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1977/03/30 第84回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第084回国会 本会議 第17号
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1977/03/30 第84回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第084回国会 本会議 第17号

#1
第084回国会 本会議 第17号
昭和五十三年三月三十日(木曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十五号
  昭和五十三年三月三十日
   正午開議
 第一 活動火山周辺地域における避難施設等の
    整備等に関する法律等の一部を改正する
    法律案(災害対策特別委員長提出)
 第二 石油税法案(内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 福永運輸大臣の新東京国際空港の開港延期につ
  いて及び加藤国務大臣の新東京国際空港にお
  ける極左暴力集団の不法行為についての発言
  及び質疑
 日程第一 活動火山周辺地域における避難施設
  等の整備等に関する法律等の一部を改正する
  法律案(災害対策特別委員長提出)
 日程第二 石油税法案(内閣提出)
    午後零時四分開議
#2
○議長(保利茂君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(新東京国際空港の開港延期について及び新東京国際空港における極左暴力集団の不法行為について)
#3
○議長(保利茂君) 運輸大臣から新東京国際空港の開港延期について及び加藤国務大臣から新東京国際空港における極左暴力集団の不法行為について発言を求められております。順次これを許します。運輸大臣福永健司君。
    〔国務大臣福永健司君登壇〕
#4
○国務大臣(福永健司君) 過激派グループによる成田空港乱入事件及び成田空港の開港延期につきましては、いろいろ御心配を煩わし、恐縮に存じます。
 まず、事件の経緯等につきまして御報告申し上げます。
 三月二十六日午後一時半ごろ、過激派グループの一部十名が新東京空港事務所管制塔に乱入し、一時的に十六階の管制室を占拠して、同室内外の機器類を損壊いたしました。
 この際、管制塔において業務に従事しておりました管制官五名は、管制塔屋上に避難いたしまして、午後三時三十分までに全員救出されております。
 運輸省におきましては、事件発生後速やかに本省内に対策本部を設置いたしまして、当面の事態に対処する措置を講ずるとともに、同日夜、調査団十名を現地に派遣いたしまして、タワー内の機器の破損状況について点検調査を実施いたしました。その結果、管制室内の管制卓、マイクロ回線その他の機器に相当の被害があることが判明いたしましたが、なお検討の基礎となるべき部分について不明確な点もありましたので、翌二十七日さらに調査団を派遣し、詳細な調査を続行いたしました。
 これらの調査の結果、破損した施設は早急に修復作業を行うことにより、四月半ばごろまでには供用可能の見込みであります。
 しかしながら、単に機器の復旧にとどまることなく、この際管制塔を含む空港の保安体制を強化する等の点を考慮し、一昨日の新東京国際空港関係閣僚会議におきましては、三月三十日に予定されておりました開港期日を延期し、改めて閣僚会議を開いて開港期日を決定することとし、その旨閣議においても了解されたものであります。
 政府といたしましては、今後、航空交通の安全はもとより、空港における保安対策に十分配意しつつ、鋭意関係施設の整備に努め、可及的速やかに開港を迎えたいと考えております。各位の御協力をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#5
○議長(保利茂君) 国務大臣加藤武徳君。
    〔国務大臣加藤武徳君登壇〕
#6
○国務大臣(加藤武徳君) 去る二十六日、極左暴力集団が新空港の管理棟に侵入し、管制装置等を破壊する暴挙に出たために、開港を延期せざるを得なくなったことは、まことに遺憾に存じます。
 まず、事案の概要について申し上げますと、空港反対同盟、極左暴力集団等空港反対派は、三月二十六日、三里塚第一公園で、極左暴力集団約四千五百人を含む約八千人を集めて集会、デモを行いました。これとは別に、第四インター日本支部を中心とする極左暴力集団は、午後零時五十分ごろ、空港内に位置する京成新空港駅前のマンホールから約二十人のグループであらわれ、警察官及びガードマンに火炎びんを投げつけて攻撃を行い、このうち六人が十六階の管制室に侵入し、飛行場灯火制御装置などを破壊いたしたのであります。
 このほか、午後一時十五分ごろ、第九ゲートから九人のグループがトラック二台に分乗し、火炎びんを投てきしながら空港内に侵入し、そのトラックを火炎びんを投げて炎上させ、さらに午後一時四十五分ごろ、約三百人の集団が、小型トラック二台を先頭に、八の二ゲートから火炎びんを投てきしながら空港内に侵入するなど、合計十一件に上る不法事案を、約一時間の間に同時多発的に敢行し、火炎びん、鉄パイプ等により、警察官三十一名に傷を負わせたのであります。
 次に、このような不法行為に対し警察がとりました措置について御説明申し上げますと、千葉県警察では、三月二十二日正午から空港警察署に警察本部長を長とする警備本部を設置いたし、三月二十六日当日は県外支援部隊一万人を含む警察官一万三千人を動員して警戒警備に当たり、公務執行妨害罪、兇器準備集合罪、建造物侵入罪、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反で、合計百十五名、うち男子が九十六人で女子が十九人を検挙いたしました。なお、この他に、いわゆる横堀要塞に三月二十五日に建てられた鉄塔は航空法第四十九条違反のものでありますので、三月二十五日から二十八日にかけてこれを差し押さえ、同所にいた過激派等五十一人を公務執行妨害罪等で逮捕いたしました。
 次に、今後の方針について申し述べますと、今回の極左暴力集団の行為は無法きわまりないものであり、断じて看過し得べきものではございません。
 警察といたしましては、今回の事件の教訓を踏まえ、この種事件の防止に必要な諸方策を総合的に検討するため、警察庁に次長を長とする極左暴力集団対策委員会を設置し、当面とるべき措置といたしましては、開港後を含め空港の安全運営に必要な警備体制の強化を図ること、関係省庁に対し空港の防護体制の強化のための諸方策を要請すること、空港警備に必要な通信、装備資器材等の拡充を図ることなどの諸点について直ちに検討を始めましたほか、さらに長期的な観点から極左暴力集団壊滅のための諸方策についても検討を進めてまいっているところであります。(拍手)
     ――――◇―――――
 国務大臣の発言(新東京国際空港の開港延期について及び新東京国際空港における極左暴力集団の不法行為について)に対する質疑
#7
○議長(保利茂君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。順次これを許します。井上裕君。
    〔井上裕君登壇〕
#8
○井上裕君 今回の成田空港襲撃事件に関し、私は自由民主党を代表いたしまして、総理並びに関係各大臣に御質問いたします。
 きょう、すなわち三月三十日、新東京国際空港は開港していたはずであります。
 先日、私は、成田市の長谷川市長を伴い、直接福田内閣総理大臣に、開港に至る諸問題解決のお礼と、今後とも騒音、アクセス等に関して国の協力を強く要望いたしました。今日まで開港のために非常な御苦労をなされた総理は、この時点で、開港に対する強い自信をお持ちであったと私は思います。
 しかし、史上最大の厳戒態勢と言われる機動隊一万三千人を動員しておきながら、今回の事件が発生し、予定の開港がおくれてしまいました。この開港のおくれは、国の威信にかかわるのみならず国際的信用にもかかわる大問題であります。
 昭和四十一年以降何度となく繰り返された反対闘争により、警察官の負傷者は三千六百人、殉職者も四人に達しております。このように、これまで警察当局は多くの犠牲を払って空港の警備に当たってきたわけでありますが、国の威信が傷つけられ、かつまた、これによって政治日程をも大きく変えさせられた以上、もはや空港公団や千葉県警レベルの責任問題ではありません。
 そこで、国として、総理大臣として、地元農民による転業対策協議会を初め関係自治体に対してどのような保障と善後策を講じていただけるか、まずお伺いいたします。
 一昨年、福田内閣が発足して以来、福田総理の大号令のもとに開港への諸施策は急速に進みました。この間、数え切れないほどの約束事が地元市町村と県、国、公団との間で取り交わされて今日に至りました。それだけに、地元では大きな期待と不安が常に交錯するという複雑な心境で開港に臨んだのであります。そこへもってきての開港延期。これがいかなる事態であるのか、総理大臣、運輸大臣、法務大臣、国家公安委員長は深刻に受けとめると同時に、早急に具体的な抜本策を講ぜられることを強く要請するものであります。
 さて、国家公安委員長にお尋ねいたしますが、二十五日、つまり事件前日の土曜日、すでに過激派を含む反対派が、地元住民にビラをまきながら、あすは荒れるよと予言をしていた事実があります。そして事件当日、管制塔や集会場からゲリラ部隊の勝利のVサインが出されるに至っては、私のみならず、実に全国民が憤りを禁じ得ないところであります。
 今回の事件で衝撃を受けた一つは、管制塔を占拠したゲリラ部隊が、実に空港内部に精通していたという事実であります。半日近くもマンホールの一ヵ所にひそみ、迷路のように入り組んだマンホール内を迷うことなく管制塔に忍び込む。それだけではありません。管制室のドアが電子ロックであることを事前に知っていて、これには目もくれずに管制室に侵入している手際のよさ。かえって逮捕に向かった機動隊員が実は電子ロックにはばまれ、簡単に内部に入ることができずに、逮捕に手間がかかるという状態。これはどう見ても勝手を知った計画的な犯行であります。
 とすると、こういうことは憶測したくありませんが、空港内部に通報者がいたのではないか、こういう疑問があります。この疑問の解答は今後の調査結果をまたねばならないでしょうが、なぜ彼らがこれほどまでに内部に精通していたのか、ぜひとも徹底した究明をお願いしたいと思います。
 今回の不祥事は、機動隊の配置や運用の問題よりも、私は一万三千人の数の問題ではないと思います。確かに機動隊員一人一人は全国からはせ参じた精鋭の士でありましょうが、成田の地、また空港の特殊性という地理に疎いきらいは否定することはできません。同時に、一万人を超える機動隊を開港後も長期間配置しておくことは不可能と思われます。そこで、これにかわる緊急措置対策をお尋ねいたします。
 事件後、私たちが最も恐れていたことが現実になってあらわれました。すなわち、三里塚交番襲撃に続き、昨二十九日は未明、民間のホテルが襲撃されたということであります。彼らの攻撃の手はついに民間にまで広がったということであります。
 また、驚くことは、第二要塞の内部には、一般用の電話が架設され、硫酸とか火炎びんが山積みされているということを新聞は報じております。なぜ、事前に踏み込んで捜査し、検挙できなかったのか。不思議というか、残念で仕方がありません。これらを兇器準備集合罪その他、現行法ででき穫る限りを尽くさないと、終わりなき闘争となり、また危険な空港のイメージを今後ともぬぐい去ることはできないと考えております。
 ともかく多数のゲリラとこれから対決していくためにも、自衛のため、正当防衛のため、機動隊員にピストルを持たせるべきでありますし、その他、武器の使用等を含めた対応策が必要であろうと思います。同時に、どうしても現行法で彼らを取り締まることができないのであれば、これは過激派対策の特別措置法を早急に立法化しなければならないと考えていますが、法務大臣の見解をお伺いいたします。
 もしも成田市土屋の燃料中継基地に火炎びんが投げ込まれたならば、どうなるでしょうか。現在の状態では、投げ込まれないという保証はだれにもできないはずであります。このためにも、これらゲリラの活動を事前に防止する特別措置法を強く要望する次第であります。(拍手)総理の御所見を伺います。
 成田の反対闘争は、一部農民の土地に対する愛着という性格を超え、これらに名をかりた破壊活動分子の闘争の場と化したのであります。警備当局は、これらゲリラを極左暴力集団と呼んでおりますが、むしろ無法な国際赤軍派と何ら変わるところのない戦闘要員であると私は考えております。国家公安委員長も私と同様の見解に立っておられるかどうか、また、今後の再発防止にいかなる具体策を講じられるのか、御意見を承りたいと思います。
 ところで、成田空港は現在A滑走路一本であります。このため、二期工事は急がねばならないはずであります。そこで、航空保安区域にある第一、第二要塞地点の収用を一日も早くめどをつけ、反対闘争の拠点を一掃することを運輸大臣に願ってやみません。
 成田の地が、空港として閣議決定されてから実に十二年が空費されました。この間、開港がおくれた原因は、地元対策を無視した空港公団のあり方、さらに空港公団と運輸省の意思の疎通、警備陣との連絡の不徹底など、空港公団の仕事の進め方もさることながら、歴代政府の腰の据え方にも基本的に問題があったと私は思います。運輸大臣の見解を求めます。
 成田空港の開港は、いまや全世界の注視の的であります。このため、開港に当たっては、あらゆる安全性が確保されることが内外の信用を回復する唯一の道であり、最大の課題と考えております。政府は、この事態を謙虚に認識して、今後の運営に万全を期することを強く要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#9
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 井上さんは、千葉県二区選出、まさに地元代議士と言って差し支えないかと思うのであります。そういう立場で成田空港問題、これをずっと直にその目でながめてきておられる。また直にはだでその推移を感じとってきておられる。その井上さんからいま地元選出の代議士としての実感に満ち満ちたお話を承りまして、私、感慨ひとしおなるものを覚えるのであります。
 私は、いま御指摘がありましたように、内閣を組織いたしましてから一年三ヵ月になるわけでございまするけれども、内閣組織の当初から、成田空港を早期に開港しなければいかぬということを決意したのであります。
 なぜ、そういう決意をしたかと申しますれば、これは申し上げるまでもないわけでございまするけれども、いま羽田の空港が大変な過密状態である、この状態をほうっておいたら一体どういうことになるでありましょうか。事故は起き得るものであります。しかし、一たん事故が起きた場合には、それは一波万波、大変な一大惨事となりかねないのであります。私は、羽田のあの過密の状態ということを考えるときに、本当にいても立ってもおられないような気持ちがするのであります。この恐れられるところの惨禍を未然に防止するということ、これはどうすればいいかというと、どなたにも申し上げる必要はない。成田の空港を急ぐほかなかったのです。
 そういうことで、成田の空港をとにかく早期に開港する、こういうことで、政府といたしましては、できる限りの努力をいたした次第でございまするが、関係者の御協力もありまして、やっと三月の三十日、この日には開港式ができるというところまで来たのです。万事、準備も整った。私はその日を迎えることを大変喜びとして期待しておったわけでございまするけれども、去る日曜日にあのような事態が偶発をするということになってきた。このことを考えまするときに、私は本当にこのことは残念で残念でたまらぬ。私は、日本国民に対しましても、あれだけの費用を投じまして、その費用があだになるというようなことにもなる、新しい損害が出るということにもなる、また、同時に、国際社会に対しましても、これは本当に不面目きわまりないことである、このように考える次第でございます。
 さて、このような事態に対してどういうふうにするかということを考えると、これは何といたしましても安全第一であります。安全第一という前提のもとに、成田空港の再開を急ぐということであります。
 同時に、この問題は、一成田空港の問題じゃないと思うのであります。この問題の根源をさかのぼると根は深いです。今度の暴挙を考えてみましても、あれは農民の一部の人の反対運動とは性質が違います。ああいう性格のものじゃない。これは国家秩序に対する挑戦であり、民主社会を破壊しようとする動きであります。その点を十分にわれわれは深く認識して間違えないことが必要である、このように思うのでありますが、この機会に、成田事件を引き起こしましたその根源をつき、災いを転じて幸いとするということでなければならぬ、このように考えるのであります。
 今日まで、地元の皆さんとは十分その理解を得るために努力をしてきたつもりであります。それにもかかわらず、今回、このような事態になってしまった。また新しい迷惑を及ぼすわけでございます。地元の皆さんともいろいろ協議をいたしまして、地元公共団体等との間には合意事項までできて、その合意事項を実現すべく政府は最大の努力を尽くしてきたわけでありまするけれども、今後ともこの合意事項の完全実現に向かって努力をする。同時に、今回、この遅延に基づいても御迷惑を及ぼすわけでございまするけれども、これらの問題につきましても篤と地元の皆さんと話し合いをいたしまして、地元の皆さんの御期待にこたえなければならぬ、このように考えておる次第でございます。
 しかし、この問題は、皆さん、繰り返して申し上げますが、根っこの深い問題であります。成田の問題を処置しなければならぬ、これはもちろんでございまするけれども、それと同時に、このような事件の背後にあるもの、根っこにあるもの、これをえぐり出して、わが国の社会秩序を守り抜かなければならぬということを皆さんにお訴え申し上げまして、お答えといたします。(拍手)
    〔国務大臣福永健司君登壇〕
#10
○国務大臣(福永健司君) 今回の事件によって成田空港の開港延期を余儀なくされ、その結果として、各方面に多大の御迷惑をおかけすることになったことは、まことに遺憾でございます。今後、航空交通の安全を確保することはもとより、同種の事件の再発を防止するための各般にわたる抜本的対策を強力に推進し、可及的速やかな開港が実現できるよう、最大の努力をいたしてまいりたいと存じます。
 現在、新空港の第二期区域内の未買収地約四十ヘクタールの所有者の大多数は専業農家で、その土地を愛する心情は私も十分理解しております。したがって、この種の未買収地の取得については、これらの人々が今後とも農業経営が成り立つように、生活設計にも十分配意しつつ、たとえば適切な代替地を提供すること等についてよく話し合い、円満解決するように鋭意努力する所存であります。
 また、滑走路に隣接する航空保安施設用地の未買収地につきましては、これまで善隣関係を重視して、任意買収により円満裏に取得する方針で対処してまいったところでありますが、その買収状況が必ずしも順調とは思われない実情にかんがみまして、目下公団において、その対策につき鋭意検討中であります。
 成田空港は、単に国際航空輸送のために必要欠くべからざる存在であるばかりでなく、航空関連企業の進出等を媒介として、空港と地域社会が一体となって共存共栄の実を上げていくことが期待されているところであります。
 ただいま、井上さんからいろいろ御所見が開陳され、特に、政府及び空港公団のあり方等について御所見をお述べになりました。関係者一同、深く反省するとともに、精魂を尽くして今後に対処いたしたいと存じます。(拍手)
    〔国務大臣加藤武徳君登壇〕
#11
○国務大臣(加藤武徳君) 警察活動の、また警備体制を組みます前提が、正確な情報の収集を根底としますことは申すまでもないのでございまして、警察といたしましては、情報収集に最大の努力はいたしてまいっておりますものの、極左暴力集団の情報収集はきわめて困難でございまして、いまにして反省をいたすのでございますけれども、二十六日に空港に突入するかもしれないという情報はキャッチいたしておったのでありますが、直接空港の心臓部をねらう、かような計画でありますことの情報の入手が不十分でございまして、この点は今日も反省いたしているところでございますが、今後、情報入手につきましても、最大の努力をいたしてまいらなければならぬ、かように存じておるのでございます。
 それから、事件の発端は、御承知のように、第八、第九ゲートを攻撃いたしましたその前に、マンホールから約二十名の赤ヘルがあらわれていることは御承知のとおりでございまして、公団の地図の上にあるなしにかかわりませず、私どもは徹底して地下組織等の、あるいは地下水路等の検索をなすべきであったのでございますけれども、この点がなされておらなく、そしてマンホールの所在が明確ではなかったことは、私どもが深刻に反省いたしておる点でございますが、ただ、警察当局が探索し得ないようなものがありましたことを極左暴力集団が承知をしておったことは、大変に重大な問題でございます。
 いま井上議員は、内部で通ずる者があるではないか、かような御指摘でございましたが、あの空港周辺から多くの方が空港公団に勤務をいたしておりますが、この方々の中には、極左暴力集団ときわめて親しい者もおるでありましょうし、あるいは反対同盟の方の家族もおることが予想されるのでありますから、この点につきましては、今後、空港に厳重に申し入れをいたしまして対処しなければなりませんことと、いま一つは、クモの巣のように張られており、四百数十のマンホールがあるのでありますけれども、その地下の水路等の整備されております模様を向こう側に入手されておったという点でございまして、あるいは工事関係者、あるいは下請の企業、あるいはそこでアルバイトで働いた若い者たちがどのような形で入手したのか、とにかく私どもはこのことに驚いているのでございますけれども、この点についても今後厳重に対処していかなければならぬ、かように考えておるのでございます。
 それから、民間ホテルに火炎びんを投げ込むようなことも生じまして、私どもこれで本当にいいのか、かような心からの怒りを持っておるのでございまして、今後の警備の万全を期してまいらなければならぬことをいまさらのごとく感じておるのでございます。
 それから、過激派がいわゆる横堀要塞と称しております。何回も上に鉄塔を建てようといたしましたあの連中から言いますと要塞であり、いわばトーチカのような仕組みでありますけれども、ここに徹底した検索をいたしておけば、これもいまにして思いますと反省する材料でございますけれども、まさかあそこにあのようなことを、穴等を掘っておるとか、あるいは電話その他の設備をしておるとか、このことは予期しなかったのでございますが、今後あの要塞を含めまして、団結小屋等に対しましても徹底した検索をやってまいる決意でございます。
 それから、警察官の装備のことについてお触れになられました。
 この前も申しましたように、機動隊には拳銃を持たしめておらないのでありまして、防護用の盾でありますとか、あるいは放水車でありますとか、ガス発射でありますとか、この程度の装備によって警備の万全が期し得るという考え方の前提に立っておったのでございますけれども、今回の事犯を振り返ってみまして、機動隊ではない警察官が十八発の拳銃の発射をいたしており、もとより威嚇発射が中心ではあったのでございますけれども、しかし、このことによって相当の制圧の効果があった、かようにも考えられるのでございます。今後機動隊に拳銃を持たせるかどうか、そしていかなる場合にこの拳銃を使用するか、もとより慎重を期さなければならぬのでございますけれども、装備等につきまして今後格段の配意をいたしてまいらなければならぬ、かような考え方でございます。
 最後に、国際的なゲリラ組織と連携があるのではないか、かような御指摘でございます。
 現状を暴力によってぶち壊して社会革命をなし遂げる、かような暴力革命の論理ではほとんど共通のものがあろうかと思うのでございます。しかし、国際組織とどの程度の関連があるか、これは逮捕いたしました者やその他の今後の究明にまって一層明らかにいたしてまいりたい、かように考えているところであります。(拍手)
    〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
#12
○国務大臣(瀬戸山三男君) ただいま井上さんから、今回の成田空港襲撃事件のあの状況を見て、ほとんどの国民は釈然としないものがあるとこうおっしゃいました。私自身もそうでございます。
 あの日、テレビあるいはその他のもので見聞をいたしまして、あれではならないと思います。私は、行政府の一員として、きわめて残念であり、また大きな責任を感じております。申しわけない事態であると思っております。
 そこで、わが国は、憲法その他で、いわゆる平和で安全で自由な国民生活ができるようにと、こういういわゆる法治国家を定めておるわけでございます。行政府は、国民の負託を受けてそれを守らなければならない立場にあります。しかし、現に破られました。現に破られたのであります。
 そこで、新たな法律が必要かというお話をなさいました。私は、まだ新たな法律が必要であるかどうかの結論を出しておりません。政府ももとよりでございます。
 といいますのは、あの事態は突然起こったわけではございません。特に今度の事件は、言われておりますように、暴力革命を志向しておる暴力集団による行為でございます。これは今日突然起こった状態ではありません。そういうことは各部面にわが国では現在あらわれつつある行動の一部でございます。
 こういう事態に対して、新たな立法が必要かどうかということは慎重に考えなくちゃなりませんが、その前に、現在与えられておる各般の法律、これを完全に、十の力があるものなら十の力を施して、なおああいう事態を防ぐことができないのかどうか。防ぐことができないということは、法治国家が崩壊するということでございます。
 でありますから、綿密に、治安当局の治安対策に、いわゆるああいう事前にわかっておったことでございますから、そこに欠けたところがありはしないかどうか。そういうことと、欠けていないとすれば、現在の法制ではあれ以上のことはできないのかどうか。これを完全に、周到に詰めて、これでも足らない、ああいうことは仕方がないのだというわけにはいかないのです。それでは国が成り立ちません。でありますから、そこまで詰めて、もし、これ以上はできないのだ、いまの法律上これ以上はどうにもなりませんということであれば、これは当然のこととして、ああいうことは絶対許してはなりませんから、あってはならないことでありますから、国民の皆さんと相談をして、新たな立法措置を講じなければならない。
 かような立場で、現在周到な詰めをしておるところでありますから、今日、新たな立法をするかしないかということについては、申し上げないことにしておきたいと思います。
    ―――――――――――――
#13
○議長(保利茂君) 斎藤正男君。
    〔斉藤正男君登壇〕
#14
○斉藤正男君 私は、日本社会党を代表し、ただいま重大な事態に直面しております新東京国際空港問題について、福田総理及び関係大臣に質問を行うものであります。
 去る三月二十六日、成田における、一部過激派による、航空管制塔への乱入事件及び空港内外での反対派と機動隊との内戦さながらの激突という事態に対し、私は強い憤りとともに悲しみをさえ覚えているのであります。
 極左暴力集団のとった一連の行動は、いかなる理由があるにせよ、絶対に容認するわけにはまいりません。しかし、未曾有の混乱を起こさせた第一義的責任は政府にあると思うのであります。(拍手)
 私どもは、今日まで関係住民の意思を一方的に踏みにじり、新空港建設に当たり、がむしゃらに権力を行使し、強権を発動してきた政府並びに公団の姿勢について、院の内外において、その不当性を強く指摘し、かつ、警告をしてきたところであります。
 そういう立場に立ち、質問の第一は、このような混乱を引き起こした根本的要因について、政府はどのように反省をしているかということであります。
 暴力行為にのみ目を向け、みずからの責任を回避することになるならば、国民の政治に対する信頼の低下は一層増大することになり、ゆゆしい問題に発展すると思うのであります。今回の不幸な、異常事態の発生に対し、政府はどのように考えているのか、過去十二年間の強行政策を根本的に反省し、最悪の事態を生んだ責任を明確にすべきだと思うのでありますけれども、総理の答弁を求めたい。(拍手)
 質問の第二は、本問題に対する今後の対策についてであります。
 決定的と言える現地農民を中心とした関係住民の理解と協力をどうして取りつけるかということであります。どんな強固な警備体制をしいても、関係住民の理解と協力なしでは、本当の意味での警察の任務は全うできないことを今回の事件は証明をいたしております。(拍手)
 本問題は、出発当初から間違いを犯し、それを取りつくろうために権力を全面的に押し出し、ごり押しの連続だったところに政府関係者の決定的な誤りがあったと言うべきであります。
 先祖伝来の土地に愛情を持ち、これを手放したくないという素朴な農民の感情、万一手放すにしても適当な代替地をほしいと主張するのは、関係住民の当然の権利ではありませんか。そういう意味で、空港建設に当たり、土地を強制的に取り上げられた現地の農民は被害者であります。政府は加害者的立場であります。
 政府は、まず民主主義の原点に帰り、権力的姿勢を根本的に改め、謙虚な姿勢で現地関係者と誠意をもって話し合う態度が必要と思うのであります。総理及び運輸大臣の答弁を求めたい。
 第三の質問は、開港しようとしている新東京国際空港は欠陥空港ではないかということであります。
 航空安全にかかわる空域の問題、空港に関連した交通アクセスの問題、燃料輸送の問題、騒音を中心とした公害対策等々、何一つ解決していないではありませんか。とりわけ航空の安全性については、すでに国際操縦士協会からも強い申し入れがあり、政府は責任の重大さを深刻に受けとめ、万全を期すべきであります。国際空港が持つべき最低条件すら満たしていない現状においては、強行的開港は絶対に行うべきではないと考えるが、総理並びに運輸大臣の考えを明らかにしていただきたい。(拍手)
 第四の質問は、今回の事件に対する政府の基本認識についてであります。
 政府は、その後の態度表明に当たり、治安問題として対処することも明らかにいたしておりますが、いたずらに治安特別立法を考えたりすることは、事態の根本的解決にはならないと思うのであります。わが党は、基本的人権の抑圧につながるような反動立法には断固反対の考えを明らかにしながら、総理並びに関係大臣の答弁を求めるものであります。
 以上、私は、新東京国際空港にかかわる緊急課題を四点にしぼって質問いたしました。わが党は、すでに三月二十四日、同じく二十七日、政府に対し、強くその態度の批判と要請を行い、関係住民の切実な要求の解決と安全性確保について政府の断固たる処置を求めたのであります。それらを含め、総理及び関係大臣の誠意ある答弁を重ねて要求し、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#15
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 今回の不祥事件を起こした根本原因は一体どう見ておるのか、こういうお話でございますが、これは先ほどるる申し上げましたように、今回のあの事件は、あの純真な農民など地元民の反対運動というような、そんな性質のものじゃありません。これは国家、社会に対する挑戦だ、民主主義に対する挑戦だ、そういうふうに理解をいたしておるのであります。(拍手)
 でありまするので、斉藤さんがいま、今回のこの事態は断じて許されない、いかなる理由があろうともこれは許されないことだというその所論に対しましては、私は敬意を表したわけでございます。ところが、後になって「だが」と言うのです。だが、政府のやることにもずいぶん間違いがあったじゃないかというようなことをつけられる。なるほど、政府も神様じゃありませんから、落ち度が全然なかったとは申し上げませんけれども、しかし斉藤さん、どろぼうにも三分の理があるということがある。三分の理があるからといって、どろぼうを幾らしてもいいということにはならないのであります。(拍手)私は、その辺ははっきりわきまえて、そうしてこの問題に対処しなければならないということを強調したいと思うのであります。
 また、斉藤さんは、治安特別立法に慎重にせい、反対だ、こういうようなお話でございますが、これは先ほど法務大臣がるる申し上げたとおりであります。今度の事件を一つのかがみといたしまして、このようなことがあってはならない、そのために現行の法令でどこまでできるか、これを徹底的に究明してみたいと思うのであります。
 しかし、それでもどうもこの種の事件の再発が防止できないというような結論が仮に出てきた場合に、手をこまねいて、新立法はいたしませんというわけには絶対にまいりません。(拍手)これは政府としての国家国民に対する責務である、そのように考えておるのであります。
 しかし、この問題は、ただいま申し上げましたように、慎重に取り扱いますから、そのとおり御理解を願います。(拍手)
    〔国務大臣福永健司君登壇〕
#16
○国務大臣(福永健司君) 心の通う話し合いは、私どもも心から望むところであります。地元農民と平和的な話し合いのもとに、これらの人たちの将来の生活設計についても十分心を配るなどの措置を講ずべきは当然であると考えます。
 これらのことを通じて、成田空港周辺の社会的な安定を図ることが必要と考えますので、従来の努力に加え、今後はさらに積極的に、前向きの努力をしてまいりたいと存じます。
 空域、アクセス、騒音対策等々、鋭意対策を講じておりますが、いまだ完璧とは言えないこともあることは、私も認めます。だがしかし、成田空港は、空港施設の面から申しましても、何ら決定的欠陥のあるものとは断じて考えておりません。今次事件の発生にかんがみて、空港内の保安について一層の配意を加え、利用者の不安を一掃すべく、努力してまいりたいと存じます。
 社会党からの申し入れ等は、よく承っております。誠心誠意対処いたします。(拍手)
    〔国務大臣加藤武徳君登壇〕
#17
○国務大臣(加藤武徳君) 二十六日に成田空港へ結集いたしました分析をいたしてみますと、総員が約九千五百名と予想されるのでございますけれども、そのうち約六千名が、いわゆる極左暴力集団でございます。そして、三里塚を中心にいたします空港反対同盟は、約二百名の組織でございまして、その委員長が戸村一作氏でございますけれども、そのうち今回参加いたしました者は約百二十名程度と想像されるのでございます。ですから、ほとんどの諸君が極左暴力集団と、これに付和雷同する諸君だ、かように判断がされるのでございます。
 したがって、今回のような事犯は、地元農民の反対といいますよりも、それに便乗いたしまして、法秩序を破壊する、そして現体制を打ち破って社会革命をなし遂げる、かような根本の理念を持った諸君の行動と断ぜざるを得ないのでございまして、したがって、地元の一般農民の方々とは全く質の異なった暴挙である、かように断ぜざるを得ないのでございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#18
○議長(保利茂君) 長谷雄幸久君。
    〔長谷雄幸久君登壇〕
#19
○長谷雄幸久君 私は、公明党・国民会議を代表して、現在の緊急課題である成田の新東京国際空港襲撃事件について、総理並びに関係大臣に所見を求めるものであります。
 今回の過激派による事件は、わが国の憲法秩序を無視した暴挙であり、民主主義体制そのものに対する重大な挑戦であって、断じて許すことはできないと思うのであります。
 政府は、法秩序維持への毅然たる態度を堅持し、暴力に対しては断固闘うとの姿勢を持つべきであることを、まず申し上げておきたいと思うのであります。(拍手)
 さて、今回の事件による国際的信用の失墜、さらに空港の安全性に対する国の内外の利用者の不安ははかり知れないものがあります。このことに対して、政府はいかなる政治責任をとるか、また、失われた信用の回復及び国民に与えた不安の解消のためにどのような措置をとる所存であるのか、総理にその所見を求めるものであります。
 次に、こうした事件の発生を未然に防止し得なかった原因についてでありますが、もともと過激派集団は、われわれの共通の基盤である民主主義そのものを否定する非常識かつ非論理の集団にほかならないのであります。しかるに、政府は、過激派集団に対し、こうした点の認識についての誤りがあったのではないか、そのことが彼らに対処するための法律の運用を手控えるに至った、そこにその原因があると思うのであります。
 そこで、私は、政府のこうした認識の誤りと対応の甘さについて深刻な反省を求めるものであります。この反省なくしては、いかなる対応策も無に帰してしまい、その結果は、さらに第二、第三の成田事件が発生するであろうことを肝に銘じて、今後の対策を立てるべきであると思うのであります。過激派に対する政府の基本的認識及び対応についての所見を求めるものであります。
 さて、今回の過激派集団による暴挙については、火炎びん、電気もりなどの武器まがいのものまで使用し、地下ごうを掘り、マンホールから侵入するなどして、空港の心臓部とも言うべき管制塔など、重要な空港施設を破壊した行動に明らかなように、彼らの行動は、単なる農民運動や、その延長線上にある行動としてとらえることはとうていできないのであります。過激派に対しては、法と秩序を破壊し、民主主義を否定するものであるとの認識に立って、その対応を考えなければならないことは言うまでもありません。
 そこで、こうした過激派集団を根絶し、将来かかる事態の発生を阻止することは、生命と自由を最大限に尊重する日本国憲法のもとでは当然のことであると思うのであります。政府は、この過激派集団の根絶を期するためにいかなる対応策を持っているのか、総理並びに関係大臣に、その所見を承りたいのであります。
 聞くところによると、警察庁では極左暴力集団対策委員会を設置したとのことでありますが、この委員会の設置の目的及び委員会の具体的活動の内容を明らかにされたいと思うのであります。
 また、こうした委員会の設置による活動だけで、果たして十分な対策となり得るでありましょうか。この点もあわせて所見を求めるものであります。
 次に、本件によって破壊された管制塔その他の空港施設の被害状況及び被害額を明らかにされたいのであります。
 さらに、破壊による損害について、その費用は一体だれが負担することになるのか。国家が負担者であるとすることは、結局、国民の血税による埋め合わせをすることにほかならないのであって、これを是認することは許されないと思うのであります。現行法のもとにおいても、直接の加害者である乱入した六名の過激派に当然請求できるはずであります。もし仮に、彼らに賠償能力がないとしても、彼らに対して、一生涯かけても償いをさせるべきであるというのが素朴な国民感情ではないでしょうか。(拍手)そこで、政府は、彼ら六名に対し、損害賠償の請求をし、その取り立てをする意思があるのか、この点をお伺いしたいのであります。
 さらに、加害行為はしないが、実行行為を指揮し、もしくは謀議や実行行為に関与した者に対しても、賠償請求をなすべきであります。もしその請求が現在の法制上困難であるとすれば、そのための法律改正は必要となるでありましょう。この点についての所見を伺っておきたいと思います。
 さて、政府は、成田空港について、いずれ期日を定めて開港するでありましょうが、開港に際してその安全性を確保することは、本件の事件発生以前にも増して重要であります。そこで、政府は、どのような警備体制が整備された段階をもって安全性があると判断するのか、安全性ありとする条件及びその判断の基準を明らかにされたいと思うのであります。
 今回の事件による国民の不安と不信を解消するためにも、政府は国民が納得し得る十分な警備体制を完備すべきであり、そのことを強く望むものでありますが、この点についての総理の御決意のほどを伺っておきたいと思います。
 次に、過激派対策とあわせて、土地を愛する純粋な農民に対し、土地を奪われたことの代償として政府はこれまでいかなる対応をしてきたのでありましょうか。一昨日の地元農民と運輸省事務次官との会談で、地元農民から、「われわれ農民との話し合いもなく空港建設を決めたのは残念だった」との言葉に明らかなように、政府の対応はきわめて不十分であったと言わざるを得ません。政府は、今後地元農民と誠意ある態度で話し合いをし、円満解決を図る考えがあるかどうか、今後の方針を伺いたいのであります。
 なお、航空燃料の確保については、空港の生命線とも言うべき重大な問題であることは、言うまでもありません。ところが、成田空港においては、この問題はなお未解決のままであります。そこで、燃料確保についての見通し、特にパイプラインの設置の見通しについて伺いたいのであります。
 さらに、燃料輸送に伴う危険性、すなわち、燃料そのものが持つ危険性及び輸送に際して外部からの侵害による危険性に対処して、政府は、輸送の安全性を確保するためにどのような対策を持っているのか、あわせて伺いたいのであります。
 以上の諸点について誠意ある答弁を求めて、私の質問といたします。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#20
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 今回の事件に対する政府の責任いかん、また、信用回復の方途いかん、こういうお尋ねでございますが、本当に今回の事件は、私は残念で残念でたまりません。たまりませんが、これに対しまして政府の責任、これは何といたしましても、もう安全第一という前提のもとに、早くこの空港開港にこぎつけることである。同時に、この問題が起きたその根源があるのです。その根源をえぐり出しまして、再びこのような騒擾的事件の起こらないような措置を講ずる、この二つが、私は政府が責任を尽くすゆえんじゃあるまいか、そのように思うのであります。
 なおまた、長谷雄さんは、過激派集団、その本質をどういうふうに認識するか、また、これが今回のような事件を起こすことのないように、その根絶を期するための抜本策いかんというお話でございまするが、しばしば申し上げてきましたけれども、これは一部農民の反対運動というような、そういう問題じゃないのです。これは本当に国家、社会に対する秩序崩壊、これをねらっての挑戦行為である、そういうようなとらえ方をもちまして、このような行動がこの日本社会において許されないというための万全な対策をとるということでなければならぬと思うのです。そういうためには現行の法令でどこまでいけるかということをよく検討してみたいと思うのです。これでその目的のために対処できるというならばそれでよし、しからず、それでは足らぬ、こういうことであれば、新たな立法もまたこれをお願いしなければならぬかな、このように考えておる次第でございます。
 今後の成田警備に対する対応策、また開港後の警備体制についての所見等につきましては、これは関係大臣からお答えを申し上げることにいたしたいと存じます。(拍手)
    〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
#21
○国務大臣(瀬戸山三男君) 過激派集団の対策についてということでございますが、これは前にも申し上げましたし、いま総理からもお話がありました。これは成田の空港だけの問題じゃないのであります。この地下水は、各大学と言ってもいいでしょう、国公立の大学の中にもこの地下水が流れております。大学を占拠し、あるいは講義を妨害し、あるいは内ゲバをし、こういうもの全部に、ここに地下水が流れておるということ。それから、最近は裁判闘争の名のもとに、裁判の中にもこういうことが流れてきておる。全部一連のものであります。こういう事態を踏まえて、私どもは真剣に対策を考えなければならぬ。裁判については、御承知のとおりに、刑訴法の特例法を今国会にお願いしておるのもその一環でございます。いずれにいたしましても、かような対策を十分立てて処理をしなければならぬ。
 それから、成田事件の損害賠償請求について、これは理論的には当然でございます。その事実を調べ、実行者を調べ、それに損害賠償を求めるということは当然でございます。また、直接そこにおらなくても、これを扇動し教唆し、これは一体でありますから、損害賠償を求めることは当然でありますが、ただ、長谷雄さん御承知のとおり、実際問題として賠償が取れるかどうか。未来永久追求しろと言われる御意見には非常に傾聴いたしております。(拍手)
    〔国務大臣福永健司君登壇〕
#22
○国務大臣(福永健司君) 管制室の内部については管制卓の通信装置、表示装置を初めレーダー指示器、飛行場灯火制御卓等の施設に相当の被害を受け、管制室の外に設置されているマイクロ回線用のアンテナ等の機器が損傷したほか、管制室の窓ガラスのほとんどが破損しております。これらの復旧に要する費用は約一億三千万円内外と見込まれておりますが、運輸省及び公団等においては、負担すべきものは当然負担の上、復旧工事を行うこととしております。
 いま法務大臣が触れられたのでありますが、他方、加害者集団等に対して損害賠償を請求することについては、関係方面とも十分協議いたしまして対処いたします。
 地元農民との平和的な話し合いについては、すでに前質問者各位にもお答えしているところでありますが、これら地元農民の方々の将来の生活設計についても十分心を配るなどの措置を講ずることといたしたいと思います。これらのことを通じて成田空港周辺の社会的な安定を図ることが必要と考えておりますので、従来も努力はしてまいりましたが、今後はさらに、ただいまの質問者が言われたお言葉をおかりして申しますと、誠意を尽くして前向きの努力をしてまいりたいと存じます。
 燃料輸送の安全確保につきましては、物的施設の面及びこれに対する警察力などによる警備の面からも万全を期していかなければなりません。本格パイプラインは開港後三年以内に完成させる必要があり、目下空港公団において地元住民に対する説明会を行っているところでありますが、予定どおり完成できるよう促進してまいりたいと存じます。(拍手)
    〔国務大臣加藤武徳君登壇〕
#23
○国務大臣(加藤武徳君) 極左暴力集団対策委員会についての御質問でございました。
 壁頭に御報告をいたしましたように、この委員会は警察庁内部に設置をいたしたものでございまして、警察庁次長を長といたすものでございますから、対外的なものではございませんで、いわば警察内部の組織、かように御理解がいただきたいのでございまして、そして先ほど報告をいたしましたように、空港が安全に開港ができ、そしてその後の警備もどのような体制をとっていかなければならぬか、かような警備体制を中心にいたしましての審議をいたし、結論を出してまいりますのと、そして警察力のみをもっていたしましては万全を期し得ないことは御理解が願えると思うのでございますから、運輸省、公団を初め、関係各省庁に対して、かようかような処置をとっていただかなければというようなことをもまとめてまいりますのと同時に、また空港警備に必要な通信でありますとか、あるいは装備でありますとか、あるいは資器材等につきましてもどのようになければならぬか、このことを検討いたしまして結論を出す組織でございます。もとより、この組織のみをもっていたしまして万全であろうとは考えておらないのでございます。(拍手)
#24
○議長(保利茂君) 塚本三郎君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔塚本三郎君登壇〕
#25
○塚本三郎君 ただいま報告されました成田空港事件について、私は、民社党を代表して、わが党の意見を交えつつ質問をいたします。
 本事件のよって来る原因は幾つかが挙げられ、とりわけ政府の場所選定の無理及び決定後、これほどに重大なる政治問題を、空港公団という単なる一管理事業体にのみ任せ切りで過ごした政府の怠慢が指摘されなければなりません。
 私どもは、この点を承知しつつも、なお国家機関が正式決定され、実行に移されつつある今日、政府のまずさを指摘することは後日にとどめ、本事件に憤り、将来に憂いを抱かざるを得ない国民の立場に立って、次の諸点を質問いたします。(拍手)
 質問の第一は、長期にわたる困難な開港のための準備に対して、政府はその取り組む姿勢が甘く、その任のほとんどを空港公団に任せ、空港公団は反対派の制圧のすべてを警察当局に依存するというありさまで、政府が全面的に最前線に立って指揮し、多面的に解決するための努力が欠けていたことを指摘しなければなりません。(拍手)
 たとえば、反対のための団結小屋を除去するには、単に兇器準備集合罪や公務執行妨害罪の適用のみではなく、建築法違反による立入禁止とか、空港公団、千葉県などの公用地を不法に占拠している約半数の小屋は、不動産侵奪罪を適用することにより、管理権を行使して強制立ち退きを実施するなど、現行法規を多面的に適用することなど、なお幾つかの方法があったのにかかわらず、なぜそれが実行されなかったのか、不思議でなりません。
 われわれ庶民のわずかの交通違反や税の滞納に対して、政府は直ちに差し押さえや競売などの強硬手段を用いるのに、これら暴力で抵抗する無法集団の目に余る行為に対しては、なぜそのような手段をとらなかったのか、御説明をいただきたいのであります。(拍手)
 質問の第二は、極左暴力集団の本拠が大学構内にあることを政府は十分に承知しながら、先ほども法務大臣が述べられたごとく、なぜこれを放置しているかということであります。
 昨日の参議院本会議でも、法務大臣は大学当局に排除をお願いしていると答弁しておられましたが、大学自身がこれらの集団を排除する意思があるとお思いでございましょうか。また、その意思があったとしても、それを実行する能力があると政府はお考えでしょうか。
 東大精神科病棟が不法占拠されて八年、いまだにその状態は回復されておりません。聞くところによれば、大学当局の要請がなければ警察を大学構内に入れないという協定が大学と文部省の間で取り交わされていると言われていますが、これは事実でありましょうか。大学構内に違法行為が行われていて、なお政府の権力が及ばぬ治外法権を認めるがごとき協定は、違法にして無効だと信じますが、いかがでありましょうか。(拍手)
 質問の第三は、彼ら過激派暴力集団は、警察一万三千名の防備を突破するほどの装備と武器を用意しており、それら多数の暴徒の行動を容易にしている資金源は一体どこから出てきているかを御説明願いたい。
 大学自治会が、その主導権争いのため、各セクトが残忍な死闘を繰り返しているのも、その大学が供給している自治会費という金が目当てだと論評する者もあります。彼らの糧道を断つため、その供給源及びルートを封殺する施策があるかどうか、お答え願いたい。
 質問の第四は、反対派がこれほどまでに抵抗し、政府がこれに対処するに何か手ぬるさを感じさせるのは、反対運動の中に政治家が介在したことにも原因がありはしないのでありましょうか。(拍手)
 過激派暴力集団がこれほどまでに反政府の運動を展開し、公然と凶器を振りかざす心底には、特定政党が地域選定の際行った反対運動の過去の行動を過信したこと、つまり一坪運動という特定政党の行為をして、彼らには心強い味方がおるのだとの安心感がひそんでいるのではありませんか。(拍手)
 特定政党幹部を先頭に、五十五名に上る国会議員が、わざわざ一坪地主となって反対運動の場所を提供し、それを政府が強制執行するという、法治国家としては論外の行為が展開され、いまだに未接収の一坪地主と称される国会議員がおられると聞くが、差し支えなければこの場でその氏名をお伺いいたしたい。(拍手)
 質問の第五は、警備当局に対する不安であります。
 政府は、日本国の威信にかけ、三月末開港を強行し、それなりに自信を持って準備を施し、万全の警備陣をしいたと信じたい。
 しかるに、きのうの参議院本会議で、福永運輸大臣は、公団周辺のセクトの不法占拠の排除は容易なことではない、困ったことだと答えられ、加藤国家公安委員長は、解放区、団結小屋という治安当局の目の届かないところがあると指摘して、あたかも空港周辺に治外法権地域があって、国家権力が及ばざるかのごとき答弁をしておられます。そこには電灯がともり、電話が引かれ、郵便が配達され、武器が持ち込まれているというではありませんか。過激派が学園と結び、近くは裁判にまで及んでいると、ただいまも法務大臣は憂慮されておりますが、何ら具体策がとられていないじゃありませんか。一体だれが政府でありましょうか。福田総理は、政治的にも制度的にも暴力に寛容であり過ぎたと、きのうの参議院で答えられております。政府がこんな態度で、警察当局がどうして体を張り、命を賭して警備できるでありましょうか。(拍手)警察当局に警備能力がないのではない。本当は政府に統治能力がない。統治者としての責任感と法を守る魂がないことを指摘しておきます。(拍手)これでどうして治安当局が任務を果たすことができるでありましょうか。
 質問の第六は、警備当局の武器使用についてであります。
 過激派暴力集団は、殺人用電気もり、毒薬等を使用し、火炎びんを投げ、鉄パイプを振りかざし、内戦と豪語しております。これに対するに、警備は十数発の威嚇射撃をしたにとどまり、一発がはね返って一人の暴徒の足にささったと報道されております。
 今回のごとき事態に際し、武器使用はどのように指示されているのか。まさか拳銃は警察の護身用のみを目的に所持せしめているとは思えません。おれたちは絶対に安全だと自負する彼らに対し、今日のごとき状態では、何万の警察を動員しても防護ができないことは当然でありましょう。(拍手)
 かくて、施設の破壊と国家威信の失墜と、民主政治の法の尊厳が無残に踏みにじられてしまいました。これらの被害は、国民一人一人が負わなければなりません。
 一体、警察は何のために武器を所持しているのか。今回の事件にかんがみ、一般の暴力とこれら過激派集団の暴力とは、その質と量において根本的に異なっており、内戦を呼号する彼らに対しては、武器使用と事前警備に対して異なった対処の仕方をとるべきだと思うが、いかがでありましょうか。
 質問の第七は、成田空港開港後の警備と武器使用についてであります。
 成田空港開港後、今回の事件に照らし、万一再び警護が破られ、暴徒が管制塔に入らんとした場合、警察官がこれを阻止するため暴徒を殺傷した場合、過剰警備となるか否か、単純にお答え願いたい。
 航空機は一瞬の問題であり、事故は直ちに死に直結するがために、これを乱さんとする者に対する政府の態度と乗客の心理状態をおもんぱかって、あえて言及しておかなければなりません。航空機の安全は、完全にして完璧を要求し、とりわけ国際空港は、国家の威信と国家の安全がかかっております。政府として可能なすべての力を注ぐことは当然だからであります。(拍手)
 最後に、本日、政府は空港周辺警備のための新立法を意図しておられるやに聞きます。私ども民社党は、必要な立法措置については協力することに決してやぶさかではありません。堂々と勇気をもって正面から取り組んでいただきたい。
 しかし、現行法律を厳守せしめずして安易なことのみに手を出す怠惰な行政の態度を改めないならば、どれほどの法律を山と積んでみても、しょせん、その場逃れの議論と法の威信を傷つけるのみであることを警告しておきます。(拍手)
 たとえば、燃料輸送にかかわる国労、動労の態度であります。彼らが違法の暴力でしばしば列車運行を妨害し、国民の目に余る行為があっても、それが放置され、今回もまた、春闘と称して、違法ストを早くも公言していることを何といたしましょうか。
 まして動労の違法ストによる成田空港燃料輸送阻止行動が、いつの日か空港反対同盟のゲリラ闘争と結びついたとき、もしかすると、恐るべき大惨事を引き起こさないとだれが保証できるのでありましょうか。
 政府は、まず法と秩序を守る執行者として、厳然たる態度をとり、民主主義と平和を願う国民に責任を持つ態度をとることが絶対条件であることを強く指摘し、総理の決意のほどを伺って、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#26
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 塚本さんにお答え申し上げます。
 塚本さんの本事件に対する認識、見方、これは私と全く一緒でございます。その私と一緒の見方、認識の上に立ちまして、いろいろ御所見が述べられたわけでございます。その一つ一つにつきましては、所管大臣からお答えを申し上げますが、民主国家、この体制を守り抜こうとする私ども政府の見解に対しまする貴重な激励であると受けとめまして、私どもは、与えられた政府の責任を、国民の期待にこたえて、完全に尽くし抜くという決意であるということをはっきり申し上げまして、お答えといたしたいと思うのであります。(拍手)
    〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
#27
○国務大臣(瀬戸山三男君) 塚本さんから、大学の暴力学生による問題をお話しになりました。
 細かいことは申し上げませんが、東京大学、京都大学、その他国立大学あるいは公立大学、私立大学に、まだ今日学校の一部を占拠し、あるいは武器を蓄え、あるいは内ゲバの騒動を起こしている、あるいは講義ができない、学校の外で教育をしておる、こういう状態が起こっております。この問題は放置できないことでありますけれども、御承知のとおり、また一面において、大学の自治あるいは学問の自由の問題との兼ね合いがあります。でありますから、そういうものと兼ねてこの解決を図らなければならない、実際問題としてむずかしいところがありますが、しかし、大学といえども治外法権ではございません。断じてこれを排除するために、いま文部省やあるいは警察当局と協力し、また、大学の協力を求めてやっておるところでございます。
 それからもう一つ、警察の過剰防衛の話がありました。今日まで、警察があの事態を見て、あの状態で、ああいう暴力集団の攻撃を防ぐということは、私は、率直に言って不可能であろうと思います。それでいいのかということを現在検討しているということを先ほど申し上げました。(「だから警察官は安心をして警備できないんだよ」と呼ぶ者あり)そこで、そのことを検討しておるということを申し上げておるのであります。現在の与えられたる法律で、十のところを十までやったらどうかということを、いま検討しておるところであります。
 それからもう一つ、過剰防衛として、仮に拳銃でああいう暴徒を殺したとき云々というお話がありましたが、これはいつも言われておりますが、日本の憲法では、人権とか自由とかいうことが問題になります。この問題をはっきり申し上げておきますが、日本の憲法は、平和と民主主義、自由権の非常に崇高な憲法になっておりますけれども、しかし、火炎びんを持ち、武器を持ち、ああやって攻撃をしたりする自由は一切与えられておりません。そういう自由権は憲法上ないという前提で、武器の使用等も、ああいう事態を防ぐだけの行為をやるということは当然でございます。
    〔国務大臣福永健司君登壇〕
#28
○国務大臣(福永健司君) 成田空港周辺の空港公団所有地の一部地域には、過激派学生等による妨害によって、十分な管理が行いがたい状況のところもあるという点について強い御所見がございました。遺憾ながら四ヵ所において団結小屋等が不法に建てられております。まことに遺憾至極であります。この状態のままに放置することは断じて許さるべきものではありませんので、これの排除については、御説のごとく、弱腰であってはならないと存じます。強く厳しく対処していくべきであると存じます。空港周辺に治外法権地域があっては断じてなりません。御指摘は肝に銘じ、今後に対処をいたしてまいりたいと存じます。
 成田空港建設の反対運動の一環として行われている、いわゆる一坪運動用地は、過去において変化もございまして、現在は三十八件、約二ヘクタールほど存在しており、現時点においては、この中に二件について現職の国会議員が所有者として関係しております。(発言する者多し)
 公共企業体等の職員については、争議行為を行うことは法律により禁止されているところでありまして、これに反して違法スト等が行われた場合には、当然法に照らして厳正な措置をとるべきものと考えます。
#29
○副議長(三宅正一君) 国務大臣加藤武徳君。(「答弁漏れ」「運輸大臣、答弁やれ」と呼び、その他発言する者多し)
    〔国務大臣加藤武徳君登壇〕
#30
○副議長(三宅正一君) お静かに願います。(「だれだ」「名前を言え」と呼び、その他発言する者多し)静粛に願います。どうぞ御答弁ください。
#31
○国務大臣(加藤武徳君) 警察といたしましては、犯罪のありますところ、これを断じて看過いたさない、かような基本の態度でございます。しかし、塚本議員の御指摘がございましたように、過去におきましての極左暴力集団に対しまする対処に甘さがあったことは、否めない具体的な事実等もあるのでございますから、今後断じてかようなことのないような根本の考え方で対処いたしてまいりたいと思うのでございます。
 それから、資金源を断つ方策ありゃ否や、かような御質問でございました。
 極左暴力集団の活動費は、その一部は各セクトの会費でありますとか、あるいは機関紙の発売利益でありますとか、さようなことはごく一部であろうと思うのでありまして、その大部分が資金カンパではないか、かように思うのでございますが、しかし、その具体的な事実等につきましては、警察もその詳細を承知いたしておらないのでございます。しかし、あのような団結小屋をつくり、かつまたトーチカを構築いたしますには、相当の金がかかっておるのに間違いないのでございますから、このルートに関しまして徹底的に究明をいたしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
 そして、最後の御質問の武器使用についてでございます。
 先ほど来答弁いたしておりますように、機動隊の諸君は拳銃を所持いたしておらないのでございます。しかし、かような事態に対処いたしましては、拳銃使用も考えていかなければならぬ、そして、かような事態には拳銃使用も可能だ、かような線をも明確にいたしながら対処してまいらなければならぬのでございます。
 最後に御指摘の、開港後いかなる場合に武器を使用いたすか、かような御指摘でございます。
 その具体的なケースによって対処しなければなりませんが、多数の人命に危害が生じますような場合には、当然武器使用もなすべきだ、かような考え方でございます。(拍手)
#32
○副議長(三宅正一君) 運輸大臣から、答弁を補足したいとのことであります。これを許します。
    〔国務大臣福永健司君登壇〕
#33
○国務大臣(福永健司君) 先ほど、私は、塚本さんが、差し支えがなくは氏名を言えというお話でございましたので、差し支えるわけではございませんが、私の判断においてあえて申し上げませんでした。ではございますが、この国会の場所がいかなるところであるかということは、私よく心得ております。私から申し上げたのではないが、こういうことは明らかにすべきであるという見地から御要求がございましたので、先ほどの判断は判断といたしまして、申し上げさせていただきたいと思います。(拍手)
 先ほど、私は、過去において変化があった、そのことを申し上げたのでございまして、現時点において土地については二件と申し上げました。申し上げましたが、所有者は一名、千葉県第二区選出小川国彦代議士であります。
    ―――――――――――――
#34
○副議長(三宅正一君) 柴田睦夫君。
    〔柴田睦夫君登壇〕
#35
○柴田睦夫君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 去る三月二十六日、暴力集団による成田空港周辺での不法行為によって、国民の血税による数億円の施設が破壊され、莫大な諸経費の損失が生じ、さらに国際信用さえ失われたのであります。
 かかる事態を許した政府の責任はきわめて重大であると考えます。しかるに、政府が事件発生直後に発表した声明は、この傍若無人、計画的、組織的な公然たる暴力的破壊行為を許した政府の責任について、一言半句も触れていないのであります。
 総理は、昨日の参議院本会議で、暴力集団に対して寛容であり過ぎたと答弁しました。これは一応政府の責任を認めたことではありますが、この際、どこが寛容であり過ぎたのか、その内容を具体的に明らかにするとともに、その責任をどうするのか、総理の答弁を求めます。(拍手)
 次に、政府、警察当局がこれまでとってきた措置について具体的に伺います。
 第一は、公団用地内に不法に建てられている暴力集団の出撃基地についてであります。
 四戸ある公団用地内の不法建築物の一つには第四インターが現に常駐しており、この第四インターが管制塔の破壊を行ったのであります。公団用地内にある不法建築物が、このように暴力破壊活動の拠点となってきていることはもはや明白であります。公有地に暴力集団が根拠地としての建物を建て、占拠することは明白な不動産侵奪罪であります。このような違法行為を建設の段階で取り締まることは、警察当局の責務であることは言うまでもありません。
 きのう参議院でわが党議員が、昭和四十九年に空港公団から告訴が行われているのに、四年もたった現在、この犯罪行為が野放しにされている責任を追及したところ、加藤国家公安委員長は、いまだに実態の把握をしていないと答弁しました。告訴を行ってから四年もたっているのに、実態も把握していないということはあり得ないことであり、知りながら放置していたのが実際ではありませんか。国家公安委員長の責任について総理の明確な答弁を求めます。(拍手)
 また、参議院運輸委員会では、政府当局が、参考人の事情聴取ができないから今日に至っていると答弁しましたが、不法占拠者は参考人ではなくて犯罪者であります。彼らが事情聴取に応じないことを捜査ができない理由とするならば、今後も捜査は進まないことになります。総理、国家公安委員長はこれを放置しておくのですか。なぜこのようなことになっているのか、その責任はだれにあるのか、明確に答弁を求めます。(拍手)
 また、暴力集団が火炎びん、鉄パイプなどの武器の製造、貯蔵などを行っている不法占拠建築物には、電話、電気の架設、郵便物の配達などが行われています。彼らの犯罪的暴力活動の根拠地に対して、政府関係機関が便宜を与えてきているのであります。このようなことについて、政府はその責任をどうとるのか、答弁をいただきたい。
 第三の問題は、暴力集団が、ゲリラ的。パルチザン的戦闘を爆発させ、三・二六三里塚百万人総決起をかち取れと大宣伝を行い、大暴動を計画していたにもかかわらず、事前の効果的な対策をとらなかった警備当局の責任についてであります。
 彼らは、数日前から公然と火炎びんの材料や鉄パイプなどを拠点に持ち込み、二十六日の妄動に向け着々とその準備を進めていたのであります。警備当局も、この暴力集団の動向を察知していたことを認めています。警備当局は、三十三ヵ所の拠点すべてに対し、これが犯罪の拠点とならないよう、警職法の活用や捜索、押収など、必要な具体的措置をなぜとらなかったのか、その責任をどう考えているのか、明確な答弁を求めます。(拍手)
 警備上の常識とも言えるマンホールを見逃した警備ミスはきわめて重大であることは言うまでもありません。さらに、事件当日、暴力集団は少なくとも二キロにわたり、次々と立ち木や枯れ草に放火しつつデモ行進を行い、付近の人が身の危険を感じたというほどのきわめて危険な犯罪行為が行われていたのであります。にもかかわらず、なぜ取り締まりを行わなかったのか、答弁を求めます。(拍手)
 このような政府、警察当局の暴力集団に対する長期にわたる根強い甘やかしや、野放しとも言える態度こそ、彼らの不法、無法行為を許す要因となってきたものであり、政府の責任はきわめて重大であると言わなければなりません。(拍手)
 ところが、昨日の国家公安委員長の答弁では、この暴力集団を社会主義革命や共産主義革命を目指すものであるかのように言っています。しかし、彼らは、社会の進歩や変革とは全く無縁の犯罪的暴力集団であります。(拍手)この認識を改めることこそが、これら暴力集団を徹底的に一掃するため必要だということを特に強調しておきます。(拍手)
 これらの暴力集団を一掃することは、安全を確保すべき空港にとって不可欠の前提条件であります。二十六日の暴力集団の集会には、ハイジャックを事とする国際的犯罪集団日本赤軍のアピールさえ紹介されているのであります。世界の空港多しといえども、国際的テロリストと連携する暴力集団が周辺に常駐するという異常事態の国が一体どこにありましょうか。(拍手)これらは、すでに諸外国のパイロットからもひとしく指摘されているところであります。
 成田空港の開港には、これらの暴力集団の一掃と同時に、安全な空域の設定、騒音対策、交通輸送手段などの基本的な前提条件が欠落しています。このような事態を放置したまま、政府は明三十一日にも新たな開港日設定の閣議決定を行おうとしていますが、これらの問題をどのように解決しようとしているのか。その保証はあるのか、総理、運輸大臣並びに国家公安委員長の明確な答弁を求めて、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#36
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 きのうの参議院本会議で、私が、政府は暴力行為に対しましていままで寛大に過ぎたのではないかという感じを、感想を持っておるということを申し上げたが、一体どういうことを具体的に指して言うんだと、こういうお尋ねですが、私は、一々言わぬでも、もうそういう事例が幾らでもあるのじゃないかと思うのですよ。
 しかし、今度の成田の問題を見てみましても、あの成田空港が三十日には開港式が行われる、そういうとき、また、その後においても、その成田の空港を廃港にしようという企図の総本部とも言うべき要塞と言われるものが、二つも存在しておる、こういうことが許されるということが、寛容なというふうに感ぜられないでいいのでしょうか。あるいは団結小屋なんというのが三十幾つもある。こういうのがずっとそのまま放置されておるというような制度なりあるいは制度の運用というものが一体許されていいものでありましょうか。あるいは、先ほど民社党の塚本書記長が指摘された安田講堂事件以来もう何年になりますか。あれ以来、大学の教室の一角が極左学生によりまして占拠されて今日に至っておるのですよ。そういうことが許されているということが、寛容であったと言わぬで一体何でありましょうか。私は、そういう反省に立って、そういうことが許されないように万般の措置を講じたい、このように考えておるのであります。
 なお、国家公安委員長の責任はどういうふうになるのだというお話でございますが、公安委員長の責任、これは、いずれにいたしましても近く成田の開港を行わなければならぬ、それまでの間、またその後におきまして、この空港の警備が万全という体制でなければならぬし、再びこのような事件が起こってはならぬ、そのために全力を尽くすということが国家公安委員長の責任である。このようにお答え申し上げます。(拍手)
    〔国務大臣加藤武徳君登壇〕
#37
○国務大臣(加藤武徳君) 団結小屋が極左暴力集団の拠点でありますことは、周知のことでございます。今日までも回を重ねて検索をいたし、差し押さえ等をしてきておるのでございますけれども、今後も断じて緩めない、かような基本の考えで対処しなければなりませんが、ただ、団結小屋を撤去しろという御意見につきましては、私有地であり、また、不法に建築されない建物等もあるのでございますから、かようなことにつきましては慎重に対処してまいらなければならぬ、かように考えております。
 それから、四十九年二月に、公団から告訴のございましたいわゆる野戦病院と言われております極左暴力集団の拠点でございますが、私が、実態の把握が十分でないという言い方をいたしたのではないのでありまして、すでに建設をされて相当期間が経過して後の告訴でありましたので、だれが果たしてつくったのか、この実態がつかめないままになっておるので、今後も鋭意探索をしてまいる、かような言い方をいたしたことと御理解をいただきたいのでございます。
 それから、団結小屋を基軸にいたしましての計画があったことは、まさにそのとおりでございました。今後も団結小屋を拠点にいたしましての活発な活動が展開されることが予想されますので、断じて許さない、かような基本の態度で臨んでまいらなければならぬ、かように考えております。なお、デモ隊が放火等をいたしたことにつきましては、合わせまして百数十名の検挙者を出しており、この検挙者を徹底して糾明してまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣福永健司君登壇〕
#38
○国務大臣(福永健司君) 成田空港周辺の空港公団所有地の一部地域には、過激派学生等による妨害によって十分な管理が行いがたい状況のものもあり、現在、団結小屋等が不法に建てられております。この状態のまま放置することは許さるべきことではありませんので、これの排除については十分の対策を講じていかなければならないと思います。
 今回、きわめて遺憾な破壊行為により成田空港の開港が延期されることになりましたが、成田空港の開港に当たっては、航空機の安全運航の確保が最大の前提であり、安全を十分見きわめ、その上で開港に踏み切る所存であります。
 空域、飛行コース、騒音等の問題については、すでにいろいろ申し上げておりますが、今後、さらに一層気をつけてまいりたいと存じます。(拍手)
    〔国務大臣服部安司君登壇〕
#39
○国務大臣(服部安司君) 御指摘の極左暴力集団の破壊活動分子のとりでに電話架設の問題につきましては、一部のいわゆる団結小屋に、電電公社の加入電話は架設されていると聞いております。この加入電話が違法な行為に利用され、大変な御迷惑をおかけいたしましたことは、心から遺憾の意を表したいと存ずるところでありまするが、犯罪の拠点になっている根拠地に電話を架設するなどはまことにいかがかとも思いまするが、残念ながら現在の電電公社の経営のあり方からいって、正規の手続をとられた場合には、予算の許す範囲内において架設せねばならないという事情もあります。しかしながら、現地報話局では、十二分にこの居住の証明などの提出を要求いたしましたところ、すべての要件を備えた申し込みでございましたので、結果的には、まことに残念至極でございましたが、拒否することができなかったという実態でございます。こういった行為の後の始末につきましては、いまいろいろと法的に問題の検討を進めておりまして、この撤去するいかんについても早急に決定を見たいと考えております。
 なお、郵便物の配達につきましても、これは、あて所がはっきりといたしておりますると、これをこの内容、目的において配達の可否を決定することはできないのは御案内のとおりでございまして、したがって、そういった法に沿ってこの行為をいたしましたが、しかしながら、劈頭におわび申し上げたとおりに、情においてはまことに耐えがたい点はございまするが、今後この問題についても真剣に取り組んで、皆様方の御理解を得るような措置を講じたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#40
○副議長(三宅正一君) 永原稔君。
    〔永原稔君登壇〕
#41
○永原稔君 私は、新自由クラブを代表して、成田空港における暴力主義的な破壊活動をめぐって、福田総理以下関係大臣に質問をいたしたいと存じます。
 議会制民主主義のもとで意思決定をなし、国の国際的、国内的門戸として、多額の血税と長い年月を費やしながら、その完成を喜ぶべきであった本日、一転して政府にその失態をただす事態に立ち至ったことは、まことに遺憾にたえません。
 そもそも、国民の信託を受けて、その生命、身体、財産を守ることを第一義とする政府が、一部の暴徒により内外にわたってその権威を失墜させられたことは、理由のいかんを問わず、責められるべきであります。
 民主主義社会においては、個人こそ実在するものであり、個の集合体として全体が構成されるのは当然でありますが、そこに住む個人は、人間生活を営むためになお全体を忘れてはならないのであります。個人主義を基盤とし、自由主義政治体制下に繁栄を誇り、欄熟した物質文明を謳歌したアメリカでさえ、ケネディ大統領は、「国が自分に何をしてくれるかを問うな、自分が国に何をなし得るかを問え」と国民に呼びかけたではありませんか。古くして、なおかついつまでも新しい全体と個の問題は、民主主義発展のためにも忘れ去ってはならないのであります。
 基本的人権の名のもとにあらゆる行動が黙認されるとしたら、人間社会の秩序は乱れます。いままで政府は、大多数の国民が迷惑する行動についても寛容であり、またむしろ黙認という態度が多かったと思います。その消極さが思い上がりを助長し、今回のような行動に結びついたと判断するのは行き過ぎでしょうか。旧態依然とした、時が解決するというような惰性の上に立つ政治は時代の進展を損なうものであります。私は福田総理の毅然たる態度を望んでやみません。
 福田総理は、かのハイジャック事件のとき、人命は地球より重いということで犯人側の要求をのみ、割り切れない矛盾を国民の心に残したと思います。超実定法的措置であり、緊急避難的にやむを得なかったと釈明しておられますが、この微温湯的態度がますます過激派を思い上がらせているのではないでしょうか。
 近代的法治国家として国民の英知と努力の上に孜々営々と築き上げたわが日本、いま不況下に呻吟しているとはいえ、経済的には世界第二位の規模を誇り、ただ国内的のみならず、エンジンカントリーとして世界経済に寄与する国際的使命感に燃えて悲壮にも訴えている福田総理は、この不祥事に際会して、今回もまたセンチメンタルな処理で済まそうとするのか、御意見を伺いたい。
 特に、過激派が勝利宣言をしていることが報道されているとき、国際的に信用を失墜し、日本の治安に対する評価をいかに低めたことか。国際社会の中においても連帯と協調を訴える総理の威信は著しく傷つけられたのであります。世界に誇る法治国家としての名誉をいかに回復するか、今後再びこの愚を繰り返さないための対策をどう考えるか、あわせてお伺いいたします。
 次に、警備についてでありますが、ただ人を集めるだけで警備ができるものではありません。混成部隊で指揮統一に欠けるところはなかったか、綿密な事前捜査に粗漏はなかったか、反省すべき点は多々あると思います。過激派の集合に対応して臨時的に編成される機動隊によって、十分使命の達成ができるでしょうか。一度撤去した鉄塔がなぜ再び建設されるのを拱手傍観していたのでしょうか。また、火炎びんなどで武装した集団に対し素手で立ち向かう機動隊員が、火だるまになって苦しみ、もだえ、また、門扉を改造トラックの暴走で突破されて、なすすべなく逃げ惑う姿、管制塔でハンマーをふるって機器類を破壊している犯人の狂暴ぶり。法の番人は一体何をしているのか。基本的人権の名のもとにそこまで卑下しなければならないものでしょうか、お考えを伺います。
 また、機動隊員とて人の子であります。すでに成田では機動隊員の死者四名、負傷者は三千五百三十五名に及ぶと聞きますが、一体、動員された機動隊員や警察官全員に不燃性の防御衣を与えてあるのでしょうか、隊員の自己防衛は万全なのでしょうか。農民を運動に巻き込んでいるだけに、拳銃使用は制約されるでしょう。しかし、武器の充実しつつある暴徒に向かうに防御盾だけでは無理だと思います。装備強化について、いかがお考えですか。
 しかも、都道府県警察の職員が国の命令によって黙々と辛酸をなめているのです。酷寒の中、寒風にさらされ、炎暑に汗して任務に励む隊員に、国は難きを強いながら、十分の備えをし、報いをしているのでしょうか。自己を犠牲にし、家庭も顧みるいとまのない隊員の過酷な勤務を見るときに、私はただただ同情の念を禁じ得ません。一体、隊員の生命、身体を守るために、いまのままで万全と言えるか、国家公安委員長の御所見を伺います。
 次に、火炎びんの使用等の処罰に関する法律も強化しなければなりますまい。
 今回の暴動ともいえる集団行為は、破壊活動防止法第四条第一項第二号のロに該当するのではないでしょうか。あの行為が、「政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対する目的をもつて」した行為とは言えないのでしょうか。私は、過激派の今回の行動が他に悪影響を与えることを恐れます。
 彼らは成田の素朴な農民の反対運動をあおり、利用し、目的達成のための手段として成田事件を起こしていると申しても過言ではありますまい。これに厳しい措置をとらなければ、今後、各地における各種の反対運動は、すべて過激派の利用するところとなりましょう。
 もし、今回の事件にいわゆる破防法の適用がないとすれば、一体、破防法なるものはいかなる程度の行為について発動されるのか、伺いたいと思います。
 次に、運輸大臣に伺います。
 開港後の安全保障は、ひとり国内的問題にとどまらず、国際的信用につながります。機動隊派遣は異常事態に対応するものでしょう。常駐不可能とすれば、みずから守る力が必要となります。周辺地域を考慮しながら、大臣はどう対処されようとなさいますか。
 最後に、父祖伝来の土地の提供を強いられた農民に、生活設計の指導や生活保障の道を十分に講じたでしょうか。国民は、本来純真な農民がなぜあれほどまでに盾突くのか、その事情を理解できないと思います。福田総理は、一昨日発表された政府声明で事足れりとすることなく、この議政壇上から国民に向かって、成田国際空港建設のよって来るゆえんを説き、理解を求めるべきであります。私は、総理がじゅんじゅんとして真情を吐露し、国民の理解と合意を求めてこそ、事態を打開する方策が確立すると信ずるものであります。
 福田総理、ただ私の質問に答えるという態度ではなく、広く国民に語る言葉を期待して、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣福田赳夫君登壇〕
#42
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 政府は、過激派の行動に対しまして寛容であり過ぎたのではないか、そういう御所見を交えての御質問でありますが、私はそういう感じを持っておるのです。さればこそ、昨日も参議院本会議でそのような所見を述べたわけであります。
 それに関連いたしまして、大学が、特に国立大学が今度の成田闘争の基地として使われておる、そのような事実があるのではないか、それをどう考えるかというようなお尋ねでございますが、国立大学を含め、大学における学園秩序の維持につきましては、かねて各大学の格別の配慮を求めておるところでありまするが、これは今回の事件を契機といたしまして、さらに厳正な対処を求めたいと思うのであります。今回の事態そのものに対しましては、大学がこの闘争の基地として利用されたというような報告は受けておりません。しかし、塚本さんから先ほど御指摘がありましたように、あの東大の一部の教室が左翼の学生によってずっと占拠されておる、そういうような事実もあります。同様な事実が京都大学等においてもあるのです。そのようなことにつきましては、本事件を契機といたしまして、さらにさらに徹底した矯正をしなければならない、かように考えておるのであります。
 また、永原さんは、今回の事件に関連いたしまして、成田空港の必要なゆえんを国民にじゅんじゅんと説明すべきじゃないか、このようなお話でございますが、これは先ほども私がるる申し上げたのです。成田空港を一刻も早く開港いたしませんと、これはどんな惨事が起こってくるかもしらぬ。羽田空港がもう本当に過密の極限に達しておるのです。あそこで事故が起こらないという保証はないのです。一たん事故が起こったら、あの過密の状態下におきましてはどんな惨たんたる大事件に発展するかもしらぬ、そういうことを考えると、成田空港の開港ということは一刻を争う緊急事になっておるわけであります。この点につきましては、国民も本当に理解をしてくださるように私は期待をするわけでありますが、それが今日こういうようなことになりまして、開港が延期せざるを得ないということになりました。まことに残念でありまするが、なるべく早くこれを開港したい。しかし、安全ということを第一にしなければならぬことはもちろんでありますが、同時にこのような過激派集団のこの行動、これは根が深いです。その根の深いその根を、この際、剔抉をいたしまして、あのような行動が再び起こらないように、私は何とか努力をしてみたい、これが政府の決意でございます。(拍手)
    〔国務大臣福永健司君登壇〕
#43
○国務大臣(福永健司君) 成田空港を管理する空港公団におきましては、従来から場周さくの整備、重要施設に対する防護施設等の施設面からの整備を行うとともに、警備員の配置により自衛措置を講じてまいっておるところでありますが、このたびの痛い経験を生かしまして、一層の強化を図るよう指導してまいりたいと存じます。
 安全確保については、何としても万全を期さなければなりません。念には念を入れ、完璧を期して対処いたしたいと存じます。地元農民と平和的な話し合いも進め、成田空港周辺の社会的な安定を図ることが当然必要でありまして、従来の努力に加え、温かい心の交流を念願しつつ、今後さらに前向きの努力をいたしたいと存じます。
    〔国務大臣加藤武徳君登壇〕
#44
○国務大臣(加藤武徳君) 成田に動員されました警察官は、一万三千名のうち一万名は千葉県外の都道府県から動員をいたした者でございます。しかし、各都道府県におきまして日ごろ徹底した訓練をいたしておりますから、練度の点では問題がないと思うのでありますが、ただ、そう長く各都道府県を空にしておくわけにはまいりませんので、二十六日の直前に結集をいたした、かようなことでございますから、部隊の運用等につきましても、いまにして反省いたしますと、もっと早くと、かような気持ちはいたすのでございますけれども、現在の地方団体の警察の体制下におきましては、やむを得なかったと思うのでございます。今後、訓練にさらに精進をいたし、練度を高めてまいりたい、かように存じております。
 それから、警察官のいまの服装や装備で大丈夫なのか、かような御指摘でございます。
 もとより警察官の諸君は出動服を着用いたし、また防炎用のマフラーも所持はいたしておりますけれども、電気もりのような、あのようなとんでもないものが打ち込まれる、かような事態を考えます場合に、今後服装等につきましてもさらに研究が必要ではないであろうか。
 さらに、装備につきましては、先ほども申しましたように、機動隊の諸君は拳銃を所持しておらないのでございますが、果たしてこれでいいかどうか、かような問題をも含めまして、装備の点につきましてもさらに検討を加えてまいる、かような考え方でございます。
    〔国務大臣瀬戸山三男君登壇〕
#45
○国務大臣(瀬戸山三男君) 現在の火炎びんの使用等の処罰に関する法律の強化をする必要はないか、こういうお尋ねでありますが、現在の法律は、使用、製造、所持等、長期七年の懲役にも処することになっております。これ以上強化しなくても、これで対応ができるものと考えております。
 それから第二点は、今度の暴力集団の行為が、破壊活動防止法の適用になるのじゃないか。形はさような姿になっておりますから、現在の犯罪の実態をよく調査をし、また、かの集団はいろいろなセクトに分かれておりまして、それが集合してやっておるという点もありますから、細かに実態を検討して最終決定をしたい、かように考えておるわけでございます。
#46
○副議長(三宅正一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
#47
○副議長(三宅正一君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○副議長(三宅正一君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(災害対策特別委員長提出)
#49
○副議長(三宅正一君) 日程第一、活動火山周辺地域における避離施設等の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。災害対策特別委員長川崎寛治君。
    ―――――――――――――
 活動火山周辺地域における避離施設等の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔川崎寛治君登壇〕
#50
○川崎寛治君 ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨とその概要を御説明申し上げます。
 本案は、最近における火山の爆発、これに伴う多量の降灰その他の火山現象による被害の実情にかんがみ、活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律のほか、関係法律の一部を改正しようとするものであります。
 まず、活動火山周辺地域における避難施設等の整備等に関する法律の一部改正につきまして申し上げます。
 その第一は、防災林業経営施設等の整備であります。
 現在、農作物につきましては、火山の爆発によって生ずる被害を防除するため、防災営農施設の整備が進められておりますが、林産物及び養殖中の水産動植物または水産物につきましても同様の措置を講ずることといたしております。
 その第二は、降灰除去事業の推進であります。
 国は、年間を通じて一定量の降灰があった区域内の道路、下水道、都市排水路、公園または宅地に係る降灰の除去事業に要する費用について、市町村に対し、政令で定めるところにより、その三分の二以内を補助することができるものとする等の措置を講ずることといたしております。
 その第三は、降灰防除地域についての措置であります。
 内閣総理大臣は、降灰防除地域を指定することができるものとし、この指定がなされた地域内の教育施設または社会福祉施設について、降灰防除施設の整備を行う地方公共団体等に対し、政令で定めるところにより、その費用の三分の二以内を国庫補助することができるものとするとともに、降灰防除施設等の整備を行う病院等の医療施設または中小企業者に対し、長期低利資金の融資の道を開くことといたしております。
 その他、火山現象の研究観測体制の整備、警戒避難体制の整備、火山現象に関する情報の伝達、治山治水事業の推進、火山の爆発に伴う河川の水質汚濁の防止及び火山現象による自然環境の汚染が人の健康等に及ぼす影響の調査及び研究の推進等のため、所要の規定を設けることといたしております。
 なお、これらの施策を実施するため、国は地方公共団体に対し、財政上の措置について、適切な配慮をするものといたしております。
 以上の改正に伴い、法律の題名を活動火山対策特別措置法と改めるとともに、目的につきましても、これに適合するよう改めることといたしております。
 次に、災害対策基本法等の一部改正であります。
 すなわち、噴火を災害として明記するため、災害対策基本法を、また、噴火を森林国営保険の保険事故の対象とするため、森林国営保険法を改正するとともに、気象業務法及び国土庁設置法につきましても、それぞれ所要の改正を行うことといたしております。
 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。
 災害対策特別委員会におきましては、本案について、災害対策の基本問題に関する小委員会において鋭意検討を重ね、去る二十八日小委員長から報告を受け、内閣の意見を聴取し、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決した次第であります。
 何とぞ、議員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#51
○副議長(三宅正一君) 採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○副議長(三宅正一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第二 石油税法案(内閣提出)
#53
○副議長(三宅正一君) 日程第二、石油税法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長大村襄治君。
    ―――――――――――――
 石油税法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔大村襄治君登壇〕
#54
○大村襄治君 ただいま議題となりました石油税法案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この法律案は、今次の税制改正の一環として、今後予想される石油対策に係る財政需要に配意し、新たに原油等に対して、次のような石油税を課そうとするものであります。
 まず第一に、石油税は、原油及び輸入石油製品を課税物件とし、国産原油については採取者を、輸入原油及び輸入石油製品については保税地域から引き取る者を、それぞれ納税義務者といたしております。
 第二に、税率は、採取場からの移出価格または保税地域からの引き取り価格等に対して三・五%といたしております。
 第三に、申告及び納付につきましては、採取者については移出した月の翌月末日までに、保税地域からの引き取り者については引き取りの際に、それぞれ申告納付することとしておりますが、保税地域からの引き取り者で国税庁長官の承認を受けた者については特例を設け、引き取った月の翌月末日までに申告納付することができるものといたしております。
 以上のほか、納期限の延長、納税地等について所要の規定を設けることといたしております。
 また、この法律は、公布の日から施行し、本年六月一日以後に採取場から移出される原油及び保税地域から引き取られる原油等について適用することといたしております。
 なお、石油税の収入額に相当する額は、予算の定めるところにより、一般会計から石炭及び石油対策特別会計の石油勘定に繰り入れられることが予定されております。
 本案につきましては、去る三月十五日村山大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、審査の結果、一昨二十八日質疑を終了、昨二十九日採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しましては、全会一致をもって附帯決議を付することに決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#55
○副議長(三宅正一君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
#56
○副議長(三宅正一君) 起立多数。よって、は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
#57
○副議長(三宅正一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時三十分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  福田 赳夫君
        法 務 大 臣 瀬戸山三男君
        大 蔵 大 臣 村山 達雄君
        運 輸 大 臣 福永 健司君
        郵 政 大 臣 服部 安司君
        国 務 大 臣 加藤 武徳君
        国 務 大 臣 櫻内 義雄君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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