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1949/04/30 第7回国会 参議院 参議院会議録情報 第007回国会 建設委員会 第24号
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1949/04/30 第7回国会 参議院

参議院会議録情報 第007回国会 建設委員会 第24号

#1
第007回国会 建設委員会 第24号
昭和二十五年四月三十日(日曜日)
   午後一時四十五分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十九日 委員植竹春彦君辞任に
つき、その補欠として今泉政喜君を議
長において指名した。
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○建築基準法案(内閣提出・衆議院送
 付)
○継続調査承認要求に関する件
  ―――――――――――――
#2
○委員長(中川幸平君) 只今より建設委員会を開会したします。
 建築基準法案を議題といたします。
#3
○赤木正雄君 この法案は非常に厖大な法案でありますから、少くともこの委員会にかかつた法案では……専門員としても十分研究していることと思いますが、専門員で研究されて変な、おかしいという点があるならば、専門員で研究したことをまず聴きたい。
#4
○専門員(武井篤君) 実は細かい点ですね。ここまで入りきれないというのは、根本的な問題がこの間の証人喚問でもございまして、それで細かい専門的な立場まで入りきれないでいる、若し大きな、この間証人喚問の時にありました大きな疑問のような事柄があつて、そういうようなことが筋道が立つて参りますと、私共の方は、細かくその数字によつて調べて研究したい、こう考えておるのてあります。
#5
○委員長(中川幸平君) 尚ちよつと御紹介いたします。東京都建築局長からこの法案に対する意見書が提出されております。尚各府県の建築関係の方々が傍聴に見えておりますので、若しお差支なければ、参考人として二三人の方から御意見を聴くことも一応の方法と存じます。さような点もありましたらどうぞ……
#6
○赤木正雄君 その問題は、この法案を審議する上に非常に私重大と考えますから、成るべく多く、折角見えておる府県の方々の意見を伺いたいと、こう私は思います。
   〔「賛成」「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(中川幸平君) それでは若しどなたか御意見があるお方がありましたら、名刺を出して下さい。どなたか代表で、御意見のある方がありましたら発表願いたい。それでは参考人、広島県建築部長諫早信夫君。
#8
○参考人(練早信夫君) 諫早でございます。
 本日建築基準法が本委員会で審議せられることを、急に伺いまして参りましたのでございますが、私は広島県建築部長でございますが、この一緒に参りました方には、その他の神奈川、山口その他建築に非常に密接な関係ある各主要な県の行政関係の人でありまして、その氏名は別紙で差上げてございます。その皆の本法に対する一致した意見といたしましては、本法の提出についてはかねがね案につきましては建設省の方から見せて頂いたこともございまして、相当な部分については趣旨は了承しておりましたのでございますが、最近に至りまして、非常に根本的な点におきまして、急に案が変つているというような話を聞きましてそういう点につきまして非常に関心を持つておるために、皆本日上京して参りましたわけでございます。そういう点につきましては、従来主として市街地建築物法によりまして、多年の間地方の都道府県庁におきまして担任しておりました建築の監督に関する事項が町村長に主として行くというような点と、監督主事制度の任用等に関する点でございますが、これにつきましては、非常に根本的な点でございまして、その内容等につきまして非常な関心を持つておると共に、まだ私共としても提出されました法案の詳細を正確に知つておるという状況ではございませんので、こういうような重大な法案につきましては、地方庁の現実に今までやつて、担当しております者に十分その法案を審議する機会を与えられまして、そうしていろいろ意見を参考にして、委員会の方でも十分な御審議を頂ければ幸いと存ずる次第であります。これにつきましては、東京都におきましても別に文書で意見が出ておると聞いております。私共といたしましては、尚詳細な具体的な意見については別に出したいと思います。成るべく十分な機会を与えられまして、議会の終りに、急にこれが決まるということのないようにして頂きたいと、この点切にお願いいたします。できれば尚暫くの審議の余裕を頂けたらと思います。甚だ僭越な点もございましたが、よろしくお願いいたします。
#9
○赤木正雄君 今広島からして、これに対して何分慎重審議をして欲しいという御要望でありましたが、併し審議の時日もそうありませんから、どういうふうにこれが審議が発展して行くかも知れません。その意味で、私は単にそういう要望のみではなしに、どの点を先ず考えて欲しい……成程東京都の方から立派な文書で出ておりますが、広島としても、やはり今までの経験に鑑みられて、この條項のうちの……我我も実はこの條項を十分審議しておりません。しておりませんが、大体今まであなたのお知合のところで、この條項でどこが違つておるということを、或いはお聞き及びならば、どの点が悪い、どの点を改めて欲しい、そういう具体的のことを私は伺いたい。それを承らんと、我々の参考にならんと思います。
#10
○委員長(中川幸平君) どなたか具体的な御意見があるお方、ありましたら一つどうか名刺を出して……
#11
○参考人(練早信夫君) 実は具体的な法案を見ておりませんので、具体的に申しませんでしたが、東京都の提出された、東京都はこちらにおりまして、いろいろ詳しいことを御存じのようでこれを出されたものと思いますが、そういうのならば、東京都が出された点については、ここへ参りますまでに、みんなで相談して、これは非常にこの点で賛成して、この点是非お願いしたいという意見であります。
#12
○仲子隆君 東京都から来ておられませんか。都の方がおられれば、それを聞くことは如何ですか。
#13
○委員長(中川幸平君) じやあ東京都指導課長中井新一郎君。
#14
○参考人(中井新一郎君) 私、東京都指導課長の中井でございます。一昨日は建築局長から申上げまして、その節この法案が現在施行されるとすれば、どういう点が困るかということを詳細な文書にして出せというお指図を頂きましたので、用意をして参つたのであります。お手許に、御覧願えれば結構と思いますが、局長は、今日はちよつと出て参りませんでございましたのでその下で実務を執つておりまする指導課長として、御説明をさして頂ければ有難いと思います。具体的に法案を拜見いたしますと、一般大綱で、十分検討ができているとは申上げにくいのでありますが、大きなものだけを、取り上げて文書にいたしました。恐縮でございますが、その文書につきまして御説明をさして頂きたいと思います。
 先ず第一番は、法案の四條でございますが、建築主事のことが書かれてございます。これは建築主事を置くと申しますことは大変結構なことと存じておるのでございますが、この主事を市町村関係にまで置くということにつきましては、種々の観点から、私共といたしましては、法規の完全な施行という点におきまして、非常に危惧を抱いているわけであります。理由書にも四点ばかり挙げて書いてございますが、その第一点は、建築行政の運営には建築技術以外に、機械でございますとか、電気でごまいますとか、化学、冶金、そういうような外の專門技術も非常に多く要しまして、主体となつておりまする建築屋を含みますと、相当な專門技術陣容を持つてやらなければならん現状でございます。その外に、技術上又は行政上の調査研究、統計資料等、非常に多くのものを要しまして、可なりのグループとなつて仕事をやつて参りませんことには、仕事の質が低下して参る。こういうように考えるわけでございます。仮にこの法案のように、市町村にこれを、この事務陣容を細分して参りますれば、現在やつておりまする程度の施行をいたしまするにも人員が何倍か増加して行つて来るのではないかという点が、先ず第一に不経済であると存じます。たとえそういうようなことが経済的に許されましたといたしましても、技術陣容、事務陣容が小さくなつて参りますれば、技術の質が低下して来るのは止むを得ないことと存じますし、多年やつておりまする経験から申しましても、特に技術者が小さい数で二人三人と分散いたしますればそこに進歩的な技術が採り入れられて行く、技術者が向上して行くという望みが非常に薄いのでございます。そういうようなことからも行政の実際の事務の運営が非常に困難にもなつて来ると存じておるのが第一点でございます。
 第二点は関係法令が非常に多うございまして、現在建築局では建築に関係のある認許可は一冊の書類に綴じられまして扱つておるわけでございます。建築局で扱つておるわけでございますが、手続上の問題ではございますが、建築の主体をなす基準法関係の手続が市町村に参りましても、ここに縷々書き立てましたような諸種の法令、都市計画法、特別都市計画法、興行場法、公衆浴場法、旅館業法その他これらの法令に基きます諸種の規則の手続が一方では知事にあり、一方では市町村にあるということになりまして、民間の建築士の手続が非常に煩瑣となることは申すまでもないのでございますが、これを審査いたしまする私共といたしましても、市町村の方から知事へ連絡をする、市町村の方から知事へ連絡をして頂くというようなことが非常にむずかしくなります。その外事によりましては一つの建築に対しまして、市町村が許可をしたが知事が許可をしないとか、或いはその逆の場合が考えられるわけでございまして、すでに東京都におきましても、警視庁に……建築物法が施行されておりましたときには、警視庁が市街地建築法の観点から建築物を許可いたしましても、東京都の知事は都市計画上の観点から許可し得ないというようなことがありますし又逆の場合もあつたわけでございます。こういうような不都合を来たすのではないかと考えております。
 その三番目は、伝染病院でございますとか、屠殺場、火葬場、塵芥焼却場その他爆薬とか、火災、騒音、煤煙、廃水、惡臭、有毒ガス、こういうようなものを一般に公害と申されておるのでございますが、この公害を発する工場のような建物の位置がそれぞれの市町村の狹い観点から決定されて参りますと、相隣接している市町村間に不都合を来たすのではないか、こういうふうに考えます。これは当然大きく府県単位の都市計画的な見地から決定せらるべきものが、小さい利害に拘りまして、結果がうまく行かないのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。
 第四点といたしましては、現に事例もあつたように伺つておるのでございますが、国際都市でございますとか、観光都市でございますとか、温泉都市でございますとか、そういうような所の建築施設が温泉都市で申しますれば単にお客を引けばいいというような、狹い経済的観点からいたしまして、非常に質の惡い建物が許されておる。そういうときにはお客が、他府県、或いは他の都市、或いは外国からお見えになるお客さん方に実際上の被害の及ぼすようなことになるのではないかというようなことも心配せられるわけでございます。
 一番大きい問題といたしまして以上のような四点を挙げました。現在市町村へこの事務を分割して行くことは施行の結果から非常に心配をいたしておるわけでございます。
 次は四十九條でございますが、用途地域の建築制限について申上げたいと存じます。二点ございまして、そのうちの一点は用途地域による工場の規模の制限は、床面積だけではなしに、現行法通り、馬力数からも取締をいたしたい、こういうふうに考えております。理由書にも挙げましたように、東京都では、住居地域に例をとりますれば、現在一般には三馬力以上の工場が禁止されております。これはどこの府県でもそうでございますが、特に東京都の事例を申上げますれば、住居地域内に現在ございまする工場の四〇%と申しますものは、明かに法案に書かれてございます五十平方メートルの床面積を超過するものでございます。こういうような状態でございまする外に、現在中小工業と申しますか、或には家内工業と申してよろしいと思うのでございますが、都内の住居地域にございます。そういう小さな工場、非常に数多く存しておりまする、小さな工場については、法案に明記されておりますように作業場というものをはつきりと抑えにくいのでございまして、作業場と居住部分が区別がつかない。或いは昼間はそこで作業をしておりながら、夜そこで寝るというような実状でございます。こういうときに作業場の面積だけを抑えますれば、非常に取締が困難であろうと存じます。工場で働いております者或いは近辺に及ぼす公害という点から考えますれば、馬力が小さくして作業部分が広ければ広いほどよいと考えておるのでございますが、現在の法案ではそれがむしろ逆になるのじやないかと考えております。例を挙げますれば、ここに書いてございます通り、五十平方メートル以下の工場は、現在終戦後の新しい傾向といたしましては、ゴムロールでございますとか、印刷用の版面研磨でございままとか、水がうによりまする金属の研磨、製本、断截製粉、精麦、こういうような工場が五十平方メートル以下で二十馬力とか三十馬力とかの動力を使つておる現状でございまして、これは私共現在種々の陳情によつて悩まされているところでございます。こういうようなわけでございまして、何十年もやつて参りましてそこに落着いておりまする住居地域の安寧というものが、ここで制限の方法を切換えることによつて非常な混乱を来たすのじやないかと思います。先に四十%の工場が規則に合わないと申しましたが、これは五十平方メートルを超えるものが四十%であるということでございまして、大きな工場に今度は馬力が幾らでも許されて行くということになりまして、落着いております……多年育て上げて参りました住居地域の安寧が成立たんのじやないかということを深く心配いたしておるわけでございます。
 第二番目は、用途地域内の建築制限は、第四十九條別表第一に掲げるものの外、都道府県知事が建築審査会の意見を聴いて予めその制限を強化又は緩和できるようにされたい。現行法では但書がございまして、勅令で決まりましたものの外に制限を強化し又は緩和できるような途が開かれておるのでございますが、今度の法案によりましては、これは法律で決定せられてしまいまして、地方でその取扱をする余地がないように拜見いたしております。そういたしますれば、理由にも書いてございます通り、その都市の場所によりまして、或いは都市の大きい小さいとかその他のいろいろな特異性によりまして、産業施設でございますとか、文化施設とか、こういうようなものに、それぞれに都市の特色があるのでございますが、これを大きい東京都のような所から山間の市町村に至るまで一律に法律で用途地域まで取決めますることは、産業の発展上、或いは文化施設等の設置につきまして非常に障害になるのではないかと、考えておりますので、この点は折角できまする建設審議会の意見を聴きまして、知事の方で予め包括的にそれを制限の強化又は緩和をできるようにお取計らい願いたい。これはむしろ現行法よりは或る意味で後退している規定が立案せられているのではないかと考えております。
 次は第四十八條についてでございますが、用途地域の指定は都道府県知事ができるようにして頂きたいというのでございます。現在は理由書にもございますように、地域指定の調査立案は都道府県で行なつておるのでございますが、建設大臣の認可を得て決定せられるようになつてございます。これはやはり土地のことを一等よく知つておるのは都道府県であるという建前から、都道府県の知事がこの地域の指定をできるようにお取計らい願いたいと考える次第でございます。
 次は第五十五條でございますが、建築面積の敷地面積に対する割合でございまして、新しい法案では、特に申しますれば、商業地域以外の所、これは住居地域でございますとか、密棲地でございますとか、工業地域でございますが、こういう所に立ちまする建築物の面積は敷地面積から三十平方メートルというものを天引きいたしました残りの面積の六割しか建たないという制限でございます。これは実行できますれば誠に結構な規定であるとは存じておりますが、東京都の現状からいたしまして、都心部に近い小住宅の敷地に非常に困難を感じるのではないかと存じます。都心部は商業地域になつてございますので、この規定の制限は受けないのでございますが、その周りにございます比較的ごたごたと家が建つておるような所では、まあ大まかに申しますれば二十坪以下の敷地には家が建たないということになると思います。それでございますので、この規定の施行には東京都といたしまして非常に困難を予想いたしておりますので、何らか救済の道を講じて頂きたい。或いは新しく考えられまするやり方といたしましては、敷地の分合を行いまして、その敷地の上に共同建築が建てられるようなことも考えておるのでございますが、そういう点におきましても国の何分の補助、助成をお願いいたしたい。非常にまあ生活に困窮いたしておりまする者の唯一の財産とでも申します土地、建築物に少しきつい制限ではないかと考える次第でございます。
 次は第六十一條でございますが、防火地区内の建築の制限でございます。お手許に防火地区の図面を差上げてございますが、東京都の現状では中小規模の建築前の事実上……今度の規定を施行いたしますれば、中小規模の建築物を禁止するようになるのではないかと心配いたしております。図面で中心部に紫色にベタに塗つた所が東京都の甲種防火地区でございまするが、それが大体一千万坪ございます。他の都市に比べまして非常に大きいのでございますので、東京都だけが終戦後十数倍の面積を拡げて防火地区を規定してございます。こういう所に建ちまする建物まで、普通住宅でございますとか店舗とか、一般の建築物までも鉄筋コンクリート造等にしなければならない制限が施行されるわけでございます。これは勿論前の條文と同様、私共もそうあることを願うのではございますが、戦後の経済状態では聊か施行が困難ではないかと存じます。結果はやはりそういう種類の建築物の禁止に結着するのではないかと存じますので、前と同様何分の補助、助成方を御考慮願いたい。たつて申しますれば、そういう方途を講じられましてもこの法案の施行をされるようにお願いいたしたいと、こういうわけであります。大体、お聞き苦しゆうございましたでしようが、差上げました書面についてだけ御説明申上げました。
#15
○委員長(中川幸平君) 只今の御意見について、何か質疑がありましらどうぞ。
#16
○赤木正雄君 今の東京都のお話に関しまして住宅局長さんのお意見なり、お考えを頂きたいと思います。
#17
○政府委員(伊東五郎君) 只今東京都の方から、この法案についての御意見の開陳がありましたが、これにつきまして私共の本案を作成いたしました考え方を御説明申上げたいと思います。
 第一点の建築主事を置きましてこの事務を取扱うのを都道府県の吏員に限ることにしたい。現状通りにして貰いたい。こういう点でございます。この問題につきましてはかねて各都道府県から反対的な御意見がありますことを十分承知いたしております。ただこれを都道府県のそれを取扱う者の側のみからこの問題を結論を得るということはできませんので、もう少し広い視野から地方自治の立場、建築、都市計画等の担当者として都道府県というものを主体として、従来長い間やつて参りましたが、市町村の自治、都道府県の自治、これを両面考えなければならないが、それからこの規定の適用を受けます一般国民の側に立つても亦考えなければならんと思うのでございます。一般的に申しまして、警察とか消防とかいうようなものは段々市町村にその事務が移されて参つております。建築、都市計画などにつきましても、市町村の自治体自身のこれは問題でありますので、その点については、原則的に申しまして、当然市町村自体がその都市をよくするためにやることでありますから、市町村自体にこれを移す方がいいのじやないかとこういうふうに私共は考えておるわけでございます。原則論としては、これについて都道府県におきましても異存はないものと従来は承知しておつたのでございますが、ただ多年やつて来ておりますことでありますから、これを俄かに移すという場合に、いろいろなそこに、支障と申しますか、混乱と申しますか、一時そういう事態が起きやせんかということは懸念せられますので、その点につきましてはこの法案を作成いたします場合に、十分に考慮したつもりでございます。即ち、元来ならば市町村にそのまま移讓して行つてもいいのでありますが、又地方自治の精神から言いますとこれに対して市に移した以上は都道府県とか、或いは建設省とかいうものがやたらに喙を容れる必要がない、容れない方がいい、地方自治を確立しますためにはそういうふうにはつきり行くのが理想的ではあると考えますが、その移り変りの混乱というような点も考えまして、移す場合に特に都道府県と協議をして、協議が整つた場合でなければできないという点とか、都道府県がこの市町村に移した場合にいろいろな助言を与えるとか、援助をするとかいうことの外に、監督をする、若し市町村のやり方がこの法の主張を滅却するような場合には都道府県みずからその執行に当る、或いは建設大臣みずからこれに当るというような、地方自治の側からいいますと非常に変則的な、強い統制的な規定まで入れたわけでございます。又建築主事の任命につきましても、これは建設省の検定を必要とする、而もその検定を受けられるのは、これこれの資格のある者に限るといつたような、直接事務の責任者である建築主事についてもいろいろな制約を加えたのであります。そういつたようなことでこの移り変りに混乱、支障を起さないだけの十分の用意はいたしておるつもりでおります。今その理由としていろいろ挙げられましたが、多少の御尤もな点もあるのでございます。例えば第一に、この法律の施行に当りましては、建築技術のみならず、機械とか科学とかいつたような知識も必要とする、こういう点もございます。それがために人員が増加しやせんか、能率が低下しやせんか、こういつたような心配もあるのでございますが、そういう場合も考慮いたしまして、さような場合には都道府県がこの援助をすることができるということになつておりまして、そういう専門的な知識を要するものについて、これを担当する市町村に適当な人がなければ、都道府県に援助を求める、そうしてその人に一切の事務を手伝つて貰う、こういう途を開いたのでございます。
 それから建築に関する他の法令がいろいろございますが、それとの関連がどうかという点も無論十分に研究したのでございまして、旅館とか公衆浴場とか、興行場、そういう特殊の建築については別に法令によつて、建築についても許可、認可が要るという場合があるのであります。これが県の事務になつておるものもあるのでございます。但しこれらのもについては最近法律が改正せられまして臨検などは市に移讓されております。人の関係も非常に密接なものであります。特にこの建築物については予防消防の見地が非常に大きく関連を持ちますが、消防につきましては現在御承知の通り市にその事務が移されております。この関係から申しますと、むしろこの市の方が関連性がいい、こういう点もありますこれは一利一害でありまして、必ずしも都道府県の方が密接な関連を持つという結論も出ないのでございまして、これはいずれともこれだけの理由では決定しかねる問題だろうと思います。
 それからいろいろな建築工場とかその他危険建造物とかいうような危険物を收容するものとか、いろいろ周囲にいわゆる公害を及ぼすというようなものにつきまして判断を要する場合があるわけでありますが、そういうものは成るべく都道府県といつたような広い範囲で考える方が適当だろう、こういうような御趣旨でありましたが、この点につきましては、この都市計画というものは、市を単位にしてやつておりまして、都市単位でやれば十分と思つております。府県単位に段々に地方計画というようなものも将来段々考えなければならんのでございますが、一軒一軒の家を建てる場合、地方計画まで考える必要がない、都市計画だけで十分である、従つて市で総合的にやれば十分である、この点は市の方がいいと考えております。
 四番目に、どういう御趣旨でありましたか、例えば温泉都市なんかで、その都市が市の発展のために勝手なことをする、そのために危い建築、不適当な建築物ができて、外国から来るお客さんなどに御迷惑がかかるようなことがありはしないかというような御心配でありますが、そのことについては県でも市でも同じようなことだと思います。ただ実際問題から考えますと、現状におきましては、特に中小都市等の場合に市の目先だけのことを考えまして、将来のことは考えにくい、県ならば一応大きな立場から見ているから、その点は県の方がよりいいという結論が出るじやないかという点もありますが、これは理論的にそういうことではないのでありまして、その市の発展のために目先だけではなく、将来のことも考えて行かねばならんことは当然でございますので、根本的にこれは市に移すということの反対の根拠にはならんと考えております。市町村の移す場合につきまして以上のようにいろいろと比較検討いたしまして、御心配になつた点を十分に考慮してこの案を作つたということを申上げて置きます。
 それから二番目に、用途地域の関係でございますが、この用途地域につきましては、大体従来やつて来ておりました通りのことをこの法律に直接規定いたしましたような関係になつておりますが、御指摘があつた点について若干の修正を加えたわけでございます。即ち住居地域その他に工場を建てる、大規模の工場は公害が多いということから、或る一定の物指を置きまして、それ以上の工場は住居地域にはいけない、商業地域にはいけないというふうに従来ともやつておりますが、その物指を今回、今まで馬力数で規定しておりましたものを床面積、作業場の床面積で規定したのでございます。これはどういうわけかと申しますと、馬力数で規定いたしますことは、何分機械の馬力というものは建築物を建てる場合に直接の問題ではないのでございまして、その点から申しまして非常に制限がやりにくい、つまり馬力というものはその工場の作業に伴つて始終動くものであります。非常に作業が忙がしくなりますと馬力を殖やすとか、生きものでありますので、非常に掴みにくい又馬力を殖やして非常によくなる場合がある、同じ作業をやつておりましても、いろいろと衛生的な点を改善するために馬力を殖やして機械を良くするというようなことも始終起きるのでありまして、これは多年やりまして、只今東京都からの御意見はありましたが、別の却つて逆の意見が多年非常に多かつたのであります。馬力で以て工場の害を或る程度測定するということは非常にやりにくい、却つて工場の作業場の改善を阻止する、或いは工業というものの発達を阻害する、こういつたような非難が非常に多かつたのであります。そういう点に鑑みまして、作業場の床面積に改めたわけであります。この作業場の床面積にしましても昼間はそこで寝て、夜作業するというようなこともありまして、これも掴みにくいのでありますが、いすれにしましても、この工場の規模、周囲に及ぼす迷惑の程度をこういう物指で規定すること自体が非常にむずかしいことでありますので、いずれにしてもむずかしいのだが、むしろ床面積でやる方がまだ実害は少いだろう、こう考えまして、これを改めたわけでございます。この床面積にしますと不適格なものが相当できるということも言われましたが、これは馬力にいたしましても、現在住居地域内に三馬力を超えるものが随分沢山ある、つまり不適格なものが沢山あるのであります。その点はいずれにしましても同様だと考えております。
 それから二番目に、この用途地域の関係で、原則的にこの規定に書いておることに合わん場合に、知事などの許可を受ければよろしいということになつております。そうしてその場合には建築審査会の同意を得るということに今回したわけであります。従来は知事の独断でこの許可をするせんということを決めたのでありまして、極めて非民主的であり、非立憲的でありました。こういう重要なことを知事に任してしまうということはよろしくないと考えまして、この建築審査会という政治的な色彩のない。技術的なメンバーで構成されておる建築審査会というものの同意を得た上で許否を決定する、こういうことにしましたが、これは一歩後退ではなくて、取扱う者の便不便から考えますと、如何にも厄介でありますが、民主化ということから言いますと一歩前進した規定でございます。
 第三番目に、この地域の指定を知事に任せるという点でありますが、これは都市計画法との関係もございまして現在都市計画に応じてこの指定は大臣の指定になつております。但し大臣は一方的に指定するものではありませんので、地方の当該市町村からの申出でによりまして、そして当該市町村のあらゆる関係者から構成されております都市計画審議会というものの意見を聴いて、そうして形式的には大臣が決定する、こういうことになつておりますので、この点につきましては都市計画法との関係もありますので、今回は一応従来通りの手続にいたして置きました。近い将来にこの都市計画法も再検討したいと思つておりますので、その際は只今の点は更に考えて見たい。但し現在のところでは別に差迫つた弊害もないと考えますので、原案の通りにいたしたわけであります。
 それから三番目に、建築物の面積と敷地の面積との割合について御意見があつたわけでございますが、つまりこの建築物の敷地に対する密度、結局は都市の平面積並びに建築物の密度に関するものでございます。この建築物の密度につきましては、強くすれば強くする程防火の点なり、都市計画の点なり、そういう点から申上げますと理想的でありますが、一方土地所有者側の利害関係を考えますと、無暗に強くすることはできないという、両面から考えなければならない問題だと思います。現在においては住居地域とか工業地域では、敷地に対する六割まで建ててよろしい、それから商業地域では八割までよろしい、こういうことになつておるわけであります。これを若干強化をいたしたわけでございますが、その点につきましては、すでに特別都市計画法によりまして戦災都市については敷地の最小限を三十坪としております。これは我が国は木造の小さな建物が密集する、結局敷地が、一筆ごとの敷地が非常に小さくなるということによりまして、非常に密集して不良地帯になる、こういうことからこういう規定を置いたわけでありますが、私共この案では、三十坪を最小限とすることが一応は特別都市計画法との関連においては正しのでありますが、これは少し行き過ぎじやないかと考えまして特に住宅について九坪の空地をプラスする、こういう方式で参つたわけであります。
 このこちらの方は(図示)現在やつております住居地域の例でございます。つまり二十坪の土地がありますと、これに十二坪の建物が建つわけでございます。これはどういうことになるかと言いますと、この通り周囲に三尺、半間の空地と言いますが、間隔を置きますと、これで制限いつぱいになる。これはただ建物の中心線から取つておりますから、基礎とか何とかはこれからははみ出す。上の方から屋根の廂とか軒というものがこれにずつと出て参ります。この辺は三尺ぐらい出て参りますから、つまりいつぱい建つ。こういう小さな特に小さな建物について、小さな敷地について、これではとても防火の点からも、衛生の点からいつても不適当だ、これが段々大きくなりますと、百坪のところへ六十坪建つのだ、まわりに若干の空地が取れる、小さいものではこういう状態でありまして、これがいつぱい建つたならば非常な密集不良地帯になる、こういうことはいかんと思います。それでこの程度に上げたわけです。これは一間ぐらい大体取れることになります。まわりに一間ぐらい、敷地が、これは三十坪の場合ですが、これから九坪引いて、その六割ですから、十二坪半になります。土地が十二坪、物置だけが半坪この程度のものでございまして、これはまあ地価が高い所ではこの程度までは止むを得ないだろう、もう少し地価の安い郊外でありましたならば、もう少し空地帯も取れるが、町の商業地に近いような所ではこの程度で止むを得ないだろうということで、こうやつたわけでございます。この図面で御覧になれば、決した苛酷な制限ではないということは、すぐにお分りになるだろうと思います。従来やつておりましたことが、空地の制限をやつておりましても何の意味もないと、むしろこちらの方でありますと、まあ放任しておるも同様だということがお分りになるだろうと思います。これは都市の極く小さな土地を持てておるような人には、若干痛い規定だろうと思いますが、この市民の大多数の利益、生命、財産の保護、こういうことから申しますと、これは止むを得ないのじやないかと考えまして最小限の強化をいたしたつもりでございます。商業地域の方の八割を七割にしたということは、これは大した制限の追加にはならんと考えております。特に商業地域などは、多く防火地区などに指定されますが、防火地区に指定されまして本建築をやる場合には、一割増しということになつておりますから、これで八割になります。又角地でありますと更に一割増し、九割になるということになりますから、これは余り問題じやないと思います。
 それから第四番目に、補助をやるということが決まつてからこの改正をやるベきである、こういう御趣旨のようでありましたが、これはこの補助につきましては政府としても真剣に考えております。来年度は是非実現したいと思つております。併しこれも、一般にこの法律によりまして強制をするという前提がありませんと、なかなかこの補助も実現がむずかしいのでございまして、これは補助がなければやれないということになりますと、いたちごつこになりまして、非常に大事なことが結局いたちごつこでいつまでもできないということになる虞れもありますので、必要最小限度のものは基準法で規定いたしまして、これだけのことはやると、そうしてその上で、この資金的な援助必ずしも補助のみには限りませんが融資の途なり補助の途なりを考えるということにすべきだと考えまして敢えてこの法律にこれを規定したわけでございます。
 以上簡単でございますが、御説明を終ります。
#18
○赤木正雄君 第六十一條につきまして、先程東京都のお話では、中小規模の建築物の禁止に結果する、こういうように述べられておりますが、併し今のは大分話が違うようでありますが、もう一度東京都の人に伺つておきたいのですが、どういうことでございましようか。
#19
○参考人(中井新一郎君) 中心部の敷地でございまして、資金を十分に持つておられます方々には、現在でもすでにコンクリートの建物が建ち始まつておる現状でございますので、いわゆる一般の商店、店舗、こういうようなものは、銀座あたりでは、現在間口が三軒、奥行が十軒というのが建物の一筆になつております。こういうような所には、大きな所では幾筆もお持ちたなつて建つて行くのでありますが、そういう方々が、実際には鉄筋コンクリートを建てることができない、銀座においてそういうことでございますが、更に広い、最前も図面で御説明申上げましたように、もう他の都市と飛び離れて広い甲種防火地区を指定せられております防火地区では、もつともつと経済的に弱体な方々が非常に多いのであります。こういうような方々は建てようとなさいましても事実建たない。私共も建築行政をやつております以上、建てることを非常に望んでおるのでございまするが、ここ数年の実情といたしましては、実際上の禁止になるわけであります。差上げました図面の中に、ほんのちよつぴり赤く塗つたところがございますが、ここだけが現在木造の建築物を禁止いたしております、私共といたしまして、これをできるだけ拡げなければならないというので案を練つておるのでございますが、地元等の御賛成も得られない実情でございまして恥かしいことと存じまするが、現状にとどまつておるわけでございます。この中心部の小さく赤く塗りましたところの指定が、今度は紫色のところに拡がるのでございます。そうなりますれば、只今申上げましたように、非常な経済的に弱体な方々の建築を実際は禁止をするということになると、願わしいことでございまするので、これを止めて頂きたいとは申上げかねるのでありまするが、実際に家の建つような措置を一つお採り願いたいというのが趣旨でございます。
#20
○政府委員(伊東五郎君) ちよつと只今の点につきまして、先程少し説明が足りませんでしたから、もう少し御説明申上げます。現在東京都では、防火地区が非常に広く指定されております。併し、その中の今お話のありました通り、極く僅かな部分、丸ノ内界隈の極く僅かだけの区域に指定いたしております。というのは、鉄筋でなければ許さんということであります。その外の所では、皆木造を許しておるのです。これは防火地区を指定して、木造を許可するということだけでは、ただ許可の手続きがうるさいだけで何にもならないことになりますから、これは当然にこの規定によりまして、鉄筋をやるならやる、やらないならやらないという区域を、再検討して決定すべきものだと思います。この場合に私は必ずしも現在指定されておる防火地区をうんと狭めろと、こういう意味ではありませんが、再検討して指定すべきだと思います。只今指定されております防火地区は、一応この新しい法律によつて防火地区というふうに乗り換るわけでありますが、これは事務的にそういうふうに乗り換らしただけでありまして、規定そのものについては、当然規定の内容が変りますと、再検討を必要とすることになるだろうと思います。
 それから、小さい宅地の多いことは御承知のことと思います。従来防火地区は長年木造でやつておつたわけでありますから、敷地が皆小さいわけであります。そういう点も考慮いたしまして、この六十一條では、小さな建物百平方メートル、三十坪までは、外壁を耐火構造とすればよろしいと、こういうことがあります。この耐火構造そのものについても、新しく政令で再検討したいと思いますが、小さな建物の耐火構造はもつと緩めたいというふうに考えております。と申しますのは、小さな敷地に鉄筋が建ちにくい場合においては、いわゆるブロツク造というような方法で行けば、ブロツクを外被だけ差し込んでやつて行けると思いますし、もつと小さなものについては、附属家は木造の塗家も認めておるわけでございまして、まあ可なり防火につきましては相当強化はいたしておりますが、この程度のもので全然家が建たなくなつてしまうという心配はないと確信しております。尚この都市の防火につきましては、最近の大火の頻発などに鑑みまして、非常な個人の財産なり国の富を喪失しておりますが、この点については、できるだけ強化をいたしたいと、資金的な援助を裏付けとしてできるだけ努力をしたい。この防火の規定の強化は、この法律案の可なり中心的の問題でありまして、特に消防関係の方とか、一般の有識者の方からは、非常に強い要望があるのでございます。この国会でも都市不燃化の議員連盟の方々からなども、非常な鞭韃を受けているわけでありまして、これは東京都、その他、直接この事務を扱つている方が、この趣旨に反対されるわけはないと思いますが、実際の問題として御疑念があるであろうと考えております。
#21
○赤木正雄君 今局長の御説明の通りに、仮に第六十一條を適用いたしますと、東京都のごとき小規模の建築物が或いは禁止されます。それがために莫大な予算措置が講ぜられることと思いますが、一体そういうものの予算措置なんかどれ程要るか考えておられますか。
#22
○政府委員(伊東五郎君) この予算措置が、莫大なものになるかならんかということは、この莫大の程度でございますが、一遍に今木造を建てているものを鉄筋に変えてしまうという意味では毛頭ないのでございまして、これから新しく作るものに適用するわけでございますから、防火地域が、現在東京都あたりかなり酷いのですが、それにしましても一年間に新築されるというものがそう酷く多いものじやないと思つております。それから補助にいたしましても、高率の補助は必要はないと思います。むしろこれは資金的な援助の融資などの途を開くということが一番大切だと思つております。金額についてはまだ十分計算をいたしておりませんが、まあ数億というようなものにはなると思います。
#23
○赤木正雄君 先の第四條の建築主事の問題ですが、これを各市町村において、これに対しても相当吏員といいますか、それが増して来るが、そういうふうに吏員が一体何人程増し得るか、そういうことをお考えになつておりましようか。
#24
○政府委員(伊東五郎君) 現在都道府県で、今大体全国千人ぐらいで取扱つておりますが、これを市町村に移しましても、全体の数は若干多くなると思いますが、それだけ別にプラスになるということはなかろうかと考えております。市町村もここで必ず置かなければならんということでありませんので、いろいろな條件が揃つた場合にやることができるというのでありまして、市町村といたしましては当然予算とか適当な人を得られるかどうかというようなことを考えた上でやるわけでありますので、それからこの費用については手数料を取ることになつておりますが、これは当然に、只今県で取つておりますものは、市の收入にもなると考えます。これはまあ全体の費用を賄うには、或いは少し不足するところもあるかと思いますが、大体において手数料で費用を賄う、こういうつもりでございます。
#25
○赤木正雄君 現在千人くらいでいいものが、それが市町村に吏員が移つても、大体千人くらいで殖えんとおつしやるが、どうもその点は納得が行き難い。或いは市町村に行くならば、それは或る條件がつかない以上は、自治庁は置かないかも知れませんが、一つの村に置けば又隣りの自治庁にも置くという結果になりまして、厖大な数に増す結果になるだろう、こういうふうに思いますが、今日行政整理とか、単に各省のみならず、各自治庁においても行政整理ということが、当然考えられるんですが、そういうのに対して、こういう厖大な吏員が増すということは行政整理のいわゆる趣旨に反せやせんか、これに対してどうお考えですか。
#26
○政府委員(伊東五郎君) これは県でやれば大きい世帯でありますから千人でやつて行けるが、市町村にもやることができる、市町村でもやることができるということになると、それだけプラスになつて、公務員が殖えて来やせんか、こういう点でございますが、この事務につきましては、全体の事務につきましては、別にこの法律によつて非常に殖やすということもないのでありまして、県でやるか市でやるかということになりますので、多少の増員はあるかと思いますが、非常にこれがために人を殖やさなければならんという事態はなかろうかと考えております。
#27
○仲子隆君 今の御説明を通じても感ぜられるごとく、我々がこれをただ読んで行けば、今のような人員の増加が必要である、或いはさつき東京都及び各県あたりからの質問とかその他意見を述べると、直ぐ簡単に分るように局長の方では説明しておられるが、併しこれだけの厖大なものの概要を見ても非常に分らない、更に細かく内容に入つて行けば更に分らないのです。それにも拘らず、二十八日に衆議院の方で出された、昨日委員会だけが通つた。同時に我々が二十八日にこれを受けてこれをやつて行く、そうしてあと会期は二日か三日であるに拘らず、急いで持つて来られるのは、何か非常な重要な意味がありますかどうか、これを御説明願いたい。
#28
○政府委員(伊東五郎君) 実は現在市街地建築物法でやつておりますのは、新憲法の精神から言いましても非常に不適当なものでございます。又戦災都市その他都市の復興についても、現在の法律というものは、非常な不十分な点が多いのでございます。これは終戦後間もなく昭和二十一年にすでにこの改正を一応の案まで作つたのでありますが、資材状況などから考えまして延ばしておつたのでありますが、今日の段階から申しますと、急速にセメント鉄鋼などの資材状況は改善せられて参りまして、尚火災などの最近の非常な頻発などから考えまして、一刻もこれを猶予することができないと考えます。関係方面その他からも非常に強い要望があるのでございまして、非常にこの提案が遅れましたことは申訳ないのでありますが、それだけに事前の研究は十分にいたしまして、総司令部の方へ出しましてから、最後の閣議決定をしましてから、総司令部に送りまして、そのものだけでも約二月もかかつて慎重に原案を練つたようなわけでありまして、国会に提出いたしますのが非常に遅れましたことは申訳ないのでありますが、一日も早くこの法案の成立を政府としては望んでおるわけであります。今期に遅れますと、半年なり一年なり遅れるということは、いろいろな意味におきまして国家的な非常な損失になるのじやないかというふうに考えております。
#29
○仲子隆君 立派な基準を持つた都市建物を作るということは非常に必要である、パリーのごとき、あの建築様式を見ても、住宅の、住む者の面からも衛生の上からも、美観の上からも結構であります。これが先程のお話のごとく、若し憲法によつて必要であるならば、すでに戦災その他の後に出るべきものである。今頃小さなものが、がちやがちやできておるときに、急に基準法を出して、これからはこれでやれというのであるけれども、これはまあその点なら或る程度いいかも知れないが、我々から見れば、今ここに説明される程度のものであれば、理想的な基準的のものじやない、もつと資材その他が十分あり、何人もこれをその通り建て得るならば、もつと都市建築、その他パリー式或いはニユーヨーク式にやつたらよろしい。然るにこれもほんの僅かなことである。理想的じやない。まして今資材、その他が相当出揃つたからというお話であるけれども、今日の国民の一般の財政状態経済状態、或いは財産その他を見積つて見ましても、到底この程度の貧弱な標準にさえ作れない。それを作り得るということについて、どういうふうに一般の国民の財政状態を考えられてこれをやられるのであるか。先程のごとく二十坪以下のものは、或いは三十坪以下のものの建てるのは少し気の毒であるように言われるけれども、現にそういう土地しかないわけである。あのお話のときにも少し痛いかも知れないということを言われる。ただ痛いかも知れないという今日の程度でなく、それを建て得ない、それは痛いかも知れないということを言われるが、或いは先程の補助を出してこれをやらせるとか、或いは幾つかの土地を合併さして共同建築でやらせるとか、そういうような考え方の下にこれをやるのでありますか。一般のことについてお伺いいたします。
#30
○政府委員(伊東五郎君) これは、只今のお話は、建築密度の関係、敷地と建物の面積との関係と伺いましたが、一般に大衆が非常に今貧乏なのに、これだけのものを補助なしにやれるかどうかという点であります。私共これにつきましては、別に補助というようなことは考えておりません。補助とか、融資ということを考えますのは、普通なら木造でやるところを鉄筋でやるという場合に、建築費の差額、これについて考えよう。こういうことでございまして、敷地の大きさについて、それがために何か補助の途を開くというようなことは考えでおりませんのでございます。これで国民大衆が痛いということがありますが、むしろ家を作つたり、土地を持つたりしておるという人は別に、国民大衆と言いますが、まあ相当財産を持つている者というわけでありますので、そう国民大衆に対して直接これが負担になるということじやないので、この程度のものは一部の人には御迷惑にはなるが、併し全体、大局から見まして、この程度のことは先程図面で御説明申上げました通り、その程度の空地のゆとりは絶対的に都市計画なり防災という点から見まして、絶対必要なものだというように考えておるわけであります。
#31
○赤木正雄君 今局長は、一部の人の犠牲は止むを得ないというようなことを言われましたが、私はもう時世は大分変つておると思います。一つの水力堰堤を作つて、そうして非常に動力を加える、これは非常に国の利益になるが、そういう場合でさえ、堰堤のために埋まる土地、或いは住宅等については、今まで以上の重要な考え方を持たない以上は、堰堤はできない。これは今日の事情であります。でありますからして、成程、仮に東京都の例を挙げましても、東京都の全体の利益になることは無論考えなければならないのでありますが、少しの人にもそれが害を与える、又東京の中に家のある人、或いは土地を持つている人は、これは常に決して貧しい人じやないというような御意見でありますが、これは御尤もでありましよう。でありますけれどもそういう人でもやはり今日の情勢でありますから、相当の個人の利益を害されるという場合には、相当の途を考えて置くことは当然と私は考えます。
 それから、次に承りたいのは、第三章の道路の問題であります。四十二條を見ますと、道路はすべて四メートル以上となつておりますが、在来の四メートル以下の道路に面した建物は、増築することができないのが不都合ではないか、四メートル以下に接しておるものでも建築ができるようにしたい。何故ならば、現在この東京都の中におきましても、幅が九尺の特殊の建築線があつて、又幅員が三メートルの道路は多数あります。こういうものに対してはどういうふうにお考えですか。
#32
○政府委員(伊東五郎君) これは道路は幅員四メートル以上のものに限るということは現行法でそうなつております。それから尚既成の市街地には、前からの道路で一間くらいのものが相当ございます。或いは一間もないものもあるかも知れませんが、一間程度のものも現実にあるのでございます。こういう場合に、もうすでに家並が揃つておつて、一間の道路がある、そこへ一軒家を建てようという場合に、四メートルないからこれを許可せんというふうには考えていないのでありまして、この四十二條の第二項がその趣旨を規定しております。即ちここに一・八メートル以上あれば、この中心線から二メートルずつ、合計幅員四メートルのものを道路と仮定しまして、そうしてその家は中心線から二メートル後退して建てさせる、こういうことに規定したわけであります。
#33
○赤木正雄君 この道路の問題については、私はもう少し專門員の方に調べて欲しいのであります。果して実際はそうなつておるか。私はこれは調べておりませんから、現実に即していないかも知れませんから。
 次に第四章でありますが、基準法によりますと、住居地域、或いは準工業地域、又は工業地域では式地面積から三十平方メートルを引いたものの六割を、商業地域でも七割となつておりますが、これでは小さい敷地におきましては、言わず語らずに建築はできない、建築の禁止と、こういうふうに思われます。例えて申しますと、二十坪未満の敷地で十坪天引きせられたら、殆んど全部住宅は建築はできない。現在は三十平方メートルを引かずに、商業地域八割、その他で六割でいい、こういう状況でありますからして、これに対して、どういうお考えを持つておりますか。
#34
○政府委員(伊東五郎君) これは第五十五條の問題でございますが、商業地域については八割を七割にいたしました。併し又住居地域その他では三十平方メートルを、九坪を加えることにいたしたわけであります。これは根本的に申しまして、只今行なつておりますものが、非常に都市の建築物の密集を来たして不衞生であり、火災などにも非常に危険が多い、こういうことから根本の考え方から空地については若干の強化をいたしたのでございますが、この程度のことで、多少の例外はございますが、大体においてそう無理のないものじやないか、で或る程度改善もできるのじやないかというふうに考えております。
#35
○赤木正雄君 今そう無理じやないとおつしやいましたけれども、これももう少し、どういう点まで実際に即しないか或いはどういう点が事実無理であるかどうか。それらも一つ御検討してこの次にお伺いをいたしたいと思います。
 次に第六章の防火の地域でございますが、東京都では都心部及び副都心部を併せて一千万坪が現在甲種防火地域でありますから、基準法の附則によりまして防火地域となる時には、つまり防火地域のうちで百平方メートル以上は耐火構造、百平方メートル以下でも外壁を耐火構造としなければならないということになりますと、殆んど東京都の真中では実際実情に副わないというような感じがありますが、これに対してはどういうふうな御考えをお持ちでありますか。
#36
○政府委員(伊東五郎君) これは一応附則で現在指定されておりますものをそのままここで防火地域に乗り換えておりますが、それを再検討いたしまして、実際実情にそぐわないということになれば、その地域の指定そのものを変更する必要があると思うのです。
#37
○赤木正雄君 私は実はこの法案を貰つてからまだ日がありませんでしたので、若しも許されるならばもう少し研究して見たいと私は思つております。併し外の委員の皆さんのお考え方でどうでも……まだ私は十分研究できておりませんから、そのあとで質問をいたしたいと思います。
#38
○石坂豊一君 ちよつとお尋ねして置きたいのは、基準法の原則としては、建物の監督及び許可は原則としてどこが主体になるのですか建設大臣か、知事か、或いは市町村か。
#39
○政府委員(伊東五郎君) この法律の施行につきましては、この基準を作りますことは建設大臣が当るのでありますが、そうしてこの基準に合つておるかどうかと、一軒々々の作る家が基準が合つておるかどうかということは、市町村なり都道府県に置かれる建築主事というものが一つの行政機関になりまして、これが確認をするということになつております。又建築主事に任しては不適当だと思うことはその市町村の長なり、或いは知事が決定をするということになつております。
#40
○石坂豊一君 この法律の各所にいろいろの規定がありますから、それで私ちよつと伺いたいのですが、基準法は勿論建設大臣でなく国会が決める。国会が決めるのでありますが、主たる権限を持つておるのはどこにあるか、或いは東京都なら東京都の知事にありますか、或いは区長であるか、他の市町村ならば知事がやるとしてその建前がどうなつておるかということを伺いたい。
#41
○政府委員(伊東五郎君) この建前は現在は知事でございます。それをここで改めまして市町村や都道府県に置く建築主事、建築主事が実際の施行に当ることになつております。
#42
○石坂豊一君 そうすると、その行政権というものは各所に分れて、それぞれ今までみたいに単一に行かんわけですね。ちよつと建築主事というものと、やはり知事というものと、市長というものがあるから、それはその予算措置、地方の予算でも要るときにはその建築主事が認めればいいわけですか。
#43
○政府委員(伊東五郎君) その点につきましては、従来よりも窓口を一本にしまして事務を簡素化したのでございまして、従来は知事が一応市街地建築等の施行の任に当つておりました。これが別に又建築に関するいろいろな法令がございまして、これはそれぞれの法令により認許可など別々にとつておつたのでありますが、そういう点は若干ここで統一いたしまして、建築主事一本にいたしまして、建築主事が建築に関する法令全体について合つているかどうかということをまとめて確認を与える、而もこれは一週間なり三週間なり、ものによつては三週間以内に確認を与える、こういうことにいたしました。成るべくこの建築主の便宜を図りまして窓口を一本にし、そうして事務を簡単にし、迅速にするというように改めたわけでございます。
#44
○委員長(中川幸平君) この質疑は明日継続することにいたしますか。
#45
○赤木正雄君 そこで我々も研究しますが、専門員にうんと研究して欲しいのです。
#46
○委員長(中川幸平君) そういうことにいたします。
  ―――――――――――――
#47
○委員長(中川幸平君) 次に委員の方方にちよつとお諮りいたします。
 本国会の初頭に調査承認を取りました建築事業一般及び国土その他諸計画に関する調査につきまして、継続調査承認要求書を提出するかどうかということについて御相談申上げます。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○仲子隆君 ちよつと伺いますが、継続審査をやるという場合、今のはこれからやるというのでしよう。
#49
○委員長(中川幸平君) 休会中にです。
#50
○仲子隆君 今度は休会は継続してこれをやり得る性能がありますかどうか、聊かそれに対する疑義があるのですが……
#51
○赤木正雄君 それは参議院は成立しないと私は思う。
#52
○仲子隆君 参議院は半数なくなつておる場合にこれはし得るかどうかということを先に伺います。
#53
○委員長(中川幸平君) その解釈は議運の方でいろいろ研究しておるので我我から何とか言う筋合でありませんけれども、一応必要があれば出して置きまして、そうして議運の方で研究して頂いて、承認があれば、参議院としてもあればやる、ないならば、その承認が無論なかろうとこう思つておりますから、それでそういう分らんものならば一つ出さんで置こうというお考えならばそれでいいが、出すならば要求書の提出方を委員長に一任して頂きたいと、かように申上げておるのです。
#54
○仲子隆君 分かりました。そういう意味ならば了承いたします。
#55
○委員長(中川幸平君) それでは継続調査承認要求書を提出することにいたしまして、要求書の内容は委員長に御一任をお願いいたしたいと思います。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○委員長(中川幸平君) 異議なしと認めます。
 本日はこれで散会いたします。
   午後三時十九分散会
   委員長     中川 幸平君
   理事
           仲子  隆君
           赤木 正雄君
   委員
           島田 千壽君
           石坂 豊一君
           大隅 憲二君
           安達 良助君
  政府委員
   建設事務官
   (住宅局長)  伊東 五郎君
  事務局側
   常任委員会專門
   員       武井  篤君
  参考人
   東京都建築局指
   導課長     中井新一郎君
   広島県建築部長 練早 信夫君
ソース: 国立国会図書館
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