くにさくロゴ
1977/05/11 第84回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第084回国会 地方行政委員会 第22号
姉妹サイト
 
1977/05/11 第84回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第084回国会 地方行政委員会 第22号

#1
第084回国会 地方行政委員会 第22号
昭和五十三年五月十一日(木曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 木村武千代君
   理事 大西 正男君 理事 高村 坂彦君
   理事 中村 弘海君 理事 中山 利生君
   理事 小川 省吾君 理事 佐藤 敬治君
   理事 小川新一郎君 理事 山本悌二郎君
      相沢 英之君    井上  裕君
      石川 要三君    谷  洋一君
      地崎宇三郎君    中村喜四郎君
      中村  直君    西田  司君
      加藤 万吉君    北山 愛郎君
      新村 勝雄君    細谷 治嘉君
      水田  稔君    権藤 恒夫君
      斎藤  実君    和田 一郎君
      中井  洽君    三谷 秀治君
      川合  武君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   加藤 武徳君
 出席政府委員
        警察庁長官   浅沼清太郎君
        警察庁長官官房
        長       山田 英雄君
        警察庁刑事局長 鈴木 貞敏君
        警察庁刑事局保
        安部長     森永正比古君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房管理室長   小野佐千夫君
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  柳館  栄君
        大蔵省関税局輸
        出課長     村本 久夫君
        通商産業省機械
        情報産業局航空
        機武器課長   山田 勝久君
        通商産業省生活
        産業局文化用品
        課長      高瀬 和夫君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出第四七号)(参議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○木村委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出に係る銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
#3
○新村委員 銃刀法につきましては、いままで数次の改正が行われまして、逐次取り締まり強化という方向に進んできたわけでありまして、特に昨年はモデルガンの製造についてかなり厳しい規制を内容とした改正が行われたわけでありますが、それに伴いまして衆議院、参議院とも附帯決議が行われておるわけであります。本委員会の附帯決議といたしましては、「政府は、本法の施行に当たり、次の点に留意し、その実効に遺憾なきを期すべきである。」そして一、二、三とあるわけでありますが、この附帯決議につきまして、その後の実行を伴うべき内容もあるわけでありますけれども、その内容についてどういうふうな配慮がなされたか、あるいは実行がなされたかという点について、まずお伺いをいたします。
#4
○森永政府委員 お答えいたします。
 第八十回国会におきまして、モデルガン等の規制強化、それから拳銃の密輸入、譲渡、所持等に関する罰則の強化を図っていただいたわけでございますが、その際に三点の附帯決議をつけていただいたわけでございます。
 第一点は学識経験者の意見を十分に聞くようにということでございまして、これにつきましては、その後もこの法の運営につきまして各学識経験者あるいは業界等の意見も十分に聞きまして、運営の適正を図っておるわけでございます。特に業界におきましては、自主的な検査組織をつくりまして、法に適合する適正なモデルガンにするための努力を図っておるというような状況でございます。
 それから、弾の流出等につきまして、これは従来から重要な問題でございまして、これにつきましては関係機関とも十分協議をいたしまして、その指導取り締まりについてさらに強化をいたしておるところでございます。
 また、第三の、暴力団犯罪の絶滅にこれを十分に活用することということでございますが、もちろん拳銃の規制を強化していただいた、特にモデルガンの規制を強化していただいたということは主として暴力団対策にあったわけでございまして、暴力団担当の刑事局とも十分に連携をとりまして、この法の活用を図ってきておるところでございます。その結果、この法が施行になりました以降、モデルガンについて規制を受けた者によって暴力団犯罪が行われたというような事例もないわけでございまして、今後ともこの法の活用については十分に努力をしてまいりたい、このように考えている次第でございます。
#5
○新村委員 銃刀法の本来の目的は、何といっても犯罪の防止、そして公安、治安の維持ということにあるわけでありますけれども、同時にまた、すべてがそれであるということではないわけでありまして、やはり国民の文化的な嗜好に対する配慮、あるいはまた従来の慣習、そしてまた特に製造業者の経済的な問題への配慮ということも同時に総合的に考えていかなければならないわけでありますから、犯罪防止ということに重点を置きながら過度の取り締まりあるいは規制があってはならないわけでありまして、特に附帯決議の中でも「「銃砲に改造することが著しく困難なもの」を定めるに当たっては、従来の経緯と当委員会の審議の経過にかんがみ、銃器について専門的知識を有する者の意見を聴取する等慎重を期し、国民の基本的権利を侵すことのないよう」ということが特に言われておるわけであります。そういうような基本的な問題と同時に、業界のその後の状況、昨年の規制によってかなり業界に対する影響が出たわけでありますから、それらがどういうふうにその後出ておるかということでありますけれども、昨年の規制は十二月から実施をされたはずでありますが、これによりましても業界の受けた被害というものはかなり大きいわけでありまして、五十一年度と五十二年度を比べますと、これは平年度ではなくて、五十二年度は十二月からということでありますけれども、その中で金属製ハンドガンについては、数量において六七・一%とかなり減っておる。金額でも十七億から十一億というふうにかなり減っておるわけであります。それから、輸出につきましても、七三・八%、金額でこれまた同じ率が減っておるということであります。こういう中で、この業界は最初からシェアなり生産の額というものが少ないわけですから、額とすると少ないんですけれども、その生産額に比較するとかなり大きな打撃であるわけですが、これに対してどういうふうな行政的な配慮をなさっておるかお伺いしたいと思います。
#6
○森永政府委員 確かにただいま先生御指摘になりましたように、モデルガンの規制を強化いたしましてからモデルガンの製造、輸出、販売というものはかなり落ち込んでいることは承知をいたしておるわけでございます。もちろんその原因と申しますのは、モデルガンの規制を強化したということも確かに大きな原因になっていると思いますが、全体的な不況の影響というものもかなりあるのではないかというように考えておるわけでございます。業界といたしましては、最初はいろいろ異論、意見等もあったわけでございますが、現在は法が施行されて以来一部を除きまして全体的にはこの法の趣旨を了解していただいて、協力して業界の発展に努めているというふうに承知しておるわけでございます。
 したがいまして、先ほど申し上げましたようにひとつ法の規格に適合するようにやって業界を正常に発展させようじゃないかということで、第三者機関の検査機関を設けまして、セーフティーモデルガン、SmGマークの販売をするということで改造防止に努めてきてもらっておるわけでございます。これについて私どもはできるだけ業界の自主性を尊重するということで、それについていろいろ相談事があるということであれば、十分にこれを聞くというふうな姿勢でこれまで接してきておるわけでございますが、経済的な損失と申しますか、これに対する補償というようなことは現在のところやっておりませんし、考えておらないわけでございますが、今後とも業界が正常に発展するように通産省とも連携をとりましてさらに努力をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#7
○新村委員 ただいま業界の自主性を尊重されるというお話がございまして、ぜひそうお願いしたいわけでありまして、そのためにはやはり昨年の審議の中でもありましたけれども、過剰な取り締まりあるいは過剰な立法はぜひ避けていただきたい。治安、公安の観点からの配慮がもちろんこれは基本的にありますけれども、それがエスカレートいたしますと、いわゆるおもちゃ狩りと言われるような段階になりますとこれは大変困るわけでありまして、そのために専門委員会を設置して、そこで十分検討される、そういうことが望まれたわけでありますが、この専門委員会の検討の経過等、ひとつ伺いたいと思います。
#8
○森永政府委員 附帯決議で御指摘をいただきましたのに従いまして専門委員会を設置いたしまして、どのような構造にすべきかということを十分検討をいたしたわけでございます。その際には、業界の方の意見も十分に聞きまして、その中でいわゆるモデルガンの構造を定めまして、総理府令によって基準を定めた、こういう状況でございます。今後ともこのように各業界の意向等も十分に聞いて今後の行政に反映していきたい、こういうように考えております。
#9
○新村委員 いまお伺いしたのは専門委員会の構成なり専門委員会の審議の過程、何回開かれてどういう審議があったか、そういう経過をひとつ伺ったわけであります。
#10
○柳館説明員 お答え申し上げます。
 専門委員会は四名の先生をお願いいたしまして、昨年来四、五回詰めた議論を拝聴いたした次第でございます。そしてその結果、一名の委員の方は、いまの基準よりも若干緩くてもいいのではないかという御意見がございましたけれども、ほかの三名の方々は、現在総理府令で定められております基準であるべきだという御意見でございました。私どもは業界の意見等をむしんしゃくし、かつまた、改造防止の万全を期するという点をも配慮いたしまして、現在定められているような総理府令の内容にいたした次第でございます。
 その結果、各業者、業界ともにそのことを了といたしまして、その基準に沿ったものをつくっておる次第でございます。そして先ほど保安部長からも答弁がございましたように、一件も新しい基準に基づくモデルガンの改造例はないという状況で、私ども全般として大変良好な推移をたどっているのではないかというぐあいに考えております。
#11
○新村委員 要するに、モデルガンについては、改造が絶対に不可能であるというチェックがされておればいいわけですね。その後において改造が全く不可能な材質が開発をされておるということを聞いておるわけでありまして、これを使えばいままでのような総理府令の厳しい規制がなくとも改造が全く不可能であるということが言われておりますけれども、その点はいかがでしょうか。
#12
○柳館説明員 お答え申し上げます。
 改造が全く不可能なという材料はいまのところ必ずしもあるとは言い切れないと思っております。しかしながら、改造はほとんど困難である、大変困難であるというところでいま私どもはがまんしているといいましょうか、そういう状態になっておるのでございます。
 なお、今後そういう改造防止上、現在の改造防止措置のために使われておる材質以上のいいものが出てまいりまして、そのことがまた各関係者の了解が得られるということであれば、そういう材料を使った基準というものも検討に値することだと考えておる次第でございます。
#13
○新村委員 これは最近東芝で開発されたというふうに言われておりますが、ダイヤモンド入りのインサート、いわゆる超硬質のインサートがつくられておりまして、これを使えば全く改造は不可能である、そしてモデルガンとしての愛好の目的だけにその製品が使われて、絶対にほかには悪用されない、こういうものができておるということでありますけれども、この点、この材質についての御見解はいかがですか。
#14
○柳館説明員 ただいま御指摘のダイヤモンド入りのインサートの件でございますけれども、私どももこれを一度実験はいたした次第でございます。ただ、これはある程度値段が張るものでございますので、これを全般に基準として取り上げて全体に押しつける結果になるのはどんなものだろうかというぐあいに実は考えておりまして、今後検討した結果、業界の方でそれでもいい、むしろその方がよろしいということになれば、そういう方向で取り入れることを検討してまいってもよろしいというぐあいに考えておる次第でございます。
 問題は、材料の数とか値段の問題をどう考えるかということが一つの問題点であろうかというぐあいに思っておる次第でございます。
#15
○新村委員 そういたしますと、ダイヤ入りインサートについては御検討願えるというお答えをいただいたわけですけれども、通産御当局といたしまして、こういう新しい材質ができて、しかも業界がそれでもよろしい、それでひとつ健全な娯楽あるいは文化的なものをつくろうということであった場合に、通産のお考えとしてそれを支持し、また警察庁御当局とも協議をしてそれが実現に努力をされるお考えでございますか。
#16
○高瀬説明員 通産省といたしましては、業界がそういうふうにすることを希望し、かつまた、警察庁御当局とも協議をいたしまして、特に法令上も問題がないということでございましたら、できるだけのバックアップはいたすつもりでおります。
#17
○新村委員 ぜひ、犯罪に関係がないということであれば、ひとつそういう方向で御努力をいただくことが、やはり健全な国民の娯楽あるいは文化を育てる上にこれは一助になるのではないかということで、御努力をいただきたいと思います。
 それで、少し前に戻りますけれども、五十二年十二月規制によりましてかなり業界が打撃を受けたわけでありまして、そのために現在相当量の半製品があるということが言われております。いまの問題に関連をいたしまして、このダイヤ入りインサートの採用がよろしいということになれば、数十万丁の半製品が助かるということだそうであります。そういたしますと、そこにかなり経済的な問題もございまして、ぜひともその実現をお願いしたいわけであります。
 同時に、五十二年規制によって先ほど申し上げたような業界の不振、現在すでに倒産寸前にある会社も何社かあるようでありますが、そういたしますと、比較的狭い、経済界におけるウエートは必ずしも重くはありませんけれども、現在の不況、そして雇用問題が叫ばれておるときに、たとえ狭い分野におきましても、倒産あるいは失業が出るということについては重大な関心を持たざるを得ないし、通産あるいは政府御当局としても、事の大小を問わず真剣に取り組みをいただかなければならないわけでありますが、こういう目前の事態に対して、通産御当局はどうお考えでございますか。
#18
○高瀬説明員 われわれとしましても、この新しい規制によります業界に対する影響の出ぐあいを従来から注視をしているわけでございますが、十二月の規制以降、特にまだ業界に大きな影響を及ぼすというふうな現象については、行政の措置の基礎になり得るような明確なデータをつかみ得ておりません。したがいまして、今後どういう影響が出てまいりますか、業界団体とも十分連絡をとりながら見守っていきたいというふうに考えておる次第でございますが、たとえば企業数について言いますと、規制前規制後、九社そのまま変わりはございません。また下請の企業数についても全く変化はございません。生産量について若干落ち込んでおる、あるいは規制対象になっております機種についての影響が非常に大きいというふうな意見も一部あるわけですが、まだ明確な、信頼し得るデータとして出てまいっておりませんので、そのあたりを十分今後見つめながら対応策を考えてまいりたい、そういうふうに考えております。
#19
○新村委員 明確な影響がないということでありますけれども、これは一つの調査でありますが、五十二年十二月から――これは平年度ではございません、五十二年十二月からですから。これは先ほど申し上げたように数量で六七・一%に落ち込んでおるということでありますから、これは平年度化をいたしますとかなりの落ち込み、かなりの打撃になるのではないかと考えるわけであります。そういった点で、ひとつ今後ともこの業界の動向、趨勢を十分御注意を願って、しかるべき措置をとるようにお願いをいたしたいと思います。
 次に、ことしの改正につきましてですけれども、ことしの改正については、去年と違って実質的なものは余りない、主として手続上の問題あるいは管理の問題が主体でありますので、そう重大な問題はないと思いますけれども、二、三お伺いをしたいのです。
 この中に「大麻若しくは覚せい剤」中毒患者には許可証を与えないということでありますけれども、「大麻若しくは覚せい剤」の中毒者をどう判定をするか、また既往症等についてはどういうふうに考えるのか、その辺をお伺いをしたいと思います。
#20
○森永政府委員 今回の改正で覚せい剤中毒患者を欠格条項に新たにつけ加えていただくということをお願いをいたしておるわけでございますが、これらの中毒患者を認定する時点といたしましては、新たに許可を与える際に認定をする、それからさらに、銃の一斉検査を年に一回やっておりますが、そういう時点に努めてこれを発見するようにいたす、それから、いままで五年でございましたけれども、今度の改正で三年ごとに更新することになりますので、更新許可を与える場合に十分にチェックをする、それから、そのほかあらゆる警察活動の場において中毒患者を発見した場合には猟銃等を所持しているかどうかということを十分に見きわめていくということで発見に努めたい、このように考えておるわけでございます。
 その判定基準でございますけれども、これは一応公安委員会が認定をするということになっておるわけでございますが、私どもといたしましては何といっても素人でございますので、その手続の上で医師の診断書を添付するということになっておりますから、医師の診断書を十分に尊重いたしまして、さらにそれだけでなくて、担当官が面接をして十分に見きわめる、あるいは所轄警察署のいわゆる各種の情報等によって総合的に認定をしていく、こういうことでやっていきたいというふうに思っておるわけでございます。
 もちろん問題点といたしましては、現在全国的に統一された中毒者の認定基準というものはまだございませんで、それぞれの医師が認定をしておるというような状況でございますので、できるだけ早くこの全国統一的な認定基準をつくっていただくように厚生省と現在協議をいたしておるところでございます。
 また、既往症についてでございますけれども、これは現に中毒者ということで認定された場合に欠格条項に該当するとして許可を与えない、また、それが取り消しの対象になる、こういうふうに考えております。
#21
○新村委員 通産はお帰りいただいて結構です。
 そうしますと、大麻、覚せい剤の患者としてこれを認定、確定をする基準がないということになりますと、いやしくもこの法律の執行に当たって、特にこういう治安立法というのですか、刑事政策的な法律の実施に当たっては、そういう不明確な部分があるということは、非常に国民としても不安でありますし、また、法律の実効を期する上からいってもこれは問題があるわけであります。そして、特に今回の改正の主要な点である中毒患者あるいは大麻の常用者、これを明確に認定あるいは特定できないということになりますと、法律の執行上非常に不安あるいは不安定があるのではないかと思うのです。
 特にこういう問題は医学的、生理学的な問題ですから、非常にむずかしいとは思いますけれども、何か権威のある基準なり方法が確定をされておりませんと非常に不安でございまして、その点をお伺いをしたいわけであります。特に、面接をしたって、においでわかるわけではなし、顔色でわかるわけではなし、そういうことで決定をされるともうその決定自体が果たして権威を持ち得るかどうか非常に疑問でありますけれども、その点はいかがでしょうか。
#22
○森永政府委員 確かに、先ほど申し上げましたように、全国的な認定の基準がまだできてないということについては、これは一つの大きな問題点だと思います。しかしながら、私どもといたしましても、現時点では医師の診断書を中心にして面接等で認定をするということを申し上げましたが、面接等につきまして、現在覚せい剤中毒者は注射によるものが多いわけでございます。それでまた、中毒者の場合には一応面接によってある程度判断をしていくこともできるわけでございます。しかしながら、それだけで警察の素人判断でこれを確定というわけにはまいりませんので、医師の診断書によって裏づけをしていくという考えでございます。もちろん、医師の診断書につきましても、いろいろ専門医でない方の診断書等もございます。そういう点で不審点があればさらに専門の医師のところにお願いいたしまして再度精密な検査をしていただいて、間違いのないところで認定をしていく、こういうふうにやっていきたいと考えておるわけでございます。
 なお、これは参考でございますけれども、では現在これが認定できないのかどうかということでございますけれども、現在、覚せい剤の中毒者につきましては精神衛生法で措置入院ができるということになっておるわけでございます。もちろん、この措置入院の要件としましては、覚せい剤の中毒者であるとともに、自傷他害のおそれがあるという条件がつけ加えられておりますけれども、その認定につきましても、現在全国的な基準がなくても一応認定をして措置をされております。この数字を申し上げますと、昨年一年間で措置入院をされた者が二百六十八人、中毒者であるということで自主入院をした者が三百六十九人、合計六百三十七人の者がそれぞれ中毒者ということで入院をしているわけでございます。そういい実績もあるわけでございますので、こういう実績の上に立って、なおかつ、これは人権等にも影響することでございますので、慎重に十分に検討して間違いのないような運用をやっていきたい、このように考えておるわけでございます。
#23
○新村委員 大体わかりましたけれども、そうしますと、中毒患者として明らかに禁断症状が出るとか、あるいは常時服用あるいは注射をしている痕跡があるとか、かなり重度の者、そして通常の健康な社会的生活がだれが見てもできないという、その程度以上でなければこれは適用しないというふうに考えてよろしいかどうか。特にこういう明確に客観的な判定ができない問題については、拡大解釈ではなくて、やはりできる限り厳重な運用が必要ではないかと思いますけれども、特にそういう点をお願いをいたしたいわけであります。
 その次の、三年ごとに講習を受け新たに所持をするための要件をつくるということでありますが、この講習あるいは技能検定の内容、いわゆるカリキュラムといいますか、この内容についてひとつ伺いたいと思います。
#24
○森永政府委員 講習の内容につきましては政令で定めることにいたしておるわけでございます。この内容には、新規の許可の際の講習と、それから更新のときに、正確に申し上げますと更新の前に行いますところの講習と、二通りあるわけでございます。
