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1978/09/29 第85回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第085回国会 本会議 第4号
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1978/09/29 第85回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第085回国会 本会議 第4号

#1
第085回国会 本会議 第4号
昭和五十三年九月二十九日(金曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第四号
  昭和五十三年九月二十九日
    午後二時開議
 一 国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 電波監理審議会委員任命につき事後同意を求め
  るの件
 国務大臣の演説に対する質疑  (前会の続)
    午後二時四分開議
#2
○議長(保利茂君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 電波監理審議会委員任命につき事後同意を求めるの件
#3
○議長(保利茂君) お諮りいたします。
 内閣から、電波監理審議会委員に阪本捷房君及び八藤東禧君を任命したので、その事後の同意を得たいとの申し出があります。右申し出のとおり事後の同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#4
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、同意を与えるに決しました。
     ――――◇―――――
 国務大臣の演説に対する質疑 (前会の続)
#5
○議長(保利茂君) これより国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。浅井美幸君。
    〔浅井美幸君登壇〕
#6
○浅井美幸君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、さきに行われた総理の所信表明を初め、政府演説に対し、外交、経済問題に課題をしぼって質問をいたすものであります。
 総理、あなたの演説に対するマスコミの論評は、概して言えば自民党総裁選を意識した出馬宣言、福田候補の選挙演説であり、当面の国民の要望、期待に具体的にこたえられないから夢のような将来展望を述べたと酷評しており、これには私も全く同感であります。
 したがって、総理、あなたがこの場において国民の不安、疑問に率直に答えないとするならば、福田内閣に対する不信はますます増大し、それがまた日本経済の動向に大きく影響することを十分にお含みいただきたいのであります。
 日中国交正常化以来、六年越しの懸案であった日中平和友好条約が署名、調印されましたが、わが公明党は、かねてより日中平和友好条約の早期締結を主張し、この実現のために微力ではありますが、尽力してきたところであります。ここに締結に至りましたことを心から歓迎するとともに、福田総理の決断、園田外相の交渉の御努力を初め、関係各位の御努力に心から敬意を表明するものであります。(拍手)
 日中平和友好条約は、共同声明の原則と精神を条約とし、日中両国の恒久的平和友好関係の新たなスタートであるとの認識に立って取り組むべきであると思うのでありますが、政府は、今後の日中間における貿易、経済、文化、人的交流等にいかなる方針をもって臨まれるのか、明らかにしていただきたいのであります。
 反覇権条項が条約として明文化されたのは、今回の日中平和友好条約が初めてであります。その意義をどう認識されているのか、政府の見解を承りたいのであります。
 日中平和友好条約は、いかなる国にも対抗したり、敵視しようとするものでないことはすでに明らかであります。ただ、ソ連が当初よりこの条約に懸念を示し、今日においても好意を持っていないことも事実であります。このようなソ連の態度について政府はいかなる認識を持っておられるのか、今後の対ソ政策の具体的方途を伺いたいのであります。
 さらに、かねてからソ連側の主張である日ソ善隣協力条約の締結を一層具体的に求めてくるのではないかとする見方がありますが、この点についても政府の見解を承りたいのであります。
 また、ソ連政府がかねて提案してきた長期経済協力協定の締結については、検討する用意があるのかどうかもあわせてお伺いしたいのであります。
 総理は、所信表明にも述べられているように、最近、全方位平和外交ということをたびたび言われております。この全方位平和外交には何らかの新しい外交政策、外交原則が盛り込まれたのか、従来の政府の政策は全方位外交ではなかったのか、その具体的内容について納得できる説明を願いたいのであります。
 次に、総理は、昨年のASEAN諸国訪問、このたびの中東四カ国訪問等を通じて、日本の経済協力を約束してきました。しかし、ASEAN諸国では、この協力が具体的に進展せず、福田総理への批判が出ていると聞いております。そこで、中東諸国に対しても同じことが心配されるのであります。
 特に、この際、わが国の経済協力に対する基本方針、基本原則を明らかにし、長期的展望に立った経済協力方針を明確にすべきであると思いますが、総理の見解を承りたいのであります。
 さて、最近総理が指示された防衛庁における有事法制の研究を機として、いわゆる有事立法問題が国民の重大な関心を呼んでおります。
 まず、自民党首脳が、有事立法に関連して、憲法改変を主張しているようではありますが、これについての総理の考えはどうか。さらに、なぜこの時期にこうした研究が必要なのか。政府は、奇襲攻撃や有事があると想定しているのかいないのか。また、その可能性があるのか。想定しているなら、具体的にどういう事態を想定しているのか、承りたいのであります。
 わが党は、自民党的、ウルトラ的、国家総動員的な人権抑圧、憲法改悪につながる、いわゆる有事立法論には反対であります。
 総理、重要なことは、平和憲法に基づき有事を未然に防ぐため、有事をなくするための平和安全保障の総合的、客観的、冷静な議論を行うことであります。そのためにも、本来、国権の最高機関である国会においてシビリアンコントロールの原則が保障され、堅持されるべきで、われわれは、国会に安全保障特別委員会を設置することを主張しております。これらについて、総理の率直な所信を承りたいのであります。
 さて、現在わが国が当面する最大の課題は、不況を克服し、日本経済を安定した成長路線に定着させることであります。近年、日本経済は、春先はよくても景気は夏以降に必ず冷える、いわば春暖秋冷という景気動向を毎年繰り返しているのであります。事実、昨年度も、夏以降二度にわたる補正予算を組みながら、経済成長率実質六・七%という当初の見通しの下方修正を余儀なくされ、しかも、実質五・五%成長に終わり、経常収支の黒字もまた百四十億ドルにふくれ上がったのでありました。
 本年度当初において、政府は、実質七%の経済成長、経常収支を黒字六十億ドルに圧縮と見通し、内需による景気浮揚を図り、経常収支の縮小を見込みました。ところが、当時、民間の各経済研究機関の予測は、減税または公共投資の財政追加支出を行ったとしても、実質成長は五%程度、また、円相場は夏ごろ二百円もあり得るというのが大方の見方でありました。
 総理、私どもは、この春の通常国会において、この政府見通しの甘さを指摘し、さらに、国内需要を増大するため公共投資の消化に万全を期するとともに、一兆円減税と年金を初め社会保障生活者に対する給付の追加措置を行い、国民の生活を守ると同時に、個人消費の面から景気回復の下支えをすべきであると強く要求したのであります。これに対し、政府は、いわゆる在庫調整論を中心に七%成長可能説を押し通したのでありました。
 確かに、五十三年度経済の足場となる本年一月から三月までの三カ月間には、実質二・五%の経済成長が見られました。しかし、その約半分は輸出の増加によるものでありました。円高再燃の要素は、このときすでに十分にあったわけであります。しかも、総理が、ボン会議で七%成長と経常収支の黒字縮小を各国首脳に約束されたときには、わが国経済にはすでに伸び悩み現象があらわれていたのであります。すなわち、四月から六月までの三カ月間の実質成長率は、その前の三カ月に比べ、半分以下の一・一%しか伸びず、輸出の落ち込みを初め、個人消費も民間住宅投資も伸び率が落ち、民間設備投資はほぼ横ばい、公共投資だけが伸びを示しただけであります。
 総理は、日本にお帰りになって、ボン会議の成果をうたい上げられましたが、ボン会議直後からの円高の再燃は一気に一ドル二百円を突破、百八十円台を続け、日本経済は再び円高ショックに見舞われたわけであります。私どもが、本年、当初予算の審議に当たって指摘し、懸念したことが、不幸にも的中したのであります。
 そしていま政府は、国費と財政投融資を合わせ約一兆六百億、それに数千億円の民間資金を当てにして事業規模二兆五千億円の公共事業等を内容とする補正予算を組まざるを得なくなり、総合経済対策を行うことを余儀なくされたのであります。
 総理、この状態をもたらしたのは、あなたの自信過剰と政策の小出し的なやり方、財政当局に対するリーダーシップの欠如、企業の経営心理と国民の生活心理を把握できない政策運用の誤りであり、重大な政治責任であります。(拍手)
 そこで、総理にしかと承りたい。
 総合経済対策、補正予算で実質七%成長が達成できると真実確信しておられるのか。経済通の見方は、とても達成できないとしております。
 さらに、所信表明では「七%程度」と、その表現に変化が見られましたが、国際的公約である「七%」と所信表明の「七%程度」とはどう違うのか。また、今後の経済動向によっては第二次補正予算を組むのかどうか、具体的にお答え願いたいのであります。
 総理は、去る二十一日、日本商工会議所総会で、日本経済はことしの暮れには不況というトンネルの出口が見える、このように演説をされましたが、そうだとするならば、年末には日本経済の姿は一体どのような姿になっているのか、明確に説明願いたいのであります。(拍手)
 総理は、所信表明で、今回の補正予算を手始めとして、社会の新しい活力を掘り起こし、国民生活の充実を目指し、経済社会の体質改善を行って、持続的な経済成長を達成したい、また、定住圏構想を中心とする第三次全国総合開発計画の実施を準備している、このような考え方を配慮した中期経済計画の立案に早く着手して、今後の経済社会の姿を明らかにすると言われました。
 この総理の所信表明を聞き、国民の中に果たして何人の人が前途に明るい展望を感じ得たか。失礼ながら私は、だれもいなかったのではないかと申し上げたいのであります。
 わが党は、福田内閣の発足以来、再三、この壇上から、経済至上主義に基づく経済社会の体質を改革し、生きがいと活力のある福祉社会の建設を経済社会の目標とし、速やかに中期計画を立案することをあなたに要望してまいりました。去る五十一年十月には、約四十万字に及ぶ具体的な提言を総理に直接お渡しいたしました。わが国にとって、また国際社会にとっても、長い苦しい転換の時代、これを迎える中で懸命の努力をしている国民に何ら責任のある中期的計画を明示しないまま政府みずから目先の対応に、しかも小出しに、控え目控え目に手を打つことに終始してきたことが、国民の自力、活力を殺して不況を打開することができなかったと考えるべきであります。
 そこで、私は、総理が立案を約束された中期経済計画には、あなたが所信表明で述べられた社会像、国民生活の具体的な態様とその達成水準、そのための政策をこの際明らかにされることが必要であり、それを実現するための経済政策と経済指標を整合させ、中期的な日本経済はこうなり、このように運営をするのだということを明示すべき責任があると考えます。(拍手)
 総理は、どのような構想で中期経済計画を立てることを指示されているのか、また、いつまでに国民にこの計画を発表されるのか、明確に示していただきたいのであります。
 私たちは、日本経済の現状を安定成長への移行期であると明確に位置づけし、中期的に安定成長路線に乗せるべきだと考えます。そのためにも、具体的な中期経済計画と同時に、中期財政計画が必要であります。中期財政計画はいつ提示されるのか、お答え願いたいのであります。
 安定成長への移行期は経済に対する財政の役割りは大きく、赤字をなくすことが主題ではありません。したがって、財政によって民間自力回復をいかに図るか、不況打開に効用させるかが重要な課題であると考えます。
 ところが政府は、景気回復を優先課題としながら、その一方で一般消費税を導入し、増税を図ろうとしています。これはみずから、日本経済がいまどこを歩いているのか見る目を失い、景気回復に水を浴びせていることに等しいと言うべきであります。この問題は、私が昨年も指摘したとおり、本来財政再建を考える場合、財政そのものの見直し、税収面における不公平税制の見直し、歳出面における冗費、すなわちむだの徹底的な見直し、行政機構の改革を伴う財政支出の見直しなどにつき国民の理解できる措置がまず必要でありますが、それを小手先のごまかしで、いきなり大衆への増税に結びつけてしまう発想にこそ問題があると申し上げたいのであります。この際、明確に、一般消費税は導入しないとの確約を求めるものでありますが、お答え願いたいのであります。(拍手)
 さらに、総理が国民経済社会の指標の一つにされている定住圏構想については、各地域の実情を踏まえて一歩立ち入ると解決が迫られる多くの課題がございます。すなわち、既存の広域生活圏構想との調整の問題を初め、地方財源の確保、許認可権の地方移譲と補助金行政の改善、雇用機会の拡大と地場産業の育成、さらに環境アセスメントの完全実施などの問題に対し、一体どのように対処するのか、総理のお考えを伺いたいのであります。
 同時に、第三次全国総合開発計画は、かつての列島改造、土地ブームとなって地価を高騰させるおそれがありますが、いかなる地価安定策をとるのか、明確にしていただきたい。
 さて、以上の質問を踏まえ、補正予算案の具体的問題に移りたいと思います。
 政府提出の昭和五十三年度補正予算案には、まず第一に、依然として公共事業一本やりの景気対策にあり、減税や年金の増額など、国民生活を守り、個人消費需要の喚起策を欠いていることであります。二つには、公共事業の追加措置といっても、その大半は民間資金、地方財政、債務負担行為などに期待、依存するという見せかけが多く、各論評にあるとおり衣の多いエビ天と言われる内容のものであります。
 そこで、私は、まず減税問題について伺うものであります。
 総理、個人消費支出は、政府が総合景気対策で言われるように本当に回復しているのでありましょうか。政府は、経済見通しの改定で民間最終消費は当初の一一・九%から一〇%程度に下方修正しております。また、最近の指標から回復と考えておられるならば、それは総理府の統計にも明らかなように、この夏の猛暑による冷房器具の購入及びその電気代、さらに国鉄運賃値上げ前の定期購入など、まさしく特殊条件によるものであります。さらに、家計の現状にしましても、総理府統計の示すとおり、減量経営や低ベースアップの影響がはっきりとあらわれ、収入、支出ともに月を追うごとに悪化しているのであります。
 したがって、こうした個人消費支出の指数は政府のように楽観視することは、特殊条件や高所得者の消費を頼みにして家計の実態を無視することにつながり、かつまた、今後の経済運営に誤算を重ねていくでありましょう。特に、近年の経済運営において、個人消費支出の喚起策、個人消費支出の順調な伸びで景気を下支えすべき政策が実施されなかったことに、成長目標の達成と安定成長への移行を困難にしている原因の一つがある以上、私たちが要求している一兆円減税や年金の増額が必要不可欠であると考えます。まさに、減税を行うことによってこそ、今回の総合経済対策で政府が期待している民間の自力回復と、公共事業一辺倒による産業間、地域間のアンバランス、いわゆる跛行性の是正に大きく寄与するものと確信するのであります。(拍手)また、総理の国際的公約となっている七%成長と表裏の関係で、OECD等の国際的要求にもなっております。政府は、財政限界説をとって、われわれの減税要求に対してかたくなに拒否しようとしておられるが、現在の経済は安定成長への移行期にあって、財政は経済の手段として有効に機能さすべきであります。したがって、総理が言われるとおり、本年度において不況からの脱出を図ろうとするならば、私どもが要求する減税について、総理の英断を強く求めるものであります。率直かつ国民の理解を得られる御答弁を承りたい。(拍手)
 次に、公共事業の追加措置についてでありますが、まず、福田総理の言われる第三の道、つまり文教、社会福祉の施設整備の問題であります。
 これは、かねてからわが党が強く政府に要求してきたものであり、その答えがようやく芽を出したかに見えますが、総理の所信表明においては、思いつきにすぎない感じさえ受けるのであります。
 そこで、文教、社会福祉施設整備等は、土木事業等に比べ自治体の超過負担が多く、精算方法におくれるなど、補助率を初め、制度の見直しがぜひとも必要だと考えます。また、施設で働く人の補充や養成も不可欠であります。私は、この観点から、計画的かつ整合性のある施策がどうしても必要であると考えます。したがって、この際、自後の方向性とその計画について、総理の具体的な考え方を示されたいのであります。
 また、その他の公共事業については、先ほど述べたとおり、民間資金や地方財政に対する依存、期待が強く、政府の目標とする事業規模となるか否か、大いに疑問とするところであります。特に最近、用地、技術者要員、地方財政の裏負担等から、事業の消化能力が懸念されております。これらの見通しについて、率直な答弁を伺うものであります。
