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1947/10/20 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第15号
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1947/10/20 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第15号

#1
第001回国会 労働委員会 第15号
  付託事件
○職業安定法案(内閣送付)
○労働基準法の適用除外規定設定に関
 する陳情(第二百五十二号)
○失業手当法案(内閣送付)
○失業保險法案(内閣送付)
○企業再建整備その他に関する陳情
 (第三百四十三号)
○労働基準法第四十條の特例に関する
 陳情(第三百四十四号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十月二十日(月曜日)
   午前十時四十二分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○失業手当法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(原虎一君) それではお待たせいたしました。委員会を開催いたします。本日は失業手当法案に関する質疑應答を願うことになつておりますが、今本会議が開催されますので、本会議開催中休憩いたしたいと思います。よろしうございますか。
#3
○委員長(原虎一君) それでは休憩いたします。
   午前十時四十三分休憩
   ―――――・―――――
   午後一時二十八分開会
#4
○委員長(原虎一君) 午前に引続きまして委員会を開催いたします。速記の時間的関係もございますから、直ぐ失業手当法の質疑に移りたいと存じます。
 それでは失業手当法に対する御質疑を願います。これは一章、二章に分れておりませんから、條を逐つて然るべく適当に御質問願つていいと思います。
#5
○山田節男君 ちよつと政府委員にお尋ねしたいのですが、これちちよつと全般的になるかも知れませんが、この失業手当と生活保護法の居宅救護、これの関連をどうするかということなんですが、失業手当法案の中の項で、例えば居宅と生活保護法の居宅救護を受けておる、それとかち合う場合にどうするかということですね。これに対する何か御意見があれば聽きたいのですが……。
#6
○政府委員(上山顯君) 失業手当法は前々御説明いたしておりますように、失業保險の被保險者につきまして、失業保險法の資格期間はまだ充しておりませんが、そういう者が失業しました場合に、計画的の措置としまして、失業保險金に代るべきものとして失業手当金を支給する。こういう性質のものでございます。從いまして、これは失業保險法と同じように、権利といたしまして、こういう該当者には支給をいたすということになつております。これに対しまして生活保護法におきましては、これは困窮者に対しましての政府の保護の施設ということに相成るわけでございます。從いまして失業手当の方は生活困窮者というような制限がございませずに、苟くも失業保險の被保險者でありまして、失業手当法の第二條に該当いたします者は、生活困窮者であると否とを問わず、権利として失業手当金を受けられるに対して、生活保護法におきましては困窮者だけに保護をいたす建前になつております。性質が全然違つておるようなわけでございます。而してその両者が関聯するところとしましては、失業保險なり失業手当の給付につきましては、失業保險金の場合は六ケ月、失業手当金の場合は四ケ月というような、給付期間の制限がございますから、その期間を超しましたものは、若しもその人が生活困窮者であります場合に限りまして、生活保護法の支給を受ける。こういうことになるのであります。それから失業保險金なり失業手当金を受けております者についても、若しその者に対する給與が、生活保護法の給與よりも下廻るというような場合におきましてはその差額を生活保護法の方で支給を受けることができる。全体といたしましては失業手当金は勿論、生活保護法の給與よりも上廻つて決められているわけでありますが、例外的の場合としまして、家族が非常に多い、併し本人としては労働能力の方では非常に低いという関係上、失業手当では比較的低い給與しか受けることができないそういう者につきましては、非常に家族が多いというような場合に限りまして、生活保護法の方がむしろ上廻るという場合があるのであります。從いまして失業手当金を受けております者についても、それが生活困窮者であります場合に限りましては、補完的と申しますか補充的と申しますか、生活保護法が適用される場合があり得るのでございます。さようなふうに考えます。
#7
○山田節男君 今のこの手当法案第七條には、これはいわゆる失業保險とは違いまして、待期期間が三十日になつている、そういう場合には勿論何らかの退職手当、その他のことを見越してのことだろうと思いますが、併しこれだけの被保險者の中で、失業した場合に三十日間の待期期間においてすでにもう生活に困る。生活の困窮者になつて、いわゆる民生委員の厄介になつて、生活保護法の給付を受けなければいけない。そういつた場合においては、失業保險をかけている被保險者であることによつて失業手当を受ける。こういうものは直ぐ生活保護法による居宅給付を受けなくてはいけない。そういうふうに申出る時に、失業保險或いは失業手当を受ける者は、この生活保護法における居宅救護を受けることができないということはないのでありますか。
#8
○政府委員(上山顯君) 生活保護法には別にそういう制限を設けておりませんので、失業手当金を受けます者は、一般的には直ぐに生活保護法にまで行かんとは思いますが、どうしても困る場合には生活保護法が適用されるかと思います。
#9
○山田節男君 その場合にダブることがあるだろうと思います。失業手当を後から貰いまして、生活保護法による居宅救援を貰つていて失業手当とダブる場合はないでしようか。そういうことが考えられますが……。
#10
○政府委員(上山顯君) 失業手当金を受けます額が、普通の場合には生活保護法より多いのでございまして、そういう場合におきましては生活保護法の方は支給いたさないことになつております。但し長期の場合でございますとか、そうでなくても例外的にむしろ失業手当金より生活保護法の方が金額が多いという場合には、その差額だけを生活保護法では支給する。こういう建前になります。
#11
○天田勝正君 ちよつとお伺いしますが、第四條の第一号に、第二條第一項の規定に該当することを証明する文書、こういうことですが、この証明する文書というのは單なる工場主の証明という形でいいのですか。お含みはどういうことでしようか。
#12
○政府委員(上山顯君) 大体考えておりますのは、工場主の方から離職証という名前を一應予定しておりますが、どれだけの期間工場に勤めておりまして、いつ何どき離職しまして、止める前の給與はどのくらいということを書きましたつまり証明書を提示させるということになつております。尚場合によりましては、それだけで証明が不十分だというふうな場合がありますれば、それ以外の何んらかの必要な文書を提出させるということもあります。普通の場合ではそれだけであります。
#13
○天田勝正君 そうしますと、今まで健康保險並びに、厚生年金というものは、或いは強制的に入ることになつておりましても、実は入つておらないというようにして、つまり叱られはせんかというような工合で、工場主がそういう証明を出すことを澁るという場面がとかく今まで出がちなんですが、厚生年金、健康保險と全く関係なしに出しても差支えない。又そこで出せば濫発するという点もなきにしも非ずであるが、とにかく一應そういつた証明書があればいいという含みでしようか、健康保險と厚生年金との関係です。
#14
○政府委員(上山顯君) 事実上失業保險法の適用範囲になります場合につきましては、健康保險、厚生年金なりに現実には入つておつたとか、現実に保險料を納めておつたかどうかということに拘わりませず、出せることになつております。尚余談でありますが、失業保險の関係で適用事業を調べておりますと、大分漏れたものもございますので、そういうものは今後は失業保險の事務を管掌いたします者と、健康保險の事務を管掌いたします者とは十分連絡いたしまして、今後においては適用漏れを防ぎたいと思います。
#15
○天田勝正君 分りました。
#16
