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1978/10/17 第85回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第085回国会 法務委員会 第2号
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1978/10/17 第85回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第085回国会 法務委員会 第2号

#1
第085回国会 法務委員会 第2号
昭和五十三年十月十三日(金曜日)委員長の指名
で、次のとおり小委員及び小委員長を選佐した。
 証人及び証言等に関する小委員
      上村千一郎君    羽田野忠文君
      濱野 清吾君    三池  信君
      保岡 興治君    山崎武三郎君
      渡辺美智雄君    稲葉 誠一君
      横山 利秋君    飯田 忠雄君
      高橋 高望君    正森 成二君
      加地  和君
 証人及び証言等に関する小委員長
                上村千一郎君
―――――――――――――――――――――
昭和五十三年十月十七日(火曜日)
    午前十時十七分開議
 出席委員
   委員長 鴨田 宗一君
   理事 濱野 清吾君 理事 保岡 興治君
   理事 山崎武三郎君 理事 稲葉 誠一君
   理事 横山 利秋君 理事 高橋 高望君
      逢沢 英雄君    稻葉  修君
      上村千一郎君    木村 武雄君
      篠田 弘作君    田中伊三次君
      二階堂 進君    松永  光君
      森下 元晴君    渡辺美智雄君
      西宮  弘君    飯田 忠雄君
      長谷雄幸久君    正森 成二君
      加地  和君    鳩山 邦夫君
      楢崎弥之助君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 瀬戸山三男君
 出席政府委員
        法務政務次官  青木 正久君
        法務大臣官房長 前田  宏君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 枇杷田泰助君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局総務局長  大西 勝也君
        最高裁判所事務
        総局人事局長  勝見 嘉美君
        最高裁判所事務
        総局刑事局長  岡垣  勲君
        法務委員会調査
        室長      清水 達雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
十月十六日
 辞任         補欠選任
  正森 成二君     寺前  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  寺前  巖君     正森 成二君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  原 健三郎君     松永  光君
  前尾繁三郎君     森下 元晴君
  三池  信君     逢沢 英雄君
  阿部 昭吾君     楢崎弥之助君
同日
 辞任         補欠選任
  逢沢 英雄君     三池  信君
  松永  光君     原 健三郎君
  森下 元晴君     前尾繁三郎君
  楢崎弥之助君     阿部 昭吾君
    ―――――――――――――
十月十三日
 刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を
 定める法律案反対に関する請願(兒玉末男君紹
 介)(第一四二五号)
同月十四日
 刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を
 定める法律案反対に関する請願(稲葉誠一君紹
 介)(第一五二九号)
 同外一件(武藤山治君紹介)(第一五三〇号)
 同(石橋政嗣君紹介)(第一六八一号)
 同(角屋堅次郎君紹介)(第一六八二号)
 同外一件(西宮弘君紹介)(第一六八三号)
 同(武藤山治君紹介)(第一六八四号)
同月十六日
 刑事事件の公判の開廷についての暫定的特例を
 定める法律案反対に関する請願(浦井洋君紹介)
 (第一八四〇号)
 同(工藤晃君(共)紹介)(第一八四一号)
 同(小林政子君紹介)(第一八四二号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第一八四三号)
 同(瀬崎博義君紹介)(第一八四四号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一八四五号)
 同(津川武一君紹介)(第一八四六号)
 同(東中光雄君紹介)(第一八四七号)
 同(松本善明君紹介)(第一八四八号)
 同(安田純治君紹介)(第一八四九号)
 同外一件(山原健二郎君紹介)(第一八五〇号)
 同外二件(稲葉誠一君紹介)(第二六四〇号)
 同(岡田哲児君紹介)(第二六四一号)
 同(田邊誠君紹介)(第二六四二号)
 同外二件(西宮弘君紹介)(第二六四三号)
 同外一件(八百板正君紹介)(第二六四四号)
 同外一件(横山利秋君紹介)(第二六四五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第四号)
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第五号)
     ――――◇―――――
#2
○鴨田委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたします。
 本日、最高裁判所大西総務局長、勝見人事局長及び岡垣刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○鴨田委員長 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。正森成二君。
#5
○正森委員 私は、裁判官、検察官の給与の一部を改正する法律についてこれから質疑をさせていただきたいと思います。
 さきに質問されました議員が質問をなさった点も含まれておりますが、若干取り上げる観点や、あるいは論議の仕方が異なる点がございますので、最初のうち若干重複することをお許しいただきたいと思います。
 裁判官に関係いたしましては、判事補クラスの下級裁判官は報酬も増額になりますが、それ以上の裁判官は据え置きのままと承知しております。そうしますと、人事院勧告で期末手当がいままでの二カ月から一・九に、すなわち〇・一カ月縮減されることになるわけです。そうしますと、これは憲法七十九条で言う「最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相當額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。」憲法八十条では、下級裁判所の裁判官について同種の定めがあります。これとの関係で一定の問題点を生ずる余地があるというように思います。たとえば宮沢俊義あるいは清宮諸教授の解釈では、法律によるにせよ行政行為によるにせよ、減額できないのだというように主張されておりまして、私の承知しておりますところでは、昭和六年に、当時の裁判所構成法第七十三条で裁判官が減給されるという問題がございましたときにも、当時は憲法上の保障がなかったにもかかわらず、同意した裁判官のみ減額する、同意しない裁判官には旧来どおりを支給するということで解決したように承知しておるわけです。現行法でも、減額という場合には、法施行後に任命された裁判官にのみ適用すべきで、従前から任命されておる裁判官には適用すべきでないという有力な学説もあることは御承知のとおりであります。こういう問題点について最高裁はどのように解釈をしておられますか。
