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1977/03/17 第84回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第084回国会 法務委員会 第8号
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1977/03/17 第84回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第084回国会 法務委員会 第8号

#1
第084回国会 法務委員会 第8号
昭和五十三年三月十七日(金曜日)
    午前十時四十二分開議
 出席委員
   委員長 鴨田 宗一君
   理事 羽田野忠文君 理事 濱野 清吾君
   理事 保岡 興治君 理事 山崎武三郎君
   理事 稲葉 誠一君 理事 沖本 泰幸君
   理事 高橋 高望君
      上村千一郎君    木村 武雄君
      北川 石松君    塩崎  潤君
      西村 英一君    浜田 幸一君
      三池  信君    西宮  弘君
      飯田 忠雄君    長谷雄幸久君
      正森 成二君    伊藤 公介君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 瀬戸山三男君
 出席政府委員
        法務政務次官  青木 正久君
        法務大臣官房長 前田  宏君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 枇杷田泰助君
 委員外の出席者
        最高裁判所事務
        総局総務局長  大西 勝也君
        最高裁判所事務
        総局人事局長  勝見 嘉美君
        最高裁判所事務
        総局民事局長  井口 牧郎君
        最高裁判所事務
        総局刑事局長  岡垣  勲君
        最高裁判所事務
        総局家庭局長  原田 直郎君
        法務委員会調査
        室長      清水 達雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月六日
 辞任         補欠選任
  正森 成二君     不破 哲三君
同月七日
 辞任         補欠選任
  武藤 山治君     石橋 政嗣君
  不破 哲三君     正森 成二君
同日
 辞任         補欠選任
  石橋 政嗣君     武藤 山治君
同月十五日
 辞任         補欠選任
  長谷雄幸久君     竹内 勝彦君
同日
 辞任         補欠選任
  竹内 勝彦君     長谷雄幸久君
同月十七日
 辞任         補欠選任
  篠田 弘作君     西村 英一君
  田中伊三次君     北川 石松君
  原 健三郎君     浜田 幸一君
  前尾繁三郎君     塩崎  潤君
  加地  和君     伊藤 公介君
同日
 辞任         補欠選任
  北川 石松君     田中伊三次君
  塩崎  潤君     前尾繁三郎君
  西村 英一君     篠田 弘作君
  浜田 幸一君     原 健三郎君
  伊藤 公介君     加地  和君
    ―――――――――――――
三月七日
 人質による強要行為等の処罰に関する法律案(
 内閣提出第五二号)
 刑事補償法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第五四号)
同月十日
 逃亡犯罪人引渡法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第五六号)
同月九日
 法務局、更生保護官署及び入国管理官署職員の
 増員等に関する請願(飯田忠雄君紹介)(第一
 八四二号)
 同(沖本泰幸君紹介)(第一八四三号)
 同(鳥居一雄君紹介)(第一八四四号)
 同(長谷雄幸久君紹介)(第一八四五号)
同月十四日
 法務局、更生保護官署及び入国管理官署職員の
 増員等に関する請願(田邊誠君紹介)(第二〇
 四四号)
 民法第七百五十条の改正に関する請願(土井た
 か子君紹介)(第二〇四五号)
 長野地方法務局牟礼出張所の存続に関する請願
 (清水勇君紹介)(第二〇七五号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月十三日
 人質による強要行為の処罰及び刑事訴訟法の改
 正反対に関する陳情書(東京都港区芝愛宕町一
 の一四自由人権協会代表理事森川金寿外三名)
 (第一一七号)
 法務局職員の増員に関する陳情書(都城市議会
 議長藤井定造)(第一一八号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小委員会における参考人出頭要求に関する件
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第一四号)
     ――――◇―――――
#2
○鴨田委員長 これより会議を開きます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 先般、当委員会に設置いたしました証人及び証言等に関する小委員会において、参考人の出席を求め意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選、出席日時その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#4
○鴨田委員長 お諮りいたします。
