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1949/04/06 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第37号
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1949/04/06 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 大蔵委員会 第37号

#1
第007回国会 大蔵委員会 第37号
昭和二十五年四月六日(木曜日)
   午後二時七分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員淺井一郎君、大隅憲二君辞任
につき、その補欠として林屋亀次郎
君、玉屋喜章君を議長において指名し
た。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○旧軍港市転換法案(佐々木鹿藏君外
 二十一名発議)
○連合委員会開会の件
○貴金属管理法案(内閣送付)
○地方自治法第百五十六條第四項の規
 定に基き税関監視署及び税関支署監
 視署の設置に関し承認を求めるの件
 (内閣送付)
○富裕税法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○資産再評価法案(内閣提出、衆議院
 送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(木内四郎君) 只今より大蔵委員会を開きます。旧軍港市転換法案を議題といたします。昨日質疑は一応終結いたしたのでありまするけれども、尚社会党から二三の点について質しておきたいというお申出もあつたのでありますが、昨日の決定に拘らず尚若干質疑を継続することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
#4
○天田勝正君 第四條の関係でありますが、旧軍用財産を公共団体の厚生施設に転用するために特殊の譲渡の方法を講ずる、この趣旨には勿論反対の者はないと思います。但し問題は現在引揚者の寮等の建設に当りましては、政府からの補助がありましても、市町村当局の方ではこれを拒否する傾向になつておるのであります。と申しまするのは、若干ありましてもやはり市町村当局の負荷が増大するという結果から分るのでありますが、若しこうした條文を設けましてそれらの施設の拡充いたした場合には、現在の四軍港の所在の市におられるそれらの該当者のみならず他からも入つて来るということが予想されるわけであります。そこで旧軍港都市といたしましては、国家の補助を受けなければならないという趣旨からかような法律ができるわけでありますが、更に新しく余分の支出、と申しては語弊があるかもしれませんが、支出を増大せしめる方向に向うということが予想されるわけであります。それらに対する……支出が増大しても尚且つ差支がないという御自信があるのかどうか。
#5
○委員外議員(門屋盛一君) 天田委員にお答えいたします。この第四條の一号では、昭和二十三年法律第七十四号の特例には医療施設と学校だけには割引して拂下げることができるとなつておるわけでございますが、天田委員の御説のように、四軍港地帯全部ではありませんが、佐世保、舞鶴のごときは引揚者の関係が非常に多いのでございまして、それらの施設が、御指摘のように地方財政の関係において十分ではございませんので、この七十四号の特例の中に引揚者の寮の用に供するというのと、社会事業施設というのを殖やして頂きまして、その価格も、現行法で二割以内の減額ができるというのを、五割以内の減額というふうに減額率を上げた次第でございます。
#6
○天田勝正君 関連しての質問でありますが、こうしたものを拂下を受けるのに特殊な価格を以て拂下を受ける、これは旧軍港都市というものが敗戦の結果失業者だけ置いて行かれてしまつた、こういう事例からいたしましてもそうした処置をとらなければならないというのは私は同感であります。だが、一応拂下を受けるときは半額で拂下を受けたといたしましても、それを経営して行く上においては支出増になりはせんか、当然なると思う。そういうために、国の補助でいろいろこうした施設を作る場合でありましても、今日は地方公共団体でそうした施設を作りたくないというので拒否する傾向が、私ここに例を挙げれば沢山知つておる。であるから、確かに十の一般価格のものが五に拂下げられるというそれ自体だけは、如何にもその旧軍港におきましては支出が少いがごとく見えますけれども、その後の維持については従前よりもはるかに支出が増大する、こういう結果になるのであります。尚現在まで厚生施設として使つていないものを、そうした厚生施設或いは学校の教育の目的のために拂下を受けますと、今まで収容していない者を新たに収容するのでありますから、そこで現在四軍港都市に居住していない人達も四軍港都市に参りまして、そこでそれに居住するという結果になる。そこで直接これには関係ありませんけれども、それらの人方は、生活保護法の適用者も勢い数が多いという形から、その面からの支出増ということもできて来る。であるから、この第一項というものは、結果的には国の援助又はその他の地方公共団体の援助によつて産業都市に転換するという目的からいたしますれば、逆に四軍港都市が支出を増大されて逆の結果を招きはせんかと、こういうことを心配して御質問申上げるのであります。
