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1949/04/06 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 建設・地方行政連合委員会 第5号
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1949/04/06 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 建設・地方行政連合委員会 第5号

#1
第007回国会 建設・地方行政連合委員会 第5号
昭和二十五年四月六日(木曜日)
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○首都建設法案(衆議院提出)
  ―――――――――――――
   午後三時九分開会
#2
○委員長(中川幸平君) 只今から建設、地方行政連合委員会を開会いたします。首都建設法案を議題といたします。質疑がある方は順次御発言を願います。
#3
○鈴木直人君 実はこの前の委員会で欠席しておりまして、そのときにも一応の質疑があつたということを聞いておりますが、もう一度お聴きして置きたいと思いますのは、都内におけるところの建設計画というものは、原則としての東京都自身が計画を進めて、そうして国の助成等も得てやつて行くということが本質と思うのです。曽ての復興院のごとき、国が全面的に計画を樹て、そうして遂行して行つたという時代もありましたが、最近におきましては、やはり東京都自身が東京都の方針に従つて建設計画を樹て、そうしてそれを推進して行くという建前が、そうあるべきものだと思うのでありまするが、併しながら東京都は首都であり、重要なるところの又国の各関係官庁等もありまして、相当東京都だけではこの尨大なる都市の建設というものは遂行するには支障を来たすというのも尤もだと思うのであります。そこでこの委員会におけるところの都市建設計画というものと、都自身において計画を立てるところの建設計画というものもあると思いますが、その二つの間の調和をどういうふうにとろうとしておるのかを実はお聴きしたいと思うのであります。この法案が通過しないとするならば、従来と同じように東京都自身が都内の建設計画を進めて行く筈になるわけでありますが、従つて従来も同じようにそういう計画を立てて来たと思うのです。それで今度この法律が通りまして、そうして総理府の外局であるところの委員会において計画を立てるというもとになつた場合に、その計画と従来からあつたところの東京都の計画とをどういうふうに調和をするか、こういうことであります。いわゆる東京都自身は都市の建設計画というものは全然行わないで、この首都建設委員会が計画したものを、その勧告に基いて実行して行くという程度に東京都の権限が行くものであるかどうか、即ち東京都自体の建設計画よりも、この法律によるところの委員会の計画の方が優先をして行くか。両方の間において意見が違つたような場合においては、この委員会におけるところの計画の方が優先をするのであるかどうかという点を、その両方の関係をもう一度お聴きしたいと思います。
#4
○衆議院議員(井手光治君) お答え申上げます。たびたび御意見が出ているのでございますが、東京都が現在まで行なつております都市計画事業は、都市計画法及び特別都市計画法におきます地方公共団体としての、法律に与えられてあります権能の範囲を最高度に発揮しながら都市計画を進めていることはこれはもう議論の余地がないのでございます。只今お話がございまするように、その東京都の地方公共団体としての都市計画事業なり、或いは特別都市計画事業は、単に現在まではその権能の範囲における一地方公共団体としての計画、或いは推進ということになつているのでございます。ところがそれだけではいけない、なぜいけないかという、東京都は少くとも首都である以上、首都たる性格によつて生じて来る、或いは首都たるの性格を、機能を十二分に発揮し得る体系において、構想において首都建設というものがなされなければならない。その面と相並行して、つまり東京都本来の都市計画事業とか、地方公共団体としての特別都市計画事業等と、首都としての性格、或いは機能を発揮せしめる上からするところの国家的要請に基く、つまり都市計画事業とが相並行して建設されなければならんというのが、この首都建設法の狙つておりまする面でございます。そうしますと、それでは具体的にどういうふうに調節するか、両方の計画が競合し、或いは重複する場合もありましようし、相反する場合もありましようが、その調節をどうするかという御意見でありますが、もとよりこの委員会は基本的計画の基準を定めまして、首都たるの見地から計画されましたその計画の基準が、関係方面に向つて勧告される、こういう建前を取つておりますので、その計画の基準を定めます事前におきましては、関係地方団体、及び東京都本来の特別都市計画、或いは都市計画の事業も十二分に斟酌勘案されまして、基準的決定がなされるものと私共は解釈いたしておるのであります。従いまして東京都本来の特別都市計画事業、或いは都市計画事業におきましては、その本来の線において進む面につきましては、一から十までこの拘束力を委員会が持つということは考えておりません。つまり首都たる性格において、首都たる機能を十二分に発揮せしめる基準において、計画が相反する、競合するものがある場合は、委員会はそれらのことをよく検討いたしまして、高度の面からこれを勧告するという立て方になつております。この面を十二分に調節をする役目も、この委員会が恐らく果するものだと確認いたしておるのでありますが、そういう面におきまして、東京都の計画の競合、或いは相反する面において摩擦がないように、この法案におきましては委員会の基準計画に対する勧告をなすことができるというふうに軽く実は扱つたのでございます。その点一つ御了解を願います。
#5
○柏木庫治君 提案者の説明を承わりますと、東京都というものを、首都たる東京都、首都たる性格、そうした立場から眺めてというような気持が、非常に現われているようであります。東京都は今でも首都なのです。東京都自体が首都たる性格においてことを進めていいということと、又何だか、東京都という首都でない都市があつて新らしく首都になつて、そこで首都たる性格においてというふうに非常に響いたのでありますが、何だか屋上屋を築いて地方自治を押えつけるような、破壊するような、何と申しますか、地方自治を高度に進めて行こうということと抵触するのではないか。お伺いしたいと思います。
#6
○衆議院議員(井手光治君) 首都たる性格を発揮いたすための、ということに力を入れ過ぎましたので、或いはお聴き取りにくかつたと思うのでありますが、もとより東京都の計画というものは、一地方公共団体の都市計画と雖もやはり御説のように現在首都であるということを認識して、その総合的考慮の上になされることはこれは事実であります。又そうなければならんのでありますが、ただその政治若しくは行政運営の実際の面からいいまして、東京都というものは、具体的に実際的に非常に複雑を極めておる。特に国の機関が相錯綜しておりまして、それぞれの独立した権限の上に立つておる。こういうふうなつまり一地方団体の権能においては、或いは権限の範囲内においてはどうしても計画上操作しにくい面も多々ある。これが東京都の他の都市と最も端的に変つておりまする一面でございまして、この面からこういうふうな考え方がなされなければならない立場であることは、実際上実は止むを得ないと思つておるのでございます。決して現在は首都たる構想を外れて東京都の計画が進んでおるのだというふうなことの言明はできません。更にそれはそういう考慮も恐らく入つておるでありましようけれども、実際的には地方団体としての権限に限度があるのでありまして、その範囲においてまあ最高度の能率を発揮しつつあるが、もう一歩足りない点がある。そこで法律的にこれに十二分に首都たる性格を与えてその機能を発揮するような一面高度の立場からも、この計画には実はより強力な指示を与えて行くという面が東京都の性格から見て、又実際の行政の立場から見まして必要である、こういう点からこの法案を実は考えておる次第でございます。
#7
○柏木庫治君 地方自治を破壊するようなことはありませんか。
#8
