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1978/10/06 第85回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第085回国会 本会議 第5号
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1978/10/06 第85回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第085回国会 本会議 第5号

#1
第085回国会 本会議 第5号
昭和五十三年十月六日(金曜日)
    ―――――――――――――
  昭和五十三年十月六日
    午後二時 本会議
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和五十三年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和五十三年度政府関係機関補正予算(機第1
  号)
    午後九時二十四分開議
#2
○議長(保利茂君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
#3
○加藤紘一君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)、昭和五十三年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和五十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三件を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
#4
○議長(保利茂君) 加藤紘一君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(保利茂君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和五十三年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和五十三年度政府関係機関補正予算(機第
  1号)
#6
○議長(保利茂君) 昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)、昭和五十三年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和五十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三件を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。予算委員長中野四郎君。
    ―――――――――――――
 昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)及び同報告書
 昭和五十三年度特別会計補正予算(第1号)及び同報告書
 昭和五十三年度政府関係機関補正予算(第1号)及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中野四郎君登壇〕
#7
○中野四郎君 ただいま議題となりました昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)外二件につきまして、予算委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 この補正予算三件は、去る九月二十六日本委員会に付託され、三十日に提案理由の説明を聴取し、十月二日から質疑に入り、本六日、質疑終了後、討論、採決をいたしたものであります。
 まず、補正予算の概要について申し上げます。
 一般会計予算の補正は、歳入歳出とも、それぞれ当初予算額に一千四百五十億円を追加するものであります。
 歳入におきましては、昭和五十二年分所得税の特別減税による所得税の減収見込み額三千億円を減額し、前年度剰余金受け入れなどを計上するとともに、三千億円の公債を増額発行することにいたしております。
 歳出におきましては、景気の回復を一層確実なものとし、国民生活の安定を確保するため、公共事業関係費の追加三千五百五十億円、文教・社会福祉施設等整備費、船舶建造費等の追加一千三十八億円のほか、構造不況業種・中小企業等特別対策費、経済協力等特別対策費、水田利用再編対策費など、合計七千百五十二億円の歳出追加を行い、他方、既定経費の節減、公共事業等予備費の減額、その他合計五千七百二億円の修正減少を行うことといたしております。
 以上の結果、昭和五十三年度の補正後の一般会計予算額は、歳入、歳出とも三十四兆四千四百億円となり、歳入のうち、公債金の総額は十一兆二千八百五十億円、公債依存度は三二・八%となることになります。
 次に、特別会計予算及び政府関係機関予算につきましても、一般会計予算の補正に関連し、それぞれ所要の補正を行うことといたしております。
 次に、質疑のうち、主なものについて、その概要を申し上げます。
 まず、経済の現状について、「現在のわが国の経済は、国際収支、雇用需給、財政収支の三つの点で大きな不均衡に苦しめられているが、経済の運営がうまくいっていると言えるのか」との趣旨の質疑があり、これに対して政府から、「円高ドル安により、輸出が鈍化して成長に悪影響を及ぼすなど問題はあるが、概してよくいっている」旨の答弁がありました。
 次に、五十三年度の経済成長率目標七%の達成の可能性について、「今回の総合経済対策は、事業規模二兆五千億円と称しているが、その柱となる補正予算は、純増が一千四百五十億円にすぎず、これで果たして七%成長が達成できるのか。昨年度は輸出の下支えがあったが、今年度は輸出に全く期待することができず、結局、昨年と同様に第二次補正予算を組まざるを得なくなるのではないか。総理は、七%成長の達成に責任を持つと言うが、それはどういう意味か」との趣旨の質疑がありました。これに対して政府から、「国外的要因による成長の不足を補うため、総合経済対策を立て、補正予算を組んだものであり、これが着実に施行されることにより、七%成長は可能である。今年は昨年とは基本的に事情が異なっており、円の激変はないと思う。しかし、経済は流動的なものであるから、客観情勢の変化には、財政ばかりでなく金融を初め、あらゆる施策を機動的、弾力的に活用し、終局において七%成長を実現する」旨の答弁がありました。
 次に、一般消費税導入の問題について、「来年度も引き続き積極型予算を組む必要があると思われるが、デフレ効果のある一般消費税を導入するつもりでいるのか」との趣旨の質疑に対し、政府から、「一般消費税については、必要の場合にはいかなるものを導入するかを研究している段階であり、今日の経済の客観情勢では増税の余地はないと思うが、来年度予算編成の際、諸般の情勢を勘案し、慎重に対処する」旨の答弁がありました。
 次に、減税問題について申し上げます。
 本補正予算の審議を通じて各野党より、さまざまの角度から一兆円の所得減税が主張されたのであります。すなわち、「今年の春闘相場は低く、その上国鉄運賃を初め各種の公共料金、手数料等の引き上げによる国民の負担増はきわめて大きく、個人消費が伸びないのは当然であり、減税が必要である。公共投資一本やりの景気刺激策では、一昨年も昨年も内需を喚起できなかったのであるから、ことしは、減税政策を併用すべきである。輸出の落ち込みは、政府の見通しよりも深刻であり、また、民間住宅建設は、公庫融資枠を拡大しても自力建設分の肩がわりになるにすぎず、したがって一兆円程度の追加需要を必要とするが、公共投資はもはや消化不可能であり、減税以外には方策がない」等の意見が述べられました。これに対して政府から、「公共投資の方が減税より景気刺激効果がすぐれており、同じ一兆円を使うなら公共投資を選ぶべきである。減税は、納税者以外には何らの恩恵を与えないが、公共投資は、雇用の機会を創出し、失業者を救済できる。公債依存度実質三七%という苦しい財政事情下にあるとき、この上赤字公債を増発し、インフレの危険を招くことはすべきでない。所得税負担の点から見ても、わが国の負担率は決して高くなく、減税の必要性はない」との趣旨の答弁がありました。
 以上のほか、日中平和友好条約、緊急輸入、日米農産物交渉、国際通貨問題、円高差益の還元、エネルギー対策、雇用政策、有事法制及び奇襲対処問題等の国政の各般の事項にわたって熱心な質疑が行われましたが、詳細は会議録により御承知願いたいと存じます。
 本日、質疑終了後、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党から三党共同提案により、また、日本共産党・革新共同から、それぞれ昭和五十三年度補正予算三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出され、趣旨説明が行われました。
 次いで、補正予算及び両動議を一括して討論に付しましたところ、自由民主党は、政府原案に賛成、両動議に反対、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党は、いずれも三党共同提出の動議に賛成、政府原案及び日本共産党・革新共同提出の動議に反対、日本共産党・革新共同は、同党提出の動議に賛成、政府原案に反対、新自由クラブは、政府原案に賛成、両動議に反対の討論を行いました。
 次いで、採決を行った結果、両動議はいずれも否決され、昭和五十三年度補正予算三件は、多数をもっていずれも可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告を申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#8
○議長(保利茂君) 昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)外二件に対しては、武藤山治君外八名から、三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。
 この際、その趣旨弁明を許します。藤田高敏君。
    ―――――――――――――
 昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)昭和五十三年度特別会計補正予算(特第1号)及び昭和五十三年度政府関係機関補正予算(機第1号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔藤田高敏君登壇〕
#9
○藤田高敏君 私は、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、三党を代表して、ただいま議題となりました予算三案に対する動議につき、その理由及び概要を御説明いたします。
 まず、動議の主文を朗読いたします。
  昭和五十三年度一般会計補正予算、昭和五十
 三年度特別会計補正予算及び昭和五十三年度政
 府関係機関補正予算については、政府はこれを
 撤回し、左記要綱により速やかに組替えをな
 し、再提出することを要求する。
  右の動議を提出する。であります。(拍手)
 以下、具体的な内容は、すでにお手元に資料を配付したとおりでありますが、その中心要点は、申すまでもなく、一兆円規模の所得減税を実施するということであります。
 すでに御承知のとおり、政府の今年度当初予算は、国際収支の均衡と国内景気の回復を重点とし、成長率七%目標のもとに、全予算の三七%にも及ぶ異常な大型国債発行によって、公共事業偏重の政策を進めてきたのであります。
 しかし、その結果、国内需要は依然として停滞を続け、円高はさらに進み、輸出は減退し、七%成長はおろか、五%台を低迷しているというのが政府説明による現状であります。また、雇用情勢も一向に好転しないばかりか、企業の減量経営はますます進み、人減らしは一段と激しく、わけても、中高年齢者の雇用は深刻の一途をたどっております。
 政府は、過般のボン会議の基調の上に、九月初旬、総合経済対策を決定し、その柱として、今回の補正予算を編成したのでありますが、驚くことに、その内容は、相も変わらず公共事業一辺倒の財政支出構造であり、現状打開の対策としては、残念ながら毒薬になりましても良薬にはなり得ず、現状矛盾の拡大と不公平なひずみはますます広がるばかりであります。(拍手)
 したがって、私どもは、現在の憂うべき経済不況と雇用状態を踏まえ、円高による景気後退、国民生活の切り下げと雇用の悪化を防ぎ、国民生活全般にわたって、公平にして公正な政治を行う立場から一兆円規模の減税を提案した次第であります。(拍手)
 重ねて強調するまでもなく、当面の経済施策の切り札は、試験済みの公共投資の拡大ばかりではなく、いかにして個人消費と最終需要を拡大するかということであります。ここに、一兆円規模の減税を求める本動議提出の最大の理由があるわけであります。
 政府の主張によれば、この補正予算によって、現在時点における成長率五・七%程度をさらに一・三%上積みすることができると豪語しておるのでありますが、そのことはなかなか至難なことであります。なぜならば、この補正予算の審議経過からも明らかになってきたことは、政府は、われわれ野党の正しい政策批判に耐えかねて、予算の二次補正をほのめかさざるを得なくなった、このことの一事を見ても明白であります。(拍手)
 それは、今次補正予算の内容が示すとおり、事業規模では二兆五千億になると言っていますが、これを裏づけする財源のほとんどが当初の既定予算の振りかえであり、純然たる増加額は千四百五十億円であります。
 しかも、その千四百五十億円の中身たるや、どうでしょうか。政府は、ことしの当初予算の審議において、福田総理を初め大蔵大臣から、あれほどまでに厳格に国民に公約してきたところの、いわゆる赤字公債の償還が完了するまでは、前年度の剰余金は全額これを公債償還に充てるという財政再建上の公約まで弊履のごとく捨て去り、五十二年度の剰余金の二分の一に当たる六百四十億円を使用財源としてこの補正予算に計上しておるのであります。この公約違反は、ひとり村山大蔵大臣の不信任にとどまる問題でなく、いわば福田内閣全体の政治責任を問わなければならない重大な内容を含んでいるのであります。(拍手)
 第二に、この補正予算は、八千四百億と言われる住宅建設についても、それは公共住宅ではなぐ、個人マンションと個人住宅に期待する従来どおりの住宅政策であり、このような羊頭狗肉の公共投資では勤労国民のニーズにこたえる政策ではありません。そればかりか、最近の地価高騰への動きからくる土地買収費の要素を考慮に加えるならば、その効果を過大視することはきわめて危険であります。さらに加えて、この国会での政府答弁でさらに明白になった輸出の減退、輸入の増大によって、デフレ要因はますます強まり、その成長率はさらに減少することは必至であります。
 かかる補正予算の持つ救いがたい欠陥を補正し、国内需要の喚起、雇用の増大を図るためには、その決め手となる有効な政策は減税政策以外にはありません。いまや、減税要求は、エコノミストや専門家だけの主張ではなく、国民大多数の常識であり、OECDの強い期待でもあります。
 この至極当然な要求に対し、政府は、口を開けば、減税をやっても貯蓄に食われるとか財源がないと言うのでありますが、この主張は全然説得力を持ちません。なぜなれば、との見解は、最近の国民生活の実態からはなはだしく遊離した見解であり、また財政問題に対する政府の御都合主義に基づく見解であるからであります。
 たとえば、昨年の民間給与収入の伸びが物価上昇を下回り、実質所得は低下している事実からも減税は必要であります。わけても、ことしの政府の経済見通しにおける名目賃金のアップ率九・四%が五%台にとどまり、公務員給与に至っては三・八%どまりになった現状では、実質生活水準は高まっていないのであります。
 もう一つ減税要求を拒否する政府の姿勢で問題なのは、減税にこたえる財源がないと言い張ることであります。税の負担能力のあるところから公平に税金を取ろうとしない政府の態度こそ反国民的態度として厳しく糾弾されなければなりません。(拍手)
 その証拠に、たとえば、不況下とはいえ、円高差益を受けている企業を含め五十二年度の申告所得上位五千社の所得は、前年度対比で二一%も伸びているのであります。政府がそれほどまでに財源難を強調するのであれば、税制調査会が昨年十月、中期税制答申で法人税の引き上げの余地のあることを答申していることに対し、なぜ一顧だにしなかったのでしょうか。またさらに、当初予算審議においても、今次補正についても、われわれが、あれほどまでに強く要求しておる各種の不公平税制の是正と改革に、なぜ手をつけないのでしょうか。なすべき手だても順序も踏まずして、財源確保の手段として、一足飛びに悪名高い一般消費税の導入に手をつけようとするごときは、まさに本末転倒と断ぜざるを得ません。(拍手)
 このような福田内閣の怠慢は、現下の経済環境からも、絶対に容認できないところであります。
 政府は、公共事業のためなら、赤字公債であろうと何であろうと、無原則にどこからでも財源をひねり出し、減税となると見向きもしないこの態度は、国民に背を向けた許しがたい作為的行為であると言わなければなりません。(拍手)
 ともあれ、個人消費の拡大が今日ほど必要なときはないのであります。それにもかかわらず、春闘における賃上げはきわめて低い結果になり、加えて、国鉄運賃を初めとする多くの公共料金の引き上げによって、一兆六千億にも上る国民負担の増大が行われ、個人消費が伸び悩んでおります。このような悪条件を一日も早く解消して、最終需要を拡大し、単年度だけではなく、来年も、再来年にもわたって雇用創出効果の大きい減税政策を直ちに採用し、不況克服、雇用安定、中小企業及び農業経営の安定を願う国民の期待にこたえることを政府に強く求め、日本社会党、公明党・国民会議、民社党三党共同提案の予算組み替え動議に賛成されんことを強く要請いたしまして、私の提案説明にかえる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#10
○議長(保利茂君) これより、補正予算三件に対する討論と、動議に対する討論とを一括して行います。順次これを許します。山下元利君。
    〔山下元利君登壇〕
#11
○山下元利君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)外二件に対し賛成し、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党三党共同提出の補正予算の編成替えを求めるの動議に反対の討論を行います。(拍手)
 最近の日本経済の実態は、わが政府・自由民主党がとってきた適切な経済政策によって、国内需要を中心に緩やかな景気回復の道を歩んでおりますが、八月の完全失業者数は百二十一万人と高水準を続け、厳しい雇用情勢はいまだ改善されず、一向におさまらない円高傾向により、夏以来輸出数量が予想外に落ち込んでおり、その国内産業への影響がますます心配され、景気の先行きは楽観を許さないものがあります。
 他方、国際収支の黒字基調は依然として強く、黒字幅縮小のための一層の努力が必要とされております。
 このような事態に対し、政府は、過日、内需の拡大を図る事業規模にして約二兆五千億円の公共投資の追加を中心とする総合的な経済対策を決定し、実質七%成長の達成と、国際収支の黒字幅縮小の実現に向けて全力を尽くすことを国民に約束しておるのであります。(拍手)
 今回編成された補正予算は、この総合経済対策を裏づけるものであって、きわめて時宜にかなった措置であり、一日も早い成立が望まれているのであります。(拍手)
 以下、補正予算の内容について賛成の理由を申し述べます。
 その第一は、景気刺激策の手段として、国民生活に密着した公共投資の追加を選択した点であります。
 野党の諸君は、今回もまた一兆円減税を主張しておりますが、公共投資の方が減税より景気を刺激する効果が大きく、かつ即効性と確実性にすぐれていることは、多くの識者が認めるところであります。(拍手)
 特に、わが国では立ちおくれている生活環境施設の充実が急がれておるのであり、また公債依存度が実質三七・六%というきわめて異常な財政事情のもとにおいて、財政健全化に責任を持つ政府が、国債の増発に直接つながる所得税の減税を避けて、公共投資の追加を選択したことは、賢明な政治判断であり、当然であると言わねばなりません。(拍手)
 しかも、今回の公共投資の追加に当たっては、特に、いわゆる第三の道として文教、医療、社会福祉などの施設に重点を置いて資金配分が行われており、このことは、国民生活の福祉向上を目指す今後の公共投資の方向を示すものとして評価するものであります。
 第二は、構造不況業種、中小企業等に対して、きわめてきめ細かな配慮のもとに不況対策、雇用対策が講じられている点であります。すなわち、構造不況業種に依存している地域に対する緊急融資制度の創設を初め、雇用安定事業の地域適用、雇用保険の特例などの措置を講じ、従来の対策を一段と拡充強化して住民各位の要請にこたえているほか、造船業の過剰設備対策、金属鉱業に対する緊急融資など、各種の措置が具体的に講じられているのであります。
 なお、これらの施策の実効を期するため、政府の機動的な政策運営を強く望むものであります。
 第三は、経済協力が拡充されている点であります。
 経済協力費二百十四億円の追加は、政府開発援助を三年間に倍増するという政府の方針に沿ったものであり、特に、無償資金協力を拡充して援助の質の向上を図っておりますことは、国際社会におけるわが国の責務を積極的に果たすものとして諸外国からも評価を受けるものと信じます。
 第四は、財政の健全化に努めている点であります。
 本補正予算におきましては、歳出の追加を賄うため、公共事業等予備費及び一般の予備費の減額等のほか、既定経費を二千二百九十二億円節減することとし、また、公債の追加発行を特別減税による所得税の減収の範囲内にとどめたことは、財政の健全化を図ろうとする政府の姿勢を示すものとして、まことに心強く感ずるものであります。
 今回の補正予算は、景気の回復を一層確実なものにし、雇用の安定を確保して国民の生活安定を図るという、わが国が当面する最も重要な国民的課題に十分こたえ得るものとして賛意を表するものであります。(拍手)
 最後に、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党三党共同提出の動議につきましては、わが党は、ただいま申し述べましたような理由により、所得税減税に賛成いたしかねますので、反対いたします。
 以上、討論を終わります。(拍手)
#12
○議長(保利茂君) 川俣健二郎君。
    〔川俣健二郎君登壇〕
#13
○川俣健二郎君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました昭和五十三年度一般会計補正予算、同特別会計補正予算及び同政府関係機関補正予算案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、三党共同提案に係る予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成討論を行います。(拍手)
 政府は、当初予算編成において、国際収支の均衡と国内景気の回復を重点に置いて、とりわけ、七%経済成長を目標として、公共投資偏重、国民生活無視の政策をとり、その結果、国内需要は依然として停滞し、ついに円高を助長して輸出の減退を引き起こし、ついには七%成長どころか、六%に乗るのさえとうていむずかしい事態を招いているのであります。しかも、公共事業による雇用効果は一向に見えない。企業の減量経営はますます進み、合理化すなわち人員整理は一段と激しさを加え、特に中高年齢層の雇用問題は深刻な一途をたどっております。
 政府は、さきのいわゆるボン会議において七%成長を重ねて国際公約し、その柱として今年度の補正予算を提案してまいりました。しかしながら、その内容を見ますと、相変わらず公共事業中心の財政支出を行うもので、これでは国民の立場に立った対策とはとうてい言えないのであります。
 私たちは考えます。すなわち、現在の経済情勢、雇用状況を踏まえて、円高による景気の後退に伴う国民生活の切り下げと雇用の悪化を防ぐこと、低成長経済のもとでは、国民生活全般にわたって公平、公正を確保することが政治の使命であること、また、四%に満たない賃金アップの中で、一兆六千億円に及ぶ公共料金の引き上げを直ちに撤回すること、さらに失業者対策を充実することが当面の緊急課題であると考えるものであります。(拍手)
 しかるに、政府は、公共投資拡大こそ現在の問題解決の切り札であると言い張っているが、私たちは、むしろ最終需要、個人消費の拡大こそ求められる対策と信じ、ここに一兆円減税要求を掲げたのであります。同じ公共投資に力を入れるならば、いち早く私たちが提唱したように、文教施設、社会福祉施設投資を重点的に増加するならばまだしも、政府が力を入れる公共投資というのは、またまた道路投資を中心といたしており、こんな公共事業内容のパターンは直ちに是正すべきであり、その上、一部産業に偏重する結果となり、私たちは、適切妥当な予算運営を国民の立場で要求するものであります。
 また、住宅建設を促進するとの政策を予算委員会で聞いてみるに、住宅金融公庫の住宅資金を七万三千戸分、八千四百億円の規模と言いますが、国民が期待する住宅建設とはほど遠く、これは従来同様の住宅政策をそのまま延長したにすぎないのであります。
 このような公共投資の拡大では、需要効果は大きな期待を持てないばかりでなく、むしろ地価の上昇が目立ち始めているように、この予算案は土地買収費に大きく食われるのも避けられないのではないでしょうか。(拍手)
 さらに、国内需要喚起のために減税政策を活用するのはいまや常識と言ってもいいのだと私は思います。自由民主党員ですら減税政策を唱える方がいるではありませんか。減税しても貯蓄に回ってしまうとか、減税するにも財源がないという政府の主張は、もう国民には通じません。もはや国民の生活は、年間給与収入が物価上昇を下回り、実質的には国民生活が低下した中で、どうして貯蓄できるというのでしょうか。減税分を貯蓄するという余裕があるとでも福田内閣は言うのであろうか。政府は財源はないと言う。違います。財源はないのではない。あるところから取ろうとしないから、ないのであります。(拍手)不況下といいながら企業間格差は広がり、円高差益を享受している企業はもとより、調査によりますと、五十二年の申告所得上位五千社の所得は、前年に比べて二一%も伸びたと言われているではありませんか。政府は、減税に回す財源がないと言う前に、なぜ先ほどの提案者のように、各種の税制改革案に耳を傾けないのかと言いたいのであります。ましてや、財政再建のために一般消費税の導入こそ必要というのでは、国民は全く納得するわけがない。一般消費税の導入を訴えている税制調査会でも、昨年十月の同じ中期税制答申の中では、法人税率引き上げの余地はあると答申しているのであります。低所得者に過酷な逆進的な税金である一般消費税を導入する条件は、わが国には皆無と言っていいと思います。
 さらにまた、不況産業対策、不況地域対策についてあれやこれやと講じられてはいますが、これとて雇用の面から見ますと肝心な対策が欠けているではありませんか。すなわち、今年度の経済白書にも、わが国における完全週休二日制の普及はわずか二三%、アメリカ、イギリスの八五%に比較して問題にならない。OECDの日本経済の調査報告でも、日本の労働時間は長いとの批判が強いのであります。どうです。こちらの特定の企業では、残業を含めての過重労働者があると思えば、その隣の不況企業では、解雇、整理といった悲劇が演じられているのが実情ではありませんか。
 さらにまた、海外からの批判、不信であります。七%成長といったいまや実現不可能なことを軽々に約束しながら、そのための政策は一切欠落するという二重の誤りを福田内閣は犯しているのであります。(拍手)世界経済全体で見ても、七%は今日では異常であり、また、日本経済の体質がそれを可能にできる状態にはなく、特に民間の設備投資計画は、決して七%成長を前提にして計画は組んでおりません。今回の補正予算の規模そのものが、実質的にはわずかに千四百五十億の追加ではありませんか。
 不可思議なのは、この補正予算で七%成長をすると一人で豪語しておる、その姿であります。いまや、すでに福田内閣の言う七%成長達成は、国民も企業も、そして海外挙げてだれしも信用はしておりません。明治三十八歳の頑迷固陋のなせるしわざでは済まされない問題だと思います。
 いま国民が求めているのは、実現可能な政策を提示し、その政策を実現する的確な政治行動と強力な政治力であります。しかるに、福田さんの経済政策は、不可能なことを可能だと粉飾し、やがてトンネルを抜けるまでと国民に幻想を抱かせるだけであり、すでに政治不信すら生み出しておるのであります。今回の補正予算もその一翼を担うだけに終わるのは明々白々であると思います。
 最後に指摘しておきたいのは、最近の福田内閣の反動的な動向の危険性についてであります。
 米の減反政策を進めるのに、あめとむちを手にしたり、なかんずく有事立法などというのは、わが国が誇る平和憲法を根底から覆すものであり、武力でなければ平和は得られないという理念につながる暴挙と言わざるを得ません。それとも、これら一連の反動化の真のねらいは、現在の経済危機の打開を防衛産業、軍事産業の育成に求めているというのでありましょうか。そうだとすれば、今日の経済、財政危機を勤労国民の負担によって克服ぜんとしている政府がさらに軍事強化の方針を進め、国民生活は一層の切り下げを余儀なくされ、また、暗黒なトンネルに入る危険な道に進むことを強く警告を申し上げたいと思います。(拍手)
 かくして、福田内閣は、連帯と協調を口にはするが、その予算をがむしゃらに通すために、あらゆる子供だましのような手練手管を使い、まことに嘆かわしい次第だと思います。(拍手)
 以上に見たように、政府・自民党の経済政策は、国民生活優先の経済政策とはとうていほど遠く、経済の転換に逆行するものと断定せざるを得ません。(拍手)
#14
○議長(保利茂君) 川俣君、申し合わせの時間が過ぎております。簡単に願います。
#15
○川俣健二郎君(続) もはや大企業本位、一部特権階層向けの経済運営は許されないことを指摘し、私の、政府予算案に対して反対、日本社会党、公明党・国民会議、民社党の共同組み替え動議に賛成の討論を終わります。(拍手)
#16
○議長(保利茂君) 坂口力君。
    〔坂口力君登壇〕
#17
○坂口力君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十三年度補正予算三案に関し、政府三案に反対、日本社会党、公明党・国民会議、民社党三党共同提案の昭和五十三年度補正予算三案の編成替えを求めるの動議に賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 政府は、今回の補正予算を中心とした総合経済対策によって実質七%成長程度の達成を確約しているのであります。しかし、わが国内外の経済状況から見て、実際はそれほど楽観的な見通しに立つことができるでしょうか。本年度当初予算の際にも同じ公約をした政府が、半年を待たずして追加措置をとらなければ五・七%へ落ち込んでしまうという厳しい見通しを余儀なくされ、この数年間の経緯を見ても、政府の見通し違いは恒例化していると言わなければなりません。
 わが国経済を着実な景気回復軌道に乗せるには、きわめて多くの困難がつきまとっております。もしも適切な景気対策が講じられないとすれば、さらに雇用情勢は悪化し、中小企業の経営危機は深まり、国民生活の不安は一層高まることは必至であります。また、大きな経常黒字を抱える中で、昇気回復による輸入の拡大も期待できず、国際的な非難を一身に集め、再び円高の危険を呼ぶという悪循環に落ち込むことは必至であります。
 こうした状況下にあって、政府はあらゆる政策手段を駆使し、現実の厳しい状況の打開に取り組まなければならないことは言うまでもありません。旧態依然とした経験だけにとらわれず、いまこそ英知を集め、新しい道を模索することが、政治に課せられた最大の任務であると言うべきであります。(拍手)
 ところが、今回政府が提案した補正予算は、きわめて楽観的な見通しの上に立って、これまで再三失敗を繰り返した公共投資一辺倒の景気対策を判で押したように踏襲し、野党が一致して要求した一兆円の所得税減税は一顧すら与えていないのであります。
 私どもは公共投資の景気刺激効果を否定するものではありません。したがって、公共投資をやめて所得税減税を実施すべきであると主張しているのではありません。いまこそわが国経済が安定成長へ移行する重大な過渡期であるとの認識のもとに、当面の厳しい経済情勢を克服するとともに、わが国経済を安定成長軌道に乗せるために、所得税減税と生活、福祉関連公共投資の組み合わせによる景気対策の実施こそが緊急の課題であると主張しているのであります。(拍手)
 私どもは補正予算の早期成立を願いつつ、補正予算編成前はもちろん、予算委員会においても、こうした観点に立って一兆円減税を叫び続けてまいりました。しかし、われわれの声に何ら耳をかそうとしなかった政府・自民党の独善的かつ国民無視の態度を厳しく糾弾するものであります。
 さらに、補正予算三案に反対する主な理由を続けたいと思います。反対する第一の理由は、すでに述べましたように、一兆円減税の見送られたことであります。
 政府は、七%成長のためには、輸出減少による海外経常余剰分の落ち込みについて、公共投資を中心に民間住宅、設備投資で内需を増大して埋め合わせようとしておりますが、五十二年度の例から見て、民間住宅、設備投資は伸びる期待はなく、したがって、公共投資にすべての比重がかかってくるのであります。しかしながら、公共投資には、工事執行に時間がかかり、消化困難な条件が多く、所期の成果が危ぶまれており、輸出の減少分の補てんが困難であることが懸念されているのが現状であります。そうした中で、もしも個人消費が減少するとすれば、七%成長はとうていおぼつかないことは明らかであります。政府の楽観的見通しとはうらはらに、個人消費の減少は避けがたいと言わなければなりません。
 すなわち、これまで個人消費を支えてきた夏の猛暑にかわる要困がない限り、また、冬の賞与が大きく伸びない限り、政府の個人消費見通しの実質五%強の伸びすら確保できないと見ざるを得ないからであります。したがって、個人消費を喚起する一兆円減税がなければ、景気回復は不可能と断ぜざるを得ないのであります。
 わが国は、OECDの対日審査によって、減税実施の提案を受けていることは御存じのとおりであります。私は、OECDから提案を受けたことをもって所得税減税を訴えているのではありません。景気停滞下にあって、依然として巨額な経常黒字を抱えているわが国に対して、福田総理が公約した七%成長の達成を期待する世界の目がそこにあることを政府は認識すべきであります。減税は実施されず、七%成長は達成できないとすれば、世界のわが国に対する批判は想像を絶するものになるであろうことを福田内閣は覚悟しなければなりません。
 補正予算案に反対する第二の理由は、第一の理由と関連いたしますが、政府の景気対策が余りにも公共事業一辺倒であることであります。
 今回の補正予算の追加のうち、大部分が一般公共事業であります。これまで公共事業中心の景気対策が十分な効果を上げ得なかった事実は、政府も認めなければならないはずであります。公共事業の執行は、用地の確保難や技術者あるいは技能労働者の不足、さらには材料難、地方財政に対する超過負担などがつきまとい、徐々にむずかしさを増しております。また、当初予算による公共事業の拡大は、すでに業種間、地域間格差を拡大しておりますが、それが一層増大することも懸念されるのであります。
 一方、福田総理が第三の道と称して宣伝する文教、社会福祉施設整備にしても、その施設整備はかねてから私たちの主張するところであり、当然といたしましても、長期的な整備計画も持たず、補助率の引き上げも行わず、さらに地方負担の超過負担も改善されず、そこで働く人の補充措置もとらないとあっては、思いつきの措置と言わなければなりません。(拍手)文教、福祉施設整備は、これまでおくれてきた原因を究明し、その実施にかかわる制度や仕組みの改善を伴うべきであります。
 前に述べたように、私どもは、公共投資を否定しているものではありません。公共投資に余りにも偏重した景気対策では、政府が見込むような景気を浮揚させることはできない。したがって、一兆円の所得税減税と生活福祉関連公共投資の組み合わせによる景気対策を要求しているのであります。
 反対する第三の理由は、雇用対策、構造不況、中小企業対策が不十分である上、福祉対策に配慮がなされていないことであります。
 私どもは、政府が示した雇用保険失業給付金の給付日数の延長、あるいは中小企業融資の金利の引き下げ措置については一定の評価をするものの、当面の厳しい状況にあっては、余りにも不十分な対策と言わざるを得ないのであります。政府に、きめ細かな雇用対策、中小企業対策を講ずるとともに生活苦に陥れられている社会保障給付受給者に対する温かい施策の実施を要求するものであります。
 以上、反対する主な理由を申し述べましたが、一兆円減税が実施されるならば、景気回復に大きく寄与するのみならず、低所得者の生活を守ることは言うまでもありません。最近、国税庁の発表した五十二年分の民間給与の実態によると、一人当たりの平均給与の伸び率は七・三%にとどまり、物価上昇率さえも下回っております。低率の賃上げに加え、公共料金の値上げを見ただけでも、五十三年度においてはさらに厳しい状況が予想されるからであります。
 最後に、改めて私は、一兆円減税を要求するとともに、それを踏みにじろうとする政府・自民党の独善と国民無視の姿勢を糾弾し、討論を終わります。(拍手)
#18
○議長(保利茂君) 中井洽君。
    〔中井洽君登壇〕
#19
○中井洽君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となりました日本社会党、公明党・国民会議及び民社党三党提出の五十三年度補正予算案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成し、政府提出の五十三年度補正予算三案に反対の討論を行います。(拍手)
 言うまでもなく、今日政治に課せられた最大の任務は、一日も早く景気を回復することにあります。いままでも私ども民社党は、長期不況に苦しむ中小企業者や民間産業に働く人々の声をまじめに受けとめ、景気回復や雇用安定の諸施策の提言を続けてまいりました。補正予算において七%成長を達成し、景気回復を実現するためには、政府提案の公共投資偏重予算では不十分であり、一兆円の減税によるバランスのとれた消費拡大を行う以外にないと民社党は真剣に提案してまいりました。
 しかるに、政府は、これを全く無視し、またもや公共投資最重点の政策をとりました。政府は、私どもの一兆円減税の要求に対し、今回の追加施策で七%成長が達成できると繰り返すだけにすぎず、その根拠はきわめて貧弱であります。この政府の言葉は、政府以外に信じる者は一人もないと言っても言い過ぎではなく、政府が七%成長と言えば、それより一%か二%低い成長になるであろうと民間産業は予測し、経済活動を行っているのが実態であります。また、その政府ですら、場合によっては二次補正を考えることをにおわす答弁をせざるを得ない自信のなさ、無定見さにはただあきれ返るばかりであります。(拍手)
 言うまでもなく、現在の長期的かつ深刻な不況の最大の原因は、これまでのたび重なる政府・自民党の経済政策の失敗にあります。
 すなわち、まず第一に、昭和四十七年、四十八年の田中内閣の放漫な財政金融政策の失敗であり、このことが石油ショックと相まって狂乱物価を生み出しました。
 第二に、昭和五十一年以降の失政であります。すなわち、この時期、思い切った積極的な経済運営をすべきなのに、過酷なまでの総需要抑制政策をとり、内需の冷え込みをもたらしました。その結果、日本経済は猛烈な輸出主導に向かわざるを得なくなり、今日の円高とそれに伴う経済の沈滞を招いたのであります。
 私ども民社党は、このときも思い切った景気回復策をとれと強く政府に迫りましたが、政府はいまと全く同じで、私どもの提案に耳をも傾けませんでした。今回、政府は、いままでの失敗にこりもせず、またもや誤りを重ねようとしているのであります。
 すなわち、景気の回復をもっぱら公共投資のみに頼ろうとしていることであります。もちろん、私ども民社党は、わが国の社会資本を充実していくことについて異論はありません。しかし、これは本来計画的に推進すべきものであります。公共投資の伸びをゼロにしたり、逆に、本年度のように、極端なふやし方をして、完全消化がおぼつかないという状態は、無計画と言わざるを得ません。(拍手)民間設備投資の伸びが期待できず、輸出の落ち込みが大きく心配をされておる現在、七%成長を達成するため、政府は、いままでの政策の誤りを率直に認め、わが党の主張する減税を中心とした福祉、住宅、雇用等の政策を思い切って取り入れ、内需の拡大を図るべきであります。
 私どもが幾ら減税を主張しても政府が政策の転換を図れない最大の理由は、財源不足にあると考えます。総理は、減税は国民にとって受け入れやすい安易な政策であるが、財政が困難であるので実現できないとの答弁を繰り返しましたが、私ども民社党は責任野党として、決してその場しのぎの人気取り政策で減税を主張しているのではありません。
 先般、わが党は、中期経済計画を発表し、この計画において、五十三年度、五十四年度はとにかく減税、福祉、住宅等諸施策の充実を行いつつ、財政による昇気回復に全力を挙げ、昭和五十五年度以降、日本経済が新しい持続的な発展段階を迎えた時点において財政再建の体制づくりを行うべきと提言いたしております。また、当面の財源不足については、まず不公平税制の是正を含む諸税制の改革による税の増収、行政改革の断行による経費節減を行うべきであると主張いたしております。
 これに対して、政府は、これまでの失政のツケ、すなわち財源難と財政の不均衡を極端な税負担の上昇、すなわち、一般消費税の導入で補おうといたしているのであります。わが党は、現時点の経済状況にかんがみ、強くこれに反対をいたします。
 中期的展望もなく、景気回復よりも財政健全化が重要であるがごとき政府の態度は、本末転倒もはなはだしいものであります。総理が本当に財政を憂うるのであれば、大変だ、大変だと言うばかりで、何もしないという消極的な姿勢を改め、積極的にわが党のかねてからの主張である行政改革に取り組み、不公平税制の是正を図るべきであります。多くの困難な問題があるのは事実であります。しかし、積極的な打開策を講じ、将来に明るい展望を切り開くことが政治家の任務であると私は考えます。
 現在のわが国の置かれている国際的立場、国内経済の状況、国民生活の実態を考えると、政府はわれわれの提案を取り入れ、一兆円減税を行い、七%成長を達成し、雇用不安の解消を図り、安定成長の路線を明確にすべきであります。
 最後に、今回の政府と新自由クラブの合意の諸対策については、部分的に評価はいたしますが、これまた決して七%成長を完全に確保できるものではなく、とうてい賛成できません。小手先の諸対策では、いまの景気は回復をいたしません。現時点でとり得る最善の道は、社、公、民三党のこぞっての動議に賛成をされ、一兆円減税を実現することであることを重ねて主張し、私の討論を終わります。(拍手)
#20
○議長(保利茂君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#21
○議長(保利茂君) これより採決に入ります。
 まず、武藤山治君外八名提出、昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)外二件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。
 武藤山治君外八名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#22
○議長(保利茂君) 起立少数。――起立少数。よって、武藤山治君外八名提出の動議は否決されました。(拍手)
 次に、昭和五十三年度一般会計補正予算(第1号)外二件を一括して採決いたします。
 三件の委員長の報告はいずれも可決であります。三件を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#23
○議長(保利茂君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ――――◇―――――
#24
○議長(保利茂君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後十時三十四分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  福田 赳夫君
        法 務 大 臣 瀬戸山三男君
        外 務 大 臣 園田  直君
        大 蔵 大 臣 村山 達雄君
        文 部 大 臣 砂田 重民君
        厚 生 大 臣 小沢 辰男君
        農林水産大臣  中川 一郎君
        通商産業大臣  河本 敏夫君
        運 輸 大 臣 福永 健司君
        郵 政 大 臣 服部 安司君
        労 働 大 臣 藤井 勝志君
        建 設 大 臣 櫻内 義雄君
        自 治 大 臣 加藤 武徳君
        国 務 大 臣 安倍晋太郎君
        国 務 大 臣 荒舩清十郎君
       国 務 大 臣 稻村左近四郎君
        国 務 大 臣 牛場 信彦君
        国 務 大 臣 金丸  信君
        国 務 大 臣 熊谷太三郎君
        国 務 大 臣 宮澤 喜一君
        国 務 大 臣 山田 久就君
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ソース: 国立国会図書館
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