#7
○委員外議員(門屋盛一君) 御尤もな御意見でございまして、全くその通りの結果にもなるのでありますが、普通の都市と違いまして、今から新たに減るということも考えられましようが、現在でも大体失業者の溢れておる町でございますから、他の都市に較べまして社会事業施設若しくは引揚者の寮の用に供するための施設は、これはもう必然的にやらなければならんことになつております。そうしましてこの法律案の通過によりまして諸種の恩典を受けますことが、この四軍港が他の地区よりも特殊な所に置かれておる実情でありまして、その結果といたしまして、他地区から流れ込むようなことがありましてもこれは止むを得ないことで、一方において国の補助を受けて転換都市にするのでございますから、やはり割引をしたものの拂下を受けますと同時に必然的に起つて来る市の負担の殖えるということはやむを得ないと思いますが、まあ今までのようにひどい動きはないものとも考えますし、流入者がありましても、これは四軍港の持つ特殊の性質上絶対守らなければならんと考えております。
#8
○天田勝正君 次には、第六條の審議会の関係でありますが、この審議会が大蔵大臣の諮問に応じてと、こういう前提條件で審議はするわけでありますけれども、実際的には大蔵大臣が事細かに知る筈がないのでありまして、従つて大体これらの審議会で決定した事項がすなわち大蔵大臣の決定、こういうことになつて参るのは必然だと存じます。そういたしますと、第四條関係等の拂下を受ける申請をするのと当該地方公共団体、こうなると思います。そうだとしますると、自分が申請したことの可否を判定する審議会がその申請する人達も判定の仲間へ入るということは、立法上非常に疑義のある点だと存じます。このことはすでに前にも、これとは別でありますけれども、例があるのであります。それは御承知の市町村農地委員会と都道府県農地委員会の関係でありましたが、当初御承知の通り市町村農地委員会の農地委員になつておられる方でありましても都道府県農地委員を兼ねておる人が沢山あつたわけです。それで市町村農地委員会の申請を審査すべき都道府県農地委員会が今度審査するというときに、それに対して疑義のある点を申請した人が又その疑義のある点を審査をするということになつて、法律論から非常におかしいということになつたのでありまして、そこでこれが取止めになつたことは皆さん御承知の通りであります。ところが今度はそうした二つの委員会という関係ではありませんけれども、とにかく自分がこのものを拂下げて貰いたい、或いはその他の申入れを行うという判定をするのが自分がそれを判定する、こうこの條文ではなつておる。この点に対して一つどう筋を通すかということが問題であろうと思いますが、提案者の御意見を伺いたいと存じます。
#9
○委員外議員(門屋盛一君) この法律の中に盛つてあります中の一番大事な所の御指摘でありまして、第四條並びに第五條の特典に関しまするその処理は、総てこの第六條の大蔵大臣の諮問に応じますところの旧軍港市国有財産処理審議会で、決定権は持つておりませんが、まあ大体決定に近いところまで審議するということは、天田さんの御指摘の通りであります。これが立案に際しましてはいろいろの経緯がございまして、この原案を、提出いたしました法律案のような結果になつたのでありますが、この経緯の中におきましても、そういう説も出たのでございますが、この場合旧軍港市の市長とか、或いは関係府県知事というものが單なる受益者とのみは考えられないのであります。それは、旧軍港を産業都市に転換いたしますためには、必然的に産業誘致をやらなければなりませんし、又現在そこに誘致されておる産業もあるのでございまして、これらの産業に対しましては、第四條の一号の価格の割引というものはございませんが、第四條第二号の延納の規定は当て嵌まるわけなんであります。それでどういう種類の産業がこの転換市法の精神に適しておるかどうかというようなことを審議しましたり、又誘致しましたところの産業会社に対しまして拂下げますところの讓渡価格というものは、今日の国有財産処理規定でも時価ということになつておるのであります。これは昨日も縷々御説明いたしましたように、この時価が適正に定められることができにくいために、現在一時使用のものでもこれが拂下手続の進まないものも沢山あるようなわけでございまして、これらのものを適正な価格に決める、いわゆる時価を決定するということもこの委員会の一つの重大な事務になつております。