○山田節男君 この八條の失業手当の支給日数ですが、私は実は……失業保險法案の第二十條のことれ同じわけなんですが、所用のために失業保險の審査会に出られませんでしたので、合せて第八條と失業保險法の第二十條ですが、保險年度の一年間において百二十日分以上超えては出せない。失業保險においては保險年度の一年間において通算百八十日、いわゆる二十六週間しか出せない。失業保險年度というものは、勿論これは毎年の一年と年を限定するのでありますか、二年以上の被保險者になつた場合は失業保險においては勿論そうでありますが、失業手当においても、二年間以上被保險者であつた場合に、これはやはり失業をした場合においては、保險支給年度間において百二十日、失業保險においては百八十日しか貰えないということになりますと、いわゆる失業しないで、雇傭の安定性があつて、失業の危險率の少い者は、非常に失業した場合に不公平な扱いになる。この点の調節をどういうふうにやるかということが、失業保險法にも失業手当法にも謳つてない。こういう点については両方の法案に一つも現われていないのです。こういう点は、將來保險年度が二年度、三年度になつた場合に、新らしく法律を作る御意図なのか、或いはそうでなくて、このままやつて行くという御意思なんでありますか、この点一つはつきりお伺いしたいのです。
#17
○政府委員(上山顯君) 保險料を長く納めました者については、給付日数を長くさす、即ち給付日数と保險料の納付期間との間に何らかの関連を持たす方がいいという意見は、この立案に当りましてもいろいろ論議された点でございますが、結論といたしましては、相互扶助の制度としましてのこの失業保險におきましては、苟くも六ケ月という資格期間を満了いたしたものについては、同じように今まで三年間保險料を納めておつた、或いは六ケ月しか納めてないというような区別をなくして、同じようにその資格が発生いたしましてから後一年間の間において、保險の場合は百八十日という支給日数にしようということで、この法案はでき上つております。從いまして今後におきましても、新たに又一年間、或いは六ケ月以上被保險者であつてという資格期間が発生いたしますれば、その資格期間が発生しましてから後一ケ年の間において、百八十日の給付日数だけ給付を受けることができる。かような建前で考えております。
#18
○山田節男君 今の御説明によると、これは実際問題としていわゆる失業の危險率の少いものも、いわゆる危險の分散ですからやるわけですが、いわゆる保險理論並びに保險の公平から言うと、これは非常に僕は遺憾だと思うのです。その点は一つ是非、今これは訂正できなければ、少くとも保險年度の……來年ですね、これは是非入れて貰わないと、恐らくこういつたような失業保險或いは社会保險、まあ失業保險でそういつたのは非常に賃金労働者に対して残酷だと思う。この点は是非一つ御訂正願いたいのですが、技術的に非常にむずかしいから面倒だからお止めになつたのか、又今の御説明によると、失業率の少いものは、やはり我慢して毎年更改して保險をする。そうして二十六週間しか貰えない、これは私の意見になりますが、そうすると保險を掛ける勤労階級の興味といいますか、理解が薄くなるのじやないか、私はむしろこれは失業保險法案並びに失業手当法案の一つの修正案として皆樣の御協議に預りたいと思いますが、私はそういう希望を述べて置きます。
 それからこれは二十七條の罰則ですが、これも失業保險の第八章、五十三條以上と、こちらの二十七條、二十八條ですかの罰則ですが、これは事業主、それから被保險者、即ち受給者、受給資格者、これが失業手当金を貰わんがために、或いは失業保險金を貰わんがために虚僞の、詐欺といいますか、そういうステートメントをやつた場合には、罰金刑でなく、少くとも三ケ月以下の体刑の処すというのが、これが欧米先進國の失業保險の通俗になつておるのですが、これを見ますと、失業保險の方においても、失業手当の方においても、一万円以下の罰金刑、こういうことになつておるのですが、尢も失業保險の方におきましては、失業保險法の第二十三條に、「詐欺その他不正の行爲によつて、失業保險金の支給を受け、又は受けようとしたときは、失業保險金を支給しない」、ただ支給しないというだけですが、私はこれは失業保險並びに失業手当において、事業主それから保險金の受給資格者、これだけの條項に対しては、むしろ私は体刑を置くべきである。少くとも三ケ月以内の体刑を設けるべきだと思うのですが、この点に対します政府当局の非常に寛大なやり方について、そういう特別の何かあつて、こういうことにされたのか、これをお伺いしたいのです。
#19
○政府委員(上山顯君) 保險法、手当法を通じましてのことでございますが、大体只今までございます健康保險とか厚生年金保險等の例を見ましたり、大体同種のいろいろの法律を見まして、罰金で足りるのじやないかという考えでございますが、こういう点につきましては尚十分に檢討いたしたいと思います。
#20
○栗山良夫君 私はこの失業保險法案とも密接な関聯がありますが、この法案の実施期日の問題が、法案審議が非常に遲延いたしました理由もございますけれども、非常にまだ未審議の過程にあると思います。この点をもう一度はつきりといたして置く必要があろうと思うのでございます。それは過日の委員会では、十一月の一日から実施ということに一應皆さんの御意見が纒まつておつたようでございますが、そういたしますと、この手当法案の第二條の第一項第二号の期間なども当然変更に相成ることと思うのでございますが、それと同時に、この手当は、失業いたしまして、職業安定所に求職の申込をしてから三十日以内は支給しない。こういうことになつておりますので、仮に十一月一日に施行になりましても、早くて十二月の一日でなければ受け取れない、こういうことになります。ところが実際問題として、その通りに行かないということになりますれば、十二月は失業者に取つても、年末ではありますし、いろいろ問題も残ると思いますので、予めそういうことを予定してすべての求職申込の手続、そういうものをやはり失業者に周知せしめる方法も必要ではないか、諸般のそういつたような手続が果してできるかどうかというようなこともお伺い申したい。要するに失業保險並びに手当法案とも現在の社会情勢から見まして、最も早く、そうしてできるだけ多くの手当金を出すということが眼目でなければならんと思います。そういう観点から、今の法案の通過後の取扱の問題についてお考えを伺いたいと思います。
#21
○政府委員(上山顯君) 保險法、手当法の二つの法律は、十月一日とはつきりと法律に施行期日を決めましたような次第でございます。從いまして私たちとしましては、一應十月一日からできますように準備といたしましても、いわばまあ最小限度の準備と、それからまあ逐次やつて行つていい準備とあると思いますが、最小限度の準備、即ち適用事業を調べますとか、事業主に大体の法律の仕組を知らせますとか、直ぐ必要な届けの書類を周知させますというような、そういう仕事につきましては、まだこれは法案が國会で御審議中の際ではありますけれども、若しも通れば、いつでもできるという準備だけはいたしておるような次第でございます。併し勿論尚法律としましては決つていないわけでありまして、從つてこれの関係の政令でありますとか、省令等も未定のわけでございます。それで又私達としましては、できますれば十一月一日からこれを施行するように御修正を願いたいと思つておるのでございますが、それで若しも十一月一日からこの法律が施行になりますれば、それに從いまして政令なり省令も同時に出せますような準備を只今いたしておりまして、関係方面とも段々折衝いたしておるような次第でございます。それで若しも十一月一日からいよいよ実施ということになりますれば、今まで最小限度と申しますか、是非差当つて必要なことだけは、十月一日からというつもりで地方にもいろいろ指示もいたしておりますので、最初若干不十分な点もあるかとは思いまするが、大体十一月一日から施行ならばやつて行けると、かようなふうに考えておるわけでございます。尚只今御指摘にも相成りましたように、手当法につきましては、第七條に待期の規定がございまして、三十日ということになつておりますので、現実の金の支給は十二月一日以後ということになります。この期間にいろいろな予算等もそれぞれ手続ができると思いまして、十一月一日からならば大体やつて行ける、かように考えております。
#22
○栗山良夫君 そういたしますと、この手当法案によるいわゆる受給者といいますか、失業者の数は大体御予定を今伺つたわけだと思いますが、それで十一月の一日に実施に入るといたしまして、十二月の一日と言つても余り窮屈でございますが、上旬頃までに救い得る失業者の数というのは、どの程度お見込みになつておりますか。
#23
○政府委員(上山顯君) 実は現実にどれだけの失業者が出て参りますかは、企業整備等の関係がどの程度に進みますか、又それ以外の原因によりまして、どういう失業者が出て参りますか等のことがはつきりいたしませんので、從いまして何月何日までにどれだけの失業者というような、月を遂いましての細かい数字は、外部に発表できます程度に実は拵えてないのでございます。内輪話といたしましては、いろいろの研究はいたしておりまするが、外部に発表の程度に至つておらないわけでございます。この予算等におきましては、一月毎の数字というよりも、むしろ均しましての年度の平均は、かれこれ考えてこの程度に納まるだろうというような平均数を以ちまして、予算の方は組んでおるような次第でございます。
#24
○栗山良夫君 今私申上げましたのは、ノルマルの状態へ入つてからでなく、この法案の施行期日が非常に窮屈になつておりますから、一番最初の出だしのところで、これがどの程度ノルマルの状態に近く行けるかどうか、その点をお尋ねしたわけであります。というのは最近の非常に生活苦が迫つた時に、失業者というのは年内に一日も早く救えるならば救つてやらなければならない。そういう意味で法案の審議が遅れたために失業者が救えないというような、救え得るものが救えなかつたということになれば、これは結局國会としても相当今後問題として、それぞれ自己批判をしなければならん問題である。こういう工合に考えるわけなのであります。
#25
○國務大臣(米窪滿亮君) そういう場合は私はあり得ないと思います。法案の審議が一ケ月遅れたために、一ケ月前だつたならばもつと救えたのに、一ケ月遅れたためにそれが減つたということは、大体今のところあり得ないと思います。大体失業手当法は、失業保險法で被保險者に出し得るのと同じ資格で以て失業手当をやるのですから、結局過去一ケ月間に、六ケ月間の雇用契約があつたことが立証されれば失業手当をやる。こういうことでありますから、その調査は目下やつておりますから、十月一日が十一月一日になつたために、その数が非常に減るということは大体予見されない。こういう工合に考えております。
#26
○栗山良夫君 それは遡及して支給するという意味でございませんね。
#27
○國務大臣(米窪滿亮君) そうではありません。十一月一日から支給する……。
#28
○栗山良夫君 で一ケ月遅れたことになるわけでしよう。
#29
○國務大臣(米窪滿亮君) 勿論一ケ月の待期はございますが、この待期は十月一日が十一月一日に遅れたからといつて、その待期の分は変りありません。一ケ月間待期して、そうしてその資格者であるかどうかを確かめてからやるわけです。ただ一ケ月順送りに延びたというわけです。
#30
○栗山良夫君 そこを私は先程から申上げたわけです。
#31
○政府委員(上山顯君) 前に御説明いたしたかと思いますが、一應この予算を出します場合には、失業手当を受けます者が、均しまして二十万程度あるということを前提にして、いろいろな計算を彈いておるわけであります。それでその前提から申しますと、一應二十万の人が十一月中にも、新に失業者として出て参つておるということになるかとも思うのでございますが、ただ今の二十万なる数字は均しての数字でありますので、現実に果して十一月にそれだけ出るかどうかについては、いろいろ檢討すべきものがあると思うのでありまして、人によりましては、少くとも最初の月からそう沢山出るわけではなかろう。最初の月はもつと少く見てもいいのじやないかという意見もございますので、はつきり何月に何人とまでは申上げる数字をはつきり決めてないわけでございます。
#32
○委員長(原虎一君) 栗山委員よろしいですか。
#33
○栗山良夫君 今申上げたことで大体趣旨は分つて頂けると思いますから、一人でも多く救えるようなふうに、運用でお考えを願いたいと思います。
#34
○委員長(原虎一君) 他に御質問ございませんか。
#35
○山田節男君 さつきの上山局長の言われた失業手当金と生活保護法による居宅救護ですが、その場合のことでお尋ねするのですが、この失業手当或いは失業保險金のことも加えてですが、これは本法によると、失業保險者だけで、いわゆる家族には何ら給與しない。そういう状態ですから、生活保護法による居宅救護の額は……。殊に失業手当の場合には、失業保險よりもつと率が低く、最高百五十五ですか、そうすると必然的にこれはもう生活保護法による世帶の居宅救護金の方が失業手当より額が高いものになる。そういつた場合に、失業手当金よりか生活保護による救護金の額が高い。こういう場合に、これが実施をされた場合にそれを貰いたくて、むしろ失業手当は貰いたくない。実際問題としてそういうことが起るのではないかと思います。そうすると生活保護法による給與を受けている者に対しては、失業手当をやらないのがいいのか、或いは上山局長が言われたように、それだけは差引くということを言つておられましたが、生活保護法による給與より失業手当金が少い場合は、それを差引いて渡すと言われたのではないですか、そういうふうに私は了解するのですが、その逆の場合今の情勢から行くと、生活保護法によるその逆の場合に、これをどういうふうにするかという問題ですが……。
#36
○政府委員(上山顯君) 生活保護法全体といたしましては、勿論失業保險金なり失業手当金よりも下になると思つております。但し家族が非常に多い、併し本人の俸給は非常に低いというような場合におきましては、生活保護法の方が金額が多いという場合もあり得るかと思います。例えば一ケ月に、東京都その他六大都市のような一番生活保護法による生活給與を沢山受ける所でございますと、そういうものについて、五人家族の場合には千三百二十六円貰うことになつております。ところがそこの家には働き手としまして、一人だけおりまして、それの給與が非常に少いために、結局失業保險金なり、手当では、例えば千円だけしか貰えないという場合があるといたしますと、その人が生活困窮者でなければ全然生活保護法の問題が起りませんから、從つて差額支給ということが、起りませんが、その人が生活困窮者でありますれば、失業手当なり、失業保險なり千円を貰いまして、あとの足りない三百二十六円を生活保護法の方で補充的に貰う。かようなことになつております。それでそれの反対で、失業手当なり失業保險の方が多いときには生活保護法の方は全然貰えませんから問題は起らないと思います。
#37
○山田節男君 失業手当法の第十條、並びに十一條、失業保險法案の二十一條、二十二條、両方にかけてお尋ねするのでありますが、被保險者が労働爭議の結果として失業した場合には、失業保險の給付を受ける資格を失わないのが、又失業手当もそれによつて失業手当を受ける資格は失わないのかどうかということをお聽きいたしたいと思います。
#38
○國務大臣(米窪滿亮君) これは過去一ケ年間において六ケ月間雇用関係を結んでおるということが立証されれば、ストライキで止めた場合でも、或いはその他の理由で止めた場合でも何ら差別をつけないのであります。
#39
○委員長(原虎一君) よろしうございますか。
#40
○國務大臣(米窪滿亮君) 但し不法のストライキの場合にはその例外ですけれども……。
#41
○山田節男君 原則として爭議による失業は失格條件とは認めないのですか。
#42
○國務大臣(米窪滿亮君) そうです。
#43
○委員長(原虎一君) それでは大体失業手当法に対する質疑應答はこの度程で打切りまして、本日はこれにて散会いたしたいと思います。御異議ございませんか。
#44
○委員長(原虎一君) それでは本日はこれにて散会いたします。
   午後二時六分散会
 出席者は左の通り
   委員長     原  虎一君
   理事
           堀  末治君
           栗山 良夫君
   委員
           赤松 常子君
           天田 勝正君
           山田 節男君
           荒井 八郎君
           木下 盛雄君
           紅露 みつ君
           平野善治郎君
           深川タマヱ君
           竹下 豐次君
           早川 愼一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
  國務大臣
   労 働 大 臣 米窪 滿亮君
  政府委員
   労働事務官
   (職業安定局
   長)      上山  顯君
ソース: 国立国会図書館
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