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1949/04/04 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第35号
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1949/04/04 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第35号

#1
第007回国会 大蔵委員会 第35号
昭和二十五年四月四日(火曜日)
   午前十一時十九分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
三月三十一日委員黒田英雄君辞任につ
き、その補欠として大隅憲二君を議長
において指名した。
四月一日委員大隅憲二君辞任につき、
その補欠として黒田英雄君を議長にお
いて指名した。
四月三日委員櫻内辰郎君辞任につき、
その補欠として林屋亀次郎君を議長に
おいて指名した。
本日委員徳川宗敬君辞任につき、その
補欠として伊藤保平君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○旧軍港市転換法案(佐々木鹿藏君外
 二十二名発議)
○理事の補欠選任
○保險業法等の一部を改正する法律案
 (内閣提出・衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) 只今より大蔵委員会を開きます。旧軍港市転換法案を議題にして審議願いたいと思いますが、御質疑ある方があれば願いたいと思うのですが。
#3
○西川甚五郎君 それはあとでいいのじやないのですか。
#4
○委員長(木内四郎君) それでは保留して置いて、あとで……
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(木内四郎君) それでは旧軍港市転換法案に対する質疑は更に後刻継続することにいたしまして、この際保險業法等の一部を改正する法律案を議題にして審議を進めたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。それでは保險業法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
#7
○黒田英雄君 ここのところの改正でありますが、外国保險業者が日本で営業する場合、日本の保險会社が外国で業を営むのには、三年を経過して、且つ最終の決算期において利益金又は剰余金を計上しなければならないという規定を設けられておりますが、この三年というようなことは、どういう点から割り出されたのですか。
#8
○委員長(木内四郎君) 銀行局の保險課長の長崎君が説明員として来ておられるのですが、説明員から説明を聽くことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。それでは長崎保險課長。
#10
○説明員(長崎正造君) 新設会社の保險事業の実際にあたりましては、初年度及び第二年度におきましては、収入保險料に対する操業費関係の割合が大変に大きく、又初年度におきましては期始め、年度初めの保險準備金が揃つておる。それに対しまして期末においてその年度の責任準備金の全額を計上しなければならないというような関係で、損益計算書の方では多額の欠損が出るわけでありますが、これが漸く三年度に至りまして、利益又は剰余金を計上するというのが通常でありますために、この間の事情を勘案して三年と規定したのであります。三年経つてもまだ利益が出ないというような会社は不健全な会社であるということが言えるわけでありまして、従いまして、日本の会社の場合も外国の会社の場合も、三年経たなければ外国に行つて営業する、又日本に来て営業の免許の申請をすることができないということに規定したのであります。
#11
○黒田英雄君 三年を経過しないでも、若し決算期において利益金、或いは剰余金を計上しても、三年経たなければ許さんという法律の規定のようでありますが、大体は三年を経過しなければ出ないというのが普通であるという説明のようでありますが、又二年度で剰余金を計上した場合にも許さないという理由はどういうわけでありますか。
#12
○説明員(長崎正造君) それは三年を経過しない会社におきましては、責任準備金の積立等も未だ十分でないということが言えるわけでありますから、仮に剰余金又は利益金を計上するような場合においても、会社の責任準備金、その他基礎が余り健全になつたとは言えないというようなことになりますので、若し異常災害が起つた場合には容易に赤字に転ずるというようなことから申しまして、仮にそういう稀に三年経たなくても利益を計上するような会社があつた場合でも、まだ基礎が健全でないという趣旨からいたしまして、三年で一線を劃したという理由であります。それが適当と考えられたからであります。
#13
○黒田英雄君 これは戰前において、……まあ戰時中はそういうことはなかつたろうと思うのですが、まあ戰前においてもやはり外国で業を営むには何かの制限があつたのですか。それとも以前は三年も経たなくても、先ず最初にこういう利益又は剰余金を計上しておらなくても、外国で保險業務を営むことは許されておつたのですか。
#14
○説明員(長崎正造君) 戰前にはこの種の規定はなかつたわけであります。で、これは外国会社の三年経過しない会社で申請するものもあるような情勢になつているのでありまするが、外国会社の免許の際には、日本経済の復興に役立つかどうか、或いは外貨の流出を梗塞しない、外貨の節約に資するという会社でなければならないということが免許の基準になつているわけでありますが、これは非常に自由裁量の困難な点でありますので、三年の事業の経験を持つているということで一線を劃した。そうしますと日本の会社におきましても、衡平の原則に従いまして三年でという要件を課することが適当である。殊に三年経たない会社というものは、外国において、日本の会社が外国に出て行く場合でも、外国の契約者の利益を阻害して、延いては日本の保險事業等の信用を阻害する虞れがありますので、かような規定を設けることが適当であると考えられたわけであります。
#15
○黒田英雄君 これは外国の会社が日本でこれから段々仕事をするようになつて来ると思うのですが、それに対して適当な制限を設けるという趣旨からで、そうしてそうすればやはり日本から外国に行つて仕事をするものも同じ制限をしなくちやならんというふうなお考からこうなつたのですか。むしろ外国会社に対する方が先であつて、この一條の二の規定の方は、それに対応して設けられたということになるのですか。
#16
○説明員(長崎正造君) 必ずしもそういうわけではないのでありまして、相互に相当の経験を持つた健全な会社が、外国会社の場合には日本で営業する、そうして日本の会社の場合には外国へ出て営業するということが、相互の国際親善のためにも適当であるという趣旨から、かような総合的な規定を設けた次第であります。
#17
○黒田英雄君 以前日本の会社で、外国で仕事をしておつた会社というものは相当あると思うのですが、どれくらいそれはあつたのですか。そうして又それらの会社は、無論この戰時中又は終戰後仕事ができないでおるだろうと思うのですが、そういうようなのはやはりこの規定の適用をして、今度は更に新しく免許を與えるということになるのですか。
#18
○説明員(長崎正造君) 戰事中日本の損害保險会社は数社が外国で相当の営業をいたしておりまして、中には世界的な名声を博しておつたものもあつたわけであります。終戰後は未だ外国で営業しておるという会社はないわけでありますが、その場合、特別に外国で営業をする場合に、特別の認可が要るということにはなつておりません。営業の範囲といたしまして、日本及び外国で営業するということに従来からの保險会社の出す事業方法書でなつておりますので、従来からの会社でありまするならば、又さような事業方法書になつておりまする会社ならば、時期が参りますればいつでも外国で営業することができる。大体それは日本の法規の関係でありまして、外国の法規では供託金が要るとかというようなことになつておる事例が多いのでありますので、それはまあ外国の保險監督法規に従つてそれぞれその條件を備えなければならないということになるわけであります。
#19
○黒田英雄君 それでは戰時中まで外国で保險事業をしておつた会社が、定款等にも外国でもやるということを規定されておる会社が、今度向こうに店を開いて仕事をしようという場合においては、免許は要らないということに了解していいわけですか。そうしてそうとすれば、決算期において、こつちで利益又は剰余金を計上してないようなことがあつた場合においては、それはもう一旦外国で仕事を始めたらばそういうことは起つても尚事業を継続して行くことは差支ないのですか。