 本日、最高裁判所大西総務局長、勝見人事局長、井口民事局長、岡垣刑事局長及び原田家庭局長からそれぞれ出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
#6
○鴨田委員長 内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。正森成二君。
#7
○正森委員 最高裁判所に伺いますが、普通の裁判所と家庭裁判所に分けますと、家庭裁判所に配属されている裁判官は全体で何名ですか。そのうち家事部は何名ですか。
#8
○大西最高裁判所長官代理者 裁判官の配置の関係でございますが、御承知のように、地方裁判所と家庭裁判所という関係について見ますと、それぞれが所長も別々で独立しているところもございますし、所長が一緒で、裁判官も非常に兼務で行っているというふうなところもございます。したがいまして、いま正森委員がお尋ねの人員、どういうふうにお答えすればいいか、非常にむずかしいわけでございますが、実働人員という関係で申しますとちょっと急速には出てこない、大体一人の人が、一体どちらを何%、どちらを何%やっているかということ自体主観的なことでもございますので、そういう意味では非常にお答えいたしかねるわけでございますが、事例面でどうかということも、これも兼務の関係でございまして、どちらが本務、兼務ということは、必ずしも仕事をどちらを中心にやっているかということとは完全に一致しているものでもございません。したがいまして、そういう意味で家裁に実際何人やっているかということは非常にむずかしいわけでございますが、ほぼそれぞれの事務量に応じた執務を各裁判官がしておる、こういうふうに御了解いただきたいと思います。
#9
○正森委員 家庭裁判所に専属で配置されている裁判官は何人ですか。
#10
○大西最高裁判所長官代理者 まことに恐縮でございますが、ただいま具体的な資料を持ち合わせておりませんので、ちょっと数字的に何人ということは申しかねますが、後で御必要とあらばまた御連絡申し上げます。
#11
○正森委員 それでは後で、現在家庭裁判所の仕事を専門でやっている裁判官は何名か、それから、一応定員としては各家裁に何人配置することになっているのか、それについて資料を提出していただきたいと思います。
 私が初めにそういうことを聞きましたのは、この間私は大阪へ行ってまいりまして、大阪の司法関係の職員と懇談する機会があったわけですが、五十一年に神戸では家事部の裁判官が一名減っているのではないか、五十二年には京都でも一名減っているのではないか、今回五十三年の四月から大阪では家事部の裁判官が一気に二名減るのではないかというようなことを聞いておりますので、その関係で伺ったわけです。大阪では二名家事部の裁判官が減るわけですか。
#12
○大西最高裁判所長官代理者 大阪の家庭裁判所本庁につきまして、今年の四月から人員が二人減るという予定になっております。
 なお、神戸と京都について、昨年、一昨年の家事部のことを仰せになりましたが、これは私どもの万としてはその庁全体として減っておるというものではございませんので、それぞれの庁の事務分配上そういうことがあるいはあったのかもしれませんが、全体として京都、神戸等減っているわけではございません。
#13
○正森委員 全体として減っているわけではないということはどういうことですか。本庁で減っているかもしれないけれども、その他の、つまり京都の管内では変わりがない、こういう意味なんですか。
#14
○大西最高裁判所長官代理者 京都、神戸の本庁で人員は異動がないというふうに私どもは考えております。家事、少年、全部を通じてでございます。
 ただ、その一人減ったとかふえたとかいうことを、いつといつの時点で比べるかということも非常に微妙な問題でございます。裁判官が四月からずっと一年じゅう同じ数があるわけではございません。途中でおやめになる方もございますし、途中であるいはお入りになる方もございます。したがって、いつといつとを比べて一人減ったかふえたかということは、その時点を確定いたしませんことには非常にむずかしいわけでございます。
 ただいま大阪家裁についてことしの四月減ると申しましたのは、現状に比べて減る予定であるということを申し上げたわけでございます。
#15
○正森委員 大阪の家事部は裁判官はたしか九名ですね。それが二名減りますと、減る率というのは約二二%になるのです。
 それで、家事部の事件というのはどういう増減の程度になっていますか。
#16
○大西最高裁判所長官代理者 家事の審判と調停がございますが、五十三年度はまだよくわかりませんが、五十一年と五十二年を比べますと、審判と調停を通じてみまして大体千百何十件くらい家事事件がふえる、こういうことであろうと思います。
#17
○正森委員 正確に言いますと、五十一年、五十二年を比べると、本庁については審判が一万一千百六十九件が一万二千百七件にふえておる。それから調停が四千四百八十七件が四千七百四十三件にふえておる。したがって、両方を通じて千数百件ふえておる。これは約一〇%の増であります。ところが、事件は一〇%ふえておるのに人員が二二%減るというのは異常な事態でありまして、たとえば行政機関職員の定員削減計画でも、四カ年計画で三・二%の定員減なんですね。それを二二%も減員する、しかも事件がふえておるのに減員するというのはどういうわけですか。
#18
