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1947/10/09 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第10号
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1947/10/09 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第10号

#1
第001回国会 労働委員会 第10号
  付託事件
○職業安定法案(内閣送付)
○労働基準法の適用除外規定設定に関
 する陳情(第二百五十二号)
○失業手当法案(内閣送付)
○失業保險法案(内閣送付)
○企業再建整備その他に関する陳情
 (第三百四十三号)
○労働基準法第四十條の特例に関する
 陳情(第三百四十四号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月九日(木曜日)
   午後一時二十六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○一般労働問題に関する調査承認要求
 に関する件
○失業手当法案
○失業保險法案
  ―――――――――――――
#2
○理事(栗山良夫君) それでは定足数に達しましたからこれから委員会を開催いたします。
 安定法案の十二條の改正案につきまして只今柴田專門調査員から報告がございましたが、この問題はまだ衆議院の方においても未決定でございますので、参議院の委員会の意向を決定いたしまして、そうして衆議院の方とも連絡を取る必要があろうかと存じますので、衆議院と予め打合せをいたしました案につきまして御意見を御交換頂きたい、こう思うのでございます。別に御意見ございませんでしようか。
#3
○堀末治君 この修正案には異議ございません。
#4
○理事(栗山良夫君) 只今御異議ないという御発言もありましたので、衆議院で考えられております三つの項目の追加の点につきましては、参議院の委員会としても異議がないというこういうことに一應決定してよろしゆうございましようか。
#5
○理事(栗山良夫君) それではさようにいたします。
#6
○堀末治君 今委員長の御提案になりました一般労働問題に対する調査のために議長に調査承認を要求する動議提出いたします。
#7
○理事(栗山良夫君) 只今堀委員から御発議がございましたが、これについて賛否の御意見を伺いたいと思います。御異議ございませんでしようか。
#8
○理事(栗山良夫君) それでは只今の堀委員の御提案を決定いたすことにいたしたいと思います。
#9
○堀末治君 それではその調査内容については委員長に御一任をいたしたいと思いますが、皆さんにお諮りを願いたいと思います。
#10
○理事(栗山良夫君) 只今調査に対する具体的な方法、或いは國会の内部における取扱いにつきましては、委員長一任にいたしたいということでございますが、それで差支えございませんでしようか。
#11
○理事(栗山良夫君) 御異議がございませんようでございますから、さように取計いたいと思います。
 その次に、まだ労働大臣がお見えになつておりませんが、失業保險法案と失業手当法案につきましての質疑を只今から開始いたしたいと存じまするが、その前に私からちよつと発言をいたしたいと思いますのでお許しを願いたいと思います。
 九月の二十日の委員会であつたと思いますが、この委員会におきまして職業安定法案の予備審査をいたしたわけでございますが、その第五十五條の職業安定機関の経費を國庫で支弁しなければならないという條文に関聯いたしまして、私は或る地方即ち愛知縣の豊橋地方における基準監督署の寄附行爲の問題を例に挙げまして、現に労働大臣が就任のとき寄附行爲は一切中止するように命令が出ておるにも拘わらず、現地においては依然として依附行爲が行われておる。而もその寄附行爲の過程において嚴正中立であるべき行政機関が甚だ穩当を欠くような行爲があつたということを例に挙げまして、そうしてこのことは強ち現場の係官だけの責でなく、中央において機関の設置を決定されながら國庫の費用が十分に出ないのが原因であるが故に、今後いかようにしてこういつたような機関の費用を國庫はお出し相成る予定であるかということを労働大臣に私は御質問申上げたのであります。そのときに申上げました豊橋地方における好ましからざる事件については、別に文書を以ちまして大臣にも御報告を申上げたいということを附加えて置きましたが、その文書は現地から到着いたしましたので、九月の三十日に労働大臣に提出をいたして置きました。ただその中で過日御報告申上げましたことと文書で報告を受けましたこととの間に若干齟齬がございましたので、その点は訂正を申上げたいと思うのであります。その要点は殆んど変りはないのでございますが、ただ過日の御報告の際に、基準監督署長が寄附者に謝礼の意味の会合を持ちまして、その会合の上で述べられたということを申上げましたが、これは事実と相違いたしておりまして、たまたま基準監督署の内部において当事者の間で行われたということでございます。それから組合の方でその話を聞いて直ちに抗議をしたという工合に申上げたが、それは抗議を保留して帰つたということであります。
 更に追加して参りましたことは、この基準監督署は中立の立場であります以上は、將來関係をいたしまするところの資本家も、労働組合も、或いは公益代表の方も、共に開署式に若し招待をされるとするならば招待いたしまして、そうして盛大に出発をすべきであると思うのでありまするが、去る日に盛大な開署式が行われたそうでありますけれども、労働者の代表は一人も招待をせらるることなく、招待された人人の殆んど全部は寄附を行なつたところの事業主のみであつたということが傳えられまして、豊橋地方の労働者は、今後の基準局の運用につきましてその性格上非常な不安を有しておるというようなことが附加えられて述べられておりますので、この点を併せて御報告を申上げて置きます。
 以上前回の委員会における訂正補足を申上げた次第であります。
 それでは失業保險法案と失業手当法案に対する質疑を只今から開始いたしたいと思います。
#12
○深川タマヱ君 失業手当法の第二條の二項でございますが、この法律が効果を発生いたしますのは、勿論この法案が通過いたして施行されて後のことでございますが、最近関東、東北を襲つた大水害のために、本人は働く意思を持つておりながら、工場が押し流されて相当沢山失業した人がでぎております。政府では傾斜生産を遂行さすために近い將來不急の産業を相当整理なさる御予定であつた筈でありますが、いろいろな御事情でそれが断行されずにおりましたところ、天然の力によりまして、水害罹災者に対しては誠にお氣の毒ではありますけれども、相当不急産業が整理されたことになつたと存じます。急ぐ産業は勿論復旧をお図りになるでございましようが、急がない方の産業はこのまま当分お置きになるとすると、失業者が非常に多く出ております。すでに予想していたことでもありますので、この際、これらの失業者に対して遡及して失業手当金を差上げるようなことにならないか知らんとお尋ねいたすことが一つと、