#20
○説明員(長崎正造君) 戰前出ておつた会社が外国で営業することにつきましては、仮にその後欠損を出しておるというような場合でも、法規的には特にこれを禁止するということにはなつておりません。ただ、若しそういう弱い会社が外国へ出て行くということが不適当であるというような、具体的事例に徴してそういう判断になりますならば、命令等によつて、その営業範囲を内地に限ることもできるわけであります。実際問題といたしましては、従来外国で営業しておつた会社も、これは従来納めておつた供託金等がどうなるか、又従来出ておつた免許がどうなるかということは、すベて講和條約で決定される問題ではなかろうかと考えております。
#21
○西川甚五郎君 そういたしますとあれですか、戰前に外国にあつた保險会社には第一條は適用しなくてもいいということですか。
#22
○説明員(長崎正造君) さようでございます。
#23
○委員長(木内四郎君) ちよつと私伺つて置きますが、戰前にあつたというか、この法律施行のときまでにすでにそういうことをやつておる、又やつておつたことがある会社はいいのですか。
#24
○説明員(長崎正造君) そうでございます。
#25
○委員長(木内四郎君) 外に御質疑ありますか。
#26
○黒田英雄君 今のに関連してでありますが、外国の保險会社も日本で店を出して仕事をするという者は、従来やはり日本に店を持つておつた者は、戰時中又戰前から持つておつた者は、やはり当然やつて行けるということになるわけですか。
#27
○説明員(長崎正造君) その点につきましては、昨年一月十四日の司令部の覚書によりまして、戰前日本で営業しておつた者、戰前免許を持つておつた者については、無條件に免許を與えなければならないということになつております。そうしてその覚書を受けまして、外国保險事業者に関する法律の附則におきまして、戰前に免許を持つておつた会社は届出をすれば当然に自動的に免許が回復されるということに規定せられております。従いまして戰前にあつた会社は届出をすれば何ら審査することなく免許が回復せられます。戰後の新たな会社につきましては、外国保險事業者に関する法律によりましてそれぞれ審査の上免許の下付をせられる。而してこの改正案が成立いたしました曉には、事業開始の日から三年経過し、最終決算期に利益又は剰余を出しておる会社のみがさような申請をする資格があることになるわけでございます。
#28
○西川甚五郎君 只今おつしやいました戰前の会社ですね。その届け出ていいという條項はどこにありますか。
#29
○説明員(長崎正造君) それは昨年の六月一日に施行されました外国保險事業者に関する法律の附則で、次に申述べますような規定がございます。「この法律施行の際現に外国保險会社に関する件」……これは明治三十三年の古い勅令のことでございますが、その「外国保險会社に関する件の規定によつて免許を受けている外国保險事業者は、この法律の規定によつて免許を受けたものとみなす。」次の項におきまして、「外国保險会社に関する件の規定によつて免許を受けた外国保險事業者で昭和十六年十二月七日に日本において保險事業を営んでいたものが、日本において保險事業を行おうとするときは、第四條第一項から第三項までに掲げる書類を添附して、大蔵大臣に届け出なければならない。」というふうに規定されております。そうしてその保險会社につきましては、大蔵大臣が届出を受理した場合にこの新しい法律によつて免許を受けたものとみなす。こいういうふうに規定されているわけであります。
#30
○油井賢太郎君 外国保險会社が届出だけで営業できるということは分りましたが、各地に戰前にありました代理店のようなものは、やはり自由に代理店網を外国保險会社は作つてよろしいのですか。
#31
○説明員(長崎正造君) それは外国保險事業者に関する法律によりまして、免許を受けた保險会社の代理店には誰でもなれるわけでありますし、又外国保險会社は自由に代理店を設置することができるわけであります。
#32
○油井賢太郎君 そうすると、政府の見通しと、それから今までの経過としてですね、外国保險会社が日本においてどの程度の活躍をしているか、それをちよつとお聞かせ願いたいと思います。
#33
○説明員(長崎正造君) 戰後の外国保險事業者の進出状況について申上げますれば、終戰後は司令部の免許によつて、相当数の外国保險会社が出て参りました。現に営業をいたしておるわけでありまするが、司令部の免許による外国保險事業者の営業というものは、進駐軍関係の事業に対するものに限られておるわけであります。円契約は、或いは日本人相手の契約はできないようにその免許状の内容ができておるわけであります。ところで先程申上げました外国保險事業者に関する法律ができまして、これによつて外国保險会社も、日本でその法律により免許を受ければ、日本保險会社と衡平の條件の下で営業ができることになりまして、これによつて免許を與えられたる会社が五社ございます。名前を申上げますとホーム保險会社、コンチネンタルメント保險会社、ハノオヴア保險会社、ファイア・メン保險会社、パシフイック・ナショナル保險会社、こういうふうに五社ございます。その中にハノオヴアは戰前からの会社でございます。これらの会社の円契約というものは、まださしたることもございませんで、ホーム保險会社は昨年現在で、六千三百万円程の火災保險契約を持つております。コンチネンタルメント保險会社は一億五百万円程の保險契約を持つておりまするが、現在日本の保險会社の保險契約、火災保險契約の総額というものは、一兆二千億円程でありますので、その占めるパーセンテージというものは、極く微々たるものでありますが、これはまだ外国会社の活動というものは、円契約に関する活動というものは、まだ本格化していないせいもあると思うのでありますが、戰前の状況からいたしますならば、戰前も相当の外国会社が出ておつたわけでありますが、日本会社の契約に対する比率というものは、二%六くらいの程度であつたわけであります。
#34
○油井賢太郎君 進駐軍関係だけに許可されたというのは、結局相手方は終戰連絡事務所だけに限定されておるというように解釈してよろしいのですか。
#35
○説明員(長崎正造君) 進駐軍関係者と申します意味は、これは多少言葉が正確でありませんでしたので、連合国人或いは非日本人というものの所有物件を対象とする保險、或いはそれらの人を対象とする生命保險ということであります。例を申上げますならば、連合国人の持つておる家財、家屋に対する火災保險或いは自動車保險、或いは輸出入積荷等に対する海上保險というようなことになるわけでありまして、そういうことになるわけであります。
#36
○油井賢太郎君 終戰連絡事務所関係の物件に対しては、全部外国保險会社が契約しておるのですか、それとも日本の保險会社も契約しておるのだか、その契約をするときの條件等は、どういうような工合に政府はやつておられるか、これを御回答願います。
#37
○説明員(長崎正造君) 終戰連絡、つまり特別調達庁関係で作つた家屋、政府で作つた家屋ということでありまするならば、これは恐らく現在無保險ではないかというふうに考えておりますが、その中の外国人、その中に住居しておる外国人の持つておる家財については、司令部の免許を受けた保險を付しておると考えております。
#38
○委員長(木内四郎君) ちよつと伺いますが、さつきあなたは、司令部の命令によつて来た会社が、五社あるということで、名前を言われましたが……
#39
○説明員(長崎正造君) 日本の政府で免許した……
#40
○委員長(木内四郎君) 五社共……
#41
○説明員(長崎正造君) ええ、司令部の免許の会社は相当ございます。
#42
○委員長(木内四郎君) ちよつと伺いますが、戰前にこちらに店があつたものは当然ですけれども、戰前に店がなかつたもので、而も日本政府で免許したものでないが、司令部の命令によつてこちらに来ている会社というものは、さつきあなたが言われた外国保險事業に関する法律によつてですね、当然国内において保險事業を営むことができるのですか、どうですか。
#43
○説明員(長崎正造君) それは御指摘のように、戰前来ていなかつた会社で、司令部の免許状を持つている会社があるわけでありますが、それが日本で、日本人相手の営業をする場合には、外国保險事業に関する法律に基きまして、申請を出す、その場合、従来の司令部の免許に別段拘束されることなく、別途の見地から審査の上免許を與えるということになるわけであります。
#44
○委員長(木内四郎君) 他に御質疑はございませんか。
