くにさくロゴ
1947/08/27 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第19号
姉妹サイト
 
1947/08/27 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 議院運営委員会 第19号

#1
第001回国会 議院運営委員会 第19号
昭和二十二年八月二十七日(水曜日)
    午前十一時二十二分開議
 出席委員
  委員長 淺沼稻次郎君
   理事 土井 直作君 理事 坪川 信三君
      森 三樹二君    安平 鹿一君
      工藤 鐡男君    小島 徹三君
      後藤 悦治君    小澤佐重喜君
     山口喜久一郎君    石田 一松君
      川野 芳滿君    田中 久雄君
      中野 四郎君    林  百郎君
 委員外の出席
        衆議院議長   松岡 駒吉君
        衆議院事務總長 大池  眞君
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 國政調査承認要求の件
 勞働省設置法案(參議院囘付)の取扱いに關する件
 會期延長に關する件
    ―――――――――――――
#2
○淺沼委員長 それでは會議を開きます。
 議長より常任委員會の國政調査承認要求の諮問事項があります。これを議題に供します。事務總長の御説明を願います。
#3
○大池事務總長 國政調査承認の要求がまいつております。ただいままいつておりますのは外交委員會と水産委員會の兩方であります。外交委員會の方の要求事項は國際經濟に關する總合的調査をいたしたいということでありまして、これは關係方面から意見を聽取したり、資料を要求したり、圖書類の購入等いろいろの總合調査をいたしたいという理由の要求であります。
 水産委員會の方からは隱退藏漁業物資に關すること。これは隱退藏の資材をどこまでも調査して、これを活用したいという目的のために要求になつておるわけであります。それから調査方法は小委員會を設けて委員の權限において資料を要求したり、あるいは報告説明聽取等關係方面から意見の聽取をしたいという二點であります。それにつきましてどう處理したらよいか。御意見を伺いたいと思います。
#4
○中野(四)委員 隱退藏に關する特別委員會が設置されておるにもかかわらず。こういう調査をするような對象物があるのか、その點を明確に聽かしてもらいたい。
#5
○大池事務總長 これは私どもの方にははつきりわかつておりません。何か漁業方面その他の物資の隱退藏をしておるという事實があるので、そのままにしておいてはいけない。その資材を活用すれば魚が安くはいつてくるのに、資材がないために魚が非常に高くなつておるので、そういう活用方法を小委員會を設けて研究したいという意味のことを委員長が言つておられまして、隱退藏物資の特別委員會もあることだから、そういうものと差障りのないようにできるだけ兩方の連絡をとつてやりたいというお話でした。
#6
○中野(四)委員 もし漁業用資材に關する隱退藏物資の對象があるならば、隱退藏物資等に關する特別委員會と緊密な連絡をとり、その方面で安本なり適當な機關を發動して十二分に目的を達することができる。ただ單に調査のために小委員會をつくつて委員を派遣することは異な感じがする。その點を明確にしていただきたい。
#7
○後藤委員 御説ごもつともであるが、水産委員會として何かほかに特別な理由があるのかもしれない。その理由をはつきりしないで、特別委員會があるのにそのまま即決して認めることもどうかと思う。また委員長からの説明も聽かずに認めないものも早計に過ぎるから、委員長から説明を聽取することにしてはどうか。
#8
○土井委員 隱退藏物資に關することであれば中野君の意見に同感である。水産に關係する漁業用物資であるから特別に小委員會を設けて調査摘發するという形は、すでに隱退藏物資に關する特別委員會が設けられておるのだから、一切をこれに付託するのが當然である。しかしながら今言われているように、水産委員會として何か特に理由があるのか、あるいはもつとこみいつた内容があるのか、そういう點については一應やはり委員長の意見を聽取いたしまして、それから後決めても遲くはないと思いますので、その點は委員長の意見を十分に聽いて、納得がいくならば議長の諮問に答申するという方法をとつていつて差支えないと思います。
#9
○淺沼委員長 そうすると、外務委員會の國政調査の要求については御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○淺沼委員長 御異議がなければさよう決定いたします。水産委員會の要求には、いま一度水産委員會の意見を聽いて結論を決することに異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○淺沼委員長 それではさよう決定して、決定通り答申することにいたします。
    ―――――――――――――
#12
○淺沼委員長 今日お集りを願いましたのは、勞働省の設置法案の取扱いに關する件と、會期の延長に關する件と合同審査會の質疑事項に關する件以上の議題でございますが、最初勞働省設置法案の取扱いに關することを議題に供します。事務總長から御説明願います。
#13
○大池事務總長 昨日の交渉會では、一應勞働省設置法案の取扱いについては各黨の御決定の上でということでありましたが、現在のところでは會期もわずかでございますから、改正に對する同意、不同意をきめるという問題と、同意をすれば、そのまま法律案として修正通り成立いたしますが、不同意である場合においては、二つの途があるかと思います。兩院の協議會を要求するのか、あるいは不同意で、兩院の議決が一致しませんために、さらに憲法第五十九條によります特別議決の方法までいくのか、どういたされますか、その態度を御決定願つて、取扱いを御決定願つたらよくはないかと思いまして、この運營委員會にお願いしたわけであります。
#14
○淺沼委員長 まず第一に取扱いのことをきめて、態度の決定というところまで、はたして委員會でそこまではいつていいかどうかということは一應疑問になると思いますが、ただ取扱いだけはきめていかなければならぬと思います。
#15
○坪川委員 一應この問題に關しまして、私は自由黨のお考えを拜聽したいと思います。
#16
○山口(喜)委員 私は皆さんの御意見を拜聽した上でと思いましたが、自由黨としては、將來とも政令をいたずらに用いることは、議會のあり方としてはおもしろくないという考えでありまして、從前であればいわゆる勅令の場合においては樞密院もあるし、いろいろな制約されるところもありましたが、今後政府がただ單に政令をもつてさようなことを決定するという習慣は、おもしろくない習慣であるから、今後は政令を用いる場合には、議會の承諾といいますか、あるいは最大限度に讓歩しても、事後承諾を求めなければならぬと思います。われわれとしては政令の濫發ということに對しては絶對に反對な氣分であります。こういう觀點から參議院の方で衆議院を通過した案といえども、これを反對された場合においては、衆議院としては參議院の意向を參酌して善處すべきである。この觀點から今囘參議院の議決されたことは妥當であると考えますから、參議院の意向に同調したい。兩院運用の妙という點からいつても、今囘の參議院の態度をいたずらにただ單なる衆議院の面目にこだわるというか、そういう意味合から、衆議院としてこれに反對するという態度はどうかと思います。從つて自由黨としては參議院の議決に對して同調した意向をもつております。