即ちその相手方、財産の範囲、讓渡価格、延納期限等を決めて行きます。今天田委員の言われましたように、公共団体のみに拂下げるのではなくて、やはりその誘致しましたところの産業会社等に拂下げます場合は、市長なり、知事はその地域の自治体の長といたしましても、どういう産業が適切であるかというようなことは、極めて愼重に審議しなければならないと思われましたので、この審議会の條項を立案しますときに、地域審議会というものを一応考えたのでありますが、それでは余りにも複雑になりまして、先程御指摘の農地委員会のような結果にもなりますので、それでここでは受益者代表という意味ではなしに、公平なる意味の地方自治体の代表として旧軍港市の市長と関係府県知事を入れたのでございます。そういたしまして一方に、政府側にあつてその資産を管理しておる方の政府側、行政府側の委員を七名加えたのでございます。地元関係が八名と政府側七名の外に、最もこの委員会を公平無私な運営、決定をいたします上におきまして、第六号の学識経験のある者五人という委員はこの規定の四項で示しましたように、両院の同意を得て内閣総理大臣が任命する、こういうことにいたしまして、七人と八人と更に公平なる国会の承認をした五人の学識経験者を以て極めて公平を期して行こうというのでございます。そうして、申上げますが、そこまでこの立案が進みましたときに、更に新しい意見といたしましては、そこまで行くならば、この学識経験のある者の五人というのをもう少し殖やして、行政当局や地元市長等は説明員、或いは参與として入れたらどうかという意見も出ましたので、関係方面と折衝を続けましたところ、関係方面におきましては行政官吏を除くということは賛成するが、この地方代表は除かない方がいいんじやないかというような御意見もありまして、甚だそこのところに、国会の同意を得て任命する委員と、その職務によつて任命される委員との区別ができにくくなるような、立法上聊か不合理の点も生じたのでございますが、御承知のように、これは全部が議員提案でありまして、我々不慣れな者が立法いたしまして、数ヶ月に亘りまして関係方面と折衝をいたしました結果、最後の案も容れられませずに、こういうような点で承認を得たというような経過になつておるのでございます。
#10
○天田勝正君 只今質問いたしました点につきましては、私もこの旧軍用財産が單に地方自治体だけに拂下をするものとは考えておらない。産業の建設でありますから、勿論民間の者にも拂下げるでありましようが、民間の者、地方公共団体、両方でありましても、その一部はいずれにしても地方公共団体が拂下を受ける。自分が申請して置いて自分がそれを判定するということの論理が法律論として非常に妙ではないかということを指摘したのであります。併しまあ今懇切な門屋議員のお話がありましたので、この点はその程度にいたしまして、次には今の六條関係を繞りまして、非常に、何と申しまするか、悪い言葉で申しますると、汚職というようなことが起きる危險があるので、それを防ぐのは、この條文では、それに関連しておりますのは八條だと思います。「その市の住民の協力及び関係諸機関の援助により」とこういうことで、住民の協力を、又強い言葉で申しますれば、協力と同時に監視ということになろうと思いますけれども、その監視をどういう形でこれを具体化するか、ここが問題であろうと存じます。私共は当初からこうした法律案を作るということには反対しておるのではない。ただこれができた結果といたしまして、利権の巣になるがごときことがあつては相成らぬ。殊に本院が先議でありまする関係も考えますれば、あとに残るものだけに余程愼重に考えなければならん。これをどこかの條文に盛らなければならないと思つておつたわけですが、たまたま第八條に、非常に不完全でありますけれどもこういう條項がありまして、第二項では「前項の市長の活動に協力しなければならない。」こういうことでただ「協力」と書いてありますけれども、実際面には協力と同時に監視の役目を果して行くというふうに理解してよかろうと思うのですが、これは私はやがて討論の場合にも申上げたいと思いますけれども、なんらかの形で四軍港の市におきましては民間の団体等も入れまして條例の制定なり、或いは慣例的なものでもよろしうございますが、そうした機関を作る必要があろうと思いますけれども、この点に関する原案提出者のお考は如何でございましようか。
#11
○委員外議員(門屋盛一君) 先程御説明いたしましたように、最初の計画で行きますと、はつきりとした地域の審議会を作りまして、そこで民主的に行きたいと思つたのでありましたが、これが折衝の経過中にそれが消えまして、市の代表、府県の代表が入るようになつたことは先刻御説明申上げた通りでありまして、これをどういうふうに補つて行き、汚職等のことのないようにはつきりやつて貰いたいということを考えまして、先ず第六の学識経験のある五人の者が両院の同意を得て内閣総理大臣が任命する、大蔵大臣の諮問に属するところの委員会でありますけれども、この点に重きを置きまして、ここに両院の権威を盛込みましたところの委員を設けるというのが組織の上に現れておるのでございます。又実際方法といたしましては、只今天田委員の言われましたような運営をする必要があると思うのでございましたが、極めて立法技術に欠けておりましたので、この法律の條文で規定します以外のことは、審議会の運営に関しまして必要なる事項は審議会がまあみずから定めるというところの暫定的の運営規定を入れましてこれを補つて行く、こういうふうにいたしたのでございます。