#45
○油井賢太郎君 船会社の関係ですが、外国航路に就航しておる船に対しましては、日本の会社では原則として日本の保險会社に契約を恐らく結ぶと思うのですが、現在そういう原則で以て行われておるのですか、それとも海外向けの荷物に対しては、いろいろの関係から、外国会社で契約するということに現在なつておりますか、その辺の事情と、実情をこれをちよつと御回答願います。
#46
○説明員(長崎正造君) 終戰後暫くの間は、と申しますよりは、この政府が主として貿易を担当しておりました時代において、間におきましては、全部外国会社におきましては、輸出入積荷の海上保險をやつておつたわけであります。これは日本の保險会社が外貨建の海上保險契約というものができなかつたという、その理由があるわけでありまするが、今般漸く日本の保險会社も外貨建の海上保險契約ができるという見通しが付きまして、この四月一日からそれが実施される運びになつて参つたわけであります。船舶につきましては、日本の船主の持つている船というものは、これは円契約で付けるわけでありますので、日本の保險会社で保護しておるわけであります。
#47
○委員長(木内四郎君) 他に御質疑はございませんか……この第十二條ノ二で、独禁法ですな、独禁法の例外を認めて百分の十というようにされたのはどういう関係ですか。従来百分の二十ということになつておつたのではないですか、どうして百分の十にされたのか。
#48
○説明員(長崎正造君) これは従来の保險業法の規則では百分の二十まで他の会社の株式を所有するということに規定されておつたわけであります。独占禁止法が施行されましてから、金融機関は他の会社の株式の五%を超えて株式を所有してはならんということになつて、それが優先して今日に至つておつたわけであります。保險会社の投資の特殊性からいいまして、別に他企業を支配するということもないということからいたしまして、又相当日本の保險会社は株式を所有しておりますので、従来の二%と独禁法の五%との調整を図つて一〇%にいたしました。保險会社に投資の範囲を拡大したわけであります。
#49
○委員長(木内四郎君) 外に御質疑はございませんか。
#50
○油井賢太郎君 只今の話ですが、同じ百分の例えば十でもですね、株式が非常に高い、いわゆる市場価格の高い会社の株と、それから市場価格の低い会社の株では、保險会社で持つていてもそのウエイトが違うんですね。そういうものは全然タツチしないということになろわけなんですか。例えば現在の株でいえば、ビール株ならビール株は四百円も五百円もしている。それから一方においては、五、六十円しかしていないような会社もある。すると、而も資本金の構成も、片方の方は五億とか十億とかいう会社で、片方の方は三千万円か四千万円の小さい会社であるから、そういうことになつていると同じ十分の一でもまるで所有している側から見ては問題にならない、桁違いになるのですが、そういうことには何ら触れないということはなるのですか。
#51
○説明員(長崎正造君) 保險業法で他の会社の株式所有のパーセンテージを制限するということは、保險会社の投資の健全性と申しますか、偏つた投資になるのを投資の分散を図るという趣旨に出たものであるわけであるのでありますので、まあ相当資本の金額も多い会社或いは株価も高い会社、その逆の会社との場合、今の分散を図るという点から言えば同一に取扱つて、差支ないという見地から一律に規定しておるわけであります。
#52
○油井賢太郎君 その点は少しどうも、何かもう少し政府の方で考えてもいい点じやないかと思う点ですが、これは将来の課題にいたしまして、次に保險料金というのは、これは一定の協定によつてなされておるようですが、これを自由にするという意思は政府ではありますか。
#53
○説明員(長崎正造君) 損害保險料率について申しますならば、損害保險料率につきましては、従来保險会社相互間の協定というものが行われておつたわけであり、又各国において行われておるわけであります。併しながら独禁止法というものによりまして、保險会社の協定行為というものも独禁法の第四條に牴触するということになりましたので、保險業法の協定に関する規定は削除されまして、その代り損害保險料率算出団体に関する法律というものができまして、そういう保險会社をメンバーとするところの算出団体でいろいろな統計資料を蒐集して、適正な保險料率を算出する、それを各保險会社は採用するかどうかを先ず決めて、そうしてそれを参考にいたしまして大蔵大臣に保險料の認可を申請する、保險業法に基いて認可が與えられるという形になつております。で火災保險等におきましては、一般に住家とか、一般の大衆に影響のある公益的な保險でありますので、不当に保險料が上らんよう、又不当に保險会社が弱化しないよう、相当微に入り細に亘つて認可をいたしておるわけであります。積荷海上保險、船舶保險というようなものにつきまして、現在一応極く基礎的なものについては認可が與えられておりますが、殊に積荷保險等については漸次自由な相互の協定による料率を採用して行けばよい、そうしてその方向に向つて行きたいということで研究を進めております。
#54
○委員長(木内四郎君) 今伺いますと、保險料率の協定は独禁法第四條に違反しておこることは明らかで、こういうことはいいのですが、そういう代りに料率団体というものを設けて、そこで研究して、それに基いてやるということになると、名前は捨てたけれども実際上は協定と同じ結果になりはしませんか。あなたの方でこれを認可する場合には料率団体の決めた、算出した料率よりも被保険者に有利なことを條件にしておるのですか。或いはその料率団体の決めた料率よりも不利な、採算上会社にいいようなものでなければ認可しないというようなことはあるのですか。
#55
○説明員(長崎正造君) 料率算出団体は各保険会社からの資料を蒐集整理いたしまして、それに法いて科学的に料率を算出する機関でありまして、その算出した料率というものは保険会社に対して抱束力はないという規定になつております。そうして算出団体に関する法律というものによりまして、算出団体は独禁法及び事業者団体法に適用を廃除されるということになつておるわけであります。その算出した料率を保険会社が採用して、以て保険業法に基いて認可の申請をするのであります。保険業法による認可は、若しそれより低い料率を持つて来た会社があつた場合に、その会社について、これならば暫くやつてもよかろうという場合には、これを認可いたしますし、それより高い料率を持つて来た会社については、理窟は同じでありますが、これは実際問題として、そのような高い料率というものは認可するこはあり得ないと考えられるわけでありまして、現状はどうなつているかと申しますれば、算出団体で算出した料率を全社採用しております。それを適正であると認める場合は、そのまま認可するということになつております。
#56
○委員長(木内四郎君) 今の問題にちよつと関連して聴いて置きたいのですが、事業者団体法と、算出団体は法律によつてこれは独禁法の適用から除外しているけれども、その規定がいいか悪いかという問題になつて来ると思うのですが、独禁法第四條においては、協定は明らかに違反である。これをやめて、それに代わるべきものとして、一つの団体を拵えて協定をした。而もその協定は団体を決めて算出をさせる。そしてみんな現在それによつているということになれば、名前は協定ではないけれども、それと同じことになる虞れはないのですか。
#57
○説明員(長崎正造君) 保險会社は、どうしても統計というものが基礎になつておりますので、各社協力して資料を出し合つて、そうして保險料率というものを算出しなければならん、成るべく広く資料を集めて、料率を算定しなければならないということは当然であるわけでありますので、その間相当の協力体制というものが必要になつて来るわけであります。でそれによつて、数字によつて、損害率というものがどのくらいかということが出て来るわけでありますので、さいうな科学的に料率を算出する機構ができますならば、特に保險会社が協定をして、保險料率の引き上げをするというようなことは、非常に困難になつて来ているわけであります。一方大蔵省におきましては、常時損害率等を別途検討いたしておりまして、常時保險料率に対する監督をいたしておりまして、最近においても、相当火災保險料率も、火災保險の損害率というもが改善されて来たので、これを引き下げるよう再三算出団体及び保險会社に指導いたしまして、昨年七月から住宅率は二割下げ、それから東京都の料率についても昨年十一月改訂を加え、又この四月一日から全国的に約一割五分程度火災保險料率の切下げが実行されるということになつておりまして、適正な算定会の運用等、適正な監督が行われますならば、さしてそのような弊害というものも起らない、又起らないように我々としては監督しているつもりであります。
#58
○油井賢太郎君 算出団体は新しくどんどん設立して行つてもいいものかどうかという点が一つと、それからもう一つの点は、この団体によつて決められた料金というものは最高料金であつて、それに対してリベートを出すとか、或いに他の方法で以て、割引と同じ方法を採るとか、そういうようなことは自由になるのですか。その二点を一つ。
#59
○説明員(長崎正造君) 損害保險料率算出団体は現在損害保險料率算定会というものが一つでございますが、別に一つにさせるということはないのでありまして、他に算出団体ができるということもあり得るわけであります。それから損害保險業法による保險料率の認可というもは最高と最低を押さえるわけでありまして、認可の申請をしておる範囲内では、それを割引するということはよろしくないということに、法規に反するということになります。これは募集取締法というもので左様になつておるわけであります。これは特に力の強いもに対して割引をする、そうして一般大衆には割引をしないというようなことにとかくなり勝ちでありますので、これは保險の団体性ということから申しまして、甚だ差別待遇となつて面白くないということからいたしまして、割引は禁止せられるわけであります。併し或る特定の会社が自分のところは非常に経費を節約しておつて、或る程度の割引は一斉に誰にでもできることだということで認可の申請がありますればそれはその時の事情によつて、その会社に他の会社よりも何分か、或いは何割か安い料率を認可するということもあり得るわけであります。
#60
○油井賢太郎君 次に、今まで百分の二十までの所有を許していたのを百分の十に直すというと、その過度的措置はどういうふうな形になるかという点と、それからもう一つ罰則規定ですが、この罰則規定はそういう場合にどういうふうにお取扱いになるか、更に一年以下の懲役又は二十万円以下という罰金というのは、懲役の方は別として、金額にしては大した金額ではないと思いますが、こういうことが今までにおいてやはり適用が相当行われておつたのか、この諸点について御回答願います。
#61
○説明員(長崎正造君) 第一点につきまして、従来の保險業法、独占禁止法ができる前の保險業法では二割になつておつて、それが独占禁止法で五%になつておるわけでありますから、これは独占禁止法の規定によりまして、株式の売却ということが強制せられたわけであります。今回はこれは拡張されるわけでありますので、特に措置は必要でないということになるわけであります。
 第二点の罰則の点でありますが、独占禁止法の規定に併せて、独占禁止法と全く同様な懲役と罰金刑になつておるわけであります。
#62
○油井賢太郎君 それでは独占禁止法が制定されて、二〇%が五%に下げられた、その時においては何らのトラブルもない、非常にスムースに五%まで下つたのですか、その経過はどうでした。
#63
○説明員(長崎正造君) 私の承知しておる範囲では、やはり生命保險会社等におきましては五%、他の会社の株式を五%以上持つておつたというところもありまして、そうしてその売却には無理を感じておつたという向きもあつたように承知いたしております。
#64
○委員長(木内四郎君) 外に御質疑がなければ、保險業法等の一部を改正する法律案についての質疑は保留いたしまして、この際理事二名欠員になつておりますので、これを選任して頂きたいと思いますが如何取計らいましようか。
   〔「委員長一任」「賛成」と呼ぶ者あり〕
#65
○委員長(木内四郎君) 委員長一任の動議が出まして、御賛成のようでありますが委員長に指名を一任することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#66
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。それでは委員長は理事の補欠に、黒田英雄委員及び伊藤保平委員を指名いたします。
 午後二時まで休憩いたします。
   午後零時十一分休憩
   ―――――・―――――
   午後二時三十七分開会
#67
○委員長(木内四郎君) 休憩前に引続き会議を開きます。旧軍港市転換法案を議題として審議を進めます。御質議のある方は……
#68
○九鬼紋十郎君 第一号の「旧軍用財産は、公共団体において医療施設、社会事業施設若しくは引揚者の寮の用に供するとき又は学校教育法第一條に規定する学校の用に供するときは、当該公共団体又は学校の設置者に対して、時価の五割以内において減額した対価で讓渡することができる。」と、こういつたような規定になつておりますが、学校の施設若しくは引揚者の寮といつたような施設に対して、或いは社会事業の施設、医療施設といつたようなものに対して讓渡するのに、五割の減額で以て讓渡するというような規定は、むしろ公共施設として無償でこれを讓渡するとか、或いは貸與するといつたような方向に持つて行つた方が、社会施設として非常に適切であると考えるのでありますが、むしろこれを無償というようなことにされる意思がないのであるか、それを一つ伺いたいと思います。
#69
○委員外議員(佐々木鹿藏君) 只今のようなことを初め考えたのでありますが、いろいろと各般の情勢を調査するに連れまして、ここに揚げたような以上のことを希望することは無理であろうというようなことから、このようなことにいたしたのであります。原法案で二割以内の割引をするというふうになつておりますが実情から申しますると、二割くらい引いて貰つたのでは、公共団体が、例えば学校を受けるというような場合、大概今までの例として一坪七千五、六百円の対価で受けております。而も、その学校は、僻地にある建物を利用するというような関係で、むしろ一万円くらいで新築をした方が安いのではないかという嫌いが多分にありまするので、少くとも五割以上引いて貰わなければ市価との釣合いが取れないというような見解からまあ最少限度お説のように、本当は私の理論からいうと一割、つまり十分の一程度にしたいのだという理念を以て大分折衝を重ねて来たのでありますが、まあそのようなことは不可能だということで、以上のような提案をしたのであります。
#70
○九鬼紋十郎君 この時価というのはどういつたところで時価を決定しますか。
#71
○委員外議員(佐々木鹿藏君) これは大蔵省から説明を願う方が……
#72
○政府委員(吉田晴二君) この時価は現在これを造りましたならどれくらいの価格が出るということで価格を算出いたしまして、それからその後の償却を差引く、或いはその破損状態でありますとか、或いは又その他のいろいろな土地の状況であるとか、いろいろな具体的な状況を斟酌いたしまして決めております。
#73
○九鬼紋十郎君 そうするとそのいろいろな率は、資産再評価の率と並行して考えられているのですか。別個にお考えですか。
#74
○政府委員(吉田晴二君) これは大きな意味におきましては、ああいう再評価の線と大体合わして行かなければならんわけでありますが、これは個々の問題といたしましては特に法律的には別に関係を持たしておりません。
#75
○森下政一君 只今の質問に関連してお尋ねしますが、その時価というのは旧軍用財産の拂下げを受けたいという人があつたときに、その特定の財産について、そのときに時価というものを評価決定するわけなのですか。或いは平素において常に旧軍用財産について一定の時期に、例えば年に二回とか三回とか評価をして適正な価格を予め決めて置くものであるか、どつちなんですか。
#76
○政府委員(吉田晴二君) これは大体において算出方法というようなものは、予め決定いたしております。ただ時期的に又いろいろ物価の高低がございます。又その他経済情勢の変化、或いはその土地についても非常に重大な変化があるというような場合には、自然変つて来るわけであります。結局その具体的な問題になる時の価格ということになると思います。
#77
○森下政一君 その決定権を持つておる人は誰ですか。
#78
○政府委員(吉田晴二君) これは普通財産でございますれば、大蔵大臣がその決定をするわけであります。
#79
○森下政一君 旧軍用財産についても……
#80
○政府委員(吉田晴二君) そうであります。
#81
○森下政一君 中野さんおられましたな。あなたの一つ解釈を聽きたいのですが、この法文の……。これは局長には質したのですが、この法律ではこれをまともから読んで行くと、一般企業に対して旧軍用財産を讓渡するというときに、公共団体が医療施設或いは社会事業施設等を設けるという場合と同様に、時価の五割引以内において減額讓渡するということはできないと思う。或いは確実な担保を徴して、利息を附して十年以内の延納をやるということもできんように思いますが、そこで局長ができないという解釈をされたのだが、中野さんも同様の解釈ですか。
