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1949/03/30 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 建設委員会 第12号
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1949/03/30 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 建設委員会 第12号

#1
第007回国会 建設委員会 第12号
昭和二十五年三月三十日(木曜日)
   午前十時四十三分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○連合国軍人等住宅公社法案(内閣提
 出、衆議院送付)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川幸平君) それでは只今より建設委員会を開会いたします。連合国軍人等住宅公社法案を議題といたします。御質疑のある方は御質疑をお願いいたします。衆議院送付案は修正になつておりますから、御了承願います。
#3
○北條秀一君 次の点を質問いたします。本法に基く予算でありますが、この建物貸付料が三億九千六百八十万円入るということになつておるのでありますが、これは先般懇談会のときに若干御説明があつたのでありますが、もう一度はつきり、どういう基礎に立つておるのかということを明らかにして置いて頂きたいと思います。何故そういうことを申すかと言いますと、元来この公社は特別調達庁の職員が全面的にこれを兼務するのでありますが、従つて事務経費は全く要らないということに一応考えられるのでありますけれども、さればと言つて、実際に事務経費は要らんかと申しますと、そうでなしに、一般民間の普通会社がやりますように、こういうような仕事の委託を受ける場合には総務経費というものを当然公社の事務経費の中に加算するのが当り前だと思うのであります。従つて建物貸付料の中には当然総掛費と申しますか、そういうようなものが加算されなけれがならないと私は考えるのでありますが、先般の御説明によりますと、そういうものが全然含まれていないで、ただ單に建物の償却費を基礎にして算出されたというふに聞きましたので、もう一度その点を明らかにして頂きたいと思います。
#4
○政府委員(岩永賢一君) 只今の御質問にございましたように、家賃から建設費以外のその他の諸経費を支弁するということは、一般の場合におきましては誠にお説の通りでございますが、本会社の場合には、さようにいたしますると、それだけ見返資金の償還の年限が延びるということになりまして、将来償還の終らない間に、連合国人がこの建物を使用するという関係がなくなりますと、その残つた債務というものはやはり国が何とか始末しなければならないということで、いずれにせよ国の負担にかかつて参りますので、それを考えまして、計算を簡單にいたすために、見返資金の方だけは家賃からそつくりそのまま出すという建前にして、早く返すなら返すという建前にしてその代りその外の修理費、事務費というようなものは、終戰処理費から別途に国が前以て負担をして行く。そうしてそれが講和会議の上から、米国との間の関係を如何にするかということは、終戰処理の方で締りを付けるという、こういう方針になりました関係でございます。
#5
○北條秀一君 今の御説明によりますと、少し私の質問と食違うのではないかと思いますが、建物貸付料に私は総務経費というものをプラスしろと言つたのでありますが、そうなりますと結局どうなるかと言いますと、連合国側において負担すべき家賃が殖えて来るということになるわけでありますが、家賃というものは一体誰が負担するのか。その終戰処理費で負担するのか、それとも連合国側の直接の負担になるのですか。その点を一つ……。
#6
○政府委員(岩永賢一君) 家賃は連合国側の向うの陸軍省の予算におきまして、将兵に対して住宅手当として支給されますものが、そつくりそのまま家賃として日本政府側に拂われる、こういう関係になつておりまして、従いまして、総務掛費をそれに、家賃にかけるよいうふうにいたしましても、家賃が住宅手当の額以外に更にどつからか殖やされるという関係にはどうもないようでございます。
#7
○北條秀一君 次に、この本年度の建設は二千戸ということでありますが、これは年度内に更に戸数が殖えるというような噂を聞くのでありますが、この点についての見通しを、若し説明が願えますならば説明して頂きたい。
#8
○政府委員(堀井啓治君) 私共計画をいたす立場といたしましても、二千戸以上若し将来増設される見込みがあるならば、その設計上からもその実情を承知したいということを申したのでありますが、そういう計画はないという意向であります。
#9
○委員長(中川幸平君) 外に何か……。
#10
○岩崎正三郎君 この前ちよつとお伺いいたしたのでありますが、大体この法案を見ますというと、要するに特別調達庁が別に、こういうものを作つても、実質的には特別調達庁が仕事をやるということになるのですが、そうしてその中に特別調達庁の役人がある。何にしましても、外国関係の問題もあるし、相当愼重に業務は取扱うべきだと私は思うのであります。ところでこの公社の業務を監督するのは監事がやる。これは特別調達庁の役人がやるわけであります。もう一つは監督するのは総理大臣が監督する。この総理大臣の監督と、監事の業務の監督とはどういう関連があつて、どういう又区別があるのか御説明願いたい。
#11
○政府委員(岩永賢一君) 特別調達庁の職員が公社の職員を兼務して、実質的には全面的にこれに関與いたします。実際の仕事は特別調達庁の権限に属するものと同様でございますが、ただ米国の会計法の規定上、終戰処理費で建てましたものは国有でありまして、それに将兵に現物給與をすると住宅手当の支給はできないので、国以外の人格の者の所有の建物というような仕組にするために公社を作る必要がある。但しその公社の仕事は特別調達庁が全面的にこれに関與してもよろしいことになりますので、特別調達庁がいたしますわけであります。従いまして、この仕事のやり方は実際は特別調達庁が直接にやるようなふうな形になりまして、その監督は内閣総理大臣が監督するというふうになるわけでございますが、ただ公社の機構といたしまして、やはり監事というようなものは必要といたします。ところが監事は一般の法人理論から申しますと、理事者の業務監督でございますから、或いは特別調達庁の職員以外のものからという考えも立つのでございますが、この公社がただ観念的に別の人格を持つものに建物を使用し賃貸させるよいうことについてと申しますか、そういう観念的に別個の人格のものを作るということだけで、まあ満足するという関係にございまして、実際の業務の執行は、官庁としてこの業務の執行及びその監督のやり方でよろしい。従いましてこの監事の監督は業者の内部でみずから自粛し、自省する監督でございまして、その上に総理大臣が高い立場から監督するという関係になつております。
#12
○岩崎正三郎君 内閣総理大臣が監督するというよりも、当然こういう特別調達庁は内閣総理大臣が指揮監督するというか、責任の地位にあるだろうという考えからするというと、勢いこういうものも実質的にはもう総理大臣の支配下にあるものだと思われますが、ここに別個にその監査機関を置かないでおいて、又一つその総理大臣の方を別に置くということは、何か初めからそうならば、監査機関というものを置かなくてもよかろうと思うのですが、これは何かの手続きと言いますか、向うの方の形式的な要求があるのですか。
#13
○政府委員(岩永賢一君) それは現在特別調達庁が官庁といたしまして、内閣総理大臣の所管の外局として、内閣総理大臣の監督を受けておるという形の監督でいいわけでございますが、ただ公社ということになりますと、その公社としての基本的な機構といたしましては、やはり理事者とその他に監事というようなものを備える方が、体裁上やはり穏当であろうということで監事というものを置いてあるわけでございます。
#14
○北條秀一君 もう一つ質問いたしますが、先程委員長が言われました公社法案に対する一部の修正案が衆議院から送られて来たのでありまするが、この修正案を見ますと、修正案の提出理由の中には、附則第十一項を削るということでありまして、それだけの理由が書いてあつて、前段の方では全然理由が明記されておらない。そこでこれはどういうわけでこういうふうな修正を必要とするのか、理由がはつきりしていませんが、この点について御説明願いたいのですが、私が今これを見て即座に考えましたことは、原文の方が正しいのじやないか、原案の方法が正しいのじやないかと考えるのであります。と言いますのは、この修正案のように、但書以下の條項を設けるということは、公社が恰も入場税、或いは酒の消費税とか、或いは遊興飲食税等に匹敵するような事業を行うかも知れないというふうなことを懸念して、こういうふうな規定を設けたのじやないかというふうに考えるのでありますが、これによりますと、公社はこういうふうな仕事を税金さえ拂えばやつていいのだということになります。この点についての御意見を聞かせて頂きたい。
#15
○政府委員(岩永賢一君) この附則十一項が修正として削除になりましたのは、地方税法の只今提案になつております條文の修正をするという附則になつておりますので、地方税法の方が一足先に議決され、一足先に公布されることを予想いたすわけでございますが、それが予想できなくなりましたので、附則十一項は削りまして、その代りに第七條の第二項が入つたわけでございます。この場合第七條に入れられましたこの第二項の但書でございますが、これは従来日本専売公社及び日本国有鉄道等に規定せられておりましたのと、全く同様の規定でございますが、ただこの但書は、会社がみずからの事務費を持ちませんので、特別調達庁の庁費として支出いたしますから、従いまして庁費の支出ということで入場税なり、遊興飲食税なり等は、国の予算から食糧費を支出いたします場合等は当然かかつております。従いまして会社が事務費を持てば当然かかるわけでございますが、公社が事務費を持たないとすれば、但書は或いは無用のように見えますけれども、ただ若しこの場合に但書を全然削りました場合には、会社に対しては都道府県及び市町村は絶対的に地方税を課することはできないという、従来の専売公社及び日本国有鉄道等よりも強い方針を規定したような形になりまして、形の上でやはり面白くないから、やはり従来のああいうような公法人と同じ気持、同じ方針で附課税を課税しないという気持を現わすために、やはり但書は無意味のようでも書いて置いたがよかろうという意味だけしか持つておりません。
#16
○岩崎正三郎君 これは二千戸建てるために五十二億五千六百万円をいうものを見返資金の方から出すというふうに承わりますが、結局これはこれだけの仕事を終えれば、当然この住宅公社、連合国軍人の住宅公社というのは消滅するわけですか。
#17
○政府委員(岩永賢一君) 建物を建てまして、家賃を徴収いたしますので、家賃を徴収して見返資金に返すという手続のために、連合国軍人等が居住しております間は存続をいたします。さように考えております。
#18
○岩崎正三郎君 二千戸建てるためにこれだけの金を出すというだけで、別なそういうふうなでき上つたものを管理する費用というものは、別に五十二億五千六百万円の外に管理する費用はあるわけでありますか。
#19
○政府委員(岩永賢一君) 建ち上つてしまいました後の公社の予算というものを考えて見ますと、歳入に家賃収入、歳出に見返資金返還費とその二つだけが公社の予算になりまして、この管理のための人件費、事務費というのは特別調達庁の庁費から支出をいたしますので、庁舎の特別な経費予算というものはないわけでございます。
#20
○岩崎正三郎君 そうすると、もう法案によるところの公社に対しては、お金は政府から出さなくてよいわけですね、これが事実ならば……。
#21
○政府委員(岩永賢一君) ございません。
#22
○赤木正雄君 第十九條の第二項に、公社の建設した住宅の維持に要する経費は国庫の負担とすることは明らかになつております。こういう観点からいたしますと、この前にも或る委員から質問が出まして、それは木造で建てるか、或いは大分セメントも自由になりましたから、むしろ鉄筋コンクリートの方が永久性もあつてよい。併しこれはいろいろな関係で木造に大体お決めになつておるようですが、やはりこの維持修繕費というものを国が出す場合には、若しも木造と、それから鉄筋コンクリートの家との初めの建築費が非常に違つた場合に、これを検討されまして、木造なら維持費がどれだけかかるか、それも検討されまして、木造よりも鉄筋コンクリートの方がよいと、或いは総額において維持費を含んだ場合に安く上るという見当ならば、一応木造建築よりも鉄筋コンクリートの方に改められるのが、国の財政上からも適当と思いますが、これに対する御意見如何ですか。
#23
○政府委員(堀井啓治君) 只今の御質問の点につきましては、私共も同様に実は考えるのであります。建設、維持費につきましても、若し鉄筋コンクリートで非常に節約をしたものを作るならば、殆んど現在の建設費と変らないもので鉄筋コンクリートの建物を作ることができると考えます。その点につきまして、無論政府といたしましても、御意見のありました通り、維持修理費を節約する面からも、コンクリートで建てられることを要請したのでありますが、非常に期限を急ぐから、今回は木造で造るのだ、こういう返答でございました。
#24
○赤木正雄君 期限の関係から木造というお話もありますが、最近は御承知の通りにコンクリートのプラントもできておりますからして、それ程建設時期が、コンクリートなるがために遅くなるというようなことはないのでありますから、こういうことについては殊に国全体、これが将来建物が全部日本の政府がこれを使用するよいうふうなこともあり得ると思うことを考える場合に、やはり永久性のある方が余程国としても利益があるのでございますから、特にこのことは再考願うべきが私は当然と思います。若しも向うの方のいろいろな関係でできないならば、少なくとも私は委員の一人として、国民はむしろこの際木造よりも鉄筋コンクリートを要望しておるものが多分にあるということを強くお考え願いたい。これば別に返答は要りません。
#25
○委員長(中川幸平君) 他に御発言もなければ、これより討論に移ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○委員長(中川幸平君) 御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#27
○北條秀一君 これは質問のときに岩崎委員から質問がありまして、それに対して答弁がありましたので、二度も繰返す必要はないのでありますが、結局公社法案は特殊な要請に基いて住宅建設に充てられるわけでありますが、この法案の内容が公社と特別調達庁と全く二者同一でありまして、敢えて公社を作る必要は毛頭ないじやないかということが考えられますのでありますから、こういうふうなものを作るよりも、何らかの別の組織て以つて、公社みずからやるというふうなことの方が、若し法律を作るならば、それに必要なところの法律を作るということの方がいいじやないかというふうに、私はどうしても考えざるを得ないのでありますけれども、先程申しましたように、特殊な要請に基いて、而も緊急に処理しなくちやならんということでありますので、一切のそうした意見をこの際述べることを止めまして、本法案に対して賛成の意を表します。
#28
○大隅憲二君 先程赤木委員から御発言がありました十九條の二項の維持費の問題でありますが、これは丁度私も赤木委員のお説と同様の意見でありまして、最近は資材も相当間に合つて来ましたし、木造ですと、あとの維持費の負担が相当多いと考える、又風水災害等のことも考える場合には、やはり鉄筋コンクリートにした方がよろしいのではないか、こういう意見を付して私はこの法案に賛成いたします。
#29
○赤木正雄君 先程審議のときに申しましたが、もう一度重ねて申します。今一委員から言われたのと、先程の私の考えも同じですが、とにかくこれから日本の建物は、全面的において木造よりも鉄筋コンクリートに代るべき時期に来た、こういう時勢でありますから、殊に維持修繕を思うときに、尚最近この前に建つた家を見ましても、もうすでに非常に修繕を要するというふうな現状をよく観察した結果、私は何と言つてもこれは鉄筋コンクリートに改めて頂きたい、若しもできない場合は仕方がありませんが、そういう希望を付して賛成します。
#30
○委員長(中川幸平君) 他に御発言もないようでありますから、これより採決に入ることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○委員長(中川幸平君) 御異議がないと認めます。
それでは本法案の採決に入ります。本案を衆議院送付案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。
   〔総員挙手〕
#32
○委員長(中川幸平君) それでは全会一致でございます。よつて本案は原案通り可決することに決定いたしました。
尚、本会議における委員長報告の内容については、本院規則第百四條により、予め多数意見者の承認を経ることになつておりますので、御承認願うことに御異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#33
○委員長(中川幸平君) それでは御異議ないものと認めます。
それから慣例によりまして、本案を可とされた方は、順次御署名をお願いいたします。
  多数意見者署名
   仲子  隆  岩崎正三郎
   赤木 正雄  石坂 豊一
   大隅 憲二  佐々木鹿藏
   安部  定  北條 秀一
#34
○委員長(中川幸平君) 速記を止めて……。
   〔速記中止〕
#35
○委員長(中川幸平君) 速記を始めて……。これにて休憩いたします。
   午前十一時十五分休憩
   ―――――・―――――
   午前十一時二十五分開会
#36
○委員長(中川幸平君) これより休憩前に引続き委員会を再開いたします。速記を止めて……。
   午前十一時二十六分速記中止
   ―――――・―――――
   午後零時二十四分速記開始
#37
○委員長(中川幸平君) 速記を始めて……。それでは本日の委員会はこれにて散会いたします。
   午後零時二十五分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     中川 幸平君
   理事
           岩崎正三郎君
           仲子  隆君
           赤木 正雄君
   委員
           石坂 豊一君
           大隅 憲二君
           佐々木鹿藏君
           安部  定君
           北條 秀一君
  政府委員
   総理府技官
   (特別調達庁次
   長)      堀井 啓治君
   総理府事務官
   (特別調達庁長
   官官房長)   岩永 賢一君
   建設事務官
   (都市局長)  八嶋 三郎君
ソース: 国立国会図書館
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