#12
○天田勝正君 若しこの法律が政府提案でありますれば、私共は附帶條件を付けることによりまして、政令を出すなりして扱いの面において法律の不備を補うという措置ができるのでありますけれども、この法律が議員提出でありますし、而も四軍港に関することだけに、実際問題といたしますと、それぞれ軍港市の住民に監視して頂くという條文を作りましても実を結ばないと思うのであります。その点私共は條件を付けられないところに非常に心配する点なのであります。そこでこの際一つお願いしたいのは、五分ばかりここで休憩して頂きまして、傍聴席には各軍港市の市長さん等も来ておられると思いますから、せめて速記録に載せられないまでも、それらの市長さん方の條文を補うところのお気持だけでも一つ聴いておきたい。このくらいの愼重さは私共議員としてあつて然るベきことだと考えますので、でき得ベくんばかような処置を取つて頂きたいと考えます。
#13
○委員長(木内四郎君) 天田君からの御意見で暫らく速記を中止して懇談に移りたいというお話ですが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。速記を止めて。
   〔速記中止〕
#15
○委員長(木内四郎君) 速記を始めて。外に御質疑はありませんか。……それでは本案に対する質疑は終局したものと認めて、直ちに討論に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。それでは旧軍港市転換法案について討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願いたいと思います。
#17
○藤井丙午君 私は緑風会の多数意見を代表いたしまして本法案に賛成をいたすものであります。この旧軍港四都市が敗戦によつて非常な打撃を受けられたこと、並びにその復興の困難性等につきまして、全く特殊の事情のある点を私共十分了解しております。従いまして本法案によりまして、この目的に掲げてありますような平和産業、港湾都市として更生発展されまして、関係地方住民の経済的福祉並びに地方財政の確立を図られるということは、心から希望するものであります。ただ一、二希望意見を緑風会の皆さん方の意向を代表して付け加えたい点は、先程来各委員からも御意見の御開陳がありましたように、本法案は極めて簡単な條項から成つておりまして、いわゆる施行細則的な規定がないのであります。従いましてこれは一面非常に運用に彈力性があり、運用に妙味もありまするが、半面又それに伴つて弊害を生ずる虞もなしとしないのでありますので、本法案成立の曉は、この施行に当つて十分それらの点を考慮して適正な運営を図られることを希望いたします。尚この第四條第一号等によりまして、相当国家の援助というか、恩恵を受けるわけでございますので、それだけに関係の市当局者の責任は非常な重大なものがあると思いますので、この一号にありますような社会事業施設、公共事業等の運営に当られましても、常に国家的な援助を受けたということを頭に置いて運営の適正を期せられたいということ、それから実は我々の会派の中でも、多少この法案等について誤解もありましたが、例えば公共団体への五割以内の減額譲渡というようなことが、次の段階で民間側に再譲渡されはしないかというような、これはまあ法文で明らかにそういう心配がないことは分つておりますが、更にいろいろな産業を誘致されるというような場合に、その譲渡価格の問題であるとか、その相手方の問題であるとか、或いは延納期限等の決定等につきましては、先程も御指摘がありましたが、ややもすれば利権云々といつたような弊害も、或いは起りはしないかというように憂慮される向きが非常に多いのであります。従つて、これらの点につきましては、飽くまでも地方関係住民の経済的福祉ということを常に念頭に置かれまして、本法の運営に公平妥当適正を期せられることを私は特に希望いたしまして、賛成する者であります。
#18
○油井賢太郎君 私は民主党を代表いたしまして、この法案に賛成をする者であります。併しながら、この法案は、條文が大変短くて、十分に提案者の意思を織り込めなかつたという点は誠に遺憾な点でありますが、先程藤井委員からも申されたように、法律案を、関係者におきまして、十分に、而も明確に利用し、活用し、以て戦争犠牲となられたところの四市百万の人々のためばかりでなしに、その厖大なる国有財産十億というものを活用すると、平和日本再建のために十分なる目的達成をせられんことを強く希望する者であります。殊にこの法案におきましての不十分な点は、提案者において、今後十分御検討になつて、補足的に順次修正をされて、以て目的達成のために、尚一段の立派な法案とせられることを希望する者であります。以上、希望條件を付けましてこの法案に賛成いたします。