○衆議院議員(井手光治君) でありますから先程も御質問がありましたように、この法律案を作ります前に、地方自治法の精神に抵触する面があつてはならない。又地方自治権を侵害することがあつてもならないという立場から、委員会の運営なり、そういう面について十分考えられておるのでございます。そこで強度の権限を持たせまして計画の実施等を行うということになつて参りますというと、或いは国家権力の力を以て自治体に実際の制約を与えるというふうなことになつては、これは明らかに地方自治の精神に反することはもとよりあります。そういう建前でそういうことがありませんように計画の基準の決定をいたしまして、これをこういうふうに首都たる性格において、或いは首都たる機能を発揮する上において計画の基準がなされたということを先ず告示をいたしまして、更にこれらの事業を執行する実態は東京都でございますので、その東京都自体でそういうようなことを勧告し、或いは国の関係機関等にもこれを勧告する。それを勧告の程度に実は止めた、こういうふうに考えてこの法案を作つておるのでございます。でありますから公告若しくは勧告の程度を以て地方自治権との摩擦を避けた、こういうふうに一つお考え頂きたいと思います。
#9
○委員長(中川幸平君) 柏木委員にちよつと申上げますが本多国務大臣は他の委員会でちよつと出席ができんようで小野政務次官が参つております。
#10
○鈴木直人君 私は先程の質問に対して御答弁があり、又柏木君の御質問に対して答弁がありましたが、その答弁の主たる点は第十一条のこの委員会の勧告の権限についての御説明があつたわけでありますが、この第十二条の事業の執行というところに「東京都の区域により行う都市計画事業については、東京都が国の首都であることにかんがみて必要と認めるときは、建設省、運輸省その他その事業の内容である事項を主管する行政官庁がこれを執行することができる。」こういう規定になつておるわけであります。従いまして地方自治を破壊する虞れはないかという点については、勧告するだけであるから、それはないという十一条についての御答弁があつたのですが、十二条の事業の執行というところを見ると、必ずしも委員会としては勿論勧告するだけでありますけれども、この法律の内容をなすところの十二条によりますというと、必らずしも東京都が事業を行うだけでなく、必要の場合においては建設省や運輸省等が、国がみずから執行することができる。予算を取つて執行することができるのであるということになつておるわけでありまして、その点につきましては余程自治行政というよりも官治行政、政府が直接執行するという部分が強く現れて来ているように思うわけであります。これについて只今の御答弁では少し違つている。この十二条についての御説明をお聞きしたい。又立案者だけでなく、その点について意見を如何に調整して行くが、計画をどういうふうに調整して行くか、又この事業の執行についてどういうふうに国と東京都が調整して行くかという点について東京都の建設局長の御説明をお聞きしたいと思います。
#11
○委員長(中川幸平君) ちよつとお諮りいたします。東京都建設局長がお見えになつておりますので、参考人として発言をして頂きたいと思いますが御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(中川幸平君) それでは御異議ないと認めます。
#13
○参考人(石川栄耀君) この首都建設計画に対しまする決定方法及びその事業等について国の行なうところと、都の行なうところとの調整という御質問と拝聴いたしますが計画に対しましては、重要な首都建設計画の基本をなしますような例えて申しますれば地下鉄道、街路網その他多々ございますが、そのうち最も首都建設の重要でございます案につきまして、首都建設委員会で決定して頂きます場合に、只今我々の推定いたしておりますのは極めて基本方針でございまして、例えば東京の高速度交通機関の構成は地下鉄道によるべしとか、或いはこれを最近外国に多数見えて参りましたところの高架式の高速度、これらの形式によるべしというふうなことの御決定も極めて重要な御決定でございます。そうしてその配置のあり方につきましても、これを都心より郊外部に及ぼすべしということも、御意見の立案はありますところでございますし、又これを郊外電車と直結するように、例えばゲージ等も揃えろというふうなことも、これも恐らくは首都建設委員会等の高い所で御決め願うべきものであるかと思います。それに応じまして若しその案を東京都市計画地方審議会が了承いたしまして、これを妥当と考えますれば、それに従つてどの辺から何番地にどうする、どういう形式にするというふうな具体的な、いわゆる実施設計に応ずるような計画を立てて参るという形に相成ると思います。その機会におきまして首都建設委員会が立てましたものは、必らずしも都市計画審議会の意見を拘束するものではないと考えるのでございますが、ただ委員の構成が都市計画地方審議の会長は知事でございまして、その他に都会議員等もございますが、これらの人達がそのまま都市建設計画委員会に入つておりますので、その間に円滑なる連絡があり得ると考えるわけであります。ただ併しながら形式上は首都計画委員会の議定は、必らず都市計画審議会をそのまま拘束するというふうには考えなくていいと思います。
 それから事業の問題でございますが、事業は殆んどすべて恐らくは首都建設に関しましては、計画は如何なる機関によつて決定されようとも、これは都が執行するということが建前であり得ると思いますが、ただ中に国道であるとか、或いは鉄道、或いは特に鉄道に関する駅前広場であるとか、それら国において行ない得るというようなことに対しまして、国が行なつたほうが都合がいい、或いは国のほうで理由ありと認めて、自分のほうで時期の関係等から言つて速功したいというふうなことがあり得ましたり、その他財政上の都合によつて、国が事業に応援するというふうなことがありました場合においては、これは国にお願いするといたしまして、都でできまする範囲内におきましては、細大漏らさず都のほうでお引受けするのが建前ではないかと、こう解釈しております。
#14
○鈴木直人君 重ねてお伺いしますが、現在の段階におきましてはこの委員会が設立されておらない、従つてその企画をするものは事務的には建設局長が当つておるわけでありますが、この委員会ができますと、委員会事務局ができまして、そうして事務局長というものができてそうして、その事務局長が、この委員会の事務を取扱うということになるわけであります。従つてそういう段階になつた場合に、必ずしも事務局長の見解と都の建設局長の見解とは一致しない場合があり得ると思うのです。従つてこの基本計画を立てる場合には、常に事務局長の意見というものが委員会に反映せられて、そうして都の建設局長の計画は、従的な力を持つということが考え得られると思うのです。そういう際にいわゆる食違いが出て来はしないであろうかということを考えるのです。都の建設局はやはり従来といえども基本的な計画、柏木君が言われたように、従来から首都でありましたことは間違いないのでありますから、従いまして責任をもつて基本的計画を考えておることであると思う。今局長が説明されたような、いわゆる電車の線はどうするとか、ああするとかいうようなことは、必ずや従来も考えておられたと思うのです。併しながらここに委員会ができまして、内閣直属のものができて、そうして事務局ができた場合においては、必ずしも今まで考えておつた通りには行かない。そうしてそれがどちらがいいかという点についても、又問題が白紙になつた場合にはどつちのほうの意見が首都建設のために役立つかということも、これは見当がつき得ないと思う。委員会の計画というものと都の都市計画審議会等の首都に関するところの建設の基本的計画とは必ずしもどつちが一体いいかということは、なかなか分らないと思うのです。これは役人がやつた、要するに総理庁の外局として国がやつたからして、東京都の計画は必ず完全である、都の審議会がやつたからそれは二次的に完全なものであるということは、これはなかなかそういうふうに行き得ないと思うのです。従来のように行政であるのならば、それは政府がやつたほうが力が強いのでありましようが、東京都を如何に建設して行くかという構想というものは、必ずしもこれが官庁がやつた、政府がやつたからそれが最もいいものだと言い得ない。民間の一学者の案が或いはいいかもしれないということがあり得るわけなんです。而もどういう人が局長になるかも分りませんが、従来からずつとそれに携つておつたところの都自身の方々の構想というものも、これは相当立派な基本的計画があり得ると思うのです。そういう際にこの委員会の案が非常に強く反映されるということになると、百年の後に見た場合には必ずしもそれがいい計画ではなかつたということになり得ることなどを考えますと、どうも重複するようにも考えられるのでありまして、この点について、事務局長が建設局長を兼務するというような形であるならば又別でありますけれども、単独の別個の見解を持つた事務局長ができるということになると、私が先程申上げたようなことになるのではないかと考える。この事務局長というものがどういうような人がなろうとしておられるか、そういう点も一応お聴きして置きたいと思う。
#15
○参考人(石川栄耀君) 事務局長にどういう人間がなるかということは完全に我々の今日関知し得ないことでございまして、おそらく最高権威がお就き下さるものと期待しておるわけであります。ただそういう立案事務局と、我々のほうの申さば都市計画東京地方審議会の事務局としての我々との間に意見の相違等がないかというお話でございますが、これは在来とも我々のほうと立案当局との関係はございましたが、常に両者が同業の間柄でございますので、始終行つたり来たりしておりましてお話をしておりまして、こういう点にはまずまず今までの慣行上はそういうことはないことになつておりますので、今後もそういうことはないと思うのであります。少くも我々のほうといたしましては、絶えず両者の間に研究機関のようなものを作りまして、そうして資料の提出、意見の交換等を行なつておるのが本当ではないかと思うのでありまして、必ずしも対立した機関とは私はならないと思うのであります。ただ非常に不幸な場合が起りまして、不幸と申しますか、特殊な場合が起りまして、両者において意見が対立するというようなことがありましたならば、これはそういう対立するに必要な二つの意見が起り得るような場合だと思いますので、或いは公聴会その他によりますか、種々の方法によつてお互に研究或いは決定のコースをとるべきものと思うのであります。それからもう一つこの両者において余りそういう不幸な場合は起るまいと思いますのは、先程来申上げますように、都市計画審議会の会長が委員会のメンバーでございますし、都会議員も入つております。又都市計画審議会と申しましても、それに意見を附議いたしまするのは建設大臣でありますが、委員会におきましても委員長が建設大臣でございまして、両者におきましてその要素をなしまするメンバーはお互にやはり入り混つておりますので、そういう御指摘のような場合はないように、議に附しまするときには、おそらくは両者が完全に意見を了解しましての上にそういうことになると思うのでありまして、対立してそのままということは在来ともこの畑ではございませんので、今後もあるまいと私は確信しております。
#16
○鈴木直人君 只今の御説明によつて確かに運営の上においてはそういうふうになるということを信じておるわけですが、次にこの事務局の人員でありまするが、この大都市の基本的な計画というものを打立てる、而も従来の経験をもつてそうして多くの人を擁しておるところの東京都の従来の建設の計画よりも、より重要なるところの首都の計画を立案するという場合において、極めて少数な人員でもつて、その程度の完全なものができるかどうかということを非常に疑うのであります。尚、更にこの局長というのは官吏になるわけでありますが、どの程度のいわゆる資格を持つた者を局長にしようとされておるのかもお聴きしたい。大体この程度の少数の者でもつて従来の東京都の優るところの基本的な立派な都市的な都市としての計画というものの立案が可能であるかどうか、こういう点、おそらく東京都自身の東京都の職員が全面的にこれは協力するか、法律にもそうなつておりますけれども、しないというと非常に困難ではないかということを考えるわけでありまするが、その点をお聴きしたい。そうしますというと、実際には東京都の職員が、いわゆるこの委員会のスタツフになつて働くということになる。そうすると先程お話ししたように、従来の都の自治行政が官吏行政に吸収されて、その下働きをして行くというようになるのでありまして、やはり何といつても、自治体の自主性というよりも、段段それがなくなつて、総理府の官吏の下働きを東京都の議員がさせられて行くというような形において運営をする以外に方法はないのであろう、こういうふうに考えまして、この委員会そのものを考えているところの基本的な思想として、やはり自治体がやるよりも国家がやつた方が立派な建設計画ができるんだというような考え方が、この委員会全体の背後にあるのではないかということを実は考えまして、その運営についてお聴きしたいのであります。
#17
○衆議院議員(井手光治君) 大変御尤な御意見だと拝聴いたします。実は只今御指摘のありましたところは、私共も非常に苦心を実はいたしておるのでございまして、こういう立派な委員会ができまして、特に相当の国家的な権威のある委員会によつて構成されるのであるから、強力な事務局で以て相当広汎な、事務裁量ができ得るような体制にすることも一つの方法だと考えられるのでございます。ところが又余り頭でつかちにしてしまいまするというと、只今御指摘がありましたような、むしろ権力的な事務局を構成することのために、又その国家権力を背景とした地方自治権の侵害等を行い得るような体制にすることも又どうかと思いますので、これをどの辺の線に抑えて置くかということは、これは非常にむずかしい点だと思うのでございます。原案につきましてはもう少し広汎なことを考えておつたのでございまするが、御指摘のような点がございまするので、もう一面考えまして、最少限度の人員におきまして、運営上この第十条の規定によりまする関係方面の援助協力等を求めまして、総合的な創意によつて、最少限度の事務局で運営して行こうということに実は落ついたのでございます。そういうふうに一つ御解釈を願いたいと思います。
 先程来又お話がございましたように、十二条の方につきましても、確に行政官庁が行い得るようになつております。それは都市計画法には行政官庁が行い得るようになつておりますが、特別都市計画法におきましては行い得ないようになつておる。そのために先程局長から御説明がありましたように、行政官庁の執行し得るように決めて置きましたけれども、これは御指摘の地方公共団体との間に、自治権の侵害その他の重大な利害関係を持つものといたしまして、将来紛議を起すことがあつてはいけない。そういうことのために、特に地方自治権の侵害をなしてはいけないということのために、東京都及び関係地方団体の同意を要すると、こういうふうに決めておるんでございまして、たとえ国家公共団体がこれを行いましても、その関係地方公共団体が同意をしなければ、国家機関と雖もこれを直接行い得ないように、実は決めたのはその故でございます。そういう意味で非常にむずかしいのでございまして、この限界をどこに置くかということにつきましては、いろいろ御意見もあろうと思うのでありますが、只今申上げましたように最少限度の希望を持ちまして、一つの総合的な企画運営を関係方面の創意に求め、そうして又高度の能率を発揮するようにしたいという考えで決めた次第でございます。
#18
○鈴木直人君 私が申しているところをもう一度申しますと、従来東京府と東京市がありまして、実は私は東京府の課長をしておつたのです。極めて若輩でありまして、経験も何もなかつたわけですが、東京市においては相当の経験を持ち、相当立派なる人が沢山あつたのです。併しながら権限が東京府に強いものですから、常に東京市の上に立つて、そうして若輩が東京市の市長初めそういう人達を官吏が優先するということで、引廻すというような傾向がありました。この間実は大阪に参りましたのでありますが、大阪におきましても、大阪市長初め大阪市の幹部は相当の経験を持つている人が非常に多い。市の病院長のごときは実の立派な方なんだそうでありますが、併しながら府の衛生課の技官等もやつぱり上級官庁だというようなことで、法律の権限を笠に著て、そうしてその実に立派な計画を無惨にも打破つて、そうして権限で以てそれが許可しないとか認可しないとかいうような形になるために、非常に市としてはやりにくいというような意向もあつたわけであります。この委員会をそういうふうな考え方から実は見ますと、局長という人は石川現建設局長よりもどの程度に実は立派な豊富経綸を持つている人であるか分りませんが、併しながらこの権限によりますというと、先程指摘された第十条によりますというと、どこかから来たところの役人である局長乃至そこの職員に常に引廻されて、そうして資料を提供し、常にその優位に立たされて、そうしてその計画は必ずしも東京都の宏遠なる計画よりもいいものができるかどうかという点に疑問を持ち、いわゆる事業を執行するという点においては別ですけれども、この委員会は人々の立派なる基本的計画を立てるわけでありますから、単なる官僚的な何といいますか、上とか下とかいうことでこれが建設しかねるものなんでありまして、そういうようなものに対してこういう委員会を作るということは、必ずしも私はいいものだとも思つておらない。併しながら或いはこの運営についてよくやれば、或いはこの委員会も現在なかつたよりもいいようになるかも知れない。むしろ私はこの委員会の重要さは、第十三条にあると、こう思うのでありまして、例えば今日委員会を通りましたところの別府の特別法律とか、或いは軍港の都市の法律とか、そういうふうないわゆるそこの地方を活かすために、国としても全面的に援助をしなければならないのだというような内容を持つた法律であるならば、非常にこれは首都建設計画には役に立つと思うのでありますが、この委員会という行き方は、これは官庁機構の問題であるために、どうもどうかと思われる点があるし、私は必ずしもこれは反対するというわけでありませんが、ただこういう点が起るであろうということを頭に置いて質問をして見るのでありまして、仮にこれが通過して後においても、私が申上げましたようなことが起らないようなことを期待する上において、実は質問をいたしているわけでありますが、そういうふうな従来の東京府と東京市との関係のような行き方が、この委員会を東京市との関係に置かれはしないだろうかということを憂えているので、その点についてはどういうふうに考えられるか、これは局長にお聴きしたいのであります。
#19
○参考人(石川栄耀君) これは先程申上げました御答弁を繰返して申上げるより仕方ないのでごでいますが、いわばこの道に携わる者は割合にお互いの間に私がございませんで、仕事のことに関しましては、ときどきお互いに懇談、研究等を交しているものでございますから、実際上に支障はないと思いまするし、又申さば、首都建設委員会で決定いたしますることは、東京全体の計画の、申さば一部分でございます。その中の、又極めて根本的な、基本的なものでございますので、仕事質が違うと申しますか、そういう都の建設、いわば、計画面、計画陣営が全面的にこれによつて支配されるということは、たとえまかり間違いましても、あり得ないと考えるのでございます。それで、まあまあ今の府と市のようなことはあり得ないと思うのでありますが、又たとえこれが非常に間違いまして、あり得たといたしましても、やはり府の考えますること、或いは上級官庁の考えるところは、下級の方では決して立案し得ない高度のところから鳥瞰図的に見た意見が多いのでありまして、全面的に、いわゆる監督官庁と称するものの、いわば横柄な態度が、常に悪いとは考えられない、やはりその中にはいいところがある、といつては叱られるが、そういうものがあり得ていいのでありまして、又、下級官庁としての、我々の下級機関としての首都建設法が出て欲しい理由にあるように、どうしても立案するのに、狭量と申しますか、立案させまするいろいろな環境条件等が、非常に狭うございまして、どうしても萎縮したものが立ち得ると思うのであります。大阪の例などはよく分りませんが、やはりこれは、併し或いはそういつたものの立案しまするときには、非常に窮屈な条件が多いと考えるのでございまして、それから解放された高い立場から考えまするには、ときにやはり下級官庁に取りましては、不便な困ることがあると思うのでありますが、併し本質的には、やはりそれがあつてしかるべき理由があり、又そういう現状である。私達は今までの例によつて考えるのであります。まかり間違いましても、そこに理由があると思うのであります。併し、実際に仕事の本質から行きますれば、実際上は限界がございまして、そう朝から晩まで御支配を受けるということはあり得ないと思うのであります。まあまあ運営等を一つお任せ頂きまして、うまくやらして頂きたいと思います。
#20
○衆議院議員(井手光治君) 非常に大事なことの御質問ですから、ちよつと私から補足しておきます。大震災後における旧東京市の復興計画は、鈴木先生は当時の錚々たる若手の課長で、御指示も頂いて、当時は国が復興院を創設いたしまして、それから最後は、東京都も復興局というようなものを作り、東京府がその間にあるというようなことで、単独行政官庁が、それぞれ権限の範囲において、実は計画をしまして、三段構えで旧東京市の復興計画がなされたのでございます。それで、そのときは、お互いの行政官庁の上級官庁としての権限等がありまして、その仕事の分野もおのずから三分されておつたのでありますが、内容等においては、確かにお説のような点が多かつたのであります。併し結果から見まして、当時これを三段構えで行うとともに、又東京府の強力な権限の上に立ち、東京市が実力を以てこれの事業を遂行して行つたという三つの高度の力が集結いたしたものが、旧東京市の大震災後における復興計画事業として実施されたのでございます。結果的に見ますと、いろいろ議論がございましたけれども、結局又、それにはそれとしてのよさがあつて、今日の立派な大復興計画がなされたものと私共は確信いたしております。併しその方がいいからというので、そういう形態に持つて行くことはあつてはいけない、いいから又そうあるべきだという御意見もあろうかと思いますが、私共は今日の立場からいいまして、最近の特別法に盛られまする委員会制度というものは、これは最近終戦後におきまする我が国の特別法のあり方が、だんだんこういうことになつておるのでありますが、只今御指摘のような各地方行政官庁の独立の権限において、権力的操作をなすことはいけないのでありますから、その途における権威、国民の代表者を入れまして、会議体による委員会制度によることが、より進歩的である、こういう考え方から今日の特別の委員会制度というものが設けられたと思うのであります。そういう点から私共は、そういう御指摘のような行政官庁の独立の権限を振廻し、その権限の下に下級官庁を威圧して事業を遂行するという考え方よりも、委員会制度による、民主的運営による、会議制による総意を以て、そこに調和を持つて行つた方がいいと考えておるのでありまして、実はその例に倣つておりまして、むしろそれの方が進んでおるというように考えておるわけであります。
#21
○岡本愛祐君 大体地方行政の方から質問は済んだようでありますが、最後に昨日私は、御案内を頂きまして、東京都内の各所を実地視察したんですが、そのときに痛感いたしましたことは、この緑地帯に予定されておつたところとか、又古い保存を要する名所とか、そういうところが国家的要請といいますか、或いは官庁を建て有名な名園である霞ヶ関元離宮の庭を台なしにしてしまつたり、その他実に驚き入つたことができつつあるのです。で、この間から提案理由の説明にも、すべてそういうものが封建的であるというような立場に立つて、そしてこれを破壊して便利なようにする、又必要なところはどんどん使つていくというような意味では私はないだろうと思いますが、東京都の便利のためには、宮城が一番邪魔になる、だからあれを従横に道路をあの中に抜いて、新しい国際都市として堅持していこう、こういうようなお考えが何だかあるのじやないかというような気も私はするのであります。こういう点について、今から、これから計画が立つのですから、そういう計画があるとか、あるのかないのかというようなことを聞くことは先走つておるでありましようが、私はその点は余程考えて頂かなればいけないと思うのです。パリの街でも、やはり昔のヴエルサイユ宮殿とか、フオンテンブローの宮殿とか、街の真中にあるルーブルの博物館なんかがありまして、あれをぶち抜いてしまえば便利だというようなことはあり得ましようけれども、やはりそのかけ替のない、世界的にいつても大事な宝物とも言うべきものがあるのです。都市美といいますか、宮城の外濠のごときは、世界にも稀な立派なものです。こういうものを便利のためにむやみに崩すというようなことは、あつてはならんと私は信じておるのですが、そういうことに関する、まあ建設大臣もお見えになつておりますから、建設大臣のお考え、そういうようなものを伺つておきたい。
#22
○国務大臣(益谷秀次君) 只今御質問のような歴史上保存をいたさなければならんとかいうような、或いは名勝地帯でありまするとかいうようなところを壊して、ただ交通の便益のみを目的として参りたいというような考えは更にございません。
#23
○岡本愛祐君 大臣は、霞ヶ関元離宮に衆議院の議員会館といいますか、それが建ちまして、昨日そこを見せて貰いましたが、これは庭はひどくなつていることは御承知があるかないか知りませんが、実に惜しいと思うのです。で今後は、ああいうふうに破壊しないようにして頂きたいとお願いして置きたいと思います。
 尚もう一つお尋ねして置くんですが、これは小さなことですが、先程鈴木君が触れられた十二条の問題、この中で運輸省が都市計画事業の中において必要と認めるときはこれを執行するということがあつて、その御答弁のときに、駅前広場なんかを必要なときには運輸省でやらせるのだと、こういうお話がありましたが、これは運輸省は監督官庁になつたので、港湾の部分は別ですけれども、国鉄の方が事業は執行するのであつて、運輸省が執行するというのはおかしいではないか。その点を伺つて置きます。
#24
○参考人(石川栄耀君) 私の思い違いでございまして国鉄でございます。
#25
○岡本愛祐君 そうしますと、運輸省は港湾については執行ができるが、駅前の広場なんかは運輸省ができないのであるから、鉄道公社ができるということにしなきやならないのですが、その関係はどうなんですか。
#26
○衆議院議員(井手光治君) やはりこの十二条の中に確かに公共企業体という文字を入れて置くべきではなかつたかと、実は御指摘を受けまして感じたわけであります。そこまで気がつきませんで、行政官庁が直接事業を執行することがあり得る場合がありますので、こういう適当な場合は東京都及び関係地方公共団体の行為を認めてやつてもよろしいと決めたので、従つてこれは国の機関ですらそうでありますから、公共企業体はこれに準ずることは勿論そうでなければならんとこう解釈します。
#27
○久松定武君 私は十二条の点でやはりお伺いしたい点がございますが、連合国の進駐しておる間にいろいろの問題が特別調達庁等において折衝が行われると思いますが、私建設委員の立場からお伺いいたしますが、この十二条には連合国に関する関係事業はここに含まれる、こういうことになるのですか。
 尚それからもう一つは小さなことでありますけれども、例えば虎の門の小公園が最近一外国の自動車会社に殆んど占有されておる、あれは一体東京都の名においてあれを許しているのでありますか。或いは連合国の方からああいう問題は出たのでありますか。その点も一応伺いしたいのですが、これは建設委員会においてたびたび問題になつておる点であります。
#28
○参考人(石川栄耀君) 久松委員のお尋ねの問題についてお答えいたしますが、あれは当時あの附近が自動車センターになりますという関係で、連合国の方からこれは命令というふうなのではありませんが、いろいろな御注文がございまして、それで連合国の方が占有いたしまして、十年間程貸して欲しいということを言われまして、それで十年間を限りまして貸すということにいたしておるわけでありまして、十年を経ちますれば元通りに還るということであります。
#29
○久松定武君 そうすると今後はそういうような希望があれば、東京都としてはどしどし許される方針なんでありますか。
#30
○参考人(石川栄耀君) あれは極めて特殊な場合であつたと思いますので、今後は貸すようなことはないと考えております。
#31
○鈴木直人君 私は最後の質問です。実は私この法案の名称を見まして、都市建設法案というものですから、最初のちよつとした感じは都市を建設して行くために必要なための特別法であろうと実はそう考えて、軍港都市の建設法案と同じような大体内容を持つものであろうと考えて、実は内容を見たのでしたが、結局これは首都建設委員会法案というような意味の内容を持つものであつて、むしろ首都建設法案の内容をなすものは、先程ちよつと指摘した第十三条ぐらいに過ぎないのでありますが、実は昨日自動車で都内を見せて頂いたのでありますが、そのときの御説明によりますというと、東京都は他の地方と違いまして相当国の土地なり、建物が非常に多い。各官庁が、国のものが非常に多い。都が幾ら計画を立てても国の方が所有権を持つているために、その計画通りは進まない。ここを緑地帯にしようと思つていたところが、いつの間にかそこにはもう払下済なりと何か民間のホテルが、どんなホテルが知らんが、できるようになつており、それから都におけるところの計画から見ると、都市の計画としてこれは緑地帯にしたいと、実は考えておつたんだというようなことで、幾ら東京都の都市計画の計画ができましても、その通りに実施しようとするというと、その土地を持つておるものが国のものが非常に多い。そうして官庁が買つてそれをやる。先程岡本君が言われた霞関離宮にしましても、これは国のものでありますので、東京都なんかの計画には関係なく、どんどん家を建てて、或いは衆議院の会館だつたと思いますが、できて、こういうことで実は東京都自身の計画というものは幾ら立てても、そんなものにはお構いなしに国はどんどんやつて行くという現状であつて、それではいけないから、むしろこの法律で以てこの計画に従うように、国有のものであつても或いはその建物であつても、その計画に従わなければならないんだというくらいに、実は強く内容を盛られているのが、実はこの法律の内容であると思つていたところが、実は委員会に過ぎないので、ややそれに準じたものが、この十三条で、「国は、首都建設計画に基く都市計画事業の用に供するため、必要と認めるときは、その事業の執行に要する費用を負担する公共団体に対し、普通財産を譲渡することができる。」というところの特別の助成というものがあるに過ぎない。従つてこれは弱体と思うのです。従つて従来都が都市建設をしようとする場合に、非常に困つておるものを打開するという内容は一つもない。こういうふうに思うので、どうもこの点については本当に何か官庁の機構を作るのだと、そうすれば都市ができるんだと、都市計画ができるのだという、都市建設ができるのだというような極めて官僚的な、法律的な内容を持つているだけあつて、どうも実質的な権限を賦与して、そうして都市の計画に対しては所有権も、或いは国の所有権もやたらに主張できないのだという強い法律的根拠を与えられていないように思うんです。この点については私は非常に残念と思うのですけれども、どうしてそういうふうな強い権限を与えるような法律にしなかつたのか。或いはこれは第一次的に委員会を作つて、その委員会ができたならばその後でその計画が遂行できるように、もつと強い権能を与えるところの法律でも作ろうとするのか、その一点をお伺いしたいと思います。
#32
○衆議院議員(井手光治君) お答え申上げます。全くこの法律の一番弱点をお突きになつたと思うのですが、お説の通りでございます。実は私共の気持の上といたいましては、特別の助成ということにいたしましても、又国の行政官庁が非常に強力な権限を持つて、身勝手なことをやるのを抑えるというような、非常に強い法律的な規定を要求したいという気持は、実は持つております。先程岡本委員からもお話がありましたように、非常に寒心に耐えないことがどんどん行われている。併し今日の地方自治体の、つまり地方公共団体の一部市建設計画委員会の定めました、こういうような計画につきましては、何としとも実はそういうものに対して、十二分に機能を発揮することができないというような、まあ遺憾な状況にあるのであります。そういう意味で、もつと広義な立場からいたしまして、十二分にこれを敢行いたしまして、それに対する具体的な、強力な法律的な作用をすることは理想的でございますが、しばしばこの問題につきましては御意見がございますように、あまり強力なものにいたしますと、地方自治権の侵害だというふうにもなつて参りますし、そうかといつてあまり弱いものにするというと、有名無実になつて来るというようなことで、この法律の実は調節がむずかしい。法律的にどう取上げるかということについては、非常に困難な実情になつておるのであります。そこで、助成等につきましても、単に国有財産の譲渡ということに留めたのでありますが、気持の上といたしましては、都市計画法の第六条の二の規定に拘わらず、その事業の執行に要する費用負担等の割合についても、国がもつと積極的に考えなければならんというふうな考えで、原案作成に当つて見ました。当つて見たのでありますが、あまりにも首都たるの性格を持たせ、更に強力な権根を持たせ、更に全国の戦災都市に比較いたしまして、不公正な費用負担の割当を、東京はこの委員会で、権力を以て取ろうとするのではないかというような御意見等もしばしば承わりまするので、十二分に、これは御意見のような気持はあつたのでございますが、実は御遠慮申上げ、そうして、国家的な構想において計画された基準計画によつてこれを勧告し、若しくは公告いたしまして、その政治的効果を狙いつつ具体的に進めて行きたい。どうしてもこの委員会で、それらの御指摘のような点で、力が足りないというようなことになりますれば、将来立法措置として、十分考えなければならないのじやないかとも思われるのでありますが、まあ今のところはそこまで積極的に考えておりません。御指摘のように、非常に弱い面が現れておりますのは遺憾に思うのでありますが、現段階としては、関係方面との意向等もありまして、実は纒り得ないことは遺憾に存じます。
#33
○岡本愛祐君 先程お尋ねした十二条の点につきまして、建設省の局長に答弁をお願いしたいと思います。
#34
○政府委員(八嶋三郎君) 先程岡本先生からお話のございました十二条の、「建設省、運輸省、その他その事業の内容である事項を主管する行政官庁がこれを執行することができる。」この条項につきまして、特に鉄道の広場等を、駅前広場等を拡張するというような場合におきましては、これは鉄道公社等がやるのであるが、それは行政官庁ではないじやないかというお話でございます。私の、この規定を読みましての解釈といたしましては、今御指摘の通りでございまして、運輸省がその事項を所管いたしまする行政官庁、所管いたしまする事項というのは、いわゆる運輸の中の港湾の仕事である。これははつきりいたしておるのであります。然らば鉄道の公社等が行う都市計画として駅前を拡げるというようなものは、この規定には実は該当はいたしとおらないのでございまして、それは都市計画事業につきましては、都市計画法の明示するところによりまして、それは持許を受けましてその事業を実施するということにならざる得ないと存ずる次第でございます。以上お答え申上げます。
#35
○岡本愛祐君 だんだん御説明がありましたので大部分りました、で私共が初め憂えておりましたほど、国が東京都という地方公共団体に強い干渉の手を延ばすものではないようにだんだん了承ができて参りました。で、この建設法案について地方自治庁の方はどういうふうにお感んじになつておるか、今までの説明にありましたようなふうにやはりお取りになつておるのか、つまり地方自治をそれほど侵害しておるのじやないという御説明ですが、どういうふうにお考えになつておりますか、その点を伺いたいと思います。
#36
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。只今岡本さんの首都建設法案の御審議に当りまして、地方自治の運営に対してどういう影響があるか、又政府としてどういうふうに考えておるか、こういう御質問のように思うのでありますが、先般来この連合審査会において熱心な御検討をされておる際に御意見を伺つて参つたのでありますがまだ私自身としても、この法律案の内容を検討いたしました結果、この法律案の目的とするところが第二条においても明かになつておりますし、又首都建設計画の執行に関する諸規定を見ましても、地方自治の運営に対しまして阻害するがごときことは極力これを避ける意図があるようにも見受けられますので、岡本さんから御指摘の通りに、地方自治庁といたしましても、この法律案は東京都たる地方自治体の運営に対して齟齬或いは障碍を与えるものではない、かように考え、又この法律の運用がかくあるべきことを期待いたしておる次第でございます。
#37
○赤木正雄君 これは特に連合委員会の場合でなくて、この建設委員会だけの問題でもいいのでありますが、この際承つて置きたい。昨日東京都の現状を視察して参りました。その結果を見ましても、方々の道路のできかけておるものが中止されておる、こういうものを先ず早くせんならん、こういう切なる御希望がありました。要するに金がないために折角の立派な計画もできていない、こういう実情にあるのであります。でありまするからして、特に国から多額の補助を、この法案を作つて得ようという考えは、毛頭ないというふうな提案者の説明ではありましたが、実情はやはり多額の補助を貰つて、今まで計画していた都市計画を実現して行きたい、こういう点が狙いのようにも思われますが、この点如何ですか。
#38
○衆議院議員(井手光治君) 国の補助を多額に貰いたいというのがこの法案の狙いじやないかという御意見、御尤もと拝聴いたしております。でき得ますならば先程申上げましたように、特別の助成になつております第十三条に縷々御質問等がありましたような、もつと強力な構想において、首都建設をやるならば徹底的にやれという御意見から申しますると、気持ちの上では実は国と東京都との経費の負担割当て等においても、もう少しはつきりした法文を盛つて置いた方がいいのじやないかという気持が実はいたしたのでありますが、これは全国的な戦災都市等の復興等とも勘案いたしまして、あまり東京都が首都たる性格に藉口して、財政的に独占的な傾向を持つということもどうかと思いまして、その点は御遠慮申上げたのでありますが、東京都も財政的に逼迫を加えておりますから、気持ちの上といたしましては、できるだけ実は国の補助等も多くを期待いたしておるのでございますが、これは法律の上では明示しておりません。ただ望ましいことは、単に国の補助というような限界ばかりでなしにこれを推進して参つております。東京都の財政事情から申しまして、起債の中を広げて貰うとか、或いはできれば資金の運用等につきまして見返資金の発動等もお願することも必要ではないか、その程度までは考えておるのでございます。併し法律に明示してありませんので、どこまで国と東京都との負担割合を変更してまでも、国の助成を必要とする、こういうふうなそういう狙いも多少ありますが、実は法律の上には明かになつておりません。そうかといつて全然経費は一銭も要りませんということはできませんので、起債を相当考えて頂くとか、運用資金等の問題につきましては、見返資金等も実は発動して頂ければ非常に仕合せだという気持は持つております。併し具体的には国の法針によることでございますので、私は何とも申上げかねる、そういう気持は持つておる次第であります。
#39
○岡本愛祐君 地方自治庁の方にお尋ねしておきますが、首都建設法案によりますと、これは憲法第九十五条の規定によつて、東京都の住民の投票に付するものとするとあるのですが、ところが北海道開発法案の方によりますと、北海道というのはやはり地方公共団体でもあるのですから、その方には憲法第九十五条の規定によつて住民投票に付するものとするという規定がないのです。内容は北海道開発法案の方は、首都建設法案よりも、むしろ官庁設置法案に近いものでありまして、その間にニユアンスはありますけれども、併し一歩考えて見ますと、北海道開発法案の方に住民投票が要らないならば、それと似たり寄つたりである。名前は首都建設法案でありますが、今鈴木君が指摘したような内容なのでありますから、住民投票の規定は或いは要らないじやないかという気もするのですが、この方の御研究はどうなつておりますか、北海道開発法案と関連してお答え願いたい。
#40
○政府委員(小野哲君) お答えいたします。北海道開発法案と首都建設法案の内容におきまして、一方が憲法第九十五条の住民の投票によらないことになつておるにも拘わらず、この法案はこれを予定しておるということについての差違についての御質問と存じますが、北海道開発計画を樹立いたしまして、これを実行いたしますのは、我が国の経済の復興なり、或いは人口問題の解決を目的といたしまして、これに必要な総合的な計画を立てまして、これを北海道において国の事業として実施する。こういうことになつておるのであります。ところがこの首都建設法案によりますと、東京都という区域内における都の事業が主体になつておりますので、この点につきましては北海道開発法案の狙つておりますところは、国が直接開発事業に従事するということが原則になつておるのに対しまして、首都建設法案の狙つておりますところは、東京都という地方自治体が、その事業として首都の建設を図るということが、本則になつておるように思うのであります。従いまして憲法の命ずるところによる住民投票につきましては、北海道開発法と首都建設法とはおのずから取扱が違つて来るのではなかろうか、かように考えております。
#41
○岡本愛祐君 その間の差違というものは、私も先程申しましたように承知しておりますが、併し首都建設法案の提案理由の御説明にも縷々ありましたように、これは単なる一部市の建設でなくて、国家的要請に基いて首都としての建設計画を立てて勧告するのだというお話があつた。北海道の方も国家的要請に基いての計画の樹立のように思うのです。ですからそう差はないように思うのですが、その点は十分御研究になつておりますか。
#42
○鈴木直人君 私もそれに関連して伺いますが、この内容は東京都を建設するために相当内容を深く掘り下げた法案の内容でなくして、実際は総理府に都市計画委員会を設置するのだというような程度のもので、ただその都市計画委員会がどういうことをするかということが書いてあるだけで、これは国家行政組織法の内容をなすもので、これはむしろ内容としては内閣委員会で審議さるべきであるような内容が中心であつて、国家行政組織法の第三条第二項に基いて、そして総理府の中に外局として、こういう都市建設委員会を設置する。委員会はこういうような構成であるかというようなもので、十一条までは単なる国家行政組織の設置に過ぎない。こんなものを作るために東京全体の投票に附する必要はないと実は考えておるわけであります。第十二条、第十三条は東京都を区域とするが、併しながらこれは国家が直接やるので、東京がやるものでない。第十三条は特別の助成、これは東京都を目的としたものであるけれども、これはそう重要なものではない。従いまして十三条ぐらいのもののために住民全体に投票されるということは非常に大げさのような感じがします。従つてこういうのはやはり国家行政組織法の内容をなす国の一委員会を新しく設置する程度のものとして取扱うことができないものだろうか、この点についても一つ御研究の結果を御発表をお願いしたいと思います。
#43
○衆議院議員(井手光治君) お答えいたします。実は先般国会を通過いたしました広島、長崎の平和都市建設法案及び文化都市建設法案のときにも、やはり大体首都建設法案に類似しておる事項が多うございまして、そのときも実は御意見のような御質問が衆議院及び参議院において行われたと記憶いたしております。そこで私共の考え方といたしましては確かに御議論の筋もあるのでございますが、憲法九十二条から九十四条までにおきましては、地方公共団体の単に地域的な考え方のみを入れておらない。それは地方公共団体の組織とか、或いは運営でありますとか、機関であるとか、事務の範囲であるとか、条令等について定めておる。その後を受けて九十五条の規定がある。
 これは地方自治の基本的事項についての特別法制定の場合にのみ適用されることになり、国家事務としての都市計画法、又は特別都市計画法でありますとか、広島、長崎等の場合はこれは適用されないのが本当じやないか。只今の御意見と同じであります。国家事務の方として組織立てられた法律にはこれは必要がないという御議論があつたのであります。前段申上げましたように憲法九十五条の表現が単に地方公共団体のみに適用されておる特別法でありますから、この場合に適用した方がいい、つまり単に地方公共団体のみに適用される特別法、つまり特別都市計画法に準ずる法律である。こういう建前からこれを運用したらいいという両院の議院運営委員会等の、その方の積極的な意見が実は憲法九十五条を適用するようになつて、あれが通過したとこう考えております。そういう実は考え方と同じようにいたして行きたいと考えております。
#44
○岡本愛祐君 この問題は形式論みたようですけれども、非常に重大な問題だと思います。何故ならばこの附則の第三項によりまして、この費用は東京都民の費用負担となるわけであります。承わりますと一億も要るというようなことなんでありまして、形式のみならず、非常に実質的の影響のある問題であります。それで憲法の九十五条は、精神は住民の権利義務に重大な影響を与える問題についてということが私は前提になつておると思うのです。それでこの首都建設法案のごときは、この内容を読んで見て、又御説明の通りでありますから大した権利義務に影響することはない、そういう点から見ても、私は北海道開発法案と同じく住民投票に付する必要がないのじやないかという感を深くしておるわけであります。北海道開発法案の方は附則に何も書いてないが、これも北海道という地方公共団体に適用する法律であるから、書いてないけれども当然この憲法九十五条によつて、住民投票に付するのだと、まさかそういうことはないと思うのですが、その点を尋ねておきたい。実は先程この建設委員会において御可決になりましたと承つておるのですが、別府国際観光温泉文化都市建設法案においても、附則に住民投票に付するものとするという規定が欠けておるのです。で私はそれはやはり修正して入れなければいかんということを主張し、この連合委員会でも申上げたのですが、そういう運びにならなかつたようなんです。そうすると、ここに非常に疑問が起るのです。今御説明がありましたように、この広島、長崎のようなときに、附するものとするという規定がなければ附しなくてもいいのじやないかというような疑いも根本的にはあつたように今御説明があつたのですから、私は別府のにも、住民投票をおやりになるならばそういう規則を設けて、はつきりその住民投票をする根拠規定を作つて置かなければ私はいかんと、こう思つたのでありますが、まあ後の祭かも知れません。北海道開発法案についてはそういう解釈じやないだろうと思いますが、それを伺つておきます。
#45
○政府委員(小野哲君) 只今提案者からも立案の、立法の趣旨を御説明になりましたので、私から更に東京都の問題につきまして蛇足を加える必要はなかろうと存じますが、今回のこの法律案が、勿論国が援助し、或いは又委員会が設置されまして、首都建設計画の基準が定められることに相成りますことはいうまでもないのでありますが、従つてこれが東京都という特別の公共団体だけに適用され、且つこれがその都の住民の福利の増進、その他直接住民にも関係いたすことであろうかと、かように考えておりますので、恐らくこの規定を入れることになされたのではないかと想像するのでございます。北海道の場合におきましては、先程申しましたように、あの法律が北海道という公共団体のみに適用されるというばかりでははくして、国全体の国土開発計画の一環としての北海道の問題を特にその特殊性に鑑みまして、国が直接の事業として行おうというのが建前になつておるのでありまして、この点につきましては、首都建設法の狙いと多少違つておる点があるのではなかろうかと、かように考える次第でございます。従いまして北海道開発法案におきましては、当該地方住民の投票に俟つ必要はない、こういう見解の下に入れてないものと了承いたしておる次第ございます。
#46
○石坂豊一君 私共建設委員として、別途にこの法案を審議する権利はあろうと思います。もつぱらそれに属することは質問を避けまするが、地方行政委員との連絡において、私共は、只今までの御質問で大変参考になつた点もあり、又理解した点も少くないのでありまするが、大体私はこの法案を見てなくてもいい法案が出て来たのではなかろうかと、かように今、地方行政の方の御質疑によつて感ずるのです。却つて東京都なぞは迷惑をします。とんでもないものが生まれて来たと。自分達の手でやれることを、国でこういうものを余計な干渉をすると、こういうような感を懐くような法律にも一面解される。それでどうも最近衆議院が突然といろんな法律案を出して来まして、昨年のごときは長崎、広島の案を委員会の審査省略で出して来ました、これは併しながらまあ非常な、戦災において犠牲を払つたところでもあり、特別な理由がありましたので、私共もこれは尤もだと考えます。又その次に生まれて来ておりまする最近あるところの各種の問題については、それぞれ理由があります。理由がありますが、この首都建設ということは、これは今初めて首都と申しますけれども、掘り下げて以前からの沿革を考えますと、東京に対しては帝都という名称は元から冠せられておる。又これを形容詞で言うならば、輦轂の下という天子様の都であるということで、最もこれは首都という意味と相通じておるものであります。それに対しては、それにふさわしい都市計画というものが行われておる。でそれ以外に余程進行が遅々として進まんとか、或いは他の原因で帝都建設にふさわしからん状態になつておるために、それを取除くとか何とか理由があるならば、それは又別途建設委員会の方で審査するといたしまして、どうも首都という名称をつけてやらなければ都合が悪いというようなことは、私はなかろうと、こう考えるのです。そこで私聞きたいのは、この法律案は他の法案においてときどき衆議院がやつたように、委員会審査省略で出て来ておるのか、又は慎重審議をして、余程、非常に本案を立案しなければならん必要に迫られて出て来ておるのか、それを提案者に一応この地方行政と共同審査の場合において承つておきたい。
#47
○衆議院議員(井手光治君) 実は首都建設につきましては、法律案といたしましては、本国会に提案を申上げたのでございますが、考え方といたしましては、もう広島、長崎の法律案が出る前から、実はこの問題は私共の間で論議せられ、研究せられておつたのであります、大震災の復興後の状況等からいたしまして、早急に基本的な計画を決めるべきじやないかということが、都民の輿論になつておりました。併し非常に出し遅れた感じでございまして、外の都市の法案が出たから、それに追随をしたのじやなかろうかというふうな感じを受けることになつて、誠に相済まないと私は思つておるのであります。そういう意味で、実は委員会等を省略しておりまする他の法案とは全然趣を異にしておるという建前から、衆議院等におきましても、正式に建設委員会に提案をいたしまして、慎重審議の上に、本会議の可決を見た次第であります。その点一つ御了承願いたいと思います。
#48
○石坂豊一君 もう一つ、東京都の復興につきましては、若し東京都が戦災を受けていないならば、たた普通の都市計画法で進行せられて一向差支えなかつたろうと思う。なぜかとならば、東京都の区画その他の整理については、何としても帝都復興ということは被せられておる、今まで地方の実情を見ましても、関東大震災のあとには帝都復興院というような雄大なる機関が設けられて、中央でこれを取上げている。併し何としましても地方の国土計画というもの、その地方が主となつて、自治体が主となつてやるのですから、あとでそれは東京都へ帰属しましたけれども、大体においてこの長い間東京都に対して特別の注意を以て都市計画というものがなされておる。東京都の都市計画を外の都市計画も何もないときから、およそ維新の改革以来継続している問題なのだ。それがずつと来ているので、決して今日初めて首都建設という銘を打たんでも、その意味は継続している。ただここでこういうような特別の事情によつて復興しなければならんということは、これは戦災にかかつておる。焼野原になつておる、これを復興するについては、東京都の戦災復興というような意味で、もう少しそのごまかしでなしに、首都建設なんていうその首都建設ということは、若し焼けておらなかつたらばこの名称を用いることはできない。首都というものはあるのだから……それで大分戦災復興という意味を取混ぜて、特に東京都に対しては他の都市のようなわけに行かん。非常な大規模でやつて行かなければならん戦災復興であるために、その戦災復興の意味をここに取混ぜた法案にできなかつたか。その点を一つお聴きしたい。
 又これは戦災復興が原因になつてできている法案と私は考えるが、果してそうであるかどうか、それを伺つて置きたい。
#49
○衆議院議員(井手光治君) お答えいたします。実は広島、長崎の場合はあの法案を可決された特別の理由等もあつたということでございますので、誠に私共同感でございます。東京都も実は原子爆弾による被害ではございませんけれども、爆撃或いは焼夷弾等によりまする被害による人的損害を一つ取上げて見ましても、広島、長崎の両都市を合せました約三倍の人的損傷を受けております。その被害の実情等につきましては、先般も詳細に御報告を申上げて置きましたけれども、全国の戦災の約三割以上に該当する被害になつておるのでございます。そこでどうしてもこれは戦災復興という建前からいいましても、勿論この機会に新しい首都たる性格を与えよう、こういう複雑な東京都の建設を首都という法律的性格を与えて、それを基本とした国家的要請に基くものを考えに入れながらこの際計画を進めたい。こういう考え方で実は法律案を取上げたのでございます。御指摘になりましたように、今後の平和民主国家としての日本の首都がかくあるべしという考え方で行かなければならないという考え方と、かくのごとき尨大なる戦災被害を併せて復興するという両面の建前から、この法案が取上られたということをひとつ御了承願いたいと思います。
#50
○石坂豊一君 あとは建設委員会で…
#51
○赤木正雄君 首都建設法案、又先程の全国特別都市の法案、それはそれとして、私は別府の法案についても、これは些細な法案でありますが、今日の情勢に応じて果してこういう法案が必要かどうか、これを通過させるについては、これに似た法案が沢山ある、それについてはやはり一般の証人の喚問とか或いは公聴会を開く、そういうことが必要でないかということを建設委員会で申上げましたが、遺憾ながら私の意見は容れられなかつたのです。併しながら首都建設法案が国家的要請ということになれば、ますますこれは一般国民はどういう考えを持つているか、それを明らかにする意味で証人の喚問或いは公聴会を開いた方がいいのじやないか、こういう考えを持つておりますが、これは一体そういうものを開くことにいたしましても、建設委員会が主になるということでありますからして、地方政府委員の方々のこれに対するお考えを一応私は承つて置きたいと思います。
#52
○岡本愛祐君 私は先程発言いたしましたように、段々と御答弁を拝聴いたして参り、この法案の理解が進んで参りまして、それほど地方自治を害なうものでもないということが段々分つて参りました。で地方行政委員会といたしましては、この点については大体了解ができたように思いますから、あとは建設委員会の方にお任せいたしたい、こういうふうに考えます。
 尚もう一つ附け加えさして頂きたいことは、今の憲法第九十五条による住民投票の件ですが、これは内容をよく御覧下さいますと、殆んどこれは委員会の設置法なのです。その外に十条と十二条と十三条、即ち十条というのは、国や東京都の区域内の関係地方公共団体事業関係者はできるだけこの首都建設計画の作成及び実施に協力し援助を与えなければならないという規定、それから十二条は先程問題になりました建設省や、運輸省、その他のその事業の内容である事項を主管する行政官庁がその都市計画事業を執行することができるという規定、それから十三条は国が公共団体に対して普通財産を譲渡することができる、而もその譲渡はこの前私が質問しましたように無償譲与ではないのでありまして、普通の規定が適用されるわけでありますが、そういうようなこのたつた三条がありますために住民投票をしなければならんという理由が、どうも私は薄いと思うのです。この点を地方行政においても別箇に研究いたしますが、この委員会においてもよく御研究願いたい。私はこれはどうも住民投票は要らないという考えです。単にこの首都建設法案という名前に囚われないで、内容を御覧になつて、そうしてたつたこの三条のために一億の金を使うなんということは馬鹿げは話だと私は思うのです。名前はこちらは北海道開発とあります、開発という場合はかけなくてよろしい、建設の方はかけなければならんということは、どうしても私はおかしい、こういうように思うのです。その点をよくこの委員会において考えて頂きたい。要するに片方は、北海道の方の官庁の設置法、それから首都建設法は委員会の設置法、こういうふうに考えております。
#53
○委員長(中川幸平君) ではこの程度で連合委員会を打切りたいと思いますが御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(中川幸平君) それでは御異議ないと認めます。連合委員会はこれにて打切ります。本日はこれにて散会いたします。
   午後四時四十九分散会
 出席者は左の通り。
  建設委員
   委員長     中川 幸平君
   理事
           赤木 正雄君
   委員
           島田 千壽君
           石坂 豊一君
           大隅 憲二君
           佐々木鹿藏君
           久松 定武君
  地方行政委員
   委員長     岡本 愛祐君
   委員
           三木 治朗君
           黒川 武雄君
           櫻内 辰郎君
           谷口弥三郎君
           柏木 庫治君
           島村 軍次君
           鈴木 直人君
  衆議院議員
           井手 光治君
  国務大臣
   建 設 大 臣 益谷 秀次君
  政府委員
   建設政務次官  鈴木 仙八君
   建設事務官
   (都市局長)  八嶋 三郎君
   地方自治政務次
   官       小野  哲君
  参考人
   東京都建設局長 石川 栄耀君
ソース: 国立国会図書館
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