 また、住宅建設の促進が大きな柱となっていますが、特に地価対策を充実すべきであります。国土庁の調査でも、本年の四月から七月の三カ月間において、東京の住宅地価格は二・五%の上昇、年率にして実に一〇%であります。しかも、公共事業施行地区やミニ開発地などでは、現実に地価公示価格より三〇%から九〇%増しの高値で取引がされております。このような中で、政府は土地税制の緩和を考えておられるが、それが地価安定と宅地需要の促進につながるとすることには疑問があります。一方、金融市場には低金利資金のだぶつき、株式、公社債市場の人気が薄いという諸事情を勘案すると、土地投機を誘発するおそれを危惧します。政府の効果的な地価対策を伺うものであります。
 また、特に住宅宅地関連公共施設整備促進事業をさらに拡充すること、民間ローン金利の引き下げ措置や中古住宅融資制度の充実を図るべきであります。なお、住宅政策本来の立場から、質の向上とあわせ、この際、五十年ローン創設の検討を要望しますが、これらをあわせて政府の所信を問うものであります。
 ここで、私は、特に伺っておきたいことがあります。
 打ち続く不況のために、老人、病人、母子家庭、失業者等の人々は連日生活苦にあえいでいる現状を直視しなければなりません。社会正義の立場からも一日も早く救済の手を差し伸べることが緊急課題であり、重大な政治の責任であります。総理、この際、福祉の充実、年金、雇用の対策に真剣に取り組まれるべきであります。温かい配慮のある答弁を求めるものであります。
 次に、深刻な中小企業の円高対策、特定不況地域対策、構造不況業種対策について伺いたいのであります。
 政府は、中小企業為替変動対策緊急融資制度の期間延長、融資限度枠の引き上げ等を講ずるとしておりますが、円相場が依然として高い水準を推移している現況から、まだ不十分と言わざるを得ません。緊急融資の金利の再引き下げ、信用保証枠のさらに拡大を図るべきと考えますが、お答えを承りたいのであります。
 また、輸出型中小企業救済のために産地中小企業市場転換等緊急事業を創設するとのことでありますが、これを行う際には、長期的展望に立った上で、市場調査に係る情報収集体制の整備等きめ細かな施策が必要であります。具体的なお考えを伺いたいのであります。
 また、政府が今国会に提出されるとする特定不況地域中小企業対策臨時措置法案について、私は、同法案が不況地域対策として効果を発揮するにはまだまだ不十分な内容であると考えるものであります。政府系中小企業金融三機関による特定不況地域緊急融資制度の貸出金利は年六・三%と高く、貸出金利をさらに引き下げ、あわせて融資枠の拡大等を図るべきと考えますが、その用意があるかどうか。また、特定不況地域の地域指定に当たっては、地域間の差別を生じさせないよう機動的な指定を行うべきでありますが、あわせてお答えいただきたいのであります。
 さらに、前国会で成立した特定不況産業安定臨時措置法の施行に伴い、現在、構造不況産業における過剰設備の処理等がなされていますが、関連下請中小企業への対策が不十分なまま行われている傾向が見受けられます。関連下請中小企業に対し、仕事の確保、広域下請取引のあっせん、下請代金支払遅延等防止法の強化、改正等、救済策を講じる必要がありますが、どのように考えられるか、お答え願いたい。
 経済問題の最大の課題とも言うべき雇用問題について、総理は何ら所信表明の中に示しておられないことはきわめて遺憾であります。
 政府が講じた幾つかの施策にもかかわらず、雇用の改善の兆しは一向に見られません。新たに、鉄鋼、輸出産業全般に雇用の悪化が波及、拡大しております。これは、政府の雇用対策が労働省任せの雇用安定資金制度のみに頼る小手先の施策に起因していると言うべきであります。
 そこで、短期の失業防止策を確立するとともに、基本的には中長期にわたる産業構造の転換に見合う雇用の創出、雇用の安定をどうするかを国の政策の柱として位置づけるべきであります。政府は、今後の雇用対策基本計画についてどのような考えをお持ちであるかを、まずお伺いしたいのであります。
 さらに政府は、雇用創出について、特に社会福祉関連部門、文化教養部門の開発による雇用誘導計画を考えているとされるが、総理が言われる経済社会と、中期経済計画立案構想の中で、完全雇用の姿を具体的にどう考えておられるのか、お答え願いたいのであります。
 また、緊急課題として、特に中高年齢者の雇用促進施策の拡充、失業多発地域に地域延長給付制度の新設が必要であります。失業多発地域について政府が用意している臨時措置法案は、雇用保険料率を引き上げようとしていますが、特定不況地域の発生に伴う措置に労働者の負担をふやすことは不当であります。新たに地域指定基準を定め、地域延長給付を実施すべきでありますが、お答え願いたい。
 さらに、寡婦、身障者等、社会的に弱い立場の人たちの雇用保障政策の確立についてどう考えておられるか、お答え願いたいのであります。
 さて、ここで、物価問題と円高のメリットの社会的還元という観点から、すでに五十二年一月から五十三年七月までの一年半の間で、二兆五千七百億円にも達すると言われる膨大な為替差益についてお尋ねいたします。
 総理が強調される物価安定は、円高による原材料及び製品輸入価格の反映だけでなく、不況の内外市場への反映にもよるものであり、円高差益の物価への還元はきわめて不十分であります。政府は、ようやく電力、大手ガス料金の還元措置を決めただけで、その他の政府関与物資を初め、民間物資の円高差益の還元対策にはきわめて消極的であります。円高差益を物価を通じて消費者に還元することは、不況対策としてもきわめて有効であり、公正を確保することからも重要であります。
 したがって、政府が関与する輸入小麦、輸入牛肉、国際航空運賃、国際電話料金、輸入たばこ等の価格、料金の引き下げ措置を速やかにとり、民間輸入物資の国内価格引き下げのための行政指導を強力に進めることは当然であります。私たちは、すでに、それをしない企業に対しては特別課税をすることを政府に要求していますが、改めて政府の措置をお答え願いたいのであります。
 この際、特に社会的問題としてぜひ解決を望まれているサラ金問題について、政府の所信をお尋ねしておきたい。
 サラリーマン金融をめぐる悲惨な事件の続出は、この原因を法律から見ますと、現行法では、届け出さえすればだれ人でも貸し金営業ができるということと、一〇九・五%を超えなければ罰則の対象にならない高金利が許されていることであります。加えて、一部における取り立ての悪らつさ等がございます。
 わが党は、昨年五月、この種の金融を規制するために貸金業法案を国会に提出しましたが、政府の対応は進んでいません。
 この問題の解決について、政府は新規立法を行うのか、また、出資等取り締まり法の改正等で金利の引き下げをする意思があるのか、問題解決の具体的な所信を示していただきたいのであります。
 最後に、伝えられるところによれば、福田総理は早期解散を考えていると言われておりますが、不況脱出が国民的緊要課題であるこの折に、政治的、経済的空白をつくることは、断じて許されるものではありません。いわんや、内閣の延命のために解散の暴挙をあえてとらんとするならば、国民の痛烈な批判を受けるであろうことを警告いたし、私の代表質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。
 日中平和友好条約が調印になったわけでありますが、これは調印になったというだけでも大変な意義がありまするけれども、これをまたスタートといたしまして、日中間の諸関係を大きく前進していくということにまた重要な一点がある、このように考えております。
 そういう意味におきまして、いまお話しの貿易問題あるいは文化の問題、そういう問題についての交流も必要でありまするし、また同時に、私は、これから技術交流、これが非常に大事な問題になってきはしないか、さように考えております。調印が済みましてから、政府といたしましては、河本通産大臣を北京に派遣いたしまして、経済、貿易諸問題についての話し合いをいたしております。また、中国から一昨日は、中国科学院の総裁、周という方が参りまして、わが国の茅誠司さんなんかとお話をいたしておるわけであります。私は、日中平和友好条約、この調印を契機といたしまして、各般にわたっての交流を強化してまいりたい、このように考える次第でございます。
 また、日中平和友好条約の中の反覇権条項の意義をどういうふうに認識するか、こういうことでございますが、反覇権ということは、これは国際社会におきまして、私は、当然守っていかなければならない貴重な原則である、このように考えております。その貴重な原則につきまして、まず条約の当事者である日中両国が、覇権行為はお互いにもうとらないことにいたしましょうやという決定をいたしたこと、これは、私は非常に大事なことであったと思うのです。事実、東南アジア諸国、この諸国に対しましては、かなりいい影響を及ぼしておる、このように考えておりますが、日中両国が反覇権で合意した、そういうことになりますれば、この貴重な反覇権原則、これが第三国によって踏み破られるということがあってはならないのでありまして、第三国あるいは第三国の集団による覇権活動、これに反対するという立場を両国が明らかにしたということは、これはまた当然のことであった、このように考えております。
 次に、ソ連との関係をどうするか、こういうお話でございますが、これにつきましては、昨日も申し述べたところでありますが、わが国は日中平和友好条約を締結した。いたしましたが、これは日中間のことでありまして、これによりまして、わが国と他の国との関係、これに何らの影響を及ぼすものではありません。ソビエト連邦は、わが国の大事な隣国である、このような認識のもとに、いままでも各般にわたっての交流を前進させてきておりますけれども、わが国といたしましては、その関係は従来どおり前向きに進めていきたい、このように考えております。
 しかし、日ソ間には御承知のとおり北方四島の問題があるのであります。私は、この北方四島をわが国に返還を実現して、しかる後、日ソ間の最終的な固めといたしまして平和条約を締結いたしたい、このように考えておりますが、この道はそう簡単じゃないように思われます。しかし、粘り強くこの考え方を推し進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
 それから、私が全方位平和外交ということを言っておる、それに対して、これは新しい考え方を出したのか、従来はそうでなかったのかというお話でございますけれども、わが国の外交の基本姿勢は、前々からそのとおりであります。それを私が総括いたしまして、一言で皆様にわかりいいように全方位平和外交、こう申しておるまでのことでありますが、わが国は、昨日も申し上げたところでございますけれども、いまや世界の中で経済大国の地位をかち得たのであります。古今東西の歴史におきまして、経済大国になると必ず軍事大国になったものでありますが、わが国はその道を選ばないという選択をいたした。そういう選択をいたしたわが日本といたしますと、わが国の安全をどこに求めるかというと、世界じゅうの国と平和友好の関係を築き上げる、また、わが国の立場に立ちまして世界の平和友好の関係、これ自体に貢献をする、この努力をいたすというほかはないのでありまして、今後といえども私は、この道をわが国としては邁進すべきである、このように考えておるのであります。
 そういう中において、ASEAN、中東のことにお触れになられましたが、ASEANは日本に対し、福田総理に対し何か不満を述べているというようなお話でございますが、私の知る限りにおいては、私のとっておるASEAN外交は、これは高く評価されておる、そのように思うのであります。
 私は、昨年八月、みずからこの国々を訪問をする、また、ASEANの五カ国並びにオーストラリア、ニュージーランド、それらの首脳と一堂に会する、これはいまだかつてなかったことでありますが、私がその席において述べた私の対アジア外交、対ASEAN外交、これは私は本当に高く評価されたというふうに考えておるのであります。この評価、これが空虚なものとして終わることになってはならない。私は、この私の打ち出した昨年のASEAN外交、この外交が実りあるものになるようにというように考えまして、せっかく努力をいたしておりますが、私は、ASEANの諸国等から私のこの努力は高く評価されておる、このように考えておるわけであります。(拍手)
 同じような考え方で中東諸国にも対処をしたい、このように考えておる次第でございます。
 有事立法、この問題にお触れになられましたが、もう自衛隊は現実の問題としてそこに存在しておるのですよ。そして、二兆円近い金が使われておるのですよ。何のためにそれだけの金が使われ、自衛隊が存在しているか。これは有事のためにこそ存在しておるのでありますが、この有事のためにどういう体制をとらなければならぬかということを考えないということでありますれば、これは自衛隊の責任であり、また政府の義務違反である、そのように考えるわけでありまして、いま全方位平和外交である以上、有事なんかあるかなんという話が聞こえるわけでございますけれども、全方位平和外交というのはわが国の外交姿勢なんです。相手国がみんなその気持ちになって、平和平和と言ってくだされば、それは問題はありません。しかし、いまの世界の現実の情勢を見てごらんなさい。何が起こってくるかもわかりませんよ。そういうことを考えて、国民の生命、身体、財産、これに過ちなきを期することは国家、国民に対する政府の責任であります。(拍手)
 浅井さんは、憲法改正につながる有事立法論というものには反対だ、こういうようにおっしゃられますが、憲法改正のために有事立法、これをするんじゃありませんから、ぜひ有事立法の検討にはひとつ御賛同願いたい、お願いを申し上げます。(拍手)
 また、浅井さんは、国の安全の問題といたしましては、総合的な、国の各般の施策の配慮が必要である、こういうふうなお話でございますが、これはもう当然のことでありまして、私ども、国の安全につきまして有事体制、それだけを言っているのじゃありません。食糧の問題もエネルギーの問題も、あらゆる問題、これは安全保障の一環としても考えなければならぬ問題でありますが、そのような考えであるということを申し上げます。
 また、国会に安全保障特別委員会とも申すべき仕組みを設けたらどうかという御所見でございますが、これは私は賛成でございます。ぜひそのような方向で各党間で話し合いができることを期待いたします。
 次に、経済問題に触れられまして、福田さんは経済上大きな失敗をしている、このようなお話でございますが、私は先般の通常国会でも申し上げたのです。私は、国際経済の動き、特に通貨の動きにつきまして、あの激しい現象が起こってくるとは思わなかったのだ、この点につきましては先見の明がなかった、このようなことを申し上げましたが、しかし、世界の通貨不安ということは、わが国とアメリカだけの問題じゃないのです。これは世界じゅうの問題だ。その世界じゅうの国々がその影響でかなり苦しい立場に立っておるわけであります。
 そのような中におきまして、わが日本の経済は総体としてはかなりいいところへいっているのです。物価を見てごらんなさい。卸売物価が一年の間に三%も下がったという国がどこかにありますか。ありはしないじゃありませんか。消費者物価につきましても四%、そういう程度の上昇をしている。これも西ドイツと並んでわが国は世界第一の水準を歩いておるのであります。何といったって、物価の問題、これが国の経済のかなめですよ。国際収支はどうなったか。よ過ぎて、国々から批判を受けるというような状態じゃありませんか。問題の景気、雇用、そういう側面につきましても、とにかくわが国はいつもヨーロッパの西ドイツとなぞらえられるのです。西ドイツは、昨年五%成長を目指したのです。二・四%成長に終わったじゃありませんか。わが日本は六・七%を目指した。五・五%成長を達成したのです。
 世界情勢が非常にむずかしい、そういう間でございますから、そう一々理想どおりにはいきませんけれども、どうも、経済はしくじったんだ、失敗だといって一概におきめつけになるのは少し過酷じゃございませんでしょうか。(拍手)
 いずれにいたしましても、私は七%成長本年度実現を目指しておるわけであります。国際社会もこれを期待しておるわけであります。でありますから、これは何が何でも実現しなければならぬ、このように考えておるわけでありまして、本年度末、つまり来年の三月のそのころ、そのころにおいては、長いトンネルの出口に出るような状態にぜひいたしたい、そのように考えておるわけでございます。鋭意努力をいたしていきたい、このように考えておるのであります。
 浅井さんは、当面のこともさることながら、国民に中長期の展望を示し、そして安定感を持っていただくことを考えるべきである、こういうお話でありますが、これは私もそう考えておるところでありまして、すでに経済審議会に対しましても、長期経済展望についての答申をお願いをいたしておるわけでありまして、この答申は終局的には、最終的な正式答申は恐らく来年の五月ごろになるだろう。しかし、それに先立ち今年度末、つまり来年度の予算編成に間に合うように中間答申が出される見込みでございます。
 この答申は、恐らく物価の安定、これを強調すると思う。同時に、物価の安定の上に立って雇用の不安を除去しよう、これをまた強調する、このように考えておりますが、この中身につきましては、恐らく産業の発展ということよりも、一人一人の国民の生活環境の整備、また同時に、都市過密集中というようなことを排して、地方的に特色のある地方社会づくりということに重点が置かれることになるのではあるまいか、そのように考えております。