#17
○淺沼委員長 他に御意見はございませんか。
#18
○土井委員 ちよつとお伺いしますが、自由黨としては何か正式な會議で御決定になつたのですか。
#19
○山口(喜)委員 そうです。役員會において大體さように決定いたしました。
#20
○小島委員 政令に任せるということがあまり多過ぎるということの弊害もあることは、はつきり私たちも認めるところでありますけれども、この勞働省に關する限りにおいて、政令に任せるということは、いろいろ記録を調べてみたり、また勞働委員の話を聞いてみて、この點については數囘にわたつて勞働委員會で議論されている、この政令に任せるのがいいのか惡いのかということについては相當議論があつて、政府との間に質疑應答がたびたび重ねられたその結果、政府の答辯に全員一致して滿足して、なおかつ理論的にいつて大臣の權限というものはある程度はつきりと制約されているし、また部局につきましても、五つか六つのものがきちんときまつておつて、そのほかに必要やむを得ないものは政令で殖やすということになつているのでありますし、またその反面豫算においてこれを制限するということもできるわけであるし、この點についてはすでに委員會でしばしば議論されて、その結果全部政府の答辯に滿足されたのであろとう思いますが、勞働委員會は滿場一致でこれを決議されている。ですからこの點を衆議院が不注意に見逃したかというようなものではないので、十分議論した上に、これでいいということになつているのだから、私としては今參議院の主張をそのままのむ必要はないではないか、參議院の述べている理由によると、雁の羽音に驚いて兵隊が逃げたという昔の話のように政令というものにあまりにおびえ過ぎているきらいがあるのではないか、このくらい政令に自由を殘したところで、必ずしも國會の權威に關するとも思えないし、またこのくらいのものを殘した方が、むしろ運營からいつていいのではないかと思う點もありますので、勞働委員會もせつかく滿場一致で通つているわけでありますし、また衆議院の方も全員一致で通つている状態でありますので、この際面目論ではないけれども、院議を尊重して、われわれはわれわれの考えたことが正しいという意味合において、參議院の修正意見をのまないで、衆議院の決議通り進めていつた方がいいじやないかと思います。
#21
○山口(喜)委員 小島君のお話もありましたが、一昨日の議院運營委員會できまりました機能發揮に關する小委員會等においても、將來本質的に國會法に檢討を加えなければならない問題であります。いわゆる審議のあり方が從前のように、一應政府の原案でもわれわれの原案でも、本會議ですべての人の注意を特に喚起するというような考え方を起さなければならぬと思いまして、大部分の人は勞働委員會に一切を任した形であつたので、初めて參議院においてこれが論議させるときにやつと氣がついたというのが正直なところである。こういつた意味からも、將來はひとつ審議の方法についても論議されるでしようが、今囘のことに限つては、何かストラクを見逃したというような、うつかりしておつたような點もなきにしもあらずと思います。さいわいに參議院の方でこういうふうな全會一致の決議をもつて反對の意思を表明され、われわれが靜かに胸に手をあてて考えてみると、それはしごくごもつともなことでありますから、この際面目論等にこだわらずに、もし參議院の議決が將來議會運營上も、あるいはわれわれの國會のためになることであれば、釋然としてこれに同調することが私はいいのではないかしらんと思います。
#22
○坪川委員 先ほどからの山口君の御指摘になりました點につきましてはよくわかりますが、殊に政令の濫發、濫用というような點につきましては、われわれといたしましてもある程度考えなければならぬ。參議院の態度につきましてもわれわれはよくわかりますが、一應勞働委員會におきましても、この問題が審議されたときに、まあこれで認めようじやないかという委員會の審議状態であつたと私は聞いております。また衆議院といたしましても、院議をもつて可決しておるというような状態からみまして、私たちの黨の最後的態度ではありませんけれども、零圍氣といたしましては、院議尊重をもつてあくまでも議會の運營の鐡則としなければならぬという觀點から、もう一應何らかの政治的技術において參議院と折衝を重ねて、この案につきまして何らかの決定を得たいという考えをもつておりますが、その點につきまして自由黨においても再考慮をお願いできないか、こう思います。
#23
○山口(喜)委員 與黨、野黨という立場をわれわれはここに別として考えていきたい、こう思うのであります。與黨であられる三黨の方からの見方と、われわれ野黨から見る見方とおのずから違うかもしれませんが、しかしそういうことを抜きにして考えても、將來また自由黨を首班とする内閣ができる日があるかもしれません。そういう場合においても、むしろわれわれとしては自分の黨に屬する内閣といえども、かかる省令、政令を濫發するというようなことは、みずからの手でみずからをしばることであり、われわれはその嚴肅な觀點から御相談申し上げておるような次第でありまして、でき得べくんば與黨とか野黨とかいうことにこだわらずに、國會の權威のために政令等を將來政府が一方的に濫發することのできないようなことを今日この際決定しておくことが、私はよいことではないかと思つておる次第でありますから、與黨の各位におかれてもこの點胸襟を開いて、大きな角度からお考えをいただいたらどうかと思うのであります。
#24
○土井委員 先ほど山口君から勞働委員會においてこの政令の問題について全然關知しない、その結果見逃しのストライクではないかというような論がありましたが、この點については改めて御訂正願いたいと思います。要するに勞働委員會においては、政令の部分については數囘にわたつて審議もしており、決算と勞働委員會の今囘審査會においても、決算委員の諸君がこれに言及しておるわけであります。でありますから政令のあるということ、また政令がどういうものであるかということについは勞働委員會としては、その點かなり綿密な檢討が加えられた結果、すでに官房または局が五つその他、さらに新設の省であるがゆえに、どういう部局を設けなければならないというような場合も生ずるかもしれないという點で、一應この點を考慮の中に入れて、政令をつくるということについとは認めようぢやないかということが、最後的な決定であつたのであります。もうひとつ考えられることは、もとより政令に對してとかくの議論はありますが、要するに日本のいわゆる政治形態というものは、將來は政黨政治をして發展していかなければならぬ。政黨政治は勢いその第一黨なり、多數黨なりが政權を掌握することになるのでありまして、在來のようないわゆる官僚内閣だとか、軍閥内閣だとか、そういうものの下で官僚が勝手氣ままに立法部を無視して法律を制定する。