 それからその次には、第五條の失業手当金の額でございますが、これは終りから二行目を見ますと、標準報酬日額の百分の三十五に相当する金額から百分の七十五に相当する金額までの範囲内の金額を基準とすると出ております。而もこれが政令で決まることになつておりますが、極めて幅の廣いものでございまして、私が考えますのに、この法案は向う六ケ月しか効果のない法案でありますので、その間物價も給料もそう大して変化はいたさないと存じておりますのに、これ程幅の廣いのを拵えて置いて、いずれ政令で決まるということになると、財政が紊乱するとまでは行かなくとも、少くとも貰う方の側においても、半分貰えば、倍貰えばということで、相当予定があると思いますが、こういうことはむしろ法律で一定額に決められないものか知らんと思います。推量いたしますとこを、先達つて政府の方にお尋ねいたしましたところ、日本の國で近い將來どのくらいの人間が失業して、どういうふうな方法で失業救済をするかという具体案がお決まりになつていないそうでございますので、從つて失業者が多くなれば、失業手当金の予算が決まつておりますから、一人当りの手当金が少くなる、多く失業すれば少くなり、それから少く失業すれば多く一人に渡す、こういうので幅の廣いのを拵えておると存じますけれども、先程申しましたように、やはり法律で以てお決めになつて、もつともう少しきちんとできないものか知らんと思います。それをお尋ねするのが一つ。
 その次は第六條でございますが、失業手当金を支給する期間のことでございます。これは、失業した時から一年間と決まつております。一年を経過いたしますと時効にかかることになつておりますが、これは政府の責任でその本人の能力に合致した職業をよく探して與えることができなかつた場合においてもやはりこれは一年で時効だといつて打切るわけですか。それともそういう場合、もつと政府が責任をお持ちになつて、やはり適当な職を探して上げるまで延ばして貰えるものだろうか。これらのことをお聞きするのと、
 もう一つは十九條でございますが、失業手当審査会であります。それはやはり労働者を代表する者と、事業主を代表する者と、公益を代表する者とからできるのでありますが、その中にもやはり私は是非一人女を入れて頂きたいとお願いするのと、
 それから最後に第二十五條であります。「行政應は、受給資格者を雇用した事業主又は受給資格者に、必要な事項について、報告をさせ、文書を提出させ、又は出頭させることができる。」という箇條になつております。私考えますのに、失業した人で職業安定所の手を経ないで縁故採用を受けて、そうして本人は当分その職に甘んじて就く意思を持つておりながらも、この縁故採用をなされた場合に、必ずしも行政官應に報告する義務規定がありませんために、やはりその届けを延ばしておりましたら、その間失業手当金を貰える。そういう自然ずるいことをする人もできると存じますので、職業安定所の手を経ないで縁故採用された場合でも、必ず一旦就職して当分その職にあろうという意思の者には必ず届出の義務を持たすというふうに規定を改める必要があるのじやないか知らんと考えます。從つてその義務に違反した者については当然罰則規定でやはり罰則が定められなければならないと考えます。
 これらにつきましてお尋ねいたします。
#13
○政府委員(上山顯君) 失業保險法並びに失業手当法いずれも施行の日といたしましては十月一日、こういう規定に明定しておるのであります。実は当初これの提案いたしました当時といたしましては、十月一日より以前に議会で法律案を成立させて頂き、又予算も、通るつもりで十月一日と書いておつたのでございますが、いろいろの事情でまだ成立を見ないわけでございます。尚予算もまだ提案になつていないような事情になつておりますので、この施行期日を十月一日から、法律を嚴格な意味で施行するということは不可能でございますが、十月一日に遡りまして適用いたしますか、施行期日をもう少し延ばしますものかにつきまして、只今関係方面といろいろ折衝いたしておるような次第でありまして、その件につきましては折衝が終りました後で改めて皆さんに申上げまして御了解を頂きたいと思つております。いずれといたしましても、この失業保險法と失業手当法とは非常な関聯を持つておりまして、当初の案では失業手当法の適用範囲でございますとか、或いは施行の期日を保險法とは別にしようという案も実はあつたのでございます。併し財政上の点、その他の点を考え合せまして、尚関係方面ともいろいろ相談いたしました結果、保險法と手当法とは適用範囲は全然同じ範囲にいたし、又施行の期日も同じ範囲にいたすということに相成つておるわけでございますが、十月一日に遡ります場合においては、今申しましたような考えで、尚関係方面と折衝中でございますが、いずれにいたしましても手当法の方だけを更にこれ以上遡りましてということは不可能じやないかと実は考えております。
 それから第五條の標準報酬の点でございますが、これは丁度保險法の第十七條の規定と相照應するわけでございまして、同じ趣旨に相成つておるわけでございます。それでこれは失業者の数の予想がつかないから、それによりましてこの金額をどうこうしようという考えは持つていないのでございます。失業手当金といたしましては一應の予算額は追つて議会に提出に相成るはずでございますが、若しもこの法律で決めております金額が足りない場合は予備金でも出して貰うということに相成つておるわけでございまして、その財源関係からこれを上下にいたそうという考えはないのでございます。但しここに書いております意味は、大体の標準になりますところは百分の五十五にいたしまするが、金額は標準報酬が高いものにつきましては段階的に百分の三十五まで逓減さすことができる、又金額が少いものにつきましては百分の七十五まで逓増することができる、こういう趣旨になつておるわけでございます。そういたしまして、どういう段階を拵えるかということにつきましては一應の案は持つておりまするが、尚これも関係方面と目下折衝中でございます。而してこれを政令に讓りました点は、私たちとしましては賃金が非常に移動いたしますことは望ましいこととは考えておりませんが、併し法律上ということになりますと、賃金は動き得るものだという前提で物を考えねばならんかとも思うのでありまして、そういう賃金が動きます場合をも予想いたしまして、この標準報酬に対して何パーセントという比率の表は賃金の移動によりまして変らなければならん性質のものでございますので、法律上の建前といたしましては、むしろ政令へ讓るのが適当じやないか、かように考えて政令に讓りましたような次第でございます。
 それから第六條の「離職の日の翌日から起算して、一年間」とありますのは、これは失業者としましては一年の間に公共職業安定所に求職をいたして、仕事があれば失業手当金は貰えませんし、仕事がない場合には失業手当金を貰う、かようになるわけであります。でありますから、普通の場合を考えますれば、仕事のない人は逸早く公共職業安定所へ出頭するわけでありまして、そうしますれば失業手当金の支給日数としましては、第八條に百二十日、約四ケ月ということになつておりますが、一年の期間の間には百二十日という支給日数だけは費してしまうということが考えられるのでございます。從いまして一年の間という期間を切りまして、その間になるたけ早く出頭をして貰いたい。そうしてそれ以後になりまして、例えば二年も三年もちつとも安定所に出頭しませずに、思い出したように後から出頭して参るといつたことでは事務の整理にも困りまするし、又失業手当金を設けました趣旨から申しましても、なるたけ早い期間に出頭いたしまして仕事に就くなり、手当金を貰う、こういうのが普通予想されることでございますので、第六條ではこれを一年間といたした次第でございます。これは保險法でも同じ趣旨に相成つております。
 それから第十九條の審査会の規定でございまして、これに女子を必ず委員に入れるようにという規定を設けるようにという御意見でございますが、これは原案者の意思といたしましては、外の法令とも同じように、特に法律の上で書く必要はないかと存じておりまするが、これは皆樣が十分愼重に御檢討願えれば結構だと存じております。
 それから第二十五條でございますが、これは法律には包括的にいろいろの「報告をさせ、文書を提出させ、又は出頭させることができる。」ということになつておりますので、御意見のありましたような点も、是非必要ならばそういうことを政令なり省令で書いてもいいわけでございます。施行の細則で規定してもいいわけであります。但し仮に縁故採用になつておりましたような者が出頭して参りました場合には、安定所としましては、できますだけの範囲の資料を以ちまして、本人が果して失業かどうかの判別をいたすわけであります。尚失業手当金の支給條件にも書いてございますように、支給制限の規定にも書いてございますように、指示した職業、紹介した職業を正当なる理由なくして拒みました場合には支給の制限があるということもあります。でありますから、すでに就職しております者が本当に就職したような場合には、むしろそういう二重の就職が起りますようなことを余りいたさないのじやないか。御心配になりますような点ははつきりした就職じやなくて、時々闇商賣式な商賣でもやつておるというような場合が起るのではないかと思うのでありますが、いずれにいたしましてもそういう報告が必要でありますれば、二十五條の施行の規定としてそういうことを規定いたしたいと思つております。それから尚そういう詐欺の手段によりまして手当の支給を受けようとした場合には、第十二條によりまして支給の制限がありますことは御承知になつておるかと存じます。
#14
○理事(栗山良夫君) お諮りいたします。先程深川委員から逐條に亘る御質疑が始められたわけでございますが、御承知のようにまだ失業保險法案も、失業手当法案も総括的な質疑がまだ全部完了していないと存じますのでこの辺もお含みの上で御質疑を願いたいと思います。それからやはり議事進行上、この質疑の内容は一應各省毎に区切りまして、逐條質疑をした方がよろしくはないかと考えますが、いかがでございますか。
#15
○天田勝正君 そのようにお取計らいを願います。
#16
○理事(栗山良夫君) 総括的な質問で重要な点がまだあろうかと存じますが、若しこういう点がございますと、逐條に入つてからでは問題が又ぼやかされたりする虞れがありますので、この際総括的の質問がおありでございましたならば、全部完了して頂く方が望ましいと思います。その点もよろしくお願いしたいと思います。
 それでは私ちよつと質問したいのですが、現在社会保險法というものを早く成立させまして、あらゆる面に向つて國民生活の安定を期して欲しいという國民の声が非常に多いのでありますが、これにつきまして、現在政府の方で計画されておりますのは、すでに健康保險法、厚生年金保險法その他の社会保險法に該当するところの保險制度ができております。又只今審議中でありますこの失業保險法案なども当然これに類するものであります。更には過日公務員法案の審議過程で問題になつております官吏の恩給のごときも、全官労の労働者諸君は恩給を止めてもいいからこれに代る社会保險制度を早く確立して貰いたいというような希望を述べられたかに私は伺つておるのであります。この新らしい段階におきまして、一貫したところの社会保險制度を一日も早く確立するということが最も重要なことであろうと考えまするが、これに関して政府はどのようなお考えをお持ちになつておるか。それを一應お伺いしたいと思います。
#17
○政府委員(土井直作君) 只今の御質問に対してお答え申上げます。一つ保險制度のようなものを早急に作つてはどうか、又そういう意思があるかどうかというようなことでありまするが、御承知の通り、我が日本におきまするところの社会保險制度というものは非常に貧弱でありまして、相成るべくならば廣汎な意味におけるところの社会保險制度によりまして國民生活の安定を期して行くということが極めて重要だと考えておるのであります。目下それぞれいろいろな方面におけるところの保險制度を逐次やりつつあるのでありまするが、これらのものが施行されるに当りまして、更に綜合的な社会補償制度の上に立つところの社会保險制度というものを作り上げることが必要だと考えておりますので、まだ今直ちにというわけには行きませんが、將來は是非そういう方法によりまして國民生活の安定を期して行きたいという考えを持つておる次第であります。
#18
○理事(栗山良夫君) それでは総括的な御質疑もございませんようでございますから……
#19
○岩間正男君 緊急動議を提出したいと思います。逐條審議に入る前に、ちようど切れがよいようでございますから……。
#20
○理事(栗山良夫君) ちよつとお諮りいたしますが、只今岩間委員から緊急発議があるということでございますが、許してよろしうございましようか。
#21
○天田勝正君 それはこの問題についてですか。
#22
○岩間正男君 いや問題は少し違いますが……。
#23
○天田勝正君 政府委員も來ておられることで、勿論政府委員の関係のことでしようが、それなら構わないと思います。
#24
○岩間正男君 政府委員とはちよつと関係はありません。
#25
○理事(栗山良夫君) 時間の関係もございますし、失業保險法案が本日全部終りませんから、適当なところで打切りまして、そうして政府委員も御退場願つたところでいたす、こういうことにしたらいかがですか。
#26
○岩間正男君 結構です。
#27
○植竹春彦君 私只今中座しておりました。若し中座中にこの質問がダブるようでありましたら、その点は御遠慮なく一つお答えを御省略下すつて結構であります。後から中座中のことを聞きますから。今委員長がお尋ねになりました社会保險の点でございますが、どうも今のような状態だと、退職金は失業保險、退職金の制度はあれも失業保險の意味を含んでおる。それから又厚生年金の賦課金などについても、それは実際上は企業体そのものが全部負担するような現状でありますし、それから労務者の災害保險もやはり企業体そのものが全額を負担しておるような状態であるので、このようにその企業体そのものの負担が、累次過重になつて來るから、どうしても統一された社会保險制度というものを一日も速く確立して頂いて、経営の負担の過重に陷らないようにする用意が必要だろうと考えるのです。
 第二の点は総括的と思いますのですが、これは幸いに今御答弁の中に、できるだけ速かにやつてやるというようなお言葉がありましたから、それを以て了といたした次第でございますが、第二の質問は、生活保護法でさえも四十五億を要すると言われておりまするが、失業保險の三十三億で到底やつて行けないのじやないかというふうに思いますが、その点のお答えを頂きたいと思います。
 それから第三番目に、企業体、そのものとしては、第一番目に申上げたようにいろいろな負担が過重されて來ますから、この上又失業保險の保險料も捻出して行かなければならないのであるから、このコストの中にこの保險料も又算入して行かないことには、コスト計算の企業体の財政が、経営面の財政が成り立つて行かないと思うのですが、それはそういうふうにコスト計算の場合、その保險料を算入するということは政府でお認めになりますかどうか。その御所信を伺いたい。
 それからどうもこの総括的にこの失業保險の歴史を見ますと、どの歴史を見ても成功したためしがないのでありますが、財政的の方面で皆参つてしまつているように思われるのです。イギリス、ベルギー、スイッツルのあのサンガルの、一八九五年のあの保險バーゼルの例を見ましても、一九一二年、随分古い話でありますが、ロイド・ジョージの創設したときでも、ミス・ボン・フィールドが悲鳴を上げてしまつたような歴史もあるので、なかなかこれはむずかしい。この保險法が成功するのはなかなか財政的にむずかしいのじやないかというふうに考えられますが、それに対して政府のお方はどういうふうにお考えになつていらつしやるか。
 それから又最後に、職業安定所に明確に失業者の認定をして行くことが果してできるかどうかというふうな点も、政府の御所信を一つ伺つて置きたい。
 この失業保險法ができることは、誠に結構であり、賛成なんでありますが、それらの諸点について相当注意して頂きたい。そうして又それに対する御所信を承りたいと思いますのですが、どうぞ一つお願いします。
#28
○政府委員(土井直作君) 退職手当金とか或いは又災害保險のあれだとか、年金、そういうようなものが企業体の負担になつておることのために、企業体自体が立ち行かないような状態になるのじやないかというようなことでありまするが、この点につきましては、御承知の通り日本の企業体が相当に貧弱な状態になつておりますので、これらの事柄がそれぞれの企業体の中に負担となつて現れて参りまするならば、困難が伴つて來るということはお説の通りであります。併しながら日本の企業体が非常に貧弱であれば貧弱であるだけに、それと同時に、いわゆるそこに働いておる労働者諸君も又貧弱な生計を営まなければならない。國家全体といたしまして、自然と生活の上に困難を來す者が沢山できて來るいうことに相成るのでありまして、そういう面から考えまするならば、先程申上げましたように、いわゆる國家全体の保障によりまするところの社会保障制度のようなものを早く作ることが必要である。現在日本の企業体の上から見まするならば、むしろ國民全体の立場において、國民の生活を保障するような形体にまで進んで行くことが必然的な結果になつて來るのではないかと思われるわけであります。こういう点につきましては、成るべく企業体を健全に発達せしむることのために、その負担に堪え得るような程度にまで止めて行きたい、かように考えておるのであります。現に失業保險法或いは失業手当法は、これは國家が全部負担をしておりまするので、失業保險法によつて受ける企業体の負担というものにつきましても、それ程大したものではないのであります。御承知の通りに國家が三分の一、それから経営者側が三分の一、労働者側が三分の一というような負担に相成つておりますので、実質的にはこれによつて企業体を弱体化するということの虞れはそうさしてないのではないかと考えておるわけであります。
 更に失業保險法が僅かな金額でやれるかどうかということでありまするが、この点につきましては、失業の対象になりまするものを想定いたしまして、大体この範囲においてやり得るという見通しを以て出しておりますので、御懸念になつておるような点はなくて済むのではないかと考えておる次第であります。
 更に失業保險法が各國でそれぞれ失敗をしておると、それはその費用の負担の面において堪え切られないというような結果だと、例えば英國においても或いはスイスにおいてもそうであつたということでありまするが、今回の保險法によりまして國家が負担いたしまするところの財源は、曾ての英國において失敗した程それ程多額の金額ではございませんので、むしろ國家財政の面から行けば、極めて少数の僅かな部分であつて、むしろ少きに過ぎやしないかというくらいに考えておる次第であります。こういう面から考えて見まするならば、今の失業保險法を制定しましたことによつて、將來財政上の均衡が破れて、遂に失敗するのではないかという虞れは殆どないと申上げて差支えないのであります。この点につきましては、むしろ少くないかというくらいに考えておるのであります。
 その他の事柄については、他の政府委員から答弁して頂きます。
#29
○植竹春彦君 コストの計算のことについて……。
#30
○政府委員(土井直作君) これらの保險法によりまするところの負担が、生産コストの中に入れることを認めて貰えるかどうかというようなお説でありますが、これは当然コストの中に算入されて然るべきだ、かように考えております。
#31
○政府委員(上山顯君) 只今の答弁を補足いたしまして若干申上げたいと存じます。
 生活保護法との予算の関係は、只今政務次官からもお答えした通りであります。尚若干数字的に申上げますと、生活保護法の方の対象となつております保護人員は、昭和二十二年の六月現在で申しますと約二百七十万になつておるわけであります。ところが、失業保險法の方では、被保險者の数は四十七万でございますが、先の委員会でも御説明申上げましたように、いつも保險金を受けております数としましては二十三万五千という数を予定いたしておるのでございまして、数が一〇%以下ということになつておりますので、全体を平均して申しますと、生活保護に比べましては相当の上廻つた給付ができるわけであります。尤も二十三万五千というのは大体失業者本人でございますので、仮りに扶養家族数を考えまして、それの二倍半というような数を考えますれば、六十万とかいう数が出ると思いますが、それにしましてもそういう生活保護法の対象、これは全國民でございますので、保護人員二百七十万とは大分隔りがあるわけでございます。
 それから財政の点も、只今説明がございましたので省略いたしますが、そういう御懸念の点もありますと共に、一方政府としましては、どうしても最後的に政府が國の困つておる人に対して責任を見るという立場で、生活保護法というような一方的な国の負担による支出もいたしておるわけでございます。從つて失業保險法、失業手当法ができまして、保險金、手当金が貰えますれば、生活保護法に落込む人を少くするということができる面もあると思うのであります。而もそれは單なる國の一方的な負担によらない、三分の一の負担にしろ、共済の組織で自立できることが非常に得策じやないかと思います。そういう趣旨からいたしまして、生活保護法の委員会におきましては、失業保險法の制定に前進すべしというような附帶決議をされておるような次第だと存じます。
 それから安定所の認定の点でございますが、これは保險法で申せば第二十一條にあるところでございまして、御指摘のごとく、保險法の実際の運用ではこの二十一條が一番問題のむずかしい点だと私たちも考えております。從いまして私たちは第二十一條の運用、即ち認定の基準になりますようなものを例示的に具体的に決めまして、地方の安定所には示したいと思つております。尚その基準等につきましては、失業保險委員会等にもお諮りいたしまして、十分関係方面の意向を伺つた上で決めて参りたい、かように考えております。
#32
○中野重治君 私は一般的な質問はもう終つてもよかろうと思つておりますが、今植竹委員の質議に対する答えから、一つだけお尋ねしたいと思います。それは失業保險或いは失業手当その他をも含めたもつと完全な一般的社会保險、そういうものを作りたいと政府では基本的には思つておるというふうに理解したのですが、そう取つて差支えないでしようか。
#33
○政府委員(土井直作君) そうお考えになつて差支えないと思います。
#34
○中野重治君 そうすると、そういうふうに政府当局が考えておることは、私としては非常に賛成なわけなんですが、そうしますと、今問題になつておる國家公務員法案、あれはあの法案の精神そのものに賛成するか反対するかは別として、あの中には恩給というものが取扱れております。そうしてその恩給というものについて、恩給というものを認める立場からすらもいろいろ意見が出て、政府としても現在までの恩給法というようなものは改めるつもりがあるというふうな答えがありましたが、それがどういうふうに改められるにしろ、恩給というようなものが、一般的な社会保險制度から独立して別個なものとして作られるということは、一般的な社会保險制度を確立して行こうという根本の趣旨に矛盾するものというふうに受取られるわけです。それでその点を政府側としてはどういうふうに統一しておるのか。普通の解釈では、恩給というものは、つまり官吏を公務員というふうに名を改めるにしろ改めないにしろ、勤務者としての面から官吏として引離して、そうして官僚化して行き、恩給を與える代りに宣誓をしろとか、服從をしろとか、或いは秘密を守れとか、國家公務員法について見ると、その秘密を守る條項のごときは殆んどナンセンスであつて、役人を罷めても死ぬまで秘密を守れというようなことが書いてあるが、そういうふうなものと結びついた恩給という観念は、働いた者に対して社会的に保護するという観念とは非常に食い違う。それですからそういう基本的一般的な考え方、社会保險制度の確立というものについて恩給を作つて行こうという意見が現にあるのですから、政府内部においてこの二つの点に関して衝突があるのかないのか。一貫しておるとするならば、どういうふうに統一されておるか。その点を伺いたいと思います。
#35
○政府委員(土井直作君) 社会保險制度、保障制度というものをそれぞれの角度において將來できなければならんということは先程申上げた通りでありまするが、併しこれは実際の面において考えまするならば、日本のような非常に貧弱な國といたしましては、國民全体の責任の上において、國民全体の生活を保障するということは私は必然だと考えておるわけであります。併しながらその時期はいつであるかということと、或いはその規模、範囲はどの程度であるかということは、これはまだ具体的に決定しておるわけでもないのであります。そういう方向に行こうという考え方だけがあるということを申上げるのであります。
 更に只今具体的な御質問といたしまして、公務員法の中にあります恩給制度というものと、それから社会保障制度のものとが、そこに一つ矛盾があるのではないかという御説でありますが、これは將來規模の如何によつて決定することには相違ありませんけれども、いわゆる社会保障制度というようなものが大きな範囲において作られるということに相成りまするならば、必然的にこの恩給制度に対しましても改定を加えるような結果に相成ると思うのであります。若しそうでなくいたしまして、保障制度の埓外に、特例といたしまして、恩給制度をそのまま存置するということになりまするならば、一面において社会保障制度というものの基本を壊わすということにも相成る、かように考えるわけであります。ですからその内容といたしましては、これらのものを包合いたしまして、社会保障制度というものが存置されて行くということが当然であろうと考えておる次第であります。
 尚公務員法にありまするところの、例えば恩給というものは、これは飽くまでも勤続の面に対するところのものでありまして、いわゆる義務づけられた、例えば服務規程の中にありますような義務づけられたものに対する特別な方でない、即ち恩給はそういうようなものの報奬ではない、こうお考え願いたいと思うのであります。
#36
○理事(栗山良夫君) それでは先ず第一章についての質疑を行つて頂くことにいたしていかがでございましようか。そうして失業手当法案との関係がありますので、失業手当法案の方は随時引用して質疑を加えて頂いて結構かと思います。
 それでは私ちよつと質問いたします。第一章の、総括的になるかも分りませんが、第一條を以ちまして、「失業保險法は、被保險者が失業した場合に、失業保險金を支給して、その生活の安定を図ることを目的とする。」、こういう工合にいわれておるのでございますが、これか法律の目的となつておりますので、この法案がどういう性格を持ち、どういう工合に運用せられるかということはもう第一條によつて明らかになつておるのであります。これをもう少し敷衍して申上げまするならば、失業となりました者を対象といたしまして、その全員に就職の日まで必要なる生活費を、最も簡便な方法で支給するということが具体的な目標でなければならないと私は思うのであります。然るに本法で以下各條を審議して参ると明らかになると思いますが、いろいろな制限、拘束が設けられておりまして、ややともいたしますれば失業者を救うという根本精神から外れまして、失業者の適用を成るべく少くしたいというような氣持が窺われるのではないかということが一つ。
 而もその適用する人に対しまして、いろいろ生活保障の面におきましても、又保障をいたすまでのいろいろな支給手続においても、煩瑣な点が規定されておりまして、果して生活の不安に襲われておるところの、街頭に放り出された失業者が、こういうような煩瑣な手続で、而も生活費を十分に賄えない。この失業手当金で本当に安心して、次の生活を建直すまでのいわゆる食い繋ぎができるかどうかというところに私は疑問を持つのであります。例えて申しまするならば、先程深川委員からもお話しがありましたが、生活保障金の問題にいたしましても、到底あれは失業期間中、家族の生活費も含めての生活保障としては非常に足りないものであると思います。而もその支給が、最大限といたしまして一ケ年であり、その中で限られた日数に対してのみ支給が予定されておるというようなことにつきましては、今後日本の労働事情がどういうような工合に展開し、そうして労働者の需給調整がなされるかということの見通しをしなければなりませんけれども、ただ当面の目標を考えて見まするときに、相当夥しい失業者が出るということが懸念されるのであります。そのときに果してこのような失業保險の相当強い枠が設けられておりますが、これで第一條の精神に合うような、失業者の救済というものができるかどうかということについての御所見を伺いたいと思います。
#37
○政府委員(土井直作君) 只今の御質問でありまするが、今度の失業保險法の中にはいろいろ制限された條項があるために、失業保險法の趣旨であるところのいわゆる生活の安定を図るという、その目的に副わない結果ができるのではないかということでありまするが、本法の精神は御承知の通り、憲法の第二十五條に書いてありまするように、すべての國民は健康にして文化的な生活を営む権利を有するという條項に発しておるのでありまして、そういう面から見まするならば、でき得るだけ失業をしておりまするところの人々に対しましては、廣い範囲において救済をしようということを考えておる次第であります。併しながら手続その他の点においていろいろ煩瑣な点があり、それが法律の趣旨に副わないような結果ができて來るのではないかという御説でありますが、この点についてはできるだけ運営の上において万全を期して行きたいと考えております。そういうことのないように最善をいたしたいという考えを持つておる次第であります。
 更に給付金が非常に少いので、実質的にはその生活を保障するということに相成らんのではないかという御説でありまするが、固より働いておりますところの全額賃金を取るということは、これは失業しておりまするという関係から当然できないことでありまするが、この場合におきましても、例えば保險給付の額の上におきまして、最高八十%、最低四十%、平均にいたしまして六十%ということに相成つておりまするが、從來ありましたところのいろいろな保險の問題から考えますならば、從來は名目賃金に対するところの給付でありますが、今度の保險の場合においては……。現在の場合におきましては標準報酬を以てやつておりまするが、將來は実質賃金によつて保險給付をしたいという考えを持つておるのであります。実質賃金によつての保險給付ができまするならば、平均六〇%というものは、失業中におけるところのやや最低の生活を保障するに足りるのではないかということを考えておるのであります。只今のところはまだ実質賃金でありませんので、將來そういう形にして行きたいということを考えておる次第であります。
#38
○理事(栗山良夫君) お諮りいたしますが、本日は丁度二時半に相成りましたが、政府委員の方も本日若干お差支えもあるようでございますので、一應失業保險法案と失業手当法案の質疑はこの辺で打切りにいたしまして、また懇談の場合に、十分意を盡くしておりませんところの委員長一任になりました労働問題の調査に対する具体的な懇談、並びに岩間委員から先程発言を求められておりますことについての処理、そういつたようなものを引続いていたしたい。こう考えますが、いかがでございましよう。
#39
○中野重治君 政府委員がそうすると間もなく退席されるわけですか。私この間委員長に、あなたでなくて原委員長の方に出して置いた問題があつて、その内容は政府委員の方にも分つておるわけなんですが、その質問を成るべく早くしたいのです。若しそれを岩間委員から出された緊急動議を取上げられる前に……今日は労働大臣見えないのでしようか。労働大臣が見える方がいいのですけれども、問題自身は單純な問題なのですが、それを取上げて頂きたいのですけれども……。
#40
○理事(栗山良夫君) それは労働大臣がお見えになつたときが都合がいいのでしよう。明日十時から労働委員会を開きますので、そのときに大臣がお見えになるようになつておりますが……。
#41
○中野重治君 結構です。
#42
○理事(栗山良夫君) それではそれでよろしうございますか。それでは委員会はまだ続開いたしますが、政府委員は何卒退席して……。それでは岩間委員。
#43
○岩間正男君 それでは先程の緊急動議について御説明申上げます。実は外のことではありませんけれども、只今國家公務員法案について決算と労働の合同委員会がなされておるのであります。これに参加の仕方について労働委員が決議権を持つていないというような今までの慣例的な事項のために、実際合同委員会の空氣を見ますと、労働委員の出席は非常に多いようであります。つまりこの法案の内容そのものも労働委員会の專門的な意見というものが非常に必要である。その性質が又その適用を受ける全官公つまり今度公務員法案の立場からいいますと、公務員その人たちのつまり勤労條件というものと非常に問題が関聯しまして、むしろ労働問題であるという性格を持つておるのであります。そういう上から考えて、どうしても労働委員会がこの問題を現在発生しつつあるところの労働問題として十分に取上げて、責任を持つてこれに参加し、更に責任を持つてこの問題の最後の処理をするというようなことが要求されておるのだというふうに思うのであります。この現実的な要求から考えますときに、現在のあの合同委員会の運営そのものがどうしても実質に即應しない面を持つておるということを我々は考えざるを得ない。そうしてこの問題につきましては、この労働委員会において再三意思表示がなされ、第一回の決算、労働合同委員会の当初におきまして、外の委員からも、それから私からも、この合同委員会に希望條件を申述べたのであります。その後これが又議院運営委員会の問題として取上げられて、これが議題になつたということを聞いておるのでありますけれども、現在まだこの決議権の問題は決定しておりません。併しながら公務員法案は、先程も申上げましたように、非常に緊迫した問題でありまして、すでにこの前の衆議院の諮問会におきましては、労働者の側から全面的な反対というような意思表示がなされております。そうして今非常にこれは世論を集めており、又これに伴なつたところの労働者側の動向というものも、これはわれわれとしては聞いておるのであります。こういうときにおきまして、どうしてもこの問題を急速に解決して、そうして労働委員会としては、先程申しました責任のある参加をしたい。こういう点から労働委員自身がこの意向を十分にここで決定して、そうしてそれを決算委員会又は議院運営委員会に通達する、このことが非常に重要な段階ではないかというふうに考えられるのでありますが、大体前の労働委員会のときにもお諮りして、決までに行かなかつたのでありますけれども、この問題は労働委員会としてももう責任を持つてはつきりした態度に出るべき段階ではないかというふうに考えられます。そこで緊急にこの問題を提案しまして、これに対する労働委員会の意向を決定せられんことを切に希望するものであります。
#44
○理事(栗山良夫君) 只今岩間委員から、緊急動議に対しまして提案の説明がございました。各委員の御意見を伺います。
#45
○天田勝正君 幸いに私議院運営委員会の方に出ておりますので、過日の経過をお話し申上げまして御参考に供したいと存じます。
 この問題は実に重大でございまして、各会派とも実は会派の意見として持つては來ておるのでありますが、その内容を分析してみますると、連合委員会に決議権までも持たすべしという意見に基きまして、規則に不備があるならば規則を改正するというような意見も出ておりまするし、且つ又現行規則においては到底さようなことはできないのであるという意見の人もありまするし、現行規則ではできないが、先刻申しましたようにこの改正によつて持たすべし、又現行規則によつても持たし得るのだ、こういうような三つの意見に分れましていろいろと議論があつたのでありますので、日は忘れましたが昨日の委員会、今週の最初の議院運営委員会におきましてもう一遍各派の意向を持ち寄る、こういうことに相成りまして、昨日の運営委員会にそれが持出されたわけでありまするが、民主党等の御意見によりまして未だこれの問題については最終決定に至つておらないから、次期に廻して貰いたい、こういうことになりまして、ではこの次には是が非でもいずれかに決定する、こういう申合せがなされまして、多分明日辺りでも開かれる委員会には、必ず会派の意見を纏めまして、いずれであろうとも決定をする。当然前の決算委員会と労働委員会の問題につきましては一應現行規則に基きまして、八月四日の日であつたと存じますが、例の労働省設置法案の問題については一應決算委員会が議決権を持つて、労働委員会はこれに連なつても決議権は持たない、こういう決定を見たのでありますが、今日になりますると、只今岩間委員の指摘されましたようないろいろな問題も出て参つておりまするし、その外例えば商工協同組合というような商業委員会と鉱工業委員会と殆んどウエイトが同じだ、五分々々だというような問題も出て來た場合に、片方の付託された委員会だけが議決権があつて、片方はただそこに、いわば極端に申上げますならば公聽会に來ておるような形になつてしまう、こういうような見解の人もありまして、いろいろ議論が沸騰して、結局その最終決定を運営委員会に持込まれている。現在持込まれておるのは從つて二度目のことなのでありまして、前の暫定とは違つて今度は基本方針を決めよう、こういうわけで、結果は只今申上げましたように、各派の意見によつて次の運営委員会において必ず決めてしもう、こういうことに相成つておるのでありまして、実は各派にはそうした只今岩間委員のおつしやるようなことを反映して頂きまして、運営委員会に持ち込んで頂くのが実は私は妥当ではないか。從つてここの労働委員会においてかようであるという決議をしてしまつては、又その決定に当つて却て工合が惡い面もあるのではないか、かように考えておりますので、一つ今日は折角の御提案でありますけれども、ここは留保して頂きたいということを申上げたいと思います。
#46
○岩間正男君 只今の御説明で大分分りましたですが、ただ私のは決定してこうしろというような強いことではなくて、労働委員会としてはこのことを熱心に希望しているということを通達することは何ら差支えがないのじやないか。そうして殊に決定される矢先になつておるとすれば、労働委員会のこの意向というものは相当重要な意味を持つと思います。從いまして各派に各委員がよく話合つて、そういう空氣を昂めることをすると同時に、労働委員会自身が又かような意向を反映させるという、つまり縱横の働きをすることがこの問題を処理決定する最もいい方法だと私は感ずるのであります。そういう点からこれはまあ保留という御意見もありましたけれども、私としましてはこれはそういうような希望的な意見を労働委員会の意向として通達するというような方にお採上げを願いたいと思うのであります。
#47
○理事(栗山良夫君) 天田委員にちよつと御質問を申上げるわけでございますが、運営委員会の方の議には上つておることを私も承知しておりますが、委員長会議の方もこれは相当深い関係があろうかと思いますが、そちらの方の事情は御存じございませんか。
#48
○天田勝正君 委員長会議は現在の二度目に持ち込まれてからはまだ開いておらないように私は記憶しております。尚今後は付託するに当つて大体の空氣は、これは私が言つたというふうに責任を取られちやちよつと困りますが、大体の空氣はそういうどちらにしようかというような問題については、やはりただ議長が託するというだけでなくして、一應運営委員会に諮られれば各派の意向は分るのであるからして、運営委員会に一つ諮つて貰つて、愼重を期して一つの委員会にやつたらいいじやないか、こういうような附帶をしてやろうという空氣も相当濃厚であるという状態です。質問のお答えにならないかも知れませんが、そういうようなわけでございます。
#49
○理事(栗山良夫君) 只今岩間委員の御提案の事項につきましては、お聞き及びのように、岩間委員は労働委員会として、決算委員会と合同の委員会には労働委員も決議権を持つて臨むところまでも、その権限を労働委員会に認めて貰いたいという強い意思表示をいたしたいという希望が述べられましたことに対しまして、天田委員からは次の運営委員会にはいずれにかはつきり決定する段取りに運営委員会の方で昨日決定されたので、一應労働委員会としてはこの問題は保留したい、こういう御意見のように伺いました。その他これは非常に重要な問題でございまして、すでにこの前の労働省設置法案のときに、労働委員会の二、三の委員の方々からもそういうお話もあつたようでございまして、この労働委員会としては二回目の問題にぶつかつたわけでございますので、各委員から忌憚のない御意見を伺いまして、そうしてその方向に態度を決定いたしたい、こういう工合に考えます。いかがでございますか。
#50
○中野重治君 今天田委員からお聞きしましたところでは、現在の委員会の所管事項とか運営の仕方とかに関する現行法といいますか、院内の法規といいますか、そういうものの範囲ではそれができないという意見、それからその範囲内でもできるという意見、又範囲内でできないならばそれを変えればよいじやないかというような意見、そういうようなことがあることが分つたのでありますが、そういうふうな法的解釈の問題は私は余り知りもしませんし、余りよくも分らないのですが、実情としてやはりこの問題については決算委員会と労働委員会の連合委員会としてこれを処理する。從つて労働委員がそこへ列席しました場合は発言権と共に決議権をも持つというところへぜひ行きたい。こういうことを労働委員会として適当な方法で申入れをするということに賛成なんです。
 その理由を申しますと、大体これは理由は私が言うまでもない、理由は皆分つておるというところに來ておると思いますけれども、更に重ねて私の考えを申しますと、今度の問題は非常に大きいということは皆が自覚されておる。それですから一方で十人も証人を呼んで、衆議院と参議院との両方の決算委員会が連合審査会を開いてその意見を聞いておる。それからこの間の労働委員会へは労働組合の代表が來て事情を説明しようという申出があつて、労働委員会はこれを了承して、時間の関係上決算と労働の合同委員会で話して貰つたというようなこともあります。一方これは非常に沢山の六十万以上の官公廳労働者に関係しますし、それから今までの政府委員の答弁なんかにも現われておりますように警察官の問題にも関係して來ます。この警察官の問題は今日までは労働組合を作る権利から除外されていて、そのために非常に問題があつたのですが、これが中央の國家の警察官、或いは地方自治体の警察官というようなものに分れて行くかも知れんというような案の内示もありましたが、そういう問題があります。それから学校関係の教育労働者の問題も関係して來る。非常に問題が大きい。且つ國家公務員法がどういう形でできるかということは、新らしい憲法ができて日本の國の生活が民主化されるについて、將來十年も五十年も百年余にも亘つて非常に大きな作用を及ぼして來る。そういう意味で國家公務員法というものがどういう方向に向つて行くかということにいつては、今まで國家がやつて來た仕事に、うまく行けば、何といいますか、画龍点睛の役目をつとめる。まずく行けば逆の方に走つてしもう。非常に大きい且つ將來長い期間に亘つて影響を及ぼす問題であるということが一般に理解されておると思います。それでいろいろな公聽会その他の問題にも出て來ておると思いますが、我々もそのつもりで直接労働委員会にもおるわけですから、或る程度熱心にやつておるのですが、実際今度は連合委員会に出て行きますと、こういうことを労働委員会に出て言うのは少しおかしいかも知れませんが、決算委員の方は非常にばらつと出ておられる。労働委員は少くとも総体的にずつと多い。そうして調査もし、これは管轄の仕事にも関係しますから調べて意見を述べておるわけです。併しその今までの成行き上はそのばらつと出ておられる決算委員会の方で、これはこちらの繩張りだというような形で行くのでは、何とも力瘤を入れてもすかされるような形に仕組がなつておるということになると、実に工合が惡い。だから問題が重要であるとあうことは、これが非常に多くの勤労者の生活に関係するということと、外部からも内部からも意見が出ておるということと、それからこれは日本の運命に関して、將來に亘つてことを決定する力があるということ、こういう根本理由と、それから現実の問題としての連合委員会における決算委員たちの力の入れ方と、労働委員の力の入れ方と、これは現象ですから必ず肚の中を私は付度するわけではありませんが、何回か重ねて來た現象を眺めて見ますと、どうしても労働委員の方が大変力瘤を入れておるというふうに感じられるわけです。この問題の性質と、それから実際の扱われ方の現象面から推して、どうしてもやはり労働委員に決議権めるものとして、あすこへ出るように取計らつてほしい、こういうふうに考えるわけです。
#51
○理事(栗山良夫君) 只今天田委員から、運営委員会の内情につきましてもう少し御報告したいのでここで一時懇談会に移行して頂けないか、こういうお話がございましたが、いかがでございましようか。
#52
○理事(栗山良夫君) それでは懇談会にいたします。
 午後二時五十二分懇談会に移る
  ―――――――――――――
 午後三時二十二分懇談会を終る
#53
○理事(栗山良夫君) それでは委員会を再開いたします。先程岩間委員から御提案になりました國家公務員法案の審議採決に関しまするところの決算労働両委員会の合同審査、採決の問題につきまして、各委員から熱心な御意見の交換がございました結果は、各委員お聞き及びの通りでございますが、結論といたしまして、この問題は、明日の運営委員会ではつきりと決定されるということが、竹下、天田両委員から、運営委員会に出席されております関係上、具さに報告されたわけでございます。從いまして明日の運営委員会の決定の際に、少くとも今日ここで討議されましたことが十分に織込まれて決定されるような工合に取運ぶのが極めて望ましいと考えますので、各委員は所属党派におきまして選出の各運営委員会の方々に、本日の労働委員会の空氣を十分にお傳え願う、とそれからいま一つは、労働委員会といたしましても、明日の運営委員会に傍聽として出席いたしまして、そうして本日のこの労働委員会の空氣を運営委員会にお傳えをいたしたい、こういうようなことに概略いたしますと相成るかと存じます。この点で取運びましていかがでございましようか。
#54
○岩間正男君 さつきの中野委員の提案とちよつと違うところがあるように思うのですが、つまり希望條件をやはり正式に傳えるというような意味ではなかつたですか。労働委員会としての希望の意思表示をですね。
#55
○理事(栗山良夫君) 少くとも今度の國家公務員法案の審議採決に当つては、決算労働両委員会の合同処理を希望する、そういうような希望を労働委員会として運営委員会に申出たい、こういうことだと思いますが、それでよろしゆうございますか。只今のようなことで御了解願えましようか。……それでは本日の委員会は、別段御発言もなければこれで散会いたしたいと存じます。
   午後三時二十七分散会
 出席者は左の通り。
   理事
           堀  末治君
           小川 久義君
           栗山 良夫君
   委員
           天田 勝正君
           千葉  信君
           荒井 八郎君
           平岡 市三君
           植竹 春彦君
           紅露 みつ君
           平野善治郎君
           深川タマヱ君
           竹下 豐次君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           中野 重治君
           岩間 正男君
  政府委員
   労働政務次官  土井 直作君
   労働事務官
   (職業安定局
   長)      上山  顯君
ソース: 国立国会図書館
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