#6
○勝見最高裁判所長官代理者 期末手当の減額が実現いたしますとすれば、裁判官につきましても期末手当が、特に判事一般に期末手当〇・一カ月分減額となるわけでございますが、御指摘になられました憲法問題につきましては、結論的に申し上げますと、憲法に言う保障には入らない、したがって、憲法上の問題は生じないというふうに考えております。
 なお、戦前の昭和六年でございましたか、官吏一般に減俸の問題が生じまして、判事につきまして御指摘のような事例があったことは承知しておるところでございます。
#7
○正森委員 憲法七十九条、八十条に言う減額に当たらないという意味は、結局「すべて定期に相當額の報酬を受ける。この報酬は、」となっておりますから、報酬に当たらないという趣旨ですか。
#8
○勝見最高裁判所長官代理者 憲法で言う報酬に当たらないという趣旨でございます。
#9
○正森委員 清宮教授の説によりますと、相当額の報酬あるいは報酬の相当額とは、裁判官としての職務に専心できるほどであり、その地位に相当する生活を営むに足る額を言うというように言うておられるわけですね。また、同僚委員の質問に対して勝見人事局長は、減額によって職務に影響が出るなら憲法上の問題になるというようにすでに答弁されていると思います。
 そうすると、こう解釈してよろしいか。期末手当の〇・一カ月の削減の場合には、いわゆる憲法七十九条、八十条に言う報酬の減額には当たらないけれども、もしこれが一カ月ないし二カ月の削減というように、職務に影響が出る程度の減額あるいはその地位に相当する生活を営むに足る額に疑問を生ずるような減額の場合には、期末手当の場合でも報酬に含まれる場合があり得るというふうに解釈していいのですか。
#10
○勝見最高裁判所長官代理者 期末手当につきましては、前回、稲葉委員の御質問にお答えしたとおりの考えを持っている次第でございますが、現行法に即して申し上げます限りにおきまして、現行法のたてまえが期末手当というものを手当一般――そのうちの期末手当か現実問題になっているわけでございますが、手当一般が報酬に当たらないという考え方を持っております。
 現実に今度の改正案は、一般職につきまして〇・一でございますが、これが御指摘のように全面的に、仮に全額期末手当を支給しないという問題になったらいかがかというお尋ねかと存じますが、その手当に対する基本的な考え方を前回申し上げたとおりであるといたしますと、大変極端な場合の例に対しまして非常にお答えしにくいわけでございますけれども、現行法の立て方からすれば憲法上の問題は生じないというふうに考えます。
 ただ、質問にないところを申し上げまして大変恐縮でございますが、一般職は減額しないで、仮に裁判官だけ減額というような事態でございますれば、憲法の精神から言って、先ほど御指摘の憲法七十九条、八十条の違反の問題はさておきまして、憲法のたてまえから言って問題が生じ得る余地があるというふうに考えます。
#11
○正森委員 いまの勝見人事局長の答弁は、十三日の本委員会における答弁に比べて著しい後退ですね。十三日のときには、減額によって職務に影響が出るなら憲法上の問題になるというように明瞭に答えておられるのですね。ところがきょうの答弁によると、裁判官給与法ですか何かに、期末手当というのは報酬に含まれないという規定がある、それを根拠に現行法のもとでは憲法上の問題は起こらないなどと言うのは、あなた、人事局長になって大分長くなるからかもしれないけれども、裁判官としておよそ答うべからざることじゃないですか。法律の規定がこうだから憲法上の問題が起こらないなんて言えば、法律で決めてしまえば永久に憲法上の問題が起こらないということになるのです。法律がいかように決めておろうとも、一定のこういう場合には憲法違反の問題が生ずるというのが憲法解釈の当然の態度じゃないですか。現行法のもとでは、期末手当がゼロになろうと勤勉手当がゼロになろうと、月々の決まった報酬とされておるもののみが変わらなければ、現行法がそうなっておるのだから憲法上の問題は起こらないなどと言えば、これは憲法なんてなきに等しいじゃないですか。法律がどう決めようとも、それは憲法違反の場合があり得るという解釈権を持っておるからこそ、最高裁判所は一定の意味があるのでしょう。あなたのいまの答弁は、およそ最高裁の答弁として聞けないですね。もう少し権威を持って答えなさい。
#12
○勝見最高裁判所長官代理者 憲法上保障されております裁判官に対する相当な報酬につきましては、法律で御審議いただいているわけでございます。現行法のたてまえから先ほど申し上げましたような答弁を申し上げた次第でございますが、現行法律の解釈をもって憲法の解釈をするという解釈態度がおかしいとおっしゃる点はそのとおりでございます。
 ただ、私の申し上げますのは、現行法、憲法法規、憲法法体系のもとで裁判官に関して申し上げますれば、裁判官の報酬等に関する法律でいわゆる報酬額を定められておりまして、その報酬額が憲法で言う相当な報酬ということで法律で決められているものと考えます。その相当な報酬額は、現行法律のもとにおける別表に掲げてあります報酬の額が相当であるといたしますれば憲法の問題は生じないというふうに申し上げた次第でございまして、憲法の解釈に法律論を持ってきたという趣旨ではないつもりでお答えしたつもりでございます。
#13
○正森委員 ないつもりでお答えしたといいますけれども、聞いておる者からすれば、法律の規定をもって憲法の解釈にかえるというように受け取られても仕方のない答弁だった。それは最高裁の答弁としては非常に遺憾であるというように私は指摘しておきたいと思います。
 特に、いまの答弁の中で裁判官の給与に関する法律で報酬と手当とを分けておりますけれども、それじゃ私は聞きますが、判事八号俸、つまり、今回増額しないという方々について、給与法に言う報酬だけなら年額どのくらいになるのか、その他の手当を全部含めると年額どれぐらいになるか、答えてください。
#14
○勝見最高裁判所長官代理者 お手元に差し上げてございます資料の五十二ページにございますが、改正後の判事八号の調整手当等を含めまして、年額六百三十七万六千九百五十六円に相なります。
#15
○正森委員 それからもう一つ、報酬だけなら。
#16
○勝見最高裁判所長官代理者 報酬だけでございますと三十五万四千円でございます。
#17
○正森委員 年額では。
#18
○枇杷田政府委員 判事八号で、改正後の状態で一年間報酬月額を計算いたしますと四百二十四万八千円となります。それにもろもろの手当を加えました金額が六百三十七万六千円余ということに相なります。
#19
○正森委員 いまお聞きになって明らかなように、期末手当等を加えますと六百三十余万になります。それが、法律で言う報酬だけですと四百二十万ぐらいだという答弁であります。つまり全体の額の三分の一を占めるわけですね。ですから、この期末手当等の手当は、裁判官の生活確保について重要な意味を持っておると言わなければなりません。単に付加的な、一割程度のものではないのです。全体の年報酬の三分の一を期末手当が占めているわけです。
 ところが、勝見人事局長の答弁によると、これがたとえゼロになっても憲法上の問題は起こらない、なぜならば法律にそういうように規定してあるからであり、法律の報酬という考え方が憲法七十九条、八十条に言う保障されている報酬に当たると思われるからだという考えなんです。私はこういう血も涙もない考え方を当の裁判官の最高裁当局がとっておるということは非常に問題であると思います。
 勝見人事局長は十三日には、減額によって職務に影響が出るなら憲法上の問題になるという一応評価できる答弁をしましたが、こういう答弁の態度をとるなら、仮に月額の報酬そのものには変わりがなくても期末手当等に重大な減額の措置があって、たとえばいま言うた判事八号俸で六百三十七万もらっておるのがゼロになって、報酬だけの四百二十余万になるというような事態が仮に起こり得るとすれば、最高裁としては、憲法上問題があるということで、予算上の措置について法務大臣と折衝すべき当然の義務がある。そうでなければ、それは憲法上の問題はないので、ほかの公務員も同じように減額されるなら裁判官も当然のこととして甘受すべきであるかのごとき態度は、憲法上の保障がなかった昭和六年の大審院等の態度にも、あるいは司法省の態度にも劣るものじゃありませんか。私は法務大臣に伺いたいと思いますが、政府としてはどう思いますか。
#20
○瀬戸山国務大臣 憲法で裁判官の報酬というのを特別に決めまして、そしてこれは減額はできない、こうなっておりますのは、前にも申し上げました、正森さんも十分御承知のとおり、裁判官の独立を保持するためにあるということです。裁判官の独立というのは非常にむずかしいことだと思いますが、この点だけを言いますと、経済的な事情によって裁判官の独立を侵してはならないという意味でこういうことになっておる。
 そこで、いま議論になっておりますのを聞きますと、問題は、一体裁判官の地位を保つためあるいは体面を保つ、裁判の公正を期するための立場を維持するためにどのぐらいの報酬がいわゆる相当の額の報酬か、これが問題になると思うのです。これはどのぐらいということは非常にむずかしいと思いますが、いま決めておるのが相当である、わが国の、あらゆる問題を総合して判断すると、裁判官にはこの程度が裁判官の相当の報酬、こういうことを憲法の趣旨に従って法律で定められている、こういうようにわれわれは見ておるわけでございます。これはその点が前提になって、したがって裁判官の立場を汚す、こういう意味においては法律によってもあるいは行政措置によってもこれを減額することは許されない、こういうたてまえであろうと思います。いま問題になっておりますのはいわゆる期末手当、その別の意味の手当をどうするかということになりますが、それを含めて裁判官の地位あるいは体面を汚すということになると、これはやってならないと思いますが、現在の状況ではその程度にはなっておらない、こういう判断をしておるというように御理解をいただきたいと思います。
#21
○正森委員 私は、法務大臣の答弁の方がずっと裁判官に対する配慮があると思うのですね。私も、期末手当が〇・一カ月の削減である、そして資料もいただきましたが年額として数万円程度の減額にとどまる裁判官が多いということですから、これは裁判官の独立を侵すようにはいまだ至っていないのではないか。しかも他の行政職の官吏も同じような扱いを受けるというようには思って、特に裁判官の給与に関する法律関係でも報酬と手当は分けておりますから、直接憲法問題にはいまだ至らないのではないかと思いますが、これが、手当が非常に大幅に削減されるというようなことで、裁判官が職務を十分に行い、司法の独立を何ら不安なく行使できるのに疑義があるような状態に至れば、法律の文言にかかわらず憲法上の問題点というのは出てくるというように解すべきが当然で、法務大臣の答弁は、そういうことにならないように配慮しなければならぬというのがあふれ出ていたと思うのですね。ところが、勝見人事局長は最高裁の立場で答弁しておるにもかかわらず、余りにもそういう点についての配慮に欠ける答弁で、十三日にせっかくある程度評価できる答弁をしたのに、それからさらに後退するものであります。
 もう一度重ねて聞きますけれども、期末手当等についても著しい減額がなされて、裁判官の相当な生活を維持するというような、そういう点に問題が生じるというようになった場合には、これは軽々しく行うべきではない、場合によっては憲法上の問題になるというように考えるべきではありませんか。
#22
○勝見最高裁判所長官代理者 大変恐縮でございますが、現行法のたてまえの前提で申し上げた次第でございます。
#23
○正森委員 委員長、現行法現行法と言っているけれども、私は憲法上の問題を言っているのですよ。この勝見という男には憲法はないのですか。
#24
○勝見最高裁判所長官代理者 憲法を決して無視する、そういう趣旨ではございません。先ほどのお尋ねが、現在の期末手当がゼロになったらどうかというお尋ねがございましたが、そのようなことのないように御配慮いただきたいというふうに考えますが、確かにゼロということはちょっと想定いたしかねますけれども、そういう場合に憲法上の問題が生じないかということでございますれば、その際は、先ほど大臣が申し上げましたとおり私どもといたしましてもそのようなことがないように御配慮いただきたいというふうに考えます。結局は、期末手当が仮に報酬に食い込む程度の相当大幅な、現在の給与体系の中で期末手当の占める率が非常に大きくて、それが大幅に減額されるような場合にはもちろん憲法上の問題は生じ得ると思います。
#25
○正森委員 そういう答弁なら結構です。私がこういう問題を言いますのは、全国で裁判官懇話会というのが九月ごろあったようですが、その中にも裁判官から重大な疑義あるいは意見が出されているのですね。私は、その詳しい内容は存じておりませんけれども、たとえばその中で、従来の計算による額の範囲内で改正後の計算による不足額がある場合には、経過規定を設けてカバーさせてはどうか、その後昇給になったりあるいは改正が行われてもとの額に達したような場合には、これは経過措置をなくするというような措置もとれないだろうかという問題提起がなされているはずなんですね。私は、裁判官については〇・一削減を全くやらないということの折衷的な考えで、聞くべきところもあるというように思うのですね。そういうような真摯な声が出ている。この裁判官も直ちに憲法違反になるとは言っていないようですけれども、そういうような考えも出ているときに、上の最高裁の事務当局が非常に冷淡であるというようなことでは、本当に裁判官の独立、地位保全を行うことはできないんじゃないかというように私は指摘しておきたいと思います。
 そこで伺いたいのですが、横川札幌高裁長官がこの間「判例タイムズ」に物をお書きになったことはすでに他の同僚委員も御質問になったとおりであります。その中でこう言っているのですね。「右の立場からこのさい最高裁に要望しておきたいことは、時の政府から一歩はなれた広い視野と遠い展望に立って、事実の具体性に即して問題の解決をはかられたいということ」、こういうぐあいに書いておられるのですね。それはまさにそのとおりだと思うのです。私はきょうの答弁を聞いておりましても、この最高裁の事務当局の態度は「時の政府から一歩はなれた広い視野と遠い展望」に立つどころか、時の政府の法務大臣の見解よりもまだ裁判官に対して悪い、実に情けない。横川札幌高裁長官の指摘は、当然過ぎるほど当然だというように思わざるを得ないのです。私はこういう問題点を指摘して、現段階では憲法違反の問題は起こらないのではないかというように私自身は判断しますけれども、答弁の過程にあらわれた現法体系ではとか、現行法のもとではとか言って憲法というものがちっとも出てこない最高裁の事務当局の答弁態度に対しては、厳重な反省を求めておきたいというように思います。
 それでは、次に質問をしたいと思いますが、簡易裁判所というのがありますが、簡易裁判所というのは本来どういう精神から設けられたものですか。
#26
○大西最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
 新しい憲法のもと、裁判所法ができまして簡易裁判所というのが新たに設けられたわけでございますが、その簡易裁判所を設けるときの当初の設置目的と申しますか、それは少額、軽微な事件を簡易に迅速に処理する裁判所ということで構想されたというふうに承知しております。
#27
○正森委員 ここに「司法制度改革の経過」と題する司法研修所の「司法研究報告書」があります。これを拝見いたしますと、簡易裁判所というのは、裁判所の民主化という点で並み並みならぬ意欲を持ってつくられたもののようであります。当初は全国の警察署に一つくらいは簡易裁判所をつくって――違警罪即決例か行われておったけれども、そういうことのないように、裁判所にこれを行わさせるだけでなしに、民衆に非常に近づきやすいものにするというような意見がございまして、結局のところは警察署二つか三つに一つを設けるということに落ちついたようでございますけれども、たとえば枢密院におけるいろいろの問題点の指摘に際しましても、従来の違警罪即決例はこれを廃止して、この種の事件はすべて簡易裁判所で扱うものとするというような質疑応答が行われているようであります。そういう意味からいいますと、簡易裁判所というのはいわゆる駆け込み裁判所という性格も持ちまして、また弁護士などのいない僻地では法律相談の役割りを簡易裁判所が果たすということで、民衆に非常に親しまれているものであります。
 この簡易裁判所というのは、法律によりまして、簡易裁判所の廃止というのは法律によらなければできないものというように思いますが、いかがですか。
#28
○大西最高裁判所長官代理者 裁判所法によりますと、下級裁判所の設立、廃止及び管轄区域に関する問題は法律によってこれを定めるというふうに規定しておりまして、これを受けまして下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律という法律ができておりまして、その別表に庁名が書いてございます。したがいまして、その別表を削除するという形で廃止が行われる、こういうことに相なるわけでございます。
#29
○正森委員 いまの説明でわかりましたが、そうすると、別表の削除を行わなければ廃止ということはできない、こういうことになるわけですね。
#30
○大西最高裁判所長官代理者 ただいま正森委員御指摘のとおりでございます。
#31
○正森委員 事務移転という制度があるようでございますが、事務移転というのは、これは法律で決まっておりますが、その三十八条だったかと思いますが、事務移転を行う場合にはどういうような状況が必要ですか。
#32
○大西最高裁判所長官代理者 御承知のとおり、裁判所法三十八条によりますと「簡易裁判所において特別の事情によりその事務を取り扱うことができないときは、その所在地を管轄する地方裁判所は、その管轄区域内の他の簡易裁判所に当該簡易裁判所の事務の全部又は一部を取り扱わせることができる。」かような条文に相なっております。ただいま御質問の点は、この「特別の事情」ということにかかわるものかと存じますが、これはいろいろ考えられるわけでございます。たとえば天災地変でございますとか騒乱、それから疾病の流行でございますとか、庁舎が腐朽したとか、庁舎の確保困難といったような事情に基づきまして、官署としての簡易裁判所の人的物的施設について長期にわたる故障が生じたとき、こういう解釈で一応私どもの方としては事務移転を行っておる、こういうことでございます。
#33
○正森委員 裁判所が出しました裁判所法の解釈によりますと「特別の事情」とは、天災地変、騒乱、疾病の流行、庁舎の腐朽、庁舎の確保困難等に基づき、官署としての簡易裁判所の人的物的施設について長期にわたる故障が生じたこと、地方の民衆に訴訟の状況その他の事情により裁判の公平を維持することができないことなどを言う、こういうようになっておりますが、そういうことと解釈してよろしいわけですね。
#34
○大西最高裁判所長官代理者 いま仰せのとおりでございます。
#35
○正森委員 そこで伺いますが、東京都の五日市に簡易裁判所があります。また長崎に長崎小浜簡易裁判所がありますが、これが五日市については十月十六日に事務移転されたようであります。また小浜も年内に事務移転されるということのようでありますが、事実そういうように考えておるのですか。
#36
○大西最高裁判所長官代理者 先ほど申し上げましたように、簡易裁判所の事務移転は管轄地方裁判所が決めるということになっておりまして、五日市簡易裁判所につきましては東京地方裁判所、長崎小浜簡易裁判所につきましては長崎地方裁判所がそれぞれの手続によってそういう決定をしたというふうに私どもとして報告を受けております。施行の時期としましては、五日市につきましては十月十六日から、それから長崎小浜簡易裁判所については十一月一日から施行するということで決定したという報告を受けております。
#37
○正森委員 ところが、この二つについては、いま「特別の事情」に挙げているようないずれにも実際上は当たらないのですね。それで、それぞれの町あるいは市からはぜひ残してほしいという要請が出ておりまして、それでそのためのいろいろな地元の便宜も計らうということを言って、ただ最高裁が庁舎を新しく建てる若干の予算を組んでくれれば、簡裁の場合ですからせいぜい数千万円でありましょうが、そうしたら老朽といいましても新しくやっていける、現在の庁舎もどうしてもやれないほど老朽というわけではないというように聞いているにもかかわらず、事務移転ということが行われて、実際上は移転したまま帰ってこないということで、別表の廃止でなければ行えないような配置を事実上行おうとしているという批判が地元に非常にあるわけであります。これについて最高裁はどういうように考えておりますか。
#38
○大西最高裁判所長官代理者 五日市簡易裁判所につきましても、長崎小浜簡易裁判所につきましても、庁舎が非常に腐朽しておりまして、雨漏りその他非常に執務に困難を来している状況にあるわけでございます。それぞれの地方裁判所におきましても、そういうことで、裁判所法三十八条に規定しております特別の事情に該当するというふうに裁判官会議でお考えになって御決定になったようでございますし、私どもの方としてもそういう報告を受けまして、裁判所法三十八条に規定する要件に該当するものというふうに考えておるわけでございます。
 廃止ではないかというお言葉がございましたが、これは先ほど正森委員御指摘のとおり、廃止は、やはり法律によって別表を削ってやらなければ廃止できないものでございまして、そういう意味では、この事務移転は決して廃止ではございません。ただ、そうは申しましても、すぐそれでは来年、再来年建つかというふうに仰せになりますと、これはやはり裁判所の庁舎全体の営繕計画のこともございますし、それからそれぞれの簡易裁判所の事件数でございますとか、交通事情でございますとか、そういうことも全部勘案して逐次やっていく問題でございますから、廃止ではございませんが、といってすぐ建てるということも申し上げられない、こういう状況にあるわけでございます。
#39
○正森委員 いま比較的正直な答弁がありましたが、たとえば私の手もとに、五十三年七月十日に、東京地方裁判所八王子支部が「五日市簡易裁判所の事務移転について」ということで、関係町村に事情説明のために出した書類があります。これを見ますと「五日市簡易裁判所の庁舎は、開庁以来すでに三十年を経過して老朽化が著しく、使用上不便を来たしているため、かねてより上級庁に対し改築の上申を行っているが、諸般の事情でその見通しが立たないので、暫定的に同簡易裁判所の事務を八王子簡易裁判所へ移転したい。」「予算措置については、今後とも上級庁に対し早期実現を図るよう要望する。」こういうようになっておるのですね。しかもその最後に「このたびの措置は、事務を庁舎の改築が実現するまで暫定的に移転するだけのものであって、裁判所を廃止するというものではない。」こう書いてあるのです。一部省略して読んだところがありますが、これを見た地元は、一元懸命予算措置を言うてくれておるのであろうからいずれは建つだろう、その間二、三年不便を忍ぼうかということで、それではやむを得ませんなということでやったら、最高裁のは、実際には事移転すると再び事務が帰ってきたためしがない。これは別表を廃棄しないで廃止するものであるということがだんだんわかってきまして、事もあろうに、国民を正しく裁かなければならない裁判所が、地元の町村をペテンにかけたのではないかという不満が非常に起こっておるのですね。
 そこで伺いますが、いままでに最高裁の了承を最終的には得ていると思いますが、地方裁判所が事務移転を行った場合に、再び事務が戻ってきたという例がありますか。
#40
○大西最高裁判所長官代理者 まず最初に、五日市簡易裁判所の事務移転につきまして、ただいま正森委員御指摘になりました八王子支部長が、各市町村を回りまして口頭で御説明申し上げたときのメモについてちょっと申し上げさせていただきたいと思いますが、確かにこの文言自体を読みますと、あるいは誤解されることもあるのではないかという心配があるわけでございますが、ただ一番最初で、改築については「諸般の事情でその見通しが立たない」ということも文言としてちゃんと書いておりまして、それ以外に口頭でも十分御説明を申し上げて、そういうおそれはなかったというふうに考えておるようなわけでございまして、決してペテンにかけるとか、そういうつもりはなかったということだけはひとつ御理解いただきたいと存じます。
 それから、現在事務移転をしております庁について解除したところがあるかどうかというお尋ねでございますが、これは裁判所法三十八条に基づきます事務移転、現在十七庁あるわけでございますが、これにつきましては、古いものも、ごく最近の新しいものもいろいろございますが、解除したところはございません。ただ、ちょっと問題は別でございますが、民事訴訟事務を移転しておるところが初め四十三庁あったわけでございますが、これにつきましては、その後の事情の変化に基づきまして解除したところもあるわけでございます。したがいまして、現在三十八条で事務移転をいたしました裁判所につきましても、私どもとしては、その管内の事情等を絶えずフォローしておりますので、絶対に今後解除することはないというものでは決してございません。今後の事情の変更というものは十分注視してまいりたい、かように考えている次第でございます。
#41
○正森委員 いま事務移転したものを解除を絶対にしないというわけではないと言われましたが、同じく大西総務局長の答弁にもありましたように、いままで十七事務移転されたものは、ここに私は一覧表を持っておりますけれども、古いものは昭和二十年代に事務移転されて、延々二十数年たっても事務が帰ってこないというような事情があって、こういう事情を関係者から聞いた地元町村が、ペテンにかけられた、こう思っているのです。あの文書には「見通しが立たないので、」というようにはなっておりますけれども、最後には、四のところで、「事務を庁舎の改築が実現するまで暫定的に移転するだけのものであって、裁判所を廃止するというものではない。」こう書いてありますから、通常の人間なら、新しく改築されるまでというように思うのは当然なんですね。ところが実際は、調べてみると、昭和二十年代から、事務移転されて事務が戻ってきたことがないということになりますと、ペテンというのが悪ければ、非常にやり方のお上手な説得方法である、そういうように地元では思っているわけです。ですから私はあえて聞きますが、たとえば五日市をとりますと、その管内の世帯数及び人口数の増減を知っておりますか。時間の関係で私が言いますから、間違っていたら言うてください。昭和三十年の世帯数は二千八百三十二、それが昭和五十三年は五千三百九十八、約二倍にふえております。人口は、昭和三十年の一万五千二百八十九から、現在一万九千五百三十七とふえております。人口の増加数が比較的世帯数の増加に比べてふえておらないのは、核家族化しているからであろうと思われますが、いずれにせよ世帯数はほとんど倍に、人口も約三割近くふえておるという状況は否定できないのです。ところが、事務移転されて、多年なれ親しんだ簡易裁判所がなくなってしまう、下手をすると未来永劫であるということは非常に問題だと思うのです。
 そこで、人件費の問題もあるのでしょうが、差し迫っての事務移転をした事情は、非常に老朽化しておるということが理由に挙げられました。そうですね。――そうだとしますと私は聞いておきたいのですが、簡易裁判所は現在全国で幾つありますか。それから最近、昭和四十年ごろから幾つぐらいを改築、整備しておりますか。
#42
○大西最高裁判所長官代理者 簡易裁判所は全国で五百七十五あるわけでございますが、四十年以降整備しておる庁が九十庁弱、八十数カ庁あるということでございます。
#43
○正森委員 それは私がここにいただいている資料のとおりであります。そこで、最高裁に非常に失礼ですけれども、小学校二、三年程度の算術を行いますと、四十年から五十三年まで十四年間に八十八改築しておりますから、一年に直すと約六庁ほどの改築になります。それで、五百七十五庁あるわけでございますから、これを順次改築していくということになりますと、この速度でいきますと大体百年たつと改築してもらえる、こういうことになっておるのです。そうすると、五日市の場合は三十年たって老朽化したからといって事務移転されるわけですから、最近の建物は三十年ということでなしにもう少しもつでしょうけれども、百年たたなければ自分は改築してもらえないということになれば、これから老朽化のために事務移転というところがどんどん激増することは火を見るより明らかだと思うのです。そうしますと、世帯数も人口もふえており、簡易裁判所が初め設立当時には警察署一つに一つぐらい、民衆に親しまれるようにというように言われておったのが、この整備状況から見れば実際上はどんどん少なくなっていくということになるのではないか。ですから、そういうことのないように、最高裁がどのように考えておるか、あるいはそれに伴う簡易裁判所の裁判官の確保というものをどのように考えているかということをやはり聞いておく必要がある、私はこう思うのです。
 それから、さらにもう一つ伺いますが、あなたはいままでの答弁で、終始、地方裁判所がそのようにお決めになったようでございます。報告は受けておるという趣旨の答弁ですね。ところが、ここにたとえば長崎小浜簡裁についての所長交渉の状況を記載した書面がありますが、それで見ると、長崎の所長は明白に、この事務移転が高裁及び最高裁からの示唆によるものであるということを認めておるのですね。たとえば福岡高裁の会計課は建てかえの第一順位にしておった、しかし五十二年暮れごろから上部で議論されるようになった、上の方で議論されるようになってから長崎地裁はつんぼさじきに置かれるようになったということを言うておりまして、五十三年の春最高裁から高裁を通じて示唆があった、つまり事務移転しろという示唆があったということを明白に言っておるのです。そうしますと、あなた方は、形は地裁がそういうことをやっており、最高裁はそれを了承しただけだというように言いたいのかもしれませんけれども、実際上ではそうではないのではないですか。そうなると、大体百年に一遍ぐらいしか建てかえあるいは改築ができないという予算状況と比べて、国民の駆け込み裁判所として親しみやすい簡裁制度から見て非常に問題があるというように思います。どう思いますか。
 それから、時間の関係上、この五日市ないしは小浜について、たとえば五日市は人口も世帯数もふえておるということを言いましたが、それらについて将来はどういうようにされるのか、答弁していただきたい。
#44
○大西最高裁判所長官代理者 先ほどちょっと私の御説明が悪かったところがございますが、簡易裁判所五百七十五庁ある、これはそのとおりでありますが、建物との関係で申し上げますと、独立簡易裁判所というものについてだけ問題になるわけでございまして、あとは本庁、支部と同じ建物に入っておりますので、そういうことで申し上げますと独立簡易裁判所は二百六十庁余りでございますので、少し変わってくるわけでございます。
 それにいたしましても、古い建物、特に昭和二十年代ぐらいに建ちました建物につきましては、木造ですからどんどん建てかえなければいかぬということがございますが、その後比較的最近建ちましたのは、先生御指摘のとおりコンクリート建て等でございまして、そうどんどん改築しなければいけないというわけのものではございません。私この関係直接の所管でございませんので、営繕計画自体を、どういうようになっているかということを申し上げるわけにはいかないわけでございますが、そんなに百年というふうなサイクルで回ってくるわけのものではございませんので、その点はひとつ御理解いただきたいと思います。
 それからもう一つは、裁判所法三十八条に基づきまして地方裁判所がやったというふうに言うけれども、最高裁が指示したのではないかというお言葉でございますが、これは決してそういうわけではございませんで、もちろん最終の段階に初めて報告を受けたというものではございません。やはりそういう計画があるというふうなことは途中の経過におきましても報告は受けておりますが、しかし、最高裁判所がたとえば全国的な視野でこことこことをどうしろというようなことを指示したことはもちろんございませんし、特定の庁についてやはり当該裁判所が特別の事情によって行われるについての報告を受けたということにすぎないわけでございます。
 それからなお、現在五日市、長崎小浜等の簡易裁判所事務移転をいたしましたが、先ほど先生がお示しになりました数字は五日市だけではないかと思いますが、五日市管内全体をとりましても、ほぼ趨勢はそう御指摘と変わらない趨勢にあるだろうと思います。ただ、そうは申しましても、人口、世帯数等の増加の割りに事件数等は余りふえていないというようなこともございます。ただ、私どもの方としましては、この管内の発展状況、特に事件数がどうなるか、交通状況がどうなるかというようなことは始終見守りまして、必要が起きました場合にはやはり考えるということはしなければいけない、そういうふうに考えておる次第でございます。
#45
○正森委員 事件数の推移については恐らく山花委員がすでに御指摘になったと思いますから、私は再び指摘するのを避けますけれども、決して減少はしておらない。それから地方裁判所が地元に提示しましたのは調停の数だけのようでございますけれども、それ以外の略式命令とかそういうものを入れると非常にたくさんの事件がまだ関係しているということを指摘して、できるだけ地元の要望に沿って、事務移転されっ放しということにならないように配慮をしていただきたいということを指摘しておきたいと思います。
 それから、時間の関係でもう一つだけ聞かしていただきます。千葉地方裁判所というのがございますが、私はこの夏に同僚の柴田議員と一緒に千葉地裁の問題点について若干裁判所当局やそこの職員と懇談をする機会がありました。なぜ千葉に参ったかといいますと、千葉におきましてはこの春から成田空港問題がございまして、成田空港問題で非常に大量の刑事事件が発生している。その中で刑事事件が、成田関係で千葉地裁全体の三分の一強を占めておる。一度に百件ぐらいどっと来るようなこともある、人数が多いものですから。そういうことでさだめし同地裁の裁判官の負担が大変だろう。それからまた非常に暴力関係の事件でございますから、警備上問題があって、私の聞いておりますところでは、警察に警備を要請する場合にも、警察としては裁判所がまず相当程度の努力をしておるということでないと、裁判所が何もしないで警察だけ出てきてくれというのは少し困るというようなことから、裁判所職員を警備に動員しなければならない。そうすると、通常の警備担当の人だけでは不十分で、一般職員が頻繁に動員されるということで非常なオーバー労働になっているというようなことも聞いておりますので、その実態を調べに行ったわけであります。ある程度私も知っておりますが、大体、成田関係の事件が刑事事件でどのぐらいを占めておるのか、また、警備についての状況あるいは一般職員のそれに対する関与の状況はどうか、簡単に御説明ください。
#46
○大西最高裁判所長官代理者 千葉地方裁判所におきます成田関係事件の比率等の問題でございますが、たとえば昭和五十二年の統計で見ますと、刑事の新受が千四百件ばかりでございますが、その中で成田関係事件が百件強ぐらいになっております。新受の関係ではそうでございますが、これを仮に未済でとってみますと五十二年で九百件ほど未済がございますが、その中で四百件ぐらいの未済があるということで、未済の関係でございますとかなりの比重を占めておるわけでございます。それで千葉地裁の状況、正森委員御指摘のとおりでございまして、裁判官もなかなか大変でございますし、一般の職員も法廷その他の警備なかなか大変な状況にあるわけでございます。私どもといたしましても、この関係につきましては前々から千葉地裁への増員のことも考えてまいりましたし、それ以外のいろいろな手当てもでき得る限り考えてきた次第でございます。今後もこの関係につきましては事件の審理の状況、警備の状況、その他いろいろ逐次報告を求めて把握しておりますので、それぞれに適切な措置を今後もとってまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#47
○正森委員 私が千葉地裁に行きまして当局からいただいた資料によりますと、五十三年一月から五十三年六月末までの約半年間に行った警備状況は九十三回である。それに出動した法廷警備員は三百九十四名、それから一般職員で警備に動員された者、二千六十五名というようになっておるわけですね。そうなりますと、一般職員の動員が法廷警備員の約五倍の人数ですから、一般職員の警備がなければ警備がもたないという状況になっておるんですね。私が地裁の職員に直接会って実態を聞きましたところ、平均して週一回は警備に参加しておる。多い人は週三回ぐらいの頻度の場合があるというように言うておるんですね。そして事務官などでは、警備に出ますから自分の本来の仕事ができなくなる、それを残業でやらなければならないということで、一番多い人は超過勤務手当が月額十万円に達しておる。金をいただくのはいいんですが、それが健康上の障害を生じておるということを言っておるわけであります。
 私は実際に千葉地裁に行ってまいりましたが、構内の庭を隔てて家庭裁判所の入り口があるんですね。ところが、そこへ暴力関係の裁判で機動隊が常駐して物々しい雰囲気だ、家庭裁判所に家事相談に少年やらあるいは呼び出された不仲な夫婦とか、そういう人が来るのですけれども、近寄れないでそのまま帰ってしまうというようなケースもあるということが報告されているわけであります。
 そこで、こういうことに対しては対策を講じなければならないというように思うわけですね。直接的には結局人的な問題について、たとえば刑事事件では九百数十件のうち四百件近くが成田関係の事件だ、しかもその事件は恐らく弁護団側が争ってくるでしょうから、裁判官としては一般事件よりも負担が非常に重いというように常識的には考えられるという点がございますので、裁判官あるいは職員の増員について、たとえば五十四年度の予算で概算要求で措置しておられるのかどうか、その点も含めて当局のお考えを伺いたいと思います。
#48
○大西最高裁判所長官代理者 千葉地方裁判所の人的関係の充実と申しますか、これは先ほども申しましたように、従前もできる限りの手当てをするように努めてきたところでございますが、昭和五十四年度の予算におきましては、千葉地方裁判所のあの種事件の処理ということで予算要求もしておるわけでございます。
#49
○正森委員 私の聞いておるところでは一課部というのですか、大体その程度の増員、それに警備関係に必要であろうというので若干色をつけた人員を、大蔵が通るかどうか別として、要望はしておるというように聞いておりますが、その程度と聞いていいですか。
#50
○大西最高裁判所長官代理者 これは決して隠すつもりではございませんが、この種の予算要求は全国的なものではございませんで特定の地方が問題になっておることでもございますので、たとえば数字をここで申し上げますことはその点について過度の関心を呼ぶというようなこともございますし、現在まだ財政当局とこれから相談に入ろうという段階でございますので、ひとつここで数字をはっきり申し上げるのは差し控え、ある程度の要求はしておるということで御了承いただきたいと思います。
#51
○正森委員 法務大臣に伺いたいと思いますが、最高裁の予算関係というのはもちろん最高裁が独自にやるべきことで法務省は直接関係はございませんけれども、しかし法務省も予算については、検察の問題もございますので、いろいろ関係があると思います。千葉の問題等についての御所見がありましたら承りたいと思います。
#52
○瀬戸山国務大臣 千葉地裁関係だけでなくて、やはり裁判所の経費等については私どもとしても重大な関心を持っておりますから、従来から御協力を申し上げて実現に努力しておりますが、いまおっしゃった千葉地裁の問題は成田事件等の関係があって非常にふくそうしておりますから、十分考慮して御加勢をしたいと考えております。
#53
○正森委員 それでは、時間でございますから最後に一つだけもとの問題に戻って伺いたいと思います。
 裁判官の給与法関係では裁判官の号俸というのがあります。判事補の場合には年を追って恐らく上がると思いますが、判事の場合にはおおよそどういう基準で上がるわけですか。三年たてば一つずつ上がっていくとか、あるいは何号俸以上はそういうわけにはいかないで、号俸ごとの定数というものがあって、時には取捨選択される場合があるとか、やはり一定の基準がないと裁判官も不安でしょうから、その点についてお答え願います。
#54
○勝見最高裁判所長官代理者 判事補につきましては、御承知のとおり十二号の刻みがございます。十年たちますと判事に任命されますので、その間を大体六ケ月ないし一年ぐらいの刻みで昇給しております。判事につきましては、御承知のとおり八号の刻みがございますが、当初の十年間、また判事として再任される時期ぐらいまでに大体四号まで昇給いたします。前回も申し上げたと存じますけれども、判事四号までは消極的条件、たとえば長期病休等がない限りは大体一律に昇給していただいております。さらに判事十年たちましてツーラウンド目の判事のコースに入りますと、そこで三号以上の昇給につきましてはある程度セレクトさしていただきまして、裁判官会議にお諮りしているような状況でございます。
#55
○正森委員 そのある程度の選択というのは号俸の定数の関係からそうなるわけですか。それとも号俸の定数というのは変えようと思えば変えられるのですか。
#56
○勝見最高裁判所長官代理者 私どもといたしましては、財政当局からの制度的なコントロールはもちろんございませんけれども、裁判官といえどもやはりその間におのずからなる評価が生じてまいりますので、大体四号から上につきましてはセレクトさしていただいて裁判官会議にお諮りいたしておる次第でございます。
#57
○正森委員 それではこれで質問を終わらしていただきますが、私は別に他意があったわけではございませんけれども、憲法上の報酬に含まれるかどうかは別として、実際上判事八号では手当も含めれば六百三十七万、いわゆる法律に言う報酬だけだったら四百二十何万というように、非常に手当の占める額が多いという状況のもとでは、法律では報酬はこれこれ、手当はこれこれと書いてありましても、その運用いかんによっては憲法上の問題も起こり得る場合があり得るということを心にとめて、それで実際上の予算問題については最高裁として政府に対してがんばるところはがんばっていくという姿勢を心の底に持っておいていただきたいと思うのですね。今回の〇・一カ月がどうこうというのではありませんよ。そういう心があって、それで今回はこの程度は憲法上の問題は起こらないだろうという場合はいいですけれども、一概に手当の場合なら構わないんだというような姿勢だととられるような答弁というのは、最高裁の当局としては国会ではなさらない方がいい。それば裁判官全体の士気にもかかわることですし、私はそのことを最後に重ねて要望しておきまして、私の質問を終わらせていただきます。
#58
○鴨田委員長 鳩山邦夫君。
#59
○鳩山委員 いまの正森委員の質問の最後の部分で、人事局長は、判事補は十二号から一号まで、判事になるまで十年間でいくわけでありますからとお答えになりましたが、そのとおりでございますか。
#60
○勝見最高裁判所長官代理者 一般的に申しますと、判事になるためには判事補十年ということでございますので、ごく少数の例外を除きまして、十年たちますと判事に任命されるわけでございます。
#61
○鳩山委員 私も国民の代表でありますから、地元でよく聞かれるんですね。裁判官の給料ってどうなっているんだ。ところが十年たつと大体判事になるというんですから、十年間で十二段階をアップしていくわけですね。そうすると、完全な年功序列である、年功序列的給与である、こういうふうに地元で答えていいわけでしょうか。
#62
○勝見最高裁判所長官代理者 裁判官の場合に、現在の裁判官の報酬体系の当否は別といたしまして、御指摘のとおり刻みがあることは申し上げるまでもございません。その間の昇給の問題につきましては、やはり経験年数、仕事のやり方等々考えまして昇給ということに相なっておるわけでございまして、これをしも年功序列的だというふうな御批判もあろうかと存じますが、現在が大方いわばキャリアシステム、最後はキャリアシステムになっておりますので、先ほど申し上げましたような形で昇給を行っているような状況でございます。
#63
○鳩山委員 よくわかりました。カーター大統領が打ち出されておられるようなああいう大担な方針とは全く違うということがよくわかった次第でございます。
 お与えいただいた資料の四十二ページ、四十三ページを大臣もちょっと見ていただきたいと思いますが、これを見ますとなかなかおもしろいです。最高裁の長官と内閣総理大臣が同じである、最高裁判事と検事総長と国務大臣が同じである。私何も指揮権発動のことを考えるわけじゃありませんが、法務大臣の方が検事総長よりもはるかに偉いと思っておったわけでございますが、同じ給与になっております。確かにみごとに対応しておるわけですね。もちろん、この提案理由の説明の中でも「一般の政府職員の例に準じて、」こういうふうに大臣はおっしゃいました。しかし、司法権の独立と言われ、裁判官の独立と言われ、やはり裁判所というのは一般国民から見てもきわめて特殊な場所であって、一般のお役人さんとはずいぶん違うと思うのですが、なぜ「準じて」このように定めていかなければならないのか、大臣からその理由をお答えいただきたいと思います。
#64
○瀬戸山国務大臣 裁判官は独立の報酬体系を持っておりますが、これはいろいろ問題がありまして、最近は、何年前からかわかりませんけれども、裁判官に対しては一般公務員よりかやや待遇をよくするようにしてあります。というのは、やはり裁判官の特殊性ということから来ておると思うのですが、さればと言って、同じ国内で相当の見識を持った人を公務員あるいは裁判官にするわけでありますからそう差をつけるわけにはいかない、ここがむずかしいところであります。細かい計算は私にはわかりませんけれども、そう全然とっぴな差をつけるわけにいかない、こういうたてまえに給与体系がなっている、こういうふうに考えております。
#65
○鳩山委員 それでは、国民から見てわかりにくい点を幾つかお尋ね申し上げたいと思います。
 東京高裁の長官が九十五万円、その他の高裁長官が八十八万円、七万円ばかりの差があるわけでございますが、これはなぜでしょうか。
#66
○勝見最高裁判所長官代理者 裁判所法によりますと、東京高等裁判所におきましては他の高等裁判所と違いまして特殊な事件を担当する、いわば職務管轄として担当している点がございます。東京高裁長官は、裁判長としてその特殊な事件に当たられるということもありまして、東京高裁長官が一ランク上というふうに格づけされているというふうに考えております。
#67
○鳩山委員 判事の一の上に、私はこれは判事のゼロと読むのかと思ったら、どうもゼロじゃないのですね、これは何と読むのでしょうか、そしてまたその意味を。なぜそういう位が存在しているか、よくわかるように御説明ください。
#68
○勝見最高裁判所長官代理者 私どもの内部では通称特号と称しておりますが、条文上の根拠は、裁判官の報酬等に関する法律の十五条に、判事で「特別のものに限り、当分の間、第二条の規定にかかわらず、判事にあつては」何万円という条文がございます。これが根拠条文でございます。
#69
○鳩山委員 「特別のもの」というのは、実際にどういう方であるのか、御説明ください。
#70
○勝見最高裁判所長官代理者 裁判官の中に、先ほど御指摘のとおりの号別はございますが、特に裁判官の中で優遇されるべき方にいわゆる特号ということにさしていただいているわけでございます。
#71
○鳩山委員 どうもよくわからないのですね。特に優遇すべき方というのはどういう方ですか。
#72
○勝見最高裁判所長官代理者 現実には各高等裁判所の裁判長、それから大地方裁判所の所長の方に特号ということで処遇しておるような実情でございます。
#73
○鳩山委員 ということは、これはいわゆる退職する際の年齢の問題ではないのですね。一体裁判官というのは何歳でおやめになるのか、いわゆる定年ですね。検事さんの場合はどうなのかお示しください。
#74
○勝見最高裁判所長官代理者 一般の判事は六十五歳でございます。それから、簡易裁判所判事、それから最高裁判所の判事、これは、七十歳でございます。
#75
○枇杷田政府委員 検察官の定年は六十三歳でございます。
#76
○鳩山委員 何かよく意味がわかったような気がしますので、これでこの問題は終わりにいたします。
 調整手当の意味でございます。それから計算方法、これを教えていただきたいと思います。
#77
○枇杷田政府委員 調整手当と申しますのは、一般職の給与法の十一条の三というところで定まっておるわけでございまして、これは地域ごとに物価とかあるいは生活費の事情が違う、そういうものを調整するために特別な地域に勤務する職員について手当、要するに早く言えば月給の加算をしよう、そういう制度でございます。これは一般職はそういうことになっておりますので、裁判官、検察官につきましてもその例に準じ、またその例によって支給するということになっておるわけでございまして、この支給の割合は、甲地が六%、乙地が三%、そしてまた甲地の中の特別なものについては八%ということに相なっております。東京、大阪などの大都市が八%に当たるわけでございます。その計算方式は本俸、裁判官で申しますと報酬月額、検察官で申しますと俸給月額、それから扶養手当を基礎にいたしましてただいま申し上げましたパーセンテージを掛けて支給される手当でございます。
#78
○鳩山委員 ということは、これは現行の方でございますが、四十九ページの調整手当の表につきましては、注の4で「支給地域の区分甲地のうち八%の場合の月額による。」というわけでありますから、一番大きいものをここに書いてあるわけですね。果たしてこの甲地というのはどういう場所であるのか具体的に教えていただきたいと思います。
#79
○枇杷田政府委員 甲地といいますのは、東京の区、それから八王子とか立川といったたくさんの市が規定されておりますが、東京の中でも青梅、昭島、町田、小平といったようなところは乙地ということになっております。それから神奈川県では、横浜市、川崎市、横須賀市、鎌倉市等が甲地でございます。それから関西にまいりますと、大阪市、堺市、岸和田市等が甲地。兵庫県では神戸市、尼崎市、西宮市等が甲地。それから福岡県では北九州市、福岡市が甲地ということに決められております。
#80
○鳩山委員 いまお伺いしたところによりますと、八%で調整手当をもらえる地域というのは、ちょうど私たちが小学校で習ったころの六大都市と大体一致しているように思えるわけであります。ところが、その後日本の都市化状況というのも非常に変わったと思いますので、いろいろな別の要素が出てきたのではないかと考えます。そこで、八%をどの地域に与えるかを決められたのはいつですか。
#81
○枇杷田政府委員 これは、基本は人事院の規則でございまして、この発端はかなり前の恐らく給与法の制定当時だろうと思いますが、全面的に改正されましたのは昭和四十五年十二月十七日ということに相なっております。その後恐らく部分改正は何度か行われておると思いまして、最終の改正が、私の手元にあります資料では五十二年四月二十一日ということに相なっております。
#82
○鳩山委員 やはり、四十五年というのでは余りに古過ぎるわけで、もう八年ばかりたっておりますので、こういう点についてはもっとよく議論をして調査をして、新しくつくりかえるべきものではないかと私は思っております。
 それから、特地勤務手当というのがあるのでしょうか。これはどういう場合でしょうか。
#83
○枇杷田政府委員 特地勤務手当と申しますのは、離島その他特殊な僻地に勤務する職員について支給される手当でございます。
#84
○鳩山委員 それは幾らぐらいでございますか。
#85
○枇杷田政府委員 これはいろいろなランクづけがございまして、法律上は百分の二十五以下ということに決められておりますけれども、その僻地性と申しますか、離島の状況などによりましていろいろな段階があります。百分の四から百分の二十五までの六段階に分けられております。
#86
○鳩山委員 いろいろ大きな問題が細かいこととは別にあると思っております。たとえば現在の裁判官の数というものが果たしてこれで十分なものであるかという議論はこの春にもいたしたわけでございます。実際にその際にも、枠などは取っ払うかあるいはものすごく大きな枠というものを定めておいて、毎年毎年春に同じような議論を定員について繰り返さなくてもいいようにすべきであるということを申し上げました。大臣のその点についてのお考えをお伺い申し上げます。
#87
○瀬戸山国務大臣 裁判官の数が現在で十分とは思いませんけれども、これはむちゃというと失礼でありますが、そう簡単に増員ができない。それにふさわしい人が必ずしも要求どおり、考えどおりおらないという事情もありまして、現在定員を充足するのに骨を折っておるというような事情でありますから、枠を決めないでやるということは行政上は適当ではない、かように考えております。
#88
○鳩山委員 国会運営に協力する立場から、これで質問を終わります。
#89
○鴨田委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#90
○鴨田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#91
○鴨田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#92
○鴨田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#93
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#94
○鴨田委員長 次回は、来る二十日金曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時三十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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