 浅井さんは、そういう際に行政改革、財政支出の見直し、こういうことに精力的に取り組めというお話でございますが、それをそのとおりにしなければならぬことである、このように考えておるのでありまして、行政改革につきましては、昨年の暮れ大体の私どもの考え方を決めたわけでございますが、その線を忠実に守ってまいりたい。同時に、歳出の合理化、節減につきましても、五十四年度予算の編成も迫ります。鋭意これに取り組んでまいりたい、このように考えておるのであります。
 定住圏構想につきまして、地方財源を確保せよ、許認可権の地方移譲を行え、地場産業の育成に留意せよ、環境アセスメントの実施、これらの点を強調されましたが、それらの点は三全総の構想の中にも打ち出されておりますけれども、また新しくつくられる中期経済計画の中においてもぜひ取り組んでいってもらいたい、このように考えておる次第でございます。
 また、三全総なり中期経済計画を推進するということになると、地価の問題が起こってきやしないかというお話でありますが、これはもう一度大変こりた問題です。あつものにこりたわけでありますから、何度でもなますは吹かなければならぬ、このように考えておる次第でございまして、地価、特にその中でも宅地が問題であろうというふうに考えておりますが、その宅地の価格をいかにするか、この問題につきましては次の通常国会までに成案を得て御審議を願いたい、このように考えております。
 なお、浅井さんから一兆円の所得税減税、これを強調されたのであります。これは昨日も申し上げたのですが、私も政治家であります。でありまするから、何兆円でも大減税をやってみたいような気持ちがするのです。しかし、静かに、真剣に考えてみると、いま日本の国政というものは、これはもう所得税の減税をするというような、そういうなまやさしい状態にはありません。
 いまわが国の財政は、今年度について言いますれば、実質三七%公債に依存するという異例な状態にあるわけでありますが、一兆円の所得税減税をする、財源はどこだ、こう言いますれば、結局また公債を増発せざるを得ないのじゃないかと思うのです。
 いま三七%のこの重圧の財政、その中で公債をいかに消化するかということが最大の問題でありますが、この公債の消化も、そうたんたんたるものじゃないのです。もう黄色の信号がかかってきたと言っても差し支えないくらいなむずかしい状態にあるのです。その上一兆円の公債を発行する、そして減税を行う。一体日本の経済社会というものはどういうふうになっていくでしょうか。真剣に考えてみますれば、一番大事なことは、このわが日本社会というものをインフレ社会にしてはならぬということなのです。(拍手)一兆円も減税をして、公債の消化を不可能にして、そしてインフレを招来するということになったら、これは大変なことになるのです。私は浅井さんのおっしゃるお気持ちはわからないわけではございませんけれども、本当に日本の国のこと、国民のこと、これを考えるとき、いまこの際、減税論に賛成するわけにはまいらぬ、このことをはっきり申し上げます。(拍手)
 なお、浅井さんは、文教、福祉施設は地方負担、人の養成などの制度的検討が必要であると思うがどうかというお話ですが、これはもうそのとおりだと思うのです。文教、社会福祉施設の整備につきましては、補助単価や基準面積について所要の改善を行ってきており、地方負担の軽減について十分努力してきておるところであり、職員の養成につきましても、現在、関係大学等において相当数の養成が行われており、公共事業追加の重点の一つとして文教、社会福祉施設の整備を取り上げる条件は十分に整っておる、このように御承知を願いたいのであります。
 また、公共事業の消化能力は一体どうなのだというお話でございますが、本年度の予算で見る限りにおきまして、公共事業の消化、これはきわめて順調でございます。この契約率のごときもいまだかつてない高い契約率を示しておるというくらいなものであります。
 しかし、御指摘のように地価に影響があってはならぬわけでありまして、地価の動向につきましては十分注意しながらやってまいるし、通常国会を目指しましていろいろな措置を打ち出したい、このように考えておるわけでございます。
 それから、公共投資の中で住宅問題、これが非常に大事だ、特に住宅宅地関連の公共施設整備、これを十分にやれというお話でありますが、これも私はそのとおりに考えておるわけでありまして、五十三年度の予算におきましては、住宅宅地関連公共施設整備促進事業制度を創設いたしましたが、この制度は、五十四年度においては大いに拡大をいたしたい、このように考えておるわけであります。
 それから、民間住宅ローンの金利を引き下げろというお話でございますが、これはもとより民間の問題でありまして、政府が関与するわけにはまいりませんけれども、かなりいいところまで来ておると私は承知いたしておるのであります。
 また、中古住宅融資制度、これを充実せよ、こういうお話でございますが、この制度は、五十一年度に創設をされまして逐次改善されております。今後ともこの改善には努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
 五十年ローンを創設したらどうだというお話でありますが、私どもは住宅金融の条件、これは逐次改善していきたいと思いますが、一挙に五十年までいくのはどうですか。ちょっとこれは明確にお答えいたしがたいのであります。
 なお、老人や病人、母子家庭等の福祉の充実につきましてのお話がありましたけれども、温かい気持ちをもちましてこの問題には対処したい。つまり、年金制度の充実、また、個別的にこれらのお気の毒な人々の対策をきめ細かに実施するということを申し上げて、お答えといたしたいと思うのであります。
 また、中小企業問題につきましていろいろなお尋ねがありました。
 まず円高対策についてでありますが、これは、ことしの二月に円高対策法が施行されまして、かなりの対策が講ぜられたわけでございまするけれども、中小企業為替変動対策緊急融資を拡充あるいは延長する、あるいは産地中小企業が行う市場転換等の緊急事業に対する補助制度を創設するなどにつき、補正予算におきまして所要の措置を講じておるのでありまして、御了知願いたいと思います。
 また、中小企業に対する情報提供につきましては、従来から中小企業振興事業団、都道府県等の中小企業総合指導所等を通じて、適時適切に実施してきたところでありますが、今後とも、市場転換、事業転換の円滑な実施のため、診断、指導、情報提供などにつきまして、十分配慮をいたします。
 なお、臨時国会に提出予定の特定不況地域中小企業対策臨時措置法案は、金利も倒産対策並みの特別利率、また貸付限度額、たとえば中小公庫の別枠二千万円、それも資金需要に十分対処し得るもので、当面の対策として大いに期待ができるものと、かように考えるのであります。
 具体的な地域指定につきましては、法律成立後、各地域の実態を詳細に調査した上で行いたい、かように存じます。
 構造不況業種に連なる下請中小企業及び構造不況業種関連中小企業について言及がありましたが、中小企業事業転換対策臨時措置法、中小企業信用保険法、商工組合等の行う設備共同廃棄事業等に対する長期無利子融資、下請企業振興協会による取引あっせんなどに基づきまして、各般の施策を講じていきたい、かように存ずる次第でございます。
 なお、私が所信表明において、雇用という問題に触れておるのですけれども、触れておらぬ、けしからぬというようなお話でございますが、経済運営、この目指すところは、やはり雇用問題が大きなかなめなんです。中期計画、長期計画を立てる、これもみんな雇用という問題を最大の眼目としてにらんでおるわけであります。この新計画をつくるに当たりましても、完全雇用を達成することを旨としたいと、こういうふうに思いますが、それには、総需要拡大による雇用の拡大、民間における雇用開発の促進、高年齢層を中心とする雇用安定対策、職業能力の開発向上、さような点に重点を置いて取り組んでいきたいと、かように考えておる次第でございます。
 なお、浅井さんから、円高還元問題に関連をいたし、行政指導を強化せいと言うが、これはもう私ども、それはそのとおりやっておりますが、この上とも行政指導を強化いたします。
 また、民間輸入物資の価格引き下げを行わない企業に特別課税をせいという御提案でございますが、これは、さあ、どうやって円高の利益というものを捕捉するか。企業というものは輸入ばかりじゃない、輸出もしているんですから、そういう点でなかなか技術的にむずかしい点もありまするし、また同時に、そういうことをしますと、輸入を抑制したという国際社会の反発、これを受けかねない、こういうことがありまして、いまの御提案にはなかなか私としては賛成しがたいんです。
 サラリーマンの金融規制の問題につきましては、これは私もいま大きな社会問題になっておるということを承知しております。いま関係各省の間で相談を進めておるわけでありますが、次の通常国会には何らかの形において御審議を願うようにいたしたい。この立法措置も含めまして、何とかしてとの必要な措置をとりたいと、かように考えておる次第でございます。
 それから最後に、私が何か党利党略ですか、あるいは派利派略ですか、何か私が自分の立場に立って、自分の優位の、政権を有利にするために解散を考えておるかのごときお話でございましたが、そのようなことは考えておりません。これは解散権というのは政府に専属いたしてはおりまするけれども、これはもう非常に大事な権限でありまして、一党一派の立場のためにこれをとり行うというようなことがあっては断じてならぬわけです。私はそのような立場で、あるいは私の自由民主党の中における立場を有利にするためにこれを活用するのだというような、そんなけちなことは考えておりませんから、この辺は御安心を願いたい。(拍手)
    〔国務大臣村山達雄君登壇〕
#8
○国務大臣(村山達雄君) 総理からほとんどお答えいただきましたので、ほとんど申し上げることはございません。
 ただ、財政計画の問題だけちょっと申し上げておきたいのですが、現在非常に厳しい財政事情でございますので、中期的、長期的に見まして、財政計画のようなものをつくっていきたいということで、目下財政制度審議会に特別部会を設けまして、検討中でございます。しかし、この問題は非常にむずかしい問題でございますので、いつできるかとかいうようなところはまだ見当つきませんで、しばらく審議の状況を注目してまいりたい、かように思っておるところでございます。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) 中期計画についてお尋ねがございましたが、これから中期計画を立てます根本の目的は、やはり雇用状況を何とかして改善をいたしまして、国民生活の質的向上を図れるような経済運営をどうすればいいかということを計画において検討し、決めたい、それが終局の目的でございます。
 なお、その中で政府自身が中心となってやるべき施策としまして、生活関連の社会資本の整備でありますとか、あるいは社会保障のあるべき水準を今後数年間どこに置くべきかというようなことがございます。
 それらの目的を主な目的にしながら、その間に片づけなければならない問題といたしましては、経済バランスの問題、対外的には大きな経常収支の黒字をどうしていくかということ、対内的にはいま大蔵大臣の言われました財政のバランスがございます。それから、産業構造の転換をどう考えるかという問題がございます。それらのことを、数年間、物価水準を余り乱れさすことなく、どのようにして整合的に達成するかというようなことを主眼といたしまして計画を立てたいと存じております。来年の五月ごろに最終答申を得たいと思っておりますが、今年の年末の予算編成に間に合いますように、ある程度の概案はそのときまでに見当をつけたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣藤井勝志君登壇〕
#10
○国務大臣(藤井勝志君) 雇用対策等に関する御質問に対して、総理から一応の御答弁がございましたけれども、私から補足的な答弁をさせていただきます。
 御承知のごとく、厳しい雇用、失業情勢が続いております。これに対処して去る九月の二日、総合経済政策を決定いたしまして、これを踏まえて内需の拡大等を中心とした補正予算がこれから審議されるわけでございますが、そのような補正予算を背景として、着実な景気の回復によって雇用の改善を図る、これが大前提でございます。そのようなことをしながらも、当面緊急を要する雇用問題、不況問題といたしましては造船等がその中心でございまして、これには何とかして仕事をつなぐということが必要でございまして、今度の補正予算の中には官公庁の船舶の建造というのもございますし、あるいは遊休船舶の解体の事業、プラントバージの建造ないしは石油備蓄タンクを建造してもらう、こういったことは造船と直接結びつく――とりあえずの仕事を結びつけるわけでございます。
 こういったことをやりながら、中長期の雇用対策としては、御指摘のような福祉部門を中心といたしまして、福祉あるいは教育、文化、こういった面はわが方は立ちおくれておりますから、こういった施設を充実しながら、人手もそっちにふやしていくという雇用拡大をやっていくことは、まさに一石二鳥である、このように考えるわけでございます。
 それと同時に、私は、大型技術研究のプロジェクト、こういったものによって、技術開発の成果というものが産業に結びつくことによって雇用の場を拡大をしたというのは、過去におけるわれわれの戦後の日本の産業の歴史が物語っておるわけでありますから、こういった面も大いに重視しなければならない、このように思うわけでございます。
 したがいまして、労働省としては、関係省庁と密接な連絡をとりながら、各種の雇用奨励措置をやりまして、雇用の拡大に今後も全力を尽くしたい、このように考えております。現在の雇用対策基本計画は、目下見直すべく作業を進めておるわけでございます。
 それから、地域指定、構造不況業種を中心として、その地域に中核的産業として現在までやっておりました事業が、事業の縮小によって大変な打撃をその地域に与えるという地帯に対して、地域ぐるみのいわゆる不況地帯としての指定をやりまして、これは臨時立法によって応急対策をやる。臨時かつ緊急対策をやっていく。こういったことで、今日閣議で決定を見ました特定不況地域離職者等臨時措置法を後刻御審議願うわけでございます。
 それから、寡婦、身障者等の雇用対策でございますが、いろいろなハンディキャップのある方々に対する雇用対策は雇用政策のまた重要な課題でございます。そういう人たちのためには専門の職員を配置いたしまして、職業紹介を活発にやる、あるいは職業訓練の拡充強化をやる、あるいはまた職業訓練を受ける人たちに対する手当を出す、あるいはまた、そのような人たちを雇い入れる事業主に対しては雇用奨励金を出す等々のきめの細かい配慮によって万全を期してまいりたい、このように考えるわけでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○議長(保利茂君) 中村正雄君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔中村正雄君登壇〕
#12
○中村正雄君 私は、民社党を代表して、先般行われました福田内閣の施政方針演説に対し、党の見解を述べながら質問をいたします。
 わが国政治が目下直面いたしている最大の課題は、現下の不況をいかに克服するかという点にあることは言をまちません。総理は、過日の所信表明演説でも、各国がともに経済困難から脱却すべく懸命な努力を払っているが、その中にあってもわが国の物価情勢はきわめて安定した推移を続けていることを強調されました。しかし、それは不況に影響されて昨年来の物価上昇率が比較的低い水準にあることを意味するだけであって、日常必需品価格、家賃などは先進諸国に比べまして最も高いという実質的な生活の苦しさから、ことさらに目をそらした政府の自己宣伝としか国民は受け取っていないのであります。(拍手)
 この観点から、私が第一に指摘したいのは、昨年秋の臨時国会以来、わが党を初め建設的野党はもちろん、労働界、産業界などから、大胆かつ積極的な景気対策を講ずべき旨の提案及び要求がなされたにもかかわらず、福田内閣はこれにこたえないで、官僚的判断のもとで後手後手の対策と小出しの施策を行い、不況の一層の長期化、深刻化をもたらしたことであります。
 今回の補正予算も、まさにその適例の一つでしかありません。昨年の補正時と同様に、今回もまた野党、労働界、産業界、そして一般大衆の声として一兆円減税を中心に多くの積極的な提案、要求が出されております。政府・自民党はこれに対して謙虚に耳を傾け、内外から期待されている七%成長を確実に達成するため、大蔵官僚の発想にすぎない財政均衡策を先に延ばしても、積極政策へ大胆な転換を図るべきであります。もしこれを回避して再度不況の長期化要因を生じさせようとするならば、その政治的責任の重大さは償い切れないものがあると言えましょう。
 第二は、国会で約束された行政改革の断行、これを雲散霧消さした点であります。行政機構と人員が肥大化の一途をたどり、その能率低下、サービス精神の欠如は、いまや国民にとって非難の的であります。福田総理みずから、昨年の通常国会で行政改革の断行を約束されながら、その後一年九カ月何ら見るべき成果がなく、しかも最近に至っては行政改革の行の字も口にされなくなったのは一体どういうことでありましょうか。
 冒頭で申しましたように、戦後最長、最悪の不況下で、中小企業、民間産業と、その労働者や一般国民の日々の苦しみに思いをいたすならば、重複した行政機関の廃止、事務の簡素化と能率化、そして必要な行政サービス部門への配置転換など、行政改革の一大断行は政府の避けて通れない課題であるはずであります。(拍手)総理はこれに対する方針を、改めて本議場から国民に対して明らかにされんことを望みます。(拍手)