#19
○天田勝正君 私は本法律案に賛成いたします。日本社会党といたしましては、この法律には重大な関心を寄せておりまして、実は過日も国会対策委員会において決定を見、更に第六回大会の後におきまする第一回中央執行委員会が本日開かれたのでありますが、新たなる機構を作らなければならない重大な会議でもありましても、この法律だけは問題になつたのでございます。その問題といたしまする点は、先に質問のときに私が申上げました第四條の関係、第六條の関係並びに第八條の関係でございます。これを繰返して申す必要もないかと思いますが、第四條の第一項第一号によりますると、この拂下を受けた結果が、当該市における負担増になりはしないかということ、そのことが同時にこの転換法の目的に背馳するという結果になりはしないかということを危惧する点であります。第六條の関係は、すでに各委員からも指摘されましたように、法律論として非常に不備であるという点でございます。更に、この法律を通じまして、他の委員からも指摘されましたように、利権に陷るという危險が極めて大でありまして、而もそれを防ぐところの條項というものがこれ亦極めて不備であるという点でございます。これらを防ぎまするには、ひたすら第八條を活用して行かなければならないのでございますが、これにつきましては、当該市における市民の協力に俟つ以外には到底途がないのでありまして、提案者のいろいろと御説明を聞きましても、当初におきましては、この第六條の審議会のごときものを、市においても設けるの意思があつたということを聞きまして、私は非常に喜んでおるわけであります。そこで、不測の災なきにしもあらずでございますから、どうか関係各四軍港の市におきましては、この第八條の不備なる條文でありましても、これを十分活用されまして、法律的な効果は別問題といたしましても、運用の面において審議会等を設ける、こういうことによつて立法府の心配しておりまする点を拂拭するという方向に行かれんことを希望いたしまして賛成いたす者であります。
#20
○波多野鼎君 私も、天田君の後について少し述べさして頂きたいのであります。賛成でありますが、賛成するについての意見を申上げます。軍港都市が産業都市に転換するという熱烈な希望を持つておられること、これはもう十分よく分る。その際に旧軍用財産の拂下を受ける、これもよく分る、ただその場合に、医療施設その他の社会施設に拂下げる場合においては、五割以内において減額した額、そうして営利会社に拂下げる場合には、その減額はないが、十年以内の延納の特約をすることができるという規定なんでありますが、これは、日本の国有財産の価格体系と申しまするか、この価格体系を壊さないようにこの点は運用して貰わなければならんと思うのであります。言うまでもなく、国有財産は国民全体のものであります。たまたま軍港都市にあつたからといつて軍港都市のものではない。そこは十分お考えを願いたいと思う。国民全体が血税を出してそれで作つたものが国有財産なんですから、それを拂下を受けられる場合には、これはこの都市にあるからこの都市のものだという観念で拂下を受けられないようにして貰いたいと思うのであります。特に私希望したいのは、この第四條第一項の一号でありますが、ここでは時価の五割以内において減額した対価で譲渡するということになつておりますが、例えば、こういうようなことも可能になると思うのです。それは、例えば現在或る学校として使つておる建物、それを産業公社に安い値段で譲り渡してしまつて、そうして今度は軍用財産から五割以内減額した額で拂下を受けて、そうして学校を移転するというようなことも、やろうと思えばやれるように思うのです。併し、これは法律の精神には反することでありますから、そういうようなことは絶対にやらないように、全く法律を正当に解釈して、特にその場合に、国有財産というものは国民のものだという観念さえはつきりしておれば、そういう法律の欠陥を縫うて動くというようなことはないと思いますが、くれぐれもその点は希望したいと思う点であります。
 それからもう一つは、これは非常に大きな授権法なんで、條文は少いですけれども、国家に対して相当の責任を負わしておる法律なんです。こういう法律は、今まで余りなかつたと思うのです。誰が権利を與えられたかというと、その点もこれは非常に不明確なんです。まあ第二條の都市計画云々ということになりますと、市長だろうと思う。市長が大きな権限を與えられて、そうしてこの市長が権限を使うについて、国がいろいろな便宜を與えなければならんと、国に義務付けておる。これは実に珍しい法律だと私は思う。それだけに、権限を與えられた市長の責任は大きいと思います。それから同時に、こういう国有財産の価格、それから拂下條件などについて、最後の決定権は大蔵大臣余程しつかりしてやつてくれないと、これは先程申した国有財産の価格体系を覆してしまうことになる。恐らく戦災都市にある軍用財産をこんなような條件で拂下げてくれということが出て来るだろうと思う。当然それは問題になる問題と私は思つております。そういう場合に、どういう工合に国が対処するのが、これらの点を予めはつきり政府の側においても方針を決めておかないと、混乱が来る虞れがあると思います。それくらいのいろいろな点を十分考慮して、この法律は国も市長も審議会の方も十分考慮して運用しないと大変なことになるということを、警告と言つてはおかしいのですが、十分考慮して頂くということをお願いして私は賛成いたします。
#21
○西川甚五郎君 自由党は本案に賛成いたします。只今討論において各党より申されました言葉は、実に傾聽すベきものであり、又自由党といたしましては意を同じうするものであります。本案が通過いたしましたならば民間協力せられまして、一日も早く理想の平和産業港湾都市の建設に邁進せられんことを希望いたしまして、本案に賛成いたすものであります。
#22
○委員長(木内四郎君) 他に御発言はありませんか。他に御発言がないようでありまするから、討論は終局したものと認めて、直ちに採決に入ることに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#23
○委員長(木内四郎君) 御異議ないようでありまするから、旧軍港市転換法案の採決を行います。本法案を原案通り可決することに賛成の諸君の御挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#24
○委員長(木内四郎君) 全会一致と認めます。よつて旧軍港市転換法案は全会一致を以て可決すベきものと決定いたしました。
 尚、本会議における委員長の口頭報告の内容等は、例によつて委員長に御一任願うことに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#25
○委員長(木内四郎君) 御異議ないと認めます。
 それから、委員長が議院に提出する報告書に多数意見者の署名を御願いいたします。
  多数意見者署名
    波多野 鼎  黒田 英郎
    天田 勝正  玉屋 喜章
    西川甚五郎  油井賢太郎
    林屋亀次郎  藤井 丙午
    高橋龍太郎
#26
○委員長(木内四郎君) 御署名漏れはございませんか。……御署名漏れないものと認めます。
  ―――――――――――――
#27
○委員長(木内四郎君) この際お諮りいたすことがあります。
 株式名義書換に関する法律案が提出されまして、法務委員会に付託されております。本法案は、シヤウプ勧告に基く税制に、間接に関係がありまするので、この法案に対して法務委員会に連合委員会の開催を申入れることとしたら如何かと思うのですが、御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
 更に住宅金融公庫法案が提出されまして、建設委員会に付託されましたが、本法案も、当委員会の所管事項と極めて密接な関係がありますので、建設委員会に対して連合委員会の開催を要求することに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて、両法案に対する法務委員会及び建設委員会に対して連合委員会の開催を申入れることにいたします。
  ―――――――――――――
#30
○委員会(木内四郎君) 次に貴金属管理法案が本委員会に付託されましたが、政府より提案理由の説明を聽取することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。
#32
○政府委員(平田敬一郎君) 只今議題となつておりまする貴金属管理法案につきまして提案の理由を御説明申上げます。
 金、銀等の貴金属の管理につきましては、現在、終戦直後の昭和二十年九月に総司令部の覚書に基きまして、公布施行せられました「金、銀又は白金等の取引等取締に関する勅令」及び「金、銀又は白金等の地金又は白金の輸入の制限又は禁止等に関する勅令」並びに「金、銀、有価証券等の輸出入等に関する金融取締に関する省令」によりまして、金銀等の貴金属の国内取引及び輸出入の統制が行われ、又新産の貴金属は、すベて政府に集中することにいたしているのでありますが、一方、終戦前から施行せられて参りました産金法も未だ廃止せられず、尚その効力を有しているのであります。このように二本建の法令によつて貴金属の管理が実施せられておりますことは、複雑でありますのみならず、終戦後に公布せられましたこれらの勅令等も亦従来の産金法も今日の実情に照しますれば検討を要する部分が少くないのであります。
