般的指導監督の、大蔵省がそういう位置にあることは明らかでしょう。ならばほかの六省庁の中でどこがそういう位置に立つのですか。ですから法律上の定めとしての権限ははっきりしてないけれども、金融業全般についての、それが適正に行われていくように指導監督の位置にある、大蔵省としては。そうしていまの法律のもとでも、たとえば一例として言っている、悪質な業者の名前は公表をする。この公表のやり方については、当然都道府県といろいろ相談をしてやっていくという、そういうプロセスが必要だということは、これはあたりまえのことです。そういうプロセスも使いながら、とにかく国民の要望に沿って、これほど社会問題になってきているこれを、いまの法律のもとでもやれることがあるはずだ。名前公表するのがやれない法的根拠があるんだったら逆に言ってください。やれない法的根拠というのが、名前公表したら法律違反になるというわけじゃないでしょう。
 ということでありますから、たとえばそういう問題含めて、積極的なひとつ方策を検討をしていただきたい。いまの法律のもとでやれることについてということで言っているわけです。重ねて答弁を。
#105
○政府委員(徳田博美君) 現行法でどこまでのことがやれるかについてはいろいろ問題があろうかと思いますが、先般大蔵省が出しました通達は、これは現行法ではぎりぎりというよりも、ある意味では現行法の権限のないようなことかもしれません。そういうことで指導しているわけでございまして、今後ともこういう面に従って、先生が御指摘のようなこともいろいろ踏まえながら、さらに現行法下における指導も強化してまいりたいと思いますか、しかし、いずれにしても法律改正かもう間近に迫っておりますので、今後六省庁会議の検討におきましては、先生御指摘のようなことを十分踏まえていろいろ前向きな精力的な取り組みをしていきたいと、このように考えております。
#106
○佐藤昭夫君 まだあいまいですからもう一つ重ねて聞いておきますけれども、現行法のもとでは立入調査はやれるでしょう。調査の権限はある。立入調査ということも法律で定めている。ですからそういう方策、今回のような立ち入りという方法を含めない、面接という方法をとらない実態調査がああいうことになったという反省の上にも立ちながら、問題は、どうやってこの悪質な業者を規制するかということで、立入調査ということも含めてひとつ強力な対処を検討してもらいたいというふうに思うんですけれども、もう一遍聞いておきます。
#107
○政府委員(徳田博美君) 出資法第八条には一応立入調査の権限はございますが、これは指導監督のためではなくて、実態の調査のため必要がある場合に立入調査ができるということでございますので、その面ではいろいろ限界――一般の監督のための立入調査と違いまして限界があるわけでございます。いずれにしても、先ほど申し上げましたように、この通達その他の着実な実施等を含めて今後とも前向きに取り組んでいきたいと思います。
#108
○佐藤昭夫君 もうこれ以上申しませんけれども、しかしどうですか、きょう新聞記者の方も恐らく同席をされておると思うんですけれども、調査のための立ち入りはできますんだという、こういう言い方で答弁をなさっておる。このことが本当に大蔵省として、いまの法律のもとでもやれることについて、悪質な業者を本当に規制をするということで真剣に考えておるかどうか、この点を大いに疑問を持たざるを得ないと思うんです。ですから、繰り返し言ってますけれども、いまの法律権限のもとでもやれる方策を使いながらどうやって悪質なサラ金業者を規制をするか、この点について真剣に検討してもらいたいというふうに思います。
 これらのことを進めていく上で地方自治体との協力関係というのが非常に重要になってくると思いますし、それからまた、すでにもう迫っておる緊急問題であるこの被害者の人たちをどう救済をするかという点で、かなりの自治体がサラ金一一〇番とかという形での相談窓口、あるいはまた安心して借りられる金融制度ということでの駆け込み融資制度、こういうものをつくってきておると思うんですけれども、これからの五十四年度予算編成に向けて、大臣、こうした取り組みを一層前進をさせていく上で、地方自治体のサラ金対策のためにとるいろんな施策についての財政的援助をぜひ検討していただきたいというふうに思うんですが、どうですか。
#109
○国務大臣(村山達雄君) この問題は、やはり実態調査をいたしまして、関係省庁でどういう制度でやるかということがまず優先しなければならぬと思うのでございます。
 問題点は、いまの出資法の高金利をどのようにするのか、それから届け出制なり許可制度をとるかとらぬかというような問題、それからその実務は恐らく数から申しまして都道府県にゆだねざるを得ない、特にサラ金業者の大きな問題は、金利の高さの問題もさることながら、その貸し付けの方法、取り立ての方法、そういったものがすぐれてやはり警察当局なりあるいは検察当局の問題であるということでございます。ですから、そういう問題を総合的に考えまして、今後このサラ金業者に対する全体の制度の枠組みをどうするかということをまず決めまして、その上でもし財政措置が必要であれば、必要な財政措置をとるにやぶさかではございません。
#110