すなわち勅令式なものをどんどんやつていつて横暴をきわめる。そういう政治形態とは違つてくると思う。言いかえれば國民の信頼を得ておる政黨が政府をつくる。そうして行政の部にあるものが、立法部の決定を執行するということになるのであつて、言いかえれば政令の範圍は單なる運用の面であつて、そのこと自體は立法部の權限を無視することでもなければ、いわんや參議院の一二の人々が言つておるような、違憲問題だとかいう極端な議論もあるが、そういうものでもない。また同時に官僚の勢力を温存し、あるいはこれらを擴大強化するということもあり得ないのではないかと思います。この場合ぼくはさらに聽きたいと思うことは、もとより我が黨としては最後的な決定をみておるわけではありませんけれども、議會運營委員會においていろいろ審議しました後、すべての方面の調節をはかりながら、この問題の處理をするということが必要でありましよう。たが自由黨からは、勞働委員會に勞働部長、勞働副部長が委員として出ておりまして、勞働委員會の討議のときには勞働部長が立つて、この問題について滿幅の贊成を表しておるのであります。おそらくどの黨でも同じだろうと思いますが、自由黨としては。この問題を決定する場合には、勞働委員會の審議の經過、状況というものを、勞働部長から、役員會なり代議士會なりに御報告されて、しこうして後最後的決定をして、委員會の討議に參加されておるのではないだろうかと思うのであります。我が黨はそういう方法をとつておりますから、他黨もそうだとは一概に申せませんけれども、自由黨もそういう愼重な態度をとつているのではないかと思います。そういう點から考えますならば、自由黨がこの期に及んで、何か衆議院で氣がつかなかつたことを參議院で氣がついてくれたんだ。だから自由黨としては、この際面子などを考えないで、參議院の意見に同調しようじやないかというようなことを言われているが、もしそういうことであつたとするならば、その間自由黨としては、かなり手ぬかりがあつたのではないか。その點を率直に認められて、山口君は發言になつたのかどうか。こういう點も念のためにお聽かせ願えれば結構だと思います。
#25
○山口(喜)委員 ただいま土井君が、勞働委員會において手落ちがあつたというように私の話を解釋されましたが、勞働委員會において、その審議の經過等に手落ちがあつたとは私は思いません。またわが黨出身の委員各位が、熱心にこの案を審議されたことも私は多といたしております、しかしながら私の申したのは、いわゆる議案が――御承知の通り、その委員以外の方はただケースに放り込まれるだけであつて、ついついうつかりすることがあるのであります。この點に關しまして、將來はやはり全員の注意を喚起するような提出運營の方法をとりたい。こういうことを申し上げたのでありまして、勞働委員會及びその委員に對しては、何らわれわれは考えをもつておりません。ただわれわれ議員全體の立場から考えまして、ちよつとうつかりした點があつた。なるほど參議院で指摘されたことを見れば、それはもつともだという感を深ういたした次第でありまして、いわゆる人間が全智全能の神でない限りには、ケヤレス・ミステークということがあるのであります。私はこういう輕い意味において、衆議院の方で考え直してみれば、いささかケヤレス・ミスのきらいなきにしもあらず。こういつた考え方から、いわゆる兩院運用の妙というのもその邊に胚胎する次第でありますから、この際は小異を捨てて大同につくという考え方も必要じやなかろうかしらんと思う次第であります。なお土井君が將來の政黨政治の運營の面からお話されたのでありますが、これまたごもつともな論議であると思います。だから從來のような、軍閥、官僚の跋扈跳梁に任せた時代とは、おのずからその趣を異にする次第ではありますが、しかし一黨一派によつて、その多數黨を率いたのが政府をとるから、それは當然多數の意見なりということも、考えようによつては承服できますが、しかしながら、あくまでも政治は一黨一派のものであつてはならないのでありまして、議會全體の意思を尊重して行わるべきものである。こういう觀點からも、政府と議會とは不可分一體のものでもないと思います。議會は議會としての、おのずからその權能によつて行動すべきものである。幸いにこういつた問題は、普通將來の議會のあり方を深く考えるときにおいて、われわれは議會の權威のために、政府のとつた態度と、議會の態度というものを明確にしておく必要がありはしないか。こういう考えをもつております。
#26
○坪川委員 今山口君の御意見はよくわかりますが、私はこの點につきまして、お伺いしたいのでございます。前にも私が申上げました通り、勞働委員會におきまして、また決算委員會の合同審議の點におきましても、この省令に關しては再三にわたつて審議されまして、そうして委員會を通過し、本會においても可決されたという、この審議權、議決權というものの自己否定というようなことに相なります。この自己否定という問題は、私は議會の審議權決議決權の點からいきまして、今後のわれわれの議決權、審議權の神聖さを考えてみましたときに、自己否定、自己矛盾というものに對して山口君がどうお考えになり、自由黨としてその矛盾、否定というものの立場をどうお考えになりますかという點につきまして、お伺いしたいと思います。
#27
○山口(喜)委員 坪川君は自己否定とただ單に片づけられますが、私は先ほど申した通り、いわゆるケヤレス・ミスであつたという點において、議會の自己否定の面もありましよう。しかし自己反省の面もなければならぬ。こういつた考え方のもとにおいて、自分の方で全會一致議決したことであるから、それを覆えすことは自己否定になる。こう言われますが、私はこの問題に關する限り、自己反省に屬する問題ではなからうかと思う次第であります。
#28
○小島委員 お話はいろいろ承りましたが、山口君はケヤレス・ミステークだと言われますけれども、從來ともすべての法案について各委員が――勉強する人はしても、しない人はしないということでありまして、何も新國會になつて特に全議員が法律の内容をよく知ることができないような制度になつたというわけではないのであります。從來といえども、法案が出された時に政府がただ通り一遍の説明をする。それについて一二の質疑があつた後に、全部委員會に任せて、大部分委員會の決定通りにきめておつたのであります。これを全部の議員が全部の法案について十分知るようにしなければならぬというようなことになりましたならば、今までの常任委員制度というものを根本的に變えてしまつて、全議員が常任委員になり、全部の委員を兼ねるということでなければ、とうてい山口君の言うようなことは望み得ないと思うのであります。結局そうなつてくると、ケヤレス・ミステークだと言われるけれども、われわれは勞働常任委員というもの全部を信頼して、專門家を選んで、その人らに審議をしてもらつて、その人らが十分審議した結果こうだというならば間違いない、こう考へてわれわれはここに決議したのであつて、もちろんそれについては一々私らの方では役員會にかけ、代議士會を通して、説明を聽いた上で、これに贊成したわけなんでありまして、これを單なるケヤレス・ミステークだと言われてしまうのでは、どうしたらよいのか、ケヤレス・ミステークではないという形式上の組織ができるか。これは大きな問題だと思います。だから、ケヤレス・ミステークと言われてしまうのでは、私は議會の構成から考えてみて、少し言い過ぎじやないかと思います。
