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1977/02/09 第84回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第084回国会 法務委員会 第2号
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1977/02/09 第84回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第084回国会 法務委員会 第2号

#1
第084回国会 法務委員会 第2号
一月二十一日
 上村千一郎君委員長辞任につき、その補欠とし
 て鴨田宗一君が議院において委員長に選任され
 た。
―――――――――――――――――――――
昭和五十三年二月九日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 鴨田 宗一君
   理事 羽田野忠文君 理事 保岡 興治君
   理事 山崎武三郎君 理事 稲葉 誠一君
   理事 横山 利秋君 理事 沖本 泰幸君
   理事 高橋 高望君
      稻葉  修君    小坂善太郎君
      田中伊三次君    三池  信君
      渡辺美智雄君    西宮  弘君
      飯田 忠雄君    柴田 睦夫君
      加地  和君    鳩山 邦夫君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 瀬戸山三男君
 出席政府委員
        法務政務次官  青木 正久君
        法務大臣官房会
        計課長     石山  陽君
 委員外の出席者
        法務委員会調査
        室長      清水 達雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
一月二十日
 辞任         補欠選任
  小坂善太郎君     鴨田 宗一君
同月二十一日
 辞任         補欠選任
  渡辺 紘三君     稻葉  修君
同月二十四日
 辞任
  下平 正一君
同日
            補欠選任
             阿部 昭吾君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  石田 博英君     小坂善太郎君
二月一日
 辞任         補欠選任
  飯田 忠雄君     矢野 絢也君
同日
 辞任         補欠選任
  矢野 絢也君     飯田 忠雄君
同月九日
 辞任         補欠選任
  正森 成二君     柴田 睦夫君
同日
 辞任         補欠選任
  柴田 睦夫君     正森 成二君
    ―――――――――――――
二月一日
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一四号)
同月八日
 集団代表訴訟に関する法律案(宮崎正義君外一
 名提出、参法第一号)(予)
同月七日
 民法第七百五十条の改正に関する請願(土井た
 か子君紹介)(第八一〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一四号)
 法務行政、検察行政、国内治安及び人権擁護に
 関する件
     ――――◇―――――
#2
○鴨田委員長 これより会議を開きます。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 このたび、法務委員長の重責を担うことに相なりました。幸いにして、本委員会には法務関係に練達な方々がおそろいでございますので、委員各位の御理解と御協力を賜りまして、円満なる委員会の運営を図ってまいりたいと存じます。
 どうぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
#3
○鴨田委員長 法務行政、検察行政、国内治安及び人権擁護に関する件について調査を進めます。
 この際、法務行政等の当面する諸問題について、瀬戸山法務大臣から説明を聴取いたします。瀬戸山法務大臣。
#4
○瀬戸山国務大臣 委員各位には、平素から法務行政の運営につき、格別の御尽力をいただき、厚くお礼申し上げます。
 この機会に、法務行政に関する私の所信の一端を申し述べ、委員各位の深い御理解と特段の御協力を賜りたいと存じます。
 昨年十月、当委員会において就任のごあいさつをいたしました際にも申し述べたところでございますが、私は、法務行政の使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあると考えております。特に、内外の諸情勢がきわめて厳しいこの時期において、民主主義を守り、国民生活の安定を確保するためには、その根底をなす法秩序が揺るぎなく維持され、国民の権利がよく保全されていることが何よりも肝要であると存じます。私は、今後ともこのことを念頭に置き、全力を挙げて国民の期待する法務行政の推進に努める所存であります。
 以下、私が考えております当面の重要施策について申し述べます。
 第一に、法秩序の維持についてであります。
 最近の一般犯罪情勢は、一応平穏に推移していると申せるかと存じますが、覚せい剤事犯や暴力団関係者による各種犯罪が多発しているほか、いわゆる動機なき殺人事件等の凶悪事犯が相次ぐなど、人命軽視、暴力依存の風潮が一部にうかがわれるのでありまして、今後の推移には必ずしも楽観を許さないものがあると存じます。
 また、当面最も警戒を要するのは、過激派各派の動向であり、国内においては、新東京国際空港開港阻止闘争、狭山事件に関する最高裁決定に対する抗議行動等に見られるように、火炎びんや時限式発火装置を使用して関係施設等に対する襲撃を繰り返しているほか、いわゆる内ゲバ事件の発生も後を絶たず、また、国外においても、いわゆる日本赤軍を中心として、きわめて重大な犯罪行動を反復敢行しております。特に、先般のダッカ日航機ハイジャック事件において、最も凶暴な爆弾事件等の犯人のみならず、殺人、強盗等の重大刑事事件の犯人をも釈放せざるを得ないという最悪の事態に立ち至ったことはいまだ記憶に新たなところでありまして、新たな要員を得た日本赤軍が再びこの種の国際的テロ事犯を敢行するおそれも多分にあり、その再発防止対策が当面の急務であることは申すまでもありません。また、かかる過激派各派の不法越軌行動は、いわゆるバスジャック等の模倣事犯を誘発するばかりでなく、一般国民の間に法に対する無力感を生むおそれなしとしないのでありますから、私は、このような情勢に対処するため、関係諸機関との緊密な連絡協調のもとに、検察体制を整備充実して厳正な検察権の行使に遺憾なきを期し、もって法秩序の維持に努めてまいる所存であります。
 一方、立法の面について申しますと、まず、ハイジャック防止対策につきましては、政府は、さきの日航機ハイジャック事件を契機に、ハイジャック等非人道的暴力防止対策本部を設置し、この種事件の防止策の推進に努めているところであり、その一環として、過般の臨時国会において航空機強取等防止対策を強化するための関係法律の一部を改正する法律案の可決成立を見たのでありますが、さらに、この種事犯の再発防止を図る見地から、航空機の強取以外の態様による悪質危険な人質強要行為の処罰規定を新設するとともに、航空機の強取等による場合を含め、この種の強要行為を行った犯人が人質を殺害したときは死刑または無期懲役をもって臨むことを内容とする法律案並びに一部の過激派等による刑事事件の訴訟遅延を防止する見地から、刑事事件の公判の開廷についての特例を定める法律案を今国会に提出すべく、目下所要の作業を進めております。
 なお、この際、右の特例法案について付言いたしますと、御承知のように、現行刑事訴訟法のもとにおいて、弁護人がなければ開廷することができないこととされている事件のうち、いわゆる連合赤軍事件や連続企業爆破事件のような一部の事件について、弁護人がいわゆる法廷闘争戦術として、正当な理由がなく公判期日に出頭せず、裁判長の許可を受けないで退廷し、あるいは法廷の秩序を乱して裁判長から退廷を命ぜられ、さらには、訴訟を遅延させる目的で辞任するなどしたため、当該公判期日に予定されていた審理が行えないのはもちろん、その後の手続の進行が阻止されるという事態が生じており、これが訴訟手続を著しく遅延させている実情にあります。そこで、右のような異常な事態に対処するための当面の特例的措置を定める必要があるとの観点からこのような法律案を本国会に提出すべく準備いたしている次第であります。
 また、犯罪の国際化が著しい最近の諸情勢に対応するため、各国との間に逃亡犯罪人引き渡し条約を締結することが望ましいと考えておりますが、さしあたり、日米犯罪人引き渡し条約について引き渡し犯罪の範囲の拡大を中心とした早急な改正を行うため、外務当局と協力して日米交渉を行った結果、すでに大筋の合意を見ておりますので、近く正式調印の運びとなるものと期待しており、同条約の改正に伴い、逃亡犯罪人引渡法に所要の改正を加える必要がありますので、改正条約承認案件の国会提出にあわせて、同法の一部改正法案を提出すべく準備中であります。
 このほか、最近における経済事情の変動等にかんがみ、刑事補償法における補償の基準日額の引き上げを内容とする同法の改正についても作業を進めているところであります。
 なお、刑法の全面改正につきましては、目下、事務当局において政府原案作成のための作業を進めておりますが、刑法は、国の最も重要な基本法の一つでありますから、国民各層の意見をも考慮しながら、真に時代の要請に適応した新しい刑法典を実現すべく、引き続き努力いたしていきたいと考えております。そのほか、少年法の改正及び犯罪被害者補償制度の立法化についても、事務当局において鋭意所要の作業を行っているところであります。
 第二は、犯罪者及び非行少年に対する矯正及び更生保護行政の充実についてであります。
 犯罪者及び非行少年の改善更生につきましては、刑務所、少年院等における施設内処遇を一層充実強化するとともに、これと実社会における施設外処遇とを有機的に連携させることに努め、その効果を高めてまいる所存であります。
 そのためには、まず矯正処遇の実態について広く国民の理解を得て良識ある世論を反映し、時代の要請に即応し得る有効適切な矯正処遇の実現に努力を払ってまいりたいと存じます。
 なお、監獄法改正作業につきましては、目下、法制審議会監獄法改正部会において審議が行われておりますが、同審議会の答申を得た後、できる限り速やかに改正法案を国会に提出いたしたいと考えております。
 一方、社会内処遇におきましては、保護観察官と保護司等の民間篤志家との協働体制を一層強化し、犯罪者等の社会への受け入れ態勢を十分整えるとともに、処遇方法を多様化して適宜適切な保護観察を行い、その改善更生の実を上げるよう努める所存であります。
 第三は、民事行政事務等の充実についてであります。
 民事行政事務は、登記事務を初めとして量的に逐年増大し、また、質的にも複雑多様化の傾向にあります。これに対処するため、かねてから種々の方策を講じてきたところでありますが、今後とも職員の増員を初めとして、組織、機構の合理化、事務処理の能率化、省力化等に意を注ぎ、適正迅速な事務処理体制の確立を図り、国民の権利保全と行政サービスの向上に努めてまいる所存であります。
 また、民事関係の立法につきましては、強制執行及び競売の手続の改善につき、昨年二月に法制審議会から現行の強制執行法及び競売法を統合する新しい民事執行法案要綱の答申を受けましたので、今国会に法案を提出すべく、目下立案作業を進めており、債権担保を目的とする代物弁済の予約等に基づく仮登記の効力等に関する立法につきましても、法制審議会において最高裁判所の判例の動向を踏まえて最終的な結論が得られる段階に達しましたので、その結論を得た上、速やかに法案を作成し、今国会に提出いたしたいと考えております。
 なお、国家試験制度の採用等に関する司法書士法の一部改正につきましても、鋭意検討中であり、できるだけ早く成案を得て国会の御審議を煩わしたい考えであります。
 次に、人権擁護につきましては、国民の間に広く人権尊重の思想が普及徹底するよう、法務省としては、人権相談、人権侵犯事件の処理、その他の一般啓発活動等を通じ、今後とも一層の努力を重ねる所存であり、いわゆる差別事象の解消についても、関係各省庁等と一層密接な連携をとりながら、積極的な啓発活動を続けてまいりたいと存じます。また、これと関連して、国際人権規約の批准が問題となっておりますが、法務省としては、その趣旨、目的に照らし、早期批准が望ましいと考えております。
 次に、訟務行政の充実についてでありますが、国の利害に関係のある争訟事件は、近時の社会情勢等を反映して、その質的変化が著しく、ますます複雑困難の度を加えておりますので、今後とも事務処理体制の整備充実を図り、この種事件の適正円滑な処理に遺憾のないよう努めてまいりたいと存じます。
 第四は、出入国管理行政についてであります。
 交通手段の発達や外国旅行の一般化等による国際交流の拡大に伴って、外国人の出入国やわが国民の出帰国は、ともに依然として増加の傾向にあり、また、外国人の在留活動が多様化するなど、出入国管理及び外国人の在留管理に関する業務はいよいよ複雑、困難の度を加えるに至っております。
 法務省といたしましては、当面現行法令の運用の範囲内で手続の合理化、事務処理の能率化等に努め、このような状況に対処してまいる所存でありますが、他方、昨今のハイジャック事件等を契機として、国際的に出入国管理の厳正な運営が要請されている上、本年三月末には千葉県成田市に新東京国際空港が開港する運びとなっているなど、出入国管理業務は、さらにその重要性を増し、業務量も増大するものと考えられますので、これらの諸情勢に即応した出入国管理行政の適正円滑な運営に努めてまいる所存であります。
 最後に、法務省施設の整備について申し上げます。
 現在、法務省が所管している施設の数は約二千八百庁に達し、その延べ面積は全官庁庁舎の延べ面積の約三〇%を占めておりますが、老朽、狭隘等により早急に整備を要する施設が少なくない実情にあります。
 法務省といたしましては、事務処理の適正化と職員の執務環境の改善を図るため、特に法務局及び地方法務局の支局、出張所及び検察庁の支部、区検など中小規模の老朽、狭隘施設を五カ年で整備する計画を策定し、昨年来逐次実施してまいっておりますが、昭和五十三年度には、新たに、刑務所等の収容施設のうち老朽の著しい施設についても、その整備を進めたいと考えております。
 以上、法務行政の当面の重点施策について所信の一端を申し述べましたが、その他の諸問題につきましても、委員各位の御協力、御支援を得まして、その解決に努力する所存でありますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
#5
○鴨田委員長 なお、委員長から申し上げますが、昭和五十三年度法務省関係予算及び昭和五十三年度裁判所関係予算の説明聴取につきましては、関係資料をお手元に配付してありますので、これをもって御了承を願います。
     ――――◇―――――
#6
○鴨田委員長 次に、内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨の説明を聴取いたします。瀬戸山法務大臣。
    ―――――――――――――
    ―――――――――――――
#7
○瀬戸山国務大臣 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、裁判所における事件の適正迅速な処理を図るため、裁判所の職員の員数を増加しようとするものでありまして、以下簡単にその要点を申し上げます。
 第一点は、裁判官の員数の増加であります。これは、地方裁判所における特殊損害賠償事件、会社更生事件及び差しとめ訴訟事件の適正迅速な処理を図るため、判事補の員数を八人増加しようとするものであります。
 第二点は、裁判官以外の裁判所の職員の員数の増加であります。これは、地方裁判所における特殊損害賠償事件及び会社更生事件の適正迅速な処理を図るため、裁判所書記官の員数を五人増加し、また、地方裁判所における特殊損害賠償事件、会社更生事件及び差しとめ訴訟事件、家庭裁判所における家事調停事件並びに簡易裁判所における民事調停事件及び道路交通法違反事件の適正迅速な処理を図るため、裁判所事務官の員数を五人増加しようとするものであります。
 以上が裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますよう、お願いいたします。
#8
○鴨田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は、来る十五日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十時二十二分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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