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1949/03/09 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第20号
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1949/03/09 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第20号

#1
第007回国会 大蔵委員会 第20号
昭和二十五年三月九日(木曜日)
   午後二時十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○開拓者資金融通特別会計において貸
 付金の財源に充てるための一般会計
 からする繰入金に関する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○証券取引法の一部を改正する法律案
 (内閣提出)
○国民金融公庫法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○理事(黒田英雄君) これより大蔵委員会を開会いたします。
 本日は「開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案」を議題といたします。御質疑のおありの方は御質疑をお願いします。
#3
○米倉龍也君 この繰入れる金が非常に端数まで書いてあるのですが、これを繰入れまして二十五年度に、この特別会計の貸付計画というものがあつたらお聴きしたいと思います。
#4
○理事(黒田英雄君) まだ担当の政府委員が見えておりませんので暫くお待ち下さい。ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○理事(黒田英雄君) それでは速記を始めて下さい。
 只今御質疑中の法案につきましては、暫く御中止願いまして、この前に証券取引法の一部を改正する法律案を議題といたしまして御審議をお願いいたします。法案につきましては、すでに御質疑は終了したように私は存じておりますが、質疑終了として直ちに討論に入りますことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは討論に移ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#7
○板野勝次君 私は日本共産党を代表しまして、この改正案に対して反対するものであります。反対の理由は、細かい点はありますが、ここでは時間の関係もありますから触れないことにいたしますが、証券業協会について事業者団体法の適用を免除するという一点だけでも、この改正に対しましては絶対に反対であります。この証券業協会を事業者団体法の適用外にするということは、独占資本の復活、財閥復興に決定的な役割を勤めるものでありまして、このことは単なる我々の杞憂ではなくして、現に旧財界人の証券業に転じたものが非常に多いという事実の上に立つて考えますと、いよいよ重大なる意味を持つことになるのであります。政府はこれに対しまして、第百九十五條の二で「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(昭和二十二年法律第五十四号)の適用を排除し、又は同法に基く公正取引委員会の権限を制限するものと解釈してはならない。」というふうな極めて曖昧な形で、何ら私的独占に対して緩和を意味しないというふうには言われておるのでありますが、解釈はどうでありましようとも、具体的な事実というものは財閥の復活、独占の形成に役立つことは誰が見ても明らかに認められるところでありまものであります。
#8
○油井賢太郎君 民主党はこの改正案に対して賛成を表するものであります。併しながらこの改正案によつて、大分投資者の保護はできるような工合にも見られますけれども、結局は運営の方法如何ということに懸つて来ると思いますが、この委員会の運営次第によつては一向この法案の心髄を発揮することができないというふうにも考えられるのであります。こういう点につきまして委員会は極力投資者保護という目的のために、法案の目標達成のため努力せられんことを、特に留意されるよう注意を促して賛成するつもりであります。
#9
○理事(黒田英雄君) 他に御発言はないようでありまするから、討論は終局したものとして直ちに採決に入つて御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。証券取引法の一部を改正する法律案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#11
○理事(黒田英雄君) 多数と認めます。よつて本法案は多数を以て可決せられました。
 尚委員長の本会議における報告につきましては、先例によつて委員長にお任せ下さることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。尚委員長が議院に報告いたしのする報告書に、多数意見者の御署名をお願いすることになつておりますから、どうぞ本法案を可とせられた方は順次御署名願います。
  多数意見者署名
    天田 勝正  森下 政一
    玉屋 喜章  西川甚五郎
    木内 四郎  油井賢太郎
    小宮山常吉  川上  嘉
    米倉 龍也
#13
○理事(黒田英雄君) 御署名洩れはございませんか。御署名洩れないものと認めます。
  ―――――――――――――
#14
○理事(黒田英雄君) 次に国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題として御審議を願います。
#15
○板野勝次君 ちよつと質問してもいいですか。
#16
○理事(黒田英雄君) 説明員がおりますから御質問があれば御質問を願います。
#17
○板野勝次君 この改正案の中で十八億を三十億に改めるということになつておるんですが、今いろいろな現状から見て、実際にこの国民金融公庫を利用する人はどの程度まで実際資金が必要なのかどうか。
#18
○理事(黒田英雄君) 只今国民金融公庫の理事最上孝敬君が見えておりますが、説明員として答弁することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#19
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。では最上君。
#20
○説明員(最上孝敬君) 只今の御質問は、資金がどのくらい実際上必要かということだと思いますが、実は昨日の本委員会でも私共の方の総裁からも御説明申上げたいと思いますが、それをお聴取でございましようか、若し……。
#21
○板野勝次君 聞いてないから聞いておるわけです。
#22
○説明員(最上孝敬君) それじや私から申上げますが、極く内輪に見えますというと二十億程が必要なんでございまして、若しこれを少し余裕を見ますというと、四十億というものが必要だろうと思います。いろいろな根拠がございますが、昨日御説明のとき引用いたしませんでした極く最近の事実に基きまして、ちよつと申上げたいと存じます。この一月中におきまする実は申込高というものが最近はつきりいたしましたが、実に一月中に七億程の申込がございました。これは而も直接の本所、支所だけの申込受付額が七億に達するのでございます。その外本所、支所の手の届かないところ、今代理所でやつておりますところは、実は資金が十分廻りませんために申込も十分受付ができない状態にありますが、それを入れますと、恐らく一月十億ぐらいの申込があるのじやないかと思います。年間百二十億程になるのであります。併しその中どのくらいが本当に的確なもの、つまり十分信用の見込があつて、お貸付することによつて国の経済に貢献することができるものかということになりますと、非常にむずかしいのでございますが、私共は極く最近の様子を見まして先ず四分の一程度、そうしますと大体二十億ということになるのです。若し少しこれを緩やかに見ますというと四十億、辛く見れば二十億、昨日申上げたような数字になるのでございます。大体そういうふうな状態でございます。
#23
○板野勝次君 貸付の場合にいろいろな條件が非常に厄介で、これはなかなか窓口へ行つても貸して貰えないというふうな実情にあるわけじやないんですか。
#24
○説明員(最上孝敬君) 貸付の方の手続としましては申込書、極く簡単なものでございますが、それをお出し願いまして、それによりまして、今度順を追うて店の方においでを願つて、そうして御事情を伺つて、それで見込があるものについてはこちらから出向きまして、実地の調査をいたしましてその上で最後の決定をいたすわけなんでございます。それ程お手数はかけないのじやないかと思いますが、ただ現在お申込が非常に多くて前からの申込が溜まつておる状態であります。そのために時日が相当かかる、こういうことは最近どうも甚だ私共遺憾に思つておりまする実情でございます。この十二月中の調べによりまして全体のお申込の約五〇%が十五日以内に最後の決定をいたしております。あと五〇%が丁度一ケ月くらいの間に決定いたしておる。極く少数の例外はございますが、特別な事情によつて延びておるものも極く稀にあるという状態でございます。
#25
○板野勝次君 今その点で相当に貸出をされておるように言われておるんですが、引揚者、戰災者には本当に利用されていないという実情にあると思う。それから今一つは前からの申込があつて云々ということを今言われましたが、そうして見ると今までに貸して欲しいというものも相当これは除外されて来ておる。そうすると今の経済界の状態から見れば相当の公庫を利用しなければならないというふうな、数字をお尋ねして行くと、今の説明の金額よりもずつと沢山の申込があるというふうにも予想されると思うのですが、予めいろいろな條件がつけられて、いろいろなことが調べられて相当なものでないと貸して貰えない。或いは行つても何か顔が利かない者であつたならば除外されてしまう。こういうようなことになつて一部諦めてしまつておるというふうな状態もあるのじやないですか。そういう実情を御存じですかどうですか。
#26
○説明員(最上孝敬君) 現状はまだよくお話申上げなかつたと思いますが、今年度中の資金には一年を通じまして約十億程出ることになつております。先程申しましたように、実際の程度は年間どうしても三十億前後、多く見まして四十億でございます。これは十億では到底足りないことは申上げるまでもないのでございます。ですから現状においてはそういう不満な状態にございますが、今度増資頂きますというと、来年度は十二億に対しまして回収金六億は十分見込まれますので十八億になります。これ点現状より余程改善されると思うのでございます。
#27
○板野勝次君 それでは引揚者、戰災者等について、これはいずれもこういう公庫を利用する対象者だと思うのです。そういうふうなものが十分に満足されている状態ではないと思いますが、例えばそういう戰災者、引揚者等が申込んで、そうしてそれに対してどの程度貸出されて来たかというふうな資料が若し今おありならば示して頂きたい。
#28
○説明員(最上孝敬君) 今引揚者、戰災者の方の借入のことを御質問でございましたが、これは一般の生産資金の貸付においてもいたしておりますが、特にそういうふうな方面に対しましては、厚生省から委託されております厚生資金という制度が設けてございまして、これは御存じだと思いますが、この方は本年度中貸付が大体五億ございます。ところが来年度はこの方の厚生省から新らしく廻わして頂きます資金が五億でございまして、そのほか回収金が約五億程ありまして、この方は約十億であります。この方も本年度に比べまして余程資金事情が緩和されて参ると思うのでございます。現在におきましては、そういうふうな足りない資金でございますので、申込に対しまして貸付しておりますのは、今私は正確な資料を持つておりませんが、記憶しているところでは大体申込の六割方は出していると思います。
#29
○天田勝正君 今まで御答弁になつた点は、主として公庫の自己資金であるところの生業資金の分についてのお答えであつたと思います。最後に厚生資金のことを申されましたが、その厚生資金が本来厚生省から委託されるものでありますから、その総括は当然各県の民生部に通牒を発せられてそこで扱う、こういう本来仕組であつた。私共引揚の特別委員会におきまして、厚生省といろいろ話合つた結果、そうした手順を経ることが早く引揚者等に潤いが行かない、こういうような観点に立つて一切を挙げてあなた方に直接貸出して頂くというふうにしたわけです。ところが事実は却つて新らしい制度の方が工合が惡いという実例を、この間私は群馬県に行つて見て来た。それはすでに昭和二十四年度におきましても第五次の割当を行つておつて、これは説明すると長くなりますから省略いたしますが、群馬県だけでも二百九十二万円の厚生資金の割当が行つている。ところが群馬県においては百五十万円しかそれを受取らない。元来厚生資金運営委員会というものを各県に作つて貰いまして、すでに引揚者が申込んだならばその集計によつて本所の方に申達して貰う、その申達の結果に基いて割当が行われる。こういうことでありますから当然金の割当が行つたときは、向うは申込があるのに基いての割当であるから、すでにその金を配付すればいいだけの準備ができておらなければならない筈があります。ところが実際に地方を廻つて見ますと、その金が行つてから初めて今度は調査をするということであるから、自分の方で申請して置きながら、その総額に対して割当があつても要求はしない。こういう運営のために非常に借りる方の人の立場から見れば容易に金が手に入らない。こういうような実例を公庫の群馬支所において、私が現に見て来ている。そこで庶民金融でありますから窓口のことが問題でありまして、これがそういう不円滑に行つている面に対してあなたの方はどのような改善をされようとされるのか、この点を先ず伺いたいと思います。
#30
○説明員(最上孝敬君) 只今の群馬のお話は私まだ存じませんで、果してそういうことがあれば大いに困つたことで早急に直したいと思いますが、今度直接資金を私共の方に頂戴しまして、そうして地方に流すというふうにしましたのは、以前府県の会計に一旦入りますというとなかなか出るのに時間がかかりまして、第四次、この前の厚生資金のごときそのためにもう資金はなくなつてしまつて、申込はどんどんあるのにお待ち願わなければならんという状態があるのでありまして今度改めたのであります。今回は一応私共の方に頂きまして、そうしてこれを適当に運用いたしております。その運用の経費はやはり計上いたしておるのですが、そうして各支所で以て資金の必要量を大体私の方に言つて来まして、その分に対しては直ちにお送りするというふうにしておりまして、只今お話のございましたような不都合は起らないように実はしておるつもりでございます。何らかの間違いでそういうふうに実際になつておりますれば早速改めたいと思います。よく事情を調べてみたいと思います。
#31
○天田勝正君 これはむしろ質問にならないかも知れませんが、今私が例に挙げた群馬の問題は、近く委員会にも正式報告が提出されることになつております。この点は勿論公庫の支所ばかりが惡いということでなしに、その県の民生部が極めて不熱心であるということを表明しておるので、県とその県の公庫の支所が熱心であるところは非常にうまく行つております。通常の第五次割当、そういうことがある外に早く運営が円滑に行つて全部を引揚者に流すということが行われておれば、その中間においての割当を受けておるところですら実はあるのであつて……、そこで私はこれは要望して置くのでありますが、何か公庫にすベてが委されるという恰好になつたために金融業者的意識の方が非常に強くなつて、勿論これらの資金が還つて来なくてもいいということを申しているのではありませんけれども、すベてがただ取立てるということに重点を置きますると、これは一般市中銀行と変りのない金融機関になる。それらと変つた仕組の庶民金庫を拵えようというのが本来国民金融公庫の精神でなければなりませんから、これは單に群馬県ということに限らずして、全国にそういうことがあるという事実はこれは私共が議員派遣で認めて来ておる問題でありますから、さようなことのないように是非一つ御注意願いたいと思つております。
 尚生業資金の問題でありますが、この自己資金は本来御承知の通り我々の方では当初からすでに四十億円の予算を持つて出発しよう、こういう議論が盛んでありましたけれども、結局予算との関係で十三億になつて、更に補正で五億殖え、更に十二億、こういうことでありますが、これらの生業資金については現在最もよく行つている県においてはどういう実際の運営においてやつておられるか、惡い県においては、一番貸出の少い県というのはどこの県でどのくらい貸出しておるか、こういう具体的なことがお分りになりますれば、この際お示し願いたいと存じます。
#32
○説明員(最上孝敬君) 本来の生業資金の方は各方面とも、本所並びに支所を通どてやつておりますので、貸付の進行状態、取扱い方など大体統一されておりまして、只今御質問のような特によく進んでおるところ、進まないところというものも先ずないと申上げていいと思うのであります。もう一つの厚生資金の方、これは各府県の協力を得まして、大口の貸付につきましては、府県の運営委員会で以て御意見を述ベて頂いて、最後の決定をいたします。私共の方で決定をいたしますこともあります。それから又これは代理所を沢山使つております関係上、各府県いろいろ進行状態が早いところ、遅いところさまざまでありますが、私の記憶しておりますところでは、大体におきましてこの九州方面が非常に進みが早いのでございます。廻つて来た資金が足りない足りないと言う声を盛んに聞くのです。実際上を見ましても第四次の割当のごときは、九州方面は早くから一杯になつて申込がそれ以上にも残つております。これに反しまして東北方面が非常に進みが遅いのでございます。この原因は私まだ十分によく掴んでおりませんが、想像いたしますところ、府県の熱意が一つでございますが、一番多く引揚者の団体、その指導、これが非常な大きな力を持つんじやないかと思います。府県の熱意ということも引揚者の団体の方の鞭撻、そういうことによりまして余程違つて来るんじやないかと思います。又細かいことを申上げますればいろんな事情があるかも知れませんが、今私共の想像しておりますのは、その程度のことでございます。
#33
○板野勝次君 もう一つお尋ねして置きたいのは、十八億の資本金、これは今どういう状態にあるのでしようか、もつと少ない……、十八億がうんと少なくなつているわけではありませんか。貸付けられる余裕と申しますか……。
#34
○説明員(最上孝敬君) 十八億のうち実際貸付の方面に現在出ておりますのは八億程度じやないかと思います。それからその外の部分で厚生資金の方は私共最初に五億程出しまして、そのうち二億程還つておりますが、後三億程は庶民金庫時代に資金を出しまして、これが政府からの出資に昨年六月一日振り替りまして、そのときの出資十八億のうち三億だけがこれに廻つております。その外庶民金庫時代、日銀より拜借いたしましたその返済に出資金が廻つておりまして、現在尚資金として今の八億以外に残つておりますのが約二億程度と推測されます。
#35
○板野勝次君 そうしますと、運用される資金は八億なんですか。二億も合計して十億なんですか。
#36
○説明員(最上孝敬君) 十億でございます。
#37
○玉屋喜章君 この貸付は一口平均どのくらいですか。
#38
○説明員(最上孝敬君) 現在のところ段々上つて行く傾向にございますが、只今のところ、約八、九万円だと存じます。最初は極く少うございまして、四万円そこそこでございます。
#39
○玉屋喜章君 一口平均が……。
#40
○説明員(最上孝敬君) そうでございます。
#41
○玉屋喜章君 貸付の方はどういうふうな方法ですか。
#42
○説明員(最上孝敬君) 方法と申しますと、あれでございますか。
#43
○玉屋喜章君 金を貸付ける方法……。
#44
○説明員(最上孝敬君) 手形貸付とか、証書貸付とかいうことでございますか。普通証書で貸しております。
#45
○玉屋喜章君 担保なしで……。
#46
○説明員(最上孝敬君) 担保は原則としてございません。極く特殊なものにだけ頂戴するということになつております。
#47
○玉屋喜章君 期限はどのくらいのところで、そうして金利は……。
#48
○説明員(最上孝敬君) 期限は三年までということになつております。それから金利は一割二分でございます。厚生資金の方は少し変りまして期限が五年以内、それから金利は現在は九分であります。
#49
○油井賢太郎君 この厚生資金は、地方的にどういう割当をしておるか、それからもう一つは地方にはこの金庫の出張所とか、或いは支所がないために、大変不便を感じているというところも沢山あるのですが、将来は各府県に一ヶ所ずつ設置の予定になつておりますか。その二つをお伺いいたします。
#50
○説明員(最上孝敬君) 厚生資金の地方えの割振りは援護庁でしておられまして、私共も意見は申述べておりますが、最後の決定は援護庁でなさいます。どういうものが基準になりますかと申しますと、大体その地方における引揚者数が基準になつております。尚特殊な生活困窮者にも出すということになつておりますので、例えば特別な災害でもございまして、特にお困りの方が殖えたような場合には、それに応じて資金の割振り量を加減しております。
 それからもう一つは支所の問題でございましたが、これは如何にも現在地方に手が伸びないということが非常に私共としても遺憾に堪えない点でございまして、来年度は十ヶ所増設の予定でございまして、支所を殖します。それから又代理所も現在は資金上非常に制限されておりますために、代理所方面に振向けます資金が、全体の資金の約五分の一と予定しております。現在はその程度でございますが、来年度はその点も地方に、代理所の廻すものを約三割殖すつもりであります。そういう点からも地方に、本年に比べますと資金が余程流れるようになつて行くと思つております。
#51
○油井賢太郎君 今のあれですな、支所が十ヶ所殖えるというお話ですが、支所のないところにはどういつたような代理所を置くかということを……。
#52
○説明員(最上孝敬君) 代理所は主として市街地信用組合及び無盡会社にお願いしておりまして、中には銀行にお願いしているところもございます。そのほかに尚これは私共の方で予算で認められます旅費の許す限り、直接本所並びに支所から地方にも出張いたしまして、お貸付の取扱をいたしております。
#53
○油井賢太郎君 それで結局貸付ける場合に、一応本所で以てすつかり審査なり何なりをすることになつておるわけですか。
#54
○説明員(最上孝敬君) この点は特別に大口のもの、私共として大口の連帶貸付の場合で、五十万円以上の貸付につきましては本所で審査させますが、それ以上は全部支所並びに代理所でその判断で以て貸付の決定をいたしております。
#55
○板野勝次君 只今の金利一割二分というと相当これは高いので、預金部資金の運用などでも六分六厘六毛なんですが、そうすると一割二分というと相当な高率になるのですが、これは金利を引下げるという意思はないのでしようか。それはこういう利子が高いために、借りて非常に迷惑するというようなこともあると思うのですが……。
#56
○説明員(最上孝敬君) 金利は私共できる限り引下げて行くようにしたいと実は存じておりますが、御承知だと思いますが、小口の貸付は非常な手数が掛ります。私共の方でお貸付しております件数は、厚生資金と両方合せまして約二十万件でございます。全国の銀行のお取扱高に比べましても相当な部分、恐らく四分の一くらいになるのじやないかと思います。その手数がこれは実に驚くべきものなのでございまして、そうして公庫は独立採算制で行かねばならんということになつておりますので、その経費を賄うに足るだけの金利収入を挙げて行かなければならんので、そういうことから現在のところは一割二分、どうもこれがちよつと動かしにくい状態にあると思います。
#57
○板野勝次君 それから貸付の一口の最高限度、最高限度は幾らになつておりますか。
#58
○説明員(最上孝敬君) 最高は生業資金の場合は一口五万円でございます。但し連帶貸付を認めております、その場合でも百万円を越えてはならん。普通五十万円を越えてはならん。特別の場合でも百万円を越えてはならん。それから只今ちよつと言い落しましたが、普通の場合五万円まで、特別の場合十万円まで貸すことができる、一口です。それかり厚生資金の方は一口現在一万五千円ということになつておりまして、これは非常に低いので只今引上げのことを、いろいろ諸方面にお願いしている次第でございます。
#59
○板野勝次君 もう一つちよつとお尋ねしたいのですが、五十万円以上の連帶というのは、何人か集つて借りるという意味ですか、それとも連帶の保証人があつたならば、それだけ貸すという意味なんですか。
#60
○説明員(最上孝敬君) 数人がすべて債務者として、連帶債務者として借りる、そういう場合でございます。ですから二百万円ですかというと、まあ特別の場合で十人、普通の場合でしたら二十人が一緒になつて仕事をなさる、そういう場合にお貸付けするわけです。
#61
○板野勝次君 一口、例えば五万円とか十万円とか借すという、つまり貸付の数と、五十万円以上百万円までの借り手の数と、五万円以下の数というようなもので、今お分りなら聞かして頂きたいと思いますが……。
#62
○説明員(最上孝敬君) 只今実は持つて参りませんでしたが、正確な調はございます。或いは多少狂いがあるかも知れませんが、十二月中の貸付でございますが、五万円以下が五十パーセントでございます。それから二十万円以内が十六パーセント、それ以上二十万円を越えるものは……。
#63
○板野勝次君 それではこの数字については、別に何か資料を……。
#64
○説明員(最上孝敬君) 金額別の……。
#65
○板野勝次君 出して頂きたいと思います。それから先程の説明から行きますと、大体十億円程度のものが融通に充て得る、十八億の中の十億程度のものは融通ができるのだ。こういつて見ますと、それに十二億増しましても二十二億ということになると思います。そうすると先程の大体三十億若しくは四十億ということになりますと、これではやはり現在の最低限度に圧縮して見ても尚足りないという計算が出て来ると思う。それからいろいろ端的に資金面から見て三十億乃至四十億は出て来る状態にあるのですが、それまでに圧縮されても、私は勢い沢山の借手が集つて来て、運用上多少とも、何というのですか、地方の有力者が尻押しをしたものは借りられるけれども、無手でやりたいという者は借りられないということになると思うのですが、そういう点に対する配慮はあるのですか。
#66
○説明員(最上孝敬君) 如何にも資金の申込、必要量は多うございまして、現状乃至は増資後の状態を以つてしては不十分だということは、私共確かにそう考えるのでございますが、ただその場合に特に特殊な方の尻押しのある方だけに貸付けする、そういうことは絶対にないように、私共極力注意しておるのでございます。ですから成るべく何と申しますか、こちらのお貸付の趣旨により多く適つておるもの、さまざまな仕事がございますが、特に経済復興に役立つようなもの、それから又この点は或いはちよいと問題になるかと思いますが、回収もそいうい意味において確実なもの、事業がつまり成立つ見込の十分なもの、そういうものを優位にしておるわけでございます。
#67
○油井賢太郎君 この際回状状況をちよつと御説明願いたいと思います。
#68
○説明員(最上孝敬君) 貸付けましてから、まだ日も浅いせいかと思いますが、回収は非常に、この前総裁が申しました通り、一〇〇%回収ということでございますが、これは期日はちよつと遅れるのがございますが、駄目なものは絶対まだないのでございます。
#69
○油井賢太郎君 何パーセント……。
#70
○説明員(最上孝敬君) 一〇〇%と申しております。期日の遅れるものは若干ございます。それの駄目になつたものはないという意味なんでございます。
#71
○油井賢太郎君 一〇〇%の回収というのですが、現在の経済状態で、実際そういうふうに回収ができておるのですか、これはちよつと疑問に思われるのですが……。
#72
○説明員(最上孝敬君) 只今の或いは言い方が足りなかつたと思いますが、私共の方の回収方法は月賦償還を原則としております。お貸付をしましたとき、相当にお金が参りまして、そうしてそれから月賦で……多少の据置期間がございます、六ヶ月までいい、六ヶ月の例は少いと思いますが、二ヶ月、三ヶ月はまだ据置いております。利息だけを頂戴するということであります。利息程度のものはどなたでもお拂いになりますし、それから借受けた当初一月、二月の月賦程度は、こちらで参ればお拂いして頂けるという状態にありまするので、一〇〇%ということも、そうおかしいことではないのです。
#73
○天田勝正君 厚生資金の二十四度中における再貸付の総額はどのくらいになりますか。
#74
○説明員(最上孝敬君) 一月末に貸付は私共の方の貸借対照表によりまして申上げますと、再貸付が千二百万円になつております。
#75
○天田勝正君 その額は、全国の二十四年度中の一月末までにおける総額ですか、少いと思うのですが……。
#76
○説明員(最上孝敬君) これにつきましては実は御説明申上げねばならないのですが、再貸付の制度を実施しましたのが、正確に記憶しておりませんが、九月頃からだと思います。而もこの制度は、実は或る意味においては失敗であつたかと思いますのは、一人について一万円なんです。そうして金利は一割二分、そうして又回収確実なものに貸すのでございまして、普通の生業資金と全く同じ、むしろ生業資金よりも嚴格な條件でお貸付するんです。それからこれを借りるくらいなら生業資金の五万円或いは倍の十万円も借りようということで、大抵の方が一般に生業資金の方にお申込みをされまして、そのために利用度が少いために、これは何とか改正するか、廃止しなければならんと私共は存じております。
#77
○森下政一君 さつき油井君の質問に対して回収成績一〇〇%というお話だつたんですが、昨年の六月から業務を開始しまして六ヶ月据置いて月賦で、月割で回収したのはまだ二回目か三回目かの回収をやつたというだけのことなんですね。だから回収一〇〇%ということは今のところ月割の拂戻しが滯つていないというだけのことじやないんですか。
#78
○説明員(最上孝敬君) 確かにおつしやる通りの状態でございますが、私共庶民金庫時代の実は経験から申しますと、やはり庶民金庫でも当初貸しました当座は数ケ月はこういう状態でございました。段々延滯が出て来たんですが、それでも最終的に取れなくなりましたのは庶民金庫時代においてはずつと通算して見ますというと、戰争が激しくなつて人々が散らばつてどうにもならなくなつた時は別ですが、それまでですと、年間本当に取れなくなつたのは実に驚くベき数字で〇・二%が回收できなかつた。ですからその経験済みに基きまして、現状はこうですが、将来においても一〇〇%に近い回收を上げ得るのではないかと実は考えております。
#79
○森下政一君 どうですかね、生業資金を貸付けて貰つたお蔭でこういうふうになつたと言つて、非常に喜んでおられるというのは、実例は沢山ありますですか。何かそういうことが耳に入つていますか。
#80
○説明員(最上孝敬君) 実はまだ日が浅いものですから、全国の例を存じておりません。その点何んともはつきりお答え申上げかねるのが残念でございます。
#81
○板野勝次君 経済復興に役立つものとか、事業経営の成立つものとか言われたんですが、経済復興に役立たないもの、行つても貸さないという種類のものはどんなものですか。
#82
○説明員(最上孝敬君) 何と申しますか、その点非常にむずかしいと思うんですが、最初私共で非常に申込が殺到しましたとき、内部でたてました基準に、例えば飲食店でございますね、それも本当に弁当屋とかいうものは別ですが、飲み食いして消費を進めるというような、そういうふうな種類のものについてこれをお断りするというふうにしております。まあそういうふうな考え方なんでございます。
#83
○理事(黒田英雄君) 他に御発言もないようでありますから、本案につきましては質疑終了といたして直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#84
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#85
○天田勝正君 日本社会党は本案に賛成いたします。その理由は、本来私共はこの国民金融公庫の資本金は最低三十億、このように主張いたしまして、相成るべくんば五十億円になるようにと当初以来主張して、その主張は同時に我が党の引揚特別委員会の主張にも相成つたのであります。本質的にこれを最も詳しく扱つておりますのは引揚の特別委員会でありまして、この関係から関係当局である厚生省と連絡を取つて、いろいろその貸出等の扱い問題につきましては通牒という形を取つて出しております。その面から検討いたしますれば、今日の金融事情並びに物価の問題からいたしまするならば五十億でも足らない。そういう結論が出るだろうと存じますけれども、当初私共は最低三十億ということを主張し、予算の関係上先ず十三億で発足して、更に補正によつて五億の増資が行われ、漸くにしてその当初の主張である最低三十億の線に到達することができた。こういう点から考えましてその貸出し実情からいたしますれば、私共が議員派遣によつて調査いたした結果から見て、遺憾の点なきにしもあらずでございますが、いずれにしても庶民の金融が多少でも豊かになるということの効果は上り得るものである。かように考えますので本案に賛成するものであります。
#86
○板野勝次君 共産党は遺憾ながらこの改正案に反対であります。なぜかと申しますと、今の国内のいろいろな事情から見て、非常に経済状態が惡い中で、現在の政府のやり方で皆倒産者も出て来るし、生業の途も奪われつつある。そういつた際に僅か十二億、而も増資しましても二十二億程度しか運用されないものを生業資金に與えて行つて、そうしてこれで恰かも更生し、起ち上がらして、何らかの事業ができ得るのだという希望を抱かせるだけであります。実際にはこの程度のものでは今の実情からいたしましては雀の涙程のものだと思うのです。而もこの貸出の條件なり、或いは金利等も高いし、いろいろな面から見て真に欲する者に万遍なく渡つて行くというよりも、むしろ渡らないという結果に終ると思うのです。そこで勿論十八億が三十億になつたということは現状よりもまだ一段いいということにはなりますけれども、この額によつて据置かれ、借りに行つてもこれは国会でこの程度にしか決まらなかつたのだからという結果になつては、やはり現在の政治に対する不満というものは依然として解消しないと思う。全体としてもう少し大巾に額を引上げるべきでありまして、今度の予算を見ましても債務の償還費というものを莫大に計上しておる。そういう半面に僅かなものでごまかして行こうとするこの意図に対して、共産党は断じて賛成することができないのでありまして、このような意味で反対を表明するものであります。
#87
○油井賢太郎君 民主党はこの案に賛成をいたします。現在の三十億ということは成る程過少のようにも思われますが、やはり実情に応じまして希望者が多い場合には、この額を更に将来増加するというような方策をお立てになるということを予め申上げ、是非とも将来困つておる階層、或いは庶民階層の人々に対して十分な国家保護を與えられんことを希望して賛成いたします。
#88
○理事(黒田英雄君) 他に御発言がないよでありますから、討論は終局いたしましたものとして直ちに採決に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#89
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。国民金融公庫理の一部を改正する法律案につきまして採決をいたします。本案を原案通り可決することに賛成の方の御挙手を願います。
   〔挙手者多数〕
#90
○理事(黒田英雄君) 多数と認めます。よつて本案は多数を以て原案通り可決することに決定いたしました。尚本会議におきまする委員長の口頭報告の内容につきましては、例によつて委員長にお任せ願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。尚委員長が議院に提出する報告書には、多数意見者の署名をすることになつておりますから、本案を可とせられました方は、順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    天田 勝正  森下 政一
    玉屋 喜章  西川甚五郎
    平沼彌太郎  油井賢太郎
    小宮山常吉  米倉 龍也
  ―――――――――――――
#92
○理事(黒田英雄君) それでは、この際再び「開拓者資金融通特別会計において貸付金の財源に充てるための一般会計からする繰入金に関する法律案」を議題とたしまして先程御質問がありまして政府の答弁のなかつた点を先ず答弁して頂くことにいたします。
#93
○政府委員(石原周夫君) 先程お尋ねのございました二十五年度の予算におきまする十三億程の繰入の数字は、如何なる積算でできておるのかという点につきまして、先ずお答え申上げます。御承知のように、開拓者に対しまする資金は、営農資金と、共同施設の資金とに分れるわけでありまするが。この両者を合せまして、これは昭和二十三年四月乃至九月におきまするパリテイの価格をベースといたしまして、一戸当り六万四千円という目安を作つておるわけであります。即ち開拓者が入植をいたしますると、三年間に亘つて総額六万四千円、その価格は後程申上げまするように、その後におきまする農業パリテイの動きによりまして、調整をせられるわけでありますが、その基礎は先に申上げました昭和二十三年の四月乃至九月、上半期パリテイ数で申しますると、丁度九一・八という数字になるのであります。その六万四千円という金額をベースといたしまして、初年度に四万五百円、二年度に一万三千円、三年度に一万五百円、合計いたしまして六万四千円という金額になるわけであります。この金額を二十三年度の入植戸数一万戸、それに今申上げました二十三年度の入植者は、二十五年度におきましては、三年生になりますので、最後に申上げました一万五百円という単価が当てられるわけであります。その次に二十四年度に入植いたしました一万戸、これは先程申上げました、一万三千円が該当するのであります。二十五年度に一万戸入植すると見ておりまして、これに対しては四万五百円、その合計を申上げますと、合計六億六千百万円という数字に相成るわけであります。そのベースの六万四千円が先程申上げました九一・八というパリテイ指数でございまして、昭和二十三年四月乃至九月を基礎といたしておりますので、これに対しまする二十五年度のパリテイ指数を平均いたしまして、一六五という指数が出ましたので、この指数を乗じて算出して得たわけであります。ちよつと只今のトータルを申上げませんでしたが、その合計が十一億八千九百万円であります。十一億八千九百万円と十三億円との差額は国債利子でございまして、従来出しておりまする、二十三年度において出しておりました国債利子との差額が……国債利子の額が一億七千五百万円でございます。それを加えまして十三億という数字になるのでありますが今申上げましたところで十一億八千九百万円という数字を掴まえまして、それを営農資金一・億九千五百万円、共同施設資金九千四百三十五万円という数字に分けておるわけであります。先程共同施設資金の内訳がどうかということを伺つたように記憶いたしておりますが、その内訳といたしましては予算積算の当時の計算いたしましたところでは、加工施設が五千八百三十五万円、建物の施設が三千六百万円、いずれも百五十戸分を見ておるわけであります。
 以上は大体この計算の基礎になつておりますものでありますが、その次に今まで一体どれくらいの金を出したかというお尋ねがあつたわけでございますが、それに対しては予算と実績をついでに申上げます。二十一年からこの制度は始まつておるわけでありますが、昭和二十一年戸は予算が四億一千万円、細かく申上げますと四億一千百一万二千円、これに対して四億一千百万円の実績になつております。第二の昭和二十二年は予算が九億三千百万円、実績が八億百万円、これは次年度に繰越されております。昭和二十三年度におきましては予算が二十四億一千百万円、実績が二十五億八千四百万円となつておりまして、予算に比べまして実績が殖えておりますのは、先に申上げました二十二年度の分が繰越されました関係であります。二十四年度は十七億円でありまして、この実績はちよつとまだ手許に数字がございません。その合計額が今までの数字に相成るわけであります。
#94
○天田勝正君 先程質問して途中で止めたのですが、共同施設資金九千四百三十五万円、この積算の基礎はどういうところから出しましたか。
#95
○政府委員(石原周夫君) これは先程加工施設と建物施設というふうに申上げましたのでありますが、即ちいろいろな加工の機械類、そういう施設をいたしますものを百五十戸分見ましてその単価が三十八万九千円、それからその建物の方の部分を百五十戸分見まして、これの単価二十四万円、それで先程申上げました五千八百万円と三千六百万円に相成るわけでありますが、お尋ねの点はそうでなくて、どういうような運営をいたすかという点でございましようか。
#96
○天田勝正君 私の申上げるのはどれだけの施設をするかということですから、今お話のあつた点でも概略は分ります。併しもう一点建物の点を充実して行つて頂きたいと思います。これはどうも言葉が早口でちよつと聴取りにくいので……。
#97
○理事(黒田英雄君) 農林省農地局の野田営農課長が参つておりますが、政府委員でありませんが、説明員として答弁することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○理事(黒田英雄君) 御異議ないと認めます。それでは野田説明員。
#99
○説明員(野田哲五郎君) 只今御質問の件でありますが、これは建物と加工施設と大体合わせて融資することにしております。ただ建物があります場合には加工施設だけということもありますが、原則として両者を合せて行くということになつております。
 建物につきましては大体一棟二十坪を予定しておりまして、単価一万二千円程度を考えておるわけであります。そういたしますと石原政府委員から御説明ありましたように一ヶ所二十四万円ということになります。
 それから中身の加工施設でもありますが、これは澱粉製造、それから畜産加工、製材、木工等いろんな種類がありまして、参らないのでありますけれども、かようなもののうち代表的なものといたしまして三十八万九千円というものを考えたわけであります。この中には電動機を入れるための動力導入にも若干含むことになつております。
#100
○天田勝正君 この建物の二十坪を基礎としての二十四万円というのは今年予定されておる庶民住宅等の一万二千円、そうしたものと歩調を合せるという意味でそうされたのですか。
#101
○説明員(野田哲五郎君) それは大体時価を中心としまして考えたわけであります。実際上の運用におきまして、建物単価が現場で材木ができるということで下ります場合には、この金額を下げるなり、或いは面積を殖やすなりしまして実行をしておるわけであります。
#102
○天田勝正君 そういたしますと、この二十四万円で営農資金の方が今の加工施設と建物と二通りに分かれるわけですか。建設だけについては全部でどのくらいの数の施設ができますか。
#103
○説明員(野田哲五郎君) 両者を合せまして百五十地区というふうに考えております。
#104
○天田勝正君 この貸出の対象は悉く協同組合ですか。
#105
○説明員(野田哲五郎君) 開拓者の組織する協同組合になつております。
#106
○油井賢太郎君 政府員の先程の御説明、大体今までの合計が五十五億ですね。そうしますとこれに対しては、先程の御説明の中に利子が一億二千五百万円と確か聞いたのですが、この点が合わないようですが、将来もこの五十五億に対しては利子をこの会計で負担するのですか。
#107
○政府委員(石原周夫君) 五十五億のうち昭和二十三年度までが借入金でございまして、二十四年度以降におきましては借入金をいたしておりませんで、昨年も本年同様に一般会計から繰入れをいたしております。従いまして借入金の元本に相成りますのは二十三年度までの分でございます。それで国債の利子が、国債整理基金に繰入れますものが一億七千五百万円……。
#108
○油井賢太郎君 借入金の利子というのはどこに入るのですか。
#109
○政府委員(石原周夫君) 只今国債と申上げましたが、国債というのは広い意味でございまして、借入金でございます。
#110
○油井賢太郎君 これはこの提案理由で以て健全財政の見地から特別会計でなしに、一般会計から繰入れるということになつていますが、じや今までの分も一般会計から出して、これを特別会計というものの負債を償還するという案はないのですか。
#111
○政府委員(石原周夫君) 従来の既発債務につきまして、それを返済するために一般会計から繰入れるという考え方ではございませんで、この開拓者にいたしましても、或いはこれに類似した会計、例えば貴金属特別会計というものがございます。それらも二十四年、二十五年の相次ぎまして所要の資金を一般会計に繰入れいたしております。その以後におきましてのおのおの借入金があるわけですが、それらに対しましては、それまで償還をするという処置をとつております。
#112
○天田勝正君 この会計の直接貸出の責任の部局はどこですか。補足いたしますが、その意味は特別会計ですから勿論その大元は大蔵省でありましようが、実際的には開拓局の何課ということを、それを開いているのです。
#113
○説明員(野田哲五郎君) これは農地局の営農課で所管しております。そうして貸出の直接事務は農地局の営農課でやつております。
#114
○天田勝正君 先程もこの点は質問しておいたのですが、何か今度の貸出の手続に当つては重複と言いますか、今までのような式でなしに、一つその間に何か機関を設けて、そこを通してやるといつたようなことをちよつと聞いたのですが、それは一切挙げて農林中金だけでやらせますか。
#115
○説明員(野田哲五郎君) 只今お話のようなことは考えていないのであります。やはり従来通り農地事務局から直接貸出をするという方法です。
#116
○油井賢太郎君 私も素人でよく分らないのですが、先程政府委員の説明によりますと、一般会計から入れた分は利子がかからないと、こういうふうに了承しておるのですね。そうしますと今までの特別会計の分の利子というのは特別会計でこれからずつと、いわゆる利子の負担というものは起きるのですね。その分は今後は一般会計からやはり繰入れて行くと、こういうふうになつておるのですか。
#117
○政府委員(石原周夫君) 先程の御説明の点は少し不足であつたのでありますが、公債をと申しますと、借入金をこの会計で借りましたときの利子は、当時におきましては二十三年までは、三分六厘五毛であつたと思います。従いまして二十三年度まで借入れました利子を、この会計において国債整理基金特別会計に繰入れまして支拂うのであります。それに対しまして、この会計から貸付をいたしておりますから、当然貸付金に対する開拓者から貰うべき利子があるわけであります。これも三分六厘五毛のパーパーだと思います。ただ暫く据置きいたしておきます。営農資金が五年で、それから共同作業施設の資金が三年、そのまだ据置期間に当つておりますので、従いまして利子の支拂をいたすわけであります。ところが開拓者の方からは貸付の利子収入が入つております。そこでこの収支の差が一般会計からの繰入金に当ることになるのであります。従つてお尋ねの将来どうなるかということでありますが、将来におきましては今まで通りやつて参りますと、一般会計から繰入れましたものにつきましては、これは勿論繰入金でありますので利子は取りません。従いまして将来開拓者から貰う方の利子収入の方が、国債整理基金特別会計に対しまして支拂います利子より増加をいたし、上廻るということが生ずるわけであります。その場合におきましては引続き貸付の財源に当てまして、而も余裕があるという場合に一般会計に返す筋合いになるか分りませんが、これは少し先になつております。
#118
○米倉龍也君 二十五年度には住宅資金の貸付は御計画はないのですか。
#119
○説明員(野田哲五郎君) 二十五年度におきましては住宅関係はありません。この関係は公共事業の方で住宅補助金として出ることになります。
#120
○米倉龍也君 営農資金が三ケ年間は貸付けることになつておるのですが、この開拓者の経済から申しますれば三ケ年で融資の打切りをされるということは相当困難、営農上困難なことに立至るだろうと思います。殊に昨今のような一般金融の、殊に農村金融の梗塞事情におきましては、開拓者のような、基礎が薄弱な方面へ金融が流れて行かん、流れにくいということは、これは認めねばならないわけです。この貸付規定として、或いは開拓計画の上から、三ケ年で打切るということが止むを得ないとするならば、何らかそこに本当に開拓者がすつかり基礎が固くなるまでの親切味が政府の施策になければ、私はいけないと思うのですが、こういう点は、この案に直接は関係がないかも知れませんけれども、農林省からお見えになつておりますので、農林省のお考えを承わりたいと思います。尚、この問題につきましては、開拓者自身の自力で以て何かの方法を考究しなければいけないというようなことを、研究なさつておるように聞いてはおりますが、そういうことに対して政府は何らかの助成の方法、そういうことの育成の方法というようなものをとるべきであろうと思います。そういう点について何か御計画なり、御構想がおありでありましようか。いずれにいたしましても、非常に條件の惡い土地えの開拓者であります。到底三年ぐらいで本当の農家としての基礎が確立できるものだとは、私共思わないのであります。こういう点を御当局としての御意見を承わりたい。
#121
○説明員(野田哲五郎君) 只今開拓者の営農の状況を概観してみますると、大体三分の一程度は安定した段階に入つているのではないかと思つております。それから後の三分の一程度が、これは安定、不安定の境にある、いわゆる小康状態にあるかと思います。それから後の三分の一が危険線にあると、かように考えております。そこでこれらのものにつきましては、最も徹底した方策をやりますならば、お説のごとくもつと融資金を継続するということも、考えるべきかと思いますけれども、実はこの営農資金の出発は、最初入植の当初に一万円一回貸すという状態でありましたのを、今日三ケ年間、今日の予算の標準で行きますと、八万九千円ぐらいになります。これだけのものを貸すように引上げて来ましたので、今日の財政状況から見まして、非常に困難であるかと、かように思つております。で、私共といたしましては、政府の融資金というものは早晩切られるべきものでありますから、開拓者が一刻も早く自力で普通の農村金融の対象になるように仕向けたいと、かように思つて参つたわけであります。今日開拓者を見てみますると、いずれも営農に関する自信は持つたけれども、資金がなくて、次の発展ができないというようなことを言つておるわけであります。これに対しましては、すでに生産の基礎も相当固まつたと見まして、一般の農村金融から融資が流れて来るようにしたいと、かように思つておるわけであります。その方法につきましては、大体開拓者が一定の醵出金を出しまして、又府県がこれに対して援助して頂きまして、基金を作る。これに対して中金から或る倍率の金を借りるということに持つて行きたいと思つておるわけであります。
#122
○米倉龍也君 今の最後の自力金融についてのお考え方についてお聞きしたいのですが、開拓者自身の醵金はこれは当然でありましよう。それに府県の助成を入れる、国では何らそれについて助成の方途はないわけでありますから、何らか府県がやるならやはり国でもこれに相当の考慮を拂つていいじやないかと思うのですが、その点はどうなつておりますか。
#123
○説明員(野田哲五郎君) その点につきましては、将来そういうことができるように努める考えでございますが、二十五年度におきましては、まだその点は研究段階にあるということで予算の要求をしなかつたわけであります。ただ開拓者側から熱烈なる要望がありましたので、取敢えず小規模に且つ試験的にこれを実施するということで始めたわけでございます。
#124
○天田勝正君 開拓者が営農する場合に当初問題になるのは、米倉委員が御指摘になつたような住宅難であります。この住宅、過去のことをここに申上げても仕方がありませんが、二十五年度予算から見ますると、国の総体的な住宅施策というものは可なり幅広くなつた、こういうことが言えると思うのです。そこで私がお聞きしたいのは、曾ての庶民住宅関係のものが二万七千一百戸、こう記憶しております。そこでこれを関係各省と協議されまして、この庶民住宅の二万七千一百戸のものの中から、特別な枠を取つてこれに当る、こういうふうなお考えを持つておられるか、おられないか。
 第二点は引揚者の無縁故者住宅関係が、別に五億という予算が取つてある筈でありますが、これは引揚者で且つ開拓者であるものは当然重複されると理解するわけですが、それでよろしいかどうか。
 第三点は住宅組合関係及び個人によつて住宅公庫から貸出するものが百五十億、こういうことに予定されておりますが、この百五十億の個人、若しくは住宅組合によるものの中、特に開拓者に対しては別の枠を取るという御用意があるかどうか、以上三点を伺います。