 その内容については、現在最終的に細かい点まで詰めておるわけでございますが、総括的に申し上げますと、新規の際には、新しい法令の講習と、そのときどきの事故の内容、傾向を踏まえまして銃の取り扱いに関する内容のものを盛り込みたい。ただ、新規所持者の講習は基本的な点に重点を置きまして講習をやる、さらに更新前の講習の際にはそのときどきの事故の実態に即応したものに重点を置いてやる、こういうふうに考えておるわけでございます。
 その時間数についても現在詰めておるわけでございますが、新規の場合にはできるだけ一日以内でやりたいというふうに考えておりますが、更新時の場合にはその実績も踏まえまして大体半分ぐらいの所要時間でやりたい。
 この際に、実際に講習の効果があったかどうかという効果測定をやらなければいけませんので、新規の場合にはペーパーテストをやりたいというように考えております。更新前のいわゆる二度目以後の講習に際しましては、その必要はないというふうに考えておるわけでございます。
#25
○新村委員 次に、指定射撃場あるいは教習射撃場という規定がございますが、これはどういう設備あるいは保安基準というものであるか、それからまた、公用といいますか、警察あるいは自衛隊でやっております射撃場との関係ですね、これらとの保安基準の異同、その点をお伺いいたします。
#26
○柳館説明員 お答え申し上げます。
 最初に、教習射撃場の認定基準、指定方法についてでございます。
 教習射撃場は、指定射撃場と違いまして、射撃教習を行うということを義務づけられることになるわけでございます。したがいまして、教習射撃が安全に、かつ特に公正に行われる必要があるということになるわけでございます。
 そのために、教習射撃場の指定の基準につきましては、猟銃に係る指定射撃場のうち、管理者及び管理の方法が総理府令で定める基準に適合しており、かつ、総理府令で定める基準に適合する射撃指導員が置かれているということが法律上の要件になっておるわけでございます。
 そこで、管理者の基準でございますけれども、まず
 二十五歳以上の者であること。
 管理しようとする教習射撃場で使用する銃砲または火薬類に関する相当な知識を有していること。
 銃砲の所持の欠格事由に該当しないこと。
 射撃に関する経験を有し、かつ、射撃に伴う危害の防止のために必要な知識を有している者であること。
 その者が指定射撃場または教習射撃場の管理者として在任中に発生した事由により当該指定射撃場または教習射撃場がその指定を解除されたことのない者。
 銃刀法または猟銃用火薬類に関する火薬類取締法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたことのない者。というようなことを現在のところ考えておるわけでございます。
 また、管理の方法の基準といたしましては、
 射撃教習を受ける者が仮許可を受けた者であることを確認した場合でなければ射撃教習を受けさせてはならないこと。
 教習射撃指導員以外の者に射撃指導を行わせないこと。
 射撃教習を行っている射面では一般の標的射撃を行わせないこと。
 教習射撃の業務が公正に行われるように指導監督すること。
 射撃教習修了証明書の交付に関する記録を三年間保存すること。といったようなことを基準として考えておるのでございます。
 それから第二点目の、射撃場あるいは教習射撃場の指定について一般の場合と公営ないしは公的な場合とでは保安基準ないしは許可基準等が異なるのかという御趣旨の御質問かと思いますけれども、市営、町営等のいわゆる公営の射撃場の指定基準は、一般の私営の場合と同じでございます。
 それから、警察官、自衛官等が射撃を行う警察学校あるいは自衛隊内の射撃場は銃刀法の適用を受けませんけれども、実際には一般の射撃場の基準に準じてつくられておるというのが実態でございます。
 また、公的な射撃場を一般の人が使用する場合には、公安委員会の指定が必要になるわけでございます。その指定の基準等につきましては、一般の場合とこれも何ら差はない、両方同じ基準で指定をしていく、こういうことになっておるのでございます。
#27
○新村委員 次に、銃の廃棄といいますか、いままで使っていた銃が廃棄をされる場合があるわけですが、それらの管理がどう行われておるか、それを伺いたいと思います。
#28
○柳館説明員 廃棄につきまして、法律上は特別なやり方をすべしというようなものはございませんけれども、大変危険でございますので、警察署に持ってきていただいて、警察署の方で廃棄するという手続をとっております。
#29
○新村委員 それは法的に義務づけられておるわけですか。そうでないと、いわゆる眠り銃がたくさん発生するという可能性がありますけれども、そこらはいかがでしょう。
#30
○柳館説明員 廃棄をする場合は、ただいま先生が御指摘のように眠り銃になっておって、御本人ももうこれ以上銃を使わないということになりますと、警察の方で、それでは譲渡するなり廃棄するなり、いずれかにしていただけないだろうかということを申し上げるわけでございます。
 その際に、それではひとつ廃棄いたしますということになりますれば、それを届けていただいて、警察の方が廃棄の実際上の手続をして差し上げるということでございまして、法律上警察が廃棄をしなければならないという規定はない、こういうことでございます。
 なお、眠り銃に関連して申し上げますと、廃棄せずに他人に譲渡すればいいという場合があるわけでございますので、財産的な損失をなるべく防ぐという意味で、正当に所持できる者に対して譲渡をするというようにした処理の仕方もいたしておる次第でございます。
#31
○新村委員 そうしますと、使用をしないで民間に眠り銃として滞留をする可能性はないということですね。
 次に、これはやはり新しい規定として保管業者というものを指定をして、保管業者が、使わない銃を、あるいはまた一時預ける必要がある場合に保管をするという規定がありますけれども、この保管業者は一人で多数の銃を保管するということになりますので、これはある意味ではかえって危険がそこに集中するというような形になりますけれども、その場合の保管業者の保安基準あるいはまた保管業者を規制する細かい配慮が必要だと思いますけれども、それらについての規定はどういうことになりますか。
#32
○森永政府委員 確かに、保管業者に銃を預けるということになりますと集中しますので、危険性はその分だけ高くなるということも言えるわけでございます。しかしながら、現在のところ個人保管の原則をとっておりますので、銃はそれぞれ各人が責任を持って保管するということになっております。しかしながら、これは長期旅行したり入院をしたりという場合に、これはむしろ個人保管にすることが大変危険でございますので、今回の改正で保管業者というものを指定いたしまして、これに預けることができるということにしたわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、集めることによって危険性が高くなるということでございますので、その基準については、総理府令で厳しく基準を定めることにいたしております。
 現在考えておりますのは、
 金属製ロッカーその他堅固な構造を有する保管庫であって、確実に施錠できるものに保管すること。
 保管庫は、常時人が看守できる場所にあること。
 保管庫は容易に持ち運びができないようにすること。
 保管庫またはその付近に非常の際外部に通報することができる装置を備えていること。
 保管に関する取り扱い責任者を定めること。
 保管の委託を受ける場合は、許可証の提示を求めること。
 帳簿を備え、受託年月日、受託した銃の銃種、型式、銃番号、委託者の住所、氏名等の所要事項を記載すること。にいたしております。
 かつまた、それだけの基準だけでは十分ではないわけでございますので、さらに今回の改正で警察官がいろいろ保管状況等について質問をしたり、あるいは立ち入りをしまして検査をするという権限を付与することにいたしましてこれを担保する、そして危険性のないように十分に配慮をする、こういうふうな考えでおるわけでございます。
#33
○新村委員 銃砲についてはかなり徹底した取り締まりが行われるわけでありますが、そのほかに刃物類についての規制もあるわけですけれども、特に危険な飛び出しナイフ、その他一定の規格以上の凶器に変わり得る刃物、こういったものについては銃器ほどに厳しくないようでありますが、これらの製造の実態あるいは国外から流入している事実があるのかどうか。銃器以外の凶器に変わり得るそういうものの製造の実態を伺いたいと思います。
#34
○森永政府委員 刀剣類の輸入制度等につきましては通産省の所管になっておりまして、警察ではその状況について十分把握はいたしておりません。
#35
○新村委員 製造とかそういうことではなくて、どういうふうな形で流通をしているかしていないのか、あるいはどのくらい存在しているか、そういうことです。
#36
○森永政府委員 警察といたしましては、許可刀剣類だけしか掌握していないわけでございまして、そのほか刀剣類としては文化庁の登録、いわゆる美術刀剣類につきましては文化庁に登録をすれば所持できるということになっておりますから、それを掌握はいたしておりますが、そのほかの飛び出しナイフ等の製造、販売、流通、そういうものについては特に掌握はいたしておりません。ただ、これについて違反等があれば、それは検挙あるいは押収しておりますので、その分については掌握をしているわけですが、流通等については十分に掌握しておらないわけでございます。
#37
○新村委員 いろいろお伺いをいたしましたが、最後にお伺いしますが、銃刀法は制定以来数回の改正によって逐次強化の方向をたどってまいったわけでありまして、この段階で恐らく強化の極限ではないかと思いますけれども、今後さらに法律の規制が強化される可能性、あるいは考え方といたしましてこれ以上の強化をされるかどうか、それらの見通し。それから、これは大げさになりますけれども、刑事政策としての銃刀法の位置づけあるいは考え方、それを伺いたいと思います。
#38
○森永政府委員 今回の銃刀法の改正は数年来懸案としておった事項でございまして、これはもちろん警察サイドの必要性もありますし、また業界からの要望によるものもありますし、あるいは所持者等の要望によるものもあるわけでございまして、この改正をすべく現在まで検討しておったのですが、実は前回の第八十回国会の際の銃刀法の改正は、暴力団の対立抗争が非常に多発いたしまして、その際モデルガン等の使用が多かったわけでございますので、緊急にそれを規制する必要があるということでそれを優先させて規制した。今回はいままでの懸案事項を全部解消するためにお願いをいたしておるわけでございまして、そういう意味で、この改正ができました場合には、現時点におきましては改正の必要はないというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、社会の変化というものは、特に昨今は非常に激しいものがございますし、それに伴いまして治安情勢も変わってまいります。したがいまして、そういう推移を見て必要性が出ることも考えられますけれども、現時点ではそのような考えは持っていないわけでございます。
 なお、蛇足になりますけれどもつけ加えますと、この銃砲刀剣類の規制につきましては、何といっても社会的に有用性もございますし、またそれだけに危険性もありますので、そういういわゆる調和の上に立って規制というものを考えていかなければいけないということで、何でも規制すればいいということではなくして、やはり銃砲刀剣等が持っている有用性というものも十分尊重していかなければいけない。特に個人の権利の侵害ということにもなるわけでございますので、そういう点には十分配意しながら改正については考えていかなければいけませんし、運用についても十分配意しなければいけない、こういうふうに考えているわけでございます。
 いわゆる刑事政策の面での銃刀法の位置づけということでございますけれども、昨今の犯罪や事故というものを見ておりますと、やはり銃砲刀剣を使用したところの犯罪というものが多発しておるわけでございますし、また、このような事件は、一たん発生しますと非常に重大な事件あるいは事故に発展いたすわけでございます。したがいまして、この銃刀法によってそのような危険なものを規制する、それで適正に運用していくということによって、この犯罪や事故を未然に防止をすることができるものだというふうに考えておるわけでございまして、これは国際的に見ましても、日本の治安というものは非常に良好であるというふうなことを言われておりますけれども、その支えの一つになっているのがこの銃刀法である、このように考えておるわけでございまして、今後効率的な運用に努めたい、このように考えておるわけでございます。
#39
○新村委員 最後でありますけれども、この銃刀法の立法の流れを考えますと、戦前にもやはり銃砲刀剣類の規制の立法があったわけでありますけれども、その当時の規制の考え方あるいは法の内容と現在とでは若干違うような気がするわけであります。戦前の立法は敗戦によって中断をされて、マッカーサー司令部の命令で根こそぎ武器、刀剣、銃器は集められた、召し上げられたわけでありまして、そういう状態が続く中で今度は新しく自主的な立法ができたわけでありますけれども、何か戦前の立法と戦後の立法では、考え方おいても内容においても中断がある。戦後の立法はマッカーサー司令部の根こそぎ徴発の流れを受けた考え方が支配的ではないか。したがって、古来の文化なり慣習なりをある程度無視をしてきた、あるいはまたある程度は国民の嗜好なり、ある意味では護身用と言うのは時代錯誤かもしれませんけれども、そういう点で許されるべき部分まで一緒くたに禁止をされているという傾向があるんじゃないかと思いますけれども、そういう面で、これは政策的な問題あるいは考え方の問題でありますけれども、何かこの戦時立法あるいは占領中の非常事態の非常措置を受け継いだ一つの流れとしての立法ではないか、性格としてそういうものがあるのではないかというふうに考えますけれども、その点はいかがでしょうか。
#40
○森永政府委員 銃砲刀剣類の規制についてでございますが、これはただいま御指摘のように、戦前にも規制がございました。引き続き今日に至っているということでございます。その底流といたしましては、考え方としてはやはり先ほど申し上げましたように、この銃砲刀剣類のいわゆる有用性、それからその危険性、両者を考えまして、その調和という点に立ってそのときどきの治安情勢を見きわめながら規制をされてきた、こういう流れにおいては私は同一の底流があるというふうに考えておるわけでございます。
 しかしながら、これもただいま御指摘になりましたように、戦後は銃砲、これは刀剣についても大変厳しい規制がされたわけでございます。しかしながら、これはその当時の非常に混乱した治安情勢を踏まえての規制であろう、それにいわゆる占領政策というものも加わっておったわけでございまして、そういう色彩もあったわけでございます。しかしながら、その後講和条約が結ばれて以降、数次の改正を重ねてまいったわけでございますが、それによって、さらにそれよりは強化されたものもありますし、またきめ細かい規制が行われたというものもありますし、物によってはある程度緩和されたというものもあるわけでございまして、終戦後の占領政策を含めた厳しい規制をそのまま受け継いでいるということではなくして、やはりその後の社会情勢なり特に治安情勢を踏まえて改正をされて、現在の銃刀法は現在の社会情勢、特に治安情勢にマッチしたものであろうというふうに考えておるわけでございます。
#41
○新村委員 以上で終わりますけれども、先ほどもいろいろお話がありましたが、国民の文化あるいは慣習にマッチしたところの銃刀法の運用と、それから今後の執行についてもそういった点をひとつ十分考慮をされて進められるようにお願いしたいわけであります。また先ほどもお話がありましたように、無用の、心配のない部面については現在の法制あるいは規定等も緩めるという点もひとつ同時に御考慮をいただきたいということをお願いをいたします。
 終わります。
#42
○木村委員長 斎藤実君。
#43
○斎藤(実)委員 私は、銃刀法の審議に関連をしまして、まず最初に警察庁長官にお尋ねをいたします。
 テロと銃砲との関係は切っても切れない関係がございまして、イタリアの前首相でありましたアルド・モロ氏が極左の過激派赤い旅団に誘拐されまして、ついに残忍無比なやり方で銃殺されたことが明らかになりました。この事件は、悲劇を生んだイタリアの国情ということもありますが、さきにシュライヤー西ドイツ工業連盟会長の誘拐あるいはポント・ドレスナー銀行総裁あるいはブバック検事総長の殺害事件なども発生をいたしておりまして、加えて、このモロ事件は議会制民主主義を統治と支配の根源としている多くの国々に共通する問題を含んでいるわけでございまして、わが国もこの事件を対岸の火災視することはできないと私は考えます。現に、端的に言えば日本でも要人誘拐防止の大演習計画が進められているというふうに聞いております。
 ところで、今回の銃砲の取締法の改正は法と秩序を守る観点から改正をされるわけでございますが、治安の強化や警備警察の充実だけでこのようなテロ事件を防止することができるかどうか、この点について長官の御見解を承りたい。
#44
○浅沼政府委員 現在のわが国の治安というものを考えました場合に、私は特に大きな問題が二つあると思うのです。
 一つは、ただいま御指摘の極左暴力集団の問題、それからもう一つは、やはりいわゆる暴力団の問題、ともにこれは非常に凶悪な犯罪者集団であるというふうに私は考えます。民主主義の基本である法と秩序、これを頭から否定してかかっておるわけであります。この極左暴力集団、いろいろな集団的な不法行為あるいはゲリラあるいはただいま御指摘のようなテロ、個人テロあるいは爆弾闘争、こういうような凶悪な犯罪を敢行しております。私どもも爆弾闘争あるいはゲリラ闘争あるいは集団暴行、こういう問題については十分注意をいたしておりますと同時に、個人テロについても十分な警戒をいたしておる。
 ただ、イタリアの今回のこれは非常に衝撃的な事件でありますが、イタリアと私ども日本との政治経済情勢あるいは犯罪情勢その他いろいろの法体系もろもろを背景とした治安情勢を比較して考えますると、あのような犯罪が直ちにわが国において敢行されるということはまずないんじゃないかというふうに思います。ただ、この種の事件は非常に影響するところも大きいわけでありますので、今後とも、先ほど申し上げたテロに対する防止対策ということについてはさらにひとつきめ細かい対策を考えながら進めてまいりたいと思っております。
 それから警察の取り締まりだけで防げるのかというような御質問でございます。もちろん、犯罪者を直接取り締まるあるいは検挙する、これは警察の仕事でありまするから当然でございますけれども、先ほど申し上げたように、これは民主主義の基本である法と秩序を真っ向から否定しているということでありまして、やはりこれは国民全部が民主主義を守る、国の基本である法と秩序を守るということにおいてこのような凶悪なテロをやるような極左は認めない、極左は許さないのだ、こういう強い国民的な気持ち、意思、そういうことが基本であろうかと思うのでありまして、仮に彼らを甘やかすようなことありとすれば、これはもうなかなかなくならない。やはり基本は国民の民主主義を守る、法と秩序を守るという気持ち、その盛り上がり、そこによって彼らが存在できないようにする、こういうようなところが一番大事じゃないかというふうに私は考えるわけでございます。
#45
○斎藤(実)委員 いま長官から、警察としてはテロ事件については十分警戒をしているという答弁がございましたし、イタリアのようなテロはわが国では起きないのではないかという御答弁がございましたが、長官の言うようにあのようなテロ事件がわが国で起きないという断定をされることはどうかと思うし、日本でも同じような無差別なテロ行為ということが出てこないとは断言はできないだろうと私は思う。
 そこで、このテロ対策につきまして、西欧諸国におきましては新たに国際協力の動きがあるように伝えられておりますが、わが国の警察としてはこの国際協力についてどういう見解を持っていらっしゃいますか。お尋ねしたいと思います。
#46
○浅沼政府委員 先ほど申し上げたのは若干説明不足かもしれませんが、あのような態様における、ああいう襲撃の形でのテロというのは直ちにはないのではないかということでありまして、極左のテロという問題については十分な警戒を必要とする、こういうふうに私は思っております。
 それから国際協力の問題でございますが、御承知のように、極左のうちでいわゆる日本赤軍が主として海外におきまして非常に凶悪なハイジャック事件等を敢行しております。私どもは、主として海外で活動しているこれらの実態といいますか、あるいは彼らの活動を防止する、抑止するためには、どうしても外国のあらゆる機関の協力をもらわないとこれは封圧できないということでありまするので、関係諸国の警察機関と十分な個別の連絡をとりますると同時に、ICPO等の国際的な捜査共助、情報協力のそういう機構等も通じまして、情報の交換、捜査協力の依頼とかあるいは必要な手配とか、そういうことを時々進めておるわけでございます。
 日本赤軍につきましてそうでありますが、それのみらずわが国の治安に影響を及ぼすような問題全般につきまして国際的な協力ということの必要性が非常に強まってきている。外国人が日本に来る、あるいは日本人が外国へ行くという交流も非常に活発になっておりまから、そういう意味で、国際的な協力ということが非常に重要であるということの認識の上でいろいろな努力を現在進めておるところでございます。
#47
○斎藤(実)委員 成田空港の五月二十日開港を控えまして、新聞報道によりますと、反対同盟の戸村委員長が昨夜記者会見をいたしまして、実力で阻止をするということを強調されたというふうに報道されているし、また昨夜も、成田空港に反対する過激派が開港の実力阻止闘争を展開するというようなことが言われているわけでございます。中には、空港を爆破するとかあるいはけが人が出てもやむを得ない等、強気の発言をいたしておるようでございますが、現在の警備体制で万全と考えるかどうか、長官、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
#48
○浅沼政府委員 五月二十日開港ということが政府の方針として決定しておりまして、私どもは、この開港時、その前後、極左を中心とする反対闘争の動き等を十分に考えながら必要な警備体制を組むということで進めておりますが、いまの二十日前後のピークにおいて全国動員による反対闘争というものが当然組まれるだろうということで、警察といたしましても全国から機動隊一万人をもって応援をいたしまして万全の警備体制をとることにいたしております。
 また、開港後の空港の安全あるいは飛行の安全ということが非常に重要な問題でありまするので、開港後の問題につきましても、関係機関、公団、運輸省その他とも十分な連絡をとりながらその安全対策というものを進めておる。
 現在、あと十日足らずの時間しかない段階でございますが、各般の準備が着々と進められておりますし、また警備に当たる隊員諸君の士気もきわめて旺盛でありまして、私は、警察の力を十分に発揮するならば、開港の警備については万全であるというふうに自信を持っておるわけでございます。
#49
○斎藤(実)委員 今回の成田警備につきまして、機動隊員が夜間警備に条件つきで拳銃を携帯するように聞いているわけでございますが、この過激派集団に対してどういう状況に遭遇した場合に拳銃を使用するということになっているのか、基本的な使用方法についてお尋ねしたいと思います。
#50
○山田政府委員 ただいまお尋ねの拳銃使用の問題といいますのは、私どもは犯罪の鎮圧、検挙のためにいかなる手段を警察が選択すべきか、現場においてとるべきかという問題であろうと思います。