○佐藤昭夫君 いずれにしても、法改正が行われるにしましても、早くて通常国会、それら改正法が施行される間の一定の経過期間がある。しかし問題は一刻も早い解決、そういうサラ金悲劇をなくすための対策というのが迫られておると思うんです。そういう意味からの法改正に向けての経過的期間の問題としても、地方自治体と相協力をして、どういう効果的な手を打っていくかということは必要な問題でありますし、そういう意味合いを含めてぜひ具体的な検討をお願いをしたいというふうに思います。
 もう時間余りありませんが、税理士に関する問題で幾つか、税理士法改正の問題なんかも質問いたしたいと思っていたんですが、時間がありませんので、しぼってお尋ねをしますが、いわゆる天下り税理士の問題をめぐって夏の段階でもこの参議院の決算委員会、衆議院の大蔵委員会でも大きく議論をされてきたわけです。これを受けて、八月三日付で国税庁長官の通達によって三つの内容での改善方向といいますか、そういう点が各国税局に対して指導が行われてきているわけです。以来、すでに二カ月半ぐらい経過をしているんですけれども、具体的にどのようなこの問題についての改善が進んでいるのか、具体例があれば報告をしていただきたいと思います。
 それからさらに、この通達の第三項で、全国的な実態調査を行うということになっておりますが、実は昨日国税出局の方に私の部屋へ来ていただいてお聞きをしたところ、具体的な調査項目は指示していないというお話であった。全国的な実態調査をやると言いながら、こういう項目で調査を一斉に各国税局やりなさいという項目も示さないままの実態調査というのは一体あるのかということで、はなはだ疑問に思いますので、この点を含めて御答弁をいただきたい。
#111
○政府委員(米山武政君) 税務行政の充実のために職員構成の老齢化を防ぐ、こういうことがぜひ必要でございますが、その反面、税務職員の労苦に報いるためにやはり老後の生活ということも考えなければいけないということで、社会通念で許される範囲で就職あっせんを行ってきているわけでございますが、そのやり方につきまして、この委員会あるいはマスコミ等で批判が非常にあったわけでございます。われわれこの点につきましては、謙虚に反省すべき点は反省し、改善すべき点は改正するということで長官通達、八月三日に出されました。
 その改善の具体策でございますが、これは各局それぞれ事情が違いますので、それをまた具体的にいろいろ事情を調べまして、現在検討をしているわけでございます。この月末に全国から総務部長を集めまして、各局の検討の結果を持ち寄りましてその報告を受け、庁といたしましてもさらに改善すべき点につきましてはこれを指示する、そういうつもりでおります。
 なお、先生の御質問の実態調査でございます。実態調査、何分税理士は自由職業でございまして、しかもその実態が非常に違うという点で、どうしても調査にはプライバシーの問題もございまして、限界があります。しかしながら、いろいろ各局共通の点につきまして、その実態をわれわれとしても十分把握する必要がありますので、いま先生お話ありましたように、具体的にこちらが調査のサンプルを示すというようなことは、各局の実情が非常に違いますのでなかなかできませんが、しかし各局共通の問題につきましては、一応こういう点については十分調査をするようにという指導は行っております。
#112
○佐藤昭夫君 大蔵大臣、いまの国税庁側の答弁をお聞きになってどういう感じを持たれるでしょうか。私は、一つは通達を出してもう二カ月間経過をしている。しかし、改善の具体的にこういう改善例が出てますということはまだ把握をしてませんと言うことです。それから、官庁が行う全国的実態調査をやるに当たって、具体的な、こういう統一項目で調査をやりなさいという指示もしていない。各国税局めいめいの判断で必要な調査をやりなさいという、こういう実態調査になっているということで、本当に問題の改善、解決に向けての調査というふうにそれが言えるだろうかというふうに私は思うんです。政府として、一方では一般消費税というようなことを含めて近い将来大増税を国民の皆さん方には――大という言葉をつけるかどうかですが、そういう増税をお願いをしなくちゃなりませんということを片一方ではしきりにキャンペーンをしながら、しかし国民から大きな批判が起こっておるこの問題について、いまのような国税庁の取り組みの姿勢で果たして国民が納得をするだろうかというふうに思うんです。十月の臨時国会の直後、二十二、二十三ですか、国税庁の全国総務部長会議を開いて、そこで方向を決めるんだというお話でありますけれども、大臣、国税庁を督励をして国民の不信をぬぐう、国民の期待に沿った税務行政を確立をするという見地から、ぜひ大蔵大臣としても積極的な指導の努力をお願いをしたいと思いますが、どうですか。もう時間がありませんから、大臣に。
#113
○国務大臣(村山達雄君) 国税庁も真剣にこの問題については取り組んでいると思いますが、佐藤委員の御指摘もありますので、なお一層検討させてまいりたいと思っております。
#114
○佐藤昭夫君 委員長、最後に一点だけお願いします。
 一昨日の当委員会、またきょうも若干触れられておりますが、同僚委員から週休二日制の問題についての質問に対して、大臣から、五十四年度通常国会に向けて銀行法の改正を初め週休二日制の促進に努力するという前向き答弁が行われてきているわけでありますけれども、そこで重複を避けて一点だけ質問をしますが、すでに本年の六月段階で労働省から週休二日制促進のための労使会議の開催という通達が出ていると思うんです。これに沿ってすでに電機、鉄鋼関係などでは具体的な前進が見られるわけですけれども、大蔵省として直接の指導監督の関係にあります金融機関関係について、早期にこの労使会議を確立をして問題の具体的前進を図る指導をぜひやっていただく必要があると思いますけれども、この点についてどうですか。
#115
○国務大臣(村山達雄君) 御案内のように、労使の関係につきましては労使相互間の話し合いによっておるところでございます。また労使の関係につきまして、しばしばやはり大蔵省は中立の立場をとるべきであるということを皆様方から御指摘をいただいているわけでございます。ただ、私たちは労使の関係がうまくいくことを望んでいるわけでございます。労働省がそういう方針でありますならば、そういう線に沿いまして労使の関係が円満にいくことを期待しております。
#116
○佐藤昭夫君 ちょっと、質問の意味をよくおとりになっていないんですか。労使の関係がうまくいくようにという質問じゃない。週休二日制問題について各産業別に労使会議を持って問題を煮詰めてくださいという労働省通達、ですからそういうことが金融関係でもレールに乗っていくような指導を行ってくださいということを言っている。
#117
○国務大臣(村山達雄君) お答えしたつもりなんですが、どういう意味であろうとも労使の関係、事柄がいろいろのことはあると思いますけれども、積極的に持てとか持つなとか、そういうことを言う立場にないということを申し上げているわけでございます。
#118
○佐藤昭夫君 終わります。
#119
○市川房枝君 最初に、大臣及び大蔵当局に対して、公益法人であり婦人の社会教育施設である婦人会館についての税制について伺い、関連して自治省当局に対して、婦人会館に対しての地方税について伺いたいと思っております。
 まず、公益法人一般に対しては国税として税制上どういうふうになっていますか、当局から伺いたいと思います。
#120
○政府委員(高橋元君) 公益法人でございますが、現在は収益事業を営む場合だけ税金を納めていただくということになっておりまして、収益事業から生じてまいります所得に対しましては、一般の法人税の場合よりも低率の二三%の軽減税率というものを適用をいたしております。
 それから、公益法人等の寄付金の損金算入限度額というものを決めます場合に、収益事業から本体の公益事業にいわば資金を移しかえると、その場合の寄付金の限度といたしまして、収益事業から生ずる所得の三〇%、原則でございます。若干の学校法人とか社会福祉法人について例外はございますが、原則三〇%の所得を損金算入を認めておるわけでございます。したがって、その範囲で収益事業部分から公益事業部分への支出は寄付金というふうに見なしております。
 それから第三番目でございますが、公益法人につましては清算所得に対する法人税を課税いたしませんで、清算期間中の各事業年度の所得につきましては、各事業年度の所得に対する法人税を課税いたす、こういう仕組みになっております。
#121
○市川房枝君 公益法人の中に婦人会館というのがありますが、大臣なり大蔵当局はそれはどういうものか御存じでしょうか。昨年、埼玉県に国立の婦人教育会館というのができまして、これは国費七十億円ぐらい出て建った実にりっぱなものができておりますから、あるいはそれはごらんになって、あるいは覚えておいでになるかと思うのですが、この文部省の国立の婦人会館に対しては、私は本当はずっと反対をしてまいったのです。採決の際も反対投票をしたわけなんですが、それは私は、都会から離れたああいう場所にそういうりっぱなものをつくって一体だれが利用するのか。むしろ地方各地に小さいものといいますか、そんなに金をかけなくても一般の大衆の婦人が利用ができるようなものを幾つかつくる方がいいんじゃないかと、こういう立場で実は反対したのですが、もっとも会館が開かれましてからは予想以上にわりあい大ぜいの人が利用をしておるようであります。ただし、これは珍しいから行くんであって、いつまでそういう状態が続くかとは思うわけですが。
 きょう私が問題にしようと思うのは、そういう国立あるいはまあ府県、市町村でなくて私立の婦人会館、そういうものについてきょうは税法上の問題に主として関連して伺おうとしているわけです。
 文部省は五十三年八月に「婦人教育及び家庭教育に関する施策の現状」という報告書を出しているんですが、この中で婦人教育施設の一つとして公私立婦人会館というのを挙げております。それからその数は全国で百七あると、そしてそのうちの五十、約半数は私立の婦人会館という数字を出しております。この私立の婦人会館は、私が記憶するところでは終戦の後、各地方で婦人たちがいろんな方法でもって細かい金を集めて、そして建てて、自分たちの教育あるいは生活改善あるいは婦人たちとの交流の場にしようとして建設したものなんです。公益法人としての認可を受けているわけなんですが、しかし婦人の教育のため、経営のためにお金が要る。それはどうするかということで、結局その建物を利用して宿泊の設備を幾らかする。あるいは生活改善の立場からの結婚式場に使うとか、あるいは出版とか、そういう収益をそのための費用に充ててきたと、こういう実情で、いわゆる収益事業というか利益を上げることを目的とした事業ではなくして、いま申したような立場で、したがって料金も安いということになり、一般の人たちが便宜が得やすいようにしておるわけでありまして、それをしかし税法上ではいわゆる収益事業と、こういうことで、いま御答弁がありましたように、収益事業については利益の三〇%までは一般会計の方へ寄付という名目でしてもよろしい。それからあとの利益に対しては二八%でしたか、課税をすると。それは一般の法人の収益に対する課税よりも安くしてあるんだと、こういうことで事実はあるにはあるのですけれども、現在その収益が少なく、税金にかなり持っていかれるので収益が少なくなり、したがって公益事業に使う金がだんだん少なくなってくる。いや、この不景気で、あるいは婦人たちも意欲を失ってきていると。あるいは将来どうなっていくか見通しがつかないというようなことなどで、いま私立の婦人会館は本当に存立の危機に直面していると、こう言っていいと思います。
 その公私立婦人会館は、毎年いわゆる全国婦人会館協議会全国大会なんていうようなものも開いておって、そして婦人会館の当面する問題についでいろいろ協議をしておるわけですが、この大会に対しては四、五年前から文部省が半額の補助をしておると、こういう会合なんですが、その会合の、私がここに持っているのは昨年の記録でございますが、その中の第三分科会というので会館の経営についての分科会を開いているんですが、それには税理士の方も出席をしてもらっていわゆる税金に関することを、それで困ることといいましょうか、それが具体的に一々出ておりまして、かねて私も予想はしていたんですけれども、非常に苦しそうだといいますか、困るということをそれがあらわしておるわけでありますが、いまお話のありました、そういう婦人会館というものは同じ公益法人でも私はいま言ったような特殊な立場を持ってきておるんで、それこそさっきの三〇%というのを、学校法人は五〇%までですね、それくらいにしていただけないか、あるいは二八%の課税をもう少し少なくしていただけないか、いや、本当はこういう婦人会館は国がすべきことをやっているんだから本当は当然無税にしていただいてもいいと。いや、こういうのに対してはそれは補助金という面もありますけれども、私は補助金というよりも、むしろ税制の上で考えていただく方が望ましいと、こういうふうに考えておるわけなんですけれども、その点の税制の軽減ということなんかはできないかどうか、これは大臣にちょっと伺いたいんです。
#122
○政府委員(高橋元君) 先ほど申し上げましたように、公益法人等につきまして、一般の法人に比べましてそれが収益事業を営んでおられる場合にも課税をさまざまな面で軽減をいたしております。その趣旨でございますけれども、公益法人等でございましても、一般の営利事業と競合した仕事をやっておられる収益事業、その場合には、そこから得られました所得につきましては、本来税制というのは中立を原則といたしておりますので、企業の競争関係に対して中立になるよう、そういうことを原則として課税されるべきであるという考え方に立っておるわけでございます。しかしながら、先ほどお答え申し上げましたように、公益法人の行う非収益事業の公益性というものを考えまして、さまざまな面で税の軽減を図っておるということでございます。
 そこで、いま市川委員大変力を入れておられて、その設置の趣旨についてお示しがございました。私どもも同様に思うわけでございますが、非常に重要な仕事を営んでおられます婦人教育会館というものにつきまして、現在の税制ではかなり優遇が図られておるというふうに私どもは思っております。
 そこで、一つの御提案は、婦人教育会館が行う収益事業についても、あるいは法人税法の施行令の五条に列記してございますような非課税の所得にしたらどうだろうという御提案かと存じます。
 その点につきましてでございますが、現在一般的には収益事業と考えられておるような事業でございましても、法律の規定に基づいて行われる公共公益的な業務というものは課税の対象外になっておるというようなこともございます。しかしながら、現在の婦人教育会館の設置しておられます五十幾つの法人のすべてを私もよく知っているわけではございませんけれども、行っておられる仕事で申しますと、結婚式場でございますとかレストランでございますとか、席貸しと申しますか、それから貸しビルと、こういうようなことが多いように存じておりますので、そういうものにつきましてまで課税の対象外にするということは、先ほど私が申し上げましたような法人税法と申しますか、税の基本的な考え方に照らしてどうもそこまで踏み切れないというふうに考えております。そこは御理解いただきたいと思うのでございますが、ただし不動産貸付業でございましても、国や公共法人、公益法人に貸し付ける場合、それから住宅用地の貸し付けでございますと低廉な対価でやる場合、そういうものは課税の対象外になっておりますし、席貸しにつきましても娯楽遊興用以外のものは課税対象外になっております。それから旅館につきましても簡易宿泊所営業というものは課税対象外になっておるというようなことでございまして、非営利的な運営をするものについては、現行法令上も法人税法の施行令の五条に列記してありますような条件を備えておる場合には、かなり配慮がなされておるというふうに思います。
 利益が上がった場合でも、婦人の社会教育に使われるから課税対象外にせよ、こういうお話しでございますけれども、これは収益事業から非収益事業への、先ほども御説明申し上げたみなし寄付金の制度というものを使っていただけば、その部分については法人税は課税されないわけでございます。一般の営利的な事業と競争関係にあるという理由で、先ほど申し上げておりましたようないろいろな現在の婦人教育会館が営んでおられる事業につきましても、通常の四〇%に比べれば半分に近い二三%という低税率で配慮を行っておるというふうに私どもは考えておる次等でございます。
#123
○市川房枝君 法律の改正、法人税法の改正ということになるとちょっとなかなかむずかしいでしょうけれども、いま私は伺おうと思っていた点を当局からお話があったのですが、法人税法の施行令の中で、いまお話しのように収益事業としては三十二種ずっと列挙されてあるけれども、その後に非課税、例外というか、例外規定というものがずいぶん書いてありますけれども、そういう中で考慮していただければ、これは政令ですからわりあいに簡単にできるのじゃないかと思うんですが、いまの御答弁でちょっと私がはっきりしなかったのですが、いわゆる席貸しといいましょうか、会館が貸す場合にも貸す相手によって、それが婦人会というか、性格上それは一つの勉強会なんだという場合には収益の方に収入を計算をしないというか、そういうことですればいわゆる収益の方から三〇%はそのままにしても、収益の総額は少し減るからそれも減るかもしれませんけれども、その点ちょっとはっきりしないのですけれども、法によって、たとえば例外規定は何々の一つの法律によった団体というか施設というか、そういうものでなければ例外には含めないというのか、その法律の問題になるとこれは文部省の私は問題になって、後で文部省の方にも説明をしていただこうと思っておるのですけれども、その点、私は国税庁の方でひとつ検討していただきたいのです。私どもも、もう少し具体的な資料を持って伺ってみたい。
 さっき言いました埼玉の国立の婦人会館は一年の経常費一億どころじゃない、何か億とかがつくぐらいの経常費というものを国費で出しているのですよね。同じようなことをやっている私立の方に対しては、私は補助金は歓迎する団体もあり歓迎しない団体もあるし、それは団体の意思に任せてもいいけれども、少なくとも税制ぐらいは私は少し考えていただいてもいいはずだと実は思いますんで、これはひとつ将来の検討の問題としてまたお伺いをしたいと思います。
 それでは、この国税に関連して婦人会館としては地方税がかなり重くのしかかってきているわけでございまして、自治省の当局者から、つまり私立の公益法人である婦人会館に対して地方税がどんなふうに課税されているのかということをまず伺いたいと思います。
#124
○説明員(吉住俊彦君) お答えを申し上げます。
 まず、経常的な税金といたしましては、一つには法人事業税というものがございます。次に、法人の住民税というものがございます。その次に固定資産税、その三つが恐らく毎年かかってくる税金の中では一番大きなものであろうと思います。
 法人事業税は、これは先ほど主税局長からお答えがありました法人税の所得をそのまま、原則的に大ざっぱに申し上げますと、小さな例外はございますが、大ざっぱに申し上げますと、法人税の所得をそのまま課税標準にいたしまして、そして収益三百五十万までは六%、七百万までは九%、七百万を超しますと一二%というふうにしておりますので、その場合に収益事業の範囲でございますとか、非課税所得の範囲でございますとか、寄付金の控除でございますとか、そういう点はほとんど法人税同様でございます。それが一つございます。
 その次に法人住民税でございますが、これはいわば町内会、自治会の皆さんが会費をお払いになるように、その市町村なり県にお住まいである以上何らかの会費をちょうだいしたいという趣旨で設けられている税金ですが、これは実は法人税の方で算出されました法人税額というものがございますが、それに都道府県の場合は五・二%、市町村の場合、東京の場合は特別区に当たりますが、この場合には一二・一%、合わせまして一七・三%の税金がかかります。この場合、法人税で御説明がありましたように、公益法人については安い税金になっておりますので、その基礎が安うございますから、自動的にそこへ税率がかかりますので、一般の法人よりはお安くなっている、こういうことが言えようかと思います。
 その次に固定資産税でございますが、固定資産税は、御承知のようにそのお持ちになっていらっしゃる建物並びに土地に対しまして一・四%の税率で課税されるのが通常でございます。その場合に、公益法人の場合といえども原則的には固定資産税は納めていただくというたてまえになっております。
 ただ、先生おっしゃいました婦人会館、これは婦人社会教育活動の拠点であろうと思います。その意義は私どもとしても認めるにやぶさかではございませんが、いかんせん社会教育と申しましても非常に幅の広い概念でございまして、これを一律に全国的な制度でもって非課税にするというのは問題があろうかと私どもは考えております。
 ただ、固定資産税につきましては、地方税法の三百六十七条という条文がございまして、それによりまして、特別の事情がございます場合には市町村長、東京都の場合は知事でございますが、これが特別の事情がある場合には条例で全部または一部を減免することができるという規定がございますので、その地方団体がみずから判断して非常に公益的で有益な施設である、税金をまけるのにふさわしい施設であるというふうに認定をいたしました場合にはこれを減免することができますので、そういう規定があること、並びにその趣旨につきましては私どもとしても今後ともその徹底を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
#125
○市川房枝君 事業所税というのがあるんじゃありませんか。
#126
○説明員(吉住俊彦君) 言い漏らしましたが、事業所税は、大変先礼いたしましたが、人口三十万以上の都市あるいは首都圏近畿圏、中部圏、こういう集積の非常に高い一定の地域におきまして、やはりそれに応じた受益があるからということで納めていただいている税金がございまして、言い落としましたのはまことに申しわけございませんが、ただこれは全国一律の制度ではございませんので、そういう趣旨でございます。
#127
○市川房枝君 いまの事業所税ですが、私が一つ聞いた実例で、これは面積千平方メートル以上ですね。主婦会館という、私どもの友達が関係しておりますが、その主婦会館では事業所税が年に四十五万円ぐらい課税されるというんですよ。それで、それに対して一体減免がどれだけあるのかどうか、そこまでははっきりしていないんですけれども、これはさっきお話しのように、減免の制度が各地方の自治体ではあることを承知しておりますが、それに対しては各市町村長といいますか、あるいは知事のどれだけ減税するとかいうことは認識というか、何にも基準はないわけですか。
#128
○説明員(吉住俊彦君) 事業所税につきましても、やはり地方税法の七百一条の五十七という規定がございまして、固定資産税と同様減免の規定がございますので、真に必要だと市町村長が認めるならば、それによって減免することは可能でございます。
#129
○市川房枝君 減免の措置ができるという、ある程度減免をしていただいているようですが、それは地方によってまちまちであり、それからだんだん地方財政が苦しくなると減免しない、もう規定どおり取るなんというようなこともあるようで、そうすると地方におけるそういう私立の婦人会館というものは、それこそ地方の市町村、自治体にかわって社会教育を現にやっているんで、それに対して国税としてはさっきもお話があったんですが、地方税法の上でも何らかある標準が示されるとある程度は減免してもらえるんだと、固定資産税にしろ、いまの事業所税にしろ、そういうことがはっきりしますとみんな少し安心しますけれども、いまのような情勢になってくるというと税金で倒れちゃうといいますか、というふうなこともなきにしもあらずなんで、そういうふうにある程度一定のあれを示すというようなあれはございませんか。
#130
○説明員(吉住俊彦君) 御趣旨はごもっともでございますけれども、先ほど申し述べましたとおり、社会教育活動というものの実態はかなり幅の広いものであろうと思いますし、その概念もまた非常に広いものであろうと、私どもは余り詳しくはございませんけれども、そういうふうに認識しておるわけでございまして、これを一律に社会教育活動の用に供する固定資産あるいは事業所、これすべて税金をおまけしますというには、これはかなり広い範囲にわたりまして、そのけじめがつかなくなるおそれがあるというふうに考えておりますので、やはりそれは地方団体ごとに市町村長あるいは知事の判断によりまして、地域の実情に応じて措置される方が適当であろうと、私どもはこういうふうに考えておる次第でございます。
#131
○市川房枝君 いま婦人会館というのは社会教育施設であるのかどうかといいますか、というような疑問が自治省の方から出されておるんですが、文部省は社会教育施設の中にちゃんと公私立の婦人会館というものを出して、そしてそれの住所とか数とかというものをちゃんとしておいでになるし、さっき言いましたように、全国会員に対してはある程度の補助金も出しているというか、地方の婦人会館、多少の違いはあるかもしれませんけれども、少なくとも出発点としてといいましょうか、社会教育関係団体として見ていいわけなんであって、だからそれを指導するといいますか、単なる収益事業ばかりやっている公益法人になってしまったというふうなことは私はやっぱりこれは文部省の一つは責任だと思うんです。
 公立婦人会館に対しての法律はないと、婦人会館という言葉はいまの法律の中にはないそうです。ただ、いわゆる埼玉のいまの国立のだけが文部省設置法の中に婦人教育会館といいますか、という言葉で載っているけども、ほかの社会教育関係なんかには出ていないそうですけども、だからそういうのはこれがやっぱりわりあいに新しく起こってきたというか、起こってきたのは終戦直後からですけれども、しかし、どんどんできてきたのはわりあいにここ数年のことなんで、やっぱりそういう法の整備ができていないというか、ということも一応無理はないと思いますけども、一応法の関係でなくても、やっぱり文部省の社会教育が当然この問題については考え、あるいは責任を持つべきだと考えており、この婦人会館に対する課税と関連して、私は文部省からもおいでいただいて、一応この婦人会館というものについての実態といいますか、あるいは文部省は婦人会館をどういうふうにお考えになって、将来どうしようとお考えになっているか。
 それからまた、さっきから私が申し上げた国税あるいは地方税に対してもそれをもっと減免してほしいというか、そういうことを申し上げたんですけども、そういう問題についての文部省としてのお考えを伺いたいと思います。
#132
○説明員(志熊敦子君) お答えいたします。
 文部省といたしましては、婦人教育会館については、考え方といたしまして婦人教育指導者や一般婦人のために各種の研修、交流、情報の事業を行ったり、また各種婦人団体が行います婦人教育活動の拠点としての婦人の資質や能力の開発等を図ることを目的とした施設というふうに考えているわけでございます。
 婦人教育施設の現状につきましては婦人教育課の業務調査の範囲になりますが、現在公私立の婦人会館が全国に百七館ございます。ただいま申し上げましたような趣旨で百七館が機能しているわけでございますが、特に先生の御指摘の私立の婦人会館につきましては、この百七館のうちの五十館が民法三十四条法人による会館でございまして、そのうちの四十四館か地方法人という性格を持っております。特にこの私立の婦人会館は、先ほどからも御指摘のように、婦人団体のいわば活動の中から自然発生的に、私立の婦人会館の方たちは手づくりの会館づくりというふうに表現しておりますが、婦人自身が施設をつくり上げてきたというような性格を持っております。したがいまして、現状では私立の婦人会館は主としまして婦人団体活動の拠点として機能しておりまして、これらの団体の成立目的に沿いまして大変多様で固有の事業活動を行っているわけでございます。大変婦人教育活動としましても幅が広くて、しかもそれぞれの婦人会館の設置の沿革なり規模なり事業内容等は多様でございまして、私ども婦人の学習という観点でこの施設活動を中心にしました婦人会館を充実していくという観点になりますと、多様性というのがなかなか全国一律に把握するということが困難になっておりますが、現状ではその業務調査を進めながら実態把握を進めていきたいというのか第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、この五十館のうちの三十九館が加盟しております全国婦人会館協議会、これは公私立の婦人会館が加盟しております。この全国婦人会館協議会の活動を通しまして今後の婦人会館の情報交換、連絡協議、調査研究等の事業を助成していくということが第二点でございます。
 第三点といたしましては、さらに御指摘の点を踏まえまして、今後実態調査を行いながら婦人教育施設の充実について検討を進めていきたいというふうに考えております。
#133
○市川房枝君 いまの御答弁の中にちょっとあったかどうかはっきりしませんが、たとえば私立の五十ぐらいある中で、現在いわゆる公益事業はほとんどやってないで結婚の式場だけやっていると、そしてそれから利益を上げているというか、というのなんかもまじっているんだと、いわゆるいろいろ多様なんだと、こういうことかもしれませんが、私はやっぱりそもそもは、いまあなたのお話にも出てきたけれども、これは公益法人という、それは地方法人にしても、やっぱり県知事が、あるいは国ならばそれぞれの所管省がそれを公益法人として認めるのはなかなか厳しい規則があって容易に許可してくれないと、いや、それでも中からインチキが出てきているみたいだけれども。そうすると、もうその団体は公益法人ではなくなるという性格もあるかもしれない。というのも、しかし私に言わせれば、初めからそれをやっていたわけでなく、初めはちゃんと公益法人として婦人の啓発、教育というか、学習なんかもやっていたんだけれども、だんだん苦しくなってしまって結局はそういう公益事業ができなくなってしまったんだと。つまり会館を維持経営するという立場からでもお金が要るんだと、そこで結婚式場だけになってしまったということかと私は思うんですけれどもね。だから、単に現状がそうであるからといって、そんなのは婦人会館の仲間じゃないというか、目的とは違うんだなんていうふうなのは、婦人会館の成立の初めからの歴史をちゃんと考えてくださらないことになるんで、私はそういうのはどこに原因あるのかということを調べて、そうして本来の社会教育施設ということでいくようなふうな指導を私はやってくださるべきだと思うんですけれども、どうですか。
#134
○説明員(志熊敦子君) お答えいたします。
 全般的に婦人教育施設の整備という観点になりますと、やはり私立の婦人会館の現状では、いま先生の御指摘の婦人教育事業にほとんど公益事業が計上されてないという館数が約六館、私どもの調査ではございます。その五十館のうちですね。ですが、ほとんどの私立の婦人会館はかなりの婦人教育事業に経費を費やしておりまして、ゼロから最高六億というような幅があるわけでございますが、全体に五十館のうちの四十四館が地方法人ということでございますので、それぞれの婦人会館は地方法人の監督の問題が一つあろうかと思います。
 文部省といたしましては、どこまでも婦人教育活動という観点でそれぞれ研究集会なり教育活動の企画立案等につきましての求めに応じて指導助言をしていくという立場にございますので、私立の婦人会館の本来の姿の活動ができるように、さらに私どもも努めていきたいと思っております。
 ただ、全般的にこういう私立の婦人会館で機能し得ない部分を公立の婦人会館、さらに全国的に国立の婦人会館という、それぞれ機能しない部分を補完して、国立公立私立という体系の中で婦人教育施設の整備に着手し始めましたので、今後私立の婦人会館の諸課題につきましては、多様なるがゆえに実態把握も困難だと思いますが、婦人教育という観点でさらに検討を進めていきたいというふうに考えております。
#135
○市川房枝君 何だかはっきりつかめないんですが、文部省は婦人会館等を税制の上では、つまり婦人会館というものがはっきりした法律によるものならば、そうすれば例外の規定の中というか、に入るんだけれども、それがはっきりしてないということもおっしゃったようなんだけれども、その点文部省は何か婦人会館というもの、いろいろあるけれども、しかし方向はこういくべきだという一つの基準というか、そういうものをつくって、そうしてその方向に持っていき、何らかの法的なそれに対する保護を加えるという方向は持っておいでにならないかどうか。
#136
○説明員(志熊敦子君) 文部省といたしましては、社会教育法に基づきまして、特に民間の社会教育活動につきましては、求めに応じて指導助言するという立場に立つものでございます。したがいまして、私立の婦人会館につきましては、婦人会館自体の求めに応じて今後対応するというのが基本的な立場でございます。
 先生の御指摘の中身につきましては、全国婦人会館協議会の検討課題ともなっておりますので、今後全国婦人会館協議会の御検討も踏まえて、求めに応じて所要の充実を考えていきたいというふうに考えているわけでございます。
#137
○市川房枝君 もう一つ。
 いま私立の婦人会館は非常に危機に瀕していると私が言ったんですけれども、それをもっと具体的に言えば、もうとてもやっていかれないから、それを県なり市なりに寄付しちゃうといいますか、というふうな傾向も出てきているように思うんだけれども、私は、それは国あるいは自治体は、国民でありあるいは税金をちゃんと納めている国民に対して、それぞれ教育あるいはその福祉増進するために努力することは当然のことなんであって、だからむしろそういう方向にいくこともそれも一つだけれども、しかし大事なことは、やっぱり自主的に婦人たちがそもそもはみんなの気持ちでもって細かい金を集めて建てているわけなんであって、そういう原点に返って、そしてその人たちの自主的な考え方で私はやっていくということが望ましいと、いや、民主主義国においてはそうあるべきであって、役所になってしまえばやっぱり一つの枠の中にはまって、役所の方針でいろいろなそこに制約も出てくると、そういうことは望ましくないということも言えるんで、私はやっぱりいまの危機に面している私立の婦人会館なんかを、どうしたらもとに返ってそれがしっかり立って経営していかれるかということの方策を考える。それは会館を担当している人たち自身の責任でもあり、そこで当然やられるべきであるけれども、社会教育としては当然の責務としてそういうのに手を差し伸べるというか、助言をするというか、もうほっとくんじゃなくて、という態度が実は欲しいと思うんで、この議論、もうちょうど私の時間が参りましたし、これで終わりますけれども、改めてなおこの問題については文部省当局とよくお話し合いをしたいと思っております。
 大蔵当局に対しては、実は税制調査会の構成なり運営について伺いたいと思って出しておきましたけれども、時間がなくなりましたので、またそれは別な機会にいたします。
 ありがとうございました。
#138
○委員長(坂野重信君) 本日の調査はこの程度といたします。
    ―――――――――――――
#139
○委員長(坂野重信君) これより請願の審査を行います。
 第四号景気回復のための大幅減税に関する請願外三百四十二件の請願を議題といたします。
 今国会中、本委員会に付託されました請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。
 理事会において協議いたしました結果を御報告いたします。
 第八六九号貸金業の規制強化に関する請願及び第一五九九号サラ金規制に関する請願の二件は、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付することを要するものとし、第四号景気回復のための大幅減税に関する請願外三百四十件は保留とすることに意見が一致いたしました。
 以上報告いたしましたとおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#140
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#141
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#142
○委員長(坂野重信君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 租税及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#143
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#144
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#145
○委員長(坂野重信君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 租税及び金融等に関する調査のため、閉会中に委員派遣を行うこととし、派遣委員、派遣地、派遣期間等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#146
○委員長(坂野重信君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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