○大西最高裁判所長官代理者 大阪家庭裁判所の中で、家事部にどれだけの裁判官を配置し少年部にどれだけを配置するかという問題は、まさに大阪家庭裁判所内部の事務分配の問題でございまして、大阪家庭裁判所の裁判官会議であるいはそういうふうにお決めになる予定であるのかもしれませんが、私どもとしては、家事部でそれだけの数が減るということは現段階では必ずしも十分に承知しておりません。ただ、家事部の事件がふえておるのに裁判官が減るのはおかしいではないかといういまのお話でございますが、おっしゃいますように、五十一年と五十二年を比較しますと、家事事件は少しふえておりますし、少年事件の方はふえはごくわずかでございます。そこら辺のところ、家事と少年の事務量の繁閑を大阪家庭裁判所で裁判官一同がどのようにごらんになったかということに帰着するのであろうと思いますが、大阪家庭裁判所として本庁全体の事件がふえているのに二人減っているのはおかしいではないかということにもなるかと思いますけれども、この点は、家庭裁判所の事件全体を通じて見ますと、ここ一、二年をとってみました場合はともかくといたしまして、ある程度長期的に見ますと横ばいないしは、少年保護事件なんかを例にとってみますと非常に少なくなっておる、激減しておるわけでございます。そういうこともございまして、五十一年と五十二年を比べました場合には五十二年度の方がやや多いとは申しましても、長期的に見ますればほぼ横ばいの状況である。それとともに、たとえば大阪管内で申しましても堺支部、これは正森委員よく御承知と思いますが、堺支部等は相当に事件がふえております。そこら辺は一人ふやすというような措置をとっておりまして、去年とことしを比べました場合には、あるいは多少事務負担量がふえるということは申せるかもしれませんが、長期的に見ました場合には必ずしもそうは言えないという面もあるわけでございます。
#19
○正森委員 そういう答弁を聞くと、理事会で裁判所の裁判官の充実について長期的対策を講ずべきであるという御主張が一部の理事からありましたけれども、いよいよあの言葉の方がよかったかなというふうに思わざるを得ないのですね。結局、大西総務局長の答えは、現地で私が聞いてきた現地の管理者の答えと一緒なんですね。結局裁判所の人員というのは事件がふえたぐらいではふえないんだ、事件が非常にかつ急激にふえなければ人員はふやせないのだということを言うておるのですね。大体事件が横ばいなら人員も横ばいというのが世間の常識ではあたりまえじゃないですか。ところが、最高裁については、事件がややふえておるというような場合には人員は二二%減らし、事件が大いにふえたという場合だけ辛うじてふやすというのでは、これは人事管理上も非常におもしろくないことになるのではないか。それが答弁の中にきわめて歴然とあらわれているのですね。
 私は伺いますが、裁判官が減りますと、裁判官には書記官というような事務官がついておるでしょう、普通裁判官一人には二名ついておるとか三名ついておるとかいうぐあいになっていますが、それは減員するのですか。裁判官は減ってもそういう事務関係の職員は減らさないのですか。
#20
○大西最高裁判所長官代理者 まず最初のお尋ねにちょっと付加してお答えしておきたいと存じます。
 裁判官及び裁判官以外の一般職員が事件が急激にふえないとふえないということはおかしいではないかという御指摘、確かにその点はごもっともな面もあるわけでございますが、横ばいであるにかかわらず減るというのはおかしいとおっしゃいますけれども、一面、たとえば昭和四十七、八年ごろから数年、民事、刑事の訴訟事件が減った時期もございます。その時期におきましても人員を減らしたわけでは決してございませんで、減っても人員が同じである場合もあるわけでございます。したがいまして、全体としてふえました場合には、ふえ方が少ないところは必ずしもふやせられない、現状維持あるいは多少減るという場合もやむを得ない、こういうことはひとつ正森委員も御了承いただきたいと思うわけでございます。
#21
○正森委員 総務局長、余りへ理屈は言わない方がいいよ。こちらも裁判所の職員がなかなか大変だろうと思って聞いているわけで、そのときに、裁判所が事件が減ったときも人員がそんなに減ってないと言うが、たとえば地方の裁判所なんかの場合は、公益上、刑事事件がどれだけ減ったって刑事の裁判所は置かなければならない場合があるわけで、だからそういうのはわれわれだって、この地方は事件が非常に少ないじゃないか、東京に比べて五分の一じゃないか、それじゃもっと減らせということでその県から裁判官をいなくして、ときどき出張するというようなことはできないわけで、そんなことはわれわれはよく承知しているわけです。ただしかし、事件が減っているんじゃなしにふえているのに一挙に二二%も減るというのは、現場の裁判官の中でも、あるいは補佐をする書記官や事務官の中でも、これは非常に労働過重にもなるし、家庭裁判所軽視ではないかという声が起こっているから聞いているのですね。あなたの答弁を聞いても、もっともらしい納得させる理由がなくて、逆に、非常に事件がふえた場合にはふえるけれども、現状や少々ふえた場合にはふえないで減るという場合もあり得るんだ、そういうことを公然と答えるから私が言うたわけで、それに対してはむしろ黙っておる方が賢いので、それを、事件が減る場合にも裁判官が減らない場合があるんだというようなことを言うて反論したつもりになってあごをなでておるというようなことでは態度はすこぶるよろしくないですね。もう少し現場の裁判官の身になって答えなければいかぬ。答えが悪ければせめて態度だけでももっともらしい態度で答えるということをする必要があるということを指摘しておきたいと思うのです。
 ところで、大阪には傷害事件が多いのでしょう。全国一多いのでしょう。
#22
○大西最高裁判所長官代理者 私直接の所管でございませんので、ちょっと明確にはわかりかねる面がございますが、仰せのように、韓国人の事件が比較的多いようでございます。
#23
○正森委員 私の調査では、傷害事件が全国一多いことは確かなんです。一般的に、傷害事件というのは処理が非常にしにくいわけですね。ですから、そういう事件を抱えておって、しかも事件がふえておる、ところが裁判官が比率にして二二%減るということは非常に問題なんで、人事局なり、あるいは総務局が担当かどうか知りませんが、どうも総務局長が終始答えて、人事局長は黙して語らぬようですけれども、そういう点の配慮をぜひしていただきたい。特に、裁判官が二名減った場合に、書記官や事務官あるいは家庭裁判所にはいろいろの特別の役職の人がおりますが、そういう人が一律に減りますと、これは大変なことになるので、その点の配慮はぜひお願いしたいと思うのですが、いかがです。
#24
○大西最高裁判所長官代理者 裁判官以外の裁判所の職員の中で、家庭裁判所におきましては家庭裁判所調査官とか裁判所書記官、事務官、その他いろいろの職種の職員がございます。ここであらかじめ申し上げておきますが、家庭裁判所の調査官につきましては恐らく一名ぐらい減るのではなかろうかという予想でございます。それ以外の職員につきましては、現在大阪高等裁判所の方でいろいろ考えておるようでございまして、これは大阪高等裁判所管内のほかの裁判所との関係等いろいろございまして、それぞれの裁判所の職員の執務の実態等をよく検討いたしまして、いま高裁でいろいろ計画をしておるところのようでございます。現在のところ、具体的に大阪家裁について現状維持とかふやすとか減らすとかいうことは固まっていない状況のようでございますが、正森委員のお話は大阪高裁の方にもお伝えはしておきたいと存じます。
#25
○正森委員 大阪で人員が非常に不足しているというのは何も家裁だけではないんですね。民事六部というのがあります。これは普通は破産部と言われておりますが、御承知のように永大産業が史上最高だと言われる負債額で倒産したという事件も民事六部が担当しているわけですね。それで非常に忙しいということで、民事六部では病人が続出しているんですね。ここに組合の機関紙がありますけれども、大体四キロから十キロぐらいやせた人が続々と出ており、それから過労で病人が出るというような状況なんです。大阪の破産部で事件の推移がどうなっているか御存じですか。
#26
○大西最高裁判所長官代理者 大阪地方裁判所の第六民事部、いわゆる破産部というふうに呼んでおりますが、破産、和議、会社更生、会社整理、借地非訟、いろいろな事件をやっておるわけでございますが、いま主として破産についで仰せになりましたので破産について申し上げますと、特に破産は事件数がふえておるようでございまして、私の手元にあります資料では、五十一年と五十二年との間が特にひどいようでございます。五十年が二百二十件、五十一年は少し減り二百十件台になりまして、五十二年が三百七十件台というふうになっていると承知しております。
#27
○正森委員 いまお答えになりましたとおりで、四十九年ごろは二百二十件だったのが五十二年は三百七十四件というように私の手元の資料ではなっておるわけです。これは率にしたら非常な伸びですね。和議が四十八年には十八件、四十九年には五十四件ぐらいだったのが、五十二年には百十三件というように非常な伸びを示しているわけです。
 それで、ここに非常におもしろいことが書いてあるのですけれども、「破産部が破産」という見出しで、これでは健康がもたないし、事件処理上も、本来破産部の裁判官もしくは書記官がやらなければならないことを、管財人とかそれから事件の当事者に書類を書かしているということで、弁護士の万から逆に、破産部の人員を充実してほしい、そうでなければ弁護士の方に負担がかかってくるということが三者協議の中でも出されているわけなんですね。ですから、私はいま家裁のことを言いましたけれども、民事のこういう部でも非常に事件が激増しておる。そこで、要求に出ておりますのは――普通は裁判官一名に書記官は二名ついておるのですか。
#28
○大西最高裁判所長官代理者 実は、正森委員御承知かも存じませんが、数年前まで大阪地裁の第六民事部で現実に私自身執務しておりますのであれでございますが、裁判官一人に二人ではなかったというふうに私は記憶しておるわけでございます。時点によって少し違いますが、破産係について申しますと二人で三人という時期もあったのではないかと思いますが、あるいは現在は二人であるかもしれません。ちょっと明確なお答えはいたしかねます。
#29
○正森委員 私の調査も違っているかもしれませんが、現在は二人らしいのですね。それをぜひもう一名増員して三人制にしてもらわないと、いまの事件の大勢で、もし裁判官がふえないとすれば、これはとても大変だということです。電話が大変らしいんですね。しかも破産部の電話は長いのですね。破産債権者だとかいろいろな利害を持った人が血相を変えて電話をしてくる。ある書記官などは、自分が電話に出ているときに同時に他の二つからかかってきて、三つ一緒にかかってくるというようなことを機関紙で訴えているのです。ですから、こういう点についてもぜひ最高裁が全体として人員の点について配慮していく必要があるのではないかというように思うわけです。
 それから、これはいま家裁と破産部だけを取り上げたのですが、刑事もそうですね。刑事でも事件がふえておるのに、なかなか裁判官もふえないし書記官もふえないという状況が起こっているようであります。手元にあるのですけれども時間の関係で省略いたします。
 大阪でもどこでもあるのですけれども、速記官をふやすとその見返りに書記官を減らさなければならないというようになっているのですか。
#30
○大西最高裁判所長官代理者 速記官を配置いたしました場合に事務官を削るかどうかという問題でございますが、地方によりましては、別に増員の要素がありまして増員をいたしますところはそういう事態は生じませんが、ただ、普通の増減がない場合に速記官を配置するという地方がありました場合には、私どもといたしましては、速記官を配置するとともに定員的には事務官を一人代替的に削る、そういう措置をとっております。
#31
○正森委員 それは非常に実情を知らないですね。これはいままでのも必ずしもよくないのですが、従来は速記官を二名ふやすと事務官を一名減らす、それで速記官は、自分たちが増員してもらうと他の職場に影響が来るということで非常に気がねしていたのです。ところが最近、最高裁は、速記官を一名ふやしたら事務官を一名減ずるということになりまして、事実上増員要求ができないということで非常に困っているのです。というのは、なぜかといいますと、書記官というのはどんなことがあっても法廷に入らなければならないわけですが、それを減ずってしまいますと、速記官は物理的にふやそうにもふやせないという関係になるわけです。ほかの職種のようにやりくりがきかないのです。速記官というのは、戦後、なるべく訴訟当事者間の主張を明確にして、特に証人については証言をきわめて明確にするという意味で新しく採用された職種であって、時代の要請とともに、ロッキード事件をまつまでもなく、非常に正確に当時者の発言を録取しなければならないということで、これはふえることはあっても減ることはないのですね。ところが、そういう特別な職種であるのに、それをふやそうと思えば、一対一で他の部分を削らなければならないというような原則を立てられると、これは速記官としてはもちろん困るし、他の職種との間の対立関係が生じるのですね。だから、こういう指導は非常に好ましくないのじゃないかということを指摘しておきたいと思うのです。
 そういう前置きをして申しますが、私は昨年度の審議でも速記官の問題を取り上げたわけです。そのときに、定員が九百三十五名だけれどもこれは三十九年から据え置かれている、そのうちで二百八十名もの欠員があるということを指摘しました。これは答弁の中で最高裁が二百十二名だと言いましたが、それは研修中の者や教官まで含めて二百十二名の欠員なんだ。それは現実に動いてないわけですから除くとすれば、二百八十名もの欠員があるということがわかったわけです。そのときの答弁では、勝見人事局長の「いわば一人前の速記官に仕上げるには相当な年限とトレーニングを要します。しかも、特殊な職種でございますので、研修所に入所してから大分いわば脱落する方も出てまいるような現状でございまして」云々というのが昨年の三月十五日の答弁であります。
 そこで、私は伺いたいのですけれども、速記官は大体何人ぐらい書記官研修所速記部に入所して、そして何人ぐらい脱落せずに終了しているのか、最近の例をまずお答え願いたいと思います。
#32
○勝見最高裁判所長官代理者 逆に申し上げますと、五十一年度、入所人員が三十九名でございまして、終了人員が二十九名、五十年度、入所人員が三十六名でございまして、終了人員が三十一名、四十九年度が二十名の十七名、四十八年度が二十六の十九、四十七年度が三十二の二十、このような状況になっております。
#33
○正森委員 それでは、非常に恐縮でございますが、昭和三十一年から三十四年までをお答え願いたいと思います。
#34
○勝見最高裁判所長官代理者 三十一年度が入所人員九十五、終了人員七十七、三十二年度が百十一に対して九十八、三十三年度が九十一に対して八十五、三十四年度が八十四に対して七十六、三十五年度が四十九に対して四十五でございます。
#35
○正森委員 いま、私が要求しない三十五年までお読みになりましたけれども、三十五年まで読んでいただいた方が非常によくわかるわけですね。お聞きになりましたように、三十一年度から三十四年度までは、百十一名にも達した三十二年をはさみまして、入所人員が大体九十名ですね。そして、一割ないし一割五分ぐらい脱落しておるわけです。ところが、三十五年からはそれが約半分の四十九名にぽかんと減りまして、以後は大体三十名から二十名台の入所人員になっているわけです。したがって、終了人員も、それからまた脱落者が一割から二割出ますから、それよりも若干減るというかっこうで最近までずっと続いてきておる。したがって、最近では入所人員がそもそも三十名台であるということになっておるわけですね。ですから、速記官というのが特殊な業種でしかも事柄の性質上脱落もございますので、こう言うておりますけれども、三十一年から三十四年のように九十名ぐらい入所させて、脱落して二、三十名だというならこれはいたし方がないというように思いますが、入所人員をそもそも三十一年から三十四年当時の三分の一にしておいて、そして特殊な職種でしかも脱落があるということを言いましても、入所人員がそもそも少ないわけですから、これは最高裁が速記官を確実に充員しよう――定員が九百三十五名もあって二百名以上定員が欠けておるのに、充員しようという姿勢が非常に希薄であるということがこういう数字にあらわれているのじゃないかというように思いますが、いかがです。
#36
○勝見最高裁判所長官代理者 速記官の養成につきましては毎度この委員会におきまして御質問をいただいているところでございます。前回私からも申し上げましたように、できるだけ充足していこうという姿勢をとっているつもりでございますが、御承知のように、まず内部から速記に適性のある人に応募してもらいまして、そこから採用しておったわけでございますが、内部からの採用も限度がありまして、現在は御承知のように外部からも採用しているわけでございます。現在の速記部の養成につきましては、先ほど御指摘のように教官自体の人員も充足いたしまして、施設その他についても十分配慮して養成しているつもりでございますが、現在のところ、先ほど三十とおっしゃいましたが、四十を目標にいたしまして入所人員を採用いたしまして養成に努めているところでございます。しかし、脱落者もございまして、確かに欠員の充足につきましては御指摘のように遅々たるものがございますが、あくまでも速記の重要性を考えまして、できるだけの努力をして、おいおい充員してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#37
○正森委員 こういうことは決して言いたくないんですけれども、四十名を目標としているところでありまして、三十名台ではございません、こう言うのですけれども、これは、問わず語りに努力の不十分さを認めていると思うのですね。これが、八十名を目標にしておるのでございますが、三十名でというのならわかるけれども、まるまる目標どおりいったって四十名でしょう。三十一年から三十四年までは九十名、百名入所させていたわけでしょう。そうしたら、欠員が慢性的に続いているのにちっとも真剣に充実させようという気持ちがなかったということを人事局長がみずから認めておると思うのですね。
 そこで私は、速記官やあるいは裁判所の職員から出ている速記官を別枠定員にするというようなそういう構えをするお考えはないか。速記官が一名ふえれば別の事務官を一名減らすというようなそういうやり方は、やはり抜本的に考えていく必要があるんではないか、こう思いますが、いかがです。
#38
○大西最高裁判所長官代理者 速記官の定員を配置いたしました場合に事務官の定員を削るという問題でございますが、先般当委員会でも御説明申し上げましたけれども、速記官の定員がそもそも従前書記官補という官職、現在はございませんが、そういう官職から組みかえたものでございまして、現在の速記官の欠員は実際上は事務官が、その数に完全に一致するわけではございませんが、事務官が行っておりまして、その事務官の補助を得て書記官が供述を録取しておる、そういう関係に実はあるわけでございます。
    〔委員長退席、山崎(武)委員長代理着席〕
本来はそういうふうな定員組みかえから出発し、現在現実には事務官をもって充員されておるというふうな関係にございますので、裁判所といたしましては別個増員について努力をいたしまして、速記官をその増員分から代替要員を削ることなく配るという努力をする以外にはないわけでございまして、いま直ちに速記官の配置、定員を配ります場合に、完全に代替削減なしということはちょっと直ちにはいかないという事情をひとつ御了承いただきたいと存じます。
#39
○正森委員 御了承はできませんね、伺いはしますけれども。
 それで、あなた方は、先ほど速記録を私拝見しておったんですけれども、五十三年の二月十七日に山崎委員の質問に対して、当初は百二十八名の増員の要求をしたんだということを言うておられますね。それで、その後最終的には裁判官八名と裁判官以外の裁判所職員が四十二名ということで要求をした。しかしながら行政部門における人員の削減があるので裁判所も御協力申し上げて、三十二名の事務官の減が一方にあったので、結局裁判官八名に裁判官以外の職員が十名ということになった、こう言うているんですね。そうしますと、百二十八名に対して十八名ということになりますと、率から言うたら七分の一ぐらいなんですね。百二十八名という中にも行政部門における人員の削減というのを盛り込んでおったといたしましても、それを三十名と見るか五十名と見るかは別ですけれども、それにしても非常な減り方なんですね。ここに私は全司法労組の機関紙を持っておりますけれども、最高裁はどなたが出られたのかもわかりませんけれども、その実現のためには全力を尽くすというように答えておられるんですね。要求した以上は、百二十八名というのはこれは絶対にがんばるんだということで言うておられるようですね。それはやはり必要だったんでしょう。
#40
○大西最高裁判所長官代理者 昨年の八月に要求書を提出いたしました段階で、増員の要求が百二十八名であったということは正森委員御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、昨年八月のその時点における事件数、裁判官の充員見込み等いろいろ考えまして、一応百二十八名というものを、その時点における一つの理想的な形をできるだけ早急に実現する、それが可能だということでそういうふうに要求をしたわけでございます。ただ、その後実際に十二月に財政当局と最終的に御協議申し上げる時期までに、事件数の関係あるいは裁判官の充員の見込み等いろいろ勘案いたしまして、十二月の最終の時点ではやはりいろいろな面を考えて、その程度でなければ実際問題としては充員等はできないだろうというふうなことになりまして、最終的にはいま御指摘になりましたように裁判官八名、その他の裁判所職員四十二名ということで協議が成立した、こういうことになっておったわけでございます。
 八月に要求いたしました時点では、あくまで私どもとしてはそれに全力を挙げる、その時点における事情のもとにおいて全力を挙げるということで、あるいは組合との間でもそういうふうな発言があったのであろう、かように存じております。
#41
○正森委員 いまの御主張には事実と違う点があるのですね。この機関紙によりますと、十二月一日に人事局長交渉を午後四時半から四時間半余り行ったということの一問一答が出ているのです。ですから、十二月一日にもこういう要求を堅持して、あなた方は「非常にきびしいが、要求している以上は、とる決意で最大限努力する。」というように言っているのですね。これは組合側の機関紙。それからあなた方の裁判所時報というのを見ると、これは五十二年十二月二十日ですね、十二月一日の交渉の増員問題に触れて「その内容をいうわけにはいかないが、増員が極めて困難であろうことを予想しながらも、要求した数の実現には最大限頑張る覚悟である。」これはあなた方の方が、百二十八名について、要求した数の実現には最大限がんばる覚悟である、こう言っているのです。ですから、八月にはこうだったけれども、その後事件が非常に減ったので要求を下げたというのじゃなしに、最大限がんばると言って要求していたんだけれども、最大限がんばれなくて腰砕けで大蔵省にねじ伏せられたということを認めているのじゃないですか。それを何か、夏のときにはこれくらい人員が要ったんだけれども、その後事件が少なくなったので、それで人員がこのくらい減ったのも妥当なんだという、そういうニュアンスにとられるようなやり方というのはよろしくない、もう少し正直にお答えになる方がいいと思います。
#42
○勝見最高裁判所長官代理者 全司法との交渉につきましては御指摘のとおり私が在席いたしておりまして、私がお答えした内容でございます。いま総務局長からお答えいたしましたが、増員要求につきましては主管局が総務局長でございますので、その内容につきましては総務局長の申し上げたとおりでございます。私どもといたしましては、人事担当者ないし組合との交渉担当者として、当時の時点で私なりに申し上げたところでございます。
#43
○正森委員 いま勝見人事局長から率直なお答えがありましたので、私はこれ以上申そうとは思いません。それなりに御要望されたんだろうけれども、やむを得ずこの辺で手を打たれたということだろうと思うのですね。私はほかにいろいろ資料もあるのですけれども、本日緊急上程したいというような御要望もございますから省略をいたしますけれども、現実にあなた方のそういうような態度のために速記官がふやせないで、一カ月に十時間以上も速記に出るというようなところが出ているとか、それから大阪の破産部では、破産部が破産だというような状況が起こっているとか、あるいは家事部が非常に軽視されて二二%も人員が一挙に減るというような状態が起っているとか、あるいは破産部では、書記官が十キロも体重がやせ、病人が続出しているという状況が起こっているとか、そういうことが起こっているわけですね。
 ですから、あなた方はもう少しこういう点について思いをいたされる必要がある、こう思うんですね。そのときに組合の方がたまりかねて、全数とるにはこれまでと違った方法でなければならない、昨年の二十名を割るなら二重予算権を行使することも考えよ、こう言ったら、当局というのは勝見人事局長でしょうが、「情況しだいだ。二重予算権は裁判官会議を開かなくてはならないし、国会で否決されれば、十五人の責任問題になる。」こういう答弁をしておられるのですね。これはどういう意味ですか。
#44
○勝見最高裁判所長官代理者 二重予算制度につきましては私から申し上げるまでもなく御承知のことと存じます。結論を申し上げますと、いわば内閣と裁判所、司法と行政との接点のぎりぎりの問題になりまして、結局国会に御結論をいただくというような制度であろうと思います。そのような重要な問題でありますので、いわゆる二重予算権を行使するにつきましては十分慎重に考えなければならない。もしこれ事成らざれば、やはり最高裁判所としての責任が当然生ずるのではないかという趣旨で答えたものでございます。
    〔山崎(武)委員長代理退席、委員長着席〕
#45
○正森委員 そこで私伺いたいのですけれども、最高裁判所の裁判官というのは、私の知るところでは国民投票で罷免を可とする者が多数にならなければ、自分の意思に反してやめることはないと思っておりましたが、仮に二重予算権を行使して万が一国会で否決されれば、最高裁では、最高裁長官以下裁判官会議に出席した十五名の裁判官は責任をとらなければならない、それには辞任もあり得るというお考えですか。これは憲法上ゆゆしい問題だから、伺っておきたい。
#46
○勝見最高裁判所長官代理者 裁判官の身分の保障につきましては御指摘のとおりでございます。一方、裁判官会議は司法行政についても最高責任を持っておるわけでございますので、司法行政上の責任がどうなるかということにつきましては、確かに御指摘のとおり非常に重要な問題だと思いますが、当然にその場合に職を退くとかなんとかという、いわば非常にドラスチックな形でその責任をとるかどうかにつきましてはお答えいたしにくいわけでございますが、司法行政上の責任というものはやはり最高裁判所の裁判官にも負っていただいているというふうに考えております。
#47
○正森委員 私はきょう本当はここに事務総長が出てきておられてもいいと思うのですけれども、最高裁は自己抑制が非常に厳し過ぎるんじゃないですか。いま瀬戸山法務大臣がおられますので、瀬戸山法務大臣にもお答えいただきたいと思いますが、内閣の場合には、予算が通らないというような場合には、予算を通さなければ解散するぞ解散するぞと、こういうようなことを、解散する気がなくても言って予算が通るように働きかけるとか、あるいは修正が、大幅はいかぬけれども小幅ならいいとか、小幅もやらないぞとか、いろいろやっては自分の御主張を通されるわけですね。そうじゃございませんか、法務大臣。
#48
○瀬戸山国務大臣 政府はそのとおりでございます。
 いま裁判所の裁判官あるいは書記官等の人員の問題で正森さん、正森さんだけじゃありませんが、法務委員会でいろいろ御心配いただいておる。私は裁判所じゃありませんけれども、司法行政に関係しておる者として感謝をいたしております。ただ裁判所といえども、独立の機関でありますが国家財政なりあるいは国民負担のことも考えなければならない。何とか円満な裁判が遂行できるようにということで人員の問題で毎年努力をされておることは、私どもも側面から知っておるわけであります。また側面からお力添えすることもあるわけでございますが、そういう立場でありましても、独立の機関としての権限がありますが、やはりいま申し上げましたように国の財政、国民負担の問題も考え、全般を考えて対処しようという気持ちもあるわけでございます。これはまたあってしかるべきだ、こういうふうに思いますので、もっともっと努力はしなければなりませんが、そういう全般の問題を考えてことしはこの程度でやむを得ない、こういう立場であろうと思います。
 正森さんは事情をよく知っての御鞭撻でありますから感謝を申し上げておきます。
#49
○正森委員 私が申しましたのは、何も最高裁に行政府と同じようなテクニックをやれというわけではありませんけれども、私がいまほんの一、二の例を挙げただけですけれども、下部で非常に労働強化が起こっており、場合によってはゆっくりと当事者の言い分を聞いたいい裁判ができない可能性がなしとしないということになった場合には、これは二重予算の権限もありますから、よしんばこの権限を行使されないまでも、いろいろ最高裁に同情してくれる政府向きもあるでしょうから、二重予算権を行使しなければいけないぐらいぎりぎりのところなんだという説明をするとか、いろいろ決意の示しようはあると思うのですね。ですから、私もこの権限を軽々に使うべきであるというようなことは言いませんけれども、そういう伝家の宝刀があるということをよく御承知になった上で、どうしても要求しなければならないものは要求されるという態度が必要だろうと思いますし、それから二重予算が提出された場合に、現在は政府の予算でも修正されるという場合はあるわけですからね、まして二重予算が出た場合に野党がどういうぐあいに考えるか、あるいは与党も、そこまで最高裁が思っているならこの点は考えようとか、いろいろの段階があるわけですね。そして、仮に否決されたとしても、その場合に責任をとらなければならないのは一体最高裁なのか内閣なのか国会なのか。必ずしも最高裁だけが理不尽であるということにはならないわけで、それを国民全体が次の最高裁裁判官に対する国民投票で判断するということに筋としてはなるべきですから、軽々に組合との交渉の中で、十五人の裁判官の責任問題になると、あたかも最高裁総辞職しなければならぬかのような言葉を言って裁判所職員の正当な要求を抑えつけるというようなことはやるべきでないということを申し上げておきたいと思うのです。
#50
○大西最高裁判所長官代理者 裁判所の予算のことにつきまして御理解、御激励をいただきまして、まことに恐縮に存じております。
 私どもといたしましても、従前、正森委員御指摘のとおり二重予算権というものは常に念頭に置いて財政当局ともお話し申し上げておりますし、財政当局におかれましても、この制度があることをやはり十分頭に置いて私どもの話をお聞きいただいておるものと存じます。今後とも、正森委員お話しのように、予算の件につきましては十分努力を続けてまいりたいと存じます。
#51
○正森委員 私はこの後、裁判官の不足の問題について、法曹一元の見地から、弁護士からの裁判官採用について、過去の経緯を述べながら質問をいたす予定でございましたけれども、それを始めますとまた時間がたって、同僚議員の御心配の時間に間に合わないといけませんので、私の質問はこれで終わらしていただきたいと思います。ありがとうございました。
#52
○鴨田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
#53
○鴨田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#54
○鴨田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#55
○鴨田委員長 次に、ただいま可決いたしました本法律案に対し、山崎武三郎君外六名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同、新自由クラブ及び社会民主連合の共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。山崎武三郎君。
#56
○山崎(武)委員 私は、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党、日本共産党・革新共同、新自由クラブ及び社会民主連合を代表して、附帯決議案の趣旨について御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  一 政府並びに最高裁判所は、裁判の適正かつ遅滞なき処理を図るため、裁判官及びその他の裁判所職員の増員、適正な配置、充実等についてより積極的対策を講ずべきである。
  二 政府は、近時の社会、経済情勢にかんがみ、薬品、食品等をはじめ欠陥商品に関し、消費者の救済に万全を期するため、関係各省間の協議を促進し、時代の要請にこたえるべき体制を整備すべきである。
以上であります。
 本案の趣旨については、委員会の質疑の過程ですでに明らかになっておりますので、省略いたします。
 何とぞ本附帯決議案に御賛同あらんことをお願いいたします。
#57
○鴨田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 直ちに採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#58
○鴨田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、瀬戸山法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。瀬戸山法務大臣。
#59
○瀬戸山国務大臣 裁判所職員定員法の一部改正について慎重御審議をいただきまして、その間、各般の問題について御注意等いただきましたこと厚くお礼を申し上げます。
 ただいま附帯決議をいただきましたが、この二項目については、御決議の趣旨を尊重いたしまして最善の努力をいたしたいと思います。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#60
○鴨田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#61
○鴨田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は付録に掲載〕
    ―――――――――――――
#62
○鴨田委員長 次回は、来る二十二日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午前十一時四十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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