#29
○林(百)委員 今自由黨の山口委員と各黨の委員がここで自由討議をしたところで、おそらく山口委員も黨議をもつてここに來ておるのだろうから、ここで從來の黨議をかえるわけにはいかぬと思います。問題は、參議院でああいう議決をしたことに對して、衆議院としてはどういう處置に出るか、いわゆる技術的な手續をとるかという問題を進めていかれた方がいいだろうと思います。それには、まずあれに衆議院として贊成するか反對するか。かりに反對するとすれば兩院協議會を求めるか、あるいは三分の二で押すか、あるいはあのままで流産にさせるか。そういうような技術的問題をひとつ進めていただきたいと思います。
#30
○淺沼委員長 今その技術的な問題をやつておるわけであります。從つて林君としてはどういうふうに扱つたが一番いいと思いますか。
#31
○林(百)委員 私は衆議院として參議院のあの案をのむかのまないかということを決定して、かりにあれをのまない、原案をどこまで支持するかということになつたら、兩院協議會を求める。兩院協議會を求めて、なおまとまらなければ、三分の二で押すかどうかということであります。
#32
○淺沼委員長 技術的には大體院議を尊重していこうということで、院議を尊重していこうということになれば、おのずから手續はきまつてくるわけですし、また山口さんの卸發議の中には、院議は院議として尊重しなければならぬけれども、また自己反省という立場において參議院の修正について愼重な考慮を拂わなければならぬということを言われておるのですが、從つて現在においては二つ意見が出ておるわけです。一番重要だと思うことは、兩院協議會を要求するにしても、あるいは本會議において態度を決定するにしても、それぞれの黨派の大體の意見がわからぬときまらぬわけですから……。
#33
○林(百)委員 わが黨としては、これはいろいろ理由を言う必要はないと思いますが、參議院の決議は相當理由があると認めて、あれを支持しております。
#34
○山口(喜)委員 ただいま小島君のお話にもありましたが、結局參議院で議決があつたのですから、それに同意するか否かということが結論であると思う。なおまたいろいろ小島君からも御意見がありましたが、衆議院で決定したことを參議院でこれに反對した場合においては、また衆議院に囘付され、あるいは兩院協議會を行うという規則がある以上は、將來とも必ずしも小島君の言うようなことのみではない。そこに兩院運營の妙があるのでありまして、衆議院で決定したことが參議院でもしも否決された場合においては、衆議院は一切これでいくということであるならば、參議院の必要性も薄らいでいくことになります。そこで制度がある以上は、われわれとしても囘付された以上は、われわれの態度をこれによつてさらし反省し、檢討し、決定するという以外には方法はありません。だから自由黨としては、あくまでも參議院の議決に同調する。こういうことを明白に申し上げておきます。
#35
○後藤委員 今ここで民主黨あるいは社會黨、自由黨の考え方ははつきりしておりますが、なおこれを兩院協議會へもつていくか、のむかということは取扱い上の大切なことになるのでありますから、農民黨、國協黨竝びに第一議員倶樂部の御意向をこの際あらためて伺つておきたい。
#36
○田中(久)委員 第一議員倶樂部では昨日代議士會を開いて愼重に檢討したのですが、參議院の案をのむことがよかろうということであります。
#37
○中野(四)委員 農民黨も大體同樣です。
#38
○石田(一)委員 國協黨は與黨三派の話合いである程度話されたはずであると思いますが、議院の面目とか何とかいうことをあくまで固執するのでなく、實際問題としては私たちが考えると、自分たちがこれを審議粗漏ならばともかく、相當この問題を取上げて審議して、これでいいと衆議院が全員一致をもつて可決したものが、一週間かわずか經つて、參議院でこれにみそをつけられたからというので、今度はこれに一部分反對する者が出てくるということになると、自己否定みたいな、何だか衆議院議員の全院一致などというものは、あまりあてにならないということになつてくるのではないかというさびしい考えもありのです。ここは事を荒立てないで、圓滿にいく方法があれば圓滿にいきたい。こういうわが黨の意向であります。
#39
○後藤委員 大體各黨の意向が明らかになつたので、私の考えを申し上げてみたいと思います。最初に自由黨の山口氏からお話のあつた點について、私は決してこれはケアレス・ミステークだとは思つておりません。それは主觀の相違でありまして、今日といえども私どもは原案を支持したことを決してミステークして、つい見逃しのストライクをやつたのだというような考えは毫ももつていないのであります。これは私は主觀の相違であろうと思うのであります。それはどこまでも自由黨の考え方、もしくは山口氏個人の考えであつて、私自身としては、わが黨出身の勞働委員會の論議も役員會代議士會において巨細となく報告を受けて承知しております。同時に議員の見識として、法案に目を通すくらいの義務は忘れていないはずであります。今日やはり自分の良識から照らして衆議院の見解が正しいと思う。參議院で修正した今日といえども、私は參議院の修正意見に同調する考えをもつておりません。もし眞に政令に弊害ありという考えであるならば、政令の根本的あり方について考えるべきであつて、私は一勞働省の官制に及ぶ政令の運用だけの末節をとらえて、これに大きな修正を加えたものだという考え方をもつておりません。もしその精神でいつたならば、政令の根本的なあり方に言及すべきである。私は勞働省一省の部局の改廢に關する政令を存置することが官僚政治をはびこらせるか、はびこらせないかというような末節の問題じやないんだ、こういうふうな考え方をもつております。なお將來の政黨政治のあり方についても土井説と同樣であります。しかしながら私どもとしては今日といえども衆議院の考え方は正しいと考えておるのでありまして、ここから先の議論はいくら水掛論をやりましても、主觀的の相違になつてくると思います。そこで具體的の取扱い方についてどうするかということになりますけれども、私はもしこれを兩院協議會へもつていくという形をとろうとするならば、まず參議院の修正案に不同意を示して兩院協議會へもつていかなければならぬと思う。その際に最惡の場合、衆議院において三分の二の多數がなければこれは廢案になる危險がある。こういうことが豫想されるのでありますから、輕々にその手段をとることは、衆議院において三分の二をもつて可決し得る見透しがついた後でなければ正式な兩院協議會は開けないと思うのであります。ただいま申し上げたように、私は一勞働省の部局改廢の政令の問題でなく、根本的の政令のあり方について考えるべできあつて、この際これだけを誇大視して考える必要はない。しかしこの局面を收拾するにあたつては何とか正式の兩院協議會へもつていくまでに、參議院の勞働委員會と衆議院の勞働委員會とがともに小委員をあげて非公式折衝をせしめるか、もしくは兩院の議院運營委員會が小委員をあげて非公式折衝をやつてみるか、こういうことによつて正式の兩院協議會へもつていくまでに、衆議院の機關と參議院の機關との小委員をあげて非公式の瀬踏み會談をやつてみるということを取上げて、圓滿な局面の收拾を求めたいと考えます。