 第三に指摘すべき問題は、一般消費税の明年度新設をもくろむ福田内閣の政治感覚の問題でございます。先ほども述べましたように、わが国が当面する最大の政策課題は、不況克服につながる比較的高い成長率を確保するため、ここ二、三年はそれを阻害するような増税及び消極政策を一切排除することであり、そのためには財政均衡も、景気が回復軌道に乗るまで先に延ばしてもいいという大胆な政策を選択することであります。こうした定見もなく、大蔵官僚的な発想に政府が左右されようとするならば、まさに政治埋没、官僚行政専断の内閣に堕したと言われても仕方がありません。しかも、いま申し上げましたように行政改革も行わず、指摘されて久しい不公平税制の改革をも放置して、大衆負担のみを増大せんとする政府の方針は絶対許されないのであります。(拍手)私は、ここで、党の名において、一般消費税の新設に断固反対の意思を明らかにいたします。(拍手)
 民主主義の政治の要諦は、いかに人心を掌握し、いかにそれにこたえるかであることはいまさら申すまでもないところでありますが、福田内閣の姿勢がいかに国民の要望とかけ離れたものであるかということは、以上の指摘でいよいよ明らかになったと思います。総理を初め全閣僚の真摯な反省と速やかなる姿勢の転換を求めてやみません。
 次に、私は、国内経済問題並びに国民生活問題について、重点的に総理に質問を行いたいと思います。
 わが国経済は、昭和四十八年十月の石油ショック以後、すでに足かけ五年の不況に陥っているのであります。今回の不況の特徴は、第一に、不況の落ち込みの深さであり、第二に、不況の長さであり、第三に、いまだ先行きの見通しが全く立っておらないということであります。
 特に、福田総理が事実上の経済運営の責任者であった昭和五十一年度以降の政府の経済政策の失敗は明らかであり、根拠のない楽観的な見通し、それがゆえの消極的、惰性的財政等、経済の構造改革への意欲の欠如などを厳しく指摘せざるを得ないのであります。日本経済を今日まで混迷に陥れている最大の原因は、政府の優柔不断な経済政策にあったと断言しても過言ではありません。(拍手)
 福田総理が、全治三年と言われた不況が、すでに五年を経過しておる現状について、福田総理はどのように反省しておられるか、国民に納得ができる答弁をまずお願いいたしたいと思います。
 次に、私は、日本経済の現状の認識並びにその対策について質問いたします。
 わが党は、すでに昨年来、昭和五十三年、五十四年の二カ年間は、七%前後の比較的高い経済成長を達成すべきことを強く主張してまいりました。また、先般発表いたしました中期経済計画でもこの点を強調いたしておるのであります。
 われわれが、七%成長を主張いたしまする最大の理由は、第一に、勤労者の雇用を確保することが先決問題であると考えるからでございます。第二の理由は、中小企業者の仕事を確保することであります。長きにわたる不況の結果、中小企業の体力は、一部の好況業種を除き、すでに限界に達しておると言っても過言ではありません。第三の理由は、現状の余りにも急激かつ実勢以上になっておる円高を是正する必要があるからであります。特に、急激な円高の基本的な原因は、経常収支の大幅黒字にあることは言うまでもありませんが、この大幅黒字を解消する基本的な政策もまた、内需の振興以外にないことは明らかであります。不況が円高を招来し、円高がまた不況を招くという現在の悪循環は、断じて断ち切らなければなりません。
 以上、わが党が七%成長の達成を主張する根拠を明らかにいたしてまいりましたが、この点から今回の政府の補正予算案を見ますると、まことに中途半端なものであり、構えは物々しく、中身は乏しいと言わざるを得ません。(拍手)これでは本年度七%成長の可能性は絶無になったと言っても過言ではございません。
 すでに、さきの通常国会の冒頭、わが党の佐々木委員長は、政府の当初予算では、本年度七%成長の達成は不可能であり、早急に大型所得税減税を含んだ補正予算を提出すべきであるという、いわゆる二段階景気対策論を主張したことは御承知のとおりでありますが、景気の実態はまさにわれわれが憂えた方向に進んでおるのであります。経済企画庁の発表した統計を見ても、民間の経済調査機関の予測を見ましても、このまま推移すれば、本年度の経済成長率は五%をわずかに上回る程度の見通ししか立ちません。にもかかわらず、政府が見せかけの事業規模二兆五千億円、実質一兆数千億円、一般会計補正予算に至っては、実質増加額わずかに一千四百五十億円程度の補正で、どうして七%成長が達成できるのか。余りにも楽観的、かつ、無責任な態度ということに怒りを感ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 特に、今後急激かつ実勢を上回った円高のデフレ効果が表面化してくることを考えれば、今回の補正予算案はきわめて消極的なものと断ぜざるを得ません。
 わが党は、本年度七%成長を達成するため、積極的な財政政策を展開し、最小限、事業規模において三兆五千億円程度の補正を組むべきであると主張しているところでありますが、福田総理は、現状の景気をどのように見ておるのか。また、今回の補正で七%成長が達成できない事態になれば、いかなる責任をとるつもりなのか。明快な御答弁をお願いいたします。(拍手)
 次に、減税問題について質問いたします。
 わが党は、さきにも述べましたように、本年度の七%成長を達成するためには積極的な財政政策を展開すべきことを強調しているところでありますが、その大きな柱は一兆円の所得税減税を実行することであります。
 昨日来の総理の答弁を聞いておりますと、財源がない、これ以上の国債発行は財政の命取りになる、このように言われております。私はこれを聞いて、俗な言葉ではありますが、口ほど重宝なものはないという感じをいたすわけでございます。
 昨年度の予算審議の際に、総理は、国債依存度が三〇%を超えると財政が破綻する、国家財政の命取りになると繰り返し答弁されておったわけでございます。一年たった今日、三〇%をはるかに超える三七%という国債依存度の本年度予算を組み、これを実行して、総理の演説によれば、景気は好転しておると言っているではありませんか。国債の残高四十二兆円余り、一兆円まるまる赤字国債に依存しても四十二分の一でございます。これによって何で財政の命取りになるのか。私は、その場逃れの答弁に強く反省を求めるわけであります。
 経済学とは経済心理学であるとも言われております。景気の動向、経済の動きは経済法則のみによって支配されるものでないということは、総理も十分御承知のはずでございます。国民の心理作用が景気の動きに大きな力を持っていることは過去の例によっても明らかであります。
 所得減税はいまや世論であると言っても過言ではございません。減税の効果は公共投資に比べて少ないという考え方をかたくなに総理は持ち続けておられます。私は、百歩譲って、総理と同じようにその効果は少ないといたしましても、広く国民が期待しているこの減税を断行いたしますならば、一兆円が二兆にも三兆にも匹敵するほどの心理作用が働き、景気回復を軌道に乗せられるものと信ずるわけでございます。
 総理の硬直した頭の切りかえを特に要望すると同時に、改めて所信をお伺いいたします。
 次に、補正予算の内容について若干質問いたします。
 第一は、政府の施策が依然として公共投資偏重になっていることであります。わが党は中期経済計画において、これまでの高度成長期の設備投資中心、その後の不況期の産業基盤公共投資並びに輸出中心の経済成長のあり方を根本的に転換し、総合的な福祉計画の実現による新しい経済成長のあり方を提案してまいったのでございますが、国民の将来の生活不安と、ひいては高い貯蓄率を維持している原因は、言うまでもなく老後の問題であり、住宅の問題であり、病気、教育の問題であります。これら国民生活の最も深刻な問題について、政治が今後どのように取り組んでいくのか、その解決のための全体像が示されているのかどうか、きわめて重要であるにもかかわらず、政府は、たとえ補正予算であろうとも、何ら国民に明確な方向さえ示していないことは全く遺憾であります。
 わが党は、この補正予算においても、将来の国民生活の不安を解消する第一歩として、社会保障においては基礎年金構想の導入、住宅対策については民間住宅ローンへの二%の利子補給、並びに地価抑制のための公共公益施設負担軽減のための財政措置の増額などを講ずべきであると主張いたしておるのでありますが、政府は、これらの諸点についていかなる見解を持っておるのか、お聞きしたいのであります。
 第二の問題は、特定不況地域、中小企業産地などを中心にした、中小企業者、労働者の深刻な生活不安を早急に救済しなければならないことであります。これら地域住民の生活を守るためには、政府の思い切った総合的な対策を早急に講じなければなりません。政府においても若干の対策は講じられておりますが、なお全く不十分でございます。
 第一に、わが党が八月八日に総合的な特定不況地域対策臨時措置法を発表し、政府にその実現を要求したにもかかわらず、政府の取り組みは各省ばらばらで、なわ張り争いに固執し、それがため、法案作成作業はおくれ、法案内容も中途半端なものに終わっていることであります。中小企業産地振興法も来年の通常国会に提出されると聞いておりますが、法案の成立を待たなくても、実質的な施策は早急に行うべきであります。
 第二に、公共事業の発注は、これら不況地域、産地に優先的に発注し、特に下請中小企業者には分離発注ができるようにすべきであります。同時に、既往の金利負担の軽減、税還付年限の延長、新しく設けられる市場転換等緊急補助金の増額などを図るべきであると考えます。
 第三に、雇用不安を軽減するため、緊急対策として、雇用保険法の地域延長給付制度の新設、失業給付日数の一律九十日延長などを実現するとともに、中期的な対策として、積極的な雇用機会の創出、中小企業の設備投資を中心にした投資減税制度の拡充による雇用の拡大、定年制の延長、週休二日制の実施なども強力に推進すべきであります。
 以上の諸点について、総理の率直な見解をお伺いいたしたいと思います。
 次に、外交、防衛問題について質問いたします。
 まず第一点は外交問題、なかんずく、日中関係の新たなる展開について伺います。
 日中間の懸案であった日中平和友好条約がようやく締結されましたが、われわれは、これに至るまで努力を傾注された政府、外務省の労を多とするものと考えております。これによって、日中関係は新たなる段階を迎えてまいりました。
 この条約交渉を通じ、福田総理は、いわゆる全方位外交の推進ということを再三述べられ、また、今国会における施政方針演説の中でもそれを繰り返しておられます。しかしながら、日本の意図がどうあろうとも、諸外国は、日中平和友好条約の締結をもって、日中同盟あるいは日米中同盟ができ上がったと見ておる向きも少なくありません。しかし、日本外交は、そのような選択をしたわけではないはずであります。総理が全方位外交と言っても、諸外国は日中同盟、日米中同盟と見る、このギャップがあると思いますが、政府はこのギャップをどのようにして埋める方針なのか。また、わが国としては、中国、ソ連の一方に偏らず、中ソ対立に介入しないという方針にいささかの変更もないのか、この際、総理の所見を承りたいと思います。
 日中平和友好条約交渉の一つの争点が、いわゆる反覇権条項であったことは周知のとおりであります。締結された条約文の中では、第二条でこれがうたわれると同時に、いずれの国とも友好関係を推進するというわが外交方針が、第四条のいわゆる第三国条項という形で取り入れられ、全体のバランスが保たれたと言われております。これがわが国外交の努力の成果であることを認めるにやぶさかではありません。しかしながら、第二条で言う反覇権について、一国の行動が覇権主義であるか否かの認定をだれがするのか、もし認定したらどう対処するのか、これらについて日中間で調整を図るのかなど、なお国民にとっては不明確な点があるわけでございますが、これらの諸点についての政府の見解並びに日中間の合意について、総理並びに外務大臣より承りたいと思います。
 次に、平和友好条約交渉では、尖閣諸島の領有権の明確化が国民にとっての関心事でありましたが、条約面において見る限りにおいては、これがたな上げされた結果となっております。
 領有権問題がたな上げされたまま条約が締結されたといたしますると、ソ連が北方領土問題をたな上げにしたままいわゆる善隣協力条約の締結を迫ってきた場合、わが国の全方位外交の推進という立場から、日本政府としては今後どう対処する方針なのか。また、この点に関連してコスイギン・ソ連首相は、ソ連が提案している善隣協力条約に対する日本側の対案があれば、いつでも検討する用意があるとの見解を明らかにしておる模様でありますが、政府としてはこれにどう対処するのか、あわせて外務大臣より所見を承りたいと思います。
 次に、わが党は、今回の日中条約の基本的な性格を、日中共同声明において日中間の戦争終結に関する措置はすでに完了いたしておる、したがって友好条約である、こういう立場で対処いたしてまいりました。したがって、この条約締結は、共同声明以後存続しておりまする日本とアメリカ、日本とソビエト、日本と台湾関係に何らの変化を及ぼすものではないと考えておりますが、総理及び外務大臣の所信をお伺いいたします。
 第二点は、エネルギー・資源外交について伺います。
 福田総理が、わが国の総理として史上初めてイラン、カタール、アラブ首長国連邦並びにサウジアラビアの四カ国を公式訪問したことは、これらの国々に石油資源の大半を依存しておるわが国としては遅きに失した感はあるものの、総理の姿勢を評価するにやぶさかではございません。これらの国々との安定した友好関係の樹立は、わが国にとってまさに不可欠でございます。
 総理は、これらの国々を歴訪され、経済協力、技術協力など多くの約束をしてまいられました。日本としてこれらの国々の発展のため寄与できる面は、まさにこうした経済、技術の面であります。問題は、こうした約束がどう実現されるか、さらにそれがどう生かされるかという点であります。
 そこで、お伺いいたしますが、まず第一点は、総理がなされた約束が確実に実現できるかどうかという点でございます。と申しますのも、石油ショックの直後、当時の三木特使、小坂特使、中曽根通産相などが政府特使として各国を歴訪し、多くの約束をしてまいりましたが、それが約束どおり実施されず、かえってこれらの国々の対日不信を招いておるからでございます。その一つの原因は、民間レベルで詰めなければできないような協力まで政府が約束してきたため、予定どおりに話が進まなく、相手国はこうした日本の実情を知らず不信感を増大したということであります。今回総理が各国で約束した協力は、こういうことにならないという保証があるのでありましょうか。約束は果たせると確約できるでしょうか。総理の決意をお伺いいたします。
 同時にお伺いしたいのは、総理が約束された経済協力、技術協力あるいは投資がどのように有効に生かされるかということであります。特に、イランの戒厳令布告に見られますように、これら諸国の政情から見て、そうした一抹の不安を持つものでありますが、わが国からつぎ込まれた資本、設備、技術等がどのように有効に活用されるのか、政府の見通しを総理並びに外務大臣より承りたいと思います。
 外交、防衛問題の第三点は、いわゆる有事立法についてであります。
 栗栖前統幕議長の発言を契機として、有事立法問題がクローズアップされてまいりました。総理大臣による防衛出動命令が出る以前の奇襲に対して、具体的な対処規定がなく、このままでは自衛隊として超法規的な行動をとる以外にはないという栗栖発言は、現行の防衛体制に重大な欠陥があることを指摘いたしたものであり、このままではシビリアンコントロール体制が崩れるだけでなく、専守防衛という日本の防衛体制に穴があくことになりかねません。
 昭和二十九年に自衛隊法が制定されて以来、今日まで二十四年間、こうした欠陥を放置してきた自民党・政府の責任はきわめて重大であると考えますが、政府は奇襲対処について、法的欠陥があると考えるのかどうか。また、法的欠陥があるとすれば、その責任をどう感じられておるのか、福田総理の所見を承りたいと思います。
 私は、奇襲攻撃について、現在差し迫った可能性があるとは考えません。しかし、将来にわたってその可能性が全くないと言い切れる人はいないはずでございます。万一のことを考えるのが安全保障でございます。もともと自衛隊は、最初から万一の有事に際して国民の生命と国の安全を守ることがその存在理由であり、この意味において自衛隊も、それを規律する自衛隊法も、最初から有事のための存在であり、法律であるわけでございます。いうところの奇襲対処や政令委任事項などの検討は、当然自衛隊法施行と同時に始められなければならなかったものでございます。現今問題となっておりまする奇襲という事実が生じた場合、総理大臣による防衛出動命令が下るまでの間、自衛隊の行動については何らの基準も規制もございません。ただ、自衛隊法百十九条には、正当な権限がなくて自衛隊の部隊を指揮した者は三年以下の懲役云々、こういう罰則の枠がはめられておるだけでございます。
 したがって、奇襲攻撃を受けた場合、自衛隊は独自の判断によって行動をするか、何もしないかの二つのうちのその一つを選ぶしか方策はないわけでございます。もし前者の道を選ぶならば、シビリアンコントロール体制は根底から覆えるわけでございます。後者の道を選ぶならば、二十数万という自衛隊、年間二兆円もの国費を食うこの存在は有名無実の存在であり、国費の浪費と言わざるを得ません。この制度的欠陥を二十数年来放置してまいった自民党・政府の責任は重大と言わなければなりません。(拍手)
 私は、国の防衛に関することは、イデオロギーや思想を超越した問題であり、国民の合意がその基盤でなければならないと考えます。
 有事立法問題をめぐって、一部には、国家総動員法的立場から、憲法改正論にまで発展させようとする動きがあり、他方、その反対闘争を、党略的な運動に結びつけ、六〇年安保騒動の再現を期待する動きがあるわけでございます。私は、このような、現実に故意に目を背けた極端な考え方や、党利党略的な取り組みに対して、強い不満と警戒を表明するものであります。(拍手)
 わが党は、この問題に対処するに日本国憲法を守り、シビリアンコントロール体制を速やかに確立するために断固として党略的な態度を排し、民主主義の大道にのっとって論議を尽くし、国民とともに取り組む姿勢を堅持する方針を明らかにいたします。(拍手)
 その第一の着手は、数年来の主張のとおり、国会に国防ないし国の安全保障を専門的にかつ常時に論議、検討すべき委員会を設置することであります。そして、その委員会において、国防会議のあり方を吟味し、自衛隊出動命令の条件を詰め、その中で奇襲の可能性を含めての対処の方法や法的根拠を検討すべきであります。特に、自衛隊法百三条の政令委任事項は、まことに重要な内容を持つものでありまして、これらに対しての検討を一切封ずることは、国会と無関係に政府の独断的措置を許す結果となり、それこそ最も危険であります。シビリアンコントロールの基本原則に基づき、この委員会において十分なる準備、検討が行われるべきでございます。総理及び防衛庁長官の所信を伺いたいと思います。(拍手)
 私は、質問を終わるに当たり、最後に総理に要望いたしたい点があります。
 本年の通常国会以来今日まで、総理の政治姿勢は、年末に行われる自民党内の総裁選挙を意識しての行動であり、政治日程であるという印象を深くいたします。
 総理の目は、終始自民党の党内のみに向けられ、国民の中に向けられていない感じを国民一般はいたしております。
 不況からの脱出に懸命の努力を日夜続けておる国民のすみずみまで目を向け、政策の決定、運営を国民生活の実態と共通するよう、格段の配慮と努力を傾けられるよう、姿勢の転換を要望いたしまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#13
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えいたします。
 まず、この長期不況の原因をどう理解し、また私がそれについていかなる責任を感じておるか、このようなことでございますが、今回の不況は、これは五年前の石油ショック、あれに端を発しておると見ております。
 あの石油ショックによりまして、世界じゅうの国がかなり深刻な打撃を受けたわけであります。わが国は、とにかく物価が狂乱状態というようなところまで混乱する、また国際収支は年間百三十億ドルの赤字を出すという惨たんたる状態であります。経済成長は戦後初めてマイナスの成長を記録するというような状態であった。ほかの国の影響はわが日本ほど深刻ではなかったと思います。つまり、わが日本の方が石油に対する依存度が一番高いわけでありますから、わが国の受けた打撃に比べれば深刻度はそれほど高くないわけではありますけれども、しかし、今日になってその打撃からの立ち上がり状態を見ると、わが国は最先端に立っておる、私はこのように考えておるのであります。
 物価はどうかと言いますれば、先ほどもるる申し上げましたが、卸売物価のごときは一年間にマイナスの三%である、消費者物価も四%がらみの上昇にとどまる、西ドイツとともに世界第一の安定水準にあるわけであります。
 国際収支はどうかと言うと、今度は大赤字でなくて黒字、これで世界各国からその責任を問われる、こういうような状態であり、経済成長も、いろいろ皆さんおっしゃいますけれども、とにかく世界先進国の中では最高である、このことだけはひとつ御記憶を願いたいのでありますが、ただ私は、去年は六・七%成長と言った、それが五・五%成長に終わった。それはなぜかとこう申しますと、やはり私は、これは私が悪いと言えば悪いのです。国際通貨不安、つまりドル安円高というものが、あのような深刻、急激な状態で襲いかかってくるという見通しを持てなかったという点、これはまことに申しわけないことではございまするけれども、しかし、それにいたしましても、これはわが国ばかりじゃないのです。世界じゅうの国が同じような影響を受けておるわけでございまするけれども、今日この時点における状態、これは私は世界で最もいい状態であるということを繰り返して申し上げたいのであります。
 そういう中で、しかし、私はボンの会議におきまして、とにかく国際収支の黒字を減らします。またそのためには内需を振興する、その手段として、七%成長実現に努力する、こういうことを言い切ってきておるわけでありまするから、これは七%成長は何としても実現をしなければならぬ、そういう立場にあるわけであります。
 いま、わが国の経済を見ておりますと、国内的側面はかなりいいのです。国民消費も着実に伸びておる、また住宅投資も活発であります。また在庫調整も順調であり、また政府の公共投資は、これは非常な勢いで伸びておる、こういう状態であります。
 ただ、悪いのは対外側面、つまり円高の影響を受ける、また特殊の商品につきまして輸出規制指導をした、そういうような影響もある、そういうことで、輸出が量的に減ってきておるということなんです。もっともドルに換算いたしますと、決して減りはしない、ふえておりますけれども、もうわが国に影響のある輸出数量側面、これはだんだんと減りつつあるわけであります。でありますから、これをこのままにほうっておきますと、この輸出の停滞から、わが国経済全体として見るときに、これは七%成長を実現できないのではないか、こういう不安を感ずるようになったわけであります。
 そこで、この外的要因、つまり輸出の落ち込みによるデフレ効果というものを、また再び内需の振興を強化いたしまして内需を盛り上げまして、そして補おう、こういう考えになったわけでありまして、これが今回御審議をお願いいたしておりますところの補正予算並びに一連の総合対策である、このように御理解を願いたいのでありまして、それらの措置を行いますれば、私は七%成長は実現できる、このように考えております。
 さらに中村さんから、行政改革の点につきまして大いにおしかりと御鞭撻を受けましたが、行政改革につきましては、これは昨年の十二月に、すでに私が行わんとしている行政改革の全貌を決定し、これを明らかにいたしておるわけであります。その全貌に従いまして、いま政府におきましては、着実にこれが実現のための施策を進めておるわけでありますが、しかしそれで満足しているというわけではないのです。あの総合対策のときも申し上げてあるわけでありますが、これで終わりじゃない、当面これなんだ、こういうことでありまして、これからもなお行政改革の必要であるゆえんを深く認識いたしまして、これを推し進めてまいりたい、かように考えるのであります。
 そういうときに、中村さんは、また一兆円減税というようなことをおっしゃる。私は、この一兆円減税の考え方につきましては、しばしば申し上げておるわけでありますが、おっしゃる気持ちはわかりますよ。気持ちはわかるけれども、本当に真剣にわが国の行き先、国家国民の幸せということを考えるときに、この際一兆円減税というわけにはいかない。これはくどくどとは申しませんけれども、私がかたくさように考えておるということをひとつ御理解願いたいのであります。
 逆に、一般消費税の方は反対だ、こういうお話でございますが、一般消費税問題は政府段階までまだ来ておらないのです。政府の税制調査会におきまして一般消費税特別部会というのがある、その特別部会から試案といたしまして出たあの一般消費税構想が、いまいろいろ論議を呼んでおるということでありますが、私は正式にはこの報告を受けておりませんけれども、その部会案なるものを拝見いたしますと、つまり消費税の持ついろんな悪い面がある、たとえば、いわゆる逆進性でありますとかあるいは大衆性でありますとか。しかし、そういうことに着目をいたしまして、それをできる限り配慮するためのいろんなことを考えておられる案であります。つまり食料品は全部除外してしまおう、あるいは零細業者、これは納税義務者というような立場から外してしまおうとか、いろいろなことを考えておるのでありまして、これから先々の財政のことを考えますと、私はこれは魅力のある案だなという感じはするのです。するのでございますけれども、しかし政府はその報告を受けておるわけでもございませんし、仮に報告を受けても、これが実施、そのためにはずいぶん長い準備期間も必要でありますので、これを決意し、またこれを実行する、その段階、手続等の問題につきましては慎重の上にも慎重を期してまいりたい、かように考えるのであります。
 なお、今度の補正予算案が小さ過ぎる、これは考え直せというようなお話でございまするけれども、こういう際ですから、予算は大きければ威勢がいいようなものでございまするけれども、しかしいま国の置かれておる経済、財政上の立場ということを考えますと、そうそうはでなことばかりはできないのです。一朝誤ったならば、これはインフレ化しなければならぬというようなおそれがあるのです。私はもう、わが国の社会、ここまでやっとあの石油ショックから逃げ出してきたわが日本社会、これを再びインフレ化するというようなこと、これは政治の一番の悪いところにいくんだ、こういうふうに思います。
 そういうことを考えながら、補正予算の編成には慎重を期したわけでございまするけれども、しかし、最近の経済情勢もよく見てみまして、とにかく二兆五千億程度の公共投資の追加を行う。また、これは予算じゃありませんけれども、構造不況業種対策、中小企業対策、雇用対策、そういうことで、きめ細かな政策をあわせ総合対策としてこれを実施することにいたしましたので、これにより、私は、まあ大体来年の三月、年度末の時点におきましては、トンネルの先がああ見えたなというようになり得る、かように考えるのであります。
 もとより、これから来年のことも展望しなければならぬ。来年はやはりことしと同じように内需中心の財政経済運営になると思いますけれども、その先々につきましても、これは国民に展望を持ってもらわなければならぬ、そういう立場から、いま長期経済計画を立案中であります。それらの施策を決めるに当たりましては、民社党の中期経済計画、これは私も拝見させていただいておりますが、なお、この長期計画作案の過程において十分貴重な資料として取り上げさしていただきたい、このように考える次第でございます。
 また、外交問題に転ぜられまして、日中平和友好条約締結後、政府は何か外交政策として変わったことがあるか、こういうようなお尋ねでございますけれども、政府は、しばしば申し上げておりまするとおり、全方位平和外交の基本的な考え方を堅持してまいるつもりでありまして、日中平和友好条約ができたからといって、全世界に対しましてこの姿勢が変わるということはあり得ない、このように御了知を願いたいのであります。
 なお、中近東諸国に対しまする経済技術協力、これはもう約束どおりこれを実行しなさい、こういう御勧告でございますが、これはかつていろいろな約束がありましたが、大方まずこなしてきております。特にエジプトにおきましては、運河拡張計画、これが一部もう完成をいたし、さらに次の企画が進行中である。イランにおきましては、バンダルシャプールに膨大な石油化学工場をつくる計画が進められておりますが、大体もう七割ぐらい進行いたして、非常に感謝されておるというような状態であります。またイラクにおきまして、化学肥料のプロジェクトまた火力発電所プロジェクト等が進行中である。これは、約束したことが先方の都合があってできなくなるというんならこれはしようがない、しかし、いやしくも約束したことがわが国の都合でできないということになりますれば国際不信を招くということに相なりますので、そのようなことの絶対にないように心してまいりたい、このように考えております。
 それから、有事体制、防衛体制の問題につきまして、奇襲があったらどういうふうに対処するかというお話でございますが、これは奇襲なんということはないようにするのが正当な構えでなければならぬと思うのです。平和外交を推進し、それからまた、仮に奇襲を試みる者がありましても、科学技術能力を十分発揮いたしまして、それをつとにキャッチするというような構えをとる、これが私は正当な行き方でなければならぬ、このように考えておりますが、しかし、先ほども申し上げましたが、万々万一にそういうことがないとは限らない。そういう場合に対しましていかに対処するかということもよく考えておくこと、これは自衛隊の責任であり、政府の義務である、このように考える次第でございます。
 また最後に、私の、何というか、日常の活動が自由民主党の党内をにらんで、総裁選挙のことを考えながら動いているのだというような見方を示されましたが、そんなようなけちな福田赳夫ではございません。(拍手)私は、自由民主党の総裁選挙、十一月一日から始まるのです。この総裁選挙は、皆さん方に、自由民主党は一致団結してよくああいうむずかしい選挙をやり切ったなといって評価される形の総裁選挙をやってのけますよ。しかし事は十一月から始まるのでありまして、それまでの間は私は日本国の総理大臣である、日本国の命運を担っておる、そういう立場にあるわけでありますから、総裁選挙のようなことを考えて、それで国務をおろそかにし、たな上げにするというようなことはいささかもいたしませんから、これは御安心を願いたい。(拍手)
    〔国務大臣園田直君登壇〕
#14
○国務大臣(園田直君) お答えをいたします。
 今度の友好条約に領土の問題がないというお話でありますが、平和条約ではございませんので、この友好条約には国境並びに領土の個条はないばかりでなく、わが国と中国の間には、領土問題に対する紛争はございません。
 多分、尖閣諸島のことをおっしゃったのだと存じますけれども、これは歴史的に、法的に、日本の固有の領土であることは明確でありまして、現にわが国がこれを有効支配をいたしております。それを先般ああいう事件があったわけであります。この条約と関係がありませんけれども、ケ小平副主席との会談の際、尖閣諸島に対するわが国の立場を主張し、この前のような事件があったら困る、こういう事件は断じて起こしてもらわぬようにという要請をいたしました。それについてケ小平副主席は、この前の事件は偶発事件である、今後絶対にやらない、こういうお話でありますから、この問題がソ連との交渉に響く道理はない。ソ連の方は現に北方四島を占拠しているわけでありますから、今後ソ連との間では、いかなる条約を結ぶについても、この問題の解決が先決条件であると考えております。
 なお、覇権についてのお話がございましたが、覇権は国際的に広く受け入れられておる社会通念でありまして、私は中国にはっきり申してございます。一国が相手の国の意思に反し、力または恫喝、脅迫をもって相手に意思を押しつける行為を覇権という、人心をつかんで国を動かすを王道という、したがって、わが日本は、相手がだれであろうともそのような行為があれば、具体的に、仮におたくの中国であろうとも、ソ連であろうとも、アメリカであろうとも、これに抵抗をいたします。ただし、その抵抗の仕方はおたくの仕方とわれわれの仕方は立場が違います。共同ではないということを明確にし、なおまたその覇権行為はだれが決めるのか、これは協議したり相談すべきものではなくて、わが国に対する覇権行為と断ずることはわが国自身が自主的に判断することであって、他国と相談すべきものではございません。
 次に、善隣友好関係の問題が出ましたが、二十五日午後、グロムイコ外務大臣と私は会談をいたしました。その際、当初十分間くらいは友好条約についての話でございました。私は正月にあなたと会ったときに、日本はソ連と組んで中国に脅威を与える意思は毛頭ない、また中国と組んで貴ソ連に敵対行為をすることは毛頭ない。むしろ、中ソ両国は、かつては中ソ同盟条約を結んで日本を敵国と規定したきょうだいの国である、そのきょうだいの国がけんかをして、直接けんかをしないで、両方が日本に飛ばっちりを与えることは迷惑千万である、われわれはこれに介入しない。なお、日中友好条約はこうこういうわけで遠からず締結いたしますということは正月に言ったはずであって、私が言ったことと実行したことにはいささかの狂いもないはずだ、条約を読んでくださいと言ったら、読んだと、こう言いました。そこで、どこで反ソと書いてあるかと、こう言ったら、条約の中身ではなくて、おれと争っている国と友好条約を結ぶことがけしからぬ、こういう話でありました。
 そこで、まあここらで日中問題は終わろうと向こうから言いますから、私は、あなたの意見の中ではただ一つ納得できる、それは何か、友好条約を結んだこと、それはもう抜きにして、今後日本がソ連にどのような行為をとるかと見守る、これは納得できる、われわれは従来どおり一貫した方針でソ連に対しても友好関係を促進する、こう言いましたところ、向こうは何かぶつぶつ言っておりましたから、私がそこで、あなたの方はそれでは日本と友好促進をやるつもりはないのか、それともやるつもりがあるのか、こう言ったら、おれの方は日ソの関係を改善するつもりである。わが方は一貫してやるつもりである。この言葉は違いましたけれども、日ソ双方で関係を促進していこう。このときに向こうから善隣友好関係を出してまいりました。そこで、私はこう言いました。わが国は一貫してまず未解決の問題を解決して平和条約を結んで、その次が友好条約である、順序が違う、また、いま出されておる善隣友好条約は内容に反対である、このように申し上げたわけであります。
 以上、お答えをいたします。(拍手)
    〔国務大臣村山達雄君登壇〕
#15
○国務大臣(村山達雄君) 中村議員にお答えする前に、先ほど浅井議員に対する答弁漏れがございますので、その点を最初に申し上げることをお許しいただきたいと思います。
 一般消費税の導入問題でございまして、これを導入すべきではないじゃないか、それを言明しろ、こういうお話でございました。
 ただいま総理からもいろいろお話がございましたように、実はこの一般消費税の問題は税制調査会が昨年からやっているのでございまして、もう一年半になるわけでございます。ただ、去年の中間答申のときに、もう少し具体案をつくって、そうして総会に報告し、それを国民に広く公開することによっていろいろな忌憚のない意見を政府は求めて、それをもとにしてやはり一般消費税というものを練り上げていく、こういうことでいまやっているわけでございまして、先般、九月の初旬でございましたが、特別部会から総会に発表がございまして、それがいま発表になっているわけでございます。まだ政府の方には税制調査会から正式には来ておりません。
 ただ、私たちが見る限りにおきまして、日本の状況に合わせてかなり苦心をしておる、よくできているんじゃないか、手前みそではございません、私ではございませんので。
 見ておりますと、やはりEC式の税額控除方式というのはわが国には恐らくなじまぬでございましょう。したがって、計算期間も、法人であれば事業年度、個人の場合には暦年というふうに、所得税、法人税に合わせて、売り上げから仕入れ高を控除するという方法で重複課税を除いている点が一点。それから、日本のように中小企業が非常に多いわけでございますので、売り上げによる免税点を各国より相当高く持っていきたい、これが第二点。それから第三点は、やはり逆進性という問題を考えまして、食料全般を除こうとしている点。こういう点は私は評価できると思うのでございますが、ただ問題は、これをどのような時期に、どんな幅で入れるかという問題――実は先ほどから申し上げますように、財政収支バランスの問題はいまきわめて急を告げているわけでございます。一方におきまして需給バランスの問題、経常収支バランスの問題もまた重要な問題でございます。これらの問題をあわせ考えて、いつどのような幅で導入するかということを真剣に、答申を得たときには検討してまいりたい、いま、かように思っているところでございます。
 それから、ただいま中村議員からの御質疑でございますが、ほとんどもう総理がお答えになっておりまして、今度は落とすといけませんので、住宅金融について、民間金融の分について利子補給二%くらいどうかというお話がございましたが、去年もこの話、いろいろ検討したのでございます。何分にも二十年間にわたるわけでございまして、大変な財政負担になりますので、残念ながらこれはむずかしいのではないかと思います。
 それから、投資減税の話がございました。昨年は特別償却とのすりかえで、しかも適用範囲を限定して、一年限りということでやったわけでございます。したがって、なかなかむずかしいことではございますけれども、当然やはりこの問題も、今後の予算編成に当たりまして慎重に検討してまいりたいと思っておるのでございます。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣金丸信君登壇〕
#16
○国務大臣(金丸信君) ただいま、奇襲の問題につきましては総理からお話があったわけでありますが、文民統制あるいは安全保障委員会というような考え方の中で、私は、文民統制ということは政治優先ということでありまして、政治家が相当勇気を持たなければならぬと思う。いま、現実に二十七万の自衛隊がある。いわゆる有事法制の研究という問題について撤回しろ、やってはいけないと言うけれども、有事があるから自衛隊があるということでありまして、有事がなければ自衛隊は要らないということであります。二兆円近くの予算、現実の二十七万の自衛隊がある以上、この二十七万をタブーにして政治家がこれに全然口をはさまぬということになったら、文民統制ということはどうなるのだという心配を私はいたしておるわけでありまして、中村先生のおっしゃるとおり、私は全く同感であります。
 なお、先ほど奇襲の問題につきましても総理からお話がありましたが、私は、奇襲というものはあり得ないようにすることが政治だ、できるだけあり得ないようにするのだが、万々一あるとするならば、それはどうするのだという研究ぐらい、勉強するぐらいあったっていいのじゃないか、こう申し上げたいわけであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#17
○副議長(三宅正一君) 松本善明君。
    〔副議長退席、議長着席〕
    〔松本善明君登壇〕
#18
○松本善明君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 最初は、この二カ月間、国民を不安に陥れ、世論の厳しい批判を受けてきた有事立法問題についてであります。
 まず、はっきりさせなければならないことは、この立法研究が単に防衛庁や自衛隊内部の研究ではなく、総理自身が七月二十七日の国防議員懇談会でその研究を指示し、翌日の閣議で了承された防衛白書でも、有事法令の検討が明記されているということであります。したがって、政府が国民の批判をかわそうとして、にわかに低姿勢の防衛庁見解を出したからといって済まされるような問題では決してありません。
 十三年前、本院予算委員会で三矢作戦研究が暴露され、国民の痛烈な批判を浴びたことは周知のところであります。その内容は、第二次朝鮮戦争を想定した自衛隊の参戦と、戦時の国家総動員体制確立を目指した恐るべきファッショ的有事立法そのものだったのであります。
 当時の佐藤首相は、国会での追及に対し、このようなことは絶対許せない、ゆゆしいことだと答弁し、二十六名の自衛隊幹部を処分いたしました。ところが、かつて首相みずから絶対許せないと述べたことと同様の戦時立法研究が、今日総理の指示のもとに公然と進められているのであります。一体、三矢研究のときと今日とで何が変わったのか、なぜこうなったのか、総理の明確な答弁を伺いたいと思います。(拍手)
 第二に、八月十七日、参議院内閣委員会でのわが党の山中参議院議員の質問に対し、防衛庁竹岡官房長は、言論、報道の規制を検討することを明らかにし、世論に衝撃を与えました。
 この答弁は、詳しく言いますと、国民の基本的人権と軍事的効用とのバランスを考えることが重要であり、有事とは国民の命が危険になるという事態なので、国民の多くがある程度の規制、制約を甘受するだろう、強制的にやる必要があるかどうか検討するというものであり、言論、報道の自由を含む憲法の基本的人権に制限を加えることを検討の対象とするという重大な答弁であります。
 総理、これは内閣の方針でありますか。もし内閣の方針でなければ、これを取り消すのかどうか、はっきりしていただきたいと思います。(拍手)また、憲法で、侵すことのできない永久の権利として保障されている言論、報道の自由を含む基本的人権を、有事を理由に一切制限しないと断言できるのかどうか、はっきり答弁していただきたいと思います。(拍手)
 第三は、有事立法問題と日米安保条約の切り離すことのできない結びつきの問題であります。
 総理は、昨日も本日も、自衛隊は有事のためにこそあると開き直っておりましたが、問題は具体的でなければなりません。一体有事とは何でありますか。伊藤防衛局長は私に、有事とは、朝鮮での紛争が日本に及んでくる場合を想定していると答弁をしております。しかも、この趣旨の答弁はこのときだけではありません。
 防衛白書も、朝鮮を世界で最も軍事的な対立、緊張の厳しい地域としております。
 アメリカのブラウン国防長官のアメリカ国会での二月の証言、チームスピリット78演習などで、米軍は日本の基地から朝鮮に出撃することを当然の前提としております。三矢研究と同様、朝鮮有事の際の日米共同作戦の法制的準備こそ有事立法の本質であることは明白ではありませんか。(拍手)
 戦後日本は、安保条約のもとで、朝鮮戦争とベトナム侵略戦争の二回にわたり米軍最大の前進拠点となりました。しかし、自衛隊の参戦はありませんでした。今度は、日米安保条約に基づいて、朝鮮を焦点として自衛隊参戦の具体的準備が開始されているのであります。現に日米防衛協力小委員会で、日米の作戦指揮を一本化する方針が固まったという重大なことも報道されております。
 有事立法は、この委員会での日米共同作戦研究の論理的帰結の一つとして生まれたものであります。この協議は、危険きわまりない軍事外交、秘密外交以外の何ものでもありません。私は、日米共同作戦の指揮一本化、有事立法問題などを含め、この協議内容をすべて公表することを要求し、答弁を求めるものであります。(拍手)
 第四に、朝鮮有事の事態を想定して有事立法の準備まで進められている現在、韓国の安全を日本の安全と同視してきた自民党政府の方針は、国民にとっていよいよ重大な問題をはらんでおります。
 一九六九年、当時の佐藤首相が米国で行った演説は、韓国に対する武力攻撃はわが国の安全に重大な影響を及ぼす、これに対応するため、米軍が日本を戦闘作戦行動の基地として使用する必要が生じた場合は、この認識に立って事前協議に前向き、かつ速やかに態度を決定する、と述べております。もし、韓国有事に際して事前協議でイエスと言えば、いやおうなしに、日本は朝鮮での朴政権とアメリカの戦争に巻き込まれることになるのであります。憲法は、「政府の行爲によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすること」を厳粛に宣言しております。私は、米軍が日本の基地を朝鮮での戦闘作戦行動の基地にすることのないように、事前協議でノーと言うことはもちろん、移動という名目でも米軍が日本から朝鮮に出撃しないようにすることこそが、日本の国土と国民を守り、アジアの平和を守る道であり、政府の憲法上の義務であると考えますが、事前協議に対する態度を含めて、総理の見解を求めるものであります。(拍手)
 次に、日中平和友好条約の問題について質問いたします。
 日中両国間の平和友好関係を平和五原則の基礎の上に発展させることは、きわめて当然のことであります。しかし、今回の条約によって今後の両国関係が実際に平和五原則に沿って発展するかどうか、また、この条約がわが国の自主外交の展開と世界の平和に真に役立つものとなるかどうかは、慎重な検討が必要であります。このことは、覇権条項などをめぐって交渉が難航し、本条約締結まで共同声明以来六年を要したことや、条約締結後内外から疑問が提起をされていることからも明らかであり、国民に納得のいく説明を行うのは政府の当然の義務であります。
 そこで、まず、多くの論議を巻き起こしている覇権条項についてでありますが、政府はこの覇権の内容についてどのように解釈しているのか質問いたします。
 例を挙げてお聞きいたしますが、他国の領土に軍事基地を設けることは覇権行為になりませんか。また、外国からわが国の民主運動に呼びかけて武力闘争を勧めたり押しつけたりする行為は覇権行為とみなさないのか、総理の答弁を求めたいと思います。
 第二に、この条項が特定国を敵視したものではないと明言できるかどうかという点であります。
 中国は、ことしの全国人民代表大会の政府報告で、反覇権国際統一戦線を強化し、超大国、わけてもソ連社会帝国主義の侵略政策と戦争政策に反対するとし、憲法ではそのような反覇権国際統一戦線を国策として定式化しているのであります。このことから見ても、中国が「覇権」なる言葉に特定国を対象とした特殊な意味を持たしていることは明らかであります。この条項によって、日本が中国と何らかの共通の情勢認識や共同の対処が義務づけられたり、結果として中国の特殊な外交路線に同調をさせられたりすることが一切ないと明言できるのかどうか、疑問の余地のない答弁を求めるものであります。(拍手)
 次に、日本経済と国民生活の問題について質問いたします。
 総理は、景気は明るさを取り戻しつつあると述べましたが、日本経済は、石油ショック以来の不況に昨年秋からの円高危機が加わり、失業、倒産は記録的になって、ますます混迷の度を加えております。
 ところが、今回の総合経済対策と補正予算は、七%という高い成長率を目指して、すでに破綻が証明済みの大企業本位の従来型不況対策をさらに追加するだけで、国民の購買力低下や失業者の増加には何ら抜本的な対策を講じないのであります。これでは経済政策として本末転倒と言わなければなりません。
 そこで、まず第一に、国民の強い要求である減税と福祉の改善について質問いたします。
 わが党は、補正予算編成前に、一兆円減税、老齢福祉年金の二万円への引き上げを初め、福祉の改善を強く申し入れましたが、政府はがんこにこれを受け入れません。しかし、減税、福祉は、政府の統計を使っての試算でも、それによってふえる家計消費支出の雇用拡大効果が、公共投資を一〇〇とすると一二一になり、雇用問題を解決して不況を打開するのにきわめて有効な政策手段であります。総理は、こういうことを知っていて減税、福祉をやらないのか、あるいは今後大増税をする妨げになるからやらないのか。昨日、総理は財源がないと言いましたが、不公平税制の是正、不要不急経費を削減すれば財源は十分にあるわけですから、国民に納得のいく説明を求めるものであります。(拍手)
 失業の深刻化のもとで、雇用の確保は国民生活安定の最大の指標であることは言うまでもありません。わが党が提起した、中高年齢者を中心に、事業内容も教育、医療、福祉、文化、スポーツなどに広げた二十万人規模の特別就労事業の実施は急務であります。総理はこれをやる考えがありませんか。それとも、雇用、失業対策は放置をしておいてよいという考えか、答弁を求めます。
 第二に、ますます深刻となっている円高問題について伺います。
 円高対策を考える場合に重要なことは、現在の異常な円相場を、さしあたり中小企業にも輸出が可能な二百四十円程度の水準に戻すという確固とした姿勢に政府が立つことであります。
 総理は、果たして現在の円高を異常なものと考えているのかどうか。もし、そうだとしたら、それを適切な水準に是正するために抜本的な対策をとる意思があるのかどうか、伺いたいと思うのであります。
 円高の国内的、直接的要因の一つは、低賃金、長時間労働、下請中小企業への支配などを武器とした大企業の輸出急増、異常な国際競争力であります。ところが、大企業は、円高の進行に対して徹底した減量経営を行い、大部分の犠牲を労働者や下請企業にしわ寄せし、その結果、大企業の輸出はそれほど減らず、ドル表示ではむしろふえて、新たに円高を招くという悪循環を生み出しているのであります。この悪循環を断つことが必要であります。総理にその考えがありますか。
 そのためには、大企業の不当な人減らし合理化に対する厳しい規制をするとともに、週四十時間労働制など、労働時間の短縮の実施がどうしても必要であります。また、下請の保護が必要であります。九月二十日、通産省、公正取引委員会は、下請取引の適正化を求める通達を出しましたが、しかし問題は、この通達の実効を保証する体制にあります。下請条件調査官制度をつくるなど、この体制を直ちに確立するとともに、下請関係法の全面的改正を行うべきであります。総理並びに関係大臣の答弁を求めます。
 ところで、このような抜本的な円高対策をとらずに、農産物輸入をふやして黒字を減らそうという政府のやり方は、農民の犠牲でアメリカの圧力を切り抜けようとする安易なやり方であります。
 日米農産物交渉において、日本の農民を犠牲にしないと総理は約束することができますか。農産物交渉の経緯と見通しを含めて答弁を求めます。
 政府は、国民の圧力に押されて円高差益還元を決めましたが、それは電力、ガスの二品目に限定した上、五十二年度分は除外し、しかも、円高をつくり出した張本人である大企業、たとえばトヨタ自工には十四億円、新日鉄には三十五億円に上る還元を認めるという不徹底、不公正きわまりないものであります。わが党の調査では、石油、鉄鉱石、石炭など八品目で二年間に三兆四千五百億円もの差益のあることが明らかになりました。差益のすべてを国民に還元するよう強力な行政指導を行うとともに、円高差益についてのすべての資料を国会に提出することを要求いたします。(拍手)
 電力、ガスについては、一般家庭、中小零細企業、福祉施設、構造不況業種向けに集中して還元すべきであると考えますが、答弁を要求いたします。
 次に、国民の重大な関心と怒りを呼び起こしている一般消費税問題について質問いたします。
 わが党は、かねてから、国債の増発が国民への大増税に導くと指摘してまいりましたが、最近の一般消費税導入をめぐる動きは、わが党のこの指摘の正しさを証明したものであります。
 総理は、昨日、一般消費税に魅力を感じていると答弁し、また大蔵大臣は、いま、いつどのような幅で導入するか検討していると答弁をしましたけれども、すでに導入を決めているのかどうか、まず伺いたいと思います。
 一般消費税の最大の問題点は、それが物価をつり上げ、国民の購買力を奪ってしまうことにあります。ある証券会社の調査では、五%の税率で実施した場合、消費者物価は二・六%上昇し、実質成長率は二・二%ダウンする、さらに不況が深まるため、失業者は八万人増加するという結果が出ています。
 政府は、最悪の大衆課税であり、不況の克服にも逆行する一般消費税の導入計画を即時中止すべきであります。いま必要なのは、こうした国民への大増税ではなく、不公平税制の是正、不要不急経費の削減など、抜本的な税財政改革に踏み切ることであります。(拍手)総理にその意思がありますか。一般消費税の物価、経済成長、失業など国民経済への影響を含めて答弁を求めます。
 以上、当面する国政の緊急課題について質問いたしましたが、国民にわかる具体的で明確な答弁を求めて、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#19
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えいたします。
 有事立法研究問題は、三矢研究のときは悪くて今回はなぜいいのか、こういうお話でございますが、あの三矢研究というのは、あれは佐藤総理も、よくない、こういうふうに言っておりましたが、あれは制服独走の形で防衛庁長官も知らない間に行われたというところに問題がある。今度私が有事体制について検討すべしということ、このことにつきましては私の了承を得てやっておるわけでありまするから、これは基本的にあの当時と違うのであるということを御理解を願いたいのであります。(拍手)
 なお、参議院の議員の質問に対し、防衛庁が言論、報道の規制を検討すると答弁した由でありますが、今回の防衛庁が行うところの研究では言論、報道の規制は検討の対象としないというふうに承知しております。
 また、今度の研究は、基本的人権に抵触する、そういうものにはもちろんならない、その点につきましては十分配慮してまいるつもりであります。
 次に、日米防衛協力小委員会で日米共同作戦が協議される、有事立法はこれに密接な関係があるんだというような御懸念でございますが、日本はアメリカとの間に安全保障条約を結んでおる、何のために結んでおるかと言えば、わが国の防衛のためなんです。そのわが国の防衛のために必要ないろいろな手順、段取り等について常時、日米の間で検討が行われなければならぬわけでありまして、今回御論議されておるところの有事防衛体制、この問題と日米防衛協力小委員会の協議は関係のないものである、このように御承知願います。
 なお、きょうの新聞で、毎日新聞、日経新聞で、この小委員会の研究協議で作戦指揮を一本化するというようなことが出ておるがどうかというようなことでございますが、そのようなことはあり得ません。ただし、この協議委員会の研究協議はいま行われているところでありまして、これを申し上げるわけにはまいりません。
 それから、米軍の朝鮮での戦闘行動の基地に日本を使うことは拒否すべきではないかというお話でありますが、これも佐藤内閣当時からしばしば申し上げておるところでございますが、わが国の国益を考えましてイエスと言うかノーと言うか、そういうことにいたしたい、こういうふうに思っておりますので、いま、そのような場合にノーと言うことをお約束するわけにはいかぬ、はっきりこれは申し上げておきます。
 また、米軍が、朝鮮で何か起こった場合に、移動と称して実際は戦闘作戦行動に参加する、事前協議をもぐるではないかというようなお話でございますが、米軍がわが国の施設、区域から発進をする際の任務、態様が戦闘行動であるというようなことでありますれば、これはもう事前協議をしてもらわなければならぬ、このように思います。具体的ケースの任務、態様、そういうことを客観的に見きわめて判断すべき問題でありますが、しかし、日米間の信頼関係からして、米国が事を曲げて、もぐって事前協議を避けるというようなことはあり得ない、このように考えております。
 それから、日中問題でありますが、政府は、覇権をどう解しておるのだろうかと言うのですが、覇権は、これはしばしば申し上げておるのでございまするけれども、一国が他国の意見に反して力によって自己の意見を押しつける、この行為を覇権、覇権行動である、このように見ておるわけでありますが、御指摘のようなこと、つまり他国に基地を設けること、相手国の民主運動に武力闘争推進の立場から干渉、介入することというようなことが一体覇権行動になるのかならないのか、これは具体的な問題に当面してみないと判断ができない、このようにお答えを申し上げます。
 また、覇権条項は特定国を対象にしていないというふうにはっきり言えるか、こういうお話でございますが、これは、いないということをはっきり申し上げる次第でございます。
 したがいまして、御言及がありましたけれども、中国に何らかの共通の情勢認識を約束しだとか、共同の対処を義務づけられたとか、そういうようなことは一切ありません。これは条約の第四条をよくごらんおき願いたいのであります。
 次に、経済問題でありますが、減税をどうしてしないんだというようなお話ですが、これは何回も何回も申し上げましたから、この際省略いたします。
 また福祉、これにつきましてもお話がありましたが、これは年金などの社会保障関係につきましては予算の重要項目としてずっと進めておりますので、御理解のほどをお願い申し上げます。
 また、共産党におきまして二十万人就労事業の提案をいたしておるというわけでありますが、私どもが経済を安定させ、また経済を向上、発展させるそのゆえんのものというか、ねらいは何であるかと言えば、これは雇用を促進するということが一番大きな難点になっておるわけでありまして、さらばこそ、今度の補正予算その他の施策において雇用を中心といたしました需要喚起政策をとっておるのでありまして、まあそのようなことに全力を注いでおるのだということを御理解のほどをお願い申し上げます。
 またさらに、現在の円高が異常である、適切な水準に戻すべきではないかというお話でございますが、いま円高だというか、それはドル安と言った方が適当かもしれませんけれども、どうして起こっているのだといいますれば、アメリカの国際収支が非常に悪化しておる、またアメリカの国内においてインフレが進行しておる、こういうことが主軸になっており、それと並行いたしましてわが国の国際収支が大幅な黒字であるということも手伝っておるという状態にあるわけでありますが、私はどの辺の相場が適正であるかということは、これはもうここでは――ここではというか、申し上げる立場にありません。ありませんが、何とかしてこのドルの価値が安定してもらいたい、これを念願いたしております。そのためにアメリカに対しましては、ドルの価値維持のための施策をとることを強く要請し、また諸外国ともその方向に沿っていろいろ協議をいたしておる、このように御理解を願いたいのであります。
 また、円高の原因は、大企業の低賃金政策等にあるという御指摘でございますが、いま円高とおっしゃいましたが、これはドル安と、こう言った方が適当かと思います。ドル安円高、これの原因につきましては、先ほど申し上げたとおりであります。決して低賃金政策がこれに影響しているんだというようなことではありません。
 それから、差益のすべてを還元するように行政指導せよ。まあ円高差益はかなり還元をされておるのです。卸売物価を見てください。また消費者物価も見てください。物価水準というものが、全体として世界で一級の安定度を示しておるということは、もうすでに円高の差益というものが還元されておるということを如実に示しておるわけであります。その中で政府が関与しておるものが、物価があるわけであります。そういうものにつきましては、これも昨日、本日申し上げましたが、いま電力、ガスを初めできる限りの努力をしておるということは御承知のとおりでございます。
 なおしかし、円高差益の国民への還元につきましては、この上とも努力をいたしたいと思います。
 なお、それに関連いたしまして日米農産物交渉で農民を犠牲にしてはならぬというお話でありますが、農民だけを犠牲にするということは、これはいたしません。農民の立場、農村の状況をよく踏まえまして、そして妥当な結論を得るように努力をいたしたい、かように存じます。
 最後になりましたが、一般消費税導入、これは政府はその態度を決めておるのか決めておらぬか、こういう話ですが、これはるる申し上げておりますとおり、まだ、税制調査会の特別部会から試案があった、その試案が世の中にいま公表されておるという段階でありまして、政府に答申があったわけではございません。もとより、この一般消費税導入案を政府として決めておるわけではないということは、明快に申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣河本敏夫君登壇〕
#20
○国務大臣(河本敏夫君) 円高に関連をいたしまして、最近、下請企業に相当しわ寄せが行っております。そこで、今月二十日に通産大臣と公取委員長の名前で、親企業と親企業の団体に対しましてそういうことのないように十分配慮するようにという通達を出しましたが、それだけでは不十分でございますので、関係者を呼びまして、口頭で十分その内容と趣旨を説明いたしております。
 それからなお、下請代金検査官を若干十月から増員をする予定でございます。引き続きまして、明年度以降もさらにこれを増員する予定にいたしております。
 次に、電気、ガス料金を一部の者にだけ還元せよ、こういうお話でございますが、これは供給区域の全需要者に対しまして公平に還元するように指導をいたしております。(拍手)
    〔国務大臣藤井勝志君登壇〕
#21
○国務大臣(藤井勝志君) 企業の雇用調整に関する御質問、これは企業の実情が一番わかるのはその労使関係者でございますから、それらの関係者が十二分に話し合いをして解決をしていただく、これが基本でございまして、これが規制措置によるべきではない、このように考えております。
 労働時間対策の問題でございますが、これはすでに去年の末ごろでございますが、中央労働基準審議会から建議を労働大臣は受けまして、そして時間短縮、週休二日制、有給休暇の拡大、こういった提案でございまして、長期的に考えまして、やはり仕事を分け合うというこういったことから考えまして、好ましい方向である。ただし、これは現在の不況の状況、いろいろなことを考えまして、やはり慎重に粘り強く努力していく、こういう方向でこれから進めたい、このように考えるわけでございます。(拍手)
    〔国務大臣中川一郎君登壇〕
#22
○国務大臣(中川一郎君) アメリカとの農産物の輸入問題につきましては、総理が答弁ありましたように、農家にだけ犠牲を与えるというようなことがないように今日まで粘り強く交渉してまいりましたし、まだ意見の一致は見ておりませんが、今後も粘り強くアメリカへの理解を得て円満な解決を図りたい、かような考えでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#23
○議長(保利茂君) 河野洋平君。
    〔河野洋平君登壇〕
#24
○河野洋平君 私は、新自由クラブを代表し、今日の政府の施策全般について福田総理の所信を問うものであります。
 まず、政策運営の基本についてお伺いをいたしたいと思います。
 立党以来二年、私たち新自由クラブが全国で続けている遊説で、私たちは、賢明な国民の大多数は自由主義体制の維持発展をまじめに求めているということを感じました。次の世代のためによりよい自由社会をという合意は、確実に生まれつつあると感じました。そうした中で、国民の皆さんがまさに求めておられるものは、現在の安心とあすへの希望であります。私たちは、北海道から九州、沖繩に至る全国の町や村で、かぜを引くと薬づけにされるのに、命にかかわるような重病にかかると差額ベッドだ、何だかんだと借金に追いまくられる、あるいはもうすぐ定年なのに子供にはまだ学費がかかる、年金では食べられない、そういった先行きに対する不安の声を直接聞きました。
 こうした国民の皆さんの将来への不安を解消するためには、われわれがどんな自由社会を目指すべきかが最も重要な問題だと考えます。強大な政府に管理された行政主導型の自由社会か、一人一人の創意工夫と活力を基軸に置いたいわゆる民間主導型の自由社会か、これからの日本は、この二つのタイプの自由社会のいずれの方向を進むべきか、その選択の岐路に立っているのではないでしょうか。
 私たち新自由クラブは、戦後の経済の繁栄は、主として民間のすぐれた活力がもたらしたものだと認識すると同時に、最近の日本経済の行き詰まりを打開し、新しい発展を期するためには、これからの日本は、あくまでも簡素で、あるいは小型で、能率のよい政府を持つ民間主導型の自由社会であるべきだと考えます。
 しかし総理、あなたがいま志向しておられる政策運営の路線は、明らかに強大な政府による行政主導型の政治ではないでしょうか。あなたが打ち出しつつある増税路線は、肥大化した官僚機構をさらに膨張させて官僚主導を強化することにつながるものであり、日本経済の発展を支えてきた民間の活力をいたずらにそぐ結果になることは明らかだと思います。過剰な公の介入は、運輸行政を初めとして約一万件に上ると言われる政府の許認可権を見ても明らかであります。
 私たち新自由クラブは、民間経済の公正な活力の尊重を基本とする経済運営の方途として、この際、増税ではなく、政治的にはきわめて困難な道ではあると思いますけれども、政府が思い切った歳出削減を行うよう提唱したいと考えます。(拍手)
 巨額に上る財政赤字の穴埋めのための増税の前に当然なされてしかるべきことは、かねてから指摘され続けてきた不公平税制の是正、そしていわゆる三Kなどの抜本的再検討だと信じます。国鉄の民営移管、健康保険制度の一元化、食糧管理制度の新たな位置づけなどについて、国民の合意を得る努力がもっともっと行われなければならないのではないでしょうか。補助金事務の合理化が行われれば、国家公務員二万五千人、行政経費でおよそ六千億円を節約することができるとの行管内部での試算があると私どもは聞いておりますが、総理は承知しておられましょうか。こうした課題に大胆なメスを加える意思がおありかどうか、お尋ねをいたします。
 行政改革すらかけ声だけに終わらせたあなたに、旧態依然たる諸制度の見直し、既得権益の壁への挑戦を求めることは、どだい無理な話かもしれません。しかし、そうした政府の歳出削減への努力なしに一般消費税などの増税をもくろんでいるあなたの姿勢は、国民の不信を招くだけであることをこの際断言しておきたいと思います。総理の御所見をお伺いいたします。
 今日の経済情勢を考えると、私たちは思い切った景気対策が必要と考えます。しかし、あなたが今国会に提出した補正予算については、直ちに納得のいかない点が幾つかあります。
 総理、あなたがこれはベストの予算だ、修正要求に応ずる気はないとあれほど五十三年度当初予算の政府原案にこだわったのは、まだわずか六カ月前のことではありませんか。もちろん経済は生き物であり、機動性のある対応が必要であることを私どもは認めます。しかし私たちは、この当初予算では景気の回復は望めない、そうわれわれは予見し、大幅な所得減税を求め続けてきたのであります。
 今日の状況について一言の反省もなく補正予算を提出してくるこの無定見と無責任さを、あなたはどう国民の皆さんに説明をされるのか、明確にしていただきたいと思います。
 予算の内容についても問題があります。総理は、私たちが五十二年度予算審議以来提案をしてきた所得減税について、その経済政策としての効果を全くお認めにならないのでしょうか。総理の見解をお伺いいたしたいと思います。
 私たち新自由クラブは、不況に悩んでおられる方々に対する手厚い財政措置を要求してまいりましたが、政府が予算に組んだ特定不況業種や中小企業対策は、わずか三百億円ではありませんか。
 私たちは、特定不況地域に対して新たな公共事業を実施したり、既定の計画を思い切って繰り上げ施行するなどの施策を提案をいたします。今後、特定不況地域に対してどのような具体的対策を進めるか、お聞かせを願いたいと思います。
 また、あなたが景気対策の決め手だと主張される公共事業の進め方についてもお尋ねしなければなりません。公共事業は本来、大地震などに備える防災対策や過密過疎の解消などを加味した総合的な国土計画と関連づけて計画されるべきだ、そう言われています。この補正予算における公共事業費が一体何を基準に配分されているのか、御説明を願いたいと思います。
 総理は所信表明演説の中で、日中平和友好条約の締結などによって、わが国の外交が、受け身の対応から進んで世界の平和に積極的な役割りを果たすべきときが到来したと述べられました。アジアの平和と安定のためには一日も早い日中平和友好条約の締結が望ましいと主張し続けてきた私たちは、きょうまでの松村先生を初めとする先輩の御努力と政府の決断に敬意を表し、条約の締結を心から喜ぶものであります。
 不正常な関係が続いてきた中華人民共和国との間に対等な関係が築かれたことは、日本外交の一つの前進であります。今後は、両国間に経済、文化などの交流が一層活発化することを心から切望いたします。
 しかし、総理、私たちはここであなたの外交方針に幾つかの疑念を表明せざるを得ないのであります。
 その第一は、世界の信頼をわが国が得るために必要な条件の一つと言われ、今日の国際的責務でもある海外経済協力に対する政府の取り組みが依然として十分でないという点であります。わが国の存立は、世界の平和維持と海外諸国との間の友好関係の発展にそのすべてがかかっていることはいまさら言うまでもありません。技術援助を含めた経済協力の重要性がかねてから指摘されているのはそのためであります。
 総理は、さきの先進国首脳会議で、政府資金による援助の総額は三年間で倍増すると約束されました。しかし、その約束は、残念ながら逆に世界の不信を買う結果になりかねないことを私たちは心配をするのです。単純に援助額を倍増させても、日本のGNPの成長を考えると、昭和五十五年度の政府資金による援助がGNPに占める割合は、現在の〇・二一%から〇・二三%にふえるだけだと著名な経済学者は指摘をいたしております。国際的要請である〇・七%はもちろん、経済協力開発機構の中の開発援助委員会の平均である〇・三三%にも及ばず、これでは世界を失望させ、むしろ反発を招くだけではないでしょうか。余りにも見え透いた言葉の魔術で対日批判をかわそうとする外交は、かえって日本の国際社会における信頼を失わせるだけではないでしょうか。このことと、総理が所信表明演説の中で述べられた国際社会に対するわが国の先導的役割り云々というこのせりふとの関連は一体どうなるのでしょうか。この際はっきりと御答弁を願いたいと思います。
 いかにわが国の外交が主体性のないものであるかを示す一つの例として、私はここで国連大学への拠出金問題について再び触れたいと考えます。
 園田外務大臣は、先日の国連総会での演説で、わが国がなし得る国際協力の第一は、その経済力を、国際社会の安定と繁栄のために積極的に活用することであると言明をされました。にもかかわらず、国際協力によって世界の飢餓、食糧、資源問題などに取り組もうという国連大学の今日の状態は、一体どうでしょうか。各国からの拠出金が不足してその運営は危機に瀕しております。国連大学を日本に誘致し、そして一億ドル以上の拠出についても協力をする、そう言い続けてきたわが国の立場をもう一度考えてみる必要はないでしょうか。
 総理の先ほどの御答弁では、約束は必ず守る、相手国の都合でだめな場合は別としてとおっしゃいましたけれども、この国連大学の問題は、一体総理はどうお受けとめになるのでしょうか。私は、むしろ日本の外交の主体性を考えれば、アメリカが出さないから日本は出さないという、そんな消極的な議論は通用しない。むしろ、国際社会が財政問題で苦悩しているその時期に、ホストカントリーである日本の国がこの国連大学への拠出を積極的に行って、この有意義な国連大学の運営にもっともっと積極的に参画をなさる必要があると思いますが、総理の御所見はいかがでございましょうか。
 先ほど、国連での名演説をなさった外務大臣、あなたの監督する外務省は、アメリカが拠出を渋っているという理由で、五十四年度予算では外務省は国連大学への拠出の要求すら出していないというのが実情ではありませんか。わが国の経済協力が、各国から不信の目で見られ続けてきたのは、わが国が目先の経済効果だけをねらったり、有言不実行を繰り返してきたためでもあるのです。目にはすぐ見えないが、長期的には日本の国際社会における信頼を深めることになるこの国連大学への協力を惜しんではならないと思います。明快な御答弁をお願いをいたします。
 もう一つ、日中平和友好条約締結後の日ソ関係についてお伺いをいたします。
 総理は、今後の日ソ関係について、「日ソの関係を真に安定した基礎の上に発展させるためには、北方四島の祖国復帰を実現して平和条約を締結することが不可欠であり、政府は、粘り強く対ソ折衝を続ける」と言われました。
 言うまでもなく、北方領土問題については、一九五六年の日ソ共同宣言で、「ソ連は、日本の要望にこたえかつ日本の利益を考慮して、歯舞群島及び色丹島を日本に引き渡すことに同意する。ただし、これらの諸島は、日本とソ連の間の平和条約が締結された後に現実に引き渡される」とされ、一九七三年の日ソ共同声明でも、「双方は、第二次大戦の時からの未解決の諸問題を解決して平和条約を締結することが、両国間の真の善隣友好関係の確立に寄与することを認識する」とされております。こうした歴史的経緯があるにもかかわらず、北方領土問題の解決は少しも進展せず、一方ではソ連による北方四島での既成事実が積み重ねられつつあるのは、きわめて遺憾というほかはありません。懸案であった日中関係の改善が終わったいま、政府は北方領土の返還のための具体的方法について明らかにすべきではないでしょうか。ただ単に粘り強く折衝を続けると言うだけではなくて、四島一括返還の具体的方法を論ずべき段階を迎えたと思いますが、総理のこの問題に対する御所見をお伺いいたします。
 さて、総理総理は所信表明演説の中で人づくりを強調され、日本の「新しい活力の源泉を再びここにこそ求めるべきである」と述べられました。教育の改革、充実は、私たち新自由クラブが立党以来主張し続けてきた命題でもあり、遅きに失したとはいえ、その重要性への認識を深められたことを私たちは一定の評価をしたいと思います。
 しかし、教育の問題は、総理が述べられた抽象論の段階ではなく、切実な現実の問題として論議されなければもはや意味を持たないのであります。
 八月に発表された総理府の調査では、児童生徒の三分の一、中学校上級生では六七%が進学の不安に駆られていると言われています。この春、特殊な例ではありますけれども、某国立大学の付属小学校の児童の募集に、男子が四十一倍、女子が八十一倍、平均して六十倍の入試地獄となったと新聞は報じています。こうした入試地獄が、教育上最も重要な時期にある幼年期の子供たちにどんなに暗い影を落としているのかをあなたは一体御存じなのでしょうか。こうした入試地獄の解消や、毎年毎年の授業料引き上げによって一層家計を圧迫するようになってきた教育費の問題、また、今回の学習指導要領の改定に指導的役割りを果たされた高村象平氏もその必要性を指摘しておられる六・三・三・四制の抜本的改革、さらに、幼保の一元化、具体的な改革を真剣に進める総理にお考えが一体あるのでしょうか、お尋ねをいたします。
 総理はまた、新しい時代に備える技術革新の必要性を指摘されました。しかし、あなたの言葉とはうらはらに、福田内閣の文教及び科学技術関係予算は、五十二年度、五十三年度と一般会計に占める予算比率を年々低下させてきているのは、一体どういうわけでしょうか。予算編成の際の各省一律増額主義を改めて、文教及び科学技術関係予算を来年度から思い切って増額されるお気持ちがあるかどうか、具体的に一般会計に占める比率でお答えをいただきたいと思います。
 総理は、最近の自民党内の派閥抗争について、一体どうお考えでございましょうか。それが政権を担当する政党である以上、われわれは黙視できないのでございます。派閥の弊害は、それがときに派利派略となって国政全体に重大な影響を与えるだけに、総理も派閥解消を約束されたのではないでしょうか。
 ところが、総裁選挙が近づくにつれて、この派閥解消の総理のかけ声は、国民を欺いて、まさに馬脚をあらわした、こう考えます。閣僚の中には、自分の属する派閥の領袖のために走り回っている者さえいることを総理はどのようにお考えでしょうか、お伺いをいたしたいと思います。(発言する者あり)
 御心配をいただいておりますが、わが党には活発な政策に対する意見の交換はあっても、権力闘争はないのであります。(拍手)
 また、最近、自民党内に、国の存立にかかわる有事の際の対応策や国民の大多数が合意している元号問題に対する取り組みを逆手にとって、戦前のあしき政治体制をなつかしみ、それへの回帰を目指すかのような主張があることを私たちは見逃すわけにはまいりません。その誤った動きが有事立法や元号法制化問題をどれほどゆがめているか、残念なのであります。
 こうした流れは、今日の自由社会の基本を支持し、よりよい未来を築き上げようとするわれわれ新自由クラブの考え方とは全く相入れないものであることをここに明らかにしておきたいと思います。
 戦後の瓦れきの中で国民の皆さんが暗黙のうちに合意した新しい国づくりの目標は、平和な、文化水準の高い国家であった、そう認識するわれわれは、総理がこうした危険な潮流をどうお考えになっておられるか、たださずにはおられないのであります。あなたの政治姿勢の基本にかかわることでありますから、明快な御答弁を期待して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#25
○内閣総理大臣(福田赳夫君) まず第一に、福田内閣は官僚主導の政治だというような御指摘でございますが、そのようなことは全然私どもは考えてもおりませんし、官僚主導でなくて、これはもう内閣主導である、このように考えておるということを明快に申し上げます。
 増税する前に歳出の削減、行政整理、こういうことを考えるべきではないか、こういうお話でございますが、考え方は、私は、全くそのとおりに考えておるわけでありまして、行政整理につきましては、昨年の十二月、御承知のように包括的な改革案を示したのですが、あれで終わりというふうには考えておらないのです。さらにさらに行政整理、行政改革は、これをとり進めていきたい。
 特に名指しまして、行政管理庁に六千億節約案というのがあるが承知しておるか、こういうお話ですが、私はそれは承知しておりません。おりませんけれども、経費の節約につきましては、行政管理庁、大蔵省を中心といたしまして、さらにこれを推し進めていく考えでございます。
 次に、経済全体につきまして御論議がありまして、そうして経済失政というようなお話でありますが、私は、国際経済といいますか、円ドルの関係、特にドルの国際経済社会における価値低下、あれがああいう急激な形で起こってきた、あれを見通せなかったことにつきましては、まことに遺憾と申し上げるほかはないのであります。しかし、いま世界じゅうが揺れ動いておるのです。そういう中では、わが国はかなりかけ離れたいい姿で動いておる、こういうふうに私は見ておるわけであります。しかし、努力の余地がないというわけではありませんから、この上とも一生懸命やります。
 御質問の所得減税の問題ですね。これはしばしば申し上げてきておるのですが、いまこの段階で所得税減税をするがいいかということを真剣に考えてみると、これはとり得ざる方策である、このように考えておるわけであります。
 もとより、河野さん、あなたは所得減税に効果があるかどうかというような聞き方をしておりますが、これはそれ自身に効果がないなんて申し上げたことはございません。国民は喜びますよ。また、それにつれまして消費購買力も出てきますよ。しかし、それを国全体として大きな立場で見た場合に取り上げ得るかどうかという問題を申し上げておるわけでありますので、よろしくお願いを申し上げたい、このように存ずる次第でございます。
 それから、特定不況地域に対する対策が十分でない、こういう御指摘でございますが、特定不況地域中小企業対策に関しましては、現在、当面の対策として、特定不況地域中小企業対策緊急融資の創設など、七項目の措置をとってまいりました。
 しかし、さらに今国会におきまして、特定不況地域中小企業対策臨時措置法案、特定不況地域離職者臨時措置法案の二法案を御提案申し上げまして、御審議を願うことにいたしておりまするが、これによりまして特定不況地域対策は大きく前進をする、こういうふうに考えておりますので、ぜひ御協力のほどをお願い申し上げたいのであります。
 また、三全総の考え方、つまり防災だとか過密過疎対策、そういうものが今度のこの補正予算で反映されておるかというお尋ねでございますが、今回の補正予算の編成に当たりましては、やはり私が前からこれは第三の道というものが考えられないかということを言っておるのですが、この第三の道というのが、詰まるところ新三全総です。これに相通ずるところが非常に多いわけでありまして、第三の道が大きくこの補正予算に取り入れられておる。したがって、三全総の考え方はこの補正予算に取り入れられておる、このように御理解を願いたいのであります。
 それから、日中関係の今後につきましてのお尋ねでございますが、条約ができたということ自体も非常に結構でございまするけれども、それをスタートといたしまして、あるいは経済の、あるいは技術の、あるいは文化の交流を積極化いたしたい、このように考えまして、もうすでに河本通産大臣が北京を訪問をいたしております。
 また、一昨日は、周という中国の科学院の総裁が来日いたしまして、私を訪ねておる、また関係者と会談をしておる、こういうような接触が始まっておるわけでありまして、あるいは留学生の問題をもう少し拡大いたしますとか、あらゆる面の交流を活発化させていきたい、このように考えておる次第でございます。
 国際社会においてわが国がとるべき姿勢について若干の御質問がありました。
 第一は、経済協力に対する姿勢の問題でございますが、わが国はとにかく軍事力を持ってない国である。世界が平和で繁栄しないと、わが国の平和もないし、繁栄も発展もない国であります。そういう立場を考えまするときに、やはり経済協力は国際社会に貢献する一つの大きな道筋である、このように考えるわけであります。そういう考え方につきましては、河野さんと全く違いはないわけでありまするけれども、その具体化をもう少し徹底せよというお話でありますが、政府は、御承知のように、いままで五年倍増の勢いでODA援助を進めてきておったのでありまするが、これを三年倍増というふうにいたし、しかも、いま御心配が表明されましたが、そういう心配のないように、つまり、GNPの中におきましても逐次前進をいたしていくように、このODA援助を運営してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
 また第二の問題といたしまして、国連大学のお話がありました。国連大学につきましては、河野さんもずいぶん熱心にこれを推進されたことはよく承知しておりますが、わが国は最初からこの問題につきましては、指導的な役割りを担ってきておるわけであります。拠出金につきましても、最大の額を拠出をいたしておる。大学発足以来、四年間で七千万ドルの拠出をいたしておるのであります。他方、他の国がどういう拠出をしておるかというと、これは必ずしも十分ではない。御承知と思いまするけれども、拠出の総額が八百万ドルだ、こういう状態なんです。
 そこで、わが国がここで進んで必要差額分を出してしまうという考え方もあろうかと思いますけれども、とにかく、この際、他の国、特にアメリカが拠出していない、そういう国々に拠出を勧め、そして、それとつり合いというか、その成り行きを見ながらわが国の拠出も拡大していく方が、終局的にいい大学になるというために効果があるのではあるまいか、そのように考えておる次第でございます。
 それから、北方四島返還について、具体的交渉の手順、方法を明らかにせい、こういうお話でございますが、これはグロムイコ外務大臣が両国間の了解どおり、ことしあるいは来年正月でもよろしゅうございます。とにかくわが国に来て、日ソ間の諸問題の討議をする、そういう間においてこの問題の糸口を切り開くという手法、それから、田中首相がかつてモスクワを訪問したのです。そのとき、ソビエト連邦側の首脳もわが国を訪問すべきである、訪問を要請したわけであります。そのとき、訪問いたしましょうということになっておりますので、向こう側の首脳が来て、私ども、外務大臣でも、いろいろと話をするということもまた一つの考え方であろうか、こういうふうに思うのですが、そのことを当面進めてまいりたい、このように考えております。
 人づくりは一般論でなく、具体論で議論せねば無意味だという話であります。そのとおりであります。しかし、ここでまた余り細かいことを申し上げておりますと皆さんに申しわけございませんから、それは差し控えますが、私は、わが国の教育水準、これを全体として押し上げる、そのための努力ということを考えておるわけです。その高い教育水準の中にあって、私はまた世界的役割りを演ずるようなそういう人も輩出するであろう、こういうふうに考え、まあとにかくこれから先々を考えますと、いろいろ変化、変動に富んだ不安定な世界情勢じゃないかと思う。そういう中でやはりしっかりした日本人、これが集まっておるということになれば、私は、いかなる事態がありましても、これを切り抜けることができる、このように考えますので、人づくりにつきましては、これは最重点の国策といたしまして推し進めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
 また、五十四年度予算に占める文教、科学技術対策費の比率をどうするのだというお話でございますが、まだ五十四年度予算は手がけておりません。しかし、五十四年度予算編成の際には、科学技術、この問題には重点を置いて配慮したい、このように考えておる次第でございます。
 最後に、わが自由民主党の党内事情につきましていろいろ御注意がありましたが、謹んで承りまして、わが自由民主党の運営に誤りなきを期してまいりたい。また同時に、危険な風潮があるというような御指摘でございましたけれども、まあ自由民主党は、河野さんも御承知のとおり、大変幅の広い政党ですから、いろいろなことを言う人がありまするけれども、私は、決して矯激な風潮に流れるというようなことをいたしませんし、また、私が反対な方向に流れるということはありませんし、また、中道を堅持して誤りなきを期していきたい、このように考えております。(拍手)
#26
○議長(保利茂君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。
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#27
○議長(保利茂君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  福田 赳夫君
        法 務 大 臣 瀬戸山三男君
        外 務 大 臣 園田  直君
        大 蔵 大 臣 村山 達雄君
        文 部 大 臣 砂田 重民君
        厚 生 大 臣 小沢 辰男君
        農林水産大臣  中川 一郎君
        通商産業大臣  河本 敏夫君
        運 輸 大 臣 福永 健司君
        郵 政 大 臣 服部 安司君
        労 働 大 臣 藤井 勝志君
        建 設 大 臣 櫻内 義雄君
        自 治 大 臣 加藤 武徳君
        国 務 大 臣 安倍晋太郎君
        国 務 大 臣 荒舩清十郎君
       国 務 大 臣 稻村左近四郎君
        国 務 大 臣 牛場 信彦君
        国 務 大 臣 金丸  信君
        国 務 大 臣 熊谷太三郎君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
        国 務 大 臣 山田 久就君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 真田 秀夫君
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ソース: 国立国会図書館
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