 貴金属、特に金は戦後の今日におきましても、国際決済の最も重要な手段となつておりますことは御承知の通りでありますが、我が国の経済が今後真に強固な安定の基盤を確立し、自立と復興の目標に到達し得るためには、国際貿易の恢復、拡大と、国際收支の均衡を実現することが最も緊要であることは申すまでもなく、又将来我が国が国際通貨基金に参する場合のこと等を考えますれば、我が国の経済において貴金属の果すベき役割は、今後ますます重要性を加えて参るであろうということは明らかであります。従いましてこの際速かに適切な貴金属の管理方式を確立して置くことが必要であると考えられるのであります。
 以上に申述ベましたような理由によりまして、ここにこの法律案を提出した次第でありますが、次にこの法律案の内容につきまして主要な点を二、三申述べますと、先づ新産の貴金属地金は、従来と同様にすべてこれを政府に集中することにいたしております。
 次に、政府に集中された貴金属地金のうち国内で売却する分につきましては、予め適切な配分計画を立て、これに基いて工業、工芸その他の用のために売却するようにいたしました。
 又従来は金、銀及び白金等の地金について国内取引を統制して参つたのでありますが、現下の実情からいたしますれば、銀及び白金等につきましては、国内取引の統制を存続する必要も認められなくなつて参りましたので、この際これを取り止め、單に金地金についてのみ国内取引を統制することといたしました。
 更に、従来は金鉱業、金製錬業、含金鉱産物買入業及び金回収業等の生産面について種々取締を行つて参つたのでありますが、現在その必要も認められませんので、これを廃止することとし、又従来は歯科用貴金属加工業及び販売業等に関する取締の方法が煩雑であり、不備の点も少くありませんので、この際これを整理統一することとしました。
 最後に、金の重要性に基く産金復興助成の見地から、金鉱業者が機械、器具等を輸入する場合には、一定の條件の下に輸入税を免除することといたした次第でございます。
 以上が本法案を提出いたしました理由でございます。何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことを希望いたします。
#33
○委員長(木内四郎君) 本案に対しまする質疑は留保いたしまして、この際本委員会に付託せられておりまする地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き税関監視署及び税関支署監視署の設置に関し国会の承認を求めるの件について、政府より提案理由の説明を聴取することにいたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(木内四郎君) 御異議のないものと認めます。
#35
○政府委員(平田敬一郎君) 只今議題となつておりまする地方自治法第百五十六條第四項の規定に基き、税関監視署及び税関支署監視署の設置に関し、国会の承認を求めるの件について提案の理由を御説明いたします。
 最近における密貿易の趨勢に対応し、監視取締行政の万全を期し、監視署の配置転換を行うため、横浜税関平塚監視署外十四監視署を廃止して新たに横浜税関真鶴監視署外十四監視署を設置する必要がありますので、その設置に関し地方自治法第百五十六條第四項の規定に基きまして本案を提案いたしました次第であります。
 何とぞ御審議の上速かに御賛成あらんことを希望いたします。
#36
○委員長(木内四郎君) この際本件に対しまする質疑は留保いたしまして、富裕税法案及び資産再評価法案を議題として審議を進めることに御異議はございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(木内四郎君) 御異議のないものと認めます。速記を止めて。
   〔速記中止〕
#38
○委員長(木内四郎君) 速記を始めて。速記を中止して委員より御熱心なる御質疑がありましたが、本日はこの程度を以て散会することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(木内四郎君) 御異議ないものと認めます。よつて本日は散会いたします。
   午後三時十一分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     木内 四郎君
   理事
           波多野 鼎君
           黒田 英雄君
   委員
           天田 勝正君
           玉屋 喜章君
           西川甚五郎君
           林屋亀次郎君
           小串 清一君
           油井賢太郎君
           高橋龍太郎君
           藤井 丙午君
  委員外議員
           門屋 盛一君
           佐々木鹿藏君
  政府委員
   大蔵事務官
   (主税局長)  平田敬一郎君
ソース: 国立国会図書館
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