#125
○政府委員(石原周夫君) 第三点の方から先に申します。前の方は農林省から申上げます。第三点の百五十億の住宅金融公庫の中で、そういう開拓者のための枠を取るつもりであるかどうかという点でございますが、これは県下全体としての数字を今まとめまして、その中での内訳はまだ確定いたしておりません。住宅金融公庫法案の近く提案があるのでございまして、その際に説明があると思いますが、私共承知いたしております範囲内では、特にそういうものを留保するまでの話になつてないのでございます。まだ要するに余り固まつていないというふうにお考え願つて置きますが、従来はまだそういうような考え方は考えておらなかつたのであります。
#126
○説明員(野田哲五郎君) 引揚者の住宅の補助金は建設省との話合によりまして、引揚者の入植した場合にこちらの方に融通して貰つております。その数字は只今正確な記憶がございませんが、一千戸程度頂いておつたかと思います。開拓者住宅の予定自体といたしましては年々一万戸の予算を持つておるわけであります。で只今開拓者で住宅がなくて困つておりますのは、開拓の初期におきまして非常に多数の人値の計画をいたしましたが、住宅につきましては極めで内輪の補助しかなかつた。その開きが今日まで影響しておるというような状態でございまして、この開きをカヴアーするためには、現在の状態においては先ず引揚者の方の予算について御援助を願うということ、それから将来この開きは速かに解消するように努力すべきであるということであると思います。
#127
○天田勝正君 ちよつとお答えの庶民住宅の二万七千一百戸の点について、どういうことかという説明が今なかつたのですが、この点が一つ。それからあと更にこれは念を押して置くわけですが、石原政府委員は目下のところ百五十億の住宅融資、これの中で別の枠は取つてないという話でありますが、話合いをつけられるならばこれは取れると思うのですが、そういうことは可能であるがどうかということを、念のために伺つて置きます。
 それから更に野田説明員に対しては、私の承知しているところでは、無縁故者住宅は二十五年度予算では八千戸、こう記憶しております。そのうちにおいてあなたの言う一千戸とは、その中における一千戸であるとこう存じてよろしいかどうか。
#128
○説明員(野田哲五郎君) 無縁故者住宅との関係は、八千戸の中の一千戸というふうになつております。
#129
○天田勝正君 二万七千一百戸は庶民住宅ですか。
#130
○説明員(野田哲五郎君) それは存じておりません。
#131
○政府委員(石原周夫君) 百五十億の住宅金融公庫の中で開拓者の分が取れる可能性があるかというお尋ねであります。住宅金融公庫の案の実施につきましては、建設省が主として監督の権限に当りますので、私共この席上で可能性があるかないかということをお答えするのはちよつとむずかしいような気がするのであります。先程そういうことを聴いてはないと申しましたが、従来まで私共の事務的連絡のありましたところでは、建設費の内訳にそういうものが入つていないと思います。私共の方で可能性があるかないかということを申上げるのは少し無理であると思います。その点御了承願いたいと思います。
#132
○油井賢太郎君 この案の第二のところに「予算の定めるところにより」ということがあるのですが、この予算を誰が一体定めるのですか。今年はどれだけを繰り入れて貰いたいということを大蔵省から要求するのですか。或いは貸付金の性質によつて、これは一般会計の方へ返す分であるとか、或いはこれは特別会計の借入金によつて賄つたものだから、そつちへ返すものであるというふうな決め方をしているのですか、その点を明確にして貰いたいと思います。
#133
○政府委員(石原周夫君) 第二項の償還の場合におきまする「予算の定めるところにより」ということでありますが、この予算は何で定めるのかというお尋ねでございますが、これは特別会計の収支を睨み合せまして、この特別会計の予算の歳出予算におきまして、これだけの金を一般会計に繰入れるということを歳出に組みまして、これは国会の議決を経ますれば、それによつてここに申しまする「予算の定める」ということに相成ります。要求という点につきましては、これは勿論農林省が数字を持つておるわけでありますから、農林省が今回の收支の状況を睨んで要求書を持つて参る。内閣として意見を決定いたしまして決められて、予算で決まる。ここに言うところの予算は具体的に何を言うかという点につきましては、この特別会計の歳出予算、そこで一般会計に繰入れるということで決まるのであります。
#134
○油井賢太郎君 そうしますと貸付金の性質によつてやるのじやなく、農林省の方で適当に振分けをする、この解釈をしていいのですか。
#135
○政府委員(石原周夫君) 振分けとおつしやいますのは……。
#136
○油井賢太郎君 つまり説明が足らなかつたと思いますが、この一般会計から出したものは二十五年度の貸出金に該当するわけですね。そうしますと二十五年度の貸付金が償還されたものを、この一般会計の方へ返すものとして計上して行くのか、或いは総体的に全部引括めて、今年はどのくらい余裕があるから一般会計に出すか、そういうような方法で行くかということです。
#137
○政府委員(石原周夫君) それはこう承知してよろしいかと思います。つまり二十三年度は借入金て賄い、二十五年度は一般会計から行つているから、入つたものを両方にどう振分けるかという考え方が一つである。もう一つはこの借入金で、繰入れたもので貸付けたものが返つて来た。その返したものを……その金を返して置いて、元の一般会計へ返す、こういういずれによるかという二つであります。その点につきましては、この法律案自身といたしましては、どちらかということを特に決める意思はございません。実情によりまして或いは借入金を返還いたし、或いは一般会計に入れてもいい、いろいろな場合があるわけであります。その場合に全体の金額の振合とか、或いは今おつしやいました二十三年度の分は一体本年度に幾ら入つて来たという、そういう原因の関係から、おのずからその中に反映されると思いますけれども、機械的にどこから来た金だということで、振分けは必ずしもしないでよろしいという趣旨に御了承願いたいと思います。
#138
○板野勝次君  先程石原政府委員が農業パリテイのことを言つておられましたけれども、私の聴き方にして間違いがなかつたならば、農業パリテイの百六十五年というものと、営農資金の金額というもの、ちよつとそれが分らないのですが、農業パリテイとはどういうパリテイによつておるものか、御説明願いたいと思います。
#139
○政府委員(石原周夫君) 先程申上げましたように、六万四千円という金額は、これは昭和二十三年度に決めた金額でございます。それで昭和二十三年度にその当時の大体状況を睨み合せまして、初めその当時の物価を以て決められているというふうに御覧願つてよろしいかと思います。ところがその後御承知のように物価が動いておりますので、従いましてこの営農資金、共同作業施設というようなものに当てます現実の出資というようなもので、物価の動きによつて動いて又違つて来るだろう、こういうふうに考えております。それを掴まえますのに日本銀行の指数でありますとか、CPSとか、いろいろなものがございますが、この金の使われます内容から申しまして、やや権威のあると申しますか、そういう数字として農業パリテイでいいのではないか、これは一番近い数字であるまいかという考え方であります。従いまして昭和二十三年上半期の、先程申上げました九一・八にいたしまして、昭和二十五年度のパリテイ指数を掴えまして、百六十五、ここで申しますパリテイというのはいわゆる農業パリテイでございまして、御承知の米価、麦の値段、そういうものを決めますパリテイでございます。
#140
○板野勝次君 そうしますとこの農業パリテイというのは、米価算定の場合に使われているパリテイ指数というものが算定の基礎になつているということは了承しましたが、それは二十三年度にパリテイで六万三千円という計算ができたものなら、その後ずつとパリテイの状態が変つて来ているから、六万五千円という営農資金というものが、パリテイ指数が変つて行くに従つて変えられなければならない筈だと思うのです。ところが只今の御説明を聴いておりましても、少しもこれは変つていなのじやないのですか。六万四千円というものは……。
#141
○政府委員(石原周夫君) 私の説明の順序がそうでありましたために、今お尋ねのようにお考えになつたのかと思いますが、先程私申上げました六万四千円から、いきなり一・八をお掛け下さいまして、第一年四万五千円、第二年一万三千円、第三年一万五百円ということを申上げましてが、いきなり一・八をお掛けになつてよろしいわけであります。私にちよつと六万四千円の内訳を申しまして、最後で一・八を掛けましたので、そのために今のような疑問が生じたと思いますが、内訳をもう少しお分りになるようにしますためには、四万円にいきなり一・八をお掛けになつたものが一年度になるというふうにお考え願つていいと思います。
#142
○板野勝次君 そうしますと、大体農業パリテイの米価算定の基礎になるパリテイ指数というものがそもそも問題であつて、農産物価が都会の工産品に比してシエーレ差が出て来る。そういう條件の下にやられるのだから、元来米を作つているものがパリテイをごまかされてうまくやつて行けない。そういう低い指数が現に出て来ておる。シエーレ差というものを基礎にして、営農資金の資金融通の算定の基礎になつておるから、先程営農課長が説明されたことく、三分の一程度は安定と言つても、これはもう殆んど危険線上にある状態ではないかと思う。後の三分の一が、安定、不安定の線を彷徨し、三分の一が危険線にある。こういうようなことで大体の開拓者の現在の状態を見れば、折角入植してうまくやつて行こうという希望に燃えていたけれども、実際にはこういう辛いパリテイで資金が融通されているために、につちもさつちも行かない。こういうことになると思うのですが、その資金融通の基礎というものを、農業パリテイ指数に置かないで、他の方法に求めることはできないのかどうかということと、それからパリテイ指数がそういつた場合に果して適当であるかどうか、若しそういう適当であるという積極的な根拠と言いますか、そういうものがあるのならばお伺いしたいと思います。パリテイに置かれた理由も併せてお伺いしたいと思います。
#143
○説明員(野田哲五郎君) この融資金の算定の基礎をパリテイに置きましたのは、只今石原政府委員から御説明がありましたように、いろいろの種類の指数をとります中で、一番開拓者に関係の深いものという意味でとつたわけであります。従つて御指摘の通りに、このパリテイ指数そのものに若干の欠陷があると思いますけれども、今日強く依存し得る指数といたしまして、これが一番合理的なものではないかという考えでやつたわけであります。又この資金融通法におきまして、融資金の償還の場合におきましては、米価の増減によりまして償還金を増減するという規定がございますが、この米価という観念から見ましても、パリテイ指数をとることが最も合理的であると、かように思つておるわけであります。
 尚この際附加えさして頂きたいと思いますのは、只今開拓者安定度のを三分の一、三分の一というふうに区分けして申したのでありますが、開拓者の営農の趨勢を見ますると、急速に営農成績が上昇しておるであります。従つて現在不安定な状態にあります最後の三分の一につきましても、この趨勢で行きますならば、必ず安定の域に達し得るというふうに考えておるわけでありまして、若しこれが将来脱落の危険ありというふうに御解釈頂きますならば、その点は御是正願いたいと、かように思うのであります。
#144
○板野勝次君 今の課長の説明から行きますと、了解に苦しむのですが、危険線にあるというだけじやなくて、すでに相当脱落者が出ておるということだけは否定することができないと思うのです。それなのに営農成績が上昇すると言つても、現在の農家全体が非常に窮乏の中にあるのに、どういつた因縁が出て来て、危険線から今度は安定度を高めて行く、つまり希望の持てる條件ですね、その條件がなければ営農成績というものが上昇する筈はないと思う。すでに今までやつて来ておる農家でさえも、米価は安いし金詰りだし、税金は重いというので参りかけて来ておるときに、ましてこういう人達が何らかの助成される有利な條件ができて来たら、これを挺子として上昇して行くというのなら分るんですけれども、今の御説明では上昇する挺子というようなものは何も御説明されなかつた。どこを條件とされて上昇し得るか、その根拠です。
#145
○説明員(野田哲五郎君) 開拓者の脱落がありますことは、これは現実の統計数字として相当出て参つております。併しこの脱落の原因は、緊急開拓の当初におきまして農業未経験者が殺到いたしましたのが、その後の情勢によりまして脱落したのでありまして、大体調査してみますると、各年次脱落数というものは激減しております。例えば昭和二十年度に入植した人の脱落状況を見ますると、二十年度に一〇%ありましたものが、二十四年度に参りますと一%というような数字になつて来まして、脱落の趨勢は大体止つたというふうに解釈しております。併して最近二十三年度以降は、入植者を厳選するようにいたしましてやつておりますので、脱落の率というものは人的関係から見まして非常に減つて来るのじやないか、かように思うのであります。それから農業経済の状況が非常に悪化して参りますことは、開拓者にとりましては非常なマイナスに作用するい思いますが、一方におきまして開拓者の生産力というものは年々急速に増加しつつあるのであります。即ちその一つの表示といたしまして、開拓者の反当収量の増加というようなものを見ますると、開墾しまして三年目あたりになりますと、大体開墾当初の二倍ぐらいの生産力を持つようになるわけであります。でかようなことを考えてみますと、開拓地の内容というものが相当安定度に向つて行くのじやないかと、かように考えるわけであります。で、農業経済の悪化に伴う影響は、又別の対策として考えて行く必要がある、かように考えているわけであります。
#146
○油井賢太郎君 政府委員に一点伺いたいのですが、先程利子の点で以て、三分六厘五毛といいましたか、そういうふうな利子で以てこの貸付金はなされている。これはこの前審議いたしました国民金融公庫あたりの方の、いわゆる庶民階級に対しては一割の利子をとる、大分この間に開きがあるのですが、どういうわけでこういうふうに開きのある利率を決めておられるのか、この点御説明願いたい。
#147
○政府委員(石原周夫君) 只今のお尋ねは、この特別会計から開拓者に貸します方の金利かと思いますが、そうでございますね。
#148
○油井賢太郎君 そうです。
#149
○政府委員(石原周夫君) おしつやいますように、金利のベースが段々動いて来ておりますに拘わらず、この貸付金利は今申上げたように三分六厘五毛になつている。それが国民金融公庫あたりに比べてという比較のお話なんですが、この特別会計が始まりましたときの趣旨から申上げますると、開拓者の農業経営というものは非常に苦しい。これで少くとも最初に出します金につきましては、これは一般の金利の趨勢から離れまして、いわば或る低い基準に置いておく必要がある。こういうところからこれは特別に金も政府自身が出す。で、借入金とそれから貸付金との間に、即ちこの会計が従来ならば二十三年度までは借入が少かつたのでありますが、実際借入金は、先程はうつに三分六厘五毛ということを申しましたが、実は年々殖えておりまして、昭和二十二年度のごときは五分であります。でありまするから昭和二十三年度におきましては、五分の金を借りておいて、三分六厘五毛しか拂わないのでありますが、そういうような、実際上の利子は引下げられますような形に相成りましても、やはりそこまで開拓者というものは見てやる必要があるのじやないかというのが、この特別会計を作りました当時の考えであります。今日でも依然としてその考え方の通りであります。それ以外のいろいろな……、御指摘のような国民金融公庫そのものはどうであるかということでありますが、これは特殊なむずかしい條件の下にスタートをする人達に対して特別の補給をするという趣旨で参つております。
#150
○油井賢太郎君 今のような制度の、金利の安い何か政府の施策というものは外にもありますか。
#151
○政府委員(石原周夫君) ちよつと今のところ思い当りませんが、外にやはり農林省関係で一つか、二つかあつたと思いますが、思い付きましたら一つ……。
#152
○理事(黒田英雄君) 本日はこの程度で散会いたしたいと思います。明日は午前十時から開会いたします。これを以つて散会いたします。
   午後四時十一分散会
 出席者は左の通り。
   理事      黒田 英雄君
   委員
           天田 勝正君
           森下 政一君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           平沼彌太郎君
           木内 四郎君
           油井賢太郎君
           小宮山常吉君
           板野 勝次君
           川上  嘉君
           米倉 龍也君
  政府委員
   大蔵事務官
   (主計局次長) 石原 周夫君
   大蔵事務官
   (証券取引委員
   会事務局長)  湯地謹爾郎君
   大蔵事務官
   (証券取引委員
  会事務局次長)  三井 武夫君
  説明員
   農林事務官
   (農地局営農課
   長)      野田哲五郎君
   国民金融公庫理
   事       最上 孝敬君
ソース: 国立国会図書館
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