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1947/11/17 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第20号
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1947/11/17 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 労働委員会 第20号

#1
第001回国会 労働委員会 第20号
  付託事件
○労働基準法の適用除外規定設定に関
 する陳情(第二百五十二号)
○失業手当法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○失業保險法案(内閣提出、衆議院送
 付)
○企業再建整備その他に関する陳情
 (第三百四十三号)
○労働基準法第四十條の特例に関する
 陳情(第三百四十四号)
○労働者教育充実に関する陳情(第四
 百四十五号)
○積雪寒冷越冬手当即時支給並びに越
 冬衣具特別配給に関する請願(第四
 百五号)
○税務職員の待遇改善に関する請願第
 四百二十一号)
○別府市の勤務地手当地域給を特地に
 引上げることに関する陳情(第五百
 三十号)
○税務職員の待遇改善に関する陳情
 (第五百四十二号)
○税務職員の待遇改善に関する請願
 (第四百五十五号)
○雪害地手当支給に関する請願(第四
 百六十五号)
○税務職員の待遇改善に関する請願
 (第四百八十三号)
○各縣吏員の暫定加給國庫補助等に関
 する陳情(第五百六十三号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年十一月十七日(月曜日)
   午前十時五十五分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○失業手当法案
○失業保險法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(原虎一君) それでは只今から委員会を開会いたします。失業保險法及び失業手当法について衆議院側の修正を御報告申上げまして、御審議を願います。只今より專門調査員柴田君から、衆議院側の修正について報告をいたします。
#3
○專門調査員(柴田義彦君) それでは衆議院で失業保險法案、失業手当法案に関しまして、修正せられた分のみをここに朗読いたします。先ず失業保險法案から始めます。それの第四條、第四條の見出が「報酬」となつておりますが、これを「賃金」に直します。そうして第四條は、「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、當與、その他名称の如何を問わず、労働の対償として事業主が労働者に支拂うすべてのものをいう。但し、賃金中臨時に支拂われるもの、三箇月を超える期間ごとに支拂われるもの及び通貨以外のもので支拂われるものであつて命令で定める範囲外のものは、この限りでない。」行が変りまして、二項になりまして、「前項但書の賃金中通貨以外のもので支拂われるものの評價に関し必要な事項は、命令で、これを定める。」この二項になつております。五條は、その一項の「標準報酬によつて、」というのを「被險者の賃金に基いて、」と直します。それで第二項を削ります。それから十四條であります。第十四條はその一項に、「被保險者であつた期間は、月を以て計算し、」その次の、「その計算は、被保險者の資格を取得した月から、それを起算し、その資格を喪失した月の前月を以て、これを止める、」それを削りまして、新たにそれに附け加えまして、「各月において勞働した日数(賃金が月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、賃金支拂の基礎となつた日数。以下同じ。)が十一日以上であるときは、その月は、これを一月として計算し、その日数が十一日未満のときは、その月は、被保險者期間に算入しない、」こう訂正いたします。第二項は全部削除いたします。それから十七條は一項を全部削つてしまいます。そうして新たに修正案が全部入ります。つまり十七條は全部新らしくなるわけであります。その修正案全部を読み上げます。
 「失業保險金は、被保險者の離職した月以前において、被保險者期間として計算された最後の月及びその前月(月の末日において離職し、その月が被保險者期間として計算される場合は、その月及びその以前において被保險者期間として計算された最後の月)に支拂われた賃金の総額とその期間の総日数で除した額によつて算定する。但し、その二箇月間における後の月に支拂われた賃金が、法令又は労働協約若しくは就業規則に基く昇給、その他これに準ずる賃金の増加によつて、その前の月に支拂われた賃金より高いときは、その後の月に支拂われた賃金の総額をその期間の総日数で除して得た額によつて算定する。」
 二項としまして、「前項の額が左の各号の一によつて計算した額に満たないときは、失業保險金は、前項の規定にかかわらず、左の各号の一によつて計算した額によつて算定する。一賃金が、労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出來高拂制その他の請負制によつて定められた場合においては、前項の期間に支拂われた賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の七十二賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額を前号の金額との合算額」
 三項、失業保險金は、労働大臣の定める失業保險金額表における賃金等級に属する賃金に應じて定められた定額とする。但し、失業保險金算定の基礎となる賃金の最高額は、一日につき、百七十円を超えてはならない。」
 四項、「失業保險金の額は、第一項及び第二項の規定によつて算定した賃金の額が、四十円以上八十円未満の賃金等級に属する場合には、その賃金の額の百分の六十に相当する額、その賃金の額が八十円以上百七十円以下の賃金等級に属する場合には、百七十円について百分の四十を最低の率として逓減した率によつて算定した額、又はその賃金の額が十円(十円未満のものを含む。)以上四十円未満の賃金等級に属する場合には、十円について百分の八十を最高の率として逓増した率によつて算定した額を基準とした金額とする。」
 五項、「労働大臣は、総理廳統計局の発表する毎月勤労統計に示された工場労働者の平均給與額が、失業保險金額表の制定又は改正がその効力を生ずる月におけるその統計に示された当該平均給與額の百分の百二十五を超えるに至つたことを認めたときは、失業保險金額表を改正し、その平均給與額の上昇した比率に應じて、前項の賃金等級に属する賃金額を引上げ、その賃金等級に應ずる失業保險金の額をあらたに定めなければならない。但し、前項の賃金等級における失業保險金の額と賃金額との比率は、これを変えてはならない。
 前項の規定によつて失業保險金額表が改正され、その効力が生じた後においては、失業保險金は、第三項及び第四項の規定にかかわらず、改正された当該失業保險金額表によつて支給されるものとする。
 受給資格者は、第十六條の規定によつて公共職業安定所において認定を受けた、失業の期間中、自己の労働によつて收入を得るに至つた場合において、その收入の額が失業保險金算定の基礎となつた賃金の百分の八十に相当する額を基準とする金額に達しないときは、失業保險金の支給を受けることができる。この場合における失業保險金算定の方法は、政令でこれを定める。
 受給資格者が、健康保險法第五十五條の規定によつて傷病手当金の支給を受ける場合においては、失業保險金は、その者に支給すべき失業保險金の額からその支給を受けるべき傷病手当金の額を控除した残りの額を支給する。」
 それから「第十九條失業保險金は、受給資格者が、公共職業安定所に、」そこまでは変らないのであります。それから変ります。「安定所に離職後最初に求職の申込をした日以後において、失業の日数が通算して七日に満たない間は、これを支給しない、但し、失業保險金の支給を受けることができる者が前條に規定する一年の期間内において再び就職した後離職した場合は、この限りでない。」それだけが十七條であります。
 その次は二十一條であります。二十一條は、ずつと一項は変りがありません。その一項の一、二、三、三号ですね。「就職先の報酬、」その「報酬」を「賃金」と直します。それから又ずつと下の方に「一般の報酬水準」とあります、その「報酬」を「賃金」と直します。それから四号が加わります。今の四、現在の、その修正前の四が五に直りまして、そうして三号とその五号の間に四号が加わります。
 「四職業安定法第二十條の規定に違反して、労働爭議の発生している事業所に受給資格者を紹介したとき、」これが四に入ります。それから前の四が五になつて、「その他理由のあつたときは、」です。そのあとへ一項が加わります。
 「公共職業安定所は、受給資格者について、前項各号の一に該当するかしないかを認定しようとするときは、労働大臣が失業保險委員会の意見を聞いて定めた基準によらなければならない。」
 その次は二十二條、二十二條の一項は変りはありません。二項が加わりまして、二項が入ります。
 「公共職業安定所は、被保險者の離職が前項に規定する事由によるかどうかを認定しようとするときは、労働大臣が失業保險委員会の意見を聞いて定めた基準によらなければならない。」
 その次は二十四條であります。その見出しの、「支給方法及び支給期日」となつているのを、「支給期間」となります。衆議院の本会議に出したものは期間になつております。政府から頂いたものは「期日」になつております。衆議院で議決したものはこれになつております。それから……。
#4
○委員長(原虎一君) それでは総理大臣が出席になりましたので、総理大臣に対する質問を願うことにいたしまして、一應今のこの法案の修正箇所の報告を中止することにいたします。
#5
○堀末治君 私は本日、日項信倚いたします、片山首相が、政務誠に御繁忙の中を、特に本委員会に御出席を願いましたこの機会において、現段階における労働関係その他二三の問題について、首相の抱懷する御所見と、政府としてこれらの問題に対処せらるる御方針とをお伺いしたいのであります。
 先ず第一に首相が常に我が日本民族の間に眞の精神革命が行われるのでなければ、到底我が國の民主國家、平和國家の建設ができないと申述べておられまするが、不肖私も年來の信念、主張よりして、我が民族に精神革命が行われなくては眞の平和國家の建設は愚か、我が民族の繁栄は到底期し得られんと確信するものであります。私は本來産業人ではありますが、この不足の資源に高度の科学技術を加えることによつて相当に國家の繁栄を期し得ることと確信いたしておりまして、この方面から飽くまでも祖國の再建に盡力したいと思いますが、又微力ながらも、精神方面からも何程かのお役に立ちたいとの念願から議員の末席を汚した次第であります、從つて首相が提唱せられる精神革命運動には満腔の贊意を表する者であります。然るにこの政府においては、この重要な課題に対して、果してどれだけの熱意を以て如何なる施策を行なつておるか、その行われる施策その他が貧困なるのに遺憾を感ずると共に、失望いたしておるのであります。先般も本院の自由討議におきまして、「道義の高揚」についてという題課に各議員からそれぞれ有力な御発言があつたのでありまするが、遺憾ながら首相の御臨席がございませんでしたので、あなたのこれに対する御所見を拜聽する機会を得なかつたことに非常に遺憾に存ずるのでございますが、先ず第一にこの点についてあなたの御所見を拜聽いたしたいと存ずるのであります。
 次にお尋ね申上げたいのは最近の労働情勢でありますが、あなたの社会党は勤労大衆の絶大なる支持の下に、今春の総選挙に第一党をかち得られて、見事に内閣を組織せられましたが、その後にこれらの人々が最も待望して止まなかつた労働者が設立せられ、その方面のエキスパートとして自他共に許しておる米窪大臣が御就任になり、次いで労働基準法の施行と共に、職業安定法、失業保險法も間もなく施行せらるるなど、勤労大衆に対しましては、眞に画期的な処置が着々講ぜられております。これら大衆の地位が漸次世界的な水準に向つて向上しつつあることにつきましては、同胞の一人として同慶に堪えないのであります。而して祖國の再建の第一歩は、労資が眞に一体となつて生産増強に挺身せられる点にかかつておるものと確信いたす者でありますが、併し最近の労働情勢を見ますると、果してどんなものでございましようか。彼の全逓の中京地協の山猫爭議の如きは、國民の最もひんしゆくするところであつて、公共の利益を無視した最も非民主的な行爲であると断言して憚らないものだと思うのであります。そうしてかような陰險は爭議が随所に行なわれておりますことは、先日当席で米窪大臣が御説明になつたところで明らかでありまするが、この度行なわれた中労委の全逓提訴に対する調停案を繞つて、今後幾多のかような波瀾が捲き起されるのではないかと想像されるのでありまして、誠に寒心に堪えないものがございます。私共初め國民一般があなたの内閣に非常に期待した勞働行政が、かくも危殆に瀕したことについては、私は非常に失望を感ずる次第でありますが、あなたはこれらの情勢に対して如何に見、如何に考へ、如何に対処せられようとしておられますか、この点について特にお伺いいたしたいと思うのであります。
 第三にお尋ね申上げたいのは、最近頻りに激しくなつて参りましたと思われる共産党のフラクシヨン活動であります。勞働組合の発達がまだ幼稚である我が國の現段階において、この種の活動を許容することは、一部指導者の独裁に陷り戰時中の軍部独裁と変りないような情勢が各方面の勞働組合に発生しておるように思われます。而して改めて申上げるまでもなく、世界の民主義陣営が二大方向に指向されておることは御承知の通りでありますが、隣邦中華民國の如きは武力に訴えてその両派が鎬を削つておるということは、誠に世界の平和のために情ないことではなかろうかと思うのでありまするが、その余波は我國の現状に影響するところ又頗る大きいものがあるのであろうと、実はかように思うのであります。從つて我が國としては今においてこの問題に対して、劃然とした方向を定め、國民の向うところを誤らしむることなきようするのでなければ、國家百年の大計を誤るのではないか、かように心配されるのであります。巷間傳うるところによりますれば、あなたの社会党に常に両派があつて、相爭うておるように承るのでありますが、政治に初心な私の誠に不可解に思うところであります。以上の所見から、國家の前途に対して非常に深憂に堪えないものが感ぜられるのでありますが、これに対して一世の経世家として評判の高いあなたの御指導を蒙りたいとかように思うのであります。
 第四には、我が國の人口問題でありますが、これ又改めて申上げるまでもなく、敗戰の結果、我が國土は極度に狭められ、僅かに三十八万平万キロメーターの中に、昨日発表せられた七千八百万の人口を包容しなければならないという、かような状態でございます。而して我が國民の生活力は、意外に旺盛であつて、この困苦欠乏の中にあつても、尚且人口の増加を見るというような状態であります。從つてこの人口問題の解決は、我ら民族に課せられた最も重大であり、且喫緊なる問題であるとかように思うのであります。途上産兒制限問題が眞劍に論議せられるのを聞くのでありますが、私は信念的にさような方法を以て、生れ出ずる人人を調節すべきものではない。かように思うのでありまするが、ただ併し考えて見まするのに、いかに國土が狭いといいましても、この未利用資源を開発して、これに高度の科学技術を加えてこれを製品化して行くならば、八千万の人口は恐らく養い切れるのではなかろうか。そう面倒なことではなかろうかとかように思うのであります。そうしてこの問題に対しては、私共渾身の努力を傾けて、是非共解決をしなければならない。かように思うのでございます。併しこれから殖えて來る人口を一体どうするか。かような問題でございます。全世界を見まするというと未開発のままに取残されておる土地が随所に見られるのでありまして、これらを開発して、人類福祉のために提供するということは、独り全人類は申すまでもなく、世界の各國も当然なさなければならない崇高な義務であろうかと考えるのであります。從つて起つて來るところの問題は、今後増加する我が民族の移民問題でありまするが、軍部が強引に無暴な戰爭を起した所以も、ある程度この問題解決の思想が根柢をなしておつたのではなかろうか。かように思うのであります。先般も英國の議員團來朝の際、W・テーリングというお方によつて、我が國の移民問題を取上げられたことは誠に有難いことで、大旱に雲げいを臨むような思いで新聞報道を読んだのであります。いずれこれらの問題は、講和條約の締結の際に取上げられる重要問題だと思いますが、私としては是非これが円満なる解決によつて。我が日本民族が世界の隅々まで出掛けて行つて、眞に平和愛好の民として、謙虚で而かも勤勉な人々として、全世界に愛好せられ、且全人類の福祉に貢献するようにならんことを切望して止まない次第でありますが、政府はこれらに対して果してどれ程の準備をなさつておられるか、尚又それらに対する首相の御意見を承ることができれば誠に仕合せと思うのであります。これらのことは、外交に関係することでございますので、御都合によりましてはこの質問が速記録から抹殺されても差支えございませんし、尚又首相の御答弁が速記に載らずにお聞かせを願うことも一向差支えございません。どうぞ以上の四点について御所見を承ることができれば誠にありがたいことであると思います。
#6
○國務大臣(片山哲君) 只今堀君から國家の前途について眞劍に御檢討されて、いろいろの御所見をお洩らし下さいましたることは、誠に私ども敬意を表するところでありまして、お互いに如何にして我が國を再建するか、如何にして新らしき日本國を育て上げて行くかということについては、眞劍に各材料を持ち寄つて檢討しなけれたならないと思うのであります。つきましては、只今の御質問に應じまして私の考えをお答えいたしたいと思います。
 第一の精神革命あるいは文化昂揚、新日本建設運動に関する問題でありまするが、成る程この追加予算面に具的にこれだけの文化事業をやつておる、これだけの精神昂揚、あるいは道義発揚に関する具体的た事項をやつておるというようなことを取り上げて申す程度には達していないと私も認めざるを得ないのであります。誠に遺憾でありまして、予算面において、あるいは具体的施策によりまして、文化面に、平和事業面に、相当の費用を計上する運びには至つていないのであります。それよりも前になすべきことといたしまして、今日のこのインフレを防止し、危機を突破し、食糧の不足を如何にして国民全体に公平に配分するか、こういう危機問題、経済的な重要なる問題が大きく出て來ましたものでありますから、これを先ず乗り切つて祖國を再建して、そうして我々はこれから文化國家建設の乗り出さなければならないという具体的な問題を先ず取り上げなければならなくなつたのであります。そこにおいて政治を行い、経済を充実し、産業を再建し、財政を健全に組み立てて行くための心構えといたしまして、同時に精神上の動き、道義昂揚の動きもして行かなければならない、この点において私どもは特に力を入れておるのであります。即ち食糧が足りた後にいろいろの施策をしなければならない、例えば憲法よりも飯が先だという言葉に應じまして、憲法の制定を遅らして食糧問題に專念をしておるというようなやり方をしないで、食糧の増産に、産業の強力化に、経済の充実に、こういうような経済的國家再建の努力を一面においてなしつつ、同時に精神昂揚の運動、文化建設の運動をやつて行く、経済上において金額を文化方面に多く出し得ないが、併しその足りないところは精神運動で補充して、そうして両々相俟つて二つの運動を並行してやつて貰いたい、こういうふうに考えておるのであります。乏しき資源の下におきましては誠に巳むを得ないことでありまして、満足はいたしておりませんけれども、これによるより外に方法はないのであります。お互いに乏しきを分けあつて、行かなければならない、お互いに耐乏しつつ祖國再建に邁進して行かなければならない、それには國民全体が闇を排斥し、闇は國辱であるという意識に徹し、正しく汗水垂らして働いて行くということが國家のために必要なことである、こういう建前に徹する精神的な、切替を要望いたしておるのであります。消費も一つ節約して行こう、お互いに無駄を省いて行こう、家庭においても主人公一人慰安を求める、あるいは樂しむというようなことをせずして、一家全体が乏しきを分け合つて、耐乏に徹して行こう、それを拡げまして國民全体が耐乏生活をして、祖國再建のためにそれぞれ努力しよう、こういうことに進んで行くことを要望いたしておるのであります。もう一つ言い換えて見まするならば、政治的に制度の改革と共に、文化國家を建設するためには、文化國家建設の費用を國民全体がそれぞれの分に應じて、能力に應じて担当して行こう、自分は知らない、自分は自分だけのことをやつておればいいのだ、こういうような考えを捨てて、國民全体が能力に應じて、大小に拘わらず國家再建の費用を分担して行かないことには、文化國家というものの建設が具体的に上つて來ない、こういう意味を要望して止まないのであります。政府は努力しておりまするけれども、甚だ力が足りませんが、併し官吏制度の改革、警察制度の改革官吏は國民の公僕であるという観念に徹せしめるべく最大の努力を拂つております。更に又國民運動を展開するためには、閣僚が手分けをいたしまして各地に、殊に農村地帶にも出かけまして、親しく國民に直接に愬えて、政府は國民のために、國民の利益のために、仕事をするのであつて、在來のように官僚的な、封建的なやる方を一擲いたしておるのである、こういうことを実践躬行しようと努力いたしておるのであります。甚だ困難でりまして、今日唱えましてそれが直ぐ効果が現れないのであります。相当の時日を要しなければならないので、実にこれは國民の協力、國民の理解に俟たなければならないと存じております。一段と更に努力をいたしまして、精神的に道義昂揚のために、文化國家建設のために、更に御趣旨に副うべく努力いたしたい考えであります。
 第二の爭議の問題でありまするが、御指摘の通り自分の立場さえよければいいというようなやり方は、最も排斥すべきでありまして、お互いに新らしき國家を建設しようとするためには、國民全体の協力を求めなければなりませんから、事業家諸君も、労働者諸君も、特に勤労労働大衆を指導されております労働組合運動が最も健全に進むことを要望いたしておるのであります。労働組合は産業を発展せしめて、國家経済の隆昌を企図する経済の発展に大いに寄與する運動に進んで貰わなければならないと考えておるのであります。この意味においてやたらに非合法的に、あるいは暴力的に進まれることは勿論許さるべきことではないのでありまするが、特に國民全体に不利益を與え、國民全体の公正なる批判に愬えて、正しいと思われる運動に進んで貰わなければならないのであります。しかし第三の御質問のこのフラクシヨン運動と関連をいたしましてお答えをいたしたいのでありますが、共産党の運動に対しまして政府は權力を以て、あるいは法律の力を以つてこれを抑えつけるということよりも、國民全体の批判力、國民全体の誤またざる判断力によつて、こういう運動はよろしくない、こういう運動は適当である。こういうふうな批判が十分になされるようになつて行かなければならないと思うのであります。つきましては、勞働組合の自主的な運動によりまして、正しい運動が、勝を制し、矯激なる運動であるとか、あるいは又適当ならざる運動が、段々と國民の鋭い批判を受けて、他の労働大衆全体の支持を得られない、こういうふうに進んで來るのではなかろうかと思つておるのでありまる。できるだけ政府といたしましても、そういうふうに國民の正当なる判断、正しき批判に愬えたいと考えておる次第でありまして、段々とそういう傾向に進むことによつて労働組合も健全なる発展をすることになるでありましようし、從つて労働組合の健全なる発展によつて、一國の産業も栄え、経済も隆昌となり、從つて財政も堅実になり、祖國は再建せられると、こういうふうになるのでありまして、私共は非常な期待をもつて労働組合の健全なる発達を心から冀つておるような次第であります。
 第四番目の人口の問題でありまして、この点は堀君も御指摘になりましたように極めて重大問題でありまして、現下の我が國の情勢においては、いろいろこの問題について愼重なる檢討をなし、十分なる資料を集めまして、というやうな問題をこの事項の中に織込んで行くべきかというようなことを檢討いたしておるような次第であります。統計局におきましても、あるいは総理廳におけるその他のこの問題に関する係におきましてもそれぞれ研究をいたしておるのであります。なお産兒制限の問題につきましても、やはり実際上の問題に乘り出して行く程度にはまだ達していないのでありまして、これも研究中であります。この狹い土地の中にありまして、人口の問題をどう取上げて行くかということはどうか今後の問題として頂きたいということを冀つておるようなわけであります。こういうような状態でありまして、只今堀委員の御指摘になりましてような四項目は誠に御尤もな点でありまして、政府といたしましても十分御趣旨を尊重いたしまして、祖國を健全に育て上げて行くために十分なる用意をこれからいたしたいと考えておる次第であります。
#7
○堀末治君 時間がないようでありますから、この機会にもう一つ、これは何もこういう問題に関係したことではございませんですが、あるいは幸いに首相のお耳に入つておれば結構でありますが、ちよつと一言申上げたいのであります。それは実はこの間、私北海道の北の鴛泊漁港の問題で、そこの村の連中が陳情に見えた、その時に北海道廳の港湾課にあると言つた一つの青寫眞を持つて來た。その青寫眞にポツダム宣言に決められた四十五度三分のあの線がちやんと、宗谷の岬の一端と、利尻島に属するトド島掛つておる赤い線の入つた地図を持つて來た。誠に意外なことで、その地図を欲しいから置いて行つてくれんかといつて頼んだのでありますが、道廳にたつたこれ一つよりないというのを借りて來たので置いて行くわけに行かない、こういうことであります。さようなことで実は私水産委員会にその陳情の説明に参つたときに、水産委員会にそのことを申上げて注意を喚起して置いたのでありますが、誠にこれは重大な問題でありますので、幸に北海道廳の地図が問違つておれば結構でありますが、若しも間違つておらないということでありますと、丁度宗谷岬の凡そ目測四キロ乃至五キロが引つかかつておる。これは非常に重大な問題でありますので、若しもそういうことがお氣付になつて、幸に若しないということであれば結構でありますが、あるということであれは非常に重大と思いますので、この機会にちよつと御注意申上げて置きたいと思います。
#8
○國務大臣(片山哲君) 調べまして……。
#9
○委員長(原虎一君) そういたしますと、総理大臣は予算委員会に十一時半から出ることになつておりますから、他に御質問もあろうかと思いますけれども、その積りで……。
#10
○竹下豐次君 総理大臣に極く簡單にお尋ねいたします。只今堀委員の御質問に対する御答弁の中に労働運動の趨向、どういう方面に進みつつあるかということについて総理大臣のお言葉の中には、段々國家本位に考えて運動を進めるようになるだろうというような……、言葉は違つたかと思いますが、そういう意味のお言葉があつたかと思いまするが、その点がはつきりいたしません。と申しますのは総理大臣の御希望であるかのようにも聞えましたし、あるいは現在の運動の状態がそういう誠に國民として望ましい方向に進みつつあるというふうに現在の運動を見ておられるのか、その点がはつきりいたしませんからもう一度御説明願いたいと思います。
#11
○國務大臣(片山哲君) 労働組合法の第一條に書いてあります通り、労働者の生活を向上して地位を上げるということは、同時に産業を発展せしめ、経済をよくすることである、こういうことを明記されておりまするが、大体政府といたしましてもそういう方針で進んでおるのであります。即ち労働者の地位を上げなければいけない、ある程度にでありまするが、上げなければならないが、併しそれには結局一國の産業の発展と睨み合せて行かなければならない。勞働者の立場さえよくなれば、後はどうでもよいというのではなくして、一國の産業の発展ということを十分に考慮しつつ睨み合せて、労働者の待遇なり、地位の向上を図つて、團結も認めて行かなければならんという点を申上げたので、政府の方針としてもそうであるし、又私の考えといたしましても、國家産業を発展せしむることに労働組合は協力してもらわなければならない。ここに労働組合の健全なる発展を心より冀つている次第であるという、こういう意味で申上げたのであります。
#12
○竹下豐次君 只今の御説明によりますと、総理大臣の組合運動及び組合員のこの後の向上についての御希望に止まるようでありますが、現在の運動の状況、その傾向というものが、階級鬪爭を基いにした一種の團体的の、利己的な運動になる傾向を強く御覽になつておりますか。あるいはそうでなくして、本当に國家本位とか、あるいは民族本位とか、世界人類のためというような大きな立場に向つて運動が進みつつあるか。いずれの傾向を持つているように、総理大臣は現在の状態を御覽になつているのでありましようか。この問題は政府の勞働問題に対する施策の根本問題として、各方面に現われてくる問題だろうと思つておりますが、この点をお聽きしたいと思います。
#13
○國務大臣(片山哲君) やはり政府の方針としても今申した方針であり、又私の希望としてもそうでありますが、実情といたしましては、必らずしもそれに副わないで、一部に矯激なることを要求し、矯激なる運動をする者があるということは認めております。併しそれをどう扱つていくかということに対しましては、我々の方針としては健全なる発展を祈つているのであり、この矯激なる運動を抑えつけるということよりも、國民の理解と判断によつて矯激なる運動が終煩するように希望している。こういうふうに申上げます。
#14
○竹下豐次君 私のお尋ねしておりますことは、個々の問題につきまして、いろいろ檢討しますと、いい方に進んでいるものも、惡い方に進んでいるものも両方あると思つておりますが、大体今日の労働運動の動きというものを大きく掴んだところで、どういう傾向にあるかという見定め、総理大臣としてどう見透していらつしやるかということがこの問題になるのでありますが……。
#15
○國務大臣(片山哲君) 傾向としては二つの流れがあると思います。これは世界的の二つの流れであると思います。併し日本國民全体としましては、矯激なる運動を快く思つていないという状態だろうと思うのです。それですから、政府としましては、この健全なる労働運動の発展を助長すべく、十分なる指導をしたい。こう考えております。事実としては二つの流れが日本のみならず、世界的にあることは事実と存じます。
#16
○委員長(原虎一君) 他にも御質問があろうかと思いますが、総理大臣の御都合もあり、時間が大分経過いたしましたから、本日はこの程度で総理大臣に対する質問を打切りたいと思います。続いて先程の失業保險法の衆議院の修正に対する報告を続けてまいります。柴田專門調査員。
#17
○專門調査員(柴田義彦君) 第二十四條でありますが、第二十四條はその全部を削りまして、後に一項と二項と新しく入れます。
 「第二十四條失業保險金は、公共職業安定所において、一週間に一回、その日以前の七日分(失業の認定を受けなかつた日分を除く)を支給する。但し、労働大臣は、必要であると認めるときは、失業保險委員会の意見を開いて、失業保險金の支給について別段の定めをすることができる。」
 二項として、「公共職業安定所は、各受給資格者について失業保險金を支給すべき日を定め、これをその者に知らさなければならない。」
 次に二十七條は、その二行目くらいに「政府は、命令の定めるところによつて、」とありますが、その「命令の定めるところによつて」というのを削ります。それで一項は活きるのであります。二項として入ります。「前項の費用の支給に関し必要は事項は、労働大臣が、失業保險委員会の意見を聞いて、これを定める。」この二項が新たに入ります。それから第三項に「第二十三條の規定は、前項の……」書いてあります「前項」を「第一項」に直します。即ち第三項として「第二十三條の規定は、第一項の場合に、これを準用する。」となります。
 それから三十條は三十一條になります。「保險料額は、各月につき、」それまでは活きますが、それから変ります。「被保險者に支拂われた賃金の額に保險料を乗じて得た金額を基準として労働大臣の定めた保險料額表に示す賃金等級別の定額とする。但し、保險料算定の基礎となる賃金の最高額は、一月につき、五千百円を超えてはならない。」これは一項であります。第二項として「第十七條第五項及び第六項の規定は、前項の最高額の変更について、これを準用する。」第三項として「被保險者及び被保險料を雇用する事業主は、各各同額の保險料を負担する。」こうなります。
 それから第三十一條は第三十條に直します。中の文案は全然変りありません。
 第三十三條は、まず見出の「報酬からの保險料控除」という「報酬」を「賃金」に直します。三十三條本文は、「事業主は政令の定めるところによつて、……」というこの「政令の定めるところによつて」というのを削ります。それから「前條の規定により納付する」これだけ活きまして、あとは全部変ります。即ち「……納付する被保險者の負担する保險料をその者に支拂う賃金から控除することができる。この場合、事業主は、保險料控除に関する計算書を作製し、その控除額を被保險者に知らせなければならない。」となります。第三十四條も全部削つてしまいまして、一項は「保險料は、毎月、これを納付しなければならない。」二項として「保險料の納付期日に関しては、政令でこれを定める。」、三十九條も一項は全部消しまして「失業保險に関する重要事項を審議させるために、失業保險委員会を置く。」これが一項になります。二項として入りまして、「労働大臣は、失業保險事業の運営に関する重要事項については、予め失業保險委員会の意見を聞いて、これを決定しなければならない。」三項が又新らしく入ります。「失業保險委員会は、労働大臣に対するその職能を完うするため、必要に應じ、失業保險事業に関し、関係行政官廳に建議し、又はその報告を求めることができる。」四項として「失業保險委員会は、被保險者を代表する者、事業主を代表する者及び公益を代表する者につき、労働大臣が各各同数を委嘱した者でこれを組織する。」これが四項となつて行きます。これは原案通りであります。五項の、「前二項に定めるものの外」とあります「前二項」の「二」をカツトします。そうして「前各項に定めるものの外、」と直し、「失業保險委員会に関し必要な事項は、」というのを、「の事務に関する」と直します。即ち「失業保險委員会の事務に関する事項は、政令で、これを定める。」と直します。四十一條見出しの「職権審査」というのを「失業保險審査官」に直します。そうして四十一條の文章の方に加えます。「失業保險審査官は、労働大臣がこれを任命する。失業保險審査官の職務は、この法律の定めるところによるものとする。」第二項は変りません。四十六條の一項に「この章に定めるものの外、失業保險審査官及び失業保險審査会に関し必要な」とあるのを、やはり「の業務に関する」と直します。四十九條の見出しと、本文の「行政廳は、」の外は全部削つて、全部修正になります。見出しは「報告等の義務」と直します。本文の方は、「行政廳は、命令の定めるところによつて、被保險者を雇用する事業主に、被保險者の異動、賃金その他失業保險事業の運営に関して必要な報告又は交書を提出させることができる。」これが一項です。二項、「離職した被保險者は、命令の定めるところによつて、從前の事業主に対し失業保險金の支給を受けるために必要な証明書の交付を請求することができる。その請求があつたときは、事業主は、その請求にかかる、証明書を交付しなければならない。」
 五十一條は二十一條の見出しの臨檢というのを削ります。「質問及び檢査」となります。そうして一項の、「行政廳は必要があると認める場合においては、当該官吏に、被保險者又は受給資格者を雇用し、又は雇用した事業所に」そこまでは活きます。それから削つて頂きます。「臨檢し」から「できる」までを削つて頂いて、「事業所に立入つて、被保險者又は受給資格者の雇用関係及び賃金について、関係者に対し質問し又は帳簿書類の檢査をさせることができる。」こう直します。それから二項はそのままであります。
 それから第八章の罰則の五十三條、五十三條の一項に、「事業主が左の」とあるのを「事業主が故なく」というふうに「故なく」という文字が入ります。「故なく左の各号の一に該当するときは、これを」の次に「六箇月以下の懲役又は」が入りまして、「又は一万円以下の罰金に処する。」それからその一号はそのままでありますが、二号が入ります。今の二号が三になります、現在の二号が三になりまして、以下四、五と直ります。そうして二号が新らしく入ります。「二第三十二條の規定に違反して被保險者の賃金から控除した保險料を、その納付期日に納付しなかつた場合」これが修正で新たに入ります。それから二が三に直つて原案通り、三が四に直つて原案通り、四が五に直りまして原案通りであります。それから第五十四條、五十四條の一項は、「被保險者、受給資格者その他の関係者が、左の」とあります。その間へ「故なく」という文字を入れて、「関係者が、故なく左の各号の一に該当するときは、これを六箇月以下の懲役又は五千円以下の罰金に処する。」それから第一号、第二号、これは原案通りであります。それから附則へ入りまして、「この法律は昭年二十二年十月一日」というのを「十一月一日」、「から、これを施行する。」というのを「適用する。」と直します。それからその次に書いてあります「失業手当法第二條の規定に該当する者が、」ということ、これは原案通りでありまして、そこへ又二項が加ります。「失業手当法の規定によつて失業手当金の支給を受ける者が、昭和二十三年五月一日以後同法第二條第一項の規定により失業保險金の支給を受けるに至つた場合においては、その失業保險金の額は、失業手当金の額と同額とし、同法第六條に規定する一年の期間内において、百二十日から既に失業手当金の支給を受けた日数を控除した残りの日数を超えては、これを支給しない。」これで失業保險法案の方は終ります。
 今度は失業手当法案、その第二條でありますが、第二條の第一項「昭和二十三年三月三十一日」とありますのを、「昭和二十三年四月三十日」に直します。それから「同年四月一日以後」とあるのを「同年五月一日以後」と直します。それから「一 離職の日まで継続して」とありますが、その「継続して」というのを削ります。「離職の日まで六箇月以上、」と直します。それからその括弧に、「(失業保險の被保險者となつた日」と、その「日」までを削りまして、その代りに「昭和二十二年十一月一日」と入れます。「昭和二十二年十一月一日前の期間については、」そこへ又「継続して」という文字を入れます。「継続して同一の事業所)に雇用されたこと。」それから二号は、「この法律施行の日から、」というのを削りまして、「前号に該当する者が、昭和二十二年十一月一日から、」と入れまして、「昭和二十三年十一月一日から、」「昭和二十三年三月」となつておりますのを「四月」に直します。「四月三十日までの間において離職したこと。」というのは「したこと」を削ります。そうして、「離職し、失業保險法第十五條第一項の規定に該当しないこと。」それから二項は変りありません。
 それから第五條、第五條の「失業手当金の」そこまで行きまして「の額」というのを削りまして、「失業手当金は」となつて、そのあと全部削りまして、修正します。「失業手当金は、失業保險の被保險者の離織した月以前において、被保險者期間として計算された最後の月及びその前月(月の末日において離職し、その月が被保險者期間として計算される場合は、その月及びその以前において被保險者期間として計算された最後の月)に支拂われた賃金の総額をその期間の総日数で除した額によつて算定する。但し、その二箇月間における後の月に支拂われた賃金が、法令又は労働協約若しくは、就業規則に基く昇給その他これに準ずる賃金の増加によつて、その前の月に支拂われた賃金より高いときは、その後の月に支拂われた賃金の総額をその期間の総日数で除して得た額によつて算定する。」それから第二項が入りまして、「前項の額が左の各号の一によつて計算した額に満たないときは、失業手当金は、前項の規定にかかわらず、左の各号の一によつて計算した額によつて算定ずる。」
 一賃金が労働した日若しくは時間によつて算定され、又は出來高拂制その他の請負制によつて定められた場合においては、前項の期間に支拂われた賃金の総額をその期間中に労働した日数で除した金額の百分の七十
 二賃金の一部が、月、週その他一定の期間によつて定められた場合においては、その部分の総額をその期間の総日数で除した金額と前号の金額との合算額
 失業手当金は、労働大臣の定める失業手当金額表における賃金等級に属する賃金に應じて定められた定額とする、但し失業手当金算定の基礎となる賃金の最高額は、一日につき、百七十円を超えてはならない。
 失業手当金の額は、第一項及び第二項の規定によつて算定した賃金の額が、四十円以上八十円未満の賃金等級に属する場合には、その賃金の額の百分の五十五に相当する額、その賃金の額が八十円以上百七十円以下の賃金等級に属する場合には、百七十円について百分の三十五を最低の率として逓減した率によつて算定した額、又はその賃金の額が十円(十円未満のものを含む。)以上四十円未満の賃金等級に属する場合には、十円について百分の七十五を最高の率として逓増した率によつて算定した額を基準とした金額とする。
 受給資格者は、第四條の規定によつて公共職業安定所において認定を受けた失業の期間中、自己の労働によつて收入を得るに至つた場合において、その收入の額が失業手当金算定の基礎となつた賃金の百分の八十に相当する額を基準とする金額に達しないときは、失業手当金の支給を受けることができる。この場合における失業手当金算定の方法は、政令でこれを定める。
 受給資格者が、健康保險法第五十五條の規定によつて傷病手当金の支給を受ける場合においては、失業手当金は、その者に支給すべき失業手当の額からその支給を受けるべき傷病手当金の額を控除した残りの額を支給する。」
 次は第七條であります。「失業手当金は、受給資格者が、公共職業安定所に」その間に入りまして「離職後最初に」と入ります。「求職の申込をした」「日から」というのは消しまして、「日以後において、失業の日数が通算して三十日に満たない間は、これを支給しない。但し、失業手当金の支給を受け」「た」を消して、「受けることができる」と直します。「受けることができる者が前條に規定する」「期間」の間に「一年の」を入れます。「規定する一年の期間内に再び」「就職した後」と入れます。「離職した場合は、この限りでない。」
 第十條は、「受給資格者が、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと又はその指示した職業の補導を受けることを拒んだときは、失業手当金を支給しない。但し、」から全部削りまして、その後へ修正案を附けまして、「但し、左の各号の一に該当するときは、この限りでない。」「一紹介された職業又は補導を受けることを指示された職業が、受給資格者の能力からみて不適当と認められるとき、」「二就職するために、現在の住所又は居所を変更することを要する場合において、その変更が困難であると認められるとき、」「三就職先の賃金が、同一地域における同種の業務及び技能について行われる一般の賃金水準に比べて、不当に低いとき、」「四職業安定法第二十條の規定に違反して、労働爭議の発生している事業所に受給資格者を紹介したとき」、「五その他正当な理由のあるとき、公共職業安定所は、受給資格者について前項各号の一に該当するかしないかを認定しようとするときは、労働大臣が失業保險委員会の意見を聞いて定めた基準によらなければならない。
 それから第十一條の一項はそのままでありまして、二項が加わります、「公共職業安定所は、受給資格の離職が前項に規定する事由によるかどうかを認定しようとするとするときは、労働大臣が失業保險委員会の意見を聞いて定めた基準によらなければならない。」
 第十三條の一項は大体全部……「失業手当金」だけ活かして、後全部削ります。「失業手当金は公共職業安定所において、一週間に一回、その日以前の七日分(失業の認定を受けなかつた日分を除く)を支給する。但し労働大臣は、必要であると認めるときは、失業保險委員会の意見を聞いて、失業手当金の支給について別段の基準を定めることができる。」、「公共職業安定所は、各受給資格者について、失業手当金を支給すべき日を定め、これをその者に知らせなければならない。
 第十八條でありますが、第十八條の「職権審査」を「失業手当審査官」に直します。第十八條の「失業手当審査官は、労働大臣がこれを任命する。失業手当審査官の職務は、この法律の定めるところによる。」これが、新しく入ります。これは保險法と同じであります。
 そして二項が、現在の一項「失業手当審査官は……」、後はその通りであります。
 二十二條の「前五條に規定するものの外、失業手当審査官及び失業手当審査会に関し必要な事項は」を「審査会の事務に関する事項」と改めます。政令でこれを定める。」
 それから二十五條の見出しの「報告、出頭等の義務」の「出頭」を削りまして「報告等の義務」、二十五條、「行政廳は、命令の定めるところによつて」が入ります。「命令の定めるところによつて、受給資格者を雇用した事業主又は受給資格者に、」その次からずつと削りまして、「必要な事項」を「受給資格者の異動、賃金その他、その法律の施行に関し必要な報告、若しくは受給資格者を出頭させることができる。」
 それから二項も全部削つてしまいまして、「離職した失業保險の被保險者は、命令の定めるところによつて、從前の事業主に対し失業手当金に支給を受けるために必要な証明書の交付を請求することができる。その請求があつたときは、事業主はその請求にかかる証明書を交付しなければならない。」
 二十六條の見出しの「臨檢、質問及び檢査」の「臨檢」を削りまして「質問及び檢査」。二十六條は「行政廳は、必要があると認める場合においては、当該官吏に、受給資格者を雇用した事業主の」というのを削りまして、「雇用した事業所に臨檢し、」という「臨檢し、」を削りまして、「立入つて受給資格者の雇用関係及び賃金について、関係者に対して」というのを「対し」と直し、「対し質問し、」その間に点が入ります。「又は帳簿書類の檢査をさせることができる。」二項はその通りであります。
 それから「罰則、」二十七條の「事業主、受給資格者その他の関係者が、」そこへ「故なく」が入りまして、「故なく左の各号の一に該当するときは、これを六ケ月以下の懲役又は」と入りまして、「一万円以下の罰金に処する。」一号、二号、三号は変りありません。
 それから「附則」、「この法律は、昭和二十二年十日一日」を「二十二年十一月一日から適用する。」と直します。規それから後へ加えまして、「第六條に定する期間は、昭和二十二年十一月一日以後この法律公布の日前に離職した者については、この法律公布の日からこれを起算するものとする。」これだけが修正であります。これで全部であります。
#18
○委員長(原虎一君) 速記を止めて。
#19
○委員長(原虎一君) 速記開始。本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時二十九分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     原  虎一君
   理事
           堀  末治君
           栗山 良夫君
   委員
           赤松 常子君
           千葉  信君
           山田 節男君
           平岡 市三君
           深川タマヱ君
           奥 むめお君
           竹下 豐次君
           早川 愼一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           松井 道夫君
  專門調査員
           柴田 義彦君
  國務大臣
   内閣総理大臣  片山  哲君
   労 働 大 臣 米窪 滿亮君
  政府委員
   労働事務官
   (職業安定局
   長)      上山  顯君
ソース: 国立国会図書館
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