 従来は極左暴力集団の違法行為につきましては、御承知のように、放水あるいは催涙ガス等のいわば制止の用具の活用で有効な鎮圧、検挙を図ってきたわけでございますが、最近のように電気もりとか、著しい火炎びんの投てきとか非常にゲリラ行動が先鋭化してまいります。そうしたものにつきましては、武器の使用ということによって効果的な鎮圧、検挙が図れる場合もあろうかと思います。過般の三月二十六日の事件の際におきましても、局部的には拳銃の使用によって有効な鎮圧、検挙が図られた場合もあるわけでございます。そういう意味におきまして、特に使用について従来の方針を変更したということではございません。極左暴力集団の悪質な行動に対処するためには、法の枠内で有効適切な拳銃使用を行うことが警察官や第三者に対する危害を防止するため有効ではないか、そういう心構えを持って対処しなければ極左暴力集団の反対行動を鎮圧することはできないのではないかという考え方でございます。
 この銃器の使用につきましては、過般の広島のシージャック事件あるいは長崎におけるバスジャック事件のように、相手方に危害を加える使用を極限の状態でぎりぎりに行って事態の解決を図っているところでもございます。従来からその点は変わらない方針でございまして、悪質な極左暴力集団の行動に対処する心構えを持つべきである、かように考えておるところでございます。
#51
○斎藤(実)委員 もう一点、成田に関連いたしまして、開港後に常駐する警備の体制であります空港警備隊設置に対する費用を千葉県だけに負担させるという話を聞くわけでございますけれども、もしそうなりますと、地方自治体を圧迫することになるし、国際空港警備という性質上、一地方自治体が負担することは適当でないと私は考えます。したがって、空港警備隊に対する予算措置は全額国庫負担で行うべきだと私は思うわけでございますが、大蔵省との折衝の中でどういう話し合いになっているのか、警察庁の見解を伺いたいと思います。
#52
○山田政府委員 空港警備隊の設置、活動に要する経費につきましては、ただいまの御趣旨のとおり、私ども警察庁といたしましても、その任務の特殊性から千葉県に負担をかけるべきではないと考えております。その線に従いまして、特に人件費の補助につきまして千葉県に負担をかけないという観点から大蔵省と折衝を行っておるところでございまして、おおむねその目標に沿った方策で対処できるのではないかといまのところ考えております。
#53
○斎藤(実)委員 さて、今回の銃刀法の改正におきまして、猟銃を使用する犯罪あるいは事故防止のために、猟銃等に関する規制が強化されたわけでございます。初心者による猟銃事故、ハンターとしての自覚のなさからかどうか知りませんが、交通標識への乱射あるいは銃弾によって電話のケーブルを損傷する等、こういう事件が多発をしておるわけでございまして、私は、単に銃の操作や技能のみに重点を置くのではなくて、新規所有者に対するモラルの高揚、このための対策に力を入れるべきだと思いますが、いかがですか。
#54
○森永政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘いただきましたように、最近特に猟銃等による事故が増加しているというような状態ではないわけでございますが、しかしながら、事故の内容を見ておりますと、銃の操作等について基本を知らない、あるいはそのマナーを十分身につけていないというようなことによる事故が大変目立っておる、むしろそういう事故がふえているというふうに見られるわけでございます。また一方、事件について見ましても、これも先ほど先生御指摘になりましたように、北海道で、恐らく狩猟の帰りだと思いますけれども、交通標識を撃って歩くというふうな常識では考えられないような事件も発生しているわけでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、今回の改正によりまして、新規許可を与える場合には単に法令講習を受けるだけではなくて、実技の面についてのいわゆる射撃等の検定に合格するとかあるいは教習射撃を受けるとか、そういう実技の面での基本も身につけなければ許可をしない、こういうふうに改めるようにしたわけでございますが、これにつきましても、単に技術、いわゆる射撃の腕を上げるというだけではございませんで、それと同時にマナーを十分身につけさせる。また、猟銃という非常に危険なものを所持するわけでございますから、一般以上に高度のモラルというものが要求されるわけでございますので、そういう面も教習射撃の場において十分に講習をいたしたい、こういうとかうに考えておるわけでございます。もちろん、これは最初新規の許可を出すときだけでは十分ではないわけでございますので、今回の改正で更新を五年から三年に短縮していただくようにお願いしておりますが、その更新のときの講習についても、それは単に法令が最近こういうふうに変わりました、これを守りなさいと言うだけではなくて、さらにその根底にあるところのモラルの面についても教養をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。また一方、幸いに、指定教習所の方々に自主的にひとつ全国の連合会をつくろうじゃないかというふうな動きがございまして、私どももこれに一応の助力をいたしておるわけでございますが、そういう協会ができました場合には、それらが健全な協会として発展するように助成をするとともに、そういうものを通じて、常時、猟銃等を所持する者に対してマナーやモラルの問題について働きかける、こういうことも考えていきたいというように考えております。また、そのほかにいろいろの狩猟の団体あるいは射撃関係の団体等もございます。そういうものに対しても今後十分に働きかけていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#55
○斎藤(実)委員 今回の改正の中で、第五条第一項で新たに覚せい剤中毒患者には銃刀所持の許可をしないということになったわけですが、覚せい剤中毒者の銃砲による犯罪の実態というものはどういうふうになっていますか。
#56
○森永政府委員 覚せい剤中毒者が猟銃等を使用して行った犯罪は、昭和五十年に九件、五十一年に十五件、五十二年に七件ということで、三年間を合計しますと三十一件発生をいたしております。このうち二十五件は拳銃によるものでございます。したがいまして、残り六件が猟銃等によるもの、こういうことになるわけでございます。そのうち、許可を受けているものは一件だけになっております。これを罪種別に申し上げますと、殺人が十一件、恐喝が四件、脅迫が四件、こういうことになっております。その動機等でございますが、覚せい剤中毒者による犯罪は、被害妄想あるいは追跡妄想等に基づくものが多うございまして、昨年の八月大阪で発生いたしましたクラクション殺人事件、それからまた昨年四月平塚で発生しました拳銃乱射事件、それからまた八月に大阪の水上警察署に散弾銃を撃ち込んだ事件のように、これは突然、特別な理由もなく銃器を使用するというふうな状況になっておるわけでございます。
 このように覚せい剤中毒者による犯罪、これは件数としては必ずしも多いわけではございませんけれども、最近このような事件は年々増加する傾向にございますし、また一たん発生しますと、非常に危険な重大な事件になるわけでございますので、そういう点についてひとつ規制を強化したい、こういう考えでおるわけでございます。
#57
○斎藤(実)委員 この覚せい剤につきましては暴力団の有力な資金源になっておると言われておるわけです。昭和二十年代に次ぐ第二の乱用時代を迎えたというふうにも言われておるわけでございまして、この覚せい剤事犯は一昨年も一万六百人、前年に比べて三〇%も増加をしておるわけでございます。この覚せい剤使用者は家庭の主婦やあるいは青少年にまで及んでおりまして、これは放置できない社会問題になっておるわけです。このような犯罪の増加の傾向には早急に歯どめをかけなければならないと思うわけでございますが、これらの覚せい剤事犯に対してどういう対策をこれからとろうとされているのか伺いたいと思います。
#58
○森永政府委員 覚せい剤事犯は、特に昭和四十五年以降急激に増加をいたしておりまして、昨年は全国の警察で二万三千七百六十五件、一万四千四百四十七人を検挙しておりまして、過去八年間で約二十倍増加をいたしておるような状況でございます。また本年三月末までに八千百八十二件、四千八百二十人を検挙しておりまして、これはまた昨年同期と比較しますと、件数で八六%、人員で七四%の増加ということになっておるわけでございます。これは先生御指摘になりましたように、治安問題からむしろ社会問題化しつつあるというような状況にあると思うわけでございます。
 その対策といたしましては、まず第一番目に、何といっても密輸のルートを断つことが必要であろうというふうに考えております。この覚せい剤はほとんど外国からの輸入でございまして、特に韓国、台湾、東南アジアでございます。昨年あたりから、その上に西ヨーロッパ物がかなり出回っておりまして、供給源は非常に豊富でございます。したがいまして、こういう覚せい剤の密輸ルートを断つ、そのためにはやはり国際連帯を強化していく、そのためには警察庁あるいは主要府県に海外捜査担当の係官を設置いたしまして、常時情報交換をやる、あるいはICPO等の国際機関を通じて常時連携をとっていくということが必要であろうと思うわけでございます。またそれと同時に、水際において阻止するということも必要でございまして、体制を強化しておりますが、特に麻薬犬の養成を現在いたしておりまして、主要なところにこれを配置していくという考えでございます。
 それから第二番目には、何といっても密売組織を解明するということが必要でございます。これは先生御指摘になりましたように、暴力団の大変な資金源でございまして、これは昨年一年間の推計でございますけれども、大体、検挙いたしたものの中で暴力団の資金源が三百億と言われております。これは検挙したものだけについてでございます。そのうちで二百億が覚せい剤であると言われております。したがいまして、大変な資金源でございますから、暴力団としては絶対に放したくない、また、販路を拡張したいということで、かなり強引な密売をいたしております。したがいまして、これを何としてもたたく必要がある。それで、これはもう保安部だけではなくて、刑事局とも十分連携をとりまして、暴力団壊滅作戦の一環としてこれを進めていくという必要があろう。
 それから第三番目には、何といってもやはり暴力団等の強引な売り込みによって使用者がふえるということが言えるわけですが、しかし、この内容を見ておりますと、比較的安易に覚せい剤を使うというようなところが多分に見受けられるわけでございますから、国民にこの覚せい剤の恐しさを十分に知らせる必要がある。そのために昨年は「白い粉の恐怖」という、この覚せい剤中毒者の体験記をまとめたものを全国的に配布いたしまして、大変な反響を呼んだわけでございますが、ことしはさらに映画などをつくりまして広く広報をいたしたい。また、これは警察だけではなくて厚生省とも十分連携をとって国民の啓蒙というものに努めていくべきであろう、こういうように考えておるわけでございます。
 このような三本の柱でこれを総合的に推進をしていく、こういう考えでございます。
#59
○斎藤(実)委員 次に、銃刀の一般の所持者の犯罪の中には精神障害における犯罪が多いのではないかというふうに思われます。
 たとえば、先日千葉県下においてノイローゼで入院した者が、本人所有の散弾銃を発砲した事件がありました。これまで所持許可が認められた以後に精神障害になった、こういうことが報道されておりますが、こういった事故はどれくらいあるのか、御報告いただきたいと思います。
#60
○森永政府委員 この精神病患者の排除につきましては、新規の許可を出すときにかなり厳しく審査をいたしております。したがいまして、精神病者による猟銃等の使用犯罪というものは比較的少のうございまして、五十年に二件、それから五十一年はございませんで、五十二年に一件、こういう状況になっております。
#61
○斎藤(実)委員 銃刀法第五条一項の二号には、心神耗弱者に該当する場合、所持の許可をしないこと、こうなっているわけです。
 いま私が申し上げましたような事故が起こることは、心神耗弱者の規定があいまいで、精神障害者またはそのおそれがある者に対してのチェックに甘さがあったのではないかと思うわけですが、いかがですか。
#62
○森永政府委員 これは精神障害者のチェックが甘いのじゃないかというふうな御指摘でございますが、先ほども申し上げましたように、この所持の新規許可をいたします際には、医師の診断書を添付させることにいたしております。それで、一応これに基づいてチェックすることにいたしておりますが、このほかに、許可事務担当者による面接調査あるいは外勤警察官による聞き込み調査、こういうあらゆる角度から厳重にチェックをいたしておるわけでございます。しかしながら、医師といっても専門医でない場合もございますので、警察の方でこれはちょっと不審である、あるいは問題点があるという場合には、さらに専門医の方にお願いをいたしまして再度チェックをしていただくというふうな方法をとっておるわけでございます。精神病患者が猟銃等を所持するということになれば、これはもう大変危険なことでございますので、今後ともその点については十分に慎重にやっていきたい、こういうように考えております。
#63
○斎藤(実)委員 医師の診断書を添付する、こういうことでございますが、精神病者の場合、一般診療所からの診断書、こういうことになれば、健康診断的な診断書ということになると私は思うわけでございまして、そうなるとこれは全く気休めにすぎませんし、精神障害によって自分の行った行為の是非善悪を判断できない、そういうおそれのある者に所持許可を与えるということはきわめて危険なことでございまして、むしろ私は診療所等の普通の医者でなくて、精神鑑定等によって一定の検査規定を設けて診断を求めるべきではないかというふうに考えますが、いかがですか。
#64
○森永政府委員 確かに、先生御指摘になったとおりだと思いますけれども、しかしながら専門医の現状を見ておりますと、医師のうちの〇・八%、千七十二人というふうに数字がなっておるわけでございます。それも比較的都市に集中をしておるということでございます。したがって、この基準を設けまして専門医の診断が必要だということに義務づけますと、全国的な視野で見た場合には非常に不便を受ける、いわゆる不利益を受けるという方が大変多くなるのではないかというふうに思うわけでございます。したがいまして、私どもとしては、確かにこれは先生のおっしゃるとおりでございますので、そういう制度の面できちっと規定できないことはやはり運用の面でカバーをしていく。したがいまして、診断書だけを一〇〇%信用しないで、やはりできるだけ警察独自でも不審点を発見するように努めまして、不審点があれば、そのときには専門医の方にお願いする、場合によっては普通でお願いする、こういうふうな慎重な措置をとっていく。こういう運用の面でカバーするように努めていきたい、こういうように考えておるわけでございます。
#65
○斎藤(実)委員 今回の改正で、九条の四で、教習射撃場の指定をするということになっております。現行法上の都道府県公安委員会が指定する射撃場の中から総理府令で定めた教習射撃場とするようになっておるようでございますが、どういう基準でやられておるのですか。
#66
○森永政府委員 今回新たに設けます教習射撃場は、これまで一般に指定をいたしております指定射撃場と違いまして、射撃教習を行うことを法律的に義務づけておるわけでございます。それでまた、その結果によって許可の前提になりますところの修了証明書を発給するというような権限も付与するということになるわけでございますので、教習射撃が安全でまた公正に行われるように、十分に配意しなければいけないということで厳しい基準を設けておるわけでございます。
 その基準は、猟銃に係る指定射撃場のうち、管理者及び管理の方法が総理府令で定める基準に適合しており、かつ、総理府令で定める基準に適合する射撃指導員が置かれることを要件としているわけでございます。
 それぞれの基準を定めておるわけでございますが、まず管理者の基準について申し上げますと、
 二十五歳以上の者であること。
 管理しようとする教習射撃場で使用する銃砲または火薬類に関する相当な知識を有していること。
 銃砲の所持の欠格事由に該当しないこと。
 射撃に関する経験を有し、かつ、射撃に伴う危害の防止のために必要な知識を有している者であること。
 その者が指定射撃場または教習射撃場の管理者として在任中に発生した事由により当該指定射撃場または教習射撃場がその指定を解除されたことのない者。
 銃刀法または猟銃用火薬類に関する火薬類取締法の規定に違反して罰金以上の刑に処せられたことのない者。こういうふうに考えておるわけでございます。
 また、管理の方法の基準でございますけれども、これは
 射撃教習を受ける者が仮許可を受けた者であることを確認した場合でなければ射撃教習を受けさせることができない。
 教習射撃指導員以外の者に射撃指導を行わせることができない。
 射撃教習を行っている射面では一般の標的射撃を行わせないこと。
 教習射撃の業務が公正に行われるように指導監督をすること。
 射撃教習修了証明書の交付に関する記録を三年間保存すること。こういうふうにしておるわけでございます。
 なお、指定の方法でございますけれども、これは都道府県の公安委員会が指定射撃場の設置者または管理者の申請を受理いたしまして、以上に述べた基準に適合するかどうか、これをよく審査をいたしまして、適合しておれば指定をする、こういうことで考えております。
#67
○斎藤(実)委員 教習を行って修了証を交付するという厳しい規定を設けるわけでございますが、これは私は結構だと思うのですが、設置者が指導員の選任、解任の権限を持っているということは、これは私企業ですから、採算性を重視した場合、早く言うと回転をよくするということ、そして早く修了させようということが起きてきますと、認定者の乱造ということも考えられるのではないか。営利の企業でございますから、それに従事する指導員に公的な効力を持つ教習修了証明の発行権限を付与するということは、ちょっと適当ではないと考えるわけですが、いかがですか。
#68
○森永政府委員 指定射撃場、いわゆる教習射撃場の前提になります指定射撃場は、全体の割合を見ますと、二〇%程度が公的なもので、あとは私企業によるものでございます。したがいまして、先生御指摘になりましたように、ややともすれば回転をよくして企業利益を上げようというような考え方を持つおそれが多分にあるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、まず管理者を選任する場合に、能力的にもそうでございますが、特に人物的にもそのような不正を行うような者でない者を選んでいく、それでまた幾ら管理者がよくても今度は教習指導員が実際やるわけでございますから、これがまたいいかげんな教習をやられたのでは困りますので、これについても厳しい基準を設けて十分審査してやるということにいたしております。
 この教習指導員の基準を簡単に申し上げますと、これはまず射撃指導員というものを公安委員会が指定いたします。その中から適任者であると思われる者について管理者が任命をするというような形になります。もちろん、その際には公安委員会に届け出るということになっておるわけでございますが、射撃指導員の基準というものが大変厳格なものになっておりまして、その点、不正な教習をやらないような人物を選任するというふうに考えておるわけでございます。それから、それだけではもちろん十分でないわけでございますから、平素教習射撃場については厳しい指導監督を実施する予定でございますし、また、もし教習に不正があった場合には、これまでにはなかったわけですが、今度新たに行政処分ができる、もし不正があった場合には教習射撃修了証明書の発給を停止するとか、こういうふうな行政処分ができるように考えておるわけでございまして、そのように、いわゆるその衝に当たる人を厳密に選ぶ、それから指導監督を厳密にやる、それからさらに、不正があった場合にはいわゆる行政処分で担保する、こういうように三重にチェックをして、そして不正がないように十分配慮してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
#69
○斎藤(実)委員 いま、教習指導員には厳しい基準を設けて指導監督をする、不正があった場合には行政処分をするという答弁がございましたが、私企業でありますから、教習場と指導員の雇用という関係からいきまして、教習課程を本当に修了したかどうかという認定は、銃砲を所持させるというきわめて重要な性格を持っておるものですから、そういう規制をやって果たして完璧になるかどうかということに非常に私は危惧を持っておるわけであります。したがって、むしろその性格上最終的な修了認定は公安委員会が行うべきではないかというふうに考えるのですが、いかがですか。
#70
○森永政府委員 これは事務的なものもございます。これは大体年間新規が五万人程度ございます。しかし、ただ事務的な負担の問題だけでなくて、教習射撃場ということで厳密な審査を受けて公安委員会が認定するわけでございますから、そういう面では自主的に運営をしてもらうということが大切ではないか、そして、その自主的運営について十分なチェックをやっていく、もちろん修了証明書の交付について一つずつはチェックはいたしませんけれども、現在指導監督要領ということでわれわれ考えておりますのは、やはり抜き取りで、その中で何人かを選んで、実際に行われたかどうかということをチェックして、不正の防止、発見、そういうものに努めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。それで一応それを十分担保することができるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございまして、これについては業界等の意向等も聞いておるわけでございますが、業界としても、公安委員会にやっていただいた方がいいのではないかという意見もございます。しかしながら、われわれの説明に対して、そのような厳しいチェックをしていただければこれは予防効果もあるし、また、不正をやれば発見できるわけでございますから、というような意見でもございましたし、その意見もあわせて総合的に判断した、こういうことでございます。
#71
○斎藤(実)委員 今回の改正によりまして、二十七条の二で、教習射撃場並びに猟銃等保管業者に対して警察職員が立入検査を行うことが新たに盛り込まれたわけでございますが、この理由はどういう理由でしょうか。
#72
○森永政府委員 現行の法律では、銃砲等の保管は個人保管の原則になっております。ところが、やはり個人保管が適当でない長期入院とか長期出張とかいうような場合がございますので、これはやはりしっかりした保管の設備を持っておるところに保管をさせた方がいいのではないか。これは従来から意見のあったところでございまして、そのようにした方がよかろうということで、教習射撃場とかあるいは銃砲販売店等を一応届け出によって公安委員会が指定をする、こういう手続を踏んで認めるということにいたしたいわけでございます。
 この指定を受けた銃砲等の保管業者について見ますと、もちろんこれは保管をする以前から販売店等でございますから、いろいろたくさんの銃を保管をしておるわけでございますが、さらに新たにこのような銃を預かるということになりますと、それだけ危険性も高くなるということでございます。銃砲店等は、銃砲店に並べているのはほとんど自分の店のものでございますけれども、他人のものだということで保管上不十分な点があってはいけませんので、これについても保管上の一つの基準を設けるようにいたしております。したがいまして、この基準に従って十分に保管をしているかどうか、これをやはり確かめる必要があるわけでございますので、それをチェックするために、警察官に立ち入りをさせて、質問をし、場合によっては施設等の検査をやる、こういう権限を与えることにしたい、こういうことでございます。
#73
○斎藤(実)委員 新聞報道によりますと、銃器の製造メーカーでありますエスケービー工業会社、これは昭和五十一年度で七万一千丁製造しているというトップメーカー、その他笠間新考会社の従業員が銃器あるいは部品を持ち出して暴力団に横流しをしていたということが報道されておりますが、この事件をどういうふうに警察としては掌握されておりますか。
#74
○森永政府委員 御指摘の事件の概要でございますが、まずエスケービーの関係についてでございます。これは、昨年の暮れ警視庁が覚せい剤取締法違反で逮捕いたしました暴力団の組員が所持していた銃の番号を削り取った散弾銃の出所を追及いたしましたところ、猟銃製造メーカーのエスケービー茨城友部工場の工員が工場から盗み出したものであるということが判明いたしたわけでございます。このようなことで端緒を得まして捜査を進めたわけでございますが、捜査を進めました結果、工場の従業員の中には、工場側において退社時に所持品検査をしないこと、あるいは車両通勤の際に車両の検査もしない、また完成品、部分品の保管、管理が徹底してないというところに目をつけまして、工場から製品を持ち出して、工員が持っておる許可銃と同じ番号を打刻をするということで、許可銃であるように偽造をして不法所持をしておった。また一部には、部品を持ち出しまして、新たな銃をつくり上げてこれを不法に所持をしておった、こういうふうな事件の内容でございます。そのうちの一部、これは二丁でございますが、暴力団に流れておったということで、現在までの捜査の結果では、暴力団の組員、工場の幹部及び工員、それから銃砲店の経営者等、被疑者四十四人を検挙いたしております。そして散弾銃四十三丁、それから改造拳銃二丁を押収しておりまして、さらに捜査を継続中でございます。
 次に、笠間新考社の関係についてでありますが、この会社は昭和四十三年ごろから昭和四十九年の九月三十日まで輸出用の猟銃の製造をいたしておった会社でございますが、経営不振となりまして廃業になった当時の在庫の猟銃、これは数百丁、現在警察でつかんでおりますのは二百五十九丁ほどでございますが、これの銃身先端部に鋼材をはめ込みまして、飾り銃だということでこれを販売しておりました。この一部が暴力団に流れたということでございます。はめ込みをしておりましたけれども、これは容易に取り外しができるものでございまして、これは全く猟銃と言っても過言ではないわけでございます。現在までの捜査で、暴力団等からこれらの散弾銃二十一丁を押収いたしております。また暴力団員、元会社役員等十七人を銃刀法違反で検挙いたしております。これについても、二百五十九丁横流しをしておりますので、これを全部押収するという方針で目下鋭意捜査中でございます。
#75
○斎藤(実)委員 猟銃その他の武器が製造工場から暴力団に流れているということについて、これはきわめて遺憾なことでございまして、これは暴力団に流れていったことそのことについて捜査をするだけでは解決できないだろうと私は思うし、これは製造工場を厳重にチェックし、取り締まらなければこういう問題がまた出てくるのではないかというふうに考えるわけでございます。
 そこで通産省に、この武器等製造法の二十五条一項には、通産大臣または都道府県知事は、必要な限度において製造業者、販売業者に対して立入検査をすることができるというふうになっていますが、この二社に対してどういう調査を行ってきたのか。昭和四十九年から今日まで三回の調査をした、しかし、指摘をされるような事項なしというふうに言われている。こういうずさんな立入検査はきわめて遺憾だと思うのですが、通産省はどういう姿勢でこの武器製造メーカーに対して監督指導されているのか、伺いたいと思います。
#76
○山田説明員 先生御指摘の武器等製造法第二十五条に基づきまして、必要な限度におきまして立入検査を行っておるわけでございます。私どもは、猟銃等につきましては都道府県が許可権者でございますので、立入権限もございます。過去の実績を見ますると、おおよそ全国で行われております立入検査は、大体年間平均一回行っておるわけでございます。
 その内容は、まさにこの武器等製造法の目的に照らしまして、公共の安全の確保という意味から、保管設備が十分整えられているか、それからその管理体制が十分できているかどうか、たとえば猟銃の保管につきまして施錠が十分できているかどうか、あるいは万が一の場合に警報装置がうまく働くようになっているかどうか、そういった点について検査を行っているわけでございます。
 本件のエスケービー工業の事案につきましては、先生御指摘のように、過去三年間三回というものを行っておるわけでございますが、文書の上では、改善事項につきまして指摘事項というのがございませんでした。と申しますのは、この猟銃生産工程というのがございまして、銃身部分、それから機関の部分、それから木部と分かれておりまして、素材加工、部品加工を経まして完成品に組み立てていくわけでございますが、私ども従来とかく完成品の形におきまして検査あるいは保管というものに重点を置いてまいったわけでございます。このエスケービーにつきましては、やや中間の段階で抜かれているという事案でございますので、その点私どもこの事案を契機にいたしまして警察御当局の調査あるいは都道府県の改善事項指示というもの及び私どもの調査の結果を踏まえまして、十分今後とも公共の安全のために、まさに先生のおっしゃる製造事業者のいろんな面におきまして万遺漏なきようやっていきたいと思っておる次第でございます。
#77
○斎藤(実)委員 いま答弁がございましたように、年に一回の検査、しかも都道府県に権限を委任しているということで、これは完璧な調査、監督ということは私はできないだろうと思う。そういう中でいろいろな事件が起きているわけでございまして、また起きるかもしれない。したがって、通産省だけの権限で私はもう無理だろうと思います。銃器に対しては通産省、警察庁と権限が二元化しているわけでございますが、武器等製造法二十五条の二項では、警察官が特に必要があるときは立入検査などの取り締まりができるというふうになっているわけでございますが、むしろ私は今回の法改正で示されたように、教習射撃場、保管業者と同じように、製造業者、販売業者に対しても警察官の立入検査ができるように銃刀法に組み込むべきではないかというふうに私は考えるわけでございます。大体、こういうところは山の中、田舎にあるものでございまして、そうしょっちゅう都道府県の職員が行けるわけじゃないし、むしろ警官が組織を持っていますし、人員においても十分ですから、何かあれば即座に、絶えず巡回をして監督なり立入検査ができるということになれば、現在の通産省が都道府県に委任をするというよりも、むしろ監督、調査も十分に進むのではないか。警察官には大変な重荷になるかもしれませんけれども、事が事だけに、そういったことが私は必要ではないかと思うのですが、長官、いかがですか。
#78
○森永政府委員 その前に、ちょっと私どもから一言申し上げたいと思います。
 私どもといたしましても、現在の銃砲等の製造業者等に対する指導監督というのは不十分であるというふうに思っております。これを補うためには、一応は現行法を前提にいたしまして、通産省と私どもとどの程度一体的に協力して横流し等の防止あるいは厳正な処理ができるかどうか、これをこの際もう一度十分検討しましてやってみる、それでどうしてもだめだということであれば、これは法改正を含めて十分検討しなければいけない問題であろうというふうに考えております。
#79
○斎藤(実)委員 通産省はいかがですか。
#80
○山田説明員 先生御承知のとおり、銃砲の規制につきまして、所持という行為に着目いたしまして規制を行っておりますのが公安委員会、警察御当局でございます。通産省は、武器等製造法上の規制につきまして、いわゆる武器等の製造あるいは販売という産業活動の面の規制を通じまして公共の安全の確保に努める、こういうものでございます。産業活動の面の規制というものは、私ども産業行政一般を担当いたしております通産省が行うことによりましてその目的がより的確に遂行できる、こういうふうに私どもは考えているものでございます。
 もちろん、危害防止あるいは公共の安全の確保、こういう点はまさに警察御当局と私どもと、両省庁が相互に協力し合って行っていくことが当然でございます。また、そうすることによりまして、銃砲による事故の発生というものに万遺漏なきを期すことができるというふうに私ども現在考えております。先ほど来の事案等の反省もございまして、今後警察御当局と相談、協力しながら十分指導してまいりたいと思っております。
#81
○斎藤(実)委員 時間が参りましたので、以上で私は質問を終わります。
#82
○木村委員長 本会議終了後再開することとし、休憩いたします。
    午後零時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時四十七分開議
#83
○木村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。山本悌二郎君。
#84
○山本(悌)委員 まずお尋ねを申し上げますが、皆さんいろいろお聞きになられてかなり重複することもあるかと思います。御勘弁を願いたいと思います。
 まず銃刀法の改正の中で、射撃場が一つの問題点になってこようかと思います。そこでこういう銃砲の取り扱いで、特に今度の法律では射撃のところでかなり重く見ているわけですけれども、そういう意味で、事故の防止や安全にいろんな団体、それから業者、そういう関係方面との連携とか話し合いというものはまずできておるのですかどうかということを最初にお伺いしたいと思います。
#85
○森永政府委員 お答えいたします。
 これまでに関係官庁でございます通産省、環境庁とも十分協議をいたしております。またそのほかに、射撃団体、狩猟団体、射撃場協会等関係団体とも十分に話し合いをいたしまして、その内容につきましても調整をいたしましてこの法案をつくり上げて提出した次第でございます。
#86
○山本(悌)委員 非常に何か幼稚な質問をしますけれども、射撃場の許可というのはどこがするのですか、射撃場をつくるその許可ですね、それはどこが与えるのですか。
#87
○森永政府委員 射撃場につきましては許可事務ではございませんで、一応届け出があった場合にその基準に合致するかどうかを審査いたしまして、公安委員会で指定をするという手続をとっております。
#88
○山本(悌)委員 そうしますと、その指定をされた場所に届け出すればいいわけですね。そして、公安委員会がそれを指定をするわけですね。その経営はどうなるのですか、個人にやらせるわけですね。
#89
○森永政府委員 射撃場のいわゆる経営主体はいろいろございまして、大きく分けまして、銃砲店とかその他私企業でやっているのが大体八〇%ぐらいでございまして、そのほかは地方公共団体等が主体となってやっておるものでございます。
#90
○山本(悌)委員 そうすると、大半は私企業でやっておる、銃砲店が持っているということですね。恐らく銃砲店個人で持っているものもあれば、銃砲店が仲間で持っておるのもあるでしょう。たとえば、いままでそういう射撃場を持っているような人たち、いわゆる射撃場関係者の横の連絡の団体というものはないわけでしょう。個々ばらばら、好き好きでやっているわけですね。そうですね。
#91
○森永政府委員 射撃場の団体は、これまでは大体府県単位でそれぞれつくってやっておりましたけれども、これは全県下にできているわけではございませんでした。今回の法律改正の機会にひとつ全国の組織をつくろうじゃないかということで、指定射撃場の経営者の方々あるいは猟用資材の組合の方々が中心になりまして現在組織をつくっているところでございまして、大体地区単位でそれぞれの支部ができまして、近く全国の連合会をつくろうというような段階になっております。
#92
○山本(悌)委員 私は、こういうものに対して警察庁が補助、援助を出すのは適当でないとは思うのですけれども、警察庁が出す出さないということよりも、最近補助、援助というのは非常に多いものですから、出すことがいいとは思いませんけれども、しかし、野放しにしておくわけにもいかないから、そういう意味で補助、援助というものは考えていますか、どうでしょう。
#93
○森永政府委員 警察といたしましては、こういう団体ができるということは大変好ましいことでございます。これが健全に発展するように、警察といたしましてはできるだけ指導助言をやっていきたいというふうに考えておりますけれども、現在のところ財政的な援助、すなわち助成金等を出すというところまでは考えておりません。この団体ができ上がった上で、経営の運営等についてもいろいろ相談を受けて、この団体がりっぱに発展するようにできるだけ努力はいたすつもりでおります。
#94
○山本(悌)委員 めんどうを見てやっていただきたいと思います。ということは、強化をする。私はこんなふうに考えておるのですが、強化をすればするほど、内容面は非常に充実すると思うのですよ。ということは、初めて鉄砲を持つ人が、引き金一つによって、どっちを向いても人命にかかわる問題ですから、いいことだと思います。また、この射撃場そのものを充実させていくこともいいことだと思うのだけれども、余り強化をしていくと射撃人員が少なくなるのじゃないか、減りはしないか。これはいかがでございますか。
 その前に、いま全国に大体どのくらい銃を持ったりあるいは射撃をする人がいるのかということからお聞きをしたい。
#95
○森永政府委員 現在猟銃等を所持している者は約五十九万人に達しております。
 ただいまの御質問は、射撃場等を強化するということを含めていわゆる許可の基準を厳格にすれば許可をとりにくくなるので、猟銃等を持つ者が少なくなるのじゃないかというふうな御趣旨だと思うわけでございますが、私どもとしては、やはり猟銃を本当に目的を持って所持しようと思う人であれば、許可の基準が厳しくなってもやはり許可を受けるのではないか、もし減るということであれば、減る部分というのは、まあ何となく持ってみたいというような方は恐らく減るかもわかりません。しかし、本当に目的を持って所持したいという人は減らないのじゃないかというように思うわけでございます。
 また、この厳しくするという必要性については、もう御説明するまでもなく御承知だと思いますけれども、最近の猟銃等の事故を見ておりますと、やはり初歩的な事故が非常に多い。こういうことについては一般にある程度知られておるわけでございますから、猟銃を持つ以上は自信を持って持ちたいというような希望もあると思うわけでございます。したがいまして、そのような正しい意味で銃を持ちたいという人のためには、さしたる負担や拘束にならないのじゃないか、こういうように考えるわけでございますが、そのような事態が万一発生するということであれば、運用の面で十分に考えていきたい、このように思うわけでございます。
#96
○山本(悌)委員 これは私は十分指導をしていかなくてはいけない問題だと思うのですね。人命にかかわることだし、いたずらに銃を持ち歩く、それからいろいろ使う、遊ぶということに対して相当取り締まりも強化しなければいけないし、逆にまた指導もきちっとしていかなくてはいけないのじゃないかと思います。
 ということは、次にお尋ねしますけれども、これは射撃場も含めてですけれども、銃砲店の問題なんですが、末端に参りますと、ときどきトラブルがあります。どういうトラブルがあるかというと、これは一つ、現実に起きた例でありますけれども、銃砲店の主人が、自分の持っている銃を貸してやった。それは許可はあったのかないのかよくわからぬけれども、それをさされたわけですよ。さされたというのは第三者が密告したわけですね。そういうトラブルがあったのです。当然これは裁判になりましたし、あたりまえのことですがね。そういう仲間同士、あのやろうちょっと意地悪をしたものだからさしてやれとか、平気でやっているのですよ。そういう意味での末端の指導というのが、私はいまの一つの事件で実は警察とかかわり合ってみたのですけれども、実にもう苦苦しい情報が入ってきたのです。だけれども、こちらはそんなことを取り上げて一々どうこう言う筋合いのものではないし、もうすでに本人自身は悪いことはわかっておって、そしてつかまったんだからこれは仕方がないんだけれども、いずれにしましても、そういうことのないように、うんと指導していただきたいと私は思うのですよ。銃、刀というのはやはり非常に危険なものでございますから、そういうものを取り扱っておる店に対してまずどんな指導をしているのか、そこからお伺いしたいと思います。
#97
○森永政府委員 銃砲店、いわゆる銃砲の販売店に対する直接の行政指導、いわゆる行政権というのは通産省が所管になっておるわけでございます。しかしながら、警察といたしましても全体的な治安確保という面から、特にその中で防犯指導という面で、銃砲店については盗難予防、事故防止という観点から、任意で立ち入りをやってそれぞれ指導をやっておるわけでございます。
 ただいまのトラブルの問題、これは恐らく不正譲渡の事件ということで処理されたのではないかと思うのですけれども、私ども、銃刀法の規制全体はそれぞれの目的を持っておるわけでございまして、特にその基本は事件事故の防止、危害防止ということでございます。したがいまして、そういう趣旨を生かすような事件の処理、このことを基本的な方針といたしておるわけでございます。単なる過ちで、あるいは形式的なものを目くじらを立ててほじくって処理をするということではなくして、危害防止、事件事故の防止という観点で必要であれば厳しくやる。そうでなければ指導でやるという場合もあり得るわけでございます。そのように、合目的性という面から考えて十分に法の目的を達するように運営をしていきたい、このように考えておる次第でございます。
#98
○山本(悌)委員 いまお聞きしてびっくりしましたけれども、銃砲店の管轄というのは通産省。そうすると、銃や火薬は全然警察庁は関係ないのですか。
#99
○森永政府委員 ちょっと申し落としましたけれども、猟銃、猟用火薬については警察に権限がございます。したがいまして、その面については立入調査もいたしておりますし、指導をいたします。ただいまのは銃砲について申し上げたわけでございます。それから、今回の改正で、さらに保管業者ということで公安委員会が指定をすることができるようにしておりまして、もし指定をした場合には、一般から預かった銃砲が正規の施設の中で保管されているか、正しく保管されているのかどうかということについて調査、指導監督をしなければいけませんので、そういう意味での立入権を認めていただくようにお願いをしておるわけでございます。
#100
○山本(悌)委員 わかりました。その辺のところは官庁が入り乱れているところで、なかなかめんどうなところなんですけれども、銃砲店にある銃は、通産省の許可を得て買ってくるということですか。非常に初歩的な質問をしますけれども、あそこにある銃は一体どこから入ってくるのですか。そして、だれが認めてどういうかっこうでお売りになるのですか。それが一点。それからもう一つ。火薬はどういう形で入ってきて、どういう人に売っているのですか。ちょっとそれだけ教えてください。
#101
○森永政府委員 猟銃等につきましては、輸入、それから製造、販売、これにつきましては通産省の許可になっております。その権限に基づいていろいろ行政権限を行使しておるわけでございます。
 警察としては、猟銃等につきましては所持の面で一応規制をしておるということでございます。したがいまして、これを個人が所持しようという場合には、公安委員会が許可をする、こういうことになっておるわけでございます。
 火薬につきましても、火薬の輸入、製造等につきましては通産省の所管になっておりますけれども、猟用の火薬につきましては警察の所管になっておると、こういう分担になっております。
#102
○山本(悌)委員 そうすると、つくったり入ってきたりして銃砲店に並べておく段階では通産省だ、われわれがそれを買おうとするときは警察庁に届け出をして買っていく、こういうわけですね。火薬はもちろんそうですね。
 そこで、もう一歩を進めますが、それでは、いま日本に密輸入で入っている拳銃、ライフル、散弾銃の種類というようなものはどのくらいあるかおわかりですか。それから、それに伴う弾丸ですね、そういうものの名前みたいなものがおわかりだったら、ちょっと知らせてください。
#103
○森永政府委員 拳銃の密輸入の問題でございますが、密輸入された拳銃がどの程度あるかということでございますけれども、これについては十分私どもっかんでおらないわけでございます。また、年間でかなりの押収をいたしておりまして、真正拳銃、改造拳銃含めまして、昨年一年間で千三百五十五丁を押収しているわけでございます。この中で密輸入がどの程度あるかということでございますが、これも、密輸入ということをはっきり区別をしておりませんで、本当に大まかな数字で恐縮でございますが、そのうち真正拳銃が五百三十六丁ございます。この真正拳銃というのはほとんどが密輸入と見て差し支えないと思うわけでございます。これも本当に乱暴な推計になるわけでございますが、では実際の暗数というのはどの程度あるかということになるわけでございますが、これも正確なところを推計ができません。しかしながら、この押収されているのは氷山の一角であるというふうに見ていいと思うわけでございます。と申しますのは、個々の事件を取り上げてみましても、大体密輸入されるのは百丁から二百丁単位でございますが、しかしながら、実際に発見、押収をできるのはせいぜい二、三十丁、こういうものでございます。中には密輸入されたのを実際に発見できてないというものもあるわけでございます。私どもとしては、これらの密輸入事件の検挙あるいは不法所持の取り締まりによる押収というものをもう少し強化していかなければならないということを考えているわけでございます。
 それから、猟銃につきましても、この密輸入の量というのは私ども正確につかめてないわけでございます。これは、不法所持で押収したものあるいは犯罪の手段として使われた場合、いわゆる犯罪の構成物件であるとか、そういう法的な要件を具備した場合に押収をいたしておりますけれども、しかしながら、そういうものの数から現在どの程度密輸入がされているだろうかということを推測することは非常にむずかしいわけでございます。私どもといたしましては、猟銃等についての密輸入もないわけではありませんので、こういうものの発見、取り締まりにはさらに力を入れていかなければいけない、こういうふうに考えているわけでございます。
#104
○山本(悌)委員 そこで、二つの点から銃の問題をお伺いしてみましょう。
 一つは、暴力団にはむろん売らないのでしょうね。そうすると、暴力団が持っている銃というのは改造銃か密輸銃しかないですね。どうですか。
#105
○森永政府委員 暴力団につきましては、警察で掌握しているものについては、許可の段階で、欠格条項に一応該当するということで許可を与えないということにいたしております。したがいまして、暴力団に許可を出したことはない、このように確信をしておるわけでございます。
 ただ、猟銃等の許可を得てから暴力団に新たに入るものは皆無ではないわけでございます。そういうものは一年に一回やります一斉検査の際、あるいは現行法では五年に一回更新をやっておりますが、その際に発見に努めてこれを排除する、あるいは暴力団の取り締まりをやった際に、猟銃を持ってないかどうか、この点については十分厳密に捜査をいたしましてこれを押収する、排除する、こういうことをやっておるわけでございます。
 そのほかに、暴力団が猟銃等を使用して敢行した犯罪というのはかなりあるわけでございますが、その中で暴力団自身が許可を受けたものというのはほとんどございません。しかしながら、許可銃と無許可の銃というのは、大体大まかに言って半々と考えていいのじゃないかと思います。その無許可のものは話がわかるわけでございますが、では許可を受けたものはどうして手に入れたかと申しますと、実際に正規に許可を受けて入手した者から借金のカタで取り上げるとか、あるいは恐喝まがいで取り上げる、こういうことで暴力団が持っておるというようなものがあるわけでございます。
#106
○山本(悌)委員 しかし、これはなかなかゆゆしき問題だ。借金のカタや人の名前を使うなど、いろいろな方法で入手しようと思えば可能なんだけれども、そういうことで気違いまがいの者に刃物を与えるということは、何か方法はないものですか。それは、二つ質問すると言ったもう一つの方の極左暴力集団の方にも問題があると私は思うのですよ。
 そこで、まあ先の方の質問からしますけれども、それに対してあなた方は、こういうふうな方法にしなければだめじゃないかということを何かお考えになったことがありますか。密輸は仕方がないな。仕方がないと言うのは、密輸を取り締まる方には問題があるでしょうけれども、入ってきた密輸の銃に対してそれをもう全部調べて歩くことは不可能ですからね。だけれども、すでにそこの店屋から買っていったものが人の手から手に渡っているということがわからないというのはおかしいと思う。何かその取り締まりの方法があるかどうかということですね、そのことをお聞きしたいのです。
#107
○森永政府委員 これは猟銃等の所持者に対するいわゆる検査の頻度を多くするということだと思います。先ほど申し上げましたように、現在は一年に一回の一斉検査、それから五年に一回の更新、これは定期的なものでございます。まずこれらの回数をできるだけ多くするということで、今度許可証の有効期間を五年から三年にしていただく、これも一つの方法として考えているわけでございます。
 次に、そういう制度としての一斉検査とか更新時というだけでなく、やはりできるだけ猟銃等の所持者のところへ行って適正にそれが保管されているかどうかということを、強制権はございませんけれども、一応質問をし、点検をするということが必要だと思うわけでございます。これは外勤警察官が一定のローテーションで巡回連絡ということをいたしております。やはり猟銃等の所持者というのは、治安上から見れば一つの問題があるわけでございますから、そういう際にできるだけチェックをするように指導をしているところでございます。そういうことで比較的早く発見できたというような例もあるわけでございます。今後、これは暴力団対策というだけではなくて、ただいま先生御指摘になりましたように、極左の問題も大変大きな問題でございますので、そういうものをあわせて強化してやりたい。
 それからそのほかに、今回も成田問題等でやっておりますけれども、何か一つの情報があった場合には、いわゆるローラー作戦という名目で臨時の特別巡回連絡をやっているわけでございますが、そういう際には特にそういうものを重点にやる、こういうことでこの流出防止を図るし、そういうふうに流れた場合にはできるだけ早く発見する、こういうことを考えているわけでございます。
 それからもう一つは、この半面になるわけでございますが、暴力団の取り締まり、それから極左暴力集団のいわゆる指名手配になっているような者、そういうもののいわゆる重点取り締まりあるいはこれの壊滅作戦と申しますか、そういう面の取り締まりを強化していって、彼らが持っておるところの猟銃等に限らず銃砲等をできるだけ発見して押収していくことが大事であろうということで、これについても特別の情報がある場合、あるいは今度の成田の事件のような場合、暴力団であれば対立抗争事件があった場合あるいはあるおそれがあるという場合に、先制をかけてそういう取り締まりを実施しているところでございます。
#108
○山本(悌)委員 長官、二十日の開港を目の前にして頭の痛いところですけれども、私どもの聞いている範囲では、成田の極左暴力集団、いわゆる第四インターを中心とする連中の中にかなりの武器弾薬、ライフルというものが送り込まれているという情報を聞くのですけれども、お聞きになっておりますか。
#109
○浅沼政府委員 一般的に極左の問題は、大衆動員による集団暴行もありますが、最近はゲリラあるいは爆弾闘争ということで、特に成田につきましてはまた新しい凶器が発見されるというような状況でございます。セクトの中には、かねてから爆弾闘争だけでなく銃器による攻撃ということを強調している向きもありますが、現在ただいまの時点では、大量の銃器を保有してこれを攻撃に使うというような状況にはないというふうに判断をしております。
#110
○山本(悌)委員 長官の答弁もなかなか回りくどいけれども、結局ないということですね。しかし、かなりあるのです。なぜぼくがこんなことを心配するかというと、銃でも刀でもそうですけれども、わりあいと簡単に手に入るのです。先ほど話がありましたように。
 私はいい刀を一本持っているのです。これは木更津の殿様が持っていた刀でして、ちゃんと届け出ていますから持って歩いている。持って歩いていると言ったって、刀を差して歩いているわけではありません。しかし、刀なんかでもそのくらいわりあいと簡単に手に入る。届け出さえすればいい。それで、私が暴力団でだめならば、友人であろうとだれであろうと一応名の通った、筋の通った人にすればできるわけでしょう。できませんか。――できますよね。ですから、そうなると、こんなものは集めようと思えば幾らでも集まると思うのだ。だから、長官がたかをくくっているようなわけにはいかないのじゃないかと私は思うのですが、長官どうでしょう、一概にないなどと言って、二十日の開港には、ライフル銃は言うに及ばず、恐らくは爆弾――火炎びんなんてそんななまやさしいものじゃないですよ。やろうと思えば火薬を集めて爆弾ができますからね。そんなようなことが予想されるのじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#111
○浅沼政府委員 いま申し上げたように、現在極左のセクトが大量の銃器を準備して警察を攻撃するというようなところまではいっていない、こういうふうに考えておるわけです。
#112
○山本(悌)委員 これはのれんに腕押しですから、もうそれ以上は御質問も無意味だし、しません。ただ、これは長官の首だけの問題だけじゃなくて、福田総理のしらが首まで全部飛びますよ。これは大変な問題ですよ、二十日から以後にこういう問題が起きますと。ですから、御警告だけ申し上げておきますよ。しらが首でとまればいいが、日本の国の品位が世界にいかにだめだかということを証明するようなものでございますからね。先般外国から帰ってきた私の友人が、ヨーロッパを歩きますと、ヨーロッパの新聞で一番でかく取り上げていて有名になっているのが成田空港なんです。全部写真入りで、警官が皆立っているのを撮ってある。そして話に出てくるのは全部それ。町々の話題が皆それですよ。だから、これは国内だけの問題じゃないのですよ。そのことを心配をして申し上げておきます。これは銃砲とは関係ございませんから、これだけにしておきます。
 それから、ちょっと変な質問をいたします。これは総理府でございますか、最近ペットというのがふえたんですね。小さいものは小鳥、ちんころから、豚、イノシシ、オオカミ、トラ、ライオン、大蛇に至るまで飼っているのですよ。そんなことをここで聞くのはおかしいなんて言わないでください。これは生きているんだから、災害が起きたときに殺さなければいかぬ、ほっておけば食いつきますからね。
 そこで、まずペットの輸入の経路がわからないと思いますが、わかったら教えていただきたい。
#113
○小野説明員 お答えいたします。
 動物のわが国への輸入の経路につきましては、私どもの方では直接タッチしておりませんので、詳細わかりかねます。
#114
○山本(悌)委員 小野さん、これは管轄は通産省ですか、どこですか。一度お尋ねしようと思うのだが、どこへ聞いたらわかるかわからないのですよ。私は大蛇を一匹飼いたいと思っているのですよ。トラを一つ飼いたいと思うのだがわからないんだ。ところがこれは簡単に入ってくるんだ。いいですか、それは経路はわかっているんだ。香港に行けば入るのです。そこでそれを日本の国というのは非常に安易に入れているんだよ。だから、総理府さんとしてわからないということになると、どこにお聞きしたら……。あれは、たとえば象の小さいもの、子象あるいはトラなどを黙ってそのまま持ってきていいんですか。持ってきたら、どういうふうになるのですか。
#115
○小野説明員 輸入の経路等につきましては至急調べまして、どういうふうにすればいいか後刻御返事したいと思います。
#116
○山本(悌)委員 所管が違うとわからないのでしょうから、教えてください。これは私は非常に重要なことを申し上げているのです。というのは、先般大規模地震対策の特別立法をつくったわけでしょう。そのときに私ふっと思い出したのです。そのことに触れた人は一人もいないのですね。だけれども、これはたとえばマグニチュード八の大地震、関東大震災以上のようなものが必ず来ると言われているわけでしょう。予知があって、それから何時間後に起きるということになっているんだけれども、あんな大きくなくても、かなり小さいものでも、家がつぶれたところに大蛇が十匹もいたとか、オオカミ、トラがかなりごろごろしておったとかということになったときに、まずどうするかということですよ。さあ警察官が出てきてピストルで撃て、いや猟銃を持ってくると、大騒ぎですよ。
 そこで、そんなものを安易に入れているところにまず問題があるんじゃないかというのが私の聞きたかったところなんですが、その所管がわからぬというと、これは自由に入れてもいいということになる。じゃんじゃん買ってきて、みんな売ったらいい。うんと高く売れるわけですよ。商売になるわけです。これは私たちだからいいけれども、一般の業者なんてそんなことはわからないから、しかし何か裏ルートがあってやっているんでしょう。恐らく何らかの方法で、とにかくトラでもライオンでもオオカミでも入ってきているんだから、間違いなくあるんですからね。私の知っている人でもライオンを飼っているのですよ。ペットにしているのですよ。だけれども、どうして入ってくるのかわからないのだ。まあそれはわからないからいいです。
 そこで、いま現在日本にいる猛獣と言われるもの、そういうものはどのぐらいいるかわかりますか。それも調べたことありますか。これは警察庁ですね。
#117
○森永政府委員 これは猛獣といっても定義がはっきりしないわけでございまして、警察といたしましては一応通常の考え方で、性質がどうもうで他の動物を捕食する獣類ということで定義づけをいたしまして調査をしたわけでございます。
 それによりますと、二百八十三カ所で千百三十八頭匹になっております。そのうち、一般家庭で愛玩の目的で飼育されているものの数は百五十四ヵ所の二百三十二頭匹ということでございます。そのほかの数字は、ドライブインとか旅館等で客寄せのために一応飼っているというようなものでございます。これは種類別で主なものだけを申し上げますと、クマが百八十四カ所で八百七十四頭、それからニシキヘビが十二ヵ所九十一匹、ワニが三十五カ所六十二匹、ライオンが二十五カ所五十頭、ヒョウが十二カ所二十九頭、トラが五カ所十四頭、こういうことになっております。
 この数は、特別調査をしたわけでございませんで、警察が現時点で掌握しているものをそのまま報告させたものでございます。したがいまして、厳密にまた特別調査をやりますと、これ以上の数字になる、こういうふうに考えております。
#118
○山本(悌)委員 実際にはこの倍くらいいるんじゃないかと思うのですよ。
 そこで、恐らく取り締まりの方は警察庁だと思うのですが、そういう猛獣が来ても届け出をしなくていいのですか。これはどうなっていますか。
#119
○森永政府委員 猛獣を飼う場合には届け出をするということは……(山本(悌)委員「義務はない」と呼ぶ)いや、全体的には言えませんので、これは総理府の所管になるかもわかりませんが、現在これらを規制している法律というのは動物の保護及び管理に関する法律というのがございます。これによって、条例で危害防止のための規定を設けることができることになっております。したがいまして、その規定に基づきまして現在全国で三カ所条例をつくっております。これは京都府、新潟県、横浜市でございます。条例によっては、京都、横浜のように許可制をとっておるところがございます。そういうところは、やはり一応猛獣を飼おうという場合には届け出をして、許可を得て飼う、こういうことになっておるというふうに承知いたしております。しかし、全国的には、条例がないところはそのような届け出あるいは許可制というものはございません。
#120
○山本(悌)委員 これも法の抜け穴だと思うのですよ。まさかこんなに日本が平和になって猛獣がそこらじゅうに自由に入ってきて飼えるなどとはだれも思わなかった。平和になればなるほどそういうものを、動物愛護ということの中に入ってきますからね。ですから、その猛獣の定義がまずはっきりしていないということが一つありますね。これもはっきりさせなければいかぬと思うのですよ。ほっておくわけにいかないでしょう。家畜、愛玩用動物、それから猛獣ですね。この辺の区分けをきちっとして、そして、先ほど総理府の方はわからないと言いましたけれども、入る経路をまずはっきりさせる。ということは、たとえばナイロビなんかでもそうですけれども、象でもトラでもライオンでも、みんなとられちゃうわけよ。密猟されるわけよ。一番入りやすいのは日本なんですよ。毛皮でも、象牙でも皆そうだけれども、全部日本が一手販売だと言われているくらいだ。動物にとっては非常に気の毒なんだ。日本人そのものは自然保護だとかなんとか――私も自然保護議員連盟に入っていますけれども――非常にうまいことを言っているけれども、やっていることと行為は全くめちゃくちゃですよ。それはなぜかというと、こういうところに穴があって、全然取り締まりもなければ規制もないのですよね。これは警察庁の管轄かどうかわかりませんけれども、私は、一遍環境庁、警察庁、農林省、通産省、総理府、恐らくこの五庁だと思うのだが、話し合ってやはり一遍規制しなければいかぬ、きちっとしなければいかぬ。無差別にしておくことは許されないと思うのですよ。それは動物自身もそうだし、いま申し上げたように、動物の剥製から象牙から、そういうものを含めてそうですね。入ってきて悪いとは言いませんけれども、入ってくるのが正規のものじゃないのです。ほとんど正規のものじゃない。いま日本という国は世界からひんしゅくを買っているのですよ。そういうことでぜひひとつ、警察庁が中心になるのかあるいは総理府が中心になるのか知りませんけれども、考えていただきたいと思います。
 それから、いわゆるペットについて保護というものがない。規制がない。ましてや猛獣についてはさしたる規制がないから、災害が起きたときの処置などというものも全く不明確。たとえば大蛇が逃げると大騒動して、村じゅうみんな騒ぎ出して、警察が出ていってやっとつかまえて、よかった、よかったと新聞の三面記事でにぎわっている程度なんですが、これはどうでしょうか。変な質問ばかりして申しわけないのですけれども、重要なことなんで、私、申し上げているのですよ。
#121
○森永政府委員 動物の飼養につきましてその基準と申しますのは、先ほど申し上げました動物の保護及び管理に関する法律に基づく告示によって、一応展示動物についてはどういう構造の施設を設けなければいけないかということが定められております。愛玩用についても一応これを準用することになっておりますけれども、果たしてこれで十分であるのかどうかということと、それから一応規定といっても別に罰則があるわけでもございませんし、それを監督する機関もはっきりいたしておりませんので、極端な言い方をすれば、いわば野放しに近いような状態であろうというふうに思っております。したがいまして、これにつきましてはやはり何らかの法規制が必要であろうというふうに思いますので、これは先ほど御指摘になりました関係官庁集まりまして、法律できちっと一応やっていくということが必要ではなかろうかというふうに考えております。
#122
○山本(悌)委員 保安部長、いいことを言ってくれました。頼みますよ。これは本当に重要なことで、ばかばかしいのでだれもこんなことは手をつけませんけれども、しかし、ほっておくわけにはいきません。いまに重大なことが起きると思います。私は災害のところで特にそのことを痛切に感じている一人でありますので、殺す前に、まず入ってくるルートはどうあるべきか、それからどうしたら保護し、日本の生活の中で生きていけるか、災害が起きたときにはどうするのか。仮に災害が起きたときに、これは猛獣だから殺してもらっては困る。そんなこと言う人はないかもわからぬけれども、私、連れて逃げますなんて言われたら困るでしょう、法律がないんだもん。殺してもいいという法律もなければ、殺してはいけないという法律もないんだもん。だから、こんな野放しなことはないと私は思うのですよ。それは当然殺すべきですよ。私はライオンを連れて逃げますなんて言ったって、もうわあわあになって困っちゃうんですね、実際。そういうことをひとつお願いをいたしておきます。
 最後に、これは恐らく質問があったと思いますけれども、二つのことをお尋ねします。
 一つは、今度の改正の中で、覚せい剤の中毒患者のことがあるのですね。それで、かつてこの中毒患者がそういう銃を持っていた例があるんですか。それが一つです。
#123
○森永政府委員 覚せい剤中毒患者が銃を使用して犯罪を行ったというのが、昭和五十年には九件、五十一年には十五件、五十二年には七件発生をいたしております。
 また、覚せい剤中毒を理由に許可申請の取り下げを指導した状況及び許可後中毒者となって取り消し処分をした件数でございますけれども、これは比較的わずかでございまして、五十年、五十一年、この二年間で五件ということになっております。
 このように覚せい剤中毒者が猟銃を持っておった、あるいはこれを犯罪に使ったという件数は、わずかではございますけれども、発生をいたしております。
#124
○山本(悌)委員 もう一つは、中毒患者とみなすというか、その判定というか、そういう判断基準というのはどこに置いているんですか。医者の診断だけですか、何かほかにあるのですか。
#125
○森永政府委員 私どもが考えておりますのは、やはり何といっても判断基準の中心になりますのは、専門家である医者の診断結果になると思いますので、許可申請をする際に医師の診断書を添付することにいたしております。もちろん、それだけで判断するのではなくして、中毒患者であれば、現在ほとんどの者は注射をいたしております。したがって、そういう注射痕がないかどうか。あるいは中毒状態であれば、やはり動作で外見上でもわかるわけでございますので、そういうところから一応判断をする。あるいは外勤警察官が管内の情勢をつかんでおりますので、そういうものの報告も徴して参考にする、そういうことで、たとえばの話でございますけれども、医者の診断書で異常ないということであっても、どうも様子がおかしいということであれば、さらに専門医にお願いして診断をしてもらう、そういうことで判断をしていきたい、こういうように考えております。
#126
○山本(悌)委員 私の質問は以上で終わらせていただきますが、先ほど申し上げましたように、射撃場の問題、銃砲店の問題、それからペット猛獣の問題、これは非常に重要な問題でありますので、この法改正の後にさらに検討を加えていただきまして、十分な処置をしていただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わります。
#127
○木村委員長 三谷秀治君。
#128
○三谷委員 今回の改正で、新たに猟銃または空気銃の保管委託制度が創設されました。猟銃等保管業者は、総理府令で定める基準に適合する設備及び方法で委託を受けた猟銃または空気銃を保管しなければならない、こうなっておりますが、この総理府令の内容の概要について御説明いただきたいと思うのです。
#129
○森永政府委員 猟銃等保管業者の保管は個人の保管と異なりましてかなり大量になるわけでございますので、盗難その他危険防止のために厳重な施設を必要といたしますので、保管業者に対する義務を課することといたしておるわけでございますが、その基準は、ただいま御指摘のとおり総理府令で定めることになっております。その具体的な内容はいろいろございまして、
 第一に、金属製ロッカーその他堅固な構造を有する保管庫であって、確実に施錠できるものに保管をすること。
 第二に、保管庫は、常時人が看守できる場所にあること。
 第三に、保管庫は容易に持ち運びができないようにすること。
 第四に、保管庫またはその付近に非常の際外部に通報することのできる装置を備えなければならない。
 第五に、保管に関する取り扱い責任者を定めておくこと。
 第六に、保管の委託を受ける場合は、許可証の提示を求めること。
 第七に、帳簿を備え、受託年月日、受託した銃の種類、型式、銃の番号、委託者の住所、氏名等の所要事項を記載すること。
にいたしております。
#130
○三谷委員 この保管業者というのは、これを決定されますのに一定の資格基準といいますか、こういうものが要ると思いますが、その点についてはどういうふうに処置されるでしょうか。それから、どの程度の射撃場や銃砲店が保管業者になる見込みなんでしょうか。これはまだ見込みが立っていなければ結構ですけれども。
#131
○森永政府委員 保管業者になるためには、一つは銃砲店でございます。もう一つは教習射撃場でございまして、これらはそれぞれ許可あるいは指定を受ける段階において厳密な審査を受けているわけでございますので、そのほかにただいま申し上げました基準に合致する施設等を設けておればいい、こういうことになるわけでございます。この手続は、保管業者になろうとする者からの届け出を受けまして、公安委員会で厳重に審査をいたしましてこの指定をする、こういうことになるわけでございます。
 それから、どの程度保管業者になるかという御質問でございますけれども、現在のところ、どの程度になるか十分つかんでおりません。ただ、この法改正をします際に、これは猟銃等の所持者の方からも、個人保管だけでは非常に不便である、何とか銃砲店とか指定射撃場等に保管できるようにしてくれという声はかなりございましたし、それだけの事情がございますから、かなりの数字になるんじゃないかというふうに考えております。
#132
○三谷委員 昨年の十月十八日、栃木県の鹿沼市ですか、過激派と思われる二人組が銃砲店から散弾銃二丁を強奪した事件が発生しました。なお、それより以前でありますが、栃木県の真岡市で京浜安保共闘の学生が銃砲店を襲いまして、猟銃十丁、空気銃一丁を強奪して、浅間山荘事件の際に使用したという事件が起きておりますが、こういう例など見ますと、保管については十分な警戒が必要であろうと思います。特にクレーの射撃場などは市街地と離れたところに設置しなくちゃいけませんので、そういう場合の保管上の安全対策、これがいまおっしゃいました基準でいいだろうかという懸念も若干ありますが、いかがでしょうか。
#133
○森永政府委員 確かに過去において過激派等によります銃砲店の襲撃事件等も発生しておるわけでございまして、そういうものに対するいわゆる盗難強奪防止という点については十分配意しなければならないわけでございます。警察といたしましても、これは従来からそうでございますけれども、特に真岡事件等を契機にいたしまして、この防犯指導という面でそれぞれの銃砲店等に立ち入りをいたしまして、この防犯施設の整備あるいは監視の強化、そういうことについて指導をやってきておるわけでございます。そうしてまた、この保管の方法としても、銃はともに弾がないといけませんので、銃と弾は別々に保管させるとか、そういう指導もやってまいっております。銃砲等については直接の所管官庁は通産省でございますけれども、警察としてもこれは重大な問題でございますので、連携をとりながらそういう面の指導監督の強化、こういうものをやっていきたい、こういうように考えております。
#134
○三谷委員 話は少し別になりますが、四十七年の十一月に兵庫県警が捜査しました小切手不正輸出事件の概要について承りたいと思います。
#135
○森永政府委員 事件の概要は、昭和四十六年八月二十七日から四十七年五月二十七日にかけまして、統一産業株式会社等の役員など四名が九回にわたりまして円表示の自己あて小切手二百三十枚、額は二億三千万でございますが、を韓国へ携帯いたしまして無許可輸出をしたという外為法違反容疑事件であります。
 警察の措置といたしましては、兵庫県警で外為法四十五条違反容疑で昭和四十七年十月三十日から四十八年一月三十日にかけて、藤本三男、石井光治、増田勝の三名を検挙いたしております。ところが大山高誉ことソウ又億萬を同容疑によりまして捜査をいたしておりましたけれども、行方がわかりませんで、指名手配をいたしておる状況でございます。検挙いたしました三名は、神戸地検に送致いたしまして、昭和四十七年十一月二十日から四十八年二月九日にかけまして起訴をされましたけれども、昭和五十二年一月二十一日神戸地裁におきまして、疑いは認められましたけれども、断定するに足りる証拠がないということで、無罪の判決を受けております。
#136
○三谷委員 当時の現地の新聞の報道などを見ますと、いまおっしゃいました統一産業の会長ですね、石井光治、それから幸世商事の取締役藤本三男、これは逮捕されましたが、ソウ又億萬は指名手配をされておりますが、いまだにつかまっておりません。いずれもこれは国際勝共連合あるいは世界基督教統一神霊協会の幹部であります。
 この事件の発端といいますのは、時計や精力剤の密輸をやろうとしました船員を警察が逮捕しまして、そしてそこから日本の市中銀行振り出しの小切手が発見され、それを使って品物を仕入れておった。この小切手がすべて小さく折り畳まれておって、くつの底だとかあるいはくつ下の間だとか、そういうところに隠匿して持ち運んでおる形跡があったわけでありますが、兵庫県警は八百枚に上る小切手を調べたといって当時の新聞で報道しております。そして、八カ月かかりまして統一産業グループの容疑者を割り出した、こういうことになっております。金額は約八億となっておりますが――七億ですか、いまの部長の説明と少し数字が差がありますが、これはいかがなことでございますか。
#137
○森永政府委員 事件として立件いたしましたのが二億三千万でございます。
#138
○三谷委員 事件になったのがそれだけで、実際にそれを扱いました金額は七億数千万円と……。
 そこで、これも警察の捜査結果からの判定といいますか、推定でありましょうが、小切手持ち出しの目的は、円高ドル安で日本円がやみルートで高く売れたので、利ざやかせぎをねらったものと見ておる。その利益を外国布教の資金と韓国での統一産業グループの資金として使う目的だったとしております。これはそのように警察の推定が新聞などに出ておりますが、この点はいかがでございましょう。
#139
○森永政府委員 事件が相当前のことでございまして、現在のところちょっと資料がございませんでお答えできませんが、後ほど御報告に上がりたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
#140
○三谷委員 そこで、この統一産業というのですが、いま密輸問題で会長が逮捕されておりますが、これが日本に輸入して問題になりましたエアライフル鋭和3Bの製造メーカーだと聞いておりますが、この点はいかがでしょう。
#141
○山田説明員 ただいま先生御指摘の空気銃の機種でございますが、私どもの承知しているところでは、韓国の統一産業の製造に係るものと承知いたしております。
#142
○三谷委員 韓国の統一産業と横断的な組織として日本にも統一産業ができておりますが、この鋭和3Bというのは韓国の統一産業で製造しておりますが、日本の統一産業がこれを輸入する、そして全国に二十九の銃砲販売店を持っておると聞いております。八つの射撃場を持っておると聞いておりますが、この点はいかがでしょう。
#143
○山田説明員 ただいま先生のおっしゃいました日本の統一産業グループがわが国国内で二十九の事業所を持っておる、その点に関しては私ども確認をいたしておりませんので、ただいま現在わかりません。
#144
○森永政府委員 射撃場につきましては、全国で十カ所指定をいたしております。
#145
○三谷委員 そこで、通産省にお尋ねしますが、この統一産業の会長石井光治という人はもちろん日本人でありまして、日本の統一産業の会長だと思いますが、これはいま刑事事犯を起こしまして、いまの販売店の資格から見まして適格性を欠く条件を持つ人でありますが、これが二十九の販売店――御承知ないとおっしゃっておりますが、これは場所を一つ一つ数え上げる準備も私はしておりませんが、すでに論議をされてきたところであります。これがなおこういう銃器類の輸出や販売の重要な職務についておるということにつきまして、果たして妥当だろうかという疑問を持ちますが、いかがでしょう。
#146
○山田説明員 私どもの武器等製造法によりまして、空気銃を含めました意味でございますが、猟銃等の販売事業者、これは都道府県知事がその許認可を行うことになっております。その許認可の条件でございますが、武器等製造法の第十九条の第二項におきまして、猟銃等の保管のための設備が一定の要件を備えていること、それから申請者が、次に私が申し上げます事項に該当しないことという二つの条件に適合いたしますと、許可をしなければならないということに相なっております。
 そこで、申請者が次の事項に該当しないというそのポイントでございますが、一つは、この武器等製造法に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、あるいは執行を受けることがなくなってから三年を経過しない者、これが一つでございます。それから、製造事業を取り消され、取り消しの日から三年を経過しない者、それから、この法律ではなくて、他の法令に違反して罰金以上の刑に処せられ、そしてその情状が販売事業者として不適当な者、それから、法人の役員のうち以上に該当する者がいるもの、あるいは最後に禁治産者、こういうものに該当しないならば許可をしなければならない、こういうことに相なっているわけでございます。
 ただいまの事案でございますが、統一産業の会長をやっております石井氏につきましては、先ほど警察庁の方から御答弁申し上げましたように、神戸地裁におきまして無罪の確定をいたしておりますので、私どもといたしましては、現時点において、先生の御指摘のような欠格条項ということが認められるものであるというふうには判断されないわけでございます。
#147
○三谷委員 いま無罪になったということを聞きましたけれども、この無罪の論拠がどこにあるか私はわかりませんが、八百枚からの密輸小切手を行使して、七億にわたる不正持ち出しが行われておるということが問題になったわけでありますが、それの刑事裁判の詰めがどうなったか私はわかりませんが、いずれにしましても、これは集団でこういうことを行っておるし、なお主犯の一人が逃亡中であるというような事件などを考えますと、こういう者が銃器の扱いを大量に行うということについては非常な危惧を持つものでありますが、これにつきましては、現行法がどうであれ、なお取り締まりといいますか規制を強化する必要があるのではないかと思いますが、その点はいかがでしょう。
#148
○森永政府委員 所持許可につきましては、大変厳しい基準を設けております。したがいまして、この基準に照らしてみて欠格条項に該当しないかどうかということを判断いたしまして、欠格条項があれば排除する、なければ許可をする、こういうことになろうかと思うわけでございます。
#149
○三谷委員 私が言いましたのは、いま武器等製造法の第五条に武器製造者ないし販売者の適格要件が示されておりますが、これでは少し手ぬるいのではないかということを申し上げたわけであります。
#150
○山田説明員 この法律の目的の一つといたしまして、先生御指摘のような公共の安全の確保という観点がございます。こういう目的に照らしまして、私どもはこの法律の施行に当たりまして行政上あらゆる角度からやっておるわけでございます。他方、この製造あるいは販売事業者は許認可制になっております。これは一種の国民の権利を制約するものでございます。したがいまして、その許認可というものに当たりまして不当に制約するということに関しましては、他方では十分注意をしてやっていかなければならない。そういう趣旨で欠格条項というものを設けまして、その欠格条項に該当する者はだめだが、該当しない者はこれは認めていく、こういう精神だと思います。そういうことでやっておりますが、運用におきましては、十分保安上の問題等慎重にかつ厳格にやっているつもりでございます。
#151
○三谷委員 この鋭和3Bというのは、日本ライフル射撃協会では使用禁止しておる危険品として問題になっております。これが危険品と見られておりますのは、いろいろな条件が指摘されておりますが、空気銃としては非常に強力である。十メトルの範囲で撃ちまして一・六ミリの鉄板を撃ち抜いてしまう、そういうものである。あるいは、この空気銃は単発でないのですね、五十発ぐらい連発ができる。機関銃みたいなものですね。そういう性能を持っている。しかもこれは空気の圧力で発射するわけでありますから、最終になってくると圧力が鈍ってきて弾がだんごになってしまう、そして暴発する危険がある。こういうことがいろいろ調査によりまして明らかになって、ライフル協会がこれは使用をすべきではない、こういうふうに示したわけでありますが、これが七〇年から七六年にかけまして二万千六百三十六丁韓国から輸入されておりますが、これは七六年度まででございますから、もっと近い統計でいきますとどれくらいの危険空気銃が入っておるのか、大蔵省お見えになっておりましたら、お知らせいただきたいと思います。
#152
○村本説明員 お答えを申し上げたいと思います。私ども通関統計の方では空気銃ということで把握をしておりまして、それがすべて先生御指摘の鋭和3Bというものであるかどうか、そこまでは把握をいたしておりませんが、一九七〇年から七七年までの空気銃としての輸入実績は二万一千七百八十九丁ということに相なっております。
#153
○三谷委員 このうち正規の所持の許可を受けて所持しておるものは幾らでしょうか。これは七六年の段階では七千七百四丁という数字が出ておりましたが、この点はその後変化がありましたでしょうか。
#154
○森永政府委員 私ども許可をした結果について統計をとっておりますけれども、メーカーごとにはとっておりませんで、空気銃全体は五十二年末現在で十万九千二百九十五丁になっておりますが、その内訳については明らかでございません。
#155
○三谷委員 昨年の衆議院の法務委員会の審議を見ますと、そのとき警察庁として鋭和3Bについて所持許可されたのは七千七百四丁となっております。残り約一万四千丁につきましては所在がわかっておりません。統一教会で保管されておるのか、あるいはその販売の方法などから見ましてひそかに無許可で販売、所持されておるのか、まだ不明であります。そういう疑問が持たれますのは、この統一産業の販売活動を見ておりますと、訪問販売をやっている。訪問販売をして、その銃器を使ってセメントのかたまりなどを撃ったりして、これほど威力があるものだから買わぬかというようなことをして売っている例がある。それからまた、駅前でぶらぶらしている若い者を店に誘ってきて、空撃ちをやってそして販売をやっている。そういう不法な販売活動をやっておりますから、正規の届けを販売店がやるはずでありますが、やっていない可能性が非常に強いわけであります。そういう点からしまして、あとの一万四千丁につきましては治安上これは重要な問題になっておる。それで、これについては昨年四月二十日の衆議院の法務委員会で警察庁の柳館保安課長が、輸入した空気銃の所持状況について関心を持っており調査をするとおっしゃっておりますが、その調査の結果がわかりましたでしょうか。
#156
○柳館説明員 お答え申し上げます。
 私どももそういう点には関心を持っておるわけでございますけれども、なかなか調査の手だてがないものでございまして、現在もまだ手間取っておる状況でございます。
#157
○三谷委員 これは昨年の四月ですから、一年以上経過しておりますが、全然調査の手がかりもついていないのでしょうか。つまり調査をおやりになっていないわけなんでしょうか。
#158
○山田説明員 ただいま先生御指摘の訪問販売でございますが、確かに数年前まではそういう事実がございました。昭和四十八年、九年あたりでございます。しかし、私どもそれを承知いたしましたものですから、さっそく私どもが指導いたしまして、訪問販売ではなくてやはり許可された場所で販売するようにということを指導したわけでございます。その結果、ただいまでは訪問販売という事実は行われていないと考えております。
#159
○三谷委員 保安課長さんには別の質問をしましたが、お答えいただきたい。
 それから、いまの訪問販売の件ですけれども、あなた方は、この統一産業あるいは幸世商事というのがありますが、この集団の販売活動の全貌を御承知なんでしょうか。彼らの販売活動というのは、訪問販売が主体であります。そして多様な品物を販売している。たとえば朝鮮ニンジンがそうであります。ニンジン茶がそうであります。あるいは大理石製のつぼもそうであります。銃器もそうであります。こういうものが随所で販売されております。確かに銃器を持ち歩くという点は若干数が減ってきておる。私たちの聞きます範囲でも、減ってきておるようでありますけれども、皆無ではない。しかも、その他の販売品目はかなり詐欺的な方法で売ってきている。あれは訪問販売法ですか、品物を売りまして、売った側がふたをあけたりした場合には買い主が返還ができるわけでありますが、これを買い主にふたをあけさせるというような手段をもって非常に広範な押し売り活動をやっております。
 ですから、いまおっしゃいましたように、銃器が、全部販売店で販売するものだけだということにまだなっておりません。私ども例をちょいちょい聞いております。これは非常な問題を持っておる団体なんだ。この非常な問題を持っておる団体が輸入権も持っておれば、販売権も持っておる。しかも、ライフル協会が常識上妥当でないという空気銃を次々に日本に持ち込んできておる。裁判の上で、この小切手の不法な持ち出しが無罪になったとしましても、いろいろな活動に違法性が示されてきている。これがそのまま放置されていいだろうかということはだれしもが持つ疑問であります。
 ですから、その点からしますと、もう少し全体の活動の形態などを見て、そして一定の判断を加える裁量を持ち得る、そういう基準が必要ではないだろうかというふうに私は思うわけでありますが、これは課長がいますぐ単独にお答えになるわけにはいかないと思いますが、常識上考えまして、そういう必要があると私は思っておりますが、警察庁の方はどうお考えなんでしょうか。
#160
○森永政府委員 私どもは主義主張のいかんを問わず、違法行為があれば取り締まりをやっていくという方針でございます。しかしながら、違法行為のないものを取り締まるわけにはまいりませんので、そこら辺は十分に考えながら今後も運営をしていきたいと考えております。
#161
○三谷委員 部長さん、私は主義主張のことを一つも言っておりはしません。そんなことは別問題です。
 そこで、先ほど通産省は、銃器の持ち込み販売をかつてはやっておったということを確認されましたが、それは明らかに法に違反する措置でありますが、これについてはどのような措置、処分をされたのか、お尋ねしたい。
#162
○山田説明員 先ほど、訪問販売をなくすように、そして固定された場所で販売するようにということは指導したわけでございます。武器等製造法上の違反として、その訪問販売が認められていないということではなくて、固定したところで販売する方が望ましいということで行政指導をしたということでございます。
#163
○三谷委員 こういう訪問販売の仕方は明らかに法に反するということを内閣委員会で言明されておるわけでありますが、それは結局構わぬわけなんですか。訪ねていってセールスをして、そこで売ってくるということは法違反にならぬわけでしょうか。
#164
○山田説明員 先ほど訪問販売、訪問販売と私も申し上げましたけれども、私どもの承知しておるのは、より厳密に申し上げますと、商談という販売行為でございます。商談といいますか、もうちょっと具体的に言いますとカタログ等による販売、こういうふうに承知しております。
#165
○三谷委員 私が申し上げましたのは、カタログで実験はできませんから、現物を持っていってやっている。これは四十八年の四月五日の内閣委員会の速記録にも出ておりますが、これを持っていきまして、その威力を示す、そうして売ってくる、こういうことが行われておるわけです。そのほかそれに類似した販売方法をいろいろやっておりますが。これが、一般的な指導、つまり、そういう問題のない段階における指導ということで扱われておるのか、あるいはそういう具体的な事実に基づいて指導されたのか。そういう事実に基づいて指導されておれば、これは当然処罰される性質のものでありますから、私どもなかなか合点がいきませんが、その点はいかがでしょう。
#166
○山田説明員 当時、私どもはカタログを持って販売するということを聞きましたものですから、直ちに、そういうことはいかぬ、固定されたところでやりなさいという行政指導をしたわけでございます。当時、現物を持って販売したという事実を確認しておりませんので、カタログということで直ちに指導したというのが過去の経緯でございます。
#167
○三谷委員 当時カタログで販売したというふうに聞いたとおっしゃいますが、当時問題になりました速記録を見てみますと、カタログではありません。「見本ということで現物を個別に持って家庭を訪問しながら銃を見せて宣伝する。それからある場合にはコンクリートブロックを路地に立ててそれに撃ってみる、」そういう具体例が指摘されて、これにつきまして、そのようなことであれば明らかに違反に問わなければならない、これは斎藤政府委員、恐らく警察庁の方だと思いますが、おっしゃっております。ですから、これについて捜査されたのかどうか私は知りませんし、それから通産省が、こういう販売の仕方をするこの統一産業というものに対して、最初申しましたように小切手の不法持ち出し、つまり、八億の円を為替管理法に違反して国外に持ち出すとか、あるいはまた、主犯が逃亡してこの犯罪の事実を韜晦してしまうとか、あるいはライフル協会が危険物であると言っているこの空気銃を、しかも連射式の空気銃を日本にどんどん持ち込んでくる、しかもそれを訪問販売までしておったというような一連の事態を見てみますと、この団体の性格といいますか、この活動というものが日本人の常識に反している、きわめて危険な内容のものである、公安を害する性格のものだということが大体帰納されてくるわけでありますが、こういう場合を考えて、この武器の販売、武器の製造等につきましてはさらに規制が必要ではあるまいかということを私は申し上げておるわけでありますが、これにつきまして、警察庁の方はどのようにお考えでしょうか。取り締まり当局としまして、こういうずさんな状態でいいだろうかという疑問を持ちますけれども、いかがでしょう。
#168
○森永政府委員 私ども、ただいま御指摘の鋭和3Bのライフル空気銃でございますが、この問題については、必要によっては取り締まりもやっておるわけでございます。
 先ほど来、先生御指摘になりましたが、四十三年ごろいろいろ問題がございまして、銃刀法違反で十三件ほど検挙いたしております。その後は、特に第一線からの報告もございません。一応私どもとしては、正常な形で販売店で販売されておる、こういうふうに承知をしておるわけでございます。
 一連のものを見れば、大変ずさんで法的な規制の強化が必要ではないかという御指摘でございますけれども、私どもとしては、法規制については、大変厳しく網羅的に規制がされておるというように思うわけでございます。私どもとしては、運営の面で十分なのかどうか、この点は十分考えてみる必要があろうかと思うわけでございまして、銃刀法全体の、いわゆる危険防止、事故の防止という観点から十分運営の面では考えていきたい、こういうふうに考えております。
#169
○三谷委員 私は、こういう銃刀などのような人体に重大な影響を与える商品を扱う業者というものは、利益になりさえすれば構わないという、そういう立場で営業をやらせてはいかぬと思います。
 そういう点からしますと、この暴発性があるといい、かつ空気銃としては非常に強力な貫徹力を持っている、そういうふうなものを日本に持ち込んできて、そしてかつては訪問販売もやったという状態でありますから、これらに対して、それでは運用の面でどのように指導がなされておりますのか、疑問を持つものであります。
 それから、初めに柳館課長にお尋ねしましたように、前回これは調査をするというふうにおっしゃいましたけれども、調査が一向に進んでいないというのは、調査をされる意思がないのか、あるいは調査の過程にあるのか、そこら辺はいかがなものでしょう。
#170
○柳館説明員 お答えを申し上げます。
 実は昨年の答弁に関する件でございますけれども、私どもは、国会から帰りまして、銃砲店に対する、あるいは製造店に対する権限が全然ございませんので、こういうことがあったので、通産の方で権限その他を持っているのだからお調べ願えないかということを御連絡いたしておる次第でございます。また、情勢が非常に悪いということであれば、再度通産とも御連絡いたしまして、その辺の実態がよくわかるような手だてを考えてみたいと思っております。
#171
○三谷委員 通産の方は警察から、権限をお持ちになっているので調査の依頼があったようでありますが、それに対して通産としてはどういう対応をされたわけでしょうか。
#172
○山田説明員 私どもの方も、過去そういうことがございましたので、統一産業関連あるいは鋭和3B関係に関心を持っております。先ほど先生御指摘の非常に威力のある空気銃ということでございまして、ライフル協会もその使用を認めなかったわけでございます。その後改造いたしまして、連発ではなくて単発にいたしまして3BのマルNという新いしものに改善をいたしまして、現在ではライフル協会もこれを承認をいたしております。
 それからもう一つ、先ほど大蔵省の方からお答えございました韓国からの空気銃の輸入でございますが、昭和四十七、八年ごろには年間数量が、たとえば四十七年でございますと六千丁、四十八年ですと七千四十丁とかなり大きな数字の輸入がございました。これは先生の御指摘のとおりでございます。その後私どもトレースをいたしておりまして、四十九年には一千丁でございました。それから、五十年になりまして急激に減りまして、三百丁、五十一年が三百丁、そして昨年の実績でございますが、百五十三丁、現実の問題といたしまして韓国からの空気銃の輸入通関実績というのが減ってきている状況でございます。
 それから、統一産業関係の事業所に対しましては、これは関係の都道府県知事でございますけれども、たとえば東京都におきましては、いろいろ渋谷の営業所だとか杉並の営業所だとか、あるいは別の名前でございますが、アングスという会社の渋谷営業所でございますとか、そういう点の立入検査というものを行いまして、それぞれ確認をし、あるいは改善指導等々を行っている次第でございます。
#173
○三谷委員 私は、その立入検査によりまして、輸入しました数量と、それから許可所持している数量との差、数ですね、約一万四千丁、この鋭和3Bがどうなっているのかということに関心を持っているわけなんです。
 それで、いま、最近改造銃が入ってきているとおっしゃいますが、この数量というのは改造前の数量でありまして、いわゆる危険銃である、それがかなりな数量不明になっておる。不明と言いますが、あるいは統一教会が完全に保管しているのか、あるいは訪問販売等によりまして数量が、実態がつかめないという状態にあるのか、そこのところが立入検査によりましてどうなっておるのかということを私はお尋ねしておるわけであります。
 それから、いま関心を持っておるとおっしゃいました。統一産業について関心をお持ちのようでありますが、関心をお持ちでありますならば、全国で二十九の銃砲店がこの系列下にあるというわけでありますから、その銃砲店の所在地やあるいは商号などぐらいは捕捉しておいてもらわないといかぬ。それを捕捉しなければ、関心を持っていると言ったところで、そんなことは全くの口頭禅にすぎないわけでありますから、その点ではいかがでしょうか。
#174
○山田説明員 ただいま先生御指摘の在庫数でございますが、これは私ども都道府県知事が立入検査をする際には把握すべき事項として指示をしております。現実にそれぞれの営業所あるいは事業所等における在庫数を把握しているわけでございます。
 ただ、他方、先生御指摘の二十九事業所でございますが、すべてが統一産業何々営業所、こういうことで表示されておりませんものでございますので、そのすべてを把握するというわけには事実上まいっておらない次第でございます。
#175
○三谷委員 それも少し奇妙な答弁であって、社会的に統一産業系の統砲店として認めておるわけですから、それを、その監督官庁である通産省は、表示が違う場合があるのでわからぬ、こうおっしゃる。ここがおかしいんですよね。すでに二十九ヵ所などにつきまして、知りたければわかる場所がありますよ。全部その場所と商号名を示すことのできるそういう資料もあるわけでありますから、その点から見ますと、どうもおっしゃっていることが、もう一つ何となしに歯切れが悪くて、私ども合点がいきませんが、しかし、そのことをここで繰り返して、課長さんあるいは準備が十分でないかわかりませんから、それをここでやいやい言いますのもお気の毒でありますから、この一万数千丁の残りました危険銃、この数量を一遍調べてください。その現状を調べていただきたい。これは警察庁の方からも、さっきの保安課長の御説明によりますと、通産省の方に御依頼があったようでありますから、これをやっていただきたい。それから、それをしますのには、当然二十九の販売店が不明なままではできるわけがないわけでありますから、この二十九の販売店を正確につかんでいただきたい。私ども知っておりますのは二十九でありますが、もっとあるかわかりません。しかし、わかっている分だけでも調べていただいて、治安上の不安がないようにしていただきたいと思う。この点いかがでしょう。
#176
○山田説明員 警察庁とも御相談いたしまして、把握できる範囲内におきまして、これから調査を続けてみたいと思っております。
#177
○三谷委員 保安課長さん、その方向で公約の実現をひとつお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
#178
○柳館説明員 そのようなことで考えてみたいと思います。
#179
○三谷委員 そこで、この教習射撃制度が創設されまして、教習射撃場の指定等が行われるわけでありますが、この場合、たとえば東京都の場合ですと、クレーの射撃場は八王子市にある民営の八王子射撃場一カ所しかありません。これが教習射撃場となりました場合の利用の関係といいますか、これについては非常に不便なことになりますが、これについてどうお考えでしょうか。
 それから、ライフルの場合におきましても、ライフルにかかる射撃場が存在しない県があります。たとえば山形、福島、栃木、群馬、富山、滋賀、鳥取、香川、福岡、熊本、宮崎ですね。警察資料によりますと、この十一県はライフルの射撃場が存在しません。それから石川県のように、ライフルの指定射撃場が陸上自衛隊金沢駐とん地の射撃場しかない県もあります。同じく愛媛県でも陸上自衛隊の小野射撃場しかない。これらの県民は、ライフル教習射撃を受けるには結局他県に出かけていくという結果になっていきますが、こういうことではなはだしく銃の所持者に不便が生じてまいりますが、これにつきましては、何らかのお考えをお持ちなんでしょうか。
#180
○森永政府委員 教習射撃は、原則としてその都道府県内の教習射撃場で教習を受ける、こういうたてまえで考えておるわけでございます。しかしながら、ただいま先生御指摘になりましたように、射撃場のないところ、数の非常に少ないところ、あるいは非常に不便であるというようなところがございます。そういう場合には、他府県の教習射撃場に教習を委託するということで一応カバーしていこうということを考えておるわけでございます。しかしながら、いずれにしても、射撃場のないというところは、それでもなお不便でございます。しかしながら、そういう場合に、ただいま御指摘ございました自衛隊の射撃場等の使用というものを考えるかどうか、ここら辺、非常に問題でございますので、ここら辺は十分検討させていただきたいというように思っております。
#181
○三谷委員 民営の射撃場のうち、銃器メーカーが経営しておりますものは、全国でどの程度ありますでしょうか。
#182
○森永政府委員 現在、公営等によるものが三百二十、それから私営によるもの………
#183
○三谷委員 銃器メーカーが経営しているものですよ。
#184
○森永政府委員 銃砲店が経営しておりますものが百三十二カ所になっております。
#185
○三谷委員 武器製造法によりますと、販売店と製造業者と扱いが似通っておりますが、製造業者のことを私は言っているわけです。
 それで、エスケービーという銃器のメーカーがありますが、このエスケービー工業会社の経営する射撃場が四カ所あるはずです。仙台と友部と成田と天理になっておりますね。そこで、これは銃器製造のトップメーカーでありますが、このエスケービーというのがそうでありますが、このエスケービーの会社の友部工場で、工員たちが銃や部品を外に持ち出して、暴力団にまで横流しをした、こういう事件が起きておりますが、これは御承知でしょうか。
#186
○森永政府委員 承知をいたしております。
#187
○三谷委員 それのみでなしに、このエスケービーの製造部次長が、部下に自分の銃を高級品に入れかえさせるというような事件も起きております。そこで、これが指定射撃場を経営しておる会社でありますし、これも銃器を製造している会社でありますから、こういう状態だと、非常な懸念が持たれます。これにつきましてはどのようにお考えなんでしょうか。これは、先ほど申しました統一産業と同じように、こういう状態が起きるようでは、これは武器製造法によります販売店あるいは製造業者として放任することは危険なわけでありますが、特に今度、教習射撃場の指定に当たりましては、こういう状況というものに対して、どのような参考といいますか、選択の基準におきまして取り扱われていくのか、お尋ねしたいと思います。
#188
○森永政府委員 確かに先生御指摘になりましたように、エスケービーで指定射撃場をやっておるわけでございますが、しかしながら、その経営主体は一応別法人の仕組みにしておりまして、直ちにエスケ−ビーと指定射撃場が同一法人ではございません。しかしながら、これは大変な事件を引き起こしておるわけでございますので、私どもといたしましても、通産省等の行政処分の傾向を見ながら十分にひとつ検討してみたいというふうに思っております。
#189
○三谷委員 通産省はこの事件についていまどういう対応をされておりますでしょうか。
#190
○山田説明員 三月九日に警察御当局の方から私どもにこの事案につきまして御連絡ございました。直ちに茨城県に立入検査をするように指示をいたしまして、翌日の三月十日に県から立入検査をし、そして改善事項を指示してございます。
 それから私どもは、同じ日でございますが、社長及び関係責任者を呼びまして事情を聴取し、また改善指導をいたしたわけでございます。なお、警察の方からもいろいろ私どもの方にその調査結果がまいっておりますので、当該企業に対しましては、改善事項の会社側の提案というものを受けまして、それを見てその後のフォローアップというものを県の方にやっていただくように指示をし、そのとおりになってございます。
 なお、この関係は従来ほとんど起こらなかった事件でございますが、この事件がわかりましたので、この際、保安上の管理面につきましていろいろチェックリストというものを私ども現在作成しておりまして、監督しております各都道府県に改めて通達を出したい、こうやっておる状況でございます。
#191
○三谷委員 暴力的な風潮が全体として強まっておる中でありますから、従来以上の管理指導ということが必要になっておると思います。そういう点で一層の御尽力を期待しまして、質問を終わらせていただきます。
#192
○木村委員長 川合武君。
#193
○川合委員 私は、銃を扱う人間のマナーが、銃を所持、使用する者の最大の要件といいますか、必要なことではないか、こういうふうに思います。無論、銃は恐ろしい道具ともなりますけれども、これが現在におきましてはスポーツとして国際親善の役にも大いに立っておりますし、また有害の鳥獣を駆除して山を守ったり、農作物の豊穣を助けたりするような、産業の面にも役立っておるということも思いますときに、決して銃みずからが人を殺傷することではなくて、人が人を殺傷しておる、であるからマナーが一番大事だ、こう思います。そういう見地に立って若干の質問をいたします。
 保安部長に伺いますが、改正案では法五条の三ですか「都道府県公安委員会は、政令で定めるところにより、その管轄区域内に住所を有する者で、第四条第一項第一号の規定による猟銃若しくは空気銃の所持の許可を受けようとするもの又は第七条の三第二項の規定による許可の、更新を受けようとするものを受講者として、次に掲げる事項に関し必要な知識を修得させるための講習会を開催するものとする。」とありますが、この講習会は、現行法では法五条の二第一項第一号で「次条第一項の講習会の講習を受け、その課程を修了した者」となっておるわけですね。そうすると、従前は講習会は一回のみ受講すれば足りたものを、今回の法改正では、同じく法五条の二第一項第一号で「次条第二項の講習修了証明書の交付を受けている者でその交付を受けた日から起算して三年を経過しないもの」となっておるので、従前は一回の講習会を受講してテストを受ければよかったものを、今度は講習会が三年ごとになるわけですね。その三年ごとに実施するという改正の理由をまず伺いたいと思います。
#194
○森永政府委員 お答えいたします。
 先生ただいま御指摘になりましたように、猟銃等講習会は、現行法では新規許可を受ける際に一回受ければ、猟銃を持っている間永久に効力があるということで、一回で済んだわけでございます。しかしながら、今回の改正で更新の前にやはり猟銃等の講習を受けさせる必要があるのじゃないかということで、更新前の講習制度を設けたわけでございます。それも、これまで現行法では更新が五年ということでございましたけれども、今度の法改正で三年に一回ということに改正をいたしております。
 この講習を、新規の際だけじゃなくて更新の前になぜ受けさせるかということでございますが、それにつきましては、この講習の内容は、法令とかあるいはそのときどきの事件事故の状況等を踏まえて、その事故防止等について講習をやるということがねらいでございますが、やはり法令も時代によって変わってまいります。また事件事故の態様も変わってくるわけでございます。またその上に、やはり人間の記憶力というのは限界がございまして、五年も六年も記憶しているということはできないわけでございますので、大体この三年ごとにこれらの講習を受けるべきでないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
 しかしながら、新規許可の場合と更新前の講習というのはやはりその内容、程度というものが違うわけでございまして、新規の場合は基本をしっかり身につけてもらう、これはマナーの点についても技術の点についても十分に身につけてもらうということで十分に時間をとりたい、大体一日ぐらいを予定しているわけでございますが、更新時の場合は、やはり一回基礎的な講習を受けておりますから、大体半分程度のものを考えております。また、新規の際の講習につきましてはやはり効果測定ということが必要でございますので、一応テストをやって、その結果で修了証明書を発給する、こういう考えでございます。しかしながら、更新前の講習に際してはその必要もございませんので、一応ペーパーテストはやらない、こういう考えを持っております。
#195
○川合委員 そうすると、有効期間の問題はまた後で別にお伺いしたいと思いますが、いま三年ごとに実施しなければならなくなったということの仮に必要があるとしても、講習会は法令の改正点や、違反とか事故例ですか、そういうものの注意事項を主として行う、主としてというか、そういうことにとどめる、こういうふうに解釈してよろしいのですか。
#196
○森永政府委員 そのとおりでございます。
#197
○川合委員 そうすると、くどいですが、更新時においてはペーパーテストは実施しない、そういうふうに理解してよろしいですね。
#198
○森永政府委員 そのとおりでございます。
#199
○川合委員 了承いたしました。
 次に、先ほどお話に出ました有効期間の問題ですが、法七条の二によりますと、「第四条第一項第一号の規定による猟銃又は空気銃の所持の許可の有効期間は」括弧書きがありますが、「有効期間は、当該許可を受けた日の後のその者の三回目の誕生日が経過するまでの期間とする。」というのが今度の改正案ですが、いままではこれが法七条の二で「猟銃又は空気銃の所持の許可は、五年ごとに更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。」五年だったわけですね。現行法は五年ごとの更新であったのを今回の改正案で三年ごとの更新にしようとする、その五と三の区別といいますか、更新期間を五年から三年と短縮したその理由を伺いたいと思います。
#200
○森永政府委員 許可更新をする効果ということでございますけれども、新規許可をいたします際には厳しい基準がございまして、欠格条項に該当するかどうかをよく審査をして、該当しない場合に許可を出すということにしておるわけでございます。しかしながら、その後、期間が経過いたしますと、欠格条項が出てくるという場合がございます。たとえば許可をもらうときにはそうでなかったけれども、後で暴力団に入ったとか、あるいは覚せい剤の中毒患者になったとか、あるいは犯罪を犯したというような場合があるわけでございます。そういうものをできるだけ早く発見するという効果があるわけでございます。それからもう一つは眠り銃――猟銃等を許可する場合にはその用途、目的ということを明確にいたしまして、それがなければ許可をしないことになるわけでございます。ところが長期間これを使わない、いわゆる眠り銃というものがございます。そういうものを発見できるという効果があるわけでございます。現行法では五年ごとに更新をやってそういうものの発見をして、それでこれらを排除するということをしておったわけでございますが、しかしながら、その後の経過を見ておりますと、この大年というのは少し長いのじゃないか。と申しますのは、この欠格条項の点で申し上げますと、許可をもらってから一年半か二年ぐらいで暴力団に入って犯罪を犯した、あるいは四年ぐらいたってから覚せい剤の中毒患者になったというような事例があるわけでございます。そういうものをできるだけ早く発見するためには、やはり更新の期間というものをできるだけ短縮した方がいいのではないか。しかしながら、これも一年ごとというのは大変酷でございますので、適当な期間ということで三年という期間を考えたわけでございます。これも単なるヤマカンということではございませんで、各国のそのような事例とか、あるいはわが国におきましても、交通その他の許可証の有効期間、そういうものを参考にしたりあるいはどの程度すればそのような欠格条項のある者を容易に発見できるのかということも十分に参酌をいたしまして、この三年という期間を決めたわけでございます。
#201
○川合委員 暴力団の云々の点についてはよくわかりますが、眠り銃の一掃といいますか、眠り銃の発見といいますか、眠り銃の措置、これがどう何か今後の規制は眠り銃の一掃を目指しているので、秀吉の刀狩りみたいなものだといううわさもあるんですけれども、この眠り銃というのはどういうものですか。法律で眠り銃の一掃というものはできるのですか。また、どういう必要があって五年を三年に、こういう規制の強化をしてまで眠り銃の一掃を図らなければならないのか、また法律的にそういうことができるのか、どこに書いてあるのかということを伺いたいと思います。
#202
○森永政府委員 猟銃の許可に際しましては、その目的がなければならないわけでございます。現在のところは、狩猟目的と標的射撃の目的というものがございまして、これを前提にいたしましてその他の欠格条項がないかどうか審査して、そして目的もあり欠格条項もないということで許可をしているわけでございます。今回の改正で、今度は射撃等の検定とか、あるいは射撃教習を受けなければいけないというような条項をまた付加しておりますけれども、一応そういうことになっております。したがって、厳密な意味におきましては、その目的、いわゆる狩猟目的もない、標的射撃の目的もないというものは、これは許可の要件を欠くことになるわけでございます。しかしながら、そういうものを長期間いわゆる目的がなくてほってある銃、長期間使わないでおいておる銃、これを私どもは俗に眠り銃と言っているわけでございます。しかしながら、法律的にもこういうふうにして一応形式的には措置ができるわけでございますが、眠り銃という認定が非常にむずかしいわけでございます。たとえば一年間使わなかった、であればこれは眠り銃かといえば、いやこれを来週また標的射撃に使うのだと言われれば、これは眠り銃にならないわけでございます。また、実際に眠り銃だということで許可を取り消したところで、またすぐ翌週許可申請すれば許可しなければいけないということになるわけでございまして、したがって、実効の面あるいは認定の面で非常に問題がございます。したがいまして、眠り銃については、強制的に眠り銃だからこれを取り消しにして廃棄させる、あるいは譲渡させる、こういうことをやろうというわけではございませんので、あくまでも銃の所持者、猟銃等の所持者の意向を十分聞きまして、これは今後とも使うつもりはない、こういうことであれば、ではひとつ適当な人に譲渡をされたらどうか、あるいは廃棄されたらどうかということを指導する、こういう考えでございます。そういうやり方でいわゆる更新時ごとにそのような指導をやっていこう、こういう考えでございまして、決して刀狩り、いわゆる眠り銃だからみんな取り上げるんだ、廃棄させるんだ、こういうことではないわけでございます。
#203
○川合委員 念のために伺いますが、眠り銃についてそういういまのお話を聞くと、一言で言いますと、行政指導だということですね。行政指導でと言うのですが、部長の言葉じりをつかまえるわけじゃないけれども、規制を強化してまで――規制を強化というのはあれでございますよ、有効期間の規制を強化してまで、そして行政指導までしてなぜ眠り銃の一掃を図らなければならないのか、その点についてもう少し説明していただきたいと思いますね。
#204
○森永政府委員 この眠り銃というのは、先ほども申し上げましたように、形式的には一つの法律的な許可の条件を失うということになるわけでございます。実質的にはそういう眠り銃というのが結局事故のもとになったり、あるいは長く使用していなければこれがついついそういうものの管理がおろそかになって盗難に遭うというようなケースがあるわけでございます。したがいまして、眠り銃として長期間ほったらかしておくということは、そういう事件事故の防止という点からも好ましくないわけでございますから、できるだけ早くそういうものを発見して、それで適当に処分をさせるということが必要なわけでございます。
 したがいまして、現行法では五年であったわけでございますが、五年ごとでそういうものを排除するということは、結局事故が起こってしまってから措置をするというような場合もあるのではないか、そういうことでやはりこれを短縮して三年程度にするということが適当ではなかろうか。これは欠格条項の者をできるだけ早く発見するということと同じような趣旨のものでございます。
#205
○川合委員 何か事故例が実際にあったのでございますか、こういう眠り銃が犯罪につながったというような事例が相当あるんですか。何か私どもの感じでは、銃を使わないで置いておくということもいろんな事情があって、さっき部長も言われたように、あるいはあしたとは言わないが、来月また使うことになるのかもしれないので、決してその人が直ちに銃を粗末にしていたということとも必ずしも短絡的にはつながらないような気もするのですね。これはやはり一つの財産なんですから、銃は。それをばかにむきになって眠り銃、眠り銃と言われるのだけれども、何かあるいは数字的に、別に資料をお持ちでなければ結構ですが、犯罪につながったようなのが相当あるのですか。
#206
○森永政府委員 これは先ほどから申し上げておりますように、眠り銃と言えるかどうかという認定が非常にむずかしいわけでございます。したがって、その認定がむずかしいので、眠り銃によるところの事件事故というものについての統計もとりにくいわけでございまして、現在とっておりません。
 ただ、私が申し上げましたのは、実感として、いわゆる長く銃を使ってなかった、そのために保管がルーズになって盗難に遭ったというようなケースがあるわけでございまして、これが果たして眠り銃でと言えるのかどうか、これはちょっとやはり疑問だと思います。ただいま先生御指摘になった、それによって事件につながったかという、いわゆる犯罪事件、こういうものにつながった事例というのは私は承知しておりません。
 ただ、つけ加えて申し上げたいのは、これも強制的にあるいは半強制的にこれは眠り銃だから売却しなさいとか、あるいは廃棄しなさいということを指導するのではなくして、あくまでも猟銃等の所持者の自主性を尊重しまして、それで、これは過去二年ほど使ってない、これは将来どうされるのですか、使う見通しがなければ保安上も非常に問題が起こってきますので、ひとつこの際譲渡されたらどうですかという、あくまでも所有者の意思を尊重して措置をしていただく、こういう考えでございますので、確かに先生御指摘になりましたように銃もいろいろございまして、一つの財産でもございます。したがって、人の財産の侵害になるというようなおそれもあるわけでございますので、そういうことにならないように十分配意しながらやりたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#207
○川合委員 一般的に何というのですか、PRと言うと言葉が適当でないけれども、指導をされて、そういういわゆる眠り銃の弊害のないようなふうにということを指導されるのはそれはある程度必要かと思いますが、私はどうも警察の行政指導というのは、これはよほど最小限度に慎んでもらいたい、こう思うのですね。やはりこういう権力のある警察ですから、行政指導というのはなるべく、より合理的というか慎む方がいいんじゃないか、基本的にこう思いますですね。
 これはいま質問している条文の場合と違いますけれども、たとえば同じスモール銃でもスタンダードのものとフリースタイルのものとありますね。そうすると今度どっちかのを買おうとすると、警察の方で、銃二丁は要らないんじゃないか、そういう新しいのをお買いになるなら前のやつは今度廃棄したらどうだ、こんなことを一線で指導する、行政指導するという場合を聞くわけですね。長官や部長さん、これは常識も豊かであれなんですが、第一線の行政指導というのはやっぱり仕事にむきになり過ぎちゃって、どうも行き過ぎのおそれなきにしもあらず。そこで私はくどくお聞きするのですが、一般的に眠り銃の問題というか、保管を大事にしろ、用のない、必要のない銃はもうそれは売られた方がいいんじゃないですか、そういうようなことを指導されるのは別として、この有効期間の法改正の規制の強化に関連して眠り銃の一掃というようなことを第一線に伝えると、これは相当やるんじゃないかと思うのですね。ですから、これはどうなんでしょうか、眠り銃の一掃というようなことは、この際はこの法改正の問題についてはそういうことを言われない方がいいんじゃないでしょうか。どうでしょうか。
#208
○森永政府委員 やはり私どものこれまでの調査結果からも、眠り銃というのは排除すべきだというような一応の結論に達しているわけでございます。ただ、問題はやはりその手段、方法だと思います。先生御指摘になりましたように、たとえば新しい銃を買った際に、二丁持つ必要ないんじゃないか、一丁でいいじゃないかということで指導するというのは、これは行き過ぎでございますし、また更新の際に、本人がやはりそのうちに使うんだからというのを強引に廃棄させたり譲渡させたりというのも、これは行き過ぎでございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、今回の改正を機会に手段、方法において行き過ぎのないように、これは実際にこれらの問題を取り扱います府県警察の末端まで徹底させるように指示をいたしたいと思います。
#209
○川合委員 ぜひそういうふうにお願いしたいと思います。ひとつ通達等をお考えいただいて、行き過ぎのないように厳に配慮していただきたい、こういうふうに思います。
 時間が迫りましたので、次の質問に移ります。
 今度、法の四条一項第四号の競技用の拳銃、空気拳銃ですか、所持者の更新期間の問題ですが、これは政令で「二年をこえない範囲」とされているわけですね。二年ごとの更新になっているわけで、これを、さっき質問したことと関連するのですが、猟銃、空気銃が三年更新とするならば、四条一項四号の許可にかかわる所持者のこの更新期間もこれと同じ三年ということにしたらどうでしょうか。
#210
○森永政府委員 ただいま御指摘の点は、競技用の拳銃の有効期間でございます。これは御承知のように、拳銃は隠し持っていくことができますし、威力も大きいし、非常に危険でございますので、これは一般に法令で認められているもの以外は禁止をいたしております。ただ、国際競技等に使用する場合だけ公安委員会の許可として認めておるわけでございます。しかしながら、競技用といったって本質的にはそういう危険性というものは他の猟銃等よりは多いわけでございますから、やはり頻繁にこれを点検するということが必要であろうということで二年にいたしておるわけでございます。
#211
○川合委員 これは政令事項でございますけれども、しかし今度の改正は、たとえば空気銃の許可証とかライフルの許可証は、一冊ずつ別だったものを一緒にしていいというように非常に合理化するわけですね、便利になるわけですね。そういうことから言えば、拳銃も一緒に三年ということで同じ一冊にしてしまうという、せっかく合理化しているのですから、進んで二年を三年にすることは、そこまではちょっと踏み切れないと言われるかもしれないけれども、しかし、これはもともと競技用拳銃を所持しているのは特別の人ですよね。そういう人ですから、民間の人間といえども競技の選手あるいは選手の候補者というような人なんですから、これはいっそたまには善政をしいて、余り強くするばかりじゃなく、ここのところは合理化して、三年にみんな合わせるというふうないきな計らいはできないものでしょうか。
#212
○森永政府委員 大変強い御要望もございますので、ひとつ検討させていただきたいと思います。
#213
○川合委員 ひとつよろしく御検討願います。
 最後に御質問をいたしますが、これは長官にひとつ伺いたいと思います。
 同僚あるいは先輩の委員からも御質問があった問題でございますが、今回の法改正の九条の四でございますか、教習射撃場の指定の問題でございますが、教習射撃場を指定して射撃教習を実施することとなるが、さっきもちょっと伺っておりましたら、現在の指定射撃場の八〇%以上が私企業によるものだ、こういうふうに伺いました。それで、私企業を決して信用しないというわけじゃありませんが、しかし、私企業でありますから、やはり企業間の競争というものもあり、過当な競争、行き過ぎた競争から何か不公正なことが起きやしないか、こんなふうにも私は案ずるわけですが、自動車の教習所と違うと思うのですね。自動車の方は大事じゃなくてこっちの方が大事だという意味じゃございませんで、意味合いが違うのじゃないかと思うのですね。自動車の方は大体教習所へ免許を取るまでは行くけれども、それで一応済む。こっちの射撃の場合は、教習場とずっとその後も縁が切れない、そういう関係になるわけですね。ですから、この教習射撃場の問題につきまして、ただいま申しましたように、私企業の教習場につきまして、私企業の射撃場同士の競争による不公正なことが起きないように警察庁としてはどういう考えを持っているか。
#214
○森永政府委員 ただいま先生御指摘になりました点は、今回の改正の問題の中でも大変重要な問題でございまして、私どももこれについては大変神経を使っているわけでございます。
 そこで、私どもといたしましては、この過当競争によるところのいわゆる教習の質の低下ということを来さないように十分に留意をいたしまして、この業界に対して指導をしていく考えでございますけれども、しかしながら、単に指導していくというだけではこれを十分に担保することはできませんので、法律的にもそういう仕組みをやはりつくっていく必要があるだろうということで、この教習射撃場の管理をする責任者については、これはもう法令で厳しくその基準を決めていく。それでそういう不正をやるような人は管理者として指定しない。そしてまた、その教習射撃場の管理につきましても、やはり適正に管理ができるように、これも法令できちっとこういう管理をしなければいけないということで、非常に細かく規定をする。また、実際にこの教習射撃をやりますのは教習射撃指導員でございますので、それについてもやはり人格、技量ともにすぐれた者、そういう者を選ぶようにしていきたい、こういうように考えておるわけでございます。
 また、これに対する指導につきましても、これは非常に厳しく指導をいたしまして、厳しくと言っても頭ごなしということではございませんで、できるだけ回数多く教習射撃場に出向いていって、実態をよく見て、それで適正に運用されるように指導する。それでもかつ違反がある、いわゆる不正な教習などがある場合には、今度の法律で新たにつくっておりますけれども、いわゆる行政処分をする。すなわち、教習射撃場としては、この教習を修了した場合には修了証明書を交付することができるという権限を付与しているわけですが、そういう修了証明書の交付の権限も剥奪する、こういう行政処分をやることによってそういうものを担保していきたいと考えておるわけでございます。
 さらに、これも単に行政指導という形だけでは十分ではございませんので、今度幸いに指定射撃場協会の全国の連合会もできるようでございますので、この協会の育成、発展を図りまして、そういうところに自主的に、そういう競争によるところの不正教習等がないように、十分に自主性を発揮して相互に注意し合いながら、切磋琢磨しながら正常に発展するように指導をしてまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#215
○川合委員 ただいまの保安部長のお話でありますが、どうぞしっかりとこの問題について取り組んでいただきたいと思います。
 質問を終わります。
#216
○木村委員長 石川要三君。
#217
○石川委員 午前中からの質問で大変お疲れのところでございますが、間もなく大臣が来るということで、まだ時間が少しあるから、つなぎではございませんが、大臣の来るまで若干の質問をしたいと思っております。
 私は銃砲刀剣というものにつきましては余り関心のない男でございまして、終戦間近に兵隊に行きましたが、私が行ったときにはすでに帝国陸軍は兵卒まで鉄砲が渡らなかったような状態でございますから、鉄砲を担いだことも余りないような男でございます。きわめて初歩的でございますが、幾つかの点をお尋ねしたいと思います。
 大方の質問は出されて、私がお尋ねしたいと思ったことがすべて言い尽くされておるようでございますが、さらに幾つかの点についてお尋ねします。
 まず最初に、今回のこの取締法の一部改正の中で、所持の許可の基準、これについては覚せい剤中毒の者には銃砲または刀剣類の所持の許可をしないということが明らかになっておりますけれども、一体いままでの許可の、お医者さんが見て所持してよろしいという内容というのはどういうものだったのでしょうか。
#218
○森永政府委員 今回新たに欠格条項の中に麻薬中毒者を加えることにしているわけでございますが、これまでの覚せい剤中毒者の取り扱いでございますけれども、これにつきましては全然欠格条項として排除をすることができなかったというわけではございませんで、覚せい剤中毒者については、心神耗弱の状態であれば現行法でも心神耗弱、麻薬、大麻中毒者という欠格条項がございますから、それに当てはめまして排除するようにいたしておったわけでございます。ところが、この心神耗弱という認定が大変むずかしゅうございまして、覚せい剤の中毒者についても、それを適用しようとしてもなかなか適用ができなかったというのが実情でございます。したがいまして、今回明確に覚せい剤中毒者というものを欠格条項に入れるようにお願いしたい、こういうことでございます。
#219
○石川委員 私がある人に聞いたところによりますと、ざっくばらんに言いまして、医師の診断を受けに行くと、大体千五百円か何がしかの診察料を払えば、余り診察もしなくてすぐ証明書が出されているというのが大方の実態のように承っているのですが、確かにこれは厳格にやるわけじゃないと思うのですね。ですから、これは実際に何かやるのですか、お医者さんが健康診断をやるのですか。やっているのが現実なんですか、この点はどうなんです。
#220
○森永政府委員 やっているかということで御質問がございましたら、私も実際に見ているわけじゃございませんので、どういうふうな状態でやっておられるのか、ここで御答弁ができないわけでございますが、しかしながら、私どもも医師を一応信頼をしておりますので、診断書を書かれる以上はやはりそれについての責任というものは当然あるだろうというふうに、そういう前提でこの診断書の信頼性といものを考ておるわけでございます。
 しかしながら、先生御指摘になりましたように、これは必ずしも専門医による診断書ばかりじゃございません。むしろ少ないというぐらいでございまして、たとえば普通の内科の先生が診断をされて出されるとか、あるいは産婦人科の先生が出されるというケースもあるわけでございます。そういう場合であっても、私どもの認定よりは、やはり医学的な見地からの診断をされての結果でございますから、十分尊重しなければならないと思っております。
 しかしながら、私どもとしては究極においては覚せい剤中毒患者に猟銃等を許可してはならないわけでございますから、念には念を入れなければいけないということで、警察としてわかりますのは、先ほども申し上げましたけれども、覚せい剤中毒者のほとんどが現在注射でやっております。最近は鼻から覚せい剤を吸い込むという方法もあるようでございますけれども、一応現在では注射が多うございます。したがって、そういう者を発見する、あるいは中毒者であれば一応態度、言語、動作である程度の素人判断もできますので、そういうものを見ていく。それから、そこを管轄するところの派出所、駐在所では大体管内の住民の方々を掌握しておりますので、最近変わったことがないかというような事柄についても報告をとりまして、そして総合的に判断する、その中で不審点があればやはり専門医にお願いをいたしまして、それでまたはっきりした診断をやっていただいて、その結果で覚せい剤中毒者ということで認定をして、それでこれを排除する、こういう措置をとりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 しかしながら、これは先ほど来問題になっておりますけれども、現在全国統一的な覚せい剤中毒者の認定基準というのはまだできておらないわけでございまして、これは、最近覚せい剤中毒者によるところの犯罪が非常にふえておりまして、そういうものを防止するというためにもどうしても必要でございますので、現在厚生省の方に早く全国の認定基準を決めてくれということを申し入れをしておりまして、厚生省でもその作業を急いでおります。そういうものができましたら、なおさらそういうものの認定というものが容易になるだろう、こういうふうに考えておるわけでございます。しかしながら、認定基準ができなければその認定ができないかと言えば、そうではございませんで、現在でも一応精神衛生法によって強制入院あるいは自主入院をさしておる者の数が約六百名ほどいるわけでございますので、そういう実績もありますし、さらに私どもとしては念を入れて間違いのない認定をしていくように努力したい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#221
○石川委員 次に、先ほど川合さんの質問の中に眠り銃のお話がございました。私は、この眠り銃というものにつきましては川合さんとは少し見解が違うのですけれども、しかしよくゴルフなんかでスリービングメンバーというのがいますね、あれとやや似ているのではないかと思うのですが、スリービングメンバーといっても、あした行くかもわかりません。そういう点では厳密に区別できないと思うのですね。しかし、大体大方スリービングメンバーというのはわかるわけです。そうしますと、銃砲等の場合の要するに眠り銃というものはどのぐらいの割合があるものですか。
#222
○森永政府委員 眠り銃ということについての認定そのものが大変むずかしいわけでございますので、現在約九十万丁ほど猟銃等がございますけれども、その中で眠り銃がどの程度の割合を占めるかということをちょっとお答えしにくいのですけれども、しかし、毎年大体二万丁ほど眠り銃であるということで、お願いをいたしまして、譲渡あるいは廃棄をしていただいている、こういうのが現状でございます。
#223
○石川委員 そこで、そういうような眠り銃といいますか、銃には使用するためにあるのと、もう一つは、愛玩、骨とう品的に持つ眠り銃的なものがあると思うのです。さっき川合さんは、やはり眠り銃というものを余り取り上げない方がいいのじゃないかという御説だったのですが、そういう使用されないものでも盗難されれば暴力団の方に流れるかもしれない、そういう危険性を考えた場合には、基本的にはやはり廃棄してもらうとか、そういったような方向にあるのが好ましいのじゃないかと思うのですが、また、そのような方法で、そのような精神を今回のこの中にくみ取れるのじゃないかと私は思うのですけれども、さっきの質疑ではどうもその点がはっきりしなくて、むしろそれは余り取り上げない方がいいのじゃないか、こういうことでしたが、その点をもう少しはっきりと……。
#224
○森永政府委員 改正の趣旨、また方針といたしましても、眠り銃は非常に危険性が高いわけでございますので、努めて排除したい、こういう考えは持っているわけでございます。しかしながら、その排除と申しますか、譲渡されたり廃棄をさせたり、そういう措置をしていただくのに、所有者の意思を無視したいわゆる強制にわたったり、あるいは意に反したり、こういうことがあってはこれは行き過ぎでございますので、この手段、方法については、できるだけ所有者の任意性を尊重してこの措置をしていただく、こういうふうなことを考えなければいけないだろう、そのために末端にそのような仕事のやり方について指示をいたしたい、こういうふうにお答えしたわけでございまして、決して矛盾するものではないというふうに私どもは理解をしているわけでございます。
#225
○石川委員 そして、これは今度三年になったわけですね。その場合に、三年ごとにその所有するものを提示するわけですね。三年ごとにちゃんと警察なりに行って示すわけでしょう、私のものはこうですと。それで更新してもらうわけですね。その場合に、たとえばある人に流してしまった、悪意でもって暴力団なりどこかへ流してしまった、こういうようなときにはどういうふうな処罰をされるのですか。
#226
○森永政府委員 不正に譲渡する場合には不正譲渡になりますし、また、譲り受けた者も、許可を持っていなければその人は不法所持ということになって法違反になるわけでございます。その不正譲渡の場合には、行政的にはこの銃は失効する、こういうことになります。
#227
○石川委員 そうすると、三年たって、実際には銃が不正にどこかへ流されてしまったという場合には、その人は警察から呼ばれて、君はどうしたんだということで、しかるべき行政的な処置をされるわけですね。そういうふうに解釈していいですね。
 次に、今度は、三年ごとに更新の前に講習を受けなければならない。これは受けなければやはり罰則があるのですか。
#228
○森永政府委員 これは罰則はございませんけれども、いわゆる更新時の許可の条件になっておりますから、更新ができないということになるわけでございます。
#229
○石川委員 それから許可証の合理化ですね。いままでは一丁一丁ごとに許可を得た。今度はこれが一つの許可証の中で追加されるわけですね。これは確かに一つの合理化と言えば非常に合理化で、簡素化になったのですけれども、見方によると甘くなった、取り締まりが非常に緩和されたというふうにも解釈されるのですが、そういうふうに解釈することはむしろ正しい解釈じゃありませんか。
#230
○森永政府委員 現行法では一銃一許可証制をとっておるわけでございますが、これでは警察としても実態をつかむのに大変不便でありますし、そしてまた、銃砲等の所持者にとっても大変不便でございますので、一冊の許可証の中に全部を列記する、こういう方式に改めたいということでございます。それによりまして、警察としても、現行の一銃一許可証制をとりますと、この個々の銃についてはわかりますけれども、人を単位にした場合、たとえば私が銃を何丁持っておるのかということを調べようとした場合に、これが出てこないわけでございます。ただ、この銃はだれが持っているかということはわかりますが、その人が銃を何丁持っているか、どういう種類のものを持っているか、こういう実態を知ろうとしても、現在の仕組みでは出てこないわけでございます。したがいまして、警察が銃単位だけでなくて、できるだけ人の単位でその実態をつかもうとする場合には、非常に掌握がしやすいという利便もございます。
 それから、この猟銃等の所持者にとりましては、たとえば三十丁持っている人は三十冊持っているわけでございますので、これを一つずつ更新をする場合に、また一つずつ持っていかなければならぬ、これは大変めんどうでございます。また、現行法では、更新をする時期が、許可を受けた日が起点になりますから、三十丁であれば、もう三十回その一冊ずつ持って許可更新しなければならぬ、こういうことになるわけでございますから、今度の改正法では、更新の時期が誕生日更新、これは交通の免許証と同じように誕生日更新になりますから、一冊の許可証であれば、もう一遍にそこで許可更新ができる、それで警察としてもその中身が全部わかる、こういうように相互に便利になるのじゃないか、こういうように考えておるわけでございまして、これは決して猟銃等の所持者に対して甘くしたというだけではございません。
#231
○石川委員 この最後の方に、表一として、ライフル銃など銃砲刀剣類の所持許可の年次別の数字が入っていますけれども、昭和四十八年と五十二年では、五十二年末現在は約八千丁ばかり減っているのですが、こういうのはどういうふうに理解したらいいのですか。
#232
○森永政府委員 最近、猟銃等は減少してまいっております。これは特別な理由はないと思いますけれども、私どもが一応推定いたしておりますのは、一つは不景気であるということと、もう一つは猟場が非常に狭くなった、いわゆる猟場自身も非常に厳しくなりますし、それでまた獲物もだんだん少なくなる、こういうことから最近は徐々に減少しておるのではないか、こういうふうに一応推測をしておるわけでございます。
#233
○石川委員 それでは、せっかく大臣が来ましたから、一言だけ最後にひとつ質問をさしていただきます。
 今回の取締法の一部改正でございますが、先ほど質疑の中でもこの趣旨、目的がいろいろと言われましたが、私はこれは非常にむずかしことではないかと思います。確かに、暴力団とかあるいは過激派分子、こういったような方面に流れる大量なこういった武器は、単なる健全な趣味や何かで持っている銃砲刀剣というようなものはごくわずかしか行かないとは思いますけれども、しかし、これはなかなか捕捉できないと思うのです。こういうようなものが過激派分子だとかあるいは暴力団に流れるということを非常に心配するわけでございますが、そういったようなことを考えますと、何かこの法では、個々のそういった所持者のいろいろな取締法の強化整備ということでございますから、これは関連ないというわけではございませんが、しかし、それだけでは何かそういったような角度からの対策については若干不満足、不備だというような感じがいたします。したがって、そういうような暴力団あるいは過激派分子、こういつたようなものにこういう武器や何かが流れることを阻止できるような法律というものを考えられるかどうか、またその意思等を聞きたいと思います。
#234
○加藤国務大臣 銃砲や刀剣等が暴力団また極左暴力集団等に流れますことは、全く困ることでございます。がしかし、これは不正にさような面に流れていかないということは保証しがたいのでありますから、法律はそのことをもとより許してはおらないのでありますけれども、厳重な取り締まりを行いまして、さようなことの絶対にないように努めてまいりたい、かように考えます。
#235
○石川委員 ありがとうございました。
#236
○木村委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
#237
○木村委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#238
○木村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
 この際、お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#239
○木村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    〔報告書は附録に掲載〕
#240
○木村委員長 次回は、明十二日午前十一時理事会、午後一時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト