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1947/11/10 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第17号
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1947/11/10 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第17号

#1
第001回国会 労働委員会 第17号
  付託事件
○職業安定法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○勞働基準法の適用除外規定設定に關
 する陳情(第二百五十二號)
○失業手當法案(内閣送付)
○失業保險法案(内閣送付)
○企業再建整備その他に關する陳情
 (第三百四十三號)
○勞働基準法第四十條の特例に關する
 陳情(第三百四十四號)
○勞働者教育充實に關する陳情(第四
 百四十五號)
○積雪寒冷越冬手當即時支給竝びに越
 冬衣具特別配給に關する請願(第四
 百五號)
○税務職員の待遇改善に關する請願
 (第四百二十一號)
○別府市の勤務地手當地域給を特地に
 引上げることに關する陳情(第五百
 三十號)
○税務職員の待遇改善に關する陳情
 (第五百四十二號)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十日(月曜日)
   午前十時二十三分開會
  ―――――――――――――
  本日の會議に付した事件
○職業安定法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(原虎一君) それでは大變お待たせいたしました、只今から委員會を開會いたします。審議に入ります前に今囘木下盛雄委員とお代りになりました川村松助委員を御紹介いたします。
#3
○川村松助君 私川村でございます。どうぞよろしく。
#4
○委員長(原虎一君) ちよつと速記を止めて下さい。
   午前十時三十四分速記中止
   ―――――・―――――
   午前十一時二分速記開始
#5
○委員長(原虎一君) それでは速記を始めて。職業安定法案の審議をいたして參つたのでありますが、他に御質疑等もないようでございますから、終了をいたしたものと認めまして、差支えございませんでしようか。
#6
○委員長(原虎一君) 御異議ないものと認めます。それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は贊否を明らかにしてお述べを願います。尚又修正の御意見等もございましたら討論中にお述べを願いたいと思います。
#7
○栗山良夫君 私はこの職業安定法案につきまして、皆さまのお許しを得まして、第八條と第十二條の一部の修正の動議を提出いたしたいと存ずるのであります。その理由といたしまするところ、竝びに修正の條文について御説明を申上げたいと思うのであります。
 第一點は第八條の第四項でございます。この四項によりますると、公共職業安定所の位置、名稱、管轄區域、事務取扱の範圍は、勞働大臣がこれを定められることに相成つておりますのに、職業の定員その他必要な事項は政令で定めることになつております。この場合後者のみを政令で定めるという理由は極めて薄弱でございまして、このような場合に特に勞働大臣と政令とに區別する必要がないと思うのであります。第四項の規定全部を勞働大臣においてこれを定めるように修正することが、本法案の運用上適當であると考えるからでございます。
 以上のような觀點を以ちまして第八條第四項を次の通り修正いたしたいと思う者であります。
 「公共職業安定所の位置、名稱、管轄區域、事務取扱の範圍、職員の定員その他公共職業安定所について必要な事項は、勞働大臣がこれを定める。」
 第二點は第十二條の第十二項でございます。第十二條第十二項におきまして職業安定委員會の方では本法案において殆ど法律を以ちまして詳細に規定せられておるのでございます。例えて申しますると、安定委員の構成におきましても法律で以て決められました内容には例えて申しますると、委員會の中に一人以上の女子を入れなければならないとせられましたこと、或いは勞働者を代表する者、雇用主を代表する者がおのおの同數で組織せられるというようなこと、或いは委員の旅費、日當、宿泊料、こういうようなものにつきましても法律で決められることに相成つたのでございます。從いましてそれ以外の細かい事項は特に政令を以て規定する必要もないかと考えるのであります。命令を以ちまして勞働大臣の選考に委ねた方が實際上の利便が多いので、政令を命令に改めるのが適當であると、こう考えるわけであります。修正の條文は極めて簡單でございます。第十二項中「政令」を「命令」に改める。こういうことでございます。皆さんの御贊成を希望いたしまして修正の動議の提出竝びに説明を終ります。
#8
○堀末治君 法案の採決に當りまして私は六項に互る附帶決議をして頂きたい。かように存ずるのであります。
 以上六項目の附帶決議をお願い申上げたいと思うのでございますが、成るべくならば委員各位の御贊同をお願い申上げる次第であります。
#9
○委員長(原虎一君) 只今の修正竝びに附帶決議について他に御意見の御開陳ございませんか。では御意見もないようでございますから、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
#10
○奥むめお君 ちよつと伺いますが、これは御質問してもよろしいのでしようか。
#11
○委員長(原虎一君) どうぞ。
#12
○奥むめお君 この六のところに、「資材の割當、道具の完備」とありますが、施設というような言葉……例えば補導所に殆んど託兒所がないのでございますね、こういうふうなところに施設という文句を入れて頂くと非常にいいと思つたのでございます。
#13
○委員長(原虎一君) 補導所は、婦人の補導所の……。
#14
○奥むめお君 今この場合これを申上げるときではないのかも知れないのでございますが……。
#15
○委員長(原虎一君) 速記を止めて。
#16
○委員長(原虎一君) それでは速記を始めて。
#17
○栗山良夫君 私は職業安定法案、竝びに只今提出いたされました修正動議、竝びに附帶決議にいずれも贊成を申上げる者であります。ただこの際二、三意見を申述べまして、本法案を機動力のあるサービス本位の法案といたしまして、十分に機能を發揮されるように希望をいたしたいのであります。その一つは只今附帶決議の第一項目に、職業安定所に對しまするところの職員に對して奉仕の精神を十分に理解せしめ、更に施設の改善、職員の待遇、こういうものについても十分なる豫算をとつて、政府はできるだけの努力を拂われたい、こういうことが明らかにせられましたが、この場合に私は奉仕の精神を理解せしめるということは、永年の日本の官僚機構の姿を考えてみまするときに、極めて困難な問題であろうと思うのであります。今度勞働省の設置される場合におきましても、各方面から勞働省こそ決して官僚化されてはならん、勞働省こそ日本の官僚機構民主化の先頭を切らなければならない、こういうことが要望せられたのでありますが、分けてもこの職業安定行政におきましては、あらゆる勞働省の内部における行政において民主化という點、國民にサービスをするという點におきましては率先せられるべきものであると考えるのであります。この點においては行政の面に當られる方は、心身新たにせられまして、この新らしい法案の運用に全きを期せられたいと思うのであります。
 次に現在國内は資金の面におきましても、資材の面におきましても、その地あらゆる面において窮乏の極に達しておりまするが、この現段階において日本において現在あり餘るくらいにあるのは勞働力だけでございます。そうしてこの勞働力をいかに有效に、百パーセントに……百パーセントを超えまして利用するか、しないかということが、日本の産業再建に大きな役割を決定づけるものであると考えるのであります。若しこの勞働力の利用を過ちまするならば、日本の再建は恐らく不可能であらうと思います。勞働力は生産増進のために極めて大きな役割を持つておるのであります。從いましてこの第一條に職業安定法案の目的がはつきりと謳われておるのでありますけれども、これを更に大きく解釋をせられまして、經濟の興隆のために寄與するということを文字通りに實踐せられたいのであります。その中で只今産業の合理化が叫ばれ、これがややもいたしますると、直ちに現在職に就いておるところの勞働者の整理に直結せられた考え方を持たれておりまするが、私は現在の勞働者を現在の職に安定させる、このことがやはり一つの大きな職業安定でございまして、現在勞働階級は生活の不安によりまして、相當大きな動搖をいたしておりますが、政府においては、特に勞働者の生活の安定という問題については、十二分の措置をとられまして、そうしてとにかく現役の勞働者を先ず完全に職場に置いて、生産に挺身させる、そうしてその勞働者の人達が生産の増強によつて擴げて行きますところの職場に、現在失業の状態にあるところの人々を吸收して行く、こういうような形を是非とも強力に進めて頂きたい、こう考えるのでございます。
 それから法案の内部について、運用の面で二、三意見を申上げたいのであります。その一つはこのたび、嘗て搾取的な、基本的人權をも蹂躙したかの感を抱かせましたところの人夫供給業というものが廢止せられましたが、これが廢止は極めて日本の産業界に大きな影響をいろいろな意味で與えておるのでありまするが、安定所として最も大きく考えて頂かなければならないことは、この供給業を閉鎖したということではなくて、この供給業者たちが嘗て相當な困難があり、好ましくないものではありましたけれども、とにかく功績を殘しておつたことは認めなければならないのであります。結局供給業者の下におりましたところの自由勞働者は十萬を超えておつたといわれておるのであります。この勞働力を全部安定所が一手で引受けて、今後産業界に盡さなければならないのでありまして、こういう意味におきまして職業安定所が持つところの人夫供給業的な役割というものは、實に重大な問題であると思います。この點についても現地の機關によくその趣旨を徹底せられまして、過ちなきよう期して頂きたい、こういう考えであります。
 それからもう一つは、過日の本委員會の研究課題といたしまして、地方へ一般勞働行政の研究に參つたのでありますが、その時に私が最も關心を持ちましたのは、現在のこの失業者の中で中年以上の人が非常に不安定の状態におかれているということであります。現在の勞働者の募集を見ましても、殆ど年齡の制限が付けられております。扶養家族の制限がやはり求人者から附けられておるのであります。そうして三十歳を超えた人は、極めて就職の效率が低いのであります。私はその中でも特に目頭を熱くいたしましたのは、主人を失つたところの婦人の人々が、子供があるが故に職に就けないという悲慘な人の數が多いのであります。政府は更に大きな觀點に立ちまして、この中年以上の婦人に對して託見所の設備、その他あらゆる公共的の施設を以ちまして、そうして生活の脅威に暴されておる、而も生活の再建のために眞面目に働こうとしている婦人の救濟のために萬全の措置を講ぜられたいのであります。又男子の中年以上の人々も、その能力において、或いは知力におきまして、日本の再建のために働いて頂かなければならない力は絶大なるものがあります。特に四十歳を超えた人が失職に入りました場合に、まだ一人前に活動のできない婦女子を多數扶養家族として控えまして、誠に悲慘な状態に現在あるのであります。こういう人々が、一日も早く職業を得まして、そうして安定した生活の中に、その勞働力を國家に奉仕し得るような途を、これ亦積極的に、一つ講じて頂きたい、こういうことを考えるのであります。
 最後に私は、委員會の豫備審査の時にも強く主張をいたしたことでありまするが、この主張は、今度の現在視察におきまして北九州における特殊な勞働場所といたしまして、炭鑛、或いは港灣の荷役、或いは日鐵の八幡製鐵所のごとき、ああいう重勞働者の作業所、或いは三菱化成のごとき化學工場、こういう特殊な勞働場所を見るに及びまして、更にその感を深くいたしたのでありますが、職業の選擇の自由が第二條によつてはつきりと明示せられ、憲法の指示するところによりまして明らかにせられたのでありまするが、このために今後こういつたような苛酷な勞働を期待しなければならない、特殊な危險な作業場所といたしまして勞働者を得るということは相當困難な状態に入ると思うのであります。若しこういつたような人が、忌避するような職場に十分な勞働力を得ない場合には、やはり日本の産業は總括的に見まして十分な活動を期待し得ないのであります。何としても、こういうような萬人が忌避するような職場は、人數は少いかも知れませんが、十分に勞働力を確保しなければならないのであります。このためには、政府はよろしく特別の措置を講ぜられまして、附帶決議にもありますように、喜んでこういつた職場に勞働者が集りまするような手配を講じて、施設の面において、或いは給與の面においてその他萬々の措置を講じて頂きたいということを希望いたす次第であります。以上意見を述べまして本法案に贊成し、そうして速かな施行を希望するものであります。
#18
○委員長(原虎一君) 只今栗山委員のお發言は贊成の御意見であります。他に御發言、御意見ございますか。
#19
○堀末治君 私の先程の言葉の中に少し不備の點がございましたから、この機會に追加さして頂きます。私先程申しました附帶決議を附して本法案の成立に賛成するものでございます。
#20
○委員長(原虎一君) 他に御意見御發言ありませんか。御意見もありませんようでありますから討論を終結いたしまして御異議ございませんか。
#21
○委員長(原虎一君) 御異議ないと認めます。それではこれから採決に入りたいと思います。
 職業安定法案について採決をいたします。先ず討論中にありました栗山委員の修正案を議題に供します。栗山委員の提出の修正案に御贊成の方の御起立をお願いいたします。
#22
○委員長(原虎一君) 全員起立で栗山君の提出の修正案は可決いたしました。次に修正の部分を除きました原案を議題にいたします。修正の部分を除いた原案に贊成の方の御起立を願います。
#23
○委員長(原虎一君) 全會一到可決いたしました。職業安定法案は修正議決いたしたことに決定いたします。
 次に堀委員から提出されました附帶決議について採決いたします。堀委員の提出によります附帶決議に贊成の方の御起立をお願いいたします。
#24
○委員長(原虎一君) 全會一到可決いたしました。よつて本附帶決議を附することに決定いたします。尚、本院規則第百四條によつて本會議における委員長の口頭報告の内容については、豫め多数意見者の承認を經なければならんことになつておりますが、これは委員長において本法案の内容及び本委員會における質疑應答の要旨、討論の要旨、表決の結果及び附帶決議を報告いたすこととして御承認を願うことに御異議ございませんか。
#25
○委員長(原虎一君) 御異議ないものと認めます。それから本院規則第七十二條によります委員長が議院に提出する報告書には、多數意見者の署名を附することになつておりますから、本案を修正議決された方は、順次御署名をお願いたします。
 署名漏れはございませんか。署名漏れはないと認めます。
 本日はこれにて散會いたします。
   午前十一時二十九分散會
 出席者は左の通り。
   委員長     原  虎一君
   理事
           堀  末治君
           小川 久義君
           栗山 良夫君
   委員
           赤松 常子君
           荒井 八郎君
           平岡 市三君
           紅露 みつ君
           深川タマヱ君
           奥 むめお君
           川上 嘉市君
           竹下 豐次君
           早川 愼一君
           藤井 丙午君
           穗積眞六郎君
           松井 道夫君
           中野 重治君
           川村 松助君
ソース: 国立国会図書館
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