#82
○法制局参事(中野哲夫君) この第四條の第一号は、その本文にあります通り、旧軍用財産の貸付及び讓渡の特例に関する法律の第二條一項の更に特例を書いたわけでございます。そこでこの前お手許に、この法律の寫しを差上げておいたと思いますが、この第二條には、相手方は公共団体でなければいかん、それから医療施設の用に供する場合だと、学校は別といたしまして……、その際には時価の二割引以内において減額讓渡をできると書いてあるものでございますから、この第一号において、現行法の医療施設の外に社会業事施設と、引揚げ……、舞鶴等のことも考えまして、引揚者の寮の用に供するという用途の拡張を特例として一つ加えましたのと、二割引とあるのを五割以内において減額した、こういう点でございます。これが特例法の二條一項の更に特例でございます。それから従いましてこれを逆に申しますと、讓受けをするものが公共団体以外のもの、つまり民間会社等の場合にはこの五割の減額讓渡はできないという解釈が生れて参るのでございます。
 それから第二号の方の特例は、やはりこの特例法の第三條にあるのでございまして、この第三條には、現行法では旧陸軍省等のいわゆる軍用財産を一般に讓渡した場合に、相手方が民間であろうと何であろうと、讓渡した場合に、その代金を一時に支拂うことがむずかしい場合には、三年以内の延納の特約をすることができる、こういうのでございます。もう少し法律的に細かく申上げますと、只今の現行法の国有財産法の第三十一條には、相手方が公共団体である場合には五年以内の延納の特約ができるということが書いてあるのでございます。それで民間会社に対しては国有財産法であれば延納はできない。むしろ現行規定によると即時拂いだ、同時にもう全額を拂わなければいかん、こういうことが書いてありますので、このいわゆる特例法においては、旧軍用財産の拂下げをやるためには、その国有財産法の原則、即時拂いでは困るだろう、それでその場合には三年以内の延納の特約ができる、それによつて民間会社なども買いよいよしようという考えでこの特例法はできておるのですが、旧軍港市転換法においては、更にそれを拡張いたしまして、三年を十年以内の延納の特約ができる、そのことは三年が十年になつた特例だけでありまして、この讓渡の特例に関する法律の第三條第一項は、相手方が民間会社であろうと何であろうとかまわんわけでございますから、その民間会社に対しても十年以内の延納の特約をすることができる、こういう規定になつておりますし、又さような解釈になるものでございます。尚この点は前に事務的に大蔵省とも打合せをいたしたのでございますが、只今申上げました解釈について私共意見が一致しておるように考えております。
#83
○森下政一君 そこで、只今の御説明でよく了承したのですが、一般産業が旧軍用財産の讓渡を受けるというときには割引の恩典に浴することができない。これはこの法律が出ても割引がして貰えない。ただ確実な担保を提供して、利息を拂つて十年以内の延納は認めて貰うことができる、こういうのですね。そういうことなんですね。そこで十年の延納が認めて貰えるということだけで一般企業がこれらの軍港都市に集まつて来るということだと、提案者の希望は達成し得ることができると私は思うのでありますが、どうもそれだけでは産業の採算が成立たんというふうなことで、多少でも割引をしてあげんことには産業融資という目的を達成できんのではないかということを私は惧れる。憂慮するのです。そうしてこの法律の目的は非常にいいことだと思うから賛成したいんだが、これだけで一体提案者の素志を満足に具体化されることができるであろうかという点を多少私は憂慮される向きがあると思う。そこで前回の委員会でもそのことを質したところが、提案者から、その点は甚だ不満だという話もあつた。そこでもう一つ中野君に私は確めますがね。今度提案されております法律案の第四條第二項に「前項に定める外、国は、旧軍用財産を旧軍港市転換計画の実現に寄與するように有効適切に処理しなければならない。」とある。これは国が或る意味において義務付けられておるわけですね。こういうことが一つあるということを念頭に置いておいて今度は第六條を見ると、第六條では「旧軍用財産の処理及び普通財産の讓渡に関し、その相手方、」例えば甲産業株式会社に讓渡するか、乙産業株式会社に讓渡するか、その相手方の決定、それから旧軍用財産の中でどれとどれをその希望者に讓渡するかという財産の範囲、いくらの価額で讓渡するかという価額、或いは何年延納の期限を認めるかということを決定するために、決定権は大蔵大臣が持つておると思いますが、その諮問に応えるためにここに審議機関というものが設けられることになつておる。そこで仮に讓渡価額を決定する時に、先刻局長の説明で適正な時価というものを決めるのだというお話だが、その時期を決める時にこれらの旧軍港都市の中に有望な産業を吸收することができるように、吸收し得せしめる目的を以て、仮に時価の……時価と考えられるものから五割くらいを引いた値段で讓渡価額を決定する、決定すべきだと、仮に大臣の諮問機関である審議機関が考える、そうして満場一致でさよう決定をする、そうした時に、大蔵大臣はその決定を尊重してその讓渡価格を以て讓渡するということを決定する、それは適正な時価より遙かに安いじやないか、こういうことがあつても、第四條の第二項によつて「国は、旧軍用財産を旧軍港市転換計画の実現に寄與するように有効適切に処理しなければならない。」という義務を負うておる場合になるのだから、これは最も有効適切なる措置方策なんだ、こう言つて第四條第二項に引掛けてその審議機関の決定を大蔵大臣がそのまま採択して処分をするということがあつても咎められる筋合ではないというふうに解釈できるか。これはどうですか。
#84
○法制局参事(中野哲夫君) お答え申上げます。第四條の第二項は、前項でつまり一号、二号でこう具体的に決めたのでございまして、それ以外の規定、例えば無償貸付をやる場合、いろいろな規定がこの特例法にございます。そういうものを運用して旧軍用財産を処分する場合には、国はこの第一條の目的をよく考えてその実現に寄與するように有効に処理しなければならない、と書いてあるのでございまして、端的に申上げますと、時価と思われるものの値引をするというような違法なことをやれという意味ではないのでございます。法律に適法な範囲において運用の妙を盡して、例えば小さな例を申上げますと、会社がいくつも拂下について願出でをして来たというような場合に、どの会社が一番この計画の実現に寄與するようなうまい仕事をよくやつてくれるかどうか、或いは公共団体と会社が競合するような場合もございましよう、それから先願、後願というような願出での時期の前後もございましよう。そういう場合に最も計画の実現に合うようにしなければならないという訓示規定がございます。そこで第六條の審議会においてはお話の通り讓渡価額を決定いたします、その讓渡価額については二通りあるのでございます。時価の五割以内において、それでは四割がいいか、三割がいいかというような第四條第一項第一号の対価を決める場合もございましようし、民間会社等によつて今度は国有財産法の原則に返つて、いわゆる減額はしない。一体それの讓渡価額を具体的な場合に幾らにするかということを特にこの審議会に諮るのでございますが、その際も只今大蔵省から御説明のありました時価の算定基準というのは、私も拜見したのでございますが、やはり一般的な要素を書き上げた基準でございまして、その基準の判定等は可なり現実の運用においては伸縮の余地があることと思うのでございます。それらその時の金融情勢とか、経済情勢とかいうものと照し合せまして、その基準を活用してその価額を決めるわけでございます。繰返して申しますと、この審議会においてはその合理的な時価を民間会社のために割引くというようなことは法律に違反することでございますからできません。仮にやりましても大蔵大臣はそういう諮問機関の答申を採用いたすべきものではないと考えます。そういうふうに法律的には書かれますので、法律的に申しますと、審議会が合理的な観点において民間会社に対して時価の五割とか、三割とかいうような値引をしたものが、第四條第二項によつて義務付けられて違法な決議を採用するというようなことには相成らんと、かように考える次第であります。
#85
○森下政一君 ところが第六條で、審議会で決めるのは時価を決めるのではない、讓渡価額を決めるのだ、どこまでも……。そこで審議会がやはりこの法律の目的を達成するために四軍港都市を平和産業港湾都市に転換しなければならないのだから……そうでなかつたら病院や引揚者の寮ばかり建てていたのでは提案者の目的は達成できない。時価を決めるのではなく、讓渡価額を決めるというのは、その計画の実現に寄與するように有効適切に処理しなければならないというので、讓渡価額を産業を誘致し易い金額の讓渡価額に決めたとして、それが違法だと言うことができますか。それは違法ですか。
#86
○法制局参事(中野哲夫君) この第六條の審議会で決めます讓渡価額は国有財産法によつて、何と申しますか、合理的な価額でございますね。それが、讓渡価額でなければならんのでございまして、それは内容においては一致いたすものと私共解釈いたしております。
#87
○森下政一君 それならここに言う讓渡価額は時価と、こういう解釈ですか。
#88
○法制局参事(中野哲夫君) ここで民間会社に国有財産法の原則で讓り渡す場合には時価ということになろうと思います。ただその時価の内容が、大蔵省から地方の財務部に指令が参ります基準はいろいろ解釈ができるから、仮に極端なことを申しまして、当該官吏が基準を誤つて運用して、時の金融情勢とか、経済情勢を無視して非常に高く解釈しておるというようなことも有り得ますので、その際は学識経験者なども入れた委員会で決めて、最も妥当な、法律に違反しない範囲において合理的な解釈の下に時価を決め得るという余地も残ると思います。
#89
○委員外議員(佐々木鹿藏君) この立案をいたしました私共の苦心をした点を御質問でございますが、大蔵省の管財局長に尋ねますと、この処理は適正に迅速にやれという指令を出したということでありますが、実際に今度地方の部長や地方の係の者に接して見ますと、なかなか頑として指令の範囲を高く売ろう、有利に売ろうというのみに拘泥をして、なかなか本局の指令と相違したようなことをやつておるというので、なかなか財産の処理がうまく参りません。と同時に、抛つて置けば雨晒しになる、機械もスクラツプになつてしまう。それが又機械として修理をすれば幾分使えるようなものでもやらない。更に材木その他のごときは本当に野晒しになつて、早く処理すれば国の財産の一部になるというものでも、ただそういう細かいことに拘泥をいたしまして、迅速に讓渡ができない。これではどうしてもこの四軍港の厖大な資産、又有効な機械を適正に処理することは困難であるということから、苦心の結果、審議会などを作りまして適正にやる。こういう、はつきり申上げると、小役人に委せて置いたのではとてもこの財産の処理はうまく行かない、だから小役人などに委せないで、本当の権威ある審議会で願いたい。それで大蔵事務次官、建設事務次官、その他の係の局長と、県の事情をよく知つた知事や、又特に四つの市長はこの事情に精通し又いろいろなことに詳しいということで、これらを売手と買手の範囲にいたしまして、これを適正に公平に処理すベき民間の五人の委員、学識経験者を選びたい。それを而も国会の両院の承認を得ることに願えば最も適正妥当な人物が出て来るという構想で、この審議会というものは国のためにも、地方のためにも、産業のためにもなるような人をしたいという精神から出たのでありまして、結局小役人に委して置いたらこの四つの軍港の処理ができないということが根本の発足でございますので、大きな巾を持つて、又うまく適正に運用活用したいということが念願であります。
#90
○森下政一君 只今佐々木さんの御説明を聽くと、先刻私の指摘した第四條第二項、それに十分の含みを持たせる、そうした第六條の審議会が財産の讓渡価格を決定するというときに、中野部長が先刻説明されたような国有財産法に決めるところによるよりは、余程巾のある弾力性を持つたものであつて、この法律の目的を達成するのにどうしても産業を誘致しなければならんが、誘致し易いところで決めるという味のある裁量がこの審議会でできそうに少くとも期待しておられるというふうに考えられるですね。そうなれば私はこの法律の目的は達成できると思う。だけれどもそれを仮にやつたときに、あなたさつきから違法だと言われるが、違法なりと断定できますか。私はできんじやないかと思いますが、どうですか。そこなんだ、問題は。と同時に、私はこれをやかましくそのところを究めて置きたいと思うことは、非常に考え方によつてはこの法律の目的を達成し易いことになる。巾があるということは。審議会が決定するのに、巾がある、含みがある、更に言うと、大蔵省の立場から言うと、ただ国庫の收入を多からしめるというだけの財政自的だけを中心にした往々にした評価がなされ易いと思うが、ところがこの審議会では経済的な要素も多分に頭の中に入れて、産業を誘致し易いところで値段を決めたいというところがあると思うのです。それを違法だと責めることができるかというのが私の第一の質問なんです。違法だと言えないとするならば、これはこの法律の目的を達成するのには大変に都合がいいが、若しこの法律を悪用する者が出て来るということになると、とんでもないことになるのです。よろしいか。幸に小川友三が昨日非常に礼讃したが、立派な池田大蔵大臣はさようなことをせんと私は思う。だけれども、大蔵大臣が若し、根性がゆがんだやつで、自分の党派の資金でも稼ごうと思えば、どのようにもでき易いという危険を犯す余地があるわけです。そうすると折角提案者が四軍港を平和的な産業都市として転換したいという考で苦心をした法律が、誤つた政治家によつて悪用されて、ここに利権の温床を作るということになる虞れがある。非常に警戒をしなければならんことになつて来るわけであります。だから私はこの法案に対する私共の態度を決めるのに重大な、キー・ポイントがここだと私は思つておる。
   〔委員外議員佐々木鹿藏君発言の許可を求む〕
#91
○森下政一君 ちよつと待つて下さい。佐々木さんに答えて貰つてもなんにもならない。失礼だが。
   〔委員外議員佐々木鹿藏君「いや、もう少しお話したら」と述ぶ〕
#92
○森下政一君 法律的の解釈の点からそれを違法なりと言い得るか。そこなんですよ。違法だと言うてしまつたのでは、如何にこの法の妙味を提案者側が期待するような工合に発揮しようと思つても、発揮できないことになつて来る。そうするとこの法律は單なる平和産業都市にしたいという希望的宣言をやるだけで、実際問題としては、公共団体が病院を作つたり社会事業施設をするのには役に立つけれども産業の誘致は阻まれて、遂に目的は達成できないということになつてしまう。できるように法の運用の妙味に巾を持たせるということなれば、正しい運用のみがされる場合においては宜しい。けれども利権の温床になるという危険がある。そこを警戒せんならんということが出て来る。そこで法律的な解釈を私はまず聽きたいのです。提案者の気持はよく分るのです。提案者は何もそんな利権の温床を作ろうと思つていやしない。何とかした四つの軍港が軍港という名を抹殺してしまつて、平和都市である、産業都市であり、港湾都市として、市民と共に栄えたいのだ、そうして日本が再び軍国主義国家に立帰らんということをこれを通じて世界にも宣言したい、その気持は私には非常によく分る。ところがその尊い気持を没却して、不正直な者がこれを惡用して利権を漁る、こういうことになると、或る政党がその政党の資金を蓄積しようと企むとかいうふうな隙をここに與える心配があるのじやないか。こういうことも虞れる。そこで真正面に冷靜に法律的に考えて、どうなんですか、さような巾のある決定をするというところが妙味だと思うのだけれどもそれはどこまでも違法だとあなたは言われるか、そこなんです。
#93
○法制局参事(中野哲夫君) 法律の運用の問題になりますと、お話の通り善用する場合と惡用する場合において非常に距離のあるものができるということは、他の法律一般についても申し得ることだと思いまするが実は私共この法案の立案にお手伝いいたしましたときには、民間会社であつても五割くらいの割引ができるような特例をこの法律で設けて貰いたいというような御希望もございましたのでございますが、いろいろ対内対外の折衝の関係で、しばらくこの程度に止めよう、こういうことでそういう目的は又将来の改正の時期に讓りたいというなお話もあつてこういうことになつたのでございます。それで只今御指摘の運用の点になりますと、私共事務当局としては何とも申上げ兼ねますが、この第六條の審議会が相手が民間会社の場合に旧軍用財産を時価で売れ、こういう現行の国有財産法の例外を決議するということは、やはり許されない、従いまして、分り易く申しますと、第四條の第二項はそういういわゆる法律的な意味における値引の問題よりも、先程申上げました相手方を選択するというような場合に最も転換計画の実現に合うような処理をしなければならないということを政府機関にこの法律が命じたのでございまして、ただ申し得ることは、値引はできないが、この範囲において、評価基準というものは物差でございますから、そのときの経済情勢その他によりまして、この大蔵省の官吏の独断で幾ら幾らと評価させるよりも、この審議会においていろいろな人が審議した方が、その基準を尊重はいたしますが、より合理的な、第一條の目的に合うような、評価ができるのではないか、かように考えたわけであります。
#94
○森下政一君 只今おつしやることによると、余程これは味のある裁量ができそうに響くのです。あなたの説明を聞いておると、根引きではないが、そのときの経済情勢によつて適切なる讓渡価格を決めるということは、産業を誘致し易いところに持つて行く可能性の含みが少くともあるように思う。そうなるとそれは非常に結構は結構であるが、それを今度は惡用される心配が出て来る。ちつと速記を止めて下さい。
#95
○委員長(木内四郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#96
○委員長(木内四郎君) 速記を始めて。
#97
○森下政一君 只今提案者の御意思を聞きましてよく分りました。ところで只今の門屋さんが、特にそういうふうな悪用されることのないように警戒したい。又時価の決定というものはあくまで国有財産を建前とする考というものが原則だ。そこで味のあるものにしなければならんが、それはどこまでも実情に即したものであつて、特別にいろいろ心配するようなスキヤンダルが起るというようなことはないというようにしたいんだということですが、それはまあ大変結構だと思いますけれども、なかなかその価格では産業が喰つ付いて来んのではないかということを私は虞れる。そこで私はいつそ三割なら三割引くということを一般企業に対しても明文を掲げて決めてしまう方が誤解をなからしめる。それで採算の取れるものはどんどん喰つ付いて来るということになればいいのではないかと一つは思つたのですが、併しそうなると、外の戦災都市が治まらない。私の考では外にも戦災都市は非常に多い。多いけれども、四軍港都市がこういう目的で平和宣言するということは、これは余程ウエイトを掛けていいと思う。この四都市に、外の戦災都市、どの都市にもどの都市にも同様に律するのとはちよつと趣が違う。この法案の四つの都市というものには重みを加えた判断をして、これは必ずしも偏頗な措置ではない、大いに意義があると思います。一律に、外の都市がやいやい言うからといつても、外の都市に耳を傾ける必要はない、こういうふうに私には思える。只今提案者の趣旨はよく分りました。
 もう一つ先般の委員会でも私は指摘したことですが、旧軍港市の市長とか、或いは関係府県の知事という者が審議会に入つている。これはよく分つているのですが、市長や知事が審議会に入つていることはいいと思います。これは又立派な知事さんや市長さんばかりでしよう。だけれどもこれがものを議決する審議会の中に入つているということは、民間からいろいろな請託を受けたりして往生されるような立場に立つのではないかということを憂慮せざるを得ない。そこで考え方によつては非常に誤解される虞れがある。自分の市が立派になるように、どれもこれも情実を以て非常に産業に有利なような、売、譲渡価格が決まるように努力したなんてことを言われたり、疑われたりするというようなことになつて来ると、若し又甚だ失礼なことを言うが、根性のよくない市長がおつてスキヤンダルでも起すとなると大変だ。この審議会が必要なときは、関係府県知事が関係旧軍港市の市長を呼んで意見を徴することができるということにして、その決定には参加しないということにした方が却つていいように思うが、どうですか。
#98
○委員外議員(門屋盛一君) 御尤もな御意見でございまして、我々も一応そういうふうに考えたこともあるのです。でありますが、この審議会、ここにでき上つたものが中央の大蔵大臣の諮問機関としてのものが一つだけに成文の上に現れて来ちやつたんですが、この審議会というものを構成した折には、その地域々々に小さい審議会を置きまして、そこでその産業会社なら産業会社がこういうことをやるということを申出たときは、その審議会でそれが適するかしないかを一応審議して、そうしてそこで一応これが適するとなつたものを中央に持つて来るという地方の審議会というものを構成しておる。実際上ここでは市長となつてしておりますけれども、審議はやはり市長が独断で決めるものではなくて、市の中に審議会というものを置きまして、これが適するかしないかということをまあ審査するということが、この法律の上に現れなかつたものですから、そうおつしやることも御尤もなんでございますが、そうしますと、やはり市長というものが、地方代表の声であるいわゆる利益代表、大きい意味からいえばその市がよくなるのだから、国からいえば利益代表ですけれども、又今日の民主政治、自主的に行うという建前からいえば、その市にそういう事業を誘致していいかどうかということを一応審議して、その答を持つて出るという形で、この市長、知事というものを入れて出した、それから又各省の職員を入れたわけなんです。ところがこれには国柄が違うせいと思いますが、関係方面ではこの地方の代表はいいが、各省の役人も入れるのはどういうわけか。各省の役人は入れて置かんでも今森下委員の言われました用事のある時は連絡したらいいじやないか。地方の代表は必要だが各省の役人は要らんというような御意見があつたのです。それから実はこちらが立法に馴れないで非常に急ぎましたのとで、それから最後の学識経験というところで非常にウエートを置きまして、まあ委員とはなつておりますけれども、一時これは参與とか幹事とかいうことにしたらどうかということまで考えたのですが、最初にそういうスタートで、地方審議会というようなことで地方代表が入つておる。それにはやはり各省の関係官が入つておらないと本当に情実に即したように行かんだろうというので委員のメンバーが非常に複雑になつておるわけでございます。
#99
○森下政一君 それで両院の同意を得た学識経験のある者にウエートを置かれることはよく分る。ところがえてしてこれまでの私の甚だ狭い経験によりますと、一番ウエートをかけておる人たちがえてしてこういう会合に出て来ない。名前だけ列して置いて、地方においてはこういう者が少くない。ここに役人が沢山載つておるけれども、役人はスキヤンダルが非常に多い。而もこういう役人がやめたら自由党から立候補しようというのが非常に多い。自由党の大臣の下で……、現状では役人なんか非常に当てにならんと言うことは失礼ですが、そういうふうな気持もする。この構成にもう少しあなた方が非常にウエートをかけておいでになる学識経験者が本当にこのことの決定にウエートを持つような工合に、例えば数の上においてもこの人たちの動向でものが左右されるというような構成になつておると、これは外のものを勘定して見ると十五人程いるが、十五人が結束したら審議会においては如何にウエートのある両院の同意を得たる学識経験のある者が全部そうではないと言つても仕方がない。恐らく多数決で決まる、従つてその決定に際し大蔵大臣が処置をするということになつても極めて至極当然だということになつてしまうというふうなことになるということを私は虞れるわけです。私の質問はつきたのですが、社会党では御承知のように波多野鼎と天田勝正君がこの委員会におりますが、二人共今日は、勝手なことを申しますが社会党大会に列席していて出席しておりません。と同時にこの委員会に彼等は顔を見せましたけれども、一遍も質問をしておりませんが、まだ質問をしたい気持を持つておるわけであります。社会党としては超党派的な、各党各派の議員諸君が提案しており、社会党からも提案者が出ておるという関係もありますので、この法案の取扱につきましては、党議を以て態度を決めようということにして事実最近の機会に党議で決めることになつておるので、勝手なことを申上げるが、委員長にお願いしたいのだが、採決を御猶予願いたい。これは容れられるかどうか分りませんが、希望は私は申上げて置きます。私の質問はこれでないので、これで終ります。
#100
○委員長(木内四郎君) 森下君に伺いますが、社会党を代表して森下君から極めて詳細な御質問がありましたのですが、社会党の方の御質問はこれで終了せられたものと考えてよろしゆうございますか。
#101
○森下政一君 それは私ちよつと何とも言えんのです。どんな外のことを波多野鼎君、天田勝正君が気づいておるか知りませんので、ちよつと何とも申上げられませんが、併しながら党としては、この法案に対する党の態度というものを党議で決めようと、これは極めて最近の機会に決めると思いますから、それまで採決を御猶予願いたい。まあ質問があるかないかはちよつと私では何ともお答えいたしかねます。
#102
○油井賢太郎君 簡単に二、三質問したいのですが、第六條の第八項の「予算に定める金額の範囲内で」というこの「予算」というのはどの程度お取りになつておるかという点が第一点と、それから審議会というものは何年くらいで以て完成するお見込があるか。私はなるベくこれは早く、どんどん進行して皆さんの目的を達成されんことを望むものですが、これというと審議会の委員なんというのは何年でも又継続してやることができるというふうになつて、相当日数が掛かると思うのですが、その見通しなんかをちよつと御返答願いたいのです。
#103
○委員外議員(門屋盛一君) 第八の予算のことはこれは当局から御説明願つた方が正確と思うのでありますが、立案者の気持といたしましては、現在予算面にあるところの国有財産を処理する費用か、若しくは予備費から支出を受けるというふうに考えて立案いたしました。それからこの法律の有効期間、今油井委員は審議会の期間とおつしやいましたけれども、我々はこういう特殊の法律が長くあつてはいけないと考えておりますので、当初これに附則として五年くらいとして出そうかと言うたのでありますけれども、併し御承知のように今日本の産業経済は重大な転換期になつておりますので、果して五年間で転換計画が完成いたしますかどうかということも見通しがつきませんので、成文としては五年ということが載せてございませんが、提案者の気持としては五年くらいにこの処理を片づけたいと、こういうように考えております。
#104
○油井賢太郎君 じや大蔵当局の方から……
#105
○政府委員(吉田晴二君) 予算の関係はこれは主計局の方でやつておりまして、私の方は直接の連絡はございませんのでありますが、一応建前としてはこれを予備金で賄うか、或いは既定計画の中で、若し何か適当な金額が捻出できれば、その範囲内で賄うということになると思います。
#106
○油井賢太郎君 ちよつと速記を止めて貰いたいのですが……
#107
○委員長(木内四郎君) 速記を止めて。
   〔速記中止〕
#108
○委員長(木内四郎君) 速記を始めて。
#109
○黒田英雄君 大分時価の問題で質疑応答があつたようですが、私も実はこの点ははつきり一つしておいた方がいいのじやないかと思うのですが、時価と言いましても、これが今日軍港が現状のままでは、すベての特価というものは、私は非常に低くなつておるだろうと思うのです。だんだん住民はわきに行くとかいうような時の時価と、この法律が通つて、軍港が平和な都市に転換されるというようなことになつて来るようになつて、又住民もこれを実行しようというようなことが決つて来ると、自然、時価というものが、上つて来るのが普通なのですね。そうなつて来ると、その上つて来た時の時価というと、これはまあ所により、物により、土地にしても、場所にもよりますが、今日よりは上りませんかと思うのですね。それを基準にするとなると、余程違つて来るので、今日の時価というもので行けば、一番いいのですが、そういう点が何か実際において実行上どういうふうに扱われるお見込なのでありますか。殊にこれが五年も継続するとなると、最初の年の時価と、五年だんだんらいになれば又上つて来る。上つて来たら仕方がない。上つた時価を標準にして、五割減額した対価で決めるとか、或いは二号のように決めるということになるのですが、その辺はどういうお考ですか。
#110
○政府委員(吉田晴二君) その点は、根本的には財政法の第九條で、国の財産を譲渡する場合には、適正な価格をとらなければならんということになつておりまして、その適正な対価の意味は、これは時価である、その時価は先程もちよつとございましたように、その譲渡の時の価格で、その譲渡の時々の適正な価格を決めるようにということになりますので、只今御質問のように、将来実際に時価が上つて参りました場合には、その上つた価格を元にして、それから五割を引くというようなことに取扱をしなければならんと思います。
#111
○森下政一君 先刻私の質問を終つたように言つたんですが、じつとしていて思出したんですが、大蔵当局に質したいと思うのですが、噂かも知れませんが、横須賀では相当旧軍用財産というものが民間の会社に譲渡されておるのであるますが、その代金が、納入されていないと、こういう金詰りの状態になつて来て、一向その金が納められない、会社の方も納めにくくて困つておるというふうなことを、事実かどうか可なり多くのことを噂しますが、そういう事実がありますか。
#112
○政府委員(吉田晴二君) まあ現在横須賀の財産は、御承知の通り大体各会社に一時使用をさしておるのです。実際には会社が使用しておりますが、併しなるベくこれを急速に売拂処分をしなければなりませんので、当局としましては、極力会社にその売拂を促進しておるわけです。中にはすでに処分を終つたものも二三あると思うのですが、大体は話合がつきましてから売拂の契約をいたしますので、極く僅かのものが実際には契約をしたが、金がなかなか入らないということがあるかと存じますが、全体としてはこれは極く僅かな数であるというふうに考えております。尚詳細は実際の状況を調ベましてお答えいたしたいと思います。
#113
○森下政一君 それについてはいろいろと、風説かも知れませんが、実際の状況をお調ベになつて、当委員会に御報告願いたいと思うのです。そうせんと、何かそういう金の拂えないものな救済のようにこの法律が利用されるなんという噂をするものがありますから、そういうことになつて来るとますます困ると思う。発議者も非常に迷惑と思う。これは何とか一つ私の気持ではこの提案者の目的を達成するように、そうして本案が悪用されないようにして通すようにしたいと思うのです、私は……
#114
○委員外議員(門屋盛一君) ちよつと関連するかしないか……関連すると思うのですが、森下委員のお尋ねは、つまり拂下げ契約ができて金を納めずにいるものが多いというふうに聞えたのですが、実情は、横須賀のことは私調査しておりませんが、我々の知つている範囲では、その拂下価格が決定せずに困つているものが多いのです。なぜ決定しないかというと、ここに管材局長がおられますが、上の命令が下まで徹底しておらんかも知れないが、先程申上げましたように、公定価格で拵えて来るのです。現在の相場の砂、バラス、セメント、鉄材、木材、大工の手間賃というものでやりますから、先程黒田委員は今非常に安くなつているとおつしやるけれども、今非常に高くなつている、実情が……。それで一時私用で借りておつて、そのために会社が修理をしたり手入れをしまして工場は今やつているのですが、いざ拂下げようとするとその価格の折合いがどうしてもつかないのです。つかないから、折角始めた工場が、これでは引合わんから止めて抜け出そうとしている工場のあることは事実なんです。そこで我々はその契約ができてしまつているもので拂わんもののあるものをどうこうとは思いませんが、提案者としまして、そういうことでは産業転換にならないから、一日も早くこの法案を通して頂きまして、我々の適正と思います審議会等におきまして適正価格と出して頂ければ、今は非常に事務的にできている価格でして、本当に使用価値とか、経済情勢とかいうことは殆んど加味されていないのが多いのです。例えて言いますならば、一億と十億ぐらい差が付く場合がある。問題にならんような実例があることは申上げて置きます。
#115
○委員長(木内四郎君) 外に御質疑がございませんか。大体御質疑は済んだように思いますけれども、森下委員からのお申出もありまして、社会党の御都合もありまするので、社会党の方で態度を御決定になつた上で、成るベく速かに本案の質疑を打切つて、討論採決まで参りたいと思います。社会党は勿論各会派におかれましても、その含みでお進め願いたいと思います。社会党も成るべく早く御方針を御決定願いたいと思います。
 それでは今日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十四分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           黒田 英雄君
           伊藤 保平君
           九鬼紋十郎君
   委員
           森下 政一君
           西川甚五郎君
           平沼彌太郎君
           油井賢太郎君
           高橋龍太郎君
           米倉 龍也君
  委員外議員
           佐々木鹿藏君
           門屋 盛一君
  政府委員
   大蔵事務官
   (管材局長)  吉田 晴二君
  法制局側
   参     事
   (第三部長)  中野 哲夫君
  説明員
   大蔵事務官
   (銀行局保險課
   長)      長崎 正造君
ソース: 国立国会図書館
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