#40
○中野(四)委員 今の御意見はよくわかりますが、參議院の勞働委員會と衆議院の勞働委員會の小委員を設けて妥協點を見出そうという點については、參議院は全員一致反對の意思表示をしている。今さらそれを求めても求められるものでないと思います。國會法には一院においてこれを否決した場合においてはさらに兩院協議會を開くということがあるのですから、勞働委員會の小委員をさらにつくるということは不可能に近いことだと思う。
#41
○土井委員 ただいま後藤君からいろいろな御意見もありましたが、私はこの問題についての最後的な收拾といたしましては、各黨のいろいろな意見が十分に開陳されておりまするが、わが黨といたしましてはまだ最後的な決定を見ておりませんので、一應役員會にもかけて相談もしなければならぬということにも相なりまするので、決定を一應留保していただきまして、明日なり明後日なりの議院運營委員會に……。
#42
○淺沼委員長 ちよつとお諮りしますが、勞働委員會の小委員會會を設けるか、兩院の議會運營委員會で内交渉するか、これは後藤さんどうでしようか、動議としてそういうことをやるということになると非常にしかつめらしくなるし、また表向きになるとなかなかむずかしい問題になると思います。それは御意見として承つておくことに了承願つて、案の取扱い方を決定するについては、大體各黨の意見は一應了承し得たわけですから、きようはこの程度にして、明日これを議題にするかしないかということをきめていただきまして、議題にするとすれば、その直前にそれをきめるというような取扱い方にしたら、どうかと思うのですが、そういうようなやり方でよろしうございますか。あすは本會議日になつておりますので、本會議日に勞働省設置問題を議題にする。いずれにしても議題にするについては、その前に明日議會運營委員會を開いて態度を決定する……。それではどうでしようか、委員長として大體の意見がわかりました上で明日本決定をすることにして、ただこの委員會としては、いずれにしても勞働省が一日も早く生れることが國民の待望しておることだろうと思うのでありまして、そういう方向に向いながら問題を處理していく、そういう氣持で各黨間でこの次の委員會で決定する、そういうようにしたら……。
#43
○坪川委員 私はあすの本會議の議題にこれを持出すことにつきましては、この問題は各黨間政治的な再考慮を要する點が多々あると思う。從いまして土曜日の本會議にこれを議題にすることにして、あすの運營委員會にこれを議題にする。そういう方向にもつていきたいと思う。
#44
○土井委員 僕はその問題はあらかじめ明日議題として上程することにしておいて、各黨間におけるいろいろな關係で延期してもいいんじやないか、延期の動議でやつてもいいと思う。結局これはぎりぎりまでいかなければ片付かないから、明日上程することにして、お互いが、意見を全部開陳して決定しようじやないか。
#45
○淺沼委員長 ちよつと速記を止めて懇談します。
   〔速記中止〕
#46
○淺沼委員長 再開いたします。
#47
○坪川委員 わが黨といたしましては、ただちに幹部會竝びに各黨機關を經てこの際態度を決定いたしたいと思います。一應重大な緊急を要する問題でもありますから、明日午前十時から議會運營委員會を開いて審議し、あすの本會議の議題にされるということを、わが黨といたしましては提議します。
#48
○中野(四)委員 ときによつて延ばすということはないのだね。それならそれでよい。
#49
○淺沼委員長 よろしうございますか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#50
○淺沼委員長 ではさように決定します。
    ―――――――――――――
#51
○淺沼委員長 大分時間が經ちましたが、會期に關する件を議題といたします。
#52
○坪川委員 この會期延長に關する件につきましては、私は議長より各委員長の合同打合會の模樣竝びに政府との折衝、申出などに關しましての状況につき、一應御説明願いたいと思います。
#53
○松岡議長 それでは簡單に御報告申し上げます。昨日委員長の御會同を願いまして、各委員會の審議の進行状態を御報告願いました。御承知の通り司法委員會に一番多くの議案が殺到しておりまして、すでに政府提案の議案でもう質問を終つて、今から修正にはいることのできる可能性のあるものもある樣子であります。しかしまだまだそこまでいつていないものもあり、殊に民法と刑法、それから議員から提案せられ、委員會から提案になつた裁判官の國民審判法のごときは、政府提案でありませんだけに、未だに關係方面と何ら事前の打合せ等も行われていないようなわけでありまして、早急にそういうこともできるかどうか、甚だ怪しい。要するに結論的にいえば、十分努力はされておるけれども、大體今後三十日ぐらいの日數を要するであろうと豫想される。こういう話であります。その他の委員會等においても、委員長の報告がありましたが、請願ばかりでも五十六件とか七件ありまして、それがまだ五、六件しか審査ができていないという報告もあり、請願、陳情等の審査もまだ十分に進行していないような事情でありまして、ひとり司法委員會のみでなく、他の委員會においても、もう一箇月ぐらい會期延長を願わないと審議結了は困難であろうと、大體四、五の委員會の委員長からそのような意見の開陳がありました。もとよりここでどう決定するというものでありませんが、會期延長に特に反對される議論はございませんで、ほとんど全部が延長のほかなかろうということを肯定されたと認められる状態でありました。そこでその状態を運營委員會に御報告申し上げて、御決定願うほかはないと思いまして、そのことを委員長を通じて申し上げたのですが、しかしよけいなことでも、それまでに非公式にでも政府當局の腹がまえ、あるいは準備の状態を聽いて、打合せた上で、運營委員會にこのことを同時に報告した方がよかろうというような御注意等もありまして、それぞれ前から實は官房長官に會つて聽いてはおりましたが、昨日の閣議を濟まさぬと自分の個人的の意見は申し上げかねるというお話であつたのでありますが、昨日急に官房長がまいりまして、政府の希望するところは大體來月いつぱいではちよつと困難だから、十月の十日ごろまで延ばしていただきたいと。いうのは公のことではないけれども、あちこちの意見を聞くと。暑くて院内の人々の苦勞も相當考慮しなければならない。あるいは代議士諸君もそういう點で一應息抜きをしないといかぬのではないかという議論もちらほら見受けますので、これがためにある程度議會を自然休會もしくは明瞭に休會をするということになる場合においては、かりにそれが十日だとすれば、實質的に一箇月くらいは審議してもらわなければ、ただに今出ておるもののみでなくて、豫算案等に關連して事實上審議を十分盡してもらうことが困難であると思うから、できるならば十月十日ごろまで延ばしていただきたい、その場合は政府は大體臨時議會というものは考えていない。そうしていただけば臨時議會をやらないで濟ますというような方向をとりたい。なお先日このことはちよつと言い漏らしましたけれども、司法委員會の委員長がきて言つておりましたが、本年一ぱいに法律を改正しないと權利なんかを喪失してしまうような點があつて、どうしても本年内に法律改正の手續をやるか、もしくはそれができなければ應急措置を講ずる必要もあるのだということを小委員長も言つてをりましたが、そういうことに關連して、なお官房長官は臨時議會を延長していただければもとよりであるが、その代り通常會を十二月の上旬にでもなるべく早く開いて、法律改正に審査できなければ應急的な措置を講ずる方法をとつたらどいうことを言つておりました。繰返して申し上げれば正味三十日、十日休みを見て大巾に十月十日まで延期を願いたいということを申しておりました。
#54
○淺沼委員長 ちようど事務當局の方で、二十五日までの衆議院の審議の状況がわかりましたから御説明願います。
#55
○大池事務總長 ただいま二十五日までの法律案の大體の状況を調べたのであります。それは公報にも出ておりますが、一應數字だけ申し上げますと、内閣の提出法律案は五十四件ございます。その中で兩院通過とかいろいろのものを除きまして、本院においてただいま審査中のものが二十四件、それから豫備審査中のものが五件ございます。おもなものといたしましてはそれだけでありまして、また議員提出法案は十件でございます。その中でまだ委員會の方に付託されないものが六件ございます。これは關係方面その他と十分連絡がつかないということで、まだ上程になりません。そういうような状況であります。詳しい内容にわたりましては二十五日の公報にございますけれども、大體今の状況はそうなつております。
#56
○山口(喜)委員 いろいろ會期延長のことで議長さんの苦衷もよくわかりますし、またわれわれとしても率直に申せばずぶの素人でもないのですから、政府の申出も一應了としなければならぬこともよくわかります。しかしながら本質的に考えてみれば、いわゆる先ほど來の勞働省の問題にしても院議尊重という言葉が強調されております。會期に關する院議のごときは院議中最も重大な院議であろうと思うのであります。しかしながら吉田内閣以來、會期の延長ということは惡弊であろうと思うのです。この意味から政府の一方的な考え方によつて會期を延長するというようなことは、將來も愼しまなければならぬことであると思います。いわんや率直に申し上げてわれわれのいささか癪にさわることは、新聞紙上等においても、たとえば水谷商工大臣のごときは國管問題が會期中に解決しなければ、會期を延長しても解決するのだということを放言されております。また聽くところによれば参議院においてもつい兩三日前に、この會期中に解決するのだと何かの委員會で水谷氏が言つておる。委員の中から會期は旬日に迫つておるのにそれができるかと言われて、相當狼狽されたということも承つております。たとえば議會運営委員會、あるいは本會議、委員會というようなことに先走つて政府がいろいろの表現をされるということは、いわゆる院議を輕視しておられるという姿がまだ殘つておるのではないかしらん、私はかようにも思うのであります。しかしそれは枝葉末節のことでありますから、五月の二十日から開かれた第一囘臨時國會が第二囘の延長をさるるときには、八月十日までに提出されないものは一切これを審議しないということまで決定して、延長を認めたことに相なつておると思います。それがいつの間にかだらだらと今日まで荏苒日を延ばしてきて、さらにこれから大幅に四十日間も延期するというようなことは、將來の議會運營上どうかしらんと思います。打割つて言えば餘儀なき事情のあることもよくわかります。また豫算さえもまだ出てこないということの事情もよく了承してはおりますが、いやしくも院議で會期を決定されたならば從來のゆき方としては三箇月の議會を三箇月延長するので、相當の問題であつたと思うのであります。それを一旦大幅に延期して、さらにまた大幅に延長する。たれかこの政府の意圖せらるるところの十月十日が、またさらに十日間延長されるということの餘儀なき事情に立至ることを保しがたしと、私は思うのであります。
 こういつた意味において、ただいま議長のお話によれば三十日間はどうしても審議期間が要る。そして十日間の休みを見るとすれば、四十日ということになります。むしろ涙を振つて馬謖を切るというような意味において、一應ここで本議會を閉じて、さらに政府の準備萬端整つた適當のときに第二囘臨時國会を開いてもらつてもいいのじやないか、ただいま議長から民法の方で本年いつぱいにきめねばならぬものがあるという話がありましたが、たとえば十日間休むのであれば、今まで審議されてある議案をさらにいの一からやり直すということも、議會のゆき方としては實につらいことではありますが、かりに九月の十日に第二囘臨時國會を召集されても、九月の十五日に召集されても差支えないのであるから、そういう意味において、自由黨としては一應會期をもつて閉じて、あらためて政府の十分なる準備と腹がきまつてから、第二囘臨時國會を開いていただきたい。こういうことに自由黨は決定いたしました。私としては議會の運營の機微にもいささか通じているつもりでありまして、それだけ非常につらい點もありますが、自由黨としてはそういうふうに決定いたしましたから、さよう希望を申し上げます。
#57
○中野(四)委員 農民黨も大體ただいまの自由黨側の意見と同じであります。同意見をもつてこの會期の延長には眞向から反對をしたいと思います。
#58
○坪川委員 今自由黨を代表されて山口委員、竝びに農民黨を代表されて中野委員が主張されまして會期延長反對の御趣旨、またお立場はよく了承いたしますが、今議長がお話になりました各委員長の打合せ會竝びに官房長とのお話の點などを考えまして、私どもといたしましては、追加豫算もまだ決していない。また第一囘國會においてどうしても可決しなければならない附屬法案などを考えましても、私は會期延長は萬やむを得ない。こう見まして、少くとも五十日間會期を延長されまして、その間二週間の休會を要求いたしたいと思います。從いましてこれを決定いたします場合には、重大な會期延長の問題でありますから、國會みずから決定すべき問題であり、また國會の議長がその理由をば聲明されんことを私は希望するものであります。
#59
○土井委員 私は會期の問題につきまして、實は先ほど議長さんから各委員會の委員長の方々の議案審議の過程を御報告いただいたのでありますが、それによりますと、手持の案件を審議するだけでも、司法委員會のごときは優に三十日間を要すると言われているのであります。これは先ほど山口君が言われるように、院議を尊重することは當然のことでありますが、その院議を尊重する意味合において、會期というものが殊に重大だ。もとよりこの點については私は同感であります。しかしながら議會に付託されました法案が、しかもそれぞれの委員會において未だ審議が十分にできておらないというようなことは、會期の問題よりも國民的に見るとさらに大きな問題ではないか、こう思うわけであります。そういう點から考えて、國會だけがもつている案件でも、すでに三十日は優に必要だという状態から考えますならば、今後出てくる追加豫算、あるいは公務員法の問題だとか、その他いろいろ重要な案件があるわけでありまして、これらはやはり國會が自主的な立場において十分に審議しなければならないと思うのであります。殊に御承知の通り、先ほど問題になつておりますが、いわゆる日本の政治情勢というものは、獨立國家としての議會の權能によつて一切やることができない状態になつておりますので、これらのことから考えてかつて戰爭中なり、戰爭前なり、言いかえますれば、日本が獨自の立場においてやつた場合においては、なるほど山口君が言われるように、會期を三日延長するのでもなかなか問題であつたということは、これは奬來われわれが自主的に十分考えて、やつていかなければならぬ問題だと思うのでありますが、現在の日本の情勢から見ますならば、いろいろ不便不都合はありますけれども、しかしこれは萬やむを得ないのじやないか。お互い實際言うと、その點は熟知しておるのじやないか、こう思うわけです。そこで、私は政府の意見がどうあるということはしばらく別にしまして、ここで閉會しても、いずれは臨時議會を開くことにならざるを得ない。それよりはここで會期を延長して、十日なり、二週間まつたく休會して息拔きをしてやつても差支えないのじやないか。先ほど坪川君から提案になつております會期五十日延長することにして、その間私の案としては十日間まつたく休會にする。あとの四、五日間は本會議を開かないで、委員會だけにするという形できめたらよくはないか。そうすれば遠隔の地における方々の希望も達せられ、また議會の事務の方の關係、速記の方の關係が非常に疲勞しておると言われておりますが、これらの人々の希望をも滿たすことができると思います。
#60
○山口(喜)委員 土井君のおつしやることはよくわかります。しかしながら八月末まで大幅に延長したら解決すると政府も議會も認めて延長したのでありまして、また延長しなければならぬということは、議會にも政府にも責任があると思いますから、政府反省の意味においても、われわれとしては延長を認めるわれにいかないのであります。自由黨の態度としては會期延長を認めないということを御了承願いたいいと思います。
#61
○森(三)委員 昨年の議會においても、われわれは五月中旬から十月十四日までやりました。これは重大な日本國憲法を改正しなければならぬということから、吉田内閣のもとにおいてやりました。ところが現在は憲法附屬の民法、刑法等の改正があり、これには相當の時間がかかります。それを最初から一、二箇月と會期をきめたのがそもそも短か過ぎた。今度民法、刑法等の大法典が改正されたならば、今後はそうあまり會期延長の問題はしばしば起るものではないと思います。去年、今年はほんとうに根本的な大改革のときでありましたから、相當時間のかかるのは當然である。その意味において議會も政府も、もう少し大幅な會期を最初から考えておくべきはずでありましたが、それには政府にも責任はあるが、議會運營に當るわれわれも十分考えなければならぬと思います。それで私は今土井君が述べられたように、この際大幅に會期の延長をしていただきたいと思います。
#62
○林(百)委員 この前に會期を延ばすとき、八月一ぱい、十日までに法案を提出する。それまでに提出しない法案については國會は審議しない場合があるとの重大な警告を發して、八月一ぱいで國會を閉じようとの申合せをしたのに、それをまた再び延ばすという。そこでまずその延ばすという方々の意見を聽きたい。延ばす理由は國會側の都合によるか、それとも政府側の都合によるか。それから今度三たび政府から延ばしてくれという希望があつたときには、どういう態度をとるか。かりに延ばしたとしても、また會期ぎりぎり一ぱいのころ政府が法案を提出して、ぜひやつてくれと言つてきた場合に、國會としてはどういう態度をとるか、そこをはつきりさせていただきたいと思います。
#63
○土井委員 私の先ほど提案したのは、政府の意向で會期を延長しようとは考えていません。目下法案審議に際して、ある委員會のごときは優に三十日間必要だと考えておる。さらに出てくるであろうと豫想される豫算案、公務員法をその他重大な案件が出てくる。これらのことを勘案しまして、國會自體がこれらを審議をする場合に、過去の審議の状態から鑑みまして、どうしても五十日間くらいは必要だというように、國會の自主的な立場において決定すべきであつて、政府の要求があつたとかなかつたとかいうことは、われわれの關知するところではない。要するにこちらはこちらできめるのである。
 それからもう一つ、ここで大幅の會期の延長をして、將來また延長をするかしないかということは、そのときの國會の自主的な立場で決定すればいい。要するに延長しなければならないようなきわめて重要な問題が出たならば延長してもいいじやないか。しかしながら、そうでない場合にはよしたらいいのであつて、ここで杓子定木にすべてを決定してやつていく必要はないと思う。議會運營委員會が新しい國會に對する對策を決定するのですが、會期その他のことは、政府の意向は十分に参酌はするけれども、政府の意向によつて會期の問題が論議されるということは根本的に間違いだと思う。私たちの立場はそういう立場に立つているということを御了承願いたい。
#64
○田中(久)委員 五十日延長してまた延ばすというのなら、續いて十一月三十日まで延長ということにして、途中で休んだ方がいいのではないか、こういう意見がわれわれの仲間にはあるのです。
#65
○小澤(佐)委員 土井君の考えはまことに結構です。政府に關係なく、議會自體で自主的に、法案の審議が未了であるから延ばしたいとういことについては私も贊成です。そうするとどういうわけで閉會することができないのか。換言すれば會期を延長しなくてもできるのではないか。
#66
○土井委員 それはできる。既に案件を出しておるのだから。しかし閉會するということになると、一應その案件は審議未了ということになるのです。
#67
○小澤(佐)委員 委員會全部を開くということはいかぬけれども、司法委員會なら司法委員會が特に忙しいというのならば、その委員會には院議をもつて閉會中といえども法案の審査を頼めばいいではないか。
#68
○土井委員 その點、事務總長に聽かなければはつきりわからないが、閉會したならば、一應審議未了なるのではないか。
#69
○小澤(佐)委員 僕らはできるという見解をもつておる。
#70
○小島委員 考えてみても、今日の日本の現段階において、今やつておる法案というものはこれは輕々しいものではない。現在の段階において一番必要なのである。それをやつておる。殊に裁判官に關する國民審判法というものは第一國會でつくるということをはつきり書いてある。これを閉會して第二國会になつたら、頭から國會法というものを無視してかかることになる。そういう點もある。むやみに閉會をして第二國會という形式をとらなくても、一週間か十日くらいで閉會するとなれば國民審判法というようなものは全然できなくなるということははつきりしておる。われわれの手でこれをつくつて、われわれの手で違反するということになつてしまう。これは閉會をして第二國會という形式にしなくても、實際からいえば無休でもかまわないが、五十日と大幅に延ばしておつて、二週間の休養をとるというのが私は隱當であると思う。
#71
○淺沼委員長 事務當局の方から、案件の扱いについて、議案がどうなるかという問題について私が伺つておるのは、議案は繼續しない、審査は繼續するということになるから、結局法律は全部出し直すという結果になつて、事實上は技術的に困難なことになるのではないかと考えられる。これは私の見解ですが、事務總長の方からも答辯があると思います。
#72
○大池事務總長 今の閉會と議案との關係は今、委員長のおつしやつた通りだと私は了解いたします。今の國會法によつて閉會中といえども議案の審査の繼續はできます。そして審査が終つてその委員會としての決定はもちろんできますけれども、閉會中の審査の結果がそういうことになつたというだけで、その議案は次の國會に繼續いたしませんから、次の國會に改めてそれをさらに出し直さなければならぬ。議案の繼續ということは一つも書いておりません。
#73
○後藤委員 會期延長の問題については各黨の立場、御主張もよくわかりましたが、われわれの主張は五十日で、二週間の休會という立場を先ほどから申し上げた通りであります。一方この各黨の態度、われわれの主張を一應この際各黨にもち歸つて、よく打合せた上運營委員會に再び出されて正式に態度決定の上、木曜か、土曜日の本會議においてこれを議題として議決されんことを望みます。
#74
○小澤(佐)委員 今の事務總長の説明では形式的に提案し直すというのですが、形式的にはやり直すという手續はあるが、實際的には同じでしよう。效果的には……。
#75
○淺沼委員長 速記を止めてください。
   〔速記中止〕
#76
○淺沼委員長 速記を始めて。
#77
○石田(一)委員 國民協同黨としては、さつきから聽いていると院議を尊重する建前からというお話が大分出ておりましたが、院議を尊重する建前から勞働省の問題は參議院に同調し、院議を尊重する立場から會期の延長には反對するという根據が私たちには一つもわからない。それから衆議院規則の十九條、二十條あたりを續んでみましても、會期の決定とか延長とかいうことは、議長が常任委員長竝びに參議院の議長と協議した後に議院がこれを議決するということになつておるのですから、ここで論議してもそれぞれ各黨の態度はわかつているのですから、これを議長がよく御了承の上、もう一遍常任委員長竝びに參議院議長と協議した後に、これを院議に諮ればよいと思います。私たちはこの會期の延長には贊成です。
#78
○松岡議長 これは山口君からすでにお話のありました通り、私もこの問題はなるべく八月三十一日で閉會して、あらためて臨時會をやつてもらいたいという氣持であつたことは申し上げるまでもないのであります。八月十日に、議案を出してくれないと二十一日ぐらいの審議期間がなければ愼重な審議もできないのであるから、十日までには出してもらいたいということを言つておきましたが、これはその節にも申し上げたように非常に含みのある内閣に對する申入れでありまして、必ずしも議會が内閣に對して、議會獨自の立場ということのみでなく、昨年以來の吉田内閣においてもいろいろ御苦勞なすつた點などもわかつておりますから、そういうこともあらかじめある程度の――どれだけの效果はあるか知らぬが、それに備えるような含みもあつてああいうことを言つたわけであります。不幸にして議會の重要な職責であります豫算の審議は、議會の責任ではもとよりないのでありますけれども、今なお提案されていない。しかしすでに議會に來ているいくたの法律案が、何も怠けているんじやないけれども、實際上審議が進捗していない。こういう事實が一方にありまして、ただに議會を代表する私の立場というのみではなくて、おのおのの常任委員會の委員長諸君も少くとも反對された方はなかつた、三十日の延長を必要とするという見解をおもちの方が五・六人ありまして、あとの方もこれを肯定して聽いておられたという状態であつたのであります。議會としては、少くとも内閣から送付されております議案が審議できないでいて、もし山口君の指摘されます通り會期を短くきめたのが失態であつたといたしましても、そのこと自體はやはり議會の責任なのであります。自分たちの方にきている議案を審議未了のままで閉會してしまうということが、單に政黨政治であるから、議會の多數黨が内閣をして政策を行わしめるのだから、何も内閣の命これ服從するというのではなくして、議會の本來の立場から多數黨として議會の使命を遂行させたい、こういう意圖をもつておられる方もおありであることは明瞭であるが、私はそういう考え方以外に、議會に送られているものをそのままにして閉會して、どうしても新しく臨時會をやつてもらわなければならない。こうまでに考えなければならないとはどうも私には考えられません。(「形式論」と呼ぶ者あり)これは國民に對しても、それがよし内閣の怠慢である場合におきましても、内閣を鞭撻して當然臨時會で審議すべきものを審議するようにしなければならない、内閣に對してある意味においては監督をしていくくらいな矜恃をもつて立たなければならない議會である限り、來ているものが審議ができない。來ていないもの本位に考えるわけじやありませんけれども、それができてないのであるから、そこは單なる形式じやございませんので、實際上大事な追加豫算なんかも常任委員長が一箇月に要するという中に出てまいりまして、それを審議することは議會にとつても都合がいいかもしれませんが、これは何も内閣の御都合本位じやなくして、議會それ自體のためにも私はかくあるべきだと考えますので、やはり閉會してさらに臨時會ということにするか。ただ私大事なことは、けじめをつけてエフイセンシーをあげることがむしろ第一で、臨時會を十月にやるべきだと考えるのではなくて、休むときには休んで、休會開けになれば能率的に審議するという氣構えで、黨議を決定した自由黨に御考慮を願う餘地はないかもしなれいけれども、しかし黨議の決定をみていない方面で、個人的な御意見等でありまするならば、何とか明日御決定に至るまでに、どうぞそれらの點について一段と御配慮願いまして、議案の審議がうまく進行しないままに閉會してしまうことだれはないようにいたしたいと考えるのであります。よろしくその點はお願いいたします。
#79
○山口(喜)委員 ただいま議長さんのお話、御苦衷もよくわかりますが、問題はここまでまいりますときわめて簡單であると思います。議長は、ここでひとつ休會をしてさらに休會後大いにやろう。われわれは、ここで第一囘國會を終つて、さらに第二囘國會をあらためて開こう。こういうことだけでありまして、手續上のことその他は相當論議し盡されましたから、われわれとしては政府なりお互いの反省の意味においても、また將來の議會のあり方からしても、もう一囘延ばしたのだから、これで打切つて、あらためて第二囘臨時國會を召集してもらおう、その間に、審議未了のものは實質的にはさらに繼續されることであるから差支えないというその問題が、一つこだわりますが、それがいいのか、あるいはそれを踏み越えて、將來のために一應これで終つて、第二囘國會を開くことがいいのか、もう二者一を選ぶ以外に方法がない。おのおの意見なり論議があると思います。だが私らとしては、一應第一囘國會を終つて、第二囘國會を九月の十日でも十五日でもあらたるて召集されて一向差支えない。はつきり第一囘は終ろう、これだけのことなんです。
#80
○淺沼委員長 本日はこの程度で散會いたします。明日引續き會議を開きます。
